(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-31
(45)【発行日】2023-04-10
(54)【発明の名称】流体流路切換装置
(51)【国際特許分類】
F04B 51/00 20060101AFI20230403BHJP
F04B 49/10 20060101ALI20230403BHJP
F04B 49/22 20060101ALI20230403BHJP
F15B 20/00 20060101ALI20230403BHJP
F16K 51/00 20060101ALI20230403BHJP
G01M 3/28 20060101ALI20230403BHJP
【FI】
F04B51/00
F04B49/10 311
F04B49/22
F15B20/00 D
F16K51/00 F
G01M3/28 Z
(21)【出願番号】P 2020093948
(22)【出願日】2020-05-29
【審査請求日】2022-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 新治
(72)【発明者】
【氏名】林 濃男
【審査官】丹治 和幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/187934(WO,A1)
【文献】特表2008-520919(JP,A)
【文献】特開2003-294503(JP,A)
【文献】特開2010-159783(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 49/00-51/00
F15B 20/00ー21/12
F16K 39/00-51/02
G01M 3/00- 3/40
F17D 1/00- 5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体圧シリンダの圧力作用室に対する流体の給排を行うために流路を切り換える切換弁と、
前記切換弁に流体を供給する供給流路と、
前記切換弁からの流体を外部へ排出する排出流路と、
前記供給流路を流れる流体の流量を検出する供給側流量センサと、
前記排出流路を流れる流体の流量を検出する排出側流量センサと、
前記排出流路の圧力を検出する圧力センサと、
流体漏れを判定する漏れ判定部と、を備え、
前記漏れ判定部は、
前記切換弁に供給された流体の一部が前記排出流路に漏れることに起因する内部漏れの有無、及び、前記圧力作用室に供給された流体の一部が前記排出流路に漏れることに起因する内部漏れの有無を判定する内部漏れ判定処理と、
前記供給流路を流れる流体の一部が外部へ漏れることに起因する外部漏れの有無、及び、前記切換弁と前記流体圧シリンダとを接続する配管を流れる流体の一部が外部へ漏れることに起因する外部漏れの有無を判定する外部漏れ判定処理と、を実行し、
前記内部漏れ判定処理では、前記圧力センサにより圧力が検出されず、且つ前記排出側流量センサにより流量が検出されない場合、前記内部漏れが無しであると判定するとともに、前記圧力センサにより圧力が検出されず、且つ前記排出側流量センサにより流量が検出された場合、前記内部漏れが有りであると判定し、
前記外部漏れ判定処理では、前記供給側流量センサにより検出される流量に基づいて前記圧力作用室に供給される流体の積算供給流量を算出するとともに、前記排出側流量センサにより検出される流量に基づいて前記圧力作用室から排出される流体の積算排出流量を算出し、前記積算供給流量と前記積算排出流量とが同じである場合、前記外部漏れが無しであると判定するとともに、前記積算供給流量が前記積算排出流量よりも大きい場合、前記外部漏れが有りであると判定する流体流路切換装置。
【請求項2】
流体圧シリンダの一方の圧力作用室に流体が供給されるとともに前記流体圧シリンダの他方の圧力作用室から流体が排出されるように流路を切り換える切換弁と、
前記切換弁に流体を供給する供給流路と、
前記切換弁からの流体を外部へ排出する排出流路と、
前記供給流路を流れる流体の流量を検出する供給側流量センサと、
前記排出流路を流れる流体の流量を検出する排出側流量センサと、
前記排出流路の圧力を検出する圧力センサと、
流体漏れを判定する漏れ判定部と、を備え、
前記漏れ判定部は、
前記切換弁に供給された流体の一部が前記排出流路に漏れることに起因する内部漏れの有無、及び、前記圧力作用室に供給された流体の一部が前記排出流路に漏れることに起因する内部漏れの有無を判定する内部漏れ判定処理と、
前記供給流路を流れる流体の一部が外部へ漏れることに起因する外部漏れの有無、及び、前記切換弁と前記流体圧シリンダとを接続する配管を流れる流体の一部が外部へ漏れることに起因する外部漏れの有無を判定する外部漏れ判定処理と、を実行し、
前記内部漏れ判定処理では、前記圧力センサにより圧力が検出されず、且つ前記排出側流量センサにより流量が検出されない場合、前記内部漏れが無しであると判定するとともに、前記圧力センサにより圧力が検出されず、且つ前記排出側流量センサにより流量が検出された場合、前記内部漏れが有りであると判定し、
前記外部漏れ判定処理では、前記供給側流量センサにより検出される流量に基づいて前記一方の圧力作用室に供給される流体の積算供給流量を算出するとともに、前記排出側流量センサにより検出される流量に基づいて前記他方の圧力作用室から排出される流体の積算排出流量を算出し、前記積算供給流量と前記積算排出流量との流量差が予め定められた値である場合、前記外部漏れが無しであると判定するとともに、前記積算供給流量と前記積算排出流量との流量差が予め定められた値よりも大きい場合、前記外部漏れが有りであると判定する流体流路切換装置。
【請求項3】
前記供給流路の一部、及び前記排出流路の一部が形成された給排ブロックを備え、
前記給排ブロックに対して前記切換弁が複数並設されており、
前記供給側流量センサ、前記排出側流量センサ、及び前記圧力センサは、前記給排ブロックに一体化されている請求項1又は請求項2に記載の流体流路切換装置。
【請求項4】
前記供給流路の一部、及び前記排出流路の一部が形成されたマニホールドベースを備え、
前記マニホールドベースに対して前記切換弁が載置されており、
前記供給側流量センサ、前記排出側流量センサ、及び前記圧力センサは、前記マニホールドベースに一体化されている請求項1又は請求項2に記載の流体流路切換装置。
【請求項5】
前記供給流路は、メイン供給流路と、前記メイン供給流路から分岐するとともに前記メイン供給流路の一部を迂回するサブ供給流路と、を有し、
