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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-31
(45)【発行日】2023-04-10
(54)【発明の名称】仮設家具
(51)【国際特許分類】
   A47C 19/12 20060101AFI20230403BHJP
   A47G 5/00 20060101ALI20230403BHJP
   E04B 2/74 20060101ALI20230403BHJP
   A47K 11/04 20060101ALI20230403BHJP
   A47B 96/04 20060101ALI20230403BHJP
【FI】
A47C19/12 Z
A47G5/00 A
E04B2/74 541Z
E04B2/74 541P
E04B2/74 561H
A47K11/04
A47B96/04 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020550426
(86)(22)【出願日】2019-09-30
(86)【国際出願番号】 JP2019038557
(87)【国際公開番号】W WO2020075557
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-12-08
(31)【優先権主張番号】P 2018191226
(32)【優先日】2018-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512160243
【氏名又は名称】株式会社KEiKAコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100107825
【弁理士】
【氏名又は名称】細見 吉生
(72)【発明者】
【氏名】山本 景化
【審査官】井出 和水
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3187511(JP,U)
【文献】特開2010-035723(JP,A)
【文献】特開2017-209321(JP,A)
【文献】特開2016-000186(JP,A)
【文献】特開2007-138538(JP,A)
【文献】登録実用新案第3204236(JP,U)
【文献】特開2001-149190(JP,A)
【文献】登録実用新案第3135758(JP,U)
【文献】特開2007-113366(JP,A)
【文献】登録実用新案第3156202(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2013/0099547(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 19/00 - A47C 19/22
A47G 5/00
E04B 2/74
A47K 11/04
A47B 55/06
A47B 96/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非常時の使用に適した仮設家具であって、
間仕切りと家具とが、ともに段ボール製で一連に構成されていて、
全体が平面状に折り畳まれ得るとともに、折り畳まれた状態から開かれて立体化することにより、床上に自立する間仕切り付きの家具になること、
上記間仕切りを構成するよう折り曲げ部をはさんで連結された段ボール製の複数枚の間仕切り構成板のいずれかに、上記家具の支持脚を構成する段ボール製の支持脚構成板が、折り曲げ部をはさんで折り畳まれ得るように連結されていて、支持脚構成板は、それが連結されている間仕切り構成板に対し、当該間仕切り構成板と平行な板と、当該間仕切り構成板から当該平行な板につながる複数の平行な連結板とが、平行運動機構をなすように連結されたものであること
および、上記家具の座板として上記支持脚上に載る座板構成板が、段ボール製の上記複数枚の間仕切り構成板のいずれかに対し、その表面に重なる状態から当該間仕切り構成板と直角な状態に角度変化できるように連結されていること
を特徴とする仮設家具。
【請求項2】
間仕切り構成板が、1枚の側壁板と、折り曲げ部をはさんで側壁板の両側に連結された前壁板および後壁板とを有し、
上記の前壁板および後壁板の、折り曲げられた状態で内側となる各面に、上記の支持脚構成板が連結され、折り曲げられた状態で上記側壁板の内側となる面に、上記の座板構成板が連結されていて、
間仕切り構成板が上記各折り曲げ部の挟角を90°にして開かれたとき、上記の各支持脚構成板が上記の前壁板および後壁板の内側で開かれて側壁板の側方で立体化するとともに、それらの支持脚構成板の上に上記座板構成板が載せられることにより、間仕切り付きのベッドが形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の仮設家具。
【請求項3】
