(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-03
(45)【発行日】2023-04-11
(54)【発明の名称】溶融材料攪拌システムおよび溶融材料を攪拌する方法
(51)【国際特許分類】
C03B 5/187 20060101AFI20230404BHJP
B01F 35/00 20220101ALI20230404BHJP
【FI】
C03B5/187
B01F35/00
(21)【出願番号】P 2020544998
(86)(22)【出願日】2018-11-30
(86)【国際出願番号】 IB2018001486
(87)【国際公開番号】W WO2019097299
(87)【国際公開日】2019-05-23
【審査請求日】2021-11-30
(31)【優先権主張番号】10-2017-0155185
(32)【優先日】2017-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】アン,チャンフン
(72)【発明者】
【氏名】チョン,テ-ウ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジンス
(72)【発明者】
【氏名】イ,ホスン
(72)【発明者】
【氏名】イ,テ-ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】リム,セーヨル
【審査官】大塚 晴彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0063399(US,A1)
【文献】特開2012-041264(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0042693(US,A1)
【文献】特開2017-178649(JP,A)
【文献】特開平02-116635(JP,A)
【文献】米国特許第04874313(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 5/16 -5/44
B01F 35/00
B01F 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融材料撹拌システムにおいて、
溶融材料を収容するよう構成された攪拌器と、
前記攪拌器内に配置された攪拌ブレードと、
前記攪拌ブレードが固定された回転ロッドと、
前記攪拌器上に設けられたカバーであって、前記回転ロッドが貫通して延出することを可能にするよう構成された中心穴を含むカバーと、
前記カバーの外縁部と前記中心穴との間において所定の距離に配置された複数の懸下柱と、
前記複数の懸下柱を介して前記カバーに対して持ち上げ力を付与するよう構成されたサスペンションシステムと
を含
み、
前記カバーが、前記中心穴を通って延びる少なくとも1つの境界領域によって分割された第1のカバー部材および第2のカバー部材を含み、各前記懸下柱が、前記境界領域に近接して前記第1のカバー部材上および前記第2のカバー部材上にそれぞれ配置された第1の柱部材および第2の柱部材であって、互いに向かい合うと共に互いに組み合わされるまたは分離されるよう構成された第1の柱部材および第2の柱部材を含むことを特徴とする溶融材料撹拌システム。
【請求項2】
前記サスペンションシステムが、前記第1の柱部材および前記第2の柱部材を共に保持するホルダーを含む、請求項
1記載の溶融材料撹拌システム。
【請求項3】
前記懸下柱が、前記少なくとも1つの境界領域に沿って、前記穴に関して対称に設けられた、請求項
2記載の溶融材料撹拌システム。
【請求項4】
前記懸下柱が、前記少なくとも1つの境界領域に沿って、前記穴に関して対称に設けられた、請求項
1記載の溶融材料撹拌システム。
【請求項5】
前記第1の柱部材および前記第2の柱部材の各々が、接合防止コーティング層を含む、請求項
1~
4のいずれか一項記載の溶融材料撹拌システム。
【請求項6】
前記接合防止コーティング層が、ジルコニア、シリカ、およびアルミナのうちの少なくとも1つを含む、請求項
5記載の溶融材料撹拌システム。
【請求項7】
前記サスペンションシステムが、
前記攪拌器の上部に配置されたレール型の固定フレームと、
前記固定フレームに対して第1の方向に前後に移動可能に構成された第1の移動フレームと、
前記第1の方向とは異なる第2の方向に所定の距離だけ前後に移動可能に構成された第2の移動フレームと、
前記ホルダーを前記第2の移動フレームから懸下するリンク部材と
を含む、請求項
2記載の溶融材料撹拌システム。
【請求項8】
前記サスペンションシステムが、前記第1の移動フレーム上に、前記固定フレームに関する位置を機械的に固定するためのロック装置を更に含む、請求項
7記載の溶融材料撹拌システム。
【請求項9】
前記サスペンションシステムが、前記第2の移動フレーム上に、前記第1の移動フレームに関する位置を機械的に固定するためのロック装置を更に含む、請求項
7記載の溶融材料撹拌システム。
【請求項10】
溶融材料撹拌方法において、
中心穴を含むカバーによって覆われた攪拌器内に、撹拌される溶融材料を収容する工程と、
前記中心穴を貫通するロッドに固定された攪拌ブレードを用いて、前記攪拌器内の前記溶融材料を攪拌する工程と、
