(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-03
(45)【発行日】2023-04-11
(54)【発明の名称】光硬化性材料、それを用いた光硬化性樹脂組成物、光硬化物
(51)【国際特許分類】
C08F 290/12 20060101AFI20230404BHJP
C08F 220/36 20060101ALI20230404BHJP
C09D 4/00 20060101ALI20230404BHJP
C09D 5/32 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
C08F290/12
C08F220/36
C09D4/00
C09D5/32
(21)【出願番号】P 2019094988
(22)【出願日】2019-05-21
【審査請求日】2022-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】東洋インキSCホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591183153
【氏名又は名称】トーヨーカラー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】三上 譲司
(72)【発明者】
【氏名】日水 秋生
(72)【発明者】
【氏名】青谷 朋之
(72)【発明者】
【氏名】林 宏幸
【審査官】牟田 博一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-241302(JP,A)
【文献】特開2004-182924(JP,A)
【文献】特開2018-203989(JP,A)
【文献】特開2000-273437(JP,A)
【文献】特開2020-100804(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F、C09D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(11)で表される繰り返し単位、および、下記一般式(12)の繰り返し単位を含有する光硬化性材料(A)。
一般式(11)
【化11】
(一般式(11)中、R
1、および、R
5は、それぞれ独立に水素原子もしくはメチル基を表す。
R
2は*-O-R
2a-(O-R
2b)
m1-**、*-O-R
2c-(O-(C=O)-R
2d)
m2-**、*-NH-R
2e-(O-R
2f)
m3-**、もしくは*-O-R
2g-(O-(C=O)-R
2h)
m4-**を表し、R
2a、R
2b、R
2c、R
2d、R
2e、R
2f、R
2g、および、R
2hは、それぞれ独立に炭素数1~20のアルキレン基を表し、m1~m4は0~20を表し、*は炭素原子との結合手、**は酸素原子との結合手を表す。m1~m4が2以上の場合は、それぞれのR
2b、R
2d、R
2f、R
2hは同じであっても異なっていてもよい。
R
3は、nが1のときは単結合、nが2のときは、n+1価の炭素数1~20の炭化水素基を表し、R
4は、*-R
4a-(O-R
4b)
m5-**を表し、R
4a、R
4bは、炭素数1~20のアルキレン基を表し、m5は0~20を表し、*はR
3との結合手、**は炭素原子との結合手を表し、nは1もしくは2を表す。nが2の場合は、それぞれのR
4、R
5は同じであっても異なっていてもよい。m5が2以上の場合は、それぞれのR
4bは同じであっても異なっていてもよい。)
一般式(12)
【化2】
(一般式(12)は、
下記一般式(a1-4)に基づく構造を示す。)
一般式(a1-4)
【化3】
(一般式(a1-4)中、R
41a
、R
41b
、およびR
41c
は、それぞれ独立に、水素、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~20のアリール基、-O-R
44
、もしくは-O-R
45
-CO-O-R
46
で表され、R
44
およびR
46
は、それぞれ独立に、炭素数1~20のアルキル基、もしくは炭素数6~20のアリール基で表され、上記アルキル基は環構造を形成していても良く、R
45
は炭素数1~20のアルキレン基、もしくは炭素数6~20のアリーレン基で表される。
R
42a
、R
42b
、およびR
42c
は、それぞれ独立に、水素もしくは、炭素数1~10のアルキル基である。
R
43
は、水素、水酸基、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~20のアリール基、-O-R
44
、もしくは、-O-R
45
-CO-O-R
46
で表され、R
44
およびR
46
は、それぞれ独立に、炭素数1~20のアルキル基、もしくは炭素数6~20のアリール基で表され、上記アルキル基は環構造を形成していても良く、R
45
は炭素数1~20のアルキレン基、炭素数6~20のアリーレン基で表され、上記アルキル基は環構造を形成していても良い。
Pは、-O-、もしくは-O-R
47
-O-で表され、R
47
は、水酸基を有しても良い炭素数1~20のアルキレン基であり、
Qは水素もしくはメチル基である。)
【請求項2】
一般式(12)で表される繰り返し単位の含有率が、光硬化性材料100質量%中、5~40質量%である請求項1
に記載の光硬化性材料(A)。
【請求項3】
二重結合当量計算値が、270~6500である請求項1
または2に記載の光硬化性材料(A)。
【請求項4】
請求項1~
3いずれかに記載の光硬化性材料(A)、光重合性単量体(B)、および光重合開始剤(C)を含有する光硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
ハードコート用である請求項
4に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
請求項
4または
5に記載の光硬化性樹脂組成物の光硬化物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光硬化性材料、それを用いた光硬化性樹脂組成物、光硬化物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、屋外や自動車内やガソリンスタンドなどの準屋外にてディスプレイが広く用いられており、これらの中で最表面に形成されるハードコート層には、傷つき防止のための表面硬度や耐候性が求められている。このような屋外又は準屋外で用いられるディスプレイのハードコート層には、耐候性を確保するために、多量(樹脂固形分に対 し10質量%程度)の紫外線吸収剤を添加して用いられていた。ところが、前記紫外線吸収剤は、一般に樹脂との相溶性が悪いために、フィルム表面に ブリードアウトすることが問題になっていた。
そこで、この紫外線吸収剤のブリードアウトの問題を改善すべく、ベンゾトリアゾール基などの紫外線吸収機能を持つ官能基をアクリルアクリレート重合体の構造中に導入する技術が知られている(下記特許文献1参照)。しかしながら、前記特許文献1記載のベンゾトリアゾール基を持つアクリルアクリレート重合体は、ハードコートとしての耐擦傷性に劣るものであった。
一方、ハードコート塗膜において、紫外線吸収機能を付与する試みがなされてきた。しかしながら、ハードコート剤に紫外線吸収剤をただ添加するだけでは、硬化塗膜における耐候性、耐擦傷性が低下する傾向にあった。さらに、紫外線吸収骨格を持ち、(メタ)アクリロイル構造を有する光硬化性材料も提案されたが、昨今のハードコート塗膜に要求される耐候性、耐擦傷性には、なお不十分であった(下記特許文献2、3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5068022号公報
【文献】特開2007-238823号公報
【文献】特開2015-124254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、硬化塗膜において耐候性、耐擦傷性に優れる光硬化性材料、光硬化性樹脂組成物、該樹脂組成物の硬化物、および硬化塗膜を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するため鋭意検討した結果、紫外線吸収骨格を持ち、さらに(メタ)アクリロイル基を持つ特定構造の光硬化性材料が、ハードコート塗膜における耐擦傷性やブリードの問題を回避しつつ、耐候性に優れることを見出した。
【0006】
すなわち、本発明は、下記一般式(11)で表される繰り返し単位、および、下記一般式(12)の繰り返し単位を含有する光硬化性材料(A)に関する。
【0007】
【0008】
(一般式(11)中、R1、および、R5は、それぞれ独立に水素原子もしくはメチル基を表す。
R2は*-O-R2a-(O-R2b)m1-**、*-O-R2c-(O-(C=O)-R2d)m2-**、*-NH-R2e-(O-R2f)m3-**、もしくは*-O-R2g-(O-(C=O)-R2h)m4-**を表し、R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、および、R2hは、それぞれ独立に炭素数1~20のアルキレン基を表し、m1~m4は0~20を表し、*は炭素原子との結合手、**は酸素原子との結合手を表す。m1~m4が2以上の場合は、それぞれのR2b、R2d、R2f、R2hは同じであっても異なっていてもよい。
R3は、nが1のときは単結合、nが2のときは、n+1価の炭素数1~20の炭化水素基を表し、R4は、*-R4a-(O-R4b)m5-**を表し、R4a、R4bは、炭素数1~20のアルキレン基を表し、m5は0~20を表し、*はR3との結合手、**は炭素原子との結合手を表し、nは1もしくは2を表す。nが2の場合は、それぞれのR4、R5は同じであっても異なっていてもよい。m5が2以上の場合は、それぞれのR4bは同じであっても異なっていてもよい。)
【0009】
【0010】
(一般式(12)中、R6は水素原子もしくはメチル基を表し、Uは紫外線を吸収する骨格を含みヘテロ原子を含んでもよい炭化水素基を表す。)
【0011】
また、本発明は、紫外線を吸収する骨格が、ベンゾトリアゾール骨格、トリアジン骨格、またはベンゾフェノン骨格であることを特徴とする上記光硬化性材料(A)に関する。
【0012】
また、本発明は、一般式(12)で表される繰り返し単位の含有率が、光硬化性材料100質量%中、5~40質量%である上記光硬化性材料(A)に関する。
【0013】
また、本発明は、二重結合当量計算値が、270~6500である上記光硬化性材料(A)に関する。
【0014】
また、本発明は、上記光硬化性材料(A)、光重合性単量体(B)、および光重合開始剤(C)を含有する光硬化性樹脂組成物に関する。
【0015】
また、本発明は、ハードコード用である上記光硬化性樹脂組成物に関する。
【0016】
また、本発明は、上記光硬化性樹脂組成物の光硬化物に関する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、硬化塗膜において耐候性、耐擦傷性に優れ、ブリード問題を解決した光硬化性材料、光硬化性樹脂組成物、該樹脂組成物の硬化物、および硬化塗膜を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の光硬化性材料(A)は、下記一般式(11)で表される繰り返し単位、および、下記一般式(12)の繰り返し単位を含有する光硬化性材料(A)である。
【0019】
【0020】
(一般式(11)中、R1、および、R5は、それぞれ独立に水素原子もしくはメチル基を表す。
R2は*-O-R2a-(O-R2b)m1-**、*-O-R2c-(O-(C=O)-R2d)m2-**、*-NH-R2e-(O-R2f)m3-**、もしくは*-O-R2g-(O-(C=O)-R2h)m4-**を表し、R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、および、R2hは、それぞれ独立に炭素数1~20のアルキレン基を表し、m1~m4は0~20を表し、*は炭素原子との結合手、**は酸素原子との結合手を表す。m1~m4が2以上の場合は、それぞれのR2b、R2d、R2f、R2hは同じであっても異なっていてもよい。
R3は、nが1のときは単結合、nが2のときは、n+1価の炭素数1~20の炭化水素基を表し、R4は、*-R4a-(O-R4b)m5-**を表し、R4a、R4bは、炭素数1~20のアルキレン基を表し、m5は0~20を表し、*はR3との結合手、**は炭素原子との結合手を表し、nは1もしくは2を表す。nが2の場合は、それぞれのR4、R5は同じであっても異なっていてもよい。m5が2以上の場合は、それぞれのR4bは同じであっても異なっていてもよい。)
【0021】
【0022】
(一般式(12)中、R6は水素原子もしくはメチル基を表し、Uは紫外線を吸収する骨格を含みヘテロ原子を含んでもよい炭化水素基を表す。)
