(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-31
(45)【発行日】2023-04-10
(54)【発明の名称】ワークピースを処理するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20230403BHJP
【FI】
H01L21/68 A
(21)【出願番号】P 2021527240
(86)(22)【出願日】2019-10-30
(86)【国際出願番号】 US2019058753
(87)【国際公開番号】W WO2020106418
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2021-07-16
(32)【優先日】2018-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502278714
【氏名又は名称】マトソン テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Mattson Technology, Inc.
【住所又は居所原語表記】47131 Bayside Parkway, Fremont, CA 94538, USA
(73)【特許権者】
【識別番号】520111187
【氏名又は名称】ベイジン イータウン セミコンダクター テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing E-Town Semiconductor Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 8 Building, No. 28 Jinghai Er Rd., Economic and Technical Development Zone, 100176 Beijing, China
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マイケル エックス. ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ライアン エム. パクルスキー
(72)【発明者】
【氏名】ピート レンベシス
【審査官】湯川 洋介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/075262(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/148317(WO,A1)
【文献】特開2005-019739(JP,A)
【文献】特開2010-087177(JP,A)
【文献】国際公開第2008/155932(WO,A1)
【文献】特表2014-527314(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ワークピースを処理するためのワークピース処理装置であって、
第1の間隔だけ離された第1の処理ステーションと第2の処理ステーションとを有し、
10Torr未満の圧力で運転可能な第1の処理室と、
前記第1の間隔とは異なる第2の間隔だけ離された第3の処理ステーションと第4の処理ステーションとをまとめて有し、
10Torr未満の圧力で運転可能な1つ以上の第2の処理室と、
処理フローにおいて前記第1の処理室と1つ以上の前記第2の処理室とに連絡しており、
10Torr未満の圧力で運転可能な移送室と、
前記移送室内に配置されており、所定の軸線を中心として回転するように構成されており、第1のワークピースを支持するように動作可能な少なくとも1つのワークピースハンドリングコンポーネントを有する第1のアームと、第2のワークピースを支持するように動作可能な少なくとも1つのワークピースハンドリングコンポーネントを有する第2のアームとを有するワークピースハンドリングロボットと、
を有する、ワークピース処理装置において、
前記ワークピースハンドリングロボットは、前記第1のワークピースと前記第2のワークピースとを前記第1および第2の処理ステーションから
同時に取り上げ、前記第1のワークピースと前記第2のワークピースとを、前記第3および第4の処理ステーションに
同時に降ろすように構成されて
おり、
前記ワークピースハンドリングロボットは、前記第1のアームと前記第2のアームとの間の横方向の間隔を調整するように構成されており、
前記第1の処理ステーションと前記第2の処理ステーションとの間の間隔と、前記第3の処理ステーションと前記第4の処理ステーションとの間の間隔とは、異なっている、
ワークピース処理装置。
【請求項2】
前記第1のアームは、前記第2のアームに対して独立して伸長可能である、請求項1記載のワークピース処理装置。
【請求項3】
前記ワークピースハンドリングロボットは、前記第1のアームおよび前記第2のアームの独立した伸長を用いて、前記第1のワークピースと前記第2のワークピースとを、前記第1の処理室内の前記第1および第2の処理ステーションから、前記第3および第4の処理ステーションに移送するように構成されている、請求項1記載のワークピース処理装置。
【請求項4】
前記第3の処理ステーションおよび前記第4の処理ステーションは、同じ処理室内に配置されている、請求項1記載のワークピース処理装置。
【請求項5】
当該ワークピース処理装置は、前記第1のワークピースと前記第2のワークピースとを積み重ねて配置した状態で支持するように動作可能なワークピース支持コラムを備えた移送位置を有している、請求項1記載のワークピース処理装置。
【請求項6】
前記ワークピースハンドリングロボットは、前記第1のワークピースと前記第2のワークピースとを同時に前記ワークピース支持コラムから取り上げるまたは降ろすように構成されている、請求項
5記載のワークピース処理装置。
【請求項7】
処理フローにおいて前記移送室と連絡しており、該移送室から隔離されて運転可能なロードロック室をさらに有している、請求項1記載のワークピース処理装置。
【請求項8】
前記ロードロック室は、
10Torr~大気圧までの圧力において運転可能である、請求項
7記載のワークピース処理装置。
【請求項9】
前記第1の処理室は、エッチ処理室、ドライストリップ処理室、堆積処理室、熱処理室、イオン注入処理室、または表面処理室である、請求項1記載のワークピース処理装置。
【請求項10】
前記第2の処理室は、エッチ処理室、ドライストリップ処理室、堆積処理室、熱処理室、イオン注入処理室、または表面処理室である、請求項1記載のワークピース処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2018年11月19日付けで出願された”Systems and Methods for Workpiece Processing”と題する米国仮出願第62/769,152号の優先権の利益を主張し、参照により本明細書に援用される。
【0002】
分野
本開示は、一般にワークピースの処理に関し、より詳細には、半導体ワークピース等のワークピースを処理するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
