(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-03
(45)【発行日】2023-04-11
(54)【発明の名称】スタンプ用多色変色性インキ組成物及びそれを用いたスタンプ
(51)【国際特許分類】
C09D 11/037 20140101AFI20230404BHJP
B41K 1/50 20060101ALI20230404BHJP
C09K 9/02 20060101ALN20230404BHJP
【FI】
C09D11/037
B41K1/50 A
B41K1/50 Z
C09K9/02 C
(21)【出願番号】P 2019086985
(22)【出願日】2019-04-29
【審査請求日】2022-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】303022891
【氏名又は名称】株式会社パイロットコーポレーション
(73)【特許権者】
【識別番号】000111890
【氏名又は名称】パイロットインキ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中島 明雄
【審査官】井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-209444(JP,A)
【文献】特開2004-149726(JP,A)
【文献】特開2009-126999(JP,A)
【文献】特開2019-112549(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 11/00- 13/00
B41M 5/28- 5/48
B41K 1/00- 99/00
C09C 1/00- 3/12
C09D 15/00- 17/00
C09K 9/00- 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(イ)電子供与性呈色性有機化合物と、(ロ)電子受容性化合物と、(ハ)前記(イ)、(ロ)成分による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体とからなる可逆熱変色性組成物aを含む可逆熱変色性顔料A、及び、(イ)電子供与性呈色性有機化合物と、(ロ)電子受容性化合物と、(ハ)前記(イ)、(ロ)成分による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体とからなる可逆熱変色性組成物bを含む可逆熱変色性顔料Bと、媒体とから少なくともなり、前記可逆熱変色性顔料A及びBは消色状態からの降温により完全発色温度(t
1)に達すると完全に発色状態になり、発色状態からの昇温により完全消色温度(t
4)に達すると完全に消色状態になる顔料であり、可逆熱変色性顔料Aの完全消色温度(t
4)より
10℃以上高温側に可逆熱変色性顔料Bの完全消色温度(t
4)を有し、且つ、可逆熱変色性顔料Bは発色時に蛍光性を有する顔料であるスタンプ用多色変色性インキ組成物。
【請求項2】
前記可逆熱変色性顔料B中の(イ)電子供与性呈色性有機化合物がピリジン系化合物、キナゾリン系化合物、ビスキナゾリン系化合物、ジアザローダミンラクトン系化合物から選ばれる化合物である請求項1記載のスタンプ用多色変色性インキ組成物。
【請求項3】
前記可逆熱変色性顔料Aの完全消色温度よりも10~70℃高温側に可逆熱変色性顔料Bの完全消色温度を有する請求項1又は2記載のスタンプ用多色変色性インキ組成物。
【請求項4】
前記可逆熱変色性顔料Aの完全消色温度が50℃以上であり、完全発色温度が0℃以下であり、可逆熱変色性顔料Bの完全発色温度が0℃以下である請求項1乃至3のいずれか一項に記載のスタンプ用多色変色性インキ組成物。
【請求項5】
連続気孔を有する印材を備えてなり、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の可逆熱変色性スタンプ用インキ組成物を前記印材に含浸してなるスタンプ。
【請求項6】
摩擦体を備えてなる請求項5記載のスタンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスタンプ用多色変色性インキ組成物及びそれを用いたスタンプに関する。更に詳細には、温度変化により多彩な色変化を視認可能な印像が得られるスタンプ用多色変色性インキ組成物及びそれを用いたスタンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、温度変化によって色変化する印像を得るためのスタンプ用インキ組成物が開示されている(例えば、特許文献1又は2参照)。
前記インキ組成物を用いて形成される印像は、温度変化により有色から無色、或いは、有色(1)から有色(2)への可逆的色変化を示し、装飾性に優れるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-121427号公報
【文献】特開2015-209444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記スタンプ用インキ組成物により得られる印像の色変化について追求し、変色前後のそれぞれの色の鮮やかさに富み、商品価値の高いスタンプ用多色変色性インキ組成物及びそれを用いたスタンプを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、(イ)電子供与性呈色性有機化合物と、(ロ)電子受容性化合物と、(ハ)前記(イ)、(ロ)成分による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体とからなる可逆熱変色性組成物aを含む可逆熱変色性顔料A、及び、(イ)電子供与性呈色性有機化合物と、(ロ)電子受容性化合物と、(ハ)前記(イ)、(ロ)成分による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体とからなる可逆熱変色性組成物bを含む可逆熱変色性顔料Bと、媒体とから少なくともなり、前記可逆熱変色性顔料A及びBは消色状態からの降温により完全発色温度(t1)に達すると完全に発色状態になり、発色状態からの昇温により完全消色温度(t4)に達すると完全に消色状態になる顔料であり、可逆熱変色性顔料Aの完全消色温度(t4)より10℃以上高温側に可逆熱変色性顔料Bの完全消色温度(t4)を有し、且つ、可逆熱変色性顔料Bは発色時に蛍光性を有する顔料であるスタンプ用多色変色性インキ組成物を要件とする。
更には、前記可逆熱変色性顔料B中の(イ)電子供与性呈色性有機化合物がピリジン系化合物、キナゾリン系化合物、ビスキナゾリン系化合物、ジアザローダミンラクトン系化合物から選ばれる化合物であること、前記可逆熱変色性顔料Aの完全消色温度よりも10~70℃高温側に可逆熱変色性顔料Bの完全消色温度を有すること、前記可逆熱変色性顔料Aの完全消色温度が50℃以上であり、完全発色温度が0℃以下であり、可逆熱変色性顔料Bの完全発色温度が0℃以下であること等を要件とする。
更には、連続気孔を有する印材を備えてなり、前記可逆熱変色性スタンプ用インキ組成物を前記印材に含浸してなるスタンプ、摩擦体を備えてなる前記スタンプを要件とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、一方の可逆熱変色性顔料の完全消色温度(t4)より高温側に他方の可逆熱変色性顔料の完全消色温度(t4)を有し、且つ、可逆熱変色性顔料Bは発色時に蛍光性を有する顔料であることにより、変色前後のそれぞれの色の鮮やかさに富み、商品価値の高いスタンプ用多色変色性インキ組成物及びそれを用いたスタンプを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】可逆熱変色性組成物の色濃度-温度曲線におけるヒステリシス特性を説明するグラフである。
【
図2】色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物の色濃度-温度曲線におけるヒステリシス特性を説明するグラフである。
【
図3】本発明の一実施例のスタンプ用多色変色性インキ組成物中に含まれる可逆熱変色性顔料A及び可逆熱変色性顔料Bの色濃度-温度曲線(顔料A:細線、顔料B:太線)を示す。
【
図4】本発明の他の実施例のスタンプ用多色変色性インキ組成物中に含まれる可逆熱変色性顔料A及び可逆熱変色性顔料Bの色濃度-温度曲線(顔料A:細線、顔料B:太線)を示す。
【
図5】本発明の他の実施例のスタンプ用多色変色性インキ組成物中に含まれる可逆熱変色性顔料A及び可逆熱変色性顔料Bの色濃度-温度曲線(顔料A:細線、顔料B:太線)を示す。
【
図6】本発明の他の実施例のスタンプ用多色変色性インキ組成物中に含まれる可逆熱変色性顔料A及び可逆熱変色性顔料Bの色濃度-温度曲線(顔料A:細線、顔料B:太線)を示す。
【
図7】本発明のスタンプ用多色変色性インキ組成物を内蔵したスタンプの一実施例の縦断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
前記可逆熱変色性組成物a、bは、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体の必須三成分を少なくとも含む加熱消色型(加熱により消色し、冷却により発色する)の可逆熱変色性組成物が挙げられる。
前記可逆熱変色性組成物は、所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、高温側変色点以上の温度域で消色状態、低温側変色点以下の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち特定の温度域ではいずれか一方の状態しか存在せず、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば元の状態に戻る、ヒステリシス幅(ΔH)が比較的小さい特性を有する(
図1参照)。
また、大きなヒステリシス特性を示す、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、完全発色温度(t
1)以下の低温域での発色状態、又は完全消色温度(t
4)以上の高温域での消色状態が、特定温度域〔t
2~t
3の間の温度域(実質的二相保持温度域)〕で色彩記憶性を有する加熱消色型(加熱により消色し、冷却により発色する)の可逆熱変色性組成物も適用できる(
図2参照)。
【0009】
以下に可逆熱変色性顔料に含まれる(イ)、(ロ)、(ハ)成分について具体的に説明する。
本発明の(イ)成分、即ち電子供与性呈色性有機化合物は、色を決める成分であって、顕色剤である(ロ)成分に電子を供与し、発色する化合物である。
本発明の(イ)成分、即ち電子供与性呈色性有機化合物は、色を決める成分であって、顕色剤である(ロ)成分に電子を供与し、発色する化合物である。
前記電子供与性呈色性有機化合物としては、フタリド化合物、フルオラン化合物、スチリノキノリン化合物、ピリジン化合物、キナゾリン化合物、ビスキナゾリン化合物、ジアザローダミンラクトン化合物が挙げられ、そのうち、発色時に蛍光性を有するためには、ピリジン化合物、キナゾリン化合物、ビスキナゾリン化合物、ジアザローダミンラクトン系化合物が用いられ、ピリジン化合物が好適に用いられる。
前記ピリジン系化合物としては、
4-(4′-メチルベンジルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ジフェニル-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ジフェニル-4-(4′-N-フェニル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-メチルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-エチルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-プロピルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ブチルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ペンチルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ヘキシルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ヘプチルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-オクチルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-メチルオキシフェニル)-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-エチルオキシフェニル)-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-プロピルオキシフェニル)-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ブチルオキシフェニル)-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ペンチルオキシフェニル)-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ヘキシルオキシフェニル)-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ヘプチルオキシフェニル)-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-オクチルオキシフェニル)-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-メチルオキシフェニル)-4-(4′-N-フェニル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-エチルオキシフェニル)-4-(4′-N-フェニル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ブチルオキシフェニル)-4-(4′-N-フェニル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ヘキシルオキシフェニル)-4-(4′-N-フェニル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-オクチルオキシフェニル)-4-(4′-N-フェニル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-メチルオキシフェニル)-4-(4′-N-クロロエチル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-エチルオキシフェニル)-4-(4′-N-クロロエチル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ブチルオキシフェニル)-4-(4′-N-クロロエチル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ヘキシルオキシフェニル)-4-(4′-N-クロロエチル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-オクチルオキシフェニル)-4-(4′-N-クロロエチル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-メチルオキシフェニル)-4-(4′-N-エチルオキシエチル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-エチルオキシフェニル)-4-(4′-N-エチルオキシエチル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ブチルオキシフェニル)-4-(4′-N-エチルオキシエチル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ヘキシルオキシフェニル)-4-(4′-N-エチルオキシエチル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-オクチルオキシフェニル)-4-(4′-N-エチルオキシエチル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-メチルオキシフェニル)-4-(4′-ジブチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-エチルオキシフェニル)-4-(4′-ジブチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ブチルオキシフェニル)-4-(4′-ジブチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ヘキシルオキシフェニル)-4-(4′-ジブチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-オクチルオキシフェニル)-4-(4′-ジブチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-メチルオキシフェニル)-4-(4′-N-イソブチル-N-エチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-エチルオキシフェニル)-4-(4′-N-イソブチル-N-エチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-プロピルオキシフェニル)-4-(4′-N-イソブチル-N-エチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ブチルオキシフェニル)-4-(4′-N-イソブチル-N-エチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ペンチルオキシフェニル)-4-(4′-N-イソブチル-N-エチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ヘキシルオキシフェニル)-4-(4′-N-イソブチル-N-エチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ヘプチルオキシフェニル)-4-(4′-N-イソブチル-N-エチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-オクチルオキシフェニル)-4-(4′-N-イソブチル-N-エチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2´-ノニルオキシフェニル)-4-(4′-N-イソブチル-N-エチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(4′-メチルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ジメチル-3,5-ビスカルボエトキシ-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2-(2′-オクチルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-6-フェニル-ピリジン、
2,6-ジエチルオキシ-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン 4-(4-メチルオキシフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-フェニル-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-メチルフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,4,6-トリス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(2-クロロ-4-ジメチルアミノフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(3-ニトロフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-メチルオキシカルボニルフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-ジメチルアミノフェニル)-2,6-ビス(2-チエニル)-ピリジン、
4-(4-ジメチルアミノフェニル)-2,6-ビス(2-フリル)-ピリジン、
4-(2-クロロ-4-ジメチルアミノフェニル)-2,6-ビス(2-チエニル)-ピリジン、
4-〔4-(1-ピペリジニル)フェニル〕-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-モルホリノフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(9-ジュロリジニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-メチルフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-メチルオキシフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-メチルオキシフェニル)-2,6-ビス(4-モルホリノフェニル)-ピリジン、
4-(4-フルオロフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-N-オクチルオキシフェニル-N-メチルアミノ)-2,6-ジフェニルピリジン、
4-(4-クロロフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-ニトロフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-N-2-シアノエチル-N-メチルアミノフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(2,5-ジメチルオキシフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-ジエチルアミノフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-ビフェニルイル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-ピロリジニルフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-イソインドリニルフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-N-2-シアノエチル-N-メチルアミノフェニル)-2,6-ジフェニルピリジン、
4-(4-N-メチル-N-フェニルアミノフェニル)-2,6-ジフェニルピリジン、
4-(4-N-クロロエチル-N-メチルアミノフェニル)-2,6-ジフェニルピリジン、