前記カバーの外縁部と前記中心穴との間において所定の距離に配置された複数の懸下柱を介して、サスペンションシステムから前記カバーに対して持ち上げ力を付与する工程と
を含
み、
前記カバーが、前記中心穴を通って延びる少なくとも1つの境界領域によって第1のカバー部材と第2のカバー部材とに分割されており、各前記懸下柱が、前記境界領域に近接して前記第1のカバー部材上および前記第2のカバー部材上にそれぞれ配置された第1の柱部材および第2の柱部材であって、互いに向かい合うと共に互いに組み合わされるまたは分離される第1の柱部材および第2の柱部材に分割されており、前記第1の柱部材および前記第2の柱部材が、前記サスペンションシステムのホルダーによって共に保持されたことを特徴とする溶融材料撹拌方法。
【請求項11】
前記懸下柱が、前記中心穴に関して対称に設けられた、請求項
10記載の溶融材料撹拌方法。
【請求項12】
前記第1の柱部材および前記第2の柱部材の各々に接合防止コーティング層を形成する工程を更に含む、請求項
11記載の溶融材料撹拌方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、合衆国法典第35巻第119条に基づき、2017年11月20日に出願された韓国特許出願第10-2017-0155185号による優先権を主張するものであり、その内容に依拠すると共に、その全体を参照して本明細書に組み込む。
【技術分野】
【0002】
1以上の実施形態は、溶融材料攪拌システムおよび方法に関し、より具体的には、溶融材料を収容する攪拌器のカバーの変形および損傷を効果的に抑制するための溶融材料攪拌システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
例えば、溶融ガラス等の溶融材料を用いて平坦なガラスを製造するための設備は、溶融ガラスを攪拌する攪拌システムを含む。
【0004】
攪拌システムは、溶融ガラスを収容する攪拌器と、攪拌器のカバーと、攪拌器内に配置された攪拌ブレードとを含む。高温の製造環境内において、カバーは経時的に変形および損傷し得る。
【発明の概要】
【0005】
1以上の実施形態は、溶融チャンバの攪拌器のカバーのサギングまたは変形を効果的に抑制するための溶融材料撹拌システムおよび方法を含む。
【0006】
1以上の実施形態は、カバーの変形を抑制することにより、カバーとカバーを通過する回転ロッドとの間の摩擦に起因する粒子の発生を防止すると共に、粒子による溶融材料の汚染を防止するための溶融材料攪拌システムおよび方法を含む。
【0007】
1以上の実施形態は、カバーの変形を抑制することにより、カバーの交換によって生じるコストを顕著に低減するための溶融材料攪拌システムおよび方法を含む。
【0008】
更なる態様は、部分的には、以下の説明において述べられると共に、部分的には、以下の説明から明らかであり、または、提示されている実施形態を実施することによって知られ得る。
【0009】
1以上の実施形態によれば、溶融材料攪拌システムは、溶融材料を収容するよう構成された攪拌器と、攪拌器内に配置された攪拌ブレードと、攪拌ブレードが固定された回転ロッドと、攪拌器上に設けられたカバーであって、回転ロッドが貫通して延出することを可能にするよう構成された中心穴を含むカバーと、カバーの外縁部と中心穴との間において所定の距離に配置された複数の懸下柱と、複数の懸下柱を介してカバーに対して持ち上げ力を付与するよう構成されたサスペンションシステムとを含む。
【0010】
カバーは、中心穴を通って延びる少なくとも1つの境界領域によって分割された第1のカバー部材および第2のカバー部材を含み得る。各懸下柱は、境界領域に近接して第1のカバー部材上および第2のカバー部材上にそれぞれ配置された第1の柱部材および第2の柱部材であって、互いに向かい合うと共に互いに組み合わされるまたは分離されるよう構成された第1の柱部材および第2の柱部材を含み得る。サスペンションシステムは、第1の柱部材および第2の柱部材を共に保持するホルダーを含み得る。
【0011】
懸下柱は、少なくとも1つの境界領域に沿って、穴に関して対称に設けられ得る。
【0012】
第1の柱部材および第2の柱部材の各々の表面に、接合防止コーティング層が形成され得る。接合防止コーティング層は、ジルコニア、シリカ、およびアルミナのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0013】
各懸下柱は、カバーの外縁部よりも穴の縁部に近くなるよう配置され得る。
【0014】
サスペンションシステムは、攪拌器の上部に配置されたレール型の固定フレームと、固定フレームに対して第1の方向に前後に移動可能に構成された第1の移動フレームと、第1の方向とは異なる第2の方向に所定の距離だけ前後に移動可能に構成された第2の移動フレームと、ホルダーを第2の移動フレームから懸下する、長さが調整可能なリンク部材とを更に含み得る。
【0015】
サスペンションシステムは、第1の移動フレーム上に、固定フレームに関する位置を機械的に固定するためのロック装置を更に含み得る。幾つかの実施形態では、サスペンションシステムは、第2の移動フレーム上に、第1の移動フレームに関する位置を機械的に固定するためのロック装置を更に含み得る。
【0016】
