(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-03
(45)【発行日】2023-04-11
(54)【発明の名称】発電装置、および、発電システム
(51)【国際特許分類】
H02K 21/14 20060101AFI20230404BHJP
【FI】
H02K21/14 G
(21)【出願番号】P 2022008754
(22)【出願日】2022-01-24
【審査請求日】2022-12-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518304926
【氏名又は名称】宮里 義章
(73)【特許権者】
【識別番号】518304801
【氏名又は名称】ウィンスター株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507001117
【氏名又は名称】株式会社ビジサー
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120237
【氏名又は名称】石橋 良規
(72)【発明者】
【氏名】パク デェキ
(72)【発明者】
【氏名】ジェオン コンウ
(72)【発明者】
【氏名】宮里 義章
【審査官】安池 一貴
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108631530(CN,A)
【文献】特開平02-237451(JP,A)
【文献】特開平05-199727(JP,A)
【文献】特開昭54-084207(JP,A)
【文献】特開2008-278725(JP,A)
【文献】特開2012-152054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 21/14
H02K 1/2713
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒面を有する回転子の回転軸の方向で対となる磁極を有する永久磁石と、
前記回転軸から外側に向かう少なくとも1つの放射軸の周りに導線を巻回させたコイルと、
を備え、
前記回転子において、前記回転軸に対して放射状に、かつ、円周方向に沿って、互いに所定の間隔で
、前記回転軸の方向に形成された
各磁石孔に前記永久磁石が挿入され、
前記放射軸の方向に突出するティースであって、前記ティースの板状部の長辺が前記回転軸の方向に伸び、
前記コイルが、少なくとも1つの前記ティースに前記導線を巻回させて、前記回転軸の方向に伸びて形成されたことを特徴とする発電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発電装置において、
前記回転軸の方向における一方の側で、前記複数の前記永久磁石の磁極が、同じ磁極であることを特徴とする発電装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の発電装置において、
前記永久磁石が、
1つの前記磁石孔
内に、複数の永久磁石を同じ磁極を対向させて挿入させて形成されたことを特徴とする発電装置。
【請求項4】
発電装置と前記発電装置の回転を制御する回転制御装置とを備えた発電システムにおいて、
前記発電装置が、
円筒面を有する回転子の回転軸の方向で対となる磁極を有する永久磁石と、前記回転軸から外側に向かう少なくとも1つの放射軸の周りに導線を巻回させたコイルと、を有し、
前記回転子において、前記回転軸に対して放射状に、かつ、円周方向に沿って、互いに所定の間隔で
、前記回転軸の方向に形成された各磁石孔に前記永久磁石が挿入され、
前記放射軸の方向に突出するティースであって、前記ティースの板状部の長辺が前記回転軸の方向に伸び、前記コイルが、少なくとも1つの前記ティースに前記導線を巻回させて、前記回転軸の方向に伸びて形成され、
前記回転制御装置が、前記回転軸を介して前記発電装置の回転を制御することを特徴とする発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電装置、および、発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
永久磁石を用いた発電装置として、例えば、特許文献1には、基台に固定された外側円筒と、外側円筒の内面に円周方向に設けられた複数の空芯コイルと、外側ヨークと、を備える固定子と、基台に設けられた軸受けに、外側円筒と同心且つ回転自在に軸支された中心軸と、中心軸に貫通されて固定された内側円筒と、内側円筒の外周面に、磁極の方向が円筒の直径方向に沿い、隣接する磁石と相互に反対に向くように着磁された複数の磁石と、内側円筒の内側に設けられた内側ヨークと、を備える回転子とを備え、磁石の数が4以上の偶数であって、コイルの数が磁石の数より1多いか又は1少ない円筒型永久磁石発電機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、回転による大きな磁束の変化を生じさせるために、回転方向に交互にN極とS極となるように、永久磁石が配置されている。そのため、回転子を回すためには高トルクが必要で、風力発電における弱風のときのように入力の機械的エネルギーが弱い場合は、回転が止まってしまい、効率よく発電することができなかった。
