(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-03
(45)【発行日】2023-04-11
(54)【発明の名称】弾球遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230404BHJP
【FI】
A63F7/02 326C
A63F7/02 304D
(21)【出願番号】P 2019045868
(22)【出願日】2019-03-13
【審査請求日】2022-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】591044614
【氏名又は名称】株式会社足立ライト工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100112531
【氏名又は名称】伊藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】平田 文邦
(72)【発明者】
【氏名】末廣 義典
【審査官】佐藤 嘉純
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-054624(JP,A)
【文献】特開2020-006006(JP,A)
【文献】特開2014-124303(JP,A)
【文献】特開2003-159384(JP,A)
【文献】特開2003-220251(JP,A)
【文献】特開2014-004224(JP,A)
【文献】特開2015-051115(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下する遊技盤の遊技領域の前面に該遊技領域を視認可能に透明板を配設してなる弾球遊技機において、前記遊技領域の前面であって、かつ、前記透明板の前面に該遊技領域の視認性を阻害しない装飾性部材を固設し
、該装飾性部材に電気的駆動源によって可動する可動装飾部を設けてなることを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
前記装飾性部材に遊技者が操作し得る電気的入力装置を設けてなることを特徴とする請求項
1に記載した弾球遊技機。
【請求項3】
前記装飾性部材は前記遊技盤を中央部より透視し得るように枠状に形成された装飾性フレームであり、前記可動装飾部を該装飾性フレームの内側に出没動するように設け、前記電気的入力装置は該可動装飾部の操作により機能するようにしたことを特徴とする請求項
2に記載した弾球遊技機。
【請求項4】
前記透明板は合成樹脂製であることを特徴とする請求項1~
3のいずれかに記載した弾球遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機,アレンジボール遊技機,雀球遊技機等の弾球遊技機に関し、さらに詳しくは、遊技球が流下する遊技盤の遊技領域を視認可能なるように設けられている透明板に装飾性のアイテムを設けることにより遊技性を向上させる弾球遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般にパチンコ遊技機等の弾球遊技機は、遊技球が流下する遊技盤前面の遊技領域だけでなく、遊技者から視認可能な透明板を保持する透明板保持枠における前面の上縁部や両側縁部、および、前面下部の球受皿など、遊技機全体に例えばLEDを用いた装飾が施され、そのいずれの箇所も遊技者が興味を惹くよう、大型、ゴージャスで煌びやかな装飾体を設けている。
【0003】
また、周知のように、遊技盤の中央に演出のための液晶表示装置が設けられ、遊技と連動するように種々のキャラクターや図柄が該表示装置に変動表示されるようにしている。また、例えば下記特許文献1に示されたパチンコ遊技機では、有色透明な容器状をなす押しボタンを球受皿に装着し、該押しボタン内に装飾のためのLEDをモータによって回転するように設け、遊技者が該押しボタンを操作すると、前記液晶表示装置の表示が変動し、趣向性を向上させようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように近年の弾球遊技機では、遊技球が流下する遊技盤前面の遊技領域だけでなく、球受皿の付近や透明板保持枠における前面の両側縁部および上縁部など、遊技機のあらゆる部位に遊技を演出するために上記のような大型の装飾や押しボタン等の電気的入力装置が設けられ、遊技者が遊技中に該入力装置を操作し得るようにしている。
