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  • 特許-イオンビーム源 図1
  • 特許-イオンビーム源 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-03
(45)【発行日】2023-04-11
(54)【発明の名称】イオンビーム源
(51)【国際特許分類】
   H01J 27/16 20060101AFI20230404BHJP
【FI】
H01J27/16
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019114993
(22)【出願日】2019-06-20
(65)【公開番号】P2021002455
(43)【公開日】2021-01-07
【審査請求日】2022-06-03
(73)【特許権者】
【識別番号】519225314
【氏名又は名称】山本 直嗣
(73)【特許権者】
【識別番号】519225325
【氏名又は名称】MUSCATスペース・エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100135356
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】山本 直嗣
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-324095(JP,A)
【文献】特開平10-275695(JP,A)
【文献】特表2011-510458(JP,A)
【文献】特開平06-223756(JP,A)
【文献】特表2014-505322(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 27/00-27/26
H01J 37/00-37/36
H05H 1/00-1/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体に収容され、マイクロ波を発生させるマイクロ波発生部と、
前記本体に収容され、前記マイクロ波発生部からのマイクロ波を導入してイオンビームを放出するプラズマ室と、
前記本体に収容され、前記プラズマ室に供給するガスを貯留するガス貯留部と、
前記本体に収容され、前記ガス貯留部と前記プラズマ室とを連通するガス流路と、を備え、
前記ガス流路には、前記ガス貯留部と前記本体とを電気的に絶縁するアイソレータが設けられ、
前記アイソレータは、前記ガス流路を形成する絶縁性の管部材の内部に配置されたカーボン部材により構成されるイオンビーム源。
【請求項2】
前記カーボン部材は、多孔質カーボンにより構成される請求項1に記載のイオンビーム源。
【請求項3】
前記カーボン部材は、前記ガス流路の流路面積の全体にわたって存在するように配置されている請求項1又は請求項2に記載のイオンビーム源。
【請求項4】
前記カーボン部材は、前記管部材の内部に所定の間隔で3つ以上設けられる請求項1~請求項3のいずれかに記載のイオンビーム源。
【請求項5】
前記管部材は、フッ化炭素樹脂チューブ又はポリイミドチューブにより構成される請求項1~請求項4のいずれかに記載のイオンビーム源。
【請求項6】
本体と、
前記本体に収容され、高周波を発生させる高周波発生部と、
前記本体に収容され、前記高周波発生部からの高周波を導入してイオンビームを放出するプラズマ室と、
前記本体に収容され、前記プラズマ室に供給するガスを貯留するガス貯留部と、
前記本体に収容され、前記ガス貯留部と前記プラズマ室とを連通するガス流路と、を備え、
前記ガス流路には、前記ガス貯留部と前記本体とを電気的に絶縁するアイソレータが設けられ、
前記アイソレータは、前記ガス流路を形成する絶縁性の管部材の内部に配置されたカーボン部材により構成されるイオンビーム源。
【請求項7】
本体と、
前記本体に収容され、電子を発生させる電子発生部と、
前記本体に収容され、前記電子発生部からの電子を導入してイオンビームを放出するプラズマ室と、
前記本体に収容され、前記プラズマ室に供給するガスを貯留するガス貯留部と、
前記本体に収容され、前記ガス貯留部と前記プラズマ室とを連通するガス流路と、を備え、
前記ガス流路には、前記ガス貯留部と前記本体とを電気的に絶縁するアイソレータが設けられ、
前記アイソレータは、前記ガス流路を形成する絶縁性の管部材の内部に配置されたカーボン部材により構成されるイオンビーム源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオンビーム源に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、人工衛星等のイオンエンジン等に用いられるイオンビーム源としては、マイクロ波放電型、高周波放電型、直流放電型が知られている。これらの三方式ではいずれも、プラズマ室には原料ガスが供給される。マイクロ波をプラズマ生成に用いるイオンビーム源(例えば、特許文献1参照)では、真空のプラズマ室には、マイクロ波が導入される。供給された原料ガスは、マイクロ波によって電離あるいは励起されて、プラズマが生成される。あるいは、高周波をプラズマ生成に用いるイオンビーム源(例えば、特許文献2参照)では、真空のプラズマ室には、高周波が導入される。供給された原料ガスは、高周波によって電離あるいは励起されて、プラズマが生成される。直流放電をプラズマ生成に用いるイオンビーム源(例えば、特許文献3参照)では、真空のプラズマ室には、なんらかの陰極を伴う電子源と陽極とが設けられ、陰極と陽極の間の直流放電が形成される。供給された原料ガスは、直流放電によって電離あるいは励起されて、プラズマが生成される。3方式ともに、プラズマ室が基準電位よりも高電位に維持されることによって、プラズマからイオンが選択的に引き出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-84818号公報
