(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-31
(45)【発行日】2023-04-10
(54)【発明の名称】金属研磨用コロイダルシリカ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20230403BHJP
B24B 37/00 20120101ALI20230403BHJP
C09K 3/14 20060101ALI20230403BHJP
C01B 33/141 20060101ALI20230403BHJP
【FI】
H01L21/304 622B
B24B37/00 H
C09K3/14 550D
C01B33/141
H01L21/304 622X
(21)【出願番号】P 2019080611
(22)【出願日】2019-04-22
【審査請求日】2022-01-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000238164
【氏名又は名称】扶桑化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 大介
(72)【発明者】
【氏名】中野 智陽
【審査官】内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-069622(JP,A)
【文献】国際公開第2018/168206(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/065357(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
B24B 37/00
C09K 3/14
C01B 33/141
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1個のカルボキシル基を含む官能基が共有結合を介して表面に固定されたシリカ粒子を含有する、金属研磨用コロイダルシリカ
であって、前記シリカ粒子の真比重が1.50以上2.30以下である、金属研磨用コロイダルシリカ。
【請求項2】
前記シリカ粒子が、少なくとも1個のカルボキシル基又はその前駆基を含む官能基を有するシランカップリング剤又はその加水分解縮合物で表面修飾されたシリカ粒子である、請求項
1に記載のコロイダルシリカ。
【請求項3】
前記金属が、遷移金属である、請求項1
又は2に記載のコロイダルシリカ。
【請求項4】
前記遷移金属が、コバルト、ルテニウム、銅、タングステン、タンタル、及びチタンから選択される少なくとも一種である、請求項
3に記載のコロイダルシリカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属研磨用コロイダルシリカに関する。
【背景技術】
【0002】
コロイダルシリカは、シリカ粒子を水等の媒体に分散させたものであり、半導体ウエハ等の研磨剤として使用されている。
例えば、特開2010-41029号公報(特許文献1)には、所定の化学的性質を有するシリカ粒子と、2個以上のカルボキシル基を有する有機酸とを含有する化学機械研磨用水系分散体が記載されている。特許文献1には、有機酸の効果として、(1)研磨により水系分散体中に溶出される銅、タンタル、チタン等の金属イオンへ配位し、金属の析出を防ぐ、(2)銅膜、バリアメタル膜、TEOS膜等の研磨対象に対する研磨速度を高める、(3)研磨中に粉砕されてシリカ粒子から溶出されたナトリウムイオン又はカリウムイオンに配位し、ナトリウムイオン又はカリウムイオンが研磨対象面に吸着するのを阻害する、(4)シリカ粒子の表面へ吸着して、シリカ粒子の分散安定性を高める、ことが記載されている。
また、特開2016-30831号公報(特許文献2)には、コバルト含有基板のための化学的機械的研磨(CMP)研磨組成物であって、コロイダルシリカ等の研磨剤と、少なくとも2種の特定のキレート化剤とを所定量ずつ含有し、残部が実質的に脱イオン水であり、pHが2.0~12である研磨組成物が記載されている。特許文献2には、キレート化剤を2種類組み合わせることにより、キレート化剤を単独で用いるよりも、高いコバルト除去速度を与えることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-41029号公報
【文献】特開2016-30831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
金属の研磨において、研磨レートを、特許文献1及び2の研磨組成物で達成される研磨レートよりも更に向上させることが求められる。
本発明は、高研磨レートを達成することができる金属研磨用コロイダルシリカを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、少なくとも1個のカルボキシル基を含む官能基が共有結合を介して表面に固定されたシリカ粒子を含有するコロイダルシリカを用いて、金属を研磨することにより、高研磨レートが得られることを見出し、この知見に基づいて更に検討を重ね、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、次の態様を含む。
項1.
少なくとも1個のカルボキシル基を含む官能基が共有結合を介して表面に固定されたシリカ粒子を含有する、金属研磨用コロイダルシリカ。
項2.
前記シリカ粒子が、下記式(1):
【化1】
[式中、R
1は、少なくとも1個のカルボキシル基を有する有機官能基であり、R
2及びR
3は、同一又は異なって、水素原子、炭化水素基、又は-OR
4(R
4は、水素原子、炭化水素基、又はケイ素含有基である。)である。]
で表される基を表面に有する、項1に記載のコロイダルシリカ。
項3.
