(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-31
(45)【発行日】2023-04-10
(54)【発明の名称】リバースタイムマイグレーションにおける偽像除去
(51)【国際特許分類】
G01V 1/36 20060101AFI20230403BHJP
G06T 5/10 20060101ALI20230403BHJP
G01V 1/00 20060101ALI20230403BHJP
【FI】
G01V1/36
G06T5/10
G01V1/00 C
(21)【出願番号】P 2020514708
(86)(22)【出願日】2018-09-07
(86)【国際出願番号】 US2018049834
(87)【国際公開番号】W WO2019051151
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2021-09-07
(32)【優先日】2017-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506018363
【氏名又は名称】サウジ アラビアン オイル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100097320
【氏名又は名称】宮川 貞二
(74)【代理人】
【識別番号】100155192
【氏名又は名称】金子 美代子
(74)【代理人】
【識別番号】100131820
【氏名又は名称】金井 俊幸
(74)【代理人】
【識別番号】100215049
【氏名又は名称】石川 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100100398
【氏名又は名称】柴田 茂夫
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,チアルイ
(72)【発明者】
【氏名】フェイ,トン ワン
(72)【発明者】
【氏名】ルオ,イー
【審査官】佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0149046(US,A1)
【文献】特表2014-506317(JP,A)
【文献】Wang Meixia et al.,RTM artifact removal via a fast algorithm for wavefield decomposition,SEG TECHNICAL PROGRAM EXPANDED ABSTRACTS,2016年,4690-4694
【文献】Faqi Liu et al.,An effective imaging condition for reverse-time migration using wavefield decomposition,Geophysics,2011年,vol.76, No.1,29-39
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 1/00-99/00
G06T 1/00- 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地震深度イメージングのために、リバースタイムマイグレーションにおいて偽像を除去するためのコンピュータ実装方法(400)であって、前記コンピュータ実装方法は:
ソース波動場S(ベクトルx,t)及びレシーバ波動場R(ベクトルx,t)のボリュームを複数のウィンドウに分割するステップ
(405)であって、ベクトルx=(x,y,z)は位置ベクトルを表し、tは時間を表す、前記分割するステップ
(405)と;
前記複数のウィンドウの各ウィンドウについて、特定の時間値t=t
iで:
前記ソース波動場のフーリエ変換の正の成分である^S
+(ベクトルk,t
i)を計算するステップ
(410)であって、ベクトルk=(k
x,k
y,k
z)は波数ベクトルを表し、
であり、
^S(ベクトルk,t
i)は、前記ソース波動場の前記フーリエ変換である、前記計算するステップ
(410)と;
前記ソース波動場の時間微分のフーリエ変換の正の成分である、
を計算するステップであって、^S´(ベクトルk,t
i)は、前記ソース波動場の時間微分の前記フーリエ変換である、前記計算するステップと;
前記ソース波動場の前記時間微分の前記フーリエ変換の前記正の成分^S´
+
(ベクトルk,t
i
)に基づいて、前記ソース波動場の前記フーリエ変換の前記正の成分のヒルベルト変換である^HS
+(ベクトルk,t
i)を計算するステップ
(415)と;
前記特定の
時間値tでの前記ウィンドウにおける前記ソース波動場の下降成分であるS
D(ベクトルx,t
i)を、前記^S
+(ベクトルk,t
i)と前記^HS
+(ベクトルk,t
i)の和の逆フーリエ変換の実部成分として計算するステップ
(420)と;
前記レシーバ波動場のフーリエ変換の負の成分である^R
-(ベクトルk,t
i)を計算するステップ
(410)であって、
であり、
^R(ベクトルk,t
i)は、前記レシーバ波動場の前記フーリエ変換である、前記計算するステップ
(410)と;
前記レシーバ波動場の時間微分のフーリエ変換の負の成分である、
を計算するステップであって、^R´(ベクトルk,t
i)は、前記レシーバ波動場の時間微分の前記フーリエ変換である、前記計算するステップと;
前記レシーバ波動場の前記時間微分の前記フーリエ変換の前記負の成分^R´
-
(ベクトルk,t
i
)に基づいて、前記レシーバ波動場の前記フーリエ変換の前記負の成分のヒルベルト変換である^HR
-(ベクトルk,t
i)を計算するステップ
(415)と;
前記特定の
時間値tでの前記ウィンドウにおける前記レシーバ波動場の上昇成分であるR
U(ベクトルx,t
i)を、前記^R
-(ベクトルk,t
i)と前記^HR
-(ベクトルk,t
i)の和の逆フーリエ変換の実部成分として計算するステップ
(425)と;
前記複数のウィンドウの各ウィンドウにおける前記ソース波動場の前記下降成分を合計するステップにより、前記特定の時間値での前記ソース波動場の下降成分であるS
d(ベクトルx,t
i)を計算するステップ
(430)と;
前記複数のウィンドウの各ウィンドウにおける前記レシーバ波動場の前記上昇成分を合計するステップにより、前記特定の時間値での前記レシーバ波動場の上昇成分であるR
u(ベクトルx,t
i)を計算するステップ
(430)と;
前記
S
d(ベクトルx,t
i)及び
前記R
U(ベクトルx,t
i)に基づいて画像を生成するステップと;を備
え、
前記画像を生成するステップは、前記S
d
(ベクトルx,t
i
)及び前記R
U
(ベクトルx,t
i
)に基づいて、画像項I
du
(ベクトルx)を計算するステップを備える、
コンピュータ実装方法。
【請求項2】
であり、
Vは、前記特定の
時間値tでの前記ウィンドウにおける平均速度であり、
は、前記波数ベクトルのノルムであり、
2つの円振動数のみに対応し、
εは、ユーザが指定した数であり、
jは、虚数単位である、
請求項1に記載の
コンピュータ実装方法。
【請求項3】
である、
請求項2に記載の
コンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記複数のウィンドウは、複数の重なり合うウィンドウである、
請求項1に記載の
コンピュータ実装方法。
【請求項5】
各ウィンドウにおける、前記ソース波動場の前記下降成分を合計するステップと、前記レシーバ波動場の前記上昇成分を合計するステップは、各ウィンドウwにおけるS
D(ベクトルx,t
i)及びR
U(ベクトルx,t
i)を、重なり合う領域においてテーパをつけて合計するステップ;を備える、
請求項4に記載の
コンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記フーリエ変換は、1D空間のフーリエ変換である、
請求項1に記載の
コンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記画像は、石油及びガス探査のために地球地下層の特性を推定するために用いられる、
請求項1~6のいずれか1項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
メモリと;
請求項1~7のいずれか1項に記載のコンピュータ実装方法を含む操作を実行するために編成された
処理ユニットと;を備え
る、
デバイス。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか1項に記載のコンピュータ実装方法を含む操作を実行するために、コンピュータシステムによって実行可能な命令を格納する、