【0023】
一般式(11)において、炭素数1~20のアルキレン基としては、炭素数1~20のアルキレン基は、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基等の直鎖状アルキレン基;プロピレン基、2-メチルトリメチレン基、2-メチルテトラメチレン基等の分枝鎖状アルキレン基等が挙げられる。
炭素数1~20のアルキレン基は、その水素原子をハロゲンで置換できる。例えば、モノブロモメチレン基、モノブロモエチレン基、モノクロロエチレン基、モノヨードエチレン基、ジブロモエチレン基、モノブロモトリメチレン基、モノブロモテトラメチレン基、モノブロモペンタメチレン基、モノブロモヘキサメチレン基、モノブロモヘプタメチレン基、モノブロモオクタメチレン基等が挙げられる。
R3は、R4-CO-C(=CH2)-R5-で表される繰り返し単位と、NH基を結合する連結基である。単結合であって、少なくとも炭素原子と水素原子とを含む炭化水素基であってもよい。炭化水素基はベンゼン環や複素環や脂環を含んでいてもよい。例えば、(メチル)メタン-トリイル基、(2-メチル)エタン-1-イル-2―ジイル基などが挙げられる。
【0024】
また、本発明の光硬化性材料(A)は、下記一般式(12)を繰り返し単位として含有する。
【0025】
【0026】
一般式(12)中、R6は水素原子もしくはメチル基を表し、Uは紫外線を吸収する構造を含む構造を表す。
【0027】
本発明の光硬化性材料(A)は、一般式(11)の前駆体である一般式(13)と、一般式(12)を繰り返し単位として含有する重合体(AA)を合成し、さらに一般式(14)で表される不飽和単量体(a3)を反応させることにより、得られる。
【0028】
【0029】
一般式(13)中、R1は水素原子もしくはメチル基を表す。R2は*-O-R2a-(O-R2b)m1-**、*-O-R2c-(O-(C=O)-R2d)m2-**、*-NH-R2e-(O-R2f)m3-**、もしくは*-O-R2g-(O-(C=O)-R2h)m4-**を表し、R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、および、R2hは、それぞれ独立に炭素数1~20のアルキレン基を表し、m1~m4は0~20を表し、*は炭素原子との結合手、**は酸素原子との結合手を表す。
【0030】
【0031】
一般式(14)中、R5は水素原子もしくはメチル基を表し、R3は、nが1のときは単結合、nが2のときは、n+1価の炭素数1~20の炭化水素基を表し、R4は*-R4a-(O-R4b)m5-**を表し、R4a、R4bは、炭素数1~20のアルキレン基を表し、m5は0~20を表し、*はR3との結合手、**は炭素原子との結合手を表し、nは1もしくは2を表す。
【0032】
一般式(13)と一般式(12)を繰り返し単位として含有する重合体(AA)は、一般式(15)で表される不飽和単量体(a2)と一般式(16)で表される不飽和単量体(a1)を重合させることで合成できる。
重合により、一般式(15)で表される不飽和単量体(a2)は一般式(13)で表される繰り返し単位となり、一般式(16)で表される不飽和単量体(a1)は一般式(12)で表される繰り返し単位となる。
【0033】
【0034】
一般式(15)中、R1は水素原子もしくはメチル基を表し、R2は炭素数1~20のアルキレン基もしくは、*-(R5-O)n-R6-**を表し、R5、R6はそれぞれ炭素数1~20のアルキレン基を表し、nは1~30を表し、*は主鎖に近いOとの結合手、**は主鎖から遠いOとの結合手を表し、R3は炭素数1~20のアルキレン基を表す。
【0035】
【0036】
一般式(16)中、R6は水素原子もしくはメチル基を表し、Uは紫外線を吸収する骨格を含みヘテロ原子を含んでもよい炭化水素基を表す。
【0037】
<一般式(16)で表される不飽和単量体(a1)>
一般式(16)で表される不飽和単量体(a1)は、紫外線吸収骨格を有する。紫外線吸収骨格としては、ベンゾトリアゾール骨格、トリアジン骨格、ベンゾフェノン骨格を含むことが好ましい。
【0038】
(ベンゾトリアゾール骨格を含む場合)
一般式(16)で表される不飽和単量体(a1)として、ベンゾトリアゾール骨格を含む場合は、以下の一般式(a1-1)~(a1-3)が好ましい。
【0039】
【0040】
一般式(a1-1)中、R11は、水素原子又は炭素数1~8の炭化水素基を表す。R12は、炭素数1~6のアルキレン基、もしくは-O-R15を表し、R15は、炭素数1~6のアルキレン基を表す。R13は、水素原子又はメチル基を表す。X11は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~8の炭化水素基、炭素数1~6のアルコキシ基、シアノ基又はニトロ基を表す。
【0041】
一般式(a1-1)中、炭素数1~8の炭化水素基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の鎖式炭化水素基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の脂環式炭化水素基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、フェネチル基等の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
【0042】
炭素数1~6のアルキレン基は、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等の直鎖状アルキレン基;プロピレン基、2-メチルトリメチレン基、2-メチルテトラメチレン基等の分枝鎖状アルキレン基等が挙げられる。また、上記炭素数2又は3のアルキレン基は、例えば、これらの中から炭素数2又は3のものが挙げられる。
ハロゲン原子は、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
炭素数1~6のアルコキシ基は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘプトキシ基等が挙げられる。
【0043】
一般式(a1-1)で示す単量体は、例えば、2-[2’-ヒドロキシ-5’-(メタクリロイルオキシメチル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-5’-(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-5’-(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-5’-tert-ブチル-3’-(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-〔2’-ヒドロキシ-5’-(β-メタクリロイルオキシエトキシ)-3’-tert-ブチルフェニル〕-4-tert-ブチル-2H-ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0044】
一般式(a1-1)で示す単量体は、以下の化学式のものが挙げられる。
【化11】
【0045】
【0046】
【0047】
一般式(a1-2)中、R21は、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数3~20のシクロアルキル基、もしくは炭素数1~20のアルコキシ基を表す。R22は、炭素数1~20のアルキレン基、-R25-O(CO)NH-R26-もしくは-O-R27-もしくは-O-R28-O(CO)NH-R29-を表し、R25、R26、R27、R28、およびR29は、それぞれ独立に炭素数1~20のアルキレン基を表す。R23は、水素原子又はメチル基を表す。R24は、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、もしくは炭素数3~20のシクロアルキル基を表す。なお、シクロアルキル基は、さらに置換基を有することができる。
【0048】
一般式(a1-2)中、炭素数1~20のアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等が挙げられる。炭素数3~20のシクロアルキル基は、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基等が挙げられる、炭素数1~20のアルコキシ基は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、ヘプタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、ノナデシルオキシ基、イコシルオキシ基等が挙げられる。
【0049】
また、一般式(a1-2)中、炭素数1~20のアルキル基は、その水素原子をハロゲンで置換できる。例えば、1-ブロモメチル基、2-ブロモエチル基、2-クロロエチル基、2-ヨードエチル基、3-ブロモプロピル基、4-ブロモブチル基、1-ブロモブチル基、5-ブロモペンチル基、6-ブロモヘキシル基、7-ブロモヘプチル基、8-ブロモオクチル基、9-ブロモノニル基、10-ブロモデシル基、11-ブロモウンデシル基、12-ブロモドデシル基、13-ブロモトリデシル基、14-ブロモテトラデシル基、15-ブロモペンタデシル基、16-ブロモヘキサデシル基、17-ブロモヘプタデシル基、18-ブロモオクタデシル基、19-ブロモノナデシル基、20-ブロモイコシル基等が挙げられる。炭素数3~20のシクロアルキル基は、例えば、2-ブロモシクロプロピル基、2-ブロモシクロペンチル基、4-ブロモシクロヘキシル基等が挙げられる。炭素数1~20のアルコキシ基は、例えば、1-ブロモメトキシ基、2-ブロモエトキシ基、3-クロロプロポキシ基等が挙げられる。
【0050】
炭素数1~20のアルキレン基は、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基等の直鎖状アルキレン基;プロピレン基、2-メチルトリメチレン基、2-メチルテトラメチレン基等の分枝鎖状アルキレン基等が挙げられる。
炭素数1~20のアルキレン基は、その水素原子をハロゲンで置換できる。例えば、モノブロモメチレン基、モノブロモエチレン基、モノクロロエチレン基、モノヨードエチレン基、ジブロモエチレン基、モノブロモトリメチレン基、モノブロモテトラメチレン基、モノブロモペンタメチレン基、モノブロモヘキサメチレン基、モノブロモヘプタメチレン基、モノブロモオクタメチレン基等が挙げられる。
【0051】
一般式(a1-2)で示す単量体は、以下の化学式のものが挙げられる。
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
一般式(a1-3)中、R31は、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、及び炭素数3~20のシクロアルキル基を表し、
R32、及びR33は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数3~20のシクロアルキル、及び炭素数1~20のアルコキシ基を表し、
R34は、炭素数1~20のアルキレン基もしくは炭素数3~5のヒドロキシアルキレン基を表す。R35は、水素もしくはメチル基を表す。
【0057】
一般式(a1-3)中、炭素数1~20のアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等が挙げられる。
炭素数3~20のシクロアルキル基は、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基等が挙げられる、
炭素数1~20のアルコキシ基は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、ヘプタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、ノナデシルオキシ基、イコシルオキシ基等が挙げられる。
【0058】
炭素数1~20のアルキレン基は、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基等の直鎖状アルキレン基;プロピレン基、2-メチルトリメチレン基、2-メチルテトラメチレン基等の分枝鎖状アルキレン基等が挙げられる。
炭素数1~20のアルキレン基は、その水素原子をハロゲンで置換できる。例えば、モノブロモメチレン基、モノブロモエチレン基、モノクロロエチレン基、モノヨードエチレン基、ジブロモエチレン基、モノブロモトリメチレン基、モノブロモテトラメチレン基、モノブロモペンタメチレン基、モノブロモヘキサメチレン基、モノブロモヘプタメチレン基、モノブロモオクタメチレン基等が挙げられる。
