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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-04
(45)【発行日】2023-04-12
(54)【発明の名称】ガイド装置および収納装置
(51)【国際特許分類】
   B66C 13/12 20060101AFI20230405BHJP
   B66D 1/36 20060101ALI20230405BHJP
【FI】
B66C13/12 D
B66D1/36 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019175391
(22)【出願日】2019-09-26
(65)【公開番号】P2021050087
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】弁理士法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】森下 茂
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-137493(JP,A)
【文献】特開平06-014443(JP,A)
【文献】実開昭52-169796(JP,U)
【文献】特開2010-143650(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 13/00-15/06
B65H 57/14
B66D 1/36
H02G 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に互いに離隔して設けられた複数の保持部から引き出された複数の線状部材を、前記複数の保持部よりも上方において上下方向に並ぶように配置された複数段の支持ユニットに導くガイド装置であって、
前記複数の保持部よりも上方において前記所定方向に並ぶように配置された複数の第1ガイド部材を備え、
前記複数の第1ガイド部材はそれぞれ、前記所定方向に隣り合う一対の前記線状部材の間に配置され、前記線状部材を支持するためのガイド面を有し、当該第1ガイド部材の前記所定方向における一方側を通る前記線状部材を、当該第1ガイド部材の上方を通るように前記ガイド面に沿わせて前記所定方向における他方側に導くことができるように、かつ当該ガイド部材の前記他方側を通る前記線状部材を、当該第1ガイド部材の上方を通るように前記ガイド面に沿わせて前記一方側に導くことができるように構成されており、
前記第1ガイド部材が当該第1ガイド部材の前記一方側の前記線状部材を前記他方側に導く場合における前記ガイド面の上端位置は、前記一方側に位置する前記第1ガイド部材ほど高く、
前記第1ガイド部材が当該第1ガイド部材の前記他方側の前記線状部材を前記一方側に導く場合における前記ガイド面の上端位置は、前記他方側に位置する前記第1ガイド部材ほど高い、ガイド装置。
【請求項2】
前記所定方向において前記複数の第1ガイド部材の前記一方側および前記他方側に配置され、かつそれぞれ前記線状部材を支持するためのガイド面を有する一対の第2ガイド部材をさらに備え、
前記一方側に配置された前記第2ガイド部材の前記ガイド面の上端位置は、前記一方側の端に配置された前記第1ガイド部材が当該第1ガイド部材の前記他方側の前記線状部材を前記一方側に導く場合における当該第1ガイド部材の前記ガイド面の上端位置よりも低く、
前記他方側に配置された前記第2ガイド部材の前記ガイド面の上端位置は、前記他方側の端に配置された前記第1ガイド部材が当該第1ガイド部材の前記一方側の前記線状部材を前記他方側に導く場合における当該第1ガイド部材の前記ガイド面の上端位置よりも低く、
前記複数の線状部材のうち前記一方側の端に配置された前記線状部材は、前記一方側に配置された前記第2ガイド部材の前記他方側および上方を通るように当該第2ガイド部材の前記ガイド面に沿って前記一方側に導かれ、
前記複数の線状部材のうち前記他方側の端に配置された前記線状部材は、前記他方側に配置された前記第2ガイド部材の前記一方側および上方を通るように当該第2ガイド部材の前記ガイド面に沿って前記他方側に導かれる、請求項1に記載のガイド装置。
【請求項3】
前記線状部材の数は5以上の奇数であり、
前記複数の第1ガイド部材のうち前記一方側の端から順に選択される複数の第1ガイド部材を第1グループの第1ガイド部材とし、前記他方側の端から順に選択される前記第1グループの前記第1ガイド部材と同数の複数の第1ガイド部材を第2グループの第1ガイド部材とした場合に、
前記第1グループの前記第1ガイド部材は、当該第1ガイド部材の前記一方側の前記線状部材を前記他方側に導く場合における前記ガイド面の上端位置が、当該第1ガイド部材の前記他方側の前記線状部材を前記一方側に導く場合における前記ガイド面の上端位置よりも高くなるように、揺動可能に設けられており、
前記第2グループの前記第1ガイド部材は、当該第1ガイド部材の前記他方側の前記線状部材を前記一方側に導く場合における前記ガイド面の上端位置が、当該第1ガイド部材の前記一方側の前記線状部材を前記他方側に導く場合における前記ガイド面の上端位置よりも高くなるように、揺動可能に設けられている、請求項1または2に記載のガイド装置。
【請求項4】
前記線状部材の数は6以上の偶数であり、
前記複数の第1ガイド部材のうち、前記所定方向の並び順における中央の前記第1ガイド部材を中央ガイド部材とし、前記中央ガイド部材よりも前記一方側に配置された複数の前記第1ガイド部材を第1グループの第1ガイド部材とし、前記中央ガイド部材よりも前記他方側に配置された複数の前記第1ガイド部材を第2グループの第1ガイド部材とした場合に、
前記第1グループの第1ガイド部材は、当該第1ガイド部材の前記一方側の前記線状部材を前記他方側に導く場合における前記ガイド面の上端位置が、当該第1ガイド部材の前記他方側の前記線状部材を前記一方側に導く場合における前記ガイド面の上端位置よりも高くなるように、揺動可能に設けられており、
前記第2グループの第1ガイド部材は、当該第1ガイド部材の前記他方側の前記線状部材を前記一方側に導く場合における前記ガイド面の上端位置が、当該第1ガイド部材の前記一方側の前記線状部材を前記他方側に導く場合における前記ガイド面の上端位置よりも高くなるように、揺動可能に設けられている、請求項1または2に記載のガイド装置。
【請求項5】
上下方向に並ぶように配置されかつそれぞれ上方から見て所定方向に延びるように設けられた複数段の支持ユニットと、
前記所定方向に互いに離隔して設けられた複数の保持部から引き出された複数の線状部材を前記複数段の支持ユニットに導く請求項1から4のいずれかに記載のガイド装置と、を備える収納装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の線状部材をガイドするするガイド装置およびそれを備えた収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、港湾施設等において種々の走行機械が利用されている。具体的には、製鉄所の港湾施設では、貨物船からヤードへの原料(鉄鉱石等)の搬送経路において、アンローダ、スタッカ、リクレーマ、クレーン等の軌条走行式の走行機械が利用されている。
【0003】
上記のような走行機械には、種々の駆動装置(例えば、走行機械を走行させるためのモータ、原料を運搬するためのバケット等を駆動するためのモータ等)が搭載されている。このため、走行機械に対して、駆動装置を稼働させるための電力を供給する必要がある。
【0004】
走行機械に電力を供給する方法としては、例えば、特許文献1に開示されているように、地上に設けられた電源(給電設備)から給電ケーブルを介して走行機械に電力を供給する方法が知られている。
【0005】
以下、図1を用いて、給電ケーブルを用いて走行機械に電力を供給する方法について簡単に説明する。なお、図1には、走行機械の一例として、アンローダが示されている。また、図1においては、図面が煩雑になることを避けるために、アンローダおよびその周辺の設備を簡略化して示している。
【0006】
図1に示すように、アンローダ1は、港湾施設に着岸した貨物船2から原料を陸揚げする装置である。アンローダ1は、一対のレール3a,3b上を走行可能な本体部4と、本体部4に支持された桁部5と、桁部5の長さ方向に移動可能に桁部5に支持されたグラブバケット6と、本体部4に支持された給電ケーブルの巻き取り装置7とを備えている。
【0007】
巻き取り装置7は、アンローダ1に電力を供給するための給電ケーブル8の巻き取りおよび繰り出しを行う装置である。図示は省略するが、給電ケーブル8の一部は、地中に埋め込まれるなどして地面側に固定されている。図1の例では、給電ケーブル8のうち、ガイド装置9を介して地面Gから引き上げられた部分が示されている。給電ケーブル8の一端はアンローダ1に接続され、給電ケーブル8の他端は、図示しない電源に接続されている。
【0008】
上記のような構成により、アンローダ1がレール3a,3b上をガイド装置9から離れるように移動する際には、巻き取り装置7から給電ケーブル8が繰り出される。これにより、アンローダ1とガイド装置9との間で、給電ケーブル8に大きな張力が作用することを抑制することができる。
【0009】
一方、アンローダ1がレール3a,3b上をガイド装置9に近付くように移動する際には、巻き取り装置7によって給電ケーブル8が巻き取られる。これにより、給電ケーブル8のもつれを抑制できるとともに、給電ケーブル8がアンローダ1および他の装置の移動の障害となることを抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2011-241034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、港湾施設においては、共通の走行経路上に、複数の走行機械が配置される場合がある。そこで、本発明者らは、共通の走行経路上に配置された複数の走行機械に対しても、以下に説明するように、給電ケーブルを用いて電力を供給することを検討した。
