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特許7255252バッテリアダプタ及びそれを備えるシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-03
(45)【発行日】2023-04-11
(54)【発明の名称】バッテリアダプタ及びそれを備えるシステム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20230404BHJP
   H01M 10/46 20060101ALI20230404BHJP
   H01M 50/20 20210101ALI20230404BHJP
   B25F 5/00 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H01M10/46
H01M50/20
B25F5/00 H
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019047665
(22)【出願日】2019-03-14
(65)【公開番号】P2020150734
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079290
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100136375
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 弘実
(72)【発明者】
【氏名】山口 勇人
(72)【発明者】
【氏名】西河 智雅
【審査官】麻川 倫広
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-218510(JP,A)
【文献】特開2019-003861(JP,A)
【文献】特開2014-017954(JP,A)
【文献】実開平03-062783(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F1/00-5/02
H01M10/42-10/48
50/20-50/298
H02J7/00-7/12
7/34-7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器本体の接続によって互いの接続状態が切替可能な第1セルユニット及び第2セルユニットを含む複数のセルユニットを有し接続先の前記機器本体の端子構造により出力電圧が第1の電圧になる場合と前記第1の電圧より高い第2の電圧になる場合とがあるバッテリパックに一端が接続され、他端が前記電気機器本体に接続され、前記バッテリパックの電力を前記電気機器本体に供給するよう構成されたバッテリアダプタであって、
前記バッテリアダプタは、
前記バッテリパックに接続される入力側インタフェースと、
前記電気機器本体に接続される出力側インタフェースと、
前記入力側インタフェースと前記出力側インタフェースを接続して前記バッテリパックの電力を伝達する電力ラインと、
を有しており、
前記入力側インタフェースは、
前記第1セルユニットの正極端子に接続されたバッテリ側第1正極端子に接続される入力側第1正極端子と、
前記第1セルユニットの負極端子に接続されたバッテリ側第1負極端子に接続される入力側第1負極端子と、
前記第2セルユニットの正極端子に接続されたバッテリ側第2正極端子に接続される入力側第2正極端子と、
前記第2セルユニットの負極端子に接続されたバッテリ側第2負極端子に接続される入力側第2負極端子と、
を有し、
前記出力側インタフェースは、
前記電力ラインの第1正極ラインを介して前記入力側第1正極端子に接続される出力側第1正極端子と、
前記電力ラインの第1負極ラインを介して前記入力側第1負極端子に接続される出力側第1負極端子と、
前記電力ラインの第2正極ラインを介して前記入力側第2正極端子に接続される出力側第2正極端子と、
前記電力ラインの第2負極ラインを介して前記入力側第2負極端子に接続される出力側第2負極端子と、
を有し、
前記出力側インタフェースは、適合する入力電圧が前記第2の電圧である第2の電気機器本体に接続できるよう構成され、
前記入力側インタフェースに前記バッテリパックを接続し、前記出力側インタフェースに前記第2の電気機器本体を接続した状態において、前記第2の電気機器本体に設けられた直列接続素子によって前記出力側第2正極端子と前記出力側第1負極端子との間が短絡され、前記出力側第1正極端子と前記出力側第2負極端子との間の電圧が前記第2の電圧になるよう構成したことを特徴とするバッテリアダプタ。
【請求項2】
請求項1に記載されたバッテリアダプタであって、
前記出力側インタフェースは、適合する入力電圧が前記第1の電圧である第1の電気機器本体、及び、適合する入力電圧が前記第2の電圧である前記第2の電気機器本体に択一的に接続できるよう構成されたことを特徴とするバッテリアダプタ。
【請求項3】
請求項2に記載された前記バッテリアダプタ、前記バッテリパック及び前記第1の電気機器本体を有するシステムであって、
前記第1の電気機器本体は、前記出力側インタフェースと係合して前記バッテリアダプタから入力される電圧を前記第1の電圧に設定するよう構成された第1の本体側切替要素を有しており、
前記入力側インタフェースに前記バッテリパックを接続し、前記出力側インタフェースに前記第1の電気機器本体を接続した場合、前記出力側インタフェースは、前記第1の本体側切替要素と係合して前記第1の電圧を出力するよう構成された第1のアダプタ側切替要素を有することを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項3に記載されたシステムであって、
