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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-03
(45)【発行日】2023-04-11
(54)【発明の名称】多波長紫外線光消毒システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/10 20060101AFI20230404BHJP
   B64D 11/02 20060101ALN20230404BHJP
【FI】
A61L2/10
B64D11/02
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017127135
(22)【出願日】2017-06-29
(65)【公開番号】P2018069029
(43)【公開日】2018-05-10
【審査請求日】2020-06-26
(31)【優先権主張番号】15/245,251
(32)【優先日】2016-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リン, チャオ-シン
(72)【発明者】
【氏名】ダイティオコ, ロブリン ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ノリス, シャロン エル.
【審査官】岡田 三恵
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0062893(US,A1)
【文献】特開昭61-279248(JP,A)
【文献】特開2010-117119(JP,A)
【文献】特表2012-516197(JP,A)
【文献】特開平07-174401(JP,A)
【文献】中国実用新案第201131951(CN,Y)
【文献】特開平06-142175(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0220716(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0089459(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0140888(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/10
B64D 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物を消毒するように構成された紫外線(UV)光消毒システム(100)であって、該システムは、
前記構造物へUV光を放射するように構成されたUV光アセンブリ(118)、及び
前記UV光アセンブリ(118)に接続されたUV光放射制御ユニット(120)を備え、前記UV光放射制御ユニット(120)が、前記UV光アセンブリ(118)を制御して、前記構造物を消毒する消毒サイクルの間に、少なくとも第1のUVバンド及び前記第1のUVバンドとは異なる第2のUVバンド内のUV光を個別に前記構造物へ放射するように構成され、前記第1のUVバンドと前記第2のUVバンド内の前記UV光が、複数の種類の微生物を殺すように構成されており、
前記UV光放射制御ユニット(120)が、殺されるべき微生物の前記複数の種類に基づいて、前記UV光アセンブリ(118)により放射されるUV光の周波数を変更するように構成されている、UV光消毒システム(100)。
【請求項2】
前記第1のUVバンドが、UVスペクトル内の、遠UV光範囲(204)、UVC光範囲(206)、UVB光範囲(208)、UVA光範囲(210)、又は真空UV光範囲(202)のうちの1つを含み、前記第2のUVバンドが、前記遠UV光範囲(204)、前記UVC光範囲(206)、前記UVB光範囲(208)、前記UVA光範囲(210)、又は前記真空UV光範囲(202)のうちの別の1つを含む、請求項1に記載のUV光消毒システム(100)。
【請求項3】
前記UV光放射制御ユニット(120)が、前記UV光アセンブリ(118)を制御して、第1の期間に前記第1のUVバンド内の前記UV光を放射し、第2の期間に前記第2のUVバンド内の前記UV光を放射する、請求項1又は2に記載のUV光消毒システム(100)。
【請求項4】
前記第1の期間が前記2の期間とは異なるか、前記第2の期間が前記第1の期間の後に連続的に続くか、前記第1の期間が前記第2の期間と同時に生じるか、又は前記第1の期間が前記第2の期間と少なくとも部分的に重なるかの何れかである、請求項3に記載のUV光消毒システム(100)。
【請求項5】
前記UV光アセンブリ(118)が、複数のUV光素子(124~132)を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のUV光消毒システム(100)。
【請求項6】
前記複数のUV光素子(124~132)のうちの第1のものが、前記第1のUVバンド内の前記UV光を放射するように構成され、前記複数のUV光素子(124~132)のうちの第2のものが、前記第2のUVバンド内の前記UV光を放射するように構成されている、請求項5に記載のUV光消毒システム(100)。
【請求項7】
前記UV光放射制御ユニット(120)が、前記複数のUV光素子(124~132)によって放射される前記UV光を変更して、前記第1のUVバンドと前記第2のUVバンド内の前記UV光を選択的に放射するように構成されている、請求項5に記載のUV光消毒システム(100)。
【請求項8】
構造物を消毒するように構成された紫外線(UV)光消毒方法であって、該方法は、
UV光放射制御ユニット(120)をUV光アセンブリ(118)に接続すること、及び
前記UV光アセンブリ(118)から前記構造物へUV光を放射することを含み、前記放射することが、前記UV光放射制御ユニット(120)を使用して、前記UV光アセンブリ(118)を制御し、前記構造物を消毒する消毒サイクルの間に、少なくとも第1のUVバンド及び前記第1のUVバンドとは異なる第2のUVバンド内の前記UV光を個別に前記構造物へ放射することを含み、前記第1のUVバンドと前記第2のUVバンド内の前記UV光が、複数の種類の微生物を殺すように構成されており、
前記放射することが、殺されるべき微生物の前記複数の種類に基づいて、前記UV光アセンブリ(118)により放射されるUV光の周波数を変更することを含む、UV光消毒方法。
【請求項9】
前記放射することが、前記UV光放射制御ユニット(120)を使用して、前記UV光アセンブリ(118)を制御し、前記構造物を消毒する消毒サイクルの間に、少なくとも、UVスペクトル内の、遠UV光範囲(204)、UVC光範囲(206)、UVB光範囲(208)、UVA光範囲(210)、又は真空UV光範囲(202)のうちの1つを含む第1のUVバンドと、前記遠UV光範囲(204)、前記UVC光範囲(206)、前記UVB光範囲(208)、前記UVA光範囲(210)、又は前記真空UV光範囲(202)のうちの別の1つを含む第2のUVバンド内の、前記UV光を個別に前記構造物へ放射することを含む、請求項8に記載のUV光消毒方法。
【請求項10】
前記放射することが、
前記UV光放射制御ユニット(120)を使用して、前記UV光アセンブリ(118)を制御すること、
前記制御することによって、第1の期間に前記第1のUVバンド内の前記UV光を放射すること、及び
前記制御することによって、第2の期間に前記第2のUVバンド内の前記UV光を放射することを含む、請求項8に記載のUV光消毒方法。
【請求項11】
前記放射することが、
前記UV光アセンブリ(118)の第1のUV光素子から、前記第1のUVバンド内の前記UV光を放射すること、及び
前記UV光アセンブリ(118)の第2のUV光素子から、前記第2のUVバンド内の前記UV光を放射することを含む、請求項8に記載のUV光消毒方法。
【請求項12】
前記放射することが、
