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特許7254806マイクロ流体デバイスの位置トラッキングおよび符号化
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-31
(45)【発行日】2023-04-10
(54)【発明の名称】マイクロ流体デバイスの位置トラッキングおよび符号化
(51)【国際特許分類】
   B81B 3/00 20060101AFI20230403BHJP
   G01N 35/08 20060101ALI20230403BHJP
   G01N 37/00 20060101ALI20230403BHJP
   B25J 7/00 20060101ALI20230403BHJP
   G01N 1/18 20060101ALI20230403BHJP
   B01J 19/00 20060101ALI20230403BHJP
【FI】
B81B3/00
G01N35/08 A
G01N37/00 101
B25J7/00
G01N1/18
B01J19/00 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020532853
(86)(22)【出願日】2018-08-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 US2018047485
(87)【国際公開番号】W WO2019040599
(87)【国際公開日】2019-02-28
【審査請求日】2021-08-23
(31)【優先権主張番号】62/594,523
(32)【優先日】2017-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/548,796
(32)【優先日】2017-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520060553
【氏名又は名称】エレジェン コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ヒル,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】シュバーディン,ミロスラヴ
(72)【発明者】
【氏名】フーバー,デイビッド
【審査官】中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-538727(JP,A)
【文献】特表2008-516251(JP,A)
【文献】特表2010-506136(JP,A)
【文献】特表2007-516095(JP,A)
【文献】特開2009-097938(JP,A)
【文献】特表2009-536032(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 19/00
G01N 1/00-44、35/00-10、37/00
B25J 7/00
B81B 1/00-5/00
C12M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ流体デバイスであって、
a.z個の分岐チャネルのセットと流体結合している第1のチャネルであって、前記z個の分岐チャネルのセットは、移動ユニットを第1の順序で前記第1のチャネルから受け入れるように構成されている、第1のチャネルと、
b.前記z個の分岐チャネルのセットと流体結合している第2のチャネルであって、前記第2のチャネルは、移動ユニットを第2の順序で前記z個の分岐チャネルのセットから受け入れるように構成されている、第2のチャネルと
を含み、
前記第2の順序は、移動ユニットを前記第2の順序で配送するように構成されている前記z個の分岐チャネルのセットのうちの特定の分岐チャネルを決定する、マイクロ流体デバイス。
【請求項2】
前記マイクロ流体デバイスは、前記z個の分岐チャネルの各々に移動ユニットを決定論的に分配し、随意に、そのような分配におけるエラーを修正するように構成されている、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項3】
記第1の順序または前記第2の順序は、制御可能であ、請求項1または2に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項4】
zは、2~50の間にある、請求項1~3のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項5】
zは、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30または50である、請求項1~3のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項6】
zは、50、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3または2よりも小さい、請求項1~3のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項7】
前記第1のチャネルおよび前記第2のチャネルは、同一である、請求項1~6のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項8】
前記マイクロ流体デバイスは、前記第1のチャネルと前記z個の分岐チャネルのセットとの間のディストリビュータをさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項9】
前記マイクロ流体デバイスは、k個の移動ユニットをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項10】
随意に、i)kは、2~500の間もしくは2~5000000の間にあるか、ii)kは、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、50、100、500、1000、10000、50000、100000、500000、1000000もしくは5000000であり、かつ/または、kは、5000000、1000000、500000、100000、50000、10000、1000、500、100、50、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3もしくは2よりも小さい、請求項9のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項11】
前記マイクロ流体デバイスは、前記第1のチャネルまたは前記第2のチャネルと流体結合しているy個の分岐チャネルの第2のセットをさらに含み、前記y個の分岐チャネルのセットは、移動ユニットを第3の順序で前記第1のチャネルまたは前記第2のチャネルから受け入れるように構成されている、請求項1~10のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項12】
yは、i)2~50の間にあるか、ii)少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30もしくは50であり、かつ/または、yは、50、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3もしくは2よりも小さい、請求項1~11のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項13】
前記マイクロ流体デバイスは、前記第1のチャネルに配置された検出器をさらに含み、前記検出器は、前記z個の分岐チャネルに接近する移動ユニットを検出するように構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項14】
a.コンピュータ可読媒体を含むコンピュータと、
b.マイクロ流体デバイスであって、前記マイクロ流体デバイスは、
i.z個の分岐チャネルのセットと流体結合している第1のチャネルであって、前記z個の分岐チャネルのセットは、移動ユニットを第1の順序で前記第1のチャネルから受け入れるように構成されている、第1のチャネルと、
ii.前記z個の分岐チャネルのセットと流体結合している第2のチャネルであって、前記第2のチャネルは、移動ユニットを第2の順序で前記z個の分岐チャネルのセットから受け入れるように構成されている、第2のチャネルと
を含む、マイクロ流体デバイスと、
前記マイクロ流体デバイス内の前記移動ユニットの移動をトラッキングし、前記移動ユニットの位置と関連付けられたデータを生成するように構成されている検出器と
を含むシステムであって、前記第2の順序は、移動ユニットを前記第2の順序で配送するように構成されている前記z個の分岐チャネルのセットのうち特定のチャネルを決定し、
前記コンピュータは、前記検出器から前記移動ユニットの位置と関連付けられた前記データを受信し、前記コンピュータ可読媒体に前記データを繰り返し記憶するように構成されている、システム。
【請求項15】
a)前記マイクロ流体デバイスは、前記第1のチャネルまたは前記第2のチャネルと流体結合しているy個の分岐チャネルの第2のセットを含み、前記y個の分岐チャネルのセットは、移動ユニットを第3の順序で前記第1のチャネルまたは前記第2のチャネルから受け入れるように構成され、かつ/または、
b)前記第1のチャネルおよび前記第2のチャネルは、同一であり、または、yは、i)2~50の間にあるか、ii)少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30もしくは50であり、かつ/または、yは、50、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3もしくは2よりも小さい、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参
本出願は、2017年8月22日に出願された米国仮出願第62/548,796号および2017年12月4日に出願された米国仮出願第62/594,523号に基づく優先権を主張するものであり、その両方は参照により完全に引用したものとする。
【背景技術】
【0002】
生物学、化学および他の領域においては、化合物または製品の多数のコレクションを作成して、これらの製品の特徴、特性、性能または有用性を評価することが望ましい場合が多い。歴史的に、個々の製品は、別々の容器において製造され特性評価されていた。一度に複数の製品の生産を可能にするバッチ型手順が開発されて開示されている。しかしながら、必要とされるコスト、必要スペースおよび物理的操作のため、製品の非常に大きいライブラリを作成することができるかまたは評価することができる代替法を開発したいという長年の希望が存在していた。例えば分割合成法などのアプローチには、ライブラリにおいて符号化、ランダム性、冗長性および提示不足問題が必要となる。ユニットと関連付けられた関心の製品のアイデンティティを発見することは、時間がかかるか、高コストであるか、労力を要するものであり得る。さらに、符号化アプローチには、コスト効率、スケーラビリティ、速度および精度に関する課題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
マイクロ流体デバイスの中の移動ユニットのトラッキングに関する方法および構成が、本明細書において開示される。種々の実施形態において、移動ユニットのトラッキングは、例えば移動ユニットがマイクロ流体デバイスの種々の区画を通って移動するにつれて、移動ユニットの位置、例えば相対位置を、制御するかまたは記録することによって達成される。トラッキングされる移動ユニットは、例えばディストリビュータなどのルーターを使用することによって、マイクロ流体デバイスのチャネルに分割され、そして再結合され得る。再結合の移動ユニットの順序は、各移動ユニットがマイクロ流体デバイスを通してとったパスを表すことができる。マイクロ流体デバイスの個々のチャネルは、合成反応などの反応を実行するために用いることができる。このような反応は、並行して行うことができる。各反応のための試薬は、例えば別々の試薬配送チャネルを介して個々のチャネルに配送することができる。適切な反応条件、例えば温度、圧力および流速は、個々のチャネルで設定することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様において、本明細書において記載されている方法および構成は、マイクロ流体デバイスの中の移動ユニットのトラッキングに関する。トラッキングは、k個の移動ユニットを第1の順序でマイクロ流体デバイスの第1のチャネルを通して移動させること、k個の移動ユニットをz個の分岐チャネルに分割すること、および、k個の移動ユニットを第2の順序で第2のチャネルに移動させることを含むことができる。
【0005】
k個の移動ユニットのそれぞれは、第2の順序に基づいてz個の分岐チャネルの1つにマップ可能でもよい。k個の移動ユニットは、第2のチャネルから第1のチャネルへさらに移動させることができる。第2のチャネルは、第1のチャネルと流体結合していてもよい。k個の移動ユニットを第1の順序でマイクロ流体デバイスの第1のチャネルを通して移動させ、k個の移動ユニットをz個の分岐チャネルに分割して、k個の移動ユニットを第2の順序で第2のチャネルに移動させるステップは、n回繰り返すことができる。いくつかの実施形態では、nは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、75、100、150、200、300、400、500、750、1000であるかもしくは少なくともその値であるか、またはより大きい値である。いくつかの実施形態では、nは、2である。いくつかの実施形態では、nは、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、75、100、150、200、300、400、500、750、1000またはより大きい値である。移動ユニットは、ビーズ、液滴、セル、バブル、スラグまたは非混合性容積でもよい。ビーズは、ガラスまたはシリカビーズ、金属ビーズ、ヒドロゲルまたはポリマービーズまたは耐薬品ポリマービーズを含むことができる。マイクロ流体デバイスは、移動ユニットの平均横断面のx倍以下の最大の横断面を有する少なくともi個のチャネルを含むことができる。いくつかの実施形態では、xは、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1.05、1.02、1.01もしくは1という値であるか、またはその値未満である。いくつかの実施形態では、iは、2、3、4、5、10、20、50、100、1000、5000もしくは10000という値であるか、またはその値より大きい。マイクロ流体デバイスは、500、400、300、250、200、150、100、90、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15または10マイクロメートル以下の最大の横断面を有する、少なくともj個のチャネルを含むことができる。いくつかの実施形態では、jは、2、3、4、5、10、20、50、100、1000、5000もしくは10000という値であるか、またはその値より大きい。いくつかの実施形態では、k個の移動ユニットに対する横断面変動係数は、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%もしくはより小さい値であるか、またはその値未満である。いくつかの実施形態では、異なるセットの試薬が、z個の分岐チャネルの各サブセットまたは全てに配送される。試薬の1つ以上のセットは、2'-デオキシヌクレオシドアミド亜リン酸を含むことができる。第1の順序または第2の順序は、所定のものであってもよい。いくつかの実施形態では、zは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、50もしくはそれより大きい値であるか、またはその値より大きい。z個の分岐チャネルの各サブセットまたは全ては、一方または両方の端でバルブを含むことができる。1つ以上の試薬チャネルは、試薬をz個の分岐チャネルの各サブセットまたは全てに配送するように構成することができる。1つ以上の試薬チャネルの少なくとも1つからの試薬の配送は、バルブによって制御することができる。いくつかの実施形態では、kは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、50、100、500、1000、10000、50000、100000、500000もしくは1000000という値であるか、またはその値より大きい。いくつかの実施形態では、kは、5000000、1000000、500000、100000、50000、10000、1000、500、100、50、30、20もしくはより小さい値であるか、またはその値未満である。いくつかの実施形態では、kは、2~500の間にある。
【0006】
第2の態様において、本明細書において記載されている方法および構成は、マイクロ流体デバイスおよびその使用に関する。マイクロ流体デバイスはz個の分岐チャネルのセットと流体結合している第1のチャネルを含むことができ、z個の分岐チャネルのセットは第1の順序で第1のチャネルから移動ユニットを受け入れるように構成することができ、そして、z個の分岐チャネルのセットと流体結合している第2のチャネルを含むことができ、第2のチャネルは移動ユニットを第2の順序でz個の分岐チャネルのセットから受け入れるように構成することができる。第1または第2の順序は、制御可能でもよい。第2の順序は、z個の分岐チャネルのセットのうち移動ユニットを第2の順序で配送するように構成されている特定のチャネルを決定するものであってもよい。マイクロ流体デバイスは、k個の移動ユニットを含むことができる。マイクロ流体デバイスは、第1のチャネルとz個の分岐チャネルのセットの間にルーター、例えばディストリビュータを含むことができる。いくつかの実施形態では、zは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、50もしくはより大きい値であるか、またはその値より大きい。いくつかの実施形態では、kは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、50、100、500、1000、10000、50000、100000、500000、1000000もしくはより大きい値であるか、またはその値より大きい。いくつかの実施形態では、kは、5000000、1000000、500000、100000、50000、10000、1000、500、100、50、30、20もしくはより小さい値であるか、またはその値未満である。いくつかの実施形態では、kは、2~500の間にある。
【0007】
第3の態様において、本明細書において記載されている方法および構成は、k個の移動ユニットを含むマイクロ流体デバイスに関し、異なる化合物はk個の移動ユニットのそれぞれのそれぞれと関連付けられ、k個の移動ユニットに関連付けられた異なる化合物のそれぞれの合成履歴は、マイクロ流体デバイスのk個の移動ユニットの構成に基づいて決定可能である。マイクロ流体デバイスは、i個の基準マークをさらに含むことができる。k個の移動ユニットの構成は、i個の基準マークに関してj個の移動ユニットの相対位置に依存してもよい。いくつかの実施形態では、iは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10もしくはより大きい値であるか、またはその値より大きい。いくつかの実施形態では、jは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10もしくはより大きい値であるか、またはその値より大きい。いくつかの実施形態では、kは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、50、100、500、1000、10000、50000、100000、500000、1000000もしくはより大きい値であるか、またはその値より大きい。
【0008】
本明細書において記載されている方法および構成の第4の態様は、コンピュータ可読媒体を含むコンピュータと、k個の移動ユニットを含むマイクロ流体デバイスとを含み、異なる化合物が、k個の移動ユニットのそれぞれと関連付けられており、k個の移動ユニットと関連付けられた異なる化合物のそれぞれの合成履歴は、マイクロ流体デバイスのk個の移動ユニットの構成に基づいて決定可能であり、コンピュータは、コンピュータ可読媒体にk個の移動ユニットの位置と関連付けられたデータを繰り返し記録するように構成されている、システムに関する。
【0009】
本明細書において記載されている方法および構成の第5の態様は、コンピュータ可読媒体を含むコンピュータおよびマイクロ流体デバイスを含むシステムに関する。マイクロ流体デバイスは、z個の分岐チャネルのセットと流体結合している第1のチャネルであって、z個の分岐チャネルのセットは移動ユニットを第1の順序で第1のチャネルから受け入れるように構成されている第1のチャネルと、z個の分岐チャネルのセットと流体結合している第2のチャネルであって、移動ユニットを第2の順序でz個の分岐チャネルのセットから受け入れるように構成されている第2のチャネルとを含むことができる。第2の順序は、z個の分岐チャネルのセットのうち移動ユニットを第2の順序で配送するように構成されている特定のチャネルを決定するか予測してもよい。コンピュータは、コンピュータ可読媒体に移動ユニットの位置と関連付けられたデータを繰り返し記録するように構成されてもよい。
【0010】
第6の態様において、本明細書において記載されている方法および構成は、マイクロ流体デバイスの中の移動ユニットのルーティングに関する。方法は、a)k個の移動ユニットを第1の順序でマイクロ流体デバイスの第1のチャネルを通してルーティングすることと、b)k個の移動ユニットをz個の分岐チャネルに分配することと、c)k個の移動ユニットを第2の順序で第2のチャネルへルーティングすることとを含むことができる。ステップaにおけるルーティングは、k個の移動ユニットの少なくともサブセットに対してマイクロ流体デバイスによって所定のユニットルーティングアルゴリズムに従って実行することができる。ユニットルーティングアルゴリズムは、マイクロ流体デバイスの少なくとも1つの分岐ポイントでのルーティング選択を含むことができる。k個の移動ユニットのそれぞれは、z個の分岐チャネルの特定の1つを含むパスにマップ可能でもよい。k個の移動ユニットのそれぞれは、マイクロ流体デバイス内部で移動ユニットの移動をトラッキングするように構成されている少なくとも1つの検出器からのユニットトラッキング情報に基づいて、z個の分岐チャネルの特定の1つを含むパスにマップ可能でもよい。k個の移動ユニットのそれぞれは、第2の順序に基づいてz個の分岐チャネルの特定の1つを含むパスにマップ可能でもよい。ステップcのk個の移動ユニットの少なくともサブセットは、k個の移動ユニットの全てを含んでもよい。第1のチャネルおよび第2のチャネルは、同一であってもよい。ステップbとcとの間で、k個の移動ユニットの少なくともサブセットの流れの向きは、逆転させることができる。ステップbにおいて、少なくとも1つのユニットは第1の分岐チャネル端を通して第1の分岐チャネルにルーティングすることができて、ステップcにおいて、少なくとも1つのユニットは第1の分岐チャネル端を通して第1の分岐チャネルから出てルーティングすることができる。ステップbにおいて、少なくとも1つのユニットは第1の分岐チャネル端を通して第1の分岐チャネルにルーティングすることができて、ステップcにおいて、少なくとも1つのユニットは第1の分岐チャネル端とは異なる第2の分岐チャネル端を通して第1の分岐チャネルから出てルーティングすることができる。方法は、k個の移動ユニットを第2のチャネルから第1のチャネルへルーティングすることをさらに含むことができる。第2のチャネルは、第1のチャネルと流体結合していてもよい。方法は、ステップa~cをn回繰り返すことをさらに含むことができる。nは、2でもよい。nは、2~10でもよい。nは、10~100でもよい。nは、100~1000でもよい。nは3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、75、100、150、200、300、400、500、750、1000またはより大きい値でもよい。nは、少なくとも、もしくは少なくともほぼ、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、75、100、150、200、300、400、500、750、1000であるか、またはより大きくてもよい。ユニットは、ビーズでもよい。移動ユニットは、ビーズ、液滴、セル、バブル、スラグおよび非混合性容積からなるグループから選択することができる。ビーズは、ガラスビーズまたはポリマービーズを含む。マイクロ流体デバイスは、k個の移動ユニットの平均横断面のx倍の最大の横断面を有するi個のチャネルを含むことができる。iは2~10000でもよい。xは1.05~2.0でもよい。iは2~100でもよい。iは100~1000でもよい。マイクロ流体デバイスは、k個の移動ユニットの平均横断面のx倍以下の最大の横断面を有する少なくともi個のチャネルを含むことができる。移動ユニットはビーズでもよい。xは、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1.05もしくはより小さい値でもよく、またはその値未満でもよい。Xは、1.05、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2もしくはより大きい値でもよく、またはその値より大きくてもよい。iは、2、3、4、5、10、20、50、100、1000、5000、10000もしくはより大きい値でもよく、またはその値より大きくてもよい。マイクロ流体デバイスは最大の横断面を有する少なくともj個のチャネルを200マイクロメートル以下含むことができる。jは2~10000でもよい。少なくともj個のチャネルで最大の横断面は、10マイクロメートル以下でもよい。マイクロ流体デバイスは、200マイクロメートル以下の最大の横断面を有する少なくともj個のチャネルを含むことができる。jは、2、3、4、5、10、20、50、100、500、1000、5000、10000またはより大きい値でもよい。k個の移動ユニットのための横断面変動係数は、1%~20%でもよい。k個の移動ユニットのための横断面変動係数は、2%~5%でもよい。k個の移動ユニットのための横断面変動係数は、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%未満であるかまたはより小さくてもよい、方法は、異なる試薬をz個の分岐チャネルのそれぞれに配送することをさらに含むことができる。試薬は、2'-デオキシヌクレオシドアミド亜リン酸を含むことができる。方法は、少なくとも1つの移動ユニットをサイドチャネルに方向付けすることをさらに含むことができる。方法は、サイドチャネルの少なくとも1つの移動ユニットを第2のチャネルに方向付けすることをさらに含むことができる。第1の順序は、所定のものであってもよい。第2の順序は所定のものであってもよい。zは2~10でもよい。zは10~100でもよい。Zは、100~1000でもよい。Zは、少なくとも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、50、100であるか、またはより大きくてもよい。zは、100、50、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2未満であるか、またはより小さくてもよい。z個の分岐チャネルのそれぞれは、1つまたは2つの端上のバルブまたはユニットストッパによっておおわれることができる。1つ以上の試薬チャネルは、試薬をz個の分岐チャネルのそれぞれに配送するように構成することができる。1つ以上の試薬チャネルの少なくとも1つからの試薬の配送は、バルブによって制御することができる。1つ以上の試薬チャネルの少なくとも1つからの試薬の配送は、z個の分岐チャネルおよび試薬チャネルの選択ポイントへの差圧の印加によって制御することができる。kは2~1000000の間でもよい。kは2~5000000でもよい。kは20~100でもよい。kは100~1000でもよい。kは10000~100000でもよい。kは100000~1000000でもよい。kは2~500の間でもよい。Kは、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、50、100、500、1000、10000、50000、100000、500000、1000000であるか、またはより大きくてもよい。kは、5000000、1000000、500000、100000、50000、10000、1000、500、100、50、30または20未満でもよい。少なくとも1つの移動ユニットは、ラベルを含むことができる。第2の順序での少なくとも1つの移動ユニットの位置は、少なくとも1つのユニットのラベルを用いて検査することができる。少なくとも1つの移動ユニットは、ラベルを含むことができる。第1の順序での少なくとも1つの移動ユニットの位置は、少なくとも1つのユニットのラベルを用いて検査することができる。少なくとも1つの移動ユニットは、少なくとも2つの移動ユニットを含むことができる。少なくとも2つの移動ユニットのラベルは、ユニークでなくてもよい。
【0011】
第7の態様において、本明細書において記載されている方法および構成は、a)z個の分岐チャネルのセットと流体結合している第1のチャネルであって、z個の分岐チャネルのセットが移動ユニットを第1の順序で第1のチャネルから受け入れるように構成されている、第1のチャネルと、b)z個の分岐チャネルのセットと流体結合している第2のチャネルであって、移動ユニットを第2の順序でz個の分岐チャネルのセットから受け入れるように構成されている第2のチャネルとを含み、第2の順序は、z個の分岐チャネルのセットのうち移動ユニットを第2の順序で配送するように構成されている、マイクロ流体デバイスに関する。特定の分岐チャネルを決定する第1の順序または第2の順序は、制御可能でもよい。デバイスは、k個の移動ユニットをさらに含むことができる。デバイスは第1のチャネルとz個の分岐チャネルのセットの間にディストリビュータをさらに含むことができる。zは2~50の間でもよい。zは、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、50であるか、またはより大きくてもよい。zは、50、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2未満であるか、またはより小さくてもよい。kは、2~500の間でもよい。kは、2~5000000の間でもよい。kは、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、50、100、500、1000、10000、50000、100000、500000、1000000、5000000であるか、またはより大きくてもよい。kは、5000000、1000000、500000、100000、50000、10000、1000、500、100、50、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2未満であるか、またはより小さくてもよい。
【0012】
第8の態様において、本明細書において記載されている方法および構成は、k個の移動ユニットを含むマイクロ流体デバイスに関し、異なる化合物がk個の移動ユニットのそれぞれのそれぞれと関連付けられ、k個の移動ユニットに関連付けられた異なる化合物のそれぞれの合成履歴は、マイクロ流体デバイスのk個の移動ユニットの構成に基づいて決定可能である。
【0013】
第9の態様において、本明細書において記載されている方法および構成は、k個の移動ユニットを含むマイクロ流体デバイスに関し、異なる化合物がk個の移動ユニットのそれぞれと関連付けられており、k個の移動ユニットのそれぞれに対する処理履歴がマイクロ流体デバイス内のk個の移動ユニットの構成に基づいて決定可能である。処理履歴は、光処理履歴、熱処理履歴、酵素処理履歴、裂開処理履歴、異性化履歴、アセチル化履歴、合成履歴、増幅履歴または反応履歴を含むことができる。マイクロ流体デバイスは、i個の基準マークをさらに含むことができる。k個の移動ユニットの構成は、i個の基準マークに関してj個の移動ユニットの相対位置に依存してもよい。iは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10であるか、またはより大きくてもよい。iは、10、9、8、7、6、5、4、3、2未満であるか、またはより小さくてもよい。jは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10であるか、またはより大きくてもよい。jは、10、9、8、7、6、5、4、3、2未満であるか、またはより小さくてもよい。
【0014】
第10の態様において、本明細書において記載されている方法および構成は、a)コンピュータ可読媒体を含むコンピュータと、b)k個の移動ユニットを含むマイクロ流体デバイスであって、異なる化合物がk個の移動ユニットのそれぞれと関連付けられており、k個の移動ユニットと関連付けられた異なる化合物のそれぞれの処理履歴がマイクロ流体デバイス内のk個の移動ユニットの構成に基づいて決定可能である、マイクロ流体デバイスとを含み、コンピュータは、コンピュータ可読媒体にk個の移動ユニットの位置と関連付けられたデータを繰り返し記録するように構成されている、システムに関する。処理履歴は、光処理履歴、熱処理履歴、酵素処理履歴、裂開処理履歴、異性化履歴、アセチル化履歴、合成履歴、増幅履歴または反応履歴を含むことができる。
【0015】
第11の態様において、本明細書において記載されている方法および構成は、a. コンピュータ可読媒体を含むコンピュータと、b)マイクロ流体デバイスであって、i)z個の分岐チャネルのセットと流体結合している第1のチャネルであって、z個の分岐チャネルの前記セットが移動ユニットを第1の順序で前記第1のチャネルから受け入れるように構成されている、第1のチャネルと、ii)z個の分岐チャネルのセットと流体結合している第2のチャネルであって、移動ユニットを第2の順序でz個の分岐チャネルのセットから受け入れるように構成されている、第2のチャネルとを含むマイクロ流体デバイスとを含み、第2の順序は、z個の分岐チャネルのセットのうち移動ユニットを第2の順序で配送するように構成されている特定のチャネルを決定し、コンピュータは、コンピュータ可読媒体に移動ユニットの位置と関連付けられたデータを繰り返し記録するように構成されている、システムに関する。
【0016】
第12の態様において、本明細書において記載されている方法および構成は、トラッキングの方法に関し、方法が、a)k個の移動ユニットを第1の順序でマイクロ流体デバイスの第1のチャネルを通して移動させることと、b)マイクロ流体デバイスの中のk個の移動ユニットの少なくともサブセットをルーティングして、このことにより第2の順序を作成することと、c)第2の順序と予め指定されたポストルーティング順序との比較を実行することと、d)j個の移動ユニットを、j個の移動ユニットをk個の移動ユニットの少なくともサブセットの残りのものから切り離すことによってステップcの比較に基づいて補正領域に切り離すことと、を含み、k個の移動ユニットの少なくともサブセットの残りのそれぞれがルーティングパスにマップ可能である。ルーティングパスは、ステップbにおけるルーティングステップの後にマップされた移動ユニットの位置を含むことができる。ルーティングパスは、ステップbにおけるルーティングステップの前にマップされた移動ユニットの位置を含むことができる。移動ユニットの位置は、m個のマップする移動ユニットに関してユニットの相対位置順序を含むことができる。Mは、少なくとも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100であるか、またはより大きくてもよい。mは、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2未満であるか、またはより小さくてもよい。m個のマップしている移動ユニットは、マップされた移動ユニットから始まる流体接続されたパスに沿ったマップされた移動ユニットに最も近いm個の移動ユニットを含むことができる。ルーティングは、マイクロ流体デバイスの少なくとも1つの分岐チャネルに分配することを含むことができる。ルーティングは、マイクロ流体デバイスの複数の分岐チャネルからマージすることを含むことができる。補正領域は、マイクロ流体デバイスのチャネルを含むことができる。方法は、j個の移動ユニットの少なくとも1つを、k個の移動ユニットの少なくともサブセットの残りの少なくともサブセットとマージすることをさらに含むことができる。kは、2~500の間でもよい。kは、2~100000の間でもよい。kは、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、50、100、500、1000、10000、50000、100000、500000、1000000であるか、またはより大きくてもよい。kは、5000000、1000000、500000、100000、50000、10000、1000、500、100、50、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2未満であるか、またはより小さくてもよい。少なくとも1つの移動ユニットは、ラベルを含むことができる。第2の順序の少なくとも1つの移動ユニットの位置は、少なくとも1つのユニットのラベルを用いて検査することができる。k個の移動ユニットの少なくとも1つの移動ユニットは、ラベルを含むことができる。第1の順序の少なくとも1つの移動ユニットの位置は、少なくとも1つのユニットのラベルを用いて検査することができる。少なくとも1つの移動ユニットは、少なくとも2つの移動ユニットを含むことができる。少なくとも2つの移動ユニットのラベルはユニークでなくてもよい。jは、1~1000000の間でもよい。jは、少なくとも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、10000、100000、1000000であるか、またはより大きくてもよい。jは、1000000、100000、10000、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、90、80、7、60、50、40、30、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2未満であるか、またはより小さくてもよい。方法はステップa~cをn回繰り返すことをさらに含むことができる。nは、2でもよい。nは、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、75、100、150、200、300、400、500、750、1000またはより大きい値でもよい。nは、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、75、100、150、200、300、400、500、750、1000であるか、またはより大きくてもよい。nは、100、750、500、400、300、200、150、100、75、60、50、40、30、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2未満であるか、またはより小さくてもよい。移動ユニットは、ビーズ、液滴、セル、バブル、スラグおよび非混合性容積からなるグループから選択することができる。ビーズは、ガラスビーズまたはポリマービーズを含むことができる。ステップcの比較は、少なくとも1つの検出器によって少なくとも1つのユニットの位置を第1の順序で検査することを含むことができるステップcの比較は、少なくとも1つの検出器によって少なくとも1つのユニットの位置を第2の順序で検査することを含むことができる。ステップcにおける比較は、ステップbにおけるルーティングが1つ以上のユニットに実行された後に少なくとも1つの検出器によってユニットをカウントすることと、このことによりユニットカウントのリストを生成することと、予め指定されたポストルーティング順序に基づいて、ユニットカウントのリストをユニットカウントの予想されるリストと比較することとを含むことができる。
ステップcにおける比較は、ステップbにおけるルーティングが1つ以上のユニットに実行された後に少なくとも1つの検出器によって1つ以上のユニット上の1つ以上のラベルを検出することと、このことにより検出されたユニットラベルのリストを生成することと、予め指定されたポストルーティング順序に基づいて、検出されたユニットラベルのリストをユニットラベルの予想されるリストと比較することとを含むことができる。
【0017】
第13の態様において、本明細書において記載されている方法および構成は、a)ビーズをキャリア流体に運び込むように構成されているマイクロ流体チャネルと、b)マイクロ流体チャネルを通して検出パスから信号を検出するように構成されている検出器と、c)動作可能な状態で検出器に接続されているコンピュータとを含み、検出パスを通過しているマイクロ流体チャネル内の孤立した単一ビーズの信号を識別するように調整されている、システムに関する。システムは、検出パスを通過しているマイクロ流体チャネル内のn個の隣接したビーズの信号を識別するようにさらに調整されていてもよい。nは、2~100でもよい。nは、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100であるか、またはより大きくてもよい。nは、100、90 80、70、60、50、40、30、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2未満であるか、またはより小さくてもよい。システムは、検出パスを通過しているマイクロ流体チャネル内のガス気泡またはちり粒子の信号を識別するためにさらに調整されていてもよい。システムは、マイクロ流体チャネルから1つ以上のビーズをルーティングするように構成されているルーターをさらに含むことができる。システムは、ルーターに所要のルーティング信号をルーティングして、検出パスを通過している孤立した単一ビーズ、複数の隣接するビーズ、ガス気泡またはちり粒子の識別に応じてルーティングを遂行するように構成することができる。ルーターは、ディストリビュータを含むことができる。システムは、ビーズスペーサをさらに含むことができる。ビーズスペーサは、マイクロ流体チャネルの中に隣接して流れているビーズの間にスペースを置くように構成することができる。システムは、第2のマイクロ流体チャネルをさらに含むことができる。ルーターは、第2のマイクロ流体チャネルへビーズをルーティングするように構成することができる。ルーターは、マージャーを含むことができる。
【0018】
第14の態様において、本明細書において記載されている方法および構成は、a)プライマリチャネルと、b)分岐ポイントと、c)プライマリチャネルに分岐ポイント経由で流体接続されている第1の分岐チャネルと、プライマリチャネル内を流れるユニットを第1の分岐チャネルへルーティングするように構成されている第1のルーターとを含む、マイクロ流体デバイスに関する。第1のルーターは、プライマリチャネルの中の1つ以上の位置と第1の分岐チャネルの中の位置の間に圧力差を引き起こすことによって、プライマリチャネルから第1の分岐チャネルへユニットをルーティングするように構成することができる。デバイスは第2の分岐チャネルをさらに含むことができ、第2の分岐チャネルはプライマリチャネルに分岐ポイント経由で流体接続されている。第1のルーターは、プライマリチャネルの中の1つ以上の位置と第1の分岐チャネルの中の位置および第2の分岐チャネルの中の位置の間に圧力差を引き起こすことによって、プライマリチャネルから第1の分岐チャネルへユニットをルーティングするように構成することができる。第1のルーターは、プライマリチャネルの中の1つ以上の位置と第1の分岐チャネルの中の位置および第2の分岐チャネルの中の位置の間に圧力差を引き起こすことによって、プライマリチャネルから第2の分岐チャネルへユニットをルーティングするように構成することができる。デバイスは、z個の分岐チャネルをさらに含むことができる。第1のルーターは、プライマリチャネルの中の1つ以上の位置と第1の分岐チャネルの中の位置の間の圧力差およびプライマリチャネルの中の1つ以上の位置とz個の分岐チャネルのそれぞれの中の位置の間の圧力差を引き起こすことによって、プライマリチャネルから第1の分岐チャネルへユニットをルーティングするように構成することができる。ルーターが前記分岐ポイント経由で接続されているチャネルの中の流体圧を調整することができるように、ルーターは、圧力コントローラに接続するように構成されている流体放出口のネットワークを含むことができる。分岐チャネルは、プライマリチャネルの別々の位置でプライマリチャネルにつながることができる。デバイスは、分岐チャネルの少なくとも1つからプライマリチャネルへユニットをルーティングするように構成されている第2のルーターをさらに含むことができる。第1のルーターは、第2のルーターを含むことができる。第2のルーターは、マージャーを含むことができる。
【0019】
第15の態様において、本明細書において記載されている方法および構成は、k個の移動ユニットを保持しているマイクロ流体チャネルを含むマイクロ流体デバイスであって、マイクロ流体デバイスがk個の移動ユニットの相対位置順序を維持するように構成されており、マイクロ流体チャネルがキャリア流体内にk個の移動ユニットを流すように構成されている、マイクロ流体デバイスに関する。流体接続のパスに沿って測定されるk個の移動ユニットの各ペアの間の最小距離より大きい距離が存在し得る。最小距離は、k個の移動ユニットのペアの平均直径の少なくとも1.5倍でもよい。最小距離は、k個の移動ユニットのペアの平均直径の2~10000倍でもよい。最小距離は、k個の移動ユニットのペアの平均直径の少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、100、1000、5000、10000倍またはより大きい倍数でもよい。最小距離は、k個の移動ユニットのペアの平均直径の10000、5000、1000、100、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2倍未満であるか、またはより小さくてもよい。マイクロ流体チャネルの幅は、k個の移動ユニットの平均直径の少なくとも2倍でもよい。マイクロ流体チャネルの幅は、k個の移動ユニットの平均直径の、少なくとも2.5、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、1000、10000倍であるか、またはより大きくてもよい。マイクロ流体チャネルの幅は、k個の移動ユニットの平均直径の、50000、10000、1000、100、90、80、70、60、50、50、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2.5、2倍未満であるか、またはより小さくてもよい。
【0020】
第16の態様において、本明細書において記載されている方法および構成は、マイクロ流体デバイスのビーズを分離する方法に関し、方法は、a)第1のマイクロ流体チャネルおよび第2のチャネルを含むマイクロ流体デバイスを提供することであって、第1のマイクロ流体チャネルおよび第2のチャネルは、ビーズスペーサによって接続されている、提供することと、b)第1のマイクロ流体チャネルを通してビーズスペーサの方向へ複数のビーズを移動させることと、c)第1のビーズおよび第2のビーズを連続的にビーズスペーサを通して第2のチャネルに通過させることと、d)キャリア流体の所要の長さが第1のビーズと第2のチャネルの第2のビーズとの間にスペースを置かれるように第2のチャネルを通してキャリア流体を移動させることとを含む。ステップa~dは少なくともn回繰り返すことができる。nは、2~1000000を含むことができる。nは、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、500、1000、5000、10000、100000、1000000であるか、またはより大きくてもよい。nは、多くとも、10000000、1000000、100000、10000、5000、1000、500、100、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2であるか、またはより小さくてもよい。複数のビーズは、2~1000000のビーズを含むことができる。複数のビーズは、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、500、1000、5000、10000、100000、1000000個またはより多くのビーズを含んでもよい。複数のビーズは、多くとも、1000000、100000、10000、5000、1000、500、100、50、40、30、21、10、9、8、7、6、5、4、3、2個またはより少ないビーズを含んでもよい。キャリア流体の所要の長さは、複数のビーズの平均サイズの1~1000倍でもよい。キャリア流体の所要の長さは、複数のビーズの平均サイズの、少なくとも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、25、30、40、50、100、200、300、400、500、600、700、800、900もしくは1000倍であるか、またはより大きくてもよい。キャリア流体の所要の長さは、複数のビーズの平均サイズの、多くとも、10000、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50、40、30、25、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2もしくは1倍であるか、またはより小さくてもよい。複数のビーズは、2~1000000個のビーズを含むことができる。複数のビーズは、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、500、1000、10000、50000、100000、500000、1000000個またはより多くのビーズを含んでもよい。複数のビーズは、多くとも、10000000、1000000、500000、100000、50000、10000、1000、500、100、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2個またはより少ないビーズを含んでもよい。第1のチャネルの幅は、ビーズの平均直径の1~2倍でもよい。第1のチャネルの幅は、ビーズの平均直径の、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1.05もしくは1.01倍未満であるか、またはより小さくてもよい。第1のチャネルの幅は、ビーズの平均直径の、1.01、1.05、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2倍より大きいか、またはより大きい倍数でもよい。第2のチャネルの幅は、ビーズの平均直径の1.01倍、そして、100倍でもよい。第2のチャネルの幅は、ビーズの平均直径の、少なくとも、1.01、1.05、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.5、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90もしくは100倍であるか、またはより大きくてもよい。第2のチャネルの幅は、ビーズの平均直径の、多くとも、1000、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1.05もしくは1.01倍であるか、またはより小さくてもよい。キャリア流体速度は、50メートル/秒、10メートル/秒、1メートル/秒、100ミリメートル/秒、10ミリメートル/秒、11ミリメートル/秒、0.1ミリメートル/秒もしくは0.01ミリメートル/秒未満であるか、またはより遅くてもよい。キャリア流体速度は、少なくとも、0.01、0.1、1、10、100ミリメートル/秒、1、10もしくは50メートル/秒であるかまたはより速くてもよい。第1および第2のビーズは、10秒、1秒、0.1秒、0.01秒、1ミリ秒、0.1ミリ秒、もしくは0.01ミリ秒未満の範囲内またはより速く、ビーズスペーサを通過することができる。
【0021】
第17の態様において、本明細書において記載されている方法および構成は、k個の移動ユニットを保持しているマイクロ流体チャネルを含むマイクロ流体デバイスであって、マイクロ流体デバイスがk個の移動ユニットの相対位置順序を維持するように構成されており、マイクロ流体チャネルがキャリア流体内にk個の移動ユニットを流すように構成されている、マイクロ流体デバイスに関する。マイクロ流体チャネルの幅は、マイクロ流体チャネルの外側で測定されるk個の移動ユニットの平均直径の0.05~2倍でもよい。マイクロ流体チャネルの幅は、マイクロ流体チャネルの外側で測定されるk個の移動ユニットの平均直径の、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1.05、1.01、1、0.95、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.4、0.3、0.2、0.1もしくは0.05倍未満であるか、またはより小さくてもよい。マイクロ流体チャネルの幅は、マイクロ流体チャネルの外側で測定されるk個の移動ユニットの平均直径の、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、0.95、1、1.01、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9もしくは1.95倍より大きいか、またはより大きくてもよい。デバイスは、マイクロ流体チャネルの移動方向に沿ったマイクロ流体チャネルの中にk個の移動ユニットを移動させるように構成することができる。k個の移動ユニットの平均直径の2倍未満のマイクロ流体チャネルの移動方向に沿ったマイクロ流体チャネルの中にあるk個の移動ユニットの隣接ペアの間の中心間距離が存在し得る。中心間距離は、k個の移動ユニットの平均直径の0.01~1.9倍でもよい。中心間距離は、k個の移動ユニットの平均直径の、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1、0.9、0.8、0.7、0.65、0.6、0.55、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05もしくは0.01倍未満であるか、またはより小さくてもよい。中心間距離は、k個の移動ユニットの平均直径の、0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9もしくは2倍より大きいか、またはより大きくてもよい。デバイスは、マイクロ流体チャネルの中のk個の移動ユニットをマイクロ流体チャネルの移動方向に沿って移動させるように構成することができる。マイクロ流体チャネルの移動方向に沿ったマイクロ流体チャネルの中のk個の移動ユニットの隣接ペア間の最短距離は、マイクロ流体チャネルの外側で測定されるk個の移動ユニットの平均直径の、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1、0.9、0.8、0.7、0.65、0.6、0.55、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05もしくは0.01倍未満であるか、またはより小さくてもよい。マイクロ流体チャネルの移動方向に沿ったマイクロ流体チャネルの中のk個の移動ユニットの隣接ペア間の最短距離は、マイクロ流体チャネルの外側で測定されるk個の移動ユニットの平均直径の、0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9もしくは2倍より大きいか、またはより大きくてもよい。マイクロ流体チャネルの平均幅からの最大偏差は、20%、15%、10%、5%、4%、3%、2%、1%、0.1%未満であるか、またはより小さくてもよい。マイクロ流体チャネルの平均幅からの最大偏差は、0.1%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%を超えるか、またはより大きくてもよい。k個の移動ユニットの直径の変動係数は、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%未満であるか、またはより小さくてもよい。k個の移動ユニットの直径の変動係数は、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%または10%より大きい。
