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特許7256197B細胞成熟抗原に特異的な抗体およびキメラ抗原受容体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-03
(45)【発行日】2023-04-11
(54)【発明の名称】B細胞成熟抗原に特異的な抗体およびキメラ抗原受容体
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/13 20060101AFI20230404BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20230404BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20230404BHJP
   C07K 14/705 20060101ALI20230404BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20230404BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20230404BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20230404BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20230404BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20230404BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20230404BHJP
   C12N 5/0783 20100101ALI20230404BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20230404BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20230404BHJP
   A61K 35/12 20150101ALI20230404BHJP
   A61K 35/17 20150101ALI20230404BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20230404BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20230404BHJP
   C12P 21/08 20060101ALN20230404BHJP
【FI】
C12N15/13 ZNA
C07K16/28
C07K19/00
C07K14/705
C12N15/12
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12N5/0783
C12N15/62 Z
A61P43/00 111
A61P37/02
A61P35/00
A61P35/02
A61P19/02
A61K35/12
A61K35/17
A61K39/395 N
A61K47/68
C12P21/08
【請求項の数】 42
(21)【出願番号】P 2020543736
(86)(22)【出願日】2018-11-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-21
(86)【国際出願番号】 US2018058767
(87)【国際公開番号】W WO2019089969
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-10-29
(31)【優先権主張番号】62/580,431
(32)【優先日】2017-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/596,772
(32)【優先日】2017-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516316897
【氏名又は名称】ジュノー セラピューティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】セイザー ブライス ディー.
(72)【発明者】
【氏名】シャマー スティーヴン エム.
(72)【発明者】
【氏名】チェン ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ウー レベッカ
(72)【発明者】
【氏名】ハウスキンズ コリン
(72)【発明者】
【氏名】パズマニー シャバ
(72)【発明者】
【氏名】ダッタ-シモンズ ジュイ
(72)【発明者】
【氏名】ハリントン キンバリー
【審査官】福間 信子
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-501606(JP,A)
【文献】国際公開第2017/181119(WO,A2)
【文献】国際公開第2017/040930(WO,A2)
【文献】国際公開第2017/031104(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-90
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
SEQ ID NO:2アミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)と、SEQ ID NO:5アミノ酸配列を含むCDR-H2と、SEQ ID NO:10アミノ酸配列を含むCDR-H3とを含む、重鎖可変(VH)領域;ならびに
SEQ ID NO:33アミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、SEQ ID NO:43アミノ酸配列を含むCDR-L2と、SEQ ID NO:421アミノ酸配列を含むCDR-L3とを含む、軽鎖可変(VL)領域
を含む、抗B細胞成熟抗原(BCMA)抗体またはその抗原結合断片であって、
該抗体またはその抗原結合断片がヒトである、
抗B細胞成熟抗原(BCMA)抗体またはその抗原結合断片
【請求項2】
重鎖可変(V H )領域および軽鎖可変(V L )領域を含む、抗B細胞成熟抗原(BCMA)抗体またはその抗原結合断片であって、
該重鎖可変(V H )領域が、SEQ ID NO:115VH領域アミノ酸配列内に含まれる重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、CDR-H2、およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含む、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ、
該軽鎖可変(V L )領域が、SEQ ID NO:536VL領域アミノ酸配列内に含まれる軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、CDR-L2、およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含む、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、
該抗体またはその抗原結合断片がヒトである、
抗B細胞成熟抗原(BCMA)抗体またはその抗原結合断片。
【請求項3】
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:115および536のアミノ酸配列を含む請求項1または2記載の抗BCMA抗体またはその抗原結合断片。
【請求項4】
前記抗BCMA抗体またはその抗原結合断片が、ヒトBCMAタンパク質に特異的に結合する、請求項1~3のいずれか一項記載の抗BCMA抗体またはその抗原結合断片。
【請求項5】
モノクローナルである、請求項1~4のいずれか一項記載の抗BCMA抗体またはその抗原結合断片。
【請求項6】
組換え型である、請求項1~5のいずれか一項記載の抗BCMA抗体またはその抗原結合断片。
【請求項7】
抗原結合断片である、請求項1~6のいずれか一項記載の抗BCMA抗体またはその抗原結合断片。
【請求項8】
前記抗体または抗原結合断片がscFvである、請求項1~7のいずれか一項記載の抗BCMA抗体またはその抗原結合断片。
【請求項9】
前記VH領域が、前記VL領域のアミノ末端側にある、請求項1~8のいずれか一項記載の抗BCMA抗体またはその抗原結合断片。
【請求項10】
前記scFvが、SEQ ID NO:560、128~139、268~278、558、559、561~576および578~583のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むか、またはSEQ ID NO:560、128~139、268~278、558、559、561~576および578~583のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項8または9記載の抗BCMA抗体またはその抗原結合断片。
【請求項11】
免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部分をさらに含む、請求項1~10のいずれか一項記載の抗BCMA抗体またはその抗原結合断片。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項記載の抗体または抗原結合断片を含む、単鎖細胞表面タンパク質。
【請求項13】
請求項1~11のいずれか一項記載の抗体または抗原結合断片と、異種分子または異種部分とを含む、コンジュゲート。
【請求項14】
請求項1~11のいずれか一項記載の抗体または抗原結合断片を含む細胞外部分と、細胞内シグナル伝達領域とを含む、キメラ抗原受容体(CAR)。
【請求項15】
前記細胞内シグナル伝達ドメインが、一次シグナル伝達ドメイン、T細胞において一次活性化シグナルを誘導することができるシグナル伝達ドメイン、T細胞受容体(TCR)成分であるシグナル伝達ドメイン、および/もしくは免疫受容体活性化チロシンモチーフ(ITAM)を含むシグナル伝達ドメインであるか、またはそれらを含む、請求項14記載のキメラ抗原受容体。
【請求項16】
前記細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3鎖細胞内シグナル伝達ドメインであるか、またはそれを含む、請求項14または15記載のキメラ抗原受容体。
【請求項17】
前記細胞外ドメインと前記細胞内シグナル伝達領域の間に膜貫通ドメインをさらに含む、請求項14~16のいずれか一項記載のキメラ抗原受容体。
【請求項18】
前記膜貫通ドメインが、CD28膜貫通部分を含む、請求項17記載のキメラ抗原受容体。
【請求項19】
前記細胞内シグナル伝達領域が、共刺激シグナル伝達ドメインをさらに含む、請求項14~18のいずれか一項記載のキメラ抗原受容体。
【請求項20】
前記共刺激シグナル伝達ドメインが、CD28、4-1BB、もしくはICOSの細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含む、請求項19記載のキメラ抗原受容体。
【請求項21】
前記共刺激シグナル伝達ドメインが、4-1BBの細胞内シグナル伝達ドメインを含む、請求項19または20記載のキメラ抗原受容体。
【請求項22】
請求項1~11のいずれか一項記載の抗体もしくはその抗原結合断片、請求項12記載の単鎖細胞表面タンパク質、請求項13記載のコンジュゲート、または請求項14~21のいずれか一項記載のキメラ抗原受容体をコードする、ポリヌクレオチド。
【請求項23】
請求項22記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
【請求項24】
ウイルスベクターある、請求項23記載のベクター。
【請求項25】
前記ウイルスベクターがレンチウイルスベクターである、請求項24記載のベクター。
【請求項26】
請求項23~25のいずれか一項記載のベクターを含む、操作された細胞。
【請求項27】
請求項1~11のいずれか一項記載の抗体もしくは抗原結合断片請求項13記載のコンジュゲート、または請求項12記載の単鎖細胞表面タンパク質含む受容体を含む、操作された細胞。
【請求項28】
T細胞である、請求項27記載の操作された細胞。
【請求項29】
請求項1~11のいずれか一項記載の抗体もしくはその抗原結合断片、請求項13記載のコンジュゲート、請求項12記載の単鎖細胞表面タンパク質、または請求項14~21のいずれか一項記載のキメラ抗原受容体、薬学的に許容される賦形剤と、を含む、薬学的組成物。
【請求項30】
BCMAと関連している疾患または病態を処置するための、請求項29記載の薬学的組成物。
【請求項31】
BCMAと関連している疾患または病態が、自己免疫性疾患もしくは障害、またはがんである、請求項30記載の薬学的組成物。
【請求項32】
がんが、リンパ腫、白血病、または形質細胞悪性腫瘍、任意で多発性骨髄腫(MM)または形質細胞腫である、請求項31記載の薬学的組成物。
【請求項33】
BCMAと関連している疾患または病態を処置するための医薬の製造のための、請求項1~11のいずれか一項記載の抗体または抗原結合断片、請求項13記載のコンジュゲート、請求項12記載の単鎖細胞表面タンパク質、請求項14~21のいずれか一項記載のキメラ抗原受容体または請求項29記載の薬学的組成物の使用。
【請求項34】
BCMAと関連している疾患または病態が、自己免疫性疾患もしくは障害、またはがんである、請求項33記載の使用。
【請求項35】
がんが、リンパ腫、白血病、または形質細胞悪性腫瘍、任意で多発性骨髄腫(MM)または形質細胞腫である、請求項34記載の使用。
【請求項36】
前記CD3鎖の細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3-ゼータ(CD3ζ)、またはそのシグナル伝達部分である、請求項16記載のキメラ抗原受容体。
【請求項37】
前記CD3-ゼータ(CD3ζ)が、ヒトCD3-ゼータ(CD3ζ)またはそのシグナル伝達部分である、請求項36記載のキメラ抗原受容体。
【請求項38】
前記CD3-ゼータ(CD3ζ)鎖が、ヒトCD3ζまたはそのシグナル伝達部分である、請求項36または37記載のキメラ抗原受容体。
【請求項39】
前記ウイルスベクターが、レトロウイルスベクターである、請求項24記載のベクター。
【請求項40】
請求項14~21のいずれか一項記載のキメラ抗原受容体を含む受容体を含む、操作された細胞。
【請求項41】
請求項40記載の操作された細胞と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む、薬学的組成物。
【請求項42】
BCMAと関連している疾患または病態を処置するための医薬の製造のための、請求項40記載の操作された細胞の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、「ANTIBODIES AND CHIMERIC ANTIGEN RECEPTORS SPECIFIC FOR B-CELL MATURATION ANTIGEN」を表題とする2017年11月1日に出願された米国仮特許出願第62/580,431号および「ANTIBODIES AND CHIMERIC ANTIGEN RECEPTORS SPECIFIC FOR B-CELL MATURATION ANTIGEN」を表題とする2017年12月8日に出願された米国仮特許出願第62/596,772号に基づく優先権の恩典を主張し、それらの内容の全体を参照により組み入れる。
【0002】
配列表の参照による組み入れ
本願は電子形式の配列表とともに出願される。配列表は、2018年11月1日に作成された735042004340SeqList.txtという名称のファイルとして提供され、373キロバイトのサイズである。電子形式の配列表内の情報は、その全体が参照により組み入れられる。
【0003】
分野
本開示は、いくつかの局面において、BCMA結合分子、特に、抗体断片を含む抗BCMA抗体に関する。本開示はさらに、かかる抗体を含む組換え受容体、例えばかかる抗体を含むキメラ抗原受容体(CAR)に関する。本開示はさらに、かかる受容体および抗体を発現する遺伝子操作された細胞ならびに養子細胞療法におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0004】
背景
B細胞成熟抗原(BCMA)は、成熟Bリンパ球上に発現されるIII型膜貫通タンパク質である。BCMAが、そのリガンドであるTNFファミリーのB細胞活性化因子(BAFF)および増殖誘導リガンド(APRIL)と結合すると、生存促進性細胞シグナルがB細胞に送られ、これは形質細胞の生存に必要とされることがわかっている。BCMAの発現は、いくつかの疾患、例えばがん、自己免疫性障害および感染性疾患と関連している。種々の疾患および病態、例えばがんにおけるBCMAの役割のため、BCMAは治療標的となる。種々のBCMA結合分子、例えば抗BCMA抗体、および抗BCMA抗体部分を含むキメラ抗原受容体、およびかかるキメラ抗原受容体を発現する細胞が利用可能である。改善されたBCMA結合分子および操作されたBCMAターゲティング細胞が必要とされている。例えば、免疫原性が低減された分子および細胞ならびにBCMAに特異的に結合する完全ヒト抗体、例えば抗体断片、ならびに養子細胞療法における使用のためのかかるヒト抗体を発現するキメラ受容体の必要性がある。かかる必要性を満たす態様が、本明細書において提供される。
【発明の概要】
【0005】
概要
BCMA結合分子、例えばポリペプチド、例えば抗BCMA抗体、例えば抗原結合抗体断片、例えばシングルドメイン抗体(例えばVH領域だけ)、単鎖抗体断片、例えばscFv断片、およびかかる抗体を含むポリペプチド、例えば融合タンパク質、該抗体を抗原認識成分として含む受容体、例えば組換え受容体、例えばキメラ受容体、例えばキメラ抗原受容体(CAR)が、本明細書において提供される。特定の態様において、抗体はヒト抗体、例えばヒト単鎖抗体断片、例えばscFvである。
【0006】
抗体またはその抗原結合断片、例えばBCMA、例えばヒトBCMAに特異的に結合するものが、本明細書において提供される。いくつかの態様において、抗体は、特定の相補性決定領域(CDR)、例えば重鎖CDR(すなわち、CDR-H1、CDR-H2および/またはCDR-H3)と軽鎖CDR(すなわち、CDR-L1、CDR-L2および/またはCDR-L3)、例えば本明細書に記載されるいずれかのものを含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片は重鎖可変(VH)領域を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片はVH領域と軽鎖可変(VL)領域を含む。
【0007】
いくつかの態様において、SEQ ID NO:7~11、149~157、279~287および376~378のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)あるいはSEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H3を含むVH領域を含む抗体またはその抗原結合断片が、本明細書において提供される。
【0008】
いくつかの局面において、SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列との少なくとも90%の配列同一性、例えば該配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を含むVH領域を含む抗体またはその抗原結合断片が、本明細書において提供される。
【0009】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、VH領域は、アミノ酸配列X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12X13X14(SEQ ID NO:355)を含むCDR-H3を含み、ここで、X1はA、D、E、G、L、VまたはWであり;X2はA、D、G、L、P、QまたはSであり;X3はA、D、G、LまたはYであり;X4はD、G、P、R、S、V、Yまたは無しであり;X5はD、I、P、S、T、Yまたは無しであり;X6はA、G、I、S、T、V、Yまたは無しであり;X7はA、D、E、F、L、P、S、Yまたは無しであり;X8はP、Q、T、Yまたは無しであり;X9はD、G、R、Yまたは無しであり;X10はA、F、Yまたは無しであり;X11はD、Fまたは無しであり;X12はFまたは無しであり;X13はD、TまたはYであり;X14はI、L、N、VまたはYである。
【0010】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、VH領域は、SEQ ID NO:7~11、149~157、279~287および376~378のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H3あるいはSEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H3を含む。
【0011】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、VH領域は、X1がDもしくはSであり;X2がYもしくはSであり;X3がA、G、WもしくはYであり;X4がH、QもしくはSであるアミノ酸配列X1X2X3MX4(SEQ ID NO:353)を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1);および/またはX1がF、G、H、V、WもしくはYであり;X2がN、R、SもしくはVであり;X3がP、Q、S、V、WもしくはYであり;X4がKもしくは無しであり;X5がAもしくは無しであり;X6がD、G、N、SもしくはYであり;X7がGもしくはSであり;X8がGもしくはSであり;X9がE、G、N、TもしくはSであり;X10がI、KもしくはTであり;X11がE、G、NもしくはYであり;X12がAもしくはVであり;X13がA、DもしくはQであり;X14がKもしくはSであり;X15がFもしくはVであり;X16がKもしくはQであり;X17がEもしくはGであるX1IX2X3X4X5X6X7X8X9X10X11YX12X13X14X15X16X17(SEQ ID NO:354)のアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)を含む。
【0012】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、VH領域は、SEQ ID NO:1~3および140~144のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H1;および/またはSEQ ID NO:4~6、145~148および372~374のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2を含む。
【0013】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、VH領域は、SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1;および/またはSEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H2を含む。
【0014】
いくつかの態様において、SEQ ID NO:1~3および140~144のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H1あるいはSEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1;SEQ ID NO:4~6、145~148および372~374のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2あるいはSEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H2;および/またはSEQ ID NO:7~11、149~157、279~287および376~378のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H3あるいはSEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H3を含む抗体またはその抗原結合断片が、本明細書において提供される。
【0015】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、抗体またはその抗原結合断片は、それぞれSEQ ID NO:1、4および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:2、5および8のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:2、5および9のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:2、5および10のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:3、6および11のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:140、145および149のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:141、145および149のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:141、145および150のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:142、146および151のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:2、5および152のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:143、147および153のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:144、148および154のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:3、6および155のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:2、5および156のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:2、5および157のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:2、6および376のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:3、372および376のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:3、6および376のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:3、6および377のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:2、373および152のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:2、5および378のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;またはそれぞれSEQ ID NO:2、374および9のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3から選択されるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含むVH領域を含む。
【0016】
いくつかの態様において、SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含むVH領域を含む抗体またはその抗原結合断片が、本明細書において提供される。
【0017】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、VH領域は、SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるフレームワーク領域1(FR1)、FR2、FR3および/またはFR4との、それぞれ少なくとも90%の配列同一性を含むFR1、FR2、FR3および/またはFR4を含む。いくつかの態様において、VH領域は、SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるフレームワーク領域1(FR1)、FR2、FR3および/またはFR4との、それぞれ少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を含むFR1、FR2、FR3および/またはFR4の配列を含む。いくつかの態様において、VH領域は、SEQ ID NO:59~63、195~203および434~439のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むFR1;SEQ ID NO:64~66および204~209のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むFR2;SEQ ID NO:67~69、210~216、441および443のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むFR3;および/またはSEQ ID NO:70~71、217~220、444および445のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むFR4から選択されるFR1、FR2、FR3および/またはFR4を含む。
【0018】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、VH領域は、SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む。
【0019】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、抗体または抗原結合断片は、軽鎖可変(VL)領域を含まないものであり、軽鎖相補性決定領域(CDR-L1)、CDR-L2および/もしくはCDR-L3を含まないものであり、ならびに/またはVH領域のみを含むシングルドメイン抗体(sdAb)である。いくつかの態様において、抗体または抗原結合断片はVH領域のみを含むsdAbである。
【0020】
上記のVH領域配列のいずれかを含む抗体または断片のいずれかのいくつかの態様において、抗体または断片はVL領域をさらに含む。いくつかのかかる態様において、VL領域は、SEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列との少なくとも90%の配列同一性、例えばSEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の配列同一性を含む。
【0021】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、VL領域は、アミノ酸配列X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12、(SEQ ID NO:358)を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)を含み、ここで、X1はA、C、G、H、I、QまたはSであり;X2はA、Q、SまたはVであり;X3はS、WまたはYであり;X4はD、F、G、HまたはYであり;X5はD、G、M、R、SまたはTであり;X6はA、G、H、L、R、S、TまたはYであり;X7はL、P、R、Sまたは無しであり;X8はD、G、N、R、S、Tまたは無しであり;X9はA、G、H、L、Pまたは無しであり;X10はF、Sまたは無しであり;X11はL、P、WまたはYであり;X12はS、TまたはVである。
【0022】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、VL領域は、SEQ ID NO:47~58、184~194、415~427および429~433のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L3あるいはSEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L3を含む。
【0023】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、VL領域は、X1がG、K、R、SもしくはTであり;X2がA、GもしくはSであり;X3がG、N、SもしくはTであり;X4がG、K、N、Q、RもしくはSであり;X5がSもしくは無しであり;X6がD、N、Vもしくは無しであり;X7がL、Vもしくは無しであり;X8がH、S、Yもしくは無しであり;X9がS、Tもしくは無しであり;X10がSもしくは無しであり;X11がD、G、I、N、Sもしくは無しであり;X12がD、E、G、K、I、Nもしくは無しであり;X13がF、G、K、N、R、S、Yもしくは無しであり;X14がD、K、N、Tもしくは無しであり;X15がA、D、G、L、N、S、TもしくはYであり;X16がLもしくはVであり;X17がA、H、N、QもしくはSであるX1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12X13X14X15X16X17(SEQ ID NO:356)のアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1);および/またはX1がA、D、E、N、S、VもしくはWであり;X2がA、D、N、SもしくはVであり;X3がA、D、H、I、NもしくはSであり;X4がD、K、N、Q、RもしくはTであり;X5がL、RもしくはVであり;X6がA、E、PもしくはQであり;X7がA、D、SもしくはTであるX1X2X3X4X5X6X7(SEQ ID NO:357)のアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)を含む。
【0024】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、VL領域は、SEQ ID NO:26~36、174~178、380~392および394~398のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L1;および/またはSEQ ID NO:37~46、179~183、399~409および411~414のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L2を含む。
【0025】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、VL領域は、SEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1;および/またはSEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L2を含む。
【0026】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、VL領域は、SEQ ID NO:26~36、174~178、380~392および394~398のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L1;SEQ ID NO:37~46、179~183、399~409および411~414のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L2;およびSEQ ID NO:47~58、184~194、415~427および429~433のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0027】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、抗体またはその抗原結合断片は、それぞれSEQ ID NO:26、37および47のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:27、38および48のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:28、39および49のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:29、40および50のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:30、39および51のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:31、41および52のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:32、42および53のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:30、39および54のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:33、43および55のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:34、44および56のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:35、45および57のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:36、46および58のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:174、179および184のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:174、179および185のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:174、179および186のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:174、179および187のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:175、180および188のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:174、179および189のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:176、181および190のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:177、182および191のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:174、179および192のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:178、183および193のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:178、183および194のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:30、399および415のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:380、400および416のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:33、43および421のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:381、401および417のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:382、402および418のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:383、403および419のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:384、39および54のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:385、180および58のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:175、180および188のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:386、404および420のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:387、405および422のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:388、406および423のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:388、407および424のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:389、408および425のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:390、183および193のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:391、409および426のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:392、40および427のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:394、39および429のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:395、411および430のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:396、412および431のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:396、412および58のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:397、413および432のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;またはそれぞれSEQ ID NO:398、414および433のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3から選択されるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含むVL領域を含む。
【0028】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、VL領域は、それぞれ、SEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む。
【0029】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、VL領域は、SEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるアミノ酸配列のフレームワーク領域1(FR1)、FR2、FR3および/またはFR4との、それぞれ少なくとも90%の配列同一性を含むFR1、FR2、FR3および/またはFR4を含む。いくつかの態様において、VL領域は、SEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるアミノ酸配列のフレームワーク領域1(FR1)、FR2、FR3および/またはFR4との、それぞれ少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも98%、少なくとも99%の配列同一性を有するFR1、FR2、FR3および/またはFR4配列を含む。いくつかの態様において、VH領域は、SEQ ID NO:72~82、221~227、446~459および461~466のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むFR1;SEQ ID NO:83~92、228~232、467~477および479~482のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むFR2;SEQ ID NO:93~101、233~242、483~495および497~501のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むFR3;および/またはSEQ ID NO:102~109、243~246,502~506および508のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むFR4から選択されるFR1、FR2、FR3および/またはFR4を含む。
【0030】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、VL領域は、SEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む。
【0031】
SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3配列のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;および/またはSEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3配列のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む抗体またはその抗原結合断片が、本明細書において提供される。
【0032】
SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択される重鎖可変(VH)領域アミノ酸配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有するVH領域;ならびにSEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択される軽鎖可変(VL)領域アミノ酸配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有するVL領域を含む抗体またはその抗原結合断片が、本明細書において提供される。
【0033】
いずれかの態様のいくつかにおいて、前記抗体または抗原結合断片は、SEQ ID NO:110、256および519のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有するVH領域;ならびにSEQ ID NO:47、51、194および416のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有するVL領域を含む。いずれかの態様のいくつかにおいて、前記抗体または抗原結合断片は、SEQ ID NO:115のVH領域アミノ酸配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有するVH領域;ならびにSEQ ID NO:536のVL領域アミノ酸配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有するVL領域を含む。
【0034】
SEQ ID NO:1~3および140~144のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)と、SEQ ID NO:4~6、145~148および372~374のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2と、SEQ ID NO:7~11、149~157、279~287および376~378のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H3とを含む、重鎖可変(VH)領域;ならびにSEQ ID NO:26~36、174~178、380~392および394~398のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、SEQ ID NO:37~46、179~183、399~409および411~414のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L2と、SEQ ID NO:47~58、184~194、415~427および429~433のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L3とを含む、軽鎖可変(VL)領域を含む抗体またはその抗原結合断片が、本明細書において提供される。
【0035】
いずれかの態様のいくつかにおいて、CDR-H1は、SEQ ID NO:1および2のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含み;CDR-H2は、SEQ ID NO:4および5のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含み;CDR-H3は、SEQ ID NO:7および157のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含み;CDR-L1は、SEQ ID NO:26、30、178および380のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含み;CDR-L2は、SEQ ID NO:37、39、183または400のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含み;CDR-L3は、SEQ ID NO:47、51、194および416のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む。いずれかの態様のいくつかにおいて、CDR-H1はSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を含み;CDR-H2はSEQ ID NO:5のアミノ酸配列を含み;CDR-H3はSEQ ID NO:10のアミノ酸配列を含み;CDR-L1はSEQ ID NO:33のアミノ酸配列を含み;CDR-L2はSEQ ID NO:43のアミノ酸配列を含み;CDR-L3はSEQ ID NO:421のアミノ酸配列を含む。
【0036】
重鎖可変(VH)領域および軽鎖可変(VL)領域を含む抗体またはその抗原結合断片が本明細書において提供され、ここで、該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:26、37および47のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5および8のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:27、38および48のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:28、39および49のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:29、40および50のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:30、39および51のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:31、41および52のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:32、42および53のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:30、39および54のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5および9のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:33、43および55のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5および10のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:34、44および56のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:3、6および11のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:35、45および57のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5および10のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:36、46および58のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:140、145および149のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:174、179および184のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:141、145および149のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:174、179および185のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:141、145および150のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:174、179および186のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:142、146および151のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:174、179および187のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5および152のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:175、180および188のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:143、147および153のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:174、179および189のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:144、148および154のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:176、181および190のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:3、6および155のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:177、182および191のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5および156のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:174、179および192のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5および157のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:178、183および193のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5および157のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:178、183および194のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:2、6および376のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:30、399および415のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:380、400および416のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5および10のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:33、43および421のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:3、6および155のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:177、182および191のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:3、372および376のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:381、401および417のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:3、6および376のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:382、402および418のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:3、6および377のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:383、403および419のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:384、39および54のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5および10のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:385、180および58のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:2、373および152のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:175、180および188のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:3、6および11のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:386、404および420のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5および378のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:33、43および421のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5および9のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:387、405および422のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5および9のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:388、406および423のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5および9のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:388、407および424のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:3、6および376のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:389、408および425のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5および157のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:390、183および193のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:2、374および9のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:391、409および426のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:392、40および427のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:394、39および429のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:395、411および430のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:28、39および49のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5および10のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:396、412および431のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5および10のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-
H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:396、412および58のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5および10のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:397、413および432のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;または該VH領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、それぞれSEQ ID NO:398、414および433のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む。
【0037】
いずれかの態様のいくつかにおいて、VH領域は、それぞれSEQ ID NO:1、4および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、VL領域は、それぞれSEQ ID NO:26、37および47のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;VH領域は、それぞれSEQ ID NO:1、4および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、VL領域は、それぞれSEQ ID NO:30、39および51のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;VH領域は、それぞれSEQ ID NO:2、5および157のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、VL領域は、それぞれSEQ ID NO:178、183および194のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;またはVH領域は、それぞれSEQ ID NO:1、4および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、VL領域は、それぞれSEQ ID NO:380、400および416のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む。いずれかの態様のいくつかにおいて、VH領域は、それぞれSEQ ID NO:2、5および10のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、VL領域は、それぞれSEQ ID NO:33、43および421のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む。
【0038】
SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれる重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、CDR-H2およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;および/またはSEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれる軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、CDR-L2およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む、抗体またはその抗原結合断片が、本明細書において提供される。
【0039】
いずれかの態様のいくつかにおいて、CDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3は、SEQ ID NO:110、256および519のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含み;軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、CDR-L2およびCDR-L3は、SEQ ID NO:116、120、267および535のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含む。
【0040】
いずれかの態様のいくつかにおいて、CDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3は、SEQ ID NO:115のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含み;軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、CDR-L2およびCDR-L3は、SEQ ID NO:536のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含む。
【0041】
重鎖可変(VH)領域および軽鎖可変(VL)領域を含む抗体またはその抗原結合断片が本明細書において提供され、ここで、それぞれ、該VH領域が、SEQ ID NO:110のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:116のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:116のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:111のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:111のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:117のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:117のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:110のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:118のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:118のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:110のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:119のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:119のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:110のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:120のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:120のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:110のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:121のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:121のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:110のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:122のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:122のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:110のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:123のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:123のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:112のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:112のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:124のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:124のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:113のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:113のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:125のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:125のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:114のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:114のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:126のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:126のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:115のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:115のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:127のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:127のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:247のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:247のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:257のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:257のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:248のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:248のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:258のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:258のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:249のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:249のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:259のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:259のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:250のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:250のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:260のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:260のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:251のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:251のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:261のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:261のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:252のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:252のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:262のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:262のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:253のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:253のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:263のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:263のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:254のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:254のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:264のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:264のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:255のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:255のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:265のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:265のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:256のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:256のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:266のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:266のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:256のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:256のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:267のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:267のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:518のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:518のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:534のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であ
るか、もしくはSEQ ID NO:534のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:519のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:519のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:535のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:535のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:115のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:115のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:536のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:536のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:520のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:520のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:264のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:264のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:521のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:521のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:537のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:537のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:522のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:522のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:538のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:538のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:523のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:523のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:539のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:539のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:519のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:519のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:540のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:540のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:524のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:524のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:541のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:541のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:525のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:525のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:261のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:261のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:526のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:526のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:542のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:542のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:527のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:527のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:543のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:543のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:528のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:528のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:544のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:544のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:529のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:529のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:545のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:545のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:528のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:528のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:546のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:546のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:522のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:522のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:547のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:547のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:256のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:256のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:548のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:548のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:530のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:530のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:549のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:549のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:531のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:531のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:550のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:550のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:519のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:519のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:552のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:552のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:110のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:553のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:553のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:110のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:118のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:118のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:533のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:533のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:554のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:554のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:115のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:115のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:555のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:555のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VH領域が、SEQ ID NO:524のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:524のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:556のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:556のVL
領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;または該VH領域が、SEQ ID NO:519のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:519のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VL領域が、SEQ ID NO:557のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:557のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む。
【0042】
いずれかの態様のいくつかにおいて、VH領域は、SEQ ID NO:110のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、VL領域は、SEQ ID NO:116のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:116のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;VH領域は、SEQ ID NO:110のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、VL領域は、SEQ ID NO:120のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:120のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;VH領域は、SEQ ID NO:256のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:256のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、VL領域は、SEQ ID NO:267のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:267のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;またはVH領域は、SEQ ID NO:519のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:519のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、VL領域は、SEQ ID NO:535のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:535のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む。いずれかの態様のいくつかにおいて、それぞれ、VH領域は、SEQ ID NO:115のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、またはSEQ ID NO:115のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、VL領域は、SEQ ID NO:536のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、またはSEQ ID NO:536のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む。
【0043】
それぞれSEQ ID NO:110および116との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:111および117との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:110および118との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:110および119との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:110および120との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:110および121との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:110および122との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:110および123との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:112および124との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:113および125との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:114および126との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:115および127との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:247および257との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:248および258との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:249および259との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:250および260との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:251および261との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:252および262との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:253および263との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:254および264との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:255および265との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:256および266との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:256および267との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:518および534との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:519および535との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:115および536との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:520および264との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:521および537との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:522および538との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:523および539との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:519および540との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:524および541との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:525および261との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:526および542との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:527および543との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:528および544との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:529および545との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:528および546との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:522および547との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:256および548との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:530および549との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:531および550との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:519および552との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:110および553との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:110および118との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:533および554との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:115および555との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:524および556との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;またはそれぞれSEQ ID NO:519および557との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域を含む抗体またはその抗原結合断片が、本明細書において提供される。
【0044】
いずれかの態様のいくつかにおいて、抗体または抗原結合断片は、それぞれSEQ ID NO:110および116との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:110および120との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:256および267との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;またはそれぞれSEQ ID NO:519および535との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域を含む。いずれかの態様のいくつかにおいて、抗体または抗原結合断片は、それぞれSEQ ID NO:115および536との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域を含む。
【0045】
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片は、かかるSEQ ID NOと少なくとも91%もしくは少なくとも約91%、少なくとも92%もしくは少なくとも約92%、少なくとも93%もしくは少なくとも約93%、少なくとも94%もしくは少なくとも約94%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、または少なくとも99%もしくは少なくとも約99%同一であるVH領域配列および/またはかかるSEQ ID NOと少なくとも91%もしくは少なくとも約91%、少なくとも92%もしくは少なくとも約92%、少なくとも93%もしくは少なくとも約93%、少なくとも94%もしくは少なくとも約94%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、または少なくとも99%もしくは少なくとも約99%同一であるVL領域配列を含む。
【0046】