前記第1の本体側切替要素は、前記複数のセルユニットを互いに並列に接続する並列接続素子を有することを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載された前記バッテリアダプタ、前記バッテリパック及び前記第2の電気機器本体を有するシステムであって、
前記第2の電気機器本体は、前記出力側インタフェースと係合して前記バッテリアダプタから入力される電圧を前記第2の電圧に設定するよう構成された第2の本体側切替要素を有しており、
前記入力側インタフェースに前記バッテリパックを接続し、前記出力側インタフェースに前記第2の電気機器本体を接続した場合、前記出力側インタフェースは、前記第2の本体側切替要素と係合して前記第2の電圧を出力するよう構成された第2のアダプタ側切替要素を有することを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項5に記載されたシステムであって、
前記第2の本体側切替要素は、前記複数のセルユニットを互いに直列に接続する前記直列接続素子を有することを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項1に記載された前記バッテリアダプタ、前記バッテリパック及び前記第2の電気機器本体を有するシステムであって、
前記出力側インタフェースは、適合する入力電圧が前記第1の電圧である第1の電気機器本体に接続不能であり、前記第2の電気機器本体に接続可能に構成されていることを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリパックの電力を電気機器本体に供給するバッテリアダプタ及びそれを備えるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1は、接続先の電気機器本体の定格電圧に応じて36V及び18Vを択一的に出力可能なバッテリパックに関する。このバッテリパックは、それぞれ5本の電池セルからなる上側セルユニット及び下側セルユニットを備える。バッテリパックを接続した電気機器本体側のターミナル形状の違いにより、上側セルユニット及び下側セルユニットが互いに直列接続状態となって36Vを出力する場合と、上側セルユニット及び下側セルユニットが互いに並列接続状態となって18Vを出力する場合と、が自動的に切り替えられる。
【0003】
一方、一端がバッテリパックに接続され、他端が電気機器本体に接続され、前記バッテリパックの電力を前記電気機器本体に供給するよう構成されたバッテリアダプタが知られている。バッテリアダプタを用いることで、重量の大きいバッテリパックを例えば腰周りに支持し、バッテリパックの重量が手にかからないようにして作業性を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2018/079723号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現状のバッテリアダプタは、特許文献1のような出力電圧が可変のバッテリパック(以下「可変バッテリパック」とも表記)に対応しておらず、可変バッテリパックを使うユーザにとって不便であった。
【0006】
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、利便性の高いバッテリアダプタ及びそれを備えるシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様は、バッテリアダプタである。このバッテリアダプタは、
電気機器本体の接続によって互いの接続状態が切替可能な第1セルユニット及び第2セルユニットを含む複数のセルユニットを有し接続先の前記機器本体の端子構造により出力電圧が第1の電圧になる場合と前記第1の電圧より高い第2の電圧になる場合とがあるバッテリパックに一端が接続され、他端が前記電気機器本体に接続され、前記バッテリパックの電力を前記電気機器本体に供給するよう構成されたバッテリアダプタであって、
前記バッテリアダプタは、
前記バッテリパックに接続される入力側インタフェースと、
前記電気機器本体に接続される出力側インタフェースと、
前記入力側インタフェースと前記出力側インタフェースを接続して前記バッテリパックの電力を伝達する電力ラインと、
を有しており、
前記入力側インタフェースは、
前記第1セルユニットの正極端子に接続されたバッテリ側第1正極端子に接続される入力側第1正極端子と、
前記第1セルユニットの負極端子に接続されたバッテリ側第1負極端子に接続される入力側第1負極端子と、
前記第2セルユニットの正極端子に接続されたバッテリ側第2正極端子に接続される入力側第2正極端子と、
前記第2セルユニットの負極端子に接続されたバッテリ側第2負極端子に接続される入力側第2負極端子と、
を有し、
前記出力側インタフェースは、
前記電力ラインの第1正極ラインを介して前記入力側第1正極端子に接続される出力側第1正極端子と、
前記電力ラインの第1負極ラインを介して前記入力側第1負極端子に接続される出力側第1負極端子と、
前記電力ラインの第2正極ラインを介して前記入力側第2正極端子に接続される出力側第2正極端子と、
前記電力ラインの第2負極ラインを介して前記入力側第2負極端子に接続される出力側第2負極端子と、
を有し、
前記出力側インタフェースは、適合する入力電圧が前記第2の電圧である第2の電気機器本体に接続できるよう構成され、
