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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-31
(45)【発行日】2023-04-10
(54)【発明の名称】マイクロインバータ及びコントローラ
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20230403BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20230403BHJP
【FI】
H02M7/48 E
H02J3/38 120
H02J3/38 150
【請求項の数】 44
(21)【出願番号】P 2020500021
(86)(22)【出願日】2018-03-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-16
(86)【国際出願番号】 US2018022811
(87)【国際公開番号】W WO2018170368
(87)【国際公開日】2018-09-20
【審査請求日】2021-03-10
(31)【優先権主張番号】62/472,469
(32)【優先日】2017-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519334225
【氏名又は名称】フアレス,イグナシオ
【氏名又は名称原語表記】JUAREZ,Ignacio
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】フアレス,イグナシオ
【審査官】遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0241039(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0176305(US,A1)
【文献】国際公開第2014/071314(WO,A2)
【文献】国際公開第2014/192015(WO,A2)
【文献】特開2006-073827(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0005564(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0265579(US,A1)
【文献】国際公開第2016/121389(WO,A1)
【文献】特開2000-284006(JP,A)
【文献】国際公開第2017/032541(WO,A1)
【文献】特開2013-110944(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/42-7/98
H02J 3/00-5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ以上の異なる電気入力を単一の電気出力に変換するように構成された自立型電気ボックスであって、
最大電力点追従(MPPT)コントローラ、及び、マイクロプロセッサ制御下のインバータと、
前記MPPTコントローラ又は前記インバータに電気入力を提供するように構成された、AC三相コネクタを備える第1の電気コネクタ、DCコネクタを備える第2の電気コネクタ、及びAC単相コネクタを備える第3の電気コネクタと、
前記第1の電気コネクタ、前記第2の電気コネクタ又は前記第3の電気コネクタへの電気入力に基づいた、前記インバータ又は前記MPPTコントローラからの電気出力と、を備え
前記MPPTコントローラは、風力タービン及びソーラーパネル、又は、任意の他のAC又はDC発電機から提供された、前記第1の電気コネクタ、前記第2の電気コネクタ又は前記第3の電気コネクタからの電気入力を受信、最適化及び管理する為のコンピュータ可読命令を含むプログラマブルMPPTコントローラである、
自立型電気ボックス。
【請求項2】
前記第1の電気コネクタ、前記第2の電気コネクタ又は前記第3の電気コネクタへの前記電気入力が12V~450Vである、請求項1に記載の自立型電気ボックス。
【請求項3】
更に、エネルギー貯蔵装置と電気的に接続する為の電気コネクタを含む、請求項1~に記載の自立型電気ボックス。
【請求項4】
前記インバータが、エネルギーを、前記自立型電気ボックスの電気出力と電気的に接続しているAC電気負荷に送達するように適合されている、請求項1~に記載の自立型電気ボックス。
【請求項5】
発電機で気象状況に関するデータを収集して情報を提供する為に、1以上のセンサからの入力、或いは、前記第1の電気コネクタ、前記第2の電気コネクタ又は前記第3の電気コネクタに接続された発電機からの1つ以上の電気信号を受信するように適合及び構成された、請求項に記載の自立型電気ボックス。
【請求項6】
1以上のセンサからの入力、及び、前記第1の電気コネクタ、前記第2の電気コネクタ又は前記第3の電気コネクタに接続された発電機からの電気信号を受信し、それにより、前記発電機の性能、動作又は特性に関する情報を収集して当該情報を提供するように適合及び構成された、請求項に記載の自立型電気ボックス。
【請求項7】
更に、グリッドエネルギー使用に関する電気信号を分析して情報を収集する為に前記マイクロプロセッサにより実行されるコンピュータ可読命令を含む、請求項に記載の自立型電気ボックス。
【請求項8】
信号を分析する為に、また、同一ネットワーク内の機器及びデバイスからの使用及び消費、又は特定の電気シグネチャに関する情報を収集する為に前記マイクロプロセッサにより実行されるコンピュータ可読命令を更に含む、請求項に記載の自立型電気ボックス。
【請求項9】
前記自立型電気ボックスの動作により収集された各パラメータを一意に識別し且つ電子的に追跡する為の、又は、前記自立型電気ボックスの動作中に収集された各パラメータに電子署名する為のブロックチェーン技術の実行の為のコンピュータ可読命令を更に含む、請求項4~8に記載の自立型電気ボックス。
【請求項10】
更に、WIFI又はGSMを含む通信技術を用いて情報を送信する為にプラットフォームに接続する為の通信モジュールを含む、請求項4~9に記載の自立型電気ボックス。
【請求項11】
別の自立型電気ボックスに、WIFI又はGSMを含む通信技術を用いてリモート接続するように適合及び構成された、請求項4~10に記載の自立型電気ボックス。
【請求項12】
更に、前記収集された情報を処理する為の前記マイクロプロセッサの為のコンピュータ可読命令を含む、請求項5~9に記載の自立型電気ボックス。
【請求項13】
更に、1以上の前記自立型電気ボックスの使用中に収集された情報を分析する為の1以上のアルゴリズム又は人工知能プロセスの使用に関するコンピュータ可読命令を含む、請求項4~12に記載の自立型電気ボックス。
【請求項14】
電気負荷に接続されるように適合及び構成され、電気出口が慣用的な雌型ソケットに接続されるように構成されている、請求項1~13に記載の自立型電気ボックス。
【請求項15】
前記分析された情報から、エネルギーの使用及び電波信号を制御するように適合及び構成された、請求項7~8、13に記載の自立型電気ボックス。
【請求項16】
スタンドアロン又はオフグリッド電気システムにおける動作の為に適合及び構成されている、請求項1~15に記載の自立型電気ボックス。
【請求項17】
マイクログリッドの一部として動作するように適合及び構成されている、請求項1~15に記載の自立型電気ボックス。
【請求項18】
グリッド接続システムとして動作するように適合及び構成されている、請求項1~15に記載の自立型電気ボックス。
【請求項19】
2つ以上の異なる電気入力から単一の電力出力を提供する方法であって、
自立型電気ボックスにて、第1の電力信号を第1の電力生成源から受信し、第2の異なる電力信号を第2の電力生成源から受信するステップであって、前記第2の電力生成源は前記第1の電力生成源とは異なっており、前記自立型電気ボックスは、最大電力点追従(MPPT)コントローラ、及び、マイクロプロセッサ制御下のインバータと、AC三相コネクタを備える第1の電気コネクタ、DCコネクタを備える第2の電気コネクタ、及びAC単相コネクタを備える第3の電気コネクタを備える前記MPPTコントローラへの入力とを備えるステップと、
前記第1の電力信号及び第2の電力信号を処理して単一の電気出力を提供するステップと、
前記単一の電気出力を標準的な雌型電源コンセントに提供するステップと、を含み、
