(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-03
(45)【発行日】2023-04-11
(54)【発明の名称】インク容器のチップ及びインク容器
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20230404BHJP
【FI】
B41J2/175 161
B41J2/175 175
B41J2/175 169
(21)【出願番号】P 2022506320
(86)(22)【出願日】2020-06-02
(86)【国際出願番号】 CN2020093980
(87)【国際公開番号】W WO2020259228
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2021-10-12
(31)【優先権主張番号】201921005051.8
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201921138083.5
(32)【優先日】2019-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201922184114.7
(32)【優先日】2019-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201922297657.X
(32)【優先日】2019-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202020311962.X
(32)【優先日】2020-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521451341
【氏名又は名称】ジュハイ ナインスター マネージメント カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ZHUHAI NINESTAR MANAGEMENT CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マー、ハオミン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ウェイチエン
(72)【発明者】
【氏名】チウ、ヨンチュン
(72)【発明者】
【氏名】リャン、シーチャオ
(72)【発明者】
【氏名】チア、チーチョン
(72)【発明者】
【氏名】チュー、イーチン
【審査官】中村 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-073004(JP,A)
【文献】国際公開第2018/028411(WO,A1)
【文献】特開2013-215947(JP,A)
【文献】特開2016-221859(JP,A)
【文献】特開2009-173042(JP,A)
【文献】特開2014-043017(JP,A)
【文献】特表2018-537326(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0056611(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェットプリンタ内の保持部のコンタクトピンと電気的に接続されるインク容器のチップであって、前記チップは、基板及び前記基板に取り付けられた少なくとも1つの導電シートを含み、
前記基板は、前記インクジェットプリンタのコンタクトピンに接触する少なくとも1つの基板端子、及び前記少なくとも1つの導電シートを位置決めする位置決め部を有し、
前記導電シートは、本体及び前記本体の一端に設けられる電気コア接続部を含み、前記電気コア接続部は前記コンタクトピンに当接し、
前記本体には、少なくとも1つの位置決め取付部が設けられ、前記位置決め取付部は前記位置決め部と嵌合し、
前記本体は前記基板の表面と平行であり、前記位置決め取付部を介して前記位置決め部に取り付けられる、ことを特徴とするインク容器のチップ。
【請求項2】
X軸方向において、前記基板端子は前記
基板の+X軸側に位置し、前記電気コア接続部は前記基板端子の所在する表面から前記+X軸方向に突出しており、
前記電気コア接続部には、前記コンタクトピンに接触するための導電シート接触領域を有し、且つ前記導電シート接触領域は前記電気コア接続部の+X軸端に位置し、
前記インク容器が前記保持部に取り付けられた方向はZ軸方向であり、取り付けられた先端側の位置は-Z軸方向であり、前記Z軸方向に垂直で、前記基板端子の所在する表面と平行な方向はY軸方向であり、前記Z軸方向と前記Y軸方向に垂直な方向はX軸方向であり、前記インク容器内部における前記チップを指す方向は+X軸方向であり、+X軸方向に沿って観察し、+Z軸がYZ平面の上にある場合、+Y軸方向は左側にある、ことを特徴とする請求項1に記載のインク容器のチップ。
【請求項3】
前記位置決め取付部は、前記本体の+X軸側又は-X軸側に位置している、ことを特徴とする請求項2に記載のインク容器のチップ。
【請求項4】
前記位置決め部は、前記基板に設けられる複数の位置決め穴を含み、
複数の前記位置決め穴は
、第1の位置決め穴群と第2の位置決め穴群に分けられ、
前記第1の位置決め穴群と前記第2の位置決め穴群は、列状に分布され、相互に平行な位置決め穴群であり、
前記第1の位置決め穴群内の位置決め穴は、前記第2の位置決め穴群の位置決め穴と対向して設置されるか、又は千鳥状に設置される、ことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のインク容器のチップ。
【請求項5】
前記導電シートの数は複数であり、前記導電シートの数が偶数である場合、前記導電シートは中心線L1に沿って前記
基板に対称的に分布し、前記中心線L1は、前記チップの前記Y軸方向での中心点を通り、前記Z軸方向に平行である、ことを特徴とする請求項
2又は3に記載のインク容器のチップ。
【請求項6】
前記X軸方向において、前記電気コア接続部と前記位置決め取付部はそれぞれ前記本体の同じ側に位置している、ことを特徴とする請求項2に記載のインク容器のチップ。
【請求項7】
複数の前記基板端子には、対応するコンタクトピンに接触する基板端子接触部が設けられ、
前記導電シートの前記電気コア接続部は、前記基板端子接触部の+Z軸方向に位置している、ことを特徴とする請求項2に記載のインク容器のチップ。
【請求項8】
前記導電シートは前記基板端子の+Z軸方向に位置している、ことを特徴とする請求項7に記載のインク容器のチップ。
【請求項9】
前記基板端子接触部は前記Z軸方向に複数列に並べられており、前記導電シートの前記電気コア接続部は前記複数列の基板端子接触部間に位置している、ことを特徴とする請求項7に記載のインク容器のチップ。
【請求項10】
前記基板端子は前記Z軸方向に複数列に並べられており、電気コア接続部は前記複数列の基板端子間に位置し、前記Z軸方向において、前記電気コア接続部と前記位置決め取付部はそれぞれ前記本体の両側に位置している、ことを特徴とする請求項
2又は3に記載のインク容器のチップ。
【請求項11】
前記電気コア接続部は、前記Y軸方向でのサイズが、前記Z軸方向でのサイズより大きい、ことを特徴とする請求項
2又は3に記載のインク容器のチップ。
【請求項12】
前記基板端子と前記導電シートの前記電気コア接続部との間には付加端子が設けられ、
前記付加端子は、チップのデータを記憶するウェハに接続される少なくとも1つのウェハ端子と電気的に接続している、ことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のインク容器のチップ。
【請求項13】
インク容器であって、請求項1~12のいずれか1項に記載のインク容器のチップを含み、
前記チップには複数のリミット溝が設けられ、前記インク容器には前記リミット溝と嵌合する複数のリミットブロックが設けられており、
前記チップは前記リミット溝及び前記リミットブロックにより前記インク容器に着脱可能に取り付けられる、ことを特徴とするインク容器。
【請求項14】
前記インク容器は、ジェット用インクを格納するための箱体及び前記箱体に取り付けられるチップホルダーを含み、
複数の前記リミットブロックは、前記チップホルダー
の表面に位置し
、かつ前記チップホルダーの表面は、前記コンタクトピンに近い、ことを特徴とする請求項13に記載のインク容器。
【請求項15】
前記箱体には前記チップホルダーを格納する取付室が設けられ、
前記チップホルダーは、前記箱体と接続するための第1の接続部及び前記チップを固定するための第1の固定部を含み、前記第1の接続部の両側にはそれぞれ第1の
位置決めボスが設けられ、前記取付室の側壁にはそれぞれ前記第1の位置決めボスと嵌合する第1の係止穴が設けられ、
前記第1の接続部の前記第1の固定部から離れた端には第2の
位置決めボスが設けられており、前記第2の
位置決めボスには弾性素子が套設され、且つ前記弾性素子は、前記取付室の内壁に当接する、ことを特徴とする請求項14に記載のインク容器。
【請求項16】
前記第1の接続部の前記第1の固定部から離れた端には傾斜面が設けられており、前記第2の
位置決めボスは前記傾斜面に位置し、
前記チップ及び
前記チップホルダーは前記取付室内にあって、回転可能であり、前記インク容器が前記インクジェットプリンタの保持部に接触すると、前記チップと前記インクジェットプリンタの保持部の側壁部材との間に隙間がある、ことを特徴とする請求項15に記載のインク容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンタの技術分野に関し、特に、インク容器のチップ及びインク容器に関する。
【背景技術】
【0002】
既存のインクジェットプリンタには、インク容器を格納するための保持部が設けられており、保持部には少なくとも1つのインク容器が着脱可能に取り付けられており、インク容器はチップを含み、チップとインクジェットプリンタのコンタクトピンは電気的に接続され、インク容器とインクジェットプリンタの間の信号伝送を実現する。
【0003】
チップは一般的に回路基板、固定ベース及び複数の接触素子を含み、接触素子はインクジェットプリンタのコンタクトピンと電気的に接続されるために用いられ、固定ベースには複数の位置決め挿入穴が設けられ、且つ各位置決め挿入穴には1つの接触素子が挿入されており、接触素子にはコンタクトピンと電気的に接続するための接触部分が設けられており、且つ接触部分は固定ベースを通して固定ベースの表面から突出し、接触部分をインクジェットプリンタのコンタクトピンに接続させる。中国特許CN201510264696.3に記載された内容、及びCN201510264696.3特許の
図6に示すように、チップ1は、回路基板11、接触素子12、及び固定ベース13を備える。接触素子12の数は複数であり、各接触素子12には、プリンタ機器(インクジェットプリンタ)に電気的に
