(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-03
(45)【発行日】2023-04-11
(54)【発明の名称】ステータ、モータおよび送風装置
(51)【国際特許分類】
H02K 3/18 20060101AFI20230404BHJP
H02K 3/34 20060101ALI20230404BHJP
H02K 1/14 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
H02K3/18 P
H02K3/34 B
H02K1/14 Z
(21)【出願番号】P 2019093482
(22)【出願日】2019-05-17
【審査請求日】2022-04-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笹栗 啓嗣
【審査官】服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第19838335(DE,A1)
【文献】特開2015-107029(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103795159(CN,A)
【文献】特開2010-93930(JP,A)
【文献】特開2003-284305(JP,A)
【文献】特開2001-112226(JP,A)
【文献】特開2011-55655(JP,A)
【文献】米国特許第3217194(US,A)
【文献】米国特許第4260925(US,A)
【文献】特開2013-187973(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/18
H02K 3/34
H02K 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータコアと、
前記ステータコアの一部に導線を巻きまわして形成されるコイル部と、を有するステータであって、
前記ステータコアは、
環状のコアバック部と、
前記コアバック部から径方向外側に接続されて周方向に配列される複数個のティース部と、を有し、
前記各ティース部は、
前記コアバック部の径方向外面から径方向外側に延びる内ティース部と、
前記内ティース部の径方向外側の端部に接続して周方向に延びる連結部と、
前記連結部の径方向外面から径方向外側に延びるとともに周方向に配列された3個以上の外ティース部と、を有し、
前記コイル部は、
前記内ティース部に導線を巻きまわして形成された内コイル部と、
前記外ティース部に導線を巻きまわして形成された複数の外コイル部と、
を有し、
各前記ティース部において、前記内コイル部および複数の前記外コイル部は1本の導線で形成されるステータ。
【請求項2】
周方向に隣り合う前記外コイル部の導線の巻き方向が互いに逆方向である請求項1に記載のステータ。
【請求項3】
前記内ティース部の個数は、前記外ティース部の個数未満である請求項1または請求項2に記載のステータ。
【請求項4】
前記各ティース部は、
1個の前記内ティース部と、
周方向に並んで配置された3個の前記外ティース部と、を有し、
周方向中央に配置される外コイル部の導線の巻き方向が、前記内コイル部の導線の巻き方向と逆方向である請求項1または請求項2に記載のステータ。
【請求項5】
前記連結部の周方向両端部は、径方向内側に向かうにつれて周方向における前記連結部の中央側に傾斜する傾斜部を有する請求項1から請求項5のいずれかに記載のステータ。
【請求項6】
前記コアバック部は複数の分割コアバック部を周方向に連結して形成され、
前記分割コアバック部には、少なくとも1個の前記ティース部が径方向外側に接続される請求項1から請求項5のいずれかに記載のステータ。
【請求項7】
前記ステータコアを覆うインシュレータをさらに有し、
前記インシュレータは、前記ステータコアの前記連結部の軸方向端面の少なくとも一方を覆い、
前記インシュレータは、前記連結部を覆う部分に軸方向に突出した突出部を有する請求項1から請求項6のいずれかに記載のステータ。
【請求項8】
前記内コイル部および前記外コイル部は、いずれも導線を複数段巻きまわして形成され、
前記内コイル部の巻線の段数が前記外コイル部の巻線の段数よりも多い請求項1から請求項7のいずれかに記載のステータ。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれかに記載のステータと、
前記ステータと径方向に対向するとともに前記ステータに対して回転可能に支持されるロータと、を有するモータ。
【請求項10】
請求項9に記載のモータと、
前記ロータに取り付けられたインペラと、を備える送風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータ、モータおよび送風装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2001-169495号公報には、回転機のステータが開示されている。ステータは、ステータコアから放射状に突出した複数の極歯に絶縁性樹脂のボビンを介してステータコイルを巻いた複数の磁極を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、モータではステータコイルの巻数を多くすることで出力トルクを上昇させることが可能である。特開2001-169495号公報に記載の回転機の場合、ステータコイルの巻線数を増やすと、隣のステータコイルと干渉する虞がある。そのため、巻線数を増やす場合、モータの外径が大きくなり、小型化が困難である。