半導体ウェハまたはその他の適当な基板等のワークピースを、半導体デバイスまたはその他のデバイスを製造する全ての製造スキームに露出させる処理システムは、パターニング、膜堆積(例えば化学蒸着、物理蒸着、プラズマ強化蒸着)、膜除去(例えばドライエッチ、ドライストリップ、ウェットエッチ)、イオン注入、熱処理、表面洗浄、表面処理(例えば酸化、窒化、表面ぬれ角調整)等といった、複数の製造過程ステップを実行することができる。これらの製造ステップの多くは、真空または真空に近い圧力で行われる。それぞれ異なる真空処理室が、それぞれ異なる設計および構成を有していてよい。これらの処理ステップを実行するために、システムには、ワークピースを何度も、例えばシステム内、様々な処理室の間、およびシステム外へ移動させる、1つ以上のワークピースハンドリングロボットが含まれていてよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施形態の態様および利点は、以下の説明に部分的に記載され、または説明から学習することができ、または実施形態の実施を通じて学習することができる。
【0005】
本開示の1つの例示的な態様は、半導体ワークを処理するためのワークピース処理装置に向けられている。装置には、第1の処理ステーションと第2の処理ステーションとを有する第1の処理室が含まれる。第1の処理室は、約10Torr未満の圧力で運転可能である。第1の処理ステーションと第2の処理ステーションとは、第1の間隔だけ離されている。装置には、1つ以上の第2の処理室が含まれる。1つ以上の第2の処理室には、第3の処理ステーションと第4の処理ステーションとがまとめて含まれている。1つ以上の第2の処理室は、約10Torr未満の圧力で運転可能である。第3の処理ステーションと第4の処理ステーションとは、第2の間隔だけ離されている。第2の間隔は、第1の間隔と異なっている。装置には、処理フローにおいて第1の処理室と1つ以上の第2の処理室とに連絡している移送室が含まれる。移送室は、約10Torr未満の圧力で運転可能である。装置には、移送室内に配置されたワークピースハンドリングロボットが含まれており、ワークピースハンドリングロボットは、所定の軸線を中心として回転するように構成されている。ワークピースハンドリングロボットは、第1のアームと第2のアームとを有している。第1のアームには、第1のワークピースを支持するように動作可能な少なくとも1つのワークピースハンドリングコンポーネントが含まれる。第2のアームには、第2のワークピースを支持するように動作可能な少なくとも1つのワークピースハンドリングコンポーネントが含まれる。ワークピースハンドリングロボットは、少なくとも1つの第1のワークピースと少なくとも1つの第2のワークピースとを第1および第2の処理ステーションから取り上げ、少なくとも1つの第1のワークピースと第2のワークピースとを、第3および第4の処理ステーションに降ろすように構成されている。
【0006】
本開示の他の例示的な態様は、半導体ワークピースを処理するためのシステム、方法、および装置に向けられたものである。
【0007】
様々な実施形態の様々な特徴、態様および利点は、以下の説明および添付した請求項を参照することで、より良く理解されることになる。本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を例示すると共に、説明と相まって、関連する原理の説明に役立つ。
【0008】
当業者に向けられた各実施形態の詳細な説明は、添付の図面を参照する本明細書に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の例示的な実施形態による例示的な処理プラットフォームを示す図である。
【
図2】本開示の例示的な実施形態による例示的なワークピースコラムを示す図である。
【
図3】本開示の例示的な実施形態による例示的なワークピースハンドリングロボットを示す図である。
【
図4】本開示の例示的な実施形態による例示的なワークピースハンドリングロボットを示す図である。
【
図5A】本開示の例示的な実施形態による例示的な処理プラットフォームにおけるワークピースの例示的な移送を示す図である。
【
図5B】本開示の例示的な実施形態による例示的な処理プラットフォームにおけるワークピースの例示的な移送を示す図である。
【
図5C】本開示の例示的な実施形態による例示的な処理プラットフォームにおけるワークピースの例示的な移送を示す図である。
【
図5D】本開示の例示的な実施形態による例示的な処理プラットフォームにおけるワークピースの例示的な移送を示す図である。
【
図6A】本開示の例示的な実施形態による例示的な処理プラットフォームにおけるワークピースの例示的な移送を示す図である。
【
図6B】本開示の例示的な実施形態による例示的な処理プラットフォームにおけるワークピースの例示的な移送を示す図である。
【
図6C】本開示の例示的な実施形態による例示的な処理プラットフォームにおけるワークピースの例示的な移送を示す図である。
【
図6D】本開示の例示的な実施形態による例示的な処理プラットフォームにおけるワークピースの例示的な移送を示す図である。
【
図6E】本開示の例示的な実施形態による例示的な処理プラットフォームにおけるワークピースの例示的な移送を示す図である。
【
図6F】本開示の例示的な実施形態による例示的な処理プラットフォームにおけるワークピースの例示的な移送を示す図である。
【
図7】本開示の例示的な実施形態による例示的な方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1つ以上の例が図示された各実施形態を詳細に参照する。実施形態の説明により提供される各例は、本開示を限定するものではない。実際に、本開示の範囲または思想から逸脱すること無しに、各実施形態に対して様々な修正や変更が成される場合があるということは、当業者には明らかであろう。例えば、1つの実施形態の一部として図示または説明された特徴を別の実施形態と共に使用して、さらに別の実施形態を生み出すことができる。よって、本開示の態様は、このような修正および変更をカバーすることを意図したものである。
【0011】
本開示の例示的な態様は、半導体ウェハといった半導体ワークピース等のワークピースを処理するためのシステムおよび方法に向けられたものである。ワークピース材料には、例えばシリコン、シリコンゲルマニウム、ガラス、プラスチックまたはその他の適当な材料が含まれていてよい。システムおよび方法は、熱処理、アニール処理、表面洗浄過程、表面処理過程、ドライストリップ過程、ドライエッチ過程、堆積過程、イオン注入過程、およびその他の過程を含むが限定はされない、様々なワークピース製造過程を実行するために使用することができる。
【0012】
半導体製造には、真空または真空に近い圧力で行われ、膜堆積(例えば化学蒸着、物理蒸着、プラズマ強化蒸着)、膜除去(例えばイオンおよびラジカルに基づくドライエッチ、イオンおよびラジカルに基づくドライフォトレジストストリップ、化学物質に基づくドライエッチ)、イオン注入、真空熱処理等を含む、多数の処理ステップが含まれていてよい。様々な真空処理室が、それぞれ異なる設計および構成を有していてよい。