非一時的なコンピュータ読取り可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権の主張]
この出願は、2017年9月11日に出願された米国特許出願第15/701,038号に対する優先権を主張し、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、地震データ処理に関し、より具体的には、リバースタイムマイグレーションにおける偽像除去に関する。
【背景技術】
【0003】
地球地下層の高解像度深度画像は、貯留層の探査、描写、及び開発にとって重要である。リバースタイムマイグレーション(RTM)などの波動方程式に基づく地震深度マイグレーション技法は、石油業界における、特に塩基性塩探査などの複雑な環境における、地震深度イメージングに適した技法である。しかし、RTMには、光線経路に沿う非反射点でのソース(震源、発振点)波動場とレシーバ(受振点)波動場との望ましくない相互相関に起因するイメージングノイズが存在する。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、リバースタイムマイグレーション(RTM)において偽像を除去するためのコンピュータ実装方法、コンピュータプログラム製品、及びコンピュータシステム、を含む方法及びシステムについて述べる。一のコンピュータ実装方法は、ソース波動場とレシーバ波動場とのボリューム(領域)を複数のウィンドウに分割するステップと;複数のウィンドウの各ウィンドウについて、特定の時間値でのソース波動場の下降成分とレシーバ波動場の上昇成分とを計算するステップであって、ソース波動場の下降成分は、ソース波動場のフーリエ変換の正の成分と、ソース波動場のフーリエ変換の正の成分のヒルベルト変換との和の逆フーリエ変換の実部成分(real component)であり、レシーバ波動場の上昇成分は、レシーバ波動場のフーリエ変換の負の成分と、レシーバ波動場のフーリエ変換の負の成分のヒルベルト変換との和の逆フーリエ変換の実部成分である、前記計算するステップと;複数のウィンドウの各ウィンドウにおけるソース波動場の下降成分を合計することにより、特定の時間値でのソース波動場の下降成分を計算するステップと;複数のウィンドウの各ウィンドウにおけるレシーバ波動場の上昇成分を合計することにより、特定の時間値でのレシーバ波動場の上昇成分を計算するステップと;を含む。
【0005】
この態様の他の実施は、対応する、コンピュータシステムと、装置と、1つ又は複数のコンピュータ記憶デバイスに記録されたコンピュータプログラムとを含み、それぞれが、方法の行為を実行するように構成される。1つ又は複数のコンピュータから成るシステムは、作動時にシステムに行為を実行させるようにシステムにインストールされたソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又は、ソフトウェア、ファームウェア、若しくはハードウェアの組み合わせを有するので、特定の操作又は行為を実行するように構成することができる。1つ又は複数のコンピュータプログラムは、データ処理装置によって実行されると装置に行為を実行させる命令を含むので、特定の操作又は行為を実行するように構成することができる。
【0006】
上記及び他の実施はそれぞれ、任意に、下記の特徴の1つ又は複数を単独で又は組み合わせて含むことができる。
【0007】
ソース波動場の時間微分のフーリエ変換の正の成分を計算するステップ、及び、レシーバ波動場の時間微分のフーリエ変換の負の成分を計算するステップを含んで、一般的な実施と組み合わせ可能な第1の態様。
【0008】
複数のウィンドウが、複数の重なり合うウィンドウである、上記態様と組み合わせ可能な第2の態様。
【0009】
各ウィンドウにおけるソース波動場の下降成分を合計するステップ及びレシーバ波動場の上昇成分を合計するステップが、各ウィンドウにおけるソース波動場の下降成分及びレシーバ波動場の上昇成分を、重なり合う領域においてテーパをつけて合計するステップを含む、上記態様のいずれかと組み合わせ可能な第3の態様。
【0010】
フーリエ変換が1D空間のフーリエ変換である、上記態様のいずれかと組み合わせ可能な第4の態様。
【0011】
特定の時間値でのソース波動場の下降成分とレシーバ波動場の上昇成分とに基づき画像項を計算することを含む、上記態様のいずれかと組み合わせ可能な第5の態様。
【0012】
本明細書の主題の1つ又は複数の実施の詳細を、以下の添付図面及び詳細な説明に記載する。主題の他の特徴、態様、及び利点は、説明、図面、及び特許請求の範囲から明らかとなるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、あるいくつか実施による、ソース波動場の下降成分及びレシーバ波動場の上昇成分を計算する方法例を示す。
【0014】
【
図2】
図2は、あるいくつかの実施による、ソース波動場の下降成分及びレシーバ波動場の上昇成分に基づき画像を計算する方法例を示す。
【0015】
【
図3】
図3は、あるいくつかの実施による、リバースタイムマイグレーション(RTM)における偽像を除去する前後の画像例を示す。
【0016】
【
図4】
図4は、あるいくつかの実施による、ソース波動場の下降成分及びレシーバ波動場の上昇成分を計算する方法例を示すフローチャートである。
【0017】
【
図5】
図5は、あるいくつかの実施による、本開示で述べるような、記載のアルゴリズム、方法、機能、工程、フロー、及び手順に関連する計算機能を提供するために用いられるコンピュータシステム例を示すブロック図である。
【0018】
様々な図面における同様の符号及び名称は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
下記の詳細な説明は、誤った伝播方向の組み合わせでソース波動場及びレシーバ波動場に対して適用されるリバースタイムマイグレーション(RTM)画像条件によって導かれた偽像の除去について述べ、当業者が1つ又は複数の特定の実施において開示された主題を作り、これを使用できるようにするために提示される。開示された実施に対して様々な修正、変更、及び置換が可能であり、当業者に容易に明らかとなり、定義される一般原理は、開示の範囲から逸脱することなく他の実施及び用途に適用し得る。したがって、本開示は、記載又は例示した実施に限定されることを意図したものではなく、開示する原理及び特徴と整合する最も広い範囲を受け入れるべきものである。
【0020】
地球地下層の高解像度深度画像は、貯留層の探査、描写、及び開発にとって重要である。リバースタイムマイグレーション(RTM)などの波動方程式に基づく地震深度マイグレーション技法は、石油業界における、特に塩基性塩探査などの複雑な環境における地震深度イメージングに適した技法である。しかし、RTMには、光線経路に沿う非反射点でのソース波動場とレシーバ波動場との望ましくない相互相関に起因するイメージングノイズが存在する。
【0021】
RTMでは、従来の画像条件を適用することにより、下記画像を得ることができる。
等式(1)において、
I(ベクトルx)は画像であり、
S(ベクトルx,t)は、は、ソース波動場であり、
R(ベクトルx,t)は、レシーバ波動場であり、
ベクトルx=(x,y,z)は、位置ベクトルを表し、
tは、時間、及び、0とTmax(例えば、最大記録時間)との間の範囲を表す。
一般に、画像I(ベクトルx)は、Liu他、2007年、によれば、4つの成分に分解できる、即ち以下のとおりである。
等式(2)において、
I
duは、下降ソース波動場と上昇レシーバ波動場との相互相関であり、
I
ddは、下降ソース波動場と下降レシーバ波動場との相互相関であり、
I
uuは、上昇ソース波動場と上昇レシーバ波動場との相互相関であり、
I
udは、上昇ソース波動場と下降レシーバ波動場との相互相関である。
加えて、4つの成分は、以下のように表される。
等式(3)~(6)において、
S
d(ベクトルx,t)及びR
d(ベクトルx,t)は、それぞれソース波動場及びレシーバ波動場の下降成分であり、
S
u(ベクトルx,t)及びR
u(ベクトルx,t)は、それぞれソース波動場及びレシーバ波動場の上昇成分である。
【0022】