前記サブ供給流路の流路断面積は、前記メイン供給流路の流路断面積よりも小さく、
前記供給側流量センサは、前記サブ供給流路に設けられている請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の流体流路切換装置。
【請求項6】
前記排出流路は、メイン排出流路と、前記メイン排出流路から分岐するとともに前記メイン排出流路の一部を迂回するサブ排出流路と、を有し、
前記サブ排出流路の流路断面積は、前記メイン排出流路の流路断面積よりも小さく、
前記排出側流量センサは、前記サブ排出流路に設けられている請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の流体流路切換装置。
【請求項7】
前記排出流路には、前記切換弁から外部への流体の流れを許容するとともに前記外部から前記切換弁への流体の流れを遮断する逆止弁が設けられている請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の流体流路切換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体流路切換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体切換装置は、流体圧シリンダの圧力作用室に対する流体の給排を行うために流路を切り換える切換弁と、切換弁に流体を供給する供給流路と、切換弁からの流体を外部へ排出する排出流路と、を備えている。また、例えば特許文献1では、供給流路に流量センサを取り付けて、流量センサによって供給流路を流れる流体の流量を検出し、流量センサにより検出される流量に基づいて、流体漏れの有無を判定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば、切換弁の弁体のパッキンの劣化により、供給流路から切換弁に供給された流体の一部が、流体圧シリンダの圧力作用室に供給されずに、排出流路へ漏れてしまったり、流体圧シリンダのピストンのパッキンの劣化により、圧力作用室に供給された流体の一部が圧力作用室から漏れてしまったりするといった内部漏れが生じる場合がある。また、例えば、供給流路と切換弁との間のシール不良により、供給流路を流れる流体の一部が外部へ漏れてしまったり、切換弁と流体圧シリンダとを接続する配管のシール不良により、配管を流れる流体の一部が外部へ漏れてしまったりするといった外部漏れが生じる場合がある。
【0005】
このように、内部漏れ、又は外部漏れのいずれかが生じている場合、特許文献1のように、流量センサによって供給流路を流れる流体の流量を検出するだけでは、流体漏れが有りであると判定したとしても、その流体漏れが、内部漏れなのか、それとも外部漏れなのかまでは判定できないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、流体漏れが内部漏れなのか外部漏れなのかを判定することができる流体流路切換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する流体流路切換装置は、流体圧シリンダの圧力作用室に対する流体の給排を行うために流路を切り換える切換弁と、前記切換弁に流体を供給する供給流路と、前記切換弁からの流体を外部へ排出する排出流路と、前記供給流路を流れる流体の流量を検出する供給側流量センサと、前記排出流路を流れる流体の流量を検出する排出側流量センサと、前記排出流路の圧力を検出する圧力センサと、流体漏れを判定する漏れ判定部と、を備え、前記漏れ判定部は、前記切換弁に供給された流体の一部が前記排出流路に漏れることに起因する内部漏れの有無、及び、前記圧力作用室に供給された流体の一部が前記排出流路に漏れることに起因する内部漏れの有無を判定する内部漏れ判定処理と、前記供給流路を流れる流体の一部が外部へ漏れることに起因する外部漏れの有無、及び、前記切換弁と前記流体圧シリンダとを接続する配管を流れる流体の一部が外部へ漏れることに起因する外部漏れの有無を判定する外部漏れ判定処理と、を実行し、前記内部漏れ判定処理では、前記圧力センサにより圧力が検出されず、且つ前記排出側流量センサにより流量が検出されない場合、前記内部漏れが無しであると判定するとともに、前記圧力センサにより圧力が検出されず、且つ前記排出側流量センサにより流量が検出された場合、前記内部漏れが有りであると判定し、前記外部漏れ判定処理では、前記供給側流量センサにより検出される流量に基づいて前記圧力作用室に供給される流体の積算供給流量を算出するとともに、前記排出側流量センサにより検出される流量に基づいて前記圧力作用室から排出される流体の積算排出流量を算出し、前記積算供給流量と前記積算排出流量とが同じである場合、前記外部漏れが無しであると判定するとともに、前記積算供給流量が前記積算排出流量よりも大きい場合、前記外部漏れが有りであると判定する。
【0008】
上記課題を解決する流体流路切換装置は、流体圧シリンダの一方の圧力作用室に流体が供給されるとともに前記流体圧シリンダの他方の圧力作用室から流体が排出されるように流路を切り換える切換弁と、前記切換弁に流体を供給する供給流路と、前記切換弁からの流体を外部へ排出する排出流路と、前記供給流路を流れる流体の流量を検出する供給側流量センサと、前記排出流路を流れる流体の流量を検出する排出側流量センサと、前記排出流路の圧力を検出する圧力センサと、流体漏れを判定する漏れ判定部と、を備え、前記漏れ判定部は、前記切換弁に供給された流体の一部が前記排出流路に漏れることに起因する内部漏れの有無、及び、前記圧力作用室に供給された流体の一部が前記排出流路に漏れることに起因する内部漏れの有無を判定する内部漏れ判定処理と、前記供給流路を流れる流体の一部が外部へ漏れることに起因する外部漏れの有無、及び、前記切換弁と前記流体圧シリンダとを接続する配管を流れる流体の一部が外部へ漏れることに起因する外部漏れの有無を判定する外部漏れ判定処理と、を実行し、前記内部漏れ判定処理では、前記圧力センサにより圧力が検出されず、且つ前記排出側流量センサにより流量が検出されない場合、前記内部漏れが無しであると判定するとともに、前記圧力センサにより圧力が検出されず、且つ前記排出側流量センサにより流量が検出された場合、前記内部漏れが有りであると判定し、前記外部漏れ判定処理では、前記供給側流量センサにより検出される流量に基づいて前記一方の圧力作用室に供給される流体の積算供給流量を算出するとともに、前記排出側流量センサにより検出される流量に基づいて前記他方の圧力作用室から排出される流体の積算排出流量を算出し、前記積算供給流量と前記積算排出流量との流量差が予め定められた値である場合、前記外部漏れが無しであると判定するとともに、前記積算供給流量と前記積算排出流量との流量差が予め定められた値よりも大きい場合、前記外部漏れが有りであると判定する。
