(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-31
(45)【発行日】2023-04-10
(54)【発明の名称】止血弁および使用方法
(51)【国際特許分類】
A61M 39/22 20060101AFI20230403BHJP
A61M 5/168 20060101ALI20230403BHJP
【FI】
A61M39/22
A61M5/168 506
(21)【出願番号】P 2020513508
(86)(22)【出願日】2018-08-30
(86)【国際出願番号】 US2018048786
(87)【国際公開番号】W WO2019050765
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2021-08-27
(32)【優先日】2017-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518138011
【氏名又は名称】イナリ メディカル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】メリット, ベンジャミン イー.
(72)【発明者】
【氏名】スレス, ジョン シー.
(72)【発明者】
【氏名】ラボック, ポール
【審査官】二階堂 恭弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-208685(JP,A)
【文献】特表2005-511989(JP,A)
【文献】特開2004-97807(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0310166(US,A1)
【文献】特表2014-507222(JP,A)
【文献】米国特許第6168577(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/22
A61M 5/168
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置を封止するための止血弁であって、
第1の端部、第2の端部、およびそれらの間に延在する中央管腔を有する、細長い部材であって、柔軟である、細長い部材と、
前記細長い部材の少なくとも一部分に沿って延在する補強構造であって、前記細長い部材に結合されている、補強構造と、
前記細長い部材に結合されたアクチュエータを含む能動的張力付与機構であって、前記アクチュエータが、前記中央管腔が収縮し、封止される第1の構成と、前記中央管腔が開いている第2の構成との間で移動可能であ
り、前記補強構造が、前記張力付与機構と前記細長い部材との間に配置される、張力付与機構と、
前記アクチュエータを前記第1の構成に付勢するように構成された付勢部材と
を備える、止血弁。
【請求項2】
前記細長い部材が、柔軟なポリマー管を備える、請求項1に記載の止血弁。
【請求項3】
前記張力付与機構が、前記細長い部材の周りに少なくとも部分的に延在する、少なくとも1つのフィラメントを備える、請求項1に記載の止血弁。
【請求項4】
前記補強構造が、前記少なくとも1つのフィラメントと前記細長い部材との間に位置付けられている、請求項3に記載の止血弁。
【請求項5】
前記補強構造が、編組メッシュを備える、請求項4に記載の止血弁。
【請求項6】
前記補強構造が、前記細長い部材の前記第1の端部に近接した位置および前記細長い部材の前記第2の端部に近接した位置で、前記細長い部材に結合されている、請求項4に記載の止血弁。
【請求項7】
前記補強構造が、前記細長い部材の前記第1の端部と前記細長い部材の前記第2の端部との間の位置で前記細長い部材に結合されていない、請求項6に記載の止血弁。
【請求項8】
前記張力付与機構が、前記アクチュエータに結合され、前記細長い部材の周りに少なくとも部分的に延在する、少なくとも1つのフィラメントをさらに含み、前記第1の構成では、前記中央管腔が収縮し、封止されるように、前記アクチュエータが、前記細長い部材を折り畳むように前記少なくとも1つのフィラメントを引っ張る、請求項1に記載の止血弁。
【請求項9】
前記アクチュエータが、手動アクチュエータを備える、請求項8に記載の止血弁。
【請求項10】
前記少なくとも1つのフィラメントが、前記細長い部材の周りにループを形成する、請求項8に記載の止血弁。
【請求項11】
前記少なくとも1つのフィラメントが、前記細長い部材の一部分の周りに湾曲部を形成する、請求項8に記載の止血弁。
【請求項12】
前記少なくとも1つのフィラメントが、第1のフィラメントおよび第2のフィラメントを備え、前記第1のフィラメントおよび前記第2のフィラメントのそれぞれが、前記アクチュエータに結合されており、前記第1の構成では、前記アクチュエータが、前記細長い部材を折り畳むように前記第1のフィラメントおよび前記第2のフィラメントを引っ張る、請求項8に記載の止血弁。
【請求項13】
前記第1のフィラメントおよび前記第2のフィラメントのそれぞれが、前記細長い部材の周りにループを形成する、請求項12に記載の止血弁。
【請求項14】
前記第1のフィラメントが、前記細長い部材の第1の部分の周りに第1の湾曲部を形成し、前記第2のフィラメントが、前記細長い部材の第2の部分の周りに第2の湾曲部を形成する、請求項12に記載の止血弁。
【請求項15】
前記第1の湾曲部が前記第2の湾曲部を通って延在する、請求項14に記載の止血弁。
【請求項16】
第1の開口部および第2の開口部を画定するシェルをさらに備える止血弁であって、前記細長い部材が前記第1の開口部から前記第2の開口部へと延在し、前記第1の開口部および前記第2の開口部を流体結合する、請求項1に記載の止血弁。
【請求項17】
前記張力付与機構が、前記止血弁を通って延在する異なるサイズのツールの周りを封止するように自己調整可能である、請求項1に記載の止血弁。
【請求項18】
前記中央管腔が単一の管腔を備える、請求項1に記載の止血弁。
【請求項19】
前記中央管腔が複数の管腔を備える、請求項1に記載の止血弁。
【請求項20】
患者の体内の血管への血管内アクセスのための送達システムであって、
第1の端部、第2の端部、およびそれらの間に延在するカテーテル管腔を有する、カテーテルと、
前記カテーテルの前記第1の端部に結合された止血弁であって、
第1の端部、第2の端部、およびそれらの間に延在する中央管腔を有する、管状部材であって、前記管状部材の前記中央管腔が、前記カテーテル管腔と流体結合されている、管状部材と、
前記管状部材の周りに少なくとも部分的に延在するフィラメントを介して前記管状部材に結合されたアクチュエータを含む、能動的張力付与機構であって、前記アクチュエータが、(a)前記中央管腔が封止される第1の構成と、(b)前記中央管腔が少なくとも部分的に開いている第2の構成との間で移動可能である、張力付与機構と、
前記管状部材の少なくとも一部分に沿って延在する補強構造と
を備える、止血弁と
を備え
、
前記補強構造が、前記張力付与機構と前記管状部材との間に配置される、送達システム。
【請求項21】
前記補強構造が編組メッシュを備える、請求項
20に記載の送達システム。
【請求項22】
前記補強構造が、前記管状部材の前記第1の端部に近接した位置および前記管状部材の前記第2の端部に近接した位置で前記管状部材に結合される、請求項
20に記載の送達システム。
【請求項23】
前記補強構造が、前記管状部材の前記第1の端部および前記管状部材の前記第2の端部で前記管状部材に接着される、請求項
22に記載の送達システム。
【請求項24】
前記補強構造が、前記管状部材の前記第1の端部と前記管状部材の前記第2の端部との間で前記管状部材に結合されていない、請求項
23に記載の送達システム。
【請求項25】
前記アクチュエータが手動アクチュエータを備える、請求項20に記載の送達システム。
【請求項26】
前記アクチュエータが、一対の対向する、かつ押下可能なボタンを備え、前記ボタンが、非押下位置に向かって付勢される、請求項
25に記載の送達システム。
【請求項27】
前記ボタンが非押下位置にあるとき、前記中央管腔が封止される、請求項
25に記載の送達システム。
【請求項28】
前記フィラメントがモノフィラメントを備える、請求項20に記載の送達システム。
【請求項29】
前記フィラメントが、ポリマーフィラメントまたは金属フィラメントの内の少なくとも1つを備える、請求項20に記載の送達システム。
【請求項30】
前記カテーテルが、血栓摘出装置を備える、請求項20に記載の送達システム。
【請求項31】
弁であって、
管腔を画定する細長い部材と、
前記細長い部材の少なくとも一部分に沿って延在する補強構造と、
前記細長い部材の周りに少なくとも部分的に延在するフィラメントを介して前記細長い部材に結合されたアクチュエータを含む、能動的張力付与機構であって、前記アクチュエータが、(a)前記管腔が収縮し、封止される第1の位置と、(b)前記管腔が少なくとも部分的に開いている第2の位置との間で移動可能であ
り、前記補強構造が、前記張力付与機構と前記細長い部材との間に配置される、張力付与機構と、
前記アクチュエータを前記第1の位置に付勢するように構成された付勢部材と
を備える、弁。
【請求項32】
前記細長い部材が、柔軟である、請求項
31に記載の弁。
【請求項33】
前記フィラメントが、前記細長い部材の周りにループで延在する、請求項
31に記載の弁。
【請求項34】
前記アクチュエータが、ボタンであり、前記ボタンは、前記第1の位置において非押下であり、前記ボタンが、前記第2の位置において押下されている、請求項
31に記載の弁。
【請求項35】
前記アクチュエータが前記第1の位置にあるとき、(a)前記管腔の外側、かつ前記細長い部材の第1の端部に隣接する第1の体積と、(b)中央管腔の外側、かつ前記細長い部材の第2の端部に隣接する第2の体積との間に圧力差が存在する場合、前記管腔が、収縮し、封止されたままであるように構成される、請求項
31に記載の弁。
【請求項36】
前記アクチュエータが前記第1の位置にあるとき、前記管腔の外側、かつ前記細長い部材の第1の端部または第2の端部のいずれかに隣接する体積に真空圧力が適用される場合、前記管腔が、収縮し、封止されたままであるように構成される、請求項
31に記載の弁。
【請求項37】
前記管腔が、第1の長手方向軸に沿って延在し、前記アクチュエータが、第2の長手方向軸に沿って前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動可能であり、前記第1の長手方向軸は、前記第2の長手方向軸に直交である、請求項
31に記載の弁。
【請求項38】
前記付勢部材が、圧縮ばねである、請求項
31に記載の弁。
【請求項39】
前記第1の位置では、前記管腔が収縮し、封止されるように、前記アクチュエータが、前記細長い部材を円周方向に収縮させるように前記フィラメントを引っ張る、請求項
31に記載の弁。
【請求項40】
弁であって、
管腔を画定する細長い部材と、
前記細長い部材の少なくとも一部分に沿って延在する補強構造と、
前記細長い部材に結合されたフィラメント
であって、前記補強構造が、前記フィラメントと前記細長い部材との間に配置される、フィラメントと、
前記フィラメントに結合されたアクチュエータであって、前記アクチュエータが、(a)前記管腔が収縮し、封止される第1の位置と、(b)前記管腔が少なくとも部分的に開いている第2の位置との間で移動可能である、アクチュエータと、
前記アクチュエータを前記第1の位置に付勢するように構成された付勢部材と
を備える、弁。
【請求項41】
前記フィラメントが、前記細長い部材の周りに少なくとも部分的に延在する、請求項
40に記載の弁。
【請求項42】
前記第1の位置では、前記管腔が収縮し、封止されるように、前記アクチュエータが、前記細長い部材を円周方向に収縮させるように前記フィラメントを引っ張る、請求項
41に記載の弁。
【請求項43】
前記細長い部材が、柔軟である、請求項
40に記載の弁。
【請求項44】
前記フィラメントが、モノフィラメントである、請求項
40に記載の弁。
【請求項45】
前記アクチュエータが、ボタンであり、前記ボタンは、前記第1の位置において非押下であり、前記第2の位置において押下されており、前記ボタンが、第1の長手方向軸に沿って前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動可能であり、前記管腔が、第2の長手方向軸に沿って延在し、前記第1の長手方向軸は、前記第2の長手方向軸に直交である、請求項
40に記載の弁。
【請求項46】
弁であって、
管腔を画定する細長い部材と、
前記細長い部材の少なくとも一部分に沿って延在する補強構造と、
前記細長い部材に結合されたフィラメント
であって、前記補強構造が、前記フィラメントと前記細長い部材との間に配置される、フィラメントと、