【0012】
図2は、共通の走行経路上に4台のアンローダが配置された港湾施設を上方から見た図であり、各アンローダに対して給電ケーブルを用いて電力を供給するために本発明者らが検討した構成を示している。図3は、図2の港湾施設を海側から見た図である。なお、図2においては、2隻の貨物船2a,2bが示されている。また、図面が煩雑になることを避けるために、図3においては、アンローダの各構成要素のうち、巻き取り装置以外の構成の図示を省略している。
【0013】
図2に示す港湾施設では、所定方向Xに延びる共通のレール3a,3b上に、4台のアンローダ1a~1dが配置されている。アンローダ1a~1dは、所定方向Xに並ぶようにかつ所定方向Xに移動可能に、レール3a,3bに支持されている。以下、所定方向Xをアンローダ1a~1dの移動方向Xとも記載する。
【0014】
図2および図3を参照して、アンローダ1a~1dは、上述のアンローダ1の巻き取り装置7と同様の構成を有する巻き取り装置7a~7dを備えている。また、アンローダ1a~1dには、上述の給電ケーブル8と同様の給電ケーブル8a~8dが接続されている。給電ケーブル8a~8dは、ガイド装置9aを介して地面から引き上げられている。このように複数の給電ケーブル8a~8dを用いることによって、アンローダ1a~1dそれぞれに対して、必要な電力を適宜供給することができる。
【0015】
一方で、上記のように複数の給電ケーブル8a~8dを用いる場合、給電ケーブル8a~8dが互いに接触しやすくなる。例えば、図3に示した状態では、アンローダ1a,1bに接続された給電ケーブル8a,8bが互いに接触し、アンローダ1c,1dに接続された給電ケーブル8c,8dが互いに接触している。
【0016】
上記のように給電ケーブル同士が接触すると、接触した部分において給電ケーブルが損傷するおそれがある。特に、給電ケーブル同士が絡まると、巻き取り装置によって給電ケーブルを円滑に巻き取れなくなったり、給電ケーブルを巻き取る際に、給電ケーブルに大きな張力が生じて、給電ケーブルが損傷したりするおそれがある。また、給電ケーブルが動力線に加えて信号線を有している場合には、当該給電ケーブルに接触する他の給電ケーブルから信号線にノイズが混入するおそれがある。
【0017】
そこで、本発明者らは、上記のような給電ケーブルの接触を防止することができる収納ラックを開発した。図4図6に、本発明者らが開発した収納ラックが設けられた港湾施設の概略図を示す。図4図6に示す港湾施設においては、巻き取り装置7a~7dとガイド装置9aとの間に、給電ケーブル8a~8dを収納するための収納ラック10が設けられている。給電ケーブル8a~8dは、収納ラック10の上方において巻き取り装置7a~7dに巻き付けられている。
【0018】
収納ラック10は、支持ユニット12a~12dを有している。支持ユニット12a~12dは、上下方向に並ぶように設けられている。また、支持ユニット12a~12dはそれぞれ、アンローダ1a~1dの移動方向Xに沿って延びるように設けられている。詳細な説明は省略するが、収納ラック10は、下方の支持ユニットから順に給電ケーブルを支持することができるように構成されている。
【0019】
例えば、図4に示すように、アンローダ1a~1dの移動方向Xにおいて、アンローダ1a,1bがガイド装置9aの一方側に位置し、アンローダ1c,1dがガイド装置9aの他方側に位置する場合には、最下段の支持ユニット12aによって給電ケーブル8a,8dが支持され、下から2段目の支持ユニット12bによって給電ケーブル8b,8cが支持される。
【0020】
また、図5に示すように、移動方向Xにおいて、全てのアンローダ1a~1dがガイド装置9aの一方側に位置している場合には、給電ケーブル8aが支持ユニット12aに支持され、給電ケーブル8bが支持ユニット12bに支持され、給電ケーブル8cが支持ユニット12cに支持され、給電ケーブル8dが支持ユニット12dに支持される。
【0021】
また、図6に示すように、移動方向Xにおいて、全てのアンローダ1a~1dがガイド装置9aの他方側に位置している場合には、給電ケーブル8dが支持ユニット12aに支持され、給電ケーブル8cが支持ユニット12bに支持され、給電ケーブル8bが支持ユニット12cに支持され、給電ケーブル8aが支持ユニット12dに支持される。
【0022】
このように、本発明者らが開発した収納ラック10によって給電ケーブル8a~8dを支持する場合、収納ラック10において給電ケーブル8a~8d同士が重なって支持されることを防止することができる。これにより、巻き取り装置7a~7dとガイド装置9aとの間において、給電ケーブル8a~8d同士が絡まることを防止できる。
【0023】
一方で、収納ラック10を利用する場合、アンローダ1a~1dの位置によって給電ケーブル8a~8dを支持する支持ユニット12a~12dが変更されるので、アンローダ1a~1dの位置に応じて適切な支持ユニット12a~12dに給電ケーブル8a~8dを導く必要がある。この点に関して、図4図6に示した構成でも、ガイド装置9aからアンローダ1a~1dの位置に応じた支持ユニット12a~12dに給電ケーブル8a~8dを導くことはできる。しかしながら、電ケーブル8a~8dをより円滑に給支持ユニット12a~12dに導くことができれば、給電ケーブル8a~8dに作用する力を低減でき、給電ケーブル8a~8dの損傷をさらに抑制できると考えられる。
【0024】
そこで、本発明は、複数の線状部材を複数の支持ユニットに円滑に導くことができるガイド装置およびそれを備えた収納装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明は、下記のガイド装置および収納装置を要旨とする。
【0026】
(1)所定方向に互いに離隔して設けられた複数の保持部から引き出された複数の線状部材を、前記複数の保持部よりも上方において上下方向に並ぶように配置された複数段の支持ユニットに導くガイド装置であって、
前記複数の保持部よりも上方において前記所定方向に並ぶように配置された複数の第1ガイド部材を備え、
前記複数の第1ガイド部材はそれぞれ、前記所定方向に隣り合う一対の前記線状部材の間に配置され、前記線状部材を支持するためのガイド面を有し、当該第1ガイド部材の前記所定方向における一方側を通る前記線状部材を、当該第1ガイド部材の上方を通るように前記ガイド面に沿わせて前記所定方向における他方側に導くことができるように、かつ当該ガイド部材の前記他方側を通る前記線状部材を、当該第1ガイド部材の上方を通るように前記ガイド面に沿わせて前記一方側に導くことができるように構成されており、
前記第1ガイド部材が当該第1ガイド部材の前記一方側の前記線状部材を前記他方側に導く場合における前記ガイド面の上端位置は、前記一方側に位置する前記第1ガイド部材ほど高く、
前記第1ガイド部材が当該第1ガイド部材の前記他方側の前記線状部材を前記一方側に導く場合における前記ガイド面の上端位置は、前記他方側に位置する前記第1ガイド部材ほど高い、ガイド装置。
【0027】
(2)前記所定方向において前記複数の第1ガイド部材の前記一方側および前記他方側に配置され、かつそれぞれ前記線状部材を支持するためのガイド面を有する一対の第2ガイド部材をさらに備え、
前記一方側に配置された前記第2ガイド部材の前記ガイド面の上端位置は、前記一方側の端に配置された前記第1ガイド部材が当該第1ガイド部材の前記他方側の前記線状部材を前記一方側に導く場合における当該第1ガイド部材の前記ガイド面の上端位置よりも低く、
前記他方側に配置された前記第2ガイド部材の前記ガイド面の上端位置は、前記他方側の端に配置された前記第1ガイド部材が当該第1ガイド部材の前記一方側の前記線状部材を前記他方側に導く場合における当該第1ガイド部材の前記ガイド面の上端位置よりも低く、
前記複数の線状部材のうち前記一方側の端に配置された前記線状部材は、前記一方側に配置された前記第2ガイド部材の前記他方側および上方を通るように当該第2ガイド部材の前記ガイド面に沿って前記一方側に導かれ、
前記複数の線状部材のうち前記他方側の端に配置された前記線状部材は、前記他方側に配置された前記第2ガイド部材の前記一方側および上方を通るように当該第2ガイド部材の前記ガイド面に沿って前記他方側に導かれる、上記(1)に記載のガイド装置。
【0028】
(3)前記線状部材の数は5以上の奇数であり、
前記複数の第1ガイド部材のうち前記一方側の端から順に選択される複数の第1ガイド部材を第1グループの第1ガイド部材とし、前記他方側の端から順に選択される前記第1グループの前記第1ガイド部材と同数の複数の第1ガイド部材を第2グループの第1ガイド部材とした場合に、
前記第1グループの前記第1ガイド部材は、当該第1ガイド部材の前記一方側の前記線状部材を前記他方側に導く場合における前記ガイド面の上端位置が、当該第1ガイド部材の前記他方側の前記線状部材を前記一方側に導く場合における前記ガイド面の上端位置よりも高くなるように、揺動可能に設けられており、
前記第2グループの前記第1ガイド部材は、当該第1ガイド部材の前記他方側の前記線状部材を前記一方側に導く場合における前記ガイド面の上端位置が、当該第1ガイド部材の前記一方側の前記線状部材を前記他方側に導く場合における前記ガイド面の上端位置よりも高くなるように、揺動可能に設けられている、上記(1)または(2)に記載のガイド装置。
【0029】
(4)前記線状部材の数は6以上の偶数であり、
前記複数の第1ガイド部材のうち、前記所定方向の並び順における中央の前記第1ガイド部材を中央ガイド部材とし、前記中央ガイド部材よりも前記一方側に配置された複数の前記第1ガイド部材を第1グループの第1ガイド部材とし、前記中央ガイド部材よりも前記他方側に配置された複数の前記第1ガイド部材を第2グループの第1ガイド部材とした場合に、
前記第1グループの第1ガイド部材は、当該第1ガイド部材の前記一方側の前記線状部材を前記他方側に導く場合における前記ガイド面の上端位置が、当該第1ガイド部材の前記他方側の前記線状部材を前記一方側に導く場合における前記ガイド面の上端位置よりも高くなるように、揺動可能に設けられており、
