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特許7255588樹脂組成物、光ファイバのセカンダリ被覆材料及び光ファイバ
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  • 特許-樹脂組成物、光ファイバのセカンダリ被覆材料及び光ファイバ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-03
(45)【発行日】2023-04-11
(54)【発明の名称】樹脂組成物、光ファイバのセカンダリ被覆材料及び光ファイバ
(51)【国際特許分類】
   C08F 290/06 20060101AFI20230404BHJP
   G02B 6/44 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
C08F290/06
G02B6/44 301A
G02B6/44 331
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020512270
(86)(22)【出願日】2019-04-02
(86)【国際出願番号】 JP2019014681
(87)【国際公開番号】W WO2019194198
(87)【国際公開日】2019-10-10
【審査請求日】2022-02-21
(31)【優先権主張番号】P 2018070649
(32)【優先日】2018-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100174399
【弁理士】
【氏名又は名称】寺澤 正太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221992
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 真由美
(72)【発明者】
【氏名】浜窪 勝史
(72)【発明者】
【氏名】本間 祐也
【審査官】内田 靖恵
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-109229(JP,A)
【文献】特開2000-026562(JP,A)
【文献】特開昭63-002834(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F290/06
G02B6/44
C03C25
C09D4
C09D175
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、フェノキシ基を有するモノマー及び光重合開始剤を含有するベース樹脂と、疎水性の無機酸化物粒子とを含み、
粘度が、45℃で300mPa・s以上3500mPa・s以下であり、
前記フェノキシ基を有するモノマーの含有量が、前記ベース樹脂の総量を基準として1質量%以上30質量%以下であり、
前記フェノキシ基を有するモノマーが、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、3-フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート及びフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種である、樹脂組成物。
【請求項2】
前記ベース樹脂が、フェノキシ基を有しないモノマーを更に含有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記フェノキシ基を有しないモノマーの粘度が、25℃で50mPa・s以下である、請求項2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記無機酸化物粒子が、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化スズ及び酸化亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記無機酸化物粒子の平均一次粒径が200nm以下である、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記無機酸化物粒子の含有量が、前記樹脂組成物の総量を基準として1質量%以上60質量%以下である、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の樹脂組成物を含む、光ファイバのセカンダリ被覆材料。
【請求項8】
コア及びクラッドを含むガラスファイバと、
前記ガラスファイバに接して該ガラスファイバを被覆するプライマリ樹脂層と、
前記プライマリ樹脂層を被覆するセカンダリ樹脂層と、を備え、
前記セカンダリ樹脂層が、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の樹脂組成物の硬化物からなる、光ファイバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、樹脂組成物、光ファイバのセカンダリ被覆材料及び光ファイバに関する。
本出願は、2018年4月2日出願の日本出願第2018-070649号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、光ファイバは、光伝送体であるガラスファイバを保護するための被覆樹脂層を有している。光ファイバは、光ファイバに側圧が付与された際に発生する微小な曲げにより誘起される伝送損失の増加を小さくするために、側圧特性に優れることが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-219550号公報