いくつかの態様において、VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:110および116のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:111および117のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:110および118のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:110および119のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:110および120のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:110および121のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:110および122のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:110および123のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:112および124のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:113および125のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:114および126のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:115および127のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:247および257のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:248および258のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:249および259のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:250および260のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:251および261のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:252および262のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:253および263のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:254および264のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:255および265のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:256および266のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:256および267のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:518および534のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:519および535のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:115および536のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:520および264のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:521および537のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:522および538のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:523および539のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:519および540のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:524および541のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:525および261のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:526および542のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:527および543のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:528および544のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:529および545のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:528および546のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:522および547のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:256および548のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:530および549のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:531および550のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:519および552のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:110および553のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:110および118のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:533および554のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:115および555のアミノ酸配列を含む;VH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:524および556のアミノ酸配列を含む;またはVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:519および557のアミノ酸配列を含む。
【0047】
いずれかの態様のいくつかにおいて、抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:110および116のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:110および120のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:256および267のアミノ酸配列を含む;あるいは抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:519および535のアミノ酸配列を含む。いずれかの態様のいくつかにおいて、抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:115および536のアミノ酸配列を含む。
【0048】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、抗体またはその抗原結合断片はBCMAタンパク質に特異的に結合する。いくつかの態様において、BCMAタンパク質はヒトBCMAタンパク質、マウスBCMAタンパク質または非ヒト霊長類BCMAタンパク質である。いくつかの態様において、BCMAタンパク質はヒトBCMAタンパク質である。いくつかの態様において、抗体または抗原結合断片はマウスBCMAまたは非ヒト霊長類BCMAにさらに特異的に結合する。いくつかの態様において、ヒトBCMAタンパク質はSEQ ID NO:367または368のアミノ酸配列を含む。
【0049】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、抗体またはその抗原結合断片は、0.1 nM~400 nMもしくは約0.1 nM~約400 nM、0.5 nM~200 nMもしくは約0.5 nM~約200 nM、1 nM~100 nMもしくは約1 nM~約100 nMまたは2 nM~50 nMもしくは約2 nM~約50 nMであるEC50でBCMAタンパク質に対する結合親和性を有する;あるいは抗体または抗原結合断片は、400 nM未満もしくは約400 nM未満、300 nM未満もしくは約300 nM未満、200 nM未満もしくは約200 nM未満、100 nM未満もしくは約100 nM未満、50 nM未満もしくは約50 nM未満、25 nM未満もしくは約25 nM未満または5 nM未満もしくは約5 nM未満であるEC50でBCMAタンパク質に対する結合親和性を有する。
【0050】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、前記抗体または抗原結合断片のヒトBCMAタンパク質に対する結合親和性は、SEQ ID NO:328、329、585および/または586のアミノ酸配列を含む抗体の該ヒトBCMAに対する結合親和性と少なくとも同程度に高いか、または実質的に同程度に高い。いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、前記抗体または抗原結合断片は、ヒトBCMAタンパク質に対する結合に関してSEQ ID NO:328、329、585および/または586のアミノ酸配列を含む抗体と競合する。いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、前記抗体または抗原結合断片は、SEQ ID NO:328、329、585および/または586のアミノ酸配列を含む抗体と同じヒトBCMAタンパク質エピトープまたは重複するヒトBCMAタンパク質エピトープに特異的に結合する。
【0051】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、前記抗体または抗原結合断片は、ヒトBCMAタンパク質に対する結合に関してSEQ ID NO:328、329、585および/または586のアミノ酸配列を含む抗体と競合しない。いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、前記抗体または抗原結合断片はSEQ ID NO:328、329、585および/または586のアミノ酸配列を含む抗体と異なるヒトBCMAタンパク質エピトープに特異的に結合する。いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、前記抗体または抗原結合断片は、SEQ ID NO:328、329、585および/または586のアミノ酸配列を含む抗体のヒトBCMAタンパク質に対する結合を80%より大きく、もしくは約80%より大きく、または90%より大きく、もしくは約90%より大きく阻害する。いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、前記ヒトBCMAタンパク質はSEQ ID NO:367または368のアミノ酸配列を含む。
【0052】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、抗体は、SEQ ID NO:328、329、585および/または586のアミノ酸配列を含む抗体内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3および/またはCDR-L1、CDR-L2、CDR-L3の配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の同一性を有するCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2および/またはCDR-L3の配列を含まない。いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、抗体は、SEQ ID NO:328のアミノ酸配列を含む抗体および/またはSEQ ID NO:329のアミノ酸配列を含む抗体および/またはSEQ ID NO:585のアミノ酸配列を含む抗体および/またはSEQ ID NO:586のアミノ酸配列を含む抗体内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3および/またはCDR-L1、CDR-L2、CDR-L3の配列を含まない。いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、抗体または抗原結合断片はヒト抗体または抗原結合断片である。
【0053】
参照抗体が特異的に結合するエピトープと同じ、任意でヒトBCMAであるBCMAタンパク質のエピトープまたは重複するエピトープに特異的に結合するヒト抗体またはその抗原結合断片であって、該参照抗体が、SEQ ID NO:328、329、585および/または586のアミノ酸配列を含む抗体もしくはその抗原結合断片または抗体であり、SEQ ID NO:328、329、585および/または586のアミノ酸配列を含む該抗体内に含まれる重鎖CDRおよび軽鎖CDRと相違する重鎖CDRおよび軽鎖CDRを含むヒト抗体またはその抗原結合断片が、本明細書において提供される。
【0054】
BCMAに特異的に結合し、BCMAに対する結合に関して参照抗体と競合するヒト抗体またはその抗原結合断片であって、該BCMAは任意でヒトBCMAであり、該参照抗体が、SEQ ID NO:328、329、585および/または586のアミノ酸配列を含む抗体もしくは抗原結合断片または抗体であり、SEQ ID NO:328、329、585および/または586のアミノ酸配列を含む該抗体内に含まれる重鎖CDRおよび軽鎖CDRと相違する重鎖CDRおよび軽鎖CDRを含むヒト抗体またはその抗原結合断片が、本明細書において提供される。
【0055】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、ヒト抗体またはその抗原結合断片はVH領域を含み、前記VH領域は、生殖系列ヌクレオチドヒト重鎖Vセグメントによってコードされるアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%の配列同一性を有する部分、生殖系列ヌクレオチドヒト重鎖Dセグメントによってコードされるアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%の配列同一性を有する部分、および/または生殖系列ヌクレオチドヒト重鎖Jセグメントによってコードされるアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%の配列同一性を有する部分を含む;および/または該抗体または抗原結合断片はVL領域を含み、前記VL領域は、生殖系列ヌクレオチドヒトカッパ鎖もしくはラムダ鎖Vセグメントによってコードされるアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%の配列同一性を有する部分および/または生殖系列ヌクレオチドヒトカッパ鎖もしくはラムダ鎖Jセグメントによってコードされるアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%の配列同一性を有する部分を含む。
【0056】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、ヒト抗体またはその抗原結合断片は、生殖系列ヌクレオチドヒト重鎖Vセグメントによってコードされる配列内のCDR-H1および/またはCDR-H2のアミノ酸配列とそれぞれ比較して、100%同一であるか、もしくはアミノ酸の違いが1個以下である配列を含むCDR-H1および/またはCDR-H2を含む;および/あるいは生殖系列ヌクレオチドヒトカッパもしくはラムダvセグメントによってコードされる配列内のCDR-L1および/またはCDR-L2のアミノ酸配列とそれぞれ比較して、100%同一であるか、もしくはアミノ酸の違いが1個以下である配列を含むCDR-L1および/またはCDR-L2を含む。
【0057】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、抗体または抗原結合断片は組換え型である。いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、抗体または抗原結合断片はモノクローナルである。いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、抗体または抗原結合断片は抗原結合断片である。いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、抗体または抗原結合断片は単鎖断片である。
【0058】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、抗体は、フレキシブルリンカーによって連結されたVH領域とVL領域を含む断片である。いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、該断片はscFvを含む。いくつかの態様において、scFvは、アミノ酸配列
を含むリンカーを含む。いくつかの態様において、scFvは、SEQ ID NO:128~139、268~278、558~576および578~583のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むか、またはSEQ ID NO:128~139、268~278、558~576および578~583のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0059】
いずれかの態様のいくつかにおいて、scFvは、SEQ ID NO:128、132、278および502のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むか、またはSEQ ID NO:128、132、278および502のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いずれかの態様のいくつかにおいて、scFvは、SEQ ID NO:560のアミノ酸配列を含むか、またはSEQ ID NO:560のアミノ酸配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0060】
いくつかの態様において、受容体は、本明細書、例えば前述の態様のいずれかに記載される抗体および断片のいずれか、または本明細書、例えば前述の態様のいずれかに記載されるVH/VLもしくはCDR配列の提供される組合せを有する抗体と同じもしくは実質的に同じBCMA上のエピトープに結合するか、あるいは本明細書、例えば前述の態様のいずれかに記載される抗体および断片のいずれか、または本明細書、例えば前述の態様のいずれかに記載されるVH/VLもしくはCDR配列の提供される組合せを有する抗体とBCMAに対する結合に関して競合する抗原結合ドメインを含む。いくつかの態様において、該結合ドメインは、BCMAポリペプチド内の1つまたは複数のアミノ酸配列の一部分を含むエピトープを認識する。いくつかの局面において、かかる1つまたは複数のアミノ酸配列は、MLMAG(SEQ ID NO:616)、YFDSL(SEQ ID NO:618)およびQLRCSSNTPPL(SEQ ID NO:619)であるか、またはMLMAG(SEQ ID NO:616)、YFDSL(SEQ ID NO:618)およびQLRCSSNTPPL(SEQ ID NO:619)を含む。いくつかの局面において、かかる1つまたは複数のアミノ酸配列は、MLMAG(SEQ ID NO:616)、YFDSLL(SEQ ID NO:620)およびQLRCSSNTPPL(SEQ ID NO:619)であるか、またはMLMAG(SEQ ID NO:616)、YFDSLL(SEQ ID NO:620)およびQLRCSSNTPPL(SEQ ID NO:619)を含む。いくつかの局面において、かかる1つまたは複数のアミノ酸配列は、MLMAG(SEQ ID NO:616)、QNEYFDSLL(SEQ ID NO:617)およびQLRCSSNTPPL(SEQ ID NO:619)であるか、またはMLMAG(SEQ ID NO:616)、QNEYFDSLL(SEQ ID NO:617)およびQLRCSSNTPPL(SEQ ID NO:619)を含む。いくつかの局面において、かかる1つまたは複数のアミノ酸配列は、QNEYF(SEQ ID NO:613)、CIPCQL(SEQ ID NO:614)およびCQRYC(SEQ ID NO:615)であるか、またはQNEYF(SEQ ID NO:613)、CIPCQL(SEQ ID NO:614)およびCQRYC(SEQ ID NO:615)を含む。いくつかの局面において、かかる1つまたは複数のアミノ酸配列は、CSQNEYF(SEQ ID NO:611に示される)およびLLHACIPCQLR(SEQ ID NO:612に示される)であるか、またはCSQNEYF(SEQ ID NO:611に示される)およびLLHACIPCQLR(SEQ ID NO:612に示される)を含む。
【0061】
また、本明細書において提供する単鎖抗体断片のいずれかを含む単鎖細胞表面タンパク質が、本明細書において提供される。いくつかの態様において、単鎖細胞表面タンパク質は、提供されるシングルドメイン抗体のいずれかを含む。
【0062】
SEQ ID NO:128~139、268~278、558~576および578~583のうちのいずれか1つから選択されるscFvアミノ酸配列を含むか、またはSEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列を含む単鎖細胞表面タンパク質が提供される。また、SEQ ID NO:128~139、268~278、558~576および578~583のうちのいずれか1つから選択されるscFvアミノ酸配列を含む単鎖細胞表面タンパク質が、本明細書において提供される。いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、scFvは、SEQ ID NO:128、132、278および502のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む。いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、scFvはSEQ ID NO:560のアミノ酸配列を含む。
【0063】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、抗体または抗原結合断片は免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部分をさらに含む。いくつかの態様において、免疫グロブリン定常領域の該一部分はヒンジ領域の少なくとも一部分を含む。いくつかの態様において、免疫グロブリン定常領域の該一部分はFc領域を含む。いくつかの態様において、Fc領域はヒトIgGのFc領域である。
【0064】
また、提供されるいずれかの抗体または抗原結合断片と、異種分子または異種部分とを含む、コンジュゲートが提供される。また、提供されるいずれかの単鎖細胞表面タンパク質を含むコンジュゲートが提供される。
【0065】
また、提供されるいずれかの抗体または抗原結合断片を含む細胞外部分と、細胞内シグナル伝達ドメインとを含む、キメラ抗原受容体(CAR)が提供される。いくつかの態様において、抗体または抗原結合断片は、VHのみのドメイン(例えば、sdAb)またはscFvを含み、細胞内シグナル伝達ドメインはITAMを含む。いくつかの態様において、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3-ゼータ(CD3ζ)鎖のゼータ鎖のシグナル伝達ドメイン、任意でヒトCD3ζまたはそのシグナル伝達部分を含む。
【0066】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、CARは、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインを連結する膜貫通ドメインをさらに含む。いくつかの態様において、膜貫通ドメインは、共刺激分子、例えばT細胞共刺激分子、例えばCD28および/または4-1BB、任意でヒトCD28の膜貫通部分を含む。いくつかの態様において、T細胞共刺激分子はCD28または4-1BBである。いくつかの態様において、細胞内シグナル伝達ドメインはまた、T細胞共刺激分子の細胞内ドメインも含む。いくつかの局面において、T細胞共刺激分子はCD28または4-1BBである。いくつかの態様において、共刺激シグナル伝達ドメインは、4-1BB、任意でヒト4-1BBの細胞内シグナル伝達ドメインを含む。
【0067】
提供されるいずれかのCARのいくつかの態様において、CARは、本明細書において提供する抗体またはその抗原結合断片と、CD28またはそのバリアントの一部分である膜貫通ドメインと、CD28またはその機能性のバリアントのシグナル伝達部分およびCD3ゼータまたはその機能性のバリアントのシグナル伝達部分を含む細胞内シグナル伝達ドメインとを含む。いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、CARは、Igヒンジ、例えばIgG4ヒンジを含むスペーサー、例えばヒンジのみのスペーサーをさらに含む。いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、CARは短縮型EGFR配列をさらに含む。いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、CARはIgカッパシグナル配列および/またはCD33シグナル配列をさらに含む。
【0068】
提供されるいずれかのCARのいくつかの態様において、CARは、本明細書において提供する抗体またはその抗原結合断片と、CD28またはそのバリアントの一部分である膜貫通ドメインと、4-1BBまたはその機能性のバリアントのシグナル伝達部分およびCD3ゼータまたはその機能性のバリアントのシグナル伝達部分を含む細胞内シグナル伝達ドメインとを含む。いくつかのかかる態様において、CARは、Igヒンジ、例えばIgG4ヒンジを含むスペーサー、例えばヒンジのみのスペーサーをさらに含む。いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、CARは短縮型EGFR配列をさらに含む。いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、CARはIgカッパシグナル配列および/またはCD33シグナル配列をさらに含む。
【0069】
提供されるいずれかの抗体もしくはその抗原結合断片、提供されるいずれかの単鎖細胞表面タンパク質、提供されるいずれかのコンジュゲート、または提供されるいずれかのCARをコードする核酸が、本明細書においてさらに提供される。いくつかの態様において、該核酸は、GM-CSFシグナル配列、CD8シグナル配列、Igカッパシグナル配列、またはCD33シグナル配列をさらにコードしている。
【0070】
また、本明細書において提供する核酸を含むベクターが提供される。いくつかの態様において、ベクターは発現ベクターである。いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、ベクターはウイルスベクターである。いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、ベクターはレトロウイルスベクターである。いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、ウイルスベクターはレンチウイルスベクターである。いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、レンチウイルスベクターはHIV-1に由来する。
【0071】
提供されるいずれかの抗体もしくはその抗原結合断片、提供されるいずれかの単鎖細胞表面タンパク質、提供されるいずれかのコンジュゲートまたは提供されるいずれかのCARを含む細胞が、本明細書において提供される。いくつかの態様において、細胞は、提供されるいずれかの抗体もしくはその抗原結合断片、提供されるいずれかの単鎖細胞表面タンパク質、提供されるいずれかのコンジュゲートまたは提供されるいずれかのCARを含む受容体(例えば、キメラ抗原受容体)を発現しする操作された細胞である。いくつかの態様において、細胞または操作された細胞はT細胞である。また、本明細書において提供するベクターを含む操作された細胞が提供される。
【0072】
提供されるいずれかの抗体もしくはその抗原結合断片、提供されるいずれかの単鎖細胞表面タンパク質、提供されるいずれかのコンジュゲート、提供されるいずれかのCARまたは提供されるいずれかの細胞を含む組成物または薬学的組成物が提供される。いくつかの態様において、組成物または薬学的組成物は薬学的に許容される賦形剤を含有している。
【0073】
提供されるいずれか1種または複数種の組成物または薬学的組成物を、BCMAと関連している疾患または障害を有する対象に投与することを含む処置方法もまた本明細書において提供される。提供されるいずれかの抗体もしくは抗原結合断片、提供されるいずれかの単鎖細胞表面タンパク質、提供されるいずれかのコンジュゲート、提供されるいずれかのCARまたは提供されるいずれかの細胞(例えば、操作されたT細胞)をBCMAと関連している疾患または障害を有する対象に投与することを含む処置方法が提供される。
【0074】
BCMAと関連している疾患または障害の処置における使用のための提供されるいずれかの組成物または薬学的組成物が、本明細書において提供される。BCMAと関連している疾患または障害を処置するための医薬の製造のための提供されるいずれかの組成物または薬学的組成物の使用が提供される。また、BCMAと関連している疾患または障害の処置のための本明細書に記載されるいずれかの組成物または薬学的組成物の使用が、本明細書において提供される。いくつかの態様において、本明細書において提供する組成物または薬学的組成物は、提供されるいずれかの抗体もしくは抗原結合断片、提供されるいずれかの単鎖細胞表面タンパク質、提供されるいずれかのコンジュゲート、提供されるいずれかのCARまたは提供されるいずれかの細胞(例えば、操作されたT細胞)を含む。
【0075】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、BCMAと関連している疾患または障害はBCMAの発現と関連している。いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、BCMAと関連している疾患または障害はB細胞関連障害である。いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、BCMAと関連している疾患または障害は自己免疫性疾患または障害である。いくつかの態様において、自己免疫性疾患または障害は全身性エリテマトーデス(SLE)、ループス腎炎、炎症性腸疾患、関節リウマチ(例えば、若年性関節リウマチ)、ANCA関連血管炎、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、自己免疫性血小板減少症、シャーガス病、グレーブス病、ウェゲナー肉芽腫症、結節性多発性動脈炎、シェーグレン症候群、尋常性天疱瘡、強皮症、多発性硬化症、乾癬、IgA腎症、IgM多発ニューロパチー、血管炎、糖尿病、レイノー症候群、抗リン脂質抗体症候群、グッドパスチャー病、川崎病、自己免疫性溶血性貧血、重症筋無力症、または進行性糸球体腎炎である。
【0076】
いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、BCMAと関連している疾患または障害はがんである。いくつかの態様において、がんはBCMA発現がんである。いくつかの態様において、がんはB細胞悪性腫瘍である。いずれかのかかる態様において、がんはリンパ腫、白血病、または形質細胞悪性腫瘍である。いくつかの態様において、リンパ腫はバーキットリンパ腫(例えば、地域性バーキットリンパ腫もしくは散発性バーキットリンパ腫)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、ホジキンリンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、濾胞性リンパ腫、小型非切れ込み核細胞性リンパ腫、粘膜関連リンパ組織リンパ腫(MALT)、辺縁帯リンパ腫、脾リンパ腫、節性単球様B細胞リンパ腫(nodal monocytoid B cell lymphoma)、免疫芽球性リンパ腫、大細胞型リンパ腫、びまん性混合細胞型リンパ腫、肺血管中心性B細胞(pulmonary B cell angiocentric)リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL)、またはマントル細胞リンパ腫(MCL)である。いくつかの態様において、白血病は慢性リンパ球性白血病(CLL)、形質細胞白血病、または急性リンパ球性白血病(ALL)である。いくつかの態様において、形質細胞悪性腫瘍は多発性骨髄腫(例えば、非分泌型多発性骨髄腫、くすぶり型多発性骨髄腫)または形質細胞腫である。本明細書における態様のいくつかにおいて、BCMAと関連している疾患または障害は、グリア芽腫、リンパ腫様肉芽腫症、移植後リンパ増殖性障害、免疫調節障害、重鎖病、原発性または免疫細胞性アミロイドーシスおよび意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症のうちの1つまたは複数である。
【0077】
[本発明1001]
SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択される重鎖可変(V H )領域アミノ酸配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有するV H 領域;ならびに
SEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択される軽鎖可変(V L )領域アミノ酸配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有するV L 領域
を含む、抗体またはその抗原結合断片。
[本発明1002]
SEQ ID NO:110、256および519のうちのいずれか1つから選択されるV H 領域アミノ酸配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有するV H 領域;ならびに
SEQ ID NO:47、51、194および416のうちのいずれか1つから選択されるV L 領域アミノ酸配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有するV L 領域
を含む、本発明1001の抗体またはその抗原結合断片。
[本発明1003]
SEQ ID NO:115のV H 領域アミノ酸配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有するV H 領域;ならびに
SEQ ID NO:536のV L 領域アミノ酸配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有するV L 領域
を含む、本発明1001の抗体またはその抗原結合断片。
[本発明1004]
それぞれSEQ ID NO:110および116との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:111および117との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:110および118との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:110および119との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:110および120との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:110および121との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:110および122との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:110および123との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:112および124との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:113および125との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:114および126との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:115および127との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:247および257との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:248および258との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:249および259との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:250および260との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:251および261との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:252および262との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:253および263との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:254および264との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:255および265との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:256および266との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:256および267との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:518および534との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:519および535との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:115および536との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:520および264との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:521および537との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:522および538との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:523および539との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:519および540との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:524および541との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:525および261との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:526および542との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:527および543との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:528および544との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:529および545との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:528および546との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:522および547との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:256および548との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:530および549との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:531および550との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:519および552との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:110および553との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:110および118との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:533および554との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:115および555との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:524および556との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;または
それぞれSEQ ID NO:519および557との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域
を含む、抗体またはその抗原結合断片。
[本発明1005]
それぞれSEQ ID NO:110および116との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:110および120との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;
それぞれSEQ ID NO:256および267との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域;または
それぞれSEQ ID NO:519および535との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域
を含む、本発明1004の抗体またはその抗原結合断片。
[本発明1006]
それぞれSEQ ID NO:115および536との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むV H 領域およびV L 領域を含む、本発明1004の抗体またはその抗原結合断片。
[本発明1007]
SEQ ID NO:1~3および140~144のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)と、SEQ ID NO:4~6、145~148および372~374のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2と、SEQ ID NO:7~11、149~157、279~287および376~378のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H3とを含む、重鎖可変(V H )領域;ならびに
SEQ ID NO:26~36、174~178、380~392および394~398のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-L1)と、SEQ ID NO:37~46、179~183、399~409および411~414のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L2と、SEQ ID NO:47~58、184~194、415~427および429~433のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L3とを含む、軽鎖可変(V L )領域
を含む、抗体またはその抗原結合断片。
[本発明1008]
前記CDR-H1が、SEQ ID NO:1および2のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含み;前記CDR-H2が、SEQ ID NO:4および5のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含み;かつ前記CDR-H3が、SEQ ID NO:7および157のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含み;かつ
前記CDR-L1が、SEQ ID NO:26、30、178および380のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含み;前記CDR-L2が、SEQ ID NO:37、39、183または400のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含み;かつ前記CDR-L3が、SEQ ID NO:47、51、194および416のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む、
本発明1007の抗体または抗原結合断片。
[本発明1009]
前記CDR-H1がSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を含み;前記CDR-H2がSEQ ID NO:5のアミノ酸配列を含み;かつ前記CDR-H3がSEQ ID NO:10のアミノ酸配列を含み;かつ
前記CDR-L1がSEQ ID NO:33のアミノ酸配列を含み;前記CDR-L2がSEQ ID NO:43のアミノ酸配列を含み;かつ前記CDR-L3がSEQ ID NO:421のアミノ酸配列を含む、
本発明1007の抗体または抗原結合断片。
[本発明1010]
重鎖可変(V H )領域および軽鎖可変(V L )領域を含む、抗体またはその抗原結合断片であって、
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4、および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:26、37、および47のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5、および8のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:27、38、および48のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4、および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:28、39、および49のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4、および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:29、40、および50のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4、および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:30、39、および51のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4、および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:31、41、および52のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4、および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:32、42、および53のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4、および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:30、39、および54のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5、および9のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:33、43、および55のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5、および10のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:34、44、および56のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:3、6、および11のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:35、45、および57のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5、および10のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:36、46、および58のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:140、145、および149のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:174、179、および184のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:141、145、および149のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:174、179、および185のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:141、145、および150のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:174、179、および186のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:142、146、および151のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:174、179、および187のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5、および152のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:175、180、および188のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:143、147、および153のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:174、179、および189のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:144、148、および154のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:176、181、および190のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:3、6、および155のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:177、182、および191のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5、および156のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:174、179、および192のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5、および157のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:178、183、および193のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5、および157のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:178、183、および194のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:2、6、および376のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:30、399、および415のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4、および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:380、400、および416のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5、および10のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:33、43、および421のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:3、6、および155のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:177、182、および191のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:3、372、および376のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:381、401、および417のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:3、6、および376のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:382、402、および418のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:3、6、および377のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:383、403、および419のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4、および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:384、39、および54のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5、および10のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:385、180、および58のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:2、373、および152のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:175、180、および188のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:3、6、および11のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:386、404、および420のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5、および378のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:33、43、および421のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5、および9のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:387、405、および422のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5、および9のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:388、406、および423のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5、および9のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:388、407、および424のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:3、6、および376のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:389、408、および425のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5、および157のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:390、183、および193のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:2、374、および9のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:391、409、および426のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4、および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:392、40、および427のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4、および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:394、39、および429のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4、および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:395、411、および430のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4、および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:28、39、および49のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5、および10のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:396、412、および431のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5、および10のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:396、412、および58のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5、および10のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:397、413、および432のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;または
該V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4、および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:398、414、および433のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む、
前記抗体またはその抗原結合断片。
[本発明1011]
前記V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4、および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ前記V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:26、37、および47のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
前記V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4、および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ前記V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:30、39、および51のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
前記V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5、および157のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ前記V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:178、183、および194のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;または
前記V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:1、4、および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ前記V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:380、400、および416のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む、
本発明1010の抗体または抗原結合断片。
[本発明1012]
前記V H 領域が、それぞれSEQ ID NO:2、5、および10のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ前記V L 領域が、それぞれSEQ ID NO:33、43、および421のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む、本発明1010の抗体または抗原結合断片。
[本発明1013]
SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるV H 領域アミノ酸配列内に含まれる重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、CDR-H2、およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含む、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3;ならびに/または
SEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるV L 領域アミノ酸配列内に含まれる軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、CDR-L2、およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含む、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3
を含む、抗体またはその抗原結合断片。
[本発明1014]
前記CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3が、SEQ ID NO:110、256および519のうちのいずれか1つから選択されるV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含み;かつ
軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、CDR-L2、およびCDR-L3が、SEQ ID NO:116、120、267および535のうちのいずれか1つから選択されるV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含む、
本発明1013の抗体またはその抗原結合断片。
[本発明1015]
前記CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3が、SEQ ID NO:115のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含み;かつ
軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、CDR-L2、およびCDR-L3が、SEQ ID NO:536のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含む、
本発明1013の抗体またはその抗原結合断片。
[本発明1016]
重鎖可変(V H )領域および軽鎖可変(V L )領域を含む、抗体またはその抗原結合断片であって、それぞれ、
該V H 領域が、SEQ ID NO:110のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:116のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:116のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:111のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:111のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:117のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:117のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:110のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:118のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:118のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:110のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:119のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:119のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:110のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:120のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:120のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:110のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:121のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:121のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:110のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:122のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:122のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:110のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:123のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:123のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:112のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:112のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:124のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:124のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:113のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:113のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:125のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:125のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:114のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:114のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:126のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:126のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:115のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:115のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:127のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:127のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:247のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:247のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:257のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:257のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:248のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:248のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:258のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:258のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:249のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:249のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:259のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:259のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:250のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:250のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:260のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:260のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:251のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:251のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:261のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:261のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:252のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:252のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:262のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:262のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:253のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:253のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:263のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:263のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:254のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:254のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:264のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:264のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:255のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:255のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:265のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:265のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:256のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:256のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:266のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:266のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:256のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:256のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:267のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:267のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:518のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:518のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:534のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:534のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:519のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:519のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:535のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:535のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:115のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:115のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:536のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:536のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:520のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:520のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:264のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:264のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:521のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:521のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:537のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:537のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:522のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:522のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:538のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:538のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:523のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:523のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:539のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:539のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:519のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:519のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:540のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:540のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:524のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:524のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:541のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:541のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:525のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:525のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:261のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:261のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:526のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:526のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:542のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:542のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:527のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:527のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:543のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:543のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:528のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:528のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:544のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:544のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:529のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:529のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:545のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:545のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:528のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:528のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:546のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:546のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:522のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:522のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:547のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:547のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:256のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:256のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:548のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:548のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:530のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:530のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:549のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:549のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:531のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:531のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:550のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:550のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:519のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:519のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:552のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:552のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:110のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:553のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:553のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:110のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:118のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:118のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:533のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:533のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:554のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:554のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:115のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:115のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:555のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:555のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
該V H 領域が、SEQ ID NO:524のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:524のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:556のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:556のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;または
該V H 領域が、SEQ ID NO:519のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:519のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ該V L 領域が、SEQ ID NO:557のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:557のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む、
前記抗体またはその抗原結合断片。
[本発明1017]
前記V H 領域が、SEQ ID NO:110のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ前記V L 領域が、SEQ ID NO:116のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:116のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
前記V H 領域が、SEQ ID NO:110のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ前記V L 領域が、SEQ ID NO:120のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:120のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;
前記V H 領域が、SEQ ID NO:256のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:256のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ前記V L 領域が、SEQ ID NO:267のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:267のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む;または
前記V H 領域が、SEQ ID NO:519のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:519のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ前記V L 領域が、SEQ ID NO:535のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:535のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む、
本発明1016の抗体またはその抗原結合断片。
[本発明1018]
それぞれ、前記V H 領域が、SEQ ID NO:115のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3であるか、またはSEQ ID NO:115のV H 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、かつ前記V L 領域が、SEQ ID NO:536のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3であるか、またはSEQ ID NO:536のV L 領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含む、
本発明1016の抗体またはその抗原結合断片。
[本発明1019]
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:110および116のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:111および117のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:110および118のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:110および119のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:110および120のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:110および121のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:110および122のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:110および123のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:112および124のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:113および125のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:114および126のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:115および127のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:247および257のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:248および258のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:249および259のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:250および260のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:251および261のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:252および262のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:253および263のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:254および264のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:255および265のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:256および266のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:256および267のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:518および534のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:519および535のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:115および536のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:520および264のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:521および537のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:522および538のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:523および539のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:519および540のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:524および541のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:525および261のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:526および542のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:527および543のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:528および544のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:529および545のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:528および546のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:522および547のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:256および548のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:530および549のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:531および550のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:519および552のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:110および553のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:110および118のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:533および554のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:115および555のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:524および556のアミノ酸配列を含む;あるいは
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:519および557のアミノ酸配列を含む、
本発明1001、1004、1007、1010、1013、および1016のいずれかの抗体または抗原結合断片。
[本発明1020]
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:110および116のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:110および120のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:256および267のアミノ酸配列を含む;あるいは
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:519および535のアミノ酸配列を含む、
本発明1001、1002、1004、1005、1007、1008、1010、1011、1013、1014、1016、および1017のいずれかの抗体またはその抗原結合断片。
[本発明1021]
抗体またはその抗原結合断片のV H 領域およびV L 領域が、それぞれSEQ ID NO:115および536のアミノ酸配列を含む、本発明1001、1003、1004、1006、1007、1009、1010、1012、1013、1015、1016、および1018のいずれかの抗体またはその抗原結合断片。
[本発明1022]
BCMAタンパク質に特異的に結合する、本発明1001~1021のいずれかの抗体または抗原結合断片。
[本発明1023]
前記BCMAタンパク質が、ヒトBCMAタンパク質、マウスBCMAタンパク質または非ヒト霊長類BCMAタンパク質である、本発明1022の抗体または抗原結合断片。
[本発明1024]
前記BCMAタンパク質が、ヒトBCMAタンパク質である、本発明1022または本発明1023の抗体または抗原結合断片。
[本発明1025]
マウスBCMAまたは非ヒト霊長類BCMAにさらに特異的に結合する、本発明1001~1024のいずれかの抗体または抗原結合断片。
[本発明1026]
前記ヒトBCMAタンパク質が、SEQ ID NO:367または368のアミノ酸配列を含む、本発明1023~1025のいずれかの抗体または抗原結合断片。
[本発明1027]
ヒト抗体または抗原結合断片である、本発明1001~1026のいずれかの抗体または抗原結合断片。
[本発明1028]
前記抗体がヒト抗体である、本発明1001~1027のいずれかの抗体またはその抗原結合断片。
[本発明1029]
生殖系列ヌクレオチドヒト重鎖Vセグメントによってコードされるアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%の配列同一性を有する部分、生殖系列ヌクレオチドヒト重鎖Dセグメントによってコードされるアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%の配列同一性を有する部分、および/または生殖系列ヌクレオチドヒト重鎖Jセグメントによってコードされるアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%の配列同一性を有する部分を含む、重鎖可変(V H )領域
を含む、および/または
生殖系列ヌクレオチドヒトカッパ鎖もしくはラムダ鎖Vセグメントによってコードされるアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%の配列同一性を有する部分および/または生殖系列ヌクレオチドヒトカッパ鎖もしくはラムダ鎖Jセグメントによってコードされるアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%の配列同一性を有する部分を含む、軽鎖可変(V L )領域
を含む、本発明1027または本発明1028の抗体または抗原結合断片。
[本発明1030]
前記CDR-H1および/またはCDR-H2が、それぞれ、生殖系列ヌクレオチドヒト重鎖Vセグメントによってコードされる配列内のCDR-H1および/またはCDR-H2のアミノ酸配列と比較して、100%同一であるか、もしくはアミノ酸の違いが1個以下である配列を含む;および/または
前記CDR-L1および/またはCDR-L2が、それぞれ、生殖系列ヌクレオチドヒトカッパもしくはラムダvセグメントによってコードされる配列内のCDR-L1および/またはCDR-L2のアミノ酸配列と比較して、100%同一であるか、もしくはアミノ酸の違いが1個以下である配列を含む、
本発明1027~1029のいずれかの抗体または抗原結合断片。
[本発明1031]
組換え型である、本発明1001~1030のいずれかの抗体または抗原結合断片。
[本発明1032]
モノクローナルである、本発明1001~1031のいずれかの抗体または抗原結合断片。
[本発明1033]
抗原結合断片である、本発明1001~1032のいずれかの抗体または抗原結合断片。
[本発明1034]
単鎖断片である、本発明1001~1033のいずれかの抗体または抗原結合断片。
[本発明1035]
前記V H 領域が、前記V L 領域のアミノ末端側にある、本発明1001~1034のいずれかの抗体または抗原結合断片。
[本発明1036]
前記V H 領域が、前記V L 領域のカルボキシ末端側にある、本発明1001~1034のいずれかの抗体または抗原結合断片。
[本発明1037]
フレキシブルリンカーによって連結された抗体V H 領域とV L 領域を含む断片である、本発明1001~1036のいずれかの抗体または抗原結合断片。
[本発明1038]
前記断片がscFvを含む、本発明1033、1034および1037のいずれかの抗体または抗原結合断片。
[本発明1039]
前記scFvが、
アミノ酸配列
を含むリンカー
を含む、本発明1038の抗体または抗原結合断片。
[本発明1040]
前記scFvが、SEQ ID NO:128~139、268~278、558~576および578~583のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むか、またはSEQ ID NO:128~139、268~278、558~576および578~583のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、本発明1038または本発明1039の抗体または抗原結合断片。
[本発明1041]
前記scFvが、SEQ ID NO:128、132、278および502のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むか、またはSEQ ID NO:128、132、278および502のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、本発明1038~1040のいずれかの抗体または抗原結合断片。
[本発明1042]
前記scFvが、SEQ ID NO:560のアミノ酸配列を含むか、またはSEQ ID NO:560のアミノ酸配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、本発明1038~1040のいずれかの抗体または抗原結合断片。
[本発明1043]
免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部分をさらに含む、本発明1001~1042のいずれかの抗体または抗原結合断片。
[本発明1044]
免疫グロブリン定常領域の前記一部分が、ヒンジ領域の少なくとも一部分を含む、本発明1043の抗体または抗原結合断片。
[本発明1045]
免疫グロブリン定常領域の前記一部分が、Fc領域を含む、本発明1044の抗体または抗原結合断片。
[本発明1046]
前記Fc領域がヒトIgGのFc領域である、本発明1045の抗体または抗原結合断片。
[本発明1047]