炭素数3~5のヒドロキシアルキレン基は、例えば、2-ヒドロキシプロピレン基、1-メチル-2-ヒドロキシエチレン基、2-ヒドロキシブチレン基、2-ヒドロキシペンチレン基、1-メチル-2-ヒドロキシプロピレン基等が挙げられる。
【0059】
また、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキレン基、ヒドロキシアルキレン基は、その水素原子をハロゲンで置換できる。
ハロゲン置換された炭素数1~20のアルキル基は、例えば、1-ブロモメチル基、2-ブロモエチル基、2-クロロエチル基、2-ヨードエチル基、3-ブロモプロピル基、4-ブロモブチル基、1-ブロモブチル基、5-ブロモペンチル基、6-ブロモヘキシル基、7-ブロモヘプチル基、8-ブロモオクチル基、9-ブロモノニル基、10-ブロモデシル基、11-ブロモウンデシル基、12-ブロモドデシル基、13-ブロモトリデシル基、14-ブロモテトラデシル基、15-ブロモペンタデシル基、16-ブロモヘキサデシル基、17-ブロモヘプタデシル基、18-ブロモオクタデシル基、19-ブロモノナデシル基、20-ブロモイコシル基等が挙げられる。
ハロゲン置換された炭素数3~20のシクロアルキル基は、例えば、2-ブロモシクロプロピル基、2-ブロモシクロペンチル基、4-ブロモシクロヘキシル基等が挙げられる。
ハロゲン置換された炭素数1~20のアルコキシ基は、例えば、1-ブロモメトキシ基、2-ブロモエトキシ基、3-クロロプロポキシ基等が挙げられる。
【0060】
一般式(a1-3)で示す単量体は、以下の化学式のものが挙げられる。
【化4】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
(トリアジン骨格を含む場合)
一般式(16)で表される不飽和単量体(a1)として、トリアジン骨格を含む場合は、以下の一般式(a1-4)が好ましい。
【0069】
【0070】
(一般式(a1-4)中、R41a、R41b、およびR41cは、それぞれ独立に、水素、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~20のアリール基、-O-R44、もしくは-O-R45-CO-O-R46で表され、R44およびR46は、それぞれ独立に、炭素数1~20のアルキル基、もしくは炭素数6~20のアリール基で表され、上記アルキル基は環構造を形成していても良く、R45は炭素数1~20のアルキレン基、もしくは炭素数6~20のアリーレン基で表される。
R42a、R42b、およびR42cは、それぞれ独立に、水素もしくは、炭素数1~10のアルキル基である。
R43は、水素、水酸基、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~20のアリール基、-O-R44、もしくは、-O-R45-CO-O-R46で表され、R44およびR46は、それぞれ独立に、炭素数1~20のアルキル基、もしくは炭素数6~20のアリール基で表され、上記アルキル基は環構造を形成していても良く、R45は炭素数1~20のアルキレン基、炭素数6~20のアリーレン基で表され、上記アルキル基は環構造を形成していても良い。
Pは、-O-、もしくは-O-R47-O-で表され、R47は、水酸基を有しても良い炭素数1~20のアルキレン基であり、
Qは水素もしくはメチル基である。)
【0071】
炭素数1~20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等の鎖式炭化水素基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の脂環式炭化水素基が挙げられる。
炭素数1~20のアルキル基は、水素部位が置換されたものも含む。例えば、1-ブロモメチル基、2-ブロモエチル基、2-クロロエチル基、2-ヨードエチル基、3-ブロモプロピル基、4-ブロモブチル基、1-ブロモブチル基、5-ブロモペンチル基、6-ブロモヘキシル基、7-ブロモヘプチル基、8-ブロモオクチル基、9-ブロモノニル基、10-ブロモデシル基、11-ブロモウンデシル基、12-ブロモドデシル基、13-ブロモトリデシル基、14-ブロモテトラデシル基、15-ブロモペンタデシル基、16-ブロモヘキサデシル基、17-ブロモヘプタデシル基、18-ブロモオクタデシル基、19-ブロモノナデシル基、20-ブロモイコシル基等の鎖式炭化水素基;2-ブロモシクロプロピル基、2-ブロモシクロペンチル基、4-ブロモシクロヘキシル基等の脂環式炭化水素基等が挙げられる。
【0072】
炭素数6~20のアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、フェネチル基等の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
炭素数6~20のアリール基も、水素部位が置換されたものも含む。例えば、モノブロモフェニル基、ジブロモフェニル基、モノクロロフェニル基、モノブロモトリル基、モノブロモキシリル基、モノブロモベンジル基、モノブロモフェネチル基等の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
【0073】
炭素数1~20のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基等の直鎖状アルキレン基;プロピレン基、2-メチルトリメチレン基、2-メチルテトラメチレン基等の分枝鎖状アルキレン基等が挙げられる。
炭素数1~20のアルキレン基は、水素部位が置換されたものも含む。例えば、モノブロモメチレン基、モノブロモエチレン基、モノクロロエチレン基、モノヨードエチレン基、ジブロモエチレン基、モノブロモトリメチレン基、モノブロモテトラメチレン基、モノブロモペンタメチレン基、モノブロモヘキサメチレン基、モノブロモヘプタメチレン基、モノブロモオクタメチレン基等が挙げられる。
【0074】
炭素数6~20のアリーレン基としては、例えば、フェニレン基、トリレン基、キシリレン基等の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
炭素数6~20のアリーレン基は、水素部位が置換されたものも含む。例えば、モノブロモフェニレン基、モノクロロフェニレン基、モノブロモトリレン基、モノブロモキシリレン基等の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
【0075】
Pは、-O-、もしくは-O-R47-O-で表され、R47は、R47は、水酸基を有しても良い炭素数1~20のアルキレン基である。
炭素数1~20のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基等が挙げられる。
R47の構造としては、一般式(45)、(46)で示されるヒドロキシプロピレン基が挙げられる。
【0076】
【0077】
【0078】
Pとしては、-O-であることが好ましい。
水酸基を有しても良い炭素数1~20のアルキレン基は、さらに、水素が置換されたものも含む。
【0079】
一般式(a1-4)で示す単量体は、以下の化学式のものが挙げられる。
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
(ベンゾフェノン骨格を含む場合)
一般式(16)で表される不飽和単量体(a1)として、ベンゾフェノン骨格を含む場合は、以下の一般式(a1-5)が好ましい。
【0088】
【0089】
(一般式(a1-5)中、R51、R52は、水素原子もしくはヒドロキシ基を表し、
R53は、単結合、もしくは-O-R55-を表し(R55が酸素に結合)、R55は、炭素数1~20のアルキレン基もしくは炭素数3~5のヒドロキシアルキレン基を表し、R54は、水素原子もしくはメチル基を表す。)
【0090】
炭素数1~20のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基等の直鎖状アルキレン基;プロピレン基、2-メチルトリメチレン基、2-メチルテトラメチレン基等の分枝鎖状アルキレン基等が挙げられる。
炭素数1~20のアルキレン基は、水素部位が置換されたものも含む。例えば、モノブロモメチレン基、モノブロモエチレン基、モノクロロエチレン基、モノヨードエチレン基、ジブロモエチレン基、モノブロモトリメチレン基、モノブロモテトラメチレン基、モノブロモペンタメチレン基、モノブロモヘキサメチレン基、モノブロモヘプタメチレン基、モノブロモオクタメチレン基等が挙げられる。
炭素数3~5のヒドロキシアルキレン基は、例えば、2-ヒドロキシプロピレン基、1-メチル-2-ヒドロキシエチレン基、2-ヒドロキシブチレン基、2-ヒドロキシペンチレン基、1-メチル-2-ヒドロキシプロピレン基等が挙げられる。
【0091】
一般式(a1-5)で示す単量体は、以下の化学式のものが挙げられる。
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
<光硬化性材料(A)>
本発明の光硬化性材料(A)は、上記のように紫外線吸収骨格を有する一般式(16)で表される不飽和単量体(a1)と、一般式(15)で表される不飽和単量体(a2)を必須のモノマー成分とする共重合体である重合体(AA)に、一般式(14)で表される不飽和単量体(a3)を反応させて得られる。
【0096】
<一般式(15)で表される不飽和単量体(a2)>
一般式(15)で表される不飽和単量体(a2)としては、以下が挙げられる。
例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2(又は3)-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2(又は3又は4)-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及びシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、及びエチル-α-ヒドロキシメチルアクリレートなどのアルキル-α-ヒドロキシアルキルアクリレート、あるいは水酸基を有する(メタ)アクリルアミド系単量体、例えば、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミドなどのN-(ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミド、あるいは、水酸基を有するビニルエーテル系単量体、例えば、2-ヒドロキシエチルビニルエーテル、2-(又は3-)ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2-(又は3-又は4-)ヒドロキシブチルビニルエーテルなどのヒドロキシアルキルビニルエーテル、あるいは水酸基を有するアリルエーテル系単量体、例えば、2-ヒドロキシエチルアリルエーテル、2-(又は3-)ヒドロキシプロピルアリルエーテル、2-(又は3-又は4-)ヒドロキシブチルアリルエーテルなどのヒドロキシアルキルアリルエーテルが挙げられる。
【0097】
また、上記のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルキル-α-ヒドロキシアルキルアクリレート、N-(ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシアルキルビニルエーテルあるいはヒドロキシアルキルアリルエーテルにアルキレンオキサイド及び/又はラクトンを付加して得られるエチレン性不飽和単量体も、本発明方法において、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート(a2)として用いることができる。付加されるアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1, 2-、1,4-、2,3-又は1,3-ブチレンオキサイド及びこれらの2種以上の併用 系が用いられる。2種以上のアルキレンオキサイドを併用するときの結合形式はランダム 及び/又はブロックのいずれでもよい。付加されるラクトンとしては、δ-バレロラクト ン、ε-カプロラクトン、炭素原子数1~6のアルキル基で置換されたε-カプロラクト ン及びこれらの2種以上の併用系が用いられる。アルキレンオキサイドとラクトンを両方とも付加したものでも構わない。
【0098】
(その他のモノマー)
重合体(AA)は、一般式(16)で表される不飽和単量体(a1)と、一般式(15)で表される不飽和単量体(a2)以外にも、他のモノマーを共重合しても良い。