4-(4-N-エチルオキシエチル-N-メチルアミノフェニル)-2,6-ジフェニルピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジメチルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジエチルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジプロピルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジブチルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジペンチルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジヘキシルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジメチルオキシフェニル)-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジエチルオキシフェニル)-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジプロピルオキシフェニル)-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジブチルオキシフェニル)-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジペンチルオキシフェニル)-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジヘキシルオキシフェニル)-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジメチルオキシフェニル)-4-(4′-ジプロピルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジエチルオキシフェニル)-4-(4′-ジプロピルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジプロピルオキシフェニル)-4-(4′-ジプロピルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジブチルオキシフェニル)-4-(4′-ジプロピルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジペンチルオキシフェニル)-4-(4′-ジプロピルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジヘキシルオキシフェニル)-4-(4′-ジプロピルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジメチルオキシフェニル)-4-(4′-ジブチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジエチルオキシフェニル)-4-(4′-ジブチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジプロピルオキシフェニル)-4-(4′-ジブチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジブチルオキシフェニル)-4-(4′-ジブチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジペンチルオキシフェニル)-4-(4′-ジブチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジヘキシルオキシフェニル)-4-(4′-ジブチルアミノフェニル)-ピリジン、
等が挙げられる。
【0010】
前記キナゾリン系化合物としては、
2-(4′-ジメチルアミノフェニル)-4-メチルオキシ-キナゾリン、
2-(4′-ジメチルアミノフェニル)-4-フェニルオキシ-キナゾリン、 2-(4′-ジメチルアミノフェニル)-4-(4′′-ニトロフェニルオキシ)-キナゾリン、
2-(4′-ジメチルアミノフェニル)-4-フェニルチオ-キナゾリン、
2-(4′-N-フェニル-N-メチルアミノフェニル)-4-フェニルオキシ-キナゾリン、
2-(4′-ピペリジノフェニル)-4-フェノキシ-キナゾリン、
2-(4′-ジメチルアミノフェニル)-4-(4′′-クロロフェニルオキシ)-キナゾリン、
2-(4′-ジメチルアミノフェニル)-4-(4′′-メチルオキシフェニルオキシ)-キナゾリン、
2-(4′-ジメチルアミノフェニル)-4-(N-フェニル-N-メチルアミノ)-キナゾリン、
2-(4′-ジメチルアミノフェニル)-4-モルホリノ-キナゾリン、
2-(4′-ジエチルアミノフェニル)-4-フェニル-キナゾリン、
2-(4′-ジエチルアミノフェニル)-4-メチル-キナゾリン、
2-(1′-エチル-2′,2′,4′-トリメチル-テトラヒドロキノリン-6′-イル)-4-フェニルオキシ-キナゾリン、
2-(1′-エチル-2′,2′,4′-トリメチル-テトラヒドロキノリン-6′-イル)-4-メチルオキシ-キナゾリン、
2-(1′,2′,2′,4′-テトラメチル-テトラヒドロキノリン-6′-イル)-4-フェニルオキシ-キナゾリン、
2-(1′-エチル-2′-メチル-テトラヒドロキノリン-6′-イル)-4-フェニルオキシ-キナゾリン、
2-(1′,3′-ジメチルインドリン-5′-イル)-4-フェニルオキシ-キナゾリン、
2-(3′,4′-ジメチルベンゾモルホリン-7′-イル)-4-フェニルオキシ-キナゾリン、
2-(4′-ジエチルアミノフェニル)-4-(2′′-フェニルオキシエチルオキシ)-キナゾリン、
2-(4′-ジエチルアミノフェニル)-4-(2′′-N-フェニル-N-エチルアミノエチルオキシ)-キナゾリン、
2-(4′-ジメチルアミノフェニル)-4-(2′′-モルホリノエチルオキシ)-キナゾリン、
2-(4′-ジベンジルアミノフェニル)-4-(2′′-フェニルオキシエチルオキシ)-キナゾリン、
2-(4′-ジエチルアミノフェニル)-4-(2′′-フェニルオキシエチルチオ)-キナゾリン、
2-(4′-ジエチルアミノフェニル)-4-〔2′′-(1-ナフチルオキシ)エチルオキシ〕-キナゾリン、
2-(3′,4′-ジメチルベンゾモルホリン-7′-イル)-(2′′-フェニルオキシエチルオキシ)-キナゾリン、
等が挙げられる。
【0011】
前記ビスキナゾリン系化合物としては、
4,4′-(エチレンジオキシ)-ビス〔2-(4-ジエチルアミノフェニル)-キナゾリン〕、
4,4′-〔プロピレンジオキシ(1,3)〕-ビス〔2-(4-ジエチルアミノフェニル)-キナゾリン〕、
4,4′-〔ブチレンジオキシ(1,3)〕-ビス〔2-(4-ジエチルアミノフェニル)-キナゾリン〕、
4,4′-〔ブチレンジオキシ(1,4)〕-ビス〔2-(4-ジエチルアミノフェニル)-キナゾリン〕、
4,4′-(オキシジエチレン)-ビス〔2-(4-ジエチルアミノフェニル)-キナゾリン〕、
4,4′-エチレン-ビス〔2-(4-ピペリジノフェニル)-キナゾリン〕 4,4′-エチレン-ビス〔2-(4-ジ-n-プロピルアミノフェニル)-キナゾリン〕、
4,4′-(エチレンジオキシ)-ビス〔2-(4-ジ-n-ブチルアミノフェニル)-キナゾリン〕、
4,4′-シクロヘキシレン-ビス〔2-(4-ジエチルアミノフェニル)-キナゾリン〕、
等が挙げられる。
【0012】
前記ジアザローダミンラクトン系化合物としては、
2-(ジメチルアミノ)-8-(ジメチルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジエチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-プロピルアミノ)-8-(ジ-n-プロピルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジ-n-ブチルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジメチルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(N-エチル-N-i-ブチルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(N-エチル-N-i-アミルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(N-エチル-N-n-ヘキシルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジ-n-アミルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(n-オクチルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジメチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジエチルアミノ)-8-(ジメチルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(モルホリノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ピペリジノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(N-メチルピペラジノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ピロリジノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジエチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-メチル-4′,5′,6′,7′-テトラクロロ-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジエチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジ-n-ブチルアミノ)-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(N-エチル-N-i-アミルアミノ)-8-(N-エチル-N-i-アミルアミノ)-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(N-エチル-N-i-アミルアミノ)-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ピペリジノ)-8-(エチルアミノ)-4-メチル-7-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-メチル-7-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-メチル-7-エチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジ-n-ブチルアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(N-エチル-N-i-アミルアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ピペリジノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(N-メチル-N-シクロヘキシルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジメチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(i-アミルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ピロリジノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(N-メチルピペラジノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(モルホリノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(N-メチル-N-ベンジルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-[ジ(2-メトキシエチル)アミノ]-8-(ジエチルアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-(4-メトキシフェニル)-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-d)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-(4-クロロフェニル)-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-(4-メチルフェニル)-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-[ジ(2-エトキシエチル)アミノ]-8-(ジメチルアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジエチルアミノ)-8-[(2-メチルフェニル)アミノ]-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(2,6-ジメチルモルホリノ)-8-(ジエチアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジシクロヘキシルアミノ)-8-(ジメチルアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジブチルアミノ)-8-[(4-クロロフェニル)アミノ]-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
等が挙げられる。
【0013】
前記(ロ)成分、即ち電子受容性化合物は、(イ)成分から電子を受け取り、(イ)成分の顕色剤として機能する化合物である。
前記電子受容性化合物としては、活性プロトンを有する化合物群、偽酸性化合物群〔酸ではないが、組成物中で酸として作用して(イ)成分を発色させる化合物群〕、電子空孔を有する化合物群等から選択される化合物があり、これらの中でも活性プロトンを有する化合物群から選択される化合物が好ましい。
活性プロトンを有する化合物群としては、例えば、フェノール性水酸基を有する化合物及びその誘導体、カルボン酸及びその誘導体、好ましくは、芳香族カルボン酸及びその誘導体、炭素数2~5の脂肪族カルボン酸及びその誘導体、酸性リン酸エステル及びその誘導体、アゾ-ル系化合物及びその誘導体、1,2,3-トリアゾール及びその誘導体、環状カルボスルホイミド類、炭素数2~5のハロヒドリン類、スルホン酸及びその誘導体、無機酸類等が挙げられる。
偽酸性化合物群としては、例えば、前記フェノール性水酸基を有する化合物の金属塩、前記カルボン酸の金属塩、前記酸性リン酸エステルの金属塩、前記スルホン酸の金属塩、芳香族及び脂肪族カルボン酸無水物、芳香族カルボン酸-スルホン酸無水物、シクロオレフィンジカルボン酸無水物、尿素及びその誘導体、チオ尿素及びその誘導体、グアニジン及びその誘導体、ハロゲン化アルコール類等が挙げられる。
電子空孔を有する化合物群としては、例えば、硼酸塩類、硼酸エステル類、無機塩類等が挙げられる。
これらの中でも、有効な熱変色特性を発現させることができることから、フェノール性水酸基を有する化合物が好ましい。
前記フェノール性水酸基を有する化合物はモノフェノール化合物からポリフェノール化合物まで広く含まれ、更にビス型、トリス型フェノール等及びフェノール-アルデヒド縮合樹脂等もこれに含まれる。フェノール性水酸基を有する化合物の中でも、少なくともベンゼン環を2以上有するものが好ましい。また、これら化合物は置換基を有していてもよく、置換基としてアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、及びそのエステル又はアミド基、ハロゲン基等が挙げられる。
前記フェノール性水酸基を有する化合物等の金属塩が含む金属としては、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛、ジルコニウム、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、コバルト、スズ、銅、鉄、バナジウム、チタン、鉛、及びモリブデン等が挙げられる。
【0014】
以下にこれらの化合物を例示する。
フェノール性水酸基を1つ有する化合物としては、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、4-エチルフェノール、4-n-プロピルフェノール、4-n-ブチルフェノール、2-tert-ブチルフェノール、3-tert-ブチルフェノール、4-tert-ブチルフェノール、4-n-ペンチルフェノール、4-tert-ペンチルフェノール、4-n-オクチルフェノール、4-tert-オクチルフェノール、4-n-ノニルフェノール、4-n-ドデシルフェノール、3-n-ペンタデシルフェノール、4-n-ステアリルフェノール、1-(4-ヒドロキシフェニル)デカン-1-オン、4-クロロフェノール、4-ブロモフェノール、4-トリフルオロメチルフェノール、4-メチルチオフェノール、4-ニトロフェノール、2-フェニルフェノール、4-フェニルフェノール、2-ベンジルフェノール、2-ベンジル-4-クロロフェノール、4-クミルフェノール、4-ヒドロキシベンゾフェノン、4-クロロ-4′-ヒドロキシベンゾフェノン、4-フルオロ-4′-ヒドロキシベンゾフェノン、4-シクロヘキシルフェノール、2-ヒドロキシベンジルアルコール、3-ヒドロキシベンジルアルコール、4-ヒドロキシベンジルアルコール、4-(2-ヒドロキシエチル)フェノール、3-メトキシフェノール、4-エトキシフェノール、4-n-プロポキシフェノール、4-n-ブトキシフェノール、4-n-ヘプチルオキシフェノール、4-(2-メトキシエチル)フェノール、α-ナフトール、β-ナフトール、2,3-ジメチルフェノール、2,4-ジメチルフェノール、2,6-ジメチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、2,4-ジクロロフェノール、2,4-ジフルオロフェノール、チモール、3-メチル-4-メチルチオフェノール、2-tert-ブチル-5-メチルフェノール、2,6-ビス(ヒドロキシメチル)-4-メチルフェノール、2,3,5-トリメチルフェノール、2,6-ビス(ヒドロキシメチル)-4-tert-オクチルフェノール、6-ヒドロキシ-1,3-ベンゾオキサチオール-2-オン、2,4-ビス(フェニルスルホニル)フェノール、2,4-ビス(フェニルスルホニル)-5-メチルフェノール、2,4-ビス(4-メチルフェニルスルホニル)フェノール、2-フェニルフェノール、4-フェニルフェノール、2,6-ジフェニルフェノール、3-ベンジルビフェニル-2-オール、3,5-ジベンジルビフェニル-4-オール、4-シアノ-4′-ヒドロキシビフェニル、
1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシ-5-メチルベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシ-5-クロロベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシ-5-メトキシベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシ-4-ベンゾイルアミノベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシ-4,5,6,7-テトラクロロベンゾトリアゾール、1,4-ヒドロキシベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシ-5-ニトロベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシ-5-フェニルベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシ-5-ベンジルベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシ-5-エチルベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシ-5-n-オクチルベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシ-5-n-ブチルベンゾトリアゾール、
4-ヒドロキシ安息香酸n-ブチル、4-ヒドロキシ安息香酸n-オクチル、4-ヒドロキシ安息香酸2-ヘプタデカフルオロオクチルエタン、4-ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4-ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル、4-ヒドロキシ安息香酸-o-メチルベンジル、4-ヒドロキシ安息香酸-m-メチルベンジル、4-ヒドロキシ安息香酸-p-メチルベンジル、4-ヒドロキシ安息香酸-p-エチルベンジル、4-ヒドロキシ安息香酸-p-プロピルベンジル、4-ヒドロキシ安息香酸-p-tert-ブチルベンジル、4-ヒドロキシ安息香酸フェニルエチル、4-ヒドロキシ安息香酸-o-メチルフェニルエチル、4-ヒドロキシ安息香酸-m-メチルフェニルエチル、4-ヒドロキシ安息香酸-p-メチルフェニルエチル、4-ヒドロキシ安息香酸-p-エチルフェニルエチル、4-ヒドロキシ安息香酸-p-プロピルフェニルエチル、4-ヒドロキシ安息香酸-p-tert-ブチルフェニルエチル等が挙げられる。
【0015】
フェノール性水酸基を2つ有する化合物としては、レゾルシン、2-メチルレゾルシン、4-n-ヘキシルレゾルシン、4-n-オクチルレゾルシン、4-tert-オクチルレゾルシン、4-ベンゾイルレゾルシン、4-ニトロレゾルシン、β-レゾルシン酸メチル、β-レゾルシン酸ベンジル、2-クロロ-4-ペンタノイルレゾルシン、6-クロロ-4-ペンタノイルレゾルシン、2-クロロ-4-ヘキサノイルレゾルシン、6-クロロ-4-ヘキサノイルレゾルシン、2-クロロ-4-プロパノイルレゾルシン、6-クロロ-4-プロパノイルレゾルシン、2,6-ジクロロ-4-プロパノイルレゾルシン、6-フルオロ-4-プロパノイルレゾルシン、2-クロロ-4-フェニルアセチルレゾルシン、6-クロロ-4-フェニルアセチルレゾルシン、2-クロロ-4-β-フェニルプロパノイルレゾルシン、6-クロロ-4-β-フェニルプロパノイルレゾルシン、2-クロロ-4-フェノキシアセチルレゾルシン、6-クロロ-4-フェノキシアセチルレゾルシン、4-ベンゾイル-2-クロロレゾルシン、6-クロロ-4-m-メチルベンゾイルレゾルシン、4-〔1′,3′,4′,9′a-テトラヒドロ-6′-ヒドロキシスピロ(シクロヘキサン-1,9′-[9H]-キサンテン)-4′a-[2H]-イル〕-1,3-ベンゼンジオール、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、トリメチルヒドロキノン、カテコール、4-tert-ブチルカテコール、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、1,5-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、
