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特許7256384電源装置、半導体集積回路及びリップル抑制方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-04
(45)【発行日】2023-04-12
(54)【発明の名称】電源装置、半導体集積回路及びリップル抑制方法
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20230405BHJP
   G05F 1/56 20060101ALI20230405BHJP
【FI】
H02M3/28 U
G05F1/56 310T
H02M3/28 J
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019105277
(22)【出願日】2019-06-05
(65)【公開番号】P2020198752
(43)【公開日】2020-12-10
【審査請求日】2022-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006220
【氏名又は名称】ミツミ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】今出 大佑
(72)【発明者】
【氏名】松田 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】有馬 聡史
【審査官】柳下 勝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-164633(JP,A)
【文献】特開2012-200118(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0056708(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/28
G05F 1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源から直流電圧を生成し前記直流電圧を一対の出力端子間に出力する電圧変換回路と、
調整可能な参照電圧を生成する参照電圧生成回路と、
出力電流が流れる電流経路上に設けられ電圧によって制御される電流制御手段および前記出力電流の大きさを示す電流検出電圧と前記参照電圧とに基づいて前記電流制御手段を制御する差動回路を有し、前記電流制御手段により前記電流経路の電流を制御する定電流制御回路と、
前記電流経路のうち前記電圧変換回路の高電位側の出力部から前記電流制御手段までの経路上に設定された第1電位点の電圧と前記電流制御手段の制御電圧とに基づいて、前記出力電流に生じるリップルが所定のリップル率以下に収束するように前記参照電圧生成回路が生成する参照電圧を調整する参照電圧調整回路と、
を備えることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記差動回路は、前記参照電圧と前記電流検出電圧との電位差が小さくなるように前記電流制御手段の制御端子へ駆動信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記参照電圧生成回路は、
参照電圧を保持する電圧保持手段と、
電源電圧端子と前記電圧保持手段の電圧端子との間に直列に接続された第1電流源及び第1スイッチ手段と、前記電流経路のうち前記電圧変換回路の低電位側の出力点の電位と所定の第1基準電圧を比較する第1電圧比較器とを備え、前記第1電圧比較器の比較結果に応じて前記第1スイッチ手段を制御して前記参照電圧を引上げ可能な引上げ回路と、
前記電圧保持手段の電圧端子と基準電位点との間に直列に接続された第2電流源及び第2スイッチ手段と、前記差動回路の出力電圧と所定の第2基準電圧を比較する第2電圧比較器とを備え、前記第2電圧比較器の比較結果に応じて前記第2スイッチ手段を制御して前記参照電圧を引下げ可能な引下げ回路と、
を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電源装置。
【請求項4】
前記引下げ回路は、
前記第2電圧比較器の出力の変化に応じて所定時間の計時を開始する計時回路と、
前記計時回路の出力と前記第2電圧比較器の出力とに基づいて、前記第2電圧比較器の出力が前記所定時間よりも長い場合にその長い時間分だけ前記第2スイッチ手段をオンさせて前記参照電圧を引下げる信号を生成する論理回路と、
を有することを特徴とする請求項3に記載の電源装置。
【請求項5】
前記引上げ回路の電圧の引上げ能力よりも、前記引下げ回路の電圧の引下げ能力の方が低いことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の電源装置。
【請求項6】
交流電源から直流電圧を生成し前記直流電圧を一対の出力端子間に出力する電圧変換回路を有する電源装置に搭載され、出力電流が流れる電流経路の電流を制御可能な電流制御手段を駆動する半導体集積回路であって、
参照電圧と前記出力電流の大きさを示す電流検出電圧との電位差が小さくなるように前記電流制御手段に駆動信号を出力する差動回路と、
前記電流経路のうち前記電圧変換回路の高電位側の出力点から前記電流制御手段までの経路上に設定された第1電位点の電圧と前記差動回路の出力電圧とに基づいて、前記出力電流に生じるリップルが抑制されるように前記参照電圧を調整する参照電圧調整回路と、
を備え、前記参照電圧調整回路は、
参照電圧を保持する電圧保持手段と、
電源電圧端子と前記電圧保持手段の電圧端子との間に直列に接続された第1電流源及び第1スイッチ手段と、前記電流経路のうち前記電圧変換回路の低電位側の出力点の電位と所定の第1基準電圧を比較する第1電圧比較器とを備え、前記第1電圧比較器の比較結果に応じて前記第1スイッチ手段を制御して前記参照電圧を引上げ可能な引上げ回路と、
前記電圧保持手段の電圧端子と基準電位点との間に直列に接続された第2電流源及び第2スイッチ手段と、前記差動回路の出力電圧と所定の第2基準電圧を比較する第2電圧比較器とを備え、前記第2電圧比較器の比較結果に応じて前記第2スイッチ手段を制御して前記参照電圧を引下げ可能な引下げ回路と、
を有することを特徴とする半導体集積回路。
【請求項7】
交流電源から直流電圧を生成し前記直流電圧を一対の出力端子間に出力する電圧変換部を有する電源装置において、出力電流が流れる電流経路の電流を制御可能な電流制御部を駆動し、前記出力電流に生じるリップルを抑制するリップル抑制方法であって、
前記出力電流の大きさを示す電流検出電圧と参照電圧との誤差増幅信号を前記電流制御部の駆動信号として生成し、前記リップルが所望のリップル電流率以下となるように、前記電流制御部の駆動信号の電圧が上昇する時間を、前記参照電圧の電圧値を調整することにより制御し負荷に流れるリップル電流を抑制することを特徴とするリップル抑制方法。
【請求項8】
前記一対の出力端子のうち低電位側の電位を監視して、前記低電位側の電位が所定の電位よりも高いときには前記参照電圧の電圧値を上げる方向へ調整し、
