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特許7256390分析対象取得装置、分析対象取得方法及び分析対象取得プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-04
(45)【発行日】2023-04-12
(54)【発明の名称】分析対象取得装置、分析対象取得方法及び分析対象取得プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08C 15/00 20060101AFI20230405BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20230405BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20230405BHJP
【FI】
G08C15/00 E
H04Q9/00 311J
H04M11/00 301
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019158342
(22)【出願日】2019-08-30
(65)【公開番号】P2021039395
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】一角 健人
(72)【発明者】
【氏名】松田 一仁
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼馬 悟覚
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/110095(WO,A1)
【文献】特開2011-65470(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 15/00-15/12
H04Q 9/00- 9/16
H04M 11/00-11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のエッジにおいて収集された複数の分析対象データを取得する分析対象取得装置であって、
前記複数の分析対象データのうち、第1条件を満たす第1分析対象データを決定し、前記複数の分析対象データに対応するメタ情報を記憶した記憶部を参照して、決定した前記第1分析対象データのそれぞれが前記複数のエッジにおいて検出された位置を示す第1検出位置と前記複数のエッジにおいて検出された時間を示す第1検出時間とを特定する情報特定部と、
前記第1分析対象データのそれぞれに対応する特徴量を前記複数のエッジから取得する情報送受信部と、
前記第1分析対象データに含まれる各分析対象データ間における前記特徴量の相関係数をそれぞれ算出する係数算出部と、
前記第1分析対象データのうち、算出した前記相関係数が所定の関係を満たす分析対象データの前記第1検出位置の第1範囲と前記第1検出時間の第2範囲とをそれぞれ特定する範囲特定部と、を有し、
前記情報特定部は、前記複数の分析対象データのうち、第2条件を満たす第2分析対象データを決定し、前記記憶部を参照して、決定した前記第2分析対象データに対応する第2検出位置と第2検出時間とを特定し、さらに、
特定した前記第2検出位置が前記第1範囲に含まれ、かつ、特定した前記第2検出時間が前記第2範囲に対応する特定の分析対象データが前記第2分析対象データに含まれるか否かを判定する対象判定部と有し、
前記情報送受信部は、前記特定の分析対象データが含まれると判定した場合、前記特定の分析対象データのうちのいずれか1つを前記複数のエッジから取得する、
ことを特徴とする分析対象取得装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記情報送受信部は、前記第2分析対象データのうち、前記特定の分析対象データ以外の分析対象データのそれぞれを前記複数のエッジから取得する、
ことを特徴とする分析対象取得装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記情報送受信部は、前記特定の分析対象データが含まれないと判定した場合、前記第2分析対象データのそれぞれを前記複数のエッジから取得する、
ことを特徴とする分析対象取得装置。
【請求項4】
請求項1において、さらに、
前記情報送受信部は、前記複数のエッジから、前記複数の分析対象データのそれぞれの前記第1検出位置と前記第1検出時間とを含む前記メタ情報を取得し、
前記情報特定部は、取得した前記メタ情報を記憶した前記記憶部を参照することにより、前記第1検出位置と前記第1検出時間との特定を行う、
ことを特徴とする分析対象取得装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記第1検出位置は、前記第1分析対象データのそれぞれの検出緯度と検出経度とを含み、
前記第1範囲には、前記検出緯度の範囲と前記検出経度の範囲とが含まれる、
ことを特徴とする分析対象取得装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記範囲特定部は、前記第1分析対象データのうち、前記相関係数が所定の閾値以上である分析対象データの組合せに含まれる各分析対象データの前記第1検出位置の第1範囲と前記第1検出時間の第2範囲とをそれぞれ特定する、
ことを特徴とする分析対象取得装置。
【請求項7】
請求項1において、さらに、
前記情報特定部は、前記第1検出位置と前記第1検出時間とのうちの少なくとも1つに基づいて、前記第1分析対象データを複数のグループに振り分け、
前記係数算出部は、前記複数のグループに含まれる前記第1分析対象データごとに、前記相関係数の算出を行い、
前記範囲特定部は、前記複数のグループに含まれる前記第1分析対象データごとに、前記第1範囲と前記第2範囲との特定を行い、
前記対象判定部は、前記第2検出位置が前記複数のグループごとの前記第1範囲のいずれかに含まれ、かつ、前記第2検出時間が前記複数のグループごとの前記第2範囲のいずれかに対応する前記特定の分析対象データが、前記第2分析対象データに含まれるか否かを判定する、
ことを特徴とする分析対象取得装置。
【請求項8】
複数のエッジにおいて収集された複数の分析対象データを取得する処理をコンピュータに実行させる分析対象取得方法であって、
前記複数の分析対象データのうち、第1条件を満たす第1分析対象データを決定し、前記複数の分析対象データに対応するメタ情報を記憶した記憶部を参照して、決定した前記第1分析対象データのそれぞれが前記複数のエッジにおいて検出された位置を示す第1検出位置と前記複数のエッジにおいて検出された時間を示す第1検出時間とを特定し、
前記第1分析対象データのそれぞれに対応する特徴量を前記複数のエッジから取得し、
前記第1分析対象データに含まれる各分析対象データ間における前記特徴量の相関係数をそれぞれ算出し、
前記第1分析対象データのうち、算出した前記相関係数が所定の関係を満たす分析対象データの前記第1検出位置の第1範囲と前記第1検出時間の第2範囲とをそれぞれ特定し、
前記複数の分析対象データのうち、第2条件を満たす第2分析対象データを決定し、前記記憶部を参照して、決定した前記第2分析対象データに対応する第2検出位置と第2検出時間とを特定し、
特定した前記第2検出位置が前記第1範囲に含まれ、かつ、特定した前記第2検出時間が前記第2範囲に対応する特定の分析対象データが前記第2分析対象データに含まれるか否かを判定し、
前記特定の分析対象データが含まれると判定した場合、前記特定の分析対象データのうちのいずれか1つを前記複数のエッジから取得する、
ことを特徴とする分析対象取得方法。
【請求項9】
複数のエッジにおいて収集された複数の分析対象データを取得する処理をコンピュータに実行させる分析対象取得プログラムであって、
前記複数の分析対象データのうち、第1条件を満たす第1分析対象データを決定し、前記複数の分析対象データに対応するメタ情報を記憶した記憶部を参照して、決定した前記第1分析対象データのそれぞれが前記複数のエッジにおいて検出された位置を示す第1検出位置と前記複数のエッジにおいて検出された時間を示す第1検出時間とを特定し、
前記第1分析対象データのそれぞれに対応する特徴量を前記複数のエッジから取得し、
前記第1分析対象データに含まれる各分析対象データ間における前記特徴量の相関係数をそれぞれ算出し、
前記第1分析対象データのうち、算出した前記相関係数が所定の関係を満たす分析対象データの前記第1検出位置の第1範囲と前記第1検出時間の第2範囲とをそれぞれ特定し、
前記複数の分析対象データのうち、第2条件を満たす第2分析対象データを決定し、前記記憶部を参照して、決定した前記第2分析対象データに対応する第2検出位置と第2検出時間とを特定し、
特定した前記第2検出位置が前記第1範囲に含まれ、かつ、特定した前記第2検出時間が前記第2範囲に対応する特定の分析対象データが前記第2分析対象データに含まれるか否かを判定し、
