(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-03
(45)【発行日】2023-04-11
(54)【発明の名称】振戦の影響を制御するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20230404BHJP
【FI】
A61N1/36
(21)【出願番号】P 2020508991
(86)(22)【出願日】2018-08-27
(86)【国際出願番号】 US2018048118
(87)【国際公開番号】W WO2019046180
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-08-20
(32)【優先日】2017-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520050897
【氏名又は名称】アドベンタス ベンチャーズ, エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】ADVENTUS VENTURES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】モーデブ, シャラム
(72)【発明者】
【氏名】ウッズ, カーラ マン
(72)【発明者】
【氏名】サマ, リンダ
(72)【発明者】
【氏名】アブディーン, ファイザル
【審査官】和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-519400(JP,A)
【文献】特表2017-524396(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0165486(US,A1)
【文献】特表2016-511651(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/36
A61H 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不随意筋収縮の治療のためのシステムであって、
内部接触面を有し、対象者の肢の第1の部分を少なくとも部分的に取り囲むように構成されたウェアラブルインターフェースと、
前記ウェアラブルインターフェースにより支持され、前記対象者の前記肢に振動エネルギーおよび電気刺激エネルギーを印加するように構成されたエネルギーアプリケータであって、前記振動エネルギーを15kHz~1MHzの周波数で印加するように構成されたエネルギーアプリケータと、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記振動エネルギーが、前記ウェアラブルインターフェースによって支持された1つ以上の圧電素子によって提供される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つ以上の圧電素子のうちの少なくとも1つが、20kHz~700kHzの周波数で振動するように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記電気刺激エネルギーが、前記ウェアラブルインターフェースにより支持された1つ以上の電極により提供される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記エネルギーアプリケータの動作を制御するように構成された制御ユニットをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御ユニットがプログラム可能である、請求項
5に記載のシステム。
【請求項7】
前記制御ユニットが、前記エネルギーアプリケータの動作を経時的に修正するように構成されている、請求項
5に記載のシステム。
【請求項8】
前記ウェアラブルインターフェースにより支持され、前記肢内の筋収縮に関連する信号を出力するように構成されたセンサをさらに備える、請求項
5に記載のシステム。
【請求項9】
前記制御ユニットが、前記センサにより出力される前記信号の測定された変化に少なくとも部分的に基づいて、前記エネルギーアプリケータの動作を修正するように構成されている、請求項
8に記載のシステム。
【請求項10】
前記制御ユニットが、前記センサにより出力される前記信号の振幅の変化に応答して、前記エネルギーアプリケータにより印加されるエネルギーの振幅または周波数の少なくとも一方を変化させるように構成されている、請求項
9に記載のシステム。
【請求項11】
前記制御ユニットが、前記センサにより出力される前記信号の振幅の増加に応答して、前記エネルギーアプリケータにより印加されるエネルギーの振幅または周波数の少なくとも一方を増加させるように構成されている、請求項
9に記載のシステム。
【請求項12】
前記制御ユニットが、前記対象者の前記肢における振戦の振幅、強度および/または出現率に比例する方法で前記エネルギーアプリケータの動作を修正するように構成されている、請求項
9~
11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
1つ以上の患者活動特性を記憶するように構成されたメモリをさらに備える、請求項
8~
12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記1つ以上の患者活動特性が、食べる、飲む、歩く、走る、寝る、起きている間に休む、座る、話す、瞑想する、タイピングする、および書くことのうちの1つ以上を含む、請求項
13に記載のシステム。
【請求項15】
前記電気刺激エネルギーが、前記ウェアラブルインターフェースにより支持された1つ以上の電極により供給され、前記制御ユニットが、前記1つ以上の電極の1つ以上のパラメータを増加または減少させるように構成されている、請求項
8~
14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記1つ以上のパラメータが、電圧、電流、周波数、およびパルス幅からなるリストから選択される少なくとも1つのパラメータを含む、請求項
15に記載のシステム。
【請求項17】
前記制御ユニットが、二相性正弦波、多相性波、単相性正弦波、二相性脈動性正弦波、二相性矩形波、単相性方形波、単相性脈動性矩形波、二相性スパイク波、単相性スパイク波、および単相性脈動性スパイク波からなるリストから選択される1つ以上のパターンで前記1つ以上の電極を作動させるように構成されている、請求項
15または
16に記載のシステム。
【請求項18】
前記制御ユニットが、前記対象者に合わせて構築または適合された個別の治療計画を提供するように構成されている、請求項
5~1
7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記ウェアラブルインターフェースが、前記対象者の手首を少なくとも部分的に取り囲むように構成されたリストバンドを備える、請求項1~
18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記エネルギーアプリケータが、前記内部接触面に隣接して支持され、前記対象者の前記手首の皮膚に接触するように構成されている、請求項
19に記載のシステム。
【請求項21】
前記エネルギーアプリケータが、エネルギーをパルス状に印加するように構成されている、請求項1~
20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記エネルギーアプリケータが、振動と電気刺激との特定の組み合わせを含む混合信号を生成するように構成されている、請求項1~
7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
前記混合信号が、振動または電気刺激の一方のみからなる第1の単独期間と、振動または電気刺激の他方のみからなる第2の単独期間とを含む、請求項
22に記載のシステム。
【請求項24】
前記混合信号が、振動および電気刺激の両方からなる第1の組み合わせ期間と、振動および電気刺激の両方からなる第2の組み合わせ期間とを含み、前記第1の組み合わせ期間が、振動量と電気刺激量との第1の比を有し、前記第2の組み合わせ期間が、前記第1の比とは異なる、振動量と電気刺激量との第2の比を有する、請求項
22または
23に記載のシステム。
【請求項25】
前記エネルギーアプリケータが、増幅されていない前記振動エネルギーを印加するように構成された第1の圧電素子を備える、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明の実施形態は、振戦の影響を制御するためのシステムおよび方法に関する。
【発明の概要】
【0002】
[0002]本開示の第1の実施形態では、不随意筋収縮の治療のためのシステムは、内部接触面を有し、対象者の肢の第1の部分を少なくとも部分的に取り囲むように構成されたウェアラブルインターフェースと、ウェアラブルインターフェースによって支持され、対象者の肢に2種類以上のエネルギーを印加するように構成されたエネルギーアプリケータと、を備える。いくつかの実施形態では、不随意筋収縮の治療のためのシステムは、エネルギーアプリケータの動作を制御するように構成された制御ユニットをさらに備える。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】本開示の一実施形態による、ウェアラブル振戦制御システムの斜視図である。
【
図2】固定された非膨張状態の
図1のウェアラブル振戦制御システムの斜視図である。
【
図3】固定され、部分的に膨張した状態の
図1のウェアラブル振戦制御システムの斜視図である。
【
図4】固定され、実質的に膨張した状態の
図1のウェアラブル振戦制御システムの斜視図である。
【
図5】ユーザの手首で使用中の
図1のウェアラブル振戦制御システムの斜視図である。
【
図6】振戦を検出中の
図1のウェアラブル振戦制御システムの斜視図である。
【
図7】検出された振戦に応答して作動中の
図1のウェアラブル振戦制御システムの斜視図である。
【
図8】本開示の一実施形態による、ウェアラブル振戦制御システムの斜視図である。
【
図9】第1の状態における
図8のウェアラブル振戦制御システムの部分破断斜視図である。
【
図10】第2の状態における
図8のウェアラブル振戦制御システムの部分破断斜視図である。
【
図11】第3の状態における
図8のウェアラブル振戦制御システムの部分破断斜視図である。
【
図12】第1の状態における
図8のウェアラブル振戦制御システムの断面図である。
【
図13】第2の状態における
図8のウェアラブル振戦制御システムの断面図である。
【
図14】第3の状態における
図8のウェアラブル振戦制御システムの断面図である。
【
図15】
図12のウェアラブル振戦制御システムの拡大図である。
【
図16】
図8のウェアラブル振戦制御システムのユーザインターフェースの平面図である。
【
図17】ユーザの足首で使用中の
図8のウェアラブル振戦制御システムの斜視図である。
【
図18】本開示の一実施形態によるウェアラブル振戦制御システムの断面図である。
【
図19】本開示の一実施形態による、ウェアラブル振戦制御システムの斜視図である。
【
図20】本開示の一実施形態による、ウェアラブル振戦制御システムの斜視図である。
【
図21】切り離された状態の
図20のウェアラブル振戦制御システムの斜視図である。
【
図22】本開示の一実施形態による、ユーザの手首で使用中のウェアラブル振戦制御システムの斜視図である。
【
図23】第1の状態における
図22のウェアラブル振戦制御システムの断面図である。
【
図24】第2の状態における
図22のウェアラブル振戦制御システムの断面図である。
【
図25】第3の状態における
図22のウェアラブル振戦制御システムの断面図である。
【
図26】
図22のウェアラブル振戦制御システムの主要な構成要素の平面図である。
【
図27】線27に沿った、
図26のウェアラブル振戦制御システムの断面図である。
【
図28】本開示の一実施形態による、ウェアラブル振戦制御システムの斜視図である。
【
図29】
図28のウェアラブル振戦制御システムの分解図である。
【
図30】
図28のウェアラブル振戦制御システムの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
[0033]振戦は、身体の1つまたは複数の部分で揺れまたは周期的な動きを引き起こす不随意の筋肉収縮である。筋肉の収縮はしばしばリズミカルなパターンに従う。振戦は、患者の手または手首の領域に影響を与えることが一般的であるが、腕、脚、頭、胴体、さらには声帯にさえ影響を与える場合がある。振戦は断続的であってもよいし、場合によっては恒久的であってもよい。場合によっては、振戦は1つまたは複数の他の障害を併発するか、または伴う。振戦の影響は、部分的または重度の障害となる可能性があり、多くの場合、当惑の原因となる。振戦のいくつかの形態には、本態性振戦、下肢静止不能症候群(RLS)、パーキンソン振戦、ジストニー性振戦、小脳振戦、安静時振戦、行動振戦、心因性振戦(心理的障害に関連する)、強化された生理的振戦、起立性振戦が含まれる。場合によっては、振戦を治療するために、深部脳刺激(DBS)や視床切断などの手術が行われることがある。これらの処置の後に改善が見られるが、処置は患者のその後の発話またはバランスの問題の原因となる場合もある。
【0005】
[0034]振戦の種類を治療するために現在使用されているいくつかの薬理学的手段には抗てんかん薬が含まれ、それには、トピラメートまたはガバペンチン、プロプラノロール、アテノロール、メトプロロール、ナドロール、ソタロールなどのベータ遮断薬、アルプラゾラムやクロナゼパムなどのベンゾジアゼピン系精神安定剤、レボドパやカルビドパなどのパーキンソン病の薬、ならびに場合によっては、ボツリヌス毒素(BTX)などの薬が含まれる。これらのすべての薬には、特定の振戦の患者にとって望ましくない特定の副作用がある場合がある。
【0006】
[0035]本態性振戦(または家族性振戦)は、通常、患者の片方または両方の腕、手首、または手に生じる揺れである。しかし、患者の頭や声も影響を受ける可能性がある。
図1は、患者の手首に配置するように構成されたウェアラブル振戦制御システム10を示している。ウェアラブル振戦制御システム10は、ハウジング12と、ハウジング12の下側16に連結されたバンド14と、を備える。ウェアラブル振戦制御システム10は、
図1に固定されていない状態で示されている。バンド14は、エポキシまたは接着剤18によってハウジング12の下側16に固定されている。他の実施形態では、ハウジング12は、バンド14と共にオーバーモールドまたはインサートモールドされてもよい。他の実施形態では、バンド14は、固定具、縫い付け、融着によって固定されてもよく、あるいはハウジング12のスリットまたは細長い空間を通ってスライドしてもよい。バンド14は、ハウジング12に対するバンド14の位置を調整するために、溝またはスロット内で(例えば、それ自体の軸線に沿って長手方向に)スライド可能なままであるように構成されてもよい。バンド14は、ユーザ/患者の手首を包み込み、フックアンドループ(Velcro(登録商標)タイプ)システム20の使用によりそれ自体に固定するように構成される。バンド14の一部分の内部のループ面20aは、バンド14の外部部分のフック面20bに固定されている。膨張可能なカフ22は、バンド14の内部26を取り囲む円周経路24の周りに延在する。いくつかの実施形態では、バンド14は、時計またはブレスレットのように着用されるように構成されてもよく、特定の部分(手首、足首など)で四肢(腕、脚)を部分的または完全に取り囲むように構成されてもよい。フックアンドループシステム20は、代替的な実施形態では、ボタンクロージャ、スナップクロージャ、ループクロージャ、接着クロージャ、または磁気クロージャに置き換えることができる。
【0007】
[0036]
図2は、ループ面20aがフック面20bに固定された、固定状態のウェアラブル振戦制御システム10を示す。膨張可能なカフ22の活動をより良く示すために、
図2~
図4にはユーザの腕は示されていない。センサ28は、バンド14の内面30に搭載され、筋肉の活動によって引き起こされる外乱を検出するように構成される。いくつかの実施形態では、センサ28は超音波トランスデューサを備えてもよい。いくつかの実施形態では、センサ28は、(例えば、振戦中の肢の)加速度を測定するように構成された加速度計を備えてもよく、さらに圧電加速度計、ピエゾ抵抗加速度計、または容量性加速度計を備えてもよい。いくつかの実施形態では、センサ28はジャイロスコープを備えてもよい。ジャイロスコープは、(例えば、振戦中の肢の)角速度を測定するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、センサ28は、経時的な角度(例えば、肘関節角)に関連する信号を提供するように構成された電気角度計を備えてもよい。いくつかの実施形態では、センサ28は、力ゲージまたはひずみゲージを備えてもよい。いくつかの実施形態では、センサ28は筋電図(EMG)センサを備えてもよい。いくつかの実施形態では、センサ28は、前述のものなどの2つ以上の異なる種類のセンサを備えてもよい。したがって、マルチモーダルセンシングが可能である。ハウジング12内のコントローラ32は、センサ28から信号を受信するように構成されている。コントローラ32は、マイクロコントローラを備えてもよく、センサ28に電気的に結合される。コントローラ32はまた、トランシーバ34に電気的に結合され、トランシーバは、携帯電話、スマートフォン、または他の個人通信デバイスと無線で通信するように構成される。個人通信デバイスは、ユーザの身体に埋め込まれたチップ(例えば、集積回路)、またはユーザの身体または衣服の一部に支持されたチップを含んでもよい。トランシーバ34は、いくつかの実施形態では、WiFiアンテナを備えてもよい。コントローラ32に結合されたアクチュエータ36は、コントローラ32から信号を受信して、膨張可能なカフ22を膨張させるように構成される。アクチュエータ36は、カフ22を膨張させるか、さもなければ膨張させる多数の異なる機械式、油圧式、または空気圧式装置を備えてもよい。膨張可能なカフ22は、実質的に膨張していない状態で