前記第2グループの第1ガイド部材は、当該第1ガイド部材の前記他方側の前記線状部材を前記一方側に導く場合における前記ガイド面の上端位置が、当該第1ガイド部材の前記一方側の前記線状部材を前記他方側に導く場合における前記ガイド面の上端位置よりも高くなるように、揺動可能に設けられている、上記(1)または(2)に記載のガイド装置。
【0030】
(5)上下方向に並ぶように配置されかつそれぞれ上方から見て所定方向に延びるように設けられた複数段の支持ユニットと、
前記所定方向に互いに離隔して設けられた複数の保持部から引き出された複数の線状部材を前記複数段の支持ユニットに導く上記(1)から(4)のいずれかに記載のガイド装置と、を備える収納装置。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、複数の線状部材を複数の支持ユニットに円滑に導くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、港湾施設に設置されたアンローダを示す概略側面図である。
図2図2は、共通の走行経路上に複数の走行機械が配置された港湾施設の一例を示す図である。
図3図3は、図2のアンローダ、給電ケーブルおよびガイド装置の位置関係を示す概略図である。
図4図4は、本発明者らが開発した収納ラックが設けられた港湾施設の概略図を示す。
図5図5は、本発明者らが開発した収納ラックが設けられた港湾施設の概略図を示す。
図6図6は、本発明者らが開発した収納ラックが設けられた港湾施設の概略図を示す。
図7図7は、本発明の一実施形態に係る収納装置を示す概略図である。
図8図8は、本発明の一実施形態に係る収納装置を示す概略図である。
図9図9は、本発明の一実施形態に係る収納装置を示す概略図である。
図10図10は、本発明の一実施形態に係る収納装置を示す概略図である。
図11図11は、収納ラックにおいてガイド装置の近傍の部分を示す拡大図である。
図12図12は、収納ラックの断面を示す図である。
図13図13は、図11のc-c部分を示す断面図である。
図14図14は、支持具の構造を説明するための図である。
図15図15は、支持具の動作を説明するための図である。
図16図16は、支持具の動作を説明するための図である。
図17図17は、収納ラックを示す図である。
図18図18は、収納ラックを示す図である。
図19図19は、収納ラックを示す図である。
図20図20は、収納ラックを示す図である。
図21図21は、収納ラックを示す図である。
図22図22は、収納ラックを示す図である。
図23図23は、ガイド装置の他の例を示す図である。
図24図24は、ガイド装置の他の例を示す図である。
図25図25は、ガイド装置の他の例を示す図である。
図26図26は、ガイド装置のその他の例を示す図である。
図27図27は、ガイド装置のその他の例を示す図である。
図28図28は、ガイド装置のその他の例を示す図である。
図29図29は、ガイド装置のさらに他の例を示す図である。
図30図30は、ガイド装置のさらに他の例を示す図である。
図31図31は、ガイド装置のさらに他の例を示す図である。
図32図32は、第1ガイド部材の変形例を説明するための図である。
図33図33は、第1ガイド部材の変形例を説明するための図である。
図34図34は、第1ガイド部材の変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態に係るガイド装置およびそれを備えた収納装置について図面を用いて説明する。
【0034】
(収納装置の構成)
図7図10は、本発明の一実施形態に係る収納装置を示す概略図である。なお、以下においては、図2図6で説明したアンローダ1a~1d(巻き取り装置7a~7d)に接続された給電ケーブル8a~8dを収納する収納装置について説明する。図示は省略するが、アンローダ1a~1dは、図2で説明したように、所定方向Xに移動可能に一対のレールに支持されている。
【0035】
図7図10に示すように、収納装置100は、収納ラック10およびガイド装置50を備えている。収納ラック10は、図4図6で説明したように、上下方向に並ぶように設けられた複数段(本実施形態では4段)の支持ユニット12a~12dを有している。また、上述したように、支持ユニット12a~12dはそれぞれ、上方から見て所定方向X(アンローダ1a~1dの移動方向)に沿って延びるように設けられている。収納ラック10は、下方の支持ユニットから順に給電ケーブルを支持することができるように構成されている。なお、以下の説明においては、所定方向Xと上下方向とに直交する方向を、収納ラック10の幅方向とする。収納ラック10の具体的な構成については後述する。
【0036】
給電ケーブル8a~8dは、複数の保持部91~94を介して地面Gから引き出されている。保持部91~94は、支持ユニット12a~12dよりも下方において、所定方向Xに互いに離隔して設けられている。なお、図7に示した例では、複数の保持部91~94が互いに別個の部材として構成されているが、複数の保持部が一体的に構成されていてもよい。この場合も、複数の保持部は、所定方向Xにおいて互いに離隔して設けられる。
【0037】
ガイド装置50は、複数の保持部91~94から引き出された複数の給電ケーブル8a~8dを複数の支持ユニット12a~12dに導く。本実施形態では、ガイド装置50は、複数の第1ガイド部材51a,51b,51cと、一対の第2ガイド部材52a,52bとを有している。
【0038】
複数の第1ガイド部材51a,51b,51cは、保持部91~94よりも上方において、所定方向Xに並ぶように配置されている。第1ガイド部材51a,51b,51cは、円筒状の外周面61a,61b,61cを有している。本実施形態では、外周面61a,61b,61cがそれぞれ、給電ケーブルを支持するガイド面として機能する。以下においては、外周面61a,61b,61cをガイド面61a,61b,61cと記載する。
【0039】
第2ガイド部材52aは、所定方向Xにおいて複数の第1ガイド部材51a,51b,51cの一方側に配置され、第2ガイド部材52bは、所定方向Xにおいて複数の第1ガイド部材51a,51b,51cの他方側に配置される。第2ガイド部材52a,52bは、半円筒状の外周面62a,62bを有している。本実施形態では、外周面62a,62bがそれぞれ、給電ケーブルを支持するガイド面として機能する。以下においては、外周面62a,62bをガイド面62a,62bと記載する。また、以下においては、所定方向Xにおける一方側を、単に一方側と記載し、所定方向Xにおける他方側を、単に他方側と記載する。したがって、例えば、以下において、ガイド部材の一方側とは、所定方向Xにおけるガイド部材の一方側を意味し、ガイド部材の他方側とは、所定方向Xにおけるガイド部材の他方側を意味する。
【0040】
第1ガイド部材51a,51b,51cはそれぞれ、所定方向Xに隣り合う一対の給電ケーブルの間に配置されている。具体的には、第1ガイド部材51aは、給電ケーブル8aと給電ケーブル8bとの間に配置され、第1ガイド部材51bは、給電ケーブル8bと給電ケーブル8cとの間に配置され、第1ガイド部材51cは、給電ケーブル8cと給電ケーブル8dとの間に配置されている。
【0041】
また、第1ガイド部材51a,51b,51cはそれぞれ、当該第1ガイド部材の一方側を通る給電ケーブルを、当該第1ガイド部材の上方を通るようにガイド面に沿わせて、当該第1ガイド部材の他方側に導くことができるように構成されている。また、第1ガイド部材51a,51b,51cはそれぞれ、当該第1ガイド部材の他方側を通る給電ケーブルを、当該第1ガイド部材の上方を通るようにガイド面に沿わせて、当該第1ガイド部材の一方側に導くことができるように構成されている。
【0042】
第2ガイド部材52aは、複数の給電ケーブル8a~8dのうち一方側の端に配置された給電ケーブル8aを、第2ガイド部材52aの他方側および上方を通るようにガイド面62aに沿わせて、第2ガイド部材52aの一方側に導くことができるように構成されている。また、第2ガイド部材52bは、複数の給電ケーブル8a~8dのうち他方側の端に配置された給電ケーブル8dを、第2ガイド部材52bの一方側および上方を通るようにガイド面62bに沿わせて、第2ガイド部材52bの他方側に導くことができるように構成されている。
【0043】
図8および図9に示すように、本実施形態では、第1ガイド部材51aおよび第1ガイド部材51cは揺動可能に設けられている。一方、第1ガイド部材51bの位置は固定されている。なお、図8においては、第1ガイド部材51aの原位置(第1ガイド部材51aが給電ケーブルに接触していないときに復帰する位置)および移動経路を破線で示している。また、図9においては、第1ガイド部材51cの原位置(第1ガイド部材51cが給電ケーブルに接触していないときに復帰する位置)および移動経路を破線で示している。
【0044】
図8に示すように、本実施形態では、第1ガイド部材51aは、第1ガイド部材51aの一方側を通る給電ケーブル8aによって他方側に向かって押されることによって、他方側に向かって斜め上方に移動する。具体的には、第1ガイド部材51aのガイド面61aの上端が、第1ガイド部材51bのガイド面61bの上端よりも上方に位置するように、第1ガイド部材51aが斜め上方に移動する。なお、第1ガイド部材51aの原位置においては、ガイド面61aの上端位置は、第1ガイド部材51bのガイド面61bの上端位置よりも低い。図7図9および図10に示すように、第1ガイド部材51aは、給電ケーブル8aによって他方側に向かって押されていない場合には、原位置に位置づけられる。また、図7および図9に示すように、第1ガイド部材51aが給電ケーブル8bを他方側から一方側へ導く場合には、第1ガイド部材51aは原位置に位置づけられる。
【0045】