前記特定の分析対象データが含まれると判定した場合、前記特定の分析対象データのうちのいずれか1つを前記複数のエッジから取得する、
ことを特徴とする分析対象取得プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析対象取得装置、分析対象取得方法及び分析対象取得プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、利用者にサービスを提供する事業者(以下、単に事業者とも呼ぶ)は、利用者に対してサービスの提供を行うための情報処理システムを構築して稼働させる。具体的に、事業者は、例えば、複数のエッジにおいてそれぞれ取得された分析対象データ(例えば、カメラによって撮影された動画データ、以下、単に分析対象とも呼ぶ)の解析を行う情報処理システムの構築を行う。
【0003】
このような情報処理システムにおいて、分析対象データの解析を行う管理装置(以下、単に管理装置とも呼ぶ)は、例えば、利用者から条件を受け付けた際に、その条件と合致する分析対象データを各エッジから取得する。そして、管理装置は、取得した分析対象データに基づいて必要な解析を行う。これにより、情報処理システムは、各エッジと管理装置間の通信量を抑制しながら、分析対象データの解析を行うことが可能になる。
【0004】
また、上記のような情報処理システムにおいて、管理装置は、例えば、各エッジにおいて取得された分析対象データの特徴を示す情報(以下、特徴量とも呼ぶ)を予め取得する。そして、管理装置は、取得した特徴量に基づいて、分析対象データを取得するエッジを特定する。具体的に、管理装置は、例えば、特徴量の相関のあるエッジごとにクラスタを生成し、生成したクラスタごとに分析対象データの取得を行うエッジを特定する。その後、管理装置は、利用者から受け付けた条件と合致する分析対象データを取得する際に、特定したエッジから分析対象データの取得を行う。これにより、情報処理システムは、冗長な内容の分析対象データが複数のエッジから取得されることの防止が可能になり、各エッジと管理装置間の通信量をより抑制することが可能になる(例えば、特許文献1乃至3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-130041号公報
【文献】国際公開第2017/098866号
【文献】特開2018-011122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、例えば、各エッジが時間の経過に伴って移動するものである場合、管理装置は、各クラスタに含まれるエッジの構成を頻繁に更新する必要がある。そのため、管理装置では、各エッジからの特徴量の取得を高い頻度で行う必要が生じ、取得する分析対象データの特定を必要な時間内に行うことができなくなる場合がある。
【0007】
そこで、一つの側面では、本発明は、取得する分析対象データの特定を効率的に行うことを可能とする分析対象取得装置、分析対象取得方法及び分析対象取得プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施の形態の一態様では、複数のエッジにおいて収集された複数の分析対象データを取得する分析対象取得装置であって、前記複数の分析対象データのうち、第1条件を満たす第1分析対象データを決定し、前記複数の分析対象データに対応するメタ情報を記憶した記憶部を参照して、決定した前記第1分析対象データのそれぞれが前記複数のエッジにおいて検出された位置を示す第1検出位置と前記複数のエッジにおいて検出された時間を示す第1検出時間とを特定する情報特定部と、前記第1分析対象データのそれぞれに対応する特徴量を前記複数のエッジから取得する情報送受信部と、前記第1分析対象データに含まれる各分析対象データ間における前記特徴量の相関係数をそれぞれ算出する係数算出部と、前記第1分析対象データのうち、算出した前記相関係数が所定の関係を満たす分析対象データの前記第1検出位置の第1範囲と前記第1検出時間の第2範囲とをそれぞれ特定する範囲特定部と、を有し、前記情報特定部は、前記複数の分析対象データのうち、第2条件を満たす第2分析対象データを決定し、前記記憶部を参照して、決定した前記第2分析対象データに対応する第2検出位置と第2検出時間とを特定し、さらに、特定した前記第2検出位置が前記第1範囲に含まれ、かつ、特定した前記第2検出時間が前記第2範囲に対応する特定の分析対象データが前記第2分析対象データに含まれるか否かを判定する対象判定部と有し、前記情報送受信部は、前記特定の分析対象データが含まれると判定した場合、前記特定の分析対象データのうちのいずれか1つを前記複数のエッジから取得する。
【発明の効果】
【0009】
一つの側面によれば、取得する分析対象データの特定を効率的に行うことを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、情報処理システム10の構成について説明する図である。
図2図2は、管理装置1が分析対象データの解析を行う際の具体例を示すシーケンスチャート図である。
図3図3は、エッジ2のハードウエア構成を説明する図である。
図4図4は、管理装置1のハードウエア構成を説明する図である。
図5図5は、エッジ2の機能のブロック図である。
図6図6は、管理装置1の機能のブロック図である。
図7図7は、第1の実施の形態における分析対象取得処理の概略を説明するフローチャート図である。
図8図8は、第1の実施の形態における分析対象取得処理の概略を説明するフローチャート図である。
図9図9は、第1の実施の形態における具体例を説明する図である。
図10図10は、第1の実施の形態における具体例を説明する図である。
図11図11は、第1の実施の形態における具体例を説明する図である。
図12図12は、第1の実施の形態における具体例を説明するシーケンスチャート図である。
図13図13は、第1の実施の形態における具体例を説明するシーケンスチャート図である。
図14図14は、第1の実施の形態における分析対象取得処理の詳細を説明するフローチャート図である。
図15図15は、第1の実施の形態における分析対象取得処理の詳細を説明するフローチャート図である。
図16図16は、第1の実施の形態における分析対象取得処理の詳細を説明するフローチャート図である。
図17図17は、第1の実施の形態における分析対象取得処理の詳細を説明するフローチャート図である。
図18図18は、第1の実施の形態における分析対象取得処理の詳細を説明するフローチャート図である。
図19図19は、第1の実施の形態における分析対象取得処理の詳細を説明するフローチャート図である。
図20図20は、第1の実施の形態における分析対象取得処理の詳細を説明するフローチャート図である。
図21図21は、第1の実施の形態における分析対象取得処理の詳細を説明するフローチャート図である。
図22図22は、メタ情報232の具体例について説明する図である。
図23図23は、範囲情報131の具体例について説明する図である。
図24図24は、範囲情報131の具体例について説明する図である。
図25図25は、範囲情報131が示す範囲の概念を説明する図である。
図26図26は、範囲情報131が示す範囲の概念を説明する図である。
図27図27は、メタ情報232の具体例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[情報処理システムの構成]
初めに、情報処理システム10の構成について説明を行う。図1は、情報処理システム10の構成について説明する図である。
【0012】
図1に示すように、情報処理システム10は、例えば、クラウド上に配置された管理装置1(以下、分析対象取得装置1とも呼ぶ)と、エッジ2a、2b、2c及び2d(以下、これらを総称して単にエッジ2とも呼ぶ)とを含む。各エッジ2は、例えば、移動可能な自動車であり、分析対象データを撮影するためのカメラ(図示しない)を搭載している。そして、各エッジ2は、図1に示すように、例えば、ネットワークNWを介した有線通信とアクセスポイント3を介した無線通信とを行うことによって、管理装置1とアクセスを行う。なお、以下、4台のエッジ2(エッジ2a、2b、2c及び2d)が含まれる場合について説明を行うが、情報処理システム10は、4台以外の台数のエッジ2を有するものであってもよい。
【0013】
図1に示す例において、管理装置1は、利用者から条件を受け付けた際に、その条件と合致する分析対象データを各エッジ2から取得して解析を行う。以下、管理装置1が分析対象データの解析を行う際の具体例について説明を行う。
【0014】
[分析対象データの解析を行う際の具体例]
図2は、管理装置1が分析対象データの解析を行う際の具体例を示すシーケンスチャート図である。
【0015】
管理装置1は、各エッジ2(エッジ2a、2b、2c及び2d)において取得された分析対象データの特徴量を定期的に取得する。すなわち、管理装置1は、各エッジ2が生成した特徴量の取得を行う。
【0016】