図2に示されている。
図3の膨張可能なカフ22は、部分的に膨張した状態で示されている。
図4の膨張可能なカフ22は、実質的に膨張した状態で示されている。
図3の部分的に膨張した状態では、膨張可能なカフ22は、肢に圧力をかけ始めることができ、または肢に加えられた圧力を増加させることができる。
図4の実質的に膨張した状態では、膨張可能なカフ22は、肢に十分な圧力を加えて、効果を生み出すか、または効果を最適化することができる。
図2~
図4には電源ユニットは示されていないが、電気部品に電力を供給するために、ハウジング内にバッテリーを含めることができる。バッテリーは、再充電可能、取り外し可能、または使い捨て可能であってもよい。誘導結合電力回路または無線充電可能なキャパシタなど、バッテリーの代替電力供給手段を使用することができる。
【0008】
[0037]
図5では、ユーザ42の腕40の手首38上の定位置で使用中のウェアラブル振戦制御システム10が示されている。バンド14は、ユーザ42の手44のすぐ近くに固定されてもよく、または手44から距離dだけ、例えば、0.5cm、1cm、2cm、5cm、10cm、または15cm、あるいは0cm~15cm距離だけ離れて手首38(または腕40の他の部分)の周りに取り付けられてもよい。あるいは、バンド14は、上腕(図示せず)の一部の周りに固定されてもよい。
図6に目を向けると、ユーザ42は、センサ28の近くの1つまたは複数の筋肉52の不随意活動46によって少なくとも部分的に引き起こされる振戦(双方向変位矢印50)を経験する。センサ28は、活動46に比例する信号48を出力し、信号48は、コントローラ32によって(例えば、導体47を介して)受信される。センサ28が圧電センサを含むいくつかの実施形態では、センサ28は、肢の揺れによって引き起こされる変位に応答するときに約0.1ミリボルト~約10ボルトの信号48を出力することができる。
図7では、コントローラ32は、アクチュエータ36に命令して、膨張可能なカフ22をユーザ42の手首38に対して膨張させる。コントローラ32は、センサ28から信号48を介して受信したデータに少なくとも部分的に基づいて、膨張可能なカフ22を膨張するようにアクチュエータ36に命令することができる。例えば、信号48が特定のしきい値振幅を超える場合、または信号48が特定のしきい値持続時間より長く続く場合には、コントローラ32は、膨張可能なカフ22を膨張させるようにアクチュエータ36に命令することができる。膨張可能なカフ22の膨張圧力は、信号48のパラメータを含むアルゴリズムに基づいてもよい。
【0009】
[0038]
図8は、患者の手首38に配置するように構成されたウェアラブル振戦制御システム100を示している。ウェアラブル振戦制御システム100は、ハウジング102と、ハウジング102の下側105に結合されたバンド104と、を含む。ウェアラブル振戦制御システム100の特徴をより良く示すために、ウェアラブル振戦制御システム100は、ユーザ42の腕40は見えないが、固定状態で
図8に示されている。ループ106がバンド104の第1の部分108に固定され、一連のゴムウェッジ110がバンド104の第2の部分112によって支持されている。ウェッジ110は、任意の圧縮性または半圧縮性材料から作られてもよく、バンド104に接着または他の方法で固定されても、バンド104上に直接成形されてもよく、またはバンド104の固有または一体部分であってもよい。ウェアラブル振戦制御システム100をユーザの手首38に取り付けるために、ユーザ42(またはユーザ42を支援する人)は、ループ106の開口部116を通してバンド104の第1の端部114を滑らせ、第1の端部114に牽引力を加えながら、ループ106の開口部116を通して1つまたは複数のウェッジ110を、バンド104がユーザの手首38の周りに快適なきつさになるまで引っ張る。ウェッジ110aのうちの1つの平坦な縁部118は、ループ106の平坦な縁部120に当接し、バンド104を定位置にロックする。バンド104を除去するために、ユーザ42は、バンド104を反対方向に押し、ウェッジ110がループ106の開口部116を通して引っ張られると、ウェッジ110を変形させることができる。あるいは、
図1のウェアラブル振戦制御システム10のフックアンドループ20のようなものを使用してもよい。バンド104は、特定のサイズの患者(例えば、小、中、大または小児、成人)への配置を最適化するために、いくつかの異なるモデルまたはサイズで提供されてもよい。ウェアラブル振戦制御システム100は、ハウジング102の可視表面103上に支持されたユーザインターフェース101も含む。
【0010】
[0039]ウェアラブル振戦制御システム100は、バンド104の第2の端部124と第1の部分108との間でバンド104内で円周方向に延在する外側カフ122を含む。外側カフ122は、第1の縁部126および第2の縁部128に沿ってバンド104に固定され、それぞれがバンド104の内周129の周りに円周方向に延在する。外側カフ122は、接着剤、エポキシ、またはホットメルトによって第1および第2の縁部126、128でバンド104に固定されてもよく、または縫い付けられ、成形され、ステープル留めされ、または他の固定手段で固定されてもよい。外側カフ122は、名前が付けられているように、外層を表すが、取り付けられたときは円の内側部分である。
図9に示すように、外側カフ122は、ウェアラブル振戦制御システム100の他の動的構成要素が動くことができる内部空間130を有するように構成される。
【0011】
[0040]外側カフ122は、一対の検出素子132、134(例えば、センサまたはトランスデューサ)と、一対の振動素子136、138と、を支持する。いくつかの実施形態では、検出素子132、134は、圧電結晶を備えてもよく、約40Hz~約500Hz、または50Hz~約450Hz、または約60Hz~約400Hz、または約100Hz~約350Hzで振動するように構成されてもよい。検出素子132、134は、変位として検出される動きを含む、筋収縮に関連するユーザの肢からの生理学的信号を検出するように構成される。振戦を示す生理学的信号は、モーションセンサ(検出素子132、134)が測定できる反復波形を含む傾向がある。振動素子136、138は、圧電結晶を含むことができ、約1Hz~約30Hz、または約2Hz~約15Hz、または約3Hz~約10Hzで振動するように構成することができる。約1Hz~約30Hzの周波数は、患者の肢(腕、手首など)の揺れを抑えるのに非常に効果的であり、したがって、振動素子136、138は、適切な材料で構成され、1~30Hzの範囲の1つまたは複数の周波数で振動する適切な厚さを有する場合、振戦の1つまたは複数の形態により引き起こされる振動を軽減または完全に停止するように構成され得る。圧電結晶は、石英、人工石英、またはPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)セラミックを含んでもよい。他の場合では、振動素子136、138はピエゾ結晶を含んでもよく、約15kHz~約1MHz、または約20kHz~約700kHz、または約20kHz~500kHz、または約25kHz~約500kHz、または約30kHz~約500kHz、または約30kHz~約200kHz、または約20kHz~約200kHz、または約100kHz~約300kHzの超音波周波数で振動するように構成されてもよい。腕の正中神経などの神経を刺激するには、約20kHz~約700kHzの周波数が非常に効果的である。したがって、振動素子136、138は、適切な材料で構成され、15kHz~1MHzの範囲、より具体的には20~700kHzの範囲の1つまたは複数の周波数で振動する適切な厚さを有する場合、振動を介して正中神経を刺激するように構成され得る。正中神経に加えられた振動は、ユーザの脳で検出され、生理学的フィードバックループの一部として、それに応じて肢の振動を変化させる。したがって、脳はより複雑な介入の役割を演じるように「だまされる」。場合によっては、特に筋肉の動きの制御と調整への寄与において、加えられた振動が視床の活動を低下させることがある。いくつかの実施形態では、一方の振動素子136は、より低い周波数範囲(例えば、1~30Hz、2~15Hz、3~10Hz)のうちの1つで振動するように構成されてもよく、他方の振動素子138は、両方のタイプの効果を誘発するために、より高い(超音波)周波数範囲(例えば、20~700kHz、25~500kHz、30~200kHz)のうちの1つで振動するように構成されてもよい。他の実施形態では、2つ以上の振動素子136、138は、より低い周波数範囲(例えば、1~30Hz、2~15Hz、3~10Hz)のうちの1つで振動するように構成されてもよく、2つ以上の追加の振動素子136、138(図示せず)は、より高い(超音波)周波数範囲(例えば、20~700kHz、25~500kHz、30~200kHz)のうちの1つで振動するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の振動素子136、138は、複数の周波数、例えば基本周波数(または第1高調波)および第2高調波で振動するように構成されてもよい。例えば、特定の実施形態では、第1高調波は10Hzであってもよく、第2高調波は20Hzであってもよい。別の実施形態では、第1高調波は150kHzであってもよく、第2高調波は300kHzであってもよい。他の実施形態では、高調波系列によって説明するように、第3高調波、またはさらに第4、第5、またはそれ以上の高調波が使用されてもよい。1つの特定の治療プロトコルは、検出素子132、134が振戦を検出した直後に、より具体的には、活動的な振戦を示す範囲内にある検出素子132、134のうちの1つまたは複数から信号が受信された後に開始される振動素子136、138の第1の作動期間を含むことができる。より詳細に説明するように、この第1の作動期間の後に、外側カフ122内の膨張可能な内側カフ146の加圧が続いてもよい。
図1~
図7に関して、ウェアラブル振戦制御システム10のさらなる実施形態は、振動素子136、138を追加してもよい。ウェアラブル振戦制御システム10のこの代替的な実施形態に関連する特定の治療プロトコルは、センサ28が振戦またはそれに関連する検出信号を検出した直後に開始される追加の振動素子136、138の第1の作動期間を含んでもよい。この第1の作動期間の後に、膨張可能なカフ22の加圧の増加が続いてもよい。
【0012】
[0041]いくつかの実施形態では、検出素子132、134および振動素子136、138は、検出素子132、134の検出機能および振動素子136、138のエネルギー印加機能の両方を実行するように構成された多目的素子で置き換えることができる。いくつかの実施形態では、検出素子132、134および/または振動素子136、138の1つまたは複数は、着用者/患者への(または着用者/患者からの)エネルギー伝達を改善するための機械的変位増幅器を含んでもよい。
【0013】
[0042]検出素子132、134または振動素子136、138のうちの1つまたは複数は、外側カフ122の外面140に支持されてもよく、または外側カフ122の内面142(
図9)に支持されてもよく、またはその組み合わせであってもよい。外側カフ122は、検出素子132、134および振動素子136、138を、ユーザ42の手首38(またはバンド104が取り付けられた肢の他の部分)の近くに維持するように構成される。ユーザ42の皮膚と検出素子132、134または振動素子136、138との間の最適な音響結合のために、音響結合ゲルまたは他の音響結合媒体で手首38を覆うことが望ましい場合がある。検出素子132、134および振動素子136、138は、適切な遷移音響インピーダンス特性を有するエポキシまたは接着剤144によって、外側カフ122の外面140および/または内面142に固定することができる。
【0014】
[0043]外側カフ122の内部空間130内で、膨張可能な内側カフ146(
図9)は、外側のカフ122内で、第1の縁部148および第2の縁部150に沿ってバンド104に固定され、それぞれがバンド104の内周の周りを周方向に走る。内側カフ146は、接着剤、エポキシ、またはホットメルトによって第1および第2の縁部148、150でバンド104に固定されてもよく、または縫い付けられ、ステープル留めされ、または他の固定手段で固定されてもよい。内側カフ146は、表面152を含み、その上に4つの圧縮ばね154、156、158、160が固定されている。圧縮ばね154、156、158、160の第1の端部162、164、166、168は、エポキシまたは接着剤で表面152に固定されてもよい。代替的な実施形態では、内側カフ146は、表面152を提供する織層を含む複合構造を備え、圧縮ばね154、156、158、160は、織層と織られるか、結ばれるか、または他の方法で組み合わされる。圧縮ばね154、156、158、160の第2の端部170、172、174、176は、外側カフ122の内面142に当接するように構成される。
【0015】
[0044]
図9では、内側カフ146は、第1の、実質的に膨張していない状態にあり、圧縮ばね154、156、158、160の第2の端部170、172、174、176は、(例えば、内面142で)外側カフ122に対して半径方向に向いた垂直力N
0をほとんどまたはまったく加えない。したがって、圧縮ばね154、156、158、160は、実質的に圧縮されていないか、まったく圧縮されておらず、したがって、それらの応力を受けていない長さL
0を維持する。いくつかの実施形態では、各圧縮ばね154、156、158、160は、他の圧縮ばね154、156、158、160とは異なる長さまたは配向、または異なる材料さえも有することができ、したがって、それらの長さおよび/または結果として生じる垂直力は互いに異なる場合がある。
図10では、内側カフ146は、第2の半膨張状態または部分的に膨張した状態にある。この膨張の効果から、内側カフ146の表面152は内向きに膨張して直径が減少し、圧縮ばね154、156、158、160の第2の端部170、172、174、176を外側カフ122の内面142に増加した垂直力N
1で押し込む。内側カフ146は、内側カフ146が膨張するにつれて(例えば、内圧が増加するにつれて)容積が増加する内部空間147(
図12~
図15)を有する。圧縮ばね154、156、158、160は、この垂直力N
1により、長さL
1まで圧縮される。したがって、
図10に示す長さL
1および垂直力N
1は、表面152が外側カフ122の内面142に対して圧縮ばね154、156、158、160を圧縮したときの平衡値を表す。
図11では、内側カフ146は、第3の実質的に膨張した状態にある。この膨張の効果から、内側カフ146の表面152はさらに内側に膨張し、さらに減少した直径になる。圧縮ばね154、156、158、160の第2の端部170、172、174、176を、さらに増加した垂直力N
2で外側カフ122の内面142にさらに押し込む。圧縮ばね154、156、158、160は、この垂直力N
2によって長さL
2までさらに圧縮される。したがって、N
2はN
1より大きく、N
1はN
0より大きくなる。さらに、L
2はL
1より小さく、L
1はL
0より小さくなる。ウェアラブル振戦制御システム100のバンド104はユーザの手首38の周りに固定されているため、垂直力N
0、N
1、N
2はそれぞれ手首38に加えられ、それぞれ異なる位置、例えば4つの等間隔、または等分布の四分円で加えられる。例えば、人間の手首の非円形断面が手首に力を分散するために異なる間隔(長方形の4つの頂点など)を指示する場合があるため、いくつかの実施形態では、等分布は等間隔とは異なる場合がある。圧縮ばね154、156、158、160は、通常、特定のばね係数kを有し、これにより、垂直力N
iは、式N
i=-k×L
iにより圧縮長さL
iに比例する。外側カフ122は、圧縮ばね154、156、158、160の第2の端部170、172、174、176と手首38との間にあり、手首38に垂直力N
0、N
1、N
2を加えることを可能にしつつ、手首38を裂傷、擦過傷または挫傷から保護するための緩衝層として機能する。内側カフ146の膨張の増加は、手首38に対して加えられる垂直力の増加(N
0がN
1またはN
2まで増加する)を引き起こす。いくつかの実施形態では、圧縮ばね154、156、158、160の第2の端部170、172、174、176にワッシャまたはディスクを追加して、環状または円形の圧縮面を作成することができる。ワッシャまたはディスクは、ステンレス鋼または他の金属などの硬質材料、またはナイロン(ポリアミド)、ポリイミド、またはPEEKなどの比較的剛性の高いポリマー材料を含んでもよい。しかしながら、
図11に示すように、実質的に圧縮された状態の圧縮ばね154、156、158、160は、実質的に環状の圧縮表面の効果を手首38に加えることができ、これは中間の外側カフ122の効果によって均一化され得る。
【0016】
[0045]
図12は、内側カフ146が実質的に膨張していない第1の状態にある、ユーザ42の手首38で使用中のウェアラブル振戦制御システム100を示す。手根骨の近位にあるウェアラブル振戦制御システム100の一部を通して断面が取られているため、橈骨178および尺骨180の骨が手首38の断面に示されている。橈骨178と尺骨180を囲む筋肉35も示されている。
図13は、内側カフ146が第2の半膨張状態または部分的に膨張した状態にある、ユーザ42の手首38で使用中のウェアラブル振戦制御システム100を示す。
図14は、内側カフ146が実質的に膨張した第3の状態にあるユーザ42の手首38で使用中のウェアラブル振戦制御システム100を示す。内側カフ146の内部空間147の容積の増加が見られ、
図12から
図13、
図13から
図14に進む。結果として生じる圧縮ばね154、156、158、160の圧縮の増加も見られる。
【0017】
[0046]