【0005】
そこで、本発明は上記の問題点等に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、弱い入力の機械的エネルギーでも、効率よく発電する発電装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、円筒面を有する回転子の回転軸の方向で対となる磁極を有する永久磁石と、前記回転軸から外側に向かう少なくとも1つの放射軸の周りに導線を巻回させたコイルと、を備え、前記回転子において、前記回転軸に対して放射状に、かつ、円周方向に沿って、互いに所定の間隔で、前記回転軸の方向に形成された各磁石孔に前記永久磁石が挿入され、前記放射軸の方向に突出するティースであって、前記ティースの板状部の長辺が前記回転軸の方向に伸び、前記コイルが、少なくとも1つの前記ティースに前記導線を巻回させて、前記回転軸の方向に伸びて形成されたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発電装置において、前記回転軸の方向における一方の側で、前記複数の前記永久磁石の磁極が、同じ磁極であることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発電装置において、前記永久磁石が、1つの前記磁石孔内に、複数の永久磁石を同じ磁極を対向させて挿入させて形成されたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、発電装置と前記発電装置の回転を制御する回転制御装置とを備えた発電システムにおいて、前記発電装置が、円筒面を有する回転子の回転軸の方向で対となる磁極を有する永久磁石と、前記回転軸から外側に向かう少なくとも1つの放射軸の周りに導線を巻回させたコイルと、を有し、前記回転子において、前記回転軸に対して放射状に、かつ、円周方向に沿って、互いに所定の間隔で、前記回転軸の方向に形成された各磁石孔に前記永久磁石が挿入され、前記放射軸の方向に突出するティースであって、前記ティースの板状部の長辺が前記回転軸の方向に伸び、前記コイルが、少なくとも1つの前記ティースに前記導線を巻回させて、前記回転軸の方向に伸びて形成され、前記回転制御装置が、前記回転軸を介して前記発電装置の回転を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、回転軸の方向で対となる磁極を有する永久磁石と、回転軸から外側に向かう放射軸の周りに導線を巻回させたコイルと、を備えた発電装置であって、複数の永久磁石が、回転軸に対して放射状に、かつ、円周方向に沿って、互いに所定の間隔で配置されたことにより、複数の永久磁石が、回転軸の方向で対となる磁極を有するため、回転軸から外側に向かう放射軸の方向で対になる磁極を有する永久磁石を配置した場合に比べ、弱い入力の機械的エネルギーでも滑らかに回転して、弱い入力の機械的エネルギーを電気エネルギーに変換できるように効率よく発電できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】本発明の実施形態に係る発電装置の概要構成例を示す正面図である。
【
図1B】本発明の実施形態に係る発電装置の概要構成例を示す斜視図である。
【
図4A】回転子の構成部品の一例を示す正面図である。
【
図4B】回転子の構成部品の一例を示す平面図である。
【
図4C】回転子の構成部品の一例を示す断面図である。
【
図6】
図5の永久磁石を装着した回転子の一例を示す平面構成図である。
【
図7】
図1Bの回転子における永久磁石の磁極の向きの一例を示す斜視図である。
【
図8】固定子の構成部品の一例を示す正面図である。
【
図9A】固定子におけるコイルの一例を示す模式図である。
【
図9B】永久磁石とコイルとの位置関係を示す模式図である。
【
図9C】コイルと放射軸との位置関係を示す模式図である。
【
図10】発電システムの概要構成例を示すブロック図である。
【
図12】発電システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図13A】回転子における永久磁石の配置の変形例を示す斜視図である。
【
図13B】永久磁石の配置の変形例を示す斜視図である。
【
図14A】回転子における永久磁石の配置の変形例を示す斜視図である。
【
図14B】回転子における永久磁石の配置の変形例を示す斜視図である。
【
図14C】回転子における永久磁石の配置の変形例を示す斜視図である。
【
図15】回転子における永久磁石の配置の変形例を示す斜視図である。
【
図16】回転子における永久磁石の配置の変形例を示す斜視図である。
【
図17A】本発明の実施形態に係る発電装置の変形例を示す正面図である。
【
図17B】本発明の実施形態に係る発電装置の変形例示す斜視図である。