前記第1の電力信号及び前記第2の電力信号を処理して前記単一の電気出力を提供するステップは、風力タービン及びソーラーパネル、又は、任意のAC又はDC発電機から提供された、前記第1の電力信号、前記第2の電力信号、又は第3の電力信号からの電気入力を受信、最適化及び管理する為のコンピュータ可読命令を含む前記MPPTコントローラの動作を含む、
方法。
【請求項20】
前記第1の電力生成源又は第2の電力生成源が太陽光発電システムである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の電力生成源から供給される前記第1の電力信号及び前記第2の電力生成源から供給される前記第2の電力信号が、前記第1の電力信号及び前記第2の電力信号各々についての固有のシグネチャ及び確認を提供する為に処理され、前記固有のシグネチャ及び確認は、前記第1の電力生成源及び前記第2の電力生成源から提供される電力の追跡を可能にするように構成されている、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記単一の電気出力が貯蔵装置に提供される、請求項19~21の何れかに記載の方法。
【請求項23】
更に、第3の電源からの第3の電力信号を受信するステップを含む、請求項19~22の何れかに記載の方法。
【請求項24】
前記第1の電力信号、前記第2の電力信号又は前記第3の電力信号が12V~450Vである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の電力信号及び前記第2の電力信号がAC電気信号又はDC電気信号である、請求項19~24の何れかに記載の方法。
【請求項26】
前記第1の電力信号又は前記第2の電力信号が単相又は3相である、請求項19~25の何れかに記載の方法。
【請求項27】
前記第1の電力信号及び前記第2の電力信号を処理して前記単一の電気出力を提供するステップが更に、風力タービン及びソーラーパネルから提供される前記第1の電気コネクタ、前記第2の電気コネクタ又は前記第3の電気コネクタからの電気入力を受信して最適化及び管理する為のコンピュータ可読命令を有するプログラマブルMPPTコントローラの動作を含む、請求項19~26の何れかに記載の方法。
【請求項28】
更に、単一の電気出力をエネルギー貯蔵装置に受け入れ可能な形態で提供する為のコンピュータ可読命令を含む、請求項19~27の何れかに記載の方法。
【請求項29】
前記第1の電力信号及び前記第2の電力信号を処理して前記単一の電気出力を提供するステップが更に、前記単一の電気出力をAC電気負荷に送達するように適合されたインバータの動作を含む、請求項19~28の何れかに記載の方法。
【請求項30】
更に、1以上のセンサからの入力、又は、第1の発電機、第2の発電機、又は第3の発電機からの1以上の電気信号を受け取るように適合及び構成された処理ステップと、気象状況に関するデータを、前記第1の発電機、前記第2の発電機、又は前記第3の発電機にて収集して情報を提供するステップとを含む、請求項19~29の何れかに記載の方法。
【請求項31】
更に、1以上のセンサからの入力、及び、前記第1の電信号又は前記第2の電信号を提供する発電機からの電気信号を受け取って、前記発電機の性能、動作、又は特性に関する情報を収集して提供するステップを含む、請求項19~30に記載の方法。
【請求項32】
更に、グリッドエネルギー使用に関する電気信号を分析して情報を収集する為のコンピュータ可読命令を有する処理ステップを含む、請求項19~31に記載の方法。
【請求項33】
電波信号を分析する為に、また、同一ネットワーク内の機器及びデバイスからの使用及び消費又は特定の電気シグネチャに関する情報を収集する為にコンピュータ可読命令を有する処理ステップを更に含む、請求項19~32に記載の方法。
【請求項34】
電気信号を受信して電気出力を提供する動作中に収集された各パラメータを一意に識別し且つ電子的に追跡する為の、又は、各パラメータに電子署名するブロックチェーン技術を実行する為のコンピュータ可読命令を有する処理ステップを更に含む、請求項19~33に記載の方法。
【請求項35】
更に、プラットフォームと通信して情報をリモートコンピュータシステムに送信するステップを含む、請求項19~34に記載の方法。
【請求項36】
収集された情報を処理する為のコンピュータ可読命令を更に含む、請求項19~35に記載の方法。
【請求項37】
前記第1の電信号及び前記第2の電信号を受信及び処理することにより収集された情報を分析する為の1以上のアルゴリズム又は人工知能プロセスの使用に関するコンピュータ可読命令を更に含む、請求項19~36に記載の方法。
【請求項38】
更に、前記分析された情報に基づいてエネルギーの使用を制御するように適合及び構成されたコンピュータ可読命令を含む、請求項32~33、37に記載の方法。
【請求項39】
信号を分析する為に、また、同一ネットワーク内の1つ以上の個々の電気機器及びデバイスからの使用及び消費、又は特定の電気シグネチャに関する情報を収集する為にコンピュータ可読命令を有し、前記特定の電シグネチャに関連する動作に基づいて、前記1以上の個々の電気機器又はデバイスの各々の動作の為の制御機能を提供する処理ステップを、更に含む、請求項19~38に記載の方法。
【請求項40】
更に、マイクログリッドシステム又はグリッド接続システムの一部として、スタンドアロン又はオフグリッド電気システムにおける動作の為のエネルギー使用を制御するように適合及び構成されたコンピュータ可読命令を含む、請求項19~39に記載の方法。
【請求項41】
更に、前記自立型電気ボックスに関連する情報、設定、動作パラメータ、ユーザの優先傾向を表示する為のディスプレイを含む、請求項1~18に記載の自立型電気ボックス。
【請求項42】
前記ディスプレイが、前記自立型電気ボックスの動作の為のタッチスクリーン機能を提供するように適合及び構成されたユーザインタフェーススクリーンとして構成されている、請求項41に記載の自立型電気ボックス。
【請求項43】
更に、単一の電力出力をディスプレイに提供することに関する情報を提供するステップを含む、請求項19~39に記載の方法。
【請求項44】
更に、前記ディスプレイのタッチスクリーン動作と相互作用するステップを含む、請求項43に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年3月16日に出願された「マイクロインバータ及びコントローラ」(“Micro Inverter and Controller”)と題された米国仮特許出願第62/472,469号の優先権を主張し、その全体を全ての目的の為に援用して本文の記載の一部とする。
【0002】
本明細書にて言及する全ての刊行物及び特許出願は、恰も個々の刊行物又は特許出願が特定的且つ個別に示されて参照により援用されるのと同程度に参照により援用される。
【0003】
本発明は、再生可能エネルギーのインバータに関し、特には、データの収集、分析、及び接続機能を有するオールインワン型のコントローラ及びマイクロインバータに関する。
【背景技術】
【0004】
マイクロインバータは、エネルギー源の場所ですぐに使用可能な交流電流(AC)を提供する手段をもたらし、これは、様々な容量の分配型エネルギー生成システム、例えば風力又は太陽エネルギーシステムにとって魅力的である。マイクロインバータは、モジュール性、最大電力効率、リアルタイムの最適化、及び、システム全体の監視及び制御の為の優れた手段を提供する。マイクロインバータは、これらの利点を、建物内の既存の配線に最小限の変更を加えるだけで提供する。これらの利点により、マイクロインバータの使用は年々増加している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
環境及びエネルギーのサステナビリティ(持続可能性)に関する世界的関心が高まるにつれ、太陽光発電、風力発電及びその他の再生可能エネルギー源の普及も増大している。再生可能な分散型発電システムは、一般的に、2つの主要部分を含み、これらは、電力を生成する発電機と、電力を受け取り、調整して電力負荷に注入するインバータとである。発電機には、例えば、太陽光発電(PV)セル、風力タービン、小型水力タービン、バイオマス及びガスシステムが含まれる。結果として、分散型発電システムの改善の必要性が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
