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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-04
(45)【発行日】2023-04-12
(54)【発明の名称】定量注出装置
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/20 20060101AFI20230405BHJP
   B65D 47/24 20060101ALI20230405BHJP
   B65D 47/42 20060101ALI20230405BHJP
【FI】
B65D47/20 210
B65D47/24 110
B65D47/42
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018219289
(22)【出願日】2018-11-22
(65)【公開番号】P2020083369
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-10-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年9月7日に、リョートーファイン株式会社 高田倉庫(千葉県柏市高田1412番地)にて、大成化工株式会社が、リョートーファイン株式会社に、西倉英生及び黒澤智広が発明した定量吐出装置を納品した。
(73)【特許権者】
【識別番号】000206185
【氏名又は名称】大成化工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085291
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 実
(74)【代理人】
【識別番号】100166899
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 慶太
(74)【代理人】
【識別番号】100103218
【弁理士】
【氏名又は名称】牧村 浩次
(72)【発明者】
【氏名】西倉 英生
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 智広
【審査官】二ッ谷 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-8551(JP,A)
【文献】米国特許第3169267(US,A)
【文献】実開昭62-165253(JP,U)
【文献】実開昭49-112631(JP,U)
【文献】特開平11-193052(JP,A)
【文献】実公昭57-34131(JP,Y2)
【文献】実用新案登録第2588167(JP,Y2)
【文献】特許第4141635(JP,B2)
【文献】特許第4067822(JP,B2)
【文献】特許第6895166(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/20
B65D 47/24
B65D 47/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の口部に装着して、容器本体内部に収容した内容液を、一定量計量して容器本体外部に注出するための定量注出装置であって、
前記容器本体の口部に装着され、容器本体の口部の開口部と連通する連通開口部を備えた口部部材と、前記口部部材に装着され、口部部材との間でその内部に計量室を画成するとともに、先端部分にノズル開口部が形成されたノズルカバーと、前記計量室内において、軸方向に移動可能に配置され、前記ノズルカバーのノズル開口部を閉止する方向に付勢されるとともに、前記ノズルカバーのノズル開口部を介して外部に突出するように形成されたバルブ体を備えたスプリングバルブと、前記スプリングバルブのバルブ体を、軸方向に移動可能にするバルブ移動案内部材とを備え、
前記ノズルカバーのノズル開口部には、軸方向と交差するように形成された交差シール面と、軸方向に平行に形成されたフラットシール面とが形成され、
前記スプリングバルブのバルブ体には、前記ノズルカバーのノズル開口部の交差シール面と相補的に、軸方向と交差するように形成されたバルブ側交差シール面と、前記ノズルカバーのノズル開口部のフラットシール面と相補的に、軸方向に平行に形成されたバルブ側フラットシール面とが形成され、
前記バルブ移動案内部材が、計量室内に配置されるとともに、前記ノズルカバーを操作 することにより、計量室内を軸方向に移動可能に構成され、前記バルブ移動案内部材が前記スプリングバルブのバルブ体に当接することで、バルブ体がノズルカバーのノズル開口部に移動することによって、
前記ノズルカバーのノズル開口部の交差シール面と、前記スプリングバルブのバルブ体のバルブ側交差シール面とが当接するとともに、前記ノズルカバーのノズル開口部のフラットシール面と、前記スプリングバルブのバルブ体のバルブ側フラットシール面とが圧接して、前記ノズルカバーのノズル開口部を二重に液密状態に閉止するように構成したことを特徴とする、定量注出装置。
【請求項2】
前記バルブ移動案内部材が、前記ノズルカバーを操作することにより、ノズルカバー内を軸方向に移動可能なスライダーの先端部であることを特徴とする請求項に記載の定量注出装置。
【請求項3】
前記スライダーの基端部に配置され、前記スライダーの軸方向の移動に伴って、前記口部部材の連通開口部を開閉するように構成された弁体を備え、前記ノズルカバーを操作することにより、前記スライダーを軸方向にノズルカバーのノズル開口部方向に移動させることによって、前記スライダーの先端部が、スプリングバルブのバルブ体に当接して、スプリングバルブのバルブ体が、前記ノズルカバーのノズル開口部を閉止して、
前記スライダーの弁体が、前記口部部材の連通開口部を開放して、容器本体内部に収容した内容液が、口部部材の連通開口部を介して、計量室内に導入されるとともに、前記ノズルカバーを操作することにより、前記スライダーを軸方向にノズルカバーのノズル開口部から離反する方向に移動させることによって、前記スライダーの弁体が、前記口部部材の連通開口部を閉止して、容器本体内部に収容した内容液が、口部部材の連通開口部を介して、計量室内に導入されるのを阻止した状態となり、
前記スライダーの先端部が、スプリングバルブのバルブ体から離反する方向に移動して、スプリングバルブのバルブ体が、前記ノズルカバーのノズル開口部から離反可能な状態となるように構成したことを特徴とする請求項に記載の定量注出装置。
【請求項4】
前記ノズルカバーのノズル開口部の交差シール面と、前記スプリングバルブのバルブ体のバルブ側交差シール面とが、軸方向にノズル開口部から離反した側に形成されるとともに、
前記ノズルカバーのノズル開口部のフラットシール面と、前記スプリングバルブのバルブ体のバルブ側フラットシール面とが、軸方向にノズル開口部側に形成されていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の定量注出装置。
【請求項5】
前記ノズルカバーのノズル開口部の交差シール面と、前記スプリングバルブのバルブ体のバルブ側交差シール面とが、それぞれ複数形成されているとともに、
前記ノズルカバーのノズル開口部のフラットシール面と、前記スプリングバルブのバルブ体のバルブ側フラットシール面とが、それぞれ複数形成されていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の定量注出装置。
【請求項6】
前記ノズルカバーを覆う脱着自在なカバー部材を備え、
前記カバー部材には、スプリングバルブのノズルカバーのノズル開口部を介して外部に突出するバルブ体と係合するバルブ係合部を備え、
前記バルブ移動案内部材が、前記カバー部材をノズルカバーを覆うように装着した際に、前記ノズルカバーのバルブ係合部とスプリングバルブのバルブ体とが係合することによって、スプリングバルブのバルブ体が、ノズル開口部方向に移動されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の定量注出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器本体の口部に装着して、容器本体内部に収容した内容液、例えば、育毛剤、化粧液、薬液などの液体、揮発性の液体、流動液など(以下、単に「内容液」と言う)を、一定量計量して容器本体外部に注出するための定量注出装置および、定量注出装置を備えた定量注出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このように内容液を、一定量計量して容器本体外部に注出することが可能な定量注出容器が、種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1(実用新案登録第2588167号公報)、特許文献2(特許第4141635号公報)、特許文献3(特許第4067822号公報)には、一定量計量して容器本体外部に注出することが可能な定量注出容器が提案されている。
【0004】
これらの特許文献1~特許文献3において提案されている定量注出容器は、いずれも、以下のようにして使用されるものである。
【0005】
すなわち、先ず、回転操作することによって軸方向に移動するように構成された操作部を、所定の方向に回転操作することによって、容器本体と計量室の間の開口部を閉止する弁体を開放方向に移動させて、開口部を連通するように開口させる。この状態で、容器全体を天地逆さまにして、正立状態から倒立状態にしている。
【0006】
そして、この状態で、容器本体と計量室の間の開口部を介して、計量室に容器本体に収容した内容液が導入される。
【0007】
次に、再度、容器全体を天地逆さまにして、倒立状態から正立状態にしている。これにより、開口された状態のままの容器本体と計量室の間の開口部を介して、計量室内に流入された余分な内容液が、容器本体内に流れ落ちて戻るようになっている。
【0008】
この際、計量室の側周部に形成された計量凹部に、所定の量の内容液が残存して計量されることになる。
【0009】
そして、この状態で、操作部を逆の方向に回転操作することによって、容器本体と計量室の間の開口部を閉止する方向に弁体を移動させて、容器本体と計量室の間の開口部を閉止する。
【0010】
そして、再度、容器全体を天地逆さまにして、正立状態から倒立状態にして、定量注出容器の先端に形成されたノズル開口部に装着され、スプリングによって、ノズル開口部を閉止する方向に付勢されたバルブ体を、例えば、頭皮などの被塗布部に押し付ける。
【0011】