前記変更によって、前記第1のUVバンドと前記第2のUVバンド内の前記UV光を選択的に放射することを含む、請求項8に記載のUV光消毒方法。
【請求項13】
内部客室(630、680)、
前記内部客室(630、680)内の洗面所(102)、並びに
前記洗面所(102)内の少なくとも1つの構造物を消毒するように構成された紫外線(UV)光消毒システム(100)を備えた、輸送体であって、前記UV光消毒システム(100)が、
前記少なくとも1つの構造物へUV光を放射するように構成されたUV光アセンブリ(118)であって、複数のUV光素子(124~132)を備えた、UV光アセンブリ(118)、並びに
前記UV光アセンブリ(118)に接続されたUV光放射制御ユニット(120)を備え、前記UV光放射制御ユニット(120)が、前記UV光アセンブリ(118)を制御して、前記少なくとも1つの構造物を消毒する消毒サイクルの間に、少なくとも第1のUVバンド及び前記第1のUVバンドとは異なる第2のUVバンド内のUV光を個別に前記少なくとも1つの構造物へ放射するように構成され、前記第1のUVバンドが、UVスペクトル内の、遠UV光範囲(204)、UVC光範囲(206)、UVB光範囲(208)、UVA光範囲(210)、又は真空UV光範囲(202)のうちの1つを含み、前記第2のUVバンドが、前記遠UV光範囲(204)、前記UVC光範囲(206)、前記UVB光範囲(208)、前記UVA光範囲(210)、又は前記真空UV光範囲(202)のうちの別の1つを含み、前記第1のUVバンドと前記第2のUVバンド内の前記UV光が、複数の種類の微生物を殺すように構成されており、
前記UV光放射制御ユニット(120)が、殺されるべき微生物の前記複数の種類に基づいて、前記複数のUV光素子(124~132)により放射されるUV光の周波数を変更するように構成されている、輸送体。
【請求項14】
前記UV光放射制御ユニット(120)が、前記UV光アセンブリ(118)を制御して、第1の期間に前記第1のUVバンド内の前記UV光を放射し、第2の期間に前記第2のUVバンド内の前記UV光を放射し、前記第1の期間が、前記第2の期間と、同時、異なる、後に連続的に続く、又は部分的に重なるのうちの1つである、請求項13に記載の輸送体。
【請求項15】
前記UV光放射制御ユニット(120)が、前記複数のUV光素子(124~132)によって放射される前記UV光を変更して、前記第1のUVバンドと前記第2のUVバンド内の前記UV光を選択的に放射するように構成されている、請求項13又は14に記載の輸送体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、広くは、紫外線光消毒システム及び方法に関し、特に、多波長紫外線光消毒システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
民間航空機は、様々な場所の間で乗客を輸送するために使用される。通常の民間航空機は、内部客室内に1以上の洗面所を含む。
【0003】
紫外線(UV)光を使用して航空機の洗面所内の表面を殺菌又はさもなければ消毒するシステムが、現在、開発されている。例えば、遠UV光は、洗面所内の露出された表面を効果的に殺菌することが分かってきた。
【0004】
構造物の表面を消毒するために、既知のUV光殺菌方法は、構造物に広域スペクトルのUVC光を放射する。しかし、UVC光は、通常、様々な微生物を殺すために非常に長い時間(例えば、3分)を必要とする。更に、様々な微生物は、UVC光に対して脆弱ではない場合もある。すなわち、そのような微生物は、UVC光への曝露に耐え得る。
【0005】
更に、特定の種類の微生物は、UVC光への耐性を高め得る。例えば、UVC光が特定の種類の微生物を最初は殺し、経時的にUVC光への曝露が継続されるが、特定の種類の微生物は、UVC光に対する耐性を高め、UVC光への曝露に耐えることができる。
【発明の概要】
【0006】
紫外線光を使用して効率的且つ効果的に構造物を消毒するためのシステム及び方法が必要である。構造物から幅広い種類の微生物を根絶するためのシステム及び方法が必要である。
【0007】
それらの必要性を考慮して、本開示の特定の実施例は、構造物を消毒するように構成された、紫外線(UV)光消毒システムを提供する。UV光消毒システムは、構造物にUV光を放射するように構成されたUV光アセンブリ、及びUV光アセンブリに接続されたUV光放射制御ユニットを含む。UV光放射制御ユニットは、UV光アセンブリを制御して、構造物を消毒する消毒サイクルの間に、少なくとも第1のUVバンド及び狭い第1のUVバンドとは異なる第2のUVバンド内のUV光を個別に構造物に放射するように構成されている。第1及び第2のUVバンド内のUV光は、少なくとも1つの種類の微生物を殺すように構成されている。
【0008】
少なくとも1つの実施例では、第1のUVバンドが、UVスペクトル内の、遠UV光範囲、UVC光範囲、UVB光範囲、UVA光範囲、又は真空UV光範囲のうちの1つを含む。第2のUVバンドは、遠UV光範囲、UVC光範囲、UVB光範囲、UVA光範囲、又は真空UV光範囲のうちの別の1つを含む。
【0009】
UV光放射制御ユニットは、UV光アセンブリを制御して、第1の期間に第1のUVバンド内のUV光を放射し、第2の期間に第2のUVバンド内のUV光を放射する。第1の期間は、第2の期間とは異なり得る。少なくとも1つの実施例では、第2の期間が、第1の期間の後に連続的に続く。少なくとも1つの他の実施例では、第1の期間が、第2の期間と同時に生じる。少なくとも1つの他の実施例では、第1の期間が、第2の期間と少なくとも部分的に重なる。
【0010】
UV光アセンブリは、複数のUV光素子を含み得る。複数のUV光素子のうちの第1のものは、第1のUVバンド内のUV光を放射するように構成され、複数のUV光素子のうちの第2のものは、第2のUVバンド内のUV光を放射するように構成され得る。任意選択的に、UV光放射制御ユニットは、複数のUV光素子によって放射されるUV光を変調して、第1及び第2のUVバンド内のUV光を選択的に放射するように構成されている。
【0011】
UV光アセンブリは、複数のUV光素子に接続された少なくとも1つのフィルタを含み得る。フィルタは、第1及び第2のUVバンドに関して、UV光をフィルタリングするように構成されている。
【0012】
本開示の特定の実施例は、構造物を消毒するように構成された、紫外線(UV)光消毒方法を提供する。UV光消毒方法は、UV光放射制御ユニットをUV光アセンブリに接続すること、及びUV光アセンブリからUV光を構造物に放射することを含む。放射することは、UV光放射制御ユニットを使用して、UV光アセンブリを制御し、構造物を消毒する消毒サイクルの間に、少なくとも第1のUVバンド及び狭い第1のUVバンドとは異なる第2のUVバンド内のUV光を、個別に構造物に放射することを含む。第1及び第2のUVバンド内のUV光は、少なくとも1つの種類の微生物を殺すように構成されている。
【0013】
本開示の特定の実施例は、内部客室、内部客室内の洗面所、及び洗面所内の少なくとも1つの構造物を消毒するように構成された紫外線(UV)光消毒システムを含む輸送体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の一実施例による、取り囲まれた空間内の紫外線光消毒システムの概略図を示す。
図2】紫外線光スペクトルを示す。
図3】本開示の一実施例による、消毒サイクルの間のUV光放射波形のグラフを示す。
図4】本開示の一実施例による、消毒サイクルの間のUV光放射波形のグラフを示す。
図5】本開示の一実施例による、消毒サイクルの間のUV光放射波形のグラフを示す。
図6】本開示の一実施例による、航空機の上面斜視図を示す。
図7A】本開示の一実施例による、航空機の内部客室の上面図を示す。
図7B】本開示の一実施例による、航空機の内部客室の上面図を示す。
図8】本開示の一実施例による、洗面所の内部斜視図を示す。
図9】本開示の一実施例による、構造物を消毒する方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