本発明1001~1042のいずれかの抗体または抗原結合断片を含む、単鎖細胞表面タンパク質。
[本発明1048]
SEQ ID NO:128~139、268~278、558~576および578~583のうちのいずれか1つから選択されるscFvアミノ酸配列を含む、単鎖細胞表面タンパク質。
[本発明1049]
前記scFvが、SEQ ID NO:128、132、278および502のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む、本発明1048の単鎖細胞表面タンパク質。
[本発明1050]
前記scFvがSEQ ID NO:560のアミノ酸配列を含む、本発明1048の単鎖細胞表面タンパク質。
[本発明1051]
本発明1001~1046のいずれかの抗体または抗原結合断片と、異種分子または異種部分とを含む、コンジュゲート。
[本発明1052]
本発明1001~1046のいずれかの抗体または抗原結合断片を含む細胞外部分と、細胞内シグナル伝達領域とを含む、キメラ抗原受容体(CAR)。
[本発明1053]
前記抗体または抗原結合断片がscFvを含み、かつ前記細胞内シグナル伝達領域が細胞内シグナル伝達ドメインを含む、本発明1052のキメラ抗原受容体。
[本発明1054]
前記細胞内シグナル伝達ドメインが、一次シグナル伝達ドメイン、T細胞において一次活性化シグナルを誘導することができるシグナル伝達ドメイン、T細胞受容体(TCR)成分であるシグナル伝達ドメイン、および/もしくは免疫受容体活性化チロシンモチーフ(ITAM)を含むシグナル伝達ドメインであるか、またはそれらを含む、本発明1053のキメラ抗原受容体。
[本発明1055]
前記細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3鎖、任意でCD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内シグナル伝達ドメインもしくはそのシグナル伝達部分、任意でヒトCD3ζもしくはそのシグナル伝達部分であるか、またはそれを含む、本発明1054のキメラ抗原受容体。
[本発明1056]
前記細胞外ドメインと前記細胞内シグナル伝達領域の間に配置された膜貫通ドメインをさらに含む、本発明1052~1055のいずれかのキメラ抗原受容体。
[本発明1057]
前記膜貫通ドメインが、CD28、任意でヒトCD28の膜貫通部分を含む、本発明1056のキメラ抗原受容体。
[本発明1058]
前記細胞内シグナル伝達領域が、共刺激シグナル伝達ドメインをさらに含む、本発明1052~1057のいずれかのキメラ抗原受容体。
[本発明1059]
前記共刺激シグナル伝達ドメインが、T細胞共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含む、本発明1058のキメラ抗原受容体。
[本発明1060]
前記共刺激シグナル伝達ドメインが、CD28、4-1BB、もしくはICOSの細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含む、本発明1058または本発明1059のキメラ抗原受容体。
[本発明1061]
前記共刺激シグナル伝達ドメインが、4-1BB、任意でヒト4-1BBの細胞内シグナル伝達ドメインを含む、本発明1058~1060のいずれかのキメラ抗原受容体。
[本発明1062]
前記共刺激シグナル伝達ドメインが、前記膜貫通ドメインと前記細胞内シグナル伝達ドメインの間に存在する、本発明1058~1061のいずれかのキメラ抗原受容体。
[本発明1063]
本発明1001~1046のいずれかの抗体もしくはその抗原結合断片、本発明1047~1050のいずれかの単鎖細胞表面タンパク質、本発明1051のコンジュゲート、または本発明1052~1062のいずれかのキメラ抗原受容体をコードする、ポリヌクレオチド。
[本発明1064]
GM-CSFシグナル配列、CD8シグナル配列、Igカッパシグナル配列、またはCD33シグナル配列をさらにコードする、本発明1063のポリヌクレオチド。
[本発明1065]
本発明1063または本発明1064のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
[本発明1066]
発現ベクターである、本発明1065のベクター。
[本発明1067]
ウイルスベクターである、本発明1065または本発明1066のベクター。
[本発明1068]
前記ウイルスベクターがレトロウイルスベクターである、本発明1067のベクター。
[本発明1069]
前記ウイルスベクターがレンチウイルスベクターである、本発明1067または本発明1068のベクター。
[本発明1070]
前記レンチウイルスベクターがHIV-1に由来する、本発明1069のベクター。
[本発明1071]
本発明1065~1070のいずれかのベクターを含む、操作された細胞。
[本発明1072]
本発明1001~1046のいずれかの抗体もしくは抗原結合断片または本発明1051のコンジュゲート;本発明1047~1050のいずれかの単鎖細胞表面タンパク質;あるいは本発明1052~1062のいずれかのキメラ抗原受容体を含む受容体を含む、操作された細胞。
[本発明1073]
T細胞である、本発明1071または本発明1072の操作された細胞。
[本発明1074]
本発明1001~1046のいずれかの抗体もしくはその抗原結合断片、本発明1051のコンジュゲート、本発明1047~1050のいずれかの単鎖細胞表面タンパク質、本発明1052~1062のいずれかのキメラ抗原受容体、または本発明1071~1073のいずれかの操作された細胞を含む、組成物。
[本発明1075]
薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、本発明1074の組成物。
[本発明1076]
本発明1074または本発明1075の組成物を、BCMAと関連している疾患または障害を有する対象に投与することを含む、処置方法。
[本発明1077]
本発明1001~1046のいずれかの抗体または抗原結合断片、本発明1051のコンジュゲート、本発明1047~1050のいずれかの単鎖細胞表面タンパク質、本発明1052~1062のいずれかのキメラ抗原受容体、または本発明1071~1073のいずれかの細胞を、BCMAと関連している疾患または障害を有する対象に投与することを含む、処置方法。
[本発明1078]
BCMAと関連している疾患または障害の処置における使用のための、本発明1074または本発明1075の組成物。
[本発明1079]
BCMAと関連している疾患または障害を処置するための医薬の製造のための、本発明1074または本発明1075の組成物の使用。
[本発明1080]
BCMAと関連している疾患または障害の処置のための、本発明1074または本発明1075の組成物の使用。
[本発明1081]
BCMAと関連している疾患または障害が、BCMAの発現と関連している、本発明1076~1080のいずれかの方法、使用のための組成物、または使用。
[本発明1082]
BCMAと関連している疾患または障害が、B細胞関連障害である、本発明1076~1081のいずれかの方法、使用のための組成物、または使用。
[本発明1083]
BCMAと関連している疾患または障害が、自己免疫性疾患または障害である、本発明1076~1082のいずれかの方法、使用のための組成物、または使用。
[本発明1084]
自己免疫性疾患または障害が、全身性エリテマトーデス(SLE)、ループス腎炎、炎症性腸疾患、関節リウマチ、ANCA関連血管炎、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、自己免疫性血小板減少症、シャーガス病、グレーブス病、ウェゲナー肉芽腫症、結節性多発性動脈炎、シェーグレン症候群、尋常性天疱瘡、強皮症、多発性硬化症、乾癬、IgA腎症、IgM多発ニューロパチー、血管炎、糖尿病、レイノー症候群、抗リン脂質抗体症候群、グッドパスチャー病、川崎病、自己免疫性溶血性貧血、重症筋無力症、または進行性糸球体腎炎である、本発明1083の方法、使用のための組成物、または使用。
[本発明1085]
BCMAと関連している疾患または障害が、がんである、本発明1076~1082のいずれかの方法、使用のための組成物、または使用。
[本発明1086]
がんが、BCMA発現がんである、本発明1085の方法、使用のための組成物、または使用。
[本発明1087]
がんが、B細胞悪性腫瘍である、本発明1085または本発明1086の方法、使用のための組成物、または使用。
[本発明1088]
がんが、リンパ腫、白血病、または形質細胞悪性腫瘍である、本発明1085~1087のいずれかの方法、使用のための組成物、または使用。
[本発明1089]
リンパ腫が、バーキットリンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、ホジキンリンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、濾胞性リンパ腫、小型非切れ込み核細胞性リンパ腫、粘膜関連リンパ組織リンパ腫(MALT)、辺縁帯リンパ腫、脾リンパ腫、節性単球様B細胞リンパ腫(nodal monocytoid B cell lymphoma)、免疫芽球性リンパ腫、大細胞型リンパ腫、びまん性混合細胞型リンパ腫、肺血管中心性B細胞リンパ腫(pulmonary B cell angiocentric)、小リンパ球性リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL)、またはマントル細胞リンパ腫(MCL)である、本発明1088の方法、使用のための組成物、または使用。
[本発明1090]
白血病が、慢性リンパ球性白血病(CLL)、形質細胞白血病、または急性リンパ球性白血病(ALL)である、本発明1088の方法、使用のための組成物、または使用。
[本発明1091]
形質細胞悪性腫瘍が、多発性骨髄腫(MM)または形質細胞腫である、本発明1088の方法、使用のための組成物、または使用。
本発明の他の態様を形成するために本明細書に記載される種々の態様の特性のうちの1つ、いくつかまたは全部を合わせてもよいことは理解されよう。本発明のこれらおよび他の局面は当業者に明らかとなろう。本発明のこれらおよび他の態様を、以下の詳細説明によりさらに説明する。
【発明を実施するための形態】
【0078】
詳細な説明
BCMA結合分子、例えば抗体(抗原結合抗体断片、例えば重鎖可変(VH)領域および単鎖断片、例えばscFvを含む)ならびに組換え受容体、例えばキメラ受容体ならびにかかる抗体および抗原結合断片を含む単鎖細胞表面タンパク質、かかる抗体および抗原結合断片ならびに受容体をコードする核酸、ならびにこのような抗体および抗原結合断片または受容体の発現および産生用の細胞、例えば組換え型のまたは操作された細胞が提供される。また、該抗体および抗原結合断片ならびに該抗体および抗原結合断片または受容体を発現または含有する細胞(例えば、操作された細胞)の作製方法および使用方法が提供される。また、かかる抗体、抗原結合断片、受容体または細胞を含む組成物、例えば薬学的組成物が提供される。いくつかの局面において、提供される組成物、抗体、抗原結合断片、受容体または細胞は治療または処置方法との関連において使用され得る。
【0079】
特許文書、科学論文およびデータベースを含めて、本出願において参照されるすべての刊行物は、あたかもそれぞれの個々の刊行物が個々に参照により組み入れられているかのように、すべての目的のためにその全体が参照により組み入れられる。本明細書において示される定義が、参照により本明細書に組み入れられる特許、特許出願、公開特許出願および他の刊行物において示される定義と相反するかまたは他の形で矛盾する場合は、本明細書において示される定義が、参照により本明細書に組み入れられる定義に優先する。
【0080】
本明細書において使用するセクション見出しは構成上の目的のためだけであり、記載される主題を限定するものとして解釈してはならない。
【0081】
I. BCMA結合分子
いくつかの局面において、BCMA結合分子、例えばBCMA結合ポリペプチドが提供される。かかる結合分子としては、BCMAタンパク質、例えばヒトBCMAタンパク質に特異的に結合する抗体(抗原結合断片を含む)が挙げられる。また、中でも、該結合分子は、かかる抗体、例えば単鎖細胞表面タンパク質を含むポリペプチド、例えば、かかる抗体を含む組換え受容体、例えばキメラ抗原受容体(CAR)である。
【0082】
A. BCMA抗体
機能性抗原結合断片を含む、抗BCMA抗体が提供される。いくつかの態様において、抗体または抗原結合断片は、軽鎖の抗原結合部位(例えば、軽鎖可変(VL)領域)と対合していない状態で、および/またはなんら追加の抗体ドメインもしくは結合部位なしでBCMAに特異的に結合することができる重鎖可変(VH)領域を含むシングルドメイン抗体であるものを含む。また、中でも、抗体または抗原結合断片は、シングルドメイン抗体のVHドメインまたはその抗原結合部位で構成されたマルチドメイン抗体、例えばVHドメインとVLドメインを含むものである。いくつかの態様において、抗体または抗原結合断片は、重鎖可変領域と軽鎖可変領域、例えばscFvを含む。抗体は、BCMA、例えばヒトBCMAに特異的に結合する抗体を含む。中でも、提供される抗BCMA抗体はヒト抗体である。抗体は単離された抗体を含む。また、かかる抗体、例えば単鎖タンパク質を含むBCMA結合分子、融合タンパク質および/または組換え受容体、例えばキメラの受容体、例えば抗原受容体が提供される。BCMA結合分子は単離された分子を含む。
【0083】
本明細書における用語「抗体」は、最も広い意味で使用しており、ポリクローナル抗体ならびにモノクローナル抗体、例えばインタクトな抗体および機能性(抗原結合)抗体断片、例えば断片抗原結合(fragment antigen binding)(Fab)断片、F(ab’)2断片、Fab’断片、Fv断片、組換えIgG(rIgG)断片、抗原に特異的に結合することができる重鎖可変(VH)領域、単鎖抗体断片、例えば単鎖可変断片(scFv)およびシングルドメイン抗体(例えば、sdAb、sdFv、ナノボディ)断片を含む。この用語は、遺伝子操作されたおよび/または他の方法で修飾された形態の免疫グロブリン、例えばイントラボディ、ペプチボディ、キメラ抗体、完全ヒト抗体、ヒト化抗体、ならびにヘテロコンジュゲート抗体、多重特異性、例えば二重特異または三重特異性抗体、ダイアボディ、トリアボディおよびテトラボディ、タンデムジ-scFv、タンデムトリ-scFvを包含している。特に記載のない限り、用語「抗体」は、本明細書において「抗原結合断片」とも称されるその機能性抗体断片を包含していると理解されたい。この用語はまた、インタクトな、または完全長の抗体、例えば、いずれかのクラスまたはサブクラスの抗体、例えば、IgGおよびそのサブクラス、IgM、IgE、IgAならびにIgDも包含している。
【0084】
「超可変領域」または「HVR」と同義の用語「相補性決定領域」および「CDR」は、抗体の可変領域内の抗原特異性および/または結合親和性を付与する非連続アミノ酸配列を示すことが当技術分野において公知である。一般に、各重鎖可変領域に3つのCDR(CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3)および各軽鎖可変領域に3つのCDR(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3)が存在する。「フレームワーク領域」および「FR」は、重鎖および軽鎖の可変領域の非CDR部分を示すことが当技術分野において公知である。一般に、各完全長重鎖可変領域に4つのFR(FR-H1、FR-H2、FR-H3およびFR-H4)ならびに各完全長軽鎖可変領域に4つのFR(FR-L1、FR-L2、FR-L3およびFR-L4)が存在する。
【0085】
所与のCDRまたはFRの厳密なアミノ酸配列の境界は、いくつかの周知のスキームのいずれか、例えば、Kabat et al.(1991),“Sequences of Proteins of Immunological Interest,”5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD(「Kabat」ナンバリングスキーム);Al-Lazikani et al.,(1997)JMB 273,927-948(「Chothia」ナンバリングスキーム);MacCallum et al.,J.Mol.Biol.262:732-745(1996),“Antibody- antigen interactions:Contact analysis and binding site topography,”J.Mol.Biol.262,732-745.”(「Contact」ナンバリングスキーム);Lefranc MP et al.,“IMGT unique numbering for immunoglobulin and T cell receptor variable domains and Ig superfamily V-like domains,”Dev Comp Immunol,2003 Jan;27(1):55-77(「IMGT」ナンバリングスキーム);Honegger A and Plueckthun A,“Yet another numbering scheme for immunoglobulin variable domains:an automatic modeling and analysis tool,”J Mol Biol,2001 Jun 8;309(3):657-70,(「Aho」ナンバリングスキーム);およびMartin et al.,“Modeling antibody hypervariable loops:a combined algorithm,”PNAS,1989,86(23):9268-9272,(「AbM」ナンバリングスキーム)に記載のものを用いて容易に決定され得る。
【0086】
所与のCDRまたはFRの境界は、同定のために使用されるスキームによって異なり得る。例えば、Kabatスキームは構造アラインメントに基づいているが、Chothiaスキームは構造情報に基づいている。KabatおよびChothiaスキームでのナンバリングはともに、最も一般的な抗体領域の配列全長に基づいており、いくつかの抗体では挿入が挿入文字、例えば「30a」によって対応され、欠失がみられる。この2つのスキームでは特定の挿入および欠失(「インデル」)が異なる位置に配置され、ナンバリングの違いが生じる。Contactスキームは複合体の結晶構造の解析に基づいており、多くの点でChothiaナンバリングスキームと類似している。AbMスキームは、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェアによって使用されるものに基づいたKabatの定義とChothiaの定義の折衷法である。
【0087】
以下の表1に、それぞれKabat、Chothia、AbMおよびContactスキームによって同定されるCDR-L1、CDR-L2、CDR-L3およびCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3の例示的な境界の位置を列記する。CDR-H1については、残基ナンバリングをKabatおよびChothiaの両方のナンバリングスキームを用いて列記する。FRはCDR間に位置し、例えばFR-L1はCDR-L1の前に位置し、FR-L2はCDR-L1とCDR-L2の間に位置し、FR-L3はCDR-L2とCDR-L3の間に位置するなどである。示したKabatナンバリングスキームではH35AとH35Bに挿入が配置されるため、示したKabatナンバリング法を用いてナンバリングしたときのChothia CDR-H1ループの終点はループの長さに応じてH32とH34の間で異なることに注意されたい。
【0088】
(表1)種々のナンバリングスキームによるCDRの境界
1 - Kabat et al.(1991),“Sequences of Proteins of Immunological Interest,”5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD
2 - Al-Lazikani et al.,(1997)JMB 273,927-948
【0089】
したがって、特に指定のない限り、所与の抗体またはその領域、例えばその可変領域の「CDR」すなわち「相補性(complementary)決定領域」または明示された個々のCDR(例えばCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3)は、前述のスキームのいずれかまたは他の公知のスキームによって定義される、ある(または具体的な)相補性決定領域を包含していると理解されたい。例えば、特定のCDR(例えば、CDR-H3)が所与のVHまたはVL領域のアミノ酸配列内の対応するCDRのアミノ酸配列を含むと記載されている場合、かかるCDRは、前述のスキームのいずれかまたは他の公知のスキームによって定義される可変領域内の対応するCDR(例えば、CDR-H3)の配列を有すると理解される。いくつかの態様において、具体的なCDR配列が明示される。提供される抗体の例示的なCDR配列は、種々のナンバリングスキームを用いて記載している(例えば、表2、表3および表4参照)が、提供される抗体は、前述のその他のナンバリングスキームのいずれかまたは当業者に公知の他のナンバリングスキームにより記載されるCDRを含むものであり得ると理解されたい。
【0090】
同様に、特に指定のない限り、所与の抗体またはその領域、例えばその可変領域のFRまたは明示された個々のFR(例えば、FR-H1、FR-H2、FR-H3、FR-H4)は、公知のスキームのいずれかによって定義される、ある(または具体的な)フレームワーク領域を包含していると理解されたい。いくつかの場合において、特定のCDR、FRまたは複数のFRもしくはCDRの同定のスキームが、例えば、Kabat、Chothia、AbMもしくはContact法または他の公知のスキームによって定義されるCDRのように明示される。他の場合では、CDRまたはFRの具体的なアミノ酸配列が示される。
【0091】
用語「可変領域」または「可変ドメイン」は、抗体の抗原への結合に関与する抗体重鎖または軽鎖のドメインを示す。天然状態の抗体の重鎖および軽鎖の可変領域(それぞれ、VHおよびVL)一般的に類似した構造を有し、各ドメインは4つの保存されたフレームワーク領域(FR)と3つのCDRを含む。(例えば、Kindt et al.Kuby Immunology,6th ed.,W.H.Freeman and Co.,page 91(2007)参照。単一のVHドメインまたはVLドメインは抗原結合に特異性を付与するのに充分であり得る。さらに、特定の抗原に結合する抗体は、該抗原に結合する抗体由来のVHドメインまたはVLドメインを用いて単離され、それぞれ相補的なVLドメインまたはVHドメインのライブラリーがスクリーニングされ得る。例えば、Portolano et al.,J.Immunol.150:880-887(1993);Clarkson et al.,Nature 352:624-628(1991)を参照のこと。
【0092】
中でも、提供される抗体は抗体断片である。「抗体断片」または「抗原結合断片」は、インタクトな抗体が結合する抗原に結合する該インタクトな抗体の一部分を含む、インタクトな抗体以外の分子を示す。抗体断片の例としては、限定するわけではないが、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2;ダイアボディ;線状抗体;重鎖可変(VH)領域、単鎖抗体分子、例えばscFvおよびVH領域のみを含むシングルドメイン抗体;ならびに抗体断片から形成された多重特異性抗体が挙げられる。いくつかの態様において、抗体は、重鎖可変(VH)および軽鎖可変(VL)領域を含む抗体断片であるか、または重鎖可変(VH)および軽鎖可変(VL)領域を含む抗体断片を含む。特定の態様において、抗体は、重鎖可変(VH)領域および/または軽鎖可変(VL)領域を含む単鎖抗体断片、例えばscFvである。
【0093】
シングルドメイン抗体(sdAb)は、抗体の重鎖可変領域の全部もしくは一部分または軽鎖可変領域の全部もしくは一部分を含む抗体断片である。一部の特定の態様において、シングルドメイン抗体はヒトシングルドメイン抗体である。
【0094】
抗体断片は、種々の手法、例えば限定するわけではないが、インタクトな抗体のタンパク質分解性消化ならびに組換え宿主細胞による産生によって作製され得る。いくつかの態様において、抗体は組換え産生断片、例えば天然に存在しない構成を含む断片、例えば、合成リンカー、例えばペプチドリンカーによって連結された2つまたはそれ以上の抗体領域または抗体鎖を有するもの、および/または天然に存在しているインタクトな抗体の酵素消化では生成し得ない構成を含む断片である。いくつかの局面において、抗体断片はscFvである。
【0095】
「ヒト化」抗体は、全部もしくは実質的に全部のCDRアミノ酸残基が非ヒトCDRに由来し、全部もしくは実質的に全部のFRアミノ酸残基がヒトFRに由来する抗体である。ヒト化抗体は任意で、ヒト抗体に由来する抗体定常領域の少なくとも一部分を含み得る。非ヒト抗体の「ヒト化形態」は、典型的にはヒトに対する免疫原性を低減するためにヒト化が行なわれているが非ヒト親抗体の特異性および親和性を保持している非ヒト抗体のバリアントを示す。いくつかの態様において、ヒト化抗体内のいくつかのFR残基は、例えば抗体の特異性または親和性を回復または改善するために、非ヒト抗体(例えば、CDR残基が由来する抗体)由来の対応する残基で置換される。
【0096】
中でも、提供される抗BCMA抗体はヒト抗体である。「ヒト抗体」は、ヒトもしくはヒト細胞によって、またはヒト抗体レパートリーもしくは他のヒト抗体コード配列が利用される非ヒト供給源、例えばヒト抗体ライブラリーによって産生される抗体のものに対応するアミノ酸配列を有する抗体である。この用語は、非ヒト抗原結合領域を含む非ヒト抗体のヒト化形態、例えば全部もしくは実質的に全部のCDRが非ヒトであるものを除外する。この用語は、ヒト抗体の抗原結合断片を含む。
【0097】
ヒト抗体は、免疫原を、抗原刺激に応答してインタクトなヒト抗体またはヒト可変領域を有するインタクトな抗体を産生するように修正されたトランスジェニック動物に投与することにより調製され得る。かかる動物は典型的には、内在性免疫グロブリン座位と置き換えられるか、または染色体外に存在するか、もしくは該動物の染色体内にランダムに組み込まれるヒト免疫グロブリン座位の全部もしくは一部分を含む。かかるトランスジェニック動物では、内在性免疫グロブリン座位は一般的に不活性化されている。また、ヒト抗体は、ヒトレパートリーに由来する抗体コード配列を含むヒト抗体ライブラリー、例えばファージディスプレイおよび無細胞ライブラリーに由来するものであってもよい。
【0098】
中でも、提供される抗体は、モノクローナル抗体断片を含む、モノクローナル抗体である。本明細書で使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均一系の抗体集団から得られる抗体または実質的に均一系の抗体集団内の抗体を示す、すなわち、該集団を構成する個々の抗体は、天然に存在している変異を含むか、またはモノクローナル抗体調製物の作製中に生じる考えられ得るバリアント以外は同一であり、かかるバリアントは微量で一般的に存在する。典型的には異なるエピトープに指向されるいろいろな抗体を含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は抗原上の1種類のエピトープに指向される。この用語は、抗体がなんらかの特定の方法によって産生されることを必要とすると解釈されるべきでない。モノクローナル抗体は、さまざまな手法、例えば限定するわけではないが、ハイブリドーマからの生成、組換えDNA法、ファージディスプレイおよび他の抗体ディスプレイ法によって作製され得る。
【0099】
用語「ポリペプチド」および「タンパク質」は、アミノ酸残基のポリマーを示すために互換的に使用され、最小限の長さに制限はない。ポリペプチド、例えば提供される抗体および抗体鎖ならびに他のペプチド、例えばリンカーおよびBCMA結合ペプチドは、天然および/または非天然のアミノ酸残基を含むアミノ酸残基を含み得る。この用語はまた、ポリペプチドの発現後修飾、例えばグリコシル化、シアリル化、アセチル化、リン酸化なども含む。いくつかの局面において、ポリペプチドは、該タンパク質が所望の活性を維持している限り、天然状態または天然の配列に対する修飾を含んでいてもよい。このような修飾は、部位特異的変異誘発によるような意図的なものであってもよく、または例えばタンパク質を産生する宿主の変異またはPCR増幅によるエラーによる偶発的なものであってもよい。
【0100】
a. 例示的な抗体
いくつかの態様において、抗体、例えば抗BCMA抗体またはその抗原結合断片は、本記載の重鎖および/または軽鎖の可変(VHおよび/またはVL)領域配列またはその充分な抗原結合部分を含む。いくつかの態様において、抗BCMA抗体またはその抗原結合断片は、本記載のCDR-H1、CDR-H2および/またはCDR-H3を含むVH領域配列またはその充分な抗原結合部分を含む。いくつかの態様において、抗BCMA抗体またはその抗原結合断片は、本記載のCDR-L1、CDR-L2および/またはCDR-L3を含むVL領域配列または充分な抗原結合部分を含む。いくつかの態様において、抗BCMA抗体またはその抗原結合断片は、本記載のCDR-H1、CDR-H2および/またはCDR-H3を含むVH領域配列を含み、本記載のCDR-L1、CDR-L2および/またはCDR-L3を含むVL領域配列を含む。また、中でも、提供される抗体は、かかる配列と少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、少なくとも91%もしくは少なくとも約91%、少なくとも92%もしくは少なくとも約92%、少なくとも93%もしくは少なくとも約93%、少なくとも94%もしくは少なくとも約94%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、または少なくとも99%もしくは少なくとも約99%同一である配列を有するものである。
【0101】
いくつかの態様において、抗体、例えばその抗原結合断片は、SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列またはSEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する重鎖可変(VH)領域を有するか、あるいはかかるVH配列内に存在するCDR-H1、+CDR-H2および/またはCDR-H3を含む。
【0102】
いくつかの態様において、抗BCMA抗体のVH領域は、アミノ酸配列X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12X13X14(SEQ ID NO:355)を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)を含むものであり、ここで、X1はA、D、E、G、L、VまたはWであり;X2はA、D、G、L、P、QまたはSであり;X3はA、D、G、LまたはYであり;X4はD、G、P、R、S、V、Yまたは無しであり;X5はD、I、P、S、T、Yまたは無しであり;X6はA、G、I、S、T、V、Yまたは無しであり;X7はA、D、E、F、L、P、S、Yまたは無しであり;X8はP、Q、T、Yまたは無しであり;X9はD、G、R、Yまたは無しであり;X10はA、F、Yまたは無しであり;X11はD、Fまたは無しであり;X12はFまたは無しであり;X13はD、TまたはYであり;X14はI、L、N、VまたはYである。いくつかのかかる態様では、前記CDR-H3において、X1はVであり;X2はDであり;X3はGであり;X4はDであり;X5はYであり;X6はVであり;X7はDであり;X8は無しであり;X9は無しであり;X10は無しであり;X11は無しであり;X12は無しであり;X13はDであり;X14はYである。
【0103】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、KabatナンバリングによるSEQ ID NO:7~11、149~157、279~287および376~378のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、ChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:7~11、149~157、279~287および376~378のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有するCDR-H3を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、Kabatナンバリング、ChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:9のアミノ酸配列を有するCDR-H3を含む。かかる例のいずれかにおいて、提供される抗体またはその抗原結合断片は、内部に含まれる対応するCDR-H3配列(例えば、Kabatナンバリングによるアミノ酸残基H95~H102に対応)が、KabatナンバリングによるSEQ ID NO:7~11、149~157、279~287および376~378のうちのいずれか1つまたはChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:7~11、149~157、279~287および376~378のうちのいずれか1つから選択されるCDR-H3配列で置き換えられているSEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域配列を含み得る。
【0104】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、Kabatナンバリング、ChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:7~10、149、153~157および376のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、Kabatナンバリング、ChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:7、9、10および157のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、Kabatナンバリング、ChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:10および157のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む。
【0105】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H3を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、SEQ ID NO:112のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H3を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、SEQ ID NO:110~113、115、248、252~256および518~522のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H3を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、SEQ ID NO:110、112、115、256および519のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H3を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、SEQ ID NO:115のおよび256のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H3を含む。
【0106】
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、X1がDまたはSであり;X2がYまたはSであり;X3がA、G、WまたはYであり;X4がH、QまたはSであるX1X2X3MX4(SEQ ID NO:353)のアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)を含むものである。いくつかの態様では、前記CDR-H1において、X1はDであり;X2はYであり;X3はYであり;X4はSである。
【0107】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、KabatナンバリングによるSEQ ID NO:1~3および140~144のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有するCDR-H1を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、ChothiaナンバリングによるSEQ ID NO:12~15および158~160のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有するCDR-H1を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、AbMナンバリングによるSEQ ID NO:19~22、165~169および509のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有するCDR-H1を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、SEQ ID NO:2、13または20のアミノ酸配列を有するCDR-H1を含む。かかる例のいずれかにおいて、提供される抗体またはその抗原結合断片は、内部に含まれる対応するCDR-H1配列(例えば、Kabatナンバリングによるアミノ酸残基H31~H35に対応)が、KabatナンバリングによるSEQ ID NO:1~3および140~144のうちのいずれか1つ、ChothiaナンバリングによるSEQ ID NO:12~15および158~160のうちのいずれか1つまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:19~22、165~169および509のうちのいずれか1つから選択されるCDR-H1配列で置き換えられているSEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域配列を含み得る。
【0108】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、KabatナンバリングによるSEQ ID NO:1~3、141、143および144のうちのいずれか1つ、ChothiaナンバリングによるSEQ ID NO:12~15、158および160のうちのいずれか1つまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:19~22、166、168もしくは169のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有するCDR-H1を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、KabatナンバリングによるSEQ ID NO:1および2のうちのいずれか1つ、ChothiaナンバリングによるSEQ ID NO:12および13のうちのいずれか1つまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:19および20のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有するCDR-H1を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、KabatナンバリングによるSEQ ID NO:2、ChothiaナンバリングによるSEQ ID NO:13またはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:20のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有するCDR-H1を含む。
【0109】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、SEQ ID NO:112のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、SEQ ID NO:110~113、115、248、252~256および518~522のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、SEQ ID NO:110、112、115、256および519のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、SEQ ID NO:115および256のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1を含む。
【0110】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、X1IX2X3X4X5X6X7X8X9X10X11YX12X13X14X15X16X17(SEQ ID NO:354)のアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)を含むものであり、ここで、X1はF、G、H、V、WまたはYであり;X2はN、R、SまたはVであり;X3はP、Q、S、V、WまたはYであり;X4はKまたは無しであり;X5はAまたは無しであり;X6はD、G、N、SまたはYであり;X7はGまたはSであり;X8はGまたはSであり;X9はE、G、N、TまたはSであり;X10はI、KまたはTであり;X11はE、G、NまたはYであり;X12はAまたはVであり;X13はA、DまたはQであり;X14はKまたはSであり;X15はFまたはVであり;X16はKまたはQであり;X17はEまたはGである。前記CDR-H2におけるいくつかの態様において、X1はYであり;X2はSであり、X3はSであり;X4は無しであり;X5は無しであり;X6はSであり;X7はGであり;X8はSであり;X9はTであり;X10はIであり;X11はYであり;X12はAであり;X13はDであり;X14はSであり;X15はVであり;X16はKであり;X17はGである。
【0111】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、KabatナンバリングによるSEQ ID NO:4~6、145~148および372~374のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、ChothiaナンバリングによるSEQ ID NO:16~18、161~164および514~516のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、AbMナンバリングによるSEQ ID NO:23~25、170~173および510~512のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、KabatナンバリングによるSEQ ID NO:5のアミノ酸配列を有するCDR-H2を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、ChothiaナンバリングによるSEQ ID NO:17のアミノ酸配列を有するCDR-H2を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、AbMナンバリングによるSEQ ID NO:24のアミノ酸配列を有するCDR-H2を含む。かかる例のいずれかにおいて、提供される抗体またはその抗原結合断片は、内部に含まれる対応するCDR-H2配列(例えば、Kabatナンバリングによるアミノ酸残基H50~H65に対応)が、SEQ ID NO:4~6、145~148および372~374のうちのいずれか1つ、ChothiaナンバリングによるSEQ ID NO:16~18、161~164および514~516のうちのいずれか1つまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:23~25、170~173および510~512のうちのいずれか1つから選択されるCDR-H2配列で置き換えられているSEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域配列を含み得る。
【0112】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、KabatナンバリングによるSEQ ID NO:4~6、145、147、148および372のうちのいずれか1つ、ChothiaナンバリングによるSEQ ID NO:16~18、161、163、164および514のうちのいずれか1つまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:23~25、170、172、173および510のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有するCDR-H2を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、KabatナンバリングによるSEQ ID NO:4および5のうちのいずれか1つ、ChothiaナンバリングによるSEQ ID NO:16および17のうちのいずれか1つまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:23および24のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有するCDR-H2を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、KabatナンバリングによるSEQ ID NO:5、ChothiaナンバリングによるSEQ ID NO:17またはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:24のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有するCDR-H2を含む。
【0113】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H2を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、SEQ ID NO:112のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H2を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、SEQ ID NO:110~113、115、248、252~256および518~522のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H2を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、SEQ ID NO:110、112、115、256および519のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H2を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、SEQ ID NO:115および256のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H2を含む。
【0114】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、KabatナンバリングによるSEQ ID NO:1~3および140~144のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列であるか、またはKabatナンバリングによるSEQ ID NO:1~3および140~144のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H1;KabatナンバリングによるSEQ ID NO:4~6、145~148および372~374のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列であるか、またはKabatナンバリングによるSEQ ID NO:4~6、145~148および372~374のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2;ならびにKabatナンバリングによるSEQ ID NO:7~11、149~157、279~287および376~378のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列であるか、またはKabatナンバリングによるSEQ ID NO:7~11、149~157、279~287および376~378のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、ChothiaナンバリングによるSEQ ID NO:12~15および158~160のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列であるか、またはChothiaナンバリングによるSEQ ID NO:12~15および158~160のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H1;ChothiaナンバリングによるSEQ ID NO:16~18、161~164および514~516のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列であるか、またはChothiaナンバリングによるSEQ ID NO:16~18、161~164および514~516のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2;ならびにChothiaナンバリングによるSEQ ID NO:7~11、149~157、279~287および376~378のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列であるか、またはChothiaナンバリングによるSEQ ID NO:7~11、149~157、279~287および376~378のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、AbMナンバリングによるSEQ ID NO:19~22、165~169および509のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列であるか、またはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:19~22、165~169および509のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H1;AbMナンバリングによるSEQ ID NO:23~25、170~173および510~512のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列であるか、またはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:23~25、170~173および510~512のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2;ならびにAbMナンバリングによるSEQ ID NO:7~11、149~157、279~287および376~378のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列であるか、またはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:7~11、149~157、279~287および376~378のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む。
【0115】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、表2および表4に示したようなKabatナンバリングによるCDR-H1、CDR-H2および/またはCDR-H3を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、表4に示したようなChothiaナンバリングによるCDR-H1、CDR-H2および/またはCDR-H3を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、表4に示したようなAbMナンバリングによるCDR-H1、CDR-H2および/またはCDR-H3を含む。
【0116】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、それぞれKabatナンバリングによるSEQ ID NO:1、4および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:2、5および8のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:2、5および9のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:2、5および10のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:3、6および11のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:140、145および149のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:141、145および149のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:141、145および150のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:142、146および151のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:2、5および152のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:143、147および153のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:144、148および154のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:3、6および155のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:2、5および156のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:2、5および157のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:2、6および376のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:3、372および376のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:3、6および376のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:3、6および377のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:2、373および152のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:2、5および378のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;それぞれSEQ ID NO:2、374および9のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3からなる群より選択されるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含むVH領域を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、それぞれKabatナンバリングによるSEQ ID NO:2、5および9のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含むVH領域を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、それぞれChothiaナンバリングによるSEQ ID NO:13、17および9のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含むVH領域を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、それぞれAbMナンバリングによるSEQ ID NO:20、24および9のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含むVH領域を含む。
【0117】
例えば、本明細書において提供する抗体またはその抗原結合断片は、中でも:それぞれKabatナンバリングによるSEQ ID NO:1、4および7;SEQ ID NO:2、5および8;SEQ ID NO:2、5および9;SEQ ID NO:2、5および10;SEQ ID NO:3、6および11;SEQ ID NO:140、145および149;SEQ ID NO:141、145および149;SEQ ID NO:141、145および150;SEQ ID NO:142、146および151;SEQ ID NO:2、5および152;SEQ ID NO:143、147および153;SEQ ID NO:144、148および154;SEQ ID NO:3、6および155;SEQ ID NO:2、5および156;SEQ ID NO:2、5および157;SEQ ID NO:2、6および376;SEQ ID NO:3、372および376;SEQ ID NO:3、6および376;SEQ ID NO:3、6および377;SEQ ID NO:2、373および152;SEQ ID NO:2、5および378;SEQ ID NO:2、374および9から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含むVH領域を含む。
【0118】
いくつかの態様において、本明細書において提供する抗体またはその抗原結合断片は、中でも:それぞれKabatナンバリングによるSEQ ID NO:1、4および7;SEQ ID NO:2、5および8;SEQ ID NO:2、5および9;SEQ ID NO:2、5および10;SEQ ID NO:141、145および149;SEQ ID NO:143、147および153;SEQ ID NO:144、148および154;SEQ ID NO:3、6および155;SEQ ID NO:2、5および156;SEQ ID NO:2、5および157;SEQ ID NO:2、6および376;SEQ ID NO:3、372および376;ならびにSEQ ID NO:3、6および376から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含むVH領域を含む。いくつかの態様において、本明細書において提供する抗体またはその抗原結合断片は、中でも:それぞれKabatナンバリングによるSEQ ID NO:1、4および7;SEQ ID NO:2、5および9;SEQ ID NO:2、5および10;ならびにSEQ ID NO:2、5および157から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含むVH領域を含む。いくつかの態様において、本明細書において提供する抗体またはその抗原結合断片は、中でも:それぞれKabatナンバリングによるSEQ ID NO:2、5および10;ならびにSEQ ID NO:2、5および157から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含む VH領域を含む。
【0119】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、SEQ ID NO:112のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、SEQ ID NO:110~113、115、248、252~256および518~522のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、SEQ ID NO:110、112、115、256および519のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、SEQ ID NO:115および256のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含む。
【0120】
本明細書において提供する抗体またはその抗原結合断片のいくつかの態様において、VH領域は、本記載のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3のいずれかを含み、SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるフレームワーク領域1(FR1)、FR2、FR3および/またはFR4との、それぞれ少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有するFR1、FR2、FR3および/またはFR4を含む。例えば、抗BCMA抗体またはその抗原結合断片は、SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3ならびにSEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるフレームワーク領域(例えば、FR1、FR2、FR3および/またはFR4)との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の配列同一性を含むフレームワーク領域(例えば、FR1、FR2、FR3および/またはFR4)を含み得る。いくつかの態様において、VH領域は、SEQ ID NO:59~63、195~203および434~439のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むFR1;SEQ ID NO:64~66および204~209のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むFR2;SEQ ID NO:67~69、210~216、441および443のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むFR3;および/またはSEQ ID NO:70~71、217~220、444および445のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むFR4から選択されるFR1、FR2、FR3および/またはFR4を含む。いくつかの態様において、VH領域は、SEQ ID NO:61のアミノ酸配列を含むFR1、SEQ ID NO:65のアミノ酸配列を含むFR2、SEQ ID NO:69のアミノ酸配列を含むFR3および/またはSEQ ID NO:70のアミノ酸を含むFR4を含む。
【0121】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むVH領域を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、SEQ ID NO:110~113、115、248、252~256および518~522のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むVH領域を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、SEQ ID NO:110、112、115、256および519のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むVH領域を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、SEQ ID NO:115および256のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むVH領域を含む。
【0122】
また、かかる配列と少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、少なくとも91%もしくは少なくとも約91%、少なくとも92%もしくは少なくとも約92%、少なくとも93%もしくは少なくとも約93%、少なくとも94%もしくは少なくとも約94%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、または少なくとも99%もしくは少なくとも約99%同一である配列を有する抗体およびその抗原結合断片が提供される。例えば、SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域を含む抗体または抗原結合断片が、本明細書において提供される。
【0123】
いくつかの態様において、抗体は、VH領域配列のみまたはその充分な抗原結合部分、例えば上記のVH配列のいずれか(例えば、CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3および/またはCDR-H4)を含むシングルドメイン抗体(sdAb)である。
【0124】
いくつかの態様において、VH領域を含む本明細書において提供する抗体(例えば、抗BCMA抗体)またはその抗原結合断片は、軽鎖またはその充分な抗原結合部分をさらに含む。例えば、いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片は、VH領域およびVL領域、またはVH領域およびVL領域の充分な抗原結合部分を含む。かかる態様において、VH領域配列は上記のVH配列のいずれかであり得る。いくつかのかかる態様において、抗体は抗原結合断片、例えばFabまたはscFvである。いくつかのかかる態様において、抗体は、定常領域もまた含む完全長抗体である。
【0125】
いくつかの態様において、抗体、例えばその抗原結合断片は、SEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列またはSEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖可変(VL)領域を有する。
【0126】
いくつかの態様において、本明細書に記載される抗体(例えば、抗BCMA抗体)またはその抗原結合断片のVL領域は、アミノ酸配列X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12、(SEQ ID NO:358)を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)を含むものであり、ここで、X1はA、C、G、H、I、QまたはSであり;X2はA、Q、SまたはVであり;X3はS、WまたはYであり;X4はD、F、G、HまたはYであり;X5はD、G、M、R、SまたはTであり;X6はA、G、H、L、R、S、TまたはYであり;X7はL、P、R、Sまたは無しであり;X8はD、G、N、R、S、Tまたは無しであり;X9はA、G、H、L、Pまたは無しであり;X10はF、Sまたは無しであり;X11はL、P、WまたはYであり;X12はS、TまたはVである。いくつかの態様では、前記CDR-L3において、X1はHであり;X2はVであり;X3はWであり;X4はDであり;X5はRであり;X6はSであり;X7はRであり;X8はDであり;X9はHであり;X10は無しであり;X11はYであり;X12はVである。
【0127】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、Kabatナンバリング、ChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:47~58、184~194、415~427および429~433のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、Kabatナンバリング、ChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:55のアミノ酸配列を有するCDR-L3を含む。かかる例のいずれかにおいて、提供される抗体またはその抗原結合断片は、内部に含まれる対応するCDR-L3配列(例えば、Kabatナンバリングによるアミノ酸残基L89~L97に対応)が、Kabatナンバリング、ChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:47~58、184~194、415~427および429~433のうちのいずれか1つから選択されるCDR-L3配列で置き換えられているSEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域配列を含み得る。
【0128】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、Kabatナンバリング、ChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:47~49、51、52、55、56、185、189~194、415~418および421のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、Kabatナンバリング、ChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:47、51、55、194、416および421のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、Kabatナンバリング、ChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:194および421のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0129】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVL領域は、SEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L3を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVL領域は、SEQ ID NO:124のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L3を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVL領域は、SEQ ID NO:116~118、120、121、124、125、258、262~267および534~538のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L3を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVL領域は、SEQ ID NO:116、120、124、267、535および536のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L3を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVL領域は、SEQ ID NO:267および536のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L3を含む。
【0130】
いくつかの態様において、本明細書に記載される抗体(例えば、抗BCMA抗体)またはその抗原結合断片のVL領域は、アミノ酸配列:X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12X13X14X15X16X17(SEQ ID NO:356)を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)を含むものであり、ここで、X1はG、K、R、SもしくはTであり;X2はA、GもしくはSであり;X3はG、N、SもしくはTであり;X4はG、K、N、Q、RもしくはSであり;X5はSもしくは無しであり;X6はD、N、Vもしくは無しであり;X7はL、Vもしくは無しであり;X8はH、S、Yもしくは無しであり;X9はS、Tもしくは無しであり;X10はSもしくは無しであり;X11はD、G、I、N、Sもしくは無しであり;X12はD、E、G、K、I、Nもしくは無しであり;X13はF、G、K、N、R、S、Yもしくは無しであり;X14はD、K、N、Tもしくは無しであり;X15はA、D、G、L、N、S、TもしくはYであり;X16はLもしくはVであり;X17はA、H、N、QもしくはSである。いくつかの態様において、X1はGであり;X2はAであり;X3はNであり;X4はNであり;X5は無しであり;X6は無しであり;X7は無しであり;X8は無しであり;X9は無しであり;X10は無しであり;X11はIであり;X12はGであり;X13はSであり;X14はKであり;X15はSであり;X16はVであり;X17はHである。
【0131】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、Kabatナンバリング、ChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:26~36、174~178、380~392および394~398のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L1を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、Kabatナンバリング、ChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:33のアミノ酸配列を有するCDR-L1を含む。かかる例のいずれかにおいて、提供される抗体またはその抗原結合断片は、内部に含まれる対応するCDR-L1配列(例えば、Kabatナンバリングによるアミノ酸残基L24~L34に対応)が、Kabatナンバリング、ChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:26~36、174~178、380~392および394~398のうちのいずれか1つから選択される CDR-L1配列で置き換えられているSEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域配列を含み得る。
【0132】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVL領域は、Kabatナンバリング、ChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:26~28、30、31、33、34、174、176~178および380~382のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有するCDR-L1を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVL領域は、Kabatナンバリング、ChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:26、30、33、178および380のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有するCDR-L1を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVL領域は、Kabatナンバリング、ChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:33および178のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有するCDR-L1を含む。
【0133】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVL領域は、SEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVL領域は、SEQ ID NO:124のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVL領域は、Kabatナンバリング、ChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:116~118、120、121、124、125、258、262~267および534~538のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVL領域は、Kabatナンバリング、ChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:116、120、124、267、535および536のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVL領域は、Kabatナンバリング、ChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:267および536のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1を含む。
【0134】
いくつかの態様において、本明細書において提供する抗体(例えば、抗BCMA抗体)またはその抗原結合断片のVL領域は、X1X2X3X4X5X6X7(SEQ ID NO:357)のアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)を含むものであり、ここで、X1はA、D、E、N、S、VまたはWであり;X2はA、D、N、SまたはVであり;X3はA、D、H、I、NまたはSであり;X4はD、K、N、Q、RまたはTであり;X5はL、RまたはVであり;X6はA、E、PまたはQであり;X7はA、D、SまたはTである。いくつかの態様において、X1はDであり;X2はDであり;X3はDであり;X4はDであり;X5はRであり;X6はPであり;X7はSである。
【0135】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、Kabatナンバリング、ChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:37~46、179~183、399~409および411~414のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L2を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、Kabatナンバリング、ChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:43のアミノ酸配列を有するCDR-L2を含む。かかる例のいずれかにおいて、提供される抗体またはその抗原結合断片は、内部に含まれる対応するCDR-L2配列(例えば、Kabatナンバリングによるアミノ酸残基L50~L56に対応)が、Kabatナンバリング、ChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:37~46、179~183、399~409および411~414のうちのいずれか1つから選択されるCDR-L2配列で置き換えられているSEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域配列を含み得る。
【0136】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVL領域は、Kabatナンバリング、ChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:37~39、41、43、44、179、181~183および399~401のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L2を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVL領域は、Kabatナンバリング、ChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:37、39、43、183および400のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L2を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVL領域は、Kabatナンバリング、ChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:43および183のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L2を含む。
【0137】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVL領域は、SEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L2を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVL領域は、SEQ ID NO:124のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L2を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVL領域は、SEQ ID NO:116~118、120、121、124、125、258、262~267および534~538のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L2を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVL領域は、SEQ ID NO:116、120、124、267、535および536のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L2を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVL領域は、SEQ ID NO:267および536のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L2を含む。
【0138】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、Kabatナンバリング、ChothiaナンバリングもしくはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:26~36、174~178、380~392および394~398のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列であるか、またはKabatナンバリング、ChothiaナンバリングもしくはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:26~36、174~178、380~392および394~398のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L1;Kabatナンバリング、ChothiaナンバリングもしくはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:37~46、179~183、399~409および411~414のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列であるか、またはKabatナンバリング、ChothiaナンバリングもしくはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:37~46、179~183、399~409および411~414のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L2;ならびにKabatナンバリング、ChothiaナンバリングもしくはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:47~58、184~194、415~427および429~433のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列であるか、またはKabatナンバリング、ChothiaナンバリングもしくはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:47~58、184~194、415~427および429~433のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0139】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVL領域は、表2および表4に示したようなKabatナンバリングによるCDR-L1、CDR-L2および/またはCDR-L3を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVL領域は、表4に示したようなChothiaナンバリングによるCDR-L1、CDR-L2および/またはCDR-L3を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVL領域は、表4に示したようなAbMナンバリングによるCDR-L1、CDR-L2および/またはCDR-L3を含む。
【0140】
本明細書において提供する抗体またはその抗原結合断片のいくつかの態様において、VL領域は、中でも:それぞれSEQ ID NO:26、37および47のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:27、38および48のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:28、39および49のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:29、40および50のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:30、39および51のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:31、41および52のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:32、42および53のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:30、39および54のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:33、43および55のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:34、44および56のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:35、45および57のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:36、46および58のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:174、179および184のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:174、179および185のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:174、179および186のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:174、179および187のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:175、180および188のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:174、179および189のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:176、181および190のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:177、182および191のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:174、179および192のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:178、183および193のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:178、183および194のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:30、399および415のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:380、400および416のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:33、43および421のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:381、401および417のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:382、402および418のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:383、403および419のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:384、39および54のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:385、180および58のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:175、180および188のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:386、404および420のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:387、405および422のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:388、406および423のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:388、407および424のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:389、408および425のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:390、183および193のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:391、409および426のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:392、40および427のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:394、39および429のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:395、411および430のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:396、412および431のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:396、412および58のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:397、413および432のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;それぞれSEQ ID NO:398、414および433のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3から選択されるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む。本明細書において提供する抗体またはその抗原結合断片のいくつかの態様において、VL領域は、SEQ ID NO:33、43および55のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む。
【0141】
例えば、本明細書において提供する抗体またはその抗原結合断片は、中でも:それぞれSEQ ID NO:26、37および47;SEQ ID NO:27、38および48;SEQ ID NO:28、39および49;SEQ ID NO:29、40および50;SEQ ID NO:30、39および51;SEQ ID NO:31、41および52;SEQ ID NO:32、42および53;SEQ ID NO:30、39および54;SEQ ID NO:33、43および55;SEQ ID NO:34、44および56;SEQ ID NO:35、45および57;SEQ ID NO:36、46および58;SEQ ID NO:174、179および184;SEQ ID NO:174、179および185;SEQ ID NO:174、179および186;SEQ ID NO:174、179および187;SEQ ID NO:175、180および188;SEQ ID NO:174、179および189;SEQ ID NO:176、181および190;SEQ ID NO:177、182および191;SEQ ID NO:174、179および192;SEQ ID NO:178、183および193;SEQ ID NO:178、183および194;SEQ ID NO:30、399および415;SEQ ID NO:380、400および416;SEQ ID NO:33、43および421;SEQ ID NO:381、401および417;SEQ ID NO:382、402および418;SEQ ID NO:383、403および419;SEQ ID NO:384、39および54;SEQ ID NO:385、180および58;SEQ ID NO:175、180および188;SEQ ID NO:386、404および420;SEQ ID NO:387、405および422;SEQ ID NO:388、406および423;SEQ ID NO:388、407および424;SEQ ID NO:389、408および425;SEQ ID NO:390、183および193;SEQ ID NO:391、409および426;SEQ ID NO:392、40および427;SEQ ID NO:394、39および429;SEQ ID NO:395、411および430;SEQ ID NO:396、412および431;SEQ ID NO:396、412および58;SEQ ID NO:397、413および432;SEQ ID NO:398、414および433から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含むVL領域を含む。
【0142】
いくつかの態様において、本明細書において提供する抗体またはその抗原結合断片は、中でも:それぞれKabatナンバリング、ChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:26、37および47;SEQ ID NO:27、38および48;SEQ ID NO:28、39および49;SEQ ID NO:30、39および51;SEQ ID NO:31、41および52;SEQ ID NO:33、43および55;SEQ ID NO:34、44および56;SEQ ID NO:174、179および185;SEQ ID NO:174、179および189;SEQ ID NO:176、181および190;SEQ ID NO:177、182および191;SEQ ID NO:174、179および192;SEQ ID NO:178、183および193;SEQ ID NO:178、183および194;SEQ ID NO:30、399および415;SEQ ID NO:380、400および416;SEQ ID NO:33、43および421;SEQ ID NO:381、401および417;ならびにSEQ ID NO:382、402および418から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含むVL領域を含む。
【0143】
いくつかの態様において、本明細書において提供する抗体またはその抗原結合断片は、中でも:それぞれKabatナンバリング、ChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:26、37および47;SEQ ID NO:30、39および51;SEQ ID NO:33、43および55;SEQ ID NO:178、183および194;SEQ ID NO:380、400および416;ならびにSEQ ID NO:33、43および421から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含むVL領域を含む。いくつかの態様において、本明細書において提供する抗体またはその抗原結合断片は、中でも:それぞれKabatナンバリング、ChothiaナンバリングまたはAbMナンバリングによるSEQ ID NO:178、183および194;ならびにSEQ ID NO:33、43および421から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含むVL領域を含む。
【0144】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、SEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む。いくつかの態様において、提供される抗体は、選択されたSEQ ID NO:124のVL領域アミノ酸配列内に含まれるそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVL領域は、SEQ ID NO:116~118、120、121、124、125、258、262~267および534~538のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVL領域は、SEQ ID NO:116、120、124、267、535および536のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片のVL領域は、SEQ ID NO:267および536のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む。
【0145】
本明細書において提供する抗体またはその抗原結合断片のいくつかの態様において、VL領域は、本記載のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3のいずれかを含み、SEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるフレームワーク領域1(FR1)、FR2、FR3および/またはFR4との、それぞれ少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有するFR1、FR2、FR3および/またはFR4を含む。例えば、抗BCMA抗体またはその抗原結合断片は、SEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3ならびにSEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるフレームワーク領域(例えば、FR1、FR2、FR3および/またはFR4)との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の配列同一性を含むフレームワーク領域(例えば、FR1、FR2、FR3および/またはFR4)を含み得る。いくつかの態様において、VL領域は、SEQ ID NO:72~82、221~227、446~459および461~466のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むFR1;SEQ ID NO:83~92、228~232、467~477および479~482のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むFR2;SEQ ID NO:93~101、233~242、483~495および497~501のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むFR3;および/またはSEQ ID NO:102~109、243~246,502~506および508のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むFR4から選択されるFR1、FR2、FR3および/またはFR4を含む。いくつかの態様において、VL領域は、SEQ ID NO:79のアミノ酸配列を含むFR1、SEQ ID NO:89のアミノ酸配列を含むFR2、SEQ ID NO:98のアミノ酸配列を含むFR3および/またはSEQ ID NO:108のアミノ酸配列を含むFR4を含む。
【0146】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、SEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むVL領域を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、SEQ ID NO:124のアミノ酸配列を含むVL領域を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、SEQ ID NO:116~118、120、121、124、125、258、262~267および534~538のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むVL領域を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、SEQ ID NO:116、120、124、267、535および536のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むVL領域を含む。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、SEQ ID NO:267および536のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むVL領域を含む。
【0147】
また、かかる配列と少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、少なくとも91%もしくは少なくとも約91%、少なくとも92%もしくは少なくとも約92%、少なくとも93%もしくは少なくとも約93%、少なくとも94%もしくは少なくとも約94%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、または少なくとも99%もしくは少なくとも約99%同一である配列を有する抗体が提供される。
【0148】
いくつかの態様において、抗体または断片のVH領域は、SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含み、抗体または断片のVL領域は、SEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、抗体または断片のVH領域は、SEQ ID NO:110~113、115、248、252~256および518~522のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含み、抗体または断片のVL領域は、SEQ ID NO:116~118、120、121、124、125、258、262~267および534~538のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、抗体または断片のVH領域は、SEQ ID NO:110、112、115、256および519のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含み、抗体または断片のVL領域は、SEQ ID NO:116、120、124、267、535および536のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、抗体または断片のVH領域は、SEQ ID NO:115および256のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含み、抗体または断片のVL領域は、SEQ ID NO:267および536のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む。
【0149】