これにより、ノズル開口部が開放され、計量室内の計量された内容液が塗布(注出)できるように構成されている。
【0012】
例えば、特許文献1の図1、段落[0012]~[0014]、特許文献2の図1図2、段落[0014]、特許文献3の図1図3図5など参照。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】実用新案登録第2588167号公報
【文献】特許第4141635号公報
【文献】特許第4067822号公報
【文献】特開平11-193052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、このような特許文献1~特許文献3などに開示される従来の定量注出容器では、計量から注出までに、前述したような手間のかかる操作が必要となる。
【0015】
すなわち、操作部を操作して、容器本体と計量室の間の開口部を開放した後、容器全体を正立状態から倒立状態にして、計量室に容器本体に収容した内容液を導入させる。
【0016】
そして、再度、容器全体を倒立状態から正立状態にして、計量室の側周部に形成された計量凹部内に、内容液を残存させて計量する。
【0017】
次に、操作部を操作して、容器本体と計量室の間の開口部を閉止した後、再度、容器全体を正立状態から倒立状態にして、計量室内の計量された内容液が塗布(注出)される。
【0018】
従って、容器全体を、正立状態から倒立状態にした上で、再度、倒立状態から正立状態にして、計量を行って、塗布(注出)のために、再度、正立状態から倒立状態にしなければならず、煩雑な操作が必要で手間がかかることになる。
【0019】
また、容器全体を倒立状態から正立状態にして、計量室の側周部に形成された計量凹部内に、内容液を残存させて計量した後に、操作部を操作する際には、細心の注意をもって操作部を操作しなければならない。
【0020】
すなわち、操作部を操作して、容器本体と計量室の間の開口部を閉止する際には、操作部の操作が乱暴であれば、容器本体が揺れてしまい、計量凹部内に残存する計量され、計量凹部内で満杯となっている内容液の液面が揺れることになる。
【0021】
その結果、開口された状態のままの容器本体と計量室の間の開口部を介して、計量室内に流入された計量済みの内容液が、容器本体内に流れ落ちて戻ってしまい、正確な計量ができないことになる。
【0022】
また、これらの計量から注出までの間は、定量注出容器の先端に形成されたノズル開口部に装着されたバルブ体によって、ノズル開口部が閉止された状態であるが、この閉止状態は、ノズル開口部の内周の傾斜壁と、バルブ体の外周のテーパー壁との間の一重のシールである。
【0023】
しかも、このノズル開口部の内周の傾斜壁と、バルブ体の外周のテーパー壁との間のシールは、バルブ体のスプリングによるノズル開口部を閉止する方向への付勢力によるものである。
【0024】
このため、前述したような、計量操作のために、容器全体を、倒立状態と正立状態との間で、複数回天地を逆さまにする操作の際にノズル開口部とバルブ体との間のシールが解除されてしまうおそれがある。
【0025】
その結果、内容液が外部に漏洩して、周囲を汚染してしまうことになるとともに、正確な計量ができないおそれがある。
【0026】
なお、特許文献4(特開平11-193052号公報)には、定量注出容器の先端の弁座と弁体の弁部との当接による第1の密閉部の後方に、弁体の外周または定量注出容器の先端の内周の何れか一方に、軸線と平行のストレート部を有する凹みを形成している。
【0027】
そして、他方にこのストレート部と摺接する突起を設け、この突起と凹みによる第2の密閉部を形成してなる弁付塗布具が開示されている。
【0028】
これにより、突起と凹みによる第2の密閉部を設けたので、第1の密閉部(シール部)が機能低下しても、この機能低下を第2の密閉部(シール部)で補うことができ、結果として、シール性を向上することができるように構成されている。
【0029】
しかしながら、特許文献4では、第1の密閉部と第2の密閉部の二重のシールを設けているが、これらのシール力は、弁体の基端部に設けられたスプリングによるノズル開口部を閉止する方向への付勢力によるものである。
【0030】
このように、特許文献4では、弁体は、スプリングにより閉止する方向へ付勢されているのみであるので、付勢力が弱く、弁体が弁座に密接するまで戻らない可能性がある。
その結果、弁体と弁座の間の密封性(シール性)が良好ではなく、十分にシールされず、倒立させた際に、内容液が漏れてしまうおそれがある。
【0031】
従って、特許文献4の二重のシールを、前述したような、計量操作のために、容器全体を、倒立状態と正立状態との間で、複数回天地を逆さまにする操作をする場合に単に適用した場合には、定量注出容器の先端の弁座と弁体の弁部との間のシールが解除されてしまうおそれがある。
【0032】
本発明は、このような現状に鑑み、計量操作のために、容器全体を、倒立状態と正立状態との間で、天地を逆さまにする操作をする場合においても、定量注出容器の先端の弁座と弁体の弁部との間のシールが解除されてしまうことがなく、内容液が外部に漏洩せず、周囲を汚染してしまうこともなく、しかも、正確な計量が可能な定量注出装置、および、定量注出装置を備えた定量注出容器を提供することを目的とする。
【0033】
また、本発明は、煩雑な操作が必要で手間がかかることがなく、正確な計量が可能な定量注出装置、および、定量注出装置を備えた定量注出容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0034】
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、本発明の定量注出装置は、
容器本体の口部に装着して、容器本体内部に収容した内容液を、一定量計量して容器本体外部に注出するための定量注出装置であって、
前記容器本体の口部に装着され、容器本体の口部の開口部と連通する連通開口部を備えた口部部材と、
前記口部部材に装着され、口部部材との間でその内部に計量室を画成するとともに、先端部分にノズル開口部が形成されたノズルカバーと、
前記計量室内において、軸方向に移動可能に配置され、前記ノズルカバーのノズル開口部を閉止する方向に付勢されるとともに、前記ノズルカバーのノズル開口部を介して外部に突出するように形成されたバルブ体を備えたスプリングバルブと、
前記スプリングバルブのバルブ体を、軸方向に移動可能にするバルブ移動案内部材とを備え、
前記ノズルカバーのノズル開口部には、
軸方向と交差するように形成された交差シール面と、
軸方向に平行に形成されたフラットシール面とが形成され、
前記スプリングバルブのバルブ体には、
前記ノズルカバーのノズル開口部の交差シール面と相補的に、軸方向と交差するように形成されたバルブ側交差シール面と、
前記ノズルカバーのノズル開口部のフラットシール面と相補的に、軸方向に平行に形成されたバルブ側フラットシール面とが形成され、
前記バルブ移動案内部材により、スプリングバルブのバルブ体を、ノズルカバーのノズル開口部に移動させることによって、
前記ノズルカバーのノズル開口部の交差シール面と、前記スプリングバルブのバルブ体のバルブ側交差シール面とが当接するとともに、
前記ノズルカバーのノズル開口部のフラットシール面と、前記スプリングバルブのバルブ体のバルブ側フラットシール面とが圧接して、前記ノズルカバーのノズル開口部を二重に液密状態に閉止するように構成したことを特徴とする。
【0035】
また、本発明の定量注出装置は、
前記バルブ移動案内部材が、計量室内に配置されるとともに、前記ノズルカバーを操作することにより、計量室内を軸方向に移動可能に構成され、
前記バルブ移動案内部材が、前記スプリングバルブのバルブ体に当接することによって、
前記ノズルカバーのノズル開口部の交差シール面と、前記スプリングバルブのバルブ体のバルブ側交差シール面とが当接するとともに、
前記ノズルカバーのノズル開口部のフラットシール面と、前記スプリングバルブのバルブ体のバルブ側フラットシール面とが圧接して、前記ノズルカバーのノズル開口部を二重に液密状態に閉止するように構成したことを特徴とする。
【0036】
また、本発明の定量注出装置は、
前記バルブ移動案内部材が、前記ノズルカバーを操作することにより、ノズルカバー内を軸方向に移動可能なスライダーの先端部であることを特徴とする。
【0037】
このように構成することによって、ノズルカバーのノズル開口部には、軸方向と交差するように形成された交差シール面と、軸方向に平行に形成されたフラットシール面とが形成されている。
【0038】
また、スプリングバルブのバルブ体には、ノズルカバーのノズル開口部の交差シール面と相補的に、軸方向と交差するように形成されたバルブ側交差シール面と、ノズルカバーのノズル開口部のフラットシール面と相補的に、軸方向に平行に形成されたバルブ側フラットシール面とが形成されている。
【0039】
そして、バルブ移動案内部材により、スプリングバルブのバルブ体を、ノズルカバーのノズル開口部に移動させることによって、ノズルカバーのノズル開口部の交差シール面と、スプリングバルブのバルブ体のバルブ側交差シール面とが当接するとともに、ノズルカバーのノズル開口部のフラットシール面と、スプリングバルブのバルブ体のバルブ側フラットシール面とが圧接して、ノズルカバーのノズル開口部を二重に液密状態に閉止することができる。
【0040】
また、ノズルカバーを操作することにより、スライダーを軸方向にノズルカバーのノズル開口部方向に移動させることによって、バルブ移動案内部材であるスライダーの先端部が、スプリングバルブのバルブ体に当接する。
【0041】
これによって、ノズルカバーのノズル開口部の交差シール面と、スプリングバルブのバルブ体のバルブ側交差シール面とが当接するとともに、ノズルカバーのノズル開口部のフラットシール面と、スプリングバルブのバルブ体のバルブ側フラットシール面とが圧接して、ノズルカバーのノズル開口部を二重に液密状態に閉止することができる。
【0042】
従って、ノズルカバーのノズル開口部を二重に液密状態に閉止することができ、しかも、スライダーの先端部が、スプリングバルブのバルブ体に当接した状態であるので、容器全体を、計量操作のために、倒立状態と正立状態との間で、天地を逆さまにする操作をする場合においても、また、バルブ体が押し込まれた場合においても、定量注出容器の先端の弁座と弁体の弁部との間のシール(すなわち、ノズルカバーのノズル開口部とスプリングバルブのバルブ体との間のシール)が解除されてしまうことがない。
【0043】
その結果、内容液が外部に漏洩せず、周囲を汚染してしまうこともなく、しかも、正確な計量が可能な定量注出装置、および、定量注出装置を備えた定量注出容器を提供することができる。