【0005】
そこで、本発明は、大型化することなく、巻線数を増やすことができるステータを提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、大型化することなく、出力トルクを増大させることができるモータを提供することを目的とする。
【0007】
さらに、本発明は、大型化することなく、風量を増大させることができる送風装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の例示的なステータは、ステータコアと、前記ステータコアの一部に導線を巻きまわして形成されるコイル部と、を有するステータであって、前記ステータコアは、環状のコアバック部と、前記コアバック部から径方向に延び、周方向に配列される複数個のティース部と、を有し、前記各ティース部は、前記コアバック部の径方向外面から径方向に延びる内ティース部と、前記内ティース部の径方向外側の端部に接続して周方向に延びる連結部と、前記連結部の径方向外面から径方向外側に延びるとともに周方向に配列された3個以上の外ティース部と、を有し、前記コイル部は、前記内ティース部に導線を巻きまわして形成された内コイル部と、前記外ティース部に導線を巻きまわして形成された複数の外コイル部と、を有し、前記内コイル部および複数の前記外コイル部は1本の導線で形成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の例示的なステータによれば、大型化することなく、巻線数を増やすことが可能である。
【0010】
また、本発明の例示的なモータによれば、大型化することなく、出力トルクを増大することが可能である。
【0011】
本発明の例示的な送風装置によれば、安定した風量で送風可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明に係る送風装置の一例を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、モータの中心軸と直交する面で切断した断面図である。
【
図4】
図4は、コイル部を取り外した状態のステータの平面図である。
【
図6】
図6は、導線の巻回しの手順を示すティース部の概略図である。
【
図7】
図7は、ティース部の内コイル部及び外コイル部に電流を流したときに発生する磁力の流れを示す図である。
【
図8】
図8は、ステータコアの変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本明細書では、送風装置Aの中心軸Cxと平行な方向を「軸方向」とする。また、中心軸Cxに直交する方向を「径方向」とする。さらに、中心軸Cxを中心とする円弧に沿う方向を「周方向」とする。なお、上述した方向および面の呼称は説明のために用いているものであり、送風装置Aおよびモータ200の使用状態における位置関係及び方向を限定するものではない。
【0014】
<1. 送風装置A>
図1は、本発明にかかる送風装置Aの一例を示す斜視図である。
図2は、
図1に示す送風装置Aの縦断面図である。
図1および
図2に示すように、本実施形態にかかる送風装置Aは、シーリングファンである。
【0015】
送風装置Aは、支柱100と、モータ200と、インペラ300と、を備える。インペラ300は、支柱100に軸受6を介して取り付けられ、モータ200の駆動によって回転する。インペラ300の回転によって、軸方向下側に向かう気流が発生する。
【0016】
<2. 支柱100>
支柱100は、上下に延びる中心軸Cxに沿って配置される。支柱100は、例えば、金属によって構成される筒状の部材である。支柱100の内部には、モータ200に備えられる後述の回路基板7に接続されるリード線(不図示)が配置される。なお、支柱100はセラミック等、金属以外の素材で構成されてもよい。
【0017】
支柱100は、居室の天井(不図示)に固定される。支柱100の軸方向下側の端部には、ベース部101が備えられる。ベース部101は、径方向に拡がる。なお、ベース部101は、支柱100と一体的に形成されていてもよいし、支柱100に取り付けられる構成であってもよい。
【0018】
<3. インペラ300>
図1、
図2に示すとおり、インペラ300は、インペラハウジング301と、複数の羽根302と、を備える。インペラ300は、軸方向上方から下方に気流を発生させる。インペラハウジング301は、支柱100に軸受6を介して回転可能に支持される。なお、インペラハウジング301は、内部に空間を有しており、インペラハウジング301の内部には、支柱100の一部およびモータ200が配置される。
【0019】
複数の羽根302は、インペラハウジング301の上面に配置される。複数の羽根302は周方向に配列される。本実施形態の送風装置Aにおいて、羽根302はインペラハウジング301の上面に等間隔で配列される。本実施形態のインペラ300では、3枚の羽根302を備えているが、これに限定されず、4枚以上であってもよいし、2枚以下であってもよい。
【0020】
インペラハウジング301は、軸方向上側の端部に軸受取付部303を備える。軸受取付部303は、軸方向に離れて配置される2個の軸受6によって支柱100に回転可能に取り付けられる。軸受取付部303は有蓋筒状である。軸受取付部303は、蓋部304と、胴部305と、を備える。蓋部304は、軸受取付部303の軸方向上側の端部に設けられて径方向内側に拡がる。胴部305は、蓋部304の径方向外縁から軸方向下側に延びる筒状である。