また、かかる配列と少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、少なくとも91%もしくは少なくとも約91%、少なくとも92%もしくは少なくとも約92%、少なくとも93%もしくは少なくとも約93%、少なくとも94%もしくは少なくとも約94%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、または少なくとも99%もしくは少なくとも約99%同一である配列を有する抗体およびその抗原結合断片が提供される。例えば、SEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むVL領域を含む、および/またはSEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む抗体または抗原結合断片が、本明細書において提供される。いくつかの態様において、抗体または抗原結合断片は、SEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むVL領域ならびにアミノ酸配列がSEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域を含む。
【0150】
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片のVH領域は、SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3を含み;抗体またはその抗原結合断片のVL領域は、SEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内にそれぞれ含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-L1、CDR-L2、CDR-L3を含む。
【0151】
いくつかの態様において、抗体または断片のVH領域は、SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3を含み、抗体または断片のVL領域は、SEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内にそれぞれ含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-L1、CDR-L2、CDR-L3を含む。いくつかの態様において、抗体または断片のVH領域は、SEQ ID NO:110~113、115、248、252~256および518~522のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3を含み、抗体または断片のVL領域は、SEQ ID NO:116~118、120、121、124、125、258、262~267および534~538のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内にそれぞれ含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-L1、CDR-L2、CDR-L3を含む。いくつかの態様において、抗体または断片のVH領域は、SEQ ID NO:110、112、115、256および519のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3を含み、抗体または断片のVL領域は、SEQ ID NO:116、120、124、267、535および536のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内にそれぞれ含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-L1、CDR-L2、CDR-L3を含む。いくつかの態様において、抗体または断片のVH領域は、SEQ ID NO:115および256のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3を含み、抗体または断片のVL領域は、SEQ ID NO:267および536のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内にそれぞれ含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-L1、CDR-L2、CDR-L3を含む。
【0152】
いくつかの態様において、抗体または抗原結合断片は、SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれかから選択されるVH配列との少なくとも90%の配列同一性を有するVH;ならびにSEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれかから選択されるVL配列との少なくとも90%の配列同一性を有するVLを含む。
【0153】
いくつかの態様において、抗体または抗原結合断片は、SEQ ID NO:110、256および519のうちのいずれかから選択されるVH配列との少なくとも90%の配列同一性を有するVH;ならびにSEQ ID NO:47、51、194および416のうちのいずれかから選択されるVL配列との少なくとも90%の配列同一性を有するVLを含む。いくつかの態様において、前記抗体または抗原結合断片は、SEQ ID NO:115のVH配列との少なくとも90%の配列同一性を有するVH;およびSEQ ID NO:536のVL配列との少なくとも90%の配列同一性を有するVLを含む。
【0154】
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片は、CDR-H1がSEQ ID NO:1~3および140~144のうちのいずれかから選択される配列を含み;CDR-H2がSEQ ID NO:4~6、145~148および372~374のうちのいずれかから選択される配列を含み;CDR-H3がSEQ ID NO:7~11、149~157、279~287および376~378のうちのいずれかから選択される配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含むVH;ならびにCDR-L1がSEQ ID NO:26~36、174~178、380~392および394~398のうちのいずれかから選択される配列を含み;CDR-L2がSEQ ID NO:37~46、179~183、399~409および411~414のうちのいずれかから選択される配列を含み;CDR-L3がSEQ ID NO:47~58、184~194、415~427および429~433のうちのいずれかから選択される配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含むVLを含む。
【0155】
いくつかの態様において、CDR-H1はSEQ ID NO:1および2のうちのいずれかから選択される配列を含み;CDR-H2はSEQ ID NO:4および5のうちのいずれかから選択される配列を含み;CDR-H3はSEQ ID NO:7および157のうちのいずれかから選択される配列を含み;CDR-L1はSEQ ID NO:26、30、178および380のうちのいずれかから選択される配列を含み;CDR-L2はSEQ ID NO:37、39、183または400のうちのいずれかから選択される配列を含み;CDR-L3はSEQ ID NO:47、51、194および416のうちのいずれかから選択される配列を含む。いくつかの態様において、CDR-H1はSEQ ID NO:2の配列を含み;CDR-H2はSEQ ID NO:5の配列を含み;CDR-H3はSEQ ID NO:10の配列を含み;CDR-L1はSEQ ID NO:33の配列を含み;CDR-L2はSEQ ID NO:43の配列を含み;CDR-L3はSEQ ID NO:421の配列を含む。
【0156】
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片はVHおよびVLを含み、ここで、該VHは、それぞれSEQ ID NO:1、4および7を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:26、37および47を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:2、5および8を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:27、38および48を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:1、4および7を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:28、39および49を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:1、4および7を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:29、40および50を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:1、4および7を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:30、39および51を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:1、4および7を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:31、41および52を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:1、4および7を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:32、42および53を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:1、4および7を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:30、39および54を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:2、5および9を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:33、43および55を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:2、5および10を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:34、44および56を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:3、6および11を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:35、45および57を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:2、5および10を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:36、46および58を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:140、145および149を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:174、179および184を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:141、145および149を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:174、179および185を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:141、145および150を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:174、179および186を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:142、146および151を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:174、179および187を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:2、5および152を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:175、180および188を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:143、147および153を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:174、179および189を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:144、148および154を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:176、181および190を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:3、6および155を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:177、182および191を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:2、5および156を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:174、179および192を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:2、5および157を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:178、183および193を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:2、5および157を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:178、183および194を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:2、6および376を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:30、399および415を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:1、4および7を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:380、400および416を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:2、5および10を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:33、43および421を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:3、6および155を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:177、182および191を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:3、372および376を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:381、401および417を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:3、6および376を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:382、402および418を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:3、6および377を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:383、403および419を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:1、4および7を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:384、39および54を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:2、5および10を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:385、180および58を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:2、373および152を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:175、180および188を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:3、6および11を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:386、404および420を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:2、5および378を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:33、43および421を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:2、5および9を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:387、405および422を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:2、5および9を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:388、406および423を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:2、5および9を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:388、407および424を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:3、6および376を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:389、408および425を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:2、5および157を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:390、183および193を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:2、374および9を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:391、409および426を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:1、4および7を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:392、40および427を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:1、4および7を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:394、39および429を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:1、4および7を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:395、411および430を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:1、4および7を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:28、39および49を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:2、5および10を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:396、412および431を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:2、5および10を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:396、412および58を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、それぞれSEQ ID NO:2、5および10を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:397、413および432を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;あるいは該VHは、それぞれSEQ ID NO:1、4および7を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、それぞれSEQ ID NO:398、414および433を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む。
【0157】
いくつかの態様において、VHは、それぞれSEQ ID NO:1、4および7を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、VLは、それぞれSEQ ID NO:26、37および47を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;VHは、それぞれSEQ ID NO:1、4および7を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、VLは、それぞれSEQ ID NO:30、39および51を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;VHは、それぞれSEQ ID NO:2、5および157を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、VLは、それぞれSEQ ID NO:178、183および194を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;あるいはVHは、それぞれSEQ ID NO:1、4および7を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、VLは、それぞれSEQ ID NO:380、400および416を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む。いくつかの態様において、VHは、それぞれSEQ ID NO:2、5および10を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、VLは、それぞれSEQ ID NO:33、43および421を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む。
【0158】
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片は、SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれかから選択されるVH配列内のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3の配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;および/またはSEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれかから選択されるVL配列内のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3の配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む。
【0159】
いくつかの態様において、CDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3は、SEQ ID NO:110、256および519のうちのいずれかから選択されるVH配列内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3の配列をそれぞれ含み;CDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3は、SEQ ID NO:116、120、267および535のうちのいずれかから選択されるVL配列内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3の配列をそれぞれ含む。
【0160】
いくつかの態様において、CDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3は、SEQ ID NO:115内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3の配列をそれぞれ含み;CDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3は、SEQ ID NO:536内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3の配列をそれぞれ含む。
【0161】
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片はVHおよびVLを含み、ここで、それぞれ、該VHは、SEQ ID NO:110内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:116内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:116内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:111内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:111内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:117内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:117内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:110内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:118内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:118内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:110内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:119内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:119内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:110内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:120内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:120内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:110内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:121内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:121内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:110内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:122内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:122内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:110内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:123内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:123内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:112内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:112内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:124内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:124内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:113内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:113内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:125内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:125内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:114内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:114内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:126内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:126内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:115内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:115内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:127内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:127内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:247内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:247内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:257内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:257内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:248内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:248内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:258内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:258内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:249内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:249内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:259内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:259内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:250内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:250内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:260内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:260内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:251内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:251内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:261内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:261内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:252内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:252内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:262内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:262内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:253内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:253内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:263内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:263内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:254内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:254内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:264内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:264内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:255内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:255内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:265内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:265内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:256内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:256内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:266内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:266内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:256内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:256内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:267内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:267内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:518内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:518内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:534内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:534内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:519内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:519内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:535内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:535内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:115内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:115内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:536内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:536内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:520内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:520内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:264内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:264内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:521内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:521内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:537内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:537内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:522内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:522内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:538内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:538内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:523内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:523内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:539内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:539内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:519内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:519内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:540内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:540内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:524内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:524内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:541内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:541内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:525内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:525内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:261内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:261内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:526内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:526内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:542内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:542内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:527内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:527内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:543内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:543内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:528内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:528内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:544内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:544内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:529内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:529内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:545内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:545内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:528内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:528内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:546内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:546内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:522内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:522内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:547内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくは
SEQ ID NO:547内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:256内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:256内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:548内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:548内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:530内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:530内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:549内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:549内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:531内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:531内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:550内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:550内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:519内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:519内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:552内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:552内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:110内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:553内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:553内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:110内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:118内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:118内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:533内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:533内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:554内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:554内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:115内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:115内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:555内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:555内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;該VHは、SEQ ID NO:524内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:524内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:556内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:556内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;または該VHは、SEQ ID NO:519内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:519内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、該VLは、SEQ ID NO:557内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:557内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む。
【0162】
いくつかの態様において、VHは、SEQ ID NO:110内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、VLは、SEQ ID NO:116内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:116内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;VHは、SEQ ID NO:110内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:110内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、VLは、SEQ ID NO:120内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:120内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;VHは、SEQ ID NO:256内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:256内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、VLは、SEQ ID NO:267内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:267内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む;またはVHは、SEQ ID NO:519内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、もしくはSEQ ID NO:519内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、VLは、SEQ ID NO:535内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、もしくはSEQ ID NO:535内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む。いくつかの態様において、それぞれ、VHは、SEQ ID NO:115内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3であるか、またはSEQ ID NO:115内のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含み、VLは、SEQ ID NO:536内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3であるか、またはSEQ ID NO:536内のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む。
【0163】
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:110および116のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:111および117のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:110および118のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:110および119のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:110および120のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:110および121のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:110および122のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:110および123のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:112および124のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:113および125のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:114および126のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:115および127のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:247および257のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:248および258のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:249および259のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:250および260のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:251および261のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:252および262のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:253および263のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:254および264のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:255および265のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:256および266のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:256および267のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:518および534のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:519および535のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:115および536のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:520および264のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:521および537のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:522および538のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:523および539のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:519および540のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:524および541のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:525および261のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:526および542のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:527および543のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:528および544のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:529および545のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:528および546のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:522および547のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:256および548のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:530および549のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:531および550のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:519および552のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:110および553のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:110および118のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:533および554のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:115および555のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:524および556のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:519および557のアミノ酸配列を含むか、あるいは任意の抗体またはその抗原結合断片は、上記のいずれかのVHおよびVLとの少なくとも90%の配列同一性、例えばこれらとの少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の配列同一性を有する。いくつかの態様において、抗体または抗原結合断片は、それぞれSEQ ID NO:110および116との少なくとも90%の同一性を有する配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:110および120との少なくとも90%の同一性を有する配列を含むVH領域およびVL領域;それぞれSEQ ID NO:256および267との少なくとも90%の同一性を有する配列を含むVH領域およびVL領域;またはそれぞれSEQ ID NO:519および535との少なくとも90%の同一性を有する配列を含むVH領域およびVL領域を含む。いくつかの態様において、抗体または抗原結合断片は、それぞれSEQ ID NO:115および536との少なくとも90%の同一性を有する配列を含むVH領域およびVL領域を含む。
【0164】
例えば、本明細書において提供する抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれ:SEQ ID NO:110および116;SEQ ID NO:111および117;SEQ ID NO:110および118;SEQ ID NO:110および119;SEQ ID NO:110および120;SEQ ID NO:110および121;SEQ ID NO:110および122;SEQ ID NO:110および123;SEQ ID NO:112および124;SEQ ID NO:113および125;SEQ ID NO:114および126;SEQ ID NO:115および127;SEQ ID NO:247および257;SEQ ID NO:248および258;SEQ ID NO:249および259;SEQ ID NO:250および260;SEQ ID NO:251および261;SEQ ID NO:252および262;SEQ ID NO:253および263;SEQ ID NO:254および264;SEQ ID NO:255および265;SEQ ID NO:256および266;SEQ ID NO:256および267;SEQ ID NO:518および534;SEQ ID NO:519および535;SEQ ID NO:115および536;SEQ ID NO:520および264;SEQ ID NO:521および537;SEQ ID NO:522および538;SEQ ID NO:523および539;SEQ ID NO:519および540;SEQ ID NO:524および541;SEQ ID NO:525および261;SEQ ID NO:526および542;SEQ ID NO:527および543;SEQ ID NO:528および544;SEQ ID NO:529および545;SEQ ID NO:528および546;SEQ ID NO:522および547;SEQ ID NO:256および548;SEQ ID NO:530および549;SEQ ID NO:531および550;SEQ ID NO:519および552;SEQ ID NO:110および553;SEQ ID NO:110および118;SEQ ID NO:533および554;SEQ ID NO:115および555;SEQ ID NO:524および556;SEQ ID NO:519および557から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0165】
いくつかの態様において、本明細書において提供する抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれ:SEQ ID NO:110および116;SEQ ID NO:111および117;SEQ ID NO:110および118;SEQ ID NO:110および120;SEQ ID NO:110および121;SEQ ID NO:112および124;SEQ ID NO:113および125;SEQ ID NO:248および258;SEQ ID NO:252および262;SEQ ID NO:253および263;SEQ ID NO:254および264;SEQ ID NO:255および265;SEQ ID NO:256および266;SEQ ID NO:256および267;SEQ ID NO:518および534;SEQ ID NO:519および535;SEQ ID NO:115および536;SEQ ID NO:520および264;SEQ ID NO:521および537;ならびにSEQ ID NO:522および538から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、本明細書において提供する抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれ:SEQ ID NO:110および116;SEQ ID NO:110および120;SEQ ID NO:112および124;SEQ ID NO:256および267;SEQ ID NO:519および535;ならびにSEQ ID NO:115および536から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、本明細書において提供する抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれ:SEQ ID NO:256および267;ならびにSEQ ID NO:115および536から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0166】
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:110および116の配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:110および120の配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:256および267の配列を含む;あるいは抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:519および535の配列を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:115および536の配列を含む。
【0167】
いくつかの態様において、抗体または抗原結合断片は、1つまたは複数の重鎖可変(VH)領域および1つまたは複数の軽鎖可変(VL)領域を任意の順序または向きで含む。いくつかの態様において、抗体または抗原結合断片はVH領域およびVL領域を含み、該VH領域が該VL領域のアミノ末端側にある。いくつかの態様において、抗体または抗原結合断片はVH領域およびVL領域を含み、該VH領域が該VL領域のカルボキシ末端側にある。いくつかの態様において、VH領域とVL領域は直接または間接的に、任意でリンカーを介して連結されている。
【0168】
いくつかの態様において、抗体または抗原結合断片、例えばscFvは、VH領域またはその一部分、続いてリンカー、続いてVL領域またはその一部分を含み得る。いくつかの態様において、抗体または抗原結合断片、例えばscFvは、VL領域またはその一部分、続いてリンカー、続いてVH領域またはその一部分を含み得る。
【0169】
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片は単鎖抗体断片、例えば単鎖可変断片(scFv)またはダイアボディまたはシングルドメイン抗体(sdAb)である。いくつかの態様において、抗体または抗原結合断片は、VH領域のみを含むシングルドメイン抗体である。いくつかの態様において、抗体または抗原結合断片は、重鎖可変(VH)領域および軽鎖可変(VL)領域を含むscFvである。いくつかの態様において、単鎖抗体断片(例えばscFv)は、2つの抗体ドメインまたは領域、例えば重鎖可変(VH)領域と軽鎖可変(VL)領域を接続させている1つまたは複数のリンカーを含む。リンカーは典型的にはペプチドリンカー、例えばフレキシブルおよび/または可溶性ペプチドリンカーである。中でも、リンカーは、グリシン/セリンリッチおよび/またはいくつかの場合ではトレオニンリッチのものである。いくつかの態様において、リンカーは、可溶性を改善し得る荷電残基、例えばリシンおよび/またはグルタミン酸をさらに含む。いくつかの態様において、リンカーは1つまたは複数のプロリンをさらに含む。
【0170】
したがって、提供される抗BCMA抗体は、典型的には2つの抗体ドメインまたは領域、かかるVH領域とVL領域を接続させているリンカーを含む単鎖抗体断片、例えばscFvおよびダイアボディ、特にヒト単鎖抗体断片を含む。リンカーは典型的にはペプチドリンカー、例えばフレキシブルおよび/または可溶性ペプチドリンカー、例えばグリシン/セリンリッチのものである。
【0171】
いくつかの局面において、グリシン/セリン(および/またはトレオニン)リッチリンカーは少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のかかるアミノ酸を含む。いくつかの態様において、これは、少なくとも50%もしくは少なくとも約50%、少なくとも55%もしくは少なくとも約55%、少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、または少なくとも75%もしくは少なくとも約75%のグリシン、セリンおよび/またはトレオニンを含む。いくつかの態様において、リンカーは実質的に完全にグリシン、セリンおよび/またはトレオニンで構成されている。リンカーは一般的に約5~約50個のアミノ酸の長さ、典型的には10または約10から30または約30、例えば10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30、いくつかの例では10~25個のアミノ酸の長さである。例示的なリンカーとしては、配列GGGGS(4GS;SEQ ID NO:359)またはGGGS(3GS;SEQ ID NO:360)の種々の回数の反復、例えばかかる配列の2~5、3~5、4~5回の反復を有するリンカーが挙げられる。例示的なリンカーとしては、
に示される配列を有するもの、または該配列からなるものが挙げられる。例示的なリンカーは、
に示される配列を有するもの、または該配列からなるものをさらに含む。
【0172】
したがって、いくつかの態様において、提供される態様は、1つまたは複数の前述のリンカー、例えばグリシン/セリンリッチリンカー、例えばGGGSまたはGGGGSの反復配列を有するリンカー、例えばSEQ ID NO:361に示されるリンカーを含む単鎖抗体断片、例えばscFvを含む。いくつかの態様において、リンカーは、SEQ ID NO:361に示される配列を含むアミノ酸配列を有する。
【0173】
いくつかの局面において、本明細書において提供するscFvは、SEQ ID NO:128~139、268~278、558~576および578~583のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むか、あるいはSEQ ID NO:128~139、268~278、558~576および578~583のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列との少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、少なくとも91%もしくは少なくとも約91%、少なくとも92%もしくは少なくとも約92%、少なくとも93%もしくは少なくとも約93%、少なくとも94%もしくは少なくとも約94%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、または少なくとも99%もしくは少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する。
【0174】
例えば、本明細書において提供するscFvは、SEQ ID NO:128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、558、559、560、561、562、563、564、565、566、567、568、569、570、571、572、573、574、575、576、578、579、580、581、582および583のうちのいずれかから選択されるアミノ酸配列を含むか、あるいはSEQ ID NO:128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、558、559、560、561、562、563、564、565、566、567、568、569、570、571、572、573、574、575、576、578、579、580、581、582および583のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列との少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、少なくとも91%もしくは少なくとも約91%、少なくとも92%もしくは少なくとも約92%、少なくとも93%もしくは少なくとも約93%、少なくとも94%もしくは少なくとも約94%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、または少なくとも99%もしくは少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する。
【0175】
いくつかの態様において、本明細書において提供するscFvは、SEQ ID NO:128、129、130、132、133、136、137、269、273、274、275、276、277、278、558、559、560、561、562および563のうちのいずれかから選択されるアミノ酸配列を含むか、あるいはSEQ ID NO:128、129、130、132、133、136、137、269、273、274、275、276、277、278、558、559、560、561、562および563のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列との少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、少なくとも91%もしくは少なくとも約91%、少なくとも92%もしくは少なくとも約92%、少なくとも93%もしくは少なくとも約93%、少なくとも94%もしくは少なくとも約94%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、または少なくとも99%もしくは少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、本明細書において提供するscFvは、SEQ ID NO:128、132、136、278、559および560のうちのいずれかから選択されるアミノ酸配列を含むか、あるいはSEQ ID NO:128、132、136、278、559および560のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列との少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、少なくとも91%もしくは少なくとも約91%、少なくとも92%もしくは少なくとも約92%、少なくとも93%もしくは少なくとも約93%、少なくとも94%もしくは少なくとも約94%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、または少なくとも99%もしくは少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、本明細書において提供するscFvは、SEQ ID NO:278および560のうちのいずれかから選択されるアミノ酸配列を含むか、あるいはSEQ ID NO:278および560のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列との少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、少なくとも91%もしくは少なくとも約91%、少なくとも92%もしくは少なくとも約92%、少なくとも93%もしくは少なくとも約93%、少なくとも94%もしくは少なくとも約94%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、または少なくとも99%もしくは少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、scFvは、SEQ ID NO:128、132、278および502のうちのいずれかから選択される配列またはSEQ ID NO:128、132、278および502のうちのいずれかから選択される配列との少なくとも90%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの態様において、scFvは、SEQ ID NO:560の配列またはSEQ ID NO:560の配列との少なくとも90%の配列同一性を有する配列を含む。
【0176】
表2は、本明細書において提供する例示的な抗体もしくは抗原結合断片およびその領域またはドメインのSEQ ID NO:を示す。いくつかの態様において、BCMA結合抗体またはその断片は、以下の表2の各行(Kabatナンバリングによる)に列記したSEQ ID NO: に示されるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3の配列を含むVH領域ならびにCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3の配列を含むVL領域を含む。いくつかの態様において、BCMA結合抗体またはその断片は、以下の表2の各行に列記したSEQ ID NO:に示されるVH領域配列およびVL領域配列、または以下の表2の各行に列記したSEQ ID NO:に示されるVH領域配列およびVL領域配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するVH領域およびVL領域アミノ酸配列を含む抗体を含む。いくつかの態様において、BCMA結合抗体またはその断片は、以下の表2の各行に列記したSEQ ID NO:に示されるVH領域配列およびVL領域配列を含む。いくつかの態様において、BCMA結合抗体またはその断片は、以下の表2の各行に列記したSEQ ID NO:に示されるscFv配列、または以下の表2の各行に列記したSEQ ID NO:に示されるscFv配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するscFvアミノ酸配列を含む抗体を含む。
【0177】
(表2)例示的な抗体およびドメインの配列識別番号(SEQ ID NO)
【0178】
中でも、提供される抗体、例えば抗原結合断片はヒト抗体である。提供されるヒト抗BCMA抗体、例えば抗原結合断片のいくつかの態様において、ヒト抗体は、生殖系列ヌクレオチドヒト重鎖Vセグメントによってコードされるアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%の配列同一性を有する部分、生殖系列ヌクレオチドヒト重鎖Dセグメントによってコードされるアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%の配列同一性を有する部分、および/または生殖系列ヌクレオチドヒト重鎖Jセグメントによってコードされるアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%の配列同一性を有する部分を含むVH領域を含む;および/または生殖系列ヌクレオチドヒトカッパ鎖もしくはラムダ鎖Vセグメントによってコードされるアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%の配列同一性を有する部分および/または生殖系列ヌクレオチドヒトカッパ鎖もしくはラムダ鎖Jセグメントによってコードされるアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%の配列同一性を有する部分を含むVL領域を含む。いくつかの態様において、VH領域の該部分はCDR-H1、CDR-H2および/またはCDR-H3に相当する。いくつかの態様において、VH領域の該部分はフレームワーク領域1(FR1)、FR2、FR2および/またはFR4に相当する。いくつかの態様において、VL領域の該部分はCDR-L1、CDR-L2および/またはCDR-L3に相当する。いくつかの態様において、VL領域の該部分はFR1、FR2、FR2および/またはFR4に相当する。
【0179】
いくつかの態様において、ヒト抗体またはその抗原結合断片は、生殖系列ヌクレオチドヒト重鎖Vセグメントによってコードされる配列内の対応するCDR-H1領域のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも100%の配列同一性を有するCDR-H1を含む。例えば、いくつかの態様におけるヒト抗体は、生殖系列ヌクレオチドヒト重鎖Vセグメントによってコードされる配列内の対応するCDR-H1領域と比較して100%同一であるか、またはアミノ酸の違いが1個以下、2個以下もしくは3個以下である配列を有するCDR-H1を含む。
【0180】
いくつかの態様において、ヒト抗体またはその抗原結合断片は、生殖系列ヌクレオチドヒト重鎖Vセグメントによってコードされる配列内の対応するCDR-H2領域のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも100%の配列同一性を有するCDR-H2を含む。例えば、いくつかの態様におけるヒト抗体は、生殖系列ヌクレオチドヒト重鎖Vセグメントによってコードされる配列内の対応するCDR-H2領域と比較して100%同一であるか、またはアミノ酸の違いが1個以下、2個以下もしくは3個以下である配列を有するCDR-H2を含む。
【0181】
いくつかの態様において、ヒト抗体またはその抗原結合断片は、生殖系列ヌクレオチドヒト重鎖Vセグメント、DセグメントおよびJセグメントによってコードされる配列内の対応するCDR-H3領域のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも100%の配列同一性を有するCDR-H3を含む。例えば、いくつかの態様におけるヒト抗体は、生殖系列ヌクレオチドヒト重鎖Vセグメント、DセグメントおよびJセグメントによってコードされる配列内の対応するCDR-H3領域と比較して100%同一であるか、またはアミノ酸の違いが1個以下、2個以下もしくは3個以下である配列を有するCDR-H3を含む。
【0182】
いくつかの態様において、ヒト抗体またはその抗原結合断片は、生殖系列ヌクレオチドヒト軽鎖Vセグメントによってコードされる配列内の対応するCDR-L1領域のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも100%の配列同一性を有するCDR-L1を含む。例えば、いくつかの態様におけるヒト抗体は、生殖系列ヌクレオチドヒト軽鎖Vセグメントによってコードされる配列内の対応するCDR-L1領域と比較して100%同一であるか、またはアミノ酸の違いが1個以下、2個以下もしくは3個以下である配列を有するCDR-L1を含む。
【0183】
いくつかの態様において、ヒト抗体またはその抗原結合断片は、生殖系列ヌクレオチドヒト軽鎖Vセグメントによってコードされる配列内の対応するCDR-L2領域のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも100%の配列同一性を有するCDR-L2を含む。例えば、いくつかの態様におけるヒト抗体は、生殖系列ヌクレオチドヒト軽鎖Vセグメントによってコードされる配列内の対応するCDR-L2領域と比較して100%同一であるか、またはアミノ酸の違いが1個以下、2個以下もしくは3個以下である配列を有するCDR-L2を含む。
【0184】
いくつかの態様において、ヒト抗体またはその抗原結合断片は、生殖系列ヌクレオチドヒト軽鎖VセグメントおよびJセグメントによってコードされる配列内の対応するCDR-L3領域のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも100%の配列同一性を有するCDR-L3を含む。例えば、いくつかの態様におけるヒト抗体は、生殖系列ヌクレオチドヒト軽鎖VセグメントおよびJセグメントによってコードされる配列内の対応するCDR-L3領域と比較して100%同一であるか、またはアミノ酸の違いが1個以下、2個以下もしくは3個以下である配列を有するCDR-L3を含む。
【0185】
いくつかの態様において、ヒト抗体またはその抗原結合断片は、ヒト生殖系列遺伝子セグメント配列を含むフレームワーク領域を含む。例えば、いくつかの態様において、ヒト抗体は、フレームワーク領域、例えばFR1、FR2、FR3およびFR4が、ヒト生殖系列抗体セグメント、例えばVセグメントおよび/またはJセグメントによってコードされるフレームワーク領域との少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも100%の配列同一性を有するVH領域を含む。いくつかの態様において、ヒト抗体は、フレームワーク領域、例えばFR1、FR2、FR3およびFR4が、ヒト生殖系列抗体セグメント、例えばVセグメントおよび/またはJセグメントによってコードされるフレームワーク領域との少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも100%の配列同一性を有するVL領域を含む。例えば、いくつかのかかる態様において、VH領域および/またはVL領域内に含まれるフレームワーク領域配列は、ヒト生殖系列抗体セグメントによってコードされるフレームワーク領域配列と比べて10個以下のアミノ酸、例えば9個以下、8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下または1個以下のアミノ酸が異なる。
【0186】
抗体またはその抗原結合断片は、免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部分、例えば1つまたは複数の定常領域ドメインを含み得る。いくつかの態様において、定常領域は、軽鎖定常領域および/または重鎖定常領域1(CH1)を含む。いくつかの態様において、抗体は、CH2および/またはCH3ドメイン、例えばFc領域を含む。いくつかの態様において、Fc領域はヒトIgG、例えばIgG1またはIgG4のFc領域である。
【0187】
また、該抗体および/またはその一部分、例えば鎖をコードする核酸、例えばポリヌクレオチドが提供される。中でも、提供される核酸は、本明細書に記載される抗BCMA抗体(例えば、抗原結合断片)をコードしているものである。また、1種もしくは複数種の抗体および/またはその一部分をコードする核酸、例えばポリヌクレオチド、例えば、1種もしくは複数種の本明細書に記載される抗BCMA抗体(例えば、抗原結合断片)および/または他の抗体および/またはその一部分、例えば他の標的抗原に結合する抗体および/またはその一部分をコードしているものが提供される。該核酸は、天然に存在しているヌクレオチドおよび塩基および/または例えば主鎖修飾を有するものを含む天然に存在していないヌクレオチドおよび塩基を含むものを含み得る。用語「核酸分子」、「核酸」および「ポリヌクレオチド」は互換的に使用され得、ヌクレオチドのポリマーを示す。かかるヌクレオチドのポリマーは、天然および/または非天然のヌクレオチドを含み得、限定するわけではないがDNA、RNAおよびPNAが含まれ得る。「核酸配列」は、核酸分子またはポリヌクレオチドを構成するヌクレオチドの線形配列を示す。
【0188】
また、例えば該抗体またはその抗原結合断片を産生させるための核酸、例えばポリヌクレオチドを含むベクターおよび該ベクターを含む宿主細胞が提供される。また、該抗体またはその抗原結合断片を産生させるための方法が提供される。核酸は、抗体(例えば、抗体の軽鎖および/または重鎖)のVL領域を含むアミノ酸配列および/またはVH領域を含むアミノ酸配列をコードし得る。核酸は、抗体(例えば、抗体の軽鎖および/または重鎖)のVL領域を含む1つもしくは複数のアミノ酸配列および/またはVH領域を含むアミノ酸配列をコードし得る。いくつかの態様において、核酸、例えばポリヌクレオチドは、抗体の1つもしくは複数のVH領域および/または1つもしくは複数のVL領域を任意の順序または向きでコードしている。いくつかの態様において、核酸、例えばポリヌクレオチドはVH領域およびVL領域をコードしており、VH領域のコード配列はVL領域のコード配列の上流である。いくつかの態様において、核酸、例えばポリヌクレオチドはVH領域およびVL領域をコードしており、VL領域のコード配列はVH領域のコード配列の上流である。
【0189】
さらなる一態様において、かかる核酸を含む1種または複数種のベクター(例えば、発現ベクター)が提供される。さらなる一態様において、かかる核酸を含む宿主細胞が提供される。かかる一態様において、宿主細胞は、抗体のVH領域を含むアミノ酸配列をコードする核酸を含むベクターを含む(例えば、該ベクターで形質転換されている)。別のかかる態様において、宿主細胞は、(1)抗体のVL領域を含むアミノ酸配列および該抗体のVH領域を含むアミノ酸配列をコードする核酸を含むベクターまたは(2)抗体のVL領域を含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第1のベクターおよび該抗体のVH領域を含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第2のベクターを含む(例えば、該ベクターで形質転換されている)。いくつかの態様において、宿主細胞は、1種もしくは複数種の抗体および/またはその一部分、例えばその抗原結合断片を構成する1種または複数種のアミノ酸配列をコードする1種または複数種の核酸を含む1種または複数種のベクターを含む(例えば、該ベクターで形質転換されている)。いくつかの態様において、1つまたは複数のかかる宿主細胞が提供される。いくつかの態様において、1つまたは複数のかかる宿主細胞を含有する組成物が提供される。いくつかの態様において、1つまたは複数の宿主細胞は異なる抗体または同じ抗体を発現し得る。いくつかの態様において、宿主細胞の各々は1種類より多くの抗体を発現し得る。
【0190】
また、抗BCMA抗体(抗原結合断片を含む)の作製方法が提供される。抗BCMA抗体の組換え産生のため、例えば上記のような抗体をコードする核酸配列またはポリヌクレオチドが単離され、宿主細胞内でのさらなるクローニングおよび/または発現のために1種または複数種のベクター内に挿入され得る。かかる核酸配列は、慣用的な手順を用いて(例えば、該抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを使用することにより)容易に単離およびシーケンシングされ得る。いくつかの態様において、前述のような抗体をコードする核酸配列を含む宿主細胞を、該抗体の発現に適した条件下で培養すること、および任意で該抗体を該宿主細胞(または宿主細胞培養培地)から回収することを含む、抗BCMA抗体の作製方法が提供される。
【0191】
原核生物に加えて、真核生物系微生物、例えば糸状菌または酵母、例えば、ヒト細胞のものを模倣または近似して一部または完全ヒトグリコシル化パターンを有する抗体の産生がもたらされるようにグリコシル化経路が修飾されている真菌株および酵母株も抗体コードベクターの好適なクローニングまたは発現用の宿主である。Gerngross,Nat.Biotech.22:1409-1414(2004)およびLi et al.,Nat.Biotech.24:210-215(2006)を参照のこと。
【0192】
ポリペプチドを発現させるために使用され得る例示的な真核生物細胞としては、限定するわけではないが、COS細胞、例えばCOS 7細胞;293細胞、例えば293-6E細胞;CHO細胞、例えばCHO-S、DG44.Lec13 CHO細胞およびFUT8 CHO細胞;PER.C6(登録商標)細胞;ならびにNSO細胞が挙げられる。いくつかの態様において、抗体の重鎖および/または軽鎖(例えば、VH領域および/またはVL領域)は酵母内で発現され得る。例えば、米国特許出願公開第2006/0270045 A1号を参照のこと。いくつかの態様において、特定の真核生物宿主細胞が、重鎖および/または軽鎖(例えば、VH領域および/またはVL領域)に対して所望の翻訳後修飾を行なうその能力に基づいて選択される。例えば、いくつかの態様において、CHO細胞は、293細胞内で産生される同じポリペプチドより高レベルのシアリル化を有するポリペプチドを産生する。
【0193】
いくつかの態様において、本明細書において提供する抗体または抗原結合断片は無細胞系内で産生される。例示的な無細胞系は、例えばSitaraman et al.,Methods Mol.Biol.498:229-44(2009);Spirin,Trends Biotechnol.22:538-45(2004);Endo et al.,Biotechnol.Adv.21:695-713(2003)に記載されている。
【0194】
提供される態様は、該抗体および他の抗原結合タンパク質を発現および産生させるためのベクターおよび宿主細胞および他の発現系、例えば真核生物宿主細胞および原核生物宿主細胞、例えば細菌、糸状菌および酵母ならびに哺乳動物細胞、例えばヒト細胞、ならびに無細胞発現系をさらに含む。
【0195】
b. 例示的な特徴
いくつかの局面において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、1つまたは複数の指定された機能的特徴、例えば結合特性、例えば特定のエピトープに対する結合性を有する。
【0196】
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片はBCMAタンパク質に特異的に結合する。本明細書において提供するいくつかの態様において、BCMAタンパク質は、ヒトBCMA、マウスBCMAタンパク質または非ヒト霊長類(例えば、カニクイザル)BCMAタンパク質を示す。本明細書における態様のいずれかのいくつかの態様において、BCMAタンパク質はヒトBCMAタンパク質を示す。抗体または他の結合分子がBCMAタンパク質に結合する、またはBCMAタンパク質に特異的に結合するという観察結果は、必ずしもこれがどの種のBCMAタンパク質にも結合することを意味するのではない。例えば、いくつかの態様において、BCMAタンパク質に結合するという特徴、例えばいくつかの態様においてこれに特異的に結合する能力および/または特定の度合の特定の親和性を伴って結合する能力はヒトBCMAタンパク質に対する能力を示し、その抗体は、別の種、例えばマウスのBCMAタンパク質に対してはこの特徴を有し得ない。
【0197】
いくつかの態様において、抗体または抗原結合断片は、BCMAの天然に存在しているバリアント、例えばある特定のスプライスバリアントまたは対立遺伝子バリアントを含む哺乳動物BCMAタンパク質に結合する。
【0198】
いくつかの態様において、抗体は、ヒトBCMAタンパク質、例えばヒトBCMAタンパク質、例えばSEQ ID NO:367(GenBank No.BAB60895.1)もしくはSEQ ID NO:368(NCBI No.NP_001183.2)のアミノ酸配列を含むヒトBCMAタンパク質またはその対立遺伝子バリアントもしくはスプライスバリアントのエピトープまたは領域に特異的に結合する。一態様において、ヒトBCMAタンパク質は、転写物バリアントによってコードされているか、あるいは、SEQ ID NO:369に示されるアミノ酸配列を有するアイソフォームである。いくつかの態様において、抗体は、カニクイザルBCMAタンパク質、例えばSEQ ID NO:371(GenBank No.EHH60172.1)に示されるカニクイザルBCMAタンパク質に結合する。いくつかの態様において、抗体はヒトBCMAに結合するが、カニクイザルBCMAタンパク質、例えばSEQ ID NO:371(GenBank No.EHH60172.1)に示されるカニクイザルBCMAタンパク質には結合しないか、あるいは低レベルもしくは低度または低親和性で結合する。いくつかの態様において、抗体は、マウスBCMAタンパク質、例えばSEQ ID NO:370(NCBI No.NP_035738.1)に示されるマウスBCMAタンパク質に結合しないか、あるいは低レベルもしくは低度または低親和性で結合する。いくつかの態様において、抗体は、マウスBCMAタンパク質、例えばSEQ ID NO:370(NCBI No.NP_035738.1)に示されるマウスBCMAタンパク質に結合する。いくつかの態様において、抗体はマウスBCMAタンパク質に、ヒトBCMタンパク質および/またはカニクイザルBCMAタンパク質に対する結合より低親和性で結合する。いくつかの態様において、抗体はマウスBCMAタンパク質および/またはカニクイザルBCMAタンパク質に、ヒトBCMタンパク質に対する結合より低親和性で結合する。いくつかの態様において、抗体はマウスBCMAタンパク質および/またはカニクイザルBCMAタンパク質に、ヒトBCMAタンパク質に対する結合と比べて同様の結合親和性で結合する。
【0199】
一態様において、無関連の非BCMAタンパク質、例えば非ヒトBCMAタンパク質または他の非BCMAタンパク質に対する抗BCMA抗体の結合の程度は、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)による測定時、ヒトBCMAタンパク質に対する該抗体に対する結合の10%未満または約10%未満である。いくつかの態様において、中でも、提供される抗体は、マウスBCMAタンパク質に対する結合がヒトBCMAタンパク質に対する抗体の結合の10%未満または10%または約10%である抗体である。いくつかの態様において、中でも、提供される抗体は、カニクイザルBCMAタンパク質に対する結合がヒトBCMAタンパク質に対する抗体の結合の10%未満または10%または約10%である抗体である。いくつかの態様において、中でも、提供される抗体は、カニクイザルBCMAタンパク質および/またはマウスBCMAタンパク質に対する結合がヒトBCMAタンパク質に対する抗体結合と同様またはほぼ同じである抗体である。
【0200】
いくつかの態様において、抗体はBCMAタンパク質、例えばヒトBCMA、マウスBCMAタンパク質または非ヒト霊長類(例えば、カニクイザル)BCMAタンパク質に特異的に結合する、および/または特定の度合の特定の親和性を伴って結合する。
【0201】
いくつかの態様において、提供される抗体は、BCMAタンパク質、例えばヒトBCMAタンパク質に、いくつかの公知の方法のいずれかによる測定時、少なくともある特定の親和性で結合することができる。いくつかの態様において、親和性は平衡解離定数(KD)で表され;いくつかの態様において、親和性はEC50で表される。
【0202】
結合親和性を評価するため、および/または結合分子(例えば、抗体もしくはその断片)が特定のリガンド(例えば、抗原、例えばBCMAタンパク質)に特異的に結合するかどうかを調べるためのさまざまなアッセイが公知である。抗原、例えばBCMA、例えばヒトBCMAまたはカニクイザル(cynomolgus)BCMAまたはマウスBCMAに対する結合分子、例えば抗体の結合親和性を、例えば当技術分野において周知であるいくつかの結合アッセイのいずれかを使用することによって調べることは当業者の水準の範囲内である。例えば、いくつかの態様において、BIAcore(登録商標)機器は、2つのタンパク質(例えば、抗体またはその断片と抗原、例えばBCMAタンパク質)間の複合体の結合速度論および結合定数を、表面プラズモン共鳴(SPR)解析を用いて調べるために使用され得る(例えばScatchard et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.51:660,1949;Wilson,Science 295:2103,2002;Wolff et al.,Cancer Res.53:2560,1993;および米国特許第5,283,173号、同第5,468,614号またはその対応文献参照)。
【0203】
SPRでは、分子がセンサー表面に結合するか、またはセンサー表面から解離する際の該表面の分子の濃度の変化が測定される。SPRシグナルの変化は、表面付近の質量濃度の変化に正比例し、それにより2つの分子間の結合速度論の測定が可能になる。複合体の解離定数は、バッファーがチップを通過する際の時間に対する屈折率の変化をモニタリングすることにより求めることができる。あるタンパク質の別のタンパク質に対する結合を測定するための他の好適なアッセイとしては、例えばイムノアッセイ、例えば酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)およびラジオイムノアッセイ(RIA)、または蛍光、UV吸収、円偏光二色性もしくは核磁気共鳴(NMR)によりタンパク質の分光特性もしくは光学特性の変化をモニタリングすることによる結合の測定が挙げられる。他の例示的なアッセイとしては、限定するわけではないが、ウエスタンブロット、ELISA、分析用超遠心分離、分光法、フローサイトメトリー、シーケンシングおよび発現された核酸またはタンパク質の結合の検出のための他の方法が挙げられる。
【0204】
いくつかの態様において、結合分子、例えば抗体またはその断片は、抗原、例えばBCMAタンパク質またはそのエピトープに、105 M-1と等しいか、または105 M-1より大きい親和性またはKA(すなわち、特定の結合相互作用の平衡結合定数、単位は1/M;この結合反応のオフレート[koffまたはkd]に対するオンレート[konまたはka]の比に等しい、二分子間の相互作用と仮定する)で結合する、例えば特異的に結合する。いくつかの態様において、抗体またはその断片はペプチドエピトープに対して、10-5 Mと等しいか、または10-5 M未満のKD(すなわち、特定の結合相互作用の平衡解離定数、単位はM;この結合反応のオンレート[konまたはka]に対するオフレート[koffまたはkd]の比に等しい、二分子間の相互作用と仮定する)の結合親和性を示す。例えば、平衡解離定数KDは10-5 M~10-13 M、例えば10-7 M~10-11 M、10-8 M~10-10 Mまたは10-9 M~10-10 Mの範囲である。オンレート(結合速度定数;konまたはka;単位は1/Ms)およびオフレート(解離速度定数;koffまたはkd;単位は1/s)は、当技術分野において公知のアッセイ方法のいずれか、例えば表面プラズモン共鳴(SPR)を用いて求めることができる。
【0205】
いくつかの態様において、およそBCMAタンパク質、例えばヒトBCMAタンパク質に対する抗体(例えば抗原結合断片)の結合親和性(EC50)および/または解離定数は、0.01 nM~約500 nMもしくは約0.01 nM~約500 nM、0.01 nM~約400 nMもしくは約0.01 nM~約400 nM、0.01 nM~約100 nMもしくは約0.01 nM~約100 nM、0.01 nM~約50 nMもしくは約0.01 nM~約50 nM、0.01 nM~約10 nMもしくは約0.01 nM~約10 nM、0.01 nM~約1 nMもしくは約0.01 nM~約1 nM、0.01 nM~約0.1 nMもしくは約0.01 nM~約0.1 nMである、0.1 nM~約500 nMもしくは約0.1 nM~約500 nM、0.1 nM~約400 nMもしくは約0.1 nM~約400 nM、0.1 nM~約100 nMもしくは約0.1 nM~約100 nM、0.1 nM~約50 nMもしくは約0.1 nM~約50 nM、0.1 nM~約10 nMもしくは約0.1 nM~約10 nM、0.1 nM~約1 nMもしくは約0.1 nM~約1 nM、0.5 nM~約200 nMもしくは約0.5 nM~約200 nM、1 nM~約500 nMもしくは約1 nM~約500 nM、1 nM~約100 nMもしくは約1 nM~約100 nM、1 nM~約50 nMもしくは約1 nM~約50 nM、1 nM~約10 nMもしくは約1 nM~約10 nM、2 nM~約50 nMもしくは約2 nM~約50 nM、10 nM~約500 nMもしくは約10 nM~約500 nM、10 nM~約100 nMもしくは約10 nM~約100 nM、10 nM~約50 nMもしくは約10 nM~約50 nM、50 nM~約500 nMもしくは約50 nM~約500 nM、50 nM~約100 nMもしくは約50 nM~約100 nMまたは100 nM~約500 nMもしくは約100 nM~約500 nMである。一部の特定の態様において、BCMAタンパク質、例えばヒトBCMAタンパク質に対する抗体の結合親和性(EC50)および/または平衡解離定数KDは400 nMもしくは400 nM未満もしくは約400 nM、300 nMもしくは300 nM未満もしくは約300 nM、200 nMもしくは200 nM未満もしくは約200 nM、100 nMもしくは100 nM未満もしくは約100 nM、50 nMもしくは50 nM未満もしくは約50 nM、40 nMもしくは40 nM未満もしくは約40 nM、30 nMもしくは30 nM未満もしくは約30 nM、25 nMもしくは25 nM未満もしくは約25 nM、20 nMもしくは20 nM未満もしくは約20 nM、19 nMもしくは19 nM未満もしくは約19 nM、18 nMもしくは18 nM未満もしくは約18 nM、17 nMもしくは17 nM未満もしくは約17 nM、16 nMもしくは16 nM未満もしくは約16 nM、15 nMもしくは15 nM未満もしくは約15 nM、14 nMもしくは14 nM未満もしくは約14 nM、13 nMもしくは13 nM未満もしくは約13 nM、12 nMもしくは12 nM未満もしくは約12 nM、11 nMもしくは11 nM未満もしくは約11 nM、10 nMもしくは10 nM未満もしくは約10 nM、9 nMもしくは9 nM未満もしくは約9 nM、8 nMもしくは8 nM未満もしくは約8 nM、7 nMもしくは7 nM未満もしくは約7 nM、6 nMもしくは6 nM未満もしくは約6 nM、5 nMもしくは5 nM未満もしくは約5 nM、4 nMもしくは4 nM未満もしくは約4 nM、3 nMもしくは3 nM未満もしくは約3 nM、2 nMもしくは2 nM未満もしくは約2 nMまたは1 nMもしくは1 nM未満もしくは約1 nMであるか、あるいはそれより小さい。いくつかの態様において、抗体はBCMAタンパク質、例えばヒトBCMAタンパク質に、サブナノモル濃度の結合親和性で、例えば約1 nM未満、例えば約0.9 nM未満、約0.8 nM未満、約0.7 nM未満、約0.6 nM未満、約0.5 nM未満、約0.4 nM未満、約0.3 nM未満、約0.2 nM未満もしくは約0.1 nM未満またはそれより小さい結合親和性で結合する。
