(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-31
(45)【発行日】2023-04-10
(54)【発明の名称】高度が変化する物体を有するシステムのための電力制御方法
(51)【国際特許分類】
H04W 52/28 20090101AFI20230403BHJP
H04W 88/02 20090101ALI20230403BHJP
H01Q 1/27 20060101ALI20230403BHJP
H01Q 3/26 20060101ALI20230403BHJP
H04W 4/40 20180101ALI20230403BHJP
【FI】
H04W52/28
H04W88/02 140
H01Q1/27
H01Q3/26 Z
H04W4/40
(21)【出願番号】P 2021210169
(22)【出願日】2021-12-24
(62)【分割の表示】P 2020517765の分割
【原出願日】2018-06-07
【審査請求日】2021-12-24
(32)【優先日】2017-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519436563
【氏名又は名称】イーサトロニクス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100119781
【氏名又は名称】中村 彰吾
(72)【発明者】
【氏名】デクロ,ローレント
(72)【発明者】
【氏名】シャンブリン,ジェフリー
【審査官】▲高▼木 裕子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0112116(US,A1)
【文献】特表2015-530054(JP,A)
【文献】特表2010-504054(JP,A)
【文献】Huawei, HiSilicon,Uplink power control for aerial UEs[online],3GPP TSG RAN WG1 #92b R1-1803889,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_92b/Docs/R1-1803889.zip>,2018年04月06日
【文献】LG Electronics,Potential enhancements for drones[online],3GPP TSG RAN WG1 #89 R1-1707580,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_89/Docs/R1-1707580.zip>,2017年05月06日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
H01Q 1/27
H01Q 3/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高度が変化する物体のための通信システムであって、前記通信システムは、
1つまたは複数のアンテナを有するアンテナシステムであって、前記1つまたは複数のアンテナの各々は単一の固定放射パターンに関連付けられる、アンテナシステムと、
1つまたは複数のプロセッサであって、前記1つまたは複数のプロセッサは、動作を実行するための制御ルーチンを実行するように構成され、前記動作は、
前記高度が変化する物体が、通信ネットワーク内の1つ又は複数のノードと通信する前に、トリガ状態を検出することであって、前記トリガ状態が、前記高度が変化する物体の動作状態における変化を含むものと、
前記トリガ状態の検出に応じて、前記高度が変化する物体に関連付けられた1つまたは複数の通信パラメータを示すデータを取得することであって、前記1つまたは複数の通信パラメータが、前記高度が変化する物体の高度を含むものと、
前記高度が変化する物体の高度に少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数のアンテナの各々の送信電力を決定することと、
前記送信電力に少なくとも部分的に基づいて、通信ネットワーク内の前記1つ又は複数のノードと通信するように前記アンテナシステムを制御することと、
を含む、1つまたは複数のプロセッサと、
を備え
る、
通信システム。
【請求項2】
前記1つまたは複数の通信パラメータは、更に、前記高度が変化する物体の向きまたは前記高度が変化する物体の進行方向を含む、請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記高度が変化する物体の前記向きまたは前記高度が変化する物体の前記進行方向は、少なくともジャイロスコープに基づいて取得される、請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記1つまたは複数の通信パラメータは、更に、通信ネットワーク内の前記高度が変化する物体のロケーションを含む、請求項1に記載の通信システム。
【請求項5】
前記1つまたは複数の通信パラメータは、更に、前記通信ネットワークにおける前記1つまたは複数のノードのロケーションを含む、請求項1に記載の通信システム。
【請求項6】
前記送信電力は、前記高度が変化する物体と通信するように構成された1つまたは複数のクライアントデバイスとの干渉を低減するように決定される、請求項1に記載の通信システム。
【請求項7】
前記1つまたは複数のプロセッサは、前記高度が変化する物体の高度が増大するときに送信電力を低減するように構成される、請求項1に記載の通信システム。
【請求項8】
前記動作は、前記通信ネットワーク内の前記ノードと通信するための周波数帯域を決定することを更に含む、請求項1に記載の通信システム。
【請求項9】
前記通信ネットワークはセルラネットワークである、請求項1に記載の通信システム。
【請求項10】
高度が変化する物体であって、
1つまたは複数のモーダルアンテナを有するアンテナシステムであって、各モーダルアンテナは、複数のモードで構成可能であり、各モードは別個の放射パターンに関連付けられる、アンテナシステムと、
1つまたは複数のプロセッサであって、前記1つまたは複数のプロセッサは、動作を実行するための制御ルーチンを実行するように構成され、前記動作は、
前記高度が変化する物体が、通信ネットワーク内の1つ又は複数のノードと通信する前に、トリガ状態を検出することであって、前記トリガ状態が、前記高度が変化する物体の動作状態における変化を含むものと、
