【図1】
核酸処理酵素が分離媒体(例えば、ビーズ)に、例えば、結合タグ(例えば、his-タグまたはstrep-タグのようなタンパク質タグ)を介して結合される基本的なスキームを示す。(A)抽出媒体(例えば、ビーズ)に結合した酵素アダプタ複合体。(B)アダプタに(例えば、ライゲーションにより)付着したポリヌクレオチド(例えば、二本鎖DNA)。(C)燃料および補因子が追加され、システムが定義された期間稼働する。ポリヌクレオチドは酵素に対して動く(ポリヌクレオチドの方向は矢印で示されている)。酵素は、ニックに遭遇したり、鎖の末端に到達したりすると、ポリヌクレオチドから解離する。すべての酵素が結合していない場合、ポリヌクレオチドは溶液中に拡散することができる。放出されたポリヌクレオチドは、様々な手段によって遊離酵素への再結合を防ぐことができる。例えば、溶液中のトラップオリゴヌクレオチドは、酵素に結合してトラップするか、または遊離ポリヌクレオチドに結合してトラップするように設計することができる。あるいは、アダプタの末端は、酵素が負荷できないように設計することができる(例えば、遊離の一本鎖部位が存在しない)。(D)システムがクエンチされると、より長いポリヌクレオチド鎖が酵素に結合したままになり、より短い鎖または損傷を受けた鎖が解離する。非結合ポリヌクレオチド(例えば、短い鎖または損傷を受けた鎖)は、従来の手段により、例えば、ビーズを洗浄することにより、結合したポリヌクレオチドから分離し、任意に回収することができる。結合したポリヌクレオチド(例えば、より長い鎖)は、様々な方法で放出および回収することができる。例えば、酵素は燃料を追加することで再開でき、鎖の端に到達させることができる(工程Dから工程Cに戻る);酵素はビーズから結合解除することができる(例えば、酵素の変性、タグ結合の阻害、タグ/酵素の切断など);または、酵素はDNAから結合解除することができる(例えば、変性、高塩濃度、閉鎖複合体の閉鎖解除など)。サイズ画分の選択では、工程C>D>C>D…をループさせることにより、所望の時間の稼働>クエンチング>洗浄から溶出液を回収するというループで、任意の所望のサイズ画分を回収することが可能となる。損傷を受けた鎖の選択では、工程Dの後に、燃料を再度追加し、酵素をポリヌクレオチドの遠端から離れるように稼働させることによって長い鎖が溶出される場合、酵素が行き詰まる原因となる損傷のある任意の鎖(例えば、脱塩基領域、チミジン二量体など)はビーズに結合したままであり、酵素が鎖の末端に到達することによって放出された非結合の鎖から分離することができる。ニックの選択では、酵素は末端に到達する前に脱落するので、ニックのある鎖はより短い鎖と共に溶出する。したがって、工程Dの後の長い鎖の回収では、(両端に酵素が負荷されている場合、二本鎖ポリヌクレオチドの少なくとも1つの鎖に)ニックが含まれていない鎖も選択される。
【図2】
ポリヌクレオチド(例えば、二本鎖DNA)がビーズに、例えば、結合タグを介して結合される基本的なスキームを示し、ポリヌクレオチドの遠端に到達する酵素は、タグを改変/解離させることができ、したがって、ビーズからポリヌクレオチドを結合解除するために使用されることができる。簡単にするために、この図は、二本鎖ポリヌクレオチドに2つの異なるアダプタを備えた一実施形態を示しており、一方の端は酵素、もう一方の端は結合タグである。(A)タグを介して抽出媒体に結合したDNA複合体(例えば、ストレプトアビジンでコーティングされたビーズに結合するビオチン化オリゴヌクレオチド)。(B)燃料および補因子が追加され、システムが定義された期間稼働する。酵素はポリヌクレオチドに沿って移動する(酵素の移動方向は矢印で示されている)。酵素は、ニックに遭遇したり、鎖の末端に到達したりすると、ポリヌクレオチドから解離する。酵素がポリヌクレオチドの末端に到達すると、それは結合タグを解離させ、ポリヌクレオチドがビーズから解離することが可能となる。