【0009】
上記流体流路切換装置において、前記供給流路の一部、及び前記排出流路の一部が形成された給排ブロックを備え、前記給排ブロックに対して前記切換弁が複数並設されており、前記供給側流量センサ、前記排出側流量センサ、及び前記圧力センサは、前記給排ブロックに一体化されているとよい。
【0010】
上記流体流路切換装置において、前記供給流路の一部、及び前記排出流路の一部が形成されたマニホールドベースを備え、前記マニホールドベースに対して前記切換弁が載置されており、前記供給側流量センサ、前記排出側流量センサ、及び前記圧力センサは、前記マニホールドベースに一体化されているとよい。
【0011】
上記流体流路切換装置において、前記供給流路は、メイン供給流路と、前記メイン供給流路から分岐するとともに前記メイン供給流路の一部を迂回するサブ供給流路と、を有し、前記サブ供給流路の流路断面積は、前記メイン供給流路の流路断面積よりも小さく、前記供給側流量センサは、前記サブ供給流路に設けられているとよい。
【0012】
上記流体流路切換装置において、前記排出流路は、メイン排出流路と、前記メイン排出流路から分岐するとともに前記メイン排出流路の一部を迂回するサブ排出流路と、を有し、前記サブ排出流路の流路断面積は、前記メイン排出流路の流路断面積よりも小さく、前記排出側流量センサは、前記サブ排出流路に設けられているとよい。
【0013】
上記流体流路切換装置において、前記排出流路には、前記切換弁から外部への流体の流れを許容するとともに前記外部から前記切換弁への流体の流れを遮断する逆止弁が設けられているとよい。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、流体漏れが内部漏れなのか外部漏れなのかを判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態における流体流路切換装置を説明するための図。
【
図2】内部漏れ判定処理について説明するための図。
【
図3】内部漏れ判定処理について説明するための図。
【
図4】内部漏れ判定処理について説明するための図。
【
図5】内部漏れ判定処理について説明するための図。
【
図6】内部漏れ判定処理について説明するためのタイムチャート。
【
図7】外部漏れ判定処理について説明するための図。
【
図8】外部漏れ判定処理について説明するための図。
【
図9】外部漏れ判定処理について説明するためのタイムチャート。
【
図10】別の実施形態における流体流路切換装置を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、流体流路切換装置を具体化した一実施形態を
図1~
図9にしたがって説明する。
図1に示すように、流体流路切換装置10は、給排ブロック11、複数のマニホールドベース21、及び複数の切換弁30を備えている。複数のマニホールドベース21は、給排ブロック11に対して並設されている。各切換弁30は、各マニホールドベース21に載置されている。したがって、各マニホールドベース21に対して各切換弁30が載置されている。そして、給排ブロック11に対して切換弁30が複数並設されている。
【0017】
なお、各切換弁30は、供給ポート、第1出力ポート、第2出力ポート、第1排出ポート、及び第2排出ポートを有し、ソレノイドへの通電のオンオフによる弁体の往復動に伴い、各ポート間の連通を切り換える公知の5ポート電磁弁である。弁体には、パッキンが取り付けられており、各ポート間をシールする。そして、各切換弁30は、弁体の切換位置に応じて、各ポート間の連通を切り換えることで、各流体圧シリンダ40の一方の圧力作用室41及び他方の圧力作用室42に対する流体の給排を行うために流路を切り換える。本実施形態の各切換弁30は、流体圧シリンダ40の一方の圧力作用室41に流体が供給されるとともに流体圧シリンダ40の他方の圧力作用室42から流体が排出されるように流路を切り換える。また、各切換弁30は、流体圧シリンダ40の他方の圧力作用室42に流体が供給されるとともに流体圧シリンダ40の一方の圧力作用室41から流体が排出されるように流路を切り換える。
【0018】
各流体圧シリンダ40は、シリンダチューブ43と、シリンダチューブ43内に収容されるピストン44と、ピストン44に取り付けられたピストンロッド45と、を備えている。シリンダチューブ43内は、ピストン44によって、一方の圧力作用室41と他方の圧力作用室42とに区画されている。一方の圧力作用室41と他方の圧力作用室42との間は、ピストン44に取り付けられた図示しないパッキンによってシールされている。
【0019】
ピストンロッド45は、ピストン44の往復動に伴って、ピストン44と一体的に移動する。ピストンロッド45は、他方の圧力作用室42を通過してシリンダチューブ43に対して出没可能になっている。他方の圧力作用室42の最大容積は、ピストンロッド45が通過している分だけ、一方の圧力作用室41の最大容積よりも小さい。したがって、一方の圧力作用室41の最大容積は、他方の圧力作用室42の最大容積よりも大きい。
【0020】
給排ブロック11は、第1集中供給ポート12a及び第2集中供給ポート12bを有している。また、給排ブロック11は、集中供給流路13を有している。集中供給流路13は、メイン集中供給流路13aと、メイン集中供給流路13aから分岐するとともにメイン集中供給流路13aの一部を迂回するサブ集中供給流路13bと、を有している。メイン集中供給流路13aの一端は、第1集中供給ポート12aに接続されている。メイン集中供給流路13aの他端は、第2集中供給ポート12bに接続されている。サブ集中供給流路13bの流路断面積は、メイン集中供給流路13aの流路断面積よりも小さい。第1集中供給ポート12aは、外部供給流路14を介して流体圧機器15に接続されている。外部供給流路14は、例えば、配管である。
【0021】