【0013】
いくつかの処理室は、一度に単一のワークピースを処理するように構成することができる(例えばシングルワークピース室)。シングルワークピース室は、個々のワークピース処理の精密な制御という利点を有していてよく、ワークピース間の再現性および処理制御の一貫性を向上させる。
【0014】
いくつかの処理室の設計は、一度に2つのワークピースを処理するように構成することができる(例えばデュアルワークピース室)。デュアルワークピース室は、単一のハードウェアセットを採用してよい(例えば共通の室本体、共通の室蓋、共用のガス送出システム、共用のガス排出システム、共通のヒータブロック等)。シングルワークピース室に比べ、デュアルワークピース室は、(1つのワークピースにつき)より小さなフットプリントおよびより多くの処理量を提供することができる。異なる処理条件に対してそれぞれ異なる設計パラメータに応じて、異なるデュアルワークピース室内でのワークピース間の間隔は、それぞれ異なっていてよい。
【0015】
半導体ワークピース処理システムには、1つの移送室と連絡する処理フローに統合された多数の処理室が含まれていてよい。処理室および移送室は、真空圧または真空に近い圧力で運転することができる。1つ以上のワークピースを、ロードロック室から移送室内へ(例えばワークピースハンドリングロボットを用いて)移送することができ、続いて1つ以上の処理室に、真空破壊無しで移送することができる。
【0016】
一例として、いくつかの半導体ワークピース製造過程では、表面酸化およびワークピースからのガス放出を低減しかつ/または排除するために、特定の連続する処理ステップを、処理室間の真空移送(またはほぼ真空での移送)を伴って1つの処理プラットフォームで構成されることを必要とする。これらの過程の統合には例えば:(1)パターン化されたフォトレジスト層によりマスクされたワークピースへのイオン注入と、引き続くフォトレジストストリップ;(2)パターン化されたフォトレジスト層によりマスクされたワークピースに対するイオンまたはラジカルまたはケミカルドライエッチと、引き続くフォトレジストストリップ;(3)連続的な多重膜堆積ステップ(例えば真空破壊無しで酸素無しのインターフェースを形成する連続的なポリシリコン堆積および金属堆積);(4)連続的な多重膜エッチステップ(例えば誘電体膜エッチ過程と、引き続く金属膜エッチ過程);(5)膜堆積と、引き続く膜エッチ(例えば誘電体堆積過程と、引き続く、スペーサ形成スキームにおける誘電体エッチ過程);(6)表面処理と、引き続く膜堆積(例えば表面洗浄と、引き続くエピタキシャル膜の成長);(7)膜堆積と、引き続く表面処理;(8)表面処理と、引き続く膜エッチ;(9)表面処理と、引き続く表面処理;(10)膜堆積と、引き続くラピッドサーマルアニーリング;等が含まれていてよい。
【0017】
ワークピースハンドリングロボットは、ワークピース処理システムにおける様々な処理室と別の構成要素(例えばロードロック室)との間でワークピースを移送するために使用することができる。例えば、ワークピースハンドリングロボットは、シングルワークピース室の正面に回転させることができる。ワークピースを、ワークピースハンドリングロボットのアームの伸長により、シングルワークピース室内へ移送することができる。同じまたは異なる種類の複数のシングルワークピース室が、単一の移送室に統合されてよい。
【0018】
デュアルワークピース室へのワークピースの移送では、同じ室内の2つの処理ステーションに2つのワークピースを配置することが考慮してよい。デュアルワークピース室にワークピースを移送するように構成されたワークピースハンドリングロボットは、デュアルワークピース室内の2つの処理ステーションの間の間隔に整合するように各アーム間の間隔が固定された2つのアームを有していてよい。デュアルワークピース室内に2つのワークピースを同時に配置するために、ワークピースハンドリングロボットを、デュアルワークピース室の正面に回転させることができ、ワークピースハンドリングロボットの2つのアームを伸長させて、ワークピースを、デュアルワークピース室内の各処理ステーションに配置することができる。
【0019】
いくつかのケースでは、処理プラットフォームにおいて、各ワークピース間の間隔が異なる複数のデュアルワークピース室を、単一の移送室に統合することが望ましい場合がある。さらに、処理プラットフォームにおいて、1つ以上のシングルワークピース室を単一の移送室に含めることが望ましい場合もある。
【0020】
本開示の例示的な態様では、ワークピースハンドリングロボットは、単一の移送室と連絡する処理フローにおいて、それぞれ異なる設計の複数の処理室の間でワークピースを移送するように構成することができる。いくつかの実施形態では、異なる設計の処理室には、例えば処理ステーション間の間隔が異なる複数のデュアルワークピース室が含まれていてよい。いくつかの実施形態では、異なる設計の処理室には、例えば1つのデュアルワークピース室と、1つ以上のシングルワークピース室とが含まれていてよい。いくつかの実施形態では、異なる設計の処理室には、(例えば処理ステーション間の間隔が異なる)複数のデュアルワークピース室と、1つ以上のシングルワークピース室とが含まれていてよい。
【0021】
いくつかの例示的な実施形態では、ワークピースハンドリングロボットは、2つのアームを有していてよい。各アームは、1つ以上のワークピースを取り上げ、支持し、かつ/または降ろすように構成されたワークピースハンドリングコンポーネント(例えばワークピースブレード、エンドエフェクタ等)を有していてよい。ワークピースハンドリングロボットは、ワークピースハンドリングロボットが所定の軸線を中心として移送室内で回転することを可能にする、回転軸線を中心とした第1の自由度を有していてよい。ワークピースハンドリングロボットは、2つのアームの伸長において第2の自由度を有していてよい。本開示の特別な態様では、ワークピースハンドリングロボットは、2つのアームの間の間隔(例えば横方向の間隔)の調整を可能にする第3の自由度を有していてよい。2つのアームの間の間隔を調整して、移送室に統合された異なるデュアルワークピース室内の各ワークピース処理ステーションの間で異なる間隔に整合させることができる。
【0022】
いくつかの例示的な実施形態では、ワークピースハンドリングロボットは、2つ以上のアームを有していてよい。各アームは、1つ以上のワークピースを取り上げ、支持し、かつ/または降ろすように構成されたワークピースハンドリングコンポーネント(例えばワークピースブレード、エンドエフェクタ等)を有していてよい。ワークピースハンドリングロボットは、ワークピースハンドリングロボットが所定の軸線を中心として移送室内で回転することを可能にする、回転軸線を中心とした第1の自由度を有していてよい。ワークピースハンドリングロボットは、2つ以上のアームの伸長において第2の自由度を有していてよい。本開示の特別な態様では、各ロボットアームは互いに独立して伸長可能であり、これにより、2つ以上のワークピースを、デュアルワークピース室内のそれぞれ異なるワークピース処理ステーションに独立して引き渡すことができる。このことは、ワークピース処理ステーション間の間隔が異なる複数のデュアルワークピース室へのワークピースの移送に適応し得る。さらに、各アームの独立的な伸長は同様に、複数のシングルワークピース室への複数のワークピースの引き渡しももたらすことができる。このことは、同一の移送室におけるシングルワークピース室とデュアルワークピース室との統合を可能にする。