しかしながら、遊技中の遊技者は、主に遊技球が流下する遊技領域や液晶表示装置の表示を注視するのが常であるので、それより下方に設けられた押しボタンや装飾体、或いは、透明板保持枠における前面の両側縁部や上縁部等に設けた装飾体や演出装置には視線が向かず、そのために実際には遊技者にこうした装飾体や演出装置による遊技の盛りたてが十分に発揮されていないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明は、上記のような問題点を解決し、演出効果が大いに期待できる弾球遊技機を提供しようとするものである。
そのために本発明は、遊技球が流下する遊技盤の遊技領域の前面に該遊技領域を視認可能に透明板を配設してなる弾球遊技機において、前記遊技領域の前面であって、かつ、前記透明板の前面に該遊技領域の視認性を阻害しない装飾性部材を固設してなることを特徴とする。
【0007】
また本発明は、前記装飾性部材に電気的駆動源によって可動する可動装飾部を設けてなることを特徴とする。
【0008】
また本発明は、前記装飾性部材に遊技者が操作し得る電気的入力装置を設けてなることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、前記装飾性部材は前記遊技盤を中央部より透視し得るように枠状に形成された装飾性フレームであり、前記可動装飾部を該装飾性フレームの内側に出没動するように設け、前記電気的入力装置は該可動装飾部の操作により機能するようにしたことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、前記透明板が合成樹脂製であることを特徴とする。このように合成樹脂製とすることで、該透明板の加工および該透明板に対する前記装飾性フレームの取付が容易になる。
【発明の効果】
【0011】
透明板の前面といった今まで殆ど利用されていなかったスペースを有効活用できるとともに、遊技者が遊技中に視線を移動しなくても見られることで効果的な演出ができる。このため弾球遊技機の遊技性、趣向性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】本発明に係る弾球遊技機の透明板ユニットの斜視図。
【
図4】本発明に係る弾球遊技機の透明板ユニットの分解斜視図。
【
図5】本発明に係る弾球遊技機の可動装飾部の作動状態を示す透明板ユニットの正面図。
【
図6】本発明に係る弾球遊技機の可動装飾部の作動状態を示す透明板ユニットの斜視図。
【
図7】本発明に係る弾球遊技機の可動装飾部の斜視図。
【
図8】本発明に係る弾球遊技機の可動装飾部の作動状態を示す斜視図。
【
図9】本発明に係る弾球遊技機の可動装飾部の分解斜視図。
【
図10】本発明に係る弾球遊技機の可動装飾部の分解斜視図。
【
図11】本発明に係る弾球遊技機の可動装飾部の分解斜視図。
【
図12】本発明に係る弾球遊技機の可動装飾部の分解斜視図。
【
図13】本発明に係る弾球遊技機の可動装飾部の分解斜視図。
【
図14】本発明に係る弾球遊技機の可動装飾部の分解斜視図。
【
図15】本発明に係る弾球遊技機の可動装飾部の分解斜視図。
【
図16】本発明に係る弾球遊技機の可動装飾部の作動状態を示す透明板ユニットの正面図。
【
図17】本発明に係る弾球遊技機の可動装飾部の作動状態を示す透明板ユニットの斜視図。
【
図18】本発明に係る弾球遊技機の可動装飾部の作動状態を示す斜視図。
【
図19】本発明に係る弾球遊技機の透明板ユニットの斜視図。
【
図20】本発明に係る弾球遊技機の可動装飾部の作動状態を示す透明板ユニットの斜視図。
【
図21】本発明に係る弾球遊技機の透明板ユニットの正面図。
【
図22】本発明に係る弾球遊技機の可動装飾部の作動状態を示す透明板ユニットの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に本発明の実施形態を図面に従い説明する。
図1に本発明を適用した弾球遊技機(パチンコ遊技機)を示す。この弾球遊技機は、遊技機本体の下部前面に打球発射用ハンドル1、球受皿2,3が突設され、その上部に透明板保持枠4が左側縁にて開閉可能にヒンジされ、該透明板保持枠4の他側縁にシリンダ錠5が設けられ、該シリンダ錠5に特定のキーを差し込むことで、該透明板保持枠4を遊技機本体の前方に開閉できるようにしている。そして該透明板保持枠4に形成された窓孔6内に
図2に示した透明板ユニット7が保持される。
なお、
