(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-03
(45)【発行日】2023-04-11
(54)【発明の名称】包装体
(51)【国際特許分類】
A61M 25/09 20060101AFI20230404BHJP
B65D 75/60 20060101ALI20230404BHJP
B65D 85/02 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
A61M25/09
B65D75/60
B65D85/02
(21)【出願番号】P 2019019652
(22)【出願日】2019-02-06
【審査請求日】2021-04-05
【審判番号】
【審判請求日】2022-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】390030731
【氏名又は名称】朝日インテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134326
【氏名又は名称】吉本 聡
(72)【発明者】
【氏名】ケートスニー ナイヤウット
(72)【発明者】
【氏名】ウッティポン ムアンムン
(72)【発明者】
【氏名】守口 順朗
【合議体】
【審判長】久保 克彦
【審判官】石田 智樹
【審判官】稲葉 大紀
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3008738(JP,U)
【文献】特開2015-217969(JP,A)
【文献】特表2008-514517(JP,A)
【文献】特開2012-12086(JP,A)
【文献】特開2003-205972(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D67/00-79/02
B65D81/18-81/30
B65D81/38
B65D85/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート部材を重ねて貼着した貼着領域を外周に形成した包装体において、
前記貼着領域の少なくとも1部に開口部を有し、
前記開口部は、
前記貼着領域に連続して山形に形成された第1の貼着部と、
その第1の貼着部の外側に隣接して山形に形成された第1の非貼着部と、
その第1の非貼着部の外側に隣接して配置され、前記第1の貼着部から隔離して山形に形成された第2の貼着部と、
を備え、
前記第2の貼着部の両端は、前記第1の貼着部から隔離し、
前記第1の非貼着部の両端は、前記第1の貼着部の山形の頂点よりも、前記第1の貼着部に対して前記第2の貼着部が形成されている前記外側の反対側に位置していることを特徴とする包装体。
【請求項2】
前記第1の貼着部及び前記第2の貼着部の前記山形の頂点近傍における幅は、前記山形の頂点近傍以外の領域における幅よりも小さくなっており、前記第1の非貼着部の前記山形の頂点近傍における幅は、前記山形の頂点近傍以外の領域における幅よりも大きくなっていることを特徴とする請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
前記第1の貼着部及び前記第2の貼着部の幅は、前記開口部の前記山形の頂点に向かって徐々に小さくなっており、前記第1の非貼着部の幅は、前記開口部の前記山形の頂点に向かって徐々に大きくなっていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の包装体。
【請求項4】
前記第1の貼着部、前記第2の貼着部及び前記第1の非貼着部は、その底辺に対する角度が前記開口部の前記山形の頂点に向かって徐々に大きくなっていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の包装体。
【請求項5】
前記開口部は、
前記第2の貼着部の外側に隣接して
山形に形成された第2の非貼着部と、
その第2の非貼着部の外側に隣接して配置され、前記貼着領域のうち前記開口部以外の領域の幅よりも小さい幅で形成され、前記第2の貼着部から
隔離して山形に形成された第3の貼着部と、
を備え
、
前記第3の貼着部の両端は、前記第2の貼着部から隔離し、
前記第2の非貼着部の両端は、前記第1の貼着部の山形の頂点よりも、前記第1の貼着部に対して前記第3の貼着部が形成されている前記外側の反対側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ガイドワイヤ等の長尺状の医療部材を収納した収納物は、滅菌されて包装体に収納されるのが一般的である。
【0003】
例えば、特許文献1には、ガイドワイヤ収納物を収納した包装体が記載されている(
