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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-31
(45)【発行日】2023-04-10
(54)【発明の名称】連携チャットシステム
(51)【国際特許分類】
   H04L 51/04 20220101AFI20230403BHJP
【FI】
H04L51/04
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019238018
(22)【出願日】2019-12-27
(65)【公開番号】P2021105937
(43)【公開日】2021-07-26
【審査請求日】2021-11-05
(73)【特許権者】
【識別番号】594027074
【氏名又は名称】エムオーテックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092956
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 栄男
(74)【代理人】
【識別番号】100101018
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 正
(72)【発明者】
【氏名】厚山 耕太
【審査官】中川 幸洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-088162(JP,A)
【文献】特開2018-116455(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 51/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ユーザが所属する第1チャットグループを有する第1チャットシステムであって、少なくとも連携装置のコンピュータユーザと第1ユーザが参加する第1チャットルーム手段を有する第1チャットシステムと、
第1チャットグループとの間で直接的にやり取りを行うことのできない第2チャットグループを有する第2チャットシステムであって、少なくとも連携装置のコンピュータユーザと第2ユーザが参加する第2チャットルーム手段を有する第2チャットシステムと、
前記第1チャットグループに参加する前記第1ユーザと前記第2チャットグループに参加する前記第2ユーザ間でチャットをおこなうための連携装置とを備えた連携チャットシステムであって、
前記連携装置は、
前記第1チャットルーム手段を介して、第1端末装置から第1チャットルーム生成要求を受け取ると、少なくとも連携装置のコンピュータユーザと前記第1ユーザが参加する第1トンネルルームを前記第1チャットグループ内に生成する第1トンネルルーム生成手段と、
前記第2チャットルーム手段を介して、第2端末装置から第2トンネルルーム生成要求を受け取ると、少なくとも連携装置のコンピュータユーザと前記第2ユーザが参加する第2トンネルルームを前記第2チャットグループ内に生成する第2トンネルルーム生成手段と、
前記第1トンネルルームにおける第1ユーザの発言を取得し、当該発言を前記第2トンネルルームに放出し、前記第2トンネルルームにおける第2ユーザの発言を取得し、当該発言を前記第1トンネルルームに放出するトンネルルーム手段と、
を備えた連携チャットシステムにおいて、
前記第1トンネルルームおよび前記第2トンネルルームを形成する際には、前記第1ユーザが連携装置を介して前記第2ユーザにトンネルルーム手段への招待を送信し、
前記連携装置は、当該招待に対して前記第2ユーザからの返信を受けて、前記トンネルルーム手段を構築することを特徴とする連携チャットシステム。
【請求項2】
直接的にやり取りを行うことのできない第1、第2チャットグループに参加している第1、第2ユーザ間でチャットをおこなうための連携装置であって、
第1チャットルーム手段を介して、第1端末装置から第1チャットルーム生成要求を受け取ると、少なくとも連携装置のコンピュータユーザと前記第1ユーザが参加する第1トンネルルームを前記第1チャットグループ内に生成する第1トンネルルーム生成手段と、
第2チャットルーム手段を介して、第2端末装置から第2トンネルルーム生成要求を受け取ると、少なくとも連携装置のコンピュータユーザと前記第2ユーザが参加する第2トンネルルームを前記第2チャットグループ内に生成する第2トンネルルーム生成手段と、
前記第1トンネルルームにおける第1ユーザの発言を取得し、当該発言を前記第2トンネルルームに放出し、前記第2トンネルルームにおける第2ユーザの発言を取得し、当該発言を前記第1トンネルルームに放出するトンネルルーム手段と、
を備えた連携装置において、
前記第1トンネルルームおよび前記第2トンネルルームを形成する際には、前記第1ユーザが連携装置を介して前記第2ユーザにトンネルルーム手段への招待を送信し、
