(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-31
(45)【発行日】2023-04-10
(54)【発明の名称】スライドコンポーネントのスライド補正方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20230403BHJP
【FI】
G06F1/16 312Z
G06F1/16 312G
(21)【出願番号】P 2021530972
(86)(22)【出願日】2019-09-11
(86)【国際出願番号】 CN2019105423
(87)【国際公開番号】W WO2020108006
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-05-28
(31)【優先権主張番号】201811457561.9
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 18 Haibin Road,Wusha, Chang’an,Dongguan, Guangdong 523860 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【氏名又は名称】吉田 昌司
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100120385
【氏名又は名称】鈴木 健之
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ポン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、チエンロン
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-354420(JP,A)
【文献】特表2013-538345(JP,A)
【文献】特開2009-199301(JP,A)
【文献】特開2014-226024(JP,A)
【文献】特開2006-325114(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0097689(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108900663(CN,A)
【文献】特開2015-014479(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライドコンポーネントのスライド補正方法であって、
スライドコンポーネントは、電子機器に用いられ、前記電子機器は、本体と、検出コンポーネントと、駆動コンポーネントとを含み、前記駆動コンポーネントは、前記スライドコンポーネントが前記本体に収容された第1の位置と前記本体から露出した第2の位置との間をスライドするように制御するために用いられ、前記検出コンポーネントは、磁界発生素子と、第1のホール素子と、第2のホール素子とを含み、前記磁界発生素子は前記スライドコンポーネントに固定され、前記第1のホール素子及び前記第2のホール素子は、前記本体に固定され、前記スライドコンポーネントが前記第1の位置から前記第2の位置へスライドする過程において、前記磁界発生素子は、前記第1のホール素子から離れ、前記第2のホール素子に近づき、前記スライド補正方法は、
前記スライドコンポーネントのスライド中に、到達した1つ又は複数の第1の較正位置に対応する前記第1のホール素子から送信された第1の検出信号値、及び前記第2のホール素子から送信された第2の検出信号値を取得するステップと、
各前記第1の較正位置の前記第1の検出信号値を予め設定された第1の基準信号値と比較し、及び前記第2の検出信号値を予め設定された第2の基準信号値と比較するステップと、
比較結果が予め設定された異常範囲に属する回数が予め設定された閾値に達する場合、前記第1の検出信号値に基づいて前記第1の基準信号値を補正し、及び前記第2の検出信号値に基づいて前記第2の基準信号値を補正するステップと、を含む、
ことを特徴とするスライドコンポーネントのスライド補正方法。
【請求項2】
比較結果が予め設定された異常範囲に属する回数が予め設定された閾値に達するステップの後、
前記スライドコンポーネントが予め設定された以前に到達したことのない1つ又は複数の第2の較正位置にスライドするように制御し、各前記第2の較正位置に対応する前記第1のホール素子から送信された第3の検出信号値、及び前記第2のホール素子から送信された第4の検出信号値を取得するステップと、
前記第3の検出信号値に基づいて前記第2の較正位置の第3の基準信号値を補正し、及び前記第4の検出信号値に基づいて前記第2の較正位置の第4の基準信号値を補正するステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の較正位置は、前記スライドコンポーネントのスライドアウト減速位置、スライドアウト加速位置、スライドアウト中断位置、スライドイン減速位置、スライドイン加速位置、及びスライドイン中断位置のうちの1つ又は複数を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記スライドコンポーネントが予め設定された以前に到達したことのない1つ又は複数の第2の較正位置にスライドするように制御し、各前記第2の較正位置に対応する前記第1のホール素子から送信された第3の検出信号値、及び前記第2のホール素子から送信された第4の検出信号値を取得するステップは、
ポップアップウィンドウの形式で補正通知を送信するステップと、
補正確認命令を取得すると、前記駆動コンポーネントが最大の駆動力で前記スライドコンポーネントを駆動して前記第1の位置と前記第2の位置との間を往復スライドさせるように制御し、前記スライドコンポーネントが前記第2の較正位置にスライドしたときに、前記第1のホール素子及び前記第2のホール素子が検出した前記第3の検出信号値及び前記第4の検出信号値を取得するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記補正通知には、決定コントロールが含まれており、前記決定コントロールに対するトリガ操作を受信した後、前記補正確認命令を取得する、
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記補正通知には、検出された障害原因情報が含まれている、
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の検出信号値及び前記第2の検出信号値に対応する第3の較正位置を統計するステップと、
前記第3の較正位置を前記第1の較正位置にマッチングさせ、前記第1の較正位置において前記第3の較正位置にマッチングしない前記第2の較正位置を決定するステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項8】
スライドコンポーネントのスライド補正装置であって、
