(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-03
(45)【発行日】2023-04-11
(54)【発明の名称】データ収集システム及びデータ収集方法
(51)【国際特許分類】
G08C 15/06 20060101AFI20230404BHJP
G08C 15/00 20060101ALI20230404BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
G08C15/06 H
G08C15/00 D
H04Q9/00 311H
(21)【出願番号】P 2018225305
(22)【出願日】2018-11-30
【審査請求日】2021-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】山下 浩一郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴久
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-197626(JP,A)
【文献】特開2016-122310(JP,A)
【文献】特開2016-222025(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 15/00-19/48
H04Q 9/00- 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介してサーバに接続される情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能な通信ノードであって、所定のイベントに関する所定のデータを検出するセンサから前記所定のデータを取得する通信ノードとを含むデータ収集システムであって、
前記情報処理装置は、
前記サーバから前記所定のイベントの発生時刻を取得する時刻取得部と、
前記時刻取得部によって取得されたイベントの発生時刻よりも前記通信ノードの起動時間だけ前の起動開始時刻を求める時刻算出部と、
前記時刻算出部によって求められる起動開始時刻を前記通信ノードに送信する第1通信部と、
を有し、
前記通信ノードは、
前記第1通信部から受信する前記起動開始時刻に起動を開始し、起動が完了すると前記センサによって検出される所定のデータを取得するデータ取得部と、
前記データ取得部によって取得される所定のデータを前記第1通信部に送信する第2通信部と
を有し、
前記所定のイベントの発生時刻は、前記サーバによって、前記センサが前記所定のデータを検出する検出位置を所定の乗り物が通過する通過時刻として求められ、
前記所定のイベントの発生時刻は、道路交通データに含まれる地図データから求まる前記所定の乗り物の現在地から前記センサによる検出開始点までの距離と、前記道路交通データが有する前記所定の乗り物の位置を表す位置データの時間的変化とに基づいて求まる所要時間を現在時刻に加算することによって、前記サーバによって求められる、前記所定の乗り物が前記検出位置を通過する通過時刻である、データ収集システム。
【請求項2】
前記検出位置は、道路に沿って所定の構造物が設けられた位置であり、
前記センサは、前記所定のデータとして前記所定の構造物の変位を検出する、請求項
1記載のデータ収集システム。
【請求項3】
ネットワークを介してサーバに接続される情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能な通信ノードであって、所定のイベントに関する所定のデータを検出するセンサから前記所定のデータを取得する通信ノードとを含むデータ収集システムにおけるデータ収集方法であって、
前記情報処理装置は、
前記サーバから前記所定のイベントの発生時刻を取得し、
前記取得したイベントの発生時刻よりも前記通信ノードの起動時間だけ前の起動開始時刻を求め、
前記求めた起動開始時刻を前記通信ノードに送信し、
前記通信ノードは、
前記情報処理装置から受信した前記起動開始時刻に起動を開始し、起動が完了すると前記センサによって検出される所定のデータを取得し、
前記取得した所定のデータを前記情報処理装置に送信し、
前記所定のイベントの発生時刻は、前記サーバによって、前記センサが前記所定のデータを検出する検出位置を所定の乗り物が通過する通過時刻として求められ、
前記所定のイベントの発生時刻は、道路交通データに含まれる地図データから求まる前記所定の乗り物の現在地から前記センサによる検出開始点までの距離と、前記道路交通データが有する前記所定の乗り物の位置を表す位置データの時間的変化とに基づいて求まる所要時間を現在時刻に加算することによって、前記サーバによって求められる、前記所定の乗り物が前記検出位置を通過する通過時刻である、データ収集方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ収集システム、情報処理装置、通信ノード、及びデータ収集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、測定対象物の測定対象部位の状態を測定するセンサと、前記センサの測定情報を無線送信する機能を有する通信部とを有するセンサタグと、前記通信部から無線送信された測定情報を受信する機能を有するリーダーライターとを備えるセンサシステムがある。
【0003】
前記センサタグは、前記通信部が第1の送信時間間隔で前記センサの測定情報を無線送信する第1の状態と、前記通信部が前記第1の送信時間間隔よりも短い第2の送信時間間隔で前記センサの測定情報を無線送信する第2の状態とを切り換え可能に構成される。
【0004】
前記第1の状態では、前記通信部が第1のキャリアセンス時間間隔でキャリアセンスを行い、前記第2の状態では、前記通信部が前記第1のキャリアセンス時間間隔よりも短い第2のキャリアセンス時間間隔でキャリアセンスを行うことを特徴とする(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来のセンサシステムは、第1の状態では第1の測定時間間隔で測定を行い、第2の状態では第1の測定時間間隔よりも長い第2の測定時間間隔で測定を行っている。このため、第1の測定時間間隔及び第2の測定時間間隔のいずれで測定を行っている場合においても、測定時間間隔の間で測定対象になる事象が発生した場合には、事象が発生した時点と、事象発生直後の所定期間とにおける測定データを取得できなくなる。特に、第1状態で待機しているときに事象が発生して第2状態への切り替えが遅れると、測定データを取得できない期間が長くなる。
【0007】
センサによる測定を常時行えば、測定データを取得できない期間を無くすことはできるが、消費電力が増大するため、効率的にデータを収集することができなくなる。
【0008】
そこで、効率的にデータを収集できるデータ収集システム、情報処理装置、通信ノード、及びデータ収集方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施の形態のデータ収集システムは、ネットワークを介してサーバに接続される情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能な通信ノードであって、所定のイベントに関する所定のデータを検出するセンサから前記所定のデータを取得する通信ノードとを含むデータ収集システムであって、前記情報処理装置は、前記サーバから前記所定のイベントの発生時刻を取得する時刻取得部と、前記時刻取得部によって取得されたイベントの発生時刻よりも前記通信ノードの起動時間だけ前の起動開始時刻を求める時刻算出部と、前記時刻算出部によって求められる起動開始時刻を前記通信ノードに送信する第1通信部と、を有し、前記通信ノードは、前記第1通信部から受信する前記起動開始時刻に起動を開始し、起動が完了すると前記センサによって検出される所定のデータを取得するデータ取得部と、前記データ取得部によって取得される所定のデータを前記第1通信部に送信する第2通信部とを有し、前記所定のイベントの発生時刻は、前記サーバによって、前記センサが前記所定のデータを検出する検出位置を所定の乗り物が通過する通過時刻として求められ、前記所定のイベントの発生時刻は、道路交通データに含まれる地図データから求まる前記所定の乗り物の現在地から前記センサによる検出開始点までの距離と、前記道路交通データが有する前記所定の乗り物の位置を表す位置データの時間的変化とに基づいて求まる所要時間を現在時刻に加算することによって、前記サーバによって求められる、前記所定の乗り物が前記検出位置を通過する通過時刻である。