【0021】
蓋部304は、径方向中央部に、軸方向に貫通する貫通孔306を備える。貫通孔306を支柱100が貫通する。軸受取付部303の内部には、軸受6が配置される。本実施形態において、軸受6はボールベアリングである。支柱100は、軸受6の内輪62に固定される。軸受6の外輪61は、胴部305の内側面に固定される。これにより、インペラハウジング301は、軸受6を介して、支柱100に回転可能に支持される。
【0022】
インペラハウジング301の内部には、有蓋筒状のロータ取付部307が備えられる。ロータ取付部307は、インペラハウジング301と一体的に製造される。ロータ取付部307は、ロータ取付蓋部308と、ロータ取付筒部309とを備える。ロータ取付蓋部308は、インペラハウジング301の内部の軸方向上側の端部に、中心軸Cxと直交する方向に拡がる円板状である。ロータ取付筒部309は、ロータ取付蓋部308の径方向外側の辺縁部から軸方向下方に延びる。ロータ取付部307には、ロータ1が固定される。さらに詳しくは、後述するロータコア11およびロータマグネット13を内部に備えた後述するロータハウジング12が、ロータ取付部307に固定される。
【0023】
<4. モータ200>
次に、モータ200の構成について説明する。
図3は、モータ200の中心軸Cxと直交する面で切断した断面図である。
図2、
図3に示すとおり、モータ200は、ロータ1と、ステータ2と、を備える。以下に、ロータ1およびステータ2の各部の詳細について説明する。モータ200のステータ2は、ロータ1の内周面と径方向に対向する。つまり、モータ200は、アウターロータ型のDCブラシレスモータである。
【0024】
<4.1 ロータ1>
図2、
図3に示すように、ロータ1はロータコア11と、ロータハウジング12と、ロータマグネット13と、を備える。ロータマグネット13は、S極またはN極が周方向に交互に配置されている。
【0025】
ロータコア11は中心軸Cxを環状に囲んでおり、電磁鋼板などで構成された複数のロータ片110を軸方向に積層して構成される。ロータコア11は、ロータ片110を軸方向に重ねるとともに、かしめ等の固定方法を利用して固定する。これにより、ロータコア11は、中心軸Cxに沿って延びる環状となる。なお、ロータ片110の固定は、かしめに限定されず、接着、溶接等の固定方法を採用してもよい。また、ロータコア11は、積層体に限定されず、鉄粉等の磁性紛体を焼結等によって固めて形成した成型体であってもよい。
【0026】
ロータコア11は、中心軸Cxを中心とする環状である。ロータコア11には、ロータマグネット13が配置される。ロータハウジング12は、内部にロータコア11を保持する保持部材である。ロータハウジング12は、筒状であり、ロータコア11の径方向外側の一部と軸方向に接触する。これにより、ロータハウジング12は、ロータコア11を保持する。なお、ロータハウジング12と、ロータコア11との固定方法は、例えば、圧入を挙げることができるが、これに限定されない。例えば、接着、溶接等、ロータハウジング12と、ロータコア11とを固定できる方法を広く採用できる。
【0027】
<4.2 ステータ2>
次にステータ2について図面を参照して説明する。
図4は、コイル部5を取り外した状態のステータ2の平面図である。
図5は、ステータコア3の斜視図である。
図6は、導線の巻回しの手順を示すティース部の概略図である。
【0028】
図3に示すように、ステータ2は、ロータ1と径方向に対向する。ステータ2は、駆動電流に応じて磁力を発生させる電機子である。
図2から
図4等に示すとおり、ステータ2は、ステータコア3、インシュレータ4と、コイル部5と、を備える。ステータ2は、ステータコア3と、ステータコア3の一部に導線を巻きまわして形成されるコイル部5と、を有する。モータ200は、例えば、3相のDCブラシレスモータである。そのため、モータ200のコイル部5には、U相、V相、W相の位相の異なる3相の電流が供給される。
【0029】
<4.3 ステータコア3>
図5に示すように、ステータコア3は電磁鋼板などで構成された複数のステータ片30を軸方向に積層して構成される。なお、説明を容易にするため、
図5に示すステータ片30では、後述するコアバック部31およびティース部32の寸法に対する軸方向厚さを、実際のステータ片30よりも厚く図示している。
【0030】
ステータコア3は、ステータ片30を軸方向に重ねるとともに、かしめ等の固定方法を利用して固定する。なお、ステータ片30の固定は、かしめに限定されず、接着、溶接等の固定方法を採用してもよい。また、ステータコア3は、積層体に限定されず、鉄粉等の磁性紛体を焼結等によって固めて形成した成型体であってもよい。ステータコア3は、コアバック部31と、ティース部32とを有する。
【0031】
<4.3.1 コアバック部31>
図5に示すように、コアバック部31は、中心線が中心軸Cxと一致する環状である。すなわち、ステータコア3は、環状のコアバック部31を有する。コアバック部31は中央に、中心軸に沿って延びる貫通孔311を有する。
図2に示すように、モータ200において、貫通孔311には、支柱100が挿入され、コアバック部31は支柱100に固定される。例えば、支柱100は、貫通孔311に圧入で固定される。しかしながら、コアバック部31の支柱100への固定は、圧入に限定されず、例えば、接着、溶接等、支柱100にコアバック部31を確実に固定できる方法を広く採用できる。
