(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-03
(45)【発行日】2023-04-11
(54)【発明の名称】オンボディ薬剤送達デバイスのための起動機構
(51)【国際特許分類】
A61M 5/142 20060101AFI20230404BHJP
A61M 5/20 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
A61M5/142 522
A61M5/20 570
(21)【出願番号】P 2021562877
(86)(22)【出願日】2020-04-08
(86)【国際出願番号】 EP2020059964
(87)【国際公開番号】W WO2020216617
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-12-15
(32)【優先日】2019-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520011887
【氏名又は名称】エスエイチエル・メディカル・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・スコット
(72)【発明者】
【氏名】スロボダン・ステファノフ
【審査官】川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0091404(US,A1)
【文献】特表2016-521171(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/142
A61M 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンボディ薬剤送達デバイス(1)のための起動機構(23)であって、
初期位置と起動位置の間で移動するように構成された起動ボタン構造(25)と、
起動ピンスリーブ(29)と、
前記起動ピンスリーブ(29)により受け入れられる付勢された起動ピン(27)であって、前記起動ピンスリーブ(29)に対する初期の後退位置から、前記起動ピン(27)が付勢される方向の延長位置へと直線的に移動可能であるように構成される、付勢された起動ピン(27)とを備え、
前記起動ボタン構造(25)は、前記初期位置において、前記起動ピンスリーブ(29)と相互作用して、前記起動ピンスリーブ(29)を前記起動ピン(27)と係合させ、かつ前記起動ピン(27)を前記後退位置に維持するように構成され、ここで、前記起動ボタン構造(25)は、前記起動ボタン構造(25)が前記起動位置の方向に直線的に移動した場合に、前記起動ピンスリーブ(29)と相互作用して、前記起動ピンスリーブ(29)に、前記起動ピン(27)を前記後退位置から解放させるように構成さ
れ、
前記起動ボタン構造(25)は、起動ボタン(5)と、前記起動ボタン(5)に固定して接続された起動ボタンスリーブ(31)とを備え、前記起動ボタンスリーブ(31)は、前記起動ピンスリーブ(29)を受け入れるように構成され、前記起動ピンスリーブ(29)は、前記起動ピン(27)と係合するように構成された半径方向内側に延びる可撓性アーム(29a)を備え、前記起動ボタンスリーブ(31)は、前記起動ボタン構造(25)が前記初期位置にある場合に、前記半径方向内側に延びる可撓性アーム(29a)を、前記起動ピン(27)と係合するように、半径方向内側に強制するように構成され、前記起動ボタンスリーブ(31)は、前記起動ボタン構造(25)が前記起動位置に向けて移動した場合に、前記起動ピンスリーブ(29)に対して軸方向に移動するように構成されて、前記半径方向内側の可撓性アーム(29a)を、半径方向外側に撓ませることができ、それにより、前記起動ピン(27)を、前記起動ピンスリーブ(29)との係合から解放する、起動機構(23)。
【請求項2】
送達部材(9)を含む付勢された送達部材機構(21)を備え、前記送達部材機構(21)は、前記起動ピン(27)が前記後退位置にある場合に、前記送達部材(9)が初期の送達部材位置にあるロック位置にあり、前記起動ピン(27)は、前記起動ピン(27)が前記延長位置に向けて移動した場合に、前記送達部材機構(21)を前記ロック位置から解放し、それにより、前記送達部材(9)を前記初期の送達部材位置から投与位置へと直線的に移動するように構成される、請求項1に記載の起動機構(23)。
【請求項3】
前記送達部材機構(21)は、ねじり方向に付勢された第1の送達部材作動器(37)と、前記起動ピン(27)が前記後退位置にある場合に、前記第1の送達部材作動器(37)の回転を阻止し、それにより、前記送達部材機構(21)が前記ロック位置にあるように構成された直線的に移動可能なロッキング部材(41)とを含み、前記起動ピン(27)は、前記起動ピン(27)が前記延長位置に向けて移動した場合に、前記ロッキング部材(41)を移動して、それにより、前記第1の送達部材作動器(37)を解放するように構成され、前記第1の送達部材作動器(37)を回転させ、それにより、前記送達部材機構(21)が前記ロック位置から解放される、請求項2に記載の起動機構(23)。