概略すると、一実施形態において、2つ以上の異なる電気入力を単一の電気出力に変換するように構成された自立型電気ボックスが、最大電力点追従(MPPT)コントローラ、及び、マイクロプロセッサ制御下のインバータ、並びに、電気コネクタを含む。第1の電気コネクタ、第2の電気コネクタ、又は第3の電気コネクタが、前記MPPTコントローラ又は前記インバータと通信している。前記インバータ又は前記MPPTコントローラからの電気出力が、前記第1の電気コネクタ、前記第2の電気コネクタ又は前記第3の電気コネクタへの電気入力に基づいている。
【0007】
この実施形態及び他の実施形態は、以下の特徴のうちの1以上を含むことができる。前記第1の電気コネクタ、前記電気第2コネクタ又は前記第3の電気コネクタへの前記入力が12V~450Vであり得る。前記第1の電気コネクタ、前記電気第2コネクタ又は前記第3の電気コネクタへの前記電気入力がAC電気信号又はDC電気信号であり得る。前記第1の電気コネクタ、前記第2の電気コネクタ又は前記第3の電気コネクタへの前記電気入力が単相又は3相であり得る。前記MPPTコントローラがプログラマブルMPPTコントローラであり得る。前記プログラマブルMPPTコントローラが、更に、風力タービン及びソーラーパネル又はその他の任意の可変出力発電機から提供された、前記第1の電気コネクタ、前記第2の電気コネクタ又は前記第3の電気コネクタからの電気入力を受信、最適化及び管理する為のコンピュータ可読命令を含み得る。前記自立型電気ボックスが、更に、エネルギー貯蔵装置と通信する為の電気コネクタを含み得る。前記インバータが、エネルギーを、前記自立型電気ボックスの電気出力と通信しているAC電気負荷に送達するように適合され得る。前記自立型電気ボックスが、更に、発電機で気象状況に関するデータを収集して情報を提供する為に、1以上のセンサからの入力、或いは、前記第1の電気コネクタ、前記第2の電気コネクタ又は前記第3の電気コネクタに接続された発電機からの1つ以上の電気信号を受信するように適合及び構成され得る。前記自立型電気ボックスが、1以上のセンサからの入力、及び、前記第1の電気コネクタ、前記第2の電気コネクタ又は前記第3の電気コネクタに接続された発電機からの1以上の電気信号を受信し、それにより、前記発電機の性能、動作又は特性に関する情報を収集して当該情報を提供するように適合及び構成され得る。前記自立型電気ボックスが、グリッドエネルギー使用に関する電気信号を分析して情報を収集する為に前記マイクロプロセッサにより実行されるコンピュータ可読命令を更に含み得る。前記自立型電気ボックスが、電波信号を分析する為に、また、同一ネットワーク内の機器及びデバイスからの使用及び消費、又は特定の電気シグネチャに関する情報を収集する為に、前記マイクロプロセッサにより実行されるコンピュータ可読命令を更に含み得る。前記自立型電気ボックスが、前記自立型電気ボックスの動作中に収集された各パラメータを一意に識別し且つ電子的に追跡する為の、又は、前記自立型電気ボックスの動作中に収集された各パラメータに電子署名する為のブロックチェーン技術の実行の為のコンピュータ可読命令を更に含み得る。前記自立型電気ボックスが、更に、WIFI又はGSM(登録商標)などの通信技術を用いて情報を送信する為にプラットフォームに接続する為の通信モジュールを含み得る。前記自立型電気ボックスが、別の自立型電気ボックスにWIFI又はGSMなどの通信技術を用いてリモート接続するように適合及び構成され得る。前記自立型電気ボックスが、更に、前記収集された情報を処理する為の前記マイクロプロセッサの為のコンピュータ可読命令を含み得る。前記自立型電気ボックスが、更に、1以上の前記自立型電気ボックスの使用中に収集された情報を分析する為の1以上のアルゴリズム又は人工知能プロセスの使用に関するコンピュータ可読命令を含み得る。前記自立型電気ボックスが、電気負荷に接続されるように適合及び構成されることができ、電気出口が慣用的な雌型ソケットに接続されるように構成され得る。前記自立型電気ボックスが、前記分析された情報から、エネルギーの使用及び電波信号を制御するように適合及び構成され得る。前記自立型電気ボックスが、スタンドアロン又はオフグリッド電気システムにおける動作の為に適合及び構成され得る。前記自立型電気ボックスが、マイクログリッドの一部として動作するように適合及び構成され得る。前記自立型電気ボックスが、グリッド接続システムとして動作するように適合及び構成され得る。
【0008】
概略すると、一実施形態において、発電機からエネルギーを伝送する為の装置が、1以上の発電機からの電力を受け取り安定化させて直流電圧を出力するように構成されたコントローラと、直流電圧信号を受け取り、交流に変更して出力するように構成され、且つ標準的なパワーアウトレット(電源コンセント)に直接接続されるように構成されているマイクロインバータと、コントローラ及びマイクロインバータからデータを収集し、そして当該データをクラウドプラットフォームにアップロードするように構成されている通信モジュールと、を備えている。
【0009】
概略すると、一実施形態において、2つ以上の異なる電気入力から単一の電力出力を提供する方法が、(1)第1の電力信号を第1の電源から受信し、第2の異なる電力信号を第2の電源から受信するステップと、(2)前記第1の電力信号及び第2の電力信号を処理して単一の電気出力を提供するステップと、(3)単一の電気出力を標準的な雌型電源コンセントに提供するステップと、を含む。
【0010】
この実施形態及び他の実施形態は、以下の特徴のうちの1以上を含むことができる。前記第1の電力信号及び前記第2の電力信号が、三相交流電源、単相交流電源、又は直流電源から選択され得る。前記第1の電源又は前記第2の電源が、風又は水との相互作用により駆動されるタービンにより提供され得る。前記第2の電源の前記第1の電源が太陽光発電システムであり得る。前記第1の電力信号及び前記第2の電力信号が、前記第1の電源及び前記第2の電源から供給される電力を追跡する為の固有のシグネチャ及び確認を提供する為に処理され得る。前記単一の電気出力が貯蔵装置に提供され得る。前記方法は、更に、第3の電力信号を含み得る。前記第1の電力信号、前記第2の電力信号又は前記第3の電力信号が12V~450Vであり得る。前記第1の電力信号、前記第2の電力信号又は前記第3の電力信号がAC電気信号又はDC電気信号であり得る。前記第1の電力信号、前記第2の電力信号又は前記第3の電力信号が単相又は3相であり得る。前記処理ステップの方法が、更に、風力タービン及びソーラーパネルから提供される前記第1の電力信号、前記第2の電力信号又は前記第3の電力信号からの電気入力を受信し、最適化及び管理する為のコンピュータ可読命令を有するプログラマブルMPPTコントローラの動作を含み得る。前記方法は、更に、単一の電気出力をエネルギー貯蔵装置に受け入れ可能な形態で提供する為のコンピュータ可読命令を含み得る。前記処理ステップの方法が、更に、前記単一の電気出力をAC電気負荷に送達するように適合されたインバータの動作を含み得る。前記方法が、更に、1以上のセンサからの入力、又は、第1の発電機、第2の発電機、又は第3の発電機からの1以上の電気信号を受け取るように適合及び構成された処理ステップと、気象状況に関するデータを、前記第1の発電機、前記第2の発電機、又は前記第3の発電機にて収集して情報を提供するステップとを含み得る。前記方法が、更に、1以上のセンサからの入力、及び、前記第1の電気信号、前記第2の電気信号、前記第3の電気信号を提供する発電機からの電気信号を受け取って、前記情報を提供する前記発電機の性能、動作、又は特性に関する情報を収集するステップを含み得る。前記方法が、更に、グリッドエネルギー使用に関する電気信号を分析して情報を収集する為のコンピュータ可読命令を有する処理ステップを含み得る。前記方法が、更に、電波信号を分析する為に、また、同一ネットワーク内の機器及びデバイスからの使用及び消費又は特定の電気シグネチャに関する情報を収集する為にコンピュータ可読命令を有する処理ステップを含み得る。前記方法が、更に、電気信号を受信して電気出力を提供する動作中に収集された各パラメータを一意に識別し且つ電子的に追跡する為の、又は、各パラメータに電子署名するブロックチェーン技術を実行する為のコンピュータ可読命令を有する処理ステップを含み得る。前記方法が、更に、プラットフォームと通信して情報をリモートコンピュータシステムに送信するステップを含み得る。前記方法が、更に、収集された情報を処理する為のコンピュータ可読命令を含み得る。