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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-04
(45)【発行日】2023-04-12
(54)【発明の名称】フラップゲート用ヒンジ装置
(51)【国際特許分類】
   E02B 7/44 20060101AFI20230405BHJP
【FI】
E02B7/44
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019114048
(22)【出願日】2019-06-19
(65)【公開番号】P2021001442
(43)【公開日】2021-01-07
【審査請求日】2022-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】594148645
【氏名又は名称】株式会社協和製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001601
【氏名又は名称】弁理士法人英和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 道博
【審査官】小倉 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-285672(JP,A)
【文献】実開昭60-151926(JP,U)
【文献】実開昭60-186330(JP,U)
【文献】特開2013-096122(JP,A)
【文献】登録実用新案第3178608(JP,U)
【文献】韓国公開実用新案第20-2010-0000635(KR,U)
【文献】特開2013-253375(JP,A)
【文献】特開2012-158925(JP,A)
【文献】特開2013-068015(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1017404(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 7/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上ヒンジ方式のフラップゲートに用いるヒンジ装置であって、
戸当側吊金具、扉体側吊金具及び接続金具を備え、
前記戸当側吊金具は、前記フラップゲートを設置する水路出口の上部壁面に固定され、
前記扉体側吊金具は、前記フラップゲートの上縁部に固定され、
前記接続金具は、上部軸支部及び下部軸支部を有するとともに、前記上部軸支部の近傍から延びる1又は複数の延長部を有しており、
前記戸当側吊金具及び前記扉体側吊金具に、それぞれ前記上部軸支部及び前記下部軸支部を軸支させ、前記フラップゲートの扉体によって前記水路出口が閉鎖される状態において、前記延長部の先端面と前記戸当側吊金具のベース板との間又は前記延長部の先端面と前記上部壁面との間に微小な隙間が形成され
前記接続金具は、前記戸当側吊金具によって前記上部軸支部を軸支し、かつ、前記扉体側吊金具によって前記下部軸支部を軸支した状態において、回動可能な角度範囲が2~5°である
ことを特徴とするフラップゲート用ヒンジ装置。
【請求項2】
前記接続金具はL字型の金属板であり、前記上部軸支部は前記接続金具の角部に配置され、前記下部軸支部は前記接続金具の一端部に配置され、前記接続金具の他端部の先端面が前記延長部の先端面となっている
ことを特徴とする請求項1に記載のフラップゲート用ヒンジ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樋門、水路の出口等に逆流防止を目的として設置され、ゲート上・下流の水位変動に対応して自動開閉作動する上ヒンジ方式のフラップゲートに用いるフラップゲート用ヒンジ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、河川堤防の樋門や水路の出口等に、河川水の逆流防止を目的として上ヒンジ方式のフラップゲートが設置されている。
本出願人は、特許文献1(特開2017-119983号公報)に記載されているように、また、図9に示すように、上ヒンジ方式のフラップゲートに改良を加え、水位の低い時には扉体(1)を懸垂する吊り位置を下流側に移動させ扉体(1)を戸当金物(5)より離して扉体(1)の上流側に土砂や流木等の塵芥が堆積しないようにし、水位の上昇時には吊り位置を素早く全閉位置として上・下流水位の変動に対し確実に自動止水・排水を行うようにするとともに、波浪や強風による過度な揺動を防止することのできるフラップゲートを開発した(特に、特許文献1の段落0006、0017~0020及び図1~6を参照)。
【0003】
