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特許7255820スマートコントラクト基盤の論文審査システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-03
(45)【発行日】2023-04-11
(54)【発明の名称】スマートコントラクト基盤の論文審査システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20230404BHJP
【FI】
G06Q50/20
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021538488
(86)(22)【出願日】2019-09-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-24
(86)【国際出願番号】 KR2019011460
(87)【国際公開番号】W WO2020141690
(87)【国際公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-08-24
(31)【優先権主張番号】10-2018-0173777
(32)【優先日】2018-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517142668
【氏名又は名称】ザ インダストリー アンド アカデミック コオペレーション イン チュンナム ナショナル ユニバーシティー(アイエーシー)
(73)【特許権者】
【識別番号】521287186
【氏名又は名称】ケイエルアイシー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】KLIC CORP.
【住所又は居所原語表記】F-5F,95,Dunsan-daero 117beon-gil Seo-gu,Daejeon 35203,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ウォン、ユ ジェ
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ジョン ソプ
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ミン ジェ
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-141772(JP,A)
【文献】特表2009-539166(JP,A)
【文献】特表2011-507110(JP,A)
【文献】国際公開第2018/186391(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0123348(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0084827(KR,A)
【文献】阿部健太郎,“E2012 - 学術コミュニケーションにおけるブロックチェーンの可能性|カレントアウェアネス・ポータル”,[online],日本,2018年03月22日,[2022年7月22日検索], インターネット<URL:https://current.ndl.go.jp/e2012>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブサーバ、複数のブロックチェーンサーバ、投稿者端末、編集者端末、レビュアー端末、一般ユーザ端末を含むスマートコントラクト基盤の論文審査システムであって、
投稿者端末は、投稿する論文をウェブサーバにアップロード可能であり、
編集者端末は、レビュアー選択及び編集情報を入力可能であり、
レビュアー端末は、レビュー情報を入力可能であり、
一般ユーザ端末は、論文の照会及び一般審査情報を入力可能であり、
ブロックチェーンサーバは、トークンを発行して補償として支給し、レビュー情報、会員貢献度情報、補償情報が記録され、
ウェブサーバは、前記ブロックチェーンサーバ、投稿者端末、編集者端末、レビュアー端末、一般ユーザ端末間の情報交換及び論文審査の過程を管理し、
論文の審査時に投稿者の情報がブラインド処理され、審査の完了した論文照会時にレビュアーの情報がブラインド処理され、
前記ウェブサーバは、システム管理システム、論文投稿システム、専門審査システム、一般審査システム、参加補償システムを含み、
システム管理システムは、編集者選定モジュール、主題管理モジュール、すべての論文審査進行事項管理モジュール、会員管理モジュール、補償管理モジュールを含み、編集者選定、主題管理、すべての論文審査進行事項管理、編集者及びレビュアー等級設定、補償管理が可能なサブシステムであり、
論文投稿システムは、論文受付モジュール、審査進行事項確認モジュール、論文修正モジュール、投稿論文目録照会モジュールを含み、論文受付、審査進行事項確認、論文修正、投稿論文目録の照会が可能なサブシステムであり、
専門審査システムは、事前処理モジュール、レビュアー選定モジュール、レビュアー論文審査モジュールを含み、事前処理、レビュアー選定、レビュアー論文審査の処理が可能なサブシステムであり、
一般審査システムは、一般人論文評価モジュール及び論文レビュー照会モジュールから構成されたサブシステムであり、一般ユーザは、一般人論文評価モジュールで論文が評価可能であり、論文レビュー照会モジュールを通じてレビュー済み論文に接近可能であり、
