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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-03
(45)【発行日】2023-04-11
(54)【発明の名称】食品加工用器具
(51)【国際特許分類】
   A47J 43/046 20060101AFI20230404BHJP
   A47J 43/08 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
A47J43/046
A47J43/08
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021530221
(86)(22)【出願日】2019-07-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(86)【国際出願番号】 EP2019068560
(87)【国際公開番号】W WO2020108807
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-07-16
(31)【優先権主張番号】102018220446.2
(32)【優先日】2018-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】517368671
【氏名又は名称】デロンギ・ブラウン・ハウスホールド・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・ルカ・シルヴァストリーニ
(72)【発明者】
【氏名】デュイ-フォング・ヴ
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・ウンゲラー
(72)【発明者】
【氏名】オルガ・ストッペル
(72)【発明者】
【氏名】ミルヤ・デ・ルカ
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-193013(JP,A)
【文献】実開昭56-001535(JP,U)
【文献】特表2011-515146(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 42/00-44/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を加工するための器具(100,200,300,400)であって、
加工される食品を受け入れることができるチャンバーを画定する壁を有する容器(110,210,313)と、
前記チャンバー内に配置され、前記食品を加工するために駆動され得る作動部品(112,212,312,412)と、
を備え、
前記壁によって画定された前記チャンバーは、少なくとも部分的に略球形セグメントの形状を有し、
前記容器の内部に延びるように前記容器の前記壁に配置されたリブをさらに備え、
前記リブの間で前記容器の前記内部に延びる1または複数の内部隆起部をさらに備え、
前記リブと比較して、前記内部隆起部は、平らで、急峻ではなく
前記内部隆起部は、全ての前記リブ間に設けられており、
前記内部隆起部は、前記容器の前記壁に対して30°以下の傾斜を有し、前記傾斜は、前記壁への移行部における、前記壁自体の接平面に対する前記内部隆起部の接平面の傾斜である、器具。
【請求項2】
食品を加工するための器具(100,200,300,400)であって、
加工される食品を受け入れることができるチャンバーを画定する壁を有する容器(110,210,313)と、
前記チャンバー内に配置され、前記食品を加工するために駆動され得る作動部品(112,212,312,412)と、
を備え、
前記壁によって画定された前記チャンバーは、少なくとも部分的に略球形セグメントの形状を有し、
前記容器の内部に延びるように前記容器の前記壁に配置されたリブをさらに備え、
前記リブの間で前記容器の前記内部に延びる1または複数の内部隆起部をさらに備え、
前記リブと比較して、前記内部隆起部は、平らで、急峻ではなく
前記内部隆起部が、前記リブ間の領域の少なくとも30%、好ましくは少なくとも45%を占める、器具。
【請求項3】
食品を加工するための器具(100,200,300,400)であって、