スライドコンポーネントは、電子機器に用いられ、前記電子機器は、本体と、検出コンポーネントと、駆動コンポーネントとを含み、前記駆動コンポーネントは、前記スライドコンポーネントが前記本体に収容された第1の位置と前記本体から露出した第2の位置との間をスライドするように制御するために用いられ、前記検出コンポーネントは、磁界発生素子と、第1のホール素子と、第2のホール素子とを含み、前記磁界発生素子は前記スライドコンポーネントに固定され、前記第1のホール素子及び前記第2のホール素子は、前記本体に固定され、前記スライドコンポーネントが前記第1の位置から前記第2の位置へスライドする過程において、前記磁界発生素子は、前記第1のホール素子から離れ、前記第2のホール素子に近づき、前記スライド補正装置は、
前記スライドコンポーネントのスライド中に、到達した1つ又は複数の第1の較正位置に対応する前記第1のホール素子から送信された第1の検出信号値、及び前記第2のホール素子から送信された第2の検出信号値を取得するための取得モジュールと、
各前記第1の較正位置の前記第1の検出信号値を予め設定された第1の基準信号値と比較し、及び前記第2の検出信号値を予め設定された第2の基準信号値と比較するための比較モジュールと、
比較結果が予め設定された異常範囲に属する回数が予め設定された閾値に達する場合、前記第1の検出信号値に基づいて前記第1の基準信号値を補正し、及び前記第2の検出信号値に基づいて前記第2の基準信号値を補正するための補正モジュールと、を含む、
スライドコンポーネントのスライド補正装置。
【請求項9】
前記スライドコンポーネントが予め設定された以前に到達したことのない1つ又は複数の第2の較正位置にスライドするように制御するための制御モジュールをさらに含み、
前記取得モジュールはさらに、各前記第2の較正位置に対応する前記第1のホール素子から送信された第3の検出信号値、及び前記第2のホール素子から送信された第4の検出信号値を取得するために用いられ、
前記補正モジュールはさらに、前記第3の検出信号値に基づいて前記第2の較正位置の第3の基準信号値を補正し、及び前記第4の検出信号値に基づいて前記第2の較正位置の第4の基準信号値を補正するために用いられる、
ことを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の較正位置は、前記スライドコンポーネントのスライドアウト減速位置、スライドアウト加速位置、スライドアウト中断位置、スライドイン減速位置、スライドイン加速位置、及びスライドイン中断位置のうちの1つ又は複数を含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記取得モジュールは、ポップアップウィンドウの形式で補正通知を送信し、
補正確認命令を取得すると、前記駆動コンポーネントが最大の駆動力で前記スライドコンポーネントを駆動して前記第1の位置と前記第2の位置との間を往復スライドさせるように制御し、前記スライドコンポーネントが前記第2の較正位置にスライドしたときに、前記第1のホール素子及び前記第2のホール素子が検出した前記第3の検出信号値及び前記第4の検出信号値を取得するために用いられる、
ことを特徴とする請求項
9に記載の装置。
【請求項12】
前記補正通知には、決定コントロールが含まれており、前記取得モジュールは、前記決定コントロールに対するトリガ操作を受信した後、前記補正確認命令を取得するために用いられる、
ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記補正通知には、検出された障害原因情報が含まれている、
ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記第1の検出信号値及び前記第2の検出信号値に対応する第3の較正位置を統計するための統計モジュールと、
前記第3の較正位置を前記第1の較正位置にマッチングさせ、前記第1の較正位置において前記第3の較正位置にマッチングしない前記第2の較正位置を決定するためのマッチングモジュールと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項15】
電子機器であって、
前記電子機器は、本体と、スライドコンポーネントと、検出コンポーネントと、駆動コンポーネントとを含み、前記駆動コンポーネントは、前記スライドコンポーネントが前記本体に収容された第1の位置と前記本体から露出した第2の位置との間をスライドするように制御するために用いられ、前記検出コンポーネントは、磁界発生素子と、第1のホール素子と、第2のホール素子とを含み、前記磁界発生素子は、前記スライドコンポーネントに固定され、前記第1のホール素子及び前記第2のホール素子は前記本体に固定され、
前記電子機器は、メモリと、前記スライドコンポーネントに電気的に接続されたプロセッサと、メモリに記憶されかつプロセッサ上で動作可能なコンピュータプログラムとをさらに含み、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行する際に、請求項1~7のいずれか一項に記載のスライドコンポーネントのスライド補正方法を実現する、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項16】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるときに請求項1~7のいずれか一項に記載のスライドコンポーネントのスライド補正方法を実現する、
ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、OPPO広東移動通信有限公司が2018年11月30日に提出した、出願名称「スライドコンポーネントのスライド補正方法及び装置」、中国特許出願番号「201811457561.9」の優先権を主張している。
【0002】
本発明は、電子技術分野に関し、特に、スライドコンポーネントのスライド補正方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
スマートフォンなどの携帯型電子機器の普及に伴い、電子機器の美観や機能性の最適化も大きなトレンドとなっており、例えば、電子機器の画面占有率の向上がその1つのトレンドとなっている。
【0004】
関連技術において、電子機器のフロントパネルには、ユーザにフロントカメラサービスを提供するためのカメラモジュールなどの機器が取り付けられているため、カメラモジュールによるフロントパネル上の取り付けスペースの占有と画面占有率の向上との矛盾は早急に解決すべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、関連技術における技術的課題の少なくとも1つをある程度解決することを目的とする。
【0006】