ロック装置は、回転レバーと、回転レバーによって駆動されるスピンドルとを含むトグルクランプとして実装され得る。
【0017】
1以上の実施形態によれば、溶融材料撹拌方法は、中心穴を含むカバーによって覆われた攪拌器内に、撹拌される溶融材料を収容する工程と、中心穴を貫通するロッドに固定された攪拌ブレードを用いて、攪拌器内の溶融材料を攪拌する工程と、カバーの外縁部と中心穴との間において所定の距離に配置された複数の懸下柱を介して、サスペンションシステムからカバーに対して持ち上げ力を付与する工程とを含む。
【0018】
懸下柱は、中心穴の両側に対称に設けられる。
【0019】
カバーは、中心穴を通って延びる少なくとも1つの境界領域によって第1のカバー部材と第2のカバー部材とに分割され得る。各懸下柱は、境界領域に近接して第1カバー部材および第2カバー部材上にそれぞれ配置された第1の柱部材および第2の柱部材であって、互いに向かい合うと共に互いに組み合わされるまたは分離される第1の柱部材および第2の柱部材に分割され得る。第1の柱部材および第2の柱部材は、サスペンションシステムのホルダーによって共に保持され得る。
【0020】
この溶融材料攪拌方法は、第1の柱部材および第2の柱部材の各々に接合防止コーティング層を形成する工程を更に含み得る。
【0021】
上記および/または他の態様は、添付の図面と併せて理解される以下の実施形態の説明から明らかになり、より容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】1以上の実施形態による、攪拌システムおよび方法が適用されるガラス製品製造システムの全体構成を示す
【
図2】1以上の実施形態による、攪拌システムの上部の模式的な概念図
【
図4】1以上の実施形態による、攪拌システムにおけるカバーの懸下に依存する動力学を示す
【
図5】1以上の実施形態による、攪拌システム内において用いられるカバーの模式的な斜視図
【
図6】1以上の実施形態による、攪拌システム内において用いられるカバーの模式的な正面図
【
図7A】1以上の実施形態による、攪拌システム内において用いられるカバーの2つのカバー部材が組み合わされ、懸下柱がホルダーによって保持されている状態を示す
【
図8A】1以上の実施形態による、攪拌システム内において用いられるホルダーの斜視図
【
図8B】1以上の実施形態による、攪拌システム内において用いられるホルダーの正面図
【
図9】1以上の実施形態による、撹拌システムの全体構造を模式的に示す選択された斜視図
【
図10】1以上の実施形態による、撹拌システム内における第1の移動フレームの選択された斜視図
【
図11】1以上の実施形態による、撹拌システム内における、第1の移動フレームに取り付けられたスライダーと、スライダーが組み合わされている第1の移動フレームとの間の接合関係を示す
【
図12】1以上の実施形態による、撹拌システム内において第1の移動フレームに取り付けられた第2の移動フレームの選択された図
【
図13】1以上の実施形態による、攪拌システムとしての第1の移動構造の改善された構造を示す
【
図14】1以上の実施形態による、攪拌システム内においてホルダーの位置を移動させるための構造を示す
【
図15】サギングの程度を約2ヶ月間にわたって測定した結果を示す
【
図16】1以上の実施形態による、攪拌システムの適用前および適用後の針状白金含有量の変化を示す
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、添付の図面を参照し、例示的な実施形態をより完全に説明する。可能な場合には常に、同じまたは類似の部分を参照するために、複数の図面を通して同じ参照番号が用いられる。
【0024】
本明細書においては、様々な要素を説明するために第1、第2等の用語が用いられ得るが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、単に、1つの要素を別の要素から区別するために用いられる。例えば、本開示の教示から逸脱することなく、第1の要素が第2の要素と呼ばれることがあり得、同様に、第2の要素が第1の要素と呼ばれることがあり得る。
【0025】
本明細書において用いられる用語は、単に、特定の実施形態を説明することを目的とするものであり、限定することは意図しない。単数形の「a」、「an」、および「the」は、本明細書において用いられる場合には、特に明記しない限り、複数形も含むことが意図される。更に、「含む/有する」(「comprise」および/もしくは「comprising」、または「includes」および/もしくは「including」)という用語は、本明細書において用いられる場合には、述べられた特徴、数、工程、動作、要素、および/またはコンポーネントの存在を指定するが、1以上の他の特徴、数、工程、動作、要素、コンポーネント、および/またはそれらの群の存在または追加を排除するものではないことを理解されたい。
【0026】
特に定義しない限り、本明細書において用いられる全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、当業者によって一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。更に、一般的に用いられている辞書において定義されている用語等の用語は、関連技術および/または本願の文脈における意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、過度に形式的な意味で解釈されることはない。