前記電流制御部の駆動信号の電圧が高くなる期間を監視して、前記駆動信号の電圧が高くなる期間が所定の時間よりも長いときには前記参照電圧の電圧値を下げる方向へ調整することを特徴とする請求項7に記載のリップル抑制方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置、半導体集積回路及びリップル抑制方法に関し、特にトランスの一次側コイルに流れる電流をスイッチング素子で制御して交流電源から直流電圧を生成するスイッチング方式の電源装置、半導体集積回路及びリップル抑制方法に利用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、交流電源から直流電圧を生成して発光ダイオードを点灯させる定電流電源装置として、例えば特許文献1に開示されているものがある。この定電流電源装置では、発光ダイオードに出力される出力電流の電流経路に、発光ダイオードの点灯と消灯とを切り替える為にオン/オフさせるトランジスタと電流検出抵抗とが直列に接続されている。
【0003】
近年、発光ダイオードを用いた省電力の照明機器においては、高調波抑制への要求や規制が高まっている。トランスの一次側コイルに流れる電流をスイッチング素子で制御して交流電源から直流電圧を生成するスイッチング方式の電源装置においては、コストアップを抑えるためワンコンバータ方式やコンスタントオン(一定オン時間)方式など簡易な方式で高調波抑制機能を実現すると、二次側の出力電圧に交流電源の周波数に依存したリップルが生じ易くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-200118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スイッチング方式の電源装置においては、出力電圧にリップルが生じても、定電流制御を行うことで出力電流からリップルを除去することが可能である。そこで、本発明者らは、出力電流の電流経路に電流制御用のトランジスタを設け、このトランジスタのオン抵抗を制御して出力電流が所定の電流値になるように制限する定電流回路について検討した。
このような構成の定電流回路によれば、図1(A)に示すように、高電位側の出力電圧VLED+にリップルが生じても、電流制御用のトランジスタのオン抵抗の変化により、出力電流からリップル成分を除去することができる。すなわち、低電位側の出力電圧VLED-に同位相のリップル成分が付加されることで、一対の出力端子間の電圧が所定の電圧となり、リップルの除去された出力電流を負荷としての発光ダイオードへ供給できる。なお、図1において、Vfは発光ダイオードの順方向電圧、Vaは電流制御用のトランジスタのソース-GND(接地点)間電圧である。
【0006】
しかし、上記のような構成では、例えば定電流回路が制限する電流値の設定によっては、電流制御用のトランジスタで生じる損失が大きくなったり出力電流のリップルの抑制が不十分になったりするという課題が生じることが分かった。例えば図1(A)の電流値の最適な設定の場合に比べて高い制限電流値を設定した場合には、図1(B)のように電圧降下Vbだけ電流制御用のトランジスタで余分に損失が発生する。
一方、定電流回路が制限する電流値の設定が低すぎると、例えば入力段から供給される電力にバラツキが生じたときに、図1(C)のように、電流制御用のトランジスタの動作領域が飽和領域に達する期間Tbが生じるため、電流制御用のトランジスタでリップル電圧を吸収できずに、出力電流のリップルの抑制が不十分になる恐れがあることが分かった。なお、発光ダイオードへ供給される電流自身は、一次側におけるスイッチング制御で決まるため、図1(B)のように電流制御用のトランジスタによる電流制限の設定値が高い場合でも発光ダイオードへ流される電流Ioutは、図1(A)の場合と同じである。
【0007】
特許文献1の定電流電源装置は、出力電流の電流経路に設けられた電流検出抵抗を用いて検出された信号を、DC/DCコンバータの一次側の制御回路にフィードバックして定電流制御を実現している。この定電流制御はリップルの抑制を目的としてものでなく一般的な定電流制御にすぎないため、一次側において簡易な方式による高調波抑制機能を設けた場合に、出力電流に生じるリップルを抑制することは難しいという課題がある。
そこで、本発明者らは、出力電流が流れる電流経路上に設けられ電流を制御する電流制御素子と、出力電流の大きさを示す電流検出電圧と参照電圧との電位差に応じた電圧を生成して上記電流制御素子を駆動するオペアンプと、出力端子電圧や電流検出電圧に基いて上記参照電圧を変化させるコンパレータを備えた電流制御回路を設けることで、出力電流に生じるリップルを抑制できる電源装置に関する発明をなし、先に出願した(特願2018-211614)。
【0008】
しかしながら、上記先願発明の電源装置においては、コンパレータやオペアンプにオフセットがあると、オフセット電圧に電流検出電圧のリップル成分が埋もれてしまい、リップルを正常に検出できなくなる状態が発生するおそれがある。そしてこれにより、リップル率が増加したり、過度にリップルを抑制したりすることがある等の課題があることが明らかになった。なお、このような課題は、特にリップル信号成分が小さい領域(照明用電源装置では調光を絞った領域)で発生し易い。
本発明は、直流電圧に変換して負荷へ電流を出力する電源装置において、制御回路を構成するコンパレータやオペアンプにオフセットがあったとしても、リップル率が増加したり過度にリップルを抑制したりすることなく、出力電流に生じるリップルを抑制することができる電源装置、半導体集積回路及びリップル抑制方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る電源装置は、
交流電源から直流電圧を生成し前記直流電圧を一対の出力端子間に出力する電圧変換回路と、
調整可能な参照電圧を生成する参照電圧生成回路と、
出力電流が流れる電流経路上に設けられ電圧によって制御される電流制御手段および前記出力電流の大きさを示す電流検出電圧と前記参照電圧とに基づいて前記電流制御手段を制御する差動回路を有し、前記電流制御手段により前記電流経路の電流を制御する定電流制御回路と、
前記電流経路のうち前記電圧変換回路の高電位側の出力部から前記電流制御手段までの経路上に設定された第1電位点の電圧と前記電流制御手段の制御電圧とに基づいて、前記出力電流に生じるリップルが所定のリップル率以下に収束するように前記参照電圧生成回路が生成する参照電圧を調整する参照電圧調整回路と、を備えるようにしたものである。
【0010】
上記のような構成によれば、電圧変換回路が交流電源から生成し一対の出力端子間に出力する直流電圧にリップル電圧が含まれている場合にも、定電流制御回路が、電流検出電圧と参照電圧に基づいて出力電流が流れる電流経路の電流を制御することで、出力電流に生じるリップルを抑制することができる。したがって、低い損失でリップルの抑制された出力電流を負荷に供給することができる。また、出力電流に生じるリップルが所定のリップル率以下に収束するように参照電圧調整回路が参照電圧を調整するので、差動回路がオフセットを有していたとしても、リップル率が増加したり過度にリップルを抑制したりすることなく、出力電流に生じるリップルを抑制することができる。さらに、電流検出電圧よりもリップルの影響が大きく出る差動回路の出力電圧に基づいて参照電圧を調整するので、出力電流に生じるリップルを誤作動することなく迅速に抑制することができる。