具体的に、管理装置1は、例えば、各分析対象データに映し出された人の数を特徴量として定期的に取得する。さらに具体的に、管理装置1は、例えば、各エッジ2が交差点において撮影した動画データ(分析対象データ)に映っている人のうち、歩道を歩行している人の数を特徴量として取得する。そして、管理装置1は、例えば、取得した特徴量に基づいて、分析対象データを取得するエッジ2を定期的に特定する。具体的に、管理装置1は、例えば、特徴量の相関のあるエッジ2ごとにクラスタを生成し、生成したクラスタごとに分析対象データの取得を行う各エッジ2を特定する。
【0017】
その後、利用者の操作端末(図示しない)から分析要求(以下、条件とも呼ぶ)を受け付けた場合、管理装置1は、予め特定した各エッジ2(図2に示す例ではエッジ2b)に対し、受け付けた条件に合致する分析対象データの送信要求を送信する。そして、分析対象データの送信要求を受信したエッジ2は、受信した送信要求に対応する分析対象データを管理装置1に送信する。さらに、管理装置1は、各エッジ2から受信した分析対象データに基づいて必要な解析を行い、その解析結果を利用者の操作端末に送信する。
【0018】
これにより、情報処理システム10は、冗長な内容の分析対象データが複数のエッジ2から取得されることの防止が可能になり、各エッジ2と管理装置1間の通信量をより抑制することが可能になる。
【0019】
ここで、例えば、各エッジ2が時間の経過に伴って移動するものである場合、管理装置1は、各クラスタに含まれるエッジ2の構成を頻繁に更新する必要がある。そのため、管理装置1では、この場合、各エッジ2からの特徴量の取得を高い頻度で行う必要が生じ、取得する分析対象データの特定を必要な時間内に行うことができなくなる。
【0020】
そこで、本実施の形態における管理装置1は、各エッジ2において検出された複数の分析対象データのうち、例えば、利用者によって指定された分析要求に対応する条件(以下、第1条件とも呼ぶ)を満たす分析対象データ(以下、第1分析対象データとも呼ぶ)を決し、決定した第1分析対象データのそれぞれが各エッジ2において検出された位置(以下、検出位置または第1検出位置とも呼ぶ)と各エッジ2において検出された時間(以下、検出時間または第1検出時間とも呼ぶ)とを特定する。そして、管理装置1は、第1分析対象データのそれぞれに対応する特徴量を複数のエッジ2から取得する。
【0021】
続いて、管理装置1は、第1分析対象データに含まれる各分析対象データ間における特徴量の相関係数をそれぞれ算出する。そして、管理装置1は、第1分析対象データのうち、算出した相関係数が所定の関係を満たす分析対象データの検出位置の範囲(以下、第1範囲とも呼ぶ)と検出時間の範囲(以下、第2範囲とも呼ぶ)とをそれぞれ特定する。
【0022】
その後、管理装置1は、各エッジ2において検出された複数の分析対象データのうち、例えば、利用者によって指定された他の分析要求に対応する条件(以下、第2条件とも呼ぶ)を満たす分析対象データ(以下、第2分析対象データとも呼ぶ)の新たな検出位置(以下、第2検出位置とも呼ぶ)と新たな検出時間(以下、第2検出時間とも呼ぶ)とを特定する。そして、管理装置1は、特定した新たな検出位置が第1範囲に含まれ、かつ、特定した新たな検出時間が第2範囲に対応する分析対象データ(以下、第3分析対象データまたは特定の分析対象データとも呼ぶ)が、第2分析対象データに含まれるか否かを判定する。その結果、第3分析対象データが含まれると判定した場合、管理装置1は、第3分析対象データのうちのいずれか1つを複数のエッジ2から取得する。
【0023】
すなわち、管理装置1は、分析対象データの取得を行うエッジ2の特定を、同一のクラスタに含まれる他のエッジ2との関係ではなく、各分析対象データの検出位置及び検出時間との関係に基づいて行う。
【0024】
これにより、管理装置1は、各エッジ2が時間の経過に伴って移動するものであり、各クラスタに含まれるエッジの構成が頻繁に更新されるものであっても、各エッジ2からの特徴量の取得頻度を上げることなく、取得する分析対象データの特定を行うことが可能になる。そのため、管理装置1は、取得する分析対象データの特定を必要な時間内に行うことが可能になる。
【0025】
[情報処理システムのハードウエア構成]
次に、情報処理システム10のハードウエア構成について説明する。図3は、エッジ2のハードウエア構成を説明する図である。また、図4は、管理装置1のハードウエア構成を説明する図である。
【0026】
初めに、エッジ2のハードウエア構成について説明を行う。
【0027】
エッジ2は、図3に示すように、プロセッサであるCPU201と、メモリ202と、通信装置203と、記憶媒体204とを有する。各部は、バス205を介して互いに接続される。
【0028】
記憶媒体204は、例えば、分析対象データを取得する処理(以下、分析対象取得処理とも呼ぶ)を行うためのプログラム210を記憶するプログラム格納領域(図示しない)を有する。また、記憶媒体204は、例えば、分析対象取得処理を行う際に用いられる情報を記憶する記憶部230(以下、情報格納領域230とも呼ぶ)を有する。なお、記憶媒体204は、例えば、HDDやSSD(Solid State Drive)であってよい。
【0029】
CPU201は、記憶媒体204からメモリ202にロードされたプログラム210を実行して分析対象取得処理を行う。
【0030】
また、通信装置203は、例えば、WiFi(登録商標:Wireless Fidelity)等を利用することにより、アクセスポイント3と無線通信を行う。
【0031】
次に、管理装置1のハードウエア構成について説明を行う。
【0032】
管理装置1は、図4に示すように、プロセッサであるCPU101と、メモリ102と、通信装置103と、記憶媒体104とを有する。各部は、バス105を介して互いに接続される。
【0033】
記憶媒体104は、例えば、分析対象取得処理を行うためのプログラム110を記憶するプログラム格納領域(図示しない)を有する。また、記憶媒体104は、例えば、分析対象取得処理を行う際に用いられる情報を記憶する記憶部130(以下、情報格納領域130とも呼ぶ)を有する。なお、記憶媒体104は、例えば、HDDやSSDであってよい。
【0034】
CPU101は、記憶媒体104からメモリ102にロードされたプログラム110を実行して分析対象取得処理を行う。
【0035】
また、通信装置103は、例えば、ネットワークNWを介してアクセスポイント3との有線通信を行う。
【0036】
[情報処理システムの機能]
次に、情報処理システム10の機能について説明を行う。図5は、エッジ2の機能のブロック図である。また、図6は、管理装置1の機能のブロック図である。
【0037】
初めに、エッジ2の機能のブロック図について説明を行う。
【0038】
エッジ2は、図5に示すように、例えば、CPU201やメモリ202等のハードウエアとプログラム210とが有機的に協働することにより、動画撮像部211と、情報生成部212と、情報送信部213と、情報受信部214と、特徴量抽出部215とを含む各種機能を実現する。
【0039】
また、エッジ2は、例えば、図5に示すように、分析対象データ231(動画データ231)と、メタ情報232と、特徴量233とを記憶する。
【0040】
動画撮像部211は、各エッジ2に搭載されたカメラ(図示しない)によって撮影された分析対象データ231を取得して情報格納領域230に記憶する。
【0041】
情報生成部212は、各分析対象データ231の検出位置(例えば、検出緯度及び検出経度)と検出時間とを含むメタ情報232を生成する。具体的に、情報生成部212は、動画撮像部211が分析対象データ231を取得したことに応じて、その分析対象データ231に対応するメタ情報232を生成する。そして、情報生成部212は、生成したメタ情報232を情報格納領域230に記憶する。
【0042】
情報送信部213は、情報生成部212がメタ情報232を生成したことに応じて、そのメタ情報232を管理装置1に送信する。
【0043】
情報受信部214は、管理装置1から送信された特徴量233の送信要求を受信する。
【0044】
特徴量抽出部215は、情報受信部214が特徴量233の送信要求を受信したことに応じて、その送信要求に対応する特徴量233を抽出する。具体的に、特徴量抽出部215は、情報格納領域230に記憶した分析対象データ231のうち、情報受信部214が受信した送信要求に対応する分析対象データ231を特定する。そして、特徴量抽出部215は、特定した分析対象データ231から特徴量233の抽出を行う。その後、情報送信部213は、特徴量抽出部215が抽出した特徴量233を管理装置1に送信する。
【0045】
また、情報受信部214は、管理装置1から送信された分析対象データ231の送信要求を受信する。そして、情報送信部213は、この場合、情報格納領域230に記憶した分析対象データ231のうち、情報受信部214が受信した送信要求に対応する分析対象データ231を管理装置1に送信する。
【0046】