【0027】
幾つかの実施形態が、異なるように実装され得る場合には、特定の処理順序は変更されてもよい。例えば、2つの順次処理が、同時にまたは逆の順序で行われてもよい。
【0028】
図面においては、例えば、製造技術および/または公差により、形状の変化が予期され得る。従って、実施形態は、図面中の特定の形状に限定されるものと解釈されるべきではなく、例えば、製造プロセスにおいて生じる形状の変化を含むべきである。「および/または」という用語は、本明細書において用いられる場合には、関連付けられた列挙された項目のうちの1以上のありとあらゆる組み合わせを含む。列挙された要素に関する「~のうちの少なくとも1つ」等の表現は、列挙された要素全体を修飾するものであり、列挙された個々の要素を修飾するものではない。「基体」という用語は、基体そのもの、または、基体と基体の表面上に形成された層または膜とを含むスタック構造を参照し得る。「基体の表面」という用語は、基体そのものの露出した表面、または、基体上に形成された層もしくは膜の外面を参照し得る。
【0029】
以下に記載される実施形態はガラス製品を含み、従って、攪拌される対象は溶融ガラスである。しかし、他の実施形態においては、ガラス以外の他の材料が、攪拌される対象として選択され得る。従って、実施形態は、攪拌される特定の材料によって限定されるものと解釈されるべきではない。
【0030】
図1は、1以上の実施形態による、攪拌システムおよび方法が適用されるガラス製品製造システム101の概念図である。
【0031】
図1を参照すると、ガラス製品製造システム101は、貯蔵ウェル109からのバッチ材料107を収容するよう形成された溶融器105を含み得る。バッチ材料107は、モータ113から動力を受け取るバッチコンベア111によって、溶融器105内へと注入され得る。選択的コントローラ115は、矢印117によって示されているように、所定の量のバッチ材料107が溶融器105内へと注入され得るように、モータ113を制御し得る。ガラス金属プローブ119を用いて、直立管123内における溶融ガラス121の液位が測定され、測定情報は、通信回線125を介してコントローラ115に送信され得る。
【0032】
ガラス製品製造システム101は、溶融器105の下流に配置され、第1の接続管129を介して溶融器105に接続された清澄器127(例えば、清澄管)も含み得る。清澄器127の下流には、攪拌システム200の攪拌器201が配置され得る。攪拌器201の下流には、搬送器133(例えば、ボウル)が配置され得る。
【0033】
1以上の実施形態によれば、攪拌システム200は、清澄器127と搬送器133との間の攪拌器201と、攪拌器201内の攪拌ブレード202と、攪拌ブレード202を回転させる回転ロッド205と、攪拌器201を閉じるまたは覆うカバー203とを含む。
【0034】
一方、第2の接続管135は、清澄器127を攪拌器201に接続し、第3の接続管137は、攪拌器201を搬送器133に接続し得る。溶融ガラス121を搬送器133からフュージョンドロー装置(FDM)143の入口141へと案内するために、出口導管139が配置され得る。溶融器105、清澄器127、攪拌器201、搬送器133、およびFDM143は、ガラス製品製造システム101内において直列に配置された溶融ガラスステーションの例である。
【0035】
溶融器105は、通常、耐火性(例えば、セラミック)レンガ等の耐火性材料で形成される。ガラス製品製造システム101は、プラチナ、プラチナロジウム、プラチニリジウム、またはそれらの組み合わせ等のプラチナ含有金属で形成された部材も含み得るものであり、または、モリブデン、パラジウム、レニウム、タンタル、チタン、タングステン、ルテニウム、オスミウム、ジルコニウム、およびそれらの合金、並びに/もしくは二酸化ジルコニウム等の耐火金属も含み得る。白金含有部材は、第1の接続管129、清澄器(例えば、清澄管)127、第2の接続管135、直立管123、攪拌器(例えば、撹拌チャンバ)201、第3の接続管137、搬送器(例えば、ボウル)133、出口導管139、および入口141のうちの少なくとも1つを含み得る。FDM143は、耐火性材料で形成され、帯状ガラス103を形成するよう設計される。
【0036】
図2は、1以上の実施形態による、攪拌システム200の上部の模式的な構造を示す。
【0037】
図2を参照すると、カバー203は、攪拌器201の開口部上に配置される。カバー203は中心穴204を含み、回転ロッド205が中心穴204を貫通する。カバー203には熱源が埋め込まれ得るものであり、カバー203上には、カバー203を覆う断熱材206が設けられ得る。カバー203の上面上の中心穴204を中心とする両側に、懸下柱207がそれぞれ設けられ得る。サスペンションシステムは、後述する懸下柱207を介して、カバー203に対して持ち上げ力を付与する。一方、カバー203の外縁部の底面は、攪拌器201の上縁部に接触したままである。換言すれば、懸下柱207に加えられる持ち上げ力は、カバーの局所的なサギングを防止するよう調節される。懸下柱207がカバー203の外縁部よりも中心穴204の縁部の近くに配置されている場合には、サギングがより効果的に抑制される。