前記トリガ状態の検出に応じて、前記高度が変化する物体に関連付けられた1つまたは複数の通信パラメータを示すデータを取得すること
であって、前記1つまたは複数の通信パラメータが、前記高度が変化する物体の高度を含むことと、
前記高度が変化する物体の高度に少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数のモーダルアンテナの各々のための、
1つ又は複数の、選択モード
および送信電力を決定することと、
前記
1つ又は複数の送信電力
および前記選択モードに少なくとも部分的に基づいて、前記通信ネットワーク内の前記1つ又は複数のノードと通信するように前記アンテナシステムを制御することと、
を含む、1つまたは複数のプロセッサと、
を備え
る、
高度が変化する物体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
[0001]本出願は、2017年6月7日に出願された、「Power Control Method for Cellular Systems with Airborne Assets」と題する米国仮特許出願第62/516,651号の優先権の利益を主張する。この仮特許出願は、あらゆる目的で参照により本明細書に援用される。
【0002】
[0002]本開示は、包括的にはアンテナシステムに関し、より詳細には、高度が変化する物体からネットワークと通信するためのアンテナシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]セルラネットワークは、地上ベースの顧客にサービス提供する意図で設計および実装されている。セルラ通信タワー(「ノード」)は、丘および他の障害物に起因した遮断等の地形特徴を考慮に入れて、必要なカバレッジを提供するように位置決めおよび配置される。高層ビルが多い都市の中心では、ノードは、上層階に位置するセルラ顧客にカバレッジを提供するように位置決めされ得る。多くの高層ビルにおいて、屋内での使用のためにセルラ信号を再配信するために、分散アンテナシステム(DAS)インフラストラクチャも設置される。セルラネットワークを設置する前に、セルラアンテナシステム特性を特定し、意図される領域における適切なセル信号カバレッジを検証するための電磁(EM)シミュレーションを行うことができる。近年のドローンの使用および高度変動が可能な他のシステムの増大により、セルラネットワーク事業者には、ドローンおよび/または高度が変動する他のシステムと、地上ユーザとの間、およびドローンと隣接ノードとの間の干渉軽減に関する新たな課題がもたらされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明の一実施例は、例えば、高度が変化する物体を有するシステムのための電力制御方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0004]本開示の実施形態の態様および利点が、以下の説明において部分的に示されるか、または説明から学習され得るか、または実施形態の実施を通じて学習され得る。
[0005]本開示の1つの例示的な態様は、高度が変化する物体のための通信システムを対象とする。通信システムは、1つまたは複数のアンテナを有するアンテナシステムを含むことができる。1つまたは複数のアンテナは、単一の固定放射パターンに関連付けることができる。通信システムは、動作を実行するための制御ルーチンを実行するように構成される1つまたは複数のプロセッサを備えることができる。動作は、高度が変化する物体に関連付けられた1つまたは複数の通信パラメータを示すデータを取得することを含むことができる。動作は、1つまたは複数の通信パラメータに少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数のアンテナの各々の送信電力を決定することを含むことができる。動作は、送信電力に少なくとも部分的に基づいて、通信ネットワーク内のノードと通信するようにアンテナシステムを制御することを含むことができる。
【0006】
[0006]本開示の他の例示的な態様は、高度が変化する物体のためのアンテナシステムに関連付けられたシステム、方法、デバイスおよびプロセスを対象とする。
[0007]様々な実施形態のこれらのおよび他の特徴、態様および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲を参照してより良好に理解されよう。本明細書に組み込まれ、そ
の一部をなす添付の図面は、本開示の実施形態を示し、以下の説明と併せて、関連する原理を説明する役割を果たす。
【0007】
[0008]当業者に向けた実施形態の詳細な検討が、添付の図面を参照して本明細書に示される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】[0009]本開示の例示的な実施形態による、ネットワークにおける高度が変化する例示的な物体を示す。
【
図2】[0010]本開示の例示的な実施形態による、ネットワークにおける高度が変化する例示的な物体を示す。
【
図3】[0011]本開示の例示的な実施形態による、ネットワークにおける複数の高度にある高度が変化する例示的な物体を示す。
【
図4】[0012]本開示の例示的な実施形態による、通信システムにおける例示的なデータフローを示す。
【
図5】[0013]本開示の例示的な実施形態による、通信システムにおける周波数選択を示す。
【
図6】[0014]本開示の例示的な実施形態による、高度が変化する物体とネットワークとの間の通信を制御するための制御方式の一部として用いられる例示的なパラメータを示す。
【
図7】[0015]本開示の例示的な実施形態による例示的な方法のフロー図を示す。
【
図8】[0016]本開示の例示的な実施形態による例示的な方法のフロー図を示す。
【
図9】[0017]本開示の例示的な実施形態による例示的なモーダルアンテナの態様を示す。
【
図10】本開示の例示的な実施形態による例示的なモーダルアンテナの態様を示す。
【
図11】本開示の例示的な実施形態による例示的なモーダルアンテナの態様を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0018]ここで、実施形態を詳細に説明する。実施形態の1つまたは複数の例が図に示される。各例は、実施形態の説明のために提供され、本開示を限定するものでない。実際、当業者には、本開示の範囲および趣旨から逸脱することなく、実施形態に対する様々な変更および変形を行うことができることが明らかであろう。例えば、1つの実施形態の一部として示されるかまたは説明される特徴を別の実施形態と共に用いて、更に他の実施形態を得ることができる。このため、本開示の態様は、そのような変更および変形を包含することが意図される。