図15を参照すると、ウェアラブル振戦制御システム100がさらに詳細に示されているが、手首38は見えない。ウェアラブル振戦制御システム100のハウジング102は、壁182および内部空洞184を含む。バッテリー186は、内部空洞184内に保持され、取り外し可能なバッテリーカバー188で覆われている。バッテリー186は、ウェアラブル振戦制御システム100の回路基板190に電力を供給するように構成される。回路基板190は、空気圧ポンプ194を制御するように構成されたコントローラ192を含む。空気圧ポンプ194は、入口/出口穴196を通って内部空洞184に入る空気を送り込み、内部空洞184から壁182を通って内側カフ146の内部空間147に入る空気を膨張管198に押し込むように構成される。バルブ199は、膨張すると、内側カフ146の内部空間147内に一定の圧力を保持するように閉鎖可能に構成される。バルブ199は、電磁的に作動するバルブ(例えば、マイクロソレノイド)であってもよく、または機械的なバルブ(例えば、ピンチバルブ)であってもよい。回路基板190は、患者データ、較正データ、治療プログラム、治療データ(例えば、振戦の振幅、強度および/または有病率の減少または増加)、および測定アルゴリズムなどのデータを記憶するように構成されるメモリユニット197をさらに備える。回路基板190はまた、スマートフォン、パッド、パーソナルコンピュータ、または通信可能な他のデバイスなどの外部デバイス193と通信するように構成されたトランシーバ195を備える。外部デバイス193は、ユーザがウェアラブル振戦制御システム100の動作を制御および修正できるようにするアプリケーション(App)189を含むことができる。アプリケーションは、非一時的なコンピュータ可読媒体内に具現化されたコンピュータプログラムを含むことができ、1つまたは複数のコンピュータ(例えば、外部デバイス193)で実行すると、ウェアラブル振戦制御システム100に1つまたは複数の動作命令を提供する。ハウジング102は、データを転送するため、またはエネルギーを転送するための(例えば、充電を可能にするための)接続ポート191をさらに備える。接続ポート191は、USBポート、USBタイプ3、サンダーボルト、サンダーボルト3などを含むことができる。アプリケーション189への接続は、ブルートゥース(登録商標)またはWiFiなどのいくつかの無線技術の1つを使用して達成することができる。
【0018】
[0047]
図16は、ウェアラブル振戦制御システム100をオンまたはオフにするように構成された電源スイッチ109を含むユーザインターフェース101を示している。ユーザインターフェース101は、タッチスクリーンを備えてもよく、容量性または抵抗性タッチ感度を利用してもよい。あるいは、機械式または膜式のボタン/スイッチを利用してもよい。第1のボタン113および第2のボタン115を有する第1の制御部111は、振動モード(VIBRATION MODE)を手動で調整するように構成される。言い換えれば、振動素子136、138は、第1および/または第2のボタン113、115を使用して手動で(例えば、低振動、中振動、または高振動に)設定することができる。あるいは、コントローラ192および/またはアプリケーション189は、(ソフトウェアまたはファームウェアを介して)検出素子132、134から1つまたは複数の信号を受信し、振動モードをオンオフするか、低振動、中振動、高振動の間で調整して、振動モードを自動的に調整するように構成することができる。いくつかの実施形態における振動モードは、サーボ制御または他の方法を介して自動的に調整可能であってもよく、振動素子136、138は、振戦の振幅、強度、および/または有病率の減少または増加に何らかの形で比例または一致する方法で作動される。例えば、振動素子136、138は、検出素子132、134によって測定または計算される支配的な振戦周波数の導出された関数で動作するように構成されてもよい。
【0019】
[0048]第1のボタン119および第2のボタン121を有する第2の制御部117は、圧縮モード(COMPRESSION MODE)を手動で調整するように構成される。内側カフ146の内部空間147の膨張は、第1および/または第2のボタン119、121を使用して手動で(例えば、低膨張、中膨張、または高膨張に)設定することができる。あるいは、コントローラ192および/またはアプリケーション189は、(ソフトウェアまたはファームウェアを介して)検出素子132、134から1つまたは複数の信号を受信し、圧縮モードをオンオフするか、低、中、高の間で圧縮/ばね垂直力を調整して、圧縮モードを自動的に調整するように構成することができる。
【0020】
[0049]
図17は、下肢静止不能症候群(RLS)を有するユーザ200が足首202の周りの定位置にウェアラブル振戦制御システム100を装着したところを示している。ウェアラブル振戦制御システム100は、RLS患者に影響を及ぼす脚の不随意運動を制御するために、睡眠中または休息中にユーザ200によって着用されてもよい。ユーザ42の手首38での使用に関して説明したウェアラブル振戦制御システム100の機能のすべては、RLSが足首202または片方もしくは両方の脚の他の部分にウェアラブル振戦制御システム100を着用しているユーザ200にも組み込むことができる。
【0021】
[0050]
図18は、
図15のウェアラブル振戦制御システム100に類似しているが、圧縮ばね154、156、158、160の各々の端部170、172、174、176に結合された追加のおもり212、214、216、218を含むウェアラブル振戦制御システム210を示す。各おもり212、214、216、218は、内側カフ146の膨張による圧縮中に手首(肢など)にかかる力、および圧縮ばね154、156、158、160による垂直力の印加を増大させることができる。圧縮ばね154、156、158、160の場合と同様に、各おもり212、214、216、218の「フットプリント」に、したがって集束領域に力が加えられる。加えて、4つのおもり212、214、216、218の複合おもり(荷重)は、バンドウェアラブル振戦制御システム210によって支持されている間、振戦の可能性をさらに最小限に抑えることができる一定の静的荷重として機能する。各おもり212、214、216、218の慣性は、単独でおよび互いに組み合わされて、不随意筋肉収縮によって開始される肢の動きに対抗する役割を果たす。加えられた力はユーザの脳内でも検出され、生理学的フィードバックループの一部として、それに応じて肢の揺れを変化させる。したがって、脳はより複雑な介入の役割を演じるように「だまされる」。おもり212、214、216、218は、鉛のような高密度材料から作られて、より低いプロファイルを可能にし、閉じたバンド104内により良く適合することができる。各おもりは、約0.5g~約2kg、または約10g~約500g、または約50g~約500g、または約10g~約250g、または約50g~約250gの質量を有してもよい。いくつかの実施形態では、圧縮ばね154、156、158、160の代わりに波ばねを使用して、着用者の手首または足首のウェアラブル振戦制御システム100、210の全体のプロファイルを小さくすることができる。他の実施形態では、圧縮ばね154、156、158、160は、所望の量だけ圧縮力を増幅するように構成されたフットプリントまたは領域を有する剛性または半剛性の裏材に取り付けられてもよい。
【0022】
[0051]本開示の一実施形態では、不随意筋収縮の治療のためのシステムは、対象者の肢の第1の部分を少なくとも部分的に取り囲むように構成されたウェアラブルインターフェースと、ウェアラブルインターフェースにより支持され、肢の筋肉の収縮に関連する信号を出力するように構成された感覚モジュールと、ウェアラブルインターフェースにより支持され、1つまたは複数の形態の機械的エネルギーを肢に印加するように構成されたエネルギー印加モジュールと、を備え、エネルギー印加モジュールは、感覚モジュールから出力される信号の変化に応じて、機械的エネルギーの1つまたは複数の形態の特性を変化させることができる。いくつかの実施形態では、不随意筋収縮の治療のためのシステムは、感覚モジュールから出力される信号を受信し、エネルギー印加モジュールによって印加される機械的エネルギーの1つまたは複数の形態の少なくとも1つの特性の変化を制御するように構成されたコントローラをさらに備える。いくつかの実施形態では、コントローラはマイクロコントローラである。マイクロコントローラは、いくつかの実施形態では、LFQP-100マイクロコントローラであってもよく、ARM(Advanced RISC Machine)アーキテクチャを含んでもよい。いくつかの実施形態では、コントローラはウェアラブルインターフェースに支持され、感覚モジュール(センサまたは2つ以上のセンサのアレイ)に電気的に結合され、および/またはエネルギー印加モジュール(エネルギー送達素子または2つ以上のエネルギー供給素子のアレイ)に電気的に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、ウェアラブルインターフェースは、バンド、または時計、またはブレスレットの形態である。いくつかの実施形態では、ウェアラブルインターフェースは、手首または足首などの部分で、対象者の肢(腕、脚)を完全に取り囲むように構成される。いくつかの実施形態では、ウェアラブルインターフェースは、スナップ、ロック、フック、ベルクロ(登録商標)クロージャ、ボタンクロージャ、スナップクロージャ、接着クロージャ、または磁気クロージャなどのクロージャデバイスを含む。いくつかの実施形態では、感覚モジュールは、1つもしくは複数の圧電素子、または1つもしくは複数の膨張可能なカフ、または1つもしくは複数の非膨張可能なカフ、または1つもしくは複数の電極、または1つもしくは複数の変位センサ、または1つもしくは複数の加速度計、または1つもしくは複数のジャイロスコープ、または1つもしくは複数の筋電図(EMG)センサを備える。1つまたは複数の変位センサは、1つまたは複数の圧電結晶を備えてもよい。いくつかの実施形態では、圧電結晶は、少なくとも第1の周波数および第2の周波数で振動するように構成される。いくつかの実施形態では、第1の周波数は第2の周波数よりも低い。いくつかの実施形態では、第1の周波数の振動は、対象者の肢の振動を少なくとも部分的に減衰するように構成され、第2の周波数の振動は、対象者の肢の神経を刺激するように構成される。いくつかの実施形態では、第2の周波数は第1の周波数の高調波である。いくつかの実施形態では、圧電結晶は、約40Hz~約500Hz、または約50Hz~約450Hz、または約60Hz~約400Hz、または約100Hz~約350Hzの周波数で振動するように構成される。いくつかの実施形態では、エネルギー印加モジュールは、1つまたは複数の膨張可能なカフ、または2つ以上の膨張可能なカフを含む。いくつかの実施形態では、1つもしくは複数または2つ以上の膨張可能なカフの各々は、ウェアラブルインターフェースが対象の肢の第1の部分の定位置にあるとき、対象の肢の長手方向軸に沿って配列される。いくつかの実施形態では、1つもしくは複数の膨張可能なカフまたは2つ以上の膨張可能なカフの各々は、ウェアラブルインターフェースが対象の肢の第1の部分の定位置に配置されると、対象の肢の外周に沿って配列される。いくつかの実施形態では、エネルギー印加モジュールは、1つまたは複数のおもりを備える。1つまたは複数のおもりは、対象者の肢に力を加えるように構成されてもよい。1つまたは複数のおもりは、対象者の肢に加えられる力が可変になるように調整可能であってもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の付勢部材が、1つまたは複数のおもりのうちの1つまたは複数に連結される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の付勢部材は、1つまたは複数の螺旋要素、あるいは1つまたは複数の圧縮ばねを備える。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の圧縮ばねは、可変力が1つまたは複数のおもりによって肢に加えられるように調節可能に構成される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の圧縮ばねは、エネルギー印加モジュールの少なくとも一部の膨張または収縮により調整可能に構成される。いくつかの実施形態では、エネルギー印加モジュールの少なくとも一部は、1つまたは複数の圧縮ばねのうちの少なくとも1つに連結された膨張可能なカフを備える。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の圧縮ばねのうちの少なくとも1つは、膨張可能な螺旋体を含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のおもりの各々は、約0.5グラム~約2,000グラム、または約10グラム~約500グラム、または約10グラム~約250グラム、または約50グラム~約500グラム、または約50グラムから約250グラムの質量を有する。いくつかの実施形態では、エネルギー印加モジュールは、1つまたは複数の超音波トランスデューサを備える。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の超音波トランスデューサは、膨張可能なカフに結合される。いくつかの実施形態では、エネルギー印加モジュールの1つまたは複数の超音波トランスデューサの各々は、約1Hz~約30Hz、または約2Hz~約15Hz、または約3Hz~約10Hzの周波数で振動するように構成される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の超音波トランスデューサの各々は、約15kHz~約1MHz、または約20kHz~約700kHz、または約25kHz~約500kHz、または約30kHz~約500kHz、または約20kHz~約500kHz、または約20kHz~約200kHz、または約30kHz~約200kHz、または約100kHz~約300kHzの周波数で振動するように構成される。
【0023】
[0052]いくつかの実施形態では、機械的エネルギーの1つまたは複数の形態の特性は、印加エネルギーの振幅を含む。いくつかの実施形態では、機械的エネルギーの1つまたは複数の形態の特性は、機械的エネルギーの1つまたは複数の形態の幾何学的形状の向きを含む。いくつかの実施形態では、機械的エネルギーの1つまたは複数の形態の特性は、機械的エネルギーの1つまたは複数の形態の2つ以上の各々によって加えられるエネルギー量の比を含む。いくつかの実施形態では、機械的エネルギーの1つまたは複数の形態の特性は、機械的エネルギーの1つまたは複数の形態の印加の持続時間を含む。いくつかの実施形態では、機械的エネルギーの1つまたは複数の形態の特性は、機械的エネルギーの1つまたは複数の形態の2つ以上の印加間の休止の持続時間を含む。いくつかの実施形態では、機械的エネルギーの1つまたは複数の形態の特性は、機械的エネルギーの1つまたは複数の形態の印加の数を含む。いくつかの実施形態では、エネルギー印加モジュールは、感覚モジュールから出力される信号の振幅の増加に応じて肢に印加されるエネルギーの振幅を増加させるように構成される。いくつかの実施形態では、エネルギー印加モジュールは、感覚モジュールから出力される信号の振幅の減少に応じて、肢に印加されるエネルギーの振幅を減少させるように構成される。いくつかの実施形態では、エネルギー印加モジュールは、感覚モジュールから出力される信号の振幅の増加に応じて肢に印加されるエネルギーの周波数特性を増加させるように構成される。いくつかの実施形態では、エネルギー印加モジュールは、感覚モジュールから出力される信号の振幅の増加に応じて肢に印加されるエネルギーの周波数特性を減少させるように構成される。周波数特性は、特定の種類のエネルギーの波の平均周波数を含んでもよい。
【0024】
[0053]いくつかの実施形態では、感覚モジュールは、対象の本態性振戦に関連する信号を出力するように構成される。いくつかの実施形態では、感覚モジュールは、対象者の下肢静止不能症候群に関連する信号を出力するように構成される。いくつかの実施形態では、感覚モジュールは、対象者のパーキンソン症候群に関連する信号を出力するように構成される。いくつかの実施形態では、感覚モジュールは、対象の小脳振戦に関連する信号を出力するように構成される。いくつかの実施形態では、感覚モジュールは、対象者のジストニー性振戦に関連する信号を出力するように構成される。いくつかの実施形態では、感覚モジュールは、対象の行動振戦に関連する信号を出力するように構成される。いくつかの実施形態では、感覚モジュールは、対象者の安静時振戦に関連する信号を出力するように構成される。いくつかの実施形態では、感覚モジュールは、対象者の1つまたは複数の精神障害に関連する信号を出力するように構成されている。いくつかの実施形態では、感覚モジュールは、ユーザによって手動で調整されるように構成される。いくつかの実施形態では、エネルギー印加モジュールは、ユーザによって手動で調整されるように構成される。いくつかの実施形態では、コントローラは、ユーザによって手動で調整されるように構成される。いくつかの実施形態では、不随意筋収縮の治療のためのシステムは、ウェアラブルインターフェースにより支持され、かつ感覚モジュールまたはエネルギー印加モジュールの少なくとも一方に電力を供給するように構成されたバッテリーをさらに備える。いくつかの実施形態では、不随意筋収縮の治療のためのシステムは、ウェアラブルインターフェースにより支持され、無線通信用に構成された通信モジュールをさらに備える。いくつかの実施形態では、通信モジュールは携帯電話と通信するように構成される。いくつかの実施形態では、不随意筋収縮の治療のためのシステムは、通信モジュールとの通信を制御できる通信ソフトウェアを実行するように構成されたスマートフォンをさらに備える。いくつかの実施形態では、通信ソフトウェアは、スマートフォンに支持されたファームウェアである。いくつかの実施形態では、通信ソフトウェアはダウンロード可能なアプリケーションである。いくつかの実施形態では、スマートフォンまたは通信ソフトウェアの少なくとも一方は、不随意筋収縮の治療のためのシステムの少なくとも1つの要素の動作を制御するためのユーザインターフェースを提供する。いくつかの実施形態では、通信モジュールは、通信ソフトウェアを介してスマートフォンにデータを出力するように構成されている。いくつかの実施形態では、通信モジュールとスマートフォンとの間の通信は、少なくとも1つのセキュリティ要素を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセキュリティ要素は暗号化を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセキュリティ要素はパスワードで制御される。