そこで、本発明は、スライドコンポーネントのスライド補正方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様の実施例は、スライドコンポーネントのスライド補正方法を提供し、前記スライドコンポーネントは、電子機器に用いられ、前記電子機器は、本体と、検出コンポーネントと、駆動コンポーネントとを含み、前記駆動コンポーネントは、前記スライドコンポーネントが前記本体に収容された第1の位置と前記本体から露出した第2の位置との間をスライドするように制御するために用いられ、前記検出コンポーネントは、磁界発生素子と、第1のホール素子と、第2のホール素子とを含み、前記磁界発生素子は前記スライドコンポーネントに固定され、前記第1のホール素子及び前記第2のホール素子は、前記本体に固定され、ここで、前記スライドコンポーネントが前記第1の位置から前記第2の位置へスライドする過程において、前記磁界発生素子は、前記第1のホール素子から離れ、前記第2のホール素子に近づき、前記スライド補正方法は、前記スライドコンポーネントのスライド中に、到達した1つ又は複数の第1の較正位置に対応する前記第1のホール素子から送信された第1の検出信号値、及び前記第2のホール素子から送信された第2の検出信号値を取得するステップと、各前記第1の較正位置の前記第1の検出信号値を予め設定された第1の基準信号値と比較し、及び前記第2の検出信号値を予め設定された第2の基準信号値と比較するステップと、比較結果が予め設定された異常範囲に属する回数が予め設定された閾値に達する場合、前記第1の検出信号値に基づいて前記第1の基準信号値を補正し、及び前記第2の検出信号値に基づいて前記第2の基準信号値を補正するステップと、を含む。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の第2の態様の実施例は、スライドコンポーネントのスライド補正装置を提供し、前記スライドコンポーネントは、電子機器に用いられ、前記電子機器は、本体と、検出コンポーネントと、駆動コンポーネントとを含み、前記駆動コンポーネントは、前記スライドコンポーネントが前記本体に収容された第1の位置と前記本体から露出した第2の位置との間をスライドするように制御するために用いられ、前記検出コンポーネントは、磁界発生素子と、第1のホール素子と、第2のホール素子とを含み、前記磁界発生素子は前記スライドコンポーネントに固定され、前記第1のホール素子及び前記第2のホール素子は、前記本体に固定され、ここで、前記スライドコンポーネントが前記第1の位置から前記第2の位置へスライドする過程において、前記磁界発生素子は、前記第1のホール素子から離れ、前記第2のホール素子に近づき、前記スライド補正装置は、前記スライドコンポーネントのスライド中に、到達した1つ又は複数の第1の較正位置に対応する前記第1のホール素子から送信された第1の検出信号値、及び前記第2のホール素子から送信された第2の検出信号値を取得するための取得モジュールと、各前記第1の較正位置の前記第1の検出信号値を予め設定された第1の基準信号値と比較し、及び前記第2の検出信号値を予め設定された第2の基準信号値と比較するための比較モジュールと、比較結果が予め設定された異常範囲に属する回数が予め設定された閾値に達する場合、前記第1の検出信号値に基づいて前記第1の基準信号値を補正し、及び前記第2の検出信号値に基づいて前記第2の基準信号値を補正するための補正モジュールと、を含む。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の第3の態様の実施例は、電子機器を提供し、前記電子機器は、本体と、スライドコンポーネントと、検出コンポーネントと、駆動コンポーネントとを含み、前記駆動コンポーネントは、前記スライドコンポーネントが前記本体に収容された第1の位置と前記本体から露出した第2の位置との間をスライドするように制御するために用いられ、前記検出コンポーネントは、磁界発生素子と、第1のホール素子と、第2のホール素子とを含み、前記磁界発生素子は前記スライドコンポーネントに固定され、前記第1のホール素子及び前記第2のホール素子は、前記本体に固定され、前記電子機器は、メモリと、前記スライドコンポーネントに電気的に接続されたプロセッサと、メモリに記憶されかつプロセッサ上で動作可能なコンピュータプログラムとをさらに含み、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行する際に、上記実施例に記載のスライドコンポーネントのスライド補正方法を実現する。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の第4の態様の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるときに上記実施例に記載のスライドコンポーネントのスライド補正方法を実現する。
【発明の効果】
【0011】
本発明が提供する技術案は、少なくとも以下の有益な効果を含む。
スライドコンポーネントによって関連コンポーネントが画面占有率に与える影響が低減され、スライドコンポーネントにおける関連位置の基準信号値が補正され、ここで基準信号値は2つのホール素子が検出した検出信号値に基づいて補正され、スライドコンポーネントのスライド位置検出の信頼性を向上させる。
【0012】
本発明の追加の態様及び利点は以下の説明において部分的に述べられ、その一部は、以下の説明から明らかになるか、又は本発明の実施を通して分かるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の実施例又は従来技術における技術案をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明するが、明らかなように、以下の説明における図面は、本発明のいくつかの実施例にすぎず、当業者にとっては、創造的な労力なしにこれらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【
図1】本発明の実施形態に係る電子機器が第2の位置にあるときの状態を示す模式図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る電子機器が第1の位置にあるときの状態を示す模式図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る電子機器が第3の位置にあるときの状態を示す模式図である。
【
図4】本発明の実施形態の検出コンポーネントの構造を示す模式図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る電子機器の使用シーンを示す図である。
【
図6】本発明の別の実施形態に係る電子機器の使用シーンを示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る電子機器の別の使用シーンを示す図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る電子機器の構造を示す模式図である。
【
図9】本発明の一実施例に係るスライドコンポーネントのスライド補正方法のフローチャートである。
【
図10】本発明の一実施例に係るスライドコンポーネントの第1の較正位置の位置を示す模式図である。
【
図11】本発明の具体的な一実施例に係るスライドコンポーネントのスライド補正方法のフローチャートである。
【
図12】本発明の一実施例に係るスライドコンポーネントのスライド補正装置の構造を示す模式図である。
【