図3に示したように、遊技機本体内に遊技盤9が設けられ、該遊技盤9の前面には、周知のように、多数本の遊技釘9aや風車9b、および所謂チューリップと称される可変翼形の入賞装置9c、および、大入賞口と称される入賞装置9d等の種々の形態の入賞口が設けられた遊技領域が形成され、遊技者が弾発した遊技球が該遊技領域を流下する。また該遊技盤9の中央部に大きな開口9eが形成され、該開口9eに臨むように該遊技盤9の後側に液晶表示装置等の図柄変動表示装置9fが設けられる。そして、該図柄変動表示装置9fには、図示しない遊技制御基板からの指令により、種々のキャラクター等の動画が表示され、例えば大当たり時には
図1に[777]と記したように変動後に3桁の停止数字8が表示される。このような表示がされると、前記入賞装置9dが一定期間開いて遊技球が入賞し易い状況になるなど、遊技者にとって有利な遊技状況がもたらされる。
【0014】
前記透明板ユニット7は、
図4の分解斜視図に示したように合成樹脂により環状に形成された取付枠10と、前側に配置される合成樹脂製の透明板11と,後側の透明板12と、合成樹脂により略7角形枠状に形成された装飾性フレーム13とからなる。そして、透明板11と透明板12とは、
図3に示したように、取付枠10内に所定の隙間を離して嵌着される。なお、該取付枠10の外周縁にタブ17a,17b,18が一体に形成され、該各タブ17a,17b,18を前記窓孔6の周縁部に透明板保持枠4の後方から固定具を用いて固着することにより該透明板ユニット7は前記透明板保持枠4に固着される。
この前側の透明板11の中央部には開口14が形成され、該開口14と合致するように該透明板11の前面に突出する前記装飾性フレーム13を配置し、該透明板11の裏側から多数のビス16を該装飾性フレーム13にねじ込むことにより該透明板11の前面に該装飾性フレーム13を固着する。該透明板11は合成樹脂製であることから、ガラス製のように機械加工時に割れるおそれが少なく、開口14やその周囲のビス貫通孔等を開設するための機械加工が容易となり、ひいてはその他の部品の取付も容易になる。なお、後側の透明板12はこうした加工は要しないのでガラス製としてもよい。
また、このように装飾性フレーム13を透明板11の裏側から前記ビス16により固着することによっては、透明板11の前面にこうした固着手段が露呈しないようにできるので、遊技者がいたずらでビス16を緩めたり、或いは不正の目的で隙間から針金等を機内に侵入させる等の不正行為がされることを防止できる。また、ビス16の長さを透明板11と透明板12との隙間よりも長いものにすることによっては、不正の目的で該ビスを緩めたとしても該ビスを抜き取ることは困難になるので、防犯性を増すことができる。
なお、装飾性フレーム13の固着手段としてはこのようなビスに限らず、接着剤を用いて強固に固着してもよい。或いは、透明板11の前面に装飾性フレーム13を一体成形するようにしてもよい。
【0015】
このように、装飾性フレーム13は枠状に形成されているので、遊技者は透明板11および透明板12を透視して、遊技盤9の遊技領域を遊技球が流下する状況を見られる。なお、透明な合成樹脂により該装飾性フレーム13を成形することによっては、この遊技領域の視認性はさらに改善される。そして、該装飾性フレーム13の内側には遊技盤9の中央部に形成された前記開口9eを通して
図1に例示したように図柄変動表示装置9fの表示を見ることができる。
なお、この実施形態では2枚の透明板11,12を配置したが、セキュリティが十分であれば1枚であってもよく、或いは、必要に応じて透明板を3枚以上設けてもよく、その場合、最前の透明板のみを合成樹脂製とし、その他の透明板をガラス製のものとしてもよい。
【0016】
また、装飾性フレーム13は断面コ字状に形成され、その内周に可動装飾部20を設ける。該可動装飾部20は、左右一対の可動体22a,22bが常態では略環状の形態で、その状態では
図1~
図4に示したように該装飾性フレーム13の内周に収納されるが、遊技状況に従い電気的駆動源が作動することによっては、該可動体22a,22bが
図5,
図6に示したように内方に張り出すように構成される。なお、該可動装飾部20についても、透明な合成樹脂により多くの部位、部品を成形することにより、遊技領域の視認性をより良好にすることができる。
【0017】
次に該可動装飾部20の構成を
図7,
図8の組立図、および、
図9~