給排ブロック11は、第1集中排出ポート16a、第2集中排出ポート16b、及び集中外部排出ポート16cを有している。また、給排ブロック11は、集中排出流路17を有している。集中排出流路17は、メイン集中排出流路17aと、メイン集中排出流路17aから分岐するとともにメイン集中排出流路17aの一部を迂回するサブ集中排出流路17bと、を有している。メイン集中排出流路17aの一端部は、第1集中排出ポート16aに接続される第1分岐接続流路171aと、第2集中排出ポート16bに接続される第2分岐接続流路172aと、に分岐されている。メイン集中排出流路17aの他端は、集中外部排出ポート16cに接続されている。サブ集中排出流路17bの流路断面積は、メイン集中排出流路17aの流路断面積よりも小さい。集中外部排出ポート16cは、外部排出流路18を介して外部に接続されている。外部排出流路18は、例えば、配管である。
【0022】
各マニホールドベース21には、ベース供給流路22、第1ベース出力流路23、第2ベース出力流路24、第1ベース排出流路25、及び第2ベース排出流路26を有している。各マニホールドベース21のベース供給流路22、第1ベース出力流路23、第2ベース出力流路24、第1ベース排出流路25、及び第2ベース排出流路26は、各切換弁30に接続されている。具体的には、ベース供給流路22は、切換弁30の供給ポートに接続されている、第1ベース出力流路23は、切換弁30の第1出力ポートに接続されている。第2ベース出力流路24は、切換弁30の第2出力ポートに接続されている。第1ベース排出流路25は、切換弁30の第1排出ポートに接続されている。第2ベース排出流路26は、切換弁30の第2排出ポートに接続されている。
【0023】
給排ブロック11に対して並設される複数のマニホールドベース21のうち、最も給排ブロック11に近い位置に配置されるマニホールドベース21のベース供給流路22は、給排ブロック11の第2集中供給ポート12bに接続されている。そして、隣り合うマニホールドベース21の各ベース供給流路22同士は互いに連通している。したがって、各マニホールドベース21のベース供給流路22は、給排ブロック11の第2集中供給ポート12bに接続されている。
【0024】
そして、流体圧機器15によって圧縮された流体が、外部供給流路14、第1集中供給ポート12a、集中供給流路13、第2集中供給ポート12b、及び各ベース供給流路22を介して各切換弁30に供給される。したがって、外部供給流路14、第1集中供給ポート12a、集中供給流路13、第2集中供給ポート12b、及び各ベース供給流路22は、各切換弁30に流体を供給する供給流路27を構成している。給排ブロック11には、供給流路27の一部が形成されている。また、各マニホールドベース21には、供給流路27の一部がそれぞれ形成されている。供給流路27は、メイン集中供給流路13aをメイン供給流路として有し、サブ集中供給流路13bを、メイン供給流路から分岐するとともにメイン供給流路の一部を迂回するサブ供給流路として有している。
【0025】
給排ブロック11に対して並設される複数のマニホールドベース21のうち、最も給排ブロック11に近い位置に配置されるマニホールドベース21の第1ベース排出流路25は、給排ブロック11の第1集中排出ポート16aに接続されている。そして、隣り合うマニホールドベース21の各第1ベース排出流路25同士は互いに連通している。したがって、各マニホールドベース21の各第1ベース排出流路25は、給排ブロック11の第1集中排出ポート16aに接続されている。
【0026】
給排ブロック11に対して並設される複数のマニホールドベース21のうち、最も給排ブロック11に近い位置に配置されるマニホールドベース21の第2ベース排出流路26は、給排ブロック11の第2集中排出ポート16bに接続されている。そして、隣り合うマニホールドベース21の各第2ベース排出流路26同士は互いに連通している。したがって、各マニホールドベース21の各第2ベース排出流路26は、給排ブロック11の第2集中排出ポート16bに接続されている。
【0027】
そして、例えば、各切換弁30から各第1ベース排出流路25へ排出された流体は、各第1ベース排出流路25、第1集中排出ポート16a、集中排出流路17、集中外部排出ポート16c、及び外部排出流路18を介して外部へ排出される。また、例えば、各切換弁30から各第2ベース排出流路26へ排出された流体は、各第2ベース排出流路26、第2集中排出ポート16b、集中排出流路17、集中外部排出ポート16c、及び外部排出流路18を介して外部へ排出される。したがって、各第1ベース排出流路25、第1集中排出ポート16a、各第2ベース排出流路26、第2集中排出ポート16b、集中排出流路17、集中外部排出ポート16c、及び外部排出流路18は、各切換弁30からの流体を外部へ排出する排出流路28を構成している。給排ブロック11には、排出流路28の一部が形成されている。また、各マニホールドベース21には、排出流路28の一部がそれぞれ形成されている。排出流路28は、メイン集中排出流路17aをメイン排出流路として有し、サブ集中排出流路17bを、メイン排出流路から分岐するとともにメイン排出流路の一部を迂回するサブ排出流路として有している。
【0028】
外部排出流路18には、逆止弁18aが設けられている。逆止弁18aは、集中外部排出ポート16cから外部排出流路18を介した外部への流体の流れを許容するとともに、外部から外部排出流路18を介した集中外部排出ポート16cへの流体の流れを遮断する。したがって、逆止弁18aは、切換弁30から外部への流体の流れを許容するとともに外部から切換弁30への流体の流れを遮断する。
【0029】
各マニホールドベース21の第1ベース出力流路23は、各第1外部出力流路46を介して各流体圧シリンダ40の一方の圧力作用室41に接続されている。各第1外部出力流路46は、例えば、配管である。また、各マニホールドベース21の第2ベース出力流路24は、各第2外部出力流路47を介して各流体圧シリンダ40の他方の圧力作用室42に接続されている。各第2外部出力流路47は、例えば、配管である。
【0030】
例えば、切換弁30のソレノイドへの通電がオンになると、切換弁30の弁体が、供給ポートと第1出力ポートとを連通し、且つ第2出力ポートと第2排出ポートとを連通する第1切換位置に切り換わる。切換弁30の弁体が第1切換位置に切り換わると、供給ポートと第2出力ポートとの間、及び第1出力ポートと第1排出ポートとの間が、弁体のパッキンによりシールされる。
【0031】
