(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-31
(45)【発行日】2023-04-10
(54)【発明の名称】少なくとも1つの物体の位置を決定するための検出器
(51)【国際特許分類】
G01C 3/06 20060101AFI20230403BHJP
G01B 11/00 20060101ALI20230403BHJP
【FI】
G01C3/06 110A
G01C3/06 110B
G01B11/00 H
(21)【出願番号】P 2020527733
(86)(22)【出願日】2018-11-16
(86)【国際出願番号】 EP2018081542
(87)【国際公開番号】W WO2019096986
(87)【国際公開日】2019-05-23
【審査請求日】2021-09-15
(32)【優先日】2017-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2018-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517267802
【氏名又は名称】トリナミクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【氏名又は名称】江藤 聡明
(72)【発明者】
【氏名】シンドラー,パトリク
(72)【発明者】
【氏名】シレン,ペーター
(72)【発明者】
【氏名】エバーシュパッハ,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】レンナルツ,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ゼント,ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】ブルーダー,イングマル
(72)【発明者】
【氏名】ヘンゲン,ハイコ
(72)【発明者】
【氏名】ディーセルベルク,ラルス
【審査官】神谷 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-159506(JP,A)
【文献】特開2004-046772(JP,A)
【文献】特開2016-075658(JP,A)
【文献】特開2012-013514(JP,A)
【文献】国際公開第2017/012986(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 3/06
G01B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの物体(112)の位置を決定するための検出器(110)であって、
- 光センサのマトリックス(132)を有する少なくとも1つのセンサ要素(130)であって、各光センサはそれぞれ感光性領域を有し、前記各光センサ(134)は前記物体(112)から前記検出器(110)に伝播する光ビーム(141)によるそれぞれの前記感光性領域(136)の照射に応答して少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計され、前記センサ要素(130)は少なくとも1つの反射画像を決定するように適合されている、センサ要素(130)と、
- 少なくとも1つの評価装置(146)であって、前記評価装置(146)は、前記反射画像の少なくとも1つの第1画像位置(150)で、前記反射画像の少なくとも1つの反射特徴を選択するように適合され、前記評価装置(146)は、前記センサ信号からの結合信号Qを評価することにより、前記物体(112)の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成され、前記評価装置(146)は、参照画像の少なくとも1つの第2画像位置(154)で、前記少なくとも1つの反射特徴に対応する、前記少なくとも1つの参照画像の少なくとも1つの参照特徴を決定するように適合され、前記参照画像と前記反射画像は2つの異なる空間構成で決定され、前記空間構成は相対的空間配置によって異なり、前記評価装置(146)は前記縦方向座標zと前記第1と第2の画像位置(150,154)から前記相対的空間配置を決定するように適合されている、評価装置(146)と、を有し
、
前記検出器(110)は、相対的空間配置によって分離された少なくとも2つのセンサ要素(130)を有し、少なくとも1つの第1センサ要素(150)が前記参照画像を記録するように適合され、少なくとも1つの第2センサ要素(152)が前記反射画像を記録するように適合されており、
前記評価装置(146)は、前記センサ信号の除算、前記センサ信号の倍数の除算、前記センサ信号の線形結合の除算のうちの1つ以上によって前記結合信号Qを導出するように構成されている、検出器(110)。
【請求項2】
前記相対的空間配置は、相対的空間の向き;相対的角度位置;相対距離;相対変位;相対運動、からなる群から選択される少なくとも1つの配置である、請求項1に記載の検出器。
【請求項3】
前記検出器(110)は、異なる時間に同じ前記光センサ(134)のマトリックス(132)を使用して前記反射画像および前記参照画像を記録するように適合されている、請求項
1または2に記載の検出器(110)。
【請求項4】
前記評価装置(146)は、前記相対的空間配置に関する少なくとも1つのスケーリング係数を決定するように適合されている、請求項
3に記載の検出器(110)。
【請求項5】
前記評価装置(146)は、前記参照特徴と前記反射特徴との変位を決定するように適合されている、請求項1~
4のいずれか1項に記載の検出器(110)。
【請求項6】
前記評価装置(146)は、前記物体(112)の三角測量縦方向座標z
triangと前記変位の間の事前に定義された関係を使用して、前記物体(112)の少なくとも1つの三角測量縦方向座標z
triangを決定するように適合されている、請求項
5に記載の検出器(110)。
【請求項7】
前記評価装置(146)は、前記決定された相対的空間配置を考慮して、前記縦方向座標zと変位の間の実際の関係を決定するように適合され、前記評価装置(146)が、実際の関係に依存して前記事前定義された関係を調整するように適合されている、請求項
6に記載の検出器(110)。
【請求項8】
前記評価装置(146)が、前記センサ信号からの結合信号Qを評価することによって前記反射特徴の少なくとも1つの縦方向領域を決定するように適合され、前記縦方向領域は縦方向座標zと誤差間隔±εによって与えられ、前記評価装置(146)は、前記縦方向領域に対応する前記参照画像の少なくとも1つの変位領域を決定するように適合され、前記評価装置(146)は前記参照画像におけるエピポーラ線を決定するように適合され、前記変位領域は前記エピポーラ線に沿って延在し、前記評価装置(146)は、前記縦方向座標zに対応して前記エピポーラ線に沿って前記参照特徴を決定し、前記誤差間隔±εに対応して前記エピポーラ線に沿って前記変位領域の範囲を決定するように適合されている、請求項1~
7のいずれか1項に記載の検出器。
【請求項9】
前記評価装置(146)が、以下のステップ:
- 各反射特徴の前記第2画像位置の変位領域を決定するステップ;
- 変位領域に最も近いエピポーラ線、および/または変位領域内のエピポーラ線、および/または前記エピポーラ線に垂直な方向に沿う変位領域に最も近いエピポーラ線を割り当てるように、各反射特徴の前記変位領域にエピポーラ線を割り当てるステップ;
- 割り当てられた前記変位領域に最も近い参照特徴、および/または割り当てられた前記変位領域内の参照特徴、および/または割り当てられた前記エピポーラ線に沿った割り当てられた前記変位領域に最も近い参照特徴、および/または割り当てられた前記エピポーラ線に沿った割り当てられた前記変位領域内の参照特徴を割り当てるように、少なくとも1つの参照特徴を各反射特徴に割り当ておよび/または決定するステップ、
を実行するように構成されている、請求項
8に記載の検出器(110)。
【請求項10】
前記評価装置(146)は、前記反射特徴を前記変位領域内の前記少なくとも1つの参照特徴と一致させるように適合されている、請求項
8または
9に記載の検出器(110)。
【請求項11】
前記評価装置(146)が、前記縦方向座標zを決定するために、前記結合信号Qと前記縦方向領域の間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように構成されている、請求項1~
10のいずれか1項に記載の検出器(110)。
【請求項12】
前記評価装置(146)が、以下の数式
【数1】
によって結合信号Qを導出するように構成され、
ここで、xとyは横方向座標であり、A
1とA
2は、前記物体(112)から前記検出器(110)に伝播する光ビームのセンサ位置における少なくとも1つのビームプロファイルの異なる領域であり、E(x,y,z
o)は物体(112)の距離z
oで与えられたビームプロファイルを示し、前記各センサ信号は、前記物体(112)から前記検出器(110)に伝搬する前記光ビームのビームプロファイルの少なくとも1つの領域の少なくとも1つの情報を含む、請求項1~請求項
11のいずれか1項に記載の検出器(110)。
【請求項13】
前記感光性領域(136)は、第1センサ信号が前記ビームプロファイルの第1の領域の情報を含み、第2センサ信号が前記ビームプロファイルの第2の領域の情報を含むように構成され、前記ビームプロファイルの前記第1領域および前記ビームプロファイルの前記第2領域は、隣接する領域または重複する領域の一方または両方である、請求項
12に記載の検出器(110)。
【請求項14】
前記評価装置(146)は、前記ビームプロファイルの前記第1領域および前記ビームプロファイルの前記第2領域を決定するように構成され、前記ビームプロファイルの前記第1領域は、前記ビームプロファイルの本質的にエッジ情報を含み、前記ビームプロファイルの前記第2領域は、本質的に前記ビームプロファイルの中心情報を含み、前記エッジ情報は、前記ビームプロファイルの前記第1領域の光子数に関する情報を含み、前記中心情報は、前記ビームプロファイルの前記第2領域の光子数に関する情報を含む、請求項
13に記載の検出器(110)。
【請求項15】
前記検出器(110)は、少なくとも1つの照射源を含み、前記照射源は、前記物体(112)を照射するための少なくとも1つの照射パターンを生成するように適合され、前記照射パターンは、少なくとも1つの点パターン、特に擬似ランダム点パターン;少なくとも1つの既知の特徴を含む少なくとも1つのパターン、からなる群から選択される少なくとも1つのパターンを含む、請求項1~
14のいずれか1項に記載の検出器(110)。
【請求項16】
少なくとも1つの物体(112)の位置を決定するための検出器システム(116)であって、請求項1~
15のいずれか1項に記載の少なくとも1つの検出器(110)を含み、少なくとも1つの光ビームを前記検出器(110)に向かわせるように適合された少なくとも1つのビーコン装置(118)をさらに含み、前記ビーコン装置(118)は、前記物体(112)に取り付け可能、前記物体(112)によって保持可能、および前記物体(112)に統合可能の少なくとも1つである、検出器システム(116)。
【請求項17】
ユーザ(113)とマシーンの間で少なくとも1つの情報項目を交換するためのヒューマンマシーンインターフェイス(120)であって、請求項
16に記載の少なくとも1つの検出器システム(116)を含み、前記少なくとも1つのビーコン装置(118)がユーザ(113)に直接的または間接的に取り付けられること、ユーザ(113)によって保持されることのうちの少なくとも1つであるように適合され、前記ヒューマンマシーンインターフェイス(120)は、前記検出器システム(116)によってユーザ(113)の少なくとも1つの位置を決定するように設計され、前記ヒューマンマシーンインターフェイス(120)は、少なくとも1つの情報項目を前記位置に割り当てるように設計されている、ヒューマンマシーンインターフェイス。
【請求項18】
少なくとも1つの娯楽機能を実行するための娯楽装置(122)であって、請求項
17による少なくとも1つのヒューマンマシーンインターフェイス(120)を含み、前記ヒューマンマシーンインターフェイス(120)を介してプレーヤによって少なくとも1つの情報項目が入力され得るように設計され、前記情報によって前記娯楽機能を変化させるように設計されている、娯楽装置(122)。
【請求項19】
少なくとも1つの可動物体(112)の位置を追跡するための追跡システム(124)であって、検出器システムに言及する、請求項
16による少なくとも1つの検出器システム(116)を備え、少なくとも1つの追跡コントローラ(147)をさらに備え、前記追跡コントローラ(147)は、特定の時点における前記物体(112)の一連の位置を追跡するように適合されている、追跡システム(124)。
【請求項20】
場景の深度プロファイルを決定するための走査システム(126)であって、検出器に言及する、請求項1~
17のいずれか1項による少なくとも1つの検出器(110)を含み、少なくとも1つの光ビームによって前記場景を走査するように適合された少なくとも1つの照射源(128)をさらに含む、走査システム(126)。
【請求項21】
少なくとも1つの物体(112)を撮像するためのカメラ(114)であって、検出器に言及する、請求項1~
17のいずれか1項による少なくとも1つの検出器(110)を備えている、カメラ。
【請求項22】
電子装置で使用するための慣性測定ユニットであって、検出器に言及する、検出器に言及する、請求項1~
17のいずれか1項による少なくとも1つの検出器(110)によって決定されたデータを受信するように適合され、さらに、車輪速度センサ、回転速度センサ、傾斜センサ、方位センサ、モーションセンサ、磁気流体力学センサ、力センサ、角度センサ、角速度センサ、磁場センサ、磁力計、加速度計、ジャイロスコープからなる群から選択された少なくとも1つのさらなるセンサによって決定されたデータを、受け取るように適合され、検出器(110)と前記少なくとも1つのさらなるセンサからのデータを評価することにより、空間内の位置、空間内の相対または絶対運動、回転、加速度、方向付け、角度位置、傾斜、回転率、速度からなる群から選択される電子装置の少なくとも1つの特性を決定するように適合されている、慣性測定ユニット。
【請求項23】
検出器に言及する、請求項1~
17のいずれか1項による少なくとも1つの検出器(110)を使用することによって相対的空間配置を決定するための方法であって、以下のステップ:
- 前記物体(112)から前記検出器(110)に伝播する少なくとも1つの光ビームによる、それぞれ感光性領域(136)を有する光センサ(134)のマトリックス(132)を有する少なくとも1つのセンサ要素(130)の照射に応答して、少なくとも2つのセンサ信号を生成する、ステップ;
- 前記センサ要素(130)を使用して、少なくとも1つの反射画像を決定する、ステップ;
- 前記反射画像の少なくとも1つの第1画像位置(148)で、前記反射画像の少なくとも1つの反射特徴を選択し、少なくとも1つの評価装置(146)を使用して前記センサ信号からの結合信号Qを評価することにより、選択された前記反射特徴の少なくとも1つの縦方向座標zを決定する、ステップ;
- 少なくとも1つの参照画像を提供し、前記参照画像と前記反射画像は2つの異なる空間構成で決定され、前記空間構成は前記相対的空間配置によって異なる、ステップ;
- 前記縦方向座標zに対応する前記参照画像の少なくとも1つの第2画像位置(154)で、前記参照画像の少なくとも1つの参照特徴を決定する、ステップ;
- 前記縦方向座標zと前記第1および第2の画像位置から、前記相対的空間配置を決定する、ステップ、
を含む方法。
【請求項24】
検出器に言及する、請求項1~
17のいずれか1項による少なくとも1つの検出器(110)を較正するための方法であって、以下のステップ:
- 前記物体(112)から前記検出器(110)に伝播する少なくとも1つの光ビームによる、それぞれ感光性領域(136)を有する光センサ(134)のマトリックス(132)を有する少なくとも1つのセンサ要素(130)の照射に応答して、少なくとも2つのセンサ信号を生成する、ステップ;
- 前記センサ要素(130)を使用して、少なくとも1つの反射画像を決定する、ステップ;
- 前記反射画像の少なくとも1つの第1画像位置(148)で、前記反射画像の少なくとも1つの反射特徴を選択し、少なくとも1つの評価装置(146)を使用して前記センサ信号からの結合信号Qを評価することにより、選択された前記反射特徴の少なくとも1つの縦方向座標zを決定する、ステップ;
- 少なくとも1つの参照画像を提供し、前記参照画像と前記反射画像は2つの異なる空間構成で決定され、前記空間構成は第1の相対的空間配置によって異なる、ステップ;
- 前記縦方向座標zに対応する前記参照画像の少なくとも1つの第2画像位置(154)で、前記参照画像の少なくとも1つの参照特徴を決定する、ステップ;
- 前記縦方向座標zと前記第1および第2の画像位置から、前記第1の相対的空間配置を決定する、ステップ、
- 前記評価装置は、前記第1の相対的空間配置を保存するように適合されている、ステップ、
を含む、方法。
【請求項25】
検出器に関する、請求項1~
17のいずれか1項による検出器(110)の使用であって、使用目的が:交通技術における位置測定;娯楽用途;セキュリティ用途;監視用途;安全用途;ヒューマンマシーンインターフェイス用途;物流用途;追跡用途;屋外用途;モバイルアプリケーション;通信用途;写真用途;マシーンビジョン用途;ロボット工学用途;品質管理用途;製造用途、からなる群から選択される、検出器の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの物体の位置を決定する検出器、少なくとも1つの物体の位置を決定する少なくとも1つの検出器を使用して相対的な空間配置を決定する方法、少なくとも一つの検出器を較正する方法に関する。本発明はさらに、ユーザとマシーンの間で少なくとも一つの情報項目を交換するためのヒューマンマシーンインターフェイス、娯楽装置、追跡システム、カメラ、走査システムおよび検出装置の種々の使用に関する。本発明による装置、方法および使用は、具体的には、たとえば、日常生活、ゲーム、交通技術、生産技術、セキュリティ技術、アートのためのデジタル写真やビデオ写真などの写真、文書化または技術的な目的、医療技術のさまざまな分野で、または科学で採用されてもよい。さらに、本発明は、具体的には、1つ以上の物体を走査するため、および/または、物体または場景の深度プロファイルを生成するために使用することができ、例えば、建築、計測、考古学、芸術、医学、工学、製造の分野においてである。ただし、他の適用も可能である。
【背景技術】
【0002】
光学三次元センシング法は、一般に、環境が偏った光源や反射測定物体により多重反射を引き起こす場合は、信頼性が低い結果を決定し得る。さらに、三次元センシング法、例えば画像化機能を有する構造化された光やステレオカメラを用いた三角測量法などは、しばしば対応問題を解決するために高い計算能力を必要とする困難を伴う。必要とされる計算能力は、プロセッサまたはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)と、換気要求または防水ハウジングの困難さから見た熱除去と、電力消費特にモバイル装置における電力消費と、さらに計測の不確かさのために、高いコストに帰結し得る。計算能力に対する高い要求は、リアルタイムアプリケーション、高いフレームレート、あるいは25フレーム/秒の標準ビデオスピードフレームレートでさえ、実現することを困難にし得る。
【0003】
三角測量画像化法を使用した多数の光学装置が従来技術から知られている。例えば、構造化された光(構造化光)方式またはステレオ方式が知られている。例えば、固定された相対的向きにある2つのカメラを使用するパッシブステレオ方式、または追加の光プロジェクタが使用されるアクティブステレオ技術などがある。他の例としては、固定された相対的向きにある1台の光プロジェクタと1台のカメラを使用する構造された光のアプローチが知られている。三角測量で奥行き画像を決定するためには、対応関係の問題がまず解決されなければならない。そのため、パッシブステレオカメラ技術では、両方のカメラビューで十分に対応する特徴点が特定されなければならない。構造化された光のアプローチでは、事前に蓄積された擬似ランダム光パターンと投影された擬似ランダム光パターンの間の対応関係が決定されなければならない。これらの対応関係の問題をエラー強く解決するためには、投影された点パターンの点の数に応じてほぼ二次的にスケーリングするアルゴリズムなどの計算画像化アルゴリズムを採用しなければならない。構造化光方式では、例えば、一定の相対的距離を有する2つの検出器を有するステレオシステムを使用して、一光源が、点、擬似ランダムまたはランダムまたは非周期的または不規則な点パターンなどのパターンを投影する。各検出器は反射パターンの画像を生成し、2つの画像の対応する特徴を特定する画像解析タスクが存在する。固定された相対的位置のため、2つの画像のうちの1つで選択された対応の特徴点は、他の画像のエピポーラ線に沿って配置されている。しかし、いわゆる対応関係の問題を解くのは難しいことがあり得る。ステレオ及び三角測量システムでは、エピポーラ線に沿ったすべての特徴点の距離は、互いに合理的な対応関係を有していなければならない。対応関係の決定は、一つ一つ行うことはできない。一つの対応関係が間違っている場合、これは他の特徴点に、例えば不可視性などの影響を与える。これは通常、二次スケーリング評価アルゴリズムなどの非線形を生じる。
【0004】
例えば、US2008/0240502A1及びUS2010/018123A1には、点の固定パターンを含む単一の透明体を含む照射構造を含む、物体をマッピングするための装置が記載されている。光源は、物体にパターンを投影するように、光放射で該単一透明体を透過させる。画像キャプチャ構造は、該単一の透明体を使用して物体に投影されたパターンの画像を取得する。プロセッサは、画像キャプチャ装置によって取得された画像を、物体の三次元マップを再構築するように画像処理する。
【0005】
さらに、いわゆる姿勢推定や動きから構造や動きから形状と呼ばれる距離決定に使用される三次元センシング法が知られ、例えばRa-malingam他のIEEE国際会議、発行:IEEE ISBN:978-1-61284-385-8を参照されたい。「動きから構造」という用語は,「動きから構造」と「動きから形状」の両方の同義語として使用される。姿勢推定のアルゴリズムでは、カメラ画像が記録され、カメラの視線方向、物体からの距離、カメラの速度などのカメラの姿勢が推定される。同様に、動きから構造のアルゴリズムでは、カメラの姿勢を推定することによって物体の三次元構造が記録され、したがって、互いに関する画像の特徴の位置が記録される。この理論に拘束されることなく、両方のアルゴリズムは、カメラに近い物体は、遠い物体より早く移動する観察に基づいている。画像から画像への特徴点を追跡することにより、カメラまでの距離を差し引くことができる。
【0006】
さらに、WO2017/012986A1には、少なくとも1つの物体の位置を決定するための検出器が記載されている。この検出器は、-少なくとも1つの光センサであって、物体から検出器向かって伝播する少なくとも1つの光ビームによって生成された少なくとも1つの光スポットを検出するように構成され、少なくとも1つの画素のマトリックスを有し、各画素は光ビームによる画素の照射に応答して少なくとも1つの画素信号si,jを生成するように適合された、光センサ;-全画素i,jまたは画素の少なくとも1つのグループの画素信号si,jを、非線形画素信号s’i,jに変換するように構成された少なくとも1つの非線形化装置であって、前記非線形画素信号s’i,jは、それぞれ、対応の画素の照射pijのパワーの非線形関数である、非線形化装置;-すべての画素i,jまたは画素の少なくとも1つのグループの前記非線形画素信号s’ijを加算し、少なくとも1つの非線形和信号S’=Σij s’ijを生成するように構成された少なくとも1つの加算装置;および、-少なくとも1つの評価装置であって、前記非線形和信号S’を評価することにより、前記物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成された評価装置、を有している。
【0007】
上記装置と検出器が示す利点にもかかわらず、いくつかの技術的な課題が残っている。
【0008】
既知の三次元センシング法で使用される評価アルゴリズムは、厳しいコスト要因となる高い計算能力を必要とする。さらに、必要な計算資源のエネルギー消費と熱生成により、計算要求は屋外およびモバイルアプリケーションでのこのような三次元センサ法の使用を制限する。
【0009】
さらに、三角測量システムは、照射源とセンサ間の、例えば構造化光またはレーザ三角測量を使用する検出器間の、または例えばステレオシステムの2つのセンサ間の固定された不変の機械的接続に大きく依存している。照射源とセンサ間または2つのセンサ間の距離に関する正しい知識が距離測定の基礎になっている。距離の変化は、距離測定におけるオフセット、線形、二次、またはより高次のエラーなどのエラーを引き起こす可能性がある。既知の三次元センシング法では、安定した距離を生成するために、著しい機械的労力とコストがかかっている。安定性に対する懸念は、特に経年変化、温度変化、機械的応力に関して存在している。
【0010】
さらに、姿勢推定アルゴリズムは、カメラが近くでゆっくり移動しているか、遠くで速く移動しているかを決定できない。したがって、これらのアルゴリズムは、絶対測定を可能にするスケーリング係数を欠く。移動カメラを使用する既知の三次元センシング法では、カメラの速度は、カメラの慣性測定ユニットによって測定されることがよくあるが、精度に限界がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】US2008/0240502A1
【文献】US2010/0118123A1
【文献】WO2017/012986A1
【非特許文献】
【0012】
【文献】Ramalingamらによる、「Geo-Localizationの両方の点と線を使用した姿勢推定」、Robotics and Automation(ICRA)、2011 IEEE International Conference on Robotics and Automation、発行元:IEEE ISBN:978-1-61284-385-8。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の目的は、既知の装置および方法の上記の技術的課題に対面する装置および方法を提供することである。具体的には、本発明の目的は、空間における物体の位置を、好ましくは少ない技術的労力と、技術的資源およびコストに関する低い要求によって、確実に決定することができる装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この問題は、独立特許請求項の特徴を備えた本発明によって解決される。個別にまたは組み合わせて実現することができる本発明の有利な展開は、従属請求項および/または以下の明細書および詳細な実施形態に示されている。
【0015】
以下で使用されるとき、「有する」、「備える」、または「含む」という用語、またはそれらの任意の文法上の変形は、非排他的な方法で使用される。したがって、これらの用語は、これらの用語によって導入された特徴に加えて、この文脈で説明されているものにそれ以上の特徴が存在しない状況と、1つ以上のさらなる特徴が存在する状況の両方を指す。一例として、「AはBを有する」、「AはBを備える」、および「AはBを含む」という表現は、B以外にAに他の要素が存在しない状況(つまり、Aは専らかつ排他的にBからなる状況)と、Bに加えて、1つ以上の要素、例えば要素C、要素CとD、またはさらに要素などが実体Aに存在する状況の双方を指し得る。
【0016】
さらに、「少なくとも1つ」、「1つ以上」または一つの特徴または要素が1回以上存在し得ることを示す同様の表現は、典型的には、対応の特徴または要素を導入するときに1回だけ使用されることに留意されたい。以下では、ほとんどの場合、それぞれの特徴または要素を参照するとき、それらの特徴または要素が1回以上存在するにもかかわらず、「少なくとも1つ」または「1つ以上」という表現は繰り返されない。
【0017】
さらに、以下で使用されるとき、「好ましくは」、「より好ましくは」、「特に」、「さらに特に」、「具体的に」、「より具体的に」または類似の用語は、代替的な可能性を制限することなく、任意の特徴とともに使用される。したがって、これらの用語によって導入された特徴は任意の特徴であり、如何なる意味でも請求の範囲を制限することを意図していない。本発明は、当業者が認識するように、代替的特徴を用いて実施することができる。同様に、「本発明の一実施形態では」または同様の表現によって導入される特徴は、本発明の代替実施形態に関する制限なしに、本発明の範囲に関する制限なしに、およびそのように導入された特徴を、本発明の他の任意のまたは非任意の特徴と組み合わせる可能性に関する制限なしに、任意の特徴であることが意図されている。
【0018】
本発明の第1の態様では、少なくとも1つの物体の位置を決定するための検出器が開示されている。本明細書で使用されるとき、「物体」という用語は、少なくとも1つの光ビームを放出する点または領域を指す。光ビームは、光ビームを放出する物体および/または物体に統合または取り付けられた少なくとも1つの照射源などの物体から、または、物体を直接的または間接的に照射し、そこでは光ビームが物体によって反射または散乱される照射源などの異なる照射源から生じてよい。本明細書で使用されるとき、「位置」という用語は、空間内の物体および/または物体の少なくとも一部の、位置および/または向きに関する少なくとも1つの情報項目を指す。したがって、少なくとも1つの情報項目は、物体の少なくとも1つの点と少なくとも1つの検出器の間の、少なくとも1つの距離を意味し得る。以下でさらに詳細に概説されるように、距離は、縦方向座標であり得るか、または物体の点の縦方向座標を決定することに寄与し得る。追加的にまたは代替的に、物体および/または物体の少なくとも一部の位置および/または向きに関する1つ以上の他の情報項目が決定され得る。一例として、さらに、物体および/または物体の少なくとも一部の少なくとも1つの横方向座標が決定され得る。したがって、物体の位置は、物体および/または物体の少なくとも一部の少なくとも1つの縦方向座標を示し得る。追加的または代替的に、物体の位置は、物体および/または物体の少なくとも一部の少なくとも1つの横方向座標を示し得る。追加的にまたは代替的に、物体の位置は、空間における物体の向きを示す、物体の少なくとも1つの向き情報を意味し得る。
【0019】
検出器は:
-光センサのマトリックスを有する少なくとも1つのセンサ要素であって、各光センサは感光性領域を有し、各光センサは、物体から検出器に伝播する光ビームによるそれぞれの感光性領域の照射に応答して少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計され、前記センサ要素は少なくとも1つの反射画像を決定するように適合されている、センサ要素;
-少なくとも1つの評価装置であって、反射画像内の少なくとも1つの第1画像位置で反射画像における少なくとも1つの反射特徴を選択するように適合され、センサ信号からの合成信号Qを評価することにより物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成され、参照画像内の少なくとも1つの第2画像位置で、前記少なくとも一つの反射特徴に対応して少なくとも一つの参照画像における少なくとも一つの参照特徴を決定するように適合され、前記参照画像と前記反射画像は2つの異なる空間構成で決定され、前記空間構成は相対的空間配置によって異なり、該評価装置は前記縦方向座標zと前記第1と第2の画像位置から相対的空間配置を決定するように適合されている、評価装置、を有する。
【0020】
ここで使用されるとき、「センサ要素」という用語は、一般に、少なくとも1つのパラメータを感知するように構成された装置または複数の装置の組み合わせを指す。この場合、パラメータは、具体的には光パラメータであってよく、センサ要素は、具体的には光センサ要素であってよい。センサ要素は、一体の単一装置として、またはいくつかの装置の組み合わせとして形成され得る。ここで使用される場合、「光センサ」という用語は、一般に、光ビームの検知、例えば少なくとも1つの光ビームによって生成される照射および/または光スポットの検知のための感光装置を指す。
【0021】
本明細書でさらに使用されるように、「マトリックス」という用語は、一般に、複数要素の所定の幾何学的順序における配置を指す。マトリックスは、以下でさらに詳細に概説するように、具体的には、1つ以上の行および1つ以上の列を有する長方形のマトリックスであってもよく、またはそれを含んでもよい。行と列は、具体的には長方形方式に配置され得る。しかしながら、三角形、円形、六角形、またはさらなる非長方形の配置などの他の配置も可能であることを説明しておかなければならない。一例として、円形の配置も可能であり、そこでは要素が中心点を中心に同心の円または楕円に配置される。例えば、マトリックスは、画素の単一の行であり得る。他の配置も可能である。マトリックスの光センサは、具体的には、サイズ、感度、および他の光学的、電気的および機械的特性の1つ以上で等しくあってよい。マトリックスのすべての光センサの感光性領域は、具体的に共通平面に配置でき、該共通平面は、物体から検出器に伝播する光ビームが該共通平面上に光スポットを生成し得るように、好ましくは物体に面している。
【0022】
ここでさらに使用されるように、「感光性領域」は一般に、少なくとも1つの光ビームによって外部から照射され、該照射に応答して少なくとも1つのセンサ信号が生成される、光センサの領域を指す。感光性領域は、具体的には、それぞれの光センサの表面上に位置し得る。しかしながら、他の実施形態も実現可能である。本明細書で使用される場合、「少なくとも1つの感光性領域をそれぞれ有する光センサ」という用語は、それぞれが1つの感光性領域を有する複数の単一の光センサを有する構成、および、複数の感光性領域を有する1つの組み合わされた光センサを有する構成を指す。したがって、「光センサ」という用語はさらに、1つの出力信号を生成するように構成された感光装置を指すのに対して、ここでは、2つ以上の出力信号を生成するように構成された感光装置、たとえば少なくとも1つのCCDおよび/またはCMOSデバイスは、2つ以上の光センサと呼ばれる。以下でさらに詳細に概説されるように、各光センサは、それぞれの光センサに正確に1つの感光性領域が存在するように、例えば照射され得る正確に1つの感光性領域を提供し、前記照射に応じて正確に1つの均一なセンサ信号が全光センサのために生成されるように、具体化され得る。したがって、各光センサは、単一領域光センサであり得る。ただし、単一領域光センサの使用は、検出器の構造を特に簡単かつ効率的にする。したがって、一例として、それぞれが正確に1つの感知領域を有する市販のシリコンフォトダイオードなどの市販のフォトセンサを構成で使用され得る。しかしながら、他の実施形態も実現可能である。したがって、一例として、2つ、3つ、4つ、または4つより多いの感光性領域を含む光学装置が使用されることができ、それらは本発明の文脈では2つ、3つ、4つ、または4つより多い光センサと見なされる。上記で概説したように、センサ要素は、光センサのマトリックスを有する。したがって、一例として、光センサは、画素化光学装置の一部であるか、またはそれを構成することができる。一例として、光センサは、画素のマトリックスを有し、各画素が感光性領域を形成する少なくとも1つのCCDおよび/またはCMOS装置の一部であるかまたはそれを構成することができる。
【0023】
上記で概説したように、光センサは、具体的には、光検出器、好ましくは無機光検出器、より好ましくは無機半導体光検出器、最も好ましくはシリコン光検出器であるか、またはそれらを含み得る。具体的には、光センサは、赤外スペクトル範囲で感光性を有することができる。マトリックスの光センサのすべて、またはマトリックスの光センサの少なくとも一グループは、具体的には、同一であってよい。マトリックスの同一光センサのグループは、具体的には、異なるスペクトル範囲に対して提供されてもよく、または、すべての光センサは、スペクトル感度に関して同一であってもよい。さらに、光センサは、サイズおよび/またはそれらの電子的または光電子的特性に関して同一であり得る。
【0024】
具体的には、光センサは、赤外線スペクトル範囲、好ましくは780nmから3.0μmの範囲で感度がある無機フォトダイオードであるか、またはそれを含むことができる。具体的には、光センサは、シリコンフォトダイオードが特に700nm~1000nmの範囲で適用することができる近赤外領域の部分で感光性を有することができる。光センサに使用され得る赤外線光センサは、市販の赤外線光センサ、例えば、ドイツのHamamatsu Photonics Deutschland GmbH, D-82211 Herrsching am Ammerseeから市販されている赤外線光センサであってよい。したがって、一例として、光センサは、固有の光起電力タイプの少なくとも1つの光センサ、より好ましくは、Geフォトダイオード、InGaAsフォトダイオード、拡張InGaAsフォトダイオード、InAsフォトダイオード、InSbフォトダイオード、HgCdTeフォトダイオードからなる群から選択される少なくとも1つの半導体フォトダイオードを含むことができる。追加的または代替的に、光センサは、外因性光起電力タイプの少なくとも1つの光センサ、より好ましくは、Ge:Auフォトダイオード、Ge:Hgフォトダイオード、Ge:Cuフォトダイオード、Ge:Znフォトダイオード、Si:Gaフォトダイオード、Si:Asフォトダイオードからなる群から選択される少なくとも1つの半導体フォトダイオードを含むことができる。追加的にまたは代替的に、光センサは、少なくとも1つのボロメータ、好ましくは、VOボロメータおよびアモルファスSiボロメータからなる群から選択されるボロメータを含むことができる。
【0025】
マトリックスは、独立した光センサで構成されていてもよい。したがって、無機フォトダイオードのマトリックスが構成されても良い。しかしながら、代替的に、CCD検出器チップなどの1つ以上のCCD検出器、および/またはCMOS検出器チップなどのCMOS検出器などの市販のマトリックスが使用されてもよい。
【0026】
したがって、一般に、検出器の光センサは、センサアレイを形成してもよく、または上述のマトリックスなどのセンサアレイの一部であってもよい。したがって、一例として、検出器は、m行およびn列を有する、ここでm、nは独立して正の整数であるが、長方形アレイなどの光センサアレイを備えることができる。好ましくは、複数の列および複数の行が与えられ、すなわち、n>1、m>1である。したがって、一例として、nは2~16以上であり得、mは2~16以上であり得る。好ましくは、行数と列数の比は1に近い。一例として、nおよびmは、m/n=1:1、4:3、16:9を選択することなどにより、0.3≦m/n≦3となるように選択され得る。一例として、アレイは、m=2、n=2またはm=3、n=3などを選択することなどにより、等しい数の行および列を有する正方形アレイであってもよい。
【0027】
マトリックスは、具体的には、少なくとも1つの行、好ましくは複数の行、および複数の列を有する長方形のマトリックスであり得る。一例として、行および列は、本質的に直角をなすことができ、「本質的に直角」という用語に関しては上記の定義を参照することができる。したがって、一例として、20°未満、具体的には10°未満、またはさらには5°未満の許容誤差が許容され得る。広い視野を提供するために、マトリックスは、具体的には、少なくとも10行、好ましくは少なくとも50行、より好ましくは少なくとも100行を有することができる。同様に、マトリックスは、少なくとも10列、好ましくは少なくとも50列、より好ましくは少なくとも100列を有することができる。マトリックスは、少なくとも50個の光センサ、好ましくは少なくとも100個の光センサ、より好ましくは少なくとも500個の光センサを含み得る。マトリックスは、マルチメガピクセル範囲内の画素数を含み得る。しかしながら、他の実施形態が実現可能である。したがって、軸回転対称性が期待される構成では、画素と呼ばれることもある、マトリックスの光センサの円形配置または同心配置が好ましい場合がある。
【0028】
好ましくは、センサ要素は、検出器の光軸に対して本質的に垂直に向けられ得る。この場合も、「本質的に垂直」という用語に関して、上記の定義および許容範囲を参照することができる。光軸は、直線の光軸でも、曲がっていても、または1つ以上の偏向要素や1つ以上のビームスプリッタを使用するなどにより、分割されることさえあり得、後者の場合、基本的に垂直な向きは、光の構成のそれぞれの分岐またはビーム経路の局所的な光軸に関して言及している。
【0029】
本明細書で使用される場合、「物体から伝播する光ビーム」という用語は、物体から生じ得る、または直接的または間接的に物体を照射する照射源などの照射源から生じ得る少なくとも1つの光ビームを指し、該光ビームは、物体によって反射または散乱され、それにより、少なくとも部分的に検出器に向けられる。物体から伝播する光ビームは、以下では「反射光ビーム」とも表され得る。検出器は、能動および/または受動の照射シナリオで使用され得る。例えば、少なくとも1つの照射源は、例えば、光ビームを反射する物体へ光ビームを向けることにより、物体を照射するように適合され得る。照射源は、少なくとも1つのマルチビーム光源であり得るか、またはそれを含み得る。例えば、照射源は、少なくとも1つのレーザ源および1つ以上の回折光学要素(DOE)を含み得る。追加的または代替的に、検出器は、少なくとも1つの周囲光源からなど、すでにその場に存在する放射を使用することができる。
【0030】
物体から検出器へ伝搬する光ビームは、具体的には、少なくとも1つの光センサが、該少なくとも1つの光センサのセンサ信号が生じる感光性領域より光ビーム幅が大きい光ビーム内に完全に位置するように、光センサの少なくとも1つを完全に照らすことができる。反対に、好ましくは、反射光ビームは、光スポットがマトリックス内に完全に位置するように、全マトリックス上にマトリックスよりも小さい光スポットを形成してもよい。この状況は、さらに詳細に概説されるように、適切な転送装置を使用することなどによって、光ビームに集束または焦点ぼけ効果を有する1つ以上の適切なレンズまたは要素を選択することにより、光学の当業者によって容易に調整され得る。ここでさらに使用されるように、「光スポット」は一般に、光ビームによる、物品、領域、または物体の、可視または検出可能な円形または非円形照射を指す。
【0031】
