(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-03
(45)【発行日】2023-04-11
(54)【発明の名称】調理器具
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20230404BHJP
【FI】
A47J27/00 104B
A47J27/00 109L
A47J27/00 109G
A47J27/00 103K
A47J27/00 103N
(21)【出願番号】P 2021552712
(86)(22)【出願日】2019-10-12
(86)【国際出願番号】 CN2019110821
(87)【国際公開番号】W WO2020177323
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2021-09-03
(31)【優先権主張番号】201910164767.0
(32)【優先日】2019-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515117198
【氏名又は名称】佛山市▲順▼▲徳▼区美的▲電▼▲熱▼▲電▼器制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】FOSHAN SHUNDE MIDEA ELECTRICAL HEATING APPLIANCES MANUFACTURING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】San Le Road #19,Beijiao,Shunde Foshan,Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(74)【代理人】
【識別番号】100213517
【氏名又は名称】韓 明花
(72)【発明者】
【氏名】ル,ジュンシャン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,シセキ
(72)【発明者】
【氏名】エルブイ,ウェイガン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ユン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ヨンガン
(72)【発明者】
【氏名】ハン,ピンイン
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0045973(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109363520(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108158418(CN,A)
【文献】特開平03-067931(JP,A)
【文献】特開2008-067899(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理器具であって、第1調理モードを有し、
鍋体アセンブリであって、前記鍋体アセンブリの調理チャンバー内の食材を加熱するための第1加熱アセンブリが設けられる前記鍋体アセンブリと、
第1鍋蓋アセンブリであって、鍋蓋本体を有し及び前記調理チャンバー内の食材を加熱するための第2加熱アセンブリが設けられ、前記第1鍋蓋アセンブリが前記鍋体アセンブリに覆設され、前記調理器具が調理命令を受信した場合に、前記第1加熱アセンブリ及び前記第2加熱アセンブリがいずれも前記調理チャンバー内の食材を加熱し、前記調理器具は前記第1調理モードにある、前記第1鍋蓋アセンブリとを含
み、
前記第1加熱アセンブリの加熱電力は第1加熱電力P1及び第2加熱電力P2を含み、前記第1加熱アセンブリは前記第1加熱電力P1と前記第2加熱電力P2とで交互に加熱し、
前記第2加熱アセンブリの加熱電力は第3加熱電力P3及び第4加熱電力P4を含み、前記第2加熱アセンブリは前記第3加熱電力P3と前記第4加熱電力P4とで交互に加熱し、
P1>P2で、P3>P4で、P2≧0で、P4≧0であり、
前記第1加熱アセンブリの加熱電力が前記第1加熱電力P1である場合に、前記第2加熱アセンブリの加熱電力は前記第4加熱電力P4であり、前記第1加熱アセンブリの加熱電力が前記第2加熱電力P2である場合に、前記第2加熱アセンブリの加熱電力は前記第3加熱電力P3であり、又は、
前記第1加熱アセンブリの加熱電力が前記第1加熱電力P1である場合に、前記第2加熱アセンブリの加熱電力は前記第3加熱電力P3であり、前記第1加熱アセンブリの加熱電力が前記第2加熱電力P2である場合に、前記第2加熱アセンブリの加熱電力は前記第4加熱電力P4であり、又は、
前記第1加熱アセンブリの加熱電力が前記第1加熱電力P1である場合に、前記第2加熱アセンブリは前記第3加熱電力P3で第1所定の時間加熱した後、前記第4加熱電力P4に切り替わって第2所定の時間加熱し、前記第1加熱アセンブリが前記第2加熱電力P2で加熱する場合に、前記第2加熱アセンブリは前記第4加熱電力P4で第3所定の時間加熱した後、前記第3加熱電力P3に切り替わって第4所定の時間持続する、
ことを特徴とする調理器具。
【請求項2】
前記鍋体アセンブリには下カプラーが設けられ、前記第1鍋蓋アセンブリは前記鍋蓋本体に設けられる第1上カプラーを有し、前記第1鍋蓋アセンブリが前記鍋体アセンブリに覆設された場合に、前記下カプラーと前記第1上カプラーが結合して接続されることにより、前記第2加熱アセンブリは通電されて動作する、
ことを特徴とする請求項1に記載の調理器具。
【請求項3】
第2調理モードをさらに有し、
