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特許7256321情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-03
(45)【発行日】2023-04-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/06 20120101AFI20230404BHJP
【FI】
G06Q20/06 300
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022104113
(22)【出願日】2022-06-29
【審査請求日】2022-09-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】下平 正人
(72)【発明者】
【氏名】江田 哲平
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-135565(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子的に管理される所定の資産の流通を制御する情報処理装置であって、
ユーザ識別情報と、前記ユーザ識別情報に対応するユーザの個人識別情報であって、前記ユーザ識別情報とは異なる個人識別情報と、を関連付けたユーザ台帳情報を記憶する記憶部と、
決済をするユーザのユーザ識別情報と決済金額と前記ユーザが決済をする店舗を識別する店舗識別情報とを含む移転要求を受信する受信部と、
前記移転要求に対応する決済への前記所定の資産の利用可否を判定する第1判定部と、
前記第1判定部が前記所定の資産を前記決済に利用可能と判定した場合、前記ユーザへの前記所定の資産の付与可否を判定する第2判定部と、
前記第2判定部が前記ユーザに前記所定の資産を付与可能と判定した場合、前記決済金額に相当する金額に対応する前記所定の資産を、前記決済の相手方の店舗の口座に移転させる決済処理部と、
を有し、
前記第1判定部は、前記店舗識別情報が示す店舗が前記所定の資産を利用できる店舗として指定された所定の店舗である場合に、前記移転要求に対応する決済に前記所定の資産が利用可能と判定し、
前記第2判定部は、前記移転要求に含まれる前記ユーザ識別情報に対応する前記個人識別情報が示すユーザが前記所定の資産の付与対象のユーザであるか否かを外部装置に照会することで、前記ユーザへの前記所定の資産の付与可否を判定する、
報処理装置。
【請求項2】
前記第2判定部が前記ユーザに前記所定の資産を付与可能と判定した場合、所定の金額に相当する前記所定の資産を、前記所定の資産を発行する団体の口座から前記ユーザの口座に移転させる付与部をさらに有し、
前記決済処理部は、前記決済金額に相当する前記所定の資産を前記ユーザの口座から前記店舗の口座に移転させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
電子的に管理される所定の資産の流通を制御する情報処理装置であって、
ユーザ識別情報と、前記ユーザ識別情報に対応するユーザの住所と、を関連付けたユーザ台帳情報を記憶する記憶部と、
決済をするユーザのユーザ識別情報と決済金額と前記ユーザが決済をする店舗を識別する店舗識別情報とを含む移転要求を受信する受信部と、
前記移転要求に対応する決済への前記所定の資産の利用可否を判定する第1判定部と、
前記第1判定部が前記所定の資産を前記決済に利用可能と判定した場合、前記ユーザへの前記所定の資産の付与可否を判定する第2判定部と、
前記第2判定部が前記ユーザに前記所定の資産を付与可能と判定した場合、前記決済金額に相当する金額に対応する前記所定の資産を、前記決済の相手方の店舗の口座に移転させる決済処理部と
を有し、
前記第1判定部は、前記店舗識別情報が示す店舗が前記所定の資産を利用できる店舗として指定された所定の店舗である場合に、前記移転要求に対応する決済に前記所定の資産が利用可能と判定し、
前記第2判定部は、前記移転要求に含まれる前記ユーザ識別情報に前記ユーザ台帳情報において対応する前記ユーザの住所が前記所定の資産の付与対象のユーザの住所として指定された所定の住所である場合に、前記ユーザに前記所定の資産が付与可能と判定する、
情報処理装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記ユーザ識別情報と、前記ユーザ識別情報に対応するユーザに前記所定の資産を付与したか否かを示す付与済みフラグをさらに関連付けた前記ユーザ台帳情報を記憶し、
前記第2判定部は、
(1)前記移転要求に含まれる前記ユーザ識別情報に前記ユーザ台帳情報において対応する前記ユーザの住所が前記所定の住所である場合であって、かつ、
(2)前記移転要求に含まれる前記ユーザ識別情報に前記ユーザ台帳情報において対応する前記付与済みフラグが、ユーザに前記所定の資産を付与済みではないことを示す場合、
