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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-31
(45)【発行日】2023-04-10
(54)【発明の名称】コンテナプレカットシステム
(51)【国際特許分類】
   B65B 61/02 20060101AFI20230403BHJP
【FI】
B65B61/02
【請求項の数】 4
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020197548
(22)【出願日】2020-11-27
(65)【公開番号】P2021084715
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】19000535.5
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520124110
【氏名又は名称】インダストリアス テクノロジカス デ メカニゼーション イ オウトマティゼーション,エス.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】マニュエル ゴンザレス
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/171242(WO,A1)
【文献】特開平05-177581(JP,A)
【文献】特開2000-254891(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03566832(EP,A1)
【文献】特開平10-296881(JP,A)
【文献】特開平10-296879(JP,A)
【文献】実開昭59-038271(JP,U)
【文献】特開2015-113142(JP,A)
【文献】特開2019-195861(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01649989(EP,A1)
【文献】特開2005-330010(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 61/02
B65B 65/28
B65D 1/30
B26D 3/08
B26F 1/44
B28B 11/08
B28B 11/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ成形機(4)の前進距離に応じた長さの多層材料及び/または単層材料の断続的前進を利用する多層材料及び/または単層材料(3)のコンテナ成形機(4)に利用可能である、コンテナプレカットシステムであって、システムは、前記多層材料及び/または前記単層材料(3)の下側表面上の下側プレカット部(31)及び上側表面上の上側プレカット部(32)を作るのに適切であり、前記システムは下側プレカットデバイス(1)及び上側プレカットデバイス(2)を備え、前記下側プレカットデバイス(1)及び前記上側プレカットデバイス(2)は、各々、前記多層材料及び/または前記単層材料(3)に対して相対垂直移動をもたらす下側ブレード(11)及び上側ブレード(21)が設けられており、前記下側プレカットデバイス(1)及び前記上側プレカットデバイス(2)は、成形機の前記前進距離の倍数にほぼ等しい長さだけ、前記多層材料及び/または前記単層材料(3)の前進方向に分離しており、
前記上側プレカットデバイス(2)は、パンチプレート(24)に対して垂直移動の制限を順にもたらす浮動停止部(22)に対して相対垂直移動が可能であるように搭載される下側ダイス(20)及び上側ブレード(21)を備え、前記上側ブレード(21)は調整済バネ(23)に搭載され、
前記上側ブレード(21)に対面するエリア内の前記下側ダイス(20)は、前記上側プレカット部(32)を作るとき、前記多層材料及び/または単層材料(3)の特定の弾性変形を可能にする凹部(25)を有する、ことを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記下側プレカットデバイス(1)は、前記下側ブレード(11)を固定または画定する垂直に移動可能な下側ダイス(10)と、パンチプレート(14)の調整済バネ(13)に搭載され、前記多層材料(3)の下側プレカット中に、前記多層材料及び/または前記単層材料(3)が前記下側ダイス(10)によって移動する、上側浮動停止部(12)とを備えることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記下側プレカットデバイス(1)及び前記上側プレカットデバイス(2)は、コンテナ成形機(5)の同じプレス機によって作動することが可能であるダブルツール(51)上で画定されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記下側プレカットデバイス(1)及び前記上側プレカットデバイス(2)は、異なるプレス機に設置され、コンテナ成形機(5)の前記前進距離の倍の長さだけ相互に分離している、独立ツール(52、53)上で画定されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に食品を包装することを対象とする多層及び/または単層のコンテナ成形機に利用可能であり、成形機の前進距離に応じた長さを有する多層材料及び/または単層材料に対して断続的前進をもたらし、本システムは、単一の包装のためのコンテナの分離を連続的に容易にするために、多層及び/または単層のコンテナ材料の下側表面上のプレカット及び上側表面上のプレカットを実行するものである。
【背景技術】
【0002】
