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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-03
(45)【発行日】2023-04-11
(54)【発明の名称】開閉装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 25/00 20060101AFI20230404BHJP
   E02B 13/02 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
A01G25/00 501F
E02B13/02 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019178588
(22)【出願日】2019-09-30
(65)【公開番号】P2021052651
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】300072462
【氏名又は名称】株式会社ほくつう
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】谷口 輝行
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-169037(JP,A)
【文献】特開2017-192367(JP,A)
【文献】特開平7-284350(JP,A)
【文献】特開2017-193914(JP,A)
【文献】実開昭54-131309(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 25/00
E02B 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が流通する開口、及び上方に突出する雄ねじ部を有する本体部と、
前記雄ねじ部を上下方向に貫通するとともに回転に伴って上下動し、上下動することにより前記開口を開閉させるスピンドルと、を備えるバルブを開閉させる開閉装置であって、
前記雄ねじ部が配置される貫通孔が形成され、前記本体部上に配置される筐体と、
前記雄ねじ部および前記貫通孔それぞれにはめ込まれ、前記本体部との間に前記筐体を挟み込む固定部材と、
前記筐体に収容されたモータと、
前記筐体に収容され、前記モータにより回転する駆動軸と、
前記スピンドルと前記駆動軸とを連結する連結部材と、を備える開閉装置。
【請求項2】
前記筐体は、
底板を有する筐体本体と、
前記底板の下面に設けられた底部材と、を備える請求項1に記載の開閉装置。
【請求項3】
前記底板に、前記底板を上下に貫通する底板孔が形成され、
前記底部材に、前記底板孔の下方位置から前記底部材の外縁に延びる溝が形成されている請求項2に記載の開閉装置。
【請求項4】
前記筐体内に収容され、上下方向に延びるガイド支柱と、
前記ガイド支柱に沿って上下方向に移動可能に設けられ、前記モータを支持する支持部材と、を備える請求項1から3のいずれか一項に記載の開閉装置。
【請求項5】
前記連結部材は、上下方向に延びるとともに下端部に前記スピンドルが配置され上端部に前記駆動軸が配置された筒状に形成され、
前記連結部材の上端部には、回り止め片が取り付けられ、
前記駆動軸は、前記連結部材の上端部に配置された状態で前記回り止め片に突き当たることで、前記連結部材と供回りする請求項1から4のいずれか1項に記載の開閉装置。
【請求項6】
前記駆動軸は、断面D字状をなすように一部分が平面状に切り欠かれ、
前記駆動軸のうち、平面状に切り欠かれた部分が前記回り止め片に突き当たる請求項5に記載の開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、農業用給水管などの配管システムにおける管を開閉する開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の開閉装置として、例えば、下記特許文献1に記載の構成が知られている。配管装置は、管の上方に配置される支持部材と、支持部材に支持されたモータと、支持部材から下方に向けて延び、モータの回転力に基づいて回転することで上下動して管を開閉させるスピンドル(軸体)と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-193914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでこの種の開閉装置において、モータの駆動軸と、管を開閉させるスピンドルと、の芯合わせの精度が低いと、モータからの回転力が円滑に伝達されず、管の開閉時にフリクションが増えることがある。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、モータからの回転力を円滑に伝達することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る開閉装置は、液体が流通する開口、及び上方に突出する雄ねじ部を有する本体部と、前記雄ねじ部を上下方向に貫通するとともに回転に伴って上下動し、上下動することにより前記開口を開閉させるスピンドルと、を備えるバルブを開閉させる開閉装置であって、前記雄ねじ部が配置される貫通孔が形成され、前記本体部上に配置される筐体と、前記雄ねじ部および前記貫通孔それぞれにはめ込まれ、前記本体部との間に前記筐体を挟み込む固定部材と、前記筐体に収容されたモータと、前記筐体に収容され、前記モータにより回転する駆動軸と、前記スピンドルと前記駆動軸とを連結する連結部材と、を備える。