【0011】
ここで、前記差動回路は、前記参照電圧と前記電流検出電圧との電位差が小さくなるように前記電流制御手段の制御端子へ駆動信号を出力するように構成するとよい。
このような構成によれば、公知の定電流レギュレータと同様の動作で所望の電流値となるように出力電流を制御することができる。
【0012】
また、前記参照電圧生成回路は、
参照電圧を保持する電圧保持手段と、
電源電圧端子と前記電圧保持手段の電圧端子との間に直列に接続された第1電流源及び第1スイッチ手段と、前記電流経路のうち前記電圧変換回路の低電位側の出力点の電位と所定の第1基準電圧を比較する第1電圧比較器とを備え、前記第1電圧比較器の比較結果に応じて前記第1スイッチ手段を制御して前記参照電圧を引上げ可能な引上げ回路と、
前記電圧保持手段の電圧端子と基準電位点との間に直列に接続された第2電流源及び第2スイッチ手段と、前記差動回路の出力電圧と所定の第2基準電圧を比較する第2電圧比較器とを備え、前記第2電圧比較器の比較結果に応じて前記第2スイッチ手段を制御して前記参照電圧を引下げ可能な引下げ回路と、
を有するように構成してもよい。
【0013】
このような構成によれば、電子回路で広く使用されている基本的な回路のみで生成する参照電圧を調整する参照電圧調整回路を構成することができるので、回路設計を容易に行うことができる。また、第1電流源の電流値と第2電流源の電流値の比を変えることで、参照電圧を引き上げる方向への調整速度と引き下げる方向への調整速度を容易に設定することができる。
【0014】
さらに、前記引下げ回路は、
前記第2電圧比較器の出力の変化に応じて所定時間の計時を開始する計時回路と、
前記計時回路の出力と前記第2電圧比較器の出力とに基づいて、前記第2電圧比較器の出力が前記所定時間よりも長い場合にその長い時間分だけ前記第2スイッチ手段をオンさせて前記参照電圧を引下げる信号を生成する論理回路と、を有するように構成してもよい。
このような構成によれば、出力電流に生じるリップルを所定のリップル率以下に収束させる回路を比較的簡単な回路で実現することができる。
【0015】
さらに、前記引上げ回路の電圧の引上げ能力よりも、前記引下げ回路の電圧の引下げ能力の方が低くなるように構成してもよい。
参照電圧が適正値よりも高いほど電流制御手段が流すことのできる電流が大きくなるため、電圧変換回路の電流供給能力が、電流制御手段が流せる電流量に追いつかなくなると、出力電流に生じるリップルが大きくなる。一方、参照電圧が適正値よりも小さいほど電流制御手段が流すことのできる電流が小さくなるので、電圧変換回路の出力電力が大きいと、電流制御手段の損失が高くなる。そのため、引上げ回路の電圧の引上げ能力よりも引下げ回路の電圧の引下げ能力の方が低くなるように構成することで、参照電圧が適正値より小さいときに、速やかに参照電圧を大きくして、徐々に適正値に収束させるように動作させることができる。これにより、例えば、起動時や電圧変換回路の出力電力を大きい方へ切り替える際に、回路を速やかに応答させつつ、出力電流のリッップルを抑制することができる。
【0016】
本出願の他の発明に係る半導体集積回路は、
交流電源から直流電圧を生成し前記直流電圧を一対の出力端子間に出力する電圧変換回路を有する電源装置に搭載され、出力電流が流れる電流経路の電流を制御可能な電流制御手段を駆動する半導体集積回路であって、
参照電圧と前記出力電流の大きさを示す電流検出電圧との電位差が小さくなるように前記電流制御手段に駆動信号を出力する差動回路と、
前記電流経路のうち前記電圧変換回路の高電位側の出力点から前記電流制御手段までの経路上に設定された第1電位点の電圧と前記差動回路の出力電圧とに基づいて、前記出力電流に生じるリップルが抑制されるように前記参照電圧を調整する参照電圧調整回路と、
を備え、前記参照電圧調整回路は、
参照電圧を保持する電圧保持手段と、
電源電圧端子と前記電圧保持手段の電圧端子との間に直列に接続された第1電流源及び第1スイッチ手段と、前記電流経路のうち前記電圧変換回路の低電位側の出力点の電位と所定の第1基準電圧を比較する第1電圧比較器とを備え、前記第1電圧比較器の比較結果に応じて前記第1スイッチ手段を制御して前記参照電圧を引上げ可能な引上げ回路と、
前記電圧保持手段の電圧端子と基準電位点との間に直列に接続された第2電流源及び第2スイッチ手段と、前記差動回路の出力電圧と所定の第2基準電圧を比較する第2電圧比較器とを備え、前記第2電圧比較器の比較結果に応じて前記第2スイッチ手段を制御して前記参照電圧を引下げ可能な引下げ回路と、
を有するようにしたものである。
【0017】
上記のような構成を有する半導体集積回路は、電圧変換回路からリップル電圧を含む直流電圧が一対の出力端子間に出力される電源装置に組み込まれた場合に、電源装置の出力電流に含まれるリップルを定電流制御回路において抑制しつつ、損失の低減を図ることができる。
【0018】
本出願のさらに他の発明に係るリップル抑制方法は、
交流電源から直流電圧を生成し前記直流電圧を一対の出力端子間に出力する電圧変換部を有する電源装置において、出力電流が流れる電流経路の電流を制御可能な電流制御部を駆動し、前記出力電流に生じるリップルを抑制するリップル抑制方法であって、
前記出力電流の大きさを示す電流検出電圧と参照電圧との誤差増幅信号を前記電流制御部の駆動信号として生成し、前記リップルが所望のリップル電流率以下となるように、前記電流制御部の駆動信号の電圧が上昇する時間を、前記参照電圧の電圧値を調整することにより制御し負荷に流れるリップル電流を抑制するようにしたものである。
【0019】
上記のような方法によれば、電圧変換回路からリップル電圧を含む直流電圧が一対の出力端子間に出力されても、電流制御部により出力電流のリップルを抑制することができ、かつ、電流制御部で生じる損失を低減できる。
ここで、上記参照電圧の電圧値の調整方法として、
前記一対の出力端子のうち低電位側の電位を監視して、前記低電位側の電位が所定の電位よりも高いときには前記参照電圧の電圧値を上げる方向へ調整し、
前記電流制御部の駆動信号の電圧が高くなる期間を監視して、前記駆動信号の電圧が高くなる期間が所定の時間よりも長いときには前記参照電圧の電圧値を下げる方向へ調整することが考えられる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、交流電源を直流電圧に変換して負荷に供給する電源装置において、制御回路を構成するコンパレータやオペアンプにオフセットがあったとしても、リップル率が増加したり過度にリップルを抑制したりすることなく、出力電流に生じるリップルを抑制することができる電源装置、半導体集積回路及びリップル抑制方法を提供できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】出力電流の電流経路に定電流回路を設けた電源装置の出力特性を示す図であり、(A)は理想的な電流設定のときの波形図、(B)は(A)に対して電源装置が制御する電力が増加し、出力電流が増加したときの波形図、(C)は(A)に対して電源装置が制御する電力が減少し、出力電流が減少したときの波形図である。