【0038】
一方、従来の攪拌システムにおけるカバーの構造においては、
図3に示されているように、中心に穴4を有するカバー3が、単に、攪拌器1の開口部の周囲の上端部面に配置される。この構造では、高温および死荷重に起因して、穴4の周囲において、カバー3の局所的なサギングが顕著に生じる。カバー3の断面の機械的構造において、各断面は、一端部が固定されており他端部が自由端部を構成するカンチレバー構造を有する。このサギング現象は、カバー3と回転ロッド5との接触を生じ得るものであり、それにより粒子が発生し得る。しかし、
図2に概念的に示されている局所的懸下構造が用いられた場合には、サギング現象が顕著に抑制され、それに従って、カバーのサギングおよびサギングによって生じる一般的な問題が大きく改善され得る。
【0039】
1以上の実施形態によれば、カバーの懸下構造は、おおよそ
図4に示されている機械的構造として解析され得るものであり、ここでは、カバーの断面構造から、簡単に支持された梁構造Iが、カンチレバー構造IIと組み合わされている。換言すれば、カバー203の断面構造を差別化して機械的に解析した場合、撹拌器201の縁部と懸下柱207との間の領域内においては簡単に支持された梁構造Iが実装され、懸下柱207と中心穴204に面する自由端部Efとの間の領域内においてはカンチレバー構造IIが実装される。
【0040】
簡単に支持された梁構造Iとカンチレバー構造IIとの組み合わせは、カバー203の全体的なサギングを大きく低減する。懸下柱207が適切な位置に設けられ、適切に調整された持ち上げ力Fが懸下柱207に加えられる場合には、カバー203のサギングが大きく低減され得るものであり、従って、クラックの発生が大幅に低減され得る。持ち上げ力Fは、重力によって付与される力ベクトルに対して概ね反対の力ベクトルを付与する引張力と同等であり得る。
【0041】
上述のように、カバーに顕著なサギングが生じると、穴の周囲にあるカバーの縁部と回転ロッドの側面との間に摩耗接触が生じ得る。この場合、回転ロッドの側面が摩耗して回転ロッドに損傷が生じたり、または、回転ロッドおよびカバーから粒子が生じて、攪拌器内の溶融ガラス内に混入したりする場合がある。これらの粒子は、穴の周囲にあるカバーの縁部と回転ロッドとの間の摩擦によって生じ得るものであり、またカバーのサギングによって生じるクラックからも生じ得る。一般的に、溶融ガラスを攪拌するための攪拌器は主に白金で形成され、カバーの外側は主に白金で形成される。従来の構造におけるカバーのサギング、およびサギングによって生じるクラックおよび摩擦に起因して、攪拌されている液状ガラス内に白金粒子が混入した際に、一般的に生じる針状白金(Pt)の量を分析したところ、針状Ptの量が大幅に減少したことが確認された。
【0042】
従来、上述の懸下構造を用いずに、カバーの材質を変えることによってサギングを抑制する手法が試みられてきたが、サギングは僅かに低減されたのみであり、問題は根本的には解決されなかった。
【0043】
カバーは消耗品であり、カバーに埋め込まれた熱線の断線と、カバーのサギングによって生じるカバーと回転ロッドとの間の干渉を主な理由として、周期的または非周期的に交換される必要がある。
【0044】
図5は、1以上の実施形態による、2つのカバー部材203aおよび203bを含むカバー203を示す。
図6は、カバー部材の正面図である。
図5および
図6を参照すると、カバー203は、中心穴204を通って延びる(矢印III-III'が横断する)境界領域によって、2つのカバー部材、即ち、第1のカバー部材203aおよび第2のカバー部材203bに対称に分割される。懸下柱207は、境界領域に近接して穴204の両側に対称に設けられる。各懸下柱207は、第1のカバー部材203aにある第1の柱部材207aと、第2のカバー部材203bにある第2の柱部材207bとを含む。第1の柱部材207aおよび第2の柱部材207bは、組み合わされて1つの懸下柱207になる。第1の柱部材207aおよび第2の柱部材207bの上端部には、互いに反対方向に円筒形状に巻かれたリム形状の突起207a'および207b'がそれぞれ形成される。
【0045】
図7Aは、第1のカバー部材203aと第2のカバー部材203bとが組み合わされているときに、懸下柱207がホルダー208によって保持されている状態を示している。
図7Bは、
図7Aに示されている部分「A」の断面図を示す。
図8Aおよび8Bは、ホルダー208の選択された図である。
【0046】
図7Aおよび
図7Bを参照すると、懸下柱207の突起207a'および207b'は、互いにぴったりと接触して、ホルダー208の両側にあるストッパー208cおよび208d間のスリット208bに挿入される。スリット208bの幅は、突起207a'および207b'がストッパー208cおよび208dによって確実に捕捉されるように、第1の柱部材207aおよび第2の柱部材207bの通過を丁度可能にするよう調節される。
【0047】
幾つかの実施形態では、例えば、第1の柱部材207aと第2の柱部材207bと間の熱拡散接合を防止するために、第1の柱部材207aおよび第2の柱部材207bの表面上に接合防止層が形成され得る。例えば、第1の柱部材207aと第2の柱部材207bとの間の熱拡散接合を防止するために、