前記入力側インタフェースに前記バッテリパックを接続し、前記出力側インタフェースに前記第2の電気機器本体を接続した状態において、前記第2の電気機器本体に設けられた直列接続素子によって前記出力側第2正極端子と前記出力側第1負極端子との間が短絡され、前記出力側第1正極端子と前記出力側第2負極端子との間の電圧が前記第2の電圧になるよう構成したことを特徴とする。
【0008】
前記出力側インタフェースは、適合する入力電圧が前記第1の電圧である第1の電気機器本体、及び、適合する入力電圧が前記第2の電圧である前記第2の電気機器本体に択一的に接続できるよう構成されてもよい。
【0009】
本発明のもう1つの態様は、システムである。このシステムは、
前記バッテリアダプタ、前記バッテリパック及び前記第1の電気機器本体を有するシステムであって、
前記第1の電気機器本体は、前記出力側インタフェースと係合して前記バッテリアダプタから入力される電圧を前記第1の電圧に設定するよう構成された第1の本体側切替要素を有しており、
前記入力側インタフェースに前記バッテリパックを接続し、前記出力側インタフェースに前記第1の電気機器本体を接続した場合、前記出力側インタフェースは、前記第1の本体側切替要素と係合して前記第1の電圧を出力するよう構成された第1のアダプタ側切替要素を有することを特徴とする。
【0010】
前記第1の本体側切替要素は、前記複数のセルユニットを互いに並列に接続する並列接続素子を有してもよい。
【0011】
本発明のもう1つの態様は、システムである。このシステムは、
前記バッテリアダプタ、前記バッテリパック及び前記第2の電気機器本体を有するシステムであって、
前記第2の電気機器本体は、前記出力側インタフェースと係合して前記バッテリアダプタから入力される電圧を前記第2の電圧に設定するよう構成された第2の本体側切替要素を有しており、
前記入力側インタフェースに前記バッテリパックを接続し、前記出力側インタフェースに前記第2の電気機器本体を接続した場合、前記出力側インタフェースは、前記第2の本体側切替要素と係合して前記第2の電圧を出力するよう構成された第2のアダプタ側切替要素を有することを特徴とする。
【0012】
前記第2の本体側切替要素は、前記複数のセルユニットを互いに直列に接続する前記直列接続素子を有してもよい。
【0014】
本発明のもう1つの態様は、システムである。このシステムは、
前記バッテリアダプタ、前記バッテリパック及び前記第2の電気機器本体を有するシステムであって、
前記出力側インタフェースは、適合する入力電圧が前記第1の電圧である第1の電気機器本体に接続不能であり、前記第2の電気機器本体に接続可能に構成されていることを特徴とする。
【0021】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、利便性の高いバッテリアダプタ及びそれを備えるシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】バッテリパック10を定格電圧が18Vの第1の電気機器本体80及び定格電圧が36Vの第2の電気機器本体90にそれぞれ直接接続する場合のシステムの概念図。
図2】本発明の実施の形態1に係るシステムであって、バッテリアダプタ20を介してバッテリパック10を第1の電気機器本体80及び第2の電気機器本体90にそれぞれ接続する場合のシステムの概念図。
図3】バッテリアダプタ20を介してバッテリパック10を第1の電気機器本体80に接続したシステムの外観図。
図4】バッテリアダプタ20の入力側インタフェース21に対するバッテリパック10の装着説明図。
図5】第1の電気機器本体80のバッテリ接続部81に対するバッテリアダプタ20の出力側インタフェース23の装着説明図。
図6】第2の電気機器本体90のバッテリ接続部91に対する出力側インタフェース23の装着説明図。
図7】入力側インタフェース21の断面図。
図8】バッテリパック10及び入力側インタフェース21の端子同士の接続部を示す斜視図。
図9】バッテリパック10及び入力側インタフェース21の端子同士の接続部を、端子ブロック25及び入力側信号端子30を省略して図8とは別の方向から見た斜視図。
図10】ケーブル22による入力側インタフェース21及び出力側インタフェース23の端子同士の接続を示す説明図。
図11】出力側インタフェース23及び第1の電気機器本体80の端子同士の接続部を示す斜視図。
図12図11から端子ブロック82及び機器側信号端子86を省略した斜視図。
図13】出力側インタフェース23及び第2の電気機器本体90の端子同士の接続部を示す斜視図。
図14図13から端子ブロック92及び機器側信号端子96を省略した斜視図。
図15】バッテリパック10の各端子が基板17に搭載された状態を示す斜視図。
図16】出力側インタフェース23の各端子が基板40に搭載された状態を示す斜視図。
図17】ケーブル22の断面図。
図18図2に示すシステムの簡易ブロック図。
図19】本発明の実施の形態2に係るシステムであって、バッテリアダプタ50を介してバッテリパック10を第1の電気機器本体80に接続する場合のシステムの概念図。
図20】バッテリアダプタ50の入力側インタフェース51の断面図。
図21】バッテリアダプタ50の出力側インタフェース53を、上ケースを外した状態で前方から見た正面図。
図22】本発明の実施の形態3に係るシステムであって、バッテリアダプタ60を介してバッテリパック10を第2の電気機器本体90に接続する場合のシステムの概念図。
図23】バッテリアダプタ60の入力側インタフェース61の断面図。
図24】バッテリアダプタ60の出力側インタフェース63を、上ケースを外した状態で前方から見た正面図。
