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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-03
(45)【発行日】2023-04-11
(54)【発明の名称】水処理装置および水処理方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 3/12 20230101AFI20230404BHJP
【FI】
C02F3/12 H
C02F3/12 M
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019082704
(22)【出願日】2019-04-24
(65)【公開番号】P2020179326
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2022-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】弁理士法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】手嶋 明恵
【審査官】相田 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-048254(JP,A)
【文献】特開2018-103113(JP,A)
【文献】特開2015-039691(JP,A)
【文献】特開2013-138976(JP,A)
【文献】特開2009-202115(JP,A)
【文献】特開2005-211879(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 3/12
C02F 3/02- 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流から順番に担体槽および活性汚泥槽を備える水処理装置であって、
前記担体槽の上流に流入比制御部を備え、
前記担体槽と前記活性汚泥槽の間に負荷計測部を備え、
前記負荷計測部が担体槽処理水の有機性汚濁負荷を計測し、
前記流入比制御部が前記負荷計測部で計測された有機性汚濁負荷に応じて前記担体槽および前記活性汚泥槽への被処理水の流入比を制御することを特徴とする、水処理装置。
【請求項2】
前記負荷計測部が前記有機性汚濁負荷として前記担体槽処理水の有機物濃度を計測し、
前記担体槽処理水の有機物濃度が設定値以上の場合、前記流入比制御部が前記被処理水の全部を前記担体槽に流入させ、
前記担体槽処理水の有機物濃度が設定値未満の場合、前記流入比制御部が前記被処理水の一部を前記活性汚泥槽に流入させる、請求項1に記載の水処理装置。
【請求項3】
前記担体槽および前記活性汚泥槽がそれぞれ前記被処理水の流入配管を備える、請求項1または2に記載の水処理装置。
【請求項4】
前記流入比制御部が、前記活性汚泥槽への前記被処理水の流入配管および活性汚泥槽送り弁を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の水処理装置。
【請求項5】
前記負荷計測部が前記有機性汚濁負荷として前記担体槽処理水の有機物濃度を計測し、
前記担体槽処理水の有機物濃度が設定値以上の場合、前記活性汚泥槽送り弁を閉じて前記被処理水の全部を前記担体槽に流入させ、
前記担体槽処理水の有機物濃度が設定値未満の場合、前記活性汚泥槽送り弁を開けて前記被処理水の一部を前記活性汚泥槽に流入させる、請求項4に記載の水処理装置。
【請求項6】
前記被処理水のBODが時間変動する、請求項1~5のいずれか一項に記載の水処理装置。
【請求項7】
前記活性汚泥槽の下流に沈殿槽を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の水処理装置。
【請求項8】
前記沈殿槽から、前記活性汚泥槽に汚泥を返送する手段を備える、請求項7に記載の水処理装置。
【請求項9】
上流から順番に担体槽および活性汚泥槽を備える水処理装置を用いて被処理水を水処理する水処理方法であって、
前記水処理装置が前記担体槽の上流に流入比制御部を備え、
前記水処理装置が前記担体槽と前記活性汚泥槽の間に負荷計測部を備え、
前記負荷計測部が担体槽処理水の有機性汚濁負荷を計測し、
