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特許7254897コンベヤ上の非鉄金属の安定性を改善するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-31
(45)【発行日】2023-04-10
(54)【発明の名称】コンベヤ上の非鉄金属の安定性を改善するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 43/00 20060101AFI20230403BHJP
【FI】
B65G43/00 Z
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021500453
(86)(22)【出願日】2019-07-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-25
(86)【国際出願番号】 US2019040774
(87)【国際公開番号】W WO2020014105
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-02-16
(31)【優先権主張番号】62/695,254
(32)【優先日】2018-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506110243
【氏名又は名称】ノベリス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NOVELIS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・アール・コズミッキ
(72)【発明者】
【氏名】アドウェイト・エイ・タクール
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第04317640(DE,A1)
【文献】特開平07-116611(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第10008832(DE,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03321217(EP,A1)
【文献】特開2004-163415(JP,A)
【文献】特開昭55-102446(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送面を含むコンベヤベルトであって、前記搬送面上で材料を搬送するように適合された前記コンベヤベルト、及び
前記コンベヤベルト上の前記材料に安定化力を加えるように構成されたスタビライザ
を含み、
前記スタビライザが、前記搬送面の上方に少なくとも1つの磁石を含み、前記少なくとも1つの磁石は、前記材料に前記安定化力として下向きの磁場を印加するように構成され、
前記少なくとも1つの磁石が複数の磁石を含み、各磁石が独立して制御可能であり、前記搬送システムがさらに、
前記スタビライザの上流にあるセンサ、及び
コントローラ、
を備え、前記センサは、前記搬送面上の前記材料の少なくとも1つの非鉄金属片の位置を検出するように構成され、
前記コントローラは、前記搬送面上の前記位置に対応する前記複数の磁石のうちの少なくとも1つを作動させるように構成される、搬送システム。
【請求項2】
第1のローラ、及び前記第1のローラの下流にある第2のローラをさらに含み、前記コンベヤベルトが、前記第1のローラ及び前記第2のローラ上で移動可能に支持され、前記第2のローラは前記搬送システムの端部にある、請求項1に記載の搬送システム。
【請求項3】
前記第2のローラは、前記コンベヤベルト上の前記材料に磁場を印加するように構成された渦電流セパレータローラを含む、請求項2に記載の搬送システム。
【請求項4】
前記スタビライザは、前記安定化力が前記第2のローラで前記材料に加えられるように、前記第2のローラに隣接して設けられる、請求項2に記載の搬送システム。
【請求項5】
前記スタビライザは、前記安定化力が前記第2のローラの上流の位置で前記材料に加えられるように、前記第2のローラの上流に設けられる、請求項2に記載の搬送システム。
【請求項6】
前記第1のローラ及び前記第2のローラは、前記コンベヤベルトを約10m/秒から約20m/秒の搬送速度で移動するように構成され、前記スタビライザが、前記材料が前記搬送速度で安定するように、前記コンベヤベルト上の前記材料に前記安定化力を加えるように構成される、請求項2に記載の搬送システム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの磁石は、前記安定化力を調整するように調整可能である、請求項1に記載の搬送システム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの磁石が複数の磁石を含み、前記スタビライザが、前記複数の磁石の第1のサブセットを含む第1の領域と、前記複数の磁石の第2のサブセットを含む第2の領域とをさらに含み、前記第1のサブセットの前記磁石の少なくとも1つによって生成される前記磁場は、前記第2のサブセットの前記磁石の少なくとも1つによって生成される前記磁場とは異なる、請求項1に記載の搬送システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの磁石は、複数の磁石を含み、前記スタビライザは、安定化領域をさらに含み、前記少なくとも1つの磁石は、前記安定化領域にある、請求項1に記載の搬送システム
【請求項10】
前記スタビライザは、安定化領域に前記安定化力を加えるように構成され、前記安定化力は、前記安定化領域の上流部分における上流安定化力と、前記安定化領域の下流部分における下流安定化力とを含み、前記下流安定化力が前記上流安定化力とは異なる、請求項1に記載の搬送システム。
【請求項11】
コントローラ、及び
前記搬送面上の前記材料の少なくとも1つの非鉄金属片の位置を検出するように構成されたセンサ
を含み、
前記コントローラは、前記搬送面上の前記位置または前記コンベヤベルトの搬送速度の少なくとも1つに基づいて前記スタビライザを制御するように構成される、請求項1に記載の搬送システム。
【請求項12】
請求項1に記載の搬送システムにおけるコンベヤベルト上の材料を安定化する方法であって、前記コンベヤベルトの搬送面で前記材料を受領すること、
前記コンベヤベルトで、搬送速度で前記材料を搬送すること、及び
前記材料の少なくとも一部の垂直移動が前記搬送速度で減衰及び/または最小化されるように、スタビライザで前記材料に安定化力を加えること