【0023】
このようにして、本開示の例示的な態様は、いくつかの技術的な効果や利益を有することができる。例えば、複数の異なるワークピース処理室を、処理プラットフォームにおいて単一の移送室に統合することができる。ワークピースは、単一のワークピースハンドリングロボットを用いて真空破壊無しで複数の異なるワークピース処理室の間で移送することができる。このようにして、ワークピース処理プラットフォームにおいて複数の過程の統合を実行可能である。これらの過程の統合には例えば:(1)パターン化されたフォトレジスト層によりマスクされたワークピースへのイオン注入と、引き続くフォトレジストストリップ;(2)パターン化されたフォトレジスト層によりマスクされたワークピースに対するイオンまたはラジカルまたはケミカルドライエッチと、引き続くフォトレジストストリップ;(3)連続的な多重膜堆積ステップ(例えば真空破壊無しで酸素無しのインターフェースを形成する連続的なポリシリコン堆積および金属堆積);(4)連続的な多重膜エッチステップ(例えば誘電体膜エッチ過程と、引き続く金属膜エッチ過程);(5)膜堆積と、引き続く膜エッチ(例えば誘電体堆積過程と、引き続く、スペーサ形成スキームにおける誘電体エッチ過程);(6)表面処理と、引き続く膜堆積(例えば表面洗浄と、引き続くエピタキシャル膜の成長);(7)膜堆積と、引き続く表面処理;(8)表面処理と、引き続く膜エッチ;(9)表面処理と、引き続く表面処理;(10)膜堆積と、引き続くラピッドサーマルアニーリング;等が含まれていてよい。
【0024】
本開示のこれらの例示的な実施形態に対して、変更や修正が行われてよい。本明細書で用いられるような単数形の「a」、「and」および「the」には、文脈に明記しない限り、複数の指示対象が含まれる。「第1の」、「第2の」、「第3の」および「第4の」を使用する場合には、識別子として用いられ、処理順序に向けられたものである。例示的な態様は、例示して説明する目的で、「基板」、「ウェハ」または「ワークピース」を参照して説明する場合がある。本開示を用いる当業者は、本開示の例示的な態様が任意の適当なワークピースと共に使用できることを理解するであろう。「約」という用語を数値と共に使用する場合には、記載した数値の20%以内を指す。本明細書で用いるような「真空に近い」とは、約10Torr未満を指す。
【0025】
次に図面を参照して、本開示の例示的な実施形態を詳細に説明する。
図1には、本開示の例示的な実施形態による処理プラットフォーム100が示されている。処理プラットフォーム100には、前端部112、ロードロック室114、移送室115および第1の処理室120と第2の処理室130とを含む複数の処理室が含まれていてよい。
【0026】
前端部112は、例えば大気圧に保たれるように構成することができると共に、ワークピース投入デバイス118に結合するように構成することができる。ワークピース投入デバイス118には、例えばカセット、前面開放式の一体化ポッド、または複数のワークピースを支持するためのその他のデバイスが含まれていてよい。ワークピース投入デバイス118は、処理前のワークピースを処理プラットフォーム100に供給するためまたは処理後のワークピースを処理プラットフォーム100から受け取るために使用することができる。
【0027】
前端部112は、ワークピースを、ワークピース投入デバイス118から例えばロードロック室114に、例えばロードロック室114内に配置されたワークピース支持コラム110に移送しかつワークピース支持コラム110から移送するための、1つ以上のワークピースハンドリングロボット(図示せず)を有していてよい。1つの例では、前端部112に設けられたワークピースハンドリングロボットは、処理前の複数のワークピースをロードロック室114に移送しかつ処理後の複数のワークピースをロードロック室114から1つ以上のワークピース投入デバイス118に移送することができる。本開示の範囲から逸脱すること無しに、ワークピースの移送に適したあらゆるロボットが前端部112において使用することができる。ワークピースは、適当なスリット、開口または窓を介して、ロードロック室114へかつまたはロードロック室114から移送することができる。
【0028】
ロードロック室114は、積み重ねられて配置された複数のワークピースを支持するように構成されたワークピース支持コラム110を備える移送位置を有していてよい。ワークピース支持コラム110は、例えば複数の棚を有していてよい。各棚は、1つ以上のワークピースを支持するように構成することができる。1つの例示的な実施形態では、ワークピース支持コラム110は、処理前のワークピースを支持するための1つ以上の棚と、処理後のワークピースを支持するための1つ以上の棚とを有していてよい。
【0029】
図2には、本開示の例示的な実施形態による例示的なワークピース支持コラム110の側面図が示されている。図示のように、ワークピース支持コラムは複数の棚111を有していてよい。各棚111は、ワークピース113を支持するように構成することができ、これにより、複数のワークピース113を鉛直方向に/積み重ねて配置して、ワークピース支持コラム110に配置することができるようになっている。
【0030】
図1を参照すると、ロードロック室114は、ワークピースを包囲する圧力を、前端部112に関連する圧力から処理圧力、例えば真空または真空に近い圧力またはその他の処理圧力に調整するために使用することができ、その後、ワークピースは、処理室、例えば第1の処理室120および/または第2の処理室130に移送される。いくつかの実施形態では、ワークピースを処理するための処理圧力を適切に調整するために、ロードロック室114やその他の室と共に、適切な弁が設けられていてよい。ロードロック室114は、移送室115から、例えばスリットドアにより隔離することができる。ロードロック室114は、約10Torr未満~大気圧までの圧力で運転することができる。
【0031】
第1の処理室120および第2の処理室130は、ワークピースに対する様々なワークピース処理のいずれか、例えば真空アニール処理、表面処理、ドライストリップ処理、ドライエッチ処理、堆積処理、およびその他の処理を行うために使用することができる。例えば、第1の処理室120および/または第2の処理室130は、エッチ処理室、ドライストリップ処理室、堆積処理室、熱処理室(例えばアニール処理室)、イオン注入処理室、または表面処理室のうちの1つ以上であってよい。いくつかの実施形態では、第1の処理室120および/または第2の処理室130のうちの1つ以上は、プラズマに基づく処理源、例えば誘導結合プラズマ(ICP)源、マイクロ波源、表面波プラズマ源、ECRプラズマ源、および容量結合(平行平板)プラズマ源等を有していてよい。第1の処理室120および第2の処理室130は、約10Torr未満の圧力で運転可能である。