【0206】
いくつかの態様において、結合親和性は高親和性または低親和性と分類され得る。いくつかの場合において、低度から中程度の親和性結合を示す結合分子(例えば抗体またはその断片)は、最大107 M-1、最大106 M-1、最大105 M-1のKAを示す。いくつかの場合において、特定のエピトープに対して高親和性結合を示す結合分子(例えば抗体またはその断片)はかかるエピトープと、少なくとも107 M-1、少なくとも108 M-1、少なくとも109 M-1、少なくとも1010 M-1、少なくとも1011 M-1、少なくとも1012 M-1、または少なくとも1013 M-1のKAで相互作用する。いくつかの態様において、BCMAタンパク質に対する結合分子、例えば抗BCMA抗体またはその断片の結合親和性(EC50)および/または平衡解離定数KDは0.01 nM~約1μMもしくは約0.01 nM~約1μM、0.1 nM~1μMもしくは約0.1 nM~約1μM、1 nM~1μMもしくは約1 nM~約1μM、1 nM~500 nMもしくは約1 nM~約500 nM、1 nM~100 nMもしくは約1 nM~約100 nM、1 nM~50 nMもしくは約1 nM~約50 nM、1 nM~10 nMもしくは約1 nM~約10 nM、10 nM~500 nMもしくは約10 nM~約500 nM、10 nM~100 nMもしくは約10 nM~約100 nM、10 nM~50 nMもしくは約10 nM~約50 nM、50 nM~500 nMもしくは約50 nM~約500 nM、50 nM~100 nMもしくは約50 nM~約100 nMまたは100 nM~500 nMもしくは約100 nM~約500 nMである。一部の特定の態様において、BCMAタンパク質に対する結合分子、例えば抗BCMA抗体またはその断片の結合親和性(EC50)および/または平衡解離定数KDの解離定数は、1μMもしくは約1μMもしくは1μM未満もしくは約1μM未満、500 nMもしくは約500 nMもしくは500 nM未満もしくは約500 nM未満、100 nMもしくは約100 nMもしくは100 nM未満もしくは約100 nM未満、50 nMもしくは約50 nMもしくは50 nM未満もしくは約50 nM未満、40 nMもしくは約40 nMもしくは40 nM未満もしくは約40 nM未満、30 nMもしくは約30 nMもしくは30 nM未満もしくは約30 nM未満、25 nMもしくは約25 nMもしくは25 nM未満もしくは約25 nM未満、20 nMもしくは約20 nMもしくは20 nM未満もしくは約20 nM未満、19 nMもしくは約19 nMもしくは19 nM未満もしくは約19 nM未満、18 nMもしくは約18 nMもしくは18 nM未満もしくは約18 nM未満、17 nMもしくは約17 nMもしくは17 nM未満もしくは約17 nM未満、16 nMもしくは約16 nMもしくは16 nM未満もしくは約16 nM未満、15 nMもしくは約15 nMもしくは15 nM未満もしくは約15 nM未満、14 nMもしくは約14 nMもしくは14 nM未満もしくは約14 nM未満、13 nMもしくは約13 nMもしくは13 nM未満もしくは約13 nM未満、12 nMもしくは約12 nMもしくは12 nM未満もしくは約12 nM未満、11 nMもしくは約11 nMもしくは11 nM未満もしくは約11 nM未満、10 nMもしくは約10 nMもしくは10 nM未満もしくは約10 nM未満、9 nMもしくは約9 nMもしくは9 nM未満もしくは約9 nM未満、8 nMもしくは約8 nMもしくは8 nM未満もしくは約8 nM未満、7 nMもしくは約7 nMもしくは7 nM未満もしくは約7 nM未満、6 nMもしくは約6 nMもしくは6 nM未満もしくは約6 nM未満、5 nMもしくは約5 nMもしくは5 nM未満もしくは約5 nM未満、4 nMもしくは約4 nMもしくは4 nM未満もしくは約4 nM未満、3 nMもしくは約3 nMもしくは3 nM未満もしくは約3 nM未満、2 nMもしくは約2 nMもしくは2 nM未満もしくは約2 nM未満または1 nMもしくは約1 nMもしくは1 nM未満もしくは約1 nM未満であるか、あるいはそれより小さい。
【0207】
いくつかの態様において、異なる抗原、例えば異なる種由来のBCMAタンパク質に対する結合分子、例えば抗BCMA抗体の結合親和性が、種間交差反応性を調べるために比較され得る。例えば、種間交差反応性は高交差反応性または低交差反応性と分類され得る。いくつかの態様において、異なる抗原、例えば異なる種、例えばヒト、カニクイザルまたはマウス由来のBCMAタンパク質に対する平衡解離定数KDが、種間交差反応性を調べるために比較され得る。いくつかの態様において、抗BCMA抗体の種間交差反応性は高いものであり得、例えば抗BCMA抗体はヒトBCMAおよび種バリアントBCMAに同様の度合で結合し、例えばヒトBCMAに対するKDと種バリアントBCMAに対するKDの比は1であるか、または約1である。いくつかの態様において、抗BCMA抗体の種間交差反応性は低いものであり得、例えば抗BCMA抗体はヒトBCMAに対して高親和性を有するが種バリアントBCMAに対しては低親和性を有するか、またはその逆である。例えば、種バリアントBCMAに対するKDとヒトBCMAに対するKDの比は10より大きい、15より大きい、20より大きい、25より大きい、30より大きい、40より大きい、50より大きい、60より大きい、70より大きい、80より大きい、90より大きい、100より大きい、200より大きい、500より大きい、1000より大きい、2000より大きいか、またはそれより大きく、抗BCMA抗体は低い種間交差反応性を有する。種間交差反応性の度合を公知の抗体の種間交差反応性と比較してもよい。
【0208】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は同様の度合でヒトBCMAタンパク質および非ヒトBCMAタンパク質または他の非BCMAタンパク質に結合する。例えば、いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、ヒトBCMAタンパク質、例えばSEQ ID NO:367(GenBank No.BAB60895.1)またはSEQ ID NO:368(NCBI No.NP_001183.2)のアミノ酸配列を含むヒトBCMAタンパク質またはその対立遺伝子バリアントもしくはスプライスバリアントにある平衡解離定数(KD)で結合し、非ヒトBCMA、例えばカニクイザルBCMA、例えばSEQ ID NO:371(GenBank No.EHH60172.1)に示されるカニクイザルBCMAタンパク質に、同様もしくはほぼ同じ、または2倍未満異なる、もしくは5倍未満異なるKDで結合する。
【0209】
例えば、いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片はヒトBCMAに約1μMもしくは1μM未満もしくは約1μM未満、約500 nMもしくは500 nM未満もしくは約500 nM未満、約100 nMもしくは100 nM未満もしくは約100 nM未満、約50 nMもしくは50 nM未満もしくは約50 nM未満、約40 nMもしくは40 nM未満もしくは約40 nM未満、約30 nMもしくは30 nM未満もしくは約30 nM未満、約25 nMもしくは25 nM未満もしくは約25 nM未満、約20 nMもしくは20 nM未満もしくは約20 nM未満、約19 nMもしくは19 nM未満もしくは約19 nM未満、約18 nMもしくは18 nM未満もしくは約18 nM未満、約17 nMもしくは17 nM未満もしくは約17 nM未満、約16 nMもしくは16 nM未満もしくは約16 nM未満、約15 nMもしくは15 nM未満もしくは約15 nM未満、約14 nMもしくは14 nM未満もしくは約14 nM未満、約13 nMもしくは13 nM未満もしくは約13 nM未満、約12 nMもしくは12 nM未満もしくは約12 nM未満、約11 nMもしくは11 nM未満もしくは約11 nM未満、約10 nMもしくは10 nM未満もしくは約10 nM未満、約9 nMもしくは9 nM未満もしくは約9 nM未満、約8 nMもしくは8 nM未満もしくは約8 nM未満、約7 nMもしくは7 nM未満もしくは約7 nM未満、約6 nMもしくは6 nM未満もしくは約6 nM未満、約5 nMもしくは5 nM未満もしくは約5 nM未満、約4 nMもしくは4 nM未満もしくは約4 nM未満、約3 nMもしくは3 nM未満もしくは約3 nM未満、約2 nMもしくは2 nM未満もしくは約2 nM未満または約1 nMもしくは1 nM未満もしくは約1 nM未満あるいはそれより小さいKDで結合し、カニクイザルBCMAに約1μMもしくは1μM未満もしくは約1μM未満、約500 nMもしくは500 nM未満もしくは約500 nM未満、約100 nMもしくは100 nM未満もしくは約100 nM未満、約50 nMもしくは50 nM未満もしくは約50 nM未満、約40 nMもしくは40 nM未満もしくは約40 nM未満、約30 nMもしくは30 nM未満もしくは約30 nM未満、約25 nMもしくは25 nM未満もしくは約25 nM未満、約20 nMもしくは20 nM未満もしくは約20 nM未満、約19 nMもしくは19 nM未満もしくは約19 nM未満、約18 nMもしくは18 nM未満もしくは約18 nM未満、約17 nMもしくは17 nM未満もしくは約17 nM未満、約16 nMもしくは16 nM未満もしくは約16 nM未満、約15 nMもしくは15 nM未満もしくは約15 nM未満、約14 nMもしくは14 nM未満もしくは約14 nM未満、約13 nMもしくは13 nM未満もしくは約13 nM未満、約12 nMもしくは12 nM未満もしくは約12 nM未満、約11 nMもしくは11 nM未満もしくは約11 nM未満、約10 nMもしくは10 nM未満もしくは約10 nM未満、約9 nMもしくは9 nM未満もしくは約9 nM未満、約8 nMもしくは8 nM未満もしくは約8 nM未満、約7 nMもしくは7 nM未満もしくは約7 nM未満、約6 nMもしくは6 nM未満もしくは約6 nM未満、約5 nMもしくは5 nM未満もしくは約5 nM未満、約4 nMもしくは4 nM未満もしくは約4 nM未満、約3 nMもしくは3 nM未満もしくは約3 nM未満、約2 nMもしくは2 nM未満もしくは約2 nM未満または約1 nMもしくは1 nM未満もしくは約1 nM未満あるいはそれより小さいKDで結合する。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片はマウスBCMAタンパク質に約1μMもしくは1μM未満もしくは約1μM未満、約500 nMもしくは500 nM未満もしくは約500 nM未満、約100 nMもしくは100 nM未満もしくは約100 nM未満、約50 nMもしくは50 nM未満もしくは約50 nM未満、約40 nMもしくは40 nM未満もしくは約40 nM未満、約30 nMもしくは30 nM未満もしくは約30 nM未満、約25 nMもしくは25 nM未満もしくは約25 nM未満、約20 nMもしくは20 nM未満もしくは約20 nM未満、約19 nMもしくは19 nM未満もしくは約19 nM未満、約18 nMもしくは18 nM未満もしくは約18 nM未満、約17 nMもしくは17 nM未満もしくは約17 nM未満、約16 nMもしくは16 nM未満もしくは約16 nM未満、約15 nMもしくは15 nM未満もしくは約15 nM未満、約14 nMもしくは14 nM未満もしくは約14 nM未満、約13 nMもしくは13 nM未満もしくは約13 nM未満、約12 nMもしくは12 nM未満もしくは約12 nM未満、約11 nMもしくは11 nM未満もしくは約11 nM未満、約10 nMもしくは10 nM未満もしくは約10 nM未満、約9 nMもしくは9 nM未満もしくは約9 nM未満、約8 nMもしくは8 nM未満もしくは約8 nM未満、約7 nMもしくは7 nM未満もしくは約7 nM未満、約6 nMもしくは6 nM未満もしくは約6 nM未満、約5 nMもしくは5 nM未満もしくは約5 nM未満、約4 nMもしくは4 nM未満もしくは約4 nM未満、約3 nMもしくは3 nM未満もしくは約3 nM未満、約2 nMもしくは2 nM未満もしくは約2 nM未満または約1 nMもしくは1 nM未満もしくは約1 nM未満あるいはそれより小さいKDで結合する。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片はヒトBCMA、カニクイザルBCMAおよびマウスBCMAに高親和性で結合する。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片はヒトBCMAおよびカニクイザルBCMAに高親和性で結合し、マウスBCMAに低親和性で結合する。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片はヒトBCMAおよび他の種由来のBCMAまたはBCMAタンパク質の他のバリアントに高親和性で結合する。
【0210】
いくつかの態様において、特定の表面プラズモン共鳴(SPR)条件を用いて測定される総結合能(Rmax)が、抗原、例えばBCMAタンパク質、例えばヒトBCMAタンパク質に対する提供される抗体またはその抗原結合断片の結合能力または結合能を調べるために使用される。SPR解析では、「リガンド」は、センサーの表面上に固定化された標的分子、例えばBCMAタンパク質であり、「被検物質」は、「リガンド」に対する結合について試験対象の分子、例えば抗体である。例えば、「被検物質」は、BCMAタンパク質に結合する提供されるいずれかの抗体またはその抗原結合断片であり得る。SPRの特定のリガンドと被検物質のペアで、Rmaxが、1:1の結合化学量論モデルを仮定して特定の条件で求められ得る。いくつかの態様において、結合能(Rmax)は、以下の式:Rmax(RU)=(被検物質の分子量)/(リガンドの分子量)×固定化されたリガンドレベル(RU)を用いて求められ得る。SPR条件の特定の局面において、提供されるいずれかの抗体またはその抗原結合断片とBCMAタンパク質、例えばヒトBCMAまたはカニクイザルBCMA間の結合のRmaxは少なくとも50または少なくとも約50レゾナンスユニット(RU)、例えば約25 RU、約20 RU、約15 RU、約10 RU、約5 RUまたは約1 RUである。
【0211】
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片、例えばヒト抗体は、BCMAタンパク質の特定のエピトープまたは領域、例えば一般的には細胞外のエピトープまたは領域に特異的に結合する。BCMAタンパク質は、細胞外ドメイン、膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含む184個のアミノ酸のIII型膜貫通タンパク質である。SEQ ID NO:367に示されるヒトBCMAのアミノ酸配列に関して、細胞外ドメインはアミノ酸1~54に対応し、アミノ酸55~77は膜貫通ドメインに対応し、アミノ酸78~184は細胞質ドメインに対応する。
【0212】
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片は、BCMA、例えばヒトBCMA内の1つもしくは複数のエピトープに結合する、例えば特異的に結合する、および/またはBCMA、例えばヒトBCMA内の1つもしくは複数のエピトープを認識する。いくつかの態様において、エピトープは、BCMA、例えばヒトBCMAの細胞外ドメイン上に存在するエピトープである。いくつかの態様において、エピトープはペプチドエピトープを含む。いくつかの態様において、エピトープは、線状エピトープおよび/または構造依存性エピトープまたはその組合せを含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片、例えば本明細書において提供する抗BCMA抗体またはその抗原結合断片に関して、BCMA上のエピトープは、構造依存性エピトープ、例えばBCMA由来のいくつかのペプチド鎖を含むエピトープを含む。いくつかの態様において、本明細書において提供する抗BCMA抗体またはその抗原結合断片は、21CIPCQLR27(SEQ ID NO:375に示される)、30SNTPPLTCQR39(SEQ ID NO:379に示される)および44SVTNSVK50(SEQ ID NO:393に示される)のうちの1つ、もしくはその組合せに結合するか、あるいは21CIPCQLR27(SEQ ID NO:375に示される)、30SNTPPLTCQR39(SEQ ID NO:379に示される)および44SVTNSVK50(SEQ ID NO:393に示される)のうちの1つ、もしくはその組合せを認識する。いくつかの態様において、エピトープは、30SNTPPLTCQR39(SEQ ID NO:379)および/または44SVTNSVK50(SEQ ID NO:393)を含む。いくつかの態様において、本明細書において提供する抗BCMA抗体またはその抗原結合断片は、30SNTPPLTCQR39(SEQ ID NO:379に示される)に結合するか、あるいは30SNTPPLTCQR39(SEQ ID NO:379に示される)を認識する。いくつかの態様において、本明細書において提供する抗BCMA抗体またはその抗原結合断片は、8CSQNEYF14(SEQ ID NO:410に示される)および17LLHACIPCQLR27(SEQ ID NO:428に示される)のうちの1つ、もしくはその組合せに結合するか、あるいは8CSQNEYF14(SEQ ID NO:410に示される)および17LLHACIPCQLR27(SEQ ID NO:428に示される)のうちの1つ、もしくはその組合せを認識する。いくつかの態様において、エピトープは17LLHACIPCQLR27(SEQ ID NO:428)を含む。
【0213】
いくつかの態様において、抗体または抗原結合断片は、21CIPCQLR27(SEQ ID NO:375)、30SNTPPLTCQR39(SEQ ID NO:379)および44SVTNSVK50(SEQ ID NO:393)の中から選択されるヒトBCMAタンパク質の1つまたは複数のエピトープに結合するが、それぞれSEQ ID NO:496、507および/または513のアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、CDR-H2および/またはCDR-H3のそれぞれを含むVH領域を含まず、および/または抗体または抗原結合断片は、それぞれSEQ ID NO:517、532および/または551のアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、CDR-L2および/またはCDR-L3を含むVL領域を含まず;あるいは、SEQ ID NO:577に示されるアミノ酸配列あるいはこれとの少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の相同性を有するアミノ酸配列を含むVH領域および/またはSEQ ID NO:587に示されるアミノ酸配列あるいはこれとの少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の相同性を有するアミノ酸配列を含むVL領域を含む抗体またはその抗原結合断片を含む。
【0214】
いくつかの態様において、抗体または抗原結合断片は、8CSQNEYF14(SEQ ID NO:410)および17LLHACIPCQLR27(SEQ ID NO:428)の中から選択されるヒトBCMAタンパク質の1つまたは複数のエピトープに結合するが、それぞれSEQ ID NO:496、507および/または513のアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、CDR-H2および/またはCDR-H3のそれぞれを含むVH領域を含まず、および/または抗体または抗原結合断片は、それぞれSEQ ID NO:517、532および/または551のアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、CDR-L2および/またはCDR-L3を含むVL領域を含まず;あるいはSEQ ID NO:577に示されるアミノ酸配列あるいはこれとの少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の相同性を有するアミノ酸配列を含むVH領域および/またはSEQ ID NO:587に示されるアミノ酸配列あるいはこれとの少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の相同性を有するアミノ酸配列を含むVL領域を含む抗体またはその抗原結合断片を含む。
【0215】
いくつかの態様において、抗体または抗原結合断片は、それぞれSEQ ID NO:496、507および/または513のアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、CDR-H2および/またはCDR-H3のそれぞれを含むVH領域を含まず、および/または抗体または抗原結合断片は、それぞれSEQ ID NO:517、532および/または551のアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、CDR-L2および/またはCDR-L3を含むVL領域を含まず;あるいはSEQ ID NO:577に示されるアミノ酸配列あるいはこれとの少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の相同性を有するアミノ酸配列を含むVH領域および/またはSEQ ID NO:587に示されるアミノ酸配列あるいはこれとの少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の相同性を有するアミノ酸配列を含むVL領域を含む抗体またはその抗原結合断片を含む。
【0216】
いくつかの態様において、抗体または抗原結合断片は、それぞれSEQ ID NO:588、589および/または590のアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、CDR-H2および/またはCDR-H3のそれぞれを含むVH領域を含まず、および/または抗体または抗原結合断片は、それぞれSEQ ID NO:591、592および/または593のアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、CDR-L2および/またはCDR-L3を含むVL領域を含まず;あるいはSEQ ID NO:594に示されるアミノ酸配列あるいはこれとの少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の相同性を有するアミノ酸配列を含むVH領域および/またはSEQ ID NO:595に示されるアミノ酸配列あるいはこれとの少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の相同性を有するアミノ酸配列を含むVL領域を含む抗体またはその抗原結合断片を含む。
【0217】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、30SNTPPLTCQR39(SEQ ID NO:379)および/または44SVTNSVK50(SEQ ID NO:393)を含むヒトBCMAタンパク質のエピトープに結合する。例えば、いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片は、SEQ ID NO:7および157のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)もしくはSEQ ID NO:110、256および519のうちのいずれか1つから選択される重鎖可変(VH)領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H3および/またはSEQ ID NO:47、51、194および416のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)もしくはSEQ ID NO:116、120、267および535のうちのいずれか1つから選択される軽鎖可変(VL)領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L3を含む。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片は、SEQ ID NO:1および2のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)もしくはSEQ ID NO:110、256および519のうちのいずれか1つから選択される重鎖可変(VH)領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1および/またはSEQ ID NO:26、30、178および380のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)もしくはSEQ ID NO:116、120、267および535のうちのいずれか1つから選択される軽鎖可変(VL)領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1;SEQ ID NO:4あるいは5のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)もしくはSEQ ID NO:110、256および519のうちのいずれか1つから選択される重鎖可変(VH)領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H2および/またはSEQ ID NO:37、39、183あるいは400のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)もしくはSEQ ID NO:116、120、267および535のうちのいずれか1つから選択される軽鎖可変(VL)領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L2をさらに含む。例えば、いくつかの態様において、抗体または抗原結合断片は、SEQ ID NO:110、256および519のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含むVH領域;および/またはSEQ ID NO:116、120、267および535のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含むVL領域を含む。
【0218】
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:110および116のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:110および120のアミノ酸配列を含む;抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:256および267のアミノ酸配列を含む;あるいは抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:519および535のアミノ酸配列またはこれらとのそれぞれ少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0219】
いくつかの態様において、抗体または抗原結合断片は、17LLHACIPCQLR27(SEQ ID NO:428)を含むヒトBCMAタンパク質のエピトープに結合する。例えば、いくつかの態様において、抗体または抗原結合断片は、SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)もしくはSEQ ID NO:115の重鎖可変(VH)領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H3および/またはSEQ ID NO:421のアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)もしくはSEQ ID NO:536の軽鎖可変(VL)領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L3を含む。いくつかの態様において、抗体または抗原結合断片は、SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)もしくはSEQ ID NO:115の重鎖可変(VH)領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1および/またはSEQ ID NO:33のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)もしくはSEQ ID NO:536のうちのいずれか1つから選択される軽鎖可変(VL)領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1;および/またはSEQ ID NO:5のアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)もしくはSEQ ID NO:115の重鎖可変(VH)領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1および/またはSEQ ID NO:43のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)もしくはSEQ ID NO:536のうちのいずれか1つから選択される軽鎖可変(VL)領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1をさらに含む。いくつかの態様において、抗体または抗原結合断片は、SEQ ID NO:115のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含むVH領域;および/またはSEQ ID NO:536のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含むVL領域を含む。
【0220】
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域は、それぞれSEQ ID NO:115および536のアミノ酸配列またはこれらとのそれぞれ少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0221】
いくつかの態様において、提供される抗体(例えば、抗原結合断片)の特性または特徴は、別の抗体、例えば参照抗体で観察される特性との関連において記載される。いくつかの態様において、参照抗体は非ヒト抗BCMA抗体、例えばマウスまたはキメラまたはヒト化抗BCMA抗体である。いくつかの局面において、参照抗体は、C11D5.3あるいはA7D12.2(例えば国際特許出願公開公報第2010/104949号参照)と指定されるマウス抗体および/またはこれに由来する断片、例えばそのscFv断片および/またはかかる抗体のVH領域およびVL領域および/またはかかる抗体の重鎖CDRと軽鎖CDRを含む抗体である。C11D5.3の抗原結合scFv断片を含むキメラ抗原受容体(CAR)は、CAR療法において抗腫瘍反応性を有効に促進させることが実証されている(Carpenter et al.,Clin Cancer Res.,2013,19(8):2048-2060)。
【0222】
例えば、いくつかの態様において、参照抗体は、SEQ ID NO:324に示されるアミノ酸配列を含むVH領域を有するか、あるいはかかる配列内のCDR-H1、CDR-H2および/またはCDR-H3を含む、および/またはSEQ ID NO:326に示されるアミノ酸配列を含むVL領域を有するか、あるいはかかる配列内のCDR-L1、CDR-L2および/またはCDR-L3を含む。例えば、参照抗体は、DYSIN(SEQ ID NO:288)のCDR-H1配列、
のCDR-H2配列、DYSYAMDY(SEQ ID NO:292)のCDR-H3配列、
のCDR-L1配列、LASNVQT(SEQ ID NO:304)のCDR-L2配列および/またはLQSRTIPRT(SEQ ID NO:306)のCDR-L3配列を含む抗体であり得る。いくつかの態様において、参照抗体は、SEQ ID NO:328または585に示されるアミノ酸配列を含むscFvである。いくつかの態様において、参照抗体は、SEQ ID NO:325に示されるアミノ酸配列を含むVH領域を有するか、あるいはかかる配列内のCDR-H1、CDR-H2および/またはCDR-H3を含む、および/またはSEQ ID NO:327に示されるアミノ酸配列を含むVL領域を有するか、あるいはかかる配列内のCDR-L1、CDR-L2および/またはCDR-L3を含む。例えば、参照抗体は、NFGMN(SEQ ID NO:289)のCDR-H1配列、
のCDR-H2配列、
のCDR-H3配列、RASQDVNTAVS(SEQ ID NO:303)のCDR-L1配列、SASYRYT(SEQ ID NO:305)のCDR-L2配列および/またはQQHYSTPWT(SEQ ID NO:307)のCDR-L3配列を含む抗体であり得る。いくつかの態様において、参照抗体は、SEQ ID NO:329または586に示されるアミノ酸配列を含むscFvである。
【0223】
いくつかの態様において、提供される抗体(例えば、抗原結合断片)は、1種または複数種の参照抗体内に存在するCDRと相違する重鎖CDRおよび軽鎖CDRを含む。いくつかの態様において、提供される抗体は、SEQ ID NO:324に示されるVH領域アミノ酸配列および/またはSEQ ID NO:326に示されるVL領域アミノ酸配列内に存在するCDRと相違する重鎖CDRおよび軽鎖CDRを含む。いくつかの態様において、提供される抗体は、SEQ ID NO:325に示されるVH領域アミノ酸配列および/またはSEQ ID NO:327に示されるVL領域アミノ酸配列内に存在するCDRと相違する重鎖CDRおよび軽鎖CDRを含む。
【0224】
いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、BCMA、例えばヒトBCMA内の1つもしくは複数のエピトープに結合する、例えば特異的に結合する、および/またはBCMA、例えばヒトBCMA内の1つもしくは複数のエピトープを認識するが、それぞれSEQ ID NO:496、507もしくは513のアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、CDR-H2もしくはCDR-H3のそれぞれを含むVH領域を含まず、および/または抗体または抗原結合断片は、それぞれSEQ ID NO:517、532もしくは551のアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、CDR-L2もしくはCDR-L3を含むVL領域を含まない。いくつかの態様において、提供される抗体またはその抗原結合断片は、BCMA、例えばヒトBCMA内の1つもしくは複数のエピトープに結合する、例えば特異的に結合する、および/またはBCMA、例えばヒトBCMA内の1つもしくは複数のエピトープを認識するが、それぞれSEQ ID NO:588、589もしくは590のアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、CDR-H2もしくはCDR-H3のそれぞれを含むVH領域を含まず、および/または抗体または抗原結合断片は、それぞれSEQ ID NO:588、589もしくは590のアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、CDR-L2もしくはCDR-L3を含むVL領域を含まない。いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片は、それぞれSEQ ID NO:577および587またはそれぞれSEQ ID NO:594および595に示されるVH領域およびVL領域アミノ酸配列を含む抗体またはその抗原結合断片と相違するVH領域および/またはVL領域を含む。
【0225】
いくつかの態様において、抗体または抗原結合断片は、SEQ ID NO:328、329、585および/または586のアミノ酸配列を含む抗体内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3および/またはCDR-L1、CDR-L2、CDR-L3の配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の同一性を有するCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2および/またはCDR-L3の配列を含まない。
【0226】
中でも、提供される抗体(例えば、抗原結合断片)は、本明細書に記載される参照抗体が結合するものと同じか、もしくは重複するBCMAタンパク質エピトープとの結合に関して競合する、および/または本明細書に記載される参照抗体が結合するものと同じか、もしくは重複するBCMAタンパク質エピトープに結合するが、それにもかかわらず、相違するCDR、例えば相違する重鎖および/または軽鎖CDR1、CDR2およびCDR3を含むものである。
【0227】
中でも、提供される抗体(例えば、抗原結合断片)は、本明細書に記載される参照抗体が結合するものと相違するBCMAタンパク質エピトープとの結合に関して競合しない、および/または本明細書に記載される参照抗体が結合するものと相違するBCMAタンパク質エピトープに結合しないものである。
【0228】
いくつかの態様において、参照抗体は、本明細書に記載される抗体またはその一部分、例えば提供されるいずれかの例示的な抗体内に存在する配列を有する。例えば、いくつかの態様において、参照抗体は、SEQ ID NO:1~3および140~144のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H1;SEQ ID NO:4~6、145~148および372~374のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2;SEQ ID NO:7~11、149~157、279~287および376~378のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H3;SEQ ID NO:26~36、174~178、380~392および394~398のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L1;SEQ ID NO:37~46、179~183、399~409および411~414のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L2;および/またはSEQ ID NO:47~58、184~194、415~427および429~433のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。例えば、いくつかの態様において、参照抗体は、SEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列を有する、および/またはSEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列を有する。いくつかのかかる態様において、抗体は、かかる抗体内に存在する重鎖および/または軽鎖CDR1、2および/または3を有する。
【0229】
いくつかの態様において、抗体(例えば、抗原結合断片)は、BCMA発現細胞に対してBCMA陰性細胞と比較して、例えばBCMAを発現することが公知である、および/または本明細書に記載される特定の細胞とBCMAを発現しないことが公知の特定の細胞を比較して結合優先性を示す。いくつかの態様において、結合優先性は、BCMA発現細胞に対して非発現細胞と比較して有意に大きな結合度合が測定される場合に観察される。いくつかの態様において、例えばフローサイトメトリーベースのアッセイでの平均蛍光強度および/または解離定数もしくはEC50による測定時に検出される非BCMA発現細胞と比較したBCMA発現細胞に対する結合度合の倍数変化は少なくとも1.5もしくは少なくとも約1.5、少なくとも2もしくは少なくとも約2、少なくとも3もしくは少なくとも約3、少なくとも4もしくは少なくとも約4、少なくとも5もしくは少なくとも約5、少なくとも6もしくは少なくとも約6であるか、あるいはそれより大きい、および/または参照抗体の対応する形態で観察される倍数変化と比べてほぼ同程度に大きい、ほぼ同じ、少なくとも同程度に大きい、もしくは少なくともほぼ同程度に大きい、またはより大きい。いくつかの場合において、観察されるBCMAまたはBCMA発現細胞に対する結合の全体的な度合は、参照抗体の対応する形態で観察されるものと比べてほぼ同じ、少なくとも同程度に大きい、またはより大きい。
【0230】
いくつかの態様において、抗体(例えば、抗原結合断片)は、参照抗体が結合するBCMAタンパク質エピトープと重複するエピトープに特異的に結合する。いくつかの局面において、中でも、かかる抗体は、参照抗体と同じか、または類似したエピトープに結合する抗体である。いくつかの態様において、一方の抗体の結合を低減または排除するすべてまたは本質的にすべての抗原内アミノ酸変異が他方の抗体の結合を低減または排除するならば、2つの抗体は同じエピトープおよび/または重複するエピトープに特異的に結合する。
【0231】
いくつかの態様において、抗体(例えば、抗原結合断片)は、参照抗体が結合するBCMAタンパク質エピトープと重複しないエピトープに特異的に結合する。いくつかの局面において、中でも、かかる抗体は、参照抗体と異なるエピトープに結合する抗体である。いくつかの態様において、一方の抗体の結合を低減または排除するすべてまたは本質的にすべての抗原内アミノ酸変異が他方の抗体の結合を低減または排除しないならば、2つの抗体は異なるエピトープに特異的に結合する。
【0232】
抗体は、BCMAタンパク質に対する参照抗体の結合を競合的に阻害するならば、および/または参照抗体がBCMAタンパク質に対する該抗体の結合を競合的に阻害するならば、該抗体はBCMAタンパク質に対する「結合に関して」参照抗体と「競合する」。抗体は、過剰の該抗体の存在によって他方の抗体のその抗原に対する結合が検出可能に阻害(ブロックする)されるならば、該抗体は抗原に対する参照抗体の結合を競合的に阻害する。具体的な阻害度合を明示してもよい。
【0233】
競合阻害アッセイは公知であり、ELISAベース、フローサイトメトリーベースのアッセイ、およびRIAベースのアッセイが挙げられる。いくつかの局面において、競合阻害アッセイは、一方の抗体を非標識形態で過剰に組み込み、結合度合およびその低減が標識またはマーカーの検出によって評価できるように検出可能なマーカーで標識された他方の抗体の結合をブロックする能力を評価することにより行なわれる。いくつかの例において、競合的結合は、分子相互作用および結合速度論のアッセイ、例えば表面プラズモン共鳴解析を用いて測定され得る。
【0234】
本明細書において提供する抗BCMA抗体(例えば、抗原結合断片)は、その物理的/化学的特性および/または生物学的活性について種々の公知のアッセイによって同定、スクリーニングまたは特性評価され得る。一局面において、抗体はその抗原結合活性について、例えば、ELISA、ウエスタンブロッティングおよび/またはフローサイトメトリーアッセイ、例えば細胞ベースの結合アッセイ、例えば標的抗原、例えばBCMAを発現している細胞に対する抗体(例えば、蛍光マーカーにコンジュゲートさせた状態またはタグを付けた状態)の結合を、いくつかの場合では標的抗原、例えばBCMAを発現しない細胞を用いた結果と比べて評価することなどの公知の方法によって試験される。結合親和性はKDまたはEC50として測定され得る。いくつかの例において、結合親和性、結合速度論および/または結合定数は、分子相互作用を調べるためのアッセイ、例えば表面プラズモン共鳴解析を用いて測定され得る。
【0235】
競合アッセイは、本明細書に記載される抗体(例えば、抗原結合断片)のいずれかと競合する抗体を同定するために使用され得る。また、抗体および参照抗体が結合したエピトープをマッピングするためのアッセイも使用され得、公知である。
【0236】
c. イムノコンジュゲート
いくつかの態様において、抗体(例えば、抗原結合断片)は、抗体が1つまたは複数の異種分子または異種部分、例えば限定するわけではないが細胞傷害剤またはイメージング剤にコンジュゲートされているイムノコンジュゲートであるか、あるいは該イムノコンジュゲートの一部である。細胞傷害剤としては、限定するわけではないが、放射性同位体(例えば、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、Pb212およびLuの放射性同位体);化学療法剤(例えば、メトトレキサート、アドリアマイシン、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド)、ドキソルビシン、メルファラン、マイトマイシンC、クロラムブシル、ダウノルビシンまたは他のインターカレート剤);成長阻害剤;酵素およびその断片、例えば核酸分解酵素;抗生物質;毒素、例えば小分子毒素または酵素活性毒素が挙げられる。いくつかの態様において、抗体は、1つまたは複数の細胞傷害剤、例えば化学療法剤もしくは化学療法薬、成長阻害剤、毒素(例えば、タンパク質毒素、細菌起源、真菌起源、植物起源あるいは動物起源の酵素活性毒素もしくは断片)または放射性同位体にコンジュゲートされる。
【0237】
中でも、イムノコンジュゲートは、抗体が1種または複数種の薬物、例えば限定するわけではないがメイタンシノイド(米国特許第5,208,020号、同第5,416,064号および欧州特許EP 0 425 235 B1参照);アウリスタチン、例えばモノメチルアウリスタチン薬物部分DEおよびDF(MMAEおよびMMAF)(米国特許第5,635,483号および同第5,780,588号および同第7,498,298号参照);ドラスタチン;カリケアミシンまたはその誘導体(米国特許第5,712,374号、同第5,714,586号、同第5,739,116号、同第5,767,285号、同第5,770,701号、同第5,770,710号、同第5,773,001号および同第5,877,296号;Hinman et al.,Cancer Res.53:3336-3342(1993);ならびにLode et al.,Cancer Res.58:2925-2928(1998)参照);アントラサイクリン、例えばダウノマイシンまたはドキソルビシン(Kratz et al.,Current Med.Chem.13:477-523(2006);Jeffrey et al.,Bioorganic & Med.Chem.Letters 16:358-362(2006);Torgov et al.,Bioconj.Chem.16:717-721(2005);Nagy et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97:829-834(2000);Dubowchik et al.,Bioorg.& Med.Chem.Letters 12:1529-1532(2002);King et al.,J.Med.Chem.45:4336-4343(2002);および米国特許第6,630,579号参照);メトトレキサート;ビンデシン;ダキサン、例えばドセタキセル、パクリタキセル、ラロタキセル、テセタキセルおよびオルタタキセル;トリコテシン;ならびにCC1065にコンジュゲートされている抗体-薬物コンジュゲート(ADC)である。
【0238】
また、中でも、イムノコンジュゲートは、抗体(例えば、抗原結合断片)が酵素活性毒素またはその断片、例えば限定するわけではないが、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合性活性断片、外毒素A鎖(緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデクシンA鎖、アルファ-サルシン、シナアブラギリ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチン(dianthin)タンパク質、ヨウシュヤマゴボウ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI、PAPIIおよびPAP-S)、ニガウリ(momordica charantia)由来阻害剤、クルシン、クロチン、サボンソウ(sapaonaria officinalis)由来阻害剤、ゲロニン、ミトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン(restrictocin)、フェノマイシン、エノマイシン(enomycin)ならびにトリコテセン類にコンジュゲートされているものである。
【0239】
また、中でも、イムノコンジュゲートは、抗体(例えば、抗原結合断片)が放射性原子にコンジュゲートされて放射性コンジュゲートを形成しているものである。例示的な放射性同位体としては、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、Pb212およびLuの放射性同位体が挙げられる。
【0240】
抗体(例えば、抗原結合断片)と細胞傷害剤のコンジュゲートは、いくつかの公知のタンパク質カップリング剤のいずれか、例えばリンカー、(Vitetta et al.,Science 238:1098(1987)、WO94/11026参照)を用いて作製され得る。いくつかの態様において、リンカーはペプチドもしくはポリペプチドであるか、または化学的リンカーである。いくつかの態様において、リンカーは解放性リンカーまたは切断可能リンカーである。リンカーは細胞内への細胞傷害薬の放出を助長する「切断可能リンカー」または「解放性リンカー」、例えば酸不安定性リンカー、ペプチダーゼ感受性リンカー、光分解性リンカー、ジメチルリンカーおよびジスルフィド含有リンカー(Chari et al.,Cancer Res.52:127-131(1992);米国特許第5,208,020号)であり得る。いくつかの態様において、解放性リンカーまたは切断可能リンカーは、腫瘍微小環境(TME)内に存在する1つまたは複数の条件または因子、例えばマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)、低酸素条件または酸性条件の存在下で解放または切断される。
【0241】
d. 多重特異性抗体
一部の特定の態様において、BCMA結合分子、例えば抗体またはこれを含むキメラ受容体などのポリペプチドは多重特異性である。中でも、多重特異性結合分子は多重特異性抗体、例えば二重特異性抗体または三重特異性抗体などである。多重特異性の結合パートナー、例えば抗体は、同じ抗原内または異なる抗原内であり得る少なくとも2つの異なる部位に対する結合特異性を有する。一部の特定の態様において、一方の結合特異性はBCMAに対するものであり、他方は別の抗原に対するものである。いくつかの態様において、追加の結合分子は、第3の、もしくはそれより多くの抗原に結合する、および/または第3の、もしくはそれより多くの抗原を認識する。一部の特定の態様において、二重特異性抗体はBCMAの2つの異なるエピトープに結合し得る。また、二重特異性抗体は、BCMAを発現する細胞に細胞傷害剤を局在させるために使用され得る。二重特異性抗体は完全長抗体または抗体断片として調製され得る。中でも、多重特異性抗体は多重特異性単鎖抗体、例えばダイアボディ、トリアボディおよびテトラボディ、タンデムジ-scFvおよびタンデムトリ-scFvである。また、該抗体(例えば、抗原結合断片)を含む多重特異性キメラ受容体、例えば多重特異性CARが提供される。また、該抗体を含むか、または該抗体を含むポリペプチドを含む多重特異性細胞、例えば、細胞表面タンパク質、例えば抗BCMA抗体およびBCMA上の異なる抗原または異なるエピトープに結合する追加の細胞表面タンパク質、例えば追加のキメラ受容体を含む細胞が提供される。
【0242】
例示的な抗原としては、B細胞特異的抗原、他の腫瘍特異的抗原、例えば、白血病(例えば、B細胞白血病)、リンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫など)または骨髄腫、例えば多発性骨髄腫(MM)、形質細胞悪性腫瘍(例えば、形質細胞腫)において特異的に発現されるか、あるいは白血病(例えば、B細胞白血病)、リンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫など)または骨髄腫、例えば多発性骨髄腫(MM)、形質細胞悪性腫瘍(例えば、形質細胞腫)と関連している抗原が挙げられる。例えば、抗原としては、B細胞慢性リンパ球性白血病(CLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ球性白血病(ALL)、バーキットリンパ腫(例えば、地域性バーキットリンパ腫もしくは散発性バーキットリンパ腫)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、非小細胞肺がん(NSCLC)、慢性骨髄性(myeloidもしくはmyelogenous)白血病(CML)、へアリー細胞白血病(HCL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、辺縁帯リンパ腫、ホジキンリンパ腫(HL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)、難治性濾胞性リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、濾胞性リンパ腫、小型非切れ込み核細胞性リンパ腫、粘膜関連リンパ組織リンパ腫(MALT)、辺縁帯リンパ腫、節性単球様B細胞リンパ腫、免疫芽球性リンパ腫、大細胞型リンパ腫、びまん性混合細胞型リンパ腫、肺血管中心性B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL)、神経芽細胞腫、腎細胞癌、結腸がん、結腸直腸がん、乳がん、扁平上皮細胞がん、黒色腫、骨髄腫、例えば多発性骨髄腫(例えば、非分泌型多発性骨髄腫、くすぶり型多発性骨髄腫)、胃がん、食道がん、脳のがん、肺がん(例えば、小細胞肺がん)、膵がん、子宮頸がん、卵巣がん、肝臓がん(例えば、肝癌、ヘパトーマなど)、膀胱がん、前立腺がん、精巣がん、甲状腺がん、子宮がん、脾臓がん(例えば、脾リンパ腫)、副腎がんおよび/または頭頸部がんにおいて特異的に発現されるか、あるいはB細胞慢性リンパ球性白血病(CLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ球性白血病(ALL)、バーキットリンパ腫(例えば、地域性バーキットリンパ腫もしくは散発性バーキットリンパ腫)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、非小細胞肺がん(NSCLC)、慢性骨髄性(myeloidもしくはmyelogenous)白血病(CML)、へアリー細胞白血病(HCL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、辺縁帯リンパ腫、ホジキンリンパ腫(HL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)、難治性濾胞性リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、濾胞性リンパ腫、小型非切れ込み核細胞性リンパ腫、粘膜関連リンパ組織リンパ腫(MALT)、辺縁帯リンパ腫、節性単球様B細胞リンパ腫、免疫芽球性リンパ腫、大細胞型リンパ腫、びまん性混合細胞型リンパ腫、肺血管中心性B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL)、神経芽細胞腫、腎細胞癌、結腸がん、結腸直腸がん、乳がん、扁平上皮細胞がん、黒色腫、骨髄腫、例えば多発性骨髄腫(例えば、非分泌型多発性骨髄腫、くすぶり型多発性骨髄腫)、胃がん、食道がん、脳のがん、肺がん(例えば、小細胞肺がん)、膵がん、子宮頸がん、卵巣がん、肝臓がん(例えば、肝癌、ヘパトーマなど)、膀胱がん、前立腺がん、精巣がん、甲状腺がん、子宮がん、脾臓がん(例えば、脾リンパ腫)、副腎がんおよび/または頭頸部がんと関連しているもの、ならびにT細胞上に発現される抗原が挙げられる。
【0243】
いくつかの態様において、中でも、マルチターゲティング戦略のための第2の抗原または追加の抗原としては、抗原のうちの少なくとも1種類がユニバーサル腫瘍抗原またはそのファミリーメンバーであるものが挙げられる。いくつかの態様において、第2の抗原または追加の抗原は腫瘍上に発現される抗原である。いくつかの態様において、本明細書において提供するBCMA結合分子は、第2の抗原または追加の抗原としての同じ型の腫瘍上の抗原を標的とする。いくつかの態様において、第2の抗原または追加の抗原はまた、ユニバーサル腫瘍抗原であってもよく、腫瘍型に特異的な腫瘍抗原であってもよい。
【0244】
例示的な第2の抗原または追加の抗原としては、CD4、CD5、CD8、CD14、CD15、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD25、CD33、CD37、CD38、CD40、CD40L、CD46、CD52、CD54、CD74、CD80、CD126、CD138、B7、MUC-1、Ia、HM1.24、HLA-DR、テネイシン、血管新生因子、VEGF、PIGF、ED-Bフィブロネクチン、癌遺伝子、癌遺伝子産物、CD66a-d、壊死抗原、Ii、IL-2、T101、TAC、IL-6、ROR1、TRAIL-R1(DR4)、TRAIL-R2(DR5)、tEGFR、Her2、L1-CAM、メソテリン、CEA、B型肝炎表面抗原、抗葉酸受容体、CD24、CD30、CD44、EGFR、EGP-2、EGP-4、EPHa2、ErbB2、ErbB3、ErbB4、erbB二量体、EGFR vIII、FBP、FCRL5、FCRH5、胎児型アセチルコリン受容体、GD2、GD3、Gタンパク質共役受容体クラスCグループ5メンバーD(GPRC5D)、HMW-MAA、IL-22R-アルファ、IL-13R-アルファ2、kdr、カッパ軽鎖、ルイスY、L1-細胞接着分子(L1-CAM)、メラノーマ関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、メラノーマ優先発現抗原(PRAME)、サバイビン、EGP2、EGP40、TAG72、B7-H6、IL-13受容体a2(IL-13Ra2)、CA9、CD171、G250/CAIX、HLA-AI MAGE Al、HLA-A2 NY-ESO-1、PSCA、葉酸受容体-a、CD44v6、CD44v7/8、avb6インテグリン、8H9、NCAM、VEGF受容体、5T4、胎児型AchR、NKG2Dリガンド、二重抗原、ユニバーサルタグと関連している抗原、がん-精巣抗原、MUC1、MUC16、NY-ESO-1、MART-1、gp100、腫瘍胎児性抗原、VEGF-R2、癌胎児性抗原(CEA)、前立腺特異抗原、PSMA、Her2/neu、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、エフリンB2、CD123、c-Met、GD-2、O-アセチル化GD2(OGD2)、CE7、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、サイクリン、サイクリンA2、CCL-1、hTERT、MDM2、CYP1B、WT1、リビン(livin)、AFP、p53、サイクリン(D1)、CS-1、BAFF-R、TACI、CD56、TIM-3、CD123、L1-細胞接着分子、MAGE-A1、MAGE A3、サイクリン、例えばサイクリンA1(CCNA1)および/または病原体特異的抗原、ビオチン化分子、HIV、HCV、HBVおよび/または他の病原体によって発現される分子および/またはいくつかの局面において、ネオエピトープもしくはそのネオ抗原が挙げられる。いくつかの態様において、抗原は、ユニバーサルタグと関連しているか、あるいはユニバーサルタグである。
【0245】
いくつかの局面において、抗原、例えば第2の抗原または追加の抗原、例えば疾患特異的抗原および/または関連抗原は多発性骨髄腫において、例えばGタンパク質共役受容体クラスCグループ5メンバーD(GPRC5D)、CD38(環状ADPリボースヒドロラーゼ)、CD138(シンデカン-1、シンデカン、SYN-1)、CS-1(CS1、CD2サブセット1、CRACC、SLAMF7、CD319および19A24)、BAFF-R、TACIおよび/またはFcRH5上に発現される。他の例示的な多発性骨髄腫抗原としては、CD56、TIM-3、CD33、CD123、CD44、CD20、CD40、CD74、CD200、EGFR、β2-ミクログロブリン、HM1.24、IGF-1R、IL-6R、TRAIL-R1およびアクチビンIIA型受容体(ActRIIA)が挙げられる。Benson and Byrd,J.Clin.Oncol.(2012)30(16):2013-15;Tao and Anderson,Bone Marrow Research(2011):924058;Chu et al.,Leukemia(2013)28(4):917-27;Garfall et al.,Discov Med.(2014)17(91):37-46を参照のこと。いくつかの態様において、抗原としては、リンパ系腫瘍、骨髄腫、AIDS関連リンパ腫および/または移植後増殖リンパ球、例えばCD38上に存在するものが挙げられる。かかる抗原に指向される抗体または抗原結合断片は公知であり、例えば米国特許第8,153,765号;同第8,603477号、同第8,008,450号;米国特許出願公開第20120189622号もしくは同第20100260748号;および/または国際特許出願公開公報第2006099875号、同第2009080829号もしくは同第2012092612号もしくは同第2014210064号に記載のものが挙げられる。いくつかの態様において、かかる抗体またはその抗原結合断片(例えばscFv)は、多重特異性抗体、多重特異性キメラ受容体、例えば多重特異性CARおよび/または多重特異性細胞内に含められている。
【0246】
e. バリアント
一部の特定の態様において、抗体(例えば、抗原結合断片)は、本明細書に記載される抗体の配列と比べて1つまたは複数のアミノ酸多様性、例えば置換、欠失、挿入および/または変異を含む。例示的なバリアントとしては、抗体の結合親和性および/または他の生物学的特性が改善されるように設計されたものが挙げられる。抗体のアミノ酸配列バリアントは、該抗体をコードするヌクレオチド配列内に適切な修飾を導入することにより、またはペプチド合成によって調製され得る。かかる修飾としては、例えば、抗体のアミノ酸配列内からの残基の欠失および/または抗体のアミノ酸配列内への残基の挿入および/または抗体のアミノ酸配列内の残基の置換が挙げられる。最終構築物に到達するために任意の組合せの欠失、挿入および置換が行なわれ得るが、最終構築物は所望の特徴、例えば抗原結合性を有しているものとする。
【0247】
一部の特定の態様において、抗体(例えば抗原結合断片)は、例えば、本明細書に記載される抗体配列と比較して、および/または天然のレパートリー、例えばヒトレパートリーの配列と比較して1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。置換変異誘発の関心対象の部位としてはCDRおよびFRが挙げられる。アミノ酸置換が関心対象の抗体内に導入され、産物が所望の活性、例えば、抗原結合の保持/改善、免疫原性の低下、半減期の改善および/またはエフェクター機能、例えば抗体依存性細胞傷害性(ADCC)もしくは補体依存性細胞傷害性(CDC)を促進させる能力の改善についてスクリーニングされ得る。
【0248】
いくつかの態様において、親抗体(例えばヒト化抗体またはヒト抗体)のCDR内の1つまたは複数の残基が置換される。いくつかの態様において、置換は、例えばヒト対象への投与の際に例えば免疫原性の尤度を低下させるために配列または配列内の位置を生殖系列配列に、例えば生殖系列(例えば、ヒト生殖系列)にみられる抗体配列に戻すために行なわれる。
【0249】
いくつかの態様において、改変は、体細胞の成熟過程で高頻度に変異を受けるコドンによってコードされるCDR「ホットスポット」残基(例えばChowdhury,Methods Mol.Biol.207:179-196(2008)参照)および/または抗原と接触する残基において行なわれ、得られたバリアントVHまたはVLが結合親和性について試験される。二次ライブラリーの構築およびこのライブラリーからの再選択による親和性成熟は、例えばHoogenboom et al.in Methods in Molecular Biology 178:1-37(O’Brien et al.,ed.,Human Press,Totowa,NJ,(2001))において報告されている。親和性成熟のいくつかの態様において、多様性が、成熟のために選出された可変部遺伝子内にさまざまな方法のいずれか(例えば、エラープローンPCR、鎖シャッフリングまたはオリゴヌクレオチド特異的変異誘発)によって導入される。次いで二次ライブラリーが作成される。次いで、このライブラリーがスクリーニングされ、所望の親和性を有する抗体バリアントがあれば、それが同定される。多様性を導入するための別の方法は、いくつかのCDR残基(例えば、一度に4~6残基)にランダム変異導入(randomize)されるCDR特異的アプローチを伴う。抗原結合に関与するCDR残基は、例えばアラニンスキャニング変異誘発またはモデリングを用いて特異的に同定され得る。特にCDR-H3およびCDR-L3が多くの場合、標的とされる。
【0250】
一部の特定の態様において、置換、挿入または欠失は、かかる改変が抗体の抗原結合能力を実質的に低下させない限り1つまたは複数のCDRにおいて行なわれ得る。例えば、結合親和性を実質的に低下させない保存的改変(例えば、本明細書において提供する保存的置換)がCDRにおいて行なわれ得る。かかる改変は、例えばCDR内の抗原接触残基外であり得る。上記において提供するバリアントVH領域およびVL領域配列の一部の特定の態様において、各CDRは未改変状態であるか、または含まれるアミノ酸置換が1つ以下、2つ以下もしくは3つ以下であるかのいずれかである。
【0251】
アミノ酸配列挿入体としては、長さが1残基~100もしくはそれより多くの残基を含むポリペプチドまでの範囲のアミノ末端融合体および/またはカルボキシル末端融合体、ならびに1つもしくは複数のアミノ酸残基の配列内挿入体が挙げられる。末端挿入の例としては、N末端メチオニル残基を有する抗体が挙げられる。抗体分子の他の挿入バリアントとしては、抗体のN末端またはC末端と該抗体の血清半減期を長くする酵素またはポリペプチドとの融合体が挙げられる。
【0252】
f. 修飾
一部の特定の態様において、抗体は、該抗体がグリコシル化される程度を増大または低減させるために、例えば、アミノ酸配列を改変することによって1つまたは複数のグリコシル化部位を除去または挿入することにより、および/またはグリコシル化部位に結合するオリゴ糖部を例えば特定の細胞株を用いて修飾することにより改変される。いくつかの態様において、コンセンサス配列-Asn-Xaa-Ser/Thr内のアスパラギンに存在するグリコシル化部位であるN結合型グリコシル化部が除去または挿入される。
【0253】
例示的な修飾、バリアント、および細胞株は、例えば特許出願公開番号US2003/0157108、US2004/0093621、US2003/0157108;WO2000/61739;WO2001/29246;US2003/0115614;US2002/0164328;US2004/0093621;US2004/0132140;US2004/0110704;US2004/0110282;US2004/0109865;WO2003/085119;WO2003/084570;WO2005/035586;WO2005/035778;WO2005/053742;WO2002/031140;Okazaki et al.J.Mol.Biol.336:1239-1249(2004);Yamane-Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614(2004).Ripka et al.Arch.Biochem.Biophys.249:533-545(1986);米国特許出願公開第2003/0157108 A1号,Presta,L;およびWO2004/056312 A1、Yamane-Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614(2004);Kanda,Y.et al.,Biotechnol.Bioeng.,94(4):680-688(2006);およびWO2003/085107);WO2003/011878(Jean-Mairet et al.);米国特許第6,602,684号(Umana et al.);およびUS2005/0123546(Umana et al.);WO1997/30087(Patel et al.);WO1998/58964(Raju,S.);およびWO1999/22764(Raju,S.)に記載されている。
【0254】
中でも、修飾抗体は、Fc領域内に1つまたは複数のアミノ酸修飾を有するもの、例えば1つまたは複数のアミノ酸位置にアミノ酸修飾(例えば置換)を含むヒトFc領域配列または定常領域の他の部分(例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3もしくはIgG4のFc領域)を有するものである。
【0255】
かかる修飾は、例えば半減期を改善するため、1つもしくは複数の型のFc受容体に対する結合を改変するため、および/またはエフェクター機能を改変するために行なわれ得る。
【0256】
また、中でも、バリアントは、例えば薬剤およびリンカー-薬剤のコンジュゲーションにおける使用に利用可能な部位に反応性チオール基を生成させ、イムノコンジュゲートを作製するために、抗体の1つまたは複数の残基がシステイン残基で置換されているシステインで操作された抗体、例えば「thioMAb」および他のシステインで操作されたバリアントである。システインで操作された抗体は、例えば米国特許第7,855,275号および同第7,521,541号に記載されている。
【0257】
いくつかの態様において、抗体(例えば、抗原結合断片)は、追加の非タンパク質性部分、例えば水溶性ポリマーを含むように修飾される。例示的なポリマーとしては、限定するわけではないが、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール/プロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ-1、3-ジオキソラン、ポリ-1,3,6-トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、ポリアミノ酸(ホモポリマーもしくはランダムコポリマーのいずれか)およびデキストランまたはポリ(n-ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールホモポリマー、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール(例えば、グリセロール)、ポリビニルアルコールならびにその混合物が挙げられる。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドは、水中での安定性のため製造において利点を有し得る。ポリマーは任意の分子量のものであり得、分枝鎖であっても非分枝鎖であってもよい。抗体に結合させるポリマーの数は種々であり得、1つより多くのポリマーを結合させる場合、これらは同じ分子または異なる分子であり得る。一般に、誘導体化に使用されるポリマーの数および/または型は、例えば限定するわけではないが、改善対象の抗体の具体的な特性または機能、抗体の誘導体が規定の条件下での治療に使用されるかどうかなどの考慮事項に基づいて決定され得る。
【0258】
B. 組換え受容体
また、中でも、該結合分子は、本明細書において提供する任意のかかる抗体または抗原結合断片を含むポリペプチド、例えば、かかる抗体または抗原結合断片を含む単鎖細胞表面タンパク質、例えば組換え受容体、例えばキメラ抗原受容体である。中でも、提供される結合分子(例えば、BCMA結合分子)は、提供される抗体(例えば、抗原結合断片)のうちの1つを含む単鎖細胞表面タンパク質、例えば組換え受容体(例えば、抗原受容体)である。組換え受容体は、BCMAに特異的に結合する抗原受容体、例えば提供される抗BCMA抗体、例えば抗原結合断片を含む抗原受容体を含む。中でも、抗原受容体は、機能性の非TCR抗原受容体、例えばキメラ抗原受容体(CAR)である。また、該組換え受容体を発現する細胞ならびに養子細胞療法、例えばBCMAの発現と関連している疾患および障害の処置におけるその使用が提供される。
【0259】
例示的な抗原受容体、例えばCAR、ならびにかかる抗原受容体を操作して細胞に導入するための方法としては、例えば国際特許出願公開公報第200014257号、同第2013126726号、同第2012/129514号、同第2014031687号、同第2013/166321号、同第2013/071154号、同第2013/123061号 米国特許出願公開第2002131960号、同第2013287748号、同第20130149337号、米国特許第6,451,995号、同第7,446,190号、同第8,252,592号、同第8,339,645号、同第8,398,282号、同第7,446,179号、同第6,410,319号、同第7,070,995号、同第7,265,209号、同第7,354,762号、同第7,446,191号、同第8,324,353号および同第8,479,118号、ならびに欧州特許出願公開第EP2537416号に記載のもの、および/またはSadelain et al.,Cancer Discov.2013 April;3(4):388-398;Davila et al.(2013)PLoS ONE 8(4):e61338;Turtle et al.,Curr.Opin.Immunol.,2012 October;24(5):633-39;Wu et al.,Cancer、2012 March 18(2):160-75に記載のものが挙げられる。いくつかの局面において、抗原受容体としては、米国特許第7,446,190号に記載のようなCARおよび国際特許出願公開公報第2014055668 A1号に記載のものが挙げられる。例示的なCARとしては、前述の刊行物のいずれか、例えばWO2014031687、US8,339,645、US7,446,179、US2013/0149337、米国特許第7,446,190号、米国特許第8,389,282号に開示されているような、例えば抗原結合部分、例えばscFvが例えば本明細書において提供する抗体またはその抗原結合断片で置き換えられているCARが挙げられる。
【0260】
中でも、キメラ受容体はキメラ抗原受容体(CAR)である。キメラ受容体、例えばCARは一般的に、提供される抗BCMA抗体のうちの1つを含む、提供される抗BCMA抗体のうちの1つである、あるいは提供される抗BCMA抗体のうちの1つの内部に含まれる細胞外抗原結合ドメインを含む。したがって、キメラ受容体、例えばCARは典型的には、その細胞外部分に、1つまたは複数のBCMA結合分子、例えば1つもしくは複数の抗原結合断片、抗原結合ドメインもしくは抗原結合ドメイン部分あるいは1つもしくは複数の抗体可変領域および/または抗体分子、例えば本明細書に記載されるものを含む。いくつかの態様において、CARは、抗体分子の1つまたは複数のBCMA結合部分、例えば抗体の重鎖可変(VH)領域および/または軽鎖可変(VL)領域、例えばscFv抗体断片を含む。
【0261】
BCMAターゲティングCARは、例えばCarpenter et al.,Clin Cancer Res.,2013,19(8):2048-2060に記載されている。
【0262】
いくつかの態様において、組換え受容体、例えば本明細書において提供する抗体(例えば、抗原結合断片)を含むCARは、免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部分またはそのバリアントもしくは修飾型、例えばヒンジ領域、例えばIgG4ヒンジ領域であり得るか、あるいは免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部分またはそのバリアントもしくは修飾型、例えばヒンジ領域、例えばIgG4ヒンジ領域を含み得るスペーサーおよび/またはCH1/CLおよび/またはFc領域をさらに含む。いくつかの態様において、定常領域または該一部分はヒトIgGのもの、例えばIgG4またはIgG1である。いくつかの局面において、定常領域の一部分は抗原認識成分(例えば、scFv)と膜貫通ドメイン間のスペーサー領域としての機能を果たす。スペーサーは、スペーサーがない場合と比較して抗原結合後の細胞の応答性の増大をもたらす長さのものであり得る。いくつかの例において、スペーサーは12個のアミノ酸の長さまたは約12個のアミノ酸の長さであるか、あるいは12個以下のアミノ酸の長さである。例示的なスペーサーは、少なくとも約10~229個のアミノ酸、少なくとも約10~200個のアミノ酸、少なくとも約10~175個のアミノ酸、少なくとも約10~150個のアミノ酸、少なくとも約10~125個のアミノ酸、少なくとも約10~100個のアミノ酸、少なくとも約10~75個のアミノ酸、少なくとも約10~50個のアミノ酸、少なくとも約10~40個のアミノ酸、少なくとも約10~30個のアミノ酸、少なくとも約10~20個のアミノ酸、または少なくとも約10~15個のアミノ酸を有するものを含み、列記した範囲のいずれかの端点間の任意の整数が含まれる。いくつかの態様において、スペーサー領域は、約12個もしくはそれより少ないアミノ酸、約119個もしくはそれより少ないアミノ酸または約229個もしくはそれより少ないアミノ酸を有する。例示的なスペーサーは、IgG4ヒンジだけ、CH2およびCH3ドメインに連結されたIgG4ヒンジまたはCH3ドメインに連結されたIgG4ヒンジを含む。例示的なスペーサーとしては、限定するわけではないが、Hudecek et al.(2013)Clin.Cancer Res.,19:3153または国際特許出願公開公報第2014031687号に記載のものが挙げられる。いくつかの態様において、スペーサーは、SEQ ID NO:363に示される配列を有し、SEQ ID NO:364に示される配列によってコードされている。いくつかの態様において、スペーサーは、SEQ ID NO:365に示される配列を有する。いくつかの態様において、スペーサーは、SEQ ID NO:366に示される配列を有する。
【0263】
抗原認識成分は一般的に、1つまたは複数の細胞内シグナル伝達成分、例えば、CARの場合は抗原受容体複合体、例えばTCR複合体による、および/または別の細胞表面受容体を介するシグナルによる活性化を模倣するシグナル伝達成分に連結される。したがって、いくつかの態様において、BCMA結合分子(例えば、抗体またはその抗原結合断片)は、1つまたは複数の膜貫通ドメイン、例えば本明細書に記載されるもの、および1つまたは複数の細胞内成分、例えば本明細書に記載されるものを含む細胞内シグナル伝達ドメインに連結される。いくつかの態様において、膜貫通ドメインは細胞外ドメインと融合される。一態様において、該受容体、例えばCAR内のドメインのうちの1つと天然に結合している膜貫通ドメインが使用される。いくつかの場合において、膜貫通ドメインは、受容体複合体の他のメンバーとの相互作用を最小限にするためにかかるドメインが同じか、または異なる表面膜タンパク質の膜貫通ドメインと結合することが回避されるように選択されるか、あるいは受容体複合体の他のメンバーとの相互作用を最小限にするためにかかるドメインが同じか、または異なる表面膜タンパク質の膜貫通ドメインと結合することが回避されるようにアミノ酸置換によって修飾される。
【0264】
いくつかの態様における膜貫通ドメインは、天然供給源または合成供給源のいずれかに由来する。供給源が天然である場合、いくつかの局面における該ドメインは任意の膜結合型タンパク質または膜貫通型タンパク質に由来する。膜貫通ドメインとしては、T細胞受容体のアルファ鎖、ベータ鎖またはゼータ鎖、CD3イプシロン、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD28、CD33、CD37、CD45、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137および/またはCD154に由来する(すなわち、その少なくとも膜貫通ドメインを含む)ものが挙げられる。あるいはまた、いくつかの態様における膜貫通ドメインは合成である。いくつかの局面において、合成膜貫通ドメインは、主として疎水性残基、例えばロイシンおよびバリンを含む。いくつかの局面において、フェニルアラニン、トリプトファンおよびバリンのトリプレットが合成膜貫通ドメインの各末端にみられる。いくつかの態様において、連結はリンカー、スペーサーおよび/または膜貫通ドメインによるものである。
【0265】
中でも、細胞内シグナル伝達ドメインは、天然の抗原受容体を介するシグナル、共刺激受容体との組合せでかかる受容体を介するシグナルおよび/または共刺激受容体だけを介するシグナルを模倣または近似するものである。いくつかの態様において、短鎖のオリゴペプチドリンカーまたはポリペプチドリンカー、例えば2~10個のアミノ酸の長さのリンカー、例えばグリシンとセリンを含むもの、例えばグリシン-セリンダブレットをCARの膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメイン間に存在させて連結を形成する。
【0266】
受容体、例えばCARは一般的に、少なくとも1つの細胞内シグナル伝達成分を含む細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様において、該受容体は、TCR複合体の細胞内成分、例えばT細胞の活性化および細胞傷害性を媒介するTCR CD3鎖、例えばCD3ゼータ鎖を含む。したがって、いくつかの局面において、BCMA結合抗体は、1つまたは複数の細胞シグナル伝達モジュールに連結される。いくつかの態様において、細胞シグナル伝達モジュールは、CD3膜貫通ドメイン、CD3細胞内シグナル伝達ドメインおよび/または他のCD膜貫通ドメインを含む。いくつかの態様において、受容体、例えばCARは、1つまたは複数の追加の分子、例えばFc受容体γ、CD8、CD4、CD25またはCD16の一部分をさらに含む。例えば、いくつかの局面において、CARは、CD3-ゼータ(CD3-ζ)またはFc受容体γとCD8、CD4、CD25またはCD16とのキメラ分子を含む。
【0267】
いくつかの態様において、CARがライゲーションされると、CARの細胞質ドメインまたは細胞内シグナル伝達ドメインは、免疫細胞、例えばCARを発現するように操作されたT細胞の正常なエフェクター機能または応答のうちの少なくとも1つを活性化させる。例えば、いくつかの状況において、CARは、T細胞の機能、例えば細胞溶解活性またはT-ヘルパー活性、例えばサイトカインまたは他の因子の分泌を誘導する。いくつかの態様において、抗原受容体成分または共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインの短縮型部分が、例えばエフェクター機能シグナルを伝達する場合にインタクトな免疫賦活性の鎖の代わりに使用される。いくつかの態様において、1つまたは複数の細胞内シグナル伝達ドメインは、T細胞受容体(TCR)の細胞質配列を含み、いくつかの局面において、天然の状況で抗原受容体の結合後にシグナル伝達を開始させるためにかかる受容体と協調して作用する共受容体のものもの、および/またはかかる分子の任意の誘導体もしくはバリアントおよび/または同じ機能性能力を有する任意の合成配列も含む。
【0268】
天然のTCRの状況では、完全な活性化には一般的に、TCRを介するシグナル伝達だけでなく共刺激シグナルも必要とされる。したがって、いくつかの態様において、完全な活性化を促進させるために、副刺激シグナルまたは共刺激シグナルを生成させるための成分もまたCARに含める。他の態様において、CARは、共刺激シグナルを生成させるための成分を含まない。いくつかの局面において、追加のCARを同じ細胞内で発現させて副刺激シグナルまたは共刺激シグナルを生成させるための成分をもたらす。
【0269】
T細胞の活性化は、いくつかの局面において、2つの種類の細胞質シグナル伝達配列:TCRを介する抗原依存性の一次活性化を開始させるもの(主細胞質シグナル伝達配列)と、副刺激シグナルまたは共刺激シグナルをもたらすように抗原非依存的方法で作用するもの(副細胞質シグナル伝達配列)によって媒介されると記載している。いくつかの局面において、CARは、かかる種類の細胞質シグナル伝達配列の一方または両方を含む。
【0270】
いくつかの局面において、CARは、TCR複合体の一次活性化を調節する主細胞質シグナル伝達配列を含む。刺激性の様式で作用する主細胞質シグナル伝達配列は、免疫受容体活性化チロシンモチーフまたはITAMとして公知のシグナル伝達モチーフを含み得る。ITAM含有主細胞質シグナル伝達配列の例としては、TCRまたはCD3ゼータ、FcRガンマ、CD3ガンマ、CD3デルタおよびCD3イプシロンに由来するものが挙げられる。いくつかの態様において、CAR内の細胞内シグナル伝達ドメインは、細胞質シグナル伝達ドメイン、その一部分またはCD3ゼータに由来する配列を含む。
【0271】
いくつかの態様において、CARは、共刺激分子、例えばT細胞共刺激分子のシグナル伝達ドメイン(例えば、細胞内シグナル伝達ドメイン)および/または膜貫通部分を含む。例示的な共刺激分子としては、CD28、4-1BB、OX40、DAP10およびICOSが挙げられる。いくつかの局面において、同じCARが、活性化性成分または刺激性成分(例えば、細胞質シグナル伝達配列)と共刺激成分の両方を含む。
【0272】
いくつかの態様において、活性化性成分または刺激性成分をあるCAR内に含め、一方、共刺激成分は、別の抗原を認識する別のCARによって提供する。いくつかの態様において、CARは、ともに同じ細胞上に発現される活性化性または刺激性のCARおよび共刺激CARを含む(WO2014/055668参照)。いくつかの局面において、BCMAターゲティングCARは刺激性CARまたは活性化性CARであり;他の局面では共刺激CARである。いくつかの態様において、細胞は、阻害性CAR(iCAR、Fedorov et al.,Sci.Transl.Medicine,5(215)(December,2013)参照)、例えばBCMA以外の抗原を認識するCARをさらに含み、この場合、BCMAターゲティングCARを介して送達される活性化性シグナルまたは刺激性シグナルが、阻害性CARのそのリガンドとの結合によって減衰または阻害され、例えばオフターゲット効果が低減される。
【0273】
一部の特定の態様において、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3(例えば、CD3-ゼータ)細胞内ドメインに連結されたCD28膜貫通シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様において、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ゼータ細胞内ドメインに連結されたキメラCD28およびCD137(4-1BB、TNFRSF9)共刺激ドメインを含む。
【0274】
いくつかの態様において、CARは、1つまたは複数、例えば2つまたはそれより多くの共刺激ドメインおよび活性化ドメイン、例えば一次活性化ドメインを細胞質部分に含む。例示的なCARは、CD3-ゼータ、CD28および4-1BBの細胞内成分を含む。
【0275】
いくつかの態様において、組換え受容体、例えばCARをコードする核酸配列は、1つまたは複数のマーカーをコードする核酸配列をさらに含む。いくつかの態様において、1つまたは複数のマーカーは形質導入マーカー、サロゲートマーカーおよび/または選択マーカーである。
【0276】
いくつかの態様において、マーカーは形質導入マーカーまたはサロゲートマーカーである。形質導入マーカーまたはサロゲートマーカーは、ポリヌクレオチド、例えば組換え受容体をコードするポリヌクレオチドが導入された細胞を検出するために使用され得る。いくつかの態様において、形質導入マーカーにより細胞の修飾が示され得るか、または確認され得る。いくつかの態様において、サロゲートマーカーは、細胞表面上に組換え受容体、例えばCARとともに共発現させるタンパク質である。特定の態様において、かかるサロゲートマーカーは、活性をほとんど、またはまったく有しないように修飾されている表面タンパク質である。一部の特定の態様において、サロゲートマーカーは、組換え受容体をコードしているものと同じポリヌクレオチド上にコードされる。いくつかの態様において、組換え受容体をコードする核酸配列は、任意で内部リボソーム進入部位(IRES)によって分離されたマーカーをコードする核酸配列または自己切断性ペプチドもしくはリボソームスキッピングを引き起こすペプチドをコードする核酸、例えば2A配列、例えばT2A、P2A、E2AもしくはF2Aに機能的に連結される。外因性マーカー遺伝子は、いくつかの場合において、細胞の検出または選択を可能にするため、また、いくつかの場合では細胞の自殺を促進させるために操作された細胞との関連において使用され得る。
【0277】
例示的なサロゲートマーカーとしては短縮型細胞表面ポリペプチド、例えば短縮型ヒト上皮成長因子受容体2(tHER2)、短縮型上皮成長因子受容体(EGFRt、SEQ ID NO:11もしくは76に示される例示的なEGFRt配列)または前立腺特異膜抗原(PSMA)あるいはその修飾形態が挙げられ得る。EGFRtは、抗体セツキシマブ(Erbitux(登録商標))またはEGFRt構築物および組換え受容体、例えばキメラ抗原受容体(CAR)により操作された細胞を同定もしくは選択するため、および/または該受容体を発現している細胞を排除もしくは分離するために使用され得る他の治療用抗EGFR抗体もしくは結合分子によって認識されるエピトープを含み得る。米国特許第8,802,374号およびLiu et al.,Nature Biotech.2016 April;34(4):430-434)を参照のこと。いくつかの局面において、マーカー、例えばサロゲートマーカーは、CD34、NGFRまたは上皮成長因子受容体(例えば、tEGFR)の全部または一部(例えば、短縮型形態)を含む。いくつかの態様において、マーカーをコードする核酸は、リンカー配列、例えば切断可能リンカー配列、例えばT2Aをコードするポリヌクレオチドに機能的に連結される。例えば、マーカーおよび任意でリンカー配列は、国際特許出願公開公報第2014031687号に開示された任意のものであり得る。例えば、マーカーは、リンカー配列、例えばT2A切断可能リンカー配列に任意で連結された短縮型EGFR(tEGFR)であり得る。短縮型EGFR(例えばtEGFR)のための例示的なポリペプチドは、SEQ ID NO:602もしくは603に示されるアミノ酸配列またはSEQ ID NO:602もしくは603との少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくはそれより高い配列同一性を示すアミノ酸配列を含む。
【0278】
いくつかの態様において、マーカーは、蛍光タンパク質、例えば緑色蛍光タンパク質(GFP)、蛍光強化型緑色蛍光タンパク質(EGFP)、例えばスーパーフォールド(super-fold)GFP、赤色蛍光タンパク質(RFP)、例えばtdTomato、mCherry、mStrawberry、AsRed2、DsRedもしくはDsRed2、シアン蛍光タンパク質(CFP)、青緑色蛍光タンパク質(BFP)、蛍光強化型青色蛍光タンパク質(EBFP)および黄色蛍光タンパク質(YFP)、ならびにそのバリアント、例えば種バリアント、単量体型バリアント、ならびにこれらの蛍光タンパク質のコドン最適化型および/または蛍光強化型バリアントであるか、あるいは蛍光タンパク質、例えば緑色蛍光タンパク質(GFP)、蛍光強化型緑色蛍光タンパク質(EGFP)、例えばスーパーフォールドGFP、赤色蛍光タンパク質(RFP)、例えばtdTomato、mCherry、mStrawberry、AsRed2、DsRedもしくはDsRed2、シアン蛍光タンパク質(CFP)、青緑色蛍光タンパク質(BFP)、蛍光強化型青色蛍光タンパク質(EBFP)および黄色蛍光タンパク質(YFP)、ならびにそのバリアント、例えば種バリアント、単量体型バリアント、ならびにこれらの蛍光タンパク質のコドン最適化型および/または蛍光強化型バリアントを含む。いくつかの態様において、マーカーは、酵素、例えばルシフェラーゼ、大腸菌(E.coli)由来のlacZ遺伝子、アルカリホスファターゼ、分泌型胚性アルカリホスファターゼ(SEAP)、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)であるか、あるいは酵素、例えばルシフェラーゼ、大腸菌由来のlacZ遺伝子、アルカリホスファターゼ、分泌型胚性アルカリホスファターゼ(SEAP)、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)を含む。例示的な発光レポーター遺伝子としては、ルシフェラーゼ(luc)、β-ガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、β-グルクロニダーゼ(GUS)またはそのバリアントが挙げられる。
【0279】
いくつかの態様において、マーカーは選択マーカーである。いくつかの態様において、選択マーカーは、外来性の薬剤または薬物に耐性を付与するポリペプチドであるか、あるいは外来性の薬剤または薬物に耐性を付与するポリペプチドを含む。いくつかの態様において、選択マーカーは抗生物質耐性遺伝子である。いくつかの態様において、選択マーカーは、哺乳動物細胞に抗生物質耐性を付与する抗生物質耐性遺伝子である。いくつかの態様において、選択マーカーは、ピューロマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子、ブラストサイジン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子、ジェネティシン耐性遺伝子もしくはゼオシン耐性遺伝子またはその修飾形態であるか、あるいはピューロマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子、ブラストサイジン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子、ジェネティシン耐性遺伝子もしくはゼオシン耐性遺伝子またはその修飾形態を含む。
【0280】
いくつかの態様において、マーカーはT細胞上に天然にみられない、もしくはT細胞の表面上に天然にみられない分子、例えば細胞表面タンパク質、またはその一部分である。
【0281】
いくつかの態様において、非自己分子、例えば非自己タンパク質、すなわち、細胞が養子移入される宿主の免疫系によって「自己」と認識されないものである。
【0282】
いくつかの態様において、マーカーは、治療機能を果たさない、および/または例えば、成功裡に操作された細胞を選択するための遺伝子操作のマーカーとして使用されること以外の効果はもたらさない。他の態様において、マーカーは治療用分子、または別の様式でいくらかの所望の効果を奏する分子、例えば、細胞がインビボで出合うリガンド、例えば養子移入されてリガンドと出合うと細胞の応答を増強および/または鈍化させる共刺激分子または免疫チェックポイント分子であり得る。
【0283】
いくつかの場合において、CARは第1、第2および/または第3世代CARと称される。いくつかの局面において、第1世代CARは、抗原結合するとCD3鎖誘導性シグナルをもたらすだけのものである;いくつかの局面において、第2世代CARは、かかるシグナルと共刺激シグナルをもたらすもの、例えば共刺激受容体、例えばCD28またはCD137由来の細胞内シグナル伝達ドメインを含むものである;いくつかの局面において、いくつかの局面における第3世代CARは、異なる共刺激受容体の複数の共刺激ドメインを含むものである。
【0284】
いくつかの態様において、キメラ抗原受容体は、本明細書に記載される抗体または断片を含む細胞外部分を含む。いくつかの局面において、キメラ抗原受容体は、本明細書に記載される抗体または断片を含む細胞外部分および細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様において、抗体または断片は、scFvまたはVH領域のみを含むシングルドメイン抗体を含み、細胞内シグナル伝達ドメインはITAMを含む。いくつかの局面において、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3-ゼータ(CD3ζ)鎖のゼータ鎖のシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様において、キメラ抗原受容体は細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインを連結する膜貫通ドメインを含む。いくつかの局面において、膜貫通ドメインはCD28の膜貫通部分を含む。細胞外ドメインと膜貫通は直接または間接的に連結され得る。いくつかの態様において、細胞外ドメインと膜貫通は、スペーサー、例えば本明細書に記載されるいずれかのものによって連結される。いくつかの態様において、キメラ抗原受容体は、共刺激分子(例えば、T細胞共刺激分子)の細胞内ドメインを、例えば膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインの間に含む。いくつかの局面において、T細胞共刺激分子はCD28または4-1BBである。
【0285】
いくつかの態様において、受容体(例えば、CAR)の膜貫通ドメインは、ヒトCD28またはそのバリアントの膜貫通ドメイン、例えばヒトCD28(アクセッション番号:P10747.1)の27個のアミノ酸の膜貫通ドメインである。いくつかの態様において、細胞内シグナル伝達ドメインは、ヒトCD28またはその機能性のバリアントの細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、例えばその41個のアミノ酸のドメインおよび/または天然状態のCD28タンパク質の186~187位にLLからGGへの置換を有するかかるドメインを含む。いくつかの態様において、細胞内ドメインは、4-1BBまたはその機能性のバリアントの細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、例えばヒト4-1BB(アクセッション番号Q07011.1)の42個のアミノ酸の細胞質ドメインを含む。いくつかの態様において、細胞内シグナル伝達ドメインは、ヒトCD3ゼータ刺激性シグナル伝達ドメインまたはその機能性のバリアント、例えばヒトCD3ζ(アクセッション番号:P20963.2)のアイソフォーム3の112個のAAの細胞質ドメインまたは米国特許第:7,446,190号に記載されるCD3ゼータシグナル伝達ドメインを含む。
【0286】
いくつかの局面において、スペーサーは、IgGのヒンジ領域のみ、例えばIgG4またはIgG1のヒンジのみ、例えばSEQ ID NO:363に示されるヒンジのみのスペーサーを含む。他の態様において、スペーサーはCH2および/またはCH3ドメインに連結されたIgヒンジ、例えばCH2および/またはCH3ドメインに連結されたIgG4ヒンジである。いくつかの態様において、スペーサーは、CH2およびCH3ドメインに連結されたIgヒンジ、例えばCH2およびCH3ドメインに連結されたIgG4ヒンジ、例えばSEQ ID NO:366に示されるものである。いくつかの態様において、スペーサーは、CH3ドメインのみに連結されたIgヒンジ、例えばCH3ドメインのみに連結されたIgG4ヒンジ、例えばSEQ ID NO:365に示されるものである。いくつかの態様において、スペーサーは、グリシン-セリンリッチ配列または他のフレキシブルリンカー、例えば公知のフレキシブルリンカーであるか、あるいはグリシン-セリンリッチ配列または他のフレキシブルリンカー、例えば公知のフレキシブルリンカーを含む。
【0287】
例えば、いくつかの態様において、CARは、本明細書に記載されるBCMA抗体または断片、例えばヒトBCMA抗体のいずれか、例えばsdAbおよびscFv、スペーサー、例えばIg-ヒンジ含有スペーサーのいずれか、CD28膜貫通ドメイン、CD28細胞内シグナル伝達ドメインおよびCD3ゼータシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様において、CARは、本明細書に記載されるBCMA抗体または断片、例えばヒトBCMA抗体のいずれか、例えばsdAbおよびscFv、スペーサー、例えばIg-ヒンジ含有スペーサーのいずれか、CD28膜貫通ドメイン、4-1BB細胞内シグナル伝達ドメインおよびCD3ゼータシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様において、かかるCAR構築物は、T2Aリボソームスキップエレメントおよび/またはtEGFR配列を、例えばCARの下流にさらに含む。
【0288】
一部の特定の態様において、多重特異性結合分子、例えば多重特異性キメラ受容体、例えば多重特異性CARは、多重特異性抗体のいずれか、例えば二重特異性抗体、多重特異性単鎖抗体、例えばダイアボディ、トリアボディおよびテトラボディ、タンデムジ-scFvおよびタンデムトリ-scFvなど、例えばセクションI.Aに上記の任意のものを含み得る。
【0289】
また、SEQ ID NO:128~139、268~278、558~576および578~583のうちのいずれかから選択されるscFv配列を含む単鎖細胞表面タンパク質が、本明細書において提供される。いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、scFvは、SEQ ID NO:128、132、278および502のうちのいずれかから選択される配列を含む。いずれかのかかる態様のいくつかにおいて、scFvはSEQ ID NO:560の配列を含む。
【0290】
C. 操作された細胞
また、本明細書に記載される抗BCMA抗体または断片を含む細胞外ドメインを含むものなどの組換え受容体(例えば、キメラ抗原受容体)を含む細胞、例えば操作された細胞が提供される。また、かかる細胞の集団、かかる細胞を含有する組成物および/またはかかる細胞が濃縮されている組成物、例えばBCMA結合分子を発現する細胞が組成物中の全細胞あるいはある特定の型の細胞、例えばT細胞またはCD8+もしくはCD4+細胞の少なくとも50パーセント、少なくとも60パーセント、少なくとも70パーセント、少なくとも80パーセント、少なくとも90パーセント、少なくとも91パーセント、少なくとも92パーセント、少なくとも93パーセント、少なくとも94パーセント、少なくとも95パーセント、少なくとも96パーセント、少なくとも97パーセント、少なくとも98パーセント、少なくとも99パーセントもしくはそれより多くを構成している組成物が提供される。中でも、組成物は、投与のための、例えば養子細胞療法用の薬学的組成物および薬学的製剤である。また、細胞および組成物を対象、例えば患者に投与するための治療方法が提供される。
【0291】
したがって、該抗体を含む組換え受容体を発現する遺伝子操作された細胞、例えばCARを含む細胞もまた提供される。細胞は、一般的に真核生物細胞、例えば哺乳動物細胞であり、典型的にはヒト細胞である。いくつかの態様において、細胞は、血液、骨髄、リンパ、脾臓またはリンパ球系器官に由来し、免疫系の細胞、例えば自然免疫または適応免疫の細胞、例えば骨髄系またはリンパ球系の細胞、例えばリンパ球、典型的にはT細胞および/またはNK細胞である。他の例示的な細胞としては、幹細胞、例えば多分化能幹細胞および多能性幹細胞、例えば誘導多能性幹細胞(iPSC)が挙げられる。細胞は典型的には初代細胞、例えば対象から直接単離されたもの、および/または対象から単離され、凍結されたものである。いくつかの態様において、細胞は、T細胞または他の細胞型の1つまたは複数のサブセット、例えば全T細胞集団、CD4+細胞、CD8+細胞およびその亜集団、例えば機能、活性化状態、成熟度、分化、拡大増殖、再循環、局在化および/または持続能力についての潜在能、抗原特異性、抗原受容体の型、特定の器官もしくは区画における存在、マーカーもしくはサイトカインの分泌プロフィールおよび/または分化度によって規定されるものを含む。処置される対象に対して、細胞は同種異系および/または自己であり得る。中でも、方法はオフザシェルフ(off-the-shelf)法を含む。いくつかの局面において、例えばオフザシェルフ技術では、細胞は多能性および/または多分化能の例えば幹細胞、例えば誘導多能性幹細胞(iPSC)である。いくつかの態様において、方法は、細胞を対象から単離すること、該細胞を本明細書に記載されるようにして調製、加工処理、培養および/または操作すること、ならびに冷凍保存の前または後に該細胞を同じ患者に再導入することを含む。
【0292】
中でも、T細胞のサブタイプおよび亜集団および/またはCD4+のサブタイプおよび亜集団および/またはCD8+ T細胞のサブタイプおよび亜集団はナイーブT(TN)細胞、エフェクターT細胞(TEFF)、メモリーT細胞およびそのサブタイプ、例えば幹細胞メモリーT(TSCM)、セントラルメモリーT(TCM)、エフェクターメモリーT(TEM)もしくは最終分化エフェクターメモリーT細胞、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、未成熟T細胞、成熟T細胞、ヘルパーT細胞、細胞傷害性T細胞、粘膜関連インバリアントT(MAIT)細胞、天然に存在する適応性制御性T(Treg)細胞、ヘルパーT細胞、例えばTH1細胞、TH2細胞、TH3細胞、TH17細胞、TH9細胞、TH22細胞、濾胞性ヘルパーT細胞、アルファ/ベータT細胞ならびにデルタ/ガンマT細胞である。
【0293】
いくつかの態様において、細胞はナチュラルキラー(NK)細胞である。いくつかの態様において、細胞は単球または顆粒球、例えば骨髄性細胞、マクロファージ、好中球、樹状細胞、マスト細胞、好酸球および/または好塩基球である。
【0294】
いくつかの態様において、細胞は、遺伝子操作によって導入された1種または複数種の核酸を含み、それによりかかる核酸の組換え産物または遺伝子操作産物を発現する。いくつかの態様において、核酸は異種である、すなわち、細胞内または該細胞から得られる試料中には通常存在しない、例えば別の生物体もしくは別の細胞から得られるものであって、例えば操作対象の細胞および/またはかかる細胞が由来する生物体には通常みられないものである。いくつかの態様において、核酸は天然に存在しないもの、例えば自然界にみられない核酸、例えば、複数の異なる細胞型由来の種々のドメインをコードするキメラ型組合せ核酸を含むものである。いくつかの態様において、細胞(例えば、操作された細胞)は、本明細書に記載されるようなベクター(例えば、ウイルスベクター、発現ベクターなど)、例えば本明細書に記載される組換え受容体をコードする核酸を含むベクターを含む。