【0022】
第18の態様において、本明細書において記載されている方法および構成は、k個の移動ユニットを含むマイクロ流体デバイスに関し、k個の移動ユニットの直径の変動係数は、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%未満であるか、またはより小さい。k個の移動ユニットの直径の変動係数は、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%を超えるか、またはより大きくてもよい。
【0023】
第19の態様において、本明細書において記載されている方法および構成はソートの方法に関し、方法は、a)k個の移動ユニットを提供することと、b)k個の移動ユニットをユニットサイズソーターに導入することと、c)ユニットサイズの所定の範囲外となっているサイズを有するk個の移動ユニットのサブセットを、k個の移動ユニットの残りから切り離すことと、d)k個の移動ユニットの残りの少なくともサブセットをマイクロ流体デバイスに導入することとを含む。ユニットサイズの所定の範囲の上限は、所定の範囲の下限の、1.3、1.25、1.2、1.15、1.14、1.13、1.12、1.11、1.1、1.09、1.08、1.07、1.06、1.05、1.03もしくは1.02倍未満であるか、またはより小さくてもよい。ユニットサイズの所定の範囲の上限は、所定の範囲の下限の、1.02、1.03、1.05、1.06、1.07、1.08、1.09、1.1、1.11、1.12、1.13、1.14、1.15、1.2、1.25もしくは1.3倍を超えるか、またはそれより大きくてもよい。
【0024】
第20の態様において、本明細書において記載されている方法および構成は、マイクロ流体デバイスのユニットを切り離す方法に関し、方法は、a)第1のマイクロ流体チャネルおよび第2のチャネルを含むマイクロ流体デバイスを提供することであって、第1のマイクロ流体チャネルおよび第2のチャネルがユニットスペーサによって接続されている、提供することと、b)複数のユニットを第1のマイクロ流体チャネルを通してユニットスペーサの方向へ移動させることと、c)第1のユニットおよび第2のユニットを連続的にユニットスペーサを通して第2のチャネルに通過させることと、d)キャリア流体を、キャリア流体の所要の長さが第2のチャネルの第1のユニットと第2のユニットの間にスペースを置かれるように、第2のチャネルを通して移動させることとを含む。ステップa~dは少なくともn回繰り返すことができる。nは、2~1000000でもよい。nは、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、500、1000、5000、10000、100000、1000000であるか、またはより大きくてもよい。nは、多くとも、10000000、1000000、100000、10000、5000、1000、500、100、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2であるか、またはより小さくてもよい。複数のユニットは、2~1000000個のユニットを含むことができる。複数のユニットは、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、500、1000、5000、10000、100000、1000000個のユニットまたはより多いユニットを含むことができる。複数のユニットは、多くとも、1000000、100000、100000、5000、1000、500、100、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2個またはより少ないユニットを含むことができる。キャリア流体の所要の長さは、複数のユニットの平均サイズの1~1000倍でもよい。キャリア流体の所要の長さは、複数のユニットの平均サイズの少なくとも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、25、30、40、50、100、200、300、400、500、600、700、800、900もしくは1000倍であるか、またはより大きくてもよい。キャリア流体の所要の長さは、複数のユニットの平均サイズの多くとも、10000、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50、40、30、25、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2もしくは1倍であるか、またはより小さくてもよい。第1のチャネルの幅は、ユニットの平均直径の1~2倍でもよい。第1のチャネルの幅は、ユニットの平均直径の、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2もしく1.1倍未満であるか、またはより小さくてもよい。第1のチャネルの幅はユニットの平均直径の1.05、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2倍より大きいか、またはより大きくてもよい。第2のチャネルの幅は、ユニットの平均直径の1.05~100倍でもよい。第2のチャネルの幅は、ユニットの平均直径の、少なくとも、1.05、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.5、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90または100倍であるか、またはより大きくてもよい。第2のチャネルの幅はユニットの平均直径の、多くとも、1000、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1または1.05倍であるか、またはより小さくてもよい。キャリア流体速度は、少なくとも、0.01、0.1、1、10、100ミリメートル/秒、1、10または50メートル/秒であるか、またはより速くてもよい。キャリア流体速度は、50メートル/秒、10メートル/秒、1メートル/秒、100ミリメートル/秒、10ミリメートル/秒、11ミリメートル/秒、0.1ミリメートル/秒もしくは0.01ミリメートル/秒未満であるか、またはより遅くてもよい。第1および第2のユニットは、0.01ミリ秒~10秒以内にユニットスペーサを通過することができる。第1および第2のユニットは、10秒、1秒、0.1秒、0.01秒、1ミリ秒、0.1ミリ秒、0.01ミリ秒未満内またはそれより速くユニットスペーサを通過することができる。マイクロ流体デバイスは、複数のユニットの相対位置順序を維持するように構成することができる。複数のユニットは、ビーズ、液滴、セル、バブル、スラグおよび非混合性容積からなるグループから選択することができる。ビーズは、ガラスビーズまたはポリマービーズを含むことができる。
【0025】
第21の態様において、本明細書において記載されている方法および構成は、a)コンピュータ可読媒体を含むコンピュータと、b)流体連結しているr個のルーターおよびc個のマイクロ流体チャネルを含むマイクロ流体デバイスであって、r個のルーターがk個の移動ユニットをc個のマイクロ流体チャネルの少なくともサブセットを通してルーティングするように構成されている、マイクロ流体デバイスと、c)動作可能な状態でコンピュータに接続されているd個の検出器であって、検出器が少なくともc個のマイクロ流体チャネルまたは少なくともr個のルーターを通して検出パスからの信号を検出するように構成されている、d個の検出器と、を含み、コンピュータが、少なくともd個の検出器から検出された信号と関連付けられたデータを繰り返しコンピュータ可読媒体に記録して、k個の移動ユニットの少なくともサブセットのためのルーティングパスを生成するように構成されている、システムに関する。cは、2~1000でもよい。cは、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、32、40、48、50、60、64、70、72、80、90、96、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000であるか、またはより大きくてもよい。cは、多くとも、10000、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、96、90、80、72、70、64、60、50、48、40、32、30、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2であるか、またはより小さくてもよい。dは、2~1000でもよい。dは、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、32、40、48、50、60、64、70、72、80、90、96、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000であるか、またはより大きくてもよい。dは、多くとも、10000、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、96、90、80、72、70、64、60、50、48、40、32、30、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2であるか、またはより小さくてもよい。rは、2~1000でもよい。rは、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、32、40、48、50、60、64、70、72、80、90、96、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000であるか、またはより大きくてもよい。rは、多くとも、10000、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、96、90、80、72、70、64、60、50、48、40、32、30、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2であるか、またはより小さくてもよい。kは、2~1000000でもよい。kは、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、50、100、500、1000、10000、50000、100000、500000、1000000であるか、またはより大きくてもよい。kは、多くとも、5000000、1000000、500000、100000、50000、10000、1000、500、100、50、30、20であるか、またはより小さくてもよい。システムは、k個の移動ユニットの少なくともj個のユニットをc個のマイクロ流体チャネルの第1のチャネルにn回ルーティングするようにさらに構成することができる。nは、2~1000でもよい。nは、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、32、40、48、50、60、64、70、72、80、90、96、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000であるか、またはより大きくてもよい。nは、多くとも、10000、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、96、90、80、72、70、64、60、50、48、40、32、30、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2であるか、またはより小さくてもよい。jは、2~5000000でもよい。jは、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、50、100、500、1000、10000、50000、100000、500000、1000000、5000000であるか、またはより大きくてもよい。jは、多くとも、5000000、1000000、500000、100000、50000、10000、1000、500、100、50、30、20であるか、またはより小さくてもよい。k個の移動ユニットは、ビーズ、液滴、セル、バブル、スラグおよび非混合性容積からなるグループから選択することができる。c個のルーターは、1つ以上のディストリビュータ、マージャーまたはスペーサを含むことができる。ルーティングパスは、ルーターの下流に、マップされた移動ユニットの位置を含むことができる。ルーティングパスは、ルーターの上流に、マップされた移動ユニットの位置を含むことができる。移動ユニットの位置はリスペクトtom個のマップしている移動ユニットを有するユニットの相対位置順序を含むことができる。移動ユニットの位置は、m個のマップする移動ユニットに関してユニットの相対位置順序を含むことができる。mは、1~100でもよい。mは、少なくとも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100であるか、またはより大きくてもよい。mは、多くとも、100、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2であるか、またはより小さくてもよい。m個のマップしている移動ユニットは、マップされた移動ユニットから始まる流体接続されたパスに沿ったマップされた移動ユニットに最も近いm個の移動ユニットを含むことができる。r個のルーターは、マイクロ流体デバイスを通して所定のユニットルーティングアルゴリズムに従って移動ユニットをルーティングするように構成することができる。コンピュータは、r個のルーターの少なくとも1つによるルーティングイベントの後のk個の移動ユニットの少なくともサブセットに対する第1のポストルーティング順序と、予め指定されたポストルーティング順序との間の比較を実行するように構成することができる。コンピュータは、比較に基づいて、k個の移動ユニットの少なくともサブセットのうちi個のためのルーティングパスを生成するように構成することができる。r個のルーターは、i個の移動ユニットのためのルーティングパスに従ってi個の移動ユニットをルーティングするように構成することができる。iは、2~1000000でもよい。iは、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、50、100、500、1000、10000、50000、100000、500000、1000000であるか、またはより大きくてもよい。iは、多くとも、5000000、1000000、500000、100000、50000、10000、1000、500、100、50、30、20であるか、またはより小さくてもよい。r個のルーターは、比較に基づいて、k個の移動ユニットの少なくともサブセットの残りのものからのj個の移動ユニットを補正領域に分離するように構成することができる。r個のルーターは、移動ユニットをランダムにマイクロ流体デバイスを通してルーティングするように構成することができる。
【0026】
第22の態様において、本明細書において記載されている方法および構成は、トラッキングの方法に関し、方法は、a)第1のマイクロ流体チャネルおよび第1のマイクロ流体チャネルと流体接続している第2のマイクロ流体チャネルを含む、マイクロ流体デバイスを提供することと、b)k個の移動ユニットを、順序付けされたフローで第1のマイクロ流体チャネルを通して第2のマイクロ流体チャネルにルーティングすることとを含む。第1のマイクロ流体チャネルおよび第2のマイクロ流体チャネルは、同一でもよい。第1のマイクロ流体チャネルおよび第2のマイクロ流体チャネルは、接合管、ユニットスペーサ、ディストリビュータまたはマージャーによって接続することができる。マイクロ流体デバイスは、第3のマイクロ流体チャネルをさらに含むことができる。方法は、複数の移動ユニットを順序付けされたフローで第2のマイクロ流体チャネルを通して第3のマイクロ流体チャネルへルーティングすることをさらに含むことができる。第2のマイクロ流体チャネルおよび第3のマイクロ流体チャネルは、同一でもよい。第1のマイクロ流体チャネルおよび第3のマイクロ流体チャネルは、同一でもよい。第2のマイクロ流体チャネルおよび第3のマイクロ流体チャネルは、接合管、ユニットスペーサ、ディストリビュータまたはマージャーによって接続することができる。第1のマイクロ流体チャネルの幅は、マイクロ流体チャネルの外側で測定されるk個の移動ユニットの平均直径の0.01~2倍でもよい。第1のマイクロ流体チャネルの幅は、マイクロ流体チャネルの外側で測定される、k個の移動ユニットの平均直径の、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1、0.9、0.8、0.7、0.65、0.6、0.55、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05、0.01倍未満であるか、またはより小さくてもよい。第1のマイクロ流体チャネルの幅は、マイクロ流体チャネルの外側で測定されるk個の移動ユニットの平均直径の、0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2倍より大きいか、またはより大きくてもよい。第2のマイクロ流体チャネルの幅は、ユニットの平均直径の1.05~100倍でもよい。第2のマイクロ流体チャネルの幅は、ユニットの平均直径の、1.05、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.5、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100倍より大きいか、またはより大きくてもよい。第2のマイクロ流体チャネルの幅は、ユニットの平均直径の、1000、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1.05倍未満であるか、またはより小さくてもよい。第3のマイクロ流体チャネルの幅は、マイクロ流体チャネルの外側で測定されるk個の移動ユニットの平均直径の、0.01~2倍でもよい。第3のマイクロ流体チャネルの幅は、マイクロ流体チャネルの外側で測定されるk個の移動ユニットの平均直径の、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1、0.9、0.8、0.7、0.65、0.6、0.55、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05、0.01倍未満であるか、またはより小さくてもよい。第3のマイクロ流体チャネルの幅は、マイクロ流体チャネルの外側で測定されるk個の移動ユニットの平均直径の、0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2倍より大きいか、またはより大きくてもよい。第1のマイクロ流体チャネルの幅は、ユニットの平均直径の1.05~100倍でもよい。第1のマイクロ流体チャネルの幅は、ユニットの平均直径の、1.05、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.5、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100倍より大きいか、またはより大きくてもよい。第1のマイクロ流体チャネルの幅は、ユニットの平均直径の1000、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1.05倍未満であるか、またはより小さくてもよい。第2のマイクロ流体チャネルの幅は、マイクロ流体チャネルの外側で測定されるk個の移動ユニットの平均直径の、0.01~2倍でもよい。第2のマイクロ流体チャネルの幅は、マイクロ流体チャネルの外側で測定されるk個の移動ユニットの平均直径の、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1、0.9、0.8、0.7、0.65、0.6、0.55、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05、0.01倍未満であるか、またはより小さくてもよい。第2のマイクロ流体チャネルの幅は、マイクロ流体チャネルの外側で測定されるk個の移動ユニットの平均直径の、0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2倍より大きいか、またはより大きくてもよい。第3のマイクロ流体チャネルの幅は、ユニットの平均直径の1.05~100倍でもよい。第3のマイクロ流体チャネルの幅は、ユニットの平均直径の、1.05、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.5、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100倍より大きいか、またはより大きくてもよい。第3のマイクロ流体チャネルの幅は、ユニットの平均直径の、1000、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1.05倍未満であるか、またはより小さくてもよい。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
マイクロ流体デバイス内の移動ユニットをルーティングする方法であって、
a. k個の移動ユニットを第1の順序で前記マイクロ流体デバイスの第1のチャネルを通してルーティングすることと、
b. 前記k個の移動ユニットの少なくともサブセットをz個の分岐チャネルに分配することと、
c. 前記k個の移動ユニットの少なくともサブセットを第2の順序で第2のチャネルにルーティングすることと
を含む方法。
(項目2)
ステップbにおける前記ルーティングが、前記k個の移動ユニットの少なくともサブセットに対して前記マイクロ流体デバイスを通して所定のユニットルーティングアルゴリズムに従って実行される、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記ユニットルーティングアルゴリズムが、前記マイクロ流体デバイスの少なくとも1つの分岐ポイントでのルーティング選択を含む、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記k個の移動ユニットのそれぞれが、前記z個の分岐チャネルの特定の1つを含むパスにマップ可能である、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記k個の移動ユニットのそれぞれが、前記マイクロ流体デバイス内部での移動ユニットの前記変化をトラッキングするように構成されている少なくとも1つの検出器からのユニットトラッキング情報に基づいて、前記z個の分岐チャネルの特定の1つを含むパスにマップ可能である、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記k個の移動ユニットのそれぞれが、前記第2の順序に基づいて前記z個の分岐チャネルの特定の1つを含むパスにマップ可能である、項目4に記載の方法。
(項目7)
ステップcの前記k個の移動ユニットの前記少なくともサブセットが前記k個の移動ユニットの全てを含む、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記第1のチャネルおよび前記第2のチャネルが同一である、項目1に記載の方法。
(項目9)
ステップbとcとの間で、前記k個の移動ユニットの少なくともサブセットの前記流れの向きが逆転されている、項目1に記載の方法。
(項目10)
ステップbにおいて、少なくとも1つのユニットが第1の分岐チャネル端を通して第1の分岐チャネルにルーティングされ、ステップcにおいて、前記少なくとも1つのユニットは前記第1の分岐チャネルから出て前記第1の分岐チャネル端を通してルーティングされる、項目1に記載の方法。
(項目11)
ステップbにおいて、少なくとも1つのユニットが第1の分岐チャネル端を通して第1の分岐チャネルにルーティングされ、ステップcにおいて、前記少なくとも1つのユニットは前記第1の分岐チャネルから出て第1の分岐チャネル端とは異なる第2の分岐チャネル端を通してルーティングされる、項目1に記載の方法。
(項目12)
前記方法が、前記k個の移動ユニットを前記第2のチャネルから前記第1のチャネルへルーティングすることをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目13)
前記第2のチャネルが前記第1のチャネルと流体結合している、項目1に記載の方法。
(項目14)
ステップa~cをn回繰り返すことをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目15)
nが2である、項目14に記載の方法。
(項目16)
nが2~10である、項目14に記載の方法。
(項目17)
nが10~100である、項目14に記載の方法。
(項目18)
nが100~1000である、項目14に記載の方法。
(項目19)
nが、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、75、100、150、200、300、400、500、750または1,000である、項目14に記載の方法。
(項目20)
nが、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、75、100、150、200、300、400、500、750または1000である、項目14に記載の方法。
(項目21)
前記移動ユニットがビーズである、項目1に記載の方法。
(項目22)
前記移動ユニットがビーズ、液滴、セル、バブル、スラグおよび非混合性容積からなるグループから選択される、項目1に記載の方法。
(項目23)
前記ビーズがガラスビーズまたはポリマービーズを含む、項目21に記載の方法。
(項目24)
前記マイクロ流体デバイスが、前記k個の移動ユニットの平均横断面のx倍の最大の横断面を有するi個のチャネルを含み、iは2~10000であり、xは1.05~2.0である、項目1に記載の方法。
(項目25)
iが2~100である、項目24に記載の方法。
(項目26)
iが100~1000である、項目24に記載の方法。
(項目27)
前記マイクロ流体デバイスが、前記k個の移動ユニットの平均横断面のx倍以下の最大の横断面を有する少なくともi個のチャネルを含む、項目1に記載の方法。
(項目28)
前記移動ユニットがビーズである、項目27に記載の方法。
(項目29)
xが、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1または1.05である、項目27に記載の方法。
(項目30)
iが、2、3、4、5、10、20、50、100、1000、5000または10000である、項目27に記載の方法。
(項目31)
前記マイクロ流体デバイスが200マイクロメートル以下の最大の横断面を有する少なくともj個のチャネル含み、jが2~10000である、項目1に記載の方法。
(項目32)
前記少なくともj個のチャネルの前記最大の横断面が10マイクロメートル以下である、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記マイクロ流体デバイスが、200マイクロメートル以下の最大の横断面を有する少なくともj個のチャネルを含む、項目1に記載の方法。
(項目34)
jが、2、3、4、5、10、20、50、100、500、1000、5000または10000である、項目31に記載の方法。
(項目35)
前記k個の移動ユニットに対する横断面変動係数が1%~20%である、項目1に記載の方法。
(項目36)
前記k個の移動ユニットに対する横断面変動係数が2%~5%である、項目35に記載の方法。
(項目37)
前記k個の移動ユニットに対する横断面変動係数が、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%未満である、項目1に記載の方法。
(項目38)
異なる試薬を前記z個の分岐チャネルのそれぞれに配送することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目39)
前記試薬が2'-デオキシヌクレオシドアミド亜リン酸を含む、項目38に記載の方法。
(項目40)
少なくとも1つの移動ユニットをサイドチャネルに方向付けすることをさらに含む、項目1または38に記載の方法。
(項目41)
前記逆チャネルの前記少なくとも1つの移動ユニットを前記第2のチャネルに方向付けすることをさらに含む、項目40に記載の方法。
(項目42)
前記第1の順序が所定のものである、項目1または14に記載の方法。
(項目43)
前記第2の順序が所定のものである、項目1、14または42に記載の方法。
(項目44)
zが2~10である、項目1に記載の方法。
(項目45)
zが10~100である、項目1に記載の方法。
(項目46)
zが100~1000である、項目1に記載の方法。
(項目47)
zが、少なくとも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、50または100である、項目1に記載の方法。
(項目48)
zが、100、50、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3または2未満である、項目1または47に記載の方法。
(項目49)
前記z個の分岐チャネルのそれぞれが、1つまたは2つの端部のバルブまたはユニットストッパによっておおわれている、項目1に記載の方法。
(項目50)
1つ以上の試薬チャネルが試薬を前記z個の分岐チャネルのそれぞれに配送するように構成されている、項目1に記載の方法。
(項目51)
1つ以上の前記試薬チャネルの少なくとも1つからの試薬の配送がバルブによって制御される、項目50に記載の方法。
(項目52)
kが2~1000000の間にある、項目1に記載の方法。
(項目53)
kが2~5000000の間にある、項目52に記載の方法。
(項目54)
kが20~100の間にある、項目53に記載の方法。
(項目55)
kが100~1000の間にある、項目53に記載の方法。
(項目56)
kが10000~100000の間にある、項目53に記載の方法。
(項目57)
kが100000~1000000の間にある、項目53に記載の方法。
(項目58)
kが2~500の間にある、項目1に記載の方法。
(項目59)
kが、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、50、100、500、1000、10000、50000、100000、500000または1000000である、項目1に記載の方法。
(項目60)
kが、5000000、1000000、500000、100000、50000、10000、1000、500、100、50、30または20未満である、項目1または59に記載の方法。
(項目61)
少なくとも1つの移動ユニットがラベルを含み、前記少なくとも1つの移動ユニットの位置が前記第2の順序で前記少なくとも1つのユニットのラベルを用いて検査される、項目1、14または42に記載の方法。
(項目62)
少なくとも1つの移動ユニットがラベルを含み、前記少なくとも1つの移動ユニットの位置が前記第1の順序で前記少なくとも1つのユニットのラベルを用いて検査される、項目1、14または43に記載の方法。
(項目63)
前記少なくとも1つの移動ユニットが少なくとも2つの移動ユニットで含み、かつ前記少
なくとも2つの移動ユニットの前記ラベルがユニークではない、項目61または62に
記載の方法。
(項目64)
a. z個の分岐チャネルのセットと流体結合している第1のチャネルであって、z個の分岐チャネルのセットが移動ユニットを第1の順序で第1のチャネルから受け入れるように構成されている、第1のチャネルと、
b. z個の分岐チャネルの前記セットと流体結合している第2のチャネルであって、移動ユニットを第2の順序でz個の分岐チャネルの前記セットから受け入れるように構成されている、第2のチャネルと
を含み、
前記第2の順序は、z個の分岐チャネルの前記セットのうち移動ユニットを前記第2の順序で配送するように構成されている特定の分岐チャネルを決定する、
マイクロ流体デバイス。
(項目65)
前記第1の順序または前記第2の順序が制御可能である、項目61に記載のマイクロ流体デバイス。
(項目66)
k個の移動ユニットをさらに含む、項目61に記載のマイクロ流体デバイス。
(項目67)
前記第1のチャネルとz個の分岐チャネルの前記セットの間のディストリビュータをさらに含む、項目61に記載のマイクロ流体デバイス。
(項目68)
zが2~50の間にある、項目64に記載のマイクロ流体デバイス。
(項目69)
zが、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30または50である、項目68に記載のマイクロ流体デバイス。
(項目70)
zが、50、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3または2未満である、項目68または69に記載のマイクロ流体デバイス。
(項目71)
kが2~500の間にある、項目66に記載のマイクロ流体デバイス。
(項目72)
kが2~5000000の間にある、項目66に記載のマイクロ流体デバイス。
(項目73)
kが、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、50、100、500、1000、10000、50000、100000、500000、1000000または5000000である、項目66に記載のマイクロ流体デバイス。
(項目74)
kが、5000000、1000000、500000、100000、50000、10000、1000、500、100、50、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3または2未満である、項目72または73に記載のマイクロ流体デバイス。
(項目75)
k個の移動ユニットを含むマイクロ流体デバイスであって、異なる化合物が前記k個の移動ユニットのそれぞれと関連付けられており、前記k個の移動ユニットと関連付けられた前記異なる化合物のそれぞれの合成履歴が前記マイクロ流体デバイス内の前記k個の移動ユニットの構成に基づいて決定可能である、マイクロ流体デバイス。
(項目76)
k個の移動ユニットを含むマイクロ流体デバイスであって、異なる化合物が前記k個の移動ユニットのそれぞれと関連付けられており、前記k個の移動ユニットのそれぞれに対する処理履歴が前記マイクロ流体デバイス内の前記k個の移動ユニットの構成に基づいて決定可能である、マイクロ流体デバイス。
(項目77)
前記処理履歴が、光処理履歴、熱処理履歴、酵素処理履歴、裂開処理履歴、異性化履歴、アセチル化履歴、合成履歴、増幅履歴または反応履歴を含む、項目76に記載のマイクロ流体デバイス。
(項目78)
前記マイクロ流体デバイスがi個の基準マークをさらに含む、項目75、76または77に記載のマイクロ流体デバイス。
(項目79)
前記k個の移動ユニットの前記構成が前記i個の基準マークに関してj個の移動ユニットの前記相対位置に依存する、項目75、76または77に記載のマイクロ流体デバイス。
(項目80)
iが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれを超える、項目78または79に記載のマイクロ流体デバイス。
(項目81)
jが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれを超える、項目79に記載のマイクロ流体デバイス。
(項目82)
a. コンピュータ可読媒体を含むコンピュータと、
b. k個の移動ユニットを含むマイクロ流体デバイスであって、異なる化合物が前記k個の移動ユニットのそれぞれと関連付けられており、前記k個の移動ユニットと関連付けられた前記異なる化合物のそれぞれの処理履歴が前記マイクロ流体デバイス内の前記k個の移動ユニットの構成に基づいて決定可能である、マイクロ流体デバイスと
を含み、
前記コンピュータは、前記コンピュータ可読媒体に前記k個の移動ユニットの位置と関連付けられたデータを繰り返し記録するように構成されている、
システム。
(項目83)
前記処理履歴が、光処理履歴、熱処理履歴、酵素処理履歴、裂開処理履歴、異性化履歴、アセチル化履歴、合成履歴、増幅履歴または反応履歴を含む、項目82に記載のシステム。
(項目84)
a. コンピュータ可読媒体を含むコンピュータと、
b. マイクロ流体デバイスであって、
i. z個の分岐チャネルのセットと流体結合している第1のチャネルであって、z個の分岐チャネルの前記セットが移動ユニットを第1の順序で前記第1のチャネルから受け入れるように構成されている、第1のチャネルと、
ii. z個の分岐チャネルの前記セットと流体結合している第2のチャネルであって、移動ユニットを第2の順序でz個の分岐チャネルの前記セットから受け入れるように構成されている、第2のチャネルと
を含む、マイクロ流体デバイスと
を含み、
前記第2の順序は、z個の分岐チャネルの前記セットのうち移動ユニットを前記第2の順序で配送するように構成されている特定のチャネルを決定し、
前記コンピュータは、前記コンピュータ可読媒体に前記移動ユニットの位置と関連付けられたデータを繰り返し記録するように構成されている、
システム。
(項目85)
トラッキングの方法であって、
a. k個の移動ユニットを第1の順序でマイクロ流体デバイスの第1のチャネルを通して移動させることと、
b. 前記マイクロ流体デバイスの中の前記k個の移動ユニットの少なくともサブセットをルーティングして、このことにより第2の順序を作成することと、
c. 前記第2の順序と予め指定されたポストルーティング順序との比較を実行することと、
d. j個の移動ユニットを、前記j個の移動ユニットを前記k個の移動ユニットの少なくともサブセットの残りのものから切り離すことによってステップcの前記比較に基づいて補正領域に切り離すことと
を含み、
前記k個の移動ユニットの少なくともサブセットの前記残りのそれぞれがルーティングパスにマップ可能である、
方法。
(項目86)
前記ルーティングパスが、ステップbにおける前記ルーティングステップの後にマップされた移動ユニットの前記位置を含む、項目85に記載の方法。
(項目87)
前記ルーティングパスが、ステップbにおける前記ルーティングステップの前にマップされた移動ユニットの前記位置を含む、項目85に記載の方法。
(項目88)
移動ユニットの前記位置が、m個のマップしている移動ユニットに関して前記ユニットの相対位置順序を含む、項目86または87に記載の方法。
(項目89)
mが、少なくとも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50または100である、項目88に記載の方法。
(項目90)
mが、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3または2未満である、項目88または89に記載の方法。
(項目91)
前記m個のマップしている移動ユニットが、前記マップされた移動ユニットから始まる流体接続されたパスに沿った前記マップされた移動ユニットに最も近いm個の移動ユニットを含む、項目88に記載のシステム。
(項目92)
ルーティングが、前記マイクロ流体デバイスの少なくとも1つの分岐チャネルに分配することを含む、項目85に記載の方法。
(項目93)
ルーティングが、前記マイクロ流体デバイスの複数の分岐チャネルからのマージを含む、項目85に記載の方法。
(項目94)
前記補正領域が前記マイクロ流体デバイスのチャネルを含む、項目85に記載の方法。
(項目95)
前記j個の移動ユニットの少なくとも1つを、前記k個の移動ユニットの少なくともサブセットの前記残りの少なくともサブセットとマージすることをさらに含む、項目85に記載の方法。
(項目96)
kが2~500の間にある、項目85に記載の方法。
(項目97)
kが2~100000の間にある、項目85に記載の方法。
(項目98)
kが、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、50、100、500、1000、10000、50000、100000、500000または1000000である、項目85に記載の方法。
(項目99)
kが、5000000、1000000、500000、100000、50000、10000、1000、500、100、50、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3または2未満である、項目85または98に記載の方法。
(項目100)
少なくとも1つの移動ユニットがラベルを含み、前記少なくとも1つの移動ユニットの位置が前記第2の順序で前記少なくとも1つのユニットのラベルを用いて検査される、項目85に記載の方法。
(項目101)
前記k個の移動ユニットの少なくとも1つの移動ユニットがラベルを含み、前記少なくとも1つの移動ユニットの位置が前記第1の順序で前記少なくとも1つのユニットのラベルを用いて検査される、項目85に記載の方法。
(項目102)
前記少なくとも1つの移動ユニットが少なくとも2つの移動ユニットを含み、前記少なくとも2つの移動ユニットの前記ラベルがユニークではない、項目100または101に記載の方法。
(項目103)
jが1~1000000の間にある、項目85に記載の方法。
(項目104)
jが、少なくとも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、10000、100000または1000000である、項目85に記載の方法。
(項目105)
jが、1000000、100000、10000、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、90、80、7、60、50、40、30、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3または2未満である、項目85または104に記載の方法。
(項目106)
ステップa~cをn回繰り返すことをさらに含む、項目85または95に記載の方法。
(項目107)
nが2である、項目105に記載の方法。
(項目108)
nが、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、75、100、150、200、300、400、500、750または1000である、項目105に記載の方法。
(項目109)
nが少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、75、100、150、200、300、400、500、750または1000である、項目105に記載の方法。
(項目110)
nが、100、750、500、400、300、200、150、100、75、60、50、40、30、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3または2未満である、項目105または109に記載の方法。
(項目111)
前記移動ユニットがビーズ、液滴、セル、バブル、スラグおよび非混合性容積からなるグループから選択される、項目85に記載の方法。
(項目112)
ビーズがガラスビーズまたはポリマービーズを含む、項目110に記載の方法。
(項目113)
ステップcにおける前記比較が、少なくとも1つの検出器によって少なくとも1つのユニットの位置を前記第1の順序で検査することを含む、項目85に記載の方法。
(項目114)
ステップcにおける前記比較が、少なくとも1つの検出器によって少なくとも1つのユニットの位置を前記第2の順序で検査することを含む、項目85に記載の方法。
(項目115)
ステップcにおける前記比較は、ステップbにおける前記ルーティングが1つ以上のユニットに実行された後に少なくとも1つの検出器によってユニットをカウントすることと、このことによりユニットカウントのリストを生成することと、前記予め指定されたポストルーティング順序に基づいて、ユニットカウントの前記リストをユニットカウントの予想されるリストと比較することとを含む、項目85または105に記載の方法。
(項目116)
ステップcにおける前記比較は、ステップbにおける前記ルーティングが1つ以上のユニットに実行された後に少なくとも1つの検出器によって1つ以上のユニット上の1つ以上のラベルを検出することと、このことにより検出されたユニットラベルのリストを生成することと、前記予め指定されたポストルーティング順序に基づいて、検出されたユニットラベルの前記リストをユニットラベルの予想されるリストと比較することとを含む、項目85または105に記載の方法。
(項目117)
システムであって、
a. ビーズをキャリア流体に運び込むように構成されているマイクロ流体チャネルと、
b. 前記マイクロ流体チャネルを通して検出パスから信号を検出するように構成されている検出器と、
c. 動作可能な状態で前記検出器に接続されているコンピュータと
を含み、
前記検出パスを通過している前記マイクロ流体チャネル内の孤立した単一ビーズの信号を識別するように調整されている、
システム。
(項目118)
前記システムが、前記検出パスを通過している前記マイクロ流体チャネル内のn個の隣接したビーズの前記信号を識別するようにさらに調整されている、項目117に記載のシステム。
(項目119)
nが2~100である、項目118に記載のシステム。
(項目120)
nが、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90または100である、項目118に記載のシステム。
(項目121)
nが、100、90 80、70、60、50、40、30、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3または2未満である、項目118または120に記載のシステム。
(項目122)
前記システムが、前記検出パスを通過している前記マイクロ流体チャネル内のガス気泡またはちり粒子の前記信号を識別するためにさらに調整される、項目117に記載のシステム。
(項目123)
前記マイクロ流体チャネルから1つ以上のビーズをルーティングするように構成されているルーターをさらに含む、項目117に記載のシステム。
(項目124)
前記システムが、前記ルーターに所要のルーティング信号を送信して、前記検出パスを通過している孤立した単一ビーズ、複数の隣接するビーズ、ガス気泡またはちり粒子の識別に応じてルーティングを遂行するように構成されている、項目123に記載のシステム。
(項目125)
前記ルーターがディストリビュータを含む、項目123に記載のシステム。
(項目126)
ビーズスペーサをさらに含む、項目117または119に記載のシステム。
(項目127)
前記ビーズスペーサが前記マイクロ流体チャネルの中に隣接して流れているビーズの間にスペースを置くように構成されている、項目126に記載のシステム。
(項目128)
第2のマイクロ流体チャネルをさらに含む、項目117、123、124、125または126に記載のシステム。
(項目129)
前記ルーターが前記第2のマイクロ流体チャネルへビーズをルーティングするように構成されている、項目128に記載のシステム。
(項目130)
前記ルーターがマージャーを含む、項目123に記載のシステム。
(項目131)
プライマリチャネルと、
分岐ポイントと、
前記プライマリチャネルに前記分岐ポイント経由で流体接続されている第1の分岐チャネルと、
前記プライマリチャネル内を流れるユニットを前記第1の分岐チャネルへルーティングするように構成されている第1のルーターと
を含むマイクロ流体デバイス。
(項目132)
前記第1のルーターが、前記プライマリチャネルの中の1つ以上の位置と前記第1の分岐チャネルの中の位置の間に圧力差を引き起こすことによって、前記プライマリチャネルから前記第1の分岐チャネルへユニットをルーティングするように構成されている、項目131に記載のデバイス。
(項目133)
第2の分岐チャネルをさらに含み、前記第2の分岐チャネルが前記プライマリチャネルに前記分岐ポイント経由で流体接続される、項目131に記載のデバイス。
(項目134)
前記第1のルーターが、前記プライマリチャネルの中の1つ以上の位置と前記第1の分岐チャネルの中の位置および前記第2の分岐チャネルの中の位置の間に圧力差を引き起こすことによって、前記プライマリチャネルから前記第1の分岐チャネルへユニットをルーティングするように構成されている、項目133に記載のデバイス。
(項目135)
前記第1のルーターが、前記プライマリチャネルの中の1つ以上の位置と前記第1の分岐チャネルの中の位置および前記第2の分岐チャネルの中の位置の間に圧力差を引き起こすことによって、前記プライマリチャネルから前記第2の分岐チャネルへユニットをルーティングするように構成されている、項目134に記載のデバイス。
(項目136)
z個の分岐チャネルをさらに含み、第1のルーターが、前記プライマリチャネルの中の1つ以上の位置と前記第1の分岐チャネルの中の位置の間の圧力差および前記プライマリチャネルの中の1つ以上の位置と前記z個の分岐チャネルのそれぞれの中の位置の間の圧力差を引き起こすことによって、前記プライマリチャネルから前記第1の分岐チャネルへユニットをルーティングするように構成されている、項目131に記載のデバイス。
(項目137)
前記ルーターが前記分岐ポイント経由で接続されているチャネルの中の流体圧を調整することができるように、前記ルーターが、圧力コントローラに接続するように構成されている流体放出口のネットワークを含む、項目131に記載のデバイス。
(項目138)
分岐チャネルが前記プライマリチャネルの別々の位置の前記プライマリチャネルに接続する、項目131、133または136に記載のデバイス。
(項目139)
前記分岐チャネルの少なくとも1つから前記プライマリチャネルへユニットをルーティングするように構成されている第2のルーターをさらに含む、項目131、133または136に記載のデバイス。
(項目140)
前記第1のルーターが前記第2のルーターを含む、項目139に記載のデバイス。
(項目141)
前記第2のルーターがマージャーを含む、項目139に記載のデバイス。
(項目142)
k個の移動ユニットを保持しているマイクロ流体チャネルを含むマイクロ流体デバイスであって、前記マイクロ流体デバイスが前記k個の移動ユニットの相対位置順序を維持するように構成されており、前記マイクロ流体チャネルがキャリア流体内に前記k個の移動ユニットを流すように構成されている、マイクロ流体デバイス。
(項目143)
流体接続のパスに沿って測定される前記k個の移動ユニットの各ペアの間の最小距離より大きい距離が存在し、前記最小距離が前記k個の移動ユニットの前記ペアの平均直径の少なくとも1.5倍である、項目142に記載のデバイス。
(項目144)
前記最小距離が前記k個の移動ユニットの前記ペアの平均直径の2~10000倍である、項目143に記載のデバイス。
(項目145)
前記最小距離が、前記k個の移動ユニットの前記ペアの平均直径の、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、100、1000、5000または10000倍である、項目143に記載のデバイス。
(項目146)
前記最小距離が、前記k個の移動ユニットの前記ペアの平均直径の10000、5000、1000、100、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3または2倍未満である、項目143または145に記載のデバイス。
(項目147)
前記マイクロ流体チャネルの幅が、前記k個の移動ユニットの平均直径の少なくとも2倍である、項目142に記載のデバイス。
(項目148)
前記マイクロ流体チャネルの幅が、前記k個の移動ユニットの平均直径の、少なくとも2.5、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、1000または10000倍である、項目146に記載のデバイス。
(項目149)
前記マイクロ流体チャネルの幅が、50000、10000、1000、100、90、80、70、60、50、50、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2.5または2倍未満である、項目142、146または148に記載のデバイス。
(項目150)
マイクロ流体デバイス内のビーズを分離する方法であって、
a. 第1のマイクロ流体チャネルおよび第2のチャネルを含むマイクロ流体デバイスを提供することであって、前記第1のマイクロ流体チャネルおよび前記第2のチャネルがビーズスペーサによって接続されている、提供することと、
b. 前記第1のマイクロ流体チャネルを通して前記ビーズスペーサの方向へ複数のビーズを移動させることと、
c. 第1のビーズおよび第2のビーズを連続的に前記ビーズスペーサを通して前記第2のチャネルに通過させることと、
d. キャリア流体の所要の長さが前記第1のビーズと前記第2のチャネルの前記第2のビーズとの間にスペースを置かれるように前記第2のチャネルを通してキャリア流体を移動させることと