上記支持脚構成板の上に載せられた上記座板に高身長の利用者が横たわったときその利用者が足を伸ばせるよう、上記の前壁板または後壁板に、足を出せる開口を形成することを可能にする切り取り線が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の仮設家具。
【請求項4】
間仕切り構成板と家具構成板とが、平面状に折り畳まれた状態で段ボール製のケースに収容され、
当該ケースには、収容物を取り出すために一部を帯状に分離することを可能にする切り取り線が設けられ、
その切り取り線にて分離された帯状の一部が、巻き付けられることにより利用者の枕として使用され得るとともに、当該一部が分離された上記のケースが、上記の座板上に敷かれることにより敷き具として使用され得ること
を特徴とする請求項2または3に記載の仮設家具。
【請求項5】
上記の前壁板および後壁板の上記内側となる各面に上記の支持脚構成板が連結され、それら支持脚構成板に、上縁部から下方へ延びたスリットが形成されていて、
間仕切り構成板が上記各折り曲げ部の挟角を90°にして開かれるとともに、上記の支持脚構成板が上記の前壁板および後壁板の内側で開かれたとき、支持脚構成板における上記のスリットに、下縁部から上方へ延びたスリットを有する補強板が挿入されて支持脚構成板と結合されることを特徴とする請求項2~4のいずれかに記載の仮設家具。
【請求項6】
上記補強板のうち1枚以上が、上記前壁板の上記内側に連結された支持脚構成板と上記後壁板の上記内側に連結された支持脚構成板とにまたがって結合されることを特徴とする請求項5に記載の仮設家具。
【請求項7】
上記の支持脚構成板の上に載せられる上記座板構成板が、長さ方向の中ほどで分割されていることを特徴とする請求項2~6のいずれかに記載の仮設家具。
【請求項8】
間仕切り構成板が、4枚の壁板が折り曲げ部をはさんで連結されたものであり、各折り曲げ部の挟角を90°にし、両端にある壁板の外側縁部同士を接続することにより四方囲みの間仕切りを構成でき、
いずれかの壁板における上記間仕切りの内側となる面に上記の支持脚構成板と穴付きの座板構成板とが連結されていて、当該支持脚構成板が立体的に開かれるとともにその上に上記座板構成板が載せられることにより、間仕切り付きのトイレが形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の仮設家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害発生時の避難所等における非常時の使用に適した、ベッドやトイレ等を含む仮設家具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地震や台風等の災害が発生したとき、学校の体育館等が避難所として使用される。そうした避難所では、避難者のプライバシーを保護するために間仕切り(囲い)が設けられ、また、応急的にベッドやトイレ等の仮設の家具が設置される。
【0003】
避難所等で非常時に使用される仮設家具として、段ボール製のベッド等が設置されることがある。段ボールは、軽量で低コストであるうえに断熱性があり、また、人の体重を支える程度の強度をもたせることも難しくないので、ベッドのほか、衣裳ケースや机等として構成される例がある。また、間仕切りとしても段ボールがしばしば使用される。
【0004】
非常時の使用に適した段ボール製のベッドおよび間仕切りについては、下記の特許文献1・2等に記載がある。これらに記載のベッドや間仕切り(ついたて)は、段ボール製のものであって上記のとおり避難所での使用に適しているほか、組み立てまたは折り畳みが可能であるため、災害が未発生の間(つまり避難者の利用に供しないうち)はコンパクトな状態で保管することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実用新案登録第3137572号公報
【文献】特開2009-18102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1・2には、仮設家具として使用されるベッドと、間仕切りとなるついたてとが、それぞれ独立した単体のものとして示されている。しかし、これらのように家具と間仕切りとが別々のものであると、それぞれを過不足なく準備する必要があって手配が面倒であるほか、それぞれを組み立てる負担も少なくない。また、両者のサイズの不適合、すなわち、ベッド等の家具の寸法が、ついたて等の間仕切りが区切るスペースに合わないという不都合も生じがちである。
【0007】
本発明は、準備や組み立て等に関する上記のような負担が少なく、また家具と間仕切りとのサイズが合わないという不都合が発生しない、きわめて好ましい仮設家具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の仮設家具は、非常時の使用に適した仮設家具であって、間仕切りと家具とが、ともに段ボール製で一連(ひとつながり)に構成されていて、全体が平面状に折り畳まれ得るとともに、折り畳まれた状態から開かれて立体化することにより、床上に自立する間仕切り付きの家具にされ得ることを特徴とする。
【0009】
このような仮設家具には、つぎのような利点がある。すなわち、