前記方法が、更に、前記第1の電気信号、前記第2の電気信号、前記第3の電気信号を受信及び処理することにより収集された情報を分析する為の1以上のアルゴリズム又は人工知能プロセスの使用に関するコンピュータ可読命令を含み得る。前記方法が、更に、前記分析された情報に基づいてエネルギーの使用を制御するように適合及び構成されたコンピュータ可読命令を含み得る。前記方法が、更に、電波信号を分析する為に、また、同一ネットワーク内の1つ以上の個々の電気機器及びデバイスからの使用及び消費、又は特定の電気シグネチャに関する情報を収集する為にコンピュータ可読命令を有し、その後、前記特定の電波シグネチャに関連する動作に基づいて、前記1以上の個々の電気機器又はデバイスの各々の動作の為の制御機能を提供する処理ステップを含み得る。前記方法が、更に、マイクログリッドシステム又はグリッド接続システムの一部としてのスタンドアロン又はオフグリッド電気システムにおける動作の為のエネルギー使用を制御するように適合及び構成されたコンピュータ可読命令を含み得る。前記自立型電気ボックスが、更に、前記自立型電気ボックスに関連する情報、設定、動作パラメータ、及びユーザの優先傾向を表示する為のディスプレイを含み得る。前記ディスプレイは、前記自立型電気ボックスの動作の為のタッチスクリーン機能を提供するように適合及び構成されたユーザインタフェーススクリーンとして構成され得る。前記方法は、更に、単一の電力出力をディスプレイに提供することに関する情報を提供するステップを含み得る。前記方法は、更に、単一の電力出力を提供するステップの動作を操作する為に前記ディスプレイのタッチスクリーン動作と相互作用するステップを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】マイクロインバータの一実施形態の斜視図である。
図1B図1Aのマイクロインバータの電子コンポーネントの概略図である。
図1C図1Aのマイクロインバータにより使用される例示的なコネクタの拡大図である。
図2】AC再生可能源からエネルギーを受け取ってエネルギーを電気負荷に送達するように接続されたマイクロインバータの実施形態の概略図である。
図3A】「オフグリッド」構成において、AC再生可能源及びDC再生可能源からエネルギーを受け取って、エネルギーを電気負荷及びエネルギー貯蔵装置との間で受電/送達するように接続されたマイクロインバータの実施形態の概略図である。
図3B】「オングリッド」構成において、AC再生可能源及び/DC再生可能源からエネルギーを受け取って、エネルギーを、電気グリッド、電気負荷、及びエネルギー貯蔵装置との間で受電/送達するように接続されたマイクロインバータの実施形態の概略図である。
図4】標準的な雌型電気コンセントに接続されて、電気コンセントと通信してエネルギー使用を受信、送信又は監視するマイクロインバータの実施形態の斜視図である。
図5】様々なシステム構成で動作するときにエネルギーの供給及び受け取りを可能にする既存のグリッド、マイクログリッド、又はグリッド接続システムを統合する為のマイクロインバータ実施形態のプロセスを示す概略図である。
図6A】生データの出力を生成する為にマイクロインバータのマイクロプロセッサにより収集される例示的入力の概略図である。
図6B】電気波形が組み合わされている図であり、様々な装置に関連付けられた様々な例示的な識別可能な電気波形を示す。
図7図6Aのような生データを収集し、一意の識別情報を生データに適用して、特定のマイクロインバータにリンクされる追跡可能なデータストリームを生成する為にマイクロプロセッサにより使用される例示的なプロセスである。
図8】追跡可能なデータを受信し、特定のマイクロインバータにリンクされる処理されたデータストリームを生成する為のデータ分析の1以上のステップを実行する、マイクロプロセッサにより用いられる例示的なプロセスである。
図9A】マイクロインバータにおいて接続基板により使用される例示的なプロセスであって、サーバ、リモートコンピュータ、スマートデバイス又はその他の処理システムと通信し、特定のマイクロインバータにリンクされた処理されたデータを、通信ネットワークを用いて送受信する為のプロセスを示す。
図9B】2つ以上のマイクロインバータの接続基板により使用される例示的なプロセスであって、別のマイクロインバータ、又は、サーバ、リモートコンピュータ、スマートデバイス若しくはその他の処理システムと通信し、特定のマイクロインバータにリンクされた処理データを、通信ネットワークを用いて送受信する為のプロセスを示す。
図10A】マイクロインバータのマイクロプロセッサにより使用される例示的なプロセスであって、埋め込まれた人工知能を、特定のマイクロインバータにリンクされた処理データと共に利用して、マイクロインバータのインバータと通信し、データを、サーバ、リモートコンピュータ、スマートデバイス若しくはその他の処理システムに、通信ネットワークを用いて送受信するプロセスを示す。
図10B】マイクロインバータのマイクロプロセッサにより使用される例示的なプロセスであって、通信ネットワークを使用してマイクロインバータ内のインバータと通信し、また、サーバ、1以上のリモートコンピュータ、スマートデバイス又はその他の処理システムにおいて遠隔的に実行される人工知能プロセスと通信するプロセスを示す。
図11A図6Bに示したような、例示的な装置特有の波形の例であり、その後、装置の1つへの電力供給が切断されるようにマイクロインバータ内で処理される様子を示す図である。
図11B図11Aに示したような、例示的な装置特有の波形の例であり、その後、マイクロインバータ内の、又はマイクロインバータから離れたエネルギー利用アルゴリズムを用いて処理されて、装置の1つへの電力供給を、エネルギー利用アルゴリズムの出力に基づいて切断する様子を示す図である。
図12A】ソーラーパネル、風力タービン、蓄電装置、通信リンク、及び1以上の電気負荷を有する構造に接続されたオフグリッド構成におけるマイクロインバータの概略図である。
図12B図12Aに示したマイクロインバータを複数使用している概略図であり、各マイクロインバータが、ソーラーパネル、風力タービン、蓄電装置、通信リンク、及び1以上の電気負荷を有する構造に接続され、各マイクロインバータがマイクログリッド構成で接続されている様子を示す。
図12C図12Aに示したマイクロインバータを複数使用している概略図であり、各マイクロインバータが、ソーラーパネル、風力タービン、蓄電装置、通信リンク、及び1以上の電気負荷を有する構造に接続され、各マイクロインバータが互いに接続され且つグリッドにも接続されている様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
発電により得られる電気エネルギーは、通常、AC(交流)又はDC(直流)である。入力されたDCを、インバータを用いて利用可能なAC電力に変換できる。幾つかの実施形態において、インバータ内には、2つの主要なサブ回路、すなわち、DC/DCコンバータと、それに続くフルブリッジインバータとが存在する。最初のサブ回路はDC/DC電圧コンバータであり、再生可能源からの入力DC電力を、後続のインバータにより使用され得るDC電圧に変換する。2番目のサブ回路はDC/ACインバータであり、コンバータのDC出力を、パワーグリッドに適合するAC電力に変換する
【0013】
例示的な「オフグリッド」(“off-grid”)アプリケーションにおいて安定した電力供給を提供する為に、及び、「イングリッド」(“in-grid”)接続システムにおいてバックアップとして使用し、又はグリッドの消費量を低減する為に、エネルギー貯蔵装置をシステムに追加できる。本明細書に記載するマイクロインバータの実施形態は、様々なエネルギー技術、例えば、鉛酸電池、リチウムイオン技術電池、及び燃料電池の何れとも互換性がある。
【0014】
本発明の実施形態は、これらのエネルギー貯蔵装置がグリッド接続ソリューション又はオフグリッドアプリケーションに接続されている場合に別個のコントローラ又はインバータを必要とするという課題を克服する。同時に、本発明のマイクロインバータの実施形態は、AC/DC両タイプの貯蔵装置を用いて迅速に機能し得る方法を提供する。
【0015】
従来のシステムにおいて、一般的に、様々な条件下で発電機の全体的な効率を高める為に、独立した制御及び電力抽出が各発電機に要求される。変動する負荷状況には、風力タービンにおける風の状態の変化、PVセルの部分的なシャドーイング、又は、PVセル間のミスマッチが含まれる。従来、このようなミスマッチは、各発電機の為の独立のインバータ、すなわち「マイクロインバータ」(“micro-inverter”)の使用を必要とする。各発電機からの電力抽出は、各発電機が最大電力点追跡(MPPT)を個別に実行する場合に強化され得る。本発明のマイクロインバータは、従来のシステムとは対照的に、2つ以上の異なる電力入力に対する独立した制御及び電力抽出の為の機能を含む(図1Cを参照)。