【発明の効果】
【0010】
効率的にデータを収集できるデータ収集システム、情報処理装置、通信ノード、及びデータ収集方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態のデータ収集システム10を示す図である。
【
図2】情報サーバ50を実現するコンピュータシステム20の斜視図である。
【
図3】コンピュータシステム20の本体部21内の要部の構成を説明するブロック図である。
【
図7】センサノード200のモードを説明する図である。
【
図8】ゲートウェイ100とセンサノード200の設置場所の一例を示す図である。
【
図9】センサノード200のパーシャルスリープモードを利用した測定手法を説明する図である。
【
図11】スリープモードを利用した測定手法を説明する図である。
【
図12】ゲートウェイ100の制御装置110がセンサノード200A~200Eを初期化する処理を示すフローチャートである。
【
図13】センサノード200A~200Eの初期化の処理を示すフローチャートである。
【
図14】ゲートウェイ100が実行する処理を示すフローチャートである。
【
図15】センサノード200A~200Eが実行する処理を示すフローチャートである。
【
図16】ゲートウェイ100が実行する処理を示すフローチャートである。
【
図17】センサノード200が実行する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明のデータ収集システム、情報処理装置、通信ノード、及びデータ収集方法を適用した実施の形態について説明する。
【0013】
<実施の形態>
図1は、実施の形態のデータ収集システム10を示す図である。データ収集システム10は、情報サーバ50、測定サーバ70、ゲートウェイ100、及びセンサノード200を含む。以下では、データ収集システム10が情報サーバ50及び測定サーバ70を含む形態について説明するが、データ収集システム10は、情報サーバ50及び/又は測定サーバ70を含まない形態であってもよい。
【0014】
データ収集システム10は、ゲートウェイ100が情報サーバ50から入手するイベントの発生時刻に基づいて、イベント発生時刻よりも起動時間だけ早い時刻にセンサノード200を起動し、イベントによって生じる事象を最初からセンサノード200で測定することによって、効率的にデータ収集を行うシステムである。データ収集の条件は、測定サーバ70によって指定される。
【0015】
イベントは、一例として、乗り物が所定の場所を通過することである。所定の場所は、一例として、道路沿いにある構造物としての橋梁であり、センサノード200によって事象が測定される測定対象である。
【0016】
また、イベントによって生じる事象は、一例として、乗り物が橋梁を通過することによって生じる振動である。また、乗り物とは、車両、電車、汽車、船、飛行機、馬車等であり、人、動物、又は荷物等を乗せて移動するものである。
【0017】
情報サーバ50は、インターネット500を介して測定サーバ70及びゲートウェイ100とデータ通信可能に接続されている。情報サーバ50は、サーバの一例である。情報サーバ50は、一例として、時刻表データ、道路交通データ等を保持しており、センサノード200の動作に必要なデータ等をゲートウェイ100に送信する。ゲートウェイ100に送信されるデータの1つは、イベント発生時刻を表すデータである。
【0018】
測定サーバ70は、利用者によってデータ収集の条件が入力されると、インターネット500を介してデータ収集の条件を情報サーバ50及びゲートウェイ100に通知する。また、測定サーバ70は、ゲートウェイ100を介して、センサノード200によって検出されたデータを収集する。
【0019】
ゲートウェイ100は、インターネット500を介して情報サーバ50及び測定サーバ70とデータ通信可能に接続されるとともに、無線通信網を介してセンサノード200とデータ通信可能に接続されている。ゲートウェイ100は、情報サーバ50及び測定サーバ70とセンサノード200との間でプロトコルの変換等の処理を行う他に、以下のような処理を行う。
【0020】
ゲートウェイ100は、情報サーバ50から入手するイベント発生時刻を表すデータに基づいて、イベント発生時刻よりも起動時間だけ早い時刻にセンサノード200を起動し、センサノード200に測定データを取得させる。また、ゲートウェイ100は、センサノード200から測定データを取得し、情報サーバ50に送信する。
【0021】
ゲートウェイ100は、情報サーバ50とセンサノード200との間に位置する情報処理装置又はデータ集約装置の一例である。
【0022】
センサノード200は、所定のイベントに関する所定のデータを検出するセンサを内蔵し、ゲートウェイ100から受信するコマンドに応じてセンサの検出値を表すデータをゲートウェイ100に送信する。センサノード200は、通信ノードの一例である。
【0023】
図2は、情報サーバ50を実現するコンピュータシステム20の斜視図である。
図2に示すコンピュータシステム20は、本体部21、ディスプレイ22、キーボード23、マウス24、及びモデム25を含む。
【0024】
本体部21は、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)、HDD(Hard Disk Drive:ハードディスクドライブ)、及びディスクドライブ等を内蔵する。ディスプレイ22は、本体部21からの指示により画面22A上に処理結果等を表示する。ディスプレイ22は、例えば、液晶モニタであればよい。キーボード23は、コンピュータシステム20に種々の情報を入力するための入力部である。マウス24は、ディスプレイ22の画面22A上の任意の位置を指定する入力部である。モデム25は、外部のデータベース等にアクセスして他のコンピュータシステムに記憶されているプログラム等をダウンロードする。
【0025】
コンピュータシステム20に情報サーバ50としての機能を持たせるプログラムは、ディスク27等の可搬型記録媒体に格納されるか、モデム25等の通信装置を使って他のコンピュータシステムの記録媒体26からダウンロードされ、コンピュータシステム20に入力されてコンパイルされる。
【0026】
コンピュータシステム20に情報サーバ50としての機能を持たせるプログラムは、コンピュータシステム20を情報サーバ50として動作させる。このプログラムは、例えばディスク27等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されていてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、ディスク27、ICカードメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク等の磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬型記録媒体に限定されるものではない。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、モデム25又はLAN等の通信装置を介して接続されるコンピュータシステムでアクセス可能な各種記録媒体を含む。
【0027】
なお、ここでは情報サーバ50を実現するコンピュータシステム20について説明したが、測定サーバ70を実現するコンピュータシステムも同様の構成を有する。このため、以下では、測定サーバ70も
図2に示すコンピュータシステム20によって実現されるものとして説明する。
【0028】
図3は、コンピュータシステム20の本体部21内の要部の構成を説明するブロック図である。本体部21は、バス30によって接続されたCPU31、RAM又はROM等を含むメモリ部32、ディスク27用のディスクドライブ33、及びハードディスクドライブ(HDD)34を含む。
【0029】
なお、コンピュータシステム20は、
図2及び
図3に示す構成のものに限定されず、各種周知の要素を付加してもよく、又は代替的に用いてもよい。
【0030】
図4は、情報サーバ50の構成を示す図である。情報サーバ50は、制御部51、データベース52、通信部53、及びアンテナ54を有する。ここでは、乗り物が路線バスを含む車両であり、情報サーバ50がイベント発生時刻をゲートウェイ100に送信する形態について説明する。なお、測定対象の橋梁は、測定サーバ70のキーボード23又はマウス24(
