(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-04
(45)【発行日】2023-04-12
(54)【発明の名称】情報提供システム、情報提供方法、及び情報提供プログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20230405BHJP
G08G 1/005 20060101ALI20230405BHJP
G01C 21/36 20060101ALI20230405BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20230405BHJP
【FI】
G01C21/26 C
G08G1/005
G01C21/36
H04M11/00 302
(21)【出願番号】P 2018170218
(22)【出願日】2018-09-12
【審査請求日】2021-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】500175565
【氏名又は名称】株式会社ぐるなび
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】王 月静
(72)【発明者】
【氏名】平本 真樹
【審査官】上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-075067(JP,A)
【文献】特開2010-218179(JP,A)
【文献】特開2005-250081(JP,A)
【文献】特開2012-078305(JP,A)
【文献】特開2014-106959(JP,A)
【文献】特開2015-007935(JP,A)
【文献】特開2008-145719(JP,A)
【文献】特開2010-185713(JP,A)
【文献】特開2007-233937(JP,A)
【文献】特開2016-038773(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
23/00-25/00
G06Q 10/00-10/10
30/00-30/08
50/00-50/20
50/26-99/00
H04M 3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が所持する利用者端末から前記利用者の現在位置を取得する位置取得処理部と、
バスが停車するバス停留所の情報と前記バスの路線の情報とを含むバス路線情報を取得するバス路線取得処理部と、
前記バス路線取得処理部により取得される前記バス路線情報に基づいて、前記バス停留所の位置を表すバス停位置を取得するバス停位置取得処理部と、
前記位置取得処理部により取得される前記現在位置と、前記バス路線取得処理部により取得される前記バス路線情報と、前記バス停位置取得処理部により取得される前記バス停位置とに基づいて、前記利用者が前記バスに乗車中であるか否かを判定する判定処理部と、
前記位置取得処理部により取得される前記現在位置と現在時刻とに基づいて、前記判定処理部により特定される前記バスの路線に対応する時刻表を取得する時刻表取得処理部と、
前記判定処理部により前記利用者が前記バスに乗車中であると判定された場合に、前記時刻表取得処理部により取得される前記時刻表に
基づいて、前記現在位置から前記バス路線情報に含まれる前記バスの行先に対応する終着位置までの間に位置する前記バス停留所の到着予定時刻に利用可能な施設に対応する施設情報を前記利用者端末に提供する情報提供処理部と、
を備える情報提供システム。
【請求項2】
前記時刻表取得処理部により取得される前記時刻表に基づいて、前記現在位置から前
記終着位置までの間に位置する前記バス停留所の
前記到着予定時刻を特定する、
請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記時刻表取得処理部により取得される前記時刻表に基づいて、前記バスの行先を取得する、
請求項1又は2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
コンピュータが、
利用者が所持する利用者端末から前記利用者の現在位置を取得し、
バスが停車するバス停留所の情報と前記バスの路線の情報とを含むバス路線情報を取得し、
前記バス路線情報に基づいて、前記バス停留所の位置を表すバス停位置を取得し、
前記現在位置と前記バス路線情報と前記バス停位置とに基づいて、前記利用者が前記バスに乗車中であるか否かを判定し、
前記現在位置と現在時刻とに基づいて、前記利用者が乗車中の前記バスの路線に対応する時刻表を取得し、
前記利用者が前記バスに乗車中であると判定された場合に、前記時刻表に
基づいて、前記現在位置から前記バス路線情報に含まれる前記バスの行先に対応する終着位置までの間に位置する前記バス停留所の到着予定時刻に利用可能な施設に対応する施設情報を前記利用者端末に提供する、
情報提供方法。
【請求項5】
利用者が所持する利用者端末から前記利用者の現在位置を取得するステップと、
バスが停車するバス停留所の情報と前記バスの路線の情報とを含むバス路線情報を取得するステップと、
前記バス路線情報に基づいて、前記バス停留所の位置を表すバス停位置を取得するステップと、
前記現在位置と前記バス路線情報と前記バス停位置とに基づいて、前記利用者が前記バスに乗車中であるか否かを判定するステップと、
前記現在位置と現在時刻とに基づいて、前記利用者が乗車中の前記バスの路線に対応する時刻表を取得するステップと、
前記利用者が前記バスに乗車中であると判定された場合に、前記時刻表に
基づいて、前記現在位置から前記バス路線情報に含まれる前記バスの行先に対応する終着位置までの間に位置する前記バス停留所の到着予定時刻に利用可能な施設に対応する施設情報を前記利用者端末に提供するステップと、
をコンピュータに実行させるための情報提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システム、情報提供方法、及び情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者が電車など公共交通機関を利用して移動しているときに利用者の携帯端末に所定の情報を提供する技術が提案されている。例えば特許文献1には、利用者が所定速度以上の速度で移動(電車、バスにより移動)している場合に、利用者の携帯端末においてテレビ番組、動画、電子書籍などのコンテンツを出力する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記従来の技術では、利用者の移動速度に基づいて公共交通機関を利用中か否かを判定しているため、例えば利用者がバスに乗車中であるか否かを判別することは困難である。また、前記従来の技術では、利用者が安全に移動している場合に利用者の所望のコンテンツの視聴を可能にすることを目的としたものであるため、利用者が利用中の移動手段(電車、バスなど)と利用者に提供される情報(コンテンツ)の内容との間の関連性は低い。よって、前記従来の技術では、利用者がバスに乗車中に有益な情報を提供することは困難である。