【0010】
[0019]例示的な態様において、セルラ通信システムまたは他のネットワークを介した通信リンク構成のためのシステムおよび方法は、空中および/または高度変動無線機が展開される場所における(i)送信電力制御、(ii)アンテナシステム構成、および/または(iii)それらの組み合わせにより達成することができる。送信電力制御および/またはアンテナシステム構成(例えば、最適化または近最適化)の方法を実施することができ、ここで、無線機の高度、無線機のネットワークにおけるロケーション、およびネットワークのノードまたは基地局構成を含むパラメータを用いて、例えば、意図されるノードとの通信リンク性能を維持しながら、無線機と隣接ノードとの間の干渉を、高度と前記無線機の動的運動との関数として低減する。本明細書において用いられるとき、無線機は、例えばRF信号を用いてワイヤレスに通信することが可能な通信システムを指す。無線機は、アンテナシステムと、サポート回路(例えば、受信機、送信機、送受信機、プロセッサ、メモリデバイス等)を含むことができる。
【0011】
[0020]本明細書において、「高度が変化する物体」という用語は、ドローン等の、ネットワークとのワイヤレス通信のために構成された高度が変化する物体を示すのに用いられる。説明および検討の目的で、本開示の態様は、ドローンを参照して検討される。ドローンは、1つまたは複数の無線機を用いてセルラネットワークまたは他のネットワークと通信することが可能であり得る。当業者は、本明細書に提供される開示を用いて、本開示の態様が、ネットワークとワイヤレスに通信することが可能でありかつ高度変動が可能な、エレベータ、高度が変化する車両等のような他の高度が変化する物体について検討され得ることを理解するであろう。
【0012】
[0021]「グランドレベル」という用語は、海面、領域内の地面の上方の建物の平均高さ、領域内の建物および/もしくは静的物体に関する地面の上方の最大高さ、またはそれらの間の、ただし領域内の最も高い丘、建物もしくは他の静的物体を超えない任意の標高表現を含む任意の標高を意味する。
【0013】
[0022]ノードまたはセルタワーの周囲の良好なカバレッジにつながる方位角面内の連続カバレッジを提供する特定のセルラネットワークが設計された。仰角面では、地上ベースの顧客が想定されるため、低減されたビーム幅をアンテナから指定することができる。仰角面におけるこのビーム幅の低減により、方位角面におけるより高いアンテナシステム利得を可能にすることができ、これは通常、セルラシステム性能の改善につながる。しかしながら、高度が変化する物体の使用がセルラネットワーク仰角面において生じるとき、システム性能全体が維持されるべき場合、ノードまたはセルタワーの性能が検討され、最適化される必要がある。
【0014】
[0023]ネットワークにおける高度が変化する物体の使用の懸念事項は、主に、動作高度が増すにつれ、高度が変化する物体の視野が改善することに関連する干渉効果に関する。より高い高度において、高度が変化する物体は、意図されるノードにより良好に接続されるのみでなく、更なるノードの視野内にも存在し得る。より高い高度にある高度が変化する物体は、潜在的に、地上ベースの無線機と比較して、より多数のネットワークユーザ(地上顧客)と干渉し得る可能性がある。
【0015】
[0024]本開示の例示的な態様は、高度、セル内のロケーションおよび物体の向き等の1つまたは複数の変数の関数として、高度が変化する物体上のセルラ無線機に対する送信電力を制御する方法を対象とする。いくつかの実施形態では、高度が変化する物体上のアンテナシステムを有する無線機は、1つまたは複数の変数の関数としてアンテナシステムに関連付けられた放射パターンまたはモードの動的変更を提供するように制御され得る。これらの技法のうちの1つまたは複数を用いて、意図される接続のリンク品質を改善することができ、かつ/または隣接ノードおよび他のセルラシステム顧客に対する干渉を低減することができる。
【0016】
[0025]いくつかの実施形態では、地上セルラネットワークで使用するために、アンテナシステムを有する無線機が、高度が変化する物体(例えば、ドローン)に統合され得る。アンテナシステムは、単一の固定無線パターンに関連付けられた1つまたは複数のアンテナを含むことができる。ドローンの高度を決定する方法を、(例えば、ローカルグランドレベルを基準とした高度を用いて)実施することができる。(例えば、1つまたは複数の制御デバイス、プロセッサ等によって)アルゴリズム、ルックアップテーブル、または制御ルーチンを実行して、高度および/または他のパラメータの関数としてアンテナシステムのための送信電力レベルを決定することができる。
【0017】
[0026]いくつかの実施形態では、地上セルラネットワークで使用するために、アンテナ
システムを有する無線機が、高度が変化する物体に統合され得る。高度が変化する物体は、高度が変化する物体の位置(緯度、経度、高度)を特定するための測位システム(例えば、GPS受信機)を含むことができる。高度が変化する物体は、物体の向きを特定するのに用いるためのジャイロスコープまたは他のシステムを含むことができる。アンテナシステムは、単一の固定放射パターンに関連付けることができる。物体の高度を特定する方法が、(例えば、ローカルグランドレベルを基準とした高度を用いて)実施され得る。セルラネットワークにおける高度が変化する物体の位置および/または向きが、(例えば、GPSおよび/またはジャイロスコープを用いて)特定され得る。高度が変化する物体の近傍のセルラノードに関連付けられた情報が取得され得る(例えば、高度が変化する物体上の無線機から受信される)。
【0018】
[0027](例えば、1つまたは複数の制御デバイス、制御デバイス等によって)アルゴリズム、ルックアップテーブル、または制御ルーチンを実行して、意図されるノードとの通信において使用するための高度の関数としてアンテナシステムのための送信電力レベルを決定し、かつ/または高度が変化する物体の視野内の隣接ノードとの干渉を低減することができる。このプロセスにおいて、送信電力レベルを決定するのに用いられる情報は、セルラネットワークにおける高度が変化する物体の高度、高度が変化する物体の向き、および高度が変化する物体のロケーションのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0019】