図2参照)への入力操作によって指定され、インターネット500を介して情報サーバ50に入力される。
【0031】
イベント発生時刻は、車両が橋梁に進入する時刻である。情報サーバ50が保持する道路交通データは、地図データに含まれる各道路(各リンク)を走行する車両の位置(場所)を表す位置データを有する。位置データはリアルタイムで変化するものであり、スマートフォン端末機のようにGPS(Global Positioning System)装置と通信機能を有する端末機の移動履歴を表すデータとして、情報サーバ50によって取得される。このような位置データは、GPS装置と通信機能を有する端末機であれば、スマートフォン端末機以外のものからも取得することが可能である。
【0032】
位置データの時間的な変化から車両の速度を求めることができるため、測定対象の橋梁に車両が進入する時刻を事前に予測することができる。なお、位置データは、車両のものに限らず歩行者及び自転車等のものも含まれる。このため、一例として、速度が所定速度(例えば、30km/h)以上である位置データを車両の位置データとして取り扱えばよい。このように、道路交通データから車両が橋梁に進入する時刻(イベント発生時刻)を取得することができる。
【0033】
また、イベント発生時刻は、時刻表データからも取得される。例えば、測定対象の橋梁を運行経路に含む路線バスがある場合に、橋梁を挟む2つの停留所の時刻表を用いれば、路線バスが所定の橋梁を通過する時間帯を特定できる。
【0034】
路線バスが橋梁を通過する時刻を時刻表データから直接的に求めることはできないため、ここでは、測定対象の橋梁を挟む路線バスの2つの停留所の時刻表のうち、路線バスの進行方向において橋梁の手前側にある停留所の時刻表データが表す時刻表が、路線バスが橋梁を通過する時刻として取り扱う。
【0035】
すなわち、測定対象の橋梁を挟む路線バスの2つの停留所の時刻表のうち、進行方向において橋梁の手前側にある停留所の時刻表データに含まれる路線バスの発車時刻をイベント発生時刻として取り扱う。
【0036】
制御部51は、測定対象の橋梁を通行する車両が橋梁に進入する時刻を算出し、ゲートウェイ100に送信する。また、制御部51は、測定対象の橋梁を挟む2つの停留所の時刻表データをデータベース52から抽出し、通信部52を介してゲートウェイ100に送信する。
【0037】
データベース52は、時刻表データ、道路交通データ等を格納する。これらのうち、時刻表データについては、データベース52は、予め所定の地域に含まれる複数の停留所の時刻表データを格納する形態であってもよい。この場合には、制御部51は、キーボード23又はマウス24(
図2参照)を介して入力される2つの停留所の時刻表データをデータベース52に予め格納されている複数の時刻表データから抽出すればよい。
【0038】
また、測定サーバ70のキーボード23又はマウス24(
図2参照)を介して入力される2つの停留所の時刻表データを制御部51がインターネット500を介してバス会社のホームページ等からダウンロードし、データベース52は、ダウンロードされた時刻表データを格納する形態であってもよい。また、データベース52は、これら2つの形態を組み合わせた形態で時刻表データを格納してもよい。
【0039】
通信部53は、アンテナ54を介してインターネット500に接続するモデム等である。
【0040】
図5は、ゲートウェイ100の構成を示す図である。ゲートウェイ100は、制御装置110、通信部120、及びアンテナ130を有する。
【0041】
制御装置110は、CPU、RAM又はROM等を含むメモリ部、及び、ハードディスクドライブ(HDD)等を含むコンピュータシステムによって実現される。制御装置110のコンピュータシステムとしての構成は、
図3に示すコンピュータシステム20と同様である。
【0042】
制御装置110は、主制御部111、時刻取得部112、時刻算出部113、及びメモリ114を有する。主制御部111、時刻取得部112、及び時刻算出部113は、制御装置110が実行するプログラムの機能(ファンクション)を機能ブロックとして示したものである。また、メモリ114は、制御装置110のメモリを機能的に表したものである。
【0043】
主制御部111は、ゲートウェイ100の制御を統括する処理部であり、時刻取得部112、時刻算出部113が実行する処理以外の処理を実行する。主制御部111は、例えば、ブート開始時刻、測定時間をセンサノード200に送信し、測定データを測定サーバ70に送信する処理等を行う。
【0044】
時刻取得部112は、イベント発生時刻を取得する。より具体的には、時刻取得部112は、車両が橋梁に進入する時刻と、時刻表データとを情報サーバ50から取得する。時刻取得部112によって取得される時刻表データは、センサノード200で振動を測定する対象になる橋梁を挟む路線バスの2つの停留所の時刻表を表すデータである。
【0045】
時刻算出部113は、車両が橋梁に進入する時刻から、センサノード200のブート時間を差し引いたブート開始時刻を求める。ブート開始時刻は、センサノード200がブートを開始する時刻(ブート開始時刻)を表す。ブート開始時刻は、起動開始時刻の一例である。
【0046】
また、時刻算出部113は、時刻取得部112によって取得される2つの時刻表データのうち、橋梁の手前側に位置する停留所の時刻表データが表す時刻表から、センサノード200のブート時間を差し引いたタイムテーブルを作成する。このタイムテーブルは、センサノード200がブートを開始する時刻(ブート開始時刻)を表す。
【0047】
メモリ114は、ゲートウェイ100が処理を行うために必要なプログラム及びデータを格納するとともに、センサノード200から受信する検出値を表すデータを一時的に格納する。また、メモリ114は、ゲートウェイ100が処理を行うために必要なその他のデータ等を格納する。
【0048】
通信部120は、アンテナ130を介して情報サーバ50との間でデータの送受信を行う。また、通信部120は、アンテナ130を介してセンサノード200に測定コマンド及び切替コマンドを送信するとともに、センサノード200から各種通知とデータ(加速度データ)を受信する。通信部120は、第1通信部の一例である。
【0049】
図6は、センサノード200の構成を示す図である。センサノード200は、PMU(Power Management Unit)210、制御装置220、センサ230、通信部240、及びアンテナ250を含む。センサノード200には、外部の電源から電力が供給される。
【0050】
PMU210は、制御部211とタイマ212を有する。PMU210は、外部の電源から供給される電力を制御装置220、センサ230、及び通信部240に割り振る。PMU210は、制御装置220によって設定されるモードに応じて、電力の割り振りを行う。割り振りの制御は、PMU210の制御部211が行う。タイマ212は、スリープモードにおけるスリープ時間のカウントを行う。
【0051】
制御装置220は、センサノード200の制御を行う処理部であり、マイクロコンピュータによって実現される。マイクロコンピュータは、CPUと、RAM又はROM等を含むメモリ部とを有する。
【0052】
制御装置220は、主制御部221、モード切替部222、及びメモリ223を含む。主制御部221とモード切替部222は、制御装置220が実行するプログラムの機能(ファンクション)を機能ブロックとして示したものである。また、メモリ223は、制御装置220のメモリを機能的に表したものである。
【0053】
主制御部221は、センサノード200の制御を統括する処理部であり、モード切替部222が実行するモード切替処理以外の処理を実行する。例えば、主制御部221は、ゲートウェイ100から受信する測定コマンドに応じてセンサ230の検出値を表すデータを取得し、ゲートウェイ100に送信する。主制御部221は、データ取得部の一例である。
【0054】
モード切替部222は、ゲートウェイ100から受信する切替コマンドに応じて、センサノード200のモードを起動モード、スリープモード、及びパーシャルスリープモードのうちのいずれか1つに設定する。これらのモードについては、
図7を用いて後述する。
【0055】
メモリ223は、センサノード200が処理を行うために必要なプログラム及びデータを格納するとともに、センサ230の検出値を表すデータを一時的に格納する。また、メモリ223は、センサノード200が処理を行うために必要なその他のデータ等を格納する。