加工される食品を受け入れることができるチャンバーを画定する壁を有する容器(110,210,313)と、
前記チャンバー内に配置され、前記食品を加工するために駆動され得る作動部品(112,212,312,412)と、
を備え、
前記壁によって画定された前記チャンバーは、少なくとも部分的に略球形セグメントの形状を有し、
前記容器の内部に延びるように前記容器の前記壁に配置されたリブをさらに備え、
前記リブの間で前記容器の前記内部に延びる1または複数の内部隆起部をさらに備え、
前記リブと比較して、前記内部隆起部は、平らで、急峻ではなく
前記容器の円周方向に沿った前記内部隆起部の長さが、前記リブ間の円周方向に沿った距離の少なくとも60%である、器具。
【請求項4】
食品を加工するための器具(100,200,300,400)であって、
加工される食品を受け入れることができるチャンバーを画定する壁を有する容器(110,210,313)と、
前記チャンバー内に配置され、前記食品を加工するために駆動され得る作動部品(112,212,312,412)と、
を備え、
前記壁によって画定された前記チャンバーは、少なくとも部分的に略球形セグメントの形状を有し、
前記容器の内部に延びるように前記容器の前記壁に配置されたリブをさらに備え、
前記リブの間で前記容器の前記内部に延びる1または複数の内部隆起部をさらに備え、
前記リブと比較して、前記内部隆起部は、平らで、急峻ではなく
前記内部隆起部の最も広い箇所における前記内部隆起部の長さLに対する幅bの比は、0.8以上であり、前記リブの最も広い箇所における前記リブの長さに対する幅の比率は、0.4以下である、器具。
【請求項5】
食品を加工するための器具(100,200,300,400)であって、
加工される食品を受け入れることができるチャンバーを画定する壁を有する容器(110,210,313)と、
前記チャンバー内に配置され、前記食品を加工するために駆動され得る作動部品(112,212,312,412)と、
を備え、
前記壁によって画定された前記チャンバーは、少なくとも部分的に略球形セグメントの形状を有し、
前記容器の内部に延びるように前記容器の前記壁に配置されたリブをさらに備え、
前記リブの間で前記容器の前記内部に延びる1または複数の内部隆起部をさらに備え、
前記リブと比較して、前記内部隆起部は、平らで、急峻ではなく
前記内部隆起部の最も深い点における幅bに対する深さtの比は、0.1以下であり、前記リブの最も深い点における幅bに対する深さtの比は、0.5以上である、器具。
【請求項6】
前記球形セグメントの形状が前記作動部品を取り囲む、請求項1~5のいずれか一項に記載の器具。
【請求項7】
前記球形セグメントが半球より大きい球体のセグメントを備え、前記球形セグメントが、好ましくは、球体の全表面積の70%以上を備え、前記球形セグメントは、特に好ましくは球である、請求項1~6のいずれか一項に記載の器具。
【請求項8】
前記容器は、互いに取り外し可能に接続され、共に前記球形セグメントを画定する第1のセグメント(116)および第2のセグメント(118)を有し、前記第1のセグメントは、前記作動部品を取り囲み、前記第2のセグメントは、前記第1のセグメントの上に配置される、請求項1~7のいずれか一項に記載の器具。
【請求項9】
前記第1および第2のセグメントは、共に前記球形セグメントとして球体を画定し、前記第2のセグメントは、空気および/または流体を前記チャンバーに導入することができる開口部を有する、請求項に記載の器具。
【請求項10】
前記第2のセグメント(118)上に取り外し可能に配置された第3のセグメント(120)をさらに備え、前記第2のセグメントは、環状であり、前記第1のセグメント(116)は、略半球を画定し、前記第2および第3のセグメントは、共に略半球を画定し、前記第3のセグメントは、好ましくは空気および/または流体を前記チャンバーに導入することができる開口部を有する、請求項に記載の器具。
【請求項11】
前記第2のセグメント(418)は、前記第1のセグメント(416)内に配置することができる、請求項8~10のいずれか一項に記載の器具。
【請求項12】
前記第1および第2のセグメントは、好ましくは、バヨネットキャッチ、ネジ山、またはトグルレバーによって、工具を使用しない方法で互いにロックすることができる、請求項8~11のいずれか一項に記載の器具。
【請求項13】