を含み、
前記安定化力を加える前に、前記搬送面上の前記材料の非鉄金属の位置を検出することをさらに含み、前記安定化力を加えることは、前記搬送面上の前記位置に前記安定化力を加えることを含む、方法。
【請求項13】
前記搬送速度が約1m/秒から約20m/秒である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記材料の少なくとも一部が非鉄金属を含み、前記安定化力が前記非鉄金属に加えられる、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記スタビライザが少なくとも1つの磁石を含み、前記安定化力が磁場を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記磁場の強さ、前記磁場の周波数、または前記磁場の方向のうちの少なくとも1つを制御することによって前記磁場を制御することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
スタビライザが複数の磁石を含み、前記複数の磁石の第1のサブセットが第1の領域に配置され、前記複数の磁石の第2のサブセットが第2の領域に配置され、前記安定化力を加えることは、前記複数の磁石の前記第1のサブセットにより第1の磁場を印加することと、前記複数の磁石の前記第2のサブセットにより第2の磁場を印加することとを含み、前記第2の磁場は、前記第1の磁場とは異なる、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年7月9日に出願され、「SYSTEMS AND METHODS FOR IMPROVING THE STABILITY OF NON-FERROUS METALS ON A CONVEYOR」と題された米国仮出願第62/695,254号の利益を主張し、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、コンベヤベルト、より具体的には、混合材料を運ぶように構成されたコンベヤベルトに関する。
【背景技術】
【0003】
コンベヤベルトは、異なる種類の材料を搬送するために複数の産業で使用されている。一例として、コンベヤベルトは金属のリサイクルに使用される。金属のリサイクル中、コンベヤベルトは渦電流セパレータとともに使用でき、それは、強力な磁場を使用して、鉄金属が事前に除去された後、非鉄金属を廃棄物から分離する。渦電流セパレータは一般にコンベヤのエンドローラとして設けられ、コンベヤベルトは混合廃棄物を搬送し、コンベヤベルトの端部では、非鉄金属が重力に起因してベルトから落下する間に、非金属がベルトから前方に投げ出される。従来、渦電流セパレータを備えたコンベヤベルトは、ベルト上の材料が安定するように低速(例えば、約1~3m/秒)で実行される。実稼働環境でより高いスループットを実現するには、ベルトの速度を高速に(例えば、最大約10~20m/秒)しなければならない。しかし、このような高い速度では、ベルト上の材料は安定せず、ベルト上で跳ね返ったり動き回ったりする。このような動きは、渦電流セパレータによって生成される磁場の範囲外で破片が跳ね返る可能性があり、及び/または材料が積み重なり(すなわち、材料が単層ではない)、分離するのがより難しくなる可能性があるため、渦電流セパレータの分離効率を低下させる。
【発明の概要】
【0004】
本特許で使用される「invention(発明)」、「the invention(発明)」、「this invention(本発明)」及び「the present invention(本発明)」という用語は、本特許のすべての主題及び以下の特許請求の範囲全体を広く指すことを意図している。これらの用語を含む言明は、本書に記載されている主題を制限したり、以下の特許請求の意味や範囲を制限したりしないことを理解するべきである。この特許の対象となる発明の実施形態は、この概要ではなく、以下の特許請求の範囲によって定義される。この概要は、本発明の様々な実施形態の高水準の概要であり、以下の詳細な説明のセクションでさらに説明される概念の一部を紹介する。この概要は、主張される主題の重要なまたは本質的な特徴を特定することを意図しておらず、主張された主題の範囲を決定するために単独で使用されることも意図されていない。主題は、本特許の明細書全体の適切な部分、一部またはすべての図面、及び各請求項を参照することによって理解されるべきである。
【0005】
様々な例によれば、搬送システムは、コンベヤベルト及びスタビライザを含む。コンベヤベルトは搬送面を含み、コンベヤベルトは搬送面上で材料を搬送するように適合されている。スタビライザは、コンベヤベルト上の材料に安定化力を加えるように構成される。
【0006】
いくつかの例では、搬送システムは、第1のローラと、第1のローラの下流にある第2のローラとを含む。特定の態様では、コンベヤベルトは、第1のローラ及び第2のローラ上で移動可能に支持され、第2のローラは搬送システムの端部にある。様々な場合において、第2のローラは、コンベヤベルト上の材料に磁場を印加するように構成された渦電流セパレータローラを含む。いくつかの場合には、スタビライザは、安定化力が第2のローラで材料に加えられるように、第2のローラに隣接して設けられる。特定の例によれば、スタビライザは、安定化力が第2のローラの上流で材料に加えられるように、第2のローラの上流に設けられる。様々な例において、第1のローラ及び第2のローラは、コンベヤベルトを約10m/秒から約20m/秒の搬送速度で移動するように構成され、スタビライザが、材料が搬送速度で安定するように、コンベヤベルト上の材料に安定化力を加えるように構成される。
【0007】
特定の場合には、スタビライザは、安定化力を材料の非鉄金属に加えるように構成される。いくつかの態様において、スタビライザは、搬送面の上方に少なくとも1つの磁石を含み、少なくとも1つの磁石は、材料に安定化力として下向きの磁場を印加するように構成される。様々な例において、少なくとも1つの磁石は永久磁石である。
【0008】
特定の態様では、少なくとも1つの磁石は電磁石である。いくつかの態様において、電磁石はAC電磁石である。様々な場合において、電磁石が調整可能で、下向きの磁場が調整可能であるようにする。様々な例によれば、磁場の強度、磁場の周波数、または搬送面に対する電磁石の中心軸の角度のうちの少なくとも1つが調整可能である。いくつかの場合には、少なくとも1つの磁石が複数の磁石を含む。様々な場合において、スタビライザが、複数の磁石の第1のサブセットを有する第1の領域と、複数の磁石の第2のサブセットを有する第2の領域とをさらに含み、第1のサブセットの磁石の少なくとも1つによって生成される磁場は、第2のサブセットの磁石の少なくとも1つによって生成される磁場とは異なる。いくつかの例によれば、スタビライザは、トリガ領域及び安定化領域を含み、少なくとも1つの磁石が安定化領域にある。様々な場合において、各磁石は独立して制御可能である。