図7Bに示されているように、第1の柱部材207aおよび第2の柱部材207bの表面上に接合防止層207a”および207b”が設けられ得る。
【0048】
接合防止層207a”および207b”は、第1の柱部材207aおよび第2の柱部材207bの表面全体に形成され得る。或いは、接合防止層207a”および207b”は、第1の柱部材207aおよび第2の柱部材207bの表面の一部分上、例えば、第1の柱部材207aおよび第2の柱部材207bの内側面上に形成され得る。
【0049】
接合防止層207a”、207b”は、ジルコニア(ZrO2)、アルミナ(Al2O3)、シリカ(SiO2)等のセラミック材料で形成され得るが、それらに限定されない。幾つかの実施形態では、接合防止層207a”および207b”は、セラミック材料の粉末が分散されたスラリーを第1の柱部材207aおよび第2の柱部材207bの表面上に噴霧して、スラリーを熱処理することによって形成され得る。
【0050】
図8Aおよび
図8Bを参照すると、ホルダー208の両側の底部には、L字形状のストッパー208cおよびその鏡像であるL字形状のストッパー208dがそれぞれ形成されており、ストッパー208cおよび208d間に、懸下柱207が挿入されるスリット208bが形成される。
【0051】
ホルダー208の上部には、サスペンションシステムの上部構造に接続されたリンク部材209が設けられる。リンク部材209は、その下部にネジ部を有しており、これにより、例えばナット211等の締結構成要素によってホルダー208に結合される。リンク部材209をホルダー208に結合するための構造は、ホルダー208からリンク部材209への潜在的な電気伝導を防止するスペーサ機能を有するブッシングタイプの電気絶縁構成要素210を含み得る。ナット211が緩むのを防止するために、ナット211にはセーフティピン219が取り付けられ得る。セーフティピン219は、ナット211と、ナット211と係合しているリンク部材209とを貫通する。
【0052】
以下、上述の懸下構造によって懸下されるカバーの適用について詳細に説明する。
【0053】
図9は、1以上の実施形態による、上記のカバーの懸下構造を用いる撹拌システムを選択的に示す。
【0054】
図9に示されている撹拌システムの下部において、回転ロッド205は攪拌器201内にあり、カバー203は攪拌器201上に配置されている。カバー203の外縁部は攪拌器201の上縁部面上に配置されている。カバー203上に配置されている2つの懸下柱207の各々は、リンク部材209の下部に結合されたホルダー208に挿入されて保持される。熱損失を防止するために、カバー203上には多層の断熱部材206が取り付けられる。
【0055】
底部においてホルダー208と結合されたリンク部材209には、ターンバックル構造が適用され得る。一方、ホルダー208は、リンク部材209を介して、X-Y平面上における位置を調節可能な位置コントローラに接続され得る。
【0056】
位置コントローラは、既存の回転ロッド駆動システムが取り付けられている上部または天井プラットフォームに取り付けられた、第1の方向に平行に延びる2つのレール型の固定フレーム215と、レール型の固定フレーム215に平行に取り付けられ、第1の方向に移動可能な2つの第1の移動フレーム213と、第1の移動フレーム213にそれぞれ取り付けられ、第1の方向とは異なる第2の方向に前後に移動可能な第2の移動フレーム212とを含む。第1の方向における各第2の移動フレーム212の位置は、固定フレーム215に関する対応する第1の移動フレーム213の位置に応じて決定され、第2の方向における第2の移動フレーム212の位置は、第1の移動フレーム213に関する第2の移動フレーム212の位置に応じて決定される。従って、第2の移動フレーム212から懸下されるホルダー208の位置は、第1の方向および第2の方向の両方において調節され得る。
【0057】
図10および
図11を参照すると、第1の移動フレーム213は、水平レール213aと、水平レール213aの両側にある垂直支持体213bとを含む。垂直支持体213bの上部には、平行に取り付けられた固定フレーム215に沿ってスライドするスライダー214がそれぞれ設けられる。一対の第1の移動フレーム213は、カバー203に設けられた2つの懸下柱207にそれぞれ対応するように設けられる。
【0058】
第1の移動フレーム213の水平レール213a内を移動する第2の移動フレーム212は、水平レール213aを囲む箱形状の構造を有する。第1の移動フレーム213には、固定フレーム215に関する第1の移動フレーム213の位置を固定するためのロック装置214aが設けられる。ロック装置214aとしては、レバーの作用を用いて2つの物を一体に保持する通常のワンタッチロック装置が用いられ得る。第2の移動フレーム212にも類似のロック装置が設けられ得る。
図12を参照すると、水平レール213aに関する第2の移動フレーム212の位置を固定するために、トグルクランプ212aが用いられ得る。
【0059】
図9に戻ると、回転ロッド205は、カプラ216を介して、天井プラットフォームに設けられた撹拌器モータに接続された駆動シャフト217に接続され得る。カプラ216は断熱性を有するべきである。
