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特許7254802指検知及び調節可能な手保持具を備えた電子コントローラ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-31
(45)【発行日】2023-04-10
(54)【発明の名称】指検知及び調節可能な手保持具を備えた電子コントローラ
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0346 20130101AFI20230403BHJP
   A63F 13/24 20140101ALI20230403BHJP
   A63F 13/235 20140101ALI20230403BHJP
   H01H 36/00 20060101ALI20230403BHJP
【FI】
G06F3/0346 424
A63F13/24
A63F13/235
G06F3/0346 421
H01H36/00 V
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2020529540
(86)(22)【出願日】2018-12-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-18
(86)【国際出願番号】 US2018064116
(87)【国際公開番号】W WO2019113243
(87)【国際公開日】2019-06-13
【審査請求日】2021-11-29
(31)【優先権主張番号】15/834,372
(32)【優先日】2017-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517160525
【氏名又は名称】バルブ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホープ、エリック・ジェイムス
(72)【発明者】
【氏名】ニートフェールド、スコット
(72)【発明者】
【氏名】コンリー、カール
(72)【発明者】
【氏名】ブリット、スコット・リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ムチャ、ジェフリー・ウォルター
(72)【発明者】
【氏名】ラインバウ、ジェフリー・ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】スロカム、ジェレミー
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0090465(US,A1)
【文献】特開平08-084858(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0146018(US,A1)
【文献】5 improvements we're excited to see from Valve's 'Knuckles' controllers,VR Heads,Matt Brown,2017年07月11日,https://www.vrheads.com/5-improvements-were-excited-see-valves-knuckles-controllers
【文献】Valveの新型VR用コントローラー「Knuckles」開発者版これまでのコントローラーと比較,MoguraVRNews,日本,2017年07月01日,https://www.moguravr.com/valves-knuckles-controllers/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0346
A63F 13/24
A63F 13/235
H01H 36/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子システムのためのコントローラであって、ユーザによる操作のためのコントローラであって、
ヘッド及びハンドルを有するコントローラ本体であって、前記ヘッドが、ネック領域において前記ハンドルに隣接しており、前記ヘッドが、少なくとも1つの親指操作式制御部を含む、前記コントローラ本体と、
閉位置において、前記ユーザの掌を前記ハンドルの外面に対して物理的に付勢するように構成された手保持具であって、前記手保持具は、弾性部材を含み、前記弾性部材の端部前記ヘッドの周りで動かすことを可能にする調節機構によって、前記ヘッドに近接する前記弾性部材の前記端部が前記ヘッドに調節可能に取り付けられている、前記手保持具と、
を備える、前記コントローラ。
【請求項2】
前記コントローラ本体に固定された追跡部材と、
前記追跡部材に配設された複数の追跡センサであって、前記電子システムによって放出される電磁放射に応答する前記複数の追跡センサと、
をさらに備える、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項3】
前記複数の追跡センサが、前記電子システムによって放出されたパルス状赤外線光に応答する赤外線光センサである、請求項2に記載のコントローラ。
【請求項4】
前記赤外線光センサの各々が、赤外線透過性ポリカーボネートプラスチックによって被覆されている、請求項3に記載のコントローラ。
【請求項5】
前記コントローラ本体に固定された追跡部材と、
前記追跡部材に配設された複数の追跡ビーコンであって、前記電子システムによる受け取りのために電磁放射を放出する前記複数の追跡ビーコンと、
をさらに備える、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項6】
前記コントローラ本体に固定された追跡円弧部であって、円弧状形状を有する前記追跡円弧部と、
をさらに備える、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項7】
前記手保持具が、手保持ストラップを含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項8】