【0009】
いくつかの態様では、搬送システムは、スタビライザの上流にあるセンサ及びコントローラを含む。様々な場合において、センサは、搬送面上の材料の少なくとも1つの非鉄金属片の位置を検出するように構成され、コントローラは、搬送面上の位置に対応する複数の磁石のうちの少なくとも1つを作動させるように構成される。
【0010】
様々な態様によれば、スタビライザは、安定化領域に安定化力を加えるように構成され、安定化力は、安定化領域の上流部分における上流安定化力と、安定化の下流部分における下流安定化力とを含み、下流安定化力は上流安定化力とは異なる。特定の場合には、下流安定化力が上流安定化力よりも大きい。
【0011】
様々な例において、搬送システムは、搬送ベルトが少なくとも1つの磁石と磁束ダイレクタとの間を通るように、搬送面の下方に磁束ダイレクタを含む。いくつかの例では、搬送システムは、コンベヤベルトの搬送速度に基づいてスタビライザを制御するように構成されるコントローラを含む。様々な態様において、搬送システムは、搬送面上の材料の少なくとも1つの非鉄金属片の位置を検出するように構成されたセンサを含み、コントローラは、搬送面上の位置に基づいてスタビライザを制御するように構成されている。
【0012】
特定の例では、スタビライザは、所定の気流レベルで搬送面に所定の速度で気流をもたらすように構成された少なくとも1つの気流発生器を備える。
【0013】
いくつかの場合には、スタビライザは、コンベヤベルトの搬送面の下方に少なくとも1つの電磁石、及びコンベヤベルトと少なくとも1つの電磁石との間の銅板を含む。特定の態様では、少なくとも1つの電磁石は、銅板の上部と材料の非鉄片との間に引力が生じるように、銅板に一次磁場を印加するように構成される。
【0014】
様々な例において、スタビライザは、安定化力をコンベヤベルト上の材料の非鉄金属に加えるように構成され、非鉄金属は、搬送の間に搬送面に対して非鉄金属の位置が維持されるよう安定化される。
【0015】
特定の例によれば、コンベヤベルト上の材料を安定化する方法は、コンベヤベルトの搬送面で材料を受領すること、コンベヤベルトで、搬送速度で材料を搬送すること、及び材料の少なくとも一部の垂直移動(例えば、跳ね返り)が減衰及び/または最小化されるように、スタビライザで材料に安定化力を加えることを含む。特定の場合には、搬送面に対する材料の少なくとも一部の位置が搬送速度で維持される。
【0016】
いくつかの例では、搬送速度は、約1m/秒から約20m/秒である。特定の場合には、搬送速度は約10m/秒から約20m/秒である。様々な例において、材料の少なくとも一部は非鉄金属を含み、安定化力は非鉄金属に加えられる。
【0017】
いくつかの態様において、スタビライザは、少なくとも1つの磁石を含み、安定化力は、磁場を含む。様々な態様によれば、少なくとも1つの磁石は電磁石を含む。様々な例において、この方法は、磁場の強さ、磁場の周波数、または磁場の方向のうちの少なくとも1つを制御することによって磁場を制御することを含む。
【0018】
特定の例では、この方法は、安定化力を加える前に、搬送面上の材料の非鉄金属の位置を検出することを含む。いくつかの場合には、安定化力を加えることは、搬送面上の位置に安定化力を加えることを含む。様々な態様において、スタビライザは複数の磁石を含み、磁石の第1のサブセットが第1の領域に配置され、磁石の第2のサブセットが第2の領域に配置され、安定化力を加えることは、磁石の第1のサブセットにより第1の磁場を印加することと、磁石の第2のサブセットにより第2の磁場を印加することとを含み、第2の磁場は、第1の磁場とは異なる。
【0019】
本開示に記載される様々な実施形態は、追加のシステム、方法、特徴、及び利点を含むことができ、これらは必ずしも本明細書に明示的に開示されることが可能ではないが、以下の詳細な説明や添付の図面を検討するやいなや、当業者に明白になるものである。そのようなすべてのシステム、方法、特徴、及び利点は、本開示に含まれ、付随する特許請求の範囲によって保護されることが意図されている。
【0020】
以下の図の特徴及び構成要素は、本開示の全体的な原則を強調するために示されている。全図面の対応する特徴や構成要素は、一貫性と明確さのために、参照文字を一致させることによって指定されていることがある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】現開示の態様による搬送システムの側面図である。
図2】現開示の態様による別の搬送システムの側面図である。
図3図2の搬送システムの上面図である。
図4】現開示の態様による別の搬送システムの側面図である。
図5図4の搬送システムの上面図である。
図6】現開示の態様による別の搬送システムの側面図である。
図7図6の搬送システムのスタビライザの概略図である。
図8】現開示の態様による別の搬送システムの側面図である。
図9図8の搬送システムの上面図である。
図10】現開示の態様による別の搬送システムの側面図である。
図11】現開示の態様による別の搬送システムの側面図である。
図12】現開示の態様による別の搬送システムの側面図である。
図13】現開示の態様による別の搬送システムの側面図である。
図14】現開示の態様による別の搬送システムの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態の主題は、法定要件を満たすために特異的に本明細書に記載されているが、この説明は、必ずしも特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。特許請求される主題は、他の方法で具体化され得、異なる要素またはステップを含み得、他の既存または将来の技術と組み合わせて使用され得る。この説明は、個々のステップの順序または要素の配置が明示的に記述されている場合を除き、様々なステップまたは要素間のいずれかの特定の順序または配置を意味するものとして解釈されるべきではない。とりわけ、「up(上)」、「down(下)」、「top(上)」、「bottom(下)」、「left(左)」、「right(右)」、「front(前)」、及び「back(後)」などの方向の言及は、図示された方向を指すことを意図しており、構成要素と方向が参照している1つ以上の図に図示または記載されている。
