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特許7254953ケース、二次電池、電池パック、車両及び二次電池の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-31
(45)【発行日】2023-04-10
(54)【発明の名称】ケース、二次電池、電池パック、車両及び二次電池の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/124 20210101AFI20230403BHJP
   H01M 50/103 20210101ALI20230403BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20230403BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20230403BHJP
【FI】
H01M50/124
H01M50/103
H01M50/249
H01M50/209
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021553389
(86)(22)【出願日】2020-07-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-02
(86)【国際出願番号】 CN2020105558
(87)【国際公開番号】W WO2021052019
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2021-09-08
(31)【優先権主張番号】201910884725.4
(32)【優先日】2019-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100082876
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 一幸
(74)【代理人】
【氏名又は名称】柿本 恭成
(74)【代理人】
【識別番号】100178906
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 充和
(72)【発明者】
【氏名】ユー ジン ジン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ ジェ
(72)【発明者】
【氏名】チェン ヂー ミン
(72)【発明者】
【氏名】ハン ルェイ チー
【審査官】守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-049942(JP,A)
【文献】特表2015-508564(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106883724(CN,A)
【文献】国際公開第2016/075736(WO,A1)
【文献】特表2015-507327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/10
H01M 50/20
H01M 50/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池に用いられ、底壁及び側壁を含むケースであって、
前記底壁及び前記側壁は、一端に開口を有し、二次電池の電極アセンブリを収容するための収容室を画定し、
前記側壁の外面は、その上に絶縁コーティングが塗布された塗布領域を有し、
前記塗布領域は、前記側壁の前記底壁に近い側から前記側壁の高さ方向に沿って前記側壁の前記開口に近い側の縁部近傍まで延伸することにより、前記側壁の前記開口の縁部近傍に位置する外面に所定の高さを有する非塗布領域を保留し、
前記絶縁コーティングは、前記絶縁コーティングの総重量に対して、80~97重量%の絶縁膜形成樹脂、3~12重量%の助剤、及び0~8重量%の顔料を含むケース。
【請求項2】
前記塗布領域の面積は、前記側壁の外面の総面積の70%~85%であり、及び/又は、前記塗布領域の前記高さ方向での延在高さは、前記側壁の全高さの70%~85%である請求項1に記載のケース。
【請求項3】
前記非塗布領域の前記高さ方向での延在高さは、3mm以上である請求項1又は2に記載のケース。
【請求項4】
前記顔料における顔料粉末の粒径は、25μm以下である請求項に記載のケース。
【請求項5】
前記顔料は、トナーから選択され、及び/又は、
前記絶縁膜形成樹脂は、エポキシ樹脂、ポリウレタン、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの組み合わせから選択され、及び/又は、
前記助剤は、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、難燃剤及び可塑剤中の少なくとも一つから選択される請求項に記載のケース。
【請求項6】
前記絶縁膜形成樹脂は、アクリル官能化プレポリマー及びアクリル系モノマーが光開始剤の存在下で光硬化して得られ、
前記アクリル官能化プレポリマーは、ポリエステルアクリレートプレポリマー、エポキシアクリレートプレポリマー、ウレタンアクリレート及び純粋なアクリレートプレポリマーのうちの少なくとも一つから選択され、