【0025】
[0054]本開示の別の実施形態では、不随意筋収縮の治療のためのシステムは、対象者の肢の第1の部分を少なくとも部分的に取り囲むように構成されたウェアラブルインターフェースと、ウェアラブルインターフェースにより支持され、肢の筋肉の収縮に関連する信号を出力するように構成された感覚モジュールと、少なくとも1つの圧縮素子と少なくとも1つの振動素子とを備えるエネルギー印加モジュールと、を備える。いくつかの実施形態では、不随意筋収縮の治療のためのシステムは、感覚モジュールから出力される信号を受信し、エネルギー印加モジュールによって印加される機械的エネルギーの少なくとも1つまたは複数の形態の特性の変化を制御するように構成されたコントローラをさらに備える。いくつかの実施形態では、コントローラはマイクロコントローラである。マイクロコントローラは、いくつかの実施形態では、LFQP-100マイクロコントローラであってもよく、ARM(Advanced RISC Machine)アーキテクチャを含んでもよい。いくつかの実施形態では、コントローラはウェアラブルインターフェースに支持され、感覚モジュール(センサまたは2つ以上のセンサのアレイ)に電気的に結合され、および/またはエネルギー印加モジュール(エネルギー送達素子または2つ以上のエネルギー供給素子のアレイ)に電気的に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの振動素子は少なくとも1つの超音波トランスデューサを備える。いくつかの実施形態では、ウェアラブルインターフェースは、バンド、または時計、またはブレスレットの形態である。いくつかの実施形態では、ウェアラブルインターフェースは、手首または足首などの部分で、対象者の肢(腕、脚)を完全に取り囲むように構成される。いくつかの実施形態では、ウェアラブルインターフェースは、スナップ、ロック、フック、ベルクロ(登録商標)クロージャ、ボタンクロージャ、スナップクロージャ、接着クロージャ、または磁気クロージャなどのクロージャデバイスを含む。いくつかの実施形態では、感覚モジュールは、1つもしくは複数の圧電素子、または1つもしくは複数の膨張可能なカフ、または1つもしくは複数の非膨張可能なカフ、または1つもしくは複数の電極、または1つもしくは複数の変位センサ、または1つもしくは複数の加速度計、または1つもしくは複数のジャイロスコープ、または1つもしくは複数の筋電図(EMG)センサを備える。1つまたは複数の変位センサは、1つまたは複数の圧電結晶を備えてもよい。いくつかの実施形態では、圧電結晶は、少なくとも第1の周波数および第2の周波数で振動するように構成される。いくつかの実施形態では、エネルギー印加モジュールは、1つまたは複数の膨張可能なカフ、または2つ以上の膨張可能なカフを含む。いくつかの実施形態では、1つもしくは複数または2つ以上の膨張可能なカフの各々は、ウェアラブルインターフェースが対象の肢の第1の部分の定位置にあるとき、対象の肢の長手方向軸に沿って配列される。いくつかの実施形態では、1つもしくは複数の膨張可能なカフまたは2つ以上の膨張可能なカフの各々は、ウェアラブルインターフェースが対象の肢の第1の部分の定位置に配置されると、対象の肢の外周に沿って配列される。いくつかの実施形態では、エネルギー印加モジュールは、1つまたは複数のおもりを備える。1つまたは複数のおもりは、対象者の肢に力を加えるように構成されてもよい。1つまたは複数のおもりは、対象者の肢に加えられる力が可変になるように調整可能であってもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の付勢部材が、1つまたは複数のおもりのうちの1つまたは複数に連結される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の付勢部材は、1つまたは複数の螺旋要素、あるいは1つまたは複数の圧縮ばねを備える。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の圧縮ばねは、可変力が1つまたは複数のおもりによって肢に加えられるように調節可能に構成される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の圧縮ばねは、エネルギー印加モジュールの少なくとも一部の膨張または収縮により調整可能に構成される。いくつかの実施形態では、エネルギー印加モジュールの少なくとも一部は、1つまたは複数の圧縮ばねのうちの少なくとも1つに連結された膨張可能なカフを備える。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の圧縮ばねのうちの少なくとも1つは、膨張可能な螺旋体を含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のおもりの各々は、約0.5グラム~約2,000グラム、または約10グラム~約500グラム、または約10グラム~約250グラム、または約50グラム~約500グラム、または約50グラムから約250グラムの質量を有する。いくつかの実施形態では、エネルギー印加モジュールは、1つまたは複数の超音波トランスデューサを備える。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の超音波トランスデューサは、膨張可能なカフに結合される。いくつかの実施形態では、エネルギー印加モジュールの1つまたは複数の超音波トランスデューサの各々は、約1Hz~約30Hz、または約2Hz~約15Hz、または約3Hz~約10Hzの周波数で振動するように構成される。いくつかの実施形態では、エネルギー印加モジュールの1つまたは複数の超音波トランスデューサの各々は、約1Hz~約30Hz、または約2Hz~約15Hz、または約3Hz~約10Hzの周波数で振動するように構成される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の超音波トランスデューサの各々は、約15kHz~約1MHz、または約20kHz~約700kHz、または約25kHz~約500kHz、または約30kHz~約500kHz、または約20kHz~約500kHz、または約20kHz~約200kHz、または約30kHz~約200kHz、または約100kHz~約300kHzの周波数で振動するように構成される。
【0026】
[0055]いくつかの実施形態では、機械的エネルギーの1つまたは複数の形態の特性は、印加エネルギーの振幅を含む。いくつかの実施形態では、機械的エネルギーの1つまたは複数の形態の特性は、機械的エネルギーの1つまたは複数の形態の幾何学的形状の向きを含む。いくつかの実施形態では、機械的エネルギーの1つまたは複数の形態の特性は、機械的エネルギーの1つまたは複数の形態の2つ以上の各々によって加えられるエネルギー量の比を含む。いくつかの実施形態では、機械的エネルギーの1つまたは複数の形態の特性は、機械的エネルギーの1つまたは複数の形態の印加の持続時間を含む。いくつかの実施形態では、機械的エネルギーの1つまたは複数の形態の特性は、機械的エネルギーの1つまたは複数の形態の2つ以上の印加間の休止の持続時間を含む。いくつかの実施形態では、機械的エネルギーの1つまたは複数の形態の特性は、機械的エネルギーの1つまたは複数の形態の印加の数を含む。いくつかの実施形態では、エネルギー印加モジュールは、感覚モジュールから出力される信号の振幅の増加に応じて肢に印加されるエネルギーの振幅を増加させるように構成される。いくつかの実施形態では、エネルギー印加モジュールは、感覚モジュールから出力される信号の振幅の減少に応じて、肢に印加されるエネルギーの振幅を減少させるように構成される。いくつかの実施形態では、エネルギー印加モジュールは、感覚モジュールから出力される信号の振幅の増加に応じて肢に印加されるエネルギーの周波数特性を増加させるように構成される。いくつかの実施形態では、エネルギー印加モジュールは、感覚モジュールから出力される信号の振幅の増加に応じて肢に印加されるエネルギーの周波数特性を減少させるように構成される。周波数特性は、特定の種類のエネルギーの波の平均周波数を含んでもよい。
【0027】
[0056]いくつかの実施形態では、感覚モジュールは、対象の本態性振戦に関連する信号を出力するように構成される。いくつかの実施形態では、感覚モジュールは、対象者の下肢静止不能症候群に関連する信号を出力するように構成される。いくつかの実施形態では、感覚モジュールは、対象者のパーキンソン症候群に関連する信号を出力するように構成される。いくつかの実施形態では、感覚モジュールは、対象の小脳振戦に関連する信号を出力するように構成される。いくつかの実施形態では、感覚モジュールは、対象者のジストニー性振戦に関連する信号を出力するように構成される。いくつかの実施形態では、感覚モジュールは、対象の行動振戦に関連する信号を出力するように構成される。いくつかの実施形態では、感覚モジュールは、対象者の安静時振戦に関連する信号を出力するように構成される。いくつかの実施形態では、感覚モジュールは、対象者の1つまたは複数の精神障害に関連する信号を出力するように構成されている。いくつかの実施形態では、感覚モジュールは、ユーザによって手動で調整されるように構成される。いくつかの実施形態では、エネルギー印加モジュールは、ユーザによって手動で調整されるように構成される。いくつかの実施形態では、コントローラは、ユーザによって手動で調整されるように構成される。いくつかの実施形態では、不随意筋収縮の治療のためのシステムは、ウェアラブルインターフェースにより支持され、かつ感覚モジュールまたはエネルギー印加モジュールの少なくとも一方に電力を供給するように構成されたバッテリーをさらに備える。いくつかの実施形態では、不随意筋収縮の治療のためのシステムは、ウェアラブルインターフェースにより支持され、無線通信用に構成された通信モジュールをさらに備える。いくつかの実施形態では、通信モジュールは携帯電話と通信するように構成される。いくつかの実施形態では、不随意筋収縮の治療のためのシステムは、通信モジュールとの通信を制御できる通信ソフトウェアを実行するように構成されたスマートフォンをさらに備える。いくつかの実施形態では、通信ソフトウェアは、スマートフォンに支持されたファームウェアである。いくつかの実施形態では、通信ソフトウェアはダウンロード可能なアプリケーションである。いくつかの実施形態では、スマートフォンまたは通信ソフトウェアの少なくとも一方は、不随意筋収縮の治療のためのシステムの少なくとも1つの要素の動作を制御するためのユーザインターフェースを提供する。いくつかの実施形態では、通信モジュールは、通信ソフトウェアを介してスマートフォンにデータを出力するように構成されている。いくつかの実施形態では、通信モジュールとスマートフォンとの間の通信は、少なくとも1つのセキュリティ要素を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセキュリティ要素は暗号化を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセキュリティ要素はパスワードで制御される。
【0028】
[0057]本開示の別の実施形態では、不随意筋収縮の治療のためのシステムは、対象者の肢の第1の部分を少なくとも部分的に取り囲むように構成されたウェアラブルインターフェースと、少なくとも1つの圧縮素子と少なくとも1つの超音波トランスデューサとを備えるエネルギー印加モジュールと、を備える。いくつかの実施形態では、圧縮素子は少なくとも1つのおもりを含む。いくつかの実施形態では、圧縮素子は少なくとも1つの膨張可能なカフを含む。いくつかの実施形態では、不随意筋収縮の治療システムは、エネルギー印加モジュールによって印加される機械的エネルギーの1つまたは複数の形態の少なくとも1つの特性の変化を制御するように構成されたコントローラをさらに備える。いくつかの実施形態では、コントローラはマイクロコントローラである。マイクロコントローラは、いくつかの実施形態では、LFQP-100マイクロコントローラであってもよく、ARM(Advanced RISC Machine)アーキテクチャを含んでもよい。いくつかの実施形態では、コントローラはウェアラブルインターフェースに支持され、感覚モジュール(センサまたは2つ以上のセンサのアレイ)に電気的に結合され、および/またはエネルギー印加モジュール(エネルギー送達素子または2つ以上のエネルギー供給素子のアレイ)に電気的に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの振動素子は少なくとも1つの超音波トランスデューサを備える。いくつかの実施形態では、ウェアラブルインターフェースは、バンド、または時計、またはブレスレットの形態である。いくつかの実施形態では、ウェアラブルインターフェースは、手首または足首などの部分で、対象者の肢(腕、脚)を完全に取り囲むように構成される。いくつかの実施形態では、ウェアラブルインターフェースは、スナップ、ロック、フック、ベルクロ(登録商標)クロージャ、ボタンクロージャ、スナップクロージャ、接着クロージャ、または磁気クロージャなどのクロージャデバイスを含む。いくつかの実施形態では、不随意筋収縮の治療のためのシステムは、ウェアラブルインターフェースにより支持され、無線通信用に構成された通信モジュールをさらに備える。いくつかの実施形態では、通信モジュールは携帯電話と通信するように構成される。いくつかの実施形態では、不随意筋収縮の治療のためのシステムは、通信モジュールとの通信を制御できる通信ソフトウェアを実行するように構成されたスマートフォンをさらに備える。いくつかの実施形態では、通信ソフトウェアは、スマートフォンに支持されたファームウェアである。いくつかの実施形態では、通信ソフトウェアはダウンロード可能なアプリケーションである。いくつかの実施形態では、スマートフォンまたは通信ソフトウェアの少なくとも一方は、不随意筋収縮の治療のためのシステムの少なくとも1つの要素の動作を制御するためのユーザインターフェースを提供する。いくつかの実施形態では、通信モジュールは、通信ソフトウェアを介してスマートフォンにデータを出力するように構成されている。いくつかの実施形態では、通信モジュールとスマートフォンとの間の通信は、少なくとも1つのセキュリティ要素を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセキュリティ要素は暗号化を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセキュリティ要素はパスワードで制御される。
【0029】
[0058]本開示の別の実施形態では、不随意筋収縮の治療のためのシステムは、対象者の肢の第1の部分を少なくとも部分的に取り囲むように構成されたウェアラブルインターフェースと、1つまたは複数の調整可能なおもりを備える少なくとも1つの圧縮素子を備えるエネルギー印加モジュールと、を備える。いくつかの実施形態では、不随意筋収縮の治療のためのシステムは、少なくとも1つの振動素子をさらに備える。いくつかの実施形態では、不随意筋収縮の治療システムは、エネルギー印加モジュールによって印加される機械的エネルギーの1つまたは複数の形態の少なくとも1つの特性の変化を制御するように構成されたコントローラをさらに備える。いくつかの実施形態では、コントローラはマイクロコントローラである。マイクロコントローラは、いくつかの実施形態では、LFQP-100マイクロコントローラであってもよく、ARM(Advanced RISC Machine)アーキテクチャを含んでもよい。いくつかの実施形態では、コントローラはウェアラブルインターフェースにより支持され、エネルギー印加モジュールに電気的に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの振動素子は少なくとも1つの超音波トランスデューサを備える。いくつかの実施形態では、ウェアラブルインターフェースは、バンド、または時計、またはブレスレットの形態である。いくつかの実施形態では、ウェアラブルインターフェースは、手首または足首などの部分で、対象者の肢(腕、脚)を完全に取り囲むように構成される。いくつかの実施形態では、ウェアラブルインターフェースは、スナップ、ロック、フック、ベルクロ(登録商標)クロージャ、ボタンクロージャ、スナップクロージャ、接着クロージャ、または磁気クロージャなどのクロージャデバイスを含む。いくつかの実施形態では、不随意筋収縮の治療のためのシステムは、ウェアラブルインターフェースにより支持され、無線通信用に構成された通信モジュールをさらに備える。いくつかの実施形態では、通信モジュールは携帯電話と通信するように構成される。いくつかの実施形態では、不随意筋収縮の治療のためのシステムは、通信モジュールとの通信を制御できる通信ソフトウェアを実行するように構成されたスマートフォンをさらに備える。いくつかの実施形態では、通信ソフトウェアは、スマートフォンに支持されたファームウェアである。いくつかの実施形態では、通信ソフトウェアはダウンロード可能なアプリケーションである。いくつかの実施形態では、スマートフォンまたは通信ソフトウェアの少なくとも一方は、不随意筋収縮の治療のためのシステムの少なくとも1つの要素の動作を制御するためのユーザインターフェースを提供する。いくつかの実施形態では、通信モジュールは、通信ソフトウェアを介してスマートフォンにデータを出力するように構成されている。いくつかの実施形態では、通信モジュールとスマートフォンとの間の通信は、少なくとも1つのセキュリティ要素を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセキュリティ要素は暗号化を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセキュリティ要素はパスワードで制御される。