を含む方法。
(項目151)
ステップa~dが少なくともn回繰り返される、項目150に記載の方法。
(項目152)
nが2~1000000を含む、項目150に記載の方法。
(項目153)
nが、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、500、1000、5000、10000、100000または1000000である、項目150に記載の方法。
(項目154)
nが、多くとも、10000000、1000000、100000、10000、5000、1000、500、100、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3または2である、項目150または153に記載の方法。
(項目155)
前記複数のビーズが2~1000000個のビーズを含む、項目150に記載の方法。
(項目156)
前記複数のビーズが、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、500、1000、5000、10000、100000または1000000個のビーズを含む、項目150に記載の方法。
(項目157)
前記複数のビーズが、多くとも、1000000、100000、10000、5000、1000、500、100、50、40、30、21、10、9、8、7、6、5、4、3または2個のビーズを含む、項目150または156に記載の方法。
(項目158)
キャリア流体の前記所要の長さが、前記複数のビーズの平均サイズの1~1000倍である、項目150に記載の方法。
(項目159)
キャリア流体の前記所要の長さが、前記複数のビーズの平均サイズの、少なくとも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、25、30、40、50、100、200、300、400、500、600、700、800、900または1000倍である、項目150に記載の方法。
(項目160)
キャリア流体の前記所要の長さが、前記複数のビーズの平均サイズの、多くとも、10000、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50、40、30、25、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1倍である、項目150または159に記載の方法。
(項目161)
前記複数のビーズが2~1000000個のビーズを含む、項目150に記載の方法。
(項目162)
前記複数のビーズが、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、500、1000、10000、50000、100000、500000または1000000個のビーズを含む、項目150に記載の方法。
(項目163)
前記複数のビーズが、多くとも、10000000、1000000、500000、100000、50000、10000、1000、500、100、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3または2個のビーズを含む、項目150または162に記載の方法。
(項目164)
前記第1のチャネルの幅が前記ビーズの平均直径の1~2倍である、項目150に記載の方法。
(項目165)
前記第1のチャネルの幅が、前記ビーズの平均直径の、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1.05または1.01倍より小さい、項目150に記載の方法。
(項目166)
前記第1のチャネルの幅が、前記ビーズの平均直径の、1.01、1.05、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2倍を超える、項目150または165に記載の方法。
(項目167)
前記第2のチャネルの幅が、前記ビーズの平均直径の1.01倍および、100倍である、項目150に記載の方法。
(項目168)
前記第2のチャネルの幅が、前記ビーズの平均直径の、少なくとも、1.01、1.05、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.5、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90または100倍である、項目150に記載の方法。
(項目169)
前記第2のチャネルの幅が、前記ビーズの平均直径の、多くとも、1000、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1.05または1.01倍である、項目150または168に記載の方法。
(項目170)
キャリア流体速度が、50メートル/秒、10メートル/秒、1メートル/秒、100ミリメートル/秒、10ミリメートル/秒、11ミリメートル/秒、0.1ミリメートル/秒または0.01ミリメートル/秒未満である、項目150に記載の方法。
(項目171)
キャリア流体速度が、少なくとも、0.01、0.1、1、10、100ミリメートル/秒、1、10または50メートル/秒である、項目150または170に記載の方法。
(項目172)
前記第1および前記第2のビーズが、10秒、1秒、0.1秒、0.01秒、1ミリ秒、0.1ミリ秒または0.01ミリ秒未満の範囲内で前記ビーズスペーサを通過する、項目150または151に記載の方法。
(項目173)
k個の移動ユニットを保持しているマイクロ流体チャネルを含むマイクロ流体デバイスであって、前記マイクロ流体デバイスが前記k個の移動ユニットの相対位置順序を維持するように構成されており、前記マイクロ流体チャネルがキャリア流体内に前記k個の移動ユニットを流すように構成されている、マイクロ流体デバイス。
(項目174)
前記マイクロ流体チャネルの幅が、前記マイクロ流体チャネルの外側で測定される前記k個の移動ユニットの平均直径の0.05~2倍である、項目173に記載のデバイス。
(項目175)
前記マイクロ流体チャネルの幅が、前記マイクロ流体チャネルの外側で測定される前記k個の移動ユニットの平均直径の、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1.05、1.01、1、0.95、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.4、0.3、0.2、0.1または0.05倍未満である、項目173に記載のデバイス。
(項目176)
前記マイクロ流体チャネルの幅が、前記マイクロ流体チャネルの外側で測定される前記k個の移動ユニットの平均直径の、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、0.95、1、1.01、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9または1.95倍を超える、項目173または174に記載のデバイス。
(項目177)
前記デバイスが、前記マイクロ流体チャネルの中の前記k個の移動ユニットを前記マイクロ流体チャネルの移動方向に沿って移動させるように構成されており、前記k個の移動ユニットの平均直径の2倍未満の、前記マイクロ流体チャネルの前記移動方向に沿った、前記マイクロ流体の範囲内のk個の移動ユニットの隣接ペアの間の中心間距離がある、項目173に記載のデバイス。
(項目178)
前記中心間距離が前記k個の移動ユニットの平均直径の0.01~1.9倍である、項目177に記載のデバイス。
(項目179)
前記中心間距離が、前記k個の移動ユニットの平均直径の、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1、0.9、0.8、0.7、0.65、0.6、0.55、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05または0.01倍である、項目177に記載のデバイス。
(項目180)
前記中心間距離が、前記k個の移動ユニットの平均直径の、0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9または2倍より大きい、項目177または179に記載のデバイス。
(項目181)
前記デバイスが、前記マイクロ流体チャネルの中の前記k個の移動ユニットを前記マイクロ流体チャネルの移動方向に沿って移動させるように構成されており、前記マイクロ流体チャネルの前記移動方向に沿った前記マイクロ流体チャネルの中のk個の移動ユニットの隣接ペア間の最短距離が、前記マイクロ流体チャネルの外側で測定される前記k個の移動ユニットの平均直径の、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1、0.9、0.8、0.7、0.65、0.6、0.55、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05または0.01倍未満である、項目177に記載のデバイス。
(項目182)
前記最短距離が、前記マイクロ流体チャネルの外側で測定される前記k個の移動ユニットの平均直径の、0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9または2倍より大きい、項目181に記載のデバイス。
(項目183)
前記マイクロ流体チャネルの平均幅からの最大偏差が、20%、15%、10%、5%、4%、3%、2%、1%または0.1%未満である、項目177に記載のデバイス。
(項目184)
前記マイクロ流体チャネルの平均幅からの最大偏差が、0.1%、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%または20%より大きい、項目177または183に記載のデバイス。
(項目185)
前記k個の移動ユニットの直径の変動係数が、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%未満である、項目177または183に記載のデバイス。
(項目186)
前記k個の移動ユニットの直径の変動係数が、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%または10%より大きい、項目177、183または185に記載のデバイス。
(項目187)
前記k個の移動ユニットの直径の変動係数が、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%未満である、k個の移動ユニットを含むマイクロ流体デバイス。
(項目188)
前記k個の移動ユニットの直径の変動係数が、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%または10%より大きい、項目187に記載のマイクロ流体デバイス。
(項目189)
ソートの方法であって、
a. k個の移動ユニットを提供することと、
b. 前記k個の移動ユニットをユニットサイズソーターに導入することと、
c. ユニットサイズの所定の範囲外となっているサイズを有するk個の移動ユニットのサブセットを、前記k個の移動ユニットの前記残りから切り離すことと、
d. 前記k個の移動ユニットの前記残りの少なくともサブセットをマイクロ流体デバイスに導入することと
を含む方法。
(項目190)
ユニットサイズの前記所定の範囲の上限が、前記所定の範囲の下限の、1.3、1.25、1.2、1.15、1.14、1.13、1.12、1.11、1.1、1.09、1.08、1.07、1.06、1.05、1.03または1.02倍未満である、項目189に記載の方法。
(項目191)
ユニットサイズの前記所定の範囲の上限が、前記所定の範囲の下限の、1.02、1.03、1.05、1.06、1.07、1.08、1.09、1.1、1.11、1.12、1.13、1.14、1.15、1.2、1.25または1.3倍より大きい、項目189または190に記載の方法。
(項目192)
マイクロ流体デバイス内のユニットを切り離す方法であって、
a. 第1のマイクロ流体チャネルおよび第2のチャネルを含むマイクロ流体デバイスを提供することであって、前記第1のマイクロ流体チャネルおよび前記第2のチャネルがユニットスペーサによって接続されている、提供することと、
b. 複数のユニットを前記第1のマイクロ流体チャネルを通して前記ユニットスペーサの方向へ移動させることと、
c. 第1のユニットおよび第2のユニットを連続的に前記ユニットスペーサを通して前記第2のチャネルに通過させることと、
d. キャリア流体を、キャリア流体の所要の長さが前記第2のチャネルの前記第1のユニットと前記第2のユニットの間にスペースを置かれるように、前記第2のチャネルを通して移動させることと
を含む方法。
(項目193)
ステップa~dが少なくともn回繰り返される、項目191191に記載の方法。
(項目194)
nが2~1000000である、項目191に記載の方法。
(項目195)
nが、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、500、1000、5000、10000、100000または1000000である、項目191に記載の方法。
(項目196)
nが、多くとも、10000000、1000000、100000、10000、5000、1000、500、100、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3または2である、項目191または195に記載の方法。
(項目197)
前記複数のユニットが2~1000000個のユニットを含む、項目191に記載の方法。
(項目198)
前記複数のユニットが、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、100、500、1000、5000、10000、100000または1000000個のユニットを含む、項目191に記載の方法。
(項目199)
前記複数のユニットが、多くとも、1000000、100000、100000、5000、1000、500、100、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3または2個のユニットを含む、項目191または198に記載の方法。
(項目200)
キャリア流体の前記所要の長さが、前記複数のユニットの平均サイズの1~1000倍である、項目191に記載の方法。
(項目201)
キャリア流体の前記所要の長さが、前記複数のユニットの平均サイズの、少なくとも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、25、30、40、50、100、200、300、400、500、600、700、800、900または1000倍である、項目191に記載の方法。
(項目202)
キャリア流体の前記所要の長さが、前記複数のユニットの平均サイズの、多くとも、10000、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50、40、30、25、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1倍である、項目191または201に記載の方法。
(項目203)
前記第1のチャネルの幅が、前記ユニットの平均直径の1.1~2倍である、項目191に記載の方法。
(項目204)
前記第1のチャネルの幅が、前記ユニットの平均直径の、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2または1.1倍未満である、項目191に記載の方法。
(項目205)
前記第1のチャネルの幅が、前記ユニットの平均直径の、1.05、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2倍を超える、項目191または204に記載の方法。
(項目206)
前記第2のチャネルの幅が、前記ユニットの平均直径の1.05~100倍である、項目191に記載の方法。
(項目207)
前記第2のチャネルの幅が、前記ユニットの平均直径の、少なくとも、1.05、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.5、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90または100倍である、項目191に記載の方法。
(項目208)
前記第2のチャネルの幅が、前記ユニットの平均直径の、多くとも、1000、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1または1.05倍である、項目191または207に記載の方法。
(項目209)
キャリア流体速度が、少なくとも、0.01、0.1、1、10、100ミリメートル/秒、1、10または50メートル/秒である、項目191に記載の方法。
(項目210)
キャリア流体速度が、50メートル/秒、10メートル/秒、1メートル/秒、100ミリメートル/秒、10ミリメートル/秒、11ミリメートル/秒、0.1ミリメートル/秒または0.01ミリメートル/秒未満である、項目191または209に記載の方法。
(項目211)
前記第1および前記第2のユニットが0.01ミリ秒~10秒以内に前記ユニットスペーサを通過する、項目191または193に記載の方法。
(項目212)
前記第1および前記第2のユニットが、10秒、1秒、0.1秒、0.01秒、1ミリ秒、0.1ミリ秒または0.01ミリ秒未満以内に前記ユニットスペーサを通過する、項目191または193に記載の方法。
(項目213)
前記マイクロ流体デバイスが、前記複数のユニットの相対位置順序を維持するように構成されている、項目191~212のいずれかに記載の方法。
(項目214)
前記複数のユニットが、ビーズ、液滴、セル、バブル、スラグおよび非混合性容積からなるグループから選択される、項目191~212のいずれかに記載の方法。
(項目215)
ビーズがガラスビーズまたはポリマービーズを含む、項目214に記載の方法。
(項目216)
a. コンピュータ可読媒体を含むコンピュータと、
b. 流体連結しているr個のルーターおよびc個のマイクロ流体チャネルを含むマイクロ流体デバイスであって、前記r個のルーターがk個の移動ユニットを前記c個のマイクロ流体チャネルの少なくともサブセットを通してルーティングするように構成されている、マイクロ流体デバイスと、
c. 動作可能な状態で前記コンピュータに接続されているd個の検出器であって、前記検出器が前記少なくともc個のマイクロ流体チャネルまたは前記少なくともr個のルーターを通して検出パスからの信号を検出するように構成されている、d個の検出器と
を含み、
前記コンピュータが、前記少なくともd個の検出器から検出された信号と関連付けられたデータを繰り返し前記コンピュータ可読媒体に記録して、前記k個の移動ユニットの少なくともサブセットのためのルーティングパスを生成するように構成されている、
システム。
(項目217)
cが2~1000である、項目216に記載のシステム。
(項目218)
cが、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、32、40、48、50、60、64、70、72、80、90、96、100、200、300、400、500、600、700、800、900または1000である、項目216に記載のシステム。
(項目219)
cが、多くとも、10000、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、96、90、80、72、70、64、60、50、48、40、32、30、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3または2である、項目216または218に記載のシステム。
(項目220)
dが2~1000である、項目216に記載のシステム。
(項目221)
dが、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、32、40、48、50、60、64、70、72、80、90、96、100、200、300、400、500、600、700、800、900または1000である、項目216に記載のシステム。
(項目222)
dが、多くとも、10000、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、96、90、80、72、70、64、60、50、48、40、32、30、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3または2である、項目216または221に記載のシステム。
(項目223)
rが2~1000である、項目216に記載のシステム。
(項目224)
rが、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、32、40、48、50、60、64、70、72、80、90、96、100、200、300、400、500、600、700、800、900または1000である、項目216に記載のシステム。
(項目225)
rが、多くとも、10000、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、96、90、80、72、70、64、60、50、48、40、32、30、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3または2である、項目216または224に記載のシステム。
(項目226)
kが2~1000000である、項目216に記載のシステム。
(項目227)
kが、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、50、100、500、1000、10000、50000、100000、500000または1000000である、項目216に記載のシステム、
(項目228)
kが、多くとも、5000000、1000000、500000、100000、50000、10000、1000、500、100、50、30または20である、項目216または227に記載のシステム。
(項目229)
前記k個の移動ユニットの少なくともj個のユニットを前記c個のマイクロ流体チャネルの第1のチャネルにn回ルーティングするようにさらに構成されている、項目216に記載のシステム。
(項目230)
nが2~1000である、項目229に記載のシステム。
(項目231)
nが、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、32、40、48、50、60、64、70、72、80、90、96、100、200、300、400、500、600、700、800、900または1000である、項目229に記載のシステム。
(項目232)
nが、多くとも、10000、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、96、90、80、72、70、64、60、50、48、40、32、30、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3または2である、項目229または231に記載のシステム。
(項目233)
jが2~5000000である、項目229に記載のシステム。
(項目234)
jが、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、50、100、500、1000、10000、50000、100000、500000、1000000または5000000である、項目229に記載のシステム。
(項目235)
jが、多くとも、5000000、1000000、500000、100000、50000、10000、1000、500、100、50、30または20である、項目229または234に記載のシステム。
(項目236)
前記k個の移動ユニットが、ビーズ、液滴、セル、バブル、スラグおよび非混合性容積からなるグループから選択される、項目216に記載のシステム。
(項目237)
前記c個のルーターが、1つ以上のディストリビュータ、マージャーまたはスペーサを含む、項目216に記載のシステム。
(項目238)
前記ルーティングパスがルーターの下流にマップされた移動ユニットの位置を含む、項目216に記載のシステム。
(項目239)
前記ルーティングパスがルーターの上流にマップされた移動ユニットの位置を含む、項目216に記載のシステム。
(項目240)
移動ユニットの位置がm個のマップしている移動ユニットに関して前記ユニットの相対位置順序を含む、項目238または239に記載のシステム。
(項目241)
mが1~100である、項目240に記載のシステム。
(項目242)
mが、少なくとも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50または100である、項目240に記載のシステム。
(項目243)
mが、多くとも、100、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3または2である、項目240または242に記載のシステム。
(項目244)
前記m個のマップしている移動ユニットが、前記マップされた移動ユニットから始まる流体接続されたパスに沿った前記マップされた移動ユニットに最も近いm個の移動ユニットを含む、項目240、241、242または243に記載のシステム。
(項目245)
前記r個のルーターが、前記マイクロ流体デバイスを通して所定のユニットルーティングアルゴリズムに従って移動ユニットをルーティングするように構成されている、項目216に記載のシステム。
(項目246)
前記コンピュータが、前記r個のルーターの少なくとも1つによるルーティングイベントの後のk個の移動ユニットの前記少なくともサブセットに対する第1のポストルーティング順序と、予め指定されたポストルーティング順序との間の比較を実行するように構成されている、項目216のシステム。
(項目247)
前記コンピュータが、前記比較に基づいて前記k個の移動ユニットの少なくともサブセットのうちのi個のためのルーティングパスを生成するように構成されており、前記r個のルーターが、前記i個の移動ユニットのための前記ルーティングパスに従ってi個の移動ユニットをルーティングするように構成されている、項目246に記載のシステム。
(項目248)
iが2~1000000である、項目247に記載のシステム。
(項目249)
iが、少なくとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、50、100、500、1000、10000、50000、100000、500000または1000000である、項目247に記載のシステム。
(項目250)
iが、多くとも、5000000、1000000、500000、100000、50000、10000、1000、500、100、50、30または20である、項目247または249に記載のシステム。
(項目251)
前記r個のルーターが、前記比較に基づいて、前記k個の移動ユニットの少なくともサブセットの残りのものからのj個の移動ユニットを補正領域に分離するように構成されている、項目246、247、248、249または250に記載のシステム。
(項目252)
前記r個のルーターが移動ユニットをランダムに前記マイクロ流体デバイスを通してルーティングするように構成されている、項目216に記載のシステム。
(項目253)
トラッキングの方法であって、
a. 第1のマイクロ流体チャネルおよび前記第1のマイクロ流体チャネルと流体接続している第2のマイクロ流体チャネルを含む、マイクロ流体デバイスを提供することと、
b. k個の移動ユニットを、順序付けされたフローで前記第1のマイクロ流体チャネルを通して前記第2のマイクロ流体チャネルにルーティングすることと
を含む方法。
(項目254)
前記第1のマイクロ流体チャネルおよび前記第2のマイクロ流体チャネルが同一である、項目253に記載の方法。
(項目255)
前記第1のマイクロ流体チャネルおよび前記第2のマイクロ流体チャネルが、接合管、ユニットスペーサ、ディストリビュータまたはマージャーによって接続されている、項目253に記載の方法。
(項目256)
前記マイクロ流体デバイスが第3のマイクロ流体チャネルをさらに含み、前記方法が、前記k個の移動ユニットを、順序付けされたフローで、前記第2のマイクロ流体チャネルを通して前記第3のマイクロ流体チャネルへルーティングすることをさらに含む、項目253または254に記載の方法。
(項目257)
前記第2のマイクロ流体チャネルおよび前記第3のマイクロ流体チャネルが同一である、項目256に記載の方法。
(項目258)
前記第1のマイクロ流体チャネルおよび前記第3のマイクロ流体チャネルが同一である、項目256に記載の方法。
(項目259)
前記第2のマイクロ流体チャネルおよび前記第3のマイクロ流体チャネルが、接合管、ユニットスペーサ、ディストリビュータまたはマージャーによって接続されている、項目256に記載の方法。
(項目260)
前記第1のマイクロ流体チャネルの幅が、前記マイクロ流体チャネルの外側で測定される前記k個の移動ユニットの平均直径の、0.01~2倍である、項目253または256に記載の方法。
(項目261)
前記第1のマイクロ流体チャネルの幅が、前記マイクロ流体チャネルの外側で測定される前記k個の移動ユニットの平均直径の、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1、0.9、0.8、0.7、0.65、0.6、0.55、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05または0.01倍未満である、項目253または256に記載の方法。
(項目262)
前記第1のマイクロ流体チャネルの幅が、前記マイクロ流体チャネルの外側で測定される前記k個の移動ユニットの平均直径の、0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9または2倍より大きい、項目253、256または261に記載の方法。
(項目263)
前記第2のマイクロ流体チャネルの幅が、前記ユニットの平均直径の1.05~100倍である、項目253または256に記載の方法。
(項目264)
前記第2のマイクロ流体チャネルの幅が、前記ユニットの平均直径の、1.05、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.5、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90または100倍より大きい、項目253または256に記載の方法。
(項目265)
前記第2のマイクロ流体チャネルの幅が、前記ユニットの平均直径の、1000、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1または1.05倍より小さい、項目253、256または264に記載の方法。
(項目266)
前記第3のマイクロ流体チャネルの幅が、前記マイクロ流体チャネルの外側で測定される前記k個の移動ユニットの平均直径の0.01~2倍である、項目256に記載の方法。
(項目267)
前記第3のマイクロ流体チャネルの幅が、前記マイクロ流体チャネルの外側で測定される前記k個の移動ユニットの平均直径の、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1、0.9、0.8、0.7、0.65、0.6、0.55、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05または0.01倍より小さい、項目256に記載の方法。
(項目268)
前記第3のマイクロ流体チャネルの幅が、前記マイクロ流体チャネルの外側で測定される前記k個の移動ユニットの平均直径の、0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9または2倍より大きい、項目256または267に記載の方法。
(項目269)
前記第1のマイクロ流体チャネルの幅が、前記ユニットの平均直径の1.05~100倍である、項目253または256に記載の方法。
(項目270)
前記第1のマイクロ流体チャネルの幅が、前記ユニットの平均直径の、1.05、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.5、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90または100倍より大きい、項目253または256に記載の方法。
(項目271)
前記第1のマイクロ流体チャネルの幅が、前記ユニットの平均直径の、1000、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1または1.05倍より小さい、項目253、256または270に記載の方法。
(項目272)
前記第2のマイクロ流体チャネルの幅が、前記マイクロ流体チャネルの外側で測定される前記k個の移動ユニットの平均直径の0.01~2倍である、項目253または256に記載の方法。
(項目273)
前記第2のマイクロ流体チャネルの幅が、前記マイクロ流体チャネルの外側で測定される前記k個の移動ユニットの平均直径の、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1、0.9、0.8、0.7、0.65、0.6、0.55、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05または0.01倍より小さい、項目253または256に記載の方法。
(項目274)
前記第2のマイクロ流体チャネルの幅が、前記マイクロ流体チャネルの外側で測定される前記k個の移動ユニットの平均直径の、0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9または2倍より大きい、項目253、256または273に記載の方法。
(項目275)
前記第3のマイクロ流体チャネルの幅が、前記ユニットの平均直径の1.05~100倍である、項目256に記載の方法。
(項目276)
前記第3のマイクロ流体チャネルの幅が、前記ユニットの平均直径の、1.05、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.5、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90または100倍より大きい、項目256に記載の方法。
(項目277)
前記第3のマイクロ流体チャネルの幅が、前記ユニットの平均直径の、1000、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1または1.05倍より小さい、項目256または276に記載の方法。
【0027】
本発明のこれらおよび他の態様および特徴は、添付の図に関連して本発明の特定の実施形態の以下の説明をレビューすることで、当業者にとって明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、複数の順序付けされた移動ユニット、例えばビーズを有する第1のプライマリチャネルを含む、マイクロ流体デバイスの図示例を提供する。第1のチャネルの2つの分岐チャネルとの接続のルーター、例えばディストリビュータ(三角形)は、各移動ユニットを2つの分岐チャネルのうちの1つに方向付けするのに役立つことができる。2つの分岐チャネルのバルブは、移動ユニットの出入を制御するように構成することができる。試薬は、試薬の配送チャネルを介して2つの分岐チャネルに配送することができる。試薬の配送は、バルブによって制御することができる。この構成は、複数のビーズがマイクロ流体デバイスを通して受けることができる多くの反復ステップの1つを表現することができる。番号付きの円形はユニットID番号を有するユニットを表し、長方形はバルブを表し、そして、三角形はルーター、例えばディストリビュータを表す。
【0029】
図2図2は、マイクロ流体デバイスの図示例を提供する。第1のチャネルからの移動ユニット1~6は、ルーター、例えばディストリビュータを用いることによって、決定論的に2つの分岐チャネルのうちの1つに方向付けされている。ビーズ7~9は第1のチャネルに配置されて、すぐにルーターに入る。ルーターは、位置がハッシュされた円形によって示したビーズ7~9を配送するようにプログラムされる。一旦移動ユニットが分岐チャネルに分配されると、試薬、例えば合成試薬は移動ユニットを保持することになる2つの分岐チャネルを通して循環させることができる。
【0030】
図3図3は、マイクロ流体デバイスの分割されたチャネルを通した移動ユニットのトラッキングされた循環のスナップショットの図示例を提供する。移動ユニットが新ラウンドを始めようとしている際のチャネルの移動ユニットの順序は、図1に示される順序とは異なる。それらが第1のチャネルへ再循環させられる際の移動ユニットの順序は、決定論的な方法で設定することができる。特定の移動ユニットの位置または相対位置は、わかっていてもよい。この図示例において、移動ユニットは、再び、化学作用の前もって割り当てたシーケンスのホストをつとめるように設定することができる分岐チャネルに分配される準備ができつつある。
【0031】
図4図4は、移動ユニットが2セットの連続したルーター、例えばディストリビュータを通過している4つの分岐チャネルに分割されるマイクロ流体デバイスの図示例を提供する。4つの分岐チャネルを有するデバイス構成は、分岐チャネルを通して移動ユニットの連続した循環によって移動ユニット内の、または、移動ユニット上の核酸を合成するために用いることができる。専用の試薬の配送チャネルは、核酸合成のための4つのビルディングブロックのうちの1つをそれぞれ提供することができる。
【0032】
図5図5は、移動ユニットが2セットの連続したルーター、例えばディストリビュータを通過している4つの分岐チャネルに分配されるマイクロ流体デバイスの図示例を提供する。4つのチャネルのそれぞれのバルブは、移動ユニットの出入りを制御することができて、閉じると、ユニットの化学改質を含む、反応サイクルのための反応チャンバを作成することができる。試薬チャンバの1つ以上からリリースされるユニットは連続した分岐ポイントで別の反応チャンバからリリースされるユニットにマージすることができ、結果として4つのチャネルのユニットの組合せが2つのチャネルになる。
【0033】
図6図6は、移動ユニットが2セットの連続したルーター、例えばディストリビュータを通過している4つの分岐チャネルに分配されるマイクロ流体デバイスの図示例を提供する。第1のルーターの後の2つのチャネルの検出器はユニットがチャネルを通過するときに、ユニットを調べることができる。データは、記憶および画像処理のためにコンピュータに送信することができる。
【0034】
図7図7は、移動ユニットが2セットの連続したルーター、例えばディストリビュータを通過している4つの分岐チャネルに分配されるマイクロ流体デバイスの図示例を提供する。この例では、ユニットは、3つの連続したバルブ、つまり第1のバルブ、中間バルブおよび最終バルブを有する4つの反応チャンバを含む反応クラスタに分配することができる。これらのバルブは2つの反応チャンバを各チャネルに形成することができ、結果として反応クラスタにおいて合計8つの反応チャンバになる。
【0035】
図8図8は、移動ユニットが2セットの連続したルーター、例えばディストリビュータを通過している4つの分岐チャネルに分配されるマイクロ流体デバイスの図示例を提供する。ユニットが反応チャンバの一部または全部の反応サイクルを受けた後、ユニットは、アルゴリズムに従って、または、ランダムに、マージするチャネルを通してそれらを流すことによって再結合することができる。この例では、2つの中間のチャネルは、左(先頭)および右(後尾)チャネルとのマージの前に、最初に互いに結合する。
【0036】
図9図9は、移動ユニットが2セットのルーター、例えばディストリビュータを通過している4つの分岐チャネルに分配されるマイクロ流体デバイスの図示例を提供する。この例では、ユニットは、可変数の反応チャンバを有する異なるチャネルに分配される。
【0037】
図10図10は、移動ユニットが2セットの連続したルーター、例えばディストリビュータを通過している4つの分岐チャネルに分配されるマイクロ流体デバイスの図示例を提供する。反応チャンバは、チャネルの折線によって示されるように、明示されていない追加機能を含むことができる。
【0038】
図11図11は、2つの連続した反応クラスタを備えるマイクロ流体デバイスの図示例を提供する。
【0039】
図12図12は、2つの連続した反応クラスタを備えるマイクロ流体デバイスの図示例を提供する。この例では、反応チャンバは、チャネルの折線によって示されるように、明示されていない追加機能を含むことができる。
【0040】
図13図13は、複数の反応域を備えるマイクロ流体デバイスの図示例を提供する。異なる反応域に分配されるユニットは、同じ反応か異なる反応を受けるか、または反応を受けなくてもよい。反応は、同時に、連続的に、または、異なる時間に発生し得る。
【0041】
図14図14は、移動ユニットが2つの分岐チャネルに分配されるユニットスペーサを備える、マイクロ流体デバイスの図示例を提供する。ユニットスペーサ、ユニットストッパならびに/または圧力コントローラおよび/もしくは調節器を用いて、ユニットをスペースを空けて分岐チャネルに分配し、そして分岐チャネルのユニットをマージすることができる。
【0042】
図15図15は、移動ユニットがスペーサおよび2セットの連続したルーター、例えばディストリビュータを通過している4つの分岐チャネルに分配されるマイクロ流体デバイスの図示例を提供する。
【0043】
図16図16Aは、検出システムの図示例を提供する。図16Bは、光学検出システムを通って進行しているユニットのダブレットの写真を提供する。
【0044】
図17図17A~Cは、ユニットシングレット(17A)、ユニットダブレット(17B)ならびにユニットシングレット、ダブレットおよび複数組(17C)によって、それらが図16Aに示される、概略図に従って構成される図16Bの光学検出システムを通過するにつれて発生する信号の例を提供する。
【0045】
図18図18A~Bは、単一ユニット(18A)およびバブル(18B)によって発生する信号の例を提供する。
【0046】
図19図19は、ビーズ操作のセットアップの図示例を提供する。
【0047】
図20図20は、試薬とのビーズ混合メカニズムの図示例を提供する。
【0048】
図21図21は、二重T接合分岐ポイントの画像を提供する。
【0049】
図22図22A~Dは、は、ユニットストッパ(A)、ユニットスペーサ(B)、挿入される研磨された毛細管を有するユニットスペーサ(C)およびクロスチャネルユニットスペーサ(D)の画像を提供する。
【0050】
図23図23A~Dは、ユニットスペーサによって分離されているビーズの動画からのスナップショットを提供する。
【0051】
図24図24A~Dは、(A)LabSmith接合管コネクタから造られるユニットストッパ、(B)パネル(A)のユニットストッパ内の毛細管、チューブ接続およびワイヤのクローズアップ画像、(C)~(D)フィッティングを取り除きワイヤを示した、ユニットストッパとして使用する毛細管に挿入されるワイヤのクローズアップ画像の写真を提供する。
【0052】
図25図25は、例示的な位置符号化デバイスの画像を提供する。
【0053】
図26図26は、本発明の種々の実施形態による例示的なエラー修正方法およびデバイスを例示している図を提供する。
【0054】
図27図27は、多重チャネル圧力/フローコントローラ(OB1 Mk3、Elveflow)、流体リザーバ、流速センサおよび自動二方向バルブ(LabSmith)を含むマイクロ流体デバイスおよびシステムの図示例を提供する。
【0055】
図28図28は、図示するマイクロ流体デバイスならびに圧力コントローラおよびリザーバに焦点を合わせたシステムのクローズアップの画像を表す。圧力コントローラ出力からのフィルタおよび/または液ストッパを通るリザーバキャップへのチューブ接続2801が示され、それは、リザーバに加圧するように構成されている空気圧路であり、また、リザーバの先頭から通じている360um溶融シリカ毛細管流体管路2802が示される。
【0056】
図29図29は、流速センサおよび自動バルブを有する実例となる流体ブレッドボードを表す。入力流体路は、フローコントローラを通過して二方向バルブに至る。二方向バルブは、流体ネットワークの異なる部分にフローをルーティングする。左側バルブは、主輸送チャネル(本明細書においてさらに詳細に他で記載されている図25の第2のチャネル)の「先頭」または「後尾」にフローを方向付けする。
【0057】
図30図30は、マイクロ流体流速センサ(MFS、Elveflow)のクローズアップの画像を提供する。先頭のケーブルは、図27において表される多重チャネル圧力/フローコントローラに流体流動データを配送するように構成されている。流速センサを用いて、多重チャネル圧力/フローコントローラを用いて、加圧力を動的に調整することによって流体速度の閉ループ制御を実行するために用いることができる。
【0058】
図31図31A~Fは、単一のT接合にユニットを分配するための差圧の図を提供する。
【0059】
図32図32A~Eは、二重のT接合にユニットを分配するため差圧の図を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0060】
簡潔には、そして、以下に詳細に説明するように、マイクロ流体デバイスの中の移動ユニットのトラッキングに関する方法および構成が、本明細書において説明されている。移動ユニットは、マイクロ流体デバイスの中の移動ユニットの相対的な位置指示を制御するかまたは記録することによってトラッキングすることができる。トラッキングされる移動ユニットは、例えばディストリビュータなどのルーターを使用することによって、マイクロ流体デバイスのチャネルに分配され、そして再結合され得る。移動ユニットが、マイクロ流体デバイスの種々の区画にそれらが分けられてそこから再結合されるにつれて、マイクロ流体デバイスを通って移動する順序は、制御することができ、および/または記録することができる。再結合した移動ユニットの順序または相対位置を用いて、各移動ユニットがマイクロ流体デバイスを通してとったパスを判定することができる。マイクロ流体デバイスの個々のチャネルは、合成反応、例えば核の酸性の合成反応などの反応を実行するために用いることができる。このような反応は、並行して行うことができる。各反応のための試薬は、例えば別々の試薬配送チャネルを介して個々のチャネルに分配することができる。適切な反応条件、例えば温度、圧力および流速は、個々のチャネルで設定することができる。移動ユニットは、ビーズ、例えばガラスビーズ、ポリマービーズまたは耐薬品ポリマービーズを含むことができる。合成反応は、ビーズ上の発生期のチェーンに実行することができる。移動ユニットは、ラベルまたはバーコードを有していても有していなくてもよい。
【0061】
マイクロ流体デバイスの中の移動ユニットの位置的トラッキングおよび移動の方法が、本明細書において提供される。ユニットは、マイクロ流体デバイスにロードすることができる。マイクロ流体デバイスの中のユニットのスペーシングまたは排出の方法も、本明細書において提供される。マイクロ流体デバイスの中のユニットの向きを変えるかまたは分配する方法が、本明細書において提供される。マイクロ流体デバイスの中のユニットをトラップするかまたは保持する方法が、本明細書において提供される。マイクロ流体デバイスの中のユニットをトラッキングする方法が、本明細書において提供される。マイクロ流体デバイスの中のユニットを分配する方法が、本明細書において提供される。
【0062】
本明細書において、そして、添付の請求の範囲において用いられる場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」が、文脈が明確にそうではないと指示しない限り、複数の指示物を含むということも留意しなければならない。
【0063】
ホスホラミダイトDNA合成化学を用いて、分子は、段階的な反応進行で、通常、3’~5’方向に担体基質の表面に合成することができ、これは、(1)前に追加されたヌクレオシドから保護基を取り除くための脱トリチルステップ(これはサイクル当たり1つ以上のヌクレオシドが追加されるのを防止する)、(2)成長するDNAオリゴマに対する次のヌクレオシドの結合、(3)中間亜リン酸エステルトリエステルをより安定したリン酸塩トリエステルに変えるための酸化処理、(4)あらゆる反応していない3’ヒドロキシル基を不可逆的にキャッピングすること、からなる。理論に束縛されずに、反応していない3つ'のヒドロキシル基をキャッピングすることは、引き続くサイクルのこのような3’ヒドロキシル基から継続的な重合を回避することによって予め選択された核酸一次構造に対して削除を有する合成された連鎖を防止するのを助けることができる。サイクルは、次の塩基を追加するために繰り返すことができる。担体は、様々なユニット、例えば、非常に多孔性の重合ビーズを含むがこれに限らずビーズ、石英ガラス(アモルファス純粋シリカ)、水晶(結晶性純粋シリカ)を含むがこれに限らずガラスまたはシリカビーズ、または、本明細書において記載しているか当分野で公知のその他のあらゆる適切なビーズを含むことができ、それは、チャンバまたは円柱にパックすることができ、それに対して合成試薬が配送される。本明細書において記載されている方法、デバイスおよび構成は、マイクロ流体アプローチを用いて核酸合成法をスケーリングするために用いることができる。
【0064】
マイクロ流体アプローチは、固相ホスホロアミダイト化学作用の適用のために用いられることができる。いくつかの実施形態では、移動担体ユニットは、反復プロセスの各サイクルの4つのチャンバのうちの1つに配送される。このアプローチでは、特定のヌクレオシドによって拡張される移動ユニットは、その特定のサイクル上の同一チャンバに配送されて混合することができる。各サイクルの後、ユニットは、適切なチャンバに再分配されて再配送され、次の塩基を受けることができる。いくつかの実施形態では、ユニットは、10~100μmの範囲の直径および/またはサイズを有するビーズから選択される。ビーズは、単分散でもよい。核酸は、ビーズ、例えば、小さいマイクロ流体デバイスにおいて並行して10~10000個のビーズ上、または、数十万から数百万個ものビーズ上を含むがこれに限らず、複数のユニットに合成することができる。このアプローチの実装は、(1)ユニークなバーコードを備える、10~100μmのビーズなどの、数十万から数百万個のユニットを符号化するためのセットアップ、(2)ビーズが高速で移動している間にユニットを検出するためのセットアップ、(3)反復ごとにビーズを適切な出力チャンバに方向付けするか分配するための方法、および(4)反復形処理のための機能的マイクロ流体システムへのこれらのコンポーネントの統合化、のうち1つ以上を含むことができる。
【0065】
ミクロビーズのバーコード化の問題が多くの塩基を妨害し、作業デバイスの開発を妨げたので、革新的な代替テクノロジが開発された。種々の実施形態において、本明細書において記載されている方法および構成は、ビーズまたは他のタイプのユニットが流体チャネルを狭くすることを強いられる流体デバイスを含み、そのためそれらは一次元配列(図1~3)に維持される。このシステムは、種々の実施形態において、ビーズまたは他のタイプユニットがそれらの位置のみによって識別されるのを可能とする。いくつかの実施形態では、ビーズは、プライマリチャネルへロードされる。プライマリチャネルは、毛細管または適当な基材に設計されるチャネルでもよい。ビーズまたは他のタイプのユニットがプライマリチャネルのプロセスを開始するにつれて、それらは、1つずつ、適切な分岐チャネルにビーズまたは他のタイプのユニットに方向付けする分配メカニズムを通してプッシュすることができる。プライマリチャネルおよび分岐チャネルは、ビーズが互いを過ぎて滑るかまたは割り込むことを防止するようにサイズ設定することができる。一旦分配されると、ホスホロアミダイト化学作用または他の所要の化学作用が分岐チャネルにおいて起こることができる。合成各ラウンドの完了の後、ビーズまたは他のタイプのユニットは、順序付けされたやり方で移動させて再分配および合成のためにプライマリチャネル次のラウンドへと戻すことができる。いくつかの実施形態では、ユニットおよび対応するチャネルの直径および/またはサイズは、ユニットがチャネルの中で互いを追い越すことができないかまたは閾値より低いレートでそうするように、構成される。例えば、ユニットを含んでいるチャネルの幅の50%より大きい直径および/またはサイズを有しているユニットを、選択することができる。
【0066】
T接合またはフロー集束法は、ビーズまたは他のタイプのユニットを主配列の終端から排出して、それらを例えば1つずつルーター、例えばディストリビュータの方向へ移動するように構成することができる。ユニット間のギャップを導入することで、次のユニットがルーターに達する前に、光検出およびルーティング、例えば分配の余地を与えることができる。ルーターは、ユニットを分岐チャネルおよび/または反応チャンバの1つに方向付けすることができる。利用できる分岐チャネルまたは反応チャンバの1つ以上は、発生期の核酸(例えばDNA鎖)に4つのDNA塩基のうちの1つの添加を許容するように構成することができる。分配メカニズムはマルチウェイルーター、または、複数分岐対応の2つの順次二元ルーターを有するルーターを潜在的に含むことができる(図4)。一組の光学検波器は、各ユニットが意図された放出口に分配されたことを確かめるために、1つ以上のルーターの出口に置くことができる。一旦いくつかまたはすべてのユニットが分配されると、ホスホロアミダイト化学作用のサイクルは分岐チャネルの一部もしくは全部または反応チャンバで実行することができて、適切なヌクレオシドは、分岐チャネルまたは反応チャンバの一部もしくは全部の中の、いくつか、またはすべてのユニットの中か上の、核酸分子に追加することができる。引き続くサイクルは、異なる化学作用、例えば、改質ヌクレオシドもしくは非ホスホラミダイトヌクレオシドの添加、または処理、例えば、物理であるか光ベースの処理を含むことができる。本明細書において記載されている方法およびデバイスを用いて、異なる反応または処理をいくつかまたはすべての分岐チャネルまたはいくつかの反応チャンバまたは全サイクルに適用することができる。いくつかの実施形態では、ユニットは、反応または処理のサイクルの間に再分配される。反応または処理のサイクルは、異なる分岐チャネルまたは反応チャンバで保持されるユニットについて非同期でもよい。例えば、ユニットが2つ以上の分岐チャネルにおいて保持される場合、1つの分岐チャネルにおいて保持されるユニットは反応の第1のサイクルを受けることができて、その後、分岐チャネルのいくつかまたは全てに保持されるユニットの全ては、第2のサイクルの反応を受けることができる。
【0067】