【0007】
この発明では、固定部材は、雄ねじ部および貫通孔それぞれにはめ込まれ、本体部との間に筐体を挟み込む。したがって、本体部(雄ねじ部)と筐体(貫通孔)との水平方向の位置を精度高く合わせた上で、本体部と筐体とを上下方向に固定することができる。よって、本体部側のスピンドルと筐体側の駆動軸とを、連結部材を介して精度よく組み合わせることが可能になり、回転力をロス少なく伝達することができる。その結果、モータからの回転力を円滑に伝達することが可能となる。
【0008】
また、前記筐体は、前記底板を有する筐体本体と、前記底板の下面に設けられた底部材と、を備えるようにしてもよい。
【0009】
この場合、筐体本体の底板が、底部材によって補強される。これらの底板および底部材は、固定部材と本体部との間に挟み込まれる部分である。このような部分の強度が高まることで、開閉動作時にスピンドルが回転に伴って上下動しても、その位置精度を維持することができる。
【0010】
また、前記底板に、前記底板を上下に貫通する底板孔が形成され、前記底部材に、前記底板孔の下方位置から前記底部材の外縁に延びる溝が形成されているようにしてもよい。
【0011】
この場合、筐体本体内に水が浸入した場合、侵入した水は、底板孔から溝を介して底部材の外側に排出される。
【0012】
また、前記筐体内に収容され、上下方向に延びるガイド支柱と、前記ガイド支柱に沿って上下方向に移動可能に設けられ、前記モータを支持する支持部材と、を備えるようにしてもよい。
【0013】
この場合、回転に伴って上下動するスピンドルとともに、モータが上下動する。モータは、連結部材を介してスピンドルに支持されていて、スピンドルの上昇時にはモータが押し上げられ、スピンドルの下降時にはモータの自重によりモータがスピンドルに追従する。
【0014】
また、前記連結部材は、上下方向に延びるとともに下端部に前記スピンドルが配置され上端部に前記駆動軸が配置された筒状に形成され、前記連結部材の上端部には、回り止め片が取り付けられ、前記駆動軸は、前記連結部材の上端部に配置された状態で前記回り止め片に突き当たることで、前記連結部材と供回してもよい。
さらに、前記駆動軸は、断面D字状をなすように一部分が平面状に切り欠かれ、前記駆動軸のうち、平面状に切り欠かれた部分が前記回り止め片に突き当たってもよい。
【0015】
これらの場合、連結部材に回り止め片を取り付けるだけの簡素な構成で、駆動軸からスピンドルに回転力を伝達することができる。また、例えばスピンドルの長さが違っても、連結部材の長さを変えることにより対応することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、モータからの回転力を円滑に伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る開閉装置を用いた用水管理システムの全体的な構成例を示す図である。
図2図1に示す圃場における給水栓および排水栓を示す側面図である。
図3図2に示す給水栓を示す図であり、給水栓が開栓時にあるときの縦断面図である。
図4図3に示す給水栓と開閉装置との接続部分の構成を示す拡大断面図である。
図5図3に示す開閉装置の筐体の構成を示す斜視展開図である。
図6図5に示す筐体を構成する底部材を示す斜視図である。
図7図3に示す開閉装置の開閉駆動機構の構成を示す斜視図である。
図8図7に示す開閉駆動機構のガイド支柱及び移動部材を示す斜視展開図である。
図9図3に示す開閉装置の開閉駆動機構の駆動軸と連結部材との連結構造を示す平断面図である。
図10図9に示す連結部材の斜視図である。
図11図10に示す連結部材に設けられる回り止め片を示す斜視図である。
図12図3に示す給水栓が閉栓時にあるときの縦断面図である。
図13図2に示す給水栓を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態による用水管理システムについて図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の用水管理システムは、複数の圃場における給排水を管理する。図1では、用水管理システムが、2つの圃場FM-1、FM-2を管理対象とした例が示されている。本実施形態における圃場FM-1、FM-2は、例えば水田である。水田では、稲作の時期に応じて、適切な水位となるように灌漑、排水(給排水)が行われる。
【0019】
以降の説明にあたり、圃場FM-1、FM-2について特に区別しない場合には、圃場FMと記載する。なお、本実施形態の用水管理システムが管理対象とする圃場FMの数は特に限定されるものではない。
【0020】