2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4′-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-2′-メチルベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-3′-メチルベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-4′-メチルベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-4′-エチルベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-4′-n-プロピルベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-4′-イソプロピルベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-4′-n-ブチルベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-4′-イソブチルベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-4′-tert-ブチルベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-4′-n-ペンチルベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-4′-n-ヘキシルベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-4′-n-ヘプチルベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-4′-n-オクチルベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-4′-n-デシルベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-2′,3′-ジメチルベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-2′,4′-ジメチルベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-2′,5′-ジメチルベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-2′,6′-ジメチルベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-3′,4′-ジメチルベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-3′,5′-ジメチルベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-2′,4′,6′-トリメチルベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-2′-メトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-3′-メトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-4′-メトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-2′-エトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-4′-エトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-4′-n-プロポキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-4′-イソプロポキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-4′-n-ブトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-4′-イソブトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-4′-n-ペンチルオキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-4′-n-ヘキシルオキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-4′-n-ヘプチルオキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-4′-n-オクチルオキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-4′-n-ノニルオキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-2′,3′-ジメトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-2′,4′-ジメトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-2′,5′-ジメトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-2′,6′-ジメトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-3′,4′-ジメトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-3′,5′-ジメトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-3′,4′-ジエトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-2′,3′,4′-トリメトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-2′,3′,6′-トリメトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-3′,4′,5′-トリメトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシ-3′,4′,5′-トリエトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0016】
更にビス型フェノールの化合物としては、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ブタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ヘプタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-オクタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ノナン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-デカン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)デカン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ドデカン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルプロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-メチルペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2,3-ジメチルペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-エチルブタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-エチルヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,7-ジメチルオクタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチル)シクロヘキサン、ジフェノール酸、1-フェニル-1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ペンタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ヘキサン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-へプタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-オクタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ノナン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-デカン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ドデカン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-6,10,14-トリメチルペンタデカン、1-フェニル-1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)メチルプロピオネート、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブチルプロピオネート、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)メチルプロピオネート、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エチルプロピオネート、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-メチルペンタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-メチルヘキサン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(3,5-ジヒドロキシメチル-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-イソプロピルフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-sec-ブチルフェニル-4-ヒドロキシ)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジヒドロキシメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、1,3-ビス〔2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル〕ベンゼン、1,4-ビス〔2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル〕ベンゼン、3,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オキシインドール、3,3-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)オキシインドール、ビス(2-ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)メタン、ビス(2-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル-5-メチル)メタン、4,4′-〔1,4-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)〕ビス(2-メチルフェノール)、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)シクロヘキサン、3,3-エチレンオキシジフェノール、1,4-ビス(4-ヒドロキシベンゾアート)-3-メチルベンゼン、4,4″-ジヒドロキシ-3″-メチル-p-ターフェニル、4,4″-ジヒドロキシ-3″-イソプロピル-p-ターフェニル、2,2-ジメチル-1,3-ビス(4-ヒドロキシベンゾイルオキシ)プロパン、2,2′-ビフェノール、4,4′″-ジヒドロキシ-p-クアテルフェニル、
4,4-ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス(4-ヒドロキシフェニルチオエチル)エーテル
ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、4-ベンジルオキシ-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-(4-メチルベンジルオキシ)-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-(4-エチルベンジルオキシ)-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-(4-n-プロピルベンジルオキシ)-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-(4-イソプロピルベンジルオキシ)-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-(4-n-ブチルベンジルオキシ)-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-(4-イソブチルベンジルオキシ)-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-(4-sec-ブチルベンジルオキシ)-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-(4-tert-ブチルベンジルオキシ)-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-(3-メチルベンジルオキシ)-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-(3-エチルベンジルオキシ)-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-(3-n-プロピルベンジルオキシ)-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-(3-イソプロピルベンジルオキシ)-4′-ジヒドロキシフェニルスルホン、4-(3-n-ブチルベンジルオキシ)-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-(3-イソブチルベンジルオキシ)-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-(3-sec-ブチルベンジルオキシ)-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-(3-tert-ブチルベンジルオキシ)-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-(2-メチルベンジルオキシ)-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-(2-エチルベンジルオキシ)-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-(2-n-プロピルベンジルオキシ)-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-(2-イソプロピルベンジルオキシ)-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-(2-n-ブチルベンジルオキシ)-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-(2-イソブチルベンジルオキシ)-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-(2-sec-ブチルベンジルオキシ)-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-(2-tert-ブチルベンジルオキシ)-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′-ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,4′-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-メチル-4′-ヒドロキジシフェニルスルホン、4-エチル-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-n-プロピル-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-イソプロピル-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-クロロ-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-フルオロ-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-クロロ-2-メチル-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-メトキシ-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-エトキシ-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-n-プロポキシ-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-イソプロポキシ-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-n-ブトキシ-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-イソブトキシ-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-sec-ブトキシ-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-tert-ブトキシ-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-n-ペンチルオキシ-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-イソペンチルオキシ-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-(1-プロペニルオキシ)-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-(2-プロペニルオキシ)-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-ベンジルオキシ-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-(β-フェノキシエトキシ)-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-(β-フェノキシプロポキシル)-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(2-アリル-4-ヒドロキシジフェニル)スルホン、ビス〔4-ヒドロキシ-3-(2-プロペニル)フェニル〕スルホン、ビス(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3-フェニル-4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4-ヒドロキシ-3-n-プロピルフェニル)スルホン、ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)スルホン、3,4-ジヒドロキシジフェニルスルホン、3′,4′-ジヒドロキシ-4-メチルジフェニルスルホン、3,4,4′-トリヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(3,4-ジヒドロキシフェニル)スルホン、2,3,4-トリヒドロキシジフェニルスルホン、4-イソプロポキシ-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-n-プロポキシ-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-アリルオキシ-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-ベンジルオキシ-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-(2-プロぺニルオキシ)-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、3-ベンジル-4-ベンジルオキシ-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、3-フェネチル-4-フェネチルオキシ-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、3-メチルベンジル-4-メチルベンジルオキシ-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-ベンジルオキシ-3′-ベンジル-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-フェネチルオキシ-3′-フェネチル-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、4-メチルベンジルオキシ-3′-メチルベンジル-4′-ヒドロキシジフェニルスルホン、α,α′-ビス{4-(p-ヒドロキシフェニルスルホン)フェノキシ}-p-キシレン、4,4′-{オキシビス(エチレンオキシド-p-フェニレンスルホニル)}ジフェノール
ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)スルフィド、ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3-エチル-4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3,5-ジエチル-4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4-ヒドロキシ-3-n-プロピルフェニル)スルフィド、ビス(3,5-ジ-n-プロピル-4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4-ヒドロキシ-3-n-ペンチルフェニル)スルフィド、ビス(3-n-ヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3-n-ヘプチル-4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(5-tert-オクチル-2-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(2-ヒドロキシ-3-tert-オクチルフェニル)スルフィド、ビス(2-ヒドロキシ-5-n-オクチル-フェニル)スルフィド、ビス(5-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4-ヒドロキシフェニルチオエトキシ)メタン、1,5-(4-ヒドロキシフェニルチオ)-3-オキシペンタン、1,8-ビス(4-ヒドロキシフェニルチオ)-3,6-ジオキサオクタン等が挙げられる。
【0017】
フェノール性水酸基を3つ有する化合物としては、ピロガロール、フロログルシノール、フロログルシノールカルボン酸、没食脂酸、没食子酸オクチル、没食子酸ドデシル等が挙げられる。
【0018】
更に、トリス型フェノールの化合物としては、
4,4′,4″-メチリジントリスフェノール、
4,4′,4″-メチリジントリス(2-メチルフェノール)、
4,4′-〔(2-ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(2,3,5-トリメチルフェノール)、
4,4′-〔(4-ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(2-メチルフェノール)、
4,4′-〔(4-ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(2,6-ジメチルフェノール)、
4,4′-〔(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)メチレン〕ビスフェノール、
4,4′-〔(4-ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(2-シクロヘキシル-5-メチルフェノール)、
4,4′,4″-エチリジントリスフェノール、
4,4′,4″-エチリジントリス(2-メチルフェノール)、
4,4′-〔(2-ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(2-シクロヘキシル-5-メチルフェノール)、
2,6-ビス〔(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)メチル〕-4-メチルフェノール、
2,4-ビス〔(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)メチル〕-6-シクロヘキシルフェノール、
4,4′-[1-{4-〔1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}メチリデン]ビスフェノール、
4,4′-[1-{4-〔1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}エチリデン]ビスフェノール、
4,4′-[1-{4-〔1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}プロピリデン]ビスフェノール、
4,4′-[1-{4-〔1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}ブチリデン]ビスフェノール、
4,4′-[1-{4-〔1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}ペンチリデン]ビスフェノール、
