(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-03
(45)【発行日】2023-04-11
(54)【発明の名称】電気接続箱
(51)【国際特許分類】
H02G 3/14 20060101AFI20230404BHJP
H02G 3/16 20060101ALI20230404BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20230404BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
H02G3/14
H02G3/16
H05K5/02 P
B60R16/02 610A
(21)【出願番号】P 2019108140
(22)【出願日】2019-06-10
【審査請求日】2022-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 達彦
(72)【発明者】
【氏名】金子 信崇
(72)【発明者】
【氏名】田中 銀河
【審査官】遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-137426(JP,U)
【文献】特開平05-021966(JP,A)
【文献】特開2002-044206(JP,A)
【文献】特開平05-037165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/14
H02G 3/16
H05K 5/02
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状の第1側壁部を有する第1筐体と、
環状の第2側壁部を有する第2筐体であって、前記第2側壁部の環状の縁部と前記第1側壁部の環状の縁部とを合わせるように、前記第1筐体に組み付けられる第2筐体と、
前記第1側壁部の外壁に設けられ、弾性変形可能な弾性係止片を備えた第1係止部と、
前記第2側壁部の外壁に設けられ、前記弾性係止片の係止部を係止することで前記第1筐体と前記第2筐体との分離を防止する被係止部を備えた第2係止部と、
を備え、前記第1筐体及び前記第2筐体の少なくとも一方において少なくとも1つの電子部品を収容する電気接続箱において、
前記第1係止部及び前記第2係止部は、前記弾性係止片の前記係止部が前記被係止部に係止された状態にて、前記弾性係止片を前記第1係止部が設けられた前記第1側壁部の前記外壁に沿う方向に弾性変形させることで、前記係止が解除されるように構成され
、
前記弾性係止片は、自由端が固定端より前記第2筐体から離れる側に位置する片持ち梁状の形状を有し、
前記弾性係止片の前記自由端を、前記第1側壁部の前記外壁に沿い且つ前記第1筐体と前記第2筐体との組み付け方向に直交する横方向に移動させることで、前記係止が解除されるように構成された、
電気接続箱。
【請求項2】
請求項
1に記載の電気接続箱において、
前記第1係止部は、前記横方向に離れて前記第1側壁部の前記外壁から外側に突出する一対の第1側板部と、前記一対の第1側板部の突出側端部同士を連結するように前記横方向に延びる第1連結部と、を備え、
前記弾性係止片の前記自由端は、前記第1側壁部の前記外壁、前記一対の第1側板部、及び、前記第1連結部により画成される空間内に位置する、
電気接続箱。
【請求項3】
請求項
2に記載の電気接続箱において、
前記第1係止部は、前記第1連結部から前記第2筐体側に延出する第1延出部と、前記第1延出部と対向するように前記第1側壁部の前記縁部から前記第2筐体側に延出する第2延出部と、を備え、
前記弾性係止片の前記固定端は、前記第1延出部及び前記第2延出部に挟持され固定されている、
電気接続箱。
【請求項4】
請求項
3に記載に記載の電気接続箱において、
前記第2係止部は、前記横方向に離れて前記第2側壁部の前記外壁から外側に突出する一対の第2側板部と、前記一対の第2側板部の突出側端部同士を連結するように前記横方向に延びる第2連結部と、を備え、
前記弾性係止片の前記係止部が前記被係止部に係止された状態にて、前記第1延出部及び前記第2延出部は、前記第2側壁部の前記外壁、前記一対の第2側板部、及び、前記第2連結部により画成される空間内に進入し、
前記被係止部は、前記一対の第2側板部のうち一方の前記第2側板部の内壁面に設けられている、