【0005】
本発明の目的は、利用者がバスに乗車中であるか否かを判別するとともに、利用者がバスに乗車している場合に当該利用者に有益な情報を提供することが可能な情報提供システム、情報提供方法、及び情報提供プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報提供システムは、利用者が所持する利用者端末から前記利用者の現在位置を取得する位置取得処理部と、バスが停車するバス停留所の情報と前記バスの路線の情報とを含むバス路線情報を取得するバス路線取得処理部と、前記バス路線取得処理部により取得される前記バス路線情報に基づいて、前記バス停留所の位置を表すバス停位置を取得するバス停位置取得処理部と、前記位置取得処理部により取得される前記現在位置と、前記バス路線取得処理部により取得される前記バス路線情報と、前記バス停位置取得処理部により取得される前記バス停位置とに基づいて、前記利用者が前記バスに乗車中であるか否かを判定する判定処理部と、前記判定処理部により前記利用者が前記バスに乗車中であると判定された場合に、所定の情報を前記利用者端末に提供する情報提供処理部と、を備える。
【0007】
本発明に係る情報提供方法では、利用者が所持する利用者端末から前記利用者の現在位置を取得し、バスが停車するバス停留所の情報と前記バスの路線の情報とを含むバス路線情報を取得し、前記バス路線情報に基づいて、前記バス停留所の位置を表すバス停位置を取得し、前記現在位置と前記バス路線情報と前記バス停位置とに基づいて、前記利用者が前記バスに乗車中であるか否かを判定し、前記利用者が前記バスに乗車中であると判定された場合に、所定の情報を前記利用者端末に提供する。
【0008】
本発明に係る情報提供プログラムは、利用者が所持する利用者端末から前記利用者の現在位置を取得するステップと、バスが停車するバス停留所の情報と前記バスの路線の情報とを含むバス路線情報を取得するステップと、前記バス路線情報に基づいて、前記バス停留所の位置を表すバス停位置を取得するステップと、前記現在位置と前記バス路線情報と前記バス停位置とに基づいて、前記利用者が前記バスに乗車中であるか否かを判定するステップと、前記利用者が前記バスに乗車中であると判定された場合に、所定の情報を前記利用者端末に提供するステップと、をコンピュータに実行させるための情報提供プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、利用者がバスに乗車中であるか否かを判別するとともに、利用者がバスに乗車している場合に当該利用者に有益な情報を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る情報提供システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る情報提供システムで利用される地図情報に対応する地図の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る情報提供システムで利用される施設情報の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る情報提供システムで利用されるバス路線情報に対応するバス路線図の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る情報提供システムで利用される時刻表情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る情報提供システムで利用される移動情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係る情報提供システムの利用者端末に表示される表示画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に係る情報提供システムの情報提供処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係る情報提供システムの情報提供処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態に係る情報提供システムの情報提供装置の他の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
本発明に係る情報提供システムは、利用者がバスに乗車中であるか否かを判定し、利用者がバスに乗車中である場合に、当該バスの路線情報、当該利用者の現在位置等に基づいて、所定の情報を当該利用者が所持する利用者端末(携帯端末)に提供(送信)するシステムである。本発明のバスには、路線バス、路面電車など路上を走行するあらゆる公共交通機関が含まれる。また本発明の所定の情報には、例えば、バス停留所の最寄りの飲食店、小売店、休憩所(ホテル等)、遊技場、観光施設などの各種施設に関する施設情報、前記バス停留所から前記施設までの道路状況(経路情報、渋滞情報、交通規制情報など)に関する道路情報、前記バス停留所又は前記施設の周辺の天気に関する天気情報などが含まれる。また前記施設情報には、施設の種別(ジャンル)及び名称、施設を利用可能な時間帯を示す営業時間、住所(連絡先)、地図などの情報が含まれる。
【0013】
以下では、主として、本発明に係る施設の一例として「飲食店」を例に挙げ、本発明に係る所定の情報の一例として飲食店に関する「施設情報」を例に挙げて説明する。
【0014】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る情報提供システム100は、情報提供装置1と、利用者が所持する利用者端末2とを含む。情報提供システム100は、1台の利用者端末2を備えてもよいし、複数台の利用者端末2を備えてもよい。以下では、1つの利用者端末2を例に挙げて説明する。
【0015】
情報提供装置1及び利用者端末2は、インターネット、LAN、WAN、又は公衆電話回線などの通信網N1を介して通信可能である。