図2】本発明の実施形態に係る電源装置の構成を示す回路図である。
図3】実施形態における定電流制御回路の電流値を変化させたときの電源装置の動作を説明する信号波形図である。
図4】実施形態におけるオフセットがないときの定電流制御回路の動作を示す信号波形図である。
図5】実施形態における(+)オフセットが発生したときの定電流制御回路の動作を説明する信号波形図で、(A)はオフセット対策がない場合の波形図、(B)はオフセット対策をした場合の波形図である。
図6】実施形態における(-)オフセットが発生したときの定電流制御回路の動作を説明する信号波形図で、(A)はオフセット対策がない場合の波形図、(B)はオフセット対策をした場合の波形図である。
図7図8に示す定電流制御回路において平均電流に正弦波を重畳し、VREF端子電圧を変化させた場合のシミュレーション結果を示すもので、(A)はリップル検出電圧の変化を、(B)はVG電圧の変化をそれぞれ示す。
図8】シミュレーションに用いた定電流制御回路の構成を示す回路図である。
図9】シミュレーション結果に基づくVG電圧とリップル率との関係を示すグラフである。
図10】実施形態の電源装置の第1の変形例を示す回路構成図である。
図11】実施形態の電源装置の第2の変形例を示す回路構成図である。
図12】第2の変形例の電源装置におけるVG電圧の検出の仕方を説明する波形図である。
図13】実施形態の電源装置の第3の変形例を示す回路構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る電源装置を示す回路図である。本実施形態に係る電源装置10は、交流電源ACの電圧を整流するダイオードブリッジなどからなる整流回路11と、例えばトライアックなどの位相調光器を位相制御することで明るさを調整する調光調節手段12を備える。
また、電源装置10は、電圧を変換するトランスTRを備え整流回路11の出力電圧を受けて直流電圧に変換する絶縁型のDC/DCコンバータ13と、出力電流Ioutの電流経路に設けられ出力電流Ioutを目標電流に制限する定電流制御回路16と、定電流制御回路16が制限する電流を制御するための参照電圧調整回路17とを備える。そして、電源装置10の出力端子T1、T2間には、負荷として照明用の発光ダイオード列15が接続される。
【0023】
DC/DCコンバータ13は、例えばフライバックコンバータ用のトランスTRと、トランスTRの一次側巻線に接続された電界効果トランジスタなどのスイッチング素子M0と、スイッチング素子M0を駆動する一次側制御回路14と、トランスTRの二次側に接続された整流ダイオードD1と、出力コンデンサCoutとを備えたフライバック式コンバータであり、スイッチング素子M0をオンさせてトランスTRの一次側巻線にエネルギーを蓄積し、スイッチング素子M0のオフの間にトランスTRの二次側巻線からエネルギーを放出させることで、整流回路11の出力電圧を直流電圧に変換する。
【0024】
一次側制御回路14は、トランスTRの二次側に設けられ出力電圧もしくは出力電流を検出する図示しない検出手段から検出した電圧値または電流値に相当する信号のフィードバックを受けて、これらを所定値に保つようにスイッチング素子M0を制御する。一次側制御回路14は高調波抑制御機能を備えており、一次側制御回路14によるスイッチング素子M0の制御により、DC/DCコンバータ13はトランスTRの一次側巻線へ入力される電圧に対して高調波抑制作用を及ぼすように動作する。制御回路14が備える高調波抑制御機能は、例えばワンコンバータ方式やコンスタントオン方式など公知の高調波抑制御方式と同一の制御方式により実現することができる。
【0025】
定電流制御回路16は、出力電流Ioutの電流経路に設けられ、出力電流Ioutを目標電流に制限する。定電流制御回路16は、低電位側の出力端子T2から順に直列に接続された電流制御用のトランジスタM1及び電流検出抵抗Rsと、電流検出抵抗Rsにより検出された検出電圧に基づいてトランジスタM1の制御端子(ゲート端子)を制御するエラーアンプ16Aと、参照電圧を生成するコンデンサCrとを備えており、定電流レギュレータのように動作する。
【0026】
トランジスタM1は、例えばNチャネルMOSFET(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)であり、出力電流Ioutがソース・ドレイン間に流れるように、出力電流Ioutの電流経路上に設けられている。トランジスタM1は、ゲート電圧が制御されることでソース・ドレイン間のオン抵抗を変化させて、ドレイン電流を制御可能な電流制御素子として動作する。
電流検出抵抗Rsは、二次側の基準電位(出力コンデンサCoutの低電位側の端子)とトランジスタM1との間に接続される。電流検出抵抗Rsは、電流-電圧変換素子として機能し、トランジスタM1との接続点に出力電流Ioutに応じた検出電圧が出力される。コンデンサCrは、参照電圧Vrefを保持し、これをエラーアンプ16Aの非反転入力端子へ供給する。
【0027】
エラーアンプ16Aは、電流検出抵抗Rsの検出電圧が反転入力端子へ入力され、検出電圧と参照電圧Vrefとの電位差に応じた電圧をトランジスタM1の制御端子へ出力する。仮に参照電圧Vrefが、目標電流Ia×(抵抗Rsの抵抗値)である場合、抵抗Rsに流れる電流が目標電流Iaより大きくなると、トランジスタM1のオン抵抗が大きくなるように、トランジスタM1の制御端子に入力されるエラーアンプ16Aの出力電圧を制御する。これにより、出力電流Ioutが小さくなる。
一方、抵抗Rsに流れる電流が目標電流Iaより小さくなると、トランジスタM1のオン抵抗が小さくなるように、電流制御用のトランジスタM1の制御端子としてのゲート端子に入力されるエラーアンプ16Aの出力電圧が変化される。これにより、出力電流Ioutが大きくなる。上記のような動作により、出力電流Ioutが目標電流Iaに収束するように制御される。
【0028】
参照電圧調整回路17は、電源電圧端子と接地点との間に直列に接続された2つの定電流源I1,I2と2つのスイッチSW1,SW2とからなる参照電圧生成回路21を備え、スイッチSW1とSW2との接続ノードN1と接地点との間に上記コンデンサCrが接続されている。
また、参照電圧調整回路17は、低電位側の出力端子の電圧VLED-と所定の基準電圧Vc1とを比較してVc1よりもVLED-の方が高いときに出力がハイレベルに変化する第1コンパレータ17Aと、上記エラーアンプ16Aの出力電圧VGと所定の基準電圧Vc2とを比較してVc2よりもVGの方が高いときに出力がハイレベルに変化する第2コンパレータ22Aを有するダウン信号生成回路22とを備え、上記参照電圧Vrefを保持するコンデンサCrを充放電して参照電圧Vrefを変化させる。コンデンサCrが接続されるスイッチSW1とSW2の結合ノードN1は、VREF端子に相当する。