【0032】
<4.3.2 ティース部32>
図2、
図3に示すとおり、複数のティース部32は、コアバック部31の径方向外縁から径方向外方へ向けて突出する。ティース部32は、U相ティース部、V相ティース部及びW相ティース部をそれぞれ同数備える。なお、以下の説明では、各相のティース部をまとめて単にティース部32とする。また、
図4、
図5等に示すように、ステータコア3には、例えば、各相のティース部32が3つずつ、合計9個のティース部32が備えられる。なお、ステータ2は、U相のティース部32、V相のティース部32およびW相のティース部32が上方から見て反時計回りに順に配置される。すなわち、ステータコア3は、コアバック部31から径方向に延び、周方向に配列される複数個のティース部32を有する。
【0033】
図4、
図5に示すように、ティース部32は、内ティース部321と、連結部322と、第1外ティース部323と、第2外ティース部324と、第3外ティース部325とを有する。つまり、ティース部32は、1個の内ティース部321と3個の外ティース部323、324、325を有する。なお、内ティース部321は、1つに限定されず、複数であってもよい。
【0034】
また、外ティース部は、3つに限定されず、3以上の複数としてもよい。ティース部32がコアバック部31から放射状に配置される構造および導線の巻き易さ等を考慮して、内ティース部321の数は、外ティース部の数よりも少ないことが好ましい。すなわち、内ティース部321の個数は、外ティース部323、324,325の個数未満である。内ティース部321の個数を外ティース部323、324、325の個数よりも少数とすることで、導線を巻きまわす作業を効率よく行うことが可能である。これにより、生産性を高めることが可能である。
【0035】
内ティース部321は、コアバック部31の外周面から径方向外方に突出する柱状である。連結部322は、内ティース部321の径方向外縁に接続される。連結部322は、内ティース部321の径方向外縁から周方向の両方に延びる。また、
図5、
図6等に示すように、連結部322の周方向両端に傾斜部3221が設けられる。傾斜部3221は、径方向内側に向かうにつれて周方向における連結部322の中央側に傾斜する。
【0036】
すなわち、連結部322の周方向両端部は、径方向内側に向かうにつれて周方向における前記連結部の中央側に傾斜する傾斜部3221を有する。本実施形態のステータコア3において、傾斜部3221は、曲面状であるが、これに限定されない。径方向内側が連結部322の周方向における中央に向かって傾斜する形状であれば、平面状であってもよいし、複数の平面を並べた形状であってもよい。
【0037】
第1外ティース部323は、内ティース部321から連結部322を見たとき、連結部322の左端部から径方向外側に突出する。第3外ティース部325は、内ティース部321から連結部322を見たとき、連結部322の右端部から径方向外側に突出する。第2外ティース部324は、周方向において、第1外ティース部323と第3外ティース部325との中間部に配置される。周方向において第2外ティース部324の径方向に延びる中心線は、内ティース部321の径方向に延びる中心線と一致する。
【0038】
つまり、ティース部32は、径方向内側から内ティース部321に沿って径方向外側に延びる。そして、内ティース部321の径方向外端部に連結部322が接続する。連結部322は、周方向に延び、連結部322の外周面から第1外ティース部323、第2外ティース部324および第3外ティース部325が径方向外方に延びる。第1外ティース部323、第2外ティース部324および第3外ティース部325は、周方向に等間隔で配置される。
【0039】
すなわち、各ティース部32は、コアバック部31の径方向外面から径方向に延びる内ティース部321と、内ティース部321の径方向外側の端部に接続して周方向に延びる連結部322と、連結部321の径方向外面から径方向外側に延びるとともに周方向に配列された3個以上の外ティース部323、324、325と、を有する。
【0040】
そして、複数(ここでは、9つ)のティース部32は、周方向に等間隔で配置される。このとき、すべての外ティース部323、324、325は、連結部321の径方向外面に周方向に等間隔で配置される。すなわち、隣り合うティース部32の第1外ティース部323と第3外ティース部325との周方向の間隔は、同一のティース部32における第1外ティース部323と第2外ティース部324との間隔および第2外ティース部324と第3外ティース部325との間隔と同じである。つまり、ステータコア3は、9個の内ティース部と、27個の外ティース部とを有する。
【0041】
図3から
図6に示すように、第1外ティース部323、第2外ティース部324および第3外ティース部325の径方向先端は、周方向の両側に延びるアンブレラ部326を有する。
【0042】
<4.4 インシュレータ4>
図4に示すように、インシュレータ4は、樹脂の成型体である。インシュレータ4は、ステータコア3とコイル部5とを絶縁する。詳細は後述するがコイル部5は、ティース部32の内ティース部321、第1外ティース部323、第2外ティース部324および第3外ティース部325のそれぞれに導線を巻きまわして形成される。そのため、インシュレータ4は、少なくとも、内ティース部321、連結部322、第1外ティース部323、第2外ティース部324および第3外ティース部325を覆う。