【0056】
センサ230は、一例として3軸加速度であり、3軸(XYZ)方向の加速度を検出する。センサ230は、制御装置220の主制御部221から入力される指令に応じて3軸方向の加速度を検出し、検出した加速度を表すデータ(加速度データ)を通信部240に出力する。
【0057】
通信部240は、送受信部241、送信部242、及びビーコン出力部243を有し、アンテナ250に接続されている。通信部240は、第2通信部の一例である。送受信部241は、アンテナ250を介してゲートウェイ100との間でデータの送受信を行う。送受信部241は、ゲートウェイ100から測定コマンド及び切替コマンドを受信し、センサノード200の起動が完了したことを表す起動完了通知、及び、データ(加速度データ)のサンプリング(測定)が完了したことを表すサンプリング完了通知等をゲートウェイ100に送信する。
【0058】
送信部242は、センサ230によって検出されたデータ(加速度データ)をアンテナ250を介してゲートウェイ100に送信する。ビーコン出力部243は、アンテナ250を介してビーコン信号を放射する。ビーコン信号は、各センサノード200のID(Identifier)を含む。センサノード200は、ゲートウェイ100にコマンドをリクエストするとき等にビーコン信号をビーコン出力部243に放射させる。
【0059】
アンテナ250は、送受信部241、送信部242、及びビーコン出力部243によるデータ等の送信及び受信を行うことができるアンテナであればよい。アンテナ250は、データ等の形式及び通信規格等に応じた1又は複数のアンテナである。
【0060】
図7は、センサノード200のモードを説明する図である。センサノード200のモードは、ゲートウェイ100から受信する切替コマンドに応じて、モード切替部222によって起動モード、スリープモード、及びパーシャルスリープモードのうちのいずれか1つに設定される。
【0061】
図7(A)に示す起動モードでは、PMU210、制御装置220、センサ230、及び通信部240は、モード切替部222とビーコン出力部243を除いて起動している状態(起動状態(オンの状態))になる。このため、
図7(A)では、モード切替部222とビーコン出力部243を除いてPMU210、制御装置220、センサ230、及び通信部240を白く示し、モード切替部222とビーコン出力部243をグレーで示す。起動モードでは、センサノード200は、センサ230を利用してデータ(加速度データ)のサンプリングを行う。
【0062】
図7(B)に示すスリープモードでは、タイマ212とモード切替部222を除いて、PMU210、制御装置220、センサ230、及び通信部240は起動していない状態(休眠状態)になる。このため、
図7(B)ではPMU210、制御装置220、センサ230、及び通信部240をグレーで示し、タイマ212とモード切替部222はオンになるため白く示す。
【0063】
スリープモードでは、タイマ212がスリープ時間のカウントを行い、スリープ時間のカウントが終了すると、制御装置220、センサ230、通信部240にリセット信号を送信し、センサノード200は測定時間が終了するまで起動モードになる。測定時間が終了すると、センサノード200は、起動モードを終了し、スリープモードに戻る。
【0064】
図7(C)に示すパーシャルスリープモードは、タイマ212、送受信部241、送信部242を除いて、PMU210と通信部240が起動している状態(起動状態(オンの状態))になり、制御装置220とセンサ230が起動していない状態(休眠状態)になる。このため、
図7(C)ではPMU210と通信部240を白く示し、オフになるタイマ212、送受信部241、送信部242、制御装置220、及びセンサ230をグレーで示す。このように、パーシャルスリープモードとは、PMU210と通信部240が起動しており、制御装置220とセンサ230が起動していない状態である。
【0065】
パーシャルスリープモードでは、通信部240がゲートウェイ100から起動指令を受信すると、制御装置220とセンサ230が起動し、センサノード200は測定時間が終了するまで起動モードになる。測定時間が終了すると、センサノード200は、起動モードを終了し、パーシャルスリープモードに戻る。
【0066】
図8は、ゲートウェイ100とセンサノード200の設置場所の一例を示す図である。ゲートウェイ(GW:Gateway)100と複数のセンサノード200は、一例として、橋梁1に設置される。以下では、複数のセンサノード200を区別する場合にはセンサノード200A、200B、200C、200D、200Eと称し、区別しない場合には単にセンサノード200と称す。
【0067】
図8では、ゲートウェイ100は、橋梁1の橋桁1Aの一端側に設置され、センサノード200A、200C、200Eは、橋桁1Aに設置され、センサノード200B、200Dは、アーチ1Bに設置されている。
【0068】
センサノード200Aは、ゲートウェイ100と直接的に通信を行い、センサノード200B、200Cは、センサノード200Aと通信し、センサノード200D、200Eは、センサノード200B、200Cと通信する。このように、センサノード200A~200Eは、メッシュ構造として捉えることができるネットワーク構造を構築している。
【0069】
センサノード200A~200Eのセンサ230は、車両の通行に伴って橋梁1に生じる振動の加速度を測定する。橋梁1の振動には固有の周波数の振動があるが、橋梁1の橋桁1A又はアーチ1B等にひび等の破損部分があると、振動の周波数が変動する。データ収集システム10は、このような橋梁1の異常を発見するために設けられている。
【0070】
図9は、センサノード200のパーシャルスリープモードを利用した測定手法を説明する図である。ここでは、センサノード200がパーシャルスリープモードから起動モードに切り替わって、データをサンプリングする手法について説明する。
【0071】
情報サーバ50の制御部51は、道路交通データに含まれる位置データの時間変化から車両5Aの速度vを抽出するとともに、道路交通データに含まれる地図データを利用して車両5Aの現在地から橋梁1の直前の測定開始点までの距離L1と、測定開始点から橋梁1の直後の測定終了点までの距離L2とを抽出する。
【0072】
制御部51は、車両5Aが測定開始点に到達するまでの所要時間(L/v)を求め、所要時間を現在時刻に加算することにより、車両5Aが橋梁1に進入する時刻tssを求める。また、制御部51は、測定開始点から測定終了点までの測定時間(L2/v)を求める。
【0073】
制御部51によって求められた時刻tssと、測定開始点から測定終了点までの測定時間(L2/v)とを表すデータは、情報サーバ50からゲートウェイ100に送信される。なお、車両5Aが橋梁1に進入する時刻tssに測定時間(L2/v)を加算した時刻を測定終了時刻teとする。
【0074】
ゲートウェイ100の制御装置110の時刻取得部112は、車両5Aが橋梁1に進入する時刻tssを取得し、時刻算出部113は、時刻tssからブート時間Tbを減算し、ブート開始時刻tbsを求める。
【0075】
主制御部111は、ブート開始時刻tbsに起動指令をセンサノード200に送信する。なお、時刻tssは、車両5Aが橋梁1に進入する時刻tssであるとともに、センサノード200によるサンプリングが開始する時刻である。
【0076】
このため、センサノード200は、ブート開始時刻tbsにおいて起動指令を受信すると起動モードに切り替わってブートを開始し、車両5Aが橋梁1に進入する時刻tssから測定時間(L2/v)にわたってデータのサンプリングを行い、測定終了時刻teでサンプリングを終了する。サンプリングが終了すると、センサノード200はパーシャルスリープモードに戻る。
図9に示すようなサンプリングの処理は、パーシャルスリープモードが選択された場合に行われる。
【0077】
なお、ブート時間Tbは、複数のセンサノード200のすべてのブートが完了するまでの時間であり、実際の計測値を用いるが、所定のマージン(余裕時間)を含ませておけばよい。マージンは、例えば、計測した時間の10%程度である。ブート時間Tbを設定する際に実際に計測した時間を用いれば、起動が最も速いセンサノード200Aに対して、起動が最も遅いセンサノード200D又は200Eの起動が完了するまでの遅延時間がブート時間Tbに含まれることになる。このため、メッシュ構造で接続されているセンサノード200A~200Eのうち、起動が最も遅いセンサノード200D又は200Eの起動が完了してから測定を行うことができる。これは、複数のセンサノード200がツリー構造で接続されている場合も同様である。