【0032】
図示のように、第1の処理室120と第2の処理室130とはそれぞれ、デュアルワークピース処理室である。第1の処理室120と第2の処理室130とはそれぞれ、並んで配置された1対の処理ステーションを有しており、これにより、1対のワークピースに同時に同一処理を施すことができる。
【0033】
より詳細には、第1の処理室120は、並んで配置された第1の処理ステーション122と第2の処理ステーション124とを有していてよい。第1の処理ステーション122と第2の処理ステーション124とは、第1の間隔d1だけ離されていてよい。第2の処理室130は、並んで配置された第3の処理ステーション132と第4の処理ステーション134とを有していてよい。第3の処理ステーション132と第4の処理ステーション134とは、第2の間隔d2だけ離されていてよい。第2の間隔d2は、第1の間隔d1と異なっていてよい。例えば、第2の間隔d2は、第1の間隔d1よりも小さくてよい。
【0034】
各処理ステーションは、処理中にワークピースを支持するためのワークピース支持手段(例えば台座)を有していてよい。いくつかの実施形態では、各処理ステーションは、ワークピースを支持するための2つの部分を備えた1つの共通の台座を共有していてもよい。第1の処理室120および/または第2の処理室130は、処理のために移送室115に対して選択的に封止されてもよい。
【0035】
本開示の特別な態様では、移送室115は、ワークピースハンドリングロボット150を有していてよい。ワークピースハンドリングロボット150は、ワークピースを、ロードロック室114内のワークピース支持コラム110から、第1の処理室120および/または第2の処理室130内の処理ステーションに移送するように構成することができる。ワークピースハンドリングロボット150は、第1の処理室120と第2の処理室130との間でワークピースを移送することもできる。例えば、ワークピースハンドリングロボット150は、ワークピースを、ロードロック室114内のワークピース支持コラム110から、第1の処理室120内の2つの並んだ処理ステーション122および124に移送することができる。同様に、ワークピースハンドリングロボット150は、ワークピースを、ロードロック室114内のワークピース支持コラム110から、第2の処理室130内の2つの並んだ処理ステーション132および134に移送することができる。
【0036】
本開示の例示的な態様では、ワークピースハンドリングロボット150は、それぞれ異なる設計の処理室の間、例えば異なる間隔だけ離された処理ステーションを有する処理室120と処理室130との間でのワークピースの移送を支援する、様々な構成を有し得る。
【0037】
図3には、本開示の例示的な実施形態による、ワークピースを移送するように構成された例示的なワークピースハンドリングロボット150が示されている。ワークピースハンドリングロボットは、第1のロボットアーム152と第2のロボットアーム154とを有していてよい。第1のロボットアーム152には第1のワークピースハンドリングコンポーネント162を結合することができる。第1のワークピースハンドリングコンポーネント162は、1つ以上のワークピースを取り上げ、保持しかつ降ろすように構成されたワークピースブレード、エンドエフェクタ等であってよい。第2のロボットアーム154には第2のワークピースハンドリングコンポーネント164を結合することができる。第2のワークピースハンドリングコンポーネント164は、1つ以上のワークピースを取り上げ、保持しかつ降ろすように構成されたワークピースブレード、エンドエフェクタ等であってよい。
【0038】
ワークピースハンドリングロボット150は、少なくとも3の自由度で動作するように構成されている。例えば、ワークピースハンドリングロボット150は、第1の自由度172で動作することができ、これによりワークピースハンドリングロボット150は、所定の軸線を中心として回転することができるようになっている。このようにして、ワークピースハンドリングロボット150は、プラットフォーム100(
図1)の移送室115内で所定の軸線を中心として回転し、ロボットアーム152および154を選択的に、ロードロック室114、第1の処理室120および第2の処理室130の正面に配置することができる。
【0039】
図3を参照すると、ワークピースハンドリングロボット150は、第2の自由度174を有しており、これにより、ロボットアーム152および154は同時に(例えば非独立的に)同じ方向に伸縮するようになっている。このようにして、第1のロボットアーム152と第2のロボットアーム154とは同時に伸ばされて、第1の処理室120および第2の処理室130内の各処理ステーションからワークピースを取り上げかつ/または降ろすことができるようになっている。
【0040】
図3に示すように、ワークピースハンドリングロボット150は、第1のロボットアーム152と第2のロボットアーム154との間の間隔の横方向調整をもたらす第3の自由度175を有している。このようにして、ワークピースハンドリングロボット150は、第1の処理室120と第2の処理室130とにおいて異なる間隔だけ離された各処理ステーションの間でのワークピースの移送に適応することができるようになっている。
【0041】
より詳細には、
図1を参照すると、ワークピースハンドリングロボット150は第1の位置に回転することができ、これにより第1のロボットアーム152および第2のロボットアーム154は、第1の処理室120に直面することになる。第1のロボットアーム152と第2のロボットアーム154との間の横方向の間隔は、第1の処理ステーション122と第2の処理ステーション124との間の間隔d
1に基づき調整することができる。第1のロボットアーム152と第2のロボットアーム154とを伸長させて、第1の処理ステーション122と第2の処理ステーション124とからワークピースを同時に取り上げかつ/または降ろすことができる。
【0042】
ワークピースハンドリングロボット150は第2の位置に回転することができ、これにより第1のロボットアーム152および第2のロボットアーム154は、第2の処理室130に直面することになる。第1のロボットアーム152と第2のロボットアーム154との間の横方向の間隔は、第3の処理ステーション132と第4の処理ステーション134との間の間隔d2に基づき調整することができる。第1のロボットアーム152と第2のロボットアーム154とを伸長させて、第3の処理ステーション132と第4の処理ステーション134とからワークピースを同時に取り上げかつ/または降ろすことができる。
【0043】
図4には、本開示の例示的な実施形態による、ワークピースを移送するように構成された例示的なワークピースハンドリングロボット150が示されている。
図4に示すワークピースハンドリングロボット150は、本開示の例示的な態様による、独立して伸びる各アームを用いて、ワークピースをそれぞれ異なる処置ステーションに移送するように構成されている。
【0044】