【0044】
しかも、後述するように、ノズルカバーのノズル開口部に装着され、スプリングによって、ノズル開口部を閉止する方向に付勢されたスプリングバルブのバルブ体を、例えば、頭皮などの被塗布部に押し付けて、計量室内の計量された内容液を塗布(注出)する際に、ノズルカバーのノズル開口部のフラットシール面と、スプリングバルブのバルブ体のバルブ側フラットシール面とが圧接状態が解除される時に、使用者にクリック感が伝達され、内容液が塗布(注出)できる状態になったことを認識でき便利である。
【0045】
また、本発明の定量注出装置は、
前記スライダーの基端部に配置され、前記スライダーの軸方向の移動に伴って、前記口部部材の連通開口部を開閉するように構成された弁体を備え、
前記ノズルカバーを操作することにより、前記スライダーを軸方向にノズルカバーのノズル開口部方向に移動させることによって、
前記スライダーの先端部が、スプリングバルブのバルブ体に当接して、スプリングバルブのバルブ体が、前記ノズルカバーのノズル開口部を閉止して、
前記スライダーの弁体が、前記口部部材の連通開口部を開放して、容器本体内部に収容した内容液が、口部部材の連通開口部を介して、計量室内に導入されるとともに、
前記ノズルカバーを操作することにより、前記スライダーを軸方向にノズルカバーのノズル開口部から離反する方向に移動させることによって、
前記スライダーの弁体が、前記口部部材の連通開口部を閉止して、容器本体内部に収容した内容液が、口部部材の連通開口部を介して、計量室内に導入されるのを阻止した状態となり、
前記スライダーの先端部が、スプリングバルブのバルブ体から離反する方向に移動して、スプリングバルブのバルブ体が、前記ノズルカバーのノズル開口部から離反可能な状態となるように構成したことを特徴とする。
【0046】
このように構成することによって、ノズルカバーを操作することにより、スライダーを軸方向にノズルカバーのノズル開口部方向に移動させることによって、スライダーの先端部が、スプリングバルブのバルブ体に当接して、スプリングバルブのバルブ体が、ノズルカバーのノズル開口部を閉止した状態とすることができる。
【0047】
従って、スライダーの先端部が、スプリングバルブのバルブ体に当接した状態であるので、スプリングバルブのバルブ体が、ノズルカバーのノズル開口部を閉止した液密状態を保持することができる。
【0048】
また、このようにノズルカバーを操作することにより、スライダーが計量室内を軸方向に、口部部材の連通開口部から離反する方向に移動することになる。
【0049】
これにより、スプリングバルブのバルブ体が、ノズルカバーのノズル開口部を閉止している状態で、スライダーの軸方向の移動に伴って、スライダーの基端部に配置された弁体によって、口部部材の連通開口部を開放する。
【0050】
これにより、このようにノズルカバーを操作することにより、口部部材の連通開口部を開放した状態で、容器全体を、正立状態から倒立状態にすることによって、口部部材の連通開口部を介して、容器本体内に収容された内容液が、一定量だけ計量室内に導入することができる。
【0051】
この操作の際には、スライダーの先端部が、スプリングバルブのバルブ体に当接した状態であるので、ノズルカバーのノズル開口部を二重に液密状態に閉止した状態を維持することができるので、容器全体を、計量操作のために、倒立状態と正立状態との間で、天地を逆さまにする操作をする場合においても、定量注出容器の先端の弁座と弁体の弁部との間のシールが解除されてしまうことがない。
【0052】
その結果、内容液が外部に漏洩せず、周囲を汚染してしまうこともなく、しかも、正確な計量が可能である。
【0053】
そして、この状態で、ノズルカバーを操作することにより、スライダーを軸方向にノズルカバーのノズル開口部から離反する方向に移動させる(すなわち、スライダーが計量室内を軸方向に、口部部材の連通開口部に当接する方向に移動させる)ことができる。
【0054】
これにより、スライダーの基端部に配置された弁体により、口部部材の連通開口部が閉止されて、計量室内に一定量の内容液が、計量室内に残存することになる。
【0055】
この状態では、スライダーを軸方向にノズルカバーのノズル開口部から離反する方向に移動された状態であるので、スライダーの先端部が、スプリングバルブのバルブ体から離反した状態となる。
【0056】
これにより、スプリングバルブのバルブ体は、スプリングバルブのスプリングによって、ノズルカバーのノズル開口部を閉止する方向に付勢されているだけの状態となる。
【0057】
従って、この状態で、ノズルカバーのノズル開口部に装着され、スプリングバルブのスプリングによって、ノズル開口部を閉止する方向に付勢されたスプリングバルブのバルブ体を、例えば、頭皮などの被塗布部に押し付ける。
【0058】
これにより、ノズル開口部が開放され、計量室内の計量された内容液が塗布(注出)できるように構成されている。
【0059】
従って、容器全体を、正立状態から倒立状態に一度だけ操作することによって、計量と注出が可能であり、煩雑な操作が必要で手間がかかることがなく、正確な計量が可能な定量注出装置、および、定量注出装置を備えた定量注出容器を提供することができる。
【0060】
また、本発明の定量注出装置は、
前記ノズルカバーのノズル開口部の交差シール面と、前記スプリングバルブのバルブ体のバルブ側交差シール面とが、軸方向にノズル開口部側に形成されるとともに、
前記ノズルカバーのノズル開口部のフラットシール面と、前記スプリングバルブのバルブ体のバルブ側フラットシール面とが、軸方向にノズル開口部から離反した側に形成されていることを特徴とする。
【0061】
このように、ノズルカバーのノズル開口部の交差シール面と、スプリングバルブのバルブ体のバルブ側交差シール面とが、軸方向にノズル開口部側に形成されるとともに、ノズルカバーのノズル開口部のフラットシール面と、スプリングバルブのバルブ体のバルブ側フラットシール面とが、軸方向にノズル開口部から離反した側に形成されていても良い。
【0062】
また、本発明の定量注出装置は、
前記ノズルカバーのノズル開口部の交差シール面と、前記スプリングバルブのバルブ体のバルブ側交差シール面とが、軸方向にノズル開口部から離反した側に形成されるとともに、
前記ノズルカバーのノズル開口部のフラットシール面と、前記スプリングバルブのバルブ体のバルブ側フラットシール面とが、軸方向にノズル開口部側に形成されていることを特徴とする。
【0063】
このように、ノズルカバーのノズル開口部の交差シール面と、スプリングバルブのバルブ体のバルブ側交差シール面とが、軸方向にノズル開口部から離反した側に形成されるとともに、ノズルカバーのノズル開口部のフラットシール面と、スプリングバルブのバルブ体のバルブ側フラットシール面とが、軸方向にノズル開口部側に形成されていても良い。
【0064】
また、本発明の定量注出装置は、
前記ノズルカバーのノズル開口部の交差シール面と、前記スプリングバルブのバルブ体のバルブ側交差シール面とが、それぞれ複数形成されているとともに、
前記ノズルカバーのノズル開口部のフラットシール面と、前記スプリングバルブのバルブ体のバルブ側フラットシール面とが、それぞれ複数形成されていることを特徴とする。
【0065】
このように構成することによって、ノズルカバーのノズル開口部の交差シール面と、スプリングバルブのバルブ体のバルブ側交差シール面とが、それぞれ複数形成されているとともに、ノズルカバーのノズル開口部のフラットシール面と、スプリングバルブのバルブ体のバルブ側フラットシール面とが、それぞれ複数形成されているので、いわゆる多重のシール構造となって、シール性能が向上することになる。
【0066】
また、本発明の定量注出装置は、前記ノズルカバーを覆う脱着自在なカバー部材を備えることを特徴とする。
【0067】
このように構成することによって、ノズルカバーを覆う脱着自在なカバー部材を備えているので、保管時に、カバー部材によって、ノズルカバーを覆うことによって、ノズルカバーのノズル開口部を介して外部に突出するように形成されたスプリングバルブのバルブ体に、手などが、不用意に当たることがない。
【0068】
従って、不用意に、ノズルカバーのノズル開口部とスプリングバルブのバルブ体との間のシールが解除されることがなく、内容液が外部に漏洩せず、周囲を汚染してしまうこともない。
【0069】
また、本発明の定量注出装置は、
前記ノズルカバーを覆う脱着自在なカバー部材を備え、
前記カバー部材には、スプリングバルブのノズルカバーのノズル開口部を介して外部に突出するバルブ体と係合するバルブ係合部を備え、
前記バルブ移動案内部材が、前記カバー部材をノズルカバーを覆うように装着した際に、前記ノズルカバーのバルブ係合部とスプリングバルブのバルブ体とが係合することによって、スプリングバルブのバルブ体が、ノズル開口部方向に移動されるように構成されていることを特徴とする。
【0070】
このように構成することによって、カバー部材には、スプリングバルブのノズルカバーのノズル開口部を介して外部に突出するバルブ体と係合するバルブ係合部を備えている。
【0071】
そして、バルブ移動案内部材が、カバー部材をノズルカバーを覆うように装着した際に、ノズルカバーのバルブ係合部とスプリングバルブのバルブ体とが係合することによって、スプリングバルブのバルブ体が、ノズル開口部方向に移動されるようになっている。
【0072】
これにより、ノズルカバーのノズル開口部の交差シール面と、スプリングバルブのバルブ体のバルブ側交差シール面との当接状態と、ノズルカバーのノズル開口部のフラットシール面と、スプリングバルブのバルブ体のバルブ側フラットシール面との圧接状態がより安定して、ノズルカバーのノズル開口部を二重に液密状態に閉止することができる。
【0073】
その結果、保管時に、不用意にノズルカバーのノズル開口部とスプリングバルブのバルブ体との間のシールが解除されてしまうことがなく、内容液が外部に漏洩せず、周囲を汚染してしまうこともない。
【0074】
また、本発明の定量注出装置は、前記カバー部材のバルブ係合部とスプリングバルブのバルブ体との係合が、ネジ係合であることを特徴とする。
【0075】
このように構成することによって、カバー部材のバルブ係合部とスプリングバルブのバルブ体との係合を、例えば、逆ネジからなるネジ係合で構成することにより、カバー部材を回転するだけで、ノズルカバーのノズル開口部の交差シール面と、スプリングバルブのバルブ体のバルブ側交差シール面との当接状態と、ノズルカバーのノズル開口部のフラットシール面と、スプリングバルブのバルブ体のバルブ側フラットシール面との圧接状態がより安定して、ノズルカバーのノズル開口部を二重に液密状態に閉止することができる。