【0043】
なお、本実施形態において、インシュレータ4は、樹脂の成型体とするが、これに限定されない。ステータコア3とコイル部5とを絶縁することができる構成を広く採用できる。
【0044】
図4に示すように、ティース部32の連結部322の軸方向上方を覆うインシュレータ4のカバー部40には、軸方向上面から軸方向上方に突出する突出部41が備えられる。詳細は後述するが、突出部41は、コイル部5を構成する導線が巻きつけられる。また、インシュレータ4は、軸方向上面および下面において、内ティース部321、第1外ティース部323、第2外ティース部324および第3外ティース部325それぞれの径方向両端と軸方向に重なる部分には、軸方向上方および下方に突出する壁部42が設けられる(
図4、
図6参照)。なお、本実施形態では、カバー部40は、連結部322の軸方向上面を覆っているが、これに限定されない。カバー部40は、連結部322の軸方向下面を覆ってもよい。この時、突出部31は、カバー部40の軸方向下面から軸方向下方に突出する。
【0045】
すなわち、ステータ2は、ステータコア3を覆うインシュレータ4をさらに有する。インシュレータ4は、ステータコア3の連結部322の軸方向端面の少なくとも一方を覆う。インシュレータ4は、連結部322を覆う部分に軸方向に突出した突出部41を有する。なお、突出部41が軸方向下方に突出する構成の場合、配線基板7を保持する構成とすることも可能である。
【0046】
<4.5 コイル部5>
コイル部5は、ティース部32の内ティース部321、第1外ティース部323、第2外ティース部324および第3外ティース部325のそれぞれに導線を巻きまわすことで形成される。コイル部5は、内コイル部51と、第1外コイル部52、第2外コイル部53および第3外コイル部54と、を含む。第1外コイル部52は導線を第1外ティース部323に巻きまわして形成される。第2外コイル部53は導線を第2外ティース部324に巻きまわして形成される。さらに、第3外コイル部54は導線を第3外ティース部325に巻きまわして形成される。
【0047】
すなわち、コイル部5は、内ティース部321に導線を巻きまわして形成された内コイル部51と、外ティース部323、324、325に導線を巻きまわして形成された複数の外コイル部52、53、54と、を有する。
【0048】
第1外コイル部52、第2外コイル部53および第3外コイル部54の径方向の両端部分は、インシュレータ4の連結部322、アンブレラ部326を覆う部分およびインシュレータ4の壁部42と接触する。これにより、コイルの径方向の両端部がインシュレータ4に支えられるため、第1外コイル部52、第2外コイル部53および第3外コイル部54が崩れにくい。
【0049】
なお、内ティース部321に形成される内コイル部51の径方向両端は、インシュレータ4のコアバック部31および連結部322を覆う部分およびインシュレータ4の壁部42と接触する。これにより、内コイル部51も外コイル部52、53、54と同様、崩れにくい。
【0050】
コイル部5の内コイル部51、第1外コイル部52、第2外コイル部53および第3外コイル部54それぞれが崩れにくいことから、モータ200の回転、出力のばらつきが発生しにくく、安定して駆動することが可能である。また、このような構成とすることで、導線を巻きつける最中であっても、コイルが崩れにくい。このため、導線を巻きつける工程の作業性を高めることが可能である。
【0051】
本実施形態にかかるステータ2のコイル部5は、1本の導線を、ティース部32の内ティース部321、第1外ティース部323、第2外ティース部324および第3外ティース部325に順に巻きまわして形成される。次に、導線の巻き方について、図面を参照して説明する。なお、以下に示す導線の巻き方の説明では、
図6のティース部32を基準として、左右方向を定義する。
【0052】
まず、導線の巻き方向について内コイル部51を参照して説明する。
図6に示す状態において、導線を内ティース部321の左側を紙面下方に延ばす。そして、導線を内ティース部321の軸方向下方で内ティース部321の右側に延ばす。さらに、導線を内ティース部321の左側を上方に延ばす。そして、導線を内ティース部321の軸方向上方で内ティース部321の左側に延ばす。つまり、導線は、内ティース部321を径方向内側から径方向に見たとき、反時計回り方向に内ティース部321に巻かれる。なお、導線の巻方向として、径方向内側から外側に見た時を基準とし、時計回り方向巻または反時計回り方向巻とする。
【0053】
そして、先に巻かれた導線の径方向の隣に密着して巻きまわす。導線の隣に導線を巻きまわすことを巻き進めると称する。内コイル部51では、径方向内側から径方向外側に向かって導線を巻き進める。そして、径方向外側に到達したとき、導線はすでに巻かれている導線の上に巻回して径方向外側から径方向内側に巻き進める。このようにして、内コイル部51では、内ティース部321の表面を基準として厚み方向に複数段の巻線を含む。なお、導線を径方向一端から他端に巻き進めて形成された巻線を巻線層と称する。
【0054】
内コイル部51、第1外コイル部52、第2外コイル部53および第3外コイル部54は、インシュレータ4に覆われた内ティース部321、第1外ティース部323、第2外ティース部324および第3外ティース部325に複数の巻線層を形成して巻きまわされる。
【0055】