また、特許文献2(特許第4066860号公報)には、図10に示すように、上ヒンジ方式のフラップゲートにおいて、水路上部に固設した第1軸受け(11)、扉体(20)の上部に固設した第2軸受け(12)及び吊りアーム(15)を備え、第1軸受け(11)により吊りアーム(15)の上端部を軸支し、第2軸受け(12)により吊りアーム(15)の下端部を軸支するダブルヒンジ構造のヒンジ装置(10)を用いるとともに、吊りアーム(15)が下流側に揺動した際に当接して吊りアーム(15)の遊間距離を制限する移動制限装置(2)を備えるものが記載されている(特に、特許文献2の段落0016~0020、図1及び図2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-119983号公報
【文献】特許第4066860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載されているフラップゲートは、水位の高さに応じて扉体吊下げアーム(21)の先端部が移動し、扉体(1)の位置が適切に制御される優れた発明であるが、接続金具(14)が小判型の形状で自在に揺動可能なため、扉体吊下げアーム(21)の先端部が上流方向に移動した状態(図9を参照)においても、上流側と下流側の水位に大きな差が無い場合には、扉体(1)の上縁部が若干下流側に動き、同上縁部と戸当金物(5)との間にゴミ等が挟まり、除去しにくくなることがあり、また、扉体吊下げアーム(21)の先端部が少しだけ下流方向に移動した状態においては、下流側の波浪の影響を受ける等して扉体(1)の上縁部が戸当金物(5)にぶつかって異音を発生したりすることがあった。
また、特許文献2に記載されているフラップゲートは、図10に示したとおり、吊りアーム(15)の下流側への移動を制限する移動制限装置(2)を備えているが、移動制限装置(2)を構成するストッパ(5)はヒンジ装置(10)を構成する第1軸受け(11)、第2軸受け(12)及び吊りアーム(15)とは別に設けられており、設置位置の調整も必要となるので、移動制限装置(2)の製造コスト及び設置コストがかさむという問題や扉体(20)を強制的に開状態に保持している時に吊りアーム(15)の上流側への移動を制限することができないという問題があった。
【0006】
本発明の課題は、このような問題点を解決し、接続金具が回動することで扉体の水密ゴムが均等に戸当金物に圧着可能となるダブルヒンジ構造のヒンジ装置の長所を損なわずに、同装置の問題点である扉体の上縁部の下流側及び上流側への動きを制限できるようにすることを第1の課題とし、同装置において接続金具が過度に回動しないようにするための移動制限装置を安価に提供するとともに、移動制限装置の位置調整を不要にすることを第2の課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、
上ヒンジ方式のフラップゲートに用いるヒンジ装置であって、
戸当側吊金具、扉体側吊金具及び接続金具を備え、
前記戸当側吊金具は、前記フラップゲートを設置する水路出口の上部壁面に固定され、
前記扉体側吊金具は、前記フラップゲートの上縁部に固定され、
前記接続金具は、上部軸支部及び下部軸支部を有するとともに、前記上部軸支部の近傍から延びる1又は複数の延長部を有しており、
前記戸当側吊金具及び前記扉体側吊金具に、それぞれ前記上部軸支部及び前記下部軸支部を軸支させ、前記フラップゲートの扉体によって前記水路出口が閉鎖される状態において、前記延長部の先端面と前記戸当側吊金具のベース板との間又は前記延長部の先端面と前記上部壁面との間に微小な隙間が形成され
前記接続金具は、前記戸当側吊金具によって前記上部軸支部を軸支し、かつ、前記扉体側吊金具によって前記下部軸支部を軸支した状態において、回動可能な角度範囲が2~5°であることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のフラップゲート用ヒンジ装置において、前記接続金具はL字型の金属板であり、前記上部軸支部は前記接続金具の角部に配置され、前記下部軸支部は前記接続金具の一端部に配置され、前記接続金具の他端部の先端面が前記延長部の先端面となっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、戸当側吊金具及び扉体側吊金具に、それぞれ上部軸支部及び下部軸支部を軸支させ、フラップゲートの扉体によって水路出口が閉鎖される状態において、延長部の先端面と戸当側吊金具のベース板との間又は延長部の先端面と上部壁面との間に微小な隙間が形成され、接続金具の回動範囲を制限できるので、ダブルヒンジ構造のヒンジ装置の長所を損なわずに、同装置の問題点である扉体の上縁部の下流側及び上流側への動きを制限でき、かつ、同装置において接続金具が過度に回動しないようにするための移動制限装置を安価に提供するとともに、移動制限装置の位置調整を不要にすることができる。
また、戸当側吊金具によって上部軸支部を軸支し、かつ、扉体側吊金具によって下部軸支部を軸支した状態において、接続金具の回動可能な角度範囲が2~5°であるため、扉体の上縁部の動きを最適に制限することができる。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る発明による効果に加えて、接続金具の形状が単純なものとなり、従来とほとんど同じ方法によってフラップゲート用ヒンジ装置を製作及び施工可能であるので、フラップゲート用ヒンジ装置をより安価に提供でき、フラップゲートの設置をよりスムーズに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施例1のフラップゲートの側断面図及び正面図(下流水位が高い時)。