【0076】
その結果、保管時に、不用意にノズルカバーのノズル開口部とスプリングバルブのバルブ体との間のシールが解除されてしまうことがなく、内容液が外部に漏洩せず、周囲を汚染してしまうこともない。
【0077】
また、本発明の定量注出装置は、前記ノズルカバーが、口部部材に対して周方向に回転することによって、スライダーが計量室内を軸方向に移動可能に構成されていることを特徴とする。
【0078】
このように構成することによって、ノズルカバーが、口部部材に対して周方向に回転することによって、スライダーが計量室内を軸方向に移動可能に構成されているので、ノズルカバーを回転するという簡単な操作で、スライダーを軸方向に移動することができる。
【0079】
これにより、簡単な操作で、前述したようなノズルカバーのノズル開口部を二重に液密状態に閉止することができるとともに、正確な計量が可能な定量注出装置、および、定量注出装置を備えた定量注出容器を提供することができる。
【0080】
また、本発明の定量注出容器は、前述のいずれかに記載の定量注出装置を、容器本体の口部に装着したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0081】
本発明によれば、ノズルカバーのノズル開口部には、軸方向と交差するように形成された交差シール面と、軸方向に平行に形成されたフラットシール面とが形成されている。
【0082】
また、スプリングバルブのバルブ体には、ノズルカバーのノズル開口部の交差シール面と相補的に、軸方向と交差するように形成されたバルブ側交差シール面と、ノズルカバーのノズル開口部のフラットシール面と相補的に、軸方向に平行に形成されたバルブ側フラットシール面とが形成されている。
【0083】
そして、バルブ移動案内部材により、スプリングバルブのバルブ体を、ノズルカバーのノズル開口部に移動させることによって、ノズルカバーのノズル開口部の交差シール面と、スプリングバルブのバルブ体のバルブ側交差シール面とが当接するとともに、ノズルカバーのノズル開口部のフラットシール面と、スプリングバルブのバルブ体のバルブ側フラットシール面とが圧接して、ノズルカバーのノズル開口部を二重に液密状態に閉止することができる。
【0084】
また、ノズルカバーを操作することにより、スライダーを軸方向にノズルカバーのノズル開口部方向に移動させることによって、バルブ移動案内部材であるスライダーの先端部が、スプリングバルブのバルブ体に当接する。
【0085】
これによって、ノズルカバーのノズル開口部の交差シール面と、スプリングバルブのバルブ体のバルブ側交差シール面とが当接するとともに、ノズルカバーのノズル開口部のフラットシール面と、スプリングバルブのバルブ体のバルブ側フラットシール面とが圧接して、ノズルカバーのノズル開口部を二重に液密状態に閉止することができる。
【0086】
従って、ノズルカバーのノズル開口部を二重に液密状態に閉止することができ、しかも、スライダーの先端部が、スプリングバルブのバルブ体に当接した状態であるので、容器全体を、計量操作のために、倒立状態と正立状態との間で、天地を逆さまにする操作をする場合においても、定量注出容器の先端の弁座と弁体の弁部との間のシール(すなわち、ノズルカバーのノズル開口部とスプリングバルブのバルブ体との間のシール)が解除されてしまうことがない。
【0087】
その結果、内容液が外部に漏洩せず、周囲を汚染してしまうこともなく、しかも、正確な計量が可能な定量注出装置、および、定量注出装置を備えた定量注出容器を提供することができる。
【0088】
しかも、前述したように、ノズルカバーのノズル開口部に装着され、スプリングによって、ノズル開口部を閉止する方向に付勢されたスプリングバルブのバルブ体を、例えば、頭皮などの被塗布部に押し付けて、計量室内の計量された内容液が塗布(注出)する際に、ノズルカバーのノズル開口部のフラットシール面と、スプリングバルブのバルブ体のバルブ側フラットシール面とが圧接状態が解除される時に、使用者にクリック感が伝達され、内容液が塗布(注出)できる状態になったことを認識でき便利である。
【0089】
また、本発明によれば、ノズルカバーを操作することにより、スライダーを軸方向にノズルカバーのノズル開口部方向に移動させることによって、スライダーの先端部が、スプリングバルブのバルブ体に当接して、スプリングバルブのバルブ体が、ノズルカバーのノズル開口部を閉止した状態とすることができる。
【0090】
従って、スライダーの先端部が、スプリングバルブのバルブ体に当接した状態であるので、スプリングバルブのバルブ体が、ノズルカバーのノズル開口部を閉止した液密状態を保持することができる。
【0091】
また、このようにノズルカバーを操作することにより、スライダーが計量室内を軸方向に、口部部材の連通開口部から離反する方向に移動することになる。
【0092】
これにより、スプリングバルブのバルブ体が、ノズルカバーのノズル開口部を閉止している状態で、スライダーの軸方向の移動に伴って、スライダーの基端部に配置された弁体によって、口部部材の連通開口部を開放する。
【0093】
これにより、このようにノズルカバーを操作することにより、口部部材の連通開口部を開放した状態で、容器全体を、正立状態から倒立状態にすることによって、口部部材の連通開口部を介して、容器本体内に収容された内容液が、一定量だけ計量室内に導入することができる。
【0094】
この操作の際には、スライダーの先端部が、スプリングバルブのバルブ体に当接した状態であるので、ノズルカバーのノズル開口部を二重に液密状態に閉止した状態を維持することができるので、容器全体を、計量操作のために、倒立状態と正立状態との間で、天地を逆さまにする操作をする場合においても、定量注出容器の先端の弁座と弁体の弁部との間のシールが解除されてしまうことがない。
【0095】
その結果、内容液が外部に漏洩せず、周囲を汚染してしまうこともなく、しかも、正確な計量が可能である。
【0096】
そして、この状態で、ノズルカバーを操作することにより、スライダーを軸方向にノズルカバーのノズル開口部から離反する方向に移動させる(すなわち、スライダーが計量室内を軸方向に、口部部材の連通開口部に当接する方向に移動させる)ことができる。
【0097】
これにより、スライダーの基端部に配置された弁体により、口部部材の連通開口部が閉止されて、計量室内に一定量の内容液が残存することになる。
【0098】
この状態では、スライダーを軸方向にノズルカバーのノズル開口部から離反する方向に移動された状態であるので、スライダーの先端部が、スプリングバルブのバルブ体から離反した状態となる。
【0099】
これにより、スプリングバルブのバルブ体は、スプリングバルブのスプリングによって、ノズルカバーのノズル開口部を閉止する方向に付勢されているだけの状態となる。
【0100】
従って、この状態で、ノズルカバーのノズル開口部に装着され、スプリングバルブのスプリングによって、ノズル開口部を閉止する方向に付勢されたスプリングバルブのバルブ体を、例えば、頭皮などの被塗布部に押し付ける。
【0101】
これにより、ノズル開口部が開放され、計量室内の計量された内容液が塗布(注出)できるように構成されている。
【0102】
従って、容器全体を、正立状態から倒立状態に一度だけ操作することによって、計量と注出が可能であり、煩雑な操作が必要で手間がかかることがなく、正確な計量が可能な定量注出装置、および、定量注出装置を備えた定量注出容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
図1図1は、本発明の定量注出装置を備えた定量注出容器の初回保管時(製造販売時)の状態を説明する部分拡大縦断面図である。
図2図2は、本発明の定量注出装置の分解斜視図である。
図3図3は、図1の定量注出装置の口部部材24の斜視図である。
図4図4は、図1の定量注出装置のノズルカバー60の斜視図である。
図5図5は、図1の定量注出装置のスライダー72の斜視図である。
図6図6は、スライダー72の弁体86の斜視図である。
図7図7は、図1の定量注出装置のスプリングバルブ88の斜視図である。
図8図8は、図1のA部分の部分拡大断面図である。
図9図9は、本発明の定量注出装置の初回保管時(製造販売時)の状態からカバー部材98を取り外した状態を説明する部分拡大縦断面図である。
図10図10は、本発明の定量注出装置において、計量のために、正立状態でノズルカバー60を所定方向(計量方向)に中心角度90度回転した状態を説明する部分拡大縦断面図である。
図11図11は、本発明の定量注出装置において、計量のために、正立状態から倒立状態にした状態を説明する部分拡大縦断面図である。
図12図12は、本発明の定量注出装置において、計量後に、ノズルカバー60を反対方向に中心角度90度回転して、元の状態に戻した状態を説明する部分拡大縦断面図である。
図13図13は、本発明の定量注出装置において、内容液を被塗布部などに注出(塗布)している状態を説明する部分拡大縦断面図である。
図14図14は、本発明の別の実施例の定量注出装置10において、注出(塗布)後に、再び倒立状体から正立状体に戻した状態を説明する部分拡大断面図である。
図15図15は、本発明の定量注出装置において、カバー部材98を装着して保管状態にした状態を説明する部分拡大縦断面図である。
図16図16は、本発明の定量注出装置において、再び計量のために、カバー部材98を取り外した状態を説明する部分拡大縦断面図である。
図17図17は、図1の定量注出装置のスプリングバルブ88のバルブ体90が、ノズルカバー60のノズル開口部68を閉止する状態を説明する部分拡大断面図である。
図18図18は、図1の定量注出装置のスプリングバルブ88のバルブ体90が、ノズルカバー60のノズル開口部68を開放する状態を説明する部分拡大断面図である。
図19図19は、本発明の別の実施例の定量注出装置10の図1と同様な部分拡大断面図であり、図19(A)は、スプリングバルブ88のバルブ体90により、ノズルカバー60のノズル開口部68を閉止している状態を示し、図19(B)は、スプリングバルブ88のバルブ体90により、ノズルカバー60のノズル開口部68を開放している状態を示している。
図20図20は、本発明の別の実施例の定量注出装置10の図1と同様な部分拡大断面図であり、図20(A)は、スプリングバルブ88のバルブ体90により、ノズルカバー60のノズル開口部68を閉止している状態を示し、図20(B)は、スプリングバルブ88のバルブ体90により、ノズルカバー60のノズル開口部68を開放している状態を示している。