【0029】
基準電圧Vc1は、出力電流Ioutのリップルがゼロとなるときの出力電圧VLED-よりも高い電圧値に予め設定されている。一方で、基準電圧Vc1は、或る電圧値よりも小さい値に設定されている。例えば、調光機能によりDC/DCコンバータ13の出力電力が切り替え可能に構成される場合、出力電力が大きく切り替えられた直後には出力電圧VLED-が上昇する。この場合、基準電圧Vc1は、この上昇した電圧値よりも小さい値に設定される。
上記のような設定により、例えば起動(AC電源投入)もしくは調光機能により出力電力が大きくなる方向へ切り替えられて、出力電圧VLED-が基準電圧Vc1よりも高くなったようなときに、第1コンパレータ17AがスイッチSW1をオンさせるように動作する。一方、基準電圧Vc2は、電流制御用のトランジスタM1のゲート端子に入力されるエラーアンプ16Aの出力電圧VG(図4(B)参照)の高いレベルと低いレベルの間の電位に設定される。
【0030】
本実施形態の電源装置10においては、定電流源I1の電圧の引上げ能力は、定電流源I2の電圧の引下げ能力よりも高い(例えば2倍以上高い)ように設定されている。すなわち、単位時間当たりの、定電流源I1の電流の流し込み量と、定電流源I2の電流の引き抜き量とは、前者の方が大きい。これにより、スイッチSW1がオンされたときの参照電圧Vrefの上昇量は大きく、スイッチSW2がオンされたときの参照電圧Vrefの下降量は小さくされる。
【0031】
図2の電源装置10は、起動あるいは調光機能によりDC/DCコンバータ13の出力電力が大きい値に切り替えられたとする。すると、DC/DCコンバータ13の出力能力が、トランジスタM1が流せる電流量(参照電圧Vref)に対して大きくなることで、出力電圧VLED-が上昇する。第1コンパレータ17Aは、出力電圧VLED-と基準電圧Vc1とを比較しており、出力電圧VLED-が基準電圧Vc1を上回ると、第1コンパレータ17Aの出力がハイレベルとなる。これにより、第1の電流源I1が参照電圧Vrefを引上げる。この引上げによって、電源装置10の状態は、図3の範囲H2の状態から範囲H1の状態(出力電流Ioutにリップルが生じる状態)に遷移する。このとき第1の電流源I1の能力は高いので、参照電圧Vrefの引上げは速やかに達成される。
【0032】
DC/DCコンバータ13の出力に応じて参照電圧Vrefが大きくなり、トランジスタM1が流せる電流量が、DC/DCコンバータ13の出力能力に対して大きくなると、出力電流Iout及びソース電圧V_MOS_Sにリップルが生じる。第2コンパレータ22Aは、エラーアンプ16Aのゲート電圧VGと基準電圧Vc2とを比較している。エラーアンプ16Aのゲート電圧VGが基準電圧Vc2を上回ると、第2コンパレータ22Aの出力がハイレベルになり、第2の電流源I2がコンデンサCrから電荷を引き抜いて参照電圧Vrefを徐々に低下させる。
本実施形態の電源装置10においては、第1の電流源I1の能力が、第2の電流源I2の能力より高く設定されていることにより、電源装置10の起動時又は調光機能により出力能力が上げられた際に、参照電圧Vrefを速やかに上昇させることができる。また、出力電流Ioutのリップルを抑制された範囲に収束させる際に参照電圧Vrefを徐々に低下させることができ、参照電圧Vrefを適切な値に調整することができる。
【0033】
上記ダウン信号生成回路22は、エラーアンプ16Aの出力電圧VGの方が基準電圧Vc2よりも高くかつ所定の条件を満たしたときにスイッチSW2をオンにして、定電流源I2の電流によってコンデンサCrを放電して参照電圧Vrefを引き下げるように動作する。
より具体的には、ダウン信号生成回路22は、上記第2コンパレータ22Aの出力がハイレベルに変化したことに応じて計時動作を開始するタイマー回路22Bと、該タイマー回路22Bの出力を反転するインバータ22Cと、該インバータ22Cの出力と第2コンパレータ22Aの出力との論理積をとるANDゲート22Dとを備える。タイマー回路22Bは定電流源とコンデンサとからなるアナログ回路であってもよいし、クロック信号を計数するカウンタ回路のようなデジタル回路であってもよい。
【0034】
上記タイマー回路22Bは計時動作の開始と同時に出力がハイレベルに変化し、予め設定された所定の時間を計時すると出力がローレベルに変化するように動作する。これによって、ダウン信号生成回路22は、第2コンパレータ22Aの出力のハイレベルの期間がタイマー回路22Bが計時する所定の時間よりも長い場合にその長い時間の間だけANDゲート22Dの出力がハイレベルに変化して、スイッチSW2をオンにして、定電流源I2の電流によってコンデンサCrを放電して参照電圧Vrefを引き下げる。
【0035】
図2の電源装置10においては、特に限定されるものではないが、一点鎖線Aで囲まれた範囲の回路素子(参照電圧調整回路17およびエラーアンプ16Aを構成する素子)は、1個の半導体基板(半導体チップ)上に、半導体集積回路(IC)として形成されている。なお、電流制御用のトランジスタM1は、外付け素子として半導体集積回路に接続されているが、半導体チップに内蔵される構成としてもよい。また、コンデンサCrは、半導体チップに内蔵された素子として設けられているが、外付け素子として半導体集積回路に接続する構成としてもよい。
【0036】
<動作説明>
図2の電源装置10においては、DC/DCコンバータ13において高調波抑制が図られることで、DC/DCコンバータ13により変換された出力電圧VLED+に、交流電源ACの周波数に依存したリップルが生じる。一方、電源装置10の出力電流Ioutは定電流制御回路16により目標電流に制御される。したがって、通常であれば、低電位側の出力電圧VLED-にも同位相及び同じ大きさのリップルが生じ、負荷に流される出力電流Ioutからはリップルが除去される。
【0037】
図3は、図2の電源装置10における参照電圧調整回路17の動作を停止させた状態で、参照電圧Vrefを変化させて定電流回路が制御する電流値を変化させたときの電源装置の動作を説明する信号波形図である。図3において、「VLED-」は低電位側の出力端子T2の出力電圧、「Vref」はエラーアンプ16Aの参照電圧Vref、「V_MOS_S」はトランジスタM1のソース電圧、「Iout」は出力電流を示す。また、図3において横軸は時間であり、図3は定電流制御回路16の電流が所定の速度で低下したときの波形を示している。
【0038】
先ず、参照電圧調整回路17の制御を省略し、定電流制御回路16の参照電圧Vrefを所定の速度で低下させた場合における電源装置10の各接続点の電圧及び電流について説明する。
この場合、図3の範囲H1に示すように、参照電圧Vrefが均衡電圧VD(出力電流Ioutのリップルが抑制される範囲におけるVLED-のリップルボトム電圧のうち最小の電圧)に対応する電圧VRより高い範囲では、低電位側の出力電圧VLED-に生じるリップルは小さく、かつ参照電圧Vrefの変化に対する出力電圧VLED-のリップルのボトム電圧の変化の割合は小さくなる。また、範囲H1では、電流制御用のトランジスタM1の動作領域が飽和領域に達する期間Tb(図1(C)参照)が生じるため、トランジスタM1は、リップルの谷の部分で電流を目標電流に制御することができず、出力電流Ioutにリップルが生じる。