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様に係る樹脂組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、フェノキシ基を有するモノマー及び光重合開始剤を含有するベース樹脂と、疎水性の無機酸化物粒子とを含み、粘度が、45℃で300mPa・s以上4200mPa・s以下であり、フェノキシ基を有するモノマーの含有量が、ベース樹脂の総量を基準として1質量%以上30質量%以下である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1図1は、本実施形態に係る光ファイバの一例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
[本開示が解決しようとする課題]
フィラーを含有する樹脂組成物は、粘度が高くなり、塗布性が乏しくなる傾向にある。一方、樹脂組成物の粘度を調整するために、希釈性モノマーの添加量を増やすと、オリゴマーの割合が低下し、樹脂組成物から形成される塗膜が脆くなる傾向にある。また、希釈性モノマーの添加量を増やすと、樹脂組成物から形成される塗膜のヤング率に増加減が生じたり、塗膜の厚みが薄くなってしまい樹脂層の強度が低下したりする。そのため、光ファイバの被覆樹脂層に用いられる樹脂組成物には、塗布性と塗膜物性とを両立することが求められている。
【0007】
本開示は、塗布性と塗膜物性とを両立することができる樹脂組成物、及び当該樹脂組成物から形成される被覆樹脂層を有する光ファイバを提供することを目的とする。
【0008】
[本開示の効果]
本開示によれば、塗布性と塗膜物性とを両立することができる樹脂組成物、及び当該樹脂組成物から形成される被覆樹脂層を有する光ファイバを提供することができる。
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。本開示の一態様に係る樹脂組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、フェノキシ基を有するモノマー及び光重合開始剤を含有するベース樹脂と、疎水性の無機酸化物粒子とを含み、粘度が、45℃で300mPa・s以上4200mPa・s以下であり、フェノキシ基を有するモノマーの含有量が、ベース樹脂の総量を基準として1質量%以上30質量%以下である。
【0010】
このような樹脂組成物は、塗布性と塗膜物性とを両立することができる。また、上記樹脂組成物を光ファイバ被覆用の紫外線硬化型樹脂組成物として用いることで、側圧特性に優れる光ファイバを作製することができる。
【0011】
塗布性と塗膜物性とのバランスを調整するために、ベース樹脂は、フェノキシ基を有しないモノマーを更に含有してもよい。また、フェノキシ基を有しないモノマーの粘度が、25℃で50mPa・s以下であると、樹脂組成物の塗布性を向上し易くなる。
【0012】
フェノキシ基を有するモノマーは、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、3-フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート及びフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種であってもよい。これにより、樹脂組成物の塗布性と塗膜物性とのバランスを調整し易くなる。
【0013】
樹脂組成物中での分散性に優れ、硬い被膜を形成し易いことから、上記無機酸化物粒子は、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化スズ及び酸化亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種であってもよい。
【0014】
本開示の一態様に係る光ファイバは、コア及びクラッドを含むガラスファイバと、ガラスファイバに接して該ガラスファイバを被覆するプライマリ樹脂層と、プライマリ樹脂層を被覆するセカンダリ樹脂層とを備え、セカンダリ樹脂層が、上記樹脂組成物の硬化物からなる。本実施形態に係る樹脂組成物をセカンダリ樹脂層に適用することで、光ファイバの側圧特性を向上することができる。
【0015】
[本開示の実施形態の詳細]
本実施形態に係る樹脂組成物、光ファイバのセカンダリ被覆材料及び光ファイバの具体例を、必要により図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されず、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0016】
<樹脂組成物>
本実施形態に係る樹脂組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、フェノキシ基を有するモノマー及び光重合開始剤を含有するベース樹脂と、疎水性の無機酸化物粒子とを含む。
【0017】
ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はそれに対応するメタクリレートを意味する。(メタ)アクリル酸等についても同様である。
【0018】
(ベース樹脂)
本実施形態に係るベース樹脂は、フェノキシ基を有するモノマーをベース樹脂の総量を基準として1質量%以上30質量%以下含有している。ベース樹脂が、このような範囲でフェノキシ基を有するモノマーを含有することで、樹脂組成物の塗布性を向上し、光ファイバの被覆用樹脂として適切なヤング率を有する塗膜を形成することができる。フェノキシ基を有するモノマーの含有量は、2質量%以上28質量%以下であることが好ましく、3質量%以上25質量%以下であることがより好ましい。
【0019】
フェノキシ基を有するモノマーとしては、例えば、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、3-フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート及びノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。樹脂組成物の塗布性と塗膜物性とのバランスを調整する観点から、フェノキシ基を有するモノマーは、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、3-フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート及びフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種であってもよい。中でも、フェノキシ基を有するモノマーとして、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート又は3-フェノキシベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。フェノキシ基を有するモノマーは、2種以上を混合して用いてもよい。