【0023】
図1は、金属材料102及び非金属材料104を含む混合材料を含むがこれらに限定されない、材料を搬送するための例示的なコンベヤシステム100を示す。この例では、コンベヤシステム100は、金属材料102が、非金属材料104から分断することができるようにする金属リサイクルのためのセパレータシステムである。しかし、コンベヤシステム100は、所望であれば他の様々な設定または環境で使用できることが理解されよう。
【0024】
図1に示されるように、コンベヤシステム100は、コンベヤベルト106及びスタビライザ108を含む。コンベヤベルト106は、搬送面107を有し、第1のローラ110及び第2のローラ112上で移動可能に支持される。様々な例において、第1のローラ110は、コンベヤベルト106が矢印116によって示されている方向に移動するように駆動システム114によって駆動される。第2のローラ112は、第1のローラ110の下流にあるエンドローラまたはアイドラーローラである。他の例では、第2のローラ112は、駆動システム114によって駆動されて、コンベヤベルト106を動かすことができる。様々な例において、第2のローラ112は、金属材料128を非金属材料104から分離する渦電流セパレータ(「ECS」)ローラである。様々な態様において、第2のローラ112は、アイドラプーリ、及び磁気ロータは、別個のベアリングのペアで回転し、渦電流を誘導するために必要な磁場を生成するために、はるかに高いRPMで駆動される。そのような例では、第2のローラ112は、コンベヤベルト106上の材料に磁場を印加し、これにより、金属材料102がコンベヤベルト106から前方に投げ出され、一方で非金属材料104が重力に起因してコンベヤベルト106から落下する。特定の例では、第2のローラ112は、第1のローラ110の下流にある。図示されていないが、任意の数の中間ローラを、第1のローラ110と第2のローラ112との間に、及び/または第1のローラ110の上流に、コンベヤシステム100の所望の長さに応じて設けることができる。1つの非限定的な例として、コンベヤシステム100は3つのローラを有し得る。さらに、ローラを直線的に整列させる必要がないことが理解されよう。例えば、いくつかの場合には、システムは、垂直に整列された2つのローラを含み得る(例えば、別のローラが第2のローラ112と垂直に整列されている)。
【0025】
様々な例において、コンベヤベルト106は、搬送速度でローラ110、112上を移動する。いくつかの例では、搬送速度(すなわち、ベルト106の速度)は、低い搬送速度である。そのような例では、低い搬送速度は、約1m/秒から約3m/秒、例えば、約1m/秒、約2m/秒、及び/または約3m/秒である。低い搬送速度では、コンベヤベルト106上の材料は比較的安定しており、これは、コンベヤベルト106に対する各材料片の位置が概して維持され、搬送されるとき材料がコンベヤベルト106に対して移動しないことを意味する。言い換えれば、材料の少なくとも一部の垂直方向の移動が減衰及び/または最小化される。
【0026】
例えば生産する環境でより高いスループットを成し遂げるための他の例では、搬送速度は高い搬送速度である。特定の場合には、高い搬送速度は、約3m/秒から約20m/秒であり、例えば、約3m/秒、約4m/秒、約5m/秒、約6m/秒、約7m/秒、約8m/秒、約9m/秒、約10m/秒、約11m/秒、約12m/秒、約13m/秒、約14m/秒、約15m/秒、約16m/秒、約17m/秒、約18m/秒、約19m/秒、及び/または約20m/秒である。他の例では、高い搬送速度は20m/秒を超える場合がある。高い搬送速度では、コンベヤベルト106上の材料は安定しておらず、材料が搬送されるときにコンベヤベルト106上で跳ね返る、さもなければ動き回る可能性がある。コンベヤシステム100がセパレータシステムの構成要素であり、ECSローラ112を含む場合、そのような跳ね返り及び動きは、システムの分離の効率を低下させる。例えば、高い搬送速度では、非鉄金属などの金属材料102は、非金属材料104から分離されないように、ECSローラ112によって生成される磁場の範囲外に跳ね返るか、移動する可能性がある。さらに、またはあるいは、高い搬送速度では、材料は、それがECSローラ112に単層として提示されないようにそれ自体の上に積み重なることができ、これは、金属材料102を非金属材料104から分離する磁場の有効性を低下させる。
【0027】
コンベヤシステム100のスタビライザ108は、材料の少なくとも一部が高い搬送速度で、コンベヤベルト106上で安定化されるように、コンベヤベルト106上の材料に安定化力(図1の矢印118によって表されている)を加えるように構成される。いくつかの任意選択の例では、スタビライザ108はまた、他の例では必要ではないが、低い搬送速度で材料に安定化力118を加えることができる。以下で詳細に説明するように、いくつかの場合には、スタビライザ108は、搬送面107の上方に1つまたは複数の磁石を含み、安定化力118は磁場である。他の例では、スタビライザ108は、搬送面107の下方に銅板を備えた1つまたは複数の磁石を含み、安定化力118は磁場である。他の任意選択の例では、スタビライザ108は、様々な所定の速度で気流をもたらすように構成された少なくとも1つの気流発生器であり、安定化力118は気流である。スタビライザのタイプの様々な組み合わせも利用することができる。1つの非限定的な例として、スタビライザは、磁石及び気流発生器の両方を含み得る。他の様々な適切なスタビライザ及び安定化力を利用することができる。
【0028】
図1に示されるように、いくつかの例では、搬送システム100がセパレータシステムである場合、スタビライザ108は、ECSローラ112からの磁場が材料に印加される前にコンベヤベルト106上の材料に安定化力118が加えられるように、ECSローラ112の上流にある。そのような例では、金属材料102は、スタビライザ108によってコンベヤベルト106上で安定化させることができ、その結果、金属材料102は、ECSローラ112によって非金属材料から効果的に分離され得る。他の例では、図10に示されるように、スタビライザ108は、ECSローラ112と実質的に整列及び/または隣接することができる。そのような例では、安定化力118は、ECSローラ112が、材料を分類するために磁場を印加する一方で、コンベヤベルト106上の材料(例えば、金属材料102)を安定させることができる。他の例では、スタビライザ108は、所望であれば、ECSローラ112及び/またはコンベヤベルト106に対して、他の様々な場所に設けることができる。いくつかの例では、搬送システム100は、2つ以上のスタビライザ108を含む。