前記シリカ粒子が、少なくとも1個のカルボキシル基又はその前駆基を含む官能基を有するシランカップリング剤又はその加水分解縮合物で表面修飾されたシリカ粒子である、項1又は2に記載のコロイダルシリカ。
項4.
前記金属が、遷移金属である、項1~3のいずれか一項に記載のコロイダルシリカ。
項5.
前記遷移金属が、コバルト、ルテニウム、銅、タングステン、タンタル、及びチタンから選択される少なくとも一種である、項4に記載のコロイダルシリカ。
【発明の効果】
【0007】
本発明のコロイダルシリカを用いて金属を研磨することにより、高研磨レートが得られる。また、本発明のコロイダルシリカは、研磨組成物中のシリカ粒子の濃度が低くても金属の高研磨レートを達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施例及び比較例のコロイダルシリカのpHとゼータ電位との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の金属研磨用コロイダルシリカは、少なくとも1個のカルボキシル基を含む官能基が共有結合を介して表面に固定されたシリカ粒子(以下、「表面修飾シリカ粒子」という。)を含む。前記官能基は、少なくとも1個のカルボキシル基を含む有機官能基が好ましく、少なくとも1個のカルボキシル基を有する炭化水素基がより好ましい。前記官能基に含まれるカルボキシル基の数は、好ましくは1~4個であり、より好ましくは1~3個、更に好ましくは1~2個である。カルボキシル基の位置は、官能基の末端であっても末端以外の部位であってもよいが、少なくとも1個は末端に存在することが好ましい。
【0010】
表面修飾シリカ粒子は、例えば、表面のヒドロキシル基(シラノール基)の水素原子が、少なくとも1個のカルボキシル基を含む官能基で置換されたシリカ粒子である。
すなわち、表面修飾シリカ粒子は、例えば、ヒドロキシル基の代わりに、式:-OR(式中、Rは、少なくとも1個のカルボキシル基を含む官能基である。)で表される基を表面に有するシリカ粒子である。なお、-ORにおける酸素原子は、シリカ粒子の内部のケイ素原子と結合する。
【0011】
-ORは、特に限定されるものではないが、典型的には、下記式(1):
【化2】
[式中、R
1は、少なくとも1個のカルボキシル基を有する有機官能基であり、R
2及びR
3は、同一又は異なって、水素原子、炭化水素基、又は-OR
4(R
4は、水素原子、炭化水素基、又はケイ素含有基である。)である。]
で表される基である。
【0012】
R1における有機官能基としては、例えば、炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基などが挙げられる。
【0013】
炭化水素基としては、例えば、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル基などが挙げられる。
【0014】
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル(n-プロピル、i-プロピル)、ブチル(n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル)、ペンチル、ヘキシル基などのC1-12アルキル基が挙げられる。
【0015】
シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル基などのC5-12シクロアルキル基が挙げられる。
【0016】
アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル基などのC6-12アリール基が挙げられる。
【0017】
アラルキル基としては、例えば、ベンジル、フェネチル基などのC6-12アリールC1-4アルキル基が挙げられる。
【0018】
ヘテロ原子含有炭化水素基としては、酸素原子、硫黄原子、及び窒素原子からなる群から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含有する炭化水素基が好ましく、その例としては、含酸素アルキル基(例:アルコキシ基、アルコキシアルキル基)、含硫黄アルキル基(例:アルキルチオアルキル基)、含窒素アルキル基(例:モノアルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基)、含酸素複素環基(例:フラン、ベンゾフランなどの含酸素芳香族複素環基)、含硫黄複素環基(例:チオフェン、ベンゾチオフェンなどの含酸素芳香族複素環基)、含窒素複素環基(例:ピロール、ピリジン、インドール、キノリンなどの含窒素芳香族複素環基)が挙げられる。なお、ヘテロ原子含有炭化水素基において、ヘテロ原子の数は、好ましくは1~3個であり、さらに好ましくは1又は2個である。