【0016】
[情報提供装置1]
図1に示すように、情報提供装置1は、制御部11、記憶部12、操作表示部13、通信I/F14などを備える。情報提供装置1は、例えばパーソナルコンピュータのような情報処理装置である。情報提供装置1は、1台のコンピュータに限らず、複数台のコンピュータが協働して動作するコンピュータシステムであってもよい。また、情報提供装置1で実行される各種の処理は、一又は複数のプロセッサーによって分散して実行されてもよい。
【0017】
通信I/F14は、情報提供装置1を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して利用者端末2などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0018】
操作表示部13は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0019】
記憶部12は、各種の情報を記憶する半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などを含む不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部12には、制御部11に後述の情報提供処理(
図8参照)を実行させるための情報提供プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記情報提供プログラムは、USB、CD又はDVD(何れも登録商標)などのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、情報提供装置1に電気的に接続されるUSBドライブ、CDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。前記情報提供プログラムは、通信網N1を介して外部機器からダウンロードされて記憶部12に記憶されてもよい。
【0020】
また、記憶部12には、地図情報データベース121(以下、地図情報DB121という。)、施設情報データベース122(以下、施設情報DB122という。)、バス路線情報データベース123(以下、バス路線情報DB123という。)、時刻表情報データベース124(以下、時刻表情報DB124)、及び移動情報データベース125(以下、移動情報DB125という。)が含まれる。また、記憶部12には、道路情報が記憶される道路情報データベース、天気情報が記憶される天気情報データベースなどが含まれてもよい。
【0021】
地図情報DB121には、バス停留所に関するバス停留所データ、鉄道(線路、駅)に関する鉄道データ、道路に関する道路データ、交差点に関する交差点データ、施設の位置及び外観(形状等)に関する施設データなどの地図情報が記憶される。
図2は、地図情報DB121に記憶される地図情報に対応する地
図MPの一例を示す図である。
図2に示す地
図MPには、駅(バス停留所)S1、バス停留所A1~A8、飲食店R1~R5などが含まれている。
【0022】
図3は、施設情報DB122の一例を示す図である。施設情報DB122には、施設の種別及び名称、施設の営業時間、施設の住所(連絡先を含む)、施設の最寄りのバス停留所又は駅などの情報が互いに関連付けられて記憶される。施設情報DB122に記憶される情報は、適宜更新されてもよい。
【0023】
バス路線情報DB123には、バスの走行経路を示す路線、バス停留所、バスの行先などの情報に関するバス路線情報が記憶される。
図4は、バス路線情報DB123に記憶されるバス路線情報に対応するバス路線
図BRの一例を示す図である。
図4に示すバス路線
図BRには、駅S1からバス停留所A1~A7を順に経由して行先A8まで走行するバスの路線Ra1と、駅S1からバス停留所A1,A2,A8,A9,A6~A7を順に経由して行先A8まで走行するバスの路線Ra2と、駅S1からバス停留所B1~B5を順に経由して行先B6まで走行するバスの路線Rb1と、駅S1からバス停留所C1~C5を順に経由して行先C6まで走行するバスの路線Rc1とが含まれている。
【0024】
図5は、バスの時刻表情報DB124の一例を示す図である。時刻表情報DB124には、バスの行先、バスの路線、バス停留所、各バス停留所を出発する時刻を表す発車時刻等の情報が記憶される。
図5には、バスの出発地である駅S1(バス停留所)と行先A8(バス停留所)とが同一であって、路線が互いに異なる(路線:Ra1,Rb1)2つの時刻表を示している。前記時刻表において、「↓」はバス停留所に停車せず通過することを表している。バスは、時間帯に応じて所定のバス停留所を通過する場合がある。
【0025】
図6は、移動情報DB125の一例を示す図である。移動情報DB125には、利用者の移動状態(移動状況)を表す移動情報が記憶される。例えば移動情報DB125には、利用者が移動中であるか又は停止中であるかを示す移動状態、当該移動状態に対応する時刻(移動状態が切り替わる時刻)、当該移動状態に対応する利用者の位置、利用者の移動速度などの情報が記憶される。移動情報DB125は、利用者の移動状態の変化(移動、停止)に伴って随時登録及び更新される。
図6に示す例では、時刻「8:00」からの利用者の移動情報を示しており、現在時刻「8:14」において利用者は移動速度「50km/h」で移動中であることを示している。
【0026】
ここで、前記移動情報に対応する具体例を示す。例えば、利用者は、駅S1(
図2参照)において、路線Ra1(
図4参照)のバスに発車時刻「8:00」(
図5参照)に乗車したとする。前記バスは、路線Ra1に含まれるバス停留所A1~A7に順に停車しながら行先A8に向けて走行する。
図6に示すように、利用者の移動状態は、バスの走行状態に応じて変化する。例えば、バスが駅S1からバス停留所A1までの区間を走行している場合、利用者は移動速度「45km/h」で移動し、バスがバス停留所A1で停車している場合、利用者はバス停留所A1の位置P2において停止している。また、現在時刻「8:14」において、バスがバス停留所A3からバス停留所A4までの区間を走行している場合、利用者は移動速度「50km/h」で移動している。移動情報DB125には、利用者の位置情報と時刻情報とに基づいて制御部11により検出される移動状態及び移動速度(加速度を含む)の情報が記憶される。
【0027】
記憶部12の地図情報DB121、施設情報DB122、バス路線情報DB123、時刻表情報DB124、及び移動情報DB125の少なくとも何れか1つは、情報提供装置1の外部に設置されたデータサーバ(図示せず)に記憶されてもよい。前記データサーバは、1つの物理サーバで構成されてもよいし、複数の物理サーバで構築されたクラウドサーバで構成されてもよい。