a) 間仕切りと家具とが一連に構成されているため、この仮設家具があれば、避難者等が避難所等での生活に使用できるとともに、避難者間のプライバシーが保たれる。
b) 段ボール製であるため、軽量で低コストであるうえ、断熱性にも優れていて冬季にも比較的暖かく使用できる。リサイクルができるなど環境保護(エコロジー)の面でも好ましい。また、必要な強度をもたせることも難しくない。
c) 避難所等として指定された施設に、平面状に折り畳まれた状態でコンパクトに保管できるとともに、使用の際には、立体絵本と同様に開いて立体化することにより簡単に間仕切り付きの家具にすることができる。
d) 間仕切りと家具とが一連に構成されているため、避難所等となる施設において手配し準備することが容易で、災害発生時等に使用状態にすることも簡単である。家具と間仕切りとの間でサイズが不適合となる恐れがない。
【0010】
上記発明の仮設家具は、
・ 折り曲げ部をはさんで連結された段ボール製の複数の平板により一連に構成され、
・ 上記複数の平板のうち、間仕切りとなる間仕切り構成板が、折り曲げ部で折り曲げられることにより平面状に折り畳まれた状態(つまり平行に重なり合った状態)で、家具となる家具構成板も、同様に折り曲げ部で折り曲げられることにより平面状に折り畳まれて間仕切り構成板に重ねられ、
・ 上記の間仕切り構成板が開かれて間仕切りを構成した状態で、当該間仕切りが床上に自立するとともに、平面状に重なっていた家具構成板が立体化して(つまり、折り曲げ部の曲げ角度の変更で三次元の連結状態となって)家具を構成し得る
ものであると好ましい。
図1図4に例示する仮設家具もそのように構成したものであり、たとえば図1(a)のように、間仕切り構成板12・13および家具構成板21のそれぞれは、折り曲げ部Bをはさんで連結された複数の段ボール製の平板Aによって一連に構成されている。間仕切り構成板が平面状に折り畳まれた図1(a)の状態では、家具構成板も平面状に折り畳まれて間仕切り構成板に重ねられ、間仕切り構成板が開かれた図3の状態では、間仕切りが床上に自立するとともに家具構成板が立体的に開かれて家具を構成する。
【0011】
このような構造の仮設家具であれば、全体が平面状に折り畳まれるとともに、折り畳まれた状態から開かれて立体化されることにより、間仕切り付きの家具となって床上に自立するものとなる。
【0012】
上記の仮設家具においてはさらに、
・ 折り曲げ部をはさんで連結された複数枚の間仕切り構成板のいずれかに、
・ 上記家具構成板のうち家具の支持脚となる支持脚構成板と、家具の座板として支持脚上に載る座板構成板とが、それぞれ折り曲げ部をはさんで折り畳まれ得る(また、逆に開かれて立体化し得る)ように連結されている
ものであるとよい。
図2等に例示する仮設家具においても、支持脚構成板21・22と座板構成板23とがそれぞれ折り曲げ部をはさんで折り畳まれ得るよう、間仕切り構成板のいずれかに連結されている。
【0013】
ベッドやトイレ等の家具は、人の体重を支える支持脚の部分と、その支持脚の上に載せられて人の身体と接する座板とによって構成される。そのような支持脚となる支持脚構成板と、座板となる座板構成板とが、上記のとおり、それぞれ折り曲げ部を有する段ボール製の平板により形成されて折り畳まれ得るように連結されていると、前記の好ましい仮設家具を構成できる。すなわち、全体が平面状に折り畳まれるとともに、折り畳まれた状態から開かれて、立体的な間仕切り付きの家具とすることができる。
【0014】
また、とくに、
・ 上記の支持脚構成板は、間仕切り構成板のいずれかに対し、当該間仕切り構成板と平行な板と、当該間仕切り構成板から当該平行な板につながる複数の平行な連結板とが、平行運動機構(つまり、平行クランク機構のように平行四辺形をなす4節回転連鎖)をなす(したがって、上記平行な板が、上記間仕切り構成板と平行な状態を保ったまま変位できる)ように連結されていて、
・ 上記の座板構成板は、間仕切り構成板のいずれかに対し、当該間仕切り構成板の表面に重なる状態から、当該間仕切り構成板と直角な状態に角度変化できるように連結されている
のが好ましい。
図2等に例示する仮設家具においても、支持脚構成板21は図2(a)のように、平面視した状態で間仕切り構成板12との間に平行運動機構を構成するように連結され、座板構成板23は、図2(b)のとおり角度変化できるよう間仕切り構成板11に連結されている。
【0015】
支持脚構成板と座板構成板とが、間仕切り構成板に対してそのように連結されているなら、前記のとおり折り畳まれた状態と開かれた状態とをともに実現することができる。すなわち、1)間仕切り構成板が平面状に折り畳まれた状態では、家具構成板である支持脚構成板と座板構成板とがともに間仕切り構成板とともに折り畳まれてそれに重ねられ、2)間仕切り構成板が開かれた状態では、家具構成板が、開かれた支持脚構成板上に座板構成板が載せられた立体的な家具を構成するものとなる。
【0016】
発明の仮設家具として、下記のようなベッドを構成するのもよい。すなわち、
・ 間仕切り構成板が、1枚の側壁板と、折り曲げ部をはさんで側壁板の両側に連結された前壁板および後壁板とを有し、