【0019】
R1としては、少なくとも1個のカルボキシル基を有するアルキル基、少なくとも1個のカルボキシル基を有するアルコキシアルキル基、少なくとも1個のカルボキシル基を有するアルキルチオアルキル基、又は少なくとも1個のカルボキシル基を有するアルキルアミノアルキル基が好ましく、これらの基は1~4個のカルボキシ基を有することがより好ましく、1~3個のカルボキシ基を有することが更に好ましく、1~2個のカルボキシ基を有することが最も好ましい。
【0020】
R2~R4のうち、炭化水素基としては、R1における有機官能基として例示した炭化水素基と同様の基が挙げられ、好ましくはアルキル基であり、より好ましくはC1-4アルキル基である。
R4のうち、ケイ素含有基としては、表面に存在する別のシラノール基又はその水素原子が少なくとも1個のカルボキシル基を含む官能基に置換された基との反応により生成する基であってもよく、シランカップリング剤(例えば、後記の表面修飾化剤として例示されるシランカップリング剤)との反応により生成する基であってもよい。
【0021】
表面修飾シリカ粒子は、少なくとも1個のカルボキシル基又はその前駆基を含む官能基を有する化合物(以下、「表面修飾化剤」という。)で表面修飾されたシリカ粒子であることが好ましい。
【0022】
カルボキシル基の前駆基としては、例えば、カルボン酸エステル基(例:カルボン酸メチルエステル、カルボン酸エチルエステルなどのカルボン酸アルキルエステル基)、カルボン酸無水物基が挙げられる。
【0023】
少なくとも1個のカルボキシル基又はその前駆基としては、例えば、1個のカルボキシル基、1個のカルボン酸エステル基、2個のカルボキシル基、1個のカルボン酸無水物基、2個のカルボン酸エステル基が挙げられる。
【0024】
表面修飾化剤は、通常、シリカ粒子の表面のヒドロキシル基(シラノール基)と反応する反応性基を有しており、典型的には、シランカップリング剤又はその加水分解縮合物である。
【0025】
前記シランカップリング剤としては、例えば、下記式(2):
【化3】
(式中、Q
1は、水素原子又は炭化水素基であり、R
5及びR
6は、同一又は異なって、水素原子、炭化水素基、又は-OR
7(R
7は、水素原子又は炭化水素基である。)であり、R
1は、前記と同じである。)
で表される化合物が挙げられる。
【0026】
Q1及びR5~R7で示される炭化水素基としては、R1における有機官能基として例示した炭化水素基と同様の基が挙げられる。Q1及びR5~R7としては、アルキル基が好ましく、C1-4アルキル基がさらに好ましい。
【0027】
前記シランカップリング剤は、好ましくは、下記式(3):
【化4】
(式中、R
8は、1~3個のカルボキシル基を有するC
1-6アルキル基、1~3個のカルボキシル基を有するC
1-6アルコキシC
1-6アルキル基、1~3個のカルボキシル基を有するC
1-6アルキルチオC
1-6アルキル基、又は1~3個のカルボキシル基を有するモノ又はジC
1-6アルキルアミノC
1-6アルキル基であり、Q
2~Q
4は、同一又は異なって、水素原子又はC
1-4アルキル基である。)
で表される化合物である。
【0028】
前記シランカップリング剤は、さらに好ましくは、3-(トリメトキシシリル)プロピルコハク酸無水物又はその加水分解物、3-(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物又はその加水分解物などの、少なくとも1個のカルボキシル基又はその前駆基を有する(トリC1-4アルコキシシリル)C1-6アルカン又はその加水分解物;特開2000-336093号公報、特開2013-116872号公報、国際公開第2018/210711号などに記載のシランカップリング剤である。
【0029】
前記シランカップリング剤又はその加水分解縮合物は、他のシランカップリング剤又はその加水分解縮合物と組み合わせてもよい。他のシランカップリング剤としては、例えば、アルキルシラン(例:メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン)、フェニルシラン(例:フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン)、メルカプトアルキルシラン(例:3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン)などが挙げられる。これらは、単独で又は二種以上組み合わせてもよい。
【0030】