前記細長い部材に結合されたアクチュエータであって、前記アクチュエータが、(a)前記管腔が収縮し、封止されるように、前記アクチュエータが、前記細長い部材を折り畳むように前記フィラメントを引っ張る、第1の位置と、(b)前記管腔が少なくとも部分的に開いている第2の位置との間で移動可能である、アクチュエータと
を備える、弁。
【請求項47】
前記アクチュエータを前記第1の位置に付勢するように構成された付勢部材をさらに備える、請求項
46に記載の弁。
【請求項48】
前記細長い部材が、柔軟であり、前記フィラメントが、前記細長い部材の周りに少なくとも部分的に延在する、請求項
46に記載の弁。
【請求項49】
前記細長い部材が、柔軟であり、前記フィラメントが、前記細長い部材の周りにループ状にされている、請求項
46に記載の弁。
【請求項50】
前記アクチュエータが、前記細長い部材が拡張できるように、前記第2の位置において実質的に前記フィラメントを引っ張らない、請求項
46に記載の弁。
【請求項51】
前記補強構造が、前記細長い部材の外側表面に沿って延在する、請求項1に記載の止血弁。
【請求項52】
前記補強構造が、前記管状部材の外側表面に沿って延在する、請求項20に記載の送達システム。
【請求項53】
前記補強構造が、前記細長い部材の外側表面に沿って延在する、請求項
31に記載の止血弁。
【請求項54】
前記補強構造が、前記細長い部材の外側表面に沿って延在する、請求項
40に記載の止血弁。
【請求項55】
前記補強構造が、前記細長い部材の外側表面に沿って延在する、請求項
46に記載の止血弁。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる「HEMOSTASIS VALVES AND METHODS OF USE」という名称の、2017年9月6日に出願された米国仮出願第62/554,931号の利益を主張する。
【0002】
(背景技術)
外科的処置中、患者の身体の一部分(例えば、血管系)にアクセスして、所望の介入または治療の実施を可能にする。このような外科的処置中、患者の失血を最小限に抑え、血管系への空気の送達を防ぎ、感染などの問題を防ぐために、患者の身体のアクセス部分または部位の無菌性を維持することが望ましい。さらに、患者の転帰を改善したいという要望は、低侵襲手術を促進する止血弁の開発につながった。
【0003】
低侵襲手術では、1つまたはいくつかのカテーテルが挿入された血管に小さな切開部が作成される。これらの1つまたはいくつかのカテーテルのそれぞれは、そのカテーテルを通って長手方向に延在する管腔を画定することができる。これらのカテーテルは、手術の対象となる組織、神経、または他の身体構造に近接した位置に移動し、その後、これらのカテーテルの一部またはすべての管腔を通して、手順を実行するためのツールを挿入する。
【0004】
失血を最小限に抑え、血管系への空気の送達を防ぎ、患者の体内(例えば、血管)の無菌性の維持を促進するために、これらのカテーテルには止血弁が装備されている。これらの弁は、カテーテルの管腔を封止するか、または選択的に封止する。多くの場合、これらの弁は、ツールがカテーテルを通って、特に弁を通って延在するときに、カテーテルの管腔を封止できる。さらに、ツールが取り外されるとき、またはカテーテルを通って延在しないとき、弁は管腔を封止することができる。
【0005】
このような従来の止血弁は、血管内アクセスには非常に有益だが、いくつかの欠点がある。例えば、いくつかの弁は、すべての介入アプリケーションまたはツールに対して適切に封止されない場合があり、かつ/またはいくつかの弁の操作は、オペレーターが使用するために複雑になる場合がある。このような弁設計の欠点は、それを用いて行われる手術の複雑さを増大させ、かつ/または患者の安全性を低下させる可能性がある(例えば、出血、感染、および/または他の有害な合併症)。したがって、新しく改善された止血弁および使用方法が望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下は、弁、弁を組み込んだ医療システム、およびその使用方法に関する。弁は、1つまたはいくつかの張力付与機構によって収縮させ、折り畳み、かつ/または封止することができる管状部材を含むことができる。張力付与機構は、管状部材の少なくとも一部分の周りに延在する少なくとも1つのフィラメントを含むことができる。フィラメントは、張力付与機構(複数可)の操作を介して、管状部材と相互作用して、管状部材を収縮させ、折り畳み、かつ/または封止することができる。弁を通してツールを挿入して、患者の身体にアクセスし、特に血管にアクセスすることができる。張力付与機構とフィラメントを使用して管状部材を収縮させ、折り畳み、かつ/または封止することにより、弁は様々なサイズと形状のツール、およびサイズの異なる複数のツールを同時に封止できる。さらに、このような弁は、吸引中に発生するような真空が適用されたときにその封止を維持する堅牢な封止を作成する。
【0007】
本開示の態様は、医療装置を封止するための止血弁に関する。止血弁は、第1の端部、第2の端部、およびそれらの間に延在する中央管腔を有する細長い部材を含む。いくつかの実施形態では、細長い部材は柔軟である。止血弁は、補強構造が細長い部材に結合されるように、細長い部材の少なくとも一部分に沿って延在する補強構造を含むことができる。止血弁は、細長い部材に結合された能動的張力付与機構を含む。いくつかの実施形態では、張力付与機構は、中央管腔が収縮し、かつ封止される第1の構成と、中央管腔が開いている第2の構成との間で移動可能である。必要に応じて、弁は、ユーザが手動で完全に開いた状態と完全に閉じた状態の中間位置に調整することができる。さらに、器具(例えば、カテーテル)は、ユーザが調整することなく弁が止血を行う中間位置を提供する。
【0008】
いくつかの実施形態では、細長い部材は、柔軟なポリマー管であり得る。いくつかの実施形態では、張力付与機構は、細長い部材の周りに少なくとも部分的に延在する少なくとも1つのフィラメントを含むことができる。いくつかの実施形態では、補強構造は、少なくとも1つのフィラメントと細長い部材との間に位置付けられる。いくつかの実施形態では、補強構造は編組メッシュとすることができる。いくつかの実施形態では、補強構造は、細長い部材の第1の端部に近接した位置および細長い部材の第2の端部に近接した位置で細長い部材に結合される。いくつかの実施形態では、補強構造は、細長い部材の第1の端部と細長い部材の第2の端部との間の位置で細長い部材に結合されていない。いくつかの実施形態では、張力付与機構によって拘束または収縮される柔軟なポリマー管の中央部分、および少なくとも1つのフィラメントは、強化構造に結合されていない。
【0009】
いくつかの実施形態では、張力付与機構は、少なくとも1つのフィラメントに結合されたアクチュエータを含むことができる。いくつかの実施形態では、反対方向に作動する少なくとも1つのフィラメントに結合された2つの張力付与機構がある。いくつかの実施形態では、2つの張力付与機構が同じフィラメントに取り付けられている。いくつかの実施形態では、2つの張力付与機構は、対向するフィラメントに取り付けられている。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、中央管腔が収縮し、かつ封止される第1の位置から中央管腔が開口する第2の位置までの少なくとも1つのフィラメントの移動を制御するように可動であり得る。いくつかの実施形態では、張力付与機構が第1の構成にあるとき、少なくとも1つのフィラメントは第1の位置にある。いくつかの実施形態では、アクチュエータは第1の位置に向かって付勢される。いくつかの実施形態では、アクチュエータは第2の位置に向かって付勢される。いくつかの実施形態では、アクチュエータは手動アクチュエータであり得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのフィラメントは、細長い部材の周りにループを形成する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのフィラメントは、細長い部材の一部分の周りに湾曲部を形成する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのフィラメントは、第1のフィラメントおよび第2のフィラメントを含むことができる。いくつかの実施形態では、第1のフィラメントおよび第2のフィラメントのそれぞれは、同じアクチュエータに結合されている。いくつかの実施形態では、第1のフィラメントおよび第2のフィラメントのそれぞれは、異なるアクチュエータに結合される。いくつかの実施形態では、第1のフィラメントおよび第2のフィラメントは、第1の位置から第2の位置に移動可能である。いくつかの実施形態では、第1のフィラメントおよび第2のフィラメントのそれぞれは、細長い部材の周りにループを形成する。いくつかの実施形態では、第1のフィラメントは、細長い部材の第1の部分の周りに第1の湾曲部を形成し、第2のフィラメントは、細長い部材の第2の部分の周りに第2の湾曲部を形成する。いくつかの実施形態では、第1の湾曲部は第2の湾曲部を通って延在する。
【0011】
いくつかの実施形態では、止血弁は、第1の開口部および第2の開口部を画定するシェルを含むことができる。いくつかの実施形態では、細長い部材は、第1の開口部から第2の開口部まで延び、第1の開口部と第2の開口部を流体結合する。いくつかの実施形態では、張力付与機構は、止血弁を通って延在する異なるサイズのツールの周りを封止するように自己調整可能である。いくつかの実施形態では、中央管腔は単一の管腔を備えることができ、いくつかの実施形態では、中央管腔は複数の管腔を備えることができる。
【0012】
本開示の一態様は、患者の体内の血管の血管内アクセスのための送達システムに関する。送達システムは、第1の端部、第2の端部、それらの間に延在するカテーテル管腔を有するカテーテルと、カテーテルの第1の端部に結合された止血弁と、を含む。止血弁は、第1の端部、第2の端部、およびそれらの間に延在する中央管腔を有する管状部材を含む。いくつかの実施形態では、管状部材の中央管腔は、カテーテル管腔と流体結合されている。止血弁は、管状部材に結合されたアクティブな張力付与機構を含み、張力付与機構は、張力付与機構が中央管腔を収縮し、中央管腔が封止される第1の構成と、中央管腔が開いている第2の構成との間で移動可能であり得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、止血弁は、管状部材の少なくとも一部分に沿って延在する補強構造をさらに含む。いくつかの実施形態において、補強構造は、張力付与機構と管状部材との間に配置される。いくつかの実施形態では、補強構造は編組メッシュとすることができる。いくつかの実施形態では、補強構造は、管状部材の第1の端部に近接した位置および管状部材の第2の端部に近接した位置で管状部材に結合される。いくつかの実施形態では、補強構造は、管状部材の第1の端部および管状部材の第2の端部で管状部材に接着される。いくつかの実施形態では、補強構造は、管状部材の第1の端部と管状部材の第2の端部との間で管状部材に結合されていない。
【0014】
いくつかの実施形態では、張力付与機構は、管状部材の周りに少なくとも部分的に延在する少なくとも1つのフィラメントを含むことができる。いくつかの実施形態では、張力付与機構は、少なくとも1つのフィラメントに結合されたアクチュエータを含むことができる。いくつかの実施形態では、張力付与機構を第1の構成から第2の構成に移動させることは、アクチュエータとそれに結合された少なくとも1つのフィラメントを第1の位置から第2の位置に移動させることを含むことができる。いくつかの実施形態では、フィラメントが第1の位置にあるとき、フィラメントは管状部材の中央管腔を収縮させ、かつ封止する。
【0015】
いくつかの実施形態では、アクチュエータは手動アクチュエータであり得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、一対の対向する、かつ押下可能なボタンを備え、ボタンは、非押下位置に向かって付勢される。いくつかの実施形態では、ボタンが非押下位置にあるとき、中央管腔は封止される。いくつかの実施形態では、フィラメントはモノフィラメントであり得る。いくつかの実施形態では、フィラメントは、ポリマーフィラメント、または金属フィラメントの内の少なくとも1つであり得る。いくつかの実施形態では、カテーテルは血栓摘出装置を含むことができる。
【0016】