前記ユーザに前記所定の資産を付与可能と判定し、
前記情報処理装置は、所定の金額に相当する前記所定の資産を、前記所定の資産を発行する団体の口座から前記ユーザの口座に移転させるとともに、前記ユーザに前記所定の資産を付与したことを、前記記憶部が記憶する前記ユーザ台帳情報に記憶させる付与部をさらに有し、
前記決済処理部は、前記決済金額に相当する金額に相当する前記所定の資産を、前記ユーザの口座から前記決済の相手方の店舗の口座に移転させる、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記所定の資産は、使用可能な地域が電子的に管理される暗号資産である、
請求項1からのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ユーザ識別情報は、所定の決済サービスを提供する事業者がユーザを識別するために付与する識別情報であり、
前記個人識別情報は、自治体の居住者を一意に識別するために付与される識別情報である、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータが実行する、電子的に管理される所定の資産の流通を制御する情報処理方法であって、
決済をするユーザのユーザ識別情報と決済金額と前記ユーザが決済をする店舗を識別する店舗識別情報とを含む移転要求を受信するステップと、
前記移転要求に対応する決済への前記所定の資産の利用可否を判定するステップと、
前記所定の資産の利用可否を判定するステップにおいて、前記所定の資産を前記決済に利用可能と判定した場合、前記ユーザへの前記所定の資産の付与可否を判定するステップと、
前記所定の資産の付与可否を判定するステップにおいて前記ユーザに前記所定の資産が付与可能と判定した場合、前記決済金額に相当する金額に対応する前記所定の資産を、前記決済の相手方の店舗の口座に移転させるステップと、
を有し、
前記利用可否を判定するステップにおいては、前記店舗識別情報が示す店舗が前記所定の資産を利用できる店舗として指定された所定の店舗である場合に、前記移転要求に対応する決済に前記所定の資産が利用可能と判定し、
前記付与可否を判定するステップにおいては、ユーザ識別情報と、前記ユーザ識別情報に対応するユーザの個人識別情報であって、前記ユーザ識別情報とは異なる個人識別情報と、を関連付けたユーザ台帳情報を記憶する記憶部を参照し、前記移転要求に含まれる前記ユーザ識別情報に対応する前記個人識別情報が示すユーザが前記所定の資産の付与対象のユーザであるか否かを外部装置に照会することで、前記ユーザへの前記所定の資産の付与可否を判定する、
報処理方法。
【請求項8】
コンピュータに実行させる、電子的に管理される所定の資産の流通を制御するプログラムであって、
決済をするユーザのユーザ識別情報と決済金額と前記ユーザが決済をする店舗を識別する店舗識別情報とを含む移転要求を受信するステップと、
前記移転要求に対応する決済への前記所定の資産の利用可否を判定するステップと、
前記所定の資産の利用可否を判定するステップにおいて、前記所定の資産を前記決済に利用可能と判定した場合、前記ユーザへの前記所定の資産の付与可否を判定するステップと、
前記所定の資産の付与可否を判定するステップにおいて前記ユーザに前記所定の資産が付与可能と判定した場合、前記決済金額に相当する金額に対応する前記所定の資産を、前記決済の相手方の店舗の口座に移転させるステップと、
を有し、
前記利用可否を判定するステップにおいては、前記店舗識別情報が示す店舗が前記所定の資産を利用できる店舗として指定された所定の店舗である場合に、前記移転要求に対応する決済に前記所定の資産が利用可能と判定し、
前記付与可否を判定するステップにおいては、ユーザ識別情報と、前記ユーザ識別情報に対応するユーザの個人識別情報であって、前記ユーザ識別情報とは異なる個人識別情報と、を関連付けたユーザ台帳情報を記憶する記憶部を参照し、前記移転要求に含まれる前記ユーザ識別情報に対応する前記個人識別情報が示すユーザが前記所定の資産の付与対象のユーザであるか否かを外部装置に照会することで、前記ユーザへの前記所定の資産の付与可否を判定する、
ログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