図9に示すように、第1ガイド部材51cは、第1ガイド部材51cの他方側を通る給電ケーブル8dによって一方側に向かって押されることによって、一方側に向かって斜め上方に移動する。具体的には、第1ガイド部材51cのガイド面61cの上端が、第1ガイド部材51bのガイド面61bの上端よりも上方に位置するように、第1ガイド部材51cが斜め上方に移動する。なお、第1ガイド部材51cの原位置においては、ガイド面61cの上端位置は、第1ガイド部材51bのガイド面61bの上端位置よりも低い。図7図8および図10に示すように、第1ガイド部材51cは、給電ケーブル8dによって一方側に向かって押されていない場合には、原位置に位置づけられる。また、第1ガイド部材51cが給電ケーブル8cを一方側から他方側へ導く場合には、第1ガイド部材51cは原位置に位置づけられる。
【0046】
上記の構成により、図8に示すように、第1ガイド部材51a,51b,51cが一方側の給電ケーブル8a,8b,8cを他方側に導く場合におけるガイド面61a,61b,61cの上端位置は、一方側に位置する第1ガイド部材ほど高くなる。本実施形態では、第1ガイド部材51a,51b,51cが一方側の給電ケーブル8a,8b,8cを他方側に導く場合には、第1ガイド部材51aのガイド面61aの上端位置が最も高く、第1ガイド部材51cのガイド面61cの上端位置が最も低くなる。
【0047】
また、図9に示すように、第1ガイド部材51a,51b,51cが他方側の給電ケーブル8b,8c,8dを一方側に導く場合におけるガイド面61a,61b,61cの上端位置は、他方側に位置する第1ガイド部材ほど高くなる。本実施形態では、第1ガイド部材51a,51b,51cが他方側の給電ケーブル8b,8c,8dを一方側に導く場合には、第1ガイド部材51cのガイド面61cの上端位置が最も高く、第1ガイド部材51aのガイド面61aの上端位置が最も低くなる。
【0048】
図7図10に示すように、第2ガイド部材52aおよび第2ガイド部材52bの位置は固定されている。第2ガイド部材52aのガイド面62aの上端位置は、原位置における第1ガイド部材51a(複数の第1ガイド部材のうち一方側の端に配置されたガイド部材)のガイド面61aの上端位置よりも低い。また、第2ガイド部材52bのガイド面62bの上端位置は、原位置における第1ガイド部材51c(複数の第1ガイド部材のうち他方側の端に配置されたガイド部材)のガイド面61cの上端位置よりも低い。
【0049】
なお、本実施形態では、第1ガイド部材51aの原位置においては、ガイド面61aの上端は、支持ユニット12bに対応する高さに位置付けられる。一方、図8に示す状態では、第1ガイド部材51aのガイド面61aの上端は、支持ユニット12dに対応する高さに位置付けられる。同様に、第1ガイド部材51cの原位置においては、ガイド面61cの上端は、支持ユニット12bに対応する高さに位置付けられる。一方、図9に示す状態では、第1ガイド部材51cのガイド面61cの上端は、支持ユニット12dに対応する高さに位置付けられる。
【0050】
また、本実施形態では、第1ガイド部材51bのガイド面61bの上端は、支持ユニット12cに対応する高さに位置付けられている。第2ガイド部材52a,52bのガイド面62a,62bの上端は、支持ユニット12aに対応する高さに位置付けられている。
【0051】
(本実施形態の作用効果)
本実施形態では、図8に示したように、第1ガイド部材51a,51b,51cが一方側の給電ケーブル8a,8b,8cを他方側に導く場合におけるガイド面61a,61b,61cの上端位置は、一方側に位置する第1ガイド部材ほど高い。また、図9に示したように、第1ガイド部材51a,51b,51cが他方側の給電ケーブル8b,8c,8dを一方側に導く場合におけるガイド面61a,61b,61cの上端位置は、他方側に位置する第1ガイド部材ほど高い。さらに、第2ガイド部材52aのガイド面62aの上端位置は、原位置における第1ガイド部材51aのガイド面61aの上端位置よりも低い。また、第2ガイド部材52bのガイド面62bの上端位置は、原位置における第1ガイド部材51cのガイド面61cの上端位置よりも低い。
【0052】
上記の構成により、複数の給電ケーブル8a~8dをガイド装置50よりも一方側に導く場合には、一方側に位置する給電ケーブルほど下方の支持ユニットに導くことができる。また、複数の給電ケーブル8a~8dをガイド装置50よりも他方側に導く場合には、他方側に位置する給電ケーブルほど下方の支持ユニットに導くことができる。
【0053】
具体的には、図9に示すように、給電ケーブル8a~8dがガイド装置50よりも一方側に導かれる場合には、給電ケーブル8aが支持ユニット12aに導かれ、給電ケーブル8bが支持ユニット12bに導かれ、給電ケーブル8cが支持ユニット12cに導かれ、給電ケーブル8dが支持ユニット12dに導かれる。また、図8に示すように、給電ケーブル8a~8dがガイド装置50よりも他方側に導かれる場合には、給電ケーブル8dが支持ユニット12aに導かれ、給電ケーブル8cが支持ユニット12bに導かれ、給電ケーブル8bが支持ユニット12cに導かれ、給電ケーブル8aが支持ユニット12dに導かれる。
【0054】
以上のように、本実施形態に係るガイド装置50では、給電ケーブル8a~8dは、巻き取り装置7a~7d(アンローダ1a~1d)の位置によって異なる高さで第1ガイド部材51a,51b,51cに支持される。これにより、給電ケーブル8a~8dの位置に応じて適切な支持ユニット12a~12dに給電ケーブル8a~8dを円滑に導くことができる。その結果、給電ケーブル8a~8dに作用する力を低減でき、給電ケーブル8a~8dの損傷を抑制することができる。
【0055】
(収納ラックおよびガイド装置の具体的構成)
以下、収納ラック10およびガイド装置50の具体的な構成の一例を説明する。図11は、収納ラック10のうち、ガイド装置50の近傍の部分を示す拡大図である。図12は、収納ラック10の断面を示す図であり、(a)は、図11のa-a部分を示す断面図であり、(b)は、図11のb-b部分を示す断面図である。図13は、図11のc-c部分を示す断面図である。
【0056】
図11および図12に示すように、支持ユニット12aは、所定方向Xに延びるように配置された板状の基礎部20aと、基礎部20a上に支持された複数の支持部材20bとを有している。複数の支持部材20bは、ガイド装置50の一方側および他方側において、所定方向Xに沿ってかつ互いに間隔をおいて並ぶように配置されている。図示は省略するが、基礎部20aのうち、保持部91~94の上方の領域20c(一点鎖線で囲んだ部分)には、給電ケーブル8a~8dを上下方向に通すための挿通部(貫通孔)が形成されている。
【0057】
図12に示すように、収納ラック10の幅方向Y(所定方向X(図11参照)と上下方向とに直交する方向)における基礎部20aの両端部に支持されるように、一対の側壁部14が設けられている。図11に示すように、一対の側壁部14はそれぞれ、所定方向Xに沿ってかつ間隔をおいて並ぶように配置された複数の板状部材によって構成されている。図11に示すように、本実施形態では、各支持部材20bは、所定方向Xにおいて、側壁部14を構成する板状部材と板状部材との隙間に配置されている。
【0058】
図11に示すように、基礎部20aの領域20cの上方において一対の側壁部14に、ガイド装置50の第1ガイド部材51a,51b,51cが支持されている。第2ガイド部材52a,52bは、地面G上に設けられた支持部材40a,40bによって支持されている。
【0059】
図13に示すように、第1ガイド部材51aは、中空円柱状の本体部53aと、本体部53aの中心を貫通して幅方向Yに延びる円柱状の軸部54aとを有している。本実施形態では、本体部53aの外周面が第1ガイド部材51aのガイド面61aとして機能する。本体部53aは、一対の側壁部14の間に設けられている。
【0060】
図11および図13に示すように軸部54aの両端部は、一対の側壁部14にそれぞれ形成された長尺状の貫通孔14aに差し込まれている。貫通孔14aは、所定方向Xにおいて第1ガイド部材51bの一方側に設けられている。貫通孔14aは、所定方向Xにおける他方側ほど上方に位置するように、水平方向に対して傾斜している。本実施形態では、軸部54aが一対の貫通孔14a内を移動することによって、上述したように第1ガイド部材51aが原位置から斜め上方に移動する。
【0061】
図11に示すように、第1ガイド部材51b,51cはそれぞれ、第1ガイド部材51aと同様の構成を有している。具体的には、第1ガイド部材51bは、中空円柱状の本体部53bと、本体部53bの中心を貫通して幅方向Yに延びる円柱状の軸部54bとを有している。同様に、第1ガイド部材51cは、中空円柱状の本体部53cと、本体部53cの中心を貫通して幅方向Yに延びる円柱状の軸部54cとを有している。
【0062】
本実施形態では、本体部53bの外周面が第1ガイド部材51bのガイド面61bとして機能する。本体部53bは、一対の側壁部14の間に設けられている。軸部54bは、一対の側壁部14に固定されている。すなわち、本実施形態では、第1ガイド部材51bは一対の側壁部14に固定されている。
【0063】
本実施形態では、本体部53cの外周面が第1ガイド部材51cのガイド面61cとして機能する。軸部54cの両端部は、一対の側壁部14にそれぞれ形成された長尺状の貫通孔14bに差し込まれている。貫通孔14bは、所定方向Xにおいて第1ガイド部材51bの他方側に設けられている。貫通孔14bは、所定方向Xにおける一方側ほど上方に位置するように、水平方向に対して傾斜している。本実施形態では、軸部54cが一対の貫通孔14b内を移動することによって、上述したように第1ガイド部材51cが原位置から斜め上方に移動する。
【0064】
図11および図12に示すように、支持ユニット12b~12dはそれぞれ、複数の支持具22を有している。支持ユニット12bの複数の支持具22は、支持ユニット12aよりも上方において、所定方向Xに沿ってかつ互いに間隔をおいて並ぶように配置されている。支持ユニット12cの複数の支持具22は、支持ユニット12bよりも上方において、所定方向Xに沿ってかつ互いに間隔をおいて並ぶように配置されている。支持ユニット12dの複数の支持具22は、支持ユニット12cよりも上方において、所定方向Xに沿ってかつ互いに間隔をおいて並ぶように配置されている。