前記手保持ストラップが、前記ユーザの手の甲に接触するように構成されており、かつ第2の調節機構によって長さが調節可能である、請求項7に記載のコントローラ。
【請求項9】
前記弾性部材が、湾曲している、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項10】
前記手保持ストラップが、ドローコードを含み、前記第2の調節機構が、コード係止部を含み、前記コード係止部が、前記コード係止部における前記ドローコードの摺動運動を選択的に防止するように構成された、請求項に記載のコントローラ。
【請求項11】
前記コード係止部が、前記ハンドルの端部に隣接して配設されている、請求項10に記載のコントローラ。
【請求項12】
前記調節機構が、前記ネック領域に隣接して配設された前記コントローラ本体内のチャネルを含み、前記弾性部材が、前記チャネル内に延在し、かつ前記チャネル内で長手方向に移動するように構成された突起を含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項13】
前記突起は、前記手保持具が前記閉位置にあるときに、前記チャネル内の前記突起の長手方向の移動を防止するように構成された捕捉部を含む、請求項12に記載のコントローラ。
【請求項14】
前記捕捉部は、前記突起の相対的な角度が前記閉位置に対応するときに、前記チャネルの内面との摩擦を増大させるように構成されたカムである、請求項13に記載のコントローラ。
【請求項15】
前記調節機構が、円弧状経路に沿って、前記ヘッドの外周の周りを移動可能な係留部を含み、前記弾性部材が前記係留部に取り付けられている、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項16】
記円弧状経路に沿った前記係留部のさらなる移動を防止するために、前記係留部の位置が選択的に調整可能に構成されたカラー部分によって、前記係留部が、前記ヘッドに回転可能に装着されている、請求項15のコントローラ。
【請求項17】
前記弾性部材が、前記係留部に枢動可能に取り付けられている、請求項16に記載のコントローラ。
【請求項18】
2つの位置において前記コントローラ本体に接合されることによって、前記コントローラ本体に固定された追跡部材をさらに備え、前記手保持具が閉位置にある場合、前記手保持具は、前記ユーザの前記掌を前記2つの位置間の前記ハンドルに対して付勢するように構成される、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項19】
前記コントローラ本体内に配設された複数の追跡トランスデューサをさらに備え、前記複数の追跡トランスデューサが、電磁放射を介して前記電子システムと結合され、前記ヘッドの端部に隣接して配設された少なくとも1つの追跡トランスデューサを含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項20】
前記コントローラ本体に固定された追跡円弧部をさらに備え、前記追跡円弧部は、2つのノーズを含み、各ノーズが、前記追跡円弧部の2つの対向する端部のうちの対応する1つから突出し、各ノーズが、電磁放射を介して前記電子システムと結合された少なくとも1つの追跡トランスデューサを含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項21】
前記ハンドルに空間的に分布された近接センサの配列であって、前記ユーザの手の指と前記ハンドルの前記外面との近接に応答する前記近接センサの配列と、
をさらに備える請求項1に記載のコントローラ。
【請求項22】
前記ハンドル内に装着されたプリント回路基板(PCB)をさらに備え、前記PCBが、力検知抵抗器(FSR)、及び前記ハンドルの前記外面に加えられた圧縮力を前記FSRに内向きに伝達するように構成されたプランジャを含む、請求項1に記載のコントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年12月7日に出願され、「Electronic Controller with Finger Sensing and an Adjustable Hand Retainer」と題する、米国特許出願第15/834,372号の優先権を主張するPCT出願であり、これは、2017年8月17日に出願され、「Electronic Controller with Hand Retainer and Finger Motion Sensing」と題する、係属中の米国特許出願第15/679,521号の一部継続出願であり、これは、2016年10月11日に出願された米国特許出願第29/580,635号の一部継続出願であり、かつ2017年6月16日に出願された米国仮特許出願第62/520,958号の優先権を主張している。
【背景技術】
【0002】
ビデオゲーム産業は大規模かつ重要なものとなり、ソフトウェア及び関連するハードウェアの両方において多くの革新を生み出してきた。様々なゲーム用途のために、様々な携帯型ビデオゲームコントローラが設計、製造、及び販売されてきた。これらの技術革新のいくつかは、産業機械のコントローラ、防衛システム、ロボット工学などのような、ゲーム産業以外の分野にも応用可能である。仮想現実(VR)システムは、ゲーム業界の内外を問わず、非常に現代的で興味深く、かつ技術的に急速に進歩している用途である。VRシステム用のコントローラは、多くの場合、使いやすさなどの特定の望ましい特性を最適化しながら、いくつかの異なる機能を実施し、厳しい(時には競合する)設計上の制約を満たす必要がある。したがって、VRシステムを改善し、及び/またはユーザ操作をより容易にする改善されたコントローラの設計が技術的に必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】本発明の例示的な実施形態によるコントローラを示しており、手保持具が開位置にある。
図2】ユーザの上向きに開いた掌にある図1のコントローラを示す。