図15の分解斜視図に従い詳しく説明する。該可動装飾部20は二等辺三角形状の組付基板23を多数のビス24により装飾性フレーム13の内周上方後縁部に形成されたビス孔21に固着することにより該装飾性フレーム13内周に設けられる。該組付基板23は合成樹脂板状成形部25と金属板部26との組み合わせからなり、該合成樹脂板状成形部25は左右対称形であって前面に一対の支軸27a,27b、支軸28a,28b、および、円弧状のモータ取付部29a,29b、貫通孔等が一体に形成されているほか、前記ビス24の貫挿用孔が多数形成されている。そして、電気的駆動源である小型のモータ31a,31bの回転出力軸にピニオン32a,32bを固着し、該モータ31a,31bをビス33により該モータ取付部29a,29bに固着し、該支軸27a,27bに歯車34a,34bを回転自在に貫挿しビス36により該歯車34a,34bを抜止し、該支軸28a,28bに歯車35a,35bを回転自在に貫挿しビス37により該歯車35a,35bを抜止し、ピニオン32a,32bと歯車34a,34bと歯車35a,35bを噛合させ、モータ31a,31bの回転動力が該歯車35a,35bに減速して伝達されるようにしている。
【0018】
また、
図9、
図10に示した合成樹脂製の組付部材40をビス41により装飾性フレーム13の上部内周前縁に固着する。該組付部材40には一対の軸受孔42a,42bが形成され、該軸受孔42a,42bに
図11、
図12に示した一対のアーム43a,43bの上端部に貫挿された支軸44a,44bを遊嵌することで該アーム43a,43bは該組付部材40に旋回自在に支持される。なお、該アーム43a,43bには夫々歯車45a,45bが形成され、該歯車45a,45bが互いに噛合することにより、該アーム43a,43bは互いに反対方向に同期して旋回し得るようにしている。また、該各アーム43a,43bに該支軸44a,44bと同心状の円弧状歯車46a,46bが形成され、該円弧状歯車46a,46bは前記歯車35a,35bに噛合される。なお、47は支軸44a,44bの後端部が遊嵌される透孔48a,48bが形成された軸受板で、該軸受板47はビス49により組付部材40に固着される。また、50a,50bは支軸44a,44bに巻き掛けされる弱い弾力のコイルばねで、該コイルばね50a,50bの一端を係合部51a,51bに係止し、他端を組付部材40の係合部52a,52bに係止することによりアーム43a,43bを上方向旋回きに付勢し該アーム43a,43bの重量負担をしている。このため、常態では該アーム43a,43bは
図13に示したようにハ字状に開いた状態に保持され、前記モータ31a,31bの回転動力が円弧状歯車46a,46bに作用することによっては該アーム43a,43bは支軸44a,44bを中心として下方に旋回し、
図14に示したように該アーム43a,43bは下方に平行垂下状態となる。
【0019】
また、アウターレール58とインナーレール59とからなる一対のスライドレール60a,60bの該インナーレール59を前記アーム43a,43bの前面にビス63により固着する。そして該アウターレール58の前面にビス57により前側の合成樹脂製の鞘部材61a,61bを固着するとともに該アーム43a,43bの後側に合成樹脂製の鞘部材62a,62bを配置し、該鞘部材61a,61bと鞘部材62a,62bとをビス63により合着し、該アーム43a,43bの周囲を該鞘部材61a,61b,62a,62bにより包囲し、該鞘部材61a,61b,62a,62bを該アーム43a,43bの長手方向にスライド可能に支持する。なお、64a,64bは該鞘部材61a,61b,62a,62bを上向に付勢するために該鞘部材62a,62bの係合部65a,65bに一端を係止させるコイルばねで、該コイルばね64a,64bの他端は
図12に示すアーム43a,43bの上端部寄りに形成された係合部66a,66b(なお、
図12ではこの一方の係合部66aは前記円弧状歯車46aに遮られて図示されていない。)に係止させる。
また、前記鞘部材61a,61bの下端部に形成された軸孔70a,70bに枢軸71a,71bを貫挿し、合成樹脂製で鞘状に形成された連動部材72a,72bの上端部に軸孔73a,73bを形成し、該軸孔73a,73bに該枢軸71a,71bを貫挿することにより、鞘部材61a,61b,62a,62bの下端部に連動部材72a,72bを屈折可能に枢着する。なお、鞘部材61a,61bの下端部の内部に裏側から小さな磁石片74a,74bを挿入し、該磁石片74a,74bを留金75a,75bとビス76により止着する。これによりアーム43a,43bが上記のように下方垂下状態となったとき、該磁石片74a,74bどうしの吸着力が働き、該アーム43a,43bがガタつくことなくその下方垂下状態を維持できるようにしている。
【0020】