国や自治体などが受給者に支払うべき年金や生活保護費を、受給者に対し地域デジタル通貨として発行し、電子決済により使用可能とするシステムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-195224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような地域デジタル通貨を受領するためにはユーザは受取方法を指定し、本人確認を行うことが必要となる。しかし、地域デジタル通貨の給付額が十分に大きくない場合には、手続きが煩雑であることから、ユーザが地域デジタル通貨の受領を忌避し、地域デジタル通貨が利用される頻度が低下するという問題が生じうる。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、簡素な手続きでユーザに地域デジタル通貨を受領させるようにできることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置は、電子的に管理される所定の資産の流通を制御する情報処理装置であって、決済をするユーザのユーザ識別情報と決済金額とを含む移転要求を受信する受信部と、前記移転要求に対応する決済への前記所定の資産の利用可否を判定する第1判定部と、前記第1判定部が前記所定の資産を前記決済に利用可能と判定した場合、前記ユーザへの前記所定の資産の付与可否を判定する第2判定部と、前記第2判定部が前記ユーザに前記所定の資産を付与可能と判定した場合、前記決済金額に相当する金額に対応する前記所定の資産を、前記決済の相手方の店舗の口座に移転させる決済処理部と、を有する。
【0007】
前記移転要求は、前記ユーザが決済をする店舗を識別する店舗識別情報をさらに含み、前記第1判定部は、前記店舗識別情報が示す店舗が前記所定の資産を利用できる店舗として指定された所定の店舗である場合に、前記移転要求に対応する決済に前記所定の資産が利用可能と判定してもよい。
【0008】
前記第2判定部が前記ユーザに前記所定の資産を付与可能と判定した場合、所定の金額に相当する前記所定の資産を、前記所定の資産を発行する団体の口座から前記ユーザの口座に移転させる付与部をさらに有し、前記決済処理部は、前記決済金額に相当する前記所定の資産を前記ユーザの口座から前記店舗の口座に移転させてもよい。
【0009】
前記ユーザ識別情報と、前記ユーザ識別情報に対応するユーザの住所と、を関連付けたユーザ台帳情報を記憶する記憶部をさらに有し、前記第2判定部は、前記移転要求に含まれる前記ユーザ識別情報に前記ユーザ台帳情報において対応する前記ユーザの住所が前記所定の資産の付与対象のユーザの住所として指定された所定の住所である場合に、前記ユーザに前記所定の資産が付与可能と判定してもよい。
【0010】
前記記憶部は、前記ユーザ識別情報と、前記ユーザ識別情報に対応するユーザに前記所定の資産を付与したか否かを示す付与済みフラグをさらに関連付けた前記ユーザ台帳情報を記憶し、前記第2判定部は、(1)前記移転要求に含まれる前記ユーザ識別情報に前記ユーザ台帳情報において対応する前記ユーザの住所が前記所定の住所である場合であって、かつ、(2)前記移転要求に含まれる前記ユーザ識別情報に前記ユーザ台帳情報において対応する前記付与済みフラグが、ユーザに前記所定の資産を付与済みではないことを示す場合、前記ユーザに前記所定の資産を付与可能と判定し、前記情報処理装置は、所定の金額に相当する前記所定の資産を、前記所定の資産を発行する団体の口座から前記ユーザの口座に移転させるとともに、前記ユーザに前記所定の資産を付与したことを、前記記憶部が記憶する前記ユーザ台帳情報に記憶させる付与部をさらに有し、前記決済処理部は、前記決済金額に相当する金額に相当する前記所定の資産を、前記ユーザの口座から前記決済の相手方の店舗の口座に移転させてもよい。
【0011】
前記ユーザ識別情報と、前記ユーザ識別情報に対応するユーザの個人識別情報であって、前記ユーザ識別情報とは異なる個人識別情報と、を関連付けたユーザ台帳情報を記憶する記憶部をさらに有し、前記第2判定部は、前記移転要求に含まれる前記ユーザ識別情報に対応する前記個人識別情報が示すユーザが前記所定の資産の付与対象のユーザであるか否かを外部装置に照会することで、前記ユーザへの前記所定の資産の付与可否を判定してもよい。
【0012】
前記所定の資産は、使用可能な地域が電子的に管理される暗号資産であってもよい。
【0013】
本発明の第2の態様の情報処理方法においては、コンピュータが実行する、電子的に管理される所定の資産の流通を制御する情報処理方法であって、決済をするユーザのユーザ識別情報と決済金額とを含む移転要求を受信するステップと、前記移転要求に対応する決済への前記所定の資産の利用可否を判定するステップと、前記所定の資産の利用可否を判定するステップにおいて、前記所定の資産を前記決済に利用可能と判定した場合、前記ユーザへの前記所定の資産の付与可否を判定するステップと、前記所定の資産の付与可否を判定するステップにおいて前記ユーザに前記所定の資産が付与可能と判定した場合、前記決済金額に相当する金額に対応する前記所定の資産を、前記決済の相手方の店舗の口座に移転させるステップと、を有する。
【0014】