【0016】
従来のMPPTシステムは、最良の動作点を見つけてMPPT基準信号を作成する、試行錯誤、検索、又は論理演算子及び関係演算子に基づいたアルゴリズムを頻繁に使用する。しかし、このようなアプローチは、最適点付近での変動をもたらす場合があり、これが、システムの全体的効率に悪影響を与える。更に、試行錯誤のアプローチでは、急速に変化する状態に関して効率が低下する。この欠点、及び、このようなアプローチの低速特性が、照射レベルの単調で急速な増大、又は可変の風条件などの状況において問題となり得る。本明細書に記載するマイクロインバータの実施形態により利用される技術は、従来のMPPT法のこれら及び他の欠点を克服できる。
【0017】
近年、風力タービンが発電の為に普及しており、成長市場の1つは、バッテリ充電用又は住宅用の小型タービンである。小型風力タービンは、通常、永久磁石オルタネータ(交流発電機)を使用して、タービンロータにより生成された回転動力を有用な電力に変換する。永久磁石オルタネータは、風力タービンでの使用に十分に適応できる多くの利点を有する。永久磁石オルタネータの単純性、耐久性、及び効率が、風力タービンでの使用に最適である。
【0018】
永久磁石オルタネータの電力出力は、回転速度が上がると線形に増大するが、風力タービンが最適な空力効率を維持する為には、オルタネータの出力が回転速度の3乗で増大しなければならない。風力タービンを設計風速にて最大効率で動作し、その他の全ての風速においては最適以下の効率で動作するように設計すると、通常、この問題を回避できる。次の問題は、風力タービンのロータにオルタネータが直接接続されている場合に発生し、巻線の構築に多数の微細配線を使用しない限り、オルタネータの出力が低電圧になる。このような微細ワイヤを使用すれば、電気抵抗が高くなり、低効率になる。
【0019】
永久磁石のオルタネータは、一般的に、ステータ内に3組の巻線を含み、オルタネータの出力は、電圧及び周波数が変化する三相電力である。出力電力をバッテリ充電又はその他の有用な目的に使用する為に、出力は通常、直流(DC)に整流され、必要に応じて、再び交流(AC)に戻される。
【0020】
これらのコンポーネントは、再生可能なシステムの様々な部品として提供されるが、本発明は、これらの異種システムの設置、動作及び維持に一般的に必要な要求される技術スキルを、マイクロインバータの様々な実施形態における簡単な接続を用いて提供できる。
【0021】
更に別の実施形態において、分散型エネルギーの生成、貯蔵及び送達の一部としての方法を提供する為に、マイクロインバータの様々な実施形態が、リモートコンピューティングプラットフォーム又はクラウドとの通信及び接続も含み得、これらは、エネルギーの生成、貯蔵、伝送、利用、並びに、オペレーション及びエネルギー管理の改善におけるその他の態様に関するリアルタイムの情報収集の為のものである。
【0022】
更に別のマイクロインバータの実施形態において、エネルギーデータを管理及び分析する機能が提供される。一態様において、マイクロインバータ内で、又はリモートコンピューティングシステムを使用してエネルギー情報を分析する為の1以上のアルゴリズムが提供される。更に別の実施形態において、個々の又は接続されたマイクロインバータをスマートインバータにすることが可能な人工知能システムが提供され、このシステムは、特定のパラメータ内の、或いは、1以上のエネルギー生成プロトコル、エネルギー供給プロトコル、エネルギー送達プロトコル、デバイス利用プロトコル、又はエネルギー貯蔵プロトコルを単独で又は組み合わせて決定されるような意思決定プロセスを含む。
【0023】
更に別の実施形態において、マイクロインバータにより収集、貯蔵、共有、受電又は処理されたエネルギーに、一意の識別子が付与される。一実施形態において、マイクロインバータのプロセッサは、各システムを識別し、特定のマイクロインバータとのエネルギー相互作用の追跡可能性を提供するのに十分な電子署名を生成する。一態様において、電子署名はブロックチェーン対応システムにより提供される。別の態様において、各マイクロインバータは、生成された全ての値の検証と、それらの資産の取引(トランザクション)の追跡可能性を有するように適合及び構成される。
【0024】
図1Aは、オールインワン型のマイクロインバータ装置の実施形態の斜視図である。単一のボックスにマイクロインバータ100の全ての異なるコンポーネントが収容されている。マイクロインバータ100は、マイクロインバータ100に関する設定及び動作パラメータ並びにその他の情報を示すことができるユーザインタフェース画面140を含む。追加的に又は任意選択的に、ユーザインタフェース画面140を、構成及びユーザの好みに応じて、タッチスクリーン、高精細ディスプレイ、又はフルサイズの別個のディスプレイとして構成できる。図1Aには、コントローラの例示的な電気コネクタ111,112,113、及び114(図1Cを参照)も示されている。
【0025】
図1Bは、マイクロインバータ100の内部がどのように構成されているかを示す概略図である。MPPTコントローラ110に、複数の異なる発生源入力(例えば風力タービン、水力タービン又はソーラーパネル)が接続される。MPPT110の出力を最適化する為に必要な場合には、電圧及び電流が変更又は修正される。MPPTコントローラ110からのこの出力は、インバータ120側の入力である。インバータ120は、電流をACに変換してグリッドに給電する。マイクロプロセッサ130は、コンピュータ関連の電気コンポーネント及び電子コンポーネントのセットをコンピュータ可読命令と共に含み、これにより、システムは、異なるプロトコルを用いて通信し、データを分析及び処理してサーバに転送し、クラウドに格納できる。
【0026】
MPPTコントローラ110の為の入力は、電源ユニットのソース、モデル及びタイプに応じて、12Vから450Vまで変化し得る。コントローラ110からの電流出力は直流又は交流であり得る。コントローラ110は、不安定な源からの波及び振幅を安定化させる為に電圧を整流する。MPPTコントローラ110からのDC電流は、システムのインバータ120側に供給される。
【0027】
インバータ120は、モデルに応じて電流をDCからACに、50Hz又は60Hzで出力が110V~380Vであるように変更する。
【0028】
マイクロインバータシステムは、様々なエネルギー入力源を認識し、それらに対してシステムを、電流及び電圧の種類を考慮し、調整して融通性及び多用性を与える。
【0029】
図1Cは、マイクロインバータ100の入力側の詳細図である。有利なことに、幾つかの異なるコネクタをMPPTコントローラに容易に接続し、次いで、MPPTコントローラ110により認識されることができる。コネクタ111は、風力タービン、又は、ACを生成できるその他のオルタネータ(例えば小型の水力タービン)に接続されるAC三相コネクタである。コネクタ112は、ソーラーパネル又はその他のDC電源に接続されるDCコネクタである。コネクタ113は、任意の種類のAC単相電源、例えばACソーラーパネルにより使用され得るAC単相コネクタである。コネクタ114は、DC/ACストレージ接続であり、コントローラがバッテリバンクを充電し、これらをバックアップ又はストレージとして使用して、出力を上げる為にエネルギーを引き出すことを可能にする。このコネクタは、様々な貯蔵装置(ストレージデバイス)、例えば、鉛蓄電池、リチウムイオンテクノロジバッテリに合うように調整される。追加的又は任意選択的に、マイクロインバータ100は、ビルトイン充電管理ソフトウェアを有するエネルギー貯蔵装置を用いた動作の為のハードウェア及びソフトウェア又は命令を含む。更に別の構成において、マイクロインバータ100は、その他のエネルギーデバイス、例えば燃料電池又は電気自動車からエネルギーを送受電するように構成され得る。
【0030】
図2は、三相エネルギーをマイクロインバータ100のコネクタ111に供給する鉛直軸風力タービンを含む基本的なシステムを示す。マイクロインバータ100内のコンポーネントがタービンのパフォーマンスを最適化して、エネルギーを様々な負荷に提供する。これらの負荷は、様々な用途、すなわち、家、セルタワー、商業ビル、倉庫、診療所、病院、専門の貯蔵センター、又はその他のタイプのエネルギー貯蔵装置など(図12A図12B、及び図12Cを参照)に応じて異なり得る。
