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特許7255031逆止弁フラップ用の保持装置および保持装置の位置決め方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-31
(45)【発行日】2023-04-10
(54)【発明の名称】逆止弁フラップ用の保持装置および保持装置の位置決め方法
(51)【国際特許分類】
   F16K 15/03 20060101AFI20230403BHJP
   F16L 55/00 20060101ALI20230403BHJP
【FI】
F16K15/03 A
F16L55/00 N
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022544242
(86)(22)【出願日】2021-01-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-09
(86)【国際出願番号】 EP2021051748
(87)【国際公開番号】W WO2021151886
(87)【国際公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】2000946
(32)【優先日】2020-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507030070
【氏名又は名称】エレクトリシテ ド フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】フレノー,コラリー
(72)【発明者】
【氏名】ウッセイ,ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】ダンティック,モーリス
【審査官】岩田 健一
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-179261(JP,U)
【文献】国際公開第2005/080852(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第109578636(CN,A)
【文献】特表2022-534121(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 15/00 - 15/20
F16K 17/00 - 17/168
F16L 55/00 - 55/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器または設備の液圧試行を実施する観点で、逆止弁のフラップを閉位置に保持するためのデバイスであって、
当該デバイスは、2つのアームを備えるカリパスの形状を取る本体を含み、前記2つのアームは、第1の軸の周りで、それらの2つの反対の端のうちの第1の端で互いに対して関節作動させられること、当該デバイスは、前記第1の軸の周りで関節作動させられるホルダを有すること、並びに、前記2つのアームは、それぞれ、それらの第2の端に、前記第1の軸に対して平行な軸の周りで枢動するパッドを含むことにおいて特徴付けられる、
デバイス。
【請求項2】
前記アームは、取外し可能であり且つ交換可能であるという事実によって特徴付けられる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記ホルダは、取外し可能であり且つ交換可能であるという事実によって特徴付けられる、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記ホルダは、円筒形を有するという事実によって特徴付けられる、請求項1~3のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項5】
当該デバイスは、前記アームの間隔を調整するためのネジを含むという事実によって特徴付けられる、請求項1~4のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記パッドは、滑らない材料で被覆されるという事実によって特徴付けられる、請求項1~5のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項7】
当該デバイスは、保持脚を含むという事実によって特徴付けられる、請求項1~6のうちのいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記保持脚は、前記第1の軸の周りで関節作動させられるという事実によって特徴付けられる、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記保持脚の自由端がパッドを備えるという事実によって特徴付けられる、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