【0078】
図10は、時刻表データの一例を示す図である。路線バス5Bの停留所(1)~(5)があり、停留所(5)行きと、停留所(3)行きの路線バス5Bがある。
図11は、スリープモードを利用した測定手法を説明する図である。ここでは、センサノード200がスリープモードから起動モードに切り替わって、データをサンプリングする手法について説明する。
【0079】
停留所(3)と(4)の間に橋梁1がある場合に、時刻表による停留所(3)の発車時刻t3[n]は、7:15、10:45、15:15であり、停留所(4)の発車時刻t4[n]は、7:20、10:55、15:20である。
【0080】
発車時刻t3[n]、t4[n]のnは、0以上の整数であり、始発からの何番目の発車であるかを示す。このため、停留所(3)の始発の発車時刻t3[0]は7:15、2本目の発車時刻t3[1]は10:45、3本目の発車時刻t3[2]は15:15であり、停留所(4)の始発の発車時刻t4[0]は7:20、2本目の発車時刻t4[1]は10:50、3本目の発車時刻t4[2]は15:20である。
【0081】
情報サーバ50の制御部51は、停留所(3)及び(4)の時刻表データをゲートウェイ100に送信する。
【0082】
ゲートウェイ100の制御装置110の時刻取得部112は、2つの時刻表データを受信すると、橋梁1の手前側の停留所(3)の時刻表データから発車時刻t3[n]を読み出し、時刻算出部113は、発車時刻t3[n]からブート時間Tbを減算し、ブート開始時刻tbs[n]を含むタイムテーブルを作成する。
【0083】
ここで、ブート時間Tbが1分の場合は、始発のブート開始時刻tbs[0]は7:14、2本目のブート開始時刻tbs[1]は10:44、3本目のブート開始時刻tbs[2]は15:14である。
【0084】
また、時刻算出部113は、測定時間を求める。測定時間は、橋梁1の直前の停留所(3)の発車時刻t3[n]から橋梁1の直後の停留所(4)の発車時刻t4[n]までの時間であり、5分になる。
【0085】
主制御部111は、ブート開始時刻tbs[n]と測定時間とセンサノード200に送信する。
【0086】
この結果、センサノード200によって、ブート開始時刻tbs[n]にブートが開始され、ブート時間Tbが経過した時点でサンプリングが開始され、測定時間にわたってサンプリングが行われる。
図10に示すようなサンプリングの処理は、スリープモードが選択された場合に行われる。
【0087】
図12は、ゲートウェイ100の制御装置110がセンサノード200A~200Eを初期化する処理を示すフローチャートである。前提条件として、停留所(3)と(4)の間にある橋梁1を車両5A(路線バス5Bを含む)が通過するときにセンサノード200A~200Eで振動を表すデータ(加速度データ)をサンプリングすることが測定サーバ70に入力されており、このことが情報サーバ50及びゲートウェイ100に通知されていることとする。
【0088】
主制御部111は、測定サーバ70から処理を開始するコマンドを受信すると処理をスタートする。
【0089】
主制御部111は、初期化用の起動指令をすべてのセンサノード200A~200Eに送信する(ステップS1)。初期化用の起動指令は、初期化を行うためにセンサノード200A~200Eにブートを開始させる指令である。センサノード200A~200Eは、初期化用の起動指令を受信するとブートを開始し、ブートが完了するとゲートウェイ100に起動完了通知を送信する。
【0090】
主制御部111は、ステップS1で初期化用の起動指令をすべてのセンサノード200A~200Eに送信してから、センサノード200A~200Eの起動完了通知を受信するまでの応答時間を計測する(ステップS2)。初期化用の起動指令に対する応答時間は、センサノード200A~200Eのネットワーク全体のブート時間Tbとして用いるために計測される。
【0091】
図8に示すように5個のセンサノード200A~200Eがメッシュ構造で接続されている場合には、ゲートウェイ100に最も近いセンサノード200Aを介してセンサノード200B~200Eの起動完了通知を受信する。
【0092】
ここで、ステップS2で計測する応答時間は、初期化用の起動指令をセンサノード200A~200Eに送信してから、センサノード200A~200Eのブートが完了し、すべての起動完了通知がゲートウェイ100によって受信されるまでの時間である。このため、初期化用の起動指令をセンサノード200A~200Eに送信してから、センサノード200A~200Eのブートが完了までの時間よりも少し長い。したがって、センサノード200A~200Eのネットワーク全体のブート時間Tbとして用いるのに好適である。
【0093】
主制御部111は、測定サーバ70から入力される選択モードがスリープモード又はパーシャルスリープモードのいずれであるかを判定する(ステップS3)。選択モードは、スリープモード及びパーシャルスリープモードのうち、利用者によって選択され測定サーバ70に入力されているモードである。利用者は、道路における車両5Aの通行量、及び/又は、スリープモードとパーシャルスリープモードにおけるデータの取得し易さ等に応じて、スリープモード又はパーシャルスリープモードを選択することができる。
【0094】
主制御部111は、ステップS3においてパーシャルスリープモードが選択されていると判定した場合は、センサノード200A~200Eにパーシャルスリープモードに移行するコマンドを送信する(ステップS4)。この結果、センサノード200A~200Eは、
図7(C)に示すパーシャルスリープモードに移行する。
【0095】
一方、ステップS3において主制御部111によってスリープモードが選択されていると判定された場合は、時刻取得部112は、2つの時刻表データの送信を情報サーバ50にリクエストし、情報サーバ50から取得する(ステップS5)。
【0096】
時刻取得部112によって2つの時刻表データが取得されると、時刻算出部113は、発車時刻t3[n]からブート時間Tbを減算し、ブート開始時刻tbs[n]を含むタイムテーブルを作成するとともに、2つの時刻表データから測定時間を計算する(ステップS6)。
【0097】
主制御部111は、センサノード200A~200Eにブート開始時刻tbs[n]までスリープモードに移行するコマンドを送信する(ステップS7)。ブート開始時刻tbs[n]になると、センサノード200A~200Eは測定時間が終了するまで起動モードになる。
【0098】
主制御部111は、ステップS7の処理を終えるとフローをステップS31(
図14参照)に進行させる。
【0099】
図13は、センサノード200A~200Eの初期化の処理を示すフローチャートである。
図13には、内容が同一の2つのフローチャートを左右に並べて示し、右側のフローチャートの文言を省略する。左側のフローチャートは、ゲートウェイ100と直接的に通信を行うセンサノード200Aが実行する処理を示し、右側のフローチャートは、センサノード200Aと通信を行うセンサノード200B~200Eが実行する処理を示す。
【0100】
ここでは、センサノード200Aの処理として説明する。また、
図12に示すゲートウェイ100の処理と同一の前提条件の下で説明する。
【0101】
主制御部221は、センサノード200Aの電源が投入されると処理をスタートする。
【0102】
主制御部221は、ビーコン出力部243にビーコン信号を出力させる(ステップS11)。ビーコン出力部243は、所定時間(例えば、1秒)おきにアンテナ250からビーコン信号を出力する。
【0103】
主制御部221は、ゲートウェイ100から初期化用の起動指令を受信したかどうかを判定する(ステップS12)。主制御部221は、初期化用の起動指令を受信するまでステップS11及びS12の処理を繰り返し実行する。
【0104】
主制御部221は、初期化用の起動指令を受信した(S12:YES)と判定すると、ブートを開始する(ステップS13)。
【0105】
主制御部221は、他のセンサノード200B~200Eとネットワークを構築するために、他のセンサノード200B~200Eに初期化用の起動指令を転送する(ステップS14)。