【請求項4】
前記送達部材機構(21)は、前記送達部材(9)に接続され、ねじり方向に付勢された第2の送達部材作動器(39、39’)を含み、前記第1の送達部材作動器(37、37’)は、前記第1の送達部材作動器(37、37’)が回転した場合に、前記第2の送達部材作動器(39、39’)に対して力を加えるように構成され、それにより前記第2の送達部材作動器(39、39’)の移動、および前記送達部材(9)の前記投与位置への移動を生ずる、請求項3に記載の起動機構(23)。
【請求項5】
前記第2の送達部材作動器(39)は、前記送達部材(9)に接続された脚(39a)を有する送達部材作動ねじりばねであり、前記第1の送達部材作動器(37)は、前記第1の送達部材作動器(37)が回転した場合に、前記脚(39a)に対して力を加えるように構成される、請求項4に記載の起動機構(23)。
【請求項6】
前記第2の送達部材作動器(39’)は、前記第1の送達部材作動器(37’)とカム機構を形成する、請求項4に記載の起動機構(23)。
【請求項7】
前記送達部材機構(21)は、ドラムねじりばね(36b)を含むドラム(36a)を備え、前記第1の送達部材作動器(37、37’)は、前記ドラムねじりばね(36b)によりねじり方向に付勢された、ドラム(36a)内に配置されたドラム挿入本体(37a、37a’)であり、前記ドラム挿入本体(37a、37a’)は、前記ドラム(36a)から軸方向に延びる突起部(37a-3)を備え、前記突起部(37a-3)は、前記第1の送達部材作動器(37、37’)が回転した場合に、前記第2の送達部材作動器(39、39’)と相互作用するように構成される、請求項4から6のいずれか一項に記載の起動機構(23)。
【請求項8】
前記第1の送達部材作動器(37、37’)は、前記起動ピン(27)の前記後退位置において、前記ロッキング部材(41)に当たるように構成された半径方向ブロック突起部(37a-3)を備え、それにより、前記第1の送達部材作動器(37、37’)の回転を阻止する、請求項7に記載の起動機構(23)。
【請求項9】
前記ドラムは、前記
ロッキング部材(41)が、前記起動ピン(27)により移動された場合に、中を通るように構成された軸方向スリットを備える、請求項8に記載の起動機構(23)。
【請求項10】
前記起動ピンは、導電性表面を有する、請求項1から
9のいずれか一項に記載の起動機構。
【請求項11】
外側ハウジングと、
前記ハウジング内に配置された請求項1から
10のいずれか一項に記載の起動機構と
を備えるオンボディ薬剤送達デバイス(1)。
【請求項12】
少なくとも1つの電子構成要素と、離間された2つの接触要素(35a、35b)とを備え、前記起動ピン(27)の前記導電性表面(27a)は、前記起動ピン(27)が前記延長位置にある場合に、前記2つの接触要素(35a、35b)の間に電気的な接続を提供するように構成される、請求項
10に従属する請求項
11に記載のオンボディ薬剤送達デバイス(1)。
【請求項13】
第1の封止部(33)を備える内側ハウジング(15)を備え、前記起動ピン(27)は、前記起動ピン(27)が前記後退位置から前記延長位置の方向に移動した場合に、前記第1の封止部(33)を貫通するように構成される、請求項
11または
12に記載のオンボディ薬剤送達デバイス(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、薬剤送達デバイスに関し、詳細には、オンボディ薬剤送達デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
オンボディ薬剤送達デバイス、または装着可能な薬剤送達デバイスは、ユーザにより装着されるデバイスの範疇である。したがって、オンボディ薬剤送達デバイスは、ユーザの体に固定されるように構成される。それらは、例えば、薬剤投与を、自動注射器または手動注射器が提供できるものよりも長い時間枠にわたって実施すべきである場合に使用することができる。オンボディ薬剤送達デバイスは、例えば、1時間またはそれ以上の時間にわたって連続する薬剤送達を行うように構成することができる。
【0003】
オンボディ薬剤デバイスは、ユーザにより装着されるので、注射剤送達部材は、通常、注射シーケンスが開始される前にはオンボディ薬剤送達デバイス内に含まれている。注射剤送達部材は、通常、ユーザが注射シーケンスをトリガした後、注射部位に挿入される。
【0004】
特許文献1は、装着可能な注射器を開示しており、それは、ハウジング、および注射針であって、注射針の先端が注射器ハウジング内に含まれる後退位置と、先端が注射器ハウジングから突き出ている注射位置との間で針の軸に沿って移動できる注射針を含む。起動ボタン構造は、注射器ハウジングに移動可能に取り付けられ、また注射針に動作可能に接続される。起動ボタン構造は、非作動位置から、非作動位置とは視覚的に異なる作動位置へと、針の軸に平行にボタン軸に沿って移動することができる。付勢部材が、起動ボタン構造および注射針に接続される。付勢部材は、起動ボタン構造の非作動位置において、エネルギー蓄積状態で安定化され、また起動ボタン構造の作動位置において解放されて、エネルギー解放状態に入り、注射針を、後退位置から注射位置へと針の軸に沿って駆動する。
