IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シンテゴンテクノロジー ゲー・エム・ベー・ハーの特許一覧

<>
  • 特許-包装容器用の弁 図1
  • 特許-包装容器用の弁 図2
  • 特許-包装容器用の弁 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-31
(45)【発行日】2023-04-10
(54)【発明の名称】包装容器用の弁
(51)【国際特許分類】
   B65D 30/24 20060101AFI20230403BHJP
   B29C 65/00 20060101ALI20230403BHJP
   B65D 81/26 20060101ALI20230403BHJP
【FI】
B65D30/24 S
B29C65/00
B65D81/26 E
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022517303
(86)(22)【出願日】2020-09-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-01
(86)【国際出願番号】 EP2020076115
(87)【国際公開番号】W WO2021053150
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-03-16
(31)【優先権主張番号】102019214317.2
(32)【優先日】2019-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】521077576
【氏名又は名称】シンテゴンテクノロジー ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Syntegon Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Stuttgarter Strasse 130, 71332 Waiblingen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ハンス-ペーター シュターデル
(72)【発明者】
【氏名】イェニー ハーゼ
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー ペル
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0243807(US,A1)
【文献】特開平3-24379(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0177069(US,A1)
【文献】特開2014-76858(JP,A)
【文献】米国特許第6662827(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 30/24
B29C 65/00
B65D 81/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装容器用の弁であって、開口(11)を有する少なくとも1つのベースフィルム(10)と、自由領域(17)を取り囲む少なくとも1つのフレームフィルム(13)と、前記ベースフィルム(10)に配置され、前記開口(11)を覆う少なくとも1つの膜(12)とを備え、該膜(12)と前記ベースフィルム(10)との間に流体が設けられ、
前記膜(12)は、少なくとも1つの結合領域(22)を介して取囲みフィルム(20)に結合されており、該取囲みフィルム(20)は、一方で前記ベースフィルム(10)に結合されていて、他方で前記フレームフィルム(13)に結合されており、前記膜(12)は、前記自由領域(17)内に可動に配置されており、前記取囲みフィルム(20)は、少なくとも1つの箇所で開放しており、これによって、通路(18)が形成されていることを特徴とする、
弁。
【請求項2】
前記結合領域(22)は、前記通路(18)と反対側に配置されていることを特徴とする、請求項1記載の
【請求項3】
前記取囲みフィルム(20)は、前記膜(12)を少なくとも部分的に円形にまたはU字形に取り囲んでいることを特徴とする、請求項1または2記載の
【請求項4】
前記膜(12)は円形に形成されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の
【請求項5】
前記ベースフィルム(10)、前記フレームフィルム(13)および前記膜(12)は、包装容器の内側または包装容器の外側に同様に使用可能かつ/または配置可能であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の
【請求項6】