上記の概要、及び特定の実施例の以下の詳細な説明は、添付の図面を参照して読むことにより、より深く理解される。本明細書で使用される「一(a)」又は「1つの(an)」に続く単数形の要素又はステップは、複数の当該要素又はステップを必ずしも除外しないものと理解されたい。更に、「一実施例」への言及は、追加の実施例の存在を除外すると解釈されることを意図せず、それら追加の実施例もまた、本明細書に記載の特徴を内包する。更に、逆に明示的に記述されない限り、特定の性質を有する1以上の要素を「備える」、「含む」、又は「有する」実施例は、その性質を有しない追加の要素を含み得る。
【0016】
本開示の特定の実施例は、UVスペクトルの全体にわたるUV光のうちの狭いバンドを選択的に放射するように構成された、プログラム可能な多波長紫外線(UV)光消毒システムを提供する。少なくとも1つの実施例では、UV光消毒システムが、遠UV光範囲、UVC光範囲、UVB光範囲、UVA光範囲、又は真空UV光範囲のうちの2以上の範囲内のUV光を放射するように構成されている。UV光の種類は、特定の構造物に存在し得る微生物(例えば、バクテリア、ばい菌、菌類、ウイルス、細菌など)の種類に基づいて選択され得る。そのようにして、UV光消毒システムは、異なる種類のUV光を用いて、特定の種類の微生物を殺すように特に適合され得る。UV光消毒システムは、(UV光の単一の広いバンドとは対照的に)複数の高エネルギーの狭いバンドの異なる種類のUV光を放射する。それらは、洗面所内の便器、キャビネット、シンク、床などの、構造物をより効果的且つ効率的に消毒する。
【0017】
UV光消毒システムは、通常の広いスペクトルのシステムよりも少ない電力を消費する一方で、放射されるUV光の継続時間、周波数、順序などを変更して、構造物を効率的に消毒するように構成され得る。少なくとも1つの実施例では、UV光消毒システムが、広い放射照度源、及び望ましいUV波長と周波数に関して放射される光をフィルタリングするように構成された1以上のフィルタを含む。少なくとも1つの他の実施例では、UV光消毒システムが、複数のUV光素子(例えば、レーザ、ランプ、発光ダイオード、マイクロフィラメントなど)を含み、それらは、異なる波長と周波数のUV光を放射するように構成されている。
【0018】
本開示の特定の実施例は、消毒されるべき領域を特定すること、及びその領域を少なくとも2つの狭いバンドのUV光に連続的に曝露することを含む、方法を提供する。各狭いバンドのUV光に対する曝露は10秒以下であり、それは、電力消費を低減させる。狭いバンドのUV光の各々は、少なくとも1つの重なっていないバンド幅のUV光を含む。少なくとも1つの実施例では、全体の曝露が1分以下であり得る。各狭いバンドは、1以上の特定の微生物を殺すのに特に適しているだろう。
【0019】
図1は、本開示の一実施例による、取り囲まれた空間102内のUV光消毒システム100の概略図を示す。取り囲まれた空間102は、床104、天井106、及び床104と天井106との間で延在する壁108によって画定され得る。ドア110は、壁108のうちの1つと可動に固定され得る。ドア110は、ドア110を閉じた位置内にしっかりとロックするように構成された、錠112を含む。錠112がロックされた位置内にあるときに、ドア110は、開くことができない。錠112がロックされていない位置内にあるときに、ドア110は、開くことができる。取り囲まれた空間102は、民間航空機に搭載された閉鎖空間であり得る。例えば、取り囲まれた空間102は、航空機に搭載された洗面所であり得る。別の一実施例として、取り囲まれた空間102は、航空機に搭載された調理室であり得る。更に別の一実施例として、取り囲まれた空間102は、航空機に搭載された客室であり得る。取り囲まれた空間102は、ドア110を含んでもよいし又は含まなくてもよい。取り囲まれた空間102は、様々な他の輸送体、構造物などの範囲内にあり得る。例えば、取り囲まれた空間102は、民間、行政、若しくは住居のための建物内にある部屋であり、又は列車、バス、船舶などに搭載された部屋であり得る。
【0020】
取り囲まれた空間102は、使用後に消毒(例えば、殺菌、滅菌、又はさもなければ洗浄)されるべき、少なくとも1以上の構造物114を含む。例えば、構造物114は、航空機の洗面所内の便器、シンク、床、キャビネットなどであり得る。
【0021】
構造物114を消毒するために、UV光消毒システム100は、構造物114に及び/又は構造物114の中に、多波長UV光116を放射する。UV光消毒システム100は、UV光放射制御ユニット120に接続された、UV光アセンブリ118を含む。UV光放射制御ユニット120は、1以上の有線又は無線の接続を通して、UV光アセンブリ118と動作可能に接続されている。少なくとも1つの実施例では、UV光放射制御ユニット120が、UV光アセンブリ118内に収容されている。少なくとも1つの他の実施例では、UV光放射制御ユニット120が、UV光アセンブリ118から遠隔に配置されている。例えば、UV光アセンブリ118は、取り囲まれた空間102内にあるが、UV光放射制御ユニット120は、取り囲まれた空間102の外側にあり得る。
【0022】
UV光アセンブリ118は、複数のUV光素子124、126、128、130、及び132を含む、ハウジング122を含む。ハウジング122は、示されているものよりも多くの又は少ないUV光素子を含み得る。各UV光素子124、126、128、130、及び132は、レーザ、ランプ、発光ダイオード(LED)、マイクロフィラメント、光ファイバー素子などであり又はさもなければそれらを含み得る。少なくとも1つの実施例では、UV光素子124~132が、異なるUVバンド(例えば、異なる波長及び異なる周波数)を有するUV光を放射するように構成されている。例えば、UV光素子124は、遠UV光を放射するように構成され、一方で、UV光素子126は、UVC光を放射するように構成され得る。例えば、UV光素子128は、UVB光を放射するように構成され、一方で、UV光素子130は、UVA光を放射するように構成され得る。UV光素子132は、真空UV光を放射するように構成され得る。他の実施例では、UV光素子124~132の群が、特定の種類のUV光を放射するように構成され得る。例えば、UV光素子124と126は、遠UV光を放射するように構成され、一方で、UV光素子128と130は、UVC光を放射するように構成され得る。
【0023】
少なくとも1つの実施例では、UV光素子124~132が、UV光放射制御ユニット120によって制御され、変化するUV光を放射する。例えば、少なくとも1つの実施例では、UV光放射制御ユニット120が、消毒サイクルの間に、UV光素子124~132から放射されるUV光の周波数及び波長を変更するように構成されている。例えば、消毒サイクルの第1の部分の間に、UV光放射制御ユニット120は、UV光素子124~132を制御して遠UV光を放射し、一方で、消毒サイクルの第2の部分の間に、UV光放射制御ユニット120は、(消毒サイクルの第1の部分と比較して、放射されるUV光の周波数及び波長を変調することなどによって)UV光素子124~132を制御してUVC光を放射し得る。消毒サイクルの第1の部分は、消毒サイクルの第2の部分よりも、短く、長く、又は同じ若しくは同様な時間の長さであり得る。例えば、5秒以下の長さだけ続く第1の部分の間に、UV光素子124~132は、遠UV光を構造物114に放射し、一方で、1分以下の長さだけ続く第2の部分の間に、UV光素子124~132は、UVC光を構造物114に放射し得る。
【0024】
UV光放射制御ユニット120は、消毒サイクルの間に殺されるべき微生物の種類に基づいて、UV光素子124~132から放射されるUV光の種類を制御するように構成され、特定の時間量のUV光が放射される。例えば、第1の微生物は、UVCに耐え得るが、遠UV光には脆弱であり、一方で、第2の微生物は、遠UV光に耐え得るが、UVC光には脆弱である。UV光放射制御ユニット120は、両方の種類の微生物を殺すために、遠UV光とUVC光の両方を、各々所定時間だけ、構造物114に放射するようにプログラムされ得る。