図13】本発明の別の実施例に係るスライドコンポーネントのスライド補正装置の構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例について詳細に説明するが、前記実施例の例を図面に示し、終始同一又は類似の参照符号は、同一又は類似の要素、或いは同一又は類似の機能を有する要素を示す。以下、図面を参照して説明する実施例は例示的なものであり、本発明を解釈するためのものであり、本発明を限定するものとして理解することができない。
【0015】
本発明の説明において、「中心」、「縦」、「横」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「内側」、「外側」、「時計回り」、「反時計回り」などの用語が示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本発明の説明の便宜及び説明の簡略化のためのものであり、言及される装置又は要素が特定の方位を有するか、又は特定の方位で構築及び操作されなければならないことを指示又は暗示するものではなく、したがって、本発明を限定するものと理解することができないことを理解されたい。さらに、「第1」、「第2」という用語は、説明の目的でのみ使用され、相対的な重要性を指示又は暗示するか、又は示される技術的特徴の数を暗示するものとして理解されるべきではない。したがって、「第1」、「第2」で限定される特徴は、1つ又は複数の前記特徴を明示的又は暗示的に含み得る。本発明の説明において、特に明確に限定されない限り、「複数」は2つ以上を意味する。
【0016】
本発明の説明において、特に明確に規定及び限定されない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」という用語は、広い意味で理解されるべきであり、例えば、固定的な接続、取り外し可能な接続、又は一体型接続でもよいし、機械的接続、電気的接続又は相互通信であってもよいし、直接的に接続されていても、介在物を介して間接的に接続されていてもよいし、2つの素子の内部の連通、又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、本発明における上記用語の具体的な意味は、特定の状況に応じて理解することができる。
【0017】
本発明において、特に明確に規定及び限定されない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にあることは、第1の特徴と第2の特徴が直接接触することを含んでもよいし、第1の特徴と第2の特徴が直接接触するのではなく、それらの間の別の特徴を介して接触することを含んでもよい。また、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上及び斜め上にあることを含むか、あるいは、単に第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも高いことだけを表す。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真下及び斜め下にあることを含むか、あるいは、単に第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも低いことだけを表す。
【0018】
以下の開示は、本発明の異なる構造を実現するための多くの異なる実施形態又は例を提供する。本発明の開示を簡略化するために、特定の例の部材及び設置を以下に説明する。もちろん、これらは単なる例示であり、本発明を限定することを目的とするものではない。さらに、本発明は、議論される様々な実施形態及び/又は設置の間の関係を示すものではなく、簡略化及び明確化の目的で、異なる例において参照番号及び/又は参照文字を繰り返してもよい。さらに、本発明は、様々な特定のプロセス及び材料の例を提供するが、当業者は、他のプロセスの適用及び/又は他の材料の使用を認識するであろう。
【0019】
以下、本発明の実施例に係るスライドコンポーネントのスライド補正方法及び装置について図面を参照して説明する。
【0020】
本発明の実施例に係るスライドコンポーネントのスライド補正方法及び装置をより明確に説明するために、以下、まず本発明の電子機器について構造を説明する。
【0021】
具体的には、電子機器のフロントパネルに取り付けられたフロントカメラなどのハードウェア機器が画面占有率に与える影響を低減するために、本発明は、スライドコンポーネントを提供し、スライドコンポーネントのスライドによりフロントカメラなどを必要なときにスライドアウトさせ、不要なときに電子機器本体内に収容するように制御することにより、フロントカメラなどのコンポーネントの機能サービスを行わないときには、電子機器のフロントパネルを占有しないようにする。
【0022】
具体的には、
図1~
図4に示すように、本発明の実施例に係る電子機器100は、本体10と、スライドコンポーネント20と、検出コンポーネント30と、駆動コンポーネント50とを含む。スライドコンポーネント20は、本体10に収容された第1の位置Aと本体10から露出した第2の位置Bとの間をスライドするために用いられる。駆動コンポーネント50は、スライドコンポーネント20が本体10に収容された第1の位置と本体から露出した第2の位置との間をスライドするように駆動するために用いられる。
【0023】
もちろん、スライドコンポーネント20を対応する位置にスライドさせるように駆動することを駆動コンポーネント50に知らせるために、当該電子機器には、スライドコンポーネント20の現在位置を検出する検出コンポーネント30も含まれなければならず、本発明の実施例において、検出コンポーネント30は、スライドコンポーネント20の位置を検出するために用いられ、検出コンポーネント30は、磁界発生素子31と、第1のホール素子32と、第2のホール素子33とを含み、磁界発生素子31、第1のホール素子32及び第2のホール素子33は、それぞれスライドコンポーネント20及び本体10に固定され、ここで、電子機器には、第1のホール素子32及び第2のホール素子33が出力した検出信号値を受信するために用いられ、及び検出信号値に基づいて本体10に対するスライドコンポーネント20の現在の相対位置を決定するために用いられる、検出コンポーネント30に電気的に接続されたプロセッサ60をさらに含むことができる。
【0024】
なお、本発明の実施例において、スライドコンポーネント20が第1の位置から第2の位置へスライドする過程において、
図5に示すように、磁界発生素子31は、第1のホール素子32から離れ、第2のホール素子33に近づき、さらに、磁界発生素子31とホール素子は、鉛直方向に対向して配置されていてもよいし、水平方向に対向して配置されていてもよい。つまり、磁界発生素子31とホール素子とが相対運動可能であれば、磁界発生素子とホール素子との具体的な位置は限定されない。
【0025】
いくつかの実施形態において、本体10にスライド溝16が形成されており、スライドコンポーネント20は、第1の位置Aでスライド溝16内に収容される。このようにして、スライドコンポーネント20を、スライド溝16を介して第1の位置Aと第2の位置Bとの間をスライドさせることができる。