接続するための接触部分120が設けられている。固定ベース13には、複数の位置決め挿入穴が設けられており、接触素子12に対応する。各接触素子12はいずれも固定ベース13上の位置決め挿入穴を通り抜けて、プリンタ機器との接触を容易にするために、接触部分120を露出させる。
【0004】
しかし、接触素子及び固定ベースなどの体積が小さく、チップには複数の部品が配置されているため、接触素子及び固定ベースを取り付けるとき、接触素子及び固定ベースの取付に残しておく操作空間が小さいため、組み立てが困難になり、インク容器の生産効率が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施例は、導電シートを位置決め取付部を介して基板に取り付け、チップとインクジェットプリンタは、導電シートの電気コア接続部を介して信号伝送を実現し、インク容器の生産効率を向上させるインク容器のチップ及びインク容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を実現するために、本発明の実施例は、以下の技術的解決手段を採用する。
【0007】
本発明の実施例の1つの態様は、インクジェットプリンタ内の保持部のコンタクトピンと電気的に接続されるインク容器のチップを提供し、前記チップは、基板及び前記基板に取り付けられた少なくとも1つの導電シートを含み、前記基板は、前記インクジェットプリンタのコンタクトピンに接触する少なくとも1つの基板端子、及び前記少なくとも1つの導電シートを位置決めする位置決め部を有し、前記導電シートは、本体及び前記本体の一端に設けられる電気コア接続部を含み、前記電気コア接続部は前記コンタクトピンに当接し、前記本体には、少なくとも1つの位置決め取付部が設けられ、前記位置決め取付部は前記位置決め部と嵌合し、前記本体は前記基板の表面と平行であり、前記位置決め取付部を介して前記位置決め部に取り付けられる。
【0008】
さらに、X軸方向において、前記基板端子は前記基板の+X軸側に位置し、前記電気コア接続部は前記基板端子の所在する表面から前記+X軸方向に突出しており、前記電気コア接続部には、前記コンタクトピンに接触するための導電シート接触領域を有し、且つ前記導電シート接触領域は前記電気コア接続部の+X軸端に位置し、ここで、前記インク容器が前記保持部に取り付けられた方向はZ軸方向であり、取り付けられた先端側の位置は-Z軸方向であり、前記Z軸方向に垂直で、前記基板端子の所在する表面と平行な方向はY軸方向であり、前記Z軸方向と前記Y軸方向に垂直な方向はX軸方向であり、前記インク容器内部における前記チップを指す方向は+X軸方向であり、+X軸方向に沿って観察し、+Z軸がYZ平面の上にある場合、+Y軸方向は左側にある。
【0009】
さらに、前記位置決め取付部は、前記本体の+X軸側又は-X軸側に位置している。
【0010】
さらに、前記基板には複数の位置決め穴が設けられており、複数の前記位置決め穴は、列状に分布され、相互に平行な第1の位置決め穴群と第2の位置決め穴群に分けられ、ここで、前記第1の位置決め穴群内の位置決め穴は、前記第2の位置決め穴群の位置決め穴と対向して設置されるか、又は千鳥状に設置される。
【0011】
さらに、前記導電シートの数が複数であり、前記導電シートの数が偶数の場合、前記導電シートは中心線L1に沿って前記基板に対称的に分布し、ここで、中心線L1は、前記チップの前記Y軸方向での中心点を通り、前記Z軸方向に平行である。
【0012】
さらに、前記X軸方向において、前記電気コア接続部と前記位置決め取付部はそれぞれ前記本体の同じ側に位置する。
【0013】
さらに、複数の基板端子には、対応するコンタクトピンに接触する基板端子接触部が設けられており、
導電シートの電気コア接続部は、基板端子接触部の+Z軸方向に位置する。
【0014】
さらに、導電シートは基板端子の+Z軸方向に位置する。
【0015】
さらに、複数の基板端子には、対応するコンタクトピンに接触する基板端子接触部が設けられており、前記基板端子接触部は前記Z軸方向に複数列に並べられており、前記導電シートの前記電気コア接続部は前記複数列の基板端子接触部間に位置する。
【0016】
さらに、前記基板端子は前記Z軸方向に複数列に並べられており、電気コア接続部は前記複数列の基板端子間に位置し、前記Z軸方向において、前記電気コア接続部と前記位置決め取付部はそれぞれ前記本体の両側に位置している。
【0017】
さらに、前記電気コア接続部は、前記Y軸方向でのサイズが前記Z軸方向でのサイズより大きい。
【0018】
さらに、前記基板には、前記コンタクトピンと電気的に接続された基板端子が設けられており、前記基板端子と前記導電シートの電気コア接続部との間には、付加端子が設けられており、前記付加端子は、チップのデータを記憶するウェハに接続された少なくとも1つのウェハ端子と電気的に接続されている。
【0019】
さらに、前記チップが有する2つの前記導電シートは、それぞれ第1の導電シート、第2の導電シートであり、前記第1の導電シートと前記第2の導電シートは、前記チップの左右側に沿って対称に分布する。
【0020】
本発明の実施例の他の態様は、インク容器を提供し、前記インク容器のチップを含み、前記チップには複数のリミット溝が設けられており、前記インク容器には前記リミット溝と嵌合する複数のリミットブロックが設けられており、前記チップは前記リミット溝及び前記リミットブロックにより前記インク容器に着脱可能に取り付けられる。
【0021】
さらに、前記インク容器は、ジェット用インクを格納するための箱体及び前記箱体に取り付けられたチップホルダーを含み、複数の前記リミットブロックは、前記チップホルダーの前記コンタクトピンに近い表面に位置する。
【0022】
さらに、前記箱体には、前記チップホルダーを格納するための取付室が設けられており、前記チップホルダーは、前記箱体と接続するための第1の接続部及び前記チップを固定するための第1の固定部を備え、前記第1の接続部の両側にはそれぞれ第1の位置決めボスが設けられており、前記取付室の側壁にはそれぞれ前記第1の位置決めボスと嵌合する第1の係止穴が設けられており、前記第1の接続部の前記第1の固定部から離れた端には第2の位置決めボスが設けられており、前記第2の位置決めボスには弾性素子が套設され、且つ前記弾性素子は、前記取付室の内壁に当接する。
【0023】
さらに、前記第1の接続部の前記第1の固定部から離れた端には傾斜面が設けられており、前記第2の位置決めボスは前記傾斜面に位置し、チップ及びチップホルダーは前記取付室内にあって、回転可能であり、前記インク容器が前記インクジェットプリンタの保持部に接触すると、チップと前記インクジェットプリンタの保持部の側壁部材との間に隙間がある。
【発明の効果】
【0024】
従来技術に比べて、本発明の実施例で提供されるインク容器のチップ及びインク容器は、以下のような利点がある。
【0025】
本発明の実施例で提供されるインク容器のチップ及びインク容器では、チップは基板及び基板に設けられる導電シートを含み、導電シートは本体、電気コア接続部、及び位置決め取付部を含み、電気コア接続部は本体の一端に位置し、位置決め取付部は本体の一側に位置し、基板には位置決め取付部と嵌合する位置決め部が設けられ、導電シートは位置決め取付部により位置決め部内に挿入され、本体と基板を密接させ、電気コア接続部はインクジェットプリンタのコンタクトピンに電気的に接続されるために用いられ、チップとインクジェットプリンタの間の情報伝送を完了する。
【0026】
従来技術に比べて、本発明の実施例で提供されるインク容器のチップ及びインク容器では、導電シートは位置決め取付部により基板に挿入され、本体は基板の表面と平行に維持され、導電シートと基板の接触面積が増大し、組み立てがより安定し、簡単になる。また、導電シートの電気コア接続部は本体の一端に位置し、取り付けプロセスにより電気コア接続部が変形しやすい問題を防止し、電気コア接続部とインクジェットプリンタのコンタクトピンとの電気的接続の安定性を向上させることができ、電気コア接続部は、Y軸方向の長さがZ軸方向の長さより大きくし、Y軸方向の長さは比較的大きいので、インク容器がY軸方向に位置ずれやオフセットが発生しても、チップが認識できなくなることはなく、導電シートとコンタクトピンとの接触をより安定させ、電気コア接続部と、基板端子、基板端子接触部との位置関係は、導電シートがコンタクトピン溝内に入らないようにしており、コンタクトピンを過度に押圧して電気的接続が失効する状況を避ける。
【0027】
上述した本発明によって解決される技術的問題、技術的解決手段を構成する技術的特徴及びこれらの技術的解決手段の技術的特徴による有益な効果に加えて、本発明で提供されるインク容器のチップ及びインク容器によって解決される他の技術的問題、技術的解決手段に含まれる他の技術的特徴及びこれらの技術的特徴による有益な効果は、具体的な実施形態において、より詳細に説明される。
【0028】
本発明の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下では、本発明の実施例又は従来技術説明において必要とされる図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の説明における図面は本発明の一部の実施例にすぎず、当業者にとって、創造的な労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面も得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の実施例によって提供されるインク容器が保持部に取り付けられる概略図である。
【
図2】本発明の実施例によって提供されるインク容器の構造概略
図1である。
【
図3】本発明の実施例によって提供される保持部の構造概略図である。
【
図4】本発明の実施例によって提供されるコンタクトピンホルダーの構造概略図である。
【
図5】
図4に示すコンタクトピンの構造概略図である。
【
図6】本発明の実施例によって提供されるチップの分解概略図である。
【
図10】
図6の導電シートの裏面構造概略図である。
【
図14】
図6の導電シートと基板の接続方式2の概略図である。
【
図15】本発明の実施例によって提供されるチップとコンタクトピンホルダーの接続概略図である。
【
図19】実施例2のチップとコンタクトピンホルダーの電気的接続の概略図である。
【
図20】本発明の実施例によって提供されるチップとインク容器の接続概略
図1である。
【
図21】本発明の実施例によって提供される付加端子の基板での配置概略
図1である。
【
図22】本発明の実施例によって提供される左端子及び右端子の基板での配置概略
図1である。
【
図23】本発明の実施例によって提供される左端子及び右端子の基板での配置概略