【0031】
図3Aは、ハイブリッドマイクロインバータ100により管理されるオフグリッドシステムを示している。この図において、各負荷がマイクロインバータ100を使用し、マイクロインバータ100は、AC三相電源に接続され(111)、また、DC/AC単相発電機(例えば風力タービン及びソーラーパネル)に接続されている(113)。そして、マイクロインバータ100は、図1Bに示したビルトインコンポーネントを使用して貯蔵装置を充電し(114)、負荷に給電する。これらの負荷は、家、携帯電話タワー、ビルディングなどであり得る。エネルギー源が生成されていない場合、又は、内部消費が、これらの源により生成されるエネルギーよりも大きい場合、マイクロインバータ100は、貯蔵装置に保存されたエネルギーを負荷に送る。これらの貯蔵装置は、セル燃料、バッテリ、又は電気自動車である。
【0032】
図3Bは、ハイブリッドマイクロインバータ100により管理されるオングリッドシステムを示している。この図において、各負荷がマイクロインバータ100を使用し、マイクロインバータ100は、AC三相電源に接続され(111)、また、DC/AC単相発電機(例えば風力タービン及びソーラーパネル)に接続されている(113)。そして、マイクロインバータ100は、図1Bに示したビルトインコンポーネントを使用して負荷に給電し、貯蔵装置を充電する。エネルギーを必要とする負荷がなく、且つ、エネルギー源が、内部消費よりも多くのエネルギーを発生しており、貯蔵装置が十分に充電されている場合、マイクロインバータ100は、生成された余剰エネルギーをグリッドに供給する。
【0033】
同様に、エネルギー源がエネルギーを発生していない場合、或いは、内部消費がこれらのエネルギー源により発生されるエネルギーよりも多い場合、マイクロインバータ100は、貯蔵装置に蓄積されたエネルギーを処理し、負荷のうちの1以上(構成よる)に送達する。貯蔵装置に十分なエネルギーがない場合、マイクロインバータ100は、必要な差分エネルギーをグリッドから得る。電力放出率及び貯蔵装置の使用は、グリッドから接続切断された(例えば停電した)場合に、使用されるべきエネルギーの一部を保持する為に設定され得る。バッテリは、ピーク消費を低減する為のデバイスとして、又は、バックアップソリューションとして使用され得る。負荷は、家、携帯電話タワー、建物など、様々な種類であり得る。貯蔵装置は、電池燃料、バッテリ、又は電気自動車であり得る。
【0034】
図4は、マイクロインバータ100に接続された出力ソケットの図である。マイクロインバータ100は、慣用的なケーブル200に接続され、グリッドに接続された任意の標準的な雌ソケットに差し込まれ得る。この方法の利点の1つは、グリッド接続を完成する為の追加の設置物が不要なことである。システムとの接続を遮断するプロセスは、コンセントからソケットを抜くのと同様に簡単である。マイクロインバータ100は、停電の場合、安全機能として、有効なグリッド接続を検出し、給電を切断できる。ケーブル接続200は、システムの電気ソケット及び電力出力に関する地域の規制に応じて異なり得る。
【0035】
図5は、マイクロインバータ100が、既存のグリッド、マイクログリッド、又はグリッド接続システムを統合し、これらと相互作用し、そして、これらがエネルギーを取得及び供給することを可能にする方法を示す図である。
【0036】
図6Aは、マイクロプロセッサ130が例示的なコンポーネントからデータを収集する様子を示す概略図である。図1Bに示したように、マイクロプロセッサ130は、システムの3つの主要コンポーネントのうちの1つである。マイクロプロセッサ130は、通信プロトコルを用いて、MPPTコントローラ110及びインバータ120から情報を収集する。追加的又は任意選択的に、マイクロプロセッサ130は、風速データを収集する為に風力タービン(複数可)を使用でき、太陽光データを収集する為にソーラーパネル(複数可)を使用でき、或いは、様々なデータを、エネルギー源(例えば、マイクロ水力発電機を使用した水流)、グリッド及び貯蔵装置に応じて収集できる。その他の構成において、マイクロプロセッサは、その他のデータ収集装置、例えば、温度計、気圧計、又は雨量計から情報を収集することもできる。幾つかの実施形態において、各マイクロインバータ100は、データを、センサと、センサに接続された装置とから読み出して、気象ステーションを作成する。
【0037】
収集された生データは、特に、発電、電力消費、グリッドの状態、機器ごとの消費レベル、風速、圧力、温度、日射、及び現在の貯蔵レベルを含む。
【0038】
図6Bは、グリッドにおける、マイクロプロセッサ130により読み出されて解釈され得る差分波信号を各電子機器が生成する様子を示す図である。この例示的な図には、電子レンジ、洗濯機、テレビの各々に関する消費エネルギー及び使用信号を表す波が示されている。これにより、マイクロプロセッサ130は、各装置を識別し、また、装置に固有の情報、例えば、使用量、使用率、使用時間、装置の種類、及びエネルギー消費を収集できる。
【0039】
図7は、生データを収集し、一意の識別子を生成し、そして、追跡可能な(トレーサブル)エネルギーデータを供給する為にマイクロプロセッサ130により実行される命令の概略図である。この例において、生成された各値を固有のデジタル信号を用いて識別する為のブロックチェーン技術の使用に関する命令が存在する。この結果、マイクロインバータ100により提供されるエネルギーは、収集される情報の追跡可能性(トレーサビリティ)、及び、生成又は使用される各ワット又はエネルギー単位に関するアカウンタビリティ(会計責任)を含む。
【0040】
図8は、収集された情報(すなわち、追跡可能なデータ)がマイクロプロセッサ130においてどのように処理されるかを示す図である。この結果、追跡可能なデータ(TD)は、分析される為に有用な情報又は処理されたデータ(PD)に変換される。
【0041】
図9Aは、マイクロプロセッサ130内部の接続基板131が、処理された情報(すなわち、処理されたデータ/PD)をクラウドプラットフォームに、通信ネットワーク、例えば、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)又はGMS、及び、接続プロトコル、例えばNFC技術を用いて送受信する方法を示している。
【0042】
図9Aに示されているように、クラウドプラットフォームに、任意のスマートデバイス、例えば携帯電話又はノートパソコンを用いて情報へのアクセスが可能である。重要なことに、処理されたデータ(PD)の完全性が、図7で実行される処理ステップにより保証される。
【0043】
図9Bは、1つのマイクロプロセッサ130が、接続基板131を使用して、クラウドプラットフォーム及びその他のマイクロプロセッサ130と情報通信を共有できる方法を示している。これにより、様々なコントローラ100が互いに通信して、エネルギー伝達要求を含み得る情報を共有できる。
【0044】
図10Aは、情報(PD)を分析する為に使用される人工知能アルゴリズム(AI Alg)が組み込まれたマイクロプロセッサ130の図である。図示されているように、この構成を使用することで、分析されたデータが、その後、接続基板131を介してサーバに送信され、携帯電話又はコンピュータなどのリモートデバイスによりアクセスされ得る。また、この図は、マイクロプロセッサ130がマイクロインバータ100内のパワーエレクトロニクスを含むインバータ120コンポーネントに信号を送信する方法も示している。
【0045】
図10Bは、図10Aに示したものと類似の構成を有するシステムの図であるが、人工知能アルゴリズムをサーバレベルで使用する。この場合、処理されたデータはマイクロインバータ100により、マイクロプロセッサ130の接続基板131を用いてクラウドに送信される。処理されたデータはクラウドのアルゴリズムにより分析され、分析されたデータはマイクロプロセッサ130内の接続基板131に送り返される。マイクロプロセッサ130は制御信号をマイクロインバータ120に送信する。この構成は、マイクロプロセッサ130により提供されるよりも強力なプロセッサ上で実行される、追加の、異なる、又は解析のアルゴリズムの使用を可能にする。
【0046】