図1等参照)。
【0004】
特許文献1に記載の包装体は、2枚のシート材を重ね合わせて、シート材の周縁をシールすることによってガイドワイヤ収納物の収納空間を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の包装体は、シート材の周縁全体が略同一幅でシールされていることから、包装体のシール強度は十分に確保されている一方で、ガイドワイヤ収納物を包装体から取り出す際には、包装体を容易に開口できないという問題があった。
【0007】
一方で、包装体の輸送を考慮した場合には、ガイドワイヤ収納物を収納する為の包装体のシール強度は十分に確保されている必要がある。
【0008】
本発明は、従来技術が有する上述した問題に対応してなされたものであり、包装体のシール強度を十分に確保することができるとともに、包装体の開口部を容易に開くことができる包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明の第1の態様は、シート部材を重ねて貼着した貼着領域を外周に形成した包装体において、前記貼着領域の少なくとも1部に開口部を有し、前記開口部は、前記貼着領域に連続して山形に形成された第1の貼着部と、その第1の貼着部の外側に隣接して山形に形成された第1の非貼着部と、その第1の非貼着部の外側に隣接して配置され、前記第1の貼着部から隔離して山形に形成された第2の貼着部と、を備え、前記第2の貼着部の両端は、前記第1の貼着部から隔離し、前記第1の非貼着部の両端は、前記第1の貼着部の山形の頂点よりも、前記第1の貼着部に対して前記第2の貼着部が形成されている前記外側の反対側に位置していることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の第2の態様は、第1の態様の包装体において、前記第1の貼着部及び前記第2の貼着部の前記山形の頂点近傍における幅は、前記山形の頂点近傍以外の領域における幅よりも小さくなっており、前記第1の非貼着部の前記山形の頂点近傍における幅は、前記山形の頂点近傍以外の領域における幅よりも大きくなっていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の第3の態様は、第1の態様または第2の態様の包装体において、前記第1の貼着部及び前記第2の貼着部の幅は、前記開口部の前記山形の頂点に向かって徐々に小さくなっており、前記第1の非貼着部の幅は、前記開口部の前記山形の頂点に向かって徐々に大きくなっていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の第4の態様は、第1の態様乃至第3の態様の何れかの包装体において、前記第1の貼着部、前記第2の貼着部及び前記第1の非貼着部は、その底辺に対する角度が前記開口部の前記山形の頂点に向かって徐々に大きくなっていることを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の第5の態様は、第1の態様の包装体において、前記開口部は、前記第2の貼着部の外側に隣接して山形に形成された第2の非貼着部と、その第2の非貼着部の外側に隣接して配置され、前記貼着領域のうち前記開口部以外の領域の幅よりも小さい幅で形成され、前記第2の貼着部から隔離して山形に形成された第3の貼着部と、を備え、前記第3の貼着部の両端は、前記第2の貼着部から隔離し、前記第2の非貼着部の両端は、前記第1の貼着部の山形の頂点よりも、前記第1の貼着部に対して前記第3の貼着部が形成されている前記外側の反対側に位置していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の第1の態様によれば、シート部材を重ねて貼着した貼着領域を外周に形成した包装体において、貼着領域の少なくとも1部に開口部を有し、開口部は、前記貼着領域に連続して山形に形成された第1の貼着部と、その第1の貼着部の外側に隣接して山形に形成された第1の非貼着部と、その第1の非貼着部の外側に隣接して配置され、前記第1の貼着部から隔離して山形に形成された第2の貼着部と、を備え、前記第2の貼着部の両端は、前記第1の貼着部から隔離し、第1の非貼着部の両端は、第1の貼着部の山形の頂点よりも、第1の貼着部に対して第2の貼着部が形成されている外側の反対側に位置しているので、包装体のシール強度を十分に確保することができるとともに、包装体の開口部を容易に開くことができる。
【0015】
また、本発明の第2の態様によれば、第1の態様の包装体において、第1の貼着部及び第2の貼着部の山形の頂点近傍における幅は、山形の頂点近傍以外の領域における幅よりも小さくなっており、第1の非貼着部の山形の頂点近傍における幅は、山形の頂点近傍以外の領域における幅よりも大きくなっているので、第1の態様の包装体の効果に加え、包装体の開口部をさらに容易に開くことができる。