【0030】
[0059]
図19は、
図8のウェアラブル振戦制御システム100に類似するウェアラブル振戦制御システム250を示しているが、外側カフ122の外面140に支持された刺激電極252、254、256をさらに備える。ユーザインターフェース101および/またはアプリケーション189は、検出素子132、134からの1つまたは複数の信号から受信した信号によって、電極252、254、256に電気的に結合されたワイヤまたはトレース258、260、262に電流が流れるようにし、電極の2つ以上に1つまたは複数の電位(電圧)を印加するように、コントローラ192を調整またはプログラムするように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、電圧制御を使用して電流を印加することができる。いくつかの実施形態では、電流制御を使用して電流を印加することもできる。印加された電流は、例えば脳に追加の入力を提供するために、神経を作動することができる。ユーザインターフェース101(
図16)は、電気刺激モードである第3のモードを含むことができ、これも手動で(例えば、2つのボタンで)、または検出素子132、134からのフィードバックで調整することができる。2つまたは3つ(またはそれ以上)のモードの任意の組み合わせが可能であり、あるいはいくつかの実施形態では、単一モードのみが可能であってもよい。電極252、254、256は、1つまたは複数の印加電位が正中神経に向けられ、それにより脳を制御して振戦の脳の制御または修正を変更または誘導するように構成されてもよい。代替的な実施形態では、電極252、254、256は、振戦に関連する生理学的信号を検出するように構成されてもよい。コントローラ192は、ハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェアを介して、内側カフ146の膨張、電極252、254、256の作動、または振動素子136、138の作動のいずれか1つまたは複数が特定の範囲の設定パラメータまたは設定パラメータ範囲で適用されて、プログラム可能なパルス発生器として機能するように、構成されるか、構成されるようにプログラム可能であってもよい。例えば、特定の実施形態では、電極252、254、256の作動の電圧、電流、周波数、またはパルス幅は、以下の範囲内で制御され得る。電流:0.1mA~200mA、または0.1mA~50mA。アプリケーションの周波数/レート:0.1mA~200mA、または1Hz~5,000Hz、または1Hz~1,000Hz、または1Hz~200Hz。パルス幅:0.01マイクロ秒(μs)~1000マイクロ秒(μs)、または1マイクロ秒(μs)~1000マイクロ秒(μs)、または0.01マイクロ秒(μs)~5マイクロ秒(μs)。コントローラ192は、連続モードで、または1つまたは複数のバーストを含むランダムモードで電極を活性化することができる。バーストのワンタイムとバーストのオフタイムは、それぞれ独立して制御することができる。特定のプログラムまたはアルゴリズムを使用して、オンタイムとオフタイムを変化させることができる。代替的な実施形態では、コントローラ192は、ハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェアを介して、内側カフ146の膨張、電極252、254、256の作動、または振動素子136、138の作動のいずれか1つまたは複数が、少なくとも部分的にランダムまたは擬似ランダムに適用されるように、構成されるか、構成されるようにプログラムされてもよい。人体は順応性があり、多くの生理学的システムと同様に、実際には治療の目的や効果に反する場合に、時には身体にとって役立つように、治療的処置に適応する傾向がある。神経系は、シナプス適応などのプロセスによって絶えず変化することができる。これらの変化は、実際には最初の効果的な治療の効果を徐々に低下させる場合がある。したがって、治療要素(内側カフ146/圧縮ばね154、156、158、160/おもり212、214、216、218、振動素子136、138、電極252、254、256)が適用される方法にランダムな変化を追加することにより、そうでなければ、振戦の影響を最小限に抑える努力に対して実際に敵対的であると証明されるかもしれない、身体の適応スキームを先取りするか、または「だます」方法として役立つことができる。コントローラ192により、ランダムに、または非ランダムに調整され得るパラメータには、エネルギー(機械的、電気的など)の印加時間、エネルギーの印加間の時間間隔の長さ、エネルギーの印加の繰り返し回数、エネルギーの非静的モードの特定の動作周波数(例えば、様々なパルスレートで超音波を印加する)、印加されるエネルギーの振幅、特定の種類のエネルギーまたは異なる2種類以上のエネルギーの複数の要素の特定の組み合わせのタイミングが含まれる。これらのパラメータはいずれも増減することができる。コントローラ192は、例えば、ユーザインターフェース101および/またはアプリケーション189を介して、ユーザ/患者がこれらのパラメータ調整の一部またはすべてを制御できるように構成されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、例えば、ユーザのための第1のレベルおよび処方医のための第2のレベルなど、ユーザがどれだけ制御できるか、または制御できないかを制御するためのセキュリティレベルがあってもよい。いくつかの実施形態では、ユーザは利用できないが医師は利用可能な制御の存在は、治療における一定量のランダム性を保証することができる。これは、場合によっては、例えば、圧迫、電極の活性化、または振動事象に驚かされたくない特定の患者にとっても必要になる場合がある。セキュリティレベルは、暗号化および/またはパスワード制御を含んでもよい。ウェアラブル振戦制御システム250または本明細書の実施形態で説明する他のシステムの「スマート」な性質により、専門医を必要とせず、一次医療医によって管理できるようになる。
【0031】
[0060]
図20は、振動および電気刺激の両方を含むマルチモードエネルギー送達療法を有するウェアラブル振戦制御システム300を示す。ウェアラブル振戦制御システム300は、
図8のウェアラブル振戦制御システム100と同様であるが、圧縮を含まず、バンド310の肢に面する表面308上に支持される刺激電極302、304、306を備える。バンド310は、第1の端部330および第2の端部332を有し、取り外し可能/交換可能なハウジング336に取り外し可能に取り付けられている。ループ334はバンド310に固定され、開口幅W
1を有する。バンド310の挿入部340は、開口幅W
1よりも小さい厚さW
2を有する。バンド310の通常の壁338は、開口幅W
1よりもわずかに大きい厚さW
3を有し、したがって摩擦嵌合を生じさせ、それによりウェッジ110またはフック/ループ20a/20bが不要になる。使用時に、ユーザは、目標の肢の周りにバンド310を配置し、挿入部340をループ334に挿入し、ユーザ/着用者の肢の許容量に調整されるまでバンド310を第1の端部330から引っ張る。通常の壁338とループ334との間の摩擦は、バンド310を安全に維持する。ループ334は、ゴムまたはエラストマ、または熱可塑性エラストマなどのエラストマ材料を含むことができ、バンド310の通常の壁338部分がループを通って配置されるときにループが伸びることを可能にする。ユーザインターフェース312および/またはアプリケーション189(
図15または
図18)は、検出素子316、318からの1つまたは複数の信号から受信した信号によって、電極302、304、306に電気的に結合されたワイヤまたはトレース320、322、324に電流が流れるようにし、電極の2つ以上に1つまたは複数の電位(電圧)を印加するように、コントローラ314を調整またはプログラムするように構成されてもよい。電圧制御を使用して電流を印加することができる。電流制御を使用して電流を印加することもできる。印加された電流は、例えば脳に追加の入力を提供するために、神経を作動することができる。ユーザインターフェース312は、振動モード(振動素子326、328を作動させるため)および刺激モード(電極302、304、306を介して)を含み、これらはそれぞれ手動で、または検出素子316、318からのフィードバックにより調整することができる。混合信号を生成できるように、2つのモードの任意の組み合わせが可能である。混合信号は、振動または刺激の一方のみの第1の期間と、振動または刺激の他方の第2の期間と、を有するサイクルを含んでもよい。混合信号は、少なくとも1周期の同時振動と刺激を含んでもよい。混合信号は、振動と刺激の両方を含む第1の期間と、振動と刺激の両方を含む第2の期間を含んでもよく、振動と刺激の量の比(エネルギーまたは振幅など)は、第1の期間と第2の期間で異なる。電極302、304、306は、1つまたは複数の印加電位が正中神経に向けられ、それにより脳を制御して振戦の脳の制御または修正を変更または誘導するように構成されてもよい。代替的な実施形態では、電極302、304、306は、振戦に関連する生理学的信号を検出するように構成されてもよい。コントローラ314は、ハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェアを介して、電極302、304、306の作動、または振動素子326、328の作動のいずれか1つまたは複数が特定の範囲の設定パラメータまたは設定パラメータ範囲で適用されて、プログラム可能なパルス発生器として機能するように、構成されるか、構成されるようにプログラム可能であってもよい。例えば、特定の実施形態では、電極302、304、306の作動の電圧、電流、周波数、またはパルス幅は、以下の範囲内で制御され得る。電流:0.1mA~200mA、または0.1mA~50mA。アプリケーションの周波数/レート:0.01Hz~50kHz、または1Hz~5,000Hz、または1Hz~1,000Hz、または1Hz~200Hz。パルス幅:1マイクロ秒(μs)~1000ミリ秒(μs)、または1マイクロ秒(μs)~1000マイクロ秒(μs)、または0.01ミリ秒(ms)~5ミリ秒(ms)。コントローラ314は、連続モードで、または1つまたは複数のバーストを含むランダムモードで電極を活性化することができる。電極302、304、306の作動期間は、以下のパターンのうちの1つまたは複数を含んでもよい。二相性正弦波、多相性波、単相性正弦波、二相性脈動性正弦波、二相性矩形波、単相性方形波、単相性脈動性矩形波、二相性スパイク波、単相性スパイク波、および単相性脈動性スパイク波。バーストのワンタイムとバーストのオフタイムは、それぞれ独立して制御することができる。特定のプログラムまたはアルゴリズムを使用して、オンタイムとオフタイムを変化させることができる。代替的な実施形態では、コントローラ314は、ハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェアを介して、電極302、304、306の作動または振動素子326、328の作動のいずれか1つまたは複数が、
図19の実施形態に関して説明したように、少なくとも部分的にランダムまたは擬似ランダムに適用されるように、構成されるか、構成されるようにプログラムされてもよい。電極302、304、306のいずれか1つは、患者リターン電極として機能することができ、したがって、追加の皮膚に配置されたリターン電極パッチを不要にする。したがって、着用者/ユーザの肢のバンド310の単純な結合により、着用者/ユーザは、ウェアラブル振戦制御システム300の使用を直ちに開始することができる。
【0032】
[0061]複数のタッチポイントが電極302、304、306および振動素子326、328によって提供され、これらはバンド310の肢に面する表面308の周りの異なるクロック位置に配置され、効果的な治療のための最適な解剖学的位置が特定されて処置される可能性が高いので、高い成功率を可能にする。電極302、304、306および振動素子326、328は、最適な結果を提供するために同期して動作するようにコントローラ314によって制御され得る。コントローラ314は、例えば、ユーザインターフェース312および/またはアプリケーション189を介して、ユーザ/患者がこれらのパラメータ調整の一部またはすべてを制御できるように構成されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、ユーザがどれだけ制御できるかを制御するセキュリティレベル、すなわち、ユーザのための第1のレベルおよび処方医のための第2のレベルがあってもよい。いくつかの実施形態では、ユーザは利用できないが医師は利用可能な制御の存在は、治療における一定量のランダム性を保証することができる。これは、場合によっては、例えば、電極の活性化、または振動事象に驚かされたくない特定の患者にとっても必要になる場合がある。セキュリティレベルは、暗号化および/またはパスワード制御を含んでもよい。ウェアラブル振戦制御システム300に記載されている構成要素の多くは、所要電力が比較的低いため、充電式バッテリーシステムに適している。接続ポート191は、必要に応じて、ウェアラブル振戦制御システム300内に内部無線機能があるかどうかにかかわらず、無線アンテナを取り付けるために使用されてもよい。
【0033】
[0062]ウェアラブル振戦制御システム300は、適応能力を含んでもよい。例えば、コントローラ314は、エネルギーの朝の適用、エネルギーの昼間の適用、およびエネルギーの夕方の適用などの特定の治療計画を提供するようにプログラム可能または予めプログラムされてもよい。しかしながら、検出素子316、318により測定された生理的活動を分析することにより、コントローラ314は、患者の反応を最適化するために治療計画を変更するように構成されてもよい。例えば、変化は、振動エネルギーの印加のより大きな振幅および/またはより長い持続時間、ならびに電気刺激エネルギーの印加のより小さな振幅および/またはより短い持続時間を含んでもよい。または、他の場合、変化は、電気刺激エネルギーの印加のより大きな振幅および/またはより長い持続時間、ならびに振動エネルギーの印加のより小さな振幅および/またはより短い持続時間を含んでもよい。エネルギー変調アルゴリズムを適用して、ウェアラブル振戦制御システム300が学習し、各患者の特定の振戦症状に対応するカスタムの神経調節管理を各着用者により良く提供できるようにすることができる。したがって、個別の治療計画は、各患者/ユーザに合わせて構築または適合させることができる。
【0034】
[0063]
図21では、ハウジング336がバンド310から取り外されている。ハウジング336は、複数の理由でバンド310から取り外し可能であり、バンド310に再取り付け可能である。ハウジング336は、電源ケーブルを接続ポート191(
図20)またはバッテリーに接続された別のポートに取り付けることにより再充電できる1つまたは複数の再充電可能なバッテリーを含んでもよい。バッテリーは、誘導結合充電を含む有線または無線方式で充電可能であってもよい。1つまたは複数のバッテリーは、
図12~
図15のバッテリー186と同様であってもよい。代替的な実施形態では、1つまたは複数のバッテリーは、使用および廃棄(またはリサイクル)されるように構成された一次電池であってもよい。ハウジング336は、バンド310に支持された磁石350、352を引き付けるように構成された2つの磁石346、348を介してバンド310に固定されている。
図21の実施形態では、磁石348は、外部に面する負極を有する磁石350と磁気的に係合するように構成される外部に面する正極を有する。磁石346は、外部に面する正極を有する磁石352と磁気的に係合するように構成される外部に面する負極を有する。磁石は、ネオジム鉄ホウ素またはサマリウムコバルトなどの希土類磁石を含んでもよい。ネオジム鉄ホウ素磁石は、N30以上、またはN33以上、またはN35以上、またはN38以上、またはN40以上、またはN42以上、またはN45以上、またはN48以上、またはN50以上のグレードから選択されてもよい。いくつかの実施形態では、ネオジム鉄ホウ素磁石は、N30~N52、またはN33~N50、またはN35~N48のグレードを有してもよい。
【0035】
[0064]電気的接続は、バンド310上に支持され、ハウジング336の底面342上に支持された導電性凹部356と導電的に係合するように構成された導電性突起部354によって達成されてもよい。導電性凹部356は、ユーザインターフェース312、コントローラ314、および接続ポート191を含むことができるハウジング336の様々な構成要素、または先の実施形態で説明した電気的構成要素のいずれかに電気的に接続される。導電性突起部354は、トレース320、322、324および刺激電極302、304、306、振動素子326、328、および検出素子316、318(
図20)に電気的に接続される。したがって、ハウジング336が磁石346、348、350、352の引力を介してバンド310に取り付けられると、導電性突起部354は導電性凹部356に電気的に結合される。それらは、ピンと穴を特徴とする端子接続を備えてもよい。それにより、ユーザインターフェース312、コントローラ314、接続ポート191、および他の電気部品は、トレース320、322、324および刺激電極302、304、306、振動素子326、328、および検出素子316、318と電気的に連結される。ユーザは、再充電以外の理由で、ハウジング336をバンド310から取り外すことを選択してもよい。例えば、第1のハウジング336が損傷したか機能しなくなった場合、第1のハウジング336を第2のハウジング336に置き換えることができる。ハウジング336は、医療施設に提示するために取り外されてもよく、医療施設は、情報またはソフトウェアの改訂版をアップロードまたはダウンロードしたり、メンテナンスまたは修理のために提供したりしてもよい。導電性突起部354および導電性凹部356は、