4,4′-[1-{4-〔1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}ヘキシリデン]ビスフェノール、
4,4′-[1-{4-〔1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}ヘプチリデン]ビスフェノール、
4,4′-[1-{4-〔1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}イソブチリデン]ビスフェノール、
4,4′-[1-{4-〔1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}ネオペンチリデン]ビスフェノール、
2,2′-[1-{4-〔1-(2-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}エチリデン]ビスフェノール、
3,3′-[1-{4-〔1-(3-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}エチリデン]ビスフェノール、
4,4′-[1-{4-〔1-(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}エチリデン]ビス(2-フルオロフェノール)、
4,4′-[1-{4-〔1-(3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}エチリデン]ビス(2-クロロフェノール)、
4,4′-[1-{4-〔1-(3-ブロモ-4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}エチリデン]ビス(2-ブロモフェノール)、
4,4′-[1-{4-〔1-(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}エチリデン]ビス(2-メチルフェノール)、
4,4′-[1-{4-〔1-(3-エチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}エチリデン]ビス(2-エチルフェノール)、
4,4′-[1-{4-〔1-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}エチリデン]ビス(2-tert-ブチルフェノール)、
4,4′-[1-{4-〔1-(4-ヒドロキシ-3-トリフルオロメチルフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}エチリデン]ビス(2-トリフルオロメチルフェノール)、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシ-α-エチル)ベンジルシクロヘキサン、
4,4′-〔(3-エトキシ-4-ヒドロキシシフェニル)メチレン〕ビスフェノール、
4,4′-〔(3-ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(2,6-ジメチルフェノール)、
2,2′-〔(4-ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(3,5-ジメチルフェノール)、
4,4′-〔(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)メチレン〕ビス(2,6-ジメチルフェノール)、
2,2′-〔(2-ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(3,5,6-トリメチルフェノール)、
4,4′-〔(3-ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(2,3,6-トリメチルフェノール)、
4,4′-〔(4-ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(2,3,6-トリメチルフェノール)、
4,4′-〔(3-ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(2-シクロヘキシル-5-メチルフェノール)、
4,4′-〔(4-ヒドロキシフェニル-3-メトキシ)メチレン〕ビス(2-シクロヘキシル-5-メチルフェノール)、
1,1-ビス(4-ヒドロキシルフェニル)-4-ヒドロキシフェニルシクロヘキサン、
4,4′-〔3-(5-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-3-フェニル)プロピリデン〕ビス(2-シクロヘキシル-5-メチルフェノール)、
4,4′-〔(2-ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(2-メチルフェノール)、
2,4′,4″-メチリジントリスフェノール、
4,4′-〔(2-ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(3-メチルフェノール)、
4,4′-〔4-(4-ヒドロキシフェニル)-sec-ブチリデン〕ビス(4-ヒドロキシフェノール)、
2,2′-〔(3-ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(3,5-ジメチルフェノール)、
4,4′-〔(2-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)メチレン〕ビス(2,5-ジメチルフェノール)、
4,4′-〔(2-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)メチレン〕ビス(2,6-ジメチルフェノール)、
2,2′-〔(2-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)メチレン〕ビス(3,5-ジメチルフェノール)、
2,2′-〔(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)メチレン〕ビス(3,5-ジメチルフェノール)、
2,2′-〔(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)メチレン〕ビス(3,5-ジメチルフェノール)、
4,4′-〔(2-ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(2-イソプロピルフェノール)、
4,4′-〔(3-ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(2-イソプロピルフェノール)、
4,4′-〔(4-ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(2-イソプロピルフェノール)、
2,2′-〔(3-ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(3,5,6-トリメチルフェノール)、
2,2′-〔(4-ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(3,5,6-トリメチルフェノール)、
2,2′-〔(4-3-エトキシ-4-ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(3,5-ジメチルフェノール)、
1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
4,4′-〔(2-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)メチレン〕ビス(2-イソプロピルフェノール)、
4,4′-〔(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)メチレン〕ビス(2-イソプロピルフェノール)、
4,4′-〔(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)メチレン〕ビス(2-イソプロピルフェノール)、
2,2′-〔(2-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)メチレン〕ビス(3,5,6-トリメチルフェノール、
2,2′-〔(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)メチレン〕ビス(3,5,6-トリメチルフェノール)、
2,2′-〔(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)メチレン〕ビス(3,5,6-トリメチルフェノール)、
4,4′-〔(3-エトキシ-4-ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(2-イソプロピルフェノール)、
2,2′-〔(3-エトキシ-4-ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(3,5,6-トリメチルフェノール)、
4,4′-〔(3-エトキシ-4-ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(2,3,6-トリメチルフェノール)、
1,1-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
4,4′-〔(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)メチレン〕ビス(2-tert-ブチル-5-メチルフェノール)、
4,4′-〔(2-ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(2-シクロヘキシルフェノール)、
4,4′-〔(3-ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(2-シクロヘキシルフェノール)、
4,4′-〔(3-エトキシ-4-ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(2-tert-ブチル-6-メチルフェノール)、
4,4′-〔(3-メトキシ-2-ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(2-シクロヘキシルフェノール)、
4,4′-〔(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)メチレン〕ビス(2-シクロヘキシルフェノール)、
4,4′-[1-{4-〔1-(3-フルオロ-4-ヒドロキシロフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}エチリデン]ビス(2-tert-ブチルフェノール)、
4,4′-[1-{4-〔1-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}エチリデン]ビス(2,6-ジメチルフェノール)、
4,4′-〔(3-エトキシ-4-ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(2-シクロヘキシル-5-メチルフェノール)、
4,4′-〔(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)エチリデン〕ビス(2-シクロヘキシルフェノール)、
4,4′-〔(5-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル)エチリデン〕ビス(2-シクロヘキシル-5-メチルフェノール)、
4,4′-[1-{4-〔1-(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}エチリデン]ビス(2-シクロヘキシルフェノール)、
4,4′-[1-{4-〔1-(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}エチリデン]ビスフェノール、
4,4′-[1-{4-〔1-(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}エチリデン]ビス(2-メチルフェノール)、
4,4′-[1-{4-〔1-(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}エチリデン]ビス(2,6-ジメチルフェノール)、
2,6-ビス〔(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)メチル〕-4-メチルフェノール、
2,6-ビス〔(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)メチル〕-4-メチルフェノール、
2,6-ビス〔(4-ヒドロキシフェニル)メチル〕-4-メチルフェノール、2,6-ビス〔(4-ヒドロキシフェニル)メチル〕-4-エチルフェノール、
2,4-ビス〔(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)メチル〕-6-メチルフェノール、
2,6-ビス〔(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)メチル〕-4-メチルフェノール、
2,6-ビス〔(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)メチル〕-4-エチルフェノール、
2,6-ビス〔(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)メチル〕-4-エチルフェノール、
2,6-ビス〔(3,5-ジメチル-2-ヒドロキシフェニル)メチル〕-4-メチルフェノール、
2,6-ビス〔(2,4-ジメチル-6-ヒドロキシフェニル)メチル〕-4-メチルフェノール、
2,4-ビス〔(4-ヒドロキシフェニル)メチル〕-6-シクロヘキシルフェノール、
2,6-ビス〔(2,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)メチル〕-3,4-ジメチルフェノール、
2,6-ビス〔(2,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)メチル〕-4-エチルフェノール、
2,6-ビス〔(4-ヒドロキシ-2,3,6-トリメチルフェニル)メチル〕-4-メチルフェノール、
2,4-ビス〔(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)メチル〕-6-シクロヘキシルフェノール、
2,6-ビス〔(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)メチル〕-4-シクロヘキシルフェノール、
2,6-ビス〔(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)メチル〕-4-シクロヘキシルフェノール、
2,6-ビス〔(4-ヒドロキシ-2,3,5-トリメチルフェニル)メチル〕-4-エチルフェノール、
2,4-ビス〔(2,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)メチル〕-6-シクロヘキシルフェノール、
4,4′,4″-メチリジントリス(2,6-ジメチルフェノール)、
α-(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-α,α′-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-エチル-4-イソプロピルベンゼン、
α′-(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-α,α-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-エチル-4-イソプロピルベンゼン、
α,α-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-α′-(4-ヒドロキシフェニル)-1-エチル-4-イソプロピルベンゼン、
α,α′-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-α-(4-ヒドロキシフェニル)-1-エチル-4-イソプロピルベンゼン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-〔1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルプロピル〕シクロヘキサン、
2,6-ビス〔(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)メチル〕-4-エチルフェノール、
1,1′-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-〔1-(4-ヒドロキシフェニル)プロピル〕シクロヘキサン、
1,1′-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-4-〔1-(4-ヒドロキシフェニル)プロピル〕シクロヘキサン、
1,1′-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-4-〔1-(4-ヒドロキシフェニル)プロピル〕シクロヘキサン、
1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-〔4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル〕-4-イソプロピルシクロヘキサン、
4,4′-〔3-(2,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)ブチレン〕ビス(2,5-ジメチルフェノール)、
1,3,5-トリ(4-ヒドロキシ-3-フェニルフェニル)アダマンタン、
1,3,5-トリ(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)アダマンタン、
2,4-ビス〔(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)メチル〕-6-シクロヘキシルフェノール、
2,6-ビス〔(2,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)メチル〕-4-シクロヘキシルフェノール、
2,4-ビス〔(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)メチル〕-6-メチルフェノール、
2,4-ビス〔(4-ヒドロキシ-2,3,5-トリメチルフェニル)メチル〕-6-シクロヘキシルフェノール、
2,6-ビス〔(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)メチル〕-4-フルオロフェノール、
2,6-ビス〔(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)メチル〕-4-フルオロフェノール、
2,4-ビス〔(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)メチル〕-6-メチルフェノール、
4,4′-〔3-(5-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-3-ビフェニルプロピリデン〕ビス(5-シクロヘキシル-2-メチルフェノール)、
4,4′-〔3-(2,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-3-フェニルプロピリデン〕ビス(2,5-ジメチルフェノール)、
2,4-ビス〔(2,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)メチル〕-6-メチルフェノール、1,1,2-トリス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1,3-トリス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,4-トリス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
1,2,2-トリス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,2,2-トリス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
1,2,2-トリス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,2,2-トリス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
1,2,2-トリス(4-ヒドロキシフェニル)へプタン、1,2,2-トリス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、
1,2,2-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブタン1,2,2-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3-ジメチルブタン、
1,2,2-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-4,4-ジメチルペンタン、1,3,3-トリス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
1,3,3-トリス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,3,3-トリス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
1,3,3-トリス(4-ヒドロキシフェニル)へプタン、1,3,3-トリス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、
1,3,3-トリス(4-ヒドロキシフェニル)ノナン、1,4,4-トリス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,4,4-トリス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,4,4-トリス(4-ヒドロキシフェニル)へプタン、
1,4,4-トリス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、1,4,4-トリス(4-ヒドロキシフェニル)ノナン、
1,4,4-トリス(4-ヒドロキシフェニル)デカン、1,2,2-トリス(2-ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1,2-トリス(3-ヒドロキシフェニル)プロパン、
1-(4-ヒドロキシフェニル)-2,2-ビス(2-ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,2,2-トリス(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,2,2-トリス(3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,2,2-トリス(3-ブロモ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-エチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(2-ヒドロキシ-3-ビフェニリル)-1-(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-トリフルオロメチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2-(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-1,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
1-(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
3-(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-1,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
1-(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-3,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