前記フレームフィルム(13)の厚さは、前記膜(12)の厚さよりも大きく、好ましくは75%~225%だけ大きいことを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の
【請求項7】
前記フレームフィルム(13)に結合された少なくとも1つのカバーフィルム(15)が設けられていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の
【請求項8】
前記ベースフィルム(10)および/または前記フレームフィルム(13)および/または前記カバーフィルム(15)は、ポリプロピレン、PP-EVOH-PP,OPP、PET、ポリオレフィンまたは合成材料、好ましくはサステナブル原料または生分解性の合成材料から形成されていることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の
【請求項9】
前記フレームフィルム(13)は、溶着結合を介して前記ベースフィルム(10)および/または前記カバーフィルム(15)に結合されていて、特にラミネートされていることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項の前提部に記載の弁、特に包装容器用の過圧弁に関する。
【0002】
先行技術
この種の弁は、包装技術において、例えば、新たに焙煎されたコーヒーを含む事例のような、充填材料がガス発生する傾向にある場合に使用される。したがって、例えば欧州特許第760790号明細書に基づき、包装容器用の過圧弁が公知である。この公知の過圧弁は、ベースプレートであって、包装容器の壁に取り付けられ、この包装容器の壁に設けられた貫通穴にわたる中央の弁穴を有するベースプレートと、弁膜であって、弁穴を覆い、2つの平行な縁ゾーンによって通路ゾーンを開放してベースプレートに取り付けられ、閉鎖位置でベースプレート上に密に位置している弁膜とを備えている。弁穴は、互いに交差しかつ/または重なり合う少なくとも2つの円形の開口から形成されている。欧州特許第2396244号明細書に基づき、一般的な過圧弁が公知である。この公知の過圧弁は、二段の凹部を有するベースボディと、封止面に向けられた変形可能な表面を有する膜とを備えている。ベースボディは、かなり複雑な構造を有している。欧州特許第602418号明細書に基づき、別の一般的な弁が公知である。さらに、国際公開第2016/072663号に基づき、包装容器用の弁がすでに公知である。この公知の弁は、開口を有する、ポット状の合成構成要素または金属構成要素として形成された少なくとも1つのベース要素と、さらに、ポット状の合成構成要素または金属構成要素として形成され、自由領域を取り囲む少なくとも1つのフレーム要素と、ベース要素に配置され、開口を覆う少なくとも1つの膜とを備えている。この膜とベース要素との間には、流体が設けられている。
【0003】
発明の開示
これに関して、包装容器用の本発明に係る弁は、弁をより簡単に、より高い費用対効果で製造しかつ使用することができるという利点を有している。さらに、本発明による方法は、大幅に削減された材料投入量の点で優れている。主要な構成の弁は、包装容器の外側および特定の例示的な構成では包装容器の内側の両方で包装容器に取り付けられてよい。このことは、本発明によれば、膜が、少なくとも部分的に自由領域内で浮遊してかつ/または自由に可動にベースフィルムに配置されていることによって可能となる。膜は、いずれにせよ自由に可動であるように、結合領域を介して取囲みフィルムに結合されているので、膜は、弁の製造中にウェブの形態で存在していて、したがって、一体形である連続したフィルムウェブによって構造に特に容易に導入可能となる。製造プロセスはさらに簡略化される。したがって、膜は、もはや大きな面積にわたってベースボディに結合されておらず、したがって、外的な影響、例えば反りに大幅に曝されにくくなっている。本発明によれば、取囲みフィルムが、少なくとも1つの箇所で開放しており、これによって、通路が形成されている。この通路を介して、過圧が確実に低減可能となる。同時に、取囲みフィルムは、一体形の構成で形成されていてよい。結果として、取扱いが簡略化される。特に好ましくは、結合領域が、通路と反対側に配置されている。これによって、包装容器内の過圧を低減する目的で、通路に向かっての膜の特に有利な持上げが可能となる。ベースフィルムと、フレームフィルムと、該当する場合にはカバーフィルムとを備えた提案された構成(いわば二重T字形の梁のようなもの)の結果、比較的少ない材料投入量で高い程度の曲げ剛性が得られる。本発明に係る弁によって、さらに、弁の機能のために役立ち得る予荷重を膜に加えることが可能となる。弁は、射出成形された弁の良好な弁特性をフィルム弁の弁特性に組み合わせている。これによって、極めて低い開放圧および閉鎖圧が提供される。弁は、多数のフィルム層から形成されている。これらのフィルム層は、例えば回転打抜き工具で製造され、その後、互いにラミネートされる。接合は、理想的には、溶着結合を介して達成される。代替的には、付着剤、例えば接着剤が塗布されてもよい。提案された弁は、好ましくは単一の種類の材料から製造可能であり、したがって、容易にリサイクル可能であり、ひいては、環境に優しく、改善された溶着特性を有している。更なる有利な改良形態では、フィルムがポリプロピレンから形成されている。しかしながら、再生可能な材料、例えば、サステナブル原料または生分解性の合成材料に基づく合成材料も可能である。