図25】出力側インタフェース53、63とバッテリ接続部81、91の接続の可否を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0025】
(実施の形態1)
図1図18を参照し、本発明の実施の形態1を説明する。本実施の形態は、バッテリアダプタ20、及びバッテリアダプタ20によりバッテリパック10と第1の電気機器本体80又は第2の電気機器本体90とを互いに接続したシステム、並びに入力側インタフェース21に関する。
【0026】
図1に示すように、バッテリパック10は、定格電圧(適合する入力電圧)が18Vの第1の電気機器本体80及び定格電圧が36Vの第2の電気機器本体90のいずれにも直接接続することができる。バッテリパック10は、第1の電気機器本体80に接続された場合には、第1の電圧としての18Vを第1の電気機器本体80に出力する。バッテリパック10は、第2の電気機器本体90に接続された場合には、第2の電圧としての36Vを第2の電気機器本体90に出力する。すなわち、バッテリパック10は、出力電圧を18Vと36Vとの間で切り替えることの可能な可変バッテリパックである。バッテリパック10の出力電圧の切り替えは、後述のように接続先の電気機器本体の端子によって自動的に行われる。
【0027】
バッテリパック10は、第1セルユニット11及び第2セルユニット12を有する。第1セルユニット11及び第2セルユニット12は、それぞれ5つの電池セルを直列接続したものである。各電池セルは、定格出力電圧が3.6Vである。バッテリパック10は、バッテリ側第1正極端子13、バッテリ側第2正極端子14、バッテリ側第1負極端子16、及びバッテリ側第2負極端子15を有する。バッテリ側第1正極端子13は、第1セルユニット11の正極端子に接続される。バッテリ側第2正極端子14は、第2セルユニット12の正極端子に接続される。バッテリ側第1負極端子16は、第1セルユニット11の負極端子に接続される。バッテリ側第2負極端子15は、第2セルユニット12の負極端子に接続される。
【0028】
第1の電気機器本体80の機器側正極端子83は、バッテリ側第1正極端子13及びバッテリ側第2正極端子14に挟持されて電気的に接続される単一の板体であり、バッテリ側第1正極端子13及びバッテリ側第2正極端子14間を短絡する。第1の電気機器本体80の機器側負極端子85は、バッテリ側第1負極端子16及びバッテリ側第2負極端子15に挟持されて電気的に接続される単一の板体であり、バッテリ側第1負極端子16及びバッテリ側第2負極端子15間を短絡する。機器側正極端子83及び機器側負極端子85は、第1セルユニット11及び第2セルユニット12を互いに並列に接続する並列接続素子である。バッテリパック10を第1の電気機器本体80に接続した場合、機器側正極端子83及び機器側負極端子85間の電圧、すなわちバッテリパック10の出力電圧は18Vとなる。
【0029】
第2の電気機器本体90の機器側正極端子93は、バッテリ側第1正極端子13に挟持されて電気的に接続される。第2の電気機器本体90の機器側負極端子95は、バッテリ側第2負極端子15に挟持されて電気的に接続される。第2の電気機器本体90のショートバー97は、一端がバッテリ側第2正極端子14に挟持され、他端がバッテリ側第1負極端子16に挟持され、バッテリ側第2正極端子14及びバッテリ側第1負極端子16間を短絡する。ショートバー97は、第1セルユニット11及び第2セルユニット12を互いに直列に接続する直列接続素子である。バッテリパック10を第2の電気機器本体90に接続した場合、機器側正極端子93及び機器側負極端子95間の電圧、すなわちバッテリパック10の出力電圧は36Vとなる。
【0030】
図2及び図3に示すように、バッテリアダプタ20は、入力側インタフェース21と、電力ラインとしてのケーブル22と、出力側インタフェース23と、を備える。ケーブル22の一端に入力側インタフェース21が設けられ、ケーブル22の他端に出力側インタフェース23が設けられる。ケーブル22は、図17に示すように多芯ケーブルであり、互いに絶縁された複数の導線を内蔵する。図4に示すように、入力側インタフェース21に対してバッテリパック10を前方にスライドさせることで、入力側インタフェース21にバッテリパック10を着脱可能に装着できる。図5及び図6に示すように、出力側インタフェース23を第1の電気機器本体80の下端のバッテリ接続部81又は第2の電気機器本体90の下端のバッテリ接続部91に対して前方にスライドさせることで、出力側インタフェース23をバッテリ接続部81、91に択一的に装着できる。
【0031】
入力側インタフェース21に接続されたバッテリパック10は、出力側インタフェース23が第1の電気機器本体80に接続された場合には、バッテリアダプタ20を介して18Vを第1の電気機器本体80に出力する。入力側インタフェース21に接続されたバッテリパック10は、出力側インタフェース23が第2の電気機器本体90に接続された場合には、バッテリアダプタ20を介して36Vを第2の電気機器本体90に出力する。バッテリパック10の出力電圧の切り替えは、バッテリアダプタ20を用いる場合においても、後述のように接続先の電気機器本体の端子によって自動的に行われる。
【0032】
入力側インタフェース21は、入力側第1正極端子26、入力側第2正極端子27、入力側第1負極端子29、及び入力側第2負極端子28を有する。入力側第1正極端子26は、バッテリ側第1正極端子13に挟持されて電気的に接続される。入力側第2正極端子27は、バッテリ側第2正極端子14に挟持されて電気的に接続される。入力側第1負極端子29は、バッテリ側第1負極端子16に挟持されて電気的に接続される。入力側第2負極端子28は、バッテリ側第2負極端子15に挟持されて電気的に接続される。
