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特許7255967神経変性疾患を治療するための組成物および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-03
(45)【発行日】2023-04-11
(54)【発明の名称】神経変性疾患を治療するための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4545 20060101AFI20230404BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
A61K31/4545
A61P25/14
A61P25/16
A61P25/28
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017502942
(86)(22)【出願日】2015-03-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2017-04-13
(86)【国際出願番号】 US2015023060
(87)【国際公開番号】W WO2015148962
(87)【国際公開日】2015-10-01
【審査請求日】2018-03-27
【審判番号】
【審判請求日】2020-08-21
(31)【優先権主張番号】61/971,862
(32)【優先日】2014-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504144596
【氏名又は名称】アゼヴァン ファーマスーティカルズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ブラウンスタイン マイケル ジェイ.
【合議体】
【審判長】岡崎 美穂
【審判官】井上 典之
【審判官】齋藤 恵
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-506380(JP,A)
【文献】特表2008-540633(JP,A)
【文献】特表2011-512389(JP,A)
【文献】特表2008-534504(JP,A)
【文献】特表2005-532984(JP,A)
【文献】特表2013-535425(JP,A)
【文献】BMC NEUROSCIENCE,2008,9:111,p.1-35
【文献】Pharmacology, Biochemistry and Behavior,2006,Vol.83,p.169-174
【文献】Frontiers in Systems Neuroscience,2013,Vol.7,Article100,p.1-11
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/33-33/44
A61K 45/00-45/08
A61P 25/00-25/36
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/WPIDS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
宿主動物におけるハンチントン病、パーキンソン病またはアルツハイマー病の神経精神的症状を治療するための医薬組成物であって、1つまたは複数の選択的バソプレシンV1a受容体アンタゴニストを含み、
前記アンタゴニストの1つまたは複数が、以下の式の化合物:
【化1】
(SRX228)
【化2】
(SRX246)
【化3】
(SRX251)
【化4】
(SRX296)
【化5】
(SRX576)
およびその薬学的に許容可能な塩から選択される、医薬組成物。
【請求項2】
前記化合物が、以下の式の化合物である、請求項1に記載の医薬組成物。
【化6】
(SRX228)
【請求項3】
前記化合物が、以下の式の化合物である、請求項1に記載の医薬組成物。
【化7】
(SRX246)
【請求項4】
前記化合物が、以下の式の化合物である、請求項1に記載の医薬組成物。
【化8】
(SRX251)
【請求項5】
前記化合物が、以下の式の化合物である、請求項1に記載の医薬組成物。
【化9】
(SRX296)
【請求項6】
前記化合物が、以下の式の化合物である、請求項1に記載の医薬組成物。
【化10】
(SRX576)
【請求項7】
前記神経精神的症状が、攻撃性、興奮性、もしくは怒り、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
政府の権利
本発明はアメリカ国立衛生研究所によって付与されたMH063663として政府の支援によりなされた。政府は本発明において特定の権利を有する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)により、2014年3月28日に出願された米国仮出願第61/971,862号に対する利益を主張し、その全開示は本明細書に参照により援用される。
【0003】
本明細書に記載される発明は、神経変性疾患および障害を治療するための化合物、組成物、方法およびそれらの使用に関する。特に、本明細書に記載される発明は、ハンチントン病、パーキンソン病、およびアルツハイマー病などの神経変性疾患の神経精神的態様を治療するためのバソプレシン受容体モジュレーター、ならびに組成物、方法およびそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0004】
神経変性障害(ND)および疾患は、多くの場合、共通して、バリスムス、運動失調、運動亢進、パーキンソニズム、アテトーシス、舞踏病、ジスキネジーなどの運動障害、および神経精神症状の両方を導く神経変性要素を有する。特に、ハンチントン病(HD)、パーキンソン病(PD)、アルツハイマー病(AD)の各々は一連の症状を提示する。例えば、HD、PDおよび/またはADの各々は、運動障害または機能障害、ならびに攻撃性、興奮性、および怒りなどの精神神経障害を含む症状を提示する場合がある。舞踏病などの特定の運動障害はHDおよびPDなどの特定の神経変性疾患のために承認されている薬物で治療できるが、神経変性疾患の神経精神的態様は、従来の医薬が効果的であると証明されていないので、未治療のままである。未治療のままであるこのような神経精神的態様は様々な複雑性、併発性、および多くの場合、関連のない下流の帰結を導く場合がある。したがって、神経変性障害および疾患の神経精神的態様を治療するための化合物、組成物および方法が現在必要とされている。
【0005】
HDはハンチンタンパク質内のポリグルタミン鎖をコードするトリヌクレオチド(CAG、シトシン/アデニン/グアニン)反復の伸長に起因する遺伝性疾患である。発症は典型的に35~44歳の年齢であるが、より早くまたは遅く開始する場合がある。症状としては、行動、認知および運動機能の減衰が挙げられる。興奮性および攻撃性を含む精神科的症状はHD患者に共通しており、最も良く見られる疾患の悲惨な態様である。HD患者の40%~70%に関して、興奮性および攻撃性は日常の生活に悪影響を与え、多くの場合、施設収容の結果となる(非特許文献1)。HDにおける興奮性および攻撃性行動の頻繁な発生および重度の結果にも関わらず、これらの症状はほとんど注目されていなかった。神経精神症状評価(Neuropsychiatric Inventory(NPI))、ハンチントン病統一評価尺度(Unified Huntington Disease Rating Scale)、興奮性尺度(Irritability Scale)(Chatterjee)、およびハンチントン病のための問題行動アセスメント(Problem Behaviors Assessment for Huntington’s Disease)(PBA-HD)を含む様々な評価手段がHDにおける興奮性を測定するために使用されている。それにも関わらず、HDにおける盲検または興奮性および攻撃性などのHDの神経精神的態様のための薬物療法の長期間の追跡研究は行われていなかった。
【0006】
また、大鬱病性障害および全般性不安障害などの他の疾患における攻撃性、興奮性および怒り、ならびに/または抑鬱および不安を治療するのに効果的であることが観察されている現在利用可能な医薬は、HD、PDおよび/またはADの神経精神的症状を治療するのに効果がないか、または一次的にのみ効果があることも報告されている。例えば、HD患者の抗鬱剤ベンラファキシンXRによる治療は、抑鬱症状を改善したが、興奮性の増加を導くことが報告されている。同様に、AD患者において、抗精神病薬リスペリドンによる治療は一次的にのみ攻撃性を減少させ、12週間後に効果がなくなった。同様に、アリピプラゾールも一次的な効果のみを与える。さらに、最近の政府の指針は、重大な副作用の観察ならびに錐体外路症状、加速した認知低下、脳卒中、および死を含む、これらの薬物に関連する全体的な健康のリスクに起因して認知症を治療するために高齢の患者において抗精神病薬を使用することに対して警告している。したがって、これらの薬物は神経変性疾患を治療する際の臨床的使用のための良好な選択とみなされておらず、特にそれらは短期間の治療のためだけに推奨されている(非特許文献2を参照のこと)。
【0007】
これらの治療の失敗はまた、神経精神的症状の性質がHD、ADおよびPDで異なることを示唆している。つまり、HD、ADおよびPDにおける興奮性、怒り、攻撃性、抑鬱および不安は、一見したところ、現在利用可能な薬物で効果的に治療できる妄想型統合失調症、てんかん、大鬱病性障害などの他の疾患における同じ行動エンドポイントのものと同じではない。理論により束縛されないが、本明細書において、HD、PDおよび/またはADに関連する神経精神的態様の外面に現れる兆候、例えば攻撃性、興奮性および怒りは、異なる根本原因を有すると考えられる。したがって、HD、PDおよび/またはADを罹患している患者において現れる攻撃性、興奮性および怒り、ならびに抑鬱および不安は、別の障害または機能不全であり、他の疾患における攻撃性、不安および怒りと関連していない。この結論についてのさらなる支持は、例えば、興奮性は多くの疾患および障害において見られ得るが、興奮性として現れる根本原因または機能不全は各症例において異なり得るという報告に起因する。このような障害の例としては、MOA-A欠損、外傷性脳損傷、脳卒中、精神遅滞、大鬱病性障害、双極性障害などが挙げられ、それらの各々は興奮性または攻撃性行動として現れる。特に、バソプレシンV1b受容体を介する過剰なシグナル伝達は、ストレス関連障害、不安、抑鬱病、記憶機能障害、攻撃性、および社会的行動を含む、様々な神経精神症状の原因であると報告されている(非特許文献3を参照のこと)。したがって、理論によって束縛されずに、また、報告されている治療失敗は、HD、ADおよび/またはPDに特有の神経精神症状の不正確な根本原因の標的化に起因し得ると本明細書において考えられる。攻撃性、興奮性、怒り、抑鬱および不安などのHD/AD/PDの神経精神症状の治療は、満たされていない医薬の要求がある。
【0008】
驚くべきことに本明細書において、中枢神経系(CNS)におけるバソプレシンシグナル伝達の変化が、限定されないが、HD、ADおよび/またはPDを含む、神経変性傷害および疾患において、時折、認知症の行動心理学的症状(BPSD)と呼ばれている、神経精神的態様の治療に効果的であることが発見されている。特に、驚くべきことに本明細書において、限定されないが、HD、PDおよびADを含む神経変性傷害および疾患、特にそれらの神経精神的態様は、CNSにおいて治療的に有効な濃度を達成するバソプレシンアンタゴニストを投与することによって治療できる。また、驚くべきことに本明細書において、本明細書に記載される化合物および組成物は、経口投与後にCNS効果を示し、HD、ADおよびPD患者において興奮性および攻撃性、ならびにNDの他の神経精神的態様を生じる刺激に対する反応に関与する特定の脳回路を調節することが発見されている。
【0009】
興味深いことに、上昇したアルギニンバソプレシン(AVP)レベルがHD、PDおよび/またはADを有する患者のCNSに存在しているという証拠はない。さらに、CNSにおける上昇したアルギニンバソプレシン受容体(AVPR)発現レベルはHD、PDおよび/またはADを有する患者において観察されていない。神経変性がHD、PDおよびADの特徴の1つであることを考慮して、実行機能を制御する脳内の組織の破壊または損傷を含む病理が予想され得る。例えば、HD、PDおよびADに特有の神経精神症状は実行機能を制御するのに関与している脳組織の破壊から発生し得る。しかしながら、AVPR発現レベルに関して反対のことが本明細書において発見されており、そうでなければそれはHD、PDまたはADを罹患していないヒトにおける発現レベルと同様である。したがって、病態生理学的見解から、HD、PDおよび/またはADを罹患している宿主動物は、そのような方式で正常なコホートから識別できない。それにも関わらず、理論によって束縛されないが、本明細書において、HD、PDおよび/またはADなどの神経変性傷害および疾患の神経精神的態様は、条件依存性過剰バソプレシンシグナル伝達またはバソプレシンシグナル伝達の増加から発生し得るが、発病していない個体と比較して上昇したAVPレベルまたはAVPRの過剰発現に起因しないと考えられている。実際に、本明細書においてHD、PDおよび/またはADなどの疾患の神経精神的態様はCNSにおける条件依存性AVP過感受性に起因すると考えられている。したがって、一見したところ、別様の正常なAVPレベルは、それにも関わらず、HD、PDおよび/またはADを有する宿主動物において過剰バソプレシンシグナル伝達の原因となる。理論によって束縛されずに、また、本明細書において、本明細書に記載される化合物、組成物および方法の有効性は、CNSにおける過剰なAVP濃度またはAVP発現の不在下でさえも過剰なバソプレシンシグナル伝達を調節、修正、またはさらに阻止することに少なくとも部分的に起因すると考えられている。さらに、理論によって束縛されないが、本明細書において、AVP過感受性を生じる過剰バソプレシンシグナル伝達は実行制御機能の機能不全または損失を導くと考えられている。その機能不全または機能の損失は、状況に応じて依存性の不適切な行動、例えば攻撃性、興奮性および怒りを適切に制御し、ならびに/または特にストレスまたは不安下で状況に応じて依存性の適切な決定を行う能力の損失を導く。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【文献】van Duijn et al.、Psychopathology in verified Huntington’s disease gene carriers. J Neuropsychiatry Clin Neurosci.19:441-8(2007)
【文献】Ballard & Corbett、CNS Drugs 24(9):729-739(2010)
【文献】Slusarz、「Vasopressin V1a and V1b receptor modulators: a patent review (2012-2014)」 Expert Opinion Ther. Patents (2015)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書に記載されるこれらの驚くべき発見および発明は、罹患宿主動物において、他の阻害または修正系は、効果がないか、または条件依存性過剰バソプレシンシグナル伝達に適合できない、別様で正常なバソプレシンシグナル伝達と考慮され得るものの治療に関する。したがって、本明細書に記載される化合物または組成物の投与は、バソプレシンシグナル伝達を別様で正常とみなされるものよりも低いレベルに減少させ、実行機能を制御することを含む、無調節シグナル伝達系のバランスを元に戻すこともたらす。
【0012】
本発明の1つの例示的な実施形態において、選択的V1aバソプレシンアンタゴニスト、ならびにそのようなバソプレシンアンタゴニストを使用する組成物および方法が本明細書に記載される。別の例示的な実施形態において、宿主動物に投与すると少なくとも約100nMのCNS濃度を達成するか、または生じることができるように構成される、選択的V1aバソプレシンアンタゴニスト、ならびにそのようなバソプレシンアンタゴニストを使用する組成物および方法が本明細書に記載される。別の例示的な実施形態において、宿主動物に投与すると少なくとも約10nM、または少なくとも約1nMのCNS濃度を達成するか、または生じることができるように構成される、選択的V1aバソプレシンアンタゴニスト、ならびにそのようなバソプレシンアンタゴニストを使用する組成物および方法が本明細書に記載される。別の例示的な実施形態において、宿主動物に投与すると少なくとも約100pM、少なくとも約10pM、または少なくとも約1pMのCNS濃度を達成するか、または生じることができるように構成される、選択的V1aバソプレシンアンタゴニスト、ならびにそのようなバソプレシンアンタゴニストを使用する組成物および方法が本明細書に記載される。
【0013】
本明細書において、HD、PDおよび/またはADなどの神経変性疾患の神経精神的態様は、舞踏病、または他の運動障害より前に存在し得ることが理解される。したがって、疾患進行の早期に診断される場合、本明細書に記載される化合物、組成物および方法はまた、運動障害および神経変性疾患の他の後期症状または態様の発症の遅延に有効であり得る。また、HD、PDおよび/またはADなどの神経変性疾患の予防的処置、例えば運動障害および機能不全ならびに他の後期症状の予防的処置のための化合物、組成物および方法が本明細書に記載される。
【0014】
本明細書において、HD、PDおよびADなどの神経変性傷害および疾患、特にそれらの神経精神的態様が選択的バソプレシンV1aアンタゴニストで治療可能であることが発見されている。一実施形態において、バソプレシン受容体アンタゴニストは、式
【化1】
およびその薬学的に許容可能な塩であり、式中、
Aは、カルボン酸、エステル、またはアミドであり、
Bは、カルボン酸、エステル、もしくはアミドであるか、あるいはBは、アルコールもしくはチオール、またはそれらの誘導体であり、
は、水素またはC-Cアルキルであり、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ホルミル、アルキルカルボニル、または-CO、-CONR8’、および-NR(COR)からなる群から選択される置換基であり、RおよびR8’の各々は、水素、アルキル、シクロアルキル、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいアリールアルキルから独立して選択されか、またはRおよびR8’は結合されている窒素原子と一緒になってヘテロシクリル基を形成し、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、およびR8’N-(C-Cアルキル)から選択され、
は、置換されていてもよい、アミノ、アミド、アシルアミド、もしくはウレイド基であるか、またはRは、窒素原子で結合している窒素含有ヘテロシクリル基であり、
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキルカルボニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリールハロアルキル、置換されていてもよいアリールアルコキシアルキル、置換されていてもよいアリールアルケニル、置換されていてもよいアリールハロアルケニル、または置換されていてもよいアリールアルキニルである。
【0015】
別の実施形態において、1つ以上の化合物を含有する医薬組成物も本明細書に記載される。一態様において、組成物は、神経変性疾患を有する宿主動物を治療するための治療有効量の1つ以上の化合物を含む。組成物は、限定されないが、他の治療活性化合物、および/または1つ以上の担体、希釈剤、賦形剤などを含む、他の構成要素および/または成分、ならびにそれらの組み合わせを含んでもよいことは理解されるべきである。別の実施形態において、神経変性疾患を有する宿主動物を治療するための化合物および医薬組成物を使用する方法もまた、本明細書に記載される。一態様において、その方法は、本明細書に記載される化合物および/または組成物の1つ以上を宿主動物に投与する工程を含む。別の態様において、その方法は、神経変性疾患を有する宿主動物を治療するための治療有効量の本明細書に記載される1つ以上の化合物および/または組成物を投与することを含む。別の実施形態において、神経変性疾患を有する宿主動物を治療するための医薬の製造における化合物および組成物の使用もまた、本明細書に記載される。一態様において、医薬は、治療有効量の本明細書に記載される1つ以上の化合物および/または組成物を含む。
【0016】
本明細書において、本明細書に記載される化合物は単独で使用されてもよいか、または同じもしくは異なる作用様式によって治療的に有効であり得るこれらの化合物を含む神経変性疾患を治療するのに有用な他の化合物と組み合わせて使用されてもよいことが理解されるべきである。さらに、本明細書において、本明細書に記載される化合物は、神経変性疾患の他の症状を治療するために投与される他の化合物、例えば舞踏病または他の運動障害などを治療するために投与される化合物と組み合わせて使用されてもよいことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】側頭頭頂皮質(ブロードマン領野39)におけるBOLDシグナルの減少の高解像度構造テンプレートを示す。
図2】前帯状皮質および内側前頭前皮質におけるBOLDシグナルの減少の高解像度構造テンプレートを示す。
図3】メイト+侵入体ストレスパラダイムの間、未処置対照についてのへんとう体、皮質、海馬および視床についての脳スキャンを示す。
図4】メイト+侵入体ストレスパラダイムの間、SRX251で前処置された動物についてのへんとう体、皮質、海馬および視床についての脳スキャンを示す。
図5】社会的相互作用試験におけるビヒクル処置、クロルジアゼポキシド(CDP)、およびSRX246による処置の比較を示す。
図6図6A、6Bおよび6Cは、明/暗シャトルボックス試験において、試験動物の明で過ごした時間、試験動物の暗で過ごした時間、明-暗の出入り回数を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
神経変性疾患を治療するための治療的手段としての1つ以上のバソプレシンV1a受容体アンタゴニストの使用が本明細書に記載される。本明細書に記載される化合物は、AD、PDおよびHDなどの神経変性疾患に罹患している個体の寿命を非常に改善する可能性を有し得る。AD、PDおよびHDなどの神経変性疾患の衰弱させる性質および神経変性疾患に関連する死亡率は、神経変性疾患を伴う運動障害および機能不全に起因するだけでなく、抑制できないまたは不適切な攻撃性、怒り、興奮性および関連症状などの精神神経障害にも起因する。
【0019】
本発明のいくつかの例示的な実施形態は以下の例示的な項により説明される。
宿主動物におけるHD、ADまたはPDなどの神経変性疾患または障害を治療する方法であって、1つ以上の選択的バソプレシンV1a受容体アンタゴニストを含む組成物を宿主動物に投与する工程を含む、方法。
【0020】
宿主動物におけるHD、ADまたはPDなどの神経変性疾患または障害の神経精神的態様を治療する方法であって、1つ以上の選択的バソプレシンV1a受容体アンタゴニストを宿主動物に投与する工程を含む、方法。
【0021】
神経精神的態様が攻撃性を含む、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0022】
神経精神的態様が興奮性を含む、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0023】
神経精神的態様が怒りを含む、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0024】
異常行動チェックリスト(Aberrant Behavior Checklist)(ABCi)、コーエン-マンスフィールド攻撃性評価(Cohen-Mansfield Aggression Inventory)(CMAI)、問題行動評価短形式(Problem Behaviors Assessment short form)(PBA-s)、および/または興奮性スケール(Irritability Scale)(IS)において改善されたスコアが得られる、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0025】
アンタゴニストの1つ以上が、式の化合物:
【化2】
(式中、
Aは、カルボン酸、エステル、またはアミドであり、
Bは、カルボン酸、エステル、もしくはアミドであるか、あるいはBは、アルコールもしくはチオール、またはそれらの誘導体であり、
は、水素またはC-Cアルキルであり、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ホルミル、アルキルカルボニル、または-CO、-CONR8’、および-NR(COR)からなる群から選択される置換基であり、ここでRおよびR8’の各々は、水素、アルキル、シクロアルキル、置換されていてもよいアリール、もしくは置換されていてもよいアリールアルキルから独立して選択されるか、またはRおよびR8’は結合している窒素原子と一緒になってヘテロシクリル基を形成し、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、およびR8’N-(C-Cアルキル)から選択され、
は、置換されていてもよい、アミノ、アミド、アシルアミド、もしくはウレイド基であるか、またはRは、窒素原子で結合している窒素含有ヘテロシクリル基であり、
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキルカルボニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリールハロアルキル、置換されていてもよいアリールアルコキシアルキル、置換されていてもよいアリールアルケニル、置換されていてもよいアリールハロアルケニル、または置換されていてもよいアリールアルキニルである)
およびその薬学的に許容可能な塩から選択される、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0026】
アンタゴニストの1つ以上が、式の化合物:
【化3】
(式中、
AおよびA’の各々は、-COH、またはそのエステルもしくはアミド誘導体から独立して選択され、
nは、0~約3から選択される整数であり、
は、水素またはC-Cアルキルであり、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ホルミル、アルキルカルボニル、または-CO、-CONR8’、および-NR(COR)からなる群から選択される置換基であり、ここでRおよびR8’の各々は、水素、アルキル、シクロアルキル、置換されていてもよいアリール、もしくは置換されていてもよいアリールアルキルから独立して選択されるか、またはRおよびR8’は結合している窒素原子と一緒になって複素環を形成し、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、およびR8’N-(C-Cアルキル)から選択され、
は、置換されていてもよい、アミノ、アミド、アシルアミド、もしくはウレイド基であるか、またはRは、窒素原子で結合している窒素含有ヘテロシクリル基であり、
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキルカルボニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリールハロアルキル、置換されていてもよいアリールアルコキシアルキル、置換されていてもよいアリールアルケニル、置換されていてもよいアリールハロアルケニル、または置換されていてもよいアリールアルキニルである)
およびその薬学的に許容可能な塩から選択される、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0027】
アンタゴニストの1つ以上が、式の化合物:
【化4】
(式中、
Aは、-COH、またはそのエステルもしくはアミド誘導体であり、
Qは酸素であるか、あるいはQは硫黄もしくはジスルフィド、またはそれらの酸化誘導体であり、
nは1~3の整数であり、
、R、R、およびRは、式Iに定義されている通りであり、
5’’は、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロシクリルまたは置換されていてもよいヘテロシクリルアルキル、および置換されていてもよいアミノアルキルから選択される)
およびその薬学的に許容可能な塩から選択される、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0028】
Aが-COであり、ここでRは、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、置換されていてもよいアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C-Cアルキル)、およびRN-(C-Cアルキル)から選択される、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0029】
Aが、一置換アミド、二置換アミド、または置換されていてもよい窒素含有ヘテロシクリルアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0030】
ヘテロシクリルが、テトラヒドロフリル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、またはキヌクリジニルから独立して選択され、前記モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、またはキヌクリジニルが、任意にC-CアルキルでN置換されているか、もしくは置換されていてもよいアリール(C-Cアルキル)である、前述の項のいずれか1つに記載の方法。本明細書に記載される種々の実施形態の各々の出現において、ヘテロシクリルは各場合において独立して選択されることは理解されるべきである。
【0031】
が、水素またはアルキルから独立して選択され、Rが、各場合において、アルキル、シクロアルキル、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいアリールアルキルから独立して選択される、前述の項のいずれか1つに記載の方法。RおよびRは結合している窒素原子と一緒になって、置換されていてもよい複素環、例えばピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、およびホモピペラジニルを形成し、前記ピペラジニルまたはホモピペラジニルも任意にR13でN置換され、R13は、各場合において、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシカルボニル、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル、置換されていてもよいアリールアルキル、および置換されていてもよいアリロイルから独立して選択される、前述の項のいずれか1つに記載の方法。また、本明細書に記載される種々の実施形態の各出現において、RおよびRの各々は各場合において独立して選択されることは理解されるべきである。
【0032】
Aおよび/またはA’がアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。AおよびA’の両方がアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。Aおよび/またはA’が、本明細書において第二級アミドとも称される、第二級アミンのアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。AおよびA’の両方が第二級アミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。第二級アミドが窒素で結合している環状アミンのアミドを含むことは理解されるべきである。
【0033】
Aがアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。Aが、本明細書において第二級アミドとも称される、第二級アミンのアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0034】
アンタゴニストが、その薬学的に許容可能な塩を含む、ジエステル、酸-エステル、または二酸であり、AおよびA’の各々は独立して選択される、前述の項のいずれか1つに記載の方法。アンタゴニストがエステル-アミドであり、AおよびA’の一方がエステルであり、他方がアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。アンタゴニストがジアミドであり、AおよびA’の各々が、一置換アミド、二置換アミド、および置換されていてもよい窒素含有ヘテロシクリルアミドから独立して選択される、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0035】
Aおよび/またはA’が、独立して選択される式C(O)NHX-の一置換アミドであり、式中、Xはアルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-(C-Cアルキル)、RN-、およびRN-(C-Cアルキル)から選択され、各ヘテロシクリルは独立して選択される、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0036】
Aおよび/またはA’が、独立して選択される式C(O)NR14X-の二置換アミドであり、式中、R14が、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシカルボニル、およびベンジルから選択され、Xが、アルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-(C-Cアルキル)、RN-、およびRN-(C-Cアルキル)から選択され、各ヘテロシクリルは独立して選択される、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0037】
Aおよび/またはA’が、独立して選択される置換されていてもよい、窒素で結合している窒素含有複素環のアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。例示的な窒素含有複素環としては、限定されないが、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、トリアゾリジニル、トリアジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、1,2-オキサジニル、1,3-オキサジニル、モルホリニル、オキサジアゾリジニル、およびチアジアゾリジニルが挙げられ、それらの各々は置換されていてもよい。このような任意の置換基としては、本明細書に定義されている、基R10、R12、RN-、およびRN-(C-Cアルキル)が挙げられる。
【0038】
Aおよび/またはA’が、ピロリジノニル、ピペリジノニル、2-(ピロリジン-1-イルメチル)ピロリジン-1-イル、または1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-イルから独立して選択され、それらの各々は置換されていてもよく、窒素で結合している、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0039】