【0004】
本発明の思想に含まれる代替的な構成では、弁が、通路なしに形成されている。代替的な実施形態では、包装容器用の弁が、開口を有する少なくとも1つのベースフィルムと、自由領域を取り囲む少なくとも1つのフレームフィルムと、ベースフィルムに配置され、開口を覆う少なくとも1つの膜とを備え、この膜とベースフィルムとの間に流体が設けられており、膜が、少なくとも1つの結合領域を介して取囲みフィルムに結合されており、この取囲みフィルムが、一方でベースフィルムに結合されていて、他方でフレームフィルムに結合されており、膜が、自由領域内に可動に配置されている。したがって、弁の製造中、膜はウェブとして存在していて、したがって、一体形である連続したフィルムウェブによって構造に特に容易に導入可能となる。
【0005】
更なる有利な改良形態では、取囲みフィルムが、膜を少なくとも部分的に円形にまたはU字形に取り囲んでいるように形成されている。この幾何学形状によって、上述した機能性を維持しつつ、ベースフィルムおよび/またはフレームフィルムへの取囲みフィルムの簡単な取付けが確保される。
【0006】
更なる有利な改良形態では、フレームフィルムの厚さが、膜の厚さよりも大きく、好ましくは75%~225%だけ大きい。これによって、自由領域に向かっての膜の十分に有利な運動の自由度が可能となる。
【0007】
更なる有利な改良形態では、ベースフィルムおよび/またはフレームフィルムおよび/またはカバーフィルムが、ポリプロピレン、OPP、PET、ポリオレフィンまたは合成材料、好ましくはサステナブル原料または生分解性の合成材料から形成されている。これによって、再使用可能性および/または環境適合性を増強させることが可能となる。
【0008】
包装容器用の弁を製造するための可能な方法では、取囲みフィルムが、一方でベースフィルムに結合され、他方でフレームフィルムに結合され、膜が、自由領域内に可動となるように配置される。特にフレームフィルムにカバーフィルムが被着される。
【0009】
更なる有利な改良形態では、開口および/または自由領域および/または膜が打抜き加工される。このステップは、製造をさらに簡略化する選択されたフィルム材料によって極めて容易に達成することができる。
【0010】
特に有利には、膜の被着前に流体がベースフィルム上にかつ/または膜上に塗布される。特に流体は、結合された膜を備えた取囲みフィルムがベースフィルム上に被着される前に、ベースフィルムと膜との間に塗布される。これによって、後続の製造ポイントでも、膜がベースフィルムに確実に結合されることが確保される。代替的には、流体を、弁を包装材料に結合するアプリケータでのちに塗布することが可能である。
【0011】
更なる有利な改良形態では、ベースフィルムおよび/または取囲みフィルムおよび/またはフレームフィルムおよび/またはカバーフィルムが、溶着結合を介して結合されていて、特にラミネートされている。製造プロセスにおいて、これによって、清浄化要求を増大させ、その上、高価であるため望ましくない接着剤を不要にすることが可能となる。内在型の弁の場合、これによって、製品に面した側に接着剤が位置することを回避することが可能となる。
【0012】
開口の製作および自由領域の製作は、ただ1つの打抜き工具によって、1回の同一のステップで実現することができる。これによって、製造がさらに簡略化される。膜を取囲みフィルムに結合して導入することによって、高いレベルの位置精度が達成可能となる。
【0013】
更なる有利な改良形態は、別の従属請求項および明細書から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の構成を添付の図面を参照しながら詳しく説明する。
図1】膜が取囲みフィルムに部分的に結合されている外在型の弁の例示的な実施形態を示す図である。
図2】個々のフィルムウェブが打ち抜かれ、溶着される、図1の弁のための製造法を示す図である。
図3】膜が取囲みフィルムに部分的に結合されている内在型の弁の例示的な実施形態を示す図である。
【0015】
発明の好適な実施形態
以下に、本発明の例示的な実施形態を図面を参照しながら詳しく説明する。
【0016】