加工された食品を注ぐための注ぎ口(324)をさらに備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の器具。
【請求項14】
前記注ぎ口(324)がリブから延在する、請求項13に記載の器具。
【請求項15】
前記容器(110,210,313)が配置されるベース(114,214,314,414)をさらに備え、前記容器は、好ましくは、ベースから取り外すことができる、請求項1~14のいずれか一項に記載の器具。
【請求項16】
前記ベースは、前記作動部品を駆動するための駆動部をさらに備える、請求項15に記載の器具。
【請求項17】
前記容器は、ハンドルを有する、請求項1~16のいずれか一項に記載の器具。
【請求項18】
前記ハンドルは、前記容器に固定的に設けられている、請求項17に記載の器具。
【請求項19】
前記ハンドルは、前記容器から取り外し可能である、請求項17に記載の器具。
【請求項20】
前記内部隆起部は、全ての前記リブ間に設けられている、請求項19のいずれか一項に記載の器具。
【請求項21】
前記容器の側壁(413)が平らである、請求項1~20のいずれか一項に記載の器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品加工用器具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばブレンダーなど、家庭で食品を処理するために使用される器具は、先行技術から知られている。このようなブレンダーの場合、容器は通常、モーターを含むベースに取り付けられている。このモーターは、容器内に配置された作動部品(例えば、回転可能なブレードの形)を駆動することができる。これらのブレードは、容器内の食品と相互作用し、それらを処理する。
【0003】
典型的な容器は水差しの形をしており、水平面に平行な断面の直径は、作動部品の回転軸に沿った容器の全長よりもかなり小さい-言い換えれば、容器は細い。断面形状は、例えば、円形、三角形、長方形、または正方形とすることができ、容器の高さに沿ってある形状から別の形状に変化することもできる。リブは容器の内部に配置されることが多く、ほとんどの場合、底部から最大充填高さまで伸びている。これらのリブは、容器内の食品の流れと循環を改善するのに役立つ。このような容器の例は、特許文献1に示されています。
【0004】
作動部品またはブレードは、容器の底に配置されている。容器は、射出成形またはブロー成型で作成され得るプラスチックやガラスなど、さまざまな素材で作ることができる。容器の上部にはふたがあり、その中央に取り外し可能なカバーがあり、処理中に液体やその他の成分を簡単に追加することができる。このような容器は、作られた食品をこぼさずに簡単に提供できるよう、上部に注ぎ口が付いていることがよくある。
【0005】
このようなブレンダーは、豆乳やフルーツジュースの製造にも使用できる。これには、通常、追加の円筒形フィルターが使用され、これは、ブレードまたは作動部品を囲み、ふたによって固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】英国特許出願公開第1388119号明細書
【文献】中国実用新案登録第201022626号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発明者らは、先行技術のブレンダーには欠点があることに気付いた。例えば、一般的な充填容量が約2リットルのブレンダーは、比較的背が高く、キッチンの食器棚やキッチンのウォールユニットの下に立てて使用したり、保管したりすることは困難である。したがって、最大充填容量に対する高さの比率は非効率的である。さらに、発明者らは、最大充填容量に対してブレンダーの高さが比較的大きいため、すべての食品が処理されるまでに長い時間がかかり、その結果、食品が摩擦により加熱され栄養価が失われることもあることに気付いた。高さに比べて断面が小さいため、すべての食品が十分な頻度で作動部品を通過して満足のいく結果が得られるまでには、長い時間がかかる。加工中の食品の動きとブレンダーの機械部品による摩擦の結果、食品がかなり熱くなることがある。
【0008】