【
図18】固定子におけるコイルの一例を示す模式図である。
【
図19】回転数と電力との関係の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、発電装置に対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【0014】
[1.発電装置等の構成および機能概要]
(1.1 発電装置の構成および機能)
【0015】
まず、本発明の一実施形態に係る発電装置の構成および概要機能について、
図1Aよび
図1Bを用いて説明する。
【0016】
図1Aおよび
図1Bに示すように、発電装置10は、回転子11と、固定子15とを有する。
【0017】
回転子11は、回転子11は、シャフトSfに固定され、シャフトSfの回転と共に回転する。回転子11には、複数の永久磁石mが、シャフトSfの回転軸に対して放射状に、かつ、円周方向に沿って、互いに所定の間隔で配置されている。
【0018】
図1Bに示すように、永久磁石mは、回転軸r1の回転軸方向で対となる磁極を有している。例えば、発電装置10の回転軸r1の方向におけるA側が、すなわち、棒状の永久磁石mの端面m1がN極、発電装置10の回転軸r1の方向におけるB側が、すなわち、棒状の永久磁石mの端面m2がS極となる。
【0019】
また、回転軸r1の方向における一方の側で、複数の永久磁石mの磁極が、同じ磁極である。例えば、発電装置10の回転軸r1の方向におけるA側の全ての永久磁石mの端面m1がN極、発電装置10の回転軸r1の方向におけるB側の全ての永久磁石mの端面m2がS極となる。
【0020】
複数の永久磁石mが、回転軸r1に対して放射状に、かつ、円周方向に沿って、互いに所定の間隔で配置されている。例えば、
図1Aおよび
図1Bに示すように、18個の棒状の永久磁石mが、永久磁石mの長軸方向が回転軸r1に平行で、回転軸r1に対して放射状に、かつ、円周方向に沿って、互いに所定の間隔で配置されている。
【0021】
固定子15は、シャフトSfの回転軸r1に向かう方向にT字状に突出した複数のティースTと、ティースTに巻かれたコイルCとを有する。
【0022】
ティースTは、放射軸r2の方向に突出している。ティースTの先端部と回転子11の円筒面とは、所定のギャップを有する。
【0023】
コイルCは、
図1Aおよび
図1Bに示すように、回転軸r1から外側に向かう少なくとも1つの放射軸r2の周りに導線を巻回させて形成される。コイルCは、回転方向にU相用のコイル、V相用のコイル、W相用のコイルの順に形成される。ティースTは、回転軸r1の方向に伸びて形成され、
図1Bに示すように、コイルCは、回転軸r1の方向に伸びたループ形状となる。
【0024】
発電装置10は、三相交流の電力を発電する。なお、発電装置10は、2相交流を生成するように、コイルCが形成されてもよい。
【0025】
永久磁石mとコイルCとは、シャフトSfの回転軸に対して相対的に回転可能に構成されている。
【0026】
(1.2 回転子の構成および機能)
次に、回転子の構成および機能について、
図2から
図7を用いて説明する。
【0027】
図2から
図3Cに示すように、回転子11は、永久磁石mを挿入する磁石孔11aと、回転子板12を互いに連結するためのボルト孔11bと、シャフトSfを通す軸孔11cと、軽量化のためのほぼ扇形の孔11dと、を有する。回転子11は、回転子板12がシャフトSfの回転軸r1の方向に重ねられて、積層的に形成される。
【0028】
磁石孔11aは、回転子11の外周面付近に形成されている。
図3Aに示すように、回転子11の外周面と磁石孔11aとのギャップd2は、磁石孔11aに挿入される永久磁石mの厚さd1より小さい。
【0029】
ボルト孔11bには、ボルトが挿入され、積層された各回転子板12が固定される。
【0030】
軸孔11cには、シャフトSfが挿入され、回転子11とシャフトSfとが固定される。
【0031】
図4Aに示すように、回転子11を構成する円形の回転子板12は、永久磁石mを挿入する磁石孔12aと、回転子板12を互いに連結するためのボルト孔12bと、シャフトSfの回転軸を通す軸孔12cと、軽量化のための扇形の孔12dと、を有する。
【0032】
なお、磁石孔11aに永久磁石mが挿入された後、磁石孔11aを塞ぐための2枚の蓋部材(図示せず)を、回転子11の回転軸r1の方向の両側から当ててから、ボルトが挿入され、積層された各回転子板12が固定される。蓋部材は、回転子板12と同じ大きさで、ボルト孔11bおよび軸孔11cと同じ位置に孔を有する。
【0033】
磁石孔12aは、シャフトSfの回転軸に対して放射状に、かつ、円周方向に沿って、等間隔に回転子板12に形成される。磁石孔12aは、回転子板12の外周付近に、例えば、18個形成される。磁石孔12aの形状は、永久磁石mの形状に合わせて形成される。
【0034】
