(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-03
(45)【発行日】2023-04-11
(54)【発明の名称】靴底の製造方法
(51)【国際特許分類】
A43B 13/14 20060101AFI20230404BHJP
A43B 13/16 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
A43B13/14 D
A43B13/16
(21)【出願番号】P 2021543288
(86)(22)【出願日】2019-08-26
(86)【国際出願番号】 KR2019010856
(87)【国際公開番号】W WO2020262757
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2021-07-21
(31)【優先権主張番号】10-2019-0075421
(32)【優先日】2019-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521325329
【氏名又は名称】ヨン チャン エコ カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】チョ,フィ ジュン
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ジェ ヨン
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-501443(JP,A)
【文献】特公昭36-020526(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 13/14
A43B 13/16
B29D 35/00
A43D 8/00
A43B 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1厚さを有する板状の柱片用板、及び前記第1厚さよりも薄い第2厚さを有する板状の保護カバー用板を準備する裁断用板準備ステップと、
前記柱片用板の上面に前記保護カバー用板に配置され、前記柱片用板と前記保護カバー用板は切断加工されることで、前記柱片用板は複数の第1片裁断物と一つの第1残余裁断物に区分され、前記保護カバー用板は複数の第2片裁断物と一つの第2残余裁断物に区分される状態であり、前記第2片裁断物は前記第1片裁断物と同じ形状及び同じ配置状態を有する第1積層体を形成する第1積層体形成ステップと、
上面に前記第1片裁断物と同じ形状及び配置状態を有する複数の片裁断物用突起が突設された積層体装着板に、前記第1積層体の第1片裁断物が前記片裁断物用突起の上部に位置するように前記第1積層体を装着させることで、前記第1残余裁断物及び前記第2残余裁断物が前記積層体装着板に載置された状態で前記第1片裁断物と前記第2片裁断物が前記片裁断物用突起によって上方へ移動して前記第1片裁断物の上面は前記第2残余裁断物の上面と同じ高さになり、前記上方へ移動した第2片裁断物を除去することで、前記第2片裁断物の除去された第1積層体である第2積層体を形成する第2積層体形成ステップと、
前記第2積層体の上部に裁断前の生地を接合させることで、前記裁断前の生地の下面に前記第2積層体の複数の第1片裁断物と一つの第2残余裁断物が接合された生地接合積層体を形成する生地接合積層体形成ステップと、
前記生地接合積層体を前記生地接合積層体に対して垂直方向に切断加工することで、前記生地接合積層体が
、平面上の形状が足裏形状である内側靴底用裁断物と、前記内側靴底用裁断物の外側に位置した外側残余裁断物に区分され
、前記内側靴底用裁断物は前記第1片裁断物を有する内側靴底用裁断物形成ステップと、
前記内側靴底用裁断物を前記外側残余裁断物から分離させることで、前記内側靴底用裁断物からなる靴底を得る靴底分離ステップと、を含んでなることを特徴とする、靴底の製造方法。
【請求項2】
前記第1積層体形成ステップは、前記柱片用板の上面に前記保護カバー用板を配置した後、一回の垂直方向の切断加工によって前記第1片裁断物と前記第1残余裁断物と前記第2片裁断物と前記第2残余裁断物を同時に形成することを特徴とする、請求項1に記載の靴底の製造方法。
【請求項3】
前記生地接合積層体形成ステップは、前記第2積層体の上部に、熱融着フィルムが下面に仮接合された前記裁断前の生地を配置した後、前記熱融着フィルムを媒介として前記第1片裁断物及び前記第2残余裁断物を前記裁断前の生地に熱融着させることを特徴とする、請求項1に記載の靴底の製造方法。
【請求項4】
前記柱片用板は、上部のミッドソール柱片用板と下部のアウトソール柱片用板とが互いに接合された形態であることを特徴とする、請求項1に記載の靴底の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴の下部を構成する靴底を製造するための製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