前記アクリル系モノマーは、アクリル酸モノアルキルエステル、グリコールジアクリレート及びトリオールトリアクリレートのうちの少なくとも一つから選択され、又は、前記絶縁膜形成樹脂は、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリエステル又はアクリル樹脂と硬化剤の硬化反応により得られる請求項に記載のケース。
【請求項7】
前記絶縁膜形成樹脂は、アクリル官能化プレポリマー及びアクリル系モノマーが光開始剤の存在下で光硬化して得られ、
前記絶縁コーティングは、5~8重量%の顔料、60~80重量%の前記プレポリマー、10~30重量%のモノマー、2~10重量%の光開始剤及び1~3重量%の助剤を含む請求項に記載のケース。
【請求項8】
前記絶縁膜形成樹脂は、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリエステル又はアクリル樹脂と硬化剤の硬化反応により得られ、
前記絶縁コーティングは、2~3重量%の顔料、40~55重量%の本体樹脂、30~50重量%の硬化剤、1~15重量%の助剤を含む請求項に記載のケース。
【請求項9】
前記硬化剤は、フェノール樹脂及びジシアンジアミドのうちの少なくとも一つを含む請求項に記載のケース。
【請求項10】
前記絶縁コーティングの厚さは、80μm~160μmである請求項1~のいずれか1項に記載のケース。
【請求項11】
前記底壁の前記収容室から離れた外面に前記絶縁コーティングが塗布される請求項1~10のいずれか1項に記載のケース。
【請求項12】
前記塗布領域の前記開口に近い縁部は、前記側壁の前記開口に近い縁部と平行に設置される請求項1~11のいずれか1項に記載のケース。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載のケースと、
前記収容室に配置される電極アセンブリと、
前記開口部に設けられる蓋板と、
少なくとも前記非塗布領域を覆う絶縁膜と、
を備える二次電池。
【請求項14】
前記絶縁膜は、前記高さ方向に相次いで分布する貼り合わせ部及び重畳部を含み、前記貼り合わせ部は、前記非塗布領域に貼り合わせて設置され、前記重畳部は前記貼り合わせ部から前記絶縁コーティングの外面まで延びる請求項13に記載の二次電池。
【請求項15】
前記重畳部の前記高さ方向での延在高さは1.5mm~6mmである請求項14に記載の二次電池。
【請求項16】
前記絶縁膜の厚さは、100μm~120μmである請求項1315のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項17】
ケースと、前記ケース内に収容された複数の請求項1316のいずれか1項に記載の二次電池と、を備える電池パック。
【請求項18】
前記二次電池と前記ケースの内壁面とは、接着剤により接着される請求項17に記載の電池パック。
【請求項19】
請求項17又は18に記載の電池パックを備えた車両。
【請求項20】
請求項1~12のいずれか1項に記載のケースを提供する工程と、
電極アセンブリを前記開口部から前記収容室内に入れる工程と、
蓋板を前記開口部にカバーし、かつ前記蓋板と前記側壁を互いに溶接して接続する工程と、
前記側壁の外に少なくとも前記非塗布領域を覆う絶縁膜を貼り合わせて設置する工程と、
を含む二次電池の製造方法。
【請求項21】
前記請求項1~12のいずれか1項に記載のケースを提供する工程は、
シェル基体を提供する工程と、
前記シェル基体をクリーニングする工程と、
前記塗布領域内に絶縁コーティングを塗布して請求項1~12のいずれか1項に記載のケースを形成する工程と、を含む請求項20に記載の二次電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2019年9月19日に提出された「ケース、二次電池、電池パック、車両及び二次電池の製造方法」という名称の中国特許出願第201910884725.4号の優先権を主張することを要求し、該出願の全ての内容は引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願はエネルギー貯蔵設備の技術分野に関し、特にケース、二次電池、電池パック、車両及び二次電池の製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
消費電子及び電気自動車の急速な発展に伴い、リチウムイオン電子業界は各業界に広く注目されている。電池に対する要求もますます厳しくなり、新エネルギー自動車のコア部分として、リチウムイオン電池は安全性、信頼性及び安定性を兼ね備えることが厳しく要求される。
【0004】
リチウムイオン電池は電極アセンブリ及び電極アセンブリを収容する金属ケースで構成され、ケースは一般的にアルミニウムケースであり、電極アセンブリをケースに入れた後、蓋板とケースはレーザ溶接により電池の構造接続と密封を実現する。リチウムイオン電池は使用過程において絶縁を保証して電池モジュール、電池パックのレベルで使用過程における安全信頼性を実現する必要がある。現在リチウムイオン電池は一般的に面に絶縁膜を貼り付けることにより電池を電池モジュール、電池パックに組み立てる過程における絶縁要求を実現する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、絶縁膜は製造又は運転過程において外部物質、硬質粒子等に傷つけられ、破壊されやすく、絶縁失効を引き起こし、電池の安全性能に影響を与える。