電気接続箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気接続箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両に搭載され、リレー等の電子部品を収容するリレーボックス等の電気接続箱が広く知られている(例えば、特許文献1を参照)。このような電気接続箱は、通常、第1筐体の環状の第1側壁部と第2筐体の環状の第2側壁部とを合わせるように、第1筐体と第2筐体とが組み付けられるように構成されている。この構成では、通常、第1側壁部に弾性変形可能な弾性係止片が設けられ、第2側壁部に弾性係止片の係止部を係止する被係止部が設けられ、弾性係止片の係止部を被係止部に係止させることで、第1筐体と第2筐体との分離が防止されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、弾性係止片の係止部が被係止部に係止された状態にて、弾性係止片を、第1側壁部の外壁に近づける方向に弾性変形させることで、係止が解除される態様を想定する。この態様では、係止解除のために弾性係止片を第1側壁部に近づける方向に弾性変形させる際、弾性係止片の形態によっては、弾性係止片が第2側壁部の外壁に押し付けられる場合がある。この場合、弾性係止片と第2側壁部の外壁との接触部における擦動摩擦抵抗が増大することで、第1筐体と第2筐体とが互いに分離し難くなる、という問題が発生し得る。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、係止解除のための弾性係止片の変形に起因して第1筐体と第2筐体とが互いに分離し難くなる事態が発生し難い電気接続箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明に係る電気接続箱は、下記[1]~[4]を特徴としている。
[1]
環状の第1側壁部を有する第1筐体と、
環状の第2側壁部を有する第2筐体であって、前記第2側壁部の環状の縁部と前記第1側壁部の環状の縁部とを合わせるように、前記第1筐体に組み付けられる第2筐体と、
前記第1側壁部の外壁に設けられ、弾性変形可能な弾性係止片を備えた第1係止部と、
前記第2側壁部の外壁に設けられ、前記弾性係止片の係止部を係止することで前記第1筐体と前記第2筐体との分離を防止する被係止部を備えた第2係止部と、
を備え、前記第1筐体及び前記第2筐体の少なくとも一方において少なくとも1つの電子部品を収容する電気接続箱において、
前記第1係止部及び前記第2係止部は、前記弾性係止片の前記係止部が前記被係止部に係止された状態にて、前記弾性係止片を前記第1係止部が設けられた前記第1側壁部の前記外壁に沿う方向に弾性変形させることで、前記係止が解除されるように構成され、
前記弾性係止片は、自由端が固定端より前記第2筐体から離れる側に位置する片持ち梁状の形状を有し、
前記弾性係止片の前記自由端を、前記第1側壁部の前記外壁に沿い且つ前記第1筐体と前記第2筐体との組み付け方向に直交する横方向に移動させることで、前記係止が解除されるように構成された、
電気接続箱であること。
[2]
上記[1]に記載の電気接続箱において、
前記第1係止部は、前記横方向に離れて前記第1側壁部の前記外壁から外側に突出する一対の第1側板部と、前記一対の第1側板部の突出側端部同士を連結するように前記横方向に延びる第1連結部と、を備え、
前記弾性係止片の前記自由端は、前記第1側壁部の前記外壁、前記一対の第1側板部、及び、前記第1連結部により画成される空間内に位置する、
電気接続箱であること。
[3]
上記[2]に記載の電気接続箱において、
前記第1係止部は、前記第1連結部から前記第2筐体側に延出する第1延出部と、前記第1延出部と対向するように前記第1側壁部の前記縁部から前記第2筐体側に延出する第2延出部と、を備え、
前記弾性係止片の前記固定端は、前記第1延出部及び前記第2延出部に挟持され固定されている、
電気接続箱であること。
[4]
上記[3]に記載に記載の電気接続箱において、
前記第2係止部は、前記横方向に離れて前記第2側壁部の前記外壁から外側に突出する一対の第2側板部と、前記一対の第2側板部の突出側端部同士を連結するように前記横方向に延びる第2連結部と、を備え、
前記弾性係止片の前記係止部が前記被係止部に係止された状態にて、前記第1延出部及び前記第2延出部は、前記第2側壁部の前記外壁、前記一対の第2側板部、及び、前記第2連結部により画成される空間内に進入し、
前記被係止部は、前記一対の第2側板部のうち一方の前記第2側板部の内壁面に設けられている、
電気接続箱であること。
【0007】
上記[1]の構成の電気接続箱によれば、係止解除のため、弾性係止片が第1側壁部の外壁に沿う方向(従って、第2側壁部の外壁に沿う方向でもある)に弾性変形させられる。従って、係止解除のための弾性係止片の弾性変形に起因して、弾性係止片が第2側壁部の外壁に押し付けられることがない。このため、弾性係止片と第2側壁部の外壁との間の擦動摩擦抵抗の増大に起因して、第1筐体と第2筐体とが互いに分離し難くなる、という問題が発生し難くなる。
【0008】
更に、上記[1]の構成の電気接続箱によれば、片持ち梁状の弾性係止片の自由端を横方向に移動させるという単純な操作により、係止を解除することができる。
【0009】