第2鍋蓋アセンブリであって、前記鍋体アセンブリに覆設され及び前記第1加熱アセンブリが動作する場合に、前記調理器具は前記第2調理モードにある、前記第2鍋蓋アセンブリをさらに含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の調理器具。
【請求項4】
前記第2鍋蓋アセンブリには第2上カプラーが設けられ、前記調理器具が前記第2調理モードにある場合に、前記下カプラーは前記第2上カプラーと結合して接続される、
ことを特徴とする請求項3に記載の調理器具。
【請求項5】
前記鍋体アセンブリは、
筐体と、
鍋体であって、前記筐体内に設けられ、前記第1加熱アセンブリは前記鍋体内に設けられる、前記鍋体と、
制御システムであって、前記筐体に接続され及び前記第1加熱アセンブリ及び前記第2加熱アセンブリの動作を制御し、前記第2加熱アセンブリには前記第1上カプラーと前記下カプラーによって信号的な接続が実現される、前記制御システムとを含む、
ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の調理器具。
【請求項6】
前記調理チャンバー内の温度を検出するための第1温度センサであって、前記制御システムは前記第1温度センサに接続されて前記第1温度センサの温度検出結果に基づいて前記第1加熱アセンブリの動作を制御する、前記第1温度センサ、及び/又は
前記調理チャンバー内の温度を検出するための第2温度センサであって、前記制御システムは前記第2温度センサに接続されて前記第2温度センサの温度検出結果に基づいて前記第2加熱アセンブリの動作を制御する、前記第2温度センサをさらに含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の調理器具。
【請求項7】
前記第1加熱アセンブリは前記鍋体アセンブリの底部に設けられ、前記第1温度センサは前記調理チャンバーの下部の温度を検出することに適し、前記第2温度センサは前記鍋蓋本体に接続され及び前記調理チャンバーの上部の温度を検出することに適する、
ことを特徴とする請求項6に記載の調理器具。
【請求項8】
前記第2加熱アセンブリは螺旋状に水平に延伸する加熱管を含み、前記第2温度センサは前記加熱管の中心に設けられる、
ことを特徴とする請求項7に記載の調理器具。
【請求項9】
前記第1鍋蓋アセンブリは、
扇風機アセンブリであって、前記鍋蓋本体に設けられ、前記調理器具が前記第1調理モードにある場合に、通電されて動作することで前記調理チャンバー内に気流を吹き込む前記扇風機アセンブリをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の調理器具。
【請求項10】
前記第2調理モードは圧力調理モードであり、前記第1調理モードはベーキング調理モードである、
ことを特徴とする請求項3
又は4に記載の調理器具。
【請求項11】
前記第1調理モードは定温段階又は定電力段階を含み、前記定温段階において、前記第1加熱アセンブリは少なくとも2つの加熱電力で切り替え可能に加熱し、前記第2加熱アセンブリは少なくとも2つの加熱電力で切り替え可能に加熱する、
ことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の調理器具。
【請求項12】
前記調理器具が前記第1調理モードにある場合に、前記第1加熱アセンブリの動作の総時間はT1であり、前記第1調理モードの持続時間はT0であり、T1≦T0である、
ことを特徴とする請求項11に記載の調理器具。
【請求項13】
前記第1調理モードは予熱段階をさらに含み、前記予熱段階において、前記第1加熱アセンブリの加熱電力はゼロから定速で最大加熱電力に増加し及び予熱段階の終了まで最大加熱電力に保持され、前記第2加熱アセンブリの加熱電力はゼロから定速で最大加熱電力に増加し及び予熱段階の終了まで最大加熱電力に保持される、
ことを特徴とする請求項
1~
12のいずれか1項に記載の調理器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本開示は、仏山市順徳区美的電熱電器制造有限公司が2019年3月5日に提出した中国特許出願第201910164767.0号の優先権を主張し、当該中国特許出願全体の内容は参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、キッチン家電の技術分野に関し、より具体的には、調理器具に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術では、電気圧力鍋の機能が限られており、一般に食物を煮るために用いられ、揚げる機能は備わらず、従来のように底部から揚げて調理する場合、調理効果に満足できなかった。ユーザーは食材を茹でる、煮込む、揚げるなどの処理を実現するために複数の調理器具を購入する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、少なくとも従来技術に存在する技術的課題の1つを解決するためである。そのために、本開示の1つの目的は、食材を揚げる処理ができ、且つ効果的に揚げることができる調理器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施例の調理器具によれば、前記調理器具は第1調理モードを有し、鍋体アセンブリであって、前記鍋体アセンブリの調理チャンバー内の食材を加熱するための第1加熱アセンブリが設けられる前記鍋体アセンブリと、第1鍋蓋アセンブリであって、鍋蓋本体を有し及び前記調理チャンバー内の食材を加熱するための第2加熱アセンブリが設けられ、前記第1鍋蓋アセンブリが前記鍋体アセンブリに覆設され、前記調理器具が調理命令を受信した場合に、前記第1加熱アセンブリ及び前記第2加熱アセンブリがいずれも前記調理チャンバー内の食材を加熱し、前記調理器具は前記第1調理モードにある、前記第1鍋蓋アセンブリとを含む。