発明者らはまた、角氷を砕くときに非常に不均一な結果が生じることが多いことに気付いた。これは、通常、作動部品が容器の底面全体に広がっているため、すでに砕いた氷が作動部品に繰り返し接触して押しつぶされすぎ、さらに加熱されて溶けてしまうためである。ただし、一部の大きな角氷は、作動部品に触れないか、限られた範囲にしか触れないため、破砕されない。これは、通常、すでに破砕された角氷は、作動部品が配置されている容器の下部領域に落ち着くからであり、このため大きな角氷は作動部品と接触できなくなる。したがって、角氷を砕く場合、比較的大きな氷が氷水に浮かんび、ブレードが届かないか、限られた範囲にしか届かないという、一貫性のない結果となる。
【0009】
本発明者らは、豆乳を製造する際のさらなる欠点に気付いた。豆乳を作る場合、浸した大豆は典型的な円筒形のフィルターに入れられ、フィルターは容器に挿入され、作動部分を取り囲む。このような配置は、特許文献2などに示されている。豆は、フィルターの中でつぶれる。豆乳は、作動部品の動きによってフィルターを通して押し出され、フィルターの外壁と周囲の容器の内壁との間の中間スペースに集まる。しかし、一般的な比較的「スリムな」容器では、フィルターの外側に生成された豆乳を受け入れるスペースがわずかしかない。そのため、充填容量は比較的少なめである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記の欠点を回避するためになされた。本発明は、請求項1によって定義される。
【0011】
請求項1によれば、食品加工用器具は、容器を備える。この容器は、加工される食品を受け入れることができるチャンバーを画定する壁によって画定される。つまり、この容器は、加工対象の食品を加工する構成要素である。本発明による器具は、特にブレンダーであってもよい。ただし、原則として、この機器はミル(例えばコーヒーミル)またはフードプロセッサーであることも考えられる。その他の用途も考えられる。
【0012】
このチャンバー内に作動部品が配置される。この作動部品は通常、回転可能に取り付けられたブレードであり、容器内で回転することができ、それにより、上記容器内にある食品を加工することができる。
【0013】
本発明によれば、壁によって画定されるチャンバーは、少なくとも部分的に略球形セグメントである形状を有する。ここで球形とは、壁が球体の内部にある中心から一定の距離または半径にあることを意味すると理解されるべきである。形状が単に「略」球形セグメントまたは球形であるという事実は、内部の全体的な形状がまだ球形セグメントまたは球体として認識できる限り、内部に伸びる突起(または内部空間から伸びる突起さえも)を内壁に任意に設けることができると理解されるべきである。チャンバーの形状が球形セグメントであるという事実は、チャンバーが完全な球体である必要はない(しかし、それは可能である)と理解されるべきである。ここでは、球形セグメントとは、完全な球体において平面に沿って1つ以上の直線的なカットを行い、球面の一部を保持しながら球体の一部を除去することによって得られる球形セグメントであると理解される。この場合、「球体」という用語は、数学的な意味での球体、つまり境界が中心から一定の距離にある幾何学的なオブジェクトを意味すると理解されるべきである。ただし、前述のとおり、理想的な球形からのわずかなずれが生じる可能性がある。
【0014】
発明者らは、そのような略球形の容器は、スペースの使用に関して非常に効率的であることに気付いた。充填容量が同じで、容器の底とその中にある作動部品の寸法が同じ球体は、すでに上で説明したようなスリムな容器よりも高さが低い。球体は、最大寸法と体積の比率が最も優れた物体である。したがって、このような容器を用いることにより、食品加工用器具の全高を低くすることができる。球の外側に同じ直径で外接する円柱は、同じ体積で高さがさらに低くなるが、作動部品と容器壁の間のデッドスペースを最小限に抑え、食品を効率的に処理するために、容器の直径が大きくなるにつれて作動部品を大きくする必要がある。したがって、主張された設計は、作業場やウォールキャビネットの下の保管および使用に必要なスペースを削減することができる。
【0015】
さらに、ピューレやスムージーなどの食品を製造する場合、円筒形や円錐形よりも循環が良くなる。その理由の1つは、形状が球形であるため、処理される食品の刃までの平均距離が短くなり、したがってより迅速な循環が可能になることである。循環が良くなるため、処理時間が短縮され、スムージー、シェイク、カクテルなどの冷たい飲み物には望ましくない、摩擦の結果として処理される食品が不必要に加熱され、栄養素がなくなる可能性を防ぐことができる。したがって、このような器具で加工された食品は、より高品質になる。また、上記のように円筒形のフィルターを使用して豆乳を作る場合、球形の設計により、フィルターを通って押し出される豆乳の量が増える。したがって、豆乳の潜在的な充填容量を増やすことができる。