図3】ユーザの閉じた掌にある図1のコントローラを示す。
図4】ユーザの下向きに開いた掌にある図1のコントローラを示す。
図5】本発明の例示的な実施形態による一対のコントローラを示しており、手保持具が開位置にある。
図6A】本発明の別の例示的な実施形態による、右手コントローラの正面図を示す。
図6B図6Aの右手コントローラの背面図を示す。
図7A】本発明の一実施形態による、赤外線光センサのための窓を示す。
図7B】本発明の別の実施形態による、赤外線光センサのための窓を示す。
図8図6Aの右手コントローラの側面図を示しており、コントローラのハンドルの管状ハウジングを部分的に包囲する外側シェルが、その内面の器具を明らかにするために分解されて取り除かれている。
図9A図6Aの右手コントローラの断面図を示しており、コントローラのハンドルの管状ハウジングを部分的に包囲する外側シェルが分解されて取り除かれている。
図9B図9Aの断面図を示しており、ただし、その通常の動作位置に設置された外側シェルを有していない。
図10A】本発明の別の例示的な実施形態による右手コントローラの正面図を示しており、部分的に閉じた手保持具を有している。
図10B図10Aのコントローラの正面図を示しており、ただし、手保持具が完全に開いている。
図11A】本発明の例示的な実施形態によるコントローラのヘッド及びハンドル構成要素の正面図を示しており、ヘッドの外周で移動できる手保持具係留部を含んでいる。
図11B図11Aのヘッド及びハンドル構成要素を示しており、ただし、ヘッドの周りの周辺の手保持具係留部の選択的な調節を容易にし得る係止可能なカラー部分を露出させるために、面板がヘッドから取り除かれている。
図12A】本発明の代替的な実施形態による部分的に組み立てられたコントローラを示しており、手保持具部構成要素が取り除かれている。
図12B図12Aのコントローラのチャネル特徴部の拡大図を示す。
図12C図12Bに示されたチャネルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
図1図4は、本発明の例示的な実施形態による、電子システムのためのコントローラ100を示している。コントローラ100は、VRビデオゲームシステム、ロボット、武器、または医療装置などの電子システムによって利用されてもよい。コントローラ100は、ハンドル112を有するコントローラ本体110と、ユーザの手(例えば、ユーザの左手)にコントローラ100を保持するための手保持具120と、を含んでもよい。ハンドル112は、任意に、実質的に円筒形であり得る管状ハウジングを備える。この文脈では、実質的に円筒形の形状は、一定の直径、または完全に円形の断面を有する必要はない。
【0005】
図1図4の実施形態では、コントローラ本体110は、ヘッドを含んでもよく(ハンドル112と遠位端部111との間に)、ヘッドは、任意に、1つ以上の親指操作式制御部114、115、116を含んでもよい。例えば、傾斜ボタン、もしくは他の任意のボタン、ノブ、ホイール、ジョイスティック、または追跡ボールは、コントローラ100がユーザの手に保持されている間、通常の操作中にユーザの親指によって便利に操作され得る場合、親指操作式制御部とみなすことができる。
【0006】
コントローラ100は、好ましくは、コントローラ本体110に固定された追跡部材130を含み、任意に、追跡部材130の2つの対向する遠位端部のうちの対応する1つから突出する2つのノーズ132、134を含む。図1図4の実施形態では、追跡部材130は、円弧状形状を有する追跡円弧部であることが好ましいが、必ずしもそうである必要はない。追跡部材130は、内部に配設された複数の追跡トランスデューサを含み、好ましくは、各突出ノーズ132、134に配設された少なくとも1つの追跡トランスデューサを有する。追加の追跡トランスデューサは、コントローラ本体110内にも配設されてもよく、好ましくは、少なくとも1つの遠位追跡トランスデューサが、遠位端部111に隣接して配設されている。
【0007】
前述の追跡トランスデューサは、電子システムによって放射される電磁放射(例えば、赤外線光)に応答する追跡センサであってもよく、あるいは、電子システムによって受け取られる電磁放射(例えば、赤外線光)を放出する追跡ビーコンであってもよい。例えば、電子システムは、コントローラ100に向かう方向へとパルス状赤外線光を広くブロードキャストする、すなわちペイントするVRゲームシステムであってもよく、追跡部材130の複数の追跡トランスデューサは、ブロードキャストされたパルス状赤外線光を受け取るか、またはそれから影を付けられ得る赤外線光センサである。好ましくは、各ノーズ132、134(例えば、各ノーズの3つのセンサ)の追跡トランスデューサは、好ましくは、追跡部材130の各遠位端部においてユーザの手から張り出しており、したがって、許容可能ではない量の影を伴わずに、より多くの角度で、電子システムによって放出された電磁放射を受け取るか、または電子システムに電磁放射を送るために、より良好に露出されている(ユーザの手の周りに)。
【0008】
好ましくは、追跡部材130及びコントローラ本体110は、硬質プラスチックなどの実質的に剛性の材料で作られており、それらが互いに相対的に有意に並進または回転しないように、互いにしっかりと固定されている。このようにして、空間における追跡トランスデューサのコンステレーションの並進及び回転の追跡は、好ましくは、互いに相対的な追跡トランスデューサの動きによって複雑化されない。例えば、図1図4に示されるように、追跡部材130は、2つの位置でコントローラ本体110に接合されることによって、コントローラ本体110に固定されてもよい。手保持具120は、ユーザの掌を2つの位置間でハンドル112の外側表面に対して付勢するために、それらの2つの位置に隣接してコントローラ100(コントローラ本体110または追跡部材130のいずれか)に取り付けられてもよい。
【0009】