液圧試行を実施するという観点で、請求項1~9のうちのいずれか1項に記載のデバイスを、フラップを備える逆止弁を含む弁の本体内に位置付けるための方法であって、
ガスケットを前記フラップとそのシートとの間に位置付けるステップと、
前記ホルダが前記閉位置において前記フラップに対して支持されるように、並びに、前記パッドが前記弁の前記本体上で支持され、次に、当該デバイスが固定されるように、前記デバイスを導入するステップと、を含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの逆止弁(非戻り弁)(non-return valve)を含む液圧設備(hydraulic installation)の液圧試験または試行(耐圧試験)の保守運転(maintenance operation)の実施の分野にある。
【背景技術】
【0002】
多数の産業設備は、しばしば圧力の下にある、流体、液体または気体の通過のためのパイプ(配管)に連結された容量(capacities)(リザーバ、ライナ、交換機など)を含む。
【0003】
これらの設備の確実かつ安全な運転を保証するために、そのようなシステムの保守は、圧力抵抗の定期的な試験を必要とし、加圧されたデバイスの調整も、定期的に実行される液圧試行を課す。
【0004】
以下、本文において、「耐圧(resistance to pressure)」とは、前記産業設備のコンポーネントの変形、前記コンポーネントの機械的接続の完全性の喪失、及びそれらのシール能力の喪失を引き起こし得る、そのような加圧によって生成される機械的荷重に抗する能力である。
【0005】
リザーバ、ライナまたは任意の他のタイプの容量の耐圧試験または液圧試行を実行するためには、試験または試行「気泡(bubble)」を作る設置、すなわち、その技術的評価の観点から容量の加圧を可能にする閉回路の構成を変更する必要がある。
【0006】
従って、この閉回路を形成するためには、ライナの内部容積(internal volume)を隔離するために、特にライナの入口/出口がパイプに結合されているときに、ライナの入口/出口の各々を遮断(block)し得ることが必要である。
【0007】
換気点、すなわち、通気口は、デバイスおよび配管内に存在する空気が排出されることを可能にするために並びに液圧試行中の圧力の安定化を保証するために設けられる。
【0008】
試行ポンプは、充填および圧力上昇を管理するために使用され、圧力計の存在は、試験圧力の達成を保証することを可能にする。特定の場合に、試験又は試行は、例えば、周囲温度で脱塩水を用いて実施される。
【0009】
液圧試行気泡を作るために、ライナまたはパイプの隔離のために適切なストッパを使用することによって、設備内の既存のボルト付きアセンブリに依存することが可能である。しかしながら、(有毒、可燃性、爆発性などの)危険と考えられる流体または高温流体(例えば、蒸気)を使用する産業において、容量および配管は、フランジが失われ、それは、分解後に、遮断を許容するボルト付きプラグ(固体ボトム、固体フランジ)の設置を可能にする
【0010】
よって、パイプを切断し、パイプの切断断面で遮断部材を溶接することが、一般的に必要である。
【0011】
残念ながら、このタイプの遮断技術は、多数の欠点を有する。
【0012】
第1に、このタイプの解決策は、複雑な実装を必要とし、長時間の介入を生み出し、稀な特定の人的資源(溶接工、チェッカーなど)および資材物流における相当なニーズ(オーバーヘッドクレーン、足場、エアロック、絶縁除去システムなど)を必要とする。
【0013】
介入は、大きな製品危険(欠点、欠陥など)のリスクも含む。さらに、介入は、高価な交換部品(溶接された遮断デバイス、コンプライアンスを回復するための配管要素など)の供給を必要とし、それらの特定の技術的特性を考慮して、供給の遅れが長い。溶接された遮断デバイスは、実施される切断の故に限られた寿命を有するので、これは、定期的な新しい供給を必要とする。
【0014】
最後に、特定の設備におけるこの解決策の実装は、殆どの場合、例えば、ガンマ線を使用するタイプの非破壊的な検査(inspections)、施行されている規則によって定義される管理ファイルの確立によって更に完了される検査のような、特定の検査を実施することを必要とする。前記検査は、溶接に固有のリスクの中でも、ガンマショットに近接して進行中の活動の停止を強いる、拡張された特定の標識(signageの位置付けをもたらす、放射線リスクを有する。