本発明の第3の態様のプログラムにおいては、コンピュータに実行させる、電子的に管理される所定の資産の流通を制御するプログラムであって、決済をするユーザのユーザ識別情報と決済金額とを含む移転要求を受信するステップと、前記移転要求に対応する決済への前記所定の資産の利用可否を判定するステップと、前記所定の資産の利用可否を判定するステップにおいて、前記所定の資産を前記決済に利用可能と判定した場合、前記ユーザへの前記所定の資産の付与可否を判定するステップと、前記所定の資産の付与可否を判定するステップにおいて前記ユーザに前記所定の資産が付与可能と判定した場合、前記決済金額に相当する金額に対応する前記所定の資産を、前記決済の相手方の店舗の口座に移転させるステップと、を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、簡素な手続きでユーザに地域デジタル通貨を受領させるようにできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態にかかる情報処理システムSの概要を説明する図である。
図2】情報処理装置1の構成を示すブロック図である。
図3】記憶部12が記憶するユーザ台帳情報のデータ構造の一例を示す図である。
図4】情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
図5】変形例にかかる情報処理システムSAの概要を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[情報処理システムSの概要]
図1は、実施形態にかかる情報処理システムSの概要を説明する図である。情報処理システムSは、暗号資産を管理し、流通させ、暗号資産を利用した取引をするためのシステムである。情報処理システムSは、情報処理装置1、決済サーバ2、情報端末3及び店舗端末4を有する。
【0018】
情報処理装置1は、暗号資産に関する情報を管理するためのコンピュータである。暗号資産は、代金の決済等に利用可能であり、法定通貨(日本円や米国ドル等)とは異なる電子的な資産である。暗号資産は、所定の変換比率で所定の通貨に変換可能である。暗号資産は、例えば記憶装置において当該暗号資産を保有するユーザに関連付けられており、決済に利用される際に顧客であるユーザから店舗であるユーザに移転される。
【0019】
暗号資産は、例えば、ブロックチェーンによって管理される電子的な資産である。暗号資産は、ブロックチェーンに限られず、データベース等によって管理される電子的な資産であってもよい。
【0020】
本実施形態において、暗号資産は、例えば、所定の地域において利用可能な地域デジタル通貨である。地域デジタル通貨は、使用可能な地域が情報処理装置1によって電子的に管理される。地域デジタル通貨である暗号資産を用いた決済は、所定の地域内の店舗において実行可能であり、当該地域外の店舗において実行不可能である。また、地域デジタル通貨である暗号資産を用いた決済は、所定の地域内の所定の店舗(例えば、登録された店舗)のみにおいて実行可能であってもよい。
【0021】
情報処理装置1は、各ユーザが保有する暗号資産を、当該ユーザに関連付けられた暗号資産口座において管理する。情報処理装置1は、例えば、決済サーバ2から受信した移転要求に応じて、暗号資産をあるユーザの暗号資産口座から別のユーザ(店舗)の暗号資産口座に移転させる。
【0022】
決済サーバ2は、暗号資産を用いて代金の決済を行うためのコンピュータである。決済サーバ2は、例えば、ユーザが使用する情報端末3から決済要求を受信したことに応じて、情報処理装置1に対して決済対象の金額に対応する暗号資産を移転させる移転要求を送信する。
【0023】
情報端末3は、ユーザが使用するコンピュータである。ユーザは、暗号資産を利用して商品やサービスの取引をする。情報端末3は、例えば、スマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータである。情報端末3は、操作を受け付けるためのタッチパネルやキーボード等の操作部と、情報を表示するための液晶ディスプレイ等の表示部と、を有する(不図示)。
【0024】
店舗端末4は、店舗、商品の販売者又はサービスの提供者が使用する端末である。店舗端末4は、例えばPOS(Point of Sales)レジ、スマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータである。なお、情報端末3と店舗端末4とは区別して説明するが、店舗端末4のユーザが情報端末3のユーザとして決済を要求してもよい。
【0025】
以下では、暗号資産が地域デジタル通貨であることを前提に説明するが、本発明の実施形態はこれに限られない。
【0026】
ところで、地域の経済活動を活性化させることを目的として、国、地方自治体、団体又は企業等であって、地域通貨を発行、運営等する事業体(以下発行体等という)が、補助金や給付金として、ユーザや店舗に地域デジタル通貨を付与し、ユーザや店舗に地域デジタル通貨の利用を促すことが考えられる。ここで、ユーザや店舗が地域デジタル通貨の付与を受けるための手続きが煩雑であると、ユーザが手続きを忌避する場合がある。その結果地域デジタル通貨が十分に流通せず、地域デジタル通貨を付与する目的を十分に達成することができない問題が生じうる。そこで、簡易な手続きでユーザに地域デジタル通貨を付与する方法が必要となる。