例えば、ワークピースハンドリングロボット150は、第1のロボットアーム152と第2のロボットアーム154とを有していてよい。第1のロボットアーム152には第1のワークピースハンドリングコンポーネント162を結合することができる。第1のワークピースハンドリングコンポーネント162は、1つ以上のワークピースを取り上げ、保持しかつ降ろすように構成されたワークピースブレード、エンドエフェクタ等であってよい。第2のロボットアーム154には第2のワークピースハンドリングコンポーネント164を結合することができる。第2のワークピースハンドリングコンポーネント164は、1つ以上のワークピースを取り上げ、保持しかつ降ろすように構成されたワークピースブレード、エンドエフェクタ等であってよい。
【0045】
ワークピースハンドリングロボット150は、回転自由度172で動作することができ、これによりワークピースハンドリングロボット150は、所定の軸線を中心として回転することができるようになっている。このようにして、ワークピースハンドリングロボット150は、プラットフォーム100(例えば
図1)の移送室115内で所定の軸線を中心として回転し、ロボットアーム152および154を選択的に、ロードロック室114、第1の処理室120および第2の処理室130の正面に配置することができる。
【0046】
ワークピースハンドリングロボット150は、2つのロボットアームを(例えば独立した駆動機構を用いて)それぞれ独立して伸縮させて、ワークピースを例えば処理室120内の2つの処理ステーション122および124へ移送するように構成することができる。例えば
図4に示すように、ワークピースハンドリングロボット150は、第1のロボットアーム152および第2のロボットアーム154が処理室120に直面する位置に回転することができる。第1のロボットアーム152は、ワークピースを処理室120内の第1の処理ステーション122に配置するために、第2のロボットアーム154に対して独立して伸ばされてよい。ワークピースが第1の処理ステーション122に配置されると、第1のロボットアーム152は第2のロボットアーム154に対して独立して縮められてよい。第2のロボットアーム154は、ワークピースを処理室120内の第2の処理ステーション124に配置するために、第1のロボットアーム152に対して独立して伸ばされてよい。ワークピースが第2の処理ステーション124に配置されると、第2のロボットアーム154は第1のロボットアーム152に対して独立して縮められてよい。ロボットアーム152および154はそれぞれ独立して、
図4に示すように連続して伸縮することができる。
【0047】
追加的かつ/または代替的に、ロボットアーム152および154は、異なる処理ステーションにおけるワークピースを同時に取り上げかつ/または降ろすために独立して伸縮することができる。このようにして、
図4に示すワークピースハンドリングロボット150は、第1の処理室120と第2の処理室130とにおいて異なる間隔だけ離された各処理ステーションの間でのワークピースの移送に適応することができるようになっている。以下に、
図4に示したワークピースハンドリングロボット150を用いたワークピースの例示的な移送を、
図5A、
図5B、
図5C、
図5Dならびに
図6A、
図6B、
図6C、
図6D、
図6Eおよび
図6Fを参照し、より詳細に説明する。
【0048】
図5A~
図5Dを参照して、本開示の例示的な実施形態による、処理プラットフォーム100における例示的なワークピースハンドリングロボット150の動作を説明する。このワークピースハンドリングロボット150は、
図4に示したワークピースハンドリングロボット150と同じものであってよく、複数のロボットアームのそれぞれの独立した伸縮をもたらすように構成することができる。
【0049】
より詳細には、例えば、ワークピースハンドリングロボット150は、第1のロボットアーム152と第2のロボットアーム154とを有していてよい。第1のロボットアーム152には第1のワークピースハンドリングコンポーネントを結合することができる。第1のワークピースハンドリングコンポーネントは、1つ以上のワークピースを取り上げ、保持しかつ降ろすように構成されたワークピースブレード、エンドエフェクタ等であってよい。第2のロボットアーム154には第2のワークピースハンドリングコンポーネントを結合することができる。第2のワークピースハンドリングコンポーネントは、1つ以上のワークピースを取り上げ、保持しかつ降ろすように構成されたワークピースブレード、エンドエフェクタ等であってよい。
【0050】
図5Aに示すように、回転ロボット150の両方のロボットアーム152および154は、ロードロック室114内のワークピース支持コラム110からワークピースをつかみ出すために、それぞれ独立して伸ばされてよい。例えば、ロボットアーム152がワークピース支持コラム110からワークピースをつかみ出すために伸ばされてよい。ロボットアーム154がワークピース支持コラム110からワークピースをつかみ出すために伸ばされてもよい。いくつかの実施形態では、ロボットアーム152とロボットアーム154とは、ワークピース支持コラム110からワークピースをつかみ出すために、同時に伸ばされてもよい。ワークピース支持コラムからワークピースをつかんだ後に、ワークピースハンドリングロボット150は、短縮位置へロボットアーム152および154を縮めるように動作することができる。
【0051】
図5Bに示すように、ワークピースハンドリングロボット150は、ロボットアーム152および154が第1の処理室120に直面するように回転することができる。第1の処理室は、間隔d
1だけ離された第1の処理ステーション122と第2の処理ステーション124とを有するデュアルワークピース処理室であってよい。ロボットアーム152および154は、ワークピースを第1の処理ステーション122と第2の処理ステーション124のそれぞれに個別に配置するために、(例えば独立した駆動機構を用いて)互いに独立して伸ばされてよい。
図5Bに示すように、ワークピースハンドリングロボット150は、ワークピースを第1の処理ステーション122と第2の処理ステーション124とに同時に配置するように、ロボットアーム152および154を伸ばすように構成することができる。
【0052】
ワークピースには、第1の処理室120内で第1の処理(例えば熱処理、アニール処理、エッチ処理、ストリップ処理、堆積処理、表面処理)が施されてよい。第1の処理の完了後に、ワークピースハンドリングロボット150は、ロボットアーム152および154の独立した伸長を用いてワークピース処理ステーション122および124からワークピースをつかみ出すように構成することができる。ワークピースをつかみ出した後に、ワークピースハンドリングロボット150は、短縮位置へ(例えば独立した駆動機構を用いて)ロボットアーム152および154を縮めるように動作することができる。
【0053】
図5Cに示すように、ワークピースハンドリングロボット150は、ロボットアーム152および154が第2の処理室130に直面するように回転することができる。第2の処理室は、間隔d