合成試薬の導入は、例えば分岐チャネルの先頭または反応チャンバの放出口近くの、別々の試薬ポートを用いて達成することができる。合成のラウンドの完了の後、ユニットは、再分配するためのプライマリチャネルおよび合成の次のラウンドの中へと戻して、順序付けされた形で再循環させることができる。いくつかの実施形態では、ユニットのこのような再循環は、ユニットが分岐チャネルまたは反応チャンバ入った方向に対しにて逆方向にユニットの方向を逆転させて、このことによりユニットにプライマリ(または主)チャネルへ移動させることを含む。プロセスは、例えばすべてのユニット上の核酸合成が完了するまで、必要に応じて繰り返すことができる。いくつかの実施形態では、流体デバイスは追加の出力チャネルを含んで、異なる長さの核酸、例えばDNA配列の合成を可能うにする。ユニット上の改質、例えば合成が完了するにつれて、それはこのような追加の出力チャネルに方向付けすることができて、さらにプロセスを循環することを抑えることができる。追加ルーター、例えばディストリビュータおよび/またはサブチャネルを用いて、誤って分配されたユニットを処理することができる。このようなルーターおよび/またはサブチャネルを用いて、ユニットを再方向付けし、直ちに正しいチャネルに再分配するかまたは、それらを改質がなされていないチャネルに方向付けし、それから、これらのユニットを次のサイクルの前にプライマリチャネルの中へと戻すことができる。
【0068】
このアプローチは、完全にバーコード化している技術の必要性を回避することができる。それはまた、複雑および潜在的に費用のかかる光検出および画像処理システムの必要性も除去することができる。高コストのシステムの代わりに、単純な光学検波器は、ビーズを計数するために、任意選択的に実装することができる。種々の実施形態において、ビーズおよび他のタイプのユニットは、高速で処理することができる。さらに、低コスト光学チェックポイントを、正確な分配を検査するために実装することができる。
【0069】
種々の実施形態において、本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスの中でルーティングされる際の移動ユニットの順序は、決定論的な方法で、例えば所定の方法で反応チャンバに、そして反応チャンバから、ユニットを分配して、リリースすることによって、設定される。特定の移動ユニットの位置または相対位置は、公知でもよいかまたは、各移動ユニットが分配および再結合の以前のラウンドにおいて取り入れたパスから決定可能でもよい。いくつかの実施形態では、ユニットが本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスの中でルーティングされるにつれて、ユニットの順序は動作可能な状態で検出ユニットに接続されている検出器によってユニットをトラッキングすることによって設定される。本明細書において記載されているデバイスおよび方法は、位置符号化を考慮に入れており、それにより、所与の時間および/または位置のデバイスの中の移動ユニットの順序はユニットがルーティングステップの間にたどったパスに関する情報をもたらす。例えば、ユニットの順序は、複数の分岐チャネルの中でどれにユニットが分配されたか、および/またはどれがユニットからマージされたか、を決定するために用いることができる。いくつかの実施形態では、ビーズの順序を決定するために用いた情報、例えばトラッキング情報は、ユニットが経由したルーティングパスの要素を、それ自体が決定する。いくつかの実施形態では、本明細書において記載されているデバイスおよび方法は、ユニットを決定論的にマイクロ流体デバイスを通してルーティングするように構成されている。本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスの中の所与の時間のユニットの順序および/または位置は、このようなルーティングアルゴリズムと組み合わせて、ユニットが経由したルーティングパスの要素を決定するために用いることができる。
【0070】
ユニットのルーティングパスの要素は、本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスを経由した際にユニットに合成された化合物のアイデンティティを決定してもよい。さらに一般的にいえば、ユニットが本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスを経由した際に受けた反応条件および/または処理、ならびにそれらの順序は、ユニットの位置から決定することができる。種々の実施形態において、このような位置は、ユニットの順序付けされたセットの中のユニットの相対位置に関する。本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスを経由したユニットは、マイクロ流体デバイス、例えばユニットの順序付けされたセットの中で特定のユニットでごく近接しているユニットの中で他のユニットに対して特定される位置情報を用いて、特定のルーティングパスにマップすることができる。
【0071】
種々の実施形態において、化学製品は、移動ユニットと関連付けられてもよい。化合物は移動ユニットの中または上にあることができ、それらは移動ユニットによって綱でつながれるかまたは取り付けられるか、または吸着されていてもよい。ユニットは、互いの、または、システムに対するそれらの位置的関係によって識別することができる。各ユニットと関連付けられた化学製品は、各ユニットに適用される履歴改質手順で判定することができる。種々の実施形態において、ユニットの絶対または相対位置は、経時的に制御される。移動ユニットの位置関係は、様々な好適な方法によって制御することができる。例えば、位置関係は、ユニットを、例えば一次元配列(1d配列;例えば単一行)で順序付けすることによって維持することができる。ユニットのこの配列は2つ以上の新規な分岐配列に分割することができ、それは一次元でもよい。分割部を通るユニットフローの方向は、制御することができる。ユニットの位置情報は、各分割によって更新することができる。位置情報は、新規な分岐配列割り当ておよび新規な分岐配列の中での位置を含むことができる。ユニットを含む種々の分岐配列は、異なる改質手順の影響下に置くことができる。改質手順は、分岐配列のユニットの全てに適用することができる。改質手順および各ユニットに対するの改質手順のための適用の順序は、記録することができる。分岐配列に改質手順を実行した後に、2つ以上の分岐配列のユニットは、単一の配列にマージすることができる。分岐配列のマージは、新規な配列における順序、分岐配列履歴、位置およびユニットに適用されるいかなる手順も記録されるように、制御されてもよい。この情報は、この目的のために特に構築されるソフトウェアを用いて、キャプチャすることができて、コンピュータメモリに格納することができる。方法はいかなる数の分割、改質手順および分岐配列のマージャーから成ることができ、ユニットのための適用される手順の位置およびその履歴は制御される。ユニットは、連続して、並行して、ループで、またはそれらの組み合わせで、分割部、分岐配列およびマージャーを通って移動することができる。多数のユニット、例えば、ほぼ10、50、100、500、1000、5000、10000、50000、100000、500000、1000000、5000000、10000000個のユニットもしくはそれを超えるユニットか、またはほぼその個数を超えるユニットは、決定論的な方法で、多数の独立した改質手順を適用して、移動ユニット上に製品の、大きな目標とされるかまたは組合せのライブラリを作成するように方向付けすることができる。ユニットの数の値は、本明細書においてユニットの番号について記載される可能な値のいずれかの間で変動することができる。いくつかの実施形態では、ユニットは、特にユニットごとにパスを制御することなく、またはランダムに、マイクロ流体デバイスのチャネルを通して方向付けされる。このようなユニットは、例えばユニットの相対位置に基づいて、トラッキングされることもできて、このことにより位置的にコード化されることもできる。トラッキング情報を用いて、ユニットが、例えば分割合成用途で通過した化学ステップを判定することができる。各ユニット上の製品は、ユニットが通過した化学ステップに基づいて予測することができるかまたは決定することができる。
【0072】
分岐配列および流れているユニットに適用される対応する改質手順は、一部またはすべてのユニットが改質手順の特定のセットを受信して、各分割イベントで適切に方向付けされるように、分割ごとに、具体的に前もって割り当てることができる。一連の改質は、あらかじめ定めることができるが、ユニットにはランダムに割り当てることができる。いくつかの実施形態では、一連の改質は、予め定められてはいない。ユニットは一連の改質に決定論的に、またはランダムに割り当てることができ、例えば、その他のユニットまたはユニットの平均50%は分割イベントの間に特定のパスに方向付けすることができる。割り当てがどのようになされるかに関係なく、ユニットおよび改質手順の位置は記録することができる。
【0073】
システムおよびユニットのための適切なデザインは、本発明に関連する方法および構成の特徴を有効にするかまたは強化するために選択することができる。例えば、ユニットサイズ、高さ、長さ、幅、直径および/もしくは横断面の間の比率、ならびに/または流体チャネルのサイズ、高さ、幅、深さ、直径および/もしくは横断面は、ユニットが、通常ルーチンの動作条件下で乱されないかまたは混合されないように選択することができ、したがって、限定するものではないが、物理的に混合を制限している狭チャネルの中を含んだチャネルの中で、または、ユニットが維持された順序で、例えば層状であるか層状に類似のフローでチャネルの中を移動させられる際に、ユニットの順序を維持する。ユニットは、任意の適切なメカニズム、例えば、圧力差、フロー集束、層流のユニットの側方移動、バルブ、ゲート、本明細書においてさらに詳細に記載されているルーター、例えばディストリビュータ、または様々なタイプの(例えばアコースティックであるか、電気泳動または光子的)スイッチおよび/または従来技術で公知の他の適切なメカニズムによって、単一チャネルから2つ以上の分岐チャネルに方向付けすることができる。チャネルを通してユニットの移動を引き起こしている力は、ポンプによって作り出される流体圧から、電気浸透力から、または、従来技術において公知である他のあらゆる輸送メカニズムであり得る。本明細書においてさらに詳細に他で記載している入力チャネルもしくは分岐チャネル、または他のチャネルは、検出器と関連付けられていてもよい。検出器は、ユニットを計数するか、ユニットが正しいチャネルに方向付けされたことを確認するか、または、ユニットおよび/もしくはユニットの関係を、互いに、あるいは、マイクロ流体デバイスの基準マークに対してトラッキングするように構成することができる。いくつかの実施形態では、例えばユニットが誤って分配されているときに、ユニットは検出器読み出しに基づいて再び順序付けされる。検出器は、検出器からの入力を扱うように構成されているコンピュータ上のコンピュータプログラムなどのプログラムに連結することができる。検出器からの入力に基づいて、例えば検出器が特定の特徴を検出すると、プログラムは特定の機能を実行することができる。例えば、検出器は、フィードバックループ、例えばマイクロ流体デバイスの中にあるか連結されているポンプの圧力を制御するためのフィードバックループに、連結することができる。圧力制御は、ユニットの速度を制御して/調整するために用いることができる。凝集されているか付着しているユニットの方向または速度を調整することができる。例えば、ユニットは、それらがユニットの残りから切り離することができるかまたは分離させることができるように、特定チャネルに方向付けすることができる。レーザーもしくはLED検出器または、CCDベースのデバイスを含むがこれに限らず、いかなる適切なタイプの検出器も本発明の種々の実施形態で用いることができる。分岐チャネルなどの2つ以上のチャネルは、1つの出力パスに収束することができる。ユニットの移動は制御することができ、および/または、出力チャネルのユニットの位置はユニットが出力パスに組み込まれるにつれて、更新することができる。一実施形態において、多重チャネルからのユニットは、ユニットを最初に1つのチャネルから混合分岐ポイントへに方向付けして、その後そのユニットを第2のチャネルからマージする分岐ポイントに方向付けすることによって、単一チャネルにマージすることができる。ユニットの一部もしくは全部の絶対または相対位置は、それに応じてトラッキングすることができるかまたは判定することができる。
【0074】
チャネル
例えばユニットの1d配列を保つようにサイズ設定されるチャネルの順序付けされたセットを保持するように設計されたマイクロ流体システムの中で、チャネルの容量は、ユニットの平均直径、サイズまたは横断面に基づいて設定することができる。チャネルは、ユニットがその前後のユニットを物理的に通過することができないように、ユニットがチャネルを通って移動する際に物理的にユニットを制約するために狭くなっていてもよい。例えば、チャネルの幅は、ユニットの平均または名目直径および/またはサイズの1~2倍の間であってもよい。いくつかの実施形態では、ユニットは、ガラスまたは硬質ポリマー、例えばジビニルベンゼンによってクロスリンクされたポリスチレン、または従来技術において知られている他の適切なポリマーなどの、剛性の非適合材料から造られる。いくつかの実施形態では、剛性の非適合材料から造られるユニットは、本明細書において記載されているマイクロ流体チャネルに保持されるかまたは流される。このような剛性の非適合材料から造られるユニットは、それらがそれらを締めつけるのに十分狭いチャネル内で互いを通過するのを物理的に防止することによって順序通りに維持することができる。チャネルは、剛性の非適合材料から造られるユニットの通過の余地を与えるために十分広くてもよい。いくつかの実施形態では、チャネルの中を流れているユニットの全体または一部、例えば90%、95%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%、99.999%、99.9999%、99.99999%またはそれ以上のための、チャネルの幅に対する平均もしくは名目ユニット直径および/またはサイズの比は、ほぼ、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95であるか、その値を超えるか、もしくはほぼその値を超えるか、またはより大きい。いくつかの実施形態では、チャネルの中を流れているユニットの全体または一部、例えば90%、95%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%、99.999%、99.9999%、99.99999%またはそれ以上のための、チャネルの幅に対する平均もしくは名目ユニット直径および/またはサイズの比は、ほぼ0.95、0.9、0.85、0.8、0.75、0.7、0.65、0.6、0.55であるか、その値未満であるか、もしくはほぼその値未満であるか、またはより小さい。いくつかの実施形態では、チャネルの中を流れているユニットの全体または一部、例えば90%、95%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%、99.999%、99.9999%、99.99999%またはそれ以上のための、チャネルの幅に対するユニット直径および/またはサイズの比は、前述の値、例えば0.45~0.99、0.45~0.95、0.45~0.90、0.45~0.85、0.45~0.80、0.45~0.75、0.45~0.7、0.45~0.65、0.45~0.6、0.5~0.99、0.5~0.95、0.5~0.90、0.5~0.85、0.5~0.80、0.5~0.75、0.5~0.7、0.5~0.65、0.5~0.6、0.5~0.55、0.55~0.99、0.55~0.95、0.55~0.90、0.55~0.85、0.55~0.80、0.55~0.75、0.55~0.7、0.55~0.65、0.55~0.6、0.6~0.99、0.6~0.95、0.6~0.90、0.6~0.85、0.6~0.80、0.6~0.75、0.6~0.7、0.6~0.65、0.6~0.6、0.65~0.99、0.65~0.95、0.65~0.90、0.65~0.85、0.65~0.80、0.65~0.75、0.65~0.7、0.65~0.65、0.7~0.99、0.7~0.95、0.7~0.90、0.7~0.85、0.7~0.80、0.7~0.75、0.75~0.99、0.75~0.95、0.75~0.90、0.75~0.85、0.75~0.80、0.8~0.99、0.8~0.95、0.8~0.90、0.8~0.85、0.85~0.99、0.85~0.95または0.85~0.90のいずれかによって囲まれる範囲に入る。チャネル速度の値は、本明細書においてチャネル速度について記載される可能な値のいずれかの間で変動することができる。
【0075】
ユニットが適合材料(例えば液滴、スラグ、非混合性容積、ヒドロゲルまたは柔軟性ポリマー)から造られるいくつかの実施形態において、平均であるか名目圧縮されていないユニット直径および/またはサイズ(チャネルの外側で測定される)とチャネルの幅の比は、1より実質的に大きくてもよい。いくつかの実施形態では、チャネルを通って流れるユニットの全体または一部、例えば90%、95%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%、99.999%、99.9999%、99.99999%もしくはより多くについてのチャネルの幅に対する、平均または名目の圧縮されていないユニットの直径および/または(例えばチャネルの外側で測定される)サイズの比率は、ほぼ、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0、1.05、1.1、1.15、1.2、1.25、1.30、1.35、1.4、1.45、1.5、1.55、1.6、1.65、1.70、1.75、1.8、1.85、1.9、1.95、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0であるか、その値を超えるか、もしくはほぼその値を超えるか、またはより大きい。いくつかの実施形態では、チャネルを通って流れるユニットの全体または一部、例えば90%、95%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%、99.999%、99.9999%、99.99999%もしくはより多くについてのチャネルの幅に対する、平均または名目の圧縮されていないユニット直径および/または(例えばチャネルの外側で測定される)サイズの比率は、ほぼ、4.0、3.5、3.0、2.5、2.0、1.95、1.9、1.85、1.8、1.75、1.7、1.65、1.6、1.55、1.5、1.45、1.4、1.35、1.3、1.25、1.2、1.15、1.1、1.05、1、0.95、0.90、0.85、0.8、0.75、0.7、0.65、0.6、055であるか、その値未満であるか、もしくはほぼその値未満であるか、またはより小さい。いくつかの実施形態では、チャネルの中を流れているユニットの全体または一部、例えば90%、95%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%、99.999%、99.9999%、99.99999%もしくはより大きいものについてのチャネルの幅に対する、ユニット直径および/またはサイズの比率は、前述の値のいずれかによって囲まれる範囲に入り、例えば、0.5~4、0.5~3.5、0.5~3、0.5~2.5、0.5~2、0.5~1.95、0.5~1.85、0.5~1.8、0.5~1.75、0.5~1.7、0.5~1.65、0.5~1.6、0.5~1.55、0.5~1.5、0.5~1.45、0.5~1.4、0.5~1.35、0.5~1.3、0.5~1.25、0.5~1.2、0.5~1.15、0.5~1.1、0.5~1.05、0.5~1、0.5~0.95、0.5~0.9、0.5~0.85、0.5~0.8、0.5~0.75、0.5~0.7、0.5~0.65、0.5~0.6、0.5~0.55、0.55~4、0.55~3.5、0.55~3、0.55~2.5、0.55~2、0.55~1.95、0.55~1.85、0.55~1.8、0.55~1.75、0.55~1.7、0.55~1.65、0.55~1.6、0.55~1.55、0.55~1.5、0.55~1.45、0.55~1.4、0.55~1.35、0.55~1.3、0.55~1.25、0.55~1.2、0.55~1.15、0.55~1.1、0.55~1.05、0.55~1、0.55~0.95、0.55~0.9、0.55~0.85、0.55~0.8、0.55~0.75、0.55~0.7、0.55~0.65、0.55~0.6、0.5~0.55、0.6~4、0.6~3.5、0.6~3、0.6~2.5、0.6~2、0.6~1.95、0.6~1.85、0.6~1.8、0.6~1.75、0.6~1.7、0.6~1.65、0.6~1.6、0.6~1.55、0.6~1.5、0.6~1.45、0.6~1.4、0.6~1.35、0.6~1.3、0.6~1.25、0.6~1.2、0.6~1.15、0.6~1.1、0.6~1.05、0.6~1、0.6~0.95、0.6~0.9、0.6~0.85、0.6~0.8、0.6~0.75、0.6~0.7、0.6~0.65、0.65~4、0.65~3.5、0.65~3、0.65~2.5、0.65~2、0.65~1.95、0.65~1.85、0.65~1.8、0.65~1.75、0.65~1.7、0.65~1.65、0.65~1.6、0.65~1.55、0.65~1.5、0.65~1.45、0.65~1.4、0.65~1.35、0.65~1.3、0.65~1.25、0.65~1.2、0.65~1.15、0.65~1.1、0.65~1.05、0.65~1、0.65~0.95、0.65~0.9、0.65~0.85、0.65~0.8、0.65~0.75、0.65~0.7、0.7~4、0.7~3.5、0.7~3、0.7~2.5、0.7~2、0.7~1.95、0.7~1.85、0.7~1.8、0.7~1.75、0.7~1.7、0.7~1.65、0.7~1.6、0.7~1.55、0.7~1.5、0.7~1.45、0.7~1.4、0.7~1.35、0.7~1.3、0.7~1.25、0.7~1.2、0.7~1.15、0.7~1.1、0.7~1.05、0.7~1、0.7~0.95、0.7~0.9、0.7~0.85、0.7~0.8、0.7~0.75、0.75~4、0.75~3.5、0.75~3、0.75~2.5、0.75~2、0.75~1.95、0.75~1.85、0.75~1.8、0.75~1.75、0.75~1.7、0.75~1.65、0.75~1.6、0.75~1.55、0.75~1.5、0.75~1.45、0.75~1.4、0.75~1.35、0.75~1.3、0.75~1.25、0.75~1.2、0.75~1.15、0.75~1.1、0.75~1.05、0.75~1、0.75~0.95、0.75~0.9、0.75~0.85、0.75~0.8、0.8~4、0.8~3.5、0.8~3、0.8~2.5、0.8~2、0.8~1.95、0.8~1.85、0.8~1.8、0.8~1.75、0.8~1.7、0.8~1.65、0.8~1.6、0.8~1.55、0.8~1.5、0.8~1.45、0.8~1.4、0.8~1.35、0.8~1.3、0.8~1.25、0.8~1.2、0.8~1.15、0.8~1.1、0.8~1.05、0.8~1、0.8~0.95、0.8~0.9、0.8~0.85、0.85~4、0.85~3.5、0.85~3、0.85~2.5、0.85~2、0.85~1.95、0.85~1.85、0.85~1.8、0.85~1.75、0.85~1.7、0.85~1.65、0.85~1.6、0.85~1.55、0.85~1.5、0.85~1.45、0.85~1.4、0.85~1.35、0.85~1.3、0.85~1.25、0.85~1.2、0.85~1.15、0.85~1.1、0.85~1.05、0.85~1、0.85~0.95、0.85~0.9、0.9~4、0.9~3.5、0.9~3、0.9~2.5、0.9~2、0.9~1.95、0.9~1.85、0.9~1.8、0.9~1.75、0.9~1.7、0.9~1.65、0.9~1.6、0.9~1.55、0.9~1.5、0.9~1.45、0.9~1.4、0.9~1.35、0.9~1.3、0.9~1.25、0.9~1.2、0.9~1.15、0.9~1.1、0.9~1.05、0.9~1、0.9~0.95、0.95~4、0.95~3.5、0.95~3、0.95~2.5、0.95~2、0.95~1.95、0.95~1.85、0.95~1.8、0.95~1.75、0.95~1.7、0.95~1.65、0.95~1.6、0.95~1.55、0.95~1.5、0.95~1.45、0.95~1.4、0.95~1.35、0.95~1.3、0.95~1.25、0.95~1.2、0.95~1.15、0.95~1.1、0.95~1.05、0.95~1、1~4、1~3.5、1~3、1~2.5、1~2、1~1.95、1~1.85、1~1.8、1~1.75、1~1.7、1~1.65、1~1.6、1~1.55、1~1.5、1~1.45、1~1.4、1~1.35、1~1.3、1~1.25、1~1.2、1~1.15、1~1.1または1~1.05である。チャネルの幅および/またはチャネル速度の値は、本明細書においてチャネルの幅および/またはチャネル速度について記載される可能な値のいずれかの間で変動することができる。
【0076】
ユニットは、位置的順序付けが本明細書において他でさらに詳細に説明しているような物理的な寸法の制約によって維持される領域との間で、ユニットの混合を物理的に制約するための制約的な寸法を有していないデバイスの部分の中に、その部分を通して、またはその部分から、流されることができる。しかしながら、ユニットの順序付けされたフローは、例えば層状であるか層状に類似のフローを適用することによって、適切な動作条件で維持することができる。位置的順序を維持するための動作条件は、デバイスの操作の間、常に、または、ある時間だけ維持することができる。いくつかの実施形態では、本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスは、一部またはすべての方向でのチャネル幅における、段階的であるかまたは突然の拡大部の領域、例えば、長方形横断面および大アスペクト比を有するチャネルに移行している円形横断面を有する狭チャネルを有する。このような拡大部は、その中のユニット流れの混合がチャネルの物理的寸法によって制約されないように、チャネルの1つ以上の寸法を増加させることができる。拡大部のこのような領域は、種々のアスペクト比のコーナーおよび/またはチャンバを含むこともできる。理論に束縛されずに、層状であるか流線型のフローでは、流体の平行した層は層の間の分裂なしで流れる。ユニットの位置順序付けは、ユニットが拡大部を通って移動する際に、ユニットを順序付けされたフローで動かすことによって、例えばユニットの順序付けを維持するのに十分な層状であるか層状に類似のフロー状態で、維持することができる。このような拡大部のフローが必ずしも層状である必要があるというわけではない、しかし、位置順序付けの維持は、本願明細書において種々の実施形態に従って、経験的に流動状態を調整することによって確立することができる。種々の実施形態において、例えば、本明細書において記載されているデバイスおよび方法は、限定されるものではないが、ユニットを完全な層流に至らない状態で移動しながら、または、ビーズを、例えば拡散速度によって制限されるように保持しながら、ユニットの順序付けされたフローを維持する。種々の実施形態において、ユニットは、記載されているように位置が物理的制約を介して維持される、デバイスの第1の領域から、本明細書において記載されているデバイスの動作の間、順序が適切な流体条件を適用することによって維持され得る第2の領域に流される。例えば、このような第2の領域では、その最も広い位置のチャネル横断面幅は、ユニットの平均直径および/またはサイズの2~1000倍の間にあってもよい。その最も広い位置のチャネル横断面幅は、ユニットの平均または名目直径および/またはサイズの、ほぼ、2、2.2、2.4、2.5、2.8、3、3.2、3.4、3.5、3.6、3.8、4、4.2、4.4、4.5、4.6、4.8、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、500、1000倍もしくはより大きい倍数であるか、それを超えるか、またはほぼそれを超えてもよい。その最も広い寸法のチャネル横断面幅は、前述の値のいずれかによって囲まれる範囲に入り、例えば、ユニットの名目または平均直径および/またはサイズの、2~2.5、2~4、2.5~3、2~5、3~3.5、3.5~4、3.5~5、4~4.5、4.5~5、5~10、10~25、25~50、50~75または75~100、100~200、200~500、500~1000倍を含む。ユニットは、ユニットの順序を物理的に維持することを考慮に入れている狭窄する寸法を有するデバイスの第3の領域に、さらに移動させることができる。種々の実施形態において、ユニットは、拡大および/または収縮するチャネル内に指定された順序で保持される。例えば、ユニットの混合を物理的に抑えるのに十分に小さい幅を有するチャネルにおいて保持されているユニットは、少なくとも1つの次元でより大きな幅、例えば、ユニットの平均または名目直径および/またはサイズの、ほぼ、2、2.2、2.4、2.5、2.8、3、3.2、3.4、3.5、3.6、3.8、4、4.2、4.4、4.5、4.6、4.8、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、500、1000倍もしくはより大きい倍数であるか、その倍数を超えるか、またはほぼその倍数を超える幅を有する、チャネルの別の領域または別のチャネルに移動させることができる。チャネルのこのような拡大領域のユニットは、例えばユニットを層流に保つことによって、指定された順序に保つことができる。同様に、混合を物理的に抑えるには広すぎるチャネルの領域の中に指定された順序で保たれているユニットは、混合を物理的に抑えるのに十分狭い幅、例えば、中にあるユニットの平均または名目直径および/またはサイズの、ほぼ、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1.05、1.02、1.01または1倍であるか、その倍数未満であるか、またはほぼその倍数未満であるチャネル幅を有する、チャネルの別の領域または別のチャネルに移動させることができる。このようなチャネルの幅は、その中のユニットの圧縮されていない(例えばチャネルの外側で測定される)平均または名目直径および/またはサイズの、ほぼ、0.99、0.95、0.9、0.8、0.7、0.6、0.55、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1倍であるか、その倍数未満であるか、またはほぼその倍数未満であってもよく、それでも圧縮性であるか適合するユニットを流すことが可能であり得る。このようなチャネルの幅の遷移は、ほぼ、1000μm、500μm、400μm、300μm、200μm、100μm、90μm、80μm、70μm、60μm、50μm、40μm、30μm、20μm、10μmであるか、それ未満であるか、もしくはほぼそれ未満であるか、またはより小さい遷移長で生じてもよい。チャネルの幅遷移の値は、本明細書においてチャネルの幅遷移について記載される可能な値のいずれかの間で変動することができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、チャネルの幅または平均のチャネルの幅は、1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μm、50μm、55μm、60μm、65μm、70μm、75μm、80μm、85μm、90μm、95μm、100μm、125μm、150μm、175μm、200μm、300μm、400μm、500μm、1000μmもしくはより大きい値であるか、またはその値より大きい。いくつかの実施形態では、チャネルの幅または平均チャネルの幅は、1000μm、500μm、400μm、300μm、200μm、175μm、150μm、125μm、100μm、95μm、90μm、85μm、80μm、75μm、70μm、65μm、60μm、55μm、50μm、45μm、40μm、35μm、30μm、25μm、20μm、15μm、10μm、9μm、8μm、7μm、6μm、5μm、4μm、3μm、2μm、1μmもしくはより小さい値であるか、またはその値より小さい。本明細書において記載されているデバイスのチャネルは、本明細書において列挙される寸法のいずれかに囲まれている範囲のチャネルの幅または平均の幅を有してもよく、例えば、1~5μm、3~8μm、5~10μm、10~20μm、20~30μm、30~40μm、40~50μm、50~60μm、60~70μm、70~80μm、80~90μm、90~100μm、1~100μm、100~200μm、200~300μm、300~400μm、400~500μmまたは100~500μm、500~1000μmである。いくつかの実施形態では、チャネルの高さ対幅アスペクト比は、1:100以上であり得て、例えば1:100、1:90、1:80、1:70、1:60、1:50、1:40、1:30、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1.5、1:4、1:3、1:2、1:1.5、1:1.4、1:1.3、1:1.2、1:1.1、1:1以上であり得る。高さ対幅アスペクト比はまた、1:1未満であり得て、例えば、1:1、1:1.5、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:30、1:40、1:50、1:60、1:70、1:80、1:90、1:100未満またはより小さいものであり得る。いくつかの実施形態では、チャネルの高さ対幅アスペクト比は、10:1以下であり得て、例えば、100:1、90:1、80:1、70:1、60:1、50:1、40:1、30:1、20:1、19:1、18:1、17:1、16:1、15:1、14:1、13:1、12:1、11:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1.5:1、1:1以下であり得る。高さ対幅アスペクト比はまた、1:1より大きいものであり得て、例えば、1:1、1.5:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、30:1、40:1、50:1、60:1、70:1、80:1、90:1または100:1より大きい値であるか、またはその値より大きいものであり得る。チャネルの高さ対幅アスペクト比は、上に列挙された値のいずれかに囲まれる範囲の中で入ってもよく、例えば、高さ幅アスペクト比は、1:100と1:20、1:20と1:1、1:1.1と1.5:1または、1:3と3:1の間にあってもよい。
【0078】
チャネルの長さは、ほぼ、0.01ミリメートル(mm)、0.1mm、0.5mm、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、15mm、20mm、25mm、30mm、35mm、40mm、45mm、50mm、55mm、60mm、65mm、70mm、75mm、80mm、90mm、100mm、15センチメートル(cm)、20cm、25cm、30cm、35cm、40cm、45cm、50cm、55cm、60cm、65cm、70cm、75cm、80cm、90cm、100cm、1.5メートル(m)、2m、3m、4m、5m、6m、7m、8m、9m、10mであるか、その値を超えるか、もしくはほぼその値を超えるか、またはより大きい。チャネル長は、本明細書において列挙される寸法のいずれかに囲まれた範囲内、例えば、1~10mm、10~15mm、15~20mm、20~25mm、30~35mm、35~45mm、45~50mm、50~55mm、55~60mm、60~65mm、65~70mm、70~75mm、75~80mm、80~90mm、90~100mm、10~15cm、15~20cm、20~25cm、30~35cm、35~45cm、45~50cm、50~55cm、55~60cm、60~65cm、65~70cm、70~75cm、75~80cm、80~90cm、90~100cm、1~2m、2~3m、3~4m、4~5m、5~6m、6~7m、7~8m、8~9m、9~10m内に入ってもよい。チャネルの長さは、ほぼ、10m、9m、8m、7m、6m、5m、4m、3m、2m、100cm、90cm、80cm、70cm、60cm、50cm、40cm、30cm、20cm、10cm、9cm、8cm、7cm、6cm、5cm、4cm、3cm、2cm、100mm、90mm、80mm、70mm、60mm、50mm、40mm、30mm、20mm、10mm、9mm、8mm、7mm、6mm、5mm、4mm、3mm、2mm、1mm、0.5mm、0.1mm、0.01mmであるか、その値未満であるか、もしくはほぼその値未満であるか、またはより小さい値であり得る。チャネル長の値は、本明細書においてチャネル長について記載される可能な値のいずれかの間で変動することができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、1つ以上のチャネルの長さは、デバイス内のユニットの数またはチャネルを適合させるために指定されるユニットの数に基づいて選択される。ユニットサイズは、段落129の「ユニット」のセクションを含むがそれに限らず、本明細書において他でさらに詳細に記載されている。チャネル長は、本明細書において列挙される値のいずれかに囲まれる範囲、例えば、l~1E7ユニット、1~10、10~50、50~100、50~1E5、100~500、100~5E5、100~1E7、500~1E4、1E4~5E4、5E4~1E5、1E5~5E5、5E5~1E6、1E6~5E6または5E6~1E7ユニットに、ユニットの数を適合させるように選択することができる。チャネル長は、ほぼ、1、10、50、100、500、1E4、5E4、1E5、5E5、1E6、5E6、1E7個以上のユニット、それを超えるかまたはほぼそれを超える個数のユニットに適合するように選択することができる。チャネル長は、ほぼ、1E7、5E6、1E6、5E5、1E5、5E4、1E4、500、100、50、40、30、20、10、5、4、3、2または1ユニットであるか、それ未満か、またはほぼそれ未満のユニットに適合するように選択することができる。分岐チャネル長は、本明細書において列挙される値のいずれかに囲まれている範囲のユニットの数、例えば、1~1E7ユニット、1~10、10~50、50~100、50~1E5、100~500、100~5E5、100~5E7、500~1E4、1E4~5E4、5E4~1E5、15~5E5、5E5~1E6、1E6~5E6または5E6~1E7ユニット長に適合するように選択することができる。分岐チャネル長は、ほぼ、1E7、5E6、1E6、5E5、1E5、5E4、1E4、500、100、50、40、30、20、10、5、4、3、2もしくは1ユニットであるか、それ未満か、またはより少ないユニットに適合するように選択することができる。分岐チャネル長は、ほぼ、1、5、10、20、30、40 50、100、500、1E4、5E4、1E5、5E5、1E6、5E6、1E7ユニットであるか、それを超えるか、もしくはほぼそれを超えるか、またはより多いユニットに適合するように選択することができる。分岐チャネル長の値は、本明細書において分岐チャネル長について記載される可能な値のいずれかの間で変動することができる。
【0080】
ユニットは、ユニットの名目または平均サイズおよび/または直径の、ほぼ、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、25、30、40、50、100、200、300、400、500、600、700、800、900または1000倍か、その倍数を超えるか、もしくはほぼその倍数を超えるか、またはより大きいスペーサ長によって、互いからスペースを置いて配置することができる。チャネルは、所要の数のユニット、例えば、各ユニットの間のユニットの長さの、ほぼ、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、100、200、300、400、500、600、700、800、900または1000倍であるか、その倍数を超えるか、もしくはほぼその倍数を超えるか、またはより大きいスペーサ長を有する、1~1E7個のユニットを収容するのに十分な長さを有するように選択することができる。チャネルは、各ユニットの間のユニットの長さの、ほぼ、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50、40、30、25、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1倍か、その倍数未満か、もしくはほぼその倍数未満であるか、またはより小さいスペース長を有する、1~1E7個のユニットを収容するのに十分な長さを有するように選択することができる。チャネルは、本明細書において記載されているスペーサ長値のいずれか、例えば、各ユニット間の1~1000、1~100、2~25、3~40、4~10、5~100、6~30、7~100、8~100、9~10、10~15、10~20、20~50、50~100、100~200、200~300、300~400、400~500、500~600、600~700、700~800、800~900または900~1000スペーサ長に囲まれる範囲に入っているスペーサ長を有する、1~1E7個のユニットを収容するのに十分な長さを有するように選択することができる。スペーサ長の値は、本明細書においてスペーサ長について記載される可能な値のいずれかの間で変動することができる。
【0081】
チャネル横断面形状は、正方形、長方形、楕円形、円形、半円形または他のいかなる好適な形でもよい。マイクロ流体チャネルは、線形、蛇行形であるか、または別の好適な形または長さを有することができ、大きなユニット容量を有するチャネルを可能にすることができる。1E6、1E7かそれを超えるユニット容量が、比較的小さい流体チップ上の適切なチャネル構成を用いて達成可能である。
【0082】
種々の実施形態によれば、チャネルが、改質手順が製品または場合によってはユニットを改質するために用いる反応チャンバとして用いられてもよい。改質手順は、いかなる化学、物理、光学または機械的な方法も含むことができる。本発明の種々の実施形態は、改質手順がユニットの配置を妨げないことを確実にする。化学試薬は、ユニットを含んでいる流体チャネルを通る液体またはガスとして流すことができる。チャネルまたはユニットの特性または直径および/もしくはサイズは、化学試薬のフローまたは化学手順の効果または効率を強化するように選択することができる。例えば、チャネルは、ガラス、耐薬品ポリマーまたは無抵抗のポリマーから造ることができるかまたはそれでおおわれていることができる。種々の実施形態において、チャネルは、適用される改質手順に化学耐性がある。ユニットは、制御された細孔ガラス、プラスチックまたは任意の適切なポリマーなどのいかなる適切な材料からも造ることができる。種々の実施形態において、ユニットのサイズ分布は、流体がチャネルにある間ユニット上を流れるためのスペースを残すように選択することができる。種々の実施形態において、流体がユニット上を流れるのためのスペースが無くてもよい。本明細書においてさらに詳細に他で記載されている処理および化学反応は、流体が本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスのチャネルの中でユニット上を流れるためのスペースを必要とせずに実行することができる。例えば、熱または光を加えることを含む処理は、このようなスペース無しで実行することができる。
【0083】
本発明は、反応チャンバを含むことができる。本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスの中の種々の領域、例えば、分岐チャネルは、反応チャンバとして利用することができる。反応チャンバは、チャネルの中または端部に位置するバルブによって囲むことができる。反応チャンバはまた、バルブ無しであってもよく、キャリア流体および/または試薬の圧力またはフローは、反応チャンバに接続している入口または放出口を有するポンプによって制御される。ユニットは、直接、または、1つ以上のチャネルを通して、1つの反応チャンバから別の反応チャンバへ流すことができる。反応チャンバのサイズは、変化することができるものであり、スペーシングまたはバルブのサイズまたは反応チャンバを画定しているポンプ入口/放出口および寸法、例えば反応チャンバの幅、高さ、直径または横断面に依存し得る。反応チャンバのサイズは、ほぼ、少なくとも、または少なくともほぼ、10pl、20pl、30pl、40pl、50pl、60pl、70pl、80pl、90pl、100pl、200pl、300pl、400pl、500pl、600pl、700pl、800pl、900pl、1000pl、100~200pl、200~300pl、300~400pl、400~500pl、500~600pl、600~700pl、700~800pl、800~900pl、900~1000pl、1nl、2nl、3nl、4nl、5nl、6nl、7nl、8nl、9nl、10nl、20nl、30nl、40nl、50nl、60nl、70nl、80nl、90nl、100nl、200nl、300nl、400nl、500nl、600nl、700nl、800nl、900nl、1μl、10μl、20μl、30μl、40μl、50μl、60μl、70μl、80μl、90μl、100μl、200μl、300μl、400μl、500μlまたはより大きいものであり得る。反応チャンバのサイズは、500μl、400μl、300μl、200μl、100μl、90μl、80μl、70μl、60μl、50μl、40μl、30μl、20μl、10μl、1000nl、900nl、800nl、700nl、600nl、500nl、400nl、300nl、200nl、100nl、90nl、80nl、70nl、60nl、50nl、40nl、30nl、20nl、10nl、9nl、8nl、7nl、6nl、5nl、4nl、3nl、2nl、1nl、900pl、800pl、700pl、600pl、500pl、400pl、300pl、200pl、100pl、90pl、80pl、70pl、60pl、50pl、40pl、30pl、20pl、10pl未満であるか、またはほぼこの値未満であり得る。当業者は、反応チャンバがこれらの値、例えば10~50nl、10~100nl、50~100nl、100~200nl、200~300nl、300~400nl、400~500nl、500~600nl、600~700nl、700~800nl、800~900nl、900~1000nl、1μl、2μl、3μl、4μl、5μl、6μl、7μl、8μl、9μl、10μl、1~10μl、10~100μl、100~200μl、200~300μl、300~400μlまたは400~500μlのいずれかによって囲まれるいかなる範囲にも入るサイズを有することができると認める。反応チャンバの値は、本明細書において反応チャンバについて記載される可能な値のいずれかの間で変動することができる。
【0084】
改質手順が発生するチャネルは、1つ以上の入口または放出口ポートおよび/またはバルブを有することができる。試薬は、チャネルの内外にバルブまたはポートを通して配送することができる。これらの入口または放出口ポートおよびバルブは、ユニットがトラップされるかまたは乱されるのを防止するように構成するかまたは適切に塞ぐことができる。ユニットは、例えば改質手順の間、1つ以上の、閉じているか、閉塞性であるか、多孔性のバルブ、ゲート、スイッチによって、あるいは、磁場によって、チャネルに保持することができる。永続的であるか誘導可能な磁気的性質を有するユニットを、それらの磁界との交互作用を利用するために使用することができる。改質手順は、特定チャネルのユニットの一部または全部に操作することができる。いくつかの場合では、選択された改質手順は、ユニットまたはユニットと関連付けられた製品で変化を引き起こさない。所与のチャネルのユニットに、改質手順を適用しないか、またはより多くの改質手順を適用することができる。流体デバイスの異なるチャネルは、順次、または、同時に、それぞれのチャネルのユニットに適用することができる異なった改質手順を有効にするように構成することができる。集中した別々の改質手順がいずれのチャネルにも適用することができる前に、チャネルは2回以上分かれることができる。
【0085】
種々の実施形態において、同一の反応条件の適用を受けるすべてのユニットは、このような反応条件の適用を指定される単一のチャネルに保たれる。いくつかの実施形態では、同じ反応条件の適用を受けるように指定されたユニットは、例えば分岐チャネルを含む、複数のチャネルまたは反応チャンバに分配される。
【0086】
マイクロ流体デバイスは、チャネルが複数チャネルまたは放出口に分かれるかまたは割れる分岐ポイントを含むことができる。分岐ポイントは、ほぼ、少なくとも、または少なくともほぼ、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100個のまたはより多い、限定はしないが分岐チャネルまたは反応チャンバを含む、チャネルまたは放出口を含むことができる。分岐ポイントの値は、本明細書において分岐ポイントについて記載される可能な値のいずれかの間で変動することができる。1つ以上の分岐ポイントは、順次配置することができる。分岐チャネルまたは放出口は、2次元または3次元の配置を有することができる。例えば、分岐ポイントは第1のチャネルをX、Y平面の2つ以上の分岐チャネルに分割することができ、デバイスの中で結果として2次元プレーナチャネルの配置になる。または、分岐ポイントは、第1のチャネルを、X、Y平面に入る、および/またはそれからでる2つ以上の分岐チャネルに分割することができる。このような構成では、第1のセットの1つ以上の分岐チャネルは、分岐ポイントにすぐ隣接した第1のチャネルの部分を有する1つの平面Aにあってもよいが、第2のセットの1つ以上の分岐チャネルの分岐ポイント隣接部分は、平面Aとは異なる、例えば平面Aに垂直な平面にあってもよく、結果として本明細書において記載されているデバイスの中で3次元分岐ポイントチャネルの配置になる。いくつかの実施形態では、本明細書において記載されているデバイスの1つ以上のチャネルは非線形であり、例えば、このようなデバイスは螺旋または他の曲線の形状を有することができる。
【0087】
ユニットのルーティング
本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスは、デバイスを通してユニットをルーティングするように構成することができる。ユニットのルーティングは、ユニットを保持すること、ユニットを移動すること、チャネルまたは分岐チャネルへユニットを分配すること、および/または、2つ以上のチャネルもしくは分岐チャネルから1つ以上のチャネルへユニットをマージすることを含むことができる。デバイスは、2つ以上のチャネルまたは分岐チャネルから1つ以上のチャネルにユニットをマージするように構成すこともできる。種々の実施形態において、ルーティングは、分配を含む。本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスの中のユニットは、ディストリビュータを通して、p個の位置、例えばチャネルから、マイクロ流体デバイスの中のp+i個の位置へルーティングすることができ、ここでp,i>0である。これらのp+i個の位置は、本明細書において分岐チャネルと一般に呼ばれるチャネルでもよい。種々の実施形態において、ルーティングは、混合を含む。本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスの中のユニットは、マージャーを通して、q個の位置、例えばチャネルから、q-j個の位置へルーティングすることができ、ここでq,j,q-j>0である。これらのq-j個の位置は、本明細書においてマージャーチャネルと一般に呼ばれるチャネルでもよい。いくつかの実施形態では、pは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、120、30、40、50、60、70、80、90、100であるか、少なくともその値であるか、もしくは少なくともほぼその値であるか、またはより大きい。いくつかの実施形態では、pは、100、90、80、70、60、50、40、30、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2であるか、多くともその値であるか、もしくは多くともほぼその値であるか、またはより小さい。いくつかの実施形態では、pは、1~5、5~10、10~15、15~20、20~25、25~30、30~35、35~40、40~45、45~50、50~55、55~60、60~65、65~70、70~75、75~80、85~90、90~95または95~100の間にある。いくつかの実施形態では、iは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、120、30、40、50、60、70、80、90、100であるか、少なくともその値であるか、もしくは少なくともほぼその値であるか、またはより大きい。いくつかの実施形態では、iは、100、90、80、70、60、50、40、30、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2であるか、多くともその値であるか、もしくは多くともほぼその値であるか、またはより小さい。いくつかの実施形態では、iは、1~5、5~10、10~15、15~20、20~25、25~30、30~35、35~40、40~45、45~50、50~55、55~60、60~65、65~70、70~75、75~80、85~90、90~95または95~100の間にある。いくつかの実施形態では、qは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、120、30、40、50、60、70、80、90、100であるか、少なくともその値であるか、もしくは少なくともほぼその値であるか、またはより大きい。いくつかの実施形態では、qは、ほとんどで、または、多くとも約100、90、80、70、60、50、40、30、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2であるか、多くともその値であるか、もしくは多くともほぼその値であるか、またはより小さい。いくつかの実施形態では、qは、1~5、5~10、10~15、15~20、20~25、25~30、30~35、35~40、40~45、45~50、50~55、55~60、60~65、65~70、70~75、75~80、85~90、90~95または95~100の間にある。いくつかの実施形態では、jは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、120、30、40、50、60、70、80、90、100であるか、少なくともその値であるか、もしくは少なくともほぼその値であるか、またはより大きい。いくつかの実施形態では、jは、100、90、80、70、60、50、40、30、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2であるか、多くともその値であるか、もしくは多くともほぼその値であるか、またはより小さい。いくつかの実施形態では、jは、1~5、5~10、10~15、15~20、20~25、25~30、30~35、35~40、40~45、45~50、50~55、55~60、60~65、65~70、70~75、75~80、85~90、90~95または95~100の間にある。p、q、jおよび/またはiの値は、本明細書において、p、q、jおよび/またはiについて記載される可能な値のいずれかによって囲まれる範囲の中に入り得る。ルーティングは、チャネルの中の、または、流体デバイスの1つの位置からもう一方への、または、第1のチャネルから第2のチャネルへの、ユニットの移動を含むことができて、ここで、第1のチャネルのフローの軸は、第2と同じでもよく、または、代わりに、第1のフローの軸は第2のフローの軸といかなる角度であっても、例えば、45°または90°であってもよい。分配は、第1のチャネルから分岐ポイントを介して分岐チャネルへの、1つ以上の分岐チャネルまたは反応チャンバから1つ以上の他のチャネルへの、ユニットの移動を含むことができる。混合は、分配の逆方向を含むことができる。ユニットは、マイクロ流体デバイスの中のq個の位置、例えばq個の分岐チャネルまたは反応チャンバから、1つ以上の分岐ポイントを経て、q>jであるとしてマイクロ流体デバイスの中のq-j個の位置に、例えば、ユニットが分配された第1のチャネルに、ユニットを移動させることによって、マージすることができる。