例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2,2,4-トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、 イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類; フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート類;テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート等の複素環式(メタ)アクリレート類;メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレー ト類;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等の(N置換型)(メタ)アクリルアミド 類;N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類があげられる。
【0099】
又、上記アクリル単量体と併用できる単量体として、スチレン、α-メチルスチレン、 インデン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類があげられる。
【0100】
又、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を併用することもできる。カルボキシ ル基含有エチレン性不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などから1種又は2種以上を選択することができる。
【0101】
(一般式(14)で表される不飽和単量体(a3))
本発明の光硬化性材料(A)は、上記重合体(AA)に、一般式(14)で表される不飽和単量体(a3)を反応させて得られる。
一般式(14)で表される不飽和単量体(a3)は、そのイソシアネート基がヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート(a2)のヒドロキシ基と反応し、(メタ)アクリロイル基を導入させる。これが、光硬化性を発現させる。
一般式(14)で表される不飽和単量体(a3)としては、具体的には2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、2-アクリロイルオキシエチルイソシアネート、1,1-ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、(2-メタクリロイルオキシエチル)オキシエチルイソシアネートが好ましい。
【0102】
上記により、一般式(11)で表される繰り返し単位は、例えば、以下の構造が挙げられる。
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
(重合体(AA)の重合)
一般式(11)の前駆体である一般式(13)と、一般式(12)を繰り返し単位として含有する重合体(AA)を得る方法としては、アニオン重合、リビングアニオン重合、カチオン重合、リビングカチオン重合、フリーラジカル重合、及びリビングラジカル重合等、公知の方法が使用できる。このうち、フリーラジカル重合またはリビングラジカル重合が好ましい。
【0107】
フリーラジカル重合法の場合は、重合開始剤を使用するのが好ましい。重合開始剤とし ては例えば、アゾ系化合物及び有機過酸化物を用いることができる。アゾ系化合物の例と しては、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1'-アゾビス(シクロヘキサン1-カルボニトリル)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチル-4-メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、4,4'-アゾビス(4-シアノバレリック酸)、2,2'-アゾビス(2-ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、または2,2'-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]等が挙げられる。有機過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、t-ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2-エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、またはジアセチルパーオキシド等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で、若しくは2種類以上組み合わせて用いることができる。反応温度は好ましくは40~150℃、より好ましくは50~110℃、反応時間は好ましくは3~30時間、より好ましくは5~20時間である。
【0108】
リビングラジカル重合法は一般的なラジカル重合に起こる副反応が抑制され、更には、 重合の成長が均一に起こる為、容易にブロックポリマーや分子量の揃った樹脂を合成でき る。
【0109】
中でも、有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法は、広範囲の単量体に適応できる点、既存の設備に適応可能な重合温度を採用できる点で好ましい。原子移動ラジカル重合法は、下記の参考文献1~8等に記載された方法で行うことができる。
【0110】
(参考文献1)Fukudaら、Prog.Polym.Sci.2004,29,329
(参考文献2)Matyjaszewskiら、Chem.Rev.2001,101, 2921
(参考文献3)Matyjaszewskiら、J.Am.Chem.Soc.1995 ,117,5614
(参考文献4) Macromolecules 1995,28,7901,Scien ce,1996,272,866
(参考文献5)WO96/030421
(参考文献6)WO97/018247
(参考文献7)特開平9-208616号公報(参考文献8)特開平8-41117号公報
【0111】
上記重合には有機溶剤を用いることが好ましい。有機溶剤は、ヒドロキシ基を有さないことが必要である。ヒドロキシ基を有する有機溶剤を使用すると、次の工程で投入されるイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート化合物である一般式(14)で表される不飽和単量体(a3)とこの有機溶剤が反応し、本来の反応である一般式(14)で表される不飽和単量体(a3)とヒドロキシ基を有する重合体(AA)との反応が不十分となるからである。
具体的には、例えば、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、またはジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が用いられる。これらの重合溶媒は、2種類以上混合して用いてもよい。
【0112】
(一般式(14)で表される不飽和単量体(a3)の反応)
重合体(AA)中のヒドロキシ基と、一般式(14)で表される不飽和単量体(a3)中のイソシアネート基とのモル比は、重合体(AA)中のヒドロキシ基1モルに対して、一般式(14)で表される不飽和単量体(a3)中のイソシアネート基が0.2~1.0モルであることが好ましく、さらに好ましくは0.3~1.0モル、最も好ましくは0.5~1.0モルである。0.2モル未満であると、(メタ)アクリロイル基の量が少なくなってしまうために硬化性が不十分な場合があり、1.0モルを超えると、樹脂中に未反応のイソシアネート基が残存してしまい、保存安定性が悪くなってしまう場合がある。
【0113】
反応としては、重合体(AA)の重合の終了後、一般式(14)で表される不飽和単量体(a3)を添加し、反応させる。この際、さらに前述したようなヒドロキシ基を有さない有機溶剤を加えても良い。
反応温度は50℃~150℃、好ましくは70℃~120℃の範囲で行う。反応温度が50℃未満では反応速度が遅く、150℃を超えると反応により生成したウレタン基が分解してしまう。
【0114】
上記により、紫外線吸収骨格を持ち、(メタ)アクリロイル基を持つ光硬化性材料が得られる。
【0115】
<光硬化性樹脂組成物>
本発明の光硬化性樹脂組成物は、上記の光硬化性材料(A)に加え、光重合性単量体(B)、および光重合開始剤(C)を含有するものである。
【0116】
<光重合性単量体(B)>
本発明で用いられる光重合性単量体(B)には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。モノマーの配合量は、光硬化性材料(A)を基準(100質量%)として、5~400質量%であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10~300質量%であることがより好まし い。
【0117】
光重合性単量体(B)としては、例 えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0118】
<光重合開始剤(C)>
光重合開始剤を使用する際の配合量は、光硬化性材料(A)100質量部を基準として、5~200質量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10~150質量部であることがより好ましい。
【0119】
光重合開始剤(C)としては、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-ジ クロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパ ン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[ 4-(4-モルフォリニル)フェニル]-1-ブタノン、または2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、またはベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾ フェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4 '-メチルジフェニルサルファイド、または3,3',4,4'-テトラ(t-ブチルパー オキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2-クロルチオキサントン、2-メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、または2,4-ジエチルチオキサントン等のチオキ サントン系化合物;2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル-4,6- ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6- ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリ クロロメチル)-s-トリアジン、2-ピペロニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシ-ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(ピペロニル)-6-トリアジン、または2,4-トリクロロメチル-(4'-メトキシスチリル)-6-トリアジン等のトリアジン系化合 物;1,2-オクタンジオン,1-〔4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオ キシム)〕、またはO-(アセチル)-N-(1-フェニル-2-オキソ-2-(4'- メトキシ-ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、または2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物 ;9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物;ボレート系化合物;カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
【0120】
<増感剤>
さらに、本発明の光硬化性樹脂組成物には、増感剤を含有させることができる。増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2-ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導 体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体 、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ-ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、またはミヒラーケトン誘導体、α-アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4'-ジエチルイソフタロフェノン、3,3'または4,4'-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4'-ジエチル アミノベンゾフェノン等が挙げられる。