参加補償システムは、貢献度測定モジュール、分配設定モジュール、参加者別補償内訳照会モジュールから構成され、当該システムによってシステム参加者は貢献度によって生成されたトークンを分配してもらうことが可能であり、
ブロックチェーンに保存されるデータは、レビュー情報、会員貢献度情報、補償情報を含み、レビュー情報は、論文題目、論文内容、参考文献、レビュー内容を含み、
ウェブサーバに保存されるデータは、一般ユーザ論文評価データ、投稿主題、会員情報を含み、
ブロックチェーンに保存されたデータは、個人情報を除いて公開されて誰でも確認可能であることにより、透明性が保障され、学術審査過程の公正性への信頼が証明可能であり、
データをブロックチェーンサーバとウェブサーバに分けて保存して、公開されるデータの範囲を調節可能であり、ブロックチェーンサーバの負荷が軽減可能であることを特徴とする、スマートコントラクト基盤の論文審査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートコントラクト基盤の論文審査システムに関し、より詳細には、コンピュータ技術を用いて論文審査を管理するスマートコントラクト基盤の論文審査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
論文審査管理を手書きで管理するよりは、コンピュータ技術を用いて管理することが時間及び費用の面で有利である。
【0003】
そのため、論文審査に対してコンピュータ技術を用いて管理する様々な方法が提案されている。
【0004】
特許文献1は、そのような技術の一例である。
【0005】
また、学術コミュニケーションをブロックチェーン技術を用いてコンピュータで管理しようとする試みもあったが、サイエンスルーツ(Science Root)がその例である。サイエンスルーツは、海外で提案されたブロックチェーン基盤の学術コミュニケーションであり、研究コミュニティ構造にブロックチェーン技術を適用しようとした。サイエンスルーツは、研究者等の討論のためのネットワーキングプラットフォーム、機関/企業/大衆からの研究資金調達プラットフォーム、透明な研究結果(論文)出版プラットフォームの三つから構成されたサービスを提供することを目的としているが、詳細な具現結果物やプラットフォーム間の相互互換構造を詳細に提示してはいない。
【0006】
サイエンスルーツは、スマートコントラクトを用いず、ウェブアプリケーションを通じてサービスを管理しようとし、基盤ブロックチェーンプラットフォームとしてウェーブ(Wave)を用いた。ネットワーキングプラットフォームは、研究員が同僚及び共同著者、当該分野の専門家との連結を解決できるプラットフォームとして、研究資金調達プラットフォームは、全世界の政府、団体が様々な補助金を支援するプラットフォームとして、論文出版プラットフォームは、分散出版されたフレームワーク方式により科学の発展を促すプラットフォームとして提案し、サービスを提供しようとした。
【0007】
サイエンスルーツは補償手段を含んでいないが、補償手段を含むブロックチェーン基盤の学術コミュニケーション技術もある。
【0008】
プルート(Pluto)がその例である。
【0009】
プルートは、ブロックチェーン上で運営される分散学術コミュニケーション及び出版プラットフォームであり、あらゆる動作及び取引がブロックチェーンを通じて透明に公開される。プルートで提案するソリューションは、アイディア段階、予算段階、研究段階、普及段階、評価段階に区別できる。研究段階で行われた提案者とアイディア企画者の貢献度、及び普及段階、評価段階で行われた評価者の貢献度に基づき、補償を分配する。
【0010】
まず、研究成果物の普及のために、論文の他にデータシート、ビデオなどの研究成果物も最も效率的に伝達可能な形式で共有され得る環境を提供し、研究者は、評価者に支払うトークンの量、購読価格の策定又はオープンアクセス、ライセンスなどを含む政策を自ら設定した上で、研究成果物をプラットフォームに共有することができる。
【0011】
研究者の評判は、プラットフォーム上の活動への貢献度、及び参加者の認定を意味する投票数に基づいて測定される。共有した研究成果物の引用回数や投票が多いほど、非公開期間中に最終評価に近い定量評価を提出するほど、他の研究者の研究成果物に対する評価に投票数が多いほど、ネットワーキング活動に対する引用回数や投票数が多いほど、評判が高くなる。
【0012】
しかしながら、プルートの場合、ブロックチェーンサーバの負荷が大きく、論文評価者の選定、情報保護などにおいて不便さがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明が解決しようとする課題は、論文審査者に適切な補償ができ、審査手続きの透明性が保障され、且つ便利である、スマートコントラクト基盤の論文審査システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係るスマートコントラクト基盤の論文審査システムは、ウェブサーバ、複数のブロックチェーンサーバ、投稿者端末、編集者端末、レビュアー端末、一般ユーザ端末を含むスマートコントラクト基盤の論文審査システムであって、投稿者端末は、投稿する論文をウェブサーバにアップロードすることができ、編集者端末は、レビュアーの選択及び編集情報を入力することができ、レビュアー端末は、レビュー情報を入力することができ、一般ユーザ端末は、論文の照会及び一般審査情報を入力することができ、ブロックチェーンサーバは、トークンを発行して補償として支給し、レビュー情報、会員貢献度情報、補償情報が記録され、ウェブサーバは、前記ブロックチェーンサーバ、投稿者端末、編集者端末、レビュアー端末、一般ユーザ端末間の情報交換及び論文審査の過程を管理し、論文の審査時に投稿者の情報がブラインド処理され、審査の完了した論文の照会時にレビュアーの情報がブラインド処理されることを特徴とする。