前記流入比制御部が前記負荷計測部で計測された有機性汚濁負荷に応じて前記担体槽および前記活性汚泥槽への前記被処理水の流入比を制御することを特徴とする、水処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理装置および水処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機性排水の処理方法として、微生物により有機物を分解除去する処理槽を用いる方法が知られており、例えば活性汚泥法や生物膜法などがよく知られている。活性汚泥法は、曝気装置を備える活性汚泥槽を用いて、活性汚泥中の好気性微生物に被処理水中の有機物などの汚濁物質を分解させ、後段の沈殿槽で固液分離する方法である。生物膜法は、担体の表面または内部に付着させた微生物に被処理水中の有機物などの汚濁物質を分解させる方法である。
【0003】
活性汚泥法として、例えば、特許文献1および2に記載の方法が知られている。
特許文献1には、有機性排水中のBODを高負荷処理して分散菌体に変換する第1の生物処理工程と、変換された分散菌体をフロック化すると共に微小生物を共存させる第2の生物処理工程とを有する有機性排水の生物処理方法において、第2の生物処理工程をpH5~6の条件下に行う有機性排水の生物処理方法が記載されている。
特許文献2には、三段以上の多段に設けられた生物処理槽の第一生物処理槽に有機性排水を導入して細菌により生物処理し、第一生物処理槽からの分散状態の細菌を含む第一生物処理水を第二生物処理槽および第三生物処理槽に順次通水して生物処理する有機性排水の生物処理方法であって、第二生物処理槽を流動床式生物処理槽、第三生物処理槽を浮遊式生物処理槽とし、第一生物処理水を第二生物処理槽に一過式で通水して第二生物処理水を得、第二生物処理水を第三生物処理槽に通水して得た第三生物処理水を汚泥と処理水とに固液分離し、分離汚泥の一部を余剰汚泥として系外に引き抜き、分離汚泥の残部の少なくとも一部を返送汚泥として第三生物処理槽に返送する有機性排水の生物処理方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-211879号公報
【文献】特開2009-202115号公報
【文献】特開2015-039691号公報
【文献】特開2013-138976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1および2に記載の活性汚泥法では、微生物の捕食作用を利用した二段以上の生物処理工程において、高負荷の被処理水を用いることを想定しており、固液分離工程として沈降分離を用いる。特許文献1および2に記載の方法は、低負荷の被処理水を用いる場合の対策がとられておらず、水質が大きく時間変動する被処理水を処理する場合に低負荷時に活性汚泥の不調が生じるものであった。
【0006】
一方、活性汚泥法の固液分離工程を従来の沈降分離から膜分離に替えた膜分離活性汚泥法を用いて、水質が時間変動する被処理水を処理する方法が知られている(例えば、特許文献3および4参照)。
特許文献3には、好気性微生物が固定された流動床担体を収容する担体槽と、担体槽で廃水処理された処理水が流入可能であるとともに膜分離装置および活性汚泥を収容する膜分離活性汚泥処理槽と、を備える廃水処理装置を用いて原水を廃水処理する廃水処理方法であって、原水の負荷(有機性汚濁負荷)を計測する負荷計測工程と、担体槽及び膜分離活性汚泥処理槽への原水の供給量を制御する供給量制御工程と、を備え、供給量制御工程に用いられる設定値が予め設定され、供給量制御工程は、負荷計測工程により計測された原水の負荷が設定値未満の場合、原水を担体槽に供給することなく、原水を膜分離活性汚泥処理槽に供給する低負荷制御工程と、負荷計測工程により計測された原水の負荷が設定値以上の場合、原水の少なくとも一部を担体槽に供給する高負荷制御工程と、を備える、廃水処理方法が記載されている。
【0007】
特許文献4には、膜分離活性汚泥法により排水を処理する第1の生物処理装置と、生物膜法により排水を処理する第2の生物処理装置と、第1の生物処理装置及び第2の生物処理装置の上流を流通する排水中の負荷濃度(有機物濃度)と流量とを計測する計測部と、負荷濃度と流量とから負荷量(有機性汚濁負荷量)を算出し、負荷量に応じて、第1の生物処理装置に送給する排水の流量と、第2の生物処理装置に送給する排水の流量との分配比率を決定し、分配比率に基づいて、第1の生物処理装置に送給する排水の流量と第2の生物処理装置に送給する排水の流量とを調整する制御部とを含む排水処理装置が記載されている。
【0008】
しかしながら、特許文献3では、担体槽及び膜分離活性汚泥処理槽への原水の供給量の制御をする供給量制御工程では、原水の負荷(有機性汚濁負荷)の計測が必須であった。特許文献3では、さらに原水の負荷に対する担体槽処理水の負荷の減少率(BOD除去率など)に基づく負荷一定制御工程で、原水の供給量の制御を微調整することも記載されているが、いずれも原水の負荷の計測が必須であった。