【0020】
樹脂組成物の塗布性を向上する観点から、フェノキシ基を有するモノマーの粘度は、25℃で50mPa・s以下であることが好ましく、1mPa・s以上30mPa・s以下であることがより好ましく、1mPa・s以上25mPa・s以下であることが更に好ましい。
【0021】
ベース樹脂は、フェノキシ基を有しないモノマーを更に含有してもよい。フェノキシ基を有しないモノマーの粘度は、25℃で50mPa・s以下であることが好ましく、1mPa・s以上30mPa・s以下であることがより好ましく、1mPa・s以上25mPa・s以下であることが更に好ましい。これにより、塗布性と塗膜物性とのバランスにより優れた樹脂組成物を得ることができる。
【0022】
フェノキシ基を有しないモノマーは、重合性基を1つ有する単官能モノマー又は重合性基を2つ以上有する多官能モノマーであってもよい。フェノキシ基を有しないモノマーは、2種以上を混合して用いてもよい。
【0023】
フェノキシ基を有しない単官能モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、s-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキサノール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ノニルフェノールポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系モノマー;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ダイマー、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトン(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有モノマー;N-アクリロイルモルホリン、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-アクリロイルピペリジン、N-メタクリロイルピペリジン、N-アクリロイルピロリジン、3-(3-ピリジン)プロピル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート等の複素環含有(メタ)アクリレート;マレイミド、N-シクロへキシルマレイミド、N-フェニルマレイミド等のマレイミド系モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド等のアミド系モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸アミノアルキル系モノマー;N-(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N-(メタ)アクリロイル-6-オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N-(メタ)アクリロイル-8-オキシオクタメチレンスクシンイミド等のスクシンイミド系モノマーが挙げられる。
【0024】
単官能モノマーとして、樹脂組成物から形成される塗膜のヤング率を調整する観点から、イソボルニル(メタ)アクリレート又は4-Tert-ブチルシクロヘキサノール(メタ)アクリレートが好ましく、イソボルニル(メタ)アクリレートがより好ましい。
【0025】
フェノキシ基を有しない多官能モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14-テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16-ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,20-エイコサンジオールジ(メタ)アクリレート、イソペンチルジオールジ(メタ)アクリレート、3-エチル-1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリプロポキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート及びカプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレートが挙げられる。
【0026】
多官能モノマーとして、樹脂組成物の粘度を低減しつつ、所望のヤング率を有する塗膜を形成する観点から、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートを用いてもよい。その中でも、多官能モノマーとして、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0027】
ベース樹脂は、モノマー(フェノキシ基を有するモノマー及びフェノキシ基を有しないモノマー)をベース樹脂の総量を基準として21質量%以上45質量%以下含有することが好ましく、22質量%以上43質量%以下含有することがより好ましい。上記範囲でモノマーを含有することで、塗布性と塗膜物性とのバランスにより優れた樹脂組成物を調製し易くなる。
【0028】
本実施形態に係る樹脂組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含む。ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させて得られるオリゴマーを用いることができる。