【0121】
増感剤は、必要に応じて任意の比率で2種以上用いても構わない。増感剤を使用する際の配合量は、樹脂組成物中に含まれる光重合開始剤の全重量を基準(100質量部)として、3~60質量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5~50質量部であることがより好ましい。
【0122】
<アミン系化合物>
また、本発明の光硬化性樹脂組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4-ジメチルアミノ安息香酸メチル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2-ジメチルアミノエチル、4-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、及びN,N-ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
【0123】
<レベリング剤>
本発明の光硬化性樹脂組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性を良くするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ-2122、ビックケミー社製BYK-333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK-310、BYK-370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、樹脂組成物の全重量を基準(100質量部)として、0.003~0.5質量部用いることが好ましい。
【0124】
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
【0125】
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ-2110、FZ-2122、FZ-2130、FZ-2166、FZ-2191、FZ-2203、FZ-2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0126】
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
【0127】
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
【0128】
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
【0129】
<ハードコード層の形成>
上記の光硬化性材料(A)、光重合性単量体(B)、および光重合開始剤(C)を含有する光硬化性樹脂組成物を硬化することで、ハードコート層が得られる。
その製造方法は、たとえば、硬化性組成物を任意の基材に塗布すること、および活性エネルギー線を照射して、基材上の硬化性組成物を硬化させること、を含む。
【0130】
より具体的には、この硬化性組成物を任意の基材上に、乾燥後の膜厚が好ましくは0.1~30μm、より好ましくは0.1~20μmになるように塗工後、硬化処理することにより形成することができる。
【0131】
形成時において、硬化膜は、基材に直接塗工されてもよいし、硬化膜と基材との間に1層以上の下層が存在してもよい。
【0132】
この基材としては、金属、セラミックス、ガラス、プラスチック、木材、スレート等が挙げられ、特に制限されるものではない。具体的なプラスチックの種類としては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロース樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。また基材の形状としてはフィルムシート、板状パネル、レンズ形状、ディスク形状、ファイバー状の物が挙げられるが、特に制限されるものではない。
【0133】
塗工方法としては、公知の方法を用いることができ、例えばロットまたはワイヤーバーなどを用いた方法や、マイクログラビア、グラビア、ダイ、カーテン、リップ、スロットまたはスピンなどの各種コーティング方法を用いることができる。
【0134】
硬化処理は、公知の技術を用いて、例えば、紫外線、電子線、波長400~500nmの可視光線等の活性エネルギー線を照射することにより行なうことができる。紫外線および波長400~500nmの可視光線の線源(光源)には、例えば高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ガリウムランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ等を使用することができる。電子線源には、熱電子放射銃、電解放射銃等を使用することができる。
【0135】
照射する活性エネルギー線量は、5~2000mJ/cm2の範囲内であることが好ましく、さらには工程上管理しやすい点から、50~1000mJ/cm2の範囲内であることが好ましい。
【0136】
これらの活性エネルギー線照射に、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱等による熱処理を併用することができる。
【0137】
硬化膜は、基材に硬化性組成物を塗工し、自然または強制乾燥させたあとに硬化処理を行なって形成しても良いし、塗工し硬化処理を行なったあとに自然または強制乾燥させても良いが、自然または強制乾燥させたあとに硬化処理を行なう方がより好ましい。
【0138】
特に、電子線で硬化させる場合は、水による硬化阻害または有機溶剤の残留による塗膜の強度低下を防ぐため、自然または強制乾燥させたあとに硬化処理を行なう方がより好ましい。
【0139】
硬化処理のタイミングは、塗工と同時でもよいし、塗工後でもよい。
【0140】
得られる硬化膜は、ハードコート性、透明性、耐光性、高屈折率性、帯電防止性に優れるため、光学材料として好適に利用することが出来る。したがって、本発明の硬化膜は、積層体として、陰極線管、フラットディスプレイパネル(液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、発光ダイオードディスプレイ等)等の各種表示装置の前面板あるいはこれらの入力装置としても利用できる。
【0141】
その他、この硬化膜は、光学用レンズ、メガネ用レンズ、光記録ディスク(コンパクトディスク、DVDディスク、ブルーレイディスク等)、ライトケース等に広く利用できる。
【実施例】
【0142】
以下に、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の技術思想を逸脱しない限り、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下「質量部」は単に「部」、「質量%」は単に「%」と記載する。
なお、光硬化性材重合体(A)は、実施例番号が付与されていなくても、本発明の実施の一形態である。
【0143】
<一般式(16)で表される不飽和単量体(a1)の製造>
(単量体(a1-1-1)~(a1-1-5)の製造)
公知の方法で、単量体(a1-1-1)~(a1-1-5)を製造した。
【0144】
(単量体(1-2-1)~(a1-2-20)の製造)
【0145】
(単量体(a1-2-1))
【0146】
【0147】
上記の中間体2-1について、4-アミノ-5-ブロモ-N-メチルフタルイミドとバニリルアルコールを原料とし、WO2014/165434の実施例の合成法に準じて合成を行った。
続いて、温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、テトラヒドロフランを100g、先の中間体1を28.6mmol仕込み、室温で撹拌した。その後、アクリロイルクロリドを62.9mmol、少しずつ滴下した。その後、トリエチルアミンを85.7mmol、少しずつ滴下し、室温で1時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、加熱撹拌して紫外線吸収剤が析出するまでテトラヒドロフランを揮発させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。次いで40℃で減圧乾燥を行い、単量体(a1-2-1)を得た。
【0148】
(単量体(a1-2-2))
紫外線吸収骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(a1-2-1)の製造で使用したアクリロイルクロリドの代わりにメタクリロイルクロリドを使用した以外は同様に行い、単量体(a1-2-2)を得た。
【0149】
(単量体(a1-2-3))
温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、テトラヒドロフランを100g、先の中間体1を28.6mmol仕込み、室温で撹拌した。その後、2-アクリロイルオキシエチルイソシアナートを28.6mmol添加し、さらに日東化成製ネオスタンU-810を0.02mmol添加し、60℃で5時間撹拌した。その後、加熱撹拌して紫外線吸収剤が析出するまでテトラヒドロフランを揮発させ、さらに40℃で減圧乾燥を行い、単量体(a1-2-3)を得た。
【0150】
(単量体(a1-2-4))
紫外線吸収骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(a1-2-3)の製造で使用した2-アクリロイルオキシエチルイソシアナートの代わりに2-メタクリロイルオキシエチルイソシアナートを使用した以外は同様に行い、単量体(a1-2-4)を得た。
【0151】
(単量体(a1-2-5))
中間体2-2
【化9】
【0152】
上記の中間体2-2について、中間体2-1の合成で使用したバニリルアルコールの代わりに4-ヒドロキシベンジルアルコールを使用した以外は中間体1と同様な方法で合成した。
続いて、温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、テトラヒドロフランを100g、先の中間体2を28.6mmol仕込み、室温で撹拌した。その後、アクリロイルクロリドを62.9mmol、少しずつ滴下した。その後、トリエチルアミンを85.7mmol、少しずつ滴下し、室温で1時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、加熱撹拌して紫外線吸収剤が析出するまでテトラヒドロフランを揮発させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。次いで40℃で減圧乾燥を行い、単量体(a1-2-5)を得た。
【0153】
(単量体(a1-2-6))
紫外線吸収骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(a1-2-5)の製造で使用したアクリロイルクロリドの代わりにメタクリロイルクロリドを滴下した以外は同様に行い、単量体(a1-2-6)を得た。
【0154】
(単量体(a1-2-7))
温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、テトラヒドロフランを100g、先の中間体2を28.6mmol仕込み、室温で撹拌した。その後、2-アクリロイルオキシエチルイソシアナートを28.6mmol添加し、さらに日東化成製ネオスタンU-810を0.02mmol添加し、60℃で5時間撹拌した。その後、加熱撹拌して紫外線吸収剤が析出するまでテトラヒドロフランを揮発させ、さらに40℃で減圧乾燥を行い、単量体(a1-2-7)を得た。
【0155】
(単量体(a1-2-8))
紫外線吸収骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(a1-2-7)の製造で使用した2-アクリロイルオキシエチルイソシアナートの代わりに2-メタクリロイルオキシエチルイソシアナートを使用した以外は同様に行い、単量体(a1-2-8)を得た。
【0156】
(単量体(a1-2-9))
中間体2-3
【化10】
【0157】
上記の中間体2-3について、中間体1の合成で使用したバニリルアルコールの代わりに4-ヒドロキシ-3-メチルベンジルアルコールを使用した以外は中間体1と同様な方法で合成した。