前記連携装置は、当該招待に対して前記第2ユーザからの返信を受けて、前記トンネルルーム手段を構築することを特徴とする連携装置。
【請求項3】
直接的にやり取りを行うことのできない第1、第2チャットグループに参加している第1、第2ユーザ間でチャットをおこなうための連携装置をコンピュータによって実現するための連携プログラムであって、コンピュータを、
第1チャットルーム手段を介して、第1端末装置から第1チャットルーム生成要求を受け取ると、少なくとも連携装置のコンピュータユーザと前記第1ユーザが参加する第1トンネルルームを前記第1チャットグループ内に生成する第1トンネルルーム生成手段と、
第2チャットルーム手段を介して、第2端末装置から第2トンネルルーム生成要求を受け取ると、少なくとも連携装置のコンピュータユーザと前記第2ユーザが参加する第2トンネルルームを前記第2チャットグループ内に生成する第2トンネルルーム生成手段と、
前記第1トンネルルームにおける第1ユーザの発言を取得し、当該発言を前記第2トンネルルームに放出し、前記第2トンネルルームにおける第2ユーザの発言を取得し、当該発言を前記第1トンネルルームに放出するトンネルルーム手段として機能させるための連携プログラムにおいて、
前記第1トンネルルームおよび前記第2トンネルルームを形成する際には、前記第1ユーザが連携装置を介して前記第2ユーザにトンネルルーム手段への招待を送信し、
前記連携装置は、当該招待に対して前記第2ユーザからの返信を受けて、前記トンネルルーム手段を構築することを特徴とする連携プログラム。
【請求項4】
請求項1のシステム、請求項2の装置または請求項3のプログラムにおいて、
前記連携装置は、前記招待を送信可能な他のユーザ一覧を前記第1ユーザに対して送信することを特徴とするシステム、装置またはプログラム。
【請求項5】
直接的にやり取りを行うことのできない第1、第2チャットグループに参加している第1ユーザから第2ユーザに向けて連絡をおこなうための連携装置であって、
チャットルーム手段を介して、第1端末装置から第1チャットルーム生成要求を受け取ると、少なくとも連携装置のコンピュータユーザと前記第1ユーザが参加する第1トンネルルームを前記第1チャットグループ内に生成する第1トンネルルーム生成手段と、
第2チャットルーム手段を介して、第2端末装置から第2トンネルルーム生成要求を受け取ると、少なくとも連携装置のコンピュータユーザと前記第2ユーザが参加する第2トンネルルームを前記第2チャットグループ内に生成する第2トンネルルーム生成手段と、
前記第1トンネルルームにおける第1ユーザの発言を取得し、当該発言を前記第2トンネルルームに放出するトンネルルーム手段と、
を備えた連携装置において、
前記第1トンネルルームおよび前記第2トンネルルームを形成する際には、前記第1ユーザが連携装置を介して前記第2ユーザにトンネルルーム手段への招待を送信し、
前記連携装置は、当該招待に対して前記第2ユーザからの返信を受けて、前記トンネルルーム手段を構築することを特徴とする連携装置。
【請求項6】
直接的にやり取りを行うことのできない第1、第2チャットグループに参加している第1ユーザから第2ユーザに向けて連絡をおこなうための連携装置をコンピュータによって実現するための連携プログラムであって、コンピュータを、
チャットルーム手段を介して、第1端末装置から第1チャットルーム生成要求を受け取ると、少なくとも連携装置のコンピュータユーザと前記第1ユーザが参加する第1トンネルルームを前記第1チャットグループ内に生成する第1トンネルルーム生成手段と、
第2チャットルーム手段を介して、第2端末装置から第2トンネルルーム生成要求を受け取ると、少なくとも連携装置のコンピュータユーザと前記第2ユーザが参加する第2トンネルルームを前記第2チャットグループ内に生成する第2トンネルルーム生成手段と、
前記第1トンネルルームにおける第1ユーザの発言を取得し、当該発言を前記第2トンネルルームに放出するトンネルルーム手段として機能させるための連携プログラムにおいて、
前記第1トンネルルームおよび前記第2トンネルルームを形成する際には、前記第1ユーザが連携装置を介して前記第2ユーザにトンネルルーム手段への招待を送信し、
前記連携装置は、当該招待に対して前記第2ユーザからの返信を受けて、前記トンネルルーム手段を構築することを特徴とする連携プログラム。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は直接的にやり取りを行うことができないユーザ間でチャットを行うことを可能とする連携チャットシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビジネスにおいてチャットによるコミュニケーションが広く用いられている。一般に、チャットにおいては、複数のユーザが属するテナントが設けられ、当該テナントに属するユーザ間では、チャットによるやり取りが可能となっている。テナントは、企業単位で設けられることが多く、これにより情報漏洩に対するセキュリティを確保している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2013-521569