表面修飾シリカ粒子の表面のカルボキシル基量は、研磨レートをより高くする観点から、0.05atomic%以上が好ましく、0.07atomic%以上がより好ましい。また、表面修飾シリカ粒子の表面のカルボキシル基量は、溶媒中での分散安定性の観点から、0.5atomic%以下が好ましく、0.3atomic%以下がより好ましい。
【0031】
本明細書において、表面修飾シリカ粒子の表面のカルボキシル基量は、コロイダルシリカを77,000G、5℃、90分遠心分離し、得られた沈殿物を60℃で12時間乾燥させた後、粉砕し60℃、減圧下で2時間乾燥させたものをサンプルとし、当該サンプルを用いて、以下の条件のX線光電子分光法により測定される。
測定機器:Thermo Fisher Scientific社製 K-Alpa+
照射X線:単結晶分光Al Kα
X線スポット径:400μm
なお、C-C、C-Hの結合エネルギーを284.6eVとして基準化した値を用い、結合エネルギー289.4~289.8eVの状態比率を粒子表面のカルボキシル基量として算出した。状態比率は、装置付属の相対感度係数(RSF)を用いて算出した。
【0032】
コロイダルシリカのゼータ電位は、例えば、pHが4のとき、-60~-10mVが好ましく、-55mV~-15mVがより好ましく、-50mV~-20mVが特に好ましい。
【0033】
また、コロイダルシリカにおいて、pHが3のゼータ電位とpH6のゼータ電位の差は、20mV以上が好ましく、40mV以上がより好ましく、60mV以上であることが特に好ましい。
【0034】
本明細書において、コロイダルシリカのゼータ電位は、超音波減衰法の測定原理を使用した装置により測定できる。
【0035】
表面修飾シリカ粒子のBET比表面積は、例えば、15~550m2/g、好ましくは20~280m2/g、さらに好ましくは30~180m2/gである。
【0036】
本明細書において、BET比表面積は、コロイダルシリカをホットプレートの上で予備乾燥後、800℃で1時間熱処理したサンプルを用いて測定することができる。
【0037】
表面修飾シリカ粒子の平均一次粒子径は、研磨レートをより高くする観点から、5nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましく、15nm以上がさらに好ましい。また、表面修飾シリカ粒子の平均一次粒子径は、研磨対象である金属の傷の発生を抑制する観点から、200nm以下が好ましく、150nm以下がより好ましく、100nm以下がさらに好ましい。
本明細書において、表面修飾シリカ粒子の平均一次粒子径は、シリカの真比重を2.2として、2727/BET比表面積(m2/g)により算出される。
【0038】
表面修飾シリカ粒子の平均二次粒子径は、研磨レートをより高くする観点から、6nm以上が好ましく、12nm以上がより好ましく、18nm以上がさらに好ましい。また、表面修飾シリカ粒子の平均二次粒子径は、研磨対象である金属の傷の発生を抑制する観点から、400nm以下が好ましく、350nm以下がより好ましく、300nm以下がさらに好ましい。
本明細書において、表面修飾シリカ粒子の平均二次粒子径は、コロイダルシリカを0.05質量%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)水溶液に加えて均一化したものをサンプルとし、当該サンプルを用いて動的光散乱法(大塚電子株式会社製「ELSZ-2000S」)により測定される。
【0039】
表面修飾シリカ粒子の会合比は、研磨レートをより高くする観点から、1.2以上が好ましく、1.4以上がより好ましく、1.6以上が更に好ましい。また、表面修飾シリカ粒子の会合比は、研磨対象である金属の傷の発生を抑制する観点から、5.5以下が好ましく、5.0以下がより好ましく、4.0以下が更に好ましい。
本明細書において、表面修飾シリカ粒子の会合比は、平均二次粒子径/平均一次粒子径により算出される。
【0040】
表面修飾シリカ粒子は、異形化粒子であってもよい。すなわち、表面修飾シリカ粒子は、屈曲構造及び/又は分岐構造を有することが好ましい。「屈曲構造」とは、3つ以上の一次粒子が一列に結合してできた二次粒子で直線ではないものである。「分岐構造」とは、4つ以上の一次粒子が結合した二次粒子であって一列ではない(枝を有する)ものである。
【0041】
表面修飾シリカ粒子は、真比重が1.50以上が好ましく、1.65以上がより好ましく、1.80以上が更に好ましい。真比重の下限が前記範囲であると、本発明のコロイダルシリカの研磨性がより一層向上する。また、上記真比重は、2.30以下が好ましく、2.20以下がより好ましく、2.16以下が更に好ましい。真比重の上限が上記範囲であると、被研磨物の傷の発生がより一層低減される。
【0042】