また、装飾性フレーム13の内周の下部両側に軸受孔78a,78bが形成された一対の合成樹脂製の軸受片79a,79bをビス80により固着し、該軸受片79a,79bに電気的入力装置となる光センサ81a,81bをビス82により固設する。そして支軸83a,83bが下端部に貫挿された支持杆84a,84bの該支軸83a,83bを軸受孔78a,78bに遊嵌するとともに、止金85a,85bをビス86により前記装飾フレーム13に止着することにより、該支持杆84a,84bを該支軸83a,83bを支点として該装飾性フレーム13の内方に傾動自在に支持する。そして、アウターレール88とインナーレール89とからなる一対のスライドレール90a,90bにおける該インナーレール89を該支持杆84a,84b前面にビス91により固着し、アウターレール88をビス92により前記連動部材72a,72b内に固着する。これにより該連動部材72a,72bは該支持杆84a,84bに対し長手方向にスライド可能に支持される。なお、該連動部材72a,72bの下端部の外側面には前記光センサ81a,81bを作動させる遮光片93a,93bが形成されている。
【0021】
このためこの弾球遊技機では、前記図柄変動表示装置に表示される動画等の進行状況に従い前記モータ31a,31bが作動すると、
図5、
図6、
図8に示したように鞘部材61a,61b,62a,62bおよび連動部材72a,72b等からなる可動装飾部20が装飾性フレーム13内に張り出し、その状況は遊技中の遊技者が常に注視している部位であるので遊技者に強烈な印象を与えられる。そしてこの状況では遊技者が図柄変動表示装置に表示されるアドバイスに従い鞘部材61a,61b,62a,62bを手で摘んで下方にスライドさせれば、
図16~
図18に示したように、連動部材72a,72bが略々水平状態となるまで拡開し、遮光片93a,93bが光センサ81a,81bを作動させる。このため該光センサ81a,81bから遊技制御基板に電気信号が入力され、遊技者のこうした操作が、前記図柄変動表示装置の表示や遊技状況に変化をもたらすようになる。このように遊技中の遊技者が注視している部位に電気的入力装置の操作部を設けたことにより、遊技者は特別な演出を常に見逃すことなく操作させることができる。
なお、該可動装飾部20はこのような動きをした後は、モータ31a,31bを逆回転させることによって
図1,
図2に示した元の略環状の形態に戻り該装飾性フレーム13の内周に収まる。
【0022】
このようにこの弾球遊技機は、装飾性フレーム13を遊技盤の中央部を透視し得るように枠状に形成するとともに、可動装飾部20を該装飾性フレーム13の内側に出没動するように設けたので、その動きは遊技者に見過ごされることなく遊技に大きなインパクトが与えられ遊技性を向上させる。
しかも該装飾性フレーム13は透明板11の前面に設けられるので、弾球遊技機において今まで利用されていなかったスペースを有効活用し効果的な演出をすることができるとともに、装飾性フレーム13を備えていることで、遊技機の外観も前後方向の立体感が増し豪華で深みのある景観となり得る。
【0023】
また、該可動装飾部20に光センサ81a,81b等からなる電気的入力装置を設け、遊技者が該可動装飾部20を操作することによっては遊技にさらに変化がもたらされ、遊技性が一層向上する。なおこの操作はこの実施形態に示したように可動装飾部20が装飾性フレーム13の内側に突出した状態となって初めて手動で操作可能となり、装飾性フレーム13内に収納している状態では操作できないので、遊技者にとって有利なチャンスを与える特別な演出を行うものとして構成できる。
【0024】
一方、
図19~
図22には本発明に係る透明板ユニットの他の実施形態を示す。これらの図に示した透明板ユニット7では、遊技盤9をその中央部より視認可能となるように開口部が設けられ枠状に形成された装飾性フレーム13が固設されている。
そして、その装飾性フレーム13の開口部には透明板が組み付けられ、遊技者側から装飾性フレーム13の内部に手を入れることができないようになっている。
そして、その装飾性フレーム13には多数の小粒の発光体からなる電飾100を装飾性フレーム13内上部から両側縁にわたりカーテン膜状に設けるとともに、タッチセンサー式の電気的入力装置101を前記透明板の前面の上部中央に設け、装飾性フレーム13内の左右両側には一対の円形装飾ライト102を電気的駆動源によって出没するように設け、さらに該装飾性フレーム13内底部にノコギリ歯状形態の装飾体103を電気的駆動源によって起立・倒伏するように設けてなるものである。
この実施形態にも示したように、本発明では装飾性部材に電気的駆動源によって可動する円形装飾ライト102や装飾体103を備えたものや、装飾性部材に直接的に電気的入力装置101を備えたものも実現可能である。