したがって、新たなケース、二次電池、電池パック、車両及び二次電池の製造方法を必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願はケース、二次電池、電池パック、車両及び二次電池の製造方法を提供し、二次電池の安全性能を向上させることを目的とする。
【0007】
本出願の第1の態様は、二次電池に用いられ、底壁及び側壁を含むケースを提供し、底壁及び側壁は、一端に開口を有し二次電池の電極アセンブリを収容するための収容室を画定し、側壁の外面はその上に絶縁コーティングが塗布された塗布領域を有し、塗布領域は側壁の底壁に近い側から側壁の高さ方向に沿って側壁の開口に近い側の縁部近傍まで延伸することにより、側壁の開口の縁部近傍に位置する外面に所定の高さを有する非塗布領域を保留する。
【0008】
好ましくは、塗布領域の面積は側壁の外面の総面積の70%~85%であり、
及び/又は、塗布領域の高さ方向での延在高さは側壁の全高さの70%~85%である。
【0009】
好ましくは、非塗布領域の高さ方向での延在高さは3mm以上である。
【0010】
好ましくは、絶縁コーティングは、絶縁コーティングの総重量に対して、80~97重量%の絶縁膜形成樹脂、3~12重量%の助剤、及び0~8重量%の顔料を含む。
【0011】
好ましくは、顔料はトナーから選択され、
及び/又は、絶縁膜形成樹脂は、エポキシ樹脂、ポリウレタン、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの組み合わせから選択され、
及び/又は、助剤は、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、難燃剤及び可塑剤のうちの少なくとも一つから選択される。
【0012】
好ましくは、絶縁膜形成樹脂はアクリル官能化プレポリマー及びアクリル系モノマーが光開始剤の存在下で光硬化して得られ、ここで、アクリル官能化プレポリマーはポリエステルアクリレートプレポリマー、エポキシアクリレートプレポリマー、ポリウレタンアクリレート及び純粋なアクリレートプレポリマーのうちの少なくとも一つから選択され、アクリル系モノマーはアクリル酸モノアルキルエステル、グリコールジアクリレート及びトリオールトリアクリレートのうちの少なくとも一つから選択され、
又は、絶縁膜形成樹脂はエポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリエステル又はアクリル樹脂と硬化剤の硬化反応により得られる。
【0013】
好ましくは、絶縁コーティングの厚さは80μm~160μmである。
【0014】
本出願の第2の態様は二次電池を提供し、その二次電池は、上記ケースと、収容室に配置される電極アセンブリと、開口部に設けられる蓋板と、少なくとも非塗布領域を覆う絶縁膜と、を備える。
【0015】
好ましくは、絶縁膜は高さ方向に相次いで分布する貼り合わせ部及び重畳部を含み、貼り合わせ部は非塗布領域に貼り合わせて設置され、重畳部は貼り合わせ部から絶縁コーティングの外面まで延びる。
【0016】
好ましくは、重畳部の高さ方向での延在高さは1.5mm~6mmである。
【0017】
本出願の第三態様は、ケースと、ケース内に収容された上記二次電池と、を備える電池パックを提供する。
【0018】
好ましくは、二次電池とケースの内壁面は接着剤により接着される。
【0019】
本出願の第四態様は、上記電池パックを含む車両を提供する。
【0020】
本出願の第5の態様はさらに二次電池の製造方法を提供し、その方法は、
上記ケースを提供する工程と、
電極アセンブリを開口部から収容室内に入れる工程と、
蓋板を開口部にカバーし、かつ蓋板と側壁を互いに溶接して接続する工程と、
側壁の外に少なくとも非塗布領域を覆う絶縁膜を貼り合わせて設置する工程と、を含む。
【発明の効果】
【0021】
本出願のケースにおいて、ケースは底壁、側壁及び側壁の外面に位置する塗布領域及び非塗布領域を含み、かつ塗布領域に絶縁コーティングが塗布され、底壁と側壁が囲んで開口を有する収容室を形成し、二次電池の電極アセンブリは開口部から収容室内に配置することができる。ここで、塗布領域は側壁の底壁に近い側から高さ方向に沿ってその開口に近い側の近傍まで延伸することにより、開口縁部の近傍の外面に非塗布領域を保留する。このように、二次電池の蓋板が開口部でケースと互いに溶接される場合、溶接による高温は塗布領域での絶縁コーティングの安定性に影響を与えない。側壁の外面に絶縁コーティングが塗布され、絶縁コーティングと側壁との間の接着力が大きく、側壁の外面の平坦性及び良好な絶縁性能を保証することができる。したがって、ケースの製造及び使用過程において、絶縁コーティングは塗布領域内に長期にわたって良好に接着し、ケースの長期の安全信頼性をよりよく実現することができる。
【0022】
以下に図面を参照して本出願の例示的な実施例の特徴、利点及び技術的効果を説明し、そのうち図面は実際の比率に応じて描かれない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本出願の第1の態様の実施例が提供する二次電池の構造を示す図である。