靴は、具体的な用途に応じて様々に提供され、ますます機能性が強調され、専門化が進んでいる。また、最近は、靴も、一つのファッションをなす重要な小道具として認識され、デザインが重要視されている。
【0003】
靴は、大きく靴類、運動靴類、登山靴、スリッパ、その他の特殊靴などに分類でき、これらは、同様の構成要素で構成されるが、細部的には各靴の用途に応じて少しずつ異なる。
【0004】
最も一般的な運動靴のような靴は、アッパー、アウトソール、ミッドソール、インソールで構成され、スリッパみたいな靴は、足の甲の部分だけを覆うアッパーと、単一の靴底で構成されることもある。つまり、スリッパみたいな靴の靴底は、アウトソール、ミッドソール、インソールの区分なく全体が一つの靴底にもなる。
【0005】
通常、アウトソール、ミッドソール、インソールはそれぞれ異なる機能を有し、これにより、これらの材料も異なる。アウトソールは、地面と接触して滑りを防止する機能を果たすので、ゴムが主材料として使われる。
【0006】
ミッドソールは、主に衝撃吸収機能を果たすので、発泡性ウレタンやEVAなどの材料が使用され、インソールは、ミッドソールに比べて薄い厚さであるが、上面に不織布が結合して足の臭いを取り除くか汗を吸収することができるように機能する。
【0007】
一方、ミッドソールまたはアウトソールを製造するためには、当該デザインに合わせた専用の金型を利用する。このように靴底を製造する古典的な方式は、製造コストが上昇するだけでなく、デザインの変更に制限がある。
【0008】
また、従来のミッドソールは、一つの部品となるのが一般的なので、ミッドソールの柔軟性は、ミッドソールの材質のみに依存している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、靴底の形態を多様にデザインすることができるだけでなく、靴底の構造が複数の柱片が靴底の生地に接合される形態になり、複数の柱片が独立に配置されて靴底が非常に柔軟に曲がることができる、新しい構造の靴底の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明は、第1厚さを有する板状の柱片用板、及び前記第1厚さよりも薄い第2厚さを有する板状の保護カバー用板を準備する裁断用板準備ステップと、前記柱片用板の上面に前記保護カバー用板に配置され、前記柱片用板と前記保護カバー用板は切断加工されることで、前記柱片用板は複数の第1片裁断物と一つの第1残余裁断物に区分され、前記保護カバー用板は複数の第2片裁断物と一つの第2残余裁断物で区分される状態であり、前記第2片裁断物は前記第1片裁断物と同じ形状及び同じ配置状態を有する第1積層体を形成する第1積層体形成ステップと、上面に前記第1片裁断物と同じ形状及び配置状態を有する複数の片裁断物用突起が突設された積層体装着板に、前記第1積層体の第1片裁断物が前記片裁断物用突起の上部に位置するように前記第1積層体を装着させることで、前記第1残余裁断物及び前記第2残余裁断物が前記積層体装着板に載置された状態で前記第1片裁断物と前記第2片裁断物が前記片裁断物用突起によって上方へ移動して前記第1片裁断物の上面は前記第2残余裁断物の上面と同じ高さになり、前記上部へ移動した第2片裁断物を除去することで、前記第2片裁断物の除去された第1積層体である第2積層体を形成する第2積層体形成ステップと、前記第2積層体の上部に裁断前の生地を接合させることで、前記裁断前の生地の下面に前記第2積層体の複数の第1片裁断物と一つの第2残余裁断物が接合された生地接合積層体を形成する生地接合積層体形成ステップと、前記生地接合積層体を前記生地接合積層体に対して垂直方向に切断加工することで、前記生地接合積層体が、前記第1片裁断物が内側に位置した、平面上の形態が足裏形状である内側靴底用裁断物と、前記内側靴底用裁断物の外側に位置した外側残余裁断物に区分される内側靴底用裁断物形成ステップと、前記内側靴底用裁断物を前記外側残余裁断物から分離させることで、前記内側靴底用裁断物からなる靴底を得る靴底分離ステップと、を含んでなることを特徴とする。
【0011】
上記において、前記第1積層体形成ステップは、前記柱片用板の上面に前記保護カバー用板を配置した後、一回の垂直方向の切断加工によって前記第1片裁断物と前記第1残余裁断物と前記第2片裁断物と前記第2残余裁断物を同時に形成することが好ましい。
【0012】
上記において、前記生地接合積層体形成ステップは、前記第2積層体の上部に、熱融着フィルムが下面に仮接合された前記裁断前の生地を配置した後、熱融着フィルムを媒介として前記第1片裁断物及び前記第2残余裁断物を前記裁断前の生地に熱融着させることが好ましい。
【0013】
上記において、前記柱片用板は、上部のミッドソール柱片用板と下部のアウトソール柱片用板とが互いに接合された形態であることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