続いて、温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、テトラヒドロフランを100g、先の中間体3を28.6mmol仕込み、室温で撹拌した。その後、アクリロイルクロリドを62.9mmol、少しずつ滴下した。その後、トリエチルアミンを85.7mmol、少しずつ滴下し、室温で1時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、加熱撹拌して紫外線吸収剤が析出するまでテトラヒドロフランを揮発させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。次いで40℃で減圧乾燥を行い、単量体(a1-2-9)を得た。
【0158】
(単量体(a1-2-10))
紫外線吸収剤(a1-2-9)の製造で使用したアクリロイルクロリドの代わりにメタクリロイルクロリドを滴下した以外は同様に行い、単量体(A-10)を得た。
【0159】
(単量体(a1-2-11))
上記の中間体2-3の合成に続いて、温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、テトラヒドロフランを100g、先の中間体2-3を28.6mmol仕込み、室温で撹拌した。その後、2-アクリロイルオキシエチルイソシアナートを28.6mmol添加し、さらに日東化成製ネオスタンU-810を0.02mmol添加し、60℃で5時間撹拌した。その後、加熱撹拌して紫外線吸収剤が析出するまでテトラヒドロフランを揮発させ、さらに40℃で減圧乾燥を行い、単量体(a1-2-11)を得た。
【0160】
(単量体(a1-2-12))
紫外線吸収骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(a1-2-11)の製造で使用した2-アクリロイルオキシエチルイソシアナートの代わりに2-メタクリロイルオキシエチルイソシアナートを使用した以外は同様に行い、単量体(a1-2-12)を得た。
【0161】
(単量体(a1-2-13))
中間体2-4
【化11】
【0162】
上記の中間体2-4について、中間体2-1とn-ブチルアミンを原料とし、WO2014/165434の実施例の合成法に準じて合成を行った。
続いて、温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、テトラヒドロフランを100g、先の中間体4を28.6mmol仕込み、室温で撹拌した。その後、アクリロイルクロリドを62.9mmol、少しずつ滴下した。その後、トリエチルアミンを85.7mmol、少しずつ滴下し、室温で1時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、加熱撹拌して紫外線吸収剤が析出するまでテトラヒドロフランを揮発させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。次いで40℃で減圧乾燥を行い、単量体(a1-2-13)を得た。
【0163】
(紫外線吸収骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(a1-2-14))
単量体(a1-2-13)の製造で使用したアクリロイルクロリドの代わりにメタクリロイルクロリドを滴下した以外は同様に行い、単量体(a1-2-14)を得た。
【0164】
(単量体(a1-2-15))
上記の中間体4の合成に続いて、温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、テトラヒドロフランを100g、先の中間体2-4を28.6mmol仕込み、室温で撹拌した。その後、2-アクリロイルオキシエチルイソシアナートを28.6mmol添加し、さらに日東化成製ネオスタンU-810を0.02mmol添加し、60℃で5時間撹拌した。その後、加熱撹拌して紫外線吸収剤が析出するまでテトラヒドロフランを揮発させ、さらに40℃で減圧乾燥を行い、単量体(a1-2-15)を得た。
【0165】
(単量体(a1-2-16))
単量体(a1-2-15)の製造で使用した2-アクリロイルオキシエチルイソシアナートの代わりに2-メタクリロイルオキシエチルイソシアナートを使用した以外は同様に行い、単量体(a1-2-16)を得た。
【0166】
(単量体(a1-2-17))
中間体2-5
【化12】
【0167】
上記の中間体2-5について、中間体2-1の合成で使用したバニリルアルコールの代わりに4-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-メトキシフェノールを使用した以外は中間体1と同様な方法で合成した。
続いて、温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、テトラヒドロフランを100g、先の中間体5を28.6mmol仕込み、室温で撹拌した。その後、アクリロイルクロリドを62.9mmol、少しずつ滴下した。その後、トリエチルアミンを85.7mmol、少しずつ滴下し、室温で1時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、加熱撹拌して紫外線吸収剤が析出するまでテトラヒドロフランを揮発させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、単量体(a1-2-17)を得た。
【0168】
(単量体(a1-2-18))
紫外線吸収骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(a1-2-17)の製造で使用したアクリロイルクロリドの代わりにメタクリロイルクロリドを滴下した以外は同様に行い、単量体(a1-2-18)を得た。
【0169】
(単量体(a1-2-19))
上記の中間体5の合成に続いて、温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、テトラヒドロフランを100g、先の中間体5を28.6mmol仕込み、室温で撹拌した。その後、2-アクリロイルオキシエチルイソシアナートを28.6mmol添加し、さらに日東化成製ネオスタンU-810を0.02mmol添加し、60℃で5時間撹拌した。その後、加熱撹拌して紫外線吸収剤が析出するまでテトラヒドロフランを揮発させ、さらに40℃で減圧乾燥を行い、単量体(a1-2-19)を得た。
【0170】
(単量体(a1-2-20))
紫外線吸収骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(a1-2-19)の製造で使用した2-アクリロイルオキシエチルイソシアナートの代わりに2-メタクリロイルオキシエチルイソシアナートを使用した以外は同様に行い、単量体(a1-2-20)を得た。
【0171】
(単量体(a1-3-1)~(a1-3-32)の製造)
(単量体(a1-3-1)~(a1-3-4))
特開2018-16814公報を参考にして、公知の方法で紫外線吸収骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(a1-3-1)~(a1-3-4)を製造した。
(単量体(a1-3-5)~(a1-3-8))
原料に以下の化合物を用いて、紫外線吸収骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(a1-3-1)~(a1-3-4と同様にして単量体(a1-3-5)~(a1-3-8を製造した。
【0172】
【0173】
(単量体(a1-3-9))
原料に以下の化合物を用いて、紫外線吸収骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(a1-3-1)~(a1-3-4)と同様にして単量体(a1-3-9)を製造した。
【0174】
【0175】
(単量体(a1-3-10)~(a1-3-13))
特開2018-177696公報を参考にして、公知の方法で単量体(a1-3-10)~(a1-3-13)を製造した。
(単量体(a1-3-14)~(a1-3-17))
原料に以下の化合物を用いて、単量体(a1-3-10)~(a1-3-13)と同様にして単量体(a1-3-14)~(a1-3-17)を製造した。
【0176】
【0177】
(単量体(a1-3-18))
原料に以下の化合物を用いて単量体(a1-3-14)~(a1-3-17)と同様にして単量体(メタ)アクリレート化合物(a1-3-18)を製造した。
【0178】
【0179】
(単量体(a1-3-19)、(a1-3--20))
以下の中間体3-1を特開2018-16814公報を参考にして、公知の方法で製造した。
(中間体1)
【化10】
【0180】
次に、温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、N-メチルピロリドンを100g、中間体1を28.6mmol、メチルヒドロキノンを0.01mmol仕込み、エアーをバブリングしながら120℃で撹拌した。その後、グリシジルメタクリレートを62.9mmol、N,N-ジメチルベンジルアミンを0.6mmol添加し、120℃で8時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、単量体が析出させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、単量体(a1-3-19)、(a1-3--20)の混合物を得た。
【0181】
(単量体(a1-3-21)、(a1-3--22))
以下の中間体2を特開2018-177696公報を参考にして、公知の方法で製造した。
(中間体3-2)
【化11】
【0182】
次に、温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、N-メチルピロリドンを100g、中間体2を28.6mmol、メチルヒドロキノンを0.01mmol仕込み、エアーをバブリングしながら120℃で撹拌した。その後、グリシジルメタクリレートを62.9mmol、N,N-ジメチルベンジルアミンを0.6mmol添加し、120℃で8時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、単量体が析出させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、単量体(a1-3-21)、(a1-3--22)の混合物を得た。
(単量体(a1-3-23)~(a1-3-26))
原料に以下の化合物を用いて、紫外線吸収骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(a1-3-1)~(a1-3-4)と同様にして単量体(a1-3-23)~(a1-3-26)を製造した。
【0183】
【0184】
(単量体(a1-3-27)、(a1-3-28))
原料に以下の化合物を用いて、紫外線吸収骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(a1-3-1)~(a1-3-4)と同様にして単量体(a1-3-27)、(a1-3-28)を製造した。
【0185】
【0186】
(単量体(a1-3-29)、(a1-3-30))
原料に以下の化合物を用いて、紫外線吸収骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(a1-3-1)~(a1-3-4)と同様にして単量体(a1-3-29)、(a1-3-30)を製造した。
【0187】
【0188】
(単量体(a1-3-31)、(a1-3-32))
原料に以下の化合物を用いて、紫外線吸収骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(a1-3-19)、(a1-3-20)と同様にして単量体(a1-3-31)、(a1-3-32)の混合物を製造した。
【0189】
(単量体(a1-4-1)~(a1-4-21)の製造)
単量体(a1-4-1))
【0190】
【0191】
上記の中間体4-1について、塩化シアヌルと3-ブトキシフェノールを原料とし、特開平11-71356や特表2018-504479などの実施例の合成法に準じて合成を行った。
続いて、温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、テトラヒドロフランを100g、先の中間体1を28.6mmol仕込み、室温で撹拌した。その後、アクリロイルクロリドを62.9mmol、少しずつ滴下した。その後、トリエチルアミンを85.7mmol、少しずつ滴下し、室温で1時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、加熱撹拌して紫外線吸収性不飽和単量体が析出するまでテトラヒドロフランを揮発させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、単量体(a1-4-1)を得た。