【0088】
本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスは、流体圧を生成して調整するメカニズム、可動機械的メカニズム、静的であるか非移動機械的機能または非移動力生成メカニズムを含むがこれに限らず、従来技術において公知の任意の適切なメカニズムを介して、ユニットをルーティングするように構成することができる。ルーターは、このようなルーティングメカニズムまたは周知の他のあらゆる適切なメカニズムに従って造られて、第1のチャネルの中のユニットを動かすかまたはルーティングし、ユニットを第1のチャネルから第2のチャネルへ動かすかまたはルーティングし、ユニットを第1のチャネルから2つ以上の分岐チャネルに分配し、および/または、ユニットを2つ以上の分岐チャネルから第1または第2のチャネルにマージするように構成して用いることができる。本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスは、1つ、2つ、または複数のルーティングメカニズムを備えていてもよい。
【0089】
流体圧調整ルーティングメカニズムは、流体デバイスの中の1つ以上の位置で流体圧を増減するメカニズムを含むことができるが、これに限定されるものではない。流体圧調整メカニズムは、周知のあらゆる適切な機械的装置、例えば流体ポンプ、ガス圧駆動ポンプ、手動シリンジ、電子制御シリンジポンプ、電気浸透ポンプ、膜ポンプ、ギヤポンプ、臑動ポンプ、電気流体力学ポンプまたはいかなるそれらの組み合わせも含むことができる。本明細書において記載されているデバイスは、同一タイプの、または、異なるタイプの1つ以上の流体圧調整メカニズムを含むことができる。流体圧調整メカニズムは、特定の電子制御の下にあってもまたはなくてもよく、フィードバック制御を有して、適切な圧力送出を確実にすることができる。流体圧調整メカニズムは、独立に作動してもよく、または同期コントロールの下にあってもよい。理論に束縛されることを求めず、ユニットは、増加するか減少した相対的なまたは絶対圧力をデバイスの流体および/またはユニットに印加することによって、デバイスにおいて移動させることができ、流すことができ、前進させることができ、逆転させることができ、保持することができ、停止させることができ、方向付けすることができ、および/または、再方向付けすることができる。
【0090】
可動機械式ルーターは、流体デバイスの中のユニットまたは流体の動きを移動するか、制御するかまたは、変えるように構成することができるルーターを含むが、これに限定されるものではない。本明細書において記載されている方法およびデバイスは、プラグ、ピストン、ゲート、フリッパー、バルブ、ピン、ラチェットまたはいかなるそれらの組み合わせも含むがこれに限らず、従来技術において公知のいかなる適切な可動機械式ルーターも利用することができる。ユニットは、デバイスの閉機械式ルーターによって保持することができ、および/または機械式ルーターを開くと即座に、リリースすることができる。可動機械式ルーターは、直接ユニットに、および/または、本明細書において記載されているデバイスの流体に印加するように構成することができ、それによりユニットは、デバイスにおいて移動させることができ、停止させることができ、保持することができ、方向付けすることができ、および/または、再方向付けすることができる。
【0091】
静的であるか非可動機械式ルーターは、流体デバイスの中でユニットまたは流体の動きを移動するか、制御するかまたは、変えるように構成することができるルーターを含むが、これに限定されるものではない。このようなルーターは、ピラー、溝、楔、壁、扇形、ホール、カップ、ディボット、ふるい、選択ストッパ(例えば、流体が通過することができるがユニットは引き止められる)、ダム、堰またはその他類似のメカニズムまたはいかなるそれらの組み合わせも含むがこれに限らず、従来技術において公知のいかなる適切な静的機械的メカニズムも利用することができる。本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスは、1つまたは複数の静的であるか非可動機械式ルーターを含むことができる。マイクロ流体デバイスは、単一のタイプの静的ルーター、例えば1つ以上の選択的ストッパ、または2つ以上のタイプの静的ルーター、例えば1つ以上のダムおよび1つ以上のピラーを含むことができる。このような例は、限定することを意味するものではない。静的であるか非可動機械式ルーターは、直接ユニットに、または、デバイスの流体に印加するように構成することができ、それによりユニットは、本明細書において記載されているデバイスにおいて移動させることができ、停止させることができ、保持することができ、方向付けすることができ、および/または、再方向付けすることができる。
【0092】
非移動力生成ルーターは、流体デバイスの中でユニットまたは流体の動きを移動するか、制御するかまたは、変えるように構成することができるルーターを含むが、これに限定されるものではない。このようなルーターは、電気泳動、誘電泳動、音響泳動、電気浸透、磁気泳動、重力またはいかなるそれらの組み合わせを含むがこれに限らずとも従来技術において公知のいかなる適切な静的機械的メカニズムも使用することができる(例えば、完全に本願明細書に引用したものとする、Wyatt Shields C. et al, Lab Chip 2015 15(5):1230-1249を参照)。非移動力生成ルーターは、直接力をユニットに印加するように、および/または、デバイスの流体に、または、それを通して力を印加するように構成することができ、それによりユニットは、本明細書において記載されているデバイスにおいて移動させることができ、停止させることができ、保持することができ、方向付けすることができ、および/または再方向付けすることができる。本明細書においてさらに記載されているルーターは、異なるチャネルまたは分岐チャネルから1つ以上のユニットをマージするように構成することができる。例えば、ルーターは、第1のチャネルから第2のチャネルへ、2つ以上のチャネルから単一チャネルへ、または、2つ以上の分岐チャネルから第2のチャネルへ、1つ以上のユニットをマージするように構成することができる。単一のタイプのルーターまたはルーターのいかなる組合せも、単一デバイスで用いることができる。特定の個々のユニットまたはユニットのセットをデバイスの中の特定の位置へ、または1つのチャネルから別のチャネルに、または2つ以上の分岐チャネルから単一の転送先のチャネルへ動かす順序づけは、本明細書においてさらに詳細に説明するように、単一のタイプのルーターまたは異なるタイプのルーターの組合せによって制御することができる。1つ以上のチャネルへのユニットの移動は、1つ以上の検出器によって検査することができる。
【0093】
本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスは、従来技術で周知の任意の適切な分配メカニズムによって1つ以上のユニットを1つのチャネルから1つ以上のチャネルまたは分岐チャネルに分配するように構成することができる。本明細書において記載されているデバイスは、1つ以上のタイプのディストリビュータを含むことができる。マイクロ流体デバイスのディストリビュータは、デバイスのユニットまたは流体を停止させるか、保持するか、方向付けするかまたは、再方向付けするように構成することができる。ディストリビュータは、チャネルまたは分岐チャネルのセクションを切り離すか、またはチャネルまたは分岐チャネルを通して、または、それに向かってのユニットの進行を妨げるために用いることができる。
【0094】
マイクロ流体デバイスのディストリビュータは、プライマリチャネルのユニットの位置的順序に基づいて、1つ以上のユニットをプライマリチャネルから1つ以上の分岐チャネルに分配させるように構成することができる。ディストリビュータは、ユニットのラベルに基づいて1つ以上のユニットを1つ以上の分岐チャネルに分配するように構成することもできる。分岐チャネルに対する1つ以上のユニットの分配は、反応および/または処理の意図されたシーケンスに従って予め指定することができる。反応および/または処理の意図されたシーケンスは、1つ以上のユニットに前もって割り当てていてもよい。1つ以上のユニットが分配することができるチャネルは、1つ以上のユニットにランダムに割付けすることもできる。1つ以上のユニットをチャネルまたは分岐チャネルに分配する方法は、分岐ポイントまたはその前の層状であるか層状に類似のフローの中でユニットの位置を変えることと、ユニットをチャネルまたは分岐チャネルに方向付けする分岐ポイントまたはその前の1つ以上の可動であるか非移動機械的装置の存在と、ユニットが1つ以上の分岐チャネルに方向付けされるように分岐チャネルを通る流体フローの量もしく圧力を変えるあらゆる方法、またはそれらのあらゆる組み合わせまたは従来技術において公知のあらゆる他の好適な方法とを含むが、これに限定されるものではない。1つ以上の分岐チャネルへの1つ以上のユニットの正しい分配は、検出器を用いて検査することができる。誤って分配されたユニットは、本明細書において他で記載されているエラー改質メカニズムの、影響下に置かれることができ、例えば、1つ以上のユニットをサイドチャネルに方向付けして、および/もしくは保持すること、ならびに/または、サイドチャネルの1つ以上のユニットを、位置的に順序付けられたユニットを保持しているプライマリチャネルの中へと戻して、再方向付けすること、ならびに/または、従来技術において周知のあらゆる他の適切なエラー改質メカニズムによるものである。
【0095】
いくつかの実施形態では、ユニットは、流体の中でユニットの位置を変えることによって分配される。このような方法は、順序付けされたフローの中で、例えば、チャネルの層状であるか層状に類似のフローの中でユニットの位置を変えることができる。フローの中のユニットの側方移動は、ユニットが分岐ポイントの所要のチャネル、通常は分岐ポイントより前のフローの中のユニットの相対位置と同じ側にあるチャネルに、方向付けされるようにすることができる。フローの中のユニットの位置を変える方法は、静電であるか動電学的力、例えば電気泳動、誘電泳動および電気浸透流の適用、バルク定在波、定常表面音波および進行波などの音響力、プティカルトウィーザとしても知られる焦束されたレーザー光線による光学操作または光放射、フローの中で横方向にユニットを動かすユニットの流れの向きにある角度の側方流または交差流の印加、重力、ユニットが強磁性体を含む場合の磁気泳動、フロー集束、従来技術で周知の他のあらゆる適切なタイプの力の印加を介すること、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、側方流または交差流の印加は、ピストンまたはアクチュエータ、例えば圧電性物質、静電気または電気活性ポリマーまたは、電気浸透ポンプなどのポンプを含むものを介した加圧、電気浸透または置換によって実行される。
【0096】
いくつかの実施形態では、ユニットは、機械式ディストリビュータを動かすことによって分配される。ユニットを分配させるように構成することができる可動機械式ディストリビュータは、ロータリーバルブ、ラッチメカニズム、ピン、フリッパー、ゲート、フロースイッチングメカニズムまたは熱可逆性ゲル化ポリマーへの加熱を介したチャネル作動を含むが、これに限定されるものではない。
【0097】
いくつかの実施形態では、ユニットは、分岐チャネルを含むがこれに限らずチャネルの流体圧を変える方法によって分配される。この方法は、1つのチャネルからの増加または減少した流体を分岐ポイントで別の指定のチャネル内に流入させるために用いることができる。例えば、相対圧力が1つのチャネルにおいて増加して、すぐに減少する際に、連結チャネル、キャリア流体および中で担持されるユニットは低い相対圧力を有する第2のチャネルに方向付けすることができる。
【0098】
本明細書においてさらに詳細に説明するように、適切な構成を有するルーター、例えばディストリビュータは、少なくともq個のチャネルからq-j個のチャネルへユニットにマージするマージャーとして用いることもでき、ここでq>jである。例えば、2つのチャネルからのユニットは1つのマージャーチャネルにマージすることができる、または、4つのチャネルからのユニットは3つ、2つまたは、1つのマージャーチャネルにマージすることができる。差圧は、2つ以上の分岐チャネルから指定された順序の1つ以上のチャネルへのユニットのリリースを引き起こすために利用することができる。第1の分岐チャネルへの低い相対圧力の印加によって、その中のユニットは、分岐ポイントおよび/または隣接するマージャーチャネルに入らないようにすることができ、一方で同じ分岐ポイントに至っている第2の分岐チャネルからのユニットが分岐ポイントにおよび/またはそれを過ぎて第2の分岐チャネルからリリースすることができる。このようなユニットは、第1の分岐チャネルから分岐ポイントおよび/またはマージャーチャネルへのユニットのリリースの前に、マージャーチャネルに方向付けすることができる。
【0099】
種々の実施形態において、専用のルーター、例えばディストリビュータは、移動ユニットの変化および/または混合を容易にするために用いる。例えば、ルーター、例えばディストリビュータは、2つのチャネルの分岐ポイントで配置されて、分配の間、1つ以上のユニットを1つ以上のチャネルまたは分岐チャネルに方向付けするように構成することができる。逆方向において、同じルーターは、第1の分岐チャネルからのユニットの移動をブロックするか、保持するかまたは、妨げることができ、一方で、第2の分岐チャネルから単一チャネルへのユニットの移動を許容して、したがって、ユニットの制御されたおよび/または整然とした分配ならびにユニットの制御されたおよび/または規則正しい混合を可能にする。分岐チャネルへのユニットの分配は、それらの間にスペーシングを有する1つ以上のユニットについて作用するディストリビュータを含むことができる。ユニットは、任意のルーター、例えばディストリビュータの使用を介して、p個のチャネルからp-b個のチャネルにマージすることができ、ここでp>bであり、第1のチャネルの1つ以上のユニットをルーティングし、次に、1つ以上のユニットを第2のチャネルからルーティングする。
【0100】
種々の実施形態において、マイクロ流体デバイスおよびシステムは、次の、例えば並列合成のためにユニットを多重分岐チャネルの1つに方向付けするための高速のルーター、例えばディストリビュータと、分配ステップの前にユニットを検出するように構成されている高速のユニット計数センサと、個別部品、例えば、ユニットルーター、ユニット検出器、複数の毛細管および/または完全なデバイスへの試薬混合チップを結合する、デバイス統合化のうち1つ以上を含む。
【0101】
デバイス内のユニットの位置は、各種の方法によって維持することができる。例えば、デバイスのユニットの位置は、ユニットの相対位置を保存するチャネルの中のユニットに物理的制約をかけることによって、または、連続的フローの下でチャネルの中のユニットの間にスペースを置くことによって、または、同じデバイスの中で両方の組合せによって、維持することができる。ユニットに物理的制約をかけるために、チャネルの幅は、ユニットがチャネル内で互いを通過することができないように、十分に狭く選択することができる。フロー内で、例えば層状であるか層状に類似のフロー内で、ユニットの順序を維持するために、ユニットは、それらがフローの間、または、停止したフローの間に互いに追い越さない、ユニットの間の十分なスペースによって、連続であるか停止させられたフローで切り離すことができる。限定するものではないが拡散または遠心沈降という要因によるユニットの制御されていない移行は、最終的にユニットに互いを通過させる場合があるが、一方で短期間のフローの停止が、所要の期間の間の十分にスペースを置かれたユニットの順序を維持することができる。
【0102】
本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスは、本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスの動作の間、例えば核酸合成のための動作の間にもたらされるユニット位置偏差を修正することもできる。追加ルーターおよびチャネルは、誤って分配されたユニットを扱うためにシステムに追加することができる。第1のルーターで誤って分配されたユニットは、正しい分配が直ちに実行することができる第2のチャネルを経由することができる。例えば、ループを含むチャネルは、ユニットが正しくルーティングすることができるこのような分配ルーターの前に、位置にユニットを戻すことができる。ユニットは分岐チャネルを経由することもできて、デバイス動作の残りのためにも保持することもでき、または、それらは一時的に保たれることができて、分配されるべき位置にその後ルーティングすることができる。
【0103】
いくつかの場合では、2つ以上の隣接したユニットは、交換されたユニットの両側の他のユニットに影響を及ぼさずに、位置を交換することができる。種々の実施形態において、位置的順序から外れているようなユニットは、検出器によって識別される。このタイプのエラーの結果として、ユニットに、例えば影響を受けたユニット上の誤って合成された分子という誤った反応、処理または改質が適用されることになる場合がある。いくつかの実施形態では、このエラーは、100サイクルの改質当たりのユニット当たり、0.000001回、0.00001回、0.0001回、0.001回、0.0025回、0.005回、0.0075回、0.01回、0.025回、0.05回、0.075回、0.1回、0.25回、0.5回、0.75回、1回、2回、3回、4回、5回、10回、15回、20回、または、30回未満、発生する。
【0104】
いくつかの場合では、1つ以上のユニットが、分岐ポイントでミスルーティングによって誤って分配されることがある。種々の実施形態において、ミスルーティングされたユニットは、検出器によって識別することができる。いくつかの実施形態では、ミスルーティングは、反応または処理が発生するチャネルにおいて検出することができる。いくつかの実施形態では、ミスルーティングは、分岐ポイントの後に配置される検出器によって、ミスルーティングの後検出することができる。いくつかの実施形態では、ミスルーティングイベントの検出は、反応または処理が発生する分岐ポイントとチャネルの間のいかなる点でも発生することがあり得る。このタイプのエラーの影響は、ミスルーティングされたユニットだけに限られ得る。次のユニットは正しくルーティングすることができて、ミスルーティングされたユニットだけがミスルーティングによって影響を受けてもよい。いくつかの実施形態では、ミスルーティングが検出され、そしてすべてのユニットの位置がそれに応じて更新され、その結果各ユニットの履歴が分かり、所要のシーケンスの処理を有するユニットは、識別することができ、および/または所要のシーケンスのない処理、例えば核酸合成ステップからのものであることができる。
【0105】
種々の実施形態において、追加ルーターおよびチャネルはマイクロ流体デバイスシステムに追加されて、誤って分配されたユニットを保持することができる。いくつかの実施形態では、ミスルーティングされたユニットは、検出することができて、ユニットが例えばさらなる分配のためにルーティングして戻されることができるまで、保持するために分岐チャネルにルーティングすることができる。いくつかの実施形態では、処理および化学反応は、このようなチャネルにおいて保持されるミスルーティングされたユニットから留保される。ユニットは、分岐チャネルにルーティングすることもできて、デバイス動作の残りのために保持されるかまたは廃棄される。第1のルーター、例えばディストリビュータで誤って分配されたユニットは、ユニットを正しくルーティングすることの別の試みを行うことができるようにディストリビュータの前に位置にユニットを戻すループを含むチャネルなどの、正しい分配を直ちに試みることができる第2のチャネルに再ルーティングすることができる。種々の実施形態において、ミスルーティングされたユニットおよび他の全てのユニットの位置情報が更新され、それによりデバイスの全体にわたるユニットの全てまたはサブセットの位置および履歴は分かっている状態のままである。いくつかの実施形態では、これらのタイプのエラーは、それらが、いくつかのまたはすべてのユニットに適用されたか適用されるべき処理または改質の正しいシーケンスの喪失という結果にならないように、トラッキングすることができるかまたは修正することができる。
【0106】
いくつかの実施形態では、このタイプのミスルーティングエラーは、100サイクルの改質当たりのユニット当たり、0.000001回、0.00001回、0.0001回、0.001回、0.0025回0.005、0.0075回、0.01回、0.025回、0.05回、0.075回、0.1回、0.25回、0.5回、0.75回、1回、2回、3回、4回、5回、10回、15回、20回もしくは30回未満またはほぼその回数未満発生する。エラー率の値は、本明細書においてエラー率について記載される可能な値のいずれかの間で変動することができる。いくつかの実施形態では、ミスルーティングされたユニットは、検出を逃れることがあり得る。このタイプのエラーは、結果として、位置的順序を外れたユニットについての誤った合成履歴になる場合がある。いくつかの実施形態では、ユニットにラベル付けする能力のあるラベル付きユニット、例えば色素によって色をつけられることができるかまたは蛍光特性を染み込ませることができるビーズが、ルーティングを検査するために用いられる。デバイスのいかなる位置、または、いかなる動作サイクル上の検出器も、このようなラベル付きユニットが予想される相対位置にあることを確かめるために用いることができる。例えば一実施形態において、デバイス内の100個のビーズの1つは、蛍光染料によってラベルを付けることができる。デバイス動作の間、これらのラベル付きおよび識別可能なビーズの相対的な位置順序付けは、各ユニット用の予め指定されたルーティングパスに基づいて、それらの予想される位置に対して検査することができる。いくつかの実施形態では、検査は、デバイス動作の各サイクルの後、反応チャネルで起こる。他の実施形態において、検査は、分配の前に無線チャネルの各サイクルに起こる。さらなる実施形態において、検査は、全サイクルが完了して、すべての改質が起こったあと、一度だけ発生する。
【0107】
種々の実施形態において、本明細書において記載されているデバイスおよびシステムは複数のサイクルの間作動されて、そこで、マイクロ流体デバイスの中のユニットの全部または実質的に全部は共通域、例えばチャネルに戻される。ユニット検出、ミスルーティングイベントの識別、補正ルーティングは、各動作サイクルの間、1回以上実行することができる。
【0108】
ユニットスペーシング
種々の実施形態において、ユニットは、チャネル内で互いに隣接したユニットを有するグループで、一緒保持されて移動される。この「列をなす状況」は、例えば端から端までおよび/またはそれらの幾何中心を有するオフセットで互いに直接接触しているかまたは近接して保持されるかまたは流されるユニットを含むことができる。種々の実施形態において、チャネルの中のユニットの順序は、ユニットを保持していて、ユニットがそれらの順序外で位置を交換するのを防止しているチャネルの、制約性の幅によって維持される。ユニット直径および/またはサイズとチャネル直径、横断面または幅の比は、位置順序付けを維持して、および/または詰まりにつながり得るチャネルの中でのユニットの詰め込みを防止するように選択することができる。
【0109】
理論に束縛されることを望まずに、列をなす状況のマイクロ流体デバイスを通って移動しているユニットは鋭角で互いに、およびチャネルと接触することができて、ユニットをチャネル壁に押し込むことができる力をつくる。これは、結果としてチャネルをくさびでとめて、詰まらせているユニットの可能性となる場合がある。このような力は、ユニットがチャネル内で移動するのを止めるようにユニットを歪めるかまたは圧縮するほど大きくなり得る。加えて、ユニット面の不完全性は、同様にチャネルを通っての動きを妨げることがある。理論に束縛されることを望まずに、列をなす状況で詰まっているユニットに対する解決策は、まっすぐで十分に滑らかなチャネルならびに/または十分に滑らかでおよび/もしくは丸いユニットの使用を含む。まっすぐで十分に滑らかであるチャネルは、列をなす状況のビーズの移動をサポートすることができる。加えて、ユニットスペーサは、本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスに組み込まれることができて、変化している寸法を有するチャネルの列をなすビーズを、例えば幅移行部で、または、分岐ポイントで分離する。
【0110】
列をなす状況のユニットは、チャネル内で互いに当接していることができるかまたは接触させていることができる。いくつかの実施形態では、ユニットは、例えばチャネルの中のオフセット幾何中心により、フローの方向に1ユニット長未満離れている。ユニットは、ユニット長の一部分だけ離れていてもよい。いくつかの実施形態では、ユニットは、フローの方向に、中心間で、ほぼ、2、1.9、1.85、1.8、1.75、1.7、1.65、1.6、1.55、1.5、1.45、1.4、1.35、1.3、1.25、1.2、1.15、1.1、1.05、1、0.9、0.85、0.8、0.75、0.7、0.65、0.6、0.55、0.5、0.45、0.4、0.35、0.3、0.25、0.2、0.15、0.1、0.05ユニット長であるか、そのユニット長未満であるか、もしくはほぼそのユニット長未満であるか、またはより小さいユニット長だけ離れている。フローの方向の中心間ユニットスペーシングは、例えば0.1~0.2、0.1~1、0.2~0.3、0.2~1.5、0.3~0.4、0.4~0.5、0.5~0.6、0.6~0.7、0.7~0.8、0.8~0.9、または、0.9~2ユニット長を含む、前述の値によって囲まれるいかなる範囲にも入ることができる。ユニットスペーシングの値は、本明細書においてユニットスペーシングについて記載される可能な値のいずれかの間で変動することができる。
【0111】
種々の実施形態において、ユニットは、互いにスペースで区切られる。この「分離された状況」は、他のユニットからの干渉なしで、種々のルーター、例えばディストリビュータが個々にユニットに作用することができることによって、適切な分配を容易にすることができ、ユニットが、短時間に、または一時的にユニットの移動を減速することができるかまたは妨げることができる、例えば隣接するユニットによる干渉または接点による詰まりの危険が無いコーナー、狭窄部、端、拡大部またはそれらの組み合わせなどの、デバイスの種々の特徴または態様を操縦することを、可能にすることができ、そして、ユニットが、順序付けされたフロー、例えば層状であるか層状に類似のフローでデバイスの領域との間で移動することを可能にすることができる。フローベースのユニット順序付け、例えば層状であるか層状に類似のフローを用いて、それらが列をなす状況で許されるより、幅が大きいチャネルを使用可能にすることができる。順序付けされたフローは、利用できる幅を制限なしで含んで、物理的に制約しているユニット混合によるユニット順序をユニットサイズの幅の2倍を超えるかほぼ2倍を超えて保つ余地を与える幅より大きな幅を有するチャネルの分離された状況において、維持することができる。
【0112】
フローベースのユニット順序付け状況において、ユニットは、ユニットの平均または名目直径および/またはサイズの、ほぼ、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100倍であるか、その倍数を超えるか、もしくはほぼその倍数を超えるか、またはより大きい倍数の幅を有するチャネルの中で維持することができる。チャネルの幅の値は、本明細書においてチャネルの幅について記載される可能な値のいずれかの間で変動することができる。
【0113】
ユニットを切り離す方法も、本明細書において提供される。スペーサまたはエジェクタデバイスは、第1のユニットがスペーサまたはエジェクタデバイスを通過するにつれて、結果として第1のユニットが第2のユニットから離れて加速する流体剪断力を適用するように構成することができる。第1のユニットの加速は、第1および第2のユニットの間にスペースおよび/または追加の液量をもたらすことができる。
【0114】
ユニットは、個々に、または、列をなす隊列となることを、限定されるものではないが含む、種々の構成のユニットスペーサに、チャネル給電を通って移動することができる。ユニットがユニットスペーサに、例えばT字路またはチャネル横断形状で達するときに、ユニットは主チャネルの追加のフローまたは「交差流」によって切り離することができる。例えば、供給チャネルからチャネル横断形状を有するユニットスペーサに入っているユニットは、ユニットのフローに横に入来する交差流に入ることができる。図22Dは、本明細書の実施形態に従って造られる交差流形状を有するユニットスペーサの例示実装を提供する。交差流は、対向するか実質的に対向する方向から、フローによって発生することができる。交差流は、垂直でもよく、実質的に垂直でもよく、またはユニットスペーサを通したユニットのパスと垂直であるか実質的に垂直である速度成分を有してもよい。交差流は、ユニットスペーサのチャネル横断形状をもたらす2つ以上のチャネルによって提供することができる。第1のユニットはチャネル横断形状を通り越して流れることができ、交差流の両側から流体の混合が続く。いくつかの実施形態では、交差流を生成しているチャネルの圧力は、それらが等しく、そして入力ユニットのパスの下流側部分の圧力より大きく、そして供給チャネルの圧力より少ないように、調整される。交差流を生成しているチャネルの圧力は、等しい必要はない。不等なフローが種々の実施形態に従って使われることができて、例えば流れるユニットをユニットのフローの方向に関して横にバイアスする。適切な圧力、本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスの中でユニットの所要の変化を引き起こすための圧力差および/または流速、流速差は、本明細書において他でさらなる詳細にて説明したように、選択することができ、または、さもなければ、従来技術において公知である。
【0115】
スペーシングは、第1および第2のチャネルの間でそれらがユニットスペーサを通り越して移動するにつれてもたらされる交差流の各辺からの流体の混合によって、第1のユニットの後にユニットスペーサに入っている第1のユニットと第2のユニットの間に発生することができる。いくつかの実施形態では、例えば、T字路タイプのユニットスペーサのために、交差流が1つのチャネルによって提供される。ユニットの間にもたらされるスペーシングは、分岐チャネルで各ユニットの次の分配を容易にするために用いることができ、それの種々の実施形態は、ルーター、例えばディストリビュータが分配イベントごとに個々にユニットに作用することを可能にすることによって、本明細書においてさらに詳細に他で記載されている。したがって、ルーターへの複数のユニットの入力は、本明細書において記載されているデバイスのチャネルに移動しているユニットの間にスペースをもたらすことによって、すぐに防止することができる。
【0116】
ユニットは、チャネルにおいて互いにスペースを置くこともできる。ユニットは、ほぼ、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、15、16、18、20、25、50、75、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10,000、50,000、100,000であるか、その値を超えるか、もしくはほぼその値を超えるか、またはより大きいユニット直径および/またはサイズだけ離れたスペーサ長によってスペースを置いてもよい。ユニットは、ほぼ、100,000、50,000、10,000、9000、8000、7000、6000、5000、4000、3000、2000、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、90、80、70、60、50、40、30、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1であるか、その値未満であるか、もしくはほぼその値未満であるか、またはより小さいユニット直径および/またはサイズだけ離れたスペーサ長によってスペースを置いてもよい。ユニット間のスペーサ長は、1~10、20、20~30、30~50、50~100、100~250、250~500、500~1000、1000~2500、2500~5000、5000~7500、7500~10,000、10,000~50,000、50,000~100,000のユニット直径および/またはサイズの間を含むがこれに限らず、前述の限度に囲まれたいかなる範囲にも入ることができる。ユニットは、ほぼ、1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、12μm、14μm、15μm、16μm、18μm、20μm、25μm、50μm、75μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、1000μm、2000μm、3000μm、4000μm、5000μm、6000μm、7000μm、8000μm、9000μm、10,000μm、50,000μm、100,000μmであるか、その値を超えるか、もしくはほぼその値を超えるか、またはより大きいスペーサ長によって、スペースを置いてもよい。ユニットは、ほぼ、100,000μm、50,000μm、10,000μm、9000μm、8000μm、7000μm、6000μm、5000μm、4000μm、3000μm、2000μm、1000μm、900μm、800μm、700μm、600μm、500μm、400μm、300μm、200μm、100μm、90μm、80μm、70μm、60μm、50μm、40μm、30μm、20μm、15μm、10μm、9μm、8μm、7μm、6μm、5μm、4μm、3μm、2μm、1μmであるか、その値未満であるか、もしくはほぼその値未満であるか、またはより小さいスペーサ長によって、スペースを置いてもよい。ユニット間のスペーサ長は、0~10μm、20μm、20~30μm、30~50μm、50~100μm、100~250μm、250~500μm、500~1000μm、1000~2500μm、2500~5000μm、5000~7500μm、7500~10,000μm、10,000~50,000μm、50,000~100,000μmの間を含むがこれに限らず、前述の限度に囲まれたいかなる範囲にも入ることができる。ユニットスペーシングの値は、本明細書においてユニットスペーシングについて記載される可能な値のいずれかの間で変動することができる。
【0117】
圧力差
種々の実施形態において、チャネルの中を流れているユニットおよび本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスの分岐ポイントは、分岐ポイントを通して接続するチャネルの中で圧力および/または流速を調整することによって、指示方向でルーティングすることができる。図31は、1つの分岐ポイント経由で接続されるチャネルの例示的な圧力設定を示す。理論に束縛されずに、マイクロ流体デバイスの中の流体は、圧力の勾配を流れ落ちる。さらに、種々のチャネル配置で、圧力は、フロー方向に沿って落ち続ける。理論に束縛されずに、さらに、マイクロ流体デバイスのチャネルを通る流速は、2つのポイントの間の圧力差(Ptop-Pbottom)をこのような2ポイント間のチャネル長によって割ったものと相関する(図31A)。
【0118】
分岐チャネル(図31B~F)と交わっている主チャネルの分岐ポイントにおいて、分岐ポイントから離れた距離の位置の圧力は、分岐ポイントPで圧力値を設定するように調整することができる。図31Bにおいて、圧力は、主チャネルおよび分岐ポイントPの圧力値のPtop>Pbottomが、Pbranchに等しい(P=Pbranch)ように調整される。図31Cにおいて、対応位置の圧力は、Ptop>PbottomおよびP>Pbranchであるように調整され、主チャネルの先頭から後尾まで、ならびに分岐ポイントから分岐チャネルへのフローを導く。図31Dにおいて、対応位置の圧力は、Ptop>P>PbranchおよびPbottom>P>Pbranchであるように調整され、主チャネルの先頭および後尾から、分岐ポイントからの分岐チャネルへのフローを導く。図31Eにおいて、対応位置の圧力は、Ptop>Pbranch>P>Pbottomであるように調整され、主チャネルの先頭ならびに分岐チャネルからチャネルの後尾の方向へのフローを導く。図31Fにおいて、対応位置の圧力は、Pbranch>P>PtopおよびPbranch>P>Pbottomであるように調整され、分岐チャネルから主チャネルの先頭ならびに後尾へのフローを導く。圧力差は、圧力勾配後に指示方向に運び込まれるフローおよび/またはユニットをルーティングするために、本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスの中の様々な位置の圧力を設定することによって作り出すことができる。
【0119】
図32は圧力差を用いて本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスの中にユニットをルーティングする、さらなる例示的実施形態を提供する。主チャネルおよび2つの分岐チャネルB1およびB2を有する分岐ポイント構成が例示され、それぞれ、主チャネル先頭および後尾であるPtop、Pbottom)での圧力値、それぞれ、主チャネルの第1の分岐チャネルB1およびB2との交差部、P、Pでの、そして、それぞれ、分岐チャネルB1およびB2の末端、PB、PBでの圧力値を説明している。図32B~Eは、これらの圧力のそれぞれの例示的な値および結果として得られるフローパターンを提供する。例えば、分岐チャネルB1との主チャネルの交差と分岐チャネルB2との主チャネルの交差間のフローは、圧力差P-Pによって支配される。P-P=0の場合はこれらの位置間のフローは無い(図32B)。同様に、第1の分岐チャネルB1との間で出入りするフローは、圧力差P-PBによって支配され、第2の分岐チャネルB2との間で出入りするフローは、圧力差P-PBによって支配され、そして、主チャネルの先頭と主チャネルの分岐チャネルB1との交差部間のフローは、圧力差Ptop-Pによって支配され、そして、主チャネルの後尾と主チャネルの分岐チャネルB2との交差部間のフローは、圧力差Pbottom-Pによって支配される。
【0120】
図32B~Eにおいて示される圧力値によって例証される圧力差を用いて、ユニットは、分岐チャネルB1(図32B)に、または、分岐チャネルB2(図32C)に選択的にロードすることができる。同様に、ユニットは、選択的にいずれの分岐チャネルからもアンロードことができる。図32Dは、分岐チャネルB2から主チャネルの先頭の方向へ、選択的にアンロードするための圧力差設定を示す。図32Dと類似の圧力値が、図32Eにおいて設定され、図32EでPbottom>Pであることを除いて、主チャネルの後尾から、分岐チャネルB2との主チャネルの交差部を過ぎているフローを可能にする。したがって、ユニットが主チャネルの先頭の方向へ分岐チャネルB2からアンロードされるにつれて、主チャネルの後尾から流れる流体は、流体のスペーサ長を作り出しているユニットの間に導かれる(図32E)。対照的に、図32DではPbottom=Pであり、結果として、主チャネルの後尾から第2のチャネルB2との主チャネルの交差部の方向へは、フローが無い。このような設定によって、ユニット間のスペーシングはユニットが分岐チャネルから主チャネルに入るにつれて、維持することができる(図32D)。
【0121】
当業者は、マイクロ流体チャネルの種々の位置間の同様の加圧差が、本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスの中のユニットを、限定されるものではないが保持することを含んで、ルーティングするために使用することができ、および/またはユニット間のスペーシングを調整することができる点に留意する。
【0122】
ユニット
ユニットは、固形であるか、または多孔性でもよい。それらは、添付されたライブラリ製品を担持してもしなくてもよい。ユニットは、ガラス、ポリマービーズ、液滴またはセルでもよい。ユニットは、本明細書において記載されている改質手順によって、直接改質することができる。いくつかの実施形態では、ユニットおよび関連製品は、本明細書において記載されている1つ以上の改質手順によって改質される。ユニットの多数のコレクションは、特定の特性、例えば色、界面化学、本明細書において記載されている種々の改質手順を用いたラベルによって生成することができる。マイクロ流体デバイスの中のユニットのいくつかまたは全てまたはそのチャネルは、冗長性なしで、ユニークにコード化することができる。ユニットは、ランダムに割り当てることができるかまたは、各ユニットのいくつかの物理、化学もしくは光学特性に基づいて割り当てることができる。一連の改質手順は、各ユニットが改質手順の特定のセットにさらされるように、順次、ループで、または連続して適用することができる。本発明の種々の実施形態による位置符号化は、冗長性の除去を可能にする。したがって、多数の物理的にコード化されたライブラリユニットは、ローコストで生成することができる。このようなライブラリユニットは、ユニークにコード化することができる。物理的にコード化されたライブラリユニットが、下流の手順で使われてもよい。ユニットが物理的にコード化される第1の手順は、製品がユニットに生成される第2の手順に連結することができ、その一方で、第1および第2の手順の間の位置符号化を維持する。このアプローチは、物理的ユニット符号化を製品と関連付けるために用いることができる。物理符号化を製品と関連付けることによって、ユニットは位置情報/符号化が失われてもよいが物理符号化は検出することのできる、無関係な手順に向かわせることができる。
【0123】
種々の実施形態で用いられるユニットは、ある範囲の材料から製造することができる。いくつかの実施形態では、ユニットは、固形である。いくつかの実施形態では、ユニットは、多孔性である。いくつかの実施形態では、ユニットは、添付されたライブラリ製品を担持しない。ユニットは、ガラス、ポリマービーズ、液滴、バブル、スラグまたはセルでもよい。ビーズのために用いられる材料は、ポリスチレン、メラミン樹脂、ポリアクリロニトリルまたはアガロースなどのポリマー、アルギナートまたはキトサンなどのヒドロゲル、シリカ、ガラスまたは制御された多孔質ガラス(CPG)、および、金、銀、GaAs、GaPまたは鉄などの金属を含むことができる。シリカは、石英ガラス(アモルファス純粋シリカ)、水晶(結晶性純粋シリカ)または他の一般的なガラス(結晶性であるかアモルファスシリカ)でもよい。多くのビーズは、反応性化学作用を有する官能化されたコーティング、ビオチンまたはストレプトアビジンなどのアフィニティータグ、および/または蛍光染料などの染料を含み、先に官能化されたコーティングの有無にかかわらず、ThermoFisherまたはSigma Aldrichなどのベンダーから購入することができる。ユニットは、分子、例えばそれらの表面上の核酸をすでに有していてもよく、一方で、第2の、異なった、化学または分子化合物がそれらの表面に、または、デバイス動作の間のこのような分子に追加される。
【0124】
ユニットは、物理的特性、分子特性、色または色素、金属または分光特性またはそれらの任意の組み合わせによってバーコード化することができる。物理的特性は、エッチングもしくは形状または金属バーもしくは 溶着金属を含むが、これに限定されるものではない。分子性質は、化学官能基化および化合物、核酸またはビオチンもしくはストレプトアビジンアフィニティータグを含むが、これに限定されるものではない。色または色素は、蛍光性または非蛍光性染料を含むが、これに限定されるものではない。バーコードは、動作を始めるのに先立ってユニットのアイデンティティを確立する前、後または最中に使用することができ、または、ユニットのアイデンティティを検査する動作の間、または、デバイスからの除去および順序付け解除の後のユニットのトラッキングを有効にする動作の完了の後に使用することができる。バーコード化されたビーズのアイデンティティは検出されてユニット位置にマップされ、そのため位置情報が動作の間使われる一方で、バーコードは一度しか読み込まれる必要が無い。バーコードは動作終了時に検出されて、正しい位置を検査することができる。
【0125】
バーコードまたはラベルの有無にかかわらないユニットは、初めにランダムに配置することができる。ユニットは、初めに慎重な配置によるか、または位置符号化を使用して実行した以前の合成のラウンドの結果としてのいずれかで、周知のパターンで配置されることもできる。
【0126】
セルは、細菌セルまたは真核細胞、例えば細胞培養に由来するセル、動物または被験者、例えば患者試料に由来するセルでもよい。液滴は水および油または他の有機溶剤などの非混合性流体の混合物によって形成することができ、エマルジョンを形成する。マイクロ流体デバイスに用いられる液滴形成は米国特許第8,528,589号、米国特許第9,364,803号、米国特許第8,658,430号、国際公開第2014001781号および米国特許公開第20080286751号に記載されており、それらはマイクロ流体デバイスの液滴形成に関して完全に本明細書において引用したものとする。
【0127】
本明細書において記載されている方法は、反復改質プロセスの全体にわたってそれらの順序を維持しているビーズまたは他のタイプのユニットを利用することができる。いくつかの実施形態では、ビーズまたは他のタイプのユニットは、互いを追い越すことができないかまたはくっつき合うことができない。ビーズまたは他のタイプのユニット分配は、プロセスの全体にわたってかなり単分散に調整することができる。いくつかの実施形態では、ユニットは、予め指定されたサイズ範囲に実質的に、または、完全に入るユニットの集団を生成しているサイズ選択メカニズムを、例えばユニットをサイズソーターに通すことによって、通過する。ユニットは、本明細書において記載されているデバイスのチャネルの中の、例えば選択された平均または名目直径および/またはサイズのユニットの混合を物理的に防止する幅を有するチャネルの中の、検出されるか検知されていない望ましくないユニット混合の可能性が最小化されるように、サイズでソートされてもよい。
【0128】
ビーズまたは他のタイプのユニットは、トルエンなどの非水溶試薬にさらされて、DNA合成において用いられるときに、膨張することがあり得る。膨張したビーズは、毛細管壁にくっつくことができて、フローを妨げる可能性がある。重合ビーズのジビニルベンゼン架橋などの種々の材料は、適切な濃度で膨張を緩和することができる。界面活性剤の導入は、ビーズ/ユニット粘着を減らすために用いることができる。
【0129】
ビーズユニットなどのユニットは、本明細書において記載されている種々の実施形態に従って、大きさにおいて変動することができる。例えば、本明細書において記載されている方法およびデバイスで用いられる全部または実質的に全部(例えば80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、99.95%、99.99%、99.995%、99.999%を超えるかまたはそれ以上)のユニットは、ほぼ、少なくとも、または、少なくともほぼ、20nm、100nm、500nm、1000nm、1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、20μm、30μm、35μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μmからの直径および/またはサイズを有してもよい。当業者であれば、ユニット直径および/またはサイズが、これらの値、例えば、20~100nm、100~500nm、500~1000nm、1~10μm、10~20μm、20~30μm、30~40μm、40~50μm、50~60μm、60~70μm、70~80μm、80~90μm、90~100μmのいずれかによって囲まれるいかなる範囲の中にも入る値を有することができると認める。ユニットのサイズまたは横断面に対する変動係数は、ほぼ、少なくとも、または少なくともほぼ、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%またはより大きいものであり得る。ユニットのサイズまたは横断面に対する変動係数は、ほぼ、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%であるか、その値未満であるか、もしくはほぼその値未満であるか、またはより小さいものであり得る。ユニットは、楕円形とすることもできる。液滴量は、ほぼ、少なくとも、または少なくともほぼ、10フェムトリットル(fl)、100fl、1pl、10pl、100pl、500pl、1ナノリットル(nl)、10nl、50nl、100nl、300nl、400nl、500nl、600nl、700nl、800nl、900nl、1μl、2μl、3μl、4μl、5μl、6μl、7μl、8μl、9μl、10μl、50、μl、100μlであるか、またはより多くてもよい。液滴量は、前述の値、例えば10~100フェムトリットル(fl)、100~1000fl、1~10ピコリットル(pl)、10~100pl、100~500pl、500~1000pl、1~10ナノリットル(nl)、10~100nl、100~200nl、200~300nl、300~400nl、400~500nl、500~600nl、600~700nl、700~800nl、800~900nl、900~1000nl、1~10μl、10~50μlまたは50~100μlのいずれかに囲まれた範囲に入ることができる。ユニットまたは液滴直径の値は、本明細書においてユニットまたは液滴直径について記載される可能な値のいずれかの間で変動することができる。
【0130】
種々の実施形態において、スクリーニング手順は、位置符号化が維持されるユニットと関連付けられた製品(または選択された特性を有するそのサブセット)のライブラリに適用することができる。ユニットの位置符号化は、興味がある製品を識別するために用いることができる。例えば、製品のライブラリが作られた後、周知の絶対のまたは相対位置を有する1d配列に配列される関連ユニットは、スクリーニング試薬のセットにさらすことができる。種々の実施形態において、スクリーニング試薬は、改質手順のための試薬として、同じであるか類似の方法で配送される。スクリーニング試薬は、順序付けされた1d配列の関連するユニットを保持するチャネルなどの、スクリーニングされる製品を保持しているチャネルを通して移動することができる。ユニットまたは関連製品は、スクリーニング相互作用に対するそれらの反応度について、例えば適切なユニットの光学分析によって、または、光学または磁気検出器などの検出器を過ぎてユニットを流すことによって、評価することができる。興味がある特徴、例えば目標化合物と対話する能力を示しているユニットまたは関連製品は、検出することができる。スクリーニングされた特徴について検出されるユニットと関連付けられた製品は、例えばユニットの位置によって、識別することができる。
【0131】
いくつかの実施形態では、ユニットの物理符号化は、システムの範囲内でユニットの位置符号化と関連付けられていてもよい。例えば、ユニットの物理符号化は始めに、一度読み込まれることができ、または、位置符号化およびユニットの物理および位置符号化を維持しているシステムの範囲内の1つ以上の処置の終了は関連付けることができる。物理符号化と製品の間のこの関連付けは、例えばユニットが順序付けされた1d配列から取り外されるかまたは互いに関して乱されるときに、ユニットの位置符号化が失われる場合にさえ、下流の手順で使用することができる。
【0132】
ポンプ
本明細書においてさらに詳細に他で記載されているシステムおよびデバイスは、ポンプ、例えばマイクロ流体デバイスのチャネルを通して溶液またはユニットを移動させるために、あるいは、マイクロ流体デバイスの反応チャンバへの試薬の配送のために、含むことができる。これらのポンプは、機械的でもよく、または非機械的でもよく、当業者に知られている駆動力、例えば圧電性であるか、静電であるか、電気浸透であるか、サーモ空気であるか、空気であるか、磁気であるか、真空であるか、受動的な重力または毛細管力、または他の適切な力を利用してもよい(本明細書に参照によりその全体を組み込んでいる、Iverson BD et al, 2008を参照)。ポンプは蠕動運動、シリンジ、真空、圧電性物質または受動的であるか、当業者に知られている他の適切なポンプを含むことができる。ポンプは、流速センサおよび圧力コントローラに接続していることができる。
【0133】