コイル部5では、内コイル部51は4段の巻線層を有する。また、第1外コイル部52、第2外コイル部53および第3外コイル部54は、2段の巻線層を有する。なお、内コイル部51、第1外コイル部52、第2外コイル部53、第3外コイル部54の巻線の段数は、上記に限定されない。すなわち、内コイル部51および外コイル部52、53、54は、いずれも導線を複数段巻きまわして形成される。内コイル部51の巻線の段数が外コイル部52、53、54の巻線の段数よりも多い。
【0056】
コイル部を形成する導線は、ステータ2の軸方向下方に設けられた後述する配線基板7に接続される。つまり、ステータ2において、導線は、配線基板7に接続される。そして、導線はコアバック部31側から巻き始められる。つまり、コイル部5では、導線の巻き初めの端部が、コアバック部31側に配置される。
【0057】
そして、内ティース部321に導線を巻き進めて、径方向に1往復半させる。その後、導線は、内ティース部321の右側から第1わたり線50aとしてインシュレータ4のカバー部40の軸方向上部に引き出される。ここで、わたり線とは、コイル部5に配置される導線のうち、インシュレータ4のカバー部40の軸方向上部を通り、内コイル部51、第1外コイル部52、第2外コイル部53および第3外コイル部54間を繋ぐ部分である。つまり、本実施形態にかかるコイル部5において、インシュレータ4のカバー部40の軸方向上部で内コイル部51、第1外コイル部52、第2外コイル部53および第3外コイル部54を形成する導線は、わたり線にて接続される。
【0058】
第1わたり線50aはインシュレータ4の突出部41に引っ掛けられて第1外ティース部323の左側に配置される。なお、
図6において、第1わたり線50a~第4わたり線50dは、接続元および接続先を明確にするために緩く描いているが、実際には、張力をかけた状態で、突出部41に引っ掛けられる。つまり、第1わたり線50aを突出部41に引っ掛けて導線に一定の張力をかけることで、内コイル部51のすでに形成した巻線層の緩みを抑制できる。緩みを抑制するために第1わたり線50aを突出部41に1周または数周巻きつけてもよい。以下、第2わたり線50b、第3わたり線50cおよび第4わたり線50dも同様に、突出部41に巻きつけてもよい。
【0059】
そして、第1わたり線50aは、第1外ティース部323の径方向内端部の左側に引っ張られる。第1わたり線50aから続く導線は、第1外ティース部323の径方向内端部の左側からインシュレータ4に覆われた第1外ティース部323に巻き始められる。第1外ティース部323において、導線は、内コイル部51と同様、反時計回り方向巻で巻かれる。
【0060】
そして、導線は、第1外ティース部323において、径方向に1往復巻き進められる。これにより、第1外ティース部323には、2段の巻線層を有する第1外コイル部52が形成される。
【0061】
第1外コイル部52を巻き終えた導線は、第1外ティース部323の右側から第2わたり線50bとしてインシュレータ4のカバー部40の上面に引き出される。第2わたり線50bは、突出部41に引っ掛けられた後、第2外ティース部324の径方向内端部の右側に引っ張られる。
【0062】
第2わたり線50bから続く導線は、第2外ティース部324の径方向内端部の右側からインシュレータ4に覆われた第2外ティース部324に巻き始められる。第2外ティース部324において、導線は、内コイル部51と反対の時計回り方向巻で巻かれる。そして、導線は、第2外ティース部324において、径方向に1往復巻き進められる。これにより、第2外ティース部324には、2段の巻線層を有する第2外コイル部53が形成される。
【0063】
第2外コイル部53を巻き終えた導線は、第2外ティース部324の左側から第3わたり線50cとしてインシュレータ4のカバー部40の上面に引き出される。第3わたり線50cは、突出部41に引っ掛けられた後、第3外ティース部325の径方向内端部の左側に引っ張られる。
【0064】
第3わたり線50cから続く導線は、第3外ティース部325の径方向内端部の左側からインシュレータ4に覆われた第2外ティース部324に巻き始められる。第3外ティース部325において、導線は、内コイル部51と同じ反時計回り方向巻で巻かれる。そして、導線は、第3外ティース部325において、径方向に1往復巻き進められる。これにより、第3外ティース部325には、2段の巻線層を有する第3外コイル部54が形成される。
【0065】
第3外コイル部54を巻き終えた導線は、第3外ティース部325の右側から第4わたり線50dとしてインシュレータ4のカバー部40の上面に引き出される。第4わたり線50dは、突出部41に引っ掛けられた後、内ティース部321の径方向外端部の左側に引っ張られる。
【0066】
第4わたり線50dから続く導線は、内ティース部321の径方向外端部の左側からインシュレータ4に覆われた内ティース部321に巻き始められる。内ティース部321において、導線は、反時計回り方向巻で巻かれる。そして、導線は、径方向内側まで巻き進められる。これにより、内ティース部321には、4段の巻線層を有する内コイル部51が形成される。
【0067】
インシュレータ4の突出部41に導線を引っ掛けることで、内コイル部51と外コイル部52、外コイル部同士52と53、53と54をわたるわたり配線50a、50b、50c、50dを形成しやすい。
【0068】
コイル部5では、1本の導線で内コイル部51、第1外コイル部52、第2外コイル部53および第3外コイル部54が形成される。すなわち、内コイル部51および複数の外コイル部52、53、54は1本の導線で形成される。