[0028]いくつかの実施形態では、高度が変化する物体は、モーダルアンテナを有するアンテナシステムを備えた無線機を含むことができる。モーダルアンテナシステムの例は、本願と所有者が共通の米国特許出願公開第2016/0099501号、ならびに米国特許第9,240,634号、同第8,648,755号、同第8,362,962および同第7,911,402号に記載されており、その各々の内容が参照により本明細書に援用される。加えて、例示的なモーダルアンテナが
図9を参照して検討される。
【0020】
[0029]モーダルアンテナシステムは、複数の放射パターンおよび/または優先状態を生成することが可能であり得る。アルゴリズムまたは制御ルーチンを実行して、物体高度、物体の向きおよび/または進行方向、ネットワークにおける物体のロケーションおよび/またはアンテナシステムの視野内の追加ノードのロケーション等の、入手可能なメトリックに基づいてモーダルアンテナシステムから放射パターンおよび/または偏光状態を特定することができる。いくつかの実施形態では、アンテナシステムの送信電力レベルは、放射パターンおよび/または偏光状態選択と同期して調整することができる。
【0021】
[0030]いくつかの実施形態では、ネットワークから受信した情報を用いて、高度が変化する物体上の無線機に、視野内の1つまたは複数のノードが、この無線機からの干渉を受けているユーザを有することを通知することができる。アルゴリズムまたは制御ルーチンを実行して、ノードへの良好な接続性を提供するが、ノードによってサービングされるエリアへの照射が少ないモーダルアンテナの放射パターンを選択することができる。この技法の1つの例は、モーダルまたはビームステアリングアンテナシステムを用いて、ノードまたはセルタワーを照射するビームを生成することであり、ビームのピークは、ノードまたはセルタワー上のアンテナシステムの上方に位置決めされる。ノードまたはセルにおけるグランド領域は、高度が変化する物体上のビームステアリングアンテナシステムがノードまたはセルタワー上のアンテナシステムに位置決めされたピーク利得を生成する場合と比較して、照射が少ないことになる。ドローン無線モデムのための送信電力レベルは、アンテナシステム放射パターンおよび/または偏光状態選択と同期して調整することができる。
【0022】
[0031]これらの実施形態において、高度が変化する物体上の無線機に関連付けられたアンテナシステムから放出される送信電力は、限定ではないが、物体高度、物体の向きおよ
び/または進行方向、ネットワークにおける物体のロケーションおよび/または物体の視野内の追加ノードのロケーション等の、ネットワークシステムから取得されたメトリックに基づくことができる。
【0023】
[0032]ここで図面を参照して、例示的な実施形態が詳細に説明される。
図1は、セルラネットワーク等のネットワークにおけるドローン100の例を示す。ドローン100は、コントローラ対ドローンの通信リンク201を介してコントローラ200に結合され得る。コントローラ200は、高度が変化する物体に対する垂直面および水平面、ならびに向き(回転、傾き等)における移動を含むドローン100の移動を制御するために、制御信号をドローン100に通信するように適合することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ200はドローン100の一部として含まれ得る。
【0024】
[0033]コントローラ200は、1つまたは複数の制御デバイスを含むことができる。1つまたは複数の制御デバイスは、例えば、1つまたは複数のプロセッサおよび1つまたは複数のメモリデバイスを含むことができる。1つまたは複数のプロセッサは、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路、マイクロコントローラ、または動作を実行することが可能な他のデバイスとすることができる。メモリデバイスは、限定ではないが、非一時的コンピュータ可読媒体、RAM、ROM、フラッシュメモリ、光メモリ、磁気媒体または他のメモリデバイスを含む、任意のタイプのコンピュータ可読媒体を含むことができる。1つまたは複数のメモリデバイスは、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、1つまたは複数のプロセッサに、本明細書に記載の任意のアルゴリズム、方法、プロセスおよび/または制御ルーチンの実施等の動作を行わせるコンピュータ可読命令を記憶することができる。
【0025】
[0034]ドローン100は、アンテナシステムを形成する1つまたは複数のアンテナ101を含むことができる。いくつかの実施形態では、アンテナは、単一の放射パターンに関連付けることができる。いくつかの実施形態では、アンテナシステムは、1つまたは複数のモーダルアンテナ(別様では、本明細書において「ビームステアリングアンテナシステム」と呼ばれる)を含むことができる。モーダルアンテナは、複数の可能なモードのうちの任意の1つにおいて再構成可能とすることができる。モーダルアンテナは、複数のモードのうちの各々における別個の放射パターンまたは偏光に関連付けることができる。例示的なモーダルアンテナが、
図9、
図10および
図11を参照して説明される。
【0026】
[0035]ネットワーク(例えば、セルラネットワーク)がノード300(例えば、示される3つのセルラ基地局端末)を用いて示される。任意の数のノード300を実施してネットワークを形成することができる。測位衛星400(例えば、GPS衛星)を用いてドローン100のロケーションを特定することができる。GPSは、高度が変化する物体のロケーションを特定するための1つの技法であるが、セルラネットワークにわたる信号回析に基づく位置の三角測量、デッドレコニング等のような他の類似の測位検知技法が実施されてもよい。
【0027】
[0036]コントローラ対ドローン通信リンク201、コントローラ対ネットワークノード通信リンク202、ドローン対ネットワークノード通信リンク301、ドローン対GPS通信リンク、およびドローン100からネットワーク上の他のデバイス(例えば、クライアントデバイス)への通信リンク(図示せず)等のいくつかの通信リンクがネットワーク内のドローン100と確立される。例えば、セルラ、Wi-Fi、ピアツーピアリンクまたは他の通信リンクがコントローラ200をドローン100に接続することができる。