【0016】
上記の利点は、容器の蓋だけが球形セグメントの形であり、底部が任意の形状である場合にも、より少ない程度ではあるが生じる。この場合、蓋の形状により、処理される食品の循環が改善されるが、それに応じて高い充填レベルが達成される。
【0017】
好ましくは、球形セグメントの形状は、すべての三次元に沿って作動部分を取り囲む。
【0018】
球状セグメントの形状が作動部品を取り囲むという特徴は、作動部品が球状セグメントによって画定されるチャンバー内を移動すると理解されるべきである。これは、作動部品によって処理される食品が、球形セグメントであるチャンバー内で処理されることを意味する。典型的には、作動部分、したがって球形セグメントは、器具の下側(すなわち、器具が意図したとおりに使用されるとき、器具の底にある側)に位置する。器具の底面にあるこのような球形セグメントは、底面でカットする、つまり、平らにすることができる。つまり、球形セグメントは、特に底面に平行に平らにカットされた球体から製造される。ただし、代わりに、底部で球形セグメントを閉じる面は、球形から逸脱した別の形状を有することもできる。
【0019】
既に砕かれた氷は、作動部品の半径方向外側の球形によって作成された膨らみに集まることができ、作動部品と再び接触せず、過度の接触の結果として溶融し始めることがないため、氷を粉砕する場合に得られる結果は良好である。これにより、まだ粉砕されていない氷が作動部品に届きやすくなり、より粉砕される。これにより、砕いた角氷の均一性が向上し、処理能力が向上する。
【0020】
特に、ここで想定されることは、作動部品が回転可能に配置され、回転軸に対する作動部品の半径が球形セグメントの半径の50%未満であるということである。
【0021】
好ましくは、球形セグメントは、半球体より大きい球形セグメントを含む。好ましくは、球形セグメントは、球体の全表面積の70%以上を備え、さらにより好ましくは、球形セグメントは球体である。これにより、球形セグメントの使用による有利な効果が、容器の大部分または容器全体にわたって確実に発生し、前述の利点の大部分が達成される。
【0022】
好ましくは、容器は、互いに取り外し可能に接続され、共に球形セグメントを画定する第1および第2のセグメントを有する。この場合、第1のセグメントは作動部品を囲み、第2のセグメントは第1のセグメント上に配置することができる(つまり、第1のセグメントの上に配置される)。第1および第2のセグメントの取り外し可能な配置により、容器の清掃が容易になり、器具はよりスペース効率の高い方法で保管できる。なぜなら、第1のセグメントから第2のセグメントを取り外すことで、高さを低くできるためである。
【0023】
これに関連して、第1および第2のセグメントが共に球形セグメントとして球体を画定することが特に好ましい。第2のセグメントは、開口部を有し、これを通して器具が動作中でも処理対象の食材をチャンバーに導入することができる。このように他の食材を導入することも可能である。開口部があるため、食品を後でチャンバーに導入できるため、食品の処理が容易になる。
【0024】
また、第2のセグメントに着脱自在に配置される第3のセグメントが設けられていることが好ましい。第2のセグメントは環状であり、第2のセグメントと第3のセグメントは共に半球を形成し、第1のセグメントも実質的に半球を形成する。ただし、この点に関して、第1のセグメントが2つ以上の半球を含み、上部においては、標準のブレンダーのように充填開口部を有する小さな蓋がこの開口部を閉じることが特に好ましい。第3のセグメントは、処理される材料をチャンバーに導入できる開口部を有することが好ましい。このようにして、特に第2のセグメントから分離できる第3セグメントの存在のために、前述の代替案よりも追加の食品をチャンバーに導入できる大きな開口部を作ることができる。
【0025】
好ましくは、第2のセグメントは、第1のセグメント内に配置できる。このような設計は、器具を省スペースで収納することができる。
【0026】