【0026】
具体的には、本体10は、ハウジング12と、表示コンポーネント14とを含み、ハウジング12及び表示コンポーネント14は、組み合わされて密閉構造を形成する。ハウジング12には、スライド溝16が開設されており、これによりスライドコンポーネント20のスライドバックとスライドアウトが可能となっている。スライド溝16は、ハウジング12のいずれかの側辺に開設されることができることを理解されたい。好ましくは、スライド溝16は、ハウジング12の頂辺に開設されている。このようにしてユーザの使用習慣に合わせることができる。
【0027】
表示コンポーネント14は、タッチパネル(図示せず)と、カバープレート142とを含む。タッチパネルは、表示モジュール(図示せず)と、表示モジュールに設けられたタッチ層(図示せず)とを含む。表示モジュールは、例えば液晶表示モジュール(LCD Module、LCM)であるが、もちろん、表示モジュールは、フレキシブルな表示モジュールであってもよい。タッチ層は、ユーザのタッチ入力を受けて、表示モジュールの表示内容を制御するための信号や、スライドコンポーネント20のスライドを制御するための信号を生成するために用いられる。
【0028】
カバープレート142の材料は、ガラス、セラミック、又はサファイアなどの透光性材料で形成することができる。カバープレート142が電子機器100の入力部品として機能するため、カバープレート142は衝突や引っ掻きなどの接触を受けることが多い。例えば、ユーザが電子機器100をポケットに入れると、カバープレート142がユーザのポケット内のキーによって引っ掻かれて損傷する可能性がある。したがって、カバープレート142の材料は、硬度のより高い材料、例えば上述したサファイア材料を用いることができる。あるいは、カバープレート142の表面に硬化層を形成して、カバープレート142の耐擦傷性を向上させる。
【0029】
タッチパネル及びカバープレート142は、例えば光学接着剤(Optically Clear Adhesive、OCA)によって接着固定されており、光学接着剤は、タッチパネル及びカバープレート142を接着固定するだけでなく、タッチパネルから発せられた光を透過させることもできる。
【0030】
本発明の実施例に係るスライドコンポーネント20の機能をより明確に説明するために、
図6を参照すると、いくつかの実施形態において、電子機器100は、フロントカメラ42を含み、スライドコンポーネント20は、キャリア22を含み、フロントカメラ42はキャリア22に設けられる。このようにして、フロントカメラ42は、スライドコンポーネント20と共にスライド可能である。もちろん、ユーザがフロントカメラ42を開き、フロントカメラ42を閉じることをトリガ信号としてもよく、つまり、ユーザがフロントカメラ42を開くと、スライドコンポーネント20がスライドアウトするようにトリガし、ユーザがフロントカメラ42を閉じると、スライドコンポーネント20がスライドバックするようにトリガする。このようにしてユーザは既存の習慣に従ってフロントカメラを開閉するだけでよく、スライドコンポーネント20に対して別途操作を行う必要がなく、ユーザの使用を容易にすることができる。
【0031】
キャリア22には、フロントカメラ42の他にも、
図1に示すように、光センサ、近接センサ及びイヤホン44などの他の機能デバイス40を搭載することができる。これらの機能デバイス40は、ユーザの入力に応じてスライドコンポーネント20のスライドアウトに伴って本体10から露出して正常に動作してもよいし、ユーザの入力に応じてスライドコンポーネント20のスライドバックに伴って本体10内に収容されてもよい。このようにして、表示コンポーネント14に貫通孔をできるだけ少なく設けることができ、電子機器100の全面画面の設計ニーズを満たすのに有利である。
【0032】
具体的には、キャリア22に光センサが搭載されている場合には、光センサをキャリア22の頂部に設けることができ、つまり、スライドコンポーネント20がスライド溝16内に完全に収容されている場合には、光センサは、依然としてキャリア22の頂部から露出することができ、これにより光をリアルタイムで感知する。
【0033】
図7を参照すると、キャリア22に近接センサ及びイヤホン44が搭載されている場合には、ユーザが電話に応答すること及び電話を切ることをトリガ信号としてもよく、つまり、ユーザが電話に応答すると、スライドコンポーネント20がスライドアウトするようにトリガし、ユーザが電話を切ると、スライドコンポーネント20がスライドバックするようにトリガする。このようにしてユーザは既存の習慣に従って電話に応答したり電話を切ったりするだけでよく、スライドコンポーネント20に対して別途操作を行う必要がなく、ユーザの使用を容易にすることができる。
【0034】
理解されるように、複数の機能デバイス40は、同一のキャリア22に搭載されていてもよいし、複数のキャリアに搭載されていてもよい。複数の機能デバイス40が同一のキャリア22に搭載されるとき、複数の機能デバイス40は、縦方向に配列されてもよく、プロセッサ60は、スライドコンポーネント20のスライドアウト距離を制御することによって、キャリア22の下部に設けられた機能デバイス40が露出するか否かを制御することができる。複数の機能デバイス40が同一の複数のキャリア22に搭載されている場合、プロセッサ60は、あるキャリア22のスライドを制御することによって露出させる機能デバイス40を選択することができる。
【0035】
図8を参照すると、いくつかの実施形態において、スライドコンポーネント20は、キャリア22の中央に設けられたネジ孔24と、ネジ孔24と協動する回転ネジ棒26とを含む。スライド溝16は、ネジ孔24に対向して設けられ、スライド溝16の底部に位置する溝162を含む。電子機器100は、溝162に設けられた駆動コンポーネント50を含む。駆動コンポーネント50は、プロセッサ60に接続された駆動モータ52と、回転ネジ棒26の底部に接続された出力軸(図示せず)とを含む。
【0036】
理解されるように、プロセッサ60は、駆動モータ52を制御することによってスライドコンポーネント20のスライドを制御することができる。ユーザがスライドコンポーネント20に第1の位置Aから第2の位置Bへのスライドを指示すると、プロセッサ60は駆動モータ52を制御して正回転させ、これにより出力軸が回転ネジ棒26を駆動してネジ孔24内で回転させ、さらにスライドコンポーネント20を第1の位置Aから第2の位置Bへスライドさせる。ユーザがスライドコンポーネント20に第2の位置Bから第1の位置Aへのスライドを指示すると、プロセッサ60は駆動モータ52を制御して逆回転させ、これにより出力軸が回転ネジ棒26を駆動してネジ孔24内で回転させ、さらにスライドコンポーネント20を第2の位置Bから第1の位置Aへスライドさせる。なお、ここでの「第1の位置Aから第2の位置Bへ」及び「第2の位置Bから第1の位置Aへ」とは、スライドの始点及び終点ではなく、スライドの方向を意味する。
【0037】