多層材料から作られたコンテナ(具体的には、食品産業のコンテナパック)を製造するとき、多層材料の厚さに部分的に影響を及ぼすコンテナの輪郭上でプレカットラインを作るのが一般的であり、この目的は、最終消費者によるパックコンテナの手動による分裂及び分離を後で行うことを容易にすることである。
【0003】
単層または二重層のプラスチック材料で作られるコンテナでは、材料の上側表面上でプレカットラインを作ることによって、ユーザがパックコンテナの分裂及び分離を後で行うことを可能にするのが十分になる。
【0004】
多層材料を使用するとき、この上側プレカットラインは、分裂エリア内で欠陥を生じないで、パックコンテナの適切な分離を保証するのに不十分である。
【0005】
当該欠点をなくすために、本発明と同じ特許権所持者によって作成されたスペイン国特許出願公開第201830445号明細書では、上側プレカットラインを作るために上側ブレードが設けられたパンチプレートと、上側ブレードに対面する下側ブレードを備えるダイスプレートとを含むコンテナプレカットデバイスから成る解決策が考案されたものが説明されており、これにより、パンチプレートがダイスプレート上で閉じられるとき、上側ブレード及び下側ブレードは、コンテナの多層材料の反対側の面に上側プレカットライン及び下側プレカットラインを同時に画定し、それによって、当該プレカットラインに沿って多層材料の適切な分裂を保証する。
【0006】
この解決策は同時に上側プレカット部及び下側プレカット部を作るのに効果的であるが、多層材料の異なる層を構成する材料の機械的特徴に応じて、これらの上側プレカット及び下側プレカットが相互にかなり近いタイミングで同時に行われることで、多層材料で応力を生じさせる可能性があり、その応力によって、上側プレカット部及び下側プレカット部が共に切断されるわけではなく、コンテナの分離の前または分離中のいずれで、当該エリア内の多層材料の望ましくない分裂をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】スペイン国特許出願公開第201830445号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明のコンテナプレカットシステムは、成形機の前進距離に応じた長さの多層材料及び/または単層材料の断続的前進を生じさせる多層及び/または単層のコンテナ成形機に利用可能であり、コンテナプレカットシステムは、2つの段階で下側表面及び上側表面の対面エリア内で下側プレカット部及び上側プレカット部を作るための適切な技術的特性を有し、2つの段階には、連続的に、同時ではなく、既定の長さの多層材料及び/または単層材料の前進により下側プレカット部及び上側プレカット部の両方を作ることを意味し、それによって、同時の上側プレカット部及び下側プレカット部を作ることによって、多層材料及び/または単層材料で生じる応力をなくす。
【0009】
したがって、本システムは、特に、異なる材料(PET(ペット)、PP(ポリプロピレン)、PLA(ポリラクチド)、及びPS(ポリスチレン))から作られたマルチパックコンテナをプレカットするのに理想的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目標を達成するために、本発明に従って、コンテナプレカットシステムは下側プレカットデバイス及び上側プレカットデバイスを備え、下側プレカットデバイス及び上側プレカットデバイスは、各々、多層材料及び/または単層材料に対して相対垂直移動をもたらす下側ブレード及び上側ブレードが設けられており、当該下側プレカットデバイス及び上側プレカットデバイスは、コンテナ成形機の前進距離の倍数にほぼ等しい長さだけ、多層材料及び/または単層材料の前進方向に分離している。
【0011】
下側プレカットデバイスと上側プレカットデバイスとの間の多層材料及び/または単層材料のこのような移動は、そのように、上側プレカット部及び下側プレカット部との間で作られ、多層材料及び/または単層材料は第1のプレカット中に生じた応力を解放し、事前のプレカットにかなり近いタイミングで行われる第2のプレカット中に応力が蓄積することを防止する。
【0012】
本発明に従って、下側プレカットデバイスは、下側ブレードを保持する垂直に移動可能な下側ダイスと、パンチプレートの調整済バネに搭載され、当該多層材料及び/または単層材料の下側プレカット中に、多層材料及び/または単層材料が下側ダイスによって移動する、上側浮動停止部とを備える。
【0013】
さらに、上側プレカットデバイスは、パンチプレートに対して垂直移動の制限を順にもたらす浮動停止部に対して相対垂直移動が可能であるように搭載される下側ダイス及び上側ブレードを備え、当該上側ブレードは調整済バネに搭載される。
【0014】
本発明の一実施形態に従って、上側プレカットデバイス及び下側プレカットデバイスは、現在の成形充填封口機(例えば、FFS機械としても既知である)であり得る成形機の同じプレス機によって作動することが可能であるダブルツール内に画定される。
【0015】
随意に、上側プレカットデバイス及び下側プレカットデバイスは、異なるプレス機に設置される独立ツール上に画定される。
【0016】
両方の場合、上側プレカットデバイス及び下側プレカットデバイスは、成形機のいくつかの前進距離に対応する長さだけ相互に分離している。
【0017】
最後に、多層材料及び/または単層材料の前進方向に対する上側プレカットデバイス及び下側プレカットデバイスの順番は重要ではなく、本システムは、本発明の本質に影響を及ぼさないため、最初に下側プレカット部を作り、次に上側プレカット部を作ることが可能であり、またはその逆の順番で作ることも可能であることを言及する価値がある。
【0018】