真比重は、試料を150℃のホットプレート上で乾固後、300℃炉内で1時間保持した後、エタノールを用いた液相置換法で測定する測定方法により測定することができる。
【0043】
コロイダルシリカは、表面修飾シリカ粒子が分散媒に分散されたものである。
【0044】
分散媒としては、例えば、水、有機溶媒、これらの混合溶媒が挙げられる。
【0045】
有機溶媒は、通常、親水性の有機溶媒であり、その例としては、アルコール(例:メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール)、ケトン(例:アセトン、メチルエチルケトン)、エステル(例:酢酸エチル)が挙げられる。これらの有機溶媒は単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
【0046】
分散媒は、好ましくは水及び/又はアルコールであり、さらに好ましくは水及び/又はメタノールである。
【0047】
コロイダルシリカ中の表面修飾シリカ粒子の含有量は、例えば、0.1~30質量%、好ましくは0.3~20質量%である。
【0048】
表面修飾シリカ粒子を含むコロイダルシリカの製造方法としては、ゾルゲル法を利用した方法が挙げられる。ゾルゲル法を利用した方法は、例えば、
(1)アルコキシシラン、アルカリ触媒、水又は/及び有機溶媒を含む混合物(以下、「シリカゾル」ともいう。)を調製する工程、及び
(2)前記混合物を、少なくとも1個のカルボキシル基又はその前駆基を含む官能基を有する化合物(表面修飾化剤)と反応させる工程
を含む、方法である。
【0049】
<工程(1)>
アルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシランなどのテトラC1-8アルコキシシランが挙げられる。これらは単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。これらのうち、テトラC1-4アルコキシシランが好ましく、テトラメトキシシラン及び/又はテトラエトキシシランがさらに好ましい。
【0050】
アルカリ触媒の種類は、特に限定されない。アルカリ触媒としては、金属不純物の混入を回避する点で、金属成分を含まない有機塩基触媒が好ましく、中でも窒素を含有する有機塩基触媒が好ましい。このような有機系塩基触媒としては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、アンモニア、尿素、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラメチルグアニジン、3-エトキシプロピルアミン、ジプロピルアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。これらは単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。触媒作用に優れるとともに、揮発性が高く後工程で容易に除去することができる点からは、アンモニアが好ましい。シリカ粒子の真比重を高くする観点からは、反応温度を高くしても揮発しにくいように、沸点が90℃以上の有機系塩基触媒を選択することが好ましく、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド及び3-エトキシプロピルアミンから選択される少なくとも一種がより好ましい。
【0051】
有機溶媒としては、「コロイダルシリカ」で例示した有機溶媒と同様のものを使用することができる。有機溶媒としては、アルコールが好ましく、メタノールがさらに好ましい。
【0052】
シリカゾルの調製方法は、例えば、各成分を逐次又は同時に混合する方法であってもよく、アルコキシシラン、アルカリ触媒、水又は/及び有機溶媒のうち、2種又は3種の混合物を残余の成分と混合する方法であってもよく、2種又は3種の混合物同士を混合する方法であってもよい。
【0053】
シリカゾルの調製方法は、典型的には、アルコキシシラン及び必要により有機溶媒を含む第1の混合物を、アルカリ触媒、水、及び必要により有機溶媒を含む第2の混合物と混合する方法である。
【0054】
アルコキシシランの含有量は、第1の混合物を100質量%とするとき、例えば、70~100質量%、好ましくは75~100質量%である。
【0055】
アルカリ触媒の含有量は、第2の混合物を100質量%とするとき、例えば、0.001~3.0質量%、好ましくは0.002~1.5質量%である。
【0056】
第1の混合物と第2の混合物の混合比(質量比)は、例えば、5:95~50:50、好ましくは10:90~45:55である。
【0057】
第1の混合物と第2の混合物の混合温度は、特に制限されないが、例えば、0~100℃、好ましくは0~90℃である。