【0015】
前記ウェブサーバは、システム管理システム、論文投稿システム、専門審査システム、一般審査システム、参加補償システムを含むことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るスマートコントラクト基盤の論文審査システムは、論文審査者に適切な補償ができ、審査手続きの透明性が保障され、且つ便利である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係るスマートコントラクト基盤の論文審査システムの構成図である。
図2】論文審査システムの構成図である。
図3】論文審査システムのユースケース(Use-case)である。
図4】投稿者観点の審査順序図である。
図5】編集者及びレビュアーの関心審査順序図である。
図6】参加補償システムにおける各参加者の接近権限の表示図である。
図7】トークンの生成とトークン使用との相関構造図である。
図8】ブロックチェーンの導入目的の表示図である。
図9】ネットワーク構成図である。
図10】論文審査の順序図の例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、様々な変更を加えることができ、種々の実施例を有することができるところ、特定の実施例を図面に例示し、詳細に説明する。ただし、これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変換、均等物又は代替物を含むものとして理解されるべきである。本発明の説明において、関連した公知技術に関する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にし得ると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0019】
本出願で使われる用語は、単に特定の実施例を説明するためのもので、本発明を限定しようとするものではない。単数の表現は、文脈において特に断りのない限り、複数の表現も含む。
【0020】
図1は、本発明に係るスマートコントラクト基盤の論文審査システムの構成図である。
【0021】
図1のスマートコントラクト基盤の論文審査システムは、ブロックチェーンサーバ100、ウェブサーバ200、投稿者端末310、編集者端末320、レビュアー端末330、読者端末340を含む。
【0022】
論文の投稿者は、投稿者端末310を用いて、投稿する論文をウェブサーバにアップロードすることができ、
【0023】
編集者は、編集者端末320を用いて、レビュアーの選択及び編集情報を入力することができ、
【0024】
レビュアー(論文審査者、論文を審査する人)は、レビュアー端末330を用いて、レビュー情報を入力することができ、
【0025】
読者(一般ユーザ)は、読者端末340を用いて、論文の照会及び一般審査情報を入力することができ、
【0026】
ブロックチェーンサーバ100は、トークンを発行して補償として支給し、レビュー情報、会員の貢献度情報、補償情報が記録され、
【0027】
ウェブサーバ200は、前記ブロックチェーンサーバ、投稿者端末、編集者端末、レビュアー端末、一般ユーザ端末間の情報交換及び論文審査の過程を管理する。
【0028】
前記ウェブサーバは、すべての過程を管理することから、管理サーバと呼ぶこともでき、システム管理システム、論文投稿システム、専門審査システム、一般審査システム、参加補償システムを含む。
【0029】
本発明に係るスマートコントラクト基盤の論文審査システムは、既存のウェブ基盤の論文審査システムにブロックチェーン及びスマートコントラクトを結合して設計されたシステムである。ブロックチェーンを導入して、レビュー過程の透明性を保障することができ、研究結果に対する学会の独占を分散させることができる。また、スマートコントラクトを導入して、レビューシステムと参加者補償処理のようなプロセスを自動化することができる。
【0030】
図2は、論文審査システムの構成図である。
【0031】
ブロックチェーン基盤のスマートコントラクトを用いた学術論文審査システムは、総7個のサブシステムから構成されている。既存のウェブ基盤の論文審査システムは、データの処理をウェブで非公開的に行ってきたのに対し、本発明に係るシステムは、ウェブインターフェースを通じてシステムユーザの入力を受け、それに応じてウェブで直接処理する部分と、スマートコントラクトを通じて処理する部分とを区分して作業を行う。
【0032】