RTMにおける低周波イメージングノイズは、画像I(ベクトルx)から、Idd(べベクトルx)成分とIuu(ベクトルx)成分とを取り除くことによって抑制できる。残りの画像であるIdu(ベクトルx)+Iud(ベクトルx)を計算するため、深度座標zに沿った波動場にヒルベルト変換を適用してもよく、画像の統合-組み合わせは、後で計算することができる。Iud(ベクトルx)成分は偽像を形成する可能性もあり、取り除く必要がある。結果として、RTMで偽像を除去するために、Idu(ベクトルx)成分のみが画像I(ベクトルx)で保持される。Idu(ベクトルx)成分のみを保持するようにするために、ソース波動場及びレシーバ波動場の少なくとも一方を、下降成分と上昇成分とに分割する。したがって、先に述べたヒルベルト変換は、画像Idu(ベクトルx)を生成しないことがある。
【0023】
波動場を下降成分と上昇成分に分割する1つの方法は、周波数-波数ドメインにおいて分割を実行することである。例えば、ソース波動場S(ベクトルx,t)を、(例えば、2Dフーリエ変換によって)^S(ベクトルk,ω)に変換することができ、ここで、ωは、周波数を表し、ベクトルk=(kx,ky,kz)は、波数ベクトルを表す。(ベクトルk,ω)ドメインにおける下降成分は、ωkz>0である部分であり、一方、(ベクトルk,ω)ドメインにおける上昇成分は、ωkz<0である部分である。ただし、RTMの実際の実施では、波動場は、典型的には有限差分法によって計算されるが、膨大なデータ量のために、波動場の数個の時間スライスしか格納できない。したがって、時間tから周波数ωへの波動場のフーリエ変換、又は、正/負のω部分を選択するためのヒルベルト変換を実行することができない。
【0024】
概観的には、記載のアプローチは、波動場を下降成分と上昇成分とに分割するための近似法を提供する。記載の近似法は、波動場を、例えば、波動場の現在の時間スライス及び現在の時間微分スライスの知見だけを用いて、下降成分と上昇成分とに分割する。波動場の現在の時間スライス及び現在の時間微分スライスは、RTMにおける波動場の有限差分順方向(前進)モデリングから得ることができる。この分割に基づいて、画像Idu(ベクトルx)を計算することができ、不適切な成分の組み合わせ(例えば、Idd(ベクトルx)、Iuu(ベクトルx)、Iud(ベクトルx))によって生成された偽像をI(ベクトルx)から取り除いて、RTMの最終画像を高めることができる。その結果、RMTの最終画像を用いて、例えば、石油及びガス探査のために地球地下層の特性をより適切に推定できる。
【0025】
図1は、あるいくつかの実施による、ソース波動場の下降成分及びレシーバ波動場の上昇成分を計算するための方法例100を示す。例えば、RTM順方向モデリングに基づき、t=t
iでのソース波動場S(ベクトルx,t)の時間スライスはS(ベクトルx,t
i)であり、t=t
iでのレシーバ波動場R(ベクトルx,t)の時間スライスはR(ベクトルx,t
i)である。加えて、t=t
iでのソース波動場S(ベクトルx,t)の時間微分スライスとレシーバ波動場R(ベクトルx,t)の時間微分スライスは、以下のように求めることができる。
波動場の時間スライスと時間微分スライスとを用い、
図1に示すワークフローによって、波動場を下降成分と上昇成分とに分割できる。
【0026】
図1に示すように、方法例100は、波動場(例えば、ソース波動場及び/又はレシーバ波動場)のボリュームを複数の重なり合うウィンドウに分割することから始まる。ウィンドウは、例えば、3D空間において定義でき、限定された3Dサブボリューム(サブ領域、副領域)を提供する。3D空間の各次元において、ウィンドウは、隣接するウィンドウと半分重なり合っている。一般に、ウィンドウサイズは、例えば、その次元サイズの10分の1とすることができる。本開示において、ウィンドウ内の媒体(メディア)の速度はほぼ均一であると仮定され、全波数ベクトル(ベクトルk)に関する波動場の分散関係は、以下の通りである。
等式(9)において、
Vは、ウィンドウ内の媒体の平均速度であり、
ωは、円振動数である。
【0027】
複数の重なり合うウィンドウの各ウィンドウについては、ローカル空間のフーリエ変換(例えば、1Dフーリエ変換)がソース波動場の時間スライス(即ち、S(ベクトルx,t
i)、ソース波動場の時間微分スライス(即ち、S´(ベクトルx,t
i))、レシーバ波動場の時間スライス(即ち、R(ベクトルx,t
i))、及びレシーバ波動場の時間微分スライス(即ち、R´(ベクトルx,t
i))に適用される。
結果として得られるフーリエ変換は、それぞれ^S(ベクトルk,t
i)、^S´(ベクトルk,t
i)、^R(ベクトルk,t
i)、及び^R´(ベクトルk,t
i)である。^S(ベクトルk,t
i)及び^S´(ベクトルk,t
i)についてのk
z>0である部分、並びに、^R(ベクトルk,t
i)及び^R´(ベクトルk,t
i)についてのk
z<0である部分は、以下のように求めることができる。
【0028】
ベクトルkが、例えば、等式(9)に示すように一方が正であり一方が負である2つの円振動数のみに対応する場合、等式(10)中の^S
+(ベクトルk,t
0)は、以下のように2つの項に分解できる。
フーリエ変換の特性に基づき、下記を求めることができる。
等式(15)において、jは、虚数単位である。
同様に、等式(12)中の^R
-(ベクトルk,t
i)も、以下のように2つの項に分解できる。
フーリエ変換の特性に基づき、下記を求めることができる。
【0029】
等式(15)及び(17)から、^S
+(ベクトルk,t
i)及び^R
-(ベクトルk,t
i)のヒルベルト変換は、以下のように近似的に導くことができる。
等式(18)~(19)において、
εは、等式でゼロが除算されることを回避するために選ばれるユーザ指定の小さな数である。例えば、εの値は、0.0001又はそれ未満とすることができる。
【0030】
等式(14)及び等式(18)から、下記(即ち、k
z>0及びω>0である成分)を求めることができる。
フーリエ変換の共役性により、特定のウィンドウについての下降ソース波動場を、以下のように求めることができる。
等式(21)において、
IFFT()は、ベクトルkからベクトルxへの逆空間フーリエ変換であり、
Re()は、実部を返す関数である。
【0031】
同様に、等式(16)及び等式(19)から、下記(即ち、k
z<0及びω<0である成分)を求めることができる。
フーリエ変換の共役性により、特定のウィンドウについての上昇レシーバ波動場を、以下のように求めることができる。
【0032】
下降ソース波動場全体S
d(ベクトルx,t
i)を求めるために、S
D(ベクトルx,t
i)(例えば、複数の重なり合うウィンドウの各ウィンドウについて等式(21)によって計算される)の全てのウィンドウの結果が合計される。同様に、上昇レシーバ波動場R
u(ベクトルx,t
i)全体を得るため、R
U(ベクトルx,t
i)(例えば、複数の重なり合うウィンドウの各ウィンドウについて等式(23)によって計算される)の全てのウィンドウ結果が合計される。先に検討したように、
図1は、ソース波動場の下降成分とレシーバ波動場の上昇成分とを計算する近似法を提供する。等式(18)乃至等式(20)及び等式(22)に示すように、波動場の時間スライスと波動場の時間微分スライスのみを用いて波動場を分割する際の鍵は、実施によっては、時間ドメインにおいてフーリエ変換を用いずにω>0及び/又はω<0成分を選択することである。
【0033】
図2は、あるいくつかの実施による、ソース波動場の下降成分及びレシーバ波動場の上昇成分に基づき画像を計算するための方法例200を示す。例えば、方法例200は、ブロック205で始まり、そこでは、iと画像I
du(ベクトルx)が両方とも0に初期化される。ブロック210において、時間t
iでのソース波動場及びレシーバ波動場の時間スライスが、ソース波動場とレシーバ波動場(即ち、S(ベクトルx,t)及びR(ベクトルx,t))とから得られる。加えて、時間t
iでのソース波動場及びレシーバ波動場の時間微分スライスも得られる(例えば、等式(7)及び等式(8)によって)。ブロック215において、下降ソース波動場(即ち、S
d(ベクトルx,t
i))全体及び上昇レシーバ波動場(即ち、R
u(ベクトルx,t
i))全体を、
図1に記載する近似法を用いて計算することができる。ブロック220において、S(ベクトルx,t)R(ベクトルx,t)が画像I
du(ベクトルx)に追加される。ブロック225において、iを1だけ増分する。ブロック230において、t
iがT
maxより大きいか否かが判定される。T
maxは、例えば、ソース波動場とレシーバ波動場の最大記録時間である。t
iがT
maxより大きくない場合、方法はブロック210に進む。t
iがT
maxより大きい場合、ブロック235において最終画像I
du(ベクトルx)が出力される。この開示は、例示を目的として
図2の方法に言及しているが、本書の主題は、