本明細書でさらに使用されるように、「センサ信号」は、一般に、光ビームによる照射に応答して光センサによって生成される信号を指す。具体的には、センサ信号は、少なくとも1つのアナログ電気信号および/または少なくとも1つのデジタル電気信号などの少なくとも1つの電気信号であり得るか、またはそれらを含み得る。より具体的には、センサ信号は、少なくとも1つの電圧信号および/または少なくとも1つの電流信号であり得るか、またはそれらを含み得る。より具体的には、センサ信号は、少なくとも1つの光電流を含み得る。さらに、未処理のセンサ信号を使用して、または検出器、光センサ、またはその他の要素を適合させて、センサ信号を処理またはフィルタリングなどによって前処理などして、センサ信号としても使用できる二次センサ信号を生成することができる。
【0032】
感光性領域は、具体的には、物体に向けられ得る。本明細書で使用する場合、「物体に向けられる」という用語は、一般に、感光性領域のそれぞれの表面が物体から完全にまたは部分的に見える状態を指す。具体的には、物体の少なくとも1つの点とそれぞれの感光性領域の少なくとも1つの点との間の少なくとも1つの相互接続線は、0°とは異なる感光性領域の表面要素と角度、例えば、20°から90°の範囲の角度、好ましくは90°などの80°から90°の範囲の角度を形成することができる。したがって、物体が光軸上または光軸の近くにある場合、物体から検出器に向かって伝搬する光ビームは、本質的に光軸に平行であり得る。本明細書で使用する場合、「本質的に垂直」という用語は、例えば±20°以下、好ましくは±10°以下、より好ましくは±5°以下の許容誤差を有する垂直な向きの状態を指す。同様に、「本質的に平行」という用語は、例えば±20°以下、好ましくは±10°以下、より好ましくは±5°以下の許容誤差を有する平行な向きの状態を指す。
【0033】
本明細書で使用する場合、「光線」という用語は、一般に、エネルギーの流れの方向に向く光の波面に垂直な線を指す。本明細書で使用される場合、「ビーム」という用語は、一般に、光線の集まりを指す。以下では、「光線」および「ビーム」という用語を同義語として使用する。本明細書でさらに使用されるように、「光ビーム」という用語は、一般に、光の量、具体的には、拡散角または拡大角を有する光ビームの可能性を含めて本質的に同じ方向に進む光の量を指す。光ビームは、空間的広がりを有し得る。具体的には、光ビームは非ガウスのビームプロファイルを有し得る。ビームプロファイルは、台形ビームプロファイル;三角ビームプロファイル;円錐ビームプロファイルからなるグループから選択され得る。台形ビームプロファイルは、プラトー領域および少なくとも1つのエッジ領域を有し得る。以下でさらに詳細に概説されるように、光ビームは、具体的には、ガウス光ビームまたは複数ガウス光ビームの線形結合であってもよい。しかしながら、他の実施形態が実現可能である。転送装置は、ビームプロファイル、特にビームプロファイルの形状を調整、定義、および決定することの1つ以上のために構成され得る。
【0034】
光センサは、紫外、可視、または赤外スペクトル範囲の1つ以上で感光性であり得る。具体的には、光センサは、390nm~780nm、最も好ましくは650nm~750nm、または690nm~700nmの可視スペクトル範囲で感度を有することができる。具体的には、光センサは近赤外領域で感度を有することができる。具体的には、光センサは、シリコンフォトダイオードが適用可能な特に700nm~1000nmの範囲の近赤外領域の部分で感度を有することができる。光センサは、具体的には、赤外線スペクトル範囲、具体的には780nm~3.0μmの範囲で感度を有することができる。例えば、光センサは、それぞれ独立して、フォトダイオード、フォトセル、光伝導体、フォトトランジスタまたはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの要素であり得るか、またはそれらを含み得る。例えば、光センサは、CCDセンサ要素、CMOSセンサ要素、フォトダイオード、フォトセル、光伝導体、フォトトランジスタまたはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの要素であり得るか、またはそれらを含み得る。他の如何なるタイプの感光性要素が使用されてもよい。以下でさらに詳細に概説されるように、感光性要素は、一般に、完全にまたは部分的に無機材料で作製され得、および/または完全にまたは部分的に有機材料で作製され得る。最も一般的には、以下でさらに詳細に概説するように、市販のフォトダイオード、例えば、無機半導体フォトダイオードなどの1つ以上のフォトダイオードが使用され得る。
【0035】
本明細書で使用される場合、「反射画像」という用語は、センサ要素によって決定される少なくとも1つの反射特徴を含む画像を指す。本明細書で使用される場合、「反射特徴」という用語は、例えば、少なくとも1つの照射特徴を有する照射に応答して物体によって生成される画像平面内の特徴を指す。本明細書で使用される場合、「照射特徴」という用語は、物体を照射するように適合された少なくとも1つの周囲光源または少なくとも1つの照射源によって生成される少なくとも1つの任意の形状特徴を指す。本明細書で使用する場合、「少なくとも1つの反射画像を決定する」という用語は、反射画像の画像化、記録、および生成のうちの1つ以上を指す。
【0036】
本明細書で使用される場合、「少なくとも1つの反射特徴を選択する」という用語は、反射画像の少なくとも1つの反射特徴を識別すること、決定すること、および選択することの1つ以上を指す。評価装置は、反射特徴を識別するために、画像分析および/または画像処理の少なくとも1つを実行するように適合され得る。画像分析および/または画像処理は、少なくとも1つの特徴検出アルゴリズムを使用することができる。画像分析および/または画像処理は、以下の:フィルタリング;少なくとも1つの関心領域の選択;センサ信号によって作成された画像と少なくとも1つのオフセットとの間の差分画像の形成;センサ信号によって生成された画像を反転することによるセンサ信号の反転;異なる時間にセンサ信号によって生成された画像間の差分画像の形成;背景補正;カラーチャンネルへの分解;色相への分解;飽和;そして明るさチャネル;周波数分解;特異値分解;キャニーエッジ検出器の適用;ガウスフィルタのラプラシアンの適用;ガウスフィルタの差分の適用;ソーベル演算子の適用;プラス演算子の適用;Scharr演算子の適用;プレウィット演算子の適用;ロバーツ演算子の適用;Kirsch演算子の適用;ハイパスフィルタの適用;ローパスフィルタの適用;フーリエ変換の適用;ラドン変換の適用;ハフ変換の適用;ウェーブレット変換の適用;閾値処理;バイナリイメージの作成、のうちの1つ以上を含み得る。関心領域は、ユーザが手動で決定することも、光センサによって生成された画像内の物体を認識することなどにより、自動的に決定することもできる。
【0037】
「反射画像内の画像位置」という用語は、反射画像内の反射特徴の任意の位置を指す。例えば、点状の反射特徴の場合、画像位置は、反射特徴のxおよびy座標であり得る。例えば、拡張反射特徴の場合、画像位置は、反射特徴の中心のxおよびy座標などの座標であり得る。縦方向座標zは、反射特徴の最初の画像位置に対応し得る。「第1」、「第2」、「第3」などの画像位置は、名前としてのみ使用され、画像位置の順序を指すものではない。
【0038】
評価装置は、センサ信号からの結合信号Qを評価することにより、物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成される。評価装置、具体的には評価装置の少なくとも1つの除算器は、センサ信号の除算、センサ信号の倍数の除算、センサ信号の線形結合の除算の1つ以上によって結合信号Qを評価することによって、物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成され得る。本明細書で使用される場合、「結合信号Q」という用語は、センサ信号を結合させることによって、特に、センサ信号の除算、センサ信号の倍数の除算、またはセンサ信号の線形結合の除算の1つ以上によって、生成される信号を指す。評価装置は、センサ信号の除算、センサ信号の倍数の除算、センサ信号の線形結合の除算の1つ以上によって、結合信号Qを導出するように構成され得る。評価装置は、縦方向領域を決定するために、結合信号Qと縦方向領域の間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように構成され得る。例えば、評価装置は、結合信号Qを以下によって導出するように構成されてもよい。
【0039】
【0040】
ここで、xとyは横方向座標であり、A1とA2は物体から検出器に伝播する光ビームのセンサ位置における少なくとも1つのビームプロファイルの異なる領域であり、E(x、y、zo)は物体距離zoで与えられたビームプロファイルを表している。領域A1と領域A2は異なることがあり得る。特に、A1とA2は合同ではない。したがって、A1とA2は、形状または内容の1つ以上異なることがあり得る。本明細書で使用される場合、「ビームプロファイル」という用語は、光ビームの強度の空間分布、特に、光ビームの伝播に垂直な少なくとも1つの平面における光ビームの強度の空間分布に関する。ビームプロファイルは、光ビームの横方向強度プロファイルであり得る。ビームプロファイルは、光ビームの断面であり得る。ビームプロファイルは、台形ビームプロファイル;三角ビームプロファイル;円錐ビームプロファイルとガウスビームプロファイルの線形結合からなる群から選択され得る。一般に、ビームプロファイルは輝度L(zo)とビーム形状S(x,y;zo),E(x,y;zo)=L・Sに依存する。したがって、結合信号を導出することにより、輝度から独立して縦方向座標を決定することを可能にし得る。さらに、結合信号を使用することで、物体のサイズに依存しない距離zoを決定することができる。したがって、結合信号は、物体の材料特性および/または反射特性および/または物体の散乱特性から独立し、製造精度、熱、水、汚れ、レンズの傷などによる光源の変更から独立して距離zoの決定を可能にする。
【0041】
各センサ信号は、光ビームのビームプロファイルの少なくとも1つの領域の少なくとも1つの情報を含み得る。本明細書で使用される場合、「ビームプロファイルの領域」という用語は、一般に、結合信号Qを決定するために使用されるセンサ位置でのビームプロファイルの任意の領域を指す。感光性領域は、第1のセンサ信号がビームプロファイルの第1領域の情報を含み、第2のセンサ信号がビームプロファイルの第2領域の情報を含むように配置され得る。ビームプロファイルの第1領域およびビームプロファイルの第2領域は、隣接領域または重複領域の一方または両方であり得る。ビームプロファイルの第1領域とビームプロファイルの第2領域は、面積が一致していなくてもよい。
【0042】
評価装置は、ビームプロファイルの第1領域およびビームプロファイルの第2領域を決定および/または選択するように構成され得る。ビームプロファイルの第1領域は、本質的にビームプロファイルのエッジ情報を含むことができ、ビームプロファイルの第2領域は、本質的にビームプロファイルの中心情報を含むことができる。ビームプロファイルは、中心、すなわち、ビームプロファイルの最大値および/またはビームプロファイルのプラトーの中心点および/または光スポットの幾何学的中心、ならびに中心から延びる立ち下がりエッジを有し得る。第2領域は、断面の内側領域を含むことができ、第1領域は、断面の外側領域を含むことができる。本明細書で使用される場合、「本質的に中心情報」という用語は、中心情報の割合、すなわち中心に対応する強度分布の割合に比較して、低いエッジ情報の割合、すなわちエッジに対応する強度分布の低い割合を一般に指す。好ましくは、中心情報は、10%未満、より好ましくは5%未満のエッジ情報の割合を有し、最も好ましくは、中心情報はエッジ内容を含まない。本明細書で使用する場合、「本質的にエッジ情報」という用語は、一般に、エッジ情報の割合と比較して低い中心情報の割合を指す。エッジ情報は、全ビームプロファイルの、特に中央およびエッジ領域からの情報を含むことができる。エッジ情報は、10%未満、好ましくは5%未満の中心情報の割合を有することができ、より好ましくは、エッジ情報は中心の内容を含まない。ビームプロファイルの少なくとも1つの領域は、それが中心に近いかまたは中心の周りにあり、かつ、本質的に中心情報を含む場合、ビームプロファイルの第2領域として決定および/または選択され得る。ビームプロファイルの少なくとも1つの領域は、それが断面の立ち下がりエッジの少なくとも一部を含む場合、ビームプロファイルの第1領域として決定および/または選択され得る。例えば、断面の全域を第1領域として決定してもよい。ビームプロファイルの第1領域は領域A2であり得、ビームプロファイルの第2領域は領域A1であり得る。
【0043】
エッジ情報は、ビームプロファイルの第1領域における光子の数に関する情報を含み得、中心情報は、ビームプロファイルの第2領域における光子の数に関する情報を含み得る。評価装置は、ビームプロファイルの面積積分を決定するように適合され得る。評価装置は、第1領域を積分および/または合計することによってエッジ情報を決定するように適合され得る。評価装置は、第2領域を積分および/または合計することによって中心情報を決定するように適合され得る。例えば、ビームプロファイルは台形ビームプロファイルであり得、評価装置は台形の積分を決定するように適合され得る。さらに、台形ビームプロファイルが想定される場合、エッジ信号と中心信号の決定は、エッジの勾配と位置の決定、および中央プラトーの高さの決定、および幾何学的考察によるエッジ信号とセンター信号の導出など、台形ビームプロファイルの特性を利用した等価評価に置き換えられ得る。
【0044】
追加的又は代替的に、評価装置は、光スポットの少なくとも1つのスライスまたはカットから中心情報またはエッジ情報の一方または両方を決定するように適合され得る。これは、例えば、スライスまたはカットに沿った線積分によって結合信号Qの面積積分を置き換えることによって実現することができる。精度を向上させるために、光スポットを通るいくつかのスライスまたはカットを使用して平均化することができる。楕円形スポットプロファイルの場合、いくつかのスライスまたはカットを平均することにより、改善された距離情報を得られることがある。
【0045】
評価装置は、エッジ情報および中心情報を除算すること、エッジ情報および中心情報の倍数を除算すること、エッジ情報および中心情報の線形結合を除算することの1つ以上によって、結合信号Qを導出するように構成され得る。したがって、本質的に、光子比が本方法の物理的基礎として使用され得る。
【0046】
例えば、物体から検出器に伝播する光ビームは、少なくとも1つの線パターンでセンサ要素を照射することができる。線パターンは、例えば少なくとも1つの照射源による、少なくとも1つの線パターンを含む照射パターンによる照射に応答して、物体によって生成されてもよい。A1は、光センサのマトリックスにおける、線パターンの全ライン幅を有する領域に対応し得る。光センサのマトリックスにおける線パターンは、照射パターンの線パターンに比べて、光センサのマトリックスでの線幅が増大するように、拡幅および/または変位および/または回転され得る。具体的に、マトリックス内の線パターンのライン幅は、ある列から別の列に変化され得る。A2は、光センサのマトリックスにおける線パターンの中央領域であり得る。中央領域の線幅は一定値であってもよく、具体的には照射パターンの線幅に対応してもよい。中央領域は、全線幅と比較して小さい線幅を有し得る。例えば、中央領域は、全線幅の0.1から0.9、好ましくは全線幅の0.4から0.6の線幅を有することができる。線パターンは、光センサのマトリックスでセグメント化(切片化)されてもよい。各列は、線パターンの中心領域における強度の中心情報と、線パターンの中心領域からエッジ領域へさらに外方に延びる領域からの強度のエッジ情報とを含み得る。
【0047】
例えば、物体から検出器に伝播する光ビームは、少なくとも1つの点パターンでセンサ要素を照射することができる。点パターンは、例えば少なくとも1つの光源による、少なくとも1つの点パターンを含む照射パターンによる照射に応答して、物体によって生成されてもよい。A1は、光センサのマトリックスにおける、点パターンの点の全半径を有する領域に対応し得る。A2は、光センサのマトリックスにおける点パターンの点の中心領域であり得る。中央領域は一定値であり得る。中央領域は、全半径と比較してある半径を有し得る。例えば、中央領域は、全半径の0.1から0.9、好ましくは全半径の0.4から0.6の半径を有することができる。
【0048】
物体から検出器に伝搬する光ビームは、点パターンと線パターンの両方を含む反射パターンによってセンサ要素を照射することができる。線パターンおよび点パターンに加えて、または代替として、他の実施形態も実現可能である。
【0049】
評価装置は、センサ信号からの結合信号Qを評価することにより、反射画像の選択された反射特徴の少なくとも1つの縦方向領域を決定するように構成され得る。評価装置は、結合信号Qを評価することによって、選択された反射特徴の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように適合され得、そこでは縦方向領域は、縦方向座標zおよび誤差間隔±εによって与えられる。評価装置、例えば評価装置の少なくとも1つの除算器は、結合信号Qを評価することにより、選択された反射特徴の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成され得る。誤差εは、光センサの測定の不確実性に依存し得る。例えば、誤差間隔は、±10%、好ましくは±5%、より好ましくは±1%であり得る。
【0050】
評価装置は、センサ信号間の少なくとも1つの既知の、決定可能な、または所定の関係を使用することによって、物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成され得る。具体的には、評価装置は、センサ信号から導出された結合信号と縦方向座標の間の少なくとも1つの既知の、決定可能な、または所定の関係を使用することによって、物体の少なくとも1つの座標zを決定するように構成される。所定の関係は、経験的関係、半経験的関係、および分析的に導出された関係のうちの1つ以上であり得る。評価装置は、ルックアップリストやルックアップテーブルなどの、所定の関係を保存するための少なくとも1つのデータ保存装置を含み得る。
【0051】
結合信号Qは、様々な手段を使用することによって決定され得る。一例として、商信号を導出するためのソフトウェア手段、商信号を導出するためのハードウェア手段、またはその両方を使用することができ、評価装置に実装することができる。したがって、評価装置は、一例として、少なくとも1つの除算器を備えることができ、該除算器は商信号を導出するように構成される。除算器は、完全にまたは部分的に、ソフトウェア除算器またはハードウェア除算器の一方または両方として具体化され得る。除算器は、完全にまたは部分的にセンサ要素の応答に統合されてもよく、または完全にまたは部分的にセンサ要素から独立して具体化されてもよい。
【0052】
本明細書でさらに使用される場合、「評価装置」という用語は、一般に、好ましくは少なくとも1つのデータ処理装置を使用して、より好ましくは少なくとも1つのプロセッサおよび/または少なくとも1つの特定用途向け集積回路を使用して、挙げられた操作を遂行するように適合された任意の装置を指す。したがって、一例として、少なくとも1つの評価装置は、所定数のコンピュータ命令を含むソフトウェアコードが格納された少なくとも1つのデータ処理装置を含み得る。評価装置は、挙げられた操作の1つ以上を実行するための1つ以上のハードウェア要素を提供し、および/または挙げられた操作の1つ以上を実行するためにソフトウェアが実行される1つ以上のプロセッサを提供することができる。
【0053】
物体の少なくとも1つの縦方向座標を決定することを含む上記の操作は、少なくとも1つの評価装置によって実行される。したがって、一例として、上記の関係の1つ以上は、1つ以上のルックアップテーブルを実装することなどによって、ソフトウェアおよび/またはハードウェアに実装され得る。したがって、一例として、評価装置は、物体の少なくとも1つの縦方向座標を決定するために、1つ以上のプログラム可能な装置、例えば、上述した評価を実行するように構成された1つ以上のコンピュータ、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を有し得る。しかしながら、追加的または代替的に、評価装置はまた、完全にまたは部分的にハードウェアによって実現され得る。
【0054】
評価装置は、
a)最高のセンサ信号を有する少なくとも1つの光センサを決定し、少なくとも1つの中心信号を形成すること、
b)マトリックスの光センサのセンサ信号を評価し、少なくとも1つの和信号を形成すること、
c)中心信号と和信号を結合させて、少なくとも1つの結合信号を決定すること、そして
d)結合信号を評価することにより、選択された特徴の少なくとも1つの縦方向座標zを決定すること、
によってセンサ信号を評価するように構成され得る。
【0055】
説明したように、例えばWO2012/110924A1またはWO2014/097181A1で説明しているように、通常、光スポットの直径、ビームウェストまたは同等の直径などの光スポットのサイズと、光線が検出器に向かって伝播する物体の縦方向座標の間には、所定のまたは決定可能な関係が存在する。この理論に拘束されないが、光スポットは2つの測定変数:中心信号とも呼ばれる、光スポットの中心または中心に近い小さな測定パッチで測定された測定信号と、中心信号の有無にかかわらず、光スポット上で積分された積分信号または和信号によって特徴付けられる。ビームが拡大または集束しても変化しない特定の総出力を持つ光ビームの場合、和信号は光スポットのスポットサイズから独立しているべきであり、したがって、少なくとも線形光センサがそれぞれの測定範囲内で使用されている場合は、光スポットのスポットサイズは物体と検出器の間の距離から独立している。ただし、中心信号はスポットサイズに依存する。したがって、中心信号は、通常、光ビームが集束されるときに増加し、光ビームが集束されないときに減少する。したがって、中心信号と和信号を比較することにより、光ビームによって生成される光スポットのサイズに関する情報項目、したがって、物体の縦方向座標に関する情報項目を生成することができる。中心信号と和信号の比較は、一例として、中心信号と和信号から合成信号Qを形成し、縦方向座標と商信号の間の所定のまたは決定可能な関係を、縦方向座標を導出するために使用することによって、行うことができる。
【0056】
光センサのマトリックスの使用は、複数の利点と利益を提供する。このように、センサ要素のマトリックスの光センサの感光性領域の共通面などのセンサ要素上の、光ビームによって生成された光スポットの中心は、物体の横方向位置によって変化し得る。光センサのマトリックスを使用することにより、本発明による検出器は、これらの条件変化に適応することができ、したがって、センサ信号を比較するだけで光スポットの中心を決定することができる。その結果、本発明による検出器は、それ自体で、中心信号を選択し、和信号を決定し、これらの2つの信号から、物体の縦方向座標に関する情報を含む結合信号を導出することができる。したがって、結合信号を評価することにより、物体の縦方向座標を決定することができる。光センサのマトリックスの使用は、したがって、物体の位置に関して、特に物体の横方向位置に関して、著しい柔軟性を提供する。
【0057】
センサ信号を生成する少なくとも1つの光センサの横方向位置など、光センサのマトリックス上の光スポットの横方向位置は、例えばWO2014/198629A1に開示されているように、物体の横方向の位置に関する少なくとも1つの情報項目が導き出される追加の情報項目として使用され得る。追加的または代替的に、以下でさらに詳細に概説するように、本発明による検出器は、少なくとも1つの縦方向座標に加えて、物体の少なくとも1つの横方向座標を検出するために、少なくとも1つの追加の横方向検出器を含むことができる。
【0058】
したがって、本発明によれば、「中心信号」という用語は、一般に、ビームプロファイルの本質的に中心の情報を含む少なくとも1つのセンサ信号を指す。本明細書で使用する場合、「最高のセンサ信号」という用語は、関心領域の局所的最大または最大の一方または両方を指す。例えば、中心信号は、マトリックス全体またはマトリックス内の関心領域の光センサによって生成される複数のセンサ信号のうち、最も高いセンサ信号を有する少なくとも1つの光センサの信号であり得、該関心領域は、マトリックスの光センサによって生成される画像内で事前に決定可能または決定可能であり得る。中心信号は、単一の光センサから、または以下でさらに詳細に概説されるように、光センサのグループから生じてもよく、後者の場合、一例として、光センサのグループのセンサ信号は、中心信号を決定するために、加算、積分、または平均化され得る。中心信号が生じる光センサのグループは、最高のセンサ信号を有する実際の光センサから所定距離より短く離れた光センサなどの隣接する光センサのグループであり得、または、最高のセンサ信号から所定範囲内にあるセンサ信号を生成する光センサのグループであり得る。中心信号が生じる光センサのグループは、最大のダイナミックレンジを可能にするように、できるだけ大きく選択され得る。評価装置は、複数のセンサ信号、例えば最高のセンサ信号を有する光センサの周りの複数の光センサのセンサ信号を積分することによって中心信号を決定するように適合されてもよい。例えば、ビームプロファイルは台形ビームプロファイルであり得、評価装置は、台形、特に台形のプラトー部の積分を決定するように適合されてもよい。
【0059】
上記で概説したように、中心信号は、一般に、光スポットの中心にある光センサからのセンサ信号などの単一のセンサ信号であり得、または、光スポットの中心にある光センサから生じるセンサ信号の組合せなど、複数のセンサ信号の組合せであり得、または、上述した可能性の一つ以上から導出されるセンサ信号を処理することによって導出される二次センサ信号であり得る。センサ信号の比較は従来の電子機器によってかなり簡単に実施されるため、中心信号の決定は電子的に実行されてもよく、または、ソフトウェアによって完全にまたは部分的に実行されてもよい。具体的には、中心信号は:最高のセンサ信号からの所定の許容範囲内にあるセンサ信号のグループの平均;最高のセンサ信号を有する光センサを含む光センサのグループおよび隣接する光センサの所定のグループからのセンサ信号の平均;最高のセンサ信号を有する光センサのグループと隣接する光センサの所定のグループからのセンサ信号の合計;最高のセンサ信号から所定の許容範囲内にあるセンサ信号のグループの合計;所定の閾値を超えるセンサ信号のグループの合計;最高のセンサ信号を有する光センサのグループおよび隣接する光センサの所定のグループからのセンサ信号の積分;最高のセンサ信号から所定の許容範囲内にあるセンサ信号のグループの積分;所定の閾値を超えるセンサ信号のグループの積分、からなる群から選択され得る。
【0060】
同様に、「和信号」という用語は、一般に、ビームプロファイルの本質的にエッジ情報を含む信号を指す。例えば、和信号は、センサ信号を合計すること、センサ信号を積分すること、またはマトリックス全体またはマトリックス内の関心領域のセンサ信号を平均することによって得られ、該関心領域は、マトリックスの光センサによって生成される画像内で予め決定しまたは決定することができる。センサ信号を合計、積分、または平均化する場合、センサ信号が生成される実際の光センサは、合計、積分、または平均化から除外されてもよく、あるいは、合計、積分、または平均化に含まれてもよい。評価装置は、マトリックス全体の、またはマトリックス内の関心領域の信号を積分することにより、和信号を決定するように適合され得る。例えば、ビームプロファイルは台形ビームプロファイルであり得、評価装置は、台形全体の積分を決定するように適合され得る。さらに、台形ビームプロファイルが想定される場合、エッジ信号と中心信号の決定は、エッジの勾配と位置の決定、および中央プラトーの高さの決定など、台形ビームプロファイルの特性を利用し、そして幾何学的考察によってエッジ信号と中心信号を導出する等価評価に置き換えることができる。
【0061】
同様に、中心信号およびエッジ信号も、ビームプロファイルの円形セグメントなどのビームプロファイルのセグメント(切片)を使用することによって決定することができる。例えば、ビームプロファイルは、ビームプロファイルの中心を通過しない割線または弦によって2つのセグメントに分割され得る。したがって、一方のセグメントには本質的にエッジ情報が含まれ、もう一方のセグメントには本質的に中心情報が含まれる。例えば、中心信号のエッジ情報の量をさらに減らすために、中心信号からエッジ信号をさらに差し引くことができる。
【0062】
追加的にまたは代替的に、評価装置は、光スポットの少なくとも1つのスライスまたはカットから中心情報またはエッジ情報の一方または両方を決定するように適合され得る。これは、例えば、結合信号Qの面積分を、スライスまたはカットに沿った線積分で置き換えることによって実現することができる。精度を向上させるために、光スポットを通るいくつかのスライスまたはカットを使用して平均化することができる。楕円形のスポットプロファイルの場合、いくつかのスライスまたはカットを平均することによって距離情報が向上することがある。
【0063】
結合信号は、中心信号と和信号を結合することによって生成される信号であり得る。具体的には、結合は:中心信号と和信号の商を形成すること、またはその逆の商を形成すること;中心信号の倍数と和信号の倍数の商を形成すること、またはその逆の商を形成すること;中心信号の線形結合と和信号の線形結合の商を形成する、またはその逆の商を形成すること、の1つ以上を含むことができる。追加的に又は代替的に、結合信号は、中心信号と和信号との間の比較に関する少なくとも1つの情報を含む任意の信号又は信号の組み合わせを含むことができる。
【0064】
光センサの未処理のセンサ信号は、評価、またはそれから導出される二次センサ信号に使用されてもよい。本明細書で使用される場合、「二次センサ信号」という用語は、一般に、フィルタリング、平均化、または復調など、1つ以上の未処理信号を処理することによって得られる、電子信号、より好ましくはアナログおよび/またはデジタル信号などの信号を指す。したがって、画像処理アルゴリズムが、マトリックスのセンサ信号の全体から、またはマトリックス内の関心領域から、二次センサ信号の生成に使用され得る。具体的には、評価装置などの検出器は、光センサのセンサ信号を変換し、それによって二次光センサ信号を生成するように構成され得、該評価装置は、二次光センサ信号を使用してステップa)~d)を実行するように構成される。センサ信号の変換は、具体的には、以下の:フィルタリング;少なくとも1つの関心領域の選択;センサ信号によって作成された画像と少なくとも1つのオフセットとの間の差分画像の形成;センサ信号によって生成された画像を反転することによるセンサ信号の反転;異なる時間にセンサ信号によって生成された画像間の差分画像の形成;背景補正;カラーチャンネルへの分解;色相への分解;飽和;そして明るさチャネル;周波数分解;特異値分解;キャニーエッジ検出器の適用;ガウスフィルタのラプラシアンの適用;ガウスフィルタの差分の適用;ソーベル演算子の適用;プラス演算子の適用;Scharr演算子の適用;プレウィット演算子の適用;ロバーツ演算子の適用;Kirsch演算子の適用;ハイパスフィルタの適用;ローパスフィルタの適用;フーリエ変換の適用;ラドン変換の適用;ハフ変換の適用;ウェーブレット変換の適用;閾値処理;バイナリイメージの作成、からなる群から選択される少なくとも1つの変換を含み得る。関心領域は、ユーザにより手動で決定することも、あるいは、光センサによって生成された画像内で物体を認識することによるなど、自動で決定することもできる。一例として、車両、人、または別のタイプの所定の物体は、画像内で、すなわち、光センサによって生成されたセンサ信号全体内で自動画像認識によって決定され得、関心領域は、物体が該関心領域内に位置するように選択され得る。この場合、縦方向座標の決定などの評価は、関心領域に対してのみ実行されるようにすることができる。ただし、他の実施も実現可能である。
【0065】
上記で概説したように、光スポットの中心の検出、すなわち、中心信号および/または中心信号が生じる少なくとも1つの光センサの検出は、完全にまたは部分的に電子的に実行され得、または一つ以上のソフトウェアアルゴリズムを使用して完全にまたは部分的に実行され得る。具体的には、評価装置は、少なくとも1つの最高のセンサ信号を検出するため、および/または中心信号を形成するための少なくとも1つの中心検出器を備えることができる。中心検出器は、具体的には、完全にまたは部分的にソフトウェアで具体化されてもよく、および/または完全または部分的にハードウェアで具体化されてもよい。中心検出器は、少なくとも1つのセンサ要素に完全にまたは部分的に統合されてもよく、および/またはセンサ要素から独立して完全にまたは部分的に具体化されてもよい。
【0066】
上記で概説したように、和信号は、マトリックスのすべてのセンサ信号から、または関心領域内のセンサ信号から、または中心信号に寄与する光センサから生じるセンサ信号を除いてこれらの可能性の1つから導出できる。すべての場合において、縦方向座標を決定するために、中心信号と確実に比較することができる信頼できる和信号が生成され得る。一般に、和信号は、以下の:マトリックスのすべてのセンサ信号の平均;マトリックスのすべてのセンサ信号の合計;マトリックスのすべてのセンサ信号の積分;中心信号に寄与する光センサからのセンサ信号を除く、マトリックスのすべてのセンサ信号の平均;中心信号に寄与する光センサからのセンサ信号を除く、マトリックスのすべてのセンサ信号の合計;中心信号に寄与する光センサからのセンサ信号を除く、マトリックスのすべてのセンサ信号の積分;最高のセンサ信号を有する光センサから所定の範囲内の光センサのセンサ信号の合計;最高のセンサ信号を有する光センサから所定の範囲内の光センサのセンサ信号の積分;最高のセンサ信号を有する光センサから所定の範囲内に位置する光センサの所定の閾値を超えるセンサ信号の合計;最高のセンサ信号を有する光センサから所定の範囲内にある光センサの所定の閾値を超えるセンサ信号の積分、からなる群から選択され得る。しかしながら、他の選択肢がある。
【0067】
加算は、完全にまたは部分的にソフトウェアで実行されてもよく、および/または完全にまたは部分的にハードウェアで実行されてもよい。加算は一般に、典型的には検出器に容易に実装され得る純粋に電子的手段によって可能である。したがって、電子工学の分野では、加算装置は一般に、アナログ信号とデジタル信号の両方の2つ以上の電気信号を加算することが知られている。したがって、評価装置は、和信号を形成するための少なくとも1つの加算装置を備えることができる。加算装置は、完全にまたは部分的にセンサ要素に統合されてもよく、または完全にまたは部分的にセンサ要素とは独立して具体化されてもよい。加算装置は、完全にまたは部分的に、ハードウェアまたはソフトウェアの一方または両方で具体化されてもよい。
【0068】
上記で概説したように、中心信号と和信号との比較は、具体的には、1つ以上の商信号を形成することによって実行され得る。したがって、一般に、結合信号は、以下の:中心信号および和信号の商を形成すること、またはその逆の商を形成すること;中心信号の倍数と和信号の倍数の商を形成すること、またはその逆の商を形成すること;中心信号の線形結合と和信号の線形結合の商を形成すること、またはその逆の商を形成すること;中心信号と、和信号と中心信号の線形結合の商を形成すること、またはその逆の商を形成すること;和信号と、和信号と中心信号の線形結合の商を形成すること、またはその逆の商を形成すること;中心信号の指数と和信号の指数の商を形成すること、またはその逆の商を形成すること、の1つ以上によって導出された商信号Qであり得る。ただし、他の選択肢がある。評価装置は、1つ以上の商信号を形成するように構成され得る。評価装置は、少なくとも1つの商信号を評価することによって少なくとも1つの縦方向座標を決定するようにさらに構成され得る。
【0069】
上記で概説したように、評価装置は、少なくとも1つの縦方向座標を決定するために、結合信号Qと縦方向座標の間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように具体的に構成され得る。したがって、上記で開示された理由により、および縦方向座標に対する光スポットの特性の依存性により、結合信号Qは、通常、物体の縦方向座標および/または光スポットの直径または等価直径などの光スポットのサイズの、単調関数である。したがって、一例として、具体的に線形光センサが使用される場合、センサ信号scenterと和信号ssumの単純な商Q=scenter/ssumは、距離の単調減少関数であり得る。この理論に拘束されるつもりはないが、これは、上記の好ましい構成では、中心信号scenterと和信号ssumの両方が、検出器に到達する光の量が減少するため、光源までの距離の増加に伴って二乗関数として減少するという事実が原因であると考えられる。しかしながら、そこでは、中心信号scenterは、実験で使用される光学構成では、画像平面内の光スポットが増大し従ってより広い領域に広がるため、和信号ssumよりも急速に減少する。中心信号と和信号の商は、したがって、マトリックスの光センサの感光性領域上の光ビームまたは光スポットの直径の増加に伴って連続的に減少する。さらに、光ビームの総出力が中心信号と和センサ信号の両方のファクタを形成するため、商は通常、光ビームの総出力から独立している。その結果、結合信号Qは、中心信号と和信号と光ビームのサイズまたは直径の間の、一意的で明確な関係を提供する二次信号を形成することができる。一方、光のサイズまたは直径は、光線がそこから検出器に向かって伝播する物体と検出器自体の間の距離に依存するため、つまり、物体の縦方向座標に依存するため、一方では中心信号と和信号の間で、他方では中心信号と縦方向座標の間に、一意的で明確な関係が存在し得る。後者については、例えばWO2014/097181A1などの上記の先行技術文献の1つ以上を参照することができる。所定の関係は、例えばガウス光ビームの線形結合を仮定することなどによる分析的考察により、また例えば結合信号および/または中心信号および和信号またはそこから導出される二次信号を、物体の縦方向座標の関数として計測する測定などの経験的測定により、またはその両方により、決定することができる。
【0070】
したがって、一般的に、評価装置は、結合信号Qを評価することによって縦方向座標を決定するように構成され得る。この決定は、例えば中心信号と和信号を直接結合し、縦方向座標を導出することなどによるワンステッププロセスであり得、または、例えば最初に中心信号と和信号から結合信号を導出し、次に、結合信号から縦方向座標を導出することなどによる複数ステップのプロセスである得る。両方のオプション、すなわち、ステップc)およびd)が別個の独立したステップであるオプション、およびステップc)およびd)が完全にまたは部分的に組み合わされるオプションが、本発明に含まれるものとする。
【0071】
上記で概説したように、結合センサ信号を評価することにより、検出器は、物体全体またはその1つ以上の部分の縦方向座標を決定するオプションを含めて、物体の少なくとも1つの縦方向座標を決定することが可能になる。しかしながら、加えて、1つ以上の横方向座標および/または回転座標を含む物体の他の座標が、検出器によって、具体的には評価装置によって決定されてもよい。したがって、一例として、1つ以上の横方向センサが物体の少なくとも1つの横方向座標を決定するのに使用され得る。上記で概説したように、例えば、中心信号が生じる少なくとも1つの光センサの位置が、物体の少なくとも1つの横方向座標に関する情報を提供することができ、一例として、簡単なレンズ方程式が、光学変換と横方向座標の導出に使用される。追加的にまたは代替的に、1つ以上の追加の横方向センサが使用され得、検出器に含まれ得る。種々の横方向センサ、例えばWO2014/097181A1に開示されている横方向センサおよび/または象限ダイオード、CCDまたはCMOSチップなどの他の位置感知装置(PSD)などが、当技術分野で一般に知られている。追加的または代替的に、一例として、本発明による検出器は、R.A.Street(編):アモルファスシリコンの技術と応用、Springer-Verlag Heidelberg、2010年、346-349頁に開示されている1つ以上のPSDを含むことができる。他の実施形態も可能である。これらの装置は、一般に、本発明による検出器に実装することもできる。一例として、光ビームの一部は、少なくとも1つのビーム分割要素によって、検出器内で分割され得る。分割部分は、一例として、CCDまたはCMOSチップまたはカメラセンサなどの横方向センサに向けて案内され得、そして分割部分によって生成される横方向センサ上の光スポットの横方向位置が決定され、それにより物体の少なくとも1つの横方向座標が決定され得る。その結果、本発明による検出器は、単純な距離測定装置などの1次元検出器であるか、または2次元検出器として、または3次元検出器としてさえも具体化することができる。さらに、上記で概説したように、または以下でさらに詳細に概説するように、場景または環境を一次元的に走査することによって、三次元画像も作成することができる。したがって、本発明による検出器は、具体的には、一次元検出器、二次元検出器、または三次元検出器のうちの1つであり得る。評価装置は、物体の少なくとも1つの横方向座標x、yを決定するようにさらに構成され得る。評価装置は、縦方向座標と横方向座標の情報を組み合わせて、空間内の物体の位置を決定するように適合され得る。
【0072】
上記で概説したように、評価装置は、少なくとも1つの反射特徴に対応する少なくとも1つの第2画像位置での少なくとも1つの参照画像における少なくとも1つの参照特徴を決定するように適合される。具体的には、評価装置、例えば該評価装置の少なくとも1つの画像処理装置は、反射特徴に対応する参照画像内の参照特徴を決定するために少なくとも1つの画像分析を実行するように構成され得る。本明細書で使用される場合、「参照画像」という用語は、反射画像とは異なる画像を指す。参照画像は、少なくとも1つの参照特徴を記録すること、少なくとも1つの参照特徴を画像化すること、参照画像を計算することの1つ以上によって決定され得る。参照画像と反射画像は、2つの異なる空間構成で決定される。例えば、参照画像および反射画像の一方は、第1の空間位置および/または空間の向きで第1光センサによって決定されることができ、参照画像および反射画像の他方は、第1の空間的位置および/または向きとは異なる第2の空間位置および/または空間の向きで第2光センサによって決定されることができる。例えば、参照画像および反射画像は、異なる時点で、および/または異なる空間位置で、および/または異なる空間の向きで、同じ光センサによって決定されてもよい。評価装置は、少なくとも1つの参照画像を保存することができる少なくとも1つの保存装置を含むことができる。参照画像は、所定のおよび/または既知の参照画像であってよい。例えば、構造化光を使用する場合、評価装置は、構造化光の少なくとも1つのパターンに応じて、それぞれの参照画像を選択および/または決定するように適合され得る。