【0028】
[0037]ドローン100とネットワークの隣接ノード300との間、またはドローン100とネットワークの他のクライアントデバイスとの間のセルラ帯域において干渉が生じ得
る。GPSまたは他の測位システムを実施して、ネットワーク内のドローンロケーションに関する情報を提供することができる。本開示の例示的な実施形態によれば、ロケーション(高度を含む)、進行方向および/または他の情報を用いて、ドローン100における送信電力を調節して干渉を軽減することができる。いくつかの実施形態では、ドローン無線機のマルチモードアンテナのモードを変更して、1つまたは複数の放射パターンヌルを作成するか、またはヌルを所望の方向にステアリングして、ドローン動作により生じる干渉を軽減することができる。
【0029】
[0038]
図2は、セルラネットワークにおけるドローン100およびコントローラ200を示し、どのようにネットワーク内のドローンのロケーションを用いてドローン上のアンテナのアンテナシステム性能を最適化または強化することができるかを説明する。
図2は、ドローン/ノードリンクを構成するために調査することができる様々なパラメータを示す。ネットワーク内のドローン100のロケーションに基づいて、無線機システムのためのアンテナシステム構成を、方位角面および仰角面における構成のために選択することができる。いくつかの実施形態では、ドローン100の速度を考慮することができる。いくつかの実施形態では、進行の向きまたは進行方向を考慮することができる。向き情報のために、ドローン上にジャイロスコープまたは加速度計を実装することができる。
【0030】
[0039]ここで、1つまたは複数のアンテナ101を有するドローン100が、コントローラ対ドローン通信リンク201を介してコントローラ200にリンクされる。ドローン100とコントローラ200との間の通信リンク201は、破線の円205によって示されるように、ネットワークから分離されている。ノード300から構成されたネットワークにおけるドローン100のロケーションを三角測量するためにGPS衛星400が提供される。
【0031】
[0040]
図3は、セルラネットワークにおける複数の高度におけるドローン100と、高度が変化する際に信号がどのように変動するかとを示す。より詳細には、
図3は、グランドレベルP0の上方の3つの垂直位置(それぞれP1、P2およびP3)の周りを進む際のドローン100を示す。コントローラ200はコントローラ対ドローン通信リンク201を介してドローン100と通信し、それによって、各々がグランドレベルに対し異なる高度を有する3つの垂直位置にわたってドローンの上昇を制御する。
【0032】
[0041]通信リンク品質は、高度の関数として変動することができる。本開示の例示的な実施形態によれば、コントローラ200は、ドローン100上のアンテナシステムを制御して、高度、向き、進行方向および/または他のパラメータに基づいてリンクを改善するようにアンテナシステムを構成することができる。ドローン100に関連付けられた高度、向きおよび進行方向が、例えば、GPS、ジャイロスコープ、加速度計、セルラネットワークからの情報および/またはそれらの組み合わせを用いて特定され得る。セルラネットワーク内のノードに関する情報が、セルラネットワークからのアクセス許可を介してドローンコントローラに提供される。ドローン上のアンテナシステムは、ロケーションメトリックに基づいて、他のノードまたはクライアントデバイスとの干渉を低減しながら、意図されるノードとのリンクを改善および/または維持するように動的に構成され得る。ドローン100上のアンテナシステムを制御するように実施することができる例示的な方法が、
図7および
図8を参照して検討される。
【0033】
[0042]
図4は、本開示の例示的な実施形態による、ドローン無線機のためのアンテナシステム調節および送信電力選択において用いるためのデータフロー500を表す概略図を示す。ドローン無線機(または他のプロセッサ)に関連付けられた1つまたは複数のプロセッサによって実行されるアルゴリズムまたは制御ルーチンは、情報を用いて、マルチモードアンテナの放射モードを選択し、かつ/またはアンテナの送信電力を調整する。例え
ば、いくつかの実施形態では、ネットワーク内のノード300のロケーションは、コントローラ対ネットワークノード通信リンク202を通じて第1の信号においてドローンコントローラ200に通信することができ、ネットワーク情報におけるノードのロケーションは、コントローラ対ドローン通信リンク201を通じて第2の信号においてコントローラからドローン100に転送することができ、例えば、ルックアップテーブルまたはデータベースに記憶され、GPSシステムおよび衛星400は、ネットワークにおけるドローンのロケーションを特定することができ、高度、向き、速度および/またはロケーションは、中でもGPS、加速度計、ジャイロスコープ等のドローンベースのシステムによって特定することができ、ドローン無線機のアンテナシステムのためのアンテナシステム放射モードおよび/または送信電力を特定するために1つまたは複数のプロセッサによって実行されるアルゴリズムまたは制御ルーチンにおいて用いるためのデータが収集される。
【0034】
[0043]
図5は、本開示の例示的な実施形態による、ドローンとノードまたはセルタワーとの間の通信のための周波数帯域を選択するプロセスを示す。この例示的な実施形態において、マルチバンド無線モデムは、通信リンクを強化するために、動作する周波数帯域の選択を可能にする。周波数帯域は、ドローンの高度、ドローンの向き、ネットワーク内のドローンのロケーション、ドローンの速度、ネットワーク内の他のノードのロケーション(例えば、ドローンのアンテナシステムの視野内)、および/または他のパラメータ等の様々なパラメータに基づいて選択することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ200は、ドローン100のドローンアンテナシステム101への命令を用いて、コントローラ対ドローン通信リンク201を通じて制御リンク信号を送信することができる。ネットワーク情報内のノードのロケーションがドローンに転送される。ドローンアンテナシステム101は、意図されるノード300に向けて周波数F1および/または周波数F2を有する信号を実装することができる。
【0035】
[0044]