【0016】
また、本発明の第3の態様によれば、第1の態様または第2の態様の包装体において、また、第1の貼着部及び第2の貼着部の幅は、開口部の山形の頂点に向かって徐々に小さくなっており、第1の非貼着部の幅は、開口部の山形の頂点に向かって徐々に大きくなっているので、第1の態様または第2の態様の包装体の効果に加え、包装体の開口部をさらに容易に開くことができる。
【0017】
また、本発明の第4の態様によれば、第1の態様乃至第3の態様の何れかの包装体において、第1の貼着部、第2の貼着部及び第1の非貼着部は、その底辺に対する角度が開口部の山形の頂点に向かって徐々に大きくなっているので、第1の態様乃至第3の態様の何れかの包装体の効果に加え、包装体の開口部をさらに容易に開くことができる。
【0018】
さらに、本発明の第5の態様によれば、第1の態様の包装体において、開口部は、第2の貼着部の外側に隣接して配置され、開口部の両端を結ぶ領域に連続して山形に形成された第2の非貼着部と、その第2の非貼着部の外側に隣接して配置され、貼着領域のうち開口部以外の領域の幅よりも小さい幅で形成され、第2の貼着部から離間して山形に形成された第3の貼着部と、を備え、第3の貼着部の両端は、第2の貼着部から隔離し、第2の非貼着部の両端は、第1の貼着部の山形の頂点よりも、第1の貼着部に対して第3の貼着部が形成されている外側の反対側に位置しているので、包装体のシール強度を十分に確保することができるとともに、包装体の開口部を容易に開くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1実施形態の包装体の全体平面図である。
【
図3】第2実施形態の包装体の部分拡大平面図である。
【
図4】第3実施形態の包装体の部分拡大平面図である。
【
図5】第4実施形態の包装体の部分拡大平面図である。
【
図6】第5実施形態の包装体の部分拡大平面図である。
【
図7】第6実施形態の包装体の部分拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0021】
(第1実施形態)
先ず、本発明の第1実施形態について説明する。
【0022】
図1は、本発明の第1実施形態の包装体の全体平面図であり、
図2は、
図1のA部拡大平面図である。
【0023】
図1及び
図2に示すように、包装体1は、ガイドワイヤ等の長尺状の医療部材102を収納した医療部材収納物100を収容するための袋であり、2枚のシート材を重ね合わせて、それらの周縁をヒートシール等により貼着することによって袋状に構成されている。
【0024】
各シート材は、矩形状の軟質シート(可撓性を有するシート)から構成されており、同一サイズに形成されている。
【0025】
包装体1は、先ず、2枚のシート材を重ね合わせた状態で、シート材の周縁のうち、左辺、右辺および上部をヒートシールすることにより貼着部5a、貼着部5b及び開口部3のシール部が形成される。
【0026】
開口部3のシール部は、包装体1の上側に凸となるように屈曲した広角の略V字形状の山形を呈しており、貼着部5a及び貼着部5bの上端に連結した貼着部3bと、その貼着部3bの上側に隣接し、2枚のシート材が貼着されていない非貼着部7aと、その非貼着部7aの上側に隣接する貼着部3aとから構成されている。
【0027】
なお、包装体1は、医療部材収納物100が収納されていない状態ではその底辺が開口しており、包装体1内に医療部材収納物100を収納した後に底辺をヒートシールすることにより貼着部5cが形成される。
【0028】
収納空間Sは、貼着部5a、貼着部5b、貼着部5c及び貼着部3bで囲まれることによって平面視五角形となっており、貼着部3bの頂角θ1は、150°~170°であることが好ましい。また、貼着部3aの頂角も、150°~170°であることが好ましい。
【0029】
包装体1を構成する2枚のシート材は、ガス透過性を有しているのが好ましい。具体的には、シート材は、エチレンオキシドや過酸化水素等の滅菌ガスを透過するが、水分やバクテリア等の細菌は透過しないバリア性フィルムであることが好ましい。
【0030】
これにより、包装体1内に医療部材収納物100を収納した後に、シート材を介して収納空間S内に滅菌ガスを透過させることにより、医療部材収納物100の滅菌を行うことができる。
【0031】
このようなシート材の構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリプロピレンとエチレンビニルアルコール(EVOH)、ポリプロピレンとポリエチレン、ナイロンとポリプロピレン等を使用することができる。