圃場FM-1には給水栓100-1が設けられている。給水栓100-1は、パイプラインPL(閉水路)を経由してファームポンドFP(用水供給源)から送られた用水を圃場FM-1に供給する。給水栓100-1は、ファームポンドFPから送られた用水を圃場FM-1に吐出するまでの流水経路において開閉する栓部(弁)を備える。給水栓100-1は、ファームポンドFPから送られた用水を圃場FM-1に供給する量を調節する。
【0021】
圃場FM-1には排水栓200-1が設けられている。排水栓200-1は、圃場FM-1に貯まっている水を排出させる。排水栓200-1は、圃場FM-1から引き揚げた水を例えばパイプラインに出すまでの流水経路において開閉する栓部(弁)を備える。排水栓200-1は、排水量を調節する。
【0022】
圃場FM-2は、圃場FM-1より広い面積を有している。圃場FM-2においては、2つの給水栓100-2A、100-2Bと、2つの排水栓200-2A、200-2Bと、が備えられる。
【0023】
なお、以降の説明にあたり、圃場FM-2の給水栓100-2A、100-2Bについて特に区別しない場合には、給水栓100-2と記載する。また、給水栓100-1、100-2A、100-2Bについて特に区別しない場合には、給水栓100と記載する。
また、以降の説明にあたり、圃場FM-2の排水栓200-2A、200-2Bについて特に区別しない場合には、排水栓200-2と記載する。また、排水栓200-1、200-2A、200-2Bについて特に区別しない場合には、排水栓200と記載する。
【0024】
本実施形態の用水管理システムは、ゲートウェイGWを更に備える。ゲートウェイGWは、ネットワークNTと接続されており、ネットワークNTには用水管理サーバ500が接続されている。
【0025】
本実施形態における各圃場FMの給水栓100と排水栓200は、それぞれ無線LANに対応したネットワーク通信機能を有している。これにより、各圃場FMの給水栓100と排水栓200は、それぞれ、ゲートウェイGWからネットワークNTを経由して用水管理サーバ500と通信を行うことができる。
【0026】
圃場FMのそれぞれは、以下のように給水(灌漑)が行われる。圃場FMに供給される用水は、まず、例えば河川RVからパイプラインPLを経由してファームポンドFPに引かれ、ファームポンドFPにて貯留される。ファームポンドFPは、灌漑のための用水を貯留する池である。
ファームポンドFPに貯留された用水は、ポンプ(図示せず)によって汲み上げられ、圧力が加えられることによりパイプラインPLに供給される。同図の場合、パイプラインPLは3つの経路に分岐され、それぞれ、圃場FM-1、FM-2に設けられた給水栓100-1、100-2A、100-2Bと接続されている。これにより、ファームポンドFPからパイプラインPLを経由して送られた用水は、給水栓100-1、100-2A、100-2Bにまで到達する。この際、給水栓100-1、100-2A、1002Bの栓部が開状態であれば、給水栓100-1、100-2A、100-2Bから圃場FM-1、FM-2のそれぞれに対して用水が供給され、灌漑が行われる。
【0027】
圃場主端末600-1は、圃場FM-1の圃場主(農家)が利用するネットワーク端末装置である。圃場主端末600-1は、例えば圃場FM-1の圃場主が所有するパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などである。同様に、圃場主端末600-2は、圃場FM-2の圃場主が利用するネットワーク端末装置である。なお、以降の説明にあたり、圃場主端末600-1、600-2について特に区別しない場合には、圃場主端末600と記載する。
圃場主は、例えば圃場主端末600-1を操作することで、各給水栓100や排水栓200を制御する。
【0028】
図2に示すように、各給水栓100および各排水栓200には、開閉装置40が設けられている。開閉装置40は、各給水栓100(バルブ)または各排水栓200(バルブ)を開閉する。
以下では、開閉装置40が設けられた給水栓100を例示して説明する。開閉装置40の説明の前に、まず、給水栓100を説明する。
【0029】
図3には、給水栓100として、浮上式の止水栓ボールを用いた開閉弁を例示する。給水栓100は、給水管63と、弁開口75を有する吐出管64(本体部)と、吐出管64の上方を覆うカバー65と、給水管63内で上下に移動自在に収容された止水栓ボール67と、吐出管64に対して上下方向に連通されたスピンドル69と、を備えている。
【0030】
給水管63は、パイプラインPLから耕作区の所定の位置に導かれた管材である。給水管63は、地面に対して略垂直に立ち上げられている。
吐出管64は、有頂筒状をなしている。吐出管64は、給水管63の上端部に取り付けられている。吐出管64内と給水管63内とは連通している。本実施形態では、吐出管64は、給水管63よりも小径であるが、止水栓ボール67よりも小径であれば(止水栓ボール67よりによって止水可能であれば)、これに限られない。
【0031】
弁開口75は、吐出管64の側壁の下端内縁部に全周にわたって設けられている。弁開口75は、止水栓ボール67の外周面が液密に当接可能な座面を形成している。
【0032】