図1に記載する近似法を用いて計算される下降ソース波動場と上昇レシーバ波動場とに基づき、他の方法を用いて画像I
du(ベクトルx)を計算することができる。
【0034】
図3は、あるいくつかの実施による、リバースタイムマイグレーション(RTM)における偽像を除去する前後の画像例300を示す。
図3には、Liu他、2007年、によって提案された方法を用いたRTMインパルス応答の結果305が上側に示されている。結果305は、3つの矢印が指すマイグレーションノイズ(例えば、I
dd(ベクトルx)及びI
uu(ベクトルx)から生成される)と偽像(例えば、I
ud(ベクトルx)から生成される)とを示している。前述の近似法を用いた結果310が、
図3の下側に示されている。結果310は、マイグレーションノイズと偽像の除去とを示している。
【0035】
図4は、あるいくつかの実施による、ソース波動場の下降成分とレシーバ波動場の上昇成分とを計算するための方法例400を示すフローチャートである。提示を明確にするため、以下に続く説明は一般に、本明細書の他の図の文脈でも方法400を記載する。例えば、方法400は、
図5に記載するコンピュータシステムによって実行することができる。しかし、当然ながら、方法400は、必要に応じ、例えば、任意の適切なシステム、環境、ソフトウェア、及びハードウェア、又は、システム、環境、ソフトウェア、及びハードウェアの組み合わせによって実行してもよいことは言うまでもない。実施によっては、方法400の様々な工程を、並行して、組み合わせて、ループで、又は任意の順序で実行することができる。
【0036】
方法400は、ブロック405で始まり、そこでは、ソース波動場とレシーバ波動場のボリュームが、複数のウィンドウに分割される。実施によっては、複数のウィンドウは、複数の重なり合うウィンドウである。複数のウィンドウの各ウィンドウについて特定の時間値(例えば、0とTmaxの間のti)での、下記の操作(即ち、ブロック410からブロック425)が実行される。
【0037】
ブロック410において、ソース波動場のフーリエ変換の正の成分(例えば、等式(10))と、レシーバ波動場のフーリエ変換の負の成分(例えば、等式(12))とが計算される。実施によっては、フーリエ変換は、時間ドメインにおいて実行されない1Dの空間フーリエ変換である。実施によっては、正の成分は、kz>0である部分であり、負の成分は、kz<0である部分である。
【0038】
ブロック415において、ソース波動場のフーリエ変換の正の成分のヒルベルト変換と、レシーバ波動場のフーリエ変換の負の成分のヒルベルト変換とが計算される。実施によっては、ソース波動場のフーリエ変換の正の成分のヒルベルト変換は、ソース波動場の時間微分のフーリエ変換の正の成分に基づき計算される(例えば、等式(18))。実施によっては、レシーバ波動場のフーリエ変換の負の成分のヒルベルト変換は、レシーバ波動場の時間微分のフーリエ変換の負の成分に基づき計算される(例えば、等式(19))。
【0039】
ブロック420において、特定のウィンドウにおけるソース波動場の下降成分(例えば、SD(ベクトルx,ti))が計算される。実施によっては、ソース波動場のフーリエ変換の正の成分とソース波動場のフーリエ変換の正の成分のヒルベルト変換との合計が先ず計算される(例えば、等式(20))。次に、逆フーリエ変換がその和に適用される。次いで、特定のウィンドウにおけるソース波動場の下降成分が、その合計の逆フーリエ変換の実部成分として計算される(例えば、等式(21))。
【0040】
ブロック425において、特定のウィンドウにおけるレシーバ波動場の上昇成分(例えばRU(ベクトルx,ti))が計算される。実施によっては、レシーバ波動場のフーリエ変換の負の成分とレシーバ波動場のフーリエ変換の負の成分のヒルベルト変換との和が先ず計算される(例えば、等式(22))。次に、逆フーリエ変換がその和に適用される。次いで、特定のウィンドウにおけるレシーバ波動場の上昇成分が、その和の逆フーリエ変換の実部成分として計算される(例えば、等式(23))。
【0041】
ブロック430において、特定の時間値でのソース波動場の下降成分とレシーバ波動場の上昇成分(例えば、Sd(ベクトルx,ti)及びRu(ベクトルx,ti))とが計算される。特定の時間値でのソース波動場の下降成分は、複数のウィンドウの各ウィンドウにおけるソース波動場の下降成分(例えば、等式(21)で計算される)を合計することによって計算される。特定の時間値でのレシーバ波動場の上昇成分は、複数のウィンドウの各ウィンドウにおけるレシーバ波動場の上昇成分(例えば、等式(23)で計算される)を合計することによって計算される。実施によっては、複数のウィンドウの各ウィンドウにおけるソース波動場の下降成分は、重なり合う領域においてテーパをつけて合計される。実施によっては、複数のウィンドウの各ウィンドウにおけるレシーバ波動場の上昇成分は、重なり合う領域においてテーパをつけて合計される。
【0042】
図4に示す方法例400は、追加の工程、より少ない工程、又は異なる工程(
図4には不図示)を含むように修正又は再構成することができ、それらは、示された順序又は異なる順序で実行することができる。例えば、ブロック430の後に、特定の時間値でのソース波動場の下降成分とレシーバ波動場の上昇成分とに基づき画像(例えば、I
du(ベクトルx))を計算することができる。実施によっては、
図4に示す1つ又は複数の工程は、例えば、終了条件に到達するまで繰り返したり反復したりすることができる。実施によっては、
図4に示す個々の工程の1つ又は複数を、複数の別個の工程として実行できる、又は、
図4に示す工程の1つ又は複数の部分集合を組み合わせて単一工程として実行できる。実施によっては、
図4に示す個々の工程の1つ又は複数を、方法例400から省くこともできる。
【0043】
図5は、一の実施による、本開示で述べる、説明したアルゴリズム、方法、機能、工程、フロー、及び手順に関連する計算機能を提供するために用いるコンピュータシステム例500のブロック図である。図示のコンピュータ502は、サーバ、デスクトップコンピュータ、ラップトップ/ノートブックコンピュータ、ワイヤレスデータポート、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、タブレットコンピューティングデバイス、これらのデバイスに含まれる1つ又は複数のプロセッサ、又はコンピューティングデバイスの物理的若しくは仮想インスタンス(又はその両方)を含む任意の他の適切な処理デバイスなどの任意のコンピューティングデバイスを含むことが意図されている。加えて、コンピュータ502は、キーパッド、キーボード、タッチスクリーン、又はユーザ情報を受け入れることができる他のデバイスなどの入力デバイス、及びデジタルデータ、視覚若しくは音声情報(又は情報の組み合わせ)を含むコンピュータ502の操作に関連する情報を伝達する出力デバイス、又はグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を含むコンピュータを含んでもよい。
【0044】
コンピュータ502は、本開示で述べる主題を実行するためのコンピュータシステムのクライアント、ネットワークコンポーネント、サーバ、データベース若しくは他のパーシステンシ(システム維持機器)、又は任意の他のコンポーネントとしての役割(又は役割の組み合わせ)を果たすことができる。図示のコンピュータ502は、ネットワーク530と通信可能に連結されている。実施によっては、コンピュータ502の1つ又は複数のコンポーネントは、クラウドコンピューティングベースの環境、ローカル環境、グローバル環境、又は他の環境(又は環境の組み合わせ)を含む環境内で作動するように構成されてもよい。
【0045】
概観的に言えば、コンピュータ502は、記載する主題に関連するデータ及び情報を受信、伝送、処理、格納、又は管理するように作動可能な電子コンピューティングデバイスである。実施によっては、コンピュータ502は、アプリケーションサーバ、電子メールサーバ、ウェブサーバ、キャッシングサーバ、ストリーミングデータサーバ、又は他のサーバ(又はサーバの組み合わせ)を更に含んでもよく、それらと通信可能に連結されてもよい。
【0046】
コンピュータ502は、クライアントアプリケーション(例えば、別のコンピュータで実行されている)からネットワーク530を介してリクエストを受信し、適切なソフトウェアアプリケーション(複数可)を用いて受信したリクエストを処理することにより受信したリクエストに応答することができる。加えて、リクエストは、内部ユーザ(例えば、コマンドコンソールから、又は他の適切なアクセス方法によって)、外部若しくは第3者、他の自動アプリケーション、更に任意の他の適切なエンティティ(事業体、実体)、個人、システム、又はコンピュータから、コンピュータ502へ送信することもできる。