次に、管理装置1の機能のブロック図について説明を行う。
【0047】
管理装置1は、図6に示すように、例えば、CPU101やメモリ102等のハードウエアとプログラム110とが有機的に協働することにより、情報受信部111と、情報特定部112と、情報送信部113と、係数算出部114と、範囲特定部115と、対象判定部116と、対象特定部117とを含む各種機能を実現する。なお、以下、情報受信部111と情報送信部113とを総称して情報送受信部とも呼ぶ。
【0048】
また、管理装置1は、例えば、図6に示すように、分析対象データ231と、メタ情報232と、特徴量233と、範囲情報131とを情報格納領域130に記憶する。
【0049】
情報受信部111は、各エッジ2から送信されたメタ情報232を受信する。そして、情報受信部111は、受信したメタ情報232を情報格納領域130に記憶する。また、情報受信部111は、例えば、利用者が操作端末(図示しない)を介して入力した第1条件を受信する。第1条件は、例えば、検出位置の範囲及び検出時間の範囲を含む条件である。
【0050】
情報特定部112は、情報格納領域130に記憶したメタ情報232を参照し、情報受信部111が受信した第1条件に対応する分析対象データ231(以下、第1分析対象データ231aとも呼ぶ)を特定し、さらに、特定した第1分析対象データ231aに対応する検出位置及び検出時間を特定する。
【0051】
情報送信部113は、情報格納領域130に記憶したメタ情報232を参照し、情報特定部112が特定した第1分析対象データ231aのそれぞれを保持するエッジ2を特定する。そして、情報送信部113は、特定した各エッジ2に対し、各エッジ2が保持する分析対象データ231に対応する特徴量233の送信要求を送信する。
【0052】
その後、情報受信部111は、情報送信部113が特徴量233の送信要求を送信したエッジ2が送信した特徴量233を受信する。そして、情報受信部111は、受信した特徴量233を情報格納領域130に記憶する。
【0053】
係数算出部114は、情報受信部111が受信した特徴量233を用いることによって、第1分析対象データ231aに含まれる各分析対象データ231間における特徴量233の相関係数をそれぞれ算出する。
【0054】
範囲特定部115は、第1分析対象データ231aのうち、係数算出部114が算出した相関係数が所定の関係を満たす分析対象データ231の検出位置の第1範囲と検出時間の第2範囲とをそれぞれ特定する。具体的に、範囲特定部115は、例えば、係数算出部114が算出した相関係数が所定の関係を満たす分析対象データ231ごとにクラスタを生成する。そして、範囲特定部115は、生成したクラスタごとに、各クラスタに含まれる分析対象データ231の検出位置の第1範囲と検出時間の第2範囲とをそれぞれ特定する。
【0055】
その後、情報受信部111は、例えば、利用者が操作端末(図示しない)を介して入力した第2条件を受信する。第2条件は、例えば、第1条件と同様に、検出位置の範囲及び検出時間の範囲を含む条件である。そして、情報特定部112は、情報格納領域130に記憶したメタ情報232を参照し、情報受信部111が受信した第2条件に対応する分析対象データ231(以下、第2分析対象データ231bとも呼ぶ)を特定し、さらに、特定した第2分析対象データ231bに対応する検出位置及び検出時間を特定する。
【0056】
対象判定部116は、情報特定部112が特定した新たな検出位置が第1範囲に含まれ、かつ、新たな検出時間が第2範囲に対応する分析対象データ231(以下、第3分析対象データ231cとも呼ぶ)が、第2分析対象データ231bに含まれるか否かを判定する。
【0057】
対象特定部117は、第3分析対象データ231cが含まれると対象判定部116によって判定された場合、第3分析対象データ231cのうちのいずれか1つを複数のエッジ2から取得する。
【0058】
[第1の実施の形態の概略]
次に、第1の実施の形態の概略について説明する。図7及び図8は、第1の実施の形態における分析対象取得処理の概略を説明するフローチャート図である。
【0059】
管理装置1は、図7に示すように、複数の分析対象データ231のうち、第1条件を満たす第1分析対象データ231aを特定する(S11)。具体的に、管理装置1は、例えば、利用者が操作端末(図示しない)を介して第1条件の入力を行ったことに応じて、第1分析対象データ231aの特定を行う。
【0060】
そして、管理装置1は、S11の処理で特定した第1分析対象データ231aのそれぞれの検出位置と検出時間とを特定する(S12)。
【0061】
続いて、管理装置1は、S11の処理で特定した第1分析対象データ231aのそれぞれに対応する特徴量233を複数のエッジ2から取得する(S13)。
【0062】
次に、管理装置1は、S13の処理で取得した特徴量233に基づいて、S11の処理で特定した第1分析対象データ231aに含まれる各分析対象データ231間における特徴量233の相関係数をそれぞれ算出する(S14)。
【0063】
さらに、管理装置1は、S12の処理で特定した検出位置と検出時間に基づいて、S11の処理で特定した第1分析対象データ231aのうち、S14の処理で算出した相関係数が所定の関係を満たす分析対象データ231の検出位置の第1範囲と検出時間の第2範囲とをそれぞれ特定する(S15)。具体的に、管理装置1は、S11の処理で特定した第1分析対象データ231aのうち、S14の処理で算出した相関係数が所定の閾値以上である分析対象データ231の検出位置の第1範囲と検出時間の第2範囲とをそれぞれ特定する。
【0064】
その後、管理装置1は、図8に示すように、複数の分析対象データ231のうち、第2条件を満たす第2分析対象データ231bを特定する(S21)。具体的に、管理装置1は、例えば、利用者が操作端末(図示しない)を介して第2条件の入力を行ったことに応じて、第2分析対象データ231bの特定を行う。
【0065】
そして、管理装置1は、S21の処理で特定した第2分析対象データ231bのそれぞれの検出位置と検出時間とを特定する(S22)。
【0066】
続いて、管理装置1は、S22の処理で特定した検出位置がS15の処理で特定した第1範囲に含まれ、かつ、S22の処理で特定した検出時間がS15の処理で特定した第2範囲に対応する第3分析対象データ231cが、S21の処理で特定した第2分析対象データ231bに含まれるか否かを判定する(S23)。
【0067】
その結果、S21の処理で特定した第2分析対象データ231bに第3分析対象データ231cが含まれると判定した場合(S24のYES)、管理装置1は、S23の処理で含まれると判定した第3分析対象データ231cのうちのいずれか1つを複数のエッジ2から取得する(S25)。
【0068】
これにより、管理装置1は、各エッジ2が時間の経過に伴って移動するものであり、各クラスタに含まれるエッジ2の構成が頻繁に更新されるものであっても、各エッジ2からの特徴量の取得頻度を上げることなく、取得する分析対象データ231の特定を行うことが可能になる。そのため、管理装置1は、取得する分析対象データ231の特定を必要な時間内に行うことが可能になる。
【0069】
[第1の実施の形態の具体例]
次に、第1の実施の形態における具体例について説明を行う。図9から図11は、第1の実施の形態における具体例を説明する図である。また、図12及び図13は、第1の実施の形態における具体例を説明するシーケンスチャート図である。
【0070】
管理装置1は、図9及び図12に示すように、例えば、利用者から第1条件の入力があった場合、第1条件に合致する第1分析対象データ231aを保持するエッジ2a、2b、2c及び2dから特徴量233をそれぞれ取得する(S11からS13)。
【0071】
そして、管理装置1は、図10及び図12に示すように、S13の処理で取得した特徴量233から第1範囲及び第2範囲の特定を行う(S14、S15)。
【0072】
その後、管理装置1は、図11及び図13に示すように、例えば、利用者から第2条件の入力があった場合、特定済の第1範囲及び第2範囲を用いることによって、第2分析対象データ231bから第3分析対象データ231cを特定する(S23)。
【0073】
その結果、管理装置1は、第3分析対象データ231cが存在する場合、存在した第3分析対象データ231cのうちの1つ(図11に示す例ではエッジ2cが保持する第3分析対象データ231c)を特定する。そして、管理装置1は、特定した第3分析対象データ231cのうちの1つを取得する。
【0074】
すなわち、第1範囲及び第2範囲は、相関係数が所定の関係を満たす分析対象データ231の検出位置及び検出時間に基づいて特定された範囲である。そのため、検出時間が第1範囲に含まれ、かつ、検出位置が第2範囲に対応する複数の分析対象データ231が存在する場合、これらの分析対象データ231は、内容が類似しているものと判断できる。従って、管理装置1は、この場合、存在した複数の分析対象データ231のうちの1つのみを取得することによって、内容が類似する分析対象データ231の取得が重複して行われないように制御することが可能になる。