図11Aは、収集して、AIのような様々なアルゴリズムを介して分析した情報を、エネルギー管理の為に使用できる方法を示す図である。このようにして、マイクロインバータ100は、エネルギーをより確実に適切な価格で又は有用に利用できる時間又は時間枠を設定できる。一例として、マイクロプロセッサ130は、各機器及びデバイスの電波信号に関する情報を認識及び収集し、それらを個別化する。(図6Bを参照)。信号が個別化されたならば、エネルギーを使用しているデバイスのリストを、組み込まれたユーザインタフェースによりユーザに、或いは、携帯電話アプリケーションなどのリモートアクセスポイントに送信できる。ユーザは、オフ又はオンにされるデバイス又は機器を選択できる。信号は、マイクロプロセッサ130によりマイクロインバータ120に送り返され、その信号が、選択されたデバイスの特定の波の電圧又は電流を遮断又は許可し、エネルギーの流れを許可又は制限する。
【0047】
図11Bは、図11Aで説明した機能を示す図であるが、エネルギー管理の自律判断を行う為に、クラウドサーバにてAIアルゴリズムを使用している。例えば、このシステムは、各デバイス又は機器の使用に関する処理された情報を分析し、履歴パターン及びその他の変数、例えばエネルギーコスト又は再生可能エネルギーの利用可能性を調査し、それにより、グリッドと相互作用して、機器又はデバイスをオン/オフできる。AIは、マイクロプロセッサ130の接続機能を使用して、マイクロインバータ120の、各デバイス又は機器の個々の信号を制御するパワーエレクトロニクスを管理する。
【0048】
図11A及び図11Bの例示的な実施例に記載されている機能は、最も高価な段階において、すなわち、有用な形態の再生可能源がない場合に、エネルギーの不必要な使用を低減することによりエネルギー効率を向上させる。
【0049】
図12Aは、オフグリッドスタンドアロン構成のマイクロインバータ100の図である。このシステムは、風力タービン及びソーラーパネルを使用してエネルギーを生成し、このエネルギーは、バッテリバンクなどの貯蔵装置に貯蔵され、負荷(例えば家屋の機器及びデバイス)により必要とされるときにACに変換される。また、このシステムは情報を収集して、Wi-Fi接続又はGSMを使用してサーバに送信する。この情報は、例えば、システムの効率を改善する為の使用パターンについて学習する為に、又は、将来のインフラストラクチャの開発におけるニーズを評価する為に使用され得る。
【0050】
図12Bは、図12Aで説明したマイクロインバータ100がマイクログリッド構成において機能している様子を示す。この例示的な構成において、マイクロインバータ100はその他の類似のマイクロインバータ100に接続されている。上述のように、ハイブリッド構成は、利用できる再生可能源が存在しない場合、貯蔵装置をバックアップとして使用して、負荷からの要求全体をカバーするのに十分なエネルギーを生成する。
【0051】
有利には、図12Bに示した構成下で、内部負荷により必要とされるよりも多くのエネルギーをシステムが生成している場合、マイクロインバータ100は、その他のシステムと通信して、過剰な生成を通知する。或るシステムが、1つのマイクロインバータ100が生成しているか又は貯蔵しているよりも多くのエネルギーを必要とする場合、他のマイクロインバータ100に、エネルギーの差分に関する要求を送信できる。負荷間での物理的接続、例えば相互接続配線が、電力伝送を可能にする。安全で追跡可能な技術(例えば、図7で説明したブロックチェーン技術)の使用により、各マイクロインバータ100は、消費されるか又はマイクログリッドに注入されるエネルギーに関するアカウンタビリティを保持でき、このシステムは、エネルギーを送るシステム、又は、エネルギーを得るシステムである。
【0052】
一例として、この図において、マイクログリッドは、様々な種類の負荷を含む。マイクログリッドの負荷は、1以上の若しくは異なる種類や構造の組み合わせ、スタンドアロン型設備、又は自立型のインフラストラクチャコンポーネントであり得る。構造の例は幅広く、用途に応じて異なり、1以上の単一家族の家屋、多家族の家屋、通信塔、マンション建物、商業ビル、診療所、病院、倉庫、及び、産業施設などを含む。
【0053】
図12Cは、その他のユニット(図12Bを参照)と共に外部グリッドに接続されてクラスタとして機能する、本明細書に記載のハイブリッド型マイクロインバータ技術の例示的な利用の図である。この図において、各構造が、風力タービン及び1以上のその他のAC及びDC電源、例えばソーラーパネル及び貯蔵装置に接続されたマイクロインバータ100を使用している。このアレイにおいて、個々のマイクロインバータシステムがグリッド接続されている。各システムは、図10A及び図10Bで説明したAI機能を使用して、エネルギー生成を予測する気象状況を分析する。この特徴により得られる環境情報の結果として、グリッド供給者又は電力会社管理者が、エネルギーの将来的要求をマイクロインバータ100又はシステムのノードから、より良好に予測又は推測でき、需要応答タイミングの過敏性を低減する。マイクロインバータ100は、他のシステムにおける他のマイクロインバータ100、及び電力会社と通信する。各システムは、他のユニットにエネルギーの利用可能性を知らせ、或いは、消費が発電量を超えた場合にはエネルギー要求を送信する。剰余エネルギーを有するシステムは、そのエネルギーを必要とするシステムにそのエネルギーを伝送でき、その取引は、図7で説明したブロックチェーン機能を用いて追跡される。
【0054】
更に、エネルギーを必要とするシステムが存在せず、ユニットが内部消費又は保存されているよりも多くのエネルギーを生成している場合、システムは、このエネルギーの余剰をグリッドに、その他の負荷で使用されるように供給できる。グリッドに供給されたこのエネルギーも、同じブロックチェーン技術により追跡される。システムの何れもが十分な自己発電を有さない場合、エネルギー需要要求が、その他のマイクロインバータ100若しくはノード又はメイングリッドに送信されて、グリッドに接続された別のマイクロインバータ100又は外部源からエネルギーを得ることができる。
【0055】
各ノード又はマイクロインバータ100による互いの、又はグリッドとのエネルギーの交換は、慣用的な通貨、その他の会計方法、例えばクレジットカード若しくはデビットメモ、又は暗号通貨、例えばトークンを使用して行われ得る。
【0056】
エネルギーの生成又は貯蔵システムの様々な構成要素又は動作の追加の詳細は、米国特許第5601951号明細書;米国特許出願公開第20120170325号明細書;国際公開第2015065291号パンフレット;米国特許第8612058号明細書;米国特許第7274975号明細書;米国特許第7561977号明細書;米国特許第7218974号明細書;米国特許出願公開第2017/0180134号明細書において有用であり、これらの各々の全体が、あらゆる目的の為に参照により本明細書に組み込まれる。
【0057】
本明細書において、1つの特徴物又は要素が別の特徴物又は要素「の上にある」(“on”)と記載されている場合、1つの特徴物又は要素がその他の特徴物又は要素の上に直接存在しても、或いは、介在する特徴物及び/又は要素が存在してもよい。これとは対照的に、1つの特徴物又は要素が別の特徴物又は要素「の上に直接ある」(“directly on”)と記載されている場合、介在する特徴物又は要素は存在しない。また、1つの特徴物又は要素が別の特徴物又は要素に「接続されている」(“connected”)、「取り付けられている」(“attached”)、又は「連結されている」(“coupled”)と記載されている場合、1つの特徴物又は要素がその他の特徴物又は要素に直接接続され、取り付けられ、又は連結されても、或いは、介在する特徴物又は要素が存在してもよいことも理解されよう。これとは対照的に、1つの特徴物又は要素が別の特徴物又は要素に「直接接続されている」(“directly connected”)、「直接取り付けられている」(“directly attached”)、又は「直接連結されている」(“directly coupled”)と記載されている場合、介在する特徴物又は要素は存在しない。1つの実施形態に関して説明又は図示してきたが、そのように説明又は図示した特徴物及び要素をその他の実施形態にも適用できる。また、当業者には理解されるように、別の特徴物に「隣接して」(“adjacent”)配置された構造又は特徴物が記載されている場合、その隣接した特徴物に重なるか、又はその下に位置する部分が存在し得る。
【0058】