回転子板12の材質は、軟鉄、ケイ素鋼、アルミニウム等の金属である。回転子板12の材質は、マグネシウム合金、アルミニウム合金、ステンレス等の合金や強化プラスチックでもよい。特に、回転子板12の材質は、ケイ素鋼等の電磁鋼が好ましい。蓋部材の材質は、軟鉄、ケイ素鋼、アルミニウム等の金属で、回転子板12の材質と同じでもよい。回転子板12の材質は、所定値以上の透磁率を有する材料でもよい。例えば、炭素鋼以上の透磁率を有する材料、軟鉄以上の透磁率を有する材料、ケイ素鋼以上の透磁率を有する材料等が挙げられる。
【0035】
回転子板12は、
図4Bの平面図および
図4Cの断面図に示すように、薄い鉄心板である。回転子板12の厚さは、例えば、0.1mmから1mmである。
図4Bに示すように、回転子板12の厚さは、例えば、0.5mmほどである。なお、回転子11は、回転子板12を積層した積層鉄心でなく、金属の塊からの削り出しにより作製された鉄心でもよい。蓋部材の厚さは、回転子板12の厚さは例えば、0.1mmから1mmである。
【0036】
厚さ0.5mmの回転子板12を、例えば、600枚ほど積層して、回転子11の積層鉄心が形成される。回転子板12の各孔が合わさるように、回転子板12が積層され、回転子板12の磁石孔12aから、回転子11の磁石孔11aが形成され、回転子板12のボルト孔12bから、回転子11のボルト孔11bが形成され、回転子板12の軸孔12cから、回転子11の軸孔11cが形成され、回転子板12の孔12dら、回転子11の孔11dが形成される。ボルト孔11bにボルトが挿入されて、回転子板12の各孔が合わさるように、積層された回転子板12が固定される。磁石孔11aには、棒状の永久磁石mが挿入可能である。
【0037】
永久磁石mは、例えば、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石等である。
図6に示すように、永久磁石mの形状は、例えば、四角柱である。棒状の永久磁石mの長さは、例えば、磁石孔11aの長さと同じである。永久磁石mの端面m1、m2の形状および大きさは、磁石孔11aに適合している。永久磁石mの端面m1が、N極を形成し、端面m2が、S極を形成している。
【0038】
図7に示すように、A側がN極、B側がS極になるように、磁石孔11aに、永久磁石mが挿入される。永久磁石mの長手方向が、シャフトSfの回転軸r1の方向に設定される。回転子板12を重ねた積層させて形成された回転子11の両端に、永久磁石mが挿入された磁石孔11aの開口部を塞ぐ回転子板を被せて、ボルト孔11cにボルトを通して固定されて、回転子11が形成される。
【0039】
(1.3 固定子の構成および機能)
次に、固定子の構成および機能について、
図8から
図9を用いて説明する。
【0040】
図8に示すように、固定子15を構成する円形の固定子板16は、ティースTを構成するティース部16tと、円環状のヨーク部16yと、回転子11が挿入される回転子孔16aと、固定子板16を互いに連結するためのボルト孔16bと、を有する。
【0041】
ティース部16tは、ヨーク部16yから半径方向に突出している。ティース部16tは、48個有する。ティース部16tの個数は、3相数の倍数である。
【0042】
回転子孔16aの内径は、回転子11の外径より大きく、円筒形の回転子11の表面から所定のギャップを形成する。例えば、ギャップは、0.3[mm]から2[mm]である。固定子板16の厚さは、例えば、0.5mmほどである。
【0043】
固定子板16の材質は、軟鉄、ケイ素鋼、アルミニウム等の金属である。特に、固定子板16の材質は、ケイ素鋼等の電磁鋼が好ましい。固定子板16の材質は、所定値以上の透磁率を有する材料でもよい。例えば、炭素鋼以上の透磁率を有する材料、軟鉄以上の透磁率を有する材料、ケイ素鋼以上の透磁率を有する材料等が挙げられる。固定子板16の厚さは、例えば、0.1[mm]から1[mm]である。
【0044】
厚さ0.5mmの固定子板16を、例えば、600枚ほど積層して、固定子15の積層鉄心が形成される。固定子板16の各孔が合わさるように、固定子板16が積層され、固定子板16のティース部16tが重なって、固定子15の固定子歯であるティースTが形成され、固定子板16の回転子孔16aから、固定子15の回転子孔が形成され、固定子15のボルト孔16bから、固定子15のボルト孔が形成される。固定子15の回転軸r1の方向の長さは、回転子11の回転軸r1の方向の長さと同じである。
【0045】
固定子15のボルト孔にボルトが挿入されて、固定子板16の各孔が合わさるように、積層された固定子板16が固定され、固定子15が形成される。なお、固定子15は、固定子板16を重ねたものでなく、金属の塊からの削り出しにより作製されたものでもよい。
【0046】
図9Aおよび
図9Bに示すように、回転方向にV相用のティースT、U相用のティースT、W相用のティースTの順に形成される。各ティースTに、エナメル等により表面が絶縁された銅線のコイルCが所定の巻数で巻かれる。