【0073】
本明細書で使用される場合、「空間構成」という用語は、向き、特に空間角度および/またはねじれ角、および/または位置などの空間における参照画像および反射画像の配置を指す。特に、空間構成は、向き、特に空間角度および/またはねじれ角などの、空間における少なくとも2つのセンサ要素、および/または少なくとも1つのセンサ要素および少なくとも1つの照射源の空間における配置を指すことができる。本明細書で使用される場合、「相対的空間配置」という用語は、空間における参照画像と反射画像の相対的な位置合わせを指す。相対的空間配置は、以下の:相対的空間の向き(a relative spatial orientation);相対的角度位置;相対距離;相対変位;相対運動、からなる群から選択される少なくとも1つの配置であり得る。例えば、相対的空間配置は、少なくとも2つのセンサ要素、および/または少なくとも1つのセンサ要素と少なくとも1つの照射源の、相対的空間の向きおよび/または相対的角度位置および/または相対距離および/または相対変位および/または相対運動であり得る。相対的な空間配置はベースラインであり得る。本明細書で使用される場合、「ベースライン」という用語は、相対的空間の向き、および/または相対的角度および/または相対的ねじれ角および/または相対的距離および/または相対的変位などの相対的角度位置を指す。評価装置は、相対的空間配置の決定された値を保存するように適合され得る。
【0074】
一実施形態では、検出器は、相対的な空間配置、特にベースラインによって分離された少なくとも2つのセンサ要素を含むことができる。少なくとも1つの第1センサ要素は、参照画像を記録するように適合され得、少なくとも1つの第2センサ要素は、反射画像を記録するように適合され得る。具体的には、第1センサ要素は、参照画像を撮像するように構成され得、少なくとも1つの第2センサ要素は、反射画像を撮像するように構成され得る。第1光センサは、そのセンサ要素が参照特徴の少なくとも1つの画像を受け取るように構成され得る。第2光センサは、そのセンサ要素が反射特徴の少なくとも1つの画像を受け取るように配置され得る。第1センサ要素および第2センサ要素は、機械的コネクタによって分離されもよい。機械的コネクタは、調整可能および/または非恒久的であり得る。検出器は、少なくとも1つのステレオカメラを含み得る。
【0075】
一実施形態では、検出器は、異なる時間に同じ光センサのマトリックスを使用して反射画像および参照画像を記録するように適合されてもよい。たとえば、センサ要素は、たとえば一定または可変の速度で、第1の空間構成から第2の空間構成に移動しまたは移動されるように適合されてもよい。具体的には、検出器は、光センサのマトリックスを第1の位置に配置するように構成され得、光センサのマトリックスは、第1の位置で参照画像を画像化するように構成され得る。検出器は、第1の位置とは異なる第2の位置に光センサのマトリックスを配置するように構成され得、光センサのマトリックスは、第2の位置に反射画像を画像化するように構成され得る。
【0076】
一実施形態では、検出器は、少なくとも1つの照射源を含むことができる。照射源および少なくとも1つのセンサ要素は、ベースライン、例えば機械的コネクタによって分離されてもよい。機械的コネクタは、調整可能および/または非恒久的であり得る。
【0077】
本明細書で使用される場合、「少なくとも1つの反射特徴に対応する少なくとも1つの第2画像位置における少なくとも1つの参照画像における少なくとも1つの参照特徴を決定する」という用語は、反射特徴に対応する参照画像における参照特徴を選択することを指す。上記で概説したように、評価装置は、画像分析を実行し、参照画像の特徴を識別するように適合され得る。評価装置は、選択された反射特徴と本質的に同一の縦方向座標を有する参照画像内の少なくとも1つの参照特徴を識別するように適合され得る。「本質的に同一」という用語は、10%以内、好ましくは5%以内、最も好ましくは1%以内で同一であることを指す。反射特徴に対応する参照特徴は、エピポーラ幾何学を使用して決定され得る。エピポーラ幾何学の説明については、たとえば、X. Jiang、H. Bunkeの「Dreidimensionales Computersehen」シュプリンガー、ベルリンハイデルベルク、1997年を参照されたい。エピポーラ幾何学は、参照画像および反射画像が、例えば参照画像および反射画像の記録間に、固定距離を有する異なる空間位置および/または空間向きで決定された物体の画像であると仮定し得る。距離は、ベースラインとも呼ばれる相対距離であり得る。評価装置は、参照画像におけるエピポーラ線を決定するように適合され得る。参照画像と反射画像の相対位置は分かっていてよい。例えば、参照画像と反射画像の相対位置は、評価装置の少なくとも1つの保存ユニット内に保存され得る。評価装置は、反射画像の選択された反射特徴から、それが生じて来る現実世界の特徴まで、延びる直線を決定するように適合され得る。したがって、直線は、選択された反射特徴に対応する、あり得る物体特徴を含み得る。直線とベースラインはエピポーラ平面を展開する。参照画像は反射画像とは異なる相対的配置で決定されるため、対応するあり得る物体の特徴は、参照画像内のエピポーラ線と呼ばれる直線上に画像化され得る。エピポーラ線は、エピポーラ平面と参照画像の交差であり得る。したがって、反射画像の選択された特徴に対応する参照画像の特徴は、エピポーラ線上にある。画像の歪み、あるいは経年変化、温度変化、機械的ストレスなどによるシステムパラメータの変化により、エピポーラ線は互いに交差または非常に接近していることがあり、および/または参照特徴と反射特徴間の対応が不明瞭なことがある。さらに、現実世界の各既知の位置または物体は参照画像に投影されてもよく、その逆でもよい。投影は検出器の較正により知られてもよく、較正は特定のカメラのエピポーラ幾何学のティーチインに相当する。
【0078】
物体までの距離に応じて、反射特徴の第2画像位置に対応する参照特徴は、第1画像位置と比較して参照画像内で移動する。参照画像は、選択された反射特徴に対応する参照特徴が画像化され得る少なくとも1つの変位領域を含み得る。変位領域は、1つの参照特徴のみを含み得る。変位領域はまた、複数の参照特徴を含み得る。変位領域は、エピポーラ線またはエピポーラ線の一部を含み得る。変位領域は、複数のエピポーラ線または複数のエピポーラ線の複数の部分を含むことができる。変位領域は、エピポーラ線に沿って、エピポーラ線に直交して、またはその両方により、延びることができる。評価装置は、結合信号Qから反射特徴の縦方向座標zと誤差間隔±εを決定し、z±εに対応するエピポーラ線に沿って、あるいはエピポーラ線に垂直に変位領域を決定するように適合され得る。結合信号Qを使用する距離測定の測定不確実性は、測定不確実性が方向によって異なり得るため、非円形である第2画像の変位領域をもたらし得る。具体的には、エピポーラ線または複数のエピポーラ線に沿った測定不確実性は、エピポーラ線または複数の線に関する直交方向の測定不確実性よりも大きくなる可能性がある。変位領域は、エピポーラ線または複数のエピポーラ線に関して直交方向に延びることを含み得る。評価装置は、反射特徴の第2画像位置の周りの変位領域を決定することができる。評価装置は、選択された反射特徴を変位領域内の少なくとも1つの参照特徴と一致させるように適合され得る。本明細書で使用される場合、「一致させる」という用語は、対応する参照および反射の特徴を決定および/または評価することを指す。評価装置は、決定された縦方向座標zを考慮して少なくとも1つの評価アルゴリズムを使用することにより、反射画像の選択された特徴を変位領域内の参照特徴と一致させるように適合され得る。評価アルゴリズムは、線形スケーリングアルゴリズムであってよい。評価装置は、変位領域に最も近いおよび/または変位領域内のエピポーラ線を決定するように適合され得る。評価装置は、反射特徴の第2画像位置に最も近いエピポーラ線を決定するように適合され得る。エピポーラ線に沿った変位領域の範囲は、エピポーラ線に直交する変位領域の範囲よりも大きいことがあり得る。評価装置は、対応する参照特徴を決定する前に、エピポーラ線を決定するように適合され得る。評価装置は、各反射特徴の第2画像位置の周りの変位領域を決定し得る。評価装置は、変位領域に最も近い、および/または変位領域内の、および/またはエピポーラ線に直交する方向に沿った変位領域に最も近い、エピポーラ線を割り当てることによるなど、反射特徴の各第2画像位置の各変位領域にエピポーラ線を割り当てるように適合され得る。評価装置は、割り当てられた変位領域に最も近い参照特徴、および/または割り当てられた変位領域内の参照特徴、および/または割り当てられたエピポーラ線に沿った変位領域に最も近い参照特徴、および/または割り当てられたエピポーラ線に沿った割り当てられた変位領域内の参照特徴を評価することにより、反射特徴の第2画像位置に対応する参照特徴を決定するように適合され得る。
【0079】
追加的にまたは代替的に、評価装置は、以下のステップ:
-各反射特徴の第2画像位置の変位領域を決定するステップ;
-たとえば変位領域に最も近いエピポーラ線、および/または変位領域内のエピポーラ線、および/またはエピポーラ線に直交する方向に沿った変位領域に最も近いエピポーラ線を割り当てることなどにより、エピポーラ線を各反射特徴の変位領域に割り当てるステップ;
-割り当てられた変位領域に最も近い参照特徴、および/または割り当てられた変位領域内の参照特徴、および/または割り当てられたエピポーラ線に沿った割り当てられた変位領域に最も近い参照特徴、および/または割り当てられたエピポーラ線に沿った割り当てられた変位領域内の参照特徴を割り当てることなどにより、少なくとも1つの参照特徴を各反射特徴に割り当ておよび/または決定するステップ、
を実行するように構成され得る。
【0080】
追加的にまたは代替的に、評価装置は、例えば第2画像内の反射特徴および/またはエピポーラ線の距離を比較することによって、および/または、第2画像内の反射特徴および/またはエピポーラ線のε加重距離などの誤差加重距離を比較することによって、および、より短い距離および/またはε加重距離のエピポーラ線および/または参照特徴を参照特徴および/または反射特徴に割り当てることなどにより、複数のエピポーラ線および/または反射特徴に割り当てられる参照特徴の間で決定するように適合されていてもよい。
【0081】
評価装置は、参照特徴および反射特徴の変位を決定するように適合され得る。評価装置は、一致した参照特徴および選択された反射特徴の変位を決定するように適合され得る。評価装置、例えば評価装置の少なくとも1つのデータ処理装置は、特に、参照画像および反射画像のそれぞれの画像位置を比較することによって、参照特徴および反射特徴の変位を決定するように構成され得る。本明細書で使用される場合、「変位」という用語は、参照画像内の画像位置と反射画像内の画像位置との間の差を指す。評価装置は、縦方向座標と変位の間の所定の関係を使用して、一致した特徴の縦方向情報を決定するように適合され得る。本明細書で使用される場合、「縦方向情報」という用語は、縦方向座標のztriangに関する情報を指す。例えば、縦方向情報は距離値であってもよい。評価装置は、三角測量法を使用することによって所定の関係を決定するように適合され得る。反射画像内の選択された反射特徴の位置と、一致した参照特徴の位置、および/または選択された反射特徴と一致した参照特徴の相対変位がわかっている場合、対応する物体の特徴の縦方向座標は、三角測量によって決定される。したがって、評価装置は、例えば続いておよび/または列ごとに反射特徴を選択し、参照特徴の各潜在的に可能な位置について三角測量を使用して対応する距離値を決定するように適合され得る。変位および対応する距離値は、評価装置の少なくとも1つの保存装置に保存され得る。評価装置は、一例として、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのDSP、少なくとも1つのFPGAおよび/または少なくとも1つのASICなどの少なくとも1つのデータ処理装置を含むことができる。さらに、縦方向座標zと変位との間の少なくとも1つの所定のまたは決定可能な関係を保存するために、所定の関係を記憶するための1つ以上のルックアップテーブルを提供するなど、少なくとも1つのデータ保存装置を備えることができる。評価装置は、カメラおよび/または検出器の内因性および/または外因性の較正のためのパラメータを保存するように適合され得る。評価装置は、ツァイカメラ較正を実行することなどによって、カメラおよび/または検出器の内因性および/または外因性の較正のためのパラメータを生成するように適合され得る。評価装置は、転送装置の焦点距離、ラジアルレンズの歪み係数、ラジアルレンズの歪み中心の座標、スキャンとデジタル化のハードウェアタイミングの不完全性に起因する不確実性を説明するためのスケールファクタ、世界座標とカメラ座標間の変換の回転角度、世界座標とカメラ座標間の変換の並進コンポーネント、開口角、イメージセンサ形式、主点、スキュー係数、カメラ中心、カメラ向き、ベースライン、カメラおよび/または照射源の回転または並進パラメータ、開口部、焦点距離などの、パラメータを計算および/または推定するように適合され得る。
【0082】
結合センサ信号を使用することにより、誤差間隔±ε内の縦方向座標zなどの距離の推定を可能にする。推定された縦方向座標と対応する誤差間隔に対応する変位領域を決定することにより、エピポーラ線に沿った可能な解の数を大幅に減らすことができる。可能な解の数は、1つに減らすことさえできる。縦方向座標zと誤差間隔の決定は、選択された反射特徴と参照特徴を一致させる前の事前評価の間に実行できる。これは、コストを大幅に削減し、モバイル装置または屋外装置での使用を可能にすることができるように、計算の要求を削減することを可能にすることができる。さらに、一般的に三角測量システムでは、大きな距離を検出するためにベースラインを大きくする必要がある。結合センサ信号を使用した縦方向座標zと誤差間隔の事前評価、および選択された反射特徴と参照特徴のその後の一致は、コンパクトな装置を提供できるように、短いベースラインを使用することを可能にし得る。さらに、結合センサ信号を使用した縦方向座標zと誤差間隔の事前評価、および選択された反射特徴と参照特徴の続く一致により、従来の三角測量システムと比較して、精度や速度を向上させ、計算要求を低下させ得る。さらに、以下でさらに詳細に説明されるように、照射パターンにおける照射点の数などの照射特徴の数は、目の安全規則に準拠しながら周囲光と競合するように、各照射点における光強度を増加させるように、低減され得る。従来の三角測量システムでは、照射特徴の数の減少は、反射特徴と参照特徴を一致させることの困難性を増加させ得る。さらに、照射パターンにおけるなど、照射点の数などの照射特徴の数は、モバイルアプリケーションなどの評価装置の処理能力を増加させることなく、得られた深度マップの解像度を増加させるなど、距離測定の解像度を上げるように、増加され得る。
【0083】
評価装置は、縦方向座標zおよび第1および第2の画像位置から相対的な空間配置を決定するように適合され得る。上記で概説したように、エピポーラ幾何学には、反射画像と参照画像の相対的な空間配置、特にベースラインに関する十分な知識が必要になり得る。しかしながら、例えば照射源およびセンサ要素などの検出器の構成要素または少なくとも2つのセンサ要素の相対的な空間配置は、未知であり得、および/または、例えば熱的影響または機械的ストレスにより、測定時間中に変化し得る。結合信号Qから決定された縦方向座標zは、三角測量システムを再較正するために使用され得る。上記で概説したように、評価装置は、参照特徴および反射特徴の変位を決定するように適合され得る。評価装置は、物体の三角測量縦方向座標ztriangと変位の間の所定の関係を使用することにより、物体の少なくとも1つの三角測量縦方向座標ztriangを決定するように適合され得る。三角測量縦方向座標ztriangは、固定された空間相対配置を仮定し、空間相対配置の事前に定義されおよび/または事前に決定された値をもって、エピポーラ幾何学を使用して第1および第2画像位置から決定され得る。本明細書で使用される場合、「事前に定義された関係」という用語は、仮定された関係および/または所定の関係および/または事前設定された関係を指す。特に、事前に定義された関係は、相対的な空間配置に依存し得る。評価装置は、事前に定義された関係を保存するように適合され得る。評価装置は、結合信号Qから決定された縦方向座標zと三角測量縦方向座標ztriangとを比較するように適合され得る。評価装置は、決定された相対的空間配置を考慮して、縦方向座標zと変位との間の実際の関係を決定するように適合され得る。評価装置、例えば評価装置の少なくとも1つのデータ処理装置は、決定された相対的な空間配置を考慮して、縦方向座標zと変位との間の実際の関係を決定するように構成され得る。「実際の関係」という用語は、たとえば温度などの移動または周囲の影響による、相対的な空間配置、特にベースラインの変化を指し、それは三角測量の縦方向座標と変位の関係の変化をもたらす。評価装置は、実際の関係に応じて事前に定義された関係を調整するように適合され得る。評価装置は、事前に定義された関係、特に保存された事前に定義された関係を実際の関係によって置き換えるように適合され得、および/または評価は、移動平均を決定するように適合され得、および、事前に定義された関係を移動平均で置き換えるように適合され得る。評価装置は、縦方向座標zと三角測量縦方向座標ztriangの間の差を決定するように適合され得る。評価装置は、決定された差を少なくとも1つの閾値と比較し、決定された差が閾値以上である場合に、事前に定義された関係を調整するように適合され得る。評価装置は、実際の関係および縦方向座標zから相対的な空間配置を決定するように適合され得る。例えば、検出器は、少なくとも1つの照射源およびセンサ要素を含む少なくとも1つのシステムを含み得、ここでbはベースライン、dはセンサ上の変位、fは検出器の転送装置の焦点距離、βは照射源とベースラインの間の角度である。
β=90°の場合は以下の式。
【0084】
【0085】
【0086】
したがって、物体までの絶対距離、つまり結合信号Qから決定された縦方向座標zがわかっている場合、ztriangはzに置き換えられ、補正されたベースラインbcorを次のように計算できる。
【0087】
【0088】
βが90°より小さい場合、次の式である。
【0089】
【0090】
したがって、物体zまでの絶対距離がわかっている場合、補正されたベースラインbcorは次のように計算できる。
【0091】
【0092】
および、角度βは次式から決定され得る。
【0093】
【0094】
βとbは同時に変化する可能性があるため、両方の値は続く測定を使用して決定され得る。したがって、特徴点の結合センサ信号Qからの縦方向座標zの絶対測定値は、三角測量縦方向座標ztriang、つまり三角測量によって決定されたセンサ要素から物体までの距離がさらに既知であるとき、事前に定義された関係を修正するために使用され得る。評価装置は、縦方向座標zおよび三角測量縦方向座標ztriangを使用することによって、ベースライン値などの相対的な空間配置の値を決定および/または修正および/または較正するように適合され得る。
【0095】
評価装置は、Q、d、f、温度、ztriang、β、b、zなどの、様々なセンサ信号および/または位置および/または画像位置および/またはシステム特性および/または縦方向座標などのパラメータを含む数学的モデルを使用して、補正された相対的空間関係の推定を決定するように適合され得、該数学的モデルは、各センサ信号が測定誤差や不正確さの影響を受け得ることを考慮して、カルマンフィルタ、線形2次推定、カルマンビュシーフィルタ、ストラトノビッチカルマンビュシーフィルタ、カルマンビュシーストラトノビッチフィルタ、最小分散推定値、ベイズ推定値、最適線形不偏推定値、不変推定値、ウィーナーフィルタなどから選択され得る。これらのセンサ信号をカルマンフィルタなどの上記の数学モデルのいずれかで融合すると、相対的な空間配置および/または縦方向座標zの測定値および/または三角測量縦方向座標ztriangおよび/または修正されたベースラインbcorなどの推定値が向上する可能性があり、さらに誤差補正の改善に役立つ。
【0096】
縦方向座標zおよび三角測量縦座標ztriangは、特に、較正された関係および/または較正された相対的空間配置の統計的に検証された値を得るために、複数の特徴点について決定され得る。相対的空間配置は急激に変化しないので、このような統計的評価が適している。
【0097】
評価装置は、相対的な空間配置を決定することを繰り返すように、および/または相対的な空間配置を再較正するように適合され得る。センサ要素は、物体から検出器に伝播する少なくとも1つのさらなる光ビームによるセンサ要素の照射に応答して少なくとも2つのさらなるセンサ信号を生成するように適合され得る。センサ要素は、少なくとも1つの第2反射画像を決定するように適合され得る。評価装置は、第2反射画像の少なくとも1つの第3画像位置で、第2反射画像の少なくとも1つの第2反射特徴を選択するように、および、さらなる2つのセンサ信号からの合成信号Qを評価することにより、第2反射特徴の少なくとも1つの第2縦方向座標zを決定するように、適合され得る。評価装置は、第2参照画像の少なくとも1つの第4画像位置における少なくとも1つの第2参照画像で、少なくとも1つの第2反射特徴に対応する少なくとも1つの第2参照特徴を決定するように適合され得る。第2参照画像および第2反射画像は、2つの第2の異なる空間構成で決定されてもよい。空間構成は、実際の相対的な空間配置によって異なる場合がある。評価装置は、第2縦方向座標zと第3および第4の画像位置とから実際の相対的な空間配置を決定するように適合され得る。評価装置は、第1の相対的空間配置と実際の相対的空間配置とを比較するように適合され得る。評価装置は、実際の相対的空間配置に依存して第1の相対的空間配置を調整するように適合され得る。評価装置は、第1の相対的空間配置を実際の相対的配置によって置き換えるように適合され得、および/または評価は、移動平均を決定し、第1の相対的空間配置を移動平均で置き換えるように適合され得る。評価装置は、第1の相対的空間配置と実際の相対的空間配置の差を決定するように適合され得る。評価装置は、決定された差を少なくとも1つの閾値と比較し、決定された差が閾値以上である場合に第1の相対的空間配置を調整するように適合され得る。
【0098】
ベースラインのずれは、特に温度変化と機械的損傷により発生する可能性がある。検出器は、少なくとも1つの温度決定ユニットを含み得る。温度決定ユニットは、検出器の少なくとも1つの温度値を決定するように適合され得る。評価装置は、温度値を考慮して相対的空間配置を決定するように、および/または温度値に応じて相対的空間配置を調整するように適合され得る。評価装置は、相対的な空間配置の評価および/または変化を監視するように適合され得る。相対的な空間配置の監視は、システムの温度、特にベースラインを形成する機械的接続の温度を監視することによって改善できる。
【0099】
評価装置は、少なくとも1つのセンサ要素および少なくとも1つの照射源を備えるシステムを構成するように適合され得る。少なくとも1つのセンサ要素および照射源は、固定された場所に設置されてもよいが、所定のおよび/または直接のおよび/または安定したものでさえ、機械的接続は用いない。機械的コネクタは、調整可能および/または非恒久的であり得る。少なくとも1つのセンサおよび照射源の相対的な空間配置は、手動で、または自動的に、例えば、モータを使用することによって自動的に、またはユーザによって手動で、または製造工程中に手動で調整可能であり得る。相対的な空間配置は、使用中に変更または調整することさえできる。評価装置は、結合信号Qからセンサ要素によって決定された反射画像における少なくとも1つの反射特徴の縦方向座標zを決定するように適合されてもよい。評価装置は、上記で概説したように、縦方向座標zを使用して照射源とセンサ要素の相対的空間配置を決定するように適合され、したがってシステムを較正するように適合されてよい。
【0100】
評価装置は、第1センサ要素および第2センサ要素を備える、柔軟な相対配置、特に柔軟なベースラインを備えたモバイルステレオシステムを構成するように適合され得る。第1センサ要素および第2センサ要素は、固定された場所に設置されてもよいが、所定のおよび/または直接のおよび/または安定したものでさえ、機械的接続は用いない。機械的接続は、機械的コネクタを介した接続であり得る。機械的接続は、調整可能および/または非恒久的であり得る。少なくとも第1センサ要素および第2センサ要素の相対的な空間配置は、手動で、または自動的に、例えば、モータを使用することによって自動的に、またはユーザによって手動で、または製造工程中に手動で調整可能であり得る。相対的な空間配置は、使用中に変更または調整されることさえあり得る。評価装置は、結合信号Qからのセンサ要素のうちの1つによって決定された反射画像における少なくとも1つの反射特徴の縦方向座標zを決定するように適合され得る。評価装置は、上で概説したように、縦方向座標zを使用して、第1センサ要素と第2センサ要素の相対的な空間配置を決定するように適合され、したがってシステムを較正するように適合されてよい。
【0101】
上記で概説したように、検出器は、少なくとも1つの照射源をさらに含み得る。一例として、照射源は、物体を照射するための照射光線を生成するように構成されてもよい。検出器は、照射光ビームが検出器の光軸に沿って検出器から物体に向かって伝播するように構成され得る。この目的のために、検出器は、照射光ビームを光軸上に偏向させるための少なくとも1つの反射要素、好ましくは少なくとも1つのプリズムを含み得る。
【0102】
照射源は、物体の照射のための少なくとも1つの照射パターンを生成するように適合され得る。特に、検出器は、構造化光を使用することにより、物体までの少なくとも1つの距離を決定するように適合され得る。検出器は、照射パターンが検出器から、特にハウジングの少なくとも1つの開口部から、検出器の光軸に沿っておよび/または平行に物体に向かって伝播するように構成され得る。この目的のために、検出器は、それが光軸に沿って、またはそれに平行に伝播するように照射パターンを偏向させるために、少なくとも1つの反射要素、好ましくは少なくとも1つのプリズムを含み得る。具体的には、照射源は、少なくとも1つのレーザおよび/またはレーザ源を含み得る。半導体レーザなどの様々なタイプのレーザを使用することができる。追加的にまたは代替的に、LEDおよび/または電球などの非レーザ光源が使用されてもよい。本明細書で使用される場合、「パターン」という用語は、少なくとも1つの任意の形状の特徴を含む任意の既知のまたは所定の配置を指す。パターンは、ポイントまたはシンボルなどの少なくとも1つの特徴を含むことができる。パターンは、複数の特徴を含み得る。パターンは、周期的または非周期的な特徴の配置を含み得る。本明細書で使用される場合、「照射パターン」という用語は、物体を照射するパターンを指す。照射パターンは、少なくとも1つの周囲光源などの周囲光によって、または少なくとも1つの照射源によって、生成され得る。照射パターンは、以下の:少なくとも1つの点パターン、特に擬似ランダム点パターンまたはランダム点パターン;少なくとも1つのソボル(Sobol)パターン;少なくとも1つの準周期的パターン;少なくとも1つの既知の特徴を含む少なくとも1つのパターン;少なくとも1つの規則的なパターン;少なくとも1つの三角形パターン;少なくとも1つの六角形パターン;少なくとも1つの長方形パターン;凸状の均一なタイル状体(tiling)を含む少なくとも1つのパターン;少なくとも1つの線を含む少なくとも1つの線パターン;平行線または交差線などの少なくとも2つの線を含む少なくとも1つの線パターン;少なくとも1つのフリンジパターン、からなる群から選択される少なくとも1つのパターンを含むことができる。例えば、照射源は、点群を生成および/または投影するように適合され得る。
【0103】
照射源は、少なくとも1つの光プロジェクタ;少なくとも1つのデジタル光処理(DLP)プロジェクタ;少なくとも1つのLCoSプロジェクタ、少なくとも1つの空間光変調器;少なくとも1つの回折光学要素;発光ダイオードの少なくとも1つのアレイ;レーザ光源の少なくとも1つのアレイ、のうちの1つ以上を含み得る。照射源は、照射パターンを直接生成するように適合された少なくとも1つの光源を含み得る。例えば、照射源は、少なくとも1つのレーザ源を含み得る。例えば、照射源は、少なくとも1つのラインレーザを含み得る。ラインレーザは、例えば水平または垂直のレーザラインなどのレーザラインを物体に送るように適合され得る。照射源は、複数のラインレーザを含み得る。例えば、照射源は、照射パターンが少なくとも2つの平行線または交差線を含むように配置された少なくとも2つのラインレーザを含み得る。照射源は、照射パターンが複数の点パターンを含むことができるように点群を生成するように適合された少なくとも1つの光プロジェクタを含み得る。照射源は、照射源によって生成された少なくとも1つの光ビームから照射パターンを生成するように適合された少なくとも1つのマスクを含むことができる。照射源は、スマートフォンなどのモバイル装置に取り付けられるものか、またはそれに統合されるものかの1つであり得る。照射源は、オートフォーカス機能など、画像を決定する際に使用され得るさらなる機能に使用され得る。照射装置は、例えば、USBジャックなどのコネクタ、またはヘッドホンジャックなどの電話コネクタを使用するなどによって、モバイル装置に取り付けることができる。
【0104】
照射源は、具体的には、赤外スペクトル範囲の光を放射するように構成され得る。しかしながら、他のスペクトル範囲が、追加的または代替的に実現可能であることに留意されたい。さらに、上記で概説したように、照射源は、具体的には、変調または非変調光を放出するように構成され得る。複数の照射源が使用される場合、異なる照射源は異なる変調周波数または変調パターンを有することができ、以下でさらに詳細に概説するように、後で光ビームを区別するために使用することができる。検出器は、単一の光ビームまたは複数の光ビームを評価するように構成され得る。複数の光ビームが物体から検出器に伝搬する場合、光ビームを区別するための手段が提供され得る。したがって、光ビームは異なるスペクトル特性を有することができ、検出器は、異なる光ビームを区別するための1つ以上の波長選択要素を含むことができる。各光ビームは続いて独立に評価され得る。波長選択要素は、一例として、1つ以上のフィルタ、1つ以上のプリズム、1つ以上の格子、1つ以上の二色性ミラー、またはそれらの任意の組み合わせであり得るか、またはそれらを含み得る。さらに、追加的または代替的に、2つ以上の光ビームを区別するために、光ビームは特定の方法で変調され得る。したがって、一例として、光ビームは周波数変調されてもよく、センサ信号は、異なる光ビームに由来するセンサ信号を部分的に区別するために、それらの復調周波数に従って、復調されてもよい。これらの技術は、一般に高周波電子工学の分野の当業者に知られている。一般に、評価装置は、異なる変調を有する異なる光ビームを区別するように構成され得る。
【0105】
照射源は、光センサのマトリックス上に、例えば、CMOS検出器に複数の照射領域が生成されるように、点群を生成および/または投影するように、適合され得る。さらに、光センサのマトリックスには妨害が、例えば斑点(speckle)および/または外来光および/または多重反射による妨害などが存在し得る。評価装置は、少なくとも1つの関心領域、例えば物体の縦方向座標の決定に使用される、光ビームによって照射される1つ以上の画素を決定するように適合され得る。例えば、評価装置は、例えばブロブ分析および/またはエッジフィルタおよび/または物体認識方法などのフィルタリング方法を実行するように適合され得る。
【0106】
センサ要素は、少なくとも1つの反射パターンを決定するように適合され得る。本明細書で使用する場合、「反射パターン」という用語は、物体の表面での光の再反射または散乱によって生成される、特に照射パターンによる照射に応答して物体によって生成される応答パターンを指す。上記で概説したように、照射パターンは、物体を照射するように適合された少なくとも1つの特徴を含む。上記で概説したように、照射特徴は、周囲光によって、または少なくとも1つの照射源によって生成され得る。反射パターンは、照射パターンの少なくとも1つの特徴に対応する少なくとも1つの特徴を含むことができる。反射パターンは、照射パターンと比較して、少なくとも1つの歪んだパターンを含むことができ、その歪みは、物体の表面特性などの物体の距離に依存する。評価装置は、反射パターンの少なくとも1つの特徴を選択し、上述のように、センサ信号からの結合信号Qを評価することにより、選択された反射パターンの特徴の縦方向領域を決定するように適合され得る。
【0107】
例えば、参照画像は、照射源の位置における画像平面における照射パターンの画像であり得る。評価装置は、反射パターンの選択された特徴の縦方向領域に対応する参照画像内の変位領域を決定するように適合され得る。評価装置は、反射パターンの選択された特徴を、変位領域内の参照パターンの少なくとも1つの特徴と一致させるように適合され得る。
【0108】
例えば、検出器は、それぞれが光センサのマトリックスを有する少なくとも2つのセンサ要素を含み得る。少なくとも1つの第1センサ要素および少なくとも1つの第2センサ要素は、異なる空間位置および/または向きに配置されてもよい。少なくとも1つの第1センサ要素は、少なくとも1つの第1反射パターンを、特に少なくとも1つの第1反射特徴を決定するように適合され得、少なくとも1つの第2センサ要素は、少なくとも1つの第2反射パターンを、特に少なくとも1つの第2反射特徴を決定するように適合され得る。評価装置は、第1センサ要素または第2センサ要素によって決定された少なくとも1つの画像を反射画像として選択し、第1センサ要素または第2センサ要素の他方によって決定された少なくとも1つの画像を参照画像として選択するように適合され得る。評価装置は、反射パターン内の少なくとも1つの反射特徴を選択し、センサ信号からの結合信号Qを評価することによって、選択された特徴の縦方向領域を決定するように適合され得る。評価装置は、反射パターンの選択された特徴の縦方向領域に対応する参照画像内の変位領域を決定するように適合され得る。評価装置は、反射パターンの選択された特徴を、変位領域内の参照パターンの少なくとも1つの特徴と一致させるように適合され得る。
【0109】
一実施形態では、検出器は、光センサの同じマトリックスを使用して反射画像および参照画像を記録するように適合され得、そこではセンサ要素は、例えば一定速度または可変速度で、第1の空間構成から少なくとも1つの第2の空間構成へ、移動しまたは移動される。検出器は、可動または固定であり得る少なくとも1つの照射源を含み得る。検出器は、複数の画像を、特に続いて、決定するように適合されてよく、そこでは画像の1つは反射画像として選択され、別の画像は参照画像として選択されてよい。評価装置は、例えば、Ramalingamらによる、Robotics and Auto-mation(ICRA)、2011 IEEE International Conference on Robotics and Automation、発行元:IEEE ISBN:978-1-61284-385-8で公開された「ジオローカライゼーションのためのポイントとラインの両方を使用した姿勢推定」に記載されているように、動きまたは姿勢推定からの構造などの三次元センシング法を実行するように適合され得る。「動きからの構造」という用語は、動きからの構造と、運きからの形状の両方の同義語として使用される。参照画像と、ベースラインなどの反射画像との固定された相対的な空間配置が不足していると、いわゆるスケールドリフトが発生したり、距離測定の精度が低下したり、追加情報なしに絶対距離を測定できないことを生じ得る。センサ要素が接近して低速で移動している場合、またはセンサ要素が遠くに移動して高速である場合、動きおよび姿勢推定アルゴリズムによる構造は、移動するセンサ要素のみで決定された画像の画像情報から再構築できない。特に、動きおよび姿勢推定アルゴリズムからの構造は、物体のサイズ、寸法、距離、および/または向きなどの縦方向情報および横方向の情報を、スケーリング係数までしか決定できないが、該スケーリング係数は、評価装置内部の任意の距離単位を絶対的な実世界の距離にスケーリングする。具体的に、動きおよび姿勢推定アルゴリズムからの構造は、画像情報を絶対的な距離スケールにスケーリングするために、画像再構成のための追加情報を必要とする。評価装置は、相対的空間配置のための少なくとも1つのスケーリング係数を決定するように適合され得る。評価装置は、スケーリング係数を、例えば少なくとも1つのプロセッサを使用して、決定するように構成されてよい。評価装置は、結合信号Qを使用することによって縦方向座標zの絶対測定を実行し、縦方向座標zからスケーリング係数を決定するように構成され得る。本明細書で使用される場合、用語「スケーリング係数」は、スケール係数とも呼ばれ、評価装置の距離単位を絶対スケールにスケーリングする変換、特に係数を指す。たとえば、少なくとも1つのイメージセンサと少なくとも1つの照射源で構成される構造化照射システムでは、ベースラインはシステムの温度上昇により長くなり、結果として少なくとも1つのイメージセンサと少なくとも1つの照射源の間の距離の増加を生じ、一方少なくとも1つのレンズなどの転送要素の焦点距離とレンズからセンサまでの距離は、固定されたままである。この例では、反射画像で同一位置にある2つの物体を比較すると、最初の物体は最初の測定で元のベースラインを使用し、2番目の物体は2番目の測定で長さを延長したベースラインで測定し、長いベースラインで測定した2番目の物体は、元のベースラインで測定した物体よりも遠くに表示される。ベースラインと、反射画像の特徴点と物体自体の対応する特徴点を結ぶ直線との間の角度は、両方の物体で同じになる可能性があるため、2つの測定値は、類似三角形の原理を使用して比較することができる。物体の距離は、直線に沿って測定される。この例では、類似三角形の原理に従って、物体からレンズまでの距離と物体からベースラインまでの距離の商は、元のベースラインを使用した測定と延長したベースラインを使用した測定で同じになり得る。したがって、元のベースラインを延長したベースラインにスケーリングするスケーリング係数は、元の物体距離を増加した物体距離にスケーリングするものと同じであり得る。したがって、類似三角形の原理によれば、ベースラインのスケーリング係数は距離zもスケーリングする。評価装置は、結合信号Qを使用することにより、縦方向座標zの絶対測定を実行するように適合され得る。評価装置は、縦方向座標zからスケーリング係数を決定するように適合され得る。スケーリング係数の決定は、慣性測定ユニットからのセンサデータを使用することによってさらに洗練され得る。
【0110】
評価装置は、センサ要素によって記録された少なくとも1つの画像の少なくとも1つの特徴点について、それぞれの結合センサ信号から縦方向座標zを決定し、そこからスケーリング係数を決定するように適合され得る。スケーリング係数は、残りの測定の間、および/または少なくとも1つの特徴点が1つの画像から別の画像に追跡できる間、および/または測定中に再計算できる間は、維持することができる。たとえば、スケーリング係数は、センサ要素によって記録されたすべての画像において決定され得る。これは、スケーリング係数の統計的に検証された、整合性のある測定を保証し得る。
【0111】
スケーリング係数は、画像の単一の測定点から決定することができ、および/またはスケーリング係数は、複数の測定から決定することができる。特に、評価装置は、中間のスケーリング係数を決定するように適合され得る。
【0112】
評価装置は、反射画像および/または参照画像の少なくとも1つの特徴の少なくとも1つの決定された縦方向座標から、反射画像および/または参照画像の少なくとも1つの隣接特徴の少なくとも1つの縦方向座標をそれぞれ推定するように適合され得る。評価装置は、第1の画像位置の縦方向座標zから、反射画像の少なくとも1つのさらなる画像位置の少なくとも1つのさらなる特徴iの少なくとも1つの縦方向座標ziを推定するように適合され得る。「推定する」という用語は、縦方向座標ziを推論または決定することを指し得る。
【0113】
照射源および/またはセンサ要素、または2つのセンサ要素の相対的並進運動の場合のスケーリング係数を決定するために、検出器は、それぞれが少なくとも4つの特徴点を含む少なくとも2つの画像を決定するように適合され得る。構成要素、例えばセンサ要素の回転の場合のスケーリング係数の決定のため、検出器は、各画像が少なくとも6つの特徴点を含む少なくとも2つの画像を決定するように適合され得る。好ましくは、画像当たりの特徴点の数は、60よりも多いか、または600よりも多い特徴点など、6よりはるかに多い。好ましくは、画像内の特徴点は互いに対応している。
【0114】
上記で概説したように、検出器は、結合信号Qを評価することにより、物体の少なくとも1つの縦方向座標を決定するように適合されている。上記で概説した一実施形態では、検出器は、相対的な空間配置によって分離された2つの光センサを含むステレオシステムとして設計され得る。この実施形態では、検出器は、ステレオにより、三角測量を使用することにより、物体から検出器までの距離、および/または相対的な空間配置を決定するように適合され得る。ステレオにより三角測量を使用することに加えてまたはその代替として、検出器は、少なくとも1つの光センサおよび少なくとも1つの照射源を含む構造化された光システムとして設計されてもよい。この実施形態では、検出器は、上で概説されているように、構造化光を使用することにより、物体から検出器までの距離および/または相対的な空間配置を決定するように適合され得る。構造化光および/またはステレオによる三角測量を使用することに加えてまたはその代替として、検出器は、上で概説されているように、動きからの構造の方法、または動きから形状の方法を使用して、物体から検出器までの距離および/または相対的空間配置を決定するために使用され得る。検出器がステレオシステムとしてではなく単一の光センサとして設計される別の実施形態では、検出器は、上で概説した構造化光を使用することにより、物体から検出器までの距離および/または相対的空間配置を決定するように適合され得る。構造化光を使用することに加えてまたはその代替として、検出器は、上で概説したように、動きからの構造の方法、または動きからの形状の方法を使用して、物体から検出器までの距離および/または相対的空間配置を決定し得る。検出器はさらに、1つ以上の追加の光学要素など、1つ以上の追加要素をさらに含むことができる。さらに、検出器は、少なくとも1つのハウジングに完全にまたは部分的に統合されてもよい。