さらにいうと、ブロックチェーンを通じてインフラを構成し、イーサリアムプラットフォームを用いてウェブアプリケーションとスマートコントラクトを通じて該当のサービスを提供するシステムを設計及び具現した。ブロックチェーンは、保安性と透明性を保障し、投稿者(論文投稿者)は、論文投稿システム及び一般審査システムに接近することができ、編集者及びレビュアーは、専門審査システムに接近することができ、管理者は、システム及びサーバの管理又は参加補償システムに接近して、それぞれの役割を担うことができる。
【0033】
ここで、投稿者とは、論文を投稿する人、すなわち、投稿料を支払い、自分の研究した結果を審査要請するためにシステムに提出する人のことを指す。編集者は、一つのシリーズ或いはボリュームを出版するに当たって、同じ主題で推薦されたレビュアーを決定したり、或いは事前審査により、レビュアーが審査を行う前に予め検討し、投稿者とレビュアーとを連結する役割を担う。また、一般審査者とは、論文を照会したり論文に対する意見を提起できるシステムユーザのことを意味し、管理者とは、ブロックチェーン、ウェブサーバ及びシステムを管理する管理者のことを意味する。
【0034】
ブロックチェーンを適用して、既存の学術論文審査システムに比べて透明で安全性の保障されたシステムを確保し、不特定複数の意見をさらに受け取ることができる討論スペースにより、研究者は研究結果に対して様々な意見を受け入れることができ、改善した研究結果が導出可能である。また、著者(投稿者)とレビュアーとの間の双方向コミュニケーションによる相互作用が可能であり、レビュアー及びシステム参加者は、参加貢献度に応じて適切な補償を受けることができる。この時に発生する補償は、ブロックチェーンで透明に管理し、不正腐敗及び非合法的使用を根絶できる研究生態系を形成する。
【0035】
図3は、論文審査システムのユースケース(Use-case)である。投稿された論文は、当該ユースケースに従って進行され、スマートコントラクトを通じて一部が自動化してプロセスが進められる。
【0036】
システム管理システムは、編集者の選定、主題管理、すべての論文審査進行事項の管理、編集者及びレビュアーの等級設定、補償管理を行えるサブシステムである。管理者は、当該システム及びモジュールにウェブインターフェースを通じて接近してシステムを管理できる。
【0037】
- 編集者選定モジュール:管理者は、編集者選定モジュールを通じて主題に対する編集者を推薦してもらえ、推薦された編集者を検討した後に最終承認して編集者を選定することができる。
【0038】
- 主題管理モジュール:学会及びジャーナルから投稿を希望する主題をキーワード組合せ単位で選定し、投稿者が当該主題について論文を投稿できるように設定する。主題管理モジュールは編集者選定モジュールと連動し、主題管理モジュールに主題が登録されたとき、自動で編集者選定モジュールで編集者を推薦し、管理者は、推薦された編集者を選定することができる。
【0039】
- すべての論文審査進行事項管理モジュール:編集者たちが管理している主題と当該主題に投稿されたすべての論文の審査進行事項を管理できるモジュールである。主題を選択して当該主題の編集者を選択すると、投稿されたすべての論文を照会することができ、現在進行中であるか或いは過去に進行した論文に対しても進行過程を照会することができる。
【0040】
- 会員管理モジュール:会員たちの情報を管理できるモジュールである。当該モジュールを通じて編集者とレビュアーを選定して登録しておくことができ、優れた評価履歴を有する一般ユーザは、一定レベルに達すると、自動的にレビュアープールに登録される。会員たちに関する情報は、基本情報と共にシステムへの貢献度と言える補償獲得の内訳についても照会可能である。
【0041】
- 補償管理モジュール:補償管理モジュールでは、会員管理モジュールと連動し、会員たちが獲得した補償について管理することができる。これに基づき、会員のレビュアープールへの登録が自動で行われることもある。、
【0042】
各モジュールから発生するデータは、ブロックチェーンサーバとウェブサーバとに分けて保存される。ブロックチェーンサーバには、レビュー情報、会員の貢献度情報、補償情報に対するデータを保存し、ウェブサーバには、一般ユーザの論文評価データ、投稿主題、会員情報のようなデータを保存する。
【0043】
ブロックチェーンに保存される情報において、会員に関する情報はすべて非識別化処理を行った後に公開し、プライバシー問題を解決しようとした。論文審査中の論文投稿者に関する情報や論文審査結果発表後のレビュー作成者に関する情報などの個人情報は、ハッシュ処理して公開する。ハッシュ処理には、一方向関数であるSHA256関数を用い、投稿者やレビュアーによる影響が評価に及ばないようにし、管理者は検証過程を通じて学術論文審査システムに対する貢献度を把握することができる。
【0044】
論文投稿システムは、論文受付、審査進行事項の確認、論文修正、投稿論文目録を照会できるサブシステムである。投稿者は、ウェブインターフェースを通じて当該システムに接近し、論文を投稿したり、投稿した論文に対して進行事項を確認することもでき、レビューの内容によって論文を修正して再提出することもできる。また、投稿した論文の目録を照会することができる。
【0045】
- 論文受付モジュール:投稿者は、当該モジュールを通じて論文を受け付けることができる。ウェブインターフェースを通じて接近して主題を選定し、当該主題を編集者も確認することができ、投稿者が論文を投稿できる手続きは次の通りである。
【0046】
(1)会員登録によりユーザーアカウントを取得
【0047】