【0047】
コンピュータ502のコンポーネントのそれぞれは、システムバス503を用いて通信することができる。実施によっては、コンピュータ502のコンポーネントの何れか又は全ては、ハードウェアであれソフトウェアであれ(又は、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせであれ)、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)512又はサービスレイヤ513(又はAPI 512とサービスレイヤ513の組み合わせ)を用いて、互いに又はインターフェース504(又は両者の組み合わせ)と、システムバス503上で相互作用し得る。API 512は、ルーチン、データ構造、及びオブジェクトクラスのための仕様を含んでもよい。API 512は、コンピュータ言語に依存しなくても依存してもよく、完全なインターフェース、単一機能、又はAPIのセットまでも意味してよい。サービスレイヤ513は、コンピュータ502又はコンピュータ502に通信可能に連結された他のコンポーネント(示されているか否かにかかわらず)にソフトウェアサービスを提供する。コンピュータ502の機能は、このサービスレイヤを用いて、全てのサービスの消費者にアクセス可能であってもよい。サービスレイヤ513によって提供されるようなソフトウェアサービスは、定義されたインターフェースを通じて、再利用可能な、定義された機能を提供する。例えば、インターフェースは、JAVA(登録商標)、C++、又は拡張マークアップ言語(XML)フォーマット若しくは他の適切なフォーマットでデータを提供する他の適切な言語で書かれたソフトウェアであってもよい。コンピュータ502の内蔵コンポーネントとして示されているが、代替の実施は、API 512又はサービスレイヤ513を、コンピュータ502の他のコンポーネント又はコンピュータ502に通信可能に連結されている他のコンポーネント(示されているか否かにかかわらず)との関係でスタンドアロンであるコンポーネントとして示してもよい。更に、API 512又はサービスレイヤ513の何れかの部分又は全ての部分は、本開示の範囲から逸脱することなく、別のソフトウェアモジュール、企業アプリケーション、又はハードウェアモジュールの子モジュール若しくはサブモジュールとして実施できる。
【0048】
コンピュータ502は、インターフェース504を含む。
図5では単一のインターフェース504として示されているが、特定の要求、要望、又はコンピュータ502の特定の実施に応じて、2つ以上のインターフェース504を用いてもよい。インターフェース504は、分散環境においては、ネットワーク530に接続されている他のシステム(図示されているか否かにかかわらず)と通信するためにコンピュータ502によって用いられる。一般に、インターフェース504は、ソフトウェア、又は、ハードウェア(又は、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせ)においてエンコードされる論理を含み、ネットワーク530と通信するように作動可能である。より具体的には、ネットワーク530が、又は、インターフェースのハードウェアが、図示のコンピュータ502の内外で物理的な信号を通信するよう作動可能となるように、インターフェース504は、通信に関連する1つ又は複数の通信プロトコルをサポートするソフトウェアを含んでもよい。
【0049】
コンピュータ502は、プロセッサ505を含む。
図5では単一のプロセッサ505として示されているが、特定の要求、要望、又はコンピュータ502の特定の実施に応じて2つ以上のプロセッサを用いてもよい。一般に、プロセッサ505は、命令を実行し、データを操作してコンピュータ502の作動、並びに本開示で述べるような任意のアルゴリズム、方法、機能、工程、フロー、及び手順を実行する。
【0050】
コンピュータ502は、ネットワーク530に接続できるコンピュータ502、又は、他のコンポーネント(図示されているか否かにかかわらない)(又は、両方の組み合わせ)のためのデータを保持することができるデータベース506を更に含む。例えば、データベース506は、本開示と整合するデータを格納するインメモリ型、従来型、又は他のタイプのデータベースとすることができる。実施によっては、データベース506は、特定の要求、要望、又はコンピュータ502及び記載した機能の特定の実施に応じて、2つ以上の異なるデータベースタイプ(例えば、ハイブリッドインメモリと従来のデータベース)の組み合わせとすることができる。
図5では、単一のデータベース506として示されているが、特定の要求、要望、又はコンピュータ502及び記載した機能の特定の実施に応じて、2つ以上のデータベース(同じタイプ又は複数のタイプの組み合わせ)を用いることができる。データベース506は、コンピュータ502の内蔵コンポーネントとして示されているが、代替の実施において、データベース506は、コンピュータ502の外部にあるものとすることができる。図示するように、データベース506は、地震データ516と、ソース波動場及びレシーバ波動場518と、ソース波動場及びレシーバ波動場の時間微分スライス520と、下降ソース波動場及び上昇レシーバ波動場522とを保持する。
【0051】
コンピュータ502は、ネットワーク530に接続できるコンピュータ502、又は、他のコンポーネント(図示されているか否かにかかわらない)(又は、両方の組み合わせ)のためのデータを保持することができるメモリ507を更に含む。例えば、メモリ507は、本開示と整合するデータを格納するランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、光メモリ、磁気メモリなどとすることができる。実施によっては、特定の要求、要望、又はコンピュータ502及び記載した機能の特定の実施に応じて、メモリ507は、2種以上の異なるタイプのメモリの組み合わせ(例えば、RAMと磁気記憶装置)とすることができる。
図5では単一のメモリ507として示されているが、特定の要求、要望、又はコンピュータ502及び記載した機能の特定の実施に応じて、2つ以上のメモリ507(同じタイプ又は複数のタイプの組み合わせ)を用いることができる。メモリ507は、コンピュータ502の内蔵コンポーネントとして示されているが、代替の実施においては、メモリ507は、コンピュータ502の外部にあるものとすることができる。
【0052】
アプリケーション508は、特に本開示に記載の機能に関して、特定の要求、要望、又はコンピュータ502の特定の実施に応じて機能を提供するアルゴリズムソフトウェアエンジンである。例えば、アプリケーション508は、1つ又は複数のコンポーネント、モジュール、又はアプリケーションとして機能することができる。更に、単一のアプリケーション508として示されているが、アプリケーション508は、コンピュータ502上の複数のアプリケーション508として実施してもよい。加えて、コンピュータ502に必須であるとして図示されているが、代替の実施において、アプリケーション508は、コンピュータ502の外部にあってもよい。
【0053】
コンピュータ502を含むコンピュータシステムに関連する、又はその外部にある任意の数のコンピュータ502が存在してもよく、各コンピュータ502は、ネットワーク530を介して通信する。更に、用語「クライアント」、「ユーザ」、及び他の適切な語法は、本開示の範囲から逸脱することなく必要に応じて交換可能に用いてもよい。更に、本開示は、複数のユーザが1台のコンピュータ502を使用し得ること、又は1人のユーザが複数のコンピュータ502を使用し得ることも想定している。
【0054】
本明細書で述べる主題及び機能操作は、デジタル電子回路において、具体的に具現化されたコンピュータソフトウェア若しくはファームウェアにおいて、本明細書に開示する構造体及びその均等物である構造体を含むコンピュータハードウェアにおいて、又は、それらの1つ若しくは複数の組み合わせにおいて実施できる。本明細書で述べる主題は、1つ又は複数のコンピュータプログラムとして、即ち、データ処理装置による実行のために、又はデータ処理装置の作動を制御するために、有形で非一時的なコンピュータ読取り可能なコンピュータ記憶媒体上でコード化されたコンピュータプログラム命令の1つ又は複数のモジュールとして、実施できる。これに代えて、又はこれに加えて、プログラム命令は、人工的に生成され伝播される信号、例えば、機械が生成する電気的、光学的、又は電磁的信号、の中/上でコード化することができ、この信号は、データ処理装置による実行のために適切な受信装置へ伝送するための情報をコード化するために生成される。コンピュータ記憶媒体は、機械読取り可能記憶デバイス、機械読取り可能記憶基板、ランダム若しくはシリアルアクセスメモリデバイス、又はコンピュータ記憶媒体、の組み合わせとすることができる。