【0115】
検出器は、少なくとも1つのレンズおよび/または少なくとも1つのレンズシステムなどの転送装置と、少なくとも1つの回折光学要素からなる群から選択される少なくとも1つの光学要素を備えることができる。「転送システム」とも呼ばれる用語「転送装置」は、一般に、光ビームの1つ以上のビームパラメータ、光ビームの幅、または光ビームの方向などを変更することなどによって、光ビームを変更するように適合された1つ以上の光学要素を指し得る。転送装置は、光ビームを光センサ上に案内するように適合され得る。転送装置は、具体的には:少なくとも1つのレンズ、例えば、少なくとも1つの焦点調節可能レンズ、少なくとも1つの非球面レンズ、少なくとも1つの球面レンズ、少なくとも1つのフレネルレンズからなる群から選択される少なくとも1つのレンズ;少なくとも1つの回折光学要素;少なくとも1つの凹面鏡;少なくとも1つのビーム偏向要素、好ましくは少なくとも1つのミラー;少なくとも1つのビーム分割要素、好ましくはビーム分割キューブまたはビーム分割ミラーのうちの少なくとも1つ;少なくとも1つのマルチレンズシステム、の1つ以上を含み得る。本明細書で使用する場合、転送装置の「焦点距離」という用語は、転送装置に衝突する可能性がある入射平行光線が「フォーカスポイント」と呼ばれる「焦点」に収束する距離を指す。したがって、焦点距離は、衝突する光ビームを収束させる転送装置の能力の尺度を構成する。したがって、転送装置は、収束レンズの効果を有し得る1つ以上の画像化要素を含むことができる。例として、転送装置は、1つ以上のレンズ、特に1つ以上の屈折レンズ、および/または1つ以上の凸面鏡を有することができる。この例では、焦点距離は、薄い屈折レンズの中心から薄いレンズの主焦点までの距離として定義することができる。凸型または両凸型の薄いレンズなどの、収束する薄い屈折レンズの場合、焦点距離は、正であると見なすことができ、転送装置としての薄いレンズに衝突する平行光が単一のスポットに収束する距離を与えることができる。さらに、転送装置は、少なくとも1つの波長選択要素、例えば少なくとも1つの光フィルタを含むことができる。さらに、転送装置は、電磁放射に所定のビームプロファイルを、例えばセンサ領域、特に感知領域の位置で、与えるように設計され得る。転送装置の上記の任意の実施形態は、原則として、個別に、または任意の所望の組み合わせで実現することができる。
【0116】
転送装置は、光軸を有することができる。特に、検出器および転送装置は、共通の光軸を有する。本明細書で使用される場合、「転送装置の光軸」という用語は、一般に、レンズまたはレンズシステムの鏡面対称または回転対称の軸を指す。検出器の光軸は、検出器の光学構成の対称線であり得る。検出器は、少なくとも1つの転送装置、好ましくは少なくとも1つのレンズを有する少なくとも1つの転送システムを含む。転送システムは、一例として、少なくとも1つのビーム経路を含むことができ、該ビーム経路内の該転送システムの要素は、光軸に対して回転対称に配置され得る。さらに、以下でさらに詳細に概説するように、ビーム経路内に配置された1つ以上の光学要素は、光軸に対して中心から外れるか、または傾けられてもよい。この場合、しかしながら、光軸は、例えば、ビーム経路内の光学要素の中心を相互に接続することなどにより、例えばレンズの中心を、この文脈では光センサは光学要素としては数えられないが、相互接続することなどにより、連続的に定義することができる。光軸は一般に、ビーム経路を示し得る。そこでは、検出器は、光ビームがそれに沿って物体から光センサまで進むことができる単一のビーム経路を有することができ、または複数のビーム経路を有することができる。一例として、単一のビーム経路が与えられてもよく、またはビーム経路が2つ以上の部分ビーム経路に分割されてもよい。後者の場合、各部分ビーム経路は、それ自体の光軸を持つことができる。光センサは、同一のビーム経路または同一の部分ビーム経路に配置され得る。しかしながら、代替として、光センサは、異なる部分ビーム経路に配置されてもよい。
【0117】
転送装置は座標系を構成することができ、縦方向座標lは光軸に沿った座標であり、そこではdは光軸からの空間オフセットである。座標系は、転送装置の光軸がz軸を形成し、z軸からの距離および角座標を追加の座標として使用することができる極座標系とすることができる。z軸に平行または逆平行の方向は、縦方向と見なすことができ、z軸に沿った座標は、縦方向の座標lと見なすことができる。z軸に垂直な任意の方向は、横方向と見なすことができ、極座標および/または角座標は、横方向座標と見なすことができる。
【0118】
本発明のさらなる態様では、少なくとも1つの物体の位置を決定するための検出器システムが開示される。検出器システムは、上記で開示された実施形態の1つ以上による、または以下でさらに詳細に開示される実施形態の1つ以上によるなど、本発明による少なくとも1つの検出器を備える。検出器システムは、少なくとも1つの光ビームを検出器に向けるように適合された少なくとも1つのビーコン装置をさらに含み、ビーコン装置は、物体に取り付け可能、物体によって保持可能、および物体に統合可能の少なくとも1つである。ビーコン装置に関するさらなる詳細は、その潜在的に可能な実施形態を含め、以下に示される。したがって、少なくとも1つのビーコン装置は、レーザ、LED、電球などの1つ以上の光源などの、1つ以上の照射源を含む、少なくとも1つの能動型ビーコン装置であり得るか、またはそれを含み得る。一例として、照射源によって放出される光は、390~780nmの波長を有し得る。あるいは、上記で概説したように、780nmから3.0μmの範囲などの赤外線スペクトル範囲が使用され得る。具体的には、700nm~1000nmの範囲の、シリコンフォトダイオードが特に適用可能な近赤外領域が使用され得る。2つ以上の光ビームを区別するために、1つ以上のビーコン装置によって放出される光は、上記で概説したように、非変調であっても、変調されてもよい。追加的にまたは代替的に、少なくとも1つのビーコン装置は、1つ以上の反射要素を備えることなどによって、1つ以上の光ビームを検出器に向けて反射するように適合され得る。さらに、少なくとも1つのビーコン装置は、光ビームを散乱させるように適合された1つ以上の散乱要素であってもよく、またはそれを含んでもよい。そこでは、弾性または非弾性散乱を使用することができる。少なくとも1つのビーコン装置が一次光ビームを検出器に向けて反射および/または散乱するように適合されている場合、ビーコン装置は、光ビームのスペクトル特性を影響を受けないままにするか、あるいは逆に、光ビームの波長を変更するなどして、光ビームのスペクトル特性を変更する。
【0119】
本発明のさらなる態様では、ユーザと機械との間で少なくとも1つの情報項目を交換するためのヒューマンマシーンインターフェイスが開示されている。ヒューマンマシーンインターフェイスは、上記で開示された実施形態による、および/または以下でさらに詳細に開示される実施形態の1つ以上による、少なくとも1つの検出器システムを備える。その中で、少なくとも1つのビーコン装置が、直接的または間接的にユーザに取り付けられるか、またはユーザによって保持されるかの少なくとも1つのように適合される。ヒューマンマシーンインターフェイスは、検出器システムによってユーザの少なくとも1つの位置を決定するように設計されており、ヒューマンマシーンインターフェイスは、少なくとも1つの情報項目をその位置に割り当てるように設計されている。
【0120】
本発明のさらなる態様では、少なくとも1つの娯楽機能を実行するための娯楽装置が開示されている。娯楽装置は、上記で開示された実施形態および/または以下でさらに詳細に開示される実施形態の1つ以上による少なくとも1つのヒューマンマシーンインターフェイスを備えている。娯楽装置は、ヒューマンマシーンインターフェイスを介して、プレーヤが少なくとも1つの情報を入力できるように構成されている。娯楽機器はさらに、情報に従って娯楽機能を変えるように構成される。娯楽装置は、テレビ、スマートフォン、ゲームコンソール、ビデオレコーダ、DVDプレーヤ、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレット、少なくとも1つの仮想現実装置、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される一つ以上の装置であるか、またはそれらを含み得る。
【0121】
本発明のさらなる態様では、少なくとも1つの可動物体の位置を追跡する追跡システムが開示されている。追跡システムは、上記で開示されたおよび/または以下でさらに詳細に開示されるような検出器システム、に言及する1つ以上の実施形態による少なくとも1つの検出器システムを備えている。追跡システムは、少なくとも1つの追跡コントローラをさらに備える。追跡コントローラは、特定の時点での物体の一連の位置を追跡するように適合されている。
【0122】
本発明のさらなる態様では、少なくとも1つの物体を撮像するためのカメラが開示されている。カメラは、上記で開示されたまたは以下でさらに詳細に開示される検出器、に言及する実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの検出器を備えている。
【0123】
本発明のさらなる態様では、少なくとも1つの物体の少なくとも1つの位置の決定も示し得る、場景の深度プロファイルを決定するための走査システムが提供されている。走査システムは、本発明による少なくとも1つの検出器、例えば上に挙げた実施形態の1つ以上に開示され、および/または以下の実施形態の1つ以上に開示される少なくとも1つの検出器を含んでいる。走査システムはさらに、照射光ビームまたは走査光ビームと呼ばれることもある、少なくとも1つの光ビームで場景を走査するように適合された少なくとも1つの照射源を備えている。本明細書で使用される場合、「場景」という用語は、一般に、検出器によって可視である二次元または三次元範囲、その結果、二次元または三次元範囲の少なくとも1つの幾何学的または空間的特性が検出器によって評価され得る、二次元または三次元範囲を指す。本明細書でさらに使用されるように、「走査」という用語は、一般に、異なる領域での連続的な測定を指す。したがって、走査は、具体的には、第1の方式で向けられまたは方向付けられた照射光ビームによる少なくとも1つの第1測定と、第1の方式と異なる第2の方式で向けられまたは方向付けられた照射光ビームによる少なくとも1つの第2測定を意味し得る。走査は、連続走査であっても、段階的走査であってもよい。したがって、連続的または段階的な方式で、照射光ビームを情景の異なる領域に向けることができ、検出器は、各領域の少なくとも1つの縦方向座標など、少なくとも1つの情報項目を生成するように検出することができる。一例として、物体を走査するために、1つ以上の照射光ビームが、連続的または段階的な方式で、物体の表面に光スポットを生成することができ、光スポットについて縦方向座標が生成される。しかしながら、代わりに、光パターンが走査に使用されてもよい。走査は、点走査または線走査、あるいはより複雑な光パターンによる走査でさえあり得る。走査システムの照射源は、検出器の任意選択の照射源と異なり得る。しかしながら、代替として、走査システムの照射源はまた、検出器の少なくとも1つの任意選択の照射源と完全にまたは部分的に同一であるか、またはそれに統合されてもよい。
【0124】
したがって、走査システムは、少なくとも1つの物体の少なくとも1つの表面に位置する少なくとも1つのドットを照射するように構成された少なくとも1つの光ビームを放出するように適合された少なくとも1つの照射源を備え得る。本明細書で使用される場合、「ドット」という用語は、例えば走査システムのユーザによって選択され得る、照射源によって照射される物体の表面の一部の領域、特に小さな領域を指す。好ましくは、ドットは、一方では、走査システムに含まれる照射源と、ドットがその上に位置する物体の表面部分の間の距離について、走査システムが可能な限り正確に決定できるように、可能な限り小さくあり得、他方では、走査システムのユーザ、または走査システム自体が特に自動手順により、物体表面の関係部分の上のドットの存在を検出できるように、可能な限り大きくあり得る。
【0125】
この目的のために、照射源は、人工照射源、特に少なくとも1つのレーザ源および/または少なくとも1つの白熱灯および/または少なくとも1つの半導体光源、例えば少なくとも1つの発光ダイオード、特に有機および/または無機発光ダイオードを含み得る。一例として、照射源によって放出される光は、390~780nmの波長を有し得る。追加的にまたは代替的に、780nmから3.0μmの範囲などの赤外スペクトル範囲の光が使用され得る。具体的には、シリコンフォトダイオードが適用可能な具体的には700nm~1000nmの範囲の近赤外領域部分の光を使用することができる。それらの一般的に定義されたビームプロファイルおよび取り扱い性の他の特性のために、照射源としての少なくとも1つのレーザ源の使用が特に好ましい。本明細書では、特に、ユーザが容易に格納および運搬できるコンパクトな走査システムを提供することが重要である場合に、単一のレーザ源の使用が好ましいことがある。照射源はしたがって、好ましくは、検出器の構成部分であってもよく、したがって特に検出器のハウジングに統合するなど、検出器に統合されてもよい。好ましい実施形態では、特に走査システムのハウジングは、例えば、読みやすい方法で距離関連情報をユーザに提供するように構成された少なくとも1つのディスプレイを備えることができる。さらに好ましい実施形態では、特に走査システムのハウジングはさらに、1つ以上の動作モードを設定するなど、走査システムに関連する少なくとも1つの機能を動作させるように構成された少なくとも1つのボタンを含むことができる。さらに好ましい実施形態では、特に走査システムのハウジングはさらに、特に距離測定の精度および/またはユーザによる走査システムの取り扱いやすさを向上させるための、ゴム足、磁性材料を含むベースプレートまたは壁ホルダーなどのベースプレートまたは壁ホルダーなど、走査システムをさらなる表面に固定するように構成された少なくとも1つの固定ユニットを含み得る。
【0126】
特に、走査システムの照射源は、したがって、物体の表面に位置する単一のドットを照射するように構成された単一のレーザビームを放出し得る。本発明による検出器の少なくとも1つを使用することにより、少なくとも1つのドットと走査システムとの間の距離に関する少なくとも1つの情報項目が、したがって、生成され得る。これにより、好ましくは、走査システムに含まれる照射源と、照射システムによって生成される単一ドットとの間の距離は、少なくとも1つの検出器に含まれる評価装置を使用することなどにより、決定され得る。しかしながら、走査システムはさらに、特にこの目的のために適合され得る追加の評価システムを含み得る。代替的にまたは追加的に、走査システムのサイズ、特に走査システムのハウジングのサイズが考慮され得、したがって、走査システムのハウジング上の特定の点、例えばハウジングの前縁あるいは後縁と、単一ドットの間の距離が代替的に決定され得る。照射源は、点群を生成および/または投影するように適合されてよく、例えば、照射源は、少なくとも1つのデジタル光処理(DLP)プロジェクタ、少なくとも1つのLCoSプロジェクタ、少なくとも1つの空間光変調器;少なくとも1つの回折光学要素;発光ダイオードの少なくとも1つのアレイ;レーザ光源の少なくとも1つのアレイのうちの1つ以上を含み得る。
【0127】
代替的に、走査システムの照射源は、ビームの放出方向の間に直角などのめいめいの角度を提供するように構成された2つの個別のレーザビームを放出し得、それにより、同じ物体の表面に位置する2つのそれぞれのドット、または2つの別々の物体の2つの異なる表面に位置する2つのそれぞれのドットが、照射され得る。しかしながら、2つの個別のレーザビームの間のめいめいの角度の他の値も実現可能であり得る。この特徴は、特に、例えば走査システムとドットの間に1つ以上の障害物があるなど、直接アクセスすることができない、あるいはその他届くことが困難な間接距離の導出のためなど、間接測定機能のために採用され得る。例として、したがって、2つの個別の距離を測定し、ピタゴラスの式を使用して高さを導出することにより、物体の高さの値を決定することが実現可能であり得る。特に、物体に対して所定のレベルを維持できるようにするために、走査システムはさらに、少なくとも1つの水準ユニット、特に、ユーザによって所定の水準を維持するために使用され得る統合気泡バイアルをさらに備えることができる。
【0128】
さらなる代替案として、走査システムの照射源は、複数の個別のレーザビーム、例えばそれぞれのピッチ、特に互いに対して規則的なピッチを示すことができるレーザビームのアレイ、および、少なくとも1つの物体の少なくとも1つの表面上に位置するドットのアレイを生成するように構成された複数の個別のレーザビームを放射してもよい。この目的のために、ビーム分割装置およびミラーなどの特別に適合された光学要素が提供されてもよく、これにより、記載されたレーザビームのアレイの生成が可能になり得る。具体的には、照射源は、周期的または非周期的な方式で光ビームを方向転換する1つ以上の可動ミラーを使用することにより、領域または体積を走査するように向けられ得る。
【0129】
したがって、走査システムは、1つ以上の物体の1つ以上の表面に配置された1つ以上のドットの静的配置を提供し得る。あるいは、走査システムの照射源、特に上記のレーザビームのアレイなどの1つ以上のレーザビームは、経時的変化する強度を示し得る1つ以上の光ビーム、および/または、時間の経過とともにする放出方向が交互に変わり得る、特に既述のマイクロミラーアレイ内に含まれるマイクロミラーなどの動く1つ以上のミラーによって放出方向が交互に変わり得る1つ以上の光ビームを提供するように、構成され得る。結果として、照射源は、走査装置の少なくとも1つの照射源によって生成された、交互する特徴を有する1つ以上の光ビームを使用することにより、少なくとも1つの物体の少なくとも1つの表面の一部を画像として走査するように構成され得る。特に、走査システムは、したがって、例えば1つ以上の物体の1つ以上の表面を順次または同時に走査するように、少なくとも1つの列走査および/または線走査を使用することができる。したがって、走査システムは、3つ以上のドットを測定することによって角度を測定するように適合され得、または、走査システムは、従来の測定スティックを使用するとほとんどアクセスできないかもしれない屋根の切妻などのコーナーまたは狭い領域を測定するように適合され得る。非限定的な例として、走査システムは、例えば生産環境における安全レーザスキャナに、および/または例えば3Dプリンティング、ボディスキャンニング、品質管理など、物体の形状の決定に使用される三次元走査装置に、例えば距離計などの建設用途に、例えば荷物のサイズと体積を決定するための物流用途に、例えばロボット真空掃除機または芝刈機などの家事用途に、または走査ステップを含み得る他の種類の用途に使用され得る。非限定的な例として、走査システムは産業用安全カーテンの用途に使用され得る。非限定的な例として、走査システムは、拭き掃除、真空掃除、モップがけ、またはワックスがけ機能、または芝刈りまたは掻き集めなどのヤードまたは庭の手入れ機能を実行するために使用されてもよい。非限定的な例として、走査システムは、視準された光学系を備えたLED照射源を使用することができ、また、照射源の周波数を異なる周波数にシフトしてより正確な結果を得るように適合されることができ、および/または、他を送信しながら特定の周波数を減衰させるようにフィルタを採用することができる。非限定的な例として、走査システムおよび/または照射源は、全体として回転させるか、または、専用のモータを使用して動作するように、ミラー、ビームスプリッタなどの特定の光学パッケージのみを回転させることができ、走査システムは、完全な360度の視野を有することができ、またはさらに走査範囲をさらに拡大するために、平面外に移動または回転することができる。さらに、照射源は、能動的に所定の方向に向けられ得る。さらに、有線の電気システムの回転を可能にするために、スリップリング、光データ伝送、または誘導結合を使用することができる。
【0130】
非限定的な例として、走査システムは、三脚に取り付けられ、いくつかの角および表面を有する物体または領域に向けられてもよい。1つ以上の柔軟に可動なレーザ光源が走査システムに取り付けられている。1つ以上のレーザ源は、それらが関心点を照射するように動かされる。走査システムに対する照射された点の位置は、走査システムの指定されたボタンを押すと測定され、位置情報は無線インターフェイスを介して携帯電話に送信される。位置情報は携帯電話のアプリケーションに保存される。レーザ光源はさらなる関心点を照射するように動かされ、その位置が測定され、携帯電話アプリケーションに送信される。携帯電話アプリケーションは、隣接する点を平面で接続することにより、点のセットを3Dモデルに変換することができる。3Dモデルは保存され、さらに処理される。測定された点または表面間の距離および/または角度は、走査システムに取り付けられたディスプレイ上に、または位置情報が送信される携帯電話上に直接表示されてもよい。
【0131】
非限定的な例として、走査システムは、点を投影するための2つ以上の柔軟な可動なレーザ源と、線を投影するさらに1つの可動なレーザ源とを備えてもよい。線は、線に沿って2つ以上のレーザスポットを配置するために使用され得、走査装置のディスプレイは、線に沿って配置され得る2つ以上のレーザスポット間の距離、例えば等距離など、を表示し得る。2つのレーザスポットの場合、単一のレーザ源が使用され得、投影された点の距離は、1つ以上のビームスプリッタまたはプリズムを使用して変更され、該ビームスプリッタまたはプリズムは、投影されたスポットが離れたり、近づいたりするように、動かされ得る。さらに、走査システムは、直角、円、正方形、三角形などのさらなるパターンを投影するように適合され得、レーザスポットを投影してそれらの位置を測定することによってそれに沿って測定を行うことができる。
【0132】
非限定的な例として、走査システムは、のこぎり、穴あけ機などの木工、金属加工工具などのツールを使用する作業をサポートするように適合され得る。したがって、走査システムは、2つの反対方向の距離を測定し、2つの測定された距離または距離の合計をディスプレイに表示するように適合され得る。さらに、走査システムは、走査システムが表面上に配置されると、レーザ点が表面に沿って走査システムから自動的に離れ、距離測定が表面のコーナーまたはエッジによる突然の変化を示すまで動かされるように、表面のエッジまでの距離を測定するように適合され得る。これにより、走査装置が板の上に、しかし板の端から離れて置かれている状態で、木の板の端までの距離を測定することを可能にする。さらに、走査システムは、板の端までの一方向の距離を測定し、反対方向に指定された距離で線または円または点を投影することができる。走査システムは、反対方向に測定された距離に依存して、例えば所定の合計距離に依存して、所定の距離で線または円または点を投影するように適合されてもよい。これにより、ツールから安全な距離に走査システムを配置しながら、のこぎりや穴あけ機などのツールを投影位置で操作し、同時に、板のエッジまで所定の距離のところでツールを使用して処理を実行すること可能にする。さらに、走査システムは、2つの反対方向で所定の距離に点または線などを投影するように適合され得る。距離の合計が変更されると、投影された距離の1つだけが変更される。
【0133】
非限定的な例として、走査システムは、表面の上に、例えば切断、鋸引き、穴あけなどのタスクが実行される表面などの表面の上に配置され、所定の距離で表面上に、走査システム上のボタンによって調整可能な線を投影するように適合され得る。
【0134】
非限定的な例として、走査システムは、例えば生産環境における安全レーザスキャナに、および/または例えば3Dプリンティング、ボディスキャンニング、品質管理など、物体の形状の決定に使用される三次元走査装置に、例えば距離計などの建設用途に、例えば荷物のサイズと体積を決定するための物流用途に、例えばロボット真空掃除機または芝刈機などの家事用途に、または走査ステップを含み得る他の種類の用途に使用され得る。
【0135】
転送装置は、上記で説明したように、物体から検出器へ伝搬する光を、光センサに、好ましくは連続的に供給するように設計され得る。上記で説明したように、この供給は、画像化によって、または転送装置の非画像化特性によって、任意で達成され得る。特に、転送装置は、電磁放射が光センサに供給される前に、電磁放射を収集するように設計されることもできる。転送装置は、例えば照射源が定義された光学特性を有する光ビーム、例えば定義されまたは正確に知られているビームプロファイルを有する光ビーム、例えばガウシアンビームの少なくとも1つの線形結合、特に既知のビームプロファイルを有する少なくとも1つのレーザビームを提供するように設計されることにより、全体的にまたは部分的に少なくとも1つの任意の照射源の構成部分にもなり得る。
【0136】
任意の照射源の潜在的に可能な実施形態については、WO2012/110924A1を参照することができる。さらに、他の実施形態が実現可能である。物体から発せられる光は、物体自体で発生することもできるが、任意で別の原点を有し、この原点から物体に伝播し、続いて横方向および/または縦方向光センサに向かって伝播することもできる。後者の場合は、例えば、使用されている少なくとも1つの照射源によってもたらされ得る。この照射源は、例えば、周囲照射源であるか、またはそれを含むことができ、および/または、人工照射源であるか、またはそれを含むことができる。例として、検出器自体は、少なくとも1つの照射源、例えば少なくとも1つのレーザおよび/または少なくとも1つの白熱灯および/または少なくとも1つの半導体照射源、例えば少なくとも1つの発光ダイオード、特に有機および/または無機発光ダイオードを含むことができる。それらの一般的に定義されたビームプロファイルおよび取り扱い性の他の特性のために、照射源またはその一部としての1つまたは複数のレーザの使用が特に好ましい。照射源自体は、検出器の構成部分であり得、さもなければ検出器とは独立して形成され得る。照射源は、特に検出器、例えば検出器のハウジングに統合され得る。代替的または追加的に、少なくとも1つの照射源はまた、少なくとも1つのビーコン装置に、または1つ以上のビーコン装置に、および/または物体に統合され得るか、または物体に接続または空間的に結合され得る。
【0137】
1つ以上の任意のビーコン装置から出現する光は、したがって、代替的または追加的に、前記光がそれぞれのビーコン装置自体に由来するオプション、照射源から出ているオプションおよび/または照射源によって励起されるオプションからあり得る。例として、ビーコン装置から出現する電磁光は、ビーコン装置自体によって放出され得、および/またはビーコン装置によって反射され得、および/またはそれが検出器に供給される前にビーコン装置によって散乱され得る。この場合、電磁放射の放出および/または散乱は、電磁放射のスペクトルに影響を与えることなく、またはそのような影響を伴って、もたらされ得る。したがって、例として、散乱の間、例えばストークスまたはラマンによると、波長シフトも生じ得る。さらに、発光は、例えば、一次照射源、例えば物体または物体の部分領域が励起されることによって、ルミネセンス、特に、リン光および/または蛍光を生成することができる。原則として、他の放出プロセスも可能である。反射が発生する場合、物体は、例えば少なくとも1つの反射領域、特に少なくとも1つの反射面を有することができる。前記反射面は、物体自体の一部であり得るが、例えば、物体に接続されまたは空間的に結合された反射器、例えば、物体に接続された反射板でもあり得る。少なくとも1つの反射器が使用される場合、それはまた、例えば検出器の他の構成部品とは独立に、物体に接続された検出器の一部と見なすこともできる。
【0138】
ビーコン装置の設計および特性に関して、上記または以下でより詳細に説明されるような照射源の説明が参照される。
【0139】
光ビームの光センサへの供給は、特に、例えば円形、楕円形、または異なる形状の断面を有する光スポットが光センサの任意のセンサ領域上に生成されるように行うことができる。例として、検出器は、物体を検出することができる視覚範囲、特に立体角範囲および/または空間範囲を有することができる。好ましくは、転送装置は、例えば検出器の視覚範囲内に配置された物体である場合に、光スポットが完全に光センサのセンサ領域上および/またはセンサエリア上に配置されるように設計され得る。例として、この状態を確実にするために、センサエリアは対応するサイズを有するように選択され得る。
【0140】
さらなる態様では、本発明は、電子装置に使用するための慣性測定ユニットを開示している。本明細書で使用される場合、「慣性測定ユニット」という用語は、少なくとも2つの検出器ユニットを含み、線形および角運動を決定するように構成されたシステムを指す。電子装置は、モバイル電子装置であり得る。電子装置はカメラであり得る。電子装置は携帯電話であり得る。慣性測定ユニットは、本発明、例えば上記または以下でさらに詳細に開示される検出器に言及する実施形態の1つまたは複数による少なくとも1つの検出器、によって決定されたデータを受信するように適合される。本明細書で使用される場合、「少なくとも1つの検出器によって決定されたデータ」という用語は、相対的な空間配置および/または少なくとも1つの縦方向座標zに関する少なくとも1つの情報を指す。慣性測定ユニットはさらに、車輪速度センサ、回転速度センサ、傾斜センサ、方位センサ、モーションセンサ、磁気流体力学センサ、力センサ、角度センサ、角速度センサ、磁場センサ、磁力計、加速度計、ジャイロスコープからなる群から選択された少なくとも1つのさらなるセンサによって決定されたデータを、受け取るように適合されている。本明細書で使用される場合、「少なくとも1つのさらなるセンサによって決定されたデータ」という用語は、以下の:角度情報;速度情報;回転率に関する情報;傾斜に関する情報からなる群から選択される少なくとも1つの情報を指す。慣性測定ユニットは、検出器と少なくとも1つのさらなるセンサからのデータを評価することにより、空間内の位置、空間内の相対または絶対運動、回転、加速度、方向付け、角度位置、傾斜、回転率、速度からなる群から選択される電子装置の少なくとも1つの特性を決定するように適合されている。慣性測定ユニットは、少なくとも1つのプロセッサを含み得る。プロセッサは、さらなるセンサによって記録されたデータを評価するように適合され得る。特に、プロセッサは、空間位置、空間向き、動きおよび速度のうちの1つ以上を決定および/または計算するように適合され得る。慣性測定ユニットは、複数のさらなるセンサを含み得る。慣性測定ユニットは、さらなるセンサのうちの少なくとも2つから決定された情報を融合するように適合され得る。慣性測定ユニットは、少なくとも2つのさらなるセンサの情報を、少なくとも1つの数学モデルを使用して融合するように構成され得、該数学モデルは、カルマンフィルタ、線形2次推定、カルマンビュシーフィルタ、ストラトノビッチカルマンビュシーフィルタ、カルマンビュシーストラトノビッチフィルタ、最小分散推定値、ベイジアン推定値、最適線形不偏推定値、不変推定値、ウィーナーフィルタから選択される。上記で概説したように、検出器は、縦方向座標zの絶対測定を提供するように適合され得る。さらに、検出器は、上で概説したように、少なくとも2つのセンサ要素間の相対的な空間配置を決定および/または較正および/または再較正するように適合され得る。プロセッサ、例えば上述の評価装置は、縦方向座標zおよび/または決定された相対的空間配置および/または相対的空間配置の再較正を考慮して、少なくとも2つのさらなるセンサの情報を融合するように適合され得る。種々のセンサ信号が数学モデル内で使用され得、該数学モデルは、カルマンフィルタ、線形2次推定、カルマンビュシーフィルタ、ストラトノビッチカルマンビュシーフィルタ、カルマンビュシーストラトノビッチフィルタ、最小分散推定値、ベイズ推定値、最適線形不偏推定値、不変推定値、ウィーナーフィルタなどから、各センサ信号が測定誤差および不正確さの影響を受けることを考慮して、選択される。カルマンフィルタなどの上記の数学モデルの1つでこれらのセンサ信号を融合することは、相対的な空間配置や縦方向座標の測定などの改善された推定値を生じ得る。
【0141】
さらなる態様において、本発明は、本発明による検出器、例えば上記に開示されたような、又は以下にさらに詳細に開示されるような検出器を参照する1つ以上の実施形態による少なくとも1つの検出器、を使用して、相対的な空間配置を決定するための方法を開示する。それでも、他のタイプの検出器を使用することができる。本発明の方法は、以下の方法ステップを含み、方法ステップは、所定の順序で実行されてもよいし、異なる順序で実行されてもよい。さらに、列挙されていない1つ以上の追加の方法ステップが存在してもよい。さらに、1方法ステップのうちの1つ、1つより多く、又は、すべてさえも、繰り返し実行されてもよい。
【0142】
方法は、以下の方法ステップ:
- 物体から検出器に伝播する少なくとも1つの光ビームによる、それぞれ感光性領域を有する光センサのマトリックスを有する少なくとも1つのセンサ要素の照射に応答して、少なくとも2つのセンサ信号を生成する、ステップ;
- センサ要素を使用して、少なくとも1つの反射画像を決定する、ステップ;
- 反射画像の少なくとも1つの第1画像位置で、反射画像の少なくとも1つの反射特徴を選択し、少なくとも1つの評価装置を使用してセンサ信号からの結合信号Qを評価することにより、選択された反射特徴の少なくとも1つの縦方向座標zを決定する、ステップ;
- 少なくとも1つの参照画像を提供し、参照画像と反射画像は2つの異なる空間構成で決定され、空間構成は相対的空間配置によって異なる、ステップ;
- 縦方向座標zに対応する参照画像の少なくとも1つの第2画像位置で、参照画像の少なくとも1つの参照特徴を決定する、ステップ;
- 縦方向座標zと第1および第2の画像位置から、相対的空間配置を決定する、ステップ、
を含む。
【0143】
詳細、オプションおよび定義については、上記の検出器を参照することができる。しがたって、具体的には、上記で概説したように、方法は、本発明による検出器を使用すること、例えば、上記で開示された、又は、以下でさらに詳細に開示されるような1つ以上の実施形態を含むことができる。
【0144】
本明細書で使用される場合、「少なくとも1つの参照画像を提供する」という用語は、少なくとも1つの参照画像を決定すること、少なくとも1つの参照画像を記録すること、例えば複数の記憶された参照画像のうちの少なくとも1つの参照画像を選択することの1つ以上を指す。
【0145】
方法は、相対的な空間配置を監視することを含み得る。相対的空間配置は、繰り返し決定され得る。
【0146】
方法は、少なくとも1つの温度決定ステップを含み得る。温度決定ステップでは、検出器の少なくとも1つの温度値を決定することができる。相対的空間配置は、温度値を考慮して決定されてもよく、及び/又は相対的空間配置は、温度値に応じて適合されてもよい。
【0147】
検出器は、少なくとも1つの照明源を含み得る。方法は、センサ要素と照明源の相対位置を決定するために使用されてもよい。
【0148】
検出器は、少なくとも1つの第1センサ要素および少なくとも1つの第2センサ要素を含み得る。第1センサ要素および少なくとも1つの第2センサ要素は、異なる空間構成に配置されてもよい。方法は、第1センサ要素または第2センサ要素によって決定された少なくとも1つの画像を反射画像として選択し、第1センサ要素または第2センサ要素の他方によって決定された少なくとも1つの画像を参照画像として選択することを含み得る。方法は、第1センサ要素および第2センサ要素の相対的空間配置を決定するために使用され得る。
【0149】
さらなる態様では、本発明は、本発明による検出器、例えば上記に開示されたような、又は以下にさらに詳細に開示されるような検出器を参照する1つ以上の実施形態による少なくとも1つの検出器、を較正するための方法を開示する。それでも、他のタイプの検出器を使用することができる。本発明の方法は、以下の方法ステップを含み、方法ステップは、所定の順序で実行されてもよいし、異なる順序で実行されてもよい。さらに、列挙されていない1つ以上の追加の方法ステップが存在してもよい。さらに、1方法ステップのうちの1つ、1つより多く、又は、すべてさえも、繰り返し実行されてもよい。
【0150】
方法は、以下の方法ステップ:
- 物体から検出器に伝播する少なくとも1つの光ビームによる、それぞれ感光性領域を有する光センサのマトリックスを有する少なくとも1つのセンサ要素の照射に応答して、少なくとも2つのセンサ信号を生成する、ステップ;
- センサ要素を使用して、少なくとも1つの反射画像を決定する、ステップ;
- 反射画像の少なくとも1つの第1画像位置で、反射画像の少なくとも1つの反射特徴を選択し、少なくとも1つの評価装置を使用してセンサ信号からの結合信号Qを評価することにより、選択された反射特徴の少なくとも1つの縦方向座標zを決定する、ステップ;
- 少なくとも1つの参照画像を提供し、参照画像と反射画像は2つの異なる空間構成で決定され、空間構成は第1の相対的空間配置によって異なる、ステップ;
- 縦方向座標zに対応する参照画像の少なくとも1つの第2画像位置で、参照画像の少なくとも1つの参照特徴を決定する、ステップ;
- 縦方向座標zと第1および第2の画像位置から、第1の相対的空間配置を決定する、ステップ、
- 評価装置は、第1の相対的空間配置を保存するように適合されている、ステップ、
を含む。
【0151】
前記方法は、参照特徴及び反射特徴の変位を決定することと、物体の縦方向座標と変位との間の関係を決定することとを含んでもよい。
【0152】
前記方法は、再較正ステップを有し、再校正ステップは、以下のステップ:
- 物体から検出器に伝播する少なくとも1つの追加の光ビームによる、センサ要素の照射に応答して、少なくとも2つのさらなるセンサ信号を生成する、ステップ;
- センサ要素を使用して、少なくとも1つのさらなる反射画像を決定する、ステップ;
- 反射画像の少なくとも1つの第3画像位置で、さらなる反射画像の少なくとも1つのさらなる反射特徴を選択し、さらなるセンサ信号からの結合信号Qを評価することにより、さらなる反射特徴の少なくとも1つの第2の縦方向座標zを決定する、ステップ;
- 少なくとも1つのさらなる参照画像を提供し、さらなる参照画像及びさらなる反射画像は、2つの異なる空間構成で決定され、空間構成は、実際の相対的空間配置によって異なる、ステップ;
- 第2の縦方向座標zに対応するさらなる参照画像の少なくとも1つの第4の画像位置で、さらなる参照画像内の少なくとも1つのさらなる参照特徴を決定する、ステップ;
- 第2の縦方向座標zと第3及び第4の画像位置から、実際の相対的空間配置を決定する、ステップ;
- 第1の相対的空間配置と実際の相対的空間配置とを比較し、実際の相対的空間配置に応じて第1の相対的空間配置を調整する、ステップ、
を含む。
【0153】
方法はさらに、少なくとも1つの温度決定ステップを含んでもよく、検出器の少なくとも1つの温度値が決定される。第1の相対的空間配置及び/又は実際の相対的空間配置は、温度値を考慮して決定されてもよく、及び/又は第1の相対的空間配置及び/又は実際の相対的空間配置は、温度値に依存して調整される。
【0154】
本発明のさらなる態様において、上記で与えられた、又は以下でさらに詳細に与えられる1つ又は複数の実施形態による、本発明による検出器の使用は、交通技術における位置測定;娯楽用途;セキュリティ用途;監視用途;安全用途;ヒューマンマシーンインターフェイス用途;追跡用途;写真撮影用途;撮像又はカメラ用途;少なくとも1つの空間マップを生成させるためのマッピング用途;車両用のホーミング又は追跡ビーコン検出器;屋外用途;モバイルアプリケーション;通信用途;マシーンビジョン用途;ロボット工学用途;品質管理用途;製造用途、からなる群から選択される使用目的のために提案される。
【0155】
物体は、一般的に、生物であってもよく、又は、非生物であってもよい。検出器又は検出器システムは、少なくとも1つの物体を含んでいてもよく、それによって、物体は、検出器システムの一部を形成する。しかし、好ましくは、物体は、少なくとも1つの空間次元において、検出器から独立して移動することが可能である。物体は一般的に任意の物体であってもよい。一実施形態では、物体は剛体物体であってもよい。他の実施形態も可能であり、例えば、物体が非剛体物体である実施形態、又はその形状を変化させ得る物体など、他の実施形態が可能である。
【0156】
以下にさらに詳細に概説するように、本発明は、具体的には、人の位置及び/又は人の動きを追跡するために使用され得、例えば、マシーンの制御、ゲーミング、又は、スポーツのシミュレーションなどの目的のために使用され得る。この実施形態又は他の実施形態では、具体的には、物体は、スポーツ用品、好ましくは、ラケット、クラブ、バットからなる群から選択される物品;衣料品;帽子;靴からなる群から選択され得る。
【0157】
したがって、一般的に、検出器のような本発明による装置は、様々な分野に適用され得る。具体的には、交通技術における位置測定;娯楽用途;セキュリティ用途;ヒューマンマシーンインターフェイス用途;追跡用途;写真撮影用途;少なくとも1つの空間のマップを発生させるためのマッピングの用途、部屋、建物、及び街路からなる群から選択される少なくとも1つの空間など、少なくとも1つの空間マップを生成するためのマッピング用途;モバイル用途;ウェブカム;オーディオデバイス;ドルビーサラウンドオーディオシステム;コンピュータ周辺デバイス;ゲーミング用途;カメラ又はビデオの用途;セキュリティ用途;監視用途;自動車用途;輸送用途;医療用途;スポーツ用途;マシーンビジョン用途;車両用途;飛行機用途;船舶用途;宇宙船用途;建物用途;建築用途;地図製作用途;製造用途、からなる群から選択される使用目的が適用され得る。追加的に又は代替的に、ローカル及び/又はグローバル測位システムにおける用途も挙げることが可能であり、特に、ランドマークを基礎とする測位及び/又はナビゲーション、具体的には、車又は他の車両(例えば、列車、オートバイ、自転車、貨物輸送用トラックなど)、ロボットでの使用、又は、歩行者による使用を挙げることが可能である。さらに、屋内測位システムは、例えば、家庭内用途、及び/又は、製造、輸送、監視又はメンテナンス技術において使用されるロボットなどの潜在的な用途、として挙げられ得る。
【0158】