本開示の一態様は、患者の血管にアクセスする送達装置を封止する方法に関する。本方法は、カテーテルおよび止血弁を含む送達装置を患者の血管に挿入することを含む。いくつかの実施形態では、カテーテルは、第1の端部、第2の端部、およびそれを通って延在するカテーテル管腔を有することができる。いくつかの実施形態では、止血弁は、第1の端部に結合することができ、カテーテル管腔と流体結合された中央管腔を画定する管状部材および、管状部材に結合された張力付与機構を有することができる。いくつかの実施形態では、張力付与機構は、折り畳まれて、第1の構成で中央管腔を封止し、それによって血管へのアクセスを封止する。本方法は、止血弁の張力付与機構を第2の構成に移動させることを含むことができる。いくつかの実施形態では、張力付与機構が第2の構成にあるとき、中央管腔は開いており、血管へのアクセスは封止解除されている。本方法は、ツールの第1の端部が患者の血管内の所望の位置に到達し、シャフトの一部分が管状部材の中央管腔内に位置付けられるまで、送達装置を通してツールのシャフトを前進させることを含むことができる。本方法は、管状部材がツールのシャフト上で折り畳まれ、ツールのシャフトの周りを封止するように、止血弁の張力付与機構を第1の構成に戻すことを含むことができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、本方法は、送達装置からツールのシャフトを引き込むことを含む。いくつかの実施形態では、張力付与機構は、送達装置からツールのシャフトを引き込む間および引き込んだ後、第1の構成に維持される。いくつかの実施形態において、張力付与機構は、送達装置からツールのシャフトを引き込む間に第2の構成に移動し、張力付与機構は、ツールのシャフトが送達装置から引き込まれた後に第1の構成に戻る。
【0018】
いくつかの実施形態では、張力付与機構は、管状部材の周りに少なくとも部分的に延在する少なくとも1つのフィラメントを含むことができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのフィラメントは、張力付与機構が第1の構成にあるときに管状部材を折り畳む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのフィラメントは、張力付与機構が第1の構成にあるときに、管状部材を円周方向に収縮させて管状部材を折り畳む。いくつかの実施形態では、止血弁は、少なくとも1つのフィラメントと管状部材との間に位置する補強構造を含むことができる。
【0019】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのフィラメントは、細長い部材の周りにループを形成し、張力付与機構を第2の構成から第1の構成に移動させると、ループのサイズが縮小し、それによってループ内の管状部材を収縮させる。いくつかの実施形態では、フィラメントは、細長い部材の一部分の周りに少なくとも1つの湾曲部を形成する。いくつかの実施形態では、フィラメントは、第1のフィラメントおよび第2のフィラメントを含むことができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの湾曲部は、第1の方向に配向され、第1のフィラメントによって形成された第1の湾曲部と、第2の方向に配向され、第2のフィラメントによって形成された第2の湾曲部と、を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1および第2の湾曲部は重なり合って、収縮領域内で管状部材の一部分を取り囲む。
【0020】
いくつかの実施形態では、張力付与機構を第2の構成から第1の構成に移動させることは、第1の湾曲部を第1の方向に移動させ、第2の湾曲部を方向に移動させ、収縮領域のサイズを縮小し、管状部材の中央管腔を折り畳んで封止することを含むことができる。いくつかの実施形態では、張力付与機構はアクチュエータを含むことができる。いくつかの実施形態では、張力付与機構を第2の構成に移動させることは、アクチュエータを操作することを含むことができる。いくつかの実施形態では、本方法は、カテーテルを通して物質を吸引するために、送達装置および/または送達システムに真空を適用することを含む。いくつかの実施形態において、中央管腔は、吸引中に封止されたままである。いくつかの実施形態では、ツールは血栓摘出装置を含むことができる。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
医療装置を封止するための止血弁であって、
第1の端部、第2の端部、およびそれらの間に延在する中央管腔を有する、細長い部材であって、柔軟である、細長い部材と、
前記細長い部材の少なくとも一部分に沿って延在する補強構造であって、前記細長い部材に結合されている、補強構造と、
前記細長い部材に結合された能動的張力付与機構であって、前記中央管腔が収縮し、封止される第1の構成と、前記中央管腔が開いている第2の構成との間で移動可能である、張力付与機構と、を備える、止血弁。
(項目2)
前記細長い部材が、柔軟なポリマー管を備える、項目1に記載の止血弁。
(項目3)
前記張力付与機構が、前記細長い部材の周りに少なくとも部分的に延在する、少なくとも1つのフィラメントを備える、項目1に記載の止血弁。
(項目4)
前記補強構造が、前記少なくとも1つのフィラメントと前記細長い部材との間に位置付けられている、項目3に記載の止血弁。
(項目5)
前記補強構造が、編組メッシュを備える、項目4に記載の止血弁。
(項目6)
前記補強構造が、前記細長い部材の前記第1の端部に近接した位置および前記細長い部材の前記第2の端部に近接した位置で、前記細長い部材に結合されている、項目4に記載の止血弁。
(項目7)
前記補強構造が、前記細長い部材の前記第1の端部と前記細長い部材の前記第2の端部との間の位置で前記細長い部材に結合されていない、項目6に記載の止血弁。
(項目8)
前記張力付与機構が、前記少なくとも1つのフィラメントに結合されたアクチュエータを備え、前記アクチュエータが、前記中央管腔が収縮し、封止される第1の位置から、前記中央管腔が開いている第2の位置への、前記少なくとも1つのフィラメントの移動を制御するように移動可能であり、前記張力付与機構が前記第1の構成にあるとき、前記少なくとも1つのフィラメントが前記第1の位置にある、項目3に記載の止血弁。
(項目9)
前記アクチュエータが、前記第1の位置に向かって付勢されている、項目8に記載の止血弁。
(項目10)
前記アクチュエータが、前記第2の位置に向かって付勢されている、項目8に記載の止血弁。
(項目11)
前記アクチュエータが、手動アクチュエータを備える、項目8に記載の止血弁。
(項目12)
前記少なくとも1つのフィラメントが、前記細長い部材の周りにループを形成する、項目8に記載の止血弁。
(項目13)
前記少なくとも1つのフィラメントが、前記細長い部材の一部分の周りに湾曲部を形成する、項目8に記載の止血弁。
(項目14)
前記少なくとも1つのフィラメントが、第1のフィラメントおよび第2のフィラメントを備え、前記第1のフィラメントおよび前記第2のフィラメントのそれぞれが、前記アクチュエータに結合されており、前記第1のフィラメントおよび前記第2のフィラメントが、前記第1の位置から第2の位置に移動可能である、項目8に記載の止血弁。
(項目15)
前記第1のフィラメントおよび前記第2のフィラメントのそれぞれが、前記細長い部材の周りにループを形成する、項目14に記載の止血弁。
(項目16)
前記第1のフィラメントが、前記細長い部材の第1の部分の周りに第1の湾曲部を形成し、前記第2のフィラメントが、前記細長い部材の第2の部分の周りに第2の湾曲部を形成する、項目14に記載の止血弁。
(項目17)
前記第1の湾曲部が前記第2の湾曲部を通って延在する、項目16に記載の止血弁。
(項目18)
第1の開口部および第2の開口部を画定するシェルをさらに備える止血弁であって、前記細長い部材が前記第1の開口部から前記第2の開口部へと延在し、前記第1の開口部および前記第2の開口部を流体結合する、項目1に記載の止血弁。
(項目19)
前記張力付与機構が、前記止血弁を通って延在する異なるサイズのツールの周りを封止するように自己調整可能である、項目1に記載の止血弁。
(項目20)
前記中央管腔が単一の管腔を備える、項目1に記載の止血弁。
(項目21)
前記中央管腔が複数の管腔を備える、項目1に記載の止血弁。
(項目22)
患者の体内の血管への血管内アクセスのための送達システムであって、
第1の端部、第2の端部、およびそれらの間に延在するカテーテル管腔を有する、カテーテルと、
前記カテーテルの前記第1の端部に結合された止血弁であって、
第1の端部、第2の端部、およびそれらの間に延在する中央管腔を有する、管状部材であって、前記管状部材の前記中央管腔が、前記カテーテル管腔と流体結合されている、管状部材と、
前記管状部材に結合された能動的張力付与機構であって、前記張力付与機構が前記中央管腔を収縮させ、前記中央管腔が封止される第1の構成と、前記中央管腔が開いている第2の構成との間で移動可能である、張力付与機構と、を備える止血弁と、を備える送達システム。
(項目23)
前記止血弁が、前記管状部材の少なくとも一部分に沿って延在する補強構造をさらに備える、項目22に記載の送達システム。
(項目24)
前記補強構造が、前記張力付与機構と前記管状部材との間に配置される、項目23に記載の送達システム。
(項目25)
前記補強構造が編組メッシュを備える、項目24に記載の送達システム。
(項目26)
前記補強構造が、前記管状部材の前記第1の端部に近接した位置および前記管状部材の前記第2の端部に近接した位置で前記管状部材に結合される、項目24に記載の送達システム。
(項目27)
前記補強構造が、前記管状部材の前記第1の端部および前記管状部材の前記第2の端部で前記管状部材に接着される、項目26に記載の送達システム。
(項目28)
前記補強構造が、前記管状部材の前記第1の端部と前記管状部材の前記第2の端部との間で前記管状部材に結合されていない、項目27に記載の送達システム。
(項目29)
前記張力付与機構が、前記管状部材の周りに少なくとも部分的に延在する少なくとも1つのフィラメントを備える、項目22に記載の送達システム。
(項目30)
前記張力付与機構が、前記少なくとも1つのフィラメントに結合されたアクチュエータを備え、前記張力付与機構を前記第1の構成から前記第2の構成に移動させることが、前記アクチュエータおよびそれに結合された少なくとも1つのフィラメントを第1の位置から第2の位置へと移動させることを含み、前記フィラメントが前記第1の位置にあるとき、前記フィラメントが前記管状部材の前記中央管腔を収縮させ、封止する、項目29に記載の送達システム。
(項目31)
前記アクチュエータが手動アクチュエータを備える、項目30に記載の送達システム。
(項目32)
前記アクチュエータが、一対の対向する、かつ押下可能なボタンを備え、前記ボタンが、非押下位置に向かって付勢される、項目31に記載の送達システム。
(項目33)
前記ボタンが非押下位置にあるとき、前記中央管腔が封止される、項目31に記載の送達システム。
(項目34)
前記フィラメントがモノフィラメントを備える、項目30に記載の送達システム。
(項目35)
前記フィラメントが、ポリマーフィラメントまたは金属フィラメントの内の少なくとも1つを備える、項目30に記載の送達システム。
(項目36)
前記カテーテルが、血栓摘出装置を備える、項目22に記載の送達システム。
(項目37)
患者の血管にアクセスする送達装置を封止する方法であって、
カテーテルおよび止血弁を備える前記送達装置を前記患者の前記血管内に挿入することであって、前記カテーテルが、第1の端部、第2の端部、および前記カテーテルを通って延在するカテーテル管腔を有し、前記止血弁が、前記第1の端部に結合されており、前記カテーテル管腔と流体結合された中央管腔を画定する管状部材と、前記管状部材と結合された張力付与機構と、を有し、前記張力付与機構が、第1の構成において、前記中央管腔を折り畳み、かつ封止し、それにより前記血管へのアクセスを封止する、挿入することと、
前記止血弁の前記張力付与機構を第2の構成に移動させることであって、前記張力付与機構が前記第2の構成にあるとき、前記中央管腔が開いており、前記血管へのアクセスが封止解除されている、移動させることと、
ツールの第1の端部が前記患者の前記血管内の所望の位置に到達し、シャフトの一部分が前記管状部材の前記中央管腔内に位置付けられるまで、前記ツールの前記シャフトを、前記送達装置を通して前進させることと、
前記管状部材が前記ツールの前記シャフト上で折り畳まれ、前記ツールの前記シャフトの周りを封止するように、前記止血弁の前記張力付与機構を前記第1の構成に戻すことと、を含む、方法。
(項目38)
前記送達装置から前記ツールの前記シャフトを引き込むことをさらに含む、項目37に記載の方法。
(項目39)
前記張力付与機構が、前記送達装置からの前記ツールの前記シャフトの引き込み中および引き込み後、前記第1の構成に維持される、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記張力付与機構が、前記送達装置からの前記ツールのシャフトの引き込み中に前記第2の構成に移動し、前記張力付与機構が、前記ツールの前記シャフトが前記送達装置から引き込まれた後、前記第1の構成に戻る、項目38に記載の方法。