図3図4に示すように、吐出管64の天面の中心には、上下方向に貫通する孔64hが形成されている。孔64hの内側には、保持部材74が設けられている。保持部材74は、上下方向に延びる筒状で、その上端部の外周面に雄ねじ部74nが形成されている。保持部材74の内周面には、不図示の雌ねじ部が形成されている。保持部材74は、その下端に径方向外側に突出するフランジ部74aを有している。
【0033】
このような保持部材74は、吐出管64の孔64hに下方から挿入され、その上端部が吐出管64の天面から上方に突出している。これにより、雄ねじ部74nは、吐出管64の天面から上方に突出している。保持部材74は、フランジ部74aが吐出管64の天面の下面に形成された凹部64bに嵌め込まれることで、上方への移動が規制されている。なお例えば、フランジ部74aは、下方から見ると、周方向の一部が切り欠かれたD字状をなしている。凹部64bは、下方から見ると、フランジ部74aと同様にD字状をなし、フランジ部74aが嵌め込まれることで、保持部材74がその中心軸回りに回転するのを拘束している。また、保持部材74の雄ねじ部74nには、ナット部材79が装着されている。ナット部材79は、雄ねじ部74nに締結されることで、吐出管64の天面に密着している。このナット部材79により、保持部材74の下方への移動が規制されている。
【0034】
図3に示すように、吐出管64の天面には、吐出孔76(開口)が複数設けられている。弁開口75が開いたときに、給水管63の水(液体)が吐出管64内に流入すると共に、吐出孔76を通して給水栓100の外部に吐出される。
カバー65は、吐出管64の上部を覆う有頂無底筒状の部材である。カバー65の天面は、吐出管64の上端部に固定されている。カバー65は、天面から側壁にかけて傘形状をなすように拡径している。
【0035】
止水栓ボール67は、給水管63を開閉させる。止水栓ボール67は、いわゆるボール弁である。止水栓ボール67は、弁開口75より上流側で、給水管63内において給水管63内の水圧により浮上可能、且つ上下に移動可能に配置されている。給水管63の内周面には、径方向に突出するガイド部77が設けられている。ガイド部77は、周方向に沿って間隔をあけて複数配置されている。止水栓ボール67は、複数のガイド部77に沿って上下方向に移動する。
【0036】
止水栓ボール67の直径は、弁開口75の内径より大きく、且つ、給水管63の内径より小さい。止水栓ボール67は水に対して浮力を有する。
なお、止水栓ボール67は、上側に弁開口75の直径より大きな直径を有する球面が配置されるように形成されていれば、必ずしも球状に形成されていなくてもよい。例えば、止水栓ボール67に、止水栓ボール67の下側に向けて先細りした脚部が設けられていてもよい。止水栓ボール67が、その他に公知の構成を備えていてもよい。
【0037】
図3図4に示すように、スピンドル69は、雄ねじ部74nが形成された保持部材74を上下方向に貫通している。スピンドル69の外周面には保持部材74の内周面に形成された雌ねじ部74pに螺合する雄ねじ溝69nが形成されている。これにより、スピンドル69は、保持部材74及び吐出管64との係合状態を保持しつつ、上下方向(即ち、給水管63及び吐出管64の延在方向)に沿って移動(上下動)可能とされている。
【0038】
図2および図3に示すように、開閉装置40は、装置本体41と、制御ボックス42と、を備えている。装置本体41は、給水栓100の上部に取り付けられている。制御ボックス42は、装置本体41内に設けられている。装置本体41は、筐体44と、開閉駆動機構20と、固定部材26と、を主に備えている。
【0039】
筐体44は、吐出管64上に配置されている。図3図5に示すように、筐体44は、筐体本体45と、底部材46と、開閉扉47と、を備えている。筐体本体45は、底板45aと、側板45b、45c、45dと、天板45eと、を備えている。底板45aは、平面視矩形で、吐出管64の上方に配置されている。側板45b、45cは、底板45aの幅方向両端から上方に互いに平行延びている。側板45dは、底板45aの後端から上方に延び、側板45b、45cの間を塞いでいる。天板45eは、平面視矩形で、側板45b、45c、45d上に設けられている。これにより、筐体本体45は、前方に向かって開口した箱状をなしている。
【0040】
図3に示すように、筐体本体45の天板45e上には、太陽光発電を行うソーラーパネル91(太陽電池)が設けられている。ソーラーパネル91で生成された電気は、図示しない配線を通して、後述するバッテリ92に蓄電される。
【0041】
図5に示すように、底板45aは、例えば金属製、樹脂製の板状で、その前端部に、下方に延びる前端リブ45rが形成されている。底板45aの前端部には、底板45aを貫通する連通孔45hが形成されている。連通孔45hは、底板45aの前方に向かって開口した平面視U字状である。連通孔45hの内周面は、底板45aの下面から下方に向かって延びる内周壁部45wによって形成されている。内周壁部45wは、平面視U字状である。
また、底板45aには、前後方向の中間部に、一対の底板孔45gが形成されている。一対の底板孔45gは、底板45aの幅方向(筐体本体45の左右方向、以下単に幅方向という場合がある)の中間部に対し、幅方向で対称な位置に形成されている。各底板孔45gは、平面視円形で、底板45aを上下に貫通して形成されている。