2だけ離された第3の処理ステーション132と第4の処理ステーション134とを有するデュアルワークピース処理室であってよい。間隔d
2は、第1の処理室に関連する間隔d
1と異なっていてよい。
【0054】
ロボットアーム152および154は、ワークピースを第3の処理ステーション132と第4の処理ステーション134のそれぞれに個別に配置するために、(例えば独立した駆動機構を用いて)互いに独立して伸ばされてよい。例えば、
図5Cに示すように、ワークピースハンドリングロボット150は、ワークピースを第4の処理ステーション134に配置するために、最初に第2のロボットアーム154を伸ばすように構成することができる。次いで、ワークピースハンドリングロボット150は、第2のロボットアーム154を縮めてよい。
図5Dに示すように、次いでワークピースハンドリングロボット150は、ワークピースを第3の処理ステーション132に配置するために、第1のロボットアーム152を伸ばすように構成することができる。次いで、ワークピースハンドリングロボット150は、第1のロボットアーム152を縮めてよい。代替的な実施形態では、ワークピースハンドリングロボット150は、ワークピースを第3の処理ステーション132と第4の処理ステーション134とに同時に配置するように、第1のロボットアーム152と第2のロボットアーム154とを伸ばすように構成することができる。このようにして、ワークピースハンドリングロボットは、処理ステーション間の間隔が異なる複数のデュアルワークピース室の間でのワークピースの移送に適応することができる。
【0055】
ワークピースには、第2の処理室130内で所定の処理(例えば熱処理、アニール処理、エッチ処理、ストリップ処理、堆積処理、表面処理)が施されてよい。第2の処理は、第1の処理と異なっていてよい。第2の処理の完了後に、ワークピースハンドリングロボット150は、ロボットアーム152および154の独立した伸長を用いてワークピース処理ステーション132および134からワークピースをつかみ出し、ワークピースをロードロック室114内のワークピース支持コラム110へ移送し戻すように構成することができる。
【0056】
図6A~
図6Fには、本開示の例示的な実施形態による、処理プラットフォーム200における例示的なワークピースハンドリングロボット150の例示的な動作が示されている。このワークピースハンドリングロボット150は、
図4に示したワークピースハンドリングロボット150と同じものであってよく、複数のロボットアームのそれぞれの独立した伸縮をもたらすように構成することができる。
【0057】
より詳細には、例えば、ワークピースハンドリングロボット150は、第1のロボットアーム152と第2のロボットアーム154とを有していてよい。第1のロボットアーム152には第1のワークピースハンドリングコンポーネントを結合することができる。第1のワークピースハンドリングコンポーネントは、1つ以上のワークピースを取り上げ、保持しかつ降ろすように構成されたワークピースブレード、エンドエフェクタ等であってよい。第2のロボットアーム154には第2のワークピースハンドリングコンポーネントを結合することができる。第2のワークピースハンドリングコンポーネントは、1つ以上のワークピースを取り上げ、保持しかつ降ろすように構成されたワークピースブレード、エンドエフェクタ等であってよい。
【0058】
図6Aに示すように、回転ロボット150の両方のロボットアーム152および154は、ロードロック室114内のワークピース支持コラム210からワークピースをつかみ出すために、(例えば独立した駆動機構を用いて)それぞれ独立して伸ばされてよい。例えば、ロボットアーム152がワークピース支持コラム210からワークピースをつかみ出すために伸ばされてよい。ロボットアーム154がワークピース支持コラム210からワークピースをつかみ出すために伸ばされてもよい。いくつかの実施形態では、ロボットアーム152とロボットアーム154とは、ワークピース支持コラム210からワークピースを同時につかみ出すように伸ばされてもよい。ワークピース支持コラム210からワークピースをつかんだ後に、ワークピースハンドリングロボット150は、短縮位置へロボットアーム152および154を縮めるように動作することができる。
【0059】
図6Bに示すように、ワークピースハンドリングロボット150は、ロボットアーム152および154が第1の処理室220に直面するように回転することができる。第1の処理室は、間隔d
1だけ離された第1の処理ステーション222と第2の処理ステーション224とを有するデュアルワークピース処理室であってよい。第1の処理室220は、10Torr未満の圧力で運転可能である。ロボットアーム152および154は、ワークピースを第1の処理ステーション222と第2の処理ステーション224のそれぞれに個別に配置するために、(例えば独立した駆動機構を用いて)互いに独立して伸ばされてよい。
図6Bに示すように、ワークピースハンドリングロボット150は、ワークピースを第1の処理ステーション222と第2の処理ステーション224とに同時に配置するように、ロボットアーム152および154を伸ばすように構成することができる。
【0060】
ワークピースには、第1の処理室220内で所定の処理(例えば熱処理、アニール処理、エッチ処理、ストリップ処理、堆積処理、表面処理)が施されてよい。処理の完了後に、ワークピースハンドリングロボット150は、ロボットアーム152および154の独立した伸長を用いてワークピース処理ステーション222および224からワークピースをつかみ出すように構成することができる。ワークピースをつかんだ後に、ワークピースハンドリングロボット150は、短縮位置へ(例えば独立した駆動機構を用いて)ロボットアーム152および154を縮めるように動作することができる。
【0061】
図6Cおよび
図6Dに示すように、ワークピースハンドリングロボット150は、ロボットアーム152および154が第2の処理室240および第3の処理室250に直面するように回転することができる。第2の処理室240は、単一の処理ステーション242を有するシングルワークピース処理室であってよい。第3の処理室250は、単一の処理ステーション252を有するシングルワークピース処理室であってよい。第2の処理室240および第3の処理室は、約10Torr未満の圧力で運転可能である。
【0062】
図6Cに示すように、ワークピースハンドリングロボット150は、ワークピースを第2の処理室240内に配置するために、第2のアーム154を伸ばしてよい。ワークピースには、第2の処理室240内で所定の処理(例えば熱処理、アニール処理、エッチ処理、ストリップ処理、堆積処理、表面処理)が施されてよい。処理の完了後に、ワークピースハンドリングロボット150は、ロボットアーム154の独立した伸長を用いてワークピース処理ステーション242からワークピースをつかみ出すように構成することができる。ワークピースをつかんだ後に、ワークピースハンドリングロボット150は、短縮位置へロボットアーム154を縮めるように動作することができる。
【0063】
同様に