(2)ユーザーアカウント及び設定したパスワードでログイン
【0048】
(3)論文の基本事項の入力(著者情報、抄録、キーワード、主題分野)
【0049】
(4)論文ファイルのアップロード(MS-word又はPDFファイル)
【0050】
- 審査進行事項確認モジュール:審査進行事項確認モジュールを通じて投稿した論文の審査進行事項を確認することができる。スマートコントラクトを通じて、期間が設定され、自動化されて処理されるため、審査が処理される時間を確認したり進行中の段階を照会することができ、当該内容が変更されたときには通知が届き、確認することができる。審査進行確認の手続きは次の通りである。
【0051】
(1)ログイン
【0052】
(2)投稿論文目録照会モジュールに連動
【0053】
(3)提出した論文の選択
【0054】
(4)審査進行事項確認(進行手続きによって、論文修正モジュールと連動して論文を修正したり再アップロード及びレビュー対応が可能である)
【0055】
- 論文修正モジュール:論文投稿システムにある他のモジュールと連動し、論文進行手続きに従って論文を修正して再アップロードすることができ、審査待機期間には論文を修正して再提出することもできる。
【0056】
- 投稿論文目録照会モジュール:論文受付モジュールを通じて論文が受け付けられた場合、投稿論文目録照会モジュールとの連動により当該内訳がアップロードされる。このモジュールを通じて審査進行事項を確認することもでき、論文を選択して論文修正モジュールに移り、論文を修正して再アップロードすることができる。
【0057】
図4は、投稿者観点審査の順序図である。
【0058】
当該システムは、編集者及びレビュアーが接近して審査過程を行うためのシステムであり、図4に示すような手続きにしたがって行われる。そのうち、論文投稿のために基本情報を入力するとき、スマートコントラクトのフィールドが埋められ、論文はブロックチェーンネットワークにアップロードされて、透明に管理され得る。
【0059】
専門審査システムは、事前処理、レビュアー選定、レビュアー論文審査を処理できるサブシステムである。編集者及びレビュアーは、当該システムを通じて審査の手続きを行うことができる。また、編集者は、レビュアー選定モジュールを通じてレビュアーを推薦してもらうことができ、推薦されたレビュアーを編集者が最終的に選定して論文の審査を進行する。レビュアーの推薦過程において、キーワードに基づいてシステムは編集者にレビュアーを推薦し、レビュアーの情報は公開されないまま、推薦されたレビュアーのうち3~4人を任意選択し、レビューを要請することができる。編集者及びレビュアーの観点における審査システムのフローチャートは、図5の通りである。図5は、編集者及びレビュアーの関心審査順序図である。
【0060】
専門審査システムは、次の事前処理モジュール、レビュアー選定モジュール、レビュアー審査モジュールを含む。
【0061】
- 事前処理モジュール:事前処理モジュールは、投稿された論文が基本的な事項を守ったか否かを検査して処理するモジュールである。フォーマットの要求事項を充足しているか、主題に該当する内容であるか、技術的貢献の有無、ファイルの添付有無、ジャーナルで提案する言語を用いたかを検査し、当該基準を充足するとレビュアー選定モジュールに進み、充足しない場合には脱落させて投稿者に通知し、論文を修正したり或いは再アップロード及びレビュー対応が可能である。
【0062】
- レビュアー選定モジュール:レビュアー選定モジュールは、システムに登録されたレビュアープールから該当の主題をキーワードとして登録したレビュアーを編集者に推薦する。編集者は、推薦されたレビュアーの中で任意に3~4人を選択し、招待状を発送する。レビュアーがレビューを断る場合には、当該作業を再び繰り返して行い、一定数のレビュアーが選定された場合に、スマートコントラクトを通じてレビュアーたちの日程を調整した後、投稿された原稿を発送する。
【0063】
- レビュアー論文審査モジュール:レビュアーは、当該モジュールを通じて定量的要素を評価し、一定レベル以下になった場合には、投稿者に自動で脱落の通知を送る。一定レベルを超える場合には、次のような手続きで論文審査を行う。
【0064】
(1)要請事項を確認して事前審査
(2)レビュアーの選定及び招待状の発送内容の確認
(3)原稿から個人情報を除去して発送
(4)レビュー結果の確認
(5)最終審査
【0065】
レビュアーも次のような手続きで論文審査を行う。
【0066】
(1)要請事項を確認して受諾及び拒絶
(1)論文審査
(2)審査結果の伝送
【0067】
レビュアーの論文審査は、レポートを通じて定量評価及び定性評価を行い、定量評価は総16個の項目で1~3等級に評価し、定性評価は自由な様式で評価する。本システムで用いる定量評価項目は、ナイス(Nice)またはグッド(Good)またはバッド(Bad)で評価することができ、当該内容を参考しながら個人的な見解を加え、定性評価表に自由にレビューを作成して伝送することができる。各ジャーナル及び学会の管理者は、特性に合わせて各項目毎の定量評価要素を入力でき、定量評価で一定レベル以上の点数を達成できない場合には、論文が脱落処理される。
【0068】
一般審査システムは、一般人論文評価モジュールと論文レビュー照会モジュールとから構成されたサブシステムである。一般ユーザは、投稿された論文に対して提供されるスペースで論文に対する自由な討論をすることができ、審査の完了した論文に対してはレビュアーの非識別化処理が行われた状態でレビューを照会することができる。