【0005】
特許文献1に開示された構成は、針が配置される設計が、基本的に、ボタン軸と軸方向に位置合わせされて配置されることを必要とする。さらにその設計は、付勢されたボタンを押下する必要があり、それには強い起動力を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の目的は、従来技術の問題を解決する、または少なくとも軽減するオンボディ薬剤送達デバイスのための起動機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、オンボディ薬剤送達デバイスのための起動機構が提供され、起動機構は、初期位置と起動位置との間を移動するように構成された起動ボタン構造と、起動ピンスリーブと、起動ピンスリーブにより受け入れられる付勢された起動ピンであって、起動ピンスリーブに対する初期の後退位置から、起動ピンが付勢される方向の延長位置へと直線的に移動可能であるように構成される、付勢された起動ピンとを備え、起動ボタン構造は、初期位置において、起動ピンスリーブと相互作用して、起動ピンスリーブを起動ピンと係合させ、かつ起動ピンを後退位置に維持するように構成され、ここで、起動ボタン構造は、起動ボタン構造が起動位置の方向に直線的に移動したとき、起動ピンスリーブと相互作用して、起動ピンスリーブに、起動ピンを後退位置から解放させるように構成される。
【0009】
ピンスリーブは、したがって、起動ピンスリーブの長手方向軸に沿って移動することができる。これは、例えば、金属針、および/またはソフトカニューレなど、送達部材の位置に関して設計の自由度を提供する。
【0010】
起動ボタン構造は、初期位置と起動位置の間で直線的に移動するように構成することができる。
【0011】
一実施形態は、送達部材を含む付勢された送達部材機構を備え、その送達部材機構は、起動ピンが後退位置にあるとき、送達部材が初期の送達部材位置にあるロック位置にあり、ここで、起動ピンは、起動ピンが延長位置に向けて移動したとき、送達部材機構をロック位置から解放して、それにより、送達部材を直線的に、初期の送達部材位置から投与位置へと移動するように構成される。
【0012】
起動ピンは、したがって、起動ピンスリーブとのその初期の係合から解放されたとき、送達部材の動きをトリガする。
【0013】
一実施形態によれば、送達部材機構は、針およびソフトカニューレを含み、ソフトカニューレは、針を受け入れて、初期の送達部材位置から投与位置へと針と共に移動するように構成される。
【0014】
一実施形態によれば、起動機構は、ガイド構造を備え、また送達部材機構は、送達部材に接続された可動構造を含み、可動構造は、初期の送達部材位置から投与位置へと、送達部材と共に、ガイド構造内で移動するように構成され、ここで、可動構造は、投与位置においてガイド構造と係合し、送達部材を投与位置に保持するように構成される。
【0015】
可動構造は、例えば、送達部材/ガイド構造の投与位置において、ガイド構造と係合するように構成された、例えば、突起などの停止部、可撓性アーム、凹部、または切り込み部を備えることができる。
【0016】
一実施形態によれば、送達部材は、針およびソフトカニューレを備える。
【0017】
一実施形態によれば、起動機構はガイド構造を備え、また送達部材機構は、ガイド構造内で移動するように構成された可動構造を備え、可動構造は、第1の部材、および第1の部材に対して移動可能な第2の部材を含み、ここで、第1の部材は、針に固定して接続され、また第2の部材は、針に接続されたソフトカニューレに接続され、第1の部材および第2の部材は、初期の送達部材位置から投与位置へと針およびソフトカニューレと共に移動するように構成され、ここで、第2の部材は、ソフトカニューレを投与位置に保持するようにガイド構造と係合するように構成され、ここで、第1の部分は、後退することができ、それにより、針は、第1の部材と共に、初期の送達部材位置へと戻る。
【0018】
一実施形態によれば、送達部材機構は、ねじり方向に付勢された第1の送達部材作動器と、起動ピンが後退位置にあるとき、第1の送達部材作動器の回転を阻止し、それにより、送達部材機構がロック位置にあるように構成された直線的に移動可能なロッキング部材とを含み、ここで、起動ピンは、起動ピンが延長位置に向けて移動したとき、ロッキング部材を移動して、それにより、第1の送達部材作動器を解放するように構成され、第1の送達部材作動器を回転させ、それにより、送達部材機構は、ロック位置から解放される。
【0019】
一実施形態によれば、送達部材機構は、送達部材に接続され、ねじり方向に付勢された第2の送達デバイス作動器を含み、ここで、第1の送達部材作動器は、第1の送達部材作動器が回転したとき、第2の送達部材作動器に対して力を加えるように構成され、それにより、第2の送達部材作動器を移動させ、かつ送達部材を投与位置へと移動させる。
【0020】