【0029】
ポリオール化合物としては、例えば、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びビスフェノールA・エチレンオキサイド付加ジオールが挙げられる。ポリオール化合物の数平均分子量は、400~1000であってもよい。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びジシクロヘキシルメタン4,4’-ジイソシアナートが挙げられる。水酸基含有(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及びトリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0030】
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを合成する際の触媒として、一般に有機スズ化合物が使用される。有機スズ化合物としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズマレート、ジブチルスズビス(メルカプト酢酸2-エチルヘキシル)、ジブチルスズビス(メルカプト酢酸イソオクチル)及びジブチルスズオキシドが挙げられる。易入手性又は触媒性能の点から、触媒としてジブチルスズジラウレート又はジブチルスズジアセテートを使用することが好ましい。
【0031】
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー合成時に炭素数5以下の低級アルコールを使用してもよい。低級アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-2-プロパノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-メチル-1-ブタノール、3-メチル-1-ブタノール、2-メチル-2-ブタノール、3-メチル-2-ブタノール及び2,2-ジメチル-1-プロパノールが挙げられる。
【0032】
本実施形態に係る樹脂組成物は、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーを更に含有してもよい。エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、グリシジル基を2以上有するエポキシ樹脂に(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させて得られるオリゴマーを用いることができる。
【0033】
光重合開始剤としては、公知のラジカル光重合開始剤の中から適宜選択して使用することができる。光重合開始剤として、例えば、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、2,4,4-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノ-プロパン-1-オン(Omnirad 907、IGM Resins社製)、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(Omnirad TPO、IGM Resins社製)及びビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(Omnirad 819、IGM Resins社製)が挙げられる。
【0034】
(無機酸化物粒子)
本実施形態に係る無機酸化物粒子は、球状の粒子であり、その表面が疎水処理されている。本実施形態に係る疎水処理とは、無機酸化物粒子の表面に疎水性の基が導入されていることをいう。疎水性の基が導入された無機酸化物粒子は、樹脂組成物中の分散性に優れている。疎水性の基は、(メタ)アクリロイル基等の反応性基、又は、炭化水素基(例えば、アルキル基)、アリール基(例えば、フェニル基)等の非反応性基であってもよい。無機酸化物粒子が反応性基を有する場合、ヤング率が高い樹脂層を形成し易くなる。
【0035】
本実施形態に係る無機酸化物粒子は、分散媒に分散されている。分散媒に分散された無機酸化物を用いることで、樹脂組成物中に無機酸化物粒子を均一に分散でき、樹脂組成物の保存安定性を向上することができる。分散媒としては、樹脂組成物の硬化を阻害しなければ、特に限定されない。分散媒は、反応性であっても、非反応性であってもよい。
【0036】
反応性の分散媒として、(メタ)アクリロイル化合物、エポキシ化合物等のモノマーを用いてもよい。(メタ)アクリロイル化合物としては、例えば、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。(メタ)アクリロイル化合物として、上述するモノマーで例示する化合物を用いてもよい。
【0037】
非反応性の分散媒として、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)等のアルコール系溶媒、又は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等のエステル系溶媒を用いてもよい。非反応性の分散媒の場合、ベース樹脂と分散媒に分散された無機酸化物粒子とを混合した後、分散媒の一部を除去して樹脂組成物を調製してもよい。無機酸化物粒子が含まれる分散媒を光学顕微鏡(倍率約100倍)で観察して、粒子が観察されない場合に、無機酸化物粒子が一次粒子で分散されたといえる。
【0038】
樹脂組成物中での分散性に優れ、硬い被膜を形成し易いことから、上記無機酸化物粒子は、二酸化ケイ素(シリカ)、二酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム(マグネシア)、酸化チタン(チタニア)、酸化スズ及び酸化亜鉛からなる群より少なくとも1種であることが好ましい。廉価性に優れる、表面処理がし易い、紫外線透過性を有する、樹脂層に適度な硬さを付与し易い等の観点から、本実施形態に係る無機酸化物粒子として、疎水性のシリカ粒子を用いることがより好ましい。