・ 上記の前壁板および後壁板の、折り曲げられた状態で内側となる各面に、上記の支持脚構成板が連結され、折り曲げられた状態で上記側壁板の内側となる面に、上記の座板構成板が連結されていて、
・ 間仕切り構成板が上記各折り曲げ部の挟角を90°にして(つまり、上記の各板が平面視でコの字状の連結状態になるよう)開かれたとき、a)上記の各支持脚構成板が上記の前壁板および後壁板の内側で開かれて側壁板の側方で立体化するとともに、b)開かれたそれらの支持脚構成板の上に上記座板構成板が載せられることにより、c)間仕切り付きのベッドが形成される
というものである。
図1図4に例示している家具は、そのように構成した間仕切り付きのベッドである。間仕切り構成板は、人の平均的な身長を超える程度の長さをもつ側壁板11と、その両側にある前壁板12および後壁板13とが折り曲げ部をはさんで連結されている。また、前壁板12と後壁板13の各内側の面に支持脚構成板21・22が連結され、側壁板11の内側の面に座板構成板23が連結されている。
【0017】
そのような仮設家具(ベッド)は、間仕切り構成板を含めて平面状に折り畳まれるとともに、間仕切り構成板が各折り曲げ部の挟角を90°にして平面視形状がコの字状になるよう開かれたとき、間仕切り付きのベッドにすることができる。すなわち、支持脚構成板と座板構成板とが折り畳み状態から開かれて立体化されることにより、コの字状の間仕切りの内側に支持脚があってその上に座板が載せられたベッドになる。平面状に折り畳まれた状態から上記のようなベッドにするための過程は、図1(a)~図3に例示したとおりである。
【0018】
上記のベッドにおいて、
・ 上記支持脚構成板の上に載せられた上記座板(座板構成板)に高身長の利用者が横たわったときその利用者が足を伸ばせるよう、間仕切り構成板のうち上記の前壁板または後壁板に、足を出せる開口を形成することを可能にする切り取り線が設けられている
と、さらに好ましい。
【0019】
発明による上記の家具(ベッド)は、同一サイズのもの(たとえば、側壁板の長さすなわち前壁板と後壁板との間隔が180cm)として量産されたものを用意しておくのが有利である。同一サイズのものを量産する方がコスト面で有利であり、また、避難所の運営上も、同一サイズのものを多数用意する方が好都合だからである。
しかし、同一サイズのものが用意されているとき、間仕切りの間隔よりも高身長の避難者には、そのままではベッドを利用しづらいことがある。その点、上記のように、前壁板や後壁板に開口形成用の切り取り線が設けられていると、それを利用して開口を形成し、そこから足を出すことによって、高身長の人も楽に横になることができる。
【0020】
上記のベッドにおいて、さらに、
・ 間仕切り構成板と家具構成板とが、平面状に折り畳まれた状態で段ボール製のケースに収容され、
・ 当該ケースには、収容物(つまり間仕切り構成板および家具構成板)を取り出すために一部を帯状に分離することを可能にする切り取り線が設けられ、
・ その切り取り線にて分離された帯状の一部が、巻き付けられることにより利用者の枕として使用され得るとともに、当該一部が分離された上記のケースが、上記の座板上に敷かれることにより敷き具として使用され得る
ものであると有利である。
図4のケースは、そのように配慮して形成した例であり、その内部に間仕切り構成板と家具構成板とを収容できる一方、その収容物を取り出しやすいよう、帯状の部分を分離できる切り取り線が設けられている。切り取り線から帯状の部分を分離すると、分離されてできた開口から当該収容物を容易に取り出せる。そして、分離した帯状の部分は、巻き付けて避難者用の枕として利用でき、ケースの残りの部分は、大きさを調整(カット等)したうえで敷き具として利用できる。
【0021】
間仕切り構成板と家具構成板とがそのようなケースに収容されるなら、折り畳まれた状態のベッドを避難所となる施設に保管しやすいうえ、実際にベッドを避難者が利用するときにも利用しやすいものとなる。つまり、上記のように枕を利用できることは、避難者が避難所にそれを持参することが希であるために好ましく、ケースを敷き具として利用できることは、ベッドの座板上の平面度を高め、また断熱性を上げるうえで有利である。
【0022】
ベッドとする上記発明の仮設家具は、
・ 上記の前壁板および後壁板の上記内側となる各面に上記支持脚構成板が連結され、それら支持脚構成板に、上縁部から下方へ延びたスリットが形成されていて、
・ 間仕切り構成板が上記各折り曲げ部の挟角を90°にして開かれるとともに、上記の支持脚構成板が上記の前壁板および後壁板の内側で開かれたとき、支持脚構成板における上記のスリットに、下縁部から上方へ延びたスリットを有する補強板が挿入されて支持脚構成板と結合される
ものとして構成するのもよい。
そのように構成した仮設家具としてのベッドを図8図9に例示する。支持脚構成板21・22に、上縁部から下方へ延びたスリット21x・22xが形成されていて、それらのスリットを利用して、下縁部から上方へ延びたスリット24x・25x・26xを有する段ボール製の補強板24・25・26が結合される。
【0023】