【文献】特開2014-078514公報
【文献】特開2017-84818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のイオンビーム源においては、プラズマ室に供給される原料ガスを貯留するガス貯留部からプラズマ室までのガス流路には、例えば、セラミック絶縁材によって支持される複数の金属メッシュが、ガス流路におけるガスの流れる方向においてガス流路を区画するように配置されたり、ガラスビーズが配置されたりすることにより、ガス貯留部とイオンビーム源のハウジング(本体)とが電気的に絶縁されていた。
【0005】
しかし、セラミック絶縁体及び金属メッシュの質量は大きく、このため、イオンビーム源全体として質量が大きくなっており、軽量化及び小型化を図ることが困難であった。また、金属メッシュやガラスビーズを収容するためガス流路を形成するガス管の容積が大きくなる問題や、ガス流路におけるコンダクタンスが小さく、流通するガスに圧力差が生じ、この結果、異常放電が発生する問題があった。
【0006】
本発明は、軽量化及び小型化が図られ、プラズマ室に供給されるガスに圧力差が生ずることを抑え、異常放電の発生を抑えることが可能なイオンビーム源を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、本体と、前記本体に収容され、マイクロ波を発生させるマイクロ波発生部と、前記本体に収容され、前記マイクロ波発生部からのマイクロ波を導入してイオンビームを放出するプラズマ室と、前記本体に収容され、前記プラズマ室に供給するガスを貯留するガス貯留部と、前記本体に収容され、前記ガス貯留部と前記プラズマ室とを連通するガス流路と、を備え、前記ガス流路には、前記ガス貯留部と前記本体とを電気的に絶縁するアイソレータが設けられ、前記アイソレータは、前記ガス流路を形成する絶縁性の管部材の内部に配置されたカーボン部材により構成されるイオンビーム源に関する。
【0008】
また、前記カーボン部材は、多孔質カーボンにより構成されることが好ましい。
【0009】
また、前記カーボン部材は、前記ガス流路の流路面積の全体にわたって存在するように配置されていることが好ましい。
【0010】
また、前記カーボン部材は、前記管部材の内部に所定の間隔で3つ以上設けられることが好ましい。
【0011】
また、前記管部材は、フッ化炭素樹脂チューブ又はポリイミドチューブにより構成されることが好ましい。
【0012】
また、本発明は、本体と、前記本体に収容され、高周波を発生させる高周波発生部と、前記本体に収容され、前記高周波発生部からの高周波を導入してイオンビームを放出するプラズマ室と、前記本体に収容され、前記プラズマ室に供給するガスを貯留するガス貯留部と、前記本体に収容され、前記ガス貯留部と前記プラズマ室とを連通するガス流路と、を備え、前記ガス流路には、前記ガス貯留部と前記本体とを電気的に絶縁するアイソレータが設けられ、前記アイソレータは、前記ガス流路を形成する絶縁性の管部材の内部に配置されたカーボン部材により構成されるイオンビーム源に関する。
【0013】
また、本発明は、本体と、前記本体に収容され、電子を発生させる電子発生部と、前記本体に収容され、前記電子発生部からの電子を導入してイオンビームを放出するプラズマ室と、前記本体に収容され、前記プラズマ室に供給するガスを貯留するガス貯留部と、前記本体に収容され、前記ガス貯留部と前記プラズマ室とを連通するガス流路と、を備え、前記ガス流路には、前記ガス貯留部と前記本体とを電気的に絶縁するアイソレータが設けられ、前記アイソレータは、前記ガス流路を形成する絶縁性の管部材の内部に配置されたカーボン部材により構成されるイオンビーム源、に関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、軽量化及び小型化が図られ、プラズマ室に供給されるガスに圧力差が生ずることを抑え、異常放電の発生を抑えることが可能なイオンビーム源を提供することが可能なイオンビーム源を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態によるイオンビーム源を示す概略図である。
図2】本発明の一実施形態によるイオンビーム源のガスアイソレータを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、イオンビーム源1を示す概略図である。図2は、イオンビーム源1のガスアイソレータ32を示す断面図である。
【0017】