図2である。
【
図24】本発明の実施例で提供される基板端子の基板での第2の配置概略図である。
【
図25】本発明の実施例で提供される基板端子の基板での第3の配置概略図である。
【
図26】本発明の別の実施例によって提供されるインク容器の構造概略図である。
【
図27】本発明の別の実施例によって提供される保持部の構造概略図である。
【
図30】本発明の別の実施例によって提供されるチップホルダーとチップの接続概略図である。
【
図31】本発明の実施例によって提供されるチップホルダーの構造概略図である。
【
図32】本発明の実施例によって提供されるチップホルダーと箱体の接続概略図である。
【
図33】本発明の実施例によって提供されるチップホルダーとコンタクトピンの接続概略
図1である。
【
図34】本発明の実施例によって提供されるチップホルダーとコンタクトピンの接続概略
図2である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明確に分かりやすくするために、以下では、本発明の実施例における図面を組み合わせて、本発明の実施例における技術的手段を明確に完全に説明する。明らかに、説明した実施例は、全ての実施例ではなく、本発明の実施例の一部にすぎない。本発明における実施例に基づいて、当業者は、創造的な労働をしない前提で取得される他のすべての実施例は、本発明の保護の範囲に属する。
【0031】
実施例1
図1~
図3に示すように、インクジェットプリンタには保持部200があり、保持部200はインク容器を格納するために用いられ、複数又は1つのインク容器300を搭載することができる。インク容器300は着脱可能に保持部200に取り付けられ、インク容器300が使い果たされたとき、新しいインク容器を取り替える必要がある。インク容器300は、チップ100、ハンドル330、インク排出口311、及び箱体310を含み、保持部200は、コンタクトピンホルダー201、インク供給部202、固定部204及び開口205を備え、箱体310内にインクが格納され、インクはインク排出口311を通ってインク供給部202に到達し、さらにインク供給部202はインクをプリントヘッドに供給することができ、これによりインクは印刷の動作を実行するために用いることができる。チップ100は、コンタクトピンホルダー201でのコンタクトピンと電気的に接続され、電気信号間の相互伝送に用いられることができる。ハンドル330は、インク容器300を保持部200に固定するために用いられ、ハンドル330は固定部204と嵌合して、インク容器300が保持部200から離脱するのを防止する。
【0032】
図2に示すように、保持部の三次元直角座標系、即ちXYZ軸座標系を設定し、インク容器300が保持部200に取り付けられる方向を-Z軸方向とすると、インク容器300が保持部から離脱する方向は+Z軸方向であり、開口205は+Z軸方向に位置し、底壁200aは-Z軸方向に位置する。通常、インクジェットプリンタは、デスクトップ又は印刷台面に平置きされ、保持部200の開口205は重力方向の上方にあり、底壁200aは重力方向の下方にあるので、使用者がインク容器300を取り付けたり、取り外したりするのに便利である。
【0033】
さらに、保持部200は、複数又は1つのインク容器300を搭載す
ることができ、複数又は1つの取付位置203を有し、4つのインク容器内には、4つの異なる色、例えば黒、黄、青、赤のインクが格納されている。
図3に示すように、保持部200は4つのインク容器300を搭載す
ることができ、4つの取付位置203を有し、保持部200は、長方形又は正方形に近い、開口205を有する部材であり、保持部200の内側壁及び底壁200aは取付位置203を構成している。コンタクトピンホルダー201は保持部200の第1の側壁200cに取り付けられ、取付位置203はY軸方向に順次並べられ、4つの取付位置203はY軸方向に順次並べられている。Y軸とZ軸に同時に垂直な方向は、X軸方向であり、ここで、取付位置203からコンタクトピンホルダー201に向かう方向は+X軸方向である。+X軸は第1の側壁200cに垂直であり、+X軸方向に沿って観察すれば、+Z軸がYZ平面の上にある場合、+Y軸方向は左側にある。また、本実施例で設置したインク容器300の三次元直角座標系は、保持部200の三次元直角座標系と一致している。
【0034】
図4に示すように、コンタクトピンホルダー201はベース210、ベース210に取り付けられた複数のコンタクトピンを備え、複数のコンタクトピンはそれぞれ、第1のコンタクトピン211~第9のコンタクトピン219である。コンタクトピンは薄片状の金属シートで、電気伝導作用があり、磨耗しにくいである。ベース210は複数のスリットを備え、それぞれ第1のスリット221~第9のスリット229であり、複数のスリット221~229は、複数のコンタクトピン211~219に対応し、複数のスリット221~229はU字型で、+Z軸方向のスリット口を有し、複数のコンタクトピン211~219は、-Z軸方向に沿ってスリット口を介して複数のスリット221~229に取り付けられる。例えば、第1のコンタクトピン211は、-Z軸方向に沿ってスリット口を介して第1のスリット221に取り付けられ、第2のコンタクトピン212~第9のコンタクトピン219の取付方式はこれと同じで、ここでは繰り返さない。
【0035】
第1のコンタクトピン211~第9のコンタクトピン219の中の各コンタクトピンの一側は、保持部200内部の回路を介してインクジェットプリンタの主回路に接続され、反対側はチップ100と電気的に接続される。ここで、第1のコンタクトピン211~第9のコンタクトピン219の構造は、
図4に示すように同じである。第1のコンタクトピン211を例として、各コンタクトピンの構造を紹介する。第1のコンタクトピン211は第1の部分211a、第2の部分211b、第3の部分211cに分けられる。第1の部分211a又は第3の部分211cは、チップ100と接触するために用いられ、第2の部分211bは、インクジェットプリンタ内部回路と接続するために用いられ、例えば、保持
部を介してインクジェットプリンタ内の主回路と接続する。第3の部分211cは、第1の部分211a、第2の部211bに接続されている。
【0036】
図3~7を参照して、基板10には少なくとも1つの基板端子30があり、基板10に7つの基板端子31~37が配置されてもよい。ここで、コンタクトピンは、第1の部分211aが第1の基板端子201と接触し、接触領域を形成し、第2の部分211bがインクジェットプリンタ内の回路に接続される。第3の部分211cは、第1の部分211aと第2の部分211bを接続する。第3の部分
211cは第1のコンタクトピン211の+Z軸方向にあり、第1のコンタクトピン211は、第3の部分211c又は第3の部分211cの一部(例えば第3の部分211cの水平部分211f)を介して第1のスリット221に固定される。第1の部分211a、第2の部分211bは第1のコンタクトピン211の-Z軸方向の端部に設けられることで、第1の部分211a、第2の部分211bは弾性変形可能になり、且つ変形した後に元の状態に戻りやすい。第1のコンタクトピン211の第1の部分211aは、-X軸方向に設けられ、第2の部分211bは+X軸方向に設けられる。第1の部分211a、第2の部分211bは、ベース210から突出しており、第3の部分211cはベース210から突出していない。
【0037】
さらに、第1の部分211a、第2の部分211bは、X軸方向にベース210から突出しており、ベース210は、第1の部分211aと第2の部分211bの間に位置する。第1の部分211aは、第2の部分211bよりも取付位置203に近い。第3の部分211cは、X軸方向に垂直な第1の垂直部分211dと第2の垂直部分211e、及びX軸方向に平行な水平部分211fに分けられ、水平部分211fは、第1の垂直部分211dと第2の垂直部分211eを接続する。第1の垂直部分211dと第2の垂直部分211eは、Z軸方向に沿って延びる。第1の垂直部分211dは、第2の垂直部分211eよりも取付位置203に近い。第1の垂直部分211dの端部は第1の部分211aに接続され、第2の垂直部分211eの端部は第2の部分211bに接続され、水平部分211f又は第1の垂直部分211d、第2の垂直部分211eは+Z軸方向に第1のスリット221に固定される場合、第1のコンタクトピン211のこのような構造は、第1のコンタクトピン211の第1の部分211a、第2の部分211bに弾性を持たせて、インクジェットプリンタの内部回路、チップ100とのハードコンタクトによる第1の端子31、第1のコンタクトピン211の摩耗を回避する。第2のコンタクトピン212~第7のコンタクトピン217は、第1のコンタクトピン211と同じ配置、構造を有しており、ここでは、その詳細な図示及び説明を提供しない。第8のコンタクトピン218、第9のコンタクトピン219は、それぞれ前記第8のコンタクトピン218の第1の部分/第1の垂直部分、前記第9のコンタクトピン219の第1の部分/第1の垂直部分を介して導電シートと電気的に接続され、前記第8のコンタクトピン218と前記第9のコンタクトピン219との残りの部分は第1のコンタクトピン211と同じ配置、構造を有しており、ここでは、その詳細な図示及び説明を提供しない。
【0038】
図6と
図7を組み合わせて図
9を参照して、本発明の実施例によって提供されるインク容器のチップ100では、チップ100は、インクジェットプリンタ内の保持部200のコンタクトピンと電気的に接続され、チップ100は、基板10及び基板10に取り付けられた少なくとも1つの導電シート20を含み、ここで、基板10は、インクジェットプリンタのコンタクトピンに接触する少なくとも1つの基板端子及び少なくとも1つの導電シート20を位置決めする位置決め部11を備え、導電シート20は、本体21及び本体21の一端に設けられる電気コア接続部22を含み、電気コア接続部22はコンタクトピンに当接し、本体21には少なくとも1つの位置決め取付部23が設けられており、本体21は基板10の表面と平行であり、且つ本体21は基板10に密接されるように取り付けられて、位置決め取付部23を介して位置決め部11に取り付けられている。
【0039】
具体的に、インク容器は通常、チップ100を含み、チップ100はインクジェットプリンタのコンタクトピンと電気的に接続され、インク容器のチップ100に記憶されたインク容器情報をインクジェットプリンタに伝送するようにする。チップ100は基板10を含み、基板10は全体的に矩形であり、基板は前面10a、裏面10b、左側面10c、右側面10d、上面10f、及び下面10eを有しており、ここで、前面10aは裏面10bと平行で且つ対向して配置され、左側面10cと右側面10dはそれぞれチップ100の-Y軸側及び+Y軸側にあり、上面10fは下面10eと平行で且つ対向して配置される。基板端子は前面10aに位置している。基板10の一端には、1つ又は複数の導電シート20が設けられ、導電シート20はインクジェットプリンタのコンタクトピンに接触している。インク容器がインクジェットプリンタに取り付けられる場合、チップ100はコンタクトピンと電気的に接続され、基板10のコンタクトピンに向かう面は、基板10の前面10aであり、基板10の前面10aに対向する面は、基板10の裏面10bである。