【0028】
制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより情報提供装置1を制御する。
【0029】
具体的に、制御部11は、位置取得処理部111、移動検出処理部112、バス路線取得処理部113、バス停位置取得処理部114、判定処理部115、情報検索処理部116、情報提供処理部117などの各種の処理部を含む。尚、制御部11は、前記CPUで前記情報提供プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部11に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。尚、前記情報提供プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0030】
位置取得処理部111は、利用者端末2から受信する位置情報に基づいて、現在時刻における利用者の現在位置を取得する。位置取得処理部111は、本発明の位置取得処理部の一例である。
【0031】
移動検出処理部112は、前記現在時刻及び前記現在位置の情報に基づいて、利用者の移動情報、例えば利用者が移動中であるか又は停止中であるかを示す移動状態、当該移動状態に対応する時刻(移動状態が切り替わる時刻)、利用者の移動速度などを検出する。移動検出処理部112は、検出した前記各移動情報を記憶部12の移動情報DB125(
図6参照)に記憶する。また、位置取得処理部111は、取得した利用者の現在位置の情報を前記移動情報に関連付けて移動情報DB125に記憶する。
【0032】
バス路線取得処理部113は、バス路線情報DB123から前記バス路線情報を取得する。具体的には、バス路線取得処理部113は、位置取得処理部111により取得される前記現在位置に基づいて、バス路線情報DB123から所定のバス路線情報を取得する。例えば利用者が駅S1にいる場合に、バス路線取得処理部113は、バス路線情報DB123から、駅S1を発着するバスに対応するバス路線情報を取得する。バス路線取得処理部113は、本発明のバス路線取得処理部の一例である。
【0033】
バス停位置取得処理部114は、バス路線取得処理部113により取得される前記バス路線情報に基づいて、前記バス路線情報に含まれるバス停留所の位置(住所)を表すバス停位置を取得する。例えば、バス停位置取得処理部114は、前記バス路線情報に含まれるバス停留所の情報と、地図情報DB121に記憶されるバス停留所データとに基づいて、前記バス停位置を取得する。尚、前記バス停位置の情報がバス路線情報DB123に含まれる場合は、バス停位置取得処理部114は、バス路線情報DB123から前記バス停位置を取得してもよい。バス停位置取得処理部114は、本発明のバス停位置取得処理部の一例である。
【0034】
判定処理部115は、位置取得処理部111により取得される前記現在位置と、バス路線取得処理部113により取得される前記バス路線情報と、バス停位置取得処理部114により取得される前記バス停位置とに基づいて、利用者がバスに乗車中であるか否かを判定する。また、判定処理部115は、利用者がバスに乗車中であると判定した場合に、前記現在位置と前記バス停位置とに基づいて、前記利用者が乗車中のバスの路線を特定する。判定処理部115は、本発明の判定処理部の一例である。
【0035】
具体的には、判定処理部115は、移動情報DB125に登録された移動情報において、利用者の移動が停止した位置とバス停留所のバス停位置とが一致し、当該バス停留所が所定のバスの前記バス路線情報に含まれる場合に、利用者が当該バスに乗車中であると判定する。例えば、移動情報DB125に登録された移動情報において、利用者の移動が停止した位置P6とバス停留所A3のバス停位置とが一致し、バス停留所A3が特定の路線Ra1(
図4参照)のバスの前記バス路線情報に含まれる場合に、判定処理部115は利用者が当該バスに乗車中であると判定する。判定処理部115は、利用者の移動が停止した位置とバス停留所のバス停位置とが一致しない場合、又は、当該バス停留所が所定のバスの前記バス路線情報に含まれない場合は、利用者が当該バスに乗車していないと判定する。
【0036】
尚、判定処理部115は、上述した例のように1箇所の現在位置及びバス停位置の情報を用いて、利用者がバスに乗車中であるか否かを判定してもよいし、以下に示すように複数個所の現在位置及びバス停位置の情報を用いて、利用者がバスに乗車中であるか否かを判定してもよい。例えば、移動情報DB125に登録された移動情報において、利用者の位置P4とバス停留所A2のバス停位置とが一致し、かつ利用者の位置P6とバス停留所A3のバス停位置とが一致し、それぞれのバス停留所A2,A3が特定の路線Ra1(
図4参照)のバスの前記バス路線情報に含まれる場合に、判定処理部115は、利用者が当該バスに乗車中であると判定する。これにより、利用者がバスに乗車中であるか否かを判別することが可能となる。また、同じバス停留所(例えばバス停留所A2)に停車し、互いに異なる路線(例えば路線Ra1,Ra2)のバスのうち、利用者が乗車中のバス及び当該バスの路線を特定することが可能となる。
【0037】
判定処理部115は、さらに、利用者及びバスの移動状態に基づいて、利用者がバスに乗車中であるか否かを判定し、かつ利用者が乗車中のバスの路線を特定してもよい。例えば、移動情報DB125に登録された移動情報において、利用者の移動状態が「停止」のときの利用者の位置(利用者の移動が停止した位置)がバス停位置と一致し、現在時刻において、利用者の移動状態が「移動」であり、かつバスが走行中である場合に、判定処理部115は、利用者がバスに乗車中であると判定する。例えば、移動情報DB125(
図6参照)において、時刻「8:07~8:08」で利用者の移動状態が「停止」のときの利用者の位置P4がバス停位置(
図2参照)と一致し、現在時刻「8:14」において、利用者の移動状態が「移動」であり、かつバスが走行中である場合に、判定処理部115は、利用者がバスに乗車中であると判定するとともに、利用者が乗車中のバスの路線を特定する。判定処理部115は、前記移動状態を判定処理に加えることにより、利用者がバスに乗車中であるか否かをより正確に判別するとともに、利用者が乗車中のバスの路線をより正確に特定することが可能となる。
【0038】