特定の実施形態では、追跡部材130及びコントローラ本体110は、一緒に組み立てられるのではなく、材料の連続性を有する一体型のモノリシックな構成要素を備えてもよい。例えば、追跡部材130及びコントローラ本体110は、単一の射出成形プロセスステップによって一緒に成形されてもよく、それにより、追跡部材130とコントローラ本体110との両方を備える1つの一体型の硬質プラスチック構成要素をもたらす。あるいは、追跡部材130及びコントローラ本体110は、最初は別々に製造され、後に一緒に組み立てられてもよい。いずれにしても、追跡部材130は、コントローラ本体110に固定されているとみなすことができる。
【0010】
手保持具120は、図1の開位置に示されている。手保持具120は、ユーザがVRゴーグルによって視界が遮られた状態でコントローラを把持しているときに、手保持具120とコントローラ本体110との間のユーザの左手の挿入を容易にするために、任意に、湾曲した弾性部材122によって開位置に付勢されてもよい。例えば、湾曲した弾性部材122は、任意に、弾性的に屈曲する可撓性金属ストリップであってもよいか、または実質的に弾性的に屈曲し得るナイロンなどの代替的なプラスチック材料を備えてもよい。湾曲した弾性部材122は、任意に、ユーザの快適性のために、部分的にまたは完全にクッションもしくは布材料124(例えば、ネオプレンシース)の内部にあるか、またはそれによって被覆されていてもよい。あるいは、クッションまたは布材料124は、ユーザの手に面する湾曲した弾性部材122の側面のみに配設されてもよい(例えば、付着されてもよい)。
【0011】
手保持具120は、任意に、例えば、ばね付勢されたチョック128によって締め付けられるドローコード126を含むことによって、長さが調節可能であってもよい。ドローコード126は、任意に、ストラップとして使用され得る過剰な長さを有してもよい。シース124は、任意に、ドローコードに取り付けられてもよい。特定の実施形態では、湾曲した弾性部材122は、締め付けられたドローコード126の張力によって予荷重がかけられていてもよい。そのような実施形態では、湾曲した弾性部材122が(手保持具120を開位置に付勢するために)手保持具120に付与する張力により、ドローコード126が締め付けられていないときに手保持具は自動的に開く。本開示はまた、クリート、弾性バンド(手が挿入されたときに一時的に伸びるので、手の甲を押すために弾性張力を加える)、長さ調節を可能にするフックアンドループストラップアタッチメントなどのような、手保持具120の長さを調節するための代替的な従来の方法を企図している。
【0012】
手保持具120は、ハンドル112と追跡部材130との間に配設され、ユーザの手の甲に接触するように構成されていてもよい。図2は、動作中のコントローラ100を示しており、ユーザの左手が内部に挿入されているが、コントローラ本体110を把持していない。図2では、手保持具120は、ハンドル112の外側表面に対してユーザの掌を物理的に付勢するように、閉じられて手の上で締め付けられている。このようにして、手保持具120は、閉じているときに、手がコントローラ本体110を把持していない場合であっても、手にコントローラ100を保持することができる。図3及び図4は、手保持具120が閉じており、手がコントローラ本体110を把持しており、親指が親指操作式制御部(例えば、追跡パッド116)のうちの1つ以上を操作しているときの、動作中のコントローラ100を示している。
【0013】
コントローラ本体110のハンドル112は、好ましくは、その外面の周りに部分的にまたは完全に空間的に分布された近接センサの配列を含む。配列の近接センサは、配列が格子を備えていてもよいが、必ずしも等しい大きさを有している必要はなく、配列間に等しい間隔を有している必要はない。近接センサの配列は、好ましくは、ユーザの指とハンドル112の外側表面との近接に応答する。例えば、近接センサの配列は、ハンドル112の外面の下に埋め込まれた複数の静電容量式センサであってもよく、その外面は、電気的に絶縁性の材料を備えている。このような静電容量式センサの配列とユーザの手の一部分との間の静電容量は、それらの間の距離に反比例している。静電容量は、静電容量式センサ配列の素子にRC発振器回路を接続すること、及び回路の時定数(したがって、発振の周期及び周波数)が静電容量に応じて変化することに注意することによって検知することができる。このようにして、回路は、ハンドル112の外面からのユーザの指の解放を検出することができる。
【0014】
手保持具120(例えば、手保持ストラップ)がしっかりと閉じているときに、それは、コントローラ100が手から落ちるのを防止するだけでなく、指がハンドル112の近接センサ配列へと過度に並進しないようにして、指の動きをより確実に検知することにも役立ち得る。電子システムは、近接センサ配列からの検知をより良好に使用して、制御された特徴の手の開き、指差し、またはコントローラに対するもしくは互いに対する指の他の動きをレンダリングするために、解剖学的に可能な指の動きを具現化するアルゴリズムを含んでもよい。このようにして、コントローラ100及び/または指のユーザの動きは、VRゲームシステム、防衛システム、医療システム、産業用ロボットもしくは機械、または別の装置の制御に役立ち得る。VRシステムアプリケーション(例えば、ゲーム、トレーニングなどのための)では、システムは、追跡トランスデューサの移動に基づいて物体を投げる動きをレンダリングしてもよく、コントローラのハンドルの外面からのユーザの指の検知された解放に基づいて、投げられた物体の解放をレンダリングしてもよい。
【0015】
したがって、手保持具120の機能(コントローラ100が実際に手から離れることなく、または床に投げられるかもしくは落とされることなく、ユーザがコントローラ100を「離す」ことを可能にするための)は、制御された電子システムの追加の機能を可能にし得る。例えば、コントローラ本体110のハンドル112のユーザの把持の解放及び復帰が検知された場合、そのような解放または把持は、物体を投げるかまたは把持することを表示する(例えば、VRにおいて)ためにゲームに組み込まれてもよい。手保持具120は、このような機能を繰り返しかつ安全に達成することを可能にし得る。例えば、図1図4の実施形態における手保持具120の位置は、追跡部材130が、例えば、ユーザがVR環境で検知されたプロンプトに応答して移動するとき(例えば、VRゴーグルによって実質的に目が見えなくなっている間)に、ユーザの手の甲を現実世界における衝撃から保護することに役立ち得る。