また、特許文献4でも、第1の生物処理装置に送給する排水の流量と第2の生物処理装置に送給する排水の流量との分配比率は、第1の生物処理装置及び第2の生物処理装置の上流を流通する排水の負荷(有機性汚濁負荷)の計測が必須であった。
このように、被処理水(原水)の有機性汚濁負荷を測定できない場合に、水質が時間変動する被処理水を処理する方法は知られていなかった。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、被処理水の有機性汚濁負荷を測定せずに、水質が大きく時間変動する被処理水を処理する場合に、活性汚泥の不調を抑制し、安定して良好な水質の処理水が得られる水処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者は、担体槽と活性汚泥槽の間の負荷計測部が担体槽処理水の有機性汚濁負荷を計測し、担体槽の上流の流入比制御部が負荷計測部で計測された有機性汚濁負荷に応じて担体槽および活性汚泥槽への被処理水の流入比を制御することにより、上記の課題を解決できることを見出した。
具体的に、本発明および本発明の好ましい構成は、以下のとおりである。
【0011】
[1] 担体槽および活性汚泥槽をこの順で備える水処理装置であって、
担体槽の上流に流入比制御部を備え、
担体槽と活性汚泥槽の間に負荷計測部を備え、
負荷計測部が担体槽処理水の有機性汚濁負荷を計測し、
流入比制御部が負荷計測部で計測された有機性汚濁負荷に応じて担体槽および活性汚泥槽への被処理水の流入比を制御することを特徴とする、水処理装置。
[2] 負荷計測部が有機性汚濁負荷として担体槽処理水の有機物濃度を計測し、
担体槽処理水の有機物濃度が設定値以上の場合、流入比制御部が被処理水の全部を担体槽に流入させ、
担体槽処理水の有機物濃度が設定値未満の場合、流入比制御部が被処理水の一部を活性汚泥槽に流入させる[1]に記載の水処理装置。
[3] 担体槽および活性汚泥槽がそれぞれ被処理水の流入配管を備える[1]または[2]に記載の水処理装置。
[4] 流入比制御部が、活性汚泥槽への被処理水の流入配管および活性汚泥槽送り弁を含む[1]~[3]のいずれか一項に記載の水処理装置。
[5] 負荷計測部が有機性汚濁負荷として担体槽処理水の有機物濃度を計測し、
担体槽処理水の有機物濃度が設定値以上の場合、活性汚泥槽送り弁を閉じて被処理水の全部を担体槽に流入させ、
担体槽処理水の有機物濃度が設定値未満の場合、活性汚泥槽送り弁を開けて被処理水の一部を活性汚泥槽に流入させる[4]に記載の水処理装置。
[6] 被処理水のBODが時間変動する[1]~[5]のいずれか一項に記載の水処理装置。
[7] 活性汚泥槽の下流に沈殿槽を備える[1]~[6]のいずれか一項に記載の水処理装置。
[8] 沈殿槽から、活性汚泥槽に汚泥を返送する手段を備える[7]に記載の水処理装置。
[9] 担体槽および活性汚泥槽をこの順で備える水処理装置を用いて被処理水を水処理する水処理方法であって、
水処理装置が担体槽の上流に流入比制御部を備え、
水処理装置が担体槽と活性汚泥槽の間に負荷計測部を備え、
負荷計測部が担体槽処理水の有機性汚濁負荷を計測し、
流入比制御部が負荷計測部で計測された有機性汚濁負荷に応じて担体槽および活性汚泥槽への被処理水の流入比を制御することを特徴とする、水処理方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、被処理水の有機性汚濁負荷を測定せずに、水質が大きく時間変動する被処理水を処理する場合に、活性汚泥の不調を抑制し、安定して良好な水質の処理水が得られる水処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の水処理装置の一例の断面概略図である。
図2図2は、本発明の水処理装置の他の一例の断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は「~」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
【0015】
[水処理装置]
本発明の水処理装置は、担体槽および活性汚泥槽をこの順で備える水処理装置であって、担体槽の上流に流入比制御部を備え、担体槽と活性汚泥槽の間に負荷計測部を備え、負荷計測部が担体槽処理水の有機性汚濁負荷を計測し、流入比制御部が負荷計測部で計測された有機性汚濁負荷に応じて担体槽および活性汚泥槽への被処理水の流入比を制御する。