【0295】
a. 遺伝子操作のためのベクターおよび方法
また、結合分子(例えば、抗BCMA結合分子)、例えば該結合分子を含む組換え受容体(例えば、CAR)を発現させるため、およびかかる結合分子を発現する遺伝子操作された細胞を作製するための方法、核酸、組成物およびキットが提供される。いくつかの態様において、1種または複数種の結合分子、例えば組換え受容体(例えば、CAR)で細胞または複数種の細胞が遺伝子操作され得る。遺伝子操作は一般的に、該組換え成分または操作成分をコードする核酸を細胞内に、例えばレトロウイルスによる形質導入、トランスフェクションまたは形質転換により導入することを伴う。
【0296】
いくつかの態様において、遺伝子導入は、まず細胞を例えば、例えばサイトカインまたは活性化マーカーの発現によって測定される増殖、生存および/または活性化などの応答を誘導する刺激と合わせることによって刺激した後、活性化された該細胞の形質導入および臨床応用に充分な数までの拡大培養増殖を行なうことにより行なわれる。
【0297】
いくつかの状況において、刺激性因子(例えば、リンホカインまたはサイトカイン)の過剰発現は対象にとって毒性であり得る。したがって、いくつかの状況において、操作された細胞は、例えば養子免疫療法において投与すると該細胞がインビボでネガティブ選択に敏感になるようにする遺伝子セグメントを含む。例えば、いくつかの局面において、細胞は、該細胞が投与される患者のインビボ状態の変化の結果、排除され得るように操作される。ネガティブ選択可能表現型は、投与される薬剤、例えば化合物に対する感受性を付与する遺伝子の挿入によってもたらされ得る。ネガティブ選択可能遺伝子としては、ガンシクロビル感受性を付与する単純ヘルペスウイルスI型チミジンキナーゼ(HSV-I TK)遺伝子(Wigler et al.,Cell 2:223,1977);細胞性ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)遺伝子、細胞性アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(APRT)遺伝子、細菌性シトシンデアミナーゼ,(Mullen et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.89:33(1992))が挙げられる。
【0298】
いくつかの局面において、細胞は、サイトカインまたは他の因子の発現が促進されるようにさらに操作される。遺伝子操作された成分、例えば抗原受容体、例えばCARの導入のための種々の方法は周知であり、提供される方法および組成物とともに使用され得る。例示的な方法としては、該受容体をコードする核酸の移入のためのもの、例えば、ウイルス、例えばレトロウイルスまたはレンチウイルスによる形質導入、トランスポゾンおよびエレクトロポレーションによるものが挙げられる。
【0299】
いくつかの態様において、組換え核酸は細胞内に、例えばシミアンウイルス40(SV40)、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)に由来するベクターなどの感染性の組換えウイルス粒子を用いて移入される。いくつかの態様において、組換え核酸はT細胞内に、組換えレンチウイルスベクターまたはレトロウイルスベクター、例えばガンマ-レトロウイルスベクターを用いて移入される。(例えばKoste et al.(2014)Gene Therapy 2014 Apr 3.doi:10.1038/gt.2014.25;Carlens et al.(2000)Exp Hematol 28(10):1137-46;Alonso-Camino et al.(2013)Mol Ther Nucl Acids 2,e93;Park et al.,Trends Biotechnol.2011 November 29(11):550-557参照)。
【0300】
いくつかの態様において、レトロウイルスベクター、例えばモロニーマウス白血病ウイルス(MoMLV)、骨髄増殖性肉腫ウイルス(MPSV)、マウス胚幹細胞ウイルス(MESV)、マウス幹細胞ウイルス(MSCV)、脾限局巣形成ウイルス(SFFV)、ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)またはアデノ随伴ウイルス(AAV)に由来するレトロウイルスベクターは長い末端反復配列(LTR)を有する。ほとんどのレトロウイルスベクターはマウスレトロウイルスに由来する。いくつかの態様において、レトロウイルスとしては、任意の鳥類細胞供給源または哺乳動物細胞供給源に由来するものが挙げられる。レトロウイルスは典型的には、ヒトを含むいくつかの種の宿主細胞に感染することができることを意味する両種性である。一態様において、発現させる遺伝子がレトロウイルスのgag、polおよび/またはenv配列と置き換わる。いくつかの例示的なレトロウイルスの系が報告されている(例えば、米国特許第5,219,740号;同第6,207,453号;同第5,219,740号;Miller and Rosman(1989)BioTechniques 7:980-990;Miller,A.D.(1990)Human Gene Therapy 1:5-14;Scarpa et al.(1991)Virology 180:849-852;Burns et al.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:8033-8037;およびBoris-Lawrie and Temin(1993)Cur.Opin.Genet.Develop.3:102-109。
【0301】
レンチウイルスによる形質導入の方法は公知である。例示的な方法は、例えばWang et al.(2012)J.Immunother.35(9):689-701;Cooper et al.(2003)Blood.101:1637-1644;Verhoeyen et al.(2009)Methods Mol Biol.506:97-114;およびCavalieri et al.(2003)Blood.102(2):497-505に記載されている。
【0302】
いくつかの態様において、組換え核酸はT細胞内にエレクトロポレーションによって移入される(例えばChicaybam et al,(2013)PLoS ONE 8(3):e60298およびVan Tedeloo et al.(2000)Gene Therapy 7(16):1431-1437参照)。いくつかの態様において、組換え核酸はT細胞内に転移によって移入される(例えばManuri et al.(2010)Hum Gene Ther 21(4):427-437;Sharma et al.(2013)Molec Ther Nucl Acids 2,e74;およびHuang et al.(2009)Methods Mol Biol 506:115-126参照)。免疫細胞内に遺伝物質を導入して発現させる他の方法としては、リン酸カルシウムトランスフェクション(例えば、Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,New York.N.Y.に記載のような)、プロトプラスト融合、カチオン性リポソーム媒介性トランスフェクション;タングステン粒子助長型微粒子ボンバードメント(Johnston,Nature,346:776-777(1990));およびリン酸ストロンチウムDNA共沈降(Brash et al.,Mol.Cell Biol.,7:2031-2034(1987))が挙げられる。
【0303】
組換え産物をコードする核酸の移入のための他のアプローチおよびベクターは、例えば、国際特許出願公開公報第:2014055668号および米国特許第7,446,190号に記載のものである。
【0304】
中でも、導入のための追加の核酸、例えば遺伝子は、例えば移入される細胞の生存性および/または機能を向上させることによって治療の有効性を改善するためのもの;例えばインビボでの生存または局在を評価するための、該細胞の選択および/または鑑定用の遺伝子マーカーをもたらすための遺伝子;Lupton S.D.et al.,Mol.and Cell Biol.,11:6(1991);およびRiddell et al.,Human Gene Therapy 3:319-338(1992)に記載のような、例えば細胞をネガティブ選択に対してインビボで敏感にすることによって安全性を改善するための遺伝子である;また、ドミナントポジティブ選択可能マーカーをネガティブ選択可能マーカーと融合させることにより得られる二元機能選択可能融合遺伝子の使用が記載されたLupton et al.によるPCT/US91/08442およびPCT/US94/05601の公報も参照のこと。例えば、Riddell et al.の米国特許第6,040,177号の第14~17欄を参照のこと。
【0305】
いくつかの態様において、1つまたは複数の結合分子、例えば抗体および/または組換え受容体(例えば、CAR)は、細胞または複数種の細胞内で発現されるように遺伝子操作され得る。いくつかの態様において、第1の組換え受容体および第2の結合分子、例えば組換え受容体は、同じ核酸分子または別々の核酸分子によってコードされている。いくつかの態様において、追加の結合分子が細胞または複数種の細胞内で発現されるように操作される。
【0306】
いくつかの態様において、ベクターまたは構築物は、1つまたは複数の核酸分子の発現を駆動する1つのプロモーターを含み得る。いくつかの態様において、かかる核酸分子、例えば転写物はマルチシストロン性(バイシストロン性またはトリシストロン性、例えば米国特許第6,060,273号参照)であり得る。例えば、いくつかの態様において、転写単位は、IRES(内部リボソーム進入部位)を含むバイシストロン性単位として操作され得、これにより、1つのプロモーターからのメッセージによって遺伝子産物(例えば第1のキメラ受容体をコードしているものと第2のキメラ受容体をコードしているもの)の共発現が可能である。あるいはまた、いくつかの場合において、1つのプロモーターは、1つのオープンリーディング(ORF)内に、自己切断性ペプチドをコードする配列(例えば、2A配列)またはプロテアーゼ認識部位(例えば、フューリン)によって互いに分離された2つまたは3つの遺伝子(例えば、代謝経路の調節に関与する分子をコードしているものと組換え受容体をコードしているもの)を含むRNAの発現を指令し得る。したがって、ORFは、翻訳中(2Aの場合)または翻訳後のいずれかで個々のタンパク質にプロセッシングされる1種類のポリペプチドをコードしている。いくつかの場合において、該ペプチド、例えばT2Aは、リボソームが2AエレメントのC末端におけるペプチド結合の合成をスキップすること(リボソームスキッピング)を引き起こし、2A配列の末端と下流側の次のペプチド間の分離をもたらし得る(例えばde Felipe.Genetic Vaccines and Ther.2:13(2004)およびdeFelipe et al.Traffic 5:616-626(2004)参照)。多くの2Aエレメントが当技術分野において公知である。本明細書において開示される方法および核酸に使用され得る2A配列の例、限定するわけではないが、米国特許出願公開第20070116690号に記載されるような口蹄疫ウイルス(F2A、例えばSEQ ID NO:601)、ウマ鼻炎Aウイルス(E2A、例えばSEQ ID NO:600)、トセア・アシグナ(Thosea asigna)ウイルス(T2A、例えばSEQ ID NO:596または597)およびブタテッショウウイルス-1(P2A、例えばSEQ ID NO:598または599)由来の2A配列。いくつかの態様において、1つまたは複数の異なるまたは別々のプロモーターが、該1種または複数種の結合分子、例えば組換え受容体をコードする1つまたは複数の核酸分子の発現を駆動する。
【0307】
本明細書において提供する任意の結合分子、例えば抗体および/または組換え受容体、例えばBCMA結合分子および/または追加の組換え受容体は、該受容体をコードする1つまたは複数の核酸分子を含むポリヌクレオチドによって任意の組合せまたは構成でコードされ得る。例えば、1つ、2つ、3つまたはそれより多くのポリヌクレオチドが、1つ、2つ、3つまたはそれより多くの異なる受容体またはドメインをコードし得る。いくつかの態様において、あるベクターまたは構築物が、1つまたは複数の結合分子、例えば抗体および/または組換え受容体をコードする核酸分子を含み、別個のベクターまたは構築物が、追加の結合分子、例えば抗体および/または組換え受容体をコードする核酸分子を含む。核酸分子の各々が、1つまたは複数のマーカー、例えば表面マーカー、例えば短縮型EGFR(tEGFR)もまたコードしていてもよい。
【0308】
また、核酸分子、ベクターまたは構築物のうちの1つまたは複数、例えば上記の任意のものを含有する組成物が提供される。いくつかの態様において、核酸分子、ベクター、構築物または組成物は、細胞、例えばT細胞を操作して、任意の結合分子、例えば抗体もしくは組換え受容体および/または追加の結合分子を発現させるために使用され得る。
【0309】
b. 操作のための細胞の調製
いくつかの態様において、操作された細胞の調製は、1つまたは複数の培養および/または調製工程を含む。組換え受容体(例えば、CAR)を導入するための細胞は、生物学的試料などの試料、例えば対象から得られたまたは対象に由来するものから単離され得る。いくつかの態様において、細胞が単離される対象は、疾患もしくは病態を有するか、または細胞療法薬を必要とするか、または細胞療法薬が投与される対象である。いくつかの態様における対象は、細胞が単離、処理、および/または操作されている養子細胞療法薬などの特定の治療的介入を必要とするヒトである。
【0310】
したがって、いくつかの態様における細胞は初代細胞、例えば初代ヒト細胞である。試料には、組織、体液、および対象から直接採取した他の試料、ならびに分離、遠心分離、遺伝子操作(例えばウイルスベクターによる形質導入)、洗浄、および/またはインキュベーションなどの1つまたは複数の処理工程から得られる試料が含まれる。生物学的試料は、生物学的供給源から直接得られた試料または処理された試料であり得る。生物学的試料には、血液、血漿、血清、脳脊髄液、滑液、尿および汗などの体液、組織および臓器に由来する処理された試料を含む組織および臓器試料が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0311】
いくつかの局面では、細胞が由来するまたは単離される試料は、血液もしくは血液由来の試料であるか、またはアフェレーシスもしくは白血球アフェレーシスの産物であるかもしくはそれに由来する。例示的な試料としては、全血、末梢血単核細胞(PBMC)、白血球、骨髄、胸腺、組織生検材料、腫瘍、白血病、リンパ腫、リンパ節、腸管関連リンパ組織、粘膜関連リンパ組織、脾臓、他のリンパ組織、肝臓、肺、胃、腸、結腸、腎臓、膵臓、乳房、骨、前立腺、子宮頸、精巣、卵巣、扁桃腺、または他の臓器、および/またはそれに由来する細胞が挙げられる。試料には、細胞療法薬、例えば養子細胞療法薬に関連して、自家供給源由来および同種供給源由来の試料が含まれる。
【0312】
いくつかの態様において、細胞は、細胞株、例えばT細胞株に由来する。いくつかの態様における細胞は、異種供給源、例えば、マウス、ラット、非ヒト霊長動物、またはブタから得られる。
【0313】
いくつかの態様において、細胞の単離は、1つまたは複数の調製および/または非親和性ベースの細胞分離工程を含む。いくつかの例では、細胞は、例えば不要な成分を除去する、所望の成分を濃縮する、特定の試薬に感受性の細胞を溶解または除去するために、洗浄、遠心分離、および/または1つもしくは複数の試薬の存在下でインキュベーションされる。いくつかの例では、細胞は、密度、付着特性、サイズ、感受性、および/または特定の成分に対する耐性などの1つまたは複数の特性に基づいて分離される。
【0314】
いくつかの例では、対象の循環血液由来の細胞は、例えばアフェレーシスまたは白血球アフェレーシスによって得られる。試料は、いくつかの局面では、T細胞を含むリンパ球、単球、顆粒球、B細胞、他の有核白血球、赤血球、および/または血小板を含み、いくつかの局面では、赤血球および血小板以外の細胞を含む。
【0315】
いくつかの態様において、対象から採集された血球を、例えば血漿画分を除去し、その後の処理工程のために細胞を適切な緩衝液または培地に入れるために洗浄する。いくつかの態様において、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で細胞を洗浄する。いくつかの態様において、洗浄溶液は、カルシウムおよび/またはマグネシウムおよび/または多くのもしくはすべての二価カチオンを含まない。いくつかの局面では、洗浄工程は、製造業者の指示に従って半自動「フロースルー」遠心分離機(例えばCobe 2991細胞プロセッサ、Baxter)によって達成される。いくつかの局面では、洗浄工程は、製造業者の指示に従って接線流ろ過(TFF)によって達成される。いくつかの態様において、細胞は、洗浄後に、例えばCa++/Mg++を含まないPBSなどの様々な生体適合性緩衝液に再懸濁される。特定の態様において、血球試料の成分を除去し、細胞を培地に直接再懸濁する。
【0316】
いくつかの態様において、方法は、密度に基づく細胞分離方法、例えば赤血球を溶解することによる末梢血からの白血球の調製、およびパーコールまたはフィコール勾配による遠心分離を含む。
【0317】
いくつかの態様において、単離方法は、表面マーカー、例えば表面タンパク質、細胞内マーカー、または核酸などの1つまたは複数の特定の分子の細胞における発現または存在に基づく種々の細胞型の分離を含む。いくつかの態様において、そのようなマーカーに基づく分離のための任意の公知の方法を使用し得る。いくつかの態様において、分離は、親和性または免疫親和性に基づく分離である。例えば、いくつかの局面における単離は、1つまたは複数のマーカー、典型的には細胞表面マーカーの細胞での発現または発現レベルに基づく細胞および細胞集団の分離、例えばそのようなマーカーに特異的に結合する抗体または結合パートナーとのインキュベーション、続いて一般に、洗浄工程および抗体または結合パートナーに結合していない細胞からの抗体または結合パートナーに結合した細胞の分離によるものを含む。
【0318】
そのような分離工程は、試薬に結合した細胞をさらなる使用のために保持する陽性選択、および/または抗体もしくは結合パートナーに結合しなかった細胞を保持する陰性選択に基づき得る。いくつかの例では、両方の画分をさらなる使用のために保持する。いくつかの局面では、陰性選択は、分離が、所望の集団以外の細胞によって発現されるマーカーに基づいて最も良好に行われるように、異種集団において細胞型を特異的に同定する抗体が利用可能ではない場合に特に有用であり得る。
【0319】
分離は、特定の細胞集団または特定のマーカーを発現する細胞の100%の濃縮または除去をもたらす必要はない。例えば、マーカーを発現する細胞などの特定の種類の細胞の陽性選択または濃縮は、そのような細胞の数または割合を増加させることを指すが、マーカーを発現しない細胞の完全な非存在をもたらす必要はない。同様に、マーカーを発現する細胞などの特定の種類の細胞の陰性選択、除去、または枯渇は、そのような細胞の数または割合を減少させることを指すが、そのような細胞すべての完全な除去をもたらす必要はない。
【0320】
いくつかの例では、1回の工程から陽性または陰性選択された画分が、その後の陽性または陰性選択などの別の分離工程に供される、複数回の分離工程が行われる。いくつかの例では、それぞれが陰性選択の標的となるマーカーに特異的な複数の抗体または結合パートナーと共に細胞をインキュベーションすることなどによって、複数のマーカーを同時に発現する細胞を単一の分離工程で枯渇させることができる。同様に、様々な細胞型上に発現された複数の抗体または結合パートナーと共に細胞をインキュベーションすることによって、複数の細胞型を同時に陽性選択することができる。
【0321】
例えば、いくつかの局面では、T細胞の特定の亜集団、例えば1つまたは複数の表面マーカーについて陽性の細胞またはそれらを高レベルに発現する細胞、例えばCD28+、CD62L+、CCR7+、CD27+、CD127+、CD4+、CD8+、CD45RA+、および/またはCD45RO+T細胞は、陽性または陰性選択技術によって単離される。
【0322】
例えばCD3+、CD28+T細胞は、抗CD3/抗CD28結合磁気ビーズ(例えばDYNABEADS(登録商標)M-450 CD3/CD28T Cell Expander、MACSiBeadsなど)を用いて陽性選択することができる。
【0323】
いくつかの態様において、単離は、陽性選択による特定の細胞集団の濃縮、または陰性選択による特定の細胞集団の枯渇によって行われる。いくつかの態様において、陽性または陰性選択は、それぞれ陽性または陰性選択された細胞上に発現される(マーカー+)または比較的高いレベルで発現される(マーカー)1つまたは複数の表面マーカーに特異的に結合する1つまたは複数の抗体または他の結合剤と共に細胞をインキュベーションすることによって達成される。
【0324】
いくつかの態様において、T細胞は、B細胞、単球、またはCD14などの他の白血球のような非T細胞上に発現されるマーカーの陰性選択によってPBMC試料から分離される。いくつかの局面では、CD4+またはCD8+選択工程を用いてCD4+ヘルパーT細胞とCD8+細胞傷害性T細胞を分離する。そのようなCD4+およびCD8+集団は、1つまたは複数のナイーブT細胞、メモリーT細胞、および/またはエフェクターT細胞亜集団上に発現されるまたは比較的高い程度に発現されるマーカーについての陽性または陰性選択によって、さらに亜集団に分類することができる。
【0325】
いくつかの態様において、CD8+細胞は、それぞれの亜集団に関連する表面抗原に基づく陽性選択または陰性選択などによって、ナイーブ、セントラルメモリー、エフェクターメモリー、および/またはセントラルメモリー幹細胞がさらに濃縮または枯渇される。いくつかの態様において、セントラルメモリーT(TCM)細胞の濃縮は、いくつかの局面ではそのような亜集団において特に堅固である、投与後の長期生存、拡大増殖、および/または生着を改善するためなどの有効性を高めるために行われる。Terakura et al. (2012) Blood.1:72-82;Wang et al. (2012) J Immunother.35(9):689-701参照。いくつかの態様において、TCMに富むCD8+T細胞とCD4+T細胞とを組み合わせることは、有効性をさらに増強する。
【0326】
態様において、メモリーT細胞は、CD8+末梢血リンパ球のCD62L+およびCD62L-サブセットの両方に存在する。PBMCは、例えば抗CD8抗体および抗CD62L抗体を使用して、CD62L-CD8+および/またはCD62L+CD8+画分を濃縮または枯渇させることができる。
【0327】
いくつかの態様において、セントラルメモリーT(TCM)細胞の濃縮は、CD45RO、CD62L、CCR7、CD28、CD3、および/またはCD127の陽性または高表面発現に基づく;いくつかの局面では、それは、CD45RAおよび/またはグランザイムBを発現するかまたは高発現する細胞についての陰性選択に基づく。いくつかの局面では、TCM細胞が濃縮されたCD8+集団の単離は、CD4、CD14、CD45RAを発現する細胞の枯渇、およびCD62Lを発現する細胞の陽性選択または濃縮によって行われる。一局面では、セントラルメモリーT(TCM)細胞の濃縮は、CD4発現に基づいて選択された細胞の陰性画分から出発して、これをCD14およびCD45RAの発現に基づく陰性選択、ならびにCD62Lの発現に基づく陽性選択に供して行われる。いくつかの局面ではそのような選択は同時に行われ、他の局面では連続的にどちらの順序でも行われる。いくつかの局面では、CD8+細胞集団または亜集団を調製するのに使用されるのと同じCD4発現に基づく選択工程が、任意で1つまたは複数のさらなる陽性または陰性選択工程後に、CD4に基づく分離からの陽性および陰性画分の両方が保持され、方法のその後の工程で使用されるように、CD4+細胞集団または亜集団を生成するためにも用いられる。
【0328】
特定の例では、PBMCの試料もしくは他の白血球試料を、陰性画分と陽性画分の両方が保持されるCD4+細胞の選択に供する。次いで、陰性画分を、CD14およびCD45RAの発現に基づく陰性選択、ならびにCD62LまたはCCR7などのセントラルメモリーT細胞に特徴的なマーカーに基づく陽性選択に供し、ここで陽性選択と陰性選択はどちらの順序でも行われる。
【0329】
CD4+Tヘルパー細胞は、細胞表面抗原を有する細胞集団を同定することによって、ナイーブ細胞、セントラルメモリー細胞、およびエフェクター細胞に分類される。CD4+リンパ球は標準的な方法によって得ることができる。いくつかの態様において、ナイーブCD4+Tリンパ球は、CD45RO-、CD45RA+、CD62L+、CD4+T細胞である。いくつかの態様において、セントラルメモリーCD4+細胞はCD62L+およびCD45RO+である。いくつかの態様において、エフェクターCD4+細胞はCD62L-およびCD45RO-である。
【0330】
一例では、陰性選択によってCD4+細胞を濃縮するために、モノクローナル抗体カクテルは、典型的にはCD14、CD20、CD11b、CD16、HLA-DR、およびCD8に対する抗体を含む。いくつかの態様において、抗体または結合パートナーは、陽性および/または陰性選択のための細胞の分離を可能にする、磁気ビーズまたは常磁性ビーズなどの固体支持体またはマトリックスに結合される。例えば、いくつかの態様において、細胞および細胞集団は、免疫磁気(または親和性磁気)分離技術(Methods in Molecular Medicine,vol.58:Metastasis Research Protocols,Vol.2:Cell Behavior In vitro and In vivo,p 17-25 Edited by:S.A.Brooks and U.Schumacher(著作権)Humana Press Inc.,Totowa,NJに総説されている)を用いて分離または単離される。
【0331】
いくつかの局面では、分離される細胞の試料または組成物は、小型の磁化可能または磁気応答性材料、例えば磁気応答性粒子または微粒子、例えば常磁性ビーズ(例えばDynabeadsまたはMACSビーズなど)と共にインキュベーションされる。磁気応答性材料、例えば粒子は、一般に、分離することを所望する、例えば陰性または陽性選択することを所望する1つまたは複数の細胞、または細胞集団上に存在する分子、例えば表面マーカーに特異的に結合する結合パートナー、例えば抗体に直接または間接的に結合される。
【0332】
いくつかの態様において、磁性粒子またはビーズは、抗体または他の結合パートナーなどの特異的結合成員に結合した磁気応答性材料を含む。磁気分離方法に使用される多くの周知の磁気応答性材料がある。適切な磁性粒子としては、参照により本明細書に組み入れられる、Moldayの米国特許第4,452,773号、および欧州特許第452342B号に記載されているものが挙げられる。Owenの米国特許第4,795,698号およびLibertiらの米国特許第5,200,084号に記載されているもののようなコロイドサイズの粒子が他の例である。
【0333】
インキュベーションは、一般に、抗体もしくは結合パートナー、または磁性粒子もしくはビーズに付着している、そのような抗体もしくは結合パートナーに特異的に結合する二次抗体もしくは他の試薬などの分子が、試料中の細胞上に存在する場合は細胞表面分子に特異的に結合する条件下で行われる。
【0334】
いくつかの局面では、試料を磁場中に置き、磁気応答性粒子または磁化可能粒子が付着している細胞を磁石に引きつけ、非標識細胞から分離する。陽性選択の場合は、磁石に引き寄せられる細胞が保持される;陰性選択の場合は、引き寄せられない細胞(非標識細胞)が保持される。いくつかの局面では、陽性選択と陰性選択の組み合わせは同じ選択工程の間に行われ、この場合は陽性画分と陰性画分が保持され、さらに処理されるかまたはさらなる分離工程に供される。
【0335】
特定の態様において、磁気応答性粒子は、一次抗体または他の結合パートナー、二次抗体、レクチン、酵素、またはストレプトアビジンで被覆されている。特定の態様において、磁性粒子は、1つまたは複数のマーカーに特異的な一次抗体のコーティングを介して細胞に付着している。特定の態様において、ビーズではなく細胞を一次抗体または結合パートナーで標識し、次いで細胞型特異的二次抗体または他の結合パートナー(例えばストレプトアビジン)で被覆した磁性粒子を添加する。特定の態様において、ストレプトアビジン被覆磁性粒子を、ビオチン化一次抗体または二次抗体と組み合わせて使用する。
【0336】
いくつかの態様において、磁気応答性粒子は、その後インキュベーション、培養および/または操作されることになる細胞に付着したままである;いくつかの局面では、粒子は患者への投与のための細胞に付着したままである。いくつかの態様において、磁化可能粒子または磁気応答性粒子は細胞から除去される。細胞から磁化可能粒子を除去する方法は公知であり、例えば競合する非標識抗体、磁化可能粒子または切断可能なリンカーなどに結合した抗体の使用を含む。いくつかの態様において、磁化可能粒子は生分解性である。
【0337】
いくつかの態様において、親和性に基づく選択は、磁気活性化細胞選別(MACS)(Miltenyi Biotec, Auburn, CA)による。磁気活性化細胞選別(MACS)システムは、磁化された粒子が付着した細胞の高純度の選択が可能である。特定の態様において、MACSは、外部磁場の印加後に非標的種と標的種が連続的に溶出されるモードで動作する。すなわち、磁化粒子に付着した細胞は、付着していない種が溶出されている間、適所に保持される。次に、この最初の溶出工程が完了した後、磁場に捕捉されて溶出が妨げられていた種は、それらが溶出され、回収され得るように何らかの方法で解放される。特定の態様において、非標的細胞は標識され、細胞の不均一な集団から除去される。
【0338】
特定の態様において、単離または分離は、本発明の方法の単離、細胞調製、分離、処理、インキュベーション、培養、および/または製剤化工程のうちの1つまたは複数を実行するシステム、機器、または装置を用いて実施される。いくつかの局面では、システムは、例えばエラー、使用者の取り扱い、および/または汚染を最小限に抑えるために、これらの工程のそれぞれを閉鎖環境または無菌環境で実行するために使用される。一例では、システムは、国際特許出願公開番号WO 2009/072003、またはUS 20110003380 A1に記載されているシステムである。
【0339】
いくつかの態様において、システムまたは装置は、統合システムもしくは自己完結型システムで、および/または自動化されたもしくはプログラム可能な方式で、単離、処理、操作、および製剤化工程のうちの1つまたは複数、例えば全部を実行する。いくつかの局面では、システムまたは装置は、システムまたは装置に接続されたコンピュータおよび/またはコンピュータプログラムを含み、これにより、使用者が処理、単離、操作および製剤化工程をプログラムする、制御する、そのアウトカムを評価する、および/またはその様々な局面を調節することが可能になる。
【0340】
いくつかの局面では、分離および/または他の工程は、例えば閉鎖系および無菌系における臨床規模レベルでの細胞の自動分離のために、CliniMACSシステム(Miltenyi Biotec)を用いて行われる。構成要素には、統合マイクロコンピュータ、磁気分離ユニット、蠕動ポンプ、および様々なピンチバルブが含まれ得る。統合コンピュータは、いくつかの局面では、機器のすべての構成要素を制御し、標準化された順序で反復手順を実行するようにシステムに指示する。いくつかの局面における磁気分離ユニットは、可動永久磁石と選択カラム用のホルダとを含む。蠕動ポンプはチューブセット全体の流速を制御し、ピンチバルブと共に、システムを通る緩衝液の制御された流れおよび細胞の継続的な懸濁を確実にする。
【0341】
いくつかの局面におけるCliniMACSシステムは、滅菌非発熱性溶液中で供給される抗体結合磁化可能粒子を使用する。いくつかの態様において、細胞を磁性粒子で標識した後、細胞を洗浄して過剰の粒子を除去する。続いて細胞調製バッグをチューブセットに接続し、次に緩衝剤を含むバッグおよび細胞収集バッグにチューブセットを接続する。チューブセットは、プレカラムと分離カラムを含むあらかじめ組み立てられた滅菌チューブからなり、使い捨て専用である。分離プログラムの開始後、システムは自動的に細胞試料を分離カラムに適用する。標識細胞はカラム内に保持され、非標識細胞は一連の洗浄工程によって除去される。いくつかの態様において、本明細書に記載の方法で使用するための細胞集団は標識されておらず、カラム内に保持されない。いくつかの態様において、本明細書に記載の方法で使用するための細胞集団は標識されており、カラム内に保持される。いくつかの態様において、本明細書に記載の方法で使用するための細胞集団は、磁場の除去後にカラムから溶出され、細胞収集バッグ内に収集される。
【0342】
特定の態様において、分離および/または他の工程は、CliniMACS Prodigyシステム(Miltenyi Biotec)を使用して行われる。いくつかの局面におけるCliniMACS Prodigyシステムは、遠心分離による細胞の自動洗浄および分画を可能にする細胞処理ユニットを備える。CliniMACS Prodigyシステムはまた、ソース細胞産物の巨視的層を識別することによって最適な細胞分画エンドポイントを決定する搭載カメラおよび画像認識ソフトウェアを含み得る。例えば、末梢血は自動的に赤血球、白血球および血漿層に分離され得る。CliniMACS Prodigyシステムはまた、例えば細胞分化および拡大増殖、抗原負荷、ならびに長期細胞培養などの細胞培養プロトコルを達成する統合細胞培養チャンバを含み得る。入力ポートは培地の無菌除去および補充を可能にし、細胞は統合顕微鏡を使用してモニタリングすることができる。例えばKlebanoff et al. (2012) J Immunother.35(9):651-660、Terakura et al. (2012) Blood.1:72-82およびWang et al. (2012) J Immunother.35(9):689-701参照。
【0343】
いくつかの態様において、本明細書に記載の細胞集団はフローサイトメトリーによって収集および濃縮(または枯渇)され、フローサイトメトリーでは、複数の細胞表面マーカーについて染色された細胞が流体流中で運ばれる。いくつかの態様において、本明細書に記載の細胞集団は、分取規模(FACS)選別によって収集および濃縮(または枯渇)される。特定の態様において、本明細書に記載の細胞集団は、FACSに基づく検出システムと組み合わせた微小電気機械システム(MEMS)チップの使用によって収集および濃縮(または枯渇)される(例えば国際公開公報第2010/033140号、Cho et al. (2010) Lab Chip 10,1567-1573;およびGodin et al. (2008) J Biophoton.1(5):355-376参照)。どちらの場合も、細胞を複数のマーカーで標識して、明確に定義されたT細胞サブセットを高純度で単離することができる。
【0344】
いくつかの態様において、抗体または結合パートナーは、陽性選択および/または陰性選択のための分離を容易にするために、1つまたは複数の検出可能なマーカーで標識される。例えば、分離は蛍光標識抗体への結合に基づき得る。いくつかの例では、1つまたは複数の細胞表面マーカーに特異的な抗体または他の結合パートナーの結合に基づく細胞の分離は、例えばフローサイトメトリー検出システムと組み合わせた、分取規模(FACS)および/または微小電気機械システム(MEMS)チップを含む蛍光活性化細胞選別(FACS)などによって流体流中で行われる。そのような方法は、同時に複数のマーカーに基づく陽性選択および陰性選択を可能にする。
【0345】
いくつかの態様において、調製方法は、単離、インキュベーション、および/または操作の前または後のいずれかに、細胞を凍結する、例えば凍結保存する工程を含む。いくつかの態様において、凍結およびその後の解凍工程は、細胞集団中の顆粒球および、ある程度まで、単球を除去する。いくつかの態様において、細胞は、例えば血漿および血小板を除去するための洗浄工程の後に、凍結溶液中に懸濁される。いくつかの局面では様々な公知の凍結溶液およびパラメータのいずれを使用してもよい。一例は、20%DMSOおよび8%ヒト血清アルブミン(HSA)を含有するPBS、または他の適切な細胞凍結培地を使用することを含む。次にこれを培地で1:1に希釈して、DMSOおよびHSAの最終濃度がそれぞれ10%および4%になるようにする。次いで細胞を毎分1°の速度で-80℃に凍結し、液体窒素貯蔵タンクの気相中で保存する。
【0346】
いくつかの態様において、提供される方法は、培養作業工程、インキュベーション工程、培養工程および/または遺伝子操作工程を含む。例えば、いくつかの態様において、枯渇を受けた細胞集団および培養開始組成物をインキュベートおよび/または操作するための方法が提供される。
【0347】
したがって、いくつかの態様において、細胞集団は培養開始組成物中でインキュベートされる。インキュベーションおよび/または操作は、培養槽、例えばユニット、チャンバ、ウェル、カラム、チューブ、チュービングセット、バルブ、バイアル、培養皿、バッグまたは細胞の培養もしくは培養作業を行うための他の容器内で行われ得る。
【0348】
いくつかの態様において、細胞は、遺伝子操作の前または遺伝子操作との関連においてインキュベートおよび/または培養される。インキュベーション工程は、培養、培養作業、刺激、活性化および/または増殖を含み得る。いくつかの態様において、組成物または細胞は刺激条件または刺激剤の存在下でインキュベートされる。かかる条件としては、集団内の細胞の増殖、拡大増殖、活性化および/または生存が誘導されるように設計されるもの、抗原曝露が模倣されるように設計されるもの、および/または細胞が遺伝子操作のため、例えば組換え抗原受容体の導入のために初回刺激を受けるように設計されるものが挙げられる。
【0349】
条件は、特定の培地、温度、酸素含量、二酸化炭素含量、時間、薬剤、例えば栄養素、アミノ酸、抗生物質、イオン、および/または刺激因子、例えばサイトカイン、ケモカイン、抗原、結合パートナー、融合タンパク質、組換え可溶性受容体、および細胞を活性化させるように設計された他の任意の薬剤の1つまたは複数を含み得る。
【0350】
いくつかの態様において、刺激条件または刺激物質は、TCR複合体の細胞内シグナル伝達ドメインを活性化させることができる1つまたは複数の薬剤、例えばリガンドを含む。いくつかの局面では、薬剤は、T細胞におけるTCR/CD3細胞内シグナル伝達カスケードを作動または開始させる。そのような薬剤は、TCRに特異的な抗体などの抗体、例えば抗CD3を含むことができる。いくつかの態様において、刺激条件は、共刺激受容体を刺激することができる1つまたは複数の薬剤、例えばリガンド、例えば抗CD28を含む。いくつかの態様において、そのような薬剤および/またはリガンドは、ビーズなどの固体支持体、および/または1つもしくは複数のサイトカインに結合していてもよい。任意で、拡大増殖方法は、抗CD3抗体および/または抗CD28抗体を培地に(例えば少なくとも約0.5ng/mLの濃度で)添加する工程をさらに含み得る。いくつかの態様において、刺激剤には、IL-2、IL-15および/またはIL-7が含まれる。いくつかの局面では、IL-2濃度は少なくとも約10単位/mLである。
【0351】
いくつかの局面では、インキュベーションは、Riddellらの米国特許第6,040,177号、Klebanoff et al. (2012) J Immunother.35(9):651-660、Terakura et al. (2012) Blood.1:72-82および/またはWang et al. (2012) J Immunother.35(9):689-701に記載されているような技術に従って行われる。
【0352】
いくつかの態様において、T細胞は、培養開始組成物に、非分裂末梢血単核細胞(PBMC)などのフィーダー細胞を添加すること(例えば、得られる細胞集団が、拡大増殖させるべき初期集団中の各Tリンパ球につき少なくとも約5、10、20、または40またはそれ以上のPBMCフィーダー細胞を含むように)、および培養物をインキュベーションすること(例えばT細胞の数を増やすのに十分な時間)によって拡大培養される。いくつかの局面では、非分裂フィーダー細胞は、γ線照射PBMCフィーダー細胞を含み得る。いくつかの態様において、PBMCは、細胞分裂を防ぐために約3000~3600ラドの範囲のγ線を照射される。いくつかの局面では、フィーダー細胞は、T細胞集団の添加の前に培地に添加される。
【0353】
いくつかの態様において、刺激条件は、ヒトTリンパ球の増殖に適した温度、例えば少なくとも約25℃、一般に少なくとも約30℃、一般に37℃または約37℃を含む。任意で、インキュベーションは、非分裂EBV形質転換リンパ芽球様細胞(LCL)をフィーダー細胞として添加することをさらに含み得る。LCLは、約6,000~10,000ラドの範囲のγ線で照射することができる。いくつかの局面におけるLCLフィーダー細胞は任意の適切な量で、例えば最初のTリンパ球に対するLCLフィーダー細胞の比が少なくとも約10:1で提供される。
【0354】
諸態様において、抗原特異的T細胞、例えば抗原特異的CD4+および/またはCD8+T細胞は、ナイーブTリンパ球または抗原特異的Tリンパ球を抗原で刺激することにより得られる。例えば、サイトメガロウイルス抗原に対する抗原特異的T細胞株または抗原特異的T細胞クローンは、感染した対象からT細胞を単離し、該細胞をインビトロにて同じ抗原で刺激することにより作製することができる。
【0355】
c. マルチターゲティングのための操作された細胞、ベクターおよび組成物
また、複数種の抗原に結合し得る、および/または複数種の抗原を標的とし得る細胞、例えば操作された細胞が提供される。いくつかの態様において、複数種の抗原を標的とする戦略によって選択性および特異性の改善がなされる。かかる戦略は一般的に、典型的には相違する、遺伝子操作された抗原受容体上に存在し、相違する抗原に特異的に結合する複数の抗原結合ドメインを伴う。いくつかの態様において、細胞は、1つより多くの抗原に結合する能力を有するように操作される。例えば、いくつかの態様において、細胞は、多重特異性結合分子を発現するように操作される。いくつかの態様において、細胞は、各々が1つの抗原または複数種の抗原を標的とし得る複数の結合分子、例えば組換え受容体、例えばBCMA、例えば本明細書に記載されるいずれかのものを標的とするある受容体、および別の抗原、例えば腫瘍抗原を標的とする別の受容体を発現する。いくつかの局面において、細胞または組織もしくはその細胞での標的対象の疾患部もしくは病態部内または該疾患部もしくは病態部上に各々発現される異なる抗原に特異的に結合する複数の遺伝子操作された抗原受容体が、該細胞内に導入される。かかる特徴により、いくつかの局面においてオフターゲット効果が対処され得るか、またはその尤度が低減され得るか、あるいは有効性が増大し得る。例えば、疾患または病態において発現される単一の抗原が非罹病細胞もしくは正常細胞上または非罹病細胞もしくは正常細胞内においても発現される場合、かかるマルチターゲティングアプローチでは、細胞を活性化するため、または特定のエフェクター機能を誘導するために複数種の抗原受容体による結合を必要とすることによって所望の細胞型に対する選択性がもたらされ得る。いくつかの態様において、複数の細胞は、各々が1つの抗原または複数種の抗原を標的とし得る1つまたは複数の異なる結合分子、例えば組換え受容体を発現するように操作され得る。
【0356】
また、本明細書に記載される結合分子のいずれかを含む多重特異性細胞、例えば細胞表面タンパク質、例えば抗BCMA抗体と、異なる抗原またはBCMA上の異なるエピトープに結合する追加の細胞表面タンパク質、例えば追加のキメラ受容体とを含む細胞が提供される。いくつかの態様において、組換え受容体を発現する細胞の組成物であって、結合分子、多重特異性結合分子および/または組換え受容体のうちの1つまたは複数がBCMAに結合する、および/またはBCMAを標的とする組成物が提供される。また、1種または複数種の抗原を標的とし得る1種または複数種の異なる結合分子、例えば組換え受容体を発現する複数の細胞を含む細胞の組成物が提供される。いくつかの態様において、多重特異性結合分子および/または組換え受容体は、BCMA上の1つまたは複数の異なるエピトープを標的とする。
【0357】
いくつかの態様において、各細胞型が1種または複数種の結合分子、例えば組換え受容体を発現する細胞の組成物が提供される。いくつかの態様において、細胞は、1種もしくは複数種の抗体および/またはその一部分、例えばその抗原結合断片を構成する1種または複数種のアミノ酸配列をコードする1種または複数種の核酸を含む1種または複数種のベクターを含む(例えば、該ベクターで形質転換されている)。いくつかの態様において、1つまたは複数のかかる細胞が提供される。いくつかの態様において、1つまたは複数のかかる細胞を含有する組成物が提供される。いくつかの態様において、1つまたは複数の細胞は異なる抗体または同じ抗体を発現し得る。いくつかの態様において、細胞の各々は1種または複数種の抗体、例えば1種類より多くの抗体を発現する。いくつかの態様において、細胞の各々は多重特異性結合分子、例えば多重特異性の受容体、例えばCARを発現する。
【0358】
いくつかの態様において、細胞は、BCMAと、特定の疾患または病態と関連している第2の抗原または追加の抗原とを標的とするマルチターゲティング戦略を含む。いくつかの態様において、第2の抗原または追加の抗原は、多重特異性結合分子および/または複数の結合分子および/または各々が1種または複数種の組換え受容体を発現するように操作された複数の細胞、例えば1つまたは複数の細胞によって標的とされる。いくつかの態様において、第2の抗原または追加の抗原を標的とする組換え受容体は、BCMA結合分子と同じ細胞上または異なる細胞上に発現される。
【0359】
いくつかの態様において、中でも、マルチターゲティング戦略のための第2の抗原または追加の抗原としては、抗原のうちの少なくとも1種類がユニバーサル腫瘍抗原またはそのファミリーメンバーであるものが挙げられる。いくつかの態様において、第2の抗原または追加の抗原は腫瘍上に発現される抗原である。いくつかの態様において、本明細書において提供するBCMA結合分子は、第2の抗原または追加の抗原と同じ型の腫瘍上の抗原を標的とする。いくつかの態様において、第2の抗原または追加の抗原はまた、ユニバーサル腫瘍抗原であってもよく、腫瘍型に特異的な腫瘍抗原であってもよい。いくつかの態様において、細胞は、処置対象の疾患または病態において発現される第2の抗原または追加の抗原を認識して刺激性シグナルまたは活性化性シグナルを誘導する追加の遺伝子操作された抗原受容体をさらに含む。
【0360】
例示的な抗原としては、CD4、CD5、CD8、CD14、CD15、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD25、CD33、CD37、CD38、CD40、CD40L、CD46、CD52、CD54、CD74、CD80、CD126、CD138、B7、MUC-1、Ia、HM1.24、HLA-DR、テネイシン、血管新生因子、VEGF、PIGF、ED-Bフィブロネクチン、癌遺伝子、癌遺伝子産物、CD66a-d、壊死抗原、Ii、IL-2、T101、TAC、IL-6、ROR1、TRAIL-R1(DR4)、TRAIL-R2(DR5)、B細胞成熟抗原(BCMA)、tEGFR、Her2、L1-CAM、メソテリン、CEA、B型肝炎表面抗原、抗葉酸受容体、CD24、CD30、CD44、EGFR、EGP-2、EGP-4、EPHa2、ErbB2、ErbB3、ErbB4、erbB二量体、EGFR vIII、FBP、FCRL5、FCRH5、胎児型アセチルコリン受容体、GD2、GD3、HMW-MAA、IL-22R-アルファ、IL-13R-アルファ2、kdr、カッパ軽鎖、ルイスY、L1-細胞接着分子(L1-CAM)、メラノーマ関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、メラノーマ優先発現抗原(PRAME)、サバイビン、EGP2、EGP40、TAG72、B7-H6、IL-13受容体a2(IL-13Ra2)、CA9、CD171、G250/CAIX、HLA-AI MAGE Al、HLA-A2 NY-ESO-1、PSCA、葉酸受容体-a、CD44v6、CD44v7/8、avb6インテグリン、8H9、NCAM、VEGF受容体、5T4、胎児型AchR、NKG2Dリガンド、二重抗原、ユニバーサルタグと関連している抗原、がん-精巣抗原、MUC1、MUC16、NY-ESO-1、MART-1、gp100、腫瘍胎児性抗原、VEGF-R2、癌胎児性抗原(CEA)、前立腺特異抗原、PSMA、Her2/neu、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、エフリンB2、CD123、c-Met、GD-2、O-アセチル化GD2(OGD2)、CE7、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、サイクリン、サイクリンA2、CCL-1、hTERT、MDM2、CYP1B、WT1、リビン、AFP、p53、サイクリン(D1)、CS-1、BCMA、BAFF-R、TACI、CD56、TIM-3、CD123、L1-細胞接着分子、MAGE-A1、MAGE A3、サイクリン、例えばサイクリンA1(CCNA1)および/または病原体特異的抗原、ビオチン化分子、HIV、HCV、HBVおよび/または他の病原体によって発現される分子および/またはいくつかの局面において、ネオエピトープもしくはそのネオ抗原が挙げられる。いくつかの態様において、抗原は、ユニバーサルタグと関連しているか、あるいはユニバーサルタグである。
【0361】
いくつかの態様において、複数種の抗原、例えば第1の抗原、例えばBCMAおよび第2の抗原または追加の抗原は、標的対象の細胞上、組織上または疾患もしくは病態において、例えばがん細胞上に発現される。いくつかの局面において、細胞、組織、疾患または病態は多発性骨髄腫または多発性骨髄腫細胞である。また、複数種の抗原のうちの1つまたは複数は一般的に、細胞療法で標的とすることが所望されない細胞上、例えば正常または非罹病細胞または組織および/または操作された細胞それ自体においても発現される。かかる態様において、細胞応答を得るために複数種の受容体のライゲーションを必要とすることによって特異性および/または有効性が得られる。
【0362】
いくつかの局面において、抗原、例えば第2の抗原または追加の抗原、例えば疾患特異的抗原および/または関連抗原は多発性骨髄腫において発現されるもの、例えばCD38(環状ADPリボースヒドロラーゼ)、CD138(シンデカン-1、シンデカン、SYN-1)、CS-1(CS1、CD2サブセット1、CRACC、SLAMF7、CD319および19A24)、BAFF-R、TACIおよび/またはFcRH5である。他の例示的な多発性骨髄腫抗原としては、CD56、TIM-3、CD33、CD123、CD44、CD20、CD40、CD74、CD200、EGFR、β2-ミクログロブリン、HM1.24、IGF-1R、IL-6R、TRAIL-R1およびアクチビンIIA型受容体(ActRIIA)が挙げられる。Benson and Byrd,J.Clin.Oncol.(2012)30(16):2013-15;Tao and Anderson,Bone Marrow Research(2011):924058;Chu et al.,Leukemia(2013)28(4):917-27;Garfall et al.,Discov Med.(2014)17(91):37-46を参照のこと。いくつかの態様において、抗原としては、リンパ系腫瘍、骨髄腫、AIDS関連リンパ腫および/または移植後増殖リンパ球上に存在するもの、例えばCD38が挙げられる。かかる抗原に指向される抗体または抗原結合断片は公知であり、例えば米国特許第8,153,765号;同第8,603477号、同第8,008,450号;米国特許出願公開第20120189622号もしくは同第20100260748号;および/または国際特許出願公開公報第2006099875号、同第2009080829号もしくは同第2012092612号もしくは同第2014210064号に記載のものが挙げられる。いくつかの態様において、かかる抗体またはその抗原結合断片(例えばscFv)は、多重特異性抗体、多重特異性キメラ受容体、例えば多重特異性CARおよび/または多重特異性細胞内に含められる。
【0363】
いくつかの態様において、細胞および方法は、マルチターゲティング戦略、例えば各々が異なる抗原を認識し、典型的には各々が異なる細胞内シグナル伝達成分を含む2種類またはそれ以上の遺伝子操作された受容体の細胞上における発現を含む。かかるマルチターゲティング戦略は、例えば国際特許出願公開公報第2014055668 A1号(例えばオフターゲットに、例えば正常細胞では別個に存在するが、処置対象の疾患または病態の細胞上でのみ一緒に存在する2つの異なる抗原を標的とする活性化性CARと共刺激CARの組合せが記載されている)およびFedorov et al.,Sci.Transl.Medicine,5(215)(December,2013)(活性化性CARおよび阻害性CARを発現している細胞、例えば活性化性CARは、正常または非罹病細胞と処置対象の疾患または病態の細胞のどちらにも発現されるある抗原に結合し、阻害性CARは、正常細胞または処置が所望されない細胞のみに発現される別の抗原に結合するものが記載されている)に記載されている。
【0364】
いくつかの態様において、各々が1種または複数種の組換え受容体を発現するように操作された複数の細胞が提供される。例えば、いくつかの態様において、ある細胞は、BCMAに結合する、および/またはBCMAを標的とする結合分子を発現するように操作され、別の細胞は、追加の抗原もしくは第2の抗原に結合する、および/または追加の抗原もしくは第2の抗原を標的とする結合分子を発現するように操作される。いくつかの態様において、細胞は各々、多重特異性結合分子、例えば多重特異性組換え受容体を発現し得、ここで標的抗原のうちの1つまたは複数はBCMAである。かかる態様のいくつかにおいて、複数の細胞は一緒に、または別々に投与され得る。いくつかの態様において、複数の細胞のうちの一部は他の細胞と同時に、または並行して投与される、例えば複数の別の操作された細胞と同じ日に、および/または任意の順序で、逐次もしくは間欠的に投与される。例えば、いくつかの態様において、BCMA結合分子、例えばCARを発現する操作された細胞は、異なる標的抗原またはBCMA上の異なるエピトープに結合する結合分子を発現する別の操作された細胞と同時に、または任意の順序で逐次投与される。いくつかの態様において、複数の細胞は同じ組成物中または異なる組成物中に存在し得る。例示的な細胞組成物としては、以下のセクションIIに記載された組成物が挙げられる。
【0365】
II. 薬学的組成物
また、BCMA結合分子、イムノコンジュゲート、組換え受容体および操作された細胞を含む組成物、例えば薬学的組成物および薬学的製剤が提供される。
【0366】
BCMA結合分子(例えば、抗体)、イムノコンジュゲート、組換え受容体(例えば、キメラ抗原受容体)、前記分子(例えば、組換え受容体)を発現する操作された細胞、前記分子(例えば、組換え受容体)を発現する複数の操作された細胞および/または併用処置もしくは併用療法のための追加の薬剤を含む薬学的製剤が提供される。薬学的組成物および薬学的製剤は一般的に、1種または複数種の任意の薬学的に許容される担体または賦形剤を含む。いくつかの態様において、組成物は少なくとも1種類の追加の治療用薬剤を含む。
【0367】
用語「薬学的製剤」は、調製物であって、該調製物に含まれる有効成分の生物学的活性が効果的であることを可能にするような形態であり、かつ、製剤が投与されるであろう対象に対して許容できないほどに毒性であるさらなる成分をなんら含まない調製物を示す。
【0368】
「薬学的に許容される担体」は、対象にとって非毒性である、有効成分以外の薬学的製剤における成分を示す。薬学的に許容される担体としては、限定するわけではないが、緩衝液、賦形剤、安定剤または防腐剤が挙げられる。
【0369】
いくつかの局面において、担体の選択は、一部には特定の細胞、結合分子および/または抗体によって、および/または投与方法によって決定される。したがって、種々の適切な製剤が存在する。例えば、薬学的組成物は防腐剤を含み得る。適切な防腐剤には、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、および塩化ベンザルコニウムが含まれ得る。いくつかの局面では、2つまたはそれ以上の防腐剤の混合物が使用される。防腐剤またはその混合物は、典型的には全組成物の約0.0001重量%~約2重量%の量で存在する。担体は、例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980)に記載されている。薬学的に許容される担体は一般に、用いられる投薬量および濃度でレシピエントに非毒性であり、以下のものが含まれるが、これらに限定されるわけではない:リン酸塩、クエン酸塩および他の有機酸などの緩衝剤;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ヘキサメトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ブチルもしくはベンジルアルコール、メチルもしくはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3-ペンタノールおよびm-クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチンもしくは免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニンもしくはリジンなどのアミノ酸;単糖類、二糖類、およびグルコース、マンノースもしくはデキストリンを含む他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロースもしくはソルビトールなどの糖類;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えばZn-タンパク質錯体);ならびに/またはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン界面活性剤。
【0370】
いくつかの局面では、緩衝剤が組成物に含まれる。適切な緩衝剤には、例えばクエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸、リン酸カリウム、ならびに他の様々な酸および塩が含まれる。いくつかの局面では、2つまたはそれ以上の緩衝剤の混合物が使用される。緩衝剤またはその混合物は、典型的には全組成物の約0.001重量%~約4重量%の量で存在する。投与可能な薬学的組成物を調製するための方法は公知である。例示的な方法は、例えばRemington:The Science and Practice of Pharmacy,Lippincott Williams&Wilkins;21st ed.(May 1,2005)においてより詳細に記載されている。
【0371】
本明細書に記載される抗体の製剤は凍結乾燥製剤および水性液剤を含み得る。
【0372】
製剤または組成物に、該結合分子または細胞で処置される具体的な適応症、疾患または病態に有用な1種類より多くの有効成分、好ましくは該結合分子または細胞に対して補完的な活性を有するものもまた含めてもよく、この場合、それぞれの活性は互いに悪影響を及ぼさない。かかる有効成分は、意図される目的に有効な量で組み合わせて適切に存在する。したがって、いくつかの態様において、薬学的組成物は、他の薬学的に活性な剤または薬物、例えば化学療法剤、例えばアスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、シスプラチン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メトトレキサート、パクリタキセル、リツキシマブ、ビンブラスチン、ビンクリスチンなどをさらに含む。いくつかの態様において、細胞または抗体は、塩、例えば薬学的に許容される塩の形態で投与される。適切な薬学的に許容される酸付加塩としては、鉱酸、例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸および硫酸ならびに有機酸、例えば酒石酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、安息香酸、グリコール酸、グルコン酸、コハク酸およびアリールスルホン酸、例えばp-トルエンスルホン酸から誘導されるものが挙げられる。
【0373】
有効成分を、マイクロカプセル内、コロイド系薬物送達システム(例えば、リポソーム、アルブミンマイクロスフィア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子およびナノカプセル)内またはマクロエマルジョン中に封入してもよい。一部の特定の態様において、薬学的組成物は、包接錯体、例えばシクロデキストリン包接錯体として、またはリポソームとして製剤化される。リポソームは、宿主細胞(例えば、T細胞またはNK細胞)を特定の組織に標的指向させるのに有用であり得る。多くの方法、例えばSzoka et al.,Ann.Rev.Biophys.Bioeng.,9:467(1980)ならびに米国特許4,235,871、4,501,728、4,837,028および5,019,369に記載のものなどが、リポソームを調製するのに利用可能である。
【0374】
いくつかの局面における薬学的組成物には、組成物の送達が処置対象の部位の感作前に行われるような、および処置対象の部位の感作が引き起こされるのに充分な時間で行われるような、時限的放出、遅延放出および徐放送達システムが使用され得る。多くの型の放出送達システムが利用可能であり、公知である。かかる系では組成物の反復投与が回避され得、それにより対象および医師に対する簡便性が高まり得る。
【0375】
いくつかの態様における薬学的組成物は、疾患または病態を処置または予防するのに有効な量、例えば治療上有効な量または予防上有効な量の結合分子および/または細胞を含む。いくつかの態様における治療有効性または予防有効性は、処置される対象の定期的な評価によってモニタリングされる。数日間またはそれより長くにわたる反復投与では、病態に応じて、処置は、疾患症状の所望の抑制が起こるまで繰り返される。しかしながら、他の投薬量レジメンが有用な場合もあり得、他の投薬量レジメンを決定してもよい。所望の投薬量は、組成物の単回ボーラス投与によって、組成物の反復ボーラス投与によって、または組成物の連続輸注投与によって送達され得る。
【0376】
一部の特定の態様において、結合分子を含む遺伝子操作された細胞の状況では、対象に、約100万~約1000億細胞、例えば100万~約500億細胞(例えば、約500万細胞、約2500万細胞、約5億細胞、約10億細胞、約50億細胞、約200億細胞、約300億細胞、約400億細胞、もしくは前述の値のいずれか2つによって規定される範囲)など、例えば約1000万~約1000億細胞(例えば、約2000万細胞、約3000万細胞、約4000万細胞、約6000万細胞、約7000万細胞、約8000万細胞、約9000万細胞、約100億細胞、約250億細胞、約500億細胞、約750億細胞、約900億細胞、もしくは前述の値のいずれか2つによって規定される範囲)、およびいくつかの場合では、約1億細胞~約500億細胞(例えば、約1億2000万細胞、約2億5000万細胞、約3億5000万細胞、約4億5000万細胞、約6億5000万細胞、約8億細胞、約9億細胞、約30億細胞、約300億細胞、約450億細胞)の範囲で、またはこれらの範囲間に含まれる任意の値および/または対象の体重1キログラムあたりかかる数の細胞で投与される。
【0377】
標準的な投与手法、製剤および/またはデバイスを用いて投与され得る。製剤ならびに組成物の保存および投与のためのデバイス、例えばシリンジおよびバイアルが提供される。細胞投与は自己であっても異種であってもよい。例えば、免疫応答性細胞または前駆細胞は、ある対象から得て、同じ対象または異なる適合性の対象に投与され得る。末梢血由来の免疫応答性細胞またはその子孫(例えばインビボ、エクスビボまたはインビトロ由来)は、局所注射、例えばカテーテル投与、全身注射、局所注射、静脈内注射、または非経口投与によって投与され得る。治療用組成物(例えば、遺伝子修飾された免疫応答性細胞を含有する薬学的組成物)を投与する場合、これは一般的に、注射可能な単位投薬量形態(液剤、懸濁液、エマルジョン)で製剤化される。
【0378】
製剤には、経口投与、静脈内投与、腹腔内投与、皮下投与、肺投与、経皮投与、筋肉内投与、鼻腔内投与、口腔投与、舌下投与または坐剤投与用のものが含まれる。いくつかの態様において、細胞集団は非経口投与される。本明細書で使用される「非経口」という用語は、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、直腸内投与、膣内投与、頭蓋内投与、胸郭内投与および腹腔内投与を含む。いくつかの態様において、細胞集団は対象に、静脈内、腹腔内または皮下注射による末梢全身送達を用いて投与される。
【0379】
いくつかの態様における組成物は、いくつかの局面では選択されたpHに緩衝され得る、滅菌液体製剤、例えば等張水溶液、懸濁液、エマルジョン、分散液、または粘性組成物として提供される。液体製剤は通常、ゲル、他の粘性組成物および固体組成物よりも調製が容易である。さらに、液体組成物は、特に注射によって投与するのにいくぶんより便利である。他方で、粘性組成物は、特定の組織とのより長い接触期間を提供する適切な粘度範囲内に製剤化することができる。液体または粘性組成物は担体を含むことができ、担体は、例えば水、食塩水、リン酸緩衝食塩水、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール)およびそれらの適切な混合物を含む溶媒または分散媒であり得る。
【0380】
滅菌注射溶液は、適切な担体、希釈剤、または賦形剤、例えば滅菌水、生理食塩水、グルコース、デキストロースなどとの混合状態などの溶媒中に結合分子を組み込むことによって調製することができる。組成物を凍結乾燥させることもできる。組成物には、所望される投与経路および調製物に応じて、補助物質、例えば湿潤剤、分散剤または乳化剤(例えばメチルセルロース)、pH緩衝剤、ゲル化または粘度向上添加剤、防腐剤、香味剤、着色剤などが含められ得る。いくつかの局面において、標準的な教本を参考にして適切な調製物が調製され得る。
【0381】
組成物の安定性および滅菌性を高める種々の添加剤、例えば抗菌防腐剤、抗酸化剤、キレート剤および緩衝剤を添加することができる。微生物の作用の防止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などによって確実にすることができる。注射用薬学的形態の持続的吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によってもたらされ得る。
【0382】
徐放調製物を調製してもよい。適切な例の徐放調製物は、抗体を含む固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスを含み、該マトリックスは成形物品、例えばフィルムまたはマイクロカプセルの形態である。
【0383】
インビボ投与に使用される製剤は一般に滅菌されている。滅菌性は、例えば滅菌濾過膜に通して濾過することによって容易に達成され得る。
【0384】
また、併用療法薬のための薬学的組成物が提供される。本明細書に記載される併用療法のための追加の薬剤のいずれか、例えばセクションIII.Bに記載される薬剤が1つまたは複数の薬学的組成物として調製され、本明細書に記載されるBCMA結合分子(例えば、抗体)、イムノコンジュゲート、組換え受容体(例えば、キメラ抗原受容体)および/または前記分子(例えば、組換え受容体)を発現する操作された細胞とともに投与され得る。併用療法薬は1つまたは複数の薬学的組成物で投与され得、例えばこの場合、結合分子、組換え受容体および/または細胞は同じ薬学的組成物中に追加の薬剤として存在するか、または別個の薬学的組成物中に存在する。例えば、いくつかの態様において、追加の薬剤は追加の操作された細胞、例えば異なる抗原またはBCMA上の異なるエピトープを標的とする異なる組換え受容体を発現するように操作された細胞であり、同じ組成物または別個の組成物で投与される。いくつかの態様において、各々の薬学的組成物は、具体的な結合分子、組換え受容体、細胞、例えば操作された細胞および/または追加の薬剤ならびに具体的な投薬量レジメンおよび/または送達方法に応じて適切な製剤に製剤化される。
【0385】
III. 方法および使用
また、例えばBCMAが発現される疾患、状態および障害の処置および/または検出方法、診断方法および予後判定方法における、BCMA結合分子、イムノコンジュゲート、組換え受容体、操作された細胞ならびに薬学的組成物およびその薬学的製剤の使用ならびにそれらを使用する方法、例えば処置の方法が提供される。また、併用療法および/または処置の方法が提供される。
【0386】
A. 治療方法および予防方法ならびに使用
また、BCMA結合分子、例えば抗BCMA抗体、例えば抗体断片およびそれを含むタンパク質、例えば組換え受容体(例えば、CAR)、組換え受容体(例えば、CAR)を発現する操作された細胞、該受容体を発現する複数の操作された細胞および/またはそれを含む組成物の投与方法ならびに使用、例えば治療的使用および予防的使用が提供される。かかる方法および使用は、例えば該分子(例えば、BCMA結合分子、組換え受容体)、細胞(例えば、操作された細胞)またはそれを含有する組成物を、BCMAと関連している疾患、病態もしくは障害、例えばBCMAの発現と関連している、および/または細胞もしくは組織がBCMAを発現する、例えばBCMAを特異的に発現する疾患、病態もしくは障害を有する対象に投与することを伴う治療方法および治療的使用を含む。いくつかの態様において、分子、細胞および/または組成物は、疾患または障害の処置がもたらされるのに有効な量で投与される。かかる方法および処置における、ならびにかかる治療方法を行うための医薬の調製における結合分子(例えば、抗BCMA抗体またはその抗原結合断片)、組換え受容体(例えば、CAR)および細胞(例えば、操作された細胞)の使用が、本明細書において提供される。いくつかの態様において、方法は、結合分子もしくは細胞またはそれを含む組成物を、疾患もしくは病態を有するか、疾患もしくは病態を有したことがあるか、または疾患もしくは病態を有することが疑われる対象に投与することにより行われる。いくつかの態様において、方法はそれにより対象の疾患または病態または障害を処置する。また、BCMAと関連している疾患または障害、例えば多発性骨髄腫の処置のための本明細書において提供する組成物、例えば薬学的組成物のいずれかの使用が、本明細書において提供される。
【0387】
本明細書において使用する場合、「処置」(およびその文法的語尾変化形、例えば「処置する」または「処置すること」)は、疾患もしくは病態もしくは障害または症状、有害効果もしくは転帰またはこれらに関連する表現型の完全軽快もしくは一部軽快または低減を示す。望ましい処置効果としては、限定するわけではないが、疾患の発生もしくは再発の予防、症状の緩和、疾患の任意の直接的もしくは間接的な病理学的帰結の減衰、転移の予防、疾患進行の減速、疾患状態の軽快または鎮静および寛解または予後の改善が挙げられる。この用語は、疾患の完全な治癒あるいは任意の症状またはすべての症状もしくは転帰に対する効果の完全な消去を示唆するものではない。
【0388】
本明細書において使用する場合、「疾患の発病を遅延させる」とは、疾患(例えば、がん)の発病を延ばす、妨害する、遅滞させる、遅らせる、安定させる、抑制する、および/または延期することを意味する。この遅延は、病歴および/または処置される対象に応じていろいろな長さの時間であり得る。当業者には明白なように、充分または有意な遅延には、事実上、対象が疾患を発病しないという点で予防が包含され得る。例えば、末期がん、例えば転移の発生が遅延され得る。
【0389】
「予防する」とは、本明細書において使用する場合、疾患に対して素因があるかもしれないが、まだ該疾患と診断されていない対象において、疾患の発生または再発に関して予防をもたらすことを包含している。いくつかの態様において、提供される分子および組成物は、疾患の発病を遅延させるため、または疾患の進行を遅滞させるために使用される。
【0390】
本明細書において使用する場合、機能または活性を「抑制する」とは、関心対象の条件もしくはパラメータ以外、その他は同じ条件と比べた場合、または代替的に、別の条件と比べて該機能または活性を低下させることである。例えば、腫瘍の成長を抑制する抗体または組成物または細胞は、腫瘍の成長速度を、該抗体または組成物または細胞の非存在下での腫瘍の成長速度と比べて低下させる。
【0391】
投与の状況における薬剤、例えば薬学的製剤、結合分子、抗体、細胞または組成物の「有効な量」は、必要な投薬量/量および期間で、所望の結果、例えば治療結果または予防結果が得られるのに有効な量を示す。
【0392】
薬剤、例えば薬学的製剤、結合分子、抗体、細胞または組成物の「治療上有効な量」は、必要な投薬量および期間で、例えば疾患、病態もしくは障害の処置および/または処置の薬物動態効果もしくは薬力学効果のための所望の治療結果が得られるのに有効な量を示す。治療上有効な量は、対象の疾患状態、年齢、性別および体重ならびに投与される細胞集団などの要素に応じて異なり得る。いくつかの態様において、提供される方法は、分子、抗体、細胞および/または組成物を有効な量、例えば治療上有効な量で投与することを伴う。
【0393】
「予防上有効な量」は、必要な投薬量および期間で、所望の予防結果が得られるのに有効な量を示す。典型的には、必ずしもそうではないが、予防用量は疾患前または疾患の初期の対象に使用されるため、予防上有効な量は治療上有効な量より少ない。
【0394】
本明細書において使用する場合、「対象」または「個体」は哺乳動物である。いくつかの態様において、「哺乳動物」としては、ヒト、非ヒト霊長類、家畜および飼養動物ならびに動物園の動物、競技用動物または愛玩動物、例えばイヌ、ウマ、ウサギ、ウシ、ブタ、ハムスター、アレチネズミ、マウス、フェレット、ラット、ネコ、サルなどが挙げられる。いくつかの態様において、対象はヒトである。
【0395】
中でも、処置対象の疾患は、BCMAと関連している任意の疾患もしくは障害またはBCMAが特異的に発現される、および/またはBCMAが処置のために標的とされている任意の疾患もしくは障害(本明細書において互換的に「BCMA関連の疾患または障害」とも称する)である。BCMAの発現と関連しているがんとしては、造血器悪性腫瘍、例えば多発性骨髄腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症ならびにホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫の両方が挙げられる。BCMAの概説については、Coquery et al.,Crit Rev Immunol.,2012、32(4):287-305を参照のこと。BCMAは腫瘍細胞の生存の媒介に関与しているため、これはがん治療の標的候補である。これまでに、BCMA発現多発性骨髄腫細胞の抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性を促進させた阻害性抗BCMA抗体SG1などの抗BCMA抗体が報告されている。Ryan et al.,Mol Cancer Ther.,2007,6(11):3009-3018および国際特許出願公開公報第2010/104949号を参照のこと。マウス抗ヒトBCMA抗体を含むキメラ抗原受容体およびかかるキメラ受容体を発現する細胞もまた、これまでに報告されている。Carpenter et al.,Clin Cancer Res.,2013,19(8):2048-2060を参照のこと。
【0396】
いくつかの態様において、BCMAと関連している疾患または障害はB細胞関連障害である。いくつかの態様において、BCMAと関連している疾患または障害は、グリア芽腫、リンパ腫様肉芽腫症、移植後リンパ増殖性障害、免疫調節障害、重鎖病、原発性もしくは免疫細胞性アミロイドーシスまたは意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症の中からの1つまたは複数の疾患または病態である。
【0397】
いくつかの態様において、BCMAと関連している疾患または障害は自己免疫性疾患または障害である。かかる自己免疫性疾患または障害としては、限定するわけではないが、全身性エリテマトーデス(SLE)、ループス腎炎、炎症性腸疾患、関節リウマチ(例えば、若年性関節リウマチ)、ANCA関連血管炎、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、自己免疫性血小板減少症、シャーガス病、グレーブス病、ウェゲナー肉芽腫症、結節性多発性動脈炎、シェーグレン症候群、尋常性天疱瘡、強皮症、多発性硬化症、乾癬、IgA腎症、IgM多発ニューロパチー、血管炎、真性糖尿病、レイノー症候群、抗リン脂質抗体症候群、グッドパスチャー病、川崎病、自己免疫性溶血性貧血、重症筋無力症、または進行性糸球体腎炎が挙げられる。
【0398】
一部の特定の疾患および病態では、BCMAが悪性細胞上およびがんにおいて発現される。いくつかの態様において、がん(例えば、BCMA発現がん)はB細胞悪性腫瘍である。いくつかの態様において、がん(例えば、BCMA発現がん)は白血病(例えば、B細胞白血病)、リンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫など)または骨髄腫、例えば多発性骨髄腫(MM)、形質細胞悪性腫瘍(例えば、形質細胞腫)である。本明細書において想定されるリンパ腫としては、限定するわけではないが、バーキットリンパ腫(例えば、地域性バーキットリンパ腫もしくは散発性バーキットリンパ腫)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、ホジキンリンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、濾胞性リンパ腫、小型非切れ込み核細胞性リンパ腫、粘膜関連リンパ組織リンパ腫(MALT)、辺縁帯リンパ腫、脾リンパ腫、節性単球様B細胞リンパ腫、免疫芽球性リンパ腫、大細胞型リンパ腫、びまん性混合細胞型リンパ腫、肺血管中心性B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL)またはマントル細胞リンパ腫(MCL)が挙げられる。本明細書において想定される白血病としては、限定するわけではないが、慢性リンパ球性白血病(CLL)、形質細胞白血病または急性リンパ球性白血病(ALL)が挙げられる。また、骨髄腫、例えば多発性骨髄腫(MM、例えば非分泌型多発性骨髄腫、くすぶり型多発性骨髄腫)も本明細書において想定される。また、形質細胞性悪性腫瘍、例えば限定するわけではないが、形質細胞腫も本明細書において想定される。中でも、処置され得るBCMAと関連している疾患、障害または病態(例えば、BCMA発現がん)としては、限定するわけではないが、神経芽細胞腫、腎細胞癌、結腸がん、結腸直腸がん、乳がん、扁平上皮細胞がん、黒色腫、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫)、胃がん、脳のがん、肺がん、膵がん、子宮頸がん、卵巣がん、肝臓がん、膀胱がん、前立腺がん、精巣がん、甲状腺がん、子宮がん、副腎がん、および頭頸部がんが挙げられる。
【0399】
いくつかの態様において、方法により、BCMA関連の疾患もしくは障害を有するか、BCMA関連の疾患もしくは障害を有することが疑われるか、またはBCMA関連の疾患もしくは障害を発病するリスクがある対象が認定され得る。したがって、高BCMA発現と関連している疾患または障害を有する対象を認定し、該対象を、提供されるBCMA結合分子、例えばいずれかの抗BCMA抗体、例えば抗体断片およびそれを含むタンパク質、例えば組換え受容体(例えば、CAR)および/または組換え受容体を発現する操作された細胞での処置に選択するための方法が提供される。
【0400】
例えば、対象は、高BCMA発現と関連している疾患または障害、例えばBCMA発現がんの存在についてスクリーニングされ得る。いくつかの態様において、方法は、BCMA関連の疾患、例えば腫瘍の存在についてスクリーニングすること、あるいはBCMA関連の疾患、例えば腫瘍の存在を検出することを含む。したがって、いくつかの局面において、試料は、高BCMA発現と関連している疾患または障害を有することが疑われる患者から採取され得、BCMAの発現レベルについてアッセイされ得る。いくつかの局面において、BCMA関連の疾患または障害の試験で陽性である対象が本方法による処置に選択され得、治療上有効な量の本明細書に記載されるBCMA結合分子(例えば、抗BCMA抗体もしくはその抗原結合断片)、BCMA結合分子を含む組換え受容体(例えば、CAR)、組換え受容体を含む細胞またはその薬学的組成物が投与され得る。いくつかの態様において、方法は、BCMA発現組織、例えば腫瘍の大きさまたは密度を経時的に、例えば該方法による処置の前、該処置中または該処置後においてモニタリングするために使用され得る。
【0401】
いくつかの態様において、対象は、例えば、別のBCMA特異的抗体および/またはBCMAターゲティングキメラ受容体を発現する細胞および/または他の治療、例えば化学療法、放射線および/または造血幹細胞移植(HSCT)、例えば同種異系HSCTでの処置後、持続性の疾患または再発した疾患を有する。いくつかの態様において、投与により対象は、該対象が別のBCMA標的治療に抵抗性になっているにもかかわらず有効に処置される。いくつかの態様において、対象は、再発していないが再発リスクがある、例えば高い再発リスクがあると判定されており、したがって化合物または組成物が例えば再発の尤度を下げるため、または再発を予防するために予防的に投与される。
【0402】
いくつかの態様において、処置により、治療に対して対象による免疫応答は誘導されない、および/または疾患もしくは病態の有効な処置を妨げる度合のかかる応答は誘導されない。いくつかの局面において、免疫原性および/または移植片対宿主応答の度合は、異なるが同等の処置で観察されるものより少ない。例えば、提供される抗BCMA抗体を含むCARを発現する細胞を用いる養子細胞療法の場合、いくつかの態様における免疫原性の度合は、提供される抗体と類似したエピトープ、例えば重複するエピトープに結合する異なる抗体および/または提供される抗体とBCMAに対する結合に関して競合する異なる抗体、例えばマウスまたはサルまたはウサギまたはヒト化抗体を含むCARと比べて低減される。
【0403】
いくつかの態様において、方法は、BCMA結合分子を含む提供される組換え受容体(例えば、抗BCMA抗体またはその抗原結合断片を含むCAR)を発現する遺伝子操作された細胞を対象に投与する養子細胞療法を含む。かかる投与は、細胞の活性化(例えば、T細胞の活性化)をBCMA標的指向様式で、疾患または障害の細胞が破壊のために標的とされるように促進させ得る。
【0404】
したがって、提供される方法および使用は養子細胞療法のための方法および使用を含む。いくつかの態様において、方法は、細胞、複数の細胞、または該細胞もしくは該複数の細胞を含有する組成物を、対象、組織または細胞に、例えば疾患、病態もしくは障害を有するか、疾患、病態もしくは障害のリスクがあるか、または疾患、病態もしくは障害を有することが疑われるものに投与することを含む。いくつかの態様において、細胞、集団および組成物は、処置対象の特定の疾患または病態を有する対象に、例えば養子細胞療法、例えば養子T細胞療法によって投与される。いくつかの態様において、細胞または組成物は対象に、例えば疾患もしくは病態を有するか、または疾患もしくは病態のリスクがある対象に投与される。いくつかの局面において、方法はそれにより、疾患または病態の1つまたは複数の症状を、例えばBCMA発現がんの腫瘍量を減らすことによって処置する、例えば軽快させる。
【0405】
養子細胞療法用の細胞の投与のための方法は公知であり、提供される方法および組成物との関連において使用され得る。例えば養子T細胞療法の方法は、例えばGruenberg et alに対する米国特許出願公開第2003/0170238号;Rosenbergに対する米国特許第4,690,915号;Rosenberg(2011)Nat Rev Clin Oncol.8(10):577-85)に記載されている。例えば、Themeli et al.(2013)Nat Biotechnol.31(10):928-933;Tsukahara et al.(2013)Biochem Biophys Res Commun 438(1):84-9;Davila et al.(2013)PLoS ONE 8(4):e61338を参照のこと。
【0406】
いくつかの態様において、細胞療法、例えば養子細胞療法、例えば養子T細胞療法は、細胞を、細胞療法を受ける予定の対象から、またはかかる対象に由来する試料から単離する、および/または別の様式で調製する自家移入によって行われる。したがって、いくつかの局面において、細胞は、処置を必要とする対象、例えば患者に由来し、該細胞は、単離および加工処理後に同じ対象に投与される。
【0407】
いくつかの態様において、細胞療法、例えば養子細胞療法、例えば養子T細胞療法は、細胞を、細胞療法を受ける予定の対象以外の対象または最終的に細胞療法を受ける対象以外の対象、例えば第1の対象から単離する、および/または別の様式で調製する同種異系移入によって行われる。かかる態様において、該細胞は次いで、同じ種の異なる対象、例えば第2の対象に投与される。いくつかの態様において、第1および第2の対象は遺伝学的に同一である。いくつかの態様において、第1および第2の対象は遺伝学的に類似している。いくつかの態様において、第2の対象は、第1の対象と同じHLAクラスまたはスーパータイプを発現する。
【0408】
いくつかの態様において、細胞、細胞集団または組成物が投与される対象は霊長類、例えばヒトである。いくつかの態様において、細胞、細胞集団または組成物が投与される対象は非ヒト霊長類である。いくつかの態様において、非ヒト霊長類はサル(例えば、カニクイザル)または類人猿である。対象は男性/雄または女性/雌であり得、任意の適切な年齢、例えば幼児/幼体、年少/幼若、青年期、成人/成体および老齢期の対象であり得る。いくつかの態様において、対象は非霊長類哺乳動物、例えば齧歯類(例えば、マウス、ラットなど)である。いくつかの例において、患者または対象は、疾患、養子細胞療法の、および/または毒性転帰、例えばサイトカイン放出症候群(CRS)の評価用の検証済み動物モデルである。
【0409】
BCMA結合分子、例えば抗体、該抗体を含む組換え受容体(例えば、CAR)およびそれを発現する細胞は任意の適切な手段によって、例えば注射、例えば静脈内もしくは皮下注射、眼内注射、眼球周囲注射、網膜下注射、硝子体内注射、経中隔注射、強膜下注射、脈絡膜内注射、前房内注射、結膜下注射、結膜下注射、テノン嚢下注射、眼球後注射、球周囲注射または後強膜近傍(posterior juxtascleral)送達によって投与され得る。いくつかの態様において、これらは、非経口、肺内および鼻腔内ならびに、局所処置が所望される場合は病巣内投与によって投与される。非経口輸注としては、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、頭蓋内、胸郭内または皮下投与が挙げられる。投薬および投与は一部において、投与が短時間か長期間かに依存し得る。種々の投薬スケジュールとしては、限定するわけではないが、単回投与または種々の時間点における反復投与、ボーラス投与およびパルス注入が挙げられる。
【0410】
疾患の予防または処置では、結合分子、組換え受容体または細胞の適切な投薬量は、処置される疾患の型、結合分子または組換え受容体の型、疾患の重症度および経過、結合分子または組換え受容体が予防目的で投与されるのか治療目的で投与されるのか、治療歴、患者の病歴および結合分子、組換え受容体または細胞に対する奏功ならびに担当医の裁量に依存し得る。組成物および分子および細胞はいくつかの態様において、患者に1回で、または一連の処置で適切に投与される。
【0411】
疾患の型および重症度に応じて、結合分子(例えば、抗BCMA抗体もしくはその抗原結合断片)または組換え受容体の投薬量としては、約1μg/kg~約15 mg/kg(例えば0.1 mg/kg~10 mg/kg)、約1μg/kg~約100 mg/kg、約0.05 mg/kg~約10 mg/kg、約0.5 mg/kg、約2.0 mg/kg、約4.0 mg/kgまたは約10 mg/kgが挙げられ得る。反復用量は断続的に、例えば毎週または3週間毎に投与され得る。最初に高負荷用量、その後、1回または複数回の低用量を投与してもよい。
【0412】
一部の特定の態様において、結合分子または組換え受容体を含む遺伝子操作された細胞の状況では、対象に約100万~約1000億細胞の範囲で、および/または体重1キログラムあたり該量の細胞が、例えば約100万~約500億細胞(例えば、約500万細胞、約2500万細胞、約5億細胞、約10億細胞、約50億細胞、約200億細胞、約300億細胞、約400億細胞、もしくは前述の値のいずれか2つによって規定される範囲)など、例えば約1000万~約1000億細胞(例えば、約2000万細胞、約3000万細胞、約4000万細胞、約6000万細胞、約7000万細胞、約8000万細胞、約9000万細胞、約100億細胞、約250億細胞、約500億細胞、約750億細胞、約900億細胞、もしくは前述の値のいずれか2つによって規定される範囲)、およびいくつかの場合では、約1億細胞~約500億細胞(例えば、約1億2000万細胞、約2億5000万細胞、約3億5000万細胞、約4億5000万細胞、約6億5000万細胞、約8億細胞、約9億細胞、約30億細胞、約300億細胞、約450億細胞)またはこれらの範囲間に含まれる任意の値および/または体重1キログラムあたりで投与される。この場合も、投薬量は、疾患もしくは障害および/または患者および/または他の処置に特定の属性に応じて異なり得る。
【0413】
いくつかの態様において、例えば対象がヒトである場合、用量は、約1×108より少ない全組換え受容体(例えば、CAR)発現細胞、T細胞または末梢血単核球(PBMC)、例えば約1×106~1×108の範囲のかかる細胞、例えば2×106、5×106、1×107、5×107もしくは1×108もしくはかかる全細胞、または前述の値のいずれか2つの間の範囲を含む。
【0414】
いくつかの局面において、用量サイズは、1つまたは複数の基準、例えば以前の処置、例えば化学療法に対する対象の奏功、対象の病巣部の量、例えば腫瘍細胞量、腫瘍の大きさ、腫瘍サイズ、または転移の度合、程度もしくは型、病期、および/または対象が毒性転帰、例えば、CRS、マクロファージ活性化症候群、腫瘍崩壊症候群、神経毒性を発現する尤度もしくは発生率および/または投与される細胞および/または組換え受容体に対する宿主の免疫応答に基づいて決定される。
【0415】
いくつかの局面において、用量サイズは、対象の疾患または病態の負担によって決定される。例えば、いくつかの局面において、該用量中の投与細胞数は、細胞用量の投与開始直前に対象内に存在する腫瘍量に基づいて決定される。いくつかの態様において、初回および/または後続の用量サイズは病巣部の量と逆相関する。いくつかの局面において、病巣部の量が多い状況などでは、対象に少数の細胞が投与される。他の態様において、病巣部の量が少ない状況などでは、対象に多数の細胞が投与される。
【0416】
いくつかの態様において、細胞、結合分子または組換え受容体は併用処置の一部として、例えば別の治療介入、例えば別の抗体または操作された細胞もしくは受容体または薬剤、例えば細胞傷害剤もしくは治療用薬剤、例えばセクションI.CまたはIII.Bに記載された任意のものと同時に、あるいは別の治療介入、例えば別の抗体または操作された細胞もしくは受容体または薬剤、例えば細胞傷害剤もしくは治療用薬剤、例えばセクションI.CまたはIII.Bに記載された任意のものと任意の順序で逐次投与される。
【0417】
いくつかの態様における細胞、結合分子および/または組換え受容体は、1つもしくは複数の追加の治療用薬剤とともに、または別の治療介入と関連させて同時もしくは任意の順序で逐次のいずれかで共投与される。いくつかの状況において、細胞は、別の治療薬とともに、該細胞集団が1つまたは複数の追加の治療用薬剤の効果が増強されるように、またはその逆も同様となるように時間的に充分に近接して共投与される。いくつかの態様において、細胞、結合分子および/または組換え受容体は、該1つまたは複数の追加の治療用薬剤の前に投与される。いくつかの態様において、細胞、結合分子および/または組換え受容体は、該1つまたは複数の追加の治療用薬剤の後に投与される。
【0418】
細胞が哺乳動物(例えば、ヒト)に投与されたら、いくつかの局面における操作された細胞集団および/または抗体の生物学的活性がいくつかの公知の方法のいずれかによって測定される。評価するパラメータとしては、例えばイメージングによるインビボまたは例えばELISAもしくはフローサイトメトリーによるエキソビボでの、改変されたT細胞もしくは天然のT細胞または他の免疫細胞の抗原に対する特異的結合が挙げられる。一部の特定の態様において、操作された細胞が標的細胞を破壊する能力は、当技術分野において公知の任意の適切な方法、例えばKochenderfer et al.,J.Immunotherapy,32(7):689-702(2009)およびHerman et al.J.Immunological Methods,285(1):25-40(2004)に記載の細胞傷害性アッセイなどを用いて測定され得る。一部の特定の態様において、細胞の生物学的活性はまた、特定のサイトカイン、例えばCD 107a、IFNγ、IL-2およびTNFの発現および/または分泌をアッセイすることによっても測定され得る。いくつかの局面において、生物学的活性は、臨床転帰、例えば腫瘍量または腫瘍細胞量の低減を評価することにより測定される。
【0419】
一部の特定の態様において、操作された細胞は、いくつもの方法で、その治療有効性または予防有効性が高まるように修飾される。例えば、いくつかの態様における該集団によって発現される操作されたCARまたはTCRは、直接またはリンカーを介して間接的のいずれかでターゲティング部分にコンジュゲートされ得る。化合物、例えばCARまたはTCRをターゲティング部分にコンジュゲートさせる実務は当技術分野において公知である。例えばWadwa et al.,J.Drug Targeting,3(2):111(1995)および米国特許5,087,616を参照のこと。
【0420】
B. 併用療法
また、BCMA結合分子、例えば抗BCMA抗体、例えば抗体断片およびそれを含むタンパク質、例えば組換え受容体(例えば、CAR)、組換え受容体(例えば、CAR)を発現する操作された細胞、該受容体を発現する複数の操作された細胞および/またはそれを含む組成物を投与すること、ならびにBCMA結合分子、例えば抗BCMA抗体、例えば抗体断片およびそれを含むタンパク質、例えば組換え受容体(例えば、CAR)、組換え受容体(例えば、CAR)を発現する操作された細胞、該受容体を発現する複数の操作された細胞および/またはそれを含む組成物の使用、例えば治療的使用および予防的使用を含む、併用療法の方法が提供される。
【0421】
いくつかの態様において、本明細書に記載されるBCMA結合分子(例えば、抗体)、イムノコンジュゲート、組換え受容体(例えば、キメラ抗原受容体)および/または前記分子(例えば、組換え受容体)を発現する操作された細胞は、併用処置または併用療法の一部として、例えば1つまたは複数の追加の治療介入と同時に、任意の順序で逐次または間欠的に投与される。いくつかの態様において、1つまたは複数の追加の治療介入は、例えば抗体、操作された細胞、受容体および/または薬剤、例えば組換え受容体を発現する細胞および/または細胞傷害剤もしくは治療用薬剤、例えば化学療法剤を含む。いくつかの態様において、併用療法は、1種または複数種の追加の薬剤、治療薬および/または処置薬の投与、例えば本明細書に記載される追加の薬剤、治療薬および/または処置薬のいずれかの投与を含む。いくつかの態様において、併用療法は、処置用または治療用の1種または複数種の追加の薬剤の投与、例えば免疫調節剤、免疫チェックポイント阻害剤、アデノシン経路またはアデノシン受容体の拮抗薬または作動薬およびキナーゼ阻害剤の投与を含む。いくつかの態様において、併用処置または併用療法は、追加の処置、例えば外科処置、移植および/または放射線療法を含む。また、本明細書に記載される結合分子(例えば、BCMA結合分子)、組換え受容体、細胞および/または組成物の投与と1つまたは複数の追加の治療介入の施行を含む、併用処置または併用療法の方法が提供される。
【0422】
いくつかの態様において、併用処置または併用療法のための追加の薬剤は、結合分子、組換え受容体、細胞および/または組成物の治療効果の有効性および/または安全性を向上、増進および/または促進させる。いくつかの態様において、追加の薬剤は、投与される細胞、例えば結合分子または組換え受容体を発現する細胞の有効性、生存または持続を向上または改善する。いくつかの態様において、追加の薬剤は、プロテインホスファターゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤、サイトカイン、免疫調節薬または制御性T(Treg)細胞のレベルもしくは活性を低下させる薬剤の中から選択される。いくつかの態様において、追加の薬剤は、投与される結合分子、組換え受容体、細胞および/または組成物の有害効果を低減または軽快することによって安全性を向上させる。いくつかの態様において、追加の薬剤は同じ疾患、病態または併存疾患を処置できる。いくつかの態様において、追加の薬剤は、結合分子、組換え受容体、細胞および/または組成物、例えばCAR発現細胞の投与と関連している1つまたは複数の毒性、有害効果または副作用を軽快、低減または解消させることができる。
【0423】
いくつかの態様において、追加の治療、処置または薬剤としては、化学療法、放射線療法、手術、移植、養子細胞療法、抗体、細胞傷害剤、化学療法剤、サイトカイン、成長阻害剤、抗ホルモン剤、キナーゼ阻害剤、血管新生抑制剤、心臓保護薬、免疫賦活剤、免疫抑制剤、免疫チェックポイント阻害剤、抗生物質、血管新生阻害剤、代謝調節薬もしくは他の治療用薬剤またはその任意の組合せが挙げられる。いくつかの態様において、追加の薬剤はタンパク質、ペプチド、核酸、小分子薬剤、細胞、毒素、脂質、糖質またはその組合せ、あるいは任意の他の型の治療用薬剤、例えば放射線である。いくつかの態様において、追加の治療、薬剤または処置としては、手術、化学療法、放射線療法、移植、組換え受容体、例えばCARを発現する細胞の投与、キナーゼ阻害剤、免疫チェックポイント阻害剤、mTOR経路阻害剤、免疫抑制剤、免疫調節薬、抗体、免疫破壊(immunoablative)剤、抗体および/またはその抗原結合断片、抗体コンジュゲート、他の抗体治療薬、細胞毒素、ステロイド、サイトカイン、ペプチドワクチン、ホルモン療法薬、代謝拮抗薬、代謝調節薬、カルシウム依存性ホスファターゼのカルシニューリンもしくはp70S6キナーゼFK506)のいずれかを阻害する薬物またはp70S6キナーゼを阻害する薬物、アルキル化剤、アントラサイクリン系、ビンカアルカロイド、プロテアソーム阻害剤、GITR作動薬、プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤、プロテインキナーゼ阻害剤、腫瘍溶解性ウイルスおよび/または他の型の免疫療法薬が挙げられる。いくつかの態様において、追加の薬剤または追加の処置は骨髄移植、化学療法剤、例えばフルダラビンを用いたT細胞除去(ablative)治療、外照射療法(XRT)、シクロホスファミドおよび/または抗体治療薬である。
【0424】
いくつかの態様において、細胞、結合分子(例えば、BCMA結合分子)、組換え受容体および/または組成物、例えばCAR発現細胞は、他の操作された細胞、例えば他のCAR発現細胞と併用して投与される。いくつかの態様において、追加の薬剤はキナーゼ阻害剤、例えばブルトン型チロシンキナーゼ(Btk)の阻害剤、例えばイブルチニブである。いくつかの態様において、追加の薬剤はアデノシン経路またはアデノシン受容体の拮抗薬または作動薬である。いくつかの態様において、追加の薬剤は免疫調節薬、例えばサリドマイドまたはサリドマイド誘導体(例えば、レナリドミド)である。いくつかの態様において、追加の治療、薬剤または処置は細胞傷害剤または化学療法剤、生物学的療法薬(例えば、抗体、例えばモノクローナル抗体、もしくは細胞療法薬)、または阻害剤(例えば、キナーゼ阻害剤)である。
【0425】
いくつかの態様において、化学療法剤(場合によっては細胞傷害剤と称される)は対象に、病変部を破壊するために投与される。一部の特定の態様において、病変部は腫瘍である。特定の態様において、病変部はがん性である。特定の態様において、化学療法剤は、過剰増殖性障害、例えばがんの処置、予防または軽快に有効であることが当業者に公知の任意の薬剤である。化学療法剤としては、限定するわけではないが、小分子、合成の薬物、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、核酸(例えば、DNAおよびRNAポリヌクレオチド、例えば限定するわけではないが、アンチセンスヌクレオチド配列、三重らせんおよび生物学的に活性なタンパク質、ポリペプチドもしくはペプチドをコードするヌクレオチド配列)、抗体、合成または天然の無機分子、模倣因子および合成または天然の有機分子が挙げられる。特定の態様において、化学療法薬としては、アルキル化剤、アントラサイクリン系、細胞骨格破壊薬(タキサン)、エポチロン、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、キナーゼ阻害剤、ヌクレオチドアナログおよび前駆体アナログ、ペプチド抗生物質、白金ベースの薬剤およびビンカアルカロイドならびに誘導体が挙げられる。
【0426】
一部の特定の態様において、病変部は、遺伝子操作された細胞をインビボで調節する化学療法剤を投与することにより破壊される。化学療法剤としては、限定するわけではないが、アバレリクス、アルデスロイキン、アレムズマブ、アリトレチノイン、アロプリノール、アルトレタミン、アミホスチン、アナストロゾール、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、BCG生菌、ベバセイズマブ(bevaceizumab)、ベキサロテン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブスルファン、カルステロン、カンプトテシン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、セロコキシブ、セツキシマブ、クロラムブシル、シナカルセト、シスプラチン、クラドリビン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダルベポエチンアルファ、ダウノルビシン、デニロイキンジフチトクス、デクスラゾキサン、ドセタキセル、ドキソルビシン、ドロモスタノロン、エリオットB液(Elliott’s B solution)、エピルビシン、エポエチンアルファ、エストラムスチン、エトポシド、エキセメスタン、フィルグラスチム、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、フルベストラント、ゲムシタビン、ゲムツズマブ オゾガマイシン、ゲフィチニブ、ゴセレリン、ヒドロキシ尿素、イブリツモマブ チウキセタン、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、インターフェロンアルファ-2a、インターフェロンアルファ-2b、イリノテカン、レトロゾール、ロイコボリン、レバミゾール、ロムスチン、メクロレタミン、メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、メトキサレン、メチルプレドニゾロン、マイトマイシンC、ミトタン、ミトザントロン、ナンドロロン、ノフェツモマブ(nofetumomab)、オブリメルセン、オプレルベキン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロネート、ペガデマーゼ、ペグアスパラガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペメトレキセド、ペントスタチン、ピポブロマン、プリカマイシン、ポリフェプロサン、ポルフィマー、プロカルバジン、キナクリン、ラスブリカーゼ、リツキシマブ、サルグラモスチム、ストレプトゾシン、タルク、タモキシフェン、タルセバ、テモゾロミド、テニポシド、テストラクトン、チオグアニン、チオテパ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレチノイン、ウラシルマスタード、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビンおよびゾレドロネートが挙げられ得る。
【0427】
いくつかの態様において、例示的な化学療法剤としては、アントラサイクリン系(例えば、ドキソルビシン、例えばドキソルビシン含有リポソーム);ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン);アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、デカルバジン(decarbazine)、メルファラン、イホスファミド、テモゾロミド);免疫細胞抗体(例えば、アレムツズマブ、ゲムツズマブ、リツキシマブ、トシツモマブ);代謝拮抗薬(例えば、葉酸拮抗薬、ピリミジンアナログ、プリンアナログおよびアデノシンデアミナーゼ阻害剤、例えばフルダラビンなど);TNFRグルココルチコイド誘導性TNFR関連タンパク質(GITR)作動薬;プロテアソーム阻害剤(例えばアクラシノマイシンA、グリオトキシンまたはボルテゾミブ);免疫調節薬、例えばサリドマイドまたはサリドマイド誘導体(例えば、レナリドミド)が挙げられる。
【0428】
いくつかの態様において、追加の治療または処置は細胞療法、例えば養子細胞療法である。いくつかの態様において、追加の治療は、操作された細胞、例えば追加のCAR発現細胞の投与を含む。いくつかの態様において、追加の操作された細胞は本明細書において提供する操作された細胞と同じ組換え受容体または本明細書において提供する操作された細胞と異なる組換え受容体を発現するCAR発現細胞、例えば抗BCMA CAR発現細胞である。いくつかの態様において、追加の操作された細胞上に発現される組換え受容体、例えばCARは、異なる抗原および/またはエピトープを認識する。いくつかの態様において、追加の操作された細胞上に発現される組換え受容体、例えばCARは、本明細書に記載される組換え受容体と同じ抗原、例えばBCMAの異なるエピトープを認識する。いくつかの態様において、追加の操作された細胞上に発現される組換え受容体、例えばCARは、異なる抗原、例えば異なる腫瘍抗原または抗原の組合せを認識する。例えば、いくつかの態様において、追加の操作された細胞上に発現される組換え受容体、例えばCARは、初期細胞系統(lineage)マーカーを発現するがん細胞、例えばがん幹細胞を標的とし、一方、他のCAR発現細胞は、後期細胞系統マーカーを発現するがん細胞を標的とする。かかる態様において、追加の操作された細胞は、本明細書に記載されるCAR発現細胞の投与(例えば、輸注)前、該投与(例えば、輸注)と並行して、または該投与(例えば、輸注)後に投与される。いくつかの態様において、追加の操作された細胞は同種異系CARを発現する。