【0029】
図1を参照すると、いくつかの例では、スタビライザ108は電磁石120である。電磁石は一時的な磁石で、つまり、電磁石に電流が流れているときのみ磁気が保持される。特定の場合には、電磁石はAC電磁石である。電磁石120が例示されているが、他の例では、回転または移動する永久磁石などの他のタイプの永久磁石または一時磁石を使用して、可動の磁場をもたらすことができる(例えば、図4及び図5を参照)。いくつかの例では、電磁石120は電磁コイルである。1つの電磁石120が図1に例示されているが、電磁石(または他のタイプの磁石または磁石の組み合わせ)の数は、現開示を制限するとみなされるべきではない。例えば、図2及び図3を参照して以下で詳細に説明するように、スタビライザ108は、複数の電磁石、永久磁石、またはそれらの様々な組み合わせを含み得る。いくつかの例では、電磁石120は搬送面107の上方にあり、電磁石の磁力は安定化力118である。
【0030】
電磁石120は、電磁石120に電流を供給する電源に接続されている。電流が電磁石120に供給されている間、電磁石120は、安定化力118として磁場を生成する。コンベヤシステム100はセパレータシステムであり、電磁石120からの安定化力118は、搬送面107上の金属材料102を安定化させることができる。電磁石への電流が停止すると、安定化力118が消失する。電磁石120をスタビライザ108として使用することにより、安定化力118を迅速に変更または調整して、コンベヤベルト106上の金属材料102の安定性を変更または調整することができる。安定化力118を調整するための例示的な技術を個別にまたは必要に応じて任意の組み合わせで使用できる。そのような技術は、コントローラ222(図2を参照)によって、または操作者によって手動で実行され得る。
【0031】
いくつかの例では、電磁石120からの磁場(したがって、安定化力118)は、電磁石120に供給される磁束を制御することによって制御される。電流の量を制御することは、電磁石120のコイルの設計を制御または調整すること、磁束の周波数を増減すること、安定化力118を増加させるべく電磁石120に提供される磁束を増加させること、及び/または安定化力を低下させるべく電磁石120に供給される磁束を減少させることを含むが、これに限定されない。
【0032】
いくつかの例では、安定化力118を調整することは、電流が電源から電磁石120に供給される持続時間である電流供給時間を制御することを含む。安定化力118は、電磁石120に電流が供給されている間のみ存在するので、電流供給時間を調整することは、安定化力118が金属材料102に加えられる時間を調整する。いくつかの例では、電流供給時間を制御することは、安定化力118が金属材料102に加えられる時間の長さを減少させるために電流供給時間を減少させることを含む。他の例では、電流供給時間を制御することは、安定化力118が金属材料102に加えられる時間を増やすために電流供給時間を増やすことを含む。
【0033】
特定の例では、安定化力118を調整することは、電磁石120に供給される電流をパルス化させることを含む。電流をパルス化させることは、規則的または不規則なパターンで供給される電流の量を交互にすること、規則的または不規則なパターンで電流が作動される、つまりオンにすることと、作動停止する、つまり「オフ」にすることの周期、または電流の少なくとも1つの側面を調整する他の望ましい規則的または不規則なパターンを交互に繰り返すことを含み得る。様々な例において、電流をパルス化することは、金属材料102上に安定化力118の様々なパターンを提供し得る。いくつかの例において、安定化力118を調整することは、安定化力118の振動を含む。様々な場合において、安定化力118を調整することは、磁場を逆転することを含む。いくつかの態様において、磁場を逆転させることは、電流の流れの方向を変えることを含む。他の例では、安定化力118を調整することは、電磁石120とコンベヤベルト106との間の垂直の距離を制御することを含む。特定の例では、安定化力118を調整することは、電搬送面107に対する磁石120の角度配向(したがって、磁場の角度)を制御することを含む。様々な例において、安定化力118を調整することは、電磁石120の形状または角度を制御することを含む。
【0034】
図2及び図3は、搬送システム200の別の例を示す。搬送システム200は、スタビライザ108が複数の電磁石220A~Mを含み、各電磁石220A~Mが安定化力118を加えるように構成されることを除いて、搬送システム100と実質的に類似している。複数の電磁石220を備えたスタビライザ108(または任意の他のタイプのスタビライザ)は、安定化領域226(図3を参照)に配置され、それは安定化力118がコンベヤベルト106の上の材料に加えられる領域である。いくつかの例では、安定化領域226は、コンベヤベルト106の一部に沿って延在し、他の例では、安定化領域226は、材料を搬送するコンベヤベルト106の全長に沿って延在する。
【0035】
各電磁石220A~Mは、電磁石120と実質的に類似している場合がある。電磁石の数及び/または配置は、現開示を制限するとみなされるべきではない。図2に示されるように、様々な例において、各電磁石は、コントローラ222に通信可能に接続されている。特定の場合において、コントローラ222は、他の例では必要ではないが、各電磁石220を独立して制御する。特定の例では、コントローラ222は、コンベヤベルト106の搬送速度、搬送面107上の金属材料102(または他の標的材料)の位置または場所、または他の様々な要因に基づいて、各電磁石220を制御することができる。
【0036】
いくつかの態様において、スタビライザ108は、1つの電磁石(例えば、電磁石220A)からの安定化力118が、別の電磁石(例えば、電磁石220B)の安定化力118とは異なるように制御される。1つの非限定的な例として、電磁石220は、上流の電磁石からの安定化力118の強度が、下流の電磁石からの安定化力118の強度よりも小さくなるように制御される。言い換えれば、いくつかの非限定的な例では、金属材料102に対する安定化力118の強度は、下流方向に上昇する。そのような例では、傾斜安定化力118は、金属材料102がスタビライザ108の下に入り、安定化力118を介して金属材料102のより制御された安定化をもたらすことを可能にし得る。様々な例において、スタビライザ108は、複数の電磁石の第1のサブセットを含むコンベヤベルト106に沿った第1の領域、及び複数の電磁石の第2のサブセットを含むコンベヤベルト106に沿った第2の領域を含む。いくつかの任意選択の例では、第1の領域の電磁石の少なくとも1つから得る安定化力118は、第2の領域の電磁石の少なくとも1つから得る安定化力118とは異なる。他の例では、電磁石220を制御することによって、安定化力118の様々なパターンを金属材料102に加えることができる。