【0015】
溶接されたストッパ(welded stoppers)の使用に関連付けられるこれらの不利点を回避するための1つの解決策は、機械的または膨張可能な遮断デバイスを使用することと、それらを遮断するようにそれらをパイプ内に位置付けることとからなる。構成に依存して、幾つかのタイプのストッパを使用することができる。
【0016】
よって、特許文献1に記載の機械的ストッパが知られている。これらの大きな寸法のストッパは、配管の内側に組み立てられており、それは、配管へのアクセスが配管の直径よりも小さい寸法を持つオリフィスを通じて達成されるという事実にもかかわらず、それらの位置決めを可能にする。これらのストッパは、液圧試験の間にそれらのシーリング(封止)を検証し且つ確認する目的で、測定値の伝達に役立つ計装(instrumentation)を可能にするために、近接してアクセスすることを必要とする。
【0017】
同様に知られていることは、特許文献2に記載のような膨張可能なストッパである。これらのストッパは、液圧試験中に電源を供給することを可能にするために、並びにパイプ内でのそれらの耐久性を保証するために、場合によってはそれらの膨張圧力を調整するために、近接してアクセスすることを必要とする。それらの用途は、意図された産業設備の構成に起因する技術的限界を有する。
【0018】
同様に利用可能なものは、特許文献3の機械的ストッパのような機械的ストッパである。これらのストッパは、それらが位置決めされる前に、差し込まれなければならないパイプを切断する必要があるという不利点を有する。溶接作業に関連する不利点は、低減されるが、除去されない。何故ならば、それらは、設備の適合性が回復されるときに依然として存在するからである。
【0019】
さらに、これらのストッパは、機械的または膨張可能であり、配管が切断されることをそれらが必要とするかどうかにかかわらず、設置されるために十分な寸法を有する直線長を必要とするという不利点を有する。その上、前記長さは、表面欠陥がなく、アクセス可能でなければならず、それらの環境は、ストッパの取扱いを可能にしなければならないが、それは必ずしもそうではない。
【0020】
設備が可能にするとき、液圧試験または試行の間に、入口/出口でライナと関連付けられ且つ加圧に抗するように寸法決めされる付属品(フィッティング)(fittings)に依存することが可能である。
【0021】
産業で使用される付属品の中には、とりわけ、フラップ付き逆止弁(non-return valve with flaps)が含まれる。
【0022】
以後、本出願において、「弁」とは、逆止弁を意味する。
【0023】
よって、添付の図1を参照するとき、先行技術に知られているフラップ付き逆止弁が観察される。それは(図1では1つだけが見える)だぼ(dowels)120によって所定の場所に保持される、シール11によって並びにカバー12によってここでは覆われる本体10を含む。
【0024】
本体10は、逆止弁1を通じる流体通路場所である水平向き101を有する下方空間とその下方部分によって連通する垂直向きを有する上方空間100を画定する。
【0025】
数値基準2は、逆止弁1のフラップを示しており、それは、遮断位置において、シート3に適用される。レバー31に対するフラップ2の関節作動(articulation)を可能にするレバー31およびナット32のピボット軸30の存在が留意される。
【0026】
矢印fは、通常の使用におけるバルブを通じる液体の移動の方向を示している。この移動は、矢印gによって示すように、フラップ2を持ち上げる傾向がある。
【0027】
設備の液圧試行の限界での弁の使用は、フラップ2が閉位置にあることを必要とする。
【0028】
実際には、信頼性の理由から、液圧試行の達成は、このタイプの機器では実施されない。
【0029】
図2に示すような弁内の液体の移動の法線方向を考えるときの)フラップの下流の試験圧力は、液圧試験または試行の検証のために必要なシーリング(封止)を保証するのに十分でない。付属品は、例えば、前記設備に必要な品質の350mmに等しいDN(公称直径)を有する弁についての10.5mm/sの漏れ流量を許容する、2012年1月5日付けNF E29-311-1、NF EN 12266-1のような、設計基準に従った「開封(unsealing)」の係数(coefficient)を有するように設計される。弁の正確な動作の単純な検証は不十分であり、フラップ、スピンドルおよびレバーの取外しを含む、弁の内部検査以上のものは、スパンフラップ2-シート3の評価によって流体逆止機能を再付与すること(requalifying)を可能にし、次に、必要であるならば、その後、そのラッピング(lapping)を実施する。