図2】本出願の第1の態様の実施例が提供する二次電池の平面図である。
図3図2のA?A部分断面図である。
図4】本出願の第5の態様の実施例が提供する二次電池の製造方法のフローチャートである。
図5】本出願の第5の態様の実施例が提供する二次電池の製造方法で提供されるケースの構造を示す図である。
図6】本出願の第5の態様の実施例が提供する二次電池の製造方法における塗布領域及び非塗布領域を有するケースの構造を示す図である。
図7】本出願の第5の態様の実施例が提供する二次電池の製造方法における絶縁コーティングを有するケースの構造を示す図である。
図8】本出願の第5の態様の実施例が提供する二次電池の製造方法において蓋板が溶接された二次電池の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本出願の各実施形態の特徴や実施例について詳細に説明する。以下の詳細な説明において、多くの具体的な詳細を提供することにより、本出願に対して全面的に理解できる。しかしながら、当業者にとって明らかなように、本出願はこれらの具体的な詳細のうちのいくつかの詳細を必要としない場合に実施することができる。以下の実施例の説明は本出願の例を示すことにより本出願をよりよく理解するために用いられる。図面及び以下の説明において、少なくとも部分的な公知の構造及び技術は示されず、それにより本出願に不必要なファジーをもたらすことを回避する。また、明確にするために、部分的な構造のサイズを拡大した可能性がある。また、以下に記載の特徴、構造又は特性は任意の適切な方式で一つ以上の実施例に結合することができる。
【0025】
本出願の記述に対して、他に説明しない限り、「複数」の意味は二つ以上であり、用語「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」等の指示された方位又は位置関係は本出願を説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、指定された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成され操作されなければならないことを指示するか又は暗示するものではなく、本出願を限定するものと理解すべきではない。
【0026】
下記説明に現れた方位語はいずれも図に示された方向であり、本出願の実施例の具体的な構造を限定するものではない。本出願の説明において、さらに説明すべきことは、他に明確な規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「接続」を広義に理解すべきである。例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能に接続されてもよく、又は一体的に接続されてもよい。直接的に接続されてもよく、間接的に接続されてもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本出願における具体的な意味を理解することができる。
【0027】
本出願をよりよく理解するために、以下に図1図8を参照して本出願の実施例のケース、二次電池、電池パック、車両及び二次電池の製造方法を詳細に説明する。
【0028】
本出願はまず車両を提供し、車両に電池パックが設置される。電池パックは、ケースと、ケース内に収容された二次電池とを含む。
【0029】
図1は本出願の実施例が提供する二次電池の構造を示す図である。二次電池は、ケース10、電極アセンブリ(図示せず)及び蓋板500を備え、ケース10は底壁100と側壁200を有し、底壁100及び側壁200が一端に開口300を有する収容室400を画定し、電極アセンブリは収容室400内に位置し、正極極片、負極極片及びセパレータで巻回され、又は正極極片、負極極片及びセパレータで積層され、収容室400内にさらに電解液が注入され、蓋板500は開口300に密封的に設置される。
【0030】
ケース10と蓋板500との間の接続方式は様々であり、好ましくは、ケース10と蓋板500は溶接により互いに接続され、それによりケース10と蓋板500との間の相対位置の安定性及び接続密封の信頼性を保証する。
【0031】
いくつかの好ましい実施例において、二次電池のケース10は金属材料、例えばアルミニウム又は鋼などの金属で製造される。金属ケース10に電気化学的腐食が発生することを防止するために、一般的に金属ケース10を正に帯電させる。二次電池を電池モジュール、電池パックに組み立てる過程において、金属粒子が二次電池に落下し、二次電池のケース10を負極に電気的に接続し、二次電池の外部短絡を引き起こし、二次電池の安全性能に影響を与える可能性がある。このため、二次電池を絶縁保護する必要がある。
【0032】
いくつかの好ましい実施例において、蓋板500の収容室400から離れた外面に第1の絶縁膜510が設置される。第1の絶縁膜510の設置方式は限定されない。例えば蓋板500にさらに電極端子520等の突出構造が設置され、電極端子520は正極電極端子及び負極電極端子を含むことができ、第1の絶縁膜510に貫通孔が設置されることにより、電極端子520は貫通孔から突出する。突出を防止する構造は第1の絶縁膜510と蓋板500との間に隙間を生成させ、蓋板500と第1の絶縁膜510との間の接触面積を向上させ、さらに蓋板500と第1の絶縁膜510との間の相対位置の安定性及び接続の信頼性を向上させる。