図6は、本開示の例示的な実施形態による、アンテナシステムのための動作モードおよび/または送信電力を選択するためのシステム制御マトリックスにおいて用いられるパラメータを示す。示すように、パラメータは、意図されるリンクのSINR、干渉体のSINR、高度、向き、アンテナビーム状態および/または周波数帯域のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0036】
[0045]
図7は、本開示の例示的な実施形態による、高度が変化する物体(例えば、ドローン)上のアンテナシステムを構成するための例示的な方法(700)のフロー図を示す。本方法は、1つまたは複数のプロセッサ(例えば、高度が変化する物体に関連付けられた1つまたは複数のプロセッサ)によって実行される制御ルーチン/アルゴリズムの一部として実施することができる。
図7は、例示および検討の目的で特定の順序で実行されるステップを示す。当業者は、本明細書に提供される開示を用いて、本開示の範囲から逸脱することなく様々な方式で、本明細書に記載の方法のうちの任意のものの様々なステップを適合させ、拡張し、同時に実行し、省略し、再配置し、かつ/または変更することができることを理解するであろう。
【0037】
[0046](702)において、本方法は、高度が変化する物体のアンテナシステムを現在の状態で動作させることを含むことができる。例えば、アンテナシステムは、その現在の状態におけるアンテナシステム内の1つまたは複数のアンテナのための送信電力に基づいて送信するように制御され得る。
【0038】
[0047](704)において、本方法は、トリガ状態を検出することを含むことができる。トリガ状態は、方法(700)の残りの部分、すなわち、セルラネットワーク等のネットワーク内の通信リンクを強化するために、高度が変化する物体に関連付けられた様々な通信パラメータ(例えば、高度)に基づいてアンテナシステムを制御することの発生をト
リガすることができる。トリガ条件は、
図7に示す(706)、(708)および/または(710)の発生をトリガする任意の規定の条件とすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、トリガ条件は、期間の満了とすることができる。いくつかの実施形態では、トリガ条件は、高度が変化する物体の動作条件の変化(例えば、高度の変化、ネットワーク内のロケーションの変化等)を検出することを含むことができる。いくつかの実施形態では、トリガ条件は、高度が変化する物体に関連付けられた無線機がネットワーク内の1つまたは複数のノードとの間で情報を送信および/または受信する前に生じることができる。本開示の範囲から逸脱することなく他の適切なトリガ条件が実施され得る。
【0039】
[0048](706)において、本方法は、高度が変化する物体に関連付けられた通信パラメータを示すデータを取得することを含む。上記で検討したように、通信パラメータを示すデータは、例えば、高度が変化する物体の高度を含むことができる。高度は、例えば、測位システム(例えば、GPSシステム)から、高度が変化する物体を制御するコントローラから、高度が変化する物体上の高度計から、または他の適切なソースから特定され得る。
【0040】
[0049]いくつかの実施形態では、通信パラメータを示すデータは、例えば、高度が変化する物体の向き、高度が変化する物体の進行方向、および/または高度が変化する物体の進行の速度を含むことができる。これらのパラメータは、例えば、測位システム(例えば、GPSシステム)から、高度が変化する物体を制御するコントローラから、高度が変化する物体上の1つまたは複数のセンサ(例えば、ジャイロスコープ)から、または他の適切なソースから取得され得る。
【0041】
[0050]いくつかの実施形態では、通信パラメータを示すデータは、例えば、通信ネットワークにおける高度が変化する物体のロケーション(例えば、1つまたは複数のノードに対するロケーション)を含むことができる。この通信パラメータは、例えば、測位システム(例えば、GPSシステム)から、高度が変化する物体を制御するコントローラから、1つまたは複数のノードから、または別の適切なソースから取得され得る。
【0042】
[0051]いくつかの実施形態では、通信パラメータを示すデータは、信号対干渉雑音比(SINR)等のチャネル品質インジケータ(CQI)を含むことができる。例えば、通信パラメータは、意図される通信リンクに関連付けられたSINRおよび/または1つもしくは複数の潜在的な干渉体に関連付けられたSINRを含むことができる。本開示から逸脱することなく、信号対雑音比(SNR)、受信信号強度インジケータ(RSSI)、ビット誤り率(BER)、および他のメトリック等の他のCQIを用いることができる。CQIは、ベースバンドプロセッサから、ネットワーク内の1つまたは複数のノードから、高度が変化する物体を制御するコントローラから等の任意の適切なソースから取得され得る。
【0043】
[0052](708)において、本方法は、通信パラメータを示すデータに基づいて、アンテナシステムにおける1つまたは複数のアンテナのための送信電力を決定することを含むことができる。いくつかの実施形態では、制御ルーチン、アルゴリズム、および/またはルックアップテーブルを実行して、通信パラメータのうちの1つまたは複数の関数として送信電力を決定することができる。例えば、いくつかの実施形態では、高度または他の通信パラメータを1つまたは複数のアンテナのための送信電力と相関付けるルックアップテーブルが、メモリデバイスからアクセスされ得る。特定の高度または他の通信パラメータに対応する送信電力は、現在の高度または他の通信パラメータを示すデータに基づいて決定され得る。
【0044】
[0053]いくつかの実施形態では、制御ルーチンまたはアルゴリズムが、1つまたは複数
の通信パラメータに少なくとも部分的に基づいてスコアリング関数またはコスト関数を実施することができる。スコアまたはコストは、通信パラメータのうちの1つまたは複数(例えば、高度、向き、位置、SINR等)の関数として決定され得る。送信電力は、スコアリング関数によって提供されるスコアを増大させるように、またはコスト関数によって提供されるコストを低減するように決定され得る。
【0045】