【0075】
そこで、管理装置1は、例えば、第1条件(1回目の分析要求)が入力された場合、第1条件に対応する第1分析対象データ231aの特徴量233を取得することによって第1範囲及び第2範囲の特定を行う。そして、管理装置1は、第2条件(2回目以降の分析要求)が入力された場合、特定済の第1範囲及び第2範囲を用いることによって、取得する分析対象データ231の特定を行う。
【0076】
これにより、管理装置1は、2回目以降の分析要求の入力時において、各エッジ2からの特徴量233の取得を行う必要がなくなる。そのため、管理装置1は、各エッジ2から特徴量233を取得する頻度を抑制することが可能になり、取得する分析対象データ231の特定に要する時間を短縮させることが可能になる。
【0077】
なお、第2分析対象データ231bのうち、第3分析対象データ231cとして特定されなかった分析対象データ231のそれぞれは、他の分析対象データ231と内容が類似しないと判定された分析対象データ231である。そのため、管理装置1は、第2分析対象データ231bに含まれる第3分析対象データ231c以外の分析対象データ231のそれぞれについては、各エッジ2から全て取得する必要がある。
【0078】
その後、管理装置1は、図13に示すように、各エッジ2から取得した分析対象データ231のそれぞれに基づいて分析を行い、その分析結果を利用者の操作端末(図示しない)に送信する。
【0079】
[第1の実施の形態の詳細]
次に、第1の実施の形態の詳細について説明する。図14から図21は、第1の実施の形態における分析対象取得処理の詳細を説明するフローチャート図である。また、図22から図27は、第1の実施の形態における分析対象取得処理の詳細を説明する図である。
【0080】
[各エッジにおいて行われる分析対象取得処理]
初めに、各エッジ2において行われる分析対象取得処理について説明を行う。図14から図16は、各エッジ2において行われる分析対象取得処理を説明するフローチャート図である。以下、エッジ2aにおいて行われる処理について説明を行う。なお、エッジ2a以外のエッジ2において行われる処理については、エッジ2aにおいて行われる処理と同じであるため説明を省略する。
【0081】
エッジ2aの動画撮像部211は、図14に示すように、カメラ(図示しない)によって撮影された分析対象データ231を取得する(S111)。
【0082】
そして、動画撮像部211は、この場合、S111の処理で取得した分析対象データ231を情報格納領域230に記憶する(S112)。
【0083】
続いて、エッジ2aの情報生成部212は、S111の処理で取得した分析対象データ231に対応するメタ情報232を生成する(S113)。具体的に、情報生成部212は、カメラによって新たな分析対象データ231が撮影されるごとに、その新たな分析対象データ231に対応するメタ情報232の生成を行う。メタ情報232の具体例については後述する。
【0084】
その後、エッジ2aの情報送信部213は、S113の処理で生成したメタ情報232を管理装置1に送信する(S114)。
【0085】
また、エッジ2aの情報受信部214は、図15に示すように、各分析対象データ231に対応する特徴量233の送信要求を管理装置1から受信する(S121)。
【0086】
そして、エッジ2aの特徴量抽出部215は、この場合、情報格納領域230に記憶された分析対象データ231のうち、S121の処理で受信した送信要求に対応する分析対象データ231を特定する(S122)。
【0087】
続いて、特徴量抽出部215は、S122の処理で特定した分析対象データ231から、各分析対象データ231に対応する特徴量233を抽出する(S123)。
【0088】
その後、情報送信部213は、S123の処理で抽出した特徴量233を管理装置1に送信する(S124)。
【0089】
また、情報受信部214は、図16に示すように、分析対象データ231の送信要求を管理装置1から受信する(S131)。
【0090】
そして、特徴量抽出部215は、この場合、情報格納領域230に記憶された分析対象データ231のうち、S131の処理で受信した送信要求に対応する分析対象データ231を特定する(S132)。
【0091】
その後、情報送信部213は、S132の処理で特定した分析対象データ231を管理装置1に送信する(S133)。
【0092】
[管理装置において行われる分析対象取得処理]
次に、管理装置1において行われる分析対象取得処理について説明を行う。図17から図21は、管理装置1において行われる分析対象取得処理を説明するフローチャート図である。
【0093】
管理装置1の情報受信部111は、図17に示すように、各エッジ2から送信されたメタ情報232を受信する(S141)。
【0094】
そして、情報受信部111は、この場合、S141の処理で受信したメタ情報232を情報格納領域130に記憶する(S142)。以下、メタ情報232の具体例について説明を行う。
【0095】
[メタ情報の具体例]
図22及び図27は、メタ情報232の具体例について説明する図である。具体的に、図22は、情報格納領域130に記憶されたメタ情報232のうち、S151の処理で特定した第1分析対象データ231aに対応するメタ情報232の具体例である。なお、以下、各エッジ2において撮影される分析対象データ231のそれぞれが1秒の動画データであるものとして説明を行う。また、以下、各エッジ2は、メタ情報232の生成を分析対象データ231ごとに行うものとして説明を行う。
【0096】
図22等に示すメタ情報232は、メタ情報232に含まれる各情報を識別する「項番」と、各分析対象データ231を検出したエッジ2の識別情報が記憶される「エッジID」と、各分析対象データ231が検出された位置の緯度が記憶される「検出緯度」と、各分析対象データ231が検出された位置の経度が記憶される「検出経度」と、各分析対象データ231が検出された時間(時刻)が記憶される「検出時間」とを項目として有する。
【0097】
具体的に、図22に示すメタ情報232において、「項番」が「1」である情報には、「エッジID」として「E135」が記憶され、「検出緯度」として「35.680」が記憶され、「検出経度」として「139.767」が記憶され、「検出時間」として「12:02:14」が記憶されている。
【0098】
また、図22に示すメタ情報232において、「項番」が「2」である情報には、「エッジID」として「E046」が記憶され、「検出緯度」として「35.683」が記憶され、「検出経度」として「139.765」が記憶され、「検出時間」として「12:02:29」が記憶されている。図22に含まれる他の情報についての説明は省略する。
【0099】
図18に戻り、管理装置1の情報特定部112は、情報格納領域130に記憶したメタ情報232を参照し、第1条件を満たす第1分析対象データ231aを特定する(S151)。情報特定部112は、例えば、利用者が操作端末(図示しない)を介して第1条件の入力を行ったことに応じて、第1分析対象データ231aの特定を行う。
【0100】
具体的に、情報特定部112は、例えば、図22で説明したメタ情報232を参照し、「検出緯度」、「検出経度」及び「検出時間」のそれぞれに記憶された情報が第1条件の範囲に含まれる情報を特定する。そして、情報特定部112は、特定した情報の「エッジID」に記憶された情報を特定することによって、第1分析対象データ231aの特定を行う。
【0101】
そして、管理装置1の情報送信部113は、各エッジ2に対し、S151の処理で特定した第1分析対象データ231aに対応する特徴量233の送信要求を送信する(S152)。そして、特徴量233の送信要求を受信したエッジ2は、この場合、図15で説明した処理を行う。
【0102】
その後、情報受信部111は、各エッジ2から、S151の処理で特定した第1分析対象データ231aに対応する特徴量233を受信する(S153)。
【0103】
そして、係数算出部114は、S151の処理で特定した第1分析対象データ231aに含まれる各分析対象データ231間における特徴量233の相関係数をそれぞれ算出する(S154)。
【0104】
具体的に、係数算出部114は、例えば、緯度及び経度を1つの値に変換する関数であるGeohashを用いることにより、各分析対象データ231に対応する検出緯度及び検出経度を1つの値(以下、特定値とも呼ぶ)に変換する。そして、係数算出部114は、例えば、X軸、Y軸及びZ軸のそれぞれを特定値、検出時間及び特徴量として3次元空間に対し、各分析対象データ231の特定値と検出時間と特徴量(例えば、分析対象データ231に映し出された人の数)とに対応する点を3次元空間にプロットする。その後、係数算出部114は、例えば、各分析対象データ231に対応する各点間の距離を、各分析対象データ231間における相関係数として算出する。
【0105】