放出されたポリヌクレオチドは、さまざまな方法で、例えば、タグまたはポリヌクレオチドのいずれかに結合する(図はポリヌクレオチドへの結合を示す)過剰な捕捉鎖を溶液に追加することにより、タグに再結合するのを防ぐことができる。(C)システムがクエンチされると、酵素が(ニックのために)末端に到達できなかった長い鎖または鎖は、タグを介してビーズに結合したままであり、短い鎖は結合されていない。非結合ポリヌクレオチド(例えば、短い鎖)は、例えば、ビーズを洗浄することにより、結合したヌクレオチドから分離することができ、任意で回収することができる。結合したポリヌクレオチド(例えば、より長い鎖)は、様々な方法で放出および回収することができる。例えば、酵素は燃料を追加することで再開でき、鎖の端に到達できる(効果的に工程Cにループバックする);または、ポリヌクレオチドは、他の従来の手段(例えば、結合解除タグ、切断、pH/温度の変化などの溶出条件など)によってビーズから結合解除することができる。サイズ画分の選択では、工程B>C>B>C…をループさせることにより、所望の時間の稼働>クエンチング>洗浄から溶出液を回収するというループで、任意の所望のサイズ画分を回収することが可能となる。損傷を受けた鎖の選択では、工程Cの後に、燃料を再度追加し、酵素を遠端から離れるように稼働させることによって長い鎖が溶出される場合、酵素が末端に到達するのを妨げる損傷のある任意の鎖(例えば、脱塩基領域、チミジン二量体、ニックなど)はビーズに結合したままであり、酵素が末端に到達した未結合の鎖から分離することができる。
【図3】
エキソヌクレアーゼ(A)またはポリメラーゼ(B)を使用して選択基準を作成する方法の例を示している。エキソヌクレアーゼは、ポリヌクレオチドの一方の鎖を消化する。ポリメラーゼは補体を合成するが、それ以外はトランスロカーゼと同様の方法で使用できる。図に示されている例では、エキソヌクレアーゼとポリヌクレオチドにタグが付けられており、このタグを使用して、エキソヌクレアーゼまたはポリメラーゼが解離した短いポリヌクレオチドを、エキソヌクレアーゼまたはポリメラーゼが結合したままの長いポリヌクレオチドから分離する。
【図4】
酵素が鎖の遠端に到達した場合にどのようにシグナルが生成されるかの例を示す。図4Aは、タグの解離を示す。図4Bは、酵素がアダプタの遠端を(例えば、構成要素を解凍または解離させることにより)、例えばその構造などをどのように改変し得るかを示す。改変された端と無傷の端との違いは、その後のアダプタまたは構成要素の付着において利用され得る。例えば、図4Bは、構造変化を使用して、鎖の端にある相補的なハイブリダイゼーション部位をトラップしてシーケンスアダプタのライゲーションを防ぎ、シーケンスアダプタが無傷の末端を有するより長い鎖に優先的にライゲーションできるようにする方法を示している。この図では、シーケンスアダプタの付着の前にオリゴヌクレオチドを分離する必要はない。
【図5】
例えば、試料中のポリヌクレオチドに付着したアダプタに予め負荷されているのではなく、酵素を溶液中で使用する方法の例を示している。この方法では、アダプタの使用は任意であり、代わりに、酵素は試料中のポリヌクレオチドに、鎖の両端または真ん中のいずれかで自然に結合することができる。酵素は、任意選択的に、酵素がポリヌクレオチドに沿って自由に移動できる条件下で、例えば、ATPなどの燃料の存在下で、ポリヌクレオチドに自由に結合することができる。酵素をこのように結合させると、酵素による鎖の最終的な飽和がもたらされる。酵素をポリヌクレオチドに結合させた後、酵素を溶液から除去し、および/または大過剰の捕捉鎖を追加して、酵素のさらなる分子がポリヌクレオチドに結合するのを防ぐことにより、定義された期間を開始する。酵素は通常、試料中のポリヌクレオチドよりも優先的に捕捉鎖に結合する。定義された期間の終わりに、酵素の移動は、典型的にはクエンチングによって停止され、酵素が結合したままであるポリヌクレオチドは、酵素がもはや結合していないより短いポリヌクレオチドから分離される。
【図6】