【0039】
樹脂層のヤング率を高くする観点から、無機酸化物粒子の平均一次粒径は、200nm以下が好ましく、5nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が更に好ましい。平均一次粒径は、例えば、電子顕微鏡写真の画像解析、光散乱法、BET法等によって測定することができる。無機酸化物の一次粒子が分散された分散媒は、一次粒子の粒径が小さい場合は目視で透明に見える。一次粒子の粒径が比較的大きい(40nm以上)場合は、一次粒子が分散された分散媒は白濁して見えるが沈降物は観察されない。
【0040】
無機酸化物粒子の含有量は、樹脂組成物の総量を基準として1質量%以上60質量%以下が好ましく、7質量%以上50質量%以下がより好ましく、9質量%以上40質量%以下が更に好ましい。無機酸化物粒子の含有量が1質量%以上であると、側圧特性に優れる樹脂層を形成し易くなる。無機酸化物粒子の含有量が60質量%以下であると、樹脂組成物の塗布性を向上し易くなる。
【0041】
樹脂組成物は、シランカップリング剤、光酸発生剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤等を更に含有してもよい。
【0042】
シランカップリング剤としては、樹脂組成物の硬化の妨げにならなければ、特に限定されない。シランカップリング剤として、例えば、テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシ-エトキシ)シラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)-エチルトリメトキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメチルジメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド、ビス-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]ジスルフィド、γ-トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィド及びγ-トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィドが挙げられる。
【0043】
光酸発生剤としては、Aの構造をしたオニウム塩を用いてもよい。光酸発生剤としては、例えば、UVACURE1590(ダイセル・サイテック製)、CPI-100P、110P、210S(サンアプロ製)等のスルホニウム塩、Omnicat 250(IGM Resins社製)、WPI-113(富士フイルム和光純薬製)、Rp-2074(ローディア・ジャパン製)等のヨードニウム塩が挙げられる。
【0044】
本実施形態に係る樹脂組成物の粘度は、45℃で300mPa・s以上4200mPa・s以下であり、400mPa・s以上4000mPa・s以下であることが好ましく、500mPa・s以上3500mPa・s以下であることがより好ましい。樹脂組成物の粘度が上記範囲にあることで、樹脂組成物の塗布性を向上することができる。
【0045】
<光ファイバ>
図1は、本実施形態に係る光ファイバの一例を示す概略断面図である。光ファイバ10は、コア11及びクラッド12を含むガラスファイバ13と、ガラスファイバ13の外周に設けられたプライマリ樹脂層14及びセカンダリ樹脂層15を含む被覆樹脂層16とを備えている。
【0046】
クラッド12はコア11を取り囲んでいる。コア11及びクラッド12は石英ガラス等のガラスを主に含み、例えば、コア11にはゲルマニウムを添加した石英を用いることができ、クラッド12には純石英、又は、フッ素が添加された石英を用いることができる。
【0047】
図1において、例えば、ガラスファイバ13の外径(D2)は125μm程度であり、ガラスファイバ13を構成するコア11の直径(D1)は、7~15μm程度である。
【0048】
被覆樹脂層16の厚さは、通常、60~70μm程度である。プライマリ樹脂層14及びセカンダリ樹脂層15の各層の厚さは、10~50μm程度であってもよく、例えば、プライマリ樹脂層14の厚さが35μmで、セカンダリ樹脂層15の厚さが25μmであってもよい。光ファイバ10の外径は、245~265μm程度であってもよい。
【0049】
本実施形態に係る樹脂組成物は、セカンダリ樹脂層に適用することができる。セカンダリ樹脂層は、上述したベース樹脂及び無機酸化物粒子を含む樹脂組成物を硬化させて形成することができる。本実施形態に係る樹脂組成物は、光ファイバのセカンダリ被覆材料として好適である。これにより、光ファイバの側圧特性を向上することができる。
【0050】
セカンダリ樹脂層のヤング率は、23℃で1300MPa以上であることが好ましく、1300~2600MPaがより好ましく、1300~2500MPaが更に好ましい。セカンダリ樹脂層のヤング率が1300MPa以上であると、側圧特性を向上し易く、2600MPa以下であると、セカンダリ樹脂層に適度な靱性を付与できるため、セカンダリ樹脂層に割れ等が発生し難くなる。
【0051】
分散媒に分散された無機酸化物粒子は、樹脂層の硬化後も樹脂層中に分散した状態で存在する。反応性の分散媒を使用した場合、無機酸化物粒子は樹脂組成物に分散媒ごと混合され、分散状態が維持されたまま樹脂層中に取り込まれる。非反応性の分散媒を使用した場合、分散媒は少なくともその一部が樹脂組成物から揮発して無くなるが、無機酸化物粒子は分散状態のまま樹脂組成物中に残り、硬化後の樹脂層にも分散した状態で存在する。樹脂層中に存在する無機酸化物粒子は、電子顕微鏡で観察した場合に、一次粒子が分散した状態で観察される。
【0052】
プライマリ樹脂層14は、例えば、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、モノマー、光重合開始剤及びシランカップリング剤を含む樹脂組成物を硬化させて形成することができる。プライマリ樹脂層用の樹脂組成物は、従来公知の技術を用いることができる。ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、モノマー、光重合開始剤及びシランカップリング剤としては、上記ベース樹脂で例示した化合物から適宜、選択してもよい。ただし、プライマリ樹脂層を形成する樹脂組成物は、セカンダリ樹脂層を形成するベース樹脂とは異なる組成を有している。