【0006】
本開示の実施例の調理器具によれば、第1加熱アセンブリ及び第2加熱アセンブリがいずれも食材を加熱することにより、食材を揚げる処理ができ、しかも食材がより均一に受熱し、効率的に揚げることができ、食材の口当たりが改善される。
【0007】
また、本開示の前記実施例に係る調理器具は、次の追加の技術的特徴を有してもよい。
【0008】
本開示のいくつかの実施例の調理器具によれば、前記鍋体アセンブリには下カプラーが設けられ、前記第1鍋蓋アセンブリは前記鍋蓋本体に設けられる第1上カプラーを有し、前記第1鍋蓋アセンブリが前記鍋体アセンブリに覆設された場合に、前記下カプラーと前記第1上カプラーが結合して接続されることにより、前記第2加熱アセンブリは通電されて動作する。
【0009】
さらに、前記調理器具は第2調理モードをさらに有し、前記調理器具は、第2鍋蓋アセンブリであって、前記鍋体アセンブリに覆設され及び前記第1加熱アセンブリが動作する場合に、前記調理器具は前記第2調理モードにある、前記第2鍋蓋アセンブリをさらに含む。
【0010】
さらに、前記第2鍋蓋アセンブリには第2上カプラーが設けられ、前記調理器具が前記第2調理モードにある場合に、前記下カプラーは前記第2上カプラーと結合して接続される。
【0011】
本開示のいくつかの実施例によれば、前記鍋体アセンブリは、筐体と、鍋体であって、前記筐体内に設けられ、前記第1加熱アセンブリは前記鍋体内に設けられる、前記鍋体と、制御システムであって、前記筐体に接続され及び前記第1加熱アセンブリ及び前記第2加熱アセンブリの動作を制御し、前記第2加熱アセンブリには前記第1上カプラーと前記下カプラーによって信号的な接続が実現される、前記制御システムとを含む。
【0012】
さらに、前記調理器具は、前記調理チャンバー内の温度を検出するための第1温度センサであって、前記制御システムは前記第1温度センサに接続されて前記第1温度センサの温度検出結果に基づいて前記第1加熱アセンブリの動作を制御する、前記第1温度センサ、及び/又は前記調理チャンバー内の温度を検出するための第2温度センサであって、前記制御システムは前記第2温度センサに接続されて前記第2温度センサの温度検出結果に基づいて前記第2加熱アセンブリの動作を制御する、前記第2温度センサとをさらに含む。
【0013】
さらに、前記第1加熱アセンブリは前記鍋体アセンブリの底部に設けられ、前記第1温度センサは前記調理チャンバーの下部の温度を検出することに適し、前記第2温度センサは前記鍋蓋本体に接続され及び前記調理チャンバーの上部の温度を検出することに適する。
【0014】
さらに、前記第2加熱アセンブリは螺旋状に水平に延伸する加熱管を含み、前記第2温度センサは前記加熱管の中心に設けられる。
【0015】
本開示のいくつかの実施例において、前記第1鍋蓋アセンブリは、扇風機アセンブリであって、前記鍋蓋本体に設けられ、前記調理器具が前記第1調理モードにある場合に、通電されて動作することで前記調理チャンバー内に気流を吹き込む前記扇風機アセンブリをさらに含む。
【0016】
本開示のいくつかの実施例によれば、前記第2調理モードは圧力調理モードであり、前記第1調理モードはベーキング調理モードである。
【0017】
本開示のいくつかの実施例の調理器具によれば、前記第1調理モードは定温段階又は定電力段階を含み、前記定温段階において、前記第1加熱アセンブリは少なくとも2つの加熱電力で切り替え可能に加熱し、前記第2加熱アセンブリは少なくとも2つの加熱電力で切り替え可能に加熱する。
【0018】
本開示のいくつかの実施例において、前記調理器具が前記第1調理モードにある場合に、前記第1加熱アセンブリの動作の総時間はT1であり、前記第1調理モードの持続時間はT0であり、T1≦T0である。
【0019】
本開示のいくつかの実施例によれば、前記第1加熱アセンブリの加熱電力は第1加熱電力P1及び第2加熱電力P2を含み、前記第1加熱アセンブリは前記第1加熱電力P1と前記第2加熱電力P2とで交互に加熱し、前記第2加熱アセンブリの加熱電力は第3加熱電力P3及び第4加熱電力P4を含み、前記第2加熱アセンブリは前記第3加熱電力P3と前記第4加熱電力P4とで交互に加熱し、P1>P2で、P3>P4で、P2≧0で、P4≧0である。
【0020】
さらに、前記第1加熱アセンブリの加熱電力が前記第1加熱電力P1である場合に、前記第2加熱アセンブリの加熱電力は前記第4加熱電力P4であり、前記第1加熱アセンブリの加熱電力が前記第2加熱電力P2である場合に、前記第2加熱アセンブリの加熱電力は前記第3加熱電力P3であり、又は、前記第1加熱アセンブリの加熱電力が前記第1加熱電力P1である場合に、前記第2加熱アセンブリの加熱電力は前記第3加熱電力P3であり、前記第1加熱アセンブリの加熱電力が前記第2加熱電力P2である場合に、前記第2加熱アセンブリの加熱電力は前記第4加熱電力P4であり、又は、前記第1加熱アセンブリの加熱電力が前記第1加熱電力P1である場合に、前記第2加熱アセンブリは前記第3加熱電力P3で第1所定の時間加熱した後、前記第4加熱電力P4に切り替わって第2所定の時間加熱し、前記第1加熱アセンブリが前記第2加熱電力P2で加熱する場合に、前記第2加熱アセンブリは前記第4加熱電力P4で第3所定の時間加熱した後、前記第3加熱電力P3に切り替わって第4所定の時間持続する。
【0021】
本開示のいくつかの実施例によれば、前記第1調理モードは予熱段階をさらに含み、前記予熱段階において、前記第1加熱アセンブリの加熱電力はゼロから定速で最大加熱電力に増加し及び予熱段階の終了まで最大加熱電力に保持され、前記第2加熱アセンブリの加熱電力はゼロから定速で最大加熱電力に増加し及び予熱段階の終了まで最大加熱電力に保持される。
【0022】