前述したように、本発明は、複数の柱片が靴底の生地に結合する形態を採用して非常に柔軟な構造の靴底を提供し、さらには、別の専用金型を必要としないため靴底の形態をさまざまにデザインすることができるとともに製造コストを削減することができる新しい構造の靴底の製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1実施態様による柱片用板と保護カバー用板の断面図である。
【
図2】第1積層体を形成するステップを示す図である。
【
図3】第2積層体を形成するステップを示す図である。
【
図4】第2積層体を形成するステップを示す図である。
【
図5】生地接合積層体を形成するステップを示す図である。
【
図6】生地接合積層体を切断加工して内側靴底用裁断物を形成するステップを示す図である。
【
図7】内側靴底用裁断物である靴底を分離するステップを示す図である。
【
図9】
図6の切断加工された生地接合積層体の斜視図である。
【
図10】
図7によって得られた靴底の一部切開斜視図である。
【
図12】本発明の第2実施態様による柱片用板と保護カバー用板の断面図である。
【
図13】本発明の第2実施態様による靴底を用いた靴の概念断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施し得るように本発明の実施態様を詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態で実現でき、ここで説明する実施態様に限定されない。そして、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略し、明細書全体にわたって類似の部分については同様の図面符号を付与した。
【0017】
明細書全体にわたって、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0018】
まず、本発明の第1実施態様による靴底の製造方法を説明する。
【0019】
図1は本発明の第1実施態様による柱片用板と保護カバー用板の断面図、
図2は第1積層体を形成するステップを示す図、
図3及び
図4は第2積層体を形成するステップを示す図、
図5は生地接合積層体を形成するステップを示す図、
図6は生地接合積層体を切断加工して内側靴底用裁断物を形成するステップを示す図、
図7は内側靴底用裁断物である靴底を分離するステップを示す図、
図8は
図2の第1積層体の斜視図、
図9は
図6の切断加工された生地接合積層体の斜視図、
図10は
図7によって得られた靴底の一部切開斜視図、
図11は
図10の靴底を用いた靴の概念断面図である。
【0020】
1.裁断用板準備ステップ
【0021】
図1に示すように、一対の裁断用板を用意する。裁断用板は、後述する切断加工によって裁断される板であって、本実施態様では四角板の形状を有する。
【0022】
裁断用板として、柱片用板110と保護カバー用板120を用意する。
【0023】
柱片用板110は、後述する靴底400における、柱片430となるための部分であり、保護カバー用板120は、靴底400における、保護カバー420となるための部分である。
【0024】
本実施態様において、柱片用板110はポリウレタンフォームであり、保護カバー用板120はEVAフォームであるが、これは一つの実施態様に過ぎず、その材質は多様に変更できる。
【0025】
柱片用板110は第1厚さを有し、保護カバー用板120は第1厚さよりも薄い第2厚さを有する。
【0026】
2.第1積層体形成ステップ
【0027】
図2に示すように、柱片用板110の上部に保護カバー用板120を配置した後、複数の切断刃21と複数の補助クッション22が設けられた第1プレス切断機20で垂直方向に切断加工して、第1切断面101が形成された第1積層体100を形成する。
【0028】
これにより、一回の垂直方向の切断加工によって柱片用板110と保護カバー用板120が同時に切断加工されることで、柱片用板110は、複数の第1切断面101によって複数の第1片裁断物111と一つの第1残余裁断物112に区分され、保護カバー用板120は、複数の第1切断面101によって複数の第2片裁断物121と一つの第2残余裁断物122に区分される状態となる。
【0029】
つまり、柱片用板110は、複数の第1片裁断物111と一つの第1残余裁断物112に分離できる状態であるが、まだ分離されていない状態であり、これは保護カバー用板120も同様である。
【0030】
また、第2片裁断物121は第1片裁断物111と同じ形状及び同じ配置状態を有し、第2残余裁断物122は第1残余裁断物112と同じ形状を有する。
【0031】
第1片裁断物111は靴底における、柱片430となるための部分であり、第1残余裁断物112は不必要な部分である。
【0032】
逆に、第2片裁断物121は不必要な部分であり、第2残余裁断物122は靴底における、保護カバー420となるための部分である。
【0033】
このような切断加工のために、第1プレス切断機20には第1片裁断物111と同じ形状及び同じ配置状態の切断刃21が設けられるとともに、それぞれの切断刃21の内部には補助クッション22が設けられている。