【0039】
一方、図3の範囲H2に示すように、参照電圧Vrefが電圧VRより低い範囲では、参照電圧Vrefの変化に応じて低電位側の出力電圧VLED-に生じるリップルのボトム電圧が比較的に大きな割合で上昇する。このボトム電圧の上昇分は、トランジスタM1で生じる損失分に相当する。また、範囲H2では、電流制御用のトランジスタM1は、全期間、非飽和領域で動作するため電流を目標電流に制御できる。したがって、出力電流Ioutにリップルが生じない。
【0040】
図3に示した特性から、定電流制御回路16の目標電流の最も適した設定は、出力電流Ioutのリップルが生じない範囲H2で、低電位側の出力電圧VLED-に生じるリップルのボトム電圧が最も低い均衡電圧VDとなる設定である。ボトム電圧が均衡電圧VDとなる設定では、出力電流Ioutからリップルが除去される範囲おいてトランジスタM1で生じる損失が最も少なくなる。この均衡電圧VDは、目標電流の変化に対するボトム電圧の変化の割合を示す勾配が、比較的に大きな勾配からゼロに近い小さな勾配に変化する境界にある。
【0041】
参照電圧調整回路17は、図3の特性を利用して、低電位側の出力電圧VLED-のリップルのボトム電圧を均衡電圧VDに近づけるように、定電流制御回路16の目標電流すなわち参照電圧Vrefを制御する。
例えば参照電圧Vrefの値が、図3の範囲H2にあるとすると、コンパレータ17Aの出力によりスイッチSW1がオンされて、電流源I1の電流によりコンデンサCrが充電されて参照電圧Vrefが上昇し、ボトム電圧は均衡電圧VDに近づく方向に変化する。
【0042】
一方、参照電圧Vrefの値が、図3の範囲H1にあるとすると、コンパレータ22Aの出力によりスイッチSW2がオンされて、電流源I2の電流によりコンデンサCrが放電されて参照電圧Vrefが下降し、リップルのボトム電圧は均衡電圧VDに近づく方向に変化する。
具体的には、出力電流Ioutに抑制された範囲でリップルが僅かに残っているとき(例えば5%以内のリップルが残っているとき)にトランジスタM1の制御を固定させる。これにより、電源装置10の状態が、図3の範囲H1と範囲H2との境界(均衡点P)の近傍に収束されるように制御される。すなわち、出力電流Ioutのリップルが例えば5%以内に抑制された範囲で、出力電圧VLED-のボトム電圧が最小の電圧である均衡電圧VDの近傍に収束される。
【0043】
以上説明したように、上記実施形態の電源装置10及びリップル抑制方法によれば、高調波を抑制しつつ交流電源ACから直流電圧を生成することで、変換された直流電圧にリップルが生じても、定電流制御回路16の制御により、負荷に出力される出力電流Ioutのリップルを十分に抑制することができる。これにより、例えば発光ダイオード列15の照明光にフリッカが発生したり、人の目では認識できないようなフリッカであってもデジタルカメラで撮影した際に画面に縞模様のようなノイズが現れてしまったりするのを抑制することができる。
また、上記実施形態の電源装置10及びリップル抑制方法によれば、定電流制御回路16および参照電圧調整回路17により、低電位側の出力電圧VLED-のボトム電圧が、均衡電圧VDに収束するように制御される。これにより、出力電流Ioutのリップルを抑制しつつ、定電流制御回路16のトランジスタM1で生じる損失を低減することができる。
【0044】
例えば、比較例として、定電流制御回路16の目標電流が所定の電流とされる構成において、DC/DCコンバータ13に出力電力が大きくなる方の誤差が生じたとする。この場合、図1(B)に示すように、定電流制御回路16のトランジスタM1は電圧降下量が大きくなるように制御されて、定電流制御回路16の目標電流が維持される。この場合、トランジスタM1では電圧降下Vb分の損失が生じる。
しかし、このような誤差が生じた場合でも、上記実施形態の電源装置10によれば、参照電圧調整回路17が、定電流制御回路16の目標電流を大きくするように参照電圧Vrefを変化させて、出力電圧VLED-のボトム電圧を均衡電圧VDに収束させる。これにより、定電流制御回路16では、出力電流Ioutが大きくなるようにトランジスタM1のオン抵抗が低く制御され、定電流制御回路16で生じる損失が低減される。発光ダイオード列15の順方向電圧Vfは電流値に応じて僅かに変化するため、出力電流Ioutの増加に伴い、発光ダイオード列15で降下する電圧が増大する。このため、トランジスタM1のオン抵抗が低下されることで、図1(A)に示すような、定電流制御回路16で生じる損失が少ない動作が実現される。
【0045】
また、比較例として、定電流制御回路16の目標電流が一定とされる構成において、DC/DCコンバータ13に出力電力が小さくなる方の誤差が生じたとする。この場合、図1(C)に示すように、一定の目標電流に合わせた制御が行われると、定電流制御回路16のトランジスタM1が飽和領域で動作する期間Tbが発生し、出力電流Ioutにリップルが生じる。
しかし、このような場合でも、上記実施形態の電源装置10によれば、参照電圧調整回路17が、定電流制御回路16の目標電流を小さくするように参照電圧Vrefを変化させて、出力端子T2の電圧”VLED-”のリップルのボトム電圧を均衡電圧VDの近傍に収束させる。これにより、出力電流Ioutが小さくなるように、定電流制御回路16のトランジスタM1のオン抵抗が高く制御されて、トランジスタM1が飽和領域で動作する期間Tbが削減される。
【0046】
そのため、発光ダイオード列15に出力される電流にリップルが含まれていたとしても、この発光ダイオードを照明とする環境下で例えばデジタルカメラで撮影をした際にフリッカがとらえられないようなレベルまでリップルが抑制される。そして、この場合でも、DC/DCコンバータ13の出力電力が負荷を駆動できないレベルまで低下しなければ、出力電流Ioutのリップルが抑制された状態で発光ダイオード列15を正常に駆動することができる。
図4には、上記実施形態におけるリップル抑制制御時の回路内部の各点の電位の変化の様子が示されている。図4において、(A)は参照電圧Vrefおよびエラーアンプ16Aへ入力される出力電流の検出電圧すなわち電流制御用トランジスタM1のソース電圧V_MOS_S、(B)は電流制御用トランジスタM1のゲート電圧VG、(C)はゲート電圧VGのパルス幅、(D)はタイマー回路22Bの出力、(E)はインバータ22Cの出力、(F)はANDゲート22Dから出力されるダウン信号Vdownの変化をそれぞれ示している。
【0047】
図4に示すように、上記実施形態の電源装置においては、リップルが大きいとパルス幅の大きなダウン信号Vdownが生成され、それによって参照電圧Vrefが下がり、ゲート電圧VGのパルス幅が次第に小さくなって行き、検出電圧に含まれるリップルが所定のリップル率(例えば5%)以下の範囲内に収束する。ここで、リップル率は、((クランプ電圧-ボトム)/クランプ電圧)×100で表される値である。