本開示の他の態様及び利点は次の説明で記載され、その一部は次の説明から明らかになり、又は本開示の実施で把握されるものだろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本開示の上記の及び/又は追加の態様及び利点は次の図面を参照した実施例の説明から明らかになり理解しやすくなるものだろう。
【
図1】本開示の実施例に係る調理器具の構造概略図である。
【
図2】本開示の実施例に係る調理器具の鍋体アセンブリ及び第1鍋蓋アセンブリの構造概略図である。
【
図3】本開示の実施例に係る調理器具の鍋体アセンブリ及び第1鍋蓋アセンブリの断面図である。
【
図4】本開示の実施例に係る調理器具の鍋体アセンブリ及び第1鍋蓋アセンブリの部分断面図である。
【
図5】本開示の実施例に係る調理器具の第1鍋蓋アセンブリの分解図である。
【
図6】本開示の実施例に係る調理器具の第1加熱アセンブリの動作過程の概略図である。
【
図7】本開示の実施例に係る調理器具の第2加熱アセンブリの動作過程の概略図である。
【
図8】本開示の一実施例に係る調理器具の動作過程の概略図である。
【
図9】本開示の別の実施例に係る調理器具の動作過程の概略図である。
【
図10】本開示のまた別の実施例に係る調理器具の動作過程の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本開示の実施例を詳細に説明し、図面には前記実施例の例が示され、常に同じ又は類似の符号で同じもしくは類似の部品又は同じもしくは類似の機能を有する部品を表す。図面を参照して説明された実施例は例示的なもので、本開示の解釈に供し、本開示に対する制限と理解されるものではない。
【0025】
なお、本開示の説明で、用語「中心」、「上」、「下」、「前」、「後」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「軸方向」、「半径方向」、「周方向」などで指示した方位又は位置関係は図面に示す方位又は位置関係に基づくもので、本開示の説明及び説明の簡素化のためのものに過ぎず、対象の装置又は部品が特定の方位にあり、特定の方位で構造又は操作されなければならないことを示すものでもこれを示唆するものでもなく、したがって本開示に対する制限とは理解されない。
【0026】
次に、図面を参照して本開示の実施例に係る調理器具100を説明する。
【0027】
図1~
図5が参照されるとおり、本開示の実施例に係る調理器具100は、鍋体アセンブリ10と、第1鍋蓋アセンブリ20とを含んでもよい。
【0028】
具体的には、
図1に示すように、鍋体アセンブリ10には第1加熱アセンブリ12が設けられてもよく、第1加熱アセンブリ12は鍋体アセンブリ10の調理チャンバー101内の食材を加熱することができる。第1鍋蓋アセンブリ30は鍋体アセンブリ10に覆設されてもよい。
【0029】
図2~
図5に示すように、第1鍋蓋アセンブリ30は鍋蓋本体31と、第2加熱アセンブリ33とを含み、第2加熱アセンブリ33も鍋体アセンブリ10の調理チャンバー101内の食材を加熱することができる。第1鍋蓋アセンブリ30が鍋体アセンブリ10に覆設され且つ調理器具が調理命令を受信した場合に、第1加熱アセンブリ12及び第2加熱アセンブリ33がいずれも調理チャンバー101内の食材を加熱し、調理器具100は第1調理モードにあり、これにより第1加熱アセンブリ12及び第2加熱アセンブリ33によって食材を蒸す、蒸し煮する、茹でる、煎じる、揚げる処理又は空気揚げなどの処理を行う。
【0030】
これにより、第1加熱アセンブリ12及び第2加熱アセンブリ33は異なる位置と角度から食材を加熱することで、食材がより均一に受熱し、調理効果の向上に役立つ。且つ、第1加熱アセンブリ12及び第2加熱アセンブリ33がいずれも食材を加熱することにより、食材を揚げる処理が実現され、且つ効果的に、早く揚げることができ、食材の表面がシャキシャキとしており口当たりが改善される。
【0031】
例えば、第1加熱アセンブリ12が食材の下側から食材を加熱し、且つ第2加熱アセンブリ33が食材の上側から食材を加熱する実施例において、第1加熱アセンブリ12と第2加熱アセンブリ33の組み合わせで食材の上面と下面が均一に加熱されるという調理効果が得られ、食材が上面と下面から内部の方へと熟成し、食材調理の均一性及び調理効率の向上に役立つ。
【0032】
本開示の実施例の調理器具100によれば、第1加熱アセンブリ12及び第2加熱アセンブリ33がいずれも食材を加熱することにより、食材を揚げる処理が実現され、しかも食材がより均一に受熱し、効率的に揚げることができ、食材の口当たりが改善される。
【0033】
本開示において、第1鍋蓋アセンブリ30の給電方式は特に限定されない。任意選択で、いくつかの実施例において、第1鍋蓋アセンブリ30及び鍋体アセンブリ10は別々に給電されてもよく、これにより、第1鍋蓋アセンブリ30は鍋体アセンブリ10と分離した場合でも、他の鍋体に覆設されて加熱することができ、第1鍋蓋アセンブリ30の実用性の向上に役立つ。
【0034】
任意選択で、またいくつかの実施例において、第1鍋蓋アセンブリ30はカプラーによって鍋体アセンブリ10に接続されることで、鍋体アセンブリ10から給電されてもよい。具体的には、
図2に示すように、鍋体アセンブリ10には下カプラー11が設けられてもよく、第1鍋蓋アセンブリ30は鍋蓋本体31に設けられる第1上カプラー32を有してもよく、第1鍋蓋アセンブリ30が鍋体アセンブリ10に覆設された場合に、下カプラー11と第1上カプラー32が結合して接続されると、第2加熱アセンブリ33は通電されて動作することができる。下カプラー11と第1上カプラー32が結合して接続されることで第1鍋蓋アセンブリ30に電気的接続が実現され、電気的接続構造は取り外し可能で、しかも取り外しも取り付けも便利であり、電気的接続がより安定的で、第2加熱アセンブリ33がより安定的に動作し、第1鍋蓋アセンブリ30の鍋体アセンブリ10に対する取り外しも取り付けもより便利になる。