図21図21は、カバー部材98によってノズルカバー60を覆う状態を説明する、本発明の別の実施例の定量注出装置10の図1と同様な部分拡大断面図である。
図22図22は、カバー部材98によってノズルカバー60を覆った状態を説明する図1と同様な部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0104】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
(実施例1)
【0105】
図1は、本発明の定量注出装置を備えた定量注出容器の初回保管時(製造販売時)の状態を説明する部分拡大縦断面図、図2は、本発明の定量注出装置の分解斜視図、図3は、図1の定量注出装置の口部部材24の斜視図、図4は、図1の定量注出装置のノズルカバー60の斜視図、図5は、図1の定量注出装置のスライダー72の斜視図、図6は、スライダー72の弁体86の斜視図、図7は、図1の定量注出装置のスプリングバルブ88の斜視図、図8は、図1のA部分の部分拡大断面図である。
【0106】
図1図8において、符号10は、全体で本発明の定量注出装置を示している。
【0107】
図1に示したように、本発明の定量注出装置10は、定量注出容器12の容器本体14の口部16に装着して、容器本体内部18に収容した内容液Lを、一定量計量して容器本体14の外部に注出するための定量注出装置10である。
【0108】
図1に示したように、定量注出容器12の容器本体14の口部16には、外周側にフランジ11が形成されている。そして、フランジ11の上方に、この実施例では、フランジ11よりも小径の複数条の、この実施例では、2条の上方突設部20と、下方突設部22が形成られている。
【0109】
一方、図1図3に示したように、本発明の定量注出装置10は、容器本体14の口部16に装着される口部部材24を備えている。
【0110】
また、口部部材24は、口部部材本体26を備えており、口部部材本体26は、多段に、この実施例では、下方の段の下方口部部材本体28と、上方の段の上方口部部材本体30の二段に別れており、上方の段の上方口部部材本体30の方が、下方の段の下方口部部材本体28よりも径が小さくなるように形成されている。
【0111】
すなわち、図1図3に示したように、下方の段の下方口部部材本体28には、その内部に、略円筒形状の装着部32が形成されている。この装着部32は、容器本体14の口部16の開口した開口部34内に挿入して装着されるようになっている。
【0112】
また、図1図3に示したように、装着部32の上端部から、外側に延設するフランジ36が形成され、このフランジ36の外側端部から、下方に延設するように、肩部38が形成されている。
【0113】
なお、この肩部38には、段部40が形成され、後述するようにカバー部材98をノズルカバー60を覆うように装着した際に、カバー部材98の外周壁部98aの下端98bが、段部40に当接するように構成されている。
【0114】
さらに、図示しないが、カバー部材98の外周壁部98aの下端98bに、中心角度180度離間するように形成された2個の台形状の切欠部が形成されている。これらの切欠部に対応するように、図2図3に示したように、口部部材24の下方口部部材本体28の肩部38には、中心角度180度離間するように形成された2個の台形状の突設部41が形成されている。
【0115】
これにより、カバー部材98をノズルカバー60を覆うように装着した際に、カバー部材98の切欠部内に、肩部38の突設部41が嵌着して、カバー部材98を円周方向に回す(移動する)ことが出来ないように構成されている。
【0116】
さらに、図1に示したように、下方口部部材本体28のフランジ36には、肩部38より内周側に、下方に延設された外側装着部42が形成されている。
【0117】
また、外側装着部42の内周側には、上方溝部44と、下方溝部46が形成されている。さらに、下方溝部46の下方には、内周側に突設する突設部48が形成されている。
【0118】
このように構成することによって、図1に示したように、容器本体14の口部16に、口部部材24を装着する際に、外側装着部42の内周側の上方溝部44に、容器本体14の口部16の上方突設部20が係合する。また、外側装着部42の内周側の下方溝部46に、容器本体14の口部16の下方突設部22が係合する。
【0119】
そして、外側装着部42の内周側に突設する突設部48と、容器本体14の口部16の下方突設部22が係合することとによって、口部部材24が、容器本体14の口部16から抜け落ちるのが防止されるようになっている。
【0120】
なお、図示しないが、フランジ11には、中心角度180度離間するように形成された2個の切り欠きが形成されている。これらの切り欠きに対応するように、肩部38と外側装着部42との間に径方向に延びるように、係止リブが形成されている。
【0121】
これらの切り欠きと係止リブにより、容器本体14の口部16に、口部部材24を装着した際に、口部部材24が、容器本体14の口部16に対して、回転方向に移動しないように回り止めがなされるように構成されている。
【0122】
また、図1に示したように、この状態では、下方口部部材本体28の肩部38の下端が、定量注出容器12の容器本体14の口部16の肩部16aと略当接するように構成されている。
【0123】
一方、図1に示したように、口部部材24の口部部材本体26の上方の段の上方口部部材本体30には、その内部に、下方口部部材本体28の装着部32の上端から延設されるように、略円筒形状の円筒部45が形成されている。
【0124】
この円筒部45は、上下の二段に別れており、上方の段の上方円筒部47の方が、下方の段の下方円筒部49よりも小径に形成されている。
【0125】
そして、上方円筒部47の先端には、容器本体14の口部16の開口部34と連通する連通開口部50が形成されている。
【0126】
また、図1図3に示したように、上方口部部材本体30には、下方口部部材本体28のフランジ36から上方に立設された立設壁部52が形成されている。
【0127】
さらに、この立設壁部52には、立設壁部52の内周に雌ネジ54が形成されているとともに、立設壁部52の外周に、円周状に突設係止部56が形成されている。
【0128】
なお、図3に示したように、肩部38には、後述するように、ノズルカバー60を回転操作する際に、例えば、図示しないが、「はかる」、「ぬる」の文字表示、回転方向を示す矢印からなる指標を示す指標マーク43が形成されている。なお、この指標マーク43は、これらに何ら限定されるものではない。
【0129】
また、後述するノズルカバー60の基端部62には、この指標マーク43と対応するように、ノズルカバー60の回転位置を示すための指標突設部65が形成されている。
【0130】
また、図1図3に示したように、立設壁部52の突設係止部56の上方に、案内部材58が形成されている。図3に示したように、すなわち、立設壁部52の外周に、軸方向に延びる一対の所定間隔円周状に離間して、案内リブ58aと、案内リブ58aよりも高さが高いストッパー案内リブ58bが形成されている。
【0131】
なお、この実施例では、中心角度90度離間して、4個の案内部材58が形成されている。
【0132】
一方、図1図2図4に示したように、本発明の定量注出装置10は、ノズルカバー60を備えている。ノズルカバー60は、略円筒形状の基端部62と、この基端部62の上方に、基端部62よりも径が小さい中間部64を備えている。そして、この中間部64の上方に、中間部64よりも小径で、略ドーム形状に形成された先端ノズル部66が形成されている。
【0133】
そして、この先端ノズル部66の先端に、ノズル開口部68が形成されている。このノズル開口部68には、図4に示したように、中心角度120度離間して、3個の切り欠き68aが形成されている。この切り欠き68aは、後述するように、内容液Lを注出(塗布)する際に、内容液Lが外部に均一に注出(塗布)できるようにするためのものである。
【0134】
図1に示したように、基端部62には、その内周側の下端部に、内周側に突設する突設部62aが形成されるとともに、その上方に溝部62bが形成されている。
【0135】
また、図1に示したように、基端部62と中間部64との間に内側に段部62cが形成されている。
【0136】
そして、ノズルカバー60を口部部材24に装着した際に、口部部材24の上方口部部材本体30の立設壁部52の外周方向に突設する突設係止部56が、ノズルカバー60の溝部62b内に嵌着するように構成されている。
【0137】
そして、ノズルカバー60の基端部62に形成された内周側に突設する突設部62aによって、ノズルカバー60が、口部部材24から抜け落ちるのが防止されるとともに、口部部材24に対して、ノズルカバー60が回転できるように構成されている。
【0138】
また、図1に示したように、ノズルカバー60を口部部材24に装着した際に、ノズルカバー60の基端部62と中間部64との間に形成された段部62cが、立設壁部52の上端部と当接して指示されるようになっている。
【0139】
さらに、図1に示したように、ノズルカバー60の中間部64と先端ノズル部66の間の内側に、下方に突設する突設部51が形成されている。
【0140】
そして、この突設部51の上方の内周側に、後述するように、スプリングバルブ88のスプリング96の基端部94が嵌合して、スプリングバルブ88を固定するための係止溝部51bが形成されている。
【0141】
また、この突設部51が、後述するように、スライダー72のスライダー本体74の外周壁74aの上方突設部74bの内周に嵌合して、ノズルカバー60を回転操作する際に、案内されるように構成されている。
【0142】
さらに、図4に示したように、ノズルカバー60の中間部64から基端部62に至る外表面には、一定中心角度間隔離間して形成された4個の突設リブ70が形成されている。
【0143】
この突設リブ70によって、ノズルカバー60を回転操作する際に、指を掛けることができ、回転操作しやすくなる。また、後述するように、カバー部材98をノズルカバー60を覆うように装着した際に、カバー部材98の外周リブ102に形成された図示しない切り欠きに嵌合して、カバー部材98と位置決めされるように構成されている。
【0144】
なお、カバー部材98は、ノズルカバー60が、例えば、前述した指標マーク43の「ぬる」位置にある時にだけ、ノズルカバー60に嵌合することが可能なように構成されている。
【0145】
すなわち、突設リブ70と、外周リブ102の切欠き、突設部41とそれに嵌合するカバー部材の切欠きが同じ位置にある時に、カバー部材98は、ノズルカバー60に嵌合できるように構成されている。