移動ユニットは、流体または溶液であってもよい。ポンプは、流体の流速および/または圧力を制御して、このことによりユニットの流速を制御するために用いることができる。ポンプは、デバイスの流体または溶液流の方向を制御して、このことによりユニットの流れの向きを制御するために用いることもできる。流体の流れの向きの変化は、移動ユニットを2次チャネル、分岐チャネル、分岐ポイントまたは反応チャンバに分配するために用いることができる。例えば、チャネルの第1端部のポンプは、ユニットが2つ、3つまたはより多くのチャネルに分岐する分岐ポイントにチャネルの下方に移動するように流速を適用することができる。分岐ポイントは、ルーター、例えばディストリビュータを含むことができるか、またはルーターを含まなくてもよい。ユニットが分岐ポイントに接近するにつれて、チャネルの第1の端部のポンプは止められるかまたは減速されて、分岐チャネルの1つの終わりの第2のポンプはオンにされ、そして結果として、第2のポンプに向かい選ばれた分岐チャネルへ行く移動ユニットを含む流体のフローになる。各分岐チャネルは、それぞれに制御することができる別々のポンプを有することができる。ユニットが分岐ポイントに接近するかまたは通過するにつれて、移動ユニットは分岐チャネルごとに適切なポンプをオンにすることによって個々の分岐チャネルにルーティングすることができる。個々のユニットまたはユニットのグループは、分岐チャネルにルーティングすることができる。
【0134】
流体内のユニットは、ほぼ、少なくとも、または少なくともほぼ、10nl/分、20nl/分、30nl/分、40nl/分、50nl/分、60nl/分、70nl/分、80nl/分、90nl/分、100nl/分、200nl/分、300nl/分、400nl/分、500nl/分、600nl/分、700nl/分、800nl/分、900nl/分、1μl/分、2μl/分で、3μl/分、4μl/分、5μl/分、6μl/分、7μl/分、8μl/分、9μl/分、10μl/分、20μl/分、30μl/分、40μl/分、50μl/分、60μl/分、70μl/分、80μl/分、90μl/分、100μl/分またはそれを超える流速で、チャネルまたは検出器のパスを通過することができる。いくつかの場合では、流体内のユニットは、多くとも、もしくは多くともほぼ、100μl/分、90μl/分、80μl/分、70μl/分、60μl/分、50μl/分、40μl/分、30μl/分、20μl/分、10μl/分、9μl/分、8μl/分、7μl/分、6μl/分、5μl/分、4μl/分、3μl/分、2μl/分、1μl/分、100nl/分、90nl/分、80nl/分、70nl/分、60nl/分、50nl/分、40nl/分、30nl/分、20nl/分、10nl/分であるか、またはより遅い流速で、検出器のパスを通過することができる。当業者であれば、流速がこれらの値、例えば10~100nl/分、100~500nl/分または500~1000nl/分のいずれかによって囲まれるいかなる範囲の中にも入ることができると認める。ユニットおよび/またはキャリア流体は、ほぼ、少なくとも、もしくは少なくともほぼ、0.1cm/分、0.5cm/分、1cm/分、2cm/分、3cm/分、4cm/分、5cm/分、6cm/分、7cm/分、8cm/分、9cm/分、10cm/分、20cm/分、30cm/分、40cm/分、50cm/分、60cm/分、70cm/分、80cm/分、90cm/分、1m/分、2m/分、3m/分、4m/分、5m/分、6m/分、7m/分、8m/分、9m/分、10m/分、20m/分、30m/分、40m/分、50m/分、60m/分、70m/分、80m/分、90m/分、100m/分であるか、またはより速い流速で、デバイスを通過することもできる。いくつかの場合では、キャリア流体および/または流体内のユニットは、速くとも、もしくは速くともほぼ、100m/分、90m/分、80m/分、70m/分、60m/分、50m/分、40m/分、30m/分、20m/分、10m/分、9m/分、8m/分、7m/分、6m/分、5m/分、4m/分、3m/分、2m/分、1m/分、90cm/分、80cm/分、70cm/分、60cm/分、50cm/分、40cm/分、30cm/分、20cm/分、10cm/分、9cm/分、8cm/分、7cm/分、6cm/分、5cm/分、4cm/分、3cm/分、2cm/分、1cm/分、0.5cm/分、0.1cm/分であるか、またはより遅い流速で、チャネルまたは検出器のパスを通過することができる。当業者であれば、キャリア流体および/または流速がこれらの値、例えば10~100cm/分、100~500cm/分または500~1000cm/分のいずれかによって囲まれるいかなる範囲の中でも減少することができると認める。流速の値は、本明細書において流速について記載されるいずれかの可能な値の間で変動することができる。
【0135】
種々の実施形態において、ポンプは、移動ユニットの変化を促進するために用いることができる。ポンプはチャネルに接続されて、チャネルの流体の流速を操作することができる。フローは停止させられスタートされるか、または、流速はポンプの速度を介して調整することができ、結果としてデバイスを通してユニット移動の停止、開始または調整となる。ポンプ制御流体フローはまた、移動ユニットのための所要の移動方向における低圧または真空条件を作成することによって移動ユニットルーティングする、例えば分配するために使用されてもよい。
【0136】
本明細書において記載されている方法および構成は、マイクロ流体デバイスの中のユニットを順序付けするために用いることができる。いかなる適切なタイプの分配アルゴリズムも、第1の順序のユニットを第2の順序で分配するために用いることができる。例えば、デバイス内のユニットは、正しいユニットを正確な時間または順序で分配することができるように、配送することができる。第1のグループのユニットは、第2のグループのユニットなどが続く形で配送することができる。いくつかの実施形態では、それぞれのこのようなグループの中のユニットの正確な順序は重要ではない。したがって、ユニットは、正しいユニットが、所要の寸法の第1のグループ、所要の寸法の第2のグループなどに分類されるように、分配することができる。例えば、所与のグループ化の第1のグループは5ユニットのサイズを有することができるが、グループ化の第2のグループは1ユニットのサイズを有することができる。
【0137】
バルブおよびビーズストッパ
デバイスは、チャネルのセクションを切り離すエラストメリックバルブを含むことができる。これらのバルブは、機械的でもよく、または圧力作動でもよい。バルブは、別のチャネルまたはチャネルセクションに印加される力に応答して、1つのチャネルまたはチャネルセクションに偏向することができるかまたはそこに格納することができる。バルブは、上方へ偏向するか、下方へ偏向するか、横に作動するか、常時開かまたは何らかの他のタイプのバルブでもよい。マイクロ流体デバイスに用いられるエラストメリックバルブは特にエラストメリックバルブの記述に関して、参照により完全に本明細書において引用したものである、米国特許公開第20050072946号、米国特許第6,408,878号、米国特許公開第20020127736号および米国特許第6,899,137号に記載されている。デバイスは、バルブタイプの組合せを有することができる。バルブは、ガス、液体、イオン溶液またはポリマー溶液を注入することによって作動することができる。このような溶液の非排他的なリストには、空気、窒素、アルゴン、水、シリコン油、パーフルオロポリアルキルエーテルまたは他の油、塩溶液、ポリエチレングリコール、グリセリンおよび炭水化物を含む。バルブは、真空をチャネルに適用することによって作動することもできる。
【0138】
デバイスは、反応チャンバおよび/または分岐チャネルから物理的に切り離されるバルブを含むこともできる。試薬は、チャネルのネットワークを介して、直接または間接的に配送チャネルまたは入口を経て反応チャンバおよび/または分岐チャネルにルーティングすることができる。いくつかの実施形態では、配送チャネルおよび/または入口は、反応チャンバ、分岐チャネルおよび/または配送チャネルおよび/または入口を試薬が配送されるように指定されるところに接続している他のチャネルとほぼ同じサイズであるかまたはより小さい。いくつかの実施形態では、配送チャネルおよび/または入口は、フリット、ノズル、堰、ビーズストッパまたは流体がユニットでなく構造を通過することを可能にする他のあらゆる物理構造を介して、反応チャンバ、分岐チャネルおよび/または他の被接続チャネルと入出力を行う。
【0139】
バルブおよびバルブ膜は、従来技術で周知のいかなる適切なエラストマ材料からも造られることができ、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリイソブチレン
、ポリ(スチレン-ブタジエン-スチレン)、ポリウレタンおよびシリコンを含む。本発明に関連して利用することができるエラストマ材料の非排他的なリストは、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリイソブチレン、ポリ(スチレン-ブタジエン-スチレン)、ポリウレタンおよびシリコーンポリマー、またはポリ(ビス(フルオロアルコキシ)ホスファゼン)(PNF、Eypel-F)、パーフルオロポリアルキルエーテルシロキサンブロックコポリマー、ポリ(カルボラン-シロキサン)(Dexsil)、ポリ(アクリロニトリル-ブタジエン)(ニトリルゴム)、ポリ(l-ブテン)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン-ビニリデンフルオリド)コポリマー(トリフルオロクロロエチレン樹脂)、ポリ(エチルビニルエーテル)、ポリ(ビニリデンフルオリド)、ポリ(ビニリデンフルオリド-ヘキサフルオロプロピレン)コポリマー(ビトン)、ポリ塩化ビニル(PVC)のエラストマ配合物、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)およびポリテルトラフルオロ-エチレン(テフロン(登録商標))を含む。
【0140】
いくつかの実施形態では、デバイスは、1つ以上のマイクロ流体チェックバルブを含む。マイクロ流体チェックバルブは、バルブを通して一方向だけに溶液フローを方向付けするために用いることができる。従来技術で周知のいかなる適切なチェックバルブも、本明細書において記載されているシステムおよびデバイスにおいて用いることができる。
【0141】
チャネルを切り離しているバルブ膜は、約0.01~1000ミクロンの間の厚さを有することができる。膜厚は、ほぼ、少なくとも、または少なくともほぼ、0.01μm、0.02μm、0.03μm、0.04μm、0.05μm、0.06μm、0.07μm、0.08μm、0.09μm、0.1μm、0.2μm、0.3μm、0.4μm、0.5μm、0.6μm、0.7μm、0.8μm、0.9μm、1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm 7μm、8μm、9μm 10μm、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μm、50μm、55μm、60μm、65μm、70μm、75μm、80μm、85μm、90μm、95μm、100μmとすることができる。膜厚は、100μm、90μm、80μm、70μm、60μm、50μm、40μm、30μm、20μm、10μm、9μm、8μm、7μm、6μm、5μm、4μm、3μm、2μm、1μm、0.9μm、0.8μm、0.7μm、0.6μm、0.5μm、0.4μm、0.3μm、0.2μm、0.1μm、0.09μm、0.08μm、0.07μm、0.06μm、0.05μm、0.04μm、0.03μm、0.02μm、0.01μm未満またはほぼその値未満とすることができる。当業者であれば、膜厚がこれらの値のいずれか、例えば、0.01~0.1μm、0.1~1μm、1~10μm、10~20μm、20~30μm、30~40μm、40~50μm、50~60μm、60~70μm、70~80μm、80~90μm、90~100μmによって囲まれるいかなる範囲の中にも入るサイズを有することができると認める。バルブ膜厚の値は、本明細書においてバルブ膜厚について記載される可能な値のいずれかの間で変動することができる。
【0142】
いくつかの実施形態では、本明細書において記載されているデバイスは、ユニットストッパ(例えばフリット、ワイヤまたは堰)を含む。ユニットストッパは、一方向への単一または複数の移動ユニットのフローを停止させるために用いることができる。周知のいかなる適切なユニットストッパも、用いることができる。ユニットストッパはチャネルの中にワイヤを挿入すること、狭窄部またはフリットを導く毛細管のコネクタを3D印刷すること、および/または、フォトリトグラフィを使用してガラスデバイスに堰構造を作ること、または従来技術において周知の任意の好適な方法によって、製造することができる。ユニットストッパは、一方向への単一または複数の移動ユニットのフローを停止させるために用いることができる。それから、停止させられた移動ユニットは保たれることができるか、または、停止させられた移動ユニットのフローは、例えば圧力コントローラ、ポンプまたは吸引装置を介して流体フローまたは圧力を変えることによって逆転させることができる。ユニットストッパは、デバイスのいかなるポイントでも、例えば、チャネルまたは分岐チャネルの始端または終端で、分岐ポイントで、反応チャンバの始端または終端で、またはいかなるそれらの組み合わせでも用いることができる。
【0143】
検出器および光学検出システム
本明細書において種々の実施形態に記載されているマイクロ流体デバイスは、マイクロ流体デバイスの中でユニットを位置的にトラッキングするための1つ以上の検出システムを含むことができる。各検出システムは、1つ以上の検出器を有することができる。1つ以上の検出器は、デバイスのいかなるポイントにも置かれることができて、例えばチャネルもしくはデバイス内で、例えばチャネルもしくは分岐チャネルの任意のポイントで、任意のもしくはあらゆる分岐ポイントの前か後で、任意のもしくはあらゆるルーター、例えばディストリビュータの前か後で、任意のもしくはあらゆる反応チャンバの前か後で、または、任意のもしくはあらゆる放出口か入口の前か後で、ユニットをトラッキングすることができる。1つ以上の検出器は、正しい数のユニットがチャネルまたは分岐チャネルへ分配されるかまたは進められることを確実にするために用いることができる。検出システムは様々な問い合わせデバイス、例えばレーザーまたはカメラを用いた問い合わせデバイス、リアルタイム分類および急速なコマンド駆動分配を用いてユニットのシリアルまたはパラレル問い合わせのためのステップを実行するように構成することができる。検出システムは、例えば、マイクロ流体デバイス内のユニット上の特定の励起波長または波長セットで光を発するスキャナ、ユニットから放出光または回折パターンを受け取って、ユニットに対応するデジタル電気信号にそれを変換する検出器、それから記憶のための関連するコンピュータに送信することができるデータに信号から変換するデコーダおよび/または従来技術において公知の他のあらゆる適切なコンポーネントのうち1つ以上を有する、複数パートシステムを含むことができる。光照射および検知器は、従来技術で周知の蛍光、表面プラスモン共鳴、総内部反射蛍光(TIRF)、Raman分光法または他のいかなる適切な光照明および検出技術も含むことができる。検出器は、磁気検出器などの非光学検波器、コールターカウンタなどの伝導度計、静電容量センサ、誘電体スペクトロスコピーまたは従来技術で周知の他のあらゆる非光学検波器または、あらゆるそれらの組み合わせを含むことができる。複数の検出器および複数のタイプまたはクラスの検出器が、本明細書において記載されているデバイスにおいて使用できる。例えば、デバイスは、1つ以上の光学検波器および1つ以上の非光学検波器の両方を備えていることができる。
【0144】
検出器は、波長フィルタおよび光子検出器に結合されたランプ(例えば水銀、キセノン、ハロゲン)、レーザー(例えばアルゴン、クリプトン、ヘリウムネオン、ヘリウムカドミウム、ダイオードレーザ)、発光ダイオード(LED)またはダイオードレーザを含むことができる。検出器は、光電子増倍管、フォトダイオードまたはアバランシェフォトダイオードを含むこともできる。検出器は、結合された光ファイバまたは結合された自由空間光学部品でもよい。検出器は、電荷結合デバイス(CCD)カメラでもよい。複数の検出器は、連続的に取り付けられて、複数のラベルを有するユニットを読み込むかまたはデバイスを通して所与のユニットをトラッキングすることができる。デバイスの中で種々の位置に問い合わせるように構成されている検出器は、並行して、または連続して情報を集めることができる。
【0145】
光学および非光学検出器は、ユニットまたはあらゆるそれらの組み合わせのサイズ、形状、向き、位置、色、カラースペクトル、干渉パターン、バーコードパターン、電荷、磁気であるか常磁性ラベルまたはキャパシタンスまたは導電性を検出することができて、評価することができる。検出器は、ユニットを他の非ユニット要素、例えば塵、バブル、ユニット断片または他の汚染物質と区別することができる。検出器は、キャリア流体の圧力を増減してユニットを移動させるかまたはユニットを分配することによるなどな、本明細書において記載されているデバイスの動作のためのフィードバック制御のために使われることができる、ユニットの位置および速度情報を集めるように構成することができる。検出器は、主チャネル、フィーダチャネル、分岐チャネル、反応チャンバまたは放出口チャネルを含むがこれに限らずいかなるチャネルにも置くことができて、ユニットの、例えばユニットの有無を決定することによる、または、ユニットの正しい数が分配されたかまたは進められたかどうか決定するためにユニットを計数することによる正しい分配またはステアリングを検査するために用いることができる。検出器によって集められる情報は、本願明細書において他でさらなる詳細で説明するように、分配することにおけるエラーを識別しておよび/または誤ったチャネルにユニットの分配を修正するために用いることができる。一例として、誤って分配されたユニットは正しいチャネルに再分配することができ、または、それが正しいチャネルに分配することができるまで、ユニットは保持されるチャネルに分配することができる。
【0146】
典型的な検出器は、チャネルと隣接するかまたはほとんど隣接して配置される単一モードまたはマルチモードソースファイバおよび受信機ファイバを含むことができる。このような検出器は、図18に示される。ソースファイバは入射光を与えて、受信機ファイバはソースファイバから拡散されるかまたは方向付けされる光を受信する。
【0147】
ユニットの非常に正確な検出およびカウントは、密接にスペースを置かれる場合であっても、隣接する2つ(二重組)、3つ(三重組)またはより多く(多重組)のユニットから、それらがデバイスの検出システムを横断するにつれて単一ユニットを区別する光学システムなどの、検出システムを用いて達成することができる。2つの隣接するユニット(二重組)は、1つ以上のユニットから、特性検出パターン、例えば図16Aに示すように特性光送信パターンを含む検出パターンを通して、区別することができる。単一、二重組、三重組およびn多重組ユニットはそれぞれ、検出器を通過しているユニットまたはビーズの数を区別するために用いることができる異なる特性周波数形状の結果となることが示される。それらがデバイスを通って移動するにつれて、これらの特性パターンを検出することはユニットまたはビーズを位置的にトラッキングすることを考慮に入れる。
【0148】
単一、二重組、三重組およびn多重組ユニットの複雑組合せは検出システムによって特徴づけられることができ、光学検出システムを含むが、これに限定されるものではない。本明細書において記載されている光学検出システムは、図16Aに示されるように、本明細書において以前に、または、他で記載されているようにユニットが検出パスを通過する際に、透射光の信号パターンを分析するために用いることができる。光学検出システムを横切って通る単一、二重組、三重組およびn多重組ユニットは、特性強度信号署名によって識別することができ、実施例4に記載されている光学検出システムを通過している単一ビーズによって取得される特性「W」パターンを含むが、これに限定されるものではない。2つ以上の隣接するユニット用の特性信号パターンは、本明細書において記載されている検出システムを用いて確率することができる。信号パターンは、単一、二重組、三重組および、例えば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50またはより多くの隣接するユニットを含むn多重組ユニットを区別するために用いることができる。隣接するユニットの値は、本明細書において隣接するユニットについて記載される可能な値のいずれかの間で変動することができる。本明細書において記載されている検出器は、列をなす構造でユニットを検出しておよび/または計数するために用いることができて、ユニットの任意の大きな数を計数するために用いることができる。複数の隣接するユニットの識別に基づいて、本明細書において記載されているシステム及び方法は、複数の隣接するビーズに対してアクションをとるために用いることができる。このようなアクションは、1つ以上のユニット、例えば検出された隣接するユニットの1つ以上を保持チャンバに方向付けすること、1つ以上のユニット、例えば検出された隣接するユニットの1つ以上の上のロール分離力を適用すること、1つ以上のユニット、例えば検出された隣接するユニットの1つ以上または前述の1つ以上の組合せの下流の方向の中で再プログラムすることを含むがこれに限らず、補正メカニズムを含むことができ1つ以上のユニット、例えば反応条件の指定されたアプリケーションのアプリケーションを見落とす1つ以上のビーズは、直ちに再方向付けすることができるかまたは反応条件の見落とされた適用を適用することができるように後のポイントにあることができる。
【0149】
理論に束縛されずに、光学検出信号は散乱している(図17Aおよび17B)入射光によって発生することができて、第1のユニットの先端としてベースライン強度から減少している伝送強度は光学検出システム(a)(図17B)の光学パスに入る。そして、第1のユニットの中心が光学パスによって整列配置するにつれて、透射光は、おそらく、ユニットを通して、そして、受光ファイバ(b)に光の中で少し、しかし、すべてでなくレンズ化することによって、瞬間的に増加する。第1のユニットの立下り歪および第2のビーズの先端が光学パス(c)によって直接整列配置するにつれて、送信された光の強度はさらに減少さえする。そして、透射光は再び瞬間的に増加し、それはおそらく、第2のユニットの中心が光学パス(d)によって整列配置するにつれて、レンズ化することのためである。それから、透射光は、第2のユニットの立下り歪が光学パス(e)を横断するにつれて、最後に1回瞬間的に減少する。これは、結果として信号の特性「W」形状になる。
【0150】
種々の実施形態において、本明細書において記載されている方法およびシステムは、バブルをユニットと区別して、本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスの中のバブルを検出するように構成されている。理論に束縛されずに、バブルは、デバイス動作に干渉することがあり得て、および/またはユニットを数え誤ることが生じることがあり得る。検出器、例えば光学パスレンズを通って伝わっているバブルによって、ユニット、例えばビーズの信号として、検出器で類似の信号が生じる場合がある。種々の実施形態において、本明細書において記載されている光学検出システムを含むがこれに限らず検出器は、種々の特性を使用してバブルをユニットと区別するように設計されていてもよい。例えば、バブルは、ユニット、例えばビーズより低い屈折率を有することができる。十分に高感度の光感知システムの使用は、ユニット、例えばビーズによって生じてそれからバブルによって生じるベースラインから、信号の強さの変化の間の区別を可能にする。加えて、本明細書において記載されているシステムの範囲内のユニットの狭いサイズ分布は、例えば選択された速度で検出器のパスを通過しているユニットの信号幅における変化を含むユニット信号における変化を減らす。理論に束縛されずに、より大きなバブルサイズ変化によって、バブル信号におけるより大きな変化が生じることがあり得る。信号幅変動および信号の強さの違いの組合せは、本明細書において記載されている方法およびシステムでバブルを他のタイプのユニットと区別するために結合することができる(図18Aおよび18B)。
【0151】
検出器は、ほぼ、少なくとも、もしくは、少なくともほぼ、1x10-ユニット/秒(u/秒)、1x10u/秒、1x10u/秒、2x10u/秒、3x10u/秒、4x10u/秒、5x10u/秒、6x10u/秒、7x10u/秒、8x10u/秒、9x10u/秒、1x10u/秒、2x10u/秒、3x10u/秒、4x10u/秒、5x10u/秒、6x10u/秒、7x10u/秒、8x10u/秒、9x10u/秒、1x10u/秒、2x10u/秒、3x10u/秒、4x10u/秒、5x10u/秒、6x10u/秒、7x10u/秒、8x10u/秒、9x10u/秒、1x10u/秒、2x10u/秒、3x10u/秒、4x10u/秒、5x10u/秒、6x10u/秒、7x10u/秒、8x10u/秒、9x10u/秒、1x10u/秒、2x10u/秒、3x10u/秒、4x10u/秒、5x10u/秒、6x10u/秒、7x10u/秒、8x10u/秒、9x10u/秒、1x10u/秒、2x10u/秒、3x10u/秒、4x10u/秒、5x10u/秒またはそれを超える速度で検出器のパスを通り過ぎているユニットからの情報を集めるように構成することができる。いくつかの場合では、検出器は、多くとも、または、多くともほぼ、5x10u/秒、4x10u/秒、3x10u/秒、2x10u/秒、1x10u/秒、9x10u/秒、8x10u/秒、7x10u/秒、6x10u/秒、5x10u/秒、4x10u/秒、3x10u/秒、2x10u/秒、1x10u/秒、9x10u/秒、8x10u/秒、7x10u/秒、6x10u/秒、5x10u/秒、4x10u/秒、3x10u/秒、2x10u/秒、1x10u/秒、9x10u/秒、8x10u/秒、7x10u/秒、6x10u/秒、5x10u/秒、4x10u/秒、3x10u/秒、2x10u/秒、1x10u/秒、9x10u/秒、8x10u/秒、7x10u/秒、6x10u/秒、5x10u/秒、4x10u/秒、3x10u/秒、2x10u/秒、1x10u/秒、9x10u/秒、8x10u/秒、7x10u/秒、6x10u/秒、5x10u/秒、4x10u/秒、3x10u/秒、2x10u/秒、1x10u/秒、1x10u/秒、1x10-1u/秒もしくはそれを下回る速度で、検出器のパスを通過しているユニットからの情報を集めるように構成することができる。当業者であれば、ユニット通過速度が、これらの値のいずれかによって囲まれるあらゆる範囲、例えば1x10~1x10u/秒、1x10~5x10u/秒または5x10~1x10u/秒に入ることができると認める。情報収集率の値は、本明細書において情報収集率について記載される可能な値のいずれかの間で変動することができる。
【0152】
核酸合成
実施形態において、特定のDNAまたは他の核酸分子の大きいライブラリの統合は、本明細書において記載されている方法および構成に従って成し遂げられる。一組のユニットは、プライマリチャネルにおいて開始して、前もって割り当てたプログラムに従って4つの異なったチャネルのうちの1つに方向付けされる。これらのチャネルへの方向は、マルチウェイディストリビュータによって、2つの順次分岐点および対応する2ウェイディストリビュータによって、または、公知技術の他のあらゆる好適な方法によって達成することができる。試薬、例えば種々のホスホラミダイトは、チャネルに配送することができる。ユニットは、それらの位置符号化を維持して結合することができて、再設定することができて、4つの異なったチャネルのうちの1つに配送することができる。したがって、ヌクレオチドは、各ユニット上の発生期のチェーンに、反復ステップで追加することができる。
【0153】
種々の実施形態において、核酸合成は、本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスの中の、本明細書において記載されているユニット内またはユニット上で実行される。いくつかの場合では、核酸合成は、ホスホラミダイト方法を用いて達成される。代わりの核酸合成法、例えばH-ホスホン酸エステル、リン酸塩トリエステル、リン酸ジエステル、リン酸トリエステルおよび亜りん酸トリエステル法を用いることもできる。ユニットに配送することができるこれらの方法のための試薬の非排他的なリストは、ヌクレオチドホスホラミダイトモノマー、非ヌクレオシドホスホラミダイトモノマー、B-シアノエチル、4、4'-ジメトキシトリチル(DMT)、トリクロロ酢酸および/またはドクロロ酢酸、産生アゾール触媒(例えばIH-テトラゾール、5-エチルチオ-IH-テトラゾール、2-ベンジルチオテトラゾール、4,5-ジシアノイミダゾールまたは他の類似化合物)、無水酢酸、1-メチルイミダゾールおよび/またはDMAP、ヨウ素、水、弱塩基(例えばピリジン、ルチジンまたはコリジン);tert-ブチルヒドロペルオキシドまたは(1S)-(+)-(10-カンファースルフォニル)-オキサジリジン(CSO)、3-(ジメチルアミノメチルデン)アミノ-3H-1,2,4-ジチアゾール-3-チオン類、3H-1,2-ベンゾジチオール-3 1 1、1-二酸化物および/またはN,N,N’N’-テトラエチルチウラムジスルフィド、および、制御された多孔質ガラスを含む。核酸合成のための試薬は、American International Chemical (Natick Mass.), BD Biosciences (Palo Alto Calif)その他を含む多数の商業的供給源からの購入から入手可能である。使われる特異試薬は、核酸合成、例えばホスホラミダイトまたは非ホスホラミダイト反応の方法に応じて変化することができる。
【0154】
いくつかの実施形態では、ホスホラミダイトまたは非ホスホラミダイト化学作用のための適切な修正を有するヌクレオチドは、デバイスの機能するユニット上に堆積する。これらのヌクレオチドは、モノヌクレオチド、ジヌクレオチドまたはより長いオリゴヌクレオチドであることができる。ホスホラミダイトベースの核酸合成化学作用は、通常順番に次のステップを含む:1)結合、2)キャッピング、3)酸化処理および/または加硫、4)デブロッキングおよび、5)海水脱塩。酸化処理または加硫が、ステップの1つとして使われてもよい。デバイスにおいて実行される化学作用の連続したラウンドは、結果としてユニット上の高品質のポリマーの階段状合成になり得る。種々の実施形態において、本明細書において記載されているユニットは、本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスにおける核酸合成の1つ以上のステップを受ける。例えば、反応チャンバの1つ以上のユニットは、反応チャンバに接続する1つ以上の試薬チャネルを通して、試薬および溶液によって接触することができる。
【0155】
材料
マイクロ流体デバイスを製造するために用いる材料は、限定するものではないが、従来技術において公知のいかなる適切な材料からも選択することができ、ガラス、シリコン、二酸化珪素、離れて化学量論的チオレン(OSTE)、熱硬化系ポリマー、例えばポリジメチルシロキサン(PDMS)およびペルフルオロポリエーテル(PEPE)、および、熱可塑性高分子、例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、環状オレフィン(共)重合、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアミドおよびポリスチレン(PS)を含む。
【0156】
マイクロ流体デバイスは、本明細書において記載されているいかなる方法もまたはさもなければ従来技術において公知のいかなる好適な方法によっても製造することができる。製造工程は、リソグラフィ、エッチング技術、例えば湿式化学、乾燥状態およびフォトレジスト除去、チップ上のマイクロ流体/研究室を含む微小電気機械システム(MEMS)製造法、光学MEMS(MOEMSとも呼ばれる)、RF MEMS、PowerMEMSおよびBioMEMS技術および深いリアクティブイオンエッチング(DRIE)、ナノエレクトロメカニカル(NEMS)技術、シリコンの熱酸化、電気鍍金および無電解鍍金法、拡散処理、例えばホウ素、リン、ヒ素およびアンチモン拡散、イオン注入法、膜蒸着、例えば蒸発(フィラメント、電子ビーム、フラッシュおよびシャドウィングおよびステップカバーレージ)、スパッタリング、CVD法(CVD)、エピタキシー(蒸気相、液相および分子線)、電気鍍金、スクリーン印刷およびラミネーションを含むことができる。ガラスまたはケイ素素子は、エッチングされて、ダイレクトボンディング、例えばプラズマ活性化または融合、アノードボンディングまたは接着結合を介して結合されて湿っていることができるか、乾燥していることができる。
【0157】
マイクロ流体デバイスは、チャネルの中のユニットがまだ検出することができて、トラッキングすることができるこのように、光学的に透明な材料または光学的に透明および不透明な材料の組合せから製造することができる。
【0158】
種々の実施形態において、光学的手順は、流体チャネル内で、または、その上に適用される。チャネルの特性またはユニットは、光学的改質手順の効果を強化するように選択することができる。例えば、チャネルまたはチャネルの1つ以上の側は、導光体、例えば光学的に明澄なガラスを利用することができる。
【0159】
改質手順は、機械的動作を含むことができる。例えば、1つ以上のユニットは、統合または外部メカニズムによって物理的に操作することができる。
【0160】
種々の実施形態において、改質手順は、1つ以上の化学、光学的および機械的手順を含む。
【0161】
加熱冷却
本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスは、加熱冷却のための要素を含むことができる。従来技術で周知のいかなる適切な種類の温度制御も、本明細書においてさらに詳細に他で記載されているシステムおよびデバイスに組み込むことができる。ヒーターおよび冷却器は、加熱することができて、冷やすことができる外部エンクロージャ、熱板および熱電池、熱いソース、例えば感熱素子および冷えたシンクの間に液体を流す第2のマイクロ流体チャネル、分岐チャネル、例えば発熱および吸熱の反応、例えば水と混ぜ合わせられて発熱反応を提供するH2SQ4または吸熱反応を提供する空気を有するアセトンを受けるマイクロ流体デバイス、例えば線形であるか、曲りくねったか、螺旋チャネルのチャネルと平行になることができる分岐チャネルの試薬、分岐チャネル、例えば交流電流により加熱されるかまたは冷やされるマイクロ流体デバイス、例えば線形であるか、曲りくねったか、螺旋チャネルのチャネルと平行になることができる分岐チャネルの、導電性液体の使用、統合プラチナまたは金の抵抗ヒーター、電流をもたらす統合金属線、金属電極金属アーク溶接棒を経たマイクロ波誘電加熱、またはレーザーダイオード、または当業者(参照によって完全に本明細書において組み込まれるMiralles Vet al, 2013を参照)に知られているその他のこのような適切な要素を含むことができる。冷却を加熱するための分岐チャネルは、マイクロ流体デバイスの中に、または、それの外側にあることができる。温度、例えばチャンバが熱にすることができる多重反応は、異なる温度の中でゾーンユニットを担持している流体がチャネルの中を流れて複数の温度変化を受けるように、空間的に制御することもできる。これらの熱ゾーンは、勾配温度変化または突然の温度変化でもよい。マイクロ流体デバイスの温度は一定でなくてもよく、その代わりに、それはチャネルの1ポイントから同じチャネルの、または、異なるチャネルの別の位置への勾配でもよい。同じであるか異なるタイプのヒーターおよび/または冷却器は、本明細書において記載されているシステムおよびデバイスに組み込まれてもよい。例えば、本明細書において記載されているシステムおよびデバイスは、マイクロ流体デバイスを含むがこれに限らず、同じであるか異なる温度制御タイプ、例えば抵抗ヒーターおよびマイクロ波加熱のための金属電極金属アーク溶接棒の複数の加熱要素を含むことができる。
【0162】
基準マークおよびステージ
種々の実施形態において、本明細書において記載されている方法および構成は、基準マークに関する。マイクロ流体デバイス上の基準マークが、補助デバイス、例えば検出器、温度制御器、コンピュータまたはその1つ以上を含むシステムに関してデバイスを配置するために使われてもよい。基準マークは、マイクロ流体デバイス内部で1つ以上のユニットの絶対のまたは相対位置をトラッキングするために用いることもできる。
【0163】
基準マークは、システムの他の成分を有するこのようなデバイスのアライメントを容易にするために本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスに配置することができる。本発明のマイクロ流体デバイスは、1つ以上の基準マーク、例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10またはより多くの基準マークを有することができる。基準マークは、マイクロ流体デバイス上の、またはその中のいかなる位置にも置くことができる。いくつかの実施形態では、基準マークは、デバイスの端またはコーナーの近くに置かれる。基準マークは、デバイスの端またはコーナーから約0.1mmから約10mmまでに置くことができる。いくつかの実施形態では、基準マークは、デバイスの端から、ほぼ、少なくとも、または少なくともほぼ、0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1mm、1.2mm、1.4mm、1.6mm、1.8mm、2mm、2.2mm、2.4mm、2.6mm、2.8mm、3mm、3.2mm、3.4mm、3.6mm、3.8mm、4mm、4.2mm、4.4mm、4.6mm、4.8mm、5mm、5.2mm、5.4mm、5.6mm、5.8mm、6mm、6.2mm、6.4mm、6.6mm、6.8mm、7mm、7.2mm、7.4mm、7.6mm、7.8mm、8mm、8.2mm、8.4mm、8.6mm、8.8mm、9mmもしくは10mmに置かれる。いくつかの実施形態では、基準マークは、デバイスの端から、ほぼ、最高でも、または最高でもほぼ、10mm、9mm、8.8mm、8.6mm、8.4mm、8.2mm、8mm、7.8mm、7.6mm、7.4mm、7.2mm、7mm、6.8mm、6.6mm、6.4mm、6.2mm、6mm、5.8mm、5.6mm、5.4mm、5.2mm、5mm、4.8mm、4.6mm、4.4mm、4.2mm、4mm、3.8mm、3.6mm、3.4mm、3.2mm、3mm、2.8mm、2.6mm、2.4mm、2.2mm、2mm、1.8mm、1.6mm、1.4mm、1.2mm、1mm、0.9mm、0.8mm、0.7mm、0.6mm、0.5mm、0.4mm、0.3mm、0.2mmもしくは0.1mmに置かれる。当業者であれば、本明細書において記載されているデバイスの端からの基準マークの距離が、これらの値のいずれか、例えば0.1mm~5mmによって囲まれるいかなる範囲の中にも入ることができると認める。
【0164】
基準マークは、機能に適したいかなる幅または横断面も有することができる。いくつかの実施形態では、基準マークの幅または横断面は、ほぼ、少なくとも、または、少なくともほぼ、0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1mm、1.2mm、1.4mm、1.6mm、1.8mm、2mm、2.2mm、2.4mm、2.6mm、2.8mm、3mm、3.2mm、3.4mm、3.6mm、3.8mm、4mm、4.2mm、4.4mm、4.6mm、4.8mm、5mm、5.2mm、5.4mm、5.6mm、5.8mm、6mm、6.2mm、6.4mm、6.6mm、6.8mm、7mm、7.2mm、7.4mm、7.6mm、7.8mm、8mm、8.2mm、8.4mm、8.6mm、8.8mm、9mmもしくは10mmである。いくつかの実施形態では、基準マークの幅または横断面は、最高でも、または最高でもほぼ、10mm、9mm、8.8mm、8.6mm、8.4mm、8.2mm、8mm、7.8mm、7.6mm、7.4mm、7.2mm、7mm、6.8mm、6.6mm、6.4mm、6.2mm、6mm、5.8mm、5.6mm、5.4mm、5.2mm、5mm、4.8mm、4.6mm、4.4mm、4.2mm、4mm、3.8mm、3.6mm、3.4mm、3.2mm、3mm、2.8mm、2.6mm、2.4mm、2.2mm、2mm、1.8mm、1.6mm、1.4mm、1.2mm、1mm、0.9mm、0.8mm、0.7mm、0.6mm、0.5mm、0.4mm、0.3mm、0.2mmもしくは0.1mmである。基準マークの幅または横断面は、0.1~10mm、0.2~9mm、0.3~8mm、0.4~7mm、0.5~6mm、0.1~6mm、0.2~5mm、0.3~4mm、0.4~3mmまたは0.5~2mmの長さの間で変動してもよい。当業者であれば、基準マークの幅または横断面がこれらの値のいずれかによって囲まれるいかなる範囲、例えば0.1mm~5mmにも入ることができると認める。
【0165】
本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスは、静的または可動ステージに載置することができる。本明細書において他で記載されている基準マークは、ステージ上のデバイスを整列配置するために用いることができる。ステージは手動であるか、電気であるか、圧電手段によって移動させることができる、または、他の適当な手段が当業者に知られている。ステージは、顕微鏡デバイスに載置されてもされなくてもよい。マイクロ流体デバイスで用いられる他の補助デバイスはまた、ステージおよび/または顕微鏡に載置されてもよい。このような補助機器は、他のデバイスの中でとりわけ、カメラ、レーザー、光源、検出器、温度調整器、流速センサ、ポンプ、およびコンピュータ接続を含むが、これに限定されるものではない。
【0166】
種々の実施形態において、1つ以上のユニット上のユニット、例えば周知の色、界面化学、ラベルまたは任意の適正な特性に対する1つ以上の特性は、マイクロ流体デバイスの中のユニットの順序を検出して、トラッキングし、および/または、修正するために用いることができる。種々の実施形態において、ユニットのサブセットだけの特性は、これらの目的のために利用される。いくつかの実施形態では、検出可能な特性を有する基準ユニットは、トラッキングされないかまたは検出されるかもしくはトラッキングされる基準ユニットの特性が欠如した他のユニットに混入する。例えば、一組のユニットの中の1つ以上のユニットの特異性についての知識が、本明細書において記載されている方法および構成によって制御されるかまたはトラッキングされるユニットの順序で特定のエラーまたはエラー率を評価するチェックとして使われてもよい。決定は、検出をやり直すべきで、制御システムを調整するべきで、および/または、マイクロ流体デバイスの中のユニットの予測された、または予想される順序からの正しい偏差にユニットを再び整理するべきかどうかについて行うことができる。種々の実施形態において、検出をやり直すべきで、制御システムを調整するべきで、および/または、ユニットを再び整理するべきかどうかについての決定が、特定のエラーおよび/またはエラー率および/または1つ以上の適切な要因または決定の評価に基づいてなされる。
【0167】
本明細書において記載されているステップ、動作またはプロセスのいずれも、1つ以上のハードウェアまたはソフトウェアコンポーネントによって、単独で、または、他のデバイスと組み合わせて、実行することができるかまたは実装することができる。一実施形態において、ソフトウェアコンポーネントはコンピュータプログラムコードを有するコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品で実施され、それは記載されているステップ、動作またはプロセスの一部または全部を実行するためのコンピュータプロセッサによって実行することができる。
【0168】
本発明の実施形態は、本明細書の動作を実行する装置にも関することができる。この装置は必要とされる目的のために特別に造ることができ、および/または、それは、コンピュータに格納されるコンピュータプログラムによって選択的に起動されるかまたは再構成される汎用コンピューティングデバイスを含むことができる。このようなコンピュータプログラムは、電子的命令を格納するのに適している、有形のコンピュータ可読記憶媒体または、任意のタイプの媒体に格納することができ、それはコンピュータシステムバスに連結することができる。さらに、本仕様に記載のいかなるコンピュータおよびコンピューティングシステムも、シングルプロセッサを含むことができるかまたは、計算能力を増強するための複数のプロセッサ設計を使用しているアーキテクチャであってもよい。本明細書において記載されているコンピュータおよびコンピューティングシステムは、スタガーピングリッドアレイ(SPGA)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)技術を用いてマイクロコントローラおよび/またはカードまたはプロセッサを含むことができる。本明細書において記載されているコンピュータおよびコンピューティングシステムは、1つ以上のユーザインタフェース、1つ以上のプリンタまたはいかなるそれらの組み合わせを含むがこれに限らずとも1つ以上の出力デバイスに接続していることができる。コンピュータまたはコンピューティングシステムは、本明細書においてさらに詳細に記載されているデバイスおよび/またはシステムに埋め込まれることができる。
【0169】
本発明の実施形態は搬送波で例示されるコンピューターデータ信号にも関することができて、そこで、コンピューターデータ信号はコンピュータプログラム製品のいかなる実施形態もまたは本明細書において記載されている他のデータ結合も含む。コンピューターデータ信号は、搬送波(それは有形である)にコード化されて、いかなる適切な通信方式に従っても送信されて有形の媒体または搬送波において提示されて、調整される製品またはその反対でもよい。
【0170】
データは、コンピュータプログラムおよびアルゴリズムによって分析されることもできて、処理されることもできる。データ解析および処理は、画像解析および画像解析ソフトウェアの使用を含むことができる。このようなプログラムは、ImageJ、MatLab、ImarisまたはMetamorphを含むがこれに限らず公的に、または、商業的に利用できるプログラムを含むことができる。
【0171】
典型的なマイクロ流体デバイスおよびユニットを分配する方法
図1は、複数の順序付けされた移動ユニット、例えばビーズを有する第1のプライマリチャネル101を含む、マイクロ流体デバイスの図示例を提供する。2つの分岐チャネル103、104との第1のチャネルの接続部のルーター、例えばディストリビュータ102は、各移動ユニットを2つの分岐チャネルのうちの1つに方向付けする働きをするように構成されたサービスであることができる。2つの分岐チャネルのバルブ105、113、106、114は、移動ユニットの出入を制御して、反応チャネルまたはチャンバ107、108を形成するように構成することができる。試薬は、矢印で示すように、試薬の配送チャネル110、112を介して、2つの反応チャネルまたはチャンバに配送することができる。試薬の配送は、バルブ109、111によって制御することができる。この構成は、本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスを通して、限定されるものではないが、複数のユニットを反復的に移動させることを含むことができる多くの構成を表すことができる。前述のフローパターンおよび配置は、限定することを意図するものではない。
【0172】
本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスは、複数の分岐チャネルおよび/またはチャンバに分かれる主入口チャネルまたは放出口チャネルなどの、1つのチャネルと一時的であるか永続的な流体結合をする、複数の分岐チャネルおよび/または反応チャンバを含む、1つ以上のクラスタを有することができる。反応チャンバは、分岐チャネルなどのチャネルの1つ以上の放出口にある物理的バリア、例えば物理的バルブなどの、一時的であるか永続的なバリアによって構成することができる。ルーターは、チャネルの分岐ポイントに存在してもよい。1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100またはそれを超える反応チャンバが、1つ以上のルーター、例えばディストリビュータからアクセス可能でもよく、例えば、2つの反応チャンバが1つのルーター、例えば図1に示されるディストリビュータの後でアクセス可能であり、または、4つの反応チャンバが図5に示される2セットの連続したディストリビュータの後でアクセス可能である。2つ以上の反応クラスタは、チャネルを介して互いに接続することができる。いくつかの実施形態では、マイクロ流体デバイスの反応クラスタのいくつかまたは全ては、互いに分離されている。
【0173】
ユニットは、図1のマイクロ流体デバイスを通して移動させることができて、ランダムに、または、決定論的な方法で(例えば、あるアルゴリズムに従って)、異なるチャネルに分配することができる。決定論的な移動のためのアルゴリズムは、動作の1つ以上の以前のステージの間のルーティングステップの結果に基づくことを含むがこれに限らず、本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスの動作の間、アップデートすることができる。いずれの場合も、ユニットのコレクションは、特定の順序、例えば図1にて図示したように、ユニット1、2、3、4、5、6、7、8および9の入口チャネルで始まることができる。いくつかの実施形態では、ユニットの全てのコレクションは、ディストリビュータを通過した後に、1つのチャネルに入る。いくつかの実施形態では、ユニットは異なるチャネルに分配され、例えば2方向分割の場合、ディストリビュータによって、ユニット1が左チャネルに入り、ユニット2が右チャネルに入り、そしてユニット3がアルゴリズムに従うかまたはランダムに左チャネルに入ることが可能になる。分配された後に、ユニットは、チャネルの下方に移動することができる。ユニットは、アルゴリズムに従って、またはランダムに第2のディストリビュータによって、再び分配することができる。1つの図示例において、チャネルクラスタは2つのチャネルを有するが、いくつかのクラスタは2つ以上のチャネルを有することができる。分配ステップの後、ユニットは、ユニットのフローを停止させるように構成することができるバルブによって、各チャネルにおいて保持される。バルブは、ユニットがチャネルの端部にさらなるバルブを有する反応チャンバに入ることができるように開かれることができる。第1のバルブはユニットの後ろで閉じて、反応チャンバを形成することができる。いくつかの実施形態では、各反応チャンバは、単一のユニットを保持する。他の実施形態では、クラスタのいくつかまたはすべての反応チャンバは、複数のユニットを保持する。
【0174】
ユニットが反応チャンバに分配された後、試薬は、反応サイクルを開始するために反応チャンバに当接しているバルブを開いて試薬をリリースすることによってチャンバに流すことができる。反応サイクルは、試薬の配送、光またはレーザーによる処理または物理的処理を含むことができる。反応サイクルはまた、試薬の配送、光またはレーザーによる処理または物理的処理を含まなくてもよい。ユニットは、各反応サイクルのための規定時間について選択された反応条件の影響下に置くことができる。試薬は、定められた方法で化学的にユニットを改質するために選択することができる。クラスタの異なる反応チャンバに接続している試薬チャネルの一部または全部の中の試薬は異なるものでもよく、例えば配送された試薬はオリゴヌクレオチド合成のための異なるヌクレオチドビルディングブロックを含むことができる。
【0175】
反応条件は、限られた化学反応でなく、酵素処理、加熱または冷却または加圧または剪断力などの物理的処理、または、、紫外線(UV)、赤外線(IR)またはおよそ390~700nmの可視スペクトルのあらゆる光などの光処理を含むことができる。反応条件は、試薬の有無にかかわらず反応または処理が無い場合を含むこともできる。
【0176】
反応サイクルの後、反応チャンバの端部のバルブは、ユニットをリリースするために開かれてもよい。ユニットがリリースされることができる順序は、バルブ開放のタイミングおよび機関に基づいて決定することができて、例えば、複数ユニットが1つの反応チャンバにある場合、それらの全ては次のチャンバのユニットがリリースされる前にリリースすることができる。チャンバ内のユニットは、それらが別のチャンバからユニットとインタリーブ配置されるように、例えば、所要の方法で、例えば周期的に、そして、ユニットをリリースするのに適切な時間の間に、定められた方法において、所要のチャンバルーターを開けることによるなどして、リリースことができる。
【0177】
種々の実施形態において、ユニットは、すぐにチャネルまたはチャンバの中でユニットの全バッチをリリースすることとは対照的に、個々に、または、サブバッチで、いくつかまたはすべてのチャネルまたはチャンバからリリースすることができる。さらに、種々の実施形態では、クラスタに入るユニットのセットは、サブバッチで分岐チャネルおよび/または反応チャンバに仕切ることができる。サブバッチは、反応サイクルの影響下に置くことができて、ユニットのセットから、追加サブバッチが分割される前にクラスタからリリースすることができる。セットの中のユニットの全てがクラスタの分岐チャネルおよび/または反応チャンバに仕切られるまで、ユニットのセットからのユニットのサブバッチの仕切りは繰り返すことができる。
【0178】
ユニットが2つ以上のチャンバに分割された所で、個々のチャンバからのユニットは連続して再結合することができる。例えば、2つのチャンバからのユニットを結合した後に、ユニットは、追加のチャンバからのユニットと次の分岐ポイントで、さらに単一チャネルに結合することができる。各マージ分岐ポイントのユニットは、類似であるか異なる方法で、例えば1つの反応チャンバの端部のバルブを開いて、そのチャンバのユニットの全てをリリースして、残りのチャネルのユニットに対して方法を繰り返すことによるバッチで、再結合することができる。ユニットは、一部またはすべての反応チャンバ上のバルブを開くことによってユニットにインタリーブ配置するために、連続して周期的に1つのチャネルに結合することもできる。再結合されたユニットは、さらなる反応サイクルを受けるために、反応クラスタの元の位置へ戻って、反復的にルーティングすることができる。ユニットはまた、類似であるか異なる配置で第2の反応クラスタに流すことができるか、または放出口、例えばさらなる処理のための回収容器に流される。
【0179】
図2は、マイクロ流体デバイスの図示例を提供する。第1のチャネル201からの移動ユニット1~6は、ルーター、例えばディストリビュータ202を用いて、決定論的に、または、ランダムに、2つの分岐チャネル203、204のうちの1つに方向付けすることができる。ユニット7~9は、ルーターの後ろで、第1のチャネルに配置される。ルーターは、位置をハッシュされた円形によって示したユニット7~9を配送するようにプログラムすることができる。一旦移動ユニットが分岐チャネルおよび反応チャンバ207、208に分配されると、試薬、例えば合成試薬は移動ユニットを保つように構成されている2つの反応チャンバを通して循環することができる。反応サイクルを受けた後に、ユニットは、バルブ213、214を開くことによって、反応チャンバからリリースすることができる。いくつかの実施形態では、ユニットは第1のチャネル201へ反復的に流されて、例えば、リターンパス217を介して、別の分配ステップを受ける。