【0035】
さらに、調理器具100は第2調理モードをさらに有してもよく、
図1に示すように、調理器具100は第2鍋蓋アセンブリ20を含んでもよく、第2鍋蓋アセンブリ20が鍋体アセンブリ10に覆設され、且つ第1加熱アセンブリ12が動作する場合に、調理器具100は第2調理モードにあり、第1加熱アセンブリ12だけで食材を蒸す、蒸し煮する、茹でる、煎じる、揚げる処理又は空気揚げなどの処理を行うことができる。
【0036】
本開示のいくつかの実施例の調理器具100によれば、第2鍋蓋アセンブリ20及び第1鍋蓋アセンブリ30はそれぞれ鍋体アセンブリ10と係合することが可能で、第2鍋蓋アセンブリ20と第1鍋蓋アセンブリ30との切り替えで第1調理モードと第2調理モードとの切り替えが実現され、調理器具100において様々な調理機能が実現され、機能がより多様化され、調理上の様々なニーズが満たされ、ユーザーは複数の調理器具を購入しなくても様々な調理方法を実現でき、しかも取り外しも取り付けも便利であるため、より使用しやすい。
【0037】
本開示のいくつかの実施例によれば、第2鍋蓋アセンブリ20には第2上カプラーが設けられてもよく、調理器具100が第2調理モードにある場合に、下カプラー11と第2上カプラーが結合して接続されると、第2鍋蓋アセンブリ20は通電されて動作することができる。なお、第2鍋蓋アセンブリ20が給電を要する部品を含まない実施例において、第2鍋蓋アセンブリ20には第2上カプラーが設けられなくてもよいし、又は第2上カプラーと下カプラー11が電気的に接続されなくてもよい。
【0038】
本開示のいくつかの実施例において、
図3に示すように、鍋体アセンブリ10は、筐体13と、鍋体14と、制御システム15とを含んでもよい。鍋体14は筐体13内に設けられてもよく、第1加熱アセンブリ12は鍋体14内に設けられてもよく、これにより第1加熱アセンブリ12は調理チャンバー101内の食材を加熱することができる。任意選択で、第1加熱アセンブリ12は鍋体14の下側及び外周面の外側における少なくとも1か所に設けられてもよい。
【0039】
また、
図3に示すように、制御システム15は筐体13に接続されてもよく、且つ制御システム15は第1加熱アセンブリ12及び第2加熱アセンブリ33の動作を制御することができ、これにより第1加熱アセンブリ12及び第2加熱アセンブリ33が同じ制御システム15によって制御され、第1鍋蓋アセンブリ30の構造が簡素化され、調理器具100の構造が簡素化される。また、第1鍋蓋アセンブリ30と鍋体アセンブリ10が第1上カプラー32及び下カプラー11によって結合して接続される実施例において、第1上カプラー32及び下カプラー11によって、第2加熱アセンブリ33には制御システム15との信号的な接続が実現され、第2加熱アセンブリ33の電力輸送及び信号伝送構造が集積して設けられるため、調理器具100の構造が一層簡素化され、しかも第1鍋蓋アセンブリ30の鍋体アセンブリ10に対する取り外しも取り付けもより便利である。
【0040】
さらに、
図3及び
図5に示すように、調理器具100は、第1温度センサ40と、第2温度センサ41とをさらに含んでもよい。第1温度センサ40は調理チャンバー101内の温度を検出することができ、制御システム15は第1温度センサ40に接続されて、第1温度センサ40の温度検出結果に基づいて第1加熱アセンブリ12の動作を制御することにより、第1加熱アセンブリ12の加熱温度やオンオフ状態などを使用上のニーズにより合わせることができる。第2温度センサ41は調理チャンバー101内の温度を検出することができ、制御システム15は第2温度センサ41に接続されて、第2温度センサ41の温度検出結果に基づいて第2加熱アセンブリ33の動作を制御することにより、第2加熱アセンブリ33の加熱温度やオンオフ状態などを使用上のニーズにより合わせることができる。
【0041】
なお、本開示において、調理器具100は第1温度センサ40及び第2温度センサ41のうちの一方だけを含んでもよいし、第1温度センサ40及び第2温度センサ41の両方を含んでもよい。
【0042】
さらに、
図3に示すように、第1加熱アセンブリ12は下側から食材を加熱するように、鍋体アセンブリ10の底部に設けられてもよい。第1温度センサ40は調理チャンバー101の下部の温度を検出し、調理チャンバー101の下部の温度検出結果に基づいて第1加熱アセンブリ12の動作を制御することができ、第1温度センサ40の温度検出結果はより精密で、第1加熱アセンブリ12の加熱温度制御はより正確である。第2温度センサ41は鍋蓋本体31に接続され、且つ第2温度センサ41は調理チャンバー101の上部の温度を検出し、調理チャンバー101の上部の温度検出結果に基づいて第2加熱アセンブリ33の動作を制御することができ、第2温度センサ41の温度検出結果はより精密で、第2加熱アセンブリ33の加熱温度制御はより正確である。
【0043】
第1加熱アセンブリ12が下側から、第2加熱アセンブリ33が上側から食材を加熱することにより、食材がより均一に受熱し、口当たりの改善に役立ち、且つ第1加熱アセンブリ12及び第2加熱アセンブリ33の動作状態が別々に制御されるため、調理上のより多くのニーズを満たすことができる。
【0044】
さらに、
図3及び
図5に示すように、第2加熱アセンブリ33は螺旋状に水平に延伸する加熱管を含んでもよく、第2温度センサ41は加熱管の中心に設けられてもよい。第2温度センサ41が加熱管とより距離が近いので、温度検出結果がより正確であり、しかも構造がよりコンパクトである。任意選択で、第2温度センサ41は調理チャンバー101の上部に入ってもよく、温度検出の正確性が一層高められる。