【0042】
図4図6に示すように、底部材46は、平面視矩形の板状で、底板45aの下面に沿って設けられている。底部材46は、好ましくは塩化ビニール樹脂等の樹脂からなるが、例えば金属などであってもよい。底部材46は、ビスB(図4参照)により、底板45aと一体に固定される。
底部材46の上下方向の厚みは、例えば5mm以上であり、底板45aの前端リブ45rの上下方向の寸法よりも大きい。図3に示すように、底部材46は、底板45aの前端リブ45rよりも下方に突出している。これにより、底部材46は、後述する開閉扉47と給水栓100との間のクリアランスを確保している。
底部材46の前端部には、平面視U字状の収容溝46aが形成されている。図4に示すように、収容溝46aには、底板45aの内周壁部45wが収容されている。これにより、底部材46と底板45a(筐体本体45)とが位置決めされる。なお、収容溝46aおよび内周壁部45wによる位置決めは必須ではなく、これらがなくてもよい。また、筐体本体45と底部材46とが、ビス(ねじ)等により位置決めされていてもよい。
【0043】
図6に示すように、底部材46の前端部には、底部材46を貫通するとともに、連通孔45hに連通する貫通孔46hが形成されている。貫通孔46hは、底部材46の先方(筐体本体45の前方)に向かって開口した平面視C字状である。
【0044】
底部材46の上面には、各底板孔45gの下方位置から、底部材46の幅方向両側の外縁46eに連続して延びる一対の溝46mが形成されている。各溝46mは、底板孔45gの下方位置となる始端46sから、底部材46の外縁46eで側方に向かって開口する開口端46tに向かって、水勾配が形成されている。
【0045】
図5に示すように、開閉扉47は、筐体本体45の前面の開口を塞ぐように設けられている。開閉扉47は、幅方向一方の側板45bに、図示しないヒンジ等を介して開閉可能に設けられている。開閉扉47は、幅方向他方の側板45cに、図示しないロック金具等により、閉状態でロックできるように設けられている。開閉扉47の下端は、閉状態で、底板45aの下側で、底部材46の前端面に突き当たる。
なお、開閉扉47が前述のようにロックされる場合、このロックを解除することで筐体本体45内にアクセス可能である一方、不用意に筐体本体45内にアクセスすることができなくなる。その結果、メンテナンスの実施を担保しつつ、例えば、筐体本体45内の部品が盗難されること等が防止される。
【0046】
図3に示すように、開閉駆動機構20は、筐体44の筐体本体45内に収容されている。開閉駆動機構20は、スピンドル69を上下動させることで、給水栓100を開閉動作させる。図3図7に示すように、開閉駆動機構20は、ガイド支柱21と、支持部材22と、モータ23と、連結部材24と、を主に備えている。
【0047】
ガイド支柱21は、筐体本体45内において、幅方向一方の側に設けられている。ガイド支柱21は、上下方向に延びている。ガイド支柱21は、筐体本体45に固定されている。図示の例では、ガイド支柱21の下端部は、第1ブラケット21cを介して筐体44の底面に固定され、ガイド支柱21の上端部は、第2ブラケット21bを介して、筐体44の背面に固定されている。図7図8に示すように、ガイド支柱21は、周方向複数個所に、上下方向に延びる溝状の凹部21aを有している。ガイド支柱21の下端部と、筐体本体45および底部材46とは、強固に固定されている。ここで、スピンドル69を上下させるために回転させるとき、スピンドル69を起点としてガイド支柱21を捻転するような外力が生じる。ガイド支柱21の下端部と、筐体本体45および底部材46と、の固定強度は、前述の外力に対する反力(捻転動作)に耐えうる強度を持つ。
【0048】
支持部材22は、ガイド支柱21に沿って上下方向に移動可能な移動部材22aと、モータ23を支持するモータ支持ブラケット22bと、を備えている。
【0049】
図8に示すように、移動部材22aは、上下方向に延びる筒状で、アルミニウム合金等の金属製のアウター部材22cと、アウター部材22cの内側に設けられたインナー部材22dと、を備えている。インナー部材22dは、合成樹脂等、アウター部材22cよりも摩擦係数が小さい材料から形成されている。インナー部材22dの内周面には、周方向複数個所に、ガイド支柱21の凹部21aに噛み合う凸部22eが形成されている。支持部材22は、各凸部22eが凹部21aに噛み合うことで、ガイド支柱21の中心軸回りの周方向への回転が拘束された状態で、ガイド支柱21に沿って上下方向にスライド移動可能に設けられている。なお、凹部21aが上下方向に延びる蟻溝状である場合、移動部材22aが筒状でなく、凹部21aに差し込まれる形状であってもよい。
【0050】
図7に示すように、モータ支持ブラケット22bは、金属製で、移動部材22aのアウター部材22cに固定されている。モータ支持ブラケット22bは、筐体本体45内で、移動部材22aに沿って下方に延びるブラケット中間部22fと、ブラケット中間部22fの下端から幅方向の中央部に向かって延びるモータ支持部22gと、を一体に有している。モータ支持部22g上に、モータ23が固定されている。
【0051】