4-(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-1,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1-(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-2-(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
3,3-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
1,3-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-3-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
4,4-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,4-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1,2-トリス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)エタン、
1,2,2-トリス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1,3-トリス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,3,3-トリス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
1,1,4-トリス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
1,4,4-トリス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、
4,4′-〔4-(4-ヒドロキシフェニル)-sec-ブチリデン〕ビス(2-メチルフェノール)
等が挙げられる。
【0019】
フェノール性水酸基を4つ以上有する化合物としては、
ビス〔2-ヒドロキシ-3-(2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-5-メチルフェニル〕メタン、
4,6-ビス〔(4-ヒドロキシフェニル)メチル)-1,3-ベンゼンジオール、
4,4′-〔(3,4-ジヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(2,6-ジメチルフェノール)、
4,4′-〔(3,4-ジヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(2-シクロヘキシル-5-メチルフェノール)、
4,4′-〔(3,4-ジヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(2-メチルフェノール)、
4,4′-〔(3,4-ジヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(2,3,6-トリメチルフェノール)、
1,1,2,2-テトラキス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1,2,2-テトラキス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)エタン、
1,1,2,2-テトラキス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1,4,4-テトラキス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)ベンゼン、
2,2′-ビス〔4,4-(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)シクロヘキシル〕プロパン、
2,2′-〔(3,4-ジヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(3,5-ジメチルフェノール)、
3,6-ビス〔(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)メチル)カテコール、
4,6-ビス〔(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)メチル)-1,3-ベンゼンジオール、
2,2′-〔(3,4-ジヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(3,5,6-トリメチルフェノール)、
4,4′-〔(3,4-ジヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(2-シクロヘキシルフェノール)、
ビス〔3-(2-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル〕メタン、
ビス〔3-(3-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル〕メタン、
ビス〔3-(4-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル〕メタン、
ビス〔3-(2-ヒドロキシベンジル)-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル〕メタン、
ビス〔3-(2-ヒドロキシベンジル)-3-ヒドロキシ-5-メチルフェニル〕メタン、
ビス〔3-(2-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル〕メタン、
ビス〔3-(3-ヒドロキシ-2-メチルベンジル)-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル〕メタン、
ビス〔3-(4-ヒドロキシ-3-メチルベンジル)-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル〕メタン、
ビス〔3-(3-ヒドロキシ-4-メチルベンジル)-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル〕メタン、
ビス〔3-(2-ヒドロキシ-3-メチルベンジル)-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル〕メタン、
α,α′,α″,α′″-テトラキス(4-ヒドロキシフェニル)ベンゼン、
ビス〔3-(3,6-ジメチル-2-ヒドロキシベンジル)-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル〕メタン、
〔3-(3,6-ジメチル-2-ヒドロキシベンジル)-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル〕、
〔3-(2,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル〕メタン、
ビス〔3-(2,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル〕メタン、
ビス〔3-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル〕メタン、
ビス〔3-(2-ヒドロキシ-3,4,6-トリメチルベンジル)-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル〕メタン、
ビス〔2-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-2,3,5-トリメチルベンジル)-5-メチルフェニル〕メタン、
4,4′,4″,4′″-テトラキス(4-ヒドロキシフェニル)-1,1′-ビシクロヘキシル、
2,2′-ビス〔4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル〕プロパン、
4,4′,4″,4′″-テトラキス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-1,1′-ビシクロヘキシル、
ビス〔3-(5-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-2-メチルベンジル)-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル〕メタン、
4,4′,4″,4′″-テトラキス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-1,1′-ビシクロヘキシル、
1,1-ビス〔3-(2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-5-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル〕シクロヘキサン、
1,1-ビス〔3-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンジル)-5-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル〕シクロヘキサン、
1,1-ビス〔3-(5-シクロヘキシル-4-ヒドロキシ-2-メチルベンジル)-5-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル〕シクロヘキサン、
4,6-ビス〔α-メチル-(4-ヒドロキシフェニル)ベンジル-1,3-ベンゼンジオール、
2,2-ビス〔3-(4-ヒドロキシ-3-メチルベンジル)-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル〕プロパン、
2,6-ビス〔(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)ベンジル〕-4-〔α-メチル-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)ベンジル〕フェノール、
4,4′,4″,4′″-テトラキス(4-ヒドロキシ-3-イソプロピルフェニル)-1,1′-ビシクロヘキシル、
4,4′-ビス〔(3,4-ジヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(2-イソプロピルフェノール)
2,4,6-トリス(4-ヒドロキシベンジル)-1,3-ベンゼンジオール、
4,6-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンジル)ピロガロール、
3,3′-〔(2-ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(5-メチルカテコール)、
2,6-ビス(2,4-ジヒドロキシベンジル)-4-エチルフェノール、
2,4-ビス(2,4-ジヒドロキシベンジル)-6-シクロヘキシルフェノール、
2,6-ビス(5-tert-ブチル-2,3-ジヒドロキシベンジル)-4-メチルフェノール、
2,4,6-トリス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンジル)レゾルシン、
2,4,6-トリス(3,5-ジメチル-2-ヒドロキシベンジル)レゾルシン、
2,6-ビス(2,4-ジヒドロキシベンジル)-3,4-ジメチルフェノール、
2,6-ビス〔3-(2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-2,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンジル〕-3,4-ジメチルフェノール、
4,6-ビス(α-メチル-4-ヒドロキシベンジル)ピロガロール、
4,4′-[1-{4-〔1-(3,5-ビス(4-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}エチリデン]ビス〔2,6-ビス(4-ヒドロキシベンジル)フェノール〕、
4,4′-[1-{4-〔1-(3,5-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}エチリデン]ビス〔2,6-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルベンジル)フェノール〕、
4,4′-[1-{4-〔1-(3,5-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}エチリデン]ビス〔2,6-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンジル)フェノール〕、
4,4′-[1-{4-〔1-(3,5-ビス(4-ヒドロキシ-2,3,6-トリメチルベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}エチリデン]ビス〔2,6-ビス(4-ヒドロキシ-2,3,6-トリメチルベンジル)フェノール〕、
ビス〔5-(2,4-ジヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル〕メタン、ビス〔3-(2,4-ジヒドロキシベンジル)-2,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル〕メタン、
ビス〔3-(2,4-ジヒドロキシ-3-メチルベンジル)-2,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル〕メタン、
ビス〔5-(4-ヒドロキシベンジル)-2,3,4-トリヒドロキシフェニル〕メタン、
1,1-ビス〔5-(4-ヒドロキシベンゾイル)-2,3,4-トリヒドロキシフェニル〕エタン、
3,3′,5,5′-テトラキス(4-ヒドロキシベンジル)-4,4′-ジヒドロキシビフェニル、
3,3′,5,5′-テトラキス(4-ヒドロキシ-3-メチルベンジル)-4,4′-ジヒドロキシビフェニル、
3,3′,5,5′-テトラキス(2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-4,4′-ジヒドロキシビフェニル、
3,3′,5,5′-テトラキス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンジル)-4,4′-ジヒドロキシビフェニル、
ビス〔3-(α,α-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)メチル-4-ヒドロキシフェニル〕メタン、
ビス〔3,5-ビス(2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-4-ヒドロキシフェニル〕メタン、
4,4′,4″-エチリジントリス{〔2-(2-ヒドロキシ-5-メチル)ベンジル〕-6-メチルフェノール}、
2,2-ビス〔3,5-ビス(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニルメチル)フェニル〕プロパン、
ビス〔3-(α,α-ビス(2,5ージメチル-4-ヒドロキシフェニル)メチル-4-ヒドロキシフェニル〕メタン、
ビス〔5-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,3,4-トリヒドロキシフェニル〕メタン、
ビス〔3-(2,3,4-トリヒドロキシベンジル)-2,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル〕メタン、
1,1-ビス〔3-(2,3,4-トリヒドロキシベンジル)-5-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル〕シクロヘキサン、
1,8,15,22-テトラノニル-3,5,10,12,17,19,24,26-オクタヒドロキシ[1,1,1,1]-メタシクロファン、
4,4′-[1-{4-〔1-(3,5-ビス(4-ヒドロキシ-2-メチルベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}エチリデン]ビス〔2,6-ビス(4-ヒドロキシ-2-メチルベンジル)フェノール〕、
4,4′-[1-{4-〔1-(3,5-ビス(2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}エチリデン]ビス〔2,6-ビス(2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)フェノール〕、
4,4′-[1-{4-〔1-(3,5-ビス(3-エチル-4-ヒドロキシベンジル)-4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}エチリデン]ビス〔2,6-ビス(3-エチル-4-ヒドロキシベンジル)フェノール〕、
4,4′-[1-{4-〔1-(3,5-ビス(3,5-ジメチル-2-ヒドロキシフェニル)-4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}エチリデン]ビス〔2,6-ビス(3,5-ジメチル-2-ヒドロキシフェニル)フェノール〕、
4,4′-[1-{4-〔1-(3,5-ビス(4-ヒドロキシ-3-イソプロピルフェニル)-4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}エチリデン]ビス〔2,6-ビス(4-ヒドロキシ-3-イソプロピルフェニル)フェノール〕、
ビス〔3-(α,α-ビス(3,5ージメチル-4-ヒドロキシフェニル)メチル-4-ヒドロキシフェニル〕メタン、
ビス〔3-(α,α-ビス(5ーシクロヘキシル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)メチル-4-ヒドロキシフェニル〕メタン、
4,4′-〔4-ヒドロキシ-3,5-ビス(2-ヒドロキシベンジル)メチレン〕ビス〔2,6-ビス(2-ヒドロキシベンジル)〕フェノール、
4,4′-〔4-ヒドロキシ-3,5-ビス(4-ヒドロキシベンジル)メチレン〕ビス〔2,6-ビス(4-ヒドロキシベンジル)〕フェノール、
4,4′,4″-エチリジントリス〔2,6-ビス(2-ヒドロキシベンジル)フェノール〕、
4,4′,4″-エチリジントリス〔2,6-ビス(4-ヒドロキシベンジル)フェノール〕、
2,2-ビス〔3,5-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルベンジル)-4-ヒドロキシフェニル〕プロパン、
1,8,15,22-テトラエチル-3,5,10,12,17,19,24,26-オクタヒドロキシ[1,1,1,1]-メタシクロファン、
α,α′,α″,α′″-テトラキス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-1,4-ジメチルベンゼン、
4,4′-[1-{4-〔1-(3,5-ビス(2-ヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)-4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}エチリデン]ビス〔2,6-ビス(2-ヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)フェノール〕、
4,4′-[1-{4-〔1-(3,5-ビス(4-ヒドロキシ-2,3,5-トリメチルフェニル)-4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}エチリデン]ビス〔2,6-ビス(4-ヒドロキシ-2,3,5-トリメチルフェニル)フェノール〕、
4,4′-[1-{4-〔1-(3,5-ビス(3-sec-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}エチリデン]ビス〔2,6-ビス(3-sec-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)フェノール〕、
4,4′-[1-{4-〔1-(3,5-ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル}エチリデン]ビス〔2,6-ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)フェノール〕、
2,6-ビス{〔3-(2,4-ジヒドロキシベンジル)-2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ〕ベンジル}-4-メチルフェノール、
1,1-ビス〔5-(2,4-ジヒドロキシベンジル)-3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル〕シクロヘキサン、
1,1-ビス〔5-(2,3,4-トリヒドロキシベンジル)-3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル〕シクロヘキサン、
2,2-ビス〔4,4′,4″,4′″-テトラキス(3,5-ジヒドロキシメチル-4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル〕プロパン
等が挙げられる。
【0020】
カルボン酸及びその誘導体としては、3,5-ジ(α-メチルベンジル)サリチル酸及びその亜鉛塩、4-(2-p-メトキシフェニルオキシエトキシ)サリチル酸及びその亜鉛塩、4-ヒドロキシフェニル安息香酸、4-クロロ安息香酸亜鉛、4-〔2-(p-メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛、4-〔3-(p-トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、5-〔p-(2-p-メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸亜鉛、4-オクチルオキシカルボニルアミノサリチル酸亜鉛、3,5-ジスチレン化サリチル酸、N-(p-トルエンスルホニル)-グリシン、N-(p-トルエンスルホニル)-アラニン、N-(p-トルエンスルホニル)-β-アラニン、N-フェニルアミノカルボニル-グリシン、N-フェニルアミノカルボニル-バリン、N-(m-トリルアミノカルボニル)-フェニルアラニン、N-(m-トリルアミノカルボニル)-システイン-S-ベンジル、N-(m-トリルアミノカルボニル)-メチオニン、N-(m-トリルアミノカルボニル)-チロシン、N-(p-トリルアミノカルボニル)-フェニルアラニン、N-(p-トリルアミノカルボニル)-システイン-S-ベンジル、N-(p-トリルアミノカルボニル)-メチオニン、N-(p-トリルアミノカルボニル)-メチオニン、N-(フェニルアミノカルボニル)-メチオニン、N-(p-トリルアミノカルボニル)-チロシン、2-O-(フェニルアミノカルボニル)-マンデル酸、2-O-(p-トリルアミノカルボニル)-マンデル酸、2-O-(m-トリルアミノカルボニル)-マンデル酸、2-O-(o-トリルアミノカルボニル)-マンデル酸、2-O-(1-ナフチルアミノカルボニル)-マンデル酸、2-O-(3-イソプロペニル-α、α-ジメチルベンジルアミノカルボニル)-マンデル酸、2-O-(ベンジルアミノカルボニル)-マンデル酸、2-O-(フェネチルアミノカルボニル)-マンデル酸、2-O-(フェニルアミノカルボニル)-乳酸、2-O-(p-トリルアミノカルボニル)-乳酸、2-O-(m-トリルアミノカルボニル)-乳酸、2-O-(o-トリルアミノカルボニル)-乳酸、2-O-(1-ナフチルアミノカルボニル)-乳酸、2-O-(3-イソプロペニル-α、α-ジメチルベンジルアミノカルボニル)-乳酸、2-O-(ベンジルアミノカルボニル)-乳酸、2-O-(フェネチルアミノカルボニル)-乳酸等が挙げられる。
【0021】
前記酸性リン酸エステル化合物としては、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、2-エチルヘキシルアシッドホスフェート、イソデシルアシッドホスフェート、イソトリデシルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、モノブチルホスフェート、ジブチルホスフェート、モノイソデシルホスフェート、ビス(2-エチルヘキシル)ホスフェート等が挙げられる。
【0022】
前記フェノール性水酸基を有する化合物が最も有効な熱変色特性を発現させることができるが、芳香族カルボン酸及び炭素数2~5の脂肪族カルボン酸、カルボン酸金属塩、酸性リン酸エステル及びその金属塩、1,2,3-トリアゾール及びその誘導体から選ばれる化合物等であってもよい。
【0023】