続いて、管理装置1の範囲特定部115は、図19に示すように、S151の処理で特定した第1分析対象データ231aのうち、S154の処理で算出した相関係数が所定の閾値以上である2以上の分析対象データ231の組合せを特定する(S161)。
【0106】
さらに、範囲特定部115は、S161の処理で特定した組合せに含まれる各分析対象データ231の検出位置の範囲を第1範囲として特定する(S162)。また、範囲特定部115は、S161の処理で特定した組合せに含まれる各分析対象データ231の検出時間の範囲に対して所定の範囲を第2範囲として特定する(S163)。
【0107】
そして、範囲特定部115は、S162及びS163の処理で特定した第1範囲及び第2範囲を示す範囲情報131を生成する(S164)。
【0108】
その後、範囲特定部115は、S164の処理で生成した範囲情報131を情報格納領域130に記憶する(S165)。
【0109】
なお、S161の処理において複数の組合せが特定された場合、範囲特定部115は、特定した組合せごとにS162からS165の処理を行う。以下、範囲情報131の具体例について説明を行う。
【0110】
[範囲情報の具体例]
図23及び図24は、範囲情報131の具体例について説明する図である。また、図25及び図26は、範囲情報131が示す範囲の概念を説明する図である。なお、以下、図22で説明したメタ情報232に含まれる「項番」が「1」、「2」、「4」及び「5」である情報が、S161の処理において相関関係が所定の閾値以上であった分析対象データ231の組合せに対応する情報であるものとして説明を行う。
【0111】
図23に示す範囲情報131は、第1範囲に含まれる検出緯度の範囲が記憶される「検出緯度」と、第1範囲に含まれる検出経度の範囲が記憶される「検出経度」と、第2範囲に対応する時間が記憶される「検出時間」とを項目として有する。
【0112】
具体的に、図22で説明したメタ情報232において、「項番」が「1」、「2」、「4」及び「5」である情報の「検出緯度」には、「35.680」、「35.683」、「35.679」及び「35.681」がそれぞれ記憶されている。そのため、範囲特定部115は、図23に示すように、これらの情報のうちの最小の値である「35.679」から最大の値である「35.683」までの範囲を、範囲情報131のうちの「検出緯度」に設定する。
【0113】
また、図22で説明したメタ情報232において、「項番」が「1」、「2」、「4」及び「5」である情報の「検出経度」には、「139.767」、「139.765」、「139.766」及び「139.765」がそれぞれ記憶されている。そのため、範囲特定部115は、図23に示すように、これらの情報のうちの最小の値である「139.765」から最大の値である「139.767」までの範囲を、範囲情報131のうちの「検出経度」に設定する。
【0114】
さらに、図22で説明したメタ情報232において、「項番」が「1」、「2」、「4」及び「5」である情報の「検出時間」には、「12:02:14」、「12:02:29」、「12:02:45」及び「12:02:12」がそれぞれ記憶されている。そのため、範囲特定部115は、例えば、図23に示すように、これらの情報のうちの最小の値である「12:02:12」から最大の値である「12:02:45」までの経過時間である「33(秒)」を、範囲情報131のうちの「検出時間」に設定する。
【0115】
なお、範囲特定部115は、S162の処理において、S161の処理で特定した分析対象データ231の検出位置の範囲に所定の範囲を追加した範囲を、第1範囲として特定するものであってもよい。また、範囲特定部115は、S163の処理において、S161の処理で特定した分析対象データ231の検出時間の範囲に所定の範囲を追加した範囲を、第2範囲として特定するものであってもよい。
【0116】
具体的に、範囲特定部115は、図24に示すように、「35.679」よりも小さい「35.677」から「35.683」よりも大きい「35.685」までの範囲を、範囲情報131のうちの「検出緯度」に設定するものであってもよい。
【0117】
また、範囲特定部115は、「139.765」よりも小さい「139.763」から「139.767」よりも大きい「139.769」までの範囲を、範囲情報131のうちの「検出経度」に設定するものであってもよい。
【0118】
さらに、範囲特定部115は、「12:02:12」よりも小さい「12:02:10」から「12:02:45」よりも大きい「12:02:47」までの経過時間である「37(秒)」を、範囲情報131のうちの「検出時間」に設定するものであってもよい。
【0119】
次に、範囲情報131が示す範囲の概念について説明を行う。
【0120】
図25は、X軸、Y軸及びZ軸のそれぞれを検出緯度、検出経度及び検出時間とした3次元空間に対し、図22で説明したメタ情報232に含まれる情報(各分析対象データ231に対応する情報)の点をプロットしたグラフである。また、図26は、図25に示すグラフに対し、図24で説明した範囲情報131に対応する範囲(以下、空間SP01とも呼ぶ)を重ね合わせたグラフである。
【0121】
具体的に、図25において、点F01、F02、F03、F04、F05、F06及びF07は、図22で説明したメタ情報232における「項番」が「1」から「7」である情報のそれぞれに対応する点である。
【0122】
また、図26において、「lat1」及び「lat2」は、例えば、図24で説明した範囲情報131の「検出緯度」に記憶された「35.677」及び「35.685」のそれぞれが対応する。同様に、図26において、「lot1」及び「lot2」は、例えば、図24で説明した範囲情報131の「検出経度」に記憶された「139.763」及び「139.769」のそれぞれが対応する。さらに、図26において、「t1」及び「t2」は、例えば、図24で説明した範囲情報131の「検出時間」に記憶された「37(秒)」の算出に用いられた「12:02:10」及び「12:02:47」のそれぞれが対応する。
【0123】
そして、例えば、利用者が2回目以降に指定した新たな条件(第2条件)に対応する複数の分析対象データ231が空間SP01に含まれる場合、管理装置1は、空間SP01に含まれる複数の分析対象データ231のうちの1つのみをエッジ2から取得する。
【0124】
ここで、図24等で説明した範囲情報131の「検出時間」には、図22で説明したメタ情報232の「検出時間」に記憶されている情報のうちの最小の時間から最大の時間までの範囲(すなわち、図26に示すt1からt2までの範囲)に代えて、この最小の値から最大の値までの経過時間が記憶されている。
【0125】
これにより、管理装置1は、後述するように、第1条件と検出時間が異なる第2条件が入力された場合であっても、第2条件に対応する分析対象データ231の取得を行う際に、特定済の第1範囲及び第2範囲を用いることが可能になる。そのため、管理装置1は、特定済の第1範囲及び第2範囲が利用される確率を高めることが可能になり、第2条件に対応する分析対象データ231の取得をより効率的に行うことが可能になる。
【0126】
図20に戻り、情報特定部112は、情報格納領域130に記憶したメタ情報232を参照し、第2条件を満たす第2分析対象データ231bを特定する(S171)。情報特定部112は、例えば、利用者が操作端末(図示しない)を介して第2条件の入力を行ったことに応じて、第2分析対象データ231bの特定を行う。
【0127】
そして、管理装置1の対象判定部116は、例えば、第2条件に含まれる検出位置がS162の処理で特定した第1範囲に含まれるか否かを判定する(S172)。すなわち、対象判定部116は、第2条件に対応する分析対象データ231の取得を行う前に、利用可能な第1範囲及び第2範囲が特定済であるか否かについての判定を行う。
【0128】
なお、対象判定部116は、例えば、第2条件に含まれる検出位置(検出位置の範囲)に、S162の処理で特定した第1範囲が完全に含まれていない場合であっても、第2条件に含まれる検出位置と、S162の処理で特定した第1範囲との一致割合が所定の閾値以上である場合、第2条件に含まれる検出位置がS162の処理で特定した第1範囲に含まれていると判定するものであってもよい。
【0129】
その結果、第2条件に含まれる検出位置がS162の処理で特定した第1範囲に含まれると判定した場合(S172のYES)、対象判定部116は、情報格納領域130に記憶した範囲情報131を参照し、S171の処理で特定した第2分析対象データ231bに、メタ情報232に含まれる検出位置が第1範囲に含まれ、かつ、検出時間が第2範囲に対応する第3分析対象データ231cが存在するか否かを判定する(S173)。以下、S173の処理の具体例について説明を行う。
【0130】
[S173の処理の具体例]
図27は、情報格納領域130に記憶されたメタ情報232のうち、S171の処理で特定した第2分析対象データ231bに対応するメタ情報232の具体例である。
【0131】