図6Dに示すように、ワークピースハンドリングロボット150は、ワークピースを第3の処理室250内に配置するために、第1のアーム152を伸ばしてよい。ワークピースには、第3の処理室250内で所定の処理(例えば熱処理、アニール処理、エッチ処理、ストリップ処理、堆積処理、表面処理)が施されてよい。処理の完了後に、ワークピースハンドリングロボット150は、ロボットアーム152の独立した伸長を用いてワークピース処理ステーション252からワークピースをつかみ出すように構成することができる。ワークピースをつかんだ後に、ワークピースハンドリングロボット150は、短縮位置へロボットアーム152を縮めるように動作することができる。
【0064】
図6Eに示すように、ワークピースハンドリングロボット150は、ロボットアーム152および154が第4の処理室230に直面するように回転することができる。第4の処理室230は、10Torr未満の圧力で運転可能である。第4の処理室230は、間隔d
2だけ離された第3の処理ステーション232と第4の処理ステーション234とを有するデュアルワークピース処理室であってよい。間隔d
2は、第1の処理室220に関連する間隔d
1と異なっていてよい。
【0065】
ロボットアーム152および154は、ワークピースを第3の処理ステーション232と第4の処理ステーション234のそれぞれに個別に配置するために、(例えば独立した駆動機構を用いて)互いに独立して伸ばされてよい。
図6Fに示すように、ワークピースハンドリングロボット150は、ワークピースを第3の処理ステーション232と第4の処理ステーション234とに同時に配置するように、ロボットアーム152および154を伸ばすように構成することができる。
【0066】
ワークピースには、第4の処理室230内で所定の処理(例えば熱処理、アニール処理、エッチ処理、ストリップ処理、堆積処理、表面処理)が施されてよい。処理の完了後に、ワークピースハンドリングロボット150は、ロボットアーム152および154の独立した伸長を用いてワークピース処理ステーション232および234からワークピースをつかみ出すように構成することができる。ワークピースをつかみ出した後に、ワークピースハンドリングロボット150は、短縮位置へ(例えば独立した駆動機構を用いて)ロボットアーム152および154を縮めるように動作することができる。
【0067】
処理システム内でワークピースを移送するワークピースハンドリングロボットの上述の各動作例は、図示して説明するために提供されたものである。本明細書に記載の本開示を用いる当業者は、本開示の範囲から逸脱すること無しに、ワークピースハンドリングロボットの多数の異なる動作モードが使用可能であることを理解するであろう。
【0068】
図7には、処理システムにおいてワークピースを処理する例示的な方法(300)のフローチャートが示されている。この方法(300)は、
図1に示した処理システム100を用いて実行することができる。
図7には、図示して説明するために特定の順序で実行される複数のステップが示されている。本明細書に記載の本開示を用いる当業者は、本開示の範囲から逸脱すること無しに、本明細書に記載された任意の方法の様々なステップを、適合、配置転換、拡張、同時実行、省略することができ、図示しないステップを含む場合があり、かつ/または様々な方法で修正可能であることを理解するであろう。
【0069】
(302)では、方法に、複数のワークピースをロードロック室内のワークピース支持コラムに移送することが含まれていてよい。ワークピースは、ワークピース支持コラムにおいて(例えば複数の棚に)積み重ねられた状態で配置することができる。
【0070】
(304)では、方法に、移送室内に配置されたワークピースハンドリングロボットにより、複数のワークピースをワークピース支持コラムから、第1の処理室内の少なくとも2つの処理ステーションに移送することが含まれていてよい。少なくとも2つの処理ステーションは、所定の間隔だけ離されていてよい。
【0071】
例えば、ワークピースハンドリングロボットは、ワークピースをワークピース支持コラムからつかみ出すために、各アームの独立した伸長を用いることができる。ワークピースハンドリングロボットは、ワークピースを第1の処理室内の2つの処理ステーションに配置するために、各アームの独立した伸長を用いることができる。第1の処理室内には2つのワークピースを同時に、またはそれぞれ異なる時に配置することができる。
【0072】
(306)では、方法に、第1の処理室内の複数のワークピースにおいて第1の処理を実行することが含まれる。第1の処理には、例えばアニール処理、熱処理、表面処理、ドライストリップ処理、ドライエッチ処理、堆積処理またはその他の処理が含まれていてよい。
【0073】
(308)では、方法に、ワークピースハンドリングロボットにより、複数のワークピースを第2の処理室内の少なくとも2つの処理ステーションに移送することが含まれる。少なくとも2つの処理ステーションは、所定の間隔だけ離されていてよい。第2の処理室内の2つの処理ステーションの間の間隔は、第1の処理室内の2つの処理ステーションの間の間隔と異なっていてよい。
【0074】
例えば、ワークピースハンドリングロボットは、ワークピースを第1の処理室からつかみ出すために、各アームの独立した伸長を用いることができる。ワークピースハンドリングロボットは所定の軸線を中心として回転することができ、これにより各ロボットアームは第2の処理室に直面することになる。ワークピースハンドリングロボットは、ワークピースを第2の処理室内の2つの処理ステーションに配置するために、各アームの独立した伸長を用いることができる。第2の処理室内には、2つのワークピースを同時に、またはそれぞれ異なる時に配置することができる。
【0075】
(310)では、方法に、第2の処理室内の複数のワークピースにおいて第2のワークピース処理を実行することが含まれる。第2の処理には、例えばアニール処理、熱処理、表面処理、ドライストリップ処理、ドライエッチ処理、堆積処理またはその他の処理が含まれていてよい。いくつかの実施形態では、第2のワークピース処理は、第1のワークピース処理と同じであるかまたは異なっていてよい。
【0076】
(312)では、方法に、処理されたワークピースをロードロック室内のワークピース支持コラムに移送し戻すことが含まれていてよい。例えば、ワークピースハンドリングロボットは、ワークピースを第2の処理室からつかみ出すために、各アームの独立した伸長を用いることができる。ワークピースハンドリングロボットは所定の軸線を中心として回転することができ、これにより各ロボットアームはロードロック室内のワークピース支持コラムに直面することになる。ワークピースハンドリングロボットは、ワークピースをワークピース支持コラムに配置するために、各アームの独立した伸長を用いることができる。
【0077】
本発明の主題を、その特定の例示的な実施形態を参照して詳細に説明したが、当業者は上述したことを理解した上で、このような実施形態に対する変更、変化および均等物を容易に生み出すことができる。よって、本開示の範囲は限定的というよりむしろ例示的なものであり、本開示は、当業者には容易に明らかになるであろう本主題に対するこのような修正、変化および/または追加の包含を排除するものではない。