【0045】
任意選択で、
図3に示すように、鍋体アセンブリ10が鍋体14と筐体13とを含む実施例において、鍋体14は内鍋と、外鍋とを含んでもよく、内鍋は外鍋内に設けられ、且つ内鍋は調理チャンバー101を有する。第1温度センサ40は外鍋に設けられてもよく、且つ第1温度センサ40は内鍋の下壁面に当接してもよく、内鍋の下壁面の温度を検出することで調理チャンバー101の下部の温度を検出する。
【0046】
なお、
図3に示す例において、第1温度センサ40は検出部と、弾性部品とを有し、検出部は内鍋の下壁面に当接して内鍋の下壁面の温度を検出する。内鍋が外鍋内に配置された場合に、内鍋が弾性部品を圧縮させることで、検出部が内鍋の下壁面に密着し、温度検出の精度が高められる。
図3において、検出部が内鍋の下壁面を通り抜けることが、検出部が内鍋の下壁面に当接することを示し、弾性部品は圧縮されていない状態で示されるが、実際には弾性部品は圧縮された状態で、検出部は内鍋の下壁面に受け止められる。
【0047】
本開示のいくつかの実施例によれば、
図3及び
図5に示すように、第1鍋蓋アセンブリ30は扇風機アセンブリ34をさらに含んでもよく、扇風機アセンブリ34は鍋蓋本体31に設けられてもよく、扇風機アセンブリ34は動作中に調理チャンバー101内に気流を吹き込むことで、第2加熱アセンブリ33の動作で加熱された高温空気を調理チャンバー101に吹き込み、調理チャンバー101内の食材に対する加熱、ベーキング、空気揚げなどの処理を実現できる。第1上カプラー32及び下カプラー11を含む実施例において、扇風機アセンブリ34は第1上カプラー32に接続されてもよい。調理器具100が第1調理モードにある場合に、第1上カプラー32と下カプラー11が結合して接続されると扇風機アセンブリ34は通電されて動作することができる。
【0048】
任意選択で、
図2及び
図3に示すように、第2加熱アセンブリ33は扇風機アセンブリ34の下側に設けられてもよく、これにより扇風機アセンブリ34の調理チャンバー101内に熱風を吹き込む効率が高められる。
【0049】
本開示のいくつかの実施例において、第2調理モードは圧力調理モードであってもよく、圧力調理モードにおいては、第1加熱アセンブリ12は鍋体アセンブリ10内の食材を加熱することができ、且つ第2鍋蓋アセンブリ20と鍋体アセンブリ10の組み合わせで、鍋体アセンブリ10の調理チャンバー101内の気圧を変えて、陽圧(調理チャンバー101内の圧力が外部の圧力より大きいこと)又は陰圧(調理チャンバー101内の圧力が外部の圧力より小さいこと)を実現できる。圧力調理モードにおいては、食材を蒸し煮する、茹でる、煮込むなどの処理を行うことができ、食材の調理効率が高く、栄養がより効果的に抽出される。任意選択で、第1加熱アセンブリ12は食材の底部及び側部における少なくとも1か所から加熱することができる。
【0050】
第1調理モードはベーキング調理モードであってもよく、ベーキング調理モードにおいては、第2加熱アセンブリ33は上側から鍋体アセンブリ10の調理チャンバー101内の食材を加熱することで、食材をベーキングする、揚げる処理、空気揚げなどの処理を実現でき、食材が均一に受熱し、より効果的にベーキングされる。
【0051】
これにより、調理器具100はベーキング電気圧力鍋として構成され、圧力調理及びベーキング調理の両方の調理機能を備え、蒸し煮と茹でること、揚げることが同時に実現され、蒸し煮と茹でる作業も揚げる作業も1つの鍋で行われるため、実用性が高い。
【0052】
なお、本開示のまたいくつかの実施例において、第2調理モードはベーキング調理モードであってもよく、第1調理モードは圧力調理モードであってもよい。つまり、圧力調理モードにおいては、第2加熱アセンブリ33が鍋体アセンブリ10内の食材を加熱し、ベーキング調理モードにおいては、第1加熱アセンブリ12が鍋体アセンブリ10内の食材を加熱する。
【0053】
任意選択で、本開示のまたいくつかの実施例において、第1調理モード、第2調理モードはそれぞれ空気揚げ調理モード、おかゆ調理モード、スープ調理モードなどであってもよく、調理器具100は空気揚げポット、炊飯器、スープ調理器、煮込み専用鍋などとして使用することができる。
【0054】
任意選択で、本開示において、調理器具100は炊飯器、煮込み専用鍋、圧力鍋などであってもよい。
【0055】
本開示のいくつかの実施例によれば、第1調理モードは定温段階又は定電力段階を含んでもよい。定電力段階においては、第1加熱アセンブリ12及び第2加熱アセンブリ33はいずれも定電力で加熱する。定温段階においては、第1加熱アセンブリ12は少なくとも2つの加熱電力で切り替え可能に加熱し、第2加熱アセンブリ33は少なくとも2つの加熱電力で切り替え可能に加熱する。これにより、第1加熱アセンブリ12及び第2加熱アセンブリ33はより多くの加熱モードを有し、且つ第1調理モードの温度要件が満たされつつ、第1加熱アセンブリ12及び第2加熱アセンブリ33のエネルギー消費がより少なく、高加熱電力で持続的に動作する必要がないため、第1加熱アセンブリ12及び第2加熱アセンブリ33の耐用年数を引き伸ばすことに役立つ。且つ第1調理モードにおいては、第1加熱アセンブリ12及び第2加熱アセンブリ33はいずれも食材を加熱することができ、食材の異なる側面から調理すると、食材がより均一に受熱し、食材の調理効果の向上に役立つ。
【0056】
さらに、第1加熱アセンブリ12の加熱温度範囲は100℃~200℃であってもよく、例えば、第1加熱アセンブリ12の加熱温度t1は100℃、120℃、150℃、180℃、200℃などである。第2加熱アセンブリ33の加熱温度範囲は100℃~200℃であってもよく、例えば、第2加熱アセンブリ33の加熱温度t2は100℃、120℃、150℃、180℃、200℃などである。なお、第1加熱アセンブリ12の加熱温度t1と第2加熱アセンブリ33の加熱温度t2は同じでもよいし異なってもよい。