【0037】
図2に示されるように、いくつかの任意選択の例では、磁束ダイレクタ224は、金属材料102に対する安定化力118の有効性を高めるために、含まれ得る。磁束ダイレクタ224は、積層鋼板を含むがこれらに限定されない様々な適切な材料であり得る。
【0038】
図4及び図5は、搬送システム400の別の例を示す。搬送システム400は、搬送システム400のスタビライザ108が、永久磁石であり得る回転磁石420であることを除いて、搬送システム100及び200と実質的に類似している。1つの回転磁石420が示されているが、任意の数の回転磁石420を利用することができる。回転磁石420は、順方向または逆方向(図4の矢印430で示される)に回転することにより、コンベヤベルト上の材料に安定化力118として磁場を与える。回転磁石420は、安定化力118を制御するよう順方向または逆方向に選択的に回転可能である。安定化力118はまた、回転磁石420をコンベヤベルト106に対して垂直に調整することで制御することができ、その結果、回転磁石420及びコンベヤベルト106間の距離が調整される。いくつかの例では、安定化力118は、回転磁石420の回転速度を制御することによって制御することができる。搬送システム400はまた、2つの磁束ダイレクタ224を含む。1つの磁束ダイレクタ224は、任意選択でベルトの下に設けられ、別の磁束ダイレクタ224はスタビライザ108に隣接し、その下流にあり、そのため水平方向の力が材料に加えられず、磁束がロータに戻る経路を有するようになる。磁束ダイレクタ224の数及び/または位置は、現開示を制限するとみなされるべきではない。
【0039】
図6及び図7は、搬送システム600の別の例を示す。搬送システム600は、スタビライザ108が、頂点630を伴い角度の付いた形状を有する電磁石620(コイルと示される)を含むことを除いて、搬送システム100、200、及び400と実質的に類似している。様々な例において、頂点630での磁場の強さは、電磁石620の他の部分での磁場の強さよりも大きい。そのような例では、電磁石620は、上流端632から頂点630へ上に傾斜され、頂点630から下流端634へ下に傾斜する安定化力118をもたらす。いくつかの例では、そのような傾斜したプロファイルは、スタビライザ108がコンベヤ106上の金属材料102を徐々に安定化し(上に傾斜した部分の間)、次に安定化力118を徐々に減少させて材料をコンベヤベルト106上にかけ続けるようにすることができる。いくつかの態様において、そのような傾斜したプロファイルは、スタビライザ108について改善された安定化をもたらし得る。他の例では、安定化力118のための様々な他のプロファイルまたはパターンを利用することができる。
【0040】
図8及び図9は、搬送システム200と実質的に類似している搬送システム800の別の例を示している。搬送システム200と比較して、搬送システム800のスタビライザ108は、搬送面107上の材料(例えば、金属材料102)の位置を検出するためのセンサ836をさらに含む。いくつかの例では、センサ836は、安定化領域226の上流にある感知領域838(図9を参照)を定める。他の例では、感知領域838は、部分的または完全に安定化領域226と重なり得る。様々な例では、コントローラ222は、センサ836によって検出された金属材料102の位置に基づいて、電磁石220の1つまたは複数を選択的に作動及び/または制御するように構成される。図9における非限定的な一例として、コントローラ222は、センサ836によって検出された金属材料102の位置に基づいて、電磁石220D及び220K(「X」で示される)を作動させておき、安定化力118を加えている。特定の例では、電磁石220(または一般にスタビライザ108)の1つまたは複数は、センサ836がコンベヤベルト106上の金属材料102などの標的材料を検出するまで、非作動状態にあり得る。そのような例では、感知領域838は、スタビライザ108のトリガ領域であり得る。
【0041】
図10は、スタビライザ108がECSローラ112と位置合わせされていることを除いて、搬送システム100と実質的に類似している搬送システム1000の別の例を示す。
【0042】
図11は、スタビライザ108が搬送面107の下方に電磁石120を含み、銅板1140が電磁石120と搬送面107との間に設けられていることを除いて、搬送システム100と実質的に類似している搬送システム1100の別の例を示す。このような例では、電磁石120の磁場は、銅板1140と搬送面107の材料との両方に作用する。銅板1140に作用する磁場は、銅板1140の上部と搬送面107上の金属材料102との間の安定化力118として引力を発生し、金属材料102が安定化されるようにする。
【0043】
図12は、スタビライザ108が所定の速度で気流をもたらすように構成された空気発生器1242を含み、安定化力118が気流であることを除いて、搬送システム100と実質的に類似している搬送システム1200の別の例を示す。
【0044】
図13は、空気発生器1242がベルトの速度に等しい速度でベルトの進行方向に空気を強制することを除いて、搬送システム1200と実質的に類似している搬送システム1300の別の例を示す。任意選択で、カバー1302が設けられ、空気発生器1242は、カバー1302とベルトとの間に空気を強制する。
【0045】
図14は、搬送システム1400がスタビライザ108の前にベルト上の材料を配向するのを促すカーテン1402をさらに含むことを除いて、搬送システム100と実質的に類似している搬送システム1400の別の例を示す。特定の例では、カーテン1402は、個別に吊り下げられたチェーン、ゴムのストリップ、ゴムのシート、及び/または跳ね返る材料をベルトに戻す方向付けに適した他の任意の物質またはデバイスを含むがこれらに限定されない、スタビライザ108の前にベルト上の材料を配向する様々なデバイスであり得る。
【0046】
搬送システムのコンベヤベルト106上の材料を安定化する方法も開示されている。いくつかの例では、この方法は、コンベヤベルトの搬送面で材料を受領し、コンベヤベルトで、搬送速度で材料を搬送することを含む。この方法は、材料の少なくとも一部の垂直方向の移動が減衰及び/または最小化されるように、スタビライザ108を用いて材料に安定化力118を加えることを含む。特定の場合には、搬送面に対する材料の少なくとも一部の位置が搬送速度で維持される。