Aおよび/またはA’が、窒素で結合している置換されていてもよいピペリジニルの独立して選択されるアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。例示的な任意の置換基としては、ヒドロキシ、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、(ヒドロキシ(C-Cアルキルオキシ))-(C-Cアルキル)を含むヒドロキシアルキルオキシアルキル、RN-、RN-(C-Cアルキル)を含むRN-アルキル、ジフェニルメチル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリール(C-Cアルキル)、およびピペリジン-1-イル(C-Cアルキル)が挙げられる。
【0040】
Aおよび/またはA’が、4位において置換され、窒素で結合している、独立して選択されるピペリジニルである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0041】
Aおよび/またはA’が、窒素で結合している、置換されていてもよいピペラジニルの独立して選択されるアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。例示的な任意の置換基としては、ヒドロキシ、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、(ヒドロキシ(C-Cアルキルオキシ))-(C-Cアルキル)を含むヒドロキシアルキルオキシアルキル、RN-、RN-(C-Cアルキル)を含むRN-アルキル、ジフェニルメチル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリール(C-Cアルキル)、およびピペリジン-1-イル(C-Cアルキル)が挙げられる。Aおよび/またはA’が、4位において置換され、窒素で結合している、独立して選択されるピペラジニルである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0042】
Aおよび/またはA’が、窒素で結合している、置換されていてもよいホモピペラジニルの独立して選択されるアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。例示的な任意の置換基としては、ヒドロキシ、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、(ヒドロキシ(C-Cアルキルオキシ))-(C-Cアルキル)を含むヒドロキシアルキルオキシアルキル、RN-、RN-(C-Cアルキル)を含むRN-アルキル、ジフェニルメチル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリール(C-Cアルキル)、およびピペリジン-1-イル(C-Cアルキル)が挙げられる。Aおよび/またはA’が、4位において置換され、窒素で結合している独立して選択されるホモピペラジニルである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。Aおよび/またはA’が、アルキル、アリール、アリール(C-Cアルキル)で4位において置換され、窒素で結合している、独立して選択されるホモピペラジニルである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0043】
A’が、一置換アミド、二置換アミド、または置換されていてもよい窒素含有ヘテロシクリルアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。A’が-CO5’であり、R5’が、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、置換されていてもよいアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル(C-Cアルキル)、およびRN-(C-Cアルキル)であり、ここでヘテロシクリルは各出現において、テトラヒドロフリル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、またはキヌクリジニルから独立して選択され、前記モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、またはキヌクリジニルは、任意にC-CアルキルでN置換されるか、または置換されていてもよいアリール(C-Cアルキル)である、前述の項のいずれか1つに記載の方法。R5’が、置換されていてもよいヘテロシクリルアルキルであるか、またはRN-(C-Cアルキル)を含む、置換されていてもよいアミノアルキルである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0044】
Aが、式
【化5】
(式中、Rは水素または置換されていてもよいアルキル、アミドプロドラッグ形成基であり、Rは水素または置換されていてもよいアルキルであり、RArは水素または1つ以上のアリール置換基、例えば限定されないが、ハロ、ヒドロキシ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、ニトロなどである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。R、RおよびRArのうちの少なくとも1つが水素ではない、前述の項のいずれか1つに記載の方法。RおよびRの少なくとも1つが水素ではない、前述の項のいずれか1つに記載の方法。別の実施形態において、Aは、式
【化6】
(式中、R、RおよびRArは本明細書に定義されている通りである)
である。
【0045】
Aが、一置換アミド、二置換アミド、および置換されていてもよい窒素含有ヘテロシクリルアミドから選択される、前述の項のいずれか1つに記載の方法。Aが、置換されていてもよい1-テトラヒドロナフチルアミンのアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0046】
Aおよび/またはA’が、式C(O)NHXの一置換アミドであり、式中、Xは、アルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-(C-Cアルキル)、RN-、およびRN-(C-Cアルキル)から選択され、各ヘテロシクリルが独立して選択される、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0047】
Aおよび/またはA’が、式C(O)NR14Xの二置換アミドであり、式中、R14は、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシカルボニル、およびベンジルから選択され、Xは、アルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-(C-Cアルキル)、RN-、およびRN-(C-Cアルキル)から選択され、各ヘテロシクリルが独立して選択される、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0048】
Aおよび/またはA’が、窒素で結合している、置換されていてもよい窒素含有複素環のアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。例示的な窒素含有複素環としては、限定されないが、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、トリアゾリジニル、トリアジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、1,2-オキサジニル、1,3-オキサジニル、モルホリニル、オキサジアゾリジニル、およびチアジアゾリジニルが挙げられ、それらの各々は置換されていてもよい。このような任意の置換基としては、本明細書に定義されている、基R10、R12、RN-、およびRN-(C-Cアルキル)が挙げられる。Aが、ピロリジノニル、ピペリジノニル、2-(ピロリジン-1-イルメチル)ピロリジン-1-イル、または1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-イルであり、それらの各々は置換されていてもよく、窒素で結合している、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0049】
Aおよび/またはA’が、窒素で結合している、置換されていてもよいピペリジニルのアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。例示的な任意の置換基としては、ヒドロキシ、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、(ヒドロキシ(C-Cアルキルオキシ))-(C-Cアルキル)を含むヒドロキシアルキルオキシアルキル、RN-、RN-(C-Cアルキル)を含むRN-アルキル、ジフェニルメチル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリール(C-Cアルキル)、およびピペリジン-1-イル(C-Cアルキル)が挙げられる。Aおよび/またはA’が、4位において置換され、窒素で結合しているピペリジニルである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0050】
Aおよび/またはA’が、窒素で結合している、置換されていてもよいピペラジニルのアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。例示的な任意の置換基としては、ヒドロキシ、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、(ヒドロキシ(C-Cアルキルオキシ))-(C-Cアルキル)を含むヒドロキシアルキルオキシアルキル、RN-、RN-(C-Cアルキル)を含むRN-アルキル、ジフェニルメチル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリール(C-Cアルキル)、およびピペリジン-1-イル(C-Cアルキル)が挙げられる。Aおよび/またはA’が、4位において置換され、窒素で結合しているピペラジニルである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0051】
Aおよび/またはA’が、窒素で結合している、置換されていてもよいホモピペラジニルのアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。例示的な任意の置換基としては、ヒドロキシ、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、(ヒドロキシ(C-Cアルキルオキシ))-(C-Cアルキル)を含むヒドロキシアルキルオキシアルキル、RN-、RN-(C-Cアルキル)を含むRN-アルキル、ジフェニルメチル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリール(C-Cアルキル)、およびピペリジン-1-イル(C-Cアルキル)が挙げられる。Aおよび/またはA’が、4位において置換され、窒素で結合しているホモピペラジニルである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。Aおよび/またはA’が、アルキル、アリール、アリール(C-Cアルキル)で4位において置換され、窒素で結合しているホモピペラジニルである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0052】
Aおよび/またはA’が、窒素で結合している複素環のアミドであり、複素環が、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキルで置換されている、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0053】
Aおよび/またはA’が、置換されていてもよいベンジル、置換されていてもよい1-ナフチルメチル、または置換されていてもよい2-ナフチルメチルアミンのアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。任意の置換基としては、限定されないが、2,3-ジクロロ、2,5-ジクロロ、2,5-ジメトキシ、2-トリフルオロメチル、2-フルオロ-3-トリフルオロメチル、2-フルオロ-5-トリフルオロメチル、2-メチル、2-メトキシ、3,4-ジクロロ、3,5-ジトリフルオロメチル、3,5-ジクロロ、3,5-ジメチル、3,5-ジフルオロ、3,5-ジメトキシ、3-ブロモ、3-トリフルオロメチル、3-クロロ-4-フルオロ、3-クロロ、3-フルオロ-5-トリフルオロメチル、3-フルオロ、3-メチル、3-ニトロ、3-トリフルオロメトキシ、3-メトキシ、3-フェニル、4-トリフルオロメチル、4-クロロ-3-トリフルオロメチル、4-フルオロ-3-トリフルオロメチル、4-メチルなどが挙げられる。
【0054】
Aおよび/またはA’が、置換されていてもよいベンジル-N-メチルアミンのアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。別の実施形態において、式(I)または(II)におけるAは、n-ブチルおよびt-ブチルを含む、置換されていてもよいベンジル-N-ブチルアミンのアミドである。Aが、置換されていてもよいベンジル-N-ベンジルアミンのアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。任意の置換基としては、限定されないが、2,3-ジクロロ、3,5-ジクロロ、3-ブロモ、3-トリフルオロメチル、3-クロロ、3-メチルなどが挙げられる。
【0055】
Aおよび/またはA’が、置換されていてもよい1-フェニルエチル、2-フェニルエチル、2-フェニルプロピル、または1-フェニルベンジルアミンのアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。Aおよび/またはA’が、置換されていてもよい1-フェニルエチル、2-フェニルエチル、2-フェニルプロピル、1-フェニルベンジルアミン-N-メチルアミンのアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。Aおよび/またはA’が、置換されていてもよい2-フェニル-β-アラニンまたはその誘導体、1-フェニルプロパノールアミンなどのアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。任意の置換基としては、限定されないが、3-トリフルオロメトキシ、3-メトキシ、3,5-ジメトキシ、2-メチルなどが挙げられる。
【0056】
Aおよび/またはA’が、置換されていてもよい1-フェニルシクロプロピル、1-フェニルシクロペンチル、または1-フェニルシクロヘキシルアミンのアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。任意の置換基としては、限定されないが、3-フルオロ、4-メトキシ、4-メチル、4-クロロ、2-フルオロなどが挙げられる。
【0057】
Aおよび/またはA’が、限定されないが、2-フリル、2-チエニル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジルなどを含む、置換されていてもよいヘテロアリールメチルアミンのアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。任意の置換基としては、限定されないが、5-メチル、3-クロロ、2-メチルなどが挙げられる。
【0058】
Aおよび/またはA’が、限定されないが、1-、2-、4-、および5-インダニルアミン、1-および2-テトラヒドロナフチルアミン、インドリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルなどを含み、それらの各々は置換されていてもよい、部分的に飽和した二環式アリールのアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0059】
Aおよび/またはA’が、置換ピペリジンまたはピペラジンのアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。ピペリジンまたはピペラジンの置換基としては、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、置換されていてもよいアリール、および置換されていてもよいアリールアルキルが挙げられる。例示的なピペリジンおよびピペラジンとしては、以下の式が挙げられる:
【0060】
【化7】
【0061】
A’が、窒素で結合している置換されている複素環のアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。置換基としては、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、およびアリールアルキルが挙げられる。A’が、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロシクリルアルキルで置換されている、窒素で結合している複素環のアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0062】
A’が、置換されていてもよいアリールヘテロシクリルアミン、アリールアルキルヘテロシクリルアミン、ヘテロシクリルアルキルアミン、またはヘテロアリールアルキルアミンのアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。A’が、ピペリジン-1-イルピペリジンまたはピペリジン-1-イルアルキルピペリジンのアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。別の実施形態において、アルキルはC-C-アルキルである。
【0063】
Qが酸素または硫黄である、前述の項のいずれか1つに記載の方法。R’’が置換されていてもよいアリールアルキルである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。Aが置換されているピペリジンまたはピペラジンのアミドである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0064】
nが1または2である、前述の項のいずれか1つに記載の方法。nが1である、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0065】
が、水素、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、シアノ、ホルミル、アルキルカルボニル、または-COおよび-CONR8’(式中、RおよびR8’の各々は水素およびアルキルから独立して選択される)からなる群から選択される置換基である、前述の項のいずれか1つに記載の方法。Rが水素またはアルキルである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。Rが水素である、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0066】
が水素である、前述の項のいずれか1つに記載の方法。Rがメチルである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。RおよびRの両方が水素である、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0067】
が以下の式
【化8】
(式中、R10およびR11の各々は、水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリールアルキルオキシ、置換されていてもよいアリールアルキルカルボニルオキシ、ジフェニルメトキシ、トリフェニルメトキシなどから独立して選択され、R12は、水素、アルキル、シクロアルキル、アルコキシカルボニル、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリロイルなどから選択される)
のものである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0068】
が、以下の式
【化9】
(式中、R10、R11およびR12は本明細書に定義されている通りである)
のものである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0069】
が、以下の式
【化10】
(式中、R10、R11およびR12は本明細書に定義されている通りである)
のものである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0070】
が、以下の式
【化11】
(式中、R10およびR11は本明細書に定義されている通りである)
のものである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0071】
が、以下の式
【化12】
(式中、Yは電子求引基、例えばハロであり、Yは水素または1つ以上のアリール置換基、例えば限定されないが、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシなどである)
のものである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。式における二重結合は、全てもしくは実質的に全て(E)、全てもしくは実質的に全て(Z)、またはそれらの混合物であってもよいことは理解されるべきである。式における二重結合は、全てまたは実質的に全て(E)である、前述の項のいずれか1つに記載の方法。Rが、以下の式
【化13】
(式中、Yは本明細書に定義されている通りである)
のものである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。別の実施形態において、Yは水素ではない。
【0072】
nが1であり、α-炭素が(S)もしくは(R)の立体化学であるか、またはエピマー混合物である、前述の項のいずれか1つに記載の方法。nが1であり、α-炭素の立体化学が(R)である、前述の項のいずれか1つに記載の方法。nが2であり、α-炭素の立体化学が(S)である、前述の項のいずれか1つに記載の方法。nが1であり、Qが酸素であり、α-炭素の立体化学が(R)である、前述の項のいずれか1つに記載の方法。nが1であり、Qが硫黄であり、α-炭素の立体化学が(S)である、前述の項のいずれか1つに記載の方法。A=A’、およびn=0である場合を除いて、式(I)および(II)の化合物はα-炭素においてキラルであることは理解される。
【0073】
5’’が置換されていてもよいアリール(C-Cアルキル)である、前述の項のいずれか1つに記載の方法。R5’’が置換されていてもよいアリール(C-Cアルキル)である、前述の項のいずれか1つに記載の方法。R5’’が置換されていてもよいベンジルである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。R5’’が置換されていてもよいアルキルである、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0074】
少なくとも1つの化合物がSRX228(実施例233)である、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0075】
少なくとも1つの化合物がSRX246(実施例224)である、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0076】
少なくとも1つの化合物がSRX251(実施例225)である、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0077】
少なくとも1つの化合物がSRX296(実施例232E)である、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0078】
少なくとも1つの化合物がSRX576(実施例266)である、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0079】
投与する工程が、単回または複数回形態で、合計約160~約700mgの上記の項のいずれか1つに記載の1つ以上の化合物の一日総用量を含む、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0080】
投与する工程が、単回または複数回形態で、合計約160~約500mgの上記の項のいずれか1つに記載の1つ以上の化合物の一日総用量を含む、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0081】
投与する工程が、単回または複数回形態で、合計約160~約400mgの上記の項のいずれか1つに記載の1つ以上の化合物の一日総用量を含む、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0082】
投与する工程が、単回または複数回形態で、合計約160~約320mgの上記の項のいずれか1つに記載の1つ以上の化合物の一日総用量を含む、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0083】
投与する工程が、単回または複数回形態で、合計約160~約240mgの上記の項のいずれか1つに記載の1つ以上の化合物の一日総用量を含む、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0084】
投与する工程が、1日1回の投薬プロトコルを含む、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0085】
投与する工程が、1日2回の投薬プロトコルを含む、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0086】
投与する工程が、持続放出投薬プロトコルを含む、前述の項のいずれか1つに記載の方法。
【0087】
宿主動物におけるHD、ADまたはPDなどの神経変性疾患または障害を治療するように適合された、または治療できる医薬組成物であって、その組成物は、上述の項のいずれか1つに記載の1つ以上の化合物と、任意に1つ以上の担体、希釈剤もしくはアジュバント、またはそれらの組み合わせとを含む。
【0088】
宿主動物におけるHD、ADまたはPDなどの神経変性疾患または障害を治療するように適合された、または治療できる単位用量または単位剤形であって、その組成物は、上述の項のいずれか1つに記載の1つ以上の化合物と、任意に1つ以上の担体、希釈剤もしくはアジュバント、またはそれらの組み合わせとを含む。
【0089】
前述の項のいずれか1つに記載の単位用量または単位剤形は、単回または分割形態において、合計約80~約350mgの上記の項のいずれか1つに記載の1つ以上の化合物を含む。
【0090】
前述の項のいずれか1つに記載の単位用量または単位剤形は、単回または分割形態において、合計約80~約250mgの上記の項のいずれか1つに記載の1つ以上の化合物を含む。
【0091】
前述の項のいずれか1つに記載の単位用量または単位剤形は、単回または分割形態において、合計約80~約200mgの上記の項のいずれか1つに記載の1つ以上の化合物を含む。
【0092】
前述の項のいずれか1つに記載の単位用量または単位剤形は、単回または分割形態において、合計約80~約160mgの上記の項のいずれか1つに記載の1つ以上の化合物を含む。
【0093】
前述の項のいずれか1つに記載の単位用量または単位剤形は、単回または分割形態において、合計約80~約120mgの上記の項のいずれか1つに記載の1つ以上の化合物を含む。
【0094】
経口投与のために適合された前述の項のいずれか1つに記載の単位用量または単位剤形。
【0095】
持続放出のために適合された前述の項のいずれか1つに記載の単位用量または単位剤形。
【0096】
式(I)の上記の項の各々および本明細書に記載される実施形態の各々において、A、A’、Y、Y、n、R、R、R、R、Rなどの各々の種々の属、亜属、および種は、限定されずに組み合わされてもよく、したがって、本発明の各々のそのようなさらなる実施形態はそれに関して組み合わせにより記載されることは、理解されるべきである。式(II)の上記の項の各々および本明細書に記載される実施形態の各々において、A、Q、Y、Y、n、R、R、R、R、R、R5’’などの各々の種々の属、亜属、および種は、限定されずに組み合わされてもよく、したがって、本発明の各々のそのようなさらなる実施形態はそれに関して組み合わせにより記載されることもまた理解されるべきである。例えば、前述の項のいずれか1つに記載の方法において、式(I)の化合物は以下のように記載される。
(a)Aは、式
【化14】
であり、式中、R、RおよびRArは、本明細書に定義されている通りであり、nは1であり、
(b)nは1であり、Rは水素であり、
(c)Aは、式
【化15】
であり、式中、R、RおよびRArは、本明細書に定義されている通りであり、nは1であり、Rは水素であり、
(d)RおよびRの両方は水素であり、
(e)RおよびRの両方は水素であり、Rは式
【化16】
であり、式中、R10、R11、およびR12は本明細書に定義されている通りであり、
(f)Aは、式
【化17】
であり、式中、R、R、およびRArは本明細書に定義されている通りであり、nは1であり、RおよびRの両方は水素であり、Rは式
【化18】
であり、式中、R10およびR11は本明細書に定義されている通りであり、
(g)Aは、式
【化19】
であり、式中、R、R、およびRArは本明細書に定義されている通りであり、nは1であり、RおよびRの両方は水素であり、A’は、式
【化20】
である、などである。
【0097】
本明細書に記載される例示的な項および実施形態において、Aおよび/またはA’はキラル中心を含んでもよく、光学的に純粋な鏡像異性体のいずれも本明細書に記載される化合物に含まれてもよく、あるいはラセミ体が使用されてもよいことは理解される。例えば、以下の鏡像異性体:(R)-1-(3-メトキシフェニル)エチルアミン、(R)-1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチルアミン、(R)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフチルアミン、(R)-1-インダニルアミン、(R)-α,N-ジメチルベンジルアミン、(R)-α-メチルベンジルアミン、(S)-1-(3-メトキシフェニル)エチルアミン、(S)-1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチルアミン、(S)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフチルアミン、(S)-1-インダニルアミン、および(S)-α-メチルベンジルアミンなどのいずれかまたは両方が、本明細書に記載される化合物に含まれてもよい。
【0098】
理論によって束縛されずに、本明細書において、AVPおよび関連ペプチドは脊椎動物における化学シグナルのファミリーを表し、社会的行動および感情の制御において重要な機能を果たすと考えられる。AVPは全ての哺乳動物の視床下部内のニューロンで合成される。それは正中隆起において神経末端から放出され、下垂体に輸送され、そこでそれは副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の放出を向上させ、最終的に下垂体AVP受容体にてその作用を介して循環中のストレスホルモンのレベルを向上させる。下垂体において神経末端から、AVPはまた、一般的な血液の流れに入り、それは心臓および血管に作用して心臓の機能および腎臓に影響を与えて尿量を減少させる。AVPニューロンおよび神経線維はまた、脳の辺縁系全体にわたって見出されている。AVPは、中枢神経系および特定の末梢組織/部位における特定のGタンパク質共役受容体(GPCR)との結合によってその生理的および行動的影響を与える。3つの異なるAVP受容体サブタイプV1a、V1bおよびV2が識別されている。V1aは辺縁系および皮質において見出されている主要なAVP受容体であり、V1b受容体は辺縁系および下垂体に位置しているが、それはV1aより分布は少ない。V2受容体は腎臓に局在化しており、それはバソプレシンの抗利尿作用を媒介する。本明細書において、V2は成体動物または成人の神経系において発現されないと一般に考えられている。
【0099】
別の実施形態において、本明細書に記載される化合物はV1a AVP受容体を選択的に活性化する。別の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、V1a AVP受容体を選択的に活性化し、AVP受容体のV1bおよび/またはV2サブタイプなどの他のAVP受容体をほとんど活性しないか、実質的にほとんど活性化せず、および/または不活性化する。別の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、V1bおよび/またはV2受容体と比べてV1a受容体に対して10倍選択的である。別の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、V1bおよび/またはV2受容体と比べてV1a受容体に対して100倍選択的である。別の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、V1bおよび/またはV2b受容体と比べてV1a受容体に対して1000倍選択的である。別の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、V1bおよび/またはV2b受容体と比べてV1a受容体に対して10,000倍選択的である。
【0100】
別の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、血液脳関門(BBB)を交差し、高いCNS透過性を示す。別の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、神経変性障害を治療するための脳内の有効な用量レベルを示す。別の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、神経変性障害を治療する際の臨床効果に必要なものの血漿中濃度、またはそれより多い血漿中濃度を示す。別の実施形態において、本明細書に記載される化合物は1日当たり2回(b.i.d.)の投薬と一致する薬物動態を示す。別の実施形態において、本明細書に記載される化合物は1日当たり1回(q.d.)の投薬と一致する薬物動態を示す。本明細書において、b.i.d.およびq.d.の両方の投薬は患者のコンプライアンスを改善するのに重要な特徴であり得、全体的に向上した臨床効果を導くと理解される。別の実施形態において、本明細書に記載される化合物は胃および血液中で代謝的に安定である。別の実施形態において、本明細書に記載される化合物は、神経変性障害の治療と一致するインビボおよびインビトロの両方において心臓血管の安全性プロファイルを示す。別の実施形態において、本明細書に記載される化合物はインビボで呼吸安全性を示す。
【0101】
別の実施形態において、本明細書に記載される化合物、ならびにそれらを含有する医薬組成物および医薬は、経口投与を用いることを含んで、高い血漿中濃度および高い脳中濃度を示す。別の実施形態において、本明細書に記載される化合物、ならびにそれらを含有する医薬組成物および医薬は、経口投与を用いることを含んで、血液脳関門(BBB)を交差できる。別の実施形態において、本明細書に記載される化合物、ならびにそれらを含有する医薬組成物および医薬は、他の所定のGPCR、または限定されないが、神経伝達物質関連受容体、ステロイド受容体、イオンチャネル、セカンドメッセンジャー受容体、プロスタグランジン受容体、成長因子およびホルモン受容体、他の脳および胃腸管ペプチド受容体、他の酵素などを含む他の所定の受容体と有意にまたは競合的に結合せずに高いCNSバイオアベイラビリティおよび高い親和性を示す。一態様において、本明細書に記載される化合物、ならびにそれらを含有する医薬組成物および医薬は、35個のGPCR(Novascreenパネル)を含み、神経伝達物質関連受容体、ステロイド受容体、イオンチャネル、セカンドメッセンジャー受容体、プロスタグランジン受容体、成長因子受容体、ホルモン受容体、脳/消化管ペプチド(バソプレシン1を含まない)、および酵素を含む、64個の受容体の標準的なパネルに対して100nMにて不活性または実質的に不活性である。