図1には、弁8の例示的な実施形態が示してある。この弁8は、少なくとも1つの開口11を有するベースフィルム10を備えている。開口11は、例えば、互いに交差しかつ/または重なり合う2つの円の幾何学形状を有している。膜12は、少なくとも1つの、特に狭幅の結合領域22を介して取囲みフィルム20に結合されている。しかしながら、膜12の主要な部分はまだ自由に可動である。したがって、膜12と、結合領域22と、取囲みフィルム20とは、単一の部材によって形成されている。取囲みフィルム20は、小さな通路18を除いて膜12を取り囲んでいる。取囲みフィルム20と膜12との間の少なくとも1つの結合領域22は、取囲みフィルム20の一辺の真ん中に形成されている。膜12と取囲みフィルム20とは、同一のフィルムから形成されているかもしくは一体形の構成で形成されている。したがって、取囲みフィルム20の厚さは、膜12の厚さに対応している。例示的な実施形態では、取囲みフィルム20は、1つの辺で全幅に対して比較的狭幅に開放している。これによって、通路18の形成が可能となる。
【0017】
膜12の大部分は、開口11もしくはベースフィルム10から自由に持上げ可能である。このことは、ベースフィルム10の上方に位置するフレームフィルム13により形成された自由領域17によって確保される。この自由領域17は、膜12を上向きに前記自由領域17内へと確実に持ち上げることができるように形成されている。この目的のために、フレームフィルム13の自由領域17は、膜12よりも幾分大きく形成されていて、膜12の上方に配置されている。取囲みフィルム20の輪郭は、フレームフィルム13に少なくとも部分的に整合させられている。取囲みフィルム20は、フレームフィルム13に結合されている。
【0018】
フレームフィルム13へのベースフィルム10の結合および/またはカバーフィルム15へのフレームフィルム13の結合は、好ましくは溶着法を介して実現される。フィルム10,13,15は、溶着可能であるように形成されている。フィルム10,13,15は、好ましくは合成材料から形成されている。特に好ましくは、弁8は、同一の材料を含むフィルムから形成されている。本発明では、ポリプロピレンが特に適している。それぞれ異なるフィルム10,13,15の一様な材料のため、再使用可能性が簡略化される。サステナブル原料に基づく合成材料または生分解性の合成材料が使用されてもよい。例えば、ベースフィルム10および/またはフレームフィルム13および/またはカバーフィルム15は、ポリプロピレン、好ましくはOPP(二軸延伸ポリプロピレン)、つまり、長手方向または二軸方向に引き伸ばされたプロピレンから形成されてよい。ベースフィルム10および/またはフレームフィルム13および/またはカバーフィルムは、代替的にPETまたは複合フィルム、例えばPP-EVOH-PPから形成されてよい。膜12の材料は、高い酸素バリアの点で優れている。例えば、膜12はPETまたは複合材料、例えばPP-EVOH-PPから形成されている。
【0019】
発明の思想にも含まれる図3の代替的な例示的な実施形態は、内在型の弁8として実現されている。図1の例示的な実施形態に関して、1つには、カバーフィルム15も通路18も存在していない。開口11の他方の側は、フィルタ16、特に不織布フィルタ16によって覆われている。このフィルタ16もしくは不織布は、充填材料の粒子が、膜12とベースフィルム10との間で弁8内に進入することを防止するために必要である。さもないと、機能性に影響が出てしまう。しかしながら、膜12は、特に自体、結合領域22を介して取囲みフィルム20に結合されている。その結果として、このことは、一体形の構成である。
【0020】
以下の幾何学形状が、弁8に特に適していてよい。図1もしくは図3の例示的な実施形態では、ベースフィルム10の縁部長さが、好ましくは12.5mm~20mmの範囲内にあってよい。ベースフィルム10の厚さは、好ましくは0.1mm~0.25mmの範囲内にあり、特に好ましくは、例えば0.125mmである。流体膜として、流体、例えばシリコーンオイル、またはバイオ系の材料および/またはサステナブル原料に基づく流体、例えばパームオイル、ココナッツオイルまたはこれに類するものに基づく流体が使用される。流体膜の体積は約2μl~5μlである。膜12の厚さは、例えば0.025mm~0.075mmの範囲内にあり、好ましくは0.05mmである。フレームフィルム13の厚さは、例えば0.1mm~0.2mmの範囲内にある。フレームフィルム13の厚さは、膜12の厚さよりも大きい。任意選択的なカバーフィルム15の厚さは、例えば0.05mm~0.15mmの範囲内にあり、特に好ましくは0.1mmである。厚さは、使用事例、材料選択、結合法等に応じて相応に異なっていてよい。
【0021】