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、やりとりを行いたい複数のユーザが、異なるチャットシステムや、同じチャットシステムにおける異なるテナントに属している場合、当該チャットを用いてのやり取りを行うことはできなかった。たとえば、プロジェクトに関するチャットルームを社内で開設し、社内メンバーがチャットにてやり取りを行っていたとする。この時に、当該プロジェクトに社外(異なるテナントに属する)のユーザが参加し、チャットにてやり取りを行いたくともできなかった。
【0005】
これを解決するため、新たにプロジェクトのためのチャットシステムを契約し、社内、社外のユーザにてテナントを作成することも可能である。しかし、設定が煩雑であり費用を要する上、各ユーザにとっては、通常用いているチャットシステムとは異なるチャットを用いなければならず不便であった。
【0006】
また、特許文献1には、他のテナントのユーザプロファイルデータを受け取って、当該他のテナントに参加し、データを閲覧することができるようにしたシステムが開示されている。しかし、ユーザプロファイルデータの受け渡しが煩雑であるという問題があった。さらに、ユーザプロファイルデータを受け取ったユーザは全てのデータにアクセスできてしまうという問題があり、これをチャットシステムに適用したとしても、セキュリティ上の問題があった。
【0007】
この発明は上記のような問題点を解決して、簡易な処理にて、各ユーザが用いているチャットシステムをそのまま使用し、セキュリティを確保して互いにやり取りができるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の独立して適用可能な特徴を以下に列挙する。
【0009】
(1)(2)(3)この発明に係る連携チャットシステムは、第1ユーザが所属する第1チャットグループを有する第1チャットシステムであって、少なくとも連携装置のコンピュータユーザと第1ユーザが参加する第1チャットルーム手段を有する第1チャットシステムと、第1チャットグループとの間で直接的にやり取りを行うことのできない第2チャットグループを有する第2チャットシステムであって、少なくとも連携装置のコンピュータユーザと第2ユーザが参加する第2チャットルーム手段を有する第2チャットシステムと、前記第1チャットグループに参加する前記第1ユーザと前記第2チャットグループに参加する前記第2ユーザ間でチャットをおこなうための連携装置とを備えた連携チャットシステムであって、
前記連携装置は、前記第1チャットルーム手段を介して、前記第1端末装置から第1チャットルーム生成要求を受け取ると、少なくとも連携装置のコンピュータユーザと前記第1ユーザが参加する第1トンネルルームを前記第1チャットグループ内に生成する第1トンネルルーム生成手段と、前記第2チャットルーム手段を介して、前記第2端末装置から第2トンネルルーム生成要求を受け取ると、少なくとも連携装置のコンピュータユーザと前記第2ユーザが参加する第2トンネルルームを前記第2のチャットグループ内に生成する第2トンネルルーム生成手段と、前記第1トンネルルームにおける第1ユーザの発言を取得し、当該発言を前記第2トンネルルームに放出し、前記第2トンネルルームにおける第2ユーザの発言を取得し、当該発言を前記第1トンネルルームに放出するトンネルルーム手段とを備えている。
【0010】
したがって、異なるチャットグループに属するユーザ間においてチャットを行うことができる。
【0011】
(4)この発明に係る連携チャットシステムは、トンネルルーム手段形成の際には、前記第1ユーザが前記第1チャットルーム手段を介して、前記連携装置のコンピュータユーザからトンネルルーム手段形成のための招待コードを取得し、前記第2ユーザに対して前記第1・第2チャットシステム以外のコミュニケーションシステムにて当該招待コードを送信し、前記連携装置は、前記第2チャットルーム手段を介して、前記第2ユーザから送信されてきた当該招待コードが正当であるかどうかを判断し、前記トンネルルーム手段を構築することを特徴としている。
【0012】
したがって、招待コードを送った第2ユーザに限定してトンネルルームに招待することができる。
【0013】
(5)この発明に係る連携チャットシステムは、前記トンネルルーム手段形成の際には、前記第1ユーザが連携装置を介して前記第2ユーザにトンネルルーム手段への招待を送信し、前記連携装置は、当該招待に対して前記第2ユーザからの返信を受けて、前記トンネルルーム手段を構築することを特徴としている。
【0014】
したがって、招待コードを送った第2ユーザに限定してトンネルルームに招待することができる。
【0015】