前記(イ)、(ロ)成分による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体の(ハ)成分について説明する。
前記(ハ)成分としては、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、酸アミド類が挙げられる。
前記化合物を用いてマイクロカプセル化及び二次加工に応用する場合は、低分子量のものは高熱処理を施すとカプセル外に蒸散し易いので、安定的にカプセル内に保持させるために炭素数10以上の化合物が好適に用いられる。
アルコール類としては、炭素数10以上の脂肪族一価の飽和アルコールが有効であり、具体的にはデシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコール、エイコシルアルコール、ドコシルアルコール等が挙げられる。
【0024】
エステル類としては、炭素数10以上のエステル類が有効であり、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価アルコールの任意の組み合わせから得られるエステル類、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する多価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価アルコールの任意の組み合わせから得られるエステル類、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する多価アルコールの任意の組み合わせから得られるエステル類が挙げられ、具体的にはカプリル酸エチル、カプリル酸オクチル、カプリル酸ステアリル、カプリン酸ミリスチル、カプリン酸ドコシル、ラウリン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸n-デシル、ミリスチン酸3-メチルブチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ネオペンチル、パルミチン酸ノニル、パルミチン酸シクロヘキシル、ステアリン酸n-ブチル、ステアリン酸2-メチルブチル、ステアリン酸3,5,5-トリメチルヘキシル、ステアリン酸n-ウンデシル、ステアリン酸ペンタデシル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸シクロヘキシルメチル、ベヘン酸イソプロピル、ベヘン酸ヘキシル、ベヘン酸ラウリル、ベヘン酸ベヘニル、安息香酸セチル、p-tert-ブチル安息香酸ステアリル、フタル酸ジミリスチル、フタル酸ジステアリル、シュウ酸ジミリスチル、シュウ酸ジセチル、マロン酸ジセチル、コハク酸ジラウリル、グルタル酸ジラウリル、アジピン酸ジウンデシル、アゼライン酸ジラウリル、セバシン酸ジ-(n-ノニル)、1,18-オクタデシルメチレンジカルボン酸ジネオペンチル、エチレングリコールジミリステート、プロピレングリコールジラウレート、プロピレングリコールジステアレート、ヘキシレングリコールジパルミテート、1,5-ペンタンジオールジステアレート、1,2,6-ヘキサントリオールトリミリステート、1,4-シクロヘキサンジオールジデシル、1,4-シクロヘキサンジメタノールジミリステート、キシレングリコールジカプリネート、キシレングリコールジステアレート等が挙げられる。
【0025】
又、飽和脂肪酸と分枝脂肪族アルコールのエステル、不飽和脂肪酸又は分枝もしくは置換基を有する飽和脂肪酸と分岐状であるか又は炭素数16以上の脂肪族アルコールのエステル、酪酸セチル、酪酸ステアリル及び酪酸ベヘニルから選ばれるエステル化合物も有効である。
具体的には、酪酸2-エチルヘキシル、ベヘン酸2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-エチルヘキシル、カプリン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸3,5,5-トリメチルヘキシル、パルミチン酸3,5,5-トリメチルヘキシル、ステアリン酸3,5,5-トリメチルヘキシル、カプロン酸2-メチルブチル、カプリル酸2-メチルブチル、カプリン酸2-メチルブチル、パルミチン酸1-エチルプロピル、ステアリン酸1-エチルプロピル、ベヘン酸1-エチルプロピル、ラウリン酸1-エチルヘキシル、ミリスチン酸1-エチルヘキシル、パルミチン酸1-エチルヘキシル、カプロン酸2-メチルペンチル、カプリル酸2-メチルペンチル、カプリン酸2-メチルペンチル、ラウリン酸2-メチルペンチル、ステアリン酸2-メチルブチル、ステアリン酸2-メチルブチル、ステアリン酸3-メチルブチル、ステアリン酸1-メチルヘプチル、ベヘン酸2-メチルブチル、ベヘン酸3-メチルブチル、ステアリン酸1-メチルヘプチル、ベヘン酸1-メチルヘプチル、カプロン酸1-エチルペンチル、パルミチン酸1-エチルペンチル、ステアリン酸1-メチルプロピル、ステアリン酸1-メチルオクチル、ステアリン酸1-メチルヘキシル、ラウリン酸1,1-ジメチルプロピル、カプリン酸1-メチルペンチル、パルミチン酸2-メチルヘキシル、ステアリン酸2-メチルヘキシル、ベヘン酸2-メチルヘキシル、ラウリン酸3,7-ジメチルオクチル、ミリスチン酸3,7-ジメチルオクチル、パルミチン酸3,7-ジメチルオクチル、ステアリン酸3,7-ジメチルオクチル、ベヘン酸3,7-ジメチルオクチル、オレイン酸ステアリル、オレイン酸ベヘニル、リノール酸ステアリル、リノール酸ベヘニル、エルカ酸3,7-ジメチルオクチル、エルカ酸ステアリル、エルカ酸イソステアリル、イソステアリン酸セチル、イソステアリン酸ステアリル、12-ヒドロキシステアリン酸2-メチルペンチル、18-ブロモステアリン酸2-エチルヘキシル、2-ケトミリスチン酸イソステアリル、2-フルオロミリスチン酸2-エチルヘキシル、酪酸セチル、酪酸ステアリル、酪酸ベヘニル等が挙げられる。
【0026】
更に、色濃度-温度曲線に関して大きなヒステリシス特性を示して変色し、温度変化に依存して色彩記憶性を与えるためには、特公平4-17154号公報に記載された5℃以上50℃未満のΔT値(融点-曇点)を示すカルボン酸エステル化合物、例えば、分子中に置換芳香族環を含むカルボン酸エステル、無置換芳香族環を含むカルボン酸と炭素数10以上の脂肪族アルコールのエステル、分子中にシクロヘキシル基を含むカルボン酸エステル、炭素数6以上の脂肪酸と無置換芳香族アルコール又はフェノールのエステル、炭素数8以上の脂肪酸と分岐脂肪族アルコール又はエステル、ジカルボン酸と芳香族アルコール又は分岐脂肪族アルコールのエステル、ケイ皮酸ジベンジル、ステアリン酸ヘプチル、アジピン酸ジデシル、アジピン酸ジラウリル、アジピン酸ジミリスチル、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジステアリル、トリラウリン、トリミリスチン、トリステアリン、ジミリスチン、ジステアリン等が挙げられる。
【0027】
炭素数9以上の奇数の脂肪族一価アルコールと炭素数が偶数の脂肪族カルボン酸から得られる脂肪酸エステル化合物、n-ペンチルアルコール又はn-ヘプチルアルコールと炭素数10乃至16の偶数の脂肪族カルボン酸より得られる総炭素数17乃至23の脂肪酸エステル化合物も有効である。
具体的には、酢酸n-ペンタデシル、酪酸n-トリデシル、酪酸n-ペンタデシル、カプロン酸n-ウンデシル、カプロン酸n-トリデシル、カプロン酸n-ペンタデシル、カプリル酸n-ノニル、カプリル酸n-ウンデシル、カプリル酸n-トリデシル、カプリル酸n-ペンタデシル、カプリン酸n-ヘプチル、カプリン酸n-ノニル、カプリン酸n-ウンデシル、カプリン酸n-トリデシル、カプリン酸n-ペンタデシル、ラウリン酸n-ペンチル、ラウリン酸n-ヘプチル、ラウリン酸n-ノニル、ラウリン酸n-ウンデシル、ラウリン酸n-トリデシル、ラウリン酸n-ペンタデシル、ミリスチン酸n-ペンチル、ミリスチン酸n-ヘプチル、ミリスチン酸n-ノニル、ミリスチン酸n-ウンデシル、ミリスチン酸n-トリデシル、ミリスチン酸n-ペンタデシル、パルミチン酸n-ペンチル、パルミチン酸n-ヘプチル、パルミチン酸n-ノニル、パルミチン酸n-ウンデシル、パルミチン酸n-トリデシル、パルミチン酸n-ペンタデシル、ステアリン酸n-ノニル、ステアリン酸n-ウンデシル、ステアリン酸n-トリデシル、ステアリン酸n-ペンタデシル、エイコサン酸n-ノニル、エイコサン酸n-ウンデルシ、エイコサン酸n-トリデシル、エイコサン酸n-ペンタデシル、ベヘニン酸n-ノニル、ベヘニン酸n-ウンデシル、ベヘニン酸n-トリデシル、ベヘニン酸n-ペンタデシル等が挙げられる。
【0028】
ケトン類としては、総炭素数が10以上の脂肪族ケトン類が有効であり、2-デカノン、3-デカノン、4-デカノン、2-ウンデカノン、3-ウンデカノン、4-ウンデカノン、5-ウンデカノン、2-ドデカノン、3-ドデカノン、4-ドデカノン、5-ドデカノン、2-トリデカノン、3-トリデカノン、2-テトラデカノン、2-ペンタデカノン、8-ペンタデカノン、2-ヘキサデカノン、3-ヘキサデカノン、9-ヘプタデカノン、2-ペンタデカノン、2-オクタデカノン、2-ノナデカノン、10-ノナデカノン、2-エイコサノン、11-エイコサノン、2-ヘンエイコサノン、2-ドコサノン、ラウロン、ステアロン等が挙げられる。
更には、総炭素数が12乃至24のアリールアルキルケトン類、例えば、n-オクタデカノフェノン、n-ヘプタデカノフェノン、n-ヘキサデカノフェノン、n-ペンタデカノフェノン、n-テトラデカノフェノン、4-n-ドデカアセトフェノン、n-トリデカノフェノン、4-n-ウンデカノアセトフェノン、n-ラウロフェノン、4-n-デカノアセトフェノン、n-ウンデカノフェノン、4-n-ノニルアセトフェノン、n-デカノフェノン、4-n-オクチルアセトフェノン、n-ノナノフェノン、4-n-ヘプチルアセトフェノン、n-オクタノフェノン、4-n-ヘキシルアセトフェノン、4-n-シクロヘキシルアセトフェノン、4-tert-ブチルプロピオフェノン、n-ヘプタフェノン、4-n-ペンチルアセトフェノン、シクロヘキシルフェニルケトン、ベンジル-n-ブチルケトン、4-n-ブチルアセトフェノン、n-ヘキサノフェノン、4-イソブチルアセトフェノン、1-アセトナフトン、2-アセトナフトン、シクロペンチルフェニルケトン等が挙げられる。
【0029】
エーテル類としては、総炭素数10以上の脂肪族エーテル類が有効であり、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテル、ジノニルエーテル、ジデシルエーテル、ジウンデシルエーテル、ジドデシルエーテル、ジトリデシルエーテル、ジテトラデシルエーテル、ジペンタデシルエーテル、ジヘキサデシルエーテル、ジオクタデシルエーテル、デカンジオールジメチルエーテル、ウンデカンジオールジメチルエーテル、ドデカンジオールジメチルエーテル、トリデカンジオールジメチルエーテル、デカンジオールジエチルエーテル、ウンデカンジオールジエチルエーテル等が挙げられる。
【0030】
酸アミド類としては、アセトアミド、プロピオン酸アミド、酪酸アミド、カプロン酸アミド、カプリル酸アミド、カプリン酸アミド、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベンズアミド、カプロン酸アニリド、カプリル酸アニリド、カプリン酸アニリド、ラウリン酸アニリド、ミリスチン酸アニリド、パルミチン酸アニリド、ステアリン酸アニリド、ベヘニン酸アニリド、オレイン酸アニリド、エルカ酸アニリド、カプロン酸N-メチルアミド、カプリル酸N-メチルアミド、カプリン酸N-メチルアミド、ラウリン酸N-メチルアミド、ミリスチン酸N-メチルアミド、パルミチン酸N-メチルアミド、ステアリン酸N-メチルアミド、ベヘニン酸N-メチルアミド、オレイン酸N-メチルアミド、エルカ酸N-メチルアミド、ラウリン酸N-エチルアミド、ミリスチン酸N-エチルアミド、パルミチン酸N-エチルアミド、ステアリン酸N-エチルアミド、オレイン酸N-エチルアミド、ラウリン酸N-ブチルアミド、ミリスチン酸N-ブチルアミド、パルミチン酸N-ブチルアミド、ステアリン酸N-ブチルアミド、オレイン酸N-ブチルアミド、ラウリン酸N-オクチルアミド、ミリスチン酸N-オクチルアミド、パルミチン酸N-オクチルアミド、ステアリン酸N-オクチルアミド、オレイン酸N-オクチルアミド、ラウリン酸N-ドデシルアミド、ミリスチン酸N-ドデシルアミド、パルミチン酸N-ドデシルアミド、ステアリン酸N-ドデシルアミド、オレイン酸N-ドデシルアミド、ジラウリン酸アミド、ジミリスチン酸アミド、ジパルミチン酸アミド、ジステアリン酸アミド、ジオレイン酸アミド、トリラウリン酸アミド、トリミリスチン酸アミド、トリパルミチン酸アミド、トリステアリン酸アミド、トリオレイン酸アミド、コハク酸アミド、アジピン酸アミド、グルタル酸アミド、マロン酸アミド、アゼライン酸アミド、マレイン酸アミド、コハク酸N-メチルアミド、アジピン酸N-メチルアミド、グルタル酸N-メチルアミド、マロン酸N-メチルアミド、アゼライン酸N-メチルアミド、コハク酸N-エチルアミド、アジピン酸N-エチルアミド、グルタル酸N-エチルアミド、マロン酸N-エチルアミド、アゼライン酸N-エチルアミド、コハク酸N-ブチルアミド、アジピン酸N-ブチルアミド、グルタル酸N-ブチルアミド、マロン酸N-ブチルアミド、アジピン酸N-オクチルアミド、アジピン酸N-ドデシルアミド等が挙げられる。
【0031】
また、前記(ハ)成分として、下記一般式(1)で示される化合物を用いることもできる。
【化1】
〔式中、R
1は水素原子又はメチル基を示し、mは0~2の整数を示し、X
1、X
2のいずれか一方は-(CH
2)
nOCOR
2又は-(CH
2)
nCOOR
2、他方は水素原子を示し、nは0~2の整数を示し、R
2は炭素数4以上のアルキル基又はアルケニル基を示し、Y
1及びY
2は水素原子、炭素数1~4のアルキル基、メトキシ基、又は、ハロゲンを示し、r及びpは1~3の整数を示す。〕
前記式(1)で示される化合物のうち、R
1が水素原子の場合、より広いヒステリシス幅を有する可逆熱変色性組成物が得られるため好適であり、更にR
1が水素原子であり、且つ、mが0の場合がより好適である。
なお、式(1)で示される化合物のうち、より好ましくは下記一般式(2)で示される化合物が用いられる。
【化2】
式中のRは炭素数8以上のアルキル基又はアルケニル基を示すが、好ましくは炭素数10~24のアルキル基、更に好ましくは炭素数12~22のアルキル基である。
前記化合物として具体的には、オクタン酸-4-ベンジルオキシフェニルエチル、ノナン酸-4-ベンジルオキシフェニルエチル、デカン酸-4-ベンジルオキシフェニルエチル、ウンデカン酸-4-ベンジルオキシフェニルエチル、ドデカン酸-4-ベンジルオキシフェニルエチル、トリデカン酸-4-ベンジルオキシフェニルエチル、テトラデカン酸-4-ベンジルオキシフェニルエチル、ペンタデカン酸-4-ベンジルオキシフェニルエチル、ヘキサデカン酸-4-ベンジルオキシフェニルエチル、ヘプタデカン酸-4-ベンジルオキシフェニルエチル、オクタデカン酸-4-ベンジルオキシフェニルエチルを例示できる。
【0032】
更に、前記(ハ)成分として、下記一般式(3)で示される化合物を用いることもできる。
【化3】
(式中、Rは炭素数8以上のアルキル基又はアルケニル基を示し、m及びnはそれぞれ1~3の整数を示し、X及びYはそれぞれ水素原子、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシ基、ハロゲンを示す。)
前記化合物として具体的には、オクタン酸1,1-ジフェニルメチル、ノナン酸1,1-ジフェニルメチル、デカン酸1,1-ジフェニルメチル、ウンデカン酸1,1-ジフェニルメチル、ドデカン酸1,1-ジフェニルメチル、トリデカン酸1,1-ジフェニルメチル、テトラデカン酸1,1-ジフェニルメチル、ペンタデカン酸1,1-ジフェニルメチル、ヘキサデカン酸1,1-ジフェニルメチル、ヘプタデカン酸1,1-ジフェニルメチル、オクタデカン酸1,1-ジフェニルメチルを例示できる。
【0033】
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(4)で示される化合物を用いることもできる。
【化4】
(式中、Xは水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、メトキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示し、mは1乃至3の整数を示し、nは1乃至20の整数を示す。)
前記化合物としては、マロン酸と2-〔4-(4-クロロベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、こはく酸と2-(4-ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、こはく酸と2-〔4-(3-メチルベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、グルタル酸と2-(4-ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、グルタル酸と2-〔4-(4-クロロベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、アジピン酸と2-(4-ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、ピメリン酸と2-(4-ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、スベリン酸と2-(4-ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、スベリン酸と2-〔4-(3-メチルベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、スベリン酸と2-〔4-(4-クロロベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、スベリン酸と2-〔4-(2,4-ジクロロベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、アゼライン酸と2-(4-ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、セバシン酸と2-(4-ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、1,10-デカンジカルボン酸と2-(4-ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、1,18-オクタデカンジカルボン酸と2-(4-ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、1,18-オクタデカンジカルボン酸と2-〔4-(2-メチルベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステルを例示できる。
【0034】
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(5)で示される化合物を用いることもできる。
【化5】
(式中、Rは炭素数1乃至21のアルキル基又はアルケニル基を示し、nは1乃至3の整数を示す。)
前記化合物としては、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとカプリン酸とのジエステル、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとウンデカン酸とのジエステル、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとラウリン酸とのジエステル、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとミリスチン酸とのジエステル、1,4-ビス(ヒドロキシメトキシ)ベンゼンと酪酸とのジエステル、1,4-ビス(ヒドロキシメトキシ)ベンゼンとイソ吉草酸とのジエステル、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンと酢酸とのジエステル、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとプロピオン酸とのジエステル、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンと吉草酸とのジエステル、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとカプロン酸とのジエステル、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとカプリル酸とのジエステル、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとカプリン酸とのジエステル、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとラウリン酸とのジエステル、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとミリスチン酸とのジエステルを例示できる。
【0035】
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(6)で示される化合物を用いることもできる。
【化6】
(式中、Xは水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示し、mは1乃至3の整数を示し、nは1乃至20の整数を示す。)
前記化合物としては、こはく酸と2-フェノキシエタノールとのジエステル、スベリン酸と2-フェノキシエタノールとのジエステル、セバシン酸と2-フェノキシエタノールとのジエステル、1,10-デカンジカルボン酸と2-フェノキシエタノールとのジエステル、1,18-オクタデカンジカルボン酸と2-フェノキシエタノールとのジエステルを例示できる。
【0036】
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(7)で示される化合物を用いることもできる。
【化7】
(式中、Rは炭素数4乃至22のアルキル基、シクロアルキルアルキル基、シクロアルキル基、炭素数4乃至22のアルケニル基のいずれかを示し、Xは水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示し、nは0又は1を示す。)
前記化合物としては、4-フェニル安息香酸デシル、4-フェニル安息香酸ラウリル、4-フェニル安息香酸ミリスチル、4-フェニル安息香酸シクロヘキシルエチル、4-ビフェニル酢酸オクチル、4-ビフェニル酢酸ノニル、4-ビフェニル酢酸デシル、4-ビフェニル酢酸ラウリル、4-ビフェニル酢酸ミリスチル、4-ビフェニル酢酸トリデシル、4-ビフェニル酢酸ペンタデシル、4-ビフェニル酢酸セチル、4-ビフェニル酢酸シクロペンチル、4-ビフェニル酢酸シクロヘキシルメチル、4-ビフェニル酢酸ヘキシル、4-ビフェニル酢酸シクロヘキシルメチルを例示できる。
【0037】
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(8)で示される化合物を用いることもできる。
【化8】
(式中、Rは炭素数3乃至18のアルキル基、炭素数3乃至18の脂肪族アシル基のいずれかを示し、Xは水素原子、炭素数1乃至3のアルキル基、炭素数1又は2のアルコキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示し、Yは水素原子、メチル基のいずれかを示し、Zは水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1又は2のアルコキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示す。)
前記化合物としては、4-ブトキシ安息香酸フェノキシエチル、4-ペンチルオキシ安息香酸フェノキシエチル、4-テトラデシルオキシ安息香酸フェノキシエチル、4-ヒドロキシ安息香酸フェノキシエチルとドデカン酸とのエステル、バニリン酸フェノキシエチルのドデシルエーテルを例示できる。
【0038】
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(9)で示される化合物を用いることもできる。
【化9】
(式中、Rは炭素数4乃至22のアルキル基、炭素数4乃至22のアルケニル基、シクロアルキルアルキル基、シクロアルキル基のいずれかを示し、Xは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示し、Yは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示し、nは0又は1を示す。)