【0040】
さらに、基板10には、7つの基板端子が配置されてもよく、それぞれ第1の基板端子31~第7の基板端子37であり、且つX軸方向には、基板端子31~37が基板10の+X軸側にある。第1の基板端子31は、第1のコンタクトピン211の第1の部分211aに接触し、第1のコンタクトピン211に接触する領域は第1の基板接触領域である。第1の基板端子31~第7の基板端子37には、それぞれ第1の基板接触領域~第7の基板接触領域があり、総称して基板接触領域と称する。複数の基板接触領域は、Z軸方向に複数列に並べられている。第1の基板端子31~第7の基板端子37は、Z軸方向に2列に並べられており、-Z軸方向に沿って、第1の基板端子31~第4の基板端子34は第1列にあり、第5の基板端子35~第7の基板端子37は第2列にあり、さらに、-Z軸方向に沿って、第1の基板接触領域~第4の基板接触領域は第1列にあり、第5の基板接触領域~第7の基板接触領域は第2列にある。
【0041】
好ましくは、本実施例において、基板には2つの導電シート20が設けられ、2つの導電シート20は、第1の導電シート20a及び第2の導電シート20bであり、第1の導電シート20a及び第2の導電シート20bは、基板の前面10aに設けられ、中心線L1は、チップ100のY軸方向での中心点を通り、Z軸方向に平行であり、第1の導電シート20aと第2の導電シート20bは、中心線L1を対称中心として、基板10に対称的に分布しており、且つ中心線L1は第6の基板端子36を通過する。さらに、チップ100は中心線L1を対称中心として対称する。導電シート20は位置決め部11を介して基板10に位置決めされる。位置決め形態は、貼り付け、溶接、係止などの固定形態であってもよい。
【0042】
図7、図9及び
図10に示すように、本実施例によって提供される導電シート20は矩形状の本体21を含み、本体21の一端には電気コア接続部22が設けられ、電気コア接続部22は、本体21の一端が外へ折り曲げられて形成されてもよく、本体21は、電気コア接続部22から他端への方向に、少なくとも1つの位置決め取付部23が設けられ、位置決め取付部23は、本体21の一側のエッジに位置している。インク容器がインクジェットプリンタに取り付けられる場合、チップ100はコンタクトピンと電気的に接続され、本体21のコンタクトピンに向かう面は導電シート20の第1の表面20eであり、第1の表面20eに対向する面は第2の表面20gである。ここで、電気コア接続部22及び位置決め取付部23はそれぞれ、第1の表面20eに位置してもよく、又は電気コア接続部22は第1の表面20eに位置し、位置決め取付部23は第2の表面20gに位置してもよい。理解できるものとして、電気コア接続部22及び位置決め取付部23は、シート状構造及び柱状構造とすることができ、本実施例は、電気コア接続部22及び位置決め取付部23の形状に制限を加えず、好ましくは、電気コア接続部22及び位置決め取付部23をシート状構造に設置してもよい。
【0043】
基板10には、位置決め取付部23を挿入するための位置決め部11が設けられており、位置決め部11の数は位置決め取付部23の数と一致し、位置決め部は位置決め穴を含む。好ましくは、位置決め部11は位置決め穴である。本実施例では、導電シート20と基板10の間の接続強度又は安定性を強化するために、導電シート20に複数の位置決め取付部23が設けられてもよく、複数の位置決め取付部23はそれぞれ本体21の両側に設けられ、且つ位置決め取付部23は本体21のエッジに沿って設けられてもよく、例えば、本体21の両側には、2つの位置決め取付部23がそれぞれ設けられ、且つ各側に位置する位置決め取付部23は対向して設置されるか、又は千鳥状に設置されてもよい。
【0044】
導電シート20を基板10に接続する必要がある場合、選択された導電シート20は、その位置決め取付部23及び電気コア接続部22が本体21の第1の表面20eに位置してもよく、このとき、導電シート20は基板10の裏面10bから取り付けられ、位置決め取付部23は基板10に位置する位置決め穴11内に挿入され、且つ本体21は基板10の裏面10bに密接され、電気コア接続部22は基板10の前面10aから突出する。選択された導電シート20は、その位置決め取付部23が本体21の第1の表面20eに位置し、電気コア接続部22が本体21の第2の表面20gに位置し、このとき、導電シート20の位置決め取付部23は基板10の前面10aから取り付けられ、基板10の位置決め穴11内に挿入され、本体21を基板10の前面10aと平行にし、さらに密接させ、電気コア接続部22は基板10の前面10aから突出する。
【0045】
導電シート20の位置決め取付部23を位置決め穴11内に挿入しやすいように、位置決め取付部23の本体21から離れた端にガイド角を設けてもよく、例えば、シート状構造である位置決め取付部23の本体21から離れた端に面取りを行ってテーパ部23aを形成することができ、位置決め取付部23を位置決め穴11内に挿入するのに便利であり、柱状構造である位置決め取付部23の本体21から離れた端にフィレットを設定して円弧面を形成することができ、位置決め取付部23を位置決め穴11内に挿入するのに便利である。
【0046】
本実施例によって提供されるインク容器のチップでは、チップには導電シート20が設けられており、導電シート20はその位置決め取付部23を介して基板10の位置決め穴11内に挿入され、且つ導電シート20の本体21は基板10に密接され、電気コア接続部22は本体21から突出して設けられ、本体21が基板10に密接されるのは、両者の接触面積を増大させることができ、組み立てがより簡単になる。また、導電シート20の電気コア接続部22は本体21の一端に位置しており、導電シート20の取付過程において、電気コア接続部22が変形しにくく、電気コア接続部とインクジェットプリンタのコンタクトピンとの電気的接続の安定性を向上させることができる。
【0047】
さらに、電気コア接続部22は本体21に垂直に設けられてもよく、コンタクトピンと電気的に接続するのに便利であり、位置決め取付部23も本体21に垂直に取り付けられてもよく、位置決め取付部23を基板10の位置決め穴11内に挿入するのに便利であり、同時に、基板10の位置決め穴11の軸線は基板10の表面に垂直であってもよく、基板10に位置決め穴11を設けるのが容易である。理解できるものとして、位置決め取付部23、電気コア接続部22は、本体21に傾斜して設けられてもよく、本実施では、電気コア接続部22、位置決め取付部23を本体21に垂直に設けることが好ましい。
【0048】
導電シート20を基板10に着脱可能に接続するために、導電シート20はその位置決め取付部23を介して基板10での位置決め穴11内に挿入されることができる。また、本実施例では、導電シート20の本体21は基板10に密接され、本体21を介して導電シート20を基板10に接着又は溶接してもよく、導電シート20と基板10との接続強度を高めることができる。電気コア接続部22は、本体21の一端に設けられ、且つ電気コア接続部22の取付方向は本体21の密接方向と異なり、好ましくは、電気コア接続部22を本体21に垂直に設ける。本体21の溶接又は接着などのプロセスを用いて導電シート20を基板10に固定する過程において、本体21が変形しても電気コア接続部22が変形することなく、電気コア接続部22とコンタクトピンとの電気的接続の安定性を確保することができる。
【0049】
さらに、導電シート20は、位置決め取付部23を単独に用いて位置決め穴11内に挿入してもよいし、本体21を単独に利用して基板10に溶接又は接着してもよく、或いは、導電シート20は、位置決め取付部23を利用して基板10に挿入した後、本体21と基板10を溶接し、導電シート20と基板10との接続強度を高めることができ、好ましくは、位置決め取付部23を利用して導電シート20を位置決め穴11内に挿入する。本実施例では、導電シート20は位置決め取付部23を介して位置決め穴11内に挿入し、基板10に複数の導電シート20が設けられ、且つ複数の導電シート20は基板10にアレイ状に分布され、基板10に2つの導電シート20が設けられているのを例にとって、2つの導電シート20はそれぞれ第1の導電シート20a及び第2の導電シート20bであり、第1の導電シート20a及び第2の導電シート20bに基づいて、基板10に設けられた位置決め穴11を説明する。
【0050】
例えば、本実施例では、チップ100基板に左右対称の第1の導電シート20a及び第2の導電シート20bが2つ設けられ、ここで、第1の導電シート20aは第2の導電シート20bの-Y側に配置され、第1の導電シート20aを例にとって、導電シートの構造を詳細に説明する。
【0051】
本実施例で提供される第1の導電シート20aは、第8のコンタクトピン218に接触する電気コア接続部22、基板10に固定される位置決め取付部23、及び電気コア接続部22と位置決め取付部23を接続する本体21を備える。位置決め取付部23は位置決め穴11と嵌合し、第1の導電シート20aを位置決めするために用いられる。第1の導電シート20aは、第8のコンタクトピン218の第1の垂直部分に接触する導電シート接触領域22aを有し、導電シート接触領域22aは、第1の導電シート20aの電気コア接続部22の+X軸端に位置し、さらに、導電シート接触領域22aは第1の導電シート20aの+X軸端に位置する。電気コア接続部22は本体21に垂直であり、位置決め取付部23は本体21に垂直であり、本体21は、基板端子31~37が位置する前面10aに平行に設けられている。第1の導電シート20aは、第1の表面20e、第2の表面20g、第3の表面20c、第4の表面20d、及び第5の表面20fを含む。第1の表面20eと第2の表面20gは平行で、互いに反対に設けられ、両者は前面10aと平行である。第3の表面20cと第4の表面20dは平行で、互いに反対に設けられている。第3の表面20cと第4の表面20dは、それぞれ第1の導電シート20aの-Y軸側及び+Y軸側に位置する。第1の表面20e、第2の表面20gも、本体21の2つの表面である。第3の表面20c、第5の表面20fは、電気コア接続部22の2つの表面であり、両者は平行で、互いに反対に設けられている。第3の表面20cと第5の表面20fは、それぞれ電気コア接続部22の-Y軸側及び+Y軸側に位置する。
【0052】