【0055】
用語「データ処理装置」、「コンピュータ」、又は「電子コンピュータデバイス」(又は当業者が理解できる均等物)は、データ処理ハードウェアを指し、データを処理するためのあらゆる種類の装置、デバイス、及び機械を包含し、例として、プログラム可能なプロセッサ、コンピュータ、又は複数のプロセッサ若しくはコンピュータが挙げられる。装置は、専用論理回路、例えば、中央処理ユニット(CPU)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、又はASIC(特定用途向け集積回路)とすることも、それらを更に含むことができる。実施によっては、データ処理装置又は専用論理回路(又は、データ処理装置と専用論理回路との組み合わせ)は、ハードウェアに基づくもの又はソフトウェアに基づくもの(又は、ハードウェアに基づくものとソフトウェアに基づくものとの組み合わせ)であってもよい。装置は、場合によりコンピュータプログラムのための実行環境を創出するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、又は実行環境の組み合わせを構成するコードを含むことができる。本開示は、従来のオペレーティングシステム、例えばLINUX、UNIX(登録商標)、WINDOWS(登録商標)、MAC OS、ANDROID(登録商標)、IOS、又は任意の他の適切な従来のオペレーティングシステムを含む又は含まないデータ処理装置の使用を想定している。
【0056】
コンピュータプログラムは、プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、モジュール、ソフトウェアモジュール、スクリプト、又はコードと呼ばれたり記述されたりもし、コンパイラ型若しくはインタープリタ型言語、又は宣言型若しくは手続き型言語を含む任意の形式のプログラミング言語で記述することができ、スタンドアロンプログラムとしての、又はモジュール、コンポーネント、サブルーチン、若しくはコンピューティング環境での使用に適する他のユニットとしての形式を含む、任意の形式で展開することができる。コンピュータプログラムは、ファイルシステム内のファイルに対応してもよいが、対応する必要はない。プログラムは、他のプログラム又はデータ、例えば、マークアップ言語ドキュメントに、当該のプログラム専用の単一ファイルに、又は複数の協調ファイル、例えば、1つ又は複数のモジュール、サブプログラム、又はコードの一部を格納するファイルに格納された1つ又は複数のスクリプトを保持するファイルの一部に、格納することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、又は1カ所に位置する、若しくは複数カ所に分散して通信ネットワークにより相互接続された複数のコンピュータ上で、実行されるように展開することができる。様々な図に示されるプログラムの一部は、様々なオブジェクト、方法、又は他のプロセスを介して様々な特徴及び機能を実施する個々のモジュールとして示されているが、それに代えて、プログラムは、必要に応じて複数のサブモジュール、第三者サービス、コンポーネント、ライブラリなどを含んでもよい。逆に、必要に応じて様々なコンポーネントの特徴及び機能を、単一のコンポーネントに組み込むことができる。計算上の判定に用いられる閾値は、静的に、動的に、又は静的及び動的の両方で判定できる。
【0057】
本明細書で述べる方法、工程、又は論理フローは、入力データで作動し、出力を生成することによって機能を実行するために、1つ又は複数のコンピュータプログラムを実行する1つ又は複数のプログラム可能なコンピュータによって実行することができる。方法、工程、又は論理フローは、専用論理回路、例えばCPU、FPGA、又はASICによっても実行でき、装置は、専用論理回路、例えばCPU、FPGA、又はASICとしても実施できる。
【0058】
コンピュータプログラムの実行に適するコンピュータは、汎用若しくは専用マイクロプロセッサ、その両方、又は任意の他の種類のCPUに基づくものとすることができる。一般に、CPUは、命令とデータをリードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、又はその両方から受信する。コンピュータの必須要素は、命令を実行するためのCPUと、命令及びデータを格納するための1つ又は複数のメモリデバイスである。一般に、コンピュータは、データを格納するための1つ又は複数の大容量記憶デバイス、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、若しくは光ディスク、を更に含んで、又は、作動可能にそれらに連結されて、それらからデータを受信する、それらへデータ送信する、又はその両方を行う。ただし、コンピュータは、こうしたデバイスを有する必要はない。更に、コンピュータは、別のデバイス、例えばいくつか例を挙げると、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、モバイルオーディオ若しくはビデオプレーヤ、ゲーム機、全地球測位システム(GPS)受信機、又はポータブル記憶デバイス、例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブに組み込むことができる。
【0059】
コンピュータプログラム命令及びデータを格納するのに適したコンピュータ読取り可能媒体(必要に応じて一時的又は非一時的)としては、あらゆる形式の不揮発性メモリ、媒体及びメモリデバイスが含まれ、例として半導体メモリデバイス、例えば、消去可能でプログラム可能なリードオンリーメモリ(EPROM)、電気的に消去可能でプログラム可能なリードオンリーメモリ(EEPROM)、及びフラッシュメモリデバイス;磁気ディスク、例えば、内蔵ハードディスク又はリムーバブルディスク;光磁気ディスク;並びにCD-ROM、DVD+/-R、DVD-RAM、及びDVD-ROMディスクが挙げられる。メモリは、様々なオブジェクト又はデータを格納してもよく、それにはキャッシュ、クラス、フレームワーク、アプリケーション、バックアップデータ、ジョブ、ウェブページ、ウェブページテンプレート、データベーステーブル、動的情報を格納するリポジトリ、及び任意のパラメータ、変数、アルゴリズム、命令、規則、制約、又はそれらへの参照を含む任意の他の適切な情報が含まれる。加えて、メモリは、ログ、ポリシ、セキュリティ又はアクセスデータ、リポートファイルなど、任意の他の適切なデータを含んでもよい。プロセッサとメモリは、専用論理回路によって補完されることも専用論理回路に組み込むこともできる。
【0060】
ユーザとの相互作用を提供するため、本明細書で述べる主題の実施は、情報をユーザに表示するための表示デバイス、例えば、CRT(陰極線管)、LCD(液晶ディスプレイ)、LED(発光ダイオード)、又はプラズマモニタと、ユーザがコンピュータに入力を提供できるキーボード及びポインティングデバイス、例えば、マウス、トラックボール、又はトラックパッド、とを有するコンピュータ上で実施できる。入力は、圧力感度を備えたタブレットコンピュータの表面、静電容量式又は電気式感知を用いるマルチタッチスクリーン、又は他のタイプのタッチスクリーンなど、タッチスクリーンを用いてコンピュータに提供してもよい。他の種類のデバイスを用いてユーザとの相互作用を提供することもでき;例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形式の知覚的フィードバック、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックとすることができ;ユーザからの入力は、音響、音声、又は触覚入力を含む任意の形式で受信することができる。加えて、コンピュータは、ユーザが使用するデバイスとの間でドキュメントを送受信することによって、例えば、ウェブブラウザから受信したリクエストに応えてウェブページをユーザのクライアントデバイス上のウェブブラウザへ送信することにより、ユーザと相互作用することができる。
【0061】