以上、定電流制御回路16を構成するエラーアンプ16Aおよび参照電圧調整回路17を構成するコンパレータ17A,22Aがオフセットを有していない場合の動作について説明した。次に、エラーアンプ16Aおよびコンパレータ17A,22Aがオフセットを有している場合について説明する。
【0048】
本発明者らが先に出願した発明(特願2018-211614)の第6実施形態の電源装置においては、本発明のコンパレータ22Aに相当するコンパレータが電流制御用トランジスタM1のソース電圧を監視することで出力電流に含まれるリップルを検出する方式であった。そのため、コンパレータやエラーアンプにオフセットがあると、オフセット電圧に電流検出電圧のリップル成分が埋もれてしまって、リップルを正常に検出できなくなる状態が発生することがあり、リップル率が増加したり過度にリップルを抑制したりする等の課題があった。
【0049】
本発明は、リップルの情報を含んだ信号の中では一番振幅が大きい電流制御用トランジスタM1のゲート制御電圧VGであり、VG電圧の振幅はリップルが発生している間は高くなることに着目し、VG電圧を監視してリップルを検出し、VG電圧が高くなる時間が一定以下になるように制御することにより、リップルを例えば5%以下のような範囲に抑制するようにしている。なお、この方法では、VG電圧が高くなる時間を一定以下にすることでリップル率をある値(例えば5%)以下に収束させる制御が可能となる。
【0050】
本発明の実施形態である図1に示されている電源装置10のように、出力電流の検出電圧を入力とするエラーアンプ16Aを備えた定電流制御回路16においては、理想的な動作は、図4に示すように、VREF端子電圧(Vref)とリップル検出電圧の平坦な部分が重なる動作であるが、エラーアンプ16Aにオフセット電圧が発生すると、図5図6に示すように、(+)方向または(-)方向にそれぞれ電圧の誤差が生じる。その結果、先願発明(特願2018-211614)のように、オフセット対策をしていない場合には、出力電流Ioutの均衡点(図3のP点)と実際に回路が収束する点にズレが生じる。
【0051】
具体的には、LED電流(出力電流Iout)にリップルが発生している状態においては、電流制御用トランジスタM1のゲート制御電圧VGはリップルが発生していない領域に比べて高くなるが、そこへ(+)方向のオフセットが付加されると、リップルの幅が広がってリップル率も増加して、図5(A)に示すように、所望のリップル率以下に収束しにくくなる。
これに対し、上記実施形態のようにオフセット対策のための回路(タイマー22B、ANDゲート22D等)を設けた電源装置10においては、図5(B)に示すように、VG電圧の幅が速やかに狭くなり、LED電流に含まれるリップルが小さくなって、所望のリップル率以下に収束させることができる。
【0052】
一方、エラーアンプ16Aに(-)方向のオフセットが発生した場合に何ら対策をしないと、LED電流(出力電流Iout)にリップルが含まれていたとしてもエラーアンプ16Aがリップルを検出できなくなり、図6(A)に示す期間Tcのように、VG電圧が高くならずいわゆる絞り込み過ぎの状態となる。この状態ではリップルは発生しないが、トランジスタM1では流しきれない分の電流でコンデンサCoutがチャージされ、LED(+)電圧とLED(-)電圧が上昇して過電圧が発生する等、回路が正常に動作しない事態に陥ってしまうおそれがある。
これに対し、上記実施形態のようにオフセット対策をした電源装置10においては、図6(B)に示すように、VG電圧の幅が一定以下となるように制御することができるため、絞り込み過ぎの状態が発生せず、所望のリップル率以下に収束させることができる。
【0053】
次に、上記実施形態の電源装置におけるリップル率と電流制御用トランジスタM1のゲート制御電圧であるVG電圧が高くなる期間(VG幅)との関係について説明する。
図7(A),(B)は、図8に示すような構成の定電流制御回路において、平均電流を500mAとしたLED電流に振幅がおよそ80mVの正弦波をリップルとして重畳し、VREF端子電圧(Vref)を変化させた場合のシミュレーション結果を示す。このうち、図7(A)はリップル検出電圧すなわち電流制御用トランジスタM1のソース電圧V_MOS_Sの変化の様子を、また図7(B)はゲート制御電圧であるVGの変化の様子を示したものである。なお、ここでは、電流検出抵抗Rsを0.1Ωに設定した。
【0054】
図7(A)の波形S0は、定電流制御をかけない状態における正弦波が重畳したLED電流の波形を示す。図7(A)の波形S1~S6は、図8の定電流制御回路において、VREF端子電圧(Vref)を70mV,65mV,60mV,55mV,51mV,50.1mVのように変化させて定電流制御をかけた際のLED電流の波形を示す。例えばVrefを70mVとした場合、波形S1のように、リップル検出電圧は70mVにクランプされる。
一方、定電流制御を行なっている場合、平均電流は500mAに保たれるため、正弦波の山を削った分だけ谷が埋まり、正弦波のボトムが持ち上がっていることが分かる。このボトムが持ち上がる現象は、リップルが小さくなることを意味している。そして、図7(B)より、LED電流の波形の谷の部分でVG電圧が高くなっており、谷が浅くなるに従ってVG電圧が高くなる期間(VG幅)Ts1~Ts6が狭くなっていることが分かる。
【0055】
上記実施形態の電流装置は、上記のような特性を利用して、図2のような構成(参照電圧調整回路17)を採用して、VREF端子電圧(Vref)を変化させることで、リップルを小さくしている。また、図2の参照電圧調整回路17の構成においては、エラーアンプ16Aにオフセット電圧が発生したとしても、VG幅を次第に狭めて一定幅になるように参照電圧Vrefを変化させて、リップル率を所定値以下に収束させることができる。
次の表1には、上記シミュレーション結果により得られたVREF端子電圧とLED電流のボトム電圧とリップル率とVG幅との関係を示す。また、図9は、上記パラメータのうち、リップル率とVG幅との関係をグラフに示したものである。
【0056】
【表1】
表1および図9より、VG幅を0.9ms(ミリ秒)に設定すれば、リップル率を4.4%以下に抑えることができることが分かる。上記実施形態(図1)の電流装置においては、先ず収束させたいリップル率を決定し、図9を用いて決定したリップル率に対応するVG幅を読み取り、そのVG幅になるようにタイマー回路22Bの計時時間Txを決定するようにしている。
【0057】
(変形例)
次に、図10図13を用いて上記実施形態の電流装置の変形例について説明する。
このうち図10は、上記実施形態の電源装置の第1の変形例を示す回路構成図である。
第1の変形例の電源装置は、図10に示されているように、参照電圧調整回路17が形成されている半導体集積回路(IC)に、高電位側の出力端子の電圧VLED+を入力とし、定電流制御回路16を構成するエラーアンプ16Aの動作電圧Vdd1(例えば+10V)を生成する第1内部電源回路31およびこの第1内部電源回路31により生成された電圧Vdd1を入力とし、上記エラーアンプ16A以外の回路の動作電圧Vdd2(例えば+5V)を生成する第2内部電源回路32が設けられている。第1内部電源回路31と第2内部電源回路32はそれぞれシリーズレギュレータなどにより構成することができる。