【0025】
示されているように、UV光消毒システム100は、UV光素子124~132の上方に配置されたフィルタ134も含み得る。フィルタ134は、望ましいUV光バンドに関して、UV光素子124~132から放射されたUV光をフィルタリングするように構成された、複数のフィルタセグメントを含み得る。このやり方では、UV光素子124~132の各々が、同じ種類のUV光を放射するように構成され得るが、フィルタ134は、遠UV光及びUVC光などの、2つの分離した特有のUV光バンドに関して、UV光素子124~132から放射されたUV光をフィルタリングする。代替的に、UV光消毒システム100は、フィルタ134を含まなくてもよい(UV光素子124~132のうちの少なくとも2つが、異なるUVバンドのUV光を放射するように構成されているならば、及び/又はUV光放射制御ユニット120が、UV光素子124~132から可変UV光を放射するように構成されているならば、などである)。
【0026】
動作では、ドア110がロックされているが、取り囲まれた空間内に誰も存在しないときなどの、消毒サイクルの間に、UV光消毒システム100がUV光を構造物114に放射する。UV光放射制御ユニット120は、消毒サイクルにしたがって、UV光アセンブリ118を操作する。例えば、UV光放射制御ユニット120は、消毒サイクルデータを記憶したメモリを含み又はさもなければ該メモリと動作可能に接続され、消毒サイクルデータは、UV光放射制御ユニット120によって使用され、UV光アセンブリ118を制御する。消毒サイクルは、所定の期間だけ続く。
【0027】
消毒サイクルの間に、UV光アセンブリ118は、構造物114上に又は構造物114の中に存在し得る様々な微生物を殺すために、構造物114の表面又は内部へ、種々の周波数及び波長のバンドのUV光を放射する。例えば、第1の期間だけ続く消毒サイクルの第1の部分の間に、UV光素子124~132のうちの1以上は、(遠UV光などの)第1の特有の狭いバンド内のUV光を構造物114に放射する。第2の期間(その長さは、第1の期間より短くても、長くても、又は等しくてもよい)だけ続く消毒サイクルの第2の部分の間に、UV光素子124~132のうちの1以上は、(UVC光などの)第2の特有の狭いバンド内のUV光を構造物114の表面又は内部へ放射する。複数の特有なUVバンドは、幅広い様々な微生物を効果的に殺すために使用される。微生物のうちの一部は、特定の種類のUV光に対して耐え得るが、他の種類のUV光に対して脆弱であり得る。第3の期間(その長さは、第1及び/又は2の期間より短くても、長くても、又は等しくてもよい)だけ続く消毒サイクルの第3の部分の間に、UV光素子124~132のうちの1以上は、(UVB光などの)第3の特有の狭いバンド内のUV光を構造物114の表面又は内部へ放射する。第4の期間(その長さは、第1、2、及び/又は3の期間より短くても、長くても、又は等しくてもよい)だけ続く消毒サイクルの第4の部分の間に、UV光素子124~132のうちの1以上は、(UVA光などの)第4の特有の狭いバンド内のUV光を構造物114の表面又は内部へ放射する。第5の期間(その長さは、第1、2、3、及び/又は4の期間より短くても、長くても等しくてもよい)だけ続く消毒サイクルの第5の部分の間に、UV光素子124~132のうちの1以上は、(真空UV光などの)第5の特有の狭いバンド内のUV光を構造物114の表面又は内部へ放射する。
【0028】
第1、2、3、4、及び5の期間は、連続的であり得る。すなわち、第2の期間は、第1の期間に続き得る。以下も、同様である。少なくとも1つの他の実施例では、期間の少なくとも部分が重なり得る。少なくとも1つの他の実施例では、第1、2、3、4、及び5の期間が、実質的に同時に生じ得る。
【0029】
消毒サイクルは、述べられたものよりも多い又は少ない期間を含み得る。例えば、消毒サイクルは、上述された第1及び第2の期間のみを含み得る。更に、UV光素子124~132は、上述されたものよりも多い又は少ない特有の狭いバンドのUV光を放射するように構成され得る。例えば、消毒サイクルの間に、UV光素子124~132は、遠UV光及びUVC光のみを放射し得る。
【0030】
少なくとも1つの他の実施例では、UV光放射制御ユニット120が、UV光素子124~132を操作して、同じ時間に又は重なり合った時間に、異なる狭いバンドのUV光を放射するように構成され得る。例えば、UV光素子124~132のうちの少なくとも2つが、異なる狭いバンドのUV光(例えば、遠UV光及びUVC光)を、共に、同時に、又は少なくとも重なりあった時間において放射するように構成され得る。
【0031】
図2は、UV光スペクトル200を示す。示されているように、UV光スペクトル200は、複数のバンドを含む。それらの各々は、波長及び周波数の特有なUV範囲を含む。例えば、UV光スペクトル200は、狭い真空UVバンド202、狭い遠UVバンド204、狭いUVCバンド206、狭いUVBバンド208、及び狭いUVAバンド210を含む。示されているように、バンド202、204、206、208、及び210は、重ならない。例えば、狭い真空UVバンド202は、122ナノメートル(nm)未満であり得る。狭い遠UVバンド204は、122~200nmの間であり得る。狭いUVCバンド206は、200~280nmの間であり得る。狭いUVBバンド208は、280~315nmの間であり得る。狭いUVAバンド210は、315~400nmの間であり得る。図1及び図2を参照すると、UV光消毒システム100は、狭いバンド202、204、206、208、及び210のうちの少なくとも2つの範囲内のUV光を、構造物114に放射するように構成されている。
【0032】
とりわけ、光の周波数及び波長は、反比例している。したがって、周波数が高くなれば、波長が短くなる。そのようにして、狭い真空UVバンド202の周波数は、狭い遠UVバンド204の周波数よりも高い。少なくとも1つの実施例では、UV光放射制御ユニット120が、UV光素子124~132のうちの1以上から放射されるUV光の周波数(及びしたがって波長)を変更して、UV光アセンブリ118から放射されるUV光の種類を選択的に変更するように構成されている。
【0033】
図1及び図2を参照すると、UV光消毒システム100は、異なる種類のUV光を用いて、構造物114を消毒するように構成されている。UV光アセンブリ118は、構造物114へUV光を放射するように構成されている。UV光放射制御ユニット120は、(1以上の有線又は無線の接続を通すなどして)UV光アセンブリ118に接続され、UV光アセンブリ118を制御して、第1のUVバンド及び狭い第1のUVバンドとは異なる第2のUVバンド内のUV光を、個別に構造物114へ放射するように構成されている。第1のUVバンドは、UV光スペクトル200内の、遠UV光範囲204、UVC光範囲206、UVB光範囲208、UVA光範囲210、又は真空UV光範囲202のうちの1つを含み得る。第2のUVバンドは、遠UV光範囲204、UVC光範囲206、UVB光範囲208、UVA光範囲210、又は真空UV光範囲202のうちの別の1つを含む。
【0034】
述べられるように、第1のバンド内のUV光は、第2のバンド内のUV光とは別々に放射される。すなわち、第1のバンド内のUV光の放射は、第2のバンド内のUV光の放射とは区別された特有のものである。第1及び2のバンド内のUV光は、複数のバンドのUV光を含むUV光スペクトルの広いスペクトル、範囲、又は部分の放射の部分ではない。UV光の各バンドは、UV光の別のバンドとは重ならない。
【0035】