【0032】
なお、シート材のうち、開口部3の貼着部3a及び貼着部3bには接着層を形成しても良い。接着層は、開口部3を剥離可能にヒートシールするための層である。
【0033】
このような接着層の構成材料としては、シート材の構成材料等によっても異なるが、例えば、エチレン-酢酸ビニル系樹脂、エチレン-アクリル酸系樹脂、エチレン-酢酸ビニル系樹脂、エチレン-アクリル酸系樹脂等のオレフィン系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、2液硬化型ウレタン系ドライラミネート接着剤等を使用することができる。
【0034】
なお、包装体1の上部には、包装体1を係止する為の孔2が形成されている。
【0035】
本実施形態の包装体1によれば、シート部材を貼着した貼着領域が外周に形成された包装体において、貼着領域の少なくとも1部に開口部3を有し、開口部3は、山形を呈し、シート部材が貼着されていない非貼着部7aと、その非貼着部7aを挟んで形成され、シート部材が貼着された複数の貼着部3a及び貼着部3bとによって形成されているので、包装体1のシール強度を十分に確保することができるとともに、包装体1の開口部3を容易に開くことができる。
【0036】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0037】
図3は、第2実施形態の包装体の部分拡大平面図である。
【0038】
なお、本実施形態においては、第1実施形態と同一の部材については同一の番号を付し、説明を省略する。また、本実施形態の包装体の全体平面図は、
図1とほぼ同一であるので省略する。
【0039】
また、本実施形態及び後述する他の実施形態における、包装体の製造方法、シート材のサイズ、シート材の材質、シート材に接着剤を形成する場合の接着剤の材質及び収納空間Sの形状は、第1実施形態と同一であり、本実施形態及び後述する他の実施形態において説明を省略する。
【0040】
図3に示すように、包装体10は、医療部材収納物100を収容するための袋であり、2枚のシート材を重ね合わせて、それらの周縁をヒートシール等により貼着することによって袋状に構成されている。
【0041】
開口部13のシール部は、包装体10の上側に凸となるように屈曲した広角の略V字形状の山形を呈しており、貼着部15a及び貼着部15bの上端に連結した貼着部13cと、その貼着部13cの上側に隣接し、2枚のシート材が貼着されていない非貼着部17bと、その非貼着部17bの上側に隣接する貼着部13bと、その貼着部13bの上側に隣接し、2枚のシート材が貼着されていない非貼着部17aと、その非貼着部17aの上側に隣接する貼着部13aとから構成されている。
【0042】
貼着部3cの頂角、貼着部3bの頂角及び貼着部3aの頂角は、150°~170°であることが好ましい。
【0043】
本実施形態の包装体10によれば、シート部材を貼着した貼着領域が外周に形成された包装体において、貼着領域の少なくとも1部に開口部13を有し、開口部13は、山形を呈し、シート部材が貼着されていない非貼着部17aと、その非貼着部17aを挟んで形成され、シート部材が貼着された複数の貼着部13a及び貼着部13bと、シート部材が貼着されていない非貼着部17bと、その非貼着部17bを挟んで形成され、シート部材が貼着された複数の貼着部13b及び貼着部13cとによって形成されているので、包装体10のシール強度をさらに十分に確保することができるとともに、包装体1の開口部13を容易に開くことができる。
【0044】
なお、本実施形態においては、貼着部の本数を3本、非貼着部の本数を2本とし、第1実施形態においては、貼着部の本数を2本、非貼着部の本数を1本として説明したが、これらの実施形態及び後述する他の実施形態において、貼着部の本数は、複数本(2本以上)であれば良く、非貼着部の本数は、1本以上であれば良い。
【0045】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0046】
図4は、第3実施形態の包装体の部分拡大平面図である。
【0047】
なお、本実施形態においては、第1実施形態と同一の部材については同一の番号を付し、説明を省略する。また、本実施形態の包装体の全体平面図は、
図1とほぼ同一であるので省略する。
【0048】
図4に示すように、包装体20は、医療部材収納物100を収容するための袋であり、2枚のシート材を重ね合わせて、それらの周縁をヒートシール等により貼着することによって袋状に構成されている。
【0049】
開口部23のシール部は、包装体20の上側に凸となるように屈曲した広角の略V字形状の山形を呈しており、貼着部25a及び貼着部25bの上端に連結した貼着部23bと、その貼着部23bの上側に隣接し、2枚のシート材が貼着されていない非貼着部27aと、その非貼着部27aの上側に隣接する貼着部23aとから構成されている。