(項目41)
前記張力付与機構が、前記管状部材の周囲に少なくとも部分的に延在する少なくとも1つのフィラメントを備え、前記少なくとも1つのフィラメントが、前記張力付与機構が前記第1の構成にあるときに前記管状部材を折り畳む、項目37に記載の方法。
(項目42)
前記少なくとも1つのフィラメントが、前記張力付与機構が前記第1の構成にあるときに、前記管状部材を円周方向に収縮させて前記管状部材を折り畳む、項目41に記載の方法。
(項目43)
前記止血弁が、前記少なくとも1つのフィラメントと前記管状部材との間に位置する補強構造を備える、項目41に記載の方法。
(項目44)
前記少なくとも1つのフィラメントが前記細長い部材の周りにループを形成し、前記張力付与機構を前記第2の構成から前記第1の構成に移動させることが、前記ループのサイズを縮小し、それによって前記ループ内の前記管状部材を収縮させる、項目41に記載の方法。
(項目45)
前記フィラメントが、前記細長い部材の一部分の周りに少なくとも1つの湾曲部を形成する、項目41に記載の方法。
(項目46)
前記フィラメントが第1のフィラメントおよび第2のフィラメントを備え、前記少なくとも1つの湾曲部が、第1の方向に配向され、前記第1のフィラメントによって形成された第1の湾曲部と、第2の方向に配向され、前記第2のフィラメントによって形成された第2の湾曲部と、を備え、前記第1および第2の湾曲部が重なりあって、前記収縮領域内で前記管状部材の一部分を取り囲む、項目45に記載の方法。
(項目47)
前記張力付与機構を前記第2の構成から前記第1の構成に移動させることが、前記第1の湾曲部を前記第1の方向に、前記第2の湾曲部を前記方向に移動させて、前記収縮領域のサイズを縮小し、前記管状部材の前記中央管腔を折り畳んで封止することを含む、項目46に記載の方法。
(項目48)
前記張力付与機構がアクチュエータを備え、前記張力付与機構を前記第2の構成に移動させることが、前記アクチュエータを操作することを含む、項目37に記載の方法。
(項目49)
前記カテーテルを通して物質を吸引するために、前記送達装置に真空を適用することをさらに含み、前記中央管腔が、前記吸引中に封止されたままである、項目37に記載の方法。
(項目50)
前記ツールが血栓摘出装置を備える、項目37に記載の方法。
(項目51)
医療装置を封止するための止血弁であって、
第1の端部、第2の端部、およびそれらの間に延在する複数の管腔を備えた中央管腔を有する細長い部材であって、柔軟である細長い部材と、
前記細長い部材に結合された能動的張力付与機構であって、前記張力付与機構が、中央管腔が収縮し、封止される第1の構成と、前記中央管腔が開いている第2の構成との間で移動可能である能動的張力付与機構と、を備える、止血弁。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】第1の構成の止血弁の一実施形態の側断面図である。
【
図3】第2の構成の弁の一実施形態の側断面図である。
【
図4】第1の構成にあり、弁を通って延在するツールを備えた弁の一実施形態の側断面図である。
【
図5】第1の構成の単一のボタン止血弁の一実施形態の側断面図である。
【
図6】ループを形成する弁のフィラメントの斜視図である。
【
図7】それぞれのフィラメントがループを形成している、弁の2つのフィラメントの斜視図である。
【
図8】開いた状態で重なり合って連動する2つの湾曲部の斜視図である。
【
図9】は、閉じた状態で重なり合って連動する2つの湾曲部の斜視図である。
【
図10】弁および/またはカテーテルを封止する方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【
図11】送達装置を含む血栓除去システムの一実施形態の側面図である。
【
図12】ツーピースキャップを有する止血弁の別の実施形態の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示は、止血弁として使用できる弁に関する。本明細書でガロット弁とも称されるこの弁は、弁を通って延在するツールの有無にかかわらず封止することができる。ガロット弁は、カテーテル、ワイヤ、塞栓摘出システムなどを含む幅広い医療装置に便利な片手操作を提供する。この片手操作のガロット弁により、ユーザは止血を損なうことなく、弁を介して使用されている様々なツールを簡単かつ迅速に交換でき、手順を簡素化できる。片手操作と組み合わせることで、ガロット弁は、弁を貫通するツールの有無にかかわらず、堅牢な封止を提供する。この堅牢な封止は、弁の異なる側に圧力差があるアプリケーションでの漏れを最小限に抑える。この圧力差は、例えば、手順での真空吸引の適用中に発生する可能性がある。このような条件下でも、他の条件下でも、ガロット弁は封止の完全性を維持し、一方向または両方向への漏れを防ぐ。
【0023】
ガロット弁は、管状部材を含む。管状部材は、中央管腔を画定する可撓性部材であり、いくつかの実施形態では、単一の管腔を画定でき、いくつかの実施形態では、複数の管腔を画定できる。いくつかの実施形態では、複数の管腔のそれぞれは同じサイズおよび形状を含むことができ、いくつかの実施形態では、複数の管腔の内のいくつかまたはすべては異なるサイズおよび形状を含むことができる。いくつかの実施形態では、例えば、複数の管腔は、ガイドワイヤを受容するサイズおよび/または形状の管腔と、ツールを受容するサイズおよび/または形状の管腔と、を備えることができる。管状部材は、収縮機構を少なくとも部分的に通って延在する。収縮機構は、第1の構成から第2の構成に移動することができ、収縮機構は、収縮機構が第1の構成にあるときに、管状部材の中央管腔を折り畳むおよび/または封止することができる。収縮機構は、管状部材の、したがって弁の上述の堅牢な封止を作り出す。
【0024】
ここで
図1を参照すると、本明細書では送達装置100とも称される送達システム100の一実施形態の斜視図が示されている。送達システム100は、カテーテル102と、本明細書で弁104とも称されるガロット弁104と、を含むことができる。カテーテル102は、本明細書では第1の端部108とも称される近位端108を有する、本明細書では細長いシース106とも称されるシャフト106を備えることができ、これは弁104および、本明細書では第2の端部110とも称される遠位端110に接続できる。シャフト106は、シャフト106の近位端108からシャフト106の遠位端110まで延在するカテーテル管腔112を画定することができる。カテーテル102、特にシャフト106は、様々な形状およびサイズを含むことができ、様々な物質から作製することができる。いくつかの実施形態では、カテーテル102は、可撓性であり得、かつ/または生体適合性物質から作製され得る。細長いシース106は、少なくとも4フレンチ、少なくとも6フレンチ、少なくとも8フレンチ、少なくとも10フレンチ、少なくとも12フレンチ、少なくとも14フレンチ、少なくとも18フレンチ、少なくとも20フレンチ、少なくとも22フレンチ、4フレンチから30フレンチ、8フレンチから24フレンチ、12フレンチから20フレンチ、および/またはその他のサイズまたは中間サイズの外径を有することができる。
【0025】
弁104は、外側シェル114を含むことができる。外側シェル114は、様々な形状およびサイズを含むことができ、様々な物質から作製することができる。いくつかの実施形態では、外側シェル114は、1つまたはいくつかのポリマーまたは複合材料から作製することができる。外側シェル114は、弁104との相互作用および/またはその制御を可能にして、弁104を第1の構成と第2の構成との間で移動させる特徴を含むことができる。
【0026】
外側シェル114は、外側シェル114の近位端118に位置する近位キャップ116と、シェル114の遠位端122に位置する遠位キャップ120と、を含むことができる。近位キャップ116は、近位キャップ116を通って延在する、本明細書では近位チャネル124とも称される近位開口部124、第1のチャネル124、または第1の開口部124を含み、かつ/または受容することができ、遠位キャップ120は、遠位キャップ120を通って延在する、本明細書では遠位チャネル126、第2のチャネル126、または第2の開口部126とも称される遠位開口部126を含み、かつ/または受容する。
図1に見られるように、遠位キャップ120は、弁104の遠位端122でカテーテル102のシャフト106に接続する。
【0027】
近位キャップ116および遠位キャップ120は、ハウジング128を介して接続されている。ハウジング128は、ワンピースハウジング128またはマルチピースハウジング128であり得る。
図1に示される実施形態では、ハウジングはツーピースハウジング128を備える。ハウジング128は、近位キャップ116および遠位キャップ120のそれぞれを受容して結合するように構成することができ、
図1に見られるように、ハウジング128は近位キャップ116および遠位キャップ120のそれぞれと結合して、近位キャップ116と遠位キャップ120の互いに対する相対位置を固定する。
【0028】
ハウジング128は、本明細書では管状部材132、セプタム132、または管状セプタム132とも称される細長い部材132が延在し、近位キャップ116および遠位キャップ120を接続できる内部チャネル130を画定することができる。細長い部材132は、様々な形状およびサイズを含むことができ、様々な物質から作製することができる。いくつかの実施形態では、細長い部材132は、例えば、薄壁の柔軟な管状構造であり得る、柔軟な管状構造を備え得る。細長い部材132の薄壁構造は、細長い部材132の折り畳み、特に、均一な折り畳み、および細長い部材132の封止を促進することができる。いくつかの実施形態では、細長い部材132は、天然または合成ポリマーのいずれかを含むポリマーを含むことができる、弾力性のある弾性物質である。いくつかの実施形態では、細長い部材は、シリコーン、ウレタン、エチレン酢酸ビニル、天然または合成ゴム、または当技術分野で知られている他のエラストマーを含むことができる、弾力性のある、弾性物質を含むことができる。いくつかの実施形態では、細長い部材132は、シリコーン管を備えることができる。
【0029】
細長い部材132は、本明細書では第1の端部134とも称され、近位キャップ116に結合できる近位端134と、本明細書では第2の端部136とも称され、遠位キャップ120に結合できる遠位端136と、を備える。細長い部材132は、細長い部材132の第1の端部134から第2の端部136まで延在することができる中央管腔138を画定することができる。細長い部材132は、中央管腔138が近位キャップ116の近位開口部124と流体結合されるように、近位キャップ116に結合することができ、細長い部材132は、中央管腔138が遠位キャップ120の遠位開口部126と
図2および
図3に見られるように、流体結合されるように遠位キャップ120に結合することができる。
【0030】
細長い部材132の中央管腔138は、第1の端部134と第2の端部136との間の細長い部材132の長さに沿って均一であるか、または、第1の端部134と第2の端部136との間の細長い部材132の長さに沿って不均一である厚さを有し得る細長い部材132の壁によって画定され得る。いくつかの実施形態では、壁は、およそ0.005インチから0.05インチの間、かつ/またはおよそ0.010インチから0.030インチの間の厚さを有することができる。本明細書のどこかで使用される「およそ」は、「およそ」が使用される値の+/-10%の範囲および/または値の範囲を指す。
【0031】
いくつかの実施形態では、細長い部材132は、円筒形状であり得、具体的には円柱形状であり得る。いくつかの実施形態では、細長い部材132は、例えば近位キャップ116および遠位キャップ120のそれぞれへの接続を促進するためにドッグボーン形状とすることができる。いくつかの実施形態では、細長い部材132は、本明細書では張力付与機構141とも称される、細長い部材132に対する収縮機構141のすべてまたは部分の位置を固定するための弁104の収縮機構141のすべてまたは部分と係合する1つまたはいくつかの外向きに延在する突起を含むことができる。いくつかの実施形態では、収縮機構141は、弁104を通って延在する異なるサイズのツールの周りを封止するように自動調整することができる。
【0032】
収縮機構141は、いくつかの実施形態では、圧縮および/または収縮を介して、具体的には少なくとも1つのフィラメント150との収縮を介して、細長い部材132を折り畳み、封止することができる。収縮機構141は、1つまたはいくつかのボタン144などの手動アクチュエータであり得るアクチュエータ142および、細長い部材132の周りに少なくとも部分的に延在することができる少なくとも1つのフィラメント150を備えることができる。いくつかの実施形態において、収縮機構141の使用は、広範囲のサイズおよび/または直径のツールまたは器具の周り、特に、細長い部材132に嵌合するツールまたは器具の周りの弁の封止を促進することができる。