【0180】
図3は、マイクロ流体デバイスの分割されたチャネルを通した移動ユニットのトラッキングされた循環のスナップショットの図示例を提供する。移動ユニットが分配するラウンドを始めようとしている際のチャネル301の移動ユニットの順序は、図1に示される順序とは異なる。移動ユニットの、それらが第1のチャネルへ再循環させられる際の順序は、決定論的な方法で、例えば所定の方法で反応チャンバに、そして、それからユニットを分配して、リリースすることによって、設定することができる。特定の移動ユニットの位置または相対位置は、分かっていてもよく、または、各移動ユニットが分配および再結合の以前のラウンドにおいて取り入れたパスから決定可能でもよい。この図示例において、移動ユニットは、再び、専用の試薬チャネル310、312を介して化学作用の前もって割り当てたシーケンスのホストをつとめるように設定することができる分岐チャネル303、304および反応チャンバ307、308に分配される準備ができている。
【0181】
図4は、移動ユニットが2セットの連続したルーター、例えばディストリビュータ402、405、406を通過している4つの分岐チャネル407、408、426、427に分割されるマイクロ流体デバイスの図示例を提供する。4つの分岐チャネル407、408、426、427および4つの反応チャンバ411、412、429、432を含む反応クラスタを有するデバイス構成は、反応クラスタを通して移動ユニットの連続した循環によって移動ユニット内またはその上で、分子(例えば核酸)を合成するために用いることができる。専用の試薬の配送チャネル414、416、439、434は、選択された試薬、例えば核酸合成のための4つのビルディングブロックのうちの1つをそれぞれ提供することができる。反応サイクルを受けた後に、ユニットは、反応チャンバに位置するバルブを開くことによって、反応チャンバからリリースされ、1つのチャネル439に結合することができる。リリースされたユニットは、本明細書においてさらに詳細に他で記載されているように、アルゴリズムに従ってランダムであるか決定論的な方法でリリースすることができる。ユニットは、第1のルーター402へ流して戻すことができて、反応チャンバに再分配することができる。第2の分配のユニット順序は、第1の分配のユニット順序から変化することができて、それにより同じユニットは同じ反応チャンバの反応サイクルを受けても受けなくてもよい。ユニットは、反応サイクルの複数のラウンドのための反応クラスタを通して、反復的に流すことができる。
【0182】
図5は、移動ユニットが2セットの連続したルーター、例えばディストリビュータ502,505,506を通過している4つの分岐チャネル507、508、526、527に分割されるマイクロ流体デバイスの図示例を提供する。4つのチャネルのそれぞれのバルブ509、510、517、518、528、530、535、541は、移動ユニットの出入りを制御することができて、反応サイクル、例えば閉じているときにユニットの化学修飾を含む反応サイクルのホストをつとめるように構成されている反応チャンバ542、512、529、532を作成することができる。専用の試薬の配送チャネル514,516,543,534は、試薬を反応クラスタの反応チャンバの一部または全部に提供することができる。
【0183】
試薬チャンバの1つ以上からリリースされるユニットは、別の反応チャンバからリリースされるユニットに、例えばペアの形でマージすることができ、そして、結果として4つのチャネルのユニットの2つのチャネル521,538への組合せになる。例えば、左(先頭)の2つのチャネルからのユニットは互いにマージすることができて、右(後尾)の2つのチャネルからのユニットは互いにマージすることができる。結果として得られるマージされたユニットは、段階的やり方で4つのチャネルからユニットを結合するために、再びマージすることができる。各マージステップは、選択されたアルゴリズムに従ってユニットを結合することができる。組合せアルゴリズムは、同一でもよいかまたは分岐ポイントをマージしているいくつかまたはすべてで異なってもよい。4つのチャネルからユニットをマージするための組合せアルゴリズムの例は、右チャネルからの1つのユニット、右中央チャネルからの1つのユニット、左中央チャネルからの2つのユニットおよび左チャネルからの2つのユニットでもよい。いくつかまたはすべてのチャネルの1つ以上の検出器522、525、539は、リリースされたユニットに問い合わせて情報を捕えることができ、それは位置情報を含んでいても含んでいなくてもよい。検出器は、様々な位置に、例えば、ユニットがルーティングされる、例えば、ユニットフローに沿って、分配されるかまたはマージされる分岐ポイントの直前および/または直後に、置くことができる。マージャーチャネルの一部または全部の端部のバルブ523、540は、アルゴリズムに従って、または、ランダムに、単一チャネル524へのユニットのリリースを制御することができる。別の検出器は、その単一チャネルのユニットにさらに問い合わせることができる。それから、ユニットは、反応クラスタの始まりへルーティングすることができるか、同様に、または、異なって構成された別のクラスタへと延びていることができるか、または、放出口にリリースすることができる。マイクロ流体デバイスの複数のユニットは、図5において表されるものと同じまたは同様な構成を含む反復ステップを通過することができる。
【0184】
ユニットを、それらが本明細書において記載されているデバイスを通って移動するにつれて、位置的にトラッキングするために、1つ以上の検出器は、デバイスの単一または複数ポイント配置することができる。図5において、検出器は、反応チャンバチャネルの第1のマージから形成されるチャネルに配置されている。検出器はまた、反応チャンバを形成する最終バルブと2つ以上の反応チャンバチャネルのマージ位置の間のチャネルに配置されてもよい。検出器はまた、本明細書において記載されているマイクロ流体デバイスにおいて、ルーター、例えばディストリビュータ、マージャーまたはバルブの直前、直後または、同一線上に配置されてもよい。検出器は、検出器によって検出される信号の分析を実行するように構成されているコンピュータに接続していることができる。このような検出器信号解析の結果は、流体圧、キャリア流体および/もしくはその中のユニットの速度ならびに/またはルーター、例えばディストリビュータの作動もしくはタイミング、またはバルブもしくは他のタイプのルーターの作動もしくはタイミングを制御するために用いることができる。ユニットが反応チャンバを出るにつれて、検出器は、例えばレーザーを有するユニット、LEDまたは、CCDとユニットの複数画像を撮ることによって、CMOSまたはNMOSカメラを走査することによって、ユニットに問い合わせることができる。ユニットに問い合わせる他の方法も用いることができる。位置的データは、分析および記憶のためのコンピュータに送信することができる。チャネル、例えば最終的なマージャーチャネルの端部のバルブは、検出器からデータに基づいて開閉されて、特定の順序でユニットをリリースすることができる。または、バルブは所定であるかまたはランダムな順に基づいて開閉されて、ユニットをリリースすることができる。
【0185】
図6は、移動ユニットが2セットの連続したルーター、例えばディストリビュータ602、605、606を通過している4つの分岐チャネル607、608、626、627に分配されるマイクロ流体デバイスの図示例を提供する。ルーターに整列する検出器644は、それらがルーターを通過するにつれて、ユニットに問い合わせることができる。2つのチャネル603、604の検出器641、642は、それらが第1のルーター602を通って、そして、第2のルーター605、606に入る前に通過した後にチャネルを通過するにつれて、ユニットに問い合わせることができる。データは、記憶および/または画像処理のためのコンピュータに送信することができる。各異なるチャネルのバルブ609、610、617、618、628、630、635、641は、閉じるときに、移動ユニットの出入りを制御することができて、反応サイクルのホストをつとめるように構成されている反応チャンバ612、629、632、643を作成することができる。専用の試薬の配送チャネル614、616、642、634は、試薬を反応クラスタの反応チャンバの一部または全部に提供することができる。試薬チャンバの1つ以上からリリースされるユニットはペアの形で別の反応チャンバからリリースされるユニットにマージすることができ、結果として4つのチャネルのユニットを2つのチャネルの組合せにする。例えば、左(先頭)の2つのチャネル619,620からのユニットは互いにマージすることができて、右(後尾)の2つのチャネル636、637は互いにマージすることができる。試薬チャンバの一部または全部からリリースされるユニットはペアの形で別の反応チャンバからリリースされるユニットにマージすることができ、結果として、アルゴリズムに従って、またはランダムに4つのチャネルのユニットを2つのチャネルの組合せにする。チャネルの一部または全部の1つ以上の検出器622、639は、リリースされたユニットに問い合わせることができる。各マージャーチャネルの端部のバルブ623、640は、単一チャネル624へのユニットのリリースを制御することができる。ユニットは、本明細書においてさらに詳細に他で記載されているように、個々に、各チャネルから、または、バッチでリリースすることができる。下流側チャネルの1つ以上の検出器625は、さらにユニットに問い合わせるように構成することができる。この構成は、複数のユニットがマイクロ流体デバイスを通して受けることができる多くの反復ステップの1つを表す。
【0186】
ユニットは、図6のマイクロ流体デバイスを通して移動させることができて、本明細書において他でさらなる詳細に説明するように、アルゴリズムに従って、または、ランダムに、1つ以上の異なるチャネルに分配することができる。それから、結合されたユニットは、別の反応サイクルを受けるために、記載されている反応クラスタの元の位置へ戻って、反復的にルーティングすることができる。ユニットはまた、類似であるか異なる配置で第2の反応クラスタに流すことができるか、または放出口、例えばさらなる処理のための回収容器に流される。前述のフローパターンおよび配置は、限定することを意図するものではない。
【0187】
図7は、移動ユニットが2つの連続したルーター、例えばディストリビュータ702、705、706を通過している4つの分岐チャネル707、708、726、727に分配されるマイクロ流体デバイスの図示例を提供する。この例では、ユニットは4つの反応チャンバ711、744、712、748 729、750、732、755を含む反応クラスタに分配することができ、それぞれが3つの連続するバルブ、第1のバルブ709、710、728、757、中間バルブ741、747、749、752および最終バルブ717、718、730、735によって囲まれている。これらのバルブは、各チャネルの2つの反応チャンバ711、744、712、748 729、750、732、755を形成することができ、結果として反応クラスタ内の8つの総反応チャンバとなる。代替の実施形態では、3、4、5、6、7、8、9、10個またはそれより多くの反応チャンバを、各チャネルの中で構成することができる。反応チャンバは、化学試薬の配送のための個々の専用の試薬チャネル714、742、716、745、751、754、734、756を有することができる。この例では、連続した反応サイクルは、ユニットに、それらが反応サイクルの間にユニットを再結合して、再分配することのない1つ以上の異なるチャネルに分配された後、実行することができる。第1のチャネル交差部および/または第2のチャネル交差部の後の1つ以上の検出器722、739は、ユニットに問い合わせることができる。チャネルは、例えばアルゴリズムに従って、または、ランダムに、追加の反応サイクルのために、クラスタの始まりにユニットを戻すかまたはそれらを類似であるか異なる構成を有するクラスタに配送するように構成することができる。いくつかの実施形態では、反応チャンバは、例えば追加ルーターを用いて、3つ以上の反応チャンバに仕切られることができる。いくつかまたはすべての反応チャンバは、例えばルーター713、743、731、753,715,746,733,755によって制御される方法で、試薬を配送する専用の試薬チャネルを有することができる。
【0188】
ユニットは、図7のマイクロ流体デバイスを通って移動させることができて、本明細書において、アルゴリズムに従って、または、ランダムに他でさらなる詳細にて説明したように、異なるチャネルに分配することができる。この例では、ユニットは、各チャネルの2つの連続した反応チャンバの存在のため再分配されることのない2つの連続した反応サイクルを受けることができる。反応サイクルは、それから反応チャンバの中間バルブを開くことによって次の反応チャンバへ移動される分配されたユニットに対して実行することができる。反応サイクルは、同じ試薬による同じサイクル2回、または異なる試薬による反応サイクルでもよい。例えば、反応サイクルがヌクレオチド合成である場合、デバイスは2つの同じヌクレオチドの連続または2つの異なるヌクレオチドで合成するために用いることができる。反応サイクルはリンスなどのステップを含むことができて、反応チャンバはこのようなステップのホストをつとめるように構成することができる。8つの例示の反応チャンバの一部または全部に提供される反応サイクル試薬は、同一でなくてもよい。いくつかまたはすべての反応チャンバは、本明細書においてさらに詳細に他で記載されているように、専用の試薬チャネルを有していなくてもよい。
【0189】
ユニットが反応チャンバの反応サイクルを通過したあと、反応チャンバの端部のバルブはユニットをリリースするために開くことができる。ユニットリリースの順序は、アルゴリズムに従って、または、ランダムに、バルブ開口のタイミングおよび期間に基づいて、前述したように決定することができる。第1のマージャーチャネル721、738の1つ以上の検出器は、それらが反応チャンバからリリースされたあと、ユニットに問い合わせることができる。それから、ユニットは、本明細書において他でさらなる詳細にて説明したように、アルゴリズムに従って、または、ランダムに、単一チャネル724にさらに結合することができる。第2のマージャーチャネルの1つ以上の検出器725は、ユニットに問い合わせることができる。それから、結合されたユニットは、別の反応サイクルを受けるために、記載されている反応クラスタの元の位置へ戻って、反復的にルーティングすることができる。ユニットは、類似であるか異なる配置を有する別の反応クラスタに流されてもよく、またはさらなる処理のための放出口、例えば回収容器に流されてもよい。前述のフローパターンおよび配置は、限定することを意図するものではない。
【0190】
図8は、移動ユニットがルーター、例えばディストリビュータ、802、805、806を通して2つの連続したセットを通過している4つの分岐チャネル807、808、826、827に分割されるマイクロ流体デバイスの図示例を提供する。この例では、ユニットは、それぞれチャンバの端部のバルブ817、818、830、835を有する4つの反応チャンバ811、812、829、832に、ルーター、例えばディストリビュータの2つの連続したセットを介して分配することができる。専用の試薬チャネル814、816、842、834は、試薬、例えば化学改質のための試薬を反応チャンバの一部または全部に提供することができる。ユニットが反応チャンバの一部または全部の反応サイクルを受けたあと、ユニットはアルゴリズム従って、または、ランダムに、マージャーチャネルで再結合することができる。この例では、左端の819および右端のチャネル837が別々のままの一方で、2つの中間のチャネル820、836は互いに結合する。反応チャンバの端部の個々のバルブ817、818、830、835は、それぞれの反応チャンバからユニットの出口を制御するように構成することができる。中間の反応チャンバのユニットのいくつかまたは全ては、第1の、それから他の反応チャンババルブを開くことによって、バッチでリリースすることができる。または、ユニットのいくつかまたは全ては、本明細書においてアルゴリズムに従って、または、ランダムに、他で詳細に説明するように、周期的に連続してバルブを開くことによってリリースすることができて、インタリーブ配置することができる。マージャーチャネル上の1つ以上の検出器839、822は、それらがマージャーチャネルを通過するにつれて、ユニットに問い合わせることができる。マージャーチャネルの端部のバルブ840は、マージャーチャネルのユニットのリリースを制御することができる。左端のチャネル819は、バルブ823を含むために、中間のチャネル841によって結合して第2のマージャーチャネル843を形成するように構成することができる。中間のチャネルはあるいは、最も右のチャネル837によって結合して、第2のマージャーチャネルを形成することができる。第2のマージャーチャネルの1つ以上の検出器822は、ユニットに問い合わせることができる。それから、チャネル上の1つ以上の検出器825は、残りのチャネルは1つのチャネル824を形成するために結合することができて、それらがそれを通過させるにつれて、ユニットに問い合わせることができる。
【0191】
ユニットは、図8のマイクロ流体デバイスを通って移動させることができて、本明細書において他でさらなる詳細に説明するように、アルゴリズムに従って、または、ランダムに、異なるチャネルに分配することができる。それから、結合されたユニットは、別の反応サイクルを受けるために、記載されている反応クラスタの元の位置へ戻って、反復的にルーティングすることができる。ユニットはまた、類似であるか異なる配置で第2の反応クラスタに流すことができるか、または放出口、例えばさらなる処理のための回収容器に流される。前述のフローパターンおよび配置は、限定することを意図するものではない。
【0192】
図9は、移動ユニットがルーター、例えばディストリビュータ、902、905、906の2つの連続したセットを通過している4つの分岐チャネル907、908、926、927に分割されるマイクロ流体デバイスの図示例を提供する。この例では、ユニットは、可変数の反応チャンバ911、949、912、929、932、943を有する異なるチャネルに分配される。チャネル、例えばデバイスの周辺上のチャネルは、前述したように、図7で、3つ以上のバルブによって形成される複数の逐次反応チャンバを有するように構成することができるが、他のチャネル、例えば中間のチャネルは反応チャンバの異なる数例えば1つを有するように構成することができる。他の例において、周辺チャネルは1つの反応チャンバを有することができるが、可変数の中間のチャネルは反応チャンバを含むことができる。図9の例において、2つの反応チャンバ911、949、932、943が、各中間のチャネルの外側のチャネルおよび1つのチャンバ912、929にある。反応チャンバは、バルブ909,953,917、910、918、928、930、941、950、935によっておおわれることができる。中間のチャネル920、936は、反応チャンバの後結合して、バルブ940によっておおわれる反応チャンバ951を形成するように構成することができる。中間のマージャーチャネル反応チャンバ上の1つ以上の検出器939は、それらが反応チャンバに入るかまたは出るにつれて、ユニットに問い合わせることができる。この例では、7つの総反応チャンバがある。専用の試薬チャネル914、947、916、942、934、945、952は、反応チャンバの一部または全部に試薬を反応サイクルのために提供することができる。配送される試薬は、同じであるか異なる化学改質のために選択することができる。例えば、ヌクレオチド合成の場合、試薬は、異なるヌクレオチドでもよい。逐次反応チャンバの試薬は、ユニットが異なる改質を含むことができる2つの連続した反応サイクルを受けることができるこのように同じであるか異なる試薬でもよい。それから、中間のチャネルは左端のチャネルとマージして、第2のマージャーチャネル946を形成することができる。このチャネルの1つ以上の検出器922は、それらがチャネルに入るかまたは出るにつれて、ユニットに問い合わせることができる。第2のマージャーチャネル946は、最も右のチャネル937によって結合して1つのチャネル924を形成するように構成することができる。このチャネル上の1つ以上の検出器925は、それらがチャネルの中を流れるにつれて、ユニットに問い合わせることができる。
【0193】
ユニットは、先に述べた様に、図9のマイクロ流体デバイスを通って移動させることができて、アルゴリズムに従って、または、ランダムに、異なるチャネルに分配することができる。それから、結合されたユニットは、別の反応サイクルを受けるために、記載されている反応クラスタの元の位置へ戻って、反復的にルーティングすることができる。ユニットはまた、類似であるか異なる配置を有する第2の反応クラスタに流すことができ、またはさらなる処理または収集のための放出口、例えば回収容器内に流すことができる。前述のフローパターンおよび配置は、限定することを意図するものではない。
【0194】
図10は、移動ユニットがルーター、例えばディストリビュータ、1002、1005、1006の2つの連続したセットを通過している4つの分岐チャネル1007、1008、1026に分配されるマイクロ流体デバイスの図示例を提供する。各4つのチャネルの端部のバルブ1009、1017、1010、1018、1028、1030、1040、1035は、チャネルをおおって、反応チャンバ1011、1012、1029、1041を形成するように構成することができる。試薬は、専用の試薬チャネル1014、1016、1039、1034を介して反応チャンバに導くことができる。反応チャンバは、チャネルの折線によって示されるように、示されない追加装置を含むことができる。このような特徴は追加のバルブを含んで、複数の逐次反応チャンバ、追加検出器、追加の分岐チャネル、官能化された基で被覆されている反応チャンバ壁の部分および/または他の構造であるか非構造的特徴を形成することができる。反応チャンバの一部または全部の追加装置は、同一でもよいかまたは異なってもよい。反応チャンバの一部または全部からリリースされるユニットは、別の反応チャンバからリリースされるユニットに、例えばペアの形でマージすることができ、そして、結果として4つのチャネルのユニットの2つのチャネルの組合せになる。または、1つ以上のユニットは、アルゴリズムに従って、1つ以上の反応チャンバから、または、ランダムにリリースすることができる。左2つのチャネル1019、1020は互いに結合することができて、右の2つのチャネル1036、1037は互いに結合することができる。マージャーチャネルは、バルブでおおわれることができる。これらのマージャーチャネルは、1つのチャネル1044を形成するために互いにさらに結合するように構成することができる。最終的なマージャーチャネルの1つ以上の検出器1025は、リリースされたユニットに問い合わせることができる。
【0195】
ユニットは、先に述べた様に、図10のマイクロ流体デバイスを通って移動させることができて、アルゴリズムに従って、または、ランダムに、異なるチャネルに分配することができる。それから、結合されたユニットは、別の反応サイクルを受けるために、記載されている反応クラスタの元の位置へ戻って、反復的にルーティングすることができる。ユニットはまた、類似であるか異なる配置を有する第2の反応クラスタに流すことができるか、または放出口、例えばさらなる処理のための回収容器に流すことができる。前述のフローパターンおよび配置は、限定することを意図するものではない。
【0196】
図11に、二つの連続した反応クラスタを有するマイクロ流体デバイスの代表的な例を提供する。第1のクラスタでは、移動ユニットは分割されて、二つの連続した組のルーター、例えばディストリビュータ、1102、1005、1106を通過する四つの分岐チャネル1107、1108、1126、1127になる。四つのチャネルそれぞれの端部のバルブ1109、1117、1110、1118、1128、1130、1141、1135は、チャネルをキャップしている場合があって、反応チャンバ1111、1112、1129、1132を形成していてもよい。この例では、反応チャンバは、チャネルにおける破線により示されるとおり、図示されていないさらなる特徴を含んでいてもよい。そのような特徴は、複数の連続した反応チャンバを形成するさらなるバルブ、さらなる検出器、さらなる分岐チャネル、官能化された基で被覆された反応チャンバ壁の部分、および/またはその他の構造的または非構造的な修飾を含んでいてもよい。いくつかの、または全ての反応チャンバにおける特徴は、同一または異なっていてもよい。四つのチャネルは、二つのチャネル1121、1138に合体するように構成されていてもよい。チャネルは、バルブ1123、1140を用いてそれぞれキャップされていてもよい。一つまたは複数の検出器1122、1139は、それらがマイクロ流体デバイスを通じて流れると移動ユニットを照合するように、構成されていてもよい。二つのチャネルは、次いで単一のチャネル1124に合体してもよい。一つまたは複数の検出器1125は、移動ユニットがチャネルを通じて流れるとそれらを照合するように、構成されていてもよい。このチャネルは再び分割して、二つの連続した組のルーター、例えばディストリビュータ、1142、1143、1144を通過する四つの分岐チャネル1145、1146、1147、1148となっていてもよい。これらのルーターを介してアクセスされた反応クラスタは、第1のクラスタと同様なまたは異なる幾何学的構造を有していてもよい。第2のクラスタにおけるいくつか、または全ての反応チャンバは、第2のクラスタを第1のクラスタと同一もしくは同様な、または第1のクラスタとは異なったものとするような、反応チャンバにおける特徴を有していてもよい。第2のクラスタにおけるいくつか、または全ての反応チャンバは、第2のクラスタにおけるその他の反応チャンバと同一の特徴または異なる特徴を有していてもよい。第2の反応クラスタ1149、1150、1151、1152におけるチャネルは、本明細書に別途さらに詳細に記載のとおり、例えば対としたパターンに合体するように構成されていてもよい。合体チャネル1159、1153は、バルブ1156、1157によりキャップされていてもよい。合体チャネル上の一つまたは複数の検出器1155、1158は、本明細書に別途さらに詳細に記載されるとおり、ユニットを照合してもよい。第1の組の合体チャネルは、再び合体して第2の合体チャネル1154を形成するように構成されていてもよい。第2の合体チャネルにおける一つまたは複数の検出器は、先に記載のとおり、ユニットを照合してもよい。第2の合体チャネルにおけるユニットは、第1のクラスタまでルーティングされて戻されてもよい、第2のクラスタまで続いていてもよい、取り出し口、例えば回収物受け取り容器まで続いていてもよい、または出口まで続いていてもよい。クラスタの幾何学的構造および配置の先の記載は、限定的であることは意図されない。
【0197】
移動ユニットは、先に記載のとおりアルゴリズムに従ってまたは無秩序に、図11に示されたマイクロ流体デバイスを通じて流され分配されてもよい。いくつかのまたは全てのユニットは、個別に、または一つより多いユニットのバッチで分配されてもよい。ユニットは、第1のクラスタにおける第1の反応チャンバにおいて第1の反応サイクルを経た後に、第2の反応サイクルのために第2のクラスタにおける第2の反応チャンバの中に直接流されてもよい。移動ユニットは、第1のおよび第2のクラスタにおいて同一の分配経路、または第1のおよび第2のクラスタにおいて異なる分配経路に沿って移動してもよい。例えば、ユニット1は、クラスタ1における最上部の反応チャンバ1111の中に分配され、一群のユニットと再び合体して反応クラスタ間のチャネルに入り、クラスタ2における最上部の分岐チャネル1145の中に分配されてもよい。または、ユニット1は、クラスタ1における最上部の反応チャンバ1111の中に分配され、一群のユニットと再び合体して反応クラスタ間のチャネルに入り、クラスタ2における最下部の分岐チャネル1148の中に分配されてもよい。ユニットは、アルゴリズムに従ってまたは無秩序に、分配経路により提供されるあらゆる可能な組み合わせで分配されてもよい。第2のクラスタを脱するユニットは、第1のクラスタにルーティングされて戻されても、同様なまたは異なる幾何学的構造を有する第3のクラスタまで続いていても、または取り出し口、例えばさらに処理するための回収物受け取り容器の中に流し込まれても、または出口まで続いていてもよい。先の流れのパターンおよび配置は、限定的であることは意図されていない。
【0198】
図12に、図11と同様な、二つの連続した反応クラスタを有するマイクロ流体デバイスの代表的な例を提供する。第1のクラスタでは、移動ユニットは、二つの連続した組のルーター、例えばディストリビュータ、1202、1205、1206を通過する四つの分岐チャネル1207、1208、1226、1227の中に分配されている。四つのチャネルそれぞれの端部のバルブ1209、1210、1217、1218、1228、1230、1241、1235は、チャネルをキャップしている場合があって、反応チャンバ1211、1212、1229、1232を形成していてもよい。この例では、反応チャンバは、チャネルにおける破線により示されるとおり、図示されていないさらなる特徴を含んでいてもよい。そのような特徴は、複数の連続した反応チャンバを形成するさらなるバルブ、さらなる検出器、さらなる分岐チャネル、官能化された基で被覆された反応チャンバ壁の部分、および/またはその他の構造的または非構造的な修飾を含んでいてもよいが、これには限定されない。いくつかの、または全ての反応チャンバにおける特徴は、同一または異なっていてもよい。四つのチャネルは、二つのチャネル1222、1240に合体するように構成されてもよく、これら二つのチャネルは、単一のチャネルに合体するように構成されてもよい。検出器ユニット1225は、選択された場所に配置されてもよい。このチャネルは再び分割して、二つの連続した組のルーター、例えばディストリビュータ、1242、1243、1244を通過する四つの分岐チャネル1245、1246、1247、1248となってもよい。これらのルーターを介してアクセスされた反応クラスタ、例えばディストリビュータは、同一のまたは異なる幾何学的構造を有していてもよい。第2のクラスタにおけるいくつか、または全ての反応チャンバは、第2のクラスタを第1のクラスタと同一、または第1のクラスタとは異なったものとするような、反応チャンバにおける特徴を有していてもよい。第2のクラスタにおけるいくつか、または全ての反応チャンバは、第2のクラスタにおけるその他の反応チャンバと同一の特徴または異なる特徴を有していてもよい。この例では、第1および第2の反応チャンバは、チャネル合体の異なる幾何学的構造を有する。第1のクラスタでは、チャネルは、互いに合体している左1219、1220と、右1236、1237のチャネルとが対になるようにして合体するように構成されていてもよい。第2のクラスタでは、中央の二つの反応チャンバ1250、1251は、バルブ1255によりキャップされた合体チャネルに合体するように構成されている。一つまたは複数の検出器1254が、合体チャネルを通過するユニットを照合するに構成されてもよい。最も左のチャネル1257および中央のチャネル1258は、バルブ1262によりキャップされた第2の合体チャネル1261に合体するように構成されている。一つまたは複数の検出器1260が、第2の合体チャネル1261を通過するユニットを照合するように構成されていてもよい。第2の合体チャネル1261および最も右のチャネル1259は、第3のそして最終的な合体チャネル1265に合体するように構成されている。一つまたは複数の検出器1264が、第3の合体チャネルを通過するユニットを照合するように構成されていてもよい。移動ユニットは、第1のクラスタまでルーティングされて戻されてもよい、同様なまたは異なる幾何学形状を有する第2のクラスタまで続いていてもよい、取り出し口、例えば回収物受け取り容器にまで続いていてもよい、または出口まで続いていてもよい。クラスタの幾何学的構造および配置の先の記載は、限定的であることは意図されていない。
【0199】
ユニットが、別途さらに詳細に記載されるチャネルを通じて流れると、このユニットは、一群のルーター、例えばディストリビュータにより容易に可能になるあらゆる組み合わせで分配されてもよい。ユニットは、本明細書に別途さらに詳細に記載されるとおり、アルゴリズムにより、または無秩序に分配されてもよい。第2のクラスタを脱するユニットは、第1のクラスタにルーティングされて戻されても、同様なまたは異なる幾何学的構造を有する第3のクラスタまで続いていても、または取り出し口、例えばさらに処理するための回収物受け取り容器の中に流し込まれても、または出口まで続いていてもよい。先の流れのパターンおよび配置は、を限定的であることは意図されていない。
【0200】
図13に、分離した分岐またはチャネルにおけるユニットに、同一の、または異なる条件を適用する代表的な例を提供する。同一の、または異なる反応条件は、それぞれの分岐またはチャネルに適用されてもよい。ユニットをさらなる分岐チャネルの中に分配させることは、本明細書に記載の方法のいずれかにより生じてもよい。ユニットをこれらのさらなる分岐チャネルの中に分配させることは、同一のデバイスにおけるその他の分岐またはチャネルにおいて使用される方法と同一または異なっていてもよい。例えば図13には、第1の分岐点1301で、分岐チャネル1302または13015の中にユニットが分配されてもよいデバイスを例示する。分岐チャネル1302の中のユニットは、分岐点1303で、分岐チャネル1304または1312の中にさらに分配されてもよい。最終的にユニットは、末端分岐、例えば、分岐点1306および1307で、それぞれ、末端分岐1308または1310、および1309または1311の中にさらに分配されてもよい(領域(a)に図示)。これとは別に、分岐チャネル1315におけるユニットは、分岐点1316、1317、および1318を通じて、末端分岐1319、1320、1321、1322の中にさらに分配されてもよい(領域(c)に図示)。分岐点で分配する方法は、異なっていてもよい。例えば、分岐点1301、1303、1316、1317、1318は、移動する機械式ディストリビュータを使用してもよいが、一方で、それと同時に分岐点1306および1307、ならびに分岐1312の末端分岐での分配は、接続された圧力調整器および/またはポンプを介して末端分岐における流体圧を変調させることにより実現してもよい。
【0201】
末端分岐1308、1309、1310、1311における全てのユニットは、同一の処理または反応を受けてもよいと同時に、分岐チャネル1312の末端分岐における全てのユニットは、異なる処理または反応を受けてもよく、分岐1315のすべてのユニットは、第3の処理または反応を受けてもよい。いくつかの実施形態では、末端分岐1308、1309、1310、1311、1319、1320、1321、および1322における全てのユニットは、同一の処理または反応を受けてもよい。末端チャネルにおける処理または反応は、異なる時間に生じてもよい、または同時に生じてもよい。処理または反応は、連続して生じてもよく、例えば、領域(a)におけるユニット、次いで領域(b)におけるユニット、さらに次いで領域(c)におけるユニットが、処理または反応を経てもよい。いくつかのユニットが、いかなる処理または反応を受けなくともよく、例えば、領域(a)におけるユニットは、処理または反応を経るが、領域(b)におけるユニットは経なくてもよい。いくつかの実施形態では、差別化処理または反応は、異なる末端分岐において実行される。
【0202】
図14に、二つの分岐チャネルの中にユニットを分配するための、マイクロ流体デバイス設定の一部分の代表的な例を提供する。ユニットは、分岐チャネル1412および1420の中に分配される前に、二つの連続した分岐点1411、1419を通過してもよく、これらの分岐点は、ユニットスペーサを備えていてもよい。ユニットは最初、第1のチャネル1405の中に充填され保持されていてもよく、このチャネルは、一端にコネクタおよびユニット止め具1404、そして他端にユニットスペーサ1406を備えていてもよい。コネクタは、例えばポリマー管材1403を介して、キャリア流体貯蔵容器1416に接続されていてもよい。第2の管1402を使用して、圧力コントローラまたはポンプを流体貯蔵容器に接続してもよい。ポリマー管1403は、コネクタ1404を介して第1のチャネル1405に接続されていてもよい。コネクタは、市販のコネクタ、例えば機械加工されたコネクタ(ラブスミス(LabSmith))、または3-D印刷、もしくは当技術分野で公知のあらゆるその他の適切な方法を含め適切な方法を介して個別用要求に応じて構築されたコネクタから構築されていてもよい。第1のチャネル1405内に保持されるユニットは、特定の順序または無秩序な順序であってもよい。ユニットは、積層された領域内にあってもよく、この場合ユニットは、互いに直接接触して、もしくは互いのごく近傍で、または均一なもしくは非均一な長さのスペーサにより分離された分離領域内で、保持され流されてもよい。圧力コントローラまたはポンプにより流体圧力を印加する結果、ユニットは、第1のチャネルを通じ、そしてユニットスペーサ1406を通じて、第2のチャネル1410の中に移動することがある。第2のチャネルは、コネクタおよびユニット止め具1407を備えていてもよく、そして、さらなる管材1408、1402を介して、流体貯蔵容器1417、および圧力コントローラ、調整器、またはポンプ1401に接続されていてもよい。双方向バルブ1430および流れセンサ1431は、第2のチャネルと流体貯蔵容器1417との間に置かれていてもよい。いくつかの実施形態では、データラインを使用して、流体センサ、例えば1436、1437を圧力コントローラまたは調整器1401に接続する。第1のチャネル1405における流体圧力または流れスピードは、第2のチャネル1409、1410における圧力または流れスピードと同一または異なっていてもよい。ユニットスペーサ1406を通過し第2のチャネル1409、1410の中に入るユニットは、第2のチャネルにおける流れのせん断力を介して案内され互いに分離されてもよい。この分離は、事前に指定された距離であって、第2のチャネルにおける流体の流れのスピードを増減させることにより増減してもよい距離である。第2のチャネルは、第1のスペーサと分岐点またはルーターとの間に、マイクロ流体デバイス中の分離されたユニットの部分集合またはすべてを保持するのに充分な長さであってもよい。チャネルの長さは、ユニットのサイズ、ユニットの数、およびユニット間の所望のスペーサ長さに基づいて選択されてもよい。チャネル内でユニットを離間させることにより、デバイスにおいて所望の位置順序でユニットを保持することが可能になり、これは例えば、ユニットが、層状の流れすなわち層流の中で移動する、または拡散に基づいた混合を生じさせるのに充分なほどには長くない適切な量の時間の間だけ停止させられる際にそうである。いったんユニットが、それらの間に間隔をとってチャネル内にあると、第1のチャネル1405からの流体の流れは、そのチャネルに対する圧力および/またはポンプ輸送スピードをオフするまたは減少させることにより停止させてもよい。ユニットの動きは、第2のチャネルにおける流れを同様に停止させることにより停止させてもよい。ユニットは次いで、第2のチャネル1410の中の圧力および/またはポンプ輸送スピードをオンするまたは増加させることにより、同一の速度または異なる速度で、でデバイスを通じて移動させてもよい。第2のチャネル1410を通じて移動するユニットは、それらが分岐点1411、1419を通過すると、分岐チャネル1412、1420の中に分配されてもよい。いくつかの実施形態では、分岐点は、スペーサユニット1411、1419を有する。ユニットは、分岐点で圧力差に基づいて分配されてもよく、この圧力差は、接続された圧力コントローラおよび/または調整器によって、および/または、例えば双方向バルブ1430、1433を使用して所望の分岐チャネルを通じて流れを選択的に活性化することによって、印加される。双方向バルブ1430、1433は、流体貯蔵容器1415に接続してもよい。流体センサ1431、1432は、双方向バルブ1430、1433と流体貯蔵容器1415との間に置かれていてもよい。分岐チャネルにユニット分配するには、ユニットが第1の分岐点に達すると、圧力コントローラおよび/または調整器を調整してもよく、この調整は、圧力が第2のチャネルの上流1410および下流1418部分の両方から分岐点1411に向かって印加されて、分岐点1411でキャリア流体および/またはユニットを集束させるようにしてなされる。分岐チャネル1412上の圧力を減少させて、分岐チャネル1411に向かってキャリア流体および/またはユニットを案内するようにしてもよい。いくつかの実施形態では、選択された分岐チャネルを通じた流れが活性化される一方で、選択されていない分岐チャネルを通じた流れは、セレクターバルブ、例えば双方向バルブ1430、1433を介して不活性化される。いくつかの実施形態では、その他のタイプの流体、例えば、分岐チャネルまたは反応チャンバの中での処理用に指定された試薬またはその他の構成要素を担持する流体(例えば酵素、溶媒等)が、分岐点で同様に指向される。ユニットは、ユニット止め具1413により分岐チャネル内で停止させられてもよい。第2のユニットが第1の分岐点に達すると、第2のチャネル1410上の圧力は、分岐点を通過するユニットが第2のチャネル1418を通過し下流するような値に保持されていてもよい。第2のユニットが第2の分岐点1419に達すると、第1のチャネル1410上の圧力を増加させて、または第1の分岐を通じた流れを不活性化させて、第1の分岐チャネルを通じた流れを低減または除去してもよい。第2の分岐チャネル1420における圧力は、第2のチャネルに対して相対的に減少させて、または例えば接続された圧力コントローラおよび/または調整器またはセレクターバルブを介して第2の分岐チャネル1420を通じた流れを活性化させて、第2のチャネルから第2の分岐チャネル1420の中に流体および/またはユニットを引き込んでもよい。ユニットは、ユニット止め具1421により、分岐チャネルの内側に停止させてもよい。いくつかの実施形態では、ユニットは、それぞれの分岐チャネルに接続されたポンプを介してユニット止め具に向かう流体の連続的な流れによって、分岐チャネル1412、1420の中に保持される。ユニットは、分岐チャネル1412、1420をさらに下流して進行することのないよう、物理的遮断の使用によって防止されてもよく、この遮断は、ユニット止め具1413、1421を介して実装されてもよい。ユニットは、第2のチャネル1410、1418、1426をさらに下流して移動し戻ることのないよう、第2のチャネルから分岐チャネルの中への流体の順方向流れを使用することによって、防止されてもよい。
【0203】
単一のまたは複数のユニットが、分岐チャネル1412、1420の中に分配されてもよい。ユニットは、個別に分配されてもよく、例えば一つの個々のユニットが、第1の分岐チャネルの中に指向されて、引き続く個々のユニットが第2の分岐チャネルの中に指向されてもよい。いくつかの実施形態では、ユニットは、群をなして分岐チャネルの中に分配され、例えば、列をなす三つのユニットが、第1の分岐チャネルの中に指向され、引き続く二つのユニットが、第2の分岐チャネルの中に指向されてもよい。代わりに、単一のユニットが、第1の(または第2の)分岐チャネルの中に指向されてもよく、そして引き続く一群のユニットが、第2の(または第1の)分岐チャネルの中に指向されてもよい。分岐チャネルの中に分配されたユニットは、数が等しい必要はなく、例えば10個のユニットが、第1の分岐チャネルの中に分配されて、100個のユニットが、第2の分岐チャネルの中に分配されてもよい。各分岐チャネルは、所望の数のユニットを保持するのに必要なできるだけの長さとなるように構成されてもよい。分岐チャネルは、同一の長さであってもなくてもよい。いったんユニットが、分岐チャネルの中に分配されると、それらは、本明細書に別途記載されるとおり化学的な、物理的な、または光学的な処理を介して修飾されてもよい。
【0204】
ユニットは、分岐チャネル1412、1420から第2のチャネルの中に放出されてもよい。分岐チャネルに接続されたポンプおよび/または圧力コントローラは、第2のチャネル1410、1418、1426に向けて流れが指向されるようにして調整されてもよい。ユニットは、分岐点1411、1419で再分配されてもよく、これは例えば、同時に一つの分岐チャネル1412、1420を通じた流れをオンすることによって、および/または第2のチャネルの一部を接続するだけでなく分岐チャネル上の差圧を調節することよって、そして第2のチャネルの所望の方向に、分岐点における流体の流れおよび/またはユニットを指向させることによって、なされる。分岐チャネルにおけるユニットは、第2のチャネルの中に個別に、または群をなして流されてもよい。一つの分岐チャネルにおけるユニットは、第2または第3の分岐チャネルからのユニットと合体させてもよく、これは、一方の分岐チャネルから、次いでもう一方の分岐チャネルから第2のチャネルの中にユニットを交互に流すことよってなされる。
【0205】
図15に、二つの連続した分岐点1509、1512、1513を通過する四つの分岐チャネル1514、1515、1516、1517の中に移動ユニットが分配される、マイクロ流体デバイスの代表的な例を提供する。ユニットは、分岐チャネル1514、1515、1516、および1517の中に分配される前に、二つの連続した分岐点1509、1512、1513を通過してもよい。コネクタおよび/またはユニット止め具1505は、例えば管材1502を介して、キャリア流体貯蔵容器1543に接続されていてもよい。第2の管1542を使用して、圧力コントローラまたはポンプ1501を流体貯蔵容器1543に接続してもよい。図14に代表的な例として記載されるとおり、第1のチャネル1506は、特定の順序または無秩序な順序でユニットを保持してもよい。ユニットは、積層された領域、または分離された領域にあってもよく、この場合、それらは、均一なまたは非均一な長さのスペーサにより分離されていてもよい。ユニットは、圧力コントローラ1501および/またはポンプによる流体圧力の印加によって、第1のチャネルおよびユニットスペーサ1507を通じて第2のチャネル1508の中に移動させてもよい。第2のチャネルは、図15に示すとおり圧力コントローラポート1501および/またはポンプに接続されていてもよい。第1のチャネル上の圧力は、分岐点またはスペーサ1507に向かう正の流体流れを生じるように選択されてもよい。第2のチャネル上の圧力は、スペーサ1507の下流の第1の分岐点1509に向かう正の流体流れを生じるように選択されてもよい。ユニットがスペーサ1507を通過して第2のチャネル1508の中に入ると、第2のチャネルにおける流れのせん断力の結果、ユニットが互いから分離することがある。図14に例示された例と同様に、第2のチャネルの長さは、ユニットどうし間の所望の長さのスペーサを用いてデバイス中のユニットの部分集合またはすべてを保持するの必要なだけの長さとなるように選択されてもよい。ユニットが第1の分岐点1509に達すると、それらは、二つの分岐チャネル1510、1511の一つの中に分配されてもよい。本明細書に記載されたいかなるディストリビュータまたは当技術分野に公知のいかなる好適なディストリビュータも、分岐点1509に置いてよい、および/またはそこで使用してよい。示されているのは、分岐点1509、1512、1513に対する三つの代表的なチャネル配置1534、1535、1536である。1534は、閉塞されていない分岐点構成を示しているが、この構成では、ユニットは、例えば、ユニット上への電気泳動の、磁気的な、光学的な、または音響的な力の印加を介し、流れの中のユニットの横方向位置を変更することによって、またはチャネル1508および分岐チャネル1510、1511上の相対圧力を調整することによって、分配されてもよい。この配置では、分岐点の上流で、分岐点に到達するユニット上に力が作用して、そのユニットを含むチャネルの一方の側に向かって横方向に流れの中でユニットを移動させ、所望の分岐チャネルの中にユニットを案内することがある。1535は、流入口ポートを有するチャネルを示しているが、このポートを使用して、ユニット上の側方の流れまたは圧力を印加し、流れの中で所望の位置にユニットを横方向に移動させてもよい。1534と同様に、側方の流れまたは圧力を分岐点の上流に置いて、所望の分岐チャネルの中へ移動するようにユニットを事前に配置してもよい。1536は、分岐点に置かれた移動する機械式ディストリビュータを示している。移動する機械式ディストリビュータを活性化させることによって、分岐チャネル1510、1511を下流する、流体の流れ、例えばキャリア流体、試薬等、および/またはその中のあらゆるユニットを始動または停止させてもよい。同一のまたは異なるタイプのルーター、例えばディストリビュータを、本明細書に記載の方法および系の様々な実施形態によるマイクロ流体デバイス中のそれぞれの分岐点において使用してもよい。ユニットが分岐点1509、1512、1513に達すると、ルーター、例えばディストリビュータが活性化する結果として、四つの分岐チャネル1514、1515、1516、1517の一つの中にユニットが分配または舵取されてもよい。ユニットは、定位置、例えば、分岐点の間または背後、またはチャネル、例えば分岐チャネルの内側に保持されてもよく、この保持は、ユニット止め具1505、1530、1531、1532、1533によって、および/または接続されたチャネル内の好適な圧力差を圧力コントローラ1501のポートを通じて印加して、ユニットを分岐点から遠ざけるように分岐チャネルの中に案内することによって、なされる。代表的なユニット止め具を、1540、1541に示す。1540は、流体の通過を許容するがユニットは遮断する、チャネルにおける狭窄部点、例えばワイヤを含むユニット止め具構成を図示している。狭窄部点を有するユニット止め具は、様々な方法を使用して、例えば制限なしに毛細管コネクタ3D印刷などにより、構築されてもよい。1540ユニット止め具構成の代表的な実装を、図22Aに示す。1541は、体積を排除する性質の物体、例えばワイヤ、くい、または止め具の挿入によるユニット止め具構成を図示している。1541ユニット止め具構成の代表的な実装を図24に示すが、この図は、毛細管チャネルの内側にワイヤを挿入することにより構築されたユニット止め具を示している。ライン1518~1521、および/または分岐チャネル1526、1527、1528、1529に接続されたユニット止め具1530~1533に接続するライン(図示せず)を使用して、流動連通されたチャネル上の圧力を制御または調整し、試薬を送達してもよい、および/または本明細書に記載されたマイクロ流体デバイス内でユニットを循環させてもよい。ルーター、例えばユニットスペーサ1522~1525を使用して、ライン1518~1521を分岐チャネル1514~1517に接続してもよい。処理および反応の条件を適用するための流体は、試薬流入口により、例えば、ライン1518~1521、および/または分岐チャネル1526、1527、1528、1529に接続されたユニット止め具1530~1533に接続するライン(図示せず)を介して、分岐チャネルに加えてもよい。いくつかの実施形態では、ユニットは、反応を経ることなしに分岐チャネル中に保持される。ユニットは、分岐チャネルから放出されて、第2のチャネル1508、および/または第1のチャネル1506に再ルーティング、または戻されてもよい。分岐チャネルからユニットを戻すためには、分岐点1512、1513に接続するチャネル上の第1の圧力は、選択された分岐チャネル1514、1515、および1516、1517のそれぞれ一つからのユニットが、圧力差によって、分岐チャネル1510および1511それぞれの中に移動可能になるようにして、設定されてもよい。ライン1518~1521、および/または分岐チャネル1526、1527、1528、1529に接続されたユニット止め具1530~1533に接続するライン(図示せず)は、管材1504および流体貯蔵容器(図示せず)を介して、圧力コントローラまたは調整器に接続されてもよい。圧力は、例えば、分岐チャネル1514、1515、1516、1517に接続されたチャネル1518、1519、1520、1521を介して、および/または分岐チャネル1526、1527、1528、1529に接続されたユニット止め具1530、1531、1532、1533(図示せず)に接続するチャネル(図示せず)を介して、設定されてもよい。流入口チャネルの取り付けは、流入口チャネルからの正の流体流れが、分岐チャネル1514、1515、1516、1517を下流して分岐チャネル1510、1511に向って指向されるようにして、構成されてもよい。ユニットは、例えば、流入口チャネル1518、1519、1520、1521からの流れを順次変更することにより、分岐チャネルから個々に外に流されてもよい。ユニットはまた、群をなして分岐チャネルから流し出されてもよく、これは例えば、分岐チャネル1514、1515の一つにおいて保持されるすべてのユニットが、分岐チャネル1510に戻され、引き続き第2の分岐チャネルからのすべてユニットが戻される、等となるようにしてなされる。分岐チャネルからのユニットは、分岐チャネルの順序、例えば分岐チャネル1514、次いで1515、次いで1516、そして最後に1517の順序で放出する必要はなく、そしていかなる所望の順序、例えば1516、次いで1514、次いで1515、および次いで117などで、または分岐チャネルのいかなる所望の並び替えで放出してもよい。
【0206】
分岐チャネル1526、1527、1528、1529から放出されるユニットは、本明細書に記載のあらゆるルーティング技術、または当技術分野で公知のあらゆる好適なルーティング方法によって、分岐点1512、1513、1509で再ルーティング、例えば合体させてもよい。いったん第2のチャネル1508にあると、ユニットは第1のチャネル1506に戻され、第2のチャネル1508の中に保持されてもよい、および/または再ルーティングされても、例えば、所望によりいかなる順序でいかなる分岐チャネルの中に再分配されてもよい。
【0207】