本明細書になされる説明を補完するものとして、本発明の特徴をより容易に理解可能にさせることを促進する目的のために、本明細書には、限定的ではなく例証として、以下のことを表す一式の図面が添付されている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に従った、コンテナプレカットシステムの例示的な実施形態の概略正面図を示し、下側プレカットデバイス及び上側プレカットデバイスは、多層材料及び/または単層材料のシート内に成形されるコンテナの前進方向において縦方向に分離しているのを確認できる。
図2】下側ブレードが下側ダイスに固定される下側プレカットデバイスの正面図と、下側プレカットデバイスのプレカットエリアの詳細な拡大図とを示す。
図3】下側ブレードが下側ダイス自体の中で機械加工される、下側プレカットデバイスの実施形態の変形の詳細な拡大図を示す。
図4】上側プレカットデバイスの正面図と、上側プレカットデバイスのプレカットエリアの詳細な拡大図とを示す。
図5】成形充填封口機機械(FFS機械)に対して、上側プレカットデバイス及び下側プレカットデバイスが搭載されている実施形態を概略的に示す。
図6】成形充填封口機機械(FFS機械)に対して、上側プレカットデバイス及び下側プレカットデバイスが搭載されている実施形態を概略的に示す。
図7】成形充填封口機機械(FFS機械)に対して、上側プレカットデバイス及び下側プレカットデバイスが搭載されている実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1では、コンテナプレカットシステムは下側プレカットデバイス(1)及び上側プレカットデバイス(2)を備え、下側プレカットデバイス(1)及び上側プレカットデバイス(2)は、コンテナ成形機(4)上に搭載され、多層材料及び/または単層材料(3)に対してプレカットが行われ、作動するとき、多層材料(3)の下側表面及び上側表面の両方にプレカット部を作ることが意図される。
【0021】
前述の図1では、下側プレカットデバイス(1)及び上側プレカットデバイス(2)は、多層材料及び/または単層材料(3)の前進方向において、この順に存在しているが、順番が本システムの動作に影響を及ぼさないため、逆の順番になり得ることを言及する必要がある。
【0022】
下側プレカットデバイス(1)及び上側プレカットデバイス(2)は、コンテナ成形機の前進距離の倍数にほぼ等しい長さだけ、多層材料(3)の前進方向において縦方向に分離しており、それにより、多層材料及び/または単層材料(3)の同じエリアに対応する下側上側プレカットライン及び上側プレカットラインは同時に作られなく、むしろ連続する2つの段階で作られる。
【0023】
図2に示される例示的な実施形態では、下側プレカットデバイス(1)は、垂直に移動することが可能であり、下側ブレード(11)を固定する下側ダイス(10)と、パンチプレート(14)上の調整済バネ(13)に搭載される上側浮動停止部(12)とを備える。
【0024】
下側ダイス(10)が上側エリアに向かって移動するとき、図2に示されるように、下側ダイス(10)は、上側浮動停止部(12)に対して多層材料(3)を押し、下側ブレード(11)は、多層材料及び/または単層材料(3)に下側プレカット部(31)を作る。
【0025】
下側ブレード(11)は図2に示される下側ダイス(10)に固定できる、または下側ブレード(11)は図3の詳細図に示される当該下側ダイス(10)で直接機械加工できることを言及する価値がある。
【0026】
多層材料及び/または単層材料(3)の上側表面内に前述の下側プレカット部(31)に対面するプレカット部を作るために、多層材料及び/または単層材料のために、成形機の当該エリアが上側プレカットデバイス(2)に到達するまで、成形機を特定の前進距離だけ移動させることが必要である。
【0027】
図4に示される上側プレカットデバイス(2)は、パンチプレート(24)に対して垂直移動の制限を順にもたらす浮動停止部(22)に対して相対垂直移動が可能であるように搭載される下側ダイス(20)及び上側ブレード(21)を備え、当該上側ブレード(20)は調整済バネ(23)に搭載される。
【0028】
上側プレカットデバイス(2)が作動するとき、浮動停止部(22)は、多層材料及び/または単層材料(3)を下側ダイス(20)に対してプレスし、上側ブレード(21)は、多層材料(3)の上側表面を貫通し、同時に、上側プレカット部(32)を画定する。
【0029】
図4の詳細な拡大図で確認できるように、下側プレカット部(31)及び上側プレカット部(32)は多層材料(3)の前進方向においてわずかに分離しており、上側ブレード(21)に対面するエリア内の下側ダイス(20)は、上側プレカット部(32)を作るとき、多層シート(3)の特定の弾性変形を可能にする凹部(25)を有し、凹部(25)はプレカットエリア内の材料の応力を減らすことに貢献する。
【0030】
下側プレカットデバイス(1)及び上側プレカットデバイス(2)は、図5に概略的に示されるように、成形機(5)の同じプレス機によって作動することが可能であるダブルツール(51)内に画定でき、または図6に示されるように、成形機(5)のいずれかに位置する異なるプレス機に設置される2つの独立ツール(52,53)内に画定でき、または図7に示されるように、一方が成形機内に、他方が成形機の外側に画定できる。
【0031】
いずれかの場合、下側プレカットデバイス(1)と上側プレカットデバイス(2)との間の分離距離は成形機(5)の前進距離の倍数になり、これにより、図4に示されるように、下側プレカット部(31)及び上側プレカット部(32)は対面する位置にある。
【0032】
本発明の本質を十分に説明しているが、好ましい実施形態の例に加えて、本明細書によって、下記に主張する本発明の本質的特徴を変えることを含意しない場合、説明される要素の材料、形状、サイズ、及びレイアウトを修正し得ることに関連する目的のために述べられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7