用語「グラフィカルユーザインターフェース」すなわち「GUI」は、単数形又は複数形で用いて、1つ又は複数のグラフィカルユーザインターフェース及び特定のグラフィカルユーザインターフェースの表示のそれぞれを記述することができる。したがって、GUIは、情報を処理し、情報結果をユーザに効率的に提示するウェブブラウザ、タッチスクリーン、又はコマンドラインインターフェース(CLI)を含むが、これらに限定されない任意のグラフィカルユーザインターフェースを表してもよい。一般に、GUIは、対話フィールド、プルダウンリスト、及びボタンなどの複数のユーザーインターフェース(UI)要素を含んでもよく、その一部又は全部がウェブブラウザに関連する。これら及び他のUI要素は、ウェブブラウザの機能に関連してもよく、又は、それを表してもよい。
【0062】
本明細書で述べる主題の実施は、例えばデータサーバのようなバックエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム、又はミドルウェアコンポーネント、例えば、アプリケーションサーバを含むコンピューティングシステム、又はフロントエンドコンポーネント、例えば、ユーザが、本明細書で述べる主題の実施と相互作用するために用いることができるグラフィカルユーザインターフェース若しくはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータを含むコンピューティングシステムにおいて、又は、1つ又は複数のこうしたバックエンド、ミドルウェア、若しくはフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせにおいて、実施できる。システムのコンポーネントは、有線又は無線デジタルデータ通信(又はデータ通信の組み合わせ)の任意の形式又は媒体、例えば、通信ネットワークによって相互接続することができる。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線アクセスネットワーク(RAN)、都市規模ネットワーク(MAN)、広域ネットワーク(WAN)、世界規模で相互運用可能な、マイクロ波を用いた無線でのアクセスシステム(WIMAX)、例えば、802.11a/b/g/n、若しくは802.20(若しくは802.11xと802.20との組み合わせ、又は本開示と整合する他のプロトコル)を用いる無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、インターネットの全て若しくは一部、又は、任意の他の通信システム、又は、1つ若しくは複数の場所にある複数のシステム(又は通信ネットワークの組み合わせ)が挙げられる。ネットワークは、例えば、インターネットプロトコル(IP)パケット、フレームリレーフレーム、非同期転送モード(ATM)セル、音声、ビデオ、データ、又はネットワークアドレス間の他の適切な情報(又は通信タイプの組み合わせ)を用いて通信してもよい。
【0063】
コンピューティングシステムは、クライアントとサーバを含むことができる。クライアントとサーバは一般に、互いに遠隔にあり、典型的には通信ネットワークを介して相互作用する。クライアントとサーバとの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行されて、互いにクライアント-サーバ関係性を有するコンピュータプログラムによって生じる。
【0064】
本明細書は多くの特定の実施の詳細を含むが、これらは、任意の発明の範囲、又は請求され得る範囲に対する限定としてではなく、特定の発明の特定の実施に特有であり得る特徴の記述として解釈すべきである。別々の実施の文脈において本明細書に記載する特定の特徴も、単一の実施において組み合わせて実施できる。反対に、単一の実施の文脈において記載される様々な特徴も、複数の実施において別々に、又は任意で適切な部分的な組み合わせで実施できる。更に、先に述べた特徴は、ある特定の組み合わせで作用するものとして記載され、更にそうであるとして最初に請求されていたとしても、請求された組み合わせからの1つ又は複数の特徴を、場合によっては組み合わせから削除することができ、請求された組み合わせを、部分的な組み合わせ又は部分的な組み合わせの変形例に導いてもよい。
【0065】
これまで主題の特定の実施について述べた。記載した実施の他の実施、変更、及び置換は、当業者に明らかとなるように、下記の特許請求の範囲の範囲内にある。操作は図面及び特許請求の範囲において特定の順序で示されているが、これは、こうした操作を、示された特定の順序又は連続した順序で実行すること、又は望ましい結果を達成するためには全ての示された操作を実行する(一部の操作は、任意であるとみなしてもよい)ことを要求するものと理解すべきではない。ある特定の状況においては、マルチタスク処理、又は並行処理(又はマルチタスク処理と並行処理との組み合わせ)が有利な場合があり、適切であるとみなされる場合には、実行してもよい。
【0066】
更に、先に述べた実施における様々なシステムモジュール及びコンポーネントの分離又は統合は、全ての実施においてこうした分離又は統合を要求するものと理解すべきではなく、当然のことであるが、記載したプログラムコンポーネント及びシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品に統合することも、複数のソフトウェア製品にパッケージ化することもできる。
【0067】
従って、先に述べた実施の例は、本開示を定義付けしたり拘束したりするものではない。他の改変、置換、及び変更は、本開示の主旨及び範囲から逸脱することなく可能である。
【0068】
更に、任意の請求される実施は、少なくともコンピュータ実装方法;コンピュータ実装方法を実行するためのコンピュータ読取り可能命令を格納する非一時的コンピュータ読取り可能媒体;及び、非一時的コンピュータ読取り可能媒体に格納されたコンピュータ実装方法又は命令を実行するように構成されたハードウェアプロセッサと相互運用可能に連結されたコンピュータメモリを備えるコンピュータシステム;に適用可能であるとみなされる。
【0069】
[引用文献]
Faqi Liu, Guanquan Zhang, Scott A. Morton and Jacques P. Leveille, 2011, An effective imaging condition for reverse-time migration using wavefield decomposition: Geophysics, vol. 76, no. 1, S29-S39.
【0070】
Faqi Liu, Guanquan Zhang, Scott A. Morton, Jacques P. Leveille, 2007, Reverse‐time migration using one‐way wavefield imaging condition: 77th Annual International Meeting, SEG Expanded Abstracts.
【0071】
Tong W. Fei, Yi Luo and Fuhao Qin, 2014, An endemic problem in reverse-time migration: 84th Annual International Meeting, SEG Expanded Abstracts.
[第1の局面]
ソース波動場S(ベクトルx,t)及びレシーバ波動場R(ベクトルx,t)のボリュームを複数のウィンドウに分割するステップであって、ベクトルx=(x,y,z)は位置ベクトルを表し、tは時間を表す、前記分割するステップと;
前記複数のウィンドウの各ウィンドウについて、特定の時間値t=t
i
での:
前記ソース波動場のフーリエ変換の正の成分である^S
+
(ベクトルk,t
i
)を計算するステップであって、ベクトルk=(k
x
,k
y
,k
z
)は波数ベクトルを表す、前記計算するステップと;
前記ソース波動場のフーリエ変換の正の成分のヒルベルト変換である^HS
+
(ベクトルk,t
i
)を計算するステップと;
特定のウィンドウにおける前記ソース波動場の下降成分であるS
D
(ベクトルx,t
i
)を、前記^S
+
(ベクトルk,t
i
)と前記^HS
+
(ベクトルk,t
i
)の和の逆フーリエ変換の実部成分として計算するステップと;
前記レシーバ波動場のフーリエ変換の負の成分である^R
-
(ベクトルk,t
i
)を計算するステップと;
前記レシーバ波動場のフーリエ変換の負の成分のヒルベルト変換である^HR
-
(ベクトルk,t
i
)を計算するステップと;
前記特定のウィンドウにおける前記レシーバ波動場の上昇成分であるR
U
(ベクトルx,t
i
)を、前記^R
-
(ベクトルk,t
i
)と前記^HR
-
(ベクトルk,t