前記化合物としては、p-ヒドロキシ安息香酸オクチルの安息香酸エステル、p-ヒドロキシ安息香酸デシルの安息香酸エステル、p-ヒドロキシ安息香酸ヘプチルのp-メトキシ安息香酸エステル、p-ヒドロキシ安息香酸ドデシルのo-メトキシ安息香酸エステル、p-ヒドロキシ安息香酸シクロヘキシルメチルの安息香酸エステルを例示できる。
【0039】
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(10)で示される化合物を用いることもできる。
【化10】
(式中、(式中、Rは炭素数3乃至18のアルキル基、炭素数6乃至11のシクロアルキルアルキル基、炭素数5乃至7のシクロアルキル基、炭素数3乃至18のアルケニル基のいずれかを示し、Xは水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至3のアルコキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示し、Yは水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ハロゲン原子のいずれかを示す。)
前記化合物としては、p-ヒドロキシ安息香酸ノニルのフェノキシエチルエーテル、p-ヒドロキシ安息香酸デシルのフェノキシエチルエーテル、p-ヒドロキシ安息香酸ウンデシルのフェノキシエチルエーテル、バニリン酸ドデシルのフェノキシエチルエーテルを例示できる。
【0040】
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(11)で示される化合物を用いることもできる。
【化11】
(式中、Rは炭素数3乃至8のシクロアルキル基又は炭素数4乃至9のシクロアルキルアルキル基を示し、nは1乃至3の整数を示す。)
前記化合物としては、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとシクロヘキサンカルボン酸とのジエステル、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとシクロヘキサンプロピオン酸とのジエステル、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとシクロヘキサンプロピオン酸とのジエステルを例示できる。
【0041】
更に、前記(ハ)成分として下記一般式(12)で示される化合物を用いることもできる。
【化12】
(式中、Rは炭素数3乃至17のアルキル基、炭素数3乃至8のシクロアルキル基、炭素数5乃至8のシクロアルキルアルキル基を示し、Xは水素原子、炭素数1乃至5のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ハロゲン原子を示し、nは1乃至3の整数を示す。)
前記化合物としては、4-フェニルフェノールエチレングリコールエーテルとシクロヘキサンカルボン酸とのジエステル、4-フェニルフェノールジエチレングリコールエーテルとラウリン酸とのジエステル、4-フェニルフェノールトリエチレングリコールエーテルとシクロヘキサンカルボン酸とのジエステル、4-フェニルフェノールエチレングリコールエーテルとオクタン酸とのジエステル、4-フェニルフェノールエチレングリコールエーテルとノナン酸とのジエステル、4-フェニルフェノールエチレングリコールエーテルとデカン酸とのジエステル、4-フェニルフェノールエチレングリコールエーテルとミリスチン酸とのジエステルを例示できる。
【0042】
前記可逆熱変色性組成物は、前記(イ)、(ロ)、(ハ)成分を必須成分とする相溶体であり、各成分の割合は、濃度、変色温度、変色形態や各成分の種類に左右されるが、一般的に所望の特性が得られる成分比は、(イ)成分1に対して、(ロ)成分0.1~100、好ましくは0.1~50、より好ましくは0.5~20、(ハ)成分5~200、好ましくは5~100、より好ましくは10~100の範囲である(前記割合はいずれも質量部である)。
【0043】
更に、各種光安定剤を必要により添加することができる。
前記光安定剤は、(イ)、(ロ)、(ハ)成分からなる可逆熱変色性組成物の光劣化を防止するために含有され、(イ)成分1質量%に対して0.3~24質量%、好ましくは0.3~16質量%の割合で含有される。又、前記光安定剤のうち、紫外線吸収剤は、太陽光等に含まれる紫外線を効果的にカットして、(イ)成分の光反応による励起状態によって生ずる光劣化を防止する。又、酸化防止剤、一重項酸素消光剤、スーパーオキシドアニオン消光剤、オゾン消光剤等は光による酸化反応を抑制する。
前記光安定剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
【0044】
前記可逆熱変色性組成物は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂中に分散したり、或いは、マイクロカプセルに内包することによって可逆熱変色性顔料として用いられる。
なお、マイクロカプセル化は、従来より公知の界面重合法、in Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。更にマイクロカプセルの表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
前記マイクロカプセル顔料は、内包物/壁膜=7/1~1/1(質量比)の範囲であることが好ましく、壁膜の比率が前記範囲内にあることにより、発色時の色濃度及び鮮明性の低下を防止することができ、より好適には、内包物/壁膜=6/1~1/1(質量比)である。
前記マイクロカプセルに内包させることにより、化学的、物理的に安定な顔料を構成でき、粒子径0.1~15μm、好ましくは0.5~10μm、より好ましくは0.5~5μmの範囲が実用性を満たす。
なお、粒子径および平均粒子径の測定は、マウンテック社製の画像解析式粒度分布測定ソフトウェア「マックビュー」を用いて粒子の領域を判定し、粒子の領域の面積から投影面積円相当径(Heywood径)を算出し、その値による等体積球相当の粒子の粒子径および平均粒子径として測定した値である。また、全ての粒子或いは大部分の粒子の粒子径が0.2μmを超える場合には、粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社製、製品名:Multisizer 4e)を用いてコールター法により等体積球相当の粒子の粒子径および平均粒子径として測定することも可能である。
さらに、コールター法による測定装置を用いて計測した数値を基にしてキャリブレーションしたレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(装置名:LA-300、株式会社堀場製作所製)を用いて、体積基準の粒子径および平均粒子径(メジアン径)を測定しても良い。
【0045】
前記可逆熱変色性顔料の変色について説明する。
前記可逆熱変色性顔料A及びBは消色状態からの降温により完全発色温度(t
1)に達すると完全に発色状態になり、発色状態からの昇温により完全消色温度(t
4)に達すると完全に消色状態になる顔料であり、それぞれ異なる色を呈することが好ましい。
一方の可逆熱変色性顔料Aの消色温度(t
4)より高温側に他方の可逆熱変色性顔料Bの完全消色温度(t
4)を有することにより、昇温時に熱変色性顔料の変色状態の視認判別できると共に、可逆熱変色性顔料Bは発色時に蛍光性を有する顔料であることにより、変色前後のそれぞれの色の鮮やかさに富む。
以下に前記可逆熱変色性顔料の色濃度-温度曲線におけるヒステリシス特性を
図2のグラフによって説明する。
図2において、縦軸に色濃度、横軸に温度が表されている。温度変化による色濃度の変化は矢印に沿って進行する。ここで、Aは完全に消色した状態に達する温度t
4(以下、完全消色温度と称す)における濃度を示す点であり、Bは消色し始める温度t
3(以下、消色開始温度と称す)における濃度を示す点であり、Cは発色し始める温度t
2(以下、発色開始温度と称す)における濃度を示す点であり、Dは完全に発色した状態に達する温度t
1(以下、完全発色温度と称す)における濃度を示す点である。
また、線分EFの長さが変色のコントラストを示す尺度であり、線分HGの長さがヒステリシスの程度を示す温度幅(以下、ヒステリシス幅ΔHと記す)であり、このΔH値が大きい程、変色前後の各状態の保持が容易である。
ここで、t
4とt
3の差、或いは、t
2とt
1の差(Δt)が変色の鋭敏性を示す尺度である。
【0046】
一例として
図3の色濃度-温度曲線によって具体的に説明すると、一方の可逆熱変色性顔料Aの完全消色温度(t
4)より高温側に他方の蛍光性を有する可逆熱変色性顔料Bの完全消色温度(t’
4)を満たすため[以下、可逆熱変色性顔料Aと区別するため可逆熱変色性顔料Bは(t’)と記載する]、可逆熱変色性顔料A、Bが共に発色した蛍光性を有する有色(1)の状態から昇温していくと、完全消色温度(t
4)の温度に達すると可逆熱変色性顔料Aが消色して蛍光性を有する有色(2)になり、完全消色温度(t’
4)の温度に達すると可逆熱変色性顔料Bが消色するため、蛍光性を有する有色(2)から無色への色変化が視認される。
なお、降温により完全発色温度(t
1=t’
1)の温度に達すると可逆熱変色性顔料A及び可逆熱変色性顔料Bが発色して蛍光性を有する有色(1)に戻る。
なお、非変色性の着色剤を添加することにより、蛍光性を有する有色(1)、蛍光性を有する有色(2)、有色(3)の色変化が視認され、蛍光性を有する非変色性の着色剤を用いると有色(3)も蛍光性を有するため、鮮やかな三通りの印像が視認できる。
【0047】
また、他の例として
図4の色濃度-温度曲線によって具体的に説明すると、一方の可逆熱変色性顔料Aの完全消色温度(t
4)より高温側に他方の蛍光性を有する可逆熱変色性顔料Bの完全消色温度(t’
4)を満たすため、可逆熱変色性顔料A、Bが共に発色した蛍光性を有する有色(1)の状態から昇温していくと、完全消色温度(t
4)の温度に達すると可逆熱変色性顔料Aが消色して蛍光性を有する有色(2)になり、完全消色温度(t’
4)の温度に達すると可逆熱変色性顔料Bが消色するため、蛍光性を有する有色(2)から無色への色変化が視認される。
なお、降温により完全発色温度(t’
1)の温度に達すると可逆熱変色性顔料Bが発色して蛍光性を有する有色(2)に戻り、更に降温させて完全発色温度(t
1)の温度に達すると可逆熱変色性顔料Aが発色して蛍光性を有する有色(1)に戻る。
なお、非変色性の着色剤を添加することにより、蛍光性を有する有色(1)、蛍光性を有する有色(2)、有色(3)の色変化が視認され、蛍光性を有する非変色性の着色剤を用いると有色(3)も蛍光性を有するため、鮮やかな三通りの印像が視認できる。
【0048】
また、他の例として
図5の色濃度-温度曲線によって具体的に説明すると、一方の可逆熱変色性顔料Aの完全消色温度(t
4)より高温側に他方の蛍光性を有する可逆熱変色性顔料Bの完全消色温度(t’
4)を満たすため、可逆熱変色性顔料A、Bが共に発色した蛍光性を有する有色(1)の状態から昇温していくと、完全消色温度(t
4)の温度に達すると可逆熱変色性顔料Aが消色して蛍光性を有する有色(2)になり、完全消色温度(t’
4)の温度に達すると可逆熱変色性顔料Bが消色するため、蛍光性を有する有色(2)から無色への色変化が視認される。
なお、降温により完全発色温度(t’
1)の温度に達すると可逆熱変色性顔料Bが発色して蛍光性を有する有色(2)に戻り、更に降温させて完全発色温度(t
1)の温度に達すると可逆熱変色性顔料Aが発色して蛍光性を有する有色(1)に戻る。
なお、非変色性の着色剤を添加することにより、蛍光性を有する有色(1)、蛍光性を有する有色(2)、有色(3)の色変化が視認され、蛍光性を有する非変色性の着色剤を用いると有色(3)も蛍光性を有するため、鮮やかな三通りの印像が視認できる。
【0049】
更に、他の例として
図6の色濃度-温度曲線によって具体的に説明すると、一方の可逆熱変色性顔料Aの完全消色温度(t
4)より高温側に他方の蛍光性を有する可逆熱変色性顔料Bの完全消色温度(t’
4)を満たすため、可逆熱変色性顔料A、Bが共に発色した蛍光性を有する有色(1)の状態から昇温していくと、完全消色温度(t
4)の温度に達すると可逆熱変色性顔料Aが消色して蛍光性を有する有色(2)になり、完全消色温度(t’
4)の温度に達すると可逆熱変色性顔料Bが消色するため、蛍光性を有する有色(2)から無色への色変化が視認される。
なお、降温により完全発色温度(t1)の温度に達すると可逆熱変色性顔料Aが発色して有色(3)になり、更に降温させて完全発色温度(t’
1)の温度に達すると可逆熱変色性顔料Bが発色して蛍光性を有する有色(1)に戻る。
なお、非変色性の着色剤を添加することにより、蛍光性を有する有色(1)、蛍光性を有する有色(2)、有色(3)、有色(4)の色変化が視認され、蛍光性を有する非変色性の着色剤を用いると有色(4)も蛍光性を有するため、鮮やかな四通りの印像が視認できる。
【0050】
前記可逆熱変色性顔料Aの完全消色温度(t4)よりも10℃以上高温側に可逆熱変色性顔料Bの完全消色温度(t’4)を有することにより、色変化を明瞭に視認でき、好ましくは15℃以上、より好ましくは20℃以上である。
更に、前記可逆熱変色性顔料Aの完全消色温度(t4)よりも10~70℃高温側に可逆熱変色性顔料Bの完全消色温度(t’4)を有することにより、色変化を発現させ易く、好ましくは15~60℃、より好ましくは20~50℃である。
なお、後述する摩擦体によって生じる摩擦熱により変色させる場合は、前記可逆熱変色性顔料Aの完全消色温度(t4)よりも15~40℃、好ましくは20~35℃高温側に可逆熱変色性顔料Bの完全消色温度(t’4)を有することにより、摩擦熱で色変化を発現させ易い。
また、前記可逆熱変色性顔料Aの完全消色温度(t4)が50℃以上、好ましくは55℃以上、より好ましくは60℃以上あり、完全発色温度(t1)が0℃以下、好ましくは-5℃以下、より好ましくは-10℃以下であり、可逆熱変色性顔料Bの完全発色温度(t1)が0℃以下、好ましくは-5℃以下、より好ましくは-10℃以下であることにより、変色した状態を常温下で保持させ易くなる。
【0051】
次に、前記可逆熱変色性顔料を含むインキ組成物について説明する。
前記可逆熱変色性顔料の配合割合としては、インキ組成物全量に対し10~40質量%が、好ましくは10~35質量%、より好ましくは10~30質量%配合されてなる。
10質量%未満では発色濃度が低下する傾向が見られ、40質量%を超えるとインキ組成物中で分散安定性に乏しくなる。
【0052】
前記可逆熱変色性顔料には、その機能に影響を及ぼさない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、溶解助剤、防腐・防黴剤、非熱変色性染料や顔料等の各種添加剤を添加することができる。
【0053】
媒体としては水と、必要により水溶性有機溶剤が用いられる。
前記水溶性有機溶剤としては、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール類及びそれらの低級アルキルエーテル、2-ピロリドン、N-ビニルピロリドン、尿素等が挙げられ、顔料として(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)、(ロ)成分による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体とからなる可逆熱変色性組成物を内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を用いる場合は、水溶性有機溶剤としてグリセリン、プロピレングリコールが好適に用いられる。
【0054】
前記増粘剤としては、キサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万~15万の重合体、グリコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する増粘多糖類、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アミド等のHLB値が8~12のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸の塩類を例示でき、単独或いは混合して使用することができる。
等が挙げられる。
前記増粘剤としてはアルカリ可溶型アクリルエマルジョンが好適に用いられる。
前記増粘剤としてアルカリ可溶型アクリルエマルジョンを用いる場合、インキ組成物のpHは、6乃至11、好ましくは7乃至11、より好ましくは7乃至10に調整される。
【0055】
更に、印像の固着性や粘度調整等のためにはバインダー樹脂を添加することもできる。
前記バインダー樹脂は樹脂エマルジョン、アルカリ可溶性樹脂、水溶性樹脂から選ばれる。
前記樹脂エマルジョンとしては、ポリアクリル酸エステル、スチレン-アクリル酸共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-塩化ビニル共重合体、メタクリル酸-マレイン酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、α-オレフィン-マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリウレタン等の水分散体が挙げられ、前記アルカリ可溶性樹脂としては、スチレン-マレイン酸共重合体、エチレン-マレイン酸共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体等が挙げられ、前記水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等を挙げることができ、一種又は二種以上を混合して用いることができる。
【0056】
その他、必要に応じてpH調整剤、防腐剤或いは防黴剤等の添加剤を添加することができる。
前記pH調整剤としては、アンモニア、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、トリエタノールアミンやジエタノールアミン等の水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等が挙げられる。
前記防腐剤或いは防黴剤としては、石炭酸、1、2-ベンズイソチアゾリン-3-オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6-テトラクロロ-4-(メチルスルフォニル)ピリジン等が挙げられる。
その他、溶剤の浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン、アニオン、カチオン系界面活性剤、ジメチルポリシロキサン等の消泡剤を添加することもできる。
なお、インキ組成物中には、非熱変色性の染料或いは顔料を配合して、温度変化により有色(1)から有色(2)、有色(2)から有色(3)への互変性を呈する熱変色印像を形成できるよう構成することもできる。
【0057】
前記インキ組成物は、25℃でBL型粘度計を用いて6rpmで測定したインキ粘度が3000~10000mPa・sであることが好ましく、より好ましくは3500~7000mPa・s、よりより好ましくは4000~6000mPa・sであり、揺変度(6rpmで測定したインキ粘度/60rpmで測定したインキ粘度)は1.1~2.5であることが好ましく、より好ましくは1.2~2.0である。
前記インキ粘度が3000mPa・s未満では、インキ組成物を用いて紙面に形成した印像が滲み易くなる。10000mPa・sを超えると、連続気孔中において可逆熱変色性顔料の流動性が不十分で、印面への円滑なインキ組成物の流動が確保できなくなり、連続した捺印操作により不鮮明な印像が形成される。
前記揺変度が1.1未満では、インキ組成物を用いて紙面に形成した印像が滲み易く、2.5を超えると、連続気孔中において可逆熱変色性顔料の流動性が不十分で、印面への円滑なインキ組成物の流動が確保できなくなり、連続した捺印操作により不鮮明な印像が形成される。
【0058】
前記インキ組成物は、スタンプパッド用インキ組成物、連続気孔を有する印材を備えたスタンプ用インキ組成物として用いられる。
前記スタンプパッド用インキ組成物をスタンプパッドに含浸させて、接触させるスタンプの印面にインキ組成物を供給するスタンプパッドを得たり、連続気孔を有する印材を備えたスタンプ用インキ組成物を連続気孔を有する印材を備えたスタンプの印材に含浸させてスタンプが得られる。
連続気孔を有する印材を備えたスタンプは、印材である連続気孔を有するゴム状弾性体にインキ組成物が含浸されてなり、これを対象面に押しつけると連続気孔の開口部からインキ組成物が対象面に移り、スタンプの表面形状が転写される。転写を望まない箇所は凹部となっているか、あるいはその開口部が閉塞加工されてインキ組成物が対象面に付着することを防止する。
連続気孔を有する印材は、その印面が露出するようにスタンプ基材に納められ、露出面は不使用時のインキ組成物の乾燥や不慮の接触による汚染を防止するためキャップを備えることが好ましい。
なお、連続気孔を有する印材の後部には、前記印材にインキ組成物を供給するインキ貯留部を設けてもよい。
【0059】
前記インキ組成物により形成される印像は、指による擦過や加熱具又は冷熱具の適用により変色させることができる。
前記加熱具としては、抵抗発熱体を装備した通電加熱変色具、温水等を充填した加熱変色具、ヘアドライヤーの適用が挙げられるが、好ましくは、簡便な方法により変色可能な手段として摩擦部材が用いられる。
前記摩擦部材としては、弾性感に富み、擦過時に適度な摩擦を生じて摩擦熱を発生させることのできるエラストマー、プラスチック発泡体等の弾性体が好適である。
なお、消しゴムを使用して印像を摩擦することもできるが、摩擦時に消しカスが発生するため、消しカスが殆ど発生しない前述の摩擦部材が好適に用いられる。
前記摩擦部材の材質としては、シリコーン樹脂やSEBS樹脂(スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体)、ポリエステル系樹脂、ポリエステル系エラストマー等が用いられる。
前記摩擦部材はスタンプと別体の任意形状の部材である摩擦体とを組み合わせてスタンプセットを得ることもできるが、スタンプに摩擦部材を設けることにより、携帯性に優れたものとなる。
冷熱具としては、ペルチエ素子を利用した冷熱変色具、冷水、氷片等の冷媒を充填した冷熱変色具、冷蔵庫や冷凍庫の適用が挙げられる。
【実施例】
【0060】
以下に実施例を記載する。尚、実施例中の部は質量部である。
実施例1
可逆熱変色性顔料の調製
(イ)成分として9-エチル(3-メチルブチル)アミノ-スピロ[12H-ベンゾ(a)キサンテン-12,1′(3′H)イソベンゾフラン]-3′-オン1部、(ロ)成分としてビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)スルフィド8部、1,1-ビス(4′-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5部、(ハ)成分としてカプリン酸4-ベンジルオキシフェニルエチル50部からなる可逆熱変色性組成物aをマイクロカプセルに内包して可逆熱変色性顔料Aを調製した。
前記可逆熱変色性顔料Aの平均粒子径は2.0μm、完全消色温度(t4)は64℃であり、完全発色温度(t1)は-14℃であり、温度変化によりピンク色から無色に変色する。
(イ)成分として2,6-ビス(2-エチルオキシフェニル)-4-(4-ビス(4-メチルフェニル)アミノフェニル)ピリジン1部、(ロ)成分として2,2-ビス(4′-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5部、(ハ)成分としてピメリン酸と2-(4-ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル50部からなる可逆熱変色性組成物bをマイクロカプセルに内包して可逆熱変色性顔料Bを調製した。
前記マイクロカプセルBの平均粒子径は2.0μm、完全消色温度(t’4)は78℃であり、完全発色温度(t’1)は-11℃であり、温度変化により蛍光性を有する橙色から無色に変色する。
【0061】
スタンプ用多色変色性インキ組成物の調製
前記可逆熱変色性顔料A(予め-14℃以下に冷却してピンク色に発色させたもの)10.0部、前記可逆熱変色性顔料B(予め-11℃以下に冷却して橙色に発色させたもの)10.0部、グリセリン50.0部、アルカリ可溶型アクリルエマルジョン〔ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社、商品名:プライマルDR73〕1.5部、トリエタノールアミン0.9部、ポリビニルピロリドン50%水溶液10.0部、シリコン系消泡剤0.2部、浸透レべリング剤0.5部、防腐剤0.2部、水16.7部を混合してスタンプ用多色変色性インキ組成物を得た。
【0062】
スタンプの作製(
図4参照)
前記インキ組成物を、連続気孔を有する印材2に含浸させ、印材の印面が露出するようにスタンプ基材3に固着し、キャップ5を嵌めてスタンプを得た。