【0065】
本実施形態では、支持ユニット12bの複数の支持具22と、支持ユニット12aの複数の支持部材20bとは、所定方向Xにおいて互いにずれて配置されている。また、支持ユニット12b~12dのうちのいずれかの支持ユニットの複数の支持具22と、上下方向において隣り合う他の支持ユニット12b~12dの複数の支持具22とは、所定方向Xにおいて互いにずれて配置されている。具体的には、支持ユニット12bの複数の支持具22と、支持ユニット12bの1つ上段の支持ユニット12cの複数の支持具22とは、所定方向Xにおいて互いにずれて配置されている。同様に、支持ユニット12cの複数の支持具22と、支持ユニット12cの1つ上段の支持ユニット12dの複数の支持具22とは、所定方向Xにおいて互いにずれて配置されている。
【0066】
図14は、支持具22の構造を説明するための図である。具体的には、図14(a)は支持具22の正面図(幅方向Yから見た図)であり、図14(b)は支持具22の側面図(所定方向Xから見た図)であり、図14(c)は図14(a)のC-C部分を示す断面図である。
【0067】
図14に示すように、支持具22は、軸部材24と、支持部材26と、連結部材28と、錘30と、切替部材32とを有している。軸部材24は円柱形状を有し、一方の側壁部14(図12参照)の外側において所定方向Xに延びるように設けられている。軸部材24の所定方向Xにおける両端部は、側壁部14に支持されている。本実施形態では、軸部材24が支持部材26および切替部材32の回転軸として機能する。
【0068】
支持部材26および連結部材28は、所定方向Xから見て、軸部材24の延伸方向(所定方向X)に対して直交する方向(本実施形態では、軸部材24の径方向)に延び、かつ軸部材24を中心として回動できるように、軸部材24に支持されている。本実施形態では、支持部材26と連結部材28とは、所定方向Xから見て略直交するように一体形成されている。支持部材26の中央部には、スリット26aが形成されている。連結部材28の先端部に、錘30が固定されている。
【0069】
切替部材32は、所定方向Xから見て、支持部材26の延伸方向に交差する方向に延び、かつ軸部材24を中心として回動できるように、軸部材24に支持されている。本実施形態では、切替部材32は、支持部材26のスリット26aの内側において、軸部材24に取り付けられている。詳細は後述するが、本実施形態では、支持部材26を軸部材24周りに回動させることによって、当該支持部材26と側壁部14(図12参照)に設けられたストッパ18(図12参照)とが互いに係止するように、支持部材26の長さが設定されている。また、切替部材32を軸部材24周りに回動させる際に、当該切替部材32とストッパ18とが接触しないように、切替部材32の長さが設定されている。
【0070】
本実施形態では、支持具22の原位置(支持具22が給電ケーブルに接触していないときに復帰する位置)では、図14に示すように、連結部材28および切替部材32が水平な状態となる。言い換えると、原位置では、所定方向Xから見て、支持部材26と切替部材32とが略直交する。原位置から錘30が下方に移動するように連結部材28および支持部材26が回動することは、図示しないストッパによって防止されている。なお、錘30の重量は、支持具22が給電ケーブルに接触していないときに、支持具22を原位置に戻すことができるように設定されていればよい。
【0071】
また、詳細な説明は省略するが、切替部材32が原位置から下方に向かって回動する場合には、切替部材32と連結部材28とが互いに係止されることによって、支持部材26、連結部材28および切替部材32が一体的に回動する。一方、切替部材32が原位置から上方に向かって回動する場合には、切替部材32は、連結部材28および支持部材26から独立して回動することができる。
【0072】
以下、図面を用いて収納ラック10における支持具22の動作をより具体的に説明する。図15および図16は、支持具22の動作を説明するための図である。図15(a)~(c)に示すように、例えば、支持ユニット12bの原位置の支持具22に対して、切替部材32の上方から給電ケーブル8aが降下してきた場合には、給電ケーブル8aが切替部材32を下方に押して切替部材32が回動する。これより、給電ケーブル8aが1つ下段の支持ユニット12a(図12参照)に送られる。このとき、支持部材26および連結部材28は、切替部材32と一体的に回動する。これにより、図15(c)に示すように、支持部材26は、給電ケーブル8aの上方を覆う位置に移動する。このように、本実施形態では、切替部材32は、支持部材26を下方に向かって回動させるための操作レバーとして機能する。
【0073】
なお、図15(c)に示す状態では、支持具22には、錘30によって原位置に戻ろうとする力が生じている。しかし、支持ユニット12bから下方の支持ユニット12a(図12参照)に送られた給電ケーブル8aによって、切替部材32の上方への回動が防止される。すなわち、支持具22が原位置に戻ることが防止される。これにより、支持部材26が給電ケーブル8aの上方を覆う状態が維持される。一方、図15(c)に示す状態から給電ケーブル8aが上方に移動した場合には、支持具22は、原位置に戻るように回動する。
【0074】
その後、図15(d)に示すように、上方から降下してきた給電ケーブル8bによって支持部材26が下方に押されることによって、支持部材26および連結部材28が回動する。支持部材26の先端部の下面が側壁部14(図12参照)に設けられたストッパ18(図12参照)に係止されることによって、支持部材26は略水平な状態で維持される。これにより、支持ユニット12bの支持部材26によって給電ケーブル8bを支持することができる。
【0075】
図16(a)~(c)に示すように、例えば、支持ユニット12cの原位置の支持具22に対して、切替部材32の下方から給電ケーブル8aが上昇してきた場合には、給電ケーブル8aが切替部材32を上方に押して切替部材32が回動する。このとき、支持部材26および連結部材28は回動しない。図16(d)に示すように、給電ケーブル8aが切替部材32を越えてさらに上方に移動することによって、切替部材32は、自重により原位置に戻る。なお、本実施形態では、支持ユニット12b、支持ユニット12cおよび支持ユニット12dが同様の支持具22を備えているが、各支持ユニットが備える支持具の構成が異なっていてもよい。例えば、下から2段目の支持ユニット12bの支持具22においては、支持部材26、連結部材28および切替部材32が常に一体的に回動するように構成されていてもよい。すなわち、下から2段目の支持ユニット12bの支持具22においては、支持部材26、連結部材28および切替部材32が一体形成されていてもよい。
【0076】
上記のように各支持具22が動作することによって、収納ラック10は、巻き取り装置7a~7d(アンローダ1a~1d)の位置に応じて、支持ユニット12a~12dのいずれかによって給電ケーブル8a~8dを支持する。以下、収納ラック10による給電ケーブル8a~8dの支持態様について具体的に説明する。
【0077】
図17および図18は、巻き取り装置7a~7d(図9参照)がガイド装置50よりも一方側に位置している場合の収納ラック10の状態を示す図である。なお、図18(a)は、図17のA-A部分を示す断面図であり、図18(b)は、図17のB-B部分を示す断面図である。
【0078】
また、図19および図20は、巻き取り装置7a~7cがガイド装置50よりも一方側に位置し、巻き取り装置7dがガイド装置50よりも他方側に位置している場合の収納ラック10の状態を示す図である。なお、図20(a)は、図19のA-A部分を示す断面図であり、図20(b)は、図19のB-B部分を示す断面図である。
【0079】
図17に示すように、巻き取り装置7a~7dの全てがガイド装置50よりも一方側に位置している場合には、ガイド装置50の一方側において、収納ラック10の支持ユニット12a~12dによって給電ケーブル8a~8dが支持される。
【0080】
より具体的には、図17および図18(a)に示すように、巻き取り装置7aから繰り出された給電ケーブル8aは、ガイド装置50の一方側において、支持ユニット12aの複数の支持部材20bによって支持される。巻き取り装置7bから繰り出された給電ケーブル8bは、ガイド装置50の一方側において、支持ユニット12bの複数の支持具22(より具体的には、支持部材26)によって支持される。同様に、巻き取り装置7cから繰り出された給電ケーブル8cは、ガイド装置50の一方側において、支持ユニット12cの複数の支持具22によって支持され、巻き取り装置7dから繰り出された給電ケーブル8dは、ガイド装置50の一方側において、支持ユニット12dの複数の支持具22によって支持される。
【0081】
なお、図17および図18(b)に示すように、ガイド装置50の他方側では、支持ユニット12b~12dの各支持具22は、原位置に位置づけられる。
【0082】
図17に示す状態から巻き取り装置7d(図9参照)がガイド装置50の他方側に移動すると、図19に示すように、巻き取り装置7dから繰り出された給電ケーブル8dは、ガイド装置50の他方側において、支持ユニット12aの複数の支持部材20bによって支持される。
【0083】
具体的には、給電ケーブル8dは、まず、ガイド装置50の一方側において、支持ユニット12dの支持部材26から上方に離隔する。これにより、支持ユニット12dにおいてガイド装置50の一方側の支持具22は、原位置に戻るように回動する。しかし、図20(a)に示すように、支持ユニット12dの支持具22が原位置に戻ることは、支持ユニット12c上の給電ケーブル8cによって防止される。
【0084】