【0027】
情報処理システムSにおいて決済をトリガとしてユーザに暗号資産を付与するとともに決済を完了させる処理の流れについて説明する。情報端末3は、決済サーバ2に決済要求を送信する(図1における(1))。決済要求は、決済サーバ2に対して決済を要求するメッセージである。決済要求は、決済するユーザのユーザ識別情報(ユーザID(Identification)とも言う)、決済の相手方の店舗を識別する店舗識別情報(店舗IDとも言う)及び決済金額を含む。決済要求には、取引対象の商品やサービス等を示す情報が含まれてもよい。
【0028】
決済サーバ2は、情報処理装置1に移転要求を送信する(図1における(2))。移転要求は、地域デジタル通貨の移転を要求するメッセージである。移転要求は、決済するユーザのユーザID、決済の相手方の店舗ID及び決済金額を含む。移転要求には、取引対象の商品やサービス等を示す情報が含まれてもよい。
【0029】
情報処理装置1は、地域デジタル通貨の利用可否を判定する(図1における(3))。一例として、情報処理装置1は、移転要求に含まれる店舗IDが示す店舗が地域デジタル通貨による決済に対応しているか否かを判定する。情報処理装置1は、地域デジタル通貨の付与可否を判定する(図1における(4))。具体的には、情報処理装置1は、移転要求に含まれるユーザIDが示すユーザが地域デジタル通貨の付与対象のユーザか否かを判定する。
【0030】
地域デジタル通貨を付与可能な場合、情報処理装置1は、地域デジタル通貨を移転させる(図1における(5))。具体的には、情報処理装置1は、決済金額に相当する量の地域デジタル通貨を決済の相手方の口座へ移転し、ユーザに付与する量のうち、相手方の口座へ移転した量を控除した量の地域デジタル通貨をユーザの口座へ移転させる。
【0031】
情報処理装置1は、決済サーバ2に移転完了通知を送信する(図1における(6))。移転完了通知は資産の移転が完了したことを示す通知である。決済サーバ2は、情報端末3に決済完了通知を送信する(図1における(7))。決済サーバ2は、店舗端末4に決済完了通知を送信する(図1における(8))。
【0032】
情報処理システムSがこのように構成されることで、簡素な手続きでユーザに地域デジタル通貨を受領させるようにできるという効果を奏する。
【0033】
上記の説明においては、情報端末3が決済サーバ2に決済要求を送信することを例に説明したが、店舗端末4が決済をするユーザのユーザIDを含む決済要求を決済サーバ2に送信するよう情報処理システムSが構成されてもよい。
【0034】
[情報処理装置1の構成]
図2は、情報処理装置1の構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、通信部11、記憶部12及び制御部13を有する。制御部13は、受信部131、第1判定部132、第2判定部133、決済処理部134及び付与部135を有する。
【0035】
通信部11は、ネットワークを介して決済サーバ2等の他の装置とデータの送受信をするための通信インターフェースである。
【0036】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部12は、複数のユーザそれぞれの地域デジタル通貨を管理する口座は、当該ユーザのIDに関連付けて記憶する。
【0037】
記憶部12は、ユーザIDと、ユーザIDに対応するユーザの住所と、を関連付けたユーザ台帳情報を記憶する。図3は、記憶部12が記憶するユーザ台帳情報のデータ構造の一例を示す図である。図3に示すユーザ台帳情報においては、「ユーザID」と「付与済みフラグ」と「住民情報」とが関連付けられている。「ユーザID」は、決済サービスを提供する事業者がユーザを識別するために付与するIDである。「付与済みフラグ」は、ユーザIDに対応するユーザに所定の資産を付与したか否かを示す情報である。「住民情報」は、「個人識別情報」、「氏名」、「住所」、「生年月日」を含む。「個人識別情報」は、自治体の居住者を一意に識別するために付与されるIDであり、例えば個人番号である。
【0038】
図3に示すユーザ台帳情報は、住民基本台帳を管理するサーバと連携することで取得された「住民情報」とユーザIDとを関連付けた情報であってもよい。
【0039】
なお、ユーザ台帳情報は例えば、ユーザIDと、身分証明書に基づいて本人確認されたユーザの住所と、を関連付けた情報(例えば通信事業者等の顧客管理データベース)であってもよい。
【0040】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、受信部131、第1判定部132、第2判定部133、決済処理部134及び付与部135として機能する。