本発明の実施形態に係る電子機器100は、ホール素子34と磁界発生素子31とを用いてスライドコンポーネント20の現在の相対位置を決定し、フロントカメラなどの機能デバイス40がスライドコンポーネント20に搭載されたときに、スライドコンポーネント20の状態をリアルタイムで検出して、機能デバイス40の位置を決定することができる。
【0038】
理解されるように、フロントカメラ42などの機能デバイス40は、本体10から露出する必要があり、そうでなければ正常に動作しない。本発明の実施形態に係る電子機器100は、スライドコンポーネントに機能デバイス40を搭載することにより、機能デバイス40を動作させる必要がないときには本体10内に収容し、動作させる必要があるときにはスライドコンポーネント20と共に本体10から露出させるようにする。このようにして、フロントカメラ42などの機能デバイス40を露出させるための貫通孔を表示コンポーネント14に開設する必要がなく、これにより画面占有率が増大し、さらにユーザの体験が向上する。
【0039】
関連技術において、磁界発生素子31とホール素子との間の磁界信号強度によって現在のスライドコンポーネント20の現在位置を知り、例えば、予め多数の試験データに基づいて磁界信号強度とスライドコンポーネント20の現在のスライドアウト位置との対応関係を較正しておき、現在検出されている磁界信号強度に基づいて対応するスライドアウト位置をマッチングさせる。
【0040】
外部からの電磁干渉により、変速制御が不正確になるという技術的課題を解決するために、
図1及び
図5に示すように、本発明は、電子機器に2つのホール素子を設け、スライドコンポーネント20の移動に伴って、磁界発生素子が第1のホール素子から離れ、第2のホール素子に近づき、動作時には、2つのホール素子から出力される電磁の検出信号と、較正信号とが一致するか否かに基づいてスライドコンポーネントの現在位置を検出し、したがって、予め較正された検出信号値の正確性が特に重要であり、予め較正された検出信号値に対して比較的確実な補正を行う必要がある。
【0041】
以下、当該スライドコンポーネントのスライド補正方法について具体的に説明する。
【0042】
図9は、本発明の一実施例に係るスライドコンポーネントのスライド補正方法のフローチャートであり、
図9に示すように、当該方法は、以下のステップを含む。
【0043】
ステップ101、スライドコンポーネントのスライド中に、到達した1つ又は複数の第1の較正位置に対応する第1のホール素子から送信された第1の検出信号値、及び第2のホール素子から送信された第2の検出信号値を取得する。
【0044】
ここで、第1の較正位置は、スライドコンポーネントの任意の位置であってもよく、ユーザは、必要に応じて較正してもよいし、システムによってデフォルト設定されてもよい。
【0045】
本発明の一実施例において、スライドコンポーネントの動作機構に応じて、駆動コンポーネントは、スライドコンポーネントが起動速度で起動された後、一定位置になった後、限界速度に切り替わるように制御することにより、駆動コンポーネントの円滑な起動が確保されるだけでなく、スライドコンポーネントが目標位置に到達するまでの時間も短縮される。そして、スライドコンポーネントなどの機器を保護し、その動作損失を低減するために、関連する検出信号値に基づいてスライドコンポーネントが第2の位置又は第1の位置にスライドするか否かの前にブレーキ減速制御を行う。したがって、スライドコンポーネントのスライドイン及びスライドアウト時には、いずれも限界速度切り替え位置と減速位置があり、また、実際の実行中には、ユーザによっては、スライドコンポーネントを手動で引き出したり、スライドコンポーネントを手動で押し込んだりするなど、スライドコンポーネントの操作を手動で制御する場合があり、この場合、手動操作によるスライドコンポーネントのハードウェアの損失を回避するために、本発明の実施例において、スライドイン及びスライドアウトの中断位置を設け、即ちユーザがスライドコンポーネントを手動で操作することを検出したときに、当該スライドイン中断位置又は当該スライドアウト中断位置に達したときに、ユーザの手動操作方向に応じたスライドコンポーネントの制御操作に移行するので、上記位置のホール素子が較正する基準信号値が確実であれば、スライドコンポーネントの円滑な動作に重要な意義を有する。このように、本発明の実施例において、第1の較正位置は、スライドコンポーネントのスライドアウト減速位置、スライドアウト加速位置、スライドアウト中断位置、スライドイン減速位置、スライドイン加速位置、及びスライドイン中断位置のうちの1つ又は複数を含む。
【0046】
例えば、
図10に示す例では、スライドアウトの場合は、スライドアウト中断位置が7cmであり、スライドアウト減速位置が8.3cmであり、スライドインの場合は、スライドイン中断位置が1.5cmであり、スライドイン減速位置が0.2cmである。
【0047】
具体的には、距離センサにより現在のスライドコンポーネントがスライド中に、第1の較正位置にスライドしたか否かを検出し、第1の位置にスライドしたときに、第1のホール素子から送信された第1の検出信号値、及び第2のホール素子から送信された第2の検出信号値を取得する。
【0048】
ステップ102、各第1の較正位置の第1の検出信号値を予め設定された第1の基準信号値と比較し、及び第2の検出信号値を予め設定された第2の基準信号値と比較する。
【0049】
なお、
図5を参照して明らかなように、スライドコンポーネントが第1の位置から第2の位置へスライドする過程において、磁界発生素子は、第1のホール素子から離れ、第2のホール素子に近づき、これにより、第1のホール素子が検出した第1の検出信号値は徐々に減少し、第2のホール素子が検出した第2の検出信号値は徐々に増大し、スライドコンポーネントが第2の位置から第1の位置へスライドする過程において、磁界発生素子は、第2のホール素子から離れ、第1のホール素子に近づき、これにより、第2のホール素子が検出した第1の検出信号値は徐々に減少し、第1のホール素子が検出した第2の検出信号値は徐々に増大し、したがって、検出信号値とスライドコンポーネントのスライド位置とは対応関係にあり、実際の実行中には、ホール素子の検出信号値に基づいてスライド位置を決定するのが一般的な手段であり、したがって、対応する位置の信号値を正確に較正できることが特に重要である。
【0050】
具体的には、スライドコンポーネントのスライド中に、到達した1つ又は複数の較正位置に対応する第1のホール素子から送信された第1の検出信号値、及び第2のホール素子から送信された第2の検出信号値を取得し、スライドコンポーネントが現在の環境下で、対応する位置にスライドして実際に検出された信号値を決定する。
【0051】
ステップ103、各第1の較正位置の第1の検出信号値を予め設定された第1の基準信号値と比較し、及び第2の検出信号値を予め設定された第2の基準信号値と比較する。
【0052】
ステップ104、比較結果が予め設定された異常範囲に属する回数が予め設定された閾値に達する場合、第1の検出信号値に基づいて第1の基準信号値を補正し、及び第2の検出信号値に基づいて第2の基準信号値を補正する。
【0053】