次に、給電ケーブル8dは、ガイド装置50の他方側において、収納ラック10の上方から、支持ユニット12dの支持具22、支持ユニット12cの支持具22、および支持ユニット12bの支持具22を回動させつつ下方に移動する。その後、給電ケーブル8dは、ガイド装置50の他方側において、支持ユニット12aの複数の支持部材20bに支持される。このとき、図20(b)に示すように、支持ユニット12c,12dの支持具22は、給電ケーブル8dが下方に通過した後、原位置に戻る。一方、支持ユニット12bの支持具22が原位置に戻ることは、支持ユニット12a上の給電ケーブル8dによって防止される。
【0085】
図19に示す状態から巻き取り装置7c(図7参照)がガイド装置50の他方側に移動する際には、給電ケーブル8cは、まず、ガイド装置50の一方側において、支持ユニット12cの支持部材26から上方に離隔する。これにより、支持ユニット12cにおいてガイド装置50の一方側の支持具22は、原位置に戻るように回動する。しかし、図11および図12に示すように、支持ユニット12cの支持具22が原位置に戻ることは、支持ユニット12b上の給電ケーブル8bによって防止される。
【0086】
また、給電ケーブル8cが上方に移動することによって、支持ユニット12dにおいてガイド装置50の一方側の支持具22が原位置に戻る。
【0087】
次に、給電ケーブル8cは、ガイド装置50の他方側において、収納ラック10の上方から、支持ユニット12dの支持具22および支持ユニット12cの支持具22を回動させつつ下方へ移動する。その後、給電ケーブル8cは、ガイド装置50の他方側において支持ユニット12bの複数の支持具22(支持部材26)に支持される。このとき、図11に示すように、ガイド装置50の他方側において、支持ユニット12dの支持具22は、給電ケーブル8cが下方に通過した後、原位置に戻る。一方、支持ユニット12cの支持具22が原位置に戻ることは、支持ユニット12b上の給電ケーブル8cによって防止される。
【0088】
詳細な説明は省略するが、図11に示す状態から巻き取り装置7b(図10参照)がガイド装置50の他方側に移動した場合には、図21に示すように、巻き取り装置7bから繰り出された給電ケーブル8bは、ガイド装置50の他方側において、支持ユニット12dの支持具22を回動させつつ下方に移動する。その後、給電ケーブル8bは、ガイド装置50の他方側において、支持ユニット12cの複数の支持具22によって支持される。このとき、ガイド装置50の他方側において支持ユニット12dの支持具22が原位置に戻ることは、支持ユニット12c上の給電ケーブル8bによって防止される。一方、ガイド装置50の一方側では、支持ユニット12cの支持具22が原位置に戻る。
【0089】
また、図21に示す状態から巻き取り装置7a(図8参照)がガイド装置50の他方側に移動した場合には、図22に示すように、巻き取り装置7aから繰り出された給電ケーブル8aは、ガイド装置50の他方側において、支持ユニット12dの複数の支持具22によって支持される。このとき、ガイド装置50の一方側では、支持ユニット12bの複数の支持具22が原位置に戻る。
【0090】
説明は省略するが、複数の給電ケーブル8a~8dが、ガイド装置50の他方側から一方側へ移動する場合にも、複数の支持具22は同様に動作する。
【0091】
以上のように、本実施形態では、最下段の支持ユニット12aを除く支持ユニット12b~12d(以下、上部ユニットと記載する。)の各支持具22は、自身と自身の1つ下段の支持ユニットとの間をいずれの給電ケーブルも通っていない場合には、給電ケーブルが上方から降下してきたときにその給電ケーブルを1つ下段の支持ユニットへ送る。一方、上部ユニットの各支持具22は、いずれかの給電ケーブルが自身と自身の1つ下段の支持ユニットとの間を通るように1つ下段の支持ユニットに支持されている場合には、給電ケーブルが上方から降下してきたときにその給電ケーブルを下方から支持する。さらに、上部ユニットの各支持具22は、1つ下段に送った給電ケーブルが自身の下方から上昇してきたときには、その給電ケーブルを上方に送ることができる。
【0092】
本実施形態に係る収納装置100では、上記のように各支持具22が動作することによって、給電ケーブル8a~8dそれぞれを、巻き取り装置7a~7d(アンローダ1a~1d)の位置に応じて、支持ユニット12a~12dのいずれかによって適切に支持することができる。これにより、複数の給電ケーブル8a~8dが互いに絡まることを抑制することができる。さらに、上述したように、本実施形態に係る収納装置100では、給電ケーブル8a~8dは、巻き取り装置7a~7d(アンローダ1a~1d)の位置によって異なる高さで第1ガイド部材51a,51b,51cに支持される。これにより、巻き取り装置7a~7d(アンローダ1a~1d)の位置に応じて適切な支持ユニット12a~12dに給電ケーブル8a~8dを円滑に導くことができる。これらの結果、給電ケーブル8a~8dに作用する力を十分に低減でき、給電ケーブル8a~8dの損傷を十分に抑制することができる。
【0093】
また、本実施形態では、複数の支持ユニット12a~12dが上下方向に並ぶように配置されているので、収納ラック10の幅を十分に小さくすることができる。これにより、収納ラック10の省スペース化が可能になる。その結果、アンローダ1a~1d(レール3a,3b)の周辺に、アンローダ1a~1dのメンテナンスを行うための作業スペースを十分に確保することができる。
【0094】
また、本実施形態では、収納ラック10は、ガイド装置50の一方側および他方側においてそれぞれ給電ケーブル8a~8dを支持することができる。この場合、ガイド装置50とアンローダ1a~1dとの距離を小さくできるので、給電ケーブル8a~8dの長さを短くできる。その結果、アンローダ1a~1dの巻き取り装置7a~7dの小型化が可能になる。
【0095】
また、本実施形態では、上下方向に隣り合う支持ユニットの複数の支持具22は所定方向Xにおいて互いにずれて配置されている。これにより、支持具22同士が接触することを防止しつつ、収納ラック10の上下方向の寸法を小さくすることができる。
【0096】
なお、上述の実施形態では、支持ユニット12a(最下段の支持ユニット)は、複数の支持部材20bによって給電ケーブルを支持しているが、支持ユニット12aに複数の支持部材20bを設けずに、基礎部20aによって給電ケーブルを支持してもよい。すなわち、基礎部20aを最下段の支持ユニットとして用いてもよい。
【0097】
また、上述の実施形態では、原位置に戻ることができるように各支持具22に錘30を設けているが、バネ等の他の装置によって、支持具22を原位置に戻してもよい。また、支持部材26および切替部材32の形状および配置も上述の例に限定されない。上述の支持部材26および切替部材32と同様に動作することができるのであれば、所定方向Xに並ぶように、棒状の支持部材および棒状の切替部材を軸部材24に設けてもよい。なお、バネ等の他の装置によって支持具22を原位置に戻す場合には、連結部材28が原位置よりも下方に移動するように支持具22が回動することを防止するためのストッパは設けなくてもよい。また、この場合には、全ての支持具22において、支持部材26、連結部材28および切替部材32が一体形成されていてもよい。この場合、例えば、原位置の支持具22の切替部材32が下方から上昇してきた給電ケーブルによって上方に押されると、連結部材28が原位置よりも下方に移動するように、支持部材26、連結部材28および切替部材32が一体的に回動する。その後、給電ケーブルが切替部材32を越えてさらに上方に移動すると、支持部材26、連結部材28および切替部材32は、原位置に戻るように一体的に回動する。
【0098】
また、上述の実施形態では、走行機械の一例としてアンローダについて説明したが、走行機械はアンローダに限定されない。本発明に係るガイド装置は、スタッカ、リクレーマ、クレーン等の種々の走行機械に接続された線状部材を支持ユニットに導くために利用することができる。
【0099】
また、上述の実施形態では軌条走行式の走行機械について説明したが、本発明は、タイヤ式の走行機械に接続された線状部材を支持ユニットに導く際にも利用できる。
【0100】
また、上述の実施形態では、線状部材の一例として給電ケーブルについて説明したが、線状部材は給電ケーブルに限定されない。本発明に係るガイド装置は、散水用の水を走行機械に供給するためのホース等の種々の線状部材を支持ユニットに導くために利用できる。
【0101】
なお、各支持ユニットにおいて、所定方向Xにおいて隣り合う支持具同士の距離は、線状部材の剛性に応じて適宜設定することができる。線状部材がアンローダに接続される一般的な給電ケーブルである場合には、所定方向Xにおける支持具間の距離は、例えば、30~60cm程度に設定される。
【0102】
(ガイド装置の変形例)
上述の実施形態では、ガイド装置が第2ガイド部材52a,52bを備える場合について説明したが、ガイド装置が第2ガイド部材を備えていなくてもよい。
【0103】
また、上述の実施形態では、3つの第1ガイド部材を備えるガイド装置によって4本の線状部材を支持ユニットに導く場合について説明したが、ガイド装置が備える第1ガイド部材の数は、線状部材の数に応じて適宜変更できる。具体的には、ガイド装置は、線状部材の数よりも1小さい数の第1ガイド部材を備えていればよい。
【0104】
なお、本明細書において第1ガイド部材とは、所定方向に隣り合う一対の線状部材の間に配置され、線状部材を支持するためのガイド面を有し、自身の一方側を通る線状部材を、上方を通るようにガイド面に沿わせて他方側に導くことができ、かつ自身の他方側を通る線状部材を、上方を通るようにガイド面に沿わせて一方側に導くことができるように構成されているガイド部材を意味する。以下、図面を用いてガイド装置の変形例を具体的に説明する。
【0105】
図23図25は、ガイド装置の他の例を示す図である。図23に示すように、ガイド装置70は、所定方向Xに互いに離隔して設けられた複数の保持部90から引き出された複数(本実施形態では、6本)の線状部材80を、複数の保持部90よりも上方において上下方向に並ぶように配置された複数段の支持ユニット12a~12fに導く。なお、本実施形態においても、上述の実施形態と同様に、複数の線状部材80と同数の支持ユニット12a~12fおよび複数の線状部材80と同数の保持部90が設けられている。最下段の支持ユニット12aは、上述の実施形態の支持ユニット12aと同様に構成することができる。また、支持ユニット12b~12fはそれぞれ、上述の支持ユニット12b~12dと同様に構成することができる。