(6)この発明に係る連携チャットシステムは、連携装置が、前記招待を送信可能な他のユーザ一覧を第1のユーザに対して送信することを特徴としている。
【0016】
したがって、招待を送ることのできる第2ユーザを一覧から選択することができる。
【0017】
(7)(8)この発明に係る連携装置は、直接的にやり取りを行うことのできない第1、第2チャットグループに参加している第1ユーザから第2ユーザに向けて連絡をおこなうための連携装置であって、チャットルーム手段を介して、前記第1端末装置から第1チャットルーム生成要求を受け取ると、少なくとも連携装置のコンピュータユーザと前記第1ユーザが参加する第1トンネルルームを前記第1チャットグループ内に生成する第1トンネルルーム生成手段と、第2チャットルーム手段を介して、前記第2端末装置から第2トンネルルーム生成要求を受け取ると、少なくとも連携装置のコンピュータユーザと前記第2ユーザが参加する第2トンネルルームを前記第2のチャットグループ内に生成する第2トンネルルーム生成手段と、前記第1トンネルルームにおける第1ユーザの発言を取得し、当該発言を前記第2トンネルルームに放出するトンネルルーム手段とを備えている。
【0018】
したがって、異なるチャットグループに属するユーザに対して連絡を行うことができる。
【0019】
「第1トンネルルーム生成手段」は、実施形態においては、ステップS24がこれに対応する。
【0020】
「第2トンネルルーム生成手段」は、実施形態においては、ステップS62がこれに対応する。
【0021】
「トンネルルーム手段」は、実施形態においては、ステップS46、S47がこれに対応する。
【0022】
「チャットグループ」とは、当該グループに属するユーザ間でチャットルームを生成してやり取り可能となるようなグループをいうものであり、実施形態では、テナントがこれに対応する。
【0023】
「プログラム」とは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソース形式のプログラム、圧縮処理がされたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む概念である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】この発明の一実施形態による連携チャットシステムの機能構成図である。
図2】連携チャットシステムのシステム構成図である。
図3】連携装置のハードウエア構成である。
図4】端末装置のハードウエア構成である。
図5】連携チャット処理のフローチャートである。
図6】連携チャット処理のフローチャートである。
図7】連携チャット処理のフローチャートである。
図8】端末装置における表示画面である。
図9】端末装置における表示画面である。
図10】端末装置における表示画面である。
図11】招待メールを示す図である。
図12】端末装置における表示画面である。
図13】端末装置における表示画面である。
図14】他の例による連携チャットシステムを示す図である。
図15】他の例による連携チャットシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
1.全体構成
図1に、この発明の一実施形態による連携チャットシステムの機能ブロック図を示す。第1チャットグループCG1には、これに属するユーザ間でチャットを行うことのできるいくつかのチャットルーム(図示せず)が形成されている。また、連携装置2のコンピュータユーザ(チャットボット)と第1チャットグループCG1に属する全てのユーザとが参加する第1共通チャットルームCCR1が設けられている。各ユーザは、この第1共通チャットルームCCR1により、連携装置2のコンピュータユーザとやり取りを行うことができる。
【0026】
異なるチャットグループに属する第2ユーザとチャットを行いたい第1ユーザは、第1端末装置T1から第1共通チャットルームCCR1にて、連携装置2のコンピュータユーザにその旨の指令を行う。これを受けて、連携装置2の第1トンネルルーム生成手段6は、第1ユーザと連携装置2のコンピュータユーザが参加する第1トンネルルームCR1を、第1チャットグループ内に生成する。したがって、第1トンネルルームCR1には、第1ユーザと連携装置2のコンピュータユーザが参加することができる。
【0027】
第1ユーザからメールなどによってチャットへの招待を受けた第2ユーザは、第2端末装置T2を操作し、第2共通チャットルームCCR2にて、招待を受諾した旨を発言する。これを受けて、連携装置2の第2チャットルーム生成手段8は、第2ユーザと連携装置2のコンピュータユーザが参加する第2トンネルルームCR2を、第2チャットグループCG2内に生成する。したがって、第2トンネルルームCR2には、第2ユーザと連携装置2のコンピュータユーザが参加することができる。
【0028】