【0058】
シリカゾル中のシリカ粒子の含有量は、特に制限されないが、例えば、5~35質量%、好ましくは10~30質量%である。シリカ粒子の含有量を上記範囲に調整するため、シリカゾルは必要により濃縮してもよい。
【0059】
なお、シリカゾルの製造方法は、例えば、特開2005-60217号公報、特開2010-269985号公報などを参照することができる。
【0060】
<工程(2)>
工程(2)は、例えば、以下の工程(2A)又は(2B)のいずれであってもよい。
工程(2A):シリカゾルを、少なくとも1個のカルボキシル基の前駆基を有する表面修飾化剤と反応させ、該反応生成物においてカルボキシル基の前駆基をカルボキシル基に変換する工程
工程(2B):シリカゾルを、少なくとも1個のカルボキシル基を有する表面修飾化剤(カルボキシル基の前駆基がカルボキシル基に変換された表面修飾化剤を含む)と反応させる工程。
【0061】
工程(2A)及び工程(2B)において、カルボキシル基の前駆基からカルボキシル基への変換は、常法により行うことができ、例えば、カルボン酸エステル基又はカルボン酸無水物基からカルボキシル基への変換は、加水分解により行うことができる。
これらのうち、工程(2B)が好ましい。
【0062】
表面修飾化剤としては、「表面修飾シリカ粒子」で例示したものと同様のものを使用することができる。
【0063】
表面修飾化剤の使用量は、表面修飾前のシリカ粒子1gに対して、例えば、5~750μmol、好ましくは10~500μmolである。
【0064】
シリカゾルと表面修飾化剤との混合温度は、例えば、0~150℃、好ましくは0~120℃、さらに好ましくは10~90℃である。
【0065】
前記コロイダルシリカは、金属の研磨用に好適に使用することができる。当該研磨は、例えば、化学機械的研磨(CMP)であることができる。研磨条件は、公知又は慣用の条件を採用することができる。
【0066】
金属研磨用組成物は、前記コロイダルシリカを含む限り、特に制限されないが、さらに添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、希釈剤、酸化剤、pH調整剤、防食剤、安定化剤、界面活性剤などが挙げられる。これらは単独で又は二重以上組み合わせて使用することができる。
【0067】
金属研磨用組成物中の表面修飾シリカ粒子(又は砥粒)の含有量は、例えば、0.1~30質量%、好ましくは0.3~20質量%、さらに好ましくは0.5~10質量%である。本発明では、表面修飾シリカ粒子の含有量が少なくても、高研磨レートを実現することができる。
【0068】
研磨対象の金属としては、特に制限されるものではないが、例えば、遷移金属が挙げられる。遷移金属としては、コバルト、ルテニウム、銅、タングステン、タンタル、チタンが好ましく挙げられる。これらのうち、コバルト、ルテニウム、及び銅から選択される少なくとも一種がより好ましい。
【0069】
研磨対象は、通常、金属膜である。
【0070】
本発明のコロイダルシリカを用いることにより、金属膜の研磨レートを高くすることができる。また、シリコン酸化膜の研磨レートに対する金属膜の研磨レートの比率を高くすることができ、金属膜を選択的に研磨することができる。
【0071】
金属は、各種用途に用いられるものであり、例えば、半導体用の金属膜(例:電極配線用金属膜、バリア金属膜)などであってもよい。
【実施例】
【0072】
以下、実施例を参照して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0073】
[実施例1]
純水2212.7g、26質量%アンモニア水567.3g、メタノール12391gの混合液に、テトラメトキシシラン1522.2g及びメタノール413.0gの混合液を、液温を20℃に保ちつつ25分かけ滴下し、シリカゾルメタノール分散液1を得た。
得られたシリカゾルメタノール分散液1を常圧下にて仕込み、容量を一定に保ちつつシリカゾルメタノール分散液1を滴下し、シリカ濃度20質量%まで濃縮したシリカゾルメタノール分散液2を得た。
1Lのフラスコにシリカゾルメタノール分散液2を800g取り、純水で有効成分10質量%となるように希釈した(3-トリメトキシシリルプロピル)コハク酸無水物の加水分解物21.6gを添加し、分散液中のメタノールを系外留去するために容量を一定に保ちつつ純水1300mLを滴下した。続けて(3-トリメトキシシリルプロピル)コハク酸無水物の加水分解物と反応させるために100℃で加熱還流を行った。加熱還流を、溶媒置換と加熱還流の合計時間が24時間となるまで行うことでシリカ粒子濃度19.5質量%のコロイダルシリカS1を得た。
【0074】
[実施例2]