図16Aに、検出系の代表的な例を提供する。チャネル、例えば毛細管チャネル、1612が、例えば、チャネル1612に接続された注射器ポンプ1602の作動により、ユニット懸濁液1603からユニットが駆動されてチャネル内で流れることができるように構成されてもよい。ユニットがチャネル1612を通じて流れると、それらのユニットは、光源ファイバー1607およびレシーバーファイバー1608を含む検出器、例えばおよび光学検出器の検出点を通過してもよい。光源ファイバーおよびレシーバーファイバーは、チャネル1612に当接すなわち接していてもよい。いくつかの実施形態では、光源および/またはレシーバーファイバー端部とチャネル1612の端部との間に間隙がある。光源ファイバー1607は、光源発生器、例えばレーザダイオード、およびコントローラ1601、または本明細書に別途記載されるとりの他のいかなる光学的または非光学的構成要素、または当技術分野において公知の好適な構成要素に接続されていてもよい。レシーバーファイバー1608は、チャネル1612におけるユニットにより発生した信号を受信するように構成することができる信号検出器1604に接続されていてもよい。光学検出系用には、レーザダイオード、ランプ、またはLEDを使用して光源を形成してもよい。光源は、検出経路1613で毛細管チャネルを通じて光源ファイバーを介して伝達されてもよい。検出1613経路からの出射光は、レシーバーファイバーを介して検出器に伝達されてもよい。光源は、検出経路1613を通過するユニットにより、例えば吸収、発光、および/または散乱もしくは集束により修正されることがあり、その結果として、信号、例えば1606に示された信号が生じる。非光学検出器は、光源ファイバー有しても有しなくともよい。本明細書に記載された検出系は、本明細書に記載のマイクロ流体デバイスにおけるあらゆる点、例えばあらゆる分岐点の前または後、あらゆるチャネルまたは分岐チャネルにおけるあらゆる点、ユニットスペーサの前または後、反応チャンバの前または後、および/またはユニット出力点に置かれてもよい。信号検出器は、コンピュータ1605に接続されてもよく、このコンピュータは、ユニットおよび検出器により発生した検出信号を受信するように、そしてユニットの読み取り可能な信号出力1606を生成するするように構成されてもよい。単一のユニット1609、ユニットダブル(すなわち、二つの、直接当接しているユニットまたは所望の量の分離間隔のないユニット)1611、ユニットトリプレット1610、またはユニットnタプレットにより生成された信号が、検出器1604およびコンピュータ1605により記録されてもよく、そして本明細書に記載の検出系によって、互いから識別可能であってもよい。
【0208】
図16Bに、光学検出器設定の図を提供する。毛細管1634および内部チャネル1632が水平に示され、図の最下部には光源ファイバー1627、そして最上部にはレシーバーファイバー1638があって、互いに毛細管チャネルに当接している。ユニットダブレット1631は、毛細管チャネルと光源の光ファイバー1627により生成されたレーザ光との交差点での光学的経路1633の上流の毛細管チャネル内にある。
【0209】
図21に、ダブルT字形接合スペーサおよび分岐点の画像を提供する。毛細管は、主チャネルからの二つの連続した分岐チャネルT字形接合3303、3304を有するチャネルスリーブ管3301、3302の中に挿入することができる。分岐チャネル毛細管は、分岐スリーブ管3305、3306の中に挿入することができる。
【0210】
図22に、ユニット止め具(A)、ユニットスペーサ(B)、および研磨されて挿入された毛細管を有する、ユニットスペーサ(C)の画像を提供する。ユニットスペーサ(B)、および挿入された研磨された毛細管を有するユニットスペーサ(C)は、図14および15に記載されたユニットスペーサの代表的な実装である。
【0211】
図24に、ユニット止め具としての用途のラブスミス(LabSmith)ユニオンコネクタの画像を提供する。パネルAに示されているのは、全ユニオンコネクタであり、毛細管が、そのコネクタを通じて走る管材台座の中に挿入されている。パネル(B)に示されているのは、管材台座の中に挿入された毛細管2403の拡大詳細画像である。左側には、ワイヤ2401が毛細管の中に挿入されており、ユニット止め具を形成している。毛細管2402の右側はワイヤを有さず、本明細書にさらに詳細に記載されるとおりキャリア流体および/またはユニットを保持するためのチャネルとして使用することができる。毛細管の中に流れ込むユニットは、ワイヤにより停止させることができる。パネル(C)および(D)は、付属品なしの毛細管を示しており、ユニット止め具として使用とすることができる挿入されたワイヤを示している。
【0212】
図25に、代表的な位置エンコーディングデバイスの画像を提供する。このデバイスは、溶融シリカ毛細管管材および一つのT字形接合ユニットスペーサおよびダブルT字形接合分岐点から組み立てられている。各チャネルの端部は、ユニット止め具を通じて制御された流体ラインに接続される。ユニットは、第1のチャネル2501中に装填することができ、そして第2のチャネル2503に接続されたユニットスペーサ2502を有する分岐点に向かって流すことができる。第1および第2のチャネルにおける流体の流量は異なってもよく、例えば第1のチャネルにおける流れまたは圧力は、第2のチャネルにおける流れよりゆっくりとしていても、すなわち低速度であってもよい。ユニットが、ユニットスペーサに到達すると、もし第2のチャネルにおける流量が第1のチャネルよりも高速であるならば、第2のチャネルに入るユニットは、そのすぐ後ろのユニットが第2のチャネルに入るより前にさらに遠くまで流れることになり、その結果として、第2のチャネルにおけるユニットの間隔が生じる。図25では、第2のチャネルの右(「最上部」)および左(「最下部」)の部分は、ユニオンコネクタ2504と接続されている。ユニットは、第2のチャネルにおいて分岐点まで流されてもよい。図25に、第2のチャネル2503をそれぞれ分岐チャネル2506、2507と接続するダブルT字型接合として構成された分岐点2505を示す。代表的なダブルT字型接合分岐点を図32に示す。ユニットが分岐点2505に達すると、分岐チャネルのそれぞれに接続された圧力コントローラを使用して差圧を調整してもよく、その結果として、第1の分岐チャネル2507の中への、流体およびその中のユニットの流れが生じる。代わりに、接続されたチャネル上の差圧は、ユニットが開口を通り過ぎて第1の分岐点2505における第1の分岐チャネル2506まで流され、分岐点2505における第2の分岐チャネル2507の中に流されるようにして、調整されてもよい。いくつかの実施形態では、第2のチャネル2503を下流するすべてのユニットは、第1の分岐チャネル2506または第2の分岐チャネル2507の中に流される。いくつかの実施形態では、ユニットの一部が第1の分岐チャネル2506の中に分配され、そして一部が第2の分岐チャネル2507の中に分配される。各ユニットの分配経路は、所望のアルゴリズムに従って事前に設計されてもよい。先に記載されたユニット止め具を、それぞれの分岐チャネルの中に置いて、ユニットがさらに遠くまで移動しないよう停止させるようにしてもよい。第1または第2の分岐チャネル2506、2507におけるユニットは、分岐チャネルにおけるユニットを第2のチャネルに向かって流すことによって、主チャネル2503に戻されてもよい。第1および第2の分岐チャネル2506、2507におけるユニットは、バッチとして第2のチャネルに戻されてもよく、例えば第1の分岐チャネル2506における全てのユニットを、第2のチャネルに戻すことができ、続いて第2の分岐チャネル2507における全てのユニットを、第2のチャネルに戻すことができる。代わりに、第1および第2の分岐チャネル2506、2507におけるユニットを、第2のチャネルに個別に戻してもよく、または第1および第2の分岐チャネル2506、2507におけるユニットの部分集合を、群をなして第2のチャネルに戻してもよい。分岐チャネルから第2のチャネルの中へのユニットのルーティングは、チャネル上の差圧を調整することによって遂行されてもよい。第2のチャネル2503におけるユニットは、ユニットスペーサ2502を通過することによって、第1のチャネル2501に戻されてもよい。
【0213】
図26に、マイクロ流体デバイス構成の代表的な実施例を提供するが、チャネルは、誤ってルーティングされたユニットを含め、ユニットを保持するためのラインにより表現されている。そのような誤ってルーティングされたユニットは、事前に指定されたチャネルおよび/または経路とは異なるチャネルおよび/または経路に分配されたユニット、およびユニットであってそれらのユニットどうしの間に所望の間隔なしに流れるユニット、例えばnタプレットで流れるユニットを制限なしに含んでいてもよい。本明細書に記載されたデバイスは、例えば、化学的または物理的処理のための分岐チャネルまたは反応チャンバ2607、2611、2617、2621の中にユニットを分配するように構成されていてもよい。さらなる分岐チャネル2608、2612、2618、2622を使用して、誤ってルーティングされたユニットを保持してもよい。デバイスは、図26に星印により示される検出器、2623、2624、2625、2626、2627、2628、2629、2630、2631、2632、2633、2634、2635、2636、2637、2638を含んでいてもよい。検出器を使用して、事前に指定されたルーティングアルゴリズムに準拠する正しいユニットルーティング、例えば分配を確認してもよい。デバイスは、本明細書に記載のいかなるタイプのルーター、または当技術分野で公知のいかなるその他の好適なルーターを有していてもよい。デバイスは、本明細書に記載の要素を制限なしに含め、様々なその他の構成要素を含んでいてもよい。星印により表示された検出器は、分岐点の前または後のいずれかの点、またはチャネル上に置いてもよい。
【0214】
ユニットは、第1のチャネル2601の中に装填されてもよい。ユニットは分離されて(図示せず)、検出器2623、2624を通り過ぎてルーティングされてもよい。検出器2623、2624、および/またはデバイスにおけるその他の検出器を使用して、気泡、または本明細書に別途さらに詳細に記載されるとおりのダブル、トリプル、もしくはnタプルユニットから、単一のユニットを識別してもよい、および/またはユニット速度を決定もしくは確認してもよい。単一のユニットは、いったん検出されると、引き続く分岐点を通じてルーティングすることができる。気泡および/またはダブル、トリプル、もしくはnタプルユニットを制限なしに含め、誤ってルーティングされたユニットは、分岐点2602、2604、2606、2610、2614、2616、2620を通じて、一つまたは複数の補正領域、例えばチャンバまたは取り出し口チャネル2608、2612、2618、2622までルーティングされてもよい。補正用ルーティングアルゴリズムを使用して、誤ってルーティングされたユニットを補正領域に永久に保持してもよい、例えば補正領域と流動連通している取り出し口ポートを介して補正領域から処分してもよい、および/またはデバイスにおけるユニットの残りと合体させてもよい。ユニットのすべてのまたは実質的な部分は、第1のチャネル2601までルーティングして戻してもよい。補正用ルーティングアルゴリズムを使用して、誤ってルーティングされたユニットを働かないようにしてもよい。補正用アルゴリズムを使用して、誤ってルーティングされたユニットが、指定されたアルゴリズムまたは更新されたルーティング後のアルゴリズムに従って、および/または誤ったルーティングの影響を緩和または取り除く可能性があるやり方で、引き続くサイクルの最中に正しく分配されるように、保証してもよい。補正用ルーティング後の経路が、指定されたアルゴリズムまたは更新されたルーティング後のアルゴリズムに従って、一つまたは複数のユニットに対して作り出されてもよい。気泡は、チャネル2608、2612、2618、2622の端部に位置するユニット止め具(図示せず)を通じて消去してもよい。例えば、ダブル、トリプル、もしくはnタプルユニット、または気泡は、分岐点2602でチャネル2613まで、続いて分岐点2614でチャネル2619まで、続いて分岐点2620でチャネル2622までルーティングしてもよい。気泡は、このチャネルの端部に位置するビーズ止め具を通じて削除される(図示せず)一方、このチャネルの中に分配されるユニットは、次にサイクルに向けた準備において制御されるようにして残りのユニットと合体させることができる。様々な実施形態では、処理または化学反応が、補正領域、例えばチャンバまたは取り出し口チャネル2608、2612、2618、2622において印加されることはない。
【0215】
引き続く分岐点で生じる個々のユニット上の、分配誤りを制限なしに含むルーティング誤りは、分岐点、例えば分岐チャネルの前、そこ、またはその後の点からの信号を検出するように構成された検出器を使用して検出してもよい。例えば、意図される行先がチャネル2607である個々のユニットは、分岐点2604で分岐チャネル2609の中に誤って指向されることがある。この誤った分配事象は、検出器2629で検出してもよい。呼応して、このユニットのルーティング後の経路は、チャネル2612におけるユニットの行先を設定するように更新してもよい。ユニットは、更新されたルーティング後の経路に準拠して分岐点2610でチャネル2612の中に引き続いて分配されてもよく、そしてユニットは、その更新された行先に到達したものとして検出器2631により登録されてもよい。様々な実施形態において、処理または化学反応が、補正領域、例えばチャンバまたは取り出し口チャネル2608、2612、2618、2622において印加されることはない。個々のユニットは、チャネル2612を通過した後にマイクロ流体デバイスにおけるユニットの残りと合体させてもよい。合体は、ルーティングの引き続くサイクルに向けて準備するよう設定されてもよい。
【0216】
誤った分配を含む誤ったルーティングの別の例として、チャネル2607に向けて意図されたユニットが、第1の分岐点2602で誤ったチャネル2613の中に分配されることがある。ユニットは、チャネル2622において新たな行先に割り当てられてもよく、この場合、それは、例えば、更新されたルーティング後のアルゴリズムに準拠して保持されてもよい。ユニットは、分岐点2620でチャネル2621の中に再び誤って分配されることがある。第2の誤った分配事象は、検出器2637により検出されてもよい。そのユニットは、チャネル2621を対象に事前に指定された処理または化学反応を受けることがあって、望ましくないようにして、および/またはそのユニットを対象に事前に指定された処理または化学反応から逸脱して修飾されるユニットであることがある。ユニット上の望ましくない修飾は、記録されてもよい。ユニットは、ルーティング過程の最後で廃棄されてもよい、ならびに/または更新された一組の処理および/もしくは反応条件の結果を担うことが同定されてもよい。
【実施例
【0217】
実施例1:位置エンコーディングデバイスアーキテクチャー
我々は、マイクロ流体デバイスの中での位置エンコードの実施例として、ユニットの装填、保持、および操作を実行するよう構成された系を構築した。この系は、流体ネットワークと、ネットワークを通じた流体流れを制御する流れ制御系とを含んでおり、図14に図示されるとおりである。流体ネットワークは、溶融シリカ毛細管(363μmのOD、50μmのID、モレックス(Molex))と、毛細管管材コネクタ(キャプタイト(CapTight)コネクタ、LabSmith)と、個別要求により作製されたコネクタとから構築されている。
【0218】
ネットワークのビーズ含有部分は、ビーズ再配置に先立ってビーズ用の装填チャネルおよび貯蔵部の両方として役立つフィーダーチャンネル1405で始まる。このチャネルは、ビーズスペーサとして役立つ個別要求に応じて作製されたT字形コネクタ1406を通じて、主チャネル1410に接続された。二つの分岐チャネル1412、1420は、ビーズスペーサとして役立つ(service)ように構成されたさらなるT字形コネクタを介して、主チャネルに接続された。ビーズは、マイクロ流体デバイスの動作サイクルにおける指定された時間の間、それらの分岐チャネル内に分配され保持されてもよい。保持期間の間、マイクロ流体デバイスは、指定された作用、例えば、ビーズを保持する分岐チャネルへの試薬の送達に使用してもよい。分岐チャネルの両方は、ビーズ止め具1413、1421によりキャップされた。ビーズ止め具は、流体の通過を許容するがビーズは通過させないコネクタとして構成された。同様に、フィーダーチャンネルは、ビーズの最初の装填に続いて挿入されてもよいビーズ止め具1404を用いてキャップされた。同様に、主チャネルの両端部は、ビーズ止め具1407、1427を用いて構成される。
【0219】
ネットワーク中の流体流れは、4チャネル圧力制御系1401(エルブフロー(Elveflow) OB1)を使用して制御された。圧力制御系を使用して、空気圧ライン1402を介して接続された四つまでの流体貯蔵容器内の圧力を調整した。流体貯蔵容器はまた、さらなる管材1403、1408、1438を介してビーズ含有チャネルネットワークに接続された。二つの貯蔵容器1416、1417は、それぞれビーズ止め具1404、1427を介して、それぞれフィーダーチャンネル1405と、主チャネル1426の「最上部」とに直接接続した。第3の貯蔵容器は、流れセンサ1432を介して双方向セレクターバルブ(MV201、LabSmith)1433に接続されたが、このバルブは、それぞれビーズ止め具1413、1421を介して分岐チャネル1412、1420に接続されて、分岐チャネル1412、1420のどちらを通じて流れが活性化される可能性があるかを選択するように構成された。三つの接続された貯蔵容器を介してチャネル上の圧力を設定することにより、そして分岐チャネルを通じた選択的に活性化された流れにより、我々は、ネットワークを通じた流体およびビーズ流れを制御した。
【0220】
図25に、位置エンコーディングデバイスの画像を提供する。このデバイスは、溶融シリカ毛細管管材と、一つのT字形接合ビーズスペーサと、一つのダブルT字形接合ビーズスペーサとから組み立てられた。各チャネルの端部は、ビーズ止め具を通じて制御された流体ラインに接続された。第1のチャネル2501の中に装填されたビーズは、ビーズスペーサ2502を有する分岐点に向けて流すことができ、ビーズスペーサは、第2のチャネル2503に接続された。第2のチャネルの右(「最上部」)および左(「最下部」)の部分は、ユニオンコネクタ2504と接続された。ビーズは、分岐点への第2のチャネル中で流すことができる。図25に、第2のチャネル2503をそれぞれ分岐チャネル2506、2507と接続するダブルT字形接合として構成された分岐点2505を示す。代表的なダブルT字接合分岐点を、図21に示す。ビーズが分岐点2505に達すると、チャネルのそれぞれに接続された圧力コントローラを使用して差圧を調整してもよく、その結果、分岐チャネル2506の中への流体およびその中のビーズの流れが生じる。代わりに、接続されたチャネル上の差圧を調整することによって、ビーズがダブル分岐点2505における第1の開口を通り過ぎ、ダブル分岐点における第2の開口部に向かって第2の分岐チャネル2507の中に流されるようにして、それらのチャネル上の差圧が調整されてもよい。各ビーズの分配経路は、所望のアルゴリズムに従って事前に設計されてもよい。第1または第2の分岐チャネル2506、2507におけるビーズは、分岐チャネルにおいて第2のチャネルに向かってビーズを流すことにより、主チャネル2503に戻されてもよい。分岐チャネルから第2のチャネルの中へのビーズのルーティングは、チャネル上の差圧を調整することにより遂行されてもよい。第2のチャネル2503におけるビーズは、ビーズスペーサ2502を通過させることにより、第1のチャネル2501に戻されてもよい。
【0221】
図29に、図25に示されたネットワークに接続された流れセンサおよび自動化バルブを有する代表的な流体ブレッドボードを図示する。入力流体ラインは、流量コントローラを通じて双方向バルブに至る。双方向バルブは、流体ネットワークの異なる部分に流れをルーティングする。左のバルブは、図25における第2のチャネルの「最上部」または「最下部」に流れを指向させる。
【0222】
実施例2:位置エンコーディングデバイス-ビーズスペーサ
我々はまず手動で、フィーダーチャンネル1405の中に一組の高度に単分散性の40μmビーズを装填し、ビーズ止め具1404を用いてチャネル入力部をキャップし、チャネルの流体制御ライン1403にビーズ止め具のもう一方の側を接続した。続いて我々は、主チャネルにおける流れを、主チャネル1410、1418、1426の最上部側に向けて指向させ、貯蔵容器1416および主チャネル貯蔵容器1417を介してフィーダーチャンネルに圧力を印加した。
【0223】
ビーズは、積層領域でフィーダーチャンネルを通じて供給された。当接しているビーズがT字形コネクタ到達したとき、交差流れは、ビーズが主チャネル1410に入ると、それらのビーズ間の分離を生み出した。
【0224】
T字形コネクタを使用して分離されているところのビーズの動画からのスナップショット画像を図23に示す。我々は、ビーズスペーサを開発して、積層領域でビーズを操作する上での課題(すなわち、チャネル寸法の変化での目詰まりおよび位置エンコードの損失のリスク、および積層内の個々のビーズをソーティングすることの困難さ)に対処した。我々は、二つのコネクタ構成、T字形交差(図22B~C)、および交差チャネル幾何学的構造(図22D)を使用してスペーサを構築した。両方の幾何学的構造は、溶融シリカ毛細管(363μmのOD、50μmのID、モレックス社(Molex Inc.))、および個別要求により作製されたコネクタを使用して構築された。ビーズスペーサは、ビーズと、出口チャネルと、流れビーズを離間させるための交差流れを導入するように構成された少なくとも一つの交差チャネルとを含むように構成された、入力フィーダーチャネルを含む。その他の実装(図22D)では、我々は、フィーダーチャンネルから断面を通じて出口チャネルの中に走るビーズ経路と交差する二つの交差チャネルを使用した。我々は、二つのコネクタ構成と、T字形チャネルと、交差チャネルの幾何学的構造とを使用してスペーサを構築した。両方の幾何学的構造は、溶融シリカ毛細管(363μmのOD、50μmのID、Molex Inc.)と、個別要求に応じて作製されたコネクタとを使用して構築された。
【0225】
個別要求に応じて作製されたコネクタは、Photonics Professional GTプリンタ(ナノスクライブ社(Nanoscribe GmbH))を使用してる二光子リソグラフィ法により3D印刷された。コネクタの設計は、毛細管を中に挿入させたさやと内部流れ経路を結合した。さやは、50μmの毛細管チャネルの閉塞を回避するため毛細管の位置に制約を加えつつも、毛細管の真っ直ぐな挿入を可能にするように設計され、この場合、さやはスペーサの内部チャネルと噛み合った。T字形コネクタスペーサ(図22C)については、内部流れ経路は、70μm径のチャネルであった。主チャネルのためのさやは、ポリイミド被膜が除去された毛細管(323μmの径)とともに使用することが意図され、それらのさやは、開口での360μmから、毛細管が主チャネルを横断するところの334μmまで(11μmの許容誤差が許容される)先細りになって、最初の挿入を容易にしつつも、最終的な毛細管位置上の許容誤差を厳しくすることができる。フィーダーチャンネルのためのさやは、先細りの毛細管(360μmのOD、50μmのID テーパーチップ(TaperTip)、ニューオブジェクティブ(NewObjective))を受容するように設計され、この毛細管は、ビーズを注入して分離するために主チャネルを横断した。
【0226】
スペーサを組み立てるために、我々はまず、ブタンのマイクロトーチ(ST500T、ベルンゾマティック(Bernzomatic))を使用して、毛細管の端部でのポリイミド被膜を除去し、そしてイソプロピルアルコールを用いて洗浄した。我々は続いて、それぞれの毛細管をそのさやに完全に挿入し、さやの縁部で毛細管上にUV硬化性接着剤(EMCAST 1823HV、エレクトロニック・マテリアル社(Electronic Materials Inc.))を塗布した。いったん接着剤がさやの中の毛細管周りで乾くと、それを、360nm紫外線LEDランプを使用して硬化させた。
【0227】
動作時には、流体流れが、マルチチャネル圧力コントローラ(OB1 MK3、エルブフロー(Elveflow))から外に印加された圧力を使用して、主チャネルおよびフィーダーチャネルを通じて確立された。フィーダーチャンネルにおける外方への流れが、ビーズを主チャネルに向かって駆動した。ビーズが主チャネルを脱出すると、チャネルにおける交差流れからのせん断力または摩擦力が、ビーズを、引き続くビーズから遠ざけるように加速させて、間隔を導入した。個々に流れる(すなわち離間した)ビーズは、スペーサの70μm径のチャネルから、下流の毛細管の50μm径の管腔内に問題なく流すことができた。対照的に、離間させる流れなしのビーズは、いったんそれらがスペーサ/毛細管界面でのチャネルの収縮部に到達すると、典型的には積層されたままである可能性があり、目詰まりする可能性がある。50μmチャネルに入る離間したビーズは、70μmチャネルにおけるビーズ周りのさらなる流体が、さらに小さいチャネルの中に入って非圧縮性に圧搾されると、スピードアップしてさらに離間する可能性がある。
【0228】
間隔およびビーズに印加されたせん断力の程度は、主チャネルおよびフィーダーチャネルにおける流速を増減させることにより調整することができる可能性がある。さらに高いせん断力はまた、毛細管チャネルの制限と、セパレーターと毛細管との噛み合わせにおける位置許容誤差とを前提とすると、セパレーターにおける主チャネルの径を減少させることにより、所与の流量で実現される可能性がある。
【0229】
ビーズは、フィーダーチャンネル中の積層領域で毛細管の中に充填され、このチャネルは、T字形コネクタを介して第2のチャネルに接続された。図23A~Dにおいて、矢印が、様々なビーズ(a)、(b)、(c)、(d)、および(e)を表示しているが、これは、ビーズがフィーダーチャンネルを通じ、T字形コネクタビーズスペーサを通り過ぎて第2のチャネルの中に移動されたさいのものである。ユニットがT字形コネクタスペーサを通過すると、各ビーズは、第2のチャネルにおいて、先行するそしてあとに続くビーズから分離された。図23Aに、ビーズ(a)、(b)、(c)、および(d)を示す。図23Bに、ユニット(a)が第2のチャネルの中に流れ込んで、動画のフレームを通り過ぎた後のビーズ(b)、(c)、(d)、および(e)を示す。図23Cに、第2のチャネルに入ったさいの、T字形接合でのビーズ(b)を示す。図23Dに、前後のビーズとの間に間隔を有する、第2のチャネルにおけるさらに下流(左)のビーズ(c)を示す。ユニット(d)は、T字形コネクタビーズスペーサに入ろうとしていた。
【0230】
実施例3:位置エンコーディングデバイス-ビーズ分配
主チャネル1410内のビーズは、分岐チャネル1412、1420に向かって流された。我々は、各分岐点1411、1419の上流および下流の主チャネル上の印加圧力を調節することによって、そして双方向セレクターバルブ1433を介した分岐チャネル1412、1420の中への選択的に活性化された流れによって、ビーズを分岐チャネルの中に分配して、キャリア流体が、その事前に割り当てられた分岐チャネルの中に各ビーズを分配するようにした。第1のビーズが、その指定された分岐チャネルに入った後、引き続く圧力構成および分岐チャネルの活性化は、分配されることになる次のビーズの分岐割り当てにより決定される。もしこの第2のビーズが、同一の分岐チャネルに向けて指定されるならば、印加圧力および双方向セレクターバルブの設定は、同一に保たれる。他方、もし第2のビーズが、もう一方の分岐チャネルに向けて指定されるならば、我々は、もう一方の分岐チャネルの中に流れを指向させてビーズを分布させるために、主チャネル上の圧力と分岐チャネルの流れの活性化とを調整する。我々は、ビーズの最後が、その割り当てられた分岐チャネルの中に移動させられるまで、この過程を続ける。
【0231】
実施例4:位置エンコーディングデバイス-分岐チャネルにおける試薬の送達
化学合成を実証するために、実施例1:位置エンコーディングデバイスアーキテクチャーに記載された分岐チャネル1412、1420は、選択された試薬を分岐チャネルの中に流し込むことができるようにして構成される。
【0232】
試薬は、実施例3:位置エンコーディングデバイス-ビーズ分配に記載された圧力調整された分配過程と同様に、チャネルを通じて流れるキャリア流体上の圧力を調整することによって、所望の分岐チャネルの中にチャネルのネットワークを通じて流される。代わりのデバイス構成では、試薬送達チャネルは、直接的に、またはアクセスチャネル(図示せず)を通じてかのいずれかによる個別のアクセスを介して、分岐チャネルの中に試薬を流すように構成される。そのような試薬送達チャネルによって、複数の分岐チャネルに代替の反応条件を同時平行して適用することが可能になる。
【0233】
実施例5:位置エンコーディングデバイス-ホスホロアミダイト合成
【0234】
実施例:4位置エンコーディングデバイス-分岐チャネルにおける試薬の送達に記載された分岐チャネル構成の一つを有するデバイスを使用して、分岐チャネルの中に分配されたビーズ上のホスホロアミダイト合成を実行する。
【0235】
制御された多孔質のガラスビーズまたはポリスチレンビーズは、今後の化学反応のために反応性化学基、例えばアミノ、カルボキシル、または水酸基を有するように官能化される。加えて、さらなる、代替の、または副次的な機能性を有するビーズ、例えば、事前に取り付けられた特定のホスホロアミダイトヌクレオシド、開裂性ホスホロアミダイト、または開裂性の万能ホスホロアミダイト、またはその他の有用な開始用の化学的部分または化合物を有するビーズを、様々な供給元、例えばAMケミカル(AM Chemical)、グレンリサーチ(Glen Research)、サーモフィッシャー(ThermoFisher)、ポリサイエンス(Polysciences)、またはパーキンエルマー(PerkinElmer)から購入することができる。
【0236】
機能化ビーズ、および/またはすでに取付けられたホスホロアミダイトヌクレオシドを有するビーズは、分岐チャネルまたは反応チャンバの中に分配される。
【0237】
脱保護(脱トリチル化)
【0238】
ホスホロアミダイトヌクレオシドに取付けられた保護用のトリチル保護基(例えば4,4’-ジメトキシトリチル基)は、分岐チャネルまたは反応チャンバの中に、酸溶液、例えば2%のトリクロロ酢酸(TCA)または3%のジクロロ酢酸(DCA)、典型的には不活性溶媒、例えばジクロロメタンまたはトルエン中のものを流すことにより除去される。脱プリンは、酸露出のタイミングおよび濃度調整することによって緩和される。脱保護酸は、例えばアセトニトリル洗浄緩衝液を用いて、分岐チャネルまたは反応チャンバにおけるビーズを洗浄することにより除去される。キャップされていない機能化ビーズについては、脱保護ステップは省略されてもよい。
【0239】
結合
【0240】
脱保護の後に、分岐チャネルまたは反応チャンバの中に所望のホスホロアミダイトヌクレオシドを流すことにより結合反応が実行される。ホスホロアミダイトヌクレオシドは、活性化されたホスホロアミダイトヌクレオシド溶液(例えば、無水アセトニトリル中、0.02~0.2M、またはビーズの結合した合成材料よりも1.5~20倍過剰)を、試薬送達チャネルを介して、機能化ビーズを含む分岐チャネルまたは反応チャンバの中へ流すことにより、加えられる。ホスホロアミダイトヌクレオチド溶液は、酸性のアゾール触媒、例えば、1H-テトラゾール、5-エチルチオ-1H-テトラゾール、2-ベジルチオテトラゾール、4、5-ジシアノイミダゾール、または当技術分野で公知の同様な化合物の、充分に高濃度、例えば0.2~0.7Mの溶液によって、活性化させてもよい。新たなホスホロアミダイトヌクレオシドが、ビーズに結合したヌクレオシドに結合した後、結合していないあらゆるヌクレオシドおよび化学副生成物は、分岐チャネルまたは反応チャンバの中に、例えばアセトニトリル洗浄緩衝液を流すことによって、洗い流される。
【0241】
キャップの実行
【0242】
次に、あらゆる残留反応性水酸基、およびグアノシンのO位置との活性化ホスホロアミダイトの反応により生じた可能性があるあらゆるO修飾が除去される。キャップは、分岐チャネルまたは反応チャンバの中にアセチル化試薬(例えば、無水酢酸と1-メチルイミダゾールまたは4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)との混合物)を流すことによって実行される。キャップ用の溶液は、分岐チャネルの中に洗浄緩衝液を流すことによって洗い流される。
【0243】
酸化
【0244】
ヌクレオシドの間の新たな結合は次に、酸化ステップによって酸化され安定化される。酸化ステップは、ヨウ素と水の緩衝液を、典型的には弱塩基(例えばピリジン、ルチジン、またはコリジン)の存在下で、分岐チャネルまたは反応チャンバの中に流すことによって実行される。
【0245】
最終的な洗浄ステップの後には、ビーズは、同一の分岐チャネルまたは反応チャンバにおける次回のホスホロアミダイト合成に向けた準備ができている。代わりに、ビーズは、分岐チャネルまたは反応チャンバから出て主チャネルの中に流されて、実施例3:位置エンコーディングデバイス-ビーズ分配に記載されるとおり、再分配されてもよい。ヌクレオチド合成の単一のまたは複数のサイクルは、本明細書に記載のとおりのデバイスを用いて実行されてもよい。
【0246】
実施例6:位置エンコーディングデバイス-ホスホロアミダイト合成、オリゴヌクレオチドホスホロチオアート(OPS)
実施例5:位置エンコーディングデバイス-ホスホロアミダイト合成に記載された合成方法は、硫化ステップを用いて実行される。結合ステップの後には、硫黄移動反応が、硫黄移動剤(例えば3-(ジメチルアミノメチリデン)アミノ-1H-1,2,4-ジチアゾール-3-チオン(DDTI)、3H-1,2-ベンゾジチオール-3-オン1,1-ジオキシド(ボーケージ(Beaucage)試薬)、N,N,N’,N’-二硫化テトラエチルチウラム(TETD))を分岐チャネルまたは反応チャンバの中に流すことによって、実行される。酸化ステップは省略されてもよい。
【0247】
硫化法は、適宜、ヌクレオチド合成の1サイクル、一部サイクル、または全サイクルに使用して、所望のオリゴヌクレオチドを合成してもよい。
【0248】
実施例7:位置エンコーディングデバイス-ビーズの合体
分岐チャネル内にビーズがある状態で、系は、主チャネルまでビーズを戻す引き続くルーティングのために再設定される。これを完遂するために、我々はまず、それぞれのポートに印加される圧力をオフして、キャリア流体の流れを停止させる。次に我々は、双方向セレクターバルブ1430を設定して、主チャネル1409の最下部に流れを指向させ、双方向セレクターバルブ1433を設定して、第1の分岐チャネル1412に流れを指向させる。我々は続いて、主チャネルに圧力を印加し、この圧力が、主チャネル1409の最下部に向かって戻る流れを発生させる。我々は続いて、第1の分岐チャネル1412の中のビーズを主チャネル1410の中にルーティングする。ビーズは、結果として生じた、主チャネルに向かって戻るキャリア流体の流れにより運ばれる。第1の分離ステップに対して実施例:2位置エンコーディングデバイス-ビーズスペーサに記載のとおり、ビーズが分岐チャネルから出現すると、主チャネルにおけるキャリア流体流れを使用して、それらのビーズを分離し離間させる。これらのビーズは、差圧法を使用して、主チャネルを通じフィーダーチャンネル1405の中に流される。我々は、セレクターバルブ1433を所望の分岐チャネルに切り替えること、および選択された分岐チャネルおよび主チャネル1435上の印加圧力を調整することによって、分岐チャネルからのビーズを分配する。セレクターバルブ1430により主チャネル1409の最下部が流れに対して閉じられ、ビーズは続いて、流れに追従してフィーダーチャンネル1405に入る。
【0249】
すべてのビーズが第1の分岐チャネルを脱し、フィーダーチャンネルに向かって流されると、分岐チャネル圧力は、第2の分岐チャネル1420におけるビーズが、主チャネルに移されて、上記のとおりビーズどうしの間に間隔が導入されるようにキャリア流体の流れを切り替えるよう、再構成される。続いて、第2の分岐チャネルからのビーズは、上記のものと同様な差圧法を使用してフィーダーチャンネルの中に流される。いったんすべてのビーズが移動されてフィーダーチャンネルの中に戻されると、ポートに印加された圧力はオフされ、主チャネルにおける流れは、主チャネル1409の最下部から遠ざかるように、主チャネル1410、1418、1426の最上部に向かって指向される。
【0250】
実施例8:位置エンコーディングデバイス-主チャネルの中へのビーズのルーティング
ビーズの分配および化学処理の完了に続いて、系はビーズの引き続く配置のために再設定される。これを完遂するために、我々はまず、それぞれのポートに印加される圧力をオフし、キャリア流体の流れを停止させる。次に我々は、主チャネル1409の最下部部に向かって流れを指向させ、主チャネルに圧力を印加して、主チャネル1409の最下部に向かって戻る流れを発生させる。我々は続いて、第1の分岐チャネル1412におけるビーズを主チャネル1410の中にルーティングする。我々は、双方向セレクターバルブ1433を介して、第1の分岐チャネル1412を通じた流れを選択する。ビーズは、結果として生じた、主チャネル1409の最下部に向かって戻るキャリア流体の流れにより運ばれる。第1の分離ステップに対して、実施例:2位置エンコーディングデバイス-ビーズスペーサに記載のとおり、ビーズが分岐チャネルから出現すると、主チャネルにおけるキャリア流体流れを使用して、それらのビーズを分離し離間させる。これらのビーズは、主チャネル1409の最下部に向かって流された。すべてのビーズが第1の分岐チャネル1412を脱し、主チャネルの最下部に向かって流されると、第2の分岐チャネル1420におけるビーズが主チャネルの中に移されて、上記のとおりビーズどうしの間に間隔が導入されるように、分岐チャネル流れの活性化が選択される。ビーズ間隔は、流れの中で維持される。いったんすべてのビーズが移動されて主チャネル1410の中に戻されると、流れは停止する。主チャネルにおける流れは、主チャネルにおける流れを反転させる主チャネル1410、1418、1426の最上部に向けて指向される。
【0251】
実施例9:位置エンコーディングデバイス-光学検出系
光学検出系(図16Aおよび16B)が、毛細管におけるユニットを検出するために開発された。この系は、溶融シリカ毛細管1612(360μmのOD、50μmのID、モレックス(Molex))に直接当接させた光源光ファイバー1607およびレシーバー光ファイバー1608(50μmのコア、125μmのクラッディング、0.22NAのカスタムマルチモードファイバー、ソルラブズ(Thorlabs))を含んでおり、ポリイミド被膜は、光透過性のために除去された。光ファイバーは、互いに正反対に配置し、3D印刷した位置合わせデバイスを使用して、中心間を10μmの範囲内に収めて整列させた。光源ファイバーは、コンパクトレーザダイオードドライバー(Thorlabs CLD1010LP)によって駆動されるレーザダイオード1601(635nm、8mW、Thorlabs LMP-635-SMA)に結合された。レシーバーファイバーは、光検出器1604(Thorlabs、PDA8A)に結合された。検出器出力部は、内部のアナログデジタルコンバーターを使用して信号をデジタル化する多機能データ取得(DAQ)デバイス(ナショナル・インスツルメンツ(National Instruments)、USB-6001、図示せず)に結合された。DAQは、USBを介してコンピュータ1605に接続され、信号は、ナショナル・インスツルメンツ(National Instruments)DAQExpressソフトウェアを使用して表示された。毛細管は、一端で注射器1602に接続され、他端で開放状態にされた。粒子(単分散40μmポリスチレンビーズ、CV1.3%、サーモフィッシャー(Thermo Fisher) 4240A)は、注射器を手作業で作動させることによって毛細管の中に装填された一方、取り出し口は、ビーズ1603の懸濁液中に浸漬された。注射器のさらなる作動により、ビーズが光学的経路1613を通じて流れることが可能になり、その結果として、再現性のある「W」字形状の強度信号1606が生じたが、これは、理論に拘束されるわけではないが、ビーズの先頭の縁が光学的経路に入ったときの光の散乱、しかし次いでビーズが光学的経路の中心位置にあるときにレシーバーファイバーの中への光の集束の結果として生じる透過光の瞬間的な増加、これに続いて再びビーズの後端縁からの散乱による減少信号に、おそらく起因している。
【0252】
実施例10:位置エンコーディングデバイス-ビーズ検出および計数
実施例9:位置エンコーディングデバイス-光学検出系の光学検出系を使用して、ビーズダブル、ビーズトリプル、およびnタプレットの強度信号の識別特性が検出された。図17Aに、「W」字形状の強度信号を有する、光学検出系を通過する単一ビーズの強度信号の識別特性を示す。図17Bに、ビーズダブルの強度の識別特性を二重の「W」字として示す。理論に拘束されるわけではないが、この信号はおそらく、第1のビーズの先頭の縁(a)、続いて中心位置にある第1のビーズ(b)、続いて第1のビーズの後端縁および第2のビーズの先頭の縁の両方からの散乱の組み合わせ、続いてが中心位置にある第2のビーズ(d)、続いて第2のビーズの後端縁(e)の結果、生じる。
【0253】
ビーズシングル、ダブル、トリプル、およびnタプルの複雑な組み合わせは、透過光信号パターンの解析により識別することができる(図17C)。実施例9に記載された光学検出系を通過する単一のビーズの横断は、特徴的な「W」パターンにより検出された。完全なベースライン信号強度(b)の短時間の回復の後、間隔の密な、しかし直接接触してはいない、光学的経路を通じた第2のビーズの横断(c)、これにつづいて第3のビーズの横断(d)が検出された。ビーズどうしの間の間隔が、完全なベースライン信号強度(e)の回復により同定された後、ビーズダブルが光学的経路を横断するのが観測され(f)、次いでまず小さい間隔、次いでビーズトリプルの特性信号パターンが観測された(g)。
【0254】
ビーズトリプルおよびnタプルは、信号強度の強い減少を特徴としていたが、これは、理論に拘束されるものではないが、おそらく、光学的経路を通じた一つのビーズの後端縁と次のビーズの先頭の縁の横断が一致することよるものであり(h)、各ビーズ中心が光学的経路と整列したさいの透過強度の瞬間的な増加(i)を伴っている。ベースライン透過強度の完全な回復は、トリプルが光学的経路を通過した後に生じた(j)。
【0255】
最終的に、第2のビーズダブルが光学的経路を通過するのが観測された(k)。
【0256】
実施例11:位置エンコーディングデバイス-気泡からのビーズの識別
実施例9:位置エンコーディングデバイス-光学検出システムに記載された光学検出系の光学的経路を通じて進行する気泡が、それらの強度信号の形状および強度に基づいて同定され、ビーズから差別化された。図18Aに、光学検出系の経路を通過するビーズの信号を示す。ビーズに関するベースラインからの信号変化は約-1である(ベースラインは3.4であり、ビーズは2.4である)。図18Bに、同一の光学検出系の経路を通過する気泡の信号を示す。気泡に関するベースラインからの信号変化は約-2.5である(ベースラインは約3.2であり、気泡は約0.6である)。理論により拘束されるわけではないが、この差はおそらく、ビーズと気泡との間の屈折率の差に対応する。ベースラインからの信号変化は、気泡の場合には約2.5倍だけ大きい。加えて、気泡に関する信号は、ビーズに関する信号よりも広い。理論に拘束されるわけではないが、これは、気泡がビーズより大きな径を有するのが理由である可能性が高い。よって、ビーズおよび気泡の信号は、先に記載された光学検出系を使用して互いから識別することができる。
【0257】
実施例12:FACSを介したユニットサイズ選択
本明細書に記載されたマイクロ流体デバイスに使用するためのビーズは、蛍光活性化セルソーター(例えばインフラックス(Influx)、ベクトン・ディキンソン(Becton Dickinson))を介したビーズのソーティングによって、サイズまたは径のサイズ偏差が最小となるように選択される。ビーズサイズの分散は、本明細書に記載されたデバイス中で使用するのに好適な範囲に抑えられる。高度に球状のポリマー製またはガラス製のビーズ固体担持体で、所望の平均ビーズサイズ(例えば35μmのビーズサイズ)と近似的に同一の平均径を有するものが使用される。さらに大きいユニットサイズ用に100~130μmのノズルを使用してもよいが、さらに小さい寸法のユニットを操作する場合には、さらに小さいノズルサイズを使用することができる。ビーズは、水および0.1%Tween-20中に懸濁され、FACS機器の試料ホルダーに置かれる。製造元の使用説明書によって、流体圧力および流量を調整して、一滴あたり単一のビーズを有する小滴の一貫した安定な流れが得られるようにした。ソーティングは、使用されるビーズについて共通のFACSパラメータ、例えば前方散乱、側方散乱、および/または蛍光の分布をまず見積ることにより遂行される。理論に拘束されるわけではないが、そのようなパラメータは、ある程度までビーズ径と相関している。あらゆる適切なレーザ波長を、前方散乱、側方散乱、および/または蛍光の分布を確立するのに使用してもよい。最終的に、製造元の使用説明書によって、前方散乱、側方散乱、および/または蛍光の信号においてゲーティングが確立されて、集団におけるこれらの信号の分布が狭められる。ソートされたビーズの部分集団を、ソート手順と同一の分析設定を使用して再分析することにより、FACSパラメータによって測定されたビーズの分布がソーティングによって所望の範囲にまで狭められたことを確認してもよい。サイズ分布が狭まったことの引き続く確認は、ソートされたビーズの顕微鏡検査によって、および/または粒子サイジングに対して異なる様式を利用する適切な粒径分析器(例えば、マルチサイザー4e(Multisizer 4e)、ベックマン・コールター(Beckman Coulter))を使用して、実行してもよい。
【0258】
実施例13:機械式ふるい分けを介したユニットサイズ選択
適切なサイズを有するユニットを選択することは、機械式ふるい分けを介して遂行することもできる。高度に球状のポリマー製またはガラス製のビーズ固体担持体で、所望の平均ビーズサイズ(例えば35μmのビーズサイズ)と近似的に同一の平均径を有するものが使用される。ワイヤメッシュ(プレシジョン・マイクロメッシュ・シーブス(Precision Micro-Mesh Sieves)、インダストリアル・ネッティング(Industrial Netting))または精密エッチされた孔(フォト・ケミカル・エッチ・スクリーン(Photo Chemical Etched Screen)、インダストリアル・ネッティング)から作られた機械式は、所望のビーズサイズ、例えば31μmおよび38μmを用いて選択される。ポリマー製またはガラス製ビーズは、38μmのふるいの上にまず置かれ、回収物トレイ上で強く攪拌される。収集されたビーズは、31μmのふるいに移されて、回収物トレイ上で強く攪拌される。多数のビーズの処理には、31μmでのふるい分けを複数回反復して、この径未満のすべてのビーズが除去されたことを保証する。この過程の結果、38μm未満、31μm超のビーズの集団が得られる。サイズ分布が狭まったことの引き続く確認は、ソートされたビーズの顕微鏡検査によって、および/または粒子サイジングに対して異なる様式を利用する適切な粒径分析器(例えば、マルチサイザー4e(Multisizer 4e)、ベックマン・コールター(Beckman Coulter))を使用して、実行することができる。
【0259】
実施例14.ビーズ操作
一実施例では、DNA合成デバイスは、マイクロビーズよりもわずかに大きい径を有する溶融シリカ毛細管を含んでいる。高度に高分散の架橋ポリマービーズが市販されている。6~10μm径のビーズが、10~15μm径の毛細管とともに使用される。図19に、ビーズを充填し毛細管を通じて移動させるそうした系としての代表的な実施例を提供する。そのような代表的な系は、注射器ポンプと、ガラス毛細管と、流体貯蔵容器とを含んでいてもよい。カメラを取り付けたステレオ顕微鏡を使用して、毛細管を通じた流れを撮像してもよい。試験管は、マイクロビーズを含有する流体のための貯蔵容器として使用してもよい。
【0260】
準備されたビーズの溶液は、例えばボルテックスミキサー中で強く攪拌し、超音波クリーナー中で超音波処理してもよい。
【0261】
この系を使用して、注射器の中にビーズ含有流体を装填することができる。注射器は、例えば、ルアーロックタイプアダプターを使用して、毛細管に直接接続してもよい。ビーズ含有流体は、変位誘起流れを使用して、毛細管チャネルを通じて移動させてもよい。注射器ポンプは、15μm径、1m長の毛細管を通じて流体を移動させるのに充分な、100lbs超の変位力を発生させることができる。圧力ポンプを用いた圧力誘起流れが、毛細管を通じた流れを発生させるための別の選択肢である。
【0262】
毛細管を通じて流れる流体は、ステレオ顕微鏡、例えば200倍までの倍率を有するものを用いて撮像されてもよく、この倍率のものは、<10μm径のビーズを見るには充分である可能性がある。ステレオ顕微鏡は、流れ場を記録するためのカメラを取り付けるために補助ポートを含んでいてもよい。
【0263】
注射器ポンプは、点滴および注入の両モードで作動させて、両方向にビーズを移動させてもよい。次のステップが、毛細管のビーズ充填を含んでいてもよい。毛細管の端部に取付けられた、流れを限定するオリフィス、例えばフリットを使用して、流体流れを許容しつつもビーズを捕捉してもよい。フリットを使用して、充填されたビーズおよびフリットの周りを流体が通過する必要がある場合に流れの特性を修正してもよい。この方法を使用して、流量を減少させてもよい、またはこれと等価であるが、印加圧力差を増加させてもよい。
【0264】
次に、DNA合成に使用される試薬の一つであるトルエンを使用して、デバイスまたは毛細管を通じてビーズまたはユニットを流してもよい。トルエンは、水とは異なる動的粘度を有しており、さらなるビーズ蛇行を誘起する場合がある。トルエンまたは同様な試薬を取り扱ってビーズ流れを実証するための過程を使用してもよい。
実施例15.ビーズと試薬を混合する機構
【0265】
本明細書に記載されたデバイスおよび系は、溶媒をビーズと順次一つにするための機構を含むオリゴヌクレオチド合成過程に使用されてもよい。ビーズは、最初、水溶液中で流して毛細管チャネルに充填してもよい。次に、残留溶液を洗浄し去ってビーズを被覆することになる特定の試薬が導入されてもよい。この流れおよび洗浄のサイクルは、ターゲット基材が合成されるまで反復される。
【0266】
新たな試薬の導入は、毛細管の中にビーズを導入する貯蔵容器を除去し、それを試薬貯蔵容器と交換することによって遂行することができる。この方法は、ゆっくりとした非効率的なことがあるが、それは、貯蔵容器の交換には、気密継手の交換や壊れやすい毛細管の操作が必要となってくる可能性があるからである。高スループットのオリゴヌクレオチド合成過程では、試薬貯蔵容器は常時取り付けてあってもよく、デバイスおよび試薬の切り替えは自動化されていてもよい。図20に、試薬混合機構用の系の代表的な実施形態を示す。2×l分岐点を含むデバイスが示されている。出力部は、主毛細管チャネルである。入力部の一つが、ビーズで充填された注射器に由来し、主ビーズ流れチャネルである。第2の入力部は、試薬の一つを含む。試薬は、第2の注射器ポンプを介して注入される。注射器ポンプと併せて、入力分岐点でのバルブが試薬流れを制御する。分岐点でのバルブを使用して、試薬の分注量を制御してもよい。
【0267】
代表的なマイクロ流体デバイスでは、二つの毛細管チャネルを一つにしてもよい。デバイスが、二つの毛細管を受容するように構成された二つの入力チャネルを含んでいてもよい。出力チャネルは、出力毛細管に取り付くように構成されてもよい。内部では、デバイスは、二つのチャネルからの流れを一つにするように構成されてもよい。分岐点での代表的なバルブが、圧力で作動するバルブ(Quakeバルブ(Quake-valve))または機械的に作動するバルブから選択されてもよい。代表的な機構、例えば二流体混合機構は、所望の修飾に必要な個別の化学ステップ、例えばオリゴヌクレオチド合成反応のステップの数に合わせて拡大縮小することができる。
【0268】
実施例16.ビーズと混合する試薬のためのデバイスまたは機構。
ビーズまたはその他のタイプのユニット上でのオリゴヌクレオチド合成は、複数のビーズによる毛細管の充填を含んでいてもよい。次に、ビーズまたはその他のタイプのユニットは、所望の配列が合成されるまで、例えば一連の試薬を流すおよび洗浄することによるDNA合成反応のステップを受けてもよい。試薬量および反応時間は、合成の最中にDNA断片化、例えば流体流れまたはその他の移動ユニットとの衝突を介したせん断に起因する断片化を低減させる条件となるように、当技術分野で公知のあらゆる適切な方法を使用して最適化されてもよい。ターゲット配列を合成した後には、ターゲット配列、例えばDNA配列は、合成されたオリゴヌクレオチドの品質を評価するために配列決定されてもよい。
【0269】
この開示全体を通して、本発明の種々な態様を、範囲形式で表示することができる。範囲形式での記載は、単に利便性および簡潔性のためであると理解されるのが望ましく、本発明の範囲に課される厳格な制限としては解釈されないことが望ましい。したがって、ある範囲の記載は、文脈が明確に指示していない限り、下限の単位の10分の1までのその範囲内の個々の数値のみならず、あらゆる可能な部分範囲を具体的に開示したものと見なされることが望ましい。例えば、範囲、例えば1から6までの記載は、その範囲内の個々の値、例えば、1.1、2、2.3、5、および5.9のみならず、部分範囲、例えば1から3、1から4、1から5、2から4、2から6、3から6などを具体的に開示したものと見なされることが望ましい。これは、範囲の幅にかかわらず当てはまる。あいだにあるこうした範囲の上下限は、さらに小さい範囲に独立して含まれていてもよく、記載された範囲内のあらゆる具体的に排除された限界を前提としてそれらの上下限もまた本発明の範囲内に包含される。記載された範囲が、上下限の一つまたは両方を含む場合、文脈が明瞭に述べているのでない限り、含まれるその上下限のいずれかまたは両方を排除する範囲もまた、本発明に含まれる。
【0270】
本明細書に言及されたすべての公報、特許、および特許出願は、それぞれ個々の公報、特許、または特許出願があたかも、参照により援用されていると具体的におよび個々に示されているのと同程度に、参照により本明細書に援用される。
【0271】
本発明の好ましい実施形態を、本明細書に示し記載してきたが、そうした実施形態は、例としてのみ提供されていることは当業者には自明であろう。多くの変形例、変更例、および置き換え例がこれ以後、本発明から逸脱することなしに当業者生じることになる。本明細書に記載された発明の実施形態への様々な代替形態が、本発明の実施において採用されてもよいことは理解されたい。以下の請求項が本発明の範囲を定めること、そしてそれによって、それらの請求項の範囲内に収まる方法および構造とそれらの均等物とが対象となることが意図される。
図1
図2
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図17B
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図18B
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