【0034】
切断刃21は、平面上の形態が閉曲線形状である切断面を形成するためのものであり、補助クッション22は、プレス切断機22が下方に下降した後、上方に上昇するときに第1片裁断物111などが切断刃21と一緒に上方へ移動して柱片用板110から分離されることを防止するためのものである。
【0035】
実施態様によっては、柱片用板110を切断加工して複数の第1片裁断物111と一つの第1残余裁断物112を形成し、これとは別に、保護カバー用板120を切断加工して第2片裁断物121と一つの第2残余裁断物122を形成した後、柱片用板110と保護カバー用板120を積層して第1積層体100を形成することもできる。
【0036】
第1片裁断物111の形状は非常に多様に変形することができる。
【0037】
図8はこのように切断加工された第1積層体100の斜視図である。
【0038】
3.第2積層体形成ステップ
【0039】
図3及び
図4に示すように、第1積層体100から第2片裁断物121を除去して第2積層体200を形成する。
【0040】
このために、積層体装着板10を用意する。
【0041】
本実施態様の積層体装着板10は、上面に複数の片裁断物用突起11が突設されている。複数の片裁断物用突起11の形状及び配置状態は、第1片裁断物111の形状及び配置状態と同じである。
【0042】
このような積層体装着板10の片裁断物用突起11に、
図3の如く、第1積層体100の第1片裁断物111が位置するように第1積層体100を積層体装着板10に装着させる。
【0043】
これにより、第1残余裁断物112及び第2残余裁断物122は、積層体装着板10に載置されることにより、第1片裁断物111及び第2片裁断物121が片裁断物用突起11によって上方へ移動する。
【0044】
第1片裁断物111の上面は、第2残余裁断物122の上面と同じ高さになるように移動し、第2片裁断物121は、第2残余裁断物122から外れた状態となる。
【0045】
つまり、積層体装着板10の片裁断物用突起11の突出高さは、第2片裁断物121の厚さに対応する。
【0046】
その後、
図4の如く、第2片裁断物121を除去すると、第2片裁断物121の除去された第1積層体100である第2積層体200を形成することになる。
【0047】
4.生地接合積層体形成ステップ
【0048】
図5に示すように、第2積層体200の上部に裁断前の生地310を接合させることで、裁断前の生地310に第2積層体200の複数の第1片裁断物111と一つの第2残余裁断物122が接合された生地接合積層体300を形成する。
【0049】
本実施態様では、下面に熱融着フィルム320が仮接合された裁断前の生地310を準備し、これを第2積層体200の上部に配置した後、熱融着機30によって第1片裁断物111及び第2残余裁断物122を熱融着フィルム320を媒介として裁断前の生地310に熱融着させる。
【0050】
裁断前の生地310は、面状材料であれば十分であり、織物や布などが使用できる。
【0051】
5.内側靴底用裁断物形成ステップ
【0052】
図6に示すように、切断刃41と補助クッション42が設けられた第2プレス切断機40で生地接合積層体300を垂直方向に切断加工することで、生地接合積層体300に第2切断面301が形成されながら、内側靴底用裁断物300aが形成される。
【0053】
つまり、生地接合積層体300を生地接合積層体300に対して垂直方向に切断加工することで、生地接合積層体300に第2切断面301が形成されながら、生地接合積層体300が内側靴底用裁断物300aと外側残余裁断物300bに区分される。
【0054】
内側靴底用裁断物300aは、平面上の形態が足裏形状であって、その内側に複数の第1片裁断物111が位置する。内側靴底用裁断物300aは、靴底400となる部分である。
【0055】
外側残余裁断物300bは内側靴底用裁断物300aの外側に位置した部分であって、この部分は不必要な部分である。
【0056】
このような切断加工のために、第2プレス切断機40には足裏形状の切断刃41が設けられており、切断刃41の内部には補助クッション42が設けられている。
【0057】
本実施態様では、切断加工によって第2残余裁断物122が切断加工されるのはもとより、第1残余裁断物112も一緒に切断加工されるものと示したが、実際には、切断加工によって第2残余裁断物122が切断加工されることで十分であり、第1残余裁断物112は切断加工されなくてもよい。
【0058】
図9は切断加工された生地接合積層体300の斜視図である。
図6及び
図9に示すように、第2切断面301は、その内部に複数の第1切断面101が位置する。
【0059】
6.靴底分離ステップ
【0060】
図7に示すように、内側靴底用裁断物300aを外側残余裁断物300bから分離させることで、内側靴底用裁断物300aからなる靴底400を得る。
【0061】
すなわち、