【0057】
本開示のいくつかの実施例において、調理器具100が第1調理モードにある場合に、第1加熱アセンブリ12の動作の総時間はT1であり、第1調理モードの持続時間はT0であり、T1≦T0である。つまり、第1調理モードにおいては、第1加熱アセンブリ12は持続的に動作し且つ動作の持続時間がT0を超えなくもよいし、又は間欠的に動作してもよく、これにより調理上のニーズが満たされることを前提にエネルギー消費を低減させ、第1加熱アセンブリ12の耐用年数を引き伸ばすことができる。
【0058】
任意選択で、第2加熱アセンブリ33の動作の総時間はT2であり、第1調理モードの持続時間はT0であり、T2≦T0である。つまり、第1調理モードにおいては、第2加熱アセンブリ33は持続的に動作し且つ動作の持続時間がT0を超えなくもよいし、又は間欠的に動作してもよく、これにより調理上のニーズが満たされることを前提にエネルギー消費を低減させ、第2加熱アセンブリ33の耐用年数を引き伸ばすことができる。
【0059】
本開示において、第1加熱アセンブリ12の加熱電力は2つ、3つ又は4つ以上を含んでもよく、第2加熱アセンブリ33の加熱電力は2つ、3つ又は4つ以上を含んでもよい。次に、第1加熱アセンブリ12の加熱電力が2つを含み且つ第2加熱アセンブリ33の加熱電力が2つを含むのを例に、本開示の実施例に係る調理器具100の加熱方式を説明する。以下の説明により、第1加熱アセンブリ12の加熱電力が3つ又は4つ以上を含み、第2加熱アセンブリ33の加熱電力が3つ又は4つ以上を含む実施例は、当業者に理解されるものである。
【0060】
本開示のいくつかの実施例によれば、
図6に示すように、第1加熱アセンブリ12の加熱電力は第1加熱電力P1及び第2加熱電力P2を含み、第1加熱アセンブリ12は第1加熱電力P1と第2加熱電力P2とで交互に加熱することができる。
図7に示すように、第2加熱アセンブリ33の加熱電力は第3加熱電力P3及び第4加熱電力P4を含み、第2加熱アセンブリ33は第3加熱電力P3と第4加熱電力P4とで交互に加熱することができる。P1>P2で、P3>P4で、P2≧0で、P4≧0である。
【0061】
つまり、第1加熱アセンブリ12は高加熱電力と低加熱電力とで交互に加熱してもよいし、又は第1加熱アセンブリ12は一定の時間加熱した後、一定の時間加熱を停止することを繰り返してもよく、第2加熱アセンブリ33は高加熱電力と低加熱電力とで交互に加熱してもよいし、又は第2加熱アセンブリ33は一定の時間加熱した後、一定の時間加熱を停止することを繰り返してもよい。
【0062】
なお、P1とP3は同じでもよいし異なってもよく、P2とP4は同じでもよいし異なってもよい。また、ここにいう「高加熱電力」と「低加熱電力」は相対的に高いことと低いことであり、P1とP2を比べると、P1は高加熱電力で、P2は低加熱電力であり、P3とP4を比べると、P3は高加熱電力で、P4は低加熱電力である。第1加熱アセンブリ12が第1加熱電力P1で加熱する加熱時間と第2加熱電力P2で加熱する加熱時間とは毎回が同じでもよいし異なってもよく、且つ第1加熱電力P1で加熱する加熱時間は連続の2回で同じでもよいし異なってもよく、第2加熱電力P2で加熱する加熱時間は連続の2回で同じでもよいし異なってもよい。第2加熱アセンブリ33が第3加熱電力P3で加熱する加熱時間と第4加熱電力P4で加熱する加熱時間とは毎回が同じでもよいし異なってもよく、且つ第3加熱電力P3で加熱する加熱時間は連続の2回で同じでもよいし異なってもよく、第4加熱電力P4で加熱する加熱時間は連続の2回で同じでもよいし異なってもよい。
【0063】
また、第1加熱アセンブリ12が第1加熱電力P1と第2加熱電力P2とで交互に加熱し且つ第2加熱アセンブリ33が第3加熱電力P3と第4加熱電力P4とで交互に加熱する場合に、第1加熱アセンブリ12及び第2加熱アセンブリ33は同時に高加熱電力で加熱してもよいし、間欠的に交互に高加熱電力で加熱してもよいし、又は高加熱電力での動作時間に時間差があってもよい。
【0064】
例えば、特定のいくつかの実施例において、第1加熱アセンブリ12は下側から食材を加熱し、第2加熱アセンブリ33は上側から食材を加熱し、
図8に示すように、第1加熱アセンブリ12及び第2加熱アセンブリ33は完全に同期して高加熱電力で加熱する。具体的には、第1加熱アセンブリ12の加熱電力が第1加熱電力P1である場合に、第2加熱アセンブリ33の加熱電力は第3加熱電力P3であり、第1加熱アセンブリ12の加熱電力が第2加熱電力P2である場合に、第2加熱アセンブリ33の加熱電力は第4加熱電力P4である。これにより、第1加熱アセンブリ12及び第2加熱アセンブリ33が同期して加熱することが実現され、第1加熱アセンブリ12及び第2加熱アセンブリ33が同時に高電力で動作して食材の上側及び下側から同時加熱することにより、食材は上面と下面から内部の方へと速やかに熟成し、調理効率が高く、調理時間がより短く、しかも食材の上部と下部が均一に受熱する。
【0065】
特定のいくつかの実施例において、第1加熱アセンブリ12は下側から食材を加熱し、第2加熱アセンブリ33は上側から食材を加熱し、
図9に示すように、第1加熱アセンブリ12と第2加熱アセンブリ33は間欠的に交互に高加熱電力で加熱する。具体的には、第1加熱アセンブリ12の加熱電力が第1加熱電力P1である場合に、第2加熱アセンブリ33の加熱電力は第4加熱電力P4であり、第1加熱アセンブリ12の加熱電力が第2加熱電力P2である場合に、第2加熱アセンブリ33の加熱電力は第3加熱電力P3である。これにより、第1加熱アセンブリ12と第2加熱アセンブリ33が交互に加熱することが実現され、当該調理方式の調理時間は