電気コア接続部22は本体21に垂直であり、位置決め取付部23は本体21に垂直であり、この構造はチップが部品の数を減少させ、構造が簡単で、生産効率が高い。同時に、導電シートと基板の接触面積を増大させ、導電シートが基板と位置決めする位置を増大させ、位置決め取付部の設計が簡単になり、操作が容易になり、さらに、導電シートと基板10の組み立てが容易になる。なお、溶接、貼り付けなどのプロセスによる電気コア接続部への影響による変形を防止する。
【0053】
電気コア接続部22が変形すると、第8のコンタクトピン218に正確に接触することができない。本体21は、基板端子が位置する前面10aに平行に設けられるので、再生産過程において、基板10の前面10aだけで導電シートの取付、位置決め、溶接の作業を完了することができ、基板10の裏面10bに移動する必要がなく、生産を容易にし、生産効率を向上させる。位置決め取付部23は、本体21から突出する4つの突起であり、4つの突起は基板の前面10aに垂直であり、位置決め穴11を用いて位置決め取付部23と嵌合し、4つの突起は位置決め穴11に挿入することで、導電シートの取付がより簡単かつ便利になる。
【0054】
図15に示すように、インク容器300が保持部200に取り付けられるとき、第1の導電シート20aと第8のコンタクトピン218の第1の垂直部
分は、第1の導電シート20aが金属材質であり、且つ基板10に溶接されるため、弾性を持たない。インク容器300が保持部200に取り付けられるとき、第1の導電シート20aは第8のコンタクトピン218の第1の垂直部
分をプレスするので、
第8のコンタクトピン218の第1の垂直部
分は+X軸方向に移動し、さらに第1の導電シート20aの接触領域22aは第8のスリット228に入り、第1の導電シート20aの+X軸側は第8のスリット
228に挿入され、第3の表面20c、第5の表面20fの一部も第8のスリット228に挿入されるので、チップへの位置決めの役割を果たし、チップとコンタクトピンの接触精度を高める。第2の導電シート20bは、第1の導電シート20aと同じ接触形態、機能を有しており、ここではその詳細な説明は提供されない。
【0055】
さらに、基板10には複数の位置決め穴11が設けられ、複数の位置決め穴11は、行分布して平行な複数の位置決め穴群に分かれ、且つ隣接する位置決め穴群間の列間距離は、導電シートの位置決め取付部によって調整される。隣接する穴群間の位置決め穴は、対向して設置されるか、又は千鳥状に設置されてもよい。例えば、本実施において、基板10に左右対称の第1の導電シート20a及び第2の導電シート20bが設けられ、ここで、各導電シートはいずれも、4つの位置決め取付部23を含み、それに応じて、基板10には、導電シート20を取り付けるための4つの位置決め穴11が設けられる必要がある。
【0056】
よって、基板10には、第1の位置決め穴群と第2の位置決め穴群を含む2列の位置決め穴群が設けられ、第1の位置決め穴群と第2の穴群は、列間隔で基板10に設けられ、第1の位置決め穴群は、同じ列に位置する4つの第1の位置決め穴11aを含み、第2の位置決め穴群は、同じ列に位置する4つの第2の位置決め穴11bを含み、且つ第1の位置決め穴群は第2の位置決め穴群の上に配置され、第1の位置決め穴11aと第2の位置決め穴11bは対向して設置されるか、又は千鳥状に設置されてもよく、それに応じて、導電シート20両側に位置する位置決め取付部23は対向して設置されるか、又は千鳥状に設置されてもよい。
【0057】
上記実施例に基づいて、位置決め取付部23の本体21から離れた端に折り曲げ部が設けられ、折り曲げ部は位置決め取付部23に接続され、且つ折り曲げ部は基板10に係止され、且つ本体21とは反対側にある基板10の表面に位置する。具体的に、位置決め取付部23は、一端が本体21に接続され、他端が基板10の位置決め部11内に挿入され、基板10の表面(裏面10b又は前面10a)から突出している。
図11及び
図12を参照して、本実施例では、導電シート20が基板10の前面10aに取り付けられている例について説明し、位置決め取付部23は基板10の前面10aから位置決め部11内に挿入され、位置決め取付部23の本体21から離れた端は、基板10の裏面10bから突出して折り曲げられて、折り曲げ部を形成し、折り曲げ部は基板10の裏面10bに密接されることができ、位置決め取付部23が挿入穴内から脱落するのを防止する。同様に、
図13及び
図14に示すように、位置決め取付部23は基板10の裏面10bから位置決め部11内に挿入され、位置決め取付部23の本体21から離れた端は、基板10の前面10aから突出して折り曲げられて、折り曲げ部を形成し、折り曲げ部は基板10の前面10aに密接されることができ、位置決め取付部23が挿入穴から脱落するのを防止する。
【0058】
導電シートの数は、1つ又は複数であってもよく、導電シートの数が偶数である場合、導電シートは中心線L1に沿って基板10に対称に分布する。
【0059】
導電シートの第2の部分と基板10の穴の数は、1つ又は複数であってもよく、いずれも位置決めの目的を達成することができる。
【0060】
さらに、生産過程における効率と操作性を高めるために、第1の導電シート20a、第2の導電シート20bは、生産過程において同一の金属シートに設けられた2つの部分であってもよく、上記金属シートを基板10に位置決めして溶接した後、パンチを用いて金属シートを第1の導電シート20a、第2の導電シート20bに打ち抜く。この生産方式は、生産者の操作性を高め、生産プロセスを最適化し、生産効率を向上させる。
【0061】
図15は実施例1によるコンタクトピンホルダー201とチップ100とを組み合わせる概略図である。
図15は、インク容器300が保持部200に取り付けられたとき、チップ100とコンタクトピンホルダー201の概略図である。第1の導電シート20aは、第8のコンタクトピン218の第1の垂直部
分に接触し、第1の導電シート20aが金属材質であり、且つ
基板10に溶接されるので、弾性を持たない。インク容器300が保持部200に取り付けられたとき、第1の導電シート20aは第8のコンタクトピン218の第1の垂直部
分をプレスすることにより、
第8のコンタクトピン218の第1の垂直部
分は+X軸方向に移動し、さらに第1の導電シート20aの接触領
域は第8の狭間228に入り、第1の導電シート20aの+X軸側は第8の狭間228に挿入され、第3の表面20c、第5の表面20fの一部も第8の狭間228に挿入されることにより、チップ100への位置決めの役割を果たし、チップ100とコンタクトピンの接触精度を高める。第2の導電シート20bは、第1の導電シート20aと同じ接触形態、機能を有しており、ここではその詳細な説明は提供されない。
【0062】
図6~図15に示すように、チップ100は、第1のリミット溝12のセット、第2のリミット溝13のセット及び第3のリミット溝14のセットを有する。好ましくは、第1のリミット溝12のセット、第2のリミット溝13のセット及び第3のリミット溝14のセットは、
基板10の厚さ方向(即ちX軸方向)を貫通する貫通溝である。第3のリミット溝14は、チップ100の-Y軸、-Z軸側及び+Y軸、-Z軸側に設けられている。第3のリミット溝14は、+Y軸側
/-Y軸側の第
3のリミット溝表面14aを有する。インク容器300が保持部200に取り付けられるとき、第8のコンタクトピン218の第1の部
分はチップ100の第
3のリミット溝14に位置し、第3のリミット溝表面14aは、第8のコンタクトピン218、第9のコンタクトピン219に対して位置決めの役割を果たし、チップ100とコンタクトピンの接触の精度を高める。第2のリミット溝13は、チップ100の-Y軸側及び+Y軸側に設けられている。第1のリミット溝12は、チップ100の-Y軸、+Z軸側及び+Y軸、+Z軸側に設けられている。
【0063】
一方、インクジェットプリンタ内部は、第8のコンタクトピン218、第9のコンタクトピン219に高電圧(例えば42Vの方形波)を印加し、インク容器300のインク容量を検出するか又はインク容器300が保持部200に取り付けられているかどうかを検出するために用いられる。ウェハ40の動作電圧が低いので、インクジェットプリンタが第1のコンタクトピン211~第7のコンタクトピン217及びウェハ40に印加するのは、低電圧(2.7V~3.3V)である。第1のリミット溝12、第2のリミット溝13の位置を設定し、特にインク容器300が保持部200に取り付けられるとき、第8のコンタクトピン218、第9のコンタクトピン219は第3のリミット溝14内に位置し、第3のリミット溝表面14aは、第8のコンタクトピン218、第9のコンタクトピン219に対して遮断、隔離作用を有し、第8のコンタクトピン218、第9のコンタクトピン219が基板端子に接触する可能性を低減し、チップ100の安全性を高め、チップ100、インクジェットプリンタ内の回路の損傷を回避する。
【0064】
チップ100は、第2のリミット溝13又は第1のリミット溝12をインク容器300上の対応設置される突起と嵌合する形態でインク容器300に固定することができ、貼付の形態でインク容器300に固定することもできる。
【0065】
図7及び
図8を参照して、別の実施例において、第1の導電シート20aと第2の導電シート20bは、第1の位置決め穴11aと第2の位置決め穴11bを介してチップ100の基板10に位置決めされ、導電シートは溶接の形態でチップ100の基板10に溶接される。具体的に、基板10には、左端子38a、右端子38b、左後端子39a、右後端子39b、ウェハ40、電子部品が設けられている。左端子38aは第1の導電シート20aに対応し、右端子38bは第2の導電シート20bに対応する。生産過程において、まず、左端子38aに加熱した錫(溶接用)をつけて、そして第1の導電シート20aを第1の位置決め穴11aを介して基板10に置くとともに、錫は第1の導電シート20aを基板10に溶接する。左端子38aは基板10内の配線により、基板10の裏面10bに設けられた左後端子39aに接続され、左後端子39aは基板10内の配線により、ウェハ40又は電子部品に接続され、対応する機能を第1の導電シート20aに発揮させる。第2の導電シート20bは、第1の導電シート20aと同じ生産過程及び配置を有し、生産過程において、まず、右端子38bに加熱した錫(溶接用)をつけて、そして第2の導電シート208を第2の位置決め穴11bを介してチップ100基板10に置くとともに、錫は第2の導電シート20bを基板10に溶接する。右端子38bは基板10内の配線により、基板10の裏面10bに設けられた右後端子39bに接続され、右後端子39bは基板10内の配線により、ウェハ40又は電子部品に接続され、第2の導電シート20bは対応する機能を発揮できるようにする。
【0066】
さらに、本実施は導電シートと基板の接続強度を高めるものであり、
図22に示すように、基板10の上面10fに近い端には左端子38a、右端子38bが設けられ、左端子38a、右端子38bはいずれも基板の前面10aにあり、本実施例では、左端子38aの上側及び左側を基板の縁部に延び、左端子38