【0033】
ハウジング128は、1つまたはいくつかの保持特徴部140をさらに含むことができる。ハウジングの1つまたはいくつかの保持特徴部140は、弁104の収縮機構141のすべてまたは部分と係合し、保持することができる。いくつかの実施形態では、ハウジング128の1つまたはいくつかの保持特徴部140は、アクチュエータ142を保持することができ、かつ/またはアクチュエータ142をハウジング128に結合することができる。アクチュエータ142は、例えば、手動アクチュエータおよび/または、例えばソレノイドベースのアクチュエータを含む電気機械アクチュエータなどの自動アクチュエータを含む、任意の所望のタイプのアクチュエータを備えることができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータは1つまたはいくつかのボタン144を備えることができ、具体的には、
図1に示すように、アクチュエータ142は第1のボタン144-Aおよび第2のボタン144-Bを備えることができる。あるいは、
図5に示されるように、アクチュエータ142は単一のボタン144を備えることができる。このような実施形態では、フィラメント150は、単一のボタン144の移動が細長い部材132および弁104の封止および/または開放を引き起こすように、単一のボタン144およびハウジング128の一部分、例えばハウジング128の把持部500に結合することができる。
【0034】
アクチュエータ142は、例えば、第1の構成に向かって付勢されるか、または第2の構成に向かって付勢されるなど、構成に向かって付勢され得る。第1の構成の収縮機構141を示す
図2に示されるように、アクチュエータ142は、付勢特徴部146によって細長い部材132が折り畳まれ、かつ/または封止される第1の構成に向かって付勢され得る。この第1の構成では、ボタン144は、本明細書では非押下位置とも称される第1の位置にあり得る。この付勢特徴部146は、
図2に示すように、収縮機構141の第1の構成に対応する第1の位置に向かって第1のボタン144-Aを付勢するように構成された第1のばね148-Aと、収縮機構141の第1の構成に対応する第1の位置に向かって第2のボタン144-Bを付勢するように構成された第2のばね148-Bと、を含むことができる。第1のばね148-Aおよび第2のばね148-Bの一方または両方は、引張ばね、圧縮ばね、ねじりばね、コイルばね、または他の任意の所望のタイプのばねを備えることができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、第1のバネ148-Aおよび第2のバネ148-Bの一方または両方は、片手でアクチュエータ142の作動を可能にし、かつ、収縮機構141が第1の構成にあるときに、細長い部材132を折り畳み、封止するために十分な力を生成することができる。いくつかの実施形態では、第1のバネ148-Aおよび第2のバネ148-Bの一方または両方は、少なくとも0.1ポンド、少なくとも0.2ポンド、少なくとも0.3ポンド、少なくとも0.4ポンド、少なくとも0.5ポンド、少なくとも0.6ポンド、少なくとも0.7ポンド、少なくとも0.8ポンド、少なくとも0.9ポンド、少なくとも1ポンド、少なくとも1.5ポンド、少なくとも2ポンド、少なくとも3ポンド、少なくとも5ポンド、および/または、少なくとも10ポンドの力を生成することができ、いくつかの実施形態では、第1のバネ148-Aと第2のバネ148-Bの一方または両方は、約0.1から10ポンド、0.1から5ポンド、0.1から1.5ポンド、0.2から1ポンド、および/または0.4から0.8ポンドの間の力を生成できる。
【0036】
収縮機構141は、細長い部材132の周りに少なくとも部分的に延在する少なくとも1つのフィラメント150を含むことができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのフィラメント150は、収縮機構141が第1の構成にあるとき、細長い部材132を折り畳んで封止するように細長い部材132を円周方向に収縮させることができる。フィラメントは、例えば、ポリマー、合成、および/または金属を含む様々な物質から作製することができる。いくつかの実施形態では、フィラメント150は、ナイロン、ステンレス鋼、ニチノール、シリコーンなどとすることができる。いくつかの実施形態では、フィラメントは、例えば、モノフィラメントなどの単一のストランドを備えることができ、いくつかの実施形態では、フィラメントは、例えば、撚り、織り、グループ化、かつ/または融合して、フィラメントを形成し得る、複数のストランドを備えることができる。いくつかの実施形態では、フィラメント150は、1つまたはいくつかの糸、線、コード、ロープ、リボン、フラットワイヤ、シート、またはテープを備えることができる。
【0037】
フィラメント150は、フィラメント150が細長い部材132、具体的には細長い部材132の中央管腔138を選択的に収縮させ、折り畳み、かつ/または封止するように、アクチュエータ142の移動および/または位置に基づいて、アクチュエータ142に結合することができる。いくつかの実施形態では、ボタン144-A、144-Bが第1の位置にあるときに、フィラメント150は、フィラメント150が細長い部材132、具体的には細長い部材132の中央管腔138を折り畳み、収縮させ、かつ/または封止するように、ボタン144-A、144-Bの一方または両方に接続することができ、ボタン144-A、144-Bが第2の位置にあるときに、フィラメント150は、細長い部材132および具体的には細長い部材132の中央管腔138が開いており、折り畳まれていないように、ボタン144-A、144-Bの一方または両方に接続することができる。
図5に示されるように、アクチュエータ142が単一のボタン144を備えるいくつかの実施形態では、ボタン144が第1の位置に移動するときに、フィラメント150が締め付けられるように、フィラメント150をボタン144およびハウジング128に接続することができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのフィラメント150は、細長い部材132および/または開口部124、126の中心軸154に垂直であり得る軸152に沿って延在することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのフィラメント150の軸152は、細長い部材132および/または開口部124、126の中心軸154と交差し、かつ、それに対して垂直であり得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータ142、具体的にはボタン144-A、144-Bは、第1の位置から第2の位置に移動するときに、この軸152に沿って移動することができる。
【0039】
図3では、第2の構成の収縮機構141を備えた弁104の実施形態が示されている。具体的に示されるように、第1および第2のボタン144-A、144-Bの両方は、ハウジング128の保持特徴部140に押下された第2の位置にある。この第2の位置では、フィラメント150が緩められ、それにより、細長い部材132の拡張および細長い部材132の中央管腔138の封止解除が可能になる。
【0040】
図3にさらに見られるように、近位キャップ116は、近位端300および遠位端302を有する。近位キャップ116は、近位開口部124の漏斗部301を含むことができ、この漏斗部301は、近位開口部124へのツールの挿入を促進することができる。近位キャップ116の遠位端302は、ハウジング128の内部チャネル130内に部分的に延在することができる。近位キャップ116は、細長い部材132の近位端134と嵌合することができる嵌合特徴部304を含むことができる。いくつかの実施形態では、細長い部材132の近位端134は、近位キャップ116の嵌合特徴部304上に嵌合することができる。細長い部材132の近位端134は、細長い部材132の嵌合特徴部304と、嵌合特徴部304が挿入されるハウジング128の内部チャネル130の一部分との間で圧縮され、それにより、嵌合特徴部304上の細長い部材132の近位端134を固定することができる。いくつかの実施形態において、細長い部材132の近位端134は、ハウジング128と近位キャップ116の嵌合特徴部304との間で圧縮されて、細長い部材132を近位キャップ116と封止結合することができる近位Oリング306によって、嵌合特徴部304にさらに固定され得る。
【0041】
遠位キャップ120は、近位端308および遠位端310を有する。遠位キャップは、遠位キャップ120の近位端308に配置された嵌合特徴部312を含むことができ、その嵌合特徴部312は、細長い部材132の遠位端136と嵌合することができる。いくつかの実施形態では、細長い部材132の遠位端136は、遠位キャップ123の嵌合特徴部312上に嵌合することができる。細長い部材132の遠位端136は、細長い部材132の嵌合特徴部312と、嵌合特徴部312が挿入されるハウジング128の内部チャネル130の一部分との間で圧縮され、それにより、嵌合特徴部312上の細長い部材132の遠位端136を固定することができる。いくつかの実施形態では、細長い部材132の遠位端136は、ハウジング128と近位キャップ116の嵌合特徴部312との間で圧縮されて、細長い部材132を遠位キャップ120に封止結合することができる遠位Oリング314によって、嵌合特徴部312にさらに固定され得る。
【0042】
遠位キャップ120は、いくつかの実施形態では、遠位キャップ120から、具体的には遠位キャップ120の遠位開口部126から離れて横方向に延在することができるサイドポートバーブ314をさらに含むことができる。サイドポートバーブ314は、サイドポートバーブ314を通って延在することができ、遠位開口部126に流体接続することができるサイドポートチャネル316を画定することができる。いくつかの実施形態では、サイドポートバーブ314は、ホースまたは管のサイドポートバーブ314への結合を固定することができるバーブなどの固定特徴部318を含むことができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、サイドバーブ314を使用して、送達装置100の部分、特に、細長い部材132が封止する軸152の遠位にある送達装置100の部分に真空を適用することができる。この真空は、送達装置100を通して、具体的には送達装置のカテーテル102を通して、物質を吸引するために適用され得る。この吸引された物質は、例えば体液、例えば流体部分および少なくとも1つの固体部分を含むことができる多相体物質などを含む生物学的物質であり得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、収縮機構141が第1の構成にあるときに、細長い部材132の形状が狭くなるため、軸152に対して遠位の送達装置100の部分に加えられる真空は、細長い部材132を第1の構成に引き寄せ、また、いくつかの実施形態では、弁104の封止の強度、堅牢性、および/または強度を高めることができる。弁104のこの属性は、真空が弁の封止を損なう可能性がある他の弁の設計に勝る利点を提供することができ、したがって、真空を引いて吸引する能力を制限することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、弁104は、細長い部材132のすべてまたは部分に沿って延在することができる補強構造320をさらに含むことができる。補強構造320は、細長い部材132の均一な折り畳みを促進することができ、少なくとも1つのフィラメント150が細長い部材132を切断し、かつ/または引き裂くことを防ぐことができ、また、細長い部材132を通して1つまたはいくつかのツールを導くのを補助することができる。補強構造320は、管状とすることができ、細長い部材132に沿って、その周りに延在することができ、細長い部材132と少なくとも1つのフィラメント150との間にあるように位置付けることができる。
【0046】
補強構造320は、近位端322および遠位端324を含むことができる。いくつかの実施形態では、補強構造320は、細長い部材132に沿って、その周りに延在し、補強構造320の近位端322が細長い部材132の第1の端部134に近接し、補強構造320の遠位端324が細長い部材132の第2の端部136に近接するように位置付けられる。
【0047】