そして、切換弁30から第1出力ポートを介して第1ベース出力流路23に出力された流体は、第1外部出力流路46を介して流体圧シリンダ40の一方の圧力作用室41に供給され、一方の圧力作用室41の容積が増大するように流体圧シリンダ40のピストン44が移動する。これにより、他方の圧力作用室42の容積が減少し、流体圧シリンダ40の他方の圧力作用室42の流体が、第2外部出力流路47、第2出力ポート、及び第2排出ポートを介して第2ベース排出流路26に排出される。
【0032】
例えば、切換弁30のソレノイドへの通電がオフになると、切換弁30の弁体が、供給ポートと第2出力ポートとを連通し、且つ第1出力ポートと第1排出ポートとを連通する第2切換位置に切り換わる。切換弁30の弁体が第2切換位置に切り換わると、供給ポートと第1出力ポートとの間、及び第2出力ポートと第2排出ポートとの間が、弁体のパッキンによりシールされる。
【0033】
そして、切換弁30から第2出力ポートを介して第2ベース出力流路24に出力された流体は、第2外部出力流路47を介して流体圧シリンダ40の他方の圧力作用室42に供給され、他方の圧力作用室42の容積が増大するように流体圧シリンダ40のピストン44が移動する。これにより、一方の圧力作用室41の容積が減少し、流体圧シリンダ40の一方の圧力作用室41の流体が、第1外部出力流路46、第1出力ポート、及び第1排出ポートを介して第1ベース排出流路25に排出される。
【0034】
流体流路切換装置10は、マイコン50(MPU)を備えている。マイコン50は、給排ブロック11に内蔵されている。マイコン50は、外部制御機器51に電気的に接続されている。
【0035】
流体流路切換装置10は、供給側流量センサ61を備えている。供給側流量センサ61は、集中供給流路13のサブ集中供給流路13bに設けられている。供給側流量センサ61は、サブ集中供給流路13bを流れる流体の流量を検出する。したがって、供給側流量センサ61は、供給流路27を流れる流体の流量を検出する。供給側流量センサ61は、給排ブロック11に内蔵されている。したがって、供給側流量センサ61は、給排ブロック11に一体化されている。供給側流量センサ61は、マイコン50に電気的に接続されている。供給側流量センサ61により検出された流量に関する情報は、マイコン50に送信される。
【0036】
流体流路切換装置10は、排出側流量センサ62を備えている。排出側流量センサ62は、集中排出流路17のサブ集中排出流路17bに設けられている。排出側流量センサ62は、サブ集中排出流路17bを流れる流体の流量を検出する。したがって、排出側流量センサ62は、排出流路28を流れる流体の流量を検出する。排出側流量センサ62は、給排ブロック11に内蔵されている。したがって、排出側流量センサ62は、給排ブロック11に一体化されている。排出側流量センサ62は、マイコン50に電気的に接続されている。排出側流量センサ62により検出された流量に関する情報は、マイコン50に送信される。
【0037】
排出流路28は、圧力検出流路19を有している。圧力検出流路19は、給排ブロック11に形成されている。圧力検出流路19は、メイン集中排出流路17aにおけるサブ集中排出流路17bよりも一端部側の部位から分岐している。
【0038】
流体流路切換装置10は、圧力センサ63を備えている。圧力センサ63は、圧力検出流路19に設けられている。圧力センサ63は、圧力検出流路19の圧力を検出する。したがって、圧力センサ63は、排出流路28の圧力を検出する。圧力センサ63は、給排ブロック11に内蔵されている。したがって、圧力センサ63は、給排ブロック11に一体化されている。圧力センサ63は、マイコン50に電気的に接続されている。圧力センサ63により検出された圧力に関する情報は、マイコン50に送信される。
【0039】
マイコン50には、圧力センサ63により検出される排出流路28の圧力の変化によって、流体圧シリンダ40のピストン44の移動が過渡状態であるか否かを判定するプログラムが予め記憶されている。例えば、マイコン50は、圧力センサ63により圧力が検出されている場合、流体圧シリンダ40のピストン44の移動が過渡状態であると判定する。一方で、マイコン50は、圧力センサ63により圧力が検出されていない場合、流体圧シリンダ40のピストン44がストロークエンドまで到達して、ピストン44が停止している状態であると判定する。
【0040】
マイコン50には、内部漏れの有無を判定する内部漏れ判定処理と、外部漏れの有無を判定する外部漏れ判定処理と、を実行するプログラムが予め記憶されている。したがって、マイコン50は、流体漏れを判定する漏れ判定部として機能する。
【0041】
ここで、「内部漏れ」とは、例えば、切換弁30の弁体のパッキンの劣化により、供給流路27から切換弁30に供給された流体の一部が、流体圧シリンダ40の圧力作用室41,42に供給されずに、排出流路28へ漏れてしまうことを言う。また、「内部漏れ」とは、例えば、流体圧シリンダ40のピストン44のパッキンの劣化により、一方の圧力作用室41に供給された流体の一部が他方の圧力作用室42へ漏れてしまったり、他方の圧力作用室42に供給された流体の一部が一方の圧力作用室41へ漏れてしまったりすることを言う。
【0042】
一方で、「外部漏れ」とは、例えば、供給流路27と切換弁30との間のシール不良により、供給流路27を流れる流体の一部が外部へ漏れてしまったり、切換弁30と流体圧シリンダ40とを接続する配管のシール不良により、配管を流れる流体の一部が外部へ漏れてしまったりすることを言う。
【0043】
マイコン50には、内部漏れ判定処理では、圧力センサ63により圧力が検出されず、且つ排出側流量センサ62により流量が検出されない場合、内部漏れが無しであると判定するプログラムが予め記憶されている。また、マイコン50には、内部漏れ判定処理では、圧力センサ63により圧力が検出されず、且つ排出側流量センサ62により流量が検出された場合、内部漏れが有りであると判定するプログラムが予め記憶されている。
【0044】
なお、本実施形態の圧力センサ63としては、例えば、内部漏れによって排出流路28へ流体が漏れているときの排出流路28の圧力の微小な変化を検出することが不能なセンサを採用している。
【0045】
マイコン50には、圧力センサ63により圧力が検出されており、流体圧シリンダ40のピストン44の移動が過渡状態であると判定されている場合、内部漏れ判定処理を実行しないプログラムが予め記憶されている。また、マイコン50には、圧力センサ63により圧力が検出されておらず、流体圧シリンダ40のピストン44が停止している状態であると判定されている場合、内部漏れ判定処理を実行するプログラムが予め記憶されている。