【0429】
いくつかの態様において、CAR分子のうちの1つまたは複数の構成は、主細胞内シグナル伝達ドメインと2つまたはそれ以上の、例えば2つ、3つ、4つもしくは5つまたはそれ以上の共刺激シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様において、CAR分子のうちの1つまたは複数は、同じもしくは異なる主細胞内シグナル伝達ドメイン、同じもしくは異なる共刺激シグナル伝達ドメイン、または同数もしくは異なる数の共刺激シグナル伝達ドメインを有し得る。いくつかの態様において、CAR分子のうちの1つまたは複数は、CAR分子の一方が抗原結合ドメインと共刺激ドメイン(例えば、4-1BB)を含み、他方のCAR分子が抗原結合ドメインと主細胞内シグナル伝達ドメイン(例えば、CD3ゼータ)を含むスプリット型(split)CARとして構成され得る。
【0430】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、多重特異性結合分子および/または1種または複数種の本明細書に記載される結合分子を発現するように操作された細胞および/または追加の結合分子、例えば異なる抗原を標的とする組換え受容体、例えばCARを発現するように操作された細胞のいずれかである。いくつかの態様において、追加の薬剤は、本明細書、例えばセクションI.Cに記載される細胞または複数種の細胞のいずれかを含む。いくつかの態様において、追加の薬剤は、異なるエピトープおよび/または抗原、例えば疾患または病態と関連している異なる抗原を標的とする組換え受容体、例えばCARを発現するように操作された細胞である。いくつかの態様において、追加の薬剤は、多発性骨髄腫において発現される第2の抗原または追加の抗原、例えばCD38、CD138、CS-1、BAFF-R、TACIおよび/またはFcRH5を標的とする組換え受容体、例えばCARを発現するように操作された細胞である。
【0431】
いくつかの態様において、追加の薬剤は免疫調節剤である。いくつかの態様において、併用療法は、抗腫瘍免疫応答、例えば投与された操作された細胞による抗腫瘍免疫応答を、例えば免疫抑制シグナル伝達を阻害すること、または免疫賦活シグナル伝達を増強することによって刺激、増幅および/または別の様式で増強させ得る免疫調節剤を含む。いくつかの態様において、免疫調節剤はペプチド、タンパク質であるか、または小分子である。いくつかの態様において、タンパク質は融合タンパク質または組換えタンパク質であり得る。いくつかの態様において、免疫調節剤は、免疫学的標的、例えば免疫細胞、かかるT細胞、B細胞または抗原提示細胞上に発現される細胞表面受容体に結合する。例えば、いくつかの態様において、免疫調節剤は抗体もしくは抗原結合抗体断片、融合タンパク質、小分子またはポリペプチドである。いくつかの態様において、結合分子、組換え受容体、細胞および/または組成物は、抗体またはその抗原結合断片、例えばモノクローナル抗体である追加の薬剤との組合せで投与される。
【0432】
いくつかの態様において、免疫調節剤は、免疫チェックポイント経路の成分をブロック、阻害または妨害する。免疫系は、自己寛容の維持に関与し、免疫応答を調節する複数の阻害性経路を有する。腫瘍は、特定の免疫チェックポイント経路を、特に腫瘍抗原に特異的なT細胞(Pardoll(2012)Nature Reviews Cancer 12:252-264)、例えば操作された細胞、例えばCAR発現細胞に対する主要な免疫抵抗機構として使用し得る。多くのかかる免疫チェックポイントはリガンド-受容体間相互作用によって開始されるため、該リガンドおよび/またはその受容体に対する抗体によって容易にブロックされ得る。
【0433】
したがって、免疫チェックポイント経路をブロックするアンタゴニスト分子、例えば小分子、核酸阻害剤(例えば、RNAi)または抗体分子を伴う治療は、がんおよび他の疾患に対する免疫療法への将来有望な道となりつつある。ほとんどの抗がん剤とは対照的に、チェックポイント阻害剤は必ずしも腫瘍細胞を直接標的とするのではなく、免疫系の内因性抗腫瘍活性を増強するためにリンパ球受容体またはそのリガンドを標的とする。
【0434】
本明細書において使用する場合、用語「免疫チェックポイント阻害剤」は、1つまたは複数のチェックポイントタンパク質を完全に、または一部低減、阻害、干渉または調節する分子を示す。チェックポイントタンパク質はT細胞の活性化または機能を調節する。このようなタンパク質はT細胞応答の共刺激性または阻害性の相互作用を担う。免疫チェックポイントタンパク質は、自己寛容ならびに生理学的免疫応答の持続期間および大きさを調節して維持する。いくつかの態様において、対象に、疾患または病態、例えばがん、例えば本明細書に記載されるいずれかのものに対する免疫応答、例えば本明細書において提供する結合分子(例えば、BCMA結合分子)、組換え受容体、細胞および/または組成物によってもたらされる免疫応答を向上または増進させ得る追加の薬剤が投与され得る。
【0435】
免疫チェックポイント阻害剤としては、免疫系の阻害性経路を統計学的に有意な方法でブロックまたは阻害する任意の薬剤が挙げられる。そのような阻害剤としては、低分子阻害剤が挙げられ得るか、あるいは免疫チェックポイント受容体、リガンドおよび/または受容体-リガンド間相互作用に結合してブロックまたは阻害する抗体またはその抗原結合断片が挙げられ得る。いくつかの態様において、特定の受容体の調節、増強および/または刺激は免疫チェックポイント経路構成成分を圧倒し得る。ブロック、阻害、調節、増強、および/または刺激のために標的とされ得る実例の免疫チェックポイント分子としては、限定するわけではないが、PD-1(CD279)、PD-L1(CD274、B7-H1)、PDL2(CD273、B7-DC)、CTLA-4、LAG-3(CD223)、TIM-3、4-1BB(CD137)、4-1BBL(CD137L)、GITR(TNFRSF18、AITR)、CD40、OX40(CD134、TNFRSF4)、CXCR2、腫瘍関連抗原(TAA)、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、GAL9、B7H3、B7H4、VISTA、KIR、2B4(CD2分子ファミリーに属し、すべてのNK、γδおよびメモリーCD8(αβ)T細胞上に発現される)、CD160(BY55とも称される)、CGEN-15049、CEACAM(例えば、CEACAM-1、CEACAM-3および/またはCEACAM-5)、TIGIT、LAIR1、CD160、2B4、CD80、CD86、B7-H3(CD276)、B7-H4(VTCN1)、HVEM(TNFRSF14またはCD270)、KIR、A2aR、MHCクラスI、MHCクラスII、GAL9、アデノシンならびにトランスフォーミング増殖因子受容体(TGFR;例えば、TGFRベータ)が挙げられる。免疫チェックポイント阻害剤としては、前記分子のいずれかの1つまたは複数に結合してその活性をブロックもしくは阻害および/または増強もしくは刺激する抗体もしくはその抗原結合断片または他の結合タンパク質が挙げられる。
【0436】
例示的な免疫チェックポイント阻害剤としては、トレメリムマブ(CTLA-4ブロック抗体, チシリムマブ、CP-675,206としても知られる)、抗OX40、PD-L1モノクローナル抗体(抗B7-H1;MEDI4736)、MK-3475(PD-1遮断薬)、ニボルマブ(抗PD-1抗体)、CT-011(抗PD-1抗体)、BY55モノクローナル抗体、AMP224(抗PD-L1抗体)、BMS-936559(抗PD-L1抗体)、MPLDL3280A(抗PD-L1抗体)、MSB0010718C(抗PD-L1抗体)ならびにイピリムマブ(抗CTLA-4 抗体, ヤーボイ(登録商標)、MDX-010およびMDX-101としても知られる)が挙げられる。例示的な免疫調節性抗体としては、限定するわけではないが、ダクリズマブ(ゼナパックス)、ベバシズマブ(アバスチン(登録商標))、バシリキシマブ、イピリムマブ、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、MPDL3280A、ピジリズマブ(CT-011)、MK-3475、BMS-936559、MPDL3280A(アテゾリズマブ)、トレメリムマブ、IMP321、BMS-986016、LAG525、ウレルマブ、PF-05082566、TRX518、MK-4166、ダセツズマブ(SGN-40)、ルカツムマブ(lucatumumab)(HCD122)、SEA-CD40、CP-870、CP-893、MEDI6469、MEDI6383、MOXR0916、AMP-224、MSB0010718C(アベルマブ)、MEDI4736、PDR001、rHIgM12B7、ウロクプルマブ(Ulocuplumab)、BKT140、バルリルマブ(CDX-1127)、ARGX-110、MGA271、リリルマブ(BMS-986015、IPH2101)、IPH2201、ARGX-115、エマクツヅマブ、CC-90002ならびにMNRP1685Aまたはその抗体結合断片が挙げられる。他の例示的免疫調節薬としては、例えば、アフツズマブ(Roche(登録商標)から入手可能);ペグフィルグラスチム(Neulasta(登録商標));レナリドミド(CC-5013、レブラミド(登録商標));サリドマイド(サロミド(登録商標))、アクチミド(actimid)(CC4047);ならびにIRX-2(インターロイキン1、インターロイキン2およびインターフェロン.ガンマ.を含むヒトサイトカインの混合物, CAS 951209-71-5, IRX Therapeuticsから入手可能)が挙げられる。
【0437】
プログラム細胞死1(PD-1)は、B細胞、NK細胞およびT細胞において発現する免疫チェックポイントタンパク質である(Shinohara et al., 1995, Genomics 23:704-6;Blank et al., 2007, Cancer Immunol Immunother 56:739-45;Finger et al., 1997, Gene 197:177-87;Pardoll(2012)Nature Reviews Cancer 12:252-264)。PD-1の主な役割は、炎症時に感染に応答して末梢組織内のT細胞の活性を制限すること、ならびに自己免疫を制限することである。PD-1発現は活性化されたT細胞において誘導され、PD-1のその内在性リガンドのうちの1つへの結合は、刺激性キナーゼが阻害されることによってT細胞の活性化が阻害されるように作用する。また、PD-1は、TCRの「ストップシグナル」が阻害されるように作用する。PD-1は、Treg細胞上に高度に発現され、リガンドの存在下でその増殖が増大し得る(Pardoll(2012)Nature Reviews Cancer 12:252-264)。抗PD 1抗体は、メラノーマ、非小細胞肺がん、膀胱がん、前立腺がん、結腸直腸がん、頭頸部がん、トリプルネガティブ乳がん、白血病、リンパ腫および腎細胞がんの処置に使用されている(Topalian et al., 2012, N Engl J Med 366:2443-54;Lipson et al., 2013, Clin Cancer Res 19:462-8;Berger et al., 2008, Clin Cancer Res 14:3044-51;Gildener-Leapman et al., 2013, Oral Oncol 49:1089-96;Menzies & Long, 2013, Ther Adv Med Oncol 5:278-85)。例示的な抗PD-1抗体としては、ニボルマブ(BMSによるオプジーボ)、ペンブロリズマブ(Merckによるキイトルーダ)、ピジリズマブ(Cure TechによるCT-011)、ランブロリズマブ(MerckによるMK-3475)およびAMP-224(Merck)が挙げられ、ニボルマブ(オプジーボ、BMS-936558またはMDX1106とも称される;Bristol-Myers Squibb)PD-1を特異的にブロックする完全ヒトIgG4モノクローナル抗体である。ニボルマブ(クローン5C4)およびPD-1に特異的に結合する他のヒトモノクローナル抗体はUS 8,008,449およびWO2006/121168に記載されている。ピジリズマブ(CT-011;Cure Tech)は、PD-1に結合するヒト化IgG1kモノクローナル抗体である。ピジリズマブおよび他のヒト化抗PD-1モノクローナル抗体はWO2009/101611に記載されている。ペンブロリズマブ(以前はランブロリズマブとして公知、キイトルーダとも称される, MK03475;Merck)は、PD-1に結合するヒト化IgG4モノクローナル抗体である。ペンブロリズマブおよび他のヒト化抗PD-1抗体はUS 8,354,509およびWO2009/114335に記載されている。他の抗PD-1抗体としては、AMP 514(Amplimmune)、とりわけ、例えばUS 8,609,089、US 2010028330、US 20120114649および/またはUS 20150210769に記載された抗PD-1抗体が挙げられる。AMP-224(B7-DCIg;Amplimmune;例えばWO2010/027827およびWO2011/066342に記載)は、PD-1とB7-H1間の相互作用をブロックするPD-L2 Fc融合可溶性受容体である。
【0438】
PD-L1(CD274およびB7-H1としても知られる)およびPD-L2(CD273およびB7-DCとしても知られる)は、活性化されたT細胞、B細胞、骨髄細胞、マクロファージおよびいくつかの型の腫瘍細胞上にみられるPD-1のリガンドである。抗腫瘍治療は抗PD-L1抗体に注力されている。PD-1とPD-L1の複合体はCD8T細胞の増殖を阻害し、免疫応答を低減させる(Topalian et al., 2012, N Engl J Med 366:2443-54;Brahmer et al., 2012, N Eng J Med 366:2455-65)。抗PD-L1抗体は、非小細胞肺がん、メラノーマ、結腸直腸がん、腎細胞がん、膵がん、胃がん、卵巣がん、乳がんおよび造血器悪性腫瘍の処置に使用されている(Brahmer et al., 2012, N Eng J Med 366:2455-65;Ott et al., 2013, Clin Cancer Res 19:5300-9;Radvanyi et al., 2013, Clin Cancer Res 19:5541;Menzies & Long, 2013, Ther Adv Med Oncol 5:278-85;Berger et al., 2008, Clin Cancer Res 14:13044-51)。例示的な抗PD-L1抗体としては、MDX-1105(Medarex)、MEDI4736(Medimmune)MPDL3280A(Genentech)、BMS-935559(Bristol-Myers Squibb)およびMSB0010718Cが挙げられる。MEDI4736(Medimmune)は、PD-L1に結合し、このリガンドとPD-1との相互作用を阻害するヒトモノクローナル抗体である。MDPL3280A(Genentech/Roche)は、PD-L1に結合するヒトFc最適化IgG1モノクローナル抗体である。MDPL3280AおよびPD-L1に対する他のヒトモノクローナル抗体は米国特許第7,943,743号および米国特許出願公開第20120039906号に記載されている。他の抗PD-L1結合剤としては、YW243.55.S70(WO2010/077634参照)およびMDX-1105(BMS-936559とも称され、例えばWO2007/005874に記載された抗PD-L1結合剤)が挙げられる。
【0439】
CD152としても知られる細胞傷害性T-リンパ球関連抗原(CTLA-4)は、T細胞の活性化を調節するために機能する共阻害性分子である。CTLA-4は、T細胞上の排他的に発現される免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバーである。CTLA-4は、T細胞の活性化が阻害されるように作用し、ヘルパーT細胞の活性を阻害して制御性T細胞の免疫抑制活性を増強することが報告されている。CTLA-4の厳密な作用機序はまだ究明中であるが、これは、CD80およびCD86に対する結合においてCD28を打ち負かすこと、ならびに阻害シグナルをT細胞に能動的に送達することによってT細胞の活性化を阻害することが示唆されている(Pardoll(2012)Nature Reviews Cancer 12:252-264)。抗CTLA-4抗体は、臨床試験でメラノーマ、前立腺がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がんの処置のために使用されている(Robert & Ghiringhelli, 2009, Oncologist 14:848-61;Ott et al., 2013, Clin Cancer Res 19:5300;Weber, 2007, Oncologist 12:864-72;Wada et al., 2013, J Transl Med 11:89)。抗CTLA-4の重要な特徴は抗腫瘍効果の速度論であり、初期の処置後、生理学的応答のために6ヶ月に至るまでの遅延期間が必要とされる。いくつかの場合において、腫瘍は実際、処置開始後、サイズが大きくなり得、その後、縮小がみられる(Pardoll(2012)Nature Reviews Cancer 12:252-264)。例示的な抗CTLA-4抗体としては、イピリムマブ(Bristol-Myers Squibb)およびトレメリムマブ(Pfizer)が挙げられる。イピリムマブは最近、転移性メラノーマの処置に対してFDAの承認を受けた(Wada et al., 2013, J Transl Med 11:89)。
【0440】
CD223としても知られるリンパ球活性化遺伝子-3(LAG-3)は、別の免疫チェックポイントタンパク質である。LAG-3は、リンパ球の活性阻害およびいくつかの場合においてリンパ球アネルギーの誘導と関連する。LAG-3は、免疫系の種々の細胞、例えばB細胞、NK細胞および樹状細胞上に発現される。LAG-3はMHCクラスII受容体の天然リガンドであり、強力な免疫抑制活性が賦与されたものを含むメラノーマ浸潤T細胞上にかなり発現される。例示的な抗LAG-3抗体としては、LAG-3を標的とするモノクローナル抗体であるBMS-986016(Bristol-Myers Squib)が挙げられる。IMP701(Immutep)はLAG-3アンタゴニスト抗体であり、IMP731(ImmutepおよびGlaxoSmithKline)はLAG-3枯渇抗体である。他のLAG-3阻害剤としては、LAG-3の可溶性部分と、MHCクラスII 分子に結合して抗原提示細胞(APC)を活性化させるIgとの組換え融合タンパク質であるIMP321(Immutep)が挙げられる。他の抗体は、例えばWO2010/019570およびUS 2015/0259420に記載されている。
【0441】
T細胞免疫グロブリンドメインおよびムチンドメイン-3(TIM-3)は、活性化されたTh1細胞上において最初に同定され、免疫応答の負の調節因子であることが示されている。TIM-3のブロックはT細胞媒介性抗腫瘍免疫を促進させ、ある範囲のマウス腫瘍モデルにおいて抗腫瘍活性を有する。TIM-3のブロックと他の免疫療法剤、例えばTSR-042、抗CD137抗体などの組合せは抗腫瘍効果の増大において相加的または相乗的であり得る。TIM-3の発現はいくつかの異なる腫瘍型、例えばメラノーマ、NSCLCおよび腎がんと関連しており、さらに、腫瘍内TIM-3の発現は、ある範囲の腫瘍型、例えばNSCLC、子宮頸がんおよび胃がんにおいて予後不良と相関することが示されている。また、TIM-3のブロックは、いくつかの慢性ウイルス性疾患に対する免疫増進の向上にも重要である。また、TIM-3は、いくつかのリガンド、例えばガレクチン-9、ホスファチジルセリンおよびHMGB1と相互作用することも示されているが、あるとすればこれらのうちのどれが抗腫瘍応答の調節に重要であるのかは現時点では明らかでない。いくつかの態様において、TIM-3を標的とする抗体、抗体断片、低分子またはペプチド阻害剤は、TIM-3のIgVドメインに結合してそのリガンドとの相互作用を阻害し得る。TIM-3を阻害する例示的な抗体およびペプチドはUS 2015/0218274、WO2013/006490およびUS 2010/0247521に記載されている。他の抗TIM-3抗体としては、ヒト化型のRMT3-23(Ngiow et al., 2011, Cancer Res, 71:3540-3551)およびクローン8B.2C12(Monney et al., 2002, Nature, 415:536-541)が挙げられる。TIM-3とPD-1を阻害する二重特異性抗体はUS 2013/0156774に記載されている。
【0442】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、CEACAM阻害剤(例えば、CEACAM-1、CEACAM-3および/またはCEACAM-5阻害剤)である。いくつかの態様において、CEACAMの阻害剤は抗CEACAM抗体分子である。例示的な抗CEACAM-1抗体はWO 2010/125571、WO 2013/082366 WO 2014/059251およびWO 2014/022332に記載されており、例えば、モノクローナル抗体34B1、26H7および5F4;または例えばUS 2004/0047858、US 7,132,255およびWO 99/052552に記載のその組換え形態。いくつかの態様において、抗CEACAM抗体は、例えばZheng et al.PLoS One.(2011)6(6):e21146)に記載のようにCEACAM-5に結合するか、または例えばWO 2013/054331およびUS 2014/0271618に記載のようにCEACAM-1およびCEACAM-5と交差反応する。
【0443】
CD137としても知られる4-1BBは、TNFRスーパーファミリーに属する膜貫通型糖タンパク質である。4-1BB受容体は、活性化されたT細胞およびB細胞および単球上に存在する。例示的抗4-1BB抗体はウレルマブ(BMS-663513)であり、これは潜在的免疫賦活活性および抗新生物活性を有する。
【0444】
OX40およびCD134としても知られる腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー, メンバー4(TNFRSF4)はTNFRスーパーファミリーの別のメンバーである。OX40は休止期のナイーブT細胞上に構成的に発現されず、副の共刺激免疫チェックポイント分子として作用する。例示的な抗OX40抗体はMEDI6469およびMOXR0916(RG7888, Genentech)。
【0445】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、制御性T細胞(Treg)集団を減少させる分子を含む。Treg細胞の数を減らす(例えば、枯渇させる)方法は当技術分野で公知であり、例えば、CD25枯渇、シクロホスファミド投与、およびグルココルチコイド誘導性TNFRファミリー関連遺伝子(GITR)機能の調節が挙げられる。GITRは、活性化されたT細胞において上方調節されるTNFRスーパーファミリーのメンバーであり、免疫系を増強する。アフェレーシス前または改変細胞、例えばCAR発現細胞の投与前の対象のTreg細胞の数を減らすと、腫瘍微小環境において不要な免疫細胞(例えば、Treg)の数が低減され得、対象の再発リスクが低下する。いくつかの態様において、追加の薬剤は、GITRを標的とする、および/またはGITR機能を調節する分子、例えばGITRアゴニストおよび/または制御性T細胞(Treg)を枯渇させるGITR抗体を含む。いくつかの態様において、追加の薬剤はシクロホスファミドを含む。いくつかの態様において、GITR結合分子および/またはGITR機能を調節する分子(例えば、GITRアゴニストおよび/またはTreg枯渇GITR抗体)は、改変細胞、例えばCAR発現細胞の前に投与される。例えば、いくつかの態様において、GITRアゴニストは該細胞のアフェレーシスの前に投与され得る。いくつかの態様において、シクロホスファミドは対象に、改変細胞、例えばCAR発現細胞の投与(例えば、輸注もしくは再輸注)の前または該細胞のアフェレーシスの前に投与される。いくつかの態様において、シクロホスファミドと抗GITR抗体が対象に、改変細胞、例えばCAR発現細胞の投与(例えば、輸注もしくは再輸注)の前または該細胞のアフェレーシスの前に投与される。
【0446】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、GITRアゴニストである。例示的なGITRアゴニストとしては、例えば、GITR融合タンパク質および抗GITR抗体(例えば、二価の抗GITR抗体)、例えば、米国特許第6,111,090号、欧州特許第090505B 1号、米国特許第8,586,023号、PCT公報番号:WO 2010/003118および2011/090754に記載されたGITR融合タンパク質など、または例えば米国特許第7,025,962号、欧州特許第1947183B 1号、米国特許第7,812,135号、米国特許第8,388,967号、米国特許第8,591,886号、欧州特許第1866339号、PCT公報番号WO 2011/028683、PCT公報番号WO 2013/039954、PCT公報番号WO2005/007190、PCT公報番号WO 2007/133822、PCT公報番号WO2005/055808、PCT公報番号WO 99/40196、PCT公報番号WO 2001/03720、PCT公報番号WO99/20758、PCT公報番号WO2006/083289、PCT公報番号WO 2005/115451、米国特許第7,618,632号およびPCT公報番号WO 2011/051726に記載の抗GITR抗体が挙げられる。例示的抗GITR抗体はTRX518である。
【0447】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、投与される細胞、例えばCAR発現細胞の腫瘍浸潤または通り抜けを増強する。例えば、いくつかの態様において、追加の薬剤はCD40、例えばCD40L、例えば組換えヒトCD40Lを刺激する。表面抗原分類40(CD40)もまたTNFRスーパーファミリーのメンバーである。CD40は、抗原提示細胞上にみられる共刺激タンパク質であり、広範なさまざまな免疫応答および炎症性応答を媒介する。また、CD40はいくつかの悪性腫瘍上にも発現され、この場合これは増殖を促進させる。例示的な抗CD40抗体はダセツズマブ(SGN-40)、ルカツムマブ(Novartis, アンタゴニスト)、SEA-CD40(Seattle Genetics)およびCP-870,893である。いくつかの態様において、腫瘍浸潤を増強する追加の薬剤としては、チロシンキナーゼ阻害剤のスニチニブ、ヘパラナーゼおよび/またはケモカイン受容体、例えばCCR2、CCR4およびCCR7が挙げられる。
【0448】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、サリドマイドの構造的もしくは機能的アナログもしくは誘導体および/またはE3ユビキチンリガーゼの阻害剤である。いくつかの態様において、免疫調節剤はセレブロン(CRBN)に結合する。いくつかの態様において、免疫調節剤はCRBN E3ユビキチンリガーゼ複合体に結合する。いくつかの態様において、免疫調節剤は、CRBNおよびCRBN E3ユビキチンリガーゼ複合体に結合する。いくつかの態様において、免疫調節剤はCRBNのタンパク質または遺伝子の発現を上方調節する。いくつかの局面において、CRBNはCRL4CRBN E3ユビキチンリガーゼの基質アダプターであり、当該酵素の特異性を調節する。いくつかの態様において、CRBまたはCRBN E3ユビキチンリガーゼ複合体との結合によりE3ユビキチンリガーゼ活性が阻害される。いくつかの態様において、免疫調節剤はKZF1(イカロス)およびIKZF3(アイオロス)のユビクチネーション(ubiqutination)を誘導する、および/またはIKZF1(イカロス)およびIKZF3(アイオロス)の分解を誘導する。いくつかの態様において、免疫調節剤は、CRL4CRBN E3ユビキチンリガーゼによるカゼインキナーゼ1A1(CK1α)のユビキチン化を誘導する。いくつかの態様において、CK1αのユビキチン化によりCK1αの分解がもたらされる。
【0449】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、イカロス(IKZF1)転写因子の阻害剤である。いくつかの態様において、追加の薬剤はイカロスのユビキチン化を増強する。いくつかの態様において、追加の薬剤はイカロスの分解を増強する。いくつかの態様において、追加の薬剤はイカロスのタンパク質または遺伝子の発現を下方調節する。いくつかの態様において、追加の薬剤の投与によりイカロスタンパク質レベルの減少が引き起こされる。
【0450】
いくつかの態様において、追加の薬剤はアイオロス(IKZF3)転写因子の阻害剤である。いくつかの態様において、追加の薬剤はアイオロスのユビキチン化を増強する。いくつかの態様において、追加の薬剤はアイオロスの分解を増強する。いくつかの態様において、追加の薬剤はアイオロスのタンパク質または遺伝子の発現を下方調節する。いくつかの態様において、追加の薬剤の投与によりアイオロスタンパク質レベルの減少が引き起こされる。
【0451】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、イカロス(IKZF1)転写因子とアイオロス(IKZF3)転写因子の両方の阻害剤である。いくつかの態様において、追加の薬剤はイカロスとアイオロスの両方のユビキチン化を増強する。いくつかの態様において、追加の薬剤はイカロスとアイオロスの両方の分解を増強する。いくつかの態様において、追加の薬剤はイカロスとアイオロスの両方のユビキチン化および分解を増強する。いくつかの態様において、追加の薬剤の投与によりアイオロスタンパク質レベルとイカロスタンパク質レベルの両方の減少が引き起こされる。
【0452】
いくつかの態様において、追加の薬剤は選択的サイトカイン阻害性薬物(SelCID)である。いくつかの態様において、追加の薬剤はホスホジエステラーゼ-4(PDE4)の活性を阻害する。いくつかの態様において、追加の薬剤はCDC25ホスファターゼの酵素活性を抑制する。いくつかの態様において、追加の薬剤はCDC25ホスファターゼの細胞内輸送を改変する。
【0453】
いくつかの態様において、追加の薬剤はサリドマイド(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン)またはサリドマイドのアナログもしくは誘導体である。特定の態様において、サリドマイド誘導体は、同様の生物学的活性を有するサリドマイドの構造的バリアントを含む。例示的なサリドマイド誘導体としては、限定するわけではないが、レナリドミド(REVLIMMUNOMODULATORY COMPOUND(商標);Celgene Corporation)、ポマリドミド(ACTIMMUNOMODULATORY COMPOUND(商標)またはPOMALYST(商標)(Celgene Corporation)としても知られる)、CC-1088、CDC-501およびCDC-801、ならびに米国特許第5,712,291;同第7,320,991号;および同第8,716,315号;米国特許出願公開第2016/0313300号;ならびにPCT公報番号WO 2002/068414およびWO 2008/154252に開示された化合物が挙げられる。
【0454】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第5,635,517号に記載のような、ベンゾ環においてアミノで置換された1-オキソ-および1,3ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペルジン(piperldin)-3-イル)イソインドリンである。
【0455】
いくつかの態様において、追加の薬剤は以下の式:
〔式中、XとYのうちの一方は-C(O)-であり、XとYのうちの他方は-C(O)-または-CH2-であり、R5は水素または低級アルキルである〕の化合物またはその薬学的に許容される塩である。いくつかの態様において、Xは-C(O)-であり、Yは-CH2-である。いくつかの態様において、XとYの両方が-C(O)-である。いくつかの態様において、R5は水素である。他の態様において、R5はメチルである。
【0456】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、置換型2-(2、6-ジオキソピペリジン-3-イル)フタレート免疫調節化合物および置換型2-(2,6-ジオキソピペルジン-3-イル)-1-オキソイソインドールの類型に属する化合物、例えば、各々参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,281,230号;同第6,316,471号;同第6,335,349号;および同第6,476,052号ならびに国際特許出願番号PCT/US97/13375(国際公開第98/03502号)に記載のものである。
【0457】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、以下の式:
〔式中、
XとYのうちの一方は-C(O)-であり、XとYのうちの他方は-C(O)-または-CH2-であり;
(1)R1、R2、R3およびR4の各々は独立してハロ、1~4個の炭素原子のアルキルもしくはアルコキシあるいは1~4個の炭素原子であるか、または
(2)R1、R3、R4およびR5のうちの1つは-NHRaであり、R1、R2、R3およびR4のうちの残りは水素であり、式中、Raは水素もしくは1~8個の炭素原子のアルキルであり;
R5は水素または1~8個の炭素原子のアルキル、ベンジルまたはハロである;
ただし、XとYが-C(O)-であり、(i)R1、R2、R3およびR4の各々がフルオロであるか;あるいは(ii)R1、R2、R3およびR4のうちの1つがアミノであるならばR5は水素以外であるものとする〕
の化合物;またはその薬学的に許容される塩である。
【0458】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、各々参照により本明細書に組み入れられる米国特許第7,091,353号、米国特許出願公開第2003/0045552号および国際出願番号PCT/USOI/50401(国際公開第02/059106号)に開示されたイソインドール免疫調節化合物の類型に属する化合物である。例えば、いくつかの態様において、当該追加の薬剤は[2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドル-4-イルメチル]-アミド;(2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドル-4-イルメチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル;4-(アミノメチル)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオン;N-(2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドル-4-イルメチル)-アセトアミド;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}シクロプロピル-カルボキサミド;2-クロロ-N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}アセトアミド;N-(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)-3-ピリジルカルボキサミド;3-{1-オキソ-4-(ベンジルアミノ)イソインドリン-2-イル}ピペリジン-2,6-ジオン;2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-4-(ベンジルアミノ)イソインドリン-1,3-ジオン;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}プロパンアミド;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}-3-ピリジルカルボキサミド;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}ヘプタンアミド;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}-2-フリルカルボキサミド;酢酸{N-(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)カルバモイル}メチル;N-(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)ペンタンアミド;N-(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)-2-チエニルカルボキサミド;N-{[2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル]メチル}(ブチルアミノ)カルボキサミド;N-{[2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル]メチル}(オクチルアミノ)カルボキサミド;またはN-{[2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル]メチル}(ベンジルアミノ)カルボキサミドである。
【0459】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、各々参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2002/0045643号、国際公開第98/54170号および米国特許第6,395,754号に開示されたイソインドール免疫調節化合物の類型に属する化合物である。いくつかの態様において、追加の薬剤は、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第5,798,368号に記載された四置換型2-(2,6-ジオキソピペルジン(piperdin)-3-イル)-1-オキソイソインドリンである。いくつかの態様において、追加の薬剤は、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,403,613号に開示された1-オキソおよび1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリンである。いくつかの態様において、当該追加の薬剤は、ともに参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,380,239号および米国特許第7,244,759号に記載のようなインドリン環の4-または5-位が置換された1-オキソまたは1,3-ジオキソイソインドリンである。
【0460】
いくつかの態様において、追加の薬剤は2-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドル-2-イル)-4-カルバモイル-酪酸または4-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドル-2-イル)-4-カルバモイル-酪酸である。いくつかの態様において、免疫調節化合物は4-カルバモイル-4-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドル-2-イル}-酪酸、4-カルバモイル-2-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドル-2-イル}-酪酸、2-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドル-2-イル}-4-フェニルカルバモイル-酪酸または2-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドル-2-イル}-ペンタン二酸である。
【0461】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,458,810号に記載のような2位が2,6-ジオキソ-3-ヒドロキシピペリジン-5-イルで置換されたイソインドリン-1-オンまたはイソインドリン-1,3-ジオンである。いくつかの態様において、免疫調節化合物は3-(5-アミノ-2-メチル-4-オキソ-4H-キナゾリン-3-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン、あるいはそのエナンチオマーもしくはエナンチオマー混合物;またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体である。いくつかの態様において、免疫調節化合物は3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドル-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオンである。
【0462】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、Oshima, K.et al., Nihon Rinsho., 72(6):1130-5(2014);Millrine, D.et al., Trends Mol Med., 23(4):348-364(2017);およびCollins, et al., Biochem J., 474(7):1127-1147(2017)に記載のようなものである。
【0463】
いくつかの態様において、追加の薬剤はレナリドミド、ポマリドミド、アバドミド(avadomide)、レナリドミド、ポマリドミド、アバドミドの立体異性体またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体である。いくつかの態様において、免疫調節化合物はレナリドミド、レナリドミドの立体異性体またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶、包接体もしくは多形体である。いくつかの態様において、免疫調節化合物はレナリドミドまたは((RS)-3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドル-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン)である。
【0464】
一部の特定の態様において、病変部は、サリドマイド誘導体であるレナリドミド((RS)-3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドル-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン)を対象に投与することにより破壊される。レナリドミドは、多発性骨髄腫、5q欠失と関連している骨髄異形成症候群の処置、および直近では再発/難治性マントル細胞リンパ腫(MCL)における処置に対してFDAの承認を受けている。レナリドミドは一般的にサリドマイドの合成誘導体であり、現在では、複数の免疫調節効果、例えばT細胞と抗原提示細胞(APC)間の免疫シナプス形成の実行を有すると理解されている。例えば、いくつかの場合において、レナリドミドはT細胞応答を調節し、CD4およびCD8T細胞においてインターロイキン(IL)-2産生の増大をもたらし、Th2からTh1へのTヘルパー(Th)応答のシフトを誘導し、制御性T細胞(Treg)サブセットの拡大増殖を阻害し、濾胞性リンパ腫および慢性リンパ球性白血病(CLL)における免疫学的シナプスの機能発揮を改善する(Otahal et al.,Oncoimmunology(2016)5(4):e1115940)。また、レナリドミドは、多発性骨髄腫(MM)を有する患者において直接的殺腫瘍活性を有し、リンパ系組織の微小環境にみられる支持細胞、例えばナース様(nurse-like)細胞に影響を及ぼすことによってCLL腫瘍細胞の生存を直接および間接的に調節する。また、レナリドミドは、CD3ライゲーションによるT細胞の活性化または樹状細胞媒介性活性化に応答してT細胞増殖およびインターフェロン-γ産生を向上させ得る。また、レナリドミドは、炎症促進性サイトカイン、例えばTNF-a、IL-1、IL-6およびIL-12の増殖を低減させ、NK細胞の活性化の増大による抗体依存性細胞傷害性(ADCC)を向上させると考えられている。また、レナリドミドは、悪性B細胞が高レベルの免疫賦活分子、例えばCD80、CD86、HLA-DR、CD95およびCD40を発現することを誘導し得る(Fecteau et al.,Blood(2014)124(10):1637-1644)。E3ユビキチンリガーゼであるセレブロンはサリドマイド誘導性催奇形成の主要標的であると同定された(Ito et al.,T.,(2010)Science 327:1345-1350)。また、レナリドミドはセレブロンを標的とし、これによりc-MycおよびIRF4の発現の低減がもたらされるとともに細胞周期のG1期停止をもたらすp21の発現も増大することが示されている(Lopez-Girona et al.,(2012)Leukemia 26:2326-2335)。
【0465】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、サリドマイド薬物もしくはそのアナログおよび/またはその誘導体、例えばレナリドミド、ポマリドミドもしくはアプレミラストを含む。例えば、Bertilaccio et al., Blood(2013)122:4171, Otahal et al., Oncoimmunology(2016)5(4):e1115940;Fecteau et al., Blood(2014)124(10):1637-1644およびKuramitsu et al., Cancer Gene Therapy(2015)22:487-495を参照のこと)。レナリドミド((RS)-3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドル-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン;レブラミドとしても知られる)はサリドマイドの合成誘導体であり、複数の免疫調節効果、例えば、T細胞と抗原提示細胞(APC)間の免疫シナプス形成の実行を有する。例えば、いくつかの場合では、レナリドミドはT細胞応答を調節し、CD4およびCD8T細胞において高いインターロイキン(IL)-2 生産をもたらし、Th2からTh1へのT ヘルパー(Th)応答のシフトを誘導し、制御性T細胞(Treg)サブセットの拡大増殖を阻害し、濾胞性リンパ腫および慢性リンパ球性白血病(CLL)における免疫学的シナプスの機能発揮を改善する(Otahal et al., Oncoimmunology(2016)5(4):e1115940)。また、レナリドミドは、多発性骨髄腫(MM)を有する患者において直接的殺腫瘍活性を有し、リンパ系組織の微小環境にみられる支持細胞、例えばナース様(nurse-like)細胞に影響を及ぼすことによってCLL腫瘍細胞の生存を直接および間接的に調節する。また、レナリドミドは、CD3ライゲーションによるT細胞の活性化または樹状細胞媒介性活性化に応答してT細胞増殖およびインターフェロン-γ生産を増強し得る。また、レナリドミドは、悪性B細胞が高レベルの免疫賦活分子、例えばCD80、CD86、HLA-DR、CD95およびCD40を発現することを誘導し得る(Fecteau et al., Blood(2014)124(10):1637-1644)。
【0466】
いくつかの態様において、追加の薬剤はB細胞阻害剤である。いくつかの態様において、追加の薬剤は、CD10、CD19、CD20、CD22、CD34、CD123、CD79a、CD79b、CD179b、FLT-3もしくはROR1の阻害剤またはその組合せの中から選択される1つまたは複数のB細胞阻害剤である。いくつかの態様において、B細胞阻害剤は抗体(例えば、単一特異性もしくは二重特異性抗体)またはその抗原結合断片である。いくつかの態様において、追加の薬剤は、B細胞標的、例えば、CD10、CD19、CD20、CD22、CD34、CD123、CD79a、CD79b、CD179b、FLT-3またはROR1を標的とする組換え受容体を発現する改変細胞である。
【0467】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、CD20阻害剤、例えば抗CD20抗体(例えば抗CD20単一特異性もしくは二重特異性抗体)またはその断片である。例示的な抗CD20抗体としては、限定するわけではないが、リツキシマブ、オファツムマブ、オクレリズマブ(GA101またはRO5072759としても知られる)、ペルツズマブ、オビヌツズマブ、TRU-015(Trubion Pharmaceuticals)、オカラツズマブ(ocaratuズマブ)(AME-133vまたはオカラツズマブとしても知られる)およびPro131921(Genentech)が挙げられる。例えば、Lim et al.Haematologica.(2010)95(1):135-43を参照のこと。いくつかの態様において、抗CD20抗体はリツキシマブを含む。リツキシマブは、CD20に結合してCD20発現細胞の細胞溶解を引き起こすキメラマウス/ヒトモノクローナル抗体IgG1カッパである。いくつかの態様において、追加の薬剤はリツキシマブを含む。いくつかの態様において、CD20阻害剤は低分子である。
【0468】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、CD22阻害剤、例えば抗CD22抗体(例えば抗CD22単一特異性もしくは二重特異性抗体)またはその断片である。例示的な抗CD22抗体としてはエプラツズマブおよびRFB4が挙げられる。いくつかの態様において、CD22阻害剤は低分子である。いくつかの態様において、抗体は、任意で第2の薬剤、例えば化学療法剤にコンジュゲートさせた単一特異性抗体である。例えば、いくつかの態様において、抗体は抗CD22モノクローナル抗体-MMAEコンジュゲート(例えば、DCDT2980S)である。いくつかの態様において、抗体は抗CD22抗体のscFv、例えば抗体RFB4のscFvである。いくつかの態様において、scFvは、シュードモナス外毒素-A(例えば、BL22)の全部またはその断片と融合される。いくつかの態様において、scFvは、シュードモナス外毒素-A(例えば、モキセツモマブ パスドトクス)の全部またはその断片(例えば、38 kDa断片)と融合される。いくつかの態様において、抗CD22抗体は、任意で毒素にコンジュゲートさせた抗CD19/CD22二重特異性抗体である。例えば、いくつかの態様において、抗CD22抗体は、任意でジフテリア毒素(DT)の全部または一部分、例えばジフテリア毒素(DT)の最初の389個のアミノ酸DT 390、例えばDT2219ARLなどのリガンド指向性毒素)に連結させた抗CD19/CD22二重特異性部分(例えば、ヒトCD19およびCD22を認識する2つのscFvリガンド)を含む。いくつかの態様において、二重特異性部分(例えば、抗CD 19/抗CD22)を毒素、例えば脱グリコシル化リシンA鎖に連結させる(例えば、Combotox)。
【0469】
いくつかの態様において、免疫調節剤はサイトカインである。いくつかの態様において、免疫調節剤は、サイトカインであるか、または腫瘍微小環境におけるサイトカインの高発現を誘導する薬剤である。サイトカインは、T細胞の拡大増殖、分化、生存および恒常性に関する重要な機能を有する。結合分子(例えば、BCMA結合分子)を受けている対象に投与され得るサイトカインとしては、IL-2、IL-4、IL-7、IL-9、IL-15、IL-18およびIL-21のうちの1つまたは複数が挙げられる。いくつかの態様において、投与されるサイトカインはIL-7、IL-15もしくはIL-21またはその組合せである。いくつかの態様において、改変細胞、例えばCAR発現細胞の投与に対して最適下限の奏効を有する対象へのサイトカインの投与により、投与される該細胞、例えばCAR発現細胞の有効性および/または抗腫瘍活性が改善される。
【0470】
「サイトカイン」とは、例えば、別の細胞に対して細胞間メディエータとして作用する、ある細胞集団によって放出されるタンパク質の総称を意味する。そのようなサイトカインの例は、リンホカイン、モノカインおよび従来のポリペプチドホルモンである。挙げられるサイトカインの中でも、成長ホルモン、例えばヒト成長ホルモン、N-メチオニルヒト成長ホルモンおよびウシ成長ホルモン;副甲状腺ホルモン;サイロキシン;インスリン;プロインスリン;リラキシン;プロリラキシン;糖タンパク質ホルモン、例えば卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、および黄体形成ホルモン(LH);肝細胞(hepatic)増殖因子;線維芽細胞増殖因子;プロラクチン;胎盤性ラクトゲン;腫瘍壊死因子-アルファおよび-ベータ;ミュラー管抑制因子;マウスゴナドトロピン関連ペプチド;インヒビン;アクチビン;血管内皮成長因子;インテグリン;トロンボポエチン(TPO);神経成長因子、例えばNGF-ベータ;血小板-増殖因子;トランスフォーミング増殖因子(TGF)、例えばTGF-アルファおよびTGF-ベータ;インスリン様増殖因子-Iおよび-II;エリスロポエチン(EPO);骨誘導因子;インターフェロン、例えばインターフェロン-アルファ、ベータ、および-ガンマ;コロニー刺激因子(CSF)、例えばマクロファージ-CSF(M-CSF);顆粒球-マクロファージ-CSF(GM-CSF);および顆粒球-CSF(G-CSF);インターロイキン(IL)、例えばIL-1、IL-1アルファ、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、IL-11、IL-12;IL-15、腫瘍壊死因子、例えばTNF-アルファまたはTNF-ベータ;ならびに他のポリペプチド因子、例えばLIFおよびkitリガンド(KL)がある。本明細書において使用する場合、サイトカインという用語は、天然の供給源に由来するタンパク質または組換え細胞培養物に由来するタンパク質、および天然配列のサイトカインの生物学的に活性な等価物を含む。例えば、当該免疫調節剤はサイトカインであり、サイトカインはIL-4、TNF-α、GM-CSFまたはIL-2である。
【0471】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、インターロイキン-15(IL-15)ポリペプチド、インターロイキン-15受容体アルファ(IL-15Rα)ポリペプチドまたはその組合せ、例えばhetIL-15(Admune Therapeutics, LLC)を含む。hetIL-15はIL-15とIL-15Rαのヘテロ二量体型非共有結合性複合体である。hetIL-15は、例えば、U.S.8,124,084、U.S.2012/0177598、U.S.2009/0082299、U.S.2012/0141413およびU.S.2011/0081311に記載されている。いくつかの態様において、免疫調節剤は1つまたは複数のサイトカインを含み得る。例えば、インターロイキンは、天然のサイトカインの組合せである白血球インターロイキン注射(Multikine)を含み得る。いくつかの態様において、免疫調節剤はToll様受容体(TLR)アゴニスト、アジュバントまたはサイトカインである。
【0472】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、細胞療法と関連している1つまたは複数の毒性または副作用を軽快させるか、あるいは中和する薬剤である。いくつかの態様において、追加の薬剤は、ステロイド(例えば、コルチコステロイド)、TNFαの阻害剤およびIL-6の阻害剤の中から選択される。TNFα阻害剤の一例は抗TNFα抗体分子、例えばインフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブペゴルおよびゴリムマブである。TNFα阻害剤の別の例は融合タンパク質、例えばエタネルセプトである。TNFαの小分子阻害剤としては、限定するわけではないが、キサンチン誘導体(例えばペントキシフィリン)およびブプロピオンが挙げられる。IL-6阻害剤の一例は抗IL-6抗体分子、例えばトシリズマブ、サリルマブ、エルシリモマブ、CNTO 328、ALD518/BMS-945429、CNTO 136、CPSI-2364、CDP6038、VX30、ARGX-109、FE301およびFM101である。いくつかの態様において、抗IL-6抗体分子はトシリズマブである。いくつかの態様において、追加の薬剤はIL-1R阻害剤、例えばアナキンラである。
【0473】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、アデノシンレベルおよび/またはアデノシン経路構成成分のモジュレーターである。アデノシンは体内で免疫調節剤として機能し得る。例えば、アデノシンおよびアデノシン受容体サブタイプを非選択的に活性化させるいくつかのアデノシンアナログは、炎症性酸化生成物の好中球生成を減少させる(Cronstein et al., Ann.N.Y.Acad.Sci.451:291, 1985;Roberts et al., Biochem.J., 227:669, 1985;Schrier et al., J.Immunol.137:3284, 1986;Cronstein et al., Clinical Immunol.Immunopath.42:76, 1987)。いくつかの場合において、細胞外アデノシンまたはアデノシンアナログの濃度は特定の環境、例えば腫瘍微小環境(TME)において高まり得る。いくつかの場合において、アデノシンまたはアデノシンアナログのシグナル伝達は、低酸素症または低酸素症もしくはその調節に関与する因子、例えば低酸素誘導因子(HIF)に依存する。いくつかの態様において、アデノシンシグナル伝達の増大により、炎症促進性サイトカイン産生の阻害をもたらす細胞内cAMPおよびcAMP依存性プロテインキナーゼが増加し得、免疫抑制分子の合成およびTregの発生がもたらされ得る(Sitkovsky et al., Cancer Immunol Res(2014)2(7):598-605)。いくつかの態様において、追加の薬剤は、アデノシン、アデノシンアナログ、および/またはアデノシンシグナル伝達の免疫抑制効果を低減または逆転させ得る。いくつかの態様において、追加の薬剤は、低酸素駆動性A2-アデノシン作動性T細胞免疫抑制を低減または逆転させ得る。いくつかの態様において、追加の薬剤は、アデノシン受容体のアンタゴニスト、細胞外アデノシン分解剤、CD39/CD73外酵素によるアデノシン生成の阻害剤および低酸素-HIF-1αシグナル伝達の阻害剤の中から選択される。いくつかの態様において、追加の薬剤はアデノシン受容体のアンタゴニストまたはアゴニストである。
【0474】
細胞外アデノシンの阻害剤(例えば、細胞外アデノシンの形成を抑制する、細胞外アデノシンを分解する、細胞外アデノシンを不活性にする、および/または細胞外アデノシンを減少させる薬剤)および/またはアデノシン受容体阻害剤(例えばアデノシン受容体アンタゴニスト)の長所による細胞外アデノシンまたはアデノシン受容体の阻害または低減により、免疫応答、例えばマクロファージ、好中球、顆粒球、樹状細胞、T-および/またはB細胞媒介性応答が増強され得る。加えて、Gsタンパク質媒介性cAMP依存性細胞内経路の阻害剤およびアデノシン受容体誘発性Giタンパク質媒介性細胞内経路の阻害剤もまた、急性および慢性炎症を増大させ得る。
【0475】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、アデノシン受容体のアンタゴニストまたはアゴニスト、例えば、アデノシン受容体A2a、A2b、A1およびA3のうちの1つまたは複数のアンタゴニストまたはアゴニストである。A1とA3およびA2aとA2bは、それぞれ、アデニル酸シクラーゼ活性を阻害および刺激する。一部の特定のアデノシン受容体、例えばA2a、A2bおよびA3は炎症時の免疫応答を抑制または低減し得る。したがって、免疫抑制アデノシン受容体に拮抗することにより、免疫応答、例えば、投与される細胞、例えばCAR発現T細胞による免疫応答が増大、増進または増強され得る。いくつかの態様において、追加の薬剤は、細胞外アデノシンの生成およびアデノシン受容体を介するアデノシン誘発性シグナル伝達を阻害する。例えば、免疫応答の増強、局所組織炎症および標的組織の崩壊が、アデノシンによりもたらされる局所組織低酸素を抑止もしくは低減させることにより;蓄積された細胞外アデノシンを分解(もしくは不活性に)することにより;免疫細胞上のアデノシン受容体の発現を抑制もしくは減少させることにより;および/またはアデノシン受容体介するアデノシンリガンドによるシグナル伝達を阻害/拮抗することにより増強され得る。
【0476】
アンタゴニストは、生物学的応答を誘発することなく、細胞受容体に結合する薬剤として、他の作用を無効にする傾向がある、任意の物質である。いくつかの態様において、アンタゴニストは、アデノシン受容体、例えばA2a、A2bまたはA3受容体のアンタゴニストである化学物質化合物である。いくつかの態様において、アンタゴニストは、アデノシン受容体に結合するがGiタンパク質依存性細胞内経路を誘発しないペプチドまたはペプチド模倣物である。例示的なアンタゴニストは、米国特許第5,565,566号;同第5,545,627、5,981,524号;同第5,861,405号;同第6,066,642号;同第6,326,390号;同第5,670,501号;同第6,117,998号;同第6,232,297号;同第5,786,360号;同第5,424,297号;同第6,313,131号、同第5,504,090号;および同第6,322,771号に記載されている。
【0477】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、A2受容体(A2R)アンタゴニスト、例えばA2aアンタゴニストである。例示的なA2Rアンタゴニストとしては、KW6002(イストラデフィリン)、SCH58261、カフェイン、パラキサンチン、3,7-ジメチル-1-プロパルギルキサンチン(DMPX)、8-(m-クロロスチリル)カフェイン(CSC)、MSX-2、MSX-3、MSX-4、CGS-15943、ZM-241385、SCH-442416、プレラデナント、ビパデナント(BII014)、V2006、ST-1535、SYN-115、PSB-1115、ZM241365、FSPTP、およびA2R発現を標的とする阻害性核酸、例えばsiRNAもしくはshRNA、またはA2Rを標的とするいずれかの抗体もしくはその抗原結合断片が挙げられる。いくつかの態様において、追加の薬剤は、例えば、Ohta et al., Proc Natl Acad Sci U S A(2006)103:13132-13137;Jin et al., Cancer Res.(2010)70(6):2245-2255;Leone et al., Computational and Structural Biotechnology Journal(2015)13:265-272;Beavis et al., Proc Natl Acad Sci U S A(2013)110:14711-14716;およびPinna, A., Expert Opin Investig Drugs(2009)18:1619-1631;Sitkovsky et al., Cancer Immunol Res(2014)2(7):598-605;US 8,080,554;US 8,716,301;US 20140056922;WO2008/147482;US 8,883,500;US 20140377240;WO02/055083;US 7,141,575;US 7,405,219;US 8,883,500;US 8,450,329およびUS 8,987,279)に記載されたA2Rアンタゴニストである。
【0478】
いくつかの態様において、アンタゴニストは、アデノシン受容体をコードするmRNAに特異的に結合するアンチセンス分子、阻害性核酸分子(例えば、低分子阻害性RNA(siRNA))または触媒性核酸分子(例えば、リボザイム)である。いくつかの態様において、アンチセンス分子、阻害性核酸分子または触媒性核酸分子は、A2a、A2bまたはA3をコードする核酸に結合する。いくつかの態様において、アンチセンス分子、阻害性核酸分子または触媒性核酸は、アデノシン受容体の下流の生化学的経路を標的とする。例えば、アンチセンス分子または触媒性核酸は、Gsタンパク質依存性細胞内経路またはGiタンパク質依存性細胞内経路に関与する酵素を阻害し得る。いくつかの態様において、追加の薬剤は、アデノシン受容体、例えばA2a、A2bまたはA3のドミナントネガティブ変異型形態を含む。
【0479】
いくつかの態様において、細胞外アデノシンを阻害する追加の薬剤としては、細胞外アデノシンを非機能性にする(またはそのような機能を低下させる)薬剤、例えば、アデノシンの構造を、アデノシンがアデノシン受容体を介してシグナル伝達する能力が阻害されるように修飾する物質が挙げられる。いくつかの態様において、追加の薬剤は、細胞外アデノシン生成酵素もしくはアデノシン分解酵素、その修飾形態またはそのモジュレーターである。例えば、いくつかの態様において、追加の薬剤は、アデノシンに選択的に結合して破壊し、それにより、内因的に形成されたアデノシンがアデノシン受容体を介してシグナル伝達し、炎症を終結させる能力を無効にするか、または有意に低下させる酵素(例えば、アデノシンデアミナーゼ)または別の触媒性分子である。
【0480】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、アデノシンデアミナーゼ(ADA)またはその修飾形態、例えば、細胞外アデノシンの局所組織蓄積を阻害し得る、組換えADAおよび/またはポリエチレングリコール修飾ADA(ADA-PEG)である。ADA-PEGは、ADA SCIDを有する患者の処置に使用されている(Hershfield(1995)Hum Mutat.5:107)。いくつかの態様において、細胞外アデノシンを阻害する薬剤としては、細胞外アデノシンの形成を抑制もしくは減少させる、および/または細胞外アデノシンの蓄積を抑制もしくは減少させ、それによりアデノシンの免疫抑制効果を無効にするか、または実質的に減少させる薬剤が挙げられる。いくつかの態様において、追加の薬剤は、炎症促進性分子の合成および/または分泌の調節に関与する酵素およびタンパク質、例えば核内転写因子のモジュレーターを特異的に阻害する。アデノシン受容体発現あるいはGsタンパク質依存性細胞内経路もしくはGiタンパク質依存性細胞内経路またはcAMP依存性細胞内経路の抑制により、免疫応答の亢進/増強がもたらされ得る。
【0481】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、細胞外アデノシンを生成または産生する外酵素を標的とし得る。いくつかの態様において、追加の薬剤は、細胞外アデノシン生成させるためにタンデムに機能するCD39およびCD73外酵素を標的とする。CD39(エクトヌクレオシド三リン酸ジホスホヒドロラーゼとも称される)は細胞外ATP(またはADP)を5’AMPに変換させる。続いて、CD73(5’ヌクレオチダーゼとも称される)が5’AMPをアデノシンに変換させる。CD39の活性はNDPキナーゼおよびアデニル酸キナーゼの作用によって可逆的であるがCD73の活性は不可逆的である。CD39およびCD73は、腫瘍間質細胞、例えば内皮細胞およびTreg上、また、多くのがん細胞上にも発現される。例えば、内皮細胞上のCD39およびCD73の発現は腫瘍微小環境の低酸素条件下において高い。腫瘍低酸素は、不充分な血液供給および無秩序な腫瘍血管系、酸素送達の障害に起因し得る(Carroll and Ashcroft(2005), Expert.Rev.Mol.Med.7(6):1-16)。また、低酸素により、アデノシンをAMPに変換するアデニル酸キナーゼ(AK)が阻害され、非常に高い細胞外アデノシン濃度がもたらされる。したがって、低酸素に応答してアデノシンが高濃度で放出され、これは、充実性腫瘍内または充実性腫瘍周囲の腫瘍微小環境(TME)内で高頻度に起こる状態である。いくつかの態様において、追加の薬剤は、抗CD39抗体もしくはその抗原結合断片、抗CD73抗体もしくはその抗原結合断片、例えばMEDI9447またはTY/23、α-β-メチレン-アデノシン二リン酸(ADP)、ARL 67156、POM-3、IPH52のうちの1つまたは複数である(例えば、Allard et al.Clin Cancer Res(2013)19(20):5626-5635;Hausler et al., Am J Transl Res(2014)6(2):129-139;Zhang, B., Cancer Res.(2010)70(16):6407-6411参照)。
【0482】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、低酸素誘導因子1アルファ(HIF-1α)シグナル伝達の阻害剤である。HIF-1αの例示的な阻害剤としては、ジゴキシン、アクリフラビン、サーチュイン-7およびガネテスピブが挙げられる。
【0483】
いくつかの態様において、追加の薬剤としては、プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤、例えば本明細書に記載されるプロテインチロシンホスファターゼ阻害剤が挙げられる。いくつかの態様において、プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤はSHP-1阻害剤、例えば本明細書に記載されるSHP-1阻害剤、例えばスチボグルコン酸ナトリウムなどである。いくつかの態様において、プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤はSHP-2阻害剤、例えば本明細書に記載されるSHP-2阻害剤である。
【0484】
いくつかの態様において、追加の薬剤はキナーゼ阻害剤である。キナーゼ阻害剤、例えばCDK4キナーゼ阻害剤、BTKキナーゼ阻害剤、MNKキナーゼ阻害剤またはDGKキナーゼ阻害剤は、腫瘍細胞に存在する構成的に活性な生存経路を調節し得る、および/または免疫細胞の機能を調節し得る。いくつかの態様において、キナーゼ阻害剤はブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤、例えばイブルチニブである。いくつかの態様において、キナーゼ阻害剤はホスファチジルイノシトール-4,5-ビスリン酸3-キナーゼ(PI3K)阻害剤である。いくつかの態様において、キナーゼ阻害剤はCDK4阻害剤、例えばCDK4/6阻害剤である。いくつかの態様において、キナーゼ阻害剤はmTOR阻害剤、例えばラパマイシン、ラパマイシンアナログOSI-027などである。mTOR阻害剤は、例えばmTORC1阻害剤および/またはmTORC2阻害剤、例えばmTORC1阻害剤および/またはmTORC2阻害剤であり得る。いくつかの態様において、キナーゼ阻害剤はMNK阻害剤または二重PI3K/mTOR阻害剤である。いくつかの態様において、他の例示的キナーゼ阻害剤としては、AKT阻害剤ペリホシン、mTOR阻害剤テムシロリムス、Srcキナーゼ阻害剤ダサチニブおよびホスタマチニブ、JAK2阻害剤パクリチニブおよびルキソリチニブ、PKCβ阻害剤エンザスタウリンおよびブリオスタチン、ならびにAAK阻害剤アリセルチブが挙げられる。
【0485】
いくつかの態様において、キナーゼ阻害剤は、イブルチニブ(PCI- 32765);GDC-0834;RN-486;CGI-560;CGI-1764;HM-71224;CC-292;ONO-4059;CNX-774;およびLFM-A13から選択されるBTK阻害剤である。いくつかの態様において、BTK阻害剤は、インターロイキン-2誘導性キナーゼ(ITK)のキナーゼ活性を低減または阻害せず、GDC-0834;RN-486;CGI-560;CGI-1764;HM-71224;CC-292;ONO-4059;CNX-774;およびLFM-A13から選択される。
【0486】
いくつかの態様において、キナーゼ阻害剤はBTK阻害剤、例えばイブルチニブ(1-[(3R)-3-[4-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン;PCI-32765としても知られる)である。いくつかの態様において、キナーゼ阻害剤はBTK阻害剤、例えばイブルチニブ(PCI-32765)である。いくつかの態様において、BTK阻害剤は、国際出願WO 2015/079417に記載されたBTK阻害剤である。
【0487】
いくつかの態様において、キナーゼ阻害剤はPI3K阻害剤である。PI3Kは、細胞周期の調節およびリンパ腫の生存に関与するPI3K/Akt/mTOR経路の中心である。例示的なPI3K阻害剤としてはイデラリシブ(PI3Kδ阻害剤)が挙げられる。いくつかの態様において、追加の薬剤はイデラリシブおよびリツキシマブである。
【0488】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、哺乳類ラパマイシン標的(mTOR)の阻害剤である。いくつかの態様において、キナーゼ阻害剤は、テムシロリムス;リダホロリムス(AP23573およびMK8669としても知られる);エベロリムス(RAD001);ラパマイシン(AY22989);シマピモド(simapimod);AZD8055;PF04691502;SF1126;およびXL765から選択されるmTOR阻害剤である。いくつかの態様において、追加の薬剤は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)の阻害剤、例えばベムラフェニブ、ダブラフェニブおよびトラメチニブである。
【0489】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、アポトーシス促進性タンパク質または抗アポトーシスタンパク質を調節する薬剤である。いくつかの態様において、追加の薬剤としては、B細胞リンパ腫2(BCL-2)阻害剤(例えば、ベネトクラクス、ABT-199もしくはGDC-0199とも称される;またはABT-737)が挙げられる。ベネトクラクスは、抗アポトーシスタンパク質BCL-2を阻害する低分子(4-(4-{[2-(4-クロロフェニル)-4,4-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル]メチル}-1-ピペラジニル)-N-({3-ニトロ-4-[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルオキシ)ベンズアミド)である。アポトーシス促進性タンパク質または抗アポトーシスタンパク質を調節する他の薬剤としては、BCL-2阻害剤ABT-737、ナビトクラクス(navitoclax)(ABT-263);最大有効性のためのMcl-1 siRNAまたはMcl-1阻害剤レチノイドN-(4-ヒドロキシフェニル)レチナミド(4-HPR)が挙げられる。いくつかの態様において、追加の薬剤は、アポトーシス促進性刺激、例えば、腫瘍細胞表面上のTRAILデスレセプターDR-4およびDR-5に結合することによってアポトーシス経路を活性化し得る組換え腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)、またはTRAIL-R2アゴニスト抗体をもたらす。
【0490】
いくつかの態様において、追加の薬剤としてインドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)阻害剤が挙げられる。IDOは、アミノ酸L-トリプトファンのキヌレニンへの分解を触媒する酵素である。多くのがん、例えば前立腺がん、結腸直腸がん、膵がん、子宮頸がん、胃がん、卵巣がん、頭部のがんおよび肺がんがIDOを過剰発現する。形質細胞様樹状細胞(pDC)、マクロファージおよび樹状細胞(DC)もIDOを発現し得る。いくつかの局面において、L-トリプトファンの減少(例えば、IDOによって触媒)により、T細胞のアネルギーおよびアポトーシスが誘導されることによって免疫抑制環境がもたらされる。したがって、いくつかの局面において、IDO阻害剤は、本明細書に記載される結合分子(例えば、BCMA結合分子)、組換え受容体、細胞および/または組成物の有効性を、例えば投与されたCAR発現細胞の抑制または細胞死を低減させることによって向上させ得る。例示的なIDO阻害剤としては、限定するわけではないが、1-メチル-トリプトファン、インドキシモドおよびINCB024360(エパカドスタット)が挙げられる。
【0491】
いくつかの態様において、追加の薬剤としては、細胞傷害剤、例えばCPX-351(Celator Pharmaceuticals)、シタラビン、ダウノルビシン、ボサロキシン(Sunesis Pharmaceuticals)、サパシタビン(Cyclacel Pharmaceuticals)、イダルビシンまたはミトザントロンが挙げられる。いくつかの態様において、追加の薬剤としては、低メチル化剤、例えばDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、例えばアザシチジンまたはデシタビンが挙げられる。
【0492】
別の態様において、追加の治療は移植、例えば同種異系幹細胞移植である。
【0493】
いくつかの態様において、追加の治療はリンパ球除去療法である。いくつかの態様において、リンパ球除去は、例えば、改変細胞、例えばCAR発現細胞投与する前に、対象に行われる。いくつかの態様において、リンパ球除去は、メルファラン、シトキサン、シクロホスファミドおよびフルダラビンのうちの1つまたは複数を投与することを含む。いくつかの態様において、リンパ球除去化学療法は、改変細胞(例えばCAR発現細胞)の投与(例えば、輸注)前、該投与(例えば、輸注)と並行して、または該投与(例えば、輸注)後に、対象に施与される。一例において、リンパ球除去化学療法は、改変細胞(例えばCAR発現細胞)の投与前に対象に施与される。
【0494】
いくつかの態様において、追加の薬剤は腫瘍溶解性ウイルスである。いくつかの態様において、腫瘍溶解性ウイルスは、がん細胞内で選択的に複製され、がん細胞の死を誘発するか、またはがん細胞の成長を遅滞させることができる。いくつかの場合において、腫瘍溶解性ウイルスは非がん細胞に対して、効果を有しないか、または有する効果が最小限である。腫瘍溶解性ウイルスとしては、限定するわけではないが、腫瘍溶解性アデノウイルス、腫瘍溶解性単純ヘルペスウイルス、腫瘍溶解性レトロウイルス、腫瘍溶解性パルボウイルス、腫瘍溶解性ワクシニアウイルス、腫瘍溶解性シンビス(Sinbis)ウイルス、腫瘍溶解性インフルエンザウイルス、または腫瘍溶解性RNAウイルス(例えば、腫瘍溶解性レオウイルス、腫瘍溶解性ニューカッスル病ウイルス(NDV)、腫瘍溶解性麻疹ウイルスもしくは腫瘍溶解性水疱性口内炎ウイルス(VSV))が挙げられる。
【0495】
他の例示的な併用療法、処置、および/または薬剤としては、抗アレルギー剤、制吐剤、鎮痛薬、および補助療法が挙げられる。いくつかの態様において、追加の薬剤としては、細胞保護剤、例えば神経保護物質、フリーラジカルスカベンジャー、心臓保護物質、アントラサイクリン系管外遊出中和剤(neutralizer)および栄養物が挙げられる。
【0496】
いくつかの態様において、追加の薬剤として使用される抗体は治療剤に、例えば化学療法剤(例えば、シトキサン、フルダラビン、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、脱メチル化剤、ペプチドワクチン、抗腫瘍抗生物質、チロシンキナーゼ阻害剤、アルキル化剤、微小管阻害剤もしくは有糸分裂阻害剤)、抗アレルギー剤、吐き気止め剤(または制吐剤)、疼痛軽減薬、または本明細書に記載される細胞保護剤にコンジュゲートされるか、または別の様式で結合される。いくつかの態様において、追加の薬剤は抗体-薬物コンジュゲートである。
【0497】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、特定の因子をDNAレベル、RNAレベルまたはタンパク質レベルで調節、阻害または刺激し、本明細書において提供する結合分子(例えば、BCMA結合分子)、組換え受容体、細胞および/または組成物の有効性を向上または増進し得る。いくつかの態様において、追加の薬剤は、投与された細胞、例えば組換え受容体、例えばCARを発現するように操作された細胞内の因子を核酸レベル、例えばDNAレベルまたはRNAレベルで調節し得る。いくつかの態様において、阻害性核酸、例えば阻害性核酸、例えばdsRNA、例えばsiRNAもしくはshRNAまたはクラスター化され、規則的に間隔が空いた短い回文構造の繰り返し(clustered regularly interspaced short palindromic repeat)(CRISPR)、転写活性化様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)もしくはジンクフィンガーエンドヌクレアーゼ(ZFN)が、操作された細胞、例えばCAR発現細胞内の阻害性分子の発現を阻害するために使用され得る。いくつかの態様において、阻害剤はshRNAである。いくつかの態様において、阻害性分子は、操作された細胞、例えばCAR発現細胞内で阻害される。いくつかの態様において、T細胞機能を調節または調整する、例えば阻害する分子の発現を阻害するdsRNA分子をコードする核酸分子は、プロモーター、例えばHI-またはU6-由来プロモーターに、該阻害性分子の発現を阻害するdsRNA分子が、操作された細胞内、例えばCAR発現細胞内で発現されるように機能的に連結される。例えば、Brummelkamp TR,et al.(2002)Science 296:550-553;Miyagishi M,et al.(2002)Nat.Biotechnol.19:497-500を参照のこと。
【0498】
いくつかの態様において、追加の薬剤は、阻害性分子、例えば本明細書に記載される任意の免疫チェックポイント阻害剤をコードする遺伝子を破壊することができる。いくつかの態様において、破壊は、欠失、例えば遺伝子全体、エキソンもしくは領域の欠失および/または外来配列での置き換えによるもの、および/または遺伝子内、典型的には遺伝子のエキソン内における変異、例えばフレームシフトもしくはミスセンス変異によるものである。いくつかの態様において、破壊により、遺伝子内への未成熟終止コドンの組み込みがもたらされ、そのため、阻害性分子は発現されないか、あるいは細胞表面上に発現することができるような形態および/または細胞シグナル伝達を媒介することができるような形態で発現されない。破壊は一般的にDNAレベルで行われる。破壊は一般的に永久的であるか、不可逆的であるか、または一過性でない。
【0499】
いくつかの局面において、破壊は遺伝子編集によって、例えば破壊のために標的とされる領域の遺伝子に特異的に結合するか、または該遺伝子にハイブリダイズするDNA結合タンパク質またはDNA結合核酸を用いて行われる。いくつかの局面において、タンパク質または核酸はヌクレアーゼと、例えばキメラタンパク質または融合タンパク質の状態でカップリングされるか、または複合体化される。例えば、いくつかの態様において、破壊は、DNAターゲティングタンパク質とヌクレアーゼ、例えばジンクフィンガーエンドヌクレアーゼ(ZFN)もしくはTAL-エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)または破壊対象の遺伝子に特異的なRNA誘導型ヌクレアーゼ、例えばクラスター化され、規則的に間隔が空いた短い回文構造の(clustered regularly interspersed short palindromic)核酸(CRISPR)-Cas系、例えばCRISPR-Cas9系を含む融合体を用いて行われる。いくつかの態様において、遺伝子操作された細胞、例えばCAR発現細胞を作製する、または生成させる方法は、細胞の集団内に、遺伝子操作された抗原受容体(例えばCAR)をコードする核酸分子と、遺伝子編集ヌクレアーゼ、例えばDNAターゲティングタンパク質とヌクレアーゼ、例えばZFNもしくはTALENまたは阻害性分子に特異的なRNA誘導型ヌクレアーゼ、例えばCRISPR-Cas9系の融合体である阻害性分子を標的とする薬剤をコードする核酸分子を導入することを含む。
【0500】
本明細書に記載される追加の薬剤のいずれかは、本明細書に記載されるBCMA結合分子(例えば、抗体)、イムノコンジュゲート、組換え受容体(例えば、キメラ抗原受容体)および/または前記分子(例えば、組換え受容体)を発現する操作された細胞との併用療法薬として、例えば併用療法薬の1種または複数種の薬剤と薬学的に許容される担体、例えば本明細書に記載されるいずれかのものを含む薬学的組成物の状態で調製され、投与され得る。いくつかの態様において、BCMA結合分子(例えば、抗体)、イムノコンジュゲート、組換え受容体(例えば、キメラ抗原受容体)、前記分子(例えば、組換え受容体)を発現する操作された細胞、前記分子(例えば、組換え受容体)を発現する複数の操作された細胞は、追加の薬剤、治療薬または処置薬と同時に、並行して、または逐次、任意の順序で投与され得、このとき、かかる投与は、対象の体内で各薬剤の治療上有効なレベルをもたらす。該薬剤を、本明細書に記載される結合分子(例えば、BCMA結合分子)、組換え受容体、細胞および/または組成物と、例えば同じ薬学的組成物の一部として、または同じ送達方法を用いて共投与してもよい。いくつかの態様において、追加の薬剤は、操作された細胞、例えばCAR発現細胞とともに、該細胞の投与の前にインキュベートされる。
【0501】
いくつかの例において、該1種または複数種の追加の薬剤は、本明細書に記載される結合分子(例えば、BCMA結合分子)、組換え受容体、細胞および/または組成物の投与後または投与前に、選択された期間をあけて投与される。いくつかの例において、該期間は1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月または3ヶ月である。いくつかの例において、該1種または複数種の追加の薬剤が複数回投与される、および/または本明細書に記載される結合分子(例えば、BCMA結合分子)、組換え受容体、細胞および/または組成物が複数回投与される。例えば、いくつかの態様において、追加の薬剤は、本明細書に記載される結合分子(例えば、BCMA結合分子)、組換え受容体、細胞および/または組成物の前に、例えば該投与の2週間前、12日前、10日前、8日前、1週間前、6日前、5日前、4日前、3日前、2日前または1日前に投与される。例えば、いくつかの態様において、追加の薬剤は、本明細書に記載される結合分子(例えば、BCMA結合分子)、組換え受容体、細胞および/または組成物の後に、例えば該投与の2週間後、12日後、10日後、8日後、1週間後、6日後、5日後、4日後、3日後、2日後または1日後に投与される。
【0502】
追加の薬剤の用量は、治療上有効な任意の量、例えば本明細書に記載される任意の用量の量であり得、追加の薬剤の適切な投薬量は、処置される疾患の型、投与される結合分子、組換え受容体、細胞および/または組成物の型、用量および/または頻度、疾患の重症度および経過、結合分子、組換え受容体、細胞および/または組成物が予防目的で投与されるのか治療目的で投与されるのか、治療歴、患者の病歴および結合分子、組換え受容体、細胞および/または組成物に対する奏功、ならびに担当医の裁量に依存し得る。結合分子、組換え受容体、細胞および/または組成物および/または追加の薬剤および/または追加の治療薬は患者に1回で投与してもよく、反復してもよく、一連の処置で投与してもよい。
【0503】
C. 診断方法および検出方法
また、BCMAの検出における、例えばBCMA発現疾患またはBCMA発現病態に関する診断方法および/または予後判定方法における、提供される結合分子、例えば抗体またはその抗原結合断片の使用を伴う方法が提供される。いくつかの態様における方法は、生物学的試料を抗体もしくはその抗原結合断片とともにインキュベートすること、および/または抗体もしくはその抗原結合断片を対象に投与することを含む。一部の特定の態様において、生物学的試料としては、細胞または組織、例えば腫瘍またはがん組織が挙げられる。一部の特定の態様において、該接触は、BCMAに対する抗BCMA抗体の結合および抗BCMA抗体とBCMA間の複合体が形成されるかどうかの検出を許容する条件下である。かかる方法はインビトロ法であってもインビボ法であってもよい。一態様において、抗BCMA抗体(例えば、抗原結合断片)は、抗BCMA抗体(例えば、抗原結合断片)または組換え受容体での治療、例えばBCMAが患者の選択のためのバイオマーカーである治療に適格な対象を選択するために使用される。
【0504】
いくつかの態様において、試料、例えば細胞、組織試料、ライセート、組成物またはこれらに由来する他の試料を抗BCMA抗体(例えば、抗原結合断片)と接触させ、抗体と試料(例えば、試料中のBCMA)間の結合または複合体の形成が測定または検出される。同じ組織型の参照細胞と比較して試験試料において結合が示されるか、または検出された場合、これは、関連する疾患または病態の存在を示し得る。いくつかの態様において、試料はヒト組織由来である。
【0505】
抗体-抗原間の特異的結合を検出するための当技術分野において公知の種々の方法が使用され得る。例示的なイムノアッセイとしては、蛍光偏光イムノアッセイ(FPIA)、蛍光イムノアッセイ(FIA)、酵素イムノアッセイ(EIA)、ネフェロメトリー阻害イムノアッセイ(NIA)、酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)およびラジオイムノアッセイ(RIA)が挙げられる。インジケータ部分または標識基が主題の抗体に結合され得、多くの場合、アッセイ設備および適合するイムノアッセイ手順の利用可能性によって決定づけられる、該方法の種々の使用の必要性を満たすように選択される。例示的な標識としては、放射性核種(例えば125I、131I、35S、3Hもしくは32P)、酵素(例えば、アルカリホスファターゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、ルシフェラーゼもしくはβ-ガラクトシダーゼ)、蛍光性部分あるいは蛍光タンパク質(例えば、フルオレセイン、ローダミン、フィコエリトリン、GFPもしくはBFP)、または発光部分(例えば、Quantum Dot Corporation,Palo Alto,Calif.によって供給されるQdot(商標)ナノ粒子)が挙げられる。上記の種々のイムノアッセイの実施に使用される一般的な手法は当業者に公知である。
【0506】
診断目的のため、抗体(例えば、抗原結合断片)は、検出可能な部分、例えば限定するわけではないが、ラジオアイソトープ、蛍光標識、および当技術分野において公知の種々の酵素-基質標識で標識され得る。標識を抗体にコンジュゲートさせる方法は当技術分野において公知である。
【0507】
いくつかの態様において、抗体(例えば、抗原結合断片)を標識する必要はなく、その存在は、該抗体に結合する標識抗体を用いて検出され得る。
【0508】
いくつかの態様における提供される抗体(例えば、抗原結合断片)は、任意の公知のアッセイ方法、例えば競合的結合アッセイ、直接アッセイおよび間接サンドイッチアッセイならびに免疫沈降アッセイにおいて使用され得る。Zola,Monoclonal Antibodies:A Manual of Techniques,pp.147-158(CRC Press,Inc.1987)。
【0509】
抗体(例えば、抗原結合断片)およびポリペプチドはまた、インビボ診断アッセイ、例えばインビボイメージングのためにも使用され得る。一般的に、抗体は放射性核種(例えば、111In、99Tc、14C、131I、125Iまたは3H)で、対象への投与後に関心対象の細胞または組織がインビボで位置特定され得るように標識される。
【0510】
また、抗体(例えば、抗原結合断片)を、例えば公知の手法を用いる病理検査における染色試薬として使用してもよい。
【0511】
III. 製造物品またはキット
また、提供される結合分子(例えば、抗体)、組換え受容体(例えば、CAR)、遺伝子操作された細胞および/またはそれを含む組成物を含む製造物品またはキットが提供される。製造物品は、容器および該容器上面にあるか、または該容器に付随するラベルまたは添付文書を含み得る。適切な容器としては、例えばボトル、バイアル、シリンジ、テストチューブ、IV液バッグなどが挙げられる。容器は、様々な材質、例えばガラスまたはプラスチックで形成され得る。いくつかの態様において、容器は滅菌アクセスポートを有する。例示的な容器としては、静注液バッグ、バイアル、例えば注射針が貫通可能なストッパーを有するものが挙げられる。製造物品またはキットは、組成物が特定の病態、例えば本明細書に記載される病態(例えば、多発性骨髄腫)を処置するために使用され得ることを示す添付文書をさらに含んでいてもよい。代替的または付加的に、製造物品またはキットは、薬学的に許容される緩衝液を含む別の容器または同じ容器をさらに含んでいてもよい。他の物質、例えば他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針および/またはシリンジをさらに含んでいてもよい。
【0512】
ラベルまたは添付文書には、組成物が、個体のBCMA発現疾患、障害もしくは病態またはBCMA関連疾患、障害もしくは病態を処置するために使用されることが示され得る。容器上面にあるか、または容器に付随するラベルまたは添付文書には、製剤の再構成および/または使用に関する注意書きが示され得る。ラベルまたは添付文書には、製剤が個体のBCMA発現疾患、障害もしくは病態またはBCMA関連疾患、障害もしくは病態を処置または予防するための皮下投与、静脈内投与または他の投与様式に有用であるか、あるいは製剤は個体のBCMA発現疾患、障害もしくは病態またはBCMA関連疾患、障害もしくは病態を処置または予防するための皮下投与、静脈内投与または他の投与様式が意図されることがさらに示され得る。
【0513】
いくつかの態様における容器は、単独の組成物あるいは病態の処置、予防および/または診断に有効な別の組成物と合わされた組成物を収容する。製造物品またはキットは、(a)抗体(例えば、抗BCMA抗体)もしくはその抗原結合断片または組換え受容体(例えば、CAR)を含む組成物(すなわち、第1の医薬)を内包する第1の容器;および(b)さらなる薬剤、例えば細胞傷害剤もしくは別の様式の治療用薬剤を含む組成物(すなわち、第2の医薬)を内包する第2の容器を含み得、この製造物品またはキットは、ラベルまたは添付文書に、対象を第2の医薬で有効な量にて処置するための使用説明をさらに含む。
【0514】
IV. 定義
本明細書において使用する場合、抗体の「対応する形態」に対する言及は、2つの抗体の特性または活性を比較する場合、その特性が同じ形態の抗体を用いて比較されることを意味する。例えば、抗体は第1の抗体の対応する形態の活性と比べてより大きい活性を有すると記載されている場合、これは、該抗体の特定の形態、例えばscFvが第1の抗体のscFv形態と比べてより大きい活性を有することを意味する。
【0515】
「エフェクター機能」は、抗体のFc領域に帰属する生物学的活性を示し、これは抗体のアイソタイプによって様々である。抗体エフェクター機能の例としては、C1q結合および補体依存性細胞傷害性(CDC);Fc受容体結合;抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC);食作用;細胞表面受容体(例えばB細胞受容体)の下方調節;ならびにB細胞の活性化が挙げられる。
【0516】
本明細書における「Fc領域」という用語は、定常領域の少なくとも一部分を含む免疫グロブリン重鎖のC末端の領域を画定するために使用される。この用語は、天然状態の配列のFc領域およびバリアントFc領域を含む。一態様において、ヒトIgG重鎖Fc領域はCys226またはPro230から重鎖のカルボキシル-末端までに延在する。しかしながら、Fc領域のC末端のリシン(Lys447)は存在する場合もあり得、存在しない場合もあり得る。本明細書において明示していない限り、Fc領域または定常領域のアミノ酸残基のナンバリングは、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD,1991に記載される、EUインデックス(EU index)とも称されるEUナンバリングシステムに従う。
【0517】
用語「完全長抗体」、「インタクトな抗体」および「完全抗体」は、天然状態の抗体構造と実質的に同様の構造を有する抗体または本明細書において定義するFc領域を含む重鎖を有する抗体を示すために本明細書において互換的に使用している。
【0518】
「単離された」抗体は、その天然の環境の成分から分離されているものである。いくつかの態様において、抗体は、例えば電気泳動法(例えば、SDS-PAGE、等電点(IEF)、キャピラリー電気泳動)またはクロマトグラフィー法(例えば、イオン交換もしくは逆相HPLC)による測定時、95%より大きい、または99%より大きい純度まで精製される。抗体純度の評価のための方法の概説については、例えばFlatman et al.,J.Chromatogr.B 848:79-87(2007)を参照のこと。
【0519】
「単離された」核酸は、その天然の環境の成分から分離されている核酸分子を示す。単離された核酸は、通常内包されている細胞内に含まれている核酸分子であって、染色体外またはその天然の染色体位置とは異なる染色体位置に存在する核酸分子を含む。
【0520】
「抗BCMA抗体をコードする単離された核酸」は、抗体の重鎖および軽鎖(またはその断片)をコードする1つまたは複数の核酸分子、例えば、単一のベクターまたは別々のベクター内のかかる核酸分子、および宿主細胞内の1つまたは複数の場所に存在するかかる核酸分子を示す。
【0521】
用語「宿主細胞」、「宿主細胞株」および「宿主細胞培養物」は互換的に使用しており、内部に外来核酸が導入されている細胞を示し、かかる細胞の子孫を含む。宿主細胞は「形質転換体」および「形質転換細胞」を含み、これらは、初代形質転換細胞および継代の回数に関係なく初代形質転換細胞に由来する子孫を含む。子孫は、核酸含有量が親細胞と完全に同一でない場合もあり得、変異を含む場合もあり得る。もともと形質転換型の細胞におけるスクリーニング時または選択時と同じ機能または生物学的活性を有する変異型子孫は本明細書に含まれる。
【0522】
本明細書において使用する場合、「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」および「同一性パーセント」および「配列同一性」は、アミノ酸配列(参照ポリペプチド配列)に関して使用する場合、配列をアラインメントし、必要であれば最大限の配列同一性パーセントを得るためにギャップを導入した後の、配列同一性の一部としてのいずれの保存的置換も考慮しない、候補配列(例えば、主題の抗体または断片)内において参照ポリペプチド配列内のアミノ酸残基と同一であるアミノ酸残基のパーセンテージと定義する。アミノ酸配列同一性パーセントを求める目的のためのアラインメントは、当技術分野の技能の範囲内の種々の様式で、例えば、公衆に利用可能なコンピュータソフトウェア、例えばBLAST、BLAST-2、ALIGNまたはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアを用いて行われ得る。当業者は、比較する配列の全長にわたって最大限のアラインメントを得るのに必要とされるいずれかのアルゴリズムを含む、配列をアラインメントするための適切なパラメータを決定することができよう。
【0523】
アミノ酸置換としては、ポリペプチド内のあるアミノ酸を別のアミノ酸で置き換えることが挙げられ得る。アミノ酸置換は関心対象の結合分子内、例えば抗体内に導入され得、その産物は所望の活性について、例えば抗原結合の保持/改善、免疫原性の低下またはADCCもしくはCDCの改善についてスクリーニングされ得る。
【0524】
アミノ酸は一般的に、以下の共通する側鎖特性に従ってグループ分けされ得る:
(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
(2)中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
(3)酸性:Asp、Glu;
(4)塩基性:His、Lys、Arg;
(5)鎖の向きに影響する残基:Gly、Pro;
(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
【0525】
非保存的アミノ酸置換は、これらの分類のうちの1つのメンバーを別の分類のもので交換することを伴う。
【0526】
用語「ベクター」は、本明細書において使用する場合、連結されている別の核酸を増殖させることができる核酸分子を示す。この用語には、自己複製性核酸構造物としてのベクターならびに導入されている宿主細胞のゲノム内に組み込まれるベクターが含まれる。ある種のベクターは、機能的に連結される核酸の発現を指令することができる。かかるベクターは本明細書において「発現ベクター」と称される。
【0527】
用語「添付文書」は、治療製剤品の販売包装に習慣的に含められる、かかる治療製剤品の適応症、用法、用量、投与、併用療法、禁忌および/または使用に関する注意事項に関する情報が含まれた指示書を示すために使用される。
【0528】
本明細書において使用する場合、単数形である「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈がそうではないことを明確に示す場合を除き、複数形の言及物を包含する。例えば、「1つの(a)」または「1つの(an)」は、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」を意味する。本明細書に記載される局面、態様および変形は、該局面、態様および変形「を含むこと」、「からなること」ならびに/あるいは該局面、態様および変形「から本質的になる」ことを包含することが理解される。
【0529】
本開示の全体を通して、本発明の主題の様々な局面が範囲形式で示される。範囲形式での記載は単に便宜および簡潔性のためであり、本発明の主題の範囲に関して柔軟性のない限定として解釈してはならないことを理解しなければならない。したがって、範囲の記載は、可能な部分範囲、同様にまた、その範囲に含まれる個々の数値をすべて具体的に開示していると見なされなければならない。例えば、値の範囲が与えられる場合、その範囲の上限と、下限との間におけるそれぞれの中間の値、およびその指定された範囲における任意の他の指定された値または中間の値が、本発明の主題の範囲内に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限および下限がこれらのより小さい範囲に独立して含まれてもよく、これらもまた、指定された範囲における任意の具体的に除外された限界点に従うことを条件にして、本発明の主題の範囲内に包含される。指定された範囲が限界点の一方または両方を含む場合、そのような含まれた限界点のどちらかまたは両方を除外する範囲もまた、本発明の主題の範囲内に含まれる。このことは、範囲の広さにかかわらず、当てはまる。
【0530】
本明細書で使用される「約」という用語は、この技術分野における当業者には容易にわかるそれぞれの値についての通常の誤差範囲を示す。「約」を伴う値またはパラメータが本明細書において示される場合、その値またはパラメータそのものに向けられる態様が含まれる(記載される)。例えば、「約X」が示される記載では、「X」の記載が含まれる。
【0531】
本明細書において使用する場合、「組成物」は、細胞を含めて、2つ以上の製造物、物質または化合物の混合物をどのようなものであっても示す。組成物は、溶液、懸濁物、液体、粉末、ペースト、水性、非水性、またはそれらの任意の組合せであり得る。
【0532】
本明細書において使用する場合、細胞または細胞の集団が特定のマーカーについて「陽性」であると述べられることは、特定のマーカー、典型的には表面マーカーが細胞表面または細胞において検出可能に存在していることを示す。表面マーカーが言及されるとき、この用語は、フローサイトメトリーによって、例えば、マーカーに特異的に結合する抗体を用いて染色し、前記抗体を検出することによって検出されるような表面発現の存在を示し、この場合、染色は、アイソタイプの一致する対照を、それ以外の点では同一の条件のもとで用いる、同じ手順を行って検出される染色を実質的に超えるレベルでフローサイトメトリーによって検出可能である、かつ/またはマーカーについて陽性であることが知られている細胞についてのレベルと実質的に類似するレベルである、かつ/またはマーカーについて陰性であることが知られている細胞についてのレベルよりも実質的に高いレベルである。
【0533】
本明細書において使用する場合、細胞または細胞の集団が特定のマーカーについて「陰性」であると述べられることは、特定のマーカー、典型的には表面マーカーが細胞表面または細胞において実質的に検出可能に存在していることが認められないことを示す。表面マーカーが言及されるとき、この用語は、フローサイトメトリーによって、例えば、マーカーに特異的に結合する抗体を用いて染色し、前記抗体を検出することによって検出されるような表面発現の非存在を示し、この場合、染色は、アイソタイプの一致する対照を、それ以外の点では同一の条件のもとで用いる、同じ手順を行って検出される染色を実質的に超えるレベルでフローサイトメトリーによって検出されない、かつ/またはマーカーについて陽性であることが知られている細胞についてのレベルよりも実質的に低いレベルである、かつ/またはマーカーについて陰性であることが知られている細胞についてのレベルと比較して実質的に類似するレベルである。
【0534】
別途定義される場合を除き、本明細書において使用するすべての専門用語、表記法、ならびに他の技術用語および科学用語または用語法は、本発明の主題が関係する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有することが意図される。いくつかの場合には、一般に理解されている意味を有する用語が、明快さのために、かつ/または即座の参照のために本明細書において定義されており、そして、そのような定義が本明細書に含まれることは、当技術分野において一般に理解されていることを超える実質的な違いを表すように必ずしも解釈されなければならないことはない。
【0535】
IV. 例示的な態様
中でも、本明細書において提供する態様は以下である。
1. SEQ ID NO:7~11、149~157、279~287および376~378のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3);または
SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択される重鎖可変(VH)領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H3