上記のように支持脚構成板に補強板が結合されると、支持脚構成板の機械的強度が補われるため、そのベッドが、人の体重等をよりしっかりと支え得るものとなる。
【0024】
上記補強板に関しては、とくに、
・ 補強板のうち1枚以上が、上記前壁板の上記内側に連結された支持脚構成板と上記後壁板の上記内側に連結された支持脚構成板とにまたがって結合されるなら、さらに好ましい。
図8図9の例では、補強板24が、前壁板12に連結された支持脚構成板21と後壁板13に連結された支持脚構成板22とにまたがるようスリットに挿入され結合されるものである。
【0025】
補強板の1枚以上が、前壁板に連結された支持脚構成板と後壁板に連結された支持脚構成板とにまたがるように挿入されると、それらの各支持脚構成板が当該補強板にて連結されることになる。そのため、間仕切り構成板が各折り曲げ部の挟角を90°に保ち続ける(つまり、前壁板と後壁板とが平行な状態に固定される)ことができ、避難所等においてその仮設家具が変形したり占有スペースを広げたりする恐れがなくなる。
【0026】
ベッドとする上記発明の仮設家具においては、また、
・ 上記の支持脚構成板の上に載せられる上記座板構成板が、長さ方向の中ほどで分割されているのもよい。
図10図11に例示する仮設家具では、座板構成板23が中央部の切れ目23xによって長さ方向に2分割され、前後2つの座板構成板23a・23bにて構成されている。
【0027】
ベッドの寝床となる座板構成板が上記のように分割されていると、つぎのようなメリットがある。すなわち、
i) 支持脚構成板における複数の板の間にあるスペースは生活用品等の収納のために使用され得るが、座板構成板が上記のように分割されているなら、その出し入れが行いやすい。座板構成板の上に通常載せられている布団や毛布等の寝具を、分割されたいずれかの座板構成板の上に片寄せることにより、他方の座板構成板を持ち上げて上記のスペースを開くことが容易になるからである。
ii) 仮設家具としてのベッドを使用前・使用後に平面状に折り畳む際、その折り畳み方について自由度が増す。すなわち、座板構成板が分割されていない場合には、仮設家具としてのベッドは図1(a)のような形に折り畳む以外にないが、座板構成板が図10(a)のように分割されている場合には、図10(b)および図11(a)のように折り進めて図11(b)の形に折り畳むことも可能である。そのような形に折り畳むことができると、図1(a)の場合よりもコンパクトにすることができ、避難所の施設内に保管するうえで有利である。
【0028】
発明の仮設家具として、下記のようなトイレを構成するのもよい。すなわち、
・ 間仕切り構成板が、4枚の壁板が折り曲げ部をはさんで連結されたものであり、各折り曲げ部の挟角を90°にし、両端にある壁板の外側縁部同士を接続することにより四方囲みの(つまり平面視がロの字状の)間仕切りを構成でき、
・ いずれかの壁板における上記間仕切りの内側となる面に上記の支持脚構成板と穴付きの座板構成板とが連結されていて、当該支持脚構成板が立体的に開かれるとともにその上に上記座板構成板が載せられることにより、間仕切り付きのトイレが形成される
というものである。
図5図7に例示の仮設家具は そのように構成した間仕切り付きのトイレである。間仕切り構成板が4枚の壁板によって四方囲みの間仕切りを構成し、その間仕切りの内側に支持脚構成板と穴付きの座板構成板とが連結されていて、折り畳まれた状態から開かれて立体化されると、間仕切り付きトイレが形成される。
【0029】
そのような仮設家具(トイレ)は、間仕切り構成板を含めて平面状に折り畳まれ得る一方、間仕切り構成板を開いて四方囲みの間仕切りを構成したとき、その間仕切りの内側にトイレを形成することができる。そのトイレは、立体化されることにより支持脚の上に穴付きの座板が載せられたものである。平面状に折り畳まれた状態から上記のような間仕切り付きトイレにするための過程は、図5(a)~図7に例示している。トイレの座板の下(支持脚構成板の内側)には、たとえばバケツや袋を置き、その内部に糞尿の凝固剤を入れるなどしておくとよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明の仮設家具によれば、a)避難所等での一時的な生活のための家具として利用できるとともに、利用者のプライバシーが保たれる、b)段ボール製であるため、扱いやすく低コストでもある、c)平面状に折り畳まれた状態でコンパクトに保管できるとともに、使用の際には、簡単かつ迅速に立体化して使用を開始できる、d)間仕切りと家具とがセットになっているため、手配しやすいうえ、家具と間仕切りとの間のサイズが合わないという心配がない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1(a)・(b)は、本発明による仮設家具の第1の実施例である間仕切り付きベッド1を示すもので、折り畳まれて閉じられた状態から次第に開いて立体的にしていく過程を順に示している。
図2図2(a)・(b)は、図1の間仕切り付きベッド1について、同1(b)の状態からさらに開いて立体的に完成させる過程を順に示す図である。
図3図3は、図1の間仕切り付きベッド1について、同2(b)の状態からさらに完成状態に近くした状態を示す図である。