本発明による装置は、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートパネル、又は、他の据置型又はモバイル型又はウェアラブル型のコンピュータ、又は通信の用途において使用され得る。したがって、本発明による装置は、性能を向上させるために、例えば、可視光範囲又は赤外線スペクトル範囲の光を放出する光源など、少なくとも1つの能動型光源と組み合わせられ得る。したがって、例として、本発明による装置は、例えば、環境、物体、及び生物を走査及び/又は検出するためのモバイルソフトウェアと組み合わせるなど、カメラ及び/又はセンサとして使用され得る。本発明による装置は、画像効果を高めるために、2Dカメラ、例えば従来のカメラと組み合わせられ得る。本発明による装置は、さらに、監視のために、及び/又は、記録目的のために、又は、モバイル装置を制御するための入力装置として、特に、声及び/又は、ジェスチャ認識と組み合わせて使用され得る。したがって、具体的には、入力装置とも呼ばれる、ヒューマンマシーンインターフェイスとして機能する本発明による装置は、モバイル用途、例えば、携帯電話などのモバイル装置を介して、他の電子装置又は構成要素を制御するためなどのために使用され得る。例として、本発明による少なくとも1つの装置を含むモバイルの用途は、テレビジョンセット、ゲームコンソール、音楽プレーヤもしくは音楽装置、又は、他の娯楽装置を制御するために使用され得る。
【0159】
さらに、本発明による装置、ウェブカム、又は、コンピューティング用途のための他の周辺装置において使用され得る。したがって、例として、本発明による装置は、画像、記録、監視、走査、又は動き検出に関するソフトウェアと組み合わせて使用され得る。ヒューマンマシーンインターフェイス及び/又は娯楽装置の文脈において概説されるように、本発明による装置は、顔の表情及び/又は身体の表現によってコマンドを与えることに関して、特に有用である。本発明による装置は、他の入力発生装置、例えば、マウス、キーボード、タッチパッド、マイクロフォンなどと組み合わせられ得る。さらに、本発明による装置は、例えば、ウェブカムを使用することなどによるゲーミングの用途において使用され得る。さらに、本発明による装置は、仮想トレーニングの用途及び/又はビデオ会議において使用され得る。さらに、本発明による装置は、特に、ヘッドマウントディスプレイを装着しているときに、仮想現実又は拡張現実の用途において使用される手、腕、又は物体を認識又は追跡するために使用され得る。
【0160】
さらに、本発明による装置は、部分的に上記に説明されているように、モバイルオーディオ装置、テレビジョン装置、及びゲーミング装置において使用され得る。具体的には、本発明による装置は、電子装置又は娯楽装置などのための制御又は制御装置として使用され得る。さらに、本発明による装置は、例えば、2Dディスプレイ技法及び3Dディスプレイ技法などにおける、視線検出又はアイトラッキングに関して使用され得、特に拡張現実の用途のために、及び/又は、ディスプレイが見られているかどうか、及び/又は、どの視点からディスプレイが見られているかを認識するために、透明なディスプレイとともに使用され得る。さらに、本発明による装置は、特に、ヘッドマウントディスプレイを装着しているときに、仮想現実又は拡張現実の用途に関連して、部屋、境界線、障害物を探索するために使用され得る。
【0161】
さらに、本発明による装置は、DSCカメラなどのようなデジタルカメラ内で、又は、デジタルカメラとして、及び/又は、一眼レフカメラなどのレフレックスカメラ内で、又は、レフレックスカメラとして使用され得る。これらの用途に関して、上記に開示されているように、携帯電話などのモバイル用途における、本発明による装置の使用が参照され得る。
【0162】
さらに、本発明による装置は、セキュリティ又は監視の用途のために使用され得る。したがって、例として、本発明による少なくとも1つの装置は、物体が所定のエリア内又は外側にある場合(例えば、銀行又は博物館における監視のために)に、信号を与える1つ又は複数のデジタル及び/又はアナログ電子機器と組み合わせることができる。具体的には、本発明による装置は、光暗号化に使用することができる。本発明による少なくとも1つの装置を使用することによる検出は、波長を補完する他の検出装置、例えばIR、X線、UV-VIS、レーダー又は超音波検出器と組み合わせられ得る。本発明による装置は、さらに、能動型赤外線光源と組み合わせられ得、低周囲光の中での検出を可能にする。本発明による装置は、一般的に、能動型検出器システムと比較して有利であり、具体的には、本発明による装置は、例えば、レーダー用途、超音波用途、LIDAR又は同様の能動型検出器装置の場合のように、第三者によって検出される可能性がある信号を能動的に送信することを回避するためである。したがって、一般的に、本発明による装置は、移動している物体を認識されずかつ検出不可能な追跡のために使用され得る。追加的に、本発明による装置は、一般的に、従来の装置と比較して、不正操作されにくく、また過敏になりにくい。
【0163】
さらに、本発明による装置を使用することによる3D検出の容易さ及び精度を考えると、本発明による装置は、一般的に、顔、身体、及び人の認識及び識別のために使用され得る。その中で、本発明による装置は、識別又は個人化の目的のために他の検出手段、例えば、パスワード、指紋、虹彩検出、音声認識、又は他の手段と組み合わせられ得る。したがって、一般的に、本発明による装置は、セキュリティ装置及び他の個人化された用途において使用され得る。
【0164】
さらに、本発明による装置は、製品の識別のための3Dバーコードリーダーとして使用され得る。
【0165】
上述のセキュリティ及び監視用途に加えて、本発明による装置は、一般的に、空間及びエリアの監視及びモニタリングのために使用され得る。したがって、本発明による装置は、空間及びエリアを監視及びモニタリングのために使用され得、例として、禁止エリアに侵入された場合に警報をトリガ又は実行するために使用され得る。したがって、一般的に、本発明による装置は、建物監視又は博物館における監視目的のために使用され得、例えば、モーションセンサ又は熱センサと組み合わせて、画像増強装置又は画像強調装置及び/又は光電子増倍管と組み合わせてなど、任意に、他のタイプのセンサと組み合わせて使用され得る。さらに、本発明による装置は、公共空間又は混雑した空間において使用され、潜在的に危険な活動、例えば、駐車場における盗難などのような犯罪行為、又は、空港における無人の手荷物などの潜在的に危険な活動を検出することができる。
【0166】
さらに、本発明による装置は、ビデオ及びカムコーダ用途などのカメラ用途において有利に適用され得る。したがって、本発明による装置は、モーションキャプチャ及び3D映画の記録のために使用され得る。その中で、本発明による装置は、一般的に、従来の光学装置を上回る多くの利点を提供する。したがって、本発明による装置は、一般的に、光学構成要素に関して、より低い複雑さを必要とする。したがって、一例として、例えば、1つのレンズだけを有する本発明による装置を提供することなどによって、従来の光学装置と比較してレンズの数が低減され得る。複雑さを低減しているため、例えば、モバイル用途などの非常にコンパクトな装置が可能である。高品質の2つ以上のレンズを有する従来の光学システムは、例えば体積の大きいビームスプリッタの一般的な必要性に起因して、一般的に体積が大きい。さらに、本発明による装置は、一般的に、オートフォーカスカメラなどの、フォーカス/オートフォーカス装置のために使用され得る。さらに、本発明による装置は、また、光学顕微鏡、特に、共焦点顕微鏡において使用され得る。
【0167】
さらに、本発明による装置は一般的に、自動車技術及び輸送技術の技術分野においても適用可能である。このように、一例として、本発明による装置は、例えば適応型クルーズコントロール、非常用ブレーキアシスト、車線逸脱警告、サラウンドビュー、死角検出、交通標識検出、交通標識認識、車線認識、後部横断通行警告、接近する交通量又は前方に走行する車両に応じてヘッドライトの強度と範囲を適応するための光源認識、適応型フロントライトシステム、ハイビームヘッドライトの自動制御、フロントライトシステムの適応型カットオフライト、防眩フロントライトシステム、ヘッドライト照射により動物又は障害物などへのマーキング、後部横断通行警告、高度運転者支援システムなど及び他の運転者支援システム又は他の自動車及び交通用途などのための、距離及び監視センサとして使用され得る。さらに、本発明による装置は、衝突回避のために運転者の操縦を事前に予測するように運転者支援システムに使用され得る。さらに、本発明による装置は、本発明による検出器を使用することによって得られる位置情報の第1及び第2の時間微分を分析することなどによって、速度及び/又は加速度の測定にも使用され得る。この特徴は一般的に、自動車技術、輸送技術又は一般的交通技術に適用可能である。他の分野の技術への応用も実現可能である。車内測位システムにおける具体的用途として、輸送中の乗客の位置の検出、より具体的にはエアバッグなど安全システムの使用の電子制御が挙げられる。エアバッグの使用によって重傷を引き起こすような乗客の車両内での位置の場合には、エアバッグの使用を防止することができる。さらに、例えば自動車、電車、航空機などの車両では、特に自律走行車において、本発明による装置を使用して、運転者が交通に注意を向けているか、又は気が散っているか、眠気があるか、又は疲労があるか、又はアルコールなどの消費が原因で運転ができない状態かどうかの判定することができる。
【0168】
これらの用途又は他の用途では、一般的に、本発明による装置は、独立型装置としてあるいは、例えば、レーダー及び/又は超音波装置など、他のセンサ装置と組み合わせて使用され得る。具体的には、本発明による装置は、自動運転及び安全性問題に関して使用され得る。さらに、これらの用途では、本発明による装置は、赤外線センサ、音響センサであるレーダーセンサ、2次元カメラ、又は、他のタイプのセンサと組み合わせて使用され得る。これらの用途では、本発明による装置の一般的に受動的な性質が有利である。このように、本発明による装置は一般的に信号を発する必要がないため、能動的センサ信号が他の信号源と干渉するリスクを回避することができる。本発明による装置は特に標準的な画像認識ソフトウェアなどの認識ソフトウェアと組み合わせて使用され得る。このように、本発明による装置によって提供される信号及びデータは典型的に、容易に処理可能であり、したがって一般的に、確立された3D測定システムよりも計算能力に対する要求は低い。空間需要が低いことを考えると、カメラのような本発明による装置は、例えば、ウィンドウスクリーンの上又は後ろ、フロントフード上、バンパー上、ライト上、ミラー上、又は他の場所など、車両内の実質的に任意の場所に配置することができる。本発明による様々な検出器、例えば本発明の範囲内に開示された効果に基づく1つ又は複数の検出器は、車両の自律的運転を可能にするため、又は能動的な安全コンセプトの性能を向上させるために組み合わせることができる。したがって、本発明による様々な装置は、本発明による1つ又は複数の他の装置及び/又は従来のセンサ、例えば後部窓、側部窓又は前部窓のような窓内、バンパー上又はライト上などにおいて組み合わせることができる。
【0169】
本発明による少なくとも1つの検出器などの本発明による少なくとも1つの装置と、1つ又は複数の雨検出センサとの組み合わせも可能である。これは、本発明による装置が一般に、特に大雨の間にレーダーのような従来のセンサ技術よりも有利であるという事実による。本発明による少なくとも1つの装置とレーダーなどの少なくとも1つの従来の感知技術との組み合わせは、ソフトウェアが気象条件に応じて信号の正しい組み合わせを選択させることができる。
【0170】
さらに、本発明による装置は一般的に、ブレーキアシスト及び/又はパーキングアシスト及び/又は速度測定のためにも使用され得る。速度測定は、交通管制における他の自動車の速度を測定するためなど、車両と一体化することができ、又は車両の外部で使用されることができる。さらに、本発明による装置は、駐車場で空き駐車スペースを検出するためにも使用され得る。
【0171】
さらに、本発明による装置は、医療システム及びスポーツの分野でも使用され得る。したがって、医療技術分野においては、上記で概説したように、本発明による装置は少体積しか必要とせず、他の装置に一体化することができるため、例えば内視鏡で使用される手術用ロボットが挙げられる。具体的に、多くても1つのレンズを有する本発明による装置は、内視鏡など医療用装置において3D情報をキャプチャするために使用され得る。さらに、本発明による装置は、運動の追跡及び分析を可能にするために、適切なモニタリングソフトウェアと組み合わされ得る。これにより、内視鏡や外科用メスなどの医療用装置の位置を磁気共鳴画像、X線撮像、又は超音波撮像から得られるような医療画像からの結果と即座に重ね合わせることができる。これらの用途は具体的に、例えば脳外科手術及び遠隔診断及び遠隔治療など、正確な位置情報が重要となる医療処置において有益である。
【0172】
さらに、本発明による装置は、3Dボディスキャンにも使用されてもよい。ボディスキャンは医療分野において、例えば、歯科手術、整形手術、肥満手術又は美容整形手術などに適用され得るか、あるいは筋膜疼痛症候群、癌、身体醜形障害又は他の疾患などの医療診断の分野に適用され得る。スポーツの分野では、ボディスキャンをさらに適用して、スポーツ用具の人間工学的な使用又は適合性を評価することができる。さらに、本発明による装置は、外骨格又は人工装具などのウェアラブルロボットに使用することができる。
【0173】
ボディスキャンはさらに、衣類の分野において、例えば衣類の適切なサイズやフィット感を決定するためなどに使用され得る。この技術はテーラーメードの衣類の分野において、あるいはインターネットから衣類又は履物を注文する分野において、あるいはマイクロキオスク装置又は顧客コンシェルジュ装置などのセルフサービスのショッピング装置において使用され得る。衣類の分野におけるボディスキャンは、衣服を着用している顧客を走査するために特に重要である。
【0174】
さらに、本発明による装置は、人数計数システムの分野において、例えばエレベーター、列車、バス、乗用車、又は航空機内の人数を数えるなど、あるいは玄関、扉、通路、小売店舗、スタジアム、娯楽施設、博物館、図書館、公共の場所、映画館、劇場などを通過する人数を数えるためなどに使用され得る。さらに、人数計数システムにおける3D機能を使用して、例えば身長、体重、年齢、体力などの計数される人々に関する詳細情報を取得又は推定し得る。この情報は、ビジネスインテリジェンスメトリックのために、及び/又は人々が数えられる場所を最適化してより魅力的で安全にするために使用され得る。小売環境では、人数計数の分野における本発明による装置は、リピーター又はクロスショッパーの認識、買物行動の評価、購入する来訪者の割合の評価、スタッフのシフトの最適化、あるいはショッピングモールにおける来訪者1人当たりコストのモニタリングなどに使用され得る。さらに、人数計数システムは身体計測調査にも使用され得る。さらに、本発明による装置は、公共輸送システムにおいて、輸送距離に応じて自動運賃課金に使用され得る。さらに、本発明による装置は、子どもの遊び場において、負傷した子ども又は危険な活動に関わっている子どもを認識し、遊び場の玩具とのさらなる相互作用を可能にし、遊び場の玩具などの安全な使用を確保するため等にも使用され得る。
【0175】
さらに、本発明による装置は建設用具、例えば物体又は壁までの距離を測定し、表面が平面かどうかを評価し、物体を順序どおりに整列又は配置するための距離計、あるいは建設環境などで使用するための検査用カメラにおいて使用され得る。
【0176】
さらに、本発明による装置は、トレーニング、遠隔指導又は競技目的などのスポーツ及び運動の分野でも適用され得る。具体的に、本発明による装置は、ダンス、エアロビクス、フットボール、サッカー、バスケットボール、野球、クリケット、ホッケー、陸上競技、水泳、ポロ、ハンドボール、バレーボール、ラグビー、相撲、柔道、フェンシング、ボクシング、ゴルフ、カーレース、レーザタグ、戦場シミュレーションなどの分野でも適用され得る。本発明による装置は、スポーツとゲームの両方において、ボール、バット、剣、動きなどの位置を検出するために使用され得、例えば、ゲームのモニタリング、審判のサポート、又は判断、特にスポーツの特定の状況の自動判断、例えばポイント又はゴールが実際に行われたかどうかを判定するために、使用され得る。
【0177】
さらに、本発明による装置は自動車レース又は自動車運転訓練又は自動車の安全訓練などの分野において、自動車の位置又は自動車の軌道、あるいは前の軌道又は理想的な軌道からの逸脱などを判定するために使用され得る。
【0178】
本発明による装置はさらに、楽器の練習をサポートするため、特に遠隔レッスンをサポートするために使用され得、例えばフィドル、バイオリン、ビオラ、チェリー、ベース、ハープ、ギター、バンジョー、又はウクレレなどの弦楽器のレッスン、ピアノ、オルガン、キーボード、ハープシコード、ハーモニウム又はアコーディオンなどの鍵盤楽器のレッスン、及び/又は、ドラム、ティンパニ、マリンバ、木琴、ビブラフォン、ボンゴ、コンガ、ティンバー、ジャンベ又はタブラなどの打楽器のレッスンをサポートするためにさらに使用され得る。
【0179】
本発明による装置はさらに、トレーニングを促進するために、及び/又は動きを調査して修正するために、リハビリテーション及び理学療法においても使用され得る。そこでは、本発明による装置は遠隔診断にも適用され得る。
【0180】
さらに、本発明による装置はマシーンビジョンの分野でも適用され得る。したがって、本発明による装置の1つ又は複数を、例えば自律運転及び/又はロボットの作業のための受動的制御ユニットとして使用することができる。移動ロボットと組み合わせて、本発明による装置は、自律的な移動及び/又は部品の不具合の自律的な検出を可能にし得る。本発明による装置は、例えばロボットと製造部品と生物との間の、衝突を含むがそれに限定されない事故を回避するためなど、製造及び安全性の監視にも使用され得る。ロボット工学では、ロボットが人間を認識しない場合、人間に重傷を負わせる可能性があることから、人間とロボットの安全で直接的な相互作用がしばしば問題となる。本発明による装置は、ロボットが物体や人間をより良くかつ迅速に位置決めするのに役立ち、安全な相互作用を可能にし得る。本発明による装置の受動的性質を考えると、本発明による装置は能動的な装置よりも有利であり、及び/又は、レーダー、超音波、2Dカメラ、IR検出などの現存の解決法を補足するために使用され得る。本発明による装置における1つの特有の利点は、信号干渉の可能性が低いことである。したがって、信号干渉のリスクを伴わずに複数のセンサが同じ環境で同時に、作動し得る。このように、本発明による装置は、一般的に、例えば、それに限定されないが、自動車、鉱業、鉄鋼などのような、高度に自動化された生産環境において有用であり得る。本発明による装置は、また、例えば、品質管理又は他の目的のために、例えば2D撮像、レーダー、超音波、IRなど他のセンサと組み合せて、生産における品質管理のために使用され得る。さらに、本発明による装置は、マイクロメートル範囲からメートル範囲まで、製品の表面の均一性又は規定寸法の付着性を調査するためなど、表面品質の評価に使用することができる。他の品質管理用途も実現可能である。製造環境において、本発明による装置は、大量の廃棄物を避けるために、食品又は木材など複雑な三次元構造を有する天然物を加工するために特に有用である。さらに、本発明による装置は、タンクやサイロなどの充填レベルをモニタリングするために使用され得る。さらに、本発明による装置は、欠落している部品、不完全な部品、緩んでいる部品、又は低品質部品の検査などの複雑な製品検査に使用され得、例えばプリント基板などの自動光学検査、組立品又は部分組立品の検査、工学的構成要素の検証、エンジン部品検査、木材品質検査、ラベル検査、医療機器検査、製品方向検査、包装検査、食品包装検査などに使用され得る。
【0181】
さらに、本発明による装置は、車両、列車、航空機、船舶、宇宙船及び他の交通用途に使用され得る。したがって、交通用途の分野においては上述の用途に加え、航空機や車両などのための受動型追跡システムも挙げることができる。本発明による少なくとも1つの装置の使用、例えば移動物体の速度及び/又は方向をモニタリングするために、本発明による少なくとも1つの検出器などを使用することは実現可能である。具体的に、陸上、海上及び空間を含む空における高速移動物体の追跡が挙げられる。本発明による少なくとも1つの検出器などの、本発明による少なくとも1つの装置は、具体的に、静止装置及び/又は移動装置に取り付けることができる。本発明による少なくとも1つの装置の出力信号は、例えば他の物体の自律的又は誘導的移動のための誘導機構と組み合わせることができる。したがって、衝突を回避するための用途、又は、追跡物体と操作物体の間で衝突を可能にするための用途も実現可能である。本発明による装置は、要求される計算能力の低さ、即時応答に起因し、及び、例えばレーダーなど能動型システムと比較して検出及び妨害がより困難な検出システムの受動的性質に起因し、一般的に有用かつ有利である。本発明による装置は、例えば速度制御装置や航空交通制御装置に特に有用であるが、これらに限定されない。さらに、本発明による装置は、道路課金の自動課金システムで使用され得る。
【0182】
本発明による装置は、一般に受動的用途に使用することができる。受動的な用途としては、港や危険なエリアにある船舶、及び着陸時又は離陸時の航空機に対するガイダンスが含まれる。その中で、精密なガイダンスのため、固定された既知の能動的ターゲットが使用され得る。同じものが、鉱山用車両など、危険であるが明白に定められているルートを走行する車両にも使用することができる。さらに、本発明による装置は、自動車、列車、飛行物体、動物など、急速に接近する物体の検出にも使用され得る。さらに、本発明による装置は、物体の速度及び/又は加速度を検出するために使用され得、あるいは、時間に応じて、その位置、速度、及び/又は加速度のうちの1つ以上を追跡することにより物体の動きを予測するために使用され得る。
【0183】
さらに、上で概説したように、本発明による装置はゲーミングの分野で使用することができる。したがって、本発明による装置は、動きをその内容に組み込むソフトウェアと組み合わせた動き検出など、同じ又は異なるサイズ、色、形状などの複数の物体で使用のために受動的であり得る。特に、アプリケーションは、動きをグラフィック出力へ実行するのに適している。さらに、例えば、ジェスチャ認識又は顔認識のために本発明による装置のうちの1つ又は複数を使用することなどによって、コマンドを与えるための本発明による装置の用途も実現可能である。本発明による装置は、例えば暗い場所や周囲の状況を改善する必要があるその他の状況などの下で、動作するために能動型システムと組み合わせることができる。追加的又は代替的に、本発明による1つ以上の装置と1つ以上のIR又はVIS光源との組み合わせが可能である。本発明による検出器と特別な装置との組み合わせも又、可能であり、該組み合わせは、限定されないが例えば、特別な色、形状、他の装置との相対位置、移動速度、光、装置の光源を変調するために使用される周波数、表面特性、使用材料、反射特性、透明度、吸収特性など、システム及びそのソフトウェアにより容易に区別され得る。該装置は、他の可能性の中でも特に、スティック、ラケット、クラブ、銃、ナイフ、ホイール、指輪、ステアリングホイール、ボトル、ボール、グラス、花瓶、スプーン、フォーク、立方体、サイコロ、フィギュア、人形、テディ、ビーカー、ペダル、スイッチ、グローブ、宝石、楽器、又は、ピック、ドラムスティックなどの楽器を演奏するための補助装置、を擬似することが可能である。他の選択肢も可能である。
【0184】
さらに、本発明による装置は、例えば、高温又はさらなる発光プロセスなどにより、それ自体で発光する物体を検出及び/又は追跡するために使用することができる。発光部は、排気流などであってもよい。さらに、本発明による装置は、反射物体を追跡し、これらの物体の回転又は向きを分析するために使用され得る。
【0185】
さらに、本発明による装置は、一般に、建築、建設及び地図作成の分野で使用することができる。したがって、一般に、本発明による1つ以上の装置を使用して、例えば田舎や建物の環境エリアを測定及び/又はモニタリングすることができる。その中で、本発明による1つ又は複数の装置は、他の方法及び装置と組み合わせることができ、あるいは単独で、建築プロジェクト、変化する物体、家などの進行及び正確さをモニタリングするために使用され得る。本発明による装置は、部屋、街路、家、コミュニティ又は場景の地図を構築するために、地上又は空中から走査された環境の三次元モデルを生成するために使用され得る。潜在的に可能な適用分野は、建築、地図作成、不動産管理、土地調査などであり得る。一例として、本発明による装置はドローンやマルチコプターを使用し、建物、生産現地、煙突、畑などの農業生産環境、生産工場又は場景モニタリングするために、救助活動を支援するために、危険な環境での仕事をサポートするために、屋内又は屋外の燃える場所で消防隊をサポートするために、1人以上の人や動物などを見つけたりモニタリングしたりするために、あるいは、ヘルメット、マーク、ビーコン装置などを追従することによって実現可能である、スキーやサイクリングなどのスポーツをしている1人又は複数の人を、ドローンが追従して記録するなど、娯楽目的のために使用することができる。本発明による装置は、障害物を認識したり、所定の経路を辿ったり、エッジ、パイプ、建物などを辿ったり、又は環境の全体的または局所的な地図を記録するために使用することができる。さらに、本発明による装置は、屋内又は屋外でのドローンの位置特定及び位置決めのため、気圧センサの精度が不十分な屋内でのドローンの高さを安定させるため、又は複数のドローンの協調運動や空中での再充電又は燃料補給など複数のドローンの相互作用のために使用することができる。
【0186】
さらに、本発明による装置は、家庭用電気製品の相互接続ネットワーク内で、例えば、CHAIN(Cedec Home Appliances Interoperationg Network;セデック家電相互運用ネットワーク)など、例えば、エネルギー又は負荷管理、遠隔診断、ペット関連用途、子供関連用途、子供監視、装置関連の監視、高齢者又は病人に対するサポートもしくはサービス、ホームセキュリティ及び/又は監視、機器動作の遠隔制御、及び、自動的なメンテナンスサポートなど、家庭内での基本的なアプライアンス関連のサービスを相互接続し、自動化し、及び制御するために使用され得る。さらに、本発明による装置は、空調システムなどのような暖房又は冷房システムにおいて使用され得、特に、1人以上の場所に応じて、部屋のどの部分を特定の温度又は湿度に特定するために使用され得る。さらに、本発明による装置は、家事に使用され得るサービスロボット又は自律型ロボットなど、家庭用ロボットにおいても使用され得る。本発明による装置は、多くの異なる目的のために使用され得、例えば、衝突を回避するため、又は、環境のマッピングに使用されるためだけでなく、ユーザを識別し、所与のユーザに関して、セキュリティ目的に関して、又は、ジェスチャ認識もしくは顔の認識に関して、ロボットの性能をパーソナル化するために使用され得る。一例として、本発明による装置は、ロボット掃除機、床洗浄ロボット、拭きロボット、衣類のアイロン掛け用ロボット、犬や猫のトイレロボットなどの動物用トイレロボット、電気自動車用充電ロボット、侵入者を検出するセキュリティロボット、芝刈り機ロボット、自動プールクリーナー、雨樋清掃ロボット、ロボットショッピングカート、荷物運搬ロボット、ライン追従ロボット、洗濯ロボット、アイロンロボット、窓掃除ロボット、おもちゃのロボット、患者モニタリングロボット、赤ちゃんモニタリングロボット、高齢者モニタリングロボット、子供モニタリングロボット、搬送ロボット、テレプレゼンスロボット、専門サービスロボット、プログラム可能なおもちゃのロボット、パスファインダーロボット、より少ない移動性の人々に同伴を提供するソーシャルロボット、追従ロボット、スマートカード追従ロボット、心理療法のロボット、又は、スピーチを手話に、又は、手話をスピーチに翻訳するロボット、において使用され得る。高齢者などの移動性の低い人々の文脈において、本発明による装置を有する家庭用ロボットは、物体の拾上げ、物体の運搬、そして物体及びユーザとの安全な方法での相互交流のために使用され得る。さらに、本発明による装置は、人型ロボットに使用することができ、特に、人型ロボットハンドを使用して、物体を拾い上げる、保持する、又は配置する文脈において、使用することができる。さらに、本発明による装置は、オーディオインターフェイスと組み合わせて、特にオンライン又はオフラインのコンピュータアプリケーションへのインターフェイスを備えたデジタルアシスタントとして機能することができる家庭用ロボットと組み合わせて使用することができる。さらに、本発明による装置は、工業用及び家庭用の目的でスイッチ及びボタンを制御することができるロボットに使用することができる。さらに、本発明による装置は、例えばメイフィールドのKuriなど、スマートホームロボットに使用することができる。さらに、本発明による装置は、有害な材料もしくは物体とともに動作するロボット、又は、危険な環境において動作するロボットにおいて使用され得る。非限定的な例として、本発明による装置は、特に災害の後の化学物質又は放射性物質などの有害物質、又は、地雷もしくは不発弾などの他の危険物、又は、潜在的に危険な物体と共に動作し、あるいは、例えば燃えている物体の近くや被災後のエリア、あるいは空中、海中、地下などでの有人又は無人の救助活動など、安全でない環境において動作し、安全でない環境を調査するロボット又は無人の遠隔制御された車両において使用され得る。
【0187】
さらに、本発明による装置は、例えば崩壊、スラブ、収縮、非対称、局所的な欠陥などを認識するために、接着剤ビード、シーリングビードなどの検査に使用されてもよい。さらに、本発明による装置は、例えば似たような色や形の果物が互いに直接接触している場合などの困難な状況など、コンベアベルト上のドライフルーツなどの物体を数えるために使用されてもよい。さらに、本発明による装置は、ダイカスト又は射出成形部品の品質管理に使用して、例えば完璧な鋳造又は成形を保証するため、表面の損傷、工具の磨耗などを認識することができる。さらに、本発明による装置は、レーザの品質管理及び位置決めなどのレーザスクライビングに使用されてもよい。さらに、本発明による装置は、例えば、物体の位置、回転、及び形状を検出し、それを物体のデータベースと比較し、物体を分類するなどの分類システムに使用されてもよい。さらに、本発明による装置は、スタンピング部品検査、食品及び医薬品の包装検査などの包装検査、フィラメント検査などに使用されてもよい。
【0188】
さらに、本発明による装置は、全地球測位システム(GPS)が十分に信頼できないところにおけるナビゲーション目的のために使用されてもよい。GPS信号は一般的に、渓谷又は樹木の下の森では、屋内又は屋外での受信が遮断されているか受信が困難である電波を使用する。さらに、特に無人の自律走行車両では、システムの重量が重要になり得る。特に無人自律走行車は、制御システムの信頼性の高いフィードバックと安定性のために高速位置データを必要とする。本発明による装置を使用すると、装置が重いため重量を増すことなく短時間の応答及び位置決めを可能にし得る。
【0189】
さらに、本発明による装置は、家庭用機器、モバイル機器又は娯楽装置、例えば冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、窓のブラインド又はシャッター、家庭用警報器、空気調節装置、暖房機器、テレビジョン、オーディオ機器、スマートウォッチ、携帯電話機、電話機、食器洗浄機、又はストーブなどにおいて、人の存在を検出するため、装置の内容又は機能をモニタリングするため、あるいは人との相互交流及び/又は人に関する情報の別の家庭用装置、モバイル装置又は娯楽装置と共有するためにも使用され得る。
【0190】
さらに、本発明による装置は、たとえば家事や仕事などにおいて、たとえば物を保持、運搬、又は摘むための装置などで、又は環境内の障害物を示す光信号又は音響信号を備えた安全システムなどで、高齢者又は障害者又は視力が限られているか又は全くない人をサポートするために使用され得る。
【0191】
本発明による装置はさらに、農業において、例えば害虫、雑草及び/又は、真菌または昆虫に感染した可能性がある作物プラントを完全に又は部分的に検出及び選別するために使用され得る。さらに、作物を収穫する場合、本発明による装置は、使用しなければ収穫装置によって負傷する可能性のあるシカなどの動物を検出するために使用され得る。さらに、本発明による装置は、畑又は温室での植物の成長をモニタリングするため、特に畑又は温室内の所与の領域に関して、さらには所与の植物に関して、水又は肥料又は作物保護製品の量を調整するために使用され得る。さらに、農業バイオテクノロジーにおいて、本発明による装置は植物のサイズ及び形状のモニタリングにも使用され得る。
【0192】
さらに、本発明による装置は、ひげ剃り、調髪、又は化粧品処置などの間にユーザを案内するために使用されてもよい。さらに、本発明による装置は、バイオリンなどの楽器で演奏されたものを記録又はモニタリングするために使用されてもよい。さらに、本発明による装置は、例えば、冷蔵庫の内容をモニタリングし、内容に応じて通知を送信するようなスマート冷蔵庫などの、スマート家電製品に使用されてもよい。さらに、本発明による装置は、人間、動物、又は植物の個体群、例えば、森林中のシカ又は樹木の個体数などをモニタリング又は追跡するために使用されてもよい。さらに、本発明による装置は収穫機に使用することができ、例えばブドウ、トウモロコシ、ホップ、リンゴ、穀物、米、イチゴ、アスパラガス、チューリップ、バラ、大豆など、作物、花又は果物の収穫のために使用されてもよい。さらに、本発明による装置は、例えば、育種、食料生産、農業又は研究用途などにおいて、植物、動物、藻類、魚などの成長を監視するため、灌漑、施肥、湿度、温度、除草剤の使用、殺虫剤の使用、殺菌剤の使用、殺鼠剤の使用などを制御するために使用されてもよい。さらに、本発明による装置は、例えば、牛、豚、猫、犬、鳥、魚などの動物又はペット用の給餌機に使用されてもよい。さらに、本発明による装置は、例えば、自動搾乳又は精肉処理工程において、例えば、牛乳、卵、毛皮、肉などを収集するため、動物製品の製造工程になどに使用されてもよい。さらに、本発明による装置は、例えば、トウモロコシ、ニンニク、木、サラダなどを植えるため、自動播種機、又は播種機、又は植栽機に使用されてもよい。さらに、本発明による装置は、例えば、雲、霧などの気象現象を評価又はモニタリングするため、あるいは雪崩、津波、強風、地震、雷雨などの危険からの警告をするために使用することができる。さらに、本発明による装置は、例えば、地震のリスクをモニタリングするためなど、動き、衝撃、震動などを測定するために使用されてもよい。さらに、本発明による装置は、例えば危険な交差点をモニタリングするため、交通量に応じて信号機を制御するため、公共スペースをモニタリングするため、道路、体育館、競技場、スキー場、公共のイベントなどをモニタリングするためなど、交通技術に使用されてもよい。さらに、本発明による装置は、組織、医療又は生物学的アッセイ、ほくろ又はメラノーマなどの組織の変化などをモニタリング又は分析し、細菌、血球、細胞、藻類などをカウントするなど、網膜スキャン、呼吸又は脈拍測定、胃内視鏡検査、患者監視など、医療用途において使用されてもよい。さらに、本発明による装置は、液滴、流れ、噴出などの形状、サイズ、又は円周をモニタリングするため、又は、風洞などのプロファイル又はガス又は液体の流れを分析、評価、又はモニタリングするために使用されてもよい。さらに、本発明による装置は、車や電車の運転手などの運転者に、彼らが病気になったり疲れたりしたときなどに、警告するために使用されてもよい。さらに、本発明による装置は、材料試験において、ひずみ、張力、又は亀裂などを認識するために使用されてもよい。さらに、本発明による装置は、航海において、自動的になど、航海位置を監視し、最適化するために使用されてもよい。さらに、本発明による装置は燃料レベルゲージに使用されてもよい。
【0193】
さらに、本発明による装置は、化学物質又は汚染物質を検出するセンサ、電子嗅覚チップ、バクテリア又はウイルスなどを検出する微生物センサチップ、ガイガーカウンタ、触覚センサ、熱センサなどと組み合わせることもできる。これは例えば危険又は困難な作業を取り扱うよう構成されるスマートロボットの構築に使用され、例えば感染性の高い患者の治療、きわめて危険な物質の取扱い又は除去、高放射能区域又は化学物質漏出など高度汚染区域の浄化、又は農業での害虫駆除のために使用され得る。
【0194】
本発明による1つ又は複数の装置はさらに、例えば付加製造及び/又は3D印刷のために、例えばCAD又は同様のソフトウェアと組み合わせて、物体の走査のためにも使用され得る。その中で、本発明による装置の高い寸法精度の使用は、例えばx方向、y方向又はz方向、又はこれらの方向の任意の組み合わせで、例えば同時に行われてもよい。さらに、本発明による装置は、パイプライン検査ゲージなどの検査及び保守に使用することができる。さらに、生産環境において、本発明による装置は、形状またはサイズによって野菜または他の天然物との選別、又は加工工程に必要とされる精度よりも低い精度で製造された肉又は物体などの製品の切断など、例えば自然に育った物体のようなあまり定義されていない形状の物体を扱うために使用され得る。
【0195】
さらに、本発明による装置は、屋内空間又は屋外空間を通して、車両又はマルチコプターなどを自律的に又は部分的に自律的に移動させることを可能にする、ローカルナビゲーションシステムにおいて使用され得る。非限定的な例は、物体を拾い上げてそれらを異なる場所に配置するための自動倉庫を通って移動する車両を含み得る。屋内ナビゲーションは、ショッピングモール、小売店、博物館、空港、又は列車の駅においてさらに使用され得、モバイル商品、モバイル装置、手荷物、顧客又は従業員の場所を追跡し、又は場所特有の情報、例えば、地図上の現在位置、又は、売れ筋情報を、ユーザに供給するに使用され得る。
【0196】
さらに、本発明による装置は、例えば速度、傾斜、接近中の障害物、道路の凹凸、又はカーブのモニタリングなどによって自動二輪車の運転支援のためなど、自動二輪車の安全運転を確実にするために使用され得る。さらに、本発明による装置は、列車又は路面電車の衝突回避にも使用され得る。
【0197】
さらに、本発明による装置は、物流プロセスを最適化するための、例えば包装物又は小包をスキャンするための携帯型装置に使用され得る。さらに、本発明による装置は、例えば個人用ショッピング装置、RFIDリーダ、例えば患者又は患者の健康に関連する情報の入手、交換又は記録するためなど病院又は医療環境における使用のためのハンドヘルド装置、小売環境や健康環境用などのスマートバッジなど、さらなる携帯型装置に使用され得る。
【0198】
上記に概説されているように、本発明による装置は、製造用途、品質管理又は識別用途においてさらに使用され得、例えば、製品識別又はサイズ識別などにおいて使用され得る(例えば、最適な場所又は包装を見つけるために、また、廃棄物を低減させるために使用され得る)。さらに、本発明による装置は物流用途に使用され得る。したがって、本発明による装置は、積載又は包装容器又は車両の最適化に使用され得る。さらに、本発明による装置は、少なくとも1つの画像マトリックスを使用し、予め記録されたサイズをバーコード、QRコード(登録商標)または予め記録されたシンボルの記録された画像の測定された特性と比較することによって、例えばシンボルの幅または高さを予め記録された値と比較することによって、既知のサイズのバーコード、QRコードまたは予め記録されたシンボルを使用して再較正することができる。さらに、本発明による装置は、製造分野における表面損傷のモニタリング又は制御、レンタル車両などレンタル物品のモニタリング又は制御、及び/又は損害保険額の査定など保険用途にも使用され得る。さらに、本発明による装置は、材料、物体又は道具のサイズの識別するために、特にロボットと組合せて、最適な材料の取扱いなどに使用され得る。さらに、本発明による装置は、タンクの充填レベル観察など、生産の工程管理に使用され得る。さらに、本発明による装置は、限定されるものではないが、タンク、パイプ、反応器、器具など、生産用資産の保守にも使用され得る。さらに、本発明による装置は3D品質マークの分析にも使用され得る。さらに、本発明による装置は、歯のインレー、歯列矯正具、補綴物、衣類などのテーラーメード商品の製造にも使用され得る。本発明による装置は、1つ又は複数の3Dプリンタと組み合わせて、3Dラピッドプロトタイピング、3Dコピーなどにも使用され得る。さらに、本発明による装置は、例えば海賊品対策や偽造防止目的に、1つ又は複数の物品の形状を検出するために使用され得る。
【0199】
したがって、具体的には、本出願は、写真撮影の分野に適用され得る。したがって、検出器は、写真撮影装置の一部、具体的には、デジタルカメラの一部であってもよい。特に、検出器は3D写真撮影、具体的にはデジタル3D写真撮影に使用され得る。このように、検出器はデジタル3Dカメラを形成し、又はデジタル3Dカメラの一部であってもよい。本明細書で使用されるとき、「写真撮影」という用語は一般的に、少なくとも1つの物体の画像情報を取得する技術を指す。本明細書でさらに使用されるとき、「カメラ」は一般に写真撮影を行うのに適合した装置である。本明細書でさらに使用されるとき、「デジタル写真撮影」という用語は一般に、照射の強度及び/又は色を示す電気信号、好ましくは、デジタル電気信号を生成するように適合された複数の感光要素の使用によって、少なくとも1つの物体の画像情報を取得する技術を指す。本明細書でさらに使用されるとき、「3D写真撮影」という用語は一般的に、三次元空間における少なくとも1つの物体の画像情報を取得する技術を指す。したがって、3Dカメラは3D写真撮影を実行するように適合した装置である。カメラは一般的に、単一の画像、例えば単一の3D画像を取得するように適合されてもよく、又は複数の画像、例えば一連の画像を取得するように適合されてもよい。このように、カメラは、例えばデジタルビデオシーケンスの取得など、ビデオ用途に適合したビデオカメラでもあってよい。
【0200】
したがって、一般的に、本発明は、少なくとも1つの物体を撮像するためのカメラ、具体的には、デジタルカメラ、より具体的には、3Dカメラ又はデジタル3Dカメラに言及する。上記で概説したように、「撮像(画像化)」という用語は、本明細書で使用されるとき、一般的に、少なくとも1つの物体の画像情報を取得することを指す。カメラは本発明による少なくとも1つの検出器を含む。カメラは、上記で概説したとおり、単一の画像を取得するように、又は例えば画像シーケンスなど複数の画像の取得するように、好ましくはデジタルビデオシーケンスを取得するように適合され得る。したがって、例として、カメラは、ビデオカメラであるか、又は、それを含み得る。後者の場合、カメラは好ましくは画像シーケンスを保存するためのデータメモリを含む。
【0201】
本発明で使用されるとき、「位置」という表現は一般的に、物体の1つ又は複数の絶対位置及び物体の1つ又は複数の点の方向付けに関する少なくとも1つの情報項目を指す。したがって、具体的には、位置は検出器の座標系、例えばデカルト座標系において決定され得る。ただし付加的又は代替的に、他の種類の座標系、例えば極座標系及び/又は球座標系も使用され得る。