【0016】
特定の実施形態では、コントローラ100は、コントローラ本体110内に配設された充電式電池を含んでもよく、手保持具120(例えば、手保持ストラップ)は、充電式電池に電気的に結合された電気的に導通する充電ワイヤを含んでもよい。コントローラ100はまた、好ましくは、電子システムの残りの部分と通信するための無線周波数(RF)送信機も含む。そのようなRF送信機は、充電式電池によって電力を供給されてもよく、親指操作式制御部114、115、116、コントローラ本体110のハンドル112内の近接センサ、及び/または追跡部材130内の追跡センサに応答してもよい。
【0017】
図5に示されるように、特定の実施形態では、コントローラ100は、同様の右コントローラ200を含む一対のコントローラにおける左コントローラであってもよい。特定の実施形態では、コントローラ100及び200は、例えばVR体験を強化するために、ユーザの両手の動き及び握りを同時に(一緒に)追跡してもよい。
【0018】
図6Aは、本発明の別の例示的な実施形態による、右手コントローラ600の正面図を示す。図6Bは、右手コントローラ600の背面図を示している。コントローラ600は、ヘッド610及びハンドル612を備えるコントローラ本体を有する。図6A図6Bの実施形態では、ヘッド610は、少なくとも1つの親指操作式制御部A、B、608を含み、また、人差し指によって操作されるように構成された制御部(例えば、トリガ609)を含んでもよい。ハンドル612は、外側シェル640によって部分的に包囲された管状ハウジングを備える。
【0019】
図6A図6Bの実施形態では、追跡部材630は、ヘッド610及びハンドル612の端部においてコントローラ本体に固定されている。手保持具620は、ヘッド610とハンドル612の端部との間で、ユーザの掌を外側シェル640に対して物理的に付勢するように構成されている。手保持具620は、好ましくは、ハンドル612と追跡部材630との間に配設され、長さが調節可能あり、かつユーザの手の甲に接触するように構成された手保持ストラップを備えてもよい。図6A図6Bの実施形態では、手保持具620は、任意に、ドローコード628を含み、任意に、コード係止部626の位置においてドローコード628による摺動運動を選択的に防止するコード係止部626(ハンドル612の遠位端部に隣接している)によって長さが調節され得る。
【0020】
図6A図6Bの実施形態では、追跡トランスデューサ632、633が追跡部材630上に配設されており、追跡トランスデューサ633は、追跡部材630の対向する遠位端部において突出するノーズ上に配設されている。追加の追跡トランスデューサ634は、任意に、ヘッド610の遠位領域に配設されている。追跡トランスデューサ632、633、及び634は、電子システム(例えば、仮想現実ゲームシステム)によって放出される電磁放射(例えば、赤外線光)に応答する追跡センサであってもよく、または、電子システムによって受け取られる電磁放射(例えば、赤外線光)を放出する追跡ビーコンであってもよい。例えば、電子システムは、コントローラ600に向かってパルス状の赤外線光を広くブロードキャストし、すなわちペイントするVRゲームシステムであってもよく、追跡トランスデューサ632、633、及び634は、ブロードキャストされたパルス状赤外線光を受け取り得る赤外線光センサであってもよい。このような追跡センサの応答は、電子システムに通信して戻されてもよく、システムは、コントローラ600の位置及び向きを効果的に追跡するために、このような応答を解釈してもよい。
【0021】
追跡トランスデューサ632、633、634のうちの1つ以上は、任意に、図7Aの実施形態に示されるように、または図7Bの実施形態に示されるように、または代替的に、図示されない従来の方法で構成されていてもよい。図7Aの下部は、フレックス回路751に電気的に接続された赤外線光センサ750の分解斜視図を示しており、赤外線不透明プラスチックを含む、上にある窓付きハウジング壁755の長方形部分の下に示されている。窓付きハウジング壁755は、窓756を含む。窓756は、好ましくは、赤外線透過性ポリカーボネートプラスチックを備えており、赤外線光センサ750の厚さを収容するための下側の凹部を含んでもよい。
【0022】
図7Aの実施形態によれば、窓付きハウジング壁(例えば、追跡部材630の外側構造、または図6Aのヘッド610)は、ハウジング壁の大部分が赤外線不透過性プラスチックから作製されるが、赤外線透過性プラスチックが赤外線光センサ750の上の窓756内に配設されるように、いわゆる「ダブルショット」射出成形プロセスから作製されてもよい。
【0023】
図7Aの上部は、組み立てられたときの赤外線光センサ750、フレックス回路751、及び窓付きハウジング壁755の断面図を示している。図7Aに上方から窓756に入射する3つの下向き矢印として示されている赤外線光は、窓756を通過して、下にある赤外線光センサ750によって受け取られる。ハウジング壁755は、赤外線不透過性プラスチックを備えているので、それに当たる赤外線光は通過せず、一部分は、反射して窓に戻って赤外線光センサ750で受け取られ得る。このようにして、窓756は、ハウジング壁755の大部分が赤外線不透過性プラスチックを備えているにもかかわらず、赤外線光が赤外線光センサ750に影響を与えることを許容するので、赤外線光センサ750は、好ましい角度範囲からのみ赤外線光を受け取る。
【0024】
あるいは、追跡トランスデューサ632、633、634のうちの1つ以上は、任意に、図7Bの実施形態に示されるように構成されてもよい。図7Bの下部は、フレックス回路751に電気的に接続された赤外線光センサ750の分解透視図を示ており、IR透過性プラスチックを備える、上にあるハウジング壁758の長方形部分の下に示されている。ハウジング壁758は、窓759(赤外線不透過性フィルム757が存在しない場合)を含むようにパターン化された赤外線不透過性フィルム757で被覆されている。