膜12を製作するためには、例えば、ベースフィルム10のベース領域に対応するフィルムが、膜12の円形の輪郭を提供するように打抜き加工される。膜12が、少なくとも1つの箇所または複数の箇所で(それぞれ1つまたは多数の小さなウェブによって)もしくは結合領域22で取囲みフィルム20に結合されていると、製作プロセスに対して有利である。したがって、膜12の製作および位置決めを簡略化することができる。膜12をまだ取囲みフィルム20に結合している1つの領域22もしくは複数の領域22は、膜12の周方向に対して相対的に小さく、これによって、自由領域での膜12の持上げが確保される。
【0022】
しかしながら、複数の結合領域22が設けられていることも可能である。これらの結合領域22は、開口11からの膜12の持上げがさらに確実に可能となるように配置されなければならない。
【0023】
図2による製造プロセスは、図1による弁8を製造するために用いられる。製造プロセスは、いずれにせよ、ベースフィルム10、取り付けられた膜12を備えた取囲みフィルム20、フレームフィルム13および/または場合によりカバーフィルム15に対して、それぞれ別個のフィルムウェブが供給される点で優れている。上述したフィルム10,13,15,20の個々のフィルムストリップは、通常、同一の幅を有している。
【0024】
まず、ベースフィルム10が提供される。このベースフィルム10は、すでに開口11を有していてよい。代替的には、開口11は、その場で形成、例えば打抜き加工されてよい。しかしながら、打抜き加工は、ラミネーションプロセスよりも前に実施されなければならない。
【0025】
後続のステップでは、流体もしくは流体膜がベースフィルム10上に塗布される。このことは、のちに膜12が位置することになる場所、特に開口11を取り囲む領域において行われる。代替的には、流体膜がすでに膜12の下面に塗布されていてもよい。代替的には、流体が、例えば、弁を包装材料に結合するアプリケータでのちに塗布されてもよい。
【0026】
後続のステップでは、結合領域22を介して結合された膜12を備えた取囲みフィルム20が、ベースフィルム10上に被着される。結合領域22を介して結合された膜12および/または少なくとも1つの通路18を備えた取囲みフィルム20を製造するために、対応する打抜きプロセスによって、膜12の輪郭が形成されてよく、かつ/またはのちに通路ゾーン18となる部分が打抜き加工されてよい。打抜きプロセスによって、膜12と取囲みフィルムとが少なくとも1つの結合領域22を介してのみ互いに結合されているように、膜12が取囲みフィルムから分離される。結合領域22を介して結合された膜12を備えた取囲みフィルム20が、ベースフィルム10に固定的に結合される。好ましくは、結合は、上述したように、適切な溶着結合を介して行われてよい。溶着法として、例えば熱風溶着、熱接触溶着、誘導溶着、冷間溶着および超音波溶着(別の溶着も可能)が考慮されてよい。しかしながら、代替的には、別の結合法、例えば接着等が可能である。
【0027】
その後、フレームフィルム13が取囲みフィルム20上に被着される。このとき、自由領域17が膜12の上方に位置することになる。これによって、自由領域17内への膜12の持上げが可能となる。自由領域17は、フレームフィルム13から予め打抜き加工されている。被着されるフレームフィルム13が、取囲みフィルム20に結合される。このことは、好ましくは、上述したように、対応する溶着結合を介して実現されてよい。しかしながら、代替的には、別の結合法、例えば接着が可能である。取囲みフィルム20だけが、膜12ではなく、フレームフィルム13に結合されていることが重要である。したがって、少なくとも1つの結合領域22によってのみ可動に保持された膜12の運動の自由度が確保される。
【0028】
この後、カバーフィルム15がフレームフィルム13上に被着されてよい。その後、カバーフィルム15がフレームフィルム13に結合される。このことは、好ましくは、上述したように、対応する溶着結合を介して実現されてよい。しかしながら、代替的には、別の結合法、例えば接着が可能である。このステップは、例えば、カバーフィルム15を必要としない内在型の弁8では不要にすることができる。
【0029】
フィルムウェブにおいて隣接して配置された弁8の個別化は、特に前述したアプリケータを介して包装機械内で実現されてよい。代替的には、個別化は、フィルム10,13,15,20の接合直後に実現されてもよい。
【0030】
上述した弁8は、例えば、包装プロセス後に包装体の内部に、充填材料のガス発生により形成される過圧を生じさせるガス発生製品、例えばコーヒー豆、グラウンドコーヒー、未使用の生地またはこれに類するものの包装体の芳香保護弁として使用される。放圧は、膜12を開口11もしくはベースフィルム10に対して相対的に持ち上げることによって行われ、その後、圧力は、自由領域17を介して逃げ出すか、もしくは外在型の弁の場合には、自由領域17に接続されていて、フレームフィルム13とカバーフィルム15との間に形成された少なくとも1つの側方の通路18を介して逃げ出す。
図1
図2
図3