【0030】
この長い持続時間の作業は、しばしば他の活動よりも優先される、付属品の稀な適格性(competencies)を必要とする。さらに、故障の場合、介入は、長い提供(provisioning)遅延を伴う交換部品の提供を必要とする可能性がある。別の不利点は、予防的保守プログラムの対象とならないデバイスに対する作業の増加(multiplication)である。
【0031】
液圧試行のためのフラップシールスパンで必要とされる完全なシーリングを保証するために、逆止弁のシーリングを保証するために、閉塞遮断ツールを設置することが想定されることができる。
【0032】
この場合、カバー12は、その位置決めを可能にするために取り外される。市場には、このニーズに応える市場での工業的な工作機械器具設備(tooling)はない。
【0033】
手作りの工作機械器具設備が時には実装されるが、これは多数の不利点を有する。
【0034】
第1に、この工作機械器具設備は、非常に侵入的(intrusive)であり、弁のフラップの除去を必要とし、特に鋳造の改造の主要なリスクを提示する。
【0035】
次に、それらは重く、手を潰すことを含む手作業の取扱い活動に関連する安全性に関するリスクを有する。
【0036】
最後に、試験されるべき新しい弁毎に、設計が更新されなければならない。何故ならば、新しい計算ノートが生成されなければならないからである。
【0037】
上記のことから、殆どの場合に、設備の液圧試行を確実にするために、弁の上流に溶接された遮断デバイスを位置付けることが好ましい。これらの溶接されたデバイスの不利点は、前述のものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0038】
本発明の1つの目的は、前述の不利点のうちの少なくとも1つを解決することを可能にするフラップ付き逆止弁を「閉位置で遮断する」ためのデバイスを提案することである。
【0039】
特に、本発明の1つの目的は、液圧試行における境界としてフラップを有する逆止弁の使用を可能にしながら、完全なシーリングを保証することである。
【0040】
本発明の別の目的は、特に、フランスの原子力発電所のデバイスおよび容量の液圧試行のための全範囲のニーズ(DN350~900の寸法)に対応するために、フラップ付き逆止弁の全寸法および全生産者に適したデバイスを提案することである。
【0041】
本発明の別の目的は、その位置決めが単純であり、迅速であり、完全な安全性で単一の介入者によって実施されることができ、特定の技術的および人的資格を必要としないデバイスを提案することである。
【0042】
本発明のさらに別の目的は、完全性がその実装の初めから終わりまで保証され、コンポーネントの全ての要素が失われやすくないと考えられるデバイスを提案することである。
【0043】
本発明の補足的な目的は、ラッピング型の重い保守運転を必要とするあらゆる侵入的な運転を避け、希少な付属品資源を動員することである。
【0044】
本発明のさらに別の補足的な目的は、閉回路内に閉じ込められた空気を排出することを可能にして、試験中の圧力の安定性を保証することである。
【課題を解決するための手段】
【0045】
この目的のために、本発明の第1の態様は、機器または設備の液圧試行を実施する観点で、逆止弁(非戻り弁)(non-return valve)のフラップを閉位置に保持するためのデバイスに関し、当該デバイスが、2つのアームを備えるカリパスの形状を取る本体を含み、2つのアームは、第1の軸の周りで、それらの2つの反対の端のうちの第1の端で互いに対して関節作動させられること、当該デバイスが、第1の軸の周りで関節作動させられるホルダを有すること、並びに、2つのアームが、それぞれ、それらの第2の端に、第1の軸に対して平行な軸の周りで枢動するパッドを含むことを特徴とする。
【0046】
これらの特性の故に、含まれるものは、その構造、その位置決め及びその動作が簡単であり、それによって、多数の逆止弁のフラップを閉位置に保持することができる、デバイスである。
【0047】
本発明の他の有利かつ非限定的な特徴によれば、単独で、或いは任意の組み合わせにおいて、
- アームは、取り外し可能であり且つ交換可能である。
- ホルダは、取り外し可能であり且つ交換可能である。
- ホルダは、円筒形を有する。
- デバイスは、アームの間隔を調整するためのネジを含む。
- パッドは、滑らない材料で被覆される。
- デバイスは、保持脚を含む。
- 保持脚は、第1の軸の周りで関節作動させられる。
- 保持脚の自由端は、パッドを備える。
【0048】
本発明の別の態様は、液圧試行を実施するという観点で、先行する請求項のうちのいずれか1つに記載のデバイスを、フラップを備える逆止弁を含む弁の本体内に位置付けるための方法に関し、当該方法は、以下のステップ、すなわち、