図4図4(a)・(b)・(c)は、図1の間仕切り付きベッド1を折りたたんだ状態で収容するに適したケース30と、それより分離される帯状片31等とを示す斜視図である。
図5図5(a)・(b)は、本発明による仮設家具の第2の実施例である間仕切り付きトイレ41を示すもので、折り畳まれて閉じられた状態から次第に開いて立体的にしていく過程を順に示している。
図6図6(a)・(b)は、図5の間仕切り付きトイレ41について、同5(b)の状態からさらに開いて立体的に完成させる過程を順に示す図である。
図7図7は、図5の間仕切り付きトイレ41について、同6(b)の状態からさらに完成状態に近くした状態を示す斜視図である。
図8図8は、図1図3の間仕切り付きベッド1について一部を改変した例を示す斜視図である。ベッド1に組み込む補強板24・25・26も併せて図示している。
図9図9は、図8のベッド1に補強板24・25・26を結合させた状態を示す斜視図である。
図10図10は、図1図3の間仕切り付きベッド1について上記とは別の改変を施した例を示す斜視図であり、図10(a)は完成状態の図、図10(b)はそのベッド1を折り畳み始めた状態を示す図である。
図11図11(a)は、図10の間仕切り付きベッド1についてさらに折り畳みを進めた状態の斜視図であり、図11(b)は折り畳み完了時の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1図3に示す間仕切り付きベッド1は、段ボールで構成した仮設家具であり、災害発生時の避難所等に設置して避難者に提供するためのものである。災害が未発生の間の保管に便利なように全体を折り畳むことができ、使用の際には、それを開いて立体化させることができる。折り畳まれた状態から立体化させることができるよう、このベッド1は、図1(a)のように段ボール製の複数の平板Aが、折り曲げ部Bをはさんで一連に連結されることにより構成されている。折り曲げ部Bは、段ボールの一部を薄く加工することにより、または、各平板の間を接着テープ等で接続することにより、折り曲げやすく形成されている。
【0033】
図示のベッド1は、家具としてのベッドの部分と避難所でのプライバシーを保護するための間仕切りとがひとつながりになっていて、しかも、折り畳まれた状態から開かれるとき、立体絵本のように簡単に立体化することができる、という特徴を有している。
【0034】
ベッド1の具体的な構造と組み立て手順とを、図1図3に基づいて説明する。
ベッド1は、図1(a)のように全体が平面状に折り畳まれ得るよう構成されている。間仕切りとベッドとがひとつながりであるため、図示のように折り畳まれた中に、間仕切りとなる間仕切り構成板12・13も、家具構成板21・23も含まれている。
【0035】
図1(b)は、折り畳まれていたベッド1を使用可能な状態にすべく、間仕切り構成板12・13を少し開いた状態を示す斜視図である。間仕切り構成板12・13の各内側にそれぞれ家具構成板21・22が取り付けられていて、中央にある間仕切り構成板11の内側に家具構成板23が取り付けられている。
【0036】
図2(a)は、折り畳まれていたベッド1をさらに開いてその立体化を進めた状態を示す斜視図である。家具構成板21・22は、ベッド1の支持脚となる部分でありそれぞれ支持脚構成板ともいえる部材である。平面状に折り畳まれた状態から図2(a)のように平面視で四角形状に開かれ得るよう、家具構成板(支持脚構成板)21・22は、平面視状態でいわゆる平行運動機構をなすように連結されている。つまり、間仕切り構成板12と平行な板21a・21bが、間仕切り構成板12から当該平行な板21a・21bにつながる2枚の平行な連結板21c・21dにより連結されていて、上記平行な板21a・21bが、間仕切り構成板12と平行な状態を保ったまま変位することができる。家具構成板(支持脚構成板)22も、間仕切り構成板13に対して同様に平行運動機構をなすように連結されている。
【0037】
図2(b)は、間仕切り構成板12・13を、中央の間仕切り構成板11に対して直角をなすように開くとともに、間仕切り構成板12・13の内側で家具構成板21・22を四角形に開いた状態を示している。この状態で、家具構成板21・22と間仕切り構成板11との間を粘着テープ等で連結固定しておくのもよい。
【0038】
図2(b)の状態にしたベッド1において、中央の間仕切り構成板11の下方部分に折り曲げ部Bを介して連結されている家具構成板23を、矢印の向きに内側へ倒して家具構成板21・22の上に載せると、図3のように間仕切り付きベッド1が出来あがる。家具構成板21・22すなわち支持脚構成板の上に、座板となる家具構成板(座板構成板)23が載り、人が横になれる長方形の寝台となるからである。寝台となる座板構成板23の下には、支持脚構成板21・22の間に物入れとしての収納用空間ができる。また、同時に、中央の間仕切り構成板11が側壁板、その前後の間仕切り構成板12・13が前壁板および後壁板となって、プライバシー保護のための間仕切りが構成される。間仕切りである側壁板と前壁板・後壁板はコの字状に寝台を囲むものだが、同様のベッド1を前後左右に並べて配置するとき、隣接のベッド1の間仕切りとの間にそれぞれプライベートスペースが形成されることになる。