aの表面積を増やし、さらに左導電シートとの溶接面積及び溶接点を増大させることができ、左導電シートと基板の接続強度を強化し、基板からの脱落を防ぐことができる。同様に、右端子38bの上側及び右側を基板の縁部に延び、右端子の表面積を増やし、さらに
右導電シートとの溶接面積及び溶接点を増大させることができ、
右導電シートと基板の接続強度を強化し、基板からの脱落を防ぐことができる。理解できるものとして、左端子38aの右側と右端子38bの左側の間には隙間があり、さらに両者間の隙間を減らすために、さらに左端子38a及び右端子38bの表面積を増やし、
図23に示すように、左端子38aの左側を伸ばして左側の位置決め穴を包んで、右端子と隙間を保つことができ、また、右端子38bの右側を伸ばして右側の位置決め穴を包んで、左端子38aと隙間を保つことができる。
【0067】
本実施例では、基板10には、コンタクトピンと電気的に接続される基板端子30が設けられ、基板端子30と導電シート20との間にはまた付加端子が設けられ、付加端子は、チップ100のデータを記憶する少なくとも1つのウェハ40に接続される。具体的に、基板10には、1つ又は複数の基板端子30が設けられ、その数はコンタクトピンの数と一致してもよい。もちろん、コンタクトピンの数は基板端子30の数と一致しなくてもよい。例えば、基板10には5つの基板端子しかなく、コンタクトピンには9つのコンタクトピンがあり、そのうちの1つのコンタクトピンは空で、空のコンタクトピンであり、空のコンタクトピンは、インクジェットプリンタの内部回路に接続されず、又は接続された回路はインク容器の使用に影響を与えない。別の実施形態では、基板10には4つの基板端子しかなく、コンタクトピンは9つのコンタクトピンがあり、上記の空のコンタクトピン以外に、2つのコンタクトピンが同時に1つの基板端子に接続され、取付検出の作用に用いられる。具体的には
図24に示すように、基板10には5つの基板端子しかない。基板10での第1の基板端子31は、第1のコンタクトピン211と第2のコンタクトピン212と同時に接触する延伸部分があり、第1の基板端子31は2つの接触領域を有する。この技術を用いて、インク容器300が保持部200内に正しく取り付けられているかを検出することができる。インク容器300が保持部200内に正しく取り付けられていると、第1のコンタクトピン211、第2のコンタクトピン212は同時に第1の基板端子31に接触し、そして第1のコンタクトピン211、第2のコンタクトピン212は第1の基板端子31によって接続され、第1のコンタクトピン211と第2のコンタクトピン212の電圧は一致であり、最終的には第1のコンタクトピン211と第2のコンタクトピン212の電圧が一致しているかどうかを検出するだけで、第1の基板端子31と同時に接触しているかどうかが分かり、さらに組み立て検出を完了する。基板10は、第4のコンタクトピン214に対応する位置(即ち、基板10での第4の基板端子34の位置)で端子を有しておらず、基板10には、第4のコンタクトピン214に接触する接触領域を有していない。第4のコンタクトピン214は、インクジェットプリンタの内部回路に接続されず、空のコンタクトピンである。残りの基板端子、導電シート及びチップ100は、いずれも基板上に7つの基板端子が設けられる接続形態を参照して、一致している。
【0068】
さらに、
図25は実施例1の別のチップ100の概略図である。基板10は、7つの基板端子31~37を有し、且つ7つの基板端子31~37は、長方形で一列に順次配列されている。しかし、その接触領域は依然として
図6に示すチップ100と一致している。基板10での基板端子の形状変更は、本実施例の有益な効果を依然として達成することができる。
【0069】
さらに、
図21に示すように、基板10には、第1の基板端子31、第2の基板端子
32、第3の基板端子33、第4の基板端子34、第5の基板端子35、第6の基板端子36及び第7の基板端子37が設けられ、及び基板の一端には第1の導電シート20aと第2の導電シート20bが設けられ、且つ上記基板端子は、第1の導電シート20aとの間に第1の付加端子51aが設けられ、第2の導電シート
20bとの間に第2の付加端子51bが設けられ、ここで、第2の基板端子32、第3の基板端子33、第5の基板端子35、第7の基板端子37(以下、総称してウェ
ハ端子と呼ぶ)は、ウェハ40に接続されている。
【0070】
第1の付加端子51aは第2の基板端子32に接続されており(例えば、基板10に設けられたワイヤで接続されている)、第2の付加端子51bは第7の基板端子37に接続されている。即ち、第1の付加端子51a、第2の付加端子51bは、ウェハ40に接続される基板端子の延伸部に相当することができる。第1の付加端子51a、第2の付加端子51bの存在により、導電シートは第1の基板端子31、第2の基板端子32との間に遮断があり、この構造は、導電シート20が第1の基板端子31、第2の基板端子32と短絡的に直列に接続される可能性を低減する。また、ウェハ端子は通常ESD保護回路が設けられ、ESD保護回路は第1の基板端子に数百ボルト~数千ボルトの電撃電圧を耐えることができるので、ウェハ端子と導電シート20/第1の基板端子31、第2の基板端子32との間に短絡が発生しても、インクジェットプリンタ/インク容器が破損するリスクが低く、このように、導電シート20と第1の基板端子31、第2の基板端子32との間にウェハ端子が設けられることで、それらの間の短絡直列の可能性が低くなり、インクジェットプリンタ/インク容器の損壊のリスクが低減される。
【0071】
図20は、上記チップ100がインク容器300に取り付けられる概略図である。アダプタ340はインク容器300の一部であり、一般的には、アダプタ340は箱体310と嵌合して、1つの完全なインク容器300を形成する。箱体310におけるインクがなくなった場合、箱体310を取り替えるだけでよく、アダプタを引き続き使用することができ、コストが削減され、リソースが節約される。アダプタ340には、インク排出口311を挿入するための切り欠き343、チップ取付面340c、2つの対向して設置される第1の突起柱341及び2つの対向して設置される第2の突起柱342がある。
【0072】
チップ100はチップ取付面340cに配置される。チップ100での2つの対向して設置される第1のリミット溝12及び2つの対向して設置される第2のリミット溝13は、チップ100をインク容器300に固定するためのものである。アダプタ340での2つの第1の突起柱341はそれぞれ2つの第2のリミット溝13と嵌合し、2つの第2の突起柱342はそれぞれ第1のリミット溝12と嵌合し、チップ100をインク容器300に固定することができる。第1の突起柱341は、第2のリミット溝13の形状と一致し、チップ100がアダプタ340に取り付けられる場合、第1の突起柱341は第2のリミット溝13に当接し、チップ100がアダプタ340に移動しないようにする。第2の突起柱342と第1のリミット溝12との嵌合形態は、第1の突起柱341と第2のリミット溝13との嵌合形態と一致し、ここではその詳細な説明は提供されない。
【0073】
図26、
図27、
図30~
図34に示すように、本実施例はまた、インク容器のチップ100を含む別のインク容器を提供し、チップ100には複数のリミット溝が設けられ、インク容器には、リミット溝と嵌合する複数のリミットブロックが設けられ、チップ100は、リミット溝及びリミットブロックを介して着脱可能にインク容器に取り付けられる。
【0074】
具体的に、
図26に示すのは本実施例によって提供される別のインク容器であり、チップホルダー320を含み、且つチップホルダー320は着脱可能にインク容器に取り付けられ、
図27は、上記インク容器と嵌合する保持部200であり、このようなチップホルダー320を備えるインク容器を保持部200に取り付けるために用いられる。
【0075】
インク容器300は、箱体310、箱体310に設けられるインク排出口311及び係止部312を含み、係止部312は、箱体310をインクジェットプリンタの保持部200に接続するために用いられ、箱体310のインク排出口311から離れた側には、チップ100を取り付けるための取付面が設けられ、且つ取付面の両側には複数のリミットブロックが設けられ、チップ100の基板10には複数のリミット溝が設けられ、リミット溝は基板10の左、右両側に設けられてもよく、箱体上のリミットブロックの位置及び基板10上のリミット溝の位置は制限されず、チップ100を箱体に着脱可能に接続すれば良い。保持部200は底壁200aを含む。箱体310内にインクが格納され、インクはインク排出口311を介してインク供給部202に到達し、さらにインク供給部202はインクをプリントヘッドに供給することができ、これによりインクは印刷の動作を実行するために用いることができる。保持部200における第1の側壁200cは、底壁200aに対して垂直ではなく、底壁200aに対して傾斜している。チップ100はチップホルダー320に取り付けられ、チップホルダー320とチップ100の組み合わせ体は、第1の係止穴313を介してインク容器300上の傾斜部位に取り付けられる。チップ100は、コンタクトピンホルダー201上のコンタクトピンと電気的に接続され、電気信号間の相互伝送に使用されてもよい。係止部312は、インク容器300を保持部200に固定するために用いられ、係止部312は固定部204と嵌合して、インク容器300が保持部200から離脱するのを防止する。
【0076】
さらに、箱体310はまたチップホルダー320を含み、チップホルダー320はチップ100を固定するために用いられ、チップ100は、着脱可能にチップホルダー320に接続され、チップ取付位置の箱体310上にある。箱体310にはチップホルダー320を取り付けるための取付室が設けられることで、チップホルダー320が取付室内に挿入されて取り付けられ、箱体310に設けられるリミットブロックはチップホルダー320上に位置し、且つチップ100取付面の表面に近くに設けられてもよい。チップ100は、リミットブロックと嵌合する複数のリミット溝が設けられることにより、チップ100をチップホルダー320に着脱可能に接続し、さらにチップホルダー320を箱体310に固定することができ、チップ100をインク容器に取り付けることを実現する。
【0077】
箱体310は、取付室の両側にそれぞれ少なくとも1つの第1の係止穴313が設けられ、
図30に示すように、チップホルダー320は第1の接続部325及び第1の固定部321を含み、第1の固定部321には、チップ100を取り付けるための取付面が設けられ、第1の接続部325はチップホルダー320を箱体310に固定するために用いられ、第1の接続部325の両側にはそれぞれ第1の係止穴313と嵌合する第1の位置決めボス326が設けられ、チップホルダー320が取付室内に挿入されると、第1の位置決めボス326は第1の位置決め穴11a内に係止され、チップホルダー320を箱体310に固定することができる。