また、判定処理部115は、利用者が乗車中のバスに対応するバス路線情報又は当該バスの時刻表から、当該バスの行先を特定してもよい。
【0039】
情報検索処理部116は、利用者端末2に提供する所定の施設に対応する施設情報を検索する。具体的には、情報検索処理部116は、判定処理部115により利用者がバスに乗車中であると判定された場合に、施設情報DB122(
図3参照)から、位置取得処理部111により取得される前記現在位置に基づいて前記施設情報を検索する。例えば、情報検索処理部116は、施設情報DB122から、位置取得処理部111により取得される前記現在位置の周辺、すなわち前記現在位置から所定範囲内に位置する施設の前記施設情報を検索する。
【0040】
また、情報検索処理部116は、施設情報DB122から、前記現在位置と判定処理部115により特定される路線に対応するバス路線情報とに基づいて前記施設情報を検索する。例えば、バスがバス停留所A3~A4の区間を走行している場合において、情報検索処理部116は、施設情報DB122から、バスが次に停車するバス停留所A4のバス停位置から所定範囲内に位置する施設の施設情報、バスの行先A8の位置(終着位置)から所定範囲内に位置する施設の施設情報、及び、現在位置P7(
図6参照)から前記終着位置A8までの間の路線Ra1に含まれるバス停留所A4~A7それぞれのバス停位置から所定範囲内に位置する施設(バスの行先の途中に位置する施設)の施設情報の少なくとも何れかを検索する。
【0041】
また、情報検索処理部116は、前記検索(抽出)された施設において、さらに前記現在位置と前記現在時刻とに基づいて前記施設情報を検索してもよい。例えば、情報検索処理部116は、施設情報DB122から、バスの行先の途中に位置する施設のうち、前記現在時刻に利用可能な施設の前記施設情報と、前記現在時刻から所定時間以内に利用可能になる施設の前記施設情報との少なくとも何れか一方を検索(抽出)する。例えば、
図6に示す例では、利用者が乗車中のバスは現在時刻「8:14」においてバス停留所A3~A4の区間を走行中であるため、現在時刻に利用可能な飲食店R3の施設情報と、現在時刻から所定時間(例えば1時間)以内に利用可能になる飲食店R4の施設情報とを抽出する。尚、情報検索処理部116は、現在時刻に営業時間が終了している施設の施設情報を抽出しない。
【0042】
情報提供処理部117は、情報検索処理部116により検索及び抽出された前記施設情報を利用者端末2に提供する。例えば、情報提供処理部117は、情報検索処理部116により検索された飲食店R3,R4について、施設情報DB122に含まれる情報と、地図情報DB121に含まれる地図データとを含む施設情報を利用者端末2に送信する。すなわち、利用者に提供される施設情報には、飲食店の地図上の位置及び外観、当該飲食店の名称及び営業時間等の情報が含まれる。尚、情報提供処理部117は、前記施設情報に対応する音声データを利用者端末2に送信してもよい。情報提供処理部117は、本発明の情報提供処理部の一例である。
【0043】
[利用者端末2]
図1に示すように、利用者端末2は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、通信I/F24、GPS受信部25(GPS:Global Positioning System、登録商標)などを備える。利用者端末2は、利用者が所持する携帯端末であり、例えばスマートフォン、携帯電話、又はタブレット端末のような情報処理装置である。
【0044】
GPS受信部25は、アンテナ(図示せず)を介して複数のGPS衛星(図示せず)から送信される信号(GPS信号)を受信して、利用者端末2の位置を示す測位データ(緯度、経度、高度)及び現在時刻を検出する。
【0045】
通信I/F24は、利用者端末2を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して情報提供装置1などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0046】
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0047】
記憶部22は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部22には、各種の制御プログラムが記憶されている。制御プログラムは、USB、CD又はDVD(何れも登録商標)などのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、利用者端末2に電気的に接続されるUSBドライブ、CDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。前記制御プログラムは、通信網N1を介して外部機器からダウンロードされて記憶部22に記憶されてもよい。
【0048】
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより利用者端末2を制御する。
【0049】
具体的に、制御部21は、受付処理部211、位置検出処理部212、表示処理部213などの各種の処理部を含む。尚、制御部21は、前記CPUで前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部21に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。尚、前記制御プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0050】
受付処理部211は、利用者が利用者端末2の操作表示部23において操作した操作情報を取得する。例えば、受付処理部211は、利用者が操作表示部23に表示される設定画面において地図の表示を指示する操作、施設情報の提供を指示する操作、目的地を設定する操作等を行った場合に、当該操作に応じた情報を取得する。利用者端末2は、受付処理部211により取得される情報を情報提供装置1に送信する。尚、受付処理部211が一定期間、前記操作情報を取得しない場合、制御部21は、利用者端末2を待機状態(スリープモード)に設定する。
【0051】
位置検出処理部212は、GPS受信部25により検出される前記測位データに基づいて、利用者の現在位置を検出する。利用者端末2は、位置検出処理部212により検出される現在位置及び現在時刻を含む位置情報を情報提供装置1に送信する。
【0052】