図9Bに示すように、1つの放射軸r2が回転軸r1の方向に列を成すようなティースTに導線が所定の巻数で巻かれて、回転軸r1の方向に延伸したループ状のコイルCが形成される。回転方向にV相用のコイルC、U相用のコイルC、W相用のコイルCの順に形成される。コイルCの導線が折り返す端点は、固定子15の回転軸r1の方向の端点よりも外になる。各相のコイルCは、デルタ接続またはスター接続されて、各相が出力される。
【0047】
図9Cに示すように、ティースTは、T字の先端で回転子11の円筒面に対向する先端部t1と、回転子11のヨークに連結する板状部t2とを有する。
図9Cに示すように、ティースTの板状部t2に対して、コイルCが所定の巻数で巻かれる。ティースTの長方形の板状部t2の長辺が回転軸r1の方向に伸び、長方形の短辺が、放射軸r2の方向に伸び回転軸r1に向かう。回転軸r1から放射状に伸びた放射軸r2が、回転軸を一列に並ぶように設定される。一例に並んだ放射軸r2に対して、コイルCが所定の巻数で巻かれているようになる。
【0048】
なお、ティース部16tの個数、すなわち、隣り合う各ティース部16tとの間の距離に応じて、コイルCの巻数が可変にしてもよい。隣り合う各ティース部16tとの間の距離が離れるほど、コイルCの巻数を増加させる。コイルCのティースTに対する巻き方は、
図9Aおよび
図9Bに示すように、集中巻きの他に、同心巻き、重ね巻き、波巻きのような分布巻きでもよい。また、回転子11が固定され、固定子15が回転してもよい。
【0049】
[2.発電システムの構成、機能概要および動作]
(2.1 発電システムの構成、機能概要)
次に、発電装置10を用いた発電システム1について
図10から
図11を用いて説明する。
【0050】
図10に示すように、発電システム1は、発電装置10と、発電装置10の回転を制御する回転制御装置20と、発電システム1を制御する制御装置30と、発電装置10が発電した電気を蓄える電源装置40と、を備える。発電装置10と、回転制御装置20とは、シャフトSfの回転軸により直列に接続している。なお、回転の機械的エネルギーの入力は、シャフトSfの回転軸におけるA側、回転制御装置20が接続されたB側でもよい。また、発電装置10は複数台、シャフトSfの回転軸の方向に連結されてもよい。シャフトSfの回転軸は、軸受部により回転可能に支持されている。
【0051】
回転制御装置20は、シャフトSfの回転軸を回転させるモータを有する。回転制御装置20は、電源装置40からの電力の供給を受けて、シャフトSfの回転軸を介して、発電装置10と連動して発電装置10の回転を制御する。例えば、発電装置10の回転を抑制する場合、回転制御装置20は、シャフトSfの回転軸の回転と逆回転にトルクを加える。発電装置10の回転を加速する場合、回転制御装置20は、シャフトSfの回転軸の回転と順回転にトルクを加える。
【0052】
回転制御装置20のモータは、直流モータでも、交流モータでもよい。
【0053】
なお、回転制御装置20は、発電装置10の回転速度が所定の範囲内に維持できるように、発電装置10の回転を制御してもよい。入力の機械的エネルギーが弱く、発電装置10の回転速度が下がってきた場合、回転制御装置20は、順回転にトルクを加える。入力の機械的エネルギーが強く、発電装置10の回転速度が上がってきた場合、回転制御装置20は、逆回転にトルクを加える。
【0054】
なお、回転制御装置20は、発電装置10の回転を抑制する場合、発生する回生エネルギーを、電源装置40に供給してもよい。回転制御装置20は、発電装置10の回転を抑制する場合、機械的なブレーキ等の制動装置でもよい。
【0055】
制御装置30は、
図11に示すように、センサ部31と、回転制御装置20のモータを駆動する電力を供給するドライバ部32と、記憶部33と、制御装置30の各部を制御する制御部34と、を有する。
【0056】
センサ部31は、発電装置10、回転制御装置20、および、電源装置40の状態を検知する各種センサを有する。センサ部31は、発電装置10の回転速度、回転数、起電力、電流等を検知する。また、センサ部31は、回転制御装置20の回生エネルギーを検知する。例えば、ホール素子等の磁気センサにより、回転子11の回転位置を検出する。
【0057】
ドライバ部32は、回転制御装置20のモータに流す電流量、タイミング、回転の方向等を制御する。
【0058】
記憶部33は、例えば、ハードディスクドライブ、シリコンディスク等により構成されている。また、記憶部33には、オペレーティングシステムおよび制御プログラム等の各種プログラムが記憶されていてもよい。なお、各種プログラムは、例えば、他のサーバ等からネットワークを介して取得されるようにしてもよいし、記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。
【0059】
制御部34は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを有するコンピュータである。制御部34は、記憶部33から読み込んだプログラムに従い、発電システム1を制御する。なお、制御部34は、トランジスタ、IC(Integrated Circuit))等の素子の電子回路により構成されてもよい。
【0060】