一実施形態によれば、第2の送達部材作動器は、送達部材に接続された脚を有する送達部材作動ねじりばねであり、また第1の送達部材作動器は、第1の送達部材作動器が回転したとき、脚に対して力を加えるように構成される。
【0021】
一実施形態によれば、第2の送達部材作動器は、第1の送達部材作動器とカム機構を形成する。
【0022】
一実施形態によれば、送達部材機構は、ドラムねじりばねを含むドラムを備え、ここで、第1の送達部材作動器は、ドラムねじりばねによりねじり方向に付勢された、ドラムに配置されたドラム挿入本体であり、ここで、ドラム挿入本体は、ドラムから軸方向に延びた突起部を備え、突起部は、第1の送達部材作動器が回転したとき、第2の送達部材作動器と相互作用するように構成される。
【0023】
一実施形態によれば、第1の送達部材作動器は、起動ピンの後退位置においてロッキング部材に当たるように構成された半径方向ブロック突起部を備え、それにより、第1の送達部材作動器の回転が阻止される。
【0024】
一実施形態によれば、ドラムは、ブロック部材が、起動ピンにより移動されたとき、中を通るように構成された軸方向スリットを備える。
【0025】
一実施形態によれば、起動ボタン構造は、起動ボタンと、起動ボタンに固定して接続された起動ボタンスリーブとを備え、起動ボタンスリーブは、起動ピンスリーブを受け入れるように構成され、起動ピンスリーブは、起動ピンと係合するように構成された半径方向内側に延びる可撓性アームを備え、起動ボタンスリーブは、起動ボタン構造が初期位置にあるとき、半径方向内側に延びる可撓性アームを、起動ピンと係合するように、半径方向内側に強制するように構成され、また起動ボタンスリーブは、起動ボタン構造が起動位置に向けて移動したとき、起動ピンスリーブに対して軸方向に移動するように構成されて、半径方向内側に可撓性アームを、半径方向外側に撓ませることができ、それにより、起動ピンを、起動ピンスリーブとの係合から解放する。
【0026】
一実施形態によれば、起動ピンは導電性表面を有する。
【0027】
本開示の第2の態様によれば、オンボディ薬剤送達デバイスが提供され、それは、外側ハウジング、およびハウジング内に配置された第1の態様による起動機構を備える。
【0028】
一実施形態は、少なくとも1つの電子構成要素と、離間された2つの接触要素とを備え、起動ピンの導電性表面は、起動ピンが延長位置にあるとき、2つの接触要素の間に電気的な接続を提供するように構成される。
【0029】
一実施形態は、第1の封止部を備える内側ハウジングを備え、起動ピンは、起動ピンが、後退位置から延長位置に向けて移動したとき、第1の封止部を貫通するように構成される。内側ハウジングは、それにより、オンボディ薬剤送達デバイスが起動されるまで、無菌状態に保たれ得る。
【0030】
オンボディ薬剤送達デバイスは、例えば、オンボディ自動注射器などのオンボディ注射器とすることができる。
【0031】
概して、請求項で使用されるすべての用語は、本明細書において明示的に他の形で規定されない限り、本技術分野でその通常の意味に従って解釈されるべきである。「1つのa)/1つの(an)/そのthe)要素、装置、構成要素、手段など」に対するすべての参照は、明示的にその他の形で述べられない限り、要素、装置、構成要素、手段などの少なくとも1つの例を参照するものと広く解釈されるべきである。
【0032】
例として、添付図面を参照して、本発明の概念の特定の実施形態が次に述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】オンボディ薬剤送達デバイスの例の斜視図である。
【
図2】
図1のオンボディ薬剤送達デバイスの底面の斜視図である。
【
図3】その外側ハウジングを外した状態のオンボディ薬剤送達デバイスの斜視図である。
【
図4】内側ハウジングを外した状態の別の斜視図である。
【
図5】外側ハウジングを外した状態のオンボディ薬剤送達デバイス1の別の斜視図である。
【
図6】
図1のオンボディ薬剤送達デバイスの起動機構の一部の例を示す図である。
【
図7】
図1のオンボディ薬剤送達デバイスの起動機構の一部を示す図である。
【
図8】起動ピンおよび起動ピンスリーブの例を示す図である。
【
図10】ロック位置にある送達部材機構の例を示す図である。
【
図12】外側ハウジングを外した状態のオンボディ薬剤送達デバイスの短い端面を示す図である。
【
図13】ロック位置から解放されたときの
図10における送達部材機構を示す図である。
【
図14】送達部材機構の代替的な例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の概念は次に、例示的な実施形態が示されている添付図面を参照して、以下でより完全に述べられる。しかし、本発明の概念は、多くの異なった形態で実施することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈すべきではなく、これらの実施形態は、本開示が十分に、かつ完全になるように、また本発明の概念の範囲を当業者に十分に伝えるように、例として提供されたものである。本記述の全体を通して、同様の番号は同様の要素を指す。
【0035】