表示処理部213は、各種の情報を操作表示部23に表示させる。例えば、表示処理部213は、情報提供装置1から前記所定の情報(例えば施設情報)を受信すると、当該所定の情報を操作表示部23に表示させる。例えば表示処理部213は、情報提供装置1から飲食店R3の地図データを含む施設情報を受信すると、
図7に示すように、操作表示部23に地図を表示させ、当該地図上に、飲食店R3の位置、外観、最寄りのバス停留所A6から飲食店R3までの経路G1などの情報を表示させる。また表示処理部213は、利用者が操作する各種の設定画面を操作表示部23に表示させる。
【0053】
尚、利用者端末2は、情報提供装置1から前記音声データを受信した場合、前記所定の情報を音声により外部に出力してもよい。
【0054】
[情報提供処理]
以下、
図8を参照しつつ、情報提供装置1の制御部11によって実行される情報提供処理について説明する。制御部11は、利用者の操作、例えば利用者端末2に表示される設定画面において施設情報の提供を指示する操作に応じて前記情報提供プログラムの実行を開始することによって、前記情報提供処理の実行を開始する。尚、前記情報提供処理は、利用者端末2における所定の操作に応じて途中で終了されることがある。
【0055】
尚、本発明は、前記情報提供処理に含まれる一又は複数のステップを実行する情報提供方法の発明として捉えることができる。
【0056】
また、ここで説明する前記情報提供処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記情報提供処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部11によって前記情報提供処理における各ステップが実行される場合を例に挙げて説明するが、他の実施形態では、複数のプロセッサーによって前記情報提供処理における各ステップが分散して実行されてもよい。また、ここでは、上述の例に挙げて、情報提供処理について説明する。
【0057】
ステップS11において、制御部11(位置取得処理部111)は、利用者端末2から受信する前記位置情報に基づいて、現在時刻における利用者の現在位置を取得する。尚、制御部11(移動検出処理部112)は、前記現在時刻及び前記現在位置の情報に基づいて、利用者の移動情報、例えば利用者が移動中であるか又は停止中であるかを示す移動状態、当該移動状態に対応する時刻、利用者の移動速度などを検出する。制御部11は、検出した前記移動情報及び位置情報を移動情報DB125(
図6参照)に記憶する。
【0058】
ステップS12において、制御部11(バス路線取得処理部113)は、位置取得処理部111により取得される前記現在位置に基づいて、バス路線情報DB123からバス路線情報を取得する。
【0059】
ステップS13において、制御部11(バス停位置取得処理部114)は、バス路線取得処理部113により取得される前記バス路線情報と、地図情報DB121に記憶されるバス停留所データとに基づいて、前記バス路線情報に含まれるバス停留所のバス停位置を取得する。
【0060】
ステップS14において、制御部11(判定処理部115)は、前記現在位置と前記バス路線情報と前記バス停位置とに基づいて、利用者がバスに乗車中であるか否かを判定する。判定処理部115により利用者がバスに乗車中であると判定された場合、処理はステップS15に移行する。判定処理部115により利用者がバスに乗車中ではないと判定された場合、処理はステップS11に移行する。
【0061】
ステップS15において、制御部11(判定処理部115)は、前記現在位置と前記バス停位置とに基づいて、利用者が乗車中のバスの路線を特定する。制御部11は、特定した路線のバス路線情報を取得する。制御部11は、取得したバス路線情報に基づいて、バス路線情報DB123から、利用者が乗車中のバスのバス停留所、バスの路線、バスの行先などの情報を取得する。
【0062】
ステップS16において、制御部11(情報検索処理部116)は、利用者に提供する所定の情報(施設情報)を検索する情報検索処理を実行する。
図9は、情報提供装置1の制御部11によって実行される情報検索処理の手順の一例を示すフローチャートである。ここでは、飲食店の営業時間を考慮した情報検索処理を例に挙げる。
【0063】
図9に示すステップS21において、制御部11(情報検索処理部116)は、施設情報DB122(
図3参照)に登録された複数の施設情報から1つの施設情報を取得する。例えば、制御部11は飲食店R1の施設情報(営業時間、住所)を取得する。
【0064】
ステップS22において、制御部11(情報検索処理部116)は、取得した飲食店R1の施設情報に基づいて、飲食店R1が、利用者が乗車中のバスの行先の途中のバス停留所から所定範囲内に位置するか否かを判定する。ここでは、利用者が乗車中のバスは現在時刻「8:14」においてバス停留所A3~A4の区間を走行中であるため、飲食店R1(
図2参照)は、前記所定範囲内に位置しないため(S22:NO)、処理はステップS25に移行する。
【0065】
ステップS25において、施設情報DB122に登録された他の施設情報がある場合(S25:YES)、処理はステップS21に戻る。ステップS21に戻り、制御部11(情報検索処理部116)は、施設情報DB122に登録された飲食店R2の施設情報(営業時間、住所)を取得する。ここでは、飲食店R2(
図2参照)は、途中のバス停留所A4から前記所定範囲内に位置するため(S22:YES)、処理はステップS23に移行する。
【0066】
ステップS23において、制御部11(情報検索処理部116)は、取得した飲食店R2の施設情報に基づいて、現在時刻が飲食店R2の営業時間内であるか否かを判定する。例えば、現在時刻が「8:14」であり、飲食店R2の営業時間が「18:00~22:00」である場合、現在時刻は飲食店R2の営業時間内ではないため(S23:NO)、処理はステップS25に移行する。尚、飲食店R2の営業開始時間は、現在時刻から所定時間(例えば1時間)以内でもないため、処理はステップS25に移行する。
【0067】
ステップS25において、施設情報DB122に登録された他の施設情報がある場合(S25:YES)、処理はステップS21に戻る。ステップS21に戻り、制御部11(情報検索処理部116)は、施設情報DB122に登録された飲食店R3の施設情報(営業時間、住所)を取得する。ここでは、飲食店R3(
図2参照)は、途中のバス停留所A6から前記所定範囲内に位置するため(S22:YES)、処理はステップS23に移行する。
【0068】