を含む重鎖可変(VH)領域を含む、抗体またはその抗原結合断片。
2. SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有するVH領域を含む、抗体またはその抗原結合断片。
3. VH領域が、アミノ酸配列X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12X13X14(SEQ ID NO:355)を含むCDR-H3を含み、ここで、X1はA、D、E、G、L、VまたはWであり;X2はA、D、G、L、P、QまたはSであり;X3はA、D、G、LまたはYであり;X4はD、G、P、R、S、V、Yまたは無しであり;X5はD、I、P、S、T、Yまたは無しであり;X6はA、G、I、S、T、V、Yまたは無しであり;X7はA、D、E、F、L、P、S、Yまたは無しであり;X8はP、Q、T、Yまたは無しであり;X9はD、G、R、Yまたは無しであり;X10はA、F、Yまたは無しであり;X11はD、Fまたは無しであり;X12はFまたは無しであり;X13はD、TまたはYであり;X14はI、L、N、VまたはYである、態様2の抗体または抗原結合断片。
4. VH領域が、
SEQ ID NO:7~11、149~157、279~287および376~378のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H3;または
SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H3
を含む、態様2または態様3の抗体または抗原結合断片。
5. VH領域が、
X1がDもしくはSであり;X2がYもしくはSであり;X3がA、G、WもしくはYであり;X4がH、QもしくはSであるアミノ酸配列X1X2X3MX4(SEQ ID NO:353)を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1);および/または
X1がF、G、H、V、WもしくはYであり;X2がN、R、SもしくはVであり;X3がP、Q、S、V、WもしくはYであり;X4がKもしくは無しであり;X5がAもしくは無しであり;X6がD、G、N、SもしくはYであり;X7がGもしくはSであり;X8がGもしくはSであり;X9がE、G、N、TもしくはSであり;X10がI、KもしくはTであり;X11がE、G、NもしくはYであり;X12がAもしくはVであり;X13がA、DもしくはQであり;X14がKもしくはSであり;X15がFもしくはVであり;X16がKもしくはQであり;X17がEもしくはGであるアミノ酸配列X1IX2X3X4X5X6X7X8X9X10X11YX12X13X14X15X16X17(SEQ ID NO:354)を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)
を含む、態様1~4のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
6. VH領域が、
SEQ ID NO:1~3および140~144のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1);および/または
SEQ ID NO:4~6、145~148および372~374のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)
を含む、態様1~5のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
7. VH領域が、
SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1;および/または
SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H2
を含む、態様1~6のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
8. CDR-H1が、SEQ ID NO:1~3、141、143および144のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むか、もしくはSEQ ID NO:110~113、115、248、252~256および518~522のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1を含む;
該CDR-H2が、SEQ ID NO:4~6、145、147、148および372のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むか、もしくはSEQ ID NO:110~113、115、248、252~256および518~522のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H2を含む;および/または
CDR-H3が、SEQ ID NO:7~10、149、153~157および376のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むか、もしくはSEQ ID NO:110~113、115、248、252~256および518~522のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H3を含む、
態様7の抗体またはその抗原結合断片。
9. CDR-H1が、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を含むか、もしくはSEQ ID NO:115のおよび256のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1を含む;
CDR-H2が、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を含むか、もしくはSEQ ID NO:115のおよび256のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H2を含む;および/または
CDR-H3が、SEQ ID NO:10および157のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むか、もしくはSEQ ID NO:115のおよび256のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H3を含む、
態様7または態様8の抗体またはその抗原結合断片。
10. 重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、CDR-H2およびCDR-H3を含む重鎖可変(VH)領域を含む、抗体またはその抗原結合断片であって、
CDR-H1が、SEQ ID NO:1~3および140~144のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むか、もしくはSEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1を含む;
該CDR-H2が、SEQ ID NO:4~6、145~148および372~374のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むか、もしくはSEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H2を含む;および/または
CDR-H3が、SEQ ID NO:7~11、149~157、279~287および376~378のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むか、もしくはSEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H3を含む、
抗体またはその抗原結合断片。
11. CDR-H1が、SEQ ID NO:1~3、141、143および144のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むか、もしくはSEQ ID NO:110~113、115、248、252~256および518~522のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1を含む;
CDR-H2が、SEQ ID NO:4~6、145、147、148および372のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むか、もしくはSEQ ID NO:110~113、115、248、252~256および518~522のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H2を含む;および/または
CDR-H3が、SEQ ID NO:7~10、149、153~157および376のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むか、もしくはSEQ ID NO:110~113、115、248、252~256および518~522のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H3を含む、
態様10の抗体またはその抗原結合断片。
12. CDR-H1が、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を含むか、もしくはSEQ ID NO:115のおよび256のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1を含む;
CDR-H2が、SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を含むか、もしくはSEQ ID NO:115のおよび256のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H2を含む;および/または
CDR-H3が、SEQ ID NO:10および157のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むか、もしくはSEQ ID NO:115のおよび256のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H3を含む、
態様10または態様11の抗体またはその抗原結合断片。
13. それぞれSEQ ID NO:1、4および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:2、5および8のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:2、5および9のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:2、5および10のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:3、6および11のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:140、145および149のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:141、145および149のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:141、145および150のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:142、146および151のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:2、5および152のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:143、147および153のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:144、148および154のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:3、6および155のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:2、5および156のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:2、5および157のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:2、6および376のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:3、372および376のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:3、6および376のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:3、6および377のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:2、373および152のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:2、5および378のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;または
それぞれSEQ ID NO:2、374および9のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3
から選択されるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含むVH領域を含む、態様1~10のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
14. CDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3が、
それぞれSEQ ID NO:1、4および7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:2、5および8のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:2、5および9のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:2、5および10のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:141、145および149のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:143、147および153のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:144、148および154のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:3、6および155のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:2、5および156のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:2、5および157のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:2、6および376のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;
それぞれSEQ ID NO:3、372および376のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;または
それぞれSEQ ID NO:3、6および376のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3
から選択される、態様13の抗体または抗原結合断片。
15. CDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3が、
それぞれSEQ ID NO:2、5および10のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;または
それぞれSEQ ID NO:2、5および157のアミノ酸配列を含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3
から選択される、態様13の抗体または抗原結合断片。
16. SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含むVH領域を含む、抗体またはその抗原結合断片。
17. CDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3がそれぞれ、SEQ ID NO:110~113、115、248、252~256および518~522のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3のアミノ酸配列を含む、態様16の抗体またはその抗原結合断片。
18. CDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3がそれぞれ、SEQ ID NO:115のおよび256のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3のアミノ酸配列を含む、態様16または態様17の抗体またはその抗原結合断片。
19. VH領域が、SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるそれぞれフレームワーク領域1(FR1)、FR2、FR3および/またはFR4との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有するFR1、FR2、FR3および/またはFR4を含む、態様1~16のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
20. VH領域が、
SEQ ID NO:59~63、195~203および434~439のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むFR1;
SEQ ID NO:64~66および204~209のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むFR2;
SEQ ID NO:67~69、210~216、441および443のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むFR3;および/または
SEQ ID NO:70~71、217~220、444および445のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むFR4
から選択されるFR1、FR2、FR3および/またはFR4を含む、態様1~19のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
21. VH領域が、SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む、態様1~16のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
22. VH領域が、SEQ ID NO:110~113、115、248、252~256および518~522のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む、態様21の抗体またはその抗原結合断片。
23. VH領域が、SEQ ID NO:115および256のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む、態様21または態様22の抗体またはその抗原結合断片。
24. 軽鎖可変(VL)領域を含まないものである、軽鎖相補性決定領域(CDR-L1)、CDR-L2および/またはCDR-L3を含まないものである、および/またはVH領域のみを含むシングルドメイン抗体(sdAb)である、態様1~21のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
25. VH領域のみを含むsdAbである、態様1~24のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
26. VL領域をさらに含む、態様1~21のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
27. VL領域が、SEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有する、態様26の抗体または抗原結合断片。
28. VL領域が、アミノ酸配列X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12、(SEQ ID NO:358)を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)を含み、ここで、X1はA、C、G、H、I、QまたはSであり;X2はA、Q、SまたはVであり;X3はS、WまたはYであり;X4はD、F、G、HまたはYであり;X5はD、G、M、R、SまたはTであり;X6はA、G、H、L、R、S、TまたはYであり;X7はL、P、R、Sまたは無しであり;X8はD、G、N、R、S、Tまたは無しであり;X9はA、G、H、L、Pまたは無しであり;X10はF、Sまたは無しであり;X11はL、P、WまたはYであり;X12はS、TまたはVである、態様26または態様27の抗体または抗原結合断片。
29. VL領域が、SEQ ID NO:47~58、184~194、415~427および429~433のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)あるいはSEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L3を含む、態様26~28のいずれか1つの抗原結合断片の抗体。
30. VL領域が、
アミノ酸配列X1X2X3X4X5X6X7X8X9X10X11X12X13X14X15X16X17(SEQ ID NO:356)を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、ここで、X1はG、K、R、SもしくはTであり;X2はA、GもしくはSであり;X3はG、N、SもしくはTであり;X4はG、K、N、Q、RもしくはSであり;X5はSもしくは無しであり;X6はD、N、Vもしくは無しであり;X7はL、Vもしくは無しであり;X8はH、S、Yもしくは無しであり;X9はS、Tもしくは無しであり;X10はSもしくは無しであり;X11はD、G、I、N、Sもしくは無しであり;X12はD、E、G、K、I、Nもしくは無しであり;X13はF、G、K、N、R、S、Yもしくは無しであり;X14はD、K、N、Tもしくは無しであり;X15はA、D、G、L、N、S、TもしくはYであり;X16はLもしくはVであり;X17はA、H、N、QもしくはSである;および/または
アミノ酸配列X1X2X3X4X5X6X7(SEQ ID NO:357)を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)、ここで、X1はA、D、E、N、S、VもしくはWであり;X2はA、D、N、SもしくはVであり;X3はA、D、H、I、NもしくはSであり;X4はD、K、N、Q、RもしくはTであり;X5はL、RもしくはVであり;X6はA、E、PもしくはQであり;X7はA、D、SもしくはTである
を含む、態様26~29のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
31. VL領域が、
SEQ ID NO:26~36、174~178、380~392および394~398のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1);および/または
SEQ ID NO:37~46、179~183、399~409および411~414のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)
を含む、態様26~30のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
32. VL領域が、
SEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1;および/または
SEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L2
を含む、態様26~31のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
33. VL領域が、
SEQ ID NO:26~36、174~178、380~392および394~398のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L1;
SEQ ID NO:37~46、179~183、399~409および411~414のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L2;および/または
SEQ ID NO:47~58、184~194、415~427および429~433のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含む、態様26~32のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
34. VL領域が、
SEQ ID NO:26~28、30、31、33、34、174、176~178および380~382のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L1;
SEQ ID NO:37~39、41、43、44、179、181~183および399~401のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L2;および/または
SEQ ID NO:47~49、51、52、55、56、185、189~194、415~418および421のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含む、態様33の抗体または抗原結合断片。
35. VL領域が、
SEQ ID NO:33および178のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L1;
SEQ ID NO:43および183のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L2;および/または
SEQ ID NO:194および421のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L3
を含む、態様33または態様34の抗体または抗原結合断片。
36. VL領域が、
それぞれSEQ ID NO:26、37および47のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:27、38および48のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:28、39および49のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:29、40および50のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:30、39および51のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:31、41および52のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:32、42および53のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:30、39および54のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:33、43および55のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:34、44および56のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:35、45および57のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:36、46および58のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:174、179および184のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:174、179および185のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:174、179および186のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:174、179および187のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:175、180および188のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:174、179および189のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:176、181および190のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:177、182および191のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:174、179および192のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:178、183および193のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:178、183および194のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:30、399および415のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:380、400および416のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:33、43および421のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:381、401および417のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:382、402および418のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:383、403および419のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:384、39および54のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:385、180および58のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:175、180および188のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:386、404および420のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:387、405および422のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:388、406および423のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:388、407および424のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:389、408および425のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:390、183および193のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:391、409および426のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:392、40および427のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:394、39および429のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:395、411および430のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:396、412および431のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:396、412および58のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:397、413および432のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;または
それぞれSEQ ID NO:398、414および433のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3
から選択されるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む、態様26~33のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
37. CDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3が、
それぞれSEQ ID NO:26、37および47のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:27、38および48のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:28、39および49のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:29、40および50のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:30、39および51のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:31、41および52のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:32、42および53のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:30、39および54のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:33、43および55のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:34、44および56のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:35、45および57のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:36、46および58のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:174、179および184のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:174、179および185のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:174、179および186のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:174、179および187のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:175、180および188のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:174、179および189のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:176、181および190のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:177、182および191のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:174、179および192のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:178、183および193のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:178、183および194のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:30、399および415のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:380、400および416のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:33、43および421のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:381、401および417のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:382、402および418のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:383、403および419のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:384、39および54のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:385、180および58のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:175、180および188のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:386、404および420のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:387、405および422のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:388、406および423のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:388、407および424のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:389、408および425のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:390、183および193のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:391、409および426のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:392、40および427のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:394、39および429のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:395、411および430のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:396、412および431のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:396、412および58のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;
それぞれSEQ ID NO:397、413および432のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;または
それぞれSEQ ID NO:398、414および433のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3
から選択される、態様36の抗体または抗原結合断片。
38. CDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3が、
それぞれSEQ ID NO:178、183および194のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3;または
それぞれSEQ ID NO:33、43および421のアミノ酸配列を含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3
から選択される、態様36または態様37の抗体または抗原結合断片。
39. SEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含むVL領域を含む、態様26~36のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
40. CDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3がそれぞれ、SEQ ID NO:116~118、120、121、124、125、258、262~267および534~538のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3のアミノ酸配列を含む、態様39の抗体またはその抗原結合断片。
41. CDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3がそれぞれ、SEQ ID NO:267および536のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3のアミノ酸配列を含む、態様39または態様40の抗体またはその抗原結合断片。
42. VL領域が、SEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるそれぞれフレームワーク領域1(FR1)、FR2、FR3および/またはFR4との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有するFR1、FR2、FR3および/またはFR4を含む、態様26~39のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
43. VH領域が、
SEQ ID NO:72~82、221~227、446~459および461~466のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むFR1;
SEQ ID NO:83~92、228~232、467~477および479~482のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むFR2;
SEQ ID NO:93~101、233~242、483~495および497~501のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むFR3;および/または
SEQ ID NO:102~109、243~246,502~506および508のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むFR4
から選択されるFR1、FR2、FR3および/またはFR4を含む、態様26~42のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
44. VL領域が、SEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む、態様26~43のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
45. VL領域が、SEQ ID NO:116~118、120、121、124、125、258、262~267および534~538のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む、態様44の抗体またはその抗原結合断片。
46. VL領域が、SEQ ID NO:267および536のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む、態様44または態様45の抗体またはその抗原結合断片。
47. SEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれる重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)、CDR-H2およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3;および/または
SEQ ID NO:116~127、257~267、534~550および552~557のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれる軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、CDR-L2およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3
を含む、抗体またはその抗原結合断片。
48. CDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3がそれぞれ、SEQ ID NO:110~113、115、248、252~256および518~522のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3のアミノ酸配列を含む;および/または
軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、CDR-L2およびCDR-L3がそれぞれ、SEQ ID NO:116~118、120、121、124、125、258、262~267および534~538のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3のアミノ酸配列を含む、
態様47の抗体またはその抗原結合断片。
49. CDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3がそれぞれ、SEQ ID NO:115のおよび256のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3のアミノ酸配列を含む;および/または
軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)、CDR-L2およびCDR-L3がそれぞれ、SEQ ID NO:267および536のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3のアミノ酸配列を含む、
態様47または態様48の抗体またはその抗原結合断片。
50. それぞれSEQ ID NO:110および116との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:111および117との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:110および118との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:110および119との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:110および120との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:110および121との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:110および122との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:110および123との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:112および124との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:113および125との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:114および126との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:115および127との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:247および257との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:248および258との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:249および259との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:250および260との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:251および261との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:252および262との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:253および263との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:254および264との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:255および265との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:256および266との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:256および267との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:518および534との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:519および535との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:115および536との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:520および264との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:521および537との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:522および538との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:523および539との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:519および540との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:524および541との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:525および261との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:526および542との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:527および543との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:528および544との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:529および545との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:528および546との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:522および547との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:256および548との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:530および549との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:531および550との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:519および552との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:110および553との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:110および118との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:533および554との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:115および555との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:524および556との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;または
それぞれSEQ ID NO:519および557との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域
を含む、抗体またはその抗原結合断片。
51. それぞれSEQ ID NO:110および116との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:111および117との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:110および118との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:110および120との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:110および121との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:112および124との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:113および125との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:248および258との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:252および262との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:253および263との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:254および264との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:255および265との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:256および266との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:256および267との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:518および534との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:519および535との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:115および536との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:520および264との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:521および537との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;または
それぞれSEQ ID NO:522および538との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域
を含む、態様50の抗体またはその抗原結合断片。
52. それぞれSEQ ID NO:256および267との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域;
それぞれSEQ ID NO:115および536との少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むVH領域およびVL領域
を含む、態様50または態様51の抗体またはその抗原結合断片。
53. かかるSEQ ID NOと少なくとも91%もしくは少なくとも約91%、少なくとも92%もしくは少なくとも約92%、少なくとも93%もしくは少なくとも約93%、少なくとも94%もしくは少なくとも約94%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、または少なくとも99%もしくは少なくとも約99%同一であるVH領域配列および/またはかかるSEQ ID NOと少なくとも91%もしくは少なくとも約91%、少なくとも92%もしくは少なくとも約92%、少なくとも93%もしくは少なくとも約93%、少なくとも94%もしくは少なくとも約94%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、または少なくとも99%もしくは少なくとも約99%同一であるVL領域配列を含む、態様50の抗体または抗原結合断片。
54. 抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:110および116のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:111および117のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:110および118のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:110および119のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:110および120のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:110および121のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:110および122のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:110および123のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:112および124のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:113および125のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:114および126のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:115および127のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:247および257のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:248および258のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:249および259のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:250および260のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:251および261のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:252および262のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:253および263のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:254および264のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:255および265のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:256および266のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:256および267のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:518および534のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:519および535のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:115および536のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:520および264のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:521および537のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:522および538のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:523および539のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:519および540のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:524および541のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:525および261のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:526および542のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:527および543のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:528および544のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:529および545のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:528および546のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:522および547のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:256および548のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:530および549のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:531および550のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:519および552のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:110および553のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:110および118のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:533および554のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:115および555のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:524および556のアミノ酸配列を含む;あるいは
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:519および557のアミノ酸配列を含む、
態様53の抗体または抗原結合断片。
55. 以下を含む、態様50の抗体またはその抗原結合断片:
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:110および116のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:111および117のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:110および118のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:110および120のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:110および121のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:112および124のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:113および125のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:248および258のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:252および262のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:253および263のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:254および264のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:255および265のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:256および266のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:256および267のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:518および534のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:519および535のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:115および536のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:520および264のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:521および537のアミノ酸配列を含む;あるいは
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:522および538のアミノ酸配列を含む。
56. 以下を含む、態様54または態様55の抗体またはその抗原結合断片:
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:256および267のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:115および536のアミノ酸配列を含む。
57. BCMAタンパク質に特異的に結合する、態様1~54のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
58. BCMAタンパク質がヒトBCMAタンパク質、マウスBCMAタンパク質または非ヒト霊長類BCMAタンパク質である、態様57の抗体または抗原結合断片。
59. BCMAタンパク質がヒトBCMAタンパク質である、態様57の抗体または抗原結合断片。
60. SEQ ID NO:7および157のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)もしくはSEQ ID NO:110、256および519のうちのいずれか1つから選択される重鎖可変(VH)領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H3、および/または
SEQ ID NO:47、51、194および416のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)もしくはSEQ ID NO:116、120、267および535のうちのいずれか1つから選択される軽鎖可変(VL)領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L3
を含む、態様1~59のいずれかの抗体または抗原結合断片。
61. SEQ ID NO:1および2のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)もしくはSEQ ID NO:110、256および519のうちのいずれか1つから選択される重鎖可変(VH)領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、および/または
SEQ ID NO:26、30、178および380のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)もしくはSEQ ID NO:116、120、267および535のうちのいずれか1つから選択される軽鎖可変(VL)領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1;
SEQ ID NO:4あるいは5のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)もしくはSEQ ID NO:110、256および519のうちのいずれか1つから選択される重鎖可変(VH)領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H2、および/または
SEQ ID NO:37、39、183あるいは400のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)もしくはSEQ ID NO:116、120、267および535のうちのいずれか1つから選択される軽鎖可変(VL)領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L2
をさらに含む、態様1~60のいずれかの抗体または抗原結合断片。
62. SEQ ID NO:110、256および519のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含むVH領域;および/またはSEQ ID NO:116、120、267および535のうちのいずれか1つから選択されるVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含むVL領域を含む、態様1~61のいずれかの抗体または抗原結合断片。
63. 抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:110および116のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:110および120のアミノ酸配列を含む;
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:256および267のアミノ酸配列を含む;あるいは
抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:519および535のアミノ酸配列を含む、
態様1~62のいずれかの抗体または抗原結合断片。
64. SEQ ID NO:10のアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)もしくはSEQ ID NO:115の重鎖可変(VH)領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H3、および/または
SEQ ID NO:421のアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDR-L3)もしくはSEQ ID NO:536の軽鎖可変(VL)領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L3
を含む、態様1~59のいずれかの抗体または抗原結合断片。
65. SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDR-H1)もしくはSEQ ID NO:115の重鎖可変(VH)領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、および/または
SEQ ID NO:33のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDR-L1)もしくはSEQ ID NO:536のうちのいずれか1つから選択される軽鎖可変(VL)領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1;および/または
SEQ ID NO:5のアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDR-H2)もしくはSEQ ID NO:115の重鎖可変(VH)領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、および/または
SEQ ID NO:43のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDR-L2)もしくはSEQ ID NO:536のうちのいずれか1つから選択される軽鎖可変(VL)領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1
をさらに含む、態様1~59および64のいずれかの抗体または抗原結合断片。
66. SEQ ID NO:115のVH領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含むVH領域;および/またはSEQ ID NO:536のVL領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含むVL領域を含む、態様1~59 64および65のいずれかの抗体または抗原結合断片。
67. 抗体またはその抗原結合断片のVH領域およびVL領域が、それぞれSEQ ID NO:115および536のアミノ酸配列を含む、態様1~59および64のいずれかの抗体または抗原結合断片。
68. マウスBCMAまたは非ヒト霊長類BCMAにさらに特異的に結合する、態様1~59のいずれかの抗体または抗原結合断片。
69. 前記ヒトBCMAタンパク質がSEQ ID NO:367または368のアミノ酸配列を含む、態様58~68のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
70. ヒト抗体または抗原結合断片である、態様1~69のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
71. 抗体がヒト抗体である、態様1~70のいずれかの抗体またはその抗原結合断片。
72. 生殖系列ヌクレオチドヒト重鎖Vセグメントによってコードされるアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは少なくとも100%の配列同一性を有する部分、生殖系列ヌクレオチドヒト重鎖Dセグメントによってコードされるアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは少なくとも100%の配列同一性を有する部分、および/または生殖系列ヌクレオチドヒト重鎖Jセグメントによってコードされるアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは少なくとも100%の配列同一性を有する部分を含む、重鎖可変(VH)領域
を含む;および/または
生殖系列ヌクレオチドヒトカッパ鎖もしくはラムダ鎖Vセグメントによってコードされるアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは少なくとも100%の配列同一性を有する部分および/または生殖系列ヌクレオチドヒトカッパ鎖もしくはラムダ鎖Jセグメントによってコードされるアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは少なくとも100%の配列同一性を有する部分を含む、軽鎖可変(VL)領域
を含む、態様70または態様71の抗体または抗原結合断片。
73. CDR-H1および/またはCDR-H2が、それぞれ、生殖系列ヌクレオチドヒト重鎖Vセグメントによってコードされる配列内のCDR-H1および/またはCDR-H2のアミノ酸配列と比較して、100%同一であるか、もしくはアミノ酸の違いが1個以下である配列を含む;および/または
CDR-L1および/またはCDR-L2が、それぞれ、生殖系列ヌクレオチドヒトカッパもしくはラムダvセグメントによってコードされる配列内のCDR-L1および/またはCDR-L2のアミノ酸配列と比較して、100%同一であるか、もしくはアミノ酸の違いが1個以下である配列を含む、
態様70~72のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
74. 組換え型である、態様1~73のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
75. モノクローナルである、態様1~74のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
76. 抗原結合断片である、態様1~75のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
77. 単鎖断片である、態様1~76のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
78. VH領域が、VL領域のアミノ末端側にある、態様1~77のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
79. VH領域が、VL領域のカルボキシ末端側にある、態様1~78のいずれかの抗体または抗原結合断片。
80. フレキシブルリンカーによって連結された抗体VH領域とVL領域を含む断片である、態様1~79のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
81. 断片がscFvを含む、態様77または態様80の抗体または抗原結合断片。
82. scFvが、
アミノ酸配列
を含むリンカー
を含む、態様81の抗体または抗原結合断片。
83. scFvが、SEQ ID NO:128~139、268~278、558~576および578~583のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むか、またはSEQ ID NO:128~139、268~278、558~576および578~583のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、態様81または態様82の抗体または抗原結合断片。
84. scFvが、SEQ ID NO:128、129、130、132、133、136、137、269、273、274、275、276、277、278、558、559、560、561、562および563のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むか、またはSEQ ID NO:128、129、130、132、133、136、137、269、273、274、275、276、277、278、558、559、560、561、562および563のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、態様81~83のいずれかの抗体または抗原結合断片。
85. scFvが、SEQ ID NO:278および560のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含むか、またはSEQ ID NO:278および560のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列との少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、態様81~84のいずれかの抗体または抗原結合断片。
86. 態様1~85のいずれか1つの抗体または抗原結合断片を含む、単鎖細胞表面タンパク質。
87. SEQ ID NO:128~139、268~278、558~576および578~583のうちのいずれか1つから選択されるscFvアミノ酸配列を含むか、またはSEQ ID NO:110~115、247~256、518~531および533のうちのいずれか1つから選択されるVH領域アミノ酸配列を含む、単鎖細胞表面タンパク質。
88. scFvが、SEQ ID NO:128、129、130、132、133、136、137、269、273、274、275、276、277、278、558、559、560、561、562および563のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む、態様87の単鎖細胞表面タンパク質。
89. scFvが、SEQ ID NO:278および560のうちのいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を含む、態様87または態様88の単鎖細胞表面タンパク質。
90. 免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部分をさらに含む、態様1~87のいずれか1つの抗体または抗原結合断片。
91. 免疫グロブリン定常領域の該一部分がヒンジ領域の少なくとも一部分を含む、態様90の抗体または抗原結合断片。
92. 免疫グロブリン定常領域の該一部分がFc領域を含む、態様90の抗体または抗原結合断片。
93. Fc領域がヒトIgGのFc領域である、態様92の抗体または抗原結合断片。
94. 態様1~98のいずれか1つの抗体または抗原結合断片と、異種分子または異種部分とを含む、コンジュゲート。
95. 態様1~93のいずれか1つの抗体または抗原結合断片を含む細胞外部分と、細胞内シグナル伝達領域とを含む、キメラ抗原受容体(CAR)。
96. 抗体または抗原結合断片がVH領域のみを含むsdAbまたはscFvを含み、細胞内シグナル伝達領域が細胞内シグナル伝達ドメインを含む、態様95のキメラ抗原受容体。
97. 細胞内シグナル伝達ドメインが、一次シグナル伝達ドメイン、T細胞において一次活性化シグナルを誘導することができるシグナル伝達ドメイン、T細胞受容体(TCR)成分であるシグナル伝達ドメイン、および/もしくは免疫受容体活性化チロシンモチーフ(ITAM)を含むシグナル伝達ドメインであるか、またはそれらを含む、シグナル伝達ドメインを含む、態様96のキメラ抗原受容体。
98. 細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3鎖、任意でCD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内シグナル伝達ドメインもしくはそのシグナル伝達部分であるか、またはそれを含む、態様97のキメラ抗原受容体。
99. 組換え受容体が、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達領域の間に配置された膜貫通ドメインをさらに含む、態様95~98のいずれかのキメラ抗原受容体。
100. 膜貫通ドメインがCD28の膜貫通部分を含む、態様99のキメラ抗原受容体。
101. 細胞内シグナル伝達領域が共刺激シグナル伝達ドメインをさらに含む、態様95~100のいずれかのキメラ抗原受容体。
102. 共刺激シグナル伝達ドメインが、T細胞共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含む、態様101のキメラ抗原受容体。
103. 共刺激シグナル伝達ドメインが、CD28、4-1BB、もしくはICOSの細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含む、態様101または態様102のキメラ抗原受容体。
104. 共刺激シグナル伝達ドメインが膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインの間に存在する、態様101~103のいずれかのキメラ抗原受容体。
105. 態様1~93のいずれか1つの抗体もしくはその抗原結合断片、態様94のコンジュゲート、または態様95~104のいずれか1つのキメラ抗原受容体をコードする、ポリヌクレオチド。
106. GM-CSFシグナル配列、CD8シグナル配列、Igカッパシグナル配列、またはCD33シグナル配列をさらにコードする、態様105のポリヌクレオチド。
107. 態様105または態様106のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
108. 発現ベクターである、態様107のベクター。
109. ウイルスベクターである、態様107または態様108のベクター。
110. ウイルスベクターがレトロウイルスベクターである、態様109のベクター。
111. ウイルスベクターがレンチウイルスベクターである、態様109または態様110のベクター。
112. レンチウイルスベクターがHIV-1に由来する、態様111のベクター。
113. 態様107~112のいずれか1つのベクターを含む、操作された細胞。
114. 態様1~93のいずれか1つの抗体もしくは抗原結合断片、態様94のコンジュゲート、または態様95~102のいずれか1つのキメラ抗原受容体を含む受容体を発現する、操作された細胞。
115. T細胞である、態様114または態様115の操作された細胞。
116. 態様1~93のいずれか1つの抗体もしくはその抗原結合断片、態様94のコンジュゲート、態様95~102のいずれか1つのキメラ抗原受容体、または態様113~115のいずれか1つの細胞を含む、組成物。
117. 薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、態様116の組成物。
118. 態様116または態様117の組成物を、BCMAと関連している疾患または障害を有する対象に投与することを含む、処置方法。
119. 態様1~93のいずれか1つの抗体もしくは抗原結合断片、態様94のコンジュゲート、態様95~102のいずれか1つのキメラ抗原受容体、または態様113~115のいずれか1つの細胞を、BCMAと関連している疾患または障害を有する対象に投与することを含む、処置方法。
120. BCMAと関連している疾患または障害が、BCMAの発現と関連している、態様118または態様119の方法。
121. BCMAと関連している疾患または障害が、B細胞関連障害である、態様118~120のいずれか1つの方法。
122. BCMAと関連している疾患または障害が、自己免疫性疾患または障害である、態様118~121のいずれか1つの方法。
123. 自己免疫性疾患または障害が、全身性エリテマトーデス(SLE)、ループス腎炎、炎症性腸疾患、関節リウマチ、ANCA関連血管炎、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、自己免疫性血小板減少症、シャーガス病、グレーブス病、ウェゲナー肉芽腫症、結節性多発性動脈炎、シェーグレン症候群、尋常性天疱瘡、強皮症、多発性硬化症、乾癬、IgA腎症、IgM多発ニューロパチー、血管炎、真性糖尿病、レイノー症候群、抗リン脂質抗体症候群、グッドパスチャー病、川崎病、自己免疫性溶血性貧血、重症筋無力症、または進行性糸球体腎炎である、態様122の方法。
124. BCMAと関連している疾患または障害が、がんである、態様118~121のいずれか1つの方法。
125. がんが、BCMA発現がんである、態様124の方法。
126. がんが、B細胞悪性腫瘍である、態様124または態様125の方法。
127. がんが、リンパ腫、白血病、または形質細胞悪性腫瘍である、態様124~126のいずれか1つの方法。
128. リンパ腫が、バーキットリンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、ホジキンリンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、濾胞性リンパ腫、小型非切れ込み核細胞性リンパ腫、粘膜関連リンパ組織リンパ腫(MALT)、辺縁帯リンパ腫、脾リンパ腫、節性単球様B細胞リンパ腫、免疫芽球性リンパ腫、大細胞型リンパ腫、びまん性混合細胞型リンパ腫、肺血管中心性B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL)、またはマントル細胞リンパ腫(MCL)である、態様127の方法。
129. 白血病が、慢性リンパ球性白血病(CLL)、形質細胞白血病、または急性リンパ球性白血病(ALL)である、態様127の方法。
130. 形質細胞悪性腫瘍が、多発性骨髄腫(MM)または形質細胞腫である、態様127の方法。
131. BCMAと関連している疾患または障害の処置における使用のための、態様116または態様117の組成物。
132. BCMAと関連している疾患または障害を処置するための医薬の製造のための、態様116または態様117の組成物の使用。
133. BCMAと関連している疾患または障害が、BCMAの発現と関連している、態様132の使用のための組成物または使用。
134. BCMAと関連している疾患または障害が、B細胞関連障害である、態様131~133のいずれか1つの使用のための組成物または使用。
135. BCMAと関連している疾患または障害が、自己免疫性疾患または障害である、態様131~134のいずれか1つの使用のための組成物または使用。
136. 自己免疫性疾患または障害が、全身性エリテマトーデス(SLE)、ループス腎炎、炎症性腸疾患、関節リウマチ、ANCA関連血管炎、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、自己免疫性血小板減少症、シャーガス病、グレーブス病、ウェゲナー肉芽腫症、結節性多発性動脈炎、シェーグレン症候群、尋常性天疱瘡、強皮症、多発性硬化症、乾癬、IgA腎症、IgM多発ニューロパチー、血管炎、真性糖尿病、レイノー症候群、抗リン脂質抗体症候群、グッドパスチャー病、川崎病、自己免疫性溶血性貧血、重症筋無力症、または急速進行性糸球体腎炎である、135の使用のための組成物または使用。
137. BCMAと関連している疾患または障害が、がんである、態様131~134のいずれか1つの使用のための組成物または使用。
138. がんが、BCMA発現がんである、態様137の使用のための組成物または使用。
139. がんが、B細胞悪性腫瘍である、態様137または態様138の使用のための組成物または使用。
140. がんが、リンパ腫、白血病または形質細胞悪性腫瘍である、態様137~139の使用のための組成物または使用。
141. リンパ腫が、バーキットリンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、ホジキンリンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、濾胞性リンパ腫、小型非切れ込み核細胞性リンパ腫、粘膜関連リンパ組織リンパ腫(MALT)、辺縁帯リンパ腫、脾リンパ腫、節性単球様B細胞リンパ腫、免疫芽球性リンパ腫、大細胞型リンパ腫、びまん性混合細胞型リンパ腫、肺血管中心性B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL)、またはマントル細胞リンパ腫(MCL)である、態様140の使用のための組成物または使用。
142. 白血病が、慢性リンパ球性白血病(CLL)、形質細胞白血病、または急性リンパ球性白血病(ALL)である、態様140の使用のための組成物または使用。
143. 形質細胞悪性腫瘍が、多発性骨髄腫(MM)または形質細胞腫である、態様140の使用のための組成物または使用。
【実施例
【0536】
V. 実施例
以下の実施例は、例示を目的として含まれるにすぎず、本発明の範囲を限定することは意図されていない。
【0537】
実施例1: 抗BCMA抗体(V H 鎖のみ)の作製および評価
軽鎖可変(VL)領域がなくてもBCMAに特異的に結合する重鎖可変(VH)領域を含む例示的な抗BCMA抗体を作製し、評価した。
【0538】
1A. ライブラリー選択および抗体作製
いくつかのBCMA結合VH領域を、無細胞系においてディスプレイしたdsDNAコードHisタグ付きヒト正常ドナー抗体VHライブラリーのメンバーにおいて行った一連の選択工程によって作製した。VHライブラリーのメンバーを複数回のスクリーニングに供し、免疫グロブリンFc領域と融合させた可溶性ヒトBCMA(hBCMA-Fc)に特異的に結合するVH領域を選択した。選択されたhBCMA-Fcプール由来のVH領域を、フローサイトメトリーにより蛍光色素コンジュゲート抗HIS抗体を用いて、BCMAを発現していない親HEK293細胞株と比較したヒトBCMAを発現している組換え型HEK293細胞株(hBCMA/HEK293細胞株)に対する結合について、ならびに内因性BCMAを発現しているヒト骨髄腫細胞株(H929細胞)に対する結合についてスクリーニングした。その結果、hBCMA/HEK293細胞に対する、および度合は低いがH929細胞に対する特異的結合を示すVH領域クローンを同定した。
【0539】
BCMAを発現する細胞株に対する特異的結合を示すがBCMA陰性対照細胞に対する特異的結合は示さない例示的なVHクローンをシーケンシングし、さらなる特性評価のために精製した。クローンを精製し、用量設定し、hBCMA/HEK293細胞に対するその結合親和性(EC50)を、蛍光色素コンジュゲート抗HIS抗体を用いたフローサイトメトリーベースのアッセイを用いて測定した。表3に、ヒトVH3由来フレームワーク領域を含む例示的なクローンの重鎖相補性決定領域3(CDR-H3)配列およびこの試験で観察されたそれぞれの結合親和性(EC50)を一覧にする。
【0540】
(表3)代表的なVHクローンのCDR3アミノ酸配列
aKabatナンバリングにより示したアミノ酸配列。
bNDは不検出を示す。
【0541】
実施例2: 抗BCMA抗体(scFv)の作製および評価
単鎖抗体断片(scFv)としてフォーマット化した例示的な抗BCMA抗体を同定し、BCMAに対する結合について評価した。
【0542】
2A. ライブラリー選択およびscFv抗体作製
例示的な抗BCMA scFv抗体を、無細胞系においてディスプレイしたdsDNAコードヒト正常ドナー抗体ライブラリーにおいて行った種々の選択によって作製した。一例のアプローチにおいて、実施例1に記載のアプローチでの初回スクリーニングで濃縮されたVH領域ライブラリーメンバーを、シャッフリングによってヒト正常ドナーVLライブラリーのメンバーと対にし、VH-(G4S)3-VL形式のscFvライブラリーを作製した。得られたscFvライブラリーを後続回の選択で、親HEK293細胞と比較してBCMA発現HEK293細胞に対する特異的結合について濃縮した。
【0543】
別のアプローチでは、正常ドナー由来ヒトscFvライブラリーを、マウス抗BCMA参照scFv抗体(BCMA-C1、VL-VH scFv抗体、SEQ ID NO:328;またはBCMA-C2、VH-VL scFv抗体、SEQ ID NO:329のいずれか)との競合的溶出の存在下または非存在下でのhBCMA-Fcに対するBCMA特異的結合についてスクリーニングすることによりデノボ選択を行った。少なくとも2回の選択後、scFv結合体を回収した。
【0544】
BCMAを発現していない対照細胞と比較した、得られたscFvクローンのBCMA発現HEK293細胞に対する特異的結合を、インビトロ翻訳粗製細胞ライセートまたは細菌産生上清のいずれかを用いたフローサイトメトリーによって評価した。BCMAに対する結合優先性を示す一部の特定のscFvクローンをさらに解析した。
【0545】
選択されたscFvクローンを、フォワードプライマーおよびリバースプライマーを用いてシーケンシングし、さらなる特性評価のために精製した。表4に、scFvのアミノ酸(aa)およびヌクレオチド(nt)配列ならびに対応する重鎖(VH)または軽鎖(VL)可変領域、CDRおよびフレームワーク領域(FR)のアミノ酸配列に対応する配列識別番号(SEQ ID NO)を一覧にする。クローンBCMA-22に関して、生殖系列フレームワーク領域から受け継がれていることが観察された軽鎖CDR3の第1残基(システイン)をセリンで置き換え、BCMA-23と指定した追加のscFvを作製した。また、表4には、対照として後続の実施例に記載の競合試験に使用した例示的なマウス抗BCMA参照抗体の配列も示す。
【0546】
(表4)例示的なクローンおよび参照抗体の配列識別番号(SEQ ID NO)
【0547】
2B. 結合親和性
クローンを精製し、用量設定し、hBMCA発現HEK293細胞に対するその結合親和性(EC50)を、実施例1に記載の蛍光色素コンジュゲート検出抗体を用いたフローサイトメトリーベースのアッセイを用いて評価した。また、マウス抗BCMA抗体BCMA-C1、VL-VH scFv抗体(SEQ ID NO:328)またはBCMA-C2、VH-VL scFv抗体(SEQ ID NO:329)のいずれかのEC50も求めた。
【0548】
2C. 結合選択性
hBMCA発現HEK293細胞に対する例示的なscFvクローンの結合を評価し、結合を親HEK293細胞と比較した。その結果により、クローンは親HEK293細胞よりもhBMCA発現HEK293細胞に対して結合選択性を示すことが示された。一例として、クローンBCMA-18、-19、-20、-21および-22は、それぞれ2.2倍、4.2倍、10.8倍、3.4倍および7.5倍選択的な結合を示した。
【0549】
中レベルの内因性BCMAを発現するOPM2およびRPMI-8226細胞株と比較した、hBMCA過剰発現HEK293細胞に対する例示的なscFvクローンの結合を評価した。その結果により、試験したクローンの多くが、中レベルのBCMAを発現するOPM2およびRPMI-8226細胞株と比べて高レベルのBCMAを発現するhBMCA発現HEK293細胞に対してより高い結合を示すことが示された。例えば、クローンBCMA-1、-2、-3、-4、-5、-7、-8、-9、-10、-12、-18、-19、-20、-21、-22、-30、-31および-32は、hBCMA過剰発現HEK293細胞に対してより高い結合を示した。この具体的な実験では、BCMA-13、-14および-16はhBCMA発現HEK293細胞に対して陰性対照と比べて実質的により高い結合を示さなかった。
【0550】
実施例3: 抗BCMA抗体(scFv)の作製および評価
例示的な抗BCMA scFvクローン(BCMA-1、BCMA-5、BCMA-9、BCMA-23、BCMA-25、BCMA-26、BCMA-52およびBCMA-55抗BCMA scFv)によって認識される、例えば特異的に結合されるエピトープを、足場上へのペプチドの化学結合(Chemical Linkage of Peptides onto Scaffolds)(CLIPS;Pepscan Presto BV,Lelystad,The Netherlands;例えばTimmerman et al.,(2007)J.Mol.Recognit.20:283-329参照)による全不連続エピトープマッピングを用いて評価した。マッピングは、抗BCMA scFvクローン、例えばマウスFcと融合させたもの(scFv-mFc)を用いて行った。
【0551】
ヒトBCMAのアミノ酸残基1~54(SEQ ID NO:367のアミノ酸残基1~54として示す)の線状および構造依存性ペプチドライブラリーを、コンビナトリアルマトリックスデザイン(matrix design)に基づいて作製した。線状ペプチドならびに構造的模倣物、例えばシングルループ、α-ヘリックス、β-ターン、コンビナトリアルおよび線状ジスルフィド架橋模倣体ならびに不連続エピトープ模倣体を、陽性対照ペプチドおよび陰性対照ペプチドとともにアミノ官能化固相支持体上において使用した。
【0552】
エピトープライブラリー内のペプチドに対する結合の親和性を、ELISAを用いて調べた。ペプチドアレイを、scFvを含む溶液とともに4℃で一晩インキュベートした。親和性情報を反復スクリーニングにおいて使用し、エピトープの配列およびコンホメーションを規定した。2つまたはそれ以上のループに対する親和性情報のヒートマップを作成した。
【0553】
評価したscFvは、BCMAペプチド配列のいくつかの不連続ペプチドストレッチを含む構造依存性エピトープを認識することが観察された。BCMA-1、BCMA-5、BCMA-23およびBCMA-25 scFvは、線状形態で認識され得る30SNTPPLTCQR39のペプチド(SEQ ID NO:608に示される)に結合することが観察された。いくつかの局面において、かかる抗体は、かかるSEQ ID NO:608のペプチドの残基を含む非線状エピトープまたは線状エピトープを認識し、いくつかの局面では、21CIPCQLR27(SEQ ID NO:609に示される)、30SNTPPLTCQR39(SEQ ID NO:608)および/または44SVTNSVK50(SEQ ID NO:610に示される)の残基をさらに含む非線状エピトープを認識する。BCMA-26 scFvは、8CSQNEYF14(SEQ ID NO:611に示される)および17LLHACIPCQLR27(SEQ ID NO:612に示される)内に存在する残基を含むエピトープを認識することが観察された。BCMA-52-scFv-mFcは、以下の不連続ペプチド:10QNEYF14(SEQ ID NO:613)、21CIPCQL26(SEQ ID NO:614)および7CQRYC41(SEQ ID NO:615)の残基を含むエピトープに結合することが観察された。BCMA-55-scFv-mFcは、以下の配列:1MLMAG6(SEQ ID NO:616)、13YFDSL17(SEQ ID NO:618)および25QLRCSSNTPPL35(SEQ ID NO:619)を個々に含むBCMAポリペプチド配列の不連続部分を含むペプチド内に存在する残基を含むエピトープに特異的に結合することが観察された。いくつかの態様において、提供される抗体または受容体は、例えば、MLMAG(SEQ ID NO:616)、YFDSL(SEQ ID NO:618)およびQLRCSSNTPPL(SEQ ID NO:619)の配列を有する不連続ペプチドの各々のうちの1つまたは複数の内部に存在する残基を含むエピトープに特異的に結合する。いくつかの局面において、提供される抗体または受容体は、例えば、MLMAG(SEQ ID NO:616)、YFDSLL(SEQ ID NO:620)およびQLRCSSNTPPL(SEQ ID NO:619)の配列を有する不連続ペプチドの各々のうちの1つまたは複数の内部に存在する残基を含むエピトープに特異的に結合する;いくつかの局面において、提供される抗体または受容体は、例えば、MLMAG(SEQ ID NO:617)、QNEYFDSLL(SEQ ID NO:617)およびQLRCSSNTPPL(SEQ ID NO:619)の配列を有する不連続ペプチドの各々のうちの1つまたは複数の内部に存在する残基を含むエピトープに特異的に結合する。
【0554】
本発明は、例えば、本発明の種々の局面を例示するために提供される特定の開示された態様に範囲が限定されることは意図されない。記載される組成物および方法に対する種々の改変が本明細書における説明および教示から明らかになるであろう。かかる変形は、本開示の真の範囲および精神から逸脱することなく実施されてよく、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
【0555】
配列
【配列表】
0007256197000001.app