【0102】
別の実施形態において、本明細書に記載される化合物、ならびにそれらを含有する医薬組成物および医薬は文脈に応じて特定の有益な効果を有する(例えば、Ferris & Potegal Physiology and Behavior、44:235-239(1988)を参照のこと)。例えば、別の実施形態において、本明細書に記載される化合物、ならびにそれらを含有する医薬組成物および医薬は、精神神経障害を調節するのに効果的であるが、性行動にほとんど影響を与えないか、または全く影響を与えない。
【0103】
本明細書に記載される上記の項の各々および実施形態の各々において、式は、化合物の全ての薬学的に許容可能な塩だけでなく、化合物の式の任意および全ての水和物および/または溶媒和物も含み、それらを表すことが理解される。ヒドロキシ、アミノおよび同様の基などの特定の官能基は、化合物の種々の物理的形態において、水および/または種々の溶媒との複合体および/または配位化合物を形成することは理解される。したがって、上記の式は、薬学的に許容可能な溶媒和物を含む、このような水和物および/または溶媒和物の描写であることは理解される。
【0104】
本明細書に記載される項および実施形態の各々において、式は、個々に、ならびに任意および全ての可能な混合物の両方で、各々の可能な異性体、例えば立体異性体および幾何異性体を含み、それらを表すこともまた、理解される。上記の各々および以下の実施形態の各々において、また、式は、化合物の任意および全ての結晶形態、部分的結晶形態、ならびに非結晶および/または非晶形態を含み、それらを表すことが理解される。
【0105】
本明細書に使用される場合、「溶媒和物」という用語は、溶媒分子と複合体化される本明細書に記載される化合物を指す。本明細書に記載される化合物は、化合物を溶媒と単に混合することによって、または化合物を溶媒に溶解することによって溶媒とのそのような複合体を形成し得ると理解される。化合物が薬剤として使用される場合、そのような溶媒は薬学的に許容可能な溶媒であると理解される。化合物が薬剤として使用される場合、溶媒和物を形成する溶媒の相対量は、そのような薬剤用途のために確立されたガイドラインより少なくすべき(例えば医薬品規制調和国際会議(International Conference on Harmonization(ICH)ガイドライン未満)であることはさらに理解される。溶媒和物は、蒸発、沈殿および/または結晶化によって過剰な溶媒から単離されてもよいことは理解されるべきである。いくつかの実施形態において溶媒和物は非晶質であり、他の実施形態において溶媒和物は結晶である。
【0106】
本明細書に記載される化合物は1つ以上のキラル中心を含有してもよいか、またはそうでなければ複数の立体異性体として存在できる。一実施形態において、本明細書に記載される発明は任意の特定の立体化学要件に限定されず、化合物、ならびにそれらを含む組成物、方法、使用および医薬は光学的に純粋であり得るか、またはラセミ体および鏡像異性体の他の混合物、ジアステレオマーの他の混合物などを含む種々の立体異性体混合物のいずれかであってもよいことは理解されるべきである。また、このような立体異性体の混合物は、1つ以上の他のキラル中心において立体化学配置の混合物を含みながら、1つ以上のキラル中心において単一の立体化学配置を含んでもよいことは理解されるべきである。
【0107】
同様に、本明細書に記載される化合物は、cis、trans、E、およびZ二重結合などの幾何学的中心を含んでもよい。別の実施形態において、本明細書に記載される発明は任意の特定の幾何異性体要件に限定されず、化合物ならびにそれらを含む組成物、方法、使用および医薬は純粋であってもよいか、または種々の幾何異性体混合物のいずれかであってもよいことは理解されるべきである。幾何異性体のこのような混合物は、1つ以上の他の二重結合において幾何形状の混合物を含みながら、1つ以上の二重結合において単一の構造を含んでもよいことは理解されるべきである。
【0108】
本明細書に使用される場合、「アルキル」という用語は、分枝されていてもよい、炭素原子の鎖を含む。本明細書に使用される場合、「アルケニル」および「アルキニル」という用語の各々は、分枝されていてもよい、炭素原子の鎖を含み、それぞれ少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む。アルキニルもまた、1つ以上の二重結合を含み得ることは理解されるべきである。さらに、特定の実施形態において、アルキルは、有益には、限定された長さであり、C-C24、C-C12、C-C、C-CおよびC-C、ならびにC-C24、C-C12、C-C、C-CおよびC-Cなどを含むことは理解されるべきである。実例として、C-C、C-CおよびC-C、ならびにC-C、C-CおよびC-Cなどを含むこのような特定の限定された長さのアルキル基は低級アルキルと称される場合がある。さらに、特定の実施形態において、アルケニルおよび/またはアルキニルの各々は、有益には、C-C24、C-C12、C-C、C-CおよびC-CならびにC-C24、C-C12、C-C、C-CおよびC-Cなどを含む、限定された長さであってもよいことは理解されるべきである。実例として、C-C、C-CおよびC-CならびにC-C、C-CおよびC-Cなどを含む、このような特定の限定された長さのアルケニルおよび/またはアルキニル基は、低級アルケニルおよび/またはアルキニルと称される場合がある。本明細書において、より短いアルキル、アルケニル、および/またはアルキニル基は化合物に低い親油性を付加し得るので、異なる薬物動態挙動を有することは理解される。本明細書に記載される発明の実施形態において、各場合、アルキルの記述は本明細書に定義されているアルキル、および任意に低級アルキルを指すことが理解されるべきである。本明細書に記載される発明の実施形態において、各場合、アルケニルの記述は本明細書に定義されているアルケニル、および任意に低級アルケニルを指すことが理解されるべきである。本明細書に記載される発明の実施形態において、各場合、アルキニルの記述は本明細書に定義されているアルキニル、および任意に低級アルキニルを指すことが理解されるべきである。例示として、アルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなど、ならびに1つ以上の二重および/または三重結合を含有する対応する基、またはそれらの組み合わせである。
【0109】
本明細書で使用される場合、「アルキレン」という用語は、分枝されていてもよい、炭素原子の二価の鎖を含む。本明細書に使用される場合、「アルケニレン」および「アルキニレン」という用語は、分枝されていてもよい、炭素原子の二価の鎖を含み、それぞれ少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む。アルキニレンはまた、1つ以上の二重結合を含んでもよいことは理解されるべきである。さらに、特定の実施形態において、アルキレンは有益には、C-C24、C-C12、C-C、C-CおよびC-C、ならびにC-C24、C-C12、C-C、C-CおよびC-Cなどを含む、限定された長さであることが理解されるべきである。例示として、C-C、C-CおよびC-C、ならびにC-C、C-CおよびC-Cなどを含む、このような特定の限定された長さのアルキレン基は低級アルキレンと称される場合がある。さらに、特定の実施形態において、アルケニレンおよび/またはアルキニレンの各々は、有益には、C-C24、C-C12、C-C、C-CおよびC-C、ならびにC-C24、C-C12、C-C、C-CおよびC-Cなどを含む、限定された長さであってもよいことは理解されるべきである。例示として、C-C、C-CおよびC-C、ならびにC-C、C-CおよびC-Cなどを含む、このような特定の限定された長さのアルケニレンおよび/またはアルキニレン基は、低級アルケニレンおよび/またはアルキニレンと称される場合がある。本明細書において、より短いアルキレン、アルケニレン、および/またはアルキニレン基は、低い親油性を化合物に付加し得るので、異なる薬物動態挙動を有することは理解される。本明細書に記載される発明の実施形態において、各場合、アルキレン、アルケニレンおよびアルキニレンの記述は、本明細書に定義されるアルキレン、アルケニレンおよびアルキニレン、ならびに任意に低級アルキレン、アルケニレンおよびアルキニレンを指すことが理解されるべきである。例示として、アルキル基は、限定されないが、メチレン、エチレン、n-プロピレン、イソプロピレン、n-ブチレン、イソブチレン、sec-ブチレン、ペンチレン、1,2-ペンチレン、1,3-ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレンなどである。
【0110】
本明細書に使用される場合、「シクロアルキル」という用語は、分枝されていてもよい、炭素原子の鎖を含み、鎖の少なくとも一部は環状である。シクロアルキルアルキルはシクロアルキルのサブセットであることが理解されるべきである。シクロアルキルは多環であってもよいことが理解されるべきである。例示として、シクロアルキルとしては、限定されないが、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2-メチルシクロプロピル、シクロペンチルエト-2-イル、アダマンチルなどが挙げられる。本明細書で使用される場合、「シクロアルケニル」という用語は、分枝されていてもよい、少なくとも1つの二重結合を含む炭素原子の鎖を含み、鎖の少なくとも一部は環状である。1つ以上の二重結合はシクロアルケニルの環状部分および/またはシクロアルケニルの非環状部分にあってもよいことが理解されるべきである。シクロアルケニルアルキルおよびシクロアルキルアルケニルの各々はシクロアルケニルのサブセットであることが理解されるべきである。シクロアルキルは多環であってもよいことが理解されるべきである。例示的なシクロアルケニルとしては、限定されないが、シクロペンテニル、シクロヘキシルエテン-2-イル、シクロヘプテニルプロペニルなどが挙げられる。さらに、シクロアルキルおよび/またはシクロアルケニルを形成する鎖は有益には、C-C24、C-C12、C-C、C-CおよびC-Cを含む、限定された長さであることが理解されるべきである。本明細書において、シクロアルキルおよび/またはシクロアルケニルを形成する、より短いアルキルおよび/またはアルケニル鎖はそれぞれ化合物に低い親油性を付加し得るので、異なる薬物動態挙動を有することが理解される。
【0111】
本明細書に使用される場合、「ヘテロアルキル」という用語は、炭素および少なくとも1つのヘテロ原子の両方を含み、分枝されていてもよい、原子の鎖を含む。例示的なヘテロ原子としては、窒素、酸素および硫黄が挙げられる。特定の変形例において、例示的なヘテロ原子はまた、リンおよびセレンも含む。本明細書に使用される場合、ヘテロシクリルおよび複素環を含む「シクロへテロアルキル」という用語は、ヘテロアルキルなどの、炭素および少なくとも1つのヘテロ原子の両方を含み、分枝されていてもよい、原子の鎖を含み、鎖の少なくとも一部が環状である。例示的なヘテロ原子としては、窒素、酸素および硫黄が挙げられる。特定の変形例において、例示的なヘテロ原子はまた、リンおよびセレンも含む。例示的なシクロヘテロアルキルとしては、限定されないが、テトラヒドロフリル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、キヌクリジニルなどが挙げられる。
【0112】
本明細書に使用される場合、「アリール」という用語は、単環および多環芳香族炭素環式基を含み、それらの各々は置換されていてもよい。本明細書に記載される例示的な芳香族炭素環式基としては、限定されないが、フェニル、ナフチルなどが挙げられる。本明細書に使用される場合、「ヘテロアリール」という用語は、芳香族複素環式基を含み、それらの各々は置換されていてもよい。例示的な芳香族複素環式基としては、限定されないが、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、テトラジニル、キノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズイソチアゾリルなどが挙げられる。
【0113】
本明細書に使用される場合、「アミノ」という用語は、基NH、アルキルアミノ、およびジアルキルアミノを含み、ジアルキルアミノにおける2つのアルキル基は同じであっても、異なっていてもよい。すなわち、アルキルアルキルアミノである。例示として、アミノとしては、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノなどが挙げられる。さらに、例えばアミノアルキルまたはアシルアミノなどの、アミノが別の用語を修飾しているか、または別の用語によって修飾されている場合、アミノという用語の上記の変形がそれらに含まれることは理解されるべきである。例示として、アミノアルキルとしては、HN-アルキル、メチルアミノアルキル、エチルアミノアルキル、ジメチルアミノアルキル、メチルエチルアミノアルキルなどが挙げられる。例示として、アシルアミノとしては、アシルメチルアミノ、アシルエチルアミノなどが挙げられる。
【0114】
本明細書に使用される場合、「アミノおよびその誘導体」という用語は、本明細書に記載されるアミノ、およびアルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、ヘテロアルケニルアミノ、ヘテロアルキニルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルケニルアミノ、シクロヘテロアルキルアミノ、シクロヘテロアルケニルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アリールアルケニルアミノ、アリールアルキニルアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールアルキルアミノ、ヘテロアリールアルケニルアミノ、ヘテロアリールアルキニルアミノ、アシルアミノなどを含み、それらの各々は置換されていてもよい。「アミノ誘導体」という用語はまた、尿素、カルバメートなども含む。
【0115】
本明細書に使用される場合、「ヒドロキシおよびその誘導体」という用語は、OH、およびアルキルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、ヘテロアルケニルオキシ、ヘテロアルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、シクロアルケニルオキシ、シクロへテロアルキルオキシ、シクロヘテロアルケニルオキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールアルケニルオキシ、アリールアルキニルオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルキルオキシ、ヘテロアリールアルケニルオキシ、ヘテロアリールアルキニルオキシ、アシルオキシなどを含み、それらの各々は置換されていてもよい。「ヒドロキシ誘導体」という用語はまた、カルバメートなども含む。
【0116】
本明細書に使用される場合、「チオおよびその誘導体という用語」は、SH、およびアルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、ヘテロアルキルチオ、ヘテロアルケニルチオ、ヘテロアルキニルチオ、シクロアルキルチオ、シクロアルケニルチオ、シクロヘテロアルキルチオ、シクロへテロアルケニルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アリールアルケニルチオ、アリールアルキニルチオ、ヘテロアリールチオ、ヘテロアリールアルキルチオ、ヘテロアリールアルケニルチオ、ヘテロアリールアルキニルチオ、アシルチオなどを含み、それらの各々は置換されていてもよい。「チオ誘導体」という用語はまた、チオカルバメートなども含む。
【0117】
本明細書に使用される場合、「アシル」という用語は、ホルミル、およびアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、ヘテロアルキルカルボニル、ヘテロアルケニルカルボニル、ヘテロアルキニルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、シクロアルケニルカルボニル、シクロヘテロアルキルカルボニル、シクロヘテロアルケニルカルボニル、アリールカルボニル、アリールアルキルカルボニル、アリールアルケニルカルボニル、アリールアルキニルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールアルキルカルボニル、ヘテロアリールアルケニルカルボニル、ヘテロアリールアルキニルカルボニル、アシルカルボニルなどを含み、それらの各々は置換されていてもよい。
【0118】
本明細書に使用される場合、「カルボニルおよびその誘導体」という用語は、基C(O)、C(S)、C(NH)およびその置換アミノ誘導体を含む。
【0119】
本明細書に使用される場合、「カルボン酸およびその誘導体」という用語は、基COHおよびその塩、ならびにそのエステルおよびアミド、ならびにCNを含む。
【0120】
本明細書に使用される場合、「スルフィン酸またはその誘導体」という用語は、SOHおよびその塩、ならびにそのエステルおよびアミドを含む。
【0121】
本明細書に使用される場合、「スルホン酸またはその誘導体」という用語は、SOHおよびその塩、ならびにそのエステルおよびアミドを含む。
【0122】
本明細書に使用される場合、「スルホニル」という用語は、アルキルスルホニル、アルケニルスルホニル、アルキニルスルホニル、ヘテロアルキルスルホニル、ヘテロアルケニルスルホニル、ヘテロアルキニルスルホニル、シクロアルキルスルホニル、シクロアルケニルスルホニル、シクロヘテロアルキルスルホニル、シクロヘテロアルケニルスルホニル、アリールスルホニル、アリールアルキルスルホニル、アリールアルケニルスルホニル、アリールアルキニルスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、ヘテロアリールアルキルスルホニル、ヘテロアリールアルケニルスルホニル、ヘテロアリールアルキニルスルホニル、アシルスルホニルなどを含み、それらの各々は置換されていてもよい。
【0123】
本明細書に使用される場合、「ヒドロキシルアミノおよびその誘導体」という用語は、NHOH、およびアルキルオキシルNH、アルケニルオキシルNH、アルキニルオキシルNH、ヘテロアルキルオキシルNH、ヘテロアルケニルオキシルNH、ヘテロアルキニルオキシルNH、シクロアルキルオキシルNH、シクロアルケニルオキシルNH、シクロヘテロアルキルオキシルNH、シクロヘテロアルケニルオキシルNH、アリールオキシルNH、アリールアルキルオキシルNH、アリールアルケニルオキシルNH、アリールアルキニルオキシルNH、ヘテロアリールオキシルNH、ヘテロアリールアルキルオキシルNH、ヘテロアリールアルケニルオキシルNH、ヘテロアリールアルキニルオキシルNH、アシルオキシなどを含み、それらの各々は置換されていてもよい。
【0124】
本明細書で使用される場合、「ヒドラジノおよびその誘導体」という用語は、アルキルNHNH、アルケニルNHNH、アルキニルNHNH、ヘテロアルキルNHNH、ヘテロアルケニルNHNH、ヘテロアルキニルNHNH、シクロアルキルNHNH、シクロアルケニルNHNH、シクロヘテロアルキルNHNH、シクロヘテロアルケニルNHNH、アリールNHNH、アリールアルキルNHNH、アリールアルケニルNHNH、アリールアルキニルNHNH、ヘテロアリールNHNH、ヘテロアリールアルキルNHNH、ヘテロアリールアルケニルNHNH、ヘテロアリールアルキニルNHNH、アシルNHNHなどを含み、それらの各々は置換されていてもよい。
【0125】
「置換されていてもよい」という用語には本明細書で使用される場合、置換されていてもよいラジカル上で水素原子を他の官能基で置き換えることが含まれる。そのような他の官能基には例示的に、これらに限定されないが、アミノ、ヒドロキシル、ハロ、チオール、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ニトロ、スルホン酸およびそれらの誘導体、カルボン酸およびその誘導体などが含まれる。例示的には、アミノ、ヒドロキシル、チオール、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキルおよび/またはスルホン酸はいずれも、置換されていてもよい。
【0126】
本明細書で使用される場合、「置換されていてもよいアリール」および「置換されていてもよいヘテロアリール」という用語には、置換されてもよいアリールまたはヘテロアリール上の水素原子を他の官能基で置き換えることが含まれる。そのような他の官能基には例示的に、これらに限定されないが、アミノ、ヒドロキシ、ハロ、チオ、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ニトロ、スルホン酸およびそれらの誘導体、カルボン酸およびその誘導体などが含まれる。例示的には、アミノ、ヒドロキシ、チオ、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキルおよび/またはスルホン酸はいずれも、置換されていてもよい。
【0127】
例示的な置換基には、これらに限定されないが、ラジカル-(CHが含まれる(ここで、xは0~6の整数であり、Zは、ハロゲン、ヒドロキシ、アルカノイルオキシ(C-Cアルカノイルオキシを含む)、置換されていてもよいアロイルオキシ、アルキル(C-Cアルキルを含む)、アルコキシ(C-Cアルコキシを含む)、シクロアルキル(C-Cシクロアルキルを含む)、シクロアルコキシ(C-Cシクロアルコキシを含む)、アルケニル(C-Cアルケニルを含む)、アルキニル(C-Cアルキニルを含む)、ハロアルキル(C-Cハロアルキルを含む)、ハロアルコキシ(C-Cハロアルコキシを含む)、ハロシクロアルキル(C-Cハロシクロアルキルを含む)、ハロシクロアルコキシ(C-Cハロシクロアルコキシを含む)、アミノ、C-Cアルキルアミノ、(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノ、アルキルカルボニルアミノ、N-(C-Cアルキル)アルキルカルボニルアミノ、アミノアルキル、C-Cアルキルアミノアルキル、(C-Cアルキル)(C-Cアルキル)アミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、N-(C-Cアルキル)アルキルカルボニルアミノアルキル、シアノおよびニトロから選択されるか;またはZは、-COおよび-CONRから選択され、ここでR、RおよびRは各々独立に各々の出現において、水素、C-Cアルキル、アリール-C-Cアルキルおよびヘテロアリール-C-Cアルキルから選択される)。
【0128】
「プロドラッグ」という用語は本明細書で使用される場合一般に、生物系に投与されると、1つ以上の自発的な化学反応、酵素によって触媒される化学反応および/もしくは代謝性化学反応、またはそれらの組合せの結果として、生物学的に活性な化合物を生じる任意の化合物を指す。インビボでは、プロドラッグは典型的には酵素(エステラーゼ、アミダーゼ、ホスファターゼなど)、単純な生物学的化学または他のプロセスによる作用をインビボで受けて、より薬理学的に活性な薬物を遊離または再生させる。この活性化は、プロドラッグの投与前に、その後に、またはその間にホストに投与される内生ホスト酵素または非内生酵素の作用を介して生じ得る。プロドラッグ使用に関するさらなる詳細は、米国特許第5,627,165号に記載されている。標的の送達、安全性、安定性などの目的に達したらすぐに、プロドラッグが元の薬物に変換されて、続いて、プロドラッグを形成していた、放出された基の残りの部分が後で迅速に排出されることが有利であることが認められる。
【0129】
本明細書に記載されている化合物から、インビボで最終的に切断される基をその化合物に存在する-OH-、-SH、-COH、-NRなどの1個以上の官能基と結合させることによって、プロドラッグは調製することができる。例示的なプロドラッグには、これらに限定されないが、カルボキシレートエステル(基はアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アシルオキシアルキル、アルコキシカルボニルオキシアルキルである)、さらにヒドロキシル、チオールおよびアミンのエステル(結合している基は、アシル基、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ホスフェートまたはスルフェートである)。活性エステルとも称される例示的なエステルには、これらに限定されないが、1-インダニル、N-オキシスクシンイミド;アセトキシメチル、ピバロイルオキシメチル、β-アセトキシエチル、β-ピバロイルオキシエチル、1-(シクロヘキシルカルボニルオキシ)プロパ-1-イル、(1-アミノエチル)カルボニルオキシメチルなどのアシルオキシアルキル基;エトキシカルボニルオキシメチル、α-エトキシカルボニルオキシエチル、β-エトキシカルボニルオキシエチルなどのアルコキシカルボニルオキシアルキル基;ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノメチル、ジエチルアミノエチルなどのジ低級アルキルアミノアルキル基を含むジアルキルアミノアルキル基;2-(イソブトキシカルボニル)ペンタ-2-エニル、2-(エトキシカルボニル)ブタ-2-エニルなどの2-(アルコキシカルボニル)-2-アルケニル基;およびフタリジル、ジメトキシフタリジルなどのラクトン基が含まれる。
【0130】
さらに例示的なプロドラッグは、本明細書に記載されている化合物の溶解性および/または安定性を高めるように機能するアミドまたはリン基などの化学的部分を含有する。アミノ基のためのさらに例示的なプロドラッグには、これらに限定されないが、(C-C20)アルカノイル;ハロ-(C-C20)アルカノイル;(C-C20)アルケノイル;(C-C)シクロアルカノイル;(C-C)-シクロアルキル(C-C16)アルカノイル;非置換アロイルか、またはハロゲン、シアノ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、(C-C)アルキルおよび(C-C)アルコキシ(それらの各々は1種または複数の1から3個のハロゲン原子でさらに置換されていてもよい)からなる群から選択される1から3個の置換基によって置換されているアロイルなどの置換されていてもよいアロイル;非置換か、またはハロゲン、(C-C)アルキルおよび(C-C)アルコキシ(それらの各々は1から3個のハロゲン原子でさらに置換されていてもよい)からなる群から選択される1から3個の置換基によって置換されているアリールまたはヘテロアリールラジカルなどの置換されていてもよいアリール(C-C16)アルカノイルおよび置換されていてもよいヘテロアリール(C-C16)アルカノイル;ならびに非置換か、またはハロゲン、シアノ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、(C-C)アルキルおよび(C-C)アルコキシ(それらの各々は1から3個のハロゲン原子でさらに置換されていてもよい)からなる群から選択される1から3個の置換基によって置換されているヘテロアリールラジカルなどの、O、SおよびNから選択される1から3個のヘテロ原子をヘテロアリール部分に、かつ2から10個の炭素原子をアルカノイル部分に有する置換されていてもよいヘテロアリールアルカノイルが含まれる。例示されている基は例であって、排他的ではなく、かつ慣用のプロセスによって調製することができる。
【0131】
プロドラッグ自体は、有意な生物学的活性を有さなくてもよいが、代わりに、インビボで投与された後に、1つ以上の自発的な化学反応、酵素によって触媒される化学反応および/もしくは代謝性化学反応、またはそれらの組合せを受けて、生物学的に活性であるか、または生物学的に活性な化合物の前駆体である本明細書に記載されている化合物をもたらし得ることは理解される。しかしながら、場合によっては、プロドラッグが生物学的に活性であることが認められる。また、プロドラッグは多くの場合に、経口バイオアベイラビリティ、薬力学的半減期などの改善を介して、薬物の効力または安全性を改善するのに役立ち得ることが認められる。プロドラッグはまた、望ましくない薬物特性を単純にマスキングするか、または薬物送達を改善する基を含む本明細書に記載されている化合物の誘導体も指す。例えば、1つ以上の本明細書に記載されている化合物は、低い経口薬物吸収、部位特異性の欠如、化学的不安定性、毒性および低い患者許容(味、匂いの悪さ、注射部位の疼痛など)などの、臨床的薬物用途において薬理学的、医薬的または薬物動態的に障壁と成り得るブロックまたは最小化される望ましくない特性を示すことがある。本明細書では、プロドラッグまたは可逆性の誘導体を使用する他の戦略は、薬物の臨床的用途を最適化する際に有用であり得ることが認められる。
【0132】
本明細書で使用される場合、「脱離基」という用語は、求核試薬が原子上の求電子部位に付加され得るように結合される、原子上に求電子部位を生成する反応性官能基を指す。例示的脱離基としては、限定されないが、ハロゲン、置換されていてもよいフェノール、アシルオキシ基、スルホンオキシ基などが挙げられる。このような脱離基は、アルキル、アシルなどであってもよいことが理解されるべきである。このような脱離基は、本明細書において、脱離基がアシル上に存在する場合など、活性化基とも称される場合がある。さらに、限定されないが、PyBop、BOP-Cl、BOP、ペンタフルオロフェノール、イソブチルクロロホルメートなどの従来のペプチド、アミドおよびエステルカップリング剤が、カルボニル基上の本明細書に定義する脱離基を含む、様々な中間体を形成する。
【0133】
本明細書に開示される全ての場合において、可変部のための整数の範囲の記述は、記述された範囲の全ての個々のメンバーおよび可変部のための全ての可能な部分範囲を記載することは理解されるべきである。例えば、nが0~8の整数であるという記述は、範囲、0、1、2、3、4、5、6、7および8の個々の値およびnが0、またはnが1、またはnが2であるなどの選択し得る値を記載する。さらに、nが0~8の整数であるという記述は、nが1~8、1~7、1~6、2~8、2~7、1~3、2~4の整数であるといったような、さらなる実施態様に基づいてよい、各およびすべての部分範囲も記載する。
【0134】
本明細書で使用される場合、化学反応を参照している場合、「処理すること」、「接触させること」または「反応させること」という用語は一般に、化学変換または化学反応を可能にする適切な条件下で2つ以上の試薬を付加または混合して、示したおよび/または所望の生成物を発生させ、および/または生成することを意味する。示したおよび/または所望の生成物を生成する反応は最初に付加される2つの試薬の組み合わせから必ずしも直接生じなくてもよいことは理解されるべきである。つまり、示したおよび/または所望の生成物の形成を最終的に導く混合物中に生成される1つ以上の中間体が存在してもよい。
【0135】
本明細書で使用される場合、「組成物」という用語は一般に、規定の成分を規定の量で含む任意の製品、さらに、規定の成分を規定の量で組み合わせることによって直接的に、または間接的に生じる任意の製品を指す。本明細書に記載されている組成物は、単離された本明細書に記載されている化合物から、または本明細書に記載されている化合物の塩、溶液、水和物、溶媒和物および他の形態から調製することができることは理解されるべきである。組成物は、本明細書に記載されている化合物の様々な非晶質、非-非晶質、部分結晶質、結晶質および/または他の形態学的形態から調製することができることもまた理解されるべきである。組成物は、本明細書に記載されている化合物の様々な水和物および/または溶媒和物から調製することができることもまた理解されるべきである。したがって、本明細書に記載されている化合物を挙げているそのような医薬組成物は、本明細書に記載されている化合物の様々な形態学的形態および/または溶媒和物または水和物形態のそれぞれまたは任意の組み合わせを含むと理解されるべきである。さらに、組成物は本明細書に記載されている化合物の種々の共結晶から調製することができることは理解されるべきである。
【0136】
例示的には、組成物は、1つ以上の担体、希釈剤および/または賦形剤を含んでもよい。本明細書に記載されている化合物またはそれらを含有する組成物を、治療的有効量で、本明細書に記載されている方法に適した任意の慣用の剤形で製剤化することができる。本明細書に記載されている化合物またはそのような製剤を含む、それらを含有する組成物は、公知の手順を利用して、本明細書に記載されている方法のための幅広い様々な慣用の経路によって、かつ幅広い様々な剤形で投与することができる(一般には、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(第21版、2005年)を参照のこと)。
【0137】
「治療有効量」という用語は本明細書で使用される場合、研究者、獣医師、医者または他の臨床家が求めている、治療される疾患または障害の症状の緩和が含まれる組織系、動物またはヒトにおける生物学的または医学的応答を誘発する活性な化合物または薬剤の量を指す。一態様において、治療有効量は、疾患または疾患の症状を任意の医学的治療に許容される合理的なベネフィット/リスク比で治療または緩和し得る量である。しかしながら、本明細書に記載されている化合物および組成物の全一日使用量は、適正な医学的判断の範囲内で担当医師が決定し得ることは理解されるべきである。任意の特定の患者についての特定の治療的に有効な用量レベルは、治療される障害および障害の重症度;使用される特定の化合物の活性;使用される特定の組成物;患者の年齢、体重、全身健康、性別および食事:使用される特定の化合物の投与時間、投与経路および排泄速度;治療期間;使用される特定の化合物と併用して、または同時に使用される薬物;ならびに通常の技能の研究者、獣医師、医師または他の臨床家に周知の同様の要因を含む様々な要因に依存する。
【0138】
単剤療法であるか、または併用療法であるかに関わらず、治療有効量が、いずれかの毒性、または本明細書に記載されている1つ以上の化合物の投与中に起こる可能性があるその他の望ましくない副作用に関して有益に選択されることも理解される。さらに、本明細書に記載されている共療法(co-therapies)が、このような毒性またはその他の望ましくない副作用を示す化合物を、より低い用量で投与することを可能にし得ることが理解される。ここで、より低い用量とは、毒性の閾値以下の量、または共療法を行わない場合に投与される治療量窓よりも低い量である。
【0139】
本明細書に記載される例示的投与量および投与プロトコルに加えて、本明細書に記載される化合物のいずれか1つまたは混合物の有効量は、公知技術の使用により、および/または類似の状況下で得られた結果を観察することにより、担当する診断医または医師によって容易に決定され得ることが理解されるべきである。有効量または投与量の決定において、これらに限定されないが、ヒトを含む哺乳動物の種、その大きさ、年齢および全体的な健康、関与している特定の疾患または障害、疾患または障害の程度もしくは関与もしくは重症度、個々の患者の応答、投与される特定の化合物、投与様式、投与される製剤のバイオアベイラビリティ特性、選択された投与計画、併用薬の使用、およびその他の関連する環境などの多くの要因が担当の診断医または医師によって考慮される。
【0140】