図1は、オンボディ薬剤送達デバイス1の例を示す。例示されたオンボディ薬剤送達デバイス1は、自動注射器である。例示されたオンボディ薬剤送達デバイス1は、単一使用/使い捨ての薬剤送達デバイスとすることができる。
【0036】
オンボディ薬剤送達デバイス1は、外部ハウジング、または外側ハウジング3を有する。外側ハウジング3は、上側ハウジング部分3aおよび下側ハウジング部分3bを備える。上側ハウジング部分3aおよび下側ハウジング部分3bは、互いに組み立てられるように構成することができる。
【0037】
下側ハウジング部分3bは、オンボディ薬剤送達デバイス1が、ユーザにより装着された場合に、ユーザの体および注射部位に面するように構成される。オンボディ薬剤送達デバイス1は、例えば、下側ハウジング部分3b上に提供された接着層により、または当技術分野で知られた任意の他の手段により、ユーザの体に接着することができる。
【0038】
オンボディ薬剤送達デバイス1は、起動ボタン5を備える。起動ボタン5は、外側ハウジング3に対して移動するように構成される。オンボディ薬剤送達デバイス1は、それにより起動され得る。薬剤の排出が、それにより開始され得る。例示された起動ボタン5は、外側ハウジング3に対して摺動可能である。起動ボタン5は、矢印7で示された方向に摺動することができる。
【0039】
図2は、オンボディ薬剤送達デバイス1の下側ハウジング部分3bの図を示す。下側ハウジング部分3bは、送達部材9が通って延びることのできる薬剤部材貫通開口部3cを有する。本例では、送達部材9は、針、またはソフトカニューレを備えた針とすることができる。送達部材9は、
図2において、下側ハウジング部分3bから延びる投与位置にある。投与位置は、起動ボタン5により、オンボディ薬剤送達デバイス1を起動させることにより達成され、それを、本明細書で詳細に述べるものとする。起動させる前に、送達部材は、初期の送達部材位置にあり、その位置では、外側ハウジング3に対して後退しており、完全に外側ハウジング3の内側に配置される。
【0040】
図3は、別の視点からのオンボディ薬剤送達デバイス1を示しており、上側ハウジング部分3aが外されて、オンボディ薬剤送達デバイス1の内部を露出した状態にある。例示されたオンボディ薬剤送達デバイス1は、薬剤容器が配置されるように構成された薬剤容器保持域11を有する。オンボディ薬剤送達デバイス1は、薬剤容器および送達デバイス9に接続されるように構成された第1の内側パイプ13をさらに備える。薬剤容器からの薬剤は、それにより、オンボディ薬剤送達デバイス1から、送達部材9を介して吐出することができる。
【0041】
オンボディ薬剤送達デバイス1は、内側ハウジング15をさらに備え、それは、送達部材機構を含む。代替的に、オンボディ薬剤送達デバイス1は、内側ハウジング15なしに提供することもできる。内側ハウジング15には、例えば、向上させた無菌状態を提供することができる。
【0042】
図4は、上側ハウジング部分3aおよび内側ハウジング15を取り外した状態のオンボディ薬剤送達デバイス1を示す。起動ボタン5もまた外されている。
【0043】
オンボディ薬剤送達デバイス1は、第2の内側パイプ17および送達デバイス9を備える可動構造18と、可撓性のある管(図示せず)とを備える。
【0044】
可撓性のある管は、第1の内側パイプ13と第2の内側パイプ17とを接続する。第2の内側パイプ17は、送達部材9に接続される。送達部材9は、第2の内側パイプ17に本質的に直角に配置されて、薬剤部材貫通開口部3cを貫通することができる。
【0045】
オンボディ薬剤送達デバイス1は、可動構造18の移動をガイドするように構成されたガイド構造19を備える。ガイド構造19はトラックを備え、その内部で、可動構造18は、送達部材が初期の送達部材位置にある初期位置から、送達部材が投与位置にある第2の位置へと通る/移動するように構成される。
【0046】
【0047】
図5は、上側ハウジング部分3aを外した状態で、側方からの斜視図におけるオンボディ薬剤送達デバイス1を示している。オンボディ薬剤送達デバイス1は、起動機構23を備える。起動機構23は、起動構造25、起動ピン27、および起動ピンスリーブ29を備える。起動構造25は、起動ボタン5および起動ボタンスリーブ31を備える。
【0048】
図6は、起動ボタン5、起動ボタンスリーブ31、起動ピン27、および起動ピンスリーブ29を備える起動機構23を示す。起動ボタン5および起動ボタンスリーブ31は、本例では、2つの別々の部分として提供され、起動ボタン5が起動ボタンスリーブ31に、機械的に互いに固定して接続された状態であるが、それらは、代替的に一体構造を形成することもできる。
【0049】
起動ボタンスリーブ31は、起動ピンスリーブ29を受け入れるように構成される。起動ピンスリーブ29は、起動ピン27を受け入れるように構成される。
図6では、起動ボタン構造25、したがって、起動ボタン5および起動ボタンスリーブ31は、起動ピンスリーブ29に対して初期位置にある。起動構造25、したがって、起動ボタン5および起動ボタンスリーブ31は、起動ピンスリーブ29に対して、起動位置へと移動可能である。
【0050】