[0054]いくつかの実施形態では、反復制御ルーチンまたはアルゴリズムを実施することができる。例えば、アンテナシステムは、高度が変化する物体が特定の閾値だけ高度(または他の通信パラメータ)を変化させるときに、複数の送信電力を循環することができる。(例えば、1つまたは複数のCQIに基づいて決定されるような)通信リンクを改善する送信電力が、アンテナシステムにおける1つまたは複数のアンテナを動作させるための送信電力として選択され得る。
【0046】
[0055](710)において、本方法は、決定された送信電力に基づいてアンテナシステムを制御することを含む。例えば、本方法は、決定された送信電力に対応するかまたはその付近の単一の固定放射パターンを有する少なくとも1つのアンテナの送信電力を調整するようにアンテナシステムを制御することを含むことができる。
【0047】
[0056]
図8は、本開示の例示的な実施形態による、高度が変化する物体(例えば、ドローン)上のアンテナシステムを構成するための例示的な方法(800)のフロー図を示す。本方法は、1つまたは複数のプロセッサ(例えば、高度が変化する物体に関連付けられた1つまたは複数のプロセッサ)によって実行される制御ルーチン/アルゴリズムの一部として実施することができる。
図8は、例示および検討の目的で特定の順序で実行されるステップを示す。当業者は、本明細書に提供される開示を用いて、本開示の範囲から逸脱することなく様々な方式で、本明細書に記載の方法のうちの任意のものの様々なステップを適合させ、拡張し、同時に実行し、省略し、再配置し、かつ/または変更することができることを理解するであろう。
【0048】
[0057](802)において、本方法は、高度が変化する物体のアンテナシステムを現在の状態で動作させることを含むことができる。例えば、アンテナシステムにおけるモーダルアンテナは、モーダルアンテナに関連付けられた複数のモードのうちの選択されたモードにおいて動作させることができる。各モードは、別個の放射パターンに関連付けることができる。
【0049】
[0058](804)において、本方法は、トリガ条件を検出することを含むことができる。トリガ条件は、方法(800)の残りの部分、すなわち、セルラネットワーク等のネットワークにおける通信リンクを強化するために、高度が変化する物体に関連付けられた様々な通信パラメータ(例えば、高度)に基づいてアンテナシステムを制御することの発生をトリガすることができる。トリガ条件は、
図8に示す(806)、(808)および(810)の発生をトリガする任意の規定の条件とすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、トリガ条件は、期間の満了とすることができる。いくつかの実施形態では、トリガ条件は、高度が変化する物体の動作条件の変化(例えば、高度の変化、ネットワーク内のロケーションの変化等)を検出することを含むことができる。いくつかの実施形態では、トリガ条件は、高度が変化する物体に関連付けられた無線機がネットワーク内の1つまたは複数のノードとの間で情報を送信および/または受信する前に生じることができる。本開示の範囲から逸脱することなく他の適切なトリガ条件が実施され得る。
【0050】
[0059](806)において、本方法は、高度が変化する物体に関連付けられた通信パラメータを示すデータを取得することを含む。上記で検討したように、通信パラメータを示すデータは、例えば、高度が変化する物体の高度を含むことができる。高度は、例えば、
測位システム(例えば、GPSシステム)から、高度が変化する物体を制御するコントローラから、高度が変化する物体上の高度計から、または他の適切なソースから特定され得る。
【0051】
[0060]いくつかの実施形態では、通信パラメータを示すデータは、例えば、高度が変化する物体の向き、高度が変化する物体の進行方向、および/または高度が変化する物体の進行の速度を含むことができる。これらのパラメータは、例えば、測位システム(例えば、GPSシステム)から、高度が変化する物体を制御するコントローラから、高度が変化する物体上の1つもしくは複数のセンサ(例えば、ジャイロスコープ)から、または他の適切なソースから取得され得る。
【0052】
[0061]いくつかの実施形態では、通信パラメータを示すデータは、例えば、通信ネットワークにおける高度が変化する物体のロケーション(例えば、1つまたは複数のノードに対するロケーション)を含むことができる。この通信パラメータは、例えば、測位システム(例えば、GPSシステム)から、高度が変化する物体を制御するコントローラから、1つまたは複数のノードから、または別の適切なソースから取得され得る。
【0053】
[0062]いくつかの実施形態では、通信パラメータを示すデータは、SINR等のCQIを含むことができる。例えば、通信パラメータは、意図される通信リンクに関連付けられたSINRおよび/または1つもしくは複数の潜在的な干渉体に関連付けられたSINRを含むことができる。本開示の範囲から逸脱することなく、SNR、受信信号強度インジケータ(RSSI)、ビット誤り率(BER)、および他のメトリック等の他のCQIが用いられ得る。CQIは、ベースバンドプロセッサから、ネットワーク内の1つまたは複数のノードから、高度が変化する物体を制御するコントローラから等の任意の適切なソースから取得され得る。
【0054】
[0063](808)において、本方法は、通信パラメータを示すデータに基づいて、アンテナシステムにおける1つまたは複数のモーダルアンテナのための複数のモードのうちの選択されたモードを決定することを含むことができる。いくつかの実施形態では、制御ルーチン、アルゴリズム、ルックアップテーブルを実行して、通信パラメータのうちの1つまたは複数の関数として選択モードを決定することができる。例えば、いくつかの実施形態では、高度または他の通信パラメータを1つまたは複数のモーダルアンテナのための選択モードと相関付けるルックアップテーブルが、メモリデバイスからアクセスされ得る。特定の高度または他の通信パラメータに対応する選択モードは、現在の高度または他の通信パラメータを示すデータに基づいて決定され得る。
【0055】
[0064]いくつかの実施形態では、制御ルーチンまたはアルゴリズムが、1つまたは複数の通信パラメータに少なくとも部分的に基づいてスコアリング関数またはコスト関数を実施することができる。スコアまたはコストは、通信パラメータのうちの1つまたは複数(例えば、高度、向き、位置、SINR等)の関数として決定され得る。選択モードは、スコアリング関数によって提供されるスコアを増大させるように、またはコスト関数によって提供されるコストを低減するように決定され得る。
【0056】