主張される組合せの化合物の各々の投与量は、投与方法、治療される状態、治療または予防される状態の重症度、ならびに治療される患者の年齢、体重および健康などのいくつかの要因によって決まる。さらに、特定の患者についての薬理ゲノム学的(治療の薬物動態、薬力学または効力プロファイルにおける遺伝子型の効果)情報は、使用する投薬に影響を及ぼし得る。
【0141】
本明細書に記載されている方法では、同時投与または併用の個々の成分が、任意の適切な手段によって、同時期に、同時に、連続的に、別々に、または単一の医薬製剤として、投与され得ることが理解されるべきである。同時投与化合物または組成物が、別々の投与剤形で投与される場合、各化合物についての1日当りに投与される投薬回数は同じであっても、異なっていてもよい。化合物または組成物は同じもしくは異なる投与経路を介して投与されてもよい。化合物または組成物は、同時に分割または単一剤形で、治療法の過程中、同じもしくは異なる投与回数で、同時または交互の投薬計画に従って投与されてもよい。
【0142】
本明細書で用いる場合、「投与すること」という用語は、宿主動物に、本明細書に記載されている化合物および組成物を導入するすべての手段を含み、経口(po)、静脈内(iv)、筋肉内(im)、皮下(sc)、経皮、吸入、口腔内、眼内、舌下、膣内、直腸などが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載されている化合物および組成物は、従来の非毒性の薬学的に許容可能な担体、補助剤およびビヒクルなどを含有する単位投与剤形および/または製剤で投与することができる。
【0143】
本明細書に記載されている化合物の医薬組成物の製造において、本明細書に記載されている様々な形態のいずれかにおける治療有効量の1つ以上の化合物は、1つ以上の賦形剤と混合されてもよく、1つ以上の賦形剤で希釈されてもよく、あるいはカプセル、小袋(サシェ)、紙または他の容器の形態であり得る担体などに封入されてもよい。賦形剤は、希釈剤として作用してもよく、固体、半固体または液体材料であってもよく、有効成分のためのビヒクル、担体または媒体として作用する。したがって、製剤組成物は、錠剤、丸剤、粉末剤、ロゼンジ、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁液剤、乳液剤、液剤、シロップ剤、エアロゾル剤(固体として、または液体媒体中で)、軟膏剤、軟質および硬質ゼラチンカプセル剤、座剤、滅菌注射液および滅菌包装粉末であってもよい。組成物は、選択された用量および剤形に応じて、約0.1%~約99.9%の範囲の有効成分を含んでもよい。
【0144】
「アンタゴニスト」という用語は、本明細書で使用される場合、完全または部分アンタゴニストを指す。任意の内因活性の部分アンタゴニストが有用な場合があるが、この部分アンタゴニストは例示的に、少なくとも約50%のアンタゴニスト効果、または少なくとも約80%のアンタゴニスト効果を示す。この用語はまた、1つ以上のバソプレシン受容体に対する完全アンタゴニストである化合物も含む。本明細書に記載されている例示的な方法は、バソプレシン受容体アンタゴニストの治療有効量を必要とすることが認められ、したがって、1つ以上のバソプレシン受容体で部分的な拮抗作用を示す化合物は、バソプレシンまたはバソプレシンアゴニストの効果を阻害するのに十分なアンタゴニスト活性を示す高用量で投与することができる。
【0145】
本明細書に記載されている1つ以上の化合物を使用して神経変性疾患の1つ以上の作用を治療または改善するための本明細書に記載されている化合物、組成物および方法の効果的使用は、疾患のマウス、イヌ、ブタ、および非ヒト霊長類動物モデルなどの動物モデルに基づき得る。例えば、ヒトにおける神経変性疾患は、機能の喪失、および/または症状の発症によって特徴付けられ得、それらの各々はマウスなどの動物、および他の代用試験動物において誘発され得ることは理解される。特に、本明細書に記載されているマウスモデルを、本明細書に記載されている治療方法および医薬組成物を評価するために使用して、本明細書に記載されている治療有効量を決定できる。
【0146】
本明細書に引用されている各公報は参照により本明細書に援用される。
【0147】
以下の実施例は本発明の特定の実施形態をさらに例示するが、以下の例示的な実施例は本発明を限定するものと決して解釈されるべきではない。
【実施例
【0148】
方法の実施例
実施例.ヒトバソプレシンV1a受容体結合アッセイ。CHO細胞においてヒトV1a受容体を発現する細胞系(後記ではhV1a細胞系と称する)は、Dr.Michael Brownstein、NIMH、Bethesda、MD、米国から入手した。hV1aのcDNA配列は、Thibonnierら、Journal of Biological Chemistry、269、3304~3310(1994)に記載されており、その発現方法は、Morelら(1992)が記載したのと同じであった。hV1a細胞系を、10%のウシ胎児血清および250μg/mlのG418(Gibco、Grand Island、NY、米国)を含むα-MEM中で増殖させた。競合結合アッセイのために、hV1a細胞を、集密培養のフラスコから1:10希釈で6ウェル培養プレートに蒔き、少なくとも2日間培養物中で維持した。次いで、培地を除去して、細胞を結合緩衝液2ml(25mMのHepes、0.25%のBSA、1×DMEM、PH=7.0)で洗浄した。各ウェルに、1nMの3H-AVPを含有する結合緩衝液990μlを添加し、続いてDMSO中に溶解させた連続希釈された実施例化合物10μlを添加した。全てのインキュベーションを三重に行い、用量-阻害曲線は、総結合量(DMSO)およびIC50を包含する試験物質の5つの濃度(0.1、1.0、10、100および1000nM)から構成された。100nMの冷AVP(Sigma)を用いて、非特異的な結合を評価した。細胞を37℃で45分間インキュベートし、アッセイ混合物を除去し、かつ各ウェルをPBS(pH=7.4)で3回洗浄した。1ウェルあたり2%SDS1mlを添加し、プレートを30分間静置させた。ウェル中の全内容物を、シンチレーションバイアルに移した。各ウェルをPBS0.5mlですすぎ、次いで、これを対応するバイアルに添加した。次いで、シンチレーション液(Ecoscint、National Diagnostics、Atlanta、Georgia)を、1バイアル当たり3mlで添加した。試料を、液体シンチレーションカウンター(Beckman LS3801)中でカウントした。IC50値を、Prism Curveフィッティングソフトウェアによって計算した。
【0149】
DMSO中に溶解させた、前述の実施例において例示されたアルカン二酸エステルおよびアミドの全てを、このアッセイで試験した。結合曲線は、Thibonnierら(1994)が記載した方法に従って生成した。[H]-AVPをhV1a細胞培養物に添加し、続いて10倍希釈の各試験化合物を添加した。全ての活性化合物は、用量依存性の競合結合曲線を示し、IC50およびK値は、ヒトV1a受容体を発現するCHO細胞(hV1a細胞系)においてV1a受容体に対する高親和性結合の特徴を示した。例えば実施例225は、用量依存性の競合結合曲線を示し、IC50値(1.86~2.13nM)およびK値(1.14~1.30nM)を示した。
【0150】
例示的な化合物での結合親和性(IC50)および阻害定数(K)を次の表に示す。
【0151】
【表1-1】
【0152】
【表1-2】
【0153】
【表1-3】
【0154】
実施例.ヒトバソプレシンV1b受容体発現細胞。ヒトのバソプレシン受容体1b(hV1b)cDNA(Lolaitら、「Extrapituitary expression of the rat V1b vasopressin receptor gene」、Proc.Natl.Acad.Sci.米国.92:6783-7(1995);de Keyerら、「Cloning and characterization of the human V3(VIb) pituitary vasopressin receptor」、FEBS Lett.356:215-20(1994);Sugimotoら、「Molecular cloning and functional expression of a cDNA encoding the human V1b vasopressin receptor」、J.Biol.Chem.269:27088-92(1994)を参照されたい)を、哺乳動物細胞発現ベクターPCI-neo(Progmega)中にEcoR1部位で挿入した。hV1b cDNAを担持する組み換えプラスミドを、形質転換E.coliクローンにおいて同定し、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO-K1、ATCC)へのトランスフェクションに用いた。Fugene-6介在トランスフェクション技術(Boehringer Mannheim)を用いて、2マイクログラムのhV1b受容体DNAを、6ウェルプレートで培養されている10個のCHO細胞に導入した。トランスフェクションの24時間後、培養液に補足されたG-418(0.25mg/ml)の選択の下に細胞を培養した。3日後、限定希釈を実施して、96ウェルプレートで単一細胞クローンを得た。2週間の増殖期間の後、モノクローンを、2組の12ウェルプレートに拡張した。集密細胞層が得られたら、1組のウェルを、トリチウム標識アルギニン-バソプレシンに対するその結合能力に関してアッセイした(NEN)。スクリーニングされた60個のクローンの内、初めに9個の陽性クローンが同定され、最高のAVP結合度を示したクローンを、hV1b親和性スクリーニングのための恒久細胞系統として保存した。
【0155】
実施例.ヒトまたはラットのバソプレシンV1b細胞をベースとする受容体結合アッセイ。V1b細胞系(ヒトまたはラットのV1b受容体を発現する細胞)を75cmフラスコにおいて、10%のウシ胎児血清および250μg/mlのG418(Gibco、Grand Island、NY)を補足されたα-MEM培養液中で増殖させた。競合結合アッセイのために、製造者のプロトコルに従って、酵素無添加のPBSをベースとする細胞解離液(Specialty Media、Philipursburg、NJ)によってhV1b細胞を解離した。細胞を、18プレートに対して1フラスコの割合で(割合は集密度に従って調整すべき)12ウェル培養プレートに蒔き、培養を2~3日間維持した。次いで、培地を除去し、室温で、結合緩衝液2ml(25mMのHepes、0.25%のBSA、1×DMEM、pH=7.0)で細胞を1回洗浄した。各ウェルに、1nMのH-AVPを含有する結合緩衝液990μlを加え、続いて、DMSOに全て溶解させた連続希釈試験化合物10μlまたは冷却AVPを添加した。全てのインキュベーションを三重に行い、かつ用量-阻害曲線は、総結合量(DMSOのみ)および5つの濃度(0.1、1.0、10、100および1000nm)の試験物質または冷却AVPから構成され、その際、IC50を含んだ。細胞を、加湿インキュベータにおいて37℃で30分間インキュベートした。次に、アッセイ混合物を取り除き、各ウェルを、PBS(pH=7.4)で3回洗浄した。洗浄後、1ウェル当たり2%のSDS1mlを加え、プレートを室温で15分間静置させた。溶解細胞が確実に解離するようにプレートを穏やかに叩いた。ウェル中の内容物全体をシンチレーションバイアルに移した。次いで、各ウェルをPBS0.5mlですすぎ、対応するバイアルに加えた。次いで、シンチレーション液(Ecoscint、National Diagnostics、Atlanta、Georgia)を1バイアル当たり3mlで加えた。試料を、液体シンチレーションカウンター(Beckman LS3801)でカウントした。Prism Curveフィッティングソフトウェアを用いて、IC50およびKi値を計算した。先行する表に示されている例示的な化合物は、100nM超または1000nM超の結合定数を示す。例示的な阻害データ(Ki、nM)を次の表で、選択された実施例化合物について示す。
【0156】
【表2】
【0157】
実施例.ホスファチジルイノシトール代謝回転の阻害(V1a)。バソプレシンの生理学的作用は、特定のGタンパク質共役受容体を介して媒介される。バソプレシンV1a受容体は、Gタンパク質のG/G11ファミリーと結合して、ホスファチジルイノシトールの代謝回転を媒介する。本発明の化合物のアゴニストまたはアンタゴニストの特徴は、以下の段落に記載された手順によって、ホスファチジルイノシトールのバソプレシン媒介性の代謝回転を阻害するその能力によって決定することができる。例示的な化合物である実施例35、44、88、110および133の化合物をこのアッセイで試験したところ、それらがバソプレシンV1aアンタゴニストであることが見出された。
【0158】
実施例.バソプレシンV1b媒介性ホスファチジルイノシトール代謝回転の阻害、アンタゴニスト活性のための機能性アッセイ。バソプレシンの生理学的作用は、特異的Gタンパク質共役受容体を介して媒介される。バソプレシンV1b受容体は、Gタンパク質に結合し、これはcAMPに結合する。本明細書に記載されている化合物のアゴニストまたはアンタゴニストの特徴は、以下の段落に記載された手順を含む、慣用の方法を使用することによって、ホスファチジルイノシトールのバソプレシン媒介性の代謝回転を阻害するその能力によって決定することができる。
【0159】
細胞培養および細胞の標識。アッセイの3日前に、hV1aまたはhV1b細胞のほぼ集密な培養物を解離して、6ウェル組織培養プレートに播種したが、その際、各75cmのフラスコから約100のウェルに播種した(12:1の分割比に等価)。各ウェルは増殖培地1mLを、2μCiの[H]ミオイノシトール(American Radiolabeled Chemicals、St.Louis、MO、米国)と共に含有した。
【0160】
ヒトまたはラットV1b受容体を発現する細胞を、10%のウシ胎児血清および0.25mg/mlのG418を含有するアルファ改変最小必須培地中で増殖させる。アッセイの3日前に、ほぼ集密な培養物を解離して、6ウェル組織培養プレートに播種したが、その際、各75cmのフラスコから約100のウェルに播種した(12:1の分割比に等価)。各ウェルは増殖培地1mLを、2μCiの[H]ミオイノシトール(American Radiolabeled Chemicals、St.Louis、MO、米国)と共に含有する。
【0161】
インキュベーション(V1aおよびV1b)。全てのアッセイを、ベースおよび10nMのAVP(両方ともn=6)を除いて、三重に行った。AVP((アルギニンバソプレシン)、Peninsula Labs、Belmont、CA、米国(#8103))を0.1Nの酢酸に溶解させた。試験物質をDMSOに溶解し、DMSO中で200倍の最終試験濃度まで希釈した。試験物質およびAVP(または対応する体積のDMSO)を別々に、DMSO中の5μLとして、アッセイ緩衝液1mL(Tyrode平衡塩溶液、50mMのグルコース、10mMのLiCl、15mMのHEPES pH7.4、10μMのホスホラミドンおよび100μMのバシトラシンを含有)を含有する12×75mmのガラス試験管に添加した。インキュベーションの順番を無作為化した。前標識培地を取り除き、0.9%NaCl1mLで単層を1回洗浄し、対応するウェルにアッセイ管の内容物を移すことによって、インキュベーションを開始した。そのプレートを37℃で1時間インキュベートした。インキュベーション培地を除去し、氷冷5%(w/v)トリクロロ酢酸500μLを添加し、このウェルを15分間静置させることによってインキュベーションを終わらせた。
【0162】
H]イノシトールリン酸塩の測定(V1aおよびV1b)。BioRad Poly-Prep Econo-Columnsに、樹脂由来のAG 1 X-8 100-200ギ酸0.3mLを充填した。樹脂を水と1:1で混合し、かつ0.6mLを各カラムに添加した。次いでカラムを水10mLで洗浄した。シンチレーションバイアル(20mL)を各々のカラムの下に置いた。各ウェルについて、内容物をミニカラムに移し、その後にウェルを蒸留水0.5mLで洗浄し、それもミニカラムに添加した。次いで、カラムを5mMのミオイノシトール5mLで2回洗浄して遊離のイノシトールを溶出した。アリコート(1mL)を20mLのシンチレーションバイアルに移して、Beckman Ready Protein Plus10mLを添加した。ミオイノシトール洗浄が完了した後に、空のシンチレーションバイアルをカラムの下に置き、[H]イノシトールリン酸塩を、0.1Nのギ酸を含有する0.5Mのギ酸アンモニウム1mLを3回添加することで溶出した。溶出条件を最適化して、イノシトール一リン酸塩、二リン酸塩および三リン酸塩を、より代謝的に不活性な四-、五-および六-リン酸塩を溶出することなく、回収した。各試料に、高塩容量のシンチレーション液10mL、例えばTru-Count High Salt CapacityまたはPackard Hionic-Fluorを添加した。各ウェルに2%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)1mLを添加し、そのウェルを少なくとも30分間静置させ、その溶液を20mLのシンチレーションバイアルに移し、次いで、そこにBeckman Ready Protein Plusシンチレーション液10mLを添加することによって、イノシトール脂質を測定した。試料を、Beckman LS 3801液体シンチレーションカウンターで10分間カウントした。各ウェルについての総イノシトール取り込みを、遊離のイノシトール、イノシトールリン酸塩およびイノシトール脂質の合計として計算した。
【0163】
データ分析(V1aおよびV1b):濃度阻害実験。AVPについての濃度応答曲線および試験物質対10nMのAVPについての濃度阻害曲線を、4パラメーターのロジスティック関数への非線形最小二乗曲線フィッティングによって分析した。最適なフィッティングを得るために、ベースの、および最大のイノシトールリン酸塩についてのパラメーター、EC50またはIC50およびヒル係数のパラメーターを変動させた。この曲線フィッティングは、標準偏差は放射能のdmpに比例するという仮定のもとで重み付けした。AVPについての完全な濃度応答曲線を各実験で描いた。同じ実験のAVPについてのEC50に基づきCheng-Prusoff式を適用することによって、IC50値を、シグナル伝達分子IP3の産生におけるAVPに対するアンタゴニスト活性を反映しているK値に変換した。イノシトールリン酸塩は、総イノシトール取り込みの10dpmあたりのdpmとして表した。
【0164】
データ分析(V1aおよびV1b):競合実験。試験物質のV1a競合性について試験するための実験は、2つ以上の濃度の試験物質の存在下および不在下におけるAVPについての濃度応答曲線から構成された。試験物質によるV1b競合性について試験するための実験は、少なくとも5つの濃度の試験物質の存在下および不在下におけるAVPについての濃度応答曲線から構成された。データを以下の競合ロジスティック方程式に当てはめた
【数1】
[式中、Yは、イノシトールリン酸塩のdpmであり、Bはベースのイノシトールリン酸塩の濃度であり、Mはイノシトールリン酸塩の濃度における最大増加であり、Aは、アゴニスト(AVP)の濃度であり、Eは、アゴニストのEC50であり、Dはアンタゴニスト(試験物質)の濃度であり、KはアンタゴニストのKであり、Qは協同性(ヒル係数)である]。
【0165】
化合物実施例225は、IC50値(2.68nM)およびK値(0.05nM)でAVPの作用の用量依存性の抑制をもたらした。これらの値は、実施例225の高親和性結合およびヒトV1a受容体を介してのイノシトール脂質合成のその阻害と一致する。
【0166】
実施例.HD脳におけるAVPR1A発現。驚くべきことに、HD脳におけるAVPR1A発現は正常脳に等価であることが発見された。高品質RNA(Integrity Number>7)は死体解剖後のHD脳由来の大脳皮質試料から調製し、年齢/性別は標準的な方法を使用して死体解剖後の正常脳と一致させた。逆転写(RT)を実施し(12の対照RNA、10のHD RNA)、リアルタイム定量的PCRを製造業者のプロトコルに従って行った。試料は四重で充填し、非鋳型(陰性)およびRTなしの対照を含めた。V1a mRNAの発現レベルはβ-アクチンに正規化した。データ分析はCFX ManagerTM Softwareを使用して実施し、HDおよび対照脳におけるV1a受容体mRNAレベルは同様であることが示された。したがって、HDにおける神経変性は重要な組織および機能の損失を生じるが、バソプレシンシグナル伝達は依然として健常な対照と等価のレベルで機能する。それにも関わらず、神経変性のために、本明細書において、このようなAVPおよびAVPR1aの別様の正常なレベルはHD患者において過剰なシグナル伝達状態を表すと考えられる。
【0167】
実施例.神経変性疾患の神経精神的態様のモデルである、ヒトの脳におけるAVPシグナル伝達調節。本明細書において、AVPR1aの選択的アンタゴニストは、HD、ADおよびPDの神経精神症状の治療において効果的であることが発見されている。SRX228、SRX246、SRX251、SRX296およびSRX576を含む、本明細書に記載されている化合物は、過剰なシグナル伝達状態が神経変性疾患において存在する、脳の領域において治療有効濃度を達成するので、HD、ADおよびPDにおける機能不全を修復するのに効果的である。
【0168】
実施例.神経変性疾患(ND)モデル。試験対象をNDモデル群(例えばn=15)、およびベースライン対照群(例えばn=14)に無作為化する。NDモデル群に無菌水溶液中のアルギニンバソプレシン(IN-AVP)、40IU ピトレシン(Pitressin)(JHP Pharmaceuticals)を鼻腔内投与する。fMRIイメージングの45分前にIN-AVP用量を3mLの鼻腔内噴霧器(MAD300;Wolfe Tory Medical、Salt Lake City)で投与した。ビヒクルのみをベースライン対照群に鼻腔内投与した。全ての試験対象はfMRIイメージングによって評価する。
【0169】
実施例.fMRIイメージング。腹側脳シグナルドロップアウトを最小化するために逆スパイラルイメージングシークエンスを使用してUniversity of Chicago Brain Research Imaging CenterにおいてPhilips Achieva Quasarデュアル16 Channel 3T MRIスキャナによりデータを獲得する。各試験対象を4ブロック(各ブロックは20秒続け、4秒間表した各々の感情的な分類の5つの顔からなる)の各々のよく知られていない感情的な顔の表情(Ekman faces)について評価しながら、血中酸素濃度依存的(BOLD)シグナルを獲得する。分類は以下を含む:怒りの顔、表情のない顔、幸福な顔、および凝視点。ボタンを押すことによって各画像の性別を識別する「暗黙」のタスクを試験対象に与える。8mmのカーネルで空間的に平滑化された予め処理された3mmの画像、ドリフトを除去するようにフィルタ処理されたバンドパスに基づいて統計的パラメーターマップを生成し、過剰な運動および修正された動きについて調べる。各個体からの画像をMontreal Neurological Institute spaceにおいてエコプラナー画像テンプレートにワープさせる。Voxelwise全脳分析を、小容量の修正(p<0.05)で10超の隣接するボクセルのデータ閾値で行い、事前の関心領域(ROI)においてBOLD活性について試験化合物対プラセボの効果を試験する。BOLD差の識別したクラスターのROIを、解剖学的に定義される基礎において平均BOLDシグナル強度のパラメーター推定として抽出し、ANCOVAについてSPSS(IBM;Armont、New York)にエクスポートし、一致しているROIにおいてベースラインパラメーター推定を共変する。事前のROIの抽出したパラメーター推定をまた、対象要因の範囲内で、かつプラセボに対する試験化合物の全ての組み合わせの対象要因と、鼻腔内プラセボに対するIN-AVPとの間で、SPSSにおいてRM-ANOVAで試験する。感情状態(怒りの顔)と種々の感情のない状態(表情のない顔、幸福な顔、凝視点)との間で比較を行う。また、感情状態(表情のない顔)と種々の感情のない状態(幸福な顔、凝視点)との間での比較も行う。
【0170】
ベースライン対象群とNDモデル群の両方における全ての試験対象は、怒りの顔を見せたときにfMRIによって測定した場合、脳の特定の領域において増加したBOLDシグナルを示す。ベースライン対象群とNDモデル群の両方における全ての試験対象は、幸福な顔または凝視点を見せたとき、それらの同じ領域において減少したBOLDシグナルを示す。増加したBOLDシグナルは特に右および左側頭頭頂皮質(TPC)、楔前部、前帯状皮質および内側前頭前皮質、へんとう体、ならびに被殻において観察される。脳のこれらの領域は社会認識および感情処理に関与する。特に、左TPCの活性化は注意力を表し、右TPCの活性化は他の考えおよび動機について考えることに関連する。この領域におけるニューロンはそれらの軸策を前帯状皮質および内側前頭前皮質に送り、そこで実行の決断が、認識されている感情の入力の性質についてなされ、脅威を識別し、決定および適切な応答を行う。過剰なシグナル伝達を表している状況下で、このような実行の機能または決断が損なわれ、不適切な攻撃性行動、興奮性および/または怒りが生じる。
【0171】
前述の精神の理論と一致して、怒りの顔を見せたとき、IN-AVPを受容しているNDモデル群における試験対象は、鼻腔内プラセボを受容しているベースライン対象群と比較して増幅したBOLDシグナルを示す。さらに、NDモデル群における試験対象は、表情のない顔を見せたとき、ベースライン対象群と比較して増加したBOLDシグナルを示し、BOLDシグナルは、表情のない顔、幸福な顔、および凝視点を見せたときは、同様である。表情のない顔を見せたときの増加したBOLDシグナルは、認識されている脅威、ならびに攻撃性行動、興奮性および/または怒りの誘発として表情のない顔によって表される感情的な状態の誤った解釈と一致している。このような感情的な状態の誤った解釈は、HD、ADおよびPDを含む、神経変性疾患における実行機能の制御の損失により観察される。上述は、過剰なバソプレシンシグナル伝達状態が、HD、ADおよびPDなどの神経変性疾患において存在しているという結論を支持している。
【0172】
実施例.バソプレシンアンタゴニストによる神経精神症状治療。鼻腔内プラセボを受容しているベースライン対象群における試験対象の第1の群を試験化合物またはプラセボに無作為化する。IN-AVPを受容しているNDモデル群における試験対象の第2の群を試験化合物またはプラセボに無作為化する。SRX228、SRX246、SRX251、SRX296もしくはSRX576、またはプラセボなどの試験化合物は、fMRI前に5~10日間(平均7.3+/1.3日;最短5日;最大11日)、盲目形式で投与する。あるいは、SRX228、SRX246、SRX251、SRX296もしくはSRX576、またはプラセボなどの試験化合物は、IN-AVPまたは鼻腔内プラセボ投与の後でfMRIの前に盲目形式で投与する。試験化合物に無作為化した全ての対象(n=15)は試験化合物の実証可能なレベルを示し、プラセボに無作為化した全ての対象(n=14)は試験化合物の検出可能なレベルを示さない。例えば、試験化合物は経口カプセル中でプラセボ(n=14)に対してSRX246(n=15;80、120、または160mg po bid)であるか、または試験化合物は経口カプセル中でプラセボ(n=14)に対してSRX251(n=15;80、120、または160mg po bid)である。
【0173】
BOLDシグナルは、怒りの顔を見せたとき、プラセボと比較して試験化合物で前処置した全ての試験対象において顕著に減少している。BOLDシグナルは、怒りの顔を見せたとき、プラセボと比較して試験化合物で処置後の全ての試験対象において顕著に減少している。BOLDシグナルは、表情のない顔を見せたとき、プラセボと比較して試験化合物で前処置したIN-AVPを受容しているNDモデル試験対象において顕著に減少している。BOLDシグナルは、表情のない顔を見せたとき、プラセボと比較して試験化合物で治療後のIN-AVPを受容しているNDモデル試験対象において顕著に減少している。
【0174】
図1は、IN-AVPを受容しているNDモデル群におけるSRX246による前処置後の側頭頭頂皮質(ブロードマン領域39)におけるBOLDシグナルの減少の高解像度構造テンプレートを示す。プラセボと比較して、SRX246による前処置は、IN-AVP後、凝視点に対して怒りの顔を見せたとき、側頭頭頂皮質(ブロードマン領域39)(T統計値を示している白色領域を遮断する)およびへんとう体においてBOLD活性化シグナルを顕著に減少させる(p<0.001、10超の隣接するボクセル)。グレースケールのバーはT統計値を示し、この領域内で観測された活性の変化はII型エラーの局所補正で存在していた(Family Wise Error(FEW)はp=.017を補正した;T(1,27)=4.59)。
【0175】
プラセボと比較して、SRX246による前処置は、IN-AVP後、幸福な顔に対して怒りの顔を見せたとき、側頭頭頂皮質(ブロードマン領域39)およびへんとう体においてBOLD活性化シグナルを顕著に減少させる(p<0.05、10超の隣接するボクセル)(データは示さず)。
【0176】
図2は、IN-AVPを受容しているNDモデル群においてSRX246による前処置後、前帯状皮質および内側前頭前皮質においてBOLDシグナルの減少の高解像度構造テンプレートを示す。プラセボと比較して、SRX246による前処置は、IN-AVP後、凝視点に対して怒りの顔を見せたとき、内側前頭前皮質においてBOLD活性化シグナルを顕著に減少させ(p<0.005、10超の隣接するボクセル)、前帯状皮質および内側上部前頭前皮質(T統計値を示している白色領域を遮断する)において怒りの顔に対する皮質反応性を顕著に軽減させた。グレースケールのバーはT統計値を示し、この領域内の観測された活性の変化はII型エラーの局所補正で存在していた(FEWはp=.015を補正した;T(1,27)=4.66)。
【0177】
プラセボと比較して、SRX246による処置後、IN-AVP後、幸福な顔に対して怒りの顔を見せたとき、前帯状皮質および内側前頭前皮質においてBOLD活性化シグナルは顕著に減少する。
【0178】
実施例.ラットにおけるストレスおよび攻撃性の定住体-侵入体モデル。神経画像診断を使用して、対照と比較して試験化合物を用いた場合のストレス/覚醒のブロックを評価する。意識のあるラットで画像診断法を使用して、機能性回路に対するAVN251-HClの作用を試験した。アッセイについての追加的な詳細は、Ferrisら、Imaging the neural circuitry and chemical control of aggressive motivation.BMC Neuroscience 9:111(2008)に記載されている。AVN251-HClのCNS作用およびAVN251-HClによって生じる分化神経生物学的変化の提示をフルオキセチンと比較する。AVN251-HClは性モチベーションをそのまま残す一方で、フルオキセチンはこの回路の活性化を著しく低下させ、性的衝動およびメスの受容体への応答の減少を生じた。
【0179】
メスのケージメイトと一緒のオスのラットは、メスの侵入体の存在下で起毛する。この起毛は、ストレスおよび攻撃の意図の徴候であり、脳におけるストレス/覚醒回路の活性化を随伴する。オスの侵入体に応答するストレス回路の活性化を、半透明のシェルとして尾/背面透視から見た脳スキャンを得ることによって評価する。活性化ボクセルの位置限定は、各々10の対象から構成される、活性化の3D体積としてマッピングする。完全に登録し、セグメント化してから、各対象についての統計的応答をボクセル×ボクセルベースで平均化する。2.0%閾値を超えるこれらの平均化したボクセルはそれらの適切な空間的位置に示される。機能性画像は4.7Tにて意識のあるラットで獲得する。
【0180】
完全に意識があり、それらのメイトまたはそれらのメイト+侵入体と一緒におり、ストレスの高い刺激下で、6匹のオス/メス対から定住体のオスのラットを画像化する。単回の画像化時間の間、オスを、実施例225(AVN251)(5mg/kg)、実施例224(AVN246)(5mg/kg)の経口投与、またはビヒクルの経口強制投与により処置する。それらのメイトのみ、メイト+侵入体、およびAVN251-HClの存在下でのメイト+侵入体で確認した定住体のオスの脳活性化の全体積を3Dモデルとして可視化する。AVN251-HCl処置(5mg/kg)はこのストレス回路の活性化をブロックする。AVN251-HCl処置による主要領域(これは不適切な行動の原因である)においてBOLDシグナルは全体的に減少する。しかしながら、新規の受容可能なメスの提示によって評価すると、性的動機付けはV1a受容体遮断によって影響を受けない。性的動機付け刺激(エストロゲン-プロゲステロンで刺激したメス)に応答する中間皮質辺縁系(mesocorticolimbic)ドーパミン報酬系の機能はAVN251-HClの存在下で完全なままである。新規のメスを刺激として提示した場合、画像化は異なる脳領域の強力な活性化を示す。さらに、AVN251-HClで処置したオスの定住体は、それらの居住ケージの環境において受容体のメス(エストロゲン/プロゲステロンで処置した卵巣摘出した新規のメス)に対して正常な性行動を示す。特に、SRX251-HClは、主要な嗅覚系、ならびに前辺縁皮質、側坐核、腹側淡蒼球、背内側視床および腹側被蓋野を含む中間皮質辺縁系ドーパミン系における報酬経路におけるBOLDシグナルの最小の変化によって証明されるように、性的動機付けではなく、攻撃性動機付けを選択的にブロックする。対照的に、フルオキセチンによる処置はストレス回路および間皮質辺縁系ドーパミン報酬系の両方において活性化の減少を生じる。
【0181】
実施例.ストレスの遮断を示す特定の脳領域の神経画像。メイトまたはメイト+侵入体を提示したときの意識のあるラットを画像化する。試験セッションの90分前にAVN251(5mg/kg)またはAVN246(5mg/kg)で前処置すると、特に、へんとう体、皮質(側頭頭頂皮質、前帯状皮質および内側前頭前皮質)、海馬および視床を含む、感情的処理および脅威評価に関係している脳の領域においてストレス/覚醒応答が遮断された。同様の結果が、SRX228、SRX246、SRX251、SRX296およびSRX576で観察される。性的動機付けおよび行動は完全なままであった。へんとう体、皮質、海馬および視床を含む、脳の別の領域を評価したが、各々は同様の結果を示した。図3は、メイト+侵入体のストレスパラダイムの間の未処置の対照についてのへんとう体、皮質、海馬および視床についての脳スキャンを示す。図4は、メイト+侵入体ストレスパラダイムの間のSRX251で前処置した動物についてのへんとう体、皮質、海馬および視床についての脳スキャンを示す。各スキャンにおいて、暗く陰を付けた領域はバソプレシン受容体シグナル伝達の活性化を表す。各場合、処置動物(図4)は脳領域の各々において未処置の対照(図3)よりバソプレシン受容体シグナル伝達の低い活性化を示した。
【0182】
実施例.ハムスターでの定住体-侵入体モデル。慣れていないオスのハムスターを、他のオスのハムスターのホームケージに入れて、攻撃的攻撃性を含む十分に規定されたシークエンスの敵対行動を、定住体から誘発する。Harlan Sprague-Dawley Laboratories(Indianapolis、IN)から入手したオスのシリアンゴールデンハムスター(Mesocricetus auratus)(140~150g)をPlexiglasケージ(24cm×24cm×20cm)内で個別に飼育し、逆の明/暗サイクル(明14時間:暗10時間;19:00に点灯)で維持し、かつ食餌および水を自由に摂らせた。動物を試験前に、逆明:暗サイクルに少なくとも2週間順応させる。全ての行動試験を、概日サイクルの暗相の間に行う。
【0183】