起動ピンスリーブ29は、起動ボタン構造25が初期位置にある場合に、起動ピン27と係合するように構成される。起動ピンスリーブ29は、起動ボタン構造25が、起動位置の方向に移動した場合に、起動ピン27から係合が解除されるように構成される。起動ピン27は、起動ボタン構造25が、初期位置にある場合に、起動ピンスリーブ29に対して後退した位置にある。起動ピン27は、起動ピンスリーブ29が、起動ピン27を解放した場合に、延長位置に向けて移動するように構成される。起動ピン27は、その延長位置の方向に付勢される。
【0051】
オンボディ薬剤送達デバイス1は、起動ピン27を、延長位置の方向に付勢するように構成された、ばねなどの弾性部材(図示せず)を備えることができる。
【0052】
起動ピン27は、導電性表面27aを有することができる。起動ピン27は、突き出た構造27bを有することができ、それは、起動ピン27の長手方向軸に対して半径方向に延びる。導電性表面27aは、突き出た構造27bの周辺の一部を形成することができる。導電性表面27aは、例えば、下側ハウジング部分3bの内面に最も近い周辺の一部を形成することができる。
【0053】
図7は、起動ボタンスリーブ31が起動ピンスリーブ29から外された状態の、
図6における起動機構23を示す。
図7で示された例によれば、起動ボタン5は、起動ボタンスリーブ31の対応する凹部31aと係合するように構成された突起部5aを有する。起動ボタン5および起動ボタンスリーブ31は、それにより固定して係合される。
【0054】
起動ピンスリーブ29は、外側ハウジング3と係合するように構成された係合構造29bを有する。係合構造29bは、本例によれば、下側ハウジング構造3bと係合するように構成される。起動ピンスリーブ29は、外側ハウジング3に対して固定されるように構成される。起動ピンスリーブ29は、下側ハウジング構造3bに対して固定されるように構成される。弾性部材は、起動ピン27の内側に配置されて、係合構造29bに当たり、それにより起動ピン27を延長方向に付勢することができる。
【0055】
起動ピンスリーブ29は、半径方向内側に延びる可撓性アーム29aを備える。1つだけの半径方向内側に延びる可撓性アーム29aを、
図7で見ることができる。
【0056】
図8は、起動ピンスリーブ29から外された起動ピン27を示す。起動ピン27は、半径方向内側に延びる可撓性アーム29aの各1つをそれぞれが受け入れるように構成された凹部27cを備える。起動ピンスリーブ29は、それにより、起動ピン27と係合する。半径方向内側に延びる可撓性アーム29aは、起動ボタン構造25が、初期位置にある場合に、起動ボタンスリーブ31の内面により半径方向内側に押される。半径方向内側に延びる可撓性アーム29aは、この状態において、凹部27cから外に移動することができない。起動ピン27は、したがって、後退位置に維持される。起動ボタンスリーブ31を含む起動ボタン構造25が、起動位置に向けて移動した場合に、起動ボタンスリーブ31は、起動ピンスリーブ29に対して軸方向に移動する。起動ボタンスリーブ31は、半径方向内側に延びる可撓性アーム29aから離れて移動し、半径方向内側に延びる可撓性アーム29aを凹部27cから出て半径方向外側に移動できるようにする。半径方向内側に延びる可撓性アーム29aは、起動ボタンスリーブ31の内面と相互作用するように構成された外側突起部29cを備えることができる。半径方向内側に延びる可撓性アーム29aは、各凹部27cとそれぞれが相互作用し、かつ係合するように構成された内側突起部29dを備えることができる。
【0057】
図9は、明確化のために、内側ハウジング全体およびその内容物を外した状態における起動ピン27の拡大図を示す。オンボディ薬剤送達デバイス1は、第1の封止部33を備えることができる。第1の封止部33は、内側ハウジング15を封止するように構成される。起動ピン27は、起動ピン27が、後退位置から延長位置に向けて移動した場合に、第1の封止部33を貫通するように構成される。起動ピン27は、第1の封止部33を容易に貫通するように、テーパの付いたヘッド27dを有することができる。
【0058】
オンボディ薬剤送達デバイス1はまた、プランジャロッドを薬剤容器の中に駆動するための電気モータ、および/または処理回路、通信回路、光インジケータ、もしくは同様のものなどの1つまたは複数の電子構成要素を備えることができる。オンボディ薬剤送達デバイス1は、接触要素、または第1および第2の電極35aおよび35bを備えることができる。第1および第2の電極35aおよび35bが、電気的に接続された場合に、それらは、電気回路を閉じて、1つまたは複数の電子構成要素を駆動する。第1および第2の電極35aおよび35bは、起動ピン27が後退位置にある場合に、互いに電気的に接続されない。したがって、電気回路は開いている。起動ピン27は、起動ピン27が、後退位置から延長位置に向けて移動した場合に、第1および第2の電極35aおよび35bと接触するように構成される。特に導電性表面27aは、第1の電極35aおよび第2の電極35bと同時に接触するように構成される。第1の電極35aおよび第2の電極35bは、したがって短絡され、電気回路が閉じられる。オンボディ薬剤送達デバイス1の1つまたは複数の電子構成要素は、それにより起動される。