図1に示すように、イオンビーム源1は、本体としてのハウジング10と、マイクロ波発生部21と、ガス貯留部31と、ガス流路33と、プラズマ室41と、を備えている。ハウジング10は、マイクロ波発生部21、プラズマ室41、ガス貯留部31、及び、ガス貯留部31を収容する。ハウジング10の電位は接地され、0Vとされている。
【0018】
マイクロ波発生部21は、例えば、進行波管等、固体電力増幅器等を利用した発振器により構成され、マイクロ波発生部21は、例えば、4.2GHzの周波数のマイクロ波を発生させ出力する。マイクロ波発生部21は、DCブロック22を介して、プラズマ室41の内部に配置された図示しないアンテナに電気的に接続されている。DCブロック22は、高無線周波数(RF)のみを通過するフィルタのように動作して、直流電流周波数の流れをブロックする。図示しないアンテナは、マイクロ波をプラズマ室41へ放出する。
【0019】
ガス貯留部31はガスボンベにより構成されており、ガス貯留部31の内部には、例えば、キセノンガス(Xe)、クリプトンガス(Kr)、アルゴンガス(Ar)等の希ガスや、或いは有機、無機の代替ガスが貯留可能であり、本実施形態では、キセノンガス(Xe)が貯留される。ガス貯留部31は、ガス貯留部31を形成するガス管331によりプラズマ室41に連通しており、プラズマ室41にガスを供給する。ガス管331は、フッ化炭素樹脂チューブやポリイミドチューブ等の電気的に絶縁可能な管部材により構成されている。ガス管331の途中には、ガスアイソレータ32が設けられている。ガスアイソレータ32は、ガス貯留部31とハウジング10とを電気的に絶縁する。ガスアイソレータ32については、後述する。
【0020】
プラズマ室41は、一端が真空に対して開口する筒形状部材により形成されている。ここで真空は、例えば、イオンビーム源1が人工衛星等のマイクロ波放電型イオンエンジンに用いられる場合には、宇宙空間により構成され、大気中においてイオンビーム源1が用いられる場合には、真空チャンバにより生成される。
【0021】
プラズマ室41には、電子サイクロトロン共鳴(ECR)条件を満たす磁場、又は、それよりも高い磁場が、例えば、プラズマ室41の内部に設けられたサマリウムコバルト磁石により印加される。プラズマ室41の内部に配置された図示しないアンテナから、プラズマ室41の内部に、マイクロ波電力を導入し入力して高密度プラズマを生成し、これにより、図1において矢印で示すように、イオンがイオンビームIとして引き出される。
【0022】
真空に対して開口するプラズマ室41の一端の開口に対向する位置には、引出電極群70が設けられている。引出電極群70は、プラズマ室41の一端の開口を通じてプラズマからイオンを引き出すよう構成されている。引出電極群70は、スクリーングリッド71と、アクセルグリッド72と、ディセルグリッド73とを含む。スクリーングリッド71、アクセルグリッド72、ディセルグリッド73は、この順で、プラズマ室41の一端の開口から遠ざかるように、互いに所定の間隔で配置されている。
【0023】
スクリーングリッド71は、イオンを加速させながら加速する方向へ絞り込む。このため、スクリーングリッド71には正の高電圧、例えば、600V、800V、1000V等の高電圧が印加されている。スクリーングリッド71に正の高電圧を印加するために、電源51が電気的に接続されている。電源51とスクリーングリッド71との間には、電流を測定するための電流計61が電気的に接続されている。
【0024】
アクセルグリッド72は、プラズマから陽イオンを引き出すとともに、筒形状部材からプラズマ室41へ電子が戻ることを防げる。このため、アクセルグリッド72には、負の電圧、例えば、-150V等の負の電圧が印加されている。アクセルグリッド72に負の電圧を印加するために、電源52が電気的に接続されている。電源52の陽極は、電流を測定するための電流計62が電気的に接続されている。
【0025】
ディセルグリッド73は、アクセルグリッド72により引き出された陽イオンを更にプラズマ室41の外方へ引き出すとともに、プラズマ室41へ電子が戻ることを防げる。このため、ディセルグリッド73は接地されている。ディセルグリッド73に流れる電流を測定するために、電流計63が電気的に接続されている。
【0026】
次に、アイソレータとしてのガスアイソレータ32について詳述する。ガスアイソレータ32は、ガス流路33を形成する絶縁性のガス管331の内部に配置されたカーボン部材222により構成される。具体的には、フッ化炭素樹脂チューブやポリイミドチューブ等の電気的に絶縁可能な管部材により構成されるガス管331の内部には、透過率50%の多孔質カーボンにより構成されるカーボン部材222が設けられている。
【0027】
カーボン部材222は、図2に示すように、ガス管331の内部において互いに所定の間隔で3つ設けられている。カーボン部材222は、それぞれガス貯留部31に充填された状態で設けられており、カーボン部材222が設けられているガス管331の部分においては、ガス管331の内周面により形成されるガス貯留部31の流路面積(ガス管331の径方向に平行に切った流路断面積)の全体にわたってカーボン部材222が存在するように配置されている。
【0028】