【0033】
出力側インタフェース23は、出力側第1正極端子36、出力側第2正極端子37、出力側第1負極端子39、及び出力側第2負極端子38を有する。これら4つの端子は、第1のアダプタ側切替要素の例示であり、また第2のアダプタ側切替要素の例示である。出力側第1正極端子36は、ケーブル22の第1正極ライン22a(図17)により、入力側第1正極端子26と電気的に接続される。出力側第2正極端子37は、ケーブル22の第2正極ライン22b(同)により、入力側第2正極端子27と電気的に接続される。出力側第1負極端子39は、ケーブル22の第1負極ライン22c(同)により、入力側第1負極端子29と電気的に接続される。出力側第2負極端子38は、ケーブル22の第2負極ライン22d(同)により、入力側第2負極端子28と電気的に接続される。出力側インタフェース23の各端子と入力側インタフェース21の各端子との接続には、ケーブル22に加えて、基板40(図16)上の導電パターンを介してもよい。
【0034】
第1の電気機器本体80の機器側正極端子83は、出力側第1正極端子36及び出力側第2正極端子37に挟持されて電気的に接続される単一の板体であり、出力側第1正極端子36及び出力側第2正極端子37間を短絡する。第1の電気機器本体80の機器側負極端子85は、出力側第1負極端子39及び出力側第2負極端子38に挟持されて電気的に接続される単一の板体であり、出力側第1負極端子39及び出力側第2負極端子38間を短絡する。機器側正極端子83及び機器側負極端子85は、出力側第1正極端子36、出力側第2正極端子37、出力側第1負極端子39、及び出力側第2負極端子38と係合してバッテリアダプタ20から入力される電圧を18Vに設定するよう構成された第1の本体側切替要素であって、第1セルユニット11及び第2セルユニット12を互いに並列に接続する並列接続素子である。出力側インタフェース23を第1の電気機器本体80に接続した場合、機器側正極端子83及び機器側負極端子85間の電圧、すなわちバッテリパック10の出力電圧は18Vとなる。
【0035】
第2の電気機器本体90の機器側正極端子93は、出力側第1正極端子36に挟持されて電気的に接続される。第2の電気機器本体90の機器側負極端子95は、出力側第2負極端子38に挟持されて電気的に接続される。第2の電気機器本体90のショートバー97は、一端が出力側第2正極端子37に挟持され、他端が出力側第1負極端子39に挟持され、出力側第2正極端子37及び出力側第1負極端子39間を短絡する。機器側正極端子93、機器側負極端子95、及びショートバー97は、出力側第1正極端子36、出力側第2正極端子37、出力側第1負極端子39、及び出力側第2負極端子38と係合してバッテリアダプタ20から入力される電圧を36Vに設定するよう構成された第2の本体側切替要素である。ショートバー97は、第1セルユニット11及び第2セルユニット12を互いに直列に接続する直列接続素子である。出力側インタフェース23を第2の電気機器本体90に接続した場合、機器側正極端子93及び機器側負極端子95間の電圧、すなわちバッテリパック10の出力電圧は36Vとなる。
【0036】
図7に示すように、入力側インタフェース21は、アダプタ入力側ハウジング24の内部に、端子ブロック25を有する。図8及び図10に示すように、端子ブロック25に、入力側第1正極端子26、入力側第2正極端子27、入力側第1負極端子29、入力側第2負極端子28、及び入力側信号端子30が保持される。入力側信号端子30は、ここでは4つとしているが、その数は任意である。図8では、バッテリパック10の端子のうちバッテリ側第1正極端子13、バッテリ側第2正極端子14、バッテリ側第1負極端子16、及びバッテリ側第2負極端子15以外の図示を省略している。図10では、出力側インタフェース23の端子のうち出力側第1正極端子36、出力側第2正極端子37、出力側第1負極端子39、及び出力側第2負極端子38以外の図示を省略している(後述の図11及び図13において同様)。
【0037】
図9に示すように、入力側第1正極端子26は、バッテリ側第1正極端子13に挟持される端子接続部26aと、ケーブル22の第1正極ライン22aの一端がはんだ付け等により接続される配線接続部26bと、を有する。入力側第2正極端子27は、バッテリ側第2正極端子14に挟持される端子接続部27aと、ケーブル22の第2正極ライン22bの一端がはんだ付け等により接続される配線接続部27bと、を有する。端子接続部26a、27aは、左右方向において互いに同じ位置にあり、上下方向に並ぶ。
【0038】
入力側第1負極端子29は、バッテリ側第1負極端子16に挟持される端子接続部29aと、ケーブル22の第1負極ライン22cの一端がはんだ付け等により接続される配線接続部29bと、を有する。入力側第2負極端子28は、バッテリ側第2負極端子15に挟持される端子接続部28aと、ケーブル22の第2負極ライン22dの一端がはんだ付け等により接続される配線接続部28bと、を有する。端子接続部29a、28aは、左右方向において互いに同じ位置にあり、上下方向に並ぶ。
【0039】
図7及び図10に示すように、入力側第1正極端子26の配線接続部26bと、入力側第2正極端子27の配線接続部27bとは、端子ブロック25の互いに異なる面に配置される(端子ブロック25の互いに異なる面からそれぞれ突出する)。同様に、入力側第1負極端子29の配線接続部29bと、入力側第2負極端子28の配線接続部28bとは、端子ブロック25の互いに異なる面に配置される(端子ブロック25の互いに異なる面からそれぞれ突出する)。