この構成により、本発明の水処理装置は、被処理水の有機性汚濁負荷を測定せずに、水質が大きく時間変動する被処理水を処理する場合に、活性汚泥の不調を抑制し、安定して良好な水質の処理水が得られる。担体槽処理水は、有機性汚濁負荷の時間変動に強い担体槽での処理後の水であるため、被処理水に対して有機性汚濁負荷の時間変動幅が小さい。有機性汚濁負荷の時間変動が小さい担体槽処理水の有機性汚濁負荷を測定することで、有機性汚濁負荷の測定頻度を抑えられるため、負荷測定部には、低コストの非連続の測定装置を導入することができる。また、流入比制御部の弁開閉にかかる頻度を抑えられるため、流入比制御部に使用する弁の消耗速度を抑えることができる。上記の利点があるため、産業上の利用可能性が高い。
本発明の水処理装置は、活性汚泥法に限定されず、生物膜法において活性汚泥を用いる場合にも適用できる。すなわち、本発明の水処理装置は、沈殿槽などの固液分離槽を必須とするものではない。
有機性汚濁負荷は、有機物濃度などに関する一般的な水質指標の値から計測することができる。有機物濃度としては、BOD(Biochemical Oxygen Demand、生物学的酸素要求量)、COD(Chemical Oxygen Demand、化学的酸素要求量)、TOC(Total Organic Carbon、全有機炭素)、DOC(Dissolved Organic Carbon)、濁度、色度を基準とすることが好ましい。例えば、食品加工系排水などの有機物を含む排水は、BODの値が高くなる。本発明の水処理装置は、例えばBODが大きく時間変動する被処理水を処理することに起因して担体槽処理水のBODが大きく時間変動する場合に好ましく用いられる。
なお、担体槽では担体として流動床担体を用いることが好ましい。流動床担体を用いることにより、流動床担体内に生物相を保持させることができ、高BOD容積負荷処理を小さな体積で(担体槽の設置スペースを縮小して)行うことができ、設備コストを低くできる。
以下、本発明の水処理装置のその他の好ましい態様を説明する。
【0016】
<全体構成>
まず、本発明の水処理装置の全体構成について説明する。
【0017】
図1は、本発明の水処理装置の一例の断面概略図である。
図1に示した水処理装置は、担体槽11および活性汚泥槽12をこの順で備える水処理装置である。水処理装置は、担体槽11の上流に流入比制御部32を備え、担体槽11と活性汚泥槽12の間に負荷計測部31を備え、負荷計測部31が担体槽処理水2の有機性汚濁負荷を計測し、計測した数値が制御信号33によって流入比制御部32に伝えられる。流入比制御部32が負荷計測部31で計測された有機性汚濁負荷に応じて担体槽11および活性汚泥槽12への被処理水1の流入比を制御する。
図1に示したとおり、担体槽11が曝気手段22および流動床担体21を備えることが好ましい。活性汚泥槽が曝気手段22を備え、かつ、担体を含まないことが好ましい。
水処理装置は、担体槽11および活性汚泥槽12がそれぞれ被処理水1の流入配管(不図示)を備えることが好ましい。担体槽11への被処理水1の流入配管に、活性汚泥槽への被処理水の流入配管および活性汚泥槽送り弁からなる流入比制御部32を分岐させて設けることが好ましい。
水処理装置は、担体槽11の上流に流量計(不図示)を備えていてもよい。
【0018】
図1に示した水処理装置を用いる水処理方法を説明する。図1では、水の流れを実線の矢印で示している。図1に示した水処理装置では、負荷計測部31が担体槽処理水2の有機性汚濁負荷を計測する。流入比制御部32が負荷計測部31で計測された有機性汚濁負荷に応じて担体槽11および活性汚泥槽12への被処理水1の流入比を制御し、被処理水1は担体槽11および/または活性汚泥槽12に送液される。
担体槽11において、被処理水1は、曝気手段22からの気体に曝気されながら流動床担体21によって生物処理された後、担体槽処理水2として担体槽11から活性汚泥槽12に送液される。担体槽11が、流動床担体21の活性汚泥槽12への移動を制限できるスクリーン23を備える構成であることが好ましい。
活性汚泥槽12において、被処理水1および/または担体槽処理水2は曝気手段22からの気体に曝気された後、活性汚泥槽処理水3かつ処理水4として活性汚泥槽12から排出される。活性汚泥槽処理水3かつ処理水4は、そのまま海洋や河川等の外部領域に放出されてもよく、用水として回収および再利用されてもよく、あるいは、さらに排水処理が施されてもよい。
【0019】
図2は、本発明の水処理装置の他の一例の断面概略図である。
図2に示した水処理装置は、図1に示した水処理装置において活性汚泥槽の下流に沈殿槽を備える。