【0202】
上記に概説されているように、及び、さらに詳細に下記に概説されるとおり、本発明は好ましくはヒューマンマシーンインターフェイス分野、スポーツ分野及び/又はコンピュータゲーム分野に適用され得る。このように、好ましくは、物体はスポーツ用品、好ましくはラケット、クラブ、バット、衣類、帽子、靴からなる群から選択され得る。他の実施形態も実現可能である。
【0203】
本明細書で使用されるとき、物体は一般的に、生物物体及び無生物物体から選択される1つの任意の物体であってもよい。したがって、例として、少なくとも1つの物体は、1つ又は複数の物品及び/又は1つ又は複数の物品の部分を含み得る。付加的又は代替的に、物体は、1つ又は複数の生物及び/又はその1つ又は複数の部分、例えばユーザなど人間及び/又は動物の1つ又は複数の身体の部分であってもよく、又は、それを含んでもよい。
【0204】
検出器の座標系であってもよい物体の位置を決定するための座標系に関して、検出器は、検出器の光軸がz軸を形成する座標系であって、また付加的にz軸に直交し、かつ互いに直交するx軸とy軸が提供され得る座標系を構成し得る。一例として、検出器及び/又は検出器の一部は、この座標系の原点など、この座標系における特定の点に所在し得る。この座標系において、z軸に平行又は逆平行な方向を縦方向と見なすことができ、z軸に沿った座標を、縦方向座標と見なすことができる。縦方向に対して垂直な任意の方向を横方向と見なし、x座標及び/又はy座標を横方向座標と見なすことができる。
【0205】
代替的に、他のタイプの座標系を使用してもよい。したがって、一例として、光軸がz軸を形成し、z軸からの距離及び極角を付加的な座標とする極座標系を使用することができる。また、z軸に平行又は逆平行な方向を縦方向と見なすことができ、またz軸に沿った座標を縦方向座標と見なすことができる。z軸からの距離及び極角を付加的な座標と見なし、また極座標及び/又は極角を横方向座標と見なすことができる。
【0206】
検出器は、少なくとも1つの物体及び/又はその一部の位置に関する少なくとも1つの情報を提供するように構成された装置であってもよい。このように、位置は、好ましくは検出器の座標系における、物体又は物体の一部の位置を完全に記述する情報項目を参照するか、又は位置を部分的にのみ記述する部分的情報を参照し得る。検出器は一般的に、ビーコン装置から検出器へと伝播する光ビームなどの光ビームを検出するように適合された装置であり得る。
【0207】
評価装置及び検出器は、単一の装置に完全に又は部分的に一体化してもよい。したがって、一般的に、評価装置も検出器の一部を形成し得る。代替的に、評価装置及び検出器は、別々の装置として完全に又は部分的に具現化してもよい。検出器はさらなる構成要素を含んでもよい。
【0208】
検出器は、固定式装置であるか、又は移動式装置であってもよい。さらに、検出器は独立型装置であるか、あるいはコンピュータ、車両又は他の装置のような別の装置の一部を形成してもよい。さらに、検出器は携帯型装置であってもよい。検出器の他の実施形態も実現可能である。
【0209】
検出器は、具体的には、検出器のレンズ又はレンズシステム後方のライトフィールドの記録に使用され得、これは、プレノプティックカメラ又はライトフィールドカメラに匹敵する。このように、具体的には、検出器は、複数の焦点面内の画像を例えば同時に取得するように適合されるライトフィールドカメラとして具現化され得る。本明細書で使用されるとき、「ライトフィールド」という用語は一般的に、カメラ内部などの検出器内部の光の空間的伝播を指す。本発明による検出器は、具体的には光学センサのスタックを有し、検出器又はカメラの内部、例えばレンズ後方のライトフィールドを直接記録する能力を有し得る。複数のセンサが、レンズからの距離が異なる複数の画像を記録し得る。例えば、「デプス-フローム-フォーカス」又は「デプス-フローム-デフォーカス」のような、例えばコンボリューションベースのアルゴリズムを使用して、レンズ後方の光の伝播方向、焦点及び拡散をモデル化することができる。レンズ後方のモデル化された光の伝播から、レンズまでの様々な距離の画像を抽出することができ、フィールド深度を最適化することができ、様々な距離での合焦画像を抽出することができ、又は物体の距離を計算することができる。さらなる情報も抽出することができる。
【0210】
いくつかの光センサの使用は、画像を記録した後の画像処理工程において、レンズ誤差を補正することができる。光学機器はレンズ誤差の補正が必要となると、高価で製造に困難を伴うことが多い。これらは特に、顕微鏡や望遠鏡で問題となる。顕微鏡では、典型的なレンズ誤差は、光軸までの距離が変化する光線が、異なって歪むことである(球面収差)。望遠鏡では、大気中の温度変化から焦点変動が発生し得る。球面収差又は製造に起因するさらなる誤差といった静的誤差は、較正工程で誤差を決定し、次いで固定されたピクセル及びセンサの固定されたセットなどの固定画像処理を使用して、又は光伝播情報を使用するより複雑な処理技法を使用して補正することができる。レンズ誤差が強く時間に依存している場合、すなわち望遠鏡において気象条件に依存している場合、レンズ誤差はレンズ後方の光伝播の使用、拡張被写界深度画像の計算、焦点技法の深度の使用などによって補正することができる。
【0211】
本発明による検出器はさらに、色検出を可能にし得る。色検出のために、異なるスペクトル特性を有する複数の光センサを使用してもよく、これらの光センサのセンサ信号を比較してもよい。さらに、本発明による装置はジェスチャ認識の分野で使用され得る。この分野で、本発明による装置と組み合わせたジェスチャ認識は、特に、身体、身体部位又は物体の動きを介して情報をマシーンに伝送するためのヒューマンマシーンインターフェイスとして使用され得る。ここで、情報は、好ましくは、手または手の部分、例えば指の動きを介して、特に、物を指し、聴覚障害者のためのような手話を適用し、数字、賛成、不承認などのためのサインを作成し、例えば人に近づく、離れる、又は、挨拶したり、物を押したり、物を取ったりするよう頼む場合、あるいは、スポーツ又は音楽の分野において、ウォームアップ運動のように手又は指の運動をするなど、手を振ることにより、伝達され得る。さらに、情報は、腕又は脚の動き、例えば腕や足や両腕や両足や腕と足の組合せによる回転、蹴り、掴み、ねじり、回転、スクロール、ブラウジング、押し、曲げ、パンチ、揺すりによって伝達され、娯楽や運動や機械の訓練機能などスポーツや音楽などの目的のために伝達される。さらに、情報は全身又は身体の主要部位の動作、例えばジャンプ、回転、あるいは例えば空港又は交通警察によって情報を伝送するために使用されるゼスチャなど、例えば「右折」、「左折」、「進め」、「徐行」、「停車」、「エンジン停止」などの情報を伝送するための複雑なサインを作ることによって、あるいは泳ぐ真似、飛び込む真似、走る真似、射撃する真似などによって、あるいはヨガ、ピラティス、柔道、空手、ダンス、又はバレエなどにおける複雑な動き又は身体位置を作ることによって伝送され得る。さらに、情報は、例えば、コンピュータプログラムで仮想ギターの機能を制御するためにモックアップギターを使用すること、コンピュータプログラムで仮想ギター機能を制御するために実際のギターを使用すること、電子書籍を読んだり、仮想ドキュメントにおいてページを移動したり、閲覧したりするために実際の書籍又はモックアップ書籍を使用すること、コンピュータプログラムで描画するために実際のペン又はモックアップペンを使用することなど、モックアップ装置に対応する仮想装置を制御するために、本物の装置又はモックアップ装置を使用して情報を送信されてもよい。さらに、情報の伝送は例えば音、振動又は動きなど、ユーザへのフィードバックに連動され得る。
【0212】
音楽及び/又は楽器の分野では、本発明による装置は、ジェスチャ認識と組み合わせた練習目的、楽器の制御、楽器の録音、モックアップ楽器の使用による音楽の演奏又は録音のために、又は例えば、ノイズを回避するため、又は録音を行うため、又は練習、運動、記録、又は娯楽目的などで、仮想オーケストラ、アンサンブル、バンド、ビッグバンド、聖歌隊などを行うために、エアギターを演奏するなど単に楽器の存在を装うことによって使用することができる。
【0213】
さらに、安全性及び監視の分野において、ジェスチャ認識と組み合わせた本発明による装置は、例えば歩行又は身体の動きによる人の認識など、人の動作プロファイルを認識するために使用され得、例えば、歩き方や体の動かし方によって人を認識したり、手のサインや動き、または体の一部または全身のサインや動きを、個人識別サインや個人識別動作のようなアクセスまたは識別制御として使用する。
【0214】
さらに、スマートホーム用途又はモノのインターネットの分野で、ジェスチャ認識と組み合わせた本発明による装置は、家電製品及び/又は家庭用装置を相互に接続するネットワークの一部である家庭用装置、例えば冷蔵庫、セントラルヒーティング、空調、電子レンジ、製氷機又は湯沸かし器など、あるいは娯楽装置、例えばテレビジョンセット、スマートフォン、ゲームコンソール、ビデオレコーダ、DVDプレーヤ、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレット、又はこれらの組み合わせ、又は家庭用装置と娯楽装置の組み合わせ、の中央制御又は非中央制御に使用され得る。
【0215】
さらに、仮想現実又は拡張現実の分野において、ジェスチャ認識と組み合わせた本発明による装置は、例えばサイン、ジェスチャ、身体の動き又は身体の一部の動きなどを使用してゲームをプレイまたは制御したり、仮想世界の中で移動したり、仮想物体を操作したり、ボール、チェス駒、碁石、楽器、道具、ブラシなどの仮想オブジェクトを使用して、スポーツ、芸術、工芸、音楽またはゲームを練習、運動又プレイすることなど、仮想現実アプリケーション又は拡張現実アプリケーションの動きを制御又は機能を制御するために使用され得る。
【0216】
さらに、医療の分野において、ジェスチャ認識と組み合わせた本発明による装置は、リハビリテーション訓練、遠隔診断のサポート、又は手術もしくは治療をモニタリング又は調査し、医療画像を医療装置の位置に重ねて表示すること、例えば、磁気共鳴断層撮影法又はX線撮影などからの予め記録された医用画像を、外科手術又は治療中に記録された内視鏡又は超音波などからの画像と重ねて表示することに使用され得る。
【0217】
さらに、製造及び工程自動化の分野において、ジェスチャ認識と組み合わせた本発明による装置は、ロボット、ドローン、無人自律車両、サービスロボット、移動可能物体などを制御、教育、又はプログラムするために使用され得、例えば、プログラミング、制御、製造、操作、補修又は教育の目的など、あるいは安全上の理由、又は保守目的のためなどの物体又はエリアの遠隔操作に使用され得る。
【0218】
さらに、ビジネスインテリジェンスメトリクスの分野において、ジェスチャ認識と組み合わせた本発明による装置は、人数カウント、顧客の動向調査、顧客が時間を費やすエリア、オブジェクト、顧客テスト、売上高、プローブ調査などに使用することができる。
【0219】
さらに、本発明による装置は日曜大工又はプロ用の道具の分野において、特に電動式又はモータ駆動式又は動力工具、例えばドリル機械、鋸、のみ、ハンマー、レンチ、ステープルガン、ディスクカッター、金属鋏及び金属ニブラー、アングルグラインダー、ダイグラインダー、ドリル、ハンマードリル、ヒートガン、レンチ、サンダース、彫刻機、釘打機、糸鋸、ビスケットジョイナー、木材ルーター、かんな、ポリッシャー、タイルカッター、ワッシャ、ローラー、ウォールチェイサー、旋盤、イパクトドライバー、ジョインター、塗装用ローラー、スプレーガン、モーティマー、又は溶接機などに、特に製造時の精度を補助、最小又は最大距離の維持、又は安全対策のために使用され得る。
【0220】
さらに、本発明による装置は視覚障害者を補助するために使用され得る。さらに、本発明による装置は、衛生上の理由などで直接接触を回避するためにタッチスクリーンで使用することができ、小売環境、医療用途、生産環境などで使用され得る。さらに、本発明による装置は農業生産環境において、例えば安定した洗浄ロボット、採卵機、搾乳機、収穫機、農機具、刈り取り機、フォワーダ、コンバイン収穫機、トラクター、耕運機、鋤、石抜き機、馬鋤、ストリップティル、ばらまき機、ジャガイモ種蒔き機などの種蒔き機、肥料拡散機、噴霧器、スプリンクラーシステム、スワサー、ベイラ-、ローダー、フォークリフト、芝刈り機などに使用され得る。
【0221】
さらに、本発明による装置は、子供又は障害者など、コミュニケーション能力又は可能性が限られている人又は動物のための、衣類、靴、眼鏡、帽子、人工補綴物、歯列矯正具の選択及び/又は適合に使用できる。さらに、本発明による装置は倉庫、物流、流通、輸送、荷物の積み降ろし、スマート製造、インダストリー4.0などの関係で使用され得る。さらに、製造の分野では、本発明による装置は加工、分注、曲げ加工、材料処理などの状況で使用され得る。
【0222】
評価装置は、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)などの1つ以上の集積回路、及び/又は1つ以上コンピュータ、好ましくは1つ以上のマイクロコンピュータなどのデータ処理装置、及び/又はマイクロコントローラ、フィールドコンパイラアレイ、又はデジタルシグナルプロセッサであるか、又はこれらを含んでいてもよい。付加的な構成要素、例えば、一つ以上の処理装置、および/または1つ以上のAD変換器および/または一つ以上のフィルタなどのセンサ信号の受信および/または前処理のための1つ以上装置などのデータ収集装置が含まれてもよい。さらに、評価装置は、電流及び/又は電圧を測定するための1つ又は複数の測定装置など、1つ又は複数の測定装置を備えてもよい。さらに、評価装置は1つ又は複数のデータ保存装置を含んでもよい。さらに、評価装置は、1つ又は複数のインターフェイス、例えば1つもしくは複数の無線インターフェイス及び/又は1つもしくは複数の有線インターフェイスを含んでもよい。
【0223】
少なくとも1つの評価装置は、本発明による方法における1つ又は複数又はさらにすべての方法工程を実行又はサポートするように適合される少なくとも1つのコンピュータプログラムなど、少なくとも1つのコンピュータプログラムを実行するように適合され得る。一例として、1つ又は複数のアルゴリズムは、センサ信号を入力変数として使用することによって物体の位置を決定するよう実装され得る。
【0224】
評価装置は、少なくとも1つのさらなるデータ処理装置に接続され得、又は、それを含むことが可能であり、少なくとも1つのさらなるデータ処理装置は、光センサ及び/又は評価装置によって得られる情報などの、情報を表示すること、視覚化すること、分析すること、配布すること、通信すること、又は、さらに処理することのうちの1つ又は複数のために使用され得る。データ処理装置は、例として、ディスプレイ、プロジェクタ、モニタ、LCD、TFT、ラウドスピーカ、マルチチャネルサウンドシステム、LEDパターン、又は、さらなる視覚化装置うちの少なくとも1つに接続され得、又は、それを組み込むことが可能である。Eメール、テキストメッセージ、電話、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、赤外線又はインターネットインターフェイス、ポート又は接続部のうちの1つ又は複数を使用して、暗号化された情報又は暗号化されていない情報を送ることができる、通信装置又は通信インターフェイス、コネクタ又はポートのうちの少なくとも1つにさらに接続され得、又は、それを組み込まれていてもよい。さらに、プロセッサ、グラフィックプロセッサ、CPU、Open Multimedia Applications Platform(OMAP(商標))、集積回路、Apple Aシリーズ又はSamsung S3C2シリーズの製品、マイクロコントローラ、又はマイクロプロセッサなどのようなシステム-オン-チップ、1つ又は複数のメモリブロック、例えば、ROM、RAM、EEPROM、又はフラッシュメモリなど、タイミングソース、例えば、発振器もしくは位相同期ループ、カウンタタイマ、リアルタイムタイマ、又はパワーオン-リセット-ジェネレーターなど、電圧調整器、電力管理回路、又はDMAコントローラのうちの少なくとも1つにさらに接続され得、又は、それを組み込むことが可能である。個々のユニットは、AMBAバスなどのバスによって、さらに接続され得るか、モノのインターネット又はインダストリー4.0タイプのネットワークに統合され得る。
【0225】
評価装置及び/又はデータ処理装置は、例えば、1つまたは複数のシリアルまたはパラレルのインターフェイスまたはポート、USB、Centronics Port、FireWire(登録商標)、HDMI(登録商標)、イーサネット(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、RFID、Wi-Fi、USART、もしくはSPIなどの外部インターフェイスまたはポート、あるいは、例えば、1つまたは複数の、ADC又は、DACなどのアナログインターフェイス又はポート、あるいは、例えばCameraLinkのようなRGBインターフェイスを使用する2Dカメラ装置のようなさらなる装置への標準化されたインターフェイスもしくはポートによって接続されるか、またはそれらを有することができる。さらに、評価装置及び/又はデータ処理装置は、例えば、プロセッサインターフェイスもしくはポート、FPGA-FPGA-インターフェイス、又は、シリアルもしくはパラレルインターフェイスポートのうちの1つ又は複数によって接続され得る。さらに、評価装置及びデータ処理装置は、光学ディスクドライブ、CD-RWドライブ、DVD+RWドライブ、フラッシュドライブ、メモリカード、ディスクドライブ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートディスク、又はソリッドステートハードディスクのうちの1つ又は複数に接続され得る。
【0226】
評価装置及び/又はデータ処理装置は、例えば、フォンコネクタ、RCAコネクタ、VGAコネクタ、雄雌同体コネクタ、USBコネクタ、HDMI(登録商標)コネクタ、8P8Cコネクタ、BCNコネクタ、IEC60320 C14コネクタ、光ファイバコネクタ、Dサブミニチュアコネクタ、RFコネクタ、同軸コネクタ、SCARTコネクタ、XLRコネクタのうちの1つ又は複数のような、1つ又は複数のさらなる外部コネクタなどによって接続されていてもよく、又は、それらを有することが可能であり、及び/又は、これらのコネクタのうちの1つ又は複数のための少なくとも1つの適切なソケットを組み込んでいてもよい。
【0227】
本発明による1つ又は複数の検出器を組み込んだ単一の装置、1つ以上の光センサを組み込むなどの評価装置又はデータ処理装置、光学システム、評価装置、通信装置、データ処理装置、インターフェイス、システム-オン-チップ、ディスプレイ装置、又はさらなる電子装置の可能な実施形態は、携帯電話、パーソナルコンピュータ、タブレットPC、テレビジョン、ゲームコンソール、又は、さらなる娯楽装置である。さらなる実施形態では、さらに詳細に下記に概説されることになる3Dカメラ機能は、装置のハウジング又は外見における顕著な相違なしに、従来の2Dデジタルカメラとともに利用可能なデバイスの中に一体化され得、ユーザにとっての顕著な相違は、3D情報を取得及び/又は処理することの機能だけであることが可能である。さらに本発明による装置は、360度デジタルカメラ又はサラウンドビューカメラに使用することができる。
【0228】
具体的には、検出器、および/または評価装置などの検出器の一部、および/またはデータ処理装置を組み込んだ実施形態は、表示装置を組み込んだ携帯電話、データ処理装置、光センサあるいはセンサ光学系、3Dカメラの機能のための評価装置であり得る。本発明による検出器は、具体的には、娯楽装置及び/又は携帯電話のような通信装置の中に組み込むのに適切であり得る。
【0229】
本発明のさらなる実施形態は、検出器または評価装置など検出器の一部、および/または自動車用装置、自動運転用装置、またはDaimler社のIntelligent Driveシステムなどの車両安全システム用装置のデータ処理装置の組み込みであり得、一例として、1つ以上の光センサ、任意で1つ以上の光システム、評価装置、任意で通信装置、任意でデータ処理装置、任意で1つ以上のインターフェイス、任意でシステムオンチップ、任意で1つ以上のディスプレイ装置、または任意でさらなる電子装置を組み込んだ装置は、車両、車、トラック、列車、自転車、飛行機、船舶、オートバイの一部であり得る。自動車用途では、装置を自動車設計に統合するには、光センサ、任意で光学システム、又は外部または内部からの最小限の視認性での装置の統合を必要とする場合がある。評価装置および/またはデータ処理装置などの検出器またはその一部は、自動車設計へのこのような統合に特に適している場合がある。
【0230】
本明細書で使用するとき、「光」という用語は一般に、可視スペクトル範囲、紫外線スペクトル範囲、及び赤外線スペクトル範囲の1つ又は複数の電磁放射を指す。その中で、「可視スペクトル範囲」という用語は、一般に380nmから780nmのスペクトル範囲を指す。「赤外線スペクトル範囲」という用語は、一般に、780nmから1mmの範囲、好ましくは780nmから3.0μmの範囲の電磁放射を指す。「紫外線スペクトル範囲」という用語は、一般に、1nmから380nmの範囲、好ましくは100nmから380nmの範囲の電磁放射を指す。好ましくは、本発明内で使用される光は、可視光、すなわち可視スペクトル範囲の光である。
【0231】
「光ビーム」という用語は、一般に、特定の方向に放射及び/又は反射される光の量を指す。したがって、光ビームは、光線の伝播方向に垂直な方向に所定の広がりを有する光線の束であってもよい。好ましくは、光ビームは、ガウス光ビームの線形結合のような1つ以上のガウス光ビームであってもよく、又はそれらを含んでもよく、該ガウス光ビームは、一つ以上のビームウェスト、レイリー長、または任意の他のビームパラメータ、またはビーム径および/またはビーム空間伝播の進展を特徴付けるのに適したビームパラメータ組合せなどの一つ以上のガウスビームパラメータによって、特徴付けられている。
【0232】
本発明による検出器は、1つ又は複数の他のタイプのセンサ又は検出器とさらに組み合わせられ得る。したがって、検出器は、少なくとも1つの追加の検出器をさらに含むことが可能である。少なくとも1つの追加の検出器は、少なくとも1つのパラメータを検出するように適合され、例えば、周囲環境のパラメータ、例えば、周囲環境の温度及び/又は輝度など;検出器の位置及び/又は方向付けに関するパラメータ;物体の位置など、検出される物体の状態を特定するパラメータ、例えば、空間内の物体の絶対的位置及び/又は物体方向付けなどのうちの少なくとも1つを検出するように適合され得る。したがって、一般的に、本発明の原理は、追加情報を得るために、及び/または、測定結果を検証するために、又は、測定誤差もしくはノイズを低減させるために、他の測定原理と組み合わせられ得る。
【0233】
ヒューマンマシーンインターフェイスは、ユーザに直接または間接的に取り付けられ、ユーザによって保持される少なくとも1つであるように適合された複数のビーコン装置を含むことができる。従って、ビーコン装置の各々は、適切な固定装置のような任意の適切な手段によってユーザに独立して取り付けることができる。追加的または代替的に、ユーザは、少なくとも1つのビーコン装置または1つ以上のビーコン装置を手に持って、及び/又は、少なくとも1つのビーコン装置及び/又はビーコン装置を含む衣服を身体部分に着用することによって、保持及び/又は携帯することができる。
【0234】
ビーコン装置は一般に、少なくとも1つの検出器によって検出され得る任意の装置、および/又は、少なくとも1つの検出器によって検出を容易にする任意の装置であり得る。したがって、上記で概説したように、又は以下でさらに概説するように、ビーコン装置は、例えば、少なくとも1つの光ビームを生成するための1つ又は複数の照射源を有することによって、検出器によって検出される少なくとも1つの光ビームを生成するように適合される能動型ビーコン装置であり得る。追加的に代替的に、ビーコン装置は、例えば、別個の照射源によって生成された光ビームを反射するように適合された1つまたは複数の反射要素を提供することによって、完全に又は部分的に受動型ビーコン装置として設計されてもよい。少なくとも1つのビーコン装置は、直接的又は間接的な方法で恒久的又は一時的にユーザに取り付けてもよく、及び/又はユーザによって携帯又は保持されてもよい。取り付けは、例えば、1つ又は複数の取り付け手段を使用することによって、及び/又はユーザ自身により、例えばユーザが少なくとも1つのビーコン装置を手で保持することにより、及び/又はユーザがビーコン装置を着用することによって行われてよい。
【0235】
追加的に又は代替的に、ビーコン装置は、物体に取り付けられたもの、及びユーザによって保持されている物体に一体化されたもの少なくとも1つであり、これは、本発明の意味において、ビーコン装置を保持しているユーザのオプションという意味に含まれるべきである。したがって、以下にさらに詳細に概説されるように、ビーコン装置は、ヒューマンマシーンインターフェイスの一部であり得、及びユーザによって保持又は携帯され得、その方向付けは、検出器装置によって認識され得る制御要素に取り付けられても、又は一体化されてもよい。したがって、一般に、本発明は、また本発明による少なくとも1つの検出器装置を含み、さらに少なくとも1つの物体を含み得る検出器システムに言及し、ビーコン装置は、物体に取り付けられ、物体によって保持され、物体に一体化されたものうち、少なくとも1つである。一例として、物体は好ましくは制御要素を形成してもよく、その方向付けはユーザによって認識され得る。したがって、検出器システムは、上で概説したように、又は以下でさらに詳細に概説するように、ヒューマンマシーンインターフェイスの一部であってよい。一例として、ユーザは、1つ又は複数の情報をマシーンに伝送するため、例えば、1つ又は複数の命令をマシーンに伝送するために特定の方法で制御要素を処理することができる。
【0236】
代替的に、検出器システムは、他の方法で使用され得る。したがって、例として、検出器システムの物体は、ユーザ、又は、ユーザの身体の一部とは異なってもよく、また、例として、ユーザから独立して動く物体であってもよい。例えば、検出器システムは、製造工程及び/又はロボット工学工程など、装置を制御するために及び/又は工業工程を制御するために使用されてもよい。したがって、例えば、物体は、マシーン及び/又はロボットアームなどのマシーン部品であり、その方向付けは検出器システムを使用することによって検出され得る。
【0237】
ヒューマンマシーンインターフェイスは、検出器装置が、ユーザの位置、又は、ユーザの少なくとも1つの身体部分の位置に関する少なくとも1つの情報項目を生成させるように適合され得る。具体的には、少なくとも1つのビーコン装置をユーザへ取り付ける方法が知られている場合、少なくとも1つのビーコン装置の位置を評価することによって、ユーザ又はユーザの身体部分の位置及び/又は方向付けに関する少なくとも1つの情報項目を取得することができる。
【0238】
ビーコン装置は、好ましくは、ユーザの身体又はユーザの身体部分に取り付け可能なビーコン装置、及びユーザが保持し得るビーコン装置の1つである。上記に概説されているように、ビーコン装置は、完全に又は部分的に能動型ビーコン装置として設計され得る。したがって、ビーコン装置は、検出器へと伝送される少なくとも1つの光ビーム、好ましくはビーム特性が既知である少なくとも1つの光ビームを生成するように適合された少なくとも1つの照射源を含み得る。追加的又は代替的に、ビーコン装置は、照射源により生成される光を反射するように適合された少なくとも1つの反射体を含むことにより、検出器へと伝送されることになる反射光ビームを生成し得る。
【0239】
物体は、検出器システムの一部を形成してもよく、一般的に任意の形状を有し得る。好ましくは、上記に概説されているように、検出器システムの一部である物体は、例えば手動などでユーザによって取り扱われ得る制御要素であってもよい。一例として制御要素は、手袋、ジャケット、帽子、靴、ズボン及びスーツ、手で保持できる杖、バット、クラブ、ラケット、鞭、トイガンのような玩具から成る群から選択される少なくとも1つの要素であるか、又はそれを含み得る。したがって、例として、検出器システムは、ヒューマンマシーンインターフェイス及び/又は娯楽装置の一部であってもよい。
【0240】
本明細書で使用されるとき、娯楽装置は、以下では1人又は複数のプレーヤともいう、1人又は複数のユーザのレジャー及び/又は娯楽の目的を果たすことができる装置である。一例として、娯楽装置はゲーミングの目的、好ましくはコンピュータゲーミングの目的に役立ち得る。したがって、娯楽装置は、コンピュータ、コンピュータネットワーク、又はコンピュータシステムの中へ実装され、又は、1つ又は複数のゲーミングソフトウェアプログラムを実行するコンピュータ、コンピュータネットワーク又はコンピュータシステムを含み得る。
【0241】
娯楽装置は、例えば上記にて開示されている1つ又は複数の実施形態及び/又は以下にて開示される1つ又は複数の実施形態によるなど、本発明による少なくとも1つのヒューマンマシーンインターフェイスを含む。娯楽装置は、ヒューマンマシーンインターフェイスを用いてプレーヤによって少なくとも1つの情報項目が入力されることを可能にするように設計されている。少なくとも1つの情報項目は、娯楽装置のコントローラ及び/もしくはコンピュータに伝送され、及び/又は、娯楽装置のコントローラ及び/もしくはコンピュータによって使用され得る。少なくとも1つの情報項目は、好ましくは、ゲームの進行に影響を与えるように適合された少なくとも1つのコマンドを含み得る。したがって、例として、少なくとも1つの情報項目は、プレーヤ及び/又はプレーヤの一部又は複数の身体部分の少なくとも一部の方向付けに関する少なくとも1項目の情報を含むことが可能であり、それによって、プレーヤがゲーミングのために必要とされる特定の位置及び/又は方向付け及び/又は行動をシミュレートすることを可能にする。例として、以下の動き、すなわち、ダンス;ランニング;ジャンプ;ラケットのスイング;バットのスイング;クラブのスイング;ある物体から別の物体へ向けること、例えば、トイガンを標的に向けることなどのうちの1つ又は複数が、シミュレートされ、また、娯楽装置のコントローラ及び/又はコンピュータに伝達され得る。
【0242】
一部として又は全体としての娯楽装置は、好ましくは、娯楽装置のコントローラおよび/又はコンピュータは、情報にしたがって娯楽機能を変更させるように設計されている。したがって、上記に概説されているように、ゲームの進行は、少なくとも1つの情報項目にしたがって影響を受ける可能性がある。したがって、娯楽装置は、1つ又は複数のコントローラを含み得、該1つ又は複数のコントローラは、少なくとも1つの検出器の評価装置とは分離されていてもよく、及び/又は、少なくとも1つの評価装置と完全に又は部分的に同一であり得るか、少なくとも1つの評価装置を含んでいてもよい。好ましくは、少なくとも1つのコントローラは、1つ又は複数のコンピュータ及び/またはマイクロコントローラなどのような、1つ又は複数のデータ処理装置を含むことが可能である。
【0243】
さらに本明細書で使用されているように、追跡システムは、少なくとも1つの物体および/又は物体の少なくとも一部における、一連の過去の位置に関する情報を収集するように適合される装置である。付加的に、追跡システムは、少なくとも1つの物体又は物体の少なくとも一部について予測される少なくとも1つの将来の位置及び/又は方向付けに関する情報を提供するように適合され得る。追跡システムは少なくとも1つの追跡コントローラを有し、該少なくとも1つの追跡コントローラは、電子装置として、好ましくは少なくとも1つのデータ処理装置、より好ましくは少なくとも1つのコンピュータ又はマイクロコントローラとして完全に又は部分的に具現化され得る。繰り返しになるが、少なくとも1つの追跡コントローラは少なくとも1つの評価装置を完全に又は部分的に含み得、及び/又は少なくとも1つの評価装置の一部であってもよく、及び/又は完全に又は部分的に少なくとも1つの評価装置と同一であってもよい。
【0244】
追跡システムは、本発明による少なくとも1つの検出器、例えば上記に挙げた1つまたは複数の実施形態において開示されているような、及び/又は下記の1つ又は複数の実施形態において開示されているような、少なくとも1つの検出器を含む。追跡システムはさらに、少なくとも1つの追跡コントローラを含む。追跡コントローラは、例えば、少なくとも1つの位置情報および少なくとも1つの時間情報を含むデータまたはデータ対の各グループを記録することによって、特定の時点での物体の一連の位置を追跡するように適合されている。
【0245】
追跡システムはさらに、本発明による少なくとも1つの検出器システムを含んでもよい。したがって、少なくとも1つの検出器及び少なくとも1つの評価装置及び任意の少なくとも1つのビーコン装置に加えて、追跡システムは、物体自体又はその一部、例えば、ビーコン装置を含む少なくとも1つの制御要素、またはビーコン装置を含むことができ、該制御要素は、追跡される物体に直接又は間接的に取り付け可能又は一体化可能である。
【0246】
追跡システムは、追跡システム自体における1つ又は複数の動作、及び/又は1つもしくは複数の別個の装置における1つ又は複数の動作を開始するように適合され得る。後者の目的に関して、追跡システム、好ましくは、追跡コントローラは、少なくとも1つの動作を開始するための1つ以上の無線及び/又は有線接続インターフェイス及び/又は他のタイプの制御接続を有していてもよい。好ましくは、少なくとも1つの追跡コントローラは、物体の少なくとも1つの実際の位置にしたがって少なくとも1つの動作を開始するように適合され得る。一例として、動作は、物体の将来の位置の予測;少なくとも1つの装置を物体に向けること;少なくとも1つの装置を検出器に向けること;物体の照射;検出器の照射、からなる群から選択され得る。
【0247】
追跡システムの用途の一例として、追跡システムは、第1の物体および/または第2の物体が移動する可能性があるにもかかわらず、少なくとも1つの第1の物体を少なくとも1つの第2の物体に連続的に向けるために使用されてもよい。潜在的な例は、繰り返しになるが、ロボット工学におけるような産業への用途、及び/又は製造ラインもしくは組み立てラインにおける製造途中のような、たとえ物品が移動中であっても物品に対して連続的に作業を行うための用途において見出すことができる。追加的に又は代替的に、追跡システムは、照射目的に使用され得、例えば物体が移動中であっても物体に対して照射源を連続的に向けることによって、物体を連続的に照射するために使用され得る。さらなる用途は、通信システムにおいて、例えば、移動中の物体に対して送信機を向けることによって、移動中の物体に情報を連続的に伝送するための通信システムにおいて見出すことができる。
【0248】
提案された装置及び方法は、この種の既知の検出器よりも多くの利点を提供する。したがって、検出器は一般に、上記で開示された既知の先行技術システムの欠点を回避し得る。具体的には、検出器は、FiPセンサの使用を回避し、それにより、例えば簡単で安価な市販のシリコンフォトダイオードなどの半導体センサを使用し得る。これらのフォトダイオードは一般には輝度依存性を示さず、及び、上記で開示された方法は一般に、場景の明るさ及び/又は光ビーム上の光スポットの明るさから独立している。したがって、検出器に入射する光ビームの輝度又は総出力に関する測定範囲は、上記で開示された多くの装置と比較して、本発明では一般に大きい。さらに、本発明による検出器を使用することによる測定は、一般に、標的スポットサイズ、すなわち、物体のサイズ、物体に投影される光スポットのサイズ、又は物体に取り付けられ、物体に一体化され、又は物体によって保持されているかのうちの1つ以上であるビーコン装置のサイズから独立している。
【0249】
本発明による検出器は、距離測定又はz座標の測定の機能と、1つ以上の横方向座標を測定する追加オプションとを組み合わせ、それによりPSDの機能を統合する単純な装置として実現され得る。
【0250】
測定の結果、すなわち、少なくとも1つの縦方向座標などの検出器によって決定された位置は、場景の明るさ及び/又は物体の明るさ、少なくとも1つのビーコン装置の明るさ、少なくとも1つの照射源の明るさ、又は物体から検出器に伝播する光ビームの総出力から広く独立している。さらに、この独立性と明るさの観点からの幅広い測定により、反射物体又は非反射物体を使用することができる。
【0251】
測定範囲について言及すると、測定範囲は両方とも、例えば光ビームの総出力の範囲など、本発明による検出器と共に使用することができる明るさの範囲を指す場合もあれば、又は、検出器と測定され得る物体との間の距離の範囲を指す場合もある。上記の文書の1つ又は複数によると、従来の検出器は通常、両方の測定範囲で制限される。上記のように、商信号の使用は、逆に、商信号から縦方向座標を決定するために使用し得る連続的かつ単調に減少又は増加する関数の広い範囲を提供する。その結果、物体と検出器との間の距離に関して非常に広い範囲の測定値が与えられる。同様に、商信号は光ビームの総出力から一般的に独立しているため、少なくとも光センサの一方又は両方が飽和状態にならない限り、また、明るさの観点から、すなわち光ビームの総出力の観点から非常に広い範囲の測定を提供する。
【0252】
検出器内の光ビームは、一般に、検出器の光軸に沿って伝播し得る。しかしながら、光ビームはまた、光軸に沿った以外の方法で伝播してもよい。一例として、光軸に沿って伝播、又は光軸に平行に、または光軸に対して0°とは異なる角度、例えば1°から20°の角度で伝播する、照射光ビームを生成することができる。他の実施形態も実行可能である。
【0253】
全体として、本発明の文脈において、以下の実施形態が特に好ましいと見なされる。
【0254】
実施形態1:少なくとも1つの物体の位置を決定するための検出器であって、
- 光センサのマトリックスを有する少なくとも1つのセンサ要素であって、前記各光センサは感光性領域を有し、前記各光センサは前記物体から前記検出器に伝播する光ビームによるそれぞれの前記感光性領域の照射に応答して少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計され、前記センサ要素は少なくとも1つの反射画像を決定するように適合されている、センサ要素と、
- 少なくとも1つの評価装置であって、前記評価装置は、前記反射画像の少なくとも1つの第1画像位置で、前記反射画像の少なくとも1つの反射特徴を選択するように適合され、前記評価装置は、前記センサ信号からの結合信号Qを評価することにより、前記物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成され、前記評価装置は、参照画像の少なくとも1つの第2画像位置で、前記少なくとも1つの反射特徴に対応する、前記少なくとも1つの参照画像の少なくとも1つの参照特徴を決定するように適合され、前記参照画像と前記反射画像は2つの異なる空間構成で決定され、前記空間構成は相対的空間配置によって異なり、前記評価装置は前記縦方向座標zと前記第1と第2の画像位置から前記相対的空間配置を決定するように適合されている、評価装置と、
を有する検出器。
【0255】
実施形態2:前記相対的空間配置は、相対的空間の向き;相対的角度位置;相対距離;相対変位;相対運動、からなる群から選択される少なくとも1つの配置である、先行する実施形態による検出器。
【0256】
実施形態3:前記検出器は、前記相対的空間配置によって分離された少なくとも2つのセンサ要素を有し、少なくとも1つの第1センサ要素が前記参照画像を記録するように適合され、少なくとも1つの第2センサ要素が前記反射画像を記録するように適合されている、先行する実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0257】
実施形態4:前記第1センサ要素および前記第2センサ要素は機械的コネクタによって分離されている、先行する実施形態による検出器。
【0258】
実施形態5:前記機械的コネクタが調整可能および/または非恒久的である、先行する実施形態による検出器。
【0259】
実施形態6:前記検出器は、異なる時間に同じ前記光センサのマトリックスを使用して前記反射画像および前記参照画像を記録するように適合されている、先行する実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0260】
実施形態7:前記評価装置は、前記相対的空間配置に関する少なくとも1つのスケーリング係数を決定するように適合されている、先行する実施形態による検出器。
【0261】
実施形態8:前記評価装置は、前記第1画像位置の前記縦方向座標zから、前記反射画像の少なくとも1つのさらなる画像位置における少なくとも1つのさらなる特徴iの少なくとも1つの縦方向座標ziを推定するように適合されている、先行する2つの実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0262】
実施形態9:前記評価装置は、前記反射画像および/または前記参照画像の少なくとも1つの特徴の少なくとも1つの決定された縦方向座標から、前記反射画像および/または前記参照画像のそれぞれの少なくとも1つの隣接する特徴の少なくとも1つの縦方向座標を推定するように適合されている、先行する実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0263】
実施形態10:前記評価装置は、前記参照特徴および前記反射特徴の変位を決定するように適合されている、先行する実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0264】
実施形態11:前記評価装置は、前記物体の三角測量縦方向座標ztriangと前記変位の間の事前に定義された関係を使用して、前記物体の少なくとも1つの三角測量縦方向座標ztriangを決定するように適合されている、先行する実施形態による検出器。
【0265】
実施形態12:前記評価装置が、前記縦方向座標zと前記三角測量縦方向座標ztriangを比較するように適合されている、先行する実施形態による検出器。
【0266】
実施形態13:前記評価装置は、前記決定された相対的空間配置を考慮して、前記縦方向座標zと変位の間の実際の関係を決定するように適合されている、先行する3つの実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0267】
実施形態14:前記評価装置が、実際の関係に依存して前記事前定義された関係を調整するように適合されている、先行する実施形態による検出器。
【0268】