電源装置40は、発電装置10が発電した電力を蓄える電池部と、直流を交流に変換するインバータと、交流を直流に変換するコンバータと、を有する。電池部は、鉛蓄電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、リチウム・硫黄電池等の2次電池である。電源装置40は、回転制御装置20の回生エネルギーを蓄えてもよい。
【0061】
回転制御装置20のモータが、直流モータの場合、電源装置40の電池部から、電力の供給を受ける。回転制御装置20のモータが、交流モータの場合、電源装置40のインバータを介して、電源装置40の電池部から電力の供給を受ける。
【0062】
(2.2 発電システムの動作)
次に、本発明の1実施形態に係る発電システムの動作について図を用いて説明する。
【0063】
図12は、発電システム1の動作例を示すフローチャートである。
【0064】
先ず、発電システム1は、風力、水力等による回転の機械的エネルギーの入力を受け付ける。なお、回転制御装置20のモータにより、発電装置10の回転子11を回転させてもよい。その際、制御装置30が、電源装置40を制御して、電源装置40から電力を回転制御装置20に供給する。
【0065】
回転子11が回転して、固定子15の特定のコイルCに、回転子11の永久磁石mが近づくと、回転軸r1の方向におけるティースTの一方(A側)の端点に、永久磁石mの端面m1のN極が近づき、回転軸r1の方向におけるティースTの他方(B側)の端点に、永久磁石mの端面m2のS極が近づく。そうすると、端面m1のN極からの磁束が、ティースTのA側の端点付近から入り、ティースT内を通って、ティースTのB側の端点付近から出て行く、磁気回路が形成されると想定される。回転軸r1の方向にループが伸びたコイルC内において、回転軸r1の方向に磁束が生じると想定される。
【0066】
回転子11が回転して、固定子15の特定のコイルCから、回転子11の永久磁石mが離れると、ティースT内を通る磁束が減少し、コイルC内を通る磁束も減少すると想定される。
【0067】
さらに、回転子11が回転して、回転子11の隣の永久磁石mが近づくと、端面m1のN極からの磁束が、ティースTのA側の端点付近から入り、ティースT内を通って、ティースTのB側の端点付近から出て行く、再び磁気回路が形成されると想定される。
【0068】
このように、コイルCの軸方向、すなわち、コイルCの放射軸r2の方向の磁束の変化が多くなくなる。従って、コッキング現象が発生しにくい。なお、コイルCの軸方向にコイルC内を貫く磁束に変化が生じている可能性もある。
【0069】
各V相用のコイル、各U相用のコイル、各W相用のコイルに誘導起電力が発生し、相毎に、電流が集められ、電源装置40のコンバータに出力される。電源装置40は、電池部に電力を蓄えて行く。なお、発電システム1の外部に3相交流で出力してもよいし、電源装置40のコンバータから直流を出力してもよい。
【0070】
発電中は、
図12に示すように、発電システム1は、回転速度を検知する(ステップS1)。具体的には、センサ部31が、発電装置10の回転子11の回転速度の情報を検知する。制御装置30の制御部34が、センサ部31からの回転速度の情報を取得する。なお、センサ部31は、起電力、電力等を測定してもよい。
【0071】
次に、発電システム1は、回転速度が第1所定値以上か否かを判定する(ステップS2)。具体的には、制御装置30の制御部34が、回転子11の回転速度と第1所定値とを比較して、第1所定値以上か否かを判定する。ここで、第1所定値は、発電装置10の機械的限界の回転速度、発電装置10の効率が低下する回転速度等に設定される。また、電源装置40の充電率に合わせて、第1所定値を可変にしてもよい。例えば、制御部34が、電源装置40の電池部の充電率が増えてきたら、第1所定値を下げる。
【0072】
制御装置30の制御部34が、コイルCに発生する電力、最高の起電力等を検出し、第1所定値以上か否かを判定してもよい。
【0073】
回転速度が第1所定値以上でない場合(ステップS2;NO)、発電システム1は、回転速度が第2所定値以下か否かを判定する(ステップS3)。具体的には、制御装置30の制御部34が、回転子11の回転速度と第2所定値とを比較して、第2所定値以下か否かを判定する。ここで、第2所定値は、コッキング現象が発生しにくい回転速度、発電装置10の効率が低下する回転速度等に設定される。
【0074】
制御装置30の制御部34が、コイルCに発生する電力、最高の起電力等を検出し、第2所定値以上か否かを判定してもよい。
【0075】
回転速度が第1所定値以上の場合(ステップS2;YES)、発電システム1は、逆回転方向にトルクを加える(ステップS4)。具体的には、制御装置30の制御部34が、ドライバ部32から供給する電流を制御して、回転制御装置20のモータがシャフトSfの回転軸に逆回転方向にトルクを加えるように、回転制御装置20を制御する。ドライバ部32が、回転制御装置20が逆回転方向のトルクを発生する電流を供給する。回転制御装置20がシャフトSfの回転軸に、逆回転方向のトルクを加える。なお、コイルCに発生する電力、最高の起電力等が、第1所定値以上の場合、回転制御装置20がシャフトSfの回転軸に、逆回転方向のトルクを加えてもよい。