なお、突設リブ70は、ノズルカバー60の回転を補助するとともに、ノズルカバー60とカバー部材98との位置合わせの機能を有するように構成されている。
【0146】
また、ノズルカバー60の中間部64の内周側に、2個の軸方向に平行に延びる案内突設部64aが形成されている。この案内突設部64aは、中心角度180度離間して2組形成されている。
【0147】
後述するように、この案内突設部64aの間の溝部64bに、スライダー72のスライダー本体74の外周壁74aの外周に突設した突設部76が案内されて、スライダー72が軸方向に移動出来るように構成されている。
【0148】
さらに、ノズルカバー60の基端部62には、内周側に軸方向に延びるストッパー当接片62dが形成されている。このストッパー当接片62dは、中心角度180度離間して2個形成されている。
【0149】
このストッパー当接片62dは、後述するように、ノズルカバー60を、回転した際に、ストッパー当接片62dが、口部部材24の上方口部部材本体30の立設壁部52に形成された案内部材58のストッパー案内リブ58bに当接することによって、90度だけ回転できるようにするためのものである。
【0150】
なお、この場合、計量のために、ノズルカバー60を所定方向(計量方向、この実施例では、上面視で反時計方向)に、また、これと反対方向(塗布方向、上面視で時計方向)に、中心角度90度回転する場合に、案内リブ58aをストッパー当接片62dが乗り越える際に、クリック感が付与されるようになっている。
【0151】
一方、本発明の定量注出装置10は、図1図2図5に示したように、ノズルカバー60の内部に、ノズルカバー60を操作する(この実施例では、回転する)ことにより、ノズルカバー60内を軸方向に移動可能に構成されたスライダー72を備えている。
これにより、ノズルカバー60を操作する(この実施例では、回転する)ことにより、計量室S内を軸方向に、スライダー72の先端部82が移動するように構成されている。
【0152】
この実施例の場合には、スライダー72の先端部82が、スプリングバルブ88のバルブ体90を、軸方向に移動可能にするバルブ移動案内部材を構成している。
【0153】
スライダー72は、スライダー本体74を備えており、スライダー本体74の外周壁74aの外周に、軸方向に延びる突設部76が形成されている。
【0154】
さらに、図1図5に示したように、スライダー72には、スライダー本体74の外周壁74aの外周には、突設部76の下方に、雄ネジ78が形成されている。
【0155】
この雄ネジ78は、口部部材24の上方口部部材本体30の立設壁部52内周に形成された雌ネジ54と螺着することによって、ノズルカバー60を操作する(この実施例では、回転する)ことにより、スライダー72が、ノズルカバー60内を軸方向に移動できるように構成されている。
【0156】
また、図1図2図5に示したように、スライダー72には、スライダー72のスライダー本体74の外周壁74aに、上方突設部74bが形成されている。
【0157】
そして、図1図2図5に示したように、この上方突設部74bの内側に、内周方向に延びる2個の180度離間して形成された内周リブ80が形成されている。これらの内周リブ80の間に、2個のスライダー開口部80aが形成されている。
【0158】
また、内周リブ80の中央部分に、スライダー72の先端部82が、上方に突設する棒状に形成されている。
【0159】
このスライダー72の先端部82は、計量室S内を軸方向に移動できるように構成され、後述するように、スプリングバルブ88のバルブ体90の基端部94の内側に形成された当接凹部94a内に当接するようになっている。
【0160】
さらに、スライダー72の先端部82の基端部82aの内側には、嵌合凹部84が形成されている。
【0161】
この嵌合凹部84内に、図1図2図6に示したように、口部部材24の連通開口部50を開閉するように構成された弁体86の頭部86aが嵌着されるように構成されている。
【0162】
なお、図1図2図6に示したように、弁体86の頭部86aに形成された溝部86bに、嵌合凹部84に形成された凸部84aが嵌合して、弁体86の抜け落ちが防止されるように構成されている。
【0163】
一方、本発明の定量注出装置10は、図1図2図7に示したように、計量室S内において、スライダー72とノズルカバー60との間に、軸方向に移動可能に配置されたスプリングバルブ88を備えている。
【0164】
また、スプリングバルブ88は、バルブ体90を備えており、バルブ体90の先端92と、基端部94との間に、螺旋状のスプリング96が介装されている。そして、バルブ体90の先端92が、ノズルカバー60のノズル開口部68を閉止する方向に付勢されるように装着されている。
【0165】
そして、バルブ体90の先端92が、ノズルカバー60のノズル開口部68を介して外部に突出するように形成されている。
【0166】
また、図8図17の拡大図に示したように、ノズルカバー60のノズル開口部68には、軸方向と交差するように形成された交差シール面61と、軸方向に平行に形成されたフラットシール面63とが形成されている。
【0167】
また、スプリングバルブ88のバルブ体90には、ノズルカバー60のノズル開口部68の交差シール面61と相補的に、軸方向と交差するように形成されたバルブ側交差シール面91と、ノズルカバー60のノズル開口部68のフラットシール面63と相補的に、軸方向に平行に形成されたバルブ側フラットシール面93とが形成されている。
なお、この場合、「軸方向と交差するように形成された」とは、ノズルカバー60のノズル開口部68側に向かった漸次拡径する場合、漸次縮径する場合、軸方向と直角な場合を含むものである。
【0168】
すなわち、この実施例では、ノズルカバー60のノズル開口部68の交差シール面61と、スプリングバルブ88のバルブ体90のバルブ側交差シール面91とが、軸方向にノズル開口部68の側に形成されている。
【0169】
また、ノズルカバー60のノズル開口部68のフラットシール面63と、スプリングバルブ88のバルブ体90のバルブ側フラットシール面93とが、軸方向にノズル開口部68から離反した側に形成されている。
【0170】
このように構成することにより、ノズルカバー60を所定方向(計量方向、この実施例では、上面視で反時計方向)に90度回転した際には、スライダー72のスライダー本体74の外周壁74aの雄ネジ78と、口部部材24の立設壁部52内周に形成された雌ネジ54との螺合によって、スライダー72が、軸方向にノズルカバー60のノズル開口部68の方向に移動する。
【0171】
これにより、スライダー72の先端部82が、スプリングバルブ88のバルブ体90の基端部94の内側に形成された当接凹部94a内に当接して、スプリングバルブ88のバルブ体90が、ノズルカバー60のノズル開口部68を閉止するように構成されている。
【0172】
すなわち、ノズルカバー60のノズル開口部68の交差シール面61と、スプリングバルブ88のバルブ体90のバルブ側交差シール面91とが当接する。また、ノズルカバー60のノズル開口部68のフラットシール面63と、スプリングバルブ88のバルブ体90のバルブ側フラットシール面93とが圧接する。これにより、ノズルカバー60のノズル開口部68を二重に液密状態に閉止するように構成されている。
【0173】
なお、ノズルカバー60のノズル開口部68のフラットシール面63の径は、スプリングバルブ88のバルブ体90のバルブ側フラットシール面93の径よりも小さくなるように形成されている。
これにより、ノズルカバー60のノズル開口部68のフラットシール面63と、スプリングバルブ88のバルブ体90のバルブ側フラットシール面93とが圧接状態となって、シール性が保持されるように構成されている。
【0174】
この際、スライダー72の弁体86が、口部部材24の連通開口部50を開放して、容器本体14の内部に収容した内容液Lが、口部部材24の連通開口部50を介して、計量室S内に導入されるように構成されている。
【0175】
また、ノズルカバー60を反対方向(塗布方向、上面視で時計方向)に、中心角度90度回転した際には、スライダー72のスライダー本体74の外周壁74aの雄ネジ78と、口部部材24の立設壁部52内周に形成された雌ネジ54との螺合によって、スライダー72が、軸方向にノズルカバー60のノズル開口部68から離反する方向に移動する。
【0176】
これにより、スライダー72の弁体86が、口部部材24の連通開口部50を閉止して、容器本体14の内部に収容した内容液Lが、口部部材24の連通開口部50を介して、計量室S内に導入されるのを阻止した状態となる。
【0177】
また、スライダー72の先端部82が、スプリングバルブ88のバルブ体90から離反する方向に移動して、スプリングバルブ88のバルブ体90が、ノズルカバー60のノズル開口部68から離反可能な状態となるように構成されている。
【0178】
さらに、本発明の定量注出装置10は、図1に示したように、ノズルカバー60を覆うように装着されるカバー部材98を備えている。
【0179】
また、カバー部材98をノズルカバー60を覆うように装着した際に、カバー部材98の外周壁部98aの下端98bが、段部40に当接するように構成されている。
【0180】
さらに、図示しないが、カバー部材98の外周壁部98aの下端98bに、中心角度180度離間するように形成された2個の台形状の切欠部が形成されている。これらの切欠部に対応するように、図3に示したように、口部部材24の下方口部部材本体28の肩部38には、中心角度180度離間するように形成された2個の台形状の突設部41が形成されている。
【0181】
これにより、カバー部材98をノズルカバー60を覆うように装着する際に、カバー部材98の切欠部内に、肩部38の突設部41が嵌着して、カバー部材98と口部部材の位置決めをするように構成されている。
【0182】
また、カバー部材98には、中心部分に内周リブ100が形成されているとともに、内周リブ100の外側に、外周リブ102が形成されている。
外周リブ102には、図示しないが、中心角度180度離間するように形成された2個の切欠部が形成されており、この切欠部に、ノズルカバー60の突設リブ70が嵌合するように構成されている。
【0183】
そして、図1に示したように、カバー部材98をノズルカバー60を覆うように装着した際に、カバー部材98の内周リブ100内に、ノズルカバー60の先端ノズル部66が嵌合して固定されるように構成されている。
【0184】
このように構成される本発明の本発明の定量注出装置10を使用する方法について、図1図9図18に基づいて説明する。
【0185】