【0106】
主制御部221は、他のすべてのセンサノード200B~200Eからブートが完了したことを表す起動完了通知を受信すると、他のすべてのセンサノード200B~200Eとネットワークを構築する(ステップS15)。ステップS15の処理では、通信可能な範囲内にあるセンサノード200同士がネットワークを構築する。これにより、
図8に示すようなメッシュ構造のネットワークが構築される。
【0107】
主制御部221は、センサノード200A~200Eのブートが完了したことを表す起動完了通知をゲートウェイ100に送信する(ステップS16)。
【0108】
主制御部221は、ゲートウェイ100からコマンドを受信するために待機する(ステップS17)。このとき、センサノード200A~200Eは、
図7(A)の起動状態である。
【0109】
主制御部221は、ゲートウェイ100からコマンドを受信したかどうかを判定する(ステップS18)。主制御部221は、ゲートウェイ100からコマンドを受信していない(S18:NO)と判定すると、フローをステップS17にリターンする。この結果、主制御部221は、ゲートウェイ100からスリープモード又はパーシャルスリープモードのいずれかに移行するコマンドを受信するまでステップS17及びS18の処理が繰り返し実行される。
【0110】
主制御部221は、スリープモード又はパーシャルスリープモードへ移行するコマンドを受信した(S18:YES)と判定すると、受信したコマンドを他のセンサノード200B~200Eに転送する(ステップS19)。
【0111】
主制御部221は、受信したコマンドがスリープモード又はパーシャルスリープモードのいずれであるかを判定する(ステップS20)。
【0112】
主制御部221は、ステップS20においてスリープモードであると判定すると、ブート開始時刻tbs[n]にウェイクアップするようにPMU210のタイマ212を設定する(ステップS21)。
【0113】
主制御部221は、タイマ212の設定を終えるとスリープモードに移行する(ステップS22)。これにより、センサノード200Aはスリープモードになる。
【0114】
一方、主制御部221は、ステップS20においてパーシャルスリープモードであると判定すると、パーシャルスリープモードに移行する(ステップS23)。これにより、センサノード200Aはパーシャルスリープモードになる。モードの切替は、モード切替部222が行う。
【0115】
図14は、ゲートウェイ100が実行する処理を示すフローチャートである。
図14に示す処理は、
図12に示すステップS7に続く処理であり、センサノード200A~200Eがスリープモードに設定されている状態から始まる。
【0116】
主制御部111は、センサノード200Aから起動完了通知を受信したかどうかを判定する(ステップS31)。センサノード200Aから送信される起動完了通知は、すべてのセンサノード200A~200Eのブートが完了したことを表す起動完了通知である。
【0117】
主制御部111は、測定時間をセンサノード200A~200Eに送信する(ステップS32)。測定時間は、橋梁1の直前の停留所(3)の発車時刻t3[n]から橋梁1の直後の停留所(4)の発車時刻t4[n]までの時間であり、5分になる。
【0118】
主制御部111は、センサノード200Aから測定データを受信する(ステップS33)。
【0119】
主制御部111は、センサノード200Aからサンプリング完了通知を受信したかどうかを判定する(ステップS34)。ゲートウェイ100がセンサノード200Aから受信するサンプリング完了通知は、センサノード200A~200Eによるサンプリングが完了したことを表す通知である。なお、主制御部111は、サンプリング完了通知を受信していない(S34:NO)と判定すると、フローをステップS33にリターンする。
【0120】
主制御部111は、測定サーバ70から入力される選択モードがスリープモード又はパーシャルスリープモードのいずれであるかを判定する(ステップS35)。
【0121】
主制御部111は、ステップS35においてスリープモードが選択されていると判定した場合は、ブート開始時刻tbs[n]を送信する(ステップS36)。ステップS36で設定されるブート開始時刻tbs[n]は、路線バス5Bの時刻表において、ステップS21において設定したブート開始時刻tbs[n]よりも1台後の路線バス5Bに対応したブート開始時刻である。
【0122】
主制御部111は、ステップS36の処理を終えるとフローをステップS31にリターンする。これにより、スリープモードが続行される。
【0123】
一方、主制御部111は、ステップS35においてパーシャルスリープモードが選択されていると判定した場合は、センサノード200A~200Eにパーシャルスリープモードに移行するコマンドを送信する(ステップS37)。この結果、すべてのセンサノード200A~200Eは、
図7(C)に示すパーシャルスリープモードに移行する。
【0124】
主制御部111は、ステップS37の処理を終えるとフローをステップS61(
図67参照)に進行させる。
【0125】
図15は、センサノード200A~200Eが実行する処理を示すフローチャートである。
図15に示す処理は、
図13に示すステップS22に続く処理であり、センサノード200A~200Eがスリープモードにある状態から始まる。また、
図15では、
図13と同様に、センサノード200Aの処理について説明する。
【0126】
タイマ212からリセット信号が出力され、モード切替部222によってスリープモードから起動モードに切り替えられると、主制御部221は、起動モードであるかどうかを判定する(ステップS41)。ステップS41の処理は、起動モードであると判定するまで繰り返し実行される。
【0127】
タイマ212は、スリープ時間のカウントが終了すると(ブート開始時刻tbs[n]にウェイクアップすると)リセット信号を制御装置220、センサ230、通信部240に送信する。これにより、モード切替部222によってスリープモードから起動モードに切り替えられる。
【0128】
主制御部221は、起動モードである(S41:YES)と判定すると、ブートを開始する(ステップS42)。ブートが開始される時刻は、ブート開始時刻tbs[n]である。
【0129】
主制御部221は、他のセンサノード200B~200Eとネットワークを構築するために、他のセンサノード200B~200Eにネットワーク構築指令を送信する(ステップS43)。センサノード200B~200Eは既にブートを開始しており、ネットワーク構築指令を受信すると、ネットワーク構築指令を転送し、ブートが完了した後に通信可能範囲内にあるセンサノード200とネットワークを構築する。
【0130】
主制御部221は、他のすべてのセンサノード200B~200Eからブートが完了したことを表す起動完了通知を受信する(ステップS44)。この状態では、センサノード200A~200Eのネットワークが構築されている。
【0131】
主制御部221は、センサノード200A~200Eのブートが完了したことを表す起動完了通知をゲートウェイ100に送信する(ステップS45)。
【0132】
主制御部221は、ゲートウェイ100から測定時間を取得する(ステップS46)。ここでは、測定時間は、橋梁1の直前の停留所(3)の発車時刻t3[n]から橋梁1の直後の停留所(4)の発車時刻t4[n]までの時間であり、5分である。主制御部221は、タイマで5分をカウントし始める。
【0133】
主制御部221は、センサ230にデータをサンプリングさせる(ステップS47)。
【0134】
主制御部221は、センサノード200Aのセンサ230がサンプリングしたデータをゲートウェイ100に送信するとともに、センサノード200B~200Eのセンサ230がサンプリングしたデータをゲートウェイ100に転送(中継)する(ステップS48)。
【0135】
主制御部221は、測定時間を経過したかどうかを判定する(ステップS49)。主制御部221は、測定時間を経過していない(S49:NO)と判定すると、フローをステップS47にリターンする。この結果、ステップS47~S49の処理が繰り返し実行され、センサノード200A~200Eのセンサ230によってデータがサンプリングされる。
【0136】
主制御部221は、ステップS49において測定時間を経過した(S49:YES)と判定すると、センサノード200A~200Eによるサンプリングが完了したことを表すサンプリング完了通知をゲートウェイ100に送信する(ステップS50)。