【0050】
なお、本実施形態の開口部23の幅d1は、貼着部25a及び貼着部25bの幅d2と同一である。
【0051】
また、貼着部23bの頂角及び貼着部23aの頂角は、150°~170°であることが好ましい。
【0052】
本実施形態の包装体20によれば、シート部材を貼着した貼着領域が外周に形成された包装体において、貼着領域の少なくとも1部に開口部23を有し、開口部23は、山形を呈し、シート部材が貼着されていない非貼着部27aと、その非貼着部27aを挟んで形成され、シート部材が貼着された複数の貼着部23a及び貼着部23bとによって形成されており、開口部23の幅d1は、貼着部25a及び貼着部25bの幅d2と同一であるので、包装体20のシール強度を十分に確保することができるとともに、包装体20の開口部23をさらに容易に開くことができる。
【0053】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
【0054】
図5は、第4実施形態の包装体の部分拡大平面図である。
【0055】
なお、本実施形態においても、第1実施形態と同一の部材については同一の番号を付し、説明を省略する。また、本実施形態の包装体の全体平面図は、
図1とほぼ同一であるので省略する。
【0056】
図5に示すように、包装体30は、医療部材収納物100を収容するための袋であり、2枚のシート材を重ね合わせて、それらの周縁をヒートシール等により貼着することによって袋状に構成されている。
【0057】
開口部33のシール部は、包装体30の上側に凸となるように屈曲した広角の略V字形状の山形を呈しており、貼着部35a及び貼着部35bの上端に連結した貼着部33bと、その貼着部33bの上側に隣接し、2枚のシート材が貼着されていない非貼着部37aと、その非貼着部37aの上側に隣接する貼着部33aとから構成されている。
【0058】
なお、本実施形態の貼着部33bの幅d4は、山形の頂点近傍における幅が、他の領域における幅よりも小さくなっている。
【0059】
具体的には、貼着部33bは、幅d4が貼着部35aまたは貼着部35bの上端との連結部において最も大きく、そこから頂点に向かって徐々に小さくなる貼着部33b1と、その貼着部33b1に連結し、幅d4が階段状に小さくなる貼着部33b2と、その貼着部33b2に連結し、幅d4が頂点に向かって同一幅の貼着部33b3とから構成されている。
【0060】
また、本実施形態の貼着部33aの幅d3も、山形の頂点近傍における幅が、他の領域における幅よりも小さくなっている。
【0061】
具体的には、貼着部33aは、幅d3が左端部及び右端部において最も大きく、そこから頂点に向かって徐々に小さくなる貼着部33a1と、その貼着部33a1に連結し、幅d3が階段状に小さくなる貼着部33a2と、その貼着部33a2に連結し、幅d3が頂点に向かって同一幅の貼着部33a3とから構成されている。
【0062】
一方、本実施形態の非貼着部37aの幅d5は、山形の頂点近傍における幅が、他の領域における幅よりも大きくなっている。
【0063】
具体的には、非貼着部37aは、幅d5が左端部及び右端部において最も小さく、そこから頂点に向かって徐々に大きくなる非貼着部37a1と、その非貼着部37a1に連結し、幅d5が階段状に大きくなる非貼着部37a2と、その貼着部37a2に連結し、幅d5が頂点に向かって同一幅の貼着部37a3とから構成されている。
【0064】
なお、貼着部33bの頂角及び貼着部33aの頂角は、150°~170°であることが好ましい。
【0065】
本実施形態の包装体30によれば、シート部材を貼着した貼着領域が外周に形成された包装体において、貼着領域の少なくとも1部に開口部33を有し、開口部33は、山形を呈し、シート部材が貼着されていない非貼着部37aと、その非貼着部37aを挟んで形成され、シート部材が貼着された複数の貼着部33a及び貼着部33bとによって形成されており、貼着部33bの幅d4及び貼着部33aの幅d3は、山形の頂点近傍における幅が、他の領域における幅よりも小さくなっているので、包装体30のシール強度を十分に確保することができるとともに、包装体30の開口部33をさらに容易に開くことができる。
【0066】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
【0067】
図6は、第5実施形態の包装体の部分拡大平面図である。
【0068】
なお、本実施形態においても、第1実施形態と同一の部材については同一の番号を付し、説明を省略する。また、本実施形態の包装体の全体平面図は、