【0041】
受信部131は、決済をするユーザのユーザIDと決済金額とを含む移転要求を受信する。受信部131は、店舗端末4から移転要求を受信する。受信部131は、情報端末3から移転要求を受信してもよい。
【0042】
第1判定部132は、移転要求に対応する決済への所定の資産の利用可否を判定する。第1判定部132は、後述するように店舗IDに基づいて地域デジタル通貨の利用可否を判定してもよい。第1判定部132は、決済日又は移転要求に含まれるユーザID、決済金額、取引対象の商品若しくは取引対象のサービスに基づいて地域デジタル通貨の利用可否を判定してもよい。
【0043】
第2判定部133は、第1判定部132が所定の資産を決済に利用可能と判定した場合、ユーザへの所定の資産の付与可否を判定する。第2判定部133は、後述するように決済をするユーザの住所に基づいて地域デジタル通貨の付与可否を判定してもよいし、記憶部12が決済をするユーザのユーザIDに関連付けられた口座を管理しているか否かに基づいて地域デジタル通貨の付与可否を判定してもよい。
【0044】
決済処理部134は、第2判定部133がユーザに所定の資産を付与可能と判定した場合、決済金額に相当する金額に相当する所定の資産を、決済の相手方の店舗の口座に移転させる。第2判定部133がユーザに地域デジタル通貨を付与可能と判定した場合、決済処理部134は、ユーザに付与される量の地域デジタル通貨のうち決済金額に相当する量の地域デジタル通貨を発行体等の口座から決済の相手方の口座に移転させる。付与部135は、ユーザに付与される量の地域デジタル通貨のうち決済金額に相当する量を控除した量を発行体等の口座からユーザの口座に移転させる。一例として、決済処理部134は、法定通貨と地域デジタル通貨との交換レートを参照し、決済金額に相当する地域デジタル通貨の量を算出してもよい。地域デジタル通貨を付与する量は、所定の量が定められていてもよい。また、地域デジタル通貨を付与する量は、付与金額として法定通貨の単位で設定された所定の金額に法定通貨と地域デジタル通貨との交換レートを乗算することで算出されてもよい。
【0045】
情報処理装置1がこのように構成されることで、簡素な手続きでユーザに地域デジタル通貨を受領させることができる。
【0046】
[付与処理]
地域デジタル通貨の付与対象であることを判定した場合に、ユーザの口座に付与される量の地域デジタル通貨を移転させた後に、ユーザの口座から決済の相手方に地域デジタル通貨を移転させるように情報処理装置1が構成されてもよい。
【0047】
付与部135は、第2判定部133がユーザに所定の資産を付与可能と判定した場合、所定の金額に相当する所定の資産を、所定の資産を発行する団体の口座からユーザの口座に移転させる。所定の金額の地域デジタル通貨の付与対象であることを判定した場合に、付与部135は、ユーザに付与される地域デジタル通貨を発行体等の口座からユーザの口座へとユーザに付与する量の地域デジタル通貨を移転させる。換言すれば、付与部135は、発行体等の口座から、ユーザに付与する量の地域デジタル通貨を減算し、発行体等の口座から減算した量の地域デジタル通貨をユーザの口座に加算する。
【0048】
決済処理部134は、決済金額に相当する所定の資産をユーザの口座から店舗の口座に移転させる。決済処理部134は、発行体等の口座からユーザに付与する量の地域デジタル通貨を移転させた後のユーザの口座から、決済金額に相当する量の地域デジタル通貨を決済の相手方の店舗の口座へと移転させる。換言すれば、決済処理部134は、ユーザに付与する量の地域デジタル通貨を加算した後のユーザの口座から、決済金額に相当する量の地域デジタル通貨を減算し、ユーザの口座から減算した量の地域デジタル通貨を決済の相手方の店舗の口座に加算する。
【0049】
[判定処理]
地域デジタル通貨の利用可否の判定について説明する。地域デジタル通貨の利用可否については様々な方法で判定されうるが、一例として、決済の相手方の店舗の住所に基づいて判定されるよう構成されてもよい。
【0050】
第1判定部132は、店舗IDが示す店舗が所定の資産を利用できる店舗として指定された所定の店舗である場合に、移転要求に対応する決済に所定の資産が利用可能と判定する。具体的には、記憶部12は、地域デジタル通貨を利用可能な店舗の店舗IDを記憶した店舗テーブルを記憶している。移転要求に含まれる店舗IDが店舗テーブルに含まれている場合に、第1判定部132は、地域デジタル通貨が利用可能と判定する。
【0051】
第1判定部132は、店舗IDに対応する店舗の住所を特定し、特定した店舗の住所が地域デジタル通貨を利用可能な店舗の住所として指定された住所である場合に、地域デジタル通貨が利用可能と判定してもよい。この場合、記憶部12は、店舗IDと店舗の住所とを関連付けたテーブルを記憶するとともに、地域デジタル通貨を利用可能な住所のリストを記憶している。
【0052】