図2】実施例1のフラップゲートの側断面図(下流水位が低い時)。
図3】実施例1のフラップゲートにおけるヒンジ装置の拡大側断面図。
図4】実施例2のフラップゲートの側断面図及び正面図(扉体閉鎖時)。
図5】実施例2のフラップゲートの側断面図(上流水位が高い時)。
図6】実施例2のフラップゲートの側断面図(上流水位が低い時)。
図7】従来技術の接続金具を適用した場合の側断面図(上流水位が高い時)。
図8】従来技術の接続金具を適用した場合の側断面図(上流水位が低い時)。
図9】特許文献1に記載されているフラップゲートの側断面図。
図10】特許文献2に記載されているフラップゲートの側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施例によって本発明の実施形態を説明する。
【実施例1】
【0015】
下流水位が高い時における実施例1のフラップゲート1の側断面図及び正面図を、それぞれ図1(A)及び図1(B)に示す。
また、下流水位が低い時における実施例1のフラップゲート1の側断面図を図2に示す。
実施例1のフラップゲート1は、図1、2に示すように、扉体2及び水路出口の上部壁面3に扉体2を回動自在に懸垂するヒンジ装置4よりなっている。
そして、扉体2は、図1、2に示すように水路の出口より少し大きい面を有する直方体形状のものであり、その水路側になる面の周囲に水密ゴム5、上縁部に扉体側吊金具6が設けてある。
なお、水路の出口の周囲には戸当金物7が設置され、図1のように下流水位が高く、扉体2が閉じた状態において、水密ゴム5が圧着されるようになっている。
また、ヒンジ装置4は、扉体側吊金具6、水路出口の上部壁面3に固定されている戸当側吊金具8及び接続金具9から構成される。
【0016】
接続金具9は本発明の最も重要な構成要素であるところ、図1、2に示すように、L字型の金属板であり、接続金具9の角部に上部軸支部10が配置され、一端部に下部軸支部11が配置されており、戸当側吊金具8によって上部軸支部10が軸支され、扉体側吊金具6によって下部軸支部11が軸支されるようになっている。
そして、図1の状態におけるヒンジ装置4の拡大側断面図である図3に示すように、扉体2によって水路出口が閉鎖されている状態において、接続金具9の他端部の先端面12と戸当側吊金具8のベース板13との間に微小な隙間が形成されるようになっている。
【0017】
実施例1のフラップゲート1は上記のように構成されているため、下流水位が高い図1(A)の状態においては、扉体2が下流側からの水圧を受けて水路出口を閉鎖する方向に移動し、水密ゴム5は戸当金物7に圧着されるが、接続金具9は先端面12の上部がベース板13に突き当たるところから先端面12の下部がベース板13に突き当たるところまで、約4°の範囲で回動することができ、その動きによって扉体2の水密ゴム5は均等に戸当金物7に圧着される。
なお、扉体2の水密ゴム5が均等に戸当金物7に圧着されるためには、接続金具9の回動可能範囲は2~5°程度あれば十分である。
一方、下流水位が低い図2の状態においては、扉体2が上流側からの排水圧を受けて水路出口を開放する方向に移動し、水路の水は下流側に放出される。
そして、図2の状態においては接続金具9が約4°の範囲でしか回動できないので、扉体2が波浪の影響を受けても、扉体2の上縁部(水密ゴム5)が戸当金物7にぶつかって異音を発生する頻度は低くなる。
【実施例2】
【0018】
扉体閉鎖時における実施例2のフラップゲート21の側断面図及び正面図を、それぞれ図4(A)及び図4(B)に示す。
また、上流水位が高い時及び上流水位が低い時における実施例2のフラップゲート21の側断面図を、それぞれ図5及び図6に示す。
実施例2のフラップゲート21は、図4~6に示すように、扉体22、水路出口の上部壁面23に扉体22を回動自在に懸垂するヒンジ装置24、両ロッド式油圧シリンダ34及び図示しない油圧操作装置よりなっている。
そして、扉体22は、図4~6に示すように水路の出口より少し大きい面を有する直方体形状のものであり、その水路側になる面の周囲に水密ゴム25、上縁部に扉体側吊金具26及び扉体駆動アーム35が設けてある。
それから、両ロッド式油圧シリンダ34は、図4~6に示すように本体部が上部壁面23に回動自在に軸支されているとともに、ロッドの先端部が扉体駆動アーム35の上部に軸支されており、図示しない油圧操作装置でロッドの先端部の位置を制御することによって、扉体22を開閉操作できるようになっている。
例えば、ロッドの先端部を下方に位置させると図4のように水路出口は閉鎖状態となり、上方に位置させると図5及び図6のように水路出口は開放状態となる。
なお、水路の出口の周囲には戸当金物27が設置され、図4のように両ロッド式油圧シリンダ34の駆動により扉体22が閉じた状態において、水密ゴム25が圧着されるようになっている。
また、ヒンジ装置24は、実施例1と同様に、扉体側吊金具26、水路出口の上部壁面23に固定されている戸当側吊金具28及び接続金具29から構成される。
【0019】