具体的には、各第1の較正位置の第1の検出信号値を予め設定された第1の基準信号値と比較し、及び第2の検出信号値を予め設定された第2の基準信号値と比較し、予め較正された第1の基準信号値及び第2の基準信号値が正確であるか否かを検出し、比較結果が予め設定された異常範囲に属する回数が予め設定された閾値に達する場合、例えば、第1の基準信号値と第1の検出信号値との差が予め設定された値よりも大きい回数、及び第2の基準信号値と第2の検出信号値との差が予め設定された閾値よりも大きい回数の和が予め設定された閾値よりも大きく、例えば5回を超えることを検出すると、対応する第1の較正位置で較正された基準信号値が不正確であると決定し、これにより、対応する位置の基準信号値を補正する必要がある。
【0054】
具体的には、第1の検出信号値に基づいて第1の基準信号値を補正し、及び第2の検出信号値に基づいて第2の基準信号値を補正し、ここで、複数回検出された第1の検出信号値の差がいずれも予め設定された閾値よりも小さい場合には、いずれか1回測定された第1の検出信号値を第1の較正位置に対応する第1の基準信号値として選択し、複数回検出された第2の検出信号値の差がいずれも予め設定された閾値よりも小さい場合には、いずれか1回測定された第2の検出信号値を第2の較正位置に対応する第2の基準信号値として選択し、複数回検出された第1の検出信号値が互いに等しくなく、互いの差が予め設定された閾値(当該予め設定された閾値が比較的小さい)よりも大きい第1の検出信号値が存在する場合には、複数回検出された第1の検出信号値の平均値を新たな第1の基準信号値とし、複数回検出された第2の検出信号値が互いに等しくなく、互いの差が予め設定された閾値(当該予め設定された閾値が比較的小さい)よりも大きい第2の検出信号値が存在する場合には、複数回検出された第2の検出信号値の平均値を新たな第2の基準信号値とする。
【0055】
もちろん、実際の実行中には、スライドコンポーネントのスライド故障によりスライドコンポーネントのスライドが不十分となり、第1の較正位置における第2の較正位置のホール素子の検出信号値が収集できない場合があるため、スライドコンポーネントが対応する第2の較正位置にスライドするように制御し、第2の較正位置の検出信号値に対して補正を行う必要がある。なお、第2の較正位置の検出信号値を収集する際には、それが到達できないため、第2の較正位置の検出信号値が収集できないことになり、この場合、第2の較正位置における検出信号値と予め較正された基準信号値との比較結果が異常範囲に属することは明らかである。
【0056】
具体的には、スライドコンポーネントが予め設定された以前に到達したことのない1つ又は複数の第2の較正位置にスライドするように制御し、各第2の較正位置に対応する第1のホール素子から送信された第3の検出信号値、及び第2のホール素子から送信された第4の検出信号値を取得し、第3の検出信号値に基づいて第2の較正位置の第3の基準信号値を補正し、及び第4の検出信号値に基づいて第2の較正位置の第4の基準信号値を補正する。ここで、第2の較正位置の基準信号値の補正方法は、第1の較正位置の基準信号値の補正方法を参照することができるので、ここでは説明を省略する。
【0057】
ここで、第2の較正位置を決定する方法は応用シーンによって異なり、可能な実施形態として、第1の検出信号値及び第2の検出信号値に対応する第3の較正位置を統計し、第3の較正位置を第1の較正位置にマッチングさせ、第1の較正位置において第3の較正位置にマッチングしない第2の較正位置を決定する。つまり、検出された検出信号値に対応する較正位置がカバーしていない第1の較正位置を第2の較正位置として決定し、ここで、ある周期でA較正位置の検出信号値が検出され、別の周期でA較正位置が検出されないという状況があり、その場合には、当該A位置も第2の較正位置として決定されることになる。
【0058】
本実施例において、スライドコンポーネントが第2の較正位置に到達できない障害を排除するために、第2の較正位置の基準信号値を補正する前に、ポップアップウィンドウなどの形式で補正通知を送信することができ、当該補正通知は、他の操作よりも優先されてもよく、ユーザが当該補正通知に基づいて送信した補正確認命令を取得した後、例えば、ユーザによるポップアップウィンドウにおける決定コントロールのトリガ操作を受信した後のみ、駆動コンポーネントを制御し、駆動コンポーネントが達成可能な最大の駆動力でスライドコンポーネントを制御して第1の位置及び第2の位置でスライドさせ、スライドコンポーネントが第2の較正位置にスライドしたとき、第1のホール素子及び第2のホール素子が検出した第3の検出信号値及び第4の検出信号値を取得する。
【0059】
ここで、スライドコンポーネントが第2の較正位置に到達できない原因がスライドコンポーネントのスライド軌跡にある異物によるものである場合、ユーザは手動で障害を排除した後、補正確認命令を送信してもよいし、あるいは、電子機器は関連するセンサによる障害原因の検出に基づいて、障害原因を補正通知に表示し、ユーザは障害の排除を決定した後、補正確認命令を送信することができる。
【0060】
以上のように、第1の較正位置がスライドコンポーネントのスライドアウト減速位置、スライドアウト加速位置、スライドアウト中断位置、スライドイン減速位置、スライドイン加速位置、及びスライドイン中断位置のうちの1つ又は複数である場合には、スライドコンポーネントのスライド速度の表示が異なり、スライドコンポーネントのスライド速度が異なり、スライド速度の異なりにより、磁界発生素子が発生する信号の干渉の度合いが異なるため、本発明の実施例において、補正の精度を向上させるために、第1の位置から第2の位置にスライドする際には、スライドコンポーネントのスライドアウト減速位置、スライドアウト加速位置、スライドアウト中断位置の基準信号値を補正し、第2の位置から第1の位置にスライドインする際には、スライドイン減速位置、スライドイン加速位置及びスライドイン中断位置の基準信号値を補正する。これに基づき、第2の較正位置に属さない第1の較正位置についても同様の補正方法を行うことができ、補正後の信号基準値の精度を確保し、即ち検出中に検出された信号基準値を用いて補正を行わないことで、検出中にスライドコンポーネントのスライド故障によるスライド速度への影響を回避し、これにより、検出信号値と正常動作状態での検出信号値との差が大きい。
【0061】
本発明の実施例に係るスライドコンポーネントのスライド補正方法を当業者にはより明確にするために、以下に具体的な例を挙げて説明するが、本例では、第1の較正位置は、
図10に示す4つの位置であり、回数に対応する予め設定された閾値はNであり、ここで、Nは正の整数である。
【0062】
具体的には、
図11に示すように、電子機器の出荷時に、第1の較正位置の信号基準値を設定し、当該信号基準値を補正し、取得した第1の較正位置の信号検出値と信号基準値との間の差の範囲が適正であるか否かを検出し、適正でない場合には回数を累積し、差の範囲が適正であるとともに累積回数がNよりも小さい場合には、累積回数がN以上になるまでサイクル検出を行う。
【0063】