好ましくは、第1および第2のセグメントは、バヨネットキャッチによって互いに固定できる。このようなバヨネットキャッチは、実装が簡単で、工具を使わずに簡単に外すことができる。しかし、他の可能な閉鎖手段、特にスナップフィット接続、トグルレバーまたはねじ山も可能である。
【0027】
さらに、器具は、処理された食品を注ぐための容器に注ぎ口を有することが好ましい。このような注ぎ口は、加工食品の盛り付けに便利である。
【0028】
さらに、器具は、容器が配置されるベースを有することが好ましく、容器はベースから取り外し可能であることが好ましい。容器をベースから取り外せば、容器は、加工食品の盛り付けなどにも使用することができる。
【0029】
ベースは、作動部品を駆動するための電気駆動装置も有することが好ましい。
【0030】
容器は、任意選択で容器から取り外し可能なハンドルを有することが好ましい。このようなハンドルにより、より簡単に容器を移動することができる。取り外し可能な場合は、取り外して見栄えを良くすることもできる。容器の収納に必要なチャンバーも縮小することができる。
【0031】
また、容器の内側にはリブが設けられていることが好ましい。これらは、食品の循環を改善することにより、食品の加工を改善することができる。
【0032】
器具に注ぎ口がある場合、この注ぎ口はリブの1つから伸びることが考えられる。注ぎ口とリブを結合することで、食品を正しい方向に導き、注ぎやすくする。
【0033】
さらに、器具は、1つまたは複数の内部隆起部を有することが好ましい。これらは2本のリブの間の空間に設けられ、容器の内部まで伸びている。好ましくは、これらの内部隆起部は、すべてのリブの間に設けられる。このような内部隆起部とは、容器の内側に延在する突起のことである。内部隆起部は、リブに比べて幅が広い。つまり内部隆起部は、リブよりも円周方向に長く伸びている。さらに、リブよりも突出が少ない。つまり、内部隆起部は、リブよりも平らになるように設計されている。つまり、容器の内壁への移行部での内部隆起部の傾斜角は、対応するリブの傾斜角よりも小さく、内部隆起部の中心に向かうにつれ傾斜は減少する。
【0034】
これらの内部隆起部を設けることで、硬い食品や処理される大きな食品が詰まってしまう、リブの間に一種のデッドスペースまたはポケットが形成されることが防止される。このようなことが起こると、食品が作動部品に戻って処理されることなくブレードまたはより一般的には作動部品が自由に回転してしまう危険性がある。内部隆起部を設けることで食材が溜まりにくくなる。こうすることで、硬い食品でも容器が適切に機能するようになる。これは、これらの内部隆起部がなければ成り立たない。内部隆起部がリブの間のデッドスペースを部分的に埋め、処理される食品の動きにダイナミズムをもたらし、さらに加速させる。これにより、リブがさらに突出し、より急に突き出す従来のリブの場合のようにプロセスで流れが大幅に迂回されたり、容器の処理動作が完全に変更されたりすることなく、処理対象の質量がこの点に蓄積されず、代わりに作動部品またはブレードに戻さるように導かれる。内部隆起部の代わりに追加のリブを導入すると、デッドスペースが増えるだけで、硬い食品の処理がさらに悪化する。
【0035】
好ましくは、内部隆起部は、容器の壁に対して30°以下の傾斜を有する。これは、この遷移における壁自体の接平面に対する、この遷移における壁への内部隆起部の接平面の傾きが30°以下であることを意味する。このように、容器の壁に対する内部隆起部の比較的平らな傾斜が定義され、流れがわずかに偏向するだけで、処理動作にとって有利となる。
【0036】
好ましくは、内部隆起部は、リブ間の領域の少なくとも30%、好ましくは少なくとも45%を占める。これにより、内部隆起部が十分に大きくなり、器具の処理動作に明らかな影響を与えることができる。
【0037】
さらに、容器の周方向に沿った内部隆起部の長さは、周方向に沿ったリブ間の距離の少なくとも60%であることが好ましい。これにより、内部隆起部が十分に大きくなり、食品の処理に大きな影響を与えることも保証される。
【0038】
好ましくは、容器の周方向に沿った内部隆起部の長さは、リブ間の周方向に沿った距離の少なくとも60%である。これにより、内部隆起部が食品の処理に大きな影響を与えるのに十分な大きさであり,器具の処理動作に実証可能な影響を与えることにもなる。
【0039】
好ましくは、内部隆起部の最も広い点での内部隆起部の長さLに対する幅bの比は、0.8以上である。一方、リブの最も広い点でのリブの長さLに対する幅bの比率は0.4以下である。これは、リブと内部隆起部の幅の形状が異なるということである。