【0059】
図10は、送達部材機構21を示す。送達部材機構21の構造および動作は、以下で述べられる。送達部材機構21は、起動機構23の一部を形成することができる。送達部材機構21は、起動ピン27が後退位置にある場合に、ロック位置にある。送達部材9は、この場合、外側ハウジング3の内側に完全に含まれた初期の送達部材位置にある。起動ピン27は、後退位置から延長位置に向けて移動した場合に、送達部材機構21をロック位置から解放するように構成され、送達部材9を、初期の送達部材位置から投与位置に向けて移動させる。
【0060】
例示された送達部材機構23は、ねじりにより付勢される第1の送達部材作動器37を備える。第1の送達部材作動器37は、回転可能に構成される。送達部材機構23は、直線的に移動可能なロッキング部材41を備え、それは、起動ピン27が後退位置にある場合に、第1の送達部材作動器37が回転しないように構成される。起動ピン27が、延長位置に向けて移動した場合に、それはロッキング部材41を移動させる。ロッキング部材41は、それにより、第1の送達部材作動器37が回転しないようにされた位置から、第1の送達部材作動器37が自由に回転するように設定された位置まで移動する。
【0061】
送達部材機構23は、ねじりにより付勢された第2の送達部材作動器39を備える。第2の送達部材作動器39は、送達部材作動ねじりばねである。送達部材作動ねじりばねは、脚39aを有する。第2の送達部材作動器39は、可動構造18を介して、送達部材9に接続される。脚39aは、可動構造18を介して送達部材9に接続され得る。第1の送達部材作動器37は、第1の送達部材作動器37が回転しており、脚39aに衝突する、またはそれを押し付ける場合に、第2の送達部材作動器39に対して力を加えるように構成される。こうすることは、第2の送達部材作動器39の、特に脚39aの動きを生じ、それにより、可動構造18および送達部材9を、初期の送達部材位置から投与位置へと直線的に移動させる。したがって、第1の送達部材作動器37および第2の送達部材作動器39は、一種のカム機構を形成する。
【0062】
送達部材機構23は、内側ハウジング15に固定して配置されたドラム36aを備える。第1の送達部材作動器37は、ドラム36aにより受け入れられるように構成されたドラム挿入本体37aを有する。これらの構成要素は、
図11でより詳細に示されている。送達部材機構23はまた、ドラムねじりばね36bを備える。ドラムねじりばね36bは、ドラム36a内に配置されるように構成される。ドラムねじりばね36bは、ドラム挿入本体37aをねじり方向に付勢するように構成される。ドラムねじりばね36bは、ドラム36aに固定されるように構成される。ドラムねじりばね36bはまた、ドラム挿入本体37aに固定されるように構成される。ドラム36aは、ドラムねじりばね36bの第1の端部分36b-1を受け入れるように構成されたドラム凹部36a-1を有する。ドラム挿入本体37aは、ドラムねじりばね36bの第2の端部分36b-2を受け入れるように構成されたドラム挿入本体凹部37a-1を有する。ドラム挿入本体37aは、突起部37a-3を有する。突起部37a-3は、ドラム挿入本体37aの中心軸に平行に、ドラム挿入本体37aから軸方向に延びる。
【0063】
ドラム36は、第1の送達部材作動器37上の逆回転停止部(図示せず)と相互作用するように構成された回転停止部をさらに備える。
【0064】
ドラム挿入本体37aは、半径方向ブロック突起部37a-2を有する。これは、代替的に半径方向凹部とすることもできる。ロッキング部材41は、起動ピン27が、後退位置にある場合に、半径方向ブロック突起部37a-2と係合する、またはそれに当たるように構成されたロッキング部材突起部41aを有する。ロッキング部材41は、したがって、起動ピン27が後退位置にある場合に、ねじり方向に付勢されるドラム挿入本体37aの回転を阻止する。この状況は、
図10で示されており、ドラム挿入本体37aが、ねじりにより付勢されて時計方向に回転するが、半径方向ブロック突起部37a-2に当たるロッキング部材41により、回転が阻止される。
【0065】
ロッキング部材41は、
図12で示されるように、ロッキング部材チャネル41b内で摺動するように構成される。ロッキング部材チャネル41bは、例えば、ドラム36aを保持するように構成された保持構造に設けることができる。ドラム36aは、半径方向ブロック突起部41aがドラム36aに沿って通ることができるようにするスリットを備えることができる。
【0066】
図13では、第1の送達部材作動器37、特にドラム挿入本体37aは、矢印43により示されるように回転しており、脚39aに対して、矢印45で示される方向に力が加えられ、第2の送達部材作動器39の動きを生じ、かつ矢印47で示される送達部材9の直線的な動きを生ずる。