【0069】
- 一般人論文評価モジュール:一般ユーザは、ウェブインターフェースを通じて一般人論文評価モジュールに接近でき、論文リストの中から、評価参加を希望する論文を選択する。選択された論文は、著者情報が隠されたまま題名、抄録、序論、本論、結論、参考文献などが公開され、一般ユーザは、当該内容に対するコメントを自由に作成することができる。作成されたコメントに対して、投稿者も再コメントを作成できるので、互いに相互作用することができる。
【0070】
- 論文レビュー照会モジュール:一般ユーザは、ウェブインターフェースを通じてレビューが完了した論文に接近できる。この際に、論文題名、著者情報、抄録、序論、本論、結論、参考文献及びレビュー情報を照会することができ、レビュアーに関する情報は、非識別化処理されてから公開される。これにより、一般ユーザは、当該論文がレビュアーによってどのような評価を受けたかを照会でき、より透明なレビュー体系が確立でき、公正性を高めることができる。
【0071】
参加補償システムは、貢献度測定、分配設定、参加者別の補償内訳照会モジュールから構成される。当該システムを通じて、システムの参加者は、貢献度に応じて生成されたトークンを分配してもらえる。トークンの生成及び分配過程は、スマートコントラクトを通じて設定された規則によって自動で行われる。それぞれのモジュールに接近できる権限は、図6に示す通りである。図6は、参加補償システムにおける各参加者の接近権限表示図である。
【0072】
- 貢献度測定モジュール:システムに参加する投稿者、編集者、レビュアー、一般ユーザは、当該論文が処理される過程で発生する貢献度に応じてトークンを分配してもらうことができる。
【0073】
- 分配設定モジュール:管理者は、分配設定モジュールを通じて、各システム参加者に割り当てられるトークンの分配内訳を設定することができ、設定された分配内訳は、システムに参加している人全員に公開される。
【0074】
- 参加者別の補償内訳照会モジュール:参加者別の補償内訳照会モジュールは、管理者だけが接近でき、システム参加者がどれだけ当該システムで行われる論文評価に貢献したかが照会できる。この情報に基づき、一般ユーザが一定レベルを超えるとレビュアープールに登録され、専門審査を要請してもらうこともできる。
【0075】
トークンが分配され消滅する過程は、スマートコントラクトを通じて設定され自動化され、図7に示すように、分配されたトークンは、論文を投稿する時に使用したり、当該システムを運営しているジャーナルや学会のその他のサービスを受ける場合に使用することができる。図7は、トークン生成とトークン使用との相関構造図である。
【0076】
本発明のシステムは、ブロックチェーンを導入してレビュー過程における透明性を保障することができ、研究結果に対する学会の独占を分散させようとした。また、スマートコントラクトを導入して、レビューシステムと参加者補償処理のようなプロセスの自動化を図ることができる。図8に示すように、各サブシステム(subsystem)は、研究著作権独占の分散、システムの自動化、レビュー過程に対する透明性、統合管理という効果をもたらすことができる。
【0077】
図8は、ブロックチェーンの導入目的の表示図である。
【0078】
このように導入されブロックチェーンは、各学会で1個以上のフルノードを運営しなければならず、また、各学会はサービスを提供するためのウェブアプリケーション及び情報を保管するためのウェブアプリケーションサーバ、そして透明性のために導入したブロックチェーンサーバ及びノードを運営しなければならない。各学会のノードは、ブロックチェーンを通じてネットワークを構成し、スマートコントラクトを通じてプロセスを自動化する。ネットワークの構成は、図9に示す通りである。
【0079】
図9は、ネットワーク構成図である。
【0080】
当該ブロックチェーンに保存されるデータは、レビュー情報、会員貢献度情報、補償情報であって、レビュー情報は、論文題名、論文の内容、参考文献、レビューの内容のことを指す。会員貢献度情報には、レビューの参加回数、レビューの評点、一般評価回数データが含まれ、補償情報には役割別の補償獲得情報、補償使用情報がブロックデータに保存され、個人情報を除いて透明に公開される。
【0081】
各ノードは、システムから発生するデータに対して検証し、ブロックを生成し、生成されたブロックもまた検証をした後、異常がない場合にブロックチェーンに登録される。ブロックチェーンに保存されたデータは公開されており、誰でも確認することができて透明性が保証され、学術審査過程の公正性への信頼を証明することができる。
【0082】
本発明の論文審査システムの動作性能を検証するためのシステムにおいて、各ブロックチェーンサーバはブロックチェーンネットワークを通じて連結され、ブロックチェーンネットワークはウェブサーバ(管理サーバ)に連結される。
【0083】
ブロックチェーンサーバ4式、ウェブサーバ1式、一般PC1台を構築しており、それに対する詳細なスペックは、表1の通りである。提案するシステムは、一般PCからウェブサーバを通じて接近することができ、ブロックチェーンサーバにはイーサリアム(Ethereum)のクライアントであるゲス(Geth)を用いてブロックチェーンノードを構成した。ウェブサーバは、node.jsを通じて構築し、データベースはMaria DBを用いてテストベッドを構築した。一般PCのOSは、Window7で構成した。