【0039】
上記の完成した状態が崩れないようにするためには、たとえば、座板構成板23の前後部分に舌片(図示省略)を設けて間仕切り構成板(前壁板・後壁板)12・13に設けたスリット内に差し込むようにしたり、座板構成板23の側方端の縁部を下方に折り曲げ、支持脚構成板21・22の上部に設ける溝に差し込むようにしたりするとよい。
【0040】
間仕切り付きベッド1は、たとえば、長さ180cm、幅80cm、高さ(間仕切りの高さ)80cmなどとして、同一サイズのものを量産するのがコスト削減の点で有利である。しかし、その場合、身長が180cm程度以上ある避難者のためには、横になって足が伸ばせるようにできると好ましい。
その点を考慮して、図3のように、後壁板である間仕切り構成板13に、足を出せる開口の形成を容易にするための切り取り線13aを設けておくとよい。
【0041】
また、図1(a)のように折り畳まれた状態の未使用のベッド1は、図4のような段ボール製のケース30に収容しておくのが好ましい。このようなケース30に入れると、折り畳んだベッド1が勝手に開かれて(拡がって)かさばる状態になることがない。
ケース30には、収容されているベッド1を取り出しやすいように切り取り線30aを設けるが、その切り取り線30aは、図4(a)・(b)のように一定幅(30cm前後)の帯状片を分離できるよう形成しておくとよい。そのようにすると、分離した帯状片31を、図4(c)のように巻き付けて避難者用の枕とすることができる。また、ケース30のうち帯状片31以外の部分は、図3の家具構成板(座板構成板)23の上に載せて敷き具として使用すると好ましい。
【0042】
図5(a)~図7は、仮設家具の一例としての間仕切り付きトイレ41とその組み立て手順とを示す斜視図である。
トイレ41も段ボール製であり、図5(a)のように折り曲げ部Bをはさんだ複数枚の平板Aにより構成され、全体を折り畳んで保管できるとともに、非常時にそれを開いて立体化させて使用することができる。
【0043】
図5(a)は折り畳まれた状態を示しており、平板状に折り畳まれた複数枚の間仕切り構成板51・52等の内側に、やはり平板状に折り畳まれた家具(トイレ)構成板がはさまれている。
【0044】
図5(b)は、一連につながっている4枚の間仕切り構成板51~54を中央の折り曲げ部Bで180°開いた状態を示している。うち1枚の間仕切り構成板53に、トイレとなる家具構成板61・62等が取り付けられている。
【0045】
図6(a)は、間仕切り構成板51~54について構成板52・53間の折り曲げ部Bを90°に開くとともに、折り畳まれていたトイレ用の家具構成板61等を少し開いた状態を示している。
トイレを構成する家具構成板としては、支持脚となる支持脚構成板61と、座板となる穴の開いた座板構成板62と、座板の上に被さるカバー構成板63とを間仕切り構成板53に取り付けている。座板構成板62とカバー構成板63とは、その一端の縁部を間仕切り構成板53に連結していて、間仕切り構成板53に重なった状態からその構成板53と直角な状態にまで角度変化することができる。そして支持脚構成板61は、3枚の平板を間仕切り構成板53との間で四角形断面のボックスを構成し得るように連結したもので、図2の例における支持脚構成板21・22と同様、間仕切り構成板53と3枚の支持脚構成板61とが、平面視状態で平行運動機構をなしている。
【0046】
トイレとなる支持脚構成板61を十分に開いてボックス状にした状態を図6(b)に示す。支持脚構成板61の上には、その構成板61に被さる座板構成板62とカバー構成板63とがある。また、支持脚構成板61の底部には、4枚の板が合わさって底板を構成する底部板64が取り付けられている。底部板64は、支持脚構成板61の各平板の下端部に折り曲げ可能に連結されていて、支持脚構成板61が折り畳まれるとき、それら構成板61とともに平面状に折り畳まれるものである。トイレとして使用するとき、支持脚構成板61の内側にバケツ等の容器を置く場合には、必ずしも底部板64を設けるには及ばない。
【0047】
支持脚構成板61と座板構成板62とは、上に人が腰掛けてもよいだけの十分な強度を付与しておく。そして、座板構成板62の下、すなわちボックス状の支持脚構成板61の内側には、たとえばバケツや袋を置くとともに内部に糞尿の凝固剤を入れるなどする。
【0048】
トイレの部分ができあがると、図7のように、間仕切り構成板51~54を各折り曲げ部の挟角が90°になるよう折り曲げるとともに両端にある構成板51・54の両端部を接続することにより、四方囲みの間仕切りを構成する。接続した構成板51・54間を開閉できるようにし、または構成板51等に開閉可能なドア部分(図示省略)を設ければ、仮設家具としての間仕切り付きトイレ41が完成する。設置した床の上で動きにくい構成にするためには、間仕切り構成板51~54のいずれかに重し(たとえば水の入ったPETボトル)を取り付けるなどするとよい。
【0049】