【0137】
主制御部221は、ゲートウェイ100からコマンドを受信したかどうかを判定する(ステップS51)。主制御部221は、ゲートウェイ100からコマンドを受信していない(S51:NO)と判定すると、コマンドを受信するまでステップS51の処理を繰り返し実行する。
【0138】
主制御部221は、受信したコマンドがスリープモード又はパーシャルスリープモードのいずれであるかを判定する(ステップS52)。
【0139】
主制御部221は、ステップS52においてスリープモードであると判定すると、ブート開始時刻tbs[n]にウェイクアップするようにタイマ212を設定する(ステップS53)。ステップS53で設定されるブート開始時刻tbs[n]は、ゲートウェイ100がステップS36においてセンサノード200に送信したブート開始時刻tbs[n]である。
【0140】
主制御部221は、スリープモードに移行する(ステップS54)。これにより、センサノード200Aはスリープモードに移行する。モードの切替は、モード切替部222が行う。
【0141】
一方、主制御部221は、ステップS52においてパーシャルスリープモードであると判定すると、パーシャルスリープモードに移行する(ステップS55)。これにより、センサノード200Aはパーシャルスリープモードに移行する。
【0142】
主制御部221は、ステップS55の処理を終えるとフローをステップS81(
図17参照)に進行させる。
【0143】
図16は、ゲートウェイ100が実行する処理を示すフローチャートである。
図16に示す処理は、
図12に示すステップS4に続く処理であり、センサノード200A~200Eがパーシャルスリープモードに設定されている状態から始まる。
【0144】
時刻取得部112は、情報サーバ50に対してリクエストを行い、情報サーバ50から車両5Aが橋梁1に進入する時刻tssと測定時間(L2/v)を受信したかどうかを判定する(ステップS61)。時刻取得部112は、時刻tssと測定時間(L2/v)を受信するまでステップS61の処理を繰り返し実行する。
【0145】
時刻算出部113は、時刻tssからブート時間Tbを減算し、ブート開始時刻tbsを求める(ステップS62)。
【0146】
主制御部111は、ステップS62で求められたブート開始時刻tbsが経過したかどうかを判定する(ステップS63)。ステップS63の処理は、ブート開始時刻tbsが経過するまで繰り返し実行される。
【0147】
主制御部111は、ステップS63においてブート開始時刻tbsが経過した(S63:YES)と判定すると、起動指令をセンサノード200A~200Eに送信する(ステップS64)。起動指令は、センサノード200A~200Eを直ちにパーシャルスリープモードから起動モードに遷移させる指令である。
【0148】
主制御部111は、測定時間(L2/v)をセンサノード200A~200Eに送信する(ステップS65)。
【0149】
主制御部111は、センサノード200Aから測定データを受信する(ステップS66)。
【0150】
主制御部111は、センサノード200Aからサンプリング完了通知を受信したかどうかを判定する(ステップS67)。ゲートウェイ100がセンサノード200Aから受信するサンプリング完了通知は、センサノード200A~200Eによるサンプリングが完了したことを表す通知である。なお、主制御部111は、サンプリング完了通知を受信していない(S67:NO)と判定すると、フローをステップS66にリターンする。
【0151】
主制御部111は、選択モードがスリープモード又はパーシャルスリープモードのいずれであるかを判定する(ステップS68)。
【0152】
主制御部111は、ステップS68においてパーシャルスリープモードが選択されていると判定した場合は、すべてのセンサノード200A~200Eにパーシャルスリープモードで待機するコマンドを送信する(ステップS69)。この結果、センサノード200A~200Eは、パーシャルスリープモードで待機する。
【0153】
一方、主制御部111は、ステップS68においてスリープモードが選択されていると判定した場合は、センサノード200A~200Eにスリープモードに移行するコマンドと、ブート開始時刻tbs[n]とを送信する(ステップS70)。
【0154】
主制御部111は、ステップS70の処理を終えるとフローをステップS31(
図14参照)に進行させる。
【0155】
図17は、センサノード200が実行する処理を示すフローチャートである。
図17に示す処理は、
図13に示すステップS23に続く処理であり、センサノード200A~200Eがパーシャルスリープモードにある状態から始まる。
【0156】
主制御部221は、ビーコン出力部243にビーコン信号を出力させる(ステップS81)。ビーコン出力部243は、所定時間(例えば、1秒)おきにアンテナ250からビーコン信号を出力する。
【0157】
主制御部221は、ゲートウェイ100から起動指令を受信したかどうかを判定する(ステップS82)。主制御部221は、起動指令を受信するまでステップS81及びS82の処理を繰り返し実行する。
【0158】
主制御部221は、起動指令を受信した(S82:YES)と判定すると、ブートを開始する(ステップS83)。
【0159】
主制御部221は、他のセンサノード200B~200Eとネットワークを構築するために、他のセンサノード200B~200Eに起動指令を転送する(ステップS84)。
【0160】
主制御部221は、他のすべてのセンサノード200(200B~200E)からブートが完了したことを表す起動完了通知を受信すると、他のすべてのセンサノード200B~200Eとネットワークを構築する(ステップS85)。ステップS85の処理では、通信可能な範囲内にあるセンサノード200同士がネットワークを構築する。これにより、
図8に示すようなメッシュ構造のネットワークが構築される。
【0161】
主制御部221は、センサノード200A~200Eのブートが完了したことを表す起動完了通知をゲートウェイ100に送信する(ステップS86)。
【0162】
主制御部221は、ゲートウェイ100から測定時間(L2/v)を取得する(ステップS87)。
【0163】
主制御部221は、センサ230にデータをサンプリングさせる(ステップS88)。
【0164】
主制御部221は、センサノード200Aのセンサ230がサンプリングしたデータをゲートウェイ100に送信するとともに、センサノード200B~200Eのセンサ230がサンプリングしたデータをゲートウェイ100に転送(中継)する(ステップS89)。
【0165】
主制御部221は、測定時間を経過したかどうかを判定する(ステップS90)。主制御部221は、測定時間を経過していない(S90:NO)と判定すると、フローをステップS88にリターンする。この結果、ステップS88~S90の処理が繰り返し実行され、センサノード200A~200Eのセンサ230によってデータがサンプリングされる。
【0166】
主制御部221は、ステップS90において測定時間を経過した(S90:YES)と判定すると、センサノード200A~200Eによるサンプリングが完了したことを表すサンプリング完了通知をゲートウェイ100に送信する(ステップS91)。
【0167】
主制御部221は、ゲートウェイ100からコマンドを受信したかどうかを判定する(ステップS92)。主制御部221は、ゲートウェイ100からコマンドを受信していない(S92:NO)と判定すると、コマンドを受信するまでステップS92の処理を繰り返し実行する。
【0168】
主制御部221は、受信したコマンドがスリープモード又はパーシャルスリープモードのいずれであるかを判定する(ステップS93)。
【0169】
主制御部221は、ステップS93においてパーシャルスリープモードであると判定すると、フローをステップS81にリターンする。この場合、センサノード200A~200Eは、パーシャルスリープモードで待機することになる。
【0170】
一方、主制御部221は、ステップS93においてスリープモードであると判定すると、ブート開始時刻tbs[n]にウェイクアップするようにタイマ212を設定する(ステップS94)。
【0171】
主制御部221は、スリープモードに移行する(ステップS95)。これにより、センサノード200Aはスリープモードに移行する。モードの切替は、モード切替部222が行う。
【0172】