純水7500g、3-エトキシプロピルアミン1.93gの混合液に、テトラメトキシシラン2740gを、液温を85℃に保ちつつ60分かけ滴下した。滴下終了15分後に3-エトキシプロピルアミン50.14gを添加することでシリカゾルメタノール分散液3を得た。
純水5537gと、2452gのシリカゾルメタノール分散液3の混合液に、テトラメトキシシラン1762.7gを、液温を80℃に保ちつつ360分かけ滴下し、シリカゾルメタノール分散液4を得た。
得られたシリカゾルメタノール分散液4を常圧下にて仕込み、容量を一定に保ちつつシリカゾルメタノール分散液4を滴下し、シリカ濃度20質量%まで濃縮したシリカゾルメタノール分散液5を得た。
1Lのフラスコにシリカゾルメタノール分散液5を900g取り、3-エトキシプロピルアミン1.550gを混合した。このときの混合液のpHは9.5であった。続けて純水で有効成分10質量%となるように希釈した(3-トリメトキシシリルプロピル)コハク酸無水物の加水分解物21.6gを添加し、分散液中のメタノールを系外留去するために容量を一定に保ちつつ純水450mLを滴下した。続けて(3-トリメトキシシリルプロピル)コハク酸無水物の加水分解物と反応させるために100℃で加熱還流を行った。加熱還流を、溶媒置換と加熱還流の合計時間が24時間となるまで行うことでシリカ粒子濃度20.0質量%のコロイダルシリカS2を得た。
【0075】
[比較例1]
実施例1に記載のシリカゾルメタノール分散液2に対して、メタノールを系外留去するために容量を一定に保ちつつ純水1300mLを滴下することでシリカ粒子濃度19.5質量%のコロイダルシリカS3を得た。
【0076】
[比較例2]
実施例1に記載のシリカゾルメタノール分散液2に、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン1.84g、及び30質量%過酸化水素水4.25gを添加し、分散液中のメタノールを系外留去するために容量を一定に保ちつつ純水1300mLを滴下することでシリカ粒子濃度19.5質量%のコロイダルシリカS4を得た。
【0077】
[比較例3]
比較例1で作製したコロイダルシリカS3にマレイン酸1.064gを添加することでマレイン酸含有コロイダルシリカS5を得た。
【0078】
得られた実施例及び比較例のコロイダルシリカについて、以下のとおり、BET比表面積、一次粒子径、二次粒子径、会合比、真比重、及び表面修飾量を評価した。
【0079】
<BET比表面積>
コロイダルシリカをホットプレートの上で予備乾燥後、800℃で1時間熱処理して測定用サンプルを調製した。調製した測定用サンプルを用いて、BET比表面積を測定した。
【0080】
<一次粒子径>
2727/比表面積(m2/g)により算出された値をコロイダルシリカの一次粒子径(nm)とした。
【0081】
<二次粒子径>
動的光散乱法の測定用サンプルとして、コロイダルシリカを0.05質量%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)水溶液に加えて均一化したものを調製した。当該測定用サンプルを用いて、動的光散乱法(大塚電子株式会社製「ELSZ-2000S」)により二次粒子径を測定した。
【0082】
<会合比>
二次粒子径/一次粒子径により算出される値を会合比とした。
【0083】
<真比重>
真比重は、試料を150℃のホットプレート上で乾固後、300℃炉内で1時間保持した後、エタノールを用いた液相置換法で測定する測定方法により測定した。
【0084】
<表面修飾量>
コロイダルシリカ溶液を77,000G、5℃、90分遠心分離した。得られた沈殿物を60℃で12時間乾燥させた後、シリカを粉砕し60℃、減圧下で2時間乾燥させ測定用サンプルを作製した。当該測定用サンプルを用いて、以下の条件のX線光電子分光法により表面のカルボキシル基量を測定した。
測定機器:Thermo Fisher Scientific社製 K-Alpa+
照射X線:単結晶分光Al Kα
X線スポット径:400μm
なお、C-C、C-Hの結合エネルギーを284.6eVとして基準化した値を用い、結合エネルギー289.4~289.8eVの状態比率を粒子表面のカルボキシル基量として算出した。状態比率は、装置付属の相対感度係数(RSF)を用いて算出した。
【0085】
実施例及び比較例のコロイダルシリカの物性の評価結果を表1に示す。
【表1】
【0086】
実施例及び比較例のコロイダルシリカについて、次のようにゼータ電位を評価した。
<ゼータ電位>
コロイダルシリカのゼータ電位は、超音波減衰法を利用した測定装置を用いて測定した。
実施例及び比較例のコロイダルシリカのゼータ電位測定結果を
図1に示す。
【0087】
<研磨試験1> Coの研磨試験