図1とほぼ同一であるので省略する。
【0069】
図6に示すように、包装体40は、医療部材収納物100を収容するための袋であり、2枚のシート材を重ね合わせて、それらの周縁をヒートシール等により貼着することによって袋状に構成されている。
【0070】
開口部43のシール部は、包装体40の上側に凸となるように屈曲した広角の略V字形状の山形を呈しており、貼着部45a及び貼着部45bの上端に連結した貼着部43bと、その貼着部43bの上側に隣接し、2枚のシート材が貼着されていない非貼着部47aと、その非貼着部47aの上側に隣接する貼着部43aとから構成されている。
【0071】
なお、本実施形態の貼着部43bの幅d7は、開口部43の山形の頂点に向かって徐々に小さくなっている。
【0072】
また、本実施形態の貼着部43aの幅d6も、開口部43の山形の頂点に向かって徐々に小さくなっている。
【0073】
一方、本実施形態の非貼着部47aの幅d8は、開口部43の山形の頂点に向かって徐々に大きくなっている。
【0074】
なお、貼着部43bの頂角及び貼着部43aの頂角は、150°~170°であることが好ましい。
【0075】
本実施形態の包装体40によれば、シート部材を貼着した貼着領域が外周に形成された包装体において、貼着領域の少なくとも1部に開口部43を有し、開口部43は、山形を呈し、シート部材が貼着されていない非貼着部47aと、その非貼着部47aを挟んで形成され、シート部材が貼着された複数の貼着部43a及び貼着部43bとによって形成されており、貼着部43bの幅d6及び貼着部43aの幅d7は、開口部43の山形の頂点に向かって徐々に小さくなっており、非貼着部47a幅8は、開口部43の山形の頂点に向かって徐々に大きくなっているので、包装体40のシール強度を十分に確保することができるとともに、包装体40の開口部43をさらに容易に開くことができる。
【0076】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について説明する。
【0077】
図7は、第6実施形態の包装体の部分拡大平面図である。
【0078】
なお、本実施形態においても、第1実施形態と同一の部材については同一の番号を付し、説明を省略する。また、本実施形態の包装体の全体平面図は、
図1とほぼ同一であるので省略する。
【0079】
図7に示すように、包装体50は、医療部材収納物100を収容するための袋であり、2枚のシート材を重ね合わせて、それらの周縁をヒートシール等により貼着することによって袋状に構成されている。
【0080】
開口部53のシール部は、包装体50の上側に凸となるように屈曲した広角の略V字形状の山形を呈しており、貼着部55a及び貼着部55bの上端に連結した貼着部53bと、その貼着部53bの上側に隣接し、2枚のシート材が貼着されていない非貼着部57aと、その非貼着部57aの上側に隣接する貼着部53aとから構成されている。
【0081】
なお、貼着部53bは、その底辺Lに対する角度θ3が開口部53の山形の頂点に向かって徐々に大きくなっている。
【0082】
また、貼着部53a及び非貼着部57aも、その底辺Lに対する角度θ3が開口部53の山形の頂点に向かって徐々に大きくなっている。
【0083】
なお、貼着部53bの頂角及び貼着部53aの頂角は、150°~170°であることが好ましい。
【0084】
本実施形態の包装体50によれば、シート部材を貼着した貼着領域が外周に形成された包装体において、貼着領域の少なくとも1部に開口部53を有し、開口部53は、山形を呈し、シート部材が貼着されていない非貼着部57aと、その非貼着部57aを挟んで形成され、シート部材が貼着された複数の貼着部53a及び貼着部53bとによって形成されており、貼着部53a及び貼着部53bは、その底辺Lに対する角度θ3が開口部53の山形の頂点に向かって徐々に大きくなっているので、包装体50のシール強度を十分に確保することができるとともに、包装体50の開口部53をさらに容易に開くことができる。
【0085】
なお、本実施形態の包装体50における、貼着部が、その底辺に対する角度が開口部の山形の頂点に向かって徐々に大きくなっている点は、第4実施形態の包装体30及び第5実施形態の包装体40においても適用可能である。
【符号の説明】
【0086】
1,10,20,30,40,50・・・包装体
3,13,23,33,43,53・・・開口部
3a,3b,5a,5b,5c,13a,13b,13c,15a,15b,23a,23b,25a,25b,33a,33b,35a,35b,43a,43b,45a,45b,53a,53b,55a,55b・・・貼着部
7a,17a,27a,37a,47a,57a・・・非貼着部
100・・・医療部材収納物
L・・・底辺