【0058】
また、本変形例においては、エラーアンプ16Aの出力端子(M1のゲート端子)と接地点との間に、抵抗R1,R2からなる分圧回路23を設け、抵抗R1とR2でエラーアンプ16Aの出力であるトランジスタM1のゲート電圧VGを分圧した電圧を、参照電圧調整回路17のコンパレータ22Aへ入力するように構成されている。
このような構成によれば、上記のように、エラーアンプ16Aの動作電圧Vdd1とエラーアンプ16A以外の回路の動作電圧Vdd2とが異なる場合にも、前述した制御方式を実現して、出力電流Ioutに含まれるリップルを小さくして、出力電流Ioutを均衡点Pに近づけ、リップル率を所定値以下に収束させることができる。
【0059】
また、第1内部電源回路41により生成された高い電圧Vdd1(+10V)をエラーアンプ16Aに動作電圧として供給することで、エラーアンプ16Aの出力電圧の振幅を大きくして、電流制御用のトランジスタM1のゲート電圧制御範囲を広げることができるようになる。
一方、エラーアンプ16A以外の回路には、第2内部電源回路42により生成された低い電圧Vdd2(+5V)を動作電圧として供給することで、ICの消費電流を低減することができるとともに、エラーアンプ16A以外の回路を構成する素子として高耐圧の素子を使用する必要がなくなり、チップサイズの低減を図ることができる。
【0060】
図11は、上記実施形態の電源装置の第2の変形例を示す回路構成図である。
第2の変形例の電源装置は、トランジスタM1のゲート電圧VGを監視するコンパレータとして、2個のコンパレータ22A1,22A2を設けるとともに、基準電圧Vc21,Vc22を生成する抵抗分圧回路(R3~R5)24を設け、コンパレータ22A1,22A2がVG電圧とそれぞれ異なる基準電圧Vc21,Vc22とを比較するように構成されている。また、コンパレータ22A1,22A2の後段にロジック回路22Eを設けて、例えばゲート電圧VGのレベルに応じて2個のコンパレータ22A1,22A2のうち一方のコンパレータの出力を選択して、タイマー回路22BとANDゲート22Dへ供給するように構成されている。
【0061】
上記実施形態の電源装置においては、電流制御用のトランジスタM1として外付け素子を使用しており、M1としてどのような特性を有するトランジスタが接続されるか分からず、ユーザーが選択する素子によっては、VG電圧が低くなることが考える。また、コンパレータ22Aが比較する基準電圧Vc2の最適な設定は、ゲート電圧VGの低い方のレベルよりも若干高い値である。そのため、図12に示すように、高いVG電圧に合わせて設定された基準電圧Vc21ではVG電圧の変化を検出できない事態が生じるおそれがあるが、図11のような構成によれば、VG電圧が低い場合には低い方の基準電圧Vc22を選択して使用することで、どのような特性を有するトランジスタが接続されたとしても、検出不可能な状態になるのを回避することができる。
【0062】
図13は、上記実施形態の電源装置の第3の変形例を示す回路構成図である。
第3の変形例の電源装置は、図1の実施形態の電源装置における参照電圧調整回路17のANDゲート22Dの後段に、ANDゲート22Dの出力の立ち上がりに同期して所定の幅のパルスを生成するワンショットパルス生成回路22Fを設けて、生成したパルスで参照電圧生成回路21のスイッチSW2をオンさせるように構成したものである。
【0063】
図1の実施形態の電源装置においては、VG電圧に基いてリップルを検出した場合、タイマー回路22Bの計時時間Txよりも長い領域がダウン信号の幅となるため、ダウン信号Vdownの幅が初めは大きくその後リップルが小さくなるにしたがって次第に狭くなるが、本変形例においては、Tx経過後、一定の幅を有するダウン信号を出力することが可能である。この変形例の制御方法では、均衡点に到達するまでの時間が長くなるが、一周期当たりのVref減少量をコントロールすることが可能となり、絞り過ぎの状態に陥りにくくすることができる。
【0064】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものでない。例えば上記実施形態では、調光制御方式として、整流回路11の前に位相制御方式の調光調節手段12を設けたものを示したが、このような制御方式に限定されず、一次側制御回路14へ調光制御電圧(DC電圧)やPWM(パルス幅変調)方式のパルスを入力したり、二次側へ調光のための情報を与えて二次側から一次側制御回路14へのフィードバック値を調節して、一次側制御回路14が調光制御するような構成も可能である。
【0065】
また、上記実施形態では、電圧変換回路(13)からリップルを含んだ直流電圧が出力される第1電位点として、低電位側の出力端子T2(トランジスタM1のドレイン電圧)を使用した例を示したが、本発明に係る第1電位点は、電圧変換回路の高電位側の出力部から電流制御部(16)までの出力電流の電流経路上であればどこに設定されてもよい。また、上記実施形態では、出力電流の大きさを示す電流検出電圧として、ソース電圧V_MOS_Sを適用した例を示したが、電流検出電圧はこれに限らず、電流検出要素(電流検出抵抗など)が、出力電流経路上の別の箇所に設けられた場合には、そこから電流検出電圧を入力する構成としてもよい。
【0066】
また、DC/DCコンバータ13としては、上記実施形態に示したようなフライバック型に限定されず、フォワード型のコンバータさらにはトランスを有していない非絶縁型のスイッチング電源装置など、様々な変形例に適用することができる。
さらに、上記実施形態では、本発明を、発光ダイオードを駆動する電源装置に適用した例を示したが、本発明は、照明用の有機EL素子を駆動する電源装置、その他、任意の負荷を電流駆動する電源装置に広く利用することができる。
【符号の説明】
【0067】
10・・・電源装置、11・・・整流回路、12・・・調光調節手段、13・・・DC/DCコンバータ、14・・・一次側制御回路、15・・・発光ダイオード列(負荷)、16・・・定電流制御回路、16A・・・エラーアンプ(差動回路)、17・・・参照電圧調整回路、17A・・・第1コンパレータ、21・・・参照電圧生成回路、22・・・ダウン信号生成回路、22A・・・第2コンパレータ、22B・・・タイマー回路、22D・・・ANDゲート(論理回路)、23,24・・・分圧回路、AC・・・交流電源、Cout・・・出力コンデンサ、Cr・・・コンデンサ(電圧保持手段)、TR・・・トランス、M0・・・スイッチング素子、M1・・・電流制御用トランジスタ(電流制御手段)、Rs・・・電流検出抵抗、SW1,SW2・・・スイッチ、T1,T2・・・出力端子、I1,I2・・・定電流源、Iout・・・出力電流、Vref・・・参照電圧、VLED+,VLED-・・・出力電圧、V_MOS_S・・・ソース電圧(電流検出電圧)
図1
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