上記[2]の構成の電気接続箱によれば、弾性係止片の自由端が、第1側壁部の外壁、一対の第1側板部、及び、第1連結部により囲まれている。このため、周囲の物体が意図せずに自由端に接触して係止が解除される事態が発生し難くなる。
【0010】
上記[3]の構成の電気接続箱によれば、弾性係止片の固定端が、第1延出部及び第2延出部の間に挟持され、且つ、強固に固定され得る。このため、周囲の物体が意図せずに固定端に接触して係止が解除される事態が発生し難くなる。
【0011】
上記[4]の構成の電気接続箱によれば、被係止部が、一対の第2側板部のうち一方の第2側板部の内壁面に設けられている。このため、周囲の物体が意図せずに被係止部に接触して係止が解除される事態が発生し難くなる。
【発明の効果】
【0012】
このように、本発明によれば、係止解除のための弾性係止片の変形に起因して第1筐体と第2筐体とが互いに分離し難くなる事態が発生し難い電気接続箱を提供できる。
【0013】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る電気接続箱の斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す第1筐体の第1係止部の周囲を拡大して示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す第2筐体の第2係止部の周囲を拡大して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態>
以下、図面を参照しながら、
図1に示す本発明の実施形態に係る電気接続箱1について説明する。電気接続箱1は、典型的には、車両に搭載され、リレー等の電子部品を収容するリレーボックスである。以下、説明の便宜上、
図1における「上下方向」、「上」及び「下」を、それぞれ、「上下方向」、「上」及び「下」と定義する。電気接続箱1の車両搭載時において、「上下方向」は、車両の上下方向に対応している。
【0016】
図1に示すように、電気接続箱1は、複数の電子部品(図示省略)を収容する樹脂製の筐体10を備える。筐体10は、本例では、矩形環状の第1側壁部13を有する上側の第1筐体11と、矩形環状の第2側壁部14を有する下側の第2筐体12と、を備える。第1側壁部13の矩形環状の下縁部と、第2側壁部14の矩形環状の上縁部とを周方向の全域に亘って合わせるように、第1筐体11及び第2筐体12が上下方向に組み付けられることで、
図1に示す筐体10が得られる。
【0017】
第1筐体11には、
図1及び
図2に示すように、矩形環状の第1側壁部13のうち互いに対向する所定の2辺の各々の周方向中央部の外壁に、第1係止部20がそれぞれ設けられている。同様に、第2筐体12には、
図1及び
図3に示すように、矩形環状の第2側壁部14のうち上記第1側壁部13の上記所定の2辺に対応する互いに対向する2辺の各々の周方向中央部の外壁に、第2係止部30がそれぞれ設けられている。
【0018】
図1に示すように、第1筐体11及び第2筐体12が上下方向に組み付けられた状態(組付完了状態)では、第1係止部20と第2係止部30とが互いに係止されることで、第1筐体11と第2筐体12との上下方向の分離が防止されるようになっている。以下、第1係止部20及び第2係止部30の構成について順に説明する。
【0019】
以下、説明の便宜上、第1係止部20が設けられた第1側壁部13の外壁に沿い且つ第1筐体11と第2筐体12との組付方向(
図4において、上下方向)に直交する方向(
図4において、左右方向)を、「横方向」と呼ぶ。「横方向」は、第2係止部30が設けられた第2側壁部14の外壁に沿い且つ第1筐体11と第2筐体12との組付方向に直交する方向でもある。
【0020】
第1係止部20は、
図2及び
図4に示すように、横方向に離れて第1側壁部13の外壁から外側に突出して上下方向に延びる一対の第1側板部21と、一対の第1側板部21の突出側端部同士を連結するように横方向に延びる第1連結部22と、を備える。この結果、第1側壁部13の外壁、一対の第1側板部21、及び、第1連結部22により、上下方向に貫通する矩形状の第1空間S1が画成されている(
図2参照)。
【0021】
第1係止部20は、更に、第1連結部22から下側(第2筐体12側)に舌状に延出する第1延出部23と、第1延出部23と対向するように第1側壁部13の下縁部から下側(第2筐体12側)に舌状に延出する第2延出部24と、を備える。
【0022】
第1係止部20は、更に、第1延出部23及び第2延出部24に固定端26が挟持・固定され、且つ、固定端26から上方に向けて延びる片持ち梁状の弾性係止片25を備える。弾性係止片25の延出端である自由端27は、第1空間S1内に位置する。
【0023】
弾性係止片25は、第1延出部23及び第2延出部24の間から横方向一側(