【0033】
第1の絶縁膜510の設置方式は様々であってもよく、例えば第1の絶縁膜510はポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン及びポリテトラフルオロエチレンのうちの1種又は複数種を含む。
【0034】
二次電池ケース10の絶縁性能を保証するために、ケース10の設置方式は様々であってもよく、例えばケース10の外に絶縁膜が被覆される。
【0035】
他の好ましい実施例において、側壁200の外面はその上に絶縁コーティング210が塗布された塗布領域を有し、塗布領域は側壁200の底壁100に近い側から側壁200の高さ方向(図1におけるZ方向)に沿って側壁200の開口300に近い側の縁部近傍まで延び、それにより側壁200の開口300の縁部近傍に位置する外面に所定の高さを有する非塗布領域を保留する。塗布領域は高さ方向に沿って開口300の縁部まで延伸せず、絶縁コーティング200も側壁200の外面を完全に被覆せず、塗布領域は高さ方向に沿って開口300の縁部に近接し、かつ開口300の縁部から所定の距離を離れ、該所定の距離で限定された側壁200の外面は非塗布領域であり、非塗布領域内に絶縁コーティング210が塗布されない。即ち側壁200の外面は高さ方向に沿って相次いで分布する塗布領域及び非塗布領域を有し、塗布領域は非塗布領域より底壁100に近く、非塗布領域は塗布領域より開口300に近い。側壁200の外面とは、側壁200が収容室400から離れている面である。いくつかの好ましい実施例において、具体的に、側壁200の底壁100に近い側は側壁200と底壁100との接続部である。
【0036】
絶縁コーティング210の設置方式は様々であり、一般的な絶縁コーティング210は有機塗料を用いて塗布領域内に塗布される。塗料は温度に敏感であり、絶縁コーティング210の環境温度が高すぎ、塗料の融点より高い場合、絶縁コーティング210は溶融する可能性が高く、絶縁コーティング210の安定性及び絶縁保護性能に影響を与える。
【0037】
本出願の実施例のケース10において、塗布領域は側壁200の底壁100に近い側から高さ方向に沿ってその開口300に近い側の近傍まで延伸することにより、側壁200の開口300の縁部近傍に位置する外面に非塗布領域を保留する。このように二次電池の蓋板500が開口300でケース10と互いに溶接される時、溶接による高温は塗布領域での絶縁コーティング210の安定性に影響を与えない。側壁200の外面に絶縁コーティング210が塗布され、絶縁コーティング210の付着力が大きく、絶縁コーティング210と側壁200との間の接着力が大きく、絶縁コーティング210と側壁200との間の接着の安定性を保証し、側壁200の外面の平坦性及び良好な絶縁性能を保証することができる。したがってケース10の製造及び使用過程において、絶縁コーティング210はいずれも塗布領域内に長期にわたって良好に接着することができ、ケース10の長期の安全信頼性をよりよく実現する。
【0038】
さらに、他の好ましい実施例において、底壁100の収容室400から離れた外面にも絶縁コーティング210が塗布される。このように二次電池が電池パックのケース内に設置される場合、二次電池の底壁100とケースの底板との間の絶縁性能を保証することができる。さらに、側壁200の外面に塗布された絶縁コーティング210と底壁100の外面に塗布された絶縁コーティング210は一体に設置される。
【0039】
二次電池ケース10の外面に絶縁コーティング210が塗布される場合、二次電池とケースの内壁面との間は接着剤により接着される。ケース10の外面に絶縁コーティング210が設置されるため、絶縁コーティング210と底壁100又は側壁200との間の相対位置がより安定し、二次電池とケースの内壁面が互いに接着される場合、絶縁コーティング210とケース10が相対運動することによる二次電池とケースとの間の相対位置の安定性に影響を与えない。
【0040】
ここで、ケースの内壁面は限定されず、いくつかの好ましい実施例において、ケースは底板、底板の周側に接続された複数の側板、底板及び複数の側板で囲まれて形成された収容空間、収容空間に連通するケース開口及びケース開口部にカバーされた上蓋を含み、上蓋及び底板はケースの高さ方向に対向して設置される。ケースの内壁面は底板の収容空間に向かう面であってもよく、側板又は上蓋の収容空間に向かう面であってもよい。
【0041】
好ましくは、ケースの内壁面は底板の収容空間に向かう面であり、二次電池は接着剤により底板と互いに接着接続され、それにより二次電池をケースの底板に固定する。
【0042】
塗布領域の面積形状はここで限定されず、ケース10の外面の良好な絶縁性能を保証し、絶縁コーティング210とケース10との間の良好な接着性能を保証するために、塗布領域の面積は側壁200の外面の総面積の70%~85%である。さらに、塗布領域の面積は側壁200の外面の総面積の80%である。
【0043】
ケース10は一般的に角柱又は円柱状であり、絶縁コーティング210とケース10との間の良好な接着性能を保証するために、塗布領域の高さ方向での延在高さhと側壁200の全高さHは以下の関係を満たす。