先ず、図1に示したように、本発明の定量注出装置10は、定量注出容器12の初回保管時(製造販売時)の状態では、カバー部材98をノズルカバー60を覆うように装着した状態である。
【0186】
この状態では、ノズルカバー60は、ノズルカバー60の基端部62の指標突設部65が、「ぬる」の文字表示位置にあり、ノズルカバー60のストッパー当接片62dが、口部部材24の上方口部部材本体30の立設壁部52に形成された案内部材58のストッパー案内リブ58bに当接した状態である。
【0187】
そして、スライダー72のスライダー本体74の外周壁74aの雄ネジ78と、口部部材24の立設壁部52内周に形成された雌ネジ54との螺合によって、スライダー72が、軸方向にノズルカバー60のノズル開口部68から離反する方向に移動した状態である。
【0188】
これにより、スライダー72の弁体86が、口部部材24の連通開口部50を閉止して、容器本体14の内部に収容した内容液Lが、口部部材24の連通開口部50を介して、計量室S内に導入されるのを阻止した状態となっている。
【0189】
また、この状態では、スライダー72の先端部82が、スプリングバルブ88のバルブ体90から離反する方向に移動した状態であり、スプリングバルブ88のバルブ体90が、ノズルカバー60のノズル開口部68から離反可能な状態となっている。
【0190】
さらに、この状態では、スプリングバルブ88のスプリング96のスプリング力によって、スプリングバルブ88のバルブ体90が、ノズルカバー60のノズル開口部68を閉止するように構成されている。
【0191】
次に、この状態から、図9に示したように、カバー部材98をノズルカバー60を覆う状態から取り外す。
【0192】
そして、図10の矢印Bで示したように、ノズルカバー60を所定方向(計量方向、この実施例では、上面視で反時計方向)に90度回転する。
【0193】
この際には、案内リブ58aをストッパー当接片62dが乗り越える際に、クリック感が付与されるようになっている。
【0194】
また、この際に、スライダー72のスライダー本体74の外周壁74aの雄ネジ78と、口部部材24の立設壁部52内周に形成された雌ネジ54との螺合によって、スライダー72が、軸方向にノズルカバー60のノズル開口部68の方向に移動する。
【0195】
これにより、スライダー72の先端部82が、スプリングバルブ88のバルブ体90の基端部94の内側に形成された当接凹部94a内に当接して、この当接力により、スプリングバルブ88のバルブ体90が、ノズルカバー60のノズル開口部68を閉止するように構成されている。
【0196】
すなわち、ノズルカバー60のノズル開口部68の交差シール面61と、スプリングバルブ88のバルブ体90のバルブ側交差シール面91とが当接する。また、ノズルカバー60のノズル開口部68のフラットシール面63と、スプリングバルブ88のバルブ体90のバルブ側フラットシール面93とが圧接する。これにより、ノズルカバー60のノズル開口部68を二重に液密状態に閉止するように構成されている。
【0197】
この際、スライダー72の弁体86が、口部部材24の連通開口部50を開放して、容器本体14の内部に収容した内容液Lが、口部部材24の連通開口部50とスライダー72のスライダー開口部80aを介して、計量室S内に導入することが可能なように構成されている。
【0198】
次に、図11に示したように、この状態で、定量注出容器12全体を正立状態から、天地逆さまにして、倒立状態とする。
【0199】
これにより、図11の矢印Cで示したように、スライダー72の弁体86が、口部部材24の連通開口部50を開放した状態であるので、容器本体14の内部に収容した内容液Lが、口部部材24の連通開口部50とスライダー72のスライダー開口部80aを介して、計量室S内に導入され、計量される。
【0200】
次に、この状態(倒立状態のまま)で、図12の矢印Dで示したように、ノズルカバー60を反対方向(塗布方向、上面視で時計方向)に、中心角度90度回転する。
【0201】
この際には、スライダー72のスライダー本体74の外周壁74aの雄ネジ78と、口部部材24の立設壁部52内周に形成された雌ネジ54との螺合によって、スライダー72が、軸方向にノズルカバー60のノズル開口部68から離反する方向に移動する。
【0202】
これにより、スライダー72の弁体86が、口部部材24の連通開口部50を閉止して、容器本体14の内部に収容した内容液Lが、口部部材24の連通開口部50を介して、計量室S内に導入されるのを阻止した状態となる。
【0203】
また、スライダー72の先端部82が、スプリングバルブ88のバルブ体90から離反する方向に移動して、スプリングバルブ88のバルブ体90が、ノズルカバー60のノズル開口部68から離反可能な状態となるように構成されている。
【0204】
次に、例えば、頭皮などの被塗布部に、スプリングバルブ88のバルブ体90を押し当てることによって、図13の矢印Eに示したように、スプリングバルブ88のスプリング96のスプリング力に抗して、スプリングバルブ88のバルブ体90が、ノズルカバー60のノズル開口部68から離間する方向に移動して、ノズルカバー60のノズル開口部68を開放するように構成されている。
【0205】
すなわち、図18の矢印で示したように、ノズルカバー60のノズル開口部68の交差シール面61と、スプリングバルブ88のバルブ体90のバルブ側交差シール面91との当接状態が解除される。
【0206】
また、ノズルカバー60のノズル開口部68のフラットシール面63と、スプリングバルブ88のバルブ体90のバルブ側フラットシール面93との圧接状態が解除される。これにより、ノズルカバー60のノズル開口部68が開放されるように構成されている。
【0207】
この際、図18に示したように、スプリングバルブ88のバルブ体90のバルブ側フラットシール面93が、ノズルカバー60のノズル開口部68のフラットシール面63の隅角部63aから離脱する際に、使用者にクリック感が伝達され、内容液が塗布(注出)できる状態になったことを認識でき便利なように構成されている。
【0208】
なお、ノズルカバー60のノズル開口部68のフラットシール面63と、スプリングバルブ88のバルブ体90のバルブ側フラットシール面93との圧接状態は、隅角部63aから離脱するまでは解除されないようになっている。
【0209】
これにより、ノズル開口部68を介して、特に、切り欠き68aを介して、内容液Lが外部(被塗布部)に均一に注出(塗布)できるようになっている。
【0210】
そして、一定量計量された内容液Lを、外部(被塗布部)に均一に注出(塗布)した後に、図14に示したように、定量注出容器12全体を、再び倒立状体から正立状体に戻す。
この状態では、図14に示したように、スプリングバルブ88のスプリング96のスプリング力によって、再び、スプリングバルブ88のバルブ体90が、ノズルカバー60のノズル開口部68を閉止するように構成されている。
【0211】
その後、図15に示したように、再び、カバー部材98をノズルカバー60を覆うように装着すれば良い。
また、図16に示したように、計量を再び行う際には、再び計量のために、カバー部材98を取り外した状態とすれば良い。
【0212】
上記のステップが、保管時から、使用時に繰り返して行われるように構成されている。
【0213】
このように構成される本発明の本発明の定量注出装置10によれば、ノズルカバー60を操作することにより、スライダー72を軸方向にノズルカバー60のノズル開口部68の方向に移動させることによって、スライダー72の先端部82が、スプリングバルブ88のバルブ体90に当接する。
【0214】
これによって、ノズルカバー60のノズル開口部68の交差シール面61と、スプリングバルブ88のバルブ体90のバルブ側交差シール面91とが当接するとともに、ノズルカバー60のノズル開口部68のフラットシール面63と、スプリングバルブ88のバルブ体90のバルブ側フラットシール面93とが圧接して、ノズルカバー60のノズル開口部68を二重に液密状態に閉止することができる。
【0215】
従って、ノズルカバー60のノズル開口部68を二重に液密状態に閉止することができ、しかも、スライダー72の先端部82が、スプリングバルブ88のバルブ体90に当接した状態であるので、定量注出容器12全体を、計量操作のために、倒立状態と正立状態との間で、天地を逆さまにする操作をする場合においても、定量注出容器の先端の弁座と弁体の弁部との間のシール(すなわち、ノズルカバー60のノズル開口部68とスプリングバルブ88のバルブ体90との間のシール)が解除されてしまうことがない。
【0216】
その結果、内容液Lが外部に漏洩せず、周囲を汚染してしまうこともなく、しかも、正確な計量が可能な定量注出装置10、および、定量注出装置10を備えた定量注出容器12を提供することができる。
【0217】
しかも、前述したように、ノズルカバー60のノズル開口部68に装着され、スプリングによって、ノズル開口部68を閉止する方向に付勢されたスプリングバルブ88のバルブ体90を、例えば、頭皮などの被塗布部に押し付けて、計量室内の計量された内容液が塗布(注出)する際に、ノズルカバー60のノズル開口部68のフラットシール面63と、スプリングバルブ88のバルブ体90のバルブ側フラットシール面93とが圧接状態が解除される時に、使用者にクリック感が伝達され、内容液Lが塗布(注出)できる状態になったことを認識でき便利である。
【0218】
また、ノズルカバー60を操作(回転)することにより、スライダー72を軸方向にノズルカバー60のノズル開口部68から接離する方向に移動させて、口部部材24の連通開口部50を開閉することができる。
【0219】
これにより、スライダー72の基端部82aに配置された弁体86により、口部部材24の連通開口部50が開閉されて、計量室内に一定量の内容液が、計量室内に残存・計量することができる。
【0220】
従って、定量注出容器12全体を、正立状態から倒立状態に一度だけ操作することによって、計量と注出が可能であり、煩雑な操作が必要で手間がかかることがなく、正確な計量が可能な定量注出装置10、および、定量注出装置10を備えた定量注出容器12を提供することができる。
(実施例2)
【0221】
図19は、本発明の別の実施例の定量注出装置10の図1と同様な部分拡大断面図であり、図19(A)は、スプリングバルブ88のバルブ体90により、ノズルカバー60のノズル開口部68を閉止している状態を示し、図19(B)は、スプリングバルブ88のバルブ体90により、ノズルカバー60のノズル開口部68を開放している状態を示している。
【0222】
この実施例の定量注出装置10は、図1図18に示した実施例の定量注出装置10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0223】