図21に示され、それぞれ磁石350、352または磁石346、348の間に位置している。しかし、他の実施形態では、導電性突起部354は、導電性凹部356に電気的に結合され、磁石350、352または磁石346、348から横方向に位置してもよい。いくつかの実施形態では、導電性突起部354および導電性凹部356は、それぞれ突起部および凹部の両方を有する一連の導電性端子、または導電性端子の実質的に平面の配列を有する一連の端子(突起部または凹部のいずれでもない)にそれぞれ置き換えられてもよい。
【0036】
[0065]代替的な実施形態では、磁石350、352は、鉄346、348にも引き付けられる鉄の金属ストリップに置き換えられてもよい。あるいは、磁石346、348は、磁石350、352の代わりに、鉄の金属ストリップに置き換えることができる。他の代替的な実施形態では、磁石346、348、350、352は、スナップ、フックアンドループ(Velcro(登録商標))、スライド係合、または接着ストリップなどの他の接続に置き換えることができる。
【0037】
[0066]本開示の一実施形態では、不随意筋収縮の治療のためのシステムは、内部接触面を有し、対象者の肢の第1の部分を少なくとも部分的に取り囲むように構成されたウェアラブルインターフェースと、ウェアラブルインターフェースにより支持された1つまたは複数のおもりと、内部接触面に支持され、対象者の肢の第1の部分内の皮膚に接触するように構成された1つまたは複数の電極と、を備える。いくつかの実施形態では、不随意筋収縮の治療のためのシステムは、1つまたは複数の電極に給電するように構成されたコントローラをさらに備える。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の電極は、1つまたは複数のインパルスを印加して、対象者の上肢の正中神経を刺激するように構成される。いくつかの実施形態では、コントローラは、電極によってインパルスをランダムなパターンで印加するように構成される。いくつかの実施形態では、ランダムパターンは、連続する一連のインパルス間のランダムに変化する期間を含む。いくつかの実施形態では、ランダムパターンは、一連のインパルスと別の一連のインパルスとの間で動作周波数をランダムに変化させることを含む。
【0038】
[0067]本開示の別の実施形態では、不随意筋収縮の治療のためのシステムは、内部接触面を有し、対象者の肢の第1の部分を少なくとも部分的に取り囲むように構成されたウェアラブルインターフェースと、内部接触面に支持され、対象者の肢の第1の部分内の皮膚に接触するように構成された1つまたは複数の電極と、1つまたは複数の電極の作動を制御するように構成された制御ユニットと、を備える。いくつかの実施形態では、制御ユニットはプログラム可能である。いくつかの実施形態では、制御ユニットはマイクロコントローラを備える。マイクロコントローラは、いくつかの実施形態では、LFQP-100マイクロコントローラであってもよく、ARM(Advanced RISC Machine)アーキテクチャを含んでもよい。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、電極の作動のパルスを少なくとも部分的に規定するように構成される。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、1つまたは複数の電極を作動させて約0.1mA~約50mAの電流を印加するようにプログラムされるように構成される。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、約1Hz~約5,000Hz、または約1Hz~約1,000Hz、または約1Hz~約200Hzのレートで1つまたは複数の電極をパルスするようにプログラムされるように構成される。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、約1~約1,000μsのパルス幅を有するパルスで1つまたは複数の電極を作動させるようにプログラムされるように構成される。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、パルスのオン時間およびオフ時間の少なくとも一方を制御できるように構成される。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、1つまたは複数の電極をランダムまたは擬似ランダムに作動させるように構成される。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、対象者の上肢の正中神経を刺激するために1つまたは複数の電極を作動させるように構成される。
【0039】
[0068]本開示の別の実施形態では、不随意筋収縮の治療のためのシステムは、内部接触面を有し、対象者の肢の第1の部分を少なくとも部分的に取り囲むように構成されたウェアラブルインターフェースと、内部接触面に支持され、対象者の肢の第1の部分内の皮膚に接触するように構成された1つまたは複数の電極と、少なくとも1つの振動素子を含むエネルギー印加モジュールと、1つまたは複数の電極の作動を制御するように構成された制御ユニットと、を備える。いくつかの実施形態では、不随意筋収縮の治療のためのシステムは、ウェアラブルインターフェースによって支持され、肢内の筋肉収縮に関連する信号を出力するように構成された感覚モジュールをさらに備える。いくつかの実施形態では、制御ユニットはプログラム可能である。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、少なくとも1つの振動ユニットの作動を制御するようにさらに構成される。いくつかの実施形態では、制御ユニットはマイクロコントローラを備える。マイクロコントローラは、いくつかの実施形態では、LFQP-100マイクロコントローラであってもよく、ARM(Advanced RISC Machine)アーキテクチャを含んでもよい。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、1つまたは複数の電極および少なくとも1つの振動素子を作動させて混合信号を一緒に生成するように構成される。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、1つまたは複数の電極を作動させずに少なくとも1つの振動素子を作動させる第1の期間と、1つまたは複数の電極を作動させる第2の期間を含む作動サイクルを生成するように構成される。いくつかの実施形態では、第2の作動期間は、少なくとも1つの振動素子の作動を含む。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の電極の第2の作動期間は、連続的な活性化を含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の電極の第2の作動期間は、パルス化された活性化を含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の電極の第2の作動期間は、正弦波を含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の電極の第2の作動期間は、方形波を含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の電極の第2の作動期間は、二相性正弦波、多相性波、単相性正弦波、二相性脈動性正弦波、二相性矩形波、単相性方形波、単相性脈動性矩形波、二相性スパイク波、単相性スパイク波、および単相性脈動性スパイク波からなるリスト内のパターンのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、作動サイクルを1回以上繰り返すように構成される。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、電極の作動のパルスを少なくとも部分的に規定するように構成される。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、1つまたは複数の電極を作動させて約0.1mA~約200mAの電流を印加するようにプログラムされるように構成される。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、約0.01Hz~約5,000Hz、または約0.01Hz~約1,000Hz、または約0.01Hz~約5Hzのレートで1つまたは複数の電極をパルスするようにプログラムされるように構成される。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、約0.01ミリ秒~約5ミリ秒のパルス幅を有するパルスで1つまたは複数の電極を作動させるようにプログラムされるように構成される。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、パルスのオン時間およびオフ時間の少なくとも一方を制御するように構成される。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、1つまたは複数の電極をランダムまたは擬似ランダムに作動させるように構成される。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、対象者の上肢の正中神経を刺激するために1つまたは複数の電極を作動させるように構成される。
【0040】
[0069]いくつかの実施形態では、感覚モジュールは少なくとも1つの圧電結晶を備える。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの圧電結晶は、約40Hz~約500Hz、または約50Hz~約450Hz、または約60Hz~約400Hz、または約100Hz~約350Hzの周波数で振動するように構成される。いくつかの実施形態では、制御ユニットはウェアラブルインターフェースによって支持される。いくつかの実施形態では、ウェアラブルインターフェースは、バンド、または時計、またはブレスレットの形態である。いくつかの実施形態では、ウェアラブルインターフェースは、手首または足首などの部分で、対象者の肢(腕、脚)を完全に取り囲むように構成される。いくつかの実施形態では、ウェアラブルインターフェースは、スナップ、ロック、フック、ベルクロ(登録商標)クロージャ、ボタンクロージャ、スナップクロージャ、接着クロージャ、または磁気クロージャなどのクロージャデバイスを含む。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、第1の周波数および第2の周波数で少なくとも1つの振動素子の作動を制御するように構成される。いくつかの実施形態では、第1の周波数は第2の周波数よりも低い。いくつかの実施形態では、第1の周波数の振動は、対象者の肢の振動を少なくとも部分的に減衰するように構成され、第2の周波数の振動は、対象者の肢の神経を刺激するように構成される。いくつかの実施形態では、第2の周波数は第1の周波数の高調波である。いくつかの実施形態では、不随意筋収縮の治療のためのシステムは、ウェアラブルインターフェースにより支持され、無線通信用に構成された通信モジュールをさらに備える。いくつかの実施形態では、通信モジュールは携帯電話と通信するように構成される。いくつかの実施形態では、不随意筋収縮の治療のためのシステムは、通信モジュールとの通信を制御できる通信ソフトウェアを実行するように構成されたスマートフォンをさらに備える。いくつかの実施形態では、通信ソフトウェアは、スマートフォンに支持されたファームウェアである。いくつかの実施形態では、通信ソフトウェアはダウンロード可能なアプリケーションである。いくつかの実施形態では、スマートフォンまたは通信ソフトウェアの少なくとも一方は、不随意筋収縮の治療のためのシステムの少なくとも1つの要素の動作を制御するためのユーザインターフェースを提供する。いくつかの実施形態では、通信モジュールは、通信ソフトウェアを介してスマートフォンにデータを出力するように構成されている。いくつかの実施形態では、通信モジュールとスマートフォンとの間の通信は、少なくとも1つのセキュリティ要素を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセキュリティ要素は暗号化を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセキュリティ要素はパスワードで制御される。
【0041】
[0070]いくつかの実施形態では、感覚モジュールは、対象の本態性振戦に関連する信号を出力するように構成される。いくつかの実施形態では、感覚モジュールは、対象者の下肢静止不能症候群に関連する信号を出力するように構成される。いくつかの実施形態では、感覚モジュールは、対象者のパーキンソン症候群に関連する信号を出力するように構成される。いくつかの実施形態では、感覚モジュールは、対象の小脳振戦に関連する信号を出力するように構成される。いくつかの実施形態では、感覚モジュールは、対象者のジストニー性振戦に関連する信号を出力するように構成される。いくつかの実施形態では、感覚モジュールは、対象の行動振戦に関連する信号を出力するように構成される。いくつかの実施形態では、感覚モジュールは、対象者の安静時振戦に関連する信号を出力するように構成される。いくつかの実施形態では、感覚モジュールは、対象者の1つまたは複数の精神障害に関連する信号を出力するように構成されている。
【0042】
[0071]いくつかの実施形態では、制御ユニットは、バンド、時計、またはブレスレットのうちの少なくとも1つに取り外し可能に固定されるように構成されたハウジングに支持される。いくつかの実施形態では、ハウジングは第1の結合部材を含み、バンド、時計、またはブレスレットの少なくとも1つは第2の結合部材を含み、第1の結合部材および第2の結合部材は互いに着脱可能である。いくつかの実施形態では、第1の結合部材または第2の結合部材の少なくとも一方は磁石を備える。いくつかの実施形態では、第1の結合部材または第2の結合部材の一方は磁石を備え、第1の結合部材または第2の結合部材の他方は鉄金属を備える。いくつかの実施形態では、第1の結合部材は第1の磁石を備え、第2の結合部材は第2の磁石を備える。いくつかの実施形態では、第1の磁石または第2の磁石の一方のN極は、第1の結合部材または第2の結合部材の他方のS極と磁気的に連結するように構成される。いくつかの実施形態では、ハウジングは第3の結合部材を含み、バンド、時計、またはブレスレットの少なくとも1つは第4の結合部材を含み、第3の結合部材および第4の結合部材は互いに着脱可能である。いくつかの実施形態では、第3の結合部材または第4の結合部材の少なくとも一方は磁石を備える。いくつかの実施形態では、第3の結合部材または第4の結合部材の一方は磁石を備え、第3の結合部材または第4の結合部材の他方は鉄金属を備える。いくつかの実施形態では、第3の結合部材は第3の磁石を備え、第4の結合部材は第4の磁石を備える。いくつかの実施形態では、第3の磁石または第4の磁石の一方のN極は、第3の結合部材または第4の結合部材の他方のS極と磁気的に連結するように構成される。いくつかの実施形態では、第1の結合部材および第2の結合部材はスナップを備える。いくつかの実施形態では、第1の結合部材および第2の結合部材は、フックアンドループシステムを備える。いくつかの実施形態では、第1の結合部材および第2の結合部材の一方はチャネルを備え、第1の結合部材および第2の結合部材の他方はチャネル内でロックするように構成される突起を備える。いくつかの実施形態では、ハウジングまたはバンド、時計、またはブレスレットの少なくとも1つは、ハウジングがバンド、時計、またはブレスレットの少なくとも1つに固定されたときに信号を出力するように構成された近接センサを備える。いくつかの実施形態では、近接センサはホール効果デバイスを備える。
【0043】
[0072]いくつかの実施形態では、少なくとも1つの振動素子は、約15kHz~約1MHz、または約20kHz~約700kHz、または約25kHz~約500kHz、または約30kHz~約500kHz、または約20kHz~約500kHz、または約20kHz~約200kHz、または約30kHz~約200kHz、または約100kHz~約300kHzの周波数で振動するように構成された1つまたは複数の超音波トランスデューサを備える。
【0044】
[0073]
図8のウェアラブル振戦制御システム100の代替的な実施形態が
図22~
図27に示されている。
図22では、使用中のウェアラブル振戦制御システム410が、ユーザ42の腕40の手首38上の定位置に示されている。ウェアラブル振戦制御システム410のバンド414は、ユーザ42の手44のすぐ近くに固定されてもよく、または手44から距離dだけ、例えば、0.5cm、1cm、2cm、5cm、10cm、または15cm、あるいは0cm~15cm距離だけ離れて手首38(または腕40の他の部分)の周りに取り付けられてもよい。ウェアラブル振戦制御システム410はハウジング412を備え、バンド414はエポキシまたは接着剤によってハウジング412の下側416に結合される。他の実施形態では、バンド414は、固定具、縫い付け、融合によってハウジング412に固定されてもよく、またはハウジング412のスリットまたは細長い空間を通ってスライドしてもよい。バンド414は、ユーザ/患者42の手首38の周りを包み、フックアンドループ(Velcro(登録商標)タイプ)システム420または代替的な閉鎖システムの使用によりそれ自体に固定するように構成される。いくつかの実施形態では、バンド414は、時計またはブレスレットのように着用されるように構成されてもよく、部分(手首、足首など)で四肢(腕、脚)を部分的または完全に取り囲むように構成されてもよい。フックアンドループシステム420は、代替的な実施形態では、ボタンクロージャ、スナップクロージャ、接着クロージャ、または磁気クロージャに置き換えることができる。ハウジング412内のコントローラ432は、センサ428から信号を受信するように構成されている。センサ428は、ユーザ42の指を取り囲むように構成されたリング417を備える。