実施例及び比較例のコロイダルシリカをシリカ粒子濃度8wt%に調整し、以下の条件で研磨試験を行った。
研磨機:株式会社ナノファクター製NF-300CMP
研磨パッド:ニッタ・ハース製IC1000TMPad
スラリー供給速度:100 mL/min
ヘッド回転速度:46 rpm
プラテン回転速度:120 rpm
研磨圧:Co膜…2 psi、TEOS膜…3 psi
研磨時間:Co膜…0.5 min、TEOS膜…2 min
膜厚測定機:Co膜…電気抵抗式膜厚測定機、TEOS膜…光干渉式膜厚測定機
【0088】
【0089】
研磨試験1の結果からは、実施例1で得られたコロイダルシリカS1を用いた場合(実施例3)、コバルト(Co)に対する研磨速度が2000Å/min以上であるの対し、非修飾コロイダルシリカS3及びスルホン酸修飾コロイダルシリカS4を用いた場合(比較例4及び5)は、研磨速度が1000Å未満であった。
また、コバルト(Co)とシリコン酸化膜(TEOS)の研磨速度比から算出した選択比に関しても、実施例のS1を用いた場合、9.0以上であるのに対し、比較例のS3及びS4を用いた場合は8.0未満であった。
【0090】
<研磨試験2> Coの研磨試験
実施例及び比較例のコロイダルシリカをシリカ粒子濃度5wt%に調整し、以下の条件で研磨試験を行った。
研磨機:株式会社ナノファクター製NF-300CMP
研磨パッド:ニッタ・ハース製IC1000TMPad
スラリー供給速度:50 mL/min
ヘッド回転速度:90 rpm
プラテン回転速度:90 rpm
研磨圧:Co膜…4 psi、TEOS膜…4 psi
研磨時間:Co膜…0.5 min、TEOS膜…1 min
膜厚測定機:Co膜…電気抵抗式膜厚測定機、TEOS膜…光干渉式膜厚測定機
【0091】
【0092】
研磨試験2の結果からは、コロイダルシリカS1を用いた場合、コバルト(Co)に対する研磨速度が1600Å/min以上であるの対し、非修飾コロイダルシリカにカルボキシル基を有するマレイン酸を添加したS5を用いた場合は、研磨速度が1200Å未満であった。
また、コバルト(Co)とシリコン酸化膜(TEOS)の研磨速度比から算出した選択比に関しても、S1を用いた場合、8.0以上であるのに対し、比較例のS3及びS4を用いた場合は3.0未満であった。
【0093】
<研磨試験3> Ruの研磨試験
実施例1及び比較例3のコロイダルシリカをシリカ粒子濃度2wt%に調整した後、以下のように酸化剤濃度、pH及び電気伝導度を調整し、研磨試験に供した。
酸化剤濃度:過よう素酸ナトリウム濃度0.25wt%(対研磨スラリー重量)
pH調整:1mol/L水酸化ナトリウム、10wt%硝酸を使用
研磨スラリーの電気伝導度:25mS/cmとなるように塩化ナトリウムを添加
研磨試験条件
研磨機:株式会社ナノファクター製NF-300CMP
研磨パッド:ニッタ・ハース製IC1000TMPad
スラリー供給速度:50 mL/min
ヘッド回転速度:32 rpm
プラテン回転速度:32 rpm
研磨圧:Ru膜…6 psi
研磨時間:Ru膜…1 min
膜厚測定機:Ru膜…電気抵抗式膜厚測定機
【0094】
【0095】
研磨試験3の結果からは、コロイダルシリカS1を用いた場合、ルテニウム(Ru)に対しても、研磨速度は380Å/min以上であり、非修飾コロイダルシリカにカルボキシル基を有するマレイン酸を添加したS5を用いた場合に比べて、研磨速度は1.2倍以上であった。
また、<研磨試験2>の結果から、ルテニウム(Ru)とシリコン酸化膜(TEOS)の選択比に関しては1.8以上であると見積もることが出来る。
【0096】
<研磨試験4> Cuの研磨試験
実施例1及び比較例3のコロイダルシリカをシリカ粒子濃度3wt%に調整した後、以下のように酸化剤濃度及びpHを調整し、研磨試験に供した。
酸化剤濃度:過酸化水素濃度0.25wt%(対研磨スラリー重量)
pH調整:60%過塩素酸を使用
研磨試験条件
研磨機:株式会社ナノファクター製NF-300CMP
研磨パッド:ニッタ・ハース製IC1000TMPad
スラリー供給速度:50 mL/min
ヘッド回転速度:32 rpm
プラテン回転速度:32 rpm
研磨圧:Cu膜…1.5 psi
研磨時間:Cu膜…1 min
膜厚測定機:Cu膜…電気抵抗式膜厚測定機
【0097】
【0098】
研磨試験4の結果からは、コロイダルシリカS1を用いた場合、銅(Cu)に対しても、研磨速度は1900Å/min以上であり、非修飾コロイダルシリカにカルボキシル基を有するマレイン酸を添加したS5を用いた場合に比べて、研磨速度は13倍以上であった。
また、<研磨試験2>の結果から、銅(Cu)とシリコン酸化膜(TEOS)の選択比に関しては9.5以上であると見積もることが出来る。