方法が溶液中の酵素を使用してどのように実行され得るかについてのさらなる例を示している。この方法では、タグ付きアダプタが使用される。酵素がポリヌクレオチドに沿って移動するために必要な補因子および燃料を含有する溶液中で、ポリヌクレオチドを酵素と接触させることにより、定義された期間が開始される。この例では、酵素は、付着したアダプタを介して、試料中のポリヌクレオチドの末端にのみ負荷できる。明確にするために、図は、左のアダプタの一本鎖オーバーハングに負荷され、ポリヌクレオチドのトップ鎖に沿って走る酵素のみを示している。ポリヌクレオチドの末端に到達する酵素は、ポリヌクレオチドの末端にあるアダプタの選択タグを解離させる。この期間の終わりに、酵素の移動が停止し、選択タグを保持しているポリヌクレオチドが、選択タグが解離させられた短いポリヌクレオチドから分離される。
【図7】
本手法により分離可能なポリヌクレオチドの例を示す。ポリヌクレオチドは、一端または両端にヘアピンアダプタを含み得る。一本鎖ポリヌクレオチドまたは二本鎖ポリヌクレオチドは、この方法によって分離され得る。
【図8】
(1)サイズ選択用のタグ付き酵素と、(2)ナノポアシーケンス用のリーダー配列、抑止された酵素、および膜テザーとを含む二重目的アダプタを使用して、膜貫通孔を使用する特徴付けのためにポリヌクレオチドを選択および調製するために方法がどのように使用され得るかということについて特定の一例を示している。図8Aは、分離方法において使用され得、次いで膜貫通孔を使用して選択されたポリヌクレオチドの特徴付けを容易にするために使用され得るアダプタを示す。アダプタは、抑止された核酸処理酵素および抑止されていないタグ付き酵素を含む。図8Bは、抑止されていないタグ付き酵素のポリヌクレオチドに沿った移動を開始するために燃料を加える前に、アダプタがポリヌクレオチドにどのように付着され得るかを示す。定義された期間の終わりに、タグ付き酵素の移動が停止し、タグ付き酵素がなお結合しているより長いポリヌクレオチドが、タグ付き酵素が放出されたより短いポリヌクレオチドから分離される。すべてのポリヌクレオチドは、抑止された酵素が付着したアダプタを保持している。したがって、目的のポリヌクレオチド(より長いポリヌクレオチドまたはより短いポリヌクレオチドであり得る)は、膜貫通孔を使用してすぐに配列決定され得る形態である。抑止された酵素は、膜貫通孔を通るポリヌクレオチドの移動を制御する働きをする。抑止された酵素が燃料の存在下で膜貫通孔と接触すると、抑止は打ち負かされる。
【図9】
抑止されていないヘリカーゼを伴うアダプタが結合した雑多な長さのDNAのライブラリから選択したポリヌクレオチドのサイズ分布を示す。ポリヌクレオチドのサイズは、ナノポアシーケンスによって決定された。ヘリカーゼを停止して、ヘリカーゼが結合したままのDNA鎖を選択する前に、ATPおよびMgをライブラリに120秒または240秒追加した。図9Aは、初期ライブラリ(0秒のインキュベーション時間)の開始サイズ分布と、ヘリカーゼを240秒間実行した後のライブラリから選択されたDNAのサイズ分布を比較している。図9Bは、分布をビニングされたヒストグラムとして個別のパネルに示している。ヒストグラムは、1~3キロ塩基の範囲のより短い鎖の鎖数の減少と、120秒または240秒のインキュベーション時間のライブラリについて長さが約3キロ塩基より大きい鎖の鎖数の相対的な増加を明確に示している。
配列表の説明
配列番号1は、実施例1および2で使用されるサイズ選択アダプタのトップ鎖のヌクレオチド配列である。
配列番号2は、実施例1および2で使用されるサイズ選択アダプタのボトム鎖のヌクレオチド配列である。
配列番号3は、実施例1で使用されるサイズ選択アダプタのブロッカー鎖のヌクレオチド配列である。
配列番号4は、実施例1および2で使用されるDNAヘリカーゼに付着したstrep-SUMOタグのアミノ酸配列である。
配列番号5は、実施例1で使用される3.6kbのDNAのヌクレオチド配列である。
配列番号6は、実施例2で使用されるサイズ選択アダプタのブロッカー鎖のヌクレオチド配列である。
配列は限定を意図するものではないことを理解されたい。