【0192】
(紫外線吸収骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(a1-4-2))
紫外線吸収骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(a1-4-1)の製造において、アクリロイルクロリドの代わりにメタクリロイルクロリドを滴下した以外は同様な方法で製造し、単量体(a1-4-2)を得た。
【0193】
(単量体(a1-4-3))
単量体(a1-4-1)の製造における中間体4-1を用いて、以下の反応を行った。温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、N-メチルピロリドンを100g、先の中間体1を28.6mmol、メチルヒドロキノンを0.01mmol仕込み、エアーをバブリングしながら120℃で撹拌した。その後、グリシジルメタクリレートを62.9mmol、N,N-ジメチルベンジルアミンを0.6mmol添加し、120℃で8時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、紫外線吸収性不飽和単量体が析出させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、単量体(a1-4-3)を得た。
【0194】
(単量体(a1-4-4))
【化8】
中間体4-2
【0195】
上記の中間体4-2について、塩化シアヌルと2-メチルレソルシノールと1-ブロモヘキサンを原料とし、特開平11-71356や特表2018-504479などの実施例の合成法に準じて合成を行った。
続いて、温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、テトラヒドロフランを100g、中間体2を28.6mmol仕込み、室温で撹拌した。その後、アクリロイルクロリドを62.9mmol、少しずつ滴下した。その後、トリエチルアミンを85.7mmol、少しずつ滴下し、室温で1時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、加熱撹拌して紫外線吸収性不飽和単量体が析出するまでテトラヒドロフランを揮発させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、単量体(a1-4-4)を得た。
【0196】
(単量体(a1-4-5))
紫外線吸収骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(a1-4-4)の製造において、アクリロイルクロリドの代わりにメタクリロイルクロリドを滴下した以外は同様な方法で製造し、単量体(a1-4-5)を得た。
【0197】
(単量体(a1-4-6))
温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、N-メチルピロリドンを100g、中間体2を28.6mmol、メチルヒドロキノンを0.01mmol仕込み、エアーをバブリングしながら120℃で撹拌した。その後、グリシジルメタクリレートを62.9mmol、N,N-ジメチルベンジルアミンを0.6mmol添加し、120℃で8時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、紫外線吸収性不飽和単量体が析出させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、単量体(a1-4-6)を得た。
【0198】
(単量体(a1-4-7))
【0199】
【0200】
上記の中間体4-3について、塩化シアヌルとレソルシノールと2-ブロモプロピオン酸と1-オクタノールを原料とし、WO2001/047900などの実施例の合成法に準じて合成を行った。
続いて、温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、テトラヒドロフランを100g、中間体3を28.6mmol仕込み、室温で撹拌した。その後、アクリロイルクロリドを62.9mmol、少しずつ滴下した。その後、トリエチルアミンを85.7mmol、少しずつ滴下し、室温で1時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、加熱撹拌して紫外線吸収性不飽和単量体が析出するまでテトラヒドロフランを揮発させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、単量体(a1-4-7)を得た。
【0201】
(単量体(a1-4-8))
紫外線吸収骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(a1-4-7)の製造において、アクリロイルクロリドの代わりにメタクリロイルクロリドを滴下した以外は同様な方法で製造し、単量体(a1-4-8)を得た。
【0202】
(単量体(a1-4-9))
温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、N-メチルピロリドンを100g、中間体3を28.6mmol、メチルヒドロキノンを0.01mmol仕込み、エアーをバブリングしながら120℃で撹拌した。その後、グリシジルメタクリレートを62.9mmol、N,N-ジメチルベンジルアミンを0.6mmol添加し、120℃で8時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、紫外線吸収性不飽和単量体が析出させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、単量体(a1-4-9)を得た。
【0203】
(単量体(a1-4-10))
【0204】
【0205】
上記の中間体4-4について、塩化シアヌルとレソルシノールと1-ブロモブタンを原料とし、特開平11-71356や特表2018-504479などの実施例の合成法に準じて合成を行った。
続いて、温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、テトラヒドロフランを100g、中間体4を28.6mmol仕込み、室温で撹拌した。その後、アクリロイルクロリドを62.9mmol、少しずつ滴下した。その後、トリエチルアミンを85.7mmol、少しずつ滴下し、室温で1時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、加熱撹拌して紫外線吸収性不飽和単量体が析出するまでテトラヒドロフランを揮発させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、紫外線吸収骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(a1-4-10)を得た。
(紫外線吸収骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(a1-4-11))
紫外線吸収骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(a1-4-10)の製造において、アクリロイルクロリドの代わりにメタクリロイルクロリドを滴下した以外は同様な方法で製造し、単量体(a1-4-11)を得た。
【0206】
(単量体(a1-4-12))
温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、N-メチルピロリドンを100g、中間体4を28.6mmol、メチルヒドロキノンを0.01mmol仕込み、エアーをバブリングしながら120℃で撹拌した。その後、グリシジルメタクリレートを62.9mmol、N,N-ジメチルベンジルアミンを0.6mmol添加し、120℃で8時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、紫外線吸収性不飽和単量体が析出させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、単量体(a1-4-12)を得た。
【0207】
(単量体(a1-4-13))
【0208】
【0209】
上記の中間体4-5について、塩化シアヌルと2-メチルレソルシノールと1-ブロモブタンを原料とし、特開平11-71356や特表2018-504479などの実施例の合成法に準じて合成を行った。
続いて、温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、テトラヒドロフランを100g、先の中間体2を28.6mmol仕込み、室温で撹拌した。その後、アクリロイルクロリドを62.9mmol、少しずつ滴下した。その後、トリエチルアミンを85.7mmol、少しずつ滴下し、室温で1時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、加熱撹拌して紫外線吸収性不飽和単量体が析出するまでテトラヒドロフランを揮発させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、単量体(A-13)を得た。
【0210】
(単量体(a1-4-14))
単量体(a1-4-13)の製造において、アクリロイルクロリドの代わりにメタクリロイルクロリドを滴下した以外は同様な方法で製造し、単量体(a1-4-14)を得た。
【0211】
(単量体(a1-4-15))
単量体(a1-4-13)の製造における中間体5を用いて、以下の反応を行った。温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、N-メチルピロリドンを100g、中間体2を28.6mmol、メチルヒドロキノンを0.01mmol仕込み、エアーをバブリングしながら120℃で撹拌した。その後、グリシジルメタクリレートを62.9mmol、N,N-ジメチルベンジルアミンを0.6mmol添加し、120℃で8時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、紫外線吸収性不飽和単量体が析出させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、単量体(a1-4-15)を得た。
【0212】
(単量体(a1-4-16))
【0213】
【0214】
上記の中間体4-6について、塩化シアヌルとレソルシノールと2-ブロモプロピオン酸と1-オクタノールを原料とし、WO2001/047900などの実施例の合成法に準じて合成を行った。
続いて、温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、テトラヒドロフランを100g、先の中間体3を28.6mmol仕込み、室温で撹拌した。その後、アクリロイルクロリドを62.9mmol、少しずつ滴下した。その後、トリエチルアミンを85.7mmol、少しずつ滴下し、室温で1時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、加熱撹拌して紫外線吸収性不飽和単量体が析出するまでテトラヒドロフランを揮発させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、単量体(a1-4-16)を得た。
【0215】
(単量体(a1-4-17))
単量体(a1-4-16)の製造において、アクリロイルクロリドの代わりにメタクリロイルクロリドを滴下した以外は同様な方法で製造し、単量体(a1-4-17)を得た。
【0216】
(単量体(a1-4-18))
単量体(a1-4-16)の製造における中間体4-6を用いて、以下の反応を行った。温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、N-メチルピロリドンを100g、中間体4-6を28.6mmol、メチルヒドロキノンを0.01mmol仕込み、エアーをバブリングしながら120℃で撹拌した。その後、グリシジルメタクリレートを62.9mmol、N,N-ジメチルベンジルアミンを0.6mmol添加し、120℃で8時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、紫外線吸収性不飽和単量体が析出させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、単量体(a1-4-18)を得た。
【0217】
(単量体(a1-4-19))
【0218】
【0219】
上記の中間体7について、塩化シアヌルと3-ペンタデシルフェノールを原料とし、特開平11-71356や特表2018-504479などの実施例の合成法に準じて合成を行った。