行動測定および分析。ハムスターは夜行性であるので、行動試験を、暗相の最初の1時間の間に、暗い赤色照明の下で行う。10分の試験期間にわたって、定住体をストレス、例えば、侵入体を噛むまでの潜伏時間、侵入体との全接触時間、噛んだ全回数および側腹部マーキングに応じてスコアリングする(FerrisおよびPotegal(1988))。側腹部マーキングは、ハムスターがその背をアーチ型にし、かつ環境中の対象に対して、フェロモンを産生する側腹部腺をこすりつける嗅覚コミュニケーションの一形態である(Johnston、R.E.Communication、In:The Hamster Reproduction and Behavior.Ed Siegel、H.I.Plenum Press、New York、pp121-154(1985))。側腹部マーキング頻度は、攻撃的遭遇の間に著しく増大し、かつ闘争を開始し、かつ勝利した優位な動物では特に多い(Ferrisら、Physiology and Behavior、40、661-664(1987))。
【0184】
本明細書に記載されている化合物を、5匹の動物からなる5つの群を使用して、それぞれ広い用量(100ng/kg、10μg/kg、1mg/kg、10mg/kgおよび対照として生理食塩水ビヒクル)にわたって試験する。経口強制投与の90分後に、侵入体をホームケージに入れ、かつ定住体を攻撃性についてスコアリングする。攻撃性試験の後に、動物を開放地パラダイムおよび性的動機付けにおける運動活動についてスクリーニングする。
【0185】
パラメトリックデータ、即ち、潜伏時間および接触時間を一元ANOVAで、続いてNewman-Keuls事後試験で分析する。非パラメトリックデータ、即ち、噛んだ回数および側腹部マーキングは、Kruskal-Wallis試験で、続いてMann-Whitney U試験で分析して、グループ間での差違を決定する。
【0186】
本明細書に記載されている化合物を投与することによって、噛むまでの潜伏時間は長くなり、かつ噛んだ回数は低下したが、このことは、処置された動物におけるより低いストレスレベルを示している。接触時間もまた、長くなり得る。
【0187】
実施例.うつ病のマウス慢性従属モデル。社会的ストレスは、いくつかの精神病理の病因におけるファクターであり、その際、個体は、脆弱性において異なる。成体のオスマウスを、定住/侵入二分子が慢性的に感覚的に接触し、かつ物理的に毎日相互作用して生活する慢性心理社会的ストレスモデルに掛ける。この手順によって慢性的に劣位に置かれる侵入動物は、うつ病およびうつ病関連障害に特徴的な行動を示す。
【0188】
実施例.社会的相互作用試験における抗うつ作用。慢性の社会的服従は、うつ病様の生理学的および行動プロファイルを示す動物を生じさせるための標準的な方法である。マウスにおける迅速な服従パラダイムは、社会的相互作用行動を低下させ、その際、依存的な尺度は、相互作用域での移動距離および時間である。標準的な抗不安薬であるクロルジアゼポキシド(CDP)での28日の処置レジームは、慢性服従によって生じた不足に対する作用を有さなかった。さらなる詳細は、Bertonら Essential role of BDNF in the mesolimbic dopamine pathway in social defeat stress. Science 311(5762):864-8(Feb.10、2006)に記載されている。
【0189】
簡潔には、C57B1/6Jのオスを定住で高度に攻撃性のCF-1のオスに10日間負けさせた。5分の直接的な曝露の後に、多孔性のプラスチック製のパーティションをケージに入れて、それによって、毎日残りの23時間55分間は身体的負けを伴うことなく、嗅覚および視覚的接触を可能にした。C57のオスを毎日、異なるケージ内の種々の定住のオスに曝露して、手順のストレスを高めた(全てのCF-1のオスが毎日、侵入体を攻撃したことが観察された)。10日の負け手順の終了時に、C57のオスを、暗相の間に開放地装置中で試験する。優勢なオスを、「社会的相互作用域」と称される開放地装置の領域でケージに入れた。その域での移動時間および距離を記録した。次いで、C57のオスを次の治療に無作為に分けた:AVN246-HCl(2mg/kg)、生理食塩水ビヒクル(0.45%)またはクロルジアゼポキシド(10mg/kg)。治療を毎日で28日間与え(i.p.)、かつ動物を再試験する。差違スコアを計算することによって行動変化を決定し(試験後-試験前)、これらのスコアを分析する。
【0190】
表に示されているとおり、AVN251-HCl治療は、相互作用域での移動距離および時間の両方を有意に高め、このことは、本明細書に記載されている化合物が、社会的服従後の社会相互作用行動における不足を反転させることを示している。
【0191】
【表3】
(a)CDPおよび生理食塩水の有意差(p<0.05)
【0192】
統計的有意差(p<0.05)が、試験化合物と、未処置の対照(生理食塩水)および陰性対照クロルジアゼポキシド(CDP)の両方との間で観察された。標準的な抗不安薬であるCDPは作用を示さなかった。その結果によって、慢性服従によって誘発される社会的相互作用における不足は、本明細書に記載されている化合物には応答性であるが、抗不安薬には応答性ではないことが確認された。図5に示されるように、AVN246は、同様の結果をもたらすことが観察される。相互作用域における移動距離の統計的有意差(*、p<0.05)を試験化合物と未処置の対照(生理食塩水)および陰性対照であるクロルジアゼポキシド(CDP)との間で観察した。
【0193】
実施例.明/暗シャトルボックスにおける抗不安作用。明/暗シャトルボックスは、試験化合物の抗不安作用のための標準的でよく特徴付けられたアッセイである。ストレスが高いので、ラットは自然に、ボックスの明るい側を回避する。対照と比較して、処置群による明るい側での時間の延長は、抗不安作用を反映している(BourinおよびHascoet、2003)。明/暗シャトルボックスで試験する90分前に、成体のオスのLong EvansラットにAVN251(0.1~2mg/kg)を経口強制投与によって投与した。ビヒクルに対して、AVN251に応答して、不安の用量依存性の低下が観察された。1または2mg/kgのAVN251で処置した後、用量依存的に、試験動物は有意に(**、p<0.01)より長い時間を明るい側で過ごし(図6A)、有意に(**、p<0.01)より短い時間を暗所で過ごし(図6B)、より多い明暗出入り(図6C)を行った。
【0194】
実施例.薬物動態。本明細書に記載されている化合物は経口投与後、急速に吸収される。本明細書に記載されている化合物は血液脳関門を横切り、CNSにおいて治療有効濃度を達成する。本明細書に記載されている化合物は、限定されないが、q.d.、b.i.d.などを含む、広範囲のプロトコルに従って投薬されてもよい。本明細書に記載されている化合物は、限定されないが、q.d.、b.i.d.を含む、種々のプロトコルに従って投薬された場合、CmaxおよびAUCの用量に関連した増加を示す。例えば、b.i.d.投薬は、SRX246に関して1.7倍の蓄積を示し、T1/2を改善した。
【0195】
実施例.一般的合成経路。遠位アミド部位での合成上の変化を可能にする近位アミド手法;近位アミドを初めに設け、続いて平行する合成によって、遠位アミドを多様化させる。
【化21】
【0196】
近位部位での合成上の変化を可能にする遠位アミド手法;遠位アミドを初めに設け、続いて平行する合成によって、近位アミドを多様化させる。
【化22】
【0197】
AVN251の合成を下記に示す。他の化合物を全て、同様の方法で出発物質を適切に選択して調製する。
【化23】
【0198】
本明細書に記載されている化合物を調製するためのさらなる詳細および代替の合成は、その開示の全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第7,119,083号に記載されている。本明細書に記載されている化合物は、米国特許第7,119,083号に記載されている方法に従って製剤化および投与することができる。さらなる詳細は、Guillon,C.D.ら、Azetidinones as vasopressin V1a antagonists. Bioorg Med Chem、15(5):2054~80(2007)に記載されている。
【0199】
化合物実施例
実施例1.(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド。200mLのジクロロメタン中の1.0当量の(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)酢酸(Evans、米国特許第4,665,171号)および1.3当量の塩化オキサリルを触媒量の無水ジメチルホルムアミド(85μL/ミリグラム当量の酢酸誘導体)で処理すると、激しいガスが発生した。45分後、全てのガス発生は停止し、反応混合物を減圧下で濃縮して、真空下で2時間乾燥させた後、オフホワイトの固体として標題生成物を得た。
【0200】
実施例1A.(4(R)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド。実施例1Aを、(4(R)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)酢酸を(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)酢酸の代わりに使用したことを除いて、実施例1の手順に従って調製した(Evans & Sjogren,Tetrahedron Lett.26:3783(1985)を参照のこと)。
【0201】
実施例1B.メチル(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセテート。20mLの無水メタノール中の(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)酢酸(1g、4.52mmol)の溶液(米国特許第4,665,171号におけるEvansに従って調製した)を5当量の塩化アセチルで1時間ごとに合計20当量で処理した。得られた溶液を一晩撹拌した。MeOHの蒸発後に得られた残渣を30mLのCHClに再溶解し、50mLの飽和NaCO水溶液で処理した。有機層を蒸発させ、乾燥させ(MgSO)、無色の油(1.001g、94%)として標題化合物を得た。H NMR(CDCl)δ3.37(d,J==18.0Hz,1H),3.69(s,3H),4.13(t,J=8.3Hz,1H),4.28(d,J=18.0Hz,1H),4.69(t,J=8.8Hz,1H),5.04(t,J=8.4Hz,1H),7.26-7.29(m,2H),7.36-7.42(m,3H)。
【0202】
実施例1C.メチル2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)プロパノエート。10mLの無水THF中のメチル(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセテート(1g、4.25mmol)の溶液を-78℃にてTHF中の4.68mL(4.68mmol)のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドの1M溶液で処理した。反応混合物を約-70℃にて1時間撹拌し、その後、MeI(1.59mL、25.51mmol)を加えた。アゼチジノンの変換の完了時に、反応物を飽和NHCl水溶液でクエンチし、EtOAcと水との間に分配した。有機層を飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液、および飽和NaCl水溶液で連続して洗浄した。得られた有機層を乾燥させ(MgSO)、蒸発させて、白色固体(1.06g、93%)として標題化合物(ジアステレオマーの混合物)を得た。H NMR(CDCl)δ1.07/1.53(d/d,J=7.5Hz,3H),3.59/3.74(s/s,3H),3.85/4.48(q/q,J=7.5Hz,1H),4.10-4.14(m,1H),4.60-4.64/4.65-4.69(m/m,1H),4.88-4.92/4.98-5.02(m/m,1H),7.24-7.40(m,5H)。
【0203】
実施例1D.2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)プロパン酸。35mLのMeOH中のメチル2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)プロパノエート(1g、4.01mmol)の溶液に0℃にて水中の14.3mL(12.04mmol)のLiOHの0.84M溶液を加えた。次いで反応混合物を周囲温度にて3時間撹拌した。アゼチジノンの加水分解の完了時に、MeOHを蒸発により除去し、粗残渣をCHClに溶解し、飽和NaCl水溶液で処理した。得られた有機層を乾燥させ(MgSO)、蒸発させて、白色固体(0.906g、96%)として標題化合物(ラセミ混合物)を得た。H NMR(CDCl)δ1.13/1.57(d/d,J=7.5Hz,3H),3.75/4.50(q/q,J=7.5Hz,1H),4.10-4.16(m,1H),4.62-4.72(m,1H),4.92-5.03(m,1H),7.32-7.43(m,5H)。
【0204】
実施例1E.2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)プロパノイルクロリド。200mLのCHCl(150mL/gのプロパン酸誘導体)中の1当量の実施例1Dおよび1.3当量の塩化オキサリルの溶液を触媒量の無水DMF(85μL/mmolのプロパン酸誘導体)で処理すると、激しいガスが発生した。45分後、全てのガスの発生が停止し、反応混合物を減圧下で濃縮し、真空下での2時間の乾燥後にオフホワイトの固体として標題化合物を得た。
【0205】
実施例2.活性化エステル誘導体からのアミド形成の一般的手順。N-ベンジルオキシカルボニル-L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。20mLの乾燥テトラヒドロフラン中のN-ベンジルオキシカルボニル-L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(1.95g、4.64mmol、Advanced ChemTech)の溶液を0.68mL(4.74mmol)の3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミドで処理した。完了(TLC、60:40のヘキサン/酢酸エチル)すると、混合物を蒸発させ、得られた油をジクロロメタンと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液との間に分配した。有機層を蒸発させて、白色固体として2.23g(定量的収率)の標題化合物を得た。H NMR(CDCl)δ1.39(s,9H),2.61(dd,J=6.5Hz,J=17.2Hz,1H),2.98(dd,J=3.7Hz,J=17.0Hz,1H),4.41(dd,J=5.9Hz,J=15.3Hz,1H),4.50-4.57(m,2H),5.15(s,2H),5.96-5.99(m,1H),6.95(s,1H),7.29-7.34(m,5H),7.39-7.43(m,2H),7.48-7.52(m,2H)。
【0206】
実施例2A~2Cおよび3~5を、N-ベンジルオキシカルボニル-L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-N-ヒドロキシスクシンイミドエステルを適切なアミノ酸誘導体と置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを適切なアミンと置き換えたことを除いて、実施例2の手順に従って調製した。
【0207】
実施例2A.N-ベンジルオキシカルボニル-L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(5.0g、12mmol、Advanced ChemTech)および4-(フェニルエチル)ピペラジン2.27mL(11.9mmol)により、オフホワイトの油として5.89g(定量的収率)の標題化合物を得た。H NMR(CDCl)δ1.40(s,9H),2.45-2.80(m,10H),3.50-3.80(m,4H),4.87-4.91(m,1H),5.08(s,2H),5.62-5.66(m,1H),7.17-7.33(m,10H)。
【0208】
実施例2B.N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸β-t-ブチルエステルα-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(4.83g、11.1mmol、Advanced ChemTech)および3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミン)1.63mL(11.4mmol)により、オフホワイトの固体として5.41g(98%)の標題化合物を得た。H NMR(CDCl)δ1.40(s,9H),1.88-1.99(m,1H),2.03-2.13(m,1H),2.23-2.33(m,1H),2.38-2.47(m,1H),4.19-4.25(s,1H),4.46-4.48(m,2H),5.05-5.08(m,2H),5.67-5.72(m,1H),7.27-7.34(m,5H),7.39-7.43(m,2H),7.48-7.52(m,2H)。
【0209】
実施例2C.N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(5.0g、12mmol、Advanced ChemTech)および4-(フェニルエチル)ピペラジン2.19mL(11.5mmol)により、オフホワイトの油として5.87g(定量的収率)の標題化合物を得た。H NMR(CDCl)δ1.43(s,9H);1.64-1.73(m,1H);1.93-2.01(m,1H);2.23-2.40(m,2H);2.42-2.68(m,6H);2.75-2.85(m,2H);3.61-3.74(m,4H);4.66-4.73(m,1H);5.03-5.12(m,2H);5.69-5.72(m,1H);7.16-7.34(m,10H)。
【0210】
実施例3.N-ベンジルオキシカルボニル-L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(5.0g、12mmol、Advanced ChemTech)および4-(フェニルエチル)ピペラジン2.27mL(11.9mmol)により、オフホワイトの油として5.89g(定量的収率)の標題化合物を得た。H NMR(CDCl)δ1.40(s,9H),2.45-2.80(m,10H),3.50-3.80(m,4H),4.87-4.91(m,1H),5.08(s,2H),5.62-5.66(m,1H),7.17-7.33(m,10H)。
【0211】
実施例4.N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸β-t-ブチルエステルα-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(4.83g、11.1mmol、Advanced ChemTech)および3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミン1.63mL(11.4mmol)により、オフホワイトの固体として5.41g(98%)の標題化合物を得た。H NMR(CDCl)δ1.40(s,9H),1.88-1.99(m,1H),2.03-2.13(m,1H),2.23-2.33(m,1H),2.38-2.47(m,1H),4.19-4.25(s,1H),4.46-4.48(m,2H),5.05-5.08(m,2H),5.67-5.72(m,1H),7.27-7.34(m,5H),7.39-7.43(m,2H),7.48-7.52(m,2H)。
【0212】
実施例5.N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(5.0g、12mmol、Advanced ChemTech)および4-(フェニルエチル)ピペラジン2.19mL(11.5mmol)により、オフホワイトの油として5.87g(定量的収率)の標題化合物を得た。H NMR(CDCl)δ1.43(s,9H);1.64-1.73(m,1H);1.93-2.01(m,1H);2.23-2.40(m,2H);2.42-2.68(m,6H);2.75-2.85(m,2H);3.61-3.74(m,4H);4.66-4.73(m,1H);5.03-5.12(m,2H);5.69-5.72(m,1H);7.16-7.34(m,10H)。
【0213】
実施例5A.N-[(9H-フルオレン-9-イル)メトキシカルボニル]-O-(ベンジル)-D-セリンt-ブチルエステル。ジクロロメタン(8mL)中のN-[(9H-フルオレン-9-イル)メトキシカルボニル]-O-(ベンジル)-D-セリン(0.710g、1.70mmol)を0℃にて密閉フラスコ中のt-ブチルアセテート(3mL)および濃硫酸(40μL)で処理した。完了(TLC)すると、反応物をジクロロメタン(10mL)および飽和炭酸水素カリウム水溶液(15mL)でクエンチした。有機層を蒸留水で洗浄し、蒸発させた。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(98:2のジクロロメタン/メタノール)により精製して、無色の油(0.292g、77%)として標題化合物を得た。H NMR(CDCl)δ1.44(s,9H);3.68(dd,J=2.9Hz,J=9.3Hz,1H);3.87(dd,J=2.9Hz,J=9.3Hz,1H);4.22(t,J=7.1Hz,1H);4.30-4.60(m,5H);5.64-5.67(m,1H);7.25-7.39(m,9H);7.58-7.61(m,2H);7.73-7.76(m,2H)。
【0214】
実施例5B.O-(ベンジル)-D-セリンt-ブチルエステル。ジクロロメタン(5mL)中の実施例5A(0.620g、1.31mmol)をトリス(2-アミノエチル)アミン(2.75mL)で5時間処理した。得られた混合物をリン酸緩衝液(pH=5.5)で2回、飽和炭酸水素カリウム水溶液で1回洗浄し、蒸発させて、オフホワイトの固体として0.329g(定量的収率)の標題化合物を得た。H NMR(CDOD)δ1.44(s,9H);3.48(dd,J=J′=4.2Hz,1H);3.61(dd,J=4.0Hz,J=9.2Hz,1H);3.72(dd,J=4.6Hz,J=9.2Hz,1H);4.47(d,J=12.0Hz,1H);4.55(d,J=12.0Hz,1H);7.26-7.33(m,5H)。
【0215】
実施例6.カルボン酸からのアミド形成のための一般的手順。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。3~4mLのジクロロメタン中の1g(2.93mmol)のN-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物(Novabiochem)の溶液を、0.46mL(3.21mmol)の3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミン、0.44g(3.23mmol)の1-ヒドロキシ-7-ベンゾトリアゾール、および0.62g(3.23mmol)の1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド塩酸塩の連続添加により処理した。周囲温度にて少なくとも12時間後、または薄層クロマトグラフィー(95:5のジクロロメタン/メタノール溶出液)により決定して完了するまで、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および蒸留水で連続して洗浄した。有機層を蒸発させて、オフホワイトの固体として1.41g(定量的収率)の標題化合物を得た。H NMR(CDCl)δ1.39(s,9H);2.61(dd,J=6.5Hz,J=17.2Hz,1H);2.98(dd,J=4.2Hz,J=17.2Hz,1H);4.41(dd,J=5.9Hz,J=15.3Hz,1H);4.50-4.57(m,2H);5.10(s,2H);5.96-6.01(m,1H);6.91-7.00(m,1H);7.30-7.36(m,5H);7.39-7.43(m,2H);7.48-7.52(m,2H)。
【0216】
実施例7~7Hを、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を適切なアミノ酸誘導体と置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを適切なアミンと置き換えたことを除いて、実施例6の手順に従って調製した。
【0217】
実施例7.N-ベンジルオキシカルボニル-D-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-グルタミン酸γ-t-ブチルエステル(1.14g、3.37mmol)および0.53mL(3.70mmol、Novabiochem)の3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンにより、オフホワイトの固体として1.67g(定量的収率)の実施例7を得た。実施例7は割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0218】
実施例7A.N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸α-t-ブチルエステルγ-(4-シクロヘキシル)ピペラジンアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸α-t-ブチルエステル(1.36g、4.03mmol)および0.746g(4.43mmol)の1-シクロヘキシルピペラジンにより、オフホワイトの固体として1.93g(98%)の実施例7Aを得た。H NMR(CDCl)δ1.02-1.12(m,5H);1.43(s,9H),1.60-1.64(m,1H);1.80-1.93(m,5H);2.18-2.52(m,8H);3.38-3.60(m,4H);4.20-4.24(m,1H);5.03-5.13(m,2H);5.53-5.57(m,1H);7.28-7.34(m,5H)。
【0219】
実施例7B.N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物(Novabiochem)(0.25g、0.73mmol)および0.12mLの(2-フルオロ-3-トリフルオロメチル)ベンジルアミンにより、オフホワイトの固体として0.365g(定量的収率)の実施例7Bを得た。H NMR(CDCl)δ1.38(s,9H);2.59(dd,J=6.5Hz,J=17.0Hz,1H);2.95(dd,J=4.3Hz,J=17.0Hz,1H);4.46-4.56(m,3H);5.11(s,2H);5.94-5.96(m,1H);7.15(t,J=8.0Hz,1H);7.30-7.36(m,5H);7.47-7.52(m,2H)。
【0220】
実施例7C.N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[(S)-α-メチルベンジル]アミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物(Novabiochem)(0.25g、0.73mmol)および0.094mLの(S)-α-メチルベンジルアミンにより、オフホワイトの固体として0.281g(90%)の実施例7Cを得た。H NMR(CDCl)δ1.41(s,9H);1.44(d,J=7.0Hz,3H);2.61(dd,J=7.0Hz,J=17.0Hz,1H);2.93(dd,J=4.0Hz,J=17.5Hz,1H);4.50-4.54(m,1H);5.04-5.14(m,3H);5.94-5.96(m,1H);6.76-6.80(m,1H);7.21-7.37(m,10H)。
【0221】
実施例7D.N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[(R)-α-メチルベンジル]アミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物(Novabiochem)(0.25g、0.73mmol)および0.094mLの(R)-α-メチルベンジルアミンにより、オフホワイトの固体として0.281g(90%)の実施例7Dを得た。H NMR(CDCl)δ1.38(s,9H);1.43(d,J=6.9Hz,3H);2.54(dd,J=7.3Hz,J=17.2Hz,1H);2.87(dd,J=4.1Hz,J=17.3Hz,1H);4.46-4.50(m,1H);4.99-5.15(m,3H);5.92-5.96(m,1H);6.78-6.82(m,1H);7.21-7.33(m,10H)。
【0222】
実施例7E.N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸γ-t-ブチルエステルα-[N-メチル-N-(3-トリフルオロメチルベンジル)]アミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸γ-t-ブチルエステル(0.303g、0.89mmol、Novabiochem)および0.168g(0.89mmol)のN-メチル-N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミンにより、オフホワイトの固体として0.287g(65%)の実施例7Eを得た。H NMR(CDCl)δ1.40(s,9H);2.55(dd,J=5.8Hz,J=15.8Hz,1H);2.81(dd,J=7.8Hz,J=15.8Hz,1H);3.10(s,3H);4.25(d,J=15.0Hz,1H);4.80(d,J=15.5Hz,1H);5.01-5.13(m,3H);5.52-5.55(m,1H);7.25-7.52(m,10H)。
【0223】
実施例7F.N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[(S)-1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチル]アミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物(Novabiochem)(84mg、0.25mmol)および47mgの(S)-1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチルアミンにより、オフホワイトの固体として122mg(定量的収率)の実施例7Fを得た。実施例7Fは割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0224】
実施例7G.N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[(R)-1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチル]アミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物(Novabiochem)(150mg、0.44mmol)および83mgの(R)-1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチルアミンにより、オフホワイトの固体として217mg(定量的収率)の実施例7Gを得た。実施例7Gは割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0225】
実施例7H.N-ベンジルオキシカルボニル-D-グルタミン酸α-メチルエステルγ-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-グルタミン酸α-メチルエステル(508mg、1.72mmol)および317mg(1.81mmol)の3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンにより、オフホワイトの固体として662mg(85%)の実施例7Hを得た。実施例7Hは割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0226】
実施例8.ベンジルオキシカルボニルアミンの水素化のための一般的手順。L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。30mLのメタノール中の2.23g(4.64mmol)のN-ベンジルオキシカルボニル-L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミンおよびパラジウム(活性炭素上に5%wt、0.642g)の懸濁液を、薄層クロマトグラフィー(95:5のジクロロメタン/メタノール溶出液)により完全な変換が決定されるまで水素雰囲気下で保持した。反応物を濾過して、パラジウム炭素を除去し、濾液を蒸発させて、油として1.52g(96%)の標題化合物を得た。H NMR(CDCl)δ1.42(s,9H);2.26(brs,2H);2.63-2.71(m,1H);2.82-2.87(m,1H);3.75-3.77(m,1H);4.47-4.50(m,2H);7.41-7.52(m,4H);7.90(brs,1H)。
【0227】
実施例9~13Pを、N-ベンジルオキシカルボニル-L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミドを適切なアミノ酸誘導体と置き換えたことを除いて、実施例8の手順に従って調製した。
【0228】
実施例9.L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド(5.89g、11.9mmol)により、オフホワイトの油として4.24g(98%)の実施例9を得た。H NMR(CDCl):δ1.42(s,9H);2.61-2.95(m,10H);3.60-3.90(m,4H);4.35-4.45(m,1H);7.17-7.29(m,5H)。
【0229】
実施例10.D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド(1.41g、2.93mol)により、オフホワイトの油として0.973g(96%)の実施例10を得た。H NMR(CDCl):δ1.42(s,9H);2.21(brs,2H);2.67(dd,J=7.1Hz,J=16.8Hz,1H);2.84(dd,J=3.6Hz,J=16.7Hz,1H);3.73-3.77(m,1H);4.47-4.50(m,2H);7.41-7.52(m,4H);7.83-7.87(m,1H)。
【0230】
実施例11.L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド(5.41g、10.9mmol)により、オフホワイトの油として3.94g(定量的収率)の実施例11を得た。H NMR(CDCl):δ1.41(s,9H);1.73-1.89(m,3H);2.05-2.16(m,1H);2.32-2.38(m,2H);3.47(dd,J=5.0Hz,J=7.5Hz,1H);4.47-4.49(m,2H);7.36-7.54(m,4H);7.69-7.77(m,1H)。
【0231】
実施例12.L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド(5.86g、11.50mmol)により、オフホワイトの油として4.28g(99%)の実施例12を得た。H NMR(CDCl)δ1.39(s,9H);2.00-2.08(m,1H);2.38-2.46(m,1H);2.55-2.90(m,9H);3.61-3.82(m,4H);4.48-4.56(m,1H);7.17-7.26(m,5H)。