補強構造320は、細長い部材132に結合することができる。いくつかの実施形態では、補強構造320は、補強構造320の長さに沿って細長い部材132に結合され、いくつかの実施形態では、補強構造320は、細長い部材132および細長い部材132および/または補強構造320の長さに沿った別個の位置に結合される。一実施形態では、例えば、補強構造320は、補強構造320の近位端322および補強構造320の遠位端324の一方または両方で、かつ/または、細長い部材132の第1の端部134および第2の端部136の一方または両方で、細長い部材132に結合することができる。いくつかの実施形態では、補強構造320は、弁104の1つまたはいくつかの他の構成要素を介して、細長い部材132に結合することができる。いくつかの実施形態では、補強構造320は、ハウジング128と近位116および遠位120の一方または両方との間の補強構造320および細長い部材132の圧縮を介して細長い部材132に結合することができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、補強構造320は、例えば、シリコーン接着剤などの接着剤を介して、細長い部材132に接着することができる。いくつかの実施形態では、接着剤は、例えば、約0.010インチから0.5インチ、0.02から0.4インチ、0.050インチから0.0250インチ、または任意の他の範囲または中間範囲の間の長さを有することができる接着リングの補強構造320および/または細長い部材132に円周方向に塗布することができる。
【0049】
一実施形態では、補強構造320の近位端322および遠位端324のそれぞれは、接着剤を介して細長い部材132に接着することができる。このような実施形態では、補強構造320は、補強構造320の近位端322および遠位端324の一方または両方での結合以外の位置で細長い部材132に結合されていなくてもよく、したがって、補強構造320は細長い部材134の第1の端部134と第2の端部136の間、および/または補強構造320の近位端322と遠位端324の間の位置で細長い部材132に結合されていない。
【0050】
補強構造320の細長い部材132への結合の欠如は、
図4に示されるように、弁104を通して挿入される、本明細書では器具400または装置400とも称されるツール400の周りの細長い部材132の折り畳みを促進し、かつ改善することができる。ツール400は、例えば、1つまたはいくつかの追加的なカテーテル、線、ワイヤ、グリッパー、パンチ、カッターなどを含む、弁104を通して挿入される任意の装置であり得る。
図4に見られるように、ツール400は、弁104を通して、具体的には弁の細長い部材132を通して挿入される。示されるように、収縮機構141は第1の構成にあり、細長い部材132および細長い部材132の中央管腔138は、ツール400の周り、具体的にはツール400のシャフト402の周りに折り畳まれ、それにより、ツール400の周り、具体的にはツール400のシャフト402の周りで弁104を封止する。収縮機構141は、ツール400のサイズに関係なく、細長い部材132を通って嵌合するツール400の周りを封止することができる。したがって、弁は様々なツールで使用できる。
【0051】
補強構造320は、様々な設計、形状、サイズ、および物質を含むことができる。いくつかの実施形態では、補強構造320は、細長い部材132を受容し、細長い部材132と少なくとも1つのフィラメント150との間に位置付けられるようなサイズおよび形状とすることができる。いくつかの実施形態では、補強構造320は、細長い部材132を通る少なくとも1つのフィラメント150の切断を防止するのに十分に強い物質から作製することができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、補強構造は、コイルまたはメッシュシースを備えることができる。メッシュシースは、いくつかの実施形態では、編組メッシュを備えることができる。編組メッシュは、任意の所望の構成で任意の所望の数のワイヤから作製することができる。いくつかの実施形態では、編組メッシュは、4ワイヤ編組メッシュ、8ワイヤ編組メッシュ、12ワイヤ編組メッシュ、16ワイヤ編組メッシュ、20ワイヤ編組メッシュ、24ワイヤ編組メッシュ、32ワイヤ編組メッシュ、48ワイヤ編組メッシュ、64ワイヤ編組メッシュ、72ワイヤ編組メッシュ、80ワイヤ編組メッシュ、96ワイヤ編組メッシュ、または任意の他の、または中間編組メッシュを含むことができる。一部分の実施形態では、編組メッシュは、1×1構成を備えることができる。いくつかの実施形態では、編組メッシュのワイヤは、例えば、ニチノールワイヤもしくはステンレス鋼ワイヤなどの金属ワイヤ、ポリマーワイヤ、または天然ワイヤを含む任意の所望の物質であり得る。一実施形態では、編組メッシュは、0.003インチの直径を有するニチノールワイヤで作製された1×1構成の48ワイヤメッシュを備えることができる。
【0053】
ここで
図6から9を参照すると、フィラメント150の異なる実施形態および/または構成が示されている。フィラメント150は、
図6に示されるように、第1の端部600および第2の端部602を有する単一のフィラメント150を備えることができる。フィラメント150、具体的には第1および第2の端部600、602をアクチュエータ142に結合して、フィラメント150を、第1および第2の構成または位置間で、かつ/または、第1の構成または位置から第2の構成または位置に移動させることができる。いくつかの実施形態では、第1の端部600および第2の端部602の両方を単一のボタン144に結合することができ、いくつかの実施形態では、第1の端部600および第2の端部602のそれぞれを異なるボタン144に結合することができ、いくつかの実施形態では、第1の端部600および第2の端部602の一方をボタン144に結合し、第1の端部600および第2の端部602の他方をハウジング128または弁104の他の部分に結合することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、フィラメント150は複数のフィラメントを備えることができ、具体的には、
図7から9に示すように、フィラメント150は第1のフィラメント150-Aおよび第2のフィラメント150-Bを備えることができる。フィラメント150が複数のフィラメントを備える実施形態では、複数のフィラメントのそれぞれは、第1の端部700および第2の端部702を有することができる。第1および第2のフィラメント150-A、150-Bは、アクチュエータ142に結合され得る。このような実施形態では、第1および第2の端部700、702をアクチュエータ142に結合して、フィラメント150-A、150-Bを第1および第2の構成間および/または第1の構成から第2の構成に移動できる。いくつかの実施形態では、複数のフィラメント150の内の1つまたは複数の第1の端部700および第2の端部702の両方を単一のボタン144に結合することができ、いくつかの実施形態では、複数のフィラメント150の内の1つまたは複数の第1の端部700および第2の端部702のそれぞれを異なるボタン144に結合することができ、いくつかの実施形態では、複数のフィラメント150の内の1つまたは複数の第1の端部700および第2の端部702の一方を1つのボタン144に結合することができ、それらの1つまたは複数のフィラメント150の第1の端部700および第2の端部702の他方をハウジング128または弁104の他の部分に結合することができる。
【0055】
フィラメント150は、様々な構成で配置することができる。いくつかの実施形態では、フィラメント150は、
図6に示すように、細長い部材132の周りに延在することができる、かつ/または細長い部材132を受容することができる単一のループ604を形成するように構成することができ、いくつかの実施形態では、フィラメント150は、
図7に示すように、複数のループ、具体的には第1のループ704および第2のループ706を形成するように構成することができる。第1および第2のループ704、706はそれぞれ、細長い部材132を受容することができる。いくつかの実施形態では、収縮機構141が第2の構成から第1の構成に移動するときに、ループ604またはループ704、706の直径またはサイズが縮小する可能性がある。
【0056】
いくつかの実施形態では、フィラメント150は、湾曲部800を形成するように構成することができ、湾曲部800は、単一の湾曲部または複数の湾曲部であり得る。本明細書で使用するとき、「湾曲」とは、フィラメント150の2つの端部の間のU字形状の部分を指す。
図8および
図9に示すように、湾曲部800は複数の湾曲部、具体的には第1の湾曲部800-Aおよび第2の湾曲部800-Bを備えることができる。いくつかの実施形態において、第1の湾曲部800-Aは、第1および第2の湾曲部800-A、800-Bが連動するように第2の湾曲部800-Bを通って延在することができるが、他の実施形態では、第1および第2の湾曲部800-A、800-Bは非連動にすることができる。同様に、複数のループを有するフィラメント150を含む実施形態では、複数のループの内の1つまたはいくつかが連動していてもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、湾曲部800、具体的には第1の湾曲部800-Aおよび第2の湾曲部800-Bの一方または両方は、細長い部材132の一部分の周りに形成することができ、かつ/または細長い部材132の一部分の周りに延在することができる。各湾曲部800は、細長い部材132を受容することができる、部分的に囲まれた受容領域808を画定することができる。したがって、第1の湾曲部800-Aは第1の受容領域808-Aを画定することができ、第2の湾曲部800-Bは第2の受容領域808-Bを画定することができる。
【0058】
図8および9に見られるように、複数の湾曲部、特に第1および第2の湾曲部800-A、800-Bは、第1の湾曲部800-Aが矢印810で示されるように第1の配向または第1の方向を有するように位置付けられ、配向されることができ、第2の湾曲部は、矢印812によって示されるように第2の配向または第2の方向を有する。いくつかの実施形態では、第1および第2の受容領域808-A、808-Bが重なり合い、本明細書では収縮領域814とも称される、囲まれた領域814を画定するように、第1の配向は第2の配向とは異なる。細長い部材132は、囲まれた領域814内に受容され得る。湾曲部800-A、800-Bが重なり合って囲まれた領域814を画定する実施形態では、収縮機構141の第1の構成への移動は、第1の湾曲部800-Aが矢印810によって示される方向に移動すること、および/または、第2の湾曲部800-Bが矢印812によって示される方向に移動することをもたらし、かつ/または、含むことができ、湾曲部800-A、800-Bの移動により、囲まれた領域814のサイズが縮小し、囲まれた領域814を通って延在する細長い部材132を収縮させ、折り畳み、かつ/または封止する。
【0059】
湾曲部800を形成するフィラメント150(複数可)はそれぞれ、細長い部材132に、圧力の弓状の線または狭い長手方向ゾーンを加えることができる。フィラメント(複数可)の断面が円形である場合、圧力のゾーンは非常に小さくすることができ、いくつかの実施形態では、フィラメントの直径または厚さより小さくすることができる。いくつかの実施形態において、フィラメントは、約2.5mm未満、約2mm未満、約1.5mm未満、約1.25mm未満、約1mm未満、約0.75mm未満、約0.5mm未満、および/または約0.25mm未満の直径または幅を有する。いくつかの実施形態では、フィラメントは、約0.01mmから2.5mm、約0.05mmから2mm、約0.1mmから1mm、および/または約0.125mmから0.70mmの直径または幅を有することができる。いくつかの実施形態において、圧力の弓状の線またはゾーンは、2つの対向する弧を形成し得、他の実施形態において、圧力の弓状ラインは、細長い部材を少なくとも1回囲む単一の実質的に円形の線またはゾーンであり得る。圧力の線またはゾーンの長手方向の長さは、当技術分野で知られている他の弁と比較して非常に短くてもよい。いくつかの実施形態では、フィラメント(複数可)150によって細長い部材132に加えられる圧力ゾーンの長手方向の長さは、約2.0mm未満であり得、いくつかの実施形態では約0.5mm未満であり得る。いくつかの実施形態では、フィラメント(複数可)150は、例えば、円形断面、長方形断面、楕円形断面、正方形断面、多角形断面、三角形断面、または任意の断面形状を含む任意の他の所望の断面形状を有することができる。
【0060】
ここで