【0040】
入力側第1正極端子26の端子接続部26a及び入力側第2正極端子27の端子接続部27aは、端子ブロック25の幅方向(左右方向)の略同一の位置において端子ブロック25の背面(後方に臨む面)から後方に突出する。入力側第1正極端子26の配線接続部26bは、端子ブロック25の上面から上方(入力側インタフェース21に接続されたバッテリパック10から離れる方向)に突出する。入力側第2正極端子27の配線接続部27bは、端子ブロック25の前面から前方(入力側インタフェース21のバッテリパック10へのスライド接続方向と平行な方向)に突出する。
【0041】
入力側第1負極端子29の端子接続部29a及び入力側第2負極端子28の端子接続部28aは、端子ブロック25の幅方向(左右方向)の略同一の位置において端子ブロック25の背面(後方に臨む面)から後方に突出する。入力側第1負極端子29の配線接続部29bは、端子ブロック25の前面から前方(入力側インタフェース21のバッテリパック10へのスライド接続方向と平行な方向)に突出する。入力側第2負極端子28の配線接続部28bは、端子ブロック25の上面から上方(入力側インタフェース21に接続されたバッテリパック10から離れる方向)に突出する。
【0042】
図11に示すように、第1の電気機器本体80のバッテリ接続部81において、機器側正極端子83、機器側負極端子85、及び機器側信号端子86が、端子ブロック82に保持される。機器側信号端子86は、ここでは4つとしているが、その数は任意である。図13に示すように、第2の電気機器本体90のバッテリ接続部91において、機器側正極端子93、機器側負極端子95、機器側信号端子96、及びショートバー97が、端子ブロック92に保持される。機器側信号端子96は、ここでは4つとしているが、その数は任意である。
【0043】
図15に示すように、バッテリパック10において、基板17上に、バッテリ側第1正極端子13、バッテリ側第2正極端子14、バッテリ側第1負極端子16、バッテリ側第2負極端子15、第1充電端子18a、第2充電端子18b、及びバッテリ側信号端子19が設けられる。第1充電端子18a及び第2充電端子18bは、左右方向において互いに同じ位置にあり、相手方端子を挟持する部分が上下方向に並ぶ。バッテリ側第1正極端子13及びバッテリ側第2正極端子14は、左右方向において互いに同じ位置にあり、相手方端子を挟持する部分が上下方向に並ぶ。バッテリ側第1負極端子16及びバッテリ側第2負極端子15は左右方向において互いに同じ位置にあり、相手方端子を挟持する部分が上下方向に並ぶ。第1充電端子18a及び第2充電端子18bは、図示しない充電器との接続用である。バッテリ側信号端子19は、ここでは4つとしているが、その数は任意である。
【0044】
図16に示すように、出力側インタフェース23において、基板40上に、出力側第1正極端子36、出力側第2正極端子37、出力側第1負極端子39、出力側第2負極端子38、及び出力側信号端子41が設けられる。出力側第1正極端子36及び出力側第2正極端子37は、左右方向において互いに同じ位置にあり、相手方端子を挟持する部分が上下方向に並ぶ。出力側第1負極端子39及び出力側第2負極端子38は、左右方向において互いに同じ位置にあり、相手方端子を挟持する部分が上下方向に並ぶ。出力側信号端子41は、ここでは4つとしているが、その数は任意である。入力側インタフェース21の入力側信号端子30と、出力側インタフェース23の出力側信号端子41とは、ケーブル22の信号ライン22eによって互いに電気的に接続される。図18に示すように、出力側インタフェース23は、コントローラを内蔵しており、バッテリアダプタ20の入出力電圧やバッテリアダプタ20に流れる電流を監視できるようになっている。
【0045】
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
【0046】
(1) バッテリアダプタ20の入力側インタフェース21は、可変バッテリパックであるバッテリパック10に接続可能に構成されるため、利便性が高い。
【0047】
(2) バッテリアダプタ20の出力側インタフェース23は、定格電圧が18Vの第1の電気機器本体80及び定格電圧が36Vの第2の電気機器本体90に択一的に装着可能であるため、利便性が高い。
【0048】
(3) 入力側インタフェース21において、入力側第1正極端子26の配線接続部26bと、入力側第2正極端子27の配線接続部27bとは、端子ブロック25の互いに異なる面に配置される(端子ブロック25の互いに異なる面からそれぞれ突出する)ため、配線接続部26b、27bに対するはんだ付け等による配線接続時に配線接続部26b、27b間をショートさせてしまうことを抑制できる。同様に、入力側第1負極端子29の配線接続部29bと、入力側第2負極端子28の配線接続部28bとは、端子ブロック25の互いに異なる面に配置される(端子ブロック25の互いに異なる面からそれぞれ突出する)ため、配線接続部29b、28bに対するはんだ付け等による配線接続時に配線接続部29b、28b間をショートさせてしまうことを抑制できる。
【0049】
(4) 出力側インタフェース23を第1の電気機器本体80に接続した場合、ケーブル22では18Vを二線で伝送することになり、一線のみでの伝送と比較して大電流に対応することができ、出力アップが可能となる。
【0050】
(実施の形態2)
図19図21を参照し、本発明の実施の形態2を説明する。本実施の形態は、バッテリアダプタ50、並びにバッテリアダプタ50によりバッテリパック10と第1の電気機器本体80とを互いに接続したシステムに関する。バッテリアダプタ50は、18V出力専用である。