【0020】
図2に示した水処理装置を用いる水処理方法を説明する。
図2に示した水処理装置では、活性汚泥槽処理水3は活性汚泥槽12から下流の沈殿槽13に送液される。沈殿槽13で固液分離された汚泥は、一部が返送汚泥41として活性汚泥槽12に返送され、残りは余剰汚泥42として外部領域に放出される。
沈殿槽13からの処理水4は、そのまま海洋や河川等の外部領域に放出されてもよく、用水として回収および再利用されてもよく、あるいは、さらに排水処理が施されてもよい。
【0021】
<負荷計測部>
本発明の水処理装置では、負荷計測部が担体槽処理水の有機性汚濁負荷を計測する。負荷計測部は、有機性汚濁負荷を直接測定する有機性汚濁指標計測部や、流量計などの任意の計器;計器からの入力信号を記憶する記憶部;記憶部に記憶されたデータをもとにパラメータを算出できる演算部;記憶部に記憶されたデータや演算部で算出されたパラメータを、出力信号(制御信号)として流入比制御部に出力できる出力部;その他の入力部や制御部;を備えていてもよい。
水処理装置に用いられる被処理水は、特に制限はなく、例えば生活排水、下水、工場の排水等の様々な種類の排水を、被処理水として用いることができる。工場の排水としては、食品工場や紙パルプ工場の排水を挙げることができる。本発明では、水質が大きく時間変動する被処理水を用いることが好ましく、有機性汚濁負荷が大きく時間変動する被処理水を用いることがより好ましい。本発明の水処理装置は、被処理水のBODが時間変動する場合に、特に好ましく用いることができる。ここで、本発明の水処理装置は、被処理水の有機性汚濁負荷を測定できない場合(特に、連続的にモニターまたは監視できない場合)にも用いられるが、被処理水の有機性汚濁負荷または有機性汚濁負荷の時間変動を何らかの手段で測定してもよい。
担体槽処理水のBODは、1~1000mg/Lであることが好ましく、5~200mg/Lであることがより好ましく、10~150mg/Lであることが特に好ましい。担体槽処理水のBODが好ましい範囲の上限値以下であることで、活性汚泥槽で処理できる有機性汚濁負荷の範囲内とすることができ、活性汚泥槽処理水の水質を高めることができる。担体槽処理水のBODが好ましい範囲の下限値以上であることで、活性汚泥の不調を抑制でき、活性汚泥槽処理水の水質を高めることができる。
被処理水のBODの変動は、本発明では測定しなくてもよいが、50~2000mg/Lであることが好ましく、100~1000mg/Lであることがより好ましく、200~800mg/Lであることが特に好ましい。
被処理水の担体槽および活性汚泥槽全体の体積に対するBOD容積負荷の変動は、本発明では測定しなくてもよいが、0.2~4.0kg-BOD/m/dayであることが好ましく、0.3~2.0kg-BOD/m/dayであることがより好ましく、0.5~1.8kg-BOD/m/dayであることが特に好ましい。なお、BOD容積負荷の単位として「kg-BOD/m/day」は「kg/m/day」と同義である。
【0022】
<流入比制御部>
本発明の水処理装置は、流入比制御部が負荷計測部で計測(モニター)された有機性汚濁負荷に応じて担体槽および活性汚泥槽への被処理水の流入比を制御する。流入比制御部は、負荷計測部からの制御信号や、制御に用いる設定値を記憶する記憶部;記憶部に記憶された負荷計測部からの制御信号や、設定値をもとに、弁の開閉などをできる制御部;その他の入力部や出力部や演算部;を備えていてもよい。
流入比制御部は、負荷計測部で求めた有機性汚濁負荷に応じて、あらかじめ記憶させておいた設定値に基づいて、被処理水の担体槽および活性汚泥槽への流入比を制御することが好ましい。
本発明では、負荷計測部が有機性汚濁負荷として担体槽処理水の有機物濃度を計測し、担体槽処理水の有機物濃度が設定値以上の場合、流入比制御部が被処理水の全部を担体槽に流入させ、担体槽処理水の有機物濃度が設定値未満の場合、流入比制御部が被処理水の一部を活性汚泥槽に流入させることがより好ましい。
【0023】
流入比制御部の構成としては特に制限はない。流入比制御部が、活性汚泥槽への被処理水の流入配管および活性汚泥槽送り弁を含むことが好ましい。
この場合、負荷計測部が有機性汚濁負荷として担体槽処理水の有機物濃度を計測し、担体槽処理水の有機物濃度が設定値以上の場合、活性汚泥槽送り弁を閉じて被処理水の全部を担体槽に流入させ、担体槽処理水の有機物濃度が設定値未満の場合、活性汚泥槽送り弁を開けて被処理水の一部を活性汚泥槽に流入させることがより好ましい。
【0024】