地域デジタル通貨の付与可否を判定する処理について説明する。ユーザへの付与可否の判定方法については様々な方法が考えられるが、一例として、決済をするユーザの住所に基づいて判定されるように情報処理装置1が構成されてもよい。
【0053】
第2判定部133は、移転要求に含まれるユーザIDにユーザ台帳情報において対応するユーザの住所が所定の資産の付与対象のユーザの住所として指定された所定の住所である場合に、ユーザに所定の資産が付与可能と判定する。具体的には、第2判定部133は、記憶部12に記憶されたユーザ台帳情報を参照し、移転要求に含まれるユーザIDに対応するユーザの住所を特定する。第2判定部133は、特定したユーザの住所が地域デジタル通貨を付与対象であるか否かを判定する。一例として、記憶部12には、付与対象のユーザの住所のリストが記憶されており、第2判定部133は、ユーザの住所が付与対象のユーザの住所と一致する場合に、ユーザに地域デジタル通貨を付与可能と判定する。例えば、特定の市町村に居住しているユーザを付与対象とする場合、記憶部12は、付与対象の市町村の住所のリストを記憶する。
【0054】
ところで、同一のユーザに重複して地域デジタル通貨を付与しないように管理する必要がある。そこで、地域デジタル通貨を付与済みのユーザか否かを判定するよう第2判定部133が構成されてもよい。
【0055】
第2判定部133は、下記に示す2つの条件を満たす場合にユーザに所定の資産を付与可能と判定する。1つ目の条件は、移転要求に含まれるユーザIDにユーザ台帳情報において対応するユーザの住所が付与対象のユーザの住所として指定された所定の住所であることである。2つめの条件は、移転要求に含まれるユーザIDにユーザ台帳情報において対応する付与済みフラグが、ユーザに所定の資産を付与済みではないことを示すことである。
【0056】
すなわち、第2判定部133は、記憶部12に記憶されたユーザ台帳情報を参照し、移転要求に含まれるユーザIDに対応するユーザの住所と「付与済みフラグ」を特定する。そして、特定したユーザの住所が付与対象の住所と一致し、かつ「付与済みフラグ」が「未」である場合、ユーザに地域デジタル通貨を付与可能と判定する。
【0057】
付与部135は、所定の金額に相当する所定の資産を、所定の資産を発行する団体の口座からユーザの口座に移転させるとともに、ユーザに所定の資産を付与したことを、記憶部12が記憶するユーザ台帳情報に記憶させる。すなわち、付与部135は、地域デジタル通貨をユーザの口座に移転させ、記憶部12が記憶するユーザ台帳情報における移転要求に含まれるユーザIDに関連付けられた「付与済みフラグ」に「済」を記憶させる。そして、決済処理部134は、決済金額に相当する金額に相当する所定の資産を、ユーザの口座から決済の相手方の店舗の口座に移転させる。
【0058】
情報処理装置1がこのように構成されることで、同一のユーザに重複して地域デジタル通貨を付与しないように管理することができる。
【0059】
[情報処理装置1における処理の流れ]
図4は、情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。図4に示すフローチャートは移転要求を受信する時点から開始している。受信部131は、移転要求を受信する(S01)。第1判定部132は、移転要求に対応する決済に地域デジタル通貨を利用可能か否かを判定する(S02)。移転要求に対応する決済に地域デジタル通貨を利用できない場合(S02におけるNO)、決済処理部134は、決済失敗の応答を送信し(S09)、情報処理装置1は、処理を終了する。
【0060】
移転要求に対応する決済に地域デジタル通貨を利用できる場合(S02におけるYES)、第2判定部133は、ユーザに地域デジタル通貨を付与可能か否かを判定する(S03)。
【0061】
地域デジタル通貨を付与可能な場合(S03におけるYES)、移転要求に含まれる決済金額に相当する地域デジタル通貨の量が、ユーザに付与される量とユーザの口座の残高の合計以下であるかを判定する(S04)。移転要求に含まれる決済金額に相当する地域デジタル通貨の量が、付与される量とユーザの口座の残高より大きい場合(S04におけるNO)、決済処理部134は、決済失敗の応答を送信し(S09)、情報処理装置1は、処理を終了する。
【0062】
移転要求に含まれる決済金額に相当する地域デジタル通貨の量が、付与される量とユーザの口座の残高以下の場合(S04におけるYES)、付与部135は、所定の量の地域デジタル通貨をユーザの口座へ付与する(S05)。決済処理部134は、決済金額に相当する量の地域デジタル通貨を決済の相手方の口座へ移転させる(S06)。そして、決済処理部134は、決済完了の応答を決済サーバ2に送信し(S07)、処理を終了する。
【0063】