【0060】
図13を参照すると、第2の移動フレーム212と組み合わされた水平レール213aは、第1の移動フレーム213の垂直支持体213bからスライドによって移動可能に形成され得る。換言すると、各垂直支持体213bの下部には、水平レール213aが内部を通ってスライドする管型カプラ213b'が設けられ、管型カプラ213b'には、水平レール213aを固定するためのロック装置212bが設けられる。この構造は、メンテナンス時の水平レール213aの位置調節、取り外し、取り付けを容易にする。
【0061】
図14は、ホルダー208の位置を移動および調節可能なように懸下柱207を支持するサスペンション構造全体の正面図である。
【0062】
図14を参照すると、2つの固定フレーム215は、サスペンション構造全体の上部に、所定の距離だけ離間されて平行に配置される。第1の移動フレーム213の両側にあるスライダー214はそれぞれ、移動可能に固定フレーム215と組み合わされる。各スライダー214には、スライダー214を対応する固定フレーム215に固定するためのロック装置214aが取り付けられる。
【0063】
水平レール213aは、第1の移動フレーム213の垂直支持体213bの底部に移動可能に結合される。各垂直支持体213bの底部には、水平レール213aを垂直支持体213bの底部に固定するためのロック装置212bが設けられる。
【0064】
一方、第2の移動フレーム212は、水平レール213aに沿って所定の距離だけ前後に移動可能に水平レール213aに取り付けられる。第2の移動フレーム212には、第2の移動フレーム212を水平レール213aに固定するためのロック装置212a、即ちトグルクランプが設けられる。
【0065】
ターンバックル等のリンク部材209の上部は、第2の移動フレーム212に接続される。リンク部材209の下部には、カバー203にある懸下柱207を保持するホルダ208が設けられる。
【0066】
ガラス攪拌システムにおいて、上記のカバーサスペンション構造が用いられる場合には、顕著な改善がなされた。
【0067】
図15は、一実施形態による、カバーサスペンション構造の適用前および適用後のサギングの程度を測定した結果を示す。サギングの量は、中心穴の縁部の元の高さからの垂直方向の変位を測定することによって測定された。
【0068】
図15を参照すると、1回目から6回目までの測定は、サギングが深刻であり、60日未満でカバーを交換しなければならなかったことを示している。1回目から5回目までの測定では、カバー材料にクリスタライトバッカー(Crystallite Backer)を用い、6回目の測定ではAN485を用いた。材料に関係なく、60日未満で高々約20mm~30mmのサギングが生じた。
【0069】
7回目の測定は、
図12によるカバーサスペンション構造を取り付けた後に行った。7回目の測定の結果は、サギングの変化がほとんど無かったことを示している。取り付けから19日目までサギングは生じなかった。19日目に1.5mm(約1/16インチ)のサギングが生じたので、ターンバックル、即ちリンク部材を調節することにより、サギングを0に設定した。この調節以降、問題となるサギングは生じなかった。
【0070】
一方、懸下柱をカバーに取り付けた場合には、懸下柱からの熱の伝導および放射に起因して、局所的な熱損失が生じ得る。熱損失を軽減するために、懸下柱が配置される部分に断熱材を補うことにより、局所的な熱損失または局所的な冷却を低減した。
【0071】
1以上の実施形態による撹拌システムの適用前および適用後の、ガラス製品中の針状白金汚染物質(本明細書においては「針状Pt」として参照される)の存在を、ビジョンおよび画像処理システムを用いて解析した。
図16は、
図12によるカバーサスペンション構造の取り付け前および取り付け後の、針状Ptに起因するガラス製品の不良率を示す。
図16に示されているように、取り付け後には、ガラス製品の不良率が大きく低減されたことが確認された。
【0072】
上述のように、1以上の実施形態によるサスペンション構造を用いて、攪拌されたガラスの汚染、ロッドの損傷等を生じるカバーのサギングが抑制され、このことは、カバーのより大きな変形またはサギングが生じていた条件にわたる改善を表している。
【0073】
1以上の実施形態によれば、攪拌器の上部を閉じるカバーの変形またはサギングを抑制できる。カバーの変形またはサギングが軽減されると、カバーにおけるクラックの発生、およびクラックからの粒子の発生が抑制される。粒子の発生を抑制することにより、そのような粒子による溶融材料(例えば、溶融ガラス等)の汚染も同様に抑制される。その結果、生産性が向上され得ると共に、カバーのメンテナンスのためのコストが低減され得る。
【0074】
なお、本明細書に記載された実施形態は、説明的な意味においてのみ考慮されるべきであり、限定の目的で考慮されるべきではないことを理解されたい。各実施形態における特徴または態様の説明は、典型的には、他の実施形態における他の類似の特徴または態様にも通用すると見なされるべきである。
【0075】
図面を参照して1以上の実施形態を説明したが、以下の特許請求の範囲によって定められる本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、それらの実施形態における形状および詳細に様々な変更が行われ得ることが当業者には理解されよう。