具体的に、図27に示すメタ情報232において、「項番」が「1」である情報には、「エッジID」として「E321」が記憶され、「検出緯度」として「35.682」が記憶され、「検出経度」として「139.766」が記憶され、「検出時間」として「15:33:03」が記憶されている。
【0132】
また、図27に示すメタ情報232において、「項番」が「2」である情報には、「エッジID」として「E023」が記憶され、「検出緯度」として「35.679」が記憶され、「検出経度」として「139.767」が記憶され、「検出時間」として「15:33:51」が記憶されている。
【0133】
また、図27に示すメタ情報232において、「項番」が「3」である情報には、「エッジID」として「E321」が記憶され、「検出緯度」として「35.666」が記憶され、「検出経度」として「139.780」が記憶され、「検出時間」として「15:33:28」が記憶されている。
【0134】
さらに、図27に示すメタ情報232において、「項番」が「4」である情報には、「エッジID」として「E146」が記憶され、「検出緯度」として「35.681」が記憶され、「検出経度」として「139.765」が記憶され、「検出時間」として「15:33:11」が記憶されている。
【0135】
そのため、図27に示すメタ情報232において、「項番」が「1」、「2」及び「4」である情報の「検出緯度」に設定された値のそれぞれは、図24で説明した範囲情報131の「検出緯度」に記憶された範囲に含まれる。また、「項番」が「1」、「2」及び「4」である情報の「検出経度」に設定された値のそれぞれは、図24で説明した範囲情報131の「検出経度」に記憶された範囲に含まれる。
【0136】
さらに、「項番」が「1」である情報の「検出時間」に記憶された時間と、「項番」が「4」である情報の「検出時間」に記憶された時間との時間差(8(秒))は、図24で説明した範囲情報131の「検出時間」に記憶された時間よりも小さい。一方、「項番」が「1」である情報の「検出時間」に記憶された時間と、「項番」が「2」である情報の「検出時間」に記憶された時間との時間差(48(秒))と、「項番」が「2」である情報の「検出時間」に記憶された時間と、「項番」が「4」である情報の「検出時間」に記憶された時間との時間差(40(秒))とは、図24で説明した範囲情報131の「検出時間」に記憶された時間よりも大きい。
【0137】
従って、対象判定部116は、この場合、図27に示すメタ情報232に含まれる情報のうち、「項番」が「1」である情報及び「項番」が「4」である情報に対応する分析対象データ231を第3分析対象データ231cとして特定する。
【0138】
すなわち、管理装置1は、例えば、図24で説明した範囲情報131を参照することで、第1条件と検出時間が異なる第2条件が入力された場合であっても、第2条件に対応する分析対象データ231の取得を行う際に、特定済の第1範囲及び第2範囲を用いることが可能になる。
【0139】
これにより、管理装置1は、特定済の第1範囲及び第2範囲が利用される確率を高めることが可能になり、第2条件に対応する分析対象データ231の取得をより効率的に行うことが可能になる。
【0140】
図20に戻り、第3分析対象データ231cが存在しないと判定した場合(S174のNO)、情報送信部113は、各エッジ2に対し、S171の処理で特定した第2分析対象データ231bの送信要求を送信する(S175)。
【0141】
また、情報送信部113は、第2条件に含まれる検出位置がS162の処理で特定した第1範囲に含まれないと判定した場合についても同様に(S172のNO)、S174以降の処理を行う。
【0142】
すなわち、管理装置1は、この場合、予め特定した第1範囲及び第2範囲を用いることによっても、各エッジ2から取得する分析対象データ231の数を抑えることができないと判定する。そのため、管理装置1は、S171の処理で特定した第2分析対象データ231bを保持する全てのエッジ2に対して送信要求を送信する。
【0143】
一方、第3分析対象データ231cが存在すると判定した場合(S174のYES)、管理装置1の対象特定部117は、図21に示すように、S173の処理で含まれると判定した第3分析対象データ231cのうちのいずれか1つを特定する(S181)。
【0144】
そして、情報送信部113は、S181の処理で特定した分析対象データ231を有するエッジ2に対し、S181の処理で特定した分析対象データ231の送信要求を送信する(S182)。
【0145】
すなわち、管理装置1は、この場合、予め特定した第1範囲及び第2範囲を用いることによって、各エッジ2から取得する分析対象データ231の数を抑えることができると判定する。そのため、管理装置1は、S172の処理で含まれると判定した第3分析対象データ231cについては、これらのうちの1つを保持するエッジ2に対してのみ送信要求を送信する。
【0146】
そして、情報送信部113は、各エッジ2に対し、S171の処理で特定した第2分析対象データ231bのうち、S173の処理で含まれると判定した第3分析対象データ231c以外の分析対象データ231の送信要求を送信する(S183)。
【0147】
続いて、S175またはS183の処理の後、情報受信部111は、各エッジ2から、S171の処理で特定した第2分析対象データ231bを受信する(S184)。
【0148】
その後、情報受信部111は、S184の処理で記憶した第2分析対象データ231bを情報格納領域130に記憶する(S185)。
【0149】
このように、本実施の形態における管理装置1は、各エッジ2において検出された複数の分析対象データ231のうち、第1条件を満たす第1分析対象データ231aのそれぞれの検出位置と検出時間とを特定する。そして、管理装置1は、第1分析対象データ231aのそれぞれに対応する特徴量233を複数のエッジ2から取得する。
【0150】
続いて、管理装置1は、第1分析対象データ231aに含まれる各分析対象データ231間における特徴量233の相関係数をそれぞれ算出する。そして、管理装置1は、第1分析対象データ231aのうち、算出した相関係数が所定の関係を満たす分析対象データ231の検出位置の第1範囲と検出時間の第2範囲とをそれぞれ特定する。
【0151】
その後、管理装置1は、各エッジ2において検出された複数の分析対象データ231のうち、第2条件を満たす第2分析対象データ231bの新たな検出位置と新たな検出時間とを特定する。そして、管理装置1は、特定した新たな検出位置が第1範囲に含まれ、かつ、特定した新たな検出時間が第2範囲に対応する第3分析対象データ231cが第2分析対象データ231bに含まれるか否かを判定する。その結果、第3分析対象データ231cが含まれると判定した場合、管理装置1は、第3分析対象データ231cのうちのいずれか1つを複数のエッジ2から取得する。
【0152】
すなわち、管理装置1は、分析対象データ231の取得を行うエッジ2の特定を、同一のクラスタに含まれる他のエッジ2との関係ではなく、各分析対象データ231の検出位置及び検出時間との関係に基づいて行う。
【0153】
これにより、管理装置1は、各エッジ2が時間の経過に伴って移動するものであり、各クラスタに含まれるエッジ2の構成が頻繁に更新されるものであっても、各エッジ2からの特徴量233の取得頻度を上げることなく、分析対象データ231を取得するエッジ2の特定を行うことが可能になる。そのため、管理装置1は、分析対象データ231を取得するエッジ2の特定を必要な時間内に行うことが可能になる。
【0154】
なお、情報特定部112は、S151の処理において、第1条件を満たす第1分析対象データ231aを複数のグループに振り分けるものであってもよい。具体的に、情報特定部112は、例えば、情報格納領域130に記憶されたメタ情報232に含まれる値(検出緯度、検出経度及び検出時間のうちの少なくとも1つの値)が近い複数の分析対象データ231(図26で説明した空間において距離が近い複数の分析対象データ231)が同じグループになるように、各分析対象データ231を複数のグループに振り分けるものであってよい。そして、管理装置1は、分割したグループごとに、S152以降の処理を行うものであってもよい。
【0155】
これにより、管理装置1は、各分析対象データ231間の相関係数の算出に伴う処理負担を削減することが可能になる。そのため、管理装置1は、分析対象取得処理の実行に要する処理負担を軽減させることが可能になる。
【0156】
また、管理装置1は、第1範囲及び第2範囲を所定の時間間隔ごとに再作成するものであってもよい。これにより、管理装置1は、第1範囲及び第2範囲の精度を維持することが可能になる。
【0157】
以上の実施の形態をまとめると、以下の付記のとおりである。
【0158】
(付記1)
複数のエッジにおいて収集された複数の分析対象データを取得する分析対象取得装置であって、