接続金具29は、実施例1と同様、図4~6に示すように、L字型の金属板であり、接続金具29の角部に上部軸支部30が配置され、一端部に下部軸支部31が配置されており、戸当側吊金具28によって上部軸支部30が軸支され、扉体側吊金具26によって下部軸支部31が軸支されるようになっている。
そして、実施例2のフラップゲートにおいても実施例1と同様、接続金具29は先端面32の上部がベース板33に突き当たるところから先端面32の下部がベース板33に突き当たるところまで、約4°の範囲で回動することができるので、両ロッド式油圧シリンダ34の駆動により扉体22が水路出口を閉鎖する図4に示す状態において、扉体22の水密ゴム25は均等に戸当金物27に圧着される。
なお、実施例2においても、扉体22の水密ゴム25が均等に戸当金物27に圧着されるためには、接続金具29の回動可能範囲は2~5°程度あれば十分である。
【0020】
図5は上流水位が高い時におけるフラップゲート21の側断面図を示し、図6は上流水位が低い時におけるフラップゲート21の側断面図を示しているが、どちらの状態においても、両ロッド式油圧シリンダ34の駆動により、扉体22は水路出口を開放する状態に保持されている。
そして、上流水位が高く扉体22に浮力が発生する図5に示す状態及び上流水位が低く下流水位がさらに低くて扉体22に浮力が発生しない図6に示す状態のいずれにおいても、接続金具29が約4°の範囲でしか回動できないため、扉体22の開放状態はほぼ同じ角度に保持される。
これに対して、実施例2のフラップゲート21において、L字型の接続金具29に代えて従来技術である小判型の接続金具を適用した場合には、図7に示した従来技術の接続金具を適用した場合の側断面図(上流水位が高い時)及び図8に示した従来技術の接続金具を適用した場合の側断面図(上流水位が低い時)から分かるように、上流水位が低く下流水位がさらに低くて扉体22に浮力が発生しない図8に示す状態になると、小判型の接続金具の下部が上流側に移動するため、扉体22の開き角度が小さくなり、図7の時と同様の開放状態を保持することができない。
【0021】
実施例1及び2の変形例を列記する。
(1)実施例1及び2においては、接続金具9、29はL字型の金属板であったが、L字型の金属板に限らず、上部軸支部10、30及び下部軸支部11、31を有するとともに、上部軸支部10、30の近傍から延びる1又は複数の延長部を有するものであれば良い。
そして、戸当側吊金具8、28によって上部軸支部10、30が軸支され、かつ、扉体側吊金具6、26によって下部軸支部11、31が軸支された状態において、延長部の先端面とベース板13、33又は上部壁面3、23との間に微小な隙間が形成されるように配置可能となっていれば良い。
なお、複数の延長部や先端面が上下に広い延長部を設けた場合は、先端面の上部と下部の距離を大きく取ることができるので、接続金具が回動可能な範囲の調整がし易くなる。
【0022】
(2)実施例1及び2においては、接続金具9、29はL字型の金属板であり、また変形例(1)においては、接続金具は上部軸支部10、30及び下部軸支部11、31を有するとともに、上部軸支部10、30の近傍から延びる1又は複数の延長部を有するものであったが、L字型の金属板に代えてコ字型の金属板としても良く、上部軸支部10、30の近傍から延びる1又は複数の延長部に加えて下部軸支部11、31の近傍から延びる副延長部を設けたものとしても良い。
そうした場合、扉体2、22によって水路出口が閉鎖される状態において、コ字型の金属板の下側の先端面とベース板13、33との間にも微小な隙間ができるようにし、同様に副延長部の先端面と戸当側吊金具のベース板13、33との間又は副延長部の先端面と上部壁面3、23との間にも微小な隙間が形成されるようにする。
そうすることにより、接続金具が上流側に回動する時に先端面に加わる荷重が分散されるので、接続金具やベース板13、33等の摩滅が軽減される。
【0023】
(3)実施例1及び2においては、先端面12、32とベース板13、33との間に、また変形例(1)においては、延長部の先端面とベース板13、33又は上部壁面3、23との間に微小な隙間が形成されるようになっていたが、微小な隙間ができる部分に柔軟な部材や弾力のある部材を設置しても良い。
そうすることにより、接続金具とベース板13、33や上部壁面3、23との衝突音やきしみ音が小さくなり、接続金具の回動範囲の調整ができる。
(4)実施例1及び2においては、ヒンジ装置4、24を2つ用いたが、小規模のフラップゲートであればヒンジ装置は1つだけでも良く、大規模のフラップゲートであればヒンジ装置を3つ以上用いても良い。
【符号の説明】
【0024】
1、21 フラップゲート 2、22 扉体 3、23 上部壁面
4、24 ヒンジ装置 5、25 水密ゴム 6、26 扉体側吊金具
7、27 戸当金物 8、28 戸当側吊金具 9、29 接続金具
10、30 上部軸支部 11、31 下部軸支部
12、32 他端部の先端面 13、33 ベース板
34 両ロッド式油圧シリンダ 35 扉体駆動アーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10