主制御部221は、ステップS95の処理を終えるとフローをステップS41(
図15参照)に進行させる。
【0173】
以上のように、センサノード200がパーシャルスリープモードで待機しているときは、イベントが発生する時刻tssよりもブート時間Tbだけ前のブート開始時刻tbsからセンサノード200がブートを開始し、イベント発生時(時刻tss)にはブートが完了してセンサ230でデータをサンプリングできる状態になっている。このため、イベント発生時(時刻tss)からサンプリングを開始できる。
【0174】
また、センサノード200がスリープモードで待機しているときは、停留所の発車時刻t3[n]からブート時間Tbを減算したブート開始時刻tbs[n]からセンサノード200がブートを開始し、イベント発生時(時刻tss)にはブートが完了してセンサ230でデータをサンプリングできる状態になっている。このため、イベント発生時からサンプリングを開始する。
【0175】
このように、センサノード200がパーシャルスリープモード及びスリープモードのいずれで待機している場合でも、車両5A又は路線バス5Bが橋梁1に進入するときから橋梁1を通過し終えるまでに橋梁1に生じる振動(加速度)のデータを取得することができる。
【0176】
したがって、効率的にデータを収集できるデータ収集システム10、ゲートウェイ100、センサノード200、及びデータ収集方法を提供することができる。
【0177】
また、データ収集システム10は、イベントが発生していない状態ではパーシャルスリープモード及びスリープモードで待機するセンサノード200を含んでいるため、イベントが発生していないときのデータはサンプリングしない。特に、橋梁1が都市から遠く離れた地方の交通量の少ない地域にあり、1時間の交通量が数台程度であるような場合には、イベントが発生していない時間が圧倒的に長い。このような場合に、センサノード200の代わりに常時起動モードで待機するセンサ装置を用いると、膨大な量のデータを取得するため、膨大な大きさのメモリが必要になり、通信するデータ量が膨大になる。また、このようなセンサ装置は非常に高価である。
【0178】
これに対して、センサノード200は、イベント発生時にのみ起動し、かつ、イベント発生時よりもブート時間だけ前のブート開始時刻tbsから起動する。このため、メモリ223は小さくて済み、通信するデータ量も少なくて済む。また、このようなセンサノード200とゲートウェイ100を含むデータ収集システム10は、非常に安価で実現できる。
【0179】
したがって、比較的手軽に設置することができ、より多くの場所に設置することが容易である。
【0180】
なお、以上では、イベントが乗り物(車両5A又は路線バス5B)が橋梁1を通過することであり、イベントによって生じる事象が橋梁1に生じる振動であり、センサノード200のセンサ230で橋梁1に生じる振動の加速度を計測する形態について説明した。
【0181】
しかしながら、上記以外のデータ収集システム10は様々な用途に利用可能である。例えば、センサ230の代わりに変位を検出するセンサを用いて、車両5A又は路線バス5Bが通過する前に、道路沿いの崖の変位を検出してもよい。崖崩れが生じるおそれがあることを車両5A又は路線バス5Bの通過前に検知できれば、事故を未然に防ぐことができる。
【0182】
また、以上では、センサノード200がセンサ230を含む形態について説明したが、センサノード200からセンサ230を分離した構成であってもよい。この場合は、PMU210、制御装置220、通信部240、及びアンテナ250を含む通信ノードに、センサ230が接続された構成にすればよい。
【0183】
以上、本発明の例示的な実施の形態のデータ収集システム、情報処理装置、通信ノード、及びデータ収集方法について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【0184】
以上の実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
ネットワークを介してサーバに接続される情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能な通信ノードであって、所定のイベントに関する所定のデータを検出するセンサから前記所定のデータを取得する通信ノードとを含むデータ収集システムであって、
前記情報処理装置は、
前記サーバから前記所定のイベントの発生時刻を取得する時刻取得部と、
前記時刻取得部によって取得されたイベントの発生時刻よりも前記通信ノードの起動時間だけ前の起動開始時刻を求める時刻算出部と、
前記時刻算出部によって求められる起動開始時刻を前記通信ノードに送信する第1通信部と、
を有し、
前記通信ノードは、
前記第1通信部から受信する前記起動開始時刻に起動を開始し、起動が完了すると前記センサによって検出される所定のデータを取得するデータ取得部と、
前記データ取得部によって取得される所定のデータを前記第1通信部に送信する第2通信部と
を有する、データ収集システム。
(付記2)
前記所定のイベントの発生時刻は、前記サーバによって、所定の乗り物の時刻表に含まれる時刻に基づいて求められる、付記1記載のデータ収集システム。
(付記3)
前記所定のイベントの発生時刻は、前記所定の乗り物の時刻表に含まれる時刻と、前記所定の乗り物の時刻表に含まれる位置と、前記センサが前記所定のデータを検出する検出位置とに基づいて前記サーバによって求められる、前記所定の乗り物が前記検出位置を通過する通過時刻である、付記2記載のデータ収集システム。
(付記4)
前記所定のイベントの発生時刻は、前記サーバによって、前記センサが前記所定のデータを検出する検出位置を所定の乗り物が通過する通過時刻として求められる、付記1記載のデータ収集システム。
(付記5)
前記検出位置は、道路に沿って所定の構造物が設けられた位置であり、
前記センサは、前記所定のデータとして前記所定の構造物の変位を検出する、付記3又は4記載のデータ収集システム。
(付記6)
ネットワークを介してサーバに接続されるとともに、所定のイベントに関する所定のデータを検出するセンサから前記所定のデータを取得する通信ノードと通信可能な情報処理装置であって、
前記サーバから前記所定のイベントの発生時刻を取得する時刻取得部と、
前記時刻取得部によって取得されたイベントの発生時刻よりも前記通信ノードの起動時間だけ前の起動開始時刻を求める時刻算出部と、
前記時刻算出部によって求められる起動開始時刻を前記通信ノードに送信する通信部と
を含む、情報処理装置。
(付記7)
ネットワークを介してサーバに接続される情報処理装置と通信可能であり、所定のイベントに関する所定のデータを検出するセンサから前記所定のデータを取得する通信ノードであって、
前記情報処理装置が前記サーバから受信する前記所定のイベントの発生時刻よりも前記通信ノードの起動時間だけ前の起動開始時刻が前記情報処理装置によって求められ、前記起動開始時刻を前記情報処理装置から受信すると、前記起動開始時刻に起動を開始し、起動が完了すると前記センサによって検出される所定のデータを取得するデータ取得部と、
前記データ取得部によって取得される所定のデータを前記情報処理装置に送信する通信部と
を含む、通信ノード。
(付記8)
ネットワークを介してサーバに接続される情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能な通信ノードであって、所定のイベントに関する所定のデータを検出するセンサから前記所定のデータを取得する通信ノードとを含むデータ収集システムにおけるデータ収集方法であって、
前記情報処理装置は、
前記サーバから前記所定のイベントの発生時刻を取得し、
前記取得したイベントの発生時刻よりも前記通信ノードの起動時間だけ前の起動開始時刻を求め、
前記求めた起動開始時刻を前記通信ノードに送信し、
前記通信ノードは、
前記情報処理装置から受信した前記起動開始時刻に起動を開始し、起動が完了すると前記センサによって検出される所定のデータを取得し、
前記取得した所定のデータを前記情報処理装置に送信する、データ収集方法。
【符号の説明】
【0185】
10 データ収集システム
50 情報サーバ
100 ゲートウェイ
110 制御装置
111 主制御部
112 時刻取得部
113 時刻算出部
120 通信部
200 センサノード
210 PMU
212 タイマ
220 制御装置
221 主制御部
222 モード切替部
230 センサ
240 通信部