担体槽処理水の有機物濃度をモニターする場合、被処理水の活性汚泥槽への流入比を以下のように、担体槽処理水のBODの設定値が70mg/Lとなるように設定することが特に好ましい。
(1-1)担体槽処理水のBODが70mg/L以上の場合:活性汚泥槽送り弁を閉じ、活性汚泥槽への被処理水の流入は、無し。
(1-2)担体槽処理水のBODが70mg/L未満の場合:活性汚泥槽送り弁を開け、被処理水のうち、一定量を活性汚泥槽へ流入させ、残量を担体槽へ流入させる。
なお、上記(1-2)における「被処理水のうち、一定量」は特に制限はないが、例えば被処理水の約1/3以上から約2/3未満の量や、約2/3以上から全量未満の量と設定することができる。「被処理水のうち、一定量」の制御は、活性汚泥槽送り弁の開度の調整や、活性汚泥槽への被処理水の流入配管の断面積の調整などによって制御することができる。
【0025】
<担体槽>
本発明の水処理装置は担体槽を備える。また、本発明では、担体槽が曝気手段、流動床担体およびスクリーンを備えることが好ましい。
担体槽の体積は特に制限はない。流動床担体を用いることにより、水質が変動して高BOD容積負荷処理を行う場合も担体槽の体積を小さくすることができ、担体槽の設置に必要な敷地面積も小さくすることができる。
担体槽の材質としては、コンクリート製、金属製、樹脂製などを挙げることができる。中でも、樹脂製であることが好ましく、例えば、塩化ビニルや繊維強化プラスチックなどを好ましく採用することができる。
【0026】
(曝気手段)
担体槽の曝気手段としては特に制限はなく、公知の曝気手段を用いることができる。風量可変であり、逆流防止機能を備えていることが好ましい。
担体槽への被処理水の流入量が一時的に0.0m/dayとなっても、流動床担体には微生物が固定されているため、問題が生じにくい。ただし、この場合は嫌気的な腐敗を回避するため、曝気手段により担体槽への酸素供給を行い続けることが好ましい。
【0027】
(流動床担体)
担体槽は流動床担体を備え、具体的には担体槽に流動床担体が充填されることが好ましい。流動床担体は、流動状態で(固定されずに)充填されていることにより、水質変動をした場合に高BOD容積負荷処理も行うことができ、好ましくは短時間でBOD低下ができる。
本発明では、流動床担体の充填率が10~50%であることが好ましく、20~40%であることがより好ましい。
流動床担体は、流動床担体の内部に微生物が密集できる形状や材質であることが、低水温(10℃前後)でも担体槽での生物処理を可能とする観点からより好ましい。
【0028】
流動床担体の形状は、立方体(キューブ状)、直方体、柱状、短冊形、金平糖型、四面体、球体、サッカーボールのような形状等であることが好ましく、柱状であることがより好ましい。柱状とは、底面および上面が同じ形状であって、底面と上面をつなぐ側面を備える形状である。本発明では、流動床担体が、略円柱状であることが特に好ましい。略円柱状である場合、底面および上面は完全な円形状であっても、円の一部が変形した形状であっても、複数の円を平面的に重ねあわせた形状であってもよい。
【0029】
流動床担体の材質としては、例えば樹脂、セラミックなどの無機物を用いることができる。流動床担体に用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム、エラストマー等を挙げることができる。
これらの中でも、熱可塑性樹脂が、高BOD容積負荷処理を行いやすい観点から好ましい。熱可塑性樹脂の中では、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレンを用いることがより好ましい。
【0030】
(スクリーン)
本発明では、担体槽が、流動床担体の活性汚泥槽への移動を制限できるスクリーンを備えることが好ましい。この構成により、活性汚泥槽が担体を含まない状態を維持しやすくでき、活性汚泥槽でのBOD容積負荷を減らして、活性汚泥槽での汚泥減量の作用を高めることができる。スクリーンとしては特に制限はなく、膜状や筒状などの公知のスクリーンを用いることができる。
【0031】
<活性汚泥槽>
本発明の水処理装置は活性汚泥槽を備える。また、本発明では、活性汚泥槽が曝気手段を備えることが好ましい。活性汚泥槽は、担体を含まないことが好ましい。活性汚泥槽が「担体を含まない」とは、厳密に担体となり得る物質を全く含まない場合に限定されることはなく、実質的に担体を含んでいなければよい。積極的に担体を添加する運用できれば、本発明の解決しようとする課題は解決し得る。また、担体を活性汚泥槽に投入するなどといった拡張も容易である。
活性汚泥槽の体積は特に制限はない。例えば、活性汚泥槽の体積を、担体槽の体積と同程度とする構成を挙げることができる。