地域デジタル通貨を付与可能ではない場合(S03におけるNO)、移転要求に含まれる決済金額が、ユーザの口座の残高以下であるか否かを判定する(S08)。移転要求に含まれる決済金額が、ユーザの口座の残高以下である場合(S08におけるYES)、情報処理装置1は、処理をS06に進める。移転要求に含まれる決済金額が、ユーザの口座の残高より大きい場合(S08におけるNO)、情報処理装置1は、処理をS09に進める。
【0064】
以上説明したように、情報処理装置1においては、地域デジタル通貨による決済を依頼する移転要求を受信した場合、移転要求に対応する決済への地域デジタル通貨の利用可否を判定し、地域デジタル通貨を決済に利用可能と判定した場合、ユーザへの地域デジタル通貨の付与可否を判定し、ユーザに地域デジタル通貨を付与可能と判定した場合、決済金額に相当する量の地域デジタル通貨を、決済の相手方の店舗の口座に移転させる。情報処理装置1がこのように構成されることで、簡素な手続きでユーザに地域デジタル通貨を受領させることができる。
【0065】
<変形例>
上記の実施形態においては、情報処理装置1の記憶部12が記憶するユーザ台帳情報に基づいて地域デジタル通貨の付与可否を判定したが、地域デジタル通貨の付与可否は外部装置に問い合わせることで判定するよう構成されてもよい。図5は、変形例にかかる情報処理システムSAの処理の概要を説明する図である。変形例にかかる情報処理システムSAにおいては、台帳管理サーバ5をさらに有する。台帳管理サーバ5は、居住者情報の台帳を管理するサーバである。
【0066】
図5に示す処理においては、地域デジタル通貨の付与可否を判定する処理の内容が図1における(4)の処理と相違する。具体的には、地域デジタル通貨の利用可否を判定すると(図5における(3))、ユーザへの地域デジタル通貨の付与可否を台帳管理サーバ5に問い合わせるメッセージを送信する(図5における(4))。情報処理装置1は、問い合わせ結果を台帳管理サーバ5から受信する(図5における(5))。台帳管理サーバ5から受信した問い合わせ結果がユーザに地域デジタル通貨を付与可能であることを示す場合、情報処理装置1は、地域デジタル通貨を移転させる(図5における(6))。
【0067】
変形例にかかる情報処理装置1Aにおいて、記憶部12は、ユーザIDと、ユーザIDに対応するユーザの個人識別情報であって、ユーザIDとは異なる個人識別情報と、を関連付けたユーザ台帳情報記憶する。
【0068】
第2判定部133は、移転要求に含まれるユーザIDに対応する個人識別情報が示すユーザが所定の資産の付与対象のユーザであるか否かを外部装置に照会することで、ユーザへの所定の資産の付与可否を判定する。第2判定部133は、記憶部12に記憶されたユーザ台帳情報を参照し、移転要求に含まれるユーザIDに対応する個人識別情報を特定する。そして、第2判定部133は、特定した個人識別情報が示すユーザに地域デジタル通貨を付与してよいか台帳管理サーバ5に問い合わせるメッセージを送信する。
【0069】
第2判定部133は、台帳管理サーバ5から返信されたメッセージがユーザに地域デジタル通貨を付与してよいことを示す場合、決済処理部134は、ユーザに付与される量の地域デジタル通貨のうち決済金額に相当する量の地域デジタル通貨を発行体等の口座から決済の相手方の口座に移転させる。付与部135は、ユーザに付与される量の地域デジタル通貨のうち決済金額に相当する量を控除した量を発行体等の口座からユーザの口座に移転させる。
【0070】
変形例にかかる情報処理装置1Aにおいては、ユーザへの地域デジタル通貨の付与可否の判定を外部装置に実行させることが可能となり、情報処理装置1Aを簡易に構成することが可能となる。
【0071】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0072】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0073】
1 情報処理装置
2 決済サーバ
3 情報端末
4 店舗端末
5 台帳管理サーバ
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 受信部
132 第1判定部
133 第2判定部
134 決済処理部
135 付与部
【要約】
【課題】簡素な手続きでユーザに地域デジタル通貨を受領させる。
【解決手段】電子的に管理される所定の資産の流通を制御する情報処理装置1である。決済をするユーザのユーザ識別情報と決済金額とを含む移転要求を受信する受信部131と、移転要求に対応する決済への所定の資産の利用可否を判定する第1判定部132と、第1判定部132が所定の資産を決済に利用可能と判定した場合、ユーザへの所定の資産の付与可否を判定する第2判定部133と、第2判定部133がユーザに所定の資産を付与可能と判定した場合、決済金額に相当する金額に対応する所定の資産を、決済の相手方の店舗の口座に移転させる決済処理部134と、を有する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5