第1ユーザが、第2ユーザにメッセージを送信する場合、第1端末装置T1を操作し、第1トンネルルームCR1にて発言を行う。この発言は、連携装置2のトンネルルーム手段4にてコンピュータユーザが取得し、これを第2トンネルルームCR2においてコンピュータユーザとして発言する。第2ユーザは、第2端末装置T2を操作して、第2トンネルルームCR2のコンピュータユーザの発言をみる。このコンピュータユーザの発言は、第1ユーザの発言を転送したものであるから、第2ユーザは第1ユーザの発言をみることができる。
【0029】
第2ユーザが、第1ユーザにメッセージを送信する場合、第2端末装置T2を操作し、第2トンネルルームCR2にて発言を行う。この発言は、連携装置2のトンネルルーム手段4にてコンピュータユーザが取得し、これを第1トンネルルームCR1においてコンピュータユーザとして発言する。第1ユーザは、第1端末装置T1を操作して、第1トンネルルームCR1のコンピュータユーザの発言をみる。このコンピュータユーザの発言は、第2ユーザの発言を転送したものであるから、第1ユーザは第2ユーザの発言をみることができる。
【0030】
以上のようにして、異なるチャットグループに属するユーザ間であっても、チャットを行うことができる。また、各ユーザは、自分の属しているチャットグループにおけるシステムのユーザインターフェイスをそのまま用いることができ、お互いに使い慣れたユーザインターフェイスにてチャットを行うことができる。
【0031】
2.システム構成
図2に、この発明の一実施形態による連携チャットシステムのシステム構成を示す。第1チャットサーバ装置10、連携装置20、第2チャットサーバ装置30が、インターネット上のサーバ装置あるいはイントラネット上のサーバ装置として構築されている。第1チャットサーバ装置10は、第1チャットグループのためのサーバ装置である。第2チャットサーバ装置20は、第2チャットグループのためのサーバ装置である。
【0032】
第1端末装置40は、第1チャットグループに参加する第1ユーザの使用する端末装置である。第2端末装置50は、第2チャットグループに参加する第2ユーザの使用する端末装置である。なお、図においては第1チャットグループの端末装置として第1端末装置40のみが表示されているが、他にも多数の端末装置が第1チャットグループに属している。同様に、第2チャットグループの端末装置として第2端末装置50のみが表示されているが、他にも多数の端末装置が第2チャットグループに属している。
【0033】
図3に、連携装置20のハードウエア構成を示す。CPU200には、メモリ202、ハードディスク204、DVD-ROMドライブ206、通信回路208が接続されている。通信回路208は、上記ネットワークに接続するための回路である。
【0034】
ハードディスク204には、オペレーティングシステム210、連携プログラム212が記録されている。連携プログラム212は、オペレーティングシステム210と協働してその機能を発揮するものである。これらプログラムは、DVD-ROM214(USBメモリや外付けハードディスクあるいは通信回路208を介してダウンロードしたものであってもよい)に記録されていたものを、DVD-ROMドライブ206を介して、ハードディスク204にインストールしたものである。
【0035】
第1チャットサーバ装置10、第2チャットサーバ装置30のハードウエア構成も、図3と同様である。ただし、連携プログラム212に代えて、それぞれ、第1チャットサーバプログラム、第2チャットサーバプログラムが記録されている。
【0036】
図4に、第1端末装置40のハードウエア構成を示す。CPU400には、メモリ402、ディスプレイ404、ハードディスク406、DVD-ROMドライブ408、キーボード/マウス410、通信回路412が接続されている。通信回路412は、上記ネットワークに接続するための回路である。
【0037】
ハードディスク406には、オペレーティングシステム414、端末プログラム416が記録されている。端末プログラム416は、オペレーティングシステム414と協働してその機能を発揮するものである。これらプログラムは、DVD-ROM418(USBメモリや外付けハードディスクあるいは通信回路412を介してダウンロードしたものであってもよい)に記録されていたものを、DVD-ROMドライブ408を介して、ハードディスク406にインストールしたものである。
【0038】
第2端末装置50のハードウエア構成も、図4と同様である。なお、第1端末装置40、第2端末装置50としては、ディスクトップ型PC、タブレットPC、スマートフォンなどを用いることができる。
【0039】
3.連携チャット処理
以下では、第1チャットグループ(第1テナント)に属する第1ユーザが、第2チャットグループ(第2テナント)に属する第2ユーザとチャットを希望する場合を例として説明する。
【0040】