活性汚泥槽の材質は特に制限はない。例えば、活性汚泥槽の材質を、担体槽の材質と同じとする構成を挙げることができる。
【0032】
(曝気手段)
活性汚泥槽の曝気手段は、公知の曝気手段を用いてもよいが、間欠曝気できる曝気手段であることが好ましい。
【0033】
<沈殿槽>
本発明の水処理装置は、活性汚泥法にも膜分離活性汚泥法にも用いられるため、沈殿槽を有していても、有していなくてもよい。
本発明の水処理装置は、活性汚泥法に用いられ、活性汚泥槽の下流に沈殿槽を備えることが好ましい。活性汚泥槽からの処理水は、沈殿槽に送液され、沈殿槽で固液分離された後に、海洋や河川等の外部領域に放出されるか、用水として回収および再利用されることが好ましい。
本発明の水処理装置は、沈殿槽から、担体槽および活性汚泥槽の少なくとも一方に汚泥を返送する手段を備えることが好ましく、沈殿槽から活性汚泥槽に汚泥を返送する手段を備えることがより好ましい。汚泥を返送する手段と、上述した負荷計測部および流入比制御部とを組み合わせることにより、水質が大きく時間変動する被処理水を処理する場合に、活性汚泥の不調をより抑制し、より安定して良好な水質の処理水が得られる。
【0034】
<その他の装置>
水処理装置は、その他の装置を有していてもよい。
本発明の水処理装置を膜分離活性汚泥法に用いる場合は、活性汚泥槽の下流にろ過膜を設けて、処理水と活性汚泥とを分離してもよい。
水処理装置は、被処理水、担体槽処理水および処理水を送液するために、ポンプなどの公知の送液手段を備えることが好ましい。
水処理装置は、調整槽を備えることが好ましい。担体槽の上流に調整槽を有する構成とすることで、被処理水の水質を制御しやすくなる。
水処理装置は、担体槽と活性汚泥槽の間などに凝集分離手段を備えないことが、水処理装置自体をさらに簡素化でき、かつ、凝集剤に起因する薬品コストも生じない観点から好ましい。
水処理装置は洗浄設備を有していても、有していなくてもよい。流動床担体を洗浄する際には、水処理装置から流動床担体を取り出して洗浄してもよく、水処理装置内で逆流洗浄をしてもよく、洗濯機等によって負荷をかけて洗浄してもよい。水処理装置は洗浄設備を有さないことが水処理装置自体をさらに簡素化できて好ましい。流動床担体は優れた強度を有し、耐久性に優れていることが好ましく、耐久性に優れる流動床担体を用いる場合は、水処理装置は洗浄設備を有さないことが好ましい。
【0035】
<処理水>
処理水のBODは、40mg/L未満であることが好ましく、30mg/L以下であることがより好ましく、20mg/L以下であることが特に好ましい。
【0036】
[水処理方法]
本発明の水処理方法は、担体槽および活性汚泥槽をこの順で備える水処理装置を用いて被処理水を水処理する水処理方法であって、水処理装置が担体槽の上流に流入比制御部を備え、水処理装置が担体槽と活性汚泥槽の間に負荷計測部を備え、負荷計測部が担体槽処理水の有機性汚濁負荷を計測し、流入比制御部が負荷計測部で計測された有機性汚濁負荷に応じて担体槽および活性汚泥槽への被処理水の流入比を制御する。
本発明の水処理方法の好ましい態様は、本発明の水処理装置の好ましい態様と同様である。
【実施例
【0037】
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
【0038】
[実施例1、2]
担体槽、活性汚泥槽および沈殿槽を連結し、担体槽から活性汚泥槽への配管に負荷計測部を設けた。さらに担体槽への被処理水の流入配管に、活性汚泥槽への被処理水の流入配管および活性汚泥槽送り弁からなる流入比制御部を分岐させて設け、実施例1の水処理装置とした。負荷計測部は、有機物濃度の指標となるCODを測定する自動COD測定装置を備え、COD計での計測値を換算してBODを求めることができる。実施例1の水処理装置の概要は図2のとおりであり、詳細は以下のとおりとした。
担体槽として、略円柱状のポリエチレン担体を収容した、流動床式の生物処理槽を用いた。担体槽では、流動床担体の充填率を25%とした。活性汚泥槽への流路の前にスクリーンを設け、担体槽から活性汚泥槽に流動床担体が移動しないようにした。
活性汚泥槽は、曝気手段を備えるものの、担体は収容しなかった。活性汚泥槽から担体槽への汚泥返送は行わなかった。
沈殿槽として、固液分離槽を用いた。沈殿槽から活性汚泥槽への汚泥返送を行った。
負荷計測部は自動COD測定装置を備え、あらかじめ求めて記憶させておいたCODからBODの換算比率に基づいて、測定されたCODの値からBODの値を求められる。さらに負荷計測部は、求めたBODの値を制御信号で流入比制御部に伝えることで、担体槽および活性汚泥槽に流入する被処理水量を制御できる。