図8に示す調理方式の調理時間より若干長いが、交互に加熱されるたびに、食材の表面の材料が少しずつ食材の内部に染み込むため、食材の風味が深まり、口当たりが改善される。
【0066】
また特定のいくつかの実施例において、第1加熱アセンブリ12は下側から食材を加熱し、第2加熱アセンブリ33は上側から食材を加熱し、
図10に示すように、第1加熱アセンブリ12と第2加熱アセンブリ33の高加熱電力での動作時間に時間差がある。具体的には、第1加熱アセンブリ12の加熱電力が第1加熱電力P1である場合に、第2加熱アセンブリ33は第3加熱電力P3で第1所定の時間加熱した後、第4加熱電力P4に切り替わって第2所定の時間加熱し、第1加熱アセンブリ12が第2加熱電力P2で加熱する場合に、第2加熱アセンブリ33は第4加熱電力P4で第3所定の時間加熱した後、第3加熱電力P3に切り替わって第4所定の時間持続する。これにより、第1加熱アセンブリ12と第2加熱アセンブリ33が交互に加熱することが実現され、当該調理方式の調理時間は
図8及び
図9に示す2種の調理方式の調理時間の間にあり、調理効率及び風味が深まる効果が両立され、つまり、調理効率が高められるとともに、食材の風味が深まる効果が得られ、また調理の過程で、第1加熱アセンブリ12の高電力動作と第2加熱アセンブリ33の高電力動作がシームレスにつながることで、加熱調理がシームレスにつながることが実現され、調理効果及び調理効率の向上に役立つ。
【0067】
なお、第1加熱アセンブリ12と第2加熱アセンブリ33の高加熱電力での動作時間に時間差がある実施例において、第1加熱アセンブリ12の加熱電力が第1加熱電力P1である場合に、第2加熱アセンブリ33は第4加熱電力P4で第5所定の時間加熱した後、第3加熱電力P3に切り替わって第6所定の時間加熱し、第1加熱アセンブリ12が第2加熱電力P2で加熱する場合に、第2加熱アセンブリ33は第3加熱電力P3で第7所定の時間加熱した後、第4加熱電力P4に切り替わって第8所定の時間持続してもよい。
【0068】
本開示の更なる実施例によれば、
図6~
図10に示すように、第1調理モードは予熱段階を含んでもよい。予熱段階においては、第1加熱アセンブリ12の加熱電力はゼロから定速で最大加熱電力に増加し、且つ第1加熱アセンブリ12の加熱電力が予熱段階の終了まで最大加熱電力に保持され、第2加熱アセンブリ33の加熱電力はゼロから定速で最大加熱電力に増加し、且つ第2加熱アセンブリ33の加熱電力が予熱段階の終了まで最大加熱電力に保持される。
【0069】
なお、最大加熱電力は少なくとも2つの加熱電力のうち数値が最大の方であってもよい。例えば、第1加熱アセンブリ12の加熱電力が第1加熱電力P1と、第2加熱電力P2とを含み且つP1>P2である場合に、第1加熱アセンブリ12の最大加熱電力は第1加熱電力P1である。第2加熱アセンブリ33の加熱電力が第3加熱電力P3と、第4加熱電力P4とを含み且つP3>P4である場合に、第2加熱アセンブリ33の最大加熱電力は第3加熱電力P3である。
【0070】
これに対応して、予熱段階においては、第1加熱アセンブリ12の加熱温度はゼロ又は常温から定速で最高温度に増加し、且つ予熱段階の終了まで最高温度に保持されてもよく、第2加熱アセンブリ33の加熱温度はゼロ又は常温から定速で最高温度に増加し、且つ予熱段階の終了まで最高温度に保持されてもよい。
【0071】
なお、最高温度は定温段階の加熱温度であってもよい。例えば、第1加熱アセンブリ12の定温段階における加熱温度がt1で、第2加熱アセンブリ33の定温段階における加熱温度がt2である場合に、第1加熱アセンブリ12の最高温度はt1で、第2加熱アセンブリ33の最高温度はt2であってもよい。
【0072】
本開示の実施例に係る調理器具100の他の構成及び操作は当業者にとって既知の内容であり、ここで詳細な説明が省略される。
【0073】
なお、本開示の説明で、特に明確な規定又は限定がなされる場合を除き、用語「取り付ける」、「連結」、「接続」は広義で理解されるべきであり、例えば、固定して接続されることであってもよいし、取り外し可能に接続されることであってもよいし、又は一体的に接続されることであってもよく、機械的に接続されることであってもよいし、電気的に接続されることであってもよく、直接的に接続されることであってもよいし、中間の介在物を介して間接的に接続されることであってもよく、2つの部品が内部で連通することであってもよい。当業者であれば、状況に応じて前記用語の本開示での意味を具体的に理解することができる。
【0074】
本明細書の説明で、用語「実施例」、「特定の実施例」、「例」などが用いられる場合には、当該実施例又は例で説明される特定の特徴、構造、材料又は利点が本開示の少なくとも一実施例又は例に含まれることが意図される。本明細書で、前記用語に関する例示的な記述は同じ実施例又は例が対象になるとは限らない。しかも、説明される特定の特徴、構造、材料又は利点は任意の1つ又は複数の実施例又は例で適切な形態で組み合わせられてもよい。
【0075】
本開示の実施例を示す上で説明しているが、当業者に理解されるように、本開示の原理と趣旨から逸脱することなく、これらの実施例に様々な変化、補正、置き換え又は変形を行うことができ、本開示の範囲は特許請求の範囲又はそれと同等なものによって限定される。
【符号の説明】
【0076】
100…調理器具、
10…鍋体アセンブリ、101…調理チャンバー、11…下カプラー、12…第1加熱アセンブリ、13…筐体、14…鍋体、15…制御システム、
20…第2鍋蓋アセンブリ、
30…第1鍋蓋アセンブリ、31…鍋蓋本体、32…第1上カプラー、33…第2加熱アセンブリ、34…扇風機アセンブリ、
40…第1温度センサ、41…第2温度センサ