【0232】
実施例13.D-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド(1.667g、3.37mmol)により、オフホワイトの油として1.15g(94%)の実施例13を得た。H NMR(CDCl)δ1.41(s,9H);1.80-2.20(m,4H);2.31-2.40(m,2H);3.51-3.59(m,1H);4.47-4.49(m,2H);7.39-7.52(m,4H);7.71-7.79(m,1H)。
【0233】
実施例13A.L-グルタミン酸α-t-ブチルエステルγ-(4-シクロヘキシル)ピペラジンアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸α-t-ブチルエステルγ-(4-シクロヘキシル)ピペラジンアミド(1.93g、3.96mmol)により、オフホワイトの油として1.30g(93%)の実施例13Aを得た。H NMR(CDCl)δ1.02-1.25(m,5H);1.41(s,9H);1.45-1.50(m,1H);1.56-1.60(m,1H);1.69-1.80(m,6H);3.30(dd,J=4.8Hz,J=8.5Hz,1H);3.44(t,J=9.9Hz,2H);3.56(t,J=9.9Hz,2H)。
【0234】
実施例13B.D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド(0.36g、0.72mmol)により、オフホワイトの油として0.256g(92%)の実施例13Bを得た。H NMR(CDCl)δ1.39(s,9H);2.50(brs,2H);2.74(dd,J=7.0Hz,J=16.5Hz,1H);2.86(dd,J=4.8Hz,J=16.8Hz,1H);3.89(brs,2H);4.47-4.57(m,2H);7.16(t,J=7.8Hz,1H);7.48(t,J=7.3Hz,1H);7.56(t,J=7.3Hz,1H);7.97-8.02(m,1H)。
【0235】
実施例13C.D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[(S)-α-メチル]ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[(S)-α-メチルベンジル]アミド(0.275g、0.65mmol)により、オフホワイトの油として0.17g(90%)の実施例13Cを得た。H NMR(CDCl)δ1.40(s,9H);1.47(d,J=6.9Hz,3H);1.98(brs,2H);2.49(dd,J=7.9Hz,J=17.7Hz,1H);2.83(dd,J=3.6Hz,J=16.7Hz,1H);3.69(brs,1H);4.99-5.10(m,1H);7.19-7.33(m,5H);7.65-7.68(m,1H)。
【0236】
実施例13D.D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[(R)-α-メチルベンジル]アミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[(R)-α-メチルベンジル]アミド(0.273g、0.64mmol)により、オフホワイトの油として0.187g(定量的収率)の実施例13Dを得た。H NMR(CDCl)δ1.38(s,9H);1.46(d,J=6.9Hz,3H);1.79(brs,2H);2.51(dd,J=7.8Hz,J=17.5Hz,1H);2.87(dd,J=3.6Hz,J=16.9Hz,1H);4.19(brs,1H);4.99-5.11(m,1H);7.18-7.34(m,5H);7.86-7.90(m,1H)。
【0237】
実施例13E.D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[N-メチル-N-(3-トリフルオロメチルベンジル)]アミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[N-メチル-N-(3-トリフルオロメチルベンジル)]アミド(0.282g、0.57mmol)により、オフホワイトの油として0.195g(95%)の実施例13Eを得た。実施例13Eは割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0238】
実施例13F.L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド(5.89g、11.9mmol)により、オフホワイトの油として4.24g(98%)の実施例13Fを得た。H NMR(CDCl):δ1.42(s,9H);2.61-2.95(m,10H);3.60-3.90(m,4H);4.35-4.45(m,1H);7.17-7.29(m,5H)。
【0239】
実施例13G.D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド(1.41g、2.93mmol)により、オフホワイトの油として0.973g(96%)の実施例13Gを得た。H NMR(CDCl):δ1.42(s,9H);2.21(brs,2H);2.67(dd,J=7.1Hz,J=16.8Hz,1H);2.84(dd,J=3.6Hz,J=16.7Hz,1H);3.73-3.77(m,1H);4.47-4.50(m,2H);7.41-7.52(m,4H);7.83-7.87(m,1H)。
【0240】
実施例13H.L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド(5.41g、10.9mmol)により、オフホワイトの油として3.94g(定量的収率)の実施例13Hを得た。H NMR(CDCl):δ1.41(s,9H);1.73-1.89(m,3H);2.05-2.16(m,1H);2.32-2.38(m,2H);3.47(dd,J=5.0Hz,J=7.5Hz,1H);4.47-4.49(m,2H);7.36-7.54(m,4H);7.69-7.77(m,1H)。
【0241】
実施例13I.L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド(5.86g、11.50mmol)により、オフホワイトの油として4.28g(99%)の実施例13Iを得た。H NMR(CDCl)δ1.39(s,9H);2.00-2.08(m,1H);2.38-2.46(m,1H);2.55-2.90(m,9H);3.61-3.82(m,4H);4.48-4.56(m,1H);7.17-7.26(m,5H)。
【0242】
実施例13J.D-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド(1.667g、3.37mmol)により、オフホワイトの油として1.15g(94%)の実施例13Jを得た。H NMR(CDCl)δ1.41(s,9H);1.80-2.20(m,4H);2.31-2.40(m,2H);3.51-3.59(m,1H);4.47-4.49(m,2H);7.39-7.52(m,4H);7.71-7.79(m,1H)。
【0243】
実施例13K.L-グルタミン酸α-t-ブチルエステルγ-(4-シクロヘキシル)ピペラジンアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミン酸α-t-ブチルエステルγ-(4-シクロヘキシル)ピペラジンアミド(1.93g、3.96mmol)により、オフホワイトの油として1.30g(93%)の実施例13Kを得た。H NMR(CDCl)δ1.02-1.25(m,5H);1.41(s,9H);1.45-1.50(m,1H);1.56-1.60(m,1H);1.69-1.80(m,6H);3.30(dd,J=4.8Hz,J=8.5Hz,1H);3.44(t,J=9.9Hz,2H);3.56(t,J=9.9Hz,2H)。
【0244】
実施例13L.D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド(0.36g、0.72mmol)により、オフホワイトの油として0.256g(92%)の実施例13Lを得た。H NMR(CDCl)δ1.39(s,9H);2.50(brs,2H);2.74(dd,J=7.0Hz,J=16.5Hz,1H);2.86(dd,J=4.8Hz,J=16.8Hz,1H);3.89(brs,2H);4.47-4.57(m,2H);7.16(t,J=7.8Hz,1H);7.48(t,J=7.3Hz,1H);7.56(t,J=7.3Hz,1H);7.97-8.02(m,1H)。
【0245】
実施例13M.D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[(S)-1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチル]アミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[(S)-1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチル]アミド(120mg、0.24mmol)により、オフホワイトの油として91mg(91%)の実施例13Mを得、割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0246】
実施例13N.D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[(R)-1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチル]アミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[(R)-1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチル]アミド(217mg、0.44mmol)により、オフホワイトの油として158mg(定量的収率)の実施例13Nを得、割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0247】
実施例13O.D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[N-メチル-N-(3-トリフルオロメチルベンジル)]アミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[N-メチル-N-(3-トリフルオロメチルベンジル)]アミド(0.282g、0.57mmol)により、オフホワイトの油として0.195g(95%)の実施例13Oを得、割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0248】
実施例13P.D-グルタミン酸α-メチルエステルγ-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-グルタミン酸α-メチルエステルγ-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド(764mg、1.69mmol)により、オフホワイトの油として516mg、96%の実施例13Pを得、割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0249】
実施例14.イミンおよび塩化アセチルからの2-アゼチジノンの形成のための一般的手順
工程1:アミノ酸誘導体からのイミンの形成のための一般的手順。ジクロロメタン中の1当量のα-アミノ酸エステルまたはアミドの溶液を、開始α-アミノ酸エステルまたはアミド1グラム当たり約2グラムの乾燥剤の量で、1当量の適切なアルデヒド、および乾燥剤、例えば硫酸マグネシウムまたはシリカゲルで連続的に処理した。薄層クロマトグラフィーによって測定して全ての反応物が消費されるまで反応物を周囲温度にて撹拌する。反応物は典型的に1時間以内で完了する。次いで反応混合物を濾過し、濾過ケーキをジクロロメタンで洗浄し、濾液を減圧下で濃縮して所望のイミンを得、それを後の工程でそのまま使用する。
【0250】
工程2:イミドおよび塩化アセチルの2+2環状付加のための一般的手順。イミンのジクロロメタン溶液(10mLのジクロロメタン/1グラムのイミン)を0℃に冷やす。この冷却した溶液に、1.5当量の適切なアミン、典型的にトリエチルアミンを加え、続いて実施例1(10mLのジクロロメタン/1グラムの適切な塩化アセチル)に記載されるように1.1当量の適切な塩化アセチルのジクロロメタン溶液を滴下して加える。反応混合物を1時間にわたって周囲温度に加温し、次いで飽和塩化アンモニウム水溶液の添加によりクエンチする。得られた混合物を水とジクロロメタンとの間に分配する。層を分離し、有機層を1Nの塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、および飽和塩化ナトリウム水溶液で連続的に洗浄する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮する。残渣をさらなる反応のために直接使用してもよいか、または所望の場合、適切な溶媒系からクロマトグラフィーもしくは結晶化により精製してもよい。各場合、2+2反応後、β-ラクタムの立体化学が円偏光二色性/旋光分散(CD/ORD)により確認され得る。例示として、従来の合成からの(αR,3S,4R)および(αS,3S,4R)β-ラクタムプラットフォーム立体化学配置の例がCD/ORD標準として使用され得る。
【0251】
実施例15.tert-ブチル[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]アセテート。実施例14の手順を使用して、4.53g(34.5mmol)のグリシンtert-ブチルエステルおよびシンナムアルデヒドから調製したイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と合わせて、無色の結晶(再結晶化、n-クロロブタン)として5.5g(30%)の実施例15を得た;mp 194~195℃。
【0252】
実施例16.アゼチジン-2-オン-1-イルアセテートのアシル化のための一般的手順。テトラヒドロフラン(アゼチジノン中に0.22M)中の(アゼチジン-2-オン-1-イル)アセテートの溶液を-78℃に冷却し、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(2.2当量)と合わせる。得られたアニオンを適切なハロゲン化アシル(1.1当量)で処理する。アゼチジノンの変換が完了すると、反応物を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルと水との間に分配する。有機相を1Nの塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、および飽和塩化ナトリウム水溶液で連続して洗浄する。得られた有機層を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させる。残渣を3:2のヘキサン/酢酸エチルなどの適切な溶出液でシリカゲルクロマトグラフィーにより精製する。
【0253】
実施例17.2,2,2-トリクロロエチル2(RS)-(tert-ブトキシカルボニル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]アセテート。
【0254】
実施例16の手順を使用して、9.0g(20mmol)の実施例15を4.2g(20mmol)のトリクロロエチルクロロホルメートでアシル化して7.0g(56%)の実施例17を得た;mp 176~178℃。
【0255】
実施例18.2(RS)-(tert-ブトキシカルボニル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。THF中の0.20g(0.32mmol)の実施例17および52μL(0.36mmol)の(3-トリフルオロメチルベンジル)アミンの溶液を加熱還流した。変換が完了すると(TLC)、溶媒を蒸発させ、残渣を再結晶して(クロロホルム/ヘキサン)、白色固体として0.17g(82%)の実施例18を得た;mp 182~184℃。
【0256】
実施例18A.2(RS)-(tert-ブトキシカルボニル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。(3-トリフルオロメチルベンジル)アミンの代わりに2-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを使用して実施例18の手順に従って実施例18Aを調製した。実施例18Aを白色固体(140mg、41%)として得、割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0257】
実施例19~25AFを実施例14の手順に従って調製し、適切なアミノ酸誘導体およびアルデヒドを工程1において使用し、適切な塩化アセチルを工程2において使用した。
【0258】
実施例19.2(S)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。1.52g(4.39mmol)のL-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミドおよびシンナムアルデヒドから調製したイミンを、2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)塩化アセチル(実施例1)と合わせて2.94gの橙褐色の油を得、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/酢酸エチル)後に白色固体として2.06g(70%)の実施例19を得た。H NMR(CDCl)δ1.39(s,9H);2.46(dd,J=11.1Hz,J=16.3Hz,1H);3.18(dd,J=3.8Hz,J=16.4Hz,1H);4.12-4.17(m,1H);4.26(d,J=5.0Hz,1H);4.45(dd,J=6.0Hz,J=14.9Hz,1H);4.54(dd,J=5.3Hz,J=9.8Hz,1H);4.58-4.66(m,3H);4.69-4.75(m,1H);4.81(dd,J=3.8Hz,J=11.1Hz,1H);6.25(dd,J=9.6Hz,J=15.8Hz,1H);6.70(d,J=15.8Hz,1H);7.14-7.17(m,2H);7.28-7.46(m,11H);7.62(s,1H);8.27-8.32(m,1H)。
【0259】
実施例19A.2(S)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(R)-(4(R)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(S)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例19Aを、2-(4(R)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1A)を、2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリドの代わりに使用したことを除いて、実施例19の方法に従って調製した。実施例19Aを白色固体(41mg、13%)として得た。H NMR(CDCl)δ1.37(s,9H);3.11(dd,J=3.7Hz,J=17.8Hz,1H);3.20(dd,J=10.6Hz,J=17.8Hz,1H);4.02(dd,J=3.7Hz,J=10.6Hz,1H);4.10-4.17(m,1H);4.24(d,J=4.9Hz,1H);4.4652-4.574(dd,J=5.9Hz,J=15.1Hz,1H);4.58-4.76(m,4H);6.27(dd,J=9.6Hz,J=15.8Hz,1H);6.79(d,J=15.8Hz,1H);7.23-7.53(m,13H);7.63(s,1H);8.51-8.55(m,1H)。
【0260】
実施例20.2(S)-(tert-ブトキシカルボニルエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。3.94g(10.93mmol)のL-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミドおよびシンナムアルデヒドから調製したイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と合わせて、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/酢酸エチル)後に5.53g(75%)の実施例20を得た。H NMR(CDCl)δ1.36(s,9H);1.85-1.96(m,1H);2.18-2.49(m,3H);4.14-4.19(m,1H);4.30(d,J=4.9Hz,2H);4.44(dd,J=6.1Hz,J=14.9Hz,1H);4.56-4.67(m,4H);4.71-4.75(m,1H);6.26(dd,J=9.6Hz,J=15.8Hz,1H);6.71(d,J=15.8Hz,1H);7.16-7.18(m,2H);7.27-7.49(m,11H);7.60(s,1H);8.08-8.12(m,1H)。
【0261】
実施例21.2(S)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド。4.20g(11.6mmol)のL-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミドおよびシンナムアルデヒドから調製したイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と合わせて、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(50:50のヘキサン/酢酸エチル)後に4.37g(55%)の実施例21を得た。H NMR(CDCl)δ1.34(s,9H);2.26-2.32(m,1H);2.46-2.63(m,4H);2.75-2.89(m,4H);3.24-3.32(m,1H);3.49-3.76(m,3H);4.07-4.13(m,1H);4.30(d,J=4.6Hz,1H);4.22-4.48(m,1H);4.55-4.61(m,1H);4.69-4.75(m,1H);5.04-5.09(m,1H);6.15(dd,J=9.3Hz,J=15.9Hz,1H);6.63(d,J=15.8Hz,1H);7.18-7.42(m,15H)。
【0262】
実施例22.2(S)-(tert-ブトキシカルボニルエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド。2.54g(6.75mmol)のL-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミドおよびシンナムアルデヒドから調製したイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と合わせて、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(50:50のヘキサン/酢酸エチル)後に3.55g(76%)の実施例22を得た。H NMR(CDCl)δ1.32(s,9H);1.96-2.07(m,1H);2.15-2.44(m,6H);2.54-2.62(m,2H);2.69-2.81(m,3H);3.28-3.34(m,1H);3.59-3.68(m,1H);4.08-4.13(m,1H);4.33-4.44(m,2H);4.48-4.60(m,2H);4.67-4.77(m,1H);6.14(dd,J=8.9Hz,J=16.0Hz,1H);6.62(d,J=16.0Hz,1H);7.16-7.42(m,15H)。
【0263】
実施例23.2(R)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。0.973g(2.81mmol)のD-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミドおよびシンナムアルデヒドから調製したイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と合わせて、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/酢酸エチル)後に1.53g(82%)の実施例23を得た。H NMR(CDCl)δ1.37(s,9H);3.10(dd,J=3.7Hz,J=17.8Hz,1H);3.20(dd,J=10.7Hz,J=17.8Hz,1H);4.02(dd,J=3.6Hz,J=10.6Hz,1H);4.11-4.17(m,1H);4.24(d,J=4.9Hz,1H);4.46(dd,J=5.8Hz,J=15.1Hz,1H);4.58-4.67(m,3H);4.70-4.76(m,1H);6.27(dd,J=9.5Hz,J=15.8Hz,1H);6.79(d,J=15.8Hz,1H);7.25-7.50(m,13H);7.63(s,1H);8.50-8.54(m,1H)。
【0264】
実施例23A.2(R)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(R)-(4(R)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(S)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例23Aを、2-(4(R)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1A)を2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリドの代わりに使用したことを除いて実施例23の方法に従って調製した。実施例23Aを白色固体(588mg、49%)として得た。H NMR(CDCl)δ1.39(s,9H);2.47(dd,J=11.2Hz,J=16.3Hz,1H);3.18(dd,J=3.8Hz,J=16.3Hz,1H);4.15(t,J=8.25,Hz1H);4.26(d,J=5.0Hz,1H);4.45(dd,J=6.0Hz,J=15.0Hz,1H);4.52-4.57(m,3H);4.63(t,J=9Hz,1H);4.70(t,J=8Hz,1H);4.81(dd,J=3.8Hz,J=10.8Hz,1H);6.25(dd,J=9.8Hz,J=15.8Hz,1H);6.70(d,J=15.8Hz,1H);7.15-7.17(m,2H);7.27-7.51(m,11H);7.62(s,1H);8.27-8.32(m,1H)。
【0265】
実施例24.2(R)-(tert-ブトキシカルボニルエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。1.15g(3.20mmol)のD-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミドおよびシンナムアルデヒドから調製したイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と合わせて、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/酢酸エチル)後に1.84g(85%)の実施例24を得た。H NMR(CDCl)δ1.37(s,9H);2.23-2.39(m,4H);3.71-3.75(m,1H);4.13-4.18(m,1H);4.31(d,J=4.9Hz,1H);4.44-4.51(m,2H);4.56-4.68(m,2H);4.71-4.76(m,1H);6.26(dd,J=9.5Hz,J=15.8Hz,1H);6.71(d,J=15.8Hz,1H);7.25-7.52(m,13H);7.63(s,1H);8.25-8.30(m,1H)。
【0266】
実施例25.2(S)-(tert-ブトキシカルボニルエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(4-シクロヘキシル)ピペラジンアミド。2.58g(5.94mmol)のL-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(4-シクロヘキシル)ピペラジンアミドおよびシンナムアルデヒドから調製したイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と合わせて、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(95:5のジクロロメタン/メタノール)後に3.27g(94%)の実施例25を得た。H NMR(CDCl)δ1.32(s,9H);1.10-1.18(m,1H);1.20-1.31(m,2H);1.38-1.45(m,2H);1.61-1.66(m,1H);1.84-1.89(m,2H);1.95-2.01(m,1H);2.04-2.14(m,3H);2.20-2.24(m,1H);2.29-2.35(m,1H);2.85-2.92(m,1H);3.24-3.32(m,1H);3.36-3.45(m,2H);3.80-3.86(m,1H);4.08(t,J=8.3Hz,1H);4.27(d,J=5.0Hz,1H);4.31-4.55(m,4H);4.71(t,J=8.3Hz,1H);4.83-4.90(m,1H);6.18(dd,J=9.1Hz,J=15.9Hz,1H);6.67(d,J=15.9Hz,1H);7.25-7.44(m,10H);8.22(brs,1H)。
【0267】
実施例25A.tert-ブチル2(S)-(2-(4-シクロヘキシルピペラジニルカルボニル)エチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]アセテート。1.282g(3.63mmol)のL-グルタミン酸α-t-ブチルエステルγ-(4-シクロヘキシル)ピペラジンアミドおよびシンナムアルデヒドから調製したイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と合わせて、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(50:50のヘキサン/酢酸エチル)後に1.946g(80%)の実施例25Aを得た。H NMR(CDCl)δ1.15-1.26(m,6H);1.39(s,9H);1.55-1.64(m,2H);1.77-1.83(m,3H);2.22-2.35(m,2H);2.40-2.50(m,6H);2.75-2.79(m,1H);3.43-3.48(m,1H);3.56-3.60(m,2H);3.75-3.79(m,1H);4.10(t,J=8.3Hz,1H);4.31-4.35(m,2H);4.58(t,J=8.8Hz,1H);4.73(t,J=8.4Hz,1H);6.17(dd,J=8.6Hz,J=16.0Hz,1H);6.65(d,J=16.0Hz,1H);7.27-7.42(m,10H)。
【0268】
実施例25B.2(R)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。0.256g(0.70mmol)のD-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチル)ベンジルアミドおよびシンナムアルデヒドから調製したイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と合わせて、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/酢酸エチル)後に0.287g(60%)の実施例25Bを得た。H NMR(CDCl)δ1.38(s,9H);3.12(dd,J=4.0Hz,J=17.8Hz,1H);3.20(dd,J=10.4Hz,J=17.8Hz,1H);4.05(dd,J=3.9Hz,J=10.4Hz,1H);4.14(dd,J=J′=8.2Hz,1H);4.25(d,J=4.9Hz,1H);4.59-4.67(m,4H);4.74(t,J=8.3Hz,1H);6.36(dd,J=9.6Hz,J=15.8Hz,1H);6.83(d,J=15.8Hz,1H);7.02-7.07(m,1H);7.28-7.55(m,12H);8.44-8.48(m,1H)。
【0269】
実施例25C.2(R)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(S)-α-メチルベンジル]アミド。0.167g(0.57mmol)のD-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル[(S)-α-メチルベンジル]アミドおよびシンナムアルデヒドから調製したイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と合わせて、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/酢酸エチル)後に0.219g(63%)の実施例25Cを得た。H NMR(CDCl)δ1.35(s,9H);1.56(d,J=7.0Hz,3H);2.97(dd,J=3.5Hz,J=18.0Hz,1H);3.15(dd,J=11.0Hz,J=17.5Hz,1H);4.01(dd,J=3.0Hz,J=11.0Hz,1H);4.14(t,J=8.5Hz,1H);4.24(d,J=5.0Hz,1H);4.57(dd,J=5.0Hz,J=9.5Hz,1H);4.64(t,J=8.8Hz,1H);5.07(t,J=8.5Hz,1H);5.03-5.09(m,1H);6.43(dd,J=9.5Hz,J=16.0Hz,1H);6.83(d,J=16.0Hz,1H);7.16-7.20(m,1H);7.27-7.49(m,14H);8.07-8.10(m,1H)。
【0270】
実施例25D.2(R)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(R)-α-メチルベンジル]アミド。0.187g(0.46mmol)のD-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル[(R)-α-メチルベンジル]アミドおよびシンナムアルデヒドから調製したイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と合わせて、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/酢酸エチル)後に0.25g(64%)の実施例25Dを得た。H NMR(CDCl)δ1.36(s,9H);1.59(d,J=7.1Hz,3H);3.10(dd,J=3.5Hz,J=17.8Hz,1H);3.22(dd,J=10.9Hz,J=17.8Hz,1H);3.93(dd,J=3.5Hz,J=10.8Hz,1H);4.14(t,J=8.1Hz,1H);4.24(d,J=5.0Hz,1H);4.58(dd,J=5.0Hz,J=9.5Hz,1H);4.65(t,J=8.7Hz,1H);4.74(t,J=8.2Hz,1H);5.06-5.14(m,1H);6.32(dd,J=9.5Hz,J=15.8Hz,1H);6.74(d,J=15.8Hz,1H);7.19-7.43(m,15H);8.15-8.18(m,1H)。
【0271】