なお、スタンプ基材の後端部には、SEBS樹脂製の摩擦部材4を設けてなる。
前記スタンプを用いて対象面(紙)に繰り返し押しつけると、印材の印面からインキ組成物が円滑に流出して対象面に移り、印像を形成することができた。
前記印像は、室温下(25℃)では顔料Aと顔料Bが混色となった蛍光性を有する鮮やかな朱色を呈しており、スタンプ基材に設けた摩擦体を用いて摩擦すると、64℃になると顔料Aが完全に消色(t
4)して顔料Bによる鮮やかな蛍光性を有する橙色の印像が視認され、さらに加温して78℃になると顔料Bが完全に消色(t’
4)して無色になる。
この状態から冷却して-11℃になると顔料Bが完全に発色(t’
1)して鮮やかな蛍光性を有する橙色の印像が視認され、更に-14℃になると顔料Aが完全に発色(t
1)して、顔料Aと顔料Bが混色となった蛍光性を有する鮮やかな朱色の印像が視認された。
前記蛍光性を有する鮮やかな朱色と、鮮やかな蛍光性を有する橙色と,無色に可逆的に変色する状態変化は、加温、降温により順次、適正に視認判別でき、段階的な色変化のバリエーションに富むものであった。
なお、前記スタンプを用いてノートに蛍光性を有する鮮やかな朱色の「宿題」の印像を形成し、宿題が終わった後は摩擦体を用いて摩擦して鮮やかな蛍光性を有する橙色の「宿題」の印像に変色させ、さらに摩擦して「宿題」の印像を無色にすることができ、宿題が終わったかどうかを確認し、不要時には消して再度押印する用途に最適であった。
【0063】
実施例2
可逆熱変色性顔料の調製
(イ)成分として3-(4-ジエチルアミノ-2-ヘキシルオキシフェニル)-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-4-アザフタリド2部、(ロ)成分としてビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)スルフィド8部、1,1-ビス(4′-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5部、(ハ)成分としてカプリン酸4-ベンジルオキシフェニルエチル50部からなる可逆熱変色性組成物aをマイクロカプセルに内包して可逆熱変色性顔料Aを調製した。
前記可逆熱変色性顔料Aの平均粒子径は2.0μm、完全消色温度(t4)は64℃であり、完全発色温度(t1)は-14℃であり、温度変化により青色から無色に変色する。
(イ)成分として2,6-ビス(2-エチルオキシフェニル)-4-(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン1.5部、(ロ)成分として2,2-ビス(4′-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5部、(ハ)成分としてピメリン酸と2-(4-ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル50部からなる可逆熱変色性組成物bをマイクロカプセルに内包して可逆熱変色性顔料Bを調製した。
前記マイクロカプセルBの平均粒子径は2.0μm、完全消色温度(t’4)は78℃であり、完全発色温度(t’1)は-11℃であり、温度変化により蛍光性を有する黄色から無色に変色する。
【0064】
スタンプ用多色変色性インキ組成物の調製
前記可逆熱変色性顔料A(予め-14℃以下に冷却して青色に発色させたもの)10.0部、前記可逆熱変色性顔料B(予め-11℃以下に冷却して黄色に発色させたもの)10.0部、グリセリン50.0部、アルカリ可溶型アクリルエマルジョン〔ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社、商品名:プライマルDR73〕1.5部、トリエタノールアミン0.9部、ポリビニルピロリドン50%水溶液10.0部、シリコン系消泡剤0.2部、浸透レべリング剤0.5部、防腐剤0.2部、水16.7部を混合してスタンプ用多色変色性インキ組成物を得た。
【0065】
スタンプの作製(
図4参照)
前記インキ組成物を、連続気孔を有する印材2に含浸させ、印材の印面が露出するようにスタンプ基材3に固着し、キャップ5を嵌めてスタンプを得た。
なお、スタンプ基材の後端部には、SEBS樹脂製の摩擦部材4を設けてなる。
前記スタンプを用いて対象面(紙)に繰り返し押しつけると、印材の印面からインキ組成物が円滑に流出して対象面に移り、印像を形成することができた。
前記印像は、室温下(25℃)では顔料Aと顔料Bが混色となった蛍光性を有する鮮やかな緑色を呈しており、スタンプ基材に設けた摩擦体を用いて摩擦すると、64℃になると顔料Aが完全に消色(t
4)して顔料Bによる鮮やかな蛍光性を有する黄色の印像が視認され、さらに摩擦して78℃になると顔料Bが完全に消色(t’
4)して無色になる。
この状態から冷却して-11℃になると顔料Bが完全に発色(t’
1)して鮮やかな蛍光性を有する黄色の印像が視認され、更に、-14℃になると顔料Aが完全に発色(t
1)して、顔料Aと顔料Bが混色となった蛍光性を有する鮮やかな緑色の印像が視認された。
前記蛍光性を有する鮮やかな緑色と、鮮やかな蛍光性を有する黄色と、無色に可逆的に変色する状態変化は、加温、降温により順次、適正に視認判別でき、段階的な色変化のバリエーションに富むものであった。
なお、前記スタンプを用いてノートに蛍光性を有する鮮やかな緑色の「歯磨き」の印像を形成し、歯磨きが終わった後は摩擦体を用いて摩擦して鮮やかな蛍光性を有する黄色の「歯磨き」の印像に変色させ、さらに摩擦して「歯磨き」の印像を無色にすることができ、歯磨きが終わったかどうかを確認し、不要時には消して再度押印する用途に最適であった。
【0066】
実施例3
可逆熱変色性顔料の調製
(イ)成分として3,3-ビス(4-ジエチルアミノ-2-エトキシフェニル)-4-アザフタリド1部、(ロ)成分として1,1-ビス(4’-ヒドロキシフェニル)n-デカン8部、(ハ)成分としてミリスチルアルコール25部、ステアリン酸ブチル25部からなる可逆熱変色性組成物aをマイクロカプセルに内包して可逆熱変色性顔料Aを調製した。
前記可逆熱変色性顔料Aの平均粒子径は2.0μm、完全消色温度(t4)は15℃であり、完全発色温度(t1)は7℃であり、温度変化により青緑色から無色に変色する。
(イ)成分として2,6-ビス(2,4-ジエチルオキシフェニル)-4-(4-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン1部、(ロ)成分として1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン8部、(ハ)成分としてパルミチン酸パルミチル50部からなる可逆熱変色性組成物bをマイクロカプセルに内包して可逆熱変色性顔料Bを調製した。
前記可逆熱変色性顔料Bの平均粒子径は2.0μm、完全消色温度(t’4)は40℃であり、完全発色温度(t’1)は30℃であり、温度変化により蛍光性を有する黄色から無色に変色する。
【0067】
スタンプ用多色変色性インキ組成物の調製
前記可逆熱変色性顔料A10.0部、前記可逆熱変色性顔料B10.0部、グリセリン50.0部、アルカリ可溶型アクリルエマルジョン〔ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社、商品名:プライマルDR73〕1.5部、トリエタノールアミン0.9部、ポリビニルピロリドン50%水溶液10.0部、シリコン系消泡剤0.2部、浸透レべリング剤0.5部、防腐剤0.2部、水16.7部を混合してスタンプ用多色変色性インキ組成物を得た。
【0068】
スタンプの作製
前記インキ組成物を、連続気孔を有する印材2に含浸させ、印材の印面が露出するようにスタンプ基材に固着し、キャップを嵌めてスタンプを得た。
前記スタンプを用いて対象面(紙)に繰り返し押しつけると、印材の印面からインキ組成物が円滑に流出して対象面に移り、印像を形成することができた。
前記印像は、室温下(25℃)では顔料Bによる鮮やかな蛍光性を有する黄色を呈しており、この状態から指で擦ることによって加温すると、40℃になると顔料Bが完全に消色(t’4)して無色になり、印像は視認されなくなった。
この状態で室温(25℃)下に放置すると、温度が下降して30℃になると顔料Bが完全に発色(t’1)して再び鮮やかな蛍光性を有する黄色の印像が現出した。
更に、前記印像を冷蔵庫内(5℃)にしばらく放置して、7℃になると顔料Aが完全に発色(t1)して、顔料Aの青緑色と顔料Bの黄色が混色となった蛍光性を有する鮮やかな黄緑色の印像が視認された。
前記鮮やかな蛍光性を有する黄色と、無色と、蛍光性を有する鮮やかな黄緑色に可逆的に変色する状態変化は、加温、降温により順次、適正に視認判別でき、段階的な色変化のバリエーションに富むものであった。
なお、前記スタンプを用いて鮮やかな蛍光性を有する黄色の花柄の印像を形成し、指で擦ることよって加温すると印像が消えて、室温(25℃)下で再び鮮やかな蛍光性を有する黄色の印像が現出し、更に印像を冷却して蛍光性を有する鮮やかな黄緑色の印像にすることができ、マジック用途に最適であった。
【0069】
実施例4
(イ)成分として3,3-ビス(4-ジエチルアミノ-2-エトキシフェニル)-4-アザフタリド1部、(ロ)成分として1,1-ビス(4’-ヒドロキシフェニル)n-デカン8部、(ハ)成分としてミリスチン酸ミリスチル50部からなる可逆熱変色性組成物aをマイクロカプセルに内包して可逆熱変色性顔料Aを調製した。
前記可逆熱変色性顔料Aの平均粒子径は2.0μm、完全消色温度(t4)は40℃であり、完全発色温度(t1)は30℃であり、温度変化により青緑色から無色に変色する。
(イ)成分として2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジ-n-アミルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン1部、(ロ)成分として1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン8部、(ハ)成分としてステアリン酸ステアリル50部からなる可逆熱変色性組成物bをマイクロカプセルに内包して可逆熱変色性顔料Bを調製した。
前記可逆熱変色性顔料Aの平均粒子径は2.0μm、完全消色温度(t4)は58℃であり、完全発色温度(t1)は43℃であり、温度変化により蛍光性を有するピンク色から無色に変色する。
【0070】
スタンプ用多色変色性インキ組成物の調製
前記可逆熱変色性顔料A10.0部、前記可逆熱変色性顔料B10.0部、グリセリン50.0部、アルカリ可溶型アクリルエマルジョン〔ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社、商品名:プライマルDR73〕1.5部、トリエタノールアミン0.9部、ポリビニルピロリドン50%水溶液10.0部、シリコン系消泡剤0.2部、浸透レべリング剤0.5部、防腐剤0.2部、水16.7部を混合してスタンプ用多色変色性インキ組成物を得た。
【0071】
スタンプの作製(
図4参照)
前記インキ組成物を、連続気孔を有する印材2に含浸させ、印材の印面が露出するようにスタンプ基材3に固着し、キャップ5を嵌めてスタンプを得た。
なお、スタンプ基材の後端部には、SEBS樹脂製の摩擦部材4を設けてなる。
前記スタンプを用いて対象面(紙)に繰り返し押しつけると、印材の印面からインキ組成物が円滑に流出して対象面に移り、印像を形成することができた。
前記印像は、室温下(25℃)で蛍光性を有する鮮やかな紫色を呈しており、この状態から摩擦体で擦って加温すると、40℃になると顔料Aが完全に消色(t
4)して、顔料Bによる鮮やかな蛍光性を有するピンク色の印像が視認され、更に温度が上昇して58℃になると顔料Bが完全に消色(t’
4)して、印像は視認されなくなる。
その後、冷却すると、温度が下降して43℃になると顔料Bが完全に発色(t’
1)して鮮やかな蛍光性を有するピンク色の印像が視認され、更に、30℃になると顔料Aが完全に発色(t
1)して、顔料Aの青緑色と顔料Bのピンク色が混色となった蛍光性を有する鮮やかな紫色の印像が視認された。
前記蛍光性を有する鮮やかな紫色と、鮮やかな蛍光性を有するピンク色と、無色に可逆的に変色する状態変化は、加温、降温により順次、適正に視認判別でき、段階的な色変化のバリエーションに富むものであった。
なお、前記スタンプを用いて蛍光性を有する鮮やかな紫色の印像を形成し、加温によって鮮やかな蛍光性を有するピンク色になり、更に加温すると無色になり、放置すると鮮やかな蛍光性を有するピンク色から蛍光性を有する紫色の印像にすることができ、マジック用途に最適であった。
【0072】
実施例5
可逆熱変色性顔料の調製
(イ)成分として3-(4-ジエチルアミノ-2-ヘキシルオキシフェニル)-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-4-アザフタリド2部、(ロ)成分としてビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)スルフィド8部、1,1-ビス(4′-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5部、(ハ)成分としてパルミチン酸4-メチルベンジル50部からなる可逆熱変色性組成物をマイクロカプセルに内包して可逆熱変色性顔料Aを調製した。
前記可逆熱変色性顔料Aの平均粒子径は2.0μm、完全消色温度(t4)は43℃であり、完全発色温度(t1)は-3℃であり、温度変化により青色から無色に変色する。
(イ)成分として2,6-ビス(2-エチルオキシフェニル)-4-(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン1部、(ロ)成分として1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5部、(ハ)成分としてピメリン酸と2-(4-ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル50部からなる可逆熱変色性組成物をマイクロカプセルに内包して可逆熱変色性顔料Bを調製した。
前記マイクロカプセルBの平均粒子径は2.0μm、完全消色温度(t4)は78℃であり、完全発色温度(t1)は-11℃であり、温度変化により蛍光性を有する黄色から無色に変色する。
【0073】
スタンプ用多色変色性インキ組成物の調製
前記可逆熱変色性顔料A(予め-3℃以下に冷却して青色に発色させたもの)10.0部、前記可逆熱変色性顔料B(予め-11℃以下に冷却して黄色に発色させたもの)10.0部、グリセリン50.0部、アルカリ可溶型アクリルエマルジョン〔ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社、商品名:プライマルDR73〕1.5部、トリエタノールアミン0.9部、ポリビニルピロリドン50%水溶液10.0部、シリコン系消泡剤0.2部、浸透レべリング剤0.5部、防腐剤0.2部、水16.7部を混合してスタンプ用多色変色性インキ組成物を得た。
【0074】
スタンプの作製(
図4参照)
前記インキ組成物を、連続気孔を有する印材2に含浸させ、印材の印面が露出するようにスタンプ基材3に固着し、キャップ5を嵌めてスタンプを得た。
なお、スタンプ基材の後端部には、SEBS樹脂製の摩擦部材4を設けてなる。
前記スタンプを用いて対象面(紙)に繰り返し押しつけると、印材の印面からインキ組成物が円滑に流出して対象面に移り、印像を形成することができた。
前記スタンプより形成される印像は、室温(25℃)下では蛍光性を有する鮮やかな緑色を呈しており、スタンプ基材に設けた摩擦体を用いて摩擦すると43℃になると顔料Aが完全に消色(t
4)して、顔料Bによる鮮やかな蛍光性を有する黄色の印像が視認され、更に摩擦して温度が上昇して78℃になると顔料Bが完全に消色(t’
4)して、無色になる。
この状態から冷却して-3℃になると顔料Aが完全に発色(t
1)して、青色の印像が視認され、更に温度が下降して-11℃になると顔料Bが完全に発色(t’
1)して、元の鮮やかな緑色の印像になる。
前記蛍光性を有する鮮やかな緑色と、鮮やかな蛍光性を有する黄色と、青色と、無色に可逆的に変色する状態変化は、加温、降温により順次、適正に視認判別でき、段階的な色変化のバリエーションに富むものであった。
なお、前記スタンプを用いて手帳に蛍光性を有する鮮やかな緑色の印像を形成し、重要な印像は摩擦体を用いて摩擦して鮮やかな蛍光性を有する黄色の印像に変色させることができる。また、間違って蛍光性を有する黄色にした場合は摩擦して印像を無色にして再度押印することができ、重要な箇所の判別に最適であった。
更に、冷熱具を用いて印像を青色に変色させることにより、重要な印像を細分化をすることもできる。
【0075】
実施例6
可逆熱変色性顔料の調製
(イ)成分として2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジ-n-アミルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン1部、(ロ)成分として1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5部、(ハ)成分としてパルミチン酸4-メチルベンジル50部からなる可逆熱変色性組成物をマイクロカプセルに内包して可逆熱変色性顔料Aを調製した。
前記可逆熱変色性顔料Aの平均粒子径は2.0μm、完全消色温度(t4)は43℃であり、完全発色温度(t1)は-3℃であり、温度変化により蛍光性を有するピンク色から無色に変色する。
(イ)成分として2,6-ビス(2,4-ジエチルオキシフェニル)-4-(4-ビス(4-メチルフェニル)アミノフェニル)ピリジン1部、(ロ)成分として2,2-ビス(4′-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン8部、(ハ)成分としてピメリン酸と2-(4-ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル50部からなる可逆熱変色性組成物をマイクロカプセルに内包して可逆熱変色性顔料Bを調製した。
前記マイクロカプセルBの平均粒子径は2.0μm、完全消色温度(t4)は78℃であり、完全発色温度(t1)は-11℃であり、温度変化により蛍光性を有する橙色から無色に変色する。
【0076】
スタンプ用多色変色性インキ組成物の調製
前記可逆熱変色性顔料A(予め-3℃以下に冷却してピンク色に発色させたもの)10.0部、前記可逆熱変色性顔料B(予め-11℃以下に冷却して橙色に発色させたもの)10.0部、グリセリン50.0部、アルカリ可溶型アクリルエマルジョン〔ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社、商品名:プライマルDR73〕1.5部、トリエタノールアミン0.9部、ポリビニルピロリドン50%水溶液10.0部、シリコン系消泡剤0.2部、浸透レべリング剤0.5部、防腐剤0.2部、水16.7部を混合してスタンプ用多色変色性インキ組成物を得た。
【0077】
スタンプの作製(
図4参照)
前記インキ組成物を、連続気孔を有する印材2に含浸させ、印材の印面が露出するようにスタンプ基材3に固着し、キャップ5を嵌めてスタンプを得た。
なお、スタンプ基材の後端部には、SEBS樹脂製の摩擦部材4を設けてなる。
前記スタンプを用いて対象面(紙)に繰り返し押しつけると、印材の印面からインキ組成物が円滑に流出して対象面に移り、印像を形成することができた。
前記スタンプより形成される印像は、室温(25℃)下では鮮やかな蛍光性を有する朱色を呈しており、スタンプ基材に設けた摩擦体を用いて摩擦すると43℃になると顔料Aが完全に消色(t
4)して、顔料Bによる鮮やかな蛍光性を有する橙色の印像が視認され、更に摩擦して温度が上昇して78℃になると顔料Bが完全に消色(t’
4)して、無色になる。
この状態から冷却して-3℃になると顔料Aが完全に発色(t
1)して、鮮やかな蛍光性を有するピンク色の印像が視認され、更に温度が下降して-11℃になると顔料Bが完全に発色(t’
1)して元の鮮やかな蛍光性を有する朱色の印像になる。
前記鮮やかな蛍光性を有する朱色と、鮮やかな蛍光性を有する橙色と、鮮やかな蛍光性を有するピンク色と、無色に可逆的に変色する状態変化は、加温、降温により順次、適正に視認判別でき、段階的な色変化のバリエーションに富むものであった。
なお、前記スタンプを用いて教科書の文字上に鮮やかな蛍光性を有する朱色の印像を形成し、摩擦体を用いて摩擦して鮮やかな蛍光性を有する橙色の印像に変色させ、さらに摩擦して印像を無色することができ、暗記する箇所(朱色)と暗記した箇所(橙色)を確認し、不要時には消して再度押印する用途に最適であった。
更に、冷熱具を用いて印像を鮮やかな蛍光性を有するピンク色に変色させることにより、確実に暗記したい箇所を区別することもできる。
【0078】
実施例7
可逆熱変色性顔料の調製
(イ)成分として3,3-ビス(4-ジエチルアミノ-2-エトキシフェニル)-4-アザフタリド1部、(ロ)成分として1,1-ビス(4’-ヒドロキシフェニル)n-デカン5部、(ハ)成分としてパルミチン酸4-メチルベンジル50部からなる可逆熱変色性組成物をマイクロカプセルに内包して可逆熱変色性顔料Aを調製した。
前記可逆熱変色性顔料Aの平均粒子径は2.0μm、完全消色温度(t4)は43℃であり、完全発色温度(t1)は-3℃であり、温度変化により青緑色から無色に変色する。
(イ)成分として2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジ-n-アミルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン1部、(ロ)成分として1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5部、(ハ)成分としてピメリン酸と2-(4-ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル50部からなる可逆熱変色性組成物をマイクロカプセルに内包して可逆熱変色性顔料Bを調製した。
前記マイクロカプセルBの平均粒子径は2.0μm、完全消色温度(t4)は78℃であり、完全発色温度(t1)は-11℃であり、温度変化により蛍光性を有するピンク色から無色に変色する。
【0079】
スタンプ用多色変色性インキ組成物の調製
前記可逆熱変色性顔料A(予め-3℃以下に冷却して青緑色に発色させたもの)10.0部、前記可逆熱変色性顔料B(予め-11℃以下に冷却してピンク色に発色させたもの)10.0部、黄色染料〔ダイワ化成(株)製、キノリンイエローWS300、C.I.47005〕0.5部、グリセリン50.0部、アルカリ可溶型アクリルエマルジョン〔ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社、商品名:プライマルDR73〕1.5部、トリエタノールアミン0.9部、ポリビニルピロリドン50%水溶液10.0部、シリコン系消泡剤0.2部、浸透レべリング剤0.5部、防腐剤0.2部、水16.2部を混合してスタンプ用多色変色性インキ組成物を得た。
【0080】
スタンプの作製(
図4参照)
前記インキ組成物を、連続気孔を有する印材2に含浸させ、印材の印面が露出するようにスタンプ基材3に固着し、キャップ5を嵌めてスタンプを得た。
なお、スタンプ基材の後端部には、SEBS樹脂製の摩擦部材4を設けてなる。
前記スタンプを用いて対象面(紙)に繰り返し押しつけると、印材の印面からインキ組成物が円滑に流出して対象面に移り、印像を形成することができた。
前記スタンプより形成される印像は、室温(25℃)下では蛍光性を有する鮮やかな茶色を呈しており、スタンプ基材に設けた摩擦体を用いて摩擦すると43℃になると顔料Aが完全に消色(t
4)して、顔料Bと黄色染料による蛍光性を有する鮮やかな朱色の印像が視認され、更に摩擦して温度が上昇して78℃になると顔料Bが完全に消色(t’
4)して黄色になる。
この状態から冷却して-3℃になると顔料Aが完全に発色(t
1)して、蛍光性を有する鮮やかな黄緑色の印像が視認され、更に温度が下降して-11℃になると顔料Bが完全に発色(t’
1)して、元の蛍光性を有する鮮やかな茶色の印像になる。
前記蛍光性を有する鮮やかな茶色と、蛍光性を有する鮮やかな朱色と、黄色と、蛍光性を有する鮮やかな黄緑色に可逆的に変色する状態変化は、加温、降温により順次、適正に視認判別でき、段階的な色変化のバリエーションに富むものであった。
なお、前記スタンプを用いて蛍光性を有する鮮やかな茶色の絵(印像)を形成し、摩擦体を用いて摩擦して蛍光性を有する鮮やかな朱色の絵に変色させ、さらに摩擦して絵を黄色にすることができ、メッセージカードに最適であった。
更に、冷熱具を用いて絵を蛍光性を有する鮮やかな黄緑色に変色させることもでき、変化性に富むメッセージカードを得ることができた。
【符号の説明】
【0081】
t1 完全発色温度
t2 発色開始温度
t3 消色開始温度
t4 完全消色温度
ΔH ヒステリシス幅
1 スタンプ
2 印材
3 スタンプ基材
4 摩擦部材
5 キャップ