図5~7は、この連携チャット処理のフローチャートである。まず、第1ユーザが、第1端末装置40のキーボード/マウス410を操作し、第1共通チャットルームCCR1にて、連携チャットを希望する旨を発言する。図8Aに第1ユーザ(A子)が、入力欄100に入力した発言(トンネル開通)を示す。第1ユーザ(A子)が送信ボタン102をクリックすると、第1端末装置40のCPU400(以下、第1端末装置40と省略することがある)は、この発言を第1チャットサーバ装置10に送信する(ステップS1)。
【0041】
第1端末装置40は、図8Bに示すように、ディスプレイ404にこの発言を表示する。図8Bに示すように、発言108、発言者104、発言者アイコン106が表示されている。
【0042】
第1共通チャットルームには、第1チャットグループに属する全ユーザと、連携装置20のコンピュータユーザ(チャットボット)が参加している。したがって、第1チャットサーバ装置10のCPU(以下第1チャットサーバ装置10と省略することがある)は、この発言を、他のユーザおよび連携装置20のチャットボットに転送する(ステップS21)。
【0043】
連携装置20のCPU200(以下連携装置20と省略することがある)は、ユーザの発言に所定のキーワードが含まれるかどうかをチェックし、含まれていれば、当該キーワードに対応する処理を実行する。ここでは、第1ユーザ(A子)の発言に「トンネル」「開通」のキーワードが含まれているので、連携装置200は、連携チャットのための処理を開始する。なお、連携装置20は、第1ユーザ(A子)からの指示に基づく連携チャット処理である旨を記録する。
【0044】
連携装置20は、連携チャットの名称(トンネル名)を問いかける発言を第1共通チャットルームCCR1にて行う(ステップS41)。この発言は、第1チャットサーバ装置10に送信され、第1ユーザ(A子)を含む第1チャットグループの全ユーザに転送される(ステップS22)。
【0045】
第1ユーザ(A子)の使用する第1端末装置40はこの発言をディスプレイ404に表示する。表示されたチャットボットの発言を、図9Aに示す。発言114、発言者110、発言者アイコン112が表示されている。また、第1ユーザ(A子)の発言は画面右側、チャットボット(連携装置20)の発言は画面左側に表示することにより、自らの発言か他のユーザの発言かを一見して分かるようにしている。
【0046】
第1ユーザ(A子)は、図9Aの画面をみて、トンネル名を入力して送信する(ステップS2)。送信後の第1端末装置40における画面を、図9Bに示す。ここでは、第1ユーザ(A子)は、トンネル名として「江戸後期型ポテサラ復活プロジェクト」を入力している。この発言は、チャットサーバ装置10に送信され、第1ユーザ(A子)を含む第1チャットグループの全ユーザに転送される(ステップS23)。
【0047】
連携装置20は、第1ユーザ(A子)の指示による連携チャット処理として、このトンネル名を受信して記録する。さらに、連携装置20は、第1チャットサーバ装置10に対して、チャットボットと第1ユーザ(A子)のみが参加する第1トンネルルーム(「江戸後期型ポテサラ復活プロジェクト」)を生成するよう依頼する(ステップS24)。
【0048】
さらに、連携装置20は、相手方を招待するための招待メッセージを生成し、生成された第1トンネルルームにおいて発言を行う(ステップS24)。この招待メッセージは、第1ユーザ(A子)が、第2ユーザに対して連携チャットへの招待を行うためのコードを含むものである。第1トンネルルーム(「江戸後期型ポテサラ復活プロジェクト」)には、チャットボットと第1ユーザ(A子)のみが参加しているので、第1チャットサーバ装置10は、この招待メッセージを、第1端末装置40に転送する(ステップS25)。
【0049】
第1端末装置40は、この招待メッセージをディスプレイ404に表示する。表示された招待メッセージを、図10に示す。この実施形態では、招待メッセージに3つの要素が含まれるようにしている。要素120は、招待コードを記述したものである。この招待メッセージを、何らかの方法で相手(第2ユーザ)に伝えることにより、相手はこの招待コードを用いて、連携チャットに参加することができる。たとえば、相手方に対して、電話、ファックス、メールなどの手段によって、招待コードを伝える。なお、招待コードは、有効期限が設けられ対象となるトンネルルームでのみ有効とすることができる。
【0050】
要素122は、招待コードをメールにて送信する場合、メールの雛形を記述したURLを示している。メールにて招待コードを送信する際には、このURLの雛形を用いることができる。
【0051】
要素124は、相手方を検索してチャットにてメッセージを送信するためのURLである。メッセージを受けた相手はこれに応じることで、招待コードを入力することなく連携チャットに参加することができる。
【0052】
以上のように、この実施形態では、招待コードを相手方に伝えて招待する方法と、相手方に直接チャットメッセージ(ダイレクトメッセージ)を送信し招待する方法の2つの方法を設けている。
【0053】