【0106】
以下、ガイド装置70について具体的に説明するが、上述のガイド装置50と同様の構成についての説明は省略する。
【0107】
図23に示すように、ガイド装置70は、複数の第1ガイド部材71a,71b,71c,71d,71eと、一対の第2ガイド部材72a,72bとを有している。複数の第1ガイド部材71a~71eは、複数の保持部90よりも上方において、所定方向Xに並ぶように配置されている。第2ガイド部材72aは、所定方向Xにおいて複数の第1ガイド部材71a~71eの一方側に配置され、第2ガイド部材72bは、所定方向Xにおいて複数の第1ガイド部材71a~71eの他方側に配置されている。なお、第1ガイド部材71a~71eはそれぞれ、上述の第1ガイド部材51a,51b,51cと同様の構成を有しているので、詳細な説明は省略する。また、第2ガイド部材72a,72bはそれぞれ、上述の第2ガイド部材52a,52bと同様の構成を有しているので、詳細な説明は省略する。
【0108】
本実施形態では、複数の第1ガイド部材71a~71eのうち、所定方向Xの並び順における中央の第1ガイド部材71cを中央ガイド部材71cとする。また、中央ガイド部材71cよりも一方側に配置された複数の第1ガイド部材71a,71bを第1グループの第1ガイド部材71a,71bとし、中央ガイド部材71cよりも他方側に配置された複数の第1ガイド部材71d,71eを第2グループの第1ガイド部材71d,71eとする。
【0109】
第1ガイド部材71cの位置は、図7図10で説明した上述の第1ガイド部材51bと同様に固定されている。第1グループの第1ガイド部材71a,71bおよび第2グループの第1ガイド部材71d,71eは、図7図10で説明した上述の第1ガイド部材51a,51cと同様に揺動可能に設けられている。
【0110】
具体的には、図24に示すように、第1グループの第1ガイド部材71a,71bは、第1ガイド部材71a,71bの一方側を通る線状部材80によって他方側に向かって押されることによって、他方側に向かって斜め上方に移動できるように構成されている。これにより、第1グループでは、第1ガイド部材の一方側の線状部材を他方側に導く場合におけるガイド面(本実施形態では、第1ガイド部材の外周面)の上端位置が、当該第1ガイド部材の他方側の線状部材を一方側に導く場合におけるガイド面の上端位置よりも高くなる。
【0111】
また、図25に示すように、第2グループの第1ガイド部材71d,71eは、第1ガイド部材71d,71eの他方側を通る線状部材80によって一方側に向かって押されることによって、一方側に向かって斜め上方に移動できるように構成されている。これにより、第2グループでは、第1ガイド部材の他方側の線状部材を一方側に導く場合におけるガイド面(本実施形態では、外周面)の上端位置が、当該第1ガイド部材の一方側の線状部材を他方側に導く場合におけるガイド面の上端位置よりも高くなる。
【0112】
また、図24に示すように、本実施形態においても、上述の実施形態と同様に、第1ガイド部材71a~71eが一方側の線状部材80を他方側に導く場合におけるガイド面(第1ガイド部材の外周面)の上端位置は、一方側に位置する第1ガイド部材ほど高くなる。また、図25に示すように、第1ガイド部材71a~71eが他方側の線状部材80を一方側に導く場合におけるガイド面の上端位置は、他方側に位置する第1ガイドほど高くなる。
【0113】
上記のような構成により、本実施形態に係るガイド装置70においても、上述のガイド装置50と同様に、線状部材80の位置に応じて適切な支持ユニット12a~12fに線状部材80を円滑に導くことができる。
【0114】
なお、線状部材の数が6以上の偶数である場合には、複数の第1ガイド部材のうち所定方向の並び順における中央の第1ガイド部材を中央ガイド部材とし、中央ガイド部材よりも一方側に配置された複数の第1ガイド部材を第1グループの第1ガイド部材とし、中央ガイド部材よりも他方側に配置された複数の前記第1ガイド部材を第2グループの第1ガイド部材として、各第1ガイド部材を上述のガイド装置70と同様に動作させればよい。
【0115】
具体的には、第1グループの第1ガイド部材は、当該第1ガイド部材の一方側の線状部材を他方側に導く場合におけるガイド面の上端位置が、当該第1ガイド部材の他方側の線状部材を一方側に導く場合におけるガイド面の上端位置よりも高くなるように、揺動可能に設けられる。また、第2グループの第1ガイド部材は、当該第1ガイド部材の他方側の線状部材を一方側に導く場合におけるガイド面の上端位置が、当該第1ガイド部材の一方側の線状部材を他方側に導く場合におけるガイド面の上端位置よりも高くなるように、揺動可能に設けられる。なお、この場合にも、第1ガイド部材が当該第1ガイド部材の一方側の線状部材を他方側に導く場合におけるガイド面の上端位置は、一方側に位置する第1ガイド部材ほど高く設定され、第1ガイド部材が当該第1ガイド部材の他方側の線状部材を一方側に導く場合におけるガイド面の上端位置は、他方側に位置する前記第1ガイド部材ほど高く設定される。
【0116】
上述の実施形態では、ガイド装置が、4以上の偶数本の線状部材を複数の支持ユニットに導く場合について説明したが、ガイド装置が、5以上の奇数本の線状部材を複数の支持ユニットに導くように構成されていてもよい。以下、図面を用いて具体的に説明する。
【0117】
図26図28は、ガイド装置のその他の例を示す図である。図26に示すように、ガイド装置70aは、所定方向Xに互いに離隔して設けられた複数の保持部90から引き出された複数(本実施形態では、5本)の線状部材80を、複数の保持部90よりも上方において上下方向に並ぶように配置された複数段の支持ユニット12a~12eに導く。なお、本実施形態においても、上述の実施形態と同様に、複数の線状部材80と同数の支持ユニット12a~12eおよび複数の線状部材80と同数の保持部90が設けられている。最下段の支持ユニット12aは、上述の実施形態の支持ユニット12aと同様に構成することができる。また、支持ユニット12b~12eはそれぞれ、上述の支持ユニット12b~12dと同様に構成することができる。
【0118】
以下、ガイド装置70aについて具体的に説明するが、上述のガイド装置50と同様の構成についての説明は省略する。
【0119】
図26に示すように、ガイド装置70aは、複数の第1ガイド部材71a,71b,71c,71dと、一対の第2ガイド部材72a,72bとを有している。複数の第1ガイド部材71a~71dは、複数の保持部90よりも上方において、所定方向Xに並ぶように配置されている。第2ガイド部材72aは、所定方向Xにおいて複数の第1ガイド部材71a~71dの一方側に配置され、第2ガイド部材72bは、所定方向Xにおいて複数の第1ガイド部材71a~71dの他方側に配置されている。なお、第1ガイド部材71a~71dはそれぞれ、上述の第1ガイド部材51a,51b,51cと同様の構成を有しているので、詳細な説明は省略する。また、第2ガイド部材72a,72bはそれぞれ、上述の第2ガイド部材52a,52bと同様の構成を有しているので、詳細な説明は省略する。
【0120】
本実施形態では、複数の第1ガイド部材71a~71dのうち所定方向Xにおいて一方側の端から順に選択される複数の第1ガイド部材71a,71bを、第1グループの第1ガイド部材71a,71bとする。また、複数の第1ガイド部材71a~71dのうち所定方向Xにおいて他方側の端から順に選択される第1グループの第1ガイド部材71a,71bと同数の複数の第1ガイド部材71c,71dを、第2グループの第1ガイド部材71c,71dとする。なお、第1グループには、第2グループの第1ガイド部材は含まれず、第2グループには、第1グループの第1ガイド部材は含まれない。すなわち、第1グループと第2グループとは、異なる第1ガイド部材によって構成される。
【0121】
本実施形態では、第1グループの第1ガイド部材71a,71bおよび第2グループの第1ガイド部材71c,71dはそれぞれ、図7図10で説明した上述の第1ガイド部材51a,51cと同様に揺動可能に設けられている。
【0122】
具体的には、図27に示すように、第1グループの第1ガイド部材71a,71bは、第1ガイド部材71a,71bの一方側を通る線状部材80によって他方側に向かって押されることによって、他方側に向かって斜め上方に移動できるように構成されている。これにより、第1グループでは、第1ガイド部材の一方側の線状部材を他方側に導く場合におけるガイド面(本実施形態では、第1ガイド部材の外周面)の上端位置が、当該第1ガイド部材の他方側の線状部材を一方側に導く場合におけるガイド面の上端位置よりも高くなる。
【0123】
また、図28に示すように、第2グループの第1ガイド部材71c,71dは、第1ガイド部材71c,71dの他方側を通る線状部材80によって一方側に向かって押されることによって、一方側に向かって斜め上方に移動できるように構成されている。これにより、第2グループでは、第1ガイド部材の他方側の線状部材を一方側に導く場合におけるガイド面(本実施形態では、第1ガイド部材の外周面)の上端位置が、当該第1ガイド部材の一方側の線状部材を他方側に導く場合におけるガイド面の上端位置よりも高くなる。
【0124】
また、図27に示すように、本実施形態においても、上述の実施形態と同様に、第1ガイド部材71a~71dが一方側の線状部材80を他方側に導く場合におけるガイド面(第1ガイド部材の外周面)の上端位置は、一方側に位置する第1ガイド部材ほど高くなる。また、図28に示すように、第1ガイド部材71a~71dが他方側の線状部材80を一方側に導く場合におけるガイド面の上端位置は、他方側に位置する第1ガイドほど高くなる。
【0125】