図8および図9に、図1図3の間仕切り付きベッド1について一部を改変した例を示す。この例は、支持脚構成板21・22の強度を高めるとともに、支持脚構成板21・22の位置と角度を簡単な構成で固定できるようにしたものである。
【0050】
すなわちこの例では、図8に示すように、支持脚構成板21・22の一部にスリット21x・22xを形成し、それを利用して支持脚構成板21・22に補強板24・25・26を結合することとしている。スリット21x・22xは、支持脚構成板21・22のうち前壁板12と後壁板13とのそれぞれに対して平行な板21a・21b・22a・22bに、上縁部から高さの中央部にまで延びたものとして形成している。補強板24・25・26は、段ボール紙で、下縁部から高さの中央部にまで延びたスリット24x・25x・26xを、支持脚構成板21・22におけるスリット21x・22xの位置に合うよう形成している。
【0051】
図8のように、間仕切り構成板11・12・13を挟角が90°になるまで開いたうえ支持脚構成板21・22も角部の挟角が90°になるよう開いたとき、支持脚構成板21・22の上記スリット21x・22xに、スリット24x・25x・26xの位置を合わせて補強板24・25・26を挿入する。そうすることにより、支持脚構成板21・22の各板に対し、図9のとおり補強板24・25・26を直角に交差するよう結合させることができ、上縁部の高さも揃えることができる。それにより、支持脚構成板21・22の強度が高まり、利用者等の重量をしっかりと支えられるとくに丈夫なベッドとなる。
補強板25・26を当初より支持脚構成板21・22に含めておくことも不可能ではないが、そのようにすると、折り畳んだときの支持脚構成板21・22が分厚くなりかさばってしまうという不都合がある。
【0052】
上記のうち補強板24は、支持脚構成板21・22の双方に対してまたがるように挿入され結合されるものである。すなわち、補強板24に形成された一方のスリット24xは支持脚構成板21上のスリット21xの位置に挿入され、他のスリット24xは支持脚構成板22上のスリット22xに対して挿入される。支持脚構成板21と22とはそれぞれ前壁板12と後壁板13とのいずれかに連結されているのみであるから、側壁板11に接着等するのでなければ、挟角が変化したり位置がずれ動いたりする(たとえば図2(a)の状態に変形して広がる)可能性がある。しかし、この補強板24を使用すると、そのような変形が生じない。したがって、支持脚構成板21・22に補強板24・25・26を結合させる際は、最初に補強板24(すなわち支持脚構成板21・22の双方にまたがるもの)を挿入し、その後に補強板25・26を挿入するとよい。
なお、図8図9の例では、上記以外の点においても、間仕切り構成板11~13の高さ(座板構成板23の寸法との関係)や、支持脚構成板21・22の板の枚数など、図1図3の例とは細部に関し相違点がある(説明を省略)。
【0053】
図10および図11に、図1図3の間仕切り付きベッド1について上記とは別の点を改変した例を示す。この例は、支持脚構成板21・22の上に載せる座板構成板23を、長さの中央位置に設けた分割線23xにて2分割したものである。また、間仕切り構成板(側壁板)11において切れ目23xの位置に重なる中央位置に、折り曲げ可能な部分11xを設けてもいる。
なお、この例でも、前壁板12と後壁板13との幅寸法をやや拡大した点など、詳述しない細部について図1図3の例とは多少の相違がある。
【0054】
図10(a)のように座板構成板23を分割線23xにて前板23aと後ろ板23bとに2分割すると、支持脚構成板21・22で構成される生活用品等の収納用空間を開け閉めしやすくなる。座板構成板23に載せている布団や毛布等を、前板23aか後ろ板23bかのいずれかの上に片寄せることによって、他方の座板構成板23(後ろ板23bか前板23a)を楽に持ち上げることができるからである。それにより、下部の収納用空間に対して生活用品等を出し入れしやすくなる。
【0055】
また、上記のとおり座板構成板23を分割し側壁板11に折り曲げ可能部分11xを設けた場合には、間仕切り付きベッド1を、保管等する際にコンパクトに折り畳むことが可能になる。すなわち、図10(b)および図11(a)の状態を経て、図11(b)のような小寸法の状態に簡単に折り畳むことができる。こうしたコンパクトな状態に折り畳むことができると、省スペースであり、避難所とする施設に保管しておくうえで好都合である。
【0056】
以上、段ボールでできた間仕切り付きのベッドやトイレを仮設家具として例示したが、本発明の仮設家具はこれらに限らず、間仕切り付きの机や長椅子、物入れ等として構成することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 間仕切り付きベッド
11~13 間仕切り構成板
21・22 家具構成板(支持脚構成板)
23 家具構成板(座板構成板)
24・25・26 補強板
41 間仕切り付きトイレ
51~54 間仕切り構成板
61~64 家具構成板
A 平板
B 折り曲げ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11