また、支持部材22には、幅方向一方の側板45c側に向かって突出する位置検出片22hが設けられている。図3に示すように、筐体本体45の側板45cには、上下方向に所定間隔を空けた位置に、一対のリミットスイッチ28a、28bが設けられている。リミットスイッチ28a、28bは、ガイド支柱21に近接している。リミットスイッチ28a、28bからガイド支柱21までの距離は、リミットスイッチ28a、28bからモータ23までの距離よりも短い。リミットスイッチ28a、28bは、ガイド支柱21に沿って上下動する支持部材22の移動範囲の上限位置と下限位置とを設定する。リミットスイッチ28a、28bに、支持部材22の位置検出片22hが接触すると、電気信号が、制御ボックス42(制御部80)に出力される。
【0052】
リミットスイッチ28a、28bは、側板45cに着脱自在に取り付けられている。側板45cには、取付け材45c1が設けられている。取付け材45c1は、上下方向に延びている。リミットスイッチ28a、28bは、取付け材45c1の任意の高さ位置に、離脱自在に取り付けることができる。これにより、リミットスイッチ28a、28bにより検出する上限位置、下限位置を任意に変更することができる。
【0053】
モータ23(モータユニット)は、筐体本体45内に収容されている。モータ23は、モータ本体23aと、ギヤボックス23bと、駆動軸23c(図9参照)と、を備えている。モータ本体23aは、筐体本体45内に収容されたバッテリ92からの給電により、図示しない作動軸を回転させる。作動軸の回転は、ギヤボックス23bを介して駆動軸23cに伝達される。つまり、駆動軸23cは、モータ23のモータ本体23aによって回転する。
駆動軸23cは、モータ支持ブラケット22bのモータ支持部22gを貫通して、下方に延びている。図9に示すように、駆動軸23cの下端部23dは、周方向の一部が平面状に切りかかれた断面D字状とされている。
【0054】
図7に示すように、連結部材24は、スピンドル69と駆動軸23cとを連結する。図9図10に示すように、連結部材24は、平断面視矩形(正方形)で上下方向に延びる角筒状である。連結部材24の上端部内には、駆動軸23cの下端部23dが挿入される。連結部材24の下端部内には、スピンドル69の上端部69aが挿入される。
【0055】
連結部材24の上端部には、回り止め片25が装着可能とされている。図11に示すように、回り止め片25は、上下方向に延びる帯板状の外側片25aと、外側片25aと間隔を空けて略平行に延びる内側片25bと、外側片25aの上端と内側片25bの上端とを接続する接続部25cと、を一体に有している。内側片25bの上下方向の長さは、外側片25aの上下方向の長さよりも長い。外側片25aと内側片25bとの間隔は、連結部材24の一つの側面部24aの板厚とほぼ同じ寸法とされている。図9図10に示すように、回り止め片25は、内側片25bを連結部材24の内側に挿入することで、連結部材24の上端部に装着される。この状態で、回り止め片25は、内側片25bと外側片25aとで、連結部材24の一つの側面部24aを挟み込む。回り止め片25の接続部25cは、側面部24aの上端に上方から突き当たる。
【0056】
図9に示すように、回り止め片25を装着した連結部材24の上端部の内側に、駆動軸23cの下端部23dが挿入される。断面D字状の駆動軸23cの下端部23dは、平面状に切り欠かれた部分が、回り止め片25の内側片25bに突き当たる。これにより、駆動軸23cと連結部材24とが、駆動軸23cの中心軸回りに回転不能に連結される。
【0057】
図7に示すように、スピンドル69の上端部69aには、角筒状の連結部材24の下端部に装着可能な、平断面視矩形の回り止め部(図示無し)が形成されている。回り止め部が、連結部材24の下端部に下方から挿入されることで、スピンドル69の上端部69aと連結部材24の下端部とが、スピンドル69の中心軸回りに回転不能に連結される。
【0058】
固定部材26は、スピンドル69と、スピンドル69の上端部69aが連結された上記連結部材24とを、筐体44の筐体本体45の底板45a、及び底部材46に対して、水平方向における位置を位置決めする。図4図7に示すように、固定部材26は、金属製で、筒状部26aと、上部フランジ部26bと、工具係止部26cと、を一体に備えている。
【0059】
筒状部26aは、上下方向に延びる円筒状である。筒状部26aの内周面には、保持部材74の雄ねじ部74nが螺合する雌ねじ部(図示無し)が形成されている。上部フランジ部26bは、平面視円環状で、筒状部26aの外周面から径方向外側に突出して形成されている。上部フランジ部26bは、筒状部26aの上下方向中間部よりも上方に形成されている。工具係止部26cは、上部フランジ部26b上に形成されている。工具係止部26cは、例えば平面視矩形状で、スパナ等の工具を掛止可能な複数の平面部26dを有している。
【0060】
このような固定部材26は、筐体本体45の底板45a上から、底板45aの連通孔45h、及び底部材46の貫通孔46hの内側に、筒状部26aが嵌め込まれる。ここで、筒状部26aの外径は、底部材46の貫通孔46hの内径よりも僅かに小さい寸法に設定されている。これにより、固定部材26は、底部材46に対して、水平方向に実質的に位置決め可能となっている。