実施例25E.2(R)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-メチル-N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。0.195g(0.41mmol)のD-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[N-メチル-N-(3-トリフルオロメチルベンジル)]アミドおよびシンナムアルデヒドから調製したイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と合わせて、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/酢酸エチル)後に0.253g(69%)の実施例25Eを得た。H NMR(CDCl)δ1.36(s,9H);2.53(dd,J=4.0Hz,J=17.0Hz,1H);3.06(dd,J=10.8Hz,J=16.8Hz,1H);3.13(s,3H);4.12(dd,J=8.0Hz,J=9.0Hz,1H);4.26(d,J=5.0Hz,1H);4.38(d,J=15.0Hz,1H);4.46(dd,J=5.0Hz,J=9.5Hz,1H);4.56(t,J=6.8Hz,1H);4.70-4.79(m,2H);5.27(dd,J=4.0Hz,J=11.0Hz,1H);6.22(dd,J=9.3Hz,J=15.8Hz,1H);6.73(d,J=15.8Hz,1H);7.33-7.45(m,14H)。
【0272】
実施例25F.2(S)-(tert-ブトキシカルボニルエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-クロロスチル-2-イル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。1.62g(4.44mmol)のL-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミドおよびα-クロロシンナムアルデヒドから調製したイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と合わせて、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/酢酸エチル)後に0.708g(22%)の実施例25Fを得た。H NMR(CDCl)δ1.35(s,9H);1.68(brs,1H);2.19-2.35(m,2H);2.40-2.61(m,2H);4.13(dd,J=7.5Hz,J=9.0Hz,1H);4.22(t,J=7.0Hz,1H);4.34(d,J=4.5Hz,1H);4.45(dd,J=5.5Hz,J=15.0Hz,1H);4.51-4.60(m,3H);4.89(dd,J=7.5Hz,J=8.5Hz,1H);6.89(s,1H);7.28-7.54(m,14H)。
【0273】
実施例25G.2(R)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2’-メトキシスチル-2-イル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。0.34g(0.98mmol)のD-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミドおよび2’-メトキシシンナムアルデヒドから調製したイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と合わせて、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/酢酸エチル)後に0.402g(59%)の実施例25Gを得た。H NMR(CDCl)δ1.35(s,9H);1.68(brs,1H);2.19-2.35(m,2H);2.40-2.61(m,2H);4.13(dd,J=7.5Hz,J=9.0Hz,1H);4.22(t,J=7.0Hz,1H);4.34(d,J=4.5Hz,1H);4.45(dd,J=5.5Hz,J=15.0Hz,1H);4.51-4.60(m,3H);4.89(dd,J=7.5Hz,J=8.5Hz,1H);6.89(s,1H);7.28-7.54(m,14H)。
【0274】
実施例25H.tert-ブチル(2R)-(ベンジルオキシメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]アセテート。0.329g(1.31mmol)のO-(ベンジル)-D-セリンt-ブチルエステル(実施例5B)およびシンナムアルデヒドから調製したイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と合わせて、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(90:10のヘキサン/酢酸エチル)後に0.543g(73%)の実施例25Hを得た。H NMR(CDCl)δ1.39(s,9H);3.56(dd,J=2.7Hz,J=9.5Hz,1H);3.82(dd,J=4.8Hz,J=9.5Hz,1H);4.11(t,J=8.3Hz,1H);4.21-4.29(m,2H);4.50-4.58(m,3H);4.71-4.78(m,2H);6.19(dd,J=9.1Hz,J=16.0Hz,1H);6.49(d,J=16.0Hz,1H);7.07-7.11(m,1H);7.19-7.40(m,14H)。
【0275】
実施例25I.tert-ブチル2(S)-(2-(4-シクロヘキシルピペラジニルカルボニル)メチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]アセテート。0.3g(0.88mmol)のL-アスパラギン酸α-t-ブチルエステルγ-(4-シクロヘキシル)ピペラジンアミドおよびシンナムアルデヒドから調製したイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と合わせて、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(50:50のヘキサン/酢酸エチル)後に白色固体として464mg(80%)の実施例25Iを得た。実施例25Iは割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0276】
実施例25J.tert-ブチル3(R)-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-3-メチル-4(R)-(スチル-2-イル)アゼチジン-2-オン-1-イル]-3-[(3-トリフルオロメチル)フェニルメチルアミノカルボニル]プロパノエート。0.307g(0.89mmol)のD-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミド(実施例20)およびシンナムアルデヒドから調製したイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)プロパノイルクロリド(実施例1E)と合わせて、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(ヘキサン70%/EtOAc 30%)後に120mg(20%)を得た。H NMR(CDCl)δ1.25(s,3H),1.38(s,9H);3.09(dd,J=3.0Hz,J=18.0Hz,1H);3.33(dd,J=12.5Hz,J=18.0Hz,1H);4.01(dd,J=3.0Hz,J=11.5Hz,1H);4.04(dd,J=3.5Hz,J=8.8Hz,1H);4.42(d,J=9.0Hz,1H);4.45-4.51(m,3H);4.61-4.66(m,1H);4.75(dd,J=3.5Hz,J=8.5Hz,1H);6.23(dd,J=9.0Hz,J=15.5Hz,1H);6.78(d,J=15.5Hz,1H);7.23-7.53(m,13H);7.64(s,1H)。
【0277】
実施例25K.2(R)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(プロパ-1-エニル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。0.289g(0.83mmol)のD-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミドおよびクロトンアルデヒドから調製したイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と合わせて、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(99:1のCHCl/MeOH)後に381mg(76%)の実施例25Kを得た。H NMR(CDCl)δ1.36(s,9H),1.69(dd,J=2Hz,J=6.5Hz,3H);3.08(dd,J=3.3Hz,J=17.8Hz,1H);3.18(dd,J=11Hz,J=17.5Hz,1H);3.94(dd,J=3.5Hz,J=11Hz,1H);4.12(d,J=5Hz,1H);4.15(dd,J=7Hz,J=8Hz,1H);4.35(dd,J=4.8Hz,J=9.8Hz,1H);4.44(dd,J=6Hz,J=15Hz,1H);4.61(dd,J=6Hz,J=15Hz,1H);4.67-4.75(m,2H);5.52-5.58(m,1H);5.92-6.00(m,1H);7.33-7.60(m,9H);8.47-8.50(m,1H)。
【0278】
実施例25O.メチル2(S)-(tert-ブトキシカルボニルエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]アセテート。433mg(1.99mmol)のL-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-メチルエステルおよびシンナムアルデヒドから調製したイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と合わせて、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/酢酸エチル)後に682mg(64%)の実施例25Oを得た。H NMR(CDCl)δ1.32(s,9H);2.10-2.26(m,1H);2.30-2.41(m,3H);3.66(s,3H);3.95-3.99(m,1H);4.16(dd,J=7.5Hz,J=9Hz,1H);4.38(dd,J=5Hz,J=9Hz,1H);4.55(d,J=5Hz1H);4.61(t,J=9Hz,1H);4.86(dd,J=7.5Hz,J=9Hz,1H);6.00(dd,J=9Hz,J=16Hz,1H);6.60(d,J=16Hz,1H);7.26-7.43(m,10H)。
【0279】
実施例25M.tert-ブチル2(S)-(メトキシカルボニルエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]アセテート。428mg(1.97mmol)のL-グルタミン酸γ-t-ブチルエステルα-メチルエステルおよびシンナムアルデヒドから調製したイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と合わせて、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/酢酸エチル)後に864mg(82%)の実施例25Mを得た。H NMR(CDCl)δ1.40(s,9H);2.12-2.27(m,1H);2.32-2.55(m,3H);3.50(s,3H);3.72(dd,J=4.6Hz,J=10.4Hz,1H);4.12-4.17(m,1H);4.34(dd,J=5Hz,J=9Hz,1H);4.50(d,J=5Hz,1H);4.60(t,J=8.9Hz,1H);4.81-4.86(m,1H);6.06(dd,J=9Hz,J=16Hz,1H);6.59(d,J=16Hz,1H);7.25-7.42(m,10H)。
【0280】
実施例25P.メチル2(S)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]アセテート。424mg(2.09mmol)のL-アスパラギン酸γ-t-ブチルエステルα-メチルエステルおよびシンナムアルデヒドから調製したイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と合わせて、CHCl/ヘキサンから再結晶後、923mg(85%)の実施例25Pを得た。H NMR(CDCl)δ1.41(s,9H);2.77(dd,J=7.5Hz,J=16.5Hz,1H);3.00(dd,J=7Hz,J=16.5Hz,1H);4.16(dd,J=7.5Hz,J=9Hz,1H);4.41-48(m,2H);4.55(d,J=5Hz,1H);4.60(t,J=8.8Hz,1H);4.86(dd,J=7.5Hz,J=9Hz,1H);5.93(dd,J=9.5Hz,J=15.5Hz,1H);6.61(d,J=15.5Hz,1H);7.25-7.43(m,10H)。
【0281】
実施例25L.2(R)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(R)-1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチル]アミド。160mg(0.44mmol)のD-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[(R)-1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチル]アミドおよびシンナムアルデヒドから調製したイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と合わせて、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/EtOAc)後に166mg(55%)の実施例25Lを得た。実施例25Lは割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0282】
実施例25N.2(R)(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(S)-1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチル]アミド。120mg(0.22mmol)のD-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-[(S)-1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチル]アミドおよびシンナムアルデヒドから調製したイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と合わせて、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/EtOAc)後に75mg(50%)の実施例25Nを得た。実施例25Nは割り当てられた構造と一致した1H NMRスペクトルを示した。
【0283】
実施例25Q.メチル2(R)-(2-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミノカルボニル)エチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]アセテート。517mg(1.62mmol)のD-グルタミン酸α-メチルエステルγ-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミドおよびシンナムアルデヒドから調製したイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と合わせて、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(50:50のヘキサン/EtOAc)後に527mg(51%)の実施例25Qを得た。実施例25Qは割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0284】
以下の化合物を本明細書に記載されるプロセスに従って調製した:
【化24】
【0285】
【表4】
【0286】
【化25】
【0287】
【表5】
【0288】
【化26】
【0289】
【表6】
【0290】
【化27】
【0291】
【表7】
【0292】
【化28】
【0293】
【表8】
【0294】
実施例25AF.t-ブチル2(S)-(2-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミノカルボニル)エチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]アセテート。
【0295】
実施例26.tert-ブチルエステルの加水分解のための一般的手順。tert-ブチルエステル誘導体のギ酸溶液、典型的に10mL中に1gを、エステルが薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン95%/メタノール5%)によりもはや検出されなくなるまで周囲温度にて撹拌する。典型的に反応時間は約3時間である。ギ酸を減圧下で蒸発させ、得られた固体残渣をジクロロメタンと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液との間に分配する。有機層を蒸発させて、さらなる反応のために直接使用できるか、または所望の場合、適切な溶媒系から再結晶化され得るオフホワイトの固体を得る。
【0296】
実施例27~34AEを実施例26に使用される手順に従って適切なtert-ブチルエステルから調製した。
【0297】
実施例27.2(R,S)-(カルボキシ)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例18(0.30g、0.46mmol)を加水分解して、0.27g(定量的収率)の実施例27をオフホワイトの固体として得た。H NMR(CDCl)δ4.17-5.28(m,9H);6.21-6.29(m,1H),6.68-6.82(m,1H);7.05-7.75(m,13H);9.12-9.18(m,1H)。
【0298】
実施例28.2(S)-(カルボキシメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例19(1.72g,2.59mmol)を加水分解して、1.57g(定量的収率)の実施例28をオフホワイトの固体として得た。H NMR(CDCl)δ2.61(dd,J=9.3Hz,J=16.6Hz,1H);3.09-3.14(m,1H);4.10-4.13(m,1H);4.30(d,J=4.5Hz,1H);4.39-4.85(m,6H);6.20(dd,J=9.6Hz,J=15.7Hz,1H);6.69(d,J=15.8Hz,1H);7.12-7.15(m,2H);7.26-7.50(m,11H);7.61(s,1H);8.41-8.45(m,1H)。
【0299】
実施例28A.2(S)-(カルボキシメチル)-2-[3(R)-(4(R)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(S)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例19A(41mg、0.06mmol)を加水分解して、38mg(定量的収率)の実施例28Aをオフホワイトの固体として得た。H NMR(CDCl)δ2.26(d,J=7Hz,1H);4.03(t,J=7Hz,1H);4.16(t,J=8Hz,1H);4.26(d,J=4.3Hz,1H);4.46(dd,J=5.7Hz,J=15.1,1H);4.53-4.75(m,5H);6.25(dd,J=9.5Hz,J=15.7Hz,1H);6.77(d,J=15.7Hz,1H);7.28-7.53(m,13H);7.64(s,1H);8.65-8.69(m,1H)。
【0300】
実施例29.2(S)-(カルボキシエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例20(4.97g、7.34mmol)を加水分解してオフホワイトの固体として4.43g(97%)の実施例29を得た。H NMR(CDCl)δ1.92-2.03(m,1H);2.37-2.51(m,3H);4.13-4.19(m,1H);3.32(d,J=4.9Hz,1H);4.35-4.39(m,1H);4.44(dd,J=5.9Hz,J=14.9Hz,1H);4.50-4.57(m,2H);4.61-4.67(m,1H);4.70-4.76(m,1H);6.24(dd,J=9.6Hz,J=15.8Hz,1H);6.70(d,J=15.8Hz,1H);7.18-7.47(m,14H)。
【0301】
実施例30.2(S)-(カルボキシメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド。実施例21(1.88g、2.78mmol)を加水分解してオフホワイトの固体として1.02g(60%)の実施例30を得た。H NMR(CDCl)δ2.63(dd,J=6.0Hz,J=16.5Hz,1H);2.75-2.85(m,1H);3.00(dd,J=8.2Hz,J=16.6Hz,1H);3.13-3.26(m,4H);3.37-3.56(m,4H);3.86-4.00(m,1H);4.05-4.11(m,1H);4.24(d,J=5.0Hz,1H);4.46-4.66(m,1H);4.65-4.70(m,1H);5.10-5.15(m,1H);6.14(dd,J=9.3Hz,J=15.9Hz,1H);6.71(d,J=15.9Hz,1H);7.22-7.41(m,15H);12.02(s,1H)。
【0302】
実施例31.2(S)-(カルボキシエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[4-(2-フェニルエチル)]ピペラジンアミド。実施例22(0.383g、0.55mmol)を加水分解してオフホワイトの固体として0.352g(定量的収率)の実施例31を得た。H NMR(CDCl)δ1.93-2.01(m,1H);2.07-2.36(m,6H);2.82-2.90(m,1H);3.00-3.20(m,4H);3.36-3.54(m,4H);3.74-3.82(m,1H);4.06-4.11(m,1H);4.29(d,J=4.9Hz,1H);4.33-4.46(m,2H);4.50-4.58(m,2H);4.67-4.72(m,1H);4.95-5.00(m,1H);6.18(dd,J=9.2Hz,J=16.0Hz,1H);6.67(d,J=15.9Hz,1H);7.19-7.42(m,15H);8.80(brs,1H)。
【0303】
実施例32.2(R)-(カルボキシメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例23(1.51g、2.27mmol)を加水分解してオフホワイトの固体として1.38g(定量的収率)の実施例32を得た。
【0304】
実施例32A.2(R)-(カルボキシメチル)-2-[3(R)-(4(R)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(S)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例23A(550mg、0.83mmol)を加水分解してオフホワイトの固体として479mg(95%)の実施例32Aを得た。実施例32Aは割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0305】
実施例33.2(R)-(カルボキシエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例24(0.604g、0.89mmol)を加水分解してオフホワイトの固体として0.554g(定量的収率)の実施例33を得た。
【0306】
実施例34.2(S)-(カルボキシエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(4-シクロヘキシル)ピペラジンアミド。実施例25(0.537g、0.80mmol)を加水分解してオフホワイトの固体として0.492g(定量的収率)の実施例34を得た。H NMR(CDCl)δ1.09-1.17(m,1H);1.22-1.33(m,2H);1.40-1.47(m,2H);1.63-1.67(m,1H);1.85-1.90(m,2H);1.95-2.00(m,1H);2.05-2.15(m,3H);2.20-2.24(m,1H);2.30-2.36(m,1H);2.85-2.93(m,1H);3.25-3.33(m,1H);3.36-3.46(m,2H);3.81-3.87(m,1H);4.08(t,J=8.3Hz,1H);4.28(d,J=5.0Hz,1H);4.33-4.56(m,4H);4.70(t,J=8.3Hz,1H);4.83-4.91(m,1H);6.17(dd,J=9.1Hz,J=15.9Hz,1H);6.67(d,J=15.9Hz,1H);7.25-7.44(m,10H);8.22(brs,1H)。
【0307】
実施例34A.2(S)-(2-(4-シクロヘキシルピペラジニルカルボニル)エチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸。実施例25A(0.787g、1.28mmol)を加水分解してオフホワイトの固体として0.665g(92%)の実施例34Aを得た。H NMR(CDCl)δ1.05-1.13(m,1H);1.20-1.40(m,5H);1.60-1.64(m,1H);1.79-1.83(m,2H);2.00-2.05(m,2H);2.22-2.44(m,3H);2.67-2.71(m,1H);2.93-3.01(m,4H);3.14-3.18(m,1H);3.38-3.42(m,1H);3.48-3.52(m,1H);3.64-3.69(m,1H);4.06-4.14(m,2H);4.34-4.43(m,2H);4.56(t,J=8.8Hz,1H);4.73(t,J=8.4Hz,1H);6.15(dd,J=9.1Hz,J=16.0Hz,1H);6.65(d,J=16.0Hz,1H);7.25-7.42(m,10H)。
【0308】
実施例34B.2(R)-(カルボキシメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチルベンジル)カルボキサミド。実施例25B(0.26g、0.38mmol)を加水分解してオフホワイトの固体として0.238g(定量的収率)の実施例34Bを得た。H NMR(CDCl)δ3.27(d,J=7.2Hz,1H);4.06(t,J=7.2Hz,1H);4.15(t,J=8.1Hz,1H);4.27(d,J=4.8Hz,1H);4.56-4.76(m,5H);6.34(dd,J=9.5Hz,J=15.7Hz,1H);6.80(d,J=15.7Hz,1H);7.06(t,J=7.7Hz,1H);7.31-7.54(m,12H);8.58(t,J=5.9Hz,1H)。
【0309】
実施例34C.2(R)-(カルボキシメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(S)-α-メチルベンジル]アミド。実施例25C(0.215g、0.35mmol)を加水分解してオフホワイトの固体として0.195g(定量的収率)の実施例34Cを得た。H NMR(CDCl)δ1.56(d,J=7.0Hz,1H);3.10(dd,J=4.5Hz,J=17.9Hz,1H);3.18(dd,J=9.8Hz,J=17.9Hz,1H);4.00(dd,J=4.5Hz,J=9.7Hz,1H);4.14(t,J=8.2Hz,1H);4.26(d,J=4.7Hz,1H);5.02-5.09(m,1H);6.41(dd,J=9.4Hz,J=15.8Hz,1H);6.78(d,J=15.8Hz,1H);7.18(t,J=7.3Hz,1H);7.26-7.43(m,12H);8.29(d,J=8.2Hz,1H)。
【0310】
実施例34D.2(R)-(カルボキシメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(R)-α-メチルベンジル]アミド。実施例25D(0.22g、0.35mmol)を加水分解してオフホワイトの固体として0.20g(定量的収率)の実施例34Dを得た。H NMR(CDCl)δ1.59(d,J=7.0Hz,1H);3.25(d,J=7.0Hz,2H);3.92(t,J=7.3Hz,1H);4.15(t,J=8.3Hz,1H);4.26(d,J=5.0Hz,1H);4.52(dd,J=4.8Hz,J=9.3Hz,1H);4.65(t,J=8.8Hz,1H);4.72(t,J=8.3Hz,1H);5.07-5.28(m,1H);6.29(dd,J=9.5Hz,J=15.6Hz,1H);6.71(d,J=16.0Hz,1H);7.20-7.43(m,13H);8.31(d,J=8.0Hz,1H)。
【0311】
実施例34E.2(R)-(カルボキシメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-メチル-N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例25E(0.253g、0.37mmol)を加水分解してオフホワイトの固体として0.232g(定量的収率)の実施例34Eを得た。H NMR(CDCl)δ3.07-3.15(m,4H);4.13(t,J=8.2Hz,1H);4.30(d,J=4.9Hz,1H);4.46-4.78(m,5H);5.23(dd,J=4.6Hz,J=9.7Hz,1H);6.20(dd,J=9.4Hz,J=15.9Hz,1H);6.73(d,J=15.9Hz,1H);7.25-7.43(m,15H)。
【0312】
実施例34F.2(S)-(カルボキシエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-クロロスチル-2-イル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例25F(0.707g、0.99mmol)を加水分解してオフホワイトの固体として0.648g(99%)の実施例34Fを得た。H NMR(CDCl)δ2.22-2.28(m,2H);2.49-2.64(m,2H);4.09(t,J=8.0Hz,1H);4.25-4.62(m,6H);4.87(t,J=8.0Hz,1H);6.88(s,1H);7.25-7.66(m,15H)。
【0313】
実施例34G.2(R)-(カルボキシメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2’-メトキシスチル-2-イル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例25G(0.268g、0.39mmol)を加水分解してオフホワイトの固体として0.242g(98%)の実施例34Gを得た。H NMR(CDCl)δ3.26(d,J=7.1Hz,1H);3.79(s,3H);4.14(t,J=8.2Hz,1H);4.25(d,J=4.5Hz,1H);4.51(dd,J=5.9Hz,J=15.5Hz,1H);4.53-4.66(m,4H);6.36(dd,J=9.4Hz,J=15.8Hz,1H);8.88(t,J=8.2Hz,1H);6.70(d,J=15.8Hz,1H);7.18(d,J=6.5Hz,1H);7.25-7.48(m,10H);7.48(s,1H);8.66-8.69(m,1H)。
【0314】
実施例34H.(2R)-(ベンジルオキシメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸。実施例25H(0.16g、0.28mmol)を加水分解してオフホワイトの固体として0.144g(定量的収率)の実施例34Hを得た。H NMR(CDCl)δ3.65(dd,J=4.0Hz,J=9.5Hz,1H);3.82(dd,J=5.5Hz,J=9.5Hz,1H);4.11(dd,J=7.8Hz,J=8.8Hz,1H);4.33(s,2H);4.50(d,J=5.0Hz,1H);4.57(t,J=9.0Hz,1H);4.67(dd,J=4.0Hz,J=5.0Hz,1H);4.69(dd,J=5.0Hz,J=9.5Hz,1H);4.75(t,J=8.0Hz,1H);6.17(dd,J=9.3Hz,J=15.8Hz,1H);6.55(d,J=16.0Hz,1H);7.09-7.12(m,2H);7.19-7.42(m,13H)。
【0315】
実施例34I.2(S)-(2-(4-シクロヘキシルピペラジニルカルボニル)メチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸。実施例25I(737mg、1.12mmol)を加水分解してオフホワイトの固体として640mg(95%)の実施例34Iを得た。実施例34Iは割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0316】
実施例34J.3(R)-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-3-メチル-4(R)-(スチル-2-イル)アゼチジン-2-オン-1-イル]-3-[(3-トリフルオロメチル)フェニルメチルアミノカルボニル]プロパン酸。実施例26の一般的方法を使用して、120mg(0.18mmol)の実施例25Jを加水分解してオフホワイトの固体として108mg(98%)の実施例34Jを得た。H NMR(CDCl)δ1.22(s,3H);3.25(dd,J=3.5Hz,J=18.0Hz,1H);3.36(dd,J=10.8Hz,J=18.2Hz,1H);4.01(dd,J=4.0Hz,J=10.5Hz,1H);4.05(dd,J=3.8Hz,J=8.8Hz,1H);4.33(d,J=9.0Hz,1H);4.44-4.51(m,3H);4.61-4.66(m,1H);4.73(dd,J=3.8Hz,J=8.8Hz,1H);6.19(dd,J=9.0Hz,J=16.0Hz,1H);6.74(d,J=16.0Hz,1H);7.22-7.54(m,13H);7.65(s,1H)。
【0317】
実施例34K.2(R)-(カルボキシメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(プロペン-1-イル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例26の一般的方法を使用して、160mg(0.27mmol)の実施例25Kを加水分解してオフホワイトの固体として131mg(90%)の実施例34Kを得た。H NMR(CDCl)δ1.69(dd,J=1Hz,J=6.5Hz,3H);3.23(d,J=7Hz,1H);3.93(t,J=7.3Hz,1H);4.14-4.20(m,3H);4.29(dd,J=5Hz,J=9.5Hz,1H);4.43(dd,J=6Hz,J=15Hz,1H);4.61(dd,J=6.5Hz,J=15Hz,1H);4.66-4.74(m,2H);5.50-5.55(m,1H);5.90-5.98(m,1H);7.32-7.60(m,9H);8.60-8.64(m,1H)。
【0318】