【0025】
なお、本発明に係る透明板ユニット7は、前面に装飾性部材を配設したことから、遊技機の機種の変更がある場合に該透明板ユニット7を着脱交換することによって、その変更された機種のイメージに素早く対応することができる。
また、装飾性部材を遊技領域の前面であって、かつ、透明板11の前面に固設する構成としたので、従来のように、遊技者が非遊技領域である球受皿等に設けられる押しボタンを操作することや、透明板保持枠の非遊技領域に設けられた可動装飾部材による演出を視認することによって、遊技者の視線が遊技領域から大きく移動してしまい、遊技領域内で実行される図柄変動表示装置等による遊技上重要な演出を見逃してしまうおそれを回避することができる。
なお、遊技領域とは打球発射装置によって打ち出され発射レールを通過した遊技球が流入するガイドレール9gよりも内側の領域であり、非遊技領域とはガイドレール9gよりも外側の領域のことをいう。また、遊技領域内であっても遊技球が通過することのない図柄変動表示装置等の前面側の領域を遊技領域内遊技球非通過領域という。
そして、その遊技領域内遊技球非通過領域の前面であって、かつ、透明板の前面に遊技領域の視認性を阻害しない装飾性部材を固設することが遊技盤を流下する遊技球の視認性を妨げないこととなるので望ましく、更には、その遊技領域内遊技球非通過領域の外形輪郭よりも、はみ出さない形状で装飾性部材を透明板の前面に配置するのがより望ましい。
【0026】
また、例えば、立体的なキャラクターを2つに分割し、1つを遊技盤面に設け、もう1つを透明板の前面であって、かつ、遊技盤に組付けたキャラクターの前面に位置させ固設することで、あたかも遊技盤面から透明板を突き抜けて遊技者側へ飛び出したような立体的な装飾性部材とすることも可能となる。つまり、本発明により透明板の前側であり遊技者側である今まで利用されていなかったスペースを十分に活用し前後方向に奥行きのある立体的な装飾性部材とすることも可能となる。
なお、このような装飾性部材を採用するにあたっては、透明板に固設するキャラクターの断面輪郭を、遊技盤側に組付けるキャラクターの断面輪郭よりも小さくし、はみ出さないようにすることが、遊技盤を流下する遊技球の視認性を妨げないこととなるので望ましい。
なお、可動装飾部の可動範囲についても、遊技盤を流下する遊技球の視認性を妨げない構成としている。具体的には、可動前の配置状態から演出を発生させ可動した状態までの領域のどの位置であっても、遊技盤を流下する遊技球の視認性を妨げない構成とすることが望ましい。
【符号の説明】
【0027】
1…打球発射用ハンドル、 2,3…球受皿、 4…透明板保持枠、 5…シリンダ錠、 6…窓孔、 7…透明板ユニット、 8…数字、 9…遊技盤、 9a…遊技釘、 9b…風車、 9c,9d…入賞装置、 9e…開口、 9f…図柄変動表示装置、 9g…ガイドレール、 10…取付枠、 11,12…透明板、 13…装飾性フレーム、 14…開口、 16…ビス、 17a,17b,18…タブ、 20…可動装飾部、 22a,22b…可動体、 23…組付基板、 24…ビス、 25…合成樹脂板状成形部、 26…金属板部、 27a,27b,28a,28b…支軸、 29a,29b…モータ取付部、 31a,31b…モータ、 32a,32b…ピニオン、 33,36,37…ビス、 34a,34b,35a,35b…歯車、 40…組付部材、 41…ビス、 42a,42b…軸受孔、 43a,43b…アーム、 44a,44b…支軸、 45a,45b…歯車、 46a,46b…円弧状歯車、 47…軸受板、 48a,48b…透孔、 49…ビス、 50a,50b…コイルばね、 51a,51b,52a,52b…係合部、 57…ビス、 58…アウターレール、 59…インナーレール、 60a,60b…スライドレール、 61a,61b,62a,62b…鞘部材、 63…ビス、 64a,64b…コイルばね、 65a,65b,66a,66b…係合部、 70a,70b…軸孔、 71a,71b…枢軸、 72a,72b…連動部材、 73a,73b…軸孔、 74a,74b…磁石片、 75a,75b…留金、 76…ビス、 78a,78b…軸受孔、 79a,79b…軸受片、 80…ビス、 81a,81b…光センサ、 82,86…ビス、 83a,83b…支軸、 84a,84b…支持杆、 85a,85b…止金、 88…アウターレール、 89…インナーレール、 90a,90b…スライドレール、 91,92…ビス、 93a,93…遮光片、 100…電飾、 101…電気的入力装置, 102…円形装飾ライト、 103…装飾体