図22では、リング417は、手44の親指45の定位置にある。リング417は、親指45を取り囲むためのバンド419と、バンド419に取り付けられた磁石421と、を備える。磁石421は、そのN極423およびS極425が図示するように配向できるようにバンド419上に配置される。その変化のこの向きでは、磁力線427により示されるように、ベースライン磁場が手首38の近くに生成される。センサ428はまた、磁力計429を備え、ハウジング412内に配置されて示されている。磁力計429は、患者42の腕40、手首38、または手44の振戦からの外乱によって引き起こされる可能性がある磁場427への変化を検出するように構成される。磁力計429は、コントローラ432に結合され、ネバダ州ラスベガスのPololu Corporationによって供給されるLIS3MDLなどのデジタル3軸磁力計を備えてもよい。LIS3MDLは、±4ガウスから±16ガウスの構成可能な範囲で磁場強度測定を提供し、それはデジタルPCまたはSPIインターフェースで読み取ることができる。磁石421は、ネオジム鉄ホウ素磁石またはサマリウムコバルト磁石などの希土類磁石を含むことができ、N45以上、またはN48以上、またはN52以上のグレードを有することができる。磁石421によって供給される磁場のベースラインの大きさ(磁束密度)は、手首38またはその近くで測定して、約1.0から3.0ガウスであってもよい。比較として、地球の磁場の磁束密度は約0.2ガウスから0.7ガウスの間であり、したがって、磁石421の磁場は明確である。磁石421は、
図22では円筒状磁石として示されているが、半円筒状またはディスクを含む他の構成を使用してもよい。磁力計429はまた、磁場427の変化の振動/周波数特性の動的評価を可能にするように構成される。コントローラ432は、典型的な振戦の周波数範囲内にある測定磁場427内の動的活動を認識するように構成されてもよい。センサ428は、振戦の独立型検出器であってもよく、または前述のセンサ(センサ28または検出素子132、134)などの他のセンサによってさらに確証され得る初期検出システムであってもよい。振動素子437、438(
図23~
図25)を任意選択で含めることができ、コントローラ432によって操作されるように構成することができる。
【0045】
[0074]コントローラ432は、本明細書に記載されるものを含むマイクロコントローラを備えてもよい。コントローラ432は、ユーザの身体に埋め込まれた、またはユーザの身体または衣服の一部に支持されたチップを含む携帯電話、スマートフォン、または他の個人通信デバイスと無線で通信するように構成されたトランシーバ434に結合され得る。トランシーバ434は、WiFiアンテナを備えてもよい。コントローラ432に結合されたアクチュエータ436(自動ポンプ、ジャックなど)は、コントローラ432から信号を受信して、膨張可能な内側カフ446(
図23~
図25)を外側カフ422の内部空間430内で膨張させるように構成される。
【0046】
[0075]
図23は、内側カフ446が実質的に膨張していない第1の状態にある、ユーザ42の手首38で使用中のウェアラブル振戦制御システム410を示す。手根骨の近位にあるウェアラブル振戦制御システム410の一部を通して断面が取られているため、橈骨178および尺骨180の骨が手首38の断面に示されている。橈骨178と尺骨180を囲む筋肉35も示されている。
図24は、内側カフ446が第2の半膨張状態または部分的に膨張した状態にある、ユーザ42の手首38で使用中のウェアラブル振戦制御システム410を示す。
図25は、内側カフ446が実質的に膨張した第3の状態にあるユーザ42の手首38で使用中のウェアラブル振戦制御システム410を示す。内側カフ446の内部空間447の容積の増加が見られ、
図23から
図24、
図24から
図25に進む。結果として生じる圧縮ばね454、456、458、460の圧縮の増加も見られる。
【0047】
[0076]ウェアラブル振戦制御システム410のハウジング412は、壁482および内部空洞484を含む。バッテリー486は、内部空洞484内に保持され、取り外し可能なバッテリーカバー488で覆われている。バッテリー486は、ウェアラブル振戦制御システム410の回路基板490に電力を供給するように構成される。回路基板490は、アクチュエータ436(
図22)を制御するように構成されたコントローラ432を備える。回路基板490はまた、スマートフォン、パッド、パーソナルコンピュータ、または通信可能な他のデバイスなどの外部デバイス193(
図15および
図18)と通信するように構成されたトランシーバ434を備える。外部デバイス193は、ユーザがウェアラブル振戦制御システム410の動作を制御および修正できるようにするアプリケーション(App)189を含むことができる。ハウジング412は、データを転送するため、またはエネルギーを転送するための(例えば、充電を可能にするための)接続ポート491をさらに備える。接続ポート491は、USBポート、USBタイプ3、サンダーボルト、サンダーボルト3などを含むことができる。アプリケーション189への接続は、ブルートゥースまたはWiFiなどのいくつかの無線技術の1つを使用して達成することができる。
【0048】
[0077]
図26および
図27を参照すると、ウェアラブル振戦制御システム410は、アクチュエータ436とバンド414が各々いくつかの新しい特徴を含んでいるので、
図8のウェアラブル振戦制御システム100とは異なる。アクチュエータ436は、入口431から空気を送り込み、出口433を介して導管435に送り出すように構成されたローリングマイクロポンプ494を含む。ローリングマイクロポンプ494は、0.02リットル/分~0.15リットル/分、または0.07リットル/分~0.12リットル/分、または約0.08リットル/分~約0.10リットル/分の無負荷流量を達成するように構成することができる。いくつかの実施形態では、ローリングマイクロポンプ494は、Oken RSP08D01Rを備えてもよい。あるいは、非侵襲性血圧モニター(NIBP)で一般的に使用されるピエゾポンプなどのピエゾポンプを使用することもできる。いくつかの実施形態では、0.02リットル/分から0.03リットル/分の典型的な流量を有するTakasago Fluidic SystemsのSDMP320/330Wポンプを利用することができる。SDMP320/330Wなどのピエゾポンプは、比較的平坦なプロファイルを有しており、小さな空間(例えば、内部空洞484(
図25)内)に適合することができる。ソレノイドバルブ499は、コントローラ432(
図23)によって制御されて、導管435を開閉し、ローリングマイクロポンプ494のポンピングによって達成される圧力を維持するために閉じる(矢印)、および圧力の解放を可能にするために開く(示された位置)ことができる。圧力センサ411は、導管435内で測定する圧力に基づいて信号を(例えば、コントローラ432に)送信するように構成される。圧力センサ411で圧力を連続的または断続的に検出することにより、内側カフ446の内部空間447を正確に加圧することができる。圧力が所定のまたは予め計算された設定点に近づくと、コントローラ432は、設定点圧力を維持するようにローリングマイクロポンプ494および/またはソレノイドバルブ499の動作を切り替えることができる。圧力センサ411は、アナログまたはデジタル出力を含んでもよい。例示的なセンサは、0kPa~100kPaの適切な検出範囲を有するPanasonic ADP5240である。
図23に戻ると、回路基板490は、患者データ、較正データ、治療プログラム、治療データ(例えば、振戦の振幅、強度および/または有病率の減少または増加)、および測定アルゴリズムなどのデータを記憶するように構成されるメモリユニット497をさらに備える。
【0049】
[0078]内側カフ446の内部空間447を加圧する時間は、使用されるポンプの流量容量を増加させることにより効率のために最小化され得る。あるいは、内部空間447は、圧縮ばね454、456、458、460と圧縮ばね454、456、458、460を直接取り囲む広い領域441との間の幅またはプロファイル領域439を小さくすることにより、最小化され、したがって最適化され得る。したがって、バンド414を通って延在し、内部空間447を形成する導管435の部分は、必要以上に大きくない容積を有する。バンド414の非膨張可能部分413は、狭幅領域439を取り囲んでいる。したがって、内側カフ446は、優先的に圧縮ばね454、456、458、460の下で、それが膨張する必要がある場所でのみ膨張する。圧縮ばね454、456、458、460をさらに強化するため、剛性ベース415が、外側カフ422に隣接する側で内側カフ446に連結され、そこに圧縮ばね454、456、458、460が連結され得る。これは、
図27に詳細に示されている。いくつかの実施形態では、剛性ベース415は、ポリイミド(例えば、カプトン(登録商標))シートを含んでもよい。さらに、圧縮ばね454、456、458、460によって加えられる力の主要な成分は、圧縮ばね454、456、458、460を内側カフ446に結合する剛性ベース415の面積に比例する。したがって、患者42の手首38(または他の解剖学的特徴)への結合が増加する。剛性ベース415を使用する同じタイプの集束結合は、振動素子437、438(
図23)と共に使用されてもよい。圧力を高めて患者42の手首38に押し付けられる振動素子437、438は、圧縮ばね454、456、458、460と同様に、より効果的であり得る。いくつかの実施形態では、剛性ベース415は、例えば整合音響インピーダンスを有する、振動素子437、438の外側カフ422への音響結合としても機能し得る。結合は、外壁表面(
図23~
図25のように)または代わりに外側カフ422の内壁表面に行うことができる。振動素子437、438が適用される圧力を増加させる代替的な方法は、それ自体がより剛性になる傾向があるハウジング412の真下にある外側カフ422の部分の下に優先的に配置することであり、したがって、手首38に対する振動素子437、438の押し込みまたは予荷重の増加を可能にする。したがって、記載された実施形態は、患者のための薬物を含まない振戦管理オプションの可能性を提供する。デバイスの控えめな性質は、従来の時計やスマートウォッチに似ているように見えるため、ユーザは注意や社会的恥ずかしさを最小限に抑えることができる。
【0050】
[0079]
図28~
図30は、ハウジング502およびバンド504を有するウェアラブル振戦制御システム500を示している。ハウジング502は、
図28に示すように、互いに取り付けられるように構成されたハウジング上部506およびハウジング底部508を備える。バンド504は、第1のバンド部分510および第2のバンド部分512を備える。ハウジング底部508は、第1のブラケット516および第2のブラケット518を有するベース514に結合され、ブラケットは穴520を有する。ねじ522は、第1の端部524で第1のブラケット516を第1のバンド部分510に接続し、第1の端部526で第2のブラケット518を第2のバンド部分512に接続する。第1のバンド部分510の第2の端部528と第2のバンド部分512の第2の端部530とは互いに重なり合っている。いくつかの実施形態では、第1のバンド部分510と第2のバンド部分512との間にフックアンドループ(例えば、ベルクロ(登録商標))接続が存在してもよい。他の実施形態では、第1のバンド部分510および第2のバンド部分512はそれぞれ、十分な厚さを有する高デュロメータエラストマなどの材料で作られてもよく、ユーザが手首または他の肢部分を中央開口部532に配置する間、第1のバンド部分510および第2のバンド部分512が邪魔にならないように曲げられるが、バンド504を手首または他の肢部分の定位置に維持するのに十分な剛性を有するようにすることができる。
【0051】
[0080]オン/オフボタン534が、ユーザによる容易なアクセスのためにハウジング502に配置され、LED536または他のインジケータが、ウェアラブル振戦制御システム500が動作中か停止中か、またはスタンバイモードにあるかを示す。ステータスを示すために、複数の色のLEDを使用してもよい(例えば、緑色はオン、オレンジまたは黄色はスタンバイ、赤色は動作エラー)。
図28には示されていないが、先の実施形態に関連して説明したように、ディスプレイまたはタッチスクリーンが、ハウジング上部506の上面538に支持されてもよい。センサ(圧電結晶、加速度計、ジャイロスコープ、EMCセンサ)、刺激電極、または振動素子(例えば圧電結晶)の任意の組み合わせが、バンド504、ベース514の下側540、またはハウジング502に支持されてもよい。
【0052】
[0081]
図29を参照すると、ハウジング502内には無線充電可能なバッテリー542があり、これは、フラットコイル546、フェライトシート548、および誘電体シート550とEMIシールドを備える無線電力充電コイル544を介して無線充電され得る。無線電力充電コイル544は、誘導結合を介して無線充電ユニットから電流を受け取り、バッテリー542を充電する。薄い無線電力充電コイル544は、ドイツのヴァルデンブルクのWurth Electronik eiSos GmbH&Coから入手することができる。マイクロコントローラ552およびトランシーバ554は、回路基板556上に支持され、先の実施形態のマイクロコントローラおよびトランシーバに関連して説明されたように機能する。
図30には、整流器を備えてもよいAC/DCコンバータ558、および電圧依存抵抗器(バリスタ)を備えてもよい過渡電圧抑制ユニット560などの、回路基板の他の部分が見える。
【0053】
[0082]ピエゾ触覚アクチュエータ562、564は、ハウジング502内に保持され、電圧が印加されると作動(変位)するように構成されている。ベース514は、開口部566、568を含み、ハウジング底部508は、膜570、572がそれぞれ配置される開口部571、573を含む。開口部566、571は膜570と位置合わせされ、開口部568、573は膜572と位置合わせされる。ピエゾ触覚アクチュエータ562、564の変位は、それぞれ膜570、572を変位させるので、ウェアラブル振戦制御システム500がユーザの手首の定位置にある場合、膜570、572によってユーザの皮膚に直接加えられる動きと力が触覚フィードバックを提供する。触覚フィードバックは、デバイスの電源オン、デバイスの電源オフ、デバイスのエラー、治療の開始、治療の終了、測定の開始、測定の終了、データの生成、治療計画の変更、医師または医療機関に連絡するための要求または提案、あるいはその他のコマンドなどの事象をユーザに対して警告するために始動されてもよい。それに加えて、またはその代わりに、触覚フィードバックを使用して、膜570、572、したがってアクチュエータ562、564が位置するユーザの手首の部分に直接圧力をかけることにより、患者に治療を提供してもよい。加えられる圧力は、以前の実施形態で説明された膨張可能または拡張可能なカフによって加えられる圧縮にいくらか類似している。いくつかの実施形態では、ピエゾ触覚アクチュエータは、ドイツのミュンヘンのEPCOS AGによって供給されるPowerHap(商標)7Gを備えてもよい。
【0054】
[0083]エネルギー変調アルゴリズムを適用することにより、ウェアラブル振戦制御システム10、100、210、250、300、410、500のいずれかが学習し、各患者の特定の振戦症状に対応するカスタムの神経調節管理を各着用者により良く提供できるようにすることができる。したがって、個別の治療計画は、各患者/ユーザに合わせて構築または適合させることができる。例えば、制御ユニット(コントローラ、マイクロコントローラなど)は、センサ(ここで説明するセンサのいずれか)から出力される信号が特定の量または特定の値で変化したときに、エネルギーアプリケータ(電極、振動素子、圧縮素子、またはその他)により出力されるパワーを減らすように構成されるか、または構成可能であってもよい。例えば、エネルギーアプリケータによってエネルギーが印加された後に、センサにより出力される信号が減少することができる。したがって、制御ユニットは、治療の印加エネルギーの減少、治療サイクルの期間の減少、または治療の完全な中止(少なくとも一時的に)を保証するレベルまで治療が有効であると判断することができる。例えば、いくつかの実施形態では、エネルギーアプリケータによるエネルギーの印加の後にセンサにより出力される信号が、エネルギーアプリケータによるエネルギーの印加前にセンサにより出力される信号の約80%未満である場合、制御ユニットは、エネルギーアプリケータによって出力されるパワーのレベルを低減するように構成されるか、または構成可能であってもよい。2種類のエネルギーが使用されている場合(電気刺激と振動など)、パワーの削減は、2種類のエネルギーのうちの1つだけの削減、または両方の種類のエネルギーの削減である。いくつかの実施形態では、エネルギーアプリケータによるエネルギーの印加の後にセンサにより出力される信号が、エネルギーアプリケータによるエネルギーの印加の前にセンサにより出力される信号の約50%未満である場合、制御ユニットは、エネルギーアプリケータによって出力されるパワーのレベルを低減するように構成されるか、または構成可能であってもよい。いくつかの実施形態では、エネルギーアプリケータによるエネルギーの印加の後にセンサにより出力される信号が、エネルギーアプリケータによるエネルギーの印加の前にセンサにより出力される信号の約20%未満である場合、制御ユニットは、エネルギーアプリケータによって出力されるパワーのレベルを低減するように構成されるか、または構成可能であってもよい。いくつかの実施形態では、エネルギーアプリケータによるエネルギーの印加の後にセンサにより出力される信号が、エネルギーアプリケータによるエネルギーの印加の前にセンサにより出力される信号の約10%未満である場合、制御ユニットは、エネルギーアプリケータによって出力されるパワーのレベルを低減するように構成されるか、または構成可能であってもよい。