【0040】
また、内部隆起部の最深部における幅bに対する深さtの比は、0.1以下であることが好ましい。一方、リブの最深部における幅bに対する深さtの比率は、0.5以上である。これは、リブがさらに内側に延在する一方、内部隆起部は比較的平らであることを意味する。このように、この特徴は、食品が内部隆起部によって内側に導かれるという事実を補強する。
【0041】
さらに、器具の側壁は平坦または水平であることが好ましい。これにより、器具をキッチンキャビネットなどの平らな壁に直接置くことができるため、器具の保管が容易になる。さらに、リブに加えて、球形から扁平形への遷移に発生する形状変化は、容器内の処理対象食品の循環に影響を与え、最適化する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本発明の第1の実施形態による器具の断面を概略的に示す。
図2】本発明の第2の実施形態による器具の断面を概略的に示す。
図3】本発明の第3の実施形態による器具の断面を概略的に示す。
図4】本発明の第1の実施形態による統合された器具の断面を概略的に示す。
図5】本発明の第1の実施形態による器具の底部の平面図である。
図6】a)およびb)は、本発明の第4の実施形態による器具を示す。
図7】本発明の第5の実施形態による器具の底部の図です。
図8図7と比較して、第1の実施形態による器具の断面図である。
図9】第5の実施形態による器具の更なる断面図である。
図10】第5の実施形態による器具の平面図である。
図11】第5の実施形態による器具の内部隆起部を概略的に示す。
図12】第5の実施形態による器具の内部隆起部を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1および図5は、本発明の第1の実施形態による器具100を概略的に示す。ベース114は、その上側で第1のセグメント116を支持し、このセグメントは、下側が平らに切り取られた半球の形をしている。この第1のセグメント116の内部には、概略的に示されており、ベース114内のモーター(図示せず)によって駆動することができる作動部品112がある。
【0044】
第2のセグメント118が第1のセグメント116上に配置され、バヨネットキャッチまたは異なる閉鎖手段によって第1のセグメント116にロックすることができる。第2のセグメント118には、器具を閉じる蓋120が設けられている。第1のセグメント116は、カットオフ(切断された)半球を画定する。これは、蓋120、第2のセグメント118、および第1のセグメント116から得られるカットオフ球体が、元の球体の中心面に沿って分割されることを意味する。個々のセグメント116、118および蓋120は異なる材料で作ることができ、例えば蓋120および/または第2のセグメント118が第1のセグメント116とは異なる形態を有することも可能である(すなわち、これらは、例えば半径の異なる球形、または楕円形を有することができる)。上記の理由により、容器110の外形は球形であることが好ましい。第2のセグメント118内の充填レベルまで流体を充填することができる。第1のセグメント116の内側には、第1のセグメント116の上縁まで延びるリブ111(本例では4本)が設けられている。ただし、リブの数が4つより多いか少ないことも考えられる。
【0045】
図5から分かるように、回転ブレードの形態の作動部品112は、第1のセグメント116の平らな底側に位置する。作動部品112の回転軸に対して90°オフセットされた4つのポイントに位置する4つのリブ111も見ることができる。
【0046】
図4は、分解された状態の本発明の第1実施形態を示す。ここでは、第2のセグメント118は、第1のセグメント116の内側で、かつ作動部品112の上方に配置されている。第3のセグメント120は、第2のセグメント118の内側に配置される。この状態で、省スペースで収納することができる。
【0047】