【0078】
図30、
図31及び
図32に示すように、第1の接続部325は、第1の固定部321の延伸によって生成されてもよく、即ち第1の接続部325の一端は第1の固定部321に接続され、第1の接続部325の他端には第2の
位置決めボス327が設けられ、第2の
位置決めボス327には弾性素子328が套設され、弾性素子328の一端は、第2の
位置決めボス327と第1の接続部325との間に形成された当接面に当接し、弾性素子328の他端は取付室の内壁に当接する。本実施例によって提供される弾性素子328は、シリカゲル又はゴムを用いて製造してもよく、第2の
位置決めボス327は円柱であってもよく、円柱と第1の接続部325との間に当接面を形成し、弾性素子328は円柱に套設され、その一端は当接面に当接し、他端は取付室の内壁に当接し、さらにチップホルダー320を箱体310の取付室内に弾性的に取り付ける。
【0079】
さらに、
図33と
図34に示すように、第1の接続部325の第1の固定部321から離れた端には傾斜面329が設けられ、傾斜面329の傾斜角度はチップホルダー320の回転方向に傾斜しており、第1の接続部325の端部は取付室の室壁から一定の隙間があり、チップホルダー320が取付室内で回転可能になりやすい。チップホルダー320を有するインク容器300がプリンタの保持部200に取り付けられるとき、チップホルダー320の両側には第1の位置決めボス326が設けられ、インク容器300の箱体には第1の係止穴313が設けられ、且つ第1の位置決めボス326が第1の係止穴313に設けられて、第1の位置決めボス326が第1の係止穴313内で回転することができる。チップホルダー320がインクジェットプリンタのインク容器300内に挿入されると、第1の位置決めボス326は第1の係止穴313内に係止され、箱体を回転させ、チップホルダー320は保持部200に対して、チップ100がコンタクトピンホルダー210に対する取付位置を回転して調整することができ、導電シート20をコンタクトピン211に接触させる。本実施例では、第1の接続部325に設けられる傾斜面329は、チップホルダー320が取付室内に一定の回転可能角度を有し、その回転角度は10°~15°であり、好ましくは12.4°であることができる。インク容器が保持部200に接触するとき、チップ100とインクジェットプリンタの保持部200の側壁部材との間に隙間があり、インク容器が保持部200に取り付けられるとき、保持部200が導電シート20に触れるのを防止し、導電シート20が傷をつける又は基板10から脱落するのを避ける。
【0080】
実施例2
本実施例のチップ100は少なくとも1つの導電シートを含み、次に2つの導電シートの場合を例として説明する。
図16と
図17は実施例2におけるチップの概略図である。
図16と
図17に示すように、チップ100は、
基板10、第1の導電シート20a、第2の導電シート20bを含む。
基板10上の7つの基板端子31~37は、Z軸方向に2列に並べられており、-Z軸方向に沿って、順に第1列R1、第2列R2である。チップ100は、第1の凹部151、第2の凹部152、第3の凹部153、第4の凹部154、第5の凹部155、第6の凹部156、第7の凹部157を含む。ここで、第3の凹部153、第4の凹部154、第7の凹部157は、位置決め凹部としてチップ100をアダプタ340又はインク容器300に固定することができ、具体的には、第3の凹部153、第4の凹部154、第7の凹部157は、チップホルダー320又はアダプタ340又はインク容器300上の突起と一致し、チップ100をチップホルダー320又はアダプタ340又はインク容器300に固定するために使用される。ここで、第3の凹部153、第4の凹部154はチップ100の+Z軸方向側にあり、円孔形状であり、第7の凹部157はチップ100の-Z軸方向側にあり、半円形状である。当業者であれば、第3の凹部153、第4の凹部154、第7の凹部157は他の形状であってもよく、チップ100を固定できることが保証されれば良いということが理解できる。
【0081】
位置決め導電シート20の位置決め部11は、チップ100の厚さ方向を貫通する2つの貫通孔である。好ましくは、位置決め部11は複数の位置決め穴であってもよく、具体的には、本実施例では、位置決め部11は第1の位置決め穴11a、第2の位置決め穴11bである。導電シート20の位置決め取付部23は位置決め部11を通して導電シート20を位置決めする。さらに、位置決め取付部23は本体21から突出する突起であり、位置決め取付部23は、対応する位置決め部11に挿入される。導電シート20は溶接、接着の形態により、位置決め取付部23、本体21と基板の対応部分の固定を介して導電シート20を固定することができる。
【0082】
基板端子31~37はチップ100の前面10aに設けられ、基板端子31~37はコンタクトピンホルダー201上の対応するコンタクトピンと接触しており、各基板端子は、いずれも対応するコンタクトピンと接触する基板端子接触部を有し、ここで、理解できるものとして、チップ100の前面10aは基板の前面10aであり、チップ100の裏面10bは基板の裏面10bである。導電シート20a、20bの本体21はチップ100の裏面側に設けられ、導電シート20a、20bの電気コア接続部22は、裏面10b側からチップ100の第5の凹部155、第6の凹部156を通して、前面10aに突出している。このような構造により、導電シート20a、20bの本体21はチップ100の裏面10b側に設けられ、導電シート20a、20bの電気コア接続部22は、本体21から基板の+X軸側に向けて延び、回避凹部とする第5の凹部155、第6の凹部156をそれぞれ通して、基板の前面側に突出し、対応するコンタクトピンに接触する。基板端子と導電シートの合理的な配置がより良く実現され、チップ100の小型化がより容易になる。
【0083】
第5の凹部155、第6の凹部156は、それぞれチップ100の-Y軸側と+Y軸側に位置している。7つの基板端子接触部はZ軸方向に2列に並べられており、-Z軸方向に沿って、順に第1列、第2列であり、導電シート20a、20bの電気コア接続部22は第1列と第2列の間に位置している。さらに、導電シート20a、20bの電気コア接続部22は、基板端子31~37がZ軸方向に間隔配置される第1列R1と第2列R2の間に位置している。
【0084】
さらに、基板端子接触部はZ軸方向に複数列に並べられており、導電シート20の電気コア接続部22は基板端子接触部で構成された複数列の間に位置している。
【0085】
さらに、基板端子30はZ軸方向に複数列(例えば、3列、4列)に並べられてもよく、導電シート20の電気コア接続部22は基板端子で構成された複数列の間に位置している。
【0086】
このようにして、導電シート20は、コンタクトピンに接触すると、第8のコンタクトピン218の第1の部分218a、第9のコンタクトピン219の第1の部分219aに接触し、第1の実施例内容における導電シート20が第8のコンタクトピン218の第1の垂直部分、第9のコンタクトピン219の第1の垂直部分に接触することではない。第1の実施例内容における導電シート20の電気コア接続部22の少なくとも一部は、コンタクトピン溝内に深く入り込み、第8のコンタクトピン218の第1の垂直部分、第9のコンタクトピン219の第1の垂直部分をプレスする必要があり、第8のコンタクトピン218の第1の垂直部分、第9のコンタクトピン219の第1の垂直部分がコンタクトピンの固定部位(水平部分)に近いため、コンタクトピン218、219を過度にプレスしやすく、コンタクトピンの破損や弾性変形能力の低下を引き起こす可能性がある。本実施例における導電シート20a、20bは、第8のコンタクトピン218の第1の部分218a、第9のコンタクトピン219の第1の部分219aに接触しており、導電シートはコンタクトピン溝内に入らず、コンタクトピンとの接触がより容易になるとともに、コンタクトピンへの過度なプレスによる電気的接続の障害が生じ状況を避ける。
【0087】
図18は第1の導電シート20aの概略図である。第1の導電シート20aの電気コア接続部22は本体21に垂直であり、位置決め取付部23は本体21に垂直であり、本体21は、基板端子の所在する表面10aと平行であり、チップ100の裏面10b側に設けられ、電気コア接続部22は、Y軸方向の長さD1がZ軸方向の長さD2よりも大きい。Y軸方向の長さが比較的大きいため、インク容器がY軸方向に位置ずれやオフセットが発生しても、チップが認識できなくなることはなく、導電シートとコンタクトピンの接触がより安定になる。第2の導電シート20bの配置方式、構造は、第1の導電シート20aと中心線L1に沿って対称に配置される。
【0088】
さらに、
図19に示すように、インク容器が保持部内に取り付けられると、導電シート20a、20bがコンタクトピンの第1の部分に接触し、且つ導電シート接触領域22aがコンタクトピンの第1の部分に対してプレス力を生じ、コンタクトピン218、219は、基板端子に接触する他のコンタクトピン211~217に対して、圧縮量がより大きいので、コンタクトピン218、219はコンタクトピン211~217よりも+X軸方向に近くし、コンタクトピン218、219は第3の凹部14に入らない。
【0089】
基板10には、左後端子39a、右後端子39b、ウェハ40、電子部品が設けられている。左後端子39aは第1の導電シート20aに対応し、右後端子39bは第2の導電シート20bに対応する。第1の導電シート20aは、溶接又は接着の形態により、左後端子39aと基板10が固定され、且つ第1の導電シート20aは、左後端子39aを介してウェハ230又は電子部品231と電気的に接続される。第2の導電シート20bは、溶接又は接着の形態により、右後端子39bと基板10が固定され、且つ第2の導電シート20bは、右後端子39bを介してウェハ40又は電子部品と電気的に接続される。
【0090】
第1の導電シート20aの位置決め取付部23は、電気コア接続部22の+Z軸方向にあり、さらに、第1列R1の基板端子31~34は、第1の導電シート20aの位置決め取付部23と電気コア接続部22との間にあり、チップをさらに小型化し、チップのサイズを縮小することができる。本願の実施例では、Z軸方向において、第1の導電シート20aの電気コア接続部22と位置決め取付部23は、それぞれ本体21の両側に位置していても良い。しかし、X軸方向において、電気コア接続部22と位置決め取付部23は、それぞれ本体21の同じ側に位置していても良い。
【0091】