図10を参照すると、患者の身体にアクセスする弁104および/またはカテーテル102を封止するためのプロセス1000の一実施形態を示すフローチャートが示されている。プロセス1000は、弁104および/または送達システム100を使用して実施することができる。プロセス1000は、ブロック1002で始まり、送達装置100、具体的には送達装置100のカテーテル102が患者の体内に挿入される。いくつかの実施形態では、これは、例えば、動脈または静脈血管を含む血管などの患者の循環器システムの一部分にカテーテル102を挿入することを含むことができる。いくつかの実施形態では、送達装置100は、患者の開口部または切開部から患者の体内に直接挿入することができ、いくつかの実施形態では、送達装置100は、別のカテーテルまたは装置を介して患者の体内に挿入することができる。いくつかの実施形態では、送達装置100および/またはカテーテル102が患者の体内に挿入されている間、収縮機構141は第1の構成にあり得る。
【0061】
送達装置100が患者の体内に挿入された後、プロセス1000はブロック1004に進み、そこで収縮機構141が第1の構成から第2の構成に移動する。上述のように、細長い部材132の中央管腔138は、収縮機構141が第2の構成にあるとき、封止解除される。いくつかの実施形態では、収縮機構141の第1の構成から第2の構成への移動は、アクチュエータ142の操作および/またはアクチュエータ142の制御、特に移動するための1つまたはいくつかのボタン144の押下を含み得、フィラメント150を第1の位置から第2の位置に移動させて、細長い部材132の中央管腔138の拡張および開口を可能にする。
【0062】
収縮機構141が第1の構成から第2の構成に移動した後、プロセス1000はブロック1006に進み、ツール400、具体的にはツール400のシャフト402は、ツールの第1の端部が患者の体内の所望の位置に到達するまで、送達装置100、具体的には弁104を通って前進する。いくつかの実施形態において、シャフト402の一部分は、送達装置100を介してツール400が前進した後、細長い部材132の中央管腔138内に位置付けられ得る。いくつかの実施形態では、ツール400が送達装置100を通って前進した後、所望の手順をツールで実行することができる。
【0063】
ツール400が送達装置100を通って前進した後、またはツール400が送達装置100を通って前進している間に、プロセス1000はブロック1008に進み、収縮機構141は第1の構成に戻る。いくつかの実施形態では、収縮機構141を第1の構成に戻すことは、1つまたはいくつかのボタン144の解放および/または収縮機構141を第1の構成に再構成するアクチュエータ142の制御を含み得る。いくつかの実施形態では、収縮機構141の第1の構成への復帰は、細長い部材132、具体的には、細長い部材132の中央管腔138の、ツール400の周りの、また、具体的には、ツール400のシャフト402の周りの折り畳みおよび/または封止をもたらし得る。収縮機構141の第1の構成への復帰、または収縮機構141の第1の構成への移動は、フィラメント150および/または、例えば、矢印810で示される第1の方向への第1の湾曲部800-Aの移動、および矢印812で示される第2の方向への第2の湾曲部800-Bの移動などの、1つまたはいくつかの湾曲部800の移動によって形成される、1つまたはいくつかのループのサイズおよび/または直径の縮小を含み、収縮領域814のサイズを縮小することができる。いくつかの実施形態では、収縮機構が第1の構成に戻された後、ツールを使用して所望の手順を実行することができる。
【0064】
収縮機構が第1の構成に戻された後、プロセス1000はブロック1010に進み、ツール400、具体的にはツール400のシャフト402は、送達装置100から、より具体的には弁104から引き込まれる。いくつかの実施形態では、弁104は、ツール400および/またはツールのシャフト402の引き込み中に封止されたままであり得る。いくつかの実施形態では、ツール400および/またはツール400のシャフト402の引き込み中、収縮機構141は第1の構成のままであり得るため、ツール400の引き込み中および/またはツール400のシャフト402の引き込み中、弁104は封止されたままである。
【0065】
いくつかの実施形態では、収縮機構141を第2の構成に移動し、ツール400および/またはツール400のシャフト402を弁104から引き込むことができ、ツール400および/またはツール400のシャフト402が弁104から取り外されるとき、収縮機構141を第1の構成に戻すことができる。いくつかの実施形態において、弁104からのツール400および/またはツール400のシャフト402の引き込みは、収縮機構141を第1の構成のままにして実行することができる。いくつかの実施形態では、収縮機構141は、第2の構成に移動し、次いで、アクチュエータ142の操作および/または制御を介して第1の構成に戻ることができ、アクチュエータ142の操作および/または制御は、収縮機構141を第2の構成に移動させるための1つまたはいくつかのボタン144の押下、および収縮機構141を第1の構成に戻すための1つまたはいくつかのボタン144の解放を含み得る。いくつかの実施形態では、処置が完了した場合、送達装置100を患者の身体から除去することができ、処置のために作成された切開部を閉じることができる。
【0066】
ここで
図11を参照すると、送達装置100および血栓摘出装置1102を含む血栓除去システム1100の一実施形態の側面図が示されている。いくつかの実施形態では、血栓除去システム1100を使用して、血管1104にアクセスし、血管1104から血栓1106を治療し、かつ/または抽出することができる。血栓摘出装置1102は、自己拡張コアリング要素206および拡張可能な円筒形部分208を含むことができる。いくつかの実施形態では、
図11に示すように、血栓摘出装置1102は、弁104を通って延在することができるツール400であり得、いくつかの実施形態では、弁104は血栓摘出装置1102の一部分であり得る。血栓除去システム、血栓摘出装置、およびそれらの使用方法の詳細は、2016年9月16日に出願され、「INTRAVASCULAR TREATMENT OF VASCULAR OCCLUSION AND ASSOCIATED DEVICES,SYSTEMS,AND METHODS」と題された米国出願第15/268,296号、2017年4月26日に出願され、「DEVICE AND METHOD FOR TREATING VASCULAR OCCLUSION」と題された米国出願第15/498,320号および、2017年3月22日に出願され、「DEVICE AND METHOD FOR TREATING VASCULAR OCCLUSION」と題された米国出願第15/466,740号に開示されており、そのそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0067】
ここで
図12を参照すると、ツーピースキャップ116、120を有する止血弁104の別の実施形態の側断面図が示されている。弁104は、管状部材132が延在する内部チャネル130を画定するハウジング128を含むことができる。弁104は、近位キャップ116および遠位キャップ120を含むことができる。いくつかの実施形態では、近位キャップ116は、ツーピースキャップを備えることができ、近位外部材1200および近位チャネル部材1202を含むことができる。いくつかの実施形態では、遠位キャップ120は、ツーピースキャップを備えることができ、遠位外部材1204および遠位チャネル部材1206を含むことができる。いくつかの実施形態では、近位外部材1200と近位チャネル部材1202との間のこの結合および/または遠位外部材1204と遠位チャネル部材1206との間の結合は、近位外部材1200と近位チャネル部材1202および/または遠位外部材1204と遠位チャネル部材1206のそれぞれの間の流体またはガスを含む物質の漏れを防ぐように封止結合であり得る。いくつかの実施形態では、この封止結合は、近位外部材1200と近位チャネル部材1202との間、および/または遠位外部材1204と遠位チャネル部材1206との間に位置付けられ得るO-リング1208などの封止を介して達成および/または維持され得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、近位外部材1200を結合することができ、いくつかの実施形態では、近位チャネル部材1202を回転させることなく近位外部材1200の回転を可能にするように近位チャネル部材1202に回転可能に結合することができる。同様に、いくつかの実施形態では、遠位外部材1204は、遠位チャネル部材1206を回転させることなく遠位外部材1204の回転を可能にするように遠位チャネル部材1206に回転可能に結合することができる。いくつかのこのような実施形態では、チャネル部材1202、1206は、ハウジング128および/または管状部材132に対して回転不能であり得、外部材1200、1204の一方または両方は、ハウジング128および/または管状部材132に対して回転可能であり得る。このような実施形態では、ハウジング128および/または管状部材132に対するチャネル部材1202、1206の回転位置の維持により、管状部材132のねじれを防止することができ、その結果、収縮機構141の構成に関わらず、管状部材132の封止がもたらされ得る。
【0069】
外部材1200、1204は、様々な形状およびサイズを含むことができ、様々な特徴を含むことができる。いくつかの実施形態において、外部材1200、1204の一方または両方は、例えば、
図1に示されるシャフト106と同様のシャフトに結合され得る。いくつかの実施形態では、例えば、遠位外部材1204は、例えば、シャフト106に取り外し不能に結合することができるなど、シャフト106に結合することができる。いくつかの実施形態では、外部材の一方または両方は、弁104との結合を促進するように構成された1つまたはいくつかの特徴を含むことができる。これらの1つまたは複数の機能には、例えば、1つまたは複数のオスまたはメスのコネクタ、カプラー、取り付け機構などを含むことができる。いくつかの実施形態では、これらの1つまたはいくつかの特徴は、他の既存の構成要素、器具、ツールなどに伴う弁の使用を促進することができる。いくつかの実施形態では、例えば、外部材1200、1204の一方または両方がオスまたはメスのルアーフィッティングを備えることができ、具体的には
図12に示すように、遠位外部材1204はオスルアーフィッティング1210を含むことができる。
【0070】
本技術のいくつかの態様は、以下の例に記載されている。
1.医療装置を封止するための止血弁であって、
第1の端部、第2の端部、およびそれらの間に延在する中央管腔を有する、細長い部材であって、柔軟である、前記細長い部材と、
前記細長い部材の少なくとも一部分に沿って延在する補強構造であって、前記細長い部材に結合されている、前記補強構造と、
前記細長い部材に結合された能動的張力付与機構であって、前記中央管腔が収縮し、封止される第1の構成と、前記中央管腔が開いている第2の構成との間で移動可能である、前記張力付与機構と、を備える、止血弁。
2.前記細長い部材が、柔軟なポリマー管を備える、実施例1に記載の止血弁。
3.前記張力付与機構が、前記細長い部材の周りに少なくとも部分的に延在する、少なくとも1つのフィラメントを備える、実施例1または2に記載の止血弁。
4.前記補強構造が、前記少なくとも1つのフィラメントと前記細長い部材との間に位置付けられている、実施例3に記載の止血弁。
5.前記補強構造が、編組メッシュを備える、実施例4に記載の止血弁。
6.前記補強構造が、前記細長い部材の前記第1の端部に近接した位置および前記細長い部材の前記第2の端部に近接した位置で、前記細長い部材に結合されている、実施例4または5に記載の止血弁。
7.前記補強構造が、前記細長い部材の前記第1の端部と前記細長い部材の前記第2の端部との間の位置で前記細長い部材に結合されていない、実施例6に記載の止血弁。
8.前記張力付与機構が、前記少なくとも1つのフィラメントに結合されたアクチュエータを備え、前記アクチュエータが、前記中央管腔が収縮し、封止される第1の位置から、前記中央管腔が開いている第2の位置への、前記少なくとも1つのフィラメントの移動を制御するように移動可能であり、前記張力付与機構が前記第1の構成にあるとき、前記少なくとも1つのフィラメントが前記第1の位置にある、実施例3~7のいずれか1つに記載の止血弁。
9.前記アクチュエータが、前記第1の位置に向かって付勢されている、実施例8に記載の止血弁。
10.前記アクチュエータが、前記第2の位置に向かって付勢されている、実施例8または9に記載の止血弁。
11.前記アクチュエータが、手動アクチュエータを備える、実施例8~10のいずれか1つに記載の止血弁。
12.前記少なくとも1つのフィラメントが、前記細長い部材の周りにループを形成する、実施例8~11のいずれか1つに記載の止血弁。
13.前記少なくとも1つのフィラメントが、前記細長い部材の一部の周りに湾曲部を形成する、実施例8~12のいずれか1つに記載の止血弁。