図3は、本開示の一実施例による、消毒サイクルの間のUV光放射波形300のグラフを示す。図3で示されているグラフは、簡略化されたグラフであり、縮尺通りに描かれていないことが理解されるべきである。図1図3を参照すると、UV光放射制御ユニット120は、消毒サイクルの間に、UV光アセンブリ118から放射されるUV光を変更するように構成され得る。例えば、期間tの間に、UV光放射制御ユニット120は、UV光アセンブリ118を操作して、狭いUVAバンド210内の周波数の光を放射し得る。期間tの間に、UV光放射制御ユニット120は、UV光アセンブリ118を操作して、狭いUVBバンド208内の周波数の光を放射し得る。期間tの間に、UV光放射制御ユニット120は、UV光アセンブリ118を操作して、狭いUVCバンド206内の周波数の光を放射し得る。期間tの間に、UV光放射制御ユニット120は、UV光アセンブリ118を操作して、狭い遠UVバンド204内の周波数の光を放射し得る。期間tの間に、UV光放射制御ユニット120は、UV光アセンブリ118を操作して、狭い真空UVバンド202内の周波数の光を放射し得る。
【0036】
示されているように、UV光放射制御ユニット120は、UV光放射波形300が正弦波の形を有するように、放射される周波数を徐々に移行させ得る。少なくとも1つの他の実施例では、UV光放射制御ユニット120が、特定の期間だけ特定の周波数を維持及び保持し、その後、UV光放射波形が階段状の波形を有するように、唐突に異なる周波数へと変化し得る。
【0037】
示されているように、期間t~tの長さは、等しくなくてもよい。UV光放射制御ユニット120は、UV光の特定の狭いバンドによって根絶されるべき微生物の特性に応じて、UV光アセンブリ118に、種々の長さの時間において異なる狭いバンドのUV光を放射させるようにプログラムされ得る。例えば、遠UVバンド204内のUV光は、3又は4秒でターゲット微生物を殺し得る。代替的に、期間t~tは、等しい長さであり得る。
【0038】
UV光放射制御ユニット120は、示されているものよりも多い又は少ない光バンドに関して、UV光を変更し得る。例えば、UV光放射制御ユニット120は、遠UVバンド204とUVCバンド206との間で、放射される光を変更し得る。
【0039】
図4は、本開示の一実施例による、消毒サイクルの間のUV光放射波形400のグラフを示す。図4で示されているグラフは、簡略化されたグラフであり、縮尺通りに描かれていないことが理解されるべきである。図1図2、及び図4を参照すると、UV光放射制御ユニット120は、図4などで示されているように、消毒サイクルの間に、UV光アセンブリ118から放射されるUV光を変更するように構成され得る。特に、UV光放射制御ユニット120は、所定の期間の間に特定のバンド内の特定の周波数を維持し、その後、続く期間の間に種々のバンド内の異なる周波数へ唐突に移行し得る。
【0040】
期間t~tの各々は、同じ又は異なる長さであり、示されているよりも長く又は短くてもよい。更に、UV光放射制御ユニット120は、示されているものよりも多い又は少ない光バンドに関して、UV光を変更し得る。例えば、UV光放射制御ユニット120は、遠UVバンド204とUVCバンド206との間で、放射される光を変更し得る。
【0041】
図5は、本開示の一実施例による、消毒サイクルの間のUV光放射波形500、502、及び504のグラフを示す。図5で示されているグラフは、簡略化されたグラフであり、縮尺通りに描かれていないことが理解されるべきである。図1図2、及び図5を参照すると、UV光放射制御ユニット120は、図5などで示されているように、消毒サイクルの間に、UV光アセンブリ118から放射されるUV光を変更するように構成され得る。特に、少なくとも3つの異なるUV光素子124~132が、消毒サイクルの間に、特定の時間だけ異なるバンドのUV光を放射し得る。すなわち、UV光放射制御ユニット120は、複数の異なるUV光素子124~132を制御して、消毒サイクルの間に異なるUV光を放射し得る。
【0042】
述べられているように、各UV光素子124~132は、消毒サイクルの間に、共に、同時に、又は時間において少なくとも部分的に重なった状態で、異なる周波数のUV光を放射し得る。少なくとも1つの他の実施例では、UV光素子124~132の第1の群が、第1の周波数のUV光を放射し、一方で、UV光素子124~132の第2の群が、第1の周波数とは異なる第2の周波数のUV光を放射し得る。示されているように、UV光放射制御ユニット120は、経時的に、UV光素子124~132によって放射されるUV光の周波数を変調し得る。UV光放射制御ユニット120は、UV光アセンブリ118のUV光素子124~132を制御して、図5で示されるものとは異なるより多くの又は少ないUV光波形を同時に放射し得る。
【0043】
図1図5を参照すると、UV光消毒システムは、変動するUVバンドのUV光を放射するようにプログラムされ得る。UV光放射制御ユニット120は、UV光アセンブリ118を制御して、UVスペクトルの全体にわたる狭いバンドのUV光を、選択的に放射する。例えば、UV光放射制御ユニット120は、UV光アセンブリ118を制御して、遠UV光、UVC光、UVB光、UVA光、及び/又は真空UV光のうちの2以上を放射する。UV光アセンブリ118から放射されるUV光の種類は、構造物114に存在し得る微生物(例えば、バクテリア、ばい菌、菌類、ウイルス、細菌など)の種類に基づいて選択され得る。そのようにして、UV光消毒システム100は、異なる種類のUV光を用いて、特定の種類の微生物を殺すように特に適合され得る。UV光消毒システムは、(UV光の単一の広いバンドとは対照的に)複数の高エネルギーの狭いバンドの異なる種類のUV光を放射し、それによって、構造物114をより効果的且つ効率的に消毒する。
【0044】
少なくとも1つの実施例では、UV光放射制御ユニット120が、UV光アセンブリ118から放射される、UV光の継続時間、周波数、順序などを変更して、通常の広いスペクトルのシステムよりも電力消費を削減する一方で、構造物114を効率的に消毒する。少なくとも1つの実施例では、UV光アセンブリが、広い放射照度源、及び所望のUV波長と周波数に関して放射される光をフィルタリングするように構成された1以上のフィルタ134を含む。
【0045】
構造物114は、異なる光バンド内のUV光に曝露される。各狭いバンドの組のUV光に対する曝露は10秒以下であり、それは、電力消費を低減させ得る。少なくとも1つの実施例では、狭いバンドの組のUV光の各々は、少なくとも1つの重なっていないバンド幅のUV光を含む。少なくとも1つの実施例では、消毒サイクルの間の全体の曝露が1分以下であり得る。(バンド202~210などの)各狭いバンドの組は、1以上の特定の微生物を殺すために特に適しているだろう。
【0046】
本明細書で使用される際に、「制御ユニット」、「中央処理装置」、「CPU」、「コンピュータ」などという用語は、マイクロコントローラ、縮小指示命令セットコンピュータ(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理回路、及び、本明細書で説明される機能を実行することが可能なハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせを含む任意の他の回路又はプロセッサを使用するシステムを含む、任意のプロセッサベース又はマイクロプロセッサベースのシステムを含み得る。上述したものは例示的なものに過ぎず、したがって、そのような用語の定義及び/又は意味を何らかのやり方で限定することを意図していない。例えば、上述されたように、UV光放射制御ユニット120は、UV光アセンブリ118の動作を制御するように構成された、1以上のプロセッサであり又はそれらを含み得る。
【0047】
UV光放射制御ユニット120は、データを処理するために、(1以上のメモリなどの)1以上のデータ記憶ユニット又は素子内に記憶された、一組の指示命令を実行するように構成されている。例えば、UV光放射制御ユニット120は、1以上のメモリを含み又はそれらに接続され得る。データ記憶ユニットは、所望又は必要に応じて、データ又は他の情報も記憶し得る。データ記憶ユニットは、情報ソース、又は処理マシン内の物理メモリ要素という形態を採り得る。