【0061】
そして本実施形態では、固定部材26が貫通孔46hに嵌め込まれた状態で、筒状部26aの雌ねじ部(図示無し)に、保持部材74の雄ねじ部74nがはめ込まれて(ねじこまれて)いる。すなわち、固定部材26の筒状部26aは、雄ねじ部74nおよび連通孔45hそれぞれにはめ込まれている。また、この状態で、固定部材26は、上部フランジ部26bが底板45aの上面に突き当たっている。これにより、固定部材26は、吐出管64(給水栓100)との間に筐体44を挟み込んでいる。
【0062】
上記したような開閉装置40は、バッテリ92からの給電により、モータ23を作動させると、その作動軸(図示無し)の回転力が、ギヤボックス23bを介して駆動軸23cに伝達される。駆動軸23cの回転力は、連結部材24(回り止め片25)を介してスピンドル69に伝達される。このようにしてスピンドル69に加わった回転運動は、スピンドル69の雄ねじ溝69n及び保持部材74の雌ねじ部74pの螺合に従い、スピンドル69の上下動に変換される。このとき、スピンドル69が上下方向(即ち、給水管63及び吐出管64の延在方向)に沿って引き上げ、又は引き下げられる。なおこのとき、モータ23は、連結部材24を介してスピンドル69に支持されていて、スピンドル69の上昇時にはモータ23が押し上げられ、スピンドル69の下降時にはモータ23の自重によりモータ23がスピンドル69に追従する。
【0063】
図12に示すように、給水栓100の閉栓時には、即ち給水栓100から給水を行わない場合には、スピンドル69は引き上げられている。このとき、止水栓ボール67は浮力によって吐出管64の弁開口75に密接し、弁開口75と止水栓ボール67との間を閉塞する。
【0064】
給水栓100の開栓時には、即ち給水栓100から給水を行う場合には、図3に示すように、スピンドル69が引き下げられる。このとき、止水栓ボール67は浮力に抗し、スピンドル69によって弁開口75の位置から押し下げられる。これにより、止水栓ボール67と弁開口75との密接状態が解除される。水は、止水栓ボール67と弁開口75との間の隙間(所謂、スロート部分)を通過し、弁開口75及び吐出管64を通って吐出孔76から上方に噴出される。その後、カバー65が水の流れの向きを下方に変えることで、水が地面に向けて放出される。
【0065】
ところで、上記開閉装置40は、図13に示すように、モータ23に接続された制御部80と、制御部80に電力を供給する電源部90と、制御部80に接続された各種モジュール50と、を更に備えている。
制御部80は、モータ23に接続され、装置本体41の上記動作を制御する。制御部80は、制御ボックス42に収容されている。制御部80は、モータ23の駆動を制御するモータ駆動回路83と、モータ23に供給される電流を検出する電流検出回路84と、モータ駆動回路83、電流検出回路84が接続されたマイコン85と、マイコン85に接続されたRTC86(リアルタイムクロック)と、バッテリ92からマイコン85に供給される電流の電圧を検出する低電圧検出回路87と、を備えている。
【0066】
電源部90は、ソーラーパネル91と、ソーラーパネル91から電力が供給されるバッテリ92(電池、蓄電池、充電池)と、ソーラーパネル91とバッテリ92との間に配置された過電圧制御回路93と、を備えている。ソーラーパネル91は、装置本体41に取り付けられている。バッテリ92(例えば6V程度の電圧)および過電圧制御回路93は、装置本体41(筐体44内)に収容されている。バッテリ92は、DC/DCコンバータ94を介してマイコン85に電力を供給する。
【0067】
各種モジュール50としては、無線モジュール51と、表示LED52と、操作スイッチ53と、水位センサ54と、圧力計55と、バルブ位置検出部56と、が設けられている。
無線モジュール51は、長距離無線モジュール51a(例えば、920MHz無線モジュール)と、短距離無線モジュール51b(例えば、Bluetooth(登録商標)無線モジュール)と、を備えている。長距離無線モジュール51aは、例えばゲートウェイGWを介してネットワークNTに接続される。
【0068】
水位センサ54は、圃場FMに設置され圃場FMの水位を測定するセンサモジュールを制御し、水位を測定するためのものである。
圧力計55は、パイプラインPLの水圧を測定するセンサモジュールを制御し、圧力を測定するためのものである。
バルブ位置検出部56は、作業者の携帯端末や装置本体41や制御ボックス42が備えるGPS機能等により、装置本体41や制御ボックス42の位置を測位するためのものである。
【0069】
なお制御部80には、上述しない各種センサや各種装置が電気的又は物理的に接続されていてもよい。例えば制御部80に、肥料や農薬等の供給装置を接続すれば、開閉装置40による給水と同時又は給水の前後に、これらの肥料や農薬等を耕作区に対して確実に供給することもできる。また制御部80は、筐体44内(装置本体41)にのみ配置されていてもよく、筐体44外にのみ配置されていてもよい。
【0070】