【0084】
【表1】
【0085】
ブロックチェーンサーバには、イーサリアムのクライアントのGethを通じてネットワークを構築しており、その構成過程は次の通りである。
【0086】
(1)作動中のOSに合うイーサリアムゲス(Etherium Geth)をダウンロード及び設置する。
(2)ブロックデータが保存される位置を選定する。
(3)ジェネシスブロック(Genesis block)を設定する。
(4)管理者の権限でゲス(Geth)を行う。
(5)ゲスを行い、ジェネシスブロックを生成する。
(6)ブロックチェーンを行い、各ノードをブートノードと連結する。
【0087】
イーサリアムノードの構築が完了すると、画面からノードの同期化の様子か見られる。
【0088】
実行されたブロックチェーンにおいて他の実行中のノードと同期化するための作業を行い、当該作業が終了すると、ブロックを生成し検証しながら、発生するトランザクションやブロック生成に対する感知を持続的に行う。
【0089】
一般のシナリオに基づいてシステムを駆動し、駆動しながら発生する情報により、提案するシステムの性能テストを行う。提案するシステムで発生し得る一般的なシナリオは、図10に示すように、ブロックチェーンサーバ、投稿者、ウェブ基盤の原稿システム、編集者レビュアーへと役割を区分し、このようなシナリオに従って行いながら、各役割の接近権限が正しく設定されているか、データの伝送が無理なく行われているか、駆動上の問題はないか、情報が透明に公開できるかを確認することが、当該テストの目標である。図10は、論文審査の順序図の例である。
【0090】
そのために、システムユーザの役割を投稿者及び編集者、レビュアー、一般ユーザへと区分し、各役割別に接近できるページに接近してどのような役割が行えるかをテストし、データが発生するとブロックチェーンサーバでどのような現象が起きるか、その結果を分析するものとする。
【0091】
まず、投稿者は、ウェブインターフェースを通じて、論文を投稿したり審査進行事項を確認したりすることができる。ログイン後、論文投稿機能に接続すると、論文情報、著者情報、論文アップロード、確認及びエディター伝送タブへと区分される論文投稿ページに接続することができる。まず、論文情報ページで主題、題名、抄録、キーワードを入力し、著者情報ページで著者情報を入力し、論文アップロードページで論文ファイルをワード(Word)又はPDF(Portabale Document Format)ファイルにてアップロードする。最終確認後にエディターに伝送すれば、論文投稿が完了する。論文投稿が行われると論文IDが発給され、当該論文に関する情報はスマートコントラクトを通じてブロックチェーンサーバに保存される。このようにスマートコントラクトを通じてブロックチェーンサーバに保存された情報は、書き換えできず、誰でもアクセスできるため、発生する情報に対する透明性が保証され、信頼性を高めることができる。
【0092】
論文状態機能に接続すると、該当の会員が作成した論文の状態を確認することができる。論文の投稿時に割り当てられたIDと主題、題名、進行状態、提出日が確認でき、最後の照会ボタンを押すと、当該論文の内容が確認できる。
【0093】
次に、編集者及びレビュアーは、論文審査過程を行うことができる。編集者及びレビュアーは、要請された論文に対して審査を行う。編集者は、論文が受け付けられて事前審査処理が終わると、システムで推薦レビュアーリストを確認することができる。推薦レビュアーリストは、レビュアーの個人情報が公開されず、関心分野、最近のレビュー、システムへの貢献度を確認することができる。細部情報照会を押すと、最近の履歴の他に歴代の履歴も確認し、適切なレビュアーを選定することができる。
【0094】
レビュアーは、レビュー要請を受諾すると原稿を受け取ることができ、原稿の内容を確認して専門審査を行う。専門審査は、定量評価と定性評価とに区分され、定量評価は総16個の項目から構成されており、1~3段階の評価を行うことができる。その他にも、ワードファイルやPDFファイルにて自由に各題名、抄録、序論、本論、結論、参考文献に対する意見を作成してアップロードすることができる。
【0095】
審査が完了した後に伝送ボタンを押すと、当該審査内容は、編集者が確認できるように伝達され、定量評価で一定レベルに満たないと、投稿者に脱落の通知を送信する。この際、ブロックチェーンノードにはトランザクションが発生したことを通知し、他のノードに伝播する。
【0096】
本発明においては、データをブロックチェーンサーバとウェブサーバとに分けて保存することにより、公開されるデータの範囲が調節でき、ブロックチェーンサーバの負荷が軽減できる。また、事前処理及びレビュアーの選択過程でも、スマートコントラクトを用いて管理者及びレビュアーの便宜性を向上させることができる。
【0097】
本発明においては、論文審査時に投稿者の情報がブラインド処理され、審査の完了した論文の照会時にレビュアーの情報がブラインド処理されるようにして、公正な評価を誘導できる。
【0098】