【0069】
そして、導線がコイル部の間にわたるときに、突出部41に引っ掛けられることで、各コイル部における導線の緩み等の巻き乱れが抑制される。また、上述のように導線を巻きまわすことで、導線の巻き初め側の端部および巻き終り側の端部をいずれもティース部32の径方向内側とすることができる。これにより、導線を配線基板7に取り付ける取り付け作業が容易になる。
【0070】
上述したとおり、コイル部5において、内コイル部51、第1外コイル部52、第3外コイル部54は、反時計回り方向巻である。一方、第2外コイル部53は、時計回り方向巻である。すなわち、周方向に隣り合う外コイル部323、324、325の導線の巻き方向が互いに逆方向である。また、各ティース部32は、1個の内ティース部321と、周方向に並んで配置された3個の外ティース部323、324、325と、を有する。そして、周方向中央に配置される外コイル部53の導線の巻き方向が、内コイル部51の導線の巻き方向と逆方向である。
【0071】
ティース部32をこのように構成することで、内コイル部51と外コイル部52、53、54とで発生する磁力の流れを円滑にできる。これにより、モータ200の出力トルクを増大できる。
【0072】
<4.6 配線基板7>
モータ200は、コイル部5に電流を供給するための配線が形成された配線基板7を備える。
図2に示すように配線基板7は、軸方向においてステータ2の下方に配置される。上述したとおり、ステータ2において、内コイル部51の巻線層は、外コイル部52、53、54それぞれの巻線層よりも多い。そのため、ステータ2では、径方向外側の厚みが、内側に比べて薄い。つまり、ステータ2の軸方向下方では、外コイル部52、53、54の下部とインペラハウジング301との間に隙間が形成される。この外コイル部52、53、54の下部の隙間に配線基板7が配置される。
【0073】
配線基板7を外コイル部52、53、54の軸方向下方に配置することで、外コイル部52、53、54の下部とインペラハウジング301との隙間に電子部品が収容されるため、モータ200の軸方向の厚みを小さく抑えることが可能である。これにより、モータ200の軸方向の厚みを薄くできる。また、配線基板7には、例えば、ホール素子、ホールセンサ等のロータ1のロータマグネット13の磁気を検知して、ロータ1の回転角(速度)を検知する検知素子が実装される。配線基板7をステータ2の径方向外側に配置するため、検知素子をロータマグネット13の近くに配置することができる。これにより、ロータ1の位置を精度よく検知できる。
【0074】
<4.7 モータ200の詳細について>
図2に示すとおり、ロータ1をインペラハウジング301のロータ取付部307に取り付ける。なお、ロータ1のロータ取付部307への取り付けは、ロータ取付部307のロータ取付筒部309にロータハウジング12を圧入することで固定してもよいし、接着、溶接等の固定方法を利用して固定してもよい。
【0075】
そして、支柱100のベース部101に配線基板7を取り付けた後、支柱100にステータ2を取り付ける。そして、ステータ2および配線基板7が取り付けられた支柱100にインペラハウジング301は、軸受6を介して回転可能な状態で取り付けられる。このとき、ロータマグネット13は、ステータ2のティース部32の外ティース部323、324、325と径方向に対向する。
【0076】
そして、コイル部5に電流を供給することで、内コイル部51、第1外コイル部52、第2外コイル部53および第3外コイル部54が励磁される。外コイル部52、53、54とロータマグネット13の引力および斥力を利用して、ロータ1が回転する。
【0077】
<4.8 コイル部5の励磁>
以上示した、巻線方向を有するコイル部5に電流を流したときの磁力の状態について図面を参照して説明する。
図7は、ティース部の内コイル部及び外コイル部に電流を流したときに発生する磁力の流れを示す図である。
図7では、磁力の流れを矢線で示す。コイル部5に電流を供給することで、磁力が発生する。
図7では、第1外コイル部52から第2外コイル部53に流れる電流を供給している。これにより、内コイル部51、第1外コイル部52および第3外コイル部54は、径方向内側がN極に励磁される。また、第2外コイル部53は径方向外側がN極に励磁される。
【0078】
連結部322内において、内ティース部321および第2外ティース部324が接続する部分は、S極である。また、連結部322内において、第1外ティース部323および第3外ティース部325が接続する部分は、N極である。磁束は、N極からS極に向かって流れる。そのため、連結部322において、磁力は第1外ティース部323および第3外ティース部325が接続する部分から、内ティース部321および第2外ティース部324が接続する部分に向かって流れる。
図7に示すように、ティース部32において、磁力の流れは、中心線を中心とした対称となる。ここで、対称は、略対称も含む。
【0079】
ティース部32は、内ティース部321と外ティース部323、324、325とで径方向に2段にティースを配置する構成である。これにより、ステータ2の外周部に配置した外ティース部323、324、325の間隔を狭くすることができる。そのため、ステータコア3の外径を大きくすることなく、ティースを増やすことが可能である。これにより、各相のコイルの巻線数が多くなり、ステータ2(モータ200)を大型化することなく、モータ200の出力トルクを増大させることができる。