たとえば、メールにて相手方(第2ユーザ)を招待する場合、第1ユーザ(A子)は、図10の要素122のリンクをクリックする。これにより、第1端末装置40のメーラーが起動し、招待コードが本文に記載されたメールの雛形が生成されてディスプレイ404に表示される。
【0054】
図11にメールの雛形の例を示す。第1ユーザ(A子)は、メールの宛先として第2ユーザ(E男)のアドレスを入力し、メールを送信する。上記の他、ファクシミリ、電話(口頭)などの方法によって、第2ユーザ(E男)に招待コードを送信するようにしてもよい。
【0055】
以下では、メールが第2ユーザ(E男)に送信され、第2ユーザ(E男)が第2端末装置50にてこれを確認した場合について説明する。第2端末装置50のCPU(以下、第2端末装置50と省略することがある)は、メールを受信してディスプレイに表示する。
【0056】
第2ユーザ(E男)は、これを受けて、メールに記載された招待コードを、第2チャットサーバ装置30に送信し、第2共通チャットルームにて発言する(ステップS82)。図12に第2ユーザ(E男)が招待コードを発言した画面を示す。
【0057】
第2共通チャットルームには、第2チャットグループに属する全ユーザと、連携装置20のコンピュータユーザ(チャットボット)が参加している。したがって、第2チャットサーバ装置30のCPU(以下第2チャットサーバ装置30と省略することがある)は、この発言を、他のユーザおよび連携装置20のチャットボットに転送する(ステップS61)。
【0058】
連携装置20は、ユーザの発言に自らが発行した招待コード「As02$G2345caY」が含まれているかどうかを判断する(ステップS43)。ここでは、第1ユーザ(A子)に対して発行した招待コード「As02$G2345caY」が含まれているので、連携チャットの処理を進める。連携装置20は、第2チャットサーバ装置30に対して、第2ユーザ(E男)とチャットボット(連携装置20)のみがメンバーとなる第2トンネルルーム(「江戸後期型ポテサラ復活プロジェクト」)を生成するように依頼する(ステップS44)。
【0059】
また、連携装置20は、この第2トンネルルーム(「江戸後期型ポテサラ復活プロジェクト」)が生成された旨の連絡を第2チャットサーバ装置30から受けると、図12に示すように、第2共通チャットルームにてその旨を発言する。
【0060】
さらに、連携装置20は、先に生成された第1トンネルルームと、今回生成された第2トンネルルームが対応するものであることを記録する。
【0061】
第2トンネルルームが生成された旨を第2共通チャットルームにて知った第2ユーザ(E男)は、第2トンネルルーム(「江戸後期型ポテサラ復活プロジェクト」)において第1ユーザ(A子)に対する発言を行う(ステップS84)。図13に、第2ユーザ(E男)の発言151を示す。なお、図13において、右側が第2トンネルルームであり、左側が第1トンネルルームを示している。
【0062】
第2トンネルルームにおける第2ユーザ(E男)の発言151は、第2チャットサーバ装置30によって取得される。第2チャットサーバ装置30は、この発言151を、チャットルームに参加している連携装置20のコンピュータユーザ(チャットボット)に送信する(ステップS65)。
【0063】
連携装置20は、この第2トンネルルームにおける発言151を受けて、第2トンネルルームに対応づけれた第1トンネルルームにおいて、発言151をそのまま発言する(ステップS47)。この際、発信者である第2ユーザ(E男)からの発言であることを示す「From:株式会社EE E男さん」を付加して発言する。連携装置20は、各ユーザの所属会社を記録しているので、これを用いることができる。
【0064】
発言を受けた第1チャットサーバ装置10は、第1ユーザ(A子)にこの発言を送信する(ステップS28)。第1ユーザ(A子)は第1端末装置40にてこのメッセージを表示する(ステップS6)。
【0065】
表示されたメッセージ181を図13に示す。連携装置20のコンピュータユーザ(チャットボット)の発言であることが「Syncpit bot」として表示されている。ただし、その内容は、E男の発言151であることが、そのメッセージに含まれた「From:株式会社EE E男さん」から、第1ユーザ(A子)が理解できるようになっている。
【0066】
これに対し、第1ユーザ(A子)が、第1トンネルルームにて発言182、183を行うと、第2ユーザ(E男)の参加する第2トンネルルームにおいて、発言152、153として表示されることになる(ステップS5、S27、S46、S64、S83)。図13に示すように、連携装置20のコンピュータユーザ(チャットボット)の発言であることが「Syncpit bot」として表示されている。ただし、その内容は、A子の発言182、183であることが、そのメッセージに含まれた「From:株式会社AA A子さん」から、第2ユーザ(E男)が理解できるようになっている。
【0067】
このようにして、互いに異なるチャットグループ(テナント)に属するユーザ間においてチャットによるコミュニケーションを取ることができる。