【0076】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0077】
実施形態1
溶融材料撹拌システムにおいて、
溶融材料を収容するよう構成された攪拌器と、
前記攪拌器内に配置された攪拌ブレードと、
前記攪拌ブレードが固定された回転ロッドと、
前記攪拌器上に設けられたカバーであって、前記回転ロッドが貫通して延出することを可能にするよう構成された中心穴を含むカバーと、
前記カバーの外縁部と前記中心穴との間において所定の距離に配置された複数の懸下柱と、
前記複数の懸下柱を介して前記カバーに対して持ち上げ力を付与するよう構成されたサスペンションシステムと
を含むことを特徴とする溶融材料撹拌システム。
【0078】
実施形態2
前記カバーが、前記中心穴を通って延びる少なくとも1つの境界領域によって分割された第1のカバー部材および第2のカバー部材を含み、各前記懸下柱が、前記境界領域に近接して前記第1のカバー部材上および前記第2のカバー部材上にそれぞれ配置された第1の柱部材および第2の柱部材であって、互いに向かい合うと共に互いに組み合わされるまたは分離されるよう構成された第1の柱部材および第2の柱部材を含む、実施形態1記載の溶融材料撹拌システム。
【0079】
実施形態3
前記サスペンションシステムが、前記第1の柱部材および前記第2の柱部材を共に保持するホルダーを含む、実施形態2記載の溶融材料撹拌システム。
【0080】
実施形態4
前記懸下柱が、前記少なくとも1つの境界領域に沿って、前記穴に関して対称に設けられた、実施形態3記載の溶融材料撹拌システム。
【0081】
実施形態5
前記懸下柱が、前記少なくとも1つの境界領域に沿って、前記穴に関して対称に設けられた、実施形態2記載の溶融材料撹拌システム。
【0082】
実施形態6
前記第1の柱部材および前記第2の柱部材の各々が、接合防止コーティング層を含む、実施形態2記載の溶融材料撹拌システム。
【0083】
実施形態7
前記接合防止コーティング層が、ジルコニア、シリカ、およびアルミナのうちの少なくとも1つを含む、実施形態6記載の溶融材料撹拌システム。
【0084】
実施形態8
前記サスペンションシステムが、
前記攪拌器の上部に配置されたレール型の固定フレームと、
前記固定フレームに対して第1の方向に前後に移動可能に構成された第1の移動フレームと、
前記第1の方向とは異なる第2の方向に所定の距離だけ前後に移動可能に構成された第2の移動フレームと、
前記ホルダーを前記第2の移動フレームから懸下するリンク部材と
を含む、実施形態3記載の溶融材料撹拌システム。
【0085】
実施形態9
前記サスペンションシステムが、前記第1の移動フレーム上に、前記固定フレームに関する位置を機械的に固定するためのロック装置を更に含む、実施形態8記載の溶融材料撹拌システム。
【0086】
実施形態10
前記サスペンションシステムが、前記第2の移動フレーム上に、前記第1の移動フレームに関する位置を機械的に固定するためのロック装置を更に含む、実施形態8記載の溶融材料撹拌システム。
【0087】
実施形態11
溶融材料撹拌方法において、
中心穴を含むカバーによって覆われた攪拌器内に、撹拌される溶融材料を収容する工程と、
前記中心穴を貫通するロッドに固定された攪拌ブレードを用いて、前記攪拌器内の前記溶融材料を攪拌する工程と、
前記カバーの外縁部と前記中心穴との間において所定の距離に配置された複数の懸下柱を介して、サスペンションシステムから前記カバーに対して持ち上げ力を付与する工程と
を含むことを特徴とする溶融材料撹拌方法。
【0088】
実施形態12
前記懸下柱が、前記中心穴に関して対称に設けられた、実施形態11記載の溶融材料撹拌方法。
【0089】
実施形態13
前記カバーが、前記中心穴を通って延びる少なくとも1つの境界領域によって第1のカバー部材と第2のカバー部材とに分割されており、各前記懸下柱が、前記境界領域に近接して前記第1のカバー部材上および前記第2のカバー部材上にそれぞれ配置された第1の柱部材および第2の柱部材であって、互いに向かい合うと共に互いに組み合わされるまたは分離される第1の柱部材および第2の柱部材に分割されており、前記第1の柱部材および前記第2の柱部材が、前記サスペンションシステムのホルダーによって共に保持された、実施形態11記載の溶融材料撹拌方法。
【0090】
実施形態14
前記第1の柱部材および前記第2の柱部材の各々に接合防止コーティング層を形成する工程を更に含む、実施形態12記載の溶融材料撹拌方法。
【符号の説明】
【0091】
101 ガラス製品製造システム
200 攪拌システム
201 攪拌器
202 攪拌ブレード
203 カバー
203a 第1のカバー部材
203b 第2のカバー部材
204 中心穴
205 回転ロッド
207 懸下柱
207a 第1の柱部材
207b 第2の柱部材
207a”、207b” 接合防止層
208 ホルダー
209 リンク部材
212 第2の移動フレーム
212a トグルクランプ
212b ロック装置
213 第1の移動フレーム
213a 水平レール
213b 垂直支持体
214 スライダー
214a ロック装置
215 レール型の固定フレーム
216 カプラ
217 駆動シャフト