【0076】
回転速度が第2所定値以下の場合(ステップS3;YES)、発電システム1は、回転方向にトルクを加える(ステップS5)。具体的には、制御装置30の制御部34が、ドライバ部32から供給する電流を制御して、回転制御装置20のモータがシャフトSfの回転軸に回転方向にトルクを加えるように、回転制御装置20を制御する。ドライバ部32が、回転制御装置20が回転方向のトルクを発生する電流を供給する。回転制御装置20がシャフトSfの回転軸に、回転方向のトルクを加える。なお、コイルCに発生する電力、最高の起電力等が、第2所定値以下の場合、回転制御装置20がシャフトSfの回転軸に、回転方向のトルクを加えてもよい。
【0077】
次に、発電システム1は、終了か否かを判定する(ステップS6)。具体的には、制御装置30の電源、終了の信号を受け付け等した場合、制御装置30の制御部34が、制御の動作を停止する。また、制御装置30は、回転の機械的エネルギーの入力を遮断してもよい。所定時間、回転の機械的エネルギーの入力がない場合、発電システム1を止めてもよい。
【0078】
終了でない場合(ステップS6;NO)、発電システム1は、ステップS1の処理に戻る。
【0079】
風力発電の場合、風が弱くなり、回転速度が減少すると、発電システム1は、シャフトSfの回転軸に、回転方向のトルクを加えて回転速度を維持する。風が強くなりすぎると、発電システム1は、シャフトSfの回転軸に、逆回転方向のトルクを加え減速させ、回転速度がオーバしないようにする。これにより、発電システム1は、安定して回転して、安定した発電を行う。
【0080】
終了である場合(ステップS6;YES)、発電システム1の動作を終了する。
【0081】
以上、本実施形態によれば、回転軸r1の方向で対となる磁極を有する永久磁石mと、シャフトSfの回転軸r1から外側に向かう放射軸r2の周りに導線を巻回させたコイルCと、を備えた発電装置10であって、複数の永久磁石mが、回転軸にr1対して放射状に、かつ、円周方向に沿って、互いに所定の間隔で配置されたことにより、複数の永久磁石mが、回転軸r1の方向で対となる磁極を有するため、回転軸r1から外側に向かう放射軸r2の方向で対になる磁極を有する永久磁石mを配置した場合に比べ、弱い入力の機械的エネルギーでも滑らかに回転して、弱い入力の機械的エネルギーを電気エネルギーに変換できるように効率よく発電できる。
【0082】
回転軸r1の方向における一方の側で、複数の永久磁石mの磁極が、同じ磁極である場合、回転による磁界の変化が弱くなり、弱い入力の機械的エネルギーでも滑らかに回転して、弱い入力の機械的エネルギーを電気エネルギーに変換できるように効率よく発電できる。
【0083】
永久磁石mが、回転軸r1の方向に形成された磁石孔11aに、複数の永久磁石mを同じ磁極を対向させて挿入させて形成された場合、回転による磁界の変化を少し高めることができる。
【0084】
放射軸r2の方向に突出するティースTであって、ティースTの板状部t2の長辺が回転軸r1の方向に伸び、コイルCが、少なくとも1つのティースTに導線を巻回させて、回転軸r1の方向に伸びて形成された場合、コイルC内の磁束の磁気回路が形成されやすくなる。そのため、回転による磁界を大きく変化させることができ、特に固定子側の磁界を大きくすることで固定子15に巻かられたコイルCにより多くの電流を発せさせることができる。
【0085】
また、回転子11が、回転子板12により、積層的に形成される場合、放熱性、および、耐久性をより向上させることができる。特に、熱伝導が高い金属等の場合、放熱性がより向上する。
【0086】
また、固定子15が、固定子板16により、積層的に形成される場合、放熱性、および、耐久性をより向上させることができる。
【0087】
シャフトSfの回転軸の回転速度が、第1所定値以上の場合、回転制御装置20が、回転軸を介してシャフトSfの回転軸の回転速度を減速し、シャフトSfの回転軸の回転速度が、第2所定値以下の場合、回転制御装置20が、シャフトSfの回転軸を介してシャフトSfの回転軸の回転速度を加速する場合、回転制御装置20モータの限界回転速度内で、上記のように加速または減速することで電力の供給量を調節することができる。
【0088】
また、シャフトSfの回転軸に対して、複数の発電装置10を有することで、発電量を増加させることができる。
【0089】
(変形例)
次に、回転子および固定子の変形例について、
図13Aから
図18を用いて説明する。
【0090】
図13Aおよび
図13Bをも用いて、回転子における永久磁石の配置の変形例を説明する。
【0091】
図13Aおよび
図13Bに示すように、回転子11Aの磁石孔11aに、複数の棒状の永久磁石mが、同磁極が向き合うように挿入されてもよい。例えば、S極同士が向き合うように、2つの永久磁石mの端面m2同士を向き合わせ、1つの磁石孔11aに複数の永久磁石が挿入される。なお、磁石孔11aを塞ぐための2枚の蓋部材の図示は、省略されている。また、N極同士が向き合い、S極のm2が外側になるように、永久磁石mを配置してもよい。