ステップS23において、制御部11(情報検索処理部116)は、取得した飲食店R3の施設情報に基づいて、現在時刻が飲食店R3の営業時間内であるか否かを判定する。例えば、現在時刻が「8:14」であり、飲食店R3の営業時間が「6:00~12:00」である場合、現在時刻は飲食店R3の営業時間内であるため(S23:YES)、処理はステップS24に移行する。
【0069】
ステップS24において、制御部11(情報検索処理部116)は、飲食店R3を情報提供の対象の飲食店に決定する。その後、処理はステップS25に移行する。
【0070】
施設情報DB122(
図2参照)に登録された全ての飲食店について、上述のステップS21~S25の処理が実行される。これにより、例えば飲食店R3,R4が、情報提供の対象の飲食店に決定(抽出)される。上述のステップS21~S25の処理が終了すると、処理はステップS17(
図8参照)に移行する。
【0071】
ステップS17において、制御部11により検索(決定)された情報提供の対象の飲食店がある場合(S17:YES)、処理はステップS18に移行する。情報提供の対象の飲食店がない場合(S17:NO)、処理は終了する。
【0072】
ステップS18において、制御部11(情報提供処理部117)は、情報検索処理部116により決定された飲食店に関する施設情報を利用者端末2に提供する。例えば、制御部11は、情報検索処理部116により決定された飲食店R3について、施設情報DB122に含まれる情報と、地図情報DB121に含まれる地図データとを含む施設情報を利用者端末2に送信する。
【0073】
以上のようにして、前記情報提供処理が実行される。前記情報提供処理が実行されると、利用者端末2は、情報提供装置1から前記施設情報を受信する。利用者端末2が前記施設情報を受信すると、制御部21(表示処理部213)は、例えば
図7に示すように、操作表示部23に表示される地図上に、飲食店R3,R4の位置、最寄りのバス停留所A6から飲食店R3,R4までの経路G1,G2及び所要時間等の情報を表示する。
【0074】
本発明の実施形態に係る情報提供システム100によれば、利用者がバスに乗車中であることが検出されると、利用者の現在位置、現在時刻などの情報に基づいて施設情報が検索(抽出)され、当該施設情報が利用者端末2に提供される。これにより、利用者は、バスに乗車しているときに提供された施設情報をゆっくり閲覧することができる。また、前記施設情報は、例えば前記現在位置及び現在時刻に応じた情報である。よって、例えば利用者は、昼食の時間帯において、利用者の現在位置に近く、昼食を取ることができる飲食店の情報を、バスで移動中に確認することができる。尚、利用者に提供される前記施設情報は、利用者の現在位置及び現在時刻に応じて随時更新される。よって、情報提供システム100によれば、利用者がバスに乗車中であるか否かを正確に判別することが可能になるとともに、利用者がバスに乗車している場合に当該利用者に有益な情報を適切なタイミングで提供することが可能となる。
【0075】
本発明の情報提供システム100は、上述の実施形態に限定されず、以下に示す実施形態であってもよい。
【0076】
他の実施形態として、
図10に示すように、情報提供装置1の制御部11は、さらに、利用者が乗車中のバスの時刻表を取得する時刻表取得処理部118を備えてもよい。時刻表取得処理部118は、本発明の時刻表取得処理部の一例である。具体的には、時刻表取得処理部118は、時刻表情報DB124(
図5参照)から、判定処理部115により特定されるバスの路線に対応する時刻表を取得する。また情報検索処理部116は、時刻表取得処理部118により取得される前記時刻表に基づいて施設を検索してもよい。例えば、情報検索処理部116は、施設情報DB122から、前記時刻表に基づいて取得される時刻、すなわち利用者の現在位置からバスの行先(終着位置)までの間に位置するバス停留所の到着予定時刻において利用可能な施設に対応する施設情報を検索する。情報提供処理部117は、情報検索処理部116により検索及び抽出された前記施設情報を利用者端末2に提供する。尚、制御部11は、時刻表取得処理部118により取得される前記時刻表に基づいてバスの行先を取得してもよい。
【0077】
また他の実施形態として、情報提供装置1の情報提供処理部117は、隣り合うバス停留所の間の距離に応じて、利用者端末2に提供する施設情報の量を決定してもよい。例えば、バス停留所A1~A2の区間のバスの所要時間(走行時間)が約3分であり、バス停留所A5~A6の区間のバスの所要時間が約9分である場合(
図5参照)、情報提供処理部117は、所要時間が長い区間程、多くの施設情報を利用者端末2に提供する。例えば、情報提供処理部117は、バスがバス停留所A1~A2の区間を走行している場合にはN個の施設の施設情報を利用者端末2に提供し、バスがバス停留所A5~A6の区間を走行している場合にはM個(但し、M>N)の施設の施設情報を利用者端末2に提供する。これにより、利用者は、バス停留所間のバスの走行時間に応じた量の情報を取得することができる。
【0078】
また他の実施形態として、情報提供装置1の情報提供処理部117は、バスが第1バス停留所に停車する場合に、当該第1バス停留所のバス停位置から所定範囲内に位置する第1施設に対応する第1施設情報を利用者端末2に提供し、バスが前記第1バス停留所に停車しないで通過する場合に、第1施設情報を利用者端末2に提供しない構成としてもよい。例えば、利用者が、路線Ra1(
図4参照)のバスに発車時刻「8:00」(
図5参照)に乗車した場合において、バスがバス停留所A2に停車する場合には、バス停留所A2のバス停位置から所定範囲内に位置する飲食店R1の施設情報を利用者端末2に提供する。一方、利用者が、路線Ra1(
図4参照)のバスに発車時刻「11:30」(
図5参照)に乗車した場合において、バスがバス停留所A2を通過する場合には、飲食店R1の施設情報を利用者端末2に提供しない。
【0079】
また他の実施形態として、情報提供装置1の情報提供処理部117は、利用者がバスに乗車してから所定時間が経過した場合に、前記施設情報を利用者端末2に提供する構成であってもよい。例えば、利用者は、バスに乗車した直後は車内を移動したり座席に座ったりするために時間を要し、利用者端末2を操作することが難しい場合がある。また利用者がバスに乗車した直後は、バスの速度が徐々に速くなり(加速度が大きくなり)、利用者は安定した姿勢を取ることが難しい場合がある。そこで、情報提供処理部117は、利用者がバスに乗車してから所定時間が経過し、バスの走行が安定した時点で、前記施設情報を利用者端末2に提供する。
【0080】