実施形態15:前記評価装置が、前記事前定義された関係を前記実際の関係によって置き換えるように適合され、および/または、前記評価装置が、移動平均を決定し、前記事前定義された関係を前記移動平均によって置き換えるように適合されている、先行する実施形態による検出器。
【0269】
実施形態16:前記評価装置は、前記縦方向座標zと前記三角測量縦方向座標ztriangとの間の差を決定するように適合され、前記評価装置は、決定された前記差を少なくとも1つの閾値と比較し、決定された前記差が前記閾値以上である場合に、前記事前定義された関係を調整するように適合されている、先行する2つの実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0270】
実施形態17:前記評価装置は、結合信号Q、センサdの変位、転送装置の焦点距離、温度、ztriang、照射源とベースラインβ間の角度、ベースラインb、縦方向座標zなどの、種々のセンサ信号および/または位置および/または画像位置および/またはシステム特性および/または縦方向座標のようなパラメータを含む数学モデルを使用して、補正された相対的空間配置の推定値を決定するように構成され、前記数学モデルは:カルマンフィルタ、線形2次推定、カルマンビュシーフィルタ、ストラトノビッチカルマンビュシーフィルタ、カルマンビュシーストラトノビッチフィルタ、最小分散推定値、ベイジアン推定値、最適線形不偏推定値、不変推定値、ウィーナーフィルタなどからなる群から選択される少なくとも1つの数学モデルである、先行する4つの実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0271】
実施形態18:前記縦方向座標zが、前記反射特徴の前記第1画像位置に対応する、先行する実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0272】
実施形態19:前記センサ要素が、前記物体から前記検出器に伝播する少なくとも1つのさらなる光ビームによる前記センサ要素の照射に応答して少なくとも2つのさらなるセンサ信号を生成するように適合され、前記センサ要素が少なくとも1つの第2反射画像を決定するように適合され、前記評価装置が前記第2反射画像の少なくとも1つの第3画像位置で前記第2反射画像の少なくとも1つの第2反射特徴を選択し、前記2つのさらなるセンサ信号からの結合信号Qを評価することによって、前記第2反射特徴の少なくとも1つの第2縦方向座標zを決定するように適合され、前記評価装置は、前記第2参照画像の少なくとも1つの第4画像位置で、前記少なくとも1つの第2反射特徴に対応する前記少なくとも1つの第2参照画像の少なくとも1つの第2参照特徴を決定するように適合され、前記第2参照画像と前記第2参照特徴は2つの異なる空間構成で決定され、前記空間構成は実際の相対的空間配置によって異なり、前記評価装置は、前記第2縦方向座標zと前記第3および第4の画像位置から実際の相対的空間配置を決定するように適合され、前記評価装置は、前記第1相対的空間配置と前記実際の相対的空間配置とを比較するように適合される、先行する実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0273】
実施形態20:前記評価装置が、前記実際の相対的空間配置に依存して前記第1相対的空間配置を調整するように適合されている、先行する実施形態による検出器。
【0274】
実施形態21:前記評価装置が前記第1相対的空間配置を前記実際の相対的配置で置き換えるように適合され、および/または、前記評価装置が移動平均を決定し前記第1相対的空間配置を前記移動平均で置き換えるように適合されている、先行する実施形態による検出器。
【0275】
実施形態22:前記評価装置が前記第1相対的空間配置と前記実際の相対的空間配置との間の差を決定するように適合され、前記評価装置が前記決定された差を少なくとも1つの閾値と比較し、前記決定された差が前記閾値以上である場合に、前記第1相対的空間配置を調整するように適合されている、先行する2つの実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0276】
実施形態23:前記評価装置が、前記センサ信号からの結合信号Qを評価することによって前記反射特徴の少なくとも1つの縦方向領域を決定するように適合され、前記縦方向領域は縦方向座標zと誤差間隔±εによって与えられる、先行する実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0277】
実施形態24:前記評価装置は、前記縦方向領域に対応する前記参照画像の少なくとも1つの変位領域を決定するように適合され、前記評価装置は前記参照画像におけるエピポーラ線を決定するように適合され、前記変位領域は前記エピポーラ線に沿って延在し、前記評価装置は前記エピポーラ線に沿って前記参照特徴を決定するように適合され、前記評価装置は、前記反射特徴の前記縦方向座標zと、結合信号Qからの誤差間隔±εを決定し、z±εに対応して前記エピポーラ線に沿って変位領域を決定するように適合されている、先行する実施形態による検出器。
【0278】
実施形態25:前記評価装置が、以下のステップ:
- 前記各反射特徴の第2画像位置の変位領域を決定するステップ;
- 変位領域に最も近いエピポーラ線、および/または変位領域内のエピポーラ線、および/または前記エピポーラ線に垂直な方向に沿う変位領域に最も近いエピポーラ線を割り当てるように、前記各反射特徴の前記変位領域にエピポーラ線を割り当てるステップ;
- 割り当てられた変位領域に最も近い参照特徴、および/または割り当てられた変位領域内の参照特徴、および/または割り当てられたエピポーラ線に沿った割り当てられた変位領域に最も近い参照特徴、および/または割り当てられたエピポーラ線に沿った割り当てられた変位領域内の参照特徴を割り当てるように、少なくとも1つの参照特徴を各反射特徴に割り当ておよび/または決定するステップ、
を実行するように構成されている、先行する実施形態による検出器。
【0279】
実施形態26:前記評価装置は、前記反射特徴を前記変位領域内の前記参照特徴と一致させるように適合されている、先行する2つの実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0280】
実施形態27:前記評価装置が、前記センサ信号の除算、前記センサ信号の倍数の除算、前記センサ信号の線形結合の除算のうちの1つ以上によって結合信号Qを導出するように構成されている、先行する実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0281】
実施形態28:前記検出器が少なくとも1つの温度決定ユニットを有し、前記温度決定ユニットが前記検出器の少なくとも1つの温度値を決定するように適合されている、先行する実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0282】
実施形態29:前記評価装置が、前記温度値を考慮して前記相対的空間配置を決定し、および/または前記温度値に応じて前記相対的空間配置を調整するように適合されている、先行する実施形態による検出器。
【0283】
実施形態30:前記評価装置が、前記縦方向座標zを決定するために、前記結合信号Qと前記縦方向領域との間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように構成されている、先行する実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0284】
実施形態31:前記評価装置が、次の式によって結合信号Qを導出するように構成される。
【0285】
【0286】
ここで、xとyは横方向座標であり、A1とA2は、前記物体から前記検出器に伝播する光ビームのセンサ位置における少なくとも1つのビームプロファイルの異なる領域であり、E(x,y,zo)は物体(112)の距離zoで与えられたビームプロファイルを示し、前記各センサ信号は、前記物体から前記検出器に伝搬する前記光ビームのビームプロファイルの少なくとも1つの領域の少なくとも1つの情報を含む、先行する実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0287】
実施形態32:前記感光性領域は、前記第1センサ信号が前記ビームプロファイルの第1の領域の情報を含み、前記第2センサ信号が前記ビームプロファイルの第2の領域の情報を含むように構成され、前記ビームプロファイルの前記第1領域および前記ビームプロファイルの前記第2領域は、隣接する領域または重複する領域の一方または両方である、先行する実施形態による検出器。
【0288】
実施形態33:前記評価装置は、前記ビームプロファイルの前記第1領域および前記ビームプロファイルの前記第2領域を決定するように構成され、前記ビームプロファイルの前記第1領域は、前記ビームプロファイルの本質的にエッジ情報を含み、前記ビームプロファイルの前記第2領域は、本質的に前記ビームプロファイルの中心情報を含み、前記エッジ情報は、前記ビームプロファイルの前記第1領域の光子数に関する情報を含み、前記中心情報は、前記ビームプロファイルの前記第2領域の光子数に関する情報を含む、先行する実施形態による検出器。
【0289】
実施形態34:前記物体から前記検出器に伝播する前記光ビームが少なくとも1つの線パターンで前記センサ要素を照射し、A1は光センサのマトリックスの、前記線パターンの全線幅を有する領域に対応し、A2は光センサのマトリックスの、前記線パターンの中心領域である、先行する3つの実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0290】
実施形態35:前記物体から前記検出器に伝播する前記光ビームが少なくとも1つの点パターンで前記センサ要素を照射し、A1は、光センサのマトリックスの、点の全半径を有する領域に対応し、A2は光センサのマトリックスの前記点パターンの前記点の中心領域である、先行する4つの実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0291】
実施形態36:前記少なくとも1つの評価装置が、
a)最高のセンサ信号を有する少なくとも1つの光センサを決定し、少なくとも1つの中心信号を形成すること、
b)前記マトリックスの前記光センサの前記センサ信号を評価し、少なくとも1つの和信号を形成すること、
c)前記中心信号と前記和信号を結合させることにより、少なくとも1つの結合信号を決定すること、および、
d)前記結合信号を評価することにより前記縦方向領域を決定すること、
によって前記センサ信号を評価するように構成されている、先行する実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0292】
実施形態37:前記結合信号が:
前記中心信号と前記和信号の商を形成すること、またはその逆の商を形成すること;前記中心信号の倍数と前記和信号の倍数の商を形成すること、またはその逆の商を形成すること;前記中心信号の線形結合と前記和信号の線形結合の商を形成すること、またはその逆の商を形成すること;
の1つ以上から導出された商信号Qである、先行する実施形態による検出器。
【0293】
実施形態38:前記検出器が少なくとも1つの照射源を含む、先行する実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0294】
実施形態39:前記照射源および前記少なくとも1つのセンサ要素が機械的コネクタによって分離されている、先行する実施形態による検出器。
【0295】
実施形態40:前記機械的コネクタが調整可能および/または非恒久的である、先行する実施形態による検出器。
【0296】
実施形態41:前記照射源は、前記物体を照射するための少なくとも1つの照射パターンを生成するように適合され、前記照射パターンは、以下の:少なくとも1つの点パターン、特に擬似ランダム点パターンまたはランダム点パターン;少なくとも1つのソボルパターン;少なくとも1つの準周期的パターン;少なくとも1つの既知の特徴を含む少なくとも1つのパターン;少なくとも1つの規則的なパターン;少なくとも1つの三角形パターン;少なくとも1つの六角形パターン;少なくとも1つの長方形パターン;凸状の均一なタイル状体を含む少なくとも1つのパターン;少なくとも1つのフリンジパターン;少なくとも1つの線を含む少なくとも1つの線パターン;平行線または交差線などの少なくとも2つの線を含む少なくとも1つの線パターン、からなる群から選択される少なくとも1つのパターンを含む、先行する2つの実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0297】
実施形態42:前記センサ要素は少なくとも1つの反射パターンを決定するように適合され、前記評価装置は前記反射パターンの少なくとも1つの特徴を選択し、前記センサ信号からの結合信号Qを評価することにより、前記反射パターンの前記選択された特徴の縦方向座標zを決定するように適合されている、先行する実施形態による検出器。
【0298】
実施形態43:前記検出器は、それぞれが光センサのマトリックスを有する少なくとも2つのセンサ要素を含み、少なくとも1つの第1センサ要素と少なくとも1つの第2センサ要素が異なる空間構成に配置され、前記少なくとも1つの第1センサ要素は少なくとも1つの第1反射パターンを決定するように適合され、前記少なくとも1つの第2センサ要素は少なくとも1つの第2反射パターンを決定するように適合され、前記評価装置は、前記第1センサ要素または前記第2センサ要素によって決定された少なくとも1つの画像を反射画像として選択し、前記第1センサ要素または前記第2センサ要素のうちの他方によって決定された少なくとも1つの画像を、参照画像として選択するように適合されている、先行する実施形態のいずれか1つによる検出器。
【0299】
実施形態44:少なくとも1つの物体の位置を決定するための検出器システムであって、先行する実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの検出器を含み、少なくとも1つの光ビームを前記検出器に向かわせるように適合された少なくとも1つのビーコン装置をさらに含み、前記ビーコン装置は、物体に取り付け可能、物体によって保持可能、および物体に統合可能の少なくとも1つである、検出器システム。
【0300】
実施形態45:ユーザとマシーンの間で少なくとも1つの情報項目を交換するためのヒューマンマシーンインターフェイスであって、先行する実施形態による少なくとも1つの検出器システムを含み、少なくとも1つのビーコン装置がユーザに直接的または間接的に取り付けられること、ユーザ(113)によって保持されることのうちの少なくとも1つであるように適合され、前記ヒューマンマシーンインターフェイスは、前記検出器システムによってユーザの少なくとも1つの位置を決定するように設計され、前記ヒューマンマシーンインターフェイスは、少なくとも1つの情報項目を前記位置に割り当てるように設計されている、ヒューマンマシーンインターフェイス。
【0301】
実施形態46:少なくとも1つの娯楽機能を実行するための娯楽装置であって、先行する実施形態による少なくとも1つのヒューマンマシーンインターフェイスを含み、前記ヒューマンマシーンインターフェイスを介してプレーヤによって少なくとも1つの情報項目が入力され得るように設計され、前記情報によって前記娯楽機能を変化させるように設計されている、娯楽装置。
【0302】
実施形態47:少なくとも1つの可動物体の位置を追跡するための追跡システムであって、検出器システムに言及する、先行する実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの検出器システムを備え、少なくとも1つの追跡コントローラをさらに備え、前記追跡コントローラは、特定の時点における前記物体の一連の位置を追跡するように適合されている、追跡システム。
【0303】
実施形態48:場景の深度プロファイルを決定するための走査システムであって、検出器に言及する、先行する実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの検出器を含み、少なくとも1つの光ビームによって前記場景を走査するように適合された少なくとも1つの照射源をさらに含む、走査システム。
【0304】
実施形態49:少なくとも1つの物体を撮像するためのカメラであって、検出器に言及する、先行する実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの検出器を備えている、カメラ。
【0305】
実施形態50:電子装置で使用するための慣性測定ユニットであって、検出器に言及する、先行する実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの検出器によって決定されたデータを受信するように適合され、さらに、車輪速度センサ、回転速度センサ、傾斜センサ、方位センサ、モーションセンサ、磁気流体力学センサ、力センサ、角度センサ、角速度センサ、磁場センサ、磁力計、加速度計、ジャイロスコープからなる群から選択された少なくとも1つのさらなるセンサによって決定されたデータを、受け取るように適合され、検出器(110)と前記少なくとも1つのさらなるセンサからのデータを評価することにより、空間内の位置、空間内の相対または絶対運動、回転、加速度、方向付け、角度位置、傾斜、回転率、速度からなる群から選択される電子装置の少なくとも1つの特性を決定するように適合されている、慣性測定ユニット。
【0306】
実施形態51:検出器に言及する、先行する実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの検出器を使用することによって相対的空間配置を決定するための方法であって、以下のステップ:
- 前記物体から前記検出器に伝播する少なくとも1つの光ビームによる、それぞれ感光性領域を有する光センサのマトリックスを有する少なくとも1つのセンサ要素の照射に応答して、少なくとも2つのセンサ信号を生成する、ステップ;
- 前記センサ要素を使用して、少なくとも1つの反射画像を決定する、ステップ;
- 前記反射画像の少なくとも1つの第1画像位置で、前記反射画像の少なくとも1つの反射特徴を選択し、少なくとも1つの評価装置を使用して前記センサ信号からの結合信号Qを評価することにより、選択された前記反射特徴の少なくとも1つの縦方向座標zを決定する、ステップ;
- 少なくとも1つの参照画像を提供し、前記参照画像と前記反射画像は2つの異なる空間構成で決定され、前記空間構成は前記相対的空間配置によって異なる、ステップ;
- 前記縦方向座標zに対応する前記参照画像の少なくとも1つの第2画像位置で、前記参照画像の少なくとも1つの参照特徴を決定する、ステップ;
- 前記縦方向座標zと前記第1および第2の画像位置から、前記相対的空間配置を決定する、ステップ、
を含む方法。
【0307】
実施形態52:前記方法は、前記相対的空間配置を監視することを含み、前記相対的空間配置は繰り返し決定される、先行する実施形態による方法。
【0308】
実施形態53:前記方法が少なくとも1つの温度決定ステップを含み、前記検出器の少なくとも1つの温度値が決定される、先行する2つの実施形態のいずれか1つによる方法。
【0309】
実施形態54:前記相対的空間配置は前記温度値を考慮して決定され、および/または前記相対的空間配置は前記温度値に応じて適合される、先行する実施形態による方法。
【0310】
実施形態55:前記検出器が少なくとも1つの照射源を含み、前記方法がセンサ要素と前記照射源の相対的位置を決定するために使用される、先行する4つの実施形態のいずれか1つによる方法。
【0311】
実施形態56:前記検出器が少なくとも1つの第1センサ要素と少なくとも1つの第2センサ要素を含み、前記第1センサ要素と前記少なくとも1つの第2センサ要素は異なる空間構成に配置され、前記方法は、前記第1センサ要素または前記第2センサ要素によって決定された少なくとも1つの画像を反射画像として選択することと、前記第1センサ要素または前記第2センサ要素のうちの他方によって決定された少なくとも1つの画像を、参照画像として選択することを含み、前記方法は、前記第1センサ要素と前記第2センサ要素の相対的空間配置を決定するために使用される、先行する5つの実施形態のいずれか1つによる方法。
【0312】
実施形態57:検出器に言及する、先行する実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの検出器を較正するための方法であって、以下のステップ:
- 前記物体から前記検出器に伝播する少なくとも1つの光ビームによる、それぞれ感光性領域を有する光センサのマトリックスを有する少なくとも1つのセンサ要素の照射に応答して、少なくとも2つのセンサ信号を生成する、ステップ;
- 前記センサ要素を使用して、少なくとも1つの反射画像を決定する、ステップ;
- 反射画像の少なくとも1つの第1画像位置で、反射画像の少なくとも1つの反射特徴を選択し、少なくとも1つの評価装置を使用して前記センサ信号からの結合信号Qを評価することにより、選択された前記反射特徴の少なくとも1つの縦方向座標zを決定する、ステップ;
- 少なくとも1つの参照画像を提供し、前記参照画像と前記反射画像は2つの異なる空間構成で決定され、前記空間構成は第1の相対的空間配置によって異なる、ステップ;
- 前記縦方向座標zに対応する前記参照画像の少なくとも1つの第2画像位置で、前記参照画像の少なくとも1つの参照特徴を決定する、ステップ;
- 前記縦方向座標zと前記第1および第2の画像位置から、前記第1の相対的空間配置を決定する、ステップ、
- 前記評価装置は、前記第1の相対的空間配置を保存するように適合される、ステップ、
を含む、方法。
【0313】
実施形態58:前記参照特徴と前記反射特徴の変位を決定することと、前記物体の前記縦方向座標と前記変位との間の関係を決定することとを含む、先行する実施形態による方法。
【0314】
実施形態59:前記方法が再較正ステップを有し、前記再較正ステップが以下の:
- 前記物体から前記検出器に伝播する少なくとも1つの追加の光ビームによる、前記センサ要素の照射に応答して、少なくとも2つのさらなるセンサ信号を生成する、ステップ;
- 前記センサ要素を使用して、少なくとも1つのさらなる反射画像を決定する、ステップ;
- 前記反射画像の少なくとも1つの第3画像位置で、前記さらなる反射画像の少なくとも1つのさらなる反射特徴を選択し、前記さらなるセンサ信号からの結合信号Qを評価することにより、前記さらなる反射特徴の少なくとも1つの第2の縦方向座標zを決定する、ステップ;
- 少なくとも1つのさらなる参照画像を提供し、前記さらなる参照画像と前記さらなる反射画像は、2つの異なる空間構成で決定され、前記空間構成は、実際の相対的空間配置によって異なる、ステップ;
- 前記第2の縦方向座標zに対応する、前記さらなる参照画像の少なくとも1つの第4画像位置で、前記さらなる参照画像の少なくとも1つのさらなる参照特徴を決定する、ステップ;
- 前記第2の縦方向座標zと前記第3と第4の画像位置から、前記実際の相対的空間配置を決定する、ステップ;
- 前記第1の相対的空間配置と前記実際の相対的空間配置を比較し、前記実際の相対的空間配置に応じて前記第1の相対的空間配置を調整する、ステップ、
を有する、先行する実施形態のいずれか1つによる方法。
【0315】
実施形態60:前記方法が少なくとも1つの温度決定ステップを含み、前記検出器の少なくとも1つの温度値が決定される、先行する3つの実施形態のいずれか1つによる方法。
【0316】
実施形態61:前記第1の相対的空間配置および/または前記実際の相対的空間配置は、前記温度値を考慮して決定され、および/または前記第1の相対的空間配置および/または前記実際の相対的空間配置は前記温度値に依存して調整される、先行する実施形態による方法。
【0317】
実施形態62:検出器に関する、先行する実施形態のいずれか1つによる検出器の使用であって、使用目的が:交通技術における位置測定;娯楽用途;セキュリティ用途;監視用途;安全用途;ヒューマンマシーンインターフェイス用途;物流用途;追跡用途;屋外用途;モバイルアプリケーション;通信用途;写真用途;マシーンビジョン用途;ロボット工学用途;品質管理用途;製造用途、からなる群から選択される、検出器の使用。
【図面の簡単な説明】
【0318】
本発明のさらなる任意の詳細および特徴は、従属実施形態に関連して続く好ましい例示的な実施形態の説明から明らかである。この文脈において、特定の特徴は、孤立した方式で、または他の特徴との組み合わせで実現され得る。本発明は、例示的な実施形態に限定されない。例示的な実施形態は、図に概略的に示されている。個々の図における同一の参照番号は、同一の要素または同一の機能を有する要素、または機能に関して互いに対応する要素を指している。
【
図1】本発明による検出器、検出器システム、カメラ、娯楽装置および追跡システムの第1の実施形態を示す図である。
【
図2】本発明による検出器、検出器システム、カメラ、娯楽装置および追跡システムの第2の実施形態を示す図である。
【
図4】本発明による検出器のさらなる実施形態を示す図である。
【
図5】相対的な空間配置を取得するための3つの状況を示す図である。
【
図6】線パターンを使用して縦方向座標zを決定する実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0319】
図1は、非常に概略的な図により、少なくとも1つの物体112の位置を決定するための検出器110の第1の実施形態を示す。検出器110は、具体的には、カメラ114として具体化されてもよく、および/またはカメラ114の一部であってもよい。カメラ114は、撮像、特に3D撮像のために作られてもよく、静止画像および/またはデジタルビデオクリップなどの画像シーケンスを取得するために作られてもよい。他の実施形態も可能である。
図1は、検出器システム116の一実施形態をさらに示し、該検出器システム116は、少なくとも1つの検出器110に加えて、1つ以上のビーコン装置118を備え、該ビーコン装置118は、この例では、物体112に取り付けられ得、および/または物体112に統合され得、該物体112の位置は検出器110を使用して検出される。
図1は、少なくとも1つの検出器システム116を含むヒューマンマシーンインターフェイス120の例示的な実施形態をさらに示し、さらに、ヒューマンマシーンインターフェイス120を含む娯楽装置122を示している。
図1はさらに、検出器システム116を含む、物体112の位置を追跡するための追跡システム124の一実施形態を示している。装置とシステムの構成要素については、以下でさらに詳しく説明する。
【0320】
この例示的な実施形態では、位置が検出され得る物体112は、スポーツ用品の物品として設計され得、および/または、制御要素または制御装置を形成し得、その位置はユーザ113によって操作され得る。一例として、物体112は、バット、ラケット、クラブ、またはその他のスポーツ用品および/または偽のスポーツ用品であってもよく、またはそれらを含んでもよい。他のタイプの物体112が可能である。さらに、ユーザ113自身を物体112とみなされ、その位置が検出されてもよい。
【0321】
図1はさらに、物体112をスキャンするため、および/または少なくとも1つの物体112の少なくとも1つの位置を決定するためなど、物体112を含む場景を走査するための走査システム126の例示的な一実施形態を示す。走査システム126は、少なくとも1つの検出器110、さらに、任意選択で、少なくとも1つの照射源128、ならびに任意選択で、ここでは図示されていない少なくとも1つのさらなる照射源を備えている。照射源128は、一般に、少なくとも1つのドット、例えばビーコン装置118の1つ以上の位置に、および/または物体112の表面に配置されたドット、の照射などのために、少なくとも1つの照射光ビームを放出するように構成される。走査システム126は、物体112を含む場景のプロファイルおよび/または物体112のプロファイルを生成するように設計され得、および/または、少なくとも1つの検出器110を使用することにより、少なくとも1つドットと、走査システム126具体的には検出器110と間の距離に関する少なくとも1つの情報項目を生成するように設計され得る。
【0322】
検出器110は、光センサ134のマトリックス132を有する少なくとも1つのセンサ要素130を含む。光センサ134はそれぞれ、感光性領域136を有する。センサ要素130は、統一された単一の装置として、またはいくつかの装置の組み合わせとして形成され得る。マトリックス132は、具体的には、1つ以上の行および1つ以上の列を有する長方形のマトリックスであってもよく、またはそれを含んでもよい。行と列は、具体的には長方形に配置することができる。しかしながら、三角形、円形、六角形、または他の非長方形の配置など、他の配置も可能である。一例として、要素が中心点を中心に同心円または楕円に配置される円形配置も可能である。例えば、マトリックス132は、単一行の画素であってもよい。他の配置も可能である。
【0323】
マトリックス132の光センサ134は、具体的には、サイズ、感度、および他の光学的、電気的および機械的特性のうちの1つ以上が等しくてもよい。マトリックス132のすべての光センサ134の感光性領域136は、具体的には、共通の平面に配置され得、共通の平面は、好ましくは、物体から検出器110に伝播する光ビームが該共通の平面上に光スポットを生成するように、物体112に面している。感光性領域136は、具体的には、それぞれの光センサ134の表面上に配置され得る。しかしながら、他の実施形態が実現可能である。光センサ134は、例えば、少なくとも1つのCCDおよび/またはCMOSデバイスを含むことができる。一例として、光センサ134は、画素化された光学装置の一部であり得るか、またはそれを構成し得る。一例として、光センサは、画素のマトリックスを有し、各画素が感光性領域136を形成する、少なくとも1つのCCDおよび/またはCMOSデバイスの一部であり得るか、それらを構成し得る。
【0324】
光センサ134は、具体的には、光検出器、好ましくは無機光検出器、より好ましくは無機半導体光検出器、最も好ましくはシリコン光検出器であり得るか、またはそれらを含み得る。具体的には、光センサ134は、赤外スペクトル範囲で感光性を有し得る。マトリックス132の光センサ134のすべて、またはマトリックス132の光センサ134の少なくとも一群は、具体的には同一であってもよい。具体的には、マトリックス132の同一の光センサ134の群は、異なるスペクトル範囲に対して提供されてもよく、または、すべての光センサは、スペクトル感度に関して同一であってもよい。さらに、光センサ134は、サイズおよび/またはそれらの電子的または光電子的特性に関して同一であり得る。マトリックス132は、独立した光センサ134から構成され得る。このようにして、無機フォトダイオードのマトリックス132を構成することができる。しかしながら、代替として、市販のマトリックス、例えば1つ以上のCCD検出器、CCD検出器チップおよび/またはCMOS検出器、CMOS検出器チップ、が使用されてもよい。
【0325】
光センサ134は、センサアレイを形成してもよく、または上述のマトリックスなどのセンサアレイの一部であってもよい。したがって、例として、検出器110は、m行およびn列を有し、m、nが独立して正の整数である長方形アレイなどの光センサ134のアレイを備えることができる。好ましくは、複数の列および複数の行が与えられる、すなわち、n>1、m>1である。したがって、一例として、nは2~16以上であり得、mは2~16以上であり得る。好ましくは、行数と列数の比は1に近い。一例として、nおよびmは、m/n=1:1、4:3、16:9などを選択することにより、0.3≦m/n≦3となるように選択され得る。一例として、アレイは、m=2、n=2またはm=3、n=3などを選択するなどにより、等しい数の行および列を有する正方形アレイであってもよい。
【0326】
マトリックス132は、具体的には、少なくとも1つの行、好ましくは複数の行および複数の列を有する長方形のマトリックスであってよい。一例として、行と列は本質的に垂直に向けることができる。広い視野を提供するために、マトリックス118は、具体的には、少なくとも10行、好ましくは少なくとも50行、より好ましくは少なくとも100行を有することができる。同様に、マトリックス132は、少なくとも10列、好ましくは少なくとも50列、より好ましくは少なくとも100列を有することができる。マトリックス132は、少なくとも50個の光センサ134、好ましくは少なくとも100個の光センサ134、より好ましくは少なくとも500個の光センサ134を含むことができる。マトリックス132は、マルチメガピクセル範囲の数のピクセルを含み得る。しかしながら、他の実施形態が実現可能である。
【0327】
図1に示される実施形態では、検出器110はさらに照射源138を備え、該照射源138は、この実施形態では、照射源128と同一である。一例として、照射源138は、物体112を照射するための照射光ビームを生成するように構成されてよい。検出器110は、照射光ビームが検出器110から検出器110の光軸に沿って物体112に向かって伝播するように構成されてよい。この目的のために、検出器110は、照射光ビームを光軸上に偏向させるための少なくとも1つの反射要素、好ましくは少なくとも1つのプリズムを含み得る。
【0328】
照射源138は、物体112を照射するための少なくとも1つの照射パターンを生成するように適合され得る。具体的には、照射源138は、少なくとも1つのレーザおよび/またはレーザ源を含むことができる。半導体レーザなどの様々なタイプのレーザを使用することができる。追加的または代替的に、LEDおよび/または電球などの非レーザ光源が使用されてもよい。パターンは、複数の特徴を含み得る。パターンは、周期的または非周期的な特徴の配置を含み得る。照射パターンは:少なくとも1つの点パターン、特に擬似ランダム点パターン;少なくとも1つの既知の特徴を含む少なくとも1つのパターン、からなる群から選択される少なくとも1つのパターンを含むことができる。例えば、照射源138は、点群を生成および/または投影するように適合され得る。照射源138は、少なくとも1つの光プロジェクタ;少なくとも1つのデジタル光処理(DLP)プロジェクタ、少なくとも1つのLCoSプロジェクタ、少なくとも1つの空間光変調器;少なくとも1つの回折光学要素;発光ダイオードの少なくとも1つのアレイ;レーザ光源の少なくとも1つのアレイ、の1つ以上を含むことができる。照射源138は、照射パターンを直接生成するように適合された少なくとも1つの光源を含むことができる。照射源138は、照射パターンが複数の点パターンを含むことができるように点群を生成するように適合された少なくとも1つの光プロジェクタを含むことができる。照射源138は、照射源138によって生成された少なくとも1つの光ビームから照射パターンを生成するように適合された少なくとも1つのマスクを含むことができる。照射源138は、少なくとも1つの物体112を照射パターンで照射することができる。照射パターンは、画像特徴として複数の点を含み得る。これらの点は、照射源138から発する光ビーム140として示されている。
【0329】
各光センサ134は、物体112から検出器110に伝播する光ビーム141によるそれぞれの感光性領域136の照明に応答して少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計されている。
【0330】
さらに、センサ要素130は、少なくとも1つの反射画像142を決定するように適合されている。マトリックス132は、反射画像142を含み得る。反射画像142は、反射特徴として点を含み得る。これらの点は、少なくとも1つの物体112から生じる光ビーム141に起因する。
【0331】
検出器110は、少なくとも1つのレンズ、例えば少なくとも1つの焦点調節可能なレンズ、少なくとも1つの非球面レンズ、少なくとも1つの球面レンズ、少なくとも1つのフレネルレンズ、からなる群から選択される少なくとも1つのレンズ;少なくとも1つの回折光学要素;少なくとも1つの凹面鏡;少なくとも1つのビーム偏向要素、好ましくは少なくとも1つのミラー;少なくとも1つのビーム分割要素、好ましくはビーム分割キューブまたはビーム分割ミラー;少なくとも1つのマルチレンズシステム、のうちの1つ以上を有する少なくとも1つの転送装置144を有し得る。特に、転送装置144は、画像平面内の少なくとも1つの物体点に焦点を合わせるように適合された少なくとも1つのコリメートレンズを備えることができる。
【0332】
検出器110は、少なくとも1つの評価装置146を含む。
【0333】
上記で概説したように、検出器110を使用することによる物体112および/またはその一部の位置の決定は、ここには表示されていないマシーンに、少なくとも1つの情報項目を提供するために、ヒューマンマシーンインターフェイス120を提供するために使用され得る。マシーンはコンピュータであってもよく、および/またはコンピュータを含んでもよい。他の実施形態も可能である。評価装置146は、コンピュータなどのマシーンに完全にまたは部分的に統合されることさえできる。
【0334】
追跡システム124は、検出器110および少なくとも1つの追跡コントローラ147を備える。追跡コントローラ147は、特定の時点における物体112の一連の位置を追跡するように適合され得る。追跡コントローラ147は、独立した装置であってもよく、および/または完全にまたは部分的にマシーン、具体的にはコンピュータに、および/または
図1のように評価装置146に統合されてもよい。
【0335】
同様に、上で概説したように、ヒューマンマシーンインターフェイス120は、娯楽装置122の一部を形成することができる。マシーン、特にコンピュータは、娯楽装置122の一部を形成することもできる。したがって、物体113として機能するユーザ113によって、および/または物体112として機能するコントロール装置を取り扱うユーザ113によって、ユーザ113は、少なくとも1つの制御命令などの少なくとも1つの情報項目をコンピュータに入力することができ、それにより、コンピュータのコースを制御するなど、娯楽機能を変化させ得る。
【0336】
評価装置146は、反射画像142の少なくとも1つの第1画像位置148での少なくとも1つの反射特徴を、選択するように適合されている。評価装置146は、反射特徴を識別するために、少なくとも1つの画像分析および/または画像処理を実行するように適合され得る。画像分析および/または画像処理は、少なくとも1つの特徴検出アルゴリズムを使用することができる。画像分析および/または画像処理は、以下の:少なくとも1つの関心領域の選択;センサ信号によって作成された画像と少なくとも1つのオフセットとの間の差分画像の形成;センサ信号によって生成された画像を反転させることによるセンサ信号の反転;異なる時間にセンサ信号によって作成された画像間の差分画像の形成;背景補正;カラーチャンネルへの分解;色相への分解;飽和;そして明るさチャネル;周波数分解;特異値分解;キャニーエッジ検出器の適用;ガウスフィルタのラプラシアンの適用;ガウスフィルタの差分の適用;ソーベル演算子の適用;ラプラス演算子の適用;Scharr演算子の適用;プレウィット演算子の適用;ロバーツ演算子の適用;Kirsch演算子の適用;ハイパスフィルタの適用;ブロブ分析の適用;エッジフィルタの適用;ローパスフィルタの適用;フーリエ変換の適用;ラドン変換の適用;ハフ変換の適用;ウェーブレット変換の適用;閾値処理;バイナリイメージの作成、のうちの1つ以上を含み得る。関心領域は、ユーザによって手動で決定されてもよく、または光センサ134によって生成された画像内の物体を認識することなどによって、自動的に決定されてもよい。
【0337】
評価装置146は、センサ信号からの結合信号Qを評価することによって、物体112の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成される。評価装置146は、結合信号Qを評価することにより、選択された反射特徴の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように適合され得、縦方向領域は、縦方向座標zおよび誤差間隔±εによって与えられる。誤差εは、光センサ134の測定の不確実性に依存する可能性がある。例えば、誤差間隔は、±10%、好ましくは±5%、より好ましくは±1%であってよい。評価装置146は、センサ信号を除算すること、センサ信号の倍数を除算すること、センサ信号の線形結合を除算することのうちの1つ以上によって結合信号Qを導出するように構成され得る。評価装置146は、縦方向領域を決定するために、結合信号Qと縦方向領域との間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように構成され得る。例えば、評価装置146は、結合信号Qを以下によって導出するように構成され得る。
【0338】
【0339】
ここで、xとyは横方向座標であり、A1とA2は、物体から検出器に伝播する光ビームのセンサ位置における、少なくとも1つのビームプロファイルの異なる領域であり、E(x,y,zo)は物体距離zoで与えられるビームプロファイルを示す。エリアA1とエリアA2は異なる場合がある。特に、A1とA2は合同ではない。したがって、A1とA2は、形状または内容の1つ以上で異なり得る。ビームプロファイルは、光ビームの横方向強度プロファイルであり得る。ビームプロファイルは、光ビームの断面であり得る。ビームプロファイルは、台形ビームプロファイル;三角ビームプロファイル;円錐ビームプロファイルとガウスビームプロファイルの線形結合からなるグループから選択され得る。一般に、ビームプロファイルは輝度L(zo)とビーム形状S(x,y;zo)、E(x,y;zo)=LSに依存する。したがって、結合信号を導出することにより、輝度から独立した縦方向座標の決定を可能にし得る。さらに、結合信号を使用することで、物体のサイズに依存しない距離zoを決定できる。したがって、結合信号は、物体の材料特性および/または反射特性および/または散乱特性から独立し、また、製造精度、熱、水、汚れ、レンズの傷などの光源の変化から独立した距離zoの決定を可能にする。
【0340】
各センサ信号は、光ビームのビームプロファイルの少なくとも1つの領域の少なくとも1つの情報を含み得る。感光性領域136は、第1のセンサ信号がビームプロファイルの第1の領域の情報を含み、第2のセンサ信号がビームプロファイルの第2の領域の情報を含むように構成され得る。ビームプロファイルの第1領域およびビームプロファイルの第2領域は、隣接する領域または重複する領域の一方または両方であり得る。ビームプロファイルの第1領域とビームプロファイルの第2領域は、面積が合っていなくてもよい。
【0341】