流入比制御部は、負荷計測部で求めた有機性汚濁負荷(BODの値)に応じて、あらかじめ記憶させておいた設定値に基づいて、被処理水の活性汚泥槽への流入比を制御できる。具体的には、活性汚泥槽への被処理水の流入配管が備える、活性汚泥槽送り弁の開閉を制御した。設定値は、以下のとおりとした。
(1-1)担体槽処理水のBODが70mg/L以上の場合:活性汚泥槽送り弁を閉じ、活性汚泥槽への被処理水の流入は、無し。
(1-2)担体槽処理水のBODが70mg/L未満の場合:活性汚泥槽送り弁を開け、被処理水のうち、一定量を活性汚泥槽へ流入させ、残量を担体槽へ流入させる。
【0039】
実施例1の水処理装置を用いて、上記のとおり担体槽処理水の有機性汚濁負荷を計測しながら、負荷計測部で求めた有機性汚濁負荷(BODの値)に応じて設定値に基づいて流入比制御部を制御しながら、水処理を行った。BOD131mg/Lの担体槽処理水を用いた段階を実施例1とし、被処理水のBODが変動してBOD12mg/Lの担体槽処理水を用いた段階を実施例2とした。なお、実施例2では、上記(1-2)における「被処理水のうち、一定量」は、被処理水の約2/3以上から全量未満の量とした。
活性汚泥槽処理水のBODを測定し、下記表1に記載した。具体的には、実施例1では、上記(1-1)「担体槽処理水のBODが70mg/L以上の場合:活性汚泥槽送り弁を閉じ、活性汚泥槽への被処理水の流入は、無し」にしたがって被処理水の全量が担体槽に流入するように制御され、活性汚泥槽を通過した活性汚泥槽処理水のBODが18mg/Lとなった。実施例2では、上記(1-2)「担体槽処理水のBODが70mg/L未満の場合:活性汚泥槽送り弁を開け、被処理水のうち、一定量を活性汚泥槽へ流入させ、残量を担体槽へ流入させる」にしたがって制御され、活性汚泥槽を通過した活性汚泥槽処理水のBODが19mg/Lとなった。
なお、各BOD濃度はJIS K 0102 21に準拠して測定した。
【0040】
[実施例3]
実施例1の水処理装置を用いて、実施例2と同様にBOD12mg/Lの担体槽処理水が得られる被処理水を用いた場合に、活性汚泥槽送り弁を閉じ、活性汚泥槽への被処理水の流入は無しとなるように水処理を行った。ここで、実施例3では「担体槽処理水のBODが70mg/L未満の場合」であるが、上記(1-2)を満たすような制御をしなかったこととなる。
活性汚泥槽処理水のBODを測定し、下記表1に記載した。具体的には、BODが低い被処理水の全量が担体槽に流入する実施例3の水処理では、活性汚泥槽を通過した活性汚泥槽処理水のBODが38mg/Lとなった。
【0041】
[実施例4]
実施例1の水処理装置を用いて、BOD800mg/Lの担体槽処理水が得られる被処理水を用いた場合に、活性汚泥槽送り弁を開けて水処理を行った。ここで、実施例4は「担体槽処理水のBODが70mg/L以上の場合」であるが、上記(1-1)を満たすような制御をしなかったこととなる。
活性汚泥槽処理水のBODを測定し、下記表1に記載した。具体的には、BODが高い被処理水の一定量が活性汚泥槽に流入する実施例4の水処理では、活性汚泥槽を通過した活性汚泥槽処理水のBODが33mg/Lとなった。
【0042】
【表1】
【0043】
上記表1より、本発明によれば、被処理水の有機性汚濁負荷を測定せずに、水質が大きく時間変動する(負荷変動の大きい)被処理水を処理する場合に、活性汚泥の不調を抑制し、安定して良好な水質の処理水(活性汚泥槽処理水)が得られる水処理装置を提供できることがわかった。
特に担体槽処理水の有機性汚濁負荷が低い場合、担体槽および活性汚泥槽への被処理水の流入比を制御せずに被処理水の全量を担体槽と活性汚泥槽で2段階処理した実施例3よりも、担体槽処理水の有機性汚濁負荷を基準として被処理水の一部を活性汚泥槽に直接流入するように制御をした実施例2の方が、活性汚泥槽を通過した後の活性汚泥槽処理水の水質が良好であった。
担体槽処理水の有機性汚濁負荷が高い場合、好ましい条件(1-1)を満たさないように制御した実施例4よりも、好ましい条件(1-1)および(1-2)を満たすように制御した実施例1および2の方が、活性汚泥槽を通過した後の活性汚泥槽処理水の水質が良好であった。
【符号の説明】
【0044】
1 被処理水
2 担体槽処理水
3 活性汚泥槽処理水
4 処理水
11 担体槽
12 活性汚泥槽
13 沈殿槽
21 流動床担体
22 曝気手段
23 スクリーン
31 負荷計測部
32 流入比制御部
33 制御信号
41 返送汚泥
42 余剰汚泥
図1
図2