【0051】
図19に示すように、バッテリアダプタ50は、入力側インタフェース51と、電力ラインとしてのケーブル52と、出力側インタフェース53と、を備える。ケーブル52の一端に入力側インタフェース51が設けられ、ケーブル52の他端に出力側インタフェース53が設けられる。ケーブル52は、多芯ケーブルであり、互いに絶縁された複数の導線を内蔵する。入力側インタフェース51は、入力側インタフェース21と同様に、バッテリパック10をスライドさせて装着できる。出力側インタフェース53は、出力側インタフェース23と同様に、第1の電気機器本体80の下端のバッテリ接続部81にスライドさせて装着できる。一方、図25を参照して後述するが、出力側インタフェース53は、第2の電気機器本体90の下端のバッテリ接続部91には接続不能となっている。
【0052】
入力側インタフェース51は、入力側正極端子56及び入力側負極端子57を有する。入力側正極端子56は、バッテリ側第1正極端子13及びバッテリ側第2正極端子14に挟持されて電気的に接続される単一の板体であり、バッテリ側第1正極端子13及びバッテリ側第2正極端子14間を短絡する。入力側負極端子57は、バッテリ側第1負極端子16及びバッテリ側第2負極端子15に挟持されて電気的に接続される単一の板体であり、バッテリ側第1負極端子16及びバッテリ側第2負極端子15間を短絡する。入力側正極端子56及び入力側負極端子57は、バッテリ側第1正極端子13、バッテリ側第2正極端子14、バッテリ側第1負極端子16、及びバッテリ側第2負極端子15と係合してバッテリパック10から入力される電圧を18Vに設定するよう構成された第3のアダプタ側切替要素であり、第1セルユニット11及び第2セルユニット12を互いに並列に接続する並列接続素子である。バッテリパック10を入力側インタフェース51に接続した場合、バッテリパック10の出力電圧は18Vとなる。
【0053】
出力側インタフェース53は、出力側正極端子58及び出力側負極端子59を有する。出力側正極端子58は、ケーブル52により、入力側正極端子56と電気的に接続される。出力側正極端子58は、第1の電気機器本体80の機器側正極端子83を挟持して機器側正極端子83と電気的に接続される。出力側負極端子59は、ケーブル52により、入力側負極端子57と電気的に接続される。出力側負極端子59は、第1の電気機器本体80の機器側負極端子85を挟持して機器側負極端子85と電気的に接続される。出力側インタフェース53は、任意の数の出力側信号端子55を有する。図示は省略したが、入力側インタフェース51は、任意の数の入力側信号端子を有する。
【0054】
本実施の形態によれば、バッテリアダプタ50の入力側インタフェース51は、可変バッテリパックであるバッテリパック10に接続可能に構成されるため、利便性が高い。バッテリアダプタ50は18V出力専用であり、出力側インタフェース53は定格電圧が36Vの第2の電気機器本体90に接続不能とされるため、出力側インタフェース53を誤って第2の電気機器本体90に接続することを抑制できる。
【0055】
(実施の形態3)
図22図24を参照し、本発明の実施の形態3を説明する。本実施の形態は、バッテリアダプタ60、並びにバッテリアダプタ60によりバッテリパック10と第2の電気機器本体90とを互いに接続したシステムに関する。バッテリアダプタ60は、36V出力専用である。
【0056】
図22に示すように、バッテリアダプタ60は、入力側インタフェース61と、電力ラインとしてのケーブル62と、出力側インタフェース63と、を備える。ケーブル62の一端に入力側インタフェース61が設けられ、ケーブル62の他端に出力側インタフェース63が設けられる。ケーブル62は、多芯ケーブルであり、互いに絶縁された複数の導線を内蔵する。入力側インタフェース61は、入力側インタフェース21と同様に、バッテリパック10をスライドさせて装着できる。出力側インタフェース63は、出力側インタフェース23と同様に、第2の電気機器本体90の下端のバッテリ接続部91にスライドさせて装着できる。一方、図25を参照して後述するが、出力側インタフェース63は、第1の電気機器本体80の下端のバッテリ接続部81には接続不能となっている。
【0057】
入力側インタフェース61は、入力側正極端子66、入力側負極端子67、及びショートバー70を有する。入力側正極端子66は、バッテリ側第1正極端子13に挟持されて電気的に接続される。入力側負極端子67は、バッテリ側第2負極端子15に挟持されて電気的に接続される。ショートバー70は、一端がバッテリ側第2正極端子14に挟持され、他端がバッテリ側第1負極端子16に挟持され、バッテリ側第2正極端子14及びバッテリ側第1負極端子16間を短絡する。入力側正極端子66、入力側負極端子67、及びショートバー70は、バッテリ側第1正極端子13、バッテリ側第2正極端子14、バッテリ側第1負極端子16、及びバッテリ側第2負極端子15と係合してバッテリパック10から入力される電圧を36Vに設定するよう構成された第4の本体側切替要素である。ショートバー70は、第1セルユニット11及び第2セルユニット12を互いに直列に接続する直列接続素子である。バッテリパック10を入力側インタフェース61に接続した場合、バッテリパック10の出力電圧は36Vとなる。
【0058】