【0047】
特定の例では、スタビライザ108は最初非作動の状態にあり、この方法は、搬送速度が高い搬送速度であるときにスタビライザ108を作動させることを含む。他の例では、この方法は、搬送速度が低い搬送速度または高い搬送速度であるときにスタビライザ108を作動させることを含む。
【0048】
様々な例において、この方法は、安定化力118を制御することを含む。スタビライザ108が磁石であるいくつかの例において、方法は、磁場の強さ、磁場の周波数、または磁場の方向の少なくとも1つを制御することによって安定化力118を制御することを含む。特定の場合には、この方法は、安定化力118を加える前に、搬送面107上の材料の非鉄金属の位置を検出することを含む。様々な態様において、安定化力118を加えることは、安定化力118を搬送面107上の非鉄金属の位置において加えることを含む。
【0049】
本明細書に記載の概念による様々な例示的なタイプの追加の説明をする「EC」(例示的な組み合わせ)として明示的に列挙される少なくともいくつかのものを含む例示的な選集例を後掲する。これらの例は、相互に排他的、網羅的、または制限的であることを意味するものではない。本発明は、これらの例示的な例に限定されず、発行された特許請求の範囲及びそれらの同等物の範囲内のすべての可能な修正及び変形を包含する。
【0050】
EC1.搬送面を含むコンベヤベルトであって、前記搬送面上で材料を搬送するように適合された前記コンベヤベルト、及び前記コンベヤベルト上の前記材料に安定化力を加えるように構成されたスタビライザを含む搬送システム。
【0051】
EC2.第1のローラ、及び前記第1のローラの下流にある第2のローラをさらに含み、前記コンベヤベルトが、前記第1のローラ及び前記第2のローラ上で移動可能に支持され、前記第2のローラは前記搬送システムの端部にある、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの搬送システム。
【0052】
EC3.前記第2のローラは、前記コンベヤベルト上の前記材料に磁場を印加するように構成された渦電流セパレータローラを含む、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの搬送システム。
【0053】
EC4.前記スタビライザは、前記安定化力が前記第2のローラで前記材料に加えられるように、前記第2のローラに隣接して設けられる、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの搬送システム。
【0054】
EC5.前記スタビライザは、前記安定化力が前記第2のローラの上流で前記材料に加えられるように、前記第2のローラの上流に設けられる、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの搬送システム。
【0055】
EC6.前記第1のローラ及び前記第2のローラは、前記コンベヤベルトを約10m/秒から約20m/秒の搬送速度で移動するように構成され、前記スタビライザが、前記材料が前記搬送速度で安定するように、前記コンベヤベルト上の前記材料に前記安定化力を加えるように構成される、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの搬送システム。
【0056】
EC7.前記スタビライザは、前記安定化力を前記材料の非鉄金属に加えるように構成される、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの搬送システム。
【0057】
EC8.前記スタビライザが、前記搬送面の上方に少なくとも1つの磁石を含み、前記少なくとも1つの磁石は、前記材料に前記安定化力として下向きの磁場を印加するように構成される、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの搬送システム。
【0058】
EC9.前記少なくとも1つの磁石が永久磁石であり、任意選択に、前記永久磁石は前記ベルトに対して垂直方向に調整可能であるか、前記永久磁石の回転速度は前記安定化力を調整するように調整可能である、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの搬送システム。
【0059】
EC10.前記搬送ベルトが前記少なくとも1つの磁石と磁束ダイレクタとの間を通るように、前記搬送面の下方に前記磁束ダイレクタをさらに備える、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの搬送システム。
【0060】
EC11.前記少なくとも1つの磁石が電磁石である、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの搬送システム。
【0061】
EC12.前記電磁石が調整可能で、前記下向きの磁場が調整可能であるようにする、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの搬送システム。
【0062】
EC13.前記下向きの磁場の強度、前記磁場の周波数、または前記搬送面に対する前記電磁石の中心軸の角度のうちの少なくとも1つが調整可能である、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの搬送システム。
【0063】
EC14.前記少なくとも1つの磁石が複数の磁石を含む、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの搬送システム。
【0064】
EC15.前記スタビライザが、前記複数の磁石の第1のサブセットを含む第1の領域と、前記複数の磁石の第2のサブセットを含む第2の領域とをさらに含み、前記第1のサブセットの前記磁石の少なくとも1つによって生成される前記磁場は、前記第2のサブセットの前記磁石の少なくとも1つによって生成される前記磁場とは異なる、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの搬送システム。
【0065】
EC16.前記スタビライザは、トリガ領域及び安定化領域をさらに含み、前記少なくとも1つの磁石は、前記安定化領域にある、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの搬送システム。
【0066】
EC17.それぞれの磁石が独立して制御可能である、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの搬送システム。