一般ユーザ(読者)は、投稿中の論文に対して自由に評価し、一般審査に参加すると論文に対する題名、著者情報、抄録、参考文献を確認することができ、論文閲覧で論文の全文を確認することができる。論文を確認し、コメント欄で一般評価をすることができる。この際、著者に関する情報は非公開され、著者による影響が評価に及ばないようにする。
【0099】
また、一般ユーザは、審査の完了した論文に対しても照会することができる。この際には、題名、著者情報、抄録、参考文献を確認することができ、論文閲覧により論文全体を確認することもでき、専門審査閲覧により当該論文が専門家からどのような評価を受けたかも確認することができる。この際、レビュアーのプライバシーのために、レビュアーの情報は除去されたままで、レビュー内容だけを確認できる。また、論文投稿中に行われた一般審査の結果も確認することができ、当該論文に対する自由な討論をすることもできる。
【0100】
最後に、管理者は、主題管理、進行事項管理、会員情報管理、補償管理を設定することができる。管理者ページに接続すると、編集者の選定、主題管理、審査進行事項管理、補償管理のタブを選択することができ、そのうち、編集者選定タブは、特定の主題に対して論文を全部管理する編集者を選定し、レビュアーを選出できる権限を与えることができる。そして、主題管理タブでは、学会及びジャーナルから投稿してもらう主題のリストを登録することができる。
【0101】
審査進行事項管理ページでは、当該ジャーナルに投稿中のすべての論文を確認することができ、論文ID、主題、著者、題名、状態、レビュアーの割り当て、提出日を確認することができ、照会ボタンを押すと、当該論文を評価しているページに移動する。補償管理ページでは、分配設定、貢献度測定、参加者毎の補償内訳を確認することができる。分配設定タブでは、レビュアー、一般ユーザ、編集者、管理者が何%の割合で補償を分配してもらうかを設定し、設定された補償は学会参加者の全員に公知される。
【0102】
ブロックチェーン基盤のスマートコントラクトを用いた論文審査システムは、透明性と研究結果に対する分散を保障することができ、プロセスの自動化という効果をもたらす。本出願においては、ブロックチェーン基盤のスマートコントラクトを用いた論文審査システムを設計して具現化し、これを用いることによる効果を提示した。
【0103】
技術的側面では、管理者にとってシステムが拡張しやすく、システムの統合管理も容易である。また、透明性が保障され、学会運営結果に対する監査システムの役割を果たし得るだろう。社会的側面では、投稿者及び一般ユーザの研究質を向上させることができ、レビュアー専門人材を養成することができる。また、社会的問題に対する問題解決の確率が増加するにつれて、次第に発展する社会を先導できるシステムになり得る。経済的側面では、結果物に対する学会の独占分散によって、投稿者の著作権を保障し、レビューに対する適切な補償がされることになる。そして、審査過程及び補償内訳を透明に管理し、不正腐敗及び非合法的な使用を根絶できる研究生態系を構成することができる。最後に、研究的側面では、専門的な意見と不特定多数の意見を受け取ることができ、意見の多様性関連問題が解決され、一般ユーザは関心分野における専門的な意見を受け入れることができる。
【0104】
しかし、技術的問題点が存在するが、それはブロックチェーン技術における市場の検証が足りないことである。比較的遅い演算処理速度により論文市場に過負荷がかかった場合、システムがデータを適時に処理できるかに対する疑問があり、この場合、大容量データに対する処理及び検証問題も発生し得る。また、ウェブで動作するシステムであるため、スクリプトによる情報漏れの問題、分散型システムで発生し得る事故の発生時に、責任の所在が不明確になり得る。そして、大容量メディアファイルの場合、ブロックにそのまま登録できず、これを処理する他の方法が必要となる問題点もある。
【0105】
その他にも、ブロックチェーンの保安標準問題として、自体の拡張性には優れているが、保安標準が明確でないため、他のサービスとの融合時に考慮に入れなければならないという問題点がある。その一例として、プロトコル標準問題が挙げられるが、このような問題が解決されたら、より大きい潜在力を持って様々な産業への拡張が可能であろう。そして、スマートコントラクトは、コードとして作成され、非可逆性を特徴とするブロックチェーンであるため、スマートコントラクトが保安に脆弱に作成されたとき、これを修正したり反映したりし難いという問題点がある。
【0106】
本発明は、論文評価の他に、評価履歴及び評判を管理できる他のシステムにも適用可能である。そして、プロジェクトの進行過程を公開し、意見を収束して反映するプラットフォームへの拡大適用が可能であるが、その理由は、提案するシステムがウェブアプリケーションを通じてサービスを提供すし、拡張性に優れているからである。また、関心分野マッチング推薦により協力研究を拡大することができ、このような審査システムを含む協業管理システムに拡張して使用されることも可能である。
【0107】
最後に、学会独自の監査システム構築の効果を得ることができるが、いつでも論文評価の透明な結果が公開できるので、監査システムを別途構築しなくても提案のシステムを用いて当該内容を行うことができる。

図1
図2
図3
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図5
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図7
図8
図9
図10