実施例34L.2(R)-(カルボキシメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(R)-1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチル]アミド。実施例25L(166mg、0.24mmol)を加水分解してオフホワイトの固体として152mg(定量的収率)の実施例34Lを得、割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0319】
実施例34M.2(S)-(メトキシカルボニルエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸。実施例25M(875mg、1.64mmol)を加水分解してオフホワイトの固体として757mg(97%)の実施例34Mを得、割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0320】
実施例34N.2(R)-(カルボキシメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(S)-1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチル]アミド。実施例25N(38.5mg、0.057mmol)を加水分解してオフホワイトの固体として35mg(定量的収率)の実施例34Nを得、割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0321】
実施例34O.2(S)-(tert-ブトキシカルボニルエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸。実施例25O(97mg、0.18mmol)をメタノール/テトラヒドロフラン(2.5mL/2mL)に溶解し、室温にて6時間、水酸化リチウム(0.85mLの0.85M水溶液;0.72mmol)と反応させた。反応物を15mLのジクロロメタンで希釈し、水層のpHが5(標準的なpH紙により測定した)に到達するまで塩酸水溶液(1M)を加えた。次いで有機層を分離し、蒸発乾固してオフホワイトの固体として84mg(89%)の実施例34Oを得、割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0322】
実施例34P.2(S)-(tert-ブトキシカルボニルエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸。実施例25P(200mg、0.39mmol)を実施例34Oについて使用した方法に従って加水分解してオフホワイトの固体として155mg(88%)の実施例34Pを得、割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0323】
実施例34Q.2(R)-(2-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミノ-1-イルカルボニル)エチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸。実施例25Q(150mg、0.24mmol)を実施例34Oについて使用した方法に従って加水分解してオフホワイトの固体として143mg(97%)の実施例34Qを得、割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0324】
実施例34R.2(R)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(RS)-2-チエニルメチル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。290mg(0.84mmol)のD-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミドおよびシンナムアルデヒドから調製したイミンを2-チオフェン-アセチルクロリドと合わせて、フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(70:30のヘキサン/酢酸エチル)後に42mg(8%)の実施例34Rを得、割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0325】
以下の化合物を本明細書に記載されるプロセスに従って調製した:
【化29】
【0326】
【表9】
【0327】
【化30】
【0328】
【表10】
【0329】
【化31】
【0330】
【表11】
【0331】
【化32】
【0332】
【表12】
【0333】
【化33】
【0334】
【表13】
【0335】
以下の表に示した実施例36~42Aは、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例27と置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを適切なアミンと置き換えたことを除いて、実施例6の手順を使用して調製し、記載した全ての実施例は割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0336】
【化34】
【0337】
【表14】
【0338】
以下の表に示した実施例43~86Aは、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例28と置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを適切なアミンと置き換えたことを除いて、実施例6の手順を使用して調製し、記載した全ての実施例は割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0339】
【化35】
【0340】
【表15-1】
【0341】
【表15-2】
【0342】
実施例86B.実施例63(44mg、0.06mmol)を4mLのジクロロメタンに溶解し、TLC(ジクロロメタン94%/メタノール6%、UV検出)により評価して反応が完了するまで、3-クロロペルオキシ安息香酸(12mg、0.07mmol)と反応させた。反応物を亜硫酸ナトリウム水溶液でクエンチし、ジクロロメタン層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液および蒸留水で洗浄した。ジクロロメタン層の蒸発により、オフホワイトの固体(35mg、78%)として実施例86Bを得、割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0343】
以下の表に示される実施例121~132は、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例30と置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを適切なアミンと置き換えたことを除いて、実施例6の手順を使用して調製し、記載した全ての実施例は割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0344】
【化36】
【0345】
【表16】
【0346】
以下の表に示される実施例132A~132Bは、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Iと置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを適切なアミンと置き換えたことを除いて、実施例6の手順を使用して調製し、記載した全ての実施例は割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0347】
【化37】
【0348】
【表17】
【0349】
実施例132C 2(S)-(tert-ブトキシカルボニルメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(4-シクロヘキシル)ピペラジンアミド。実施例132Cは、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Pと置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを1-シクロヘキシル-ピペラジンと置き換えたことを除いて、実施例6の手順を使用して調製した。実施例132Cは割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0350】
以下の表に示される化合物は本明細書に記載される方法に従って調製した。
【化38】
【0351】
【表18】
【0352】
以下の表に示される実施例133~134Gは、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例32と置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを適切なアミンと置き換えたことを除いて、実施例6の手順を使用して調製し、記載した全ての実施例は割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0353】
【化39】
【0354】
【表19】
【0355】
実施例134H.実施例134Hは、実施例133を実施例110と置き換えたことを除いて、実施例86Bの手順を使用して調製した。実施例134Hをオフホワイトの固体(48mg、94%)として得、割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0356】
実施例134I.2(R)-[[4-(ピペリジニル)ピペリジニル]カルボキシメチル]-2-[3(S)-(4(R)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例134Iは、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例32Aと置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-(ピペリジニル)ピペリジンと置き換えたことを除いて、実施例6の手順を使用して調製し、割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0357】
以下の表に示される化合物は本明細書に記載される方法に従って調製した。
【0358】
【化40】
【0359】
【表20】
【0360】
実施例222.2(R)-[[4-(ピペリジニル)ピペリジニル]カルボニルメチル]-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(2-フルオロ-3-トリフルオロメチルベンジル)カルボキサミド。実施例222は、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Bと置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-(ピペリジニル)ピペリジンと置き換えたことを除いて、実施例6の手順を使用して調製し、実施例222は割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0361】
実施例223.2(R)-[[4-(ピペリジニル)ピペリジニル]カルボニルメチル]-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(S)-α-メチルベンジル]アミド。実施例223は、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Cと置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-(ピペリジニル)ピペリジンと置き換えたことを除いて、実施例6の手順を使用して調製し、実施例223は割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0362】
実施例224.2(R)-[[4-(ピペリジニル)ピペリジニル]カルボニルメチル]-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(R)-α-メチルベンジル]アミド。実施例224は、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Dと置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-(ピペリジニル)ピペリジンと置き換えたことを除いて、実施例6の手順を使用して調製し、実施例223は割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0363】
実施例225.2(R)-[[4-(ピペリジニル)ピペリジニル]カルボニルメチル]-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-メチル-N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例225は、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Eと置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-(ピペリジニル)ピペリジンと置き換えたことを除いて、実施例6の手順を使用して調製し、実施例223は割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。C4348についての計測値:C,66.91;H,6.27;N,9.07;実測値C,66.68;H,6.25;N,9.01。
【0364】
実施例225 塩酸塩。実施例225(212.5mg)を30mLの乾燥EtOに溶解した。乾燥HClガスをこの溶液に通して泡立てると、オフホワイトの沈殿物が急速に形成した。沈殿物の形成がもはや観察されなくなったとき(約5分)、HCl付加を中断した。固体を吸引濾過により分離し、15mLの乾燥EtOで2回洗浄し、213.5mg(96%収率)のオフホワイトの固体に乾燥させた。C4349ClFについての計測値:C,63.89;H,6.11;N,8.66;Cl,4.39;実測値C,63.41;H,5.85;N,8.60;Cl,4.86。
【0365】
実施例225A.2(R)-[[4-[2-(ピペリジニル)エチル]ピペリジニル]カルボニルメチル]-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(S)-α-メチルベンジル]アミド。実施例225Aは、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Cと置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-[2-(ピペリジニル)エチル]ピペリジンと置き換えたことを除いて、実施例6の手順を使用して調製した。実施例225Aは割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0366】
実施例225B.2(R)-[[4-[2-(ピペリジニル)エチル]ピペリジニル]カルボニルメチル]-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(R)-α-メチルベンジル]アミド。実施例225Bは、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Dと置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-[2-(ピペリジニル)エチル]ピペリジンと置き換えたことを除いて、実施例6の手順を使用して調製した。実施例225Bは割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0367】
実施例225C.2(R)-[[4-(ピペリジニル)ピペリジニル]カルボニルメチル]-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(R)-1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチル]アミド。実施例225Cは、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Lと置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-(ピペリジニル)ピペリジンと置き換えたことを除いて、実施例6の手順を使用して調製した。実施例225Cは割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0368】
実施例225D.2(R)-[[4-(ピペリジニル)ピペリジニル]カルボニルメチル]-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(S)-1-(3-トリフルオロメチルフェニル)エチル]アミド。実施例225Dは、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Nと置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-(ピペリジニル)ピペリジンと置き換えたことを除いて、実施例6の手順を使用して調製した。実施例225Dは割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0369】
以下の表に示される実施例87~120Eは、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例29と置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを適切なアミンと置き換えたことを除いて、実施例6の手順を使用して調製した。記載した全ての実施例は割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【化41】
【0370】
【表21】
【0371】
実施例120F.実施例120Fは、実施例63を実施例110と置き換えてオフホワイトの固体(54.5mg、98%)を得たことを除いて、実施例86Bの手順を使用して調製した。実施例120Fは割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0372】
実施例120G.2(S)-(メトキシカルボニルエチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例120Gは、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Mと置き換えたことを除いて、実施例6の手順を使用して調製し、割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0373】
実施例35.2(S)-[4-(2-フェニルエチル)ピペラジニル-カルボニルエチル]-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例29のカルボン酸と置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-(2-フェニルエチル)ピペラジンと置き換えたことを除いて、実施例6の手順を使用して標題化合物を調製した。H NMR(CDCl)δ2.21-2.23(m,1H);2.25-2.45(m,6H);2.52-2.63(m,3H);2.72-2.82(m,2H);3.42-3.48(m,2H);3.52-3.58(m,1H);4.13-4.18(m,1H);4.26(dd,J=5.1Hz,J=8.3Hz,1H);4.29(d,J=5.0Hz,1H);4.44(dd,J=6.0Hz,J=15.0Hz,1H);4.54(dd,J=6.2Hz,J=14.9Hz,1H);4.61-4.68(m,2H);4.70-4.75(m,1H);6.27(dd,J=9.6Hz,J=15.8Hz,1H);6.73(d,J=15.8Hz,1H);7.16-7.60(m,19H);8.07-8.12(m,1H);FAB(M+H)/z794;C4546についての元素分析計算値:C,68.08;H,5.84;N,8.82;実測値:C,67.94;H,5.90;N,8.64。
【0374】
以下の表に示される実施例141~171は、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34と置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを適切なアミンと置き換えたことを除いて、実施例6の手順を使用して調製し、記載した全ての実施例は割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0375】
【化42】
【0376】
【表22】
【0377】
以下の表に示される実施例172~221Rは、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Aと置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを適切なアミンと置き換えたことを除いて、実施例6の手順を使用して調製し、記載した全ての実施例は割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0378】
【化43】
【0379】
【表23-1】
【0380】
【表23-2】
【0381】
以下の表に示される化合物は本明細書に記載される手順に従って調製した。
【0382】
【化44】
【0383】
【表24-1】
【0384】
【表24-2】
【0385】
以下の表に示される実施例135~140は、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例33と置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを適切なアミンと置き換えたことを除いて、実施例6の手順を使用して調製し、記載した全ての実施例は割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【化45】
【0386】
【表25】
【0387】
実施例140A.2(R)-(2-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミノ-1-イルカルボニル)エチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(4-シクロヘキシル)ピペラジンアミド。実施例140Aは、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Qと置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを1-シクロヘキシル-ピペラジンと置き換えたことを除いて、実施例6の手順を使用して調製し、割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0388】
以下の表に示される実施例226~230Cは、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Fと置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを適切なアミンと置き換えたことを除いて、実施例6の手順を使用して調製し、記載した全ての実施例は割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【化46】
【0389】
【表26】
【0390】
以下の化合物は本明細書に記載されている手順に従って調製した。
【化47】
【0391】
【表27】
【0392】
実施例86C.2(S)-[[4-(ピペリジニル)ピペリジニル]カルボニルメチル]-2-[3(S)-(4(R)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例86Cは、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例28Aと置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-(ピペリジニル)ピペリジンと置き換えたことを除いて、実施例6の手順を使用して調製し、割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0393】
実施例231.2(R)-[[4-(ピペリジニル)ピペリジニル]カルボニルメチル]-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2’-メトキシスチル-2-イル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例231は、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Gと置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-(ピペリジニル)ピペリジンと置き換えたことを除いて、実施例6の手順を使用して調製し、割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0394】
以下の表に示される実施例232~233Aは、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Hと置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを適切なアミンと置き換えたことを除いて、実施例6の手順を使用して調製し、記載した全ての実施例は割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【化48】
【0395】
【表28】
【0396】
実施例234.(2RS)-[4-(ピペリジニル)ピペリジニルカルボニル]-2-メチル-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。
【化49】
【0397】
テトラヒドロフラン(4mL)中の実施例37(50mg、0.067mmol)を-78℃にて水素化ナトリウム(4mg、0.168mmol)およびヨウ化メチル(6μL、0.094mmol)で連続して処理した。得られた混合物を周囲温度にゆっくり加温し、蒸発させた。得られた残渣をジクロロメタンと水との間に分配し、有機層を蒸発させた。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(95:5のクロロホルム/メタノール)により精製して、オフホワイトの固体として28mg(55%)の標題化合物を得た。MS(ES):m/z=757(M)。
【0398】
実施例234A.4-(ピペリジニル)-ピペリジニル3(R)-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-3-メチル-4(R)-(スチル-2-イル)アゼチジン-2-オン-1-イル]-3-[(3-トリフルオロメチル)フェニルメチルアミノカルボニル]プロパン酸。
【化50】
【0399】
N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Jのカルボン酸と置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-(ピペリジニル)ピペリジンと置き換えたことを除いて、実施例6の手順を使用して、標題化合物を定量的収率で調製した。MS(m+H)772。
【0400】
以下の表に示される化合物は本明細書に記載される方法に従って調製した。
【化51】
【0401】
【表29】
【0402】
実施例235.2(S)-[[(1-ベンジルピペリジン-4-イル)アミノ]カルボニルメチル]-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-フェニルエト-1-イル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例235を、N-ベンジルオキシカルボニル-L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミドを実施例63(50mg、0.064mmol)と置き換えたことを除いて、実施例8の手順を使用して調製して、オフホワイトの固体として40mg(80%)の実施例235を得た。実施例235は割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0403】
実施例236.(2S)-[(4-シクロヘキシルピペラジニル)カルボニルエチル]-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-フェニルエト-1-イル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例236は、N-ベンジルオキシカルボニル-L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミドを実施例110(50mg、0.065mmol)と置き換えたことを除いて、実施例8の手順を使用して調製して、オフホワイトの固体として42mg(84%)の実施例236を得た。実施例236は割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0404】
実施例236A.(2S)-[(4-シクロヘキシルピペラジニル)カルボニルエチル]-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-フェニルエト-1-イル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[(R)-1,2,3,4-テトラヒドロナフト-1-イル]アミド。実施例236Aは、N-ベンジルオキシカルボニル-L-アスパラギン酸β-t-ブチルエステルα-(3-トリフルオロメチル)ベンジルアミドを実施例215(76mg、0.10mmol)と置き換えたことを除いて、実施例8の手順を使用して調製して、オフホワイトの固体として69mg(90%)の実施例236Aを得た。実施例236Aは割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0405】
実施例237.2(R)-[[4-(ピペリジニル)ピペリジニル]カルボニルメチル]-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(プロペン-1-イル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-(3-トリフルオロメチルベンジル)アミド。実施例237は、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を実施例34Kと置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-(ピペリジニル)ピペリジンと置き換えたことを除いて、実施例6の手順を使用して調製した。実施例237は割り当てられた構造と一致したH NMRスペクトルを示した。
【0406】
実施例238.(2S)-(ベンジルチオメチル)-2-[3(S)-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)-4(R)-(2-スチリル)アゼチジン-2-オン-1-イル]酢酸N-[4-[2-(ピペリド-1-イル)エチル]ピペリジン-1-イル]アミド。この実施例は、N-ベンジルオキシカルボニル-D-アスパラギン酸β-t-ブチルエステル一水和物を対応するベンジル保護システイン類似体と置き換え、3-(トリフルオロメチル)ベンジルアミンを4-[2-(ピペリド-1-イル)エチル]ピペリジンと置き換えたことを除いて、実施例6の手順を使用して調製した。
【0407】
工程1.N-tブチルオキシカルボニル-(S)-(ベンジル)-D-システイン-[4-(2-(1-ピペリジル)エチル)]ピペリジンアミド。ジクロロメタン(20mL)中のN-tブチルオキシカルボニル-(S)-ベンジル-N-(tブチルオキシカルボニル)-D-システイン(0.289g、0.93mmol)および4-[2-(1-ピペリジル)エチル]ピペリジン(0.192g、0.98mmol)により、オフホワイトの固体として0.454g(定量的収率)の実施例Xを得た。H NMR(CDCl)δ0.89-1.15(m,2H);1.39-1.44(m,16H);1.54-1.61(m,4H);1.62-1.71(m,1H);2.21-2.35(m,5H);2.49-2.58(m,2H);2.66-2.74(m,1H);2.79-2.97(m,1H);3.67-3.76(m,3H);4.48-4.51(m,1H);4.72-4.75(m,1H);5.41-5.44(m,1H);7.19-7.34(m,5H)。
【0408】
工程2.(S)-(ベンジル)-D-システイン-[4-(2-(1-ピペリジル)エチル)]ピペリジンアミド,二塩酸塩。N-tブチルオキシカルボニル-(S)-(ベンジル)-D-システイン-[4-(2-(1-ピペリジル)エチル)]ピペリジンアミド(0.453g、0.93mmol)を無水メタノール(15mL)中の塩化アセチル(0.78mL、13.80mmol)と一晩反応させた。反応混合物を蒸発乾固することによって標題化合物をオフホワイトの固体として得た(0.417g、97%)。H NMR(CDOD)δ0.94-1.29(m,2H);1.49-1.57(m,1H);1.62-1.95(m,10H);2.65-2.80(m,2H);2.81-2.97(m,4H);3.01-3.14(m,2H);3.50-3.60(m,3H);3.81-3.92(m,2H);4.41-4.47(m,2H);7.25-7.44(m,5H)。
【0409】
工程3.本明細書に記載される一般的手順を使用して、トリエチルアミン(0.26mL、1.87mmol)の存在下で(S)-(ベンジル)-D-システイン-[4-(2-(1-ピペリジル)エチル)]ピペリジンアミド,二塩酸塩(0.417g、0.90mmol)およびシンナムアルデヒドから調製したイミンを2-(4(S)-フェニルオキサゾリジン-2-オン-3-イル)アセチルクロリド(実施例1)と合わせて、ジクロロメタン/ヘキサンから再結晶した後、オフホワイトの固体として0.484g(76%)の実施例238を得た。H NMR(CDCl)δ0.89-1.06(m,2H);1.40-1.44(m,5H);1.57-1.67(m,6H);2.25-2.43(m,6H);2.45-2.59(m,2H);2.71-2.88(m,2H);3.55-3.70(m,3H);4.11-4.17(m,1H);4.37-4.47(m,2H);4.54-4.61(m,1H);4.64-4.69(m,1H);4.76-4.84(m,2H);6.05-6.19(m,1H);6.66-6.71(m,1H);7.12-7.40(m,15H)。
【0410】
以下の化合物が記載される。
【化52】
【0411】
【表30】
【0412】
以下の化合物が記載される。
【化53】
【0413】
【表31】
【0414】
以下の化合物が記載される。
【化54】
【0415】
【表32】
【0416】
以下の化合物が記載される。
【化55】
【0417】
【表33】
【0418】
以下の化合物が記載される。
【化56】
【0419】
【表34】
【0420】
以下の化合物が記載される。
【化57】
【0421】
【表35】
【0422】
以下の表は、対応する(M+H)親イオンを観察するためにFABを使用して質量スペクトル解析によってさらに特徴付けられた選択化合物を例示する。
【0423】
【表36-1】
【0424】
【表36-2】
図1
図2
図3
図4
図5
図6