図13で示される状態を得るために、ユーザは、起動ボタン5を、初期位置から起動位置へと移動させている。これは、起動ピン27を解放させて、第1の封止部33を貫通し、かつロッキング部材41の平行移動を生じ、ロッキング部材突起部41aを、半径方向ブロック突起部37a-2を通過させる。ドラム挿入本体37aは、それにより、時計方向に回転している。突起部37a-3は、送達部材9に接続された脚39aに衝突し、送達部材9に、下側ハウジング部分3bから外に移動する場合に、第2の封止部(図示せず)を貫通させ、投与位置を取得させる。脚39aの端部が、
図10で示された状況に対して移動していないが、これは、垂直にさらに高くすべきである
図10の脚39aの位置の正しくない図面のためであることに留意されたい。脚39aの端部は、ガイド構造19内を通るように構成されたガイド部材51内に配置することができる。
【0067】
図13は、第1の部材18aと、第1の部材18aに対して移動可能な第2の部材18bとを含む可動構造18の例をさらに示す。第1の部材18aは、この例では、上側部材であり、また第2の部材18bは、第1の部材18aよりも下側ハウジング部分3bの近くに位置する下側部材である。第2の内側パイプ17は、第2の部材18bに接続される。送達部材9は、第1の部材18aに固定して接続された針を含む。送達部材9はまた、針の周囲に配置されたソフトカニューレを含む。ソフトカニューレは、第2の部材18bに固定して配置される。ソフトカニューレは第2の内側パイプ17に接続される。脚39aは、第1の部材18aを作動するように構成される。脚39aが、突起部37a-3により下方向に押し付けられた場合に、第1の部材18aは、下側ハウジング部分3bに向けて移動する。第2の部材18bは、第1の部材18aにより、下側ハウジング部分3bに向けて移動する。その周囲に配置されたソフトカニューレを備えた針は、したがって、投与位置に向けて移動する。第2の部材18bは、針が投与位置に達した場合に、例えば、スナップ係合などにより、ガイド構造19と係合するように構成される。第2の部材18bは、それにより、この位置にロックされ、またソフトカニューレは、投与位置にロックされる。ドラム挿入本体37aは、脚39aを離れるが、ソフトカニューレは投与位置に残され、ユーザの体内に留まることになる。脚39aがその初期位置へと戻った場合に、脚39aが接続された第1の部材18aは、それにより、その初期位置へと戻る。第1の部材18aに固定された針は、次いでユーザの体を離れるが、ソフトカニューレは、体内に維持される。
【0068】
上記の変形形態によれば、可動部材は、それに代えて、単一部品から作ることもできる。この場合、送達部材は、ソフトカニューレはなく、針を備えることができる。
【0069】
図14は、送達部材機構21の別の例を示す。例示された送達部材機構21’は、回転可能なドラム挿入本体37a’を備える第1の送達部材作動器37と同様の第1の送達部材作動器37’を有する。ドラム挿入本体37a’は、突起部37a-3’を有する。送達部材機構21’は、第2の送達部材作動器39’を有し、それは、枢動レバー39a’を備え、かつ第1の送達部材作動器37’と共にカム機構を形成する。レバー39a’は、突起部37a-3’を受け入れるように構成されたスリット39b’を有する。ドラム挿入本体37a’は、上記で述べられたものと同様に、起動ピンが、延長位置に向けて移動した場合に、回転するように構成される。ドラム挿入本体37a’が回転することにより、突起部37a-3’をスリット39b’内で摺動させて、レバー39a’を枢動させる。送達部材機構は、それにより、初期の送達部材位置から、投与位置に向けて移動する。
【0070】
本発明の概念が、主として少数の例を参照して上記で述べられてきた。しかし、当業者であれば容易に理解されるように、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の概念の範囲内で、上記で開示されたもの以外の実施形態も同様に可能である。
【符号の説明】
【0071】
1 オンボディ薬剤送達デバイス
3 外側ハウジング
3a 上側ハウジング部分
3b 下側ハウジング部分
3c 薬剤部材貫通開口部
5 起動ボタン
5a 突起部
7 矢印
9 送達部材
11 薬剤容器保持域
13 第1の内側パイプ
15 内側ハウジング
17 第2の内側パイプ
18 可動構造
19 ガイド構造
21 送達部材機構
23 起動機構
25 起動ボタン構造
27 起動ピン
27a 導電性表面
27b 突き出た構造
27c 凹部
27d ヘッド
29 起動ピンスリーブ
29a 半径方向内側に延びる可撓性アーム
29b 係合構造
29c 外側突起部
29d 内側突起部
31 起動ボタンスリーブ
31a 凹部
33 第1の封止部
35a 第1の電極
35b 第2の電極
36a ドラム
36a-1 ドラム凹部
36a-2 半径方向ブロック突起部
36b ドラムねじりばね
36b-1 第1の端部分
36b-2 第2の端部分
37 第1の送達部材作動器
37a ドラム挿入本体
37a-1 ドラム挿入本体凹部
37a-2 半径方向ブロック突起部
37a-3 突起部
39 第2の送達部材作動器
39a 脚
41 ロッキング部材
41a ロッキング部材突起部
41b ロッキング部材チャネル
51 ガイド部材