出力側インタフェース63は、出力側正極端子68及び出力側負極端子69を有する。出力側正極端子68は、ケーブル62により、入力側正極端子66と電気的に接続される。出力側正極端子68は、第2の電気機器本体90の機器側正極端子93を挟持して機器側正極端子93と電気的に接続される。出力側負極端子69は、ケーブル62により、入力側負極端子67と電気的に接続される。出力側負極端子69は、第2の電気機器本体90の機器側負極端子95を挟持して機器側負極端子95と電気的に接続される。出力側インタフェース63は、任意の数の出力側信号端子65を有する。図示は省略したが、入力側インタフェース61は、任意の数の入力側信号端子を有する。
【0059】
本実施の形態によれば、バッテリアダプタ60の入力側インタフェース61は、可変バッテリパックであるバッテリパック10に接続可能に構成されるため、利便性が高い。バッテリアダプタ60は36V出力専用であり、出力側インタフェース63は定格電圧が18Vの第1の電気機器本体80に接続不能とされるため、出力側インタフェース63を誤って第1の電気機器本体80に接続することを抑制できる。
【0060】
図25は、出力側インタフェース53、63とバッテリ接続部81、91の接続の可否を示す説明図である。実施の形態2及び3では、第1の電気機器本体80のバッテリ接続部81に下方に臨む凸部(凸条)88を設け、第2の電気機器本体90のバッテリ接続部91に下方に臨む凸部(凸条)98を設けておく。出力側インタフェース53は、凸部88と左右方向の位置が一致する凹部(凹溝)54を有する。凹部54の左右方向の位置は、凸部98とは異なる。出力側インタフェース63は、凸部98と左右方向の位置が一致する凹部(凹溝)64を有する。凹部64の左右方向の位置は、凸部88とは異なる。
【0061】
バッテリ接続部81に出力側インタフェース53をスライド接続する際、凸部88が凹部54に係合する(入り込んでいく)ため、バッテリ接続部81と出力側インタフェース53の外殻部同士が干渉せず、接続が可能である。一方、凹部54は、凸部98とは左右方向の位置が異なるため、出力側インタフェース53をバッテリ接続部91にスライド接続しようとしても、凸部98が出力側インタフェース53の外殻部上部と干渉し、接続することができない。
【0062】
バッテリ接続部91に出力側インタフェース63をスライド接続する際、凸部98が凹部64に係合する(入り込んでいく)ため、バッテリ接続部91と出力側インタフェース63の外殻部同士が干渉せず、接続が可能である。一方、凹部64は、凸部88とは左右方向の位置が異なるため、出力側インタフェース63をバッテリ接続部81にスライド接続しようとしても、凸部88が出力側インタフェース63の外殻部上部と干渉し、接続することができない。
【0063】
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
【0064】
実施の形態2及び3では、入力側インタフェース51、61の端子構造によりバッテリパック10の出力電圧を18Vと36Vの間で切り替える構成を説明したが、切替えに係る構成は任意に変更できる。例えば、バッテリパック10に出力電圧切替用のスイッチを設けておき、入力側インタフェース51、61の一方にのみ当該スイッチを押す押圧部を設けることで、バッテリパック10の出力電圧を切り替えてもよい。実施の形態で示した電圧値等の具体的な数値は一例であり、任意に変更可能である。実施の形態では電気機器本体として電動工具本体を例示したが、電気機器本体は、電動工具以外の電気機器の本体であってもよい。実施の形態1の入力側インタフェース21の端子構造は、電気機器本体のバッテリ接続部の端子構造に適用してもよく、当該適用した電気機器本体も本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0065】
10 バッテリパック、11 第1セルユニット、12 第2セルユニット、13 バッテリ側第1正極端子、14 バッテリ側第2正極端子、15 バッテリ側第2負極端子、16 バッテリ側第1負極端子、17 基板、18a 第1充電端子、18b 第2充電端子、19 バッテリ側信号端子、
20 バッテリアダプタ、21 入力側インタフェース、22 ケーブル、22a 第1正極ライン、22b 第2正極ライン、22c 第1負極ライン、22d 第2負極ライン、22e 信号ライン、23 出力側インタフェース、24 アダプタ入力側ハウジング、25 端子ブロック、26 入力側第1正極端子、26a 端子接続部、26b 配線接続部、27 入力側第2正極端子、27a 端子接続部、27b 配線接続部、28 入力側第2負極端子、28a 端子接続部、28b 配線接続部、29 入力側第1負極端子、29a 端子接続部、29b 配線接続部、30 入力側信号端子、36 出力側第1正極端子、37 出力側第2正極端子、38 出力側第2負極端子、39 出力側第1負極端子、40 基板、41 出力側信号端子、
50 バッテリアダプタ、51 入力側インタフェース、52 ケーブル、53 出力側インタフェース、54 凹部、55 出力側信号端子、56 入力側正極端子、57 入力側負極端子、58 出力側正極端子、59 出力側負極端子、
60 バッテリアダプタ、61 入力側インタフェース、62 ケーブル、63 出力側インタフェース、64 凹部、66 入力側正極端子、67 入力側負極端子、68 出力側正極端子、69 出力側負極端子、70 ショートバー、
80 第1の電気機器本体(18V電動工具本体)、81 バッテリ接続部、82 端子ブロック、83 機器側正極端子、85 機器側負極端子、86 機器側信号端子、88 凸部、
90 第2の電気機器本体(36V電動工具本体)、91 バッテリ接続部、92 端子ブロック、93 機器側正極端子、95 機器側負極端子、96 機器側信号端子、97 ショートバー、98 凸部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25