【0046】
マイコン50には、内部漏れ判定処理において、内部漏れ有りであると判定した場合に、排出側流量センサ62により検出された流量を内部漏れ量として記憶するプログラムが予め記憶されている。
【0047】
マイコン50には、外部漏れ判定処理では、供給側流量センサ61により検出される流量に基づいて一方の圧力作用室41に供給される流体の積算供給流量を算出するとともに、排出側流量センサ62により検出される流量に基づいて一方の圧力作用室41から排出される流体の積算排出流量を算出するプログラムが予め記憶されている。そして、マイコン50には、積算供給流量と積算排出流量とが同じである場合、外部漏れが無しであると判定するとともに、積算供給流量が積算排出流量よりも大きい場合、外部漏れが有りであると判定する判定プログラムが予め記憶されている。
【0048】
具体的には、マイコン50には、外部漏れ判定処理において、切換弁30のソレノイドへの通電をオンにしてから、供給側流量センサ61により検出される流量に基づいて一方の圧力作用室41に供給される流体の積算供給流量を算出するプログラムが予め記憶されている。また、マイコン50には、外部漏れ判定処理において、切換弁30のソレノイドへの通電をオフにしてから、排出側流量センサ62により検出される流量に基づいて一方の圧力作用室41から排出される流体の積算排出流量を算出するプログラムが予め記憶されている。マイコン50は、算出された積算供給流量及び積算排出流量をそれぞれ記憶する。マイコン50には、外部漏れ判定処理において、切換弁30のソレノイドへの通電をオンにしてから一方の圧力作用室41に供給される流体の積算供給流量と、切換弁30のソレノイドへの通電をオフにしてから一方の圧力作用室41から排出される流体の積算排出流量とを比較するプログラムが予め記憶されている。そして、マイコン50には、比較した積算供給流量及び積算排出流量において、積算供給流量と積算排出流量とが同じである場合、外部漏れが無しであると判定するプログラムが予め記憶されている。一方で、マイコン50には、比較した積算供給流量及び積算排出流量において、積算供給流量が積算排出流量よりも大きい場合、外部漏れが有りであると判定するプログラムが予め記憶されている。
【0049】
また、マイコン50には、外部漏れ判定処理では、供給側流量センサ61により検出される流量に基づいて他方の圧力作用室42に供給される流体の積算供給流量を算出するとともに、排出側流量センサ62により検出される流量に基づいて他方の圧力作用室42から排出される流体の積算排出流量を算出するプログラムが予め記憶されている。そして、マイコン50には、積算供給流量と積算排出流量とが同じである場合、外部漏れが無しであると判定するとともに、積算供給流量が積算排出流量よりも大きい場合、外部漏れが有りであると判定する判定プログラムが予め記憶されている。
【0050】
具体的には、マイコン50には、外部漏れ判定処理において、切換弁30のソレノイドへの通電をオフにしてから、供給側流量センサ61により検出される流量に基づいて他方の圧力作用室42に供給される流体の積算供給流量を算出するプログラムが予め記憶されている。また、マイコン50には、外部漏れ判定処理において、切換弁30のソレノイドへの通電をオンにしてから、排出側流量センサ62により検出される流量に基づいて他方の圧力作用室42から排出される流体の積算排出流量を算出するプログラムが予め記憶されている。マイコン50は、算出された積算供給流量及び積算排出流量をそれぞれ記憶する。マイコン50には、外部漏れ判定処理において、切換弁30のソレノイドへの通電をオフにしてから他方の圧力作用室42に供給される流体の積算供給流量と、切換弁30のソレノイドへの通電をオンにしてから他方の圧力作用室42から排出される流体の積算排出流量とを比較するプログラムが予め記憶されている。そして、マイコン50には、比較した積算供給流量及び積算排出流量において、積算供給流量と積算排出流量とが同じである場合、外部漏れが無しであると判定するプログラムが予め記憶されている。一方で、マイコン50には、比較した積算供給流量及び積算排出流量において、積算供給流量が積算排出流量よりも大きい場合、外部漏れが有りであると判定するプログラムが予め記憶されている。
【0051】
マイコン50には、圧力センサ63による検出の有無にかかわらず、外部漏れ判定処理が常に実行されるようにプログラムが予め記憶されている。したがって、マイコン50は、流体圧シリンダ40のピストン44の移動が過渡状態であったり、流体圧シリンダ40のピストン44が停止している状態であったりしたとしても、外部漏れ判定処理を常に実行している。
【0052】
マイコン50には、外部漏れ判定処理において、外部漏れ有りであると判定した場合に、外部漏れ判定処理において比較した積算供給流量と積算排出流量との差を算出し、算出された流量を外部漏れ量として記憶するプログラムが予め記憶されている。
【0053】
次に、本実施形態の作用について説明する。
なお、以下の作用の説明では、説明を簡略化するために1組の切換弁30及び流体圧シリンダ40に関する作用についてのみ説明する。また、
図2以降では、供給流路27及び排出流路28の図示を簡略化している。
【0054】
まず、マイコン50において、内部漏れの有無の判定の仕方について、本実施形態の作用と共に説明する。
図2に示すように、例えば、切換弁30のソレノイドへの通電がオフになると、切換弁30が第1切換位置から第2切換位置に切り換えられる。すると、一方の圧力作用室41の流体が排出流路28を通過して外部へ排出されるとともに、供給流路27を通過した流体が他方の圧力作用室42に供給され、ピストンロッド45がシリンダチューブ43に対して最も没入した状態となる。
【0055】
図3に示すように、切換弁30のソレノイドへの通電がオンになると、切換弁30が第2切換位置から第1切換位置に切り換えられる。すると、供給流路27を通過した流体が一方の圧力作用室41に供給されるとともに、他方の圧力作用室42の流体が排出流路28を通過して外部へ排出され、ピストンロッド45におけるシリンダチューブ43に対する突出量が徐々に増えていく。
【0056】
このとき、マイコン50は、圧力センサ63により圧力が検出されているため、流体圧シリンダ40のピストン44の移動が過渡状態であると判定する。したがって、マイコン50は、内部漏れ判定処理を実行しない。
【0057】