次に、上記構成によるガスアイソレータ32の効果を確認する試験を行った。試験では、本発明品として上記構成によるガスアイソレータ32を用い、比較品として、セラミック絶縁材によって支持される複数の金属メッシュが、ガス管におけるガスの流れる方向においてガス管を区画するように4枚配置された従来のガスアイソレータを用いた。本発明品の重量は5g未満であり、比較品の重量は100g程度である。そして、本発明品、比較品において、連続して100時間イオンビームを発生させ続けた。試験結果は以下のとおりである。
【0029】
比較品においては、異常放電が少なくとも1時間に1回発生した。これに対して本発明品においては異常放電は、試験の最初から最後まで全く発生しなかった。この結果から、本発明品では、電気的に絶縁可能な管部材としてのガス管331の内部にカーボン部材222を設ける構成としたことにより、異常放電の発生を抑えることが可能となったことが分かる。
【0030】
上記構成の本実施形態に係るイオンビーム源1によれば、以下のような効果を得ることができる。
前述のように、イオンビーム源1は、本体としてのハウジング10と、ハウジング10に収容され、マイクロ波を発生させるマイクロ波発生部21と、ハウジング10に収容され、マイクロ波発生部21からのマイクロ波を導入してイオンビームを放出するプラズマ室41と、ハウジング10に収容され、プラズマ室41に供給するガスを貯留するガス貯留部31と、ハウジング10に収容され、ガス貯留部31とプラズマ室41とを連通するガス貯留部31と、を備えている。
ガス貯留部31には、ガス貯留部31とハウジング10とを電気的に絶縁するガスアイソレータ32が設けられている。ガスアイソレータ32は、ガス貯留部31を形成する絶縁性の管部材としてのガス管331の内部に配置されたカーボン部材222により構成される。
【0031】
パッシェンの法則により、ガス管331の内部のガス貯留部31においては、異常放電が発生する可能性があり、異常放電により電源が損傷する危険性がある。しかし、前記構成により、電気的に絶縁可能な管部材によりガス管331が構成され、ガス管331の内部にカーボン部材222が配置されているため、プラズマ室41に供給されるガスに圧力差が生ずることを抑えることが可能である。これにより異常放電の発生を効果的に抑えることが可能となる。また、小型で軽量のカーボン部材222が用いられるため、ガスアイソレータ32及びイオンビーム源1の軽量化及び小型化を図ることが可能である。
【0032】
また、カーボン部材222は、多孔質カーボンにより構成される。この構成により、ガスアイソレータ32におけるガスの流量を確保しながら、ガス管331を流通するガスに圧力差が生ずることを抑えることが可能となる。また、ガスアイソレータ32の小型化及び軽量化を図ることが可能となる。
【0033】
また、カーボン部材222は、ガス貯留部31の流路面積の全体にわたって存在するように配置されている。この構成により、ガス管331の内部を流通する全てのガスについてカーボン部材222を流通させることが可能となる。
【0034】
また、カーボン部材222は、管部材の内部に所定の間隔で3つ以上設けられる。この構成により、プラズマ室41に供給されるガスに圧力差が生ずることを、確実に抑えることが可能となる。
【0035】
また、管部材は、フッ化炭素樹脂チューブ又はポリイミドチューブにより構成される。この構成により、ガス貯留部31とハウジング10との間の電気的な絶縁を確実とすることが可能となる。
【0036】
本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された技術的範囲において変形が可能である。
【0037】
例えば、本実施形態においては、カーボン部材222は3つ設けられたが、これに限定されない。カーボン部材222は、管部材としてのガス管331の内部において、所定の間隔で3つ以上設けられていればよい。
また、本体、マイクロ波発生部、プラズマ室、ガス貯留部、ガス流路、カーボン部材、アイソレータ等の構成は、本実施形態におけるハウジング10、マイクロ波発生部21、プラズマ室41、ガス貯留部31、ガス流路33、カーボン部材222、ガスアイソレータ32等の構成に限定されない。
【0038】
また、本実施形態では、マイクロ波発生部からのマイクロ波を導入してイオンビームを放出するプラズマ室を備えるイオンビーム源について説明したが、これに限定されない。例えば、イオンビーム源は、マイクロ波発生部からのマイクロ波を導入してイオンビームを放出するプラズマ室に代えて、高周波発生部からの高周波を導入してイオンビームを放出するプラズマ室、あるいは、電子発生部からの電子を導入してイオンビームを放出するプラズマ室を備えていてもよい。また、これらの場合、「真空」は、上述の実施形態と同様に、宇宙空間により構成され、大気中においてイオンビーム源が用いられる場合には、真空チャンバにより生成される。また、イオンビーム源が、電子発生部からの電子を導入してイオンビームを放出するプラズマ室を備えている場合には、電子発生部はプラズマ室内部に設けられていても良い。
【符号の説明】
【0039】

10 ハウジング
21 マイクロ波発生部
31 ガス貯留部
32 ガスアイソレータ(アイソレータ)
33 ガス流路
41 プラズマ室
222 カーボン部材
331 ガス管(管部材)
図1
図2