【0025】
図7Bの上部は、組み立てられたときの赤外線光センサ750、フレックス回路751、ハウジング壁758、及びIR不透過性フィルム757の断面図を示している。図7Bに上方からハウジング壁758に入射する3つの下向き矢印として示されている赤外線光は、赤外線不透過性フィルム757の窓759を通過して、そこにあるハウジング壁758を通過して、下にある赤外線光センサ750によって受け取られる。ハウジング壁758は赤外線透過性プラスチックを備えるので、それに当たる赤外線光は、その中を通過して失われ、おそらく意図せず望ましくないことに、内部反射を介して近くのセンサに到達する可能性さえある。このようにして、赤外線不透過性フィルム757の窓759は、赤外線光が主に赤外線光センサ750に影響を及ぼすことを許容する。
【0026】
図8は、右手コントローラ600の側面図を示しており、ハンドル612の管状ハウジングを部分的に包囲する外側シェル640が、その内面の器具を明らかにするために分解されて取り除かれている。図8の実施形態では、器具は、外側シェル640の内面上に空間的に分布された近接センサ800の配列を備えてもよく、近接センサ800の配列は、ユーザの指と外側シェル640との近接に応答する。配列の近接センサ800は、必ずしも等しい大きさを有している必要もなく、必ずしも互いに対して規則的にまたは等間隔に離間されている必要もない。特定の実施形態では、近接センサ800の配列は、好ましくは、外側シェル640の内面に結合されたフレックス回路に接続された複数の静電容量式センサであってもよい。図8の実施形態では、外側シェル640は、第1の電気コネクタ部分805を含み、これは、ハンドル612の嵌合する第2の電気コネクタ部分に接続されていてもよい(図9A図9Bでより詳細に示されるように)。
【0027】
図9A図9Bは、図6Aの右ハンドルコントローラ600の断面を示しており、コントローラのハンドルが、管状ハウジング部分612a及び612bが隣接する継ぎ目613によって長手方向に分割された管状ハウジング612a、612bを任意に含み得ることを示している。図9Aでは、外側シェル640は、ハンドルの残りの部分から分解されて取り除かれて示されている。図9Bは、図9Aの断面を示しており、ただし、その通常の動作位置に設置された外側シェル640がない。図9A図9Bの実施形態では、外側シェル640の第1の電気コネクタ部分805は、コントローラハンドルの第2の電気コネクタ部分905に嵌合して接続可能であるように示されている。
【0028】
図9A~9Bの実施形態では、外側シェル640は、好ましくは長手方向継ぎ目613と重なり合うような方法で管状ハウジング612a、612bを部分的に包囲し、その結果、長手方向継ぎ目613は、近接センサ配列800の所望の周方向位置を収容するためではなく、製造プロセスを最適化するように位置付けできるようになる。特定の実施形態では、外側シェル640は、ハンドルの管状ハウジング612a、612bの周方向部分Cと重なり合い、周方向部分Cは、ハンドルの管状ハウジング612a、612bの全周の少なくとも100度の、ただし170度以下の角度で広がっている。このような周方向の重なり合いは、特定の実施形態では、近接センサ配列800が、ユーザの指または掌の所望の部分、例えば、把持を最も良好に示す手の領域の近接を検知することを可能にし得る。
【0029】
ハンドルの管状ハウジング612a、612bは、円形断面を有する必要はなく、ハンドルの管状ハウジング612a、612bが円形断面を有するか否かに関わらず、本明細書では「円周」という用語が使用される。本明細書において、用語「円周」は、ハンドルの管状ハウジング612a、612bについての完全な周囲を意味し、これは、管状ハウジング612a、612bが右円の中空円筒である場合には円形であってもよいが、管状ハウジングが非円形円筒または中空プリズムの形状である場合には、円形以外の閉じた形状であってもよい。
【0030】
図9A図9Bの実施形態では、プリント回路基板(PCB)920は、第2の電気コネクタ部分905がPCB920に電気的に結合された状態で、ハンドルの管状ハウジング612a、612b内に装着されてもよい。PCB920は、力検知抵抗器(FSR)922を任意に含み、コントローラは、ハンドルの管状ハウジング612a、612bの外側に向かう方向へと外側シェル640を介して加えられた圧縮力を、FSR922に内向きに伝えるプランジャ924をさらに備えてもよい。特定の実施形態では、近接センサ配列800と組み合わせて、FSR922は、ユーザによる把持の開始、及びユーザによるそのような把持の相対的な強さの両方の検知を容易にすることができ、これにより、特定のゲームプレイ機能が容易にされ得る。
【0031】
特定の実施形態では、外側シェル640は、ハンドルの管状ハウジング612aまたは612bのハウジング壁の厚さの3分の1未満のシェル厚さ(図9A図9Bにおいて半径方向に測定される)を有する。これらの実施形態では、そのような厚さの不等式は、近接センサ配列800がハンドルの管状ハウジング612a、612bの上または中に配設される代替的な実施形態と比較して、近接センサ配列800の感度を向上させることができる。
【0032】
図10Aは、本発明の別の例示的な実施形態による右手コントローラ200の正面図を示しており、部分的に閉じている手保持具220(例えば、手保持ストラップ)を有している。図10Bは、コントローラ200の正面図を示しており、ただし、手保持具220が完全に開いている。図10A図10Bの実施形態では、コントローラ200は、ヘッド210及びハンドル212を有するコントローラ本体を含む。ヘッド210は、コントローラ200のネック領域211においてハンドル212に隣接している。ハンドル212は、好ましくは、その外側表面のすぐ下に空間的に分布された近接センサの配列を含み、好ましくは、ユーザの指のハンドル212の外面への近接に応答する。