図4に示すように、ピストンロッド45がシリンダチューブ43に対して最も突出した状態となると、流体圧シリンダ40のピストン44がストロークエンドまで到達して、ピストン44が停止する。このとき、マイコン50は、圧力センサ63により圧力が検出されないため、流体圧シリンダ40のピストン44が停止している状態であると判定して、内部漏れ判定処理を実行する。
【0058】
ここで、マイコン50は、内部漏れ判定処理において、圧力センサ63により圧力が検出されず、且つ排出側流量センサ62により流量が検出されない場合、内部漏れが無しであると判定する。
【0059】
図5に示すように、マイコン50は、内部漏れ判定処理において、圧力センサ63により圧力が検出されず、且つ排出側流量センサ62により流量が検出された場合、内部漏れが有りであると判定する。つまり、流体圧シリンダ40のピストン44が停止しているにもかかわらず、例えば、切換弁30の弁体のパッキンの劣化により、供給流路27から切換弁30に供給された流体の一部が、流体圧シリンダ40の一方の圧力作用室41に供給されずに、排出流路28へ漏れてしまっていることが想定される。また、流体圧シリンダ40のピストン44が停止しているにもかかわらず、例えば、流体圧シリンダ40のピストン44のパッキンの劣化により、一方の圧力作用室41の流体の一部が他方の圧力作用室42に漏れて、他方の圧力作用室42から排出流路28へ漏れてしまっていることが想定される。したがって、内部漏れが生じていると想定される。
【0060】
図6に示すように、マイコン50は、内部漏れ判定処理において、内部漏れ有りであると判定した場合に、排出側流量センサ62により検出された流量Qxを内部漏れ量として記憶する。そして、マイコン50は、排出側流量センサ62により検出された流量Qxを外部制御機器51に送信する。外部制御機器51は、流量Qxを内部漏れ量として受信することにより、作業者に異常を報知する。
【0061】
次に、マイコン50において、外部漏れの有無の判定の仕方について、本実施形態の作用と共に説明する。
図7に示すように、例えば、切換弁30のソレノイドへの通電がオンになると、切換弁30が第1切換位置に切り換えられ、供給流路27を通過した流体が一方の圧力作用室41に供給されるとともに、他方の圧力作用室42の流体が排出流路28を通過して外部へ排出される。これにより、ピストンロッド45がシリンダチューブ43に対して最も突出した状態となる。
【0062】
このとき、マイコン50は、外部漏れ判定処理において、供給側流量センサ61により検出される流量に基づいて一方の圧力作用室41に供給される流体の積算供給流量を算出する。また、マイコン50は、外部漏れ判定処理において、排出側流量センサ62により検出される流量に基づいて他方の圧力作用室42から排出される流体の積算排出流量を算出する。このように、マイコン50は、切換弁30のソレノイドへの通電をオンにしてから、一方の圧力作用室41に供給される流体の積算供給流量、及び他方の圧力作用室42から排出される流体の積算排出流量をそれぞれ算出する。そして、マイコン50は、算出した積算供給流量及び積算排出流量をそれぞれ記憶しておく。
【0063】
図8に示すように、切換弁30のソレノイドへの通電がオフになると、切換弁30が第1切換位置から第2切換位置に切り換えられ、一方の圧力作用室41の流体が排出流路28を通過して外部へ排出されるとともに、供給流路27を通過した流体が他方の圧力作用室42に供給される。これにより、ピストンロッド45がシリンダチューブ43に対して最も没入した状態となる。
【0064】
このとき、マイコン50は、外部漏れ判定処理において、供給側流量センサ61により検出される流量に基づいて他方の圧力作用室42に供給される流体の積算供給流量を算出する。また、マイコン50は、外部漏れ判定処理において、排出側流量センサ62により検出される流量に基づいて一方の圧力作用室41から排出される流体の積算排出流量を算出する。このように、マイコン50は、切換弁30のソレノイドへの通電をオフにしてから、他方の圧力作用室42に供給される流体の積算供給流量、及び一方の圧力作用室41から排出される流体の積算排出流量をそれぞれ算出する。そして、マイコン50は、算出した積算供給流量及び積算排出流量をそれぞれ記憶しておく。
【0065】
図9に示すように、マイコン50は、外部漏れ判定処理において、例えば、切換弁30のソレノイドへの通電をオンにしてから一方の圧力作用室41に供給される流体の積算供給流量と、切換弁30のソレノイドへの通電をオフにしてから一方の圧力作用室41から排出される流体の積算排出流量とを比較する。そして、マイコン50は、比較した積算供給流量及び積算排出流量において、積算供給流量と積算排出流量とが同じである場合、外部漏れが無しであると判定する。一方で、マイコン50は、比較した積算供給流量及び積算排出流量において、
図9で二点鎖線で示すように、積算供給流量が積算排出流量よりも大きい場合、外部漏れが有りであると判定する。
【0066】
マイコン50は、外部漏れ判定処理において、例えば、切換弁30のソレノイドへの通電をオフにしてから他方の圧力作用室42に供給される流体の積算供給流量と、切換弁30のソレノイドへの通電をオンにしてから他方の圧力作用室42から排出される流体の積算排出流量とを比較する。そして、マイコン50は、比較した積算供給流量及び積算排出流量において、積算供給流量と積算排出流量とが同じである場合、外部漏れが無しであると判定する。一方で、マイコン50は、比較した積算供給流量及び積算排出流量において、
図9で一点鎖線で示すように、積算供給流量が積算排出流量よりも大きい場合、外部漏れが有りであると判定する。つまり、例えば、供給流路27と切換弁30との間のシール不良により、供給流路27を流れる流体の一部が外部へ漏れてしまったり、切換弁30と流体圧シリンダ40とを接続する配管のシール不良により、配管を流れる流体の一部が外部へ漏れてしまったりしていることが想定される。
【0067】
マイコン50は、外部漏れ判定処理において、外部漏れ有りであると判定した場合に、外部漏れ判定処理において比較した積算供給流量と積算排出流量との差を算出し、算出された流量を外部漏れ量として記憶する。そして、マイコン50は、算出された外部漏れ量を外部制御機器51に送信する。外部制御機器51は、外部漏れ量を受信することにより、作業者に異常を報知する。
【0068】