図4において、右側)に露呈する位置に、横方向一側に突出する係止部28が設けられている。弾性係止片25は、自由端27が横方向に移動するように弾性変形可能となっている。
【0024】
第2係止部30は、
図3及び
図4に示すように、横方向に離れて第2側壁部14の外壁から外側に突出して上下方向に延びる一対の第2側板部31と、一対の第2側板部31の突出側端部同士を連結するように横方向に延びる第2連結部32と、を備える。この結果、第2側壁部14の外壁、一対の第2側板部31、及び、第2連結部32により、上下方向に貫通する矩形状の第2空間S2が画成されている(
図3参照)。
【0025】
一対の第2側板部31のうち横方向一側の第2側板部31の内壁面(第2空間S2に面する側面)には、横方向他側(
図4において、左側)に突出する被係止部33(
図4参照)が設けられている。被係止部33は、第1筐体11及び第2筐体12の組付完了状態にて、弾性係止片25の係止部28を係止することになる。
【0026】
第1筐体11と第2筐体12とを組み付けるためには、第1筐体11と第2筐体12とを上下方向に互いに近づけていき、第1係止部20の第1延出部23及び第2延出部24を第2係止部30の第2空間S2に挿入する。
【0027】
第1延出部23及び第2延出部24の第2空間S2への挿入が進行すると、第1係止部20の弾性係止片25の係止部28が、第2係止部30の被係止部33に当接する。挿入が更に進行すると、係止部28が被係止部33に押圧されて弾性係止片25が横方向他側に弾性変形すると共に係止部28が被係止部33に乗り上がる。
【0028】
挿入が更に進行すると、係止部28が被係止部33を乗り越えることで、弾性係止片25が横方向他側に弾性復帰する。この結果、
図4に示すように、係止部28が被係止部33に係止されることで、第1筐体11と第2筐体12との上下方向の分離が防止される。これにより、筐体10の組み付けが完了する。
【0029】
図4に示すように、係止部28が被係止部33に係止された状態(組付完了状態)において、係止を解除するためには、弾性係止片25の自由端27を、横方向他側(
図4において、左側)に押圧して弾性係止片25を横方向他側に弾性変形させる。これにより、係止部28と被係止部33との係止が解除されて、第1筐体11と第2筐体12との上下方向の分離が可能な状態となる。
【0030】
<作用・効果>
以上、本発明の実施形態に係る電気接続箱1によれば、係止解除のため、弾性係止片25が横方向(
図4において、左右方向)に弾性変形させられる。従って、係止解除のための弾性係止片25の弾性変形に起因して、弾性係止片25が第2側壁部14の外壁に押し付けられることがない。このため、弾性係止片25と第2側壁部14の外壁との間の擦動摩擦抵抗の増大に起因して、第1筐体11と第2筐体12とが互いに分離し難くなる、という問題が発生し難くなる。
【0031】
更に、電気接続箱1によれば、片持ち梁状の弾性係止片25の自由端を横方向に移動させるという単純な操作により、係止を解除することができる。
【0032】
更に、電気接続箱1によれば、弾性係止片25の自由端27が、第1側壁部13の外壁、一対の第1側板部21、及び、第1連結部22により囲まれている。このため、周囲の物体が意図せずに自由端27に接触して係止が解除される事態が発生し難くなる。
【0033】
更に、電気接続箱1によれば、弾性係止片25の固定端26が、第1延出部23及び第2延出部24の間に挟持され、且つ、強固に固定され得る。このため、周囲の物体が意図せずに固定端26に接触して係止が解除される事態が発生し難くなる。
【0034】
更に、電気接続箱1によれば、被係止部33が、一対の第2側板部31のうち横方向一側の第2側板部31の内壁面に設けられている。このため、周囲の物体が意図せずに被係止部33に接触して係止が解除される事態が発生し難くなる。
【0035】
<他の形態>
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0036】
上記実施形態では、弾性係止片25を横方向(
図4において、左右方向)に弾性変形させることで係止が解除されるように構成されている。これに対し、第1係止部20が設けられた第1側壁部13の外壁に沿う方向である限りにおいて、例えば、第1筐体11と第2筐体12との組付方向(
図4において、上下方向)など、任意の方向に弾性係止片25を弾性変形させることで係止が解除されるように構成されていてもよい。
【0037】
更に、上記実施形態では、弾性係止片25の自由端27が、第1側壁部13の外壁、一対の第1側板部21、及び、第1連結部22により囲まれているが、弾性係止片25の自由端27が、第1係止部20の一部により囲まれていなくてもよい。
【0038】
更に、上記実施形態では、弾性係止片25が片持ち梁状の形状を有しているが、弾性係止片25が両持ち梁状の形状を有していてもよい。