【0033】
図10A図10Bの実施形態では、ヘッド210は、親指操作式制御部A、B、及び208を含む。コントローラ200はまた、好ましくは、ヘッド210に、かつハンドル212の遠位端部においてコントローラ本体に固定された追跡部材230も含む。追跡部材230は、好ましくは、電子システムによって放出される電磁放射(例えば、仮想現実ゲームシステムによって放出されるパルス状赤外線光)または電子システムによって受け取られる電磁放射を放出する追跡ビーコンに応答するセンサであり得る複数の追跡トランスデューサを含む。図10A図10Bの実施形態では、追跡部材230は、好ましくは、円弧状の形状を有する追跡円弧部であるが、必ずしもそうではない。手保持具220は、好ましくは、ハンドル212と追跡円弧部230との間に配設される。
【0034】
図10A図10Bの実施形態では、コントローラ200は、ドローコード228と、ハンドル212の遠位端部に隣接するコード係止部226と、を含む。コード係止部226は、コード係止部226において、ドローコード228による摺動運動を選択的に防止してもよい。図10Aの実施形態では、ドローコード228がコード係止部226を越えてさらに徐々に引っ張られると、手保持具220は、閉位置(図10Aに示された動きの矢印によって示されるように)にきつく引き込まれる。閉位置は、ユーザの掌をハンドル212の外面に対して物理的に付勢する。
【0035】
図10A図10Bの実施形態では、手保持具220は、好ましくは、手保持具220を図10Bに示される開位置に向かう方向へと付勢する弾性部材(例えば、金属ストリップなどの内部または外部の弾性的に変形可能なストリップ)を含む。図10Bの実施形態では、ユーザがコード係止部226を選択的に解放し、ドローコード228の相対的な摺動を許容すると、弾性的に変形された弾性部材に真っすぐ向かう方向へと予荷重がかけられた付勢力により、手保持具220が自然に開く(図10Bに示される動きの矢印によって示されるように)。開位置は、特に、仮想現実ゴーグルの装着によってユーザの視界が妨げられる可能性がある場合に、ユーザの手をコントローラ200に挿入するかまたはそこから引き出すことを容易にし得る。
【0036】
図11Aは、コントローラ200のヘッド210及びハンドル212の構成要素の正面図を示しており、ヘッド210の外周で移動するように調節可能な手保持具係留部302を含む。図11Bは、同じヘッド210及びハンドル212の構成要素を示しており、ただし、ヘッド210の周りの周辺の手保持具係留部302の選択的な調節を容易にし得る係止可能なカラー部分311を露出させるために、ヘッド210から面板が取り外されている。
【0037】
図11Bの実施形態では、係止可能なカラー部分311は、内部の円弧状ガイド315によって画定される円弧状経路に沿って並進してもよい。係止可能なカラー部分311は、ヘッド210の周辺の周りの係留部302のさらなる移動を防止するために、ユーザによって選択的に係止され得る。ここで図4及び図10A図11Bを参照すると、手保持具220の弾性部材は、ヘッド210の手保持具係留部302に取り付けられており、これにより、手保持具220は、ユーザの指間腔(ユーザの親指と指との間)に向かう方向またはそこから離れる方向へと調節されることが可能になる。特定の実施形態では、手保持具220の弾性部材は、好ましくは、枢動または回転可能な取り付けによってヘッド210の手保持具係留部302に取り付けられており、その結果、手保持具220は、取り付けの位置において手保持具係留部302に対して相対的に枢動できるようになる。このような自由度は、ヘッド210の外周の手保持具係留部302の位置の調節可能性に追加される。
【0038】
図12A図12B、及び図12Cは、ネック領域411においてヘッド410及びヘッドに接合されたハンドル412を含むコントローラ本体を有する、部分的に組み立てられたコントローラ400の代替的な実施形態を示している。図12A図12Cの代替的な実施形態では、コントローラ本体は、ネック領域411に隣接して配設されたチャネル414を含む。チャネル414が部分的に不明瞭にならないように、図12Aには示されていないが、手保持具は、チャネル414内に延在する突起425で終端する、弾性部材420を含む。
【0039】
図12B及び図12Cの実施形態では、突起425は、手保持具が閉位置にあるときに、チャネル414内での突起の長手方向の移動を防止する捕捉部427を含む。例えば、図12Cの実施形態では、捕捉部427は、手保持具突起425の相対的な角度が手保持具の閉位置に対応するときに、すなわち、手保持具の閉位置が弾性部材420に張力をもたらすときに(例えば、図12Cの断面で示されるように下向きの方向に)、チャネル414の内面との摩擦を増大させるカムである。
【0040】
対照的に、手保持具突起425が手保持具の開位置に対応する相対角度に回転されると(例えば、図12Cの断面で示されるように上向きの方向に)、捕捉部427とチャネル414との間の摩擦が低減され、手保持具突起425がチャネル414内で並進することができる(図12Bに示される動きの矢印によって示されるように)。チャネル414は、好ましくは、チャネル414に沿った手保持具突起の並進が好ましくは、手保持具突起425のユーザの手の指間腔に向かう方向またはそこから離れる方向への相対位置を調節するように、例えば、コントローラ400が異なる手のサイズまたは指の長さを収容できるように配向されている。代替的な実施形態では、手保持具突起425は、従来の枢動接合によって手保持具の残りの部分に枢動可能に取り付けられてもよい。そのような回転自由度は、チャネル414に沿った手保持具突起425の調節可能な並進に追加される。
【0041】