14.前記少なくとも1つのフィラメントが、第1のフィラメントおよび第2のフィラメントを備え、前記第1のフィラメントおよび前記第2のフィラメントのそれぞれが、前記アクチュエータに結合されており、前記第1のフィラメントおよび前記第2のフィラメントが、前記第1の位置から第2の位置に移動可能である、実施例8~13のいずれか1つに記載の止血弁。
15.前記第1のフィラメントおよび前記第2のフィラメントのそれぞれが、前記細長い部材の周りにループを形成する、実施例14に記載の止血弁。
16.前記第1のフィラメントが、前記細長い部材の第1の部分の周りに第1の湾曲部を形成し、前記第2のフィラメントが、前記細長い部材の第2の部分の周りに第2の湾曲部を形成する、実施例14または15に記載の止血弁。
17.前記第1の湾曲部が前記第2の湾曲部を通って延在する、実施例16に記載の止血弁。
18.第1の開口部および第2の開口部を画定するシェルをさらに備える止血弁であって、前記細長い部材が前記第1の開口部から前記第2の開口部へと延在し、前記第1の開口部および前記第2の開口部を流体結合する、実施例1~17のいずれか1つに記載の止血弁。
19.前記張力付与機構が、前記止血弁を通って延在する異なるサイズのツールの周りを封止するように自己調整可能である、実施例1~18のいずれか1つに記載の止血弁。
20.前記中央管腔が単一の管腔を備える、実施例1~19のいずれか1つに記載の止血弁。
21.前記中央管腔が複数の管腔を備える、実施例1~20のいずれか1つに記載の止血弁。
22.患者の体内の血管への血管内アクセスのための送達システムであって、
第1の端部、第2の端部、およびそれらの間に延在するカテーテル管腔を有する、カテーテルと、
前記カテーテルの前記第1の端部に結合された止血弁であって、止血弁は、
第1の端部、第2の端部、およびそれらの間に延在する中央管腔を有する、管状部材であって、前記管状部材の前記中央管腔が、前記カテーテル管腔と流体結合されている、前記管状部材と、
前記管状部材に結合された能動的張力付与機構であって、前記張力付与機構が前記中央管腔を収縮させ、前記中央管腔が封止される第1の構成と、前記中央管腔が開いている第2の構成との間で移動可能である、前記張力付与機構と、を備える、止血弁とを備える、送達システム。
23.前記止血弁が、前記管状部材の少なくとも一部に沿って延在する補強構造をさらに備える、実施例22に記載の送達システム。
24.前記補強構造が、前記張力付与機構と前記管状部材との間に配置される、実施例22または23に記載の送達システム。
25.前記補強構造が編組メッシュを備える、実施例24に記載の送達システム。
26.前記補強構造が、前記管状部材の前記第1の端部に近接した位置および前記管状部材の前記第2の端部に近接した位置で前記管状部材に結合される、実施例24または25に記載の送達システム。
27.前記補強構造が、前記管状部材の前記第1の端部および前記管状部材の前記第2の端部で前記管状部材に接着される、実施例26に記載の送達システム。
28.前記補強構造が、前記管状部材の前記第1の端部と前記管状部材の前記第2の端部との間で前記管状部材に結合されていない、実施例27に記載の送達システム。
29.前記張力付与機構が、前記管状部材の周りに少なくとも部分的に延在する少なくとも1つのフィラメントを備える、実施例22~28のいずれか1つに記載の送達システム。
30.前記張力付与機構が、前記少なくとも1つのフィラメントに結合されたアクチュエータを備え、前記張力付与機構を前記第1の構成から前記第2の構成に移動させることが、前記アクチュエータおよびそれに結合された少なくとも1つのフィラメントを第1の位置から第2の位置へと移動させることを含み、前記フィラメントが前記第1の位置にあるとき、前記フィラメントが前記管状部材の前記中央管腔を収縮させ、封止する、実施例29に記載の送達システム。
31.前記アクチュエータが手動アクチュエータを備える、実施例30に記載の送達システム。
32.前記アクチュエータが、一対の対向する、かつ押下可能なボタンを備え、前記ボタンが、非押下位置に向かって付勢される、実施例31に記載の送達システム。
33.前記ボタンが前記非押下位置にあるときに、前記中央管腔が封止される、実施例31または32に記載の送達システム。
34.前記フィラメントがモノフィラメントを備える、実施例30~33のいずれか1つに記載の送達システム。
35.前記フィラメントが、ポリマーフィラメントまたは金属フィラメントのうちの少なくとも1つを備える、実施例30~34のいずれか1つに記載の送達システム。
36.前記カテーテルが、血栓摘出装置を備える、実施例22~35のいずれか1つに記載の送達システム。
37.患者の血管にアクセスする送達装置を封止する方法であって、
カテーテルおよび止血弁を備える前記送達装置を前記患者の前記血管内に挿入することであって、前記カテーテルが、第1の端部、第2の端部、および前記カテーテルを通って延在するカテーテル管腔を有し、前記止血弁が、前記第1の端部に結合されており、前記カテーテル管腔と流体結合された中央管腔を画定する管状部材と、前記管状部材と結合された張力付与機構と、を有し、前記張力付与機構が、第1の構成において、前記中央管腔を折り畳み、かつ封止し、それにより前記血管へのアクセスを封止する、挿入することと、
前記止血弁の前記張力付与機構を第2の構成に移動させることであって、前記張力付与機構が前記第2の構成にあるとき、前記中央管腔が開いており、前記血管へのアクセスが封止解除されている、移動させることと、
ツールの第1の端部が前記患者の前記血管内の所望の位置に到達し、シャフトの一部分が前記管状部材の前記中央管腔内に位置付けられるまで、前記ツールの前記シャフトを、前記送達装置を通して前進させることと、
前記管状部材が前記ツールの前記シャフト上で折り畳まれ、前記ツールの前記シャフトの周りを封止するように、前記止血弁の前記張力付与機構を前記第1の構成に戻すことと、を含む、方法。
38.前記送達装置から前記ツールの前記シャフトを引き込むことをさらに含む、実施例37に記載の方法。
39.前記張力付与機構が、前記送達装置からの前記ツールの前記シャフトの引き込み中および引き込み後、前記第1の構成に維持される、実施例38に記載の方法。
40.前記張力付与機構が、前記送達装置からの前記ツールのシャフトの引き込み中に前記第2の構成に移動され、前記張力付与機構が、前記ツールの前記シャフトが前記送達装置から引き込まれた後、前記第1の構成に戻る、実施例38または39に記載の方法。
41.前記張力付与機構が、前記管状部材の周囲に少なくとも部分的に延在する少なくとも1つのフィラメントを備え、前記少なくとも1つのフィラメントが、前記張力付与機構が前記第1の構成にあるときに前記管状部材を折り畳む、実施例37~40のいずれか1つに記載の方法。
42.前記少なくとも1つのフィラメントが、前記張力付与機構が前記第1の構成にあるときに、前記管状部材を円周方向に収縮させて前記管状部材を折り畳む、実施例41に記載の方法。
43.前記止血弁が、前記少なくとも1つのフィラメントと前記管状部材との間に位置する補強構造を備える、実施例41または42に記載の方法。
44.前記少なくとも1つのフィラメントが前記細長い部材の周りにループを形成し、前記張力付与機構を前記第2の構成から前記第1の構成に移動させることが、前記ループのサイズを縮小し、それによって前記ループ内の前記管状部材を収縮させる、実施例41~43のいずれか1つに記載の方法。
45.前記フィラメントが、前記細長い部材の一部の周りに少なくとも1つの湾曲部を形成する、実施例41~44のいずれか1つに記載の方法。
46.前記フィラメントが第1のフィラメントおよび第2のフィラメントを備え、前記少なくとも1つの湾曲部が、第1の方向に配向され、前記第1のフィラメントによって形成された第1の湾曲部と、第2の方向に配向され、前記第2のフィラメントによって形成された第2の湾曲部と、を備え、前記第1および第2の湾曲部が、前記収縮領域内で重なりあって、前記管状部材の一部を取り囲む、実施例45に記載の方法。
47.前記張力付与機構を前記第2の構成から前記第1の構成に移動させることが、前記第1の湾曲部を前記第1の方向に、前記第2の湾曲部を前記方向に移動させて、前記収縮領域のサイズを縮小し、前記管状部材の前記中央管腔を折り畳んで封止することを含む、実施例46に記載の方法。
48.前記張力付与機構がアクチュエータを備え、前記張力付与機構を前記第2の構成に移動させることが、前記アクチュエータを操作することを含む、実施例37~47のいずれか1つに記載の方法。
49.前記カテーテルを通して物質を吸引するために、前記送達装置に真空を適用することをさらに含み、前記中央管腔が、前記吸引中に封止されたままである、実施例37~48のいずれか1つに記載の方法。
50.前記ツールが血栓摘出装置を備える、実施例37~49のいずれか1つに記載の方法。
51.医療装置を封止するための止血弁であって、
第1の端部、第2の端部、およびそれらの間に延在する複数の管腔を備えた中央管腔を有する細長い部材であって、柔軟である細長い部材と、
前記細長い部材に結合された能動張力付与機構であって、前記張力付与機構が、中央管腔が収縮し、封止される第1の構成と、前記中央管腔が開いている第2の構成との間で移動可能である前記能動張力付与機構と、を備える、止血弁。
【0071】
他の変形例は、本発明の趣旨の範囲内にある。したがって、本発明は様々な修正および代替構成が可能であるが、その特定の例示の実施形態が図面に示されており、上記で詳細に説明されてきた。ただし、開示された特定の形式に本発明を限定する意図はなく、反対に、その意図は、添付の特許請求の範囲で定義されている本発明の趣旨および範囲内にあるすべての修正例、代替構造、および均等物を網羅することであることを理解されたい。
【0072】
前述の説明では、本発明の様々な実施形態が説明された。説明の目的で、実施形態の完全な理解を提供するために、特定の構成および詳細が説明される。しかし、本発明が特定の詳細なしで実施され得ることも当業者には明らかであろう。さらに、説明されている実施形態を不明瞭にしないために、周知の特徴は省略または簡略化することができる。
【0073】
本発明を説明する文脈において(特に以下の特許請求の範囲の文脈において)用語「a」および「an」および「the」および類似の指示物の使用は、本明細書において別段の指示がない限り、または、文脈によって明らかに矛盾していない限り、単数および複数の両方を包含すると解釈されるべきである。「備える」、「有する」、「含む」、および「含める」という用語は、特に断りのない限り、無制限の用語(つまり、「含むが、これに限定されない」という意味)と解釈される。「接続された」という用語は、たとえ何かが介在していても、部分的または全体的に含まれている、取り付けられている、または一緒に結合されていると解釈される。本明細書での値の範囲の列挙は、本明細書で特に明記しない限り、範囲内に入る各個別の値を個別に参照する略記法として機能することを意図しているだけであり、各個別の値は、本明細書に個別に記載されているかのように明細書に組み込まれている。本明細書に記載されるすべての方法は、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈により明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書で提供されるありとあらゆる例、または例示的な言葉(例えば「など」)の使用は、本発明の実施形態をより良く照らすことを単に意図しており、別段の請求がない限り、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書中における文言は、非請求要素が本発明の実施に不可欠であることを示すと解釈されるべきではない。
【0074】
本発明を実施するために発明者に知られている最良の形態を含む、本発明の好ましい実施形態が本明細書に記載されている。これらの好ましい実施形態の変形例は、前述の説明を読むと当業者に明らかになる可能性がある。本発明者らは、当業者がこのような変形例を適切に使用することを期待し、本発明が本明細書に具体的に記載された以外の方法で実施されることを意図している。したがって、本発明は、適用法で許可されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲に列挙された主題のすべての修正例および等価物を含む。さらに、そのすべての可能な例における上記要素の任意の組み合わせは、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈により明らかに矛盾しない限り、本発明に含まれる。
【0075】
本明細書で引用される出版物、特許出願、および特許を含むすべての参考文献は、各参考文献が個別におよび具体的に参照により組み込まれることが示され、その全体が本明細書に示されるのと同じ程度に参照により組み込まれる。