さらに、当該信号基準値を補正し、スライドコンポーネントのスライドを制御して第1の位置及び第2の位置にスライドできるようにし、第1の位置及び第2の位置にスライドできる場合には、第1の位置から第2の位置にスライドしたときに、7cm及び8.3cmに達した時の検出信号値を記録し、当該検出信号値に基づいて7cm及び8cmの基準信号値を補正し、第2の位置から第1の位置にスライドインすると、1.5cm及び0.2cmの検出信号値を記録し、当該検出信号値に基づいて1.5cm及び0.2cmの基準信号値を補正する。これにより、基準信号値が書き換えられる。
【0064】
以上説明したように、本発明の実施例に係るスライドコンポーネントのスライド補正方法は、スライドコンポーネントによって関連コンポーネントが画面占有率に与える影響が低減され、スライドコンポーネントにおける関連位置の基準信号値が補正され、ここで基準信号値は2つのホール素子が検出した検出信号値に基づいて補正され、スライドコンポーネントのスライド位置検出の信頼性を向上させる。
【0065】
上記実施例を実現するために、本発明は、スライドコンポーネントのスライド補正装置をさらに提供し、
図12は、本発明の一実施例に係るスライドコンポーネントのスライド補正装置の構造を示す模式図であり、スライドコンポーネントは、電子機器に用いられ、電子機器は、本体と、検出コンポーネントと、駆動コンポーネントとを含み、駆動コンポーネントは、スライドコンポーネントが本体に収容された第1の位置と本体から露出した第2の位置との間をスライドするように制御するために用いられ、検出コンポーネントは、磁界発生素子と、第1のホール素子と、第2のホール素子とを含み、磁界発生素子、第1のホール素子及び第2のホール素子は、それぞれスライドコンポーネント及び本体に固定され、ここで、スライドコンポーネントが第1の位置から第2の位置へスライドする過程において、磁界発生素子は、第1のホール素子から離れ、第2のホール素子に近づき、
図12に示すように、スライド補正装置は、取得モジュール10と、比較モジュール20と、補正モジュール30とを含む。
【0066】
ここで、取得モジュール10は、スライドコンポーネントのスライド中に、到達した1つ又は複数の第1の較正位置に対応する第1のホール素子から送信された第1の検出信号値、及び第2のホール素子から送信された第2の検出信号値を取得するために用いられる。
【0067】
本発明の一実施例において、第1の較正位置は、スライドコンポーネントのスライドアウト減速位置、スライドアウト加速位置、スライドアウト中断位置、スライドイン減速位置、スライドイン加速位置、及びスライドイン中断位置のうちの1つ又は複数を含む。
【0068】
比較モジュール20は、各第1の較正位置の第1の検出信号値を予め設定された第1の基準信号値と比較し、及び第2の検出信号値を予め設定された第2の基準信号値と比較するために用いられる。
【0069】
補正モジュール30は、比較結果が予め設定された異常範囲に属する回数が予め設定された閾値に到達する場合、第1の検出信号値に基づいて第1の基準信号値を補正し、及び第2の検出信号値に基づいて第2の基準信号値を補正するために用いられる。
【0070】
本発明の一実施例において、
図13に示すように、
図12に示すようなものの上に、当該装置は、制御モジュール40をさらに含み、ここで、制御モジュール40は、スライドコンポーネントが予め設定された以前に到達したことのない1つ又は複数の第2の較正位置にスライドするように制御するために用いられる。
【0071】
本実施例において、取得モジュール10はさらに、各第2の較正位置に対応する第1のホール素子から送信された第3の検出信号値、及び第2のホール素子から送信された第4の検出信号値を取得するために用いられる。
【0072】
補正モジュール30はさらに、第3の検出信号値に基づいて第2の較正位置の第3の基準信号値を補正し、及び第4の検出信号値に基づいて第2の較正位置の第4の基準信号値を補正するために用いられる。
【0073】
なお、スライドコンポーネントのスライド補正方法の実施例についての前述の説明は、本発明の実施例に係るスライドコンポーネントのスライド補正装置にも適用可能であり、その実現原理は同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0074】
以上説明したように、本発明の実施例に係るスライドコンポーネントのスライド補正装置は、スライドコンポーネントによって関連コンポーネントが画面占有率に与える影響が低減され、スライドコンポーネントにおける関連位置の基準信号値が補正され、ここで基準信号値は2つのホール素子が検出した検出信号値に基づいて補正され、スライドコンポーネントのスライド位置検出の信頼性を向上させる。
【0075】
上記実施例を実現するために、本発明は、電子機器をさらに提供し、ここで、
図1~
図4を参照すると、電子機器は、本体10と、検出コンポーネント30と、駆動コンポーネント50とを含み、駆動コンポーネント50は、スライドコンポーネントが本体に収容された第1の位置と本体から露出した第2の位置との間をスライドするように制御するために用いられ、検出コンポーネントは、磁界発生素子31と、第1のホール素子32と、第2のホール素子33とを含み、磁界発生素子31、第1のホール素子32及び第2のホール素子33は、それぞれスライドコンポーネント20及び本体10に固定され、ここで、スライドコンポーネント20が第1の位置から第2の位置へスライドする過程において、磁界発生素子31は、第1のホール素子32から離れ、第2のホール素子33に近づき、電子機器は、メモリ70と、スライドコンポーネントに電気的に接続されたプロセッサと、メモリ70に記憶されかつプロセッサ60上で動作可能なコンピュータプログラムとをさらに含み、プロセッサがプログラムを実行する際に、前述した実施例に記載のスライドコンポーネントのスライド補正方法を実現する。
【0076】
上記実施例を実現するために、本発明の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供し、当該プログラムがプロセッサによって実行されるときに前述した方法の実施例に記載のスライドコンポーネントのスライド補正方法を実現する。
【0077】
本明細書の記載において、「1つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、「例示的な実施形態」、「例」、「具体的な例」、又は「いくつかの例」などの参照用語の記載は、実施形態又は例に関連して説明された詳細な特徴、構造、材料又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態又は例に含まれていることを意味する。本明細書において、上記用語の例示的表現は、必ずしも同じ実施形態又は例を指すわけではない。追加的には、記載される詳細な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ又は複数の実施形態もしくは例に適切な方法で組み合わされてもよい。
【0078】
以上、本発明の実施形態について図示し、説明したが、当業者は、本発明の原理及び趣旨から逸脱することなく、これらの実施形態に様々な変更、修正、置換、及び変形を実施できることを理解するであろう。本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物によって定義される。