以上説明したように、本実施形態に係る開閉装置40によれば、雄ねじ部74nが配置される連通孔45hが形成され、吐出管64上に配置される筐体44と、雄ねじ部74nおよび連通孔45hそれぞれにはめ込まれ、吐出管64との間に筐体44を挟み込む固定部材26と、筐体44に収容されたモータ23と、筐体44に収容され、モータ23により回転する駆動軸23cと、スピンドル69と駆動軸23cとを連結する連結部材24と、を備える。
このような構成では、固定部材26は、雄ねじ部74nおよび連通孔45hそれぞれにはめ込まれ、吐出管64との間に筐体44を挟み込む。したがって、吐出管64(雄ねじ部74n)と筐体44(連通孔45h)との水平方向の位置を精度高く合わせた上で、吐出管64と筐体44とを上下方向に固定することができる。よって、吐出管64側のスピンドル69と筐体44側の駆動軸23cとを精度よく組み合わせることが可能になり、回転力をロス少なく伝達することができる。その結果、モータ23からの回転力を円滑に伝達することができる。
また、スピンドル69と駆動軸23cとを、連結部材24で連結することで、必要に応じて、連結部材24の長さを変更すれば、モータ23等の高さを容易に変更することができる。例えば、想定される水位が高い場合には、連結部材24を長くし、モータ23等をはじめとする電気部品を、より高い位置に設置することができる。また、想定される水位が十分に低い場合には、連結部材24を短くし、開閉装置40の筐体44を小型化することができる。
【0071】
ところで本実施形態のように、モータ23がスピンドル69に対して水平方向にずらされて配置されている場合、モータ23作動時に、モータ23とスピンドル69との間(支持部材22)に、モータ23およびスピンドル69が離れるように捻じれる力(捻転力)が作用する。ここで本実施形態では、スピンドル69と駆動軸23cとが直結されているのではなく、連結部材24を介して連結されている。よって、この連結部材24によって、前述のような捻転力を吸収することができる。
【0072】
また、筐体44は、底板45aを有する筐体本体45と、底板45aの下面に設けられた底部材46と、を備える。
このような構成では、筐体本体45の底板45aが、底部材46によって補強される。これらの底板45aおよび底部材46は固定部材26と吐出管64との間に挟み込まれる部分である。このような部分が補強されることで、開閉動作時にスピンドル69と駆動軸23cとが回転に伴って上下動しても、その位置精度を維持することができる。
【0073】
また、底板45aに、底板45aを上下に貫通する底板孔45gが形成され、底部材46に、底板孔45gの下方位置から底部材46の外縁46eに連続して延びる溝46mが形成されている。
このような構成では、筐体本体45内に水が浸入した場合、侵入した水は、底板孔45gから溝46mを介して底部材46の外側に排出される。なお水は、例えば、貫通孔46hを通して筐体本体45内に浸入したり、筐体本体45における前面の開口を通して筐体本体45内に浸入したりする。
【0074】
また、筐体44内に収容され、上下方向に延びるガイド支柱21と、ガイド支柱21に沿って上下方向に移動可能に設けられ、モータ23を支持する支持部材22と、を備える。
このような構成では、回転に伴って上下動するスピンドル69とともに、モータ23が上下動する。これにより、筐体44の全体高さを抑え、装置本体41の小型化を図ることができる。
【0075】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態において、筐体本体45の底板45aの下側に、底部材46を備えるようにしたが、底部材46を備えない構成としてもよい。
【0076】
また、底部材46は、単なる板状ではなく、給水栓100に対して、開閉装置40を上方にかさ上げして設けるため、上下方向に所定の高さを有する立体形状としてもよい。
【0077】
また、上記実施形態において、筐体44内で、モータ23がスピンドル69とともに上下動する構成としたが、これに限らない。筐体44内に固定して設けたモータ23により、スピンドル69を回転駆動させるようにしてもよい。
【0078】
また、上記実施形態では、開閉装置40を取り付ける対象として浮上式の止水栓ボール67を用いた給水栓100を例示して説明したが、給水栓100は浮上式に限定されない。例えば、給水栓100は、板状部材の昇降によって用水路の開閉を行うゲート式の給水装置であってもよい。給水栓100は、その他の構成を備えた構成であってもよい。
【0079】
上記実施形態では、開閉装置40が、農業用給水管や農業用排水管に適用されているが、本発明はこれに限られない。例えば、農業用に限られず、また、給排水管以外に適用されてもよい。
【0080】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0081】
21 ガイド支柱
22 支持部材
23 モータ
23c 駆動軸
24 連結部材
26 固定部材
40 開閉装置
44 筐体
45 筐体本体
45a 底板
45g 底板孔
46 底部材
46e 外縁
46h 貫通孔
46m 溝
64 吐出管(本体部)
64h 孔
69 スピンドル
74n 雄ねじ部
76 吐出孔(開口)
100 給水栓(バルブ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13