具体的には、判定処理部115が、利用者がバスに乗車したと判定した場合に時間の計測を開始し、利用者がバスに乗車してから所定時間が経過したか否かを判定する。判定処理部115により前記所定時間が経過したと判定されると、情報検索処理部116が前記施設情報を検索する。そして、情報提供処理部117が、情報検索処理部116により検索された前記施設情報を利用者端末2に提供する。
【0081】
また、情報提供処理部117は、移動検出処理部112により検出される利用者の移動速度の加速度が閾値以下になった場合に、前記施設情報を利用者端末2に提供する構成であってもよい。具体的には、判定処理部115が、利用者がバスに乗車したと判定した場合に、移動検出処理部112により検出される加速度が閾値以下であるか否かを判定する。判定処理部115により前記加速度が閾値以下であると判定されると、情報検索処理部116が前記施設情報を検索する。そして、情報提供処理部117が、情報検索処理部116により検索された前記施設情報を利用者端末2に提供する。
【0082】
例えば利用者がバスに乗車してから所定時間が経過すると、移動速度が一定(40km/h)になる。また、利用者がバスに乗車した後、加速度が閾値以下になると、移動速度が一定(40km/h)になる。前記所定時間が経過したり、前記移動速度が一定になると、バスの走行が安定し利用者は姿勢が安定し利用者端末2の操作を行うことが可能な状態となる。上述の構成によれば、利用者が利用者端末2の操作を安定して行うことが可能な状態になったタイミングで前記施設情報が利用者端末2に提供される。このため、利用者は、前記施設情報を確実に取得(受信操作)して確認することができる。
【0083】
また他の実施形態として、情報提供装置1の制御部11は、利用者端末2の操作状態を検出してもよい。この場合、制御部11は、利用者端末2が利用者により操作されていない場合に、前記施設情報を利用者端末2に提供する。
【0084】
例えば、利用者が利用者端末2で文字を入力したり、動画を視聴したりしているときに情報提供装置1から利用者端末2に前記施設情報が送信されると、利用者端末2において、前記施設情報の受信通知が表示されたり、受信した前記施設情報が表示されたりする。この場合、利用者は、作業、視聴などを中断しなければならない。そこで、情報提供処理部117は、利用者端末2が利用者により操作されていない場合に、前記施設情報を利用者端末2に提供する。
【0085】
例えば制御部11は、利用者端末2が一定期間操作されず待機状態(スリープモード)であることを示す情報を取得した場合に、利用者端末2が利用者により操作されていないと判断する。情報提供処理部117は、利用者端末2が利用者により操作されていないことが検出された場合に、前記施設情報を利用者端末2に送信する。尚、制御部11により利用者端末2が利用者により操作されていないことが検出された場合に、情報検索処理部116が前記施設情報を検索する処理を行ってもよい。
【0086】
これにより、利用者が利用者端末2を操作していないときに前記施設情報を提供することができるため、利用者に確実に前記施設情報を確認させることができる。また、利用者が利用者端末2を操作している間は前記施設情報が提供されないため、利用者の作業を中断させることもない。
【0087】
また、情報提供処理部117は、利用者端末2が利用者により所定の操作が行われた場合に、前記施設情報を利用者端末2に提供してもよい。具体的には、制御部11は、利用者端末2に対して利用者が操作した操作情報を取得して利用者端末2の状態を検出する。例えば、制御部11は、WEBページを閲覧する操作の操作情報、利用者が文字入力する操作の操作情報などを取得して利用者端末2の状態を検出する。例えば、制御部11は、利用者がWEBページを閲覧する操作の操作情報を取得した場合に、利用者端末2がWEBページ表示中の状態であると判断する。この場合、情報提供処理部117は、前記施設情報を利用者端末2に送信する。これに対して、例えば、制御部11は、利用者が文字を入力する操作の操作情報を取得した場合に、利用者端末2が文字入力処理中の状態であると判断する。この場合、情報提供処理部117は、前記施設情報を利用者端末2に送信しない。
【0088】
このように、情報提供処理部117は、利用者がWEBページ、画像、音楽などのコンテンツを表示、再生を指示する操作を行って、利用者端末2が情報を出力している場合に、前記施設情報を利用者端末2に送信する。一方、情報提供処理部117は、利用者が文字の入力など継続的な操作(作業)を行って、利用者端末2が当該操作を受け付けている場合には、前記施設情報を利用者端末2に送信しない。
【0089】
この構成によれば、利用者が利用者端末2の表示画面を閲覧しているときに前記施設情報を提供することができるため、利用者に確実に前記施設情報を確認させることができる。また、利用者が利用者端末2で入力操作などの作業をしている間は前記施設情報が提供されないため、利用者の作業を中断させることもない。
【0090】
また他の実施形態として、情報提供処理部117は、利用者に提供した施設情報のうち、現在時刻が、利用可能な時間帯(営業時間)を過ぎた飲食店の施設情報を削除する構成としてもよい。
【0091】
また他の実施形態として、情報提供装置1の制御部11が備える一又は複数の処理部を、利用者端末2の制御部21が備えてもよい。また記憶部22に記憶される各情報は、外部機器から取得してもよい。また制御部21は、前記情報提供プログラムをインターネットを介して記憶部22にダウンロードして、前記情報提供処理(
図8参照)を実行してもよいし、外部のサーバに記憶された前記情報提供プログラムを実行することにより前記情報提供処理(
図8参照)を実行してもよい。本発明の情報処理システムは、情報提供装置1で構成されてもよいし、利用者端末2で構成されてもよいし、情報提供装置1及び利用者端末2で構成されてもよい。
【符号の説明】
【0092】
1 :情報提供装置
2 :利用者端末
11 :制御部
12 :記憶部
13 :操作表示部
14 :通信I/F
21 :制御部
22 :記憶部
23 :操作表示部
24 :通信I/F
25 :GPS受信部
100 :情報提供システム
111 :位置取得処理部
112 :移動検出処理部
113 :バス路線取得処理部
114 :バス停位置取得処理部
115 :判定処理部
116 :情報検索処理部
117 :情報提供処理部
118 :時刻表取得処理部
121 :地図情報データベース
122 :施設情報データベース
123 :バス路線情報データベース
124 :時刻表情報データベース
125 :移動情報データベース
211 :受付処理部
212 :位置検出処理部
213 :表示処理部