前記複数の分析対象データのうち、第1条件を満たす第1分析対象データを決定し、前記複数の分析対象データに対応するメタ情報を記憶した記憶部を参照して、決定した前記第1分析対象データのそれぞれが前記複数のエッジにおいて検出された位置を示す第1検出位置と前記複数のエッジにおいて検出された時間を示す第1検出時間とを特定する情報特定部と、
前記第1分析対象データのそれぞれに対応する特徴量を前記複数のエッジから取得する情報送受信部と、
前記第1分析対象データに含まれる各分析対象データ間における前記特徴量の相関係数をそれぞれ算出する係数算出部と、
前記第1分析対象データのうち、算出した前記相関係数が所定の関係を満たす分析対象データの前記第1検出位置の第1範囲と前記第1検出時間の第2範囲とをそれぞれ特定する範囲特定部と、を有し、
前記情報特定部は、前記複数の分析対象データのうち、第2条件を満たす第2分析対象データを決定し、前記記憶部を参照して、決定した前記第2分析対象データに対応する第2検出位置と第2検出時間とを特定し、さらに、
特定した前記第2検出位置が前記第1範囲に含まれ、かつ、特定した前記第2検出時間が前記第2範囲に対応する特定の分析対象データが前記第2分析対象データに含まれるか否かを判定する対象判定部と有し、
前記情報送受信部は、前記特定の分析対象データが含まれると判定した場合、前記特定の分析対象データのうちのいずれか1つを前記複数のエッジから取得する、
ことを特徴とする分析対象取得装置。
【0159】
(付記2)
付記1において、
前記情報送受信部は、前記第2分析対象データのうち、前記特定の分析対象データ以外の分析対象データのそれぞれを前記複数のエッジから取得する、
ことを特徴とする分析対象取得装置。
【0160】
(付記3)
付記1において、
前記情報送受信部は、前記特定の分析対象データが含まれないと判定した場合、前記第2分析対象データのそれぞれを前記複数のエッジから取得する、
ことを特徴とする分析対象取得装置。
【0161】
(付記4)
付記1において、さらに、
前記情報送受信部は、前記複数のエッジから、前記複数の分析対象データのそれぞれの前記第1検出位置と前記第1検出時間とを含む前記メタ情報を取得し、
前記情報特定部は、取得した前記メタ情報を記憶した前記記憶部を参照することにより、前記第1検出位置と前記第1検出時間との特定を行う、
ことを特徴とする分析対象取得装置。
【0162】
(付記5)
付記1において、
前記第1検出位置は、前記第1分析対象データのそれぞれの検出緯度と検出経度とを含み、
前記第1範囲には、前記検出緯度の範囲と前記検出経度の範囲とが含まれる、
ことを特徴とする分析対象取得装置。
【0163】
(付記6)
付記1において、
前記範囲特定部は、前記第1分析対象データのうち、前記相関係数が所定の閾値以上である分析対象データの組合せに含まれる各分析対象データの前記第1検出位置の第1範囲と前記第1検出時間の第2範囲とをそれぞれ特定する、
ことを特徴とする分析対象取得装置。
【0164】
(付記7)
付記1において、
前記範囲特定部は、前記相関係数が所定の関係を満たす分析対象データの前記第1検出位置の範囲に対して所定の範囲を追加した範囲を前記第1範囲として特定し、前記相関係数が所定の関係を満たす分析対象データの前記第1検出時間の範囲に対して所定の範囲を追加した範囲を前記第2範囲として特定する、
ことを特徴とする分析対象取得装置。
【0165】
(付記8)
付記1において、
前記複数のエッジは、時間の経過に伴って移動するエッジである、
ことを特徴とする分析対象取得プログラム。
【0166】
(付記9)
付記1において、さらに、
前記情報特定部は、前記第1検出位置と前記第1検出時間とのうちの少なくとも1つに基づいて、前記第1分析対象データを複数のグループに振り分け、
前記係数算出部は、前記複数のグループに含まれる前記第1分析対象データごとに、前記相関係数の算出を行い、
前記範囲特定部は、前記複数のグループに含まれる前記第1分析対象データごとに、前記第1範囲と前記第2範囲との特定を行い、
前記対象判定部は、前記第2検出位置が前記複数のグループごとの前記第1範囲のいずれかに含まれ、かつ、前記第2検出時間が前記複数のグループごとの前記第2範囲のいずれかに対応する前記特定の分析対象データが、前記第2分析対象データに含まれるか否かを判定する、
ことを特徴とする分析対象取得装置。
【0167】
(付記10)
複数のエッジにおいて収集された複数の分析対象データを取得する処理をコンピュータに実行させる分析対象取得方法であって、
前記複数の分析対象データのうち、第1条件を満たす第1分析対象データを決定し、前記複数の分析対象データに対応するメタ情報を記憶した記憶部を参照して、決定した前記第1分析対象データのそれぞれが前記複数のエッジにおいて検出された位置を示す第1検出位置と前記複数のエッジにおいて検出された時間を示す第1検出時間とを特定し、
前記第1分析対象データのそれぞれに対応する特徴量を前記複数のエッジから取得し、
前記第1分析対象データに含まれる各分析対象データ間における前記特徴量の相関係数をそれぞれ算出し、
前記第1分析対象データのうち、算出した前記相関係数が所定の関係を満たす分析対象データの前記第1検出位置の第1範囲と前記第1検出時間の第2範囲とをそれぞれ特定し、
前記複数の分析対象データのうち、第2条件を満たす第2分析対象データを決定し、前記記憶部を参照して、決定した前記第2分析対象データに対応する第2検出位置と第2検出時間とを特定し、
特定した前記第2検出位置が前記第1範囲に含まれ、かつ、特定した前記第2検出時間が前記第2範囲に対応する特定の分析対象データが前記第2分析対象データに含まれるか否かを判定し、
前記特定の分析対象データが含まれると判定した場合、前記特定の分析対象データのうちのいずれか1つを前記複数のエッジから取得する、
ことを特徴とする分析対象取得方法。
【0168】
(付記11)
付記10において、
前記特定の分析対象データのうちのいずれか1つを取得する処理では、前記第2分析対象データのうち、前記特定の分析対象データ以外の分析対象データのそれぞれを前記複数のエッジから取得する、
ことを特徴とする分析対象取得方法。
【0169】
(付記12)
付記10において、さらに、
前記特定の分析対象データが含まれないと判定した場合、前記第2分析対象データのそれぞれを前記複数のエッジから取得する、
ことを特徴とする分析対象取得方法。
【0170】
(付記13)
複数のエッジにおいて収集された複数の分析対象データを取得する処理をコンピュータに実行させる分析対象取得プログラムであって、
前記複数の分析対象データのうち、第1条件を満たす第1分析対象データを決定し、前記複数の分析対象データに対応するメタ情報を記憶した記憶部を参照して、決定した前記第1分析対象データのそれぞれが前記複数のエッジにおいて検出された位置を示す第1検出位置と前記複数のエッジにおいて検出された時間を示す第1検出時間とを特定し、
前記第1分析対象データのそれぞれに対応する特徴量を前記複数のエッジから取得し、
前記第1分析対象データに含まれる各分析対象データ間における前記特徴量の相関係数をそれぞれ算出し、
前記第1分析対象データのうち、算出した前記相関係数が所定の関係を満たす分析対象データの前記第1検出位置の第1範囲と前記第1検出時間の第2範囲とをそれぞれ特定し、
前記複数の分析対象データのうち、第2条件を満たす第2分析対象データを決定し、前記記憶部を参照して、決定した前記第2分析対象データに対応する第2検出位置と第2検出時間とを特定し、
特定した前記第2検出位置が前記第1範囲に含まれ、かつ、特定した前記第2検出時間が前記第2範囲に対応する特定の分析対象データが前記第2分析対象データに含まれるか否かを判定し、
前記特定の分析対象データが含まれると判定した場合、前記特定の分析対象データのうちのいずれか1つを前記複数のエッジから取得する、
ことを特徴とする分析対象取得プログラム。
【0171】
(付記14)
付記13において、
前記特定の分析対象データのうちのいずれか1つを取得する処理では、前記第2分析対象データのうち、前記特定の分析対象データ以外の分析対象データのそれぞれを前記複数のエッジから取得する、
ことを特徴とする分析対象取得プログラム。
【0172】
(付記15)
付記13において、さらに、
前記特定の分析対象データが含まれないと判定した場合、前記第2分析対象データのそれぞれを前記複数のエッジから取得する、
ことを特徴とする分析対象取得プログラム。
【符号の説明】
【0173】
1:管理装置 2a:エッジ
2b:エッジ 2c:エッジ
2d:エッジ 3:アクセスポイント
10:情報処理システム NW:ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
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図15
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図18
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