【0092】
磁石孔11aと回転子11Aの円筒面との距離が、強力な永久磁石mの大きさに対して十分短いので、2つの永久磁石mの向かい合った、回転子11Aの円筒面の表面付近から、磁束が漏れ出ることが想定される。回転子11Aの外側、つまり固定子側に磁束を大きく出すことで、固定子15に巻かれたコイルCにより大きな電流を流すことができる。
【0093】
図14Aに示すように、回転子11Bの磁石孔11aにおいて、同磁極同士が向き合っていればよく、複数の永久磁石mの長さがそれぞれ異なってもよい。なお、複数の永久磁石mを合わせた永久磁石の長さは、磁石孔11aの長さになればよいので、磁石孔11a毎に、複数の永久磁石mの長さの組み合わせが異なってもよい。
【0094】
図14Bに示すように、1つの磁石孔11aに対して、4つの永久磁石mが、同じ磁極が向き合うように、挿入されてもよい。回転子11の回転軸r1の方向における両側が、同じ磁極になる。
【0095】
図14Cに示すように、回転子11Dの1つの磁石孔11aに対して、3つの永久磁石mが、同じ磁極が向き合うように、挿入されてもよい。この場合、回転子11Dの回転軸r1の方向における両側において、異なる磁極になる。
【0096】
図15に示すように、回転子11Eの回転軸r1の方向における両側において、円周方向で順に交互に異なる磁極が配列するように、永久磁石mが配置されてもよい。なお、永久磁石mが、回転子11Eに外側からはめ込むようにされてもよい。
【0097】
図16に示すように、回転子11Eの回転軸r1の方向における両側が、同じ磁極になるように、回転子11Fの円筒面に永久磁石mが設置されてもよい。
【0098】
【0099】
図17Aおよび
図17Bに示すように、発電装置10Aは、永久磁石mを有する鉄心17が外側で、コイルを有する鉄心18が内側でもよい。なお、鉄心17が固定子および鉄心18が回転子、または、鉄心17が回転子および鉄心18が固定子でもよい。
【0100】
鉄心17は、磁石孔17aを有する。磁石孔17aは、鉄心17内周面付近に形成される。
図17Aに示すように、鉄心17の内周面と磁石孔17aとのギャップは、磁石孔17aに挿入される永久磁石mの厚さより小さい。
【0101】
図17Bに示すように、A側がN極、B側がS極になるように、磁石孔17aに、永久磁石mが挿入される。永久磁石mの長手方向が、回転軸r1の方向に設定される。
【0102】
鉄心18は、積層鉄心で、鉄心18は、シャフトの回転軸から放射状にT字状に突出した複数の歯18tと、歯18tに巻かれたコイル(図示せず)とを有する。コイルは、回転軸r1の方向に伸びたループ形状となる。
【0103】
次に、コイルCの巻き方の変形例について、
図18を用いて説明する。
【0104】
図18に示すように、固定子15Aの3つのティースTに対して、表面が絶縁された銅線のコイルCが所定の巻数で巻かれる、分布巻きでもよい。
【0105】
凹部p、凹部qおよび凹部rが順に設定された場合、U相のコイルCは、第1の凹部pと次の第2の凹部pとを通すように巻かれる。第2の凹部pと次の第3の凹部pとを通すように、コイルCは巻かれない。第3の凹部pと次の第4の凹部pとを通すように、コイルCが巻かれる。
【0106】
V相のコイルCは、第1の凹部pから2つ隣の第1の凹部rと次の第2の凹部rとを通すように巻かれる。W相のコイルCは、第1の凹部rから2つ隣の第1の凹部qと次の第2の凹部qとを通すように巻かれる。
【0107】
(測定結果)
次に、電力の測定例について、
図19を用いて説明する。なお、安定した低速度を実現するために、回転制御装置20のモータと発電装置10との間に、減速ギア(図示せず)が挿入された。また、測定に用いた発電装置10は、回転子11Bおよび固定子15Aの組み合わせである。
【0108】
図19において、横軸が回転数[rpm]で、縦軸が、実効値の電力[w]である。
図19に示すように、回転数に対して、ほぼ比例して、電力が出力され、低速の回転でも十分な電力が得られた。また、発電装置10は、低速でも滑らかに回転した。
【0109】
なお、本発明は、本発明の各実施の形態で説明した発明の本旨を逸しない範囲で自由に設計変更可能であり、本発明の各実施の形態で説明した内容に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0110】
10:発電装置
11:回転子
15:固定子
C:コイル
m:永久磁石
Sf:シャフト
r1:回転軸
r2:放射軸
【要約】 (修正有)
【課題】弱い入力の機械的エネルギーでも、効率よく発電する発電装置を提供する。
【解決手段】発電装置10は、回転軸r1の方向で対となる磁極を有する永久磁石mと、回転軸r1から外側に向かう少なくとも1つの放射軸r2の周りに導線を巻回させたコイルCと、を備え、複数の永久磁石mが、回転軸r1に対して放射状に、かつ、円周方向に沿って、互いに所定の間隔で配置される。
【選択図】
図1B