h/H=(70%~85%)
【0044】
すなわち、塗布領域の高さ方向での延在高さは側壁200の全高さの70%~85%である。同様に絶縁コーティング210が側壁200の外面に占める面積が大きいことを保証することができ、絶縁コーティング210と側壁200との間の良好な接着性能を保証する。
【0045】
他の好ましい実施例において、蓋板500とケース10の溶接過程において絶縁コーティング210に影響を与えないことを保証するために、非塗布領域の高さ方向での延在高さmは3mm以上である。蓋板500をケース10の開口300に溶接する時、溶接による高温領域が限られ、開口300の近傍に位置する非塗布領域の高さmを3mm以上に設定し、溶接過程で生成された高温が塗布領域に及ばず絶縁コーティング210の安定性に影響を与えないことを効果的に確保できる。
【0046】
いくつかの好ましい実施例において、塗布領域の開口300に近接する縁部は側壁200の開口300に近接する縁部と平行に設置される。非塗布領域のケース10の周方向での異なる位置の高さが同じであることを保証し、蓋板500とケース10の溶接過程において開口300の周側にいずれも絶縁コーティング210の安定性に影響を与えないことを確保する。
【0047】
良好な絶縁性能を保証するために、絶縁コーティング210は一定の厚さを塗布する必要があり、いくつかの好ましい実施例において、絶縁コーティング210の厚さは80μm~160μmである。さらに、絶縁コーティング210の厚さは100μm~140μmである。絶縁コーティング210の厚さが上記厚さ範囲内にある場合、絶縁コーティング210の絶縁性能が要件を満たすことを保証することができるだけでなく、絶縁コーティング210が厚すぎることによるケース10の体積が大きすぎることを防止することができ、絶縁コーティング210が厚すぎると絶縁コーティング210の塗料の浪費をもたらし、かつ二次電池のエネルギー密度を低下させる。
【0048】
絶縁コーティング210の厚さとは、絶縁コーティング210の収容室400から離れた外面と側壁200の外面との間の距離である。塗布領域内の各箇所の絶縁コーティング210の厚さに一定の誤差が存在する可能性があり、絶縁コーティング210の厚さは塗布領域内の各箇所の絶縁コーティング210の厚さの平均値を取ることができ、又は絶縁コーティング210の厚さは塗布領域内の各箇所の絶縁コーティング210の厚さの最小値を取る。
【0049】
前記のように、絶縁コーティング210の付着力を向上させるために、絶縁コーティング210は有機塗料を利用して塗布領域内に塗布して形成される。好ましくは、絶縁コーティング210は、絶縁コーティング210の総重量に対して、80~97重量%の絶縁膜形成樹脂、3~12重量%の助剤、及び0~8重量%の顔料を含む。
【0050】
好ましくは、絶縁コーティング210は1~8重量%の顔料を含む。顔料について、指定された色、例えば青色、黄色又は赤色等を選択することができる。絶縁コーティング210に顔料を添加し、絶縁コーティング210が側壁200の外面に塗布される場合、識別しやすく、ユーザが絶縁コーティング210の色に基づいて絶縁コーティング210の塗布面積等を識別しやすい。
【0051】
いくつかの好ましい実施例において、顔料はトナーから選択される。例えば青色粉末及び二酸化チタン粉末であり、青色粉末は例えばフタロシアニン青色粉末であってもよい。青色粉末と二酸化チタン粉末との間の配合比率はここで限定されず、例えば青色粉末と二酸化チタン粉末との間の比率は1:10である。
【0052】
他の好ましい実施例において、顔料における顔料粉末の粒径は25μm以下である。顔料粉末の粒径が大きすぎて絶縁コーティング210の性能に影響を与えることを防止する。
【0053】
絶縁膜形成樹脂の設置方式は様々であり、例えば絶縁膜形成樹脂は、エポキシ樹脂、ポリウレタン、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの組み合わせから選択される。絶縁コーティング210が良好な絶縁性能を有することを保証できるだけでなく、絶縁性能が良好な付着力、抵抗率等を有することを保証できる。
【0054】
助剤の設置方式は様々であり、例えば助剤は光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、可塑剤のうちの少なくとも一つから選択される。絶縁コーティング210の後期の硬化成形に有利である。
【0055】
絶縁コーティング210は光硬化又は熱硬化することで形成される。例えば、絶縁膜形成樹脂はアクリル官能化プレポリマー及びアクリル系モノマーが光開始剤の存在下で光硬化して得られ、ここで、アクリル官能化プレポリマーはポリエステルアクリレートプレポリマー、エポキシアクリレートプレポリマー、ポリウレタンアクリレート及び純粋なアクリレートプレポリマーのうちの少なくとも一つから選択され、アクリル系モノマーはアクリル酸モノアルキルエステル、グリコールジアクリレート及びトリオールトリアクリレートのうちの少なくとも一つから選択される。
【0056】
又は、他の好ましい実施例において、絶縁膜形成樹脂はエポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリエステル又はアクリル樹脂と硬化剤の硬化反応により得られる。