【0068】
上記では、メールにて招待コードを送信する場合について説明した。チャットにて招待コードを送る場合には、連携装置20が用意する検索機能を用いる。異なるチャットグループ(テナント)間では、メッセージを送信することはできない。しかし、他のチャットグループからのメッセージを受けるために自らを検索対象として連携装置20に登録することができる。
【0069】
連携装置20は、異なるチャットグループからの検索要求があった場合に、この登録されたユーザについては検索可能としている。検索された場合には、そのユーザに対して連携装置20がメッセージを転送することができるようにしている。これを利用し、第1ユーザは第2ユーザに対して招待コードを送信することができる。
【0070】
なお、連携装置20は、招待コードを送信することが可能な第2ユーザの一覧を、第1ユーザに対して示し、第1ユーザがこれを選択できるようにしてもよい。
【0071】
4.その他
(1)上記実施形態においては、トンネルルーム生成要求を、全てのユーザが参加する共通チャットルームにて行った。しかし、少なくともトンネルルーム生成を希望するユーザとチャットボットが参加するチャットルームを用いればよい。
【0072】
(2)上記実施形態では、第1ユーザと第2ユーザの2人のユーザがチャットを行う場合について説明した。しかし、図14に示すように3人のユーザがチャットを行うようにしてもよい。この場合、第3の端末装置T3を操作する第3ユーザは、第1ユーザの生成した第1トンネルルームCR1に参加することで、チャットが可能である。同様にして、4人以上のユーザ間でもチャットが可能である。
【0073】
(3)上記実施形態では、2つのチャットグループ(テナント)間でのチャットについて説明した。しかし、図15に示すように、3つ以上のチャットグループ(テナント)間においても同様にチャットを実現することができる。
【0074】
(4)上記実施形態では、メッセージの転送先が1つのユーザである場合について説明した。しかし、メッセージの転送先を複数ユーザにして、ブロードキャストのようにメッセージを送信するようにしてもよい。この場合、複数ユーザは、同一テナント、異なるテナント、異なるチャットサービスに属していてもよい。
【0075】
(5)上記実施形態では、招待コードを用いている。しかし、第2ユーザが招待コードなしでトンネルルームに参加できるようにしてもよい。
【0076】
(6)上記実施形態では、第1ユーザと第2ユーザとの間で相互にトンネルルームにてチャットを行うことを可能にしている。しかし、第1ユーザから第2ユーザへの連絡のみ、あるいは、第2ユーザから第1ユーザへの連絡のみを行えるようにしてもよい。
【0077】
(7)上記実施形態では、第1ユーザの使用する第1チャットグループと第2ユーザの使用する第2チャットグループが、同じチャットサービスである場合について説明した。
【0078】
しかし、第1ユーザと第2ユーザが異なるチャットサービスを使用する場合についても適用することができる。この場合には、チャットサービスによりメッセージ装飾用メタ文字が異なる(たとえば、引用を示すタグが[quote][/quote]であったり、[q][/q]であったりする)。このため、正しく装飾用メタ文字が表示されないことがある。
【0079】
そこで、連携装置20に、チャットサービス間のメッセージ装飾用メタ文字の変換テーブルを用意し、連携装置20において、第1ユーザ(第1チャットサービス)から第2ユーザ(第2チャットサービス)にメッセージを送信する場合には、第1チャットサービスのメッセージ装飾用メタ文字を第2チャットサービスのメッセージ装飾用メタ文字に変換して送信する。第2ユーザから第1ユーザに送信する場合も同様である。
【0080】
上記のようなメッセージ装飾用メタ文字としては、「To」「Re」「Code」「Markdown」「Emoji」などがある。
【0081】
また、第1チャットサービスと第2チャットサービスにおける使用言語が異なる場合には、連携装置20において翻訳を行った後、転送するようにしてもよい。
【0082】
さらに、第1チャットサービスと第2チャットサービスにおけるメッセージ形態が異なる場合には、連携装置20において、メッセージ形態を変換して転送するようにしてもよい。たとえば、第1チャットサービスにおいてはテキストによるメッセージが用いられ、第2チャットサービスにおいては音声によるメッセージが用いられている場合には、連携装置20において変換(テキストから音声または音声からテキスト)を行って転送するようにしてもよい。
【0083】
(8)上記実施形態において、ユーザが同一テナント内の他のユーザを、トンネルルームに招待する場合には、当該ユーザが使用しているチャットの機能を用いて招待すればよい。







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図15