上記のような構成により、本実施形態に係るガイド装置70aにおいても、上述のガイド装置50,70と同様に、線状部材80の位置に応じて適切な支持ユニット12a~12eに線状部材80を円滑に導くことができる。
【0126】
なお、線状部材の数が5以上の奇数である場合には、複数の第1ガイド部材のうち一方側の端から順に選択される複数の第1ガイド部材を第1グループの第1ガイド部材とし、他方側の端から順に選択される第1グループの第1ガイド部材と同数の複数の第1ガイド部材を第2グループの第1ガイド部材として、各第1ガイド部材を上述のガイド装置70aと同様に動作させればよい。
【0127】
具体的には、第1グループの第1ガイド部材は、当該第1ガイド部材の一方側の線状部材を他方側に導く場合におけるガイド面の上端位置が、当該第1ガイド部材の他方側の線状部材を一方側に導く場合におけるガイド面の上端位置よりも高くなるように、揺動可能に設けられる。また、第2グループの第1ガイド部材は、当該第1ガイド部材の他方側の線状部材を一方側に導く場合におけるガイド面の上端位置が、当該第1ガイド部材の一方側の線状部材を他方側に導く場合におけるガイド面の上端位置よりも高くなるように、揺動可能に設けられる。なお、この場合にも、第1ガイド部材が当該第1ガイド部材の一方側の線状部材を他方側に導く場合におけるガイド面の上端位置は、一方側に位置する第1ガイド部材ほど高く設定され、第1ガイド部材が当該第1ガイド部材の他方側の線状部材を一方側に導く場合におけるガイド面の上端位置は、他方側に位置する前記第1ガイド部材ほど高く設定される。
【0128】
上述の実施形態では、ガイド装置が、4本以上の線状部材を複数の支持ユニットに導く場合について説明したが、ガイド装置が、3本の線状部材を複数の支持ユニットに導くように構成されていてもよい。以下、図面を用いて具体的に説明する。
【0129】
図29図31は、ガイド装置のさらに他の例を示す図である。図29に示すように、ガイド装置70bは、所定方向Xに互いに離隔して設けられた複数の保持部90から引き出された3本の線状部材80を、複数の保持部90よりも上方において上下方向に並ぶように配置された3段の支持ユニット12a~12cに導く。なお、最下段の支持ユニット12aは、上述の実施形態の支持ユニット12aと同様に構成することができる。また、支持ユニット12b,12cはそれぞれ、上述の支持ユニット12b~12dと同様に構成することができる。
【0130】
図29に示すように、ガイド装置70bは、第1ガイド部材71a,71bと、第2ガイド部材72a,72bとを有している。第1ガイド部材71a,71bは、複数の保持部90よりも上方において、所定方向Xに並ぶように配置されている。第2ガイド部材72aは、所定方向Xにおいて第1ガイド部材71a,71bの一方側に配置され、第2ガイド部材72bは、所定方向Xにおいて第1ガイド部材71a,71bの他方側に配置されている。なお、第1ガイド部材71a,71bはそれぞれ、上述の第1ガイド部材51a,51b,51cと同様の構成を有しているので、詳細な説明は省略する。また、第2ガイド部材72a,72bはそれぞれ、上述の第2ガイド部材52a,52bと同様の構成を有しているので、詳細な説明は省略する。
【0131】
第1ガイド部材71a,71bは、図7図10で説明した上述の第1ガイド部材51a,51cと同様に揺動可能に設けられている。具体的には、図30に示すように、第1ガイド部材71aは、第1ガイド部材71aの一方側を通る線状部材80によって他方側に向かって押されることによって、他方側に向かって斜め上方に移動できるように構成されている。また、図31に示すように、第1ガイド部材71bは、第1ガイド部材71bの他方側を通る線状部材80によって一方側に向かって押されることによって、一方側に向かって斜め上方に移動できるように構成されている。
【0132】
なお、図30に示すように、第1ガイド部材71a,71bが一方側の線状部材80を他方側に導く場合におけるガイド面(第1ガイド部材の外周面)の上端位置は、一方側に位置する第1ガイド部材71aの方が高くなる。また、図31に示すように、第1ガイド部材71a,71bが他方側の線状部材80を一方側に導く場合におけるガイド面の上端位置は、他方側に位置する第1ガイド部材71bの方が高くなる。
【0133】
上記のような構成により、本実施形態に係るガイド装置70bにおいても、上述のガイド装置50と同様に、線状部材80の位置に応じて適切な支持ユニット12a~12cに線状部材80を円滑に導くことができる。
【0134】
上述の実施形態では、ガイド装置が、上下方向に移動可能に設けられた第1ガイド部材を備える場合について説明したが、第1ガイド部材の構成は上述の例に限定されない。以下、図面を用いて第1ガイド部材の変形例について説明する。
【0135】
図32図34は、第1ガイド部材の変形例を説明するための図である。図32に示すように、ガイド装置70cは、所定方向Xに互いに離隔して設けられた複数の保持部90から引き出された複数の線状部材80を、複数の保持部90よりも上方において上下方向に並ぶように配置された複数段の支持ユニット12a~12dに導く。なお、支持ユニット12a~12dは、上述の支持ユニット12a~12dと同様の構成を有している。
【0136】
図32に示すように、ガイド装置70は、複数の第1ガイド部材73a,73b,73cと、一対の第2ガイド部材74a,74bとを有している。複数の第1ガイド部材73a~73cは、複数の保持部90よりも上方において、所定方向Xに並ぶように配置されている。第2ガイド部材74aは、所定方向Xにおいて複数の第1ガイド部材73a~73cの一方側に配置され、第2ガイド部材74bは、所定方向Xにおいて複数の第1ガイド部材73a~73cの他方側に配置されている。
【0137】
図32図34に示すように、本実施形態においても、第1ガイド部材73a,73b,73cはそれぞれ、当該第1ガイド部材の一方側を通る線状部材80を、当該第1ガイド部材の上方を通るようにガイド面(本実施形態では、第1ガイド部材の外周面)に沿わせて、当該第1ガイド部材の他方側に導くことができるように構成されている。また、第1ガイド部材73a,73b,73cはそれぞれ、当該第1ガイド部材の他方側を通る線状部材80を、当該第1ガイド部材の上方を通るようにガイド面に沿わせて、当該第1ガイド部材の一方側に導くことができるように構成されている。
【0138】
本実施形態では、第1ガイド部材73a~73cはそれぞれ、支持ユニット12a~12dの幅方向(上下方向と所定方向Xとに直交する方向)から見て、左右非対称となる形状を有している。本実施形態では、第1ガイド部材73aは、上記幅方向に延びる揺動軸75aを中心として揺動可能に設けられ、第1ガイド部材73bは上記幅方向に延びる揺動軸75bを中心として揺動可能に設けられ、第1ガイド部材73cは、上記幅方向に延びる揺動軸75cを中心として揺動可能に設けられている。本実施形態では、上記幅方向から見て、揺動軸75a,75b,75cはそれぞれ、第1ガイド部材73a,73b,73cの幾何中心から偏心した位置に設けられている。
【0139】
より具体的には、図32図34に示すように、第1ガイド部材73a,73b,73cはそれぞれ、第1ガイド部材73a,73b,73cの一方側を通る線状部材80によって他方側に向かって押されることによって、揺動軸75a,75b,75cを中心として他方側に回動する。また、第1ガイド部材73a,73b,73cはそれぞれ、第1ガイド部材73a,73b,73cの他方側を通る線状部材80によって一方側に向かって押されることによって、揺動軸75a,75b,75cを中心として一方側に回動する。
【0140】
図33に示すように、第1ガイド部材73a~73cが一方側の線状部材80を他方側に導く場合におけるガイド面(第1ガイド部材の外周面)の上端位置は、一方側に位置する第1ガイド部材ほど高くなる。また、図34に示すように、第1ガイド部材73a~73cが他方側の線状部材80を一方側に導く場合におけるガイド面の上端位置は、他方側に位置する第1ガイド部材ほど高くなる。
【0141】
第2ガイド部材74a,74bの位置は固定されている。図32および図34に示す状態(第1ガイド部材73aが他方側の線状部材80を一方側に導いている状態)において、第2ガイド部材74aのガイド面(本実施形態では、第2ガイド部材74aの外周面)の上端位置は、第1ガイド部材73aのガイド面(本実施形態では、第1ガイド部材73aの外周面)の上端位置よりも低い。また、図32および図33に示す状態(第1ガイド部材73cが一方側の線状部材80を他方側に導いている状態)において、第2ガイド部材74bのガイド面(本実施形態では、第2ガイド部材74bの外周面)の上端位置は、第1ガイド部材73cのガイド面(本実施形態では、第1ガイド部材73cの外周面)の上端位置よりも低い。
【0142】
上記のような構成により、本実施形態に係るガイド装置70cにおいても、上述のガイド装置50と同様に、線状部材80の位置に応じて適切な支持ユニット12a~12dに線状部材80を円滑に導くことができる。
【0143】
なお、詳細な説明は省略するが、ガイド装置が、上下方向に移動可能な第1ガイド部材と、揺動軸を中心として揺動可能な第1ガイド部材とを備えていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0144】
本発明によれば、複数の線状部材を複数の支持ユニットに円滑に導くことができる。
【符号の説明】
【0145】
1,1a~1d アンローダ
7,7a~7d 巻き取り装置
8,8a~8d 給電ケーブル(線状部材)
10 収納ラック
12a~12f 支持ユニット
50,70,70a,70b,70c ガイド装置
51a~51c、71a~71e,73a~73c 第1ガイド部材
52a、52b、72a、72b、74a、74b 第2ガイド部材
61a~61c、62a、62b ガイド面
80 線状部材
90,91~94 保持部
100 収納装置
X 所定方向

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