【0039】
更に、上記実施形態では、係止部28と被係止部33との当接面同士の何れかにおいて、相手側の当接面に向けて突出するリブが形成されていてもよい。これにより、係止部28と被係止部33との当接面同士のガタ付きが抑制され得る。
【0040】
更に、上記実施形態では、第1係止部20の第1連結部22の上端部における、原位置にある(弾性変形していない
図2に示す位置)にある弾性係止片25の自由端27の横方向位置と同じ横方向位置に、弾性係止片25が原位置にあることを示すための目印が設けられていてもよい。これにより、弾性係止片25が原位置にあることを一目で確認することができる。
【0041】
ここで、上述した本発明に係る電気接続箱1の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[5]に簡潔に纏めて列記する。
[1]
環状の第1側壁部(13)を有する第1筐体(11)と、
環状の第2側壁部(14)を有する第2筐体(12)であって、前記第2側壁部(14)の環状の縁部と前記第1側壁部(13)の環状の縁部とを合わせるように、前記第1筐体(11)に組み付けられる第2筐体(12)と、
前記第1側壁部(13)の外壁に設けられ、弾性変形可能な弾性係止片(25)を備えた第1係止部(20)と、
前記第2側壁部(14)の外壁に設けられ、前記弾性係止片(25)の係止部(28)を係止することで前記第1筐体(11)と前記第2筐体(12)との分離を防止する被係止部(33)を備えた第2係止部(30)と、
を備え、前記第1筐体(11)及び前記第2筐体(12)の少なくとも一方において少なくとも1つの電子部品を収容する電気接続箱(1)において、
前記第1係止部(20)及び前記第2係止部(30)は、前記弾性係止片(25)の前記係止部(28)が前記被係止部(33)に係止された状態にて、前記弾性係止片(25)を前記第1係止部(20)が設けられた前記第1側壁部(13)の前記外壁に沿う方向に弾性変形させることで、前記係止が解除されるように構成された、
電気接続箱(1)。
[2]
上記[1]に記載の電気接続箱(1)において、
前記弾性係止片(25)は、自由端(27)が固定端(26)より前記第2筐体(12)から離れる側に位置する片持ち梁状の形状を有し、
前記弾性係止片(25)の前記自由端(27)を、前記第1側壁部(13)の前記外壁に沿い且つ前記第1筐体(11)と前記第2筐体(12)との組み付け方向に直交する横方向に移動させることで、前記係止が解除されるように構成された、
電気接続箱(1)。
[3]
上記[2]に記載の電気接続箱(1)において、
前記第1係止部(20)は、前記横方向に離れて前記第1側壁部(13)の前記外壁から外側に突出する一対の第1側板部(21)と、前記一対の第1側板部(21)の突出側端部同士を連結するように前記横方向に延びる第1連結部(22)と、を備え、
前記弾性係止片(25)の前記自由端(27)は、前記第1側壁部(13)の前記外壁、前記一対の第1側板部(21)、及び、前記第1連結部(22)により画成される空間(S1)内に位置する、
電気接続箱(1)。
[4]
上記[3]に記載の電気接続箱(1)において、
前記第1係止部(20)は、前記第1連結部(22)から前記第2筐体(12)側に延出する第1延出部(23)と、前記第1延出部(23)と対向するように前記第1側壁部(13)の前記縁部から前記第2筐体(12)側に延出する第2延出部(24)と、を備え、
前記弾性係止片(25)の前記固定端(26)は、前記第1延出部(23)及び前記第2延出部(24)に挟持され固定されている、
電気接続箱(1)。
[5]
上記[4]に記載に記載の電気接続箱(1)において、
前記第2係止部(30)は、前記横方向に離れて前記第2側壁部(14)の前記外壁から外側に突出する一対の第2側板部(31)と、前記一対の第2側板部(31)の突出側端部同士を連結するように前記横方向に延びる第2連結部(32)と、を備え、
前記弾性係止片(25)の前記係止部(28)が前記被係止部(33)に係止された状態にて、前記第1延出部(23)及び前記第2延出部(24)は、前記第2側壁部(14)の前記外壁、前記一対の第2側板部(31)、及び、前記第2連結部(32)により画成される空間(S2)内に進入し、
前記被係止部(33)は、前記一対の第2側板部(31)のうち一方の前記第2側板部(31)の内壁面に設けられている、
電気接続箱(1)。
【符号の説明】
【0042】
1 電気接続箱
11 第1筐体
12 第2筐体
13 第1側壁部
14 第2側壁部
20 第1係止部
21 第1側板部
22 第1連結部
23 第1延出部
24 第2延出部
25 弾性係止片
26 固定端
27 自由端
28 係止部
30 第2係止部
31 第2側板部
32 第2連結部
33 被係止部
S1 第1空間(空間)
S2 第2空間(空間)