図2は、本発明の第2の実施形態を示す。ここでは、第1のセグメント216がベース214上に設けられ、第1の実施形態の同等の第1のセグメント116よりも大幅に上方に延びている。この第1のセグメント216もまた、作動部品212を取り囲み、上端が第2のセグメント218によって閉じられている。この第2のセグメント218は蓋として機能し、その上端に開口部を有し、開口部は別個の閉鎖部220によって閉じられる。器具の作動中に、この開口部から液体やその他の材料を入れることができる。リブはここでは示されていないが、それでも存在する可能性があり、例えば、第1の実施形態に関して示されるように構成され得る。この実施形態では、リブは、第1のセグメント216の上端まで延在することができるが、より深いところで終端することもできる。
【0048】
図3は、本発明の第3の実施形態を示す。第3の実施形態による器具300は、第1のセグメント310を支持するベース314有する。この第1のセグメント310は、この場合は示されていない作動部品を取り囲む。第1のセグメント310の上端には、加工食品を注ぎ出すための注ぎ口324を有する非球形の第2のセグメント322が設けられている。第1のセグメント310および第2のセグメント322は、容器313を形成する。このアタッチメント322の上端には蓋326が設けられており、容器を閉じて処理対象の食品が飛び散るのを防止する。この蓋326にも穴があり、穴を通じて圧力均等化を行うことができ、開いたふたと比較して、流体が噴き出すのを防ぐか、少なくとも噴き出すのを困難にする。この穴から、動作中に追加の食材を追加することができる。この穴は、閉鎖部327で塞ぐことができる。第2のセグメント322は、第1のセグメント310に固定的に接続することもできるし、取り外し可能にすることもできる。
【0049】
上記の第1、第3、および第4の実施形態による器具は、その内部に、特に、この内部空間を画定するすべてのセグメントにリブを有する。これらのリブのデザインと配置は、調理するそれぞれの料理に適応させることができる。たとえば、ピーナッツバターのような粘り気のあるまたはペースト状の製品を作るには、スムージーや氷を砕くのに使用するものとは異なる配置のリブを使用すると有利な場合がある。
【0050】
異なる作動部品を使用することも可能である。例えば、回転ブレードを使用することができる。しかし、ホイップクリームを作るのに泡立て器を、氷を砕くために鈍いナイフを使うことも考えられるだろう。特に後者は、時間が経っても切れ味が落ちないため、寿命が長いというメリットがある。
【0051】
図7は、本発明の第5の実施形態による器具の底部516の図である。ここで、底部516は、リブ511と内部隆起部531とを備える。内部隆起部531は、周方向に沿ってリブ511の間に設けられている。これは、本発明の第1の実施形態による器具の底部116の断面を示す図8と比較すると特に明らかである。ここで、リブ111間の底部116のポケット530には、内部隆起部が設けられていない。したがって、第1の実施形態による器具では、食品がこのポケット530に留まることができ、これは内部隆起部531によって防止される。
【0052】
これらの違いは、図9および図10からも明らかである。ここでは、第5の実施形態による底部516を平面図(図10)及び側面断面図(図9)で示す。これは、リブ511と比較して、突起531がかなり平らで、急でないことを明らかにする。これにより、処理対象の食品は、流れを大きく中断することなくポケットから排出される。
【0053】
図11および図12では、リブ511と内部隆起部531の寸法を明確に見ることができる。内部隆起部531は、リブ511の長さLよりも軸方向に沿った長さLが短いことが分かる。しかし、リブは、内部隆起部531の深さよりも大きいかなりの深さtを有する。さらに、底部の周方向において、内部隆起部531の幅bは、リブ511の幅bよりも大きい。
【符号の説明】
【0054】
100 器具
110 容器
111 リブ
112 作動部品
114 ベース
116 第1のセグメント
118 第2のセグメント
120 蓋
200 器具
210 容器
212 作動部品
214 ベース
216 第1のセグメント
218 第2のセグメント
220 閉鎖部
300 器具
310 第1のセグメント
312 作動部品
313 容器
314 ベース
322 第2のセグメント
324 注ぎ口
326 蓋
327 閉鎖部
400 器具
412 作動部品
413 側壁
414 ベース
416 第1のセグメント
418 第2のセグメント
511 リブ
516 底部
530 ポケット
531 内部隆起部
図1
図2
図3
図4
図5
図6a)】
図6b)】
図7
図8
図9
図10
図11
図12