- ガスケットをフラップとそのシートとの間に位置付けるステップ、
- ホルダが閉位置においてフラップに対して支持されるように、並びに、パッドが弁の本体上で支持され、次に、デバイスが固定されるように、デバイスを導入するステップ、
を含むという事実によって特徴付けられる。
【0049】
本発明の他の構成および利点は、添付の図面を参照して次に与えられる記述から明らかになるであろう。添付の図面は、表示のためのものであるが、限定を伴わずに、本発明の異なる可能な実施形態を表示のために示している。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】先行技術から知られているフラップを有する逆止弁の構造の垂直断面図である。
図2】設備が液圧試行構成にあるときの弁の動作を図示することが意図された図1と同様の図である。
図3】本発明によるデバイスの第1の実施形態の側面図である。
図4図3に示すデバイスのようなデバイスを位置決めしたフラップを有する逆止弁の構造の垂直断面図である。
図5】ガスケットの従来の位置決めを示す前述のものと同様の図である。
図6図3に示すデバイスのようなデバイスの位置決めを示す図4と同様の図である。
図7】デバイスは所定の場所にある、前述の図と同様の図であり、この図は、設備が液圧試行構成にあるときの弁の動作を図示している。
図8】本発明によるデバイスの第2の実施形態の側面図である。
図9】本発明によるデバイスの第3の実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本発明によるデバイスの第1の実施形態を添付の図3に示す。
【0052】
このデバイス4は、本質的に金属部品から形成される。デバイス4は、2つのアーム41および42を有するカリパス(caliper)の一般的な形状をとる本体40を含む。それは、例えば、350mm~900mmの間を含む公称直径について、広範囲の弁に適合するように寸法決めされる。
【0053】
2つのアーム41および42は、図中の参照X-X’によって具現された軸の周りで、それらの2つの対向する端のうちの第1の端で互いに対して関節作動させられる。
【0054】
アーム41及び42は、有利には、装備されるべき弁の特性にかかわらずデバイス4を適合可能にするために、好ましくは取り外し可能であり且つ交換可能である、台形ネジ山を有する2つのネジで構成される。
【0055】
このデバイス4は、弁フラップの取付けナットに対するより大きな適合性を可能にするために、ここでは円筒形状のホルダ5も備える。このホルダは、ホルダがアーム41及び42の向きに対して任意の所望の向きを占めることを可能にするように、前述の軸X-X’の周りで関節作動させられる。有利には、このホルダは、広範囲の弁直径に適合し得るように、取り外し可能にされ且つ交換可能にされる。ここには示さないが、ホルダは、デバイス全体を調整する前にその位置をロックすることを可能にする保持ネジを備えることができる。
【0056】
先取り(pre-emption)を容易にし、デバイスの手動クランプを確実にするために、2つのローレット付き(knurled)調整ノブ43が設けられる。
【0057】
アーム41及び42の各アームの自由端に、すなわち、ホルダ5に対して反対の端に、枢動パッド6(pivoting pad)が設けられる。各パッドは、前述の軸X-X’に対して平行に、軸Y-Y’、それぞれY-Y’、Z-Z’の周りで移動可能である。
【0058】
有利には、パッド6は、滑らない材料、すなわち、滑りのないことおよびデバイスが設置されることが意図される弁の鋳造物の保存を保証する摩擦係数を有する材料で被覆される。
【0059】
調整ネジ7は、デバイスの2つのアーム41および42を所定の位置に保持することを可能にする。ツール(工具)の位置決めの後に、設定トルクへのクランプがこのネジに対して実施される。
【0060】
可能な実施形態によれば、このデバイスの異なる要素は、全て、「急速解放(クイックリリース)」クリップを使用して取り外し可能であるように設計される。
【0061】
添付の図8には、図3のデバイスと実質的に同じデバイスが示されている。これらの図において、名称の数値参照は、同一又は類似の要素を指し示すものである。この変形は、調整ネジ7が、調整ノブを形成する円筒状部分8によって接続された2つの別個のネジ山付きロッド80、すなわち、左ネジ山を有する1つのネジ山付きロッドおよび右ネジ山を有する他のネジ山付きロッドによって置き換えられているという事実によって、既に記載されたものと区別される。この変形は、デバイスの調整を単純化することを可能にする。この図では、ホルダ5を所定の位置に保持するためのネジ50が見える。