【実施例
【0053】
以下、本開示に係る実施例及び比較例を用いた評価試験の結果を示し、本開示を更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0054】
(オリゴマー)
オリゴマーとして、分子量600のポリプロピレングリコール、2,4-トリレンジイソシアネート及びヒドロキシエチルアクリレートを反応させることにより得られたウレタンアクリレートオリゴマー(UA)、並びにエポキシアクリレートオリゴマー(EA)を準備した。
【0055】
(フェノキシ基を有するモノマー)
フェノキシ基を有するモノマーとして、3-フェノキシベンジルアクリレート(共栄化学株式会社の商品名「ライトアクリレートPOB-A」)、2-フェノキシエチルアクリレート(共栄化学株式会社の商品名「ライトアクリレートPO-A」)、フェノキシジエチレングリコールアクリレート(共栄化学株式会社の商品名「ライトアクリレートP2H-A」)、及びフェノキシポリエチレングリコールアクリレート(共栄化学株式会社の商品名「ライトアクリレートP-200A」)を準備した。
【0056】
(フェノキシ基を有しないモノマー)
フェノキシ基を有しないモノマーとして、イソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社の商品名「IBXA」)及びトリプロピレングリコールジアクリレート(ダイセル・オルネクス株式会社の商品名「TPGDA」)を準備した。
【0057】
(光重合開始剤)
光重合開始剤として、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドを準備した。
【0058】
(無機酸化物粒子)
無機酸化物粒子として、平均粒径が70~100nmの疎水性シリカ粒子、平均粒径が40~60nmの疎水性シリカ粒子、平均粒径が10~15nmの疎水性シリカ粒子を準備した。これらのシリカ粒子は、メタクリロイル基を有しており、メチルエチルケトン(MEK)に分散されていた。
【0059】
[樹脂組成物の作製]
まず、上記オリゴマー、モノマー及び光重合開始剤を混合して、ベース樹脂を調製した。次いで、ベース樹脂とシリカ粒子とを混合した後、分散媒であるMEKの大部分を減圧除去して、樹脂組成物をそれぞれ作製した。なお。樹脂組成物中に残存しているMEKの含有量は、5質量%以下であった。
【0060】
表1及び表2において、モノマーの数値は、ベース樹脂の総量を基準とする含有量であり、オリゴマーの数値は、モノマー、オリゴマー及びシリカ粒子の総量を基準とする含有量であり、シリカ粒子の数値は、樹脂組成物の総量を基準とする含有量である。
【0061】
実施例及び比較例で得られた樹脂組成物を用いて、以下の評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
【0062】
(粘度)
樹脂組成物の45℃における粘度を、B型粘度計であるブルックフィ-ルド社の「デジタル粘度計DV-II」(使用スピンドル:No.18、回転数:10rpm)を用いて測定した。
【0063】
(ヤング率)
スピンコータを用いて、樹脂組成物をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの上に塗布した後、ヘレウス製の無電極UVランプシステム「VPS6(Dバルブ)」を用いて、1000±100mJ/cmの条件で硬化させ、PETフィルム上に厚み200±20μmの樹脂層(塗膜)を形成した。樹脂層をPETフィルムから剥がし、樹脂フィルムを得た。
【0064】
樹脂フィルムをJIS K 7127 タイプ5のダンベル形状に打ち抜き、23±2℃、50±10%RHの条件下で、引張試験機を用いて1mm/分の引張速度、標線間25mmの条件で引張り、応力-歪み曲線を得た。2.5%割線によりヤング率を求めた。
【0065】
[光ファイバの作製]
分子量2000のポリプロピレングリコール、2,4-トリレンジイソシアネート、ヒドロキシエチルアクリレート及びメタノールを反応させることにより得られるウレタンアクリレートオリゴマーを75質量部、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート12質量部、N-ビニルカプロラクタム6質量部、1,6-ヘキサンジオールジアクリレートを2質量部、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(Omnirad TPO)を1質量部、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPTS)を1質量部混合して、樹脂組成物A1を得た。
【0066】
コア及びクラッドから構成される直径125μmのガラスファイバの外周に、樹脂組成物A1を用いて厚さ35μmのプライマリ樹脂層を形成し、更にその外周に実施例又は比較例で作製した樹脂組成物を用いてセカンダリ樹脂層を形成して、光ファイバを作製した。線速は1500m/分とした。
【0067】
(塗布性)
作製された光ファイバについて、断線の有無を確認することで、樹脂組成物の塗布性を評価した。断線が無い場合を「OK」とし、断線を確認した場合を「NG」とした。樹脂組成物の粘度が高すぎると、セカンダリ樹脂層を形成する際の被覆径が安定せずに断線し易くなる。一方、樹脂組成物の粘度が低すぎると、自己調芯力が働きにくく、偏肉が発生し易くなる。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
実施例の樹脂組成物は、塗布性と塗膜物性とを両立できることが確認できた。
【符号の説明】
【0071】
10…光ファイバ、11…コア、12…クラッド、13…ガラスファイバ、14…プライマリ樹脂層、15…セカンダリ樹脂層、16…被覆樹脂層。
図1