本明細書において使用した用語は、特定の実施形態を説明する為のものに過ぎず、本発明を限定する為のものではない。例えば、本明細書で使用した単数形「1つの」(“a”)「1つの」(“an”)、及び「その」(“the”)は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形も含むことが意図されている。また、用語「含む」(“comprises”)及び/又は「備えている」(“comprising”)が本明細書で使用される場合、記載された特徴、ステップ、オペレーション、要素及び/又はコンポーネントの存在を明示するが、1以上のその他の特徴、ステップ、オペレーション、要素、コンポーネント及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除するものではないことも、更に理解されよう。用語「及び/又は」(“and/or”)は、本明細書中で使用される場合、列挙された項目のうちの1以上の何れか及び全ての組合せを含み、「/」(“/”)と略記され得る。
【0059】
空間的に相対的な用語、例えば、「~の下」(“under”)、「~より下」(“blow”)、「~より低い」(“lower”)、「~の上」(“over”)、「~より高い」(“upper”)などが、本明細書において、図面に示されているような1つの要素又は特徴物と別の要素(複数可)又は特徴物(複数可)との関係の説明を容易にする為に使用され得る。この空間的に相対的な用語が、図中に示されている向きに加えて、使用中又は動作中の装置の異なる向きを包含することが意図されていることが理解されよう。例えば、図中の装置の上下が逆にされる場合、その他の要素又は特徴物「~の下」(“under”)、「~より下」(“beneath”)のように記載されている要素は、その他の要素又は特徴物「~の上」(“over”)に向けられることになる。従って、例示的な用語「~の下」(“under”)は、上下両方の向きを包含し得る。装置を、その他の方向に向ける(90度回転させるか、又はその他の方向に向けさせる)こともでき、本明細書で使用する空間的に相対的な記述語は、それに応じて解釈される。同様に、用語「上方」(“upwardly”)、「下方」(“downwardly”)、「鉛直」(“vertical”)、「水平」(“horizontal”)などは、本明細書において、明確に別様に示されていない限り、説明の目的でのみ使用される。
【0060】
本明細書において、用語「第1の」(“first”)及び「第2の」(“second”)は、様々な特徴物/要素(ステップを含む)を説明する為に使用することができるが、これらの特徴物/要素は、文脈が他の意味を示さない限り、これらの用語により制限されるべきではない。これらの用語は、1つの特徴物/要素を別の特徴物/要素から区別する為に使用され得る。従って、以下に説明する第1の特徴物/要素を第2の特徴物/要素と称することが可能であり、同様に、以下に説明する第2の特徴物/要素を第1の特徴物/要素と称することが可能であり、これは、本発明の教示から逸脱しない。
【0061】
本明細書及び以下の特許請求の範囲において、文脈上別の解釈を必要としない限り、用語「含む」(“comprise”)、並びに、この変化形である「含む」(“comprises”)及び「含んでいる」(“comprising”)は、方法及び物品において様々な構成要素を共同で使用できることを意味する(例えば、装置及び方法を含む組成物及び装置)。例えば、用語「~を含んでいる」(“comprising”)は、記載された要素又は工程を含むことを意味するが、その他の要素又は工程を除外することを意味するものではないことが理解されよう。
【0062】
本明細書及び特許請求の範囲において使用されているように、実施例において使用される場合も含め、全ての数字は、特に明記されていない限り、「約」(“about”)又は「およそ」(“approximately”)という語句が前置されているものとして読まれてよく、たとえその語句が明示的に現れていなくても、そのように読まれ得る。「約」(“about”)又は「およそ」(“approximately”)という語句は、大きさ及び/又は位置を示す場合に、記載された値及び/又は位置が、妥当な、予期される範囲の値及び/又は位置内にあることを示す為に使用され得る。例えば、数値は、記載されている値(又は値の範囲)の+/-0.1%の値であり得、記載されている値(又は値の範囲)の+/-1%の値であり得、記載されている(又は値の範囲)の+/-2%の値であり得、記載されている値(又は値の範囲)の+/-5%の値であり得、記載されている値(又は値の範囲)の+/-10%の値であり得る、などである。本明細書に記載したいかなる数値もまた、そうでないことを文脈が示さない限り、「約」又は「およそ」を含むことが理解されよう。例えば、「10」(“10”)という値が開示されているならば、「約10」(“about 10”)もまた開示される。本明細書に記載される何れの数値範囲も、その範囲中に包含される全てのサブ範囲を含むことが意図されている。また、値がその値「以下」(“less than or equal to”)であることが開示される場合、「その値以上」(“greater than or equal to the value”)、及び、値の間の可能な範囲もまた開示されることも、当業者に十分に理解されるのと同様に理解されよう。例えば、「X」(“X”)という値が開示されている場合、「X以下」(“less than or equal to X”)及び「X以上」(“greater than or equal to X”)(例えば、Xは数値)もまた開示される。また、本出願全体を通じて、データが多数の異なるフォーマットで提供され、このデータが、終点及び始点、並びに、データ点の任意の組合せの範囲を表すことも理解されよう。例えば、特定のデータ点「10」(“10”)及び特定のデータ点「15」(“15”)が開示されている場合、10~15の範囲だけでなく、10及び15よりも大きい値、10及び15以上、10及び15よりも小さい値、10及び15以下、並びに、10及び15に等しい値も開示されているとみなされることが理解されよう。また、2つの特定の単数間の各単数も開示されていることも理解されよう。例えば、10及び15が開示されている場合、11、12、13、及び14もまた開示されている。
【0063】
様々な例示的実施形態を上述してきたが、様々な実施形態に対する多数の変更の何れも、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱せずに行われ得る。例えば、記載された様々な方法ステップが実施される順序は、代替実施形態においてはしばしば変更されてよく、他の代替実施形態において、1以上の方法ステップがまとめてスキップされてもよい。様々な装置及びシステムの実施形態の任意選択的な特徴が、幾つかの実施形態においては含まれ、その他の実施形態においては含まれなくてよい。従って、上述の説明は、主に例示を目的として提供されたものであり、特許請求の範囲において明記される本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0064】
本明細書に含まれる実施例及び例示は、本発明の主題が実施され得る特定の実施形態を、限定ではなく例示として示す。上述したように、本開示の範囲から逸脱することなく構造的及び論理的な置換及び変更が行われるように、その他の実施形態を利用することができ、また、そこから派生させ得る。発明の主題のこのような実施形態を本明細書において個別に又は集合的に「発明」という用語で称し得るが、これは単に便宜上のことであり、実際に複数の発明が開示されていても、本出願の範囲をいかなる単一の発明又は発明概念にも自発的に限定しようとするものではない。従って、本明細書において特定の実施形態を例示及び説明してきたが、同じ目的を達成するように計算された任意の構成を、示された特定の実施形態に置き換えることが可能である。本開示は、様々な実施形態のあらゆる適応又は変型を包含することが意図されている。上述の実施形態と、本明細書には具体的に記載されていないその他の実施形態との組合せが、上述の説明を精査すれば、当業者には明らかであろう。
【符号の説明】
【0065】
100 マイクロインバータ
110 MPPTコントローラ
120 インバータ
111 電気コネクタ
130 マイクロプロセッサ
131 接続基板
200 ケーブル接続
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C