【0057】
本出願の一つの実施例として、絶縁コーティング210が光硬化成形される場合、絶縁コーティング210は例えば5~8重量%の顔料、60~80重量%のプレポリマー、10~30重量%のモノマー、2~10重量%の光開始剤及び1~3重量%の助剤を含む。
【0058】
プレポリマーは例えばポリエステルアクリレートプレポリマーを含み、該プレポリマーは硬化速度が速く、光沢が高く、付着力が高い。又はプレポリマーはエポキシアクリレートプレポリマーを含み、該プレポリマーは耐化学品の耐熱性能が高く、豊富度及び付着力が高い。又は、プレポリマーはポリウレタンアクリレートを含み、該プレポリマーは低エネルギー、低収縮、レベリングがよく、靭性を向上させるという利点を有し、又はプレポリマーは純粋なアクリレートを含み、該プレポリマーは粘度が低く、レベリング外観がよいという利点を有する。
【0059】
モノマーは重合可能な官能団を含有する有機小分子であり、溶解し希釈しやすく、体系の粘度を調整することができる。モノマーは例えばアクリル酸アルキルエステルを含み、アクリル酸アルキルエステルは粘度が低く、希釈能力が高く、光硬化速度が低く、架橋密度が低く、体積収縮率が低いなどの特徴を有する。又は、モノマーはジプロピレングリコール系ジアクリレートを含み、ジプロピレングリコール系ジアクリレートは絶縁コーティングの付着力を効果的に向上させることができる。又は、モノマーはトリメチロールプロパントリアクリレートを含み、トリメチロールプロパントリアクリレートは光硬化速度が速く、架橋密度が大きく、塗膜硬度及び脆性が高く、耐性が高く、分子量が大きく、粘度が高いなどの特徴を有する。
【0060】
光開始剤は光エネルギーを吸収した後に励起単線状態に遷移することができ、系間を経て励起三線状態に遷移し、それが単線状態又は三線状態を励起する時、分子構造が不安定な状態を呈する。光開始剤中の弱い結合が均一に割れ、活性ラジカルを生成し、オリゴマーとモノマーの重合架橋を開始する。光開始剤の吸収スペクトルは、光源の発光スペクトルと一致する。光開始剤は、例えば、カラー系に適用されるITX光開始剤やTPO光開始剤であってもよい。又は、光開始剤は迅速に乾燥できる907光開始剤及び1173光開始剤である。
【0061】
助剤は、例えば、連鎖移動剤、光又は熱安定剤、可塑剤、酸素阻害剤又は遊離捕捉剤等であってもよい。
【0062】
本出願の別の実施例として、絶縁コーティング210が熱硬化成形される場合、絶縁コーティング210は例えば2~3重量%の顔料、40~55重量%の本体樹脂、30~50重量%の硬化剤、1~15重量%の助剤を含む。
【0063】
本体樹脂は例えばエポキシ樹脂を含むことができ、エポキシ樹脂は付着力が高く、力学的性質が高く、硬化収縮が低く、化学的安定性が高いなどの特徴を有する。
【0064】
硬化剤は例えばフェノール樹脂を含むことができ、フェノール樹脂は耐摩耗性が高く、強度が高く、耐食性が高いなどの特徴を有する。硬化剤は、ジシアンジアミド等を含んでもよい。
【0065】
助剤は、例えば、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、可塑剤等を含んでもよい。
【0066】
ケース10の全面的な絶縁を保証するために、いくつかの好ましい実施例において、二次電池はさらに第2の絶縁膜220を含み、第2の絶縁膜220は少なくとも非塗布領域を覆い、非塗布領域の絶縁を保証する。
【0067】
図2及び図3に示すとおり、第2の絶縁膜220の設置方式は様々であり、例えば第2の絶縁膜220は非塗布領域のみを覆う。他の好ましい実施例において、第2の絶縁膜220は高さ方向に相次いで分布する貼り合わせ部221及び重畳部222を含み、貼り合わせ部221は非塗布領域に貼り合わせられ、重畳部222は貼り合わせ部221から絶縁コーティング210の外面まで延びる。これらの好ましい実施例において、重畳部222を設置することにより、第2の絶縁膜220と絶縁コーティング210を互いに重畳することができ、第2の絶縁膜220と絶縁コーティング210との間に隙間が生じてケース10の外面の絶縁性能に影響を与えることを防止する。
【0068】
第2の絶縁膜220と絶縁コーティング210との間の互いに重畳する高さは限定されず、すなわち重畳部222の高さ方向での延在高さは限定されない。好ましくは、重畳部222の高さ方向での延在高さは1.5mm~6mmである。さらに、好ましくは、重畳部222の高さ方向での延在高さは3mm~5mmである。重畳部222の延在高さが上記範囲内にある場合、第2の絶縁膜220と絶縁コーティング210との間に隙間が発生してケース10の外面の絶縁性能に影響を与えることを防止することができるだけでなく、重畳部222の延在高さが大きすぎることによる材料の浪費を防止することができる。
【0069】
いくつかの好ましい実施例において、第2の絶縁膜220の厚さは100μm~120μmである。好ましくは、第2の絶縁膜220の厚さは110μmである。第2の絶縁膜220の厚さが上記数値範囲内にある場合、第2の絶縁膜220が厚すぎて二次電池の体積を増大させることを防止することができるだけでなく、第2の絶縁膜220の一定の耐摩耗性能を保証し、第2の絶縁膜220の耐用年数及びケース10の絶縁性能を向上させることができる。