【0048】
一組の指示命令は、UV光放射制御ユニット120が、処理マシンとして、本明細書で説明される主題の様々な実施例の方法及びプロセスなどの、特定の動作を実行するように指示命令する、様々なコマンドを含み得る。一組の指示命令は、ソフトウェアプログラムの形態を採ってもよい。ソフトウェアは、システムソフトウェア又はアプリケーションソフトウェアなどの様々な形態を採り得る。更に、ソフトウェアは、分離したプログラムの集合、より大きなプログラム内のプログラムサブセット、又はプログラムの一部分の形態を採り得る。ソフトウェアは、オブジェクト指向プログラミングの形態を採るモジュラープログラミングも含み得る。処理マシンによる入力データの処理は、ユーザのコマンドに応じ、又は、従前の処理の結果に応じ、又は、別の処理マシンによってなされた要求に応ずるものであり得る。
【0049】
本明細書の実施例の図面は、UV光放射制御ユニット120などの1以上の制御又は処理ユニットを示し得る。処理又は制御ユニットは、本明細書で説明される動作を実行する、関連する指示命令(例えば、コンピュータハードドライブ、ROM、RAMなどの、有形且つ非一過性のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたソフトウェア)を含むハードウェアとして実装され得る、回路、電気回路、又はそれらの部分を表し得ることが、理解されるべきである。そのようなハードウェアは、本明細書に記載の機能を実行するようハードワイヤード(hardwired)されたステートマシン(state machine)回路を含み得る。任意選択的に、ハードウェアは、マイクロプロセッサ、プロセッサ、コントローラなどの、1以上の論理ベースのデバイスを含み及び/又はそれらに接続された電子回路を含んでもよい。任意選択的に、UV光放射制御ユニット120は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、(1以上の)マイクロプロセッサなどの、処理回路を表してもよい。様々な実施例内の回路は、本明細書で説明される機能を実施するために、1以上のアルゴリズムを実行するように構成されてもよい。そのような1以上のアルゴリズムは、フローチャート又は方法において明示的に特定されているか否かに関わらず、本明細書に記載の実施例の諸態様を含み得る。
【0050】
本明細書で使用される際に、「ソフトウェア」及び「ファームウェア」という用語は、置き換え可能であり、RAMメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、及び不揮発性RAM(NVRAM)メモリを含む、コンピュータによる実行のためのデータ記憶ユニット(例えば、1以上のメモリ)に記憶される任意のコンピュータプログラムを含む。上記のデータ記憶ユニットのタイプは例示的なものにすぎず、したがって、コンピュータプログラムを記憶するために使用することができるメモリのタイプを限定するものではない。
【0051】
図6は、本開示の一実施例による、航空機600の上面斜視図を示す。航空機600には、例えば、2つのターボファンエンジン614を含み得る、推進システム612が含まれる。任意選択的に、推進システム612には、図示したものよりも更に多くのエンジン614が含まれ得る。エンジン614は、航空機600の翼616によって担持される。他の実施例では、エンジン614が、胴体618及び/又は尾部620によって担持され得る。尾部620は、水平尾翼622と垂直尾翼624も支持し得る。
【0052】
航空機600の胴体618は内部客室を画定し、内部客室には、操縦室、1以上の作業セクション(例えば、調理室、個人の手荷物領域など)、1以上の乗客セクション(例えば、ファーストクラス、ビジネスクラス、及びエコノミーセクション)、及び後方休憩領域アセンブリが配置され得る後方セクションが含まれ得る。それらのセクションの各々は、1以上のクラス分離アセンブリを含み得る、客室分離領域によって分離され得る。頭上の荷物棚アセンブリが、内部客室の全体を通して配置され得る。内部客室は、例えば、洗面所などの1以上の部屋を含む。(図1に関連して示され説明された)1以上のUV光消毒システム100が、内部客室内に配置され得る。
【0053】
代替的に、航空機の代わりに、本開示の実施例が、自動車、バス、機関車及び列車、船舶などの、様々な他の輸送体で使用されてもよい。更に、本開示の実施例は、商業建物及び住居建物などの、固定された構造物に関して使用されてもよい。
【0054】
図7Aは、本開示の一実施例による、航空機の内部客室の上面図を示す。内部客室630は、航空機の胴体632内にあり得る。例えば、1以上の胴体壁により、内部客室630が画定され得る。内部客室630には、前方セクション633、ファーストクラスセクション634(又はファーストクラススイート、客室など)、ビジネスクラスセクション636、前方調理室ステーション638、拡張されたエコノミーすなわちコーチセクション640、標準のエコノミーすなわちコーチセクション642、及び洗面所と調理室ステーションなどの複数の部屋102を含み得る、後方セクション644を含む、複数のセクションが含まれる。内部客室630は、図示したものよりも多い又は少ないセクションを含み得ると理解すべきである。例えば、内部客室630には、ファーストクラスセクションが含まれなくてもよく、図示したものよりも多くの又は少ない調理室ステーションが含まれてもよい。それらのセクションの各々は、通路648の間のクラス分離アセンブリを含み得る、客室分離領域646によって分離され得る。
【0055】
図7Aで示されるように、内部客室630は、後方セクション644につながっている2つの通路650及び652を含む。任意選択的に、内部客室630は、図示したものよりも少ない又は多い通路を有し得る。例えば、内部客室630には、後方セクション644につながっている内部客室630の中央を通って延在する単一の通路が含まれ得る。
【0056】
洗面所などの1以上の部屋102は、内部客室630内に配置され得る。UV光消毒システム100は、図1に関連して上述されたような、洗面所102内の構造物を消毒するために使用され得る。
【0057】
図7Bは、本開示の一実施例による、航空機の内部客室の上面図を示す。内部客室680は、航空機の胴体681内にあり得る。例えば、1以上の胴体壁により、内部客室680が画定され得る。内部客室680は、乗客席683を有する主要な客室682、及び主要な客室682の後ろの後方セクション685を含む、複数のセクションを含む。内部客室680は、図示したものよりも多い又は少ないセクションを含み得ると理解すべきである。
【0058】
内部客室680には、後方セクション685につながる単一の通路684が含まれ得る。単一の通路684は、後方セクション685につながる内部客室680の中央を通って延在し得る。例えば、単一の通路684は、内部客室680の中央縦断面の同軸上に位置合わせされ得る。
【0059】
洗面所などの1以上の部屋102は、内部客室680内に配置され得る。UV光消毒システム100は、図1に関連して上述されたような、洗面所102内の構造物を消毒するために使用され得る。
【0060】
図8は、本開示の一実施例による、洗面所102の内部斜視図を示す。述べられるように、洗面所102は、図1に関連して示され且つ説明された取り囲まれた空間102の一実施例である。洗面所102は、上述されたように、航空機に搭載され得る。任意選択的に、洗面所102は、様々な他の輸送体に搭載され得る。他の実施例では、洗面所102が、商業建物又は住居建物などの固定された構造物内にあり得る。
【0061】
洗面所102は、便器804、キャビネット806、及びシンク808を支持する、ベースフロア802を含む。UV光アセンブリ118は、洗面所102内に固定され、消毒サイクルの間に起動されて、便器804、床802、キャビネット806、及び/又はシンク808などの、洗面所102内の様々な構造物を、消毒(例えば、殺菌、滅菌、又は清掃)するように構成されている。