【0062】
大きな直径のフラップを有する逆止弁(非戻り弁)(non-return valve)について、デバイス4は、アセンブリの重量を支持するようにホルダ5に配置された、図9に示すような保持脚9(holding foot)を備えることができる。
【0063】
この脚9は、軸の周りで移動可能である。
【0064】
デバイス4は、それが単一ブロックで取り扱われることができるために、並びに要素の損失のリスクがないように、弁の本体内への導入前に所望の構成に従って組み立てられる。
【0065】
それは、その取扱いに柔軟性をもたらす幾つかの自由度を有する。
【0066】
本発明は、設備の液圧試行を実施する観点から、このタイプのデバイスをフラップ付き逆止弁内に位置決めする方法をその目的として有する。この方法は、本質的に以下のステップを含む。
- 前記フラップとそのシートとの間にガスケットを位置付けるステップ。
- 前記ホルダが閉位置において前記フラップに対して支持されるように、並びに前記パッドが前記弁の本体上で支持されるように前記デバイスを導入し、次に、前記デバイスを固定するステップ。
【0067】
このプロセスは、図4図7を参照して、以下に詳細に記載される。図4図7では、デバイスを図3に示すよう位置付けることが提案される。
【0068】
本体1のカバーがひとたび取り外されると(図4の状態)、弁のフラップ2(図5)は持ち上げられて、ガスケット3がフラップ2とそのシートとの間のスパン(span)上に位置付けられる。
【0069】
好ましくは、これは、その形状が弁の形状に適合されることを可能にし、その最も厚い位置がフラップ2の操作軸とは反対に位置付けられる、機械加工されたシールを含む。しかしながら、機械加工されたシールがない場合であろうが、コストの理由であろうが、十分な厚さを有する平坦なシールを使用することができる。
【0070】
デバイス4は、次に、ローレット付き調整ノブ43によって本体10に導入されることができ且つ位置決めされることができる弁のバルクに依存して調整される。
【0071】
パッド6の移動性、並びにそれらのコーティングの性質は、本体10内での自己位置決めを可能にする。
【0072】
調整ネジ7は、好ましくは、上向きに方向付けられ、次に、設定されたトルクへのクランプが適用される。このクランプは、配管内の水の上昇中にデバイスの位置を保持することを可能にする。
【0073】
シーリングは、サービスにおける確認または調整を必要とせずに、フラップに対する試験圧力の作用を通じたオートクレーブ効果(autoclave effect)によって保証される。
【0074】
次に、本体10は、シールおよび通気システムEを備えるそのカバー12を位置付けることによって形成される。後者は、本体10内に存在する残留空気を排出することを可能にする。それは、弁に接続された可撓性ホースを含む高圧アセンブリから構成され、可撓性ホースは、ネジ止めされた要素によってカバー12に組み立てられる。
【0075】
このデバイスは、弁スパンの傾きにかかわらず、フラップ2の全ての寸法で使用されることができる。
【0076】
このデバイスは、従来の原子力発電所の島の交換器および容量の液圧試行のために設計されている。その構成を考慮すると、それは、いずれかのタイプの産業(化学、石油化学など)における液圧試験または試行のためであろうが或いは保守運転のためであろうが、遮断される必要がある全ての戻止弁で使用されることができる。
【0077】
フランスの原子力発電所の交換器及び容量の液圧試験の場合には、以下の利点が強調される。
- 工作機械器具設備の位置決めは簡単である。それは液圧試行の範囲内で必要とされる基本的な適格性(competencies)以外の特定の適格性を必要としない。特定の訓練を受ける必要もなく、運転ガイドが介入のために供給される。
- 介入者は、完全な安全性を伴って工作機械器具設備のみを位置付けることができ、それは活動のために動員される資源を最適化することを可能にする。
- この工作機械器具設備の使用は、溶接される遮断デバイスの位置決めのような現在実装されている解決策に対して経済的利益をもたらす。
- この工作機械器具設備の使用は、溶接作業に関する活動の計画を減らすことも可能にし、コンプライアンスの回復はより迅速である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0078】
【文献】仏国特許出願公開第2989146号公報
【文献】仏国特許出願公開第2751006号公報
【文献】国際公開第00/03172号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9