【0070】
いくつかの好ましい実施例において、第2の絶縁膜220は第1の絶縁膜510と一体に設置され、二次電池の組立効率を向上させることができる。
【0071】
いくつかの好ましい実施例において、第2の絶縁膜220の材質は第1の絶縁膜510の材質と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0072】
図4を併せて参照すると、本出願の第2の態様はさらに二次電池の製造方法を提供し、その方法は以下のステップを含む。
【0073】
ステップS001では、ケースを提供する。
【0074】
このケースは、上記のいずれかの実施例におけるケースであってもよい。
【0075】
ステップS002では、電極アセンブリを開口部から収容室内に入れる。
【0076】
ステップS003では、蓋板を開口部にカバーし、かつ蓋板と側壁を互いに溶接して接続する。
【0077】
ステップS004では、側壁の外に絶縁膜を貼り合わせ、絶縁膜は少なくとも非塗布領域を覆う。
【0078】
本出願の実施例の方法において、ステップS002及びステップS003の前に、すなわち蓋板500とケース10を溶接する前、電極アセンブリを配置せず蓋板500を覆う前に絶縁コーティング210を塗布する操作を行い、この時にケースの質量が軽く、かつ構造が簡単であり、絶縁コーティング210を塗布しやすい。ステップS003において、非塗布領域が存在するため、溶接による高温が絶縁コーティング210の安定性に影響することを防止することができる。ステップS004により側壁200の外面の絶縁性能をさらに向上させ、非塗布領域の帯電による安全事故を防止することができる。
【0079】
いくつかの好ましい実施例において、ステップS001は以下のステップを含む。
【0080】
ステップS011では、シェル基体を用意する。
【0081】
図5に示すように、本出願の実施例により提供されるシェル基体であり、シェル基体は側壁200、底壁100、収容室400及び開口300を有する。
【0082】
ステップS012では、シェル基体をクリーニングする。
【0083】
洗浄方式は、エタノール洗浄、アセトン洗浄、ブタノン洗浄、イソアセトン洗浄及びレーザ洗浄、プラズマ洗浄等を含むが、これらに限定されない。洗浄後のシェル基体の表面エネルギーは36N/mより大きい。
【0084】
図6に示すように、シェル基体をクリーニングした後、シェル基体の側壁200の外面に塗布領域と非塗布領域を区画する。ここで、塗布領域と非塗布領域をより明らかに示すために、図6において破線で塗布領域と非塗布領域の境界を示す。理解できるように、破線はシェル基体構造を限定するものではない。図6において、高さ方向に延伸寸法がmである部分は非塗布領域であり、高さ方向に延伸寸法がhである部分は塗布領域であり、非塗布領域は塗布領域の開口300に近い側に位置する。
【0085】
ステップS013では、塗布領域内に絶縁コーティング210を塗布して上記実施例のいずれかに記載のケースを形成する。
【0086】
図7に示すように、側壁200の塗布領域内に絶縁コーティング210が塗布される。
【0087】
次にステップS002に応じて電極アセンブリをケース内に配置する。そして、図8に示すように、ステップS003により蓋板500を開口300にカバーする。最後に非塗布領域で蓋板500と側壁200を互いに溶接接続し、最後に側壁200の非塗布領域に第2の絶縁膜220を貼り合わせて設置することにより、第2の絶縁膜220は少なくとも一部の絶縁コーティング210を被覆し、かつ蓋板500の頂部に第1の絶縁膜510を貼り合わせて設置する。これにより、上記いずれかの実施例に記載の二次電池を形成する。
【0088】
接着剤等の方式で絶縁コーティングを塗布領域に塗布することができるがこれに限定されない。
【0089】
当業者であれば理解できるように、上記実施例はいずれも例示的で制限的なものではない。異なる実施例に現れた異なる技術的特徴を組み合わせることにより、有益な効果を達成することができる。当業者は図面、明細書及び特許請求の範囲を検討した上で、開示された実施例の他の変化の実施例を理解して実現すべきである。特許請求の範囲において、用語「含む」は他の装置又はステップを排除するものではない。物品が数量語で修飾されていない場合に一つ/1種類又は複数/複数種類の物品を含むことを意図し、かつ「一つ/1種類又は複数/複数種類の物品」と交換して使用することができる。用語「第1」、「第2」は任意の特定の順序を示すことではなく名称を示すことに用いられる。請求項における任意の参照符号はいずれも保護範囲を限定するものと解釈されるべきではない。請求項に現れた複数の部分の機能は一つの独立したハードウェア又はソフトウェアモジュールにより実現することができる。いくつかの技術的特徴が異なる従属請求項に現れることはこれらの技術的特徴を組み合わせて有益な効果を達成することができないことを意味しない。
【符号の説明】
【0090】
10 ケース
100 底壁
200 側壁
210 絶縁コーティング
220 第2の絶縁膜
221 貼り合わせ部
222 重畳部
300 開口
400 収容室
500 蓋板
510 第1の絶縁膜
520 電極端子
Z 高さ方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8