評価装置146は、ビームプロファイルの第1領域およびビームプロファイルの第2領域を決定および/または選択するように構成され得る。ビームプロファイルの第1領域は、本質的にビームプロファイルのエッジ情報を含み得、ビームプロファイルの第2領域は、本質的にビームプロファイルの中心情報を含み得る。ビームプロファイルは、中心、すなわち、ビームプロファイルの最大値および/またはビームプロファイルのプラトーの中心点および/または光スポットの幾何学的中心、ならびに中心から延びる立ち下がりエッジを有し得る。第2領域は、断面の内側領域を含むことができ、第1領域は、断面の外側領域を含むことができる。好ましくは、中心情報は、10%未満、より好ましくは5%未満のエッジ情報の割合を有し、最も好ましくは、中心情報は、エッジコンテンツを含まない。エッジ情報は、ビームプロファイル全体の情報、特に中心領域およびエッジ領域からの情報を含み得る。エッジ情報は、10%未満、好ましくは5%未満の中心情報の割合を有することができ、より好ましくは、エッジ情報は中心コンテンツを含まない。ビームプロファイルの少なくとも1つの領域は、それが中心に近いかまたは中心にあって本質的に中心情報を含む場合は、ビームプロファイルの第2領域として決定および/または選択され得る。ビームプロファイルの少なくとも1つの領域は、それが断面の立ち下がりエッジの少なくとも一部を含む場合、ビームプロファイルの第1領域として決定および/または選択され得る。例えば、断面の全域を第1領域として決定してもよい。ビームプロファイルの第1領域は領域A2であり得、ビームプロファイルの第2領域は領域A1であり得る。同様に、中心信号およびエッジ信号も、ビームプロファイルの円形セグメントなどのビームプロファイルのセグメントを使用することによって決定することができる。例えば、ビームプロファイルは、ビームプロファイルの中心を通過しない割線または弦によって2つのセグメントに分割され得る。したがって、一方のセグメントには本質的にエッジ情報が含まれ、もう一方のセグメントには本質的に中心情報が含まれる。例えば、中心信号のエッジ情報の量をさらに減らすために、中心信号からエッジ信号をさらに差し引くことができる。
【0342】
エッジ情報は、ビームプロファイルの第1領域における光子数に関する情報を含み得、中心情報は、ビームプロファイルの第2領域における光子数に関する情報を含み得る。評価装置146は、ビームプロファイルの面積積分を決定するように適合され得る。評価装置146は、第1領域の積分および/または合計によってエッジ情報を決定するように適合され得る。評価装置146は、第2領域の積分および/または合計によって中心情報を決定するように適合され得る。例えば、ビームプロファイルは台形ビームプロファイルであり得、評価装置は台形の積分を決定するように適合され得る。さらに、台形ビームプロファイルが想定される場合、エッジおよび中心信号の決定は、例えばエッジの傾斜および位置ならびに中心プラトーの高さの決定など、台形ビームプロファイルの特性を利用し、幾何学的考察によってエッジとセンターの信号を導出する等価の評価で置き換えることができる。
【0343】
例えば、物体112から検出器110に伝播する光ビーム141は、少なくとも1つの線パターン178でセンサ要素130を照射することができる。
図6は、センサ要素130上の線パターン178を示す。線パターン178は、例えば、少なくとも1つの照射線パターンを含む照射パターンを有する少なくとも1つの照射源138による照射に応答して、オブジェクト112によって生成されてもよい。A
1は、光センサ134のマトリックス132における線パターン178の全ライン幅を有する領域に対応し得る。光センサ134のマトリックス132内の線パターン178は、光センサ134のマトリックス132のライン幅が増加するように、照射パターンの線パターンと比較して、広げられ及び/又は変位され得る。特に、マトリックス132内の線パターン178のライン幅は、1つの列から別の列へと変化し得る。A
2は、光センサ134のマトリックス132における線パターン178の中心領域であり得る。中心領域の線幅は一定値であってもよく、特に照射パターンの線幅に対応してもよい。中心領域は、全線幅と比較して線幅が小さい場合がある。例えば、中心領域は、全線幅の0.1から0.9、好ましくは全線幅の0.4から0.6の線幅を有することができる。線パターン178は、光センサ134のマトリックス132においてセグメント化され得る。列のそれぞれは、線パターン178の中心領域における強度の中心情報と、線パターン178の中心領域からさらに外側に延在する領域からの強度のエッジ情報とを含み得る。
【0344】
追加的にまたは代替的に、評価装置146は、光スポットの少なくとも1つのスライスまたはカットから中心情報またはエッジ情報の一方または両方を決定するように適合され得る。これは、例えば、結合信号Qの面積積分を、スライスまたはカットに沿った線積分で置き換えることによって実現することができる。精度を向上させるために、光スポットを通るいくつかのスライスまたはカットを使用して平均化することができる。楕円形のスポットプロファイルの場合、いくつかのスライスまたはカットを平均すると、距離情報が向上する場合がある。
【0345】
例えば、評価装置146は、
a)最高のセンサ信号を有し、少なくとも1つの中心信号を形成する少なくとも1つの光センサ134を決定すること、
b)マトリックス132の光センサ134のセンサ信号を評価し、少なくとも1つの和信号を形成すること、
c)中心信号と和信号を結合することにより、少なくとも1つの結合信号を決定すること、そして、
d)結合信号を評価することにより、選択された特徴の少なくとも1つの縦方向座標zを決定すること、
によってセンサ信号を評価するように構成されてもよい。
【0346】
例えば、中心信号は、マトリックス132全体またはマトリックス内の関心領域の光センサ134によって生成された複数のセンサ信号のうち最も高いセンサ信号を有する少なくとも1つの光センサ134の信号であり得、ここで、関心領域は、マトリックス132の光センサによって生成された画像内で、事前に決定されまたは決定可能であり得る。中心信号は、単一の光センサ134または光センサ134のグループから生じてもよく、後者の場合、例として、光センサ134のグループのセンサ信号は、中心信号を決定するために、加算、積分または平均化されてもよい。中心信号が発生する光センサ134のグループは、最高のセンサ信号を有する実際の光センサから所定の距離よりも短い距離を有する光センサ134などの、隣接する光センサのグループであってもよく、または、最高のセンサ信号から所定の範囲内にあるセンサ信号を生成する光センサのグループであってよい。最大のダイナミックレンジを可能にするために、中心信号が発生する光センサ134のグループは、可能な限り大きく選択され得る。評価装置146は、複数のセンサ信号、例えば最高のセンサ信号を有する光センサの周りの複数の光センサ信号を積分することによって中心信号を決定するように適合されてもよい。
【0347】
センサ信号の比較は従来の電子機器によってかなり簡単に実行されるため、中心信号の決定は電子的に実行されてもよく、またはファームウェアなどのソフトウェアによって完全にまたは部分的に実行されてもよい。光スポットの中心の検出、すなわち、中心信号および/または中心信号が発生する少なくとも1つの光学センサの検出は、完全にまたは部分的に電子的に、または1つ以上のソフトウェアアルゴリズムを使用して完全にまたは部分的に実行され得る。具体的には、評価装置146は、少なくとも1つの最高のセンサ信号を検出するため、および/または中心信号を形成するための少なくとも1つの中心検出器を備えることができる。中心検出器は、具体的には、完全にまたは部分的にソフトウェアで具体化されてもよく、および/または完全または部分的にハードウェアで具体化されてもよい。中心検出器は、少なくとも1つのセンサ要素に完全にまたは部分的に統合されてもよく、および/またはセンサ要素から独立して完全にまたは部分的に具体化されてもよい。
【0348】
具体的には、中心信号は、以下の:最高のセンサ信号;最高のセンサ信号からの所定の許容範囲内にあるセンサ信号のグループの平均;最高のセンサ信号を有する光センサ134を含む光センサのグループと、隣接する光センサ134の所定のグループからのセンサ信号の平均;最高のセンサ信号を有する光センサ134を含む光センサのグループと、隣接する光センサ134の所定のグループからのセンサ信号の合計;最高のセンサ信号から所定の許容範囲内にあるセンサ信号のグループの合計;所定の閾値を超えるセンサ信号のグループの平均;所定の閾値を超えるセンサ信号のグループの合計;最高のセンサ信号を有する光センサ134を含む光センサ134のグループと、隣接する光センサの所定のグループからのセンサ信号の積分;最高のセンサ信号からの所定の許容範囲内にあるセンサ信号のグループの積分;所定の閾値を超えるセンサ信号のグループの積分、からなる群から選択され得る。
【0349】
例えば、和信号は、センサ信号を合計すること、センサ信号を積分すること、またはマトリックス132全体またはマトリックス内の関心領域のセンサ信号を平均することによって導出することができ、関心領域は、マトリックス132の光センサ134によって生成された画像内で予め決定されまたは決定可能である。センサ信号を加算、積分、または平均化するとき、センサ信号が生成される実際の光センサ134は、加算、積分、または平均化から除外されてもよく、あるいは、加算、積分、または平均化に含まれてもよい。評価装置146は、マトリックス132全体の信号、またはマトリックス132内の関心領域の信号を積分することによって和信号を決定するように適合され得る。さらに、台形ビームプロファイルが想定される場合、エッジおよび中心信号の決定は、エッジの傾斜および位置の決定および中心プラトーの高さの決定などの台形ビームプロファイルの特性を利用する等価の評価に置き換え、幾何学的考察によってエッジと中心信号を導出することができる。
【0350】
和信号は、マトリックス132のすべてのセンサ信号から、または関心領域内のセンサ信号から、またはこれらの可能性の1つから、中心信号に寄与する光センサ134から生じるセンサ信号を除外した導出することができる。すべての場合において、縦座標を決定するために、中心信号と確実に比較することができる信頼できる和信号を生成することができる。一般に、和信号は:マトリックス132のすべてのセンサ信号の平均;マトリックス132のすべてのセンサ信号の合計;マトリックス132のすべてのセンサ信号の積分;中心信号に寄与する光センサ134からのセンサ信号を除く、マトリックス132のすべてのセンサ信号の平均;中心信号に寄与する光センサ134からのセンサ信号を除く、マトリックス132のすべてのセンサ信号の合計;中心信号に寄与する光センサ134からのセンサ信号を除く、マトリックス132のすべてのセンサ信号の積分;最高のセンサ信号を有する光センサから所定の範囲内の光センサ134のセンサ信号の合計;最高のセンサ信号を有する光センサ134から所定の範囲内の光センサのセンサ信号の積分;最高のセンサ信号を有する光センサ134から所定の範囲内に位置する光センサの特定の閾値を超えるセンサ信号の合計;最高のセンサ信号を有する光センサ134から所定の範囲内に位置する光センサ134の特定の閾値を超えるセンサ信号の積分、からなる群から選択することができる。ただし、他の選択肢もある。加算は、完全にまたは部分的にソフトウェアで実行されてもよく、および/または完全にまたは部分的にハードウェアで実行されてもよい。加算は一般に、典型的には検出器に容易に実装され得る純粋な電子的手段によって可能である。したがって、電子工学の分野では一般に、アナログ信号とデジタル信号の両方で、2つ以上の電気信号を加算する加算装置が知られている。したがって、評価デバイス146は、和信号を形成するための少なくとも1つの加算装置を備えることができる。加算装置は、完全にまたは部分的にセンサ要素に統合されてもよく、または完全にまたは部分的にセンサ要素とは独立して具体化されてもよい。加算装置は、完全にまたは部分的に、ハードウェアまたはソフトウェアの一方または両方で実施されてもよい。
【0351】
結合信号は、中心信号と和信号を結合することによって生成される信号であり得る。具体的には、結合は:中心信号と和信号の商を形成すること、またはその逆の商を形成すること;中心信号の倍数と和信号の倍数の商を形成すること、またはその逆の商を形成すること;中心信号の線形結合と和信号の線形結合の商を形成すること、またはその逆の商を形成すること、の1つまたは複数を含むことができる。追加的にまたは代替的に、結合信号は、中心信号と和信号との間の比較に関する少なくとも1つの情報項目を含む、任意の信号または信号の結合を含んでもよい。評価装置146は、センサ信号間の少なくとも1つの既知の、決定可能な、または事前に決定された関係を使用することによって、物体の少なくとも1つの縦座標zを決定するように構成され得る。特に、評価デバイス146は、センサ信号から導出された商信号と縦座標との間の少なくとも1つの既知の、決定可能な、または予め決定された関係を使用することによって、少なくとも1つの座標zを決定するように構成され得る。
【0352】
中心信号と和信号との比較は、具体的には、1つまたは複数の商信号を形成することによって実行することができる。したがって、一般に、結合信号は:中心信号および和信号の商を形成すること、またはその逆の商を形成すること;中心信号の倍数と和信号の倍数の商を形成すること、またはその逆の商を形成すること;中心信号の線形結合と和信号の線形結合の商を形成すること、またはその逆の商を形成すること;中心信号と、和信号と中心信号の線形結合の商を形成すること、またはその逆の商を形成すること;和信号と、和信号と中心信号の線形結合の商を形成すること、またはその逆の商を形成すること;中心信号の指数と和信号の指数の商を形成すること、またはその逆の商を形成すること、の1つ以上によって導出された商信号Qであり得る。ただし、他の選択肢もある。評価装置146は、1つまたは複数の商信号を形成するように構成され得る。評価装置146は、少なくとも1つの商信号を評価することによって少なくとも1つの縦方向座標を決定するようにさらに構成され得る。
【0353】
評価装置146は、特に、少なくとも1つの縦方向座標を決定するために、結合信号Qと縦方向座標との間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように構成され得る。したがって、上記で開示された理由および縦方向座標に対する光スポットの特性の依存性により、結合信号Qは、典型的には、物体の縦方向座標、および/または光スポットの直径または同等の直径などの光スポットのサイズの単調関数である。したがって、一例として、特に線形光センサが使用される場合、センサ信号の中心信号scenterと和信号ssumの単純な商Q=scenter/ssumは、距離の単調減少関数であり得る。この理論に拘束されることを望まないが、これは、上記の好ましい構成では、中心信号scenterと和信号ssumの両方が、検出器に到達する光の量が減少するため、光源までの距離の増加に伴って二乗関数として減少するという事実が原因であると考えられる。しかしながら、そこでは、実験で使用される光学構成では、像平面の光スポットが増大し、したがって、より広い領域に広がるため、中心信号scenterは和信号ssumよりも急速に減少する。したがって、中心信号と和信号の商は、マトリックスの光センサの感光性領域上の光ビームの直径または光スポットの直径の増加に伴って連続的に減少する。さらに、商は、光ビームの総出力が中心信号と合計センサ信号の両方のファクタを形成するため、通常は、光ビームの総出力から独立している。その結果、結合信号Qは、中心信号と和信号と光ビームのサイズまたは直径との間に、一意で明確な関係を提供する二次信号を形成することができる。一方、光ビームのサイズまたは直径は、光ビームが検出器110に向かって伝播する物体と検出器自体との間の距離に依存し、すなわち、物体112の縦方向座標に依存するため、中心信号と、一方では和信号との間で、他方では縦方向座標との間で、一意で明確な関係が存在し得る。後者については、例えばWO2014/097181A1のような上記の先行技術文献の1つ以上を参照し得る。所定の関係は、ガウス光ビームの線形結合を仮定することによるなどの分析的考察により、または、結合信号および/または中心信号と、和信号または物体112の縦方向座標の二次信号の関数としてそれらから導出される二次信号、または、その両方、を測定する測定などの経験的測定によって決定され得る。
【0354】
評価装置146は、結合信号と縦方向座標との間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように構成され得る。所定の関係は、経験的関係、半経験的関係、および分析的に導き出された関係のうちの1つ以上であり得る。評価装置146は、ルックアップリストまたはルックアップテーブルなどの所定の関係を保存するための少なくとも1つのデータ保存装置を備え得る。
【0355】
センサ要素130は、少なくとも1つの反射パターンを決定するように適合され得る。反射パターンは、照射パターンの少なくとも1つの特徴に対応する少なくとも1つの特徴を含むことができる。反射パターンは、照射パターンと比較して、少なくとも1つの歪んだパターンを含むことができ、その歪は、物体の表面特性などの物体の距離に依存する。評価装置146は、上述のように、センサ信号からの結合信号Qを評価することによって、反射パターンの少なくとも1つの特徴を選択し、反射パターンの選択された特徴の縦方向領域を決定するように適合され得る。
【0356】
評価装置146は、参照画像の少なくとも1つの第2画像位置で、少なくとも1つの反射特徴に対応する、少なくとも1つの参照画像の少なくとも1つの参照特徴を決定するように適合される。参照画像と反射画像は、2つの異なる空間構成で決定される。空間構成は、相対的な空間配置によって異なる。
図1に示される実施形態では、参照画像は、照射源128の位置の画像平面における照射パターンの画像であり得る。評価装置146は、画像分析を実行し、参照画像の特徴を識別するように適合され得る。評価装置146は、選択された反射特徴と本質的に同一の縦方向座標を有する参照画像内の少なくとも1つの参照特徴を識別するように適合され得る。反射特徴に対応する参照特徴は、エピポーラ幾何学を使用して決定され得る。エピポーラ幾何学は、参照画像および反射画像が、例えば参照画像および反射画像の記録中に固定距離を有する、異なる空間位置および/または空間の向きで決定された物体112の画像である、と想定し得る。距離は、ベースラインとも呼ばれる相対距離である場合がある。評価装置146は、参照画像におけるエピポーラ線を決定するように適合され得る。参照画像と反射画像の相対位置は既知であり得る。例えば、参照画像と反射画像の相対位置は、評価装置の少なくとも1つの保存ユニット内に保存され得る。評価装置146は、反射画像の選択された反射特徴から、それが由来する実世界の特徴まで延びる直線を決定するように適合され得る。したがって、直線は、選択された反射特徴に対応する可能な物体の特徴を含み得る。直線とベースラインはエピポーラ平面を展開する。参照画像は、反射画像とは異なる相対的な空間配置で決定されるため、対応する可能な物体の特徴は、参照画像内のエピポーラ線と呼ばれる直線上に画像化される。エピポーラ線は、エピポーラ平面と参照画像の交点である場合がある。したがって、反射画像の選択された特徴に対応する参照画像の特徴は、エピポーラ線上にある。
【0357】
物体112までの距離に応じて、反射特徴の第2の画像位置に対応する参照特徴は、第1の画像位置と比較して参照画像内で変位する。参照画像は、少なくとも1つの変位領域を含み得、該変位領域で選択された反射特徴に対応する参照特徴が画像化され得る。変位領域は、1つの参照特徴のみを含み得る。変位領域は、エピポーラ線に沿って延びることができる。評価装置は、エピポーラ線に沿って参照特徴を決定するように適合され得る。評価装置は、反射特徴の縦方向座標zと、結合信号Qからの誤差間隔±εを決定して、z±εに対応するエピポーラ線に沿って変位領域を決定するように適合され得る。評価装置146は、選択された反射特徴を変位領域内の少なくとも1つの参照特徴と一致させるように適合され得る。評価装置146は、少なくとも1つの評価アルゴリズムを使用することにより、決定された縦方向座標zを考慮して、反射画像の選択された特徴を変位領域内の参照特徴と一致させるように適合され得る。評価アルゴリズムは、線形スケーリングアルゴリズムであってよい。
【0358】
評価装置146は、参照特徴および反射特徴の変位を決定するように適合され得る。評価装置146は、一致した参照特徴および選択された反射特徴の変位を決定するように適合され得る。評価装置146は、縦方向座標と変位との間の所定の関係を使用して、一致した特徴の縦方向情報を決定するように適合され得る。例えば、縦方向情報は距離値であってもよい。評価装置146は、三角測量法を使用することによって所定の関係を決定するように適合され得る。反射画像における選択された反射特徴の位置と一致された参照特徴の位置、および/または、選択された反射特徴と一致された参照特徴の相対変位が既知である場合、対応する物体特徴の縦方向座標は、三角測量によって決定され得る。したがって、評価装置146は、例えば、続いておよび/または列ごとに、反射特徴を選択し、参照特徴の各潜在的に可能な位置について、三角測量法を使用して対応する距離値を決定するように適合され得る。変位および対応する距離値は、評価装置146の少なくとも1つの保存装置に保存され得る。評価装置146は、一例として、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのDSP、少なくとも1つのFPGAおよび/または少なくとも1つのASICなどの少なくとも1つのデータ処理装置を含むことができる。さらに、縦方向座標zと変位との間の少なくとも1つの予め決定されまたは決定可能な関係を保存するために、所定の関係を保存するための1つ以上のルックアップテーブルを提供するためなど、少なくとも1つのデータ保存装置を設けることができる。
【0359】
評価装置146は、縦方向座標zならびに第1および第2の画像位置から相対的な空間配置を決定するように適合され得る。上で概説したように、エピポーラ幾何学には、反射画像と参照画像の相対的な空間配置、特にベースラインに関する十分な知識が必要になる場合がある。しかしながら、照射源138およびセンサ要素130などの検出器の構成要素の相対的な空間配置は、未知であり得、および/または、例えば熱の影響により、測定時間中に変化し得る。結合信号Qから決定された縦方向座標zを使用して、三角測量システムを再較正することができる。上記で概説したように、評価装置146は、参照特徴および反射特徴の変位を決定するように適合され得る。評価装置146は、物体の三角測量縦方向座標ztriangと変位との間の所定の関係を使用して、物体の少なくとも1つの三角測量縦方向座標ztriangを決定するように適合され得る。三角測量縦方向座標ztriangは、固定相対空間配置を想定し、相対空間配置の事前定義および/または事前決定値を使用して、エピポーラジオメトリを使用して第1および第2画像位置から決定できる。特に、事前定義された関係は、相対的な空間配置に依存する場合がある。評価装置は、事前定義された関係を保存するように適合され得る。評価装置146は、結合信号Qから決定された縦方向座標zと三角測量縦方向座標ztriangとを比較するように適合され得る。評価装置146は、決定された相対的な空間配置を考慮して、縦方向座標zと変位との間の実際の関係を決定するように適合され得る。評価装置146は、実際の関係に応じて所定の関係を調整するように適合され得る。評価装置146は、事前定義された関係、特に保存された事前定義された関係を実際の関係によって置き換えるように適合され得、および/または評価装置は、移動平均を決定し、事前定義された関係を移動平均によって置き換えるように適合され得る。評価装置146は、縦方向座標zと三角測量縦方向座標ztriangとの間の差を決定するように適合され得る。評価装置146は、決定された差を少なくとも1つの閾値と比較し、決定された差が閾値以上である場合に所定の関係を調整するように適合され得る。評価装置146は、実際の関係および縦方向座標zから相対的な空間配置を決定するように適合され得る。例えば、照射源138およびセンサー要素130は、ベースラインbによって分離されてもよく、dはセンサー上の変位であり、fは検出器の伝達装置の焦点距離であり、βは照射源とベースラインとの間の角度である。ベースラインと変位の一般的な値については、Kurt Konoligeらによる、「A Low-Cost Laser Distance Sensor」、2008年IEEE International Conference on Robotics and Automation、Pasadena、CA、USA、2008年5月19~23日で議論されている。
β= 90°の場合、次の式である。
【0360】
【0361】
【0362】
したがって、物体までの絶対距離、すなわち結合信号Qから決定された縦方向座標zの場合、ztriangはzに置き換えることができ、補正されたベースラインbcorは次のように計算できる。
【0363】
【0364】
90°より小さいβの場合、次の式である。
【0365】
【数13】
したがって、補正されたベースラインb
corは次のように計算できる。
【0366】
【0367】
そして、角度βは、次式から決定することができる。
【0368】
【0369】
βとbは同時に変化する可能性があるため、その後の測定を使用して両方の値を決定できる。したがって、特徴点の結合センサ信号Qからの縦方向座標zの絶対測定値は、それに関してはさらに三角測量縦方向座標ztriang、つまりセンサ要素から三角測量によって決定された物体までの距離が既知であるが、事前定義された関係を修正するために使用され得る。評価装置146は、縦方向座標zおよび三角測量縦方向座標ztriangを使用することにより、ベースライン値などの相対空間配置の値を決定および/または修正および/または較正するように適合され得る。種々のセンサ信号が数学モデル内で使用され得、該数学モデルは、カルマンフィルタ、線形2次推定、カルマンビュシーフィルタ、ストラトノビッチカルマンビュシーフィルタ、カルマンビュシーストラトノビッチフィルタ、最小分散推定値、ベイズ推定値、最適線形不偏推定値、不変推定値、ウィーナーフィルタなどから、各センサ信号が測定誤差および不正確さの影響を受けることを考慮して、選択され、カルマンフィルタなどの上記の数学モデルの1つでこれらのセンサ信号を融合することは、相対的な空間配置や縦方向座標の測定などの改善された推定値を生じ得る。
【0370】
縦方向座標zおよび三角測量縦方向座標ztriangは、特に、較正された関係および/または較正された相対的な空間配置の統計的に確認される値を得るために、複数の特徴点について決定され得る。相対的な空間配置は突然変化しないため、そのような統計的評価が非常に適し得る。
【0371】
図2は、検出器110、検出器システム116、カメラ114、娯楽装置122および追跡システム124の第2の実施形態を示す。検出器110、検出器システム116、カメラ114、娯楽装置122および追跡システム124に関して、
図1の説明を参照する。
図1に加えて、この実施形態では、検出器110は、2つのセンサ要素130、第1センサ要素150および第2センサ要素152を備えることができる。第1センサ要素150および第2センサ要素152は、機械的コネクタ156によって接続されてもよい。機械的コネクタ156は、調整可能および/または非恒久的であり得る。いくつかの点は、任意の照射源138によって照射されてもよく、両方のセンサ要素130によって検出されてもよい。評価装置146は、第1センサ要素150および/または第2センサ要素152の少なくとも2つのセンサ信号からの結合信号Qを評価することによって、物体112の縦方向座標zを決定するように構成され得る。第1センサ要素150および第2センサ要素152は、特に任意の照射源138によって照らされる点の物体特徴を画像化するように適合され得る。第1センサ要素150または第2センサ要素152の画像は、反射画像として選択されてもよく、他の対応する他のセンサ要素の画像は、参照画像として選択されてもよい。評価装置146は、少なくとも1つの第1画像位置148で少なくとも1つの反射特徴を決定し、少なくとも第2画像位置154で、
図1で説明したように、反射特徴に対応する参照特徴を決定するように適合され得る。評価装置146は、
図1に関して説明したように、縦方向座標zおよび第1および第2の画像位置から相対的な空間配置、特にベースラインを決定するように適合され得る。
【0372】
結合信号Qの決定は、第1センサ要素150および/または第2センサ要素152によって決定された画像における単一の反射特徴または複数またはすべての反射された物体特徴に対して実行され得る。任意の照射源138によって照射されない特徴点は、追加の結合信号Qを計算するために使用することができ、および/または姿勢推定を計算するために使用され得る。
【0373】
図3Aおよび3Bは、製品概念の実施形態を示す。
図3Aは、検出器110の構成要素、特に、センサ要素130、転送装置144、照射源138、機械的コネクタ156、評価装置146、および個々の構成要素を接続するための複数のケーブル160を含む製品パッケージ158を示す。少なくとも1つの転送装置144および少なくとも1つのセンサ要素130は、製品パッケージ158内で事前に組み立てられ得る。製品パッケージ158内の他の検出器構成要素は、組み立てられていない個々の構成要素として保管されてもよい。ユーザは、パッケージから構成要素を取り出してもよく、機械的コネクタ156およびケーブル160を介して構成要素を接続してもよい。評価装置146は、検出器110を構成するように適合され得る。組み立てられた検出器110は、
図3Bに示され、
図2に記載された検出器構成に対応する。評価装置146は、
図2に関して概説されるように、結合信号Qから一方または両方のセンサ要素130によって決定される反射画像における少なくとも1つの反射特徴の縦方向座標zを決定するように適合され得る。評価装置は、上で概説したように、縦方向座標zを使用して照射源とセンサ要素との相対的な空間配置を決定し、したがってシステムを較正するように適合させることができる。
【0374】
図4は、特にモーション三次元センシング法からの構造を使用するモバイルシステムで使用するための、検出器110のさらなる実施形態を示す。評価装置は、柔軟な相対的配置、特に柔軟なベースラインを有するモバイルシステムを構成するように適合され得る。
図1に示されるようなセンサ要素130および任意の照射源138の機械的接続とは対照的に、
図4に示されるようなセンサ要素130および検出器110の任意の照射源138は、機械的に接続されなくてもよい。任意の照射源138の位置および/または向きは、センサ要素130に対して変化し得る。検出器110は、第1の空間構成162で第1の画像を決定するように適合され得る。任意の照射源138は、第1の画像において反射特徴として検出され得るいくつかの点を照射するように適合され得る。評価装置146は、これらの点についての結合信号Qを決定するように適合され得る。さらに、追加の特徴、特に照射源138によって照射されない点は、センサ要素によって検出および/または画像化されてもよい。あるいは、検出器が任意の照射源138を含まない実施形態も実現可能である。特徴点は、結合センサ信号がそれから受動的に生成され得るように設計され得る。例えば、特徴点は白い円であってもよい。
【0375】
検出器110は、光センサ134の同じマトリックス132を使用して反射画像および参照画像を記録するように適合され得る。特に、
図4に示されるように、センサ要素130は、第1の空間構成162から少なくとも1つの第2の空間構成164まで、例えば一定速度または可変速度で移動しまたは移動され得る。照射源138は、第2の空間構成164において、第2の画像における反射特徴として検出され得るいくつかの点を照射するように適合され得る。評価装置146は、これらの点についての結合信号Qを決定するように適合され得る。さらに、追加の特徴、特に照射源138によって照射されない点は、センサ要素130によって検出および/または画像化されてもよい。
【0376】
検出器110は、複数の画像を、特に続いて決定するように適合されてもよく、画像の1つが反射画像として選択され、他の1つが参照画像として選択されてもよい。評価装置146は、例えば、Ramalingamらの「Robotics and Automation(ICRA)」、2011年IEEE International Conference on Robotics and Automation、発行元:IEEE ISBN:978-1-61284-385-8で公開された「ジオローカリゼーションのためのポイントとラインの両方を使用した姿勢推定」に記載されているように、「運動または姿勢推定から構造」などの三次元感知方法を実行するように適合され得る。「運動からの構造」という用語は、運動からの構造と運動からの形状の両方の同義語として使用されます。評価装置は、照射されていない特徴点を使用してセンサ要素130の姿勢を推定し、スケーリング係数まで相対的な空間配置を推定するように適合され得る。スケーリング係数は、結合信号が計算された特徴点から得ることができる。
【0377】
参照画像とベースラインなどの反射画像の固定された相対的な空間配置が不足していると、いわゆるスケールドリフトが発生したり、距離測定の精度が低下したり、追加の情報なしに絶対距離を測定できない場合を生じ得る。特に、動きおよび姿勢推定アルゴリズムからの構造は、スケーリング係数までオブジェクトのサイズ、寸法、距離、および/または方向などの縦方向および横方向の情報を決定するが、スケーリング係数は内部の任意の距離をスケーリングする評価装置146の単位を絶対的な実世界の距離スケールに合わせる。特に、動きおよび姿勢推定アルゴリズムからの構造は、画像情報を絶対距離スケールにスケーリングするために、画像再構成のための追加情報を必要とする。評価デバイス146は、相対的な空間配置に関する少なくとも1つのスケーリング係数を決定するように適合され得る。たとえば、少なくとも1つの画像センサと少なくとも1つの照射源で構成される構造化された照射システムでは、システムの温度上昇によりベースラインが長くなり、少なくとも1つの画像センサと少なくとも1つの照射源の間の距離が長くなるが、レンズの焦点距離とレンズからセンサまでの距離は固定されたままである。この例では、反射画像で同じ位置にある2つの物体を比較すると、最初の物体は元のベースラインを使用して最初の測定で測定され、2番目の物体は延長されたベースラインを使用して2番目の測定で測定され、延長されたベースラインで測定された物体は、元のベースラインで測定されたオブジェクトよりも遠くにある。ベースラインと、反射画像の特徴点と物体自体の対応する特徴点とを結ぶ直線との間の角度は、両方の物体で同一であるため、2つの測定値は、類似三角形の原理を使用して比較できる。物体の距離は、直線に沿って測定される。この例では、類似三角形の原理に従って、物体からレンズおよび物体からベースラインまでの距離の商は、元のベースラインを使用した測定と延長されたベースラインを使用した測定で同じである。したがって、元のベースラインを延長されたベースラインにスケーリングするスケーリング係数は、元の物体距離を増加した物体距離にスケーリングするものと同じである。したがって、類似三角形の原理によれば、ベースラインのスケーリング係数は距離zもスケーリングする。評価装置146は、結合信号Qを使用することにより、縦方向座標zの絶対測定を実行するように適合され得る。評価装置146は、縦方向座標zからスケーリング係数を決定するように適合され得る。スケーリング係数の決定は、慣性測定ユニットからのセンサデータを使用することによってさらに洗練され得る。
【0378】
評価装置146は、それぞれの結合センサ信号から、センサ要素130によって記録された少なくとも1つの画像、例えば第1の空間構成162の画像、の少なくとも1つの特徴点の縦方向座標zを決定し、そこからスケーリング係数を決定する。スケーリング係数は、残りの測定の間、および/または少なくとも1つの特徴点を1つの画像から別の画像に追跡でき、および/または測定中に再計算できる限り、維持することができる。例えば、スケーリング係数は、センサ要素130によって記録されたすべての画像において決定され得る。これにより、スケーリング係数の統計的に検証された一貫した測定が保証される。
【0379】
スケーリング係数は、画像の単一の測定点から決定することができ、および/またはスケーリング係数は、複数の測定から決定することができる。特に、評価装置は、中間のスケーリング係数を決定するように適合され得る。
【0380】
例えば、
図4に示す実施形態の検出器は、携帯電話またはスマートフォンで使用することができる。光学センサ124は、写真またはビデオに通常使用される統合化CMOSであってもよい。照射源138は、オートフォーカスに使用される一体型レーザ、またはヘッドホンジャックなどを介して取り付けられ接続される追加の照射源のいずれかであり得る。取り付けのための追加の手段が使用されてもよい。照射源138と光センサ124との間の距離は、携帯電話のタイプまたはスマートフォンのタイプに依存し得、そして本発明の手段によって決定され得る。例えば、相対的な空間配置は、結合信号Qを使用して決定されてもよく、動きからの構造は、距離決定のために使用されてもよい。
【0381】
図5は、相対的な空間配置を取得する3つの状況を示している。1つの画像を反射画像として割り当てることと、1つの画像を参照画像として割り当てることは完全に交換可能であり、議論を容易にするために割り当てられるだけであるが、その一般性を制限するものではない。
【0382】
図5に示す第1の状況では、第1の反射画像166および参照画像168が決定される。相対空間配置は、工場での較正などから知ることができる。物体112の距離は、対応する特徴点170および172の画像位置を決定し、特徴点の変位を決定し、所定の関係を使用して三角測量計算を介して物体の距離を取得することから得ることができる。この距離の決定は、構造化された照射およびステレオシステムで実行または使用できる。
【0383】
図5に示す最初の状況と比較した2番目の状況では、ベースラインbは、たとえば温度の影響により長くなっている。第1の反射画像166内および第2の反射画像174内の同じ画像位置にある特徴点170は、延長されたベースライン状況における増加した物体距離に対応する。焦点距離は変化しないので、参照画像168内の対応する特徴点172は、第1の状況と比較して同じである。ベースラインの長さが増加し、対応する特徴点が変化しないため、1番目と2番目の状況での角度はすべて同じである。すべての角度が同一であるため、2つのベースラインの商が2つの距離の商に等しいという、類似三角形の原理が得られる。第2の状況における正しい距離は、結合信号Qから決定された少なくとも1つの縦方向座標zおよび三角測量縦方向座標z
triangを使用することによって決定され得る。商z/z
triangは、第1の状況から第2の状況への三角測量によって決定された距離をスケーリングするためのスケーリング係数を与えることができる。相対的な空間配置のこの決定は、一般に、構造化された光およびステレオシステムに適用できる。参照画像168、第1の反射画像166、または第2の反射画像174の少なくとも1つに適用される姿勢推定アルゴリズムは、2つの状況でベースラインのみまたは配向角などのさらなるパラメータのみが変化したかどうかを推定することができる。
【0384】
さらに、
図5では、ベースラインと方向が変更された3番目の状況が示されている。特に、第3の反射画像176が決定され得る。最初の状況と比較して、ベースラインと向きの角度が変更されている。動きアルゴリズムからの姿勢推定または構造により、少なくとも6つの特徴点を使用して、方向角が変更されたということを生じ得る。さらに、運動アルゴリズムからの姿勢推定または構造は、特徴点と検出器との間の相対距離および方位角を決定することができる可能性がある。ただし、ベースラインの長さがわからないため、相対距離と角度を決定した後、絶対距離を決定する問題は2番目の状況に相当する。したがって、相対距離と方位角を決定した後、1つの特徴点の結合信号Qを使用して縦方向座標zの単一の絶対距離を測定すれば、相対距離を絶対値にスケーリングするためのスケーリング係数を決定できる。一例として、元のベースライン長または近似ベースライン長を使用して、新しい方位角を使用して三角測量距離を計算できる。次に、2番目の状況と同様に、スケーリング係数はz/z
triangによって指定される。相対的な空間配置のこの決定は、ステレオ、構造化された光、および動きシステムからの構造に適用できる。
【0385】
引用文献
US2008/0240502A1;
US2010/0118123A1;
Ramalingamらによる、「Geo-Localizationの両方の点と線を使用した姿勢推定」、Robotics and Automation(ICRA)、2011 IEEE International Conference on Robotics and Automation、発行元:IEEE ISBN:978-1-61284-385-8。
「動きから構造」という用語は、動きからの構造と、動きからの形状の両方の同義語として使用される。
X. Jiang、H。Bunkeの第2章:「Dreidimensionales Computersehen」シュプリンガー、ベルリンハイデルベルク、1997年。
Kurt Konoligeらによる、「A Low-Cost Laser Distance Sensor」、2008年 IEEE International Conference on Robotics and Automation、Pasadena、CA、USA、2008年5月19~23日。
WO2012/110924A1;
WO2014/097181A1;
WO2014/198629A1;
R. A.ストリート(編):アモルファスシリコンのテクノロジーとアプリケーション、Springer-Verlag ハイデルベルク、2010年、ページ346-349。
WO2017/012986A1
【符号の説明】
【0386】
110 検出器
112 物体
113 ユーザ
114 カメラ
116 検出器システム
118 ビーコン装置
120 ヒューマンマシーンインターフェイス
122 娯楽装置
124 追跡システム
126 走査システム
128 照射源
130 センサ要素
132 マトリックス
134 光センサ
136 感光性領域
138 照射源
140 光ビーム
141 光ビーム
142 反射画像
144 転送装置
146 評価装置
147 追跡コントローラ
148 第1画像位置
150 第1センサ要素
152 第2センサ要素
154 第2画像位置
156 機械的コネクタ
158 包装製品
160 ケーブル
162 第1空間的配置
164 第2空間的配置
166 第1反射画像
168 参照画像
170 特徴点
172 特徴点
174 第2反射画像
176 第3反射画像
178 線パターン