本発明は、本明細書で特定の例示的な実施形態を参照して記載されているが、当業者であれば、本発明がこれらに限定されないことを認識するであろう。本発明の様々な特徴及び態様は、個別にまたは共同で、場合によっては、異なる環境または用途に使用され得ることが企図される。例えば、右手コントローラに関して示された特徴は、左手コントローラにも実装されてもよく、逆もまた同様である。したがって、本明細書及び図面は、限定的ではなく説明的及び例示的なものであるとみなされるべきである。例えば、用語「好ましい」及び語句「好ましいが必ずしも~ではない」は、本明細書では「必ずしも~ではない」または任意選択の意味を矛盾なく含むことと同義で使用される。「含む(comprising)」、「包含する(including)」及び「有する(having)」は非限定用語であることが意図される。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
電子システムのためのコントローラであって、親指、指、前記親指と前記指との間の指間腔、及び掌を有するユーザによる操作のためのコントローラであって、
ヘッド及びハンドルを有するコントローラ本体であって、前記ヘッドが、ネック領域において前記ハンドルに隣接しており、前記ヘッドが、少なくとも1つの親指操作式制御部を含む、前記コントローラ本体と、
前記コントローラ本体に固定された追跡部材と、
閉位置において、前記ユーザの掌を前記ハンドルの外面に対して物理的に付勢するように構成された手保持具であって、前記手保持具が、前記手保持具を開位置へ向かう方向へと付勢する弾性部材を含み、前記弾性部材は、前記弾性部材が前記ユーザの指間腔に向かう方向またはそこから離れる方向へと調節されることを可能にする、第1の調節機構によって前記ヘッドに調節可能に取り付けられている、前記手保持具と、
前記追跡部材内に配設された第1の複数の追跡トランスデューサであって、前記第1の複数の追跡トランスデューサが、電磁放射を介して前記電子システムと結合されている、前記第1の複数の追跡トランスデューサと、
前記ハンドルに空間的に分布された近接センサの配列であって、前記ユーザの指と前記ハンドルの前記外面との近接に応答する、前記近接センサの配列と、
を備える、前記コントローラ。
[2]
前記第1の複数の追跡トランスデューサが、前記電子システムによって放出される電磁放射に応答する複数の追跡センサを含む、[1]に記載のコントローラ。
[3]
前記複数の追跡センサが、前記電子システムによって放出されたパルス状赤外線光に応答する赤外線光センサである、[2]に記載のコントローラ。
[4]
前記赤外線光センサの各々が、赤外線透過性ポリカーボネートプラスチックによって被覆されている、[3]に記載のコントローラ。
[5]
前記第1の複数の追跡トランスデューサが、前記電子システムによる受け取りのために電磁放射を放出する複数の追跡ビーコンを含む、[1]に記載のコントローラ。
[6]
前記追跡部材が、円弧状形状を有する追跡円弧部である、[1]に記載のコントローラ。
[7]
前記手保持具が、前記ハンドルと前記追跡部材との間に配設された手保持ストラップを含む、[1]に記載のコントローラ。
[8]
前記手保持ストラップが、前記ユーザの手の甲に接触するように構成されており、かつ第2の調節機構によって長さが調節可能である、[7]に記載のコントローラ。
[9]
前記弾性部材が、湾曲した金属ストリップである、[7]に記載のコントローラ。
[10]
前記手保持ストラップが、ドローコードを含み、前記第2の調節機構が、コード係止部を含み、前記コード係止部が、前記コード係止部における前記ドローコードによる摺動運動を選択的に防止する、[7]に記載のコントローラ。
[11]
前記コード係止部が、前記ハンドルの遠位端部に隣接して配設されている、[10]に記載のコントローラ。
[12]
前記調節機構が、前記ネック領域に隣接して配設された前記コントローラ本体内のチャネルを含み、前記弾性部材が、前記チャネル内に延在し、かつ前記チャネル内で長手方向に移動できる突起を含む、[1]に記載のコントローラ。
[13]
前記突起は、前記手保持具が前記閉位置にあるときに、前記チャネル内の前記突起の長手方向の移動を防止する捕捉部を含む、[12]に記載のコントローラ。
[14]
前記捕捉部は、前記手保持具突起の相対的な角度が前記閉位置に対応するときに、前記チャネルの内面との摩擦を増大させるカムである、[13]に記載のコントローラ。
[15]
前記第1の調節機構が、前記ヘッドの外周にある円弧状経路に沿って、前記ユーザの前記指間腔に向かう方向及びそこから離れる方向へと、前記ヘッドの周りを移動できる係留部を含み、前記弾性部材が前記係留部に取り付けられている、[1]に記載のコントローラ。
[16]
前記係留部が、前記円弧状経路に沿った前記係留部のさらなる移動を防止するために、前記ユーザによって選択的に係止され得る係止可能なカラー部分によって、前記ヘッドに回転可能に装着されている、[15]のコントローラ。
[17]
前記弾性部材が、前記係留部に枢動可能に取り付けられている、[16]に記載のコントローラ。
[18]
前記追跡部材が、2つの位置において前記コントローラ本体に接合されることによって、前記コントローラ本体に固定されており、前記手保持具が、前記ユーザの掌を前記2つの位置間の前記ハンドルに対して付勢する、[1]に記載のコントローラ。
[19]
前記コントローラ本体内に配設された第2の複数の追跡トランスデューサをさらに備え、前記第2の複数の追跡トランスデューサが、前記ヘッドの遠位端部に隣接して配設された少なくとも1つの遠位追跡トランスデューサを含む、[1]に記載のコントローラ。
[20]
前記追跡円弧部が、各々、前記追跡円弧部の2つの対向する遠位端部のうちの対応する1つから突出する2つのノーズを含み、各ノーズが、前記第1の複数の追跡トランスデューサのうちの少なくとも1つを含む、[6]に記載のコントローラ。
[21]
前記近接センサの配列が、複数の静電容量式センサである、[1]に記載のコントローラ。
[22]
前記ハンドル内に装着されたプリント回路基板(PCB)をさらに備え、前記PCBが、力検知抵抗器(FSR)、及び前記ハンドルの外側に加えられた圧縮力を前記FSRに内向きに伝達するプランジャを含む、[1]に記載のコントローラ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C