i
)の和の逆フーリエ変換の実部成分として計算するステップと;
前記複数のウィンドウの各ウィンドウにおける前記ソース波動場の下降成分を合計することにより、前記特定の時間値での前記ソース波動場の下降成分であるS
d
(ベクトルx,t
i
)を計算するステップと;
前記複数のウィンドウの各ウィンドウにおける前記レシーバ波動場の上昇成分を合計することにより、前記特定の時間値での前記レシーバ波動場の上昇成分であるR
u
(ベクトルx,t
i
)を計算するステップと;を備える、
方法。
[第2の局面]
であり、
^S(ベクトルk,t
i
)は、前記ソース波動場のフーリエ変換であり、
^R(ベクトルk,t
i
)は、前記レシーバ波動場のフーリエ変換である、
第1の局面に記載の方法。
[第3の局面]
複数の重なり合うウィンドウの各ウィンドウについて、前記特定の時間値t=t
i
での:
前記ソース波動場の時間微分のフーリエ変換の正の成分である、
を計算するステップであって、^S´(ベクトルk,t
i
)は、前記ソース波動場の時間微分のフーリエ変換である、前記計算するステップと;
前記レシーバ波動場の時間微分のフーリエ変換の負の成分である、
を計算するステップであって、^R´(ベクトルk,t
i
)は、前記レシーバ波動場の時間微分のフーリエ変換である、前記計算するステップと;を更に備える、
第2の局面に記載の方法。
[第4の局面]
であり、
Vは、前記特定のウィンドウにおける平均速度であり、
εは、ユーザが指定した数であり、
jは、虚数単位である、
第3の局面に記載の方法。
[第5の局面]
である、
第4の局面に記載の方法。
[第6の局面]
前記複数のウィンドウは、複数の重なり合うウィンドウである、
第1の局面に記載の方法。
[第7の局面]
各ウィンドウにおける、前記ソース波動場の下降成分を合計するステップと、前記レシーバ波動場の上昇成分を合計するステップは、各ウィンドウwにおけるS
D
(ベクトルx,t
i
)及びR
U
(ベクトルx,t
i
)を、重なり合う領域においてテーパをつけて合計するステップ;を備える、
第6の局面に記載の方法。
[第8の局面]
前記フーリエ変換は、1D空間のフーリエ変換である、
第1の局面に記載の方法。
[第9の局面]
前記S
d
(ベクトルx,t
i
)と前記R
u
(ベクトルx,t
i
)とに基づき画像項I
du
(ベクトルx)を計算するステップ;を更に備える、
第1の局面に記載の方法。
[第10の局面]
メモリと;
操作を実行するために編成された処理ユニットと;を備え、
前記操作は:
ソース波動場S(ベクトルx,t)及びレシーバ波動場R(ベクトルx,t)のボリュームを複数のウィンドウに分割する操作であって、ベクトルx=(x,y,z)は位置ベクトルを表し、tは時間を表す、前記分割する操作と;
前記複数のウィンドウの各ウィンドウについて、特定の時間値t=t
i
での:
前記ソース波動場のフーリエ変換の正の成分である^S
+
(ベクトルk,t
i
)を計算する操作であって、ベクトルk=(k
x
,k
y
,k
z
)は波数ベクトルを表す、前記計算する操作と;
前記ソース波動場のフーリエ変換の正の成分のヒルベルト変換である^HS
+
(ベクトルk,t
i
)を計算する操作と;
特定のウィンドウにおける前記ソース波動場の下降成分であるS
D
(ベクトルx,t
i
)を、前記^S
+
(ベクトルk,t
i
)と前記^HS
+
(ベクトルk,t
i
)の和の逆フーリエ変換の実部成分として計算する操作と;
前記レシーバ波動場のフーリエ変換の負の成分である^R
-
(ベクトルk,t
i
)を計算する操作と;
前記レシーバ波動場のフーリエ変換の負の成分のヒルベルト変換である^HR
-
(ベクトルk,t
i
)を計算する操作と;
前記特定のウィンドウにおける前記レシーバ波動場の上昇成分であるR
U
(ベクトルx,t
i
)を、前記^R
-
(ベクトルk,t
i
)と前記^HR
-
(ベクトルk,t
i
)の和の逆フーリエ変換の実部成分として計算する操作と;
前記複数のウィンドウの各ウィンドウにおける前記ソース波動場の下降成分を合計することにより、前記特定の時間値での前記ソース波動場の下降成分であるS
d
(ベクトルx,t
i
)を計算する操作と;
前記複数のウィンドウの各ウィンドウにおける前記レシーバ波動場の上昇成分を合計することにより、前記特定の時間値での前記レシーバ波動場の上昇成分であるR
u
(ベクトルx,t
i
)を計算する操作と;を含む、
デバイス。
[第11の局面]
であり、
^S(ベクトルk,t
i
)は、前記ソース波動場のフーリエ変換であり、
^R(ベクトルk,t
i
)は、前記レシーバ波動場のフーリエ変換である、
第10の局面に記載のデバイス。
[第12の局面]
前記操作は、
複数の重なり合うウィンドウの各ウィンドウについて、前記特定の時間値t=t
i
での:
前記ソース波動場の時間微分のフーリエ変換の正の成分である、
を計算する操作であって、^S´(ベクトルk,t
i
)は、前記ソース波動場の時間微分のフーリエ変換である、前記計算する操作と;
前記レシーバ波動場の時間微分のフーリエ変換の負の成分である、
を計算する操作であって、^R´(ベクトルk,t
i
)は、前記レシーバ波動場の時間微分のフーリエ変換である、前記計算する操作と;を更に備える、
第11の局面に記載のデバイス。
[第13の局面]
であり、
Vは、前記特定のウィンドウにおける平均速度であり、
εは、ユーザが指定した数であり、
jは、虚数単位である、
第12の局面に記載のデバイス。
[第14の局面]
である、
第13の局面に記載のデバイス。
[第15の局面]
前記複数のウィンドウは、複数の重なり合うウィンドウである、
第10の局面に記載のデバイス。
[第16の局面]
各ウィンドウにおける、前記ソース波動場の下降成分を合計する操作と、前記レシーバ波動場の上昇成分を合計する操作は、各ウィンドウwにおけるS
D
(ベクトルx,t
i
)及びR
U
(ベクトルx,t
i
)を、重なり合う領域においてテーパをつけて合計する操作;を備える、
第15の局面に記載のデバイス。
[第17の局面]
前記フーリエ変換は、1D空間のフーリエ変換である、
第10の局面に記載のデバイス。
[第18の局面]
前記操作は、
前記S
d
(ベクトルx,t
i
)と前記R
u
(ベクトルx,t
i
)とに基づき画像項I
du
(ベクトルx)を計算する操作;を更に備える、
第10の局面に記載のデバイス。
[第19の局面]
操作を実行するために、コンピュータシステムによって実行可能な命令を格納する、非一時的なコンピュータ読取り可能媒体であって:
前記操作は:
ソース波動場S(ベクトルx,t)及びレシーバ波動場R(ベクトルx,t)のボリュームを複数のウィンドウに分割する操作であって、ベクトルx=(x,y,z)は位置ベクトルを表し、tは時間を表す、前記分割する操作と;
前記複数のウィンドウの各ウィンドウについて、特定の時間値t=t
i
での:
前記ソース波動場のフーリエ変換の正の成分である^S
+
(ベクトルk,t
i
)を計算する操作であって、ベクトルk=(k
x
,k
y
,k
z
)は波数ベクトルを表す、前記計算する操作と;
前記ソース波動場のフーリエ変換の正の成分のヒルベルト変換である^HS
+
(ベクトルk,t
i
)を計算する操作と;
特定のウィンドウにおける前記ソース波動場の下降成分であるS
D
(ベクトルx,t
i
)を、前記^S
+
(ベクトルk,t
i
)と前記^HS
+
(ベクトルk,t
i
)の和の逆フーリエ変換の実部成分として計算する操作と;
前記レシーバ波動場のフーリエ変換の負の成分である^R
-
(ベクトルk,t
i
)を計算する操作と;
前記レシーバ波動場のフーリエ変換の負の成分のヒルベルト変換である^HR
-
(ベクトルk,t
i
)を計算する操作と;
前記特定のウィンドウにおける前記レシーバ波動場の上昇成分であるR
U
(ベクトルx,t
i
)を、前記^R
-
(ベクトルk,t
i
)と前記^HR
-
(ベクトルk,t
i
)の和の逆フーリエ変換の実部成分として計算する操作と;
前記複数のウィンドウの各ウィンドウにおける前記ソース波動場の下降成分を合計することにより、前記特定の時間値での前記ソース波動場の下降成分であるS
d
(ベクトルx,t
i
)を計算する操作と;
前記複数のウィンドウの各ウィンドウにおける前記レシーバ波動場の上昇成分を合計することにより、前記特定の時間値での前記レシーバ波動場の上昇成分であるR
u
(ベクトルx,t
i
)を計算する操作と;を備える、
非一時的なコンピュータ読取り可能媒体。
[第20の局面]
前記複数のウィンドウは、複数の重なり合うウィンドウである、
第19の局面に記載の媒体。