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)マイコン50は、内部漏れ判定処理では、圧力センサ63により圧力が検出されず、且つ排出側流量センサ62により流量が検出されない場合、内部漏れが無しであると判定するとともに、圧力センサ63により圧力が検出されず、且つ排出側流量センサ62により流量が検出された場合、内部漏れが有りであると判定する。また、マイコン50は、外部漏れ判定処理では、例えば、供給側流量センサ61により検出される流量に基づいて一方の圧力作用室41に供給される流体の積算供給流量を算出するとともに、排出側流量センサ62により検出される流量に基づいて一方の圧力作用室41から排出される流体の積算排出流量を算出する。そして、積算供給流量と積算排出流量とが同じである場合、外部漏れが無しであると判定するとともに、積算供給流量が積算排出流量よりも大きい場合、外部漏れが有りであると判定する。これによれば、流体流路切換装置10において、流体漏れが内部漏れなのか外部漏れなのかを判定することができる。
【0069】
(2)供給側流量センサ61、排出側流量センサ62、及び圧力センサ63は、給排ブロック11に一体化されている。これによれば、例えば、供給側流量センサ61、排出側流量センサ62、及び圧力センサ63が、各マニホールドベース21にそれぞれ一体化されている場合に比べると、流体流路切換装置10全体をコンパクトにすることができる。
【0070】
(3)サブ集中供給流路13bの流路断面積は、メイン集中供給流路13aの流路断面積よりも小さい。そして、供給側流量センサ61は、サブ集中供給流路13bに設けられている。これによれば、供給側流量センサ61として、小型のセンサを採用することができるため、流体流路切換装置10全体をコンパクトにすることができる。
【0071】
(4)サブ集中排出流路17bの流路断面積は、メイン集中排出流路17aの流路断面積よりも小さい。そして、排出側流量センサ62は、サブ集中排出流路17bに設けられている。これによれば、排出側流量センサ62として、小型のセンサを採用することができるため、流体流路切換装置10全体をコンパクトにすることができる。
【0072】
(5)外部排出流路18には、切換弁30から外部への流体の流れを許容するとともに外部から切換弁30への流体の流れを遮断する逆止弁18aが設けられている。これによれば、例えば、流体流路切換装置10を複数並設して、各流体流路切換装置10の各外部排出流路18同士を接続する場合であっても、他の流体流路切換装置10の外部排出流路18に排出された流体が自身の流体流路切換装置10の外部排出流路18を通過して切換弁30に向けて逆流することを逆止弁18aによって回避できる。
【0073】
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0074】
・ 実施形態において、マイコン50は、外部漏れ判定処理では、供給側流量センサ61により検出される流量に基づいて一方の圧力作用室41に供給される流体の積算供給流量を算出するとともに、排出側流量センサ62により検出される流量に基づいて他方の圧力作用室42から排出される流体の積算排出流量を算出し、積算供給流量と積算排出流量との流量差が予め定められた値である場合、外部漏れが無しであると判定してもよい。そして、マイコン50は、積算供給流量と積算排出流量との流量差が予め定められた値よりも大きい場合、外部漏れが有りであると判定してもよい。
【0075】
具体的には、マイコン50は、外部漏れ判定処理において、切換弁30のソレノイドへの通電をオンにしてから一方の圧力作用室41に供給される流体の積算供給流量と、他方の圧力作用室42から排出される流体の積算排出流量との流量差を比較する。そして、マイコン50は、比較した積算供給流量及び積算排出流量において、積算供給流量と積算排出流量との流量差が予め定められた値である場合、外部漏れが無しであると判定する。一方で、マイコン50は、比較した積算供給流量及び積算排出流量において、積算供給流量と積算排出流量との流量差が予め定められた値よりも大きい場合、外部漏れが有りであると判定する。これによれば、一方の圧力作用室41の最大容積と他方の圧力作用室42の最大容積とが異なる構成であっても、同じタイミングでの一方の圧力作用室41の積算供給流量と他方の圧力作用室42の積算排出流量とを用いて、外部漏れを判定することができるため、外部漏れの判定を効率良く行うことができる。
【0076】
・
図10に示すように、供給側流量センサ61、排出側流量センサ62、及び圧力センサ63が、各マニホールドベース21にそれぞれ一体化されていてもよい。この場合、各供給側流量センサ61は、各マニホールドベース21のベース供給流路22に設けられている。また、各排出側流量センサ62及び各圧力センサ63は、各マニホールドベース21の第1ベース排出流路25及び第2ベース排出流路26にそれぞれ設けられている。これによれば、どのマニホールドベース21で流体漏れが生じているのかを判別することができるとともに、さらには、その流体漏れが生じているマニホールドベース21の流体漏れが内部漏れなのか外部漏れなのかを判定することができる。
【0077】
・ 実施形態において、供給側流量センサ61が、例えば、メイン集中供給流路13aに設けられていてもよい。この場合、集中供給流路13は、サブ集中供給流路13bを有していない構成であってもよい。
【0078】
・ 実施形態において、排出側流量センサ62が、例えば、メイン集中排出流路17aに設けられていてもよい。この場合、集中排出流路17は、サブ集中排出流路17bを有していない構成であってもよい。
【0079】
・ 実施形態において、流体流路切換装置10は、外部排出流路18に逆止弁18aが設けられていない構成であってもよい。
・ 実施形態において、各切換弁30は、3ポート電磁弁であってもよい。この場合、各切換弁30は、各流体圧シリンダ40の一方の圧力作用室41のみに流体を給排するために流路を切り換える。したがって、この場合、各流体圧シリンダ40は、ばね式の単動シリンダである。
【符号の説明】
【0080】
10…流体流路切換装置、11…給排ブロック、13a…メイン供給流路としてのメイン集中供給流路、13b…サブ供給流路としてのサブ集中供給流路、17a…メイン排出流路としてのメイン集中排出流路、17b…サブ排出流路としてのサブ集中排出流路、18a…逆止弁、21…マニホールドベース、27…供給流路、28…排出流路、30…切換弁、40…流体圧シリンダ、41…一方の圧力作用室、42…他方の圧力作用室、50…漏れ判定部として機能するマイコン、61…供給側流量センサ、62…排出側流量センサ、63…圧力センサ。