図6以後、靴底400(すなわち、内側靴底用裁断物300a)を分離するステップである。
【0062】
前述した製造方法によって、
図10及び
図11のような靴底400を製造することができる。
【0063】
図10は靴底生地410の一部を剥がした状態で、保護カバー420と柱片430の一部を切開して示す斜視図である。
【0064】
図11は本靴底400が適用された靴の断面概念図である。
【0065】
本靴底400は、靴底生地410、保護カバー420、及び複数の柱片430からなる。
【0066】
靴底生地410は足裏形状である。靴底生地410は、裁断前の生地310が切断加工されて形成された部分であって、非常に自由にその形状が変形することができる。
【0067】
靴底生地410にはアッパーの下端が固定され、靴底生地410の上部にはインソールがさらに設けられることができる。
【0068】
保護カバー420は、靴底生地410に対応する足裏形状であって、靴底生地410の下面に接合されるが、複数の柱貫通孔が上下方向に設けられている。
【0069】
保護カバー420は、保護カバー用板120の第2残余裁断物122が切断加工されて形成された部位である。すなわち、保護カバー420は、第1切断面101と第2切断面301によって切断加工された部位であり、第1切断面101によって裁断加工された複数の第2片裁断物122が除去されることにより、複数の柱貫通孔が設けられるのである。
【0070】
柱片430は、保護カバー420の柱貫通孔を貫通して靴底生地410の下面に接合される。また、柱片430は、保護カバー420から下方に突出する形状に配置される。
【0071】
柱片430は、柱片用板110の第1片裁断物111に対応する部位である。
【0072】
このような靴底400は、複数の柱片430が互いに独立して靴底生地410に接合された形態なので、本靴底400の柔軟性は靴底生地410によって支配され、これは非常に柔軟である。
【0073】
また、保護カバー420は、外部から靴底生地410を保護するだけでなく、柱片430の上部構造を支持して構造的安定性を高める。
【0074】
以下、本発明による第2実施態様を説明する。
【0075】
図12は本実施態様に適用される柱片用板と保護カバー用板の断面図であり、
図13は本実施態様によって製造された靴底が適用された靴の概念断面図である。
【0076】
図示の如く、本実施態様の柱片用板110は、上部のミッドソール柱片用板110aと下部のアウトソール柱片用板110bとが互いに接合されたものである。
【0077】
ミッドソール柱片用板110aは、従来の一般的なミッドソール材質であり、アウトソール柱片用板110bは、従来のアウトソール材質が適用される。
【0078】
このような柱片用板110を用いて本発明の製造方法に基づいて靴底を製造すると、
図13に示すように、靴底400のそれぞれの柱片430は、上部のミッドソール柱片430aと下部のアウトソール柱片430bとが互いに接合された形態になる。
【0079】
本発明において、裁断前の生地310及び靴底生地410の素材は、非常に多様に変更できる。
【0080】
また、本発明において、柱片用板110及び柱片430の素材は、非常に多様に変更できる。
【0081】
また、本発明において、保護カバー用板120及び保護カバー420の素材は、非常に多様に変更できる。
【0082】
このような本発明は、様々なパターンデザインを形成することができるだけでなく、多様な構造設計が可能である。
【0083】
また、それぞれの独立した柱片430は、様々な素材を適用して製造可能であり、また、様々なカラーに基づいて弾性、硬度などの互いに異なる物性を適用することもできる。
【0084】
また、それぞれの独立した柱片430は、互いに異なる高さを有するように設計することもできる。
【0085】
また、本発明において、柱片用板110は、部位ごとに異なる材質、異なるカラー、異なる厚さを有するように設計して、それぞれの独立した柱片430が互いに異なる材質、異なるカラー、異なる厚さを有するようにすることができる。
【0086】
前述した本発明の説明は、例示のためのものであり、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態で容易に変形実施が可能であることを理解することができる。したがって、以上で記述した実施態様は、すべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解されるべきである。例えば、単一型と説明されている各構成要素は、分散されて実施されてもよく、同様に分散されたものと説明されている構成要素も、結合形態で実施されてもよい。
【0087】
本発明の範囲は、上記の詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその均等概念から導き出されるすべての変更または変形形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、靴底を製造するために利用可能である。