【0062】
図9は、本開示の一実施例による、構造物を消毒する方法のフローチャートを示す。図1及び図9を参照すると、該方法は、900で開始し、構造物114から根絶されるべき微生物の種類に関して判定が行われる。そのような判定は、ターゲット微生物を殺すのに特に適したUV光の種類に関する判定を可能にする。例えば、UV光放射制御ユニット120は、それらの種類のUV光によって効果的且つ効率的に殺される微生物と、UV光の種類と、を相互に関連付けたデータを記憶し又はさもなければそのようなデータにアクセスし得る。
【0063】
902では、消毒サイクルが、構造物114から根絶されるべき微生物の種類に基づいて判定される。少なくとも1つの実施例では、個人が、(キーボード、マウス、タッチスクリーンなどの入力装置を介するなどして)ターゲットにされた微生物の種類を入力し、UV光放射制御ユニット120が、ターゲット微生物に対する効率的な消毒サイクルを判定し得る。
【0064】
消毒サイクルが判定され且つメモリ内に記憶された後で、904において、UV光放射制御ユニット120は、構造物114が使用されているか否かを判定する。例えば、UV光放射制御ユニット120は、UV光放射制御ユニット120、ドアロックシーケンスなどと通信する運動センサ又は近接センサに基づいて、洗面所が使用されていることを判定し得る。904では、UV放射制御ユニット120が、構造物114が使用されていると判定したならば、UV光放射制御ユニット120は、906で消毒サイクルを開始することを差し控える。
【0065】
しかし、904で構造物が使用されていなければ、UV光放射制御ユニット120は、908で構造物114が既に洗浄されたか否かを判定する。例えば、以前の消毒サイクルの後で構造物114が使用されていなければ、UV光放射制御ユニット120は、構造物114が既に洗浄されたと判定し得る。構造物114が既に洗浄されたならば、該方法は、908から910に進み、UV光放射制御ユニット120は、消毒サイクルを開始することを差し控え、該方法は、904に戻る。
【0066】
しかし、908で構造物が洗浄されていなければ、該方法は、908から912に進み、UV光放射制御ユニット120が、消毒サイクルを開始する。914では、消毒サイクルの間に、UV光放射制御ユニット120が、UV光アセンブリ118を操作して、第1のUVバンド内のUV光を構造物114に放射する。第1のUVバンド内のUV光が、1以上の種類の微生物を殺すのに適していると予め判定され得る。
【0067】
916において、UV光放射制御ユニット120は、第1のUVバンド内のUV光が放射された期間が、その種類の微生物を殺すのに十分であるか否かを判定する。そうでなければ、該方法は914に戻って、第1のUVバンド内のUV光が、構造物114に放射され続ける。
【0068】
しかし、916で(例えば、所定の消毒サイクルに基づいて)その時間が微生物を殺すのに十分であれば、該方法は、916から918へ進み、UV光放射制御ユニット120が、UV光アセンブリ118を操作して、(第1のUVバンドとは異なる特有の)第2のUVバンド内のUV光を構造物114に放射する。第2のUVバンド内のUV光が、1以上の種類の微生物を殺すのに適していると予め判定され得る。
【0069】
920において、UV光放射制御ユニット120は、第2のUVバンド内のUV光が放射された期間が、その種類の微生物を殺すのに十分であるか否かを判定する。そうでなければ、該方法は918に戻って、第2のUVバンド内のUV光が、構造物114に放射され続ける。
【0070】
しかし、920で(例えば、所定の消毒サイクルに基づいて)その時間が微生物を殺すのに十分であれば、該方法は、920から922へ進み、UV光放射制御ユニット120が、消毒サイクルを止める。その後、該方法は、922から904へ戻る。
【0071】
ステップ914と918は、異なる時間に生じ得る。任意選択的に、ステップ914と918は、同時に生じ得るか、又は少なくとも部分的に時間において重なり得る。更に、該方法は、第3、4、5、及び/又はそれ以上のバンド内のUV光の放射を含み得る。
【0072】
図1図9を参照すると、上述のように、本開示の実施例は、UV光を使用して構造物を効率的に消毒するシステム及び方法を提供する。特に、本開示の実施例は、複数のUVバンド内の紫外線光の放射によって、構造物から幅広い種類の微生物を根絶するシステム及び方法を提供する。
【0073】
更に、本開示は下記の条項に係る実施例を含む。
条項1
構造物を消毒するように構成された紫外線(UV)光消毒システム(100)であって、
前記構造物へUV光を放射するように構成されたUV光アセンブリ(118)、及び
前記UV光アセンブリ(118)に接続されたUV光放射制御ユニット(120)であって、前記UV光アセンブリ(118)を制御して、前記構造物を消毒する消毒サイクルの間に、少なくとも第1のUVバンド及び前記第1のUVバンドとは異なる第2のUVバンド内のUV光を個別に前記構造物へ放射するように構成され、前記第1のUVバンドと前記第2のUVバンド内の前記UV光が、少なくとも1つの種類の微生物を殺すように構成されている、UV光放射制御ユニット(120)を備える、UV光消毒システム(100)。
条項2
前記第1のUVバンドが、UVスペクトル内の、遠UV光範囲(204)、UVC光範囲(206)、UVB光範囲(208)、UVA光範囲(210)、又は真空UV光範囲(202)のうちの1つを含み、前記第2のUVバンドが、前記遠UV光範囲(204)、前記UVC光範囲(206)、前記UVB光範囲(208)、前記UVA光範囲(210)、又は前記真空UV光範囲(202)のうちの別の1つを含む、条項1に記載のUV光消毒システム(100)。
条項3
前記UV光放射制御ユニット(120)が、前記UV光アセンブリ(118)を制御して、第1の期間に前記第1のUVバンド内の前記UV光を放射し、第2の期間に前記第2のUVバンド内の前記UV光を放射する、条項1に記載のUV光消毒システム(100)。
条項4
前記第1の期間が、前記第2の期間とは異なる、条項3に記載のUV光消毒システム(100)。
条項5
前記第2の期間が、前記第1の期間の後に連続的に続く、条項3に記載のUV光消毒システム(100)。
条項6
前記第1の期間が、前記第2の期間と同時に生じる、条項3に記載のUV光消毒システム(100)。
条項7
前記第1の期間が、前記第2の期間と少なくとも部分的に重なる、条項3に記載のUV光消毒システム(100)。
条項8
前記UV光アセンブリ(118)が、複数のUV光素子(124~132)を備える、条項1に記載のUV光消毒システム(100)。
条項9
前記複数のUV光素子(124~132)のうちの第1のものが、前記第1のUVバンド内の前記UV光を放射するように構成され、前記複数のUV光素子(124~132)のうちの第2のものが、前記第2のUVバンド内の前記UV光を放射するように構成されている、条項8に記載のUV光消毒システム(100)。
条項10
前記UV光放射制御ユニット(120)が、前記複数のUV光素子(124~132)によって放射される前記UV光を変調して、前記第1のUVバンドと前記第2のUVバンド内の前記UV光を選択的に放射するように構成されている、条項8に記載のUV光消毒システム(100)。
条項11
前記UV光アセンブリ(118)が、前記複数のUV光素子(124~132)に接続された少なくとも1つのフィルタ(134)であって、前記第1のUVバンドと前記第2のUVバンドに関して、前記UV光をフィルタリングするように構成された、フィルタ(134)を更に備える、条項8に記載のUV光消毒システム(100)。
条項12
構造物を消毒するように構成された紫外線(UV)光消毒方法であって、
UV光放射制御ユニット(120)をUV光アセンブリ(118)に接続すること、及び