この実施例の定量注出装置10では、図19に示したように、ノズルカバー60のノズル開口部68の交差シール面61と、スプリングバルブ88のバルブ体90のバルブ側交差シール面91とが、軸方向にノズル開口部68から離反した側に形成されている。
【0224】
また、ノズルカバー60のノズル開口部68のフラットシール面63と、スプリングバルブ88のバルブ体90のバルブ側フラットシール面93とが、軸方向にノズル開口部68の側に形成されている。
【0225】
このような構成とすることによっても、上記実施例1と同様な作用効果を奏するものである。
(実施例3)
【0226】
図20は、本発明の別の実施例の定量注出装置10の図1と同様な部分拡大断面図であり、図20(A)は、スプリングバルブ88のバルブ体90により、ノズルカバー60のノズル開口部68を閉止している状態を示し、図20(B)は、スプリングバルブ88のバルブ体90により、ノズルカバー60のノズル開口部68を開放している状態を示している。
【0227】
この実施例の定量注出装置10は、図1図18に示した実施例の定量注出装置10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0228】
この実施例の定量注出装置10では、図20に示したように、ノズルカバー60のノズル開口部68の交差シール面61と、スプリングバルブ88のバルブ体90のバルブ側交差シール面91とが、それぞれ複数形成されている。
【0229】
なお、この実施例の場合には、交差シール面61、バルブ側交差シール面91を軸と直角な面を形成したが、前述したように、ノズルカバー60のノズル開口部68側に向かった漸次拡径する場合、漸次縮径する場合、軸方向と直角な場合を含むものである。
【0230】
また、ノズルカバー60のノズル開口部68のフラットシール面63と、スプリングバルブ88のバルブ体90のバルブ側フラットシール面93とが、それぞれ複数形成されている。
すなわち、この実施例では、交差シール面61、バルブ側交差シール面91、フラットシール面63、バルブ側フラットシール面93が、それぞれ、全体的に相補的な凹凸形状となるように構成されている。
【0231】
しかしながら、図示しないが、交差シール面61、バルブ側交差シール面91を、それぞれ、複数の相補的な凹凸形状から構成することも可能である。
なお、この場合、実施例1~実施例2のように、単一の交差シール面61、バルブ側交差シール面91の場合についても、同様に交差シール面61、バルブ側交差シール面91を、それぞれ、複数の相補的な凹凸形状から構成することも可能である。
【0232】
このような構成とすることによって、ノズルカバー60のノズル開口部68の交差シール面61と、スプリングバルブ88のバルブ体90のバルブ側交差シール面91とが、それぞれ複数形成されているとともに、ノズルカバー60のノズル開口部68のフラットシール面63と、スプリングバルブ88のバルブ体90のバルブ側フラットシール面93とが、それぞれ複数形成されているので、いわゆる多重のシール構造となって、シール性能が向上することになる。
(実施例4)
【0233】
図21は、カバー部材98によってノズルカバー60を覆う状態を説明する、本発明の別の実施例の定量注出装置10の図1と同様な部分拡大断面図、図22は、カバー部材98によってノズルカバー60を覆った状態を説明する図1と同様な部分拡大断面図である。
【0234】
この実施例の定量注出装置10は、図1図18に示した実施例の定量注出装置10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0235】
この実施例の定量注出装置10では、図21図22に示したように、カバー部材98には、スプリングバルブ88のノズルカバー60のノズル開口部68を介して外部に突出するバルブ体90の拡径した先端部104と係合するバルブ係合部106を備えている。
【0236】
これにより、バルブ移動案内部材が構成され、カバー部材98をノズルカバー60を覆うように装着した際に、ノズルカバー60のバルブ係合部106と、スプリングバルブ88のバルブ体90の先端部104とが係合することによって、スプリングバルブ88のバルブ体90が、ノズル開口部68の方向に移動されるように構成している。
【0237】
このように構成することによって、カバー部材98には、スプリングバルブ88のノズルカバー60のノズル開口部68を介して外部に突出するバルブ体90の拡径した先端部104と係合するバルブ係合部106を備えている。
【0238】
そして、バルブ移動案内部材が構成され、カバー部材98をノズルカバー60を覆うように装着した際に、ノズルカバー60のバルブ係合部106と、スプリングバルブ88のバルブ体90の先端部104とが係合することによって、スプリングバルブ88のバルブ体90が、ノズル開口部68の方向に移動されるようになっている。
【0239】
これにより、ノズルカバー60のノズル開口部68の交差シール面61と、スプリングバルブ88のバルブ体90のバルブ側交差シール面91との当接状態と、ノズルカバー60のノズル開口部68のフラットシール面63と、スプリングバルブ88のバルブ体90のバルブ側フラットシール面93との圧接状態がより安定して、ノズルカバー60のノズル開口部68を二重に液密状態に閉止することができる。
【0240】
その結果、保管時に、不用意にノズルカバー60のノズル開口部68とスプリングバルブ88のバルブ体90との間のシールが解除されてしまうことがなく、内容液が外部に漏洩せず、周囲を汚染してしまうこともない。
【0241】
また、この実施例の場合には、ノズルカバー60のバルブ係合部106と、スプリングバルブ88のバルブ体90の先端部104との係合が、ネジ係合(雌ネジ106aと雄ネジ104b)である。
【0242】
また、カバー部材98の外周壁部98aの下方の内側に、雌ネジ98cが形成されるとともに、これに螺合するように、口部部材24の肩部38に雄ネジ38cが形成されている。
【0243】
そして、カバー部材98を回転することによって、カバー部材98をノズルカバー60を覆うように装着する際に、ノズルカバー60のバルブ係合部106と、スプリングバルブ88のバルブ体90の先端部104との係合が、ネジ係合(雌ネジ106aと雄ネジ104b)を、例えば、カバー部材98の雌ネジ98cと口部部材24の肩部38の雄ネジ38cの螺合方向とは、逆ネジからなるネジ係合で構成すれば良い。
【0244】
これにより、カバー部材98を周方向に回転するだけで、ノズルカバー60のノズル開口部68の交差シール面61と、スプリングバルブ88のバルブ体90のバルブ側交差シール面91との当接状態と、ノズルカバー60のノズル開口部68のフラットシール面63と、スプリングバルブ88のバルブ体90のバルブ側フラットシール面93との圧接状態がより安定して、ノズルカバー60のノズル開口部68を二重に液密状態に閉止することができる。
【0245】
その結果、保管時に、不用意にノズルカバー60のノズル開口部68とスプリングバルブ88のバルブ体90との間のシールが解除されてしまうことがなく、内容液Lが外部に漏洩せず、周囲を汚染してしまうこともない。
【0246】
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、上記実施例では、ノズルカバー60が、口部部材24に対して周方向に回転することによって、スライダー72を軸方向に移動可能に構成したが、ノズルカバー60が、口部部材24に対して軸方向に移動することによって、スライダー72を軸方向に移動可能な構成としたりするなど、ノズルカバー60とスライダー72が、軸方向に相対的に接離可能なような構成であればよい。
【0247】
また、上記実施例では、スライダー72の先端部82が、スプリングバルブ88のバルブ体90に当接した状態で、内容液Lが計量室S内に導入されるよう構成したが、スライダー72の先端部82が、スプリングバルブ88のバルブ体90から離反する位置で、内容液Lが計量室S内に導入されるよう構成することも可能である。
また、スライダー72の先端部82に開口部を設け、内容液Lを計量室Sに導入するように構成するなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0248】
本発明は、例えば、容器本体の口部に装着して、容器本体内部に収容した内容液、例えば、育毛剤、化粧液、薬液などの液体、揮発性の液体、流動液など(以下、単に「内容液」と言う)を、一定量計量して容器本体外部に注出するための定量注出装置および、定量注出装置を備えた定量注出容器に適用することができる。
【符号の説明】
【0249】
10 定量注出装置
11 フランジ
12 定量注出容器
14 容器本体
16 口部
16a 肩部
18 容器本体内部
20 上方突設部
22 下方突設部
24 口部部材
26 口部部材本体
28 下方口部部材本体
30 上方口部部材本体
32 装着部
34 開口部
36 フランジ
38 肩部
38c 雄ネジ
40 段部
41 突設部
42 外側装着部
43 指標マーク
44 上方溝部
45 円筒部
46 下方溝部
47 上方円筒部
48 突設部
49 下方円筒部
50 連通開口部
51 突設部
51b 係止溝部
52 立設壁部
54 雌ネジ
56 突設係止部
58 案内部材
58a 案内リブ
58b ストッパー案内リブ
60 ノズルカバー
61 交差シール面
62 基端部
62a 突設部
62b 溝部
62c 段部
62d ストッパー当接片
63 フラットシール面
63a 隅角部
64 中間部
64a 案内突設部
64b 溝部
65 指標突設部
66 先端ノズル部
68 ノズル開口部
68a 切り欠き
70 突設リブ
72 スライダー
74 スライダー本体
74a 外周壁
74b 上方突設部
76 突設部
78 雄ネジ
80 内周リブ
80a スライダー開口部
82 先端部
82a 基端部
84 嵌合凹部
84a 凸部
86 弁体
86a 頭部
86b 溝部
88 スプリングバルブ
90 バルブ体
91 バルブ側交差シール面
92 先端
93 バルブ側フラットシール面
94 基端部
94a 当接凹部
96 スプリング
98 カバー部材
98a 外周壁部
98b 下端
98c 雌ネジ
100 内周リブ
102 外周リブ
104 先端部
104b 雄ネジ
106 バルブ係合部
106a ネジ係合(雌ネジ)
B 矢印
C 矢印
D 矢印
E 矢印
L 内容液
S 計量室
図1
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