続いて、温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、テトラヒドロフランを100g、先の中間体4-7を28.6mmol仕込み、室温で撹拌した。その後、アクリロイルクロリドを62.9mmol、少しずつ滴下した。その後、トリエチルアミンを85.7mmol、少しずつ滴下し、室温で1時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、加熱撹拌して紫外線吸収性不飽和単量体が析出するまでテトラヒドロフランを揮発させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、単量体(a1-4-19)を得た。
【0220】
(単量体(a1-4-20))
【0221】
【0222】
上記の中間体4-8について、塩化シアヌルと3-フェニルフェノールを原料とし、特開平11-71356や特表2018-504479などの実施例の合成法に準じて合成を行った。
続いて、温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、テトラヒドロフランを100g、先の中間体8を28.6mmol仕込み、室温で撹拌した。その後、アクリロイルクロリドを62.9mmol、少しずつ滴下した。その後、トリエチルアミンを85.7mmol、少しずつ滴下し、室温で1時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、加熱撹拌して紫外線吸収性不飽和単量体が析出するまでテトラヒドロフランを揮発させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、単量体(a1-4-20)を得た。
【0223】
(単量体(a1-4-21))
【0224】
【0225】
上記の中間体4-9について、塩化シアヌルと3-シクロヘキシル-フェノールを原料とし、特開平11-71356や特表2018-504479などの実施例の合成法に準じて合成を行った。
続いて、温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、テトラヒドロフランを100g、先の中間体4-9を28.6mmol仕込み、室温で撹拌した。その後、アクリロイルクロリドを62.9mmol、少しずつ滴下した。その後、トリエチルアミンを85.7mmol、少しずつ滴下し、室温で1時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、加熱撹拌して紫外線吸収性不飽和単量体が析出するまでテトラヒドロフランを揮発させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、単量体(a1-4-21)を得た。
【0226】
(単量体(a1-5-1)~(a1-5-10)の製造)
公知の方法で、(a1-5-1)~(a1-5-10)を製造した。
【0227】
<光硬化性材料(A)の製造>
(光硬化性材料(A-1))
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メトキシプロピルアセテート100.0部を仕込み窒素気流下で75℃に昇温した。別途、単量体(a1-1-1)15.0部、メチルメタクリレート40.0部、ブチルメタクリレート30.0部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、2.2‘-アゾビス(イソ酪酸メチル)を10.0部、およびメトキシプロピルアセテート40.0部を均一に混合した後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上である事を確認し、50℃へ冷却した。
さらに、空気の雰囲気化で、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート17.9部を添加し、さらに重合禁止剤としてメチルヒドロキノン0.05部を添加し、80℃4時間反応させた。イソシアネート当量が1以下になったことを確認し、反応を終了させた。
さらに、不揮発分を40質量%になるようにメトキシプロピルアセテートを加えて調整し、光硬化性材料(A-1)を得た。
この際、2-ヒドロキシエチルメタクリレートのヒドロキシ基に対する、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネートのイソシアネート基の比率は1.0であった。
また、二重結合当量の理論値は、1022であった。
なお、単量体(a1-1-1)としては、RUVA- 93 (大塚化学社製)を用いた。
【0228】
(光硬化性材料(A-2)~(A-99))
表1に示すように、光硬化性材料(A-1)と同様にして、光硬化性材料(A-2)~(A-99)を製造した。
なお、表1の表記については、以下である。
HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート
4HBA:4-ヒドロキシブチルアクリレート
MMA:メチルメタクリレート
BMA:ブチルメタクリレート
MOI:カレンズMOI(昭和電工製)
AOI:カレンズAOI(昭和電工製)
MOI-EG:カレンズMOI-EG(昭和電工製)
BEI:カレンズBEI(昭和電工製)
【0229】
(重合体(X-1))
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メトキシプロピルアセテート100.0部を仕込み窒素気流下で75℃に昇温した。別途、単量体(a1-1-1)15.0部、メチルメタクリレート45.0部、ブチルメタクリレート40.0部、2.2‘-アゾビス(イソ酪酸メチル)を10.0部、およびメトキシプロピルアセテート40.0部を均一に混合した後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上である事を確認し、50℃へ冷却した。
さらに、不揮発分を40質量%になるようにメトキシプロピルアセテートを加えて調整し、重合体(X-1)を得た。
【0230】
(重合体(X-2)~(X-5))
表2に示すように、重合体(X-1)と同様にして、重合体(X-2)~(X-5)を製造した。
【0231】
(重合体(X-6))
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メトキシプロピルアセテート100.0部を仕込み窒素気流下で75℃に昇温した。別途、単量体(a1-1-1)15.0部、メチルメタクリレート38.1部、ブチルメタクリレート29.0部、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート17.9部、2.2‘-アゾビス(イソ酪酸メチル)を10.0部、およびメトキシプロピルアセテート40.0部を均一に混合した後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上である事を確認し、50℃へ冷却した。
さらに、空気の雰囲気化で、2-ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部を添加し、さらに重合禁止剤としてメチルヒドロキノン0.05部を添加し、80℃4時間反応させた。イソシアネート当量が1以下になったことを確認し、反応を終了させた。
さらに、不揮発分を40質量%になるようにメトキシプロピルアセテートを加えて調整し、重合体(X-6)を得た。
二重結合当量の理論値は、997であった。
【0232】
(重合体(X-7))
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メトキシプロピルアセテート100.0部を仕込み窒素気流下で75℃に昇温した。別途、単量体(a1-1-1)15.0部、メチルメタクリレート40.0部、ブチルメタクリレート30.0部、グリシジルメタクリレート15.0部、2.2‘-アゾビス(イソ酪酸メチル)を10.0部、およびメトキシプロピルアセテート40.0部を均一に混合した後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上である事を確認し、50℃へ冷却した。
さらに、空気の雰囲気化で、アクリル酸7.6部を添加し、触媒としてジメチルベンジルアミンを0.5部添加し、さらに重合禁止剤としてメチルヒドロキノン0.05部を添加し、80℃4時間反応させた。酸価が1以下になったことを確認し、反応を終了させた。
さらに、不揮発分を40質量%になるようにメトキシプロピルアセテートを加えて調整し、重合体(X-7)を得た。
二重結合当量の理論値は、1002であった。
【0233】
(重合体(X-8))
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メトキシプロピルアセテート100.0部を仕込み窒素気流下で75℃に昇温した。別途、単量体(a1-1-1)15.0部、メチルメタクリレート45.0部、ブチルメタクリレート30.0部、メタクリル酸10.0部、2.2‘-アゾビス(イソ酪酸メチル)を10.0部、およびメトキシプロピルアセテート40.0部を均一に混合した後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上である事を確認し、50℃へ冷却した。
さらに、空気の雰囲気化で、グリシジルメタクリレート16.5部を添加し、触媒としてジメチルベンジルアミンを0.5部添加し、さらに重合禁止剤としてメチルヒドロキノン0.05部を添加し、80℃4時間反応させた。酸価が1以下になったことを確認し、反応を終了させた。
さらに、不揮発分を40質量%になるようにメトキシプロピルアセテートを加えて調整し、重合体(X-8)を得た。
二重結合当量の理論値は、1019であった。
重合体(X-6)~(X-8)は、表3に示す。
なお、表3の表記については、以下である。
MAA:メタクリル酸
GMA:グリシジルメタクリレート
【0234】
(実施例1)
以下の組成で、光硬化性樹脂組成物を調整した。
光硬化性材料(A-1) 10.0部
日本化薬(株)製「KAYARAD DPHA」 9.0部
IGM Resin社製「Omnirad 184」 1.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 80.0部
(実施例2~99、比較例1~9)
表4に示すように、実施例1と同様に調整した。
比較例9では、BASF製TINUVIN970を用いた。なお、本明細書で実施例1~68、および90~99は参考例である。
(塗工物の作製)
上記の光硬化性樹脂組成物をバーコーターを用いて乾燥膜厚で6μmとなるよう塗布した。得られた塗布層を、100℃1分で乾燥したのち、高圧水銀ランプで400mJ/cm2の紫外線を照射した。
(塗工物の評価)
得られた塗工物を、以下の方法で評価した。
[耐擦傷性]
塗工物を学振試験機にセットし、スチールウールを用いて、荷重500gで50回学振させた。取り出した塗工物について、キズのつき具合を以下の5段階の目視評価に従って判断した。数値が大きいほど、硬化膜の耐擦傷性が良好であることを示す。
5:キズが全くない
4:僅かにキズが付いている
3:キズは付いているが、基材は見えていない
2:キズが付き、一部硬化膜が剥がれている
1:硬化膜が剥がれてしまい、基材が剥き出しの状態
[鉛筆硬度]
JIS-K5600に準拠し、鉛筆硬度試験機(HEIDON社製Scratching Tester HEIDON-14)を用い、鉛筆の芯の硬さを種々変えて、荷重1kgにて10回試験をした。5回中、1回も傷がつかない、もしくは1回のみ傷が付く時の芯の硬さを、その硬化膜の鉛筆硬度とした。実用的な要求物性を考慮して、硬化膜の鉛筆硬度が、
A:2H以上
B:H
D:Hより低い
と判定した。
[透明性]
得られた塗工物の透明性を、目視評価した。
○:まったく濁りが認められない。良好
△:わずかに濁りが認められる。実用域
×:濁りが多く認められる。実用不可
【0235】
[マイグレーション評価]
得られた塗工物を2枚の酸化チタンを配合した軟質塩化ビニルシートで挟み、熱プレス機を使用して圧力100g/cm2・温度170℃30秒間の条件で加熱圧着した。次いで、直ちにフィルムを外して酸化チタンを配合した軟質塩化ビニルシートへのマイグレーションを紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を用いて評価した。評価は、上記の処理を行った軟質塩化ビニルシート上の場所5点を選び、紫外領域の吸光度を測定し、その平均を算出することで行った。
○:280~400nmにおける吸光度が検出されない(0.05未満)。
△:280~400nmにおける吸光度が0.05以上0.2未満。
×:280~400nmにおける吸光度が0.2以上。
【0236】
【0237】
【0238】
【0239】
【0240】
【0241】
【0242】
GMAを使用した系では、GMAのエポキシ基が、紫外線吸収剤が持つフェノール性水酸基と一部反応したなどのため、差がでたものと思われる。