前記UV光アセンブリ(118)から前記構造物へUV光を放射することであって、前記放射することが、前記UV光放射制御ユニット(120)を使用して、前記UV光アセンブリ(118)を制御し、前記構造物を消毒する消毒サイクルの間に、少なくとも第1のUVバンド及び前記第1のUVバンドとは異なる第2のUVバンド内の前記UV光を個別に前記構造物へ放射することを含み、前記第1のUVバンドと前記第2のUVバンド内の前記UV光が、少なくとも1つの種類の微生物を殺すように構成されている、放射することを含む、UV光消毒方法。
条項13
前記放射することが、前記UV光放射制御ユニット(120)を使用して、前記UV光アセンブリ(118)を制御し、前記構造物を消毒する消毒サイクルの間に、少なくとも、UVスペクトル内の、遠UV光範囲(204)、UVC光範囲(206)、UVB光範囲(208)、UVA光範囲(210)、又は真空UV光範囲(202)のうちの1つを含む第1のUVバンドと、前記遠UV光範囲(204)、前記UVC光範囲(206)、前記UVB光範囲(208)、前記UVA光範囲(210)、又は前記真空UV光範囲(202)のうちの別の1つを含む第2のUVバンド内の、前記UV光を個別に前記構造物へ放射することを含む、条項12に記載のUV光消毒方法。
条項14
前記放射することが、
前記UV光放射制御ユニット(120)を使用して、前記UV光アセンブリ(118)を制御すること、
前記制御することによって、第1の期間に前記第1のUVバンド内の前記UV光を放射すること、及び
前記制御することによって、第2の期間に前記第2のUVバンド内の前記UV光を放射することを含む、条項12に記載のUV光消毒方法。
条項15
前記放射することが、
前記UV光アセンブリ(118)の第1のUV光素子から、前記第1のUVバンド内の前記UV光を放射すること、及び
前記UV光アセンブリ(118)の第2のUV光素子から、前記第2のUVバンド内の前記UV光を放射することを含む、条項12に記載のUV光消毒方法。
条項16
前記放射することが、
前記UV光アセンブリ(118)によって放射される前記UV光を変調すること、及び
前記変調することによって、前記第1のUVバンドと前記第2のUVバンド内の前記UV光を選択的に放射することを含む、条項12に記載のUV光消毒方法。
条項17
前記放射することが、前記複数のUV光素子(124~132)に接続された少なくとも1つのフィルタ(134)を使用して、前記第1のUVバンドと前記第2のUVバンドに関して、前記UV光をフィルタリングすることを含む、条項12に記載のUV光消毒方法。
条項18
内部客室(630、680)、
前記内部客室(630、680)内の洗面所(102)、並びに
前記洗面所(102)内の少なくとも1つの構造物を消毒するように構成された紫外線(UV)光消毒システム(100)を備えた、輸送体であって、前記UV光消毒システム(100)が、
前記少なくとも1つの構造物へUV光を放射するように構成されたUV光アセンブリ(118)であって、複数のUV光素子(124~132)を備えた、UV光アセンブリ(118)、並びに
前記UV光アセンブリ(118)に接続されたUV光放射制御ユニット(120)であって、前記UV光アセンブリ(118)を制御して、前記少なくとも1つの構造物を消毒する消毒サイクルの間に、少なくとも第1のUVバンド及び前記第1のUVバンドとは異なる第2のUVバンド内のUV光を個別に前記少なくとも1つの構造物へ放射するように構成され、前記第1のUVバンドが、UVスペクトル内の、遠UV光範囲(204)、UVC光範囲(206)、UVB光範囲(208)、UVA光範囲(210)、又は真空UV光範囲(202)のうちの1つを含み、前記第2のUVバンドが、前記遠UV光範囲(204)、前記UVC光範囲(206)、前記UVB光範囲(208)、前記UVA光範囲(210)、又は前記真空UV光範囲(202)のうちの別の1つを含み、前記第1のUVバンドと前記第2のUVバンド内の前記UV光が、少なくとも1つの種類の微生物を殺すように構成されている、UV光放射制御ユニット(120)を備える、輸送体。
条項19
前記UV光放射制御ユニット(120)が、前記UV光アセンブリ(118)を制御して、第1の期間に前記第1のUVバンド内の前記UV光を放射し、第2の期間に前記第2のUVバンド内の前記UV光を放射し、前記第1の期間が、前記第2の期間と、同時、異なる、後に連続的に続く、又は部分的に重なるのうちの1つである、条項18に記載の輸送体。
条項20
前記UV光放射制御ユニット(120)が、前記複数のUV光素子(124~132)によって放射される前記UV光を変調して、前記第1のUVバンドと前記第2のUVバンド内の前記UV光を選択的に放射するように構成されている、条項18に記載の輸送体。
【0074】
本開示の実施例の説明のために、上部、底部、下方、中央、横方向、水平、垂直、前方などの空間及び方向に関する様々な語が用いられているが、そのような語は図面で示す方向に対するものとして用いられているにすぎないことを理解されたい。向きを、反転させる、回転させる、又はそうでなければ、上部が下部に、また下部が上部になるように、また水平が垂直になるように変化させることができる。
【0075】
本明細書で使用する、作業又は工程を実施する「ように構成される」構造、限定事項、又は要素は、特に作業又は工程に対応する方法で構造的に形成、構成、又は適合されている。明確さのため、及び誤解を避けるために、作業又は工程を実施するために変更可能であるに過ぎない対象物は、本明細書で使用する作業又は工程を実施する「ように構成」されてはいない。
【0076】
上記の説明は、限定ではなく例示を意図するものであることを理解されたい。例えば、上述の実施例(及び/又はそれらの態様)は、互いに組み合わせて使用され得る。加えて、本開示の様々な実施例の範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料に適応させるために、様々な実施例の教示に多数の改変を加え得る。本明細書に記載の材料の形状寸法及びタイプは、本開示の様々な実施例のパラメータを規定することを意図しており、これらの実施例は限定的なものではなく例示的な実施例である。本発明を精査することにより、当業者には他の多くの実施例が明らかであろう。本開示の様々な実施例の範囲は、添付の特許請求の範囲、並びに、かかる特許請求の範囲が認められる均等物の全範囲を参照して、決定されるべきである。添付の特許請求の範囲において、「含む(including)」及び「そこにおいて(in which)という用語は、それぞれ、「備える(comprising)」及び「そこで(wherein)」という用語の、明白な同義語として使用される。また、「第1」、「第2」、及び「第3」等の用語は単に符号として使用され、それらの対象物に数的要件を課すことを意図するものではない。更に、以下の特許請求の範囲の限定は、ミーンズ・プラス・ファンクション書式で記述されておらず、かかる特許請求の範囲の限定が、更なる構造のない機能の記述が後続する「のための手段(means for)」という言い回しを明示的に使用しない限り、米国特許法第112条、段落(f)、35に基づいて解釈されることを意図するものではない。
【0077】
ここに記載した説明では、ベストモードを含む本開示の様々な実施例を開示し、且つ当業者が任意のデバイス又はシステムの作成及び使用、並びに組込まれた任意の方法の実行を含め、本開示の様々な実施例を実施することを可能にするために実施例を使用している。本開示の様々な実施例の特許性の範囲は、特許請求の範囲によって画定され、当業者が想起する他の実施例を含み得る。かかる他の実施例は、実施例が特許請求の範囲の文言と相違しない構造要素を有する場合、又は、実施例が、特許請求の範囲の文言とごくわずかな相違しかない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内であることが意図される。
図1
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図7A
図7B
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図9