[0065]いくつかの実施形態では、反復制御ルーチンまたはアルゴリズムを実施することができる。例えば、アンテナシステムは、高度が変化する物体が特定の閾値だけ高度(または他の通信パラメータ)を変化させるときに、複数の送信電力を循環することができる。(例えば、1つまたは複数のCQIに基づいて決定されるような)通信リンクを改善する送信電力は、アンテナシステムにおける1つまたは複数のアンテナを動作させるための送信電力として選択することができる。
【0057】
[0066](810)において、本方法は、選択モードに基づいてアンテナシステムを制御することを含む。例えば、本方法は、決定された選択モードに対応するかまたはその付近のモードを調整するように1つまたは複数のモーダルアンテナを制御することを含むことができる。例示的なモーダルアンテナを制御するための例示的な技法が
図9~
図11を参照して検討される。
【0058】
[0067]
図9は、本開示の態様に従って用いられ得るモーダルアンテナ910の例示的な実施形態を示す。モーダルアンテナ910は、回路基板912(例えば、グランド面を含む)と、回路基板912上に配設された駆動アンテナ素子914とを含むことができる。回路基板(例えば、およびグランド面)と駆動アンテナ素子との間にアンテナボリュームが定義され得る。
【0059】
[0068]いくつかの実施形態では、第1の無給電素子915が、少なくとも部分的にアンテナボリューム内に位置決めされ得る。第1のアクティブ同調素子916が、無給電素子915と結合され得る。第1のアクティブ同調素子916は、パッシブコンポーネントもしくはアクティブコンポーネントまたは連続コンポーネントとすることができ、可変リアクタンス、またはグランドへの短絡のいずれかによって第1の無給電素子914に対するリアクタンスを変更し、結果として、アンテナの周波数シフトを引き起こすように構成され得る。
【0060】
[0069]いくつかの実施形態では、第2の無給電素子918が、回路基板912に近接して配設され得、アンテナボリュームの外側に位置決めされ得る。第2の無給電素子918は、1つまたは複数のアクティブおよび/またはパッシブコンポーネントを個々に含むことができる第2のアクティブ同調素子920を更に含むことができる。第2のアクティブ同調素子920は、パッシブコンポーネントもしくはアクティブコンポーネントまたは連続コンポーネントとすることができ、可変リアクタンス、またはグランドへの短絡のいずれかによって第2の無給電素子918に対するリアクタンスを変更し、結果として、アンテナの周波数シフトを引き起こすように構成され得る。第2の無給電素子918は、駆動素子914に隣接して位置決めされ得、ここでもまた、アンテナボリュームの外側に位置決めされ得る。
【0061】
[0070]説明した構成は、駆動アンテナ素子におけるリアクタンスを変動させることによって、駆動アンテナ素子の放射パターン特性をシフトさせる機能を提供することができる。アンテナ放射パターンをシフトさせることは、「ビームステアリング」と呼ばれ得る。アンテナ放射パターンがヌルを含む例では、同様の動作は、ヌルを、(例えば干渉を低減するために)アンテナの周りの代替的な位置にシフトさせることができるため、「ヌルステアリング」と呼ばれ得る。いくつかの実施形態では、第2のアクティブ同調素子920は、「オン」時に第2の無給電素子をグランドに接続し、「オフ」時に短絡を終了させるためのスイッチを含むことができる。しかしながら、例えば、可変キャパシタまたは他の調節可能コンポーネントを用いることによって、第1の無給電素子または第2の無給電素子のいずれかにおける可変リアクタンスが、アンテナパターンまたは周波数応答の可変シフトを更に提供することができることが留意されるべきである。例えば、第1のアクティブ同調素子916および/または第2のアクティブ同調素子920は、調節可能なキャパシタ、MEMSデバイス、調節可能なインダクタ、スイッチ、調節可能な移相器、電界効果トランジスタまたはダイオードのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0062】
[0071]
図10は、
図9のモーダルアンテナに関連付けられた2次元アンテナ放射パターンを示す。放射パターンは、モーダルアンテナ910の第1および/または第2の無給電素子915、918のうちの少なくとも1つに関連付けられた電気特性を制御することによってシフトされ得る。例えば、いくつかの実施形態では、放射パターンは、第1のモー
ド922から第2のモード924または第3のモード926にシフトされ得る。
【0063】
[0072]
図11は、本開示の例示的な態様による
図9のモーダルアンテナの例示的な周波数プロットを示す。アンテナの周波数は、モーダルアンテナ910の第1のおよび/または第2の無給電素子915、918の少なくとも1つに関連付けられた電気特性を制御することによってシフトすることができる。例えば、アンテナの第1の周波数(f
0)は、第1および第2の無給電素子が「オフ」に切り替えられるときに達成され得、周波数(f
L)および(f
H)は、第2の無給電素子がグランドに短絡されるときに生成され得、周波数(f
4;f
0)は、第1および第2の無給電素子が各々グランドに短絡されるときに生成され得る。本開示の範囲内で他の構成が可能であることが理解されるべきである。例えば、より多くのまたはより少ない無給電素子が用いられてもよい。無給電素子の位置決めは、異なる周波数および/または周波数の組み合わせを呈し得る更なるモードを達成するように変更されてもよい。
【0064】
[0073]
図9~
図11は、例示および検討の目的で複数のモードを有する1つの例示的なモーダルアンテナを示す。当業者は、本明細書に提供される開示を用いて、本開示の範囲から逸脱することなく他のモーダルアンテナおよび/またはアンテナ構成が用いられ得ることを理解するであろう。本明細書において用いられるとき、「モーダルアンテナ」とは、複数のモードで動作することが可能なアンテナを指す。ここで、各モードには、別個の放射パターンが関連付けられる。
【0065】
[0074]本主題は、その特定の例示的な実施形態に関して詳細に説明されたが、上記を理解した当業者は、そのような実施形態に対する代替形態、変更形態および等価物を容易に作成することができることが理解されよう。したがって、本開示の範囲は限定ではなく例示を目的としており、主題の開示は、当業者に容易に明らかとなるような、本主題に対する変更形態、変形形態および/または追加を含めることを除外するものではない。