さらに、基板の前面10aには付加端子を設けてもよく、付加端子は、導電シートの電気コア接続部と対応の隣接する基板端子との間に遮断されており、即ち、基板端子30と導電シート20との間には付加端子がさらに設けられ、導電シートと隣接する基板端子の短絡を避け、付加端子は、Y軸方向において内側にある基板端子から延びてもよく、且つ付加端子は、チップ100のデータを記憶する少なくとも1つのウェハ40に接続されている。
【0092】
例えば、
図16に示すように、チップ100の第2の基板端子32は付加端子32aを有し、第3の基板端子33は付加端子33aを有する。付加端子32aは、第1の基板端子31と第1の導電シート20aとの間に設けられ、付加端子33aは、第4の基板端子34と第2の導電シート20bとの間に設けられる。付加端子は、実施例1の技術的効果と一致しており、ここではその詳細な説明は提供されない。
【0093】
チップ100はインク容器のチップ取付面340cに配置されている。チップ100上の第3の凹部153、第4の凹部154、第7の凹部157は、チップ100をアダプタ340に固定するための部分である。アダプタ340上の突起は、第3の凹部153、第4の凹部154、第7の凹部157と嵌合して、チップ100をアダプタ340に固定できるようにする。
【0094】
実施例2のチップ100がアダプタ340、チップホルダー320に取り付けられるステップは実施例1と同じである。ここではその詳細な説明は提供されない。チップホルダー320のチップ取付面には3つの突起がある。この3つの突起は、それぞれチップ100上の第7の凹部157、第3の凹部153、第4の凹部154と当接して、チップ100をチップホルダー320に固定させる。また、チップホルダー320に突起を設けてもよく、第1の導電シート20a、第2の導電シート20bが外力作用を受けるときに変位することを防止し、具体的には、第1の導電シート20aの-Y軸側、第2の導電シート20bの+Y軸側に突起を設けてもよく、第1の導電シート20a、第2の導電シート20bのY軸方向での移動を遮断し、チップ100がコンタクトピンと接触するときの精度を高める。
【0095】
インク容器300を保持部200に取り付ける方式は実施例1と同じであり、ここではその詳細な説明は提供されない。
残りは実施例1と一致する。
【0096】
実施例3
図28に示すように、
基板10’には5つの基板端子31’、33’、35’、36’、37’しかない。
基板10’での第1の基板端子31’は、他の端子よりもY軸方向の長さが長くし、第1のコンタクトピン211、第2のコンタクトピン212と同時に接触し、第1の基板端子31’は2つの接触領域を有する。この技術を用いて、インク容器300が保持部200内に正しく取り付けられているかを検出することができる。インク容器300が保持部200内に正しく取り付けられていると、第1のコンタクトピン211、第2のコンタクトピン212は同時に第1の基板端子31’に接触し、第1のコンタクトピン211、第2のコンタクトピン212は第1の基板端子31’によって接続され、第1のコンタクトピン211と第2のコンタクトピン212の電圧は一致し、最終的には、第1のコンタクトピン211と第2のコンタクトピン212の電圧が一致しているかどうかを検出するだけで、第1の基板端子31’と同時に接触しているかどうかが分かり、さらに組み立て検出を完了することができる。
基板10’は、第4のコンタクトピン214に対応する位置(即ちチップ100上の第4の基板端子34の位置)で端子を有しておらず、
基板10’には第4のコンタクトピン214に接触する接触領域を有していない。第4のコンタクトピン214はインクジェットプリンタの内部回路に接続されず、空のコンタクトピンである。残りの基板端子、導電シート20a~20bは、チップ100と一致する。チップ100’には8つの接触領域しかない。
残りは実施例2と一致する。
【0097】
実施例4
図29は実施例4のチップ概略図である。チップ100’’の
基板10’’は、基板端子31’’~37’’を有する。基板端子31’’~37’’は長方形で順に一列に配列されている。しかし、その接触領域は依然として
図10に示すチップと一致している。チップの
基板上の端子の形状のみが変更され、本願の有益な効果を依然として達成することができる。
【0098】
7つの基板端子接触部はZ軸方向に2列に並べられており、-Z軸方向に沿って、順に第1列、第2列であり、導電シート20a、20bの電気コア接続部は、第1列と第2列の間に位置している。
【0099】
さらに、基板端子接触部はZ軸方向に複数列に並べられており、導電シート20a、20bの電気コア接続部は、基板端子接触部で構成された複数列の間に位置している。
基板端子、凹部などの特徴は実施例1で説明したものと一致している。
【0100】
【0101】
実施例2とは異なり、基板端子の一部はチップの下面に設けられている。
図35に示すように、第5の基板端子35~第7の基板端子37は、チップ100の基板10の下面10eに設けられている。好ましくは、第5の基板端子35、第6の基板端子36、第7の基板端子37は、下面10eのみならず、前面10a及び裏面10bにも設けられている。このような構造により、第5の基板端子35、第6の基板端子36、第7の基板端子37を、対応するコンタクトピンの第1の部分の傾斜部に接触させることができる。具体的には、第5の基板端子35は、第5のコンタクトピン215の第1の部分215aの傾斜部に接触する。このようにして、コンタクトピンがチップに与える力を低減し、チップの損傷をよりよく回避することができる。
【0102】
第3の凹部153、第4の凹部154、第8の凹部158は、半円形であり、チップをインクカートリッジに固定するためのものである。
【0103】
その基板端子はほぼ前面10aにある。X軸方向において、基板端子31~37の大部分は基板10の+X軸側にある。X軸方向において、基板端子31~37が基板10の+X軸側にあるとも考えてもよい。実施例2の技術的効果も達成できる。
【0104】
【0105】
実施例1とは異なり、基板端子の一部はチップの下面に設けられている。
図35に示すように、第5の基板端子35~第7の基板端子37は、チップ100の基板10の下面10eに設けられている。好ましくは、第5の基板端子35、第6の基板端子36、第7の基板端子37は、下面
10eのみならず、前面10a及び裏面10bにも設けられている。このような構造により、第5の基板端子35、第6の基板端子36、第7の基板端子37を、対応するコンタクトピンの第1の部分の傾斜部に接触させることができる。具体的には、第5の基板端子35は、第5のコンタクトピン215の第1の部分215aの傾斜部に接触する。このようにして、コンタクトピンがチップに与える力を低減し、チップの損傷をよりよく回避することができる。
【0106】
その基板端子の大部分は前面10aにある。X軸方向において、基板端子31~37の大部分は基板10の+X軸側にある。X軸方向において、基板端子31~37が基板10の+X軸側にあるとも考えてもよい。実施例1の技術的効果も達成できる。
【0107】
さらに、図
6を参照して、本実施例では、チップ100はチップホルダー320に着脱可能に接続され、具体的には、チップ100は基板10を含み、基板10の一端には導電シート20が設けられ、基板10の導電シート20が設けられた端からその対向端までの方向に沿って(
図3に示すように、基板10のX軸方向に沿って)、基板10には、第1のリミット溝12のセット、第2のリミット溝13のセット及び第3のリミット溝14のセットが順次設けられており、第1のリミット溝12、第2のリミット溝13及び第3のリミット溝14は回避凹部として機能し、且つ各セットのリミット溝は、チップ100の両側に対称に設けられる2つのリミット溝を含む。第1のリミット溝12は、導電シート20に近接して設けられ、第3のリミット溝14は、基板10の導電シート20から離れた端の端縁から中部付近に延びており、第3のリミット溝14の長さ方向はX軸方向に平行であり、第2のリミット溝13は、第1のリミット溝12と
第3のリミット溝
14の間に設けられ、第2のリミット溝13は円弧溝として設けられてもよく、第1のリミット溝12と第3のリミット溝14は矩形の切り欠きであってもよい。チップホルダー320上の第1の固定部321には、第1のリミット溝12と嵌合する第1のリミットブロック322、第2のリミット溝13と嵌合する第2のリミットブロック323及び第3のリミット溝14と嵌合する第3のリミットブロック324が設けられる。チップ100がチップホルダー320に取り付けられると、第1のリミットブロック322を第1のリミット溝12内に当接させ、第2のリミットブロック323を第2のリミット溝13内に当接させ、第3のリミットブロック324を第3のリミット溝14内に当接させ、さらにチップ100をチップホルダー320に着脱可能に接続することができる。
【0108】
さらに、電気コア接続部22の変形を防止するために、第1のリミットブロック322を基板10の前面10aから突出させてもよく、第1のリミットブロック322をチップ100の基板10に部分的に当接させ、導電シート20の電気コア接続部22に部分的に当接させることで、電気コア接続部22の変形を回避することができ、電気コア接続部22とコンタクトピンとの電気的接続の安定性を高めることができる。
【0109】
最後に説明すべきものとして、上記の各実施例は、本発明の技術的手段を説明するためにのみ使用され、その制限ではなく、前記各実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者は、前記各実施例に記載の技術的手段を修正するか、又はその中の一部又は全ての技術的特徴を同等に置換することができ、ただし、これらの修改又は置換が、対応する技術的手段の本質を本発明の各実施例の技術的手段の範囲から逸脱させないことを理解すべきである。
【0110】
本発明は、2019年06月28日に中国特許局に提出した、出願番号が201921005051.8であり、発明の名称が「インク容器用チップ及び当該チップを使用するインク容器」である中国特許発明、2019年07月18日に中国特許局に提出した、出願番号が201921138083.5であり、発明の名称が「インク容器用チップ及び当該チップを使用するインク容器」である中国特許発明、2019年12月09日に中国特許局に提出した、出願番号が201922184114.7であり、発明の名称が「インク容器のチップ及びインク容器」である中国特許発明、2019年12月19日に中国特許局に提出した、出願番号が201922297657.Xであり、発明の名称が「インク容器用チップ及び当該チップを使用するインク容器」である中国特許発明、及び、2020年03月13日に中国特許局に提出した、出願番号が202020311962.Xであり、発明の名称が「インク容器用チップ及び当該チップを使用するインク容器」である中国特許発明の優先権を主張し、その内容の全ては援用により本発明に組み合わせられる。