【0067】
EC18.前記スタビライザの上流にあるセンサ、及びコントローラをさらに備え、前記センサは、前記搬送面上の前記材料の少なくとも1つの非鉄金属片の位置を検出するように構成され、前記コントローラは、前記搬送面上の前記位置に対応する前記複数の磁石のうちの少なくとも1つを作動させるように構成される、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの搬送システム。
【0068】
EC19.前記スタビライザは、安定化領域に前記安定化力を加えるように構成され、前記安定化力は、前記安定化領域の上流部分における上流安定化力と、前記安定化領域の下流部分における下流安定化力とを含み、前記下流安定化力が前記上流安定化力とは異なる、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの搬送システム。
【0069】
EC20.前記下流安定化力が前記上流安定化力よりも大きい、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの搬送システム。
【0070】
EC21.前記コンベヤベルトの搬送速度に基づいて前記スタビライザを制御するように構成されるコントローラをさらに含む、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの搬送システム。
【0071】
EC22.前記搬送面上の前記材料の少なくとも1つの非鉄金属片の位置を検出するように構成されたセンサをさらに備え、前記コントローラは、前記搬送面上の前記位置に基づいて前記スタビライザを制御するように構成されている、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの搬送システム。
【0072】
EC23.前記スタビライザが、所定の気流のレベルで前記搬送面に所定の速度で気流をもたらすように構成された少なくとも1つの気流発生器を備える、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの搬送システム。
【0073】
EC24.前記スタビライザが、前記搬送面の下方に少なくとも1つの電磁石、前記コンベヤベルトと前記少なくとも一つの電磁石の間の銅板を含み、前記少なくとも1つの電磁石は、前記銅板の上部と前記材料の非鉄片との間に引力が生じるように、銅板に一次磁場を印加するように構成される、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの搬送システム。
【0074】
EC25.前記スタビライザは、安定化力を前記コンベヤベルト上の前記材料の非鉄金属に加え、前記非鉄金属は、搬送の間に前記材料の少なくとも一部の垂直移動が減衰及び/または最小化されるよう安定化されるように構成される、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの搬送システム。
【0075】
EC26.前記コンベヤベルトの搬送面で前記材料を受領すること、前記コンベヤベルトで、搬送速度で前記材料を搬送すること、及び前記材料の少なくとも一部の垂直移動が前記搬送速度で減衰及び/または最小化されるように、スタビライザで前記材料に安定化力を加えることを含む、コンベヤベルト上の材料を安定化する方法。
【0076】
EC27.前記搬送速度が約1m/秒から約20m/秒である、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの方法。
【0077】
EC28.前記搬送速度が約10m/秒から約20m/秒である、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの方法。
【0078】
EC29.前記材料の少なくとも一部が非鉄金属を含み、前記安定化力が前記非鉄金属に加えられる、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの方法。
【0079】
EC30.前記スタビライザが少なくとも1つの磁石を含み、前記安定化力が磁場を含む、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの方法。
【0080】
EC31.前記少なくとも1つの磁石が電磁石を含む、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの方法。
【0081】
EC32.前記磁場の強さ、前記磁場の周波数、または前記磁場の方向のうちの少なくとも1つを制御することによって前記磁場を制御することをさらに含む、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの方法。
【0082】
EC33.前記安定化力を加える前に、前記搬送面上の前記材料の非鉄金属の位置を検出することをさらに含む、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの方法。
【0083】
EC34.前記安定化力を加えることは、前記搬送面上の前記位置に前記安定化力を加えることを含む、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの方法。
【0084】
EC35.スタビライザが複数の磁石を含み、前記複数の磁石の第1のサブセットが第1の領域に配置され、前記複数の磁石の第2のサブセットが第2の領域に配置され、前記安定化力を加えることは、前記複数の磁石の前記第1のサブセットにより第1の磁場を印加することと、前記複数の磁石の前記第2のサブセットにより第2の磁場を印加することとを含み、前記第2の磁場は、前記第1の磁場とは異なる、先行または後続の例示的な組み合わせのいずれかの方法。
【0085】
上記の態様は、単に実施態様の可能な例であり、本開示の原理を明確に理解するために記載されているにすぎない。本開示の精神及び原理から実質的に逸脱することなく、上記の実施形態(複数可)に対して多くの変形及び修正を行うことができる。そのようなすべての修正及び変形は、本開示の範囲内で、本明細書に含まれることが意図され、要素またはステップの個々の態様または組み合わせに対するすべての可能な特許請求は、本開示によって支持されることが意図されている。さらに、特定の用語が本明細書及び以下の特許請求の範囲で使用されているが、それらは一般的及び説明的な意味でのみ使用されており、記載された発明や以下の特許請求の範囲を限定する目的ではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14