【0055】
[0084]いくつかの実施形態では、制御ユニットは、電気刺激の出力パラメータと振動の出力を互いに独立して変更するように構成することができる、または構成可能にすることができる。変更される電気刺激の出力パラメータには、電圧、電流、パワー、周波数、持続時間、または振幅が含まれる。変更する振動の出力パラメータには、パワー、周波数、高調波モード番号、持続時間、または振幅が含まれる。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、少なくとも患者活動特性に基づいてエネルギーアプリケータの動作を制御するように構成することができる。使用できる患者活動特性の例は、食べる、飲む、歩く、走る、寝る、起きている間に休む、座る、話す、瞑想する、タイピングする、または書くことである。ウェアラブル振戦制御システム10、100、210、250、300、410、500のメモリユニットは、例えば、後で使用するために、患者活動特性のうちの1つまたは複数を記憶するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、マルチモーダルエネルギーアプリケータもマルチモーダルセンサとして使用されてもよい。例えば、電気刺激用の1つまたは複数の電極と治療振動用の1つまたは複数のピエゾ素子との組み合わせは、活動性振戦中の筋肉の刺激と活動を検出する能力も有することができる。制御ユニットはまた、電極および圧電素子からの信号が受信および処理される「検出」モードと、電極および圧電素子がエネルギーを供給する目的で意図的に励起される「供給」モードとの間で切り替えることが可能であってもよい。制御ユニットはフィードバックループを提供することもでき、「供給」モードでの活動量は「検出」モードで測定された信号に依存する。記載された実施形態のいずれにおいても、データは医療従事者を含む他者と無線で共有されてもよい。フィードバックループの特定のアルゴリズムは、ユーザインターフェースを使用してユーザまたはその他のユーザが手動で調整するか、医療関係者またはその他のユーザが無線で手動で調整することができる。あるいは、フィードバックループの特定のアルゴリズムは、特定のパラメータの変化に応じて自動的に調整されてもよい。
【0056】
[0085]上記の実施形態のいずれかは、1つまたは複数の電極252、254、256または302、304、306は、中枢神経系と連絡している腕、手、脚、または足の1つまたは複数の神経を治療することができるように、腕、手、脚、または足で使用されるように構成されてもよい。特に神経は、振戦または不随意運動の原因となる神経である。神経には正中神経が含まれるが、これに限定されない。本明細書に提示される実施形態の装置による治療の目標である他の神経には、橈骨神経および尺骨神経が含まれる。
【0057】
[0086]上記で開示した実施形態の変形を含むいくつかの実施形態では、ユーザインターフェース101、312は、例えば、ブルートゥース、WiFi、または他の無線ネットワークを介して、ハウジング12、102、336、412、502の電子機器と遠隔通信するように構成されてもよい。ユーザインターフェース101、312は、例えばベルト、弾性バンドまたは結ぶことができるバンドを有することにより、手首、腕、足首、脚、頭、腰、または首などのユーザの身体の部分にそれ自体で取り付け可能になるように構成されてもよい。さらに他の実施形態では、ユーザインターフェース101、312とハウジング12、102、336、412、502との間に、延長可能なワイヤなどの有線接続があってもよい。
【0058】
[0087]いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つまたは複数の圧電結晶は、ポリイミド(カプトン)などの剛性または半剛性の裏材を介してバンド14、104、310、414、504に取り付けられてもよい。さらに、圧電結晶は、着用者/患者へのエネルギー伝達を改善するための機械的変位増幅器を含んでもよい。機械的変位増幅器は、共振器または発振器を含んでもよい。
【0059】
[0088]本開示の一実施形態では、不随意筋収縮の治療のためのシステムは、内部接触面を有し、対象者の肢の第1の部分を少なくとも部分的に取り囲むように構成されたウェアラブルインターフェースと、対象者の肢の第1の部分に近接して装着されるように構成された磁気素子および磁気センサを含む感覚モジュールと、ウェアラブルインターフェースにより支持され、1つまたは複数の形態の機械的エネルギーを肢に印加するように構成されたエネルギー印加モジュールと、を備え、エネルギー印加モジュールは、機械的エネルギーの1つまたは複数の形態の特性を変化させることができる。いくつかの実施形態では、エネルギー印加モジュールは、感覚モジュールから出力される信号の変化に応じて、機械的エネルギーの1つまたは複数の形態の特性を変化させるように構成される。いくつかの実施形態では、磁気素子は磁石を備える。いくつかの実施形態では、磁石は、ネオジム鉄ホウ素またはサマリウムコバルトなどの希土類磁石を含む。いくつかの実施形態では、磁気センサは磁力計を備える。いくつかの実施形態では、エネルギー印加モジュールは、1つまたは複数の圧縮ばねを備える。いくつかの実施形態では、エネルギー印加モジュールは、1つまたは複数の圧電素子を備える。いくつかの実施形態では、エネルギー印加モジュールは、1つまたは複数の剛性シートを介してカフに結合される。いくつかの実施形態では、カフは膨張可能なカフである。
【0060】
[0089]上記は本発明の実施形態に向けられているが、本発明の他のさらなる実施形態は、その基本的な範囲から逸脱することなく考案され得る。
本発明の実施形態には、以下の実施形態も含まれる。
実施形態1
不随意筋収縮を治療するためのシステムであって、
内部接触面を有し、対象者の肢の第1の部分を少なくとも部分的に取り囲むように構成されたウェアラブルインターフェースと、
前記ウェアラブルインターフェースにより支持され、前記対象者の前記肢にエネルギーを印加するように構成されたエネルギーアプリケータと、
前記エネルギーアプリケータの動作を制御するように構成された制御ユニットと、
前記ウェアラブルインターフェースにより支持され、前記肢内の筋収縮に関連する信号を出力するように構成されたセンサと、を備え、前記制御ユニットが、前記センサにより出力される前記信号の測定された変化に少なくとも部分的に基づいて前記エネルギーアプリケータの動作を修正するように構成されている、システム。
実施形態2
前記エネルギーアプリケータが、1つ以上の形態の機械的エネルギーを前記対象者の前記肢に印加するように構成されている、実施形態1に記載のシステム。
実施形態3
前記制御ユニットがプログラム可能である、実施形態1または2に記載のシステム。
実施形態4
前記制御ユニットが、前記エネルギーアプリケータの動作を経時的に修正するように構成されている、実施形態1~3のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態5
前記エネルギーアプリケータの動作の経時的な前記修正が、印加される振動エネルギーの量を変化させることを含む、実施形態4に記載のシステム。
実施形態6
前記エネルギーアプリケータの動作の経時的な前記修正が、印加される電気刺激エネルギーの量を変化させることを含む、実施形態4に記載のシステム。
実施形態7
前記制御ユニットが、前記ウェアラブルインターフェースにより支持されている、実施形態1~6のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態8
前記制御ユニットが、エネルギーの印加の後に前記センサにより出力される信号が、エネルギーの前記印加の前に前記センサにより出力される前記信号の80パーセント未満である場合に、前記エネルギーアプリケータにより出力されるパワーを低減するように構成されているかまたは構成可能可能である、実施形態1~7のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態9
前記制御ユニットが、エネルギーの前記印加の後に前記センサにより出力される信号が、エネルギーの前記印加の前に前記センサにより出力される前記信号の50パーセント未満である場合に、前記エネルギーアプリケータにより出力されるパワーを低減するように構成されているかまたは構成可能可能である、実施形態8に記載のシステム。
実施形態10
前記制御ユニットが、エネルギーの前記印加の後に前記センサにより出力される信号が、エネルギーの前記印加の前に前記センサにより出力される前記信号の20パーセント未満である場合に、前記エネルギーアプリケータにより出力されるパワーを低減するように構成されているかまたは構成可能可能である、実施形態9に記載のシステム。
実施形態11
前記制御ユニットが、エネルギーの前記印加の後に前記センサにより出力される信号が、エネルギーの前記印加の前に前記センサにより出力される前記信号の10パーセント未満である場合に、前記エネルギーアプリケータにより出力されるパワーを低減するように構成されているかまたは構成可能可能である、実施形態10に記載のシステム。
実施形態12
前記センサがジャイロスコープを備え、前記センサにより出力される前記信号が、前記対象者の前記肢の角速度に対応する、実施形態8~11のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態13
前記制御ユニットが、前記エネルギーアプリケータにより出力されるパワーレベルを変化させるように構成されているかまたは構成可能可能である、実施形態1~7のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態14
前記制御ユニットが、前記エネルギーアプリケータにより出力される信号の周波数を変化させるように構成されているかまたは構成可能可能である、実施形態1~7のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態15
前記制御ユニットが、前記エネルギーアプリケータにより出力されるエネルギーの印加の持続時間を変化させるように構成されているかまたは構成可能可能である、実施形態1~7のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態16
前記制御ユニットが、前記エネルギーアプリケータにより出力される信号の振幅を変化させるように構成されているかまたは構成可能可能である、実施形態1~7のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態17
前記制御ユニットが、患者活動特性に少なくとも部分的に基づいて前記エネルギーアプリケータの動作を制御するように構成されている、実施形態1~7のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態18
少なくとも1つの患者活動特性を記憶するように構成されたメモリユニットをさらに備える、実施形態17に記載のシステム。
実施形態19
前記患者活動特性が、食べる、飲む、歩く、走る、寝る、起きている間に休む、座る、話す、瞑想する、タイピングする、および書くことのうちの少なくとも1つに関連する、実施形態17に記載のシステム。
実施形態20
前記ウェアラブルインターフェースにより支持され、無線通信用に構成されたトランシーバをさらに備える、実施形態1に記載のシステム。
実施形態21
不随意筋収縮を治療するためのシステムであって、
内部接触面を有し、対象者の肢の第1の部分を少なくとも部分的に取り囲むように構成されたウェアラブルインターフェースと、
前記ウェアラブルインターフェースにより支持され、前記対象者の前記肢に2種類以上のエネルギーを印加するように構成されたエネルギーアプリケータと、
前記エネルギーアプリケータの動作を制御するように構成された制御ユニットであって、前記対象者に合わせて構築または適合された個別の治療計画を提供するように構成されている、制御ユニットと、
を備えるシステム。
実施形態22
前記ウェアラブルインターフェースにより支持され、前記肢内の筋収縮に関連する信号を出力するように構成されたセンサをさらに備える、実施形態21に記載のシステム。
実施形態23
前記2種類以上のエネルギーが、少なくとも1種類の機械的エネルギーおよび少なくとも1種類の電気エネルギーを含む、実施形態21または22に記載のシステム。
実施形態24
前記システムが圧縮を含まない、実施形態23に記載のシステム。
実施形態25
前記個別の治療計画が、朝、昼間、および夕方のうちのいずれかに特定の治療を提供するように構成されている、実施形態21~24のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態26
前記制御ユニットが、前記個別の治療計画を変更するように構成されている、実施形態21~25のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態27
前記制御ユニットが、振動エネルギーの印加の振幅を増加させ、電気刺激エネルギーの印加の振幅を減少させるように構成されている、実施形態26に記載のシステム。
実施形態28
前記制御ユニットが、電気刺激エネルギーの印加の振幅を増加させ、振動エネルギーの印加の振幅を減少させるように構成されている、実施形態26に記載のシステム。
実施形態29
前記制御ユニットが、振動エネルギーの印加の持続時間を増加させ、電気刺激エネルギーの印加の持続時間を減少させるように構成されている、実施形態26に記載のシステム。
実施形態30
前記制御ユニットが、電気刺激エネルギーの印加の持続時間を増加させ、振動エネルギーの印加の持続時間を減少させるように構成されている、実施形態26に記載のシステム。
実施形態31
前記システムが前記対象者の振戦症状に対応して学習できるように構成されたエネルギー変調アルゴリズムをさらに備える、実施形態27~30のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態32
前記制御ユニットが、前記2種類以上のエネルギーのうちの1つのパワーを低減するように構成されている、実施形態21~24のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態33
前記制御ユニットが、前記2種類以上のエネルギーのうちの2つのパワーを低減するように構成されている、実施形態32に記載のシステム。
実施形態34
前記制御ユニットが、患者活動特性に少なくとも部分的に基づいて前記エネルギーアプリケータの動作を制御するように構成されている、実施形態21~24のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態35
少なくとも1つの患者活動特性を記憶するように構成されたメモリユニットをさらに備える、実施形態34に記載のシステム。
実施形態36
前記患者活動特性が、食べる、飲む、歩く、走る、寝る、起きている間に休む、座る、話す、瞑想する、タイピングする、および書くことのうちの少なくとも1つに関連する、実施形態34に記載のシステム。
実施形態37
前記ウェアラブルインターフェースにより支持され、無線通信用に構成されたトランシーバをさらに備える、実施形態21に記載のシステム。
実施形態38
前記2種類以上のエネルギーが電気刺激エネルギーを含み、前記電気刺激エネルギーが、前記ウェアラブルインターフェースにより支持された1つ以上の電極により供給され、前記制御ユニットが、前記1つ以上の電極の1つ以上のパラメータを増加または減少させるように構成されている、実施形態21~24のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態39
前記1つ以上のパラメータが、電圧、電流、周波数、およびパルス幅からなるリストから選択される少なくとも1つのパラメータを含む、実施形態38に記載のシステム。
実施形態40
前記制御ユニットが、二相性正弦波、多相性波、単相性正弦波、二相性脈動性正弦波、二相性矩形波、単相性方形波、単相性脈動性矩形波、二相性スパイク波、単相性スパイク波、および単相性脈動性スパイク波からなるリストから選択される1つ以上のパターンで前記1つ以上の電極を作動させるように構成されている、実施形態38または39に記載のシステム。
実施形態41
前記2種類以上のエネルギーが振動エネルギーを含み、前記振動エネルギーが、前記ウェアラブルインターフェースにより支持された1つ以上の圧電素子により供給される、実施形態21~24のいずれか一項に記載のシステム。
実施形態42
前記1つ以上の圧電素子の少なくとも1つが、20kHz~1MHzの周波数で振動するように構成されている、実施形態41に記載のシステム。
実施形態43
前記1つ以上の圧電素子が、第1の周波数で振動するように構成された第1の圧電素子と、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数で振動するように構成された第2の圧電素子とを備える、実施形態41に記載のシステム。
実施形態44
前記第1の周波数が1Hz~30Hzであり、前記第2の周波数が20kHz~1MHzである、実施形態43に記載のシステム。
【0061】
[0090]本明細書に開示した範囲はまた、すべての重複、下位範囲、およびそれらの組み合わせを包含する。「多くとも」、「少なくとも」、「より大きい」、「より小さい」、「間に」などの文言は、列挙された数字を含む。本明細書で使用される「およそ」、「約」、および「実質的に」などの用語が前に付く数字は、列挙された数字(例えば、約10%=10%)を含み、所望の機能を実行したり、所望の結果を達成する明示された量に近い量も示す。例えば、「およそ」、「約」、および「実質的に」という用語は、明示された量の10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、0.01%未満である量を指してもよい。