【0080】
そして、3個の外ティース部のうち、周方向内側の外ティース部である第2外ティース部324に形成される第2外コイル部53だけ、内コイル部51と異なる方向に導線を巻くことで、ティース部32の連結部322内における磁力の流れを整えることができる。つまり、ステータコア3を用いる場合、内コイル部51で発生する磁力を効果的に利用することができ、ティース部32に形成されたコイル部5で発生する磁力を高めることが可能である。これにより、モータ200の出力トルクを高めることが可能である。
【0081】
そして、ティース部32において、連結部322は、傾斜部3221を有している。これにより、連結部322内を流れる磁力を円滑に流すことができ、ティース部32の外部への磁力の漏れを抑制できる。このため、コイル部5で発生する磁力を効率よく利用できる。これにより、モータ200の出力トルクを高めることが可能である。
【0082】
本実施形態にかかるステータでは、ステータコアの外径を大きくすることなく、ティースの巻線数を増やすことが可能である。これにより、外形の大きさが同じモータの場合、本実施形態にかかるステータを用いることで、より大きなトルクを出力することができる。また、同一のトルクを出力するモータの場合、ステータを小型化できるため、モータ自体を小型化することができる。
【0083】
つまり、本実施形態にかかるステータを用いることで、モータの外形を大きくすることなく出力トルクを増大することが可能である。また、出力トルクを維持したまま、モータを小型化することが可能である。
【0084】
<5. 変形例等>
本発明にかかるステータの変形例について図面を参照して説明する。
図8は、ステータコアの変形例を示す平面図である。
図8に示すステータコア3aは、コアバック部31aの構成がステータコア3のコアバック部31と異なる。これ以外の点については、
図5等に示すステータコア3と同じ構成を有する。そのため、ステータコア3aにおいて、ステータコア3と実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明は省略する。
【0085】
図8に示すステータコア3aは、コアバック部31aがティース部32と同数、すなわち、9個の分割可能な分割コアバック部312を有する。分割コアバック部312は、ティース部32と同一の部材で形成される。ティース部32と分割コアバック部312と含む部材を分割コア33とする。なお、1個の分割コアバック部312に対して、1個のティース部32が接続されるが、これに限定されない。例えば、1個の分割コアバック部312に対して、複数のティース部32が接続されてもよい。
【0086】
すなわち、コアバック部31aは複数の分割コアバック部312を周方向に連結して形成され、分割コアバック部312には、少なくとも1個のティース部32が径方向外側に接続される。
【0087】
ステータコア3aは、9個の分割コア33を周方向に組み合わせて形成される。ステータコア3aは、9個の分割コア33に分割可能である。ティース部32を内ティース部321、連結部322、第1外ティース部323、第2外ティース部324および第3外ティース部325を含む構成であることで、ステータコアをティースごとに分割する場合に比べて、分割コアの結合部を減らすことが可能である。これにより、寸法公差の累積による誤差を減らすことができ、生産性を高めることが可能である。
【0088】
本発明にかかるモータは、送風装置だけでなく、回転体を回転させる動力源として広く採用することが可能である。
【0089】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの内容に限定されるものではない。また本発明の実施形態は、発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の改変を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明の送風装置は、サーキュレータに用いることができる。また、例えば、無人飛行体の動力源として用いることができる。また、これ以外にも軸流を発生させる気流を用いる機器に広く採用できる。また、本発明のモータは、送風装置以外にも、回転力を外部に供給する動力源として用いることが可能である。
【符号の説明】
【0091】
1 ロータ
11 ロータコア
12 ロータハウジング
13 ロータマグネット
14 シールド部材
2 ステータ
3 ステータコア
30 ステータ片
31 コアバック部
311 貫通孔
312 分割コアバック
32 ティース部
321 内ティース部
322 連結部
323 第1外ティース部
324 第2外ティース部
325 第3外ティース部
326 アンブレラ部
33 分割コア
3a ステータコア
31a コアバック部
4 インシュレータ
40 カバー部
41 突出部
42 壁部
5 コイル部
50a 第1わたり線
50b 第2わたり線
50c 第3わたり線
50d 第4わたり線
51 内コイル部
52 第1外コイル部
53 第2外コイル部
54 第3外コイル部
6 軸受
61 外輪
62 内輪
7 配線基板
100 支柱
101 ベース部
110 ロータ片
200 モータ
300 インペラ
301 インペラハウジング
302 羽根
303 軸受取付部
304 蓋部
305 胴部
306 貫通孔
307 ロータ取付部